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特表2024-530830信号収集回路及びウェアラブルデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】信号収集回路及びウェアラブルデバイス
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/26 20060101AFI20240816BHJP
   H03F 3/45 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
H03F1/26
H03F3/45
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515694
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 CN2021135877
(87)【国際公開番号】W WO2023102702
(87)【国際公開日】2023-06-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521104171
【氏名又は名称】シェンチェン ショックス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デン ウェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ユシアン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ フォンユン
(72)【発明者】
【氏名】チー シン
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA12
5J500AC32
5J500AC46
5J500AC72
5J500AF08
5J500AF09
5J500AF17
5J500AH25
5J500AH26
5J500AH29
5J500AH30
5J500AH42
5J500AK01
5J500AK66
5J500AM13
5J500AS01
5J500AS15
5J500AT01
5J500DP02
5J500LV07
5J500RU06
(57)【要約】
本願の実施例は、信号収集回路を開示する。前記信号収集回路は、差動増幅器と、第1の電極と、第2の電極と、第1の負性容量回路と、第2の負性容量回路と、を含む。第1の電極は、第1のリード線を介して差動増幅器の第1の入力端に接続され、第2の電極は、第2のリード線を介して差動増幅器の第2の入力端に接続される。第1の負性容量回路は、第1のリード線及びグランド線に電気的に接続され、第2の負性容量回路は、第2のリード線及びグランド線に電気的に接続され、第1の負性容量回路及び第2の負性容量回路は、いずれも負性容量効果を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動増幅器と、
第1の電極及び第2の電極と、
第1の負性容量回路及び第2の負性容量回路と、
を含み、
前記第1の電極は、第1のリード線を介して前記差動増幅器の第1の入力端に接続され、前記第2の電極は、第2のリード線を介して前記差動増幅器の第2の入力端に接続され、
前記第1の負性容量回路は、前記第1のリード線及びグランド線に電気的に接続され、前記第2の負性容量回路は、前記第2のリード線及びグランド線に電気的に接続され、前記第1の負性容量回路及び前記第2の負性容量回路は、いずれも負性容量効果を有する、ことを特徴とする信号収集回路。
【請求項2】
前記第1の負性容量回路の等価容量値の絶対値と前記第1のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満であり、
前記第2の負性容量回路の等価容量値の絶対値と前記第2のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項3】
前記差動増幅器の第1の入力端に第1の等価入力容量が存在し、前記差動増幅器の第2の入力端に第2の等価入力容量が存在し、
前記第1の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第1のリード線の対地寄生容量値と前記第1の等価入力容量との和との相対誤差は、50%未満であり、
前記第2の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第2のリード線の対地寄生容量値と前記第2の等価入力容量との和との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項4】
第3の負性容量回路をさらに含み、
前記第3の負性容量回路は、前記第1のリード線及び前記第2のリード線に電気的に接続され、負性容量効果を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項5】
前記第3の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第1のリード線と前記第2のリード線の間の寄生容量値との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項4に記載の信号収集回路。
【請求項6】
前記第1の負性容量回路は、第1の演算増幅器、第1の抵抗、第2の抵抗及び第1のコンデンサを含み、前記第2の負性容量回路は、第2の演算増幅器、第3の抵抗、第4の抵抗及び第2のコンデンサを含み、
前記第1の演算増幅器は、反転入力端が前記第1の抵抗を介して接地されるとともに、前記第2の抵抗を介して第1の演算増幅器の出力端に接続され、非反転入力端が前記第1のコンデンサを介して第1の演算増幅器の出力端に接続され、
前記第2の演算増幅器は、反転入力端が前記第3の抵抗を介して接地されるとともに、前記第4の抵抗を介して第2の演算増幅器の出力端に接続され、非反転入力端が前記第2のコンデンサを介して第2の演算増幅器の出力端に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項7】
前記第1の演算増幅器の非反転入力端は、前記第1のリード線に接続され、前記第2の演算増幅器の非反転入力端は、前記第2のリード線に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の信号収集回路。
【請求項8】
前記第1の負性容量回路及び前記第2の負性容量回路の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項9】
前記差動増幅器の入力インピーダンスは、100メガオームよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項10】
前記差動増幅器は、正負の電圧でダブルエンド給電する、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項11】
前記差動増幅器は、単一電圧で給電する、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項12】
差動増幅器と、
第1の電極及び第2の電極と、
第4の負性容量回路と、
を含み、
前記第1の電極は、前記第1のリード線を介して前記第4の負性容量回路の第1の入力端に接続され、前記第2の電極は、第2のリード線を介して前記第4の負性容量回路の第2の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路の第1の出力端は、前記差動増幅器の第1の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路の第2の出力端は、前記差動増幅器の第2の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路は、負性容量効果を有する、ことを特徴とする信号収集回路。
【請求項13】
前記第4の負性容量回路は、ダブルエンド差動増幅器、第1の負帰還コンデンサ及び第2の負帰還コンデンサを含み、
前記ダブルエンド差動増幅器の第1の入力端と前記ダブルエンド差動増幅器の第1の出力端との間に前記第1の負帰還コンデンサが接続され、前記ダブルエンド差動増幅器の第2の入力端と前記ダブルエンド差動増幅器の第2の出力端との間に前記第2の負帰還コンデンサが接続される、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項14】
前記ダブルエンド差動増幅器は、ゲインが固定の増幅器である、ことを特徴とする請求項13に記載の信号収集回路。
【請求項15】
前記第4の負性容量回路は、第1のユニット及び第2のユニットを含み、前記第1のユニットは、第1の増幅器及び第3の負帰還コンデンサを含み、前記第2のユニットは、第2の増幅器及び第4の負帰還コンデンサを含み、
前記第1の増幅器の入力端と前記第1の増幅器の出力端との間に前記第3の負帰還コンデンサが接続され、前記第2の増幅器の入力端と前記第2の増幅器の出力端との間に前記第4の負帰還コンデンサが接続される、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項16】
前記第4の負性容量回路の第1のユニットの等価容量値の絶対値と前記第1のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満であり、
前記第4の負性容量回路の第2のユニットの等価容量値の絶対値と前記第2のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項15に記載の信号収集回路。
【請求項17】
前記第1の増幅器と前記第2の増幅器は、ゲインが等しく、かつ固定の増幅器である、ことを特徴とする請求項15に記載の信号収集回路。
【請求項18】
前記第4の負性容量回路の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項19】
前記差動増幅器の入力インピーダンスは、100メガオームよりも大きい、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項20】
前記差動増幅器は、正負の電圧でダブルエンド給電する、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項21】
