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特表2024-530811織物、それを作製する方法、及びそれを使用する医療デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】織物、それを作製する方法、及びそれを使用する医療デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20240816BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024514698
(86)(22)【出願日】2022-09-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022042604
(87)【国際公開番号】W WO2023038879
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/241,330
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サンディップ・ヴァサント・パワル
(72)【発明者】
【氏名】デルフィン・ラファエル・ルイス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC03
4C097DD02
4C097DD04
4C097EE09
4C097EE11
4C097EE17
4C097FF09
4C097FF12
4C097MM03
4C097MM04
4C097SB10
(57)【要約】
a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸(102、112)と、b)第一の糸(102、112)とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸(104、106、108、110、114、116、204、214、304)と、を含む織物(30)であって、第一の糸(102、112)が、一つ以上の追加的な糸(104、106、108、110、114、116、204、214、304)の弾性よりも高い弾性を示し、織物(30)が約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、織物(30)が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、織物(30)が本明細書に開示される。また、本明細書には、開示される織物(30)を有する医療デバイス(10)も記載されている。加えて、開示される織物(30)を作製する方法が本明細書に開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織物であって、
a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、
b)前記第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸と、を含み、
前記第一の糸が、前記一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示し、
前記織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、前記織物が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、織物。
【請求項2】
前記第一のポリマーが、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、エラストマーポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコーン系エラストマー、若しくはそれらの組み合わせを含む、及び/又は前記第一のポリマーが、約75A~約75Dのデュロメーターを有する、及び/又は前記第一のポリマーが、約4500psi~約8000psiの最大引張強度を有する、請求項1に記載の織物。
【請求項3】
前記第一の糸の前記一つ以上のフィラメントが、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する、請求項1~2のいずれか一項に記載の織物。
【請求項4】
二つ以上の追加的な糸が存在し、これらの追加的な糸が同じ、又は異なっていて、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の織物。
【請求項5】
前記一つ以上の追加的な糸が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の織物。
【請求項6】
ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含む第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸をさらに含み、前記第二の糸が前記第一の糸とは異なり、前記第一のポリマーが前記第二のポリマーよりも高い弾性を有し、前記第二の糸の前記一つ以上のフィラメントが約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の織物。
【請求項7】
前記第一の糸がコアを形成し、前記第二の糸がシースを形成するように、前記第二の糸が前記第一の糸を覆って多成分糸を形成する、請求項6に記載の織物。
【請求項8】
前記多成分糸が、単一被覆又は二重被覆されていて、前記多成分糸が二重被覆されている時、二つの第二の糸が、前記第一の糸を反対方向に覆う、請求項7に記載の織物。
【請求項9】
前記第二の糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高伸縮性(HS)テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の織物。
【請求項10】
前記第一の糸の前記一つ以上のフィラメントがメルトスパンされている、請求項1~9のいずれか一項に記載の織物。
【請求項11】
前記織物が、
i)編み構造であって、単純なシングルジャージーニット構造、 ニットミスパターンを有するシングルジャージーニット構造、ニットタックパターンを有するシングルジャージーニット構造、トリコットニット、ロックニット、サテンニット、レバースロックニット、シャークスキンニット、パールニット、リブステッチニット、インターロックステッチニット、ダブルニット、ワープニット、ラッシェルニット ケーブルニット、バーズアイニット、ポンテルニット、インターシアニット、ジャカードニット、編みテリー織物、編みベロア織物、スライバーニット、フリースニット、縦編み、横編み、若しくはクロシェ編み構造、若しくはそれらの任意の組み合わせを含む、編み構造、又は、
ii)平織、平織の派生物、うね織、バスケット織、綾織、繻子織、ドビー織、ジャカード織、エクストラヤーン織、ピケ織、二重織物、なし地織、もじり織、パイル織、三軸織、若しくはそれらの組み合わせを含む織り構造、又は、
iii)編組構造であって、二軸性、三軸性、一方向性、若しくはそれらの組み合わせである、編組構造、を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の織物。
【請求項12】
前記第二の糸が存在しない時、前記織布の横方向が前記第一の糸を含む、及び/若しくは前記織物の縦方向が前記一つ以上の追加的な糸を含む、又は
前記第二の糸が存在する時、前記織布の縦方向が、前記多成分糸及び前記一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、請求項11に記載の織物。
【請求項13】
前記第二の糸が存在する時、前記織布の前記縦方向が、前記第一の糸とは異なる第三の糸をさらに含み、前記第三の糸が、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせを含む第三のポリマーを含み、前記第三の糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項12に記載の織物。
【請求項14】
前記多成分糸が、前記縦方向に織られた前記一つ以上の追加的な糸の張力とは異なる張力下で前記縦方向に織られている、請求項11~13のいずれか一項に記載の織物。
【請求項15】
前記第三の糸が、前記多成分糸及び/又は前記一つ以上の追加的な糸とは別々に前記縦方向に織られ、前記第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較した時、前記第三の糸が、前記織物の表面上により長いフロート又は隆起特徴を形成し、前記織物が、前記第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較して、より高い表面積を有する、請求項13~14のいずれか一項に記載の織物。
【請求項16】
前記多成分糸の縦糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200であり、並びに/又はテクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、及び/若しくは前記かさ高テクスチャ加工糸を含む前記一つ以上の追加的な糸の縦糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、請求項11~15のいずれか一項に記載の織物。
【請求項17】
横糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、請求項14~16のいずれか一項に記載の織物。
【請求項18】
前記織物が前記第二の糸を含まず、前記縦編み構造を有する時、前記織物の縦方向が、前記第一の糸及び前記一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、又は、
前記織物がクロシェ編み構造を有する時、前記織物の縦方向が前記第一の糸を含み、前記縦方向が、前記一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比でさらに含む、又は、
前記第二の糸が存在し、前記織物が前記縦編み構造を有する時、前記織物の縦方向が、前記多成分糸及び前記一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、又は、
前記織物が前記第二の糸を含まず、前記横編み構造を有する時、前記織物が前記第一の糸及び前記一つ以上の追加的な糸の編み物を含む、請求項11に記載の織物。
【請求項19】
前記編組構造がコア及びシースを含み、
前記第二の糸が存在しない場合、前記編組構造の前記コアが前記第一の糸を含み、前記シースが前記一つ以上の追加的な糸を含む、又は、
前記第二の糸が存在する場合、前記シースが前記多成分糸を含む、請求項11に記載の織物。
【請求項20】
前記第二の糸が存在する時、前記編組構造が、前記第二の糸によって覆われていない追加的な第一の糸をさらに含み、前記コアが前記追加的な第一の糸を含む、請求項19に記載の織物。
【請求項21】
前記織物が少なくとも80%の弾性回復を示す、請求項1~20のいずれか一項に記載の織物。
【請求項22】
前記織物が、高い伸縮性、基材への自己適合性、所定の縫合糸保持、所定の布密度保持、細孔サイズ保持、厚さ保持、又はそれらの組み合わせを示す、請求項1~21のいずれか一項に記載の織物。
【請求項23】
織物であって、
a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、
b)前記第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を有する一つ以上の追加的な糸と、
c)任意選択的に、第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸と、を含む織物を形成することを含む方法であって、前記第二の糸が存在する場合、前記第一の糸がコアを形成し、前記第二の糸がシースを形成するように、前記第二の糸が前記第一の糸を覆って多成分糸を形成し、
前記第一の糸が、前記一つ以上の追加的な糸の弾性及び前記第二の糸(存在する場合)の弾性よりも高い弾性を示し、
前記織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、方法。
【請求項24】
移植可能な人工弁であって、
流入端、流出端、及び長手方向軸を有する環状フレームであって、拡張及び折り畳みするように構成されている、環状フレームと、
前記フレームに固定された封止要素と、を含み、前記封止要素が、編み構造、織り構造、又は編組構造を有する織物であって、
i)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、
ii)前記第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸と、を含む織物を含み、
前記第一の糸が、前記一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示し、
前記織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、前記織物が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、移植可能な人工弁。
【請求項25】
前記織物が、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含む第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸をさらに含み、前記第二の糸が前記第一の糸とは異なっていて、前記第一のポリマーが前記第二のポリマーよりも高い弾性を有し、前記第一の糸がコアを形成し、前記第二の糸がシースを形成するように、前記第二の糸が前記第一の糸を覆って多成分糸を形成し、前記多成分糸が単一被覆又は二重被覆されていて、前記多成分糸が二重被覆されている時、二つの第二の糸が、前記第一の糸を反対方向に覆う、請求項24に記載の移植可能な人工弁。
【請求項26】
前記封止要素が、患者の生来の組織との封止を確立するように構成された外側スカートである、請求項24又は請求項25に記載の移植可能な人工弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年9月7日に出願された米国仮特許出願第63/241,330号の利益を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
分野
【0002】
本出願は、異なる弾性を有する糸を含む織物材料の態様に関する。本出願はまた、こうした織物材料を含む移植可能な医療デバイスの態様に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療デバイスはしばしば、医療デバイスの性質及びタイプに応じて、様々な機能を満たすことができる織物及び布を組み込む。これらの織物は、多くの中でもとりわけ、送達装置、縫合糸、創傷被覆材、移植弁、及び皮膚グラフトから、動脈グラフトにおける使用まで、様々な用途で使用することができる。
【0004】
例えば、移植可能な生体人工心臓弁及びステントグラフトは、金属フレーム又はステントに取り付けられた、外側カバー又は内側若しくは外側布スカートなどの布の層を含むことが多い。生体人工心臓弁の場合、布スカートを使用して、弁尖をステントに固定することができる。布スカートはまた、そうでなければ、患者の血管系を通して送達するために心臓弁が半径方向に圧縮された時に、弁尖とステントの間の直接接触から生じ得る損傷から、デリケートな弁尖を保護するように機能し得る。
【0005】
こうした例示的な装置に存在する布は、例えば、折り畳まれた構成から拡張する時に、織物が弁形状及び/又はその寸法の変化に適合することを可能にする所望のレベルの伸縮性など、様々な特性を有する必要がある。同様に、織物及び布は、身体の自然な解剖学的構造に適合するように、かつ挿入時などに血液漏れの防止を可能にするように、形状適合できる必要がある。
【0006】
様々なエラストマー繊維を含む伸縮性の織物及び布は、着心地の良い衣服、矯正下着、運動用の衣服などを作製するのに非常に人気があるが、これらの従来の織物は、織物が対象の身体及び/又は体液と接触している時の医療用途には簡単に適合しない。それは、こうした織物が、対象の身体と適合性があり、決して害を加えないためには、追加の特性を有する必要があるからである。
【0007】
