IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インスティトゥート エルシーリオ ランドンの特許一覧

特表2024-530842タンタルナノ粒子調製物、タンタルナノ粒子を生産するための方法、およびタンタルナノ粒子調製物の使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-26
(54)【発明の名称】タンタルナノ粒子調製物、タンタルナノ粒子を生産するための方法、およびタンタルナノ粒子調製物の使用
(51)【国際特許分類】
   C01G 35/00 20060101AFI20240819BHJP
【FI】
C01G35/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536335
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-04-08
(86)【国際出願番号】 BR2022050337
(87)【国際公開番号】W WO2023023836
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】1020210170328
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524072983
【氏名又は名称】インスティトゥート エルシーリオ ランドン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボアレット、ジョエル
(72)【発明者】
【氏名】クルス、ロビンソン カルロス ダドリー
【テーマコード(参考)】
4G048
【Fターム(参考)】
4G048AA02
4G048AB01
4G048AC08
4G048AD03
4G048AE05
(57)【要約】
本発明は、材料工学およびナノテクノロジーの分野に属する。より具体的には、本発明は、タンタルナノ粒子調製物、当該タンタルナノ粒子調製物の使用、および粉砕により当該タンタルナノ粒子調製物を生産するための方法、すなわちトップダウンプロセスを記載する。本発明によるナノ粒子調製物は、これらおよび他の課題を解決し、組成および純度に関して特別な特性、定められた粒度プロファイル、および高比表面積を有し、かつ広範な用途に使用することができる。本発明はまた、ナノ粒子合成に典型的な化学反応も試薬による汚染も生じさせることなく、制御された粉砕によってタンタル含有鉱物種からナノ粒子を得るための方法も開示する。本発明は、先行技術とは広く対照的に、所与の粒度プロファイルおよび非常に高い比表面積を有する高純度五酸化タンタルナノ粒子の大規模生産を提供するので、それらの実際の使用が種々の工業用途において可能とされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
含有量が95重量%以上のタンタル粒子を含むタンタルナノ粒子調製物であって、50%~90%の粒子(d50~d90)が342~2127ナノメートル(nm)の粒子粒度範囲にある、タンタルナノ粒子調製物。
【請求項2】
90%~99%の粒子(d90~d99)が1402~9938ナノメートル(nm)の粒子粒度範囲にある、請求項1に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項3】
前記粒子が10~492ナノメートル(nm)の範囲のサイズを有する、請求項1または2に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項4】
前記粒子が10~339ナノメートル(nm)の範囲のサイズを有する、請求項3に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項5】
含有量が99重量%以上のタンタル粒子を含む、請求項1または2に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項6】
ナノ粒子が五酸化タンタルで作製される、請求項1または2に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項7】
粒径分布が、83~97nmの間のd10、342~455nmの間のd50、1402~2127nmの間のd90、または5755~9938nmの間のd99である、請求項1または2に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項8】
比粒子表面積が、7.54~8.82m.g-1の間のd10、1.61~2.14m.g-1の間のd50、0.34~0.52m.g-1の間のd90、または0.07~0.13m.g-1の間のd99である、請求項1または2に記載のタンタルナノ粒子調製物。
【請求項9】
タンタルナノ粒子を得るためのプロセスであって、
タンタル粒子を、高エネルギーミル、スチームミル、およびジェットミルから選択される粉砕装置に供給する工程と、
以下、
高エネルギーミル中、
