IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 維沃移動通信有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図1
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図2
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図3
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図4
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図5
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図6
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図7
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図8
  • 特表-イントラ予測の方法及び端末 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】イントラ予測の方法及び端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/11 20140101AFI20240816BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20240816BHJP
   H04N 19/136 20140101ALI20240816BHJP
【FI】
H04N19/11
H04N19/176
H04N19/136
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515523
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2022120855
(87)【国際公開番号】W WO2023051402
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111165824.0
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】周 川
(72)【発明者】
【氏名】呂 卓逸
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA19
5C159MA21
5C159MC11
5C159ME01
5C159PP04
5C159RC11
5C159TA33
5C159TB08
5C159TB10
5C159TC35
5C159TC42
5C159TD09
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
本出願は、イントラ予測の方法及び端末を開示し、ビデオコーデック規格の技術分野に属する。上記イントラ予測方法は、予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するステップと、位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するステップと、を含む。ここで、位置依存イントラ予測コンビネーションを使用して予測サンプルを修正するステップは、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するステップであって、第1角度予測モードが予測ブロックに対応する角度予測モードであり、参照サンプルセットが少なくとも1つの参照サンプルを含むステップと、テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するステップと、角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて予測サンプルを修正するステップと、を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するステップと、
位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するステップと、を含み、
位置依存イントラ予測コンビネーションを使用して前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するステップであって、前記第1角度予測モードが前記予測ブロックに対応する角度予測モードであり、前記参照サンプルセットが少なくとも1つの参照サンプルを含むステップと、
前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するステップと、
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、イントラ予測方法。
【請求項2】
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析を行い、前記テクスチャ情報を得るステップと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析処理を行い、前記テクスチャ情報を得るステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得るステップと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得るステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定するステップと、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1予測角度に対応する第1逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定するステップと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードに応じて、前記目標逆角度値を決定するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定するステップと、
前記目標逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たしていない場合、第1プリセット値と第1オフセット値の除算結果を丸め、前記目標逆角度値を得るステップであって、前記第1オフセット値が前記第1角度予測モードに対応するステップと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たす場合、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得るステップであって、前記第2オフセット値が前記第2角度予測モードに対応するステップと、を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得る前記ステップは、
前記第2オフセット値及び前記第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、前記目標逆角度値を得るステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得る前記ステップは、
前記第2オフセット値及び第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、第2逆角度値を得るステップと、
第1プリセット値と第1オフセット値との除算結果を丸め、第3逆角度値を得るステップと、
前記第2逆角度値及び前記第3逆角度値に対して重み付け加算処理を行い、前記目標逆角度値として決定するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記プリセット条件は、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、第2角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であり、前記第3プリセットインデックスが前記第1プリセットインデックスよりも小さく、前記目標スケーリングファクタが第1逆角度値を使用して算出されたスケーリングファクタ、又は目標逆角度値を使用して算出されたスケーリングファクタであること、及び
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、第2角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第2角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、且つ前記目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、のうちのいずれか1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記プリセット条件は、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、及び
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、且つ前記目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、のうちのいずれか1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、目標変数を得るステップと、
前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記目標参照サンプルに対して線形補間フィルタ処理を行うことで、前記目標変数を調整するステップと、
調整後の目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するための第1決定モジュールと、
位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するための処理モジュールと、を含み、
前記処理モジュールは、
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するための取得モジュールであって、前記第1角度予測モードが、前記予測ブロックに対応する角度予測モードにより特徴づけられる角度予測モードであり、前記参照サンプルセットが少なくとも1つの参照サンプルを含む取得モジュールと、