これらのニーズ及び他のニーズは、本開示によって少なくとも部分的に満たされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の態様の一部は、織物に関する。一部の態様は、 a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸と、を含む織物であって、第一の糸が、一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示し、織物が約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、織物が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、織物に関する。
【0009】
さらに他の態様では、第一のポリマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、及びエラストマーポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコーン系エラストマー、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0010】
一部の態様では、第一の糸はモノフィラメントであり得る。一方、他の態様では、第一の糸はマルチフィラメントであり得る。
【0011】
またさらなる態様では、一つ以上の追加的な糸は、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0012】
なおさらなる態様では、一つ以上の追加的な糸は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、又はそれらの組み合わせを含む。
【0013】
加えて、又は代替的に、織物が、第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸をさらに含む態様も開示される。こうした態様では、第二の糸は第一の糸とは異なる。またさらなる態様では、第一の糸がコアを形成し第二の糸がシースを形成するように、第二の糸は第一の糸を覆って多成分糸を形成することができる。またなおさらなる態様では、第一のポリマーは、第二のポリマーよりも高い弾性を有する。またなおさらなる態様では、第二のポリマーは、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0014】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物は、編み構造、織り構造、又は編組構造を有することができる。
【0015】
また、本明細書に開示される織物のいずれかを含む物品が本明細書に開示される。
【0016】
特定の態様では、移植可能な人工弁であって、流入端、流出端、及び長手方向軸を有する環状フレームであって、拡張及び折り畳みするように構成されている環状フレームと、フレームに固定された封止要素と、を備え、封止要素が、a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸とを含む織物を含み、第一の糸が一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示し、織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、織物が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、移植可能な人工弁が開示される。
【0017】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物のいずれかを含む医療デバイスが本明細書に開示される。
【0018】
また一部の態様では、a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を有する一つ以上の追加的な糸と、c)任意選択的に、第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸と、を含む織物を形成することを含む方法であって、第二の糸が存在する場合、第一の糸がコアを形成し第二の糸がシースを形成するように、第二の糸が第一の糸を覆って多成分糸を形成し、第一の糸が、一つ以上の追加的な糸及び第二の糸(存在する場合)の弾性よりも高い弾性を示し、織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、方法が本明細書に開示される。
【0019】
特定の態様では、形成する工程は、織ること、編むこと、編組すること、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0020】
本開示の追加の態様は、部分的には、以下の詳細な説明、図、及び特許請求の範囲に記載され、部分的には、詳細な説明から導出されることになり、又は本開示の実施によって学習され得る。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的及び説明的であり、開示される本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】一態様における例示的なモノフィラメント多成分糸を示し、図1Aは、モノフィラメントの第一の糸がモノフィラメントの第二の糸で覆われている、単一被覆多成分糸を示す。
図1B】一態様における例示的なモノフィラメント多成分糸を示し、図1Bは、モノフィラメントの第一の糸がモノフィラメントの第二の糸の二つの層で覆われている、二重被覆多成分糸を示す。
図2A】一態様における例示的な多成分糸を示し図2Aは、モノフィラメントの第一の糸がマルチフィラメントの第二の糸で覆われている、単一被覆多成分糸を示す。
図2B】一態様における例示的な多成分糸を示し、図2Bは、モノフィラメントの第一の糸がマルチフィラメントの第二の糸の二つの層で覆われている、二重被覆多成分糸を示す。
図3A】一態様における例示的な多成分糸を示す。図3Aは、マルチフィラメントの第一の糸がマルチフィラメントの第二の糸で覆われている、単一被覆多成分糸を示す。
図3B】一態様における例示的な多成分糸を示し、図3Bは、マルチフィラメントの第一の糸がマルチフィラメントの第二の糸の二つの層で覆われている、二重被覆多成分糸を示す。
図4図4は、一態様における例示的な織物のための例示的な織りパターンを示す。
図5A】一態様における例示的な織物のための例示的な編みパターンを示し、図5Aは、例示的な単純なシングルジャージーニット構造を示す。
図5B】一態様における例示的な織物のための例示的な編みパターンを示し、図5Bは、例示的なニットミスパターンを有するシングルジャージーニット構造(左‐構造の写真、右‐構造の概略図)を示す。
図5C】一態様における例示的な織物のための例示的な編みパターンを示し、図5Cは、例示的なニットタックパターンを有するシングルジャージーニット構造を示す。
図5D】一態様における例示的な織物のための例示的な編みパターンを示し、図5Dは、一態様における例示的な編まれたニットタック織物構造を示す。
図6図6は、弁周囲漏出封止として使用される例示的な織物の例示的な態様を含む、人工心臓弁などの例示的な移植可能な医療デバイスの斜視図を示す。
図7図7は、弁周囲漏出封止として使用される例示的な織物を含む、弁周囲漏出封止の別の態様を含む、人工心臓弁などの例示的な移植可能な医療デバイスを図示する斜視図を示す。詳細な説明
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、以下の詳細な説明、実施例、図面、及び特許請求の範囲、並びにそれらの前述及び以下の説明を参照することによって、より容易に理解することができる。しかしながら、本物品、システム、及び/又は方法が開示及び記載される前に、本開示は、別段の指定がない限り、開示される物品、システム、及び/又は方法の具体的又は例示的態様に限定されず、したがって、当然ながら変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを記載する目的のためのものであり、限定的であることを意図していないことも理解されたい。
【0023】
本開示の以下の説明は、その最良の現在知られている態様における本開示の実現可能な教示として提供される。この目的のために、関連分野の当業者は、依然として本開示の有益な結果を取得しながら、多くの変更が本明細書に記載される本開示の様々な態様に行われ得ることを認識及び理解するであろう。また、他の特徴を利用することなく、本開示の特徴のうちのいくつかを選択することによって、本開示の所望の利益のうちのいくつかが取得され得ることも明らかであろう。したがって、関連分野の当業者は、本開示に対する多くの修正及び適合が可能であり、特定の状況では望ましくさえもあり得、本開示の一部であることを認識するであろう。したがって、以下の説明は、本開示の原理の限定ではなく、その例示として再び提供される。
定義
【0024】
本出願及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数形を含む。したがって、例えば、文脈が別途明確に示さない限り、「糸」への言及は、二つ以上のそのような糸を有する態様を含む。
【0025】
また、本明細書で使用される用語は、特定の態様のみを記載する目的のためのものであり、限定的であることを意図していないことも理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「備える(comprising)」という用語は、「からなる」及び「本質的に~からなる」態様を含むことができる。加えて、「含む(includes)」という用語は、「備える(comprises)」を意味する。
【0026】
「例えば」、「例示的」及び「など」という用語、並びにそれらの文法的等価物については、明示的に別段記述されない限り、「限定されるものではないが」という語句が後に続くと理解される。
【0027】
範囲は、本明細書では、「約」一つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表され得る。こうした範囲が表されるとき、別の態様は、一方の特定の値から、及び/又は他方の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表されるとき、「約」という先行詞の使用によって、特定の値が別の態様を形成することが理解されるであろう。各範囲の端点が、他の端点に対して、及び他の端点とは独立しての両方において重要であることが、さらに理解されるべきである。
【0028】
本明細書で使用される場合、「任意選択的な」又は「任意選択的に」という用語は、後に記載される事象又は状況が、生じてもよく又は生じなくてもよく、記載が、当該事象又は状況が生じる事例及び生じない事例を含むことを、意味する。
【0029】
当然のことながら、要素が別の要素に「接続」又は「結合」されていると称される場合、それは他の要素に直接接続若しくは結合され得、又は介在する要素が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素に「直接接続」又は「直接結合」されていると称される場合、介在する要素は存在しない。要素又は層間の関係を説明するために使用される他の語は、同様の様式で解釈されるべきである(例えば、「間に」対「間に直接」、「隣接」対「直接隣接」、「上に」対「上に直接」)。
【0030】
しかし、「第一の」、「第二の」などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションを説明するために本明細書で使用され得ることが理解されるであろう。これらの要素、構成要素、領域、層、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層、又はセクションを、別の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で論じられる第一の要素、構成要素、領域、層、又はセクションは、例示的実施形態の教示から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、又はセクションと称され得る。
【0031】
「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」、及び同等物などの空間的に相対的な用語は、一つの要素又は特徴の別の要素(複数可)又は特徴(複数可)に対する関係を記載する説明を容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描写される配向に加えて、使用又は動作時のデバイスの異なる配向を包含することを意図していることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転される場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」として記載される要素は、他の要素又は特徴の「上方」に配向されるであろう。したがって、「下方」という用語は、上方及び下方の配向の両方を包含することができる。デバイスは、(90度回転されて、又は他の配向で)別様に配向されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、後に記載される事象若しくは状況が完全に生じるか、又は後に記載される事象若しくは状況が、概して、典型的には、若しくは近似的に生じることを意味する。
【0033】
なおもさらに、一部の態様では、「実質的に」という用語は、実質的にが使用されてある量を特徴付けるか、又は他の方法で定量化する、記載された特性、構成要素、組成物、又は他の状態の少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%を指し得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、例えば「実質的に同一」又は「実質的に類似」という文脈における、「実質的に」という用語は、比較される方法、システム、又は構成要素と類似することによって、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、又は約100%である方法若しくはシステム、又は構成要素を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、「実質的に同一の参照組成物」又は「実質的に同一の参照物品」又は「実質的に同一の参照方法」という用語は、発明の構成要素又は工程の不在下で実質的に同一の構成要素又は工程を含む参照組成物又は物品又は方法を指す。別の例示的な態様では、例えば「実質的に同一の参照組成物」という文脈における、「実質的に」という用語は、実質的に同一の構成要素を含み、発明の構成要素が当技術分野で一般的な構成要素で置換された、参照組成物を指す。
【0036】
本明細書で使用される場合、「及び/又は」という用語は、関連する列記された事項のうちの一つ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0037】
本明細書で使用される場合、「有効」、「有効量」、又は「に有効な条件」という用語又は語句は、有効量又は条件が表される、機能又は性質を実施することが可能であるような量又は条件を指す。以下に指摘されるように、必要とされる正確な量又は特定の条件は、採用される材料及び観察される処理条件などの認識された変数に応じて、態様によって変化するであろう。したがって、正確な「有効量」又は「に有効な条件」を指定することは、必ずしも可能とは限らない。しかしながら、適切な有効量は、日常的な実験のみを使用して、当業者によって容易に決定されることを理解すべきである。
【0038】
本明細書で使用される場合、「繊維」という用語は、極度又は不定の長さの繊維(すなわち、フィラメント)及び短い長さの繊維(すなわち、短繊維)を含む。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、複数の一つ以上の単量体単位(例えば、2~5~10~25~50~100~250~500~1000以上のコピー)を含有する分子を指す。本明細書に開示されるポリマーは、例えば、限定されるものではないが、環状、直鎖、及び分岐アーキテクチャなどの様々なアーキテクチャを有することができる。分岐アーキテクチャには、とりわけ、星形アーキテクチャ(例えば、三つ以上の鎖が単一の分岐点から発する構成)、コームアーキテクチャ(例えば、主鎖及び複数の側鎖を有するアーキテクチャ)、及び樹状アーキテクチャ(例えば、樹枝状ポリマー及び超分岐ポリマー)が含まれる。