粉砕対象の粒子を1~90%m/mの間の濃度で液体中に懸濁させ、安定したコロイド懸濁液を得るまで懸濁液を安定化させること、および
前記懸濁液、および5μm~1.3mmの間の選択直径を有するミリングボールをミリングチャンバ内に配して、ミル回転速度を500~4500rpmの間に調整し、前記粒子を60℃未満の温度でミリングすること、もしくは
過熱流体を含むジェットミルまたはスチームミル中、40マイクロメートルより小さな粒子を供給し、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間に調整し、圧縮蒸気圧を10~100バールの間、および温度を230~360℃の間に調整すること、または
ジェットミル中、前記空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間に調整し、圧縮蒸気圧を1~50バールの間、および温度を40℃未満に調整すること、から選択される粉砕条件を調整する工程と、
所望の粒子粒度プロファイルが得られるまで前記粒子を粉砕する工程とを含む、プロセス。
【請求項10】
前記高エネルギーミルの前記ミリングチャンバに配される前記コロイド懸濁液の安定化が、極性液体媒体のpHを2~13の間の範囲に調整し、任意選択で界面活性剤を添加すること、または非極性液体媒体に界面活性剤を添加することから選択される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記極性液体媒体のpHが6~10である、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記高エネルギーミルが媒体撹拌型であり、球体が、ジルコニア、炭化ケイ素、アルミナ、イットリアで安定化されたジルコニア、五酸化ニオブで安定化されたジルコニア、またはそれらの組合せから選択される材料で構成される、請求項9に記載のプロセス。
【請求項13】
前記粉砕装置に供給する工程の前に前記タンタル粒子を予備粉砕する工程であって、前記予備粉砕が、1~40マイクロメートルの間の平均粒径に達するまで実施される、工程をさらに含む、請求項9に記載のプロセス。
【請求項14】
予備粉砕が、ボールミル、ディスクミル、高エネルギーミル、またはジェットミルにおいて行われる、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
最終調製物のレオロジー特性、充填度もしくは空隙率、流動性が調整された他の粒子またはナノ粒子調製物を得るための、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンタルナノ粒子調製物の使用。
【請求項16】
安定したコロイド状組成物、鋼、金属合金および非金属合金、セラミックおよび/またはポリマー、複合材料、電子部品、電池セル、エネルギー貯蔵システム、圧電センサおよびアクチュエータ、ソーラーパネル、ガラス、ガラスセラミック、透明および半透明材料、触媒を調製するための、請求項1~8のいずれか一項に記載のタンタルナノ粒子調製物の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料工学およびナノテクノロジーの分野である。より具体的には、本発明は、タンタルナノ粒子の調製、その使用、およびそれを粉砕によって得るためのプロセス、すなわちトップダウンプロセスを記載する。本発明のナノ粒子調製物は、これらおよび他の問題を解決するとともに、定義された組成、純度、粒子粒度プロファイル、および高比表面積を有するので、様々な用途に有用である。本発明はまた、制御された粉砕によって、ナノ粒子合成に典型的な化学反応も試薬による汚染も生じさせることなく、タンタルを含有する鉱物種からナノ粒子を得るためのプロセスを開示する。本発明は、先行技術とは広く対照的に、高純度、決定された粒径プロファイル、および非常に高い比表面積を有する五酸化タンタルナノ粒子の大規模な取得を提供するので、それらの使用が実際に種々の工業用途において実行可能となる。
【背景技術】
【0002】
種々の材料の粒子、具体的にセラミック酸化物を含むセラミック材料の粒子は、様々な用途で非常に有用である。この区分において、いわゆる粉末冶金は、特殊材料の開発に関与する多くの研究グループおよび企業による研究対象となっており、サイズ制限または粒子粒度分布プロファイルは、このような材料の特性における重要な要素である。
【0003】
本発明の内容で特に関連するのは、(i)他の粒子の中にナノ粒子の一部分を含有する調製物と、(ii)大部分または全体的にナノメートルの粒子粒度範囲にある粒子を含有する調製物と、(iii)大部分または全体的にナノメートルの粒子粒度範囲にあって定義された粒子粒度分布プロファイルを有するナノ粒子調製物との違いである。本発明では、後者の2つを提供する。
【0004】
これに関連して、本発明者のうち一人による最近の文献(Powder Technology 383(2021)348~355頁-Powder grinding and nano-particle sizing:sound,light,and enlightenment)は、このような規模を特にナノ寸法で正確に述べるための粒子のサイズを測定するための技法を把握することがいかに重要であるかを示している。ナノ寸法では、従来の測定プロセス(EASすなわち電気音響分光法、およびDLSすなわち動的光散乱法)は、粒子の体積に基づいて、粒子の数および粒子の比表面積に基づく技法がこの寸法で最も適切である場合、誤差の影響を受けやすい。