前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するための第2決定モジュールと、
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正するための修正モジュールと、を含む、デコーダ。
【請求項15】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なプログラム又はコマンドと、を含み、前記プログラム又はコマンドが前記プロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップが実現される、端末。
【請求項16】
プロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップが実現されるプログラム又はコマンドが記憶されている、可読記憶媒体。
【請求項17】
プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースと前記プロセッサが結合され、前記プロセッサがプログラム又はコマンドを実行して、請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップを実現するためのものである、チップ。
【請求項18】
非一時的可読記憶媒体に記憶されており、請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップを実現するように少なくとも1つのプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップを実行するように設定される、通信機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月30日に中国で出願された中国特許出願No.202111165824.0の優先権を主張し、その全ての内容は参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は、ビデオコーデック規格の技術分野に属し、具体的にはイントラ予測の方法及び端末に関する。
【背景技術】
【0003】
汎用ビデオコーディング(Versatile Video Coding,VVC)規格では、通常、位置依存イントラ予測コンビネーション(Position dependent intra prediction combination,PDPC)方法を使用して予測ブロックに対応する予測サンプルを修正し、さらにイントラ予測の精度を向上させる。
【0004】
関連技術では、PDPCは予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、予測サンプル及び第1参照サンプルを決定し、さらに予測サンプルを基に、第1参照サンプルの第1予測角度に対応する第1予測角度に対して180度を加算又は減算して、第2参照サンプルに対応する第2予測角度を得る。その後、第1参照サンプル及び第2参照サンプルに応じて予測サンプルを修正して、修正後の予測サンプルを得る。しかしながら、該PDPC方法で得られる修正後の予測サンプルは精度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、従来のPDPC方法で得られる修正後の予測サンプルの精度が低いという問題を解決できる、イントラ予測の方法及び端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、
予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するステップと、
位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するステップと、を含み、
位置依存イントラ予測コンビネーションを使用して前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するステップであって、前記第1角度予測モードが前記予測ブロックに対応する角度予測モードであり、前記参照サンプルセットが少なくとも1つの参照サンプルを含むステップと、
前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するステップと、
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、イントラ予測方法を提供する。
【0007】
第2態様において、
予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するための第1決定モジュールと、
位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するための処理モジュールと、を含み、
前記処理モジュールは、
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するための取得モジュールであって、前記第1角度予測モードが前記予測ブロックに対応する角度予測モードであり、前記参照サンプルセットが少なくとも1つの参照サンプルを含む取得モジュールと、
前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するための第2決定モジュールと、
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正するための修正モジュールと、を含む、デコーダを提供する。
【0008】
第3態様において、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なプログラム又はコマンドと、を含み、前記プログラム又はコマンドが前記プロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法のステップが実現される、端末を提供する。
【0009】
第4態様において、プロセッサによって実行されると、第1態様に記載の方法のステップが実現されるプログラム又はコマンドが記憶されている、可読記憶媒体を提供する。
【0010】
第5態様において、プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースと前記プロセッサが結合され、前記プロセッサはプログラム又はコマンドを実行して、第1態様に記載の方法のステップを実現するためのものである、チップを提供する。
【0011】
第6態様において、不揮発性記憶媒体に記憶されており、第1態様に記載の方法のステップを実現するように少なくとも1つのプロセッサによって実行される、コンピュータプログラム/プログラム製品を提供する。
【0012】
第7態様において、第1態様に記載の方法のステップを実行して実現するように設定される、通信機器を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本出願の実施例において、第1角度予測モードに対応する第1予測角度に180度を加算又は減算することで第2予測角度を得ることではなく、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得し、且つ該テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定し、第2角度予測モードに対応する予測角度を第2予測角度として決定する。さらには、第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて予測サンプルを修正することで、テクスチャ情報に基づいて決定された第2角度予測モードを使用して予測サンプルを修正し、これにより、修正後の予測サンプルの精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本出願の実施例で提供される角度モードとオフセット値との間のマッピング関係の模式図である。
図2】本出願の実施例で提供される予測角度の模式図である。
図3】従来のPDPC方法の適用シーン図である。
図4】本出願の実施例で提供されるイントラ予測方法のフローチャートである。
図5】従来のデコーダ側イントラ予測モード導出(Decoder-side intra mode derivation,DIMD)方法の適用シーン図である。
図6】本出願の実施例で提供されるPDPC方法の適用シーン図である。
図7】本出願の実施例で提供されるデコーダの構造図である。
図8】本出願の実施例で提供される通信機器の構造図である。
図9】本出願の実施例で提供される端末のハードウェア構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、本出願の実施例における図面を参照しながら、本出願の実施例における技術的解決手段を明確に説明し、当然ながら、説明される実施例は本出願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者により得られた他の全ての実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0016】
本出願の明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」等は、特定の順序又は前後順を説明するためのものではなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用される用語は、本出願の実施例がここで図示又は記述される以外の順序で実施できるように、適当な場合において互いに置き換えてもよいことを理解すべきであり、また、「第1」、「第2」等で区別される対象は、通常、1種類であり、対象の数を限定することがなく、例えば、第1対象は1つであってもよいし、複数であってもよいことを理解すべきである。また、明細書及び特許請求の範囲において「及び/又は」は、接続対象のうちの少なくとも1つを表し、符号の「/」は、一般に前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0017】
