(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ティー型連結管の製造方法
(51)【国際特許分類】
B21C 37/29 20060101AFI20240820BHJP
B21C 37/06 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B21C37/29 C
B21C37/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570439
(86)(22)【出願日】2023-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 KR2023008340
(87)【国際公開番号】W WO2024010243
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0081721
(32)【優先日】2022-07-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521080440
【氏名又は名称】ノ,ソン グン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ノ,ソン グン
【テーマコード(参考)】
4E028
【Fターム(参考)】
4E028KA01
4E028KA02
(57)【要約】
本発明は、直線管の上部側に所定形状の成形孔を形成した状態で、プレス装置、及び、成形機構を介して、成形孔の周辺を引っ張りし、外側方向に突出して成形管部を形成することにより、一体型ティー型管を製造することができる。このために、堅牢性、生産性、作業性が確保されたティー型管を製造することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板10の中央に楕円形状の成形孔11を打孔した後、前記金属板10をロールフォーミングして管形態の直線管20で成形するS-1段階と、
内側に停止空間110が形成され、中央に円形状の挿入孔120が形成された
治具管100が下部金型200に停止するS-2段階と、
外周面が曲面となる成形ストーン300が前記挿入孔120を介して、
前記停止空間110に位置するS-3段階と、
前記治具管100の外側に前記直線管20が位置するS-4段階と、
上部金型400と前記下部金型200を組み合わせた後に、固定するS―5段階と、
前記上部金型400に通孔し形成された通過孔410を通過したプレス装置500のシャフト510と前記成形ストーン300を組み合わすS-6段階と、
前記シャフト510を上昇させて、前記成形ストーン300が前記成形孔11を強制的に通過することにより、成形管部31を形成してティー型管30で成形するS-7段階と、
及び、前記上部金型400と前記下部金型200を分離し、前記ティー型管30を前記治具管100から分離するS-8段階と、で構成されることを特徴とする
ティー型連結管の製造方法。
【請求項2】
前記S-1段階において、
前記直線管20の直径dは147mm~149mmで形成され、
前記成形孔11の短軸直径bは57.8mm~58.5mm、長軸直径cは120.9mm
~121.9mmