(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】動力式のサドルライド型乗り物用エアバッグシステム及びそのようなシステムを備えた動力式のサドルライド型乗り物
(51)【国際特許分類】
B62J 27/20 20200101AFI20240816BHJP
【FI】
B62J27/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514399
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 EP2022074698
(87)【国際公開番号】W WO2023036761
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524080221
【氏名又は名称】オートリブ・デベロップメント・アーベー
(71)【出願人】
【識別番号】514151524
【氏名又は名称】ピアッジオ・アンド・シー.・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】PIAGGIO & C. S.P.A.
【住所又は居所原語表記】Viale Rinaldo Piaggio, 25, 56025 Pontedera, PISA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェスターグレン、アンダース
(72)【発明者】
【氏名】リドスモ、エリック
(72)【発明者】
【氏名】バックマン、ケネス
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ディタンナ、オノリノ
(57)【要約】
動力式のサドルライド型乗り物(100)用のエアバッグシステム(1)が提供される。前記システムは、ハウジング(2);前記ハウジング(2)内に配置されるエアバッグ(6);及びインフレータ(7)を含む。ハウジング(2)は細長く、ドライバーに対向するように構成され、ハウジング(2)は乗り物のハンドルバー(104)と乗り物のフットサポート(105)の間の領域にある、乗り物(100)のステアリングコラム(101)に隣接するレッグシールド(102)に固定して取り付けられるように構成される。細長いハウジング(2)は、乗り物(100)の長手方向に伸びる中心線(CL)を横切るように、実質的に水平方向に取り付けられるように構成される。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力式のサドルライド型乗り物用のエアバッグシステムであって、前記エアバッグシステムは:
ハウジング;
前記ハウジング内に配置されたエアバック;及び
インフレータ;を含み、
前記ハウジングは細長く、ドライバーと対向するように構成され、前記ハウジングは、前記乗り物のハンドルバーと前記乗り物のフットサポートの間の領域にある、前記乗り物のステアリングコラムに隣接するレッグシールドに固定して取り付けられるように構成され、前記細長いハウジングは、前記乗り物の長手方向に伸びる中心線を横切るように、実質的に水平方向に取り付けられるように構成され;
前記インフレータは、前記エアバッグが作動信号がある場合に膨張して、前記乗り物の前記長手方向に延びる中心線を間に反対側に左右対称に展開し、それによって前記乗り物と前記ドライバーの骨盤、腹部、胸部及び頭部の領域との間に空いているスペースを満たすように構成されるエアバッグシステム。
【請求項2】
前記エアバッグは、巻かれた状態、折り畳まれた状態、又は巻かれた状態と折り畳まれた状態を組み合わせた状態で前記ハウジング内に配置される、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項3】
前記エアバッグは、広がりを持つ前記ハウジング内に、前記インフレータと反対側に左右対称に配置される、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項4】
前記ハウジングは前記ドライバーに対向するように構成されるカバーを含み、前記カバーは、開ループを形成するように延びているスプリット線を含み、それにより前記カバーは前記インフレータの作動時において、前記スプリット線が長く裂かれるように構成され、その結果、前記細長いハウジングの長手方向の延びに対して横方向に、前記エアバッグの前記展開を導くように構成される偏向板のようなフラップを形成する、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項5】
前記ハウジングは前記ハウジングの外周の少なくとも一部分に沿って延びるスプリット線を含み、それにより前記ハウジングは前記インフレータの作動時に、前記スプリット線が長く裂かれるように構成され、その結果、前記細長いハウジングの前記長手方向の延びに対して横方向に、前記エアバッグの前記展開を導くように構成される偏向板のようなフラップを形成する、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項6】