前記差動増幅器は、単一電圧で給電する、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の信号収集回路を含む、ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、回路設計の分野に関し、特に信号収集回路及びウェアラブルデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の生体電気(心電、筋電など)信号収集回路では、コモンモード商用周波数信号をディファレンシャルモード商用周波数ノイズに変換して増幅器に入力するため、信号対雑音比が低下し、ひいては回路が飽和して故障することが多い。これにより、商用周波数干渉を低減するために大きな入力インピーダンスが必要となる。しかしながら、実際の回路では、寄生容量は、回路の入力インピーダンスを低下させ、さらに商用周波数干渉を悪化させることがよくある。すなわち、寄生容量の存在により、生体電気信号収集の効果が制限される。
【0003】
したがって、寄生容量による信号収集に対する影響を低減できる信号収集回路及びウェアラブルデバイスを提供することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の一実施例に係る信号収集回路は、差動増幅器と、第1の電極及び第2の電極と、第1の負性容量回路及び第2の負性容量回路と、を含み、前記第1の電極は、第1のリード線を介して前記差動増幅器の第1の入力端に接続され、前記第2の電極は、第2のリード線を介して前記差動増幅器の第2の入力端に接続され、前記第1の負性容量回路は、前記第1のリード線及びグランド線に電気的に接続され、前記第2の負性容量回路は、前記第2のリード線及びグランド線に電気的に接続され、前記第1の負性容量回路及び前記第2の負性容量回路は、いずれも負性容量効果を有する。
【0005】
いくつかの実施例において、前記第1の負性容量回路の等価容量値の絶対値と前記第1のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満であり、前記第2の負性容量回路の等価容量値の絶対値と前記第2のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満である。
【0006】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器の第1の入力端に第1の等価入力容量が存在し、前記差動増幅器の第2の入力端に第2の等価入力容量が存在し、前記第1の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第1のリード線の対地寄生容量値と前記第1の等価入力容量との和との相対誤差は、50%未満であり、前記第2の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第2のリード線の対地寄生容量値と前記第2の等価入力容量との和との相対誤差は、50%未満である。
【0007】
いくつかの実施例において、前記回路は、第3の負性容量回路をさらに含み、前記第3の負性容量回路は、前記第1のリード線及び前記第2のリード線に電気的に接続され、負性容量効果を有する。
【0008】
いくつかの実施例において、前記第3の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第1のリード線と前記第2のリード線の間の寄生容量値との相対誤差は、50%未満である。
【0009】
いくつかの実施例において、前記第1の負性容量回路は、第1の演算増幅器、第1の抵抗、第2の抵抗及び第1のコンデンサを含み、前記第2の負性容量回路は、第2の演算増幅器、第3の抵抗、第4の抵抗及び第2のコンデンサを含み、前記第1の演算増幅器は、反転入力端が前記第1の抵抗を介して接地されるとともに、前記第2の抵抗を介して第1の演算増幅器の出力端に接続され、非反転入力端が前記第1のコンデンサを介して第1の演算増幅器の出力端に接続され、前記第2の演算増幅器は、反転入力端が前記第3の抵抗を介して接地されるとともに、前記第4の抵抗を介して第2の演算増幅器の出力端に接続され、非反転入力端が前記第2のコンデンサを介して第2の演算増幅器の出力端に接続される。
【0010】
いくつかの実施例において、前記第1の演算増幅器の非反転入力端は、前記第1のリード線に接続され、前記第2の演算増幅器の非反転入力端は、前記第2のリード線に接続される。
【0011】
いくつかの実施例において、前記回路は、前記第1の負性容量回路及び前記第2の負性容量回路の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器の入力インピーダンスは、100メガオームよりも大きい。
【0013】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器は、正負の電圧でダブルエンド給電する。
【0014】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器は、単一電圧で給電する。
【0015】
本願の一実施例に係る信号収集回路は、差動増幅器と、第1の電極及び第2の電極と、第4の負性容量回路と、を含み、前記第1の電極は、前記第1のリード線を介して前記第4の負性容量回路の第1の入力端に接続され、前記第2の電極は、第2のリード線を介して前記第4の負性容量回路の第2の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路の第1の出力端は、前記差動増幅器の第1の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路の第2の出力端は、前記差動増幅器の第2の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路は、負性容量効果を有する。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第4の負性容量回路は、ダブルエンド差動増幅器、第1の負帰還コンデンサ及び第2の負帰還コンデンサを含み、前記ダブルエンド差動増幅器の第1の入力端と前記ダブルエンド差動増幅器の第1の出力端との間に前記第1の負帰還コンデンサが接続され、前記ダブルエンド差動増幅器の第2の入力端と前記ダブルエンド差動増幅器の第2の出力端との間に前記第2の負帰還コンデンサが接続される。
【0017】
いくつかの実施例において、前記ダブルエンド差動増幅器は、ゲインが固定の増幅器である。
【0018】
いくつかの実施例において、前記第4の負性容量回路は、第1のユニット及び第2のユニットを含み、前記第1のユニットは、第1の増幅器及び第3の負帰還コンデンサを含み、前記第2のユニットは、第2の増幅器及び第4の負帰還コンデンサを含み、前記第1の増幅器の入力端と前記第1の増幅器の出力端との間に前記第3の負帰還コンデンサが接続され、前記第2の増幅器の入力端と前記第2の増幅器の出力端との間に前記第4の負帰還コンデンサが接続される。
【0019】
いくつかの実施例において、前記第4の負性容量回路の第1のユニットの等価容量値の絶対値と前記第1のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満であり、前記第4の負性容量回路の第2のユニットの等価容量値の絶対値と前記第2のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満である。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第1の増幅器と前記第2の増幅器は、ゲインが等しく、かつ固定の増幅器である。
【0021】
いくつかの実施例において、前記回路は、前記第4の負性容量回路の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含む。
【0022】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器の入力インピーダンスは、100メガオームよりも大きい。
【0023】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器は、正負の電圧でダブルエンド給電する。
【0024】
いくつかの実施例において、前記差動増幅器は、単一電圧で給電する。
【0025】
本願の一実施例に係るウェアラブルデバイスは、上記信号収集回路を含む。
【0026】
本願の実施例に係る信号収集回路は、収集端のリード線に第1の負性容量回路及び第2の負性容量回路が接続され、該第1の負性容量回路及び第2の負性容量回路が負性容量効果を有するため、リード線の対地寄生容量と相殺し、寄生容量による信号収集に対する影響を低減し、信号収集回路の性能及び信号収集の効果をさらに向上させることができる。
【0027】
例示的な実施例によって本願をさらに説明し、これらの例示的な実施例を図面により詳細に説明する。これらの実施例は、限定的なものではなく、これらの実施例において、同じ符号は、同じ構造を表す。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉原理の概略図である。
図2A】本願のいくつかの実施例に係る差動増幅器の給電方式の概略図である。
図2B】本願のいくつかの実施例に係る差動増幅器の給電方式の概略図である。
図3】本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路の概略図である。
図4】本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路における負性容量回路の概略構成図である。
図5】本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路の概略図である。
図6A】本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路における第4の負性容量回路の概略構成図である。
図6B】本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路における第4の負性容量回路の別の概略構成図である。
図7A】本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉を除去する前の効果回路の概略図である。
図7B】本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉を除去した後の効果回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の実施例の技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本願の例又は実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて本願を他の類似するシナリオに適用することができる。言語環境から明らかではないか又は別に説明しない限り、図中の同じ符号は、同じ構造又は操作を示す。
