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特表2024-530796気筒休止及び選択的なバルブリフト能力を備えたロッカシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】気筒休止及び選択的なバルブリフト能力を備えたロッカシステム
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
F01L13/00 303A
F01L13/00 302F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514106
(86)(22)【出願日】2022-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022075811
(87)【国際公開番号】W WO2023034896
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,539
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522175783
【氏名又は名称】カミンズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUMMINS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミッチャム、グレゴリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】セシル、アダム シー.
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ、デイヴィッド エム.
(72)【発明者】
【氏名】バーダックジー、スコット ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ハッサル、ナサニエル ピー.
【テーマコード(参考)】
3G018
【Fターム(参考)】
3G018AA05
3G018AA12
3G018AB04
3G018AB11
3G018AB17
3G018BA14
3G018BA27
3G018CB06
(57)【要約】
内燃エンジンシステムは、複数の気筒のそれぞれに収容された複数のピストンを有するエンジンを含む。公称エンジン動作中に気筒の吸気バルブ及び排気バルブを開閉するためのバルブトレインが提供される。バルブトレインはまた、気筒休止のために、かつ吸気バルブ及び/又は排気バルブの開閉の1つ以上の選択されたリフトプロファイルを提供するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジンのロッカシステムであって、前記ロッカシステムが、
カムシャフトの少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーと、
前記エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーであって、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている、少なくとも1つの出力ロッカレバーと、
少なくとも1つのバルブリフトスイッチであって、
前記少なくとも1つのカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するために、前記少なくとも1つの入力ロッカレバー及び前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いに接続し、
前記少なくとも1つの入力ロッカレバー及び前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いから接続解除するように動作可能な、少なくとも1つのバルブリフトスイッチと、
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチによって前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能な少なくとも1つの追加の入力ロッカレバー又は出力ロッカレバーと、を備えている、ロッカシステム。
【請求項2】
前記排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブのうちの少なくとも1つを前記出力ロッカレバーに接続するラッシュアジャスタを更に備えている、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、前記カムシャフトの第1のカムシャフトローブ及び第2のカムシャフトローブのそれぞれから受け取った運動に応答して各々が前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバー及び第2の入力ロッカレバーを含む、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチが、前記第1及び第2の入力ロッカレバーの各々を前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続するように動作可能である、請求項3に記載のロッカシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチが、前記第1の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに選択的に接続するための第1のバルブリフトスイッチと、前記第2の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに選択的に接続するための第2のバルブリフトスイッチと、を含む、請求項3に記載のロッカシステム。
【請求項6】
前記第1のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第1の入力ロッカレバーとの間に延在する第1の孔内に収容された第1のピンアセンブリを含み、前記第1のピンアセンブリが、第1のバルブリフトピンを含み、前記第1のバルブリフトピンが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第1の入力ロッカレバーが前記エンジン構成要素の周りを一緒に回転するように、前記第1のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを前記第1の入力ロッカレバーに接続する第1の位置から、前記第1の入力ロッカレバーが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除されて前記第1の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第1のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第1の入力ロッカレバーのうちの1つに収容される前記第1の孔内の第2の位置まで、前記第1の孔内を移動可能であり、
前記第2のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第2の入力ロッカレバーとの間に延在する第2の孔内に収容された第2のピンアセンブリを含み、前記第2のピンアセンブリが、第2のバルブリフトピンを含み、前記第2のバルブリフトピンが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーが前記エンジン構成要素の周りを一緒に回転するように、前記第2のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを前記第2の入力ロッカレバーに接続する第1の位置から、前記第2の入力ロッカレバーが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除されて前記エンジン構成要素の周りの前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第2のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーのうちの1つに収容される前記第2の孔内の第2の位置まで、前記第2の孔内を移動可能である、請求項5に記載のロッカシステム。
【請求項7】
気筒休止動作モードでは、前記エンジン構成要素の周りの前記第1の入力ロッカレバーの回転及び前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第1のバルブリフトピン及び前記第2のバルブリフトピンが各々、前記第1の孔及び前記第2の孔内の前記第2の位置にそれぞれ配置される、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項8】
標準リフト動作モードでは、前記エンジン構成要素の周りの前記第1の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達され、前記エンジン構成要素の周りの前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第1のバルブリフトピンが前記第1の孔内の前記第1の位置に配置され、前記第2のバルブリフトピンが前記第2の孔内の前記第2の位置に配置される、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項9】
補助リフト動作モードでは、前記エンジン構成要素の周りの前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されるように、少なくとも前記第2のバルブリフトピンが前記第2の孔内の前記第1の位置に配置される、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項10】
前記第1のバルブリフトピンが、互いから離れて前記第1の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して前記第1の位置から前記第2の位置まで移動可能である第1及び第2のシャーピン部を前記第1の孔内に含み、
前記バルブリフトピンが、互いから前記第2の位置に向かって付勢され、液圧流体圧力を介して前記第2の位置から前記第1の位置まで移動可能である第3及び第4のシャーピン部を前記第2の孔内に含む、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項11】
前記第1のバルブリフトピンが、前記第1の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して前記第1の位置から前記第2の位置まで移動可能である、前記第1の孔内で互いに当接係合する第1及び第2のシャーピン部を含み、
前記第2の孔内の前記第2のバルブリフトピンが、前記第2の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して前記第2の位置から前記第1の位置まで移動可能である、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、
前記カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な標準リフト入力ロッカレバーと、
前記カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第1の補助リフト入力ロッカレバーと、
前記カムシャフトの第3のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第2の補助リフト入力ロッカレバーと、を含む、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの出力ロッカレバーが、第2のアームから離間された第1のアームを備えたロッカ本体を含み、前記第1及び第2のアームが、前記エンジン構成要素の周りに配置されるように構成されており、前記標準リフト入力ロッカレバーを受容するための空間を第1のアームと第2のアームとの間に形成し、前記第1の補助リフト入力ロッカレバーが、前記標準リフト入力ロッカレバーとは反対の前記第1のアームの側の前記エンジン構成要素上に位置決めされており、前記第2の補助リフト入力ロッカレバーが、前記標準リフト入力ロッカレバーとは反対の前記第2のアームの側の前記エンジン構成要素上に位置決めされている、請求項12に記載のロッカシステム。
【請求項14】
前記標準リフト入力ロッカレバー、前記第1の補助リフト入力ロッカレバー、及び前記第2の補助リフト入力ロッカレバーの各々が、前記カムシャフトの前記第1、第2、及び第3のカムシャフトローブのそれぞれと直接的又は間接的に接触するローラを含む、請求項13に記載のロッカシステム。
【請求項15】
前記標準リフト入力ロッカレバー、前記第1の補助リフト入力ロッカレバー、及び前記第2の補助リフト入力ロッカレバーの各々が、前記出力ロッカレバーに接触して、前記ローラを付勢して前記カムシャフトの前記第1、第2、及び第3のカムシャフトローブの前記それぞれと直接的又は間接的に接触させる第1、第2、及び第3の付勢ばねのそれぞれに係合されている、請求項14に記載のロッカシステム。
【請求項16】
内燃エンジンのロッカシステムであって、前記ロッカシステムが、
カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバー、
前記カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第2の入力ロッカレバー、
前記エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーであって、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている、少なくとも1つの出力ロッカレバー、
第1のバルブリフトスイッチ及び第2のバルブリフトスイッチであって、
前記第1のバルブリフトスイッチが、前記第1の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、前記第1のカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能であり、
前記第2のバルブリフトスイッチが、前記第2の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、前記第2のカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能であり、
前記第1及び第2のバルブリフトスイッチが、前記第1及び第2のカムシャフトローブからの運動が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記それぞれの第1及び第2の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除するように動作可能である、第1のバルブリフトスイッチ及び第2のバルブリフトスイッチ、を備えている、ロッカシステム。
【請求項17】
前記第1のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第1の入力ロッカレバーとの間に延在する第1の孔内に収容されており、
前記第2のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第2の入力ロッカレバーとの間に延在する第2の孔内に収容されている、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項18】
前記第1のバルブリフトスイッチ及び前記第2のバルブリフトスイッチが各々、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに対して前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーのうちの対応する1つを接続及び接続解除するように液圧で制御される、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項19】
前記カムシャフトの第3のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第3の入力ロッカレバーを更に備え、
前記第3の入力ロッカレバーが、前記第3のカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように、前記第2のスイッチによって前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能であり、
前記第3のロッカレバーが、前記第3のカムシャフトローブからの運動が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除可能である、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項20】
前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第2の出力ロッカレバーであって、前記第2の出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの他の排気バルブ又は少なくとも1つの他の吸気バルブの開閉を制御するように構成されている、第2の出力ロッカレバーを更に備え、
前記第1のスイッチが、前記第2の出力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続及び接続解除するように動作可能である、請求項16に記載のロッカシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月1日に出願された米国仮特許出願第63/239,539号の利益を主張するものであり、当該仮特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、内燃エンジンシステムに関し、より具体的には、限定することなく、気筒休止及び選択的なバルブリフト能力を備えたロッカシステムを含む、内燃エンジンのバルブトレインに関する。
【0003】
