(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-23
(54)【発明の名称】口腔内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/12 20060101AFI20240816BHJP
A61B 1/24 20060101ALI20240816BHJP
【FI】
A61B1/12 531
A61B1/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538507
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-24
(86)【国際出願番号】 IB2022058433
(87)【国際公開番号】W WO2023037270
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524086739
【氏名又は名称】メドロボテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】リップガルト,イヴァン ゲオルギエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ソロヴィフ,エフゲニー アナトレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ツィンバリストフ,アレクサンドル ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ザドゥロフ,セルゲイ イゴレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】オブルボフ,アレクサンドル アンドレエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】プレスノフ,ユーリィ ウラジーミロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジッドコフ,マクシム ユレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ラクホフ,アレクサンドル ヤロスラボヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ブリンコフ,ヴァレンティン アレクセエヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ルカリン,キリル ヴィタレヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】リップガルト,アナスタシア イヴァノヴナ
(72)【発明者】
【氏名】テルクロヴァ,エレナ ヴァジモヴナ
(72)【発明者】
【氏名】ソロヴィフ,アナスタシア エヴゲーニエヴナ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA08
4C161CC06
4C161FF39
4C161FF40
4C161FF42
4C161HH02
4C161HH08
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(1)の作業端部(101)に配置された遮蔽窓(6)を備えるハウジング(1)を含む口腔内視鏡に関する。マイクロプロセッサ(4)に接続された光学センサ(8)は、ハウジング(1)の内部で、遮蔽窓(6)の前に配置されている。バックライト(5)は、ハウジング(1)の内部に配置されている。ハウジング(1)は、管(3)によって、ハウジング(1)の外部に配置された圧縮空気供給源に接続されている。ハウジング(1)は、遮蔽窓(6)の外面に空気を供給するための開口部を備えている。
本発明によれば、ディフューザ(7)は開口部内に配置される。ディフューザ(7)は、エアカーテンを発生させるエアジェットを生成するように適合されており、当該エアジェットは遮蔽窓(6)の平面に対して0°から15°の角度をなし、6m/sから50m/sの流出速度を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(1)の作業端部(101)に配置される光学的に透明な遮蔽窓(6)を備え、口腔内に配置され得るように設計されているハウジング(1)と、
マイクロプロセッサ(4)に接続された光学センサ(8)であって、前記ハウジング(1)の内部で、前記光学的に透明な遮蔽窓(6)の前に配置されている前記光学センサ(8)と、
