(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】送出デバイスおよび送出システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/60 20200101AFI20240816BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20240816BHJP
【FI】
A24F40/60
A24F40/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515333
(86)(22)【出願日】2022-08-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 GB2022052042
(87)【国際公開番号】W WO2023037089
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】2021110647465
(32)【優先日】2021-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ガラティ、ロサ
(72)【発明者】
【氏名】ベル、サリー
(72)【発明者】
【氏名】カージー、ロブ
(72)【発明者】
【氏名】イン、クリス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA09
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC34
4B162AC37
4B162AD08
4B162AD32
(57)【要約】
送出デバイスが開示されている。このデバイスは、ユーザーに視覚的フィードバックを提供する光源を含む。プロセッサが送出デバイスの状態の変化を判断し、コントローラは、光源を制御し、補助フィードバック部材を作動させてプロセッサからの信号に応答して、送出デバイスの状態の変化を示す光源によって提供される視覚的フィードバックに加えて補助的フィードバックを提供する。また送出デバイスと、エアロゾル発生モジュールとを含み、エアロゾル発生モジュールは、エアロゾル発生モジュールに熱を提供するように構成されたヒーターに電力が送出デバイスのバッテリーによって供給された際にユーザーにエアロゾルを提供するように構成されている送出システムも開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出デバイスであって、
ユーザーに視覚的フィードバックを提供する光源と、
補助フィードバック部材と、
送出デバイスの状態の変化を判断するように構成されたプロセッサと、
光源を制御し、補助フィードバック部材を作動させてプロセッサからの信号に応答して、送出デバイスの状態の変化を示す光源によって提供される視覚的フィードバックに加えて補助的フィードバックを提供するコントローラと、を含む送出デバイス。
【請求項2】
補助フィードバック部材は、ユーザーに触覚的フィードバックを提供する振動部材であり、コントローラは、振動部材を作動させて送出デバイスの状態の変化を示す視覚的および触覚的フィードバックの両方を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の送出デバイス。
【請求項3】
バッテリーを含み、プロセッサは、送出デバイスの状態の変化がバッテリーの充電状態に基づいて生じたことを判断するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の送出デバイス。
【請求項4】
バッテリーの充電状態は、その電圧に基づいて判断されることを特徴とする請求項3記載の送出デバイス。
【請求項5】
完全に充電された状態に対するバッテリーの充電レベルの所定の減少に基づいてバッテリーの充電状態は判断されることを特徴とする請求項3記載の送出デバイス。
【請求項6】
プロセッサは、バッテリーの充電レベルが完全に充電された状態の40%、30%、20%および/または10%に到達した際に送出デバイスの状態の変化が起こったことを判断するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の送出デバイス。
【請求項7】
コントローラは、バッテリーの判断された充電状態に依存する振動周波数で振動部材を作動させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至6いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項8】
プロセッサは、振動部材をバッテリーの充電状態に応じた一定期間作動させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至7いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項9】
コントローラは、送出デバイスの状態が変化したことの視覚的フィードバックを提供するためにプロセッサからの信号に応答して光源の色を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至8いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項10】
コントローラは、バッテリーの判断された充電状態に依存して異なる色に光源を発光させるように構成されていることを特徴とする請求項9記載の送出デバイス。
【請求項11】
ブザーを含み、コントローラは、送出デバイスの状態の変化を示す可聴フィードバックを提供するためにプロセッサからの信号に応答してブザーを作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至10いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11いずれか1項記載の送出デバイスと、
エアロゾル発生モジュールと、を含み、
エアロゾル発生モジュールは、エアロゾル発生モジュールに熱を提供するように構成されたヒーターに電力が送出デバイスのバッテリーによって供給された際にユーザーにエアロゾルを提供するように構成されている送出システム。
【請求項13】
送出デバイスの状態の変化を判断するように構成されたプロセッサと、送出デバイスの状態が変化したことを視覚的に示すためにプロセッサからの信号に応答して光源を制御するためのコントローラとを含む送出デバイスを制御する方法であって、この方法は、光源を制御することに加えて前記状態の変化を示す触覚的フィードバックを提供するために振動部材を作動させることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル供給システム、特に非燃焼系エアロゾル供給システムなどの送出システムに使用するための送出デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコ、シガーなどの喫煙品は使用時にタバコを燃やして煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を創り出すことによってこれらの物品に変わる送出システムを提供する試みがなされている。このような送出システムの例としては、所謂、基材を熱するが燃やさずに化合物を放出する「非燃焼加熱」製品またはタバコ加熱装置または製品が挙げられる。例えば、タバコ加熱装置は、エアロゾル発生基材を加熱し、この基材は、タバコまたはニコチンを含んでもよい、または含まなくてもよい非タバコ製品であり、基材を燃やさずに熱することによってエアロゾルを形成するためのものである。
【発明の概要】
【0003】
本発明の態様では送出デバイスが提供され、このデバイスは、ユーザーに視覚的フィードバックを提供する光源と、補助フィードバック部材と、送出デバイスの状態の変化を判断するように構成されたプロセッサと、プロセッサからの信号に応答して光源を制御し、補助フィードバック部材を作動させて送出デバイスの状態の変化を示す光源によって提供される視覚的フィードバックに加えて補助的フィードバックを提供するコントローラとを含む。
【0004】
補助フィードバック部材は、ユーザーに触覚的フィードバックを提供する振動部材であってもよく、コントローラは、振動部材を作動させて送出デバイスの状態の変化を示す視覚的および触覚的フィードバックの両方を提供するするように構成してもよい。他の実施態様では補助フィードバック部材は、ブザーまたは可聴表示またはアラームを発生させることが可能な他の装置であってもよい。
【0005】
送出デバイスは、バッテリーを含んでもよい。プロセッサは、送出デバイスの状態の変化がバッテリーの充電状態に基づいて生じたことを判断するように構成してもよい。
【0006】
バッテリーの充電の状態は、その電圧の測定に基づいて判断してもよい。完全に充電された状態に対するバッテリーの充電レベルの所定の減少に基づいてバッテリーの充電状態を判断することも可能である。
【0007】
プロセッサは、バッテリーの充電レベルが完全に充電された状態の40%、30%、20%および/または10%に到達した際に送出デバイスの状態の変化が起こったことを判断するように構成してもよい。
【0008】
コントローラは、バッテリーの判断された充電状態によって決まる振動周波数で振動部材を作動させるように構成してもよい。
【0009】
振動部材は、バッテリーの充電状態によって決まる一定期間作動させてもよい。
【0010】
光源の色は、送出デバイスの状態が変化したことの視覚的フィードバックを提供するためにプロセッサからの信号に応答して変化してもよい。
【0011】
コントローラは、バッテリーの判断された充電状態に依存して異なる色に光源を発光させるように構成してもよい。
【0012】
送出デバイスは、ブザーを含んでもよい。コントローラは、送出デバイスの状態の変化を示す可聴フィードバックを提供するためにプロセッサからの信号に応答してブザーを作動させるように構成してもよい。
【0013】
本発明の別の態様では 送出デバイスを制御する方法が提供され、このデバイスは、送出デバイスの状態の変化を判断するように構成されたプロセッサと、送出デバイスの状態が変化したことを視覚的に示すためにプロセッサからの信号に応答して光源を制御するためのコントローラとを含み、この方法は、光源を制御することに加えて前記状態の変化を示す触覚的フィードバックを提供するために振動部材を作動させるようにコントローラを構成することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
