(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】表示基板および表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240820BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240820BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240820BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G09F9/30 308Z
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/00 366A
G06F3/041 412
G06F3/041 422
G06F3/044 122
G06F3/044 124
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550288
(86)(22)【出願日】2022-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2022104153
(87)【国際公開番号】W WO2023029742
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】202111001585.5
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】徐 晶晶
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 学光
(72)【発明者】
【氏名】李 春延
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲ラン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 景泉
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA53
5C094BA03
5C094BA27
5C094DA09
5C094DA15
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FA03
5C094FB12
5C094FB15
5C094JA08
5C094JA09
5G435BB05
5G435EE49
5G435LL07
(57)【要約】
表示基板および表示装置が提供される。当該表示基板は、表示領域と、表示領域に位置される開口部とを有し、開口部が表示基板を貫通し、表示基板は、ベース基板と、駆動回路層と、発光デバイス層と、封止層と、タッチ制御層とを含む。駆動回路層は、開口部を少なくとも部分的に取り囲む第1信号線を含み、発光デバイス層は、駆動回路層のベース基板から離れた側に配置され、封止層は、発光デバイス層のベース基板から離れた側に配置され、タッチ制御層は、封止層のベース基板から離れた側に配置され、タッチ制御補償電極と、開口部を少なくとも部分的に取り囲むタッチ制御補償電極を含み、第1信号線がタッチ制御補償電極と少なくとも部分的に重なる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域に位置される開口部とを有し、前記開口部が前記表示基板を貫通する表示基板であって、
ベース基板と、
前記ベース基板に配置され、前記開口部を少なくとも部分的に取り囲む第1信号線を含む駆動回路層と、
前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に配置される発光デバイス層と、
前記発光デバイス層の前記ベース基板から離れた側に配置される封止層と、
前記封止層の前記ベース基板から離れた側に配置され、タッチ制御電極および前記タッチ制御電極と電気的に接続されかつ前記開口部を少なくとも部分的に取り囲むタッチ制御補償電極を含むタッチ制御層とを含み、
前記ベース基板の表面に垂直な方向において、前記第1信号線が前記タッチ制御補償電極と少なくとも部分的に重なる、表示基板。
【請求項2】
前記タッチ制御電極は、第1方向に沿って延在する第1タッチ制御電極を含み、前記第1タッチ制御電極が前記第1方向において、前記開口部の対向する両側に位置される第1サブタッチ制御電極および第2サブタッチ制御電極を含み、
前記タッチ制御補償電極が第1タッチ制御補償電極を含み、前記第1タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に沿って延在するとともに、第2方向において前記開口部の対向する両側に位置される第1サブ補償電極および第2サブ補償電極を含み、前記第1方向が前記第2方向と交差し、
前記第1サブ補償電極および前記第2サブ補償電極の両端がそれぞれ、前記第1サブタッチ制御電極および前記第2サブタッチ制御電極と電気的に接続される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1タッチ制御補償電極は、前記第1サブ補償電極と前記第2サブ補償電極との間に位置される第3サブ補償電極をさらに含み、前記第3サブ補償電極が前記第1サブタッチ制御電極または前記第2サブタッチ制御電極と電気的に接続される、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第3サブ補償電極は、前記第1サブ補償電極および前記第2サブ補償電極の少なくとも一方と電気的に接続される、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記タッチ制御電極は、前記第2方向に沿って延在する第2タッチ制御電極をさらに含み、前記第2タッチ制御電極は、前記第2方向において、前記開口部の対向する両側に位置される第3サブタッチ制御電極および第4サブタッチ制御電極をさらに含み、
前記タッチ制御補償電極が第2タッチ制御補償電極を含み、前記第2タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に延在する第4サブ補償電極および第5サブ補償電極を含み、
前記第4サブ補償電極が前記第3サブタッチ制御電極と電気的に接続され、前記第5サブ補償電極が前記第4サブタッチ制御電極と電気的に接続される、請求項2~4のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第4サブ補償電極は、前記第5サブ補償電極と電気的に接続される、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記タッチ制御電極は、第2方向に沿って延在する第2タッチ制御電極を含み、前記第2タッチ制御電極が、第1方向において、前記開口部の対向する両側に配置される第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極および第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極を含み、
前記タッチ制御補償電極が第1タッチ制御補償電極を含み、前記第1タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に沿って延在するとともに第2方向において前記開口部の対向する両側に位置される第1サブ補償電極および第2サブ補償電極を含み、前記第1方向が前記第2方向と交差し、
前記第1サブ補償電極および前記第2サブ補償電極の両端はそれぞれ、前記第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極および前記第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極と電気的に接続される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
前記タッチ制御電極は、前記第1方向に沿って延在する第1タッチ制御電極をさらに含み、前記第1タッチ制御電極は、第2方向に沿って隣接に配置される第1サブタッチ制御電極および第2サブタッチ制御電極を含み、
前記タッチ制御補償電極は、第2タッチ制御補償電極を含み、前記第2タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に沿って延在する第4サブ補償電極および第5サブ補償電極を含み、
前記第4サブ補償電極は、前記第1サブタッチ制御電極と電気的に接続され、前記第5サブ補償電極は、前記第2サブタッチ制御電極と電気的に接続される、請求項7に記載の表示基板。
【請求項9】
前記第4サブ補償電極は、電気的に接続するための第1接続部を含み、前記第5サブ補償電極は、電気的に接続するための第2接続部を含み、
前記ベース基板の表面に垂直な方向において、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極とは、第1重なり領域を有し、および/または、
前記第2接続部と前記第2サブ補償電極とは、第2重なり領域を有する、請求項5または8に記載の表示基板。
【請求項10】
前記第1接続部および前記第1サブ補償電極の少なくとも一方は、前記第1重なり領域に透かし部を有し、および/または、
前記第2接続部および前記第2サブ補償電極の少なくとも一方は、前記第2重なり領域に透かし部を有する、請求項9に記載の表示基板。
【請求項11】
前記開口部は、中心Rを有し、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり部分の任意の点と前記中心Rとを結ぶ線と、前記第1接続部の延在方向とのなす角がα1であり、α1<20°であり、および/または、
前記第2接続部と前記第2サブ補償電極との重なり部分の任意の点と前記中心Rとを結ぶ線と、前記第2接続部の延在方向とのなす角がθ1であり、θ1<20°である、請求項9に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり面積はS1であり、前記第1サブ補償電極は、面積がS1’である透かし部を有し、0.40<S1/(S1+S1’)<0.71となり、および/または、
前記第2接続部と前記第2サブ補償電極との重なり面積はS2であり、前記第2サブ補償電極は、面積がS2’である透かし部を有し、0.40<S2/(S2+S2’)<0.71となる、請求項10に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり面積はS1であり、前記第1サブ補償電極は、面積がS1’である透かし部を有し、
前記開口部が中心Rを有し、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり部分の任意の点と前記中心Rとを結ぶ線と、前記第1接続部の延在方向とのなす角がα1であり、
α1<20°かつ0.40<S1/(S1+S1’)<0.71となる、請求項10に記載の表示基板。
【請求項14】
前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との間には層間絶縁層が配置され、前記層間絶縁層の材料は、SiN、SiO、SiONおよびOCのうちの少なくとも1種である、請求項9に記載の表示基板。
【請求項15】
前記第1信号線は、前記開口部を取り囲む第1サブ信号線を含み、前記第1サブ信号線の縦断面が少なくとも1つの屈曲部を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項16】
前記第1信号線は、前記開口部を取り囲む第2サブ信号線および第3サブ信号線をさらに含み、前記第1サブ信号線が前記第2サブ信号線の前記ベース基板から離れた側に位置され、前記第3サブ信号線が前記第1サブ信号線の前記ベース基板から離れた側に位置され、
前記第3サブ信号線の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα2であり、前記第1サブ信号線の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα3であり、前記第2サブ信号線の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα4であり、
α3≦α4かつα3≦α2であり、ここで、α2<75°、α3>30°、40°<α4<50°である、請求項15に記載の表示基板。
【請求項17】
前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅は、前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅よりも狭い、請求項16に記載の表示基板。
【請求項18】
前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影の延在長さと、前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影の延在長さとは、基本的に等しい、請求項16に記載の表示基板。
【請求項19】
前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅はW1であり、W1が1.3μm~1.7μmであり、
前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅はW2であり、W2が1.7μm~2.3μmである、請求項16に記載の表示基板。
【請求項20】
前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影と、前記第2サブ信号線の前記ベース基板への正投影とは、第1重なり部分を有し、前記第1重なり部分の幅が0~0.1μmである、請求項16に記載の表示基板。
【請求項21】
前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影と、前記第2サブ信号線の前記ベース基板への正投影とは、第2重なり部分を有し、前記第2重なり部分の幅が0.18~0.30μmである、請求項16に記載の表示基板。
【請求項22】
前記第1サブ信号線の縦断面は、V字状部分および前記V字状部分の少なくとも一端に位置される延在部を有し、前記V字状部分の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-1であり、前記延在部の前記ベース基板に近い側と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-2であり、
α3-1>α3-2であり、α3-1<46°、α3-2>10°である、請求項15に記載の表示基板。
【請求項23】
前記第1サブ信号線の縦断面は、V字状部分および前記V字状部分の少なくとも一端に位置される延在部を含み、前記V字状部分の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-1であり、前記延在部の前記ベース基板に近い側と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-2であり、
α3-1≧α3-2であり、α3-1<30°、α3-2>15°である、請求項15に記載の表示基板。
【請求項24】
前記第1サブ信号線の縦断面は、傾斜部および前記傾斜部の少なくとも一端に位置される延在部を含み、前記傾斜部の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角はα3-1であり、前記延在部の前記ベース基板に近い側と前記ベース基板の表面とのなす角はα3-2であり、
α3-1>α3-2であり、α3-1<30°、0°<α3-2<10°である、請求項15に記載の表示基板。
【請求項25】
前記駆動回路層は、複数のピクセル駆動回路を含み、前記発光デバイス層は、複数の発光デバイスを含み、前記複数のピクセル駆動回路のそれぞれが前記複数の発光デバイスと電気的に接続されて前記複数の発光デバイスのそれぞれを駆動し、