前記ハウジングは、通常の運転姿勢で見たときの前記ドライバーの膝と実質的に同じ高さに配置される、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項7】
前記ハウジング及び/又はそのカバーは、その外面にパッドを含むことがある、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項8】
前記エアバッグは作動時に、膨張展開されて、下部、中間部、及び任意的な上部を有する膨張体を形成するように構成され、前記中間部は前記下部及び前記任意的な上部それぞれよりも大きな部分容積を有する、請求項1に記載のエアバッグシステム。
【請求項9】
前記下部は前記エアバッグの膨張展開状態において、前記ハウジングの前記長手方向に沿って見たとき、通常の運転姿勢で見たときの前記ドライバーの膝の間の距離よりも小さい幅を有する、請求項8に記載のエアバッグシステム。
【請求項10】
前記下部は前記エアバッグの膨張展開状態において、各部分が前記乗り物の前記長手方向の中心線に対して横方向に延びている2つの膝保護部を含む、請求項8に記載のエアバッグシステム。
【請求項11】
前記中間部(MP)は前記エアバッグの前記膨張展開状態において、前記ハウジングの前記長手方向に沿って見たとき、前記乗り物の前記ハンドルバー間の距離よりも小さいが、前記下部の幅よりも小さい幅を有する、請求項8に記載のエアバッグシステム。
【請求項12】
前記中間部は前記エアバッグの前記膨張展開状態で見たとき、前記ドライバーの骨盤、腹部及び胸部の領域に隣接するように構成される、請求項8に記載のエアバッグシステム。
【請求項13】
前記中間部は前記エアバッグの前記膨張展開状態で見たとき、前記ドライバーの骨盤、腹部及び胸部の領域に隣接するよう構成された、実質的に平坦な表面部分を有する、請求項8に記載のエアバッグシステム。
【請求項14】
前記上部は前記エアバッグの前記膨張展開状態で見たとき、前記中間部の幅よりも小さい幅を有する、請求項8に記載のエアバッグシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のエアバッグシステムを備えた動力式のサドルライド型乗り物であって、前記ハウジングは前記乗り物のハンドルバーと前記乗り物のフットサポートとの間の領域にある、前記乗り物のステアリングコラムのレッグシールドに固定して取り付けられる、動力式のサドルライド型乗り物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力式のサドルライド型乗り物(powered saddle-ride type vehicle)用エアバッグシステム、及びそのようなエアバッグシステムを備えた動力式のサドルライド型乗り物に関する。
【背景技術】
【0002】
スクーター、オートバイ、スノーモービル等のような動力式のサドルライド型乗り物おいて、衝突の際にドライバーは拘束されていない。すなわち正面衝突の場合にドライバーは前方へ急激に移動する。ドライバーが前方に「飛び込む」動きをして障害物に衝突するよりも先に、大腿骨及び骨盤には最初に大きな負荷がかかる。ドライバーの前方移動を制限するため、エアバッグを備えた動力式のサドルライド型乗り物を提供することが知られている。しかしながらドライバーを怪我からよりしっかりと保護するために、更なる改良が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上記の障害を克服し、動力式のサドルライド型乗り物に適用可能な改良されたエアバッグシステムを提供することである。
【0004】
別の目的は、骨盤及び大腿骨への負荷を軽減することができるエアバッグシステムを提供することである。
【0005】
以下の概要及び説明から明らかとなる、これら及びその他の目的は、添付の特許請求の範囲に係る動力式のサドルライド型乗り物用のエアバッグシステムによって達成される。
【0006】
本発明の一態様によれば、動力式のサドルライド型乗り物用のエアバッグシステムが提供され、該エアバッグシステムは、
ハウジング;
ハウジング内に配置されたエアバッグ;及び
インフレータを含み、
ハウジングは細長く、ドライバーに対向するように構成されており、前記ハウジングは、乗り物のハンドルバーと乗り物のフットサポートの間の領域にある、乗り物のステアリングコラムに隣接するレッグシールドに固定して取り付けられるように構成され、細長いハウジングは乗り物の長手方向に伸びる中心線を横切るように、実質的に水平方向に取り付けられるように構成され;さらに
インフレータはエアバッグが、作動信号がある場合に膨張して、乗り物の長手方向に延びる中心線を間に反対側に左右対称に展開し、それによって乗り物とドライバーの骨盤、腹部、胸部及び頭部の領域との間に空いているスペースを満たすように構成されていることを特徴とする。
【0007】