例示的実施態様を以下の略図を参照して例示のみの目的として説明する。
【
図1】例示的実施態様によるデバイスの略図である。
【
図2】
図1に示したデバイスの制御モジュールの分解図である。
【
図3】
図2の組み立てられた制御モジュールの断面図である。
【
図5】本発明の実施態様による送出デバイスの作動方法を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書中では「送出システム」なる用語は、ユーザーに少なくとも1つの物質を送出するシステムを包含することを意図し、次のものを含む、電子タバコ、タバコ加熱製品、エアロゾル発生材の組合わせを使用してエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムなどのエアロゾル発生材を燃焼させずにエアロゾル発生材から化合物を放出する非燃焼系エアロゾル供給システム。
【0016】
本発明による実施態様は、ハウジング2を含む送出システム1を提供し、このハウジング2は、ハウジング2の壁に形成された開口部を有し、この開口部を介してハウジング2内の発光ダイオード(LED)などの光源3が見える。
【0017】
ユーザーが装置に電気が供給されているか分かるように、または消耗した充電可能なバッテリー4の充電が必要なことなどの他の機能を知らせるために発光ダイオード(LED)3などの光源を有することは送出デバイス1に共通していることである。LED3は回路基板5に設けられており、開口部6がハウジング2に設けられており、それを介してLED3が見える、またはその中にLED3が位置している。この目的のために開口部6と回路基板5のLED3は、デバイス1が組み立てられた際に位置合わせされる、即ちLED3が開口部6の下に位置するように配置される。開口部6の下で回路基板5に取り付けられているLED3を
図3に示す。
【0018】
送出システム1は、携帯電話に供されるものと類似の振動の形体でユーザーに触覚的フィードバックを提供する振動モーター7を含む。特定の実施態様では送出デバイス1は、ユーザーに対して可聴信号を発生させるブザー8も含む。振動モーター7および何らかのブザー8を使用して例えば送出デバイス1のスイッチが入っているか、またはその充電状態などの送出デバイス1の状態の情報をユーザーに提供することができる。
【0019】
図1は例示的実施態様によって参照番号1で通常示される非燃焼系エアロゾル供給デバイスの形体の送出システム1の略図である。システム1は、2つの主要部材、送出部9とエアロゾル発生モジュール10とを含む。
【0020】
デバイス1の第1部材9は、バッテリー4と回路基板5を含む制御モジュール11を含む。制御モジュール11は、制御モジュール11を囲み、デバイス1の外観を形成するハウジング2内に収容されている。ハウジング2は、管状のスリーブであってもよく、その場合、デバイス1の組立ての際に制御モジュール11が一つの開口端部からハウジング2内に挿入され、その後ハウジング2のその開口端部が端部キャップ12によって塞がれ、ハウジング2が閉じられる。しかしながら、ハウジング2は、これとは別に制御モジュール11の周囲の囲みを形成するために互いに取り付けられる複数の部品またはシェルから形成されてもよい。ハウジング2は、好ましくはアルミニウムなどの金属から形成されるが、ハウジング2用に他の材料も可能である。
【0021】
第1部材9は、USBコネクターなどのコネクターを含み、制御モジュール11のバッテリー4を充電するための電力源へ接続できるようにする。コネクターは、端部キャップ12を介して触れることができる。
【0022】
デバイス1の第2部材10は、共同でエアロゾル発生モジュールを形成するヒーター13および液体容器14を含む。第1および第2部材9、10は、モジュラー式、即ち第2部材10がそれ自身のハウジング2aを有し、修理または交換のために第1の部材9から分離可能(
図1にxを印した継ぎ目で)にしてもよい。取り外し自在の電気接続部が第1および第2部材9、10を接続して電気および制御信号をそれらの間に送信できるようにしている。しかしながら、第1および第2部材9、10は、デバイス1を分解すること以外、分離できなくてもよい。より具体的には第1および第2部材9、10は、組み立て時に互いに接続され、同じ一体ハウジング2内に収容されて一体型ユニットを形成してもよい。一部の例ではデバイス9は、ヒーター13を含み、エアロゾル発生モジュールは、ヒーター13によって加熱されるエアロゾル発生基材を含む。エアロゾル発生基材は、固体基材であってもよく、あるいは液体容器14に収容される液体であってもよい。
【0023】
図1のデバイスを使用する際、空気が矢印14で示すようにヒーターの空気入り口内に引き込まれる。ヒーター13は、制御モジュール11によって制御され、入ってきた空気を熱する。熱せられた空気は、液体容器14に案内され、そこでエアロゾルが発せられる。エアロゾルは、矢印Aで示すように空気出口でデバイス1から出て、デバイス1のユーザーの口の中に入る。