前記ハウジング(1)内部に配置されたバックライト(5)と、を含み、
前記ハウジング(1)は、空気供給管(3)によって、当該ハウジング(1)の外部に配置された圧縮空気供給源に接続されており、
前記ハウジング(1)は、前記光学的に透明な遮蔽窓(6)の外面に空気を供給するための開口部を備えており、以下:
ディフューザ(7)は、空気を供給するために前記ハウジング(1)の前記開口部内部に配置されており、
前記ディフューザ(7)は、エアカーテンを発生させるエアジェットを生成し得るように設計されており、当該エアジェットは、前記光学的に透明な遮蔽窓(6)の平面に対して第1の角度をなす流出速度を有し、当該流出速度は6m/sから50m/sの範囲に含まれ、
前記第1の角度は、0°から15°の第1の範囲に含まれることを特徴とする、口腔内視鏡。
【請求項2】
前記ディフューザ(7)は、前記ハウジング(1)の前記作業端部(101)における前記光学的に透明な遮蔽窓(6)の側方に配置されており、
前記ディフューザ(7)は、前記ハウジング(1)の作業端部(101)から離れて、前記エアジェットを方向づけ得るように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の口腔内視鏡。
【請求項3】
前記ディフューザ(7)は、前記ハウジング(1)の別の端部における前記光学的に透明な遮蔽窓(6)の側方に配置され、当該別の端部は、前記ハウジング(1)の作業端部とは反対側にあり、
前記ハウジング(1)は、前記作業端部(101)の側方に、前記エアジェットを第2の角度に方向づける表面形状を有する突出部(102)を備え、当該第2の角度は、120°から140°の第2の範囲に含まれることを特徴とする、請求項1に記載の口腔内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、ハウジングと、光学的に透明な遮蔽窓と、マイクロプロセッサに接続された光学センサと、バックライトとを含む口腔内視鏡に関する。前記ハウジングは、前記遮蔽窓の外面に空気を供給するための開口部を有し、歯科医院での歯科処置に使用することができる。
【0002】
従来技術から知られている口腔内視鏡があり、前記口腔内視鏡は、口腔内に配置されたハウジングの作業端部近傍に配置された光学的に透明な遮蔽窓を有するハウジングを含む。前記窓の前の前記ハウジング内部には、マイクロプロセッサ及びバックライトに接続された光学センサがある。前記ハウジングは、空気供給管によって、前記ハウジングの外部に配置された圧縮空気供給源に接続される。前記ハウジングは、前記遮蔽窓の外面に空気を供給するための前記ハウジング内への開口部を有する。2013年に公開されたフランス特許FR2979054A1の記載を参照されたい。
【0003】
この装置は、その技術的本質において、特許請求される発明に最も近いものであり、プロトタイプとみなされる。したがって、本明細書で提案される装置は、プロトタイプとの相違点の観点から説明される。
【0004】
この装置の欠点は、前記圧縮空気を前記遮蔽窓の前記外面に供給するものの、歯科処置中に口腔からの粒子がこの装置と接触しないようにすることを保証できず、既存の汚れを除去するようにしか設計されていないことである。実際、歯科処置中に、例えば歯科用バースなどの様々な器具が、高速で飛散する硬い破片を生成し、空気を横切って前記遮蔽窓の前記表面に衝突し得る。
【0005】
本発明は、主に、記載された技術的目的である、患者の生体硬組織の前処理中に、典型的な汚染粒子が前記遮蔽窓の前記表面に到達するのを予防することを可能にする口腔内視鏡を提供することを目的とする。
【0006】
この目的を達成するために、ディフューザは空気を供給するために前記ハウジングの前記開口部内部に配置されている。前記ディフューザは、エアカーテンを発生させるエアジェットを生成し得るように設計されており、当該エアジェットは、前記透明な遮蔽窓の平面に対して0°から15°の角度をなし、6m/sから50m/sの範囲の流出速度を有する。
【0007】
前記透明な遮蔽窓に単に空気を吹きかけて曇りから当該遮蔽窓を保護することに加えて、これらの有用な特徴により、患者の生体組織の前処理中に生成される固体粒子や液体飛沫による汚染から前記遮蔽窓を保護するために、すなわち、外部の光学部品に粒子が付着することから前記遮蔽窓を保護するために、強力なエアカーテンを発生することが可能になる。
【0008】
前記ディフューザは、前記ハウジングの前記作業端部の側方の前記遮蔽窓の近傍に配置され、前記ハウジングの前記端部から離れて前記エアジェットを方向づけ得るように設計された、本発明の可能な任意の実施形態がある。