【0030】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、レベルの異なる様々なアセンブリ、素子、部材、部分又は組立体を区別するための手段であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成することができれば、上記用語の代わりに他の表現を用いることができる。
【0031】
本願及び特許請求の範囲で使用されるように、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「1つ」、「1個」、「1種」及び/又は「該」などの用語は、特に単数形を意味するものではなく、複数形を含んでもよい。一般的には、用語「含む」及び「含有」は、明確に特定されたステップ及び要素を含むことを提示するものに過ぎず、これらのステップ及び要素は、排他的な羅列ではなく、方法又は機器は、他のステップ又は要素を含む可能性がある。
【0032】
本願の実施例に記載の信号収集回路は、信号を収集する必要がある様々な信号監視装置、特に生理信号の監視装置、例えば、スマートウェアラブルデバイスに適用することができる。いくつかの実施例において、上記ウェアラブルデバイス(例えば、服装、リストバンド、ストラップなど)は、人体の各部位(例えば、下腿、上腿、腰、背中、胸部、肩部、頸部など)に設置されてもよく、ユーザが異なる状態にある時の身体の各部位の生理信号を収集し、後続にさらに収集した信号を処理することができる。いくつかの実施例において、上記生理信号は、検出可能な、ユーザの身体状態を体現可能な信号であってもよく、例えば、呼吸信号、心電信号(electrocardiograph、ECG)、筋電信号(electromyography、EMG)、脳波信号(electroencephalograph、EEG)、血圧信号、温度信号などの様々な信号を含んでもよい。いくつかの実施例において、生理信号を収集するウェアラブルデバイスは、医療、ゲームエンターテイメント、健康教育などの新興の交差産業に適用されてもよい。例えば、仮想現実(virtual reality、VR)、EMG収集などの技術と組み合わせて、没入型エンターテイメント、教育などの発展を促進することができ、機械電子、外骨格機器などの技術と組み合わせて、医療コストを低減し、医療健康の発展を促進する目的を達成することができる。
【0033】
図1は、本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉原理の概略図である。
【0034】
いくつかの実施例において、図1に示す信号収集回路100は、ユーザの身体に接触する1つ以上のセンサユニット(例えば、第1の電極110及び第2の電極120)と、差動増幅器130と、センサユニット及び差動増幅器130を接続する1つ以上のリード線(例えば、第1のリード線L1、第2のリード線L2)と、を含む。
【0035】
いくつかの実施例において、センサユニットは、ユーザの1種以上の生理信号を取得してもよい。センサユニットは、筋電センサ、姿勢センサ、心電センサ、呼吸センサ、温度センサ、湿度センサ、慣性センサ、血中酸素飽和度センサ、ホールセンサ、電気皮膚反応センサ、回転センサなどのうちの1種以上を含んでもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、生理信号は、筋電信号、姿勢信号、心電信号、呼吸数、温度信号、湿度信号などのうちの1種以上を含んでもよい。センサユニットは、取得しようとする動作信号のタイプに応じて、ウェアラブルデバイスの異なる位置に配置されてもよい。
【0036】
いくつかの実施例において、異なる信号収集回路は、同一又は異なる種類のユーザの生理信号を収集するように、ユーザの身体の異なる位置に配置されてもよい。例えば、それぞれユーザの上腿の異なる側に配置された信号収集回路は、いずれも上腿の筋電信号を収集することができる。また例えば、ユーザの前腕に配置された信号収集回路は、前腕の筋電信号を収集することができ、ユーザの心臓の部位に配置された信号収集回路は、ユーザの心電信号を収集することができる。
【0037】
いくつかの実施例において、上記センサユニットは、ユーザの身体に接触する1つ以上の電極素子を含んでもよく、電極素子によりユーザの身体表面の筋電信号を収集することができる。上記電極素子は、乾式電極又は湿式電極であってもよい。乾式電極は、金属片又は金属線で織られた金属構造電極であり、人体の皮膚と電極素子との間に導電性コロイドを塗布して湿式電極を形成することにより、人体との接触強度を増大させることができる。人体が絶対的な導体ではないため、乾式電極及び湿式電極と人体との間にいずれも接触インピーダンスが存在し、異なる生理状態でのインピーダンスが異なるため、それぞれの場合に異なる電極タイプを選択することができる。
【0038】
いくつかの実施例において、上記電極素子は、第1の電極110及び第2の電極120を含む。第1の電極110は、第1のリード線L1を介して差動増幅器130の第1の入力端A点に接続され、第2の電極120は、第2のリード線L2を介して差動増幅器130の第2の入力端B点に接続され、第1のリード線L1及び第2のリード線L2は、電極素子により収集された生理信号を差動増幅器に伝送して適切な処理(例えば、ノイズ低減、増幅など)を行う。
【0039】
いくつかの実施例において、差動増幅器130は、電極素子により取得された生理信号に対して差動増幅処理を行ってもよい。いくつかの実施例において、差動増幅器130により処理された生理信号、すなわち、出力端から出力されたVoutは、ウェアラブルデバイスにおける他の素子に伝達されて後続の処理を行ってもよい。例えば、処理後の生理信号は、アナログデジタル変換器ADCによって、アナログ信号をデジタル信号に変換し、さらにプロセッサによって後続の処理、例えば、信号分析を行うことができる。
【0040】
いくつかの実施例において、差動増幅器130は、シングルエンド給電とダブルエンド給電の2つの給電方式を含んでもよい。図2Aに示すように、差動増幅器130は、第1の給電端(111)が正電源+Vccに接続され、第2の給電端(112)が負電源-Vccに接続されるとともに、バイアス電圧を受信する一端(113)が接地され、図2Bに示すように、差動増幅器130は、第1の給電端(114)が正電源+Vccに接続され、第2の給電端(116)が接地されるとともに、バイアス電圧を受信する一端(117)は、電圧値が+Vcc/2のバイアス電圧を受信する。
【0041】
いくつかの実施例において、第1の電極110及び第2の電極120とユーザの身体との接触インピーダンスが一致しない場合、すなわち、差動増幅器130の2つの入力端のインピーダンスが一致しない(インピーダンスがアンバランスになる)場合、人体表面のコモンモード商用周波数信号をディファレンシャルモード商用周波数ノイズに変換して増幅器に入力し、さらに信号対雑音比を低下させ、ひいては回路が飽和して故障することを引き起こす。
【0042】
人体が置かれている環境には様々な50/60Hzの商用周波数電源線(中国では50Hzの電線、中国国外では60Hzの電線である)が存在するため、これらの商用周波数電源線は、電磁波を放射し、人体と結合して人体に電位変化を発生させ、その振幅は、一般的にミリボルトレベルであり、数mV~数百mVであってもよく、人体と商用周波数電源線の位置に関連する。理解を容易にするために、環境干渉をコンデンサ結合モデルC0と等価にし、人体と大地との間のインピーダンスをZ0と表すと、商用周波数干渉のモデルは、図1の左半分と等価となることができ、すなわち、商用周波数電源線は、等価コンデンサC0、人体、及び接地インピーダンスに直列接続して接地される。人体が移動すると、商用周波数電源線との距離が変化し、等価コンデンサC0の値もそれに伴って変化する。
【0043】
いくつかの実施例において、人体に結合された商用周波数電流は、Icmであり、人体表面のコモンモード商用周波数電位Vcmは、以下のように表すことができる。
【0044】
Vcm=Icm*Z0(1)
第1の入力端Aの対地インピーダンスは、Zin1であり、第2の入力端Bの対地インピーダンスは、Zin2であり、一般的には、
【数1】
である。コモンモード入力インピーダンスは、以下のように表すことができる。
【0045】
Zcm=Zin/2(2)
いくつかの実施例において、第1の電極110及び第2の電極120とユーザの身体との接触インピーダンスが一致しない場合、差動増幅器130の第1の入力端Aと第2の入力端Bの電位が等しくないことを引き起こし、差動増幅器130は、ABの両点間の電位差をさらに増幅し、それにより回路の飽和又は故障を引き起こす。人体にコモンモード商用周波数電位Vcmが存在する場合、差動増幅器130の第1の入力端Aと第2の入力端Bとの間の電位差VABは、下記の式(3)によって表すことができる。
【0046】
【数2】
【0047】
式中、Z1は、第1の電極110の接触インピーダンス値であり、Z2は、第2の電極120の接触インピーダンス値である。上記式から分かるように、差動増幅器130の第1の入力端Aと第2の入力端Bとの間のディファレンシャルモード商用周波数信号の強度は、差動増幅器130のコモンモード入力インピーダンスに反比例し、コモンモード入力インピーダンスが低いほど、商用周波数干渉が大きくなる。
【0048】
いくつかの実施例において、商用周波数干渉による信号収集に対する影響を低減するために、電極素子の接触インピーダンスを低減する方式で差動増幅器の2つの入力端の間の電位差を低減してもよく、人体に接地電極を追加する方式でコモンモード商用周波数電位を低減し、さらに差動増幅器の2つの入力端の間の電位差を低減してもよく、例えば、電極の一端を人体に接触させ、他端を回路のGNDに接続する。しかしながら、電極素子には常に接触インピーダンスが存在するため、コモンモード商用周波数電位を完全に除去することができない。
【0049】
いくつかの実施例において、商用周波数干渉による信号収集に対する影響を低減するために、差動増幅器の(コモンモード)入力インピーダンスを増大する方式を用いてもよい。例えば、信号収集回路の入力フロントエンドとして、高い(コモンモード)入力インピーダンス(例えば、第1の入力端A及び第2の入力端Bがいずれも高い対地インピーダンスを有する)を有する差動増幅器を用いることができる。いくつかの実施例において、差動増幅器130の(コモンモード)入力インピーダンスは、100MΩよりも大きく、好ましくは、差動増幅器130の(コモンモード)入力インピーダンスは、1GΩよりも大きい。