【0024】
図2は、第2部材10が省略された
図1に示した制御モジュール11のより具体的な分解図であり、
図3は、
図1の第1部材9の側部断面図である。
図4は
図2の分解斜視図の部分図であり、デバイス1の第1部材9の端部部分の集合体15をより明確に示している。集合体15は、振動モーター7と選択的にブザー8を収容し、取り付ける弾性支持部材16を含む。
【0025】
図2に示すようにハウジング2は、スリーブの形体であり、制御モジュール11の残りの部品は、一端からハウジング2内に挿入される。次に端部が端部キャップ12によって塞がれ、ハウジング2の大分材9に締まりばめされる、または機械的留め具または接着剤でハウジング2に取り付けることができる。
【0026】
制御モジュール11は、バッテリー4が収容され、保持されるフレームまたはキャリアー17を含む。回路基板5は、キャリアー17の外側に取り付けられ、キャリアー17およびバッテリー4の1つの主要面4aの外側の両方によって支持されている。絶縁スペーサーまたは接着剤支持パッド18がバッテリー4の主要面4aと回路基板5の間に配置され、それらは互いに重なり合う。プロセッサ19およびコントローラ20は、回路基板5に装着され、回路基板もまた回路基板の第2部材10のエアロゾル発生モジュールへの電気的接続のためのコネクター21を有している。これらのコネクター21は、キャリアー17の一端から突出した回路基板5のセクションに位置する。プロセッサ19とコントローラ20は、別個の部材として参照されているが、当然のことながらプロセッサ19とコントローラ20は、マイクロコントローラのような単独の一体化された部材にまとめてもよい。マイクロコントローラは、デバイスの状態の変化に関するデーターを記憶するためのメモリも含んでもよい。
【0027】
金属または導電プレート22がキャリアー17と、回路基板5と反対側のバッテリーの面のバッテリー4のもう一方の主要面4bに装着される。絶縁パッドまたはスペーサー23は、バッテリー4のもう一方の主要面4bと金属プレート18の間に位置し、金属プレート22がバッテリー4のもう一方の主要面4bの所定の位置に保持されるように接着されてもよい。金属プレート22は、回路基板5の他の制御素子と同様にバッテリー4とプロセッサ19とコントローラ20間の電気接続を形成している。
【0028】
制御モジュール11は、プレスボタン式オン/オフスイッチ24を含み、これは金属プレート22に取り付けられ、ハウジング2の開口部を介して触れることができる。オン/オフスイッチ24を押すことで回路基板5上のプロセッサ16およびコントローラ16aなどの制御素子にバッテリーを接続したり制御素子との接続を解除し、これによりデバイス1のオンオフを切り替える、または必要に応じて制御機能を実行する。
【0029】
さらに
図2および4を参照すると、振動モーター7がハウジング2内でキャリアー17と端部キャップ12の間で収容されている。振動モーター7は、支持部材16または弾性材料から作製された型内に収容されている。支持部材16は、好ましくはゴム、最も好ましくはシリコーンゴムから作製され、振動モーター7を支持し、振動モーター7によって発せられた振動を和らげる。支持部材16は、開口部または凹部25を有し、その中に振動モーター7が滑り嵌めまたは締まり嵌めされ、振動モーター7が凹部25内に押し込まれ、その中に確実に保持される。支持部材16は、ハウジング2の内部形状に対応した外形を有し、支持部材16の外面26がハウジング2の内面と接触して、あるいは端部キャップ12内に位置するようになっている。支持部材16は、キャップ12に部分的に収容され、キャップ12からハウジング2内に延びている。支持部材16は、キャップ12および/またはハウジング2とプレス嵌めまたは締まり嵌めされ、ハウジング2内に安定した状態で保持されるようにしてもよい。弾性材料から作製されることで 支持部材16は、組み立て時に「撓み」、支持部材16をハウジングおよび/またはキャップ12内に挿入できるようにし、その中でキャリアー17の端部と端部キャップ12の間で強固に保持される。
【0030】
特定の実施態様では比較的硬質のパネルが振動モーター7または支持部材16の凹部25に収容された後に見えたまま振動モーター7の一部と接触して位置してもよい。このパネルもまたハウジング2の内壁と接触してもよい。振動モーター7の振動は、支持部材16に加えて、または代わりにこの比較的硬質のパネルを介してハウジング2に伝えられる。
【0031】
送出デバイス1にブザー8が設けられている場合、ブザーは、USBケーブルまたはそれと類似の物を介してデバイスの充電を制御する充電基板27に取り付けられる。充電基板27もまたハウジング2の一端にキャリアー17と端部キャップ12の間で収容され、好ましくは端部キャップ12自体に収容される。ブザー8が支持部材16に収容される場合、充電基板27は、支持部材16の主要面16bに実質的に接して位置する。
【0032】
ブザー8もまた好ましくは支持部材16内に収容され、支持部材16にはブザー8を収容するための追加の凹部または開口部(図示せず)が設けられている。振動モーター7と同様にブザー8は、支持部材16の凹部内に圧入されてもよい。好ましくは、支持部材16は2つの対向する主要面15a、15bを有し、振動モーター7用の凹部25が1つの面15aに形成され、ブザー8用の凹部が対向する面15bに形成され、振動モーター7とブザー8が両方とも支持部材16の内壁によって保護され、互いに隔てられた状態を維持するようになっている。特に