本出願の実施例におけるイントラ予測方法に対応するデコーダは、端末機器又はユーザ端末(User Equipment,UE)と呼ばれてもよい端末であってもよい。端末は、携帯電話、タブレットパソコン(Tablet Personal Computer)、ノートパソコンとも呼ばれるラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant,PDA)、携帯情報端末、ネットブック、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer,UMPC)、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internet Device,MID)、拡張現実(augmented reality,AR)/仮想現実(virtual reality,VR)機器、ロボット、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)又は車載機器(Vehicle User Equipment,VUE)、歩行者端末(Pedestrian User Equipment,PUE)等の端末側機器であってもよく、ウェアラブルデバイスは、スマートウォッチ、ブレスレット、イヤホン、メガネ等を含む。説明すべきことは、本出願の実施例では端末の具体的なタイプが限定されない点である。
【0018】
理解を容易にするために、本出願の実施例に関わる若干の内容について以下に説明する。
【0019】
現在、通常、イントラ予測モードを使用して画像中の様々なタイプのテクスチャを処理しており、上記イントラ予測モードは、角度予測モード、直流(Direct Current,DC)予測モード及び平面(Planar)予測モードを含み、ここで、角度予測モードに対応するインデックス範囲は-14から80であり、DC予測モードに対応するインデックスは1であり、Planar予測モードに対応するインデックスは0である。
【0020】
ここで、上記角度予測モードは、予測ブロックに対して水平又は垂直方向にオフセット処理を施したことに相当し、異なる角度モードとオフセット値との間のマッピング関係は、詳細には図1を参照する。ここで、図1には、predModeIntraが角度予測モードに対応するインデックスであり、intraPredAngleがオフセット値である。
【0021】
理解を容易にするために、図2を参照すると、図2は各角度予測モードに対応するオフセット位置を示す。
【0022】
さらには、オフセット値に基づいて、逆角度値を得ることができ、具体的な式は以下のとおりである。
【0023】
【数1】
【0024】
式中、invAngleは逆角度値であり、intraPredAngleはオフセット値である。
【0025】
角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きいか又は18よりも小さい場合、PDPCの使用がサポートされる角度予測モードであることを理解すべきである。PDPCは、イントラ予測後の予測サンプルをさらに修正できるイントラ予測方法である。
【0026】
以下、従来のPDPC方法を具体的に説明する。
【0027】
図3を参照すると、図3に示すように、予測ブロックに対応する予測角度に基づいて、予測ブロックに対応する予測サンプルの座標はpred(x’,y’)であり、且つ参照サンプル1の座標はR(x,-1)であり、つまり、参照サンプル1は現在の予測ブロックの上方に位置する。ここで、参照サンプル1は、予測サンプルを基に、現在の予測ブロックに対応する予測角度により決定される。
【0028】
それで、予測サンプルと参照サンプル1との間の角度を180度回転させて、参照サンプル2を得ることができる。図3に示すように、参照サンプル2の座標はR(-1,y)であり、つまり、参照サンプル2は予測ブロックの左側に位置する。ここで、上記参照サンプル1及び参照サンプル2のうちの少なくとも1つの参照サンプルを含む。
【0029】
以下、従来のPDPC方法では、スケーリングファクタをどのように計算するかを具体的に説明する。
【0030】
1、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きい場合、以下の疑似コードでスケーリングファクタを算出することができる。
nScale=Min(2,Log2(nTbH)-Floor(Log2(3* invAngle-2))+8)
【0031】
ここで、nScaleはスケーリングファクタであり、nTbHは予測ブロックの高さであり、invAngleは予測ブロックに対応する逆角度値である。
【0032】
2、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さく、且つ対応するインデックスが0及び1に等しくない場合、以下の疑似コードでスケーリングファクタを算出することができる。
nScale= Min(2,Log2(nTbW)-Floor(Log2(3*invAngle-2))+8)
【0033】
ここで、nScaleはスケーリングファクタであり、nTbWは予測ブロックの幅であり、invAngleは予測ブロックに対応する逆角度値である。
【0034】
3、そうでなければ、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18、50、0又は1に等しい場合、以下の疑似コードでスケーリングファクタを算出することができる。
nScale=(Log2(nTbW)+Log2(nTbH)-2)>>2
【0035】
ここで、nScaleはスケーリングファクタであり、nTbWは予測ブロックの幅であり、nTbHは予測ブロックの高さである。
【0036】
以下、従来のPDPC方法では、変数をどのように計算するかを具体的に説明する。
【0037】
上記変数は、refL[x][y]、refT[x][y]、wT[y]及びwL[x]を含むことを理解すべきである。ここで、refL[x][y]は予測ブロックの左側に位置する参照サンプルを特徴づけ、図3に示すシーンにおいて、該変数は参照サンプル2を特徴づける。refT[x][y]は予測ブロックの上方に位置する参照サンプルを特徴づけ、図3に示すシーンにおいて、該変数は参照サンプル1を特徴づける。wT[y]は予測ブロックの左側の参照サンプルの重み値を特徴づける。wL[x]は予測ブロックの上方の参照サンプルの重み値を特徴づける。
【0038】
まず、参照サンプル配列mainRef[x]及びsideRef[y]を決定する。
mainRef[x]=p[x][-1]
sideRef[y]=p[-1][y]
【0039】
ここで、mainRef[x]は、予測サンプルが予測ブロックの上方の参照サンプルにマッピングされた座標であり、示すシーンにおいて、参照サンプル1と関連付けられる。sideRef[y]は、予測サンプルが予測ブロックの左側の参照サンプルにマッピングされた座標であり、図3に示すシーンにおいて、参照サンプル2と関連付けられる。つまり、上記p[x]は予測サンプルの横座標であり、上記p[y]は予測サンプルの縦座標である。
【0040】
1、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが0又は1に等しい場合、つまり、予測ブロックに対応するイントラ予測モードがDCモード又はPlanarモードである場合、以下の疑似コードで変数を算出することができる。
refL[x][y]=p[-1][y]
refT[x][y]=p[x][-1]
wT[y]=32>>((y<1)>>nScale)
wL[x]=32>>((x<1)>>nScale)
【0041】
ここで、p[-1][y]は、予測サンプルが予測ブロックの左側の参照サンプルにマッピングされた座標であり、p[x][-1]は、予測サンプルが予測ブロックの上方の参照サンプルにマッピングされた座標であり、nScaleはスケーリングファクタである。
【0042】
2、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18又は50に等しい場合、以下の疑似コードで変数を算出することができる。
refL[x][y]=p[-1][y]-p[-1][-1]+predSamples[x][y]
refT[x][y]=p[x][-1]-p[-1][-1]+predSamples[x][y]
wT[y]=(predModeIntra==INTRA_ANGULAR18)?32>((y<1)>>nScale):0
wL[x]=(predModeIntra==INTRA_ANGULAR50)?32>((x<1)>>nScale):0
【0043】
ここで、predSamples[x][y]は予測サンプルの座標であり、predModeIntraは予測ブロックの角度予測モードであり、INTRA_ANGULAR18は予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18であることを示し、nScaleはスケーリングファクタであり、INTRA_ANGULAR50は予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが50であることを示す。
【0044】
3、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さく、且つスケーリングファクタが0以上である場合、以下の疑似コードで変数を算出することができる。
dXInt[y]=((y+1)*invAngle+256)>>9
dX[x][y]=x+dXInt[y]
【0045】
ここで、変数dXInt[y]は予測サンプルのX座標に対する予測ブロックの上方の参照サンプルのX座標のオフセット値を表し、変数dX[x][y]は予測ブロックの上方の参照サンプルの位置を決定するために用いられ、invAngleは予測ブロックに対応する逆角度値である。
【0046】
refL[x][y]=0
refT[x][y]=(y<(3<<nScale))?mainRef[dX[x][y]]:0
wT[y]=32>>((y<1)>>nScale)
wL[x]=0
【0047】
4、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きく、且つスケーリングファクタが0以上である場合、以下の疑似コードで変数を算出することができる。
dYInt[x]=((x+1)*invAngle+256)>>9
dY[x][y]=y+dYInt[x]
【0048】
ここで、変数dYInt[x]は予測サンプルのY座標に対する予測ブロックの左側の参照サンプルのY座標のオフセット値を表し、変数dY[x][y]は予測ブロックの左側の参照サンプルの位置を決定するために用いられ、invAngleは予測ブロックに対応する逆角度値である。
【0049】
refL[x][y]=(x<(3<<nScale))?sideRef[dY[x][y]]:0
refT[x][y]=0
wT[y]=0
wL[x]=32>>((x<1)>>nScale)
【0050】
5、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18よりも大きく、且つ50よりも小さい場合、refL[x][y]、refT[x][y]、wT[y]及びwL[x]を0に設定する。
【0051】