【0050】
しかしながら、信号収集回路100がウェアラブルデバイスに適用される場合、実際の回路に寄生容量が存在すると、差動増幅器の入力インピーダンスが低下することを引き起こす。実際の適用では、リード線の間に寄生容量が存在するだけでなく、リード線とグランドとの間に寄生容量が存在する。特に、生理信号を収集するシーンにおいて、いくつかの生理信号(例えば、筋電信号、心電信号など)が微弱であるため、これらの寄生容量の影響は、特に顕著である。いくつかの実施例において、これらの寄生容量は、信号収集回路における様々な等価インピーダンスに並列接続され、回路全体の入力インピーダンスを大幅に低減し、さらに商用周波数干渉を悪化させ、より高い入力インピーダンスを使用する差動増幅器によって解決することができない。これから分かるように、これらの寄生容量の存在は、信号収集回路の性能及び収集効果を制限する。
【0051】
図3は、本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路200の概略図である。
【0052】
いくつかの実施例において、図3に示す信号収集回路200は、第1の電極210、第2の電極220、差動増幅器230、第1のリード線L1、第2のリード線L2、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20を含んでもよい。
【0053】
いくつかの実施例において、第1の電極210は、第1のリード線L1を介して差動増幅器230の第1の入力端Aに接続され、第2の電極220は、第2のリード線L2を介して差動増幅器230の第2の入力端Bに接続される。第1の電極210、第2の電極220、差動増幅器230、第1のリード線L1、第2のリード線L2についての関連説明は、図1の関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0054】
いくつかの実施例において、第1のリード線L1とグランド線との間に第1の対地寄生容量C1が存在し、第2のリード線L2とグランド線との間に第2の対地寄生容量C2が存在し、第1のリード線L1と第2のリード線L2との間にリード線間寄生容量C3が存在する。図3に示すように、第1の対地寄生容量C1は、第1のリード線L1とグランド線との間に等価的に接続され、差動増幅器230の第1の入力端Aの対地インピーダンスZin1に並列接続されると見なすことができ、第2の対地寄生容量C2は、第2のリード線L2とグランド線との間に等価的に接続され、差動増幅器230の第2の入力端Bの対地インピーダンスZin2に並列接続されると見なすことができ、リード線間寄生容量C3は、第1のリード線L1と第2のリード線L2との間に等価的に接続されると見なすことができる。第1の対地寄生容量C1と第2の対地寄生容量C2は、それぞれ差動増幅器の対地インピーダンスZin1と対地インピーダンスZin2に並列接続されるため、回路全体の入力インピーダンスが大幅に低減され、商用周波数干渉の信号収集に対する影響が悪化する。
【0055】
いくつかの実施例において、寄生容量値の変化は、リアルタイムに測定することができないが、回路設計に関連するため、寄生容量値は、回路設計後に測定することができる。つまり、信号収集回路の回路設計後に第1の対地寄生容量C1、第2の対地寄生容量C2及びリード線間寄生容量C3を測定することができる。実際の適用過程において、人体との間の寄生容量値は、正確に測定することができないが、人体が運動していない時に測定し、寄生容量の基準値を決定することができる。人体が動作すると、人体との間の寄生容量値が変化し、寄生容量の基準値に基づいて一応の変動範囲を決定することができる。
【0056】
いくつかの実施例において、寄生容量による影響を低減して差動増幅器の入力インピーダンスを増大させるために、信号収集回路200には、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20が設置される。第1の負性容量回路C10は、上記第1のリード線L1及びグランド線に電気的に接続され、第2の負性容量回路C20は、上記第2のリード線L2及びグランド線に電気的に接続され、かつ第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20は、負性容量効果を有するため、リード線の対地寄生容量と相殺し、それにより寄生容量による回路入力インピーダンス及び信号収集に対する影響を低減し、信号収集回路の性能及び信号収集の効果をさらに向上させることができる。ここで言う負性容量効果は、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20における電荷量の変化傾向が、それに印加された電圧の変化傾向と逆であると理解することができ、つまり、電圧の低下に伴い、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20における電荷量がそれに応じて増加する。
【0057】
いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10及び/又は第2の負性容量回路C20を電気的にグランド線に接続する方式は、第1の負性容量回路C10及び/又は第2の負性容量回路C20を1つ以上のプリント回路板(printed circuit board、PCB)における共通接地端に接続することを含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10は、第1の対地寄生容量C1に並列接続されると見なし、第2の負性容量回路C20は、第2の対地寄生容量C2に並列接続されると見なすことができる。第1の負性容量回路C10と第2の負性容量回路C20は、それぞれ差動増幅器の2つの入力端の寄生容量と相殺することにより、差動増幅器の入力端の容量値を減少させ、入力インピーダンスの向上効果を達成する。いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10の等価容量値及び第2の負性容量回路C20の等価容量値が以下のように表すことができる。
C10=-C1(4)
C20=-C2(5)
第1のリード線L1の対地総容量及び第2のリード線L2の対地総容量は、いずれも0であり、この場合、差動増幅器の入力端の対地寄生容量が完全に相殺されるため、信号収集回路全体の入力インピーダンスが大幅に向上し、さらに商用周波数干渉に対する耐性が向上する。
【0059】
いくつかの実施例において、実際の動作環境において、寄生容量は、リード線の移動に伴ってわずかに変化する可能性があるため、負性容量回路の絶対値は、寄生容量に完全に等しくない。いくつかの実施例において、差動増幅器の入力端の対地寄生容量を良好に相殺するために、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差は、50%未満であり、第2の負性容量回路C20の等価容量値の絶対値と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差は、50%未満である。いくつかの実施例において、差動増幅器の入力端がより大きい入力インピーダンスを有するようにするために、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差は、30%未満であり、第2の負性容量回路C20の等価容量値の絶対値と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差は、30%未満である。
【0060】
実際の適用過程において、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差が小さいほど、第1の負性容量回路C10により相殺される第1のリード線L1の対地寄生容量値C1が多くなり、信号収集回路全体の入力インピーダンスも大きくなり、最終的な信号収集の効果も高くなることであると理解されたい。第2の負性容量回路C20も同様であり、ここでは説明を省略する。
【0061】
いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値との相対誤差とは、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値との差と、第1のリード線L1の対地寄生容量値との比である。
【0062】
いくつかの実施例において、差動増幅器230の第1の入力端Aの等価入力インピーダンスZin1は、並列接続されたコンデンサRin1及びコンデンサCin1と等価となってもよく、差動増幅器230の第2の入力端Bの等価入力インピーダンスZin2は、並列接続されたコンデンサRin2及びコンデンサCin2と等価となってもよい。いくつかの実施例において、信号収集回路200の入力インピーダンス性能をさらに向上させるために、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20は、差動増幅器230の等価入力容量の影響をさらに相殺するように調整することができる。いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10の等価容量値及び第2の負性容量回路C20の等価容量値は、以下のように調整することができる。
【0063】
C10=-(C1+Cin1)(6)
【0064】
C20=-(C2+Cin2)(7)
【0065】
いくつかの実施例において、差動増幅器の入力端の等価入力容量を良好に相殺するために、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と、第1のリード線L1の対地寄生容量値C1と差動増幅器230の第1の入力端Aの等価入力容量値Cin1の和との相対誤差は、50%未満であり、第2の負性容量回路C20の等価容量値の絶対値と、第2のリード線L2の対地寄生容量値C2と差動増幅器230の第2の入力端Bの等価入力容量値Cin2との和との相対誤差は、50%未満である。いくつかの実施例において、差動増幅器の入力端がより大きい入力インピーダンスを有するようにするために、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と、第1のリード線L1の対地寄生容量値C1と差動増幅器230の第1の入力端Aの等価入力容量値Cin1との和との相対誤差は、30%未満であり、第2の負性容量回路C20の等価容量値の絶対値と、第2のリード線L2の対地寄生容量値C2と差動増幅器230の第2の入力端Bの等価入力容量値Cin2との和との相対誤差は、30%未満である。