【0009】
これらの有用な特徴により、前記ディフューザが前記ハウジングの前記作業端部の側方で前記遮蔽窓の近傍に配置されるが、前記エアジェットが前記ハウジングの前記端部から離れて方向づけられている場合に、口腔内視鏡の実施形態を提案することが可能になる。前記口腔内視鏡は、かなり大きな空気流が患者に影響を及ぼさないため、必要不可欠である。
【0010】
本発明の任意の実施形態として、前記ディフューザが前記ハウジングの前記作業端部とは反対側の前記遮蔽窓の近傍に配置されているものがある。このような条件下では、前記ハウジングは前記作業端部側方に突出部を有し、当該突出部は前記エアジェットを120°-140°向きを変える表面形状を有する。
【0011】
これらの有用な特徴により、前記ディフューザが前記ハウジングの前記作業端部とは反対側の遮蔽窓の近傍に配置されているが、前記エアジェットが前記ハウジングの前記端部から離れて方向づけられている場合の口腔内視鏡の実施形態を再度提案することが可能となる。前記口腔内視鏡は、かなり大きな空気流が患者に影響を及ぼさないため、必要不可欠である。
【0012】
さらに、前記ハウジングが前記作業端部側方に突出部を有し、当該突出部が前記エアジェットを120°-140°向きを変える表面形状を有することにより形成されるジェットは、異なる方向をもった流れを有する2つのエシュロンから構成される。高速ジェットのこのような複雑な流れは、その速度と密度との範囲を広げることにより、飛散粒子の遮断効率を高めることを可能にする。さらに、光学系の汚染も防ぐことができる。
【0013】
本発明の他の顕著な特徴及び利点は、添付の図を参照しながら、例示のために以下の特徴を含むが、これらに限定されない以下の説明から容易に明らかである。
図1は、本発明の第1の実施形態による口腔内視鏡の断面を表す。
図2は、本発明の第1の実施形態による主要なアセンブリをより詳細に示す口腔内視鏡の断片の断面を表す。
図3は、本発明の第2の実施形態による口腔内視鏡の断面を表す。
図4は、本発明の第2の実施形態による主要なアセンブリをより詳細に示す口腔内視鏡の断片の断面図である。
【0014】
数字は以下を示している。
【0015】
1 - ハウジング、
101 口腔内に位置する、ハウジングの作業端、
102 -エアジェットの向きを変えるためのハウジング突出部、
2 - ハウジング固定具、
3 - 空気流供給管、
4 - マイクロプロセッサ、
5 - 発光ダイオードの光源であるバックライト、
6 - 光学的に透明な遮蔽窓、
7 - ディフューザ、
8 - 光学センサ(カメラなど)、
9 - 歯科用ウェッジ、
10 - ウェッジの剛性フレーム、
11 - ウェッジのソフトコーティング、
12 - 弾性引込片。
【0016】
圧縮空気供給源(歯科用ユニットのコンプレッサ)は図示されていない。
【0017】
図1-4によれば、口腔内視鏡は、口腔内に位置するハウジングの作業端部101の近傍に配置された光学的に透明な遮蔽窓6を有するハウジング1を含む。マイクロプロセッサ4に接続された光学センサ8は、前記窓6の前にハウジング1の内部に配置されている。一例として、光学センサ8は、光学カメラ、例えば、写真カメラ及び/又はビデオカメラ(好ましくは、デジタルカメラ)で構成されてもよい。ハウジング1の内部にはバックライト5がある。バックライト5は主に発光ダイオード光源である。ハウジング1は、空気流供給管3によって、ハウジング1の外部に配置された圧縮空気供給源に接続されている。ハウジング1は遮蔽窓の外面に空気を供給するための開口部を有し、ハウジング1の内部にはディフューザが配置されている。
【0018】
ディフューザ7は、エアカーテンを発生させるエアジェットを生成し得るように設計されており、当該エアジェットは、光学的に透明な遮蔽窓(6)の平面に対して、0°から15°の角度をなす流出速度を有し、当該流出速度は6m/sから50m/sの範囲に含まれる。
【0019】
ディフューザ7は、ハウジングの作業端部101の側方の遮蔽窓6の近傍に配置することができ、ハウジングの端部から離れてエアジェットを方向づけ得るように設計されている。
図1-2を参照されたい。
【0020】
ディフューザ7は、ハウジングの作業端部とは反対側の遮蔽窓6の近傍に配置することができる。本発明のこの(第2の)実施形態では、ハウジングは作業端部側方に突出部102を有し、当該突出部はエアジェットを120°-140°向きを変える表面形状を有する。
図3-4を参照されたい。
【0021】
一般に、口腔内視鏡は、さらに、剛性ウェッジフレーム10、ウェッジの滑り止めソフトカバー11、可撓性かつ弾性引込片12、及びカメラハウジング8の固定具2からなる基準歯科用ウェッジ9を含むことができる。