前記ピクセル駆動回路は、薄膜トランジスタおよび蓄積コンデンサを含み、前記薄膜トランジスタは、前記ベース基板に配置されるゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を含み、前記ソース電極およびドレイン電極が前記ゲート電極の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記蓄積コンデンサが前記ベース基板に配置される第1容量電極および第2容量電極を含み、前記第2容量電極が前記第1容量電極の前記ベース基板から離れた側に配置され、
前記第1サブ信号線と、前記ソース電極およびドレイン電極とは、同じ材料で同じ層に配置され、前記ゲート電極と前記第1容量電極とは、同じ材料で同じ層に配置される、請求項16に記載の表示基板。
【請求項26】
前記第2サブ信号線は、前記ゲート電極または前記第2容量電極と、同じ材料で同じ層に配置される、請求項25に記載の表示基板。
【請求項27】
前記ピクセル駆動回路は、前記ソース電極およびドレイン電極の前記ベース基板から離れた側に配置される接続電極をさらに含み、前記発光デバイスは、前記接続電極を介して前記ソース電極およびドレイン電極のうちの一方と電気的に接続され、
前記第3サブ信号線と前記接続電極とは、同じ材料で同じ層に配置される、請求項25または26に記載の表示基板。
【請求項28】
前記第1信号線は、前記ピクセル駆動回路と電気的に接続されて、データ信号または走査信号を前記ピクセル駆動回路に提供するように構成される、請求項25~27のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項29】
前記開口部を取り囲む遮光リングをさらに含み、前記遮光リングと前記タッチ制御層とは、同じ材料で同じ層に配置される、請求項1~28のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項30】
前記前記ベース基板の表面と平行な方向において、前記遮光リングは、前記タッチ制御補償電極の前記開口部に近い側に位置され、前記第1信号線は、前記タッチ制御補償電極および前記遮光リングで定められる範囲内に配置される、請求項29に記載の表示基板。
【請求項31】
前記ベース基板の表面に垂直な方向において、前記第1信号線と前記遮光リングとは、少なくとも部分的に重なる、請求項30に記載の表示基板。
【請求項32】
前記遮光リングは、間隔をあけて配置される複数の遮光部を含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項33】
前記タッチ制御電極と電気的に接続され、前記開口部を取り囲む検出配線をさらに含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の表示基板。
【請求項34】
前記検出配線と前記タッチ制御層とは、同じ材料で同じ層に配置される、請求項33に記載の表示基板。
【請求項35】
前記検出配線は、前記遮光リングの前記開口部に近い側に少なくとも部分的に位置される、請求項33または34に記載の表示基板。
【請求項36】
前記開口部を取り囲むバリアダムをさらに含み、前記バリアダムが前記第1信号線の前記開口部に近い側に位置される、請求項25に記載の表示基板。
【請求項37】
前記バリアダムの少なくとも一部は、前記ソース電極およびドレイン電極と同じ材料で同じ層に配置される、請求項36に記載の表示基板。
【請求項38】
前記ピクセル駆動回路は、複数のサブ絶縁層をさらに含み、前記複数のサブ絶縁層がそれぞれ、前記ゲート電極と前記第2容量電極との間、および前記第2容量電極と前記ソース電極およびドレイン電極との間に配置され、
前記表示基板は、前記開口部を取り囲む溝をさらに含み、前記溝が前記第1信号線の前記開口部に近い側に配置され、かつ複数の前記サブ絶縁層および前記ベース基板のうちの一方に設置される、請求項25に記載の表示基板。
【請求項39】
前記タッチ制御層は、前記ベース基板から離れた方向に順次積層して配置される第1タッチ制御金属層、層間絶縁層および第2タッチ制御金属層を含み、
前記タッチ制御電極は、前記第1タッチ制御金属層に位置される第1金属線、および前記第2タッチ制御金属層に位置される第2金属線を含み、前記層間絶縁層には第1ビアホールが配置され、前記第1金属線が前記第1ビアホールを介して前記第2金属線と電気的に接続される、請求項16に記載の表示基板。
【請求項40】
前記第2金属線は、前記第1金属線の側縁に第1スロープ部を有し、前記第1スロープ部が第1サブスロープ部および第2サブスロープ部を含み、前記第1サブスロープ部が前記第2サブスロープ部の前記ベース基板から離れた側に位置され、
前記第1サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα5であり、前記第2サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα6であり、α5>α6であり、ここで、α5>50°、α6>10°である、請求項39に記載の表示基板。
【請求項41】
α5>α6、α5>70°、α6>15°である、請求項40に記載の表示基板。
【請求項42】
前記第2タッチ制御金属層は、チタン層-アルミニウム層-チタン層またはインジウムスズ酸化物層-銀層-インジウムスズ酸化物層の積層構造を含み、
前記ベース基板に近いチタン層またはインジウムスズ酸化物層が前記最大角度α5および最大角度α6を形成する、請求項40に記載の表示基板。
【請求項43】
α5とα3とは、ほぼ同じである、請求項42に記載の表示基板。
【請求項44】
タッチ制御層は、前記タッチ制御電極と電気的に接続されるタッチ制御配線をさらに含み、前記タッチ制御配線が前記第1タッチ制御金属層に位置される第1サブ配線および前記第2タッチ制御金属層に位置される第2サブ配線を含み、前記層間絶縁層には第2ビアホールが配置され、前記第1サブ配線が前記第2ビアホールを介して前記第2サブ配線と電気的に接続され、
前記第2サブ配線が前記第1サブ配線の側縁に第2スロープ部を有し、前記第2スロープ部が第3サブスロープ部および第4サブスロープ部を含み、前記第3サブスロープ部が前記第4サブスロープ部の前記ベース基板から離れた側に配置され、
前記第3サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα7であり、前記第4サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα8であり、α7>α8、α7>50°、α8>10°である、請求項39または40に記載の表示基板。
【請求項45】
請求項1~44のいずれか一項に記載の表示基板を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年8月30日に出願された、第202111001585.5号の中国特許出願について優先権を主張し、上記中国特許出願に開示される内容の全てが本願の一部として援用される。
【0002】
本開示の実施例は、表示基板および表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タッチ制御機能を備えたユーザーインターフェースは、携帯電話やタブレットコンピュータなどの、様々な電子装置で幅広く使用されている。タッチ制御機能を実現するためのタッチ制御層にはタッチ制御電極構造が含まれ、タッチ制御電極構造の設置がタッチ制御機能の感度と精度に影響を与えるため、ユーザーエクスペリエンスに影響を与える重要な要素である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくとも一実施例は、表示領域と、前記表示領域に位置される開口部とを有し、前記開口部が前記表示基板を貫通する表示基板であって、ベース基板と、前記ベース基板上に配置され、前記開口部を少なくとも部分的に取り囲む第1信号線を含む駆動回路層と、前記駆動回路層の前記ベース基板から離れた側に配置される発光デバイス層と、前記発光デバイス層の前記ベース基板から離れた側に配置される封止層と、前記封止層の前記ベース基板から離れた側に配置され、タッチ制御電極および前記タッチ制御電極と電気的に接続されかつ前記開口部を少なくとも部分的に取り囲むタッチ制御補償電極を含むタッチ制御層とを含み、前記ベース基板の表面に垂直な方向において、前記第1信号線が前記タッチ制御補償電極と少なくとも部分的に重なる。
【0005】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記タッチ制御電極は、第1方向に沿って延在する第1タッチ制御電極を含み、前記第1タッチ制御電極が前記第1方向において、前記開口部の対向する両側に位置される第1サブタッチ制御電極および第2サブタッチ制御電極を含み、前記タッチ制御補償電極が第1タッチ制御補償電極を含み、前記第1タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に沿って延在すると共に、第2方向において前記開口部の対向する両側に位置される第1サブ補償電極および第2サブ補償電極を含み、前記第1方向が前記第2方向と交差し、前記第1サブ補償電極および前記第2サブ補償電極の両端がそれぞれ前記第1サブタッチ制御電極および前記第2サブタッチ制御電極と電気的に接続されている。
【0006】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1タッチ制御補償電極は、前記第1サブ補償電極と前記第2サブ補償電極との間に位置される第3サブ補償電極をさらに含み、前記第3サブ補償電極が前記第1サブタッチ制御電極または前記第2サブタッチ制御電極と電気的に接続される。
【0007】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第3サブ補償電極は、前記第1サブ補償電極および前記第2サブ補償電極の少なくとも一方と電気的に接続される。
【0008】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記タッチ制御電極は、前記第2方向に沿って延在する第2タッチ制御電極をさらに含み、前記第2タッチ制御電極は、前記第2方向において、前記開口部の対向する両側に位置される第3サブタッチ制御電極および第4サブタッチ制御電極をさらに含み、前記タッチ制御補償電極が第2タッチ制御補償電極を含み、前記第2タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に延在する第4サブ補償電極および第5サブ補償電極を含み、前記第4サブ補償電極が前記第3サブタッチ制御電極と電気的に接続され、前記第5サブ補償電極が前記第4サブタッチ制御電極と電気的に接続される。
【0009】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第4サブ補償電極は、前記第5サブ補償電極と電気的に接続される。
【0010】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記タッチ制御電極は、第2方向に沿って延在する第2タッチ制御電極を含み、前記第2タッチ制御電極が、前記第1方向において、前記開口部の対向する両側に位置される第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極および第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極を含み、前記タッチ制御補償電極が第1タッチ制御補償電極を含み、前記第1タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に沿って延在するとともに、第2方向において前記開口部の対向する両側に位置される第1サブ補償電極および第2サブ補償電極を含み、前記第1方向が前記第2方向と交差し、前記第1サブ補償電極および前記第2サブ補償電極の両端がそれぞれ、前記第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極および前記第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極と電気的に接続される。
【0011】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1タッチ制御電極は、第2方向に沿って隣接に配置される第1サブタッチ制御電極および第2サブタッチ制御電極を含み、前記タッチ制御補償電極が第2タッチ制御補償電極を含み、前記第2タッチ制御補償電極が前記開口部の縁部に沿って延在する第4サブ補償電極および第5サブ補償電極を含み、前記第4サブ補償電極が前記第1サブタッチ制御電極と電気的に接続され、前記第5サブ補償電極が前記第2サブタッチ制御電極と電気的に接続される。
【0012】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第4サブ補償電極は、電気的に接続するための第1接続部を含み、前記第5サブ補償電極は、電気的に接続するための第2接続部を含み、前記ベース基板の表面に垂直な方向において、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極は、第1重なり領域を有し、および/または前記第2接続部と前記第2サブ補償電極は、第2重なり領域を有する。
【0013】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1接続部および前記第1サブ補償電極の少なくとも一方は、前記第1重なり領域で透かし部を有し、および/または前記第2接続部および前記第2サブ補償電極の少なくとも一方は、前記第2重なり領域で透かし部を有する。
【0014】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記開口部は、中心Rを有し、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり部分の任意の点と前記中心Rとを結ぶ線と、前記第1接続部の延在方向とのなす角がα1であり、α1<20°であり、および/または、前記第2接続部と前記第2サブ補償電極との重なり部分の任意の点と前記中心Rとを結ぶ線と、前記第2接続部の延在方向とのなす角がθ1であり、θ1<20°である。
【0015】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり面積はS1であり、前記第1サブ補償電極は、面積がS1’である透かし部を有し、0.40<S1/(S1+S1’)<0.71となり、および/または、前記第2接続部と前記第2サブ補償電極との重なり面積はS2であり、前記第2サブ補償電極は、面積がS2’である透かし部を有し、0.40<S2/(S2+S2’)<0.71となる。
【0016】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり面積はS1であり、前記第1サブ補償電極は、面積がS1’である透かし部を有し、前記開口部が中心Rを有し、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との重なり部分の任意の点と前記中心Rとを結ぶ線と、前記第1接続部の延在方向とのなす角がα1であり、α1<20°かつ0.40<S1/(S1+S1’)<0.71である。
【0017】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1接続部と前記第1サブ補償電極との間には層間絶縁層が配置され、前記層間絶縁層の材料は、SiN、SiO、SiONおよびOCのうちの少なくとも1種である。
【0018】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1信号線は、前記開口部を取り囲む第1サブ信号線を含み、前記第1サブ信号線の縦断面が少なくとも1つの屈曲部を有する。