従って、ドライバーがシートベルトを着用しない状態で着座するタイプの乗り物や、変形ゾーンや複数の柱によって形成されたケージ構造のような自動車に一体化されているタイプの安全装置が欠如した乗り物のために、特別に開発されたエアバッグシステムが提供される。
【0008】
本エアバックシステムはドライバーが前方に倒れて障害物に接触するのを防ぐだけでなく、正面衝突の場合に、ハンドルバー及びステアリングコラムのみならずレッグシールドとも接触することも防ぐために、ドライバーとの早期カップリングを可能にするよう特別に開発される。これによりエネルギーの大部分がエアバッグによって吸収されるため、ドライバーの骨盤、腹部、胸部、及び頭部の領域がよりしっかりと保護される。これによってドライバーの大腿骨及び骨盤への負荷を軽減できることが示されている。
【0009】
乗り物のステアリングコラムに隣接するレッグシールド上にハウジングを配置することでエアバッグシステムは、このタイプの乗り物において利用可能な別の非常に限られたダッシュボード領域と抵触しない領域に配置される。さらにエアバッグを細長いハウジング内に詰めることによって、サドルとレッグシールド間の利用可能なスペースは限られているという理由で重要性を持つハウジングの厚さを、大幅に減らすことができる。従ってハウジングが利用可能なレッグスペースを過度に制限しないことは重要な事項である。
【0010】
エアバッグは、巻かれた状態、折り畳まれた状態、又は巻かれた状態と折り畳まれた状態を組み合わせた状態でハウジング内に配置されてもよい。
【0011】
エアバッグは、広がり(extension)を持つハウジング内に、インフレータと反対側に左右対称に配置されてもよい。
【0012】
ハウジングは、ドライバーに対向するように構成されたカバーを含んでもよく、カバーは開ループを形成するように延びているスプリット線を含んでもよく、それによりインフレータの作動時において、前記カバーは前記スプリット線が長く裂かれるように構成され、その結果、細長いハウジングの長手方向の延びに対して横方向に、エアバッグの展開を導くように構成される、偏向板(deflector)のようなフラップを形成する。これによりエアバッグは効率的に展開し、乗り物のハンドルバー/ステアリングコラムとドライバーの骨盤、腹部、胸部、及び頭部の領域との間に空いているスペースを埋める。スプリット線は、ハウジングを形成する材料における、局所的な構造的に弱い箇所の近くに形成されてもよい。
【0013】
一実施形態においてハウジングは、ハウジングの外周の少なくとも一部分に沿って延びるスプリット線を含んでもよく、それによりインフレータの作動時に、前記ハウジングは前記スプリット線が長く裂かれるように構成され、その結果、細長いハウジングの長手方向の延びに対して横方向に、エアバッグの展開を導くように構成される、偏向板のようなフラップが形成される。
【0014】
スプリット線は、ドライバーと向き合うように構成されたハウジングの前壁と、ハウジングの後壁を形成するブラケット(bracket)との間の接合部分の近くに形成されてもよい。
【0015】
ハウジングは、通常の運転姿勢で見たときのドライバーの膝と、実質的に同じ高さに配置されてもよい。エアバッグシステムのハウジングをドライバーの膝と同じ高さに配置することにより、ドライバーの大腿骨及び骨盤への負荷を、なお一層軽減することが可能になることが示されている。
【0016】
ハウジング及び/又はそのカバーは、その外面にパッドを含んでもよい。
【0017】
エアバッグはその作動時に、膨張し展開されて、下部、中間部、及び任意的な上部を有する膨張体を形成するように構成されてもよく、前記中間部は下部及び任意的な上部それぞれよりも大きな部分容積を有する。
【0018】
これによりエアバッグの下部は膨張展開状態において、ドライバーの膝/大腿骨部の間の位置に受け入れられてもよく、さらにエアバッグの中間部はドライバーの骨盤/腹部/胸部の領域に隣接してもよい。さらにエアバッグが上部も含む場合には、これがドライバーの腕の間の胸部/顔の領域に配置されてもよい。それに対応して、ドライバーから見て外方に向くエアバッグの反対側は、膨張展開状態においてハンドルバー/ステアリングコラムに隣接してもよく、これによってエアバッグ、ひいてはドライバーの身体が前方に倒れるが防止される。またドライバーの大腿骨及び骨盤の領域との早期カップリングが可能になる。さらにエアバッグは、腹部及び胸部の領域におけるエネルギーを吸収する。大腿骨及び骨盤への負荷がこれにより軽減でき、ドライバーの上半身が障害物に衝突することが防止される。
【0019】
エアバッグの膨張展開状態において下部は、ハウジングの長手方向に沿って見た幅が、通常の着座した運転姿勢で見たときのドライバーの膝の間の距離よりも小さくてもよい。これによりドライバーの大腿骨及び骨盤の領域との早期カップリングが可能になり、大腿骨及び骨盤への負荷をこれにより軽減することができる。
【0020】