低エンジン負荷時の気筒休止は、燃料を節約し、高められた効率で動作させるために、特定の動作状態中に、エンジン気筒の一部の吸気バルブ及び排気バルブを閉じたままにすることによって達成することができる。気筒休止は、典型的には、休止させた気筒で動作するカムプロファイルを公称プロファイルからゼロプロファイルに切り替えることが必要である。圧縮開放ブレーキは、気筒からの圧縮開放を提供する対応するクランク角中に、ブレーキリフトのために排気バルブを開くカムプロファイルによって達成することができる。したがって、この技術分野に更に貢献するための継続的な要求が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本出願の一実施形態では、内燃エンジンのロッカシステムが開示される。ロッカシステムは、カムシャフトの少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーを含む。ロッカシステムはまた、エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーも含む。少なくとも1つの出力ロッカレバーは、内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている。ロッカシステムはまた、少なくとも1つのバルブリフトスイッチも含み、これは、少なくとも1つのカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するために、少なくとも1つの入力ロッカレバー及び少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いに接続し、少なくとも1つの入力ロッカレバー及び少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いから接続解除するように動作可能である。ロッカシステムは、少なくとも1つのバルブリフトスイッチによって少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能な、少なくとも1つの追加の入力ロッカレバー又は出力ロッカレバーを更に含む。
【0005】
別の実施形態では、内燃エンジンのロッカシステムが開示される。ロッカシステムは、カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバーと、カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第2の入力ロッカレバーと、を含む。ロッカシステムは、エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーを含み、少なくとも1つの出力ロッカレバーは、内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている。ロッカシステムは、第1のバルブリフトスイッチと、第2のバルブリフトスイッチと、を含む。第1のバルブリフトスイッチは、第1の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、第1のカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能である。第2のバルブリフトスイッチは、第2の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、第2のカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能である。第1及び第2のバルブリフトスイッチは、第1及び第2のカムシャフトローブからの運動が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、それぞれの第1及び第2の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除するように動作可能である。
【0006】
本概要は、例示的な実施形態において下で更に説明される一連の概念を導入するために提供される。本概要は、特許請求される主題の主要な又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定する際の補助として使用されることを意図するものでもない。更なる実施形態、形態、目的、特徴、利点、態様、及び利益は、以下の説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】少なくとも1つの気筒の交互バルブリフト及び気筒休止能力を提供するバルブトレインを備えた内燃エンジンシステムの1つの実施形態の概略図である。
図2図1の内燃エンジンシステムの気筒及び概略的なバルブ作動機構の1つの実施形態の線図及び概略図である。
図3】標準動作モード中の及び例示的なブレーキ動作モード中の図1の内燃エンジンシステムの気筒の吸気バルブ及び排気バルブの例示的なリフトプロファイルのグラフィック表現である。
図4図1の内燃エンジンシステムの気筒のバルブ作動システム並びに吸気バルブ及び排気バルブを示す斜視図である。
図5図4のバルブ作動システム並びに吸気バルブ及び排気バルブの立面図である。
図6図4のバルブ作動システムのロッカシステムの1つの実施形態の斜視図である。
図7図6のロッカシステムの平面図である。
図8図6のロッカシステムの立面図である。
図9】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及び補助リフト動作モードを示す、図6のロッカシステムの断面図である。
図10】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及び補助リフト動作モードを示す、図6のロッカシステムの断面図である。
図11】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及び補助リフト動作モードを示す、図6のロッカシステムの断面図である。
図12図1の内燃エンジンの気筒のロッカシステムの別の実施形態の立面図である。
図13図12のロッカシステムの平面図である。
図14】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及びブレーキ動作モードを示す、図12のロッカシステムの断面図である。
図15】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及びブレーキ動作モードを示す、図12のロッカシステムの断面図である。
図16】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及びブレーキ動作モードを示す、図12のロッカシステムの断面図である。
図17図12のロッカシステムの組み立て方法を示す断面図である。
図18図12のロッカシステムの組み立て方法を示す断面図である。
図19図1の内燃エンジンの気筒のロッカシステムの別の実施形態の斜視図である。
図20】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及びブレーキ動作モードを示す、図19のロッカシステムの断面図である。
図21】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及びブレーキ動作モードを示す、図19のロッカシステムの断面図である。
図22】それぞれ、標準リフトモード、気筒休止モード、及びブレーキ動作モードを示す、図19のロッカシステムの断面図である。
図23】ストップピンを示す、図19のロッカシステムの別の断面図である。
図24】ストップピンを示す、図23のロッカシステムの斜視図である。
図25図1の内燃エンジンの気筒のロッカシステムの別の実施形態の斜視図である。
図26図25のロッカシステムの平面図である。
図27図25のロッカシステムの立面図である。
図28図25のロッカシステムの断面図である。
図29図1の内燃エンジンの気筒のロッカシステムの別の実施形態の斜視図である。
図30図29のロッカシステムの断面図である。
図31図1の内燃エンジンの2つの気筒の吸気側ロッカシステム及び排気側ロッカシステムの別の実施形態の平面図である。
図32図31の排気側ロッカシステムの断面図である。
図33図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図35図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図36図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図37図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図38図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図39図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図40図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
図41図1の内燃エンジンの気筒の別の実施形態のロッカシステムの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、本発明の原理に関する理解を促進するために多くの異なる形態をとり得るが、以下、図面に例示される実施形態を参照し、実施形態を説明するために特定の文言が使用される。それでもなお、それによって本発明の範囲を限定することを意図していないことが理解されるであろう。説明される実施形態の任意の変更及び更なる修正、並びに本明細書に記載される本発明の原理の任意の更なる応用は、本発明が関連する当業者に通常起こることが企図される。
【0009】
図1図41を参照すると、本出願の実施形態は、一意のシステムを含み、システムは、例えば対応する気筒14に圧縮開放ブレーキ又はスワールを提供するために、低負荷効率向上のための気筒休止、気筒14の吸気バルブ及び/又は排気バルブのための標準リフト又は公称リフト、並びに気筒14のうちの1つ以上の選択的なリフト、のうちの1つを使用して、内燃エンジン12の1つ以上の気筒14を動作させる。他の実施形態は、バルブトレインを備えた内燃エンジンシステム10に関するシステムを含み、このバルブトレインは、1つ以上の気筒14が、公称排気バルブ及び吸気バルブリフト、気筒休止、並びに/又はリフト高さ及び/若しくはリフトタイミングをその標準リフトから変化させる選択的な吸気バルブ及び/若しくは排気バルブリフト、の下で動作させることができるように構成されている。
【0010】
一実施形態では、内燃エンジン12のロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700が、本開示の一実施形態に従って本明細書に開示される。ロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700は、カムシャフト92、94の少なくとも1つのカムシャフトローブ92a、94a、92b、94b、92c、94cから受け取った運動に応答してエンジン構成要素120の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバー104、106、108、304、306、308、504、506、508、706、806、808、904、906、994、996、1010、1110、1202、1310、1410、1412、1510、1512、1514、1610、1612、1710、1712と、エンジン構成要素120の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802と、を含む。少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802は、内燃エンジン12の気筒14と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ24又は少なくとも1つの吸気バルブ22の開閉を制御するように構成されている。ロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700は、少なくとも1つのカムシャフトローブ92a、94a、92b、94b、92c、94cからの運動を少なくとも1つの排気バルブ24又は少なくとも1つの吸気バルブ22に伝達するために、少なくとも1つの入力ロッカレバー104、106、108、304、306、308、504、506、508、706、806、808、904、906、994、996、1010、1110、1202、1310、1410、1412、1510、1512、1514、1610、1612、1710、1712と、少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802とを互いに接続し、少なくとも1つの入力ロッカレバー104、106、108、304、306、308、504、506、508、706、806、808、904、906、994、996、1010、1110、1202、1310、1410、1412、1510、1512、1514、1610、1612、1710、1712、及び少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802を互いから接続解除するように動作可能な、少なくとも1つのバルブリフトスイッチ150、200、350、400、550、600、750、850、870、920、940を含む。ロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700は、少なくとも1つのバルブリフトスイッチ150、200、350、400、550、600、750、850、870、920、940によって、少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802に接続可能な、少なくとも1つの追加の入力ロッカレバー又は出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802を含む。
【0011】
本開示の別の実施形態によれば、内燃エンジン12のロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700が開示される。ロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700は、カムシャフト92、94の第1のカムシャフトローブ92a、94aから受け取った運動に応答してエンジン構成要素120の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバー104、304、504、706、806、904、994、1010、1110、1202、1310、1410、1510、1610、1710と、カムシャフト92、94の第2のカムシャフトローブ92b、94bから受け取った運動に応答してエンジン構成要素120の周りを回転可能な第2の入力ロッカレバー106、108、306、308、506、508、808、906、996、1412、1512、1514、1612、1712と、エンジン構成要素120の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802と、を含む。少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802は、内燃エンジン12の気筒14に関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ24又は少なくとも1つの吸気バルブ22の開閉を制御するように構成されている。ロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700はまた、第1のバルブリフトスイッチ150、350、550、750、850、920と、第2のバルブリフトスイッチ200、400、600、870、940と、を含む。第1のバルブリフトスイッチ150、350、550、750、850、920は、第1の入力ロッカレバー104、304、504、706、806、904、994、1010、1110、1202、1310、1410、1510、1610、1710を、少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802に接続して、第1のカムシャフトローブ92a、94aからの運動を少なくとも1つの排気バルブ24又は少なくとも1つの吸気バルブ22に伝達するように動作可能である。第2のバルブリフトスイッチ200、400、600、870、940は、第2の入力ロッカレバー106、108、306、308、506、508、808、906、996、1412、1512、1514、1612、1712を、少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802に接続して、第2のカムシャフトローブ92b、94bからの運動を少なくとも1つの排気バルブ24又は少なくとも1つの吸気バルブ22に伝達するように動作可能である。第1のバルブリフトスイッチ150、350、550、750、850、920及び第2のバルブリフトスイッチ200、400、600、870、940は、それぞれの第1の入力ロッカレバー104、304、504、706、806、904、994、1010、1110、1202、1310、1410、1510、1610、1710及び第2の入力ロッカレバー106、108、306、308、506、508、808、906、996、1412、1512、1514、1612、1712を、少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802から接続解除して、それにより、第1のカムシャフトローブ92a、94a及び第2のカムシャフトローブ92b、94bからの運動が、少なくとも1つの出力ロッカレバー102、302、502、702、704、802、804、902、992、1002、1004、1102、1302、1304、1402、1502、1504、1602、1702、1802に伝達されないように動作可能である。
【0012】