【0019】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1信号線は、前記開口部を取り囲む第2サブ信号線および第3サブ信号線をさらに含み、前記第1サブ信号線が前記第2サブ信号線の前記ベース基板から離れた側に位置され、前記第3サブ信号線が前記第1サブ信号線の前記ベース基板から離れた側に位置され、前記第3サブ信号線の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα2であり、前記第1サブ信号線の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα3であり、前記第2サブ信号線の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα4であり、
α3≦α4かつα3≦α2であり、ここで、α2<75°、α3>30°、40°<α4<50°である。
【0020】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅は、前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅よりも狭い。
【0021】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影の延在長さと、前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影の延在長さとは、実質的に等しい。
【0022】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅は、W1であり、W1が1.3μm~1.7μmであり、前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影の幅は、W2であり、W2が1.7μm~2.3μmである。
【0023】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の前記ベース基板への正投影と、前記第2サブ信号線の前記ベース基板への正投影とは、第1重なり部分を有し、前記第1重なり部分の幅が0~0.1μmである。
【0024】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第3サブ信号線の前記ベース基板への正投影と、前記第2サブ信号線の前記ベース基板への正投影とは、第2重なり部分を有し、前記第2重なり部分の幅が0.18~0.30μmである。
【0025】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の縦断面は、V字状部分および前記V字状部分の少なくとも一端に位置される延在部を有し、前記V字状部分の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-1であり、前記延在部の前記ベース基板に近い側と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-2であり、
α3-1>α3-2であり、ここで、α3-1<46°、α3-2>10°である。
【0026】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の縦断面は、V字状部分および前記V字状部分の少なくとも一端に位置される延在部を含み、前記V字状部分の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-1であり、前記延在部の前記ベース基板に近い側と前記ベース基板の表面とのなす角がα3-2であり、
α3-1≧α3-2であり、ここで、α3-1<30°、α3-2>15°である。
【0027】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1サブ信号線の縦断面は、傾斜部および前記傾斜部の少なくとも一端に位置される延在部を含み、前記傾斜部の側壁と前記ベース基板の表面とのなす角はα3-1であり、前記延在部の前記ベース基板に近い側と前記ベース基板の表面とのなす角はα3-2であり、
α3-1>α3-2であり、ここで、α3-1<30°、0°<α3-2<10°である。
【0028】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記駆動回路層は、複数のピクセル駆動回路を含み、前記発光デバイス層は、複数の発光デバイスを含み、前記複数のピクセル駆動回路のそれぞれが、前記複数の発光デバイスと電気的に接続されて、前記複数の発光デバイスのそれぞれを駆動し、前記ピクセル駆動回路は、薄膜トランジスタおよび蓄積コンデンサを含み、前記薄膜トランジスタは、前記ベース基板に配置されるゲート電極、ソース電極およびドレイン電極を含み、前記ソース電極およびドレイン電極が前記ゲート電極の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記蓄積コンデンサが前記ベース基板に配置される第1容量電極および第2容量電極を含み、前記第2容量電極が前記第1容量電極の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第1サブ信号線と、前記ソース電極およびドレイン電極とは、同じ材料で同じ層に配置され、前記ゲート電極と前記第1容量電極とは、同じ材料で同じ層に配置される。
【0029】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第2サブ信号線と、前記ゲート電極または前記第2容量電極とは、同じ材料で同じ層に配置される。
【0030】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記ピクセル駆動回路は、前記ソース電極およびドレイン電極の前記ベース基板から離れた側に配置される接続電極をさらに含み、前記発光デバイスは、前記接続電極を介して前記ソース電極およびドレイン電極のうちの一方と電気的に接続され、前記第3サブ信号線と前記接続電極とは、同じ材料で同じ層に配置される。
【0031】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第1信号線は、前記ピクセル駆動回路と電気的に接続されて、データ信号または走査信号を前記ピクセル駆動回路に提供するように構成される。
【0032】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板は、前記開口部を取り囲む遮光リングをさらに含み、前記遮光リングと前記タッチ制御層とは、同じ材料で同じ層に配置される。
【0033】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記前記ベース基板の表面と平行な方向において、前記遮光リングは、前記タッチ制御補償電極の前記開口部に近い側に位置され、前記第1信号線は、前記タッチ制御補償電極および前記遮光リングで定められる範囲内に配置される。
【0034】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記ベース基板の表面に垂直な方向において、前記第1信号線と前記遮光リングとは、少なくとも部分的に重なる。
【0035】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記遮光リングは、間隔をあけて配置される複数の遮光部を含む。
【0036】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板は、前記タッチ制御電極と電気的に接続され、前記開口部を取り囲む検出配線をさらに含む。
【0037】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記検出配線と前記タッチ制御層とは、同じ材料で同じ層に配置される。
【0038】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記検出配線は、前記遮光リングの前記開口部に近い側に少なくとも部分的に位置される。
【0039】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板は、前記開口部を取り囲むバリアダムをさらに含み、前記バリアダムが前記第1信号線の前記開口部に近い側に位置される。
【0040】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記バリアダムの少なくとも一部は、前記ソース電極およびドレイン電極と同じ材料で同じ層に配置される。
【0041】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記ピクセル駆動回路は、複数のサブ絶縁層をさらに含み、前記複数のサブ絶縁層がそれぞれ、前記ゲート電極と前記第2容量電極との間、および前記第2容量電極と前記ソース電極およびドレイン電極との間に配置され、前記表示基板は、前記開口部を取り囲む溝をさらに含み、前記溝が前記第1信号線の前記開口部に近い側に配置され、かつ複数の前記サブ絶縁層および前記ベース基板のうちの一方に設置される。
【0042】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記タッチ制御層は、前記ベース基板から離れた方向に順次積層して配置される第1タッチ制御金属層、層間絶縁層および第2タッチ制御金属層を含み、前記タッチ制御電極は、前記第1タッチ制御金属層に位置される第1金属線および前記第2タッチ制御金属層に位置される第2金属線を含み、前記層間絶縁層には第1ビアホールが配置され、前記第1金属線が前記第1ビアホールを介して前記第2金属線と電気的に接続される。
【0043】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第2金属線は、前記第1金属線の側縁に第1スロープ部を有し、前記第1スロープ部が第1サブスロープ部および第2サブスロープ部を含み、前記第1サブスロープ部が前記第2サブスロープ部の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第1サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα5であり、前記第2サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα6であり、α5>α6であり、ここで、α5>50°、α6>10°である。
【0044】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、α5>α6、α5>70°、α6>15°である。
【0045】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、前記第2タッチ制御金属層は、チタン層-アルミニウム層-チタン層、または、インジウムスズ酸化物層-銀層-インジウムスズ酸化物層の積層構造を含み、前記ベース基板に近いチタン層またはインジウムスズ酸化物層が前記最大角度α5と最大角度α6を形成する。
【0046】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、α5とα3とは、ほぼ同じである。
【0047】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板において、タッチ制御層は、前記タッチ制御電極と電気的に接続されるタッチ制御配線をさらに含み、前記タッチ制御配線は、前記第1タッチ制御金属層に位置される第1サブ配線および前記第2タッチ制御金属層に位置される第2サブ配線を含み、前記層間絶縁層内に第2ビアホールが配置され、前記第1サブ配線が前記第2ビアホールを介して前記第2サブ配線と電気的に接続され、前記第2サブ配線が前記第1サブ配線の側縁に第2スロープ部を有し、前記第2スロープ部が第3サブスロープ部および第4サブスロープ部を含み、前記第3サブスロープ部が前記第4サブスロープ部の前記ベース基板から離れた側に配置され、前記第3サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα7であり、前記第4サブスロープ部の任意の点の接線と前記ベース基板の表面との間の最大角度がα8であり、α7>α8であり、ここで、α7>50°、α8>10°である。
【0048】
本開示の少なくとも1つの実施例は、本開示の実施例によって提供される表示基板を含む、表示装置をさらに提供する。
【0049】
本開示の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下で実施例の図面を簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例にのみ関連しており、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板の概略平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板の別の概略平面図である。
【
図3】
図3は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のピクセル駆動回路の概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のサブピクセルの一部の概略断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のサブピクセルの別の部分の概略断面図である。
【
図6】
図6は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のタッチ制御層の概略平面図である。
【
図7】
図7は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のタッチ制御層の一部の概略平面図である。
【
図8】
図8は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層の開口部付近の部分概略平面図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層における第1タッチ制御電極の開口部付近の部分概略平面図である。
【
図9B】
図9Bは、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層における第2タッチ制御電極の開口部付近の部分概略平面図である。
【
図10A】
図10Aは、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層における第1タッチ制御電極および第2タッチ制御電極の開口部付近の部分概略平面図である。
【
図10B】
図10Bは、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層における第1タッチ制御電極および第2タッチ制御電極のタッチ制御補償電極の開口部付近の部分平面図である。
【
図11】
図11は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層の開口部付近の別の部分の概略平面図である。
【
図12】
図12は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層におけるタッチ制御補償電極の開口部付近の概略平面図である。
【
図15】
図15は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層におけるタッチ制御補償電極の開口部付近の部分概略平面図である。
【
図17】
図17は、本発明の少なくとも一実施例によって提供される、表示基板の第1信号線の一部の概略断面図である。
【
図18】
図18は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の第1信号線の別の部分の概略断面図である。
【
図19】
図19は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の第1信号線の各サブ信号線の概略断面図である。
【
図20】
図20は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の第1信号線の第1サブ信号線の概略断面図である。