下部はエアバッグの膨張展開状態において、各部分が乗り物の長手方向の中心線に対して横方向に延びている2つの膝保護部を含んでもよい。それによりドライバーの膝並びに大腿骨及び骨盤の領域との早期のカップリングが可能になり、そこにかかる負荷を軽減することができる。
【0021】
エアバッグの中間部は、エアバッグの膨張展開状態において、ハウジングの長手方向に沿って見たときの幅が、乗り物のハンドルバー間の距離よりも小さいがエアバッグの下部の幅よりも小さくてもよい。シートベルトを正しく着用した自動車のドライバーと異なる点として、このタイプの乗り物のドライバーは、ハンドルバーを握ったままでいる間は腕を前方方向に突出させて、またさらに体をわずかに前傾させることが多い。本発明によって、エアバッグはドライバーの腕と胸部の領域の間の容積をよりしっかりと満たし、さらに正面衝突時にドライバーの体が前方へ倒れるのを抑える。
【0022】
エアバッグの中間部は、エアバッグの膨張展開状態で見たときに、ドライバーの骨盤、腹部及び胸部の領域に隣接するように構成されてもよい。中間部は、骨盤、腹部及び胸部の領域を、衝突の際エアバックの意図された隣接面との接触を損なわずに、横方向に移動させられる幅を有することが好ましい。これによりエアバッグシステムは、厳密には正面衝突でない場合においても非常に効果的になる。
【0023】
エアバッグの中間部は、エアバッグの膨張展開状態で見たとき、ドライバーの骨盤、腹部及び胸部の領域に隣接するよう構成された実質的に平坦な表面部分を有してもよい。それにより、凸状に湾曲した表面部分と比較して、ドライバーが横方向に滑り落ちる危険性が大幅に低減される。
【0024】
エアバッグの上部は、エアバッグの膨張状態において見たとき、エアバッグの中間部の幅よりも小さい幅を有してもよい。それにより上部を、運転中はハンドルバーを握るために前方向に伸びているドライバーの腕の間の空間に、よりしっかりと収容することができる。
【0025】
別の態様によると、請求項1から14のいずれかに記載のエアバッグシステムを含む動力式のサドルライド型乗り物が提供され、ここでハウジングは乗り物のハンドルバーと乗り物のフットサポートとの間の領域にある、乗り物のステアリングコラムに隣接するレッグシールドに固定して取り付けられる。
【0026】
ハウジングは、通常の運転姿勢で見たときのドライバーの膝と実質的に同じ高さに配置してもよい。当業者には、ドライバーの膝の高さは人によって異なるドライバーの丈次第であることが認識される。従って「高さ」という用語は、水平方向の直線ではなく、限定された垂直方向の広がりを有する領域として理解されるべきである。
【0027】
このようなエアバッグシステムそれ自体、及びその利点については、上記で十分に説明した。それらの論はこのようなエアバッグシステムを利用する動力式のサドルライド型乗り物に、一様に適用することができる。従って過度な繰り返しを避けるために、上記の各項を参照する。
【0028】
サドルライド型乗り物の非限定的な例として、オートバイ、スクーター、モペット、水上ジェットスキー、スノーモービルが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示は、添付の概略図を参照してより詳細に説明され、これらは本開示の現在の好ましい実施形態の一例を示す。
【0030】
【
図1a】ハウジングの所望の位置についての非常に概略的な図である。
【
図1b】ハウジングの所望の位置についての非常に概略的な図である。
【
図3】エアバッグ抜きのハウジングの分解斜視図である。
【
図4a】ハウジングの一部を形成するカバーの内壁の斜視図である。
【
図4b】通常の使用時におけるカバーの断面図である。
【
図4c】インフレータ作動後の状態におけるカバーの断面図である。
【
図5a】折り畳まれた状態で詰め込まれているエアバッグを開示するハウジングの概略的な断面である。
【
図5b】巻かれた状態で詰め込まれているエアバックを開示するハウジングの概略的な断面である。
【
図6】自動車と、動力式のサドルライド型乗り物間の正面衝突の場合の概略図である。
【
図7a】エアバッグの第1のデザインが膨張展開したときの状態における動力式のサドルライド型乗り物の一実施形態を開示する。
【
図7b】エアバッグの第2のデザインが膨張展開したときの状態における動力式のサドルライド型乗り物の一実施形態を開示する。
【
図8a】
図8aから
図8cは、膝の保護を備えたエアバッグの異なる3つの実施形態を非常に概略的に開示する。
【
図8b】
図8aから
図8cは、膝の保護を備えたエアバッグの異なる3つの実施形態を非常に概略的に開示する。
【
図8c】
図8aから
図8cは、膝の保護を備えたエアバッグの異なる3つの実施形態を非常に概略的に開示する。
【0031】
詳細な説明
これより本開示を、添付の図面を参照して以下でより完全に説明するが、本開示の現時点における好ましい実施形態が示される。しかしながら本開示は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書で説明される実施形態に限定して解釈されるべきではない。むしろこれらの実施形態は、徹底性及び完全性を目的に提供され、また当業者である受け手に本開示の範囲を漏れなく伝えるために提供される。同様の参照符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0032】