【0022】
これらの要素により、内視鏡を患者に取り付けることができる。従って、本発明は、ハウジング1の作業端部101に配置された光学的に透明な遮蔽窓6を有するハウジング1を含む口腔内視鏡に関し、ハウジング1は、口腔内に配置され得るように設計されている。
【0023】
この場合、マイクロプロセッサ4に接続された光学センサ8は、光学的に透明な遮蔽窓6の前のハウジング1の内部に配置されている。また、ハウジング1の内部にはバックライト5が配置されている。ハウジング1は、空気供給管3によって、ハウジング1の外部に配置された圧縮空気供給源に接続されている。この場合、ハウジング1は、光学的に透明な遮蔽窓6の外面に空気を供給するための開口部(ハウジング1中)を備えている。
【0024】
本発明によれば、ディフューザ7は、空気を供給するためにハウジング1の開口部内部に配置され、当該ディフューザは、光学的に透明な遮蔽窓6の(すなわち、ハウジング1の外側に向けられた)外面への(外部の)粒子の侵入を排除するように適合されたエアカーテンを発生させるエアジェットを生成し得るように設計されている。この場合、エアジェットは、6m/sから50m/s(6m/sと50m/sとを含む)の範囲からなる(ディフューザ7からの)流出速度を有し、光学的に透明な遮蔽窓6の平面(当該平面は、内視鏡の長手方向軸に平行であり、
図1及び
図3において矢印「空気」と一致)に対して第1の角度をなす。これらの条件下では、第1の角度は、0°から15°(0°と15°とを含む)の第1の範囲に含まれる。
【0025】
本発明の第1の実施形態では、
図1-2に示すように、ディフューザ7は、ハウジング1の作業端部101における光学的に透明な遮蔽窓6の側方に配置することができる。
図1-2の例では、ディフューザ7は、光学的に透明な遮蔽窓6に対して、管3を通って内視鏡ハウジング1に入る空気流の下流側に、内視鏡の長手方向軸に沿って(
図1の「空気」矢印と一致)配置されていることが示されている。この場合、ディフューザ7は、エアジェットをハウジング1の作業端部101から離れてエアジェットを方向づけ得るように設計されている。
【0026】
本発明の第2の(第1の実施形態とは異なる)実施形態では、
図3-4に示すように、ディフューザ7は、ハウジングの別の端部における光学的に透明な遮蔽窓6の側方に配置されてもよく、当該別の端部は、ハウジング1の作業端部とは反対側にある。
図3-4の例では、ディフューザ7は、光学的に透明な遮蔽窓6に対して、管3を通って内視鏡ハウジング1に入る空気流の上流側に、内視鏡の長手方向軸に沿って(
図3の「空気」矢印と一致)配置されていることが示されている。この場合、ハウジング1は、作業端部101の側方に、エアジェットを120°-140°(120°と140°とを含む)の第2の範囲に含まれる第2の角度に方向づける表面形状を有する突出部102を備える。
【0027】
好ましくは、バックライト5は、内視鏡の長手方向軸に沿って(
図1-4の「空気」矢印と一致)、光学的に透明な遮蔽窓6に対して、管3を通って内視鏡ハウジング1に入る空気流の上流側に配置される。
【0028】
この有利な特徴は、本発明による口腔内視鏡の小型化に寄与する。また、この有利な特徴は、バックライト5によってもたらされる光束によって、口腔内視鏡を用いて検査される外部物体(例えば、患者の歯)の最適な照明を保証する。特に、バックライト5のこの選択的な配置は、これらの外部物体から反射され、光学的に透明な遮蔽窓6を通って光学センサ8に向かって通過する(バックライト5からの)(戻された)光束が、光学センサ8の期待される動作に十分であることを保証するのに役立つ。
【0029】
図3-4に示す上述した本発明の第2の実施形態では、ディフューザ7は、内視鏡の長手方向軸に沿って(
図3の「空気」矢印と一致)、バックライト5に対して管3を通って内視鏡ハウジング1に入る空気流の上流側に配置することができる。
【0030】
この有利な特徴は、本発明による口腔内視鏡の小型化に寄与する。また、この有利な特徴は、ディフューザ7によって生成されるエアジェットが、光学的に透明な遮蔽窓6及びバックライト5の両方の対応する外面(すなわち、ハウジング1の外側に向けられた)への外部粒子の侵入を排除するように適合されたエアカーテンを発生させることを保証する。ディフューザ7、バックライト5及び光学的に透明な遮蔽窓6の互いに対する(内視鏡の長手方向軸に沿った)このような選択的な位置は、標準的な歯科用切削工具の使用による患者の口腔内の外部粒子の現在の濃度に関係なく、光学センサ8の期待される動作を提供する。