【0066】
実際の適用過程において、第1の負性容量回路C10の等価容量値の絶対値と、第1のリード線L1の対地寄生容量と差動増幅器の第1の等価入力容量Cin1との和との相対誤差が小さいほど、第1の負性容量回路C10により相殺される第1のリード線L1の対地寄生容量及び差動増幅器の第1の等価入力容量Cin1が多くなり、信号収集回路全体の入力インピーダンスも大きくなり、最終的な信号収集の効果も高くなることであると理解されたい。第2の負性容量回路C20も同様であり、ここでは説明を省略する。
【0067】
これにより、第1の負性容量回路C10と第2の負性容量回路C20は、それぞれ、第1のリード線L1の対地寄生容量及び差動増幅器の第1の等価入力容量Cin1と、第2のリード線L2の対地寄生容量及び差動増幅器の第2の等価入力容量Cin2を相殺し、信号収集回路全体の入力インピーダンスをさらに増大させる。
【0068】
いくつかの実施例において、信号収集回路200は、第3の負性容量回路C30をさらに含んでもよい。第3の負性容量回路C30は、第1のリード線L1と第2のリード線L2との間に電気的に接続され、リード線間寄生容量C3に並列接続される。いくつかの実施例において、リード線間寄生容量C3による回路性能に対する影響が低いため、信号収集回路200には、第3の負性容量回路C30が設置されなくてもよい。いくつかの実施例において、信号収集回路200の要求が高い場合、信号収集回路200には、第3の負性容量回路C30が設置されてもよい。いくつかの実施例において、第3の負性容量回路C30の値は、以下のように表すことができる。
【0069】
C30=-C3(8)
【0070】
いくつかの実施例において、第3の負性容量回路C30の等価容量値の絶対値とリード線間寄生容量C3の値との相対誤差は、50%未満である。いくつかの実施例において、第3の負性容量回路C30の等価容量値の絶対値とリード線間寄生容量C3の値との相対誤差は、30%未満である。実際の適用過程において、第3の負性容量回路C30の等価容量値の絶対値とリード線間寄生容量C3の値との相対誤差が小さいほど、第3の負性容量回路C30により相殺されるリード線間寄生容量C3が多くなり、信号収集回路全体の入力インピーダンスも大きくなり、最終的な信号収集の効果も高くなることであると理解されたい。
【0071】
いくつかの実施例において、信号収集回路は、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含んでもよく、例えば、負性容量回路の抵抗値を変化させることにより調整する。
【0072】
第1の負性容量回路C10、第2の負性容量回路C20、第3の負性容量回路C30の具体的な構造については、図4A図4Bの関連内容を参照することができる。
【0073】
図4は、本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路200における負性容量回路の概略構成図である。
【0074】
いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10は、図4の構造であってもよく、図4に示すように、第1の負性容量回路C10は、第1の演算増幅器410、第1の抵抗R1、第2の抵抗R2及び第1のコンデンサC401を含んでもよい。いくつかの実施例において、第1の演算増幅器410は、反転入力端が第1の抵抗R1を介して接地されるとともに、第2の抵抗R2を介して第1の演算増幅器410の出力端に接続され、非反転入力端が第1のコンデンサC401を介して第1の演算増幅器410の出力端に接続される。いくつかの実施例において、図4におけるm点と図3におけるa点が等電位の両点であり、リード線を用いてa点、m点を電気的に接続してもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、第2の負性容量回路C20は、図4の構造であってもよく、この場合、図4におけるm点と図3におけるb点は、等電位の両点であり、リード線を用いてm点、b点を電気的に接続してもよい。
【0076】
なお、図4に示す負性容量回路は、負性容量効果を有する等価回路である。具体的には、図4に示す負性容量回路については、該負性容量回路の等価インピーダンスは、m点とGNDとの間のインピーダンスである。m点とGNDとの間のインピーダンスをzとすると、zのインピーダンスは、以下の式(9)で表すことができる。
【0077】
【数3】
【0078】
すなわち、m点とGNDとの間のインピーダンスは、1つの負性容量を含むように等価であってもよいし、1つの負性容量によって生成されてもよい。m点とGNDとの間の負性容量をCとすると、Cの等価容量値は、以下の式(10)で表すことができる。
【0079】
【数4】
【0080】
図4に示す負性容量回路の等価容量であることを理解されたい。
【0081】
いくつかの実施例において、抵抗R1及びR2は、抵抗値が調整可能な抵抗(例えば、摺動抵抗器、抵抗箱及びポテンショメータ)であってもよく、抵抗値が固定の抵抗であってもよい。いくつかの実施例において、抵抗R1とR2の抵抗値は、等しくてもよく、等しくなくてもよい。いくつかの実施例において、抵抗R1及びR2の抵抗値を調整することにより、等価容量Cの大きさを調整してもよいことを理解されたい。
【0082】
いくつかの実施例において、第1のコンデンサC401は、ペーパーコンデンサ、金属化ペーパーコンデンサ、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、オイルペーパーコンデンサ、アルミニウム電解コンデンサ、半可変コンデンサ、可変コンデンサなどであってもよい。いくつかの実施例において、第1のコンデンサC401の容量値を調整することにより、等価容量Cの大きさを調整してもよい。
【0083】
いくつかの実施例において、第1の演算増幅器410は、例えば、電圧+Vcc(411)を正電源とし、電圧-Vcc(412)を負電源とする2つの電源で給電されてもよく、413で第1の演算増幅器410により生成された増幅信号を出力する。いくつかの実施例において、第1の演算増幅器410は、1つの電源で給電されてもよく、ここでは説明を省略する。
【0084】
いくつかの実施例において、第1の負性容量回路C10及び第2の負性容量回路C20は、図4以外の他の構造であってもよい。
【0085】
いくつかの実施例において、信号収集回路200は、第3の負性容量回路C30をさらに含んでもよく、第3の負性容量回路C30は、上記第1のリード線L1及び第2のリード線L2に電気的に接続され、負性容量効果を有する。
【0086】
いくつかの実施例において、第3の負性容量回路C30は、図4の構造であってもよく、この場合、図4におけるm点と図3におけるc点は、等電位の両点であり、図4におけるGND点と図3におけるd点は、等電位の両点であり、リード線を用いてそれぞれ図3におけるc点と図4におけるm点を電気的に接続し、図3におけるd点と図4におけるGND点を電気的に接続してもよい。
【0087】
いくつかの実施例において、第3の負性容量回路C30は、図4以外の他の構造であってもよく、リード線間寄生容量C3を相殺することができればよい。
【0088】
なお、以上の信号収集回路100、信号収集回路200及びそれらの構造についての説明は、説明の便宜上のものであり、本願を挙げられた実施例の範囲内に限定するものではない。
【0089】
図5は、本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路300の概略図である。
【0090】
図5に示す信号収集回路300は、第1の電極210、第2の電極220、差動増幅器230、第1のリード線L1、第2のリード線L2及び第4の負性容量回路C40を含んでもよい。第1の電極210、第2の電極220、差動増幅器230、第1のリード線L1、第2のリード線L2についての関連説明は、前述の図1図4の関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0091】
前述の実施例で説明したように、第1のリード線L1とグランド線との間に第1の対地寄生容量C1が存在し、第2のリード線L2とグランド線との間に第2の対地寄生容量C2が存在し、第1の対地寄生容量C1と第2の対地寄生容量C2は、それぞれ差動増幅器の対地インピーダンスZin1と対地インピーダンスZin2に並列接続されるため、回路全体の入力インピーダンスが大幅に低減され、商用周波数干渉の信号収集に対する影響が悪化する。
【0092】
したがって、いくつかの実施例において、寄生容量による影響を低減して差動増幅器230の入力インピーダンスを増大させるために、信号収集回路300には、第4の負性容量回路C40が設置される。いくつかの実施例において、第1の電極210は、第1のリード線L1を介して第4の負性容量回路C40の第1の入力端Pに接続され、第2の電極220は、第2のリード線L2を介して第4の負性容量回路C40の第2の入力端Qに接続され、第4の負性容量回路C40は、第1の出力端Mが差動増幅器230の第1の入力端Aに接続され、第2の出力端Nが差動増幅器230の第2の入力端Bに接続される。第4の負性容量回路C40は、負性容量効果を有するため、リード線の対地寄生容量と相殺することにより、寄生容量による回路の入力インピーダンス及び信号収集に対する影響を低減し、信号収集回路の性能及び信号収集の効果をさらに向上させることができる。
【0093】
いくつかの実施例において、上記負性容量回路C40は、固定のゲインを有する増幅器及び帰還コンデンサを用いることにより実現することができ、それにより第1の対地寄生容量C1及び第2の対地寄生容量C2を同時に相殺する効果を達成する。負性容量回路C40の具体的な実現方式については、図6A及び図6Bの関連説明を参照する。
【0094】
いくつかの実施例において、信号収集回路300は、第3の負性容量回路C30をさらに含んでもよい。第3の負性容量回路C30は、第1のリード線L1と第2のリード線L2との間に電気的に接続され、リード線間寄生容量C3に並列接続されている。いくつかの実施例において、リード線間寄生容量C3による回路性能に対する影響が低いため、信号収集回路200には、第3の負性容量回路C30が設置されなくてもよい。いくつかの実施例において、信号収集回路200の要求が高い場合、信号収集回路200には、第3の負性容量回路C30が設置されてもよい。第3の負性容量回路C30の具体的な実現方式については、図3及び図4の関連説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0095】