【0040】
本明細書で使用される場合、「ホモポリマー」という用語は、単一の単量体単位の複数のコピーを含むポリマーである。「コポリマー」という用語は、少なくとも二つの異種単量体単位の複数のコピーを含有するポリマーを指し、その例には、ランダム、グラジエント、周期的(例えば、交互)、及びブロックコポリマーが含まれる。本明細書で使用される場合、「ブロックコポリマー」という用語は、組成が異なる二つ以上のポリマーブロックを含有するコポリマーを指し、例えば、一つのポリマーブロックに見られる単量体は、別のポリマーブロックに見られない場合がある。本明細書で使用される場合、「ポリマーブロック」という用語は、単量体単位のグループ(例えば、2~5~10~25~50~100~250~500~1000以上の単位)である。ブロックは、分岐又は非分岐であり得る。ブロックは、単一のタイプの単量体単位(本明細書では「ホモポリマーブロック」とも呼ばれる)を含有することができ、又は例えば、ランダム、グラジエント、若しくは周期的(例えば、交互)分布で提供され得る複数のタイプの単量体単位(本明細書では「共重合ブロック」とも呼ばれる)を含有することができる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「ポリエステル」という用語は、その主鎖にエステル官能基を含有するポリマーのカテゴリーを指す。本明細書に開示されるポリエステルは、植物クチクラのクチンなどの天然由来化学物質、並びに逐次重合によって生成される合成物を含む。特定の実施例では、ポリエステルは、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸などのコモノマーを含有するものを含む、ポリエチレンテレフタレート(PET)ホモポリマー及びコポリマー、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)ホモポリマー及びコポリマー、並びにポリブチレンテレフタレート(PBT)ホモポリマー及びコポリマーなどを含む。
【0042】
本明細書で利用される「ポリアミド」という用語は、結合官能基がアミド(-CO-NH-)結合である任意の長鎖ポリマーであると定義される。ポリアミドという用語は、コポリマー、ターポリマーなど、並びにホモポリマーを含むとさらに定義され、また二つ以上のポリアミドの混合を含む。一部の態様では、複数のポリアミド繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン10、ナイロン612、ナイロン12、ナイロン11、又はそれらの任意の組み合わせのうちの一つ以上を含む。他の態様では、複数のポリアミド繊維はナイロン6又はナイロン66を含む。さらに他の態様では、複数のポリアミド繊維はナイロン6である。なおさらなる態様では、複数のポリアミド繊維はナイロン66である。
【0043】
本明細書で定義される場合、「ポリオレフィン」という用語は、単量体として単純なオレフィン(アルケンとも呼ばれ、一般式C2nを有する)から生成されるポリマーの任意のクラスを指す。一部の態様では、ポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリプロピレン、ホモポリマー及びコポリマーの両方、ポリ(l-ブテン)、ポリ(3-メチル-l-ブテン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)など、並びに前述の二つ以上の組み合わせ又は混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書で定義される場合、「ポリウレタン」という用語は、カルバメート(ウレタン、R-O-CO-NR-R、式中、R1、R2、及びR3は同一又は異なる)リンクによって結合される有機単位の鎖から構成されるポリマーの任意のクラスを指す。
【0045】
本明細書で定義される場合、「ポリエーテル」という用語は、エーテル基によって結合された有機単位の鎖から構成されるポリマーの任意のクラスを指す。
【0046】
本明細書で定義される場合、「ポリ尿素」という用語は、イソシアネート及びアミンの交互単量体単位が互いに反応して尿素結合を形成するポリマーの任意のクラスを指す。
【0047】
本明細書で定義される場合、「ポリスチレン」という用語は、単量体として単純なスチレンから生成される合成ポリマーの任意のクラスを指す。「ポリスチレン」という用語は、アタクチックポリスチレン及びシンジオタクチックポリスチレンの両方を含むことが理解される。一部の特定の態様では、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、又はスチレンとアクリロニトリル(SAN)のコポリマー、又はスチレンとマレイン酸(SMA)のコポリマーを含む、コポリスチレンも記載される。
【0048】
本開示の全体を通して、本発明の様々な態様を、範囲形式で提示することができる。範囲形式の説明は、便宜性及び簡潔性のためにすぎず、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能な部分範囲並びに個々の数値を具体的に開示しているとみなされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びにその範囲内の個々の数字、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、6、並びにそれらの間の任意の全体的及び部分的増分を具体的に開示しているとみなされるべきである。これは、範囲の幅にかかわらず適用される。
【0049】
開示される方法の例示的態様の動作は、便宜的な提示のために、特定の逐次的な順序で記載され得るが、開示される態様は、開示される特定の逐次的な順序以外の動作順序を包含し得ることを理解すべきである。例えば、逐次的に記載される動作は、場合によっては、再配列されるか、又は同時に実施され得る。さらに、一つの特定の態様に関連して提供される説明及び開示は、その態様に限定されないのであり、開示される任意の態様に適用され得る。
【0050】
さらに、簡単にするために、添付の図は、開示されるシステム、方法、及び装置を、他のシステム、方法、及び装置と組み合わせて使用することができる、様々なやり方(本開示に基づいて、当業者によって容易に認識できる)を示さない場合がある。加えて、説明は、時として、開示される方法を説明するために、「生産する」及び「提供する」などの用語を使用する。これらの用語は、実施され得る実際の動作の高レベル抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実施に応じて変化し得、本開示に基づいて、当業者によって容易に認識できる。
織物
【0051】
a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸とを含む織物が本明細書に開示される。なおさらなる態様では、本明細書に開示された織物に存在する第一の糸は、一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を有する。なおさらなる態様では、織物は、約100%、約150%、約200%、約250%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約550%、約600%、及び約650%の例示的な値を含む、約50%~約700%の極限伸びを示し得る。
【0052】
なおさらなる態様では、織物は形状適合性及び生体適合性である。一方、なおさらなる態様では、織物は、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている。
【0053】
第一の糸及び一つ以上の追加的な糸も生体適合性であることが理解される。なおさらなる態様では、第一の糸及び一つ以上の追加的な糸は医療グレードの糸である。
【0054】
なおさらなる態様では、第一の糸は弾性糸である。こうした態様では、第一のポリマーはエラストマーを含む。なおさらなる態様では、第一のポリマーは、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、及びエラストマーポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコーン系エラストマー、又はそれらの組み合わせを含むことができる。さらに他の態様では、第一のポリマーは熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。一方、他の態様では、第一のポリマーはポリウレタン(PU)である。またさらなる態様では、第一のポリマーは熱可塑性エラストマー(TPE)である。一方、なおさらなる態様では、第一のポリマーはエラストマーポリオレフィンである。なおさらなる非限定的な態様では、第一のポリマーは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)である。一方、なおさらなる態様では、第一のポリマーはシリコーン系エラストマーである。
【0055】
なおさらなる態様では、第一のポリマーは、約80A、約85A、約90A、約95A、約100A、約20D、約25D、約30D、約35D、約40D、約45D、約50D、約55D、約60D、約65D、及び約70Dの例示的な値を含む、約75A~約75Dのデュロメーターを有することができる。さらに他の態様では、第一のポリマーは、前述の任意の二つの値の間のデュロメーター値を有することができる。
【0056】
なおさらなる態様では、第一のポリマーは、約5000psi、約5500psi、約6000psi、約6500psi、約7000psi、及び約7500psiの例示的な値を含む、約4500psi~約8000psiの最大引張強度を有することができる。さらに他の態様では、第一のポリマーは、前述の任意の二つの値の間の最大引張強度を有することができる。
【0057】
なおさらなる態様では、第一のポリマーは、約100%、約150%、約200%、約250%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約550%、約600%、及び約650%の例示的な値を含む、約50%~約700%の極限伸びを有することができる。さらに他の態様では、第一のポリマーは、前述の任意の二つの値の間の極限伸び値を有することができる。
【0058】
特定の態様では、第一の糸はモノフィラメントであり得る。しかし、他の態様では、第一の糸はマルチフィラメントであり得る。第一の糸がマルチフィラメントである態様では、こうした例示的な糸は、特定の用途に適した任意の望ましいフィラメント数を有することができる。例えば、限定されるものではないが、第一の糸は、約2、約3、約5、約7、約10、約12、約15、約17、約20、約12、約25、約27、約30、約32、約35、約37、約40、約42、約45、及び約47の例示的な値を含む、約1超~約50のフィラメント数を有することができる。しかしながら、特定の用途のために望ましい場合、フィラメント数は、約50超、約80超、又はさらには約100超であってもよいことも理解される。
【0059】
なおさらなる態様では、第一の糸の、一つ以上のフィラメントは、約10デニール、約20デニール、約50デニール、約100デニール、約200デニール、約300デニール、約400デニール、約500デニール、約600デニール、約700デニール、約800デニール、及び約900デニールの例示的な値を含む、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する。この場合も、特定のフィラメントサイズは、望ましい用途に基づいて決定され得ることが理解される。
【0060】
なおさらなる態様では、第一の糸の、一つ以上のフィラメントは、当技術分野で知られている、所望の用途に適した任意の方法によって生成することができる。例えば、限定されるものではないが、第一の糸の、一つ以上のフィラメントは、メルトスパンされ得る。
【0061】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物に複数の追加的な糸が存在する場合、こうした追加的な糸は同一であっても異なっていてもよい。当然のことながら、こうした追加的な糸は、同一若しくは異なる組成を有し得、又は同一若しくは異なるタイプであり得る。
【0062】
なおさらなる態様では、一つ以上の追加的な糸は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、又はそれらの組み合わせを含む。こうした態様では、ポリエステルは、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸などのコモノマーを含有するものを含む、ポリエチレンテレフタレート(PET)ホモポリマー及びコポリマー、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)ホモポリマー及びコポリマー、並びにポリブチレンテレフタレート(PBT)ホモポリマー及びコポリマーなどを含むことができることが理解される。さらに他の態様では、ポリオレフィンは、超高分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene)、及びポリフッ化ビニリデンを含むことができる。なおさらなる態様では、ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666、ナイロン610、ナイロン512、ナイロン11、若しくはナイロン12、又はそれらの組み合わせを含むことができる。またなおさらなる態様では、一つ以上の追加的な糸はまた、ポリエーテル、ポリ尿素、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0063】
特定の態様では、一つ以上の追加的な糸は、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0064】
特定の態様では、一つ以上の追加的な糸はまた、複合繊維を含むことができる。本明細書で使用される場合、複合繊維は、一つ以上の異なる材料を含み得る繊維に関連することが理解される。特定の態様では、複合繊維は、例えば、限定されるものではないが、横並びの構成、コアシース構成、セグメント化された構成、海中の島の構成、又はそれらの任意の組み合わせなど、任意の構成を有し得る二成分繊維である。
【0065】
一つ以上の追加的な糸は、第一の糸よりも低い伸縮性及び弾性を有することが理解される。なおさらなる態様では、一つ以上の追加的な糸は実質的に剛直であり得る。またなおさらなる態様では、一つ以上の追加的な糸は実質的に半剛直であり得る。
【0066】
なおさらなる態様では、織物はまた第二の糸を含むことができる。こうした態様では、第二の糸は、第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含むことができる。なおさらなる態様では、第一の糸の第一のポリマーは、第二の糸の第二のポリマーよりも高い弾性を有する。なおさらなる態様では、第二のポリマーは、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、限定されるものではないが、第二のポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)ホモポリマー及びコポリマー、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)ホモポリマー及びコポリマー、並びにポリブチレンテレフタレート(PBT)ホモポリマー及びコポリマーなどを含むことができる。さらに他の態様では、第二のポリマーは、超高分子量ポリエチレン、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデンを含むことができる。なおさらなる態様では、第二のポリマーは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン666、ナイロン610、ナイロン512、ナイロン11、若しくはナイロン12、又はそれらの組み合わせを含むことができる。またなおさらなる態様では、第二の糸は、一つ以上の追加的な糸と同一であっても異なっていてもよい。
【0067】