図1a及び
図1bから始めると、本発明は、動力式のサドルライド型乗り物100用のエアバッグシステム1に関するものである。本発明の文脈では、「動力式のサドルライド型乗り物」という用語は、乗り物の通常の使用においてドライバーがサドルに座った姿勢で席に着く乗り物として理解されるべきである。この種の乗り物の非網羅的なリストには、オートバイ、スクーター、モペット、水上ジェットスキー又はスノーモービルが含まれる。従って本発明は、ドライバーがシートベルトを着用しない状態で着席し、そして変形ゾーン、ケージ構造、及び多数のエアバッグのような一般的に自動車に一体化されている安全装置が欠如しているタイプの乗り物100のために、特別に開発されたエアバッグシステム1を提供する。
【0033】
この発明におけるエアバッグシステム1は、最も広い態様において、乗り物100のステアリングコラム101、より正確には乗り物100のステアリングコラム101のレッグシールド102の隣に固定して取り付けられるよう構成された細長いハウジング2を含む。ハウジング2は、ドライバーの通常の運転姿勢で見たとき、ドライバーの膝と同じ高さに配置してもよい。ドライバーの膝は、通常はサドル103と実質的に同じ高さにある。上述したようにドライバーの膝の高さは、人によって異なるドライバーの丈に依存することが、当業者には認識される。従って「高さ」という用語は、水平な直線ではなく、限定された垂直方向の広がりを有する領域として理解されるべきである。
【0034】
細長いハウジング2は、実質的に水平方向に、そして乗り物の長手方向に延びる中心線CLに対して横方向に取り付けられるよう構成される。この中心線は、乗り物業界の当業者にはY軸と呼ばれることが多い。ハウジング2は、長手方向に延びる中心線CLに対称に配置してもよい。ハウジングは、その高さ及び長手方向の伸長よりも十分に小さい厚さを有する。
【0035】
次に
図2に目を向けると、本発明に係る細長いハウジング2の一実施形態が開示される。ハウジング2は細長い形状を有し、ドライバーの方を向くよう構成されたカバー3と、ハウジング2の後壁5を形成するブラケット4を含む。カバー3とブラケット4は共に、エアバッグとインフレータを収容するよう構成される閉じた容積を画定する。細長いハウジングは、2つの側面(flank)16A及び16Bを含む。
【0036】
図3に目を向けると、ハウジング2の分解図が開示される。理解を助けるため、エアバッグは省略されている。ハウジング2の後壁5を形成するブラケット4は、乗り物100のステアリングコラムによってそれ自体が直接又は間接的に支持されるレッグシールド102に、ハウジング2を固定して取り付けることができるよう構成される複数の貫通穴(throughgoing hole)8を含む。さらにブラケット4は、密封状態にカバー3と係合するよう構成される周縁部9を含む。ブラケット4は、インフレータ7を支持するよう構成される中央部分10を含む。インフレータ7は、開示される実施形態では、インフレータ7及びブラケット4それぞれにおける一群の嵌合穴11を介して、4つのネジ又は鋲(図示せず)によってブラケット4に固定して配置されるよう構成される。中央部分10は、インフレータ7の作動に必要な配線(図示せず)を受け入れるよう構成される貫通開口(through-going opening)12を含む。
【0037】
ハウジング2及び特にそのブラケット4は、固定して取り付けられるよう構成されるレッグシールド102の表面の広がりに対応する、全体的な表面の広がりを有してもよい。ブラケット4はそれに応じて、実質的に平らな表面の広がり又は湾曲した広がりを有してもよい。
【0038】
インフレータ7は、それ自体がエアバッグシステム1の技術において周知である、示されていないガス発生器を含んでもよい。
【0039】
インフレータ7は、乗り物100のECU(電気制御ユニット)に接続され、正面衝突を知らせる作動信号に基づいて作動するよう構成される。これは乗り物についている1つ又はそれ以上のセンサを使用することにより可能にしてもよい。
【0040】
カバー3は前壁13を含み、この前壁13は、ブラケット4の周縁部9と密封状態に係合するよう構成される周縁部14を含む。ブラケット4とカバー3との間の接合部には、シール部材(図示せず)が設けられてもよい。
【0041】
カバー3は、密閉されたハウジングを形成するためにブラケット4にはめ込まれるよう構成される。これは例えば、ネジ締め、スナップフィット、溶接、接着剤による接合によって可能である。閉鎖部は、不正開封を防ぐように形成してもよい。閉鎖部は湿気や雨に侵されないようにするのが好ましい。
【0042】