いくつかの実施例において、信号収集回路は、第4の負性容量回路C40の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含んでもよく、例えば、負性容量回路の抵抗値又は容量値を変化させることにより調整する。
【0096】
図6Aは、本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路300における第4の負性容量回路C40の概略構成図である。
【0097】
いくつかの実施例において、第4の負性容量回路C40は、第1のユニットC402と第2のユニットC404とを含んでもよく、第1のユニットC402は、第1の増幅器G2及び第3の負帰還コンデンサC46を含み、第2のユニットC404は、第2の増幅器G3及び第4の負帰還コンデンサC48を含む。いくつかの実施例において、第1の増幅器G2及び第2の増幅器G3は、いずれもゲインが固定の増幅器である。
【0098】
いくつかの実施例において、第1の増幅器G2の入力端は、第4の負性容量回路C40の第1の入力端Pであり、第2の増幅器G3の入力端は、第4の負性容量回路C40の第2の入力端Qであり、同様に、第1の増幅器G2の出力端は、第4の負性容量回路C40の第1の出力端Mであり、第2の増幅器G3の出力端は、第4の負性容量回路C40の第2の出力端Nである。
【0099】
いくつかの実施例において、第1の増幅器G2の入力端Pと第1の増幅器G2の出力端Mとは、第3の負帰還コンデンサC46を介して直列接続され、第2の増幅器G3の入力端Qと第2の増幅器G3の出力端Nとは、第4の負帰還コンデンサC48を介して直列接続される。
【0100】
いくつかの実施例において、第1の増幅器G2のゲインがg1で一定である場合、第2の増幅器G3のゲインもg1で一定であり、第4の負性容量回路C40の第1のユニットC402の等価容量値は、以下のように表すことができる。
【0101】
C402=-C46(g1-1)(11)
【0102】
第4の負性容量回路C40の第2のユニットC404の等価容量値は、以下のように表すことができる。
【0103】
C404=-C48(g1-1)(12)
【0104】
いくつかの実施例において、第1の増幅器G2及び第2の増幅器G3は、ゲインが等しく、かつ固定の増幅器であり、例えば、第1の増幅器G2のゲインがg1で一定であると、第2の増幅器G3のゲインもg1で一定である。いくつかの実施例において、第1の増幅器G2及び第2の増幅器G3のゲインの範囲は、0~100dBであってもよく、好ましくは、第1の増幅器G2及び第2の増幅器G3のゲインの範囲は、0~10dBである。
【0105】
いくつかの実施例において、第3の負帰還コンデンサC46と第4の負帰還コンデンサC48の値は、等しい。このように、第4の負性容量回路C40の第1のユニットC402及び第2のユニットC404は、信号収集回路300全体として大きなコモンモード除去比を得ることができるように、対称性の高い構造を形成する。いくつかの実施例において、第1の増幅器G2と第2の増幅器G3のゲインが等しくないと、回路のコモンモード除去比が低下し、商用周波数干渉を低減する効果を達成することができない。
【0106】
いくつかの実施例において、第1の増幅器G2と第2の増幅器G3のそれぞれは、ゲインが固定の増幅器の多段カスケードで構成されてもよい。
【0107】
いくつかの実施例において、第4の負性容量回路C40の第1のユニットC402は、第1の対地寄生容量C1を相殺し、第4の負性容量回路C40の第2のユニットC404は、第2の対地寄生容量C2を相殺してもよい。これにより、第4の負性容量回路C40は、第1の対地寄生容量C1及び第2の対地寄生容量C2を同時に相殺することができる。いくつかの実施例において、第1のユニットC402の等価容量値及び第2のユニットC404の等価容量値は、以下のように表すことができる。
【0108】
C402=-C1(13)
【0109】
C404=-C2(14)
【0110】
このように、第1のリード線L1の対地総容量と第2のリード線L2の対地総容量は、いずれも0である。この場合、差動増幅器230の入力端の対地寄生容量が完全に相殺されるため、信号収集回路300全体の入力インピーダンスが大幅に向上し、さらに商用周波数干渉に対する耐性が向上する。
【0111】
いくつかの実施例において、実際の動作環境において、寄生容量がリード線の移動に伴ってわずかに変化する可能性があることを考慮すると、それに応じて、第4の負性容量回路C40の第1のユニットC402の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差は、50%未満であり、第4の負性容量回路C40の第2のユニットC404の等価容量値の絶対値と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差は、50%未満である。いくつかの実施例において、第4の負性容量回路C40の第1のユニットC402の等価容量値の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差は、30%未満であり、第4の負性容量回路C40の第2のユニットC404の等価容量値の絶対値と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差は、30%未満である。
【0112】
図6Bは、本願のいくつかの実施例に係る信号収集回路300における第4の負性容量回路C40の別の概略構成図である。
【0113】
いくつかの実施例において、第4の負性容量回路C40は、ダブルエンド差動増幅器G1、第1の負帰還コンデンサC42及び第2の負帰還コンデンサC44を含んでもよい。
【0114】
いくつかの実施例において、ダブルエンド差動増幅器G1の第1の入力端は、第4の負性容量回路C40の第1の入力端Pであり、ダブルエンド差動増幅器G1の第2の入力端は、第4の負性容量回路C40の第2の入力端Qであり、同様に、ダブルエンド差動増幅器G1の第1の出力端は、第4の負性容量回路C40の第1の出力端Mであり、ダブルエンド差動増幅器G1の第2の出力端は、第4の負性容量回路C40の第2の出力端Nである。ダブルエンド差動増幅器G1の第1の入力端Pとダブルエンド差動増幅器G1の第1の出力端Mとは、第1の負帰還コンデンサC42を介して直列接続され、ダブルエンド差動増幅器G1の第2の入力端Qとダブルエンド差動増幅器G1の第2の出力端Nとは、第2の負帰還コンデンサC44を介して直列接続される。
【0115】
いくつかの実施例において、ダブルエンド差動増幅器G1は、ゲインが固定の増幅器である。いくつかの実施例において、ダブルエンド差動増幅器G1のゲインg0の範囲は、0~100dBであってもよく、好ましくは、g0の範囲は、0~10dBである。
【0116】
いくつかの実施例において、第4の負性容量回路C40は、第1の対地寄生容量C1及び第2の対地寄生容量C2を同時に相殺してもよい。いくつかの実施例において、ダブルエンド差動増幅器G1は、ゲインが固定の複数の増幅器を組み合わせて構成されてもよく、例えば、該ダブルエンド差動増幅器G1は、ゲインがg0の2つの増幅器G11、G12で構成され、増幅器G11及びG12は、ゲインが固定で、等しい増幅器であり、それらの構造は、完全に同じであってもよい。いくつかの実施例において、増幅器G11は、入力端がP点であり、出力端がM点であり、第1の負帰還コンデンサC42は、P点とM点に直列接続され、増幅器G11と第1の負帰還コンデンサC42からなる回路構造は、第1の対地寄生容量C1を相殺してもよい。いくつかの実施例において、増幅器G12は、入力端がQ点であり、出力端がN点であり、第2の負帰還コンデンサC44は、Q点とN点に直列接続され、増幅器G12と第2の負帰還コンデンサC44からなる回路構造は、第1の対地寄生容量C1を相殺してもよい。いくつかの実施例において、増幅器G11と第1の負帰還コンデンサC42からなる回路構造の等価容量値C11と、増幅器G12と第2の負帰還コンデンサC44からなる回路構造の等価容量値C12とは、以下のように表すことができる。
【0117】
C11=-C42(g0-1)(15)
【0118】
C12=-C45(g0-1)(16)
【0119】
この場合、増幅器G11と第1の負帰還コンデンサC42からなる回路構造は、第1の対地寄生容量C1を相殺し、増幅器G12と第2の負帰還コンデンサC44からなる回路構造は、第2の対地寄生容量C2を相殺してもよく、この場合、差動増幅器の入力端の対地寄生容量が相殺されるため、信号収集回路全体の入力インピーダンスが大幅に向上し、さらに商用周波数干渉に対する耐性が向上する。
【0120】
いくつかの実施例において、差動増幅器の入力端の対地寄生容量を良好に相殺するために、増幅器G11と第1の負帰還コンデンサC42からなる回路構造の等価容量値C11の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差は、50%未満であり、増幅器G12と第2の負帰還コンデンサC44からなる回路構造の等価容量値C12の絶対値と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差は、50%未満である。いくつかの実施例において、差動増幅器の入力端がより大きい入力インピーダンスを有するようにするために、増幅器G11と第1の負帰還コンデンサC42からなる回路構造の等価容量値C11の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差は、30%未満であり、増幅器G12と第2の負帰還コンデンサC44からなる回路構造の等価容量値C12の絶対値と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差は、30%未満である。
【0121】
実際の適用過程において、増幅器G11と第1の負帰還コンデンサC42からなる回路構造の等価容量値C11の絶対値と第1のリード線L1の対地寄生容量値C1との相対誤差が小さいほど、かつ増幅器G12と第2の負帰還コンデンサC44からなる回路構造の等価容量値C12と第2のリード線L2の対地寄生容量値C2との相対誤差が小さいほど、第4の負性容量回路C40により相殺される第1のリード線L1の対地寄生容量C1及び第2のリード線L2の対地寄生容量値C2が多くなり、信号収集回路全体の入力インピーダンスも大きくなり、最終的な信号収集の効果も高くなることであると理解されたい。
【0122】
いくつかの実施例において、第4の負性容量回路C40の構造は、C40の等価容量値が第1のリード線L1の第1の対地寄生容量値C1及び第2のリード線L2の対地寄生容量値C2を相殺できれば、図6A及び図6B以外の他の構造であってもよく、ここでは制限しない。
【0123】