図4から当然のことながら振動モーター7とブザー8は、支持部材16内互いに横方向にオフセットされている、即ちそれらは並んで配向され、支持部材16の内部中央分割壁によって隔てられている。振動モーター7およびブザー8は、支持部材16の対向する側部から支持部材16内に挿入される、即ち凹部が支持部材16の対向する面15a、15bにある。各凹部は、振動モーター7とブザー8をそれぞれ収容する形状を有する。したがって、デバイス1の組み立てが簡単になる。さらに支持部材16は、なんら追加の留め具を一切使用せずにハウジング2および/または端部キャップ12内に嵌まり、強固に保持される。
【0033】
上述のように光源3は、デバイス1の状態の変化に応じて発光する、または色を変えてもよい。デバイス1の状態の変化は、バッテリー4が特定の充電状態に到達した際に起こるものでもよい。例えば、状態の変化は、所定の電圧分または所定の電圧へのバッテリー4の低下またはバッテリー4の完全に充電された状態に対するある比率レベルへの充電容量の減少の結果として起こった場合に判断されるものであってもよい。当然のことながら光源3は、デバイス1の状態がそれによって示されることによって異なる方法で変化または発光してもよい。
【0034】
ユーザーは、充電が切れたことなどの状態の変化を示すために光源3が発光したことまた変化したことを直ぐに気づかない場合がある。したがって、1つ以上の補助的なまたは予備的な表示、または光源がデバイス1の状態の変化を知らせるために変化したことをユーザーに気づかせる少なくともきっかけを提供することが望ましい。したがって、振動部材7によって供される触覚的フィードバックは、デバイス1の新しい状態を判断する光源3を見るように仕向ける刺激をユーザーに提供する。
【0035】
デバイス1の状態が変化したことの補助的表示を提供するために振動モーター7は、ユーザーへの触覚的フィードバックを発生させる。デバイス1の振動だけでは例えばデバイス1の充電が必要であることを示すには充分ではない場合であっても、それは光源3を見ようとする刺激を少なくともユーザーに与え、これによりどのような状態の変化が起こったかを判断する。
【0036】
プロセッサ19は、デバイス1の状態の所定の変化に応答するように予めプログラムすることができる。コントローラ20が次にプロセッサ19からの信号に応答して光源3を制御し、振動部材7を作動させて送出デバイス1の状態の変化を示す視覚的および触覚的フィードバックの両方を提供する。視覚的および触覚的フィードバックは同時に提供されてもよい。特定の実施態様では振動部材7を光源3の変化の直接の結果として作動させてもよい、即ち、振動部材7は光源3が発光する、または色を変えることに応答してまたは異なる配列の光が発せられた結果として作動してもよい。これとは別に振動部材7は、コントローラ20から受信した別の信号およびプロセッサ19から受信した信号に応答して作動してもよい。
【0037】
一部の実施態様ではプロセッサ19をバッテリー4の充電レベルが完全に充電された状態の40%、30%、20%および/または10%に到達した際に送出デバイス1の状態の変化が起こったと判断するように構成してもよい。充電の変化は、バッテリー4がこれらの充電の状態の内の1つ、またはいずれか、またはすべてに到達した際に起こったものであってもよい。しかしながら、当然のことながらプロセッサ19は、デバイス1の状態の変化が任意のバッテリーの充電量で起こったことを判断するようにプログラムすることができる。プロセッサ19は、いつバッテリー4に特定の電圧降下が起こったかを判断してもよい。
【0038】
コントローラ20は、バッテリー4の所定の充電状態に応じた振動周波数で振動部材7を作動させてもよい。例えば、振動部材7は、充電レベルがゼロの方に減少するにつれてより高い周波数で振動してもよい。さらに振動部材7は、バッテリー4の充電状態に応じた一定期間、パルスを発生させてもよい。パルスの周波数または長さは、検知された充電レベルの応じて変わってもよい。例えば、パルスは、バッテリー4が完全に消費された状態にほぼ到達した際の低充電レベルではより短くかつより高頻度であってもよい。
【0039】
また一部の実施態様では送出デバイス1は、可聴フィードバックを提供してもよい、即ち送出デバイスにブザー8を設けてもよい。またコントローラ20は、送出デバイス1の状態の変化を示す可聴フィードバックを提供するためにブザー20を作動させるように構成してもよい。ブザー8は、振動モーター7と同時に起動させてもよい。一部の状況では振動モーター7は、例えばバッテリーの充電レベルが第1の状態にまで消耗した場合、ブザー8無しで起動させてもよい。ブザー8および振動モーター7は、その他の状態条件、即ちバッテリー4がほぼ完全に放電した際に同時に作動させてもよい。
【0040】