以下、従来のPDPC方法では、どのようにして変数を使用して予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを得るかを具体的に説明する。
predSamples[x’][y’]=Clip1(refL[x][y]*wL[x]+refT[x][y]*wT[y]+((64-wL[x]-wT[y])*predSamples[x][y]+32)>>6)
【0052】
ここで、predSamples[x’][y’]は修正後の予測サンプルであり、predSamples[x][y]は未修正の予測サンプルである。
【0053】
従来のPDPC方法では、図3に示すように、予測ブロックの角度予測モードに対応する第1予測角度に基づいて参照サンプル1を決定してから、予測サンプルと参照サンプル1との間の角度を180度回転させて、参照サンプル2を得る。しかしながら、上記参照サンプル2の決定過程には参照サンプルのうち各参照サンプルに対応するテクスチャ情報を十分に考慮しておらず、参照サンプル2に対応する第2予測角度と参照サンプル1に対応する第1予測角度との間に線形関係がない可能性があり、これにより、PDPC方法で得られる修正後の予測サンプルが正確ではなく、イントラ予測の精度が低下する。
【0054】
図4を参照すると、図4は本出願で提供されるイントラ予測方法のフローチャートである。本実施例で提供されるイントラ予測方法は、次のS101、S102を含む。
【0055】
S101では、予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定する。
【0056】
上述したように、予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、第1参照サンプル及び第2参照サンプルを決定することができる。ここで、第1参照サンプルは図3に示すシーンにおける参照サンプル1と理解してもよく、第2参照サンプルは図3に示すシーンにおける参照サンプル2と理解してもよい。さらには、参照サンプル1及び参照サンプル2に基づいて予測サンプルを得る。ここで、上記予測サンプルは図3に示すシーンにおける予測サンプルと理解してもよい。
【0057】
S102では、位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成する。
【0058】
本ステップでは、上記角度予測モードの角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さいか又は50よりも大きい場合、PDPCを使用して予測サンプルを修正し、且つ修正後の予測サンプルを生成することで、修正後の予測サンプルの精度を向上させることができる。
【0059】
ここで、位置依存イントラ予測コンビネーションを使用して前記予測サンプルを修正する前記ステップは、次のS1021、S1022、S1023を含む。
【0060】
S1021では、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する。
【0061】
本ステップでは、上記第1角度予測モードは予測ブロックに対応する角度予測モードであり、上記参照サンプルセットは第1角度予測モードに対応する第1予測角度に基づいて決定され、且つ該参照サンプルセットは、少なくとも1つの参照サンプルを含み、上記テクスチャ情報は、デコーダ側イントラ予測モード導出(Decoder-side intra mode derivation,DIMD)を使用して生成された勾配ヒストグラム、又は予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応する角度予測モードと理解してもよい。テクスチャ情報を取得する具体的な技術的解決手段については、後続の実施例を参照されたい。
【0062】
S1022では、前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定する。
【0063】
本ステップでは、テクスチャ情報を得た後、選択的な一実施形態は、勾配ヒストグラムにおける振幅の大きさを比較して第2角度予測モードを導出してもよいことであり、選択的な別の実施形態は、復号済みブロックに対応する角度予測モードから第2角度予測モードを導出してもよいことである。
【0064】
S1023では、前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正する。
【0065】
予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きい場合、予測ブロックに対応する第1参照サンプルは予測ブロックの上方に位置し、予測ブロックに対応する第2参照サンプルは予測ブロックの左側に位置するが、予測ブロックの角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さい場合、予測ブロックに対応する第1参照サンプルは予測ブロックの上方に位置し、予測ブロックに対応する第2参照サンプルは予測ブロックの左側に位置することを理解すべきである。上記第2参照サンプルは、目標参照サンプルと理解してもよい。
【0066】
本ステップでは、第2角度予測モードを得た後、第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルを使用して予測サンプルを修正することができる。具体的な実施形態は、後続の実施例を参照されたい。
【0067】
本出願の実施例において、第1角度予測モードに対応する第1予測角度に180度を加算又は減算することで第2予測角度を得ることではなく、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得し、且つ該テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定し、第2角度予測モードに対応する予測角度を第2予測角度として決定する。さらには、第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて予測サンプルを修正することで、テクスチャ情報に基づいて決定された第2角度予測モードを使用して予測サンプルを修正し、これにより、修正後の予測サンプルの精度が向上する。
【0068】
選択的に、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析を行い、前記テクスチャ情報を得るステップと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析処理を行い、前記テクスチャ情報を得るステップと、を含む。
【0069】
テクスチャ情報を取得する方式の1つは、予測ブロックに隣接する再構成済み画像に対してテクスチャ分析を行うことである。
【0070】
本実施例において、選択的に、上記第1プリセットインデックスは18であり、上記第2プリセットインデックスは50である。第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、参照サンプルセットが予測ブロックの上方に位置すると決定すると、予測ブロックの上方にあり、且つ予測ブロックに隣接する再構成済み画像の少なくとも1行の画素に対してテクスチャ分析処理を行い、テクスチャ情報を得る。
【0071】
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、参照サンプルセットが現在の予測ブロックの左側に位置すると決定すると、現在の予測ブロックの左側にあり、且つ現在の予測ブロックに隣接する再構成済み画像の少なくとも1列の画素に対してテクスチャ分析処理を行い、テクスチャ情報を得る。
【0072】
DIMDを使用して参照サンプルセットに対してテクスチャ分析を行い、テクスチャ情報を得て、さらには、テクスチャ情報から第2角度予測モードを導出することができることを理解すべきである。
【0073】
ここで、DIMDモードはイントラ予測モードを間接的に導出する技術である。第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、予測ブロックの上方の少なくとも1行の画素に対してソーベル(Sobel)フィルタを適用して勾配ヒストグラムの計算を実行し、勾配の方向を角度予測モードに変換し、且つ勾配の強度を角度予測モードの振幅として累積して、勾配ヒストグラムを生成し、該勾配ヒストグラムを参照サンプルセットのテクスチャ情報として決定する。
【0074】
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、予測ブロックの左側にあり、且つ現在の予測ブロックに隣接する再構成済み画像の少なくとも1列の画素に対してSobelフィルタを適用して勾配ヒストグラムの計算を実行し、さらに勾配ヒストグラムを生成し、該勾配ヒストグラムを参照サンプルセットのテクスチャ情報として決定する。
【0075】
理解を容易にするために、図5を参照されたい。図5に示すように、DIMDはウィンドウを使用して参照サンプルセットに対してテクスチャ分析を行うことができる。予測ブロックに対応するサイズが4*4である場合、図5に示すような2つのウィンドウを使用し、予測ブロックの上方に位置する画素の少なくとも一部及び予測ブロックの下方に位置する画素の少なくとも一部に対してテクスチャ分析を行うことができる。予測ブロックに対応するサイズが4*4でない場合、図5に示すようなスライドウィンドウを使用し、予測ブロックの上方に位置する画素の少なくとも一部及び予測ブロックの下方に位置する画素の少なくとも一部に対してテクスチャ分析を行うことができる。
【0076】
選択的に、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得るステップと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得るステップと、を含む。
【0077】
テクスチャ情報を取得する方式の1つは、予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応する角度予測モードに基づいてテクスチャ情報を決定することである。
【0078】
本実施例において、選択的に、上記第1プリセットインデックスは18であり、上記第2プリセットインデックスは50である。第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、参照サンプルセットが予測ブロックの上方に位置すると決定し、予測ブロックの上方にあり、且つ予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードを取得することができ、上記イントラ予測モードにより特徴づけられる勾配ヒストグラムをテクスチャ情報として決定する。