【0005】
タンタル粒子調製物はナノ粒子のごく一部分をも含有し得るが、マイクロメートル/ミクロンの範囲にあるはるかに大きな粒子が大部分を占めることで、実際のナノ粒子調製物としてのこのような調製物の特徴評価が妨げられる。さらに、ナノスケールでの材料の挙動は実質的に変化するので、大部分または全体的にナノメートル範囲のタンタル粒子を含有するとともに高純度を有する調製物の、大規模かつ高純度での利用可能性が非常に望ましく、合成プロセスに典型的な汚染が生じないことが知られている。本発明は、これらおよび他の技術的課題を解決する。
【0006】
セラミック酸化物、具体的に五酸化タンタルは、タンタル特有の特性により種々の用途で検討されてきた。
【0007】
文献には、ボトムアップと呼ばれるプロセスで、タンタルを含有するナノ粒子の合成方法の例が含まれている。しかし、かかるプロセスはボトムアップまたは合成方法であることから、化学反応、試薬、および生成物を必要とし、その結果、得られた生成物には通常、投入物または反応副産物の残留物による多くの汚染が伴う。
【0008】
さらに、ボトムアッププロセスにより得られるナノ粒子は、反応生成物である特定の化学種に限定される。さらに、これらのプロセスは技術的および/または経済的に大規模で実行することができず、このことは、安定し、純粋であり、かつ大部分または全体的にナノメートル範囲の粒子粒度分布を有するタンタルナノ粒子の調製物が工業規模で利用できない理由の一部である。本発明は、これらおよび他の技術的課題を解決する。
【0009】
遷移金属のミリング/粉砕/粉状化の方法は、通常、比表面積を増大させて様々な工業上での使用を可能にすることを目的とする。タンタルまたはタンタル含有材料の場合、特に五酸化タンタルの場合、公知の方法は、マイクロメートル範囲の粒子粒度を有する粒子を得ることに限定され、全体的にナノ粒子を含有する調製物を提供するミリング方法は、本特許出願の出願日まで本発明者らに把握されていなかった。
【0010】
タンタルは他の一部の遷移金属よりも誘電率が高いので、例えばコンデンサなどの電子部品に非常に有用な材料となる。しかし、本発明までは、ミリング(トップダウンプロセス)によって、タンタルおよび五酸化タンタルの、大部分または全体的にナノメートルの粒子を得ることは、技術的に不可能と考慮される難題であり、その試みは不成功に終わっていた。本発明は、これらおよび他の技術的課題を解決する。
【0011】
科学文献および特許文献における先行技術の調査では、この主題に関連する文書を次のとおり見出した。
【0012】
CBMMにより出願かつ保管されたブラジル特許出願公開第PI0401882-6号明細書は、高化学純度、高表面積、適切な形態および多孔性、ならびに低い嵩密度の金属ニオブおよびタンタル粉末を生産するプロセスを開示している。当該プロセスは、微粉末を得る工程と、制御された表面酸化の工程と、この酸化物層を溶融塩の浴の中または溶融塩の混合物の内部でアルカリ金属またはアルカリ土類金属により還元する工程と、形成されたケークの溶解および浸出の工程と、得られた生成物を濾過、洗浄、かつ乾燥する工程とを含む。この特許出願は、本発明のような五酸化タンタルナノ粒子の調製を開示していない。
【0013】
Jamkhandeら(2019)による文書は、金属ナノ粒子調製方法に関する一般的な検討を提供している。Jamkhandeら(2019)による文書は、他の技法の中でも、球体を含有するミルにおいて実行できる、粒子の機械的断片化を伴うトップダウンアプローチを引用している。Jamkhandeら(2019)では、低エネルギーおよび高エネルギーでのミリングも言及されている。Jamkhandeら(2019)は、言及されたプロセスの具体的なパラメータを開示しておらず、単に既存の技法を検討しているにすぎない。さらにこの文書は、五酸化タンタルナノ粒子の調製物を開示していない。
【0014】
中国公開特許第112456556号明細書は、直径300~400nmの範囲の粒径を有し、粒度が均一であり、かつ分散が良好な酸化タンタルナノ球体を開示している。しかし、中国公開特許第112456556号明細書は、本特許出願で定義されるプロセスとは対照的な「ボトムアップ」プロセスを説明しており、加えて中国公開特許第112456556号明細書は、本発明で定義される五酸化タンタルナノ粒子の調製物を開示していない。
【0015】
Evonik Operations GMBHによって出願されたブラジル特許出願公開第112020014972-1号明細書(=国際公開第2019145298号)は、ポリマー無機ナノ粒子の組成物、およびそれを調製するプロセスを開示している。この文書に開示されるナノ粒子は、硫黄、セレン、テルル、または酸素を含有する金属カルコゲナイドと、アクリラート、酸、ハロゲン化物、またはエステルを含む様々なポリマー種から選択されるポリマーとで作製され、潤滑剤としての使用が意図されている。この特許出願は、本発明のような五酸化タンタルナノ粒子の調製物を開示していない。