図4は、デバイス1の機能性を示すためのブロック図である。プロセッサー19は、予めプログラムされたデバイス1の状態の変化がいつ起こったかを認識し、コントローラ20に信号S1を送る。信号S1に応答してコントローラ20は、信号S2を光源3そしてS3を振動モーター7に送り、デバイス1の状態が変わったことを示すためにユーザーに視覚的および触覚的フィードバックの両方を提供する。上述したように光源3は、示されているデバイス1の状態によって特定の方法で発光または変化してもよい。したがって、振動モーター7によって提供される触覚的フィードバックは、どの特定の状態の変化が起こったかを判断するために光源3を見るようにユーザーに仕向け、その後ユーザーは適宜行動する。例えば、ユーザーは、バッテリー4を再充電するためにデバイス1をコンセントにつなぐ、またはデバイス1がすぐに再充電が必要になることを少なくとも気付かされる。
【0041】
当然のことながら振動モーター7を省略して、補助的表示を可聴的表示のみにしてもよく、その場合、ブザー8の起動がデバイス1の状態がどのように変化したかを判断するために光源を見るようにユーザーを仕向ける。
【0042】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送出デバイスであって、
ユーザーに視覚的フィードバックを提供する光源と、
補助フィードバック部材と、
送出デバイスの状態の変化を判断するように構成されたプロセッサと、
光源を制御し、補助フィードバック部材を作動させてプロセッサからの信号に応答して、送出デバイスの状態の変化を示す光源によって提供される視覚的フィードバックに加えて補助的フィードバックを提供するコントローラと、を含む送出デバイス。
【請求項2】
補助フィードバック部材は、ユーザーに触覚的フィードバックを提供する振動部材であり、コントローラは、振動部材を作動させて送出デバイスの状態の変化を示す視覚的および触覚的フィードバックの両方を提供するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の送出デバイス。
【請求項3】
バッテリーを含み、プロセッサは、送出デバイスの状態の変化がバッテリーの充電状態に基づいて生じたことを判断するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の送出デバイス。
【請求項4】
バッテリーの充電状態は、その電圧に基づいて判断されることを特徴とする請求項3記載の送出デバイス。
【請求項5】
完全に充電された状態に対するバッテリーの充電レベルの所定の減少に基づいてバッテリーの充電状態は判断されることを特徴とする請求項3記載の送出デバイス。
【請求項6】
プロセッサは、バッテリーの充電レベルが完全に充電された状態の40%、30%、20%および/または10%に到達した際に送出デバイスの状態の変化が起こったことを判断するように構成されていることを特徴とする請求項5記載の送出デバイス。
【請求項7】
コントローラは、バッテリーの判断された充電状態に依存する振動周波数で振動部材を作動させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至6いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項8】
プロセッサは、振動部材をバッテリーの充電状態に応じた一定期間作動させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至
6いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項9】
コントローラは、送出デバイスの状態が変化したことの視覚的フィードバックを提供するためにプロセッサからの信号に応答して光源の色を変化させるように構成されていることを特徴とする請求項2乃至
6いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項10】
コントローラは、バッテリーの判断された充電状態に依存して異なる色に光源を発光させるように構成されていることを特徴とする請求項9記載の送出デバイス。
【請求項11】
ブザーを含み、コントローラは、送出デバイスの状態の変化を示す可聴フィードバックを提供するためにプロセッサからの信号に応答してブザーを作動させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至
6いずれか1項記載の送出デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至
6いずれか1項記載の送出デバイスと、
エアロゾル発生モジュールと、を含み、
エアロゾル発生モジュールは、エアロゾル発生モジュールに熱を提供するように構成されたヒーターに電力が送出デバイスのバッテリーによって供給された際にユーザーにエアロゾルを提供するように構成されている送出システム。
【請求項13】
送出デバイスの状態の変化を判断するように構成されたプロセッサと、送出デバイスの状態が変化したことを視覚的に示すためにプロセッサからの信号に応答して光源を制御するためのコントローラとを含む送出デバイスを制御する方法であって、この方法は、光源を制御することに加えて前記状態の変化を示す触覚的フィードバックを提供するために振動部材を作動させることを含む方法。
【国際調査報告】