カバー3の中央部分15は、局所的に拡張された奥行きを有する領域を含み、それによりインフレータ7を収容することができる。インフレータ7はハウジング2の中央に配置されるのが好ましい。従ってインフレータ7は、ハウジング2の対向する2つの側面16A、16Bの奥行きと比較して、局所的に拡張された奥行きをハウジング2が有するハウジング2の中心位置に配置される。
【0043】
ハウジング2が乗り物100に、乗り物の長手方向に延びる中心線CLに対して横方向に、好ましくはさらに対称に取り付けられる位置では、インフレータ7は乗り物100の長手方向に延びる中心線CLと軸方向に並んで、ハウジング2の2つの側面16A、16Bは中心線CLの反対側に配置される。これは
図1aで最もよく説明される。カバー3の局所的に厚い中央部分15、及び比較的薄い側面16A、16Bは、それにより乗り物100の利用可能な脚のスペースを過度に侵害することがない。
【0044】
カバー3は、その外面に任意のパッド(図示せず)を含んでもよい。このような任意のパッドは乗り物の通常の使用時に、レッグシールドにおける膝の保護として役立ててもよい。
【0045】
次に
図4a及び
図4bに目を向けると、カバー3の斜視図及び断面図がそれぞれ開示される。カバー3はスプリット線17を含む。スプリット線17は、
図3aで最もよく分かる通り、開ループを形成するように延びる。スプリット線17は、ハウジング2を形成する材料において、構造上比較的脆弱な局所的領域の近くに形成されてもよい。スプリット線17は
図4aで示されるように、カバー3の内壁部分に形成されてもよい。スプリット線17は機能を維持したまま、カバー3の外壁部分に形成されてもよいことが当業者には認識される。別の実施形態では、ハウジング2は代わりに、ハウジング2の外周の少なくとも一部分に沿って延びるスプリット線17を含んでもよい。
【0046】
スプリット線17のデザインがどうであれ、カバー3又はハウジング2は、インフレータ7の作動時に前記スプリット線17が長く裂かれるように構成され、それによって偏向板18のようなフラップ、
図4cを参照、が形成される。偏向板18は、細長いハウジング2の長手方向の延びに対して横の方向へエアバッグの展開を導くように構成される。これによりエアバッグは効率的に展開され、乗り物のハンドルバーとドライバーの骨盤、腹部及び胸部の領域との間に空いているスペースを満たすことができる。ハウジング2が長手方向に延びる中心線CLについて中央に配置されている場合、前述の空いているスペースにおいて、その展開は対称的になる。
【0047】
以下でこれについてさらに論じる。理解を助けるために、
図4aから4cではインフレータとエアバッグの両方が省略されている。
【0048】
次に
図5aに目を向けると、エアバッグ6が中に詰め込まれたハウジング2の概略的な断面が開示される。エアバッグ6は、折り畳まれた状態でハウジング2に詰め込まれているとして開示される。折り畳みは、ジグザグ(zig-zag)方法でされている状態で開示される。折り畳みは機能を維持したまま数多くの方法で行われ得ることが当業者には認識され、その折り畳みパターンはエアバッグ6の全体的な形状、及びその意図する展開に合わせて変わる。
図5bはエアバッグ6が、代わりに巻かれた状態で詰め込まれる他の実施形態を開示する。
【0049】
これら2つの実施形態で分かる通り、エアバッグ6は、インフレータ7のガスチャンバー19と流体接続(fluid connection)するよう配置される。このように、正面衝突を伴う緊急事態が感知された場合にインフレータ7が作動すると、インフレータ7の一部を形成するガス発生器20が作動し、ガスチャンバー19を介してエアバッグ6を膨張させるガス流を発生させる。ガスはインフレータ7の壁部にある1つ又はそれ以上の開口部21を介して、エアバッグ6に入る。エアバッグ6が膨張すると、スプリット線17、
図4aから4cを参照、が破れてそれにより前記偏向板18を形成する。
【0050】
エアバッグ6は巻かれた状態又はジグザグパターンで折り畳まれてハウジング2内に配置されているものとして例示したが、他のパターン又は異なるパターンの組み合わせを使用してもよいことが、当業者には認識される。エアバッグ6がハウジング2内にどのように詰められていても、エアバッグ6は対向する側面16A、16Bに沿った対称的な広がりを持つハウジング2内に、インフレータ7と反対側に左右対称に配置されていることが好ましい。さらにどのようなパターンであっても、エアバッグ6は乗り物の長手方向の中心線CLの反対側に、対称的に膨張し、また対称的に展開することが好ましい。
【0051】
エアバッグ6は当該技術でよく知られるように、柔らかい布材料で作られていてもよい。この材料は織物又は不織材料のような繊維材料であってもよい。この材料はプラスチック又は複合材料であってもよい。エアバッグ6は展開を制御するために、つなぎ綱(tether)やその他のタイプの要素と共に提供されてもよい。
【0052】
次に
図6に目を向けると、本発明に係るエアバッグシステム1の作用が開示される。
【0053】