【0016】
Huang Yuhongにより出願され放棄された米国特許出願公開第2007185242号明細書は、ナノサイズの金属水酸化物を含む低温硬化インクを開示している。当該文書の焦点は、電極またはコンデンサをコーティングするための組成物にある。この組成物は、水酸化ルテニウムナノ粒子を使用した機械化学プロセスによって得られるサブマイクロメートル粒子を含む。この文書では、金属水酸化物ナノ粒子は、金属塩化物を水中で水酸化ナトリウムと反応させることによって製造される。この特許出願は、本発明のような五酸化タンタルナノ粒子の調製物を開示していない。
【0017】
ミズーリ大学により出願された米国特許出願公開第2020391294号明細書は、粉末金属とセラミック材料との複合材を調製するためのプロセスを開示している。当該プロセスでは、金属粉末をセラミックナノ粒子とともに粉砕して金属とセラミックとの複合材を生成するミルが使用される。ミルのボールおよびその内部は、セラミック製である。この特許出願は、本発明のような五酸化タンタルナノ粒子の調製物を開示していない。
【0018】
研究された文献から確認できるものからは、本発明の教示を予想または示唆する文書は見出されなかった。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、大部分または全体的にナノメートルの粒径を有するタンタル調製物に関する、いくつかの先行技術の課題を解決する。
【0020】
本発明の目的の1つは、高純度のタンタルナノ粒子の調製物を提供することである。
【0021】
本発明の目的の1つは、化学的に定義された組成のタンタル粒子の調製物を提供することである。
【0022】
本発明の目的の1つは、d50~d99がナノメートルの粒子粒度範囲にある五酸化タンタル粒子の調製物を提供することである。
【0023】
本発明の目的の1つは、d90~d99がナノメートルの粒子粒度範囲にある五酸化タンタル粒子の調製物を提供することである。
【0024】
本発明の目的の1つは、100ナノメートル未満の粒径範囲にあるタンタル粒子の調製物を提供することである。
【0025】
本発明のナノ粒子調製物は、鋼、金属合金および非金属合金、セラミック、ならびに/またはポリマーの機械的特性の調節または改善、電子部品、電池セル、エネルギー貯蔵システム、ソーラーパネル、センサ、および圧電アクチュエータに使用するための電磁気特性を調節するための材料ドーピング、ガラスまたは他の透明もしくは半透明材料の光学特性の調節、触媒の成分としての使用、安定した液体/コロイド状組成物の調製を含む、いくつかの用途で有用である。
【0026】
本発明の別の目的は、トップダウンアプローチによって、すなわち化学的合成または機械化学的合成を伴わない粉砕によってタンタルナノ粒子の調製物を調製するためのプロセスを提供することである。当該プロセスは大規模なものであり、調製物の経済性および有効な利用可能性に好適である。
【0027】
一実施形態では、タンタルナノ粒子を得るプロセスは、
タンタル粒子を、高エネルギーミル、スチームミル、およびジェットミルから選択される粉砕装置に供給する工程と、
以下、
高エネルギーミル中、
粉砕対象の粒子を1~90%m/mの間の濃度で液体中に懸濁させ、安定したコロイド懸濁液を得るまで懸濁液を安定化させること、および
先述の懸濁液、および5μm~1.3mmの間の選択直径を有するミリングボールをミリングチャンバ内に配して、ミル回転速度を500~4500rpmの間に調整し、粒子を60℃未満の温度でミリングすること、もしくは
過熱流体を含むジェットミルまたはスチームミル中、40マイクロメートルより小さな粒子を供給し、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間に調整し、圧縮蒸気圧を10~100バールの間、および温度を230~360℃の間に調整すること、または
ジェットミル中、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間に調整し、圧縮蒸気圧を1~50バールの間、および温度を40℃未満に調整すること、から選択される粉砕条件を調整する工程と、
所望の粒子粒度プロファイルが得られるまで粒子を粉砕する工程とを含む。
【0028】
一実施形態では、上記で言及された高エネルギーミルのミリングチャンバに配されるコロイド懸濁液の安定化は、極性液体媒体のpHを2~13の間の範囲に調整し、任意選択で界面活性剤を添加すること、または非極性液体媒体に界面活性剤を添加することから選択される。
【0029】
一実施形態では、タンタルナノ粒子を得るプロセスは、特定のパラメータを調整することによって、ジルコニア、イットリアで安定化されたジルコニア、五酸化ニオブで安定化されたジルコニア、またはそれらの組合せなどの特殊な材料の球体により動作する高エネルギーミルにおいてミリングすることを含む。
【0030】