図1を参照すると、例えば内燃エンジン12を含む、内燃エンジンシステム10が示されている。圧縮点火、火花点火、及びこれらの組み合わせを含む、任意のエンジン型式が企図される。エンジン12は、複数の気筒14を含むことができる。図1は、単に例示の目的で、直列配置の6つの気筒14を含む配置の複数の気筒14を例示する。内燃エンジン12での使用に適している任意の数の気筒及び任意の配置の気筒を利用することができる。使用することができる気筒14の数は、例えば、2~18気筒の範囲、又はそれ以上であり得る。更に、以下の説明は、気筒14のうちの1つを参照することがある。図2及び本明細書の他の場所に記載される気筒14に関する対応する特徴は、特に明記しない限り、エンジン12の他の気筒14の全て又はサブセットに存在し得ることを認識されたい。
【0013】
本明細書で論じられるように、内燃エンジンシステム10は、ロッカシステムを備えたバルブ作動システムを含み、更に下で論じられるその実施形態は、エンジン12の関連付けられた気筒14の吸気バルブ及び/又は排気バルブを開閉するように構成されている。ロッカシステムは、機能動作モードを達成するために1つ以上の入力ロッカレバーに選択的に接続可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーを含む。本開示のロッカシステムによって達成することができる機能動作モードとしては、例えば、公称又は標準の吸気バルブ及び排気バルブ動作、ミラーサイクルの吸気バルブ動作、4行程エンジン圧縮ブレーキの排気バルブ動作、吸気バルブ及び/若しくは排気バルブの気筒休止、吸気バルブ及び排気バルブの2行程エンジン圧縮ブレーキ、可変スワールの吸気バルブ動作、並びに/又は動的スキップファイア、が挙げられる。
【0014】
気筒14の例示的な一実施形態が図2に示されており、本明細書では、任意の好適な気筒の実施形態が企図されることが理解される。気筒14は、典型的には、ピストン16が気筒14の燃焼チャンバ28内を往復移動することによって回転するクランクシャフト18に動作可能に取り付けられた、ピストン16を収容する。気筒14の気筒頭部20内には、少なくとも1つの吸気バルブ22と、少なくとも1つの排気バルブ24と、特定の実施形態では、気筒14によってピストン16と気筒頭部20との間に形成された燃焼チャンバ28に燃料を提供する燃料噴射器26と、が存在する。他の実施形態では、燃料は、ポート噴射によって、又は燃焼チャンバ28上流の吸入システム内のインジェクションによって、燃焼チャンバ28に提供することができる。更に、以下の議論では、各気筒14は、2つの吸気バルブ22と、2つの排気バルブ24と、を含むが、それらが全ての実施形態において必要なわけではない。
【0015】
本明細書における「4行程」という用語は、ピストン16がエンジンのクランクシャフト18の2つの別々の回転中に完了する燃焼サイクルである、以下の4つの行程-吸気、圧縮、燃焼、及び排気-を意味する。行程は、ピストン16が気筒14の気筒頭部20の頂部にあるときの上死点(top dead center、TDC)、又はピストン16が気筒14のその最下点に到達したときの下死点(bottom dead center、BDC)から始まる。
【0016】
図3を更に参照すると、吸気バルブ(intake valve、IV1)及び排気バルブ(exhaust valve、EV1)の燃焼サイクル中の、例示的な公称又は標準吸気バルブ及び排気バルブの開閉プロファイルが示されている。IV1の吸気行程中に、ピストン16は気筒14の気筒頭部20から離れて気筒の底部(図示せず)まで下降し、それによって、気筒14の燃焼チャンバ28内の圧力を低下させる。吸気バルブ22が開いたときに吸気バルブ22を通して空気を吸入することによって、燃焼チャージが燃焼チャンバ28内で生じる。
【0017】
燃料噴射器26からの燃料は、例えば、燃料タンク32に接続された高圧コモンレールシステム30(図1)によって供給することができる。燃料タンク32からの燃料は、燃料ポンプ(図示せず)によって吸引されて、コモンレール燃料システム30に送給される。燃料ポンプから送給された燃料は、コモンレール燃料システム30内に蓄積され、蓄積された燃料は、燃料ライン34を通して各気筒14の燃料噴射器26に供給される。コモンレールシステム内に蓄積された燃料は、各気筒14の燃焼チャンバ28に送達される燃料の燃料圧力を上昇させて制御するように加圧することができる。しかしながら、上述したように、任意のタイプの燃料送達システムが企図される。
【0018】
図3のIV1及びEV1によって示されるように、標準動作モードにおける圧縮行程中は、吸気バルブ22及び排気バルブ24が閉じられている。ピストン16がTDCに向かって戻り、TDC付近での主噴射事象において燃料が圧縮空気中に噴射され、短い遅延の後に、圧縮混合気が燃焼チャンバ28内で発火する。エンジン12がディーゼルエンジンである場合、これは、燃焼チャージの発火をもたらす。空気と燃料の発火は、燃焼チャンバ28内の圧力を急激に上昇させ、この圧力が、BDCに向かう燃焼行程中にピストン16に印加される。燃焼チャンバ28内の燃焼位相は、燃焼チャンバ28内の圧力の上昇がピストン16を押して、ピストン16が正味の正の力/作業/動力を提供するように較正される。
【0019】
図3のEV1によって示されるように、排気行程中には、ピストン16がTDCに向かって戻り、一方で、排気バルブ24が開く。この動作により、燃焼チャンバ28内での燃料の燃焼による燃焼生成物を排出して、使用済みの混合気(排気ガス)を、排気バルブ24を通して外へ吐出する。次の燃焼サイクルは、下で更に論じるように、気筒休止状態又は交互バルブリフト状態が要求されない限り、これらの同じ吸気バルブ及び排気バルブの開閉プロファイルを使用して生じる。
【0020】
図1を再度参照すると、吸気は、吸気通路36及び吸気マニホールド38を通って流れた後に、吸気バルブ22に到達する。吸気通路36は、ターボチャージャ40の圧縮機40a及び吸気スロットル42に接続され得る。吸気は、エアクリーナ(図示せず)によって浄化し、圧縮機40aによって圧縮し、次いで、吸気スロットル42を通して燃焼チャンバ28内へ吸引することができる。吸気スロットル42は、気筒14内への空気の流れに影響を及ぼすように制御することができる。
【0021】
吸気通路36には、圧縮機40aの下流に提供される任意選択のクーラ44を更に設けることができる。一例では、クーラ44は、チャージエアクーラ(charge air cooler、CAC)とすることができる。この例では、圧縮機40aは、吸気の温度及び圧力を上昇させることができ、一方で、CAC44は、チャージ密度を上昇させて、より多くの空気を気筒に提供することができる。別の例では、クーラ44は、低温アフタークーラ(low temperature aftercooler、LTA)とすることができる。CAC44は、冷却媒体として空気を使用し、一方で、LTAは、冷却媒体として冷却剤を使用する。
【0022】
排気ガスは、燃焼チャンバ28から、気筒14を排気通路46に接続する排気マニホールド48からの排気通路46内へ流出する。排気通路46は、ターボチャージャ40のタービン40b及びウェイストゲート50に、次いで、後処理システム52に接続されている。燃焼チャンバ28から排出された排気ガスは、タービン40bを駆動して回転させる。ウェイストゲート50は、排気ガスの一部が通路54を通ってタービン40bをバイパスすることを可能にする装置である。ウェイストゲート50は、開/閉(二位置)型バルブ、又はバイパス流量の制御を可能にするフルオーソリティバルブ、又はそれらの間の任意のものであり得る制御バルブ56を含むことができる。排気通路46は、更に又は代替的に、排気通路46を通る排気ガスの流量を調節するための排気スロットル58を含むことができる。バイパス流量及びタービン流量の組み合わせであり得る排気ガスは、次いで、後処理システム52に進入する。他の実施形態は、可変吸気口タービン、タービンのないシステム、及び/又は圧縮機のないシステムを企図する。
【0023】
任意選択的に、排気ガスの一部は、EGR通路(図示せず)を介して吸入システム内へ再循環させることができる。EGR通路は、タービン40bの上流の排気通路を、吸気スロットル42の下流の吸気通路36に接続することができる。代替的又は追加的に、低圧EGRシステム(図示せず)を、タービン40bの下流に及び圧縮機40aの上流に提供することができる。EGRバルブは、EGR通路を通るEGRの流量を調節するために提供することができる。EGR通路には、EGRクーラ及びEGRクーラの周りのバイパスを更に設けることができる。
【0024】
後処理システム52は、排気ガス中の一酸化炭素、一酸化窒素、二酸化窒素、炭化水素、及び/又は煤煙を含む有害成分であり得る、排気ガスからの材料を取り扱う及び/又は除去するのに有用な1つ以上の装置を含み得る。いくつかの例では、後処理システム52は、触媒装置及び粒子状物質フィルタのうちの少なくとも1つを含むことができる。触媒装置は、ディーゼル酸化触媒(diesel oxidation catalyst、DOC)装置、アンモニア酸化(ammonia oxidation、AMOX)触媒装置、選択触媒還元(selective catalytic reduction、SCR)装置、三元触媒(three-way catalyst、TWC)、リーンNOXトラップ(lean NOX trap、LNT)などとすることができる。還元触媒としては、任意の好適な還元触媒(例えば、尿素選択還元触媒)を挙げることができる。粒子状物質フィルタは、ディーゼル微粒子フィルタ(diesel particulate filter、DPF)、部分流粒子フィルタ(partial flow particulate filter、PFF)などとすることができる。PFFは、流れの一部分中の粒子状物質を捕捉するように機能し、対照的に、排気ガスの全量は、粒子フィルタを通過する。
【0025】
コントローラ80は、各種センサから入力としてデータを受信し、各種アクチュエータへ出力としてコマンド信号を送信するために提供される。採用され得る様々なセンサ及びアクチュエータのいくつかを、以下で詳細に説明する。コントローラ80は、例えば、プロセッサ、メモリ、クロック、及び入力/出力(input/output、I/O)インターフェースを含むことができる。
【0026】
システム10は、吸気マニホールド圧力/温度センサ70、排気マニホールド圧力/温度センサ72、1つ以上の後処理センサ74(差圧センサ、温度センサ、圧力センサ、成分センサ、など)、エンジンセンサ76(燃焼チャンバに供給される混合気の空燃比、クランク角、クランクシャフトの回転速度、などを検出することができる)、並びに燃料、コモンレール38、及び/又は燃料噴射器26の燃料圧力及び/又は他の特性を検出するための燃料センサ78、などの、様々なセンサを含む。エンジンシステムの当技術分野で既知の任意の他のセンサが企図される。
【0027】
システム10はまた、吸気バルブ22を開閉するための、排気バルブ24を開閉するための、燃料噴射器26からの燃料を噴射するための、ウェイストゲートバルブ56を開閉するための、吸気スロットル42のための、及び/又は排気スロットル58のための、様々なアクチュエータも含むことができる。図1にはアクチュエータが例示されていないが、当業者は、構成要素の各々が意図した機能を実行するために必要な機構をどのように実装するのかを知っているであろう。更に、1つの実施形態では、吸気バルブ22及び排気バルブ24を開閉するためのアクチュエータは、図2に概略的に示されるようなバルブ作動(valve actuation、VA)システム90の一部として提供される。
【0028】
図4図11を参照すると、VAシステム90の1つの実施形態に関する更なる詳細が示されており、VAシステム90は、気筒休止状態の下で気筒14のうちの1つ以上の気筒休止を、並びに/又は上で論じた標準リフトプロファイルに加えて、1つ以上の気筒14の吸気バルブ及び/又は排気バルブの交互リフトプロファイルを提供するように適用可能である。図4図5は、吸気側の第1のVAシステム90a及び排気側の第2のVAシステム90bを示し、これらは本明細書では集合的に及び個々にVAシステム90と称され得る。VAシステム90は、吸気バルブ22の一方又は両方の動作のために、排気バルブ24の一方又は両方の動作のために、吸気バルブ22のうちの1つ及び排気バルブ24のうちの1つの動作のために、又は、吸気バルブ22及び排気バルブ24の全ての動作のために提供することができる。加えて、VAシステム90aは、排気バルブ24の1つ以上のリフトプロファイルとは異なる、吸気バルブ22の1つ以上のリフトプロファイルを提供することができる。
【0029】
具体的には、VAシステム90aは、気筒14のうちの1つ以上に沿って吸気側カムシャフト92のローブに係合するように構成されたロッカシステム100aを含む。代替的又は追加的に、VAシステム90bは、気筒14のうちの1つ以上に沿って排気側カムシャフト94のローブに係合するように構成された、同じ、同様の、又は異なるロッカシステム100bを含み得る。ロッカシステム100a、100bは、本明細書では個々に又は集合的にロッカシステム100と称され得る。
【0030】
例示される実施形態では、カムシャフト92は、吸気バルブ22の少なくとも2つの異なるバルブリフトプロファイルを提供する3つのカムシャフトローブ92a、92b、92cを含み、カムシャフト94は、排気バルブ94の少なくとも2つの異なるバルブリフトプロファイルを提供する3つのカムシャフトローブ94a、94b、94cを含む。他の実施形態では、カムシャフト92、94の一方又は両方の2つだけのローブ又は4つ以上のローブが企図される。例示される実施形態でのそれぞれのカムシャフトの3つのカムシャフトローブは、例えば、関連付けられたバルブ22、24の関連付けられた公称又は標準リフトプロファイル、並びにそのそれぞれのバルブシートからのバルブリフトの高さ及び/又はタイミングが標準リフトプロファイルとは異なる、バルブ22、24及びの1つ以上の補助リフトプロファイルを提供することができる。
【0031】
図6図8を更に参照すると、ロッカシステム100は、出力ロッカレバー102と、第1の入力ロッカレバー104と、第2の入力ロッカレバー106と、第3の入力ロッカレバー108と、を含み、各々が、横並びの関係で、ロッカシャフトなどのエンジン構成要素120に回転可能に取り付けられている。第1の入力ロッカレバー104は、対応するカムシャフトローブ92a、94aと直接的又は間接的に接触する第1のローラ110を含む。第2の入力ロッカレバー106は、対応するカムシャフトローブ92b、94bと直接的又は間接的に接触する第2のローラ112を含む。第3の入力ロッカレバー108は、対応するカムシャフトローブ92c、94cと直接的又は間接的に接触する第3のローラ114を含む。
【0032】
下で更に論じるように、入力ロッカレバー104、106、108のうちの1つ以上は、出力ロッカレバー102と選択的に接続可能であるように制御して、それぞれのカムシャフトローブ92a、94a、92b、94b、92c、94cからの運動を、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブに伝達する。加えて、入力ロッカレバー104、106、108は、気筒休止中にバルブリフトが提供されないように、出力ロッカレバー102から選択的に接続解除されるように制御することができる。出力ロッカ102と、入力ロッカ104、106、及び/又は108との制御可能な接続及び接続解除は、出力ロッカ102から入力ロッカ104、106、及び/又は108への係合によって、入力ロッカ104、106、及び/又は108から出力ロッカ102への係合によって、並びにそれらの組み合わせによって生じさせることができる。
【0033】
付勢機構122は、ばね124、126、128を含み、これらのばねの各々は、出力ロッカレバー102、及び入力ロッカレバー104、106、108のそれぞれと接触して、対応するローラ110、112、114を、それぞれのカムシャフトローブ92a、94a、92b、94b、96a、96cと直接的又は間接的に接触させるように付勢する。出力ロッカレバー102のそれぞれのアーム102a、102bに、更には、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの対応するバルブに接続される液圧ラッシュアジャスタ130、132も例示されている。ラッシュアジャスタ130、132はまた、機械的ラッシュアジャスタであり得る。例示される実施形態では、付勢機構122は、液圧ラッシュアジャスタ130、132とは反対のロッカシステム100の側に位置付けられているが、そのような位置決めが必要なわけではない。
【0034】
別の実施形態では、ラッシュアジャスタ130、132の代わりに又はそれに加えて、調節ねじ又は象足状部が提供され得る。気筒頭部20に取り付けるためのロッカ台座134も提供され得るが、ロッカ台座134のない実施形態も企図される。加えて、ロッカレバーが載置される気筒頭部に組み込まれたエンドピボットなどの任意の好適なエンジン構成要素120の周りにロッカレバーが載置可能である、ロッカシャフトのない実施形態が企図される。
【0035】
ロッカシステム100は、第1のバルブリフトスイッチ150を含み、これは、第1の入力ロッカレバー104と出力ロッカレバー102とを互いに選択的に接続及び接続解除して、関連付けられたカムシャフトローブ92a、94aと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するように、又はそれらの間の運動の伝達を阻止するように制御される。ロッカシステム100はまた、第2のバルブリフトスイッチ200も含み、これは、第2の入力ロッカレバー106及び第3の入力ロッカレバー108の一方又は両方と出力ロッカレバー102とを互いに選択的に接続及び接続解除して、関連付けられたカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するように、又はそれらの間の運動の伝達を阻止するように制御される。
【0036】
図9図11を更に参照すると、第1のバルブリフトスイッチ150は、出力ロッカレバー102内に、及びそこから第1の入力ロッカレバー104まで延在する孔152内に収容されている。第1のスイッチ150は、端部どうしを当接係合した複数のシャーピン部170、172、174を備えたばね付勢の第1のバルブリフトピン156を含む第1のバルブリフトピンアセンブリ154を含む。図9に示されるように、第1のバルブリフトピン156は、通常、第1の入力ロッカレバー104が出力ロッカレバー102に接続されるように、ばね158a、158bを介して係合位置に付勢される。係合位置では、バルブリフトピン156がロッカレバー102と104との間でジョイント160、162に架かり、ジョイント160、162において剪断界面160a、162aを形成する。第1のバルブリフトスイッチ150の係合位置は、カムシャフトローブ92a、94aから吸気バルブ22又は排気バルブ24の標準又は公称リフトが要求される動作状態中に使用される。