インフレータ7と詰め込まれたエアバッグを含んだ細長いハウジング2は、乗り物100のステアリングコラム101のレッグシールド102に固定して取り付けられる。ハウジング2は、ドライバーの通常の着座姿勢で見たときのドライバーの膝と同じ高さに配置されているように図示される。しかしハウジング2は機能を維持したままで、乗り物のハンドルバー104と乗り物のフットサポート105との間の領域について見たとき、他の垂直位置に配置されてもよいことを理解されたい。
【0054】
細長いハウジング2は水平方向に延びるように、そして乗り物100の長手方向に延びる中心線CLを横切るように取り付けられる。細長いハウジング2は好ましくはさらに、乗り物100の長手方向に延びる中心線CLについて対称に配置される。
【0055】
インフレータ7は当業者に周知の方法で、乗り物のECU(図示せず)と通信するように配置される。
【0056】
ECUの処理装置が、乗り物上のセンサから収集され処理された信号に基づいて正面衝突が起きていると判定すべき場合、ガス発生器20を作動させるインフレータ7に作動信号が伝達される。ガス発生器20はエアバッグ6を膨張させるガス流を発生させる。エアバッグ6は、乗り物の長手方向に延びる中心線CLの反対側で対称的に膨張展開し、それにより乗り物のハンドルバー104とドライバーの骨盤、腹部、胸部及び頭部の領域との間に空いているスペースを満たす。これにより正面衝突時にドライバーが前方に倒れて障害物に接触するのを防止するだけでなく、ハンドルバー104、ステアリングコラム101及びレッグシールド102のうちの1つ又はそれ以上と接触するのも防止するドライバーの早期カップリングがもたらされる。これによりエネルギーの大部分がエアバッグ6によって吸収されるため、ドライバーの骨盤、腹部、胸部及び頭部の領域がよりしっかりと保護される。さらにエアバッグシステム1のハウジング2がドライバーの膝と同じ高さに配置される場合、大腿骨及び骨盤への負荷をより軽減できることが示されている。
【0057】
ハウジング2を乗り物100のレッグシールド102上に配置することにより、この種の乗り物100で利用可能である、別の非常に限られたダッシュボード領域と抵触しない領域にエアバッグシステム1が配置され得る。さらにエアバッグ6を細長いハウジング2の中に収容することにより、ハウジング2、及び特にその対向する側面16A、16Bの厚さを実質的に減少させることができるのだが、サドル103とレッグシールド102との間の利用可能なスペースは限られているので、これはドライバーのための脚のスペースを過度に制限しないために重要な事項である。後者はドライバーの全体的な快適性のために重要である。
【0058】
エアバッグ6は、正面衝突時にドライバーが転倒するのを防止するドライバーのカップリングを提供する順番で、展開状態において異なる構成を有してもよい。
【0059】
図6及び
図7aに目を向けると、エアバッグ6の第1の実施形態が開示される。エアバッグ6はその作動時に膨張して展開し、下部(lower portion)LP、中間部(middle portion)MP及び任意的な上部(optional upper portion)UPを有する膨張体を形成するように構成されてもよく、ここで中間部MPは、下部LP及び任意的な上部UPのそれぞれよりも大きな部分容積を有する。
【0060】
これによりエアバッグ6の下部LPは、膨張展開した状態においてドライバーの膝/大腿骨部の間の位置に受け入れられ、一方エアバッグ6の中間部MPは、ドライバーの骨盤/腹部/胸部の領域に隣接する。さらに
図6及び
図7aで開示されるように、エアバッグ6が上部UPも備える場合、これはドライバーの腕の間の胸部/顔の領域、すなわち頭部の領域に配置される。これに対応してドライバーから見て外方を向くエアバッグ6の反対側は、膨張展開した状態においてハンドルバー104とステアリングコラム101に隣接し、それによってエアバッグ6、ひいてはドライバーの身体が前方に倒れるのを防ぐ。またドライバーの大腿骨/骨盤の領域との早期カップリングが可能になる。さらにエアバッグ6は骨盤/腹部/胸部の領域のエネルギーを吸収する。大腿骨及び骨盤への負荷をそれにより軽減することができ、ドライバーの上半身が障害物に衝突することが防止される。
【0061】
上部UPはエアバッグ6の膨張展開状態で見たときに、中間部の幅W2よりも小さい幅W1を有してもよい。これにより上部UPを、運転中はハンドルバー104を握るために前方方向に延びているドライバーの腕の間の空間に、よりしっかりと収容させることが可能になる。さらに下部LPは中間部MPの幅W2よりも小さい幅W3を有する。下部LPはエアバッグの膨張展開状態において、ハウジングの長手方向に沿って見たとき、通常の着座した運転姿勢で見たときのドライバーの膝の間の距離よりも小さい幅を有してもよい。
【0062】
図7bは、下部LPと中間部MPとを含む膨張展開したエアバッグ6の他の実施形態を開示する。このようにエアバッグ6は、