なおさらなる態様では、第二の糸は第一の糸を覆って、多成分糸を形成することができる。こうした例示的及び非限定的な態様では、第一の糸はコアを形成することができ、第二の糸はシースを形成することができる。一部の態様では、第二の糸はモノフィラメントであり得る。一方、他の態様では、第二の糸はマルチフィラメントであり得る。第二の糸がマルチフィラメントである態様では、こうした糸は、約2、約5、約7、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約105、約110、約115、約120、約125、約130、約135、約140、及び約145の例示的な値を含む、1超~約150のフィラメント数を有することができる。しかしながら、特定の用途のために望ましい場合、フィラメント数は、約150超、約200超、又はさらには、望ましい場合は約300超であってもよいことも理解される。
【0068】
なおさらなる態様では、第二の糸の、一つ以上のフィラメントは、約10デニール、約20デニール、約50デニール、約100デニール、約200デニール、約300デニール、約400デニール、約500デニール、約600デニール、約700デニール、約800デニール、及び約900デニールの例示的な値を含む、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する。この場合も、特定のフィラメントサイズは、望ましい用途に基づいて決定され得ることが理解される。
【0069】
なおさらなる態様では、多成分糸は、単一被覆又は二重被覆であり得る。こうした例示的及び非限定的な態様では、多成分糸が二重被覆の場合、二つの第二の糸は反対方向に第一の糸を覆う。
【0070】
なおさらなる態様では、第二の糸は任意のタイプのものであり得る。例えば、限定されるものではないが、第二の糸は、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高伸縮性(HS)テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0071】
一部の例示的な多成分糸を図1A~3Bに示す。例えば、図1Aは、モノフィラメントの第二の糸104で覆われたモノフィラメントの第一の糸102を示す。また、第二の糸による二重被覆の開始を示す。二重被覆のさらなるより詳細な概略図が、図1Bに示されており、モノフィラメントの第一の糸102が、モノフィラメントの第二の糸104で一方向に覆われ、次に、第二の糸104の方向とは反対の方向にモノフィラメントの第二の糸106で再び覆われて、二重被覆多成分糸を形成する。
【0072】
図2Aは同様に、モノフィラメントの第一の糸102及びマルチフィラメントの第二の糸108を含む単一被覆多成分糸の例示的な概略図を示す。図2Bは、マルチフィラメント糸108及び110が両方向に巻かれた、モノフィラメントの第一の糸102の二重被覆を示す。
【0073】
図3Aは、マルチフィラメントの第二の糸114を有する、単一被覆のマルチフィラメントの第一の糸112を示す。図3Bは、マルチフィラメントの第二の糸114及び116が両方向に巻かれた、マルチフィラメントの第一の糸112の二重被覆を示す。
【0074】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物は、任意の所望の構造を有することができる。一部の態様では、織物は、編み構造、織り構造、又は編組構造を有することができる。
【0075】
こうした態様では、織物が編まれている場合、こうした織物は、単純なシングルジャージーニット構造、 ニットミスパターンを有するシングルジャージーニット構造、ニットタックパターンを有するシングルジャージーニット構造、トリコットニット、ロックニット、サテンニット、レバースロックニット、シャークスキンニット、パールニット、リブステッチニット、インターロックステッチニット、ダブルニット、ワープニット、ラッシェルニット ケーブルニット、バーズアイニット、ポンテルニット、インターシアニット、ジャカードニット、編みテリー織物、編みベロア織物、スライバーニット、フリースニット、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。さらに他の態様では、織物は、縦編み、横編み、又はクロシェ編み構造を有することができる。また、横糸は、覆われていても覆われていなくてもよい第一の糸を含むことができる。
【0076】
一部の例示的な構造を図5A~5Dに示す。例えば、図5Aに示す通り、織物は、単純なシングルジャージーニット構造を有することができる。こうした例示的な態様では、第一の糸(例えば、TPU)をコアとして、第二の糸(例えば、PET)をシェルとして含む多成分糸202は、一つ以上の追加的な糸204(例えば、細いフラットヤーン又はマルチフィラメント撚糸)を用いて「編み物配設」で編まれている。これらの例示的な態様では、フラットヤーン又は撚糸は、約20デニール、約50デニール、約70デニール、約100デニール、約120デニール、約150デニール、及び約170デニールの例示的な値を含む、約10デニール~約200デニールとすることができ、糸のフィラメント数は約10~約100の範囲である。図5Bは、ニットミスパターンを有する例示的なシングルジャージーニットを示し、206はミスステッチを示し、208はニットステッチである。多成分糸212及び一つ以上の追加的な糸214は、横並びに配置することができる。特定の態様では、こうしたパターンは、図5Cに示すように、ニットニットミスからニットニットニットミスステッチの組み合わせに及ぶ変形を有することができ、210はタックステッチであり、208はニットステッチであり、多成分糸212と一つ以上の追加的な糸214とが横並びに配置されている。
【0077】
図5Dは、前方フックを有する針にプレーティング関係で二つの糸を供給することを伴う、ニット及びタックの組み合わせを示す。例示的な被覆TPUコア糸302は、高レベルで供給され、その高さに選択された針によってのみ受けられる。一つ以上の追加的な糸304、例えば、約20デニール、約30デニール、約40デニール、約50デニール、約60デニール、約70デニール、約80デニール、及び約90デニールの例示的な値を含む、10デニール~100デニールのサイズを有する細糸は、より低いレベルで供給され、すべての針によって受けられ、編まれる。最初の二つのフィーダーでは、奇数針(1及び3)は細い糸のみを編み、偶数針(2及び4)はプレートループを編む。次の二つのフィーダーでは、順序を逆にすることができる。
【0078】
なおさらなる態様では、織物が編み構造(例えば、横編み、縦編み、又はクロシェ編み)を有する時、及び第二の糸が存在しない時、第一のより弾性の糸が織物の横方向に使用される。こうした例示的な態様では、縦方向は、一つ以上の追加的な糸を含むことができる。またなおさらなる例示的な態様では、織物の横方向が第一の糸を含む場合(第二の糸の存在なしで、例えば、多成分糸でない)、縦方向は、一つ以上の追加的な糸と、横並び又は任意の他の望ましいパターンに配置された第一の糸との組み合わせを含むことができる。
【0079】
なおさらなる態様では、第二の糸が存在する場合、例えば、多成分糸が存在する場合、それは縦方向に位置付けられる。こうした例示的な態様では、縦方向はまた、一つ以上の追加的な糸を含むことができる。こうした態様では、多成分糸及び一つ以上の追加的な糸は、約1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、及び1:9の例示的な値を含む、約1:2~約1:10の比で存在する。
【0080】
一部の例示的及び非限定的な態様では、織物がクロシェ編み構造を有する時、こうした織物の縦方向は第一の糸を含むことができる。また、こうした態様では、縦方向は、一つ以上の追加的な糸を、約1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、及び1:9の例示的な値を含む、約1:2~約1:10の比でさらに含むことができる。またさらなる態様では、横糸は、覆われていても覆われていなくてもよい第一の糸を含むことができる。
【0081】
一方、なおさらなる態様では、第一の糸が第二の糸で覆われておらず、構造が横編みである時、織物は第一の糸及び一つ以上の追加的な糸の編み物を含むことができる。
【0082】
なおさらなる態様では、織物は、織り構造を有することができる。織りベース層を生成するために、織りベース層は、長さ方向及び横方向に少なくとも二つの縦糸及び横糸を組み合わせる、又は織り込むことによって構築されるという点で、織りベース層は編物と区別可能であると理解される。特定の態様では、織りベース層は、構造が伸縮性の糸を含まない限り、組み合わされた縦糸及び横糸の構造の性質のために、大きな伸縮性を有しない。これは、糸自体が伸縮性であるか否かにかかわらず、結果として生じる編まれた織物に対してより大きな伸縮性を付与する連結ループから作られる、編まれた織物とは対照的である。編まれた織物の伸縮性は、本明細書に開示されるように、弾性糸の使用によってさらに改善することができる。
【0083】
本明細書に開示されるなおさらなる態様では、織り構造は、平織、平織の派生物、うね織、バスケット織、綾織、繻子織、ドビー織、ジャカード織、エクストラヤーン織、ピケ織、二重織物、なし地織、もじり織、パイル織、三軸織、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0084】
特定の態様では、多成分糸が存在しない場合、例えば、第一の糸のみが存在する場合、織物の横方向は第一の糸を含む。こうした例示的及び非限定的な態様では、縦方向は、一つ以上の追加的な糸を含むことができる。また、なおさらなる例示的な態様では、第一の糸が横方向に存在する時、縦方向は一つ以上の追加的な糸及び第一の糸の組み合わせを含むことができる。
【0085】
なおさらなる態様では、織物が織られ、第一の糸が第二の糸で覆われる、すなわち、多成分糸を形成する時、織物の縦方向は、多成分糸及び一つ以上の追加的な糸を、約1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、及び1:9の例示的な値を含む、約1:2~約1:10の比で含む。
【0086】
一部の例示的な態様では、多成分糸が織布に存在する時、こうした織物は、第一の糸とは異なる第三の糸をさらに含むことができる。なおさらなる態様では、第三の糸はまた、一つ又は二つの追加的な糸と異なり得る。なおさらなる態様では、第三の糸は、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせを含む第三のポリマーを含むことができる。なおさらなる態様では、上記で開示されたポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせのいずれかを使用して、第三の糸を形成することができる。
【0087】
またなおさらなる態様では、第三の糸はまた、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。またなおさらなる態様では、第三の糸はテクスチャ加工糸であり得る。
【0088】
なおさらなる態様では、多成分糸が織布に存在する時、こうした織物の横方向は一つ以上の追加的な糸を含むことができる。
【0089】
一部の態様では、織布は、多成分糸が第一のビームから提供され、一つ以上の追加的な糸が第二のビームから提供され、存在する場合、第三の糸が第三のビームから提供されるように形成され得る。こうした例示的な態様では、縦方向に織られた多成分糸は、一つ以上の追加的な糸の張力及び/又は第三の糸の張力とは異なる張力下で存在する。一部の態様では、多成分糸の張力は、一つ以上の追加的な糸の張力及び/又は第三の糸の張力よりも低い。また、他の態様では、縦方向の多成分糸の張力は、縦方向の一つ以上の追加的な糸の張力及び/又は第三の糸の張力よりも大きい場合がある。こうした例示的な態様では、多成分糸は、例えば、より高い張力下で織られていて、織りが完了した後に跳ね返って元の寸法に戻って、織物に対して追加的な伸縮性を与えることができる。また、他の例示的な態様では、多成分糸が縦方向に、例えば、他の糸よりも低い張力下で織られる時、それはまた、織りが完了した時に織物の追加的な伸展も提供することができる。なおさらなる態様では、第三の糸は、多成分糸及び/又は一つ以上の追加的な糸とは別々に縦方向に織ることができる。
【0090】
なおさらなる例示的な態様では、第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較した時、第三の糸は、織物の表面上により長いフロート又は隆起特徴を形成することができる。こうした例示的な態様では、織布は、第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較して、より高い表面積を有し得る。これらの特徴は、織物の高い表面が必要とされる一部の医療デバイス(例えば、グラフト、移植可能なデバイスなど)において非常に有用であり得る。
【0091】
なおさらなる態様では、織物は、縦方向の一つ以上の追加的な糸と横並びに多成分糸を交互に配設することを含む所定の織りパターンを有することができる。こうした態様では、縦方向の一つ以上の追加的な糸は、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、及び/又は高収縮糸である。また、他の態様では、横方向の一つ以上の追加的な糸はまた、フラットヤーン若しくは撚糸、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、及び/又は高収縮糸であり得る。
【0092】
例えば、図4は、TPUコア402を有する例示的な多成分糸が、縦方向のテクスチャ加工糸404及びかさ高テクスチャ加工糸406と織られている、織物400の例示的及び非限定的な設計を示す。
【0093】
なおさらなる例示的及び非限定的な態様では、織布において、多成分糸の縦糸密度は、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200とすることができ、打ち込み本数約20、打ち込み本数約50、打ち込み本数約70、打ち込み本数約100、打ち込み本数約120、打ち込み本数約150、及び打ち込み本数約170の例示的な値を含む。
【0094】
なおさらなる態様では、テクスチャ加工糸、高 (HS) 伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸及び/又は高収縮糸を含む一つ以上の追加的な糸の縦糸密度は、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200であり、打ち込み本数約20、打ち込み本数約50、打ち込み本数約70、打ち込み本数約100、打ち込み本数約120、打ち込み本数約150、及び打ち込み本数約170の例示的な値を含む。
【0095】
またなおさらなる態様では、横糸密度は、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200であり、打ち込み本数約20、打ち込み本数約50、打ち込み本数約70、打ち込み本数約100、打ち込み本数約120、打ち込み本数約150、及び打ち込み本数約170の例示的な値を含む。
【0096】
織布の透過性は、隣接する縦糸及び横糸によって画定される織布の細孔サイズを変化させることによって調整することができる。これは、糸の選択によって、並びに/又は、織布の1インチ当たりの縦糸の数及び1インチ当たりの横糸の数を変化させることによって、達成することができる。必要に応じて、透過性はまた、本明細書に開示される織りパターンのいずれかを使用することによってさらに調整することができる。なおさらなる態様では、編組の細孔サイズは、糸の選択、すなわち、糸のサイズ、縦糸の数、横糸密度、及び編組パターンの選択によって制御することができる。編物では、細孔サイズは、1インチ当たりの糸の数を指定する編物機械で使用されるゲージによって、さらに制御することができる(すなわち、40ゲージ=1インチ当たりの糸40本)。織り、編み、及び/又は編組などの布形成方法と共に、高温での熱処理などの特定の後処理を使用して、透過性又は細孔サイズを調整することができる。
【0097】
なおさらなる態様では、織物は、編組構造を有することができる。こうした例示的な態様では、編組構造は、二軸性、三軸性、一方向性、又はそれらの組み合わせであり得る。なおさらなる態様では、編組構造は、コア及びシースを含むことができる。
【0098】
編組構造は、二つの糸が互いにねじれないように絡み合った三つ以上の糸を含むことができることが理解される。なおさらなる態様では、編組構造はまた、バイアスに連続的に織られた織物のファミリーと称され得る。織物の編組構造は、所与の直径に対して一定の編組角度(編組の軸からバイアス糸の軸まで測定される鋭角)を有する独立した織物として製造及び使用され得ることがさらに理解される。