【
図21】
図21は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の第1信号線の第1サブ信号線の別の概略断面図である。
【
図22】
図22は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の第1信号線の開口部を取り囲む概略平面図である。
【
図23】
図23は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層の開口部付近の別の部分の概略平面図である。
【
図24】
図24は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の遮光リングの概略平面図である。
【
図25】
図25は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層の開口部付近の別の部分の概略平面図である。
【
図26】
図26は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の検出配線の接続概略図である。
【
図28】
図28は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のバリアダムの開口部を取り囲む概略平面図である。
【
図30】
図30は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層の第1タッチ制御金属層の概略平面図である。
【
図31】
図31は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板のタッチ制御層の第2タッチ制御金属層の概略平面図である。
【
図32】
図32は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のタッチ制御層の第1タッチ制御金属層と第2タッチ制御金属層の積層後の概略平面図である。
【
図36】
図36は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される、表示基板の複数のサブピクセルの配列概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、本開示の実施例の技術的解決手段を、本開示の実施例の添付図面と併せて以下で明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部であり、それらのすべてではない。説明された本開示の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本開示の保護範囲内に含まれる。
【0052】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語または科学用語は、当業者に理解されるべき一般的な意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似の語は、いかなる順序、数または重要性を表すものではなく、異なる構成部分を区別するために使用される。「含む」または「含有」などの類似語は、当該用語の前に現れる要素または物が、当該用語の後に列挙される要素または物及びその同等物を含むことを意味し、他の要素または物を排除しない。「接続」または「連結」などの類似語は、物理的または機械的接続に限定されるものではなく、直接的または間接的にかかわらず、電気的接続を含むことができる。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係のみを表すために用いられ、記述対象の絶対位置が変化すると、その相対位置関係もそれに応じて変化することがある。
【0053】
図1は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板の概略平面図を示す。
図1に示すように、表示基板の大画面化を実現するために、表示基板の表示領域AAに開口部Oを形成し、開口部Oの位置に対応してカメラなどの機能性素子を配置することにより、カメラなどの機能性素子の設置スペースを削減し、表示基板の表示領域AAを増加させ、表示基板の画面占有率を高める効果を実現することができる。
【0054】
例えば、
図2は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板の別の概略平面図を示す。
図2に示すように、表示基板は、表示領域AAで複数のサブピクセルPを含み、周囲領域NAで走査駆動回路Sおよびデータ駆動回路Dなどの駆動回路を含む。例えば、複数のサブピクセルPはそれぞれ、複数の走査線SLを介して走査駆動回路Sと接続され、かつそれぞれ複数のデータケーブルDLを介してデータ駆動回路Dと接続され、走査駆動回路Sおよびデータ駆動回路Dなどを介して複数のサブピクセルPを駆動して表示させる。例えば、
図2に示すように、表示領域AAには開口部が配置されているため、走査線SLおよびデータケーブルDLが開口部Oを直線的に通過することができないため、いくつかの実施例において、走査線SLおよびデータケーブルDLを巻き回して配線することができる。
【0055】
例えば、各サブピクセルPは、発光デバイスおよび発光デバイスを駆動するためのピクセル駆動回路を含み、当該ピクセル駆動回路が走査駆動回路Sおよびデータ駆動回路Dから伝送される走査信号およびデータ信号などの電気信号を受信して、発光デバイスを駆動することができる。例えば、
図3は、ピクセル駆動回路の等価回路図を示す。
【0056】
例えば、
図3に示すように、この例において、ピクセル駆動回路は、7T1Cのピクセル駆動回路であり、複数の薄膜トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6およびT7、ならびに複数の薄膜トランジスタT1、T2、T3、T4、T5、T6およびT7と接続される複数の信号線および蓄積コンデンサCstを含み、複数の信号線が走査線SL、発光制御線EM、初期化線RL、データケーブルDLおよび第1電源ケーブルVDDを含む。例えば、走査線SLは、ゲート電極走査信号を伝送するための第1走査線SLnおよびリセット信号を伝送するための第2走査線SLn-1を含む。発光制御線EMは、発光制御信号を伝送する。
【0057】
なお、他の例において、ピクセル駆動回路は、2T1C構造、7T2C構造、または9T2C構造などの他のタイプの回路構造を採用することもできるが、本開示の実施例において、これらに限定されない。
【0058】
例えば、
図3に示すように、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート電極G1は、第3薄膜トランジスタT3の第3ドレイン電極D3および第4薄膜トランジスタT4の第4ドレイン電極D4と電気的に接続される。第1薄膜トランジスタT1の第1ソース電極S1は、第2薄膜トランジスタT2の第2ドレイン電極D2および第5薄膜トランジスタT5の第5ドレイン電極D5と電気的に接続される。第1薄膜トランジスタT1の第1ドレイン電極D1は、第3薄膜トランジスタT3の第3ソース電極S3および第6薄膜トランジスタT6の第6ソース電極S6と電気的に接続される。
【0059】
例えば、
図3に示すように、第2薄膜トランジスタT2の第2ゲート電極G2は、第1走査線SLnと電気的に接続されてゲート電極走査信号を受信するように構成され、第2薄膜トランジスタT2の第2ソース電極S2は、データケーブルDATと電気的に接続されてデータ信号を受信するように構成され、第2薄膜トランジスタT2の第2ドレイン電極D2は、第1薄膜トランジスタT1の第1ソース電極S1と電気的に接続される。
【0060】
例えば、
図3に示すように、第3薄膜トランジスタT3の第3ゲート電極G3は、第1走査線SLnと電気的に接続するように構成され、第3薄膜トランジスタT3の第3ソース電極S3は、第1薄膜トランジスタT1の第1ドレイン電極D1と電気的に接続され、第3薄膜トランジスタT3の第3ドレイン電極D3は、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート電極G1と電気的に接続される。
【0061】
例えば、
図3に示すように、第4薄膜トランジスタT4の第4ゲート電極G4は、第2走査線SLn-1と電気的に接続されてリセット信号を受信するように構成され、第4薄膜トランジスタT4の第4ソース電極S4は、初期化線RLと電気的に接続されて初期化信号を受信するように構成され、第4薄膜トランジスタT4の第4ドレイン電極D4は、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート電極G1と電気的に接続される。
【0062】
例えば、
図3に示すように、第5薄膜トランジスタT5の第5ゲート電極G5は、発光制御線EMと電気的に接続されて発光制御信号を受信するように構成され、第5薄膜トランジスタT5の第5ソース電極S5は、第1電源ケーブルVDDと電気的に接続されて第1電源信号を受信するように構成され、第5薄膜トランジスタT5の第5ドレイン電極D5は、第1薄膜トランジスタT1の第1ソース電極S1と電気的に接続される。
【0063】
例えば、
図3に示すように、第6薄膜トランジスタT6の第6ゲート電極G6は、発光制御線EMと電気的に接続されて発光制御信号を受信するように構成され、第6薄膜トランジスタT6の第6ソース電極S6は、第1薄膜トランジスタT1の第1ドレイン電極D1と電気的に接続され、第6薄膜トランジスタT6の第6ドレイン電極D6は、発光デバイスETの第1電極(例えば、アノード)と電気的に接続される。
【0064】
例えば、
図3に示すように、第7薄膜トランジスタT7の第7ゲート電極G7は、第2走査線SLn-1と電気的に接続されてリセット信号を受信するように構成され、第7薄膜トランジスタT7の第7ソース電極S7は、発光デバイスETの第1電極(例えば、アノード)と電気的に接続され、第7薄膜トランジスタT7の第7ドレイン電極D7は、初期化線RLと電気的に接続されて初期化信号を受信するように構成される。例えば、第7薄膜トランジスタT7の第7ドレイン電極D7は、第4薄膜トランジスタT4と接続される第4ソース電極S4を介して、初期化線RLと電気的に接続される。
【0065】
例えば、
図3に示すように、蓄積コンデンサCstは、第1容量電極CE1および第2容量電極CE2を含む。第2容量電極CE2は、第1電源ケーブルVDDと電気的に接続され、第1容量電極CE1は、第1薄膜トランジスタT1の第1ゲート電極G1および第3薄膜トランジスタT3の第3ドレイン電極D3と電気的に接続される。
【0066】
例えば、
図3に示すように、発光デバイスETの第2電極(例えば、カソード)は、第2電源ケーブルVSSと電気的に接続される。
【0067】
なお、第1電源線VDDと第2電源線VSSのうちの一方は、高電圧を供給する電源線であり、他方は、低電圧を供給する電源線である。例えば、
図3に示す例において、第1電源線VDDは、正の電圧である一定の第1電圧を提供し、第2電源線VSSは、負の電圧などであってもよい一定の第2電圧を提供する。例えば、いくつかの例において、第2電圧は、接地電圧であってもよい。
【0068】
なお、上記のリセット信号と上記初期化信号とは、同一の信号であってもよい。
【0069】
また、トランジスタは、トランジスタの特性に応じて、N型トランジスタとP型トランジスタとに分類することができるが、明確にするために、本開示の実施例において、本開示の技術的解決手段を詳細に説明するために、例としてP型トランジスタ(例えば、P型TFT)を使用する。即ち、本開示の説明において、第1トランジスタT1、第2トランジスタT2、第3トランジスタT3、第4トランジスタT4、第5トランジスタT5、第6トランジスタT6および第7トランジスタT7などはいずれも、P型トランジスタであってもよい。しかしながら、本開示の実施例におけるトランジスタは、P型トランジスタに限定されず、当業者は、実際の必要に応じて、N型トランジスタ(例えば、N型TFT)を使用して、本開示の実施例における1つまたは複数のトランジスタの機能を実現することができる。
【0070】
なお、本開示の実施例で使用されるトランジスタは、薄膜トランジスタ、電界効果トランジスタ、または同様の特性を有する他のスイッチングデバイスであってもよく、薄膜トランジスタは、酸化物半導体薄膜トランジスタ、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ、またはポリシリコン薄膜トランジスタを含むことができる。トランジスタのソース電極とドレイン電極は、対称的な構造を持つことができるため、ソース電極とドレイン電極とは物理的構造に違いがなく、本開示の実施例において、トランジスタの全部または一部のソース電極とドレイン電極は、必要に応じて入れ替えることができる。
【0071】
例えば、
図4は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のサブピクセルの概略平面図を示す。例えば、
図4に示す薄膜トランジスタは、
図3の第7薄膜トランジスタTFT7である。
図4に示すように、表示基板は、ベース基板BS、ベース基板BSに配置される駆動回路層、駆動回路層に配置される発光デバイス層および発光デバイス層に配置される封止層を含む。駆動回路層は、複数のサブピクセルに用いられる複数のピクセル駆動回路を含み、発光デバイス層は、複数のサブピクセルに用いられる複数の発光デバイスETを含み、複数のピクセル駆動回路はそれぞれ、複数の発光デバイスと電気的に接続されて複数の発光デバイスETをそれぞれ駆動する。
【0072】
例えば、各ピクセル駆動回路は、薄膜トランジスタTFTおよび蓄積コンデンサCstなどの構造を含み、
図4に示すように、封止層は、例えば、複数のサブ封止層108/109/110を含む。例えば、いくつかの例において、サブ封止層108および110は無機封止層であり、サブ封止層109は有機封止層であり、このように形成される複合封止層は、表示基板の効果的な封止を実現することができる。
【0073】
例えば、
図4に示すように、薄膜トランジスタTFTは、活性層AT、ゲート電極GT、ソース電極SEおよびドレイン電極DEを含み、蓄積コンデンサCstは、第1容量電極CE1および第2容量電極CE2を含む。例えば、第1容量電極CE1とゲート電極GTとは、同じ材料で同じ層に配置され、第2容量電極CE2は、第1容量電極CE1のベース基板から離れた側に配置される。
【0074】
なお、本開示の実施例において、「同じ材料で同じ層に配置される」とは、表示基板の積層構造において、2つの機能層または構造層が同じ材料で同じ層に形成されること、即ち、製造工程において、当該2つの機能層または構造層は、同じ材料層から形成されてもよく、かつ同じパターニングプロセスを通じて必要なパターンおよび構造が形成されてもよいことを意味する。
【0075】
例えば、
図4に示すように、表示基板は、ベース基板BSに配置されるバッファ層101、活性層ATに配置される第1ゲート絶縁層102、ゲート電極GTおよび第1容量電極CE1に配置される第2ゲート絶縁層103、第2容量電極CE2に配置される層間絶縁層104、ならびにソース電極SEおよびドレイン電極DEに配置される平坦化層105などの絶縁層をさらに含むことができる。
【0076】
例えば、
図4に示すように、発光デバイスETは、第1電極(例えば、アノード)E1、第2電極(例えば、カソード)E3、および第1電極E1と第2電極E3との間に配置される発光層E2を含む。例えば、平坦化層105にはビアホールが配置され、第1電極E1は、平坦化層105のビアホールを通じて薄膜トランジスタのソース電極SEと電気的に接続され、それによって第1電極E1が薄膜トランジスタのソース電極SEから電気信号を受信することができる。
【0077】
例えば、
図4に示すように、第1電極E1には、ピクセル定義層106がさらに配置され、ピクセル定義層106は、第1電極E1を露出するサブピクセル開口部を有し、発光層E2および第2電極E3が少なくともサブピクセル開口部に配置され、このサブピクセル開口部によってサブピクセルの発光領域が画定される。例えば、ピクセル定義層106には、スペーサ107がさらに配置され、スペーサ107には、上記封止層が配置される。