【0079】
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、参照サンプルセットが予測ブロックの左側に位置すると決定し、予測ブロックの左側にあり、且つ予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードを取得することができ、上記イントラ予測モードにより特徴づけられる勾配ヒストグラムをテクスチャ情報として決定する。
【0080】
選択的に、前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定するステップと、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む。
【0081】
上記第1予測角度は第1角度予測モードに対応する予測角度であり、上記第2予測角度は第2角度予測モードに対応する予測角度である。第1予測角度及び第2予測角度を得た後、第1予測角度及び第2予測角度を使用してスケーリングファクタ及び目標逆角度値を計算することができる。具体的な技術的解決手段は、後続の実施例を参照されたい。
【0082】
本実施例において、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定した後、目標参照サンプル、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を使用し、予測サンプルを修正して、修正後の予測サンプルを得ることができ、これにより、イントラ予測の精度が向上する。
【0083】
選択的に、前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1予測角度に対応する第1逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定するステップと、
前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定するステップと、を含む。
【0084】
本実施例において、選択的な実施形態は、第1予測角度に対応する第1逆角度値を使用してスケーリングファクタを計算してから、第1予測角度及び第2予測角度に応じて目標逆角度値を決定することである。ここで、目標逆角度値を決定する技術的解決手段については、後続の実施例を参照されたい。
【0085】
上述したように、スケーリングファクタの計算用疑似コードでは、invAngleのパラメータを使用する必要がある。本実施例において、パラメータinvAngleを第1予測角度に対応する第1逆角度値、即ち、予測ブロックに対応する逆角度値として設定することができる。
【0086】
選択的に、前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定するステップと、
前記目標逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定するステップと、を含む。
【0087】
本実施例において、選択的な実施形態は、第1予測角度及び第2予測角度に応じて目標逆角度値を決定してから、該目標逆角度値を使用してスケーリングファクタを算出することであり、つまり、スケーリングファクタを計算する疑似コードに目標逆角度値を代入して、スケーリングファクタを得る。ここで、目標逆角度値を決定する技術的解決手段については、後続の実施例を参照されたい。
【0088】
上述したように、スケーリングファクタの計算用疑似コードでは、invAngleのパラメータを使用する必要がある。本実施例において、パラメータinvAngleを、第1予測角度及び第2予測角度に応じて算出した目標逆角度値として設定することができる。
【0089】
以下、目標逆角度値を計算する技術的解決手段を具体的に説明する。
【0090】
選択的に、前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たしていない場合、第1プリセット値と第1オフセット値の除算結果を丸め、前記目標逆角度値を得るステップと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たす場合、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得るステップと、を含む。
【0091】
本実施例において、プリセット条件が予め設定されている。プリセット条件の具体的な説明については、後続の実施例を参照されたい。
【0092】
第1角度予測モード及び第2角度予測モードがプリセット条件を満たしていない場合、上記逆角度値の計算式により、目標逆角度値を得ることができる。逆角度値の計算式は以下のとおりである。
【0093】
【数2】
【0094】
式中、上記invAngleは目標逆角度値である。上記512*32は第1プリセット値であり、つまり、第1プリセット値は16384である。上記predModeAngは第1オフセット値であり、図1を参照することにより、第1予測角度に対応する第1オフセット値、即ち第1角度予測モードに対応するオフセット値を得ることができる。
【0095】
第1予測角度及び第2予測角度がプリセット条件を満たす場合、図1を参照することにより、第2予測角度に対応する第2オフセット値、即ち第2角度予測モードに対応するオフセット値を得ることができる。さらには、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて目標逆角度値を得て、具体的な技術的解決手段は、後続の実施例を参照されたい。
【0096】
選択的に、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得る前記ステップは、
前記第2オフセット値及び前記第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、前記目標逆角度値を得るステップを含む。
【0097】
選択的な一実施形態は、第2オフセット値及び第2プリセット値を得た後、第2オフセット値及び第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、目標逆角度値を得ることである。具体的には、以下の疑似コードで、目標逆角度値を算出することができる。
invAngle=predModeAng1<<k
【0098】
ここで、上記invAngleは目標逆角度値であり、上記predModeAng1は第2オフセット値であり、上記kは第2プリセット値であり、該第2プリセット値は第2角度予測モードの精度に関連する。例示的には、第2角度予測モードの精度が32であれば、kは4に等しい。
【0099】
選択的に、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得る前記ステップは、
前記第2オフセット値及び第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、第2逆角度値を得るステップと、
第1プリセット値と第1オフセット値との除算結果を丸め、第3逆角度値を得るステップと、
前記第2逆角度値及び前記第3逆角度値に対して重み付け加算処理を行い、前記目標逆角度値として決定するステップと、を含む。
【0100】
選択的な別の実施形態は、第2オフセット値及び第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、第2逆角度値を得ることである。本実施例における第2逆角度値の計算用疑似コードは、上記実施例における目標逆角度値の計算用疑似コードと同じであり、以下のように示してもよいことを理解すべきである。
invAngle1=predModeAng1<<k
【0101】
ここで、上記invAngle1は第2逆角度値であり、上記predModeAng1は第2オフセット値であり、上記kは第2プリセット値である。
【0102】
図1を参照して第1予測角度に対応する第1オフセット値を得て、第1プリセット値と第1オフセット値との除算結果を丸め、第3逆角度値を得る。具体的には、以下のように示してもよい。
【0103】
【数3】
【0104】
式中、上記invAngle0は第3逆角度値であり、上記predModeAngは第1オフセット値であり、上記512*32は第1プリセット値であり、つまり、第1プリセット値は16384である。
【0105】
第2逆角度値及び第3逆角度値を得た後、第2逆角度値とプリセットされた第1重み値との乗算結果を第1値として、第3逆角度値とプリセットされた第2重み値との乗算結果を第2値として、第1値と第2値との加算値を目標逆角度値とする。選択的に、第2逆角度値と第3逆角度値との平均値を目標逆角度値として決定する。
【0106】
理解を容易にするために、図6を参照すると、図6に示すように、予測サンプルを基に、予測ブロックに対応する第1予測角度を使用し、第1参照サンプルR1を決定することができる。図6に示すように、図における破線部分が指す参照サンプルR2は、従来のPDPC方法において、決定された第2参照サンプルの位置であり、従来のPDPC方法では、予測サンプル、第1参照サンプル及び第2参照サンプルが同じ直線上に位置することが分かる。
【0107】
本実施例において、目標逆角度値を得た後、該目標逆角度値に基づいて第2参照サンプルの位置を修正することができる。図6に示すように、修正後の第2参照サンプルは、図における実線部分が指す参照サンプルR3である。さらに第1参照サンプル及び修正後の第2参照サンプルに基づいて、予測サンプルを修正する。
【0108】
選択的に、前記プリセット条件は、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、第2角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、及び
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、第2角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第2角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、且つ前記目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、のうちのいずれか1つを含む。
【0109】
選択的に、上記第1プリセットインデックスは18であり、第2プリセットインデックスは50であり、第3プリセットインデックスは0及び1である。
【0110】