【0099】
織り構造と同様に、編組構造は、糸がまた連続的であるため、互いに機械的に連結された糸を有し得るが、編組は、構造全体に負荷を均等に分配する自然な機構を有することができ、それゆえ編組構造を、様々な用途に有用であり得る衝撃耐性にすることがさらに理解される。
【0100】
こうした例示的な態様では、第二の糸が存在しない場合、編組構造のコアは第一の糸を含み、シースは一つ以上の追加的な糸を含む。また、他の態様では、第二の糸が存在する時、シースは多成分糸を含む。こうした例示的な態様では、編組構造は、第二の糸によって覆われていない追加的な第一の糸をさらに含むことができ、この追加的な第一の糸は、編組構造のコアに存在し得る。
【0101】
なおさらなる態様では、織物は、任意の所望の厚さを有することができる。例えば、限定されるものではないが、なおさらなる態様では、織物は、約0.1mm~約10mmの厚さを有することができ、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約3.5mm、約4mm、約4.5mm、約5mm、約5.5mm、約6mm、約6.5mm、約7mm、約8.5mm、約9mm、及び約9.5mmの例示的な値を含む。さらに他の態様では、第一の織物の厚さは、前述の任意の二つの値の間の任意の値を有することができる。
【0102】
なおさらなる態様では、織物は、任意の所望の長さを有することができる。例えば、限定されるものではないが、織物は、約1mm~約100mmの長さを有することができ、約2mm、約5mm、約7mm、約10mm、約12mm、約15mm、約17mm、約20mm、約22mm、約25mm、約27mm、約30mm、約32mm、約35mm、約37mm、約40mm、約42mm、約45mm、約47mm、約50mm、約52mm、約55mm、約57mm、約60mm、約62mm、約65mm、約67mm、約70mm、約72mm、約75mm、約77mm、約80mm、約82mm、約85mm、約87mm、約90mm、約92mm、約95mm、及び約97mmの例示的な値を含む。これらの値は例示的であり、限定するものではなく、織物は前述の任意の二つの値の間の任意の長さ値を有し得ることが理解される。織物の長さは、約150mm、約200mm、又は指定された用途がそれを必要とする場合、約1mであり得ることがさらに理解される。
【0103】
なおさらなる態様では、織物は、任意の所望の幅を有することができる。なおさらなる態様では、織物は、約1mm~約100mmの幅を有することができ、約2mm、約5mm、約7mm、約10mm、約12mm、約15mm、約17mm、約20mm、約22mm、約25mm、約27mm、約30mm、約32mm、約35mm、約37mm、約40mm、約42mm、約45mm、約47mm、約50mm、約52mm、約55mm、約57mm、約60mm、約62mm、約65mm、約67mm、約70mm、約72mm、約75mm、約77mm、約80mm、約82mm、約85mm、約87mm、約90mm、約92mm、約95mm、及び約97mmの例示的な値を含む。これらの値は例示的であり、限定するものではなく、織物は前述の任意の二つの値の間の任意の幅値を有し得ることが理解される。第一の幅は、約150mm、約200mm、又は指定された用途がそれを必要とする場合、約1mでさえもあり得ることがさらに理解される。
【0104】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物は、元の寸法から少なくとも約80%、元の寸法から少なくとも約85%、元の寸法から少なくとも約90%、元の寸法から少なくとも約95%、元の寸法から少なくとも約99%、又はさらには元の寸法から100%の回復の弾性回復を示すことができる。
【0105】
なおさらなる態様では、開示される織物は、上記に開示された弾性回復を示しながら、長手方向、横断軸に沿って、又は織物を横切って伸長され得る。なおさらなる態様では、織物が編組又は編み構造を有する場合、弾性回復は軸方向又はバイアス方向でもあり得る。こうした態様では、織物は、長さ又は幅に沿って、約50%~約700%の極限伸びを有することができ、約100%、約150%、約200%、約250%、約300%、約350%、約400%、約450%、約500%、約550%、約600%、及び約650%の例示的な値を含む。さらに他の態様では、第一のポリマーは、前述の任意の二つの値の間の極限伸び値を有することができる。本明細書に開示される織物は、織物の幅又は長さに沿って測定される同じ又は異なる極限伸びを有し得ることがさらに理解される。
【0106】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物のいずれかがその厚さにわたって圧縮される時、それらは、標準方法に従って、標準圧力で測定される約10~約50%の圧縮性を示すことができ、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、及び約45%の例示的な値を含む。
【0107】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される糸のいずれかに存在する繊維は、所望の用途に適した任意の直径を有し得る。特定の態様では、繊維は、約1μm~約25μmの直径を有することができ、約2μm、約5μm、約7μm、約10μm、約12μm、約15μm、約17μm、約20μm、及び約22μmの例示的な値を含む。繊維は、前述の任意の二つの値の間の任意の直径を有し得ることが理解される。例えば、限定されるものではないが、繊維は約3μm~約8μm、又は約11μm~約22μm、又は約15μm~約25μmの直径を有することができる。
【0108】
本明細書に記載される態様は、生体適合性である糸を含むことがさらに理解される。また、永久インプラントグレードのポリマーを含む糸を含む態様が本明細書に開示される。なおさらなる態様では、永久インプラントグレードのポリマーは、ポリエステル、コポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、延伸ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluorethylene)、ポリフッ化ビニリデン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、ナイロン、それらのコポリマー、又はそれらの組み合わせを含み得るが、これらに限定されない。
【0109】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物は、高い伸縮性、基材への自己適合性、所定の縫合糸保持、所定の布密度保持、細孔サイズ保持、厚さ保持、又はそれらの組み合わせを示すことができる。
【0110】
なおさらなる態様では、織物は、活性成分をさらに含むことができ、活性成分は、医薬品、治療剤、抗菌剤、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0111】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物は、所望の用途に適した任意の材料で浸漬コート、噴霧コート、キスコート、又はフィルム若しくは膜で積層され得る。例えば、織物は、ポリマー、薬物、疎水性/親水性薬品、潤滑ポリマー、又はそれらの任意の組み合わせでコートされ得る。
【0112】
なおさらなる態様では、コーティングに使用されるポリマーは、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。一部の例示的及び非限定的な態様では、コーティングを使用して不透過性バリアを形成し得ることが理解される。繰り返しになるが、こうした例示的及び非限定的な態様では、こうしたコーティングは、織物構造上の細孔を少なくとも部分的に覆う一方、それでも構造物の伸縮性/弾性を維持することができる。
【0113】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物は、少なくとも部分的に生体安定であり得る。「生体安定」という用語は、医療物品及び/又はデバイスが体内に留まることが意図されている期間にわたって、少なくとも部分的に無傷のままである織物を指すことが理解される。また、他の態様では、織物は少なくとも部分的に生分解性であり得る。本明細書で使用される場合、「生分解性」という用語は、例えば、溶解又は化学的分解などにより、医療物品及び/又はデバイスが体内に留まることが意図されている期間にわたって、少なくとも部分的に分解する織物を指す場合がある。
【0114】
ポリマー含有量の変動は、機械的強度、硬度、表面粘着性、弾性、圧縮性、透過性、水拡散性、治療剤拡散性(存在する場合)、分解速度(生分解性の場合)、及び疎水性/親水性の性質(存在する場合、例えば、湿潤性、並びに水拡散性及び治療剤拡散性などに影響する)など、織物の物理的及び化学的特性に影響を与え得ることが理解される。
【0115】
なおさらなる態様では、織物は縫合されるように構成されている。当技術分野で知られている任意の縫合糸を使用し得ることが理解される。特定の例示的及び非限定的な態様では、縫合糸は織物フィラメントである。さらに他の態様では、縫合糸は、所望の用途に使用され得る任意のフィラメントである。
医療物品及び/又はデバイス
【0116】
また、本明細書に開示される織物のいずれかを含む物品が本明細書に開示される。こうした物品は、織物構成要素を有し、かつ対象の身体及び/又は体液と接触するように構成された任意の医療デバイスを含むことができる。またなおさらなる態様では、こうした物品は、移植可能なデバイスを含むことができる。さらに他の態様では、物品は組織スキャフォールドを含むことができる。
【0117】
理解され得るように、本明細書に開示される織物を使用して、多種多様な医療デバイスを形成することができる。例えば、管状物品(例えば、冠動脈バイパスグラフト、末梢血管グラフト及び血管内グラフトなどの大小の血管グラフト、胆道、尿道、尿管、腸及び食道管状構造などの他の管状構造を含む、血管グラフト及び非血管グラフト並びにステントグラフト)などの閉鎖容積(中空)医療デバイス、並びに血管パッチ及び非血管パッチ(例えば、創傷治癒のためのパッチ、ヘルニア修復のためのパッチ、並びに胃腸管及び尿生殖器系のためのパッチ)などの様々な開放容積医療デバイスなどの、デバイスを形成することができる。医療デバイスのさらなる例には、血管及び非血管組織スキャフォールド、血管及び非血管閉鎖装置(例えば、抹消及び動静脈瘻を閉鎖するためのデバイス)、縫合糸、メッシュ、心臓弁及び静脈弁用の弁尖、血管アクセスポート及び動静脈アクセスグラフトを含む血管アクセスデバイス(例えば、抗生物質、中心静脈栄養、静脈内輸液、輸血、採血、又は血液透析のための動静脈アクセスのためなどの、頻繁な動脈及び/又は静脈へのアクセスを与えるために利用されるデバイス)、塞栓フィルタ(例えば、 遠位保護フィルタ)、子宮スリング、 LVAD(左心室補助デバイス)及びTAHS(完全人工心臓)をヒト動脈に結合するための布などが含まれる。
【0118】
一部の態様では、本明細書に開示される織物を含む医療物品及び/又はデバイスは、長期移植に好適であり得る。本明細書で使用される場合、「長期」移植という用語は30日を超える移植期間を意味し、例えば、1か月~3か月~6か月~12か月~24か月、又はさらには患者の残りの寿命を含むより長い範囲の期間である。中空(管状を含む)医療デバイスが、体腔を強化、修復、又は交換するために提供される場合(例えば、ステント、グラフト、ステントグラフト、パッチなど)、それらの寸法は、体腔のすべて又は一部分の寸法に近似するように調整されてもよい。体腔の例には、心臓、動脈、及び静脈などの心血管系の内腔(例えば、冠動脈、大腿動脈、大動脈、腸骨動脈、頸動脈、及び椎骨脳底動脈)、尿道(前立腺尿道を含む)、膀胱、尿管、膣、子宮、精子管及び卵管などの尿生殖器系の内腔、鼻涙管、耳管;気管、気管支、鼻腔及び副鼻腔などの呼吸気管の内腔、食道、腸、十二指腸、小腸、大腸、結腸、胆道系及び膵管系などの消化管の内腔、リンパ系の内腔などが含まれる。
【0119】
したがって、本発明で使用するための中空の医療デバイス(任意の管状形状を含む。円形及び楕円形の断面を有するものなど)は、例えば、直径が0.5mm~1mm~2mm~5mm~10mm~20mm~50mm、又はそれを超える範囲など、直径が大きく異なり得る。例えば、0.5~2mmの範囲の直径を有する管状物品は、微小血管の作業及び神経再生のための導管に用いられてもよく、2~4mmの範囲の直径を有するものは、冠動脈バイパスに用いられてもよく、2~10mmの範囲の直径を有するものは、末梢血管グラフトに用いられてもよく、20~50mmの範囲及びそれを超える直径を有するものは、血管内及び内腔内の血管グラフト、食道及び結腸補綴物などの他の管状補綴物に用いられてもよい。
【0120】
さらに他の態様では、本明細書に開示される織物は、弁周囲漏出(PVL)に関連する問題に対処するために使用され得る。PVLは、人工心臓弁の移植に関連する合併症である。PVLは、適切な封止の欠如の結果として、移植された弁の構造と心臓組織の間のチャネルを通って流れる血液を指す。PVLの大部分は、三日月、楕円、又は丸みを帯びた形状であり、それらの軌道は、平行、垂直、又は蛇行状であり得る。経カテーテル心臓弁(THV)処置は、一般的に、PVL封止のために、実質的に非弾性の織布又は伸縮性の編み布のいずれかを使用する。織物を含む医療デバイスが取り付けられる組織への、ストレスを低減するのに役立つため、織物の伸縮性は重要な因子であり得ることが理解される。
【0121】
変化するフレーム寸法を有する次世代THVフレーム設計において、要件の一つは、変化するフレーム寸法に適合するPVL封止布及び/又はフレーム内側布を有することである。それ故に、布が体腔に固定される場所における潜在的なストレスを低減することによって、改善されたコンプライアンスを提供する、制御された伸縮性及びより低いプロファイルを有する布に対するニーズがある。
【0122】
一部の例示的な態様では、本明細書に記載される織物は、流入端、流出端、及び長手方向軸を有する環状フレームと、フレームに固定された封止要素であって、本明細書に開示される織物のいずれかを含む封止要素とを備える移植可能な医療デバイスで使用することができる。
【0123】
特定の例示的及び非限定的な態様では、流入端、流出端、及び長手方向軸を有する環状フレームであって、拡張及び折り畳みするように構成されている環状フレームと、フレームに固定された封止要素であって、a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸とを含む織物を含む、封止要素と、を含む移植可能な人工弁が本明細書に開示される。一部の態様では、第一の糸は、一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示す。特定の態様では、織物は、約50%~約700%の極限伸びを示し、形状適合性及び生体適合性である。一部の実施では、織物は、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている。
【0124】
移植可能な医療デバイスの例示的な態様を図6~7に示す。一つの例示的及び非限定的な態様は、人工心臓弁である医療デバイスを包含する。例えば、限定されるものではないが、図6は、その配備されて拡張された構成で示された、半径方向に折り畳み可能かつ拡張可能な人工弁10の例示的な態様を示す。人工弁は、環状ステント又はフレーム12と、フレーム12内に位置し、フレーム12に結合された弁尖構造14とを含むことができる。フレーム12は、流入端部分16及び流出端部分18を有し得る。弁尖構造は、複数の弁尖22を含むことができる。特定の態様では、弁尖構造は、三つの弁尖を含むことができる。こうした例示的な態様では、こうした三つの弁尖は、大動脈弁に類似した三尖弁配設で折り畳まれるように配設され得る。あるいは、人工弁は、特定の用途に応じて、僧帽弁に類似した二尖配設で折り畳まれるように構成された二つの弁尖22、又は三つを超える弁尖を含み得る。人工弁10は、流入端部分16及び流出端部分18を通って延在する長手方向軸24を画定することができる。
【0125】
フレーム12は、ステンレス鋼又はニッケルチタン合金(NiTi)、例えばニチノールなどの様々な生体適合性材料で作製することができる。図6を参照すると、フレーム12は、格子タイプのパターンで配設され、人工弁の流出端18に複数の頂点28を形成する、複数の相互接続された格子支柱26を含むことができる。支柱26はまた、人工弁の流入端16に類似の頂点を形成することができる(これは以下でより詳細に説明されるスカート30によって覆われる)。格子支柱26は、人工弁の長手方向軸24に対して、対角線上に位置付けられるか、又はある角度でオフセットされ、人工弁の長手方向軸24から半径方向にオフセットされて示されている。図6に示す構成は例示にすぎず、他の態様では、格子支柱26は、図6に示す量とは異なる量だけオフセットされ得るか、又は格子支柱26の一部若しくはすべてが、人工弁の長手方向軸に平行に位置付けられ得ることが理解される。
【0126】
格子支柱26は、互いに旋回可能に結合され得る。図示した態様では、例えば、フレームの流出端18及び流入端16で頂点28を形成する支柱26の端部分は、それぞれの開口部32を有し得る。支柱26はまた、支柱の両端の間に位置する開口部34を伴って形成され得る。それぞれのヒンジは、頂点28に、及びフレームの端と端の間の、支柱26が互いに重なる位置に、開口部32、34を通って延在するリベット又はピンを含み得る締結具36を介して、形成することができる。ヒンジは、人工弁10の組立、準備、又は移植中など、フレーム12が拡張又は収縮する(若しくは折り畳まれる)際に、支柱26が互いに対して旋回することを可能にし得る。例えば、フレーム12(それ故に、人工弁10)は、半径方向に圧縮又は収縮された(折り畳まれた)構成に操作され、送達装置に結合され、移植のために患者に挿入され得る。体内に入ると、人工弁10は、拡張状態へと操作され、次いで送達装置から解放され得る。フレーム12、送達装置、並びにフレームを半径方向に拡張及び折り畳みするためのデバイス及び技術に関する追加的詳細は、米国公開第2018/0153689号に見出すことができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。こうした例示的な人工弁に関する追加的詳細は、米国公開第2019/0046314号にも見出すことができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
図6にさらに示すように、人工弁10は、スカート30として構成された封止要素を含むことができる。本明細書に示されるように、スカート30は、上記に開示された任意の織物材料を含むことができる。一部の態様では、スカート30は外側スカートであることが理解される。こうした態様では、内側スカートとして知られる別のスカート(図示せず)を、外側スカート30の下のフレームに取り付けることができる。しかしながら、一部の態様では、外側スカート30に使用される織物材料は、内側スカート(ここでは図示せず)にも使用され得る。また、一部の態様では、内側スカートは、外側スカートに使用される織物材料を含まない。なおさらなる態様では、一つのスカートのみが使用される。こうした態様では、こうしたスカートは、本明細書に記載される織物材料のいずれかを含むことができる。
【0128】
スカート30は、弁周囲漏出を低減又は防止するために、治療部位で生来の組織との封止を確立するように構成され得る。スカート30は、フレーム12の外周の周りに配置された本体部分38を含むことができる。特定の態様では、本明細書に示される織物又はスカートは、例えば、締結具でフレームに固定され得る。締結具は、縫合糸、ピン、リベット、超音波溶接、レーザー溶接、接着剤接合、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。この実施例では、スカート30は、例えば、スカート30の第一の縁部分(例えば、流入縁部分)40と第二の縁部分(例えば、流出縁部分)42の間に、選択された支柱部材26に沿ってジグザグパターンで延在する複数の縫合糸41によって、フレームに固定され得る。例えば、特定の態様では、スカート30は、弁尖22によって画定されるスカラップ状の縁に対応する縫合線66に沿ってフレーム12に縫合することができ、これによって、スカートからの干渉又はスカートの挟み込みなしに、弁が半径方向に拡張及び収縮(折り畳み)することが可能になり得る。弁尖22をフレーム12に結合することができる様態を含む、経カテーテル人工心臓弁に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第6,730,118号、同第7,393,360号、同第7,510,575号、同第7,993,394号、及び同第8,652,202号に見出すことができ、これらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0129】
本明細書に開示される織物材料を含むスカート30は、縫合糸及び構成要素のレーザー切断を使用して弁構成要素を一緒に接合する処置に役立つ、より良好な寸法安定性を提供することが理解される。開示される織物は、スカート30が変化するフレーム寸法に適合することを可能にし、こうしたスカートに対して低プロファイルを提供する。
【0130】
図7は、封止部材又はスカート600の別の態様を含む、人工弁10を示す。図示した非限定的な態様では、スカート600は、本明細書に記載され、かつ縁部分608を有する布ストリップ602として構成された織物材料を含む。特定の例示的な態様では、スカート600は、支柱26に固定されて、スカート(図示せず)の層を形成することができる。所望の用途に応じて、フレームとスカートの結合の任意の構成を使用し得ることがさらに理解される。
【0131】
本明細書に記載の織物材料は、任意の封止要素の態様、並びに人工弁及び/又はフレームの態様のいずれかとの任意の組み合わせで使用することができる。人工心臓弁はまた、本明細書に記載される織物材料のいずれか、又はその一部を、任意の組み合わせで含み得ることが理解される。
【0132】
本明細書に記載される人工封止部材の織物は、人工弁と周囲の解剖学的構造の間に封止を形成するために、生物学的反応を促進するように構成され得る。特定の構成では、本明細書に記載の封止要素は、選択された期間にわたって封止を形成するように構成され得る。一部の態様では、弁周囲封止構造の封止部材は、封止構造に対する生物学的反応を阻害する一つ以上の薬剤で処理され得る。例えば、特定の例示的な態様では、本開示の織物はヘパリンで処理することができる。特定の態様では、薬剤(複数可)の量又は濃度は、薬剤が弁移植後の選択された期間(例えば、数日、数週間、又は数か月)後に枯渇するように選択され得る。薬剤(複数可)が枯渇すると、封止構造の織物又は糸又は繊維に対する生物学的反応は、選択された期間にわたって弁周囲封止が徐々に形成されるように増加し得る。これは、人工弁を通過する逆流が徐々に減少するにつれて、リモデリングが逆転する機会を提供することによって、(例えば、僧帽弁逆流による)左心房リモデリングに罹患している患者に有利であり得る。
方法
【0133】
本開示はまた、a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を有する一つ以上の追加的な糸と、c)任意選択的に、第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸と、を含む織物を形成することを含む方法であって、第二の糸が存在する場合、第一の糸がコアを形成し第二の糸がシースを形成するように、第二の糸が第一の糸を覆って多成分糸を形成し、第一の糸が、一つ以上の追加的な糸及び第二の糸(存在する場合)の弾性よりも高い弾性を示し、織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、方法を提供する。
【0134】
本明細書に開示される第一の糸、第二の糸、及び一つ以上の追加的な糸のいずれかを使用することができる。一部の態様では、上記で開示したように、形成の工程は、上記で開示された第三の糸のいずれかの使用をさらに含み得る。
【0135】
一部の態様では、形成する工程は、織る工程、編む工程、編組する工程、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。上記に開示した構造のいずれかを形成し得ることがさらに理解される。
【0136】
本開示はまた、本明細書に開示される織物のいずれかの封止要素を提供することと、封止要素を移植可能な医療デバイスの環状フレームに固定することと、を含む、移植可能な医療デバイスを作製する方法を提供する。
【0137】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される移植可能な医療デバイスのいずれかを、こうした方法によって形成し得る。なおさらなる態様では、本明細書に開示される織物のいずれかを使用して、デバイスの封止要素を形成することができる。なおさらなる態様では、封止要素を環状フレームに固定するために一般的に使用される任意の方法が使用され得る。例えば、限定されるものではないが、封止要素は、縫合糸でデバイスの環状フレームに固定され得る。当技術分野で既知の任意の縫合糸を使用することができる。一部の例示的及び非限定的な態様では、縫合糸は織物ベースの材料を含むことができる。しかしながら、所望の用途に適用可能な任意の縫合糸を利用し得ることが理解される。
【0138】
なおさらなる態様では、本明細書に開示される方法は、所望の用途に応じて、本明細書に開示される織物材料のいずれかを医薬的に活性な薬剤で含浸させる工程を含み得る。なおさらなる態様では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される織物材料のいずれかを、任意の追加の所望の特性を提供し得る当技術分野で既知の任意の材料でコーティングする工程を含み得る。
実施例
【0139】
以下の実施例は、本明細書に特許請求される化合物、組成物、物品、デバイス、及び/又は方法がどのように作製及び評価され、純粋に例示的であることが意図され、本開示を限定することを意図するものではないか、についての完全な開示及び説明を当業者に提供するように提示される。数字(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保するために努力がなされてきたが、いくらかの誤差及び偏差を考慮に入れるべきである。
【0140】
別途示されない限り、部分は重量部であり、温度は度Cであるか、又は周囲温度でのものであり、圧力は大気圧若しくは全真空又はその付近である。
a実施例1
【0141】
この実施例では、織物は、TPU被覆糸で形成される。まず、TPUポリマーを、溶融紡糸を使用して所望のフィラメントサイズに押し出し、モノフィラメント糸又はマルチフィラメント糸のいずれかを形成した。
【0142】
表1は、押出しに使用されたTPU材料の様々な特性を示す。一部の実施例では、93-100AのTPU医療グレードを押出しに使用した。
【0143】
次いで、TPU糸をPETマルチフィラメント糸で覆った。織物機器上での処理中に、金属表面との直接的接触からTPUフィラメントを保護するように覆うために、かさ高のテクスチャ加工糸を使用した。次いで、被覆TPU糸を、織物構造へと編んだ(縦編み又は横編み)か、織ったか、又は編組した。次いで、弾性織物構造をTPUスプレー又はディップコーティングでコーティングした。
【表1】
【0144】
*ASTM規格
コーティングに使用されるTPUは、表2に示す特性を有し、TPUグレードのより高い固体%(20%+)がコーティングに使用されると、TPUのより低い粘着性が可能になる。
【表2】
【0145】
例示的な態様
記載されるプロセス及び組成物の観点から、本明細書では、本開示の特定のより詳細に記載された態様を以下に説明する。しかしながら、これらの特に記載された態様は、本明細書に記載された異なる若しくはより一般的な教示を含む何らかの異なる請求項に対して何らかの限定する効果を有すると解釈されるべきではなく、又は「特定の」態様が、そこで文字通りに使用される言語及び式の固有の意味以外の何らかのやり方でどうにかして限定されると解釈されるべきではない。
【0146】
実施例1: a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸と、を含む織物であって、第一の糸が、一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示し、織物が約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、織物が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、織物。
【0147】
実施例2:第一のポリマーが、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、エラストマーポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコーン系エラストマー、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1に記載の織物。
【0148】
実施例3:第一のポリマーが、約75A~約75Dのデュロメーターを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1又は実施例2に記載の織物。
【0149】
実施例4:第一のポリマーが、約4500psi~約8000psiの最大引張強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~3に記載の織物。
【0150】
実施例5:第一のポリマーが、約50%~約700%の極限伸びを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~4に記載の織物。
【0151】
実施例6:第一のポリマーがTPUである、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~5に記載の織物。
【0152】
実施例7:第一の糸がモノフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~6に記載の織物。
【0153】
実施例8:第一の糸がマルチフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~6に記載の織物。
【0154】
実施例9:第一の糸が、約1超~約50のフィラメント数を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例8に記載の織物。
【0155】
実施例10:第一の糸の、一つ以上のフィラメントが、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~9に記載の織物。
【0156】
実施例11:二つ以上の追加的な糸が存在し、これらの追加的な糸が同じであるか、又は異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~10に記載の織物。
【0157】
実施例12:一つ以上の追加的な糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~11に記載の織物。
【0158】
実施例13:一つ以上の追加的な糸が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~12に記載の織物。
【0159】
実施例14:一つ以上の追加的な糸が実質的に剛直又は半剛直である、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~13に記載の織物。
【0160】
実施例15:第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~14に記載の織物。
【0161】
実施例16:第二の糸が第一の糸とは異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例15に記載の織物。
【0162】
実施例17:第一の糸がコアを形成し、第二の糸がシースを形成するように、第二の糸が第一の糸を覆って多成分糸を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例15又は16に記載の織物。
【0163】
実施例18:第一のポリマーが、第二のポリマーよりも高い弾性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~17に記載の織物。
【0164】
実施例19:第二のポリマーが、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~18に記載の織物。
【0165】