図7Aは、本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉を除去する前の効果回路の概略図である。図7Bは、本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉を除去した後の効果回路の概略図である。
【0124】
いくつかの実施例において、図7Aに示すように、アナログの信号収集回路400を提供し、該信号収集回路400は、コモンモード商用周波数源501と、差動増幅器530と、抵抗値が10MΩの抵抗R5と、抵抗値が100KΩの抵抗R6と、容量値がいずれも6PFのコンデンサC5及びC6と、を含み、抵抗R5は、第1のリード線L11を介して差動増幅器530の第1の入力端(A1)に接続され、抵抗R6は、第2のリード線L22を介して差動増幅器530の第2の入力端(B1)に接続され、コンデンサC5は、一端が差動増幅器530の第1の入力端(A1)に接続されるとともに、第1のリード線L11にも接続され、他端が接地され、コンデンサC6は、一端が差動増幅器530の第2の入力端(B1)に接続されるとともに、第2のリード線L22にも接続され、他端が接地される。
【0125】
なお、コモンモード商用周波数源501は、電圧ピーク値が300mvであり、周波数が50Hzである交流電源であり、人体が発生するコモンモード商用周波数信号をシミュレーションする。R5とR6との抵抗値に差があってもよく、実際のウェアラブルデバイスが人体信号を収集する時に、両電極の間に発生するインピーダンス不整合をシミュレーションする。コンデンサC5及びC6は、実際のウェアラブルデバイスが人体信号を収集する時に、2つのリード線のそれぞれがアースに対して生じる寄生容量をシミュレーションする。
【0126】
いくつかの実施例において、差動増幅器530は、ダブルエンド給電の方式を用い、第1の給電端(511)が正電源+Vccに接続され、第2の給電端(512)が負電源-Vccに接続されるとともに、バイアス電圧を受信する一端(513)が接地される。いくつかの実施例において、正電源+Vccは、3.3Vの電圧を提供し、負電源-Vccは、-3.3Vの電圧を提供する。
【0127】
いくつかの実施例において、信号収集回路400は、信号の入力側に設置され、差動増幅器530の第1の入力端(A1)に接続される第1のプローブT1と、信号の出力側に設置され、差動増幅器530の出力端(514)に接続される第2のプローブT2とをさらに含む。第1のプローブT1と第2のプローブT2は、それぞれ、電圧信号が差動増幅器530に入力される前及び差動増幅器530に入力された後の電圧ピーク値、有効値、周波数などを測定する。テスト後、得られたデータを以下の表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】
図7Bは、本願のいくつかの実施例に係る商用周波数干渉を除去した後の効果回路の概略図である。図7Bは、図7Aに、負性容量回路C510及び負性容量回路C520を追加したものである。負性容量回路C510及び負性容量回路C520の構造は、いずれも図4の構造を用い、負性容量回路C510のx点は、第1のリード線L11上のX点に電気的に接続され、負性容量回路C520のy点は、第2のリード線L22上のY点に電気的に接続される。
【0130】
いくつかの実施例において、負性容量回路C510の演算増幅器502は、第1の給電端(521)が正電源+Vccに接続され、第2の給電端(522)が負電源-Vccに接続され、演算増幅器502の出力端(523)は、増幅された電圧を出力する。いくつかの実施例において、正電源+Vccは、3.3Vの電圧を提供し、負電源-Vccは、-3.3Vの電圧を提供し、コンデンサC501の大きさは、6PFであり、抵抗R51及び抵抗R52の大きさは、いずれも10KΩである。
【0131】
上記式(10)によれば、負性容量回路C510の容量値の大きさは、-6PFであると計算することができる。
【0132】
負性容量回路C520は、負性容量回路C510と同じ構成及び同じ値の素子を用いるため、負性容量回路C520の容量値の大きさも-6PFである。
【0133】
2つの負性容量回路を追加した後、信号収集回路400全体の商用周波数干渉が確実に低下したことを検証するために、再び第1のプローブT1と第2のプローブT2を用いてテストを行い、得られたデータを以下の表2に示す。
【0134】
【表2】
【0135】
表1と表2のデータを比較して分かるように、負性容量回路C510及び負性容量回路C520を追加する前に、第1のプローブT1と第2のプローブT2で測定された電圧ピーク値は、いずれも11.4mVであり、負性容量回路C510及び負性容量回路C520を追加した後、第1のプローブT1で測定された電圧ピーク値は、1.17mVであり、第2のプローブT2で測定された電圧ピーク値は、1.10mVである。これから分かるように、負性容量回路C510及び負性容量回路C520を追加した後、回路全体の商用周波数干渉が10倍以上低下した。
【0136】
この結果は、差動増幅器の入力端に負性容量回路を追加することにより、入力インピーダンスを顕著に増大させ、さらに電極のインピーダンス不整合により商用周波数コモンモードをディファレンシャルモードに転換することによる干渉を低減し、それにより回路の飽和リスクを大幅に低減することができることを示す。
【0137】
いくつかの実施例において、以上に説明された信号収集回路200及び信号収集回路300は、ウェアラブルデバイスに適用されてもよい。上記ウェアラブルデバイス(例えば、服装、リストバンド、ストラップなど)は、人体の各部位(例えば、下腿、上腿、腰、背中、胸部、肩部、頸部など)に設置されてもよく、ユーザが異なる状態にある時の身体の各部位の生理信号を収集し、後続にさらに収集した信号を処理することができる。
【0138】
なお、上記信号収集回路は、ユーザの身体状態を体現可能な信号を検出する必要があるシーンに用いることができ、例えば、上記生理信号は、呼吸信号、心電信号、筋電信号、脳波信号、血圧信号、温度信号などの様々な信号を含むことができる。いくつかの実施例において、生理信号を収集するウェアラブルデバイスは、医療、ゲームエンターテイメント、健康教育などの新興の交差産業に適用されてもよい。例えば、仮想現実、EMG収集などの技術と組み合わせて、没入型エンターテイメント、教育などの発展を促進することができ、機械電子、外骨格機器などの技術と組み合わせて、医療コストを低減し、医療健康の発展を促進する目的を達成することができる。本願は、信号収集回路及びウェアラブルデバイスの具体的な適用シーンを限定しない。
【0139】
本願の実施例による有益な効果は、負性容量回路を設置することによって信号収集回路における寄生容量を相殺し、さらに信号収集回路全体の入力インピーダンスを効果的に増加させ、最終的に寄生容量の信号収集回路全体に対する干渉を大幅に低減し、信号収集回路の信号収集の有効性を向上させることを含むが、これに限定されない。
【0140】
なお、実施例によって、達成可能な有益な効果が異なるが、異なる実施例において、達成可能な有益な効果は、以上のいずれか1種又は複数種の組み合わせであってもよく、他の任意の達成可能な有益な効果であってもよい。
【0141】
以上、基本概念を説明してきたが、当業者にとっては、上記詳細な開示は、単なる例に過ぎず、本願を限定するものではないことは明らかである。本明細書において明確に記載されていないが、当業者は、本願に対して様々な変更、改良及び修正を行うことができる。これらの変更、改良及び修正は、本願によって示唆されることが意図されているため、本願の例示的な実施例の精神及び範囲にある。
【0142】
さらに、本願の実施例を説明するために、本願において特定の用語が使用されている。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本願の少なくとも1つの実施例に関連した特定の特徴、構造又は特性を意味する。したがって、本明細書の様々な部分における「一実施例」又は「1つの実施例」又は「1つの代替的な実施例」の2回以上の言及は、必ずしも全てが同一の実施例を指すとは限らないことを強調し、理解されたい。また、本願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造又は特性は、適切に組み合わせられてもよい。
【0143】
また、当業者には理解されるように、本願の各態様は、任意の新規かつ有用なプロセス、機械、製品又は物質の組み合わせ、又はそれらへの任意の新規かつ有用な改善を含む、いくつかの特許可能なクラス又はコンテキストで、例示及び説明され得る。よって、本願の各態様は、完全にハードウェアによって実行されてもよく、完全にソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)によって実行されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実行されてもよい。以上のハードウェア又はソフトウェアは、いずれも「データブロック」、「モジュール」、「エンジン」、「ユニット」、「アセンブリ」又は「システム」と呼ばれてもよい。また、本願の各態様は、コンピュータ可読プログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ることができる。
【0144】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを搬送するための、ベースバンド上で伝播されるか又は搬送波の一部として伝播される伝播データ信号を含んでもよい。該伝播信号は、電磁気信号、光信号又は適切な組み合わせ形態などの様々な形態を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよく、該媒体は、命令実行システム、装置又は機器に接続されることにより、使用されるプログラムの通信、伝播又は伝送を実現することができる。コンピュータ記憶媒体上のプログラムコードは、無線、ケーブル、光ファイバケーブル、RF若しくは類似の媒体、又は上記媒体の任意の組み合わせを含む任意の適切な媒体を介して伝播することができる。
【0145】
また、特許請求の範囲に明確に記載されていない限り、本願に記載の処理要素又はシーケンスの列挙した順序、英数字の使用、又は他の名称の使用は、本願の手順及び方法の順序を限定するものではない。上記開示において、発明の様々な有用な実施例であると現在考えられるものを様々な例を通して説明しているが、そのような詳細は、単に説明のためであり、添付の特許請求の範囲は、開示される実施例に限定されないが、逆に、本願の実施例の趣旨及び範囲内にある全ての修正及び同等の組み合わせをカバーするように意図されることを理解されたい。例えば、上述したシステムアセンブリは、ハードウェアデバイスにより実装されてもよいが、ソフトウェアのみのソリューション、例えば、既存のサーバ又はモバイルデバイスに説明されたシステムをインストールすることにより実装されてもよい。
【0146】
同様に、本願の実施例の前述の説明では、本願を簡略化して、1つ以上の発明の実施例への理解を助ける目的で、様々な特徴が1つの実施例、図面又はその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、このような開示方法は、特許請求される主題が各請求項で列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものと解釈されるべきではない。実際に、実施例の特徴は、上記開示された単一の実施例の全ての特徴よりも少ない場合がある。
【0147】
いくつかの実施例において、成分及び属性の数を説明する数字が使用されており、このような実施例を説明するための数字は、いくつかの例において修飾語「約」、「ほぼ」又は「概ね」によって修飾されるものであることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「ほぼ」又は「概ね」は、上記数字が±20%の変動が許容されることを示す。よって、いくつかの実施例において、明細書及び特許請求の範囲において使用されている数値パラメータは、いずれも個別の実施例に必要な特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施例において、数値パラメータについては、規定された有効桁数を考慮すると共に、通常の丸め手法を適用すべきである。本願のいくつかの実施例において、その範囲を決定するための数値範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体的な実施例において、このような数値は、可能な限り正確に設定される。
【0148】
本願において参照されているすべての特許、特許出願、公開特許公報、及び、論文、書籍、仕様書、刊行物、文書などの他の資料は、本願の内容と一致しないか又は矛盾する出願経過文書、及び(現在又は後に本願に関連する)本願の請求項の最も広い範囲に関して限定的な影響を与え得る文書を除いて、その全体が参照により本願に組み込まれる。なお、本願の添付資料における説明、定義、及び/又は用語の使用が本願に記載の内容と一致しないか又は矛盾する場合、本願における説明、定義、及び/又は用語の使用を優先するものとする。
【0149】
最後に、本願に記載の実施例は、単に本願の実施例の原理を説明するものであることを理解されたい。他の変形例も本願の範囲内にある可能性がある。したがって、限定するものではなく、例として、本願の実施例の代替構成は、本願の教示と一致するように見なされてもよい。よって、本願の実施例は、本願において明確に紹介して説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0150】
100 信号収集回路
110 第1の電極
120 第2の電極
130 差動増幅器
L1 第1のリード線
L2 第2のリード線
200 信号収集回路
210 第1の電極
220 第2の電極
230 差動増幅器
C10 第1の負性容量回路
C20 第2の負性容量回路
C30 第3の負性容量回路
410 第1の演算増幅器
R1 第1の抵抗
R2 第2の抵抗
C401 第1のコンデンサ
300 信号収集回路
C40 第4の負性容量回路
C402 第1のユニット
C404 第2のユニット
G2 第1の増幅器
G3 第2の増幅器
C46 第3の負帰還コンデンサ
C48 第4の負帰還コンデンサ
G1 デュアルエンド差動増幅器
C42 第1の負帰還コンデンサ
C44 第2の負帰還コンデンサ
400 信号収集回路
501 コモンモード電源周波数源
530 差動増幅器
R5、R6 抵抗
C5、C6 コンデンサ
L11 第1のリード線
L22 第2のリード線
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
【手続補正書】
【提出日】2024-03-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動増幅器と、
第1の電極及び第2の電極と、
第1の負性容量回路及び第2の負性容量回路と、
を含み、
前記第1の電極は、第1のリード線を介して前記差動増幅器の第1の入力端に接続され、前記第2の電極は、第2のリード線を介して前記差動増幅器の第2の入力端に接続され、
前記第1の負性容量回路は、前記第1のリード線及びグランド線に電気的に接続され、前記第2の負性容量回路は、前記第2のリード線及びグランド線に電気的に接続され、前記第1の負性容量回路及び前記第2の負性容量回路は、いずれも負性容量効果を有する、ことを特徴とする信号収集回路。
【請求項2】
前記第1の負性容量回路の等価容量値の絶対値と前記第1のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満であり、
前記第2の負性容量回路の等価容量値の絶対値と前記第2のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項3】
前記差動増幅器の第1の入力端に第1の等価入力容量が存在し、前記差動増幅器の第2の入力端に第2の等価入力容量が存在し、
前記第1の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第1のリード線の対地寄生容量値と前記第1の等価入力容量との和との相対誤差は、50%未満であり、
前記第2の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第2のリード線の対地寄生容量値と前記第2の等価入力容量との和との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項4】
第3の負性容量回路をさらに含み、
前記第3の負性容量回路は、前記第1のリード線及び前記第2のリード線に電気的に接続され、負性容量効果を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項5】
前記第3の負性容量回路の等価容量値の絶対値と、前記第1のリード線と前記第2のリード線の間の寄生容量値との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項4に記載の信号収集回路。
【請求項6】
前記第1の負性容量回路は、第1の演算増幅器、第1の抵抗、第2の抵抗及び第1のコンデンサを含み、前記第2の負性容量回路は、第2の演算増幅器、第3の抵抗、第4の抵抗及び第2のコンデンサを含み、
前記第1の演算増幅器は、反転入力端が前記第1の抵抗を介して接地されるとともに、前記第2の抵抗を介して第1の演算増幅器の出力端に接続され、非反転入力端が前記第1のコンデンサを介して第1の演算増幅器の出力端に接続され、
前記第2の演算増幅器は、反転入力端が前記第3の抵抗を介して接地されるとともに、前記第4の抵抗を介して第2の演算増幅器の出力端に接続され、非反転入力端が前記第2のコンデンサを介して第2の演算増幅器の出力端に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項7】
前記第1の演算増幅器の非反転入力端は、前記第1のリード線に接続され、前記第2の演算増幅器の非反転入力端は、前記第2のリード線に接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の信号収集回路。
【請求項8】
前記第1の負性容量回路及び前記第2の負性容量回路の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の信号収集回路。
【請求項9】
差動増幅器と、
第1の電極及び第2の電極と、
第4の負性容量回路と、
を含み、
前記第1の電極は、第1のリード線を介して前記第4の負性容量回路の第1の入力端に接続され、前記第2の電極は、第2のリード線を介して前記第4の負性容量回路の第2の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路の第1の出力端は、前記差動増幅器の第1の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路の第2の出力端は、前記差動増幅器の第2の入力端に接続され、前記第4の負性容量回路は、負性容量効果を有する、ことを特徴とする信号収集回路。
【請求項10】
前記第4の負性容量回路は、ダブルエンド差動増幅器、第1の負帰還コンデンサ及び第2の負帰還コンデンサを含み、
前記ダブルエンド差動増幅器の第1の入力端と前記ダブルエンド差動増幅器の第1の出力端との間に前記第1の負帰還コンデンサが接続され、前記ダブルエンド差動増幅器の第2の入力端と前記ダブルエンド差動増幅器の第2の出力端との間に前記第2の負帰還コンデンサが接続される、ことを特徴とする請求項に記載の信号収集回路。
【請求項11】
前記ダブルエンド差動増幅器は、ゲインが固定の増幅器である、ことを特徴とする請求項10に記載の信号収集回路。
【請求項12】
前記第4の負性容量回路は、第1のユニット及び第2のユニットを含み、前記第1のユニットは、第1の増幅器及び第3の負帰還コンデンサを含み、前記第2のユニットは、第2の増幅器及び第4の負帰還コンデンサを含み、
前記第1の増幅器の入力端と前記第1の増幅器の出力端との間に前記第3の負帰還コンデンサが接続され、前記第2の増幅器の入力端と前記第2の増幅器の出力端との間に前記第4の負帰還コンデンサが接続される、ことを特徴とする請求項に記載の信号収集回路。
【請求項13】
前記第4の負性容量回路の第1のユニットの等価容量値の絶対値と前記第1のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満であり、
前記第4の負性容量回路の第2のユニットの等価容量値の絶対値と前記第2のリード線の対地寄生容量値との相対誤差は、50%未満である、ことを特徴とする請求項12に記載の信号収集回路。
【請求項14】
前記第4の負性容量回路の等価容量値を調整する帰還制御回路をさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の信号収集回路。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の信号収集回路を含む、ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
【国際調査報告】