【0037】
ロッカレバー102、104を互いから接続解除又は結合解除するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部166を通して孔152内に、及び孔152の一方の端部の空間164内に供給される。図10及び図11に示されるように、液圧は、バルブリフトピン156を基部168と接触させるように変位させて、ばね158a、158bを圧縮する。この状態では、シャーピン部170と172との間の接合部がジョイント160と整列され、シャーピン部172と174との間の接合部がジョイント162と整列される。この係合解除位置は、第1のバルブリフトピン156のどの部分もジョイント160、162に架からないので、剪断界面160a、162aが除去される。結果として、第1の入力ロッカレバー104の回転は、出力ロッカレバー102に伝達されず、カムシャフトローブ92a、94aによって付与された運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されず、むしろ付勢ばね124によって吸収される。第1のバルブリフトスイッチ150の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、並びに/又はカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cから第2の入力ロッカ106及び第3の入力ロッカ108からの交互リフトプロファイルが要求される間に使用される。
【0038】
第2のバルブリフトスイッチ200は、出力ロッカレバー102内に、及びそこから第2の入力ロッカレバー106及び第3の入力ロッカレバー108まで延在する孔202に収容されている。第2のバルブリフトスイッチ200は、端部どうしを当接係合した複数のシャーピン部220、222を備えた第2のバルブリフトピン206を含む第2のバルブリフトピンアセンブリ204を含む。図9及び図10に示されるように、第2のバルブリフトピン206は、通常、ばね208を介して係合解除位置に付勢される。
【0039】
図11に示される係合位置では、第2の入力ロッカレバー106及び第3の入力ロッカレバー108が出力ロッカレバー102に接続される。係合位置では、バルブリフトピン206がロッカレバー102、106、108の間でジョイント210、212に架かり、ジョイント210、212において剪断界面210a、212aを形成する。第2のバルブリフトスイッチ200の係合位置は、入力ロッカレバー106、108を介してカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cから吸気バルブ22又は排気バルブ24の交互リフトが要求される動作状態中に使用される。ロッカレバー102、106、108を互いに接続又は結合するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部216を通して、孔202内に、及び孔202の一方の端部の制御圧力空間214内に供給される。図11に示されるように、液圧流体圧力は、バルブリフトピン206を基部218と接触させるように変位させて、ばね208を圧縮する。
【0040】
図9及び図10の係合解除状態では、シャーピン部220と222との間の接合部がジョイント210と整列し、シャーピン部222の端部が、シャーピン部222がジョイント212に架からないように、出力ロッカレバー102内に位置付けられている。この係合解除位置は、第2のバルブリフトピン206のどの部分もジョイント210、212に架からないので、剪断界面210a、212aが除去される。結果として、第2の入力ロッカレバー106及び第3の入力ロッカレバー108の回転は、出力ロッカレバー102に伝達されず、カムシャフトローブ92b、94b、92c、94cによって付与された運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されず、むしろ付勢ばね126、128によって吸収される。第2のバルブリフトスイッチ200の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、又は第1の入力ロッカ104からの公称又は標準リフトプロファイルがカムシャフトローブ92a、94aから要求される間に使用される。
【0041】
図12図18は、別の実施形態のロッカシステム300を例示する。ロッカシステム300は、上で論じたロッカシステム100と同様であり得、以下の議論は、ロッカシステム300の更なる特徴を対象とする。上で論じたロッカシステム100の1つ以上の態様又は特徴は、ロッカシステム300に提供することができ、逆も可能である。
【0042】
図12図13を参照すると、ロッカシステム300は、出力ロッカレバー302と、第1の入力ロッカレバー304と、第2の入力ロッカレバー306と、第3の入力ロッカレバー308と、を含み、各々が、ロッカシャフトなどのエンジン構成要素120に回転可能に載置可能である。第1の入力ロッカレバー304は、対応するカムシャフトローブ92a、94aと直接的又は間接的に接触するための第1のローラ310を含む。第2の入力ロッカレバー306は、対応するカムシャフトローブ92b、94bと直接的又は間接的に接触するための第2のローラ312を含む。第3の入力ロッカレバー308は、対応するカムシャフトローブ92c、94cと直接的又は間接的に接触する第3のローラ314を含む。
【0043】
入力ロッカレバー304、306、308のうちの1つ以上は、出力ロッカレバー302と選択的に接続可能であり、それぞれのカムシャフトローブ92a、94a、92b、94b、92c、94cからの運動を、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブに伝達する。加えて、入力ロッカレバー304、306、308は、気筒休止中にバルブリフトが提供されないように、出力ロッカレバー302から接続解除することができる。出力ロッカ302と、入力ロッカ304、306、及び/又は308との接続及び接続解除は、出力ロッカ302から入力ロッカ304、306、及び/又は308への係合によって、入力ロッカ304、306、及び/又は308から出力ロッカ302への係合によって、並びにそれらの組み合わせによって生じさせることができる。
【0044】
付勢機構322は、ばね324、326、328を含み、これらのばねの各々は、出力ロッカレバー302、及び入力ロッカレバー304、306、308のそれぞれ1つと接触して、対応するローラ310、312、314を、それぞれのカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触させるように付勢する。付勢機構322は、第1の入力ロッカレバー304のばね324がロッカアセンブリのラッシュアジャスタ330、332と同じ側に提供されている点で、付勢機構122とは異なる。機械的又は液圧であり得るラッシュアジャスタ330、332は、出力ロッカレバー302のそれぞれのアーム302a、302b、及び吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの対応するバルブに接続される。
【0045】
ロッカシステム300は、第1のバルブリフトスイッチ350を含み、これは、第1の入力ロッカレバー304と出力ロッカレバー302とを選択的に接続及び接続解除して、関連付けられたカムシャフトローブ92a、94aと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するか、又はそれらの間の運動の伝達を阻止する。ロッカシステム300はまた、第2のバルブリフトスイッチ400も含み、これは、第2の入力ロッカレバー306及び第3の入力ロッカレバー308の一方又は両方と出力ロッカレバー302とを選択的に接続及び接続解除して、関連付けられたカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するか、又はそれらの間の運動の伝達を阻止する。
【0046】
図14図16を更に参照すると、第1のバルブリフトスイッチ350は、出力ロッカレバー302内に、及びそこから第1の入力ロッカレバー304まで延在する孔352内に収容されている。図14に示されるように、第1のバルブリフトスイッチ350は、第1のバルブリフトピンアセンブリ354を含み、これは、通常、第1の入力ロッカレバー304が出力ロッカレバー302に接続されるように、ばね358を介して互いから離れるように係合位置に付勢される複数のシャーピン部370、372を備えた第1のバルブリフトピン356を含む。係合位置では、バルブリフトピン356がロッカレバー302と304との間でジョイント360、362に架かり、ジョイント360、362において剪断界面360a、362aを形成する。第1のスイッチ350の係合位置は、カムシャフトローブ92a、94aから吸気バルブ22又は排気バルブ24の基準又は公称リフトが要求される動作状態中に使用される。
【0047】
ロッカレバー302、304を互いから接続解除又は結合解除するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部366a、366bを通して孔352内に、及び孔352の対向する両端部の空間364a、364b内に供給される。図15及び図16に示されるように、液圧流体圧力は、ばね358を圧縮することによって、シャーピン部370、372を互いに向かって変位させる。この状態では、シャーピン部370、372全体が第1の入力ロッカレバー304内に移動される。この係合解除位置は、第1のバルブリフトピン356のどの部分もジョイント360、362に架からないので、剪断界面360a、362aが除去される。結果として、第1の入力ロッカレバー304の回転は、出力ロッカレバー302に伝達されず、カムシャフトローブ92a、94aによって付与された運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。第1のバルブリフトスイッチ350の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、又は第2及び第3の入力ロッカ306、308からの交互リフトプロファイルがカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cから要求される間に使用される。
【0048】
第2のバルブリフトスイッチ400は、出力ロッカレバー302、第2の入力ロッカレバー306、及び第3の入力ロッカレバー308の孔402内に収容されている。第2のバルブリフトスイッチ400は、複数のシャーピン部420、422を備えた第2のバルブリフトピン406を孔402含む第2のバルブリフトピンアセンブリ404を含む。図14及び図15に示されるように、シャーピン部420及びシャーピン部422は、通常、孔402内でばね408、409を介して互いに向かって、及び中央基部418に対して係合解除位置に付勢される。
【0049】
図16に示される係合位置では、第2の入力ロッカレバー306及び第3の入力ロッカレバー308が出力ロッカレバー302に接続される。係合位置では、シャーピン406のシャーピン部420、422がロッカレバー302、306、308の間でジョイント410、412に架かり、ジョイント410、412において剪断界面410a、412aを形成する。第2のバルブリフトスイッチ400の係合位置は、入力ロッカレバー306、308を介してカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cから吸気バルブ22又は排気バルブ24の交互リフトが要求される間に使用される。ロッカレバー302、306、308を互いに接続又は結合するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部416を通して、孔402内に、及びシャーピン部420と422と間の孔402の制御圧力空間414内に供給される。図16に示されるように、液圧流体圧力は、シャーピン部420、422を基部418から変位させ、シャーピン部がジョイント410、412に架かるようにばね408、409を圧縮する。
【0050】
係合解除状態では、シャーピン部420、422が、シャーピン部420、422がジョイント410、412に架からないように、出力ロッカレバー302内に位置付けられる。この係合解除位置は、第2のバルブリフトピン406のどの部分もジョイント410、412に架からないので、剪断界面410a、412aが除去される。結果として、第2の入力ロッカレバー306及び第3の入力ロッカレバー308の回転は、出力ロッカレバー302に伝達されず、カムシャフトローブ92b、94b、92c、94cによって付与された運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。第2のバルブリフトスイッチ400の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、又は第1の入力ロッカレバー304からの公称又は標準リフトプロファイルがカムシャフトローブ92a、94aから要求される間に使用される。
【0051】
図17図18は、出力ロッカレバー302と第1の入力ロッカレバー304とを組み立てるための例示的な組み立てプロセスを示す。図17では、シャーピン部370、372は、出力ロッカレバー302のアセンブリ孔454、456にそれぞれ挿入された仮組み立てピン450、452を介して適所に保持することができる。組み立てピン450、452は、シャーピン部370、372を、これらの間で圧縮されたばね358によって、出力ロッカレバー302の後退位置に保持する。入力ロッカレバー304が出力ロッカレバー302と整列されると、組み立てピン450、452を取り外すことができ、これによって、シャーピン部370、372を適所にはじいてジョイント410、412に架けて、組み立てを完了することができる。各シャーピン部370、372には、それぞれのシャーピン部370、372を整列させて対応する組み立てピン450、452を受容するのを支援するためにねじ回し又は他の工具の受容するように、スロット458、460をそれぞれ設けることができる。
【0052】
図19図24は、別の実施形態のロッカシステム500を例示する。ロッカシステム500は、上で論じたロッカシステム100、300と同様であり得、以下の議論は、ロッカシステム500の更なる特徴を対象とする。上で論じたロッカシステム100、300の1つ以上の態様又は特徴は、ロッカシステム500に提供することができ、逆も可能である。
【0053】
図19を参照すると、ロッカシステム500は、出力ロッカレバー502と、第1の入力ロッカレバー504と、第2の入力ロッカレバー506と、第3の入力ロッカ508と、を含み、各々が、ロッカシャフトなどのエンジン構成要素120に回転可能に載置可能である。第1の入力ロッカレバー504は、対応するカムシャフトローブ92a、94aと直接的又は間接的に接触するための第1のローラ510を含む。第2の入力ロッカレバー506は、対応するカムシャフトローブ92b、94bと直接的又は間接的に接触するための第2のローラ512を含む。第3の入力ロッカレバー508は、対応するカムシャフトローブ92c、94cと直接的又は間接的に接触する第3のローラ514を含む。
【0054】
入力ロッカレバー504、506、508のうちの1つ以上は、出力ロッカレバー502と選択的に接続して、それぞれのカムシャフトローブ92a、94a、92b、94b、92c、94cからの運動を、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブに伝達するように制御される。加えて、入力ロッカレバー504、506、508は、気筒休止中にバルブリフトが提供されないように、出力ロッカレバー502から選択的に接続解除するように制御することができる。出力ロッカ502と、入力ロッカ504、506、及び/又は508との制御された接続及び接続解除は、出力ロッカ502から入力ロッカ504、506、及び/又は508への係合によって、入力ロッカ504、506、及び/又は508から出力ロッカ502への係合によって、並びにそれらの組み合わせによって生じさせることができる。
【0055】
付勢機構は、各々が入力ロッカレバー506、508及び出力ロッカレバー502のそれぞれと接触するブレーキ付勢ばね524、526と、入力ロッカレバー504及び出力ロッカレバー502と接触して、対応するローラ510、512、514をそれぞれのカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触するように付勢する標準付勢ばね522と、を含む。機械的又は液圧であり得るラッシュアジャスタ530、532は、出力ロッカレバー502、及び吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの対応するバルブに接続される。
【0056】
ロッカシステム500は、第1のバルブリフトスイッチ550を含み、これは、第1の入力ロッカレバー504と出力ロッカレバー502とを選択的に接続及び接続解除して、関連付けられたカムシャフトローブ92a、94aと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するか、又はそれらの間の運動の伝達を阻止する。ロッカシステム500はまた、第2のバルブリフトスイッチ600も含み、これは、入力ロッカレバー506、508と出力ロッカレバー502とを選択的に接続及び接続解除して、関連付けられたカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するか、又はそれらの間の運動の伝達を阻止する。
【0057】