実施例20:第二のポリマーが、ポリエチレンテレフタレート(PET)ホモポリマー及びコポリマー、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)ホモポリマー及びコポリマー、並びにポリブチレンテレフタレート(PBT)ホモポリマー及びコポリマー、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例19に記載の織物。
【0166】
実施例21:第二の糸がモノフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~20に記載の織物。
【0167】
実施例22:第二の糸がマルチフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~20に記載の織物。
【0168】
実施例23:第二の糸が、1超~約150のフィラメント数を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例22に記載の織物。
【0169】
実施例24:第二の糸の、一つ以上のフィラメントが、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~23に記載の織物。
【0170】
実施例25:多成分糸が単一被覆又は二重被覆されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例17~24に記載の織物。
【0171】
実施例26:多成分糸が二重被覆され、二つの第二の糸が反対方向に第一の糸を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例25に記載の織物。
【0172】
実施例27:第二の糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高伸縮性(HS)テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例15~26に記載の織物。
【0173】
実施例28:第一の糸の、一つ以上のフィラメントが、メルトスパンされている、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~27に記載の織物。
【0174】
実施例29:織物が、編み構造、織り構造、又は編組構造を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~28に記載の織物。
【0175】
実施例30:織物が、単純なシングルジャージーニット構造、 ニットミスパターンを有するシングルジャージーニット構造、ニットタックパターンを有するシングルジャージーニット構造、トリコットニット、ロックニット、サテンニット、レバースロックニット、シャークスキンニット、パールニット、リブステッチニット、インターロックステッチニット、ダブルニット、ワープニット、ラッシェルニット ケーブルニット、バーズアイニット、ポンテルニット、インターシアニット、ジャカードニット、編みテリー織物、編みベロア織物、スライバーニット、フリースニット、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例29に記載の織物。
【0176】
実施例31:織物が、縦編み、横編み(円形又は平坦)、又はクロシェ編み構造を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例29又は実施例30に記載の織物。
【0177】
実施例32:織物が、織り構造を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例29に記載の織物。
【0178】
実施例33:織り構造が、平織、平織の派生物、うね織、バスケット織、綾織、繻子織、ドビー織、ジャカード織、エクストラヤーン織、ピケ織、二重織物、なし地織、もじり織、パイル織、三軸織、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例32に記載の織物。
【0179】
実施例34:織物が、編組構造を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例29に記載の織物。
【0180】
実施例35:編組構造が、二軸性、三軸性、一方向性、又はそれらの組み合わせである、本明細書の任意の実施例、特に実施例34に記載の織物。
【0181】
実施例36:第二の糸が存在せず、織物の横方向が第一の糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例32又は実施例33に記載の織物。
【0182】
実施例37:第二の糸が存在せず、織物の縦方向が一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の織物。
【0183】
実施例38:第二の糸が存在せず、織物の縦方向が、一つ以上の追加的な糸及び第一の糸の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例36に記載の織物。
【0184】
実施例39:第二の糸が存在し、織物の縦方向が、多成分糸及び一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例32又は実施例33に記載の織物。
【0185】
実施例40:織物の縦方向が、第一の糸とは異なる第三の糸をさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例39に記載の織物。
【0186】
実施例41:第三の糸が、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせを含む第三のポリマーを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例40に記載の織物。
【0187】
実施例42:第三の糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例40又は実施例41に記載の織物。
【0188】
実施例43:第三の糸がテクスチャ加工糸である、本明細書の任意の実施例、特に実施例42に記載の織物。
【0189】
実施例44:第二の糸が存在し、織物の横方向が一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~43に記載の織物。
【0190】
実施例45:多成分糸が、縦方向に織られた一つ以上の追加的な糸の張力とは異なる張力下で縦方向に織られている、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~44に記載の織物。
【0191】
実施例46:多成分糸が、縦方向に織られた一つ以上の追加的な糸の張力よりも高い張力下で縦方向に織られている、本明細書の任意の実施例、特に実施例45に記載の織物。
【0192】
実施例47:多成分糸が、縦方向に織られた一つ以上の追加的な糸の張力よりも低い張力下で縦方向に織られている、本明細書の任意の実施例、特に実施例45に記載の織物。
【0193】
実施例48:第三の糸が、多成分糸及び/又は一つ以上の追加的な糸とは別々に縦方向に織られている、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~47に記載の織物。
【0194】
実施例49:第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較した時、第三の糸が、織物の表面上により長いフロート又は隆起特徴を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例48に記載の織物。
【0195】
実施例50:第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較して、織物がより高い表面積を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例49に記載の織物。
【0196】
実施例51:織物が、縦方向の一つ以上の追加的な糸と横並びに多成分糸を交互に配設することを含む所定の織りパターンを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~50に記載の織物。
【0197】
実施例52:縦方向の一つ以上の追加的な糸が、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、及び/又は高収縮糸である、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~51に記載の織物。
【0198】
実施例53:横方向の一つ以上の追加的な糸が、フラットヤーン若しくは撚糸、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、及び/又はかさ高テクスチャ加工糸である、本明細書の任意の実施例、特に実施例44~52に記載の織物。
【0199】
実施例54:多成分糸の縦糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、本明細書の任意の実施例、特に実施例39~53に記載の織物。
【0200】
実施例55:テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、及び/又は高収縮糸を含む一つ以上の追加的な糸の縦糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、本明細書の任意の実施例、特に実施例51~54に記載の織物。
【0201】
実施例56:横糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、本明細書の任意の実施例、特に実施例49~55に記載の織物。
【0202】
実施例57:織物が第二の糸を含まず、縦編み構造を有し、織物の縦方向が、第一の糸及び一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載の織物。
【0203】
実施例58:織物がクロシェ編み構造を有し、織物の縦方向が第一の糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載の織物。
【0204】
実施例59:縦方向が、一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比でさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例58に記載の織物。
【0205】
実施例60:第二の糸が存在し、織物が縦編み構造を有し、織物の縦方向が、多成分糸及び一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載の織物。
【0206】
実施例61:織物の横方向が一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例57~60に記載の織物。
【0207】
実施例62:織物が第二の糸を含まず、横編み構造を有し、織物が第一の糸及び一つ以上の追加的な糸の編み物を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例31に記載の織物。
【0208】
実施例63:編組構造がコア及びシースを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例34又は実施例35に記載の織物。
【0209】
実施例64:第二の糸が存在しない場合、編組構造のコアが第一の糸を含み、シースが一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例63に記載の織物。
【0210】
実施例65:第二の糸が存在し、シースが多成分糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例63に記載の織物。
【0211】
実施例66:編組構造が、第二の糸によって覆われていない追加的な第一の糸をさらに含み、コアが追加的な第一の糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例65に記載の織物。
【0212】
実施例67:織物が少なくとも約80%の弾性回復を示す、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~66に記載の織物。
【0213】
実施例68:織物が、高い伸縮性、基材への自己適合性、所定の縫合糸保持、所定の布密度保持、細孔サイズ保持、厚さ保持、又はそれらの組み合わせを示す、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~67に記載の織物。
【0214】
実施例69:本明細書の任意の実施例、特に実施例1~68に記載の織物を含む物品。
【0215】
実施例70:物品が移植可能なデバイスを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例69に記載の物品。
【0216】
実施例71:物品が、対象の身体及び/又は対象の体液と実質的に接触している、本明細書の任意の実施例、特に実施例69~70に記載の物品。
【0217】
実施例72:本明細書の任意の実施例、特に実施例1~66に記載の織物を含む医療デバイス。
【0218】
実施例73:デバイスが移植可能である、本明細書の任意の実施例、特に実施例72に記載の医療デバイス。
【0219】
実施例74:デバイスが、対象の身体に挿入されるように構成されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例72~73に記載の医療デバイス。
【0220】
実施例75:a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を有する一つ以上の追加的な糸と、c)任意選択的に、第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸と、を含む織物を形成することを含む方法であって、第二の糸が存在する場合、第一の糸がコアを形成し第二の糸がシースを形成するように、第二の糸が第一の糸を覆って多成分糸を形成し、第一の糸が、一つ以上の追加的な糸及び第二の糸(存在する場合)の弾性よりも高い弾性を示し、織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、方法。
【0221】
実施例76:多成分糸が、第一の糸の周りに第二の糸を覆うことによって形成される、本明細書の任意の実施例、特に実施例75に記載の方法。
【0222】
実施例77:第一のポリマーが、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、エラストマーポリオレフィン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、シリコーン系エラストマー、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~76に記載の方法。
【0223】
実施例78:第一のポリマーが、約75A~約75Dのデュロメーターを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~77に記載の方法。
【0224】
実施例79:第一のポリマーが、約4500psi~約8000psiの最大引張強度を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~78に記載の方法。
【0225】
実施例80:第一のポリマーが、約50%~約700%の極限伸びを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~79に記載の方法。
【0226】
実施例81:第一のポリマーがTPUである、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~80に記載の方法。
【0227】
実施例82:第一の糸がモノフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~81に記載の方法。
【0228】
実施例83:第一の糸がマルチフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~81に記載の方法。
【0229】
実施例84:第一の糸が、約1超~約50のフィラメント数を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例83に記載の方法。
【0230】