第1角度予測モードに対応するインデックス及び第2角度予測モードに対応するインデックスを得た後、以下のいずれか1つを満たす場合、第1角度予測モード及び第2角度予測モードがプリセット条件を満たすと決定することができる。
【0111】
1つは、第1角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが0又は1に等しくなく、第2角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きく、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であり、選択的に、上記第3プリセット値が0であることである。
【0112】
ここで、まずスケーリングファクタを計算し、次に目標逆角度値を計算する場合、上記目標スケーリングファクタは、第1逆角度値、即ち第1角度予測モードに対応する逆角度値を使用して算出されたスケーリングファクタである。まず目標逆角度値を計算し、次にスケーリングファクタを計算する場合、上記目標スケーリングファクタは、目標逆角度値を使用して算出されたスケーリングファクタである。
【0113】
もう1つは、第1角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きく、第2角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さく、第2角度予測モードに対応するインデックスが0又は1に等しくなく、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であることである。
【0114】
選択的に、前記プリセット条件は、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、及び
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、且つ前記目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、のうちのいずれか1つを含む。
【0115】
以下のいずれか1つを満たす場合、第1角度予測モード及び第2角度予測モードがプリセット条件を満たすと決定することができる。
【0116】
上述したように、第1プリセットインデックスは18であり、第2プリセットインデックスは50であり、第3プリセットインデックスは0及び1である。
【0117】
1つは、第1角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが0又は1でなく、且つ目標スケーリングファクタが0以上であることである。
【0118】
もう1つは、第1角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きく、且つ目標スケーリングファクタが0以上であることである。
【0119】
選択的に、前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、目標変数を得るステップと、
前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む。
【0120】
本実施例において、目標参照サンプルの座標、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を、目標変数refL[x][y]、refT[x][y]、wT[y]及びwL[x]を計算する上記関連疑似コードに代入して、目標変数を得ることができる。
【0121】
さらには、目標変数及び予測サンプルの座標を、予測サンプルを修正する上記関連疑似コードに代入して、修正後の予測サンプルを得る。
【0122】
選択的に、前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記目標参照サンプルに対して線形補間フィルタ処理を行うことで、前記目標変数を調整するステップと、
調整後の目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む。
【0123】
本実施例において、さらに2-tap線形補間フィルタを導入し、目標参照サンプルに対して線形補間フィルタ処理を行うことで、目標変数の値を調整することができる。
【0124】
まず、参照サンプル配列mainRef[x]及びsideRef[y]を決定する。
mainRef[x]=p[x][-1]
sideRef[y]=p[-1][y]
【0125】
ここで、mainRef[x]は、予測サンプルが予測ブロックの上方の参照サンプルにマッピングされた座標であり、sideRef[y]は、予測サンプルが予測ブロックの左側の参照サンプルにマッピングされた座標である。
【0126】
具体的には、第1角度予測モードに対応するインデックスが18よりも小さく、且つスケーリングファクタが0以上である場合、以下の疑似コードで目標変数を算出することができる。
dXPos[y]=((y+1)*invAngle+4)>>3
dXFrac[y]=dXPos[y]&63
dXInt[y]=dXPos[y]>>6
dX[x][y]=x+dXInt[y]
【0127】
ここで、変数dXPos[y]は、1/64の位置精度で表される予測ブロックの上方の参照サンプルの、上方の再構成済み画像内の位置であり、変数dXFrac[y]は、1/64の位置精度で表される予測ブロックの上方の参照サンプルの、上方の再構成済み画像内の位置の分数部分であり、invAngleは予測ブロックに対応する逆角度値であり、dXInt[y]は、予測サンプルのX座標に対する予測ブロックの上方の参照サンプルのX座標のオフセット値を表し、変数dX[x][y]は予測ブロックの上方の参照サンプルの位置を決定するために用いられる。
【0128】
refL[x][y]=0
refT[x][y]=(y<(3<<nScale))?((64-dXFrac[y])*mainRef[dX[x][y]]+dXFrac[y]*mainRef[dX[x][y]+1]+32)>>6):0
wT[y]=32>>((y<1)>>nScale)
wL[x]=0
【0129】
ここで、nScaleはスケーリングファクタである。
【0130】
具体的には、第1角度予測モードに対応するインデックスが50よりも大きく、且つスケーリングファクタが0以上である場合、以下の疑似コードで目標変数を算出することができる。
dYPos[x]=((x+1)*invAngle+4)>>3
dYFrac[x]=dYPos[x]&63
dYInt[x]=dYPos[x]>>6
dY[x][y]=y+dYInt[x]
【0131】
ここで、変数dYPos[x]は、1/64の位置精度で表される予測ブロックの左側の参照サンプルの、左側の再構成済み画像内の位置であり、変数dYFrac[x]は、1/64の位置精度で表される予測ブロックの左側の参照サンプルの、左側の再構成済み画像内の位置の分数部分であり、変数dYInt[x]は、予測サンプルのY座標に対する予測ブロックの左側の参照サンプルのY座標のオフセット値を表し、変数dY[x][y]は予測ブロックの左側の参照サンプルの位置を決定するために用いられ、invAngleは予測ブロックに対応する逆角度値である。
【0132】
refL[x][y]=(x<(3<<nScale))?((64-dYFrac[x])*sideRef[dY[x][y]]+dYFrac[x]*sideRef[dY[x][y]+1]+32)>>6):0
refT[x][y]=0
wT[y]=0
wL[x]=32>>((x<1)>>nScale)
【0133】
ここで、nScaleはスケーリングファクタである。
【0134】
調整後の目標変数を得た後、調整後の目標変数及び予測サンプルの座標を、上記予測サンプルを修正する関連疑似コードに入力して、修正後の予測サンプルを得る。
【0135】
図7に示すように、デコーダ200は、
予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するための第1決定モジュール201と、
位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するための処理モジュール202と、を含む。
【0136】
ここで、前記処理モジュール202は、
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するための取得モジュール2021と、
前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するための第2決定モジュール2022と、
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正するための修正モジュール2023と、を含む。
【0137】
選択的に、前記取得モジュール2021は、具体的には、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析を行い、前記テクスチャ情報を得ることと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析処理を行い、前記テクスチャ情報を得ることと、に用いられる。
【0138】
選択的に、前記取得モジュール2021は、さらに、具体的には、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得ることと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得ることと、に用いられる。
【0139】
選択的に、前記修正モジュール2023は、具体的には、
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定することと、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正することと、に用いられる。
【0140】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記第1角度予測モードに対応する第1逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定することと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードに応じて、前記目標逆角度値を決定することと、に用いられる。
【0141】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードに応じて、前記目標逆角度値を決定することと、
前記目標逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定することと、に用いられる。