図20図22を更に参照すると、第1のバルブリフトスイッチ550は、出力ロッカレバー502と第1の入力ロッカレバー504との間に延在する孔552内に収容されている。図20に示されるように、第1のバルブリフトスイッチ550は、第1のバルブリフトピンアセンブリ554を含み、これは、通常、第1の入力ロッカレバー504が出力ロッカレバー502に接続されるように、ばね558を介して互いに接触するように端部基部518に対する係合位置に付勢される複数のシャーピン部570、572、574を備えた第1のバルブリフトピン556を含む。係合位置では、バルブリフトピン556がロッカレバー502と504との間でジョイント560、562に架かり、ジョイント560、562において剪断界面560a、562aを形成する。第1のスイッチ550の係合位置は、カムシャフトローブ92a、94aから吸気バルブ22又は排気バルブ24の基準又は公称リフトが要求される動作状態中に使用される。
【0058】
ロッカレバー502、504を互いから接続解除又は結合解除するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、孔552内に供給され、ばね558の反対側の孔552の端部の制御容積566内へ通る。図21及び図22に示されるように、制御容積566内の液圧流体圧力は、シャーピン部570、572、574を端部基部518から孔552の対向端部に向かって変位させ、ばね558を圧縮する。この状態では、シャーピン部570、572、574の端部どうしの接合部がジョイント560、562と整列するように移動される。この整列位置は、第1のバルブリフトピン556のどの部分もジョイント560、562に架からないので、剪断界面560a、562aが除去される。結果として、第1の入力ロッカレバー504の回転は、出力ロッカレバー502に伝達されず、カムシャフトローブ92a、94aによって付与される運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。第1のバルブリフトスイッチ550の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、又は第2の入力ロッカ506及び第3の入力ロッカ508からの交互リフトプロファイルがカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cから要求される間に使用される。
【0059】
第2のバルブリフトスイッチ600は、出力ロッカレバー502、第2の入力ロッカレバー506、及び第3の入力ロッカレバー508の孔602内に収容されている。第2のバルブリフトスイッチ600は、孔602内に複数のシャーピン部620、622、624を備えた第2のバルブリフトピン606を含む第2のバルブリフトピンアセンブリ604を含む。図20及び図21に示されるように、シャーピン部620、622、624は、通常、孔602内でばね608を介して端部どうしが互いに接触するように、及び端部基部618に対して係合解除位置に付勢される。
【0060】
図22に示される係合位置では、第2の入力ロッカレバー506及び第3の入力ロッカレバー508が出力ロッカレバー502に接続される。係合位置では、シャーピン606のシャーピン部620、622、624がロッカレバー502、506、508の間でジョイント610、612に架かり、ジョイント610、612において剪断界面610a、612aを形成する。第2のバルブリフトスイッチ600の係合位置は、入力ロッカレバー506、508を介してカムシャフトローブ92b、94b、92c、94cから吸気バルブ22又は排気バルブ24の交互リフトが要求される動作状態中に使用される。ロッカレバー502、506、508を互いに接続又は結合するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、開口部616を通して孔602内に、及び端部基部618の孔602の制御圧力空間614内に供給される。図22に示されるように、液圧流体圧力は、シャーピン部620、622、624を端部基部618から変位させ、シャーピン部がジョイント610、612に架かるようにばね608を圧縮する。
【0061】
係合解除状態では、シャーピン部620、622、624が、シャーピン部620、622、624がジョイント610、612に架からないように、出力ロッカレバー502及び入力ロッカレバー506、508内に位置付けられる。この係合解除位置は、第2のバルブリフトピン606のどの部分もジョイント610、612に架からないので、剪断界面610a、612aが除去される。結果として、第2の入力ロッカレバー506及び第3の入力ロッカレバー508の回転は、出力ロッカレバー502に伝達されず、カムシャフトローブ92b、94b、92c、94cによって付与された運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。第2のバルブリフトスイッチ600の係合解除位置は、気筒休止が要求される動作状態中に、又は第1の入力ロッカレバー504からの公称又は標準リフトプロファイルがカムシャフトローブ92a、94aから要求される間に使用される。
【0062】
図23図24を参照すると、ロッカシステム500が入力ロッカレバー504、506、508の各々に係合された、複数のストップピン580が示されている。出力ロッカレバー502は、孔552、602の一部が互いに整列されたときに止め部材580に接触する止め部材突起582を含む。ストップピン580は、出力ロッカレバー502が図23の時計回り方向に回転し過ぎするのを防止するように構成されている。ストップピン580はまた、入力ロッカレバー504、506、508が反時計回り方向に回転し過ぎするのも防止する。これは、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のラッシュの調整が変化したときであっても、バルブリフトピン556、606の様々な部分を収容する孔552及び/又は孔602の一部分が、それぞれのカムローブの基礎円に沿って互いに整列することを確実にする。孔552、602の整列部分は、バルブリフトピン556、606が滑らかに作動して、入力ロッカ504、506、508と出力ロッカ502とを選択的に係合させることを可能にする。
【0063】
図25図28を参照すると、別の実施形態のロッカシステム700が示されている。ロッカシステム700は、上で論じたロッカシステム100、300、500と同様であり得、以下の議論は、ロッカシステム700の更なる特徴を対象とする。上で論じたロッカシステム100、300、500の1つ以上の態様又は特徴は、ロッカシステム700に提供することができ、逆も可能である。
【0064】
図25図27を参照すると、ロッカシステム700は、第1の出力ロッカレバー702と、第2の出力ロッカレバー704と、第1の入力ロッカレバー706と、を含み、各々が、ロッカシャフトなどのエンジン構成要素120に回転可能に載置可能である。保持リング121は、ロッカシャフト120上にロッカレバー702、704、706を固定するために提供することができる。第2の出力ロッカレバー704は、対応するカムシャフトローブ92a、94aと直接的又は間接的に接触するための第1のローラ710を含む。第1の入力ロッカレバー706は、対応するカムシャフトローブ92b、94bと直接的又は間接的に接触するための第2のローラ712を含む。所望により、追加のバルブリフト機能が要求される場合に他のカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触するための1つ以上の追加の入力ロッカレバーを提供することができる。
【0065】
第2の出力ロッカレバー704は、第1の出力ロッカレバー702と選択的に接続して、それぞれのカムシャフトローブ92a、94aからの運動を、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブに伝達するように制御可能である。加えて、第2の出力ロッカレバー704及び/又は入力ロッカレバー706は、交互バルブリフトを入力ロッカレバー706から第2の出力ロッカレバー704に提供することができるように、第1の出力ロッカレバー702に対して互いに接続するように、及び互いから接続解除するように制御することができる。出力ロッカレバー702、704と入力ロッカレバー706との接続及び接続解除は、第1の出力ロッカレバー702からロッカレバー704、706への係合によって、第2の出力ロッカレバー704から第1の出力ロッカレバー702及び入力ロッカレバー706への係合によって、入力ロッカレバー706から第2の出力ロッカレバー704への係合によって、及びそれらの組み合わせによって生じさせることができる。
【0066】
付勢機構は、付勢ばね724、726を含み、これらのばねの各々は、出力ロッカレバー702、並びに出力ロッカレバー704及び入力ロッカレバー706のそれぞれと接触して、対応するローラ710、712を、それぞれのカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触させるように付勢する。機械的又は液圧であり得るラッシュアジャスタ730、732は、出力ロッカレバー702、704、及び吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの対応するバルブに接続される。
【0067】
ロッカシステム700は、バルブリフトスイッチ750を含み、これは、第1の出力ロッカレバー702と第2の出力ロッカ入力ロッカ704とを選択的に接続及び接続解除して、同時に、第2の出力ロッカレバー704と入力ロッカレバー706とを接続して、関連付けられたカムシャフトローブと、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブとの間で運動を伝達するように、又はそれらの間の運動を阻止するように制御可能である。ロッカシステム700はまた、本明細書に開示されるスイッチなどの追加のバルブリフトスイッチも含み得、これらは、気筒休止、2行程ブレーキ、などの追加の機能のために、追加の入力ロッカレバーを選択的に接続及び接続解除するように制御される。
【0068】
図28を更に参照すると、バルブリフトスイッチ750は、第1の出力ロッカレバー702、第2の出力ロッカレバー704、及び入力ロッカレバー706内に、及びそこから延在する孔752内に収容されている。図28に示されるように、バルブリフトスイッチ750は、第1のバルブリフトピンアセンブリ754を含み、これは、通常、第1の出力ロッカレバー702及び第2の出力ロッカレバー704に接続し、及び入力ロッカレバー706を接続解除するように、ばね758、759によって付勢される複数のシャーピン部770、772を備えた第1のバルブリフトピン756を含む。係合位置では、バルブリフトピン756がロッカレバー702と704との間でジョイント760に架かり、ジョイント760において剪断界面760aを形成する。スイッチ750の係合位置は、カムシャフトローブ92a、94aから吸気バルブ22又は排気バルブ24の基準又は公称リフトが要求される動作状態中に使用される。
【0069】
出力ロッカレバー702、704を互いから接続解除又は結合解除するために、液圧流体圧力が、エンジン12の液圧システムを介して、エンジン12のロッカシャフト120から、孔752内に供給され、ばね758、759の反対側の孔752の端部の制御容積766内へ通る。制御容積766内の液圧流体圧力は、シャーピン部770、772を孔752の対向端部に向かって変位させ、ばね758、759を圧縮する。この状態では、シャーピン部770は、第1の入力ロッカレバー702から移動して、ジョイント760と整列する。この整列位置は、第1のバルブリフトピン756のどの部分もジョイント760に架からないので、剪断界面760aが除去される。結果として、第2の出力ロッカレバー704の回転は、第1の出力ロッカレバー702に伝達されず、カムシャフトローブ92a、94aによって付与された運動は、吸気バルブ22又は排気バルブ24に伝達されない。
【0070】
バルブリフトスイッチ750の作動はまた、同時に、入力ロッカレバー706と第2の出力ロッカレバー704とを接続する。シャーピン部770の変位は、シャーピン部772を変位させ、それにより、シャーピン部770がジョイント762に架かり、シャーピン部772がジョイント764に架かり、ジョイント762、764においてロッカレバー704と706との間に剪断界面を作成する。バルブリフトスイッチ750のこの作動位置は、入力ロッカレバー706を介して第2の出力ロッカ704に接続されたバルブ及び交互カムシャフトローブ92b、94b、92c、94cに対して、ブレーキ又は他の交互バルブリフトが要求される動作状態中に使用される。他の実施形態は、他の入力ロッカを接続する及び/又は気筒休止を提供するための、他の入力ロッカ及び/又はバルブリフトスイッチの使用を企図する。
【0071】
図29図30を参照すると、別の実施形態のロッカシステム800が示されている。ロッカシステム800は、上で論じたロッカシステム100、300、500、700と同様であり得、以下の議論は、ロッカシステム800の更なる特徴を対象とする。上で論じたロッカシステム100、300、500、700の1つ以上の態様又は特徴は、ロッカシステム800に提供することができ、逆も可能である。
【0072】
ロッカシステム800は、第1の出力ロッカレバー802と、第2の出力ロッカレバー804と、第1の入力ロッカレバー806と、第2の入力ロッカレバー808と、を含み、各々が、ロッカシャフトなどのエンジン構成要素120に回転可能に載置可能である。第1の入力ロッカレバー806は、対応するカムシャフトローブ92a、94aと直接的又は間接的に接触するための第1のローラ810を含む。第2の入力ロッカレバー808は、対応するカムシャフトローブ92b、94bと直接的又は間接的に接触するための第2のローラ812を含む。所望により、追加のバルブ機能が要求される場合に他のカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触するための1つ以上の追加の入力ロッカレバーを提供することができる。
【0073】
第1の入力ロッカレバー806は、それぞれのカムシャフトローブ92a、94aからの運動を、吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの接続されたバルブに伝達するように、第1の出力ロッカレバー802及び第2の出力ロッカレバー804と選択的に接続可能である。加えて、第2の入力ロッカレバー808は、交互バルブリフトを第2の入力ロッカレバー808から第2の出力ロッカレバー804に提供することができるように、第2の出力ロッカレバー804に接続することができる。出力ロッカレバー802、804及び入力ロッカレバー806、808の接続及び接続解除は、出力ロッカレバーから入力ロッカレバーへの係合によって、入力ロッカレバーから出力ロッカレバーへの係合によって、及びそれらの組み合わせによって生じさせることができる。
【0074】
付勢機構は、付勢ばね824、826、828を含み、これらのばねの各々は、出力ロッカレバー802、804及び入力ロッカレバー806、808のそれぞれと接触して、対応するローラ810、812を、それぞれのカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触させるように付勢する。機械的又は液圧であり得るラッシュアジャスタ830、832は、出力ロッカレバー802、804、及び吸気バルブ22又は排気バルブ24のうちの対応するバルブに接続される。
【0075】
ロッカシステム800は、第1のバルブリフトスイッチ850を含み、これは、第1の出力ロッカレバー802及び第2の出力ロッカ入力ロッカ804と第1の入力ロッカレバー806とを選択的に接続及び接続解除するように制御することができる。上で論じたバルブリフトスイッチと同様に、第1のバルブリフトスイッチ850は、複数のシャーピン部858、860、862を備えたバルブリフトピン856を含む、バルブリフトピンアセンブリ854を含む。係合位置では、シャーピン部860、862がジョイント864、866において剪断界面864a、866aに架かり、第1の入力ロッカレバー806を出力ロッカレバー802、804に接続する。バルブリフトピン856は、例えば気筒休止のために、ばね852、853を圧縮して、シャーピン部858、860、862とジョイント864、866とを端部どうしの当接で整列させて、出力ロッカレバー802、804から第1の入力ロッカレバー806を結合解除するように液圧作動させることができる。
【0076】
ロッカシステム800は、異なるカムローブから交互バルブリフトプロファイルを提供するために、第2の入力ロッカレバー808を第2の出力ロッカレバー804に選択的に接続するための第2のバルブリフトスイッチ870を含む。第2のバルブリフトスイッチ870は、通常、ばね880、882によって第2の入力ロッカ808内に付勢される第1のピン部876及び第2のピン部878を含む、バルブリフトピンアセンブリ874を含む。液圧流体圧力は、第1のピン部876及び第2のピン部878を互いに離れるように作動させて、ジョイント884、886を第2の入力ロッカレバー808と第2の出力ロッカレバー804との間に架けるために使用される。第2の入力ロッカレバー808は、例えば排気ブレーキ中に、第2の出力ロッカレバー804に接続することができる。
【0077】
図31図32を参照すると、いくつかの排気ロッカシステム900a、900b(集合的に及び個々に排気ロッカシステム900と称される)及び吸気ロッカシステム990a、990b(集合的に及び個々に吸気ロッカシステム990と称される)が、エンジンの2つの気筒14に沿って示されている。吸気ロッカシステム990は、クロスヘッド998を備えた吸気バルブに各々が接続された一対の出力ロッカレバー992を含む。吸気ロッカシステム990はまた、所望の吸気バルブリフトプロファイルを提供するために、それぞれの出力ロッカレバー992と選択的に接続及び接続解除される、2つの入力ロッカレバー994、996も含む。
【0078】
各排気ロッカシステム900は、気筒14ごとに単一の排気バルブ24に接続された出力ロッカレバー902を含む。排気ロッカシステム900はまた、所望のバルブリフトを提供するために、出力ロッカレバー902と選択的に接続及び接続解除される、第1の入力ロッカレバー904及び第2の入力ロッカレバー906も含む。
【0079】