実施例85:第一の糸の、一つ以上のフィラメントが、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~84に記載の方法。
【0231】
実施例86:二つ以上の追加的な糸が存在する場合、これらの追加的な糸が同じであるか、又は異なる、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~85に記載の方法。
【0232】
実施例87:一つ以上の追加的な糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~86に記載の方法。
【0233】
実施例88:一つ以上の追加的な糸が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン、ポリアミド、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~87に記載の方法。
【0234】
実施例89:一つ以上の追加的な糸が実質的に剛直又は半剛直である、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~88に記載の方法。
【0235】
実施例90:第二の糸が存在する時、第一のポリマーが、第二のポリマーよりも高い弾性を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~89に記載の方法。
【0236】
実施例91:第二の糸が存在する時、第二のポリマーが、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~90に記載の方法。
【0237】
実施例92:第二のポリマーが、ポリエチレンテレフタレート(PET)ホモポリマー及びコポリマー、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)ホモポリマー及びコポリマー、並びにポリブチレンテレフタレート(PBT)ホモポリマー及びコポリマー、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例91に記載の方法。
【0238】
実施例93:第二の糸が存在する時、第二の糸がモノフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~92に記載の方法。
【0239】
実施例94:第二の糸が存在し、第二の糸がマルチフィラメントである、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~92に記載の方法。
【0240】
実施例95:第二の糸が、1超~約150のフィラメント数を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例94に記載の方法。
【0241】
実施例96:第二の糸が存在する時、第二の糸の、一つ以上のフィラメントが、約5デニール~約1000デニールの範囲のサイズを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~95に記載の方法。
【0242】
実施例97:存在する場合、多成分糸が単一被覆又は二重被覆されている、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~96に記載の方法。
【0243】
実施例98:多成分糸が二重被覆され、二つの第二の糸が反対方向に第一の糸を覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例97に記載の方法。
【0244】
実施例99:第二の糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高伸縮性(HS)テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~98に記載の方法。
【0245】
実施例100:第一の糸の、一つ以上のフィラメントが、メルトスパンされている、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~99に記載の方法。
【0246】
実施例101:形成する工程が、織ること、編むこと、又は編組することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~100に記載の方法。
【0247】
実施例102:織物が織ることによって形成され、第二の糸が存在せず、第一の糸が横方向に織られる、本明細書の任意の実施例、特に実施例101に記載の方法。
【0248】
実施例103:一つ以上の追加的な糸が縦方向に織られている、本明細書の任意の実施例、特に実施例102の方法。
【0249】
実施例104:一つ以上の追加的な糸及び第一の糸が縦方向に織られている、本明細書の任意の実施例、特に実施例102の方法。
【0250】
実施例105:織物が織ることによって形成され、第二の糸が存在し、第一の縦糸ビーンが第二の縦糸ビームの張力とは異なる張力下にあるように、多成分糸が第一の縦糸ビーム上に取り付けられ、一つ以上の追加的な糸が第二の縦糸ビーム上に取り付けられている、本明細書の任意の実施例、特に実施例101に記載の方法。
【0251】
実施例106:第一の縦糸ビーンが、第二の縦糸ビームとは異なるより高い張力下にある、本明細書の任意の実施例、特に実施例105に記載の方法。
【0252】
実施例107:第一の縦糸ビーンが、第二の縦糸ビームとは異なるより低い張力下にある、本明細書の任意の実施例、特に実施例105に記載の方法。
【0253】
実施例108:織物の縦方向が、多成分糸及び一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例105~107に記載の方法。
【0254】
実施例109:第一の糸とは異なる第三の糸を含む第三の縦糸ビームをさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例105~108に記載の方法。
【0255】
実施例110:第三の糸が、完全延伸糸、スピン延伸糸、低撚糸若しくは無撚糸、撚糸、フラットヤーン、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、高収縮糸、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例109に記載の方法。
【0256】
実施例111:第三の糸がテクスチャ加工糸である、本明細書の任意の実施例、特に実施例110に記載の方法。
【0257】
実施例112:織物の横方向が一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例105~111に記載の方法。
【0258】
実施例113:第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較した時、第三の糸が織られて、織物の表面上により長いフロート又は隆起特徴を形成する、本明細書の任意の実施例、特に実施例109~112に記載の方法。
【0259】
実施例114:第三の糸の不在下での実質的に同一の参照織物と比較した時、織物がより高い表面積を有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例113に記載の方法。
【0260】
実施例115:織物が、縦方向の一つ以上の追加的な糸と横並びに多成分糸を交互に配設することを含む所定の織りパターンを有する、本明細書の任意の実施例、特に実施例105~114に記載の方法。
【0261】
実施例116:縦方向の一つ以上の追加的な糸が、テクスチャ加工糸、高(HS)伸縮性テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、及び/又は高収縮糸である、本明細書の任意の実施例、特に実施例105~115に記載の方法。
【0262】
実施例117:横方向の一つ以上の追加的な糸が、フラットヤーン若しくは撚糸又はテクスチャ加工糸である、本明細書の任意の実施例、特に実施例112~116に記載の方法。
【0263】
実施例118:多成分糸の縦糸密度が打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、本明細書の任意の実施例、特に実施例104~117に記載の方法。
【0264】
実施例119:テクスチャ加工糸、かさ高テクスチャ加工糸、及び/又は高収縮糸の縦糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、本明細書の任意の実施例、特に実施例112~116に記載の方法。
【0265】
実施例120:横糸密度が、打ち込み本数約10~打ち込み本数約200である、本明細書の任意の実施例、特に実施例112~119に記載の方法。
【0266】
実施例121:形成する工程が織ることであり、織物が、平織、平織の派生物、うね織、バスケット織、綾織、繻子織、ドビー織、ジャカード織、エクストラヤーン織、ピケ織、二重織物、なし地織、もじり織、パイル織、三軸織、又はそれらの組み合わせを含む織り構造であり得る、本明細書の任意の実施例、特に実施例101~120に記載の方法。
【0267】
実施例122:織物が、単純なシングルジャージーニット構造、 ニットミスパターンを有するシングルジャージーニット構造、ニットタックパターンを有するシングルジャージーニット構造、トリコットニット、ロックニット、サテンニット、レバースロックニット、シャークスキンニット、パールニット、リブステッチニット、インターロックステッチニット、ダブルニット、ワープニット、ラッシェルニット ケーブルニット、バーズアイニット、ポンテルニット、インターシアニット、ジャカードニット、編みテリー織物、編みベロア織物、スライバーニット、フリースニット、又はそれらの任意の組み合わせを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例101~121に記載の方法。
【0268】
実施例123:織物が編むことによって形成され、織物が第二の糸を含まず、縦編み構造を有し、織物の縦方向が、第一の糸及び一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122に記載の方法。
【0269】
実施例124:織物が編むことによって形成され、織物がクロシェ編み構造を有し、織物の縦方向が第一の糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122に記載の方法。
【0270】
実施例125:縦方向が、一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比でさらに含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例124に記載の方法。
【0271】
実施例126:織物が編むことによって形成され、第二の糸が存在し、織物が縦編み構造を有し、織物の縦方向が、多成分糸及び一つ以上の追加的な糸を約1:2~約1:10の比で含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122に記載の方法。
【0272】
実施例127:織物の横方向が一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例123~126に記載の方法。
【0273】
実施例128:織物が編むことによって形成され、織物が第二の糸を含まず、横編み構造を有し、織物が、第一の糸及び一つ以上の追加的な糸の編み物を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例122に記載の方法。
【0274】
実施例129:形成する工程が、編組して編組構造を形成することを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例101に記載の方法。
【0275】
実施例130:編組構造がコア及びシースを含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例129に記載の方法。
【0276】
実施例131:第二の糸が存在しない場合、編組構造のコアが第一の糸を含み、シースが一つ以上の追加的な糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例130に記載の方法。
【0277】
実施例132:第二の糸が存在し、シースが多成分糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例131に記載の方法。
【0278】
実施例133:編組構造が、第二の糸によって覆われていない追加的な第一の糸をさらに含み、コアが追加的な第一の糸を含む、本明細書の任意の実施例、特に実施例132に記載の方法。
【0279】
実施例134:編組構造が、二軸性、三軸性、一方向性、又はそれらの組み合わせである、本明細書の任意の実施例、特に実施例129~133に記載の方法。
【0280】
実施例135:織物が少なくとも約80%の弾性回復を示す、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~134に記載の方法。
【0281】
実施例136:織物が、高い伸縮性、基材への自己適合性、所定の縫合糸保持、所定の布密度保持、細孔サイズ保持、厚さ保持、又はそれらの組み合わせを示す、本明細書の任意の実施例、特に実施例75~135に記載の方法。
【0282】
実施例137:流入端、流出端、及び長手方向軸を有する環状フレームと、フレームに固定された封止要素とを備え、封止要素が、本明細書の任意の実施例、特に実施例1~68に記載の織物を含む、移植可能な人工弁。
【0283】
実施例138:流入端、流出端、及び長手方向軸を有する環状フレームであって、拡張及び折り畳みするように構成されている環状フレームと、フレームに固定された封止要素と、を備え、封止要素が、a)第一のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第一の糸と、b)第一の糸とは異なる組成及び/又は特性を含む一つ以上の追加的な糸とを含む織物を含み、第一の糸が一つ以上の追加的な糸の弾性よりも高い弾性を示し、織物が、約50%~約700%の極限伸びを示し、かつ形状適合性及び生体適合性であり、織物が、対象の身体に挿入される、及び/又は移植されるように構成されている、移植可能な人工弁。
【0284】
実施例139:織物が、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、又はそれらの組み合わせを含む第二のポリマーを含む一つ以上のフィラメントを含む第二の糸をさらに含み、第二の糸が第一の糸とは異なっていて、第一のポリマーが第二のポリマーよりも高い弾性を有し、第一の糸がコアを形成し、第二の糸がシースを形成するように、第二の糸が第一の糸を覆って多成分糸を形成し、多成分糸が単一被覆又は二重被覆されていて、多成分糸が二重被覆されている場合、二つの第二の糸が、第一の糸を反対方向に覆う、本明細書の任意の実施例、特に実施例138に記載の移植可能な人工弁。
【0285】
実施例140:封止要素が、患者の生来の組織との封止を確立するように構成された外側スカートである、本明細書の任意の実施例、特に実施例138又は実施例139に記載の移植可能な人工弁。
【0286】
実施例141:封止要素が締結具で環状フレームに取り付けられている、本明細書の任意の実施例、特に実施例138~140に記載の移植可能な人工弁。
【0287】
本開示のいくつかの態様が前述の明細書に開示されているが、前述の説明及び関連する図面で提示された教示の利益を有する、本開示が属する、本開示の多くの修正及び他の態様が想起されることが、当業者によって理解される。それ故に、本開示が、上記に開示された特定の態様に限定されず、多くの修正及び他の態様が、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されていることは、理解される。さらに、特定の用語が本明細書、並びに後続の特許請求の範囲において用いられるが、それらは一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、記載される開示又は後続の特許請求の範囲を限定する目的には使用されない。したがって、本発明者らは、その本発明者らの開示として、これらの請求項の範囲および趣旨に含まれるすべてを、特許請求する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
【国際調査報告】