【0078】
例えば、
図5は、本開示の少なくとも1つの実施例によって提供される表示基板のサブピクセルの別の概略断面図を示す。
図4とは異なり、
図5に示す例において、表示基板は、接続電極E4をさらに含み、発光デバイスETの第1電極E1は、接続電極E4を介して薄膜トランジスタTFTのソース電極SEと接続される。このとき、表示基板は、ソース電極SEおよびドレイン電極DEに配置されるパッシベーション層1051をさらに含むことができ、パッシベーション層1051に平坦化層105が配置され、平坦化層105に別の平坦化層1052がさらに配置される。例えば、平坦化層1052にはビアホールが配置され、第1電極E1は、平坦化層1052におけるビアホールを介して接続電極E4と電気的に接続され、パッシベーション層1051および平坦化層には、貫通したビアホールが配置され、接続電極E4は、パッシベーション層1051および平坦化層105におけるビアホールを介して、薄膜トランジスタTFTのソース電極SEと電気的に接続される。
【0079】
例えば、他のいくつかの実施例において、表示基板は、
図5に示すパッシベーション層1051を含まなくてもよく、この場合、接続電極E4は、平坦化層105のビアホールを介して薄膜トランジスタTFTのソース電極SEと直接電気的に接続される。
【0080】
例えば、いくつかの実施例において、
図4および
図5に示すように、表示基板には、タッチ制御層TLがさらに配置され、それにより、表示基板は、タッチ制御機能を有するようになる。
【0081】
例えば、
図6は、タッチ制御層の概略平面図を示す。
図6に示すように、いくつかの実施例において、タッチ制御層は、タッチ制御電極TX/RX、およびタッチ制御電極TX/RXを接続するタッチ制御配線TCLを含む。例えば、カメラなどの機能性素子の設置を容易にするために、タッチ制御層の開口部Oに相当する部分が除去された。
【0082】
例えば、上記のタッチ制御層を有する表示基板において、開口部Oの存在は、表示基板の開口部O近傍における走査線SLやデータケーブルDLなどの信号線の配置に影響を及ぼし、開口部O近傍におけるタッチ制御電極TX/RXの配置にも影響を与える。この点について、開口部O近傍における信号線およびタッチ制御電極などの構造をどのように配置するかが、良好なタッチ制御効果や表示効果を形成するための重要な課題となる。
【0083】
本開示の少なくとも1つの実施例は、表示基板および表示装置を提供し、当該表示基板は、表示領域、および表示領域に位置され、表示基板を貫通する開口部を有し、表示基板は、ベース基板と、ベース基板に配置され、開口部を少なくとも部分的に取り囲む第1信号線を含む駆動回路層と、駆動回路層のベース基板から離れた側に配置される発光デバイス層と、発光デバイス層のベース基板から離れた側に配置される封止層と、封止層のベース基板から離れた側に配置され、タッチ制御電極およびタッチ制御電極と電気的に接続され、かつ開口部を少なくとも部分的に取り囲むタッチ制御補償電極を含むタッチ制御層を含み、ベース基板の表面に垂直な方向において、第1信号線は、タッチ制御補償電極と少なくとも部分的に重なる。
【0084】
本開示の実施例において、第1信号線とタッチ制御補償電極とが少なくとも部分的に重なることにより、表示基板上で第1信号線とタッチ制御補償電極との全体が占めるスペースを削減することができ、それによって表示基板の大画面設計が容易になる。
【0085】
以下、本発明の表示基板および表示装置について、いくつかの具体的な実施例に基づいて説明する。
【0086】
本開示の少なくとも1つの実施例は表示基板を提供し、
図1を参照すると、当該表示基板は、表示領域AA、および表示領域AAに位置され、表示基板を貫通する開口部Oを有し、
図4および
図5を参照すると、表示基板は、ベース基板BS、駆動回路層、発光デバイス層、封止層およびタッチ制御層TLを含む。駆動回路層は、ベース基板BSに配置され、薄膜トランジスタTFT、蓄積コンデンサCstおよび開口部Oを少なくとも部分的に取り囲む第1信号線L1(
図16を参照し、後で説明する)などの構造を含み、発光デバイス層は、駆動回路層のベース基板BSから離れた側に配置され、複数の発光デバイスETを含み、封止層は、発光デバイス層のベース基板BSから離れた側に配置され、例えば、複数のサブ封止層108/109/110を含む複合封止層であってもよく、タッチ制御層TLは、タッチ制御機能を実現するために、封止層のベース基板BSから離れた側に配置される。
【0087】
図7は、タッチ制御層TLの一部の概略平面図を示す。
図7に示すように、タッチ制御層TLは、タッチ制御電極を含み、タッチ制御機能の安定性を向上させるために、開口部Oと間接的に接触するタッチ制御電極は、略長方形ブロックの形状を有する。例えば、
図7に示すように、当該タッチ制御電極は、第1方向(例えば、図中の縦方向)に沿って延在する第1タッチ制御電極TXと、第2方向(例えば、図中の横方向)に沿って延在する第2タッチ制御電極RXとを含み、第1方向は、第2方向と例えば垂直に交差する。
図7に示す例において、第1タッチ制御電極TXと第2タッチ制御電極RXとの交差位置において、隣接する第1タッチ制御電極TX同士が、例えば、ブリッジ電極TXQで電気的に接続される。
【0088】
なお、いくつかの実施例において、第1タッチ制御電極TXと第2タッチ制御電極RXの配置は、互いに交換することができ、本開示の実施例において、第1タッチ制御電極TXと第2タッチ制御電極RXの配置について特に限定しない。
【0089】
例えば、
図8は、開口部Oでのタッチ制御層TLの一部の概略平面図を示す。
図8に示すように、開口Oの位置で、タッチ制御電極は、もはや完全な長方形のブロック形状ではなく、第1タッチ制御電極TXおよび第2タッチ制御電極RXの開口部Oに対応する部分が除去され、隣接する第1タッチ制御電極TXまたは第2タッチ制御電極RXを接続し、また、不完全なタッチ制御電極を補償して、その信号伝送性能を完全なタッチ制御電極の信号伝送性能と基本的に一致するようにして、タッチ制御層のタッチ制御の一貫性を確保するために、タッチ制御補償電極TBCを開口部Oの周囲に配置することができる。
【0090】
例えば、いくつかの実施例において、
図8に示すように、タッチ制御層TLは、タッチ制御電極と電気的に接続され、かつ開口部Oを少なくとも部分的に取り囲むタッチ制御補償電極TBCをさらに含むことができる。例えば、ベース基板BSの表面に垂直な方向において、第1信号線L1は、タッチ制御補償電極TBCと少なくとも部分的に重なり、ここで
図16を参照する。その結果、表示基板上の第1信号線の巻回配置とタッチ制御層内のタッチ制御補償電極とは、表示基板で基本的に同じ空間を占有し、したがって、表示基板上で第1信号線とタッチ制御補償電極との全体が占めるスペースを削減することができ、それにより、表示基板の大画面設計が容易になる。
【0091】
例えば、
図9Aは、第1タッチ制御電極とタッチ制御補償電極との接続の概略図を示し、
図9Bは、第2タッチ制御電極とタッチ制御補償電極との接続の概略図を示す。
【0092】
例えば、
図8および
図9Aを併せて、第1タッチ制御電極TXは、第1方向において、開口部Oの対向する両側(ここでは、上側と下側)に位置される第1サブタッチ制御電極TX1および第2サブタッチ制御電極TX2を含み、タッチ制御補償電極TBCは、第1タッチ制御補償電極を含み、第1タッチ制御補償電極が、開口部Oの縁部に沿って延在し、かつ第2方向において、開口部Oの対向する両側(ここでは、左側と右側)に位置される第1サブ補償電極TBC1および第2サブ補償電極TBC2を含み、第1サブ補償電極TBC1および第2サブ補償電極TBC2の両端がそれぞれ、第1サブタッチ制御電極TX1および第2サブタッチ制御電極TX2と電気的に接続され、第1サブタッチ制御電極TX1と第2サブタッチ制御電極TX2とを電気的に接続させ、そして、第1サブタッチ制御電極TX1および第2サブタッチ制御電極TX2の抵抗変化や形成された静電容量の変化、さらに引き起こされる信号伝送速度の変化など、第1サブタッチ制御電極TX1および第2サブタッチ制御電極TX2の部分的な欠落に起因する信号伝送特性の変化を補償する。
【0093】
例えば、いくつかの実施例において、
図9Aに示すように、第1タッチ制御補償電極は、第1サブ補償電極TBC1と第2サブ補償電極TBC2との間に位置される第3サブ補償電極TBC3をさらに含み、第3サブ補償電極TBC3は、第1サブタッチ制御電極TX1(図に示す状況)または第2サブタッチ制御電極TX2と電気的に接続され、第1サブタッチ制御電極TX1または第2サブタッチ制御電極TX2をさらに補償する。例えば、いくつかの例において、第3サブ補償電極TBC3は、第1サブ補償電極TBC1および第2サブ補償電極TBC2の少なくとも一方とさらに電気的に接続することができ、それにより、第1サブ補償電極TBC1または第2サブ補償電極TBC2とともに、補償の役割を果たす。
【0094】
上記の実施例において、開口部Oは、基本的に第1タッチ制御電極TXと第2タッチ制御電極RXとの交点を中心とするが、他の実施例において、開口部Oが第1タッチ制御電極TXと第2タッチ制御電極RXとの交点を中心としない場合、第3サブ補償電極TBC3を用いて、開口部によって掘り取った電極をさらに補うことができる。
【0095】
例えば、いくつかの実施例において、第1タッチ制御電極TXおよびおよび/または第2タッチ制御電極RXがダミー電極(dummy電極)をさらに含む場合、第3サブ補償電極TBC3が補償電極と接続されると同時に、ダミー電極と接続することができ、これにより、電極の面積がより大きくなり、補償電極の補償範囲がさらに拡大される。
【0096】
例えば、いくつかの実施例において、
図8および
図9Bを参照すると、第2タッチ制御電極RXは、第2方向において、開口部Oの対向する両側(ここで、左右両側)に位置される第3サブタッチ制御電極RX1および第4サブタッチ制御電極RX2を含み、タッチ制御補償電極TBCが第2タッチ制御補償電極を含み、第2タッチ制御補償電極が開口部Oの縁部に沿って延在する第4サブ補償電極TBC4および第5サブ補償電極TBC5を含む。例えば、
図9Bに示す例において、第4サブ補償電極TBC4および第5サブ補償電極TBC5はいずれも、開口部Oの第1方向の一方側に配置されているが、他のいくつかの実施例において、第4サブ補償電極TBC4および第5サブ補償電極TBC5がそれぞれ開口部Oの第1方向の反対側に配置されてもよい。
【0097】
例えば、
図9Bに示すように、第4サブ補償電極TBC4は、第3サブタッチ制御電極RX1と電気的に接続され、第5サブ補償電極TBC5は、第4サブタッチ制御電極RX2と電気的に接続される。例えば、第4サブ補償電極TBC4は、第5サブ補償電極TBC5と電気的に接続され、それにより、第3サブタッチ制御電極RX1は、第4サブタッチ制御電極RX2と電気的に接続される。
【0098】
例えば、いくつかの実施例において、第4サブ補償電極TBC4と第5サブ補償電極TBC5とは直接接続されてもよく、または、他の構造を介して電気的に接続されてもよく、第4サブ補償電極TBC4と第5サブ補償電極TBC5の接続方法は、必要に応じて設定可能である。
【0099】
図9Bに示す例において、第4サブ補償電極TBC4と第5サブ補償電極TBC5は、補償容量値を調整することが容易であるが、その一方で、長い直線配線によって引き起こされる静電気の蓄積の問題を回避することができ、より良好なタッチ制御効果を実現することができる。
【0100】
例えば、別のいくつかの実施例において、開口部Oは、第1タッチ制御電極TXのサブ電極または第2タッチ制御電極RXのサブ電極にのみ配置されてもよく、以下、一例として、第2タッチ制御電極RXの第3サブタッチ制御電極RX1にのみ開口部Oを配置することを説明する。
【0101】
例えば、
図10Aに示すように、第2タッチ制御電極RXは、第1方向において、開口部Oの対向する両側に位置される第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極RX11および第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極RX12を含み、この場合、
図10Bに示すように、タッチ制御補償電極TBCは、第1タッチ制御補償電極を含み、第1タッチ制御補償電極は、開口部Oの縁部に沿って延在し、第2方向において開口部Oの対向する両側に位置される第1サブ補償電極TBC11および第2サブ補償電極TBC12を含み、第1サブ補償電極TBC11および第2サブ補償電極TBC12の両端がそれぞれ、第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極RX11および第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極RX12と電気的に接続される。
【0102】
例えば、
図10Bに示すように、第1タッチ制御補償電極は、第1サブ補償電極TBC11と第2サブ補償電極TBC12との間に位置される第3サブ補償電極TBC13をさらに含むことができ、第3サブ補償電極TBC13は、第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極RX11または第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極RX12と電気的に接続され、第3サブタッチ制御電極の第1サブ電極RX11および第3サブタッチ制御電極の第2サブ電極RX12をさらに補償する。例えば、いくつかの例において、第3サブ補償電極TBC13は、第1サブ補償電極TBC11および第2サブ補償電極TBC12の少なくとも一方と電気的に接続することができ、それにより、第1サブ補償電極TBC11または第2サブ補償電極TBC12とともに補償の役割を果たす。
【0103】
例えば、
図10Aに示すように、第1タッチ制御電極TXは、第2方向に沿って隣接配置される第1サブタッチ制御電極TX11および第2サブタッチ制御電極TX12を含み、この場合、
図10Bに示すように、タッチ制御補償電極TBCは、第2タッチ制御補償電極を含み、第2タッチ制御補償電極は、開口部Oの縁部に沿って延在する第4サブ補償電極TBC14および第5サブ補償電極TBC15を含み、第4サブ補償電極TBC14は、第1サブタッチ制御電極TX11と電気的に接続され、第5サブ補償電極TBC15は、第2サブタッチ制御電極TX12と電気的に接続される。
【0104】
したがって、上記の実施例において、第1サブ補償電極TBC11および/または第2サブ補償電極TBC12は、同じプリズム状の第3サブタッチ制御電極の上半分および下半分と接続され、第4サブ補償電極TBC14および第5サブ補償電極TBC15はそれぞれ、左右2つのプリズム状の第1タッチ制御電極TXのサブタッチ制御電極と接続され、この場合、第4サブ補償電極TBC14は、開口部Oの左側にあるサブタッチ制御電極を補償し、第5サブ補償電極TBC15は、開口部Oの右側にあるサブタッチ制御電極を補償する。
【0105】
同様に、開口部Oが第1タッチ制御電極TXのサブ電極にのみ配置される場合、補償電極を上記の方法で配置することもできるが、ここでは繰り返さない。
【0106】
例えば、別のいくつかの実施例において、タッチ制御補償電極TBCは、他の構造を有してもよく、本開示の実施例は、タッチ制御補償電極TBCの具体的な構造を限定するものではない。例えば、
図11は、タッチ制御補償電極TBCの別の概略構造を示す。
【0107】
例えば、
図11に示すように、別のいくつかの実施例において、タッチ制御補償電極TBCは、第1導電板CP1、第2導電板CP2、第1導電板CP1と第2導電板CP2とを接続する第1導電性ブリッジCB1、第3導電板CP3、第4導電板CP4、第5導電板CP5、および第4導電板CP4と第5導電板CP5とを接続する第2導電性ブリッジCB2を含むことができる。第1導電板CP1、第2導電板CP2、第3導電板CP3、第4導電板CP4および第5導電板CP5はそれぞれ、タッチ制御電極の異なる部分と接続され、タッチ制御電極の異なる部分を補償する。
【0108】
例えば、