【0142】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たしていない場合、第1プリセット値と第1オフセット値の除算結果を丸め、前記目標逆角度値を得ることと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たす場合、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得ることと、に用いられる。
【0143】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記第2オフセット値及び前記第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、前記目標逆角度値を得るために用いられる。
【0144】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記第2オフセット値及び第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、第2逆角度値を得ることと、
第1プリセット値と第1オフセット値との除算結果を丸め、第3逆角度値を得ることと、
前記第2逆角度値及び前記第3逆角度値に対して重み付け加算処理を行い、前記目標逆角度値として決定することと、に用いられる。
【0145】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、目標変数を得ることと、
前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正することと、に用いられる。
【0146】
選択的に、前記修正モジュール2023は、さらに、具体的には、
前記目標参照サンプルに対して線形補間フィルタ処理を行うことで、前記目標変数を調整することと、
調整後の目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正することと、に用いられる。
【0147】
本出願の実施例で提供されるデコーダは図4の方法の実施例で実現される各工程を実現し、且つ同様な技術効果を達成することができる。繰り返して説明することを回避するために、ここで省略する。
【0148】
説明すべきことは、本出願の実施例で提供されるイントラ予測方法の実行主体が、デコーダ、又は該デコーダ内のイントラ予測方法を実行するための制御モジュールであってもよい点である。本出願の実施例では、デコーダがイントラ予測を実行する方法を例として、本出願の実施例で提供されるデコーダを説明する。
【0149】
本出願の実施例において、第1角度予測モードに対応する第1予測角度に180度を加算又は減算することで第2予測角度を得ることではなく、第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得し、且つ該テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定し、第2角度予測モードに対応する予測角度を第2予測角度として決定する。さらには、第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて予測サンプルを修正することで、テクスチャ情報に基づいて決定された第2角度予測モードを使用して予測サンプルを修正し、これにより、修正後の予測サンプルの精度が向上する。
【0150】
本出願の実施例におけるデコーダは、装置、オペレーティングシステムを有する装置又は電子機器であってもよいし、端末における部材、集積回路又はチップであってもよい。該装置又は電子機器は、携帯型端末であってもよいし、非携帯型端末であってもよい。例として、携帯型端末は、以上で挙げられた端末11の種類を含んでもよいが、それらに限定されることがなく、非携帯型端末は、サーバ、ネットワークアタッチドストレージ(Network Attached Storage,NAS)、パーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、テレビ(television,TV)、現金自動預払機又はキオスク等であってもよく、本出願の実施例では具体的に限定されない。
【0151】
本出願の実施例で提供されるデコーダは、図4の方法の実施例で実現される各工程を実現し、且つ同様な技術効果を達成することができる。繰り返して説明することを回避するために、ここで省略する。
【0152】
図8に示すように、本出願の実施例は、さらに、プロセッサ301と、メモリ302と、メモリ302に記憶され且つ前記プロセッサ301上で実行可能なプログラム又はコマンドと、を含む通信機器300を提供する。例えば、該通信機器300が端末である場合、該プログラム又はコマンドはプロセッサ301によって実行されると、上記イントラ予測方法の実施例の各工程が実現され、且つ同様な技術効果を達成できる。
【0153】
該端末の実施例は上記端末側方法の実施例に対応し、上記方法の実施例の各実施工程及び実現方式は、いずれも該端末の実施例に適用可能であり、且つ同様な技術効果を達成できる。具体的には、図9は本出願の実施例を実現する端末のハードウェア構造模式図である。
【0154】
該端末1000は、高周波ユニット1001、ネットワークモジュール1002、オーディオ出力ユニット1003、入力ユニット1004、センサ1005、表示ユニット1006、ユーザ入力ユニット1007、インタフェースユニット1008、メモリ1009、及びプロセッサ1010等の部材を含むが、それらに限定されない。
【0155】
当業者であれば、端末1000は各部材に給電する電源(例えば、電池)をさらに含んでもよく、電源は、電源管理システムによってプロセッサ1010に論理的に接続し、さらに電源管理システムによって充放電の管理、及び電力消費管理等の機能を実現することができることが理解可能である。図9に示す端末の構造は端末を限定するものではなく、端末は図示より多く又はより少ない部材、又は一部の部材の組合せ、又は異なる部材配置を含んでもよく、ここでは説明を省略する。
【0156】
本出願の実施例では、入力ユニット1004は、ビデオ獲得モード又は画像獲得モードで画像獲得装置(例えば、カメラ)により取得した静的画像又はビデオの画像データを処理するグラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit,GPU)10041と、マイクロホン10042とを含んでもよいことを理解すべきである。表示ユニット1006は表示パネル10061を含んでもよく、表示パネル10061は液晶ディスプレイ、有機発光ダイオード等の形式で配置してもよい。ユーザ入力ユニット1007はタッチパネル10071及び他の入力デバイス10072を含む。タッチパネル10071はタッチスクリーンとも呼ばれる。タッチパネル10071は、タッチ検出装置及びタッチ制御器という2つの部分を含んでもよい。他の入力デバイス10072は、物理キーボード、機能ボタン(例えば、音量制御ボタン、スイッチボタン等)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、これらに限定されなく、ここで詳細な説明を省略する。
【0157】
本出願の実施例において、高周波ユニット1001は、ネットワーク側機器からのダウンリンクデータを受信した後、プロセッサ1010で処理し、また、アップリンクのデータをネットワーク側機器に送信する。通常、高周波ユニット1001は、アンテナ、少なくとも1つの増幅器、受送信機、カプラー、低騒音増幅器、デュプレクサ等を含むが、それらに限定されない。
【0158】
メモリ1009は、ソフトウェアプログラム又はコマンド及び様々なデータを記憶するために用いることができる。メモリ1009は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーション又はコマンド(例えば、音声再生機能、画像再生機能等)等を記憶可能な、プログラム又はコマンドを記憶する領域及びデータ記憶領域を主に含んでもよい。また、メモリ1009は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよいし、不揮発性メモリを含んでもよく、そのうち、不揮発性メモリは、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、プログラマブル読み取り専用メモリ(Programmable ROM,PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable PROM,EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Electrically EPROM,EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性ソリッドステート記憶デバイスが挙げられる。
【0159】
プロセッサ1010は、1つ又は複数の処理ユニットを含んでもよく、選択的に、プロセッサ1010に、オペレーティングシステム、ユーザインタフェース及びアプリケーション等を主に処理するアプリケーションプロセッサと、ベースバンドプロセッサのような、無線通信を主に処理するモデムプロセッサとを統合することができる。上記モデムプロセッサはプロセッサ1010に統合されなくてもよいことが理解可能である。
【0160】
ここで、前記プロセッサ1010は、上記実施例に記載の端末におけるプロセッサである。前記可読記憶媒体は、コンピュータ読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等のコンピュータ可読記憶媒体を含む。
【0161】
本出願の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供する。前記可読記憶媒体は、不揮発性であってもよく、揮発性であってもよい。前記可読記憶媒体にはプログラム又はコマンドが記憶されており、前記プログラム又はコマンドがプロセッサによって実行されると、上記イントラ予測方法の実施例の各工程が実現される。
【0162】
本出願の実施例は、コンピュータプログラム製品をさらに提供する。前記コンピュータプログラム製品は、非一時的記憶媒体に記憶されており、上記イントラ予測方法の実施例の各工程を実現するように少なくとも1つのプロセッサによって実行され、且つ同様な技術効果を達成できる。繰り返して説明することを回避するために、ここで省略する。
【0163】