例えば、図32に示されるように、第1のバルブリフトスイッチ920は、出力ロッカレバー902及び第1の入力ロッカレバー904を選択的に接続及び接続解除するために提供される。上で論じたバルブリフトスイッチと同様に、第1のバルブリフトスイッチ920は、複数のシャーピン部928、930を備えたバルブリフトピン926を含む、バルブリフトピンアセンブリ924を含む。通常の係合位置では、バルブリフトピン926がばね932によって付勢され、それにより、シャーピン部928がジョイント934に架かり、第1の入力ロッカレバー904を出力ロッカレバー902に接続する。バルブリフトピン926は、例えば気筒休止のために、ばね932を圧縮して、シャーピン部928、930をジョイント934と端部どうしの当接で整列させて、出力ロッカレバー902から第1の入力ロッカレバー904を結合解除するように液圧作動させることができる。
【0080】
排気ロッカシステム900は、異なるカムローブから交互バルブリフトプロファイルを提供するために、第2の入力ロッカレバー906を出力ロッカレバー902に選択的に接続するための第2のバルブリフトスイッチ940を含む。第2のバルブリフトスイッチ940は、第1のピン部946及び第2のピン部948を含むバルブリフトピンアセンブリ944を含み、これらのピン部は、通常、ピン部946、948とジョイント954とを端部どうしの当接で整列させるようにばね952によって付勢される。液圧流体圧力は、第1のピン部946及び第2のピン部948を作動させてばね952を圧縮して、第2の入力ロッカレバー906と出力ロッカレバー902との間に第1のピン部946があるようにジョイント954に架けるために使用される。第2の入力ロッカレバー906は、例えば排気ブレーキ中に、出力ロッカレバー902に接続することができる。
【0081】
図33を参照すると、別の実施形態のロッカシステム1000が示されている。ロッカシステム1000は、エンジン構成要素120の周りを各々が回転可能な、ロッカシャフトなどの第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004を含む。その周りにロッカレバーを回転させることができる任意の好適なエンジン構成要素が企図される。第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004の各々は、機械的ラッシュアジャスタ1006、1008を含む。別の実施形態では、ラッシュアジャスタ1006、1008は、機械的ラッシュアジャスタではなく、液圧ラッシュアジャスタである。ロッカシステム1000はまた、エンジン構成要素120の周りを回転可能な入力ロッカレバー1010も含む。入力ロッカレバー1010は、第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004と機能的に関連付けられて、第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004にリフトプロファイルを付与するように2つのモードで動作する。本明細書で使用される場合、リフトプロファイルはまた、部分的リフトプロファイルも含み得る。
【0082】
第1のモードでは、入力ロッカレバー1010が作動状態又は休止状態のいずれかで動作する。作動状態では、入力ロッカレバー1010が第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004と係合して、カムローブがローラ1020に作用することによって第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004の回転運動を生じさせる。代替的に、第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004が入力ロッカレバー1010に係合する。休止状態では、入力ロッカレバー1010が、第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004から係合解除されて、ロストモーション装置1012、1014を通してカムローブ1020の運動を吸収する。ロストモーション装置1012、1014は、例えば反動力を及ぼすことができる圧縮可能本体、コイルばね、渦巻ばね、波形ばね、又は液圧気筒を含み得る。第1のモードの休止状態では、接続された吸気バルブ22及び排気バルブ24のバルブ運動を遮断することができる。
【0083】
第2のモードでは、入力ロッカレバー1010が作動状態又は休止状態のうちのいずれかで動作する。作動状態では、入力ロッカレバー1010が第1の出力ロッカレバー1002又は第2の出力ロッカレバー1004のいずれかと係合して、関連付けられた係合したロッカレバー1002、1003の回転運動を生じさせる。代替的に、第1の出力ロッカレバー1002又は第2の出力ロッカレバー1004のうちの1つが入力ロッカレバー1010に係合する。関連付けられていない出力ロッカレバー1002、1004が係合解除され、対応するロストモーション装置1012、1014を通してカムローブの運動が吸収される。休止状態では、第1の出力ロッカレバー1002及び第2の出力ロッカレバー1004から入力ロッカレバー1010が係合解除され、ロストモーション装置1012、1014を通してカムローブの運動を吸収する。第2のモードの休止状態では、接続された吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のバルブ運動を遮断することができる。
【0084】
図34を参照すると、別の実施形態のロッカシステム1100が示されている。ロッカシステム1100は、エンジン構成要素120の周りを回転可能な単一の出力ロッカレバー1102を含む。出力ロッカレバー1102は、2つの吸気バルブ22又は2つの排気バルブ24に運動を付与するように構成されており、機械的ラッシュアジャスタ1106、1108とともに構成されている。別の実施形態では、ラッシュアジャスタ1106、1108は、機械的ラッシュアジャスタではなく、液圧ラッシュアジャスタである。ロッカシステム1100はまた、エンジン構成要素120の周りを回転可能な入力ロッカレバー1110も含む。入力ロッカレバー1110は、カムローブからの運動を受容するローラ1120を介して出力ロッカレバー1102にリフトプロファイルを付与する。
【0085】
入力ロッカレバー1110は、作動状態又は休止状態で動作させることができる。作動状態では、入力ロッカレバー1110は、出力レバー1102と係合して、出力ロッカレバー1102の回転運動を生じさせる。代替的に、出力ロッカレバー1102が入力ロッカレバー1110に係合する。休止状態では、出力ロッカレバー1102から入力ロッカレバー1110を係合解除して、ロストモーション装置1112を通してカムローブの運動を吸収する。
【0086】
図35を参照すると、別の実施形態のロッカシステム1200が示されている。ロッカシステム1200は、ロッカシステム1000と同様であり、同様の構成要素は同様の参照番号で示されている。しかしながら、ロッカシステム1200は、第2のカムローブによってカムローラ1206に付与された運動に応答してエンジン構成要素120の周りを回転可能な第2の入力ロッカレバー1202を含む。
【0087】
第2の入力ロッカレバー1202は、2つのモードで動作する。第1のモードでは、第1の入力ロッカレバー1010が出力ロッカレバー1002、1004の両方と選択的に係合可能である。第1のモードでの第2の入力ロッカレバー1202の作動状態では、第2の入力ロッカレバー1202及び関連付けられた出力ロッカレバー1002が互いに係合し、一方で、第1の入力ロッカレバー1010が休止されて、関連付けられた出力ロッカレバー1002の第2の入力ロッカレバー1202だけとの回転運動を生じさせる。第2の入力ロッカレバー1202の休止状態では、関連付けられた出力ロッカレバー1002から第2の入力ロッカレバー1202を形状解除して、ロストモーション装置1204を通してカムローブの運動を吸収する。したがって、第1のモードでは、第2の入力ロッカレバー1202を、出力ロッカレバー1002、1004の両方との係合に対して、第1の入力レバー1010によって、逆の作動状態/休止状態にすることができる。また、第2の入力ロッカレバー1202の第1のモードでは、出力ロッカレバー1002、1004のうちの対応する1つから、第2の入力ロッカレバー1202を第1の入力ロッカレバー1010と同時に休止させること、又は第1の入力ロッカレバー1010によって、逆の作動状態/休止状態にすることができる。
【0088】
第2の入力ロッカレバー1202の第2のモードでは、第1の入力ロッカレバー1010が出力ロッカレバー1002、1004のうちの1つだけと選択的に係合可能であるように制御される。第2のモードでの第2の入力ロッカレバー1202の作動状態では、第2の入力ロッカレバー1202が、関連付けられた出力ロッカレバー1002と係合して、関連付けられた出力ロッカレバー1002の回転運動を生じさせる。第2の入力ロッカレバー1202の休止状態では、関連付けられた出力ロッカレバー1002から第2の入力レバー1202を係合解除して、ロストモーション装置1204を通してカムローブの運動を吸収する。第2の入力ロッカレバー1202の第2のモードでは、第2の入力ロッカレバー1202を、第1の入力レバー1010と同時に作動状態にして、入力ロッカレバー1002、1004のうちの異なるレバーに係合させることができる。また、第2の入力ロッカレバー1202の第2のモードでは、第2の入力ロッカレバー1202及び第1の入力ロッカレバー1010を同時に休止させること、又は互いとは逆に休止させることができる。
【0089】
第1及び第2のモードでの第2の入力ロッカレバー1202の作動状態では、第2の入力ロッカレバー1202が、第1のバルブ22、24から独立して、第2のバルブ22、24に、通常のリフト事象、ブレーキリフト事象、後期吸気バルブ閉鎖(late intake valve closing、LIVC)、早期吸気バルブ閉鎖(early intake valve closing、EIVC)、後期吸気バルブ開放(late intake valve opening、LIVO)、早期吸気バルブ開放(early intake valve opening、EIVO)、早期排気バルブ開放(early exhaust valve opening、EEVO)、早期排気バルブ閉鎖(early exhaust valve closing、EEVC)、後期排気バルブ閉鎖(late exhaust valve closing、LEVC)、後期排気バルブ開放(late exhaust valve opening、LEVO)、内部排気ガス再循環(internal exhaust gas recirculation、i-EGR)リフト事象、リフト増加、リフト減少、早期拡張ドウエル、又は後期拡張ドウエル、のうちの少なくとも1つを付与することができる。
【0090】
図36を参照すると、別の実施形態のロッカシステム1300が示されている。ロッカシステム1300は、エンジン構成要素120の周りを回転可能な組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302を含む。組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302は、ラッシュアジャスタ1306を含む。ロッカレバーアセンブリ1300はまた、エンジン構成要素120の周りを回転可能な第2の出力ロッカレバー1304も含み、第2の出力ロッカレバー1304は、ラッシュアジャスタ1308を含む。
【0091】
第2の出力ロッカレバー1304と機能的に関連付けられた、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302は、第1のバルブに固定リフトプロファイルを付与し、第2の出力ロッカレバー1304に同じリフトプロファイルを選択的に付与する。第2の出力ロッカレバー1304は、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302と関連付けて、作動状態又は休止状態で動作する。作動状態では、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302及び第2の出力ロッカレバー1304が係合して、第2の出力ロッカレバー1304の回転運動を生じさせる。休止状態では、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302及び第2の出力ロッカレバー1304を係合解除して、ロストモーション装置1312を通してカムローブの運動を吸収する。
【0092】
第2の出力ロッカレバー1304と機能的に関連付けられた第2の入力ロッカレバー1310は、第2の出力ロッカレバー1304にリフトプロファイルを付与することができる。第2の入力ロッカレバー1310は、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302に対して逆の作動状態/休止状態で動作し、更には、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1302と同時に休止させることができる。
【0093】
第2の入力ロッカレバー1310の作動状態では、第2の入力ロッカレバー1310が第2の出力ロッカレバー1304と係合して、第2の出力ロッカレバー1304の回転運動を生じさせる。休止状態では、第2の入力ロッカレバー1310が第2の出力ロッカレバー1304から係合解除されて、ロストモーション装置1314を通してカムローブの運動を吸収する。作動状態では、第2の入力ロッカレバー1310が、第1のバルブから独立して、第2のバルブに、通常のリフト事象、ブレーキリフト事象、LIVC、EIVC、LIVO、EIVO、EEVO、EEVC、LEVC、LEVO、i-EGRリフト事象、リフト減少、リフト増加、早期拡張ドウエル、又は後期拡張ドウエル、のうちの少なくとも1つを付与することができる。
【0094】
図37を参照すると、ロッカシステム1100と同様であり、エンジン構成要素120の周りを回転可能な単一の出力ロッカレバー1402を同様に含むロッカシステム1400が示されている。出力ロッカレバー1402は、2つの吸気バルブ22又は2つの排気バルブ24に運動を付与するように構成されており、ラッシュアジャスタ1406、1408とともに構成されている。ロッカシステム1400はまた、エンジン構成要素120の周りを各々が回転可能な、第1の入力ロッカレバー1410及び第2の入力ロッカレバー1412を含む。ロストモーション装置1414、1416は、第1の入力ロッカレバー1410及び第2の入力ロッカレバー1412のそれぞれと関連付けられる。
【0095】
第1の入力ロッカレバー1410及び第2の入力ロッカレバー1412の各々は、出力ロッカレバー1402と機能的に関連付けられ、出力ロッカレバー1402にリフトプロファイルを付与する。第2の入力ロッカレバー1412は、第1の入力ロッカレバー1410に対する逆の作動状態、及び第1の入力ロッカレバー1410と同時の休止状態又は逆の休止状態のいずれかで動作する。作動状態では、第2の入力ロッカレバー1412が出力ロッカレバー1402と係合して、出力ロッカレバー1402の回転運動を生じさせる。
【0096】
休止状態では、第2の入力ロッカレバー1412が出力ロッカレバー1402から係合解除されて、ロストモーション装置1416を通してカムローブの運動を吸収する。作動状態では、第2の入力ロッカレバー1412が、2つ以上の吸気バルブ22又は排気バルブ24に同時に、通常のリフト事象、ブレーキリフト事象、LIVC、EIVC、LIVO、EIVO、EEVO、EEVC、LEVC、LEVO、i-EGRリフト事象、リフト減少、リフト増加、早期拡張ドウエル、又は後期拡張ドウエル、のうちの少なくとも1つを付与することができる。
【0097】
図38図41は、ロッカシステムの他の配置を例示する。例えば、図38では、ロッカシステム1500は、ロッカシステム1400と同様であるが、3つの入力ロッカレバー1510、1512、1514に選択的に係合可能である第1の出力ロッカレバー1502及び第2の出力ロッカレバー1504を含む。図39では、ロッカシステム1600は、2つの入力ロッカレバー1610、1612に選択的に係合可能な単一の組み合わせた入力/出力ロッカレバー1602を含む。
【0098】
図40は、組み合わせた入力/出力ロッカレバー1702と、第2の出力ロッカ1704と、2つの入力ロッカレバー1710、1712と、を含む、ロッカシステム1700を例示する。図41は、3つの入力ロッカレバー1810、1812、1814に選択的に係合可能な単一の出力ロッカレバー1802を含む、ロッカシステム1800を例示する。
【0099】
本明細書に開示されるロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700は、II型、III型、IV型、及び/又はV型のバルブトレインを含む任意の型のバルブトレインで使用することができる。ロッカシステム100、300、500、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700は、単一の液圧アクチュエータを使用して、エンジン12の1つ以上の気筒14の吸気バルブ及び/又は排気バルブにおいて複数の動作モードを提供することを可能にする。動作モードは、例えば、標準リフトプロファイル、気筒休止によりリフトなし、及び交互リフトプロファイルを含むことができる。交互リフトプロファイルは、例えば、4行程圧縮ブレーキ又は2行程圧縮ブレーキなどのエンジンブレーキを提供するためのものであり得る。吸気バルブ及び排気バルブの2行程圧縮ブレーキバルブリフトプロファイルは、図3にIV2及びEV2で示されている。また、圧縮ブレーキに対するもの以外に、吸気バルブ22及び/又は排気バルブ24のうちの1つ以上のための、LIVC、EIVC、LIVO、EIVO、EEVO、EEVC、LEVC、LEVO、i-EGRリフト事象、リフト減少、リフト増加、早期拡張ドウエル、又は後期拡張ドウエルを含む、他の交互リフトプロファイルも企図される。
【0100】
本開示のロッカシステムを使用することによって、どのエンジンのバルブ作動システムもアップグレードすることができる。例えば、バルブ作動システムは、吸気バルブ及び排気バルブの標準リフト機能から、気筒休止又は4行程圧縮ブレーキを含むようにアップグレードすることができる。バルブ作動システムはまた、吸気バルブ及び排気バルブの標準リフト機能から、気筒休止及び4行程圧縮ブレーキを含むようにアップグレードすることもできる。バルブ作動システムはまた、吸気バルブ及び排気バルブの標準リフト機能から、気筒休止及び2行程圧縮ブレーキを含むようにアップグレードすることもできる。