別の実施形態では、タンタルナノ粒子を得るためのプロセスは、特定のパラメータを調整することによって、過熱蒸気を含むジェットミル、過熱蒸気、またはスチームミルにおいてミリングすることを含む。
【0031】
本発明のこれらおよび他の目的は、当業者によって即座に理解され、以下で詳細に説明される。
【0032】
以下の図を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の五酸化タンタルナノ粒子調製物の一実施形態の粒径分布を示す図であり、Dispersion Technology Inc.製の電気音響分光計モデルDT1202で得られた粒径プロファイルを示している。粒子の体積に基づくマイクロメートル単位の粒子粒度分布または等価直径(横軸)、ナノ粒子の相対分率(左の縦軸)、および累積分率(右の縦軸)が示される。
【0034】
図2】12時間かけてミリングされたTaに関する、電気音響分光法により得られた累積粒径分布(DTP)を示す図である。
【0035】
図3】12時間かけて粉砕されたTaに関する、電気音響分光法により得られた微分粒径分布(DTP)を示す図である。
【0036】
図4】試料1(Ta 12h-未処理)からのタンタルナノ粒子を示している、20,000倍率の明視野TEM画像を示す図である。
【0037】
図5】試料1(Ta 12h-未処理)からのタンタルナノ粒子を示している、100,000倍率の明視野TEM画像A、B、およびCを示す図である。
【0038】
図6】試料1(Ta 12h-未処理)からのタンタルナノ粒子を示している、200,000倍率の明視野TEM画像A、B、およびCを示す図である。
【0039】
図7】試料1(Ta 12h-未処理)からのタンタルナノ粒子を示している、100,000倍率の明視野TEM画像を示す図であり、各画像の隣には、それぞれ識別、計数、および測定のプロセスを例示する別の画像がある。
【0040】
図8】試料1(Ta 12h-未処理)の粒径の分布を例示する、形態学的分析から得られたヒストグラムを示す図である。
【0041】
図9】試料2(Ta 12h-遠心分離した上清)からのタンタルナノ粒子を示している、20,000倍率の明視野TEM画像を示す図である。
【0042】
図10】試料2(Ta 12h-遠心分離した上清)からのタンタルナノ粒子を示している、100,000倍率の明視野TEM画像A、B、およびCを示す図である。
【0043】
図11】試料2(Ta 12h-遠心分離した上清)からのタンタルナノ粒子を示している、200,000倍率の明視野TEM画像A、B、およびCを示す図である。
【0044】
図12】試料2(Ta 12h-遠心分離した上清)からのタンタルナノ粒子を示している、100,000倍率の明視野TEM画像を示す図であり、各画像に並んで、それぞれ識別、計数、および測定のプロセスを例示する別の画像がある。
【0045】
図13】試料2(Ta 12h-遠心分離した上清)の粒径の分布を例示する、形態学的分析から得られるヒストグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明は、いくつかの先行技術の課題を解決し、大部分または全体的にナノメートルの粒径範囲の粒子、高純度、経済的規模での供給および使用を可能にする工業的規模のプロセスという技術的特徴を同時に企図するタンタルナノ粒子の調製物を提供する。当該調製物は、タンタルナノ粒子調製物とも呼ばれ得る。
【0047】
本発明では、「タンタル粒子」という用語は、金属タンタル、タンタルの酸化物、水和物、水素化物、炭化物、もしくは窒化物、鉄タンタル、または他の金属もしくは遷移金属と合金化されたタンタル、あるいはそれらの組合せを含め、タンタルを含有する種々の化学物質を包含する。この用語には五酸化タンタルも含まれる。
【0048】
本発明はまた、次の条項によっても定義される。
【0049】
含有量が95%重量以上のタンタル粒子を含むタンタルナノ粒子の調製物であって、50%~90%の粒子(d50~d90)が342~2127ナノメートル(nm)の粒径範囲にある、タンタルナノ粒子の調製物。
【0050】
90%~99%の粒子(d90~d99)が1402~9938ナノメートル(nm)の粒径範囲にある、上記ナノ粒子調製物。
【0051】
上記粒子が10~492ナノメートル(nm)の範囲のサイズを有する、上記ナノ粒子調製物。一実施形態では、上記ナノ粒子は、89.5nmの平均サイズを有する。
【0052】
上記粒子が10~339ナノメートル(nm)の範囲のサイズを有する、上記ナノ粒子調製物。一実施形態では、上記ナノ粒子は、79.44nmの平均サイズを有する。
【0053】
上記粒子が10~9938ナノメートル(nm)の範囲のサイズを有する、上記ナノ粒子調製物。
【0054】
含有量が99重量%以上のタンタル粒子を含む、上記ナノ粒子調製物。
【0055】
ナノ粒子が五酸化タンタルである、上記ナノ粒子調製物。
【0056】