本出願の実施例は、また、チップを提供する。前記チップは、プロセッサ及び通信インタフェースを含み、前記通信インタフェースと前記プロセッサが結合され、前記プロセッサが、プログラム又はコマンドを実行して、上記イントラ予測方法の実施例の各工程を実現するためのものであり、且つ同様な技術効果を達成できる。繰り返して説明することを回避するために、ここで省略する。
【0164】
本出願の実施例で言及したチップは、システムレベルチップ、システムチップ、チップシステム又はシステムオンチップ等と呼んでもよいことを理解すべきである。
【0165】
説明すべきことは、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む点である。特に断らない限り、語句「1つの……を含む」により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。なお、指摘すべきことは、本出願の実施形態における方法と装置の範囲は、図示又は検討された順序で機能を実行することに限定されず、係る機能に応じて実質的に同時に又は逆の順序で機能を実行することも含み得る点であり、例えば、説明されたものと異なる順番で、説明された方法を実行してもよく、さらに各種のステップを追加、省略、又は組み合わせてもよい。また、何らかの例を参照して説明した特徴は他の例において組み合わせられてもよい。
【0166】
以上の実施形態に対する説明によって、当業者であれば上記実施例の方法がソフトウェアと必要な共通ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解可能であり、当然ながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好ましい実施形態である。このような見解をもとに、本出願の技術的解決手段は実質的に又は従来技術に寄与する部分はソフトウェア製品の形で実施することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えばROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバ、エアコン、又はネットワーク機器等であってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させる複数のコマンドを含む。
【0167】
以上、図面を参照しながら本出願の実施例を説明したが、本出願は上記の具体的な実施形態に限定されず、上記の具体的な実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではなく、本出願の示唆をもとに、当業者が本出願の趣旨及び特許請求の保護範囲から逸脱することなくなし得る多くの形態は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予測ブロックに対応する角度予測モードに基づいて、前記予測ブロックに対応する予測サンプルを決定するステップと、
位置依存イントラ予測コンビネーションPDPCを使用して前記予測サンプルを修正し、修正後の予測サンプルを生成するステップと、を含み、
位置依存イントラ予測コンビネーションを使用して前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得するステップであって、前記第1角度予測モードが前記予測ブロックに対応する角度予測モードであり、前記参照サンプルセットが少なくとも1つの参照サンプルを含むステップと、
前記テクスチャ情報に応じて第2角度予測モードを決定するステップと、
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、イントラ予測方法。
【請求項2】
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析を行い、前記テクスチャ情報を得るステップと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する再構成済み画像における画素点の少なくとも一部に対してテクスチャ分析処理を行い、前記テクスチャ情報を得るステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1角度予測モードに対応する参照サンプルセットのテクスチャ情報を取得する前記ステップは、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さい場合、前記予測ブロックの上方に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得るステップと、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きい場合、前記予測ブロックの左側に位置し、前記予測ブロックに隣接する復号済みブロックに対応するイントラ予測モードに基づいて、前記テクスチャ情報を得るステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2角度予測モードに対応する目標参照サンプルに応じて前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定するステップと、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1予測角度に対応する第1逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定するステップと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードに応じて、前記目標逆角度値を決定するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1角度予測モードに対応する第1予測角度及び前記第2角度予測モードに対応する第2予測角度に応じて、スケーリングファクタ及び目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定するステップと、
前記目標逆角度値を使用し、前記スケーリングファクタを決定するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1予測角度及び前記第2予測角度に応じて、前記目標逆角度値を決定する前記ステップは、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たしていない場合、第1プリセット値と第1オフセット値の除算結果を丸め、前記目標逆角度値を得るステップであって、前記第1オフセット値が前記第1角度予測モードに対応するステップと、
前記第1角度予測モード及び前記第2角度予測モードがプリセット条件を満たす場合、第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得るステップであって、前記第2オフセット値が前記第2角度予測モードに対応するステップと、を含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得る前記ステップは、
前記第2オフセット値及び前記第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、前記目標逆角度値を得るステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第2オフセット値及び第2プリセット値に応じて、前記目標逆角度値を得る前記ステップは、
前記第2オフセット値及び第2プリセット値に対して左シフト演算を行い、第2逆角度値を得るステップと、
第1プリセット値と第1オフセット値との除算結果を丸め、第3逆角度値を得るステップと、
前記第2逆角度値及び前記第3逆角度値に対して重み付け加算処理を行い、前記目標逆角度値として決定するステップと、を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記プリセット条件は、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、第2角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であり、前記第3プリセットインデックスが前記第1プリセットインデックスよりも小さく、前記目標スケーリングファクタが第1逆角度値を使用して算出されたスケーリングファクタ、又は目標逆角度値を使用して算出されたスケーリングファクタであること、及び
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、第2角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第2角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、且つ前記目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、のうちのいずれか1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記プリセット条件は、
第1角度予測モードに対応するインデックスが第1プリセットインデックスよりも小さく、第1角度予測モードに対応するインデックスが第3プリセットインデックスと異なり、且つ目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、及び
第1角度予測モードに対応するインデックスが第2プリセットインデックスよりも大きく、且つ前記目標スケーリングファクタが第3プリセット値以上であること、のうちのいずれか1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記目標参照サンプル、前記スケーリングファクタ及び前記目標逆角度値を使用し、目標変数を得るステップと、
前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正する前記ステップは、
前記目標参照サンプルに対して線形補間フィルタ処理を行うことで、前記目標変数を調整するステップと、
調整後の目標変数を使用し、前記予測サンプルを修正するステップと、を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサ上で実行可能なプログラム又はコマンドと、を含み、前記プログラム又はコマンドが前記プロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップが実現される、端末。
【請求項15】
プロセッサによって実行されると、請求項1から13のいずれか1項に記載のイントラ予測方法のステップが実現されるプログラム又はコマンドが記憶されている、可読記憶媒体。
【国際調査報告】