図11に示すように、第1導電性ブリッジCB1は、第1セグメントSG1、第2セグメントSG2、第3セグメントSG3、第4セグメントSG4および第5セグメントSG5を含むことができる。第1セグメントSG1は、第2セグメントSG2と第3セグメントSG3との間に配置され、例えば、第2セグメントSG2は、第1セグメントSG1と直接接続され、第3セグメントSG3も第1セグメントSG1と直接接続される。第4セグメントSG4は、第2導電性ブリッジCB2の一部を介して第1導電板CP1と接続される。第5セグメントSG5は、第4セグメントSG4と第2セグメントSG2との間に接続され、例えば、第2セグメントSG2は、第5セグメントSG5と直接接続され、第4セグメントSG4も第5セグメントSG5と直接接続される。例えば、第1セグメントSG1、第2セグメントSG2、第3セグメントSG3、第4セグメントSG4および第5セグメントSG5のうちの隣接する2つはそれぞれ、異なる層に配置され、例えば、それぞれタッチ制御層TLの第1タッチ制御金属層TL1および第2タッチ制御金属層TL2(第1タッチ制御金属層TL1および第2タッチ制御金属層TL2については後で説明する)に配置される。
【0109】
例えば、
図11に示すように、タッチ制御補償電極TBCは、第1仕切り板DP1、第2仕切り板DP2および第3仕切り板DP3をさらに含むことができる。例えば、第1仕切り板DP1は、第1導電性ブリッジCB1および第3導電板CP3から分離され、第1導電性ブリッジCB1の一部を第3導電板CP3の一部から分離させる。第2仕切り板DP2は、第5導電板CP5および第5セグメントSG5から分離され、第5導電板CP5の一部を第5セグメントSG5の一部から分離させる。第3仕切り板DP3は、第3導電板CP3と第5導電板CP5とを分離させる。
【0110】
例えば、
図8~
図10Bのタッチ制御補償電極TBCは、
図11に示したタッチ制御補償電極と比べて構造が単純であるため、以下、
図8~
図10Bのタッチ制御補償電極TBCについて詳細に説明する。
【0111】
例えば、
図12は、タッチ制御補償電極TBCの概略平面図を示す。
図12に示すように、いくつかの実施例において、第4サブ補償電極TBC4は、例えば、第3サブタッチ制御電極RX1と電気的に接続するための第1接続部C1を含み、第1接続部C1が第1サブ補償電極TBC1の下方から延在して第3サブタッチ制御電極RX1と接続され、第5サブ補償電極TBC5は、第4サブタッチ制御電極RX2と電気的に接続するための第2接続部C2を含み、第2接続部C2が第2サブ補償電極TBC2の下方から延在して第2サブ補償電極TBC2と接続される。この場合、ベース基板BSの表面に垂直な方向において、第1接続部C1および第1サブ補償電極TBC1は第1重なり領域R1を有し、第2接続部C2および第2サブ補償電極TBC2は第2重なり領域R2を有する。
【0112】
例えば、
図13は、
図12のタッチ制御補償電極TBCの線A-Aに沿った概略断面図を示す。
図13に示すように、第4サブ補償電極TBC4は、異なる層に位置される部分、即ち、第1部分C11および第2部分C12を有し、第1部分C11と第1サブ補償電極TBC1とは、同じ材料で同じ層に配置され、第2部分C12は、上記第1接続部C1として形成され、ベース基板BSの表面に垂直な方向において、第1サブ補償電極TBC1と重なっている。
【0113】
例えば、
図13に示すように、第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との間に層間絶縁層ILが配置され、層間絶縁層ILの材料は、SiN、SiO、SiONおよびOC(Optical Clear、光学的に透明な材料)のうちの少なくとも1種であってもよい。第1部分C11と第2部分C12とは、層間絶縁層IL内のビアホールを介して電気的に接続されている。
【0114】
同様に、第5サブ補償電極TBC5(第2接続部C2を含む)と第2サブ補償電極TBC2も、
図13に示す構造を有してもよく、第4サブ補償電極TBC4および第1サブ補償電極TBC1の配置方法とは基本的に同じであるため、ここでは繰り返さない。
【0115】
同様に、
図11において、導電板CP1~CP5と導電性ブリッジCB1~CB2の各部分との間に存在する接続構造も、第4サブ補償電極TBC4および第1サブ補償電極TBC1の配置方法と基本的に同じであってもよく、ここでは繰り返さない。
【0116】
例えば、
図14は、第1の接続部と第1サブ補償電極との重なりを示す別の概略図を示し、当該概略図が
図13の点線枠で示した領域に対応する。
図14に示すように、この例において、第1接続部C1および第1サブ補償電極TBC1の少なくとも一方は、第1重なり領域R1において透かし部を有する。
【0117】
例えば、
図14に示す例において、第1サブ補償電極TBC1は、第1重なり領域R1に透かし部LK1を有し、第1接続部C1は、第1重なり領域R1に透かし部LK2を有する。他の例において、第1補助補償電極TBC1のみは、第1重なり領域R1に透かし部LK1を有し、第1接続部C1は、透かし部を有しなくてもよく、または、第1接続部C1のみは、第1重なり領域R1に透かし部を有し、第1サブ補償電極TBC1は、透かし部を有しなくてもよい。
【0118】
本開示の実施例において、第1接続部C1および第1サブ補償電極TBC1に配置された透かし部により、ベース基板の表面に垂直な方向における、第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との重なり面積を小さくすることができ、さらに、第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との間に形成される寄生容量を低減し、タッチ制御効果に対する寄生容量の悪影響を低減または回避する。
【0119】
例えば、
図14の例において、第1サブ補償電極TBC1は、第1重なり領域R1に2つの透かし部LK1を有し、第1接続部C1は、第1重なり領域R1に1つの透かし部LK2を有する。他の例において、第1サブ補償電極TBC1の透かし部LK1の数は、1つ、3つ、4つ以上の他の数であってもよく、同様に、第1接続部の透かし部LK2は、2つ、3つ、4つ以上の数であってもよい。本開示の実施例は、第1サブ補償電極TBC1の透かし部LK1の数および第1接続部C1の透かし部LK2の数を限定するものではない。
【0120】
同様に、第2接続部C2および第2サブ補償電極TBC2の少なくとも一方も、第2重なり領域R2に透かし部を有してもよく、その配置方法は、上記の第1接続部C1および第1サブ補償電極TBC1の配置方法と基本的に同じであり、詳細については、上記の第1接続部C1および第1サブ補償電極TBC1の説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0121】
例えば、いくつかの実施例において、
図15に示すように、開口部Oは中心Rを有し、第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との重なり部分の任意の点と中心Rとを結ぶ線と、第1接続部C1の延在方向(
図15の水平方向)とのなす角がα1であり、α1<20°、例えば、α1≦15°、α1が15°、10°または5°などである。角度α1が小さいほど、ベース基板の表面に垂直な方向における第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との重なり面積が小さくなるため、第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1とによって形成される寄生容量が小さくなる。例えば、α1が0の場合、ベース基板の表面に垂直な方向における第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との重なり面積が最も小さくなると、タッチ制御層のタッチ制御効果の向上にさらに寄与する。
【0122】
同様に、第2接続部C2と第2サブ補償電極TBC2との重なり部分の任意の点と中心Rとを結ぶ線と、第2接続部C2の延在方向(
図15の水平方向)とのなす角がθ1であり、θ1<20°、例えば、θ1≦15°、θ1が15°、10°または5°などである。角度θ1が小さいほど、ベース基板の表面に垂直な方向における、第2接続部C2と第2サブ補償電極TBC2との重なり面積が小さくなり、それにより、第2接続部C2と第2サブ補償電極TBC2とによって形成される寄生容量が小さくなる。例えば、θ1が0の場合、ベース基板の表面に垂直な方向における第2接続部C2と第2サブ補償電極TBC2との重なり面積が最も小さくなると、タッチ制御層のタッチ制御効果の向上にさらに寄与する。
【0123】
例えば、いくつかの実施例において、第1サブ補償電極TBC1は、透かし部LK1を有するが、第1接続部C1は、透かし部を有しなく、この場合、第1接続部C1と第1サブ補償電極TBC1との重なり面積はS1であり、第1サブ補償電極TBC1の透かし部LK1の面積はS1’であり、0.40<S1/(S1+S1’)<0.71である。したがって、第1サブ補償電極TBC1における透かし部LK1の比重が制限されて、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1とによって形成される寄生容量、および第1サブ補償電極TBC1のタッチ制御電極への電気的接続効果と補償効果のバランスを保つに役立つ。また、上記配置により、表示基板の狭額縁化、大画面化にも有利となる。
【0124】
例えば、第1サブ補償電極TBC1および第1接続部C1のいずれも透かし部を有しない場合、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間に形成される寄生容量C1は、
C1=ε1*(S1+S1’)/d1*(cosα1)となる。
ただし、d1は、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間の距離であり、ε1は、層間絶縁層ILの誘電率である。
【0125】
例えば、第1サブ補償電極TBC1が透かし部LK1を有し、第1接続部C1が透かし部を有しない場合、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間に形成される寄生容量C2は、
C2=ε1*S1/d1*(cosα1)となる。
【0126】
第1サブ補償電極TBC1に透かし部を配置することにより、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間の寄生容量を低減できることがわかり、
C3=C1-C2=ε1* S1’/d1*(cosα1)となる。
【0127】
同様に、第1接続部C1が透かし部LK2を有し、第1サブ補償電極TBC1が透かし部を有しない場合、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間に形成される寄生容量と、寄生容量の減少量もそれに応じて計算でき、第1サブ補償電極TBC1が透かし部LK1を有し、第1接続部C1が透かし部LK2を有する場合、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間に形成される寄生容量および寄生容量の減少量もそれに応じて計算できるが、ここでは繰り返さない。
【0128】
同様に、いくつかの実施例において、第2サブ補償電極TBC2が透かし部を有し、第2接続部C2が透かし部を有しなく、この場合、第2接続部C2と第2サブ補償電極TBC2との重なり面積はS2であり、第2サブ補償電極TBC2の透かし部の面積はS2’であり、0.40<S2/(S2+S2’)<0.71となる。したがって、第2サブ補償電極TBC2における透かし部LK2の比重が制限されて、第2接続部C2と第2サブ補償電極TBC2との間に形成される寄生容量、および第2サブ補償電極TBC2のタッチ制御電極への電気的接続効果と補償効果のバランスを保つに役立つ。また、上記配置により、表示基板の狭額縁化、大画面化にも有利となる。
【0129】
例えば、第2サブ補償電極TBC2および第2接続部C2はいずれも、透かし部を有しない場合、第2サブ補償電極TBC2と第2接続部C2との間に形成される寄生容量C4は、
C4=ε1*(S2+S2’)/d2*(cosθ1)となる。
ただし、d2は、第2サブ補償電極TBC2と第2接続部C2との間の距離であり、ε1は、層間絶縁層ILの誘電率である。
【0130】
例えば、第2サブ補償電極TBC1が透かし部を有し、第2接続部C2が透かし部を有しない場合、第2サブ補償電極TBC2と第2接続部C2との間に形成される寄生容量C5は、
C5=ε1*S2/d2*(cosθ1)となる。
【0131】
第2サブ補償電極TBC2に透かし部を配置することにより、第1サブ補償電極TBC1と第1接続部C1との間の寄生容量を低減できることがわかり、
C6=C4-C5=ε1*S2’/d2*(cosθ1)となる。
【0132】
同様に、第2接続部C2が透かし部を有し、第2サブ補償電極TBC2が透かし部を有さない場合、第2サブ補償電極TBC2と第2接続部C2との間に形成される寄生容量と、寄生容量の減少量もそれに応じて計算でき、第2サブ補償電極TBC2が透かし部を有し、第1接続部C2も透かし部を有する場合、第2サブ補償電極TBC2と第2接続部C2との間に形成される寄生容量、および寄生容量の減少量もそれに応じて計算できるが、ここでは繰り返さない。
【0133】
同様に、
図10Aおよび
図10Bに示されるタッチ制御電極およびタッチ制御補償電極も、上記の接続部および透かし部を有することができるが、ここでは繰り返さない。
【0134】
例えば、いくつかの実施例において、
図16に示すように、第1信号線L1は、開口部Oを取り囲む第1サブ信号線L11を含み、開口部Oを取り囲む第2サブ信号線L12および第3サブ信号線L13をさらに含むことができる。
【0135】
例えば、
図17および
図18はそれぞれ、第1サブ信号線L11、第2サブ信号線L12および第3サブ信号線L13の概略断面図を示す。例えば、
図16および
図17に示す例において、第1サブ信号線L11、第2サブ信号線L12および第3サブ信号線L13の縦断面は、長方形または台形であってもよい。他のいくつかの例において、
図18に示すように、第1サブ信号線L11の縦断面は、少なくとも1つの屈曲部L111を有してもよく、第2サブ信号線L12および第3サブ信号線L13の縦断面は、長方形または台形であってもよい。。
【0136】
本開示の実施例において、屈曲部L111を有する第1サブ信号線L11は、第1サブ信号線L11が占めるスペースをさらに削減することができ、例えば、同じ幅の範囲内により多くの第1サブ信号線L11を配置することができ、狭額縁設計を実現することに寄与する。第1サブ信号線L11を細くするだけで第1サブ信号線L11が占めるスペースを減らす技術手段と比較して、上記技術手段は、第1サブ信号線L11の抵抗を増加させない。
【0137】
例えば、いくつかの実施例において、
図16~
図18に示すように、第1サブ信号線L11は、第2サブ信号線L12のベース基板BSから離れた側に位置され、第3サブ信号線L13は、第1サブ信号線L11のベース基板BSから離れた側に位置される。
【0138】
例えば、
図19はそれぞれ、第1サブ信号線L11、第2サブ信号線L12および第3サブ信号線L13の概略断面図を示す。
図19に示すように、第3サブ信号線L13の側壁とベース基板BSの表面とのなす角はα2であり、第1サブ信号線L11の側壁とベース基板BSの表面とのなす角はα3であり、第2サブ信号線L12の側壁とベース基板BSの表面とのなす角はα4であり、
α3≦α4かつα3≦α2となる。
【0139】
例えば、いくつかの例において、α2<75°、α3>30°、40°<α4<50°であり、例えば、α2=70°、α3=35°、α4=45°である。この場合、α3の角度が小さいため、第1サブ信号線L11が断線するリスクを回避し、例えば、第1サブ信号線L11が屈曲部L111で断線するリスクを回避し、プロセスの安定性を確保することができる。同時に、上記の角度設計は、配線の上方のパッケージング効果にも有利で、配線と隣接する絶縁層との間の剥離現象を回避し、さらに、上記の配線の角度設計により、パッケージング経路が長くなり、外部の水分や酸素などの不純物が開口部Oから配線とその隣接する絶縁層との間の隙間を通って、表示基板の内部に侵入することを防止し、これにより、表示基板の構造を保護することができる。