粒径分布が、83~97nmの間のd10、342~455nmの間のd50、1402~2127nmの間のd90、または5755~9938nmの間のd99である、上記ナノ粒子調製物。一実施形態では、粒径分布は、d10が89nmであるような粒径分布である。一実施形態では、粒径分布は、d50が391nmであるような粒径分布である。一実施形態では、粒径分布は、d90が1720nmであるような粒径分布である。一実施形態では、粒径分布は、d99が7580nmであるような粒径分布である。
【0057】
粒子の比表面積が、7.54~8.82m.g-1の間のd10、1.61~2.14m.g-1の間のd50、0.34~0.52m.g-1の間のd90、または0.07~0.13m.g-1の間のd99である、上記ナノ粒子調製物。一実施形態では、粒子の比表面積は、d10が8.22m.g-1であるような比表面積である。一実施形態では、粒子の比表面積は、d50が1.87m.g-1であるような比表面積である。一実施形態では、比表面積分布は、d90が0.43m.g-1であるような比表面積である。一実施形態では、粒子の比表面積は、d99が0.10m.g-1であるような比表面積である。
【0058】
他の粒子またはナノ粒子調製物のレオロジー特性を調整し、最終調製物の充填度、流動性、空隙率、またはその他の特性を調整するための、上記ナノ粒子調製物の使用。
【0059】
安定したコロイド状組成物、鋼、金属合金および非金属合金、セラミックおよび/またはポリマー、電子部品、電池セル、エネルギー貯蔵システム、圧電センサおよびアクチュエータ、ソーラーパネル、ガラス、ガラスセラミックまたは他の透明および半透明材料、触媒を調製するための、上記ナノ粒子調製物の使用。
【0060】
タンタルナノ粒子を得るためのプロセスであって、
タンタル粒子を、高エネルギーミル、スチームミル、およびジェットミルから選択される粉砕装置に供給する工程と、
以下、
高エネルギーミル中、
粉砕対象の粒子を1~90%m/mの間の濃度で液体中に懸濁させ、安定したコロイド懸濁液を得るまで懸濁液を安定化させること、および
先述の懸濁液、および5μm~1.3mmの間の選択直径を有するミリングボールをミリングチャンバ内に配して、ミル回転速度を500~4500rpmの間に調整し、粒子を60℃未満の温度でミリングすること、もしくは
過熱流体を含むジェットミルまたはスチームミル中、40マイクロメートルより小さな粒子を供給し、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間に調整し、圧縮蒸気圧を10~100バールの間、および温度を230~360℃の間に調整すること、または
ジェットミル中、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間に調整し、圧縮蒸気圧を1~50バールの間、および温度を40℃未満に調整すること、から選択される粉砕条件を調整する工程と、
所望の粒子粒度プロファイルが得られるまで粒子を粉砕する工程とを含む、プロセス。
【0061】
高エネルギーミルのミリングチャンバに配されるコロイド懸濁液の安定化が、極性液体媒体のpHを2~13の間の範囲に調整し、任意選択で界面活性剤を添加すること、または非極性液体媒体に界面活性剤を添加することから選択される、上記プロセス。
【0062】
粉砕装置に供給する工程の前にタンタル粒子を予備粉砕する工程であって、予備粉砕が、1~40マイクロメートルの間の平均粒径に達するまで実施される、工程をさらに含む、上記プロセス。
【0063】
上記予備粉砕がボールミル、ディスクミル、または高エネルギーミルにおいて行われる、プロセス。
【0064】
上記予備粉砕がジェットミルにおいて行われる、プロセス。
【0065】
高エネルギーミルが媒体撹拌型であり、上記球体が、ジルコニア、炭化ケイ素、アルミナから選択され、当該球体が、任意選択でイットリアもしくは五酸化ニオブ、またはそれらの組合せで安定化される、上記プロセス。
【0066】
ミル中の動作pHが6~10である、上記プロセス。
【0067】
ミル中の動作温度が30~40℃である、上記プロセス。
【0068】
過熱流体を含むジェットミルまたはスチームミル中、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間、好ましくは5,000~25,000rpmの間、より好ましくは10,000~25,000rpmの間、さらにより好ましくは15,000~25,000rpmの間、さらにより好ましくは20,000~25,000rpmの間に調整することで、圧縮蒸気の圧力を10~100バールの間、好ましくは20~90バールの間、より好ましくは30~80バールの間、さらにより好ましくは40~70バールの間、さらにより好ましくは45~60バールの間に調整し、温度を230~360℃の間、好ましくは240~340℃の間、より好ましくは250~320℃の間、さらにより好ましくは260~300℃の間、さらにより好ましくは270~290℃の間に調製する工程を含む、上記プロセス。
【0069】
ジェットミル中、空気分級機の回転を1,000~25,000rpmの間、好ましくは5,000~25,000rpmの間、より好ましくは10,000~25,000rpmの間、さらにより好ましくは15,000~25,000rpmの間、さらにより好ましくは20,000~25,000rpmの間に調整することで、圧縮蒸気圧を1~50バールの間、好ましくは1~40バールの間、より好ましくは2~30バールの間、さらにより好ましくは3~20バールの間、さらにより好ましくは4~10バールの間に調整し、温度を40℃未満に調製する工程を含む、上記プロセス。