図7aで開示された上部を持たない。従ってこの実施形態では、エアバッグ6の下部LPは膨張展開した状態において、ドライバーの膝/大腿骨部の間の位置で受け入れられ、一方エアバッグ6の中間部MPはドライバーの骨盤/腹部/胸部の領域に隣接する。ドライバーの頭部/顔の領域専用のカップリングは、このエアバッグのデザインでは提供されない。ドライバーの逆を向くエアバッグ6の反対側は、膨張展開した状態においてハンドルバー104及びステアリングコラム101と隣接して、それによりエアバッグ6、ひいてはドライバーの身体が前方に倒れるのを防ぐ。またドライバーの大腿骨/骨盤の領域との早期カップリングが可能になる。さらにエアバッグ6は骨盤/腹部/胸部の領域のエネルギーを吸収する。それにより大腿骨及び骨盤への負荷が軽減され、ドライバーの上半身が障害物に衝突することが防止される。
【0063】
ドライバーの頭部/顔の領域のカップリングを提供するための専用の上部UPを、エアバッグ6が含んでいるか否かに関わらず、エアバッグ6の下部LPはエアバッグ6の膨張展開状態において、ハウジング2の長手方向に沿って見たときに、通常の運転姿勢で見たときのドライバーの膝の間の距離よりも小さい幅W3を有してもよい。それによりドライバーの大腿骨/骨盤の領域との早期カップリングが可能になり、大腿骨及び骨盤への負荷をそれによって軽減させられる。
【0064】
中間部MPはエアバッグ6の膨張展開状態において、ハウジング2の長手方向に沿って見たときに乗り物100のハンドルバー104間の距離よりも小さいが、下部LPの幅W3よりも小さい幅W2を有してもよい。ベルトを正しく装着した自動車のドライバーとは異なる点として、このタイプの乗り物のドライバーは、ハンドルバー104を握ったままでいる間は腕を前方方向に突き出し、また体をわずかに前傾させることが多い。本発明によりエアバッグ6は、ドライバーの腕と胸との間の容積をよりしっかりと満たし、さらに正面衝突時にドライバーの身体が前方へ倒れるのを制限する。
【0065】
中間部MPはエアバッグ6の膨張展開状態で見たとき、ドライバーの骨盤、腹部及び胸部の領域に接するように構成されてもよい。中間部MPは衝突の際に、骨盤、腹部及び胸部の領域を、エアバッグ6の意図した隣接面との接触を損なうことなく、長手方向の中心線について横方向に移動させられるような、幅W2を有することが好ましい。これによりエアバッグシステムは、厳密には正面衝突でない場合においても非常に効果的となる。
【0066】
中間部MPは、エアバッグ6の膨張展開状態で見たとき、ドライバーの骨盤、腹部、及び胸部の領域に隣接するように構成される、実質的に平坦な表面部分MPS、
図7a及び
図7bを参照、を有してもよい。それにより凸状に湾曲した表面部分と比較して、ドライバーが横方向に滑り落ちる危険性が大幅に低減される。
【0067】
次に
図8aから8cに目を向けると、下部LPが膝保護部61を含むエアバッグ6の異なる3つの例が開示される。膝保護部61は横方向、すなわち乗り物の長手方向の中心線に対して横に展開するように構成される突出部として形成される。膝保護部61は、通常の着座姿勢で見たときドライバーの膝と実質的に同じ高さに配置されるように構成される。それによりドライバーの大腿骨/骨盤の領域との早期カップリングがより可能になり、大腿骨及び骨盤への負荷をそれによって軽減することができる。中間部MPは先の実施形態と同様に、骨盤/腹部/胸郭の領域に隣接するように構成されて、上部UPは頭部/顔の領域に隣接するように構成される。
【0068】
図8bの実施形態はその上部UPに肩保護部62をさらに含む点で、
図8a及び
図8cの実施形態と異なる。肩保護部62は、横方向、すなわち乗り物の長手方向の中心線に対して横に展開するように構成される突出部として形成される。肩保護部62は通常の着座姿勢で見たときドライバーの頭部/顔の領域及び/又は胸部/肩の領域と同じ高さに配置されるように構成される。
【0069】
図8cの実施形態は上部UPが省略されている点で、
図8a及び
図8bの実施形態と異なる。
【0070】
エアバッグ6又は横方向に延びる突起を有するタイプは、巻かれた状態及び折り畳まれた状態を組み合わせてハウジング2の中に配置されるよう、有利に構成されてもよい。
【0071】
当業者には、本開示の範囲から逸脱することなく本明細書に記載された実施形態についての数多くの変更が可能であることが理解され、それは添付の特許請求の範囲で明確にされている。
【0072】
一例としてエアバッグ6の材料は、展開状態でドライバーの腹部及び胸部の領域に隣接するように構成される前記中間部において、展開中に伸びるように構成されてもよい。この伸びによって中間部に全体的な強さ(stiffness)が付加される。これはエアバッグ6の局所的な表面領域に、異なる材料のタイプ/特性を使用することにより提供できる。
【0073】
ハウジング2又はそのカバー3がパッドを含む場合、パッドは少なくとも部分的に、詰められたエアバッグ6によって形成されていてもよい。このことは、その表面の広がりの各場所について見たとき様々な強度の特性を備えるカバー3及び/又はハウジング2を用意することによって可能にできる。
【国際調査報告】