【0101】
内燃エンジンシステム10の動作中に、コントローラ80は、I/Oインターフェースを通して、上で列記した様々なセンサから情報を受信し、受信した情報をコントローラ80のメモリに記憶されたアルゴリズムに基づいてプロセッサを使用して処理し、次いで、I/Oインターフェースを通して様々なアクチュエータにコマンド信号を送信することができる。例えば、コントローラ80は、気筒休止状態、エンジンブレーキの要求、車両又はエンジンの速度要求、燃焼状態、処理後の温度状態、及び/又はエンジン負荷状態、に関する情報を受信することができる。コントローラ80は、状態及び/又は要求を処理し、次いで、制御戦略に基づいて、関連付けられたカムシャフトローブ及び入力ロッカレバーを使用して気筒休止及び/又は交互バルブリフトプロファイルを提供するように、1つ以上のアクチュエータに1つ以上のコマンド信号を送信するように構成されている。
【0102】
コントローラ80は、本明細書に開示されるロッカシステムを組み込んだVAシステム90を使用して、開示される気筒休止及び交互バルブリフト戦略を実施するように構成することができる。1つの実施形態では、開示される方法及び/又はコントローラ構成は、内燃エンジンシステム10の上で説明した複数のセンサのうちの1つ以上からの1つ以上の信号に基づく気筒休止状態又はエンジン運転状態に応答して気筒休止コマンド又は交互バルブリフトコマンドを提供する、コントローラ80を含む。気筒休止及び交互バルブリフトコマンドは、入力のカムシャフトローブを切り替えて、所望の吸気バルブ及び排気バルブの閉鎖又は開閉のリフトプロファイル及び/若しくはタイミングを提供するように、VA機構90を制御する。
【0103】
コントローラ80によって実施される制御手順は、コントローラ80のプロセッサがコントローラ80のメモリに記憶されたプログラム命令(アルゴリズム)を実行することによって実行することができる。本明細書の説明は、内燃エンジンシステム10によって実施することができる。特定の実施形態では、内燃エンジンシステム10は、1つ以上の目標状態を達成する際に内燃エンジンシステム10を制御するために特定の動作を実行するように構造化又は構成されたコントローラ80を更に含む。特定の実施形態では、コントローラは、メモリ、処理、及び通信ハードウェアを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを含むプロセスサブシステムの一部分を形成する。コントローラは、単一の装置又は分散した装置であり得、コントローラ80の機能は、ハードウェアによって及び/又はコンピュータ可読媒体上に符号化された命令によって実行することができる。
【0104】
特定の実施形態では、コントローラ80は、コントローラの動作を機能的に実行するように構造化された1つ以上のモジュールを含む。モジュールを含む本明細書の説明は、コントローラの態様からの構造的な独立性を強調し、コントローラの動作及び役割の1つの群を例示する。同様の全体的な動作を実行する他の群が、本出願の範囲内で理解される。モジュールは、ハードウェア及び/又は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のソフトウェアで実施され得、モジュールは、様々なハードウェア又は他のコンピュータ構成要素にわたって分散され得る。
【0105】
本明細書で説明される特定の動作は、1つ以上のパラメータを解釈又は決定するための動作を含む。本明細書で利用するとき、解釈又は決定することは、少なくとも、データリンク又はネットワーク通信から値を受信すること、値を示す電子信号(例えば、電圧、周波数、電流、又はPWM信号)を受信すること、値を示すソフトウェアパラメータを受信すること、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のメモリロケーションから値を読み出すこと、当技術分野で既知の手段によって実行時パラメータとして値を受信することを含む、当技術分野で既知の任意の方法によって、並びに/又は解釈若しくは決定されたパラメータを計算することができる値を受信することによって、並びに/又はパラメータ値であると解釈若しくは決定されたデフォルト値を参照することによって、値を受信することを含む。
【0106】
様々な本開示の態様は、特許請求の範囲に記載されるように企図される。1つの態様では、内燃エンジンのロッカシステムが提供される。ロッカシステムは、カムシャフトの少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーと、エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーと、を含む。少なくとも1つの出力ロッカレバーは、内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている。ロッカシステムはまた、少なくとも1つのバルブリフトスイッチも含み、これは、少なくとも1つのカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するために、少なくとも1つの入力ロッカレバー及び少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いに接続し、少なくとも1つの入力ロッカレバー及び少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いから接続解除するように動作可能である。ロッカシステムはまた、少なくとも1つのバルブリフトスイッチによって少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能な、少なくとも1つの追加の入力ロッカレバー又は出力ロッカレバーも含む。
【0107】
一実施形態では、ロッカシステムは、排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブのうちの少なくとも1つを出力ロッカレバーに接続する、ラッシュアジャスタを含む。
【0108】
一実施形態では、少なくとも1つの入力ロッカレバーは、第1のカムシャフトローブ及びカムシャフトの第2のカムシャフトローブのそれぞれから受け取った運動に応答して各々がエンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバー及び第2の入力ロッカレバーを含む。
【0109】
上の実施形態の改良形態では、少なくとも1つのバルブリフトスイッチは、第1及び第2の入力ロッカレバーの各々を少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続するように動作可能である。別の改良形態では、少なくとも1つのバルブリフトスイッチは、第1の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーに選択的に接続するための第1のバルブリフトスイッチと、第2の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーに選択的に接続するための第2のバルブリフトスイッチと、を含む。
【0110】
更なる改良形態では、第1のバルブリフトスイッチは、少なくとも1つの出力ロッカレバーと第1の入力ロッカレバーとの間に延在する第1の孔内に収容された第1のピンアセンブリを含む。第1のピンアセンブリは、少なくとも1つの出力ロッカレバー及び第1の入力ロッカレバーがエンジン構成要素の周りを一緒に回転するように、第1のバルブリフトピンが少なくとも1つの出力ロッカレバーを第1の入力ロッカレバーに接続する第1の位置から、第1の入力ロッカレバーが少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除されて第1の入力ロッカレバーの回転が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、第1のバルブリフトピンが少なくとも1つの出力ロッカレバー及び第1の入力ロッカレバーのうちの1つに収容される第1の孔内の第2の位置まで、第1の孔内を移動可能な第1のバルブリフトピンを含む。加えて、第2のバルブリフトスイッチは、少なくとも1つの出力ロッカレバーと第2の入力ロッカレバーとの間に延在する第2の孔内に収容された第2のピンアセンブリを含む。第2のピンアセンブリは、少なくとも1つの出力ロッカレバー及び第2の入力ロッカレバーがエンジン構成要素の周りを一緒に回転するように、第2のバルブリフトピンが少なくとも1つの出力ロッカレバーを第2の入力ロッカレバーに接続する第1の位置から、第2の入力ロッカレバーが少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除されてエンジン構成要素の周りの第2の入力ロッカレバーの回転が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、第2のバルブリフトピンが少なくとも1つの出力ロッカレバー及び第2の入力ロッカレバーのうちの1つに収容される第2の孔内の第2の位置まで、第2の孔内を移動可能な第2のバルブリフトピンを含む。
【0111】
更なる改良形態では、気筒休止動作モードでは、エンジン構成要素の周りの第1の入力ロッカレバーの回転及び第2の入力ロッカレバーの回転が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、第1のバルブリフトピン及び第2のバルブリフトピンが各々、第1の孔及び第2の孔内の第2の位置にそれぞれ配置される。
【0112】
更なる改良形態では、標準リフト動作モードでは、エンジン構成要素の周りの第1の入力ロッカレバーの回転が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達され、エンジン構成要素の周りの第2の入力ロッカレバーの回転が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、第1のバルブリフトピンが第1の孔内の第1の位置に配置され、第2のバルブリフトピンが第2の孔内の第2の位置に配置される。
【0113】
更なる改良形態では、補助リフト動作モードでは、エンジン構成要素の周りの第2の入力ロッカレバーの回転が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されるように、少なくとも第2のバルブリフトピンが第2の孔内の第1の位置に配置される。
【0114】
更なる改良形態では、第1のバルブリフトピンは、互いから離れて第1の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して第1の位置から第2の位置まで移動可能である第1及び第2のシャーピン部を第1の孔内に含む。バルブリフトピンはまた、互いから第2の位置に向かって付勢され、液圧流体圧力を介して第2の位置から第1の位置まで移動可能である第3及び第4のシャーピン部を第2の孔内に含む。
【0115】
更なる改良形態では、第1のバルブリフトピンは、第1の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して第1の位置から第2の位置まで移動可能である、第1の孔内で互いに当接係合する第1及び第2のシャーピン部を含む。第2の孔内の第2のバルブリフトピンは、第2の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して第2の位置から第1の位置まで移動可能である。
【0116】
一実施形態では、少なくとも1つの入力ロッカレバーは、カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な標準リフト入力ロッカレバーと、カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第1の補助リフト入力ロッカレバーと、カムシャフトの第3のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第2の補助リフト入力ロッカレバーと、を含む。
【0117】
この実施形態の改良形態では、少なくとも1つの出力ロッカレバーは、第2のアームから離間された第1のアームを備えたロッカ本体を含む。第1及び第2のアームは、エンジン構成要素の周りに配置されるように構成されており、標準リフト入力ロッカレバーを受容するための空間を第1のアームと第2のアームとの間に形成する。第1の補助リフト入力ロッカレバーは、標準リフト入力ロッカレバーとは反対の第1のアームの側のエンジン構成要素上に位置決めされ、第2の補助リフト入力ロッカレバーは、標準リフト入力ロッカレバーとは反対の第2のアームの側のエンジン構成要素上に位置決めされている。
【0118】
実施形態の改良形態では、標準リフト入力ロッカレバー、第1の補助リフト入力ロッカレバー、及び第2の補助リフト入力ロッカレバーの各々は、カムシャフトの第1、第2、及び第3のカムシャフトローブのそれぞれと直接的又は間接的に接触するローラを含む。
【0119】
更なる改良形態では、標準リフト入力ロッカレバー、第1の補助リフト入力ロッカレバー、及び第2の補助リフト入力ロッカレバーの各々は、出力ロッカレバーに接触して、ローラを付勢してカムシャフトの第1、第2、及び第3のカムシャフトローブのそれぞれと直接的又は間接的に接触させる第1、第2、及び第3の付勢ばねのそれぞれに係合されている。
【0120】
別の態様によれば、内燃エンジンのロッカシステムが提供される。ロッカシステムは、カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバーと、カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第2の入力ロッカレバーと、エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーと、を含む。少なくとも1つの出力ロッカレバーは、内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている。ロッカシステムはまた、第1のバルブリフトスイッチと、第2のバルブリフトスイッチと、を含む。第1のバルブリフトスイッチは、第1の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、第1のカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能である。第2のバルブリフトスイッチは、第2の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、第2のカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能である。第1及び第2のバルブリフトスイッチは、第1及び第2のカムシャフトローブからの運動が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、それぞれの第1及び第2の入力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除するように動作可能である。
【0121】
一実施形態では、第1のバルブリフトスイッチは、少なくとも1つの出力ロッカレバーと第1の入力ロッカレバーとの間に延在する第1の孔内に収容されており、第2のバルブリフトスイッチは、少なくとも1つの出力ロッカレバーと第2の入力ロッカレバーとの間に延在する第2の孔内に収容されている。
【0122】
一実施形態では、第1のバルブリフトスイッチ及び第2のバルブリフトスイッチは各々、少なくとも1つの出力ロッカレバーに対して第1の入力ロッカレバー及び第2の入力ロッカレバーのうちの対応する1つを接続及び接続解除するように液圧で制御される。
【0123】
一実施形態では、ロッカシステムは、カムシャフトの第3のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第3の入力ロッカレバーを含む。第3の入力ロッカレバーは、第3のカムシャフトローブからの運動を少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように、第2のスイッチによって少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能である。第3のロッカレバーは、第3のカムシャフトローブからの運動が少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除可能である。
【0124】
一実施形態では、ロッカシステムは、エンジン構成要素の周りを回転可能な第2の出力ロッカレバーを含む。第2の出力ロッカレバーは、内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの他の排気バルブ又は少なくとも1つの他の吸気バルブの開閉を制御するように構成されている。第1のスイッチは、第2の出力ロッカレバーを少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続及び接続解除するように動作可能である。
【0125】
本発明は、図面及び上述の説明において詳細に例示及び説明してきたが、そのような例示及び説明は、例示的なものであり、特徴を限定するものではないとみなすべきであり、特定の例示的な実施形態だけが図示及び説明されていると理解するべきである。当業者は、本発明から物質的に逸脱することなく、多くの修正が例示的な実施形態に可能であることを理解するであろう。したがって、全てのそのような修正は、以下の請求項で定義されるような本開示の範囲内に含まれることを目的としている。
【0126】
特許請求の範囲を読む際に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「少なくとも1つの(at least one)」、又は「少なくとも一部分(at least one portion)」などの語が使用される場合、特許請求の範囲において具体的に反対のことが述べられていない限り、特許請求の範囲を1つの項目のみに限定する意図はないことが意図される。「少なくとも一部分」及び/又は「一部分」という言葉が使用される場合、その項目は、具体的に反対のことが述べられていない限り、その項目の一部分及び/又は全体を含むことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジンのロッカシステムであって、前記ロッカシステムが、