【0070】
一実施形態では、99%以上の純度を有する五酸化タンタルナノ粒子の調製物が提供される。
【0071】
一実施形態では、本発明のタンタルナノ粒子調製物は、50~1000ナノメートルの間の粒径を有する。一部の実施態様では、本発明のナノ粒子調製物は、定義された粒子粒度分率を有する粒子、例えば全体的に50~800nmの間の粒子を有する調製物、ならびに中間値の粒子および定義された値の粒径分率を有する調製物を含む。
【0072】
本発明の一部の実施形態では、業界で既に実施されているように、粒径分率の分布は、d10、d50、d90、および場合によりd99によって定義され、これらは各表記に対応する粒子の累積体積%を反映する表記であり、例えばd10は粒子体積の10%を指し、d50は体積の50%を指す。
【0073】
一部の実施形態では、本発明は、100ナノメートル未満の粒径範囲にあるタンタル粒子の調製物を提供する。
【0074】
本発明のナノ粒子調製物は、安定したコロイド懸濁液の調製、鋼、金属合金および非金属合金、セラミック、ならびに/またはポリマーの機械的特性の調節または改善、電子部品、電池セル、エネルギー貯蔵システム、ソーラーパネル、センサ、および圧電アクチュエータに使用するための電磁気特性を調節するための材料ドーピング、ガラスまたは他の透明材料の光学特性の調節、触媒の成分としての使用を含む、いくつかの用途で有用である。
【0075】
一実施形態では、本発明のナノ粒子調製物の使用は、ナノ粒子が懸濁液中に長期間留まる、安定した液体組成物またはコロイド懸濁液の取得を提供することで、長い貯蔵寿命を提供した。
【0076】
タンタルナノ粒子を得るためのプロセスは、化学反応または機械化学を伴わないトップダウンプロセスであるため、他の同類のものとは異なる。純粋または高純度のタンタル粒子が粉砕に使用されるという事実は、ボトムアッププロセス、先行技術における合成、または機械化学の場合のように、プロセスにおいて不純物が添加されることも、反応生成物の形成が生じることもないため、高純度のナノ粒子調製物の取得を提供する。
【0077】
一実施形態では、本プロセスは高エネルギーミルにおける湿式ミリングを含み、工業規模で、大部分または全体的にナノメートルの粒子粒度範囲にある五酸化タンタル粒子を得ることを可能にする。粉砕が高エネルギーの湿式ミルにおいて行われる実施形態では、高エネルギーミルのミリングチャンバに配されるコロイド懸濁液の安定化は非常に重要な工程であり、極性液体媒体のpHを2~13の間の範囲で調整し、任意選択で界面活性剤を添加すること、または非極性液体媒体に界面活性剤を添加することから選択される。
【0078】
一実施形態では、当該技術分野で公知のミル、例えば、回転時間、pH、および温度を含む特定のパラメータを調整することによって、イットリアで安定化されたジルコニア球体(ZrO+Y)を備えた高エネルギーミルが使用される。一実施形態では、ミリング媒体として、ジルコニアボール、ZTA(アルミナまたはイットリウムで強化されたジルコニア)、およびアルミナが挙げられる。好ましくは、5%w/wのイットリアで安定化されたジルコニア球体が使用される。
【0079】
別の実施形態では、本プロセスは、40ミクロンより小さな粒子が供給される、過熱蒸気を含むジェットミル(スチームミル)による粉砕を含み、空気分級機の回転は1,000~25,000rpmの間、圧縮蒸気の圧力は10~100バールの間、温度は230~360℃の間に調整される。
【0080】
【0081】
本明細書に示される例は、本発明を実施する種々の方法のうち一部を例証することのみを意図しており、その範囲は限定されない。
【0082】
例1-高エネルギーミルにおける五酸化タンタルの湿式ミリングプロセス
【0083】
本実施形態では、回転速度、pH、温度を含むパラメータを調整してミリングすることによって、五酸化タンタルナノ粒子の調製物を得た。
【0084】
高純度であり、d90=70、d50=18、およびd10=0.25(μm)の粒径分布を有する、商用供給源の五酸化タンタルを、媒体撹拌型の高エネルギーミルに供給した。当該ミルは、イットリアで安定化されたジルコニアで作製された直径5μm~1.3mmのミリングボール/球体で動作する。本実施形態では、当該ボールのサイズは400μmであった。五酸化タンタルナノ粒子粉末を得るための上記材料に対するミリング条件は、1000~4500rpmの間の回転速度、上記ミルの外部にある強制冷却システムの補助により維持された40℃未満の温度とした。これらの条件下で30~120分の動作の後、タンタルナノ粒子を含有する粉末調製物を得た。
【0085】
効率を評価するべく、異なるミリング条件を試験した。ミリング時間30分、電気音響分光法によるサイズ測定技術および体積基準でpH9.0、ならびに温度25℃の条件下、d10が0.087、d50が0.197、d90が0.505のナノ粒子を得た(それぞれ87nm、197nm、および505nm)。