【0140】
例えば、いくつかの実施例において、第1サブ信号線L11のベース基板BSへの正投影の幅は、第3サブ信号線L13のベース基板BSへの正投影の幅よりも狭い。例えば、いくつかの実施例において、第1サブ信号線L11のベース基板BSへの正投影の面積は、第3サブ信号線L13のベース基板BSへの正投影の面積よりも小さい。例えば、いくつかの実施例において、第1サブ信号線L11のベース基板BSへの正投影の延在長さは、第3サブ信号線L13のベース基板BSへの正投影の延在長さと基本的に等しい。
【0141】
本開示の実施例において、第1サブ信号線L11が屈曲部L111を有するが、第3サブ信号線L13が屈曲部を有しないため、上記の配置は、第1サブ信号線L11および第3サブ信号線L11の抵抗値の整合性にとって有利である。さらに、第1サブ信号線L11と第3サブ信号線L13の電気信号の伝送速度などの伝送効果が基本的に同じであるため、表示基板の表示効果を最適化するのに有利である。
【0142】
例えば、いくつかの実施例において、第1サブ信号線L11のベース基板BSへの正投影の幅はW1であり、W1が1.3μm~1.7μmであり、例えば、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6または1.65などであり、例えば、第3サブ信号線L13のベース基板BSへの正投影の幅はW2であり、W2が1.7μm~2.3μmであり、例えば、1.8μm、1.9、2.0、2.1または2.2μmなどであり、例えば、第2サブ信号線L12のベース基板BSへの正投影の幅はW3であり、W3が1.7μm~2.3μmであり、例えば、1.8μm、1.9、2.0、2.1または2.2μmなどである。
【0143】
例えば、いくつかの実施例において、
図20に示すように、第1サブ信号線L11の縦断面全体は、V字状であり、この場合、W1=W2×cosα3となる。または、別のいくつかの実施例において、
図21に示すように、第1サブ信号線L11の縦断面全体は、半V字状であり、この場合、W1>W2・cosα3となる。
【0144】
例えば、いくつかの実施例において、
図18に示すように、第1サブ信号線L11のベース基板BSへの正投影と、第2サブ信号線L12のベース基板BSへの正投影とは、第1重なり部分を有し、第1重なり部分の幅W4が0μm~0.1μmであり、例えば、0.01μm、0.03μm、0.05μm、0.07μmまたは0.09μmなどである。
【0145】
例えば、いくつかの実施例において、
図18に示すように、第3サブ信号線L13のベース基板BSへの正投影と第2サブ信号線L12のベース基板BSへの正投影とは、第2重なり部分を有し、第2重なり部分の幅W5が0.18μm~0.30μmであり、例えば、0.20μm、0.22μm、0.25μmまたは0.27μmなどである。
【0146】
例えば、上記各幅のデータにおいて、各幅の範囲にはエンドポイント値が含まれなくてもよく、例えば、第2重なり部分の幅W5は、0.18μm~0.3μmであり、即ち、W5が0.18μmよりも大きく、0.3μmよりも小さく、他の例として、第1重なり部分の幅W4は、0μm~0.1μmであり、即ちW4が0μmよりも大きく、0.1μmよりも小さい。幅W1、W2およびW3は同じである。
【0147】
本開示の実施例において、異なる層の信号線をベース基板の表面に垂直な方向に重ねることで、表示基板において第1信号線L1全体が占めるスペースを削減でき、表示基板の大画面化に有利となる。
【0148】
例えば、いくつかの実施例において、第1重なり部分と第2重なり部分とは、ほぼ同じ幅を有する。これは、開口部Oの周囲の狭額縁化およびプロセスの一貫性にとって有利である。他のいくつかの実施例において、第1重なり部分の幅が第2重なり部分の幅よりも小さくてもよく、第1サブ信号線L11と第2サブ信号線L12との間の距離が比較的に短いため、その両方の間の重なり部分を減らすことにより、両方の間に短絡の発生を防止することができる。
【0149】
例えば、いくつかの実施例において、
図20に示すように、第1サブ信号線L11の縦断面は、V字状部分と、V字状部分の少なくとも一端(図では両端)に位置される延在部V1とを含み、V字状部分の側壁とベース基板BSの表面とのなす角がα3-1であり、延在部V1のベース基板BSに近い側とベース基板BSの表面とのなす角がα3-2であり、
α3-1>α3-2となる。
【0150】
例えば、α3-1<46°、α3-2>10°であり、例えば、いくつかの例において、α3-1は、30°、35°、40°または45°であり、α3-2は、12°、15°または20°である。
【0151】
例えば、いくつかの実施例において、α3-1≧α3-2であり、α3-1<30°、α3-2>15°である。いくつかの例において、α3-1は、20°、23°、26°または28°であり、α3-2は、16°、18°または20°である。
【0152】
例えば、別のいくつかの実施例において、
図21に示すように、第1サブ信号線L11の縦断面は、傾斜部V2と、傾斜部V2の一端に位置される延在部V3とを含み、傾斜部V2の側壁とベース基板BSの表面とのなす角がα3-1であり、延在部V3のベース基板BSに近い側とベース基板BSの表面とのなす角がα3-2であり、
α3-1>α3-2となる。
この場合、W1=W2-1*cosα3-1+W2-2*cosα3-2となる。
【0153】
例えば、α3-2は、0よりも大きい。上記の配置により、第1サブ信号線L11とその隣接する絶縁層との接触面積を増加し、第1サブ信号線L11とその隣接する絶縁層との接合効果を向上させ、配線の脱落などの不良を防ぐことができる。
【0154】
例えば、いくつかの実施例において、α3-1<30°、0°<α3-2<10°である。例えば、α3-1は、20°、23°、26°または28°であり、α3-2は、2°、5°、7°または9°などである。
【0155】
例えば、
図4および
図5を参照すると、いくつかの実施例において、第1信号線L1は、表示領域AA内の一部の機能層と同じ材料で同じ層に配置されてもよい。例えば、第1サブ信号線L11は、ソース電極SEおよびドレイン電極DEと同じ材料で同じ層に配置されてもよい。例えば、第2サブ信号線L12は、ゲート電極GTおよび第1容量電極CE1と同じ材料で同じ層に配置されてもよく、または、第2サブ信号線L12は、第2容量電極CE2と同じ材料で同じ層に配置されてもよく、または、第2サブ信号線L12の一部は、ゲート電極GTおよび第1容量電極CE1と同じ材料で同じ層に配置されてもよく、第2サブ信号線L12の残りの一部は、第2容量電極CE2と同じ材料で同じ層に配置されてもよい。
【0156】
例えば、
図5を参照すると、いくつかの実施例において、ピクセル駆動回路は、ソース電極SEおよびドレイン電極DEのベース基板BSから離れた側に配置される接続電極E4をさらに含み、この場合、第3サブ信号線L13は、接続電極E4と同じ材料で同じ層に配置することができる。
【0157】
例えば、いくつかの実施例において、第1信号線L1は、表示領域内の複数のサブピクセルのピクセル駆動回路と電気的に接続され、データ信号または走査信号などの電気信号をピクセル駆動回路に提供するように構成される。例えば、いくつかの例において、第1サブ信号線L11、第2サブ信号線L12および第3サブ信号線L13の少なくとも一部は、走査線SLとして実現され、少なくとも一部は、データケーブルDLとして実現される。
【0158】
例えば、
図22は、第1信号線L1が走査線SLおよびデータケーブルDLとして開口部Oを取り囲む概略図を示す。例えば、
図22に示すように、表示領域AAの、開口部Oに近い区域MAにおいて、走査線SLおよびデータケーブルDLは、開口部Oを取り囲むように配置され、走査線SLおよびデータケーブルDLはそれぞれ、複数のサブピクセルPのピクセル駆動回路と接続され、走査信号またはデータ信号を提供する。
【0159】
例えば、いくつかの実施例において、
図23に示すように、表示基板は、開口部Oを取り囲む遮光リングSLDをさらに含み、遮光リングSLDがタッチ制御層TLと同じ材料で同じ層に配置される。遮光リングSLDは、表示基板における一部の信号線に遮光効果を与えることができる。
【0160】
例えば、いくつかの実施例において、
図23に示すように、ベース基板BSの表面と平行な方向において、遮光リングSLDは、タッチ制御補償電極TBCの開口部Oに近い側に位置され、第1信号線L1は、タッチ制御補償電極TBCと遮光リングSLDとで定められる範囲、即ち図中の矢印で示す範囲内に配置される。
【0161】
例えば、いくつかの実施例において、ベース基板BSの表面に垂直な方向において、第1信号線L1(例えば、第1サブ信号線L11、第2サブ信号線L12、第3サブ信号線L13のうちの1つ以上)と、遮光リングSLDとは、少なくとも部分的に重なる。したがって、遮光リングSLDは、これらの信号線に対する遮光効果を実現することができる。
【0162】
例えば、
図24は、遮光リングの別の概略平面図を示し、
図24に示すように、いくつかの実施例において、遮光リングSLDは、間隔をあけた複数の遮光部を含む。複数の遮光部は、分離されている。したがって、遮光リングSLDは、静電気の蓄積を回避し、タッチ制御層のタッチ制御効果への影響を防止することができる。
【0163】
例えば、後述する第1タッチ制御金属層と第2タッチ制御金属層のように、タッチ制御層が複数の金属層を有する場合、遮光リングSLDの異なる部分は、異なるタッチ制御金属層と、または、そのうちのいずれかと同じ材料で同じ層に配置することができる。
【0164】
例えば、いくつかの実施例において、遮光リングSLDは、開口部Oから離れた方向に順次配置され、開口部Oを取り囲む複数のサブ遮光リングをさらに有することができ、この場合、遮光効果を向上させるために、開口部Oから最も遠い遮光リングは、第1タッチ制御金属層と同じ材料で同じ層に配置することができる。
【0165】
例えば、
図25は、表示基板の開口部O付近の別の概略平面図を示す。
図11および
図25に示すように、いくつかの実施例において、表示基板は、タッチ制御電極とは電気的に接続され、開口部Oを取り囲む検出配線PCDをさらに含むことができる。例えば、検出配線PCDは、開口部Oの付近にクラックがあるか否かを検出するためのクラック検出回路として利用することができ、例えば、検出配線PCDは、タッチ制御電極が正常に接続されているか否かを検出することもできる。
【0166】
例えば、いくつかの実施例において、検出配線PCDは、タッチ制御層TLと同じ材料で同じ層に配置される。例えば、検出配線PCDの少なくとも一部(例えば、開口部Oの周りに延在する部分)は、遮光リングSLDの開口部Oに近い側に位置される。
【0167】
例えば、
図26は、
図11のタッチ制御層の点線枠ZR部分の概略平面図を示す。
図26に示すように、検出配線PCDの端部PCD1は、タッチ制御補償電極TBCの下方からタッチ制御電極まで延在し、タッチ制御電極と電気的に接続される。例えば、検出配線PCDの端部PCD1は、タッチ制御層の第1タッチ制御金属層に位置され、タッチ制御補償電極TBCの第1導電板CP1は、タッチ制御層の第2タッチ制御金属層に位置され、それにより、検出配線PCDの端部PCD1が第1導電板CP1の下方から貫通することができる。
【0168】
例えば、
図27は、
図26のタッチ制御層の線G-Gに沿った概略断面図を示す。
図27に示すように、いくつかの例において、
図21および
図26を併せて、検出配線PCDの、開口部Oを取り囲む部分(即ち、
図26の明色の部分)は、第2タッチ制御金属層に配置され、検出配線PCDのタッチ制御電極まで延在する部分(即ち、
図26の暗色の部分)は、第1タッチ制御金属層に配置され、遮光リングSLDは、第1タッチ制御金属層に配置される。したがって、同じ層に位置される構造は、同じ材料および同じパターニングプロセスを使用して同時に形成することができ、その結果、タッチ制御層の製造プロセスが簡略化される。
【0169】
例えば、
図28は、表示基板の開口部付近の別の概略平面図を示し、
図28に示すように、表示基板は、開口部Oを取り囲むバリアダムをさらに含むことができ、バリアダムが第1信号線L1の開口部Oに近い側に位置される。本開示の実施例において、バリアダムは、水や酸素などの不純物が開口部Oを通って表示基板内に侵入するのを防止して、表示基板を保護することができ、また、機械的な打ち抜きや切削により表示領域AAに開口部Oを形成する場合にも、バリアダムによってクラックの発生を防止することができ、または、開口部Oから表示基板内部へのクラックの進展を防止し、クラックに対する保護効果を得ることができる。
【0170】
例えば、
図29は、
図28の表示基板の線B-Bに沿った概略断面図を示す。
図29に示すように、表示基板は、開口部Oを取り囲む、例えば、開口部Oから離れた方向に沿って順次配置される第1バリアダムCRD1、第2バリアダムCRD2、および第3バリアダムを含む多層バリアダムを含むことができる。例えば、第1バリアダムCRD1、第2バリアダムCRD2、および第3バリアダムCRD3のそれぞれは、複数のサブバリアダムを含む。多層バリアダムの設計により、水や酸素などの外部不純物に対する遮断効果を高め、表示基板のクラック防止効果を高めることができる。
【0171】
例えば、いくつかの実施例において、表示基板は、開口部Oを取り囲む隔壁DAM1をさらに含み、隔壁DAM1は、第1バリアダムCRD1、第2バリアダムCRD2および第3バリアダムCRD3のうちの隣接する2つの間に配置されてもよく、図において、第2バリアダムCRD2と第3バリアダムCRD3との間に配置される。
【0172】
例えば、隔壁DAM1は、一般に、より高い高さを有し、例えば、第1バリアダムCRD1、第2バリアダムCRD2、および第3バリアダムCRD3の少なくとも一部よりも高い。隔壁DAM1は、外部の水や酸素などの不純物が表示基板の内部に侵入する経路を増加させることができ、外部の水や酸素などの不純物に対する遮断効果をさらに高めることができる。
【0173】
例えば、いくつかの実施例において、バリアダムの少なくとも一部は、ソースSEおよびドレインDEと同じ材料で同じ層に配置される。例えば、いくつかの実施例において、ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、銅、アルミニウム、チタン、またはモリブデンなどの金属材料、またはそれらの合金材料で、例えば多層金属積層構造に形成され、例えばチタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの3層金属積層構造に形成される。この場合、バリアダムの少なくとも一部は、ソース電極SEおよびドレイン電極DEと同じ材料で同じ層に配置され、それにより、バリアダムの少なくとも一部も、チタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの3層金属積層構造を有する。
【0174】
例えば、
図29に示す例において、第1バリアダムCRD1は、チタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの3層金属積層構造を有する。第2バリアダムCRD2は、ソースSEおよびドレインDEと同じ材料で同じ層に配置されるチタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの3層金属積層構造を有し、その下方にもゲートATおよび第2容量電極CE2と同じ材料で同じ層に配置される金属層MTの一部がある。第3バリアダムCRD3は、ソース電極SEおよびドレイン電極DEと同じ材料で同じ層に配置されるチタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの3層金属積層構造を有し、その下方にも第1ゲート絶縁層、第2ゲート絶縁層、または層間絶縁層などの絶縁層と同じ材料で同じ層に配置される絶縁層ITがある。したがって、バリアダムのバリア効果を高めるために、第1バリアダムCRD1、第2バリアダムCRD2、および第3バリアダムCRD3はそれぞれ、異なる高さを有することができる。