カムシャフトの少なくとも1つのカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの入力ロッカレバーと、
前記エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーであって、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている、少なくとも1つの出力ロッカレバーと、
少なくとも1つのバルブリフトスイッチであって、
前記少なくとも1つのカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するために、前記少なくとも1つの入力ロッカレバー及び前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いに接続し、
前記少なくとも1つの入力ロッカレバー及び前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを互いから接続解除するように動作可能な、少なくとも1つのバルブリフトスイッチと、
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチによって前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能な少なくとも1つの追加の入力ロッカレバー又は出力ロッカレバーと、
付勢機構であって、前記付勢機構は、前記少なくとも1つの入力ロッカレバー及び前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと接触しており、前記少なくとも1つの入力ロッカレバーを、前記少なくとも1つのカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触させるように付勢するように構成されている、付勢機構と、
を備えており、
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーのそれぞれは、第1の止め部材を備えており、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーのそれぞれは、第2の止め部材を備えており、前記第2の止め部材は、前記付勢機構の付勢の下で前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが回転し過ぎるのを防止するように、対応する第1の止め部材に接触するように構成されている、ロッカシステム。
【請求項2】
前記排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブのうちの少なくとも1つを前記出力ロッカレバーに接続するラッシュアジャスタを更に備えている、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、前記カムシャフトの第1のカムシャフトローブ及び第2のカムシャフトローブのそれぞれから受け取った運動に応答して各々が前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバー及び第2の入力ロッカレバーを含む、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチが、前記第1及び第2の入力ロッカレバーの各々を前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続するように動作可能である、請求項3に記載のロッカシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つのバルブリフトスイッチが、前記第1の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに選択的に接続するための第1のバルブリフトスイッチと、前記第2の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに選択的に接続するための第2のバルブリフトスイッチと、を含む、請求項3に記載のロッカシステム。
【請求項6】
前記第1のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第1の入力ロッカレバーとの間に延在する第1の孔内に収容された第1のピンアセンブリを含み、前記第1のピンアセンブリが、第1のバルブリフトピンを含み、前記第1のバルブリフトピンが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第1の入力ロッカレバーが前記エンジン構成要素の周りを一緒に回転するように、前記第1のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを前記第1の入力ロッカレバーに接続する第1の位置から、前記第1の入力ロッカレバーが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除されて前記第1の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第1のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第1の入力ロッカレバーのうちの1つに収容される前記第1の孔内の第2の位置まで、前記第1の孔内を移動可能であり、
前記第2のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第2の入力ロッカレバーとの間に延在する第2の孔内に収容された第2のピンアセンブリを含み、前記第2のピンアセンブリが、第2のバルブリフトピンを含み、前記第2のバルブリフトピンが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーが前記エンジン構成要素の周りを一緒に回転するように、前記第2のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーを前記第2の入力ロッカレバーに接続する第1の位置から、前記第2の入力ロッカレバーが前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除されて前記エンジン構成要素の周りの前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第2のバルブリフトピンが前記少なくとも1つの出力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーのうちの1つに収容される前記第2の孔内の第2の位置まで、前記第2の孔内を移動可能である、請求項5に記載のロッカシステム。
【請求項7】
気筒休止動作モードでは、前記エンジン構成要素の周りの前記第1の入力ロッカレバーの回転及び前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第1のバルブリフトピン及び前記第2のバルブリフトピンが各々、前記第1の孔及び前記第2の孔内の前記第2の位置にそれぞれ配置される、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項8】
標準リフト動作モードでは、前記エンジン構成要素の周りの前記第1の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達され、前記エンジン構成要素の周りの前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記第1のバルブリフトピンが前記第1の孔内の前記第1の位置に配置され、前記第2のバルブリフトピンが前記第2の孔内の前記第2の位置に配置される、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項9】
補助リフト動作モードでは、前記エンジン構成要素の周りの前記第2の入力ロッカレバーの回転が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されるように、少なくとも前記第2のバルブリフトピンが前記第2の孔内の前記第1の位置に配置される、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項10】
前記第1のバルブリフトピンが、互いから離れて前記第1の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して前記第1の位置から前記第2の位置まで移動可能である第1及び第2のシャーピン部を前記第1の孔内に含み、
前記バルブリフトピンが、互いから前記第2の位置に向かって付勢され、液圧流体圧力を介して前記第2の位置から前記第1の位置まで移動可能である第3及び第4のシャーピン部を前記第2の孔内に含む、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項11】
前記第1のバルブリフトピンが、前記第1の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して前記第1の位置から前記第2の位置まで移動可能である、前記第1の孔内で互いに当接係合する第1及び第2のシャーピン部を含み、
前記第2の孔内の前記第2のバルブリフトピンが、前記第2の位置に付勢され、液圧流体圧力を介して前記第2の位置から前記第1の位置まで移動可能である、請求項6に記載のロッカシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの入力ロッカレバーが、
前記カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な標準リフト入力ロッカレバーと、
前記カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第1の補助リフト入力ロッカレバーと、
前記カムシャフトの第3のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第2の補助リフト入力ロッカレバーと、を含む、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの出力ロッカレバーが、第2のアームから離間された第1のアームを備えたロッカ本体を含み、前記第1及び第2のアームが、前記エンジン構成要素の周りに配置されるように構成されており、前記標準リフト入力ロッカレバーを受容するための空間を第1のアームと第2のアームとの間に形成し、前記第1の補助リフト入力ロッカレバーが、前記標準リフト入力ロッカレバーとは反対の前記第1のアームの側の前記エンジン構成要素上に位置決めされており、前記第2の補助リフト入力ロッカレバーが、前記標準リフト入力ロッカレバーとは反対の前記第2のアームの側の前記エンジン構成要素上に位置決めされている、請求項12に記載のロッカシステム。
【請求項14】
前記標準リフト入力ロッカレバー、前記第1の補助リフト入力ロッカレバー、及び前記第2の補助リフト入力ロッカレバーの各々が、前記カムシャフトの前記第1、第2、及び第3のカムシャフトローブのそれぞれと直接的又は間接的に接触するローラを含む、請求項13に記載のロッカシステム。
【請求項15】
前記標準リフト入力ロッカレバー、前記第1の補助リフト入力ロッカレバー、及び前記第2の補助リフト入力ロッカレバーの各々が、前記付勢機構を形成する第1、第2、及び第3の付勢ばねのそれぞれに係合されており、前記第1、第2、及び第3の付勢ばねは、前記出力ロッカレバーに接触して、前記ローラを付勢して前記カムシャフトの前記第1、第2、及び第3のカムシャフトローブの前記それぞれと直接的又は間接的に接触させる、請求項14に記載のロッカシステム。
【請求項16】
内燃エンジンのロッカシステムであって、前記ロッカシステムが、
カムシャフトの第1のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第1の入力ロッカレバー
前記カムシャフトの第2のカムシャフトローブから受け取った運動に応答してエンジン構成要素の周りを回転可能な第2の入力ロッカレバー
前記エンジン構成要素の周りを回転可能な少なくとも1つの出力ロッカレバーであって、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの排気バルブ又は少なくとも1つの吸気バルブの開閉を制御するように構成されている、少なくとも1つの出力ロッカレバー
第1のバルブリフトスイッチ及び第2のバルブリフトスイッチであって、
前記第1のバルブリフトスイッチが、前記第1の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、前記第1のカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能であり、
前記第2のバルブリフトスイッチが、前記第2の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続して、前記第2のカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように動作可能であり、
前記第1及び第2のバルブリフトスイッチが、前記第1及び第2のカムシャフトローブからの運動が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記それぞれの第1及び第2の入力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除するように動作可能である、第1のバルブリフトスイッチ及び第2のバルブリフトスイッチ
付勢機構であって、前記付勢機構は、前記第1の入力ロッカレバー、前記第2の入力ロッカレバー、及び前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと接触しており、前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーを、それぞれ前記第1のカムシャフトローブ及び前記第2のカムシャフトローブと直接的又は間接的に接触させるように付勢するように構成されている、付勢機構と、
を備えており、
前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーのそれぞれは、第1の止め部材を備えており、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーのそれぞれは、第2の止め部材を備えており、前記第2の止め部材は、前記付勢機構の付勢の下で前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーが回転し過ぎるのを防止するように、対応する第1の止め部材に接触するように構成されている、ロッカシステム。
【請求項17】
前記第1のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第1の入力ロッカレバーとの間に延在する第1の孔内に収容されており、
前記第2のバルブリフトスイッチが、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーと前記第2の入力ロッカレバーとの間に延在する第2の孔内に収容されている、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項18】
前記第1のバルブリフトスイッチ及び前記第2のバルブリフトスイッチが各々、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに対して前記第1の入力ロッカレバー及び前記第2の入力ロッカレバーのうちの対応する1つを接続及び接続解除するように液圧で制御される、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項19】
前記カムシャフトの第3のカムシャフトローブから受け取った運動に応答して前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第3の入力ロッカレバーを更に備え、
前記第3の入力ロッカレバーが、前記第3のカムシャフトローブからの運動を前記少なくとも1つの排気バルブ又は前記少なくとも1つの吸気バルブに伝達するように、前記第2のスイッチによって前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに接続可能であり、
前記第3のロッカレバーが、前記第3のカムシャフトローブからの運動が前記少なくとも1つの出力ロッカレバーに伝達されないように、前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続解除可能である、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項20】
前記エンジン構成要素の周りを回転可能な第2の出力ロッカレバーであって、前記第2の出力ロッカレバーが、前記内燃エンジンの気筒と関連付けられた少なくとも1つの他の排気バルブ又は少なくとも1つの他の吸気バルブの開閉を制御するように構成されている、第2の出力ロッカレバーを更に備え、
前記第1のスイッチが、前記第2の出力ロッカレバーを前記少なくとも1つの出力ロッカレバーから接続及び接続解除するように動作可能である、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項21】
前記第1の止め部材のそれぞれは、ストップピンを備える、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項22】
前記第2の止め部材のそれぞれは、止め部材突起を備える、請求項1に記載のロッカシステム。
【請求項23】
前記第1の止め部材のそれぞれは、ストップピンを備える、請求項16に記載のロッカシステム。
【請求項24】
前記第2の止め部材のそれぞれは、止め部材突起を備える、請求項16に記載のロッカシステム。
【国際調査報告】