【0086】
例2-粒径測定
【0087】
Dispersion Technology Inc.のDT1202ブランドを使用した電気音響分光法により、粒径分布を測定した。図1に示されるように、本発明のタンタルナノ粒子調製物は、全体的にナノ粒子範囲の粒子粒度分布を有する。図1は、ナノメートル単位での粒子の粒子粒度分布または等価直径(横軸)、ナノ粒子の相対分率(左の縦軸)、および累積分率(右の縦軸)を示す。図1は、本発明のこの実施形態のタンタルナノ粒子が60~1000ナノメートル(nm)の間の等価直径を有し、99%が60~776nmの間、90%が60~480nmの間、50%が60~275nmの間、10%が60~157nmの間であることを示している。表1は、各分率で得られた平均直径を示す。
【0088】
【表1】
【0089】
例3-安定したコロイド懸濁液-pHによる、水溶液中でのタンタル粒子の安定性についての試験
【0090】
例1により得られたナノ粒子調製物を使用して、安定したコロイド懸濁液を得て、pH依存的安定化試験を行った。タンタルナノ粒子の安定性は媒体のpHに依拠し、3~5の間のpHレベルで粒子は最大の不安定性に達する。
【0091】
例4-五酸化タンタルの予備粉砕
【0092】
予備粉砕は、当業者に公知のあらゆる従来のミリング技術(非限定的な例として、マイクロメートルボール(5~10マイクロメートル)を備えたボールミル、ディスクミル、高エネルギーミル、またはジェットミル)を用いて行うことができる。
【0093】
以下の非限定的な例では、ジェットミルを使用して五酸化タンタル粒子を予備粉砕し、その結果、全体的に粒子粒度分布(d99)が40マイクロメートル未満、好ましくはナノメートル範囲となるまで後の粉砕プロセスのパフォーマンスが改善した。
【0094】
例1で実証されるように、平均粒径の縮小は、高エネルギーミルにおける後の粉砕プロセスのパフォーマンスを改善するのに特に有用である。
【0095】
ジェットミル上で試験された予備粉砕条件を、以下の表2に要約する。
【0096】
【表2】
【0097】
例5-スチームミルによる五酸化タンタルの粉砕
【0098】
本実施形態では、40マイクロメートルより小さなTa粒子をスチームミルに供給した。
【0099】
次いで、空気分級機の回転を20,000rpmに調整し、圧縮蒸気圧を50バールに調整した。過熱流体の温度は280℃であった。
【0100】
例6-ジェットミルによる五酸化タンタルの粉砕
【0101】
本実施形態では、ジェットミルを使用して、Ta粒子を、d99が1マイクロメートル未満の範囲にある粒径範囲へと粉砕した。ジェットミルにおいて試験された粉砕条件を、以下の表3に要約する。
【0102】
【表3】
【0103】
例7-粒径および表面積の測定
【0104】
12時間のミリング後、NIONE Ltdaから供給された五酸化タンタル(Ta)含有懸濁液をガラス棒によって手動で撹拌し、振幅およびインパルスを70%に設定して動作する超音波チップ(Hielscher Ultrasonic、UP400S)を使用することで10分間連続して超音波処理を行った。アリコートを収集し、2質量%の調整固形物量に希釈した。調製後、このアリコートを使用して、電気音響分光計(Dispersion Technology Inc.、DT1202)で粒径分布(DTP)を判定した。初回の測定(t=0分)では、磁気撹拌棒による機械撹拌の補助なしに分析を実施した。続く測定は、振盪を行いながら行った。図2および図3では、累積曲線および微分曲線をそれぞれ12時間のミリング後に得た試料について比較する。
【0105】
【表4】

【表5】

【表6】

【表7】
【0106】
各粒子粒度プロファイルについて算出されたDTP結果および比表面積の要約を、それぞれ表2および表3に示す。
【表8】

【表9】
【0107】
例8-透過型電子顕微鏡法(TEM)を使用した粒子の形態学的、構造的、および統計的分析
【0108】
分析される試料は、12時間のミリングに供された酸化タンタルナノ粒子含有懸濁液であり、試料1は均質な粗懸濁液であり、試料2は遠心分離による分離から得られた上清である。
【0109】
図4図5、および図6は、試料1の粒子の形態を示す。図7は、試料1のTEM画像からの識別、計数、および測定のプロセスを示す。試料1の形態学的分析により、以下の表8に例示される結果、および図8のヒストグラムを生成した。
【表10】
【0110】
図9図10、および図11は、試料2の粒子の形態を示す。図12は、試料2のTEM画像からの識別、計数、および測定のプロセスを示す。試料2の形態学的分析により、以下の表9に例示される結果、および図13のヒストグラムを生成した。
【表11】
【0111】
当業者であれば、本明細書に示される情報を精査して、提示された実施形態、ならびに以下の特許請求の範囲によって包含される他の変形例および代替例で本発明を再現することが可能であろう。

図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12
図13
【国際調査報告】