【0175】
例えば、いくつかの実施例において、隔壁DAM1は、平坦化層、ピクセル定義層、スペーサと同じ材料で同じ層に配置することができる。即ち、隔壁DAM1は、複数のサブ障壁層を有し、これらのサブ障壁層はそれぞれ、平坦化層、ピクセル定義層、スペーサと同じ材料および同じ層に配置される。
【0176】
例えば、別のいくつかの実施例において、上記のバリア効果は、開口部Oの近傍に他の構造を配置することによっても実現することができる。例えば、
図4および
図5を参照すると、ピクセル駆動回路は、複数のサブ絶縁層を含み、複数のサブ絶縁層がそれぞれ、活性層ATとゲート電極GT(即ち、第1ゲート絶縁層102)との間、ゲート電極GTと第2容量電極CE2(即ち、第2ゲート絶縁層103)との間、第2容量電極と前記ソース電極およびドレイン電極(即ち、層間絶縁層104)との間に配置される。
図16に示すように、表示基板は、開口部Oを取り囲む溝GRをさらに含み、溝GRが第1信号線L1の開口部Oに近い側に位置され、少なくとも複数のサブ絶縁層(例えば、第1ゲート絶縁層102、第2ゲート絶縁層103および層間絶縁層104)およびベース基板BSのうちの1つに配置される。例えば、いくつかの例において、
図16に示すように、溝GRは、バッファ層101およびベース基板BSにさらに配置されてもよい。例えば、この例において、バッファ層101は、溝GRを形成するために、複数のサブバッファ層1011/1012を含むことができる。
【0177】
本開示の実施例において、溝GRにより、水や酸素などの外部不純物が開口部Oから表示基板内に侵入するのを防止することができ、表示基板を保護する役割を果たし、また、機械的な打ち抜きや切削により表示領域AAに開口部Oを形成する際に、溝GRによりクラックの発生を防止したり、開口部Oから表示基板の内部にクラックが延在することを防止したりすることができ、クラック防止効果を実現する。
【0178】
例えば、別のいくつかの実施例において、上記のバリアダム、隔壁、溝を表示基板上に同時に配置することもでき、表示基板を効果的に保護することができる。
【0179】
例えば、
図16に示すように、表示基板は、溝GRを含むとともに隔壁DAMをさらに含み、隔壁DAMは、3つのサブ層M1/M2/M3を含み、3つのサブ層M1/M2/M3は、例えば、それぞれ平坦化層、ピクセル定義層、およびスペーサと同じ材料で同じ層に配置される。
【0180】
例えば、いくつかの実施例において、タッチ制御層TLは、ベース基板BSから離れた方向において順次配置される第1タッチ制御金属層TL1、層間絶縁層ILおよび第2タッチ制御金属層TL2を含むことができる。例えば、
図30は、第1タッチ制御金属層TL1の概略平面図であり、
図31は、第2タッチ制御金属層TL2の概略平面図である。
図32は、第1タッチ制御金属層TL1と第2タッチ制御金属層TL2の積層後の概略平面図である。
【0181】
例えば、
図30に示すように、いくつかの実施例において、第1タッチ制御金属層TL1は、複数の金属線で形成される第1格子状タッチ制御電極を含む。
図31に示すように、第2タッチ制御金属層TL2は、複数の金属線で形成される第2格子状タッチ制御電極を含む。第1格子状タッチ制御電極と第2格子状タッチ制御電極との組み合わせにより、例えば、いくつかの位置で電気的に接続され、
図6、
図7および
図8に示すように、第1方向および第2方向に沿って接続される長方形状のブロック電極を形成することができる。
【0182】
例えば、
図30~
図32に示すように、タッチ制御電極の少なくとも一部は、第1タッチ制御金属層TL1に位置される第1金属線201および第2タッチ制御金属層TL2に位置される第2金属線202を含み、層間絶縁層ILには第1ビアホールVH1が配置され、第1金属線201が第1ビアホールVH1を介して第2金属線202と電気的に接続され、第2タッチ制御金属層TL2における複数の金属線で形成される第2格子状タッチ制御電極は、第1タッチ制御金属層TL1における複数の金属線で形成される第1格子状タッチ制御電極を、断線部分で電気的に接続させる。
【0183】
例えば、
図33は、
図32のタッチ制御層のC-C線に沿った概略断面図であり、
図33に示すように、当該断面において、層間絶縁層ILは、4つの第1ビアホールVH1を有し、第2タッチ制御金属層TL2における第2金属線202はそれぞれ、当該4つの第1ビアホールVH1を介して第1タッチ制御金属層TL1における第1金属線201と電気的に接続される。
【0184】
本開示の実施例において、第1ビアホールVH1を複数配置することにより、第1金属線201と第2金属線202との間の電気的接続効果を向上させることができる。
【0185】
例えば、
図34は、
図32のタッチ制御層のD-D線に沿った概略断面図であり、即ち、第1ビアホールVH1で第1金属線201または第2金属線202の延在方向と直交する方向に沿ったにおける概略断面図である。
【0186】
図34に示すように、第2金属線202は、第1金属線201の側縁に第1スロープ部203を有し、第1スロープ部203が第1サブスロープ部2031および第2サブスロープ部2032を含み、第1サブスロープ部2031が第2サブスロープ部2032のベース基板BSから離れた側に位置され、第1サブスロープ部2031の任意の点の接線とベース基板BSの表面との間の最大角度がα5であり、第2サブスロープ部2032の任意の点の接線とベース基板BSの表面との間の最大角度がα6であり、α5>α6である。これにより、第2金属線202は、第1金属線201および層間絶縁層ILをより良く覆うことができるため、第2金属線202を形成するプロセスにおいて、エッチング工程で使用されるガスにおける塩素ガス(Cl2)は、少なくとも第1サブスロープ部2031および第2サブスロープ部2032で覆われる層間絶縁層ILの部分で、層間絶縁層ILと接触しなく、これにより、従来の技術のように塩素ガスが層間絶縁層ILと接触してそのうちの水と反応して、塩化水素(HCl)を生成し、塩化水素と第2金属線202および/または第1金属線201における金属(例えば、AlまたはAg)と反応してそれを腐食し、製品の収率が低下することを回避できる。
【0187】
例えば、いくつかの実施例において、α5>50°、α6>10°である。例えば、α5>α6、α5>70°、α6>15°である。例えば、α5は、75°、80°または85°などであり、α6は、20°、25°または30°などである。
【0188】
例えば、いくつかの実施例において、第2タッチ制御金属層TL2(即ち、第2金属線202)は、チタン層-アルミニウム層-チタン層(Ti/Al/Ti)またはインジウムスズ酸化物層-銀層-インジウムスズ酸化物層(ITO/Ag/)の積層構造を含み、ベース基板BSに近いチタン層(Ti)またはインジウムスズ酸化物層(ITO)は、上記の最大角度α5および最大角度α6を形成する。
【0189】
例えば、いくつかの実施例において、α5は、α3とほぼ等しい。これは、開口部Oの周囲の狭額縁化およびプロセスの一貫性にとって有利である。
【0190】
なお、本開示の実施例において、AとBが「ほぼ等しい」とは、AとBの差がAまたはBの10%以下であることを意味する。
【0191】
例えば、
図6を参照すると、タッチ制御層ILは、タッチ制御電極と電気的に接続されるタッチ制御配線TCLをさらに含み、例えば、
図35は、
図6のM-M線に沿ったタッチ制御配線TCLの概略断面図を示す。
図35に示すように、タッチ制御配線TCLは、第1タッチ制御金属層TL1に位置される第1サブ配線TCL1および第2タッチ制御金属層TL2に位置される第2サブ配線TCL2を含み、層間絶縁層ILには第2ビアホールVH2が配置され、第1サブ配線TCL1が第2ビアホールVH2を介して第2サブ配線TCL2と電気的に接続される。
【0192】
例えば、
図35に示すように、第2サブ配線TCL2は、第1サブ配線TCL1の側縁に第2スロープ部204を有し、第2スロープ部204が第3サブスロープ部2041および第4サブスロープ部2042を含み、第3サブスロープ部2041が第4サブスロープ部2042のベース基板BSから離れた側に位置され、第3サブスロープ部2041の任意の点の接線とベース基板BSの表面との間の最大角度はα7であり、第4サブスロープ部2042の任意の点の接線とベース基板BSの表面との間の最大角度はα8であり、α7>α8となる。これにより、第2サブ配線TCL2は、第1サブ配線201および層間絶縁層ILをより良く覆うことができるため、第2サブ配線TCL2を形成するプロセスにおいて、エッチング工程で使用されるガスにおける塩素ガス(Cl2)は、少なくとも第3サブスロープ部2041および第4サブスロープ部2042で覆われる層間絶縁層ILの部分で、層間絶縁層ILと接触しなく、これにより、従来の技術のように塩素ガスが層間絶縁層ILと接触してそのうちの水と反応して、塩化水素(HCl)を生成し、塩化水素と第2サブ配線TCL2および/または第1サブ配線TCL1における金属(例えば、AlまたはAg)と反応してそれを腐食し、製品の収率が低下することを回避できる。
【0193】
例えば、いくつかの実施例において、α7>50°、α8>10°である。例えば、α7>α8、α7>70°、α8>15°である。例えば、α7は、75°、80°または85°などであり、α8は、20°、25°または30°などである。
【0194】
例えば、
図36は、表示基板の複数のサブピクセルの配置概略図を示す。
図36に示すように、複数のサブピクセルは、赤色サブピクセルR、青色サブピクセルBおよび緑色サブピクセルGを含むことができる。いくつかの実施例において、
図36に示すように、1つの赤色サブピクセルR、1つの青色サブピクセルBおよび2つの緑色サブピクセルGは、1つの繰り返し単位であり、複数の繰り返し単位がアレイに配置される。例えば、他のいくつかの例において、1つの赤色サブピクセルR、1つの青色サブピクセルBおよび1つの緑色サブピクセルGは、1つの繰り返し単位であり、複数の繰り返し単位がアレイに配置される。本開示の実施例は、複数のサブピクセルの配置方法について限定しない。
【0195】
例えば、
図36において、各サブピクセルが占める領域の形状は、六角形や五角形などのポリゴンであってもよく、他の実施例において、各サブピクセルが占める領域の形状は、楕円形、半楕円形、円形、半円形、またはマンゴーの形などの湾曲したエッジを有するグラフィックスであってもよい。本開示の実施例は、各サブピクセルが占める領域の形状について、特定の制限をしない。
【0196】
なお、本開示の実施例において、ベース基板BSは、ポリチド(PI)などの柔軟性絶縁材料またはガラス基板などの剛性絶縁材料を含むことができる。例えば、いくつかの例において、ベース基板BSは、複数の柔軟性層と複数のブロッキング層によって交互に配置された積層構造であってもよい。この場合、柔軟性層は、ポリチドを含むことができ、ブロッキング層は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンなどの無機絶縁材料を含むことができる。
【0197】
例えば、バッファ層101は、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコンなどの無機材料を含むことができる。活性層ATは、ポリシリコンと金属酸化物などの材料で作ることができる。第1ゲート絶縁層102および第2ゲート絶縁層103は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンなどの無機絶縁材料で作ることができ、ゲート電極GTおよび第1容量電極CE1は、銅、アルミニウム、チタン、コバルトなどの金属材料で、チタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの単一層または多層構造を形成することができる。第2容量電極CE2は、銅、アルミニウム、チタン、コバルトなどの金属または合金材料で作ることができる。層間絶縁層104は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンなどの無機絶縁材料で作ることができ、パッシベーション層1051は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンなどの無機絶縁材料で作ることができ、ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、銅、アルミニウム、チタン、コバルトなどの金属材料で、単一層構造または多層構造に形成することができ、例えば、チタン/アルミニウム/チタン、モリブデン/アルミニウム/モリブデンなどの多層構造に形成することができる。
【0198】
例えば、第1電極S1は、ITO、IZOなどの金属酸化物またはAg、Al、Moなどの金属またはその合金を含むアノードである。発光層E2の材料は、有機発光材料であってもよく、例えば、ニーズに応じて、特定の色の光(例えば、赤色、青色、緑色の光など)を発光する発光材料であってもよい。第2電極E3は、例えば、Mg、Ca、LiまたはAlなどの金属またはその合金、または、IZO、ZTOなどの金属酸化物、またはPEDOT/PSS(ポリ3,4-エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート)などの導電性有機材料を含むカソード層である。接続電極E4は、銅、アルミニウム、チタン、コバルトなどの金属材料またはその合金材料で作ることができる。
【0199】
例えば、平坦化層105(および平坦化層1052)、ピクセル定義層106およびスペーサ107は、ポリアミドなどの有機絶縁材料を使用することができる。パッシベーション層1051、無機サブ封止層108および110は、酸化シリコン、窒化シリコンまたは酸窒化シリコンなどの無機絶縁材料を使用することができ、サブ封止層109は、ポリイミド、樹脂などの有機材料を使用することができる。
【0200】
例えば、第1タッチ制御金属層TL1および第2タッチ制御金属層TL2は、金属材料、合金材料または金属酸化物などで、例えば、チタン層-アルミニウム層-チタン層(Ti/Al/Ti)またはインジウムスズ酸化物層-銀層-インジウムスズ酸化物層(ITO/Ag/ITO)などの積層構造に形成することができる。
【0201】
本開示の実施例は、表示基板の各構造の材料を特定に制限しない。
【0202】
本開示の少なくとも1つの実施例は、本開示の実施例によって提供される表示基板を備える、表示装置をさらに提供する。当該表示装置は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、モニター、ラップトップコンピュータ、デジタルフレーム、ナビゲータなどの表示機能を備える製品またはコンポーネントであってもよい。
【0203】
説明する次のポイントもある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例に関する構造のみを示し、他の構造について、通常の設計を参照することができる。
(2)明確にするために、本開示の実施例を説明するために使用される図面において、層または領域の厚さが拡大または縮小され、即ち、これらの図面は、実際の縮尺で描かれていない。層、フィルム、領域、または基板などの要素が別の要素の「上」または「下」にあると言及される場合、当該要素は、他の要素の「上」または「下」に「直接」位置することができるか、または中間要素が存在してもよい。
(3)矛盾がない場合、本開示の実施例および実施例の特徴を互いに組み合わせて、新たな実施例を得ることができる。
【0204】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されるものではなく、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲に基づくものである。
【符号の説明】
【0205】
101 バッファ層
102 第1ゲート絶縁層
103 第2ゲート絶縁層
104 層間絶縁層
105 平坦化層
106 ピクセル定義層
107 スペーサ
108 サブ封止層
109 サブ封止層
110 サブ封止層
【国際調査報告】