【0031】
本発明の口腔内視鏡は次のように動作する。以下に、本発明の実施形態の最も完全な実施例を示すが、当該実施例は本発明の用途を限定するものではない。
【0032】
〔実施例1.〕
図1-2に示すように、歯科用ユニットのコンプレッサからの空気は、ケーブル導管一体型の空気供給管3を介して、マイクロプロセッサ4及び光学センサ8(カメラ)に向かって口腔内視鏡のハウジング1に供給される。口腔内視鏡のハウジング1の内部をマイクロプロセッサ(ドライバボード)4に沿って通過するこの空気流は、すべての発熱要素を効果的に冷却する。このことは、達成される追加の技術的効果である。
【0033】
ハウジング1を通過した後、空気は、指向性ディフューザ7に入り、当該ディフューザ7は、ハウジングの表面に対して1度から15度の角度で方向づけられた扁平なジェットを発生させ、流出速度は6m/秒から50m/秒である。この高速ジェットは、歯科介入に典型的な密度と速度とを有する粒子がそのコアよりも侵入することを許さず、光学センサ8(カメラ)の光学的に透明な遮蔽窓6から離れて、当該粒子を引き出す。
【0034】
〔実施例2.〕
図3-4に示すように、歯科用ユニットのコンプレッサからの空気は、ケーブル導管一体型の空気供給管3を介して、マイクロプロセッサ4に向かって口腔内視鏡のハウジング1に供給される。マイクロプロセッサ(ドライバボード)4に沿って口腔内視鏡のハウジング1内部を通過するこの空気流は、全ての発熱要素を効果的に冷却する。このことは、達成される追加の技術的効果である。
【0035】
ハウジング1を通過した後、空気は、6m/sから50m/sの流出速度で、ハウジング1の表面に対して1度から15度の角度で方向づけられた扁平なジェットを発生させるディフューザ7に入る。光学的に透明な遮蔽窓6の外面(ハウジング1の外側に向けられる)に沿って通過する扁平なエアジェットは、ハウジング1の特設の突出部102に入り、120度から140度の角度だけ当該エアジェットの向きを変える。従って、異なる方向をもった流れを有する2つのエシュロンから構成されるジェットが形成される。高速ジェットのこのような複雑な流れにより、当該ジェットの速度と密度との範囲を広げることによって、飛散粒子の遮断効率を高めることが可能にする。
【0036】
一般に、本発明による口腔内視鏡の操作は、口腔内スタンドへの固定モードと手動モードとの2つのモードで可能である。口腔内視鏡スタンドは、剛性型の顎のウェッジ9である剛性基準要素から構成される。延性金属(銅、アルミニウム、鋼など)で実現され、内視鏡(カメラ8付き)の質量を任意の位置で保持することができる弾性引込片12が、ウェッジ9に取り付けられる。
【0037】
反対側では、引込片が装置の固定具2に取り付けられていることにより、装置のハウジング1及びカメラ8を、内視鏡の長手方向軸(
図1及び
図3の矢印「空気」と一致)の周りに回転させることができる。これにより、基準ウェッジを配置換えすることなく下顎用及び上顎用の口腔内視鏡の使用をすることができる。
【0038】
口腔内視鏡は、当業者が実際に実施することが可能であり、実施後に特許請求の範囲に記載された目的が達成されることが保証されることから、本発明は「産業上の利用可能性」の要件を満たすという結論に至る。
【0039】
実際の環境下で設計されたこの口腔内視鏡の操作性を確認するため、健康な成人ボランティアを対象に一連の臨床前介入を実施した。一例として、左上8番目の歯にむし歯の前処理をビデオレコーディングした。前処理には標準的なエアタービンハンドピースを使用し、介入部位には標準的な水による灌流を行った。センサの遮蔽窓は、介入部位から25-28mm離れて60-70度の角度で設置した。追加の光学保護手段は適用されず、同様の処置に使用される標準的な歯科用機器と器具のみが使用された。
【0040】
ビデオによると、冷却水が積極的に供給され、高速回転する切削器具と接触した場合に非常に激しく飛散し、エナメル質や象牙質の硬い粒子が欠ける条件下でも、光学的に透明な保護窓6が汚染されることはなく、光学センサ8(カメラ)は操作の全過程で作動し続けることを示した。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明の第1の実施形態による口腔内視鏡の断面を表す。
【
図2】本発明の第1の実施形態による主要なアセンブリをより詳細に示す口腔内視鏡の断片の断面を表す。
【
図3】本発明の第2の実施形態による口腔内視鏡の断面を表す。
【
図4】本発明の第2の実施形態による主要なアセンブリをより詳細に示す口腔内視鏡の断片の断面図である。
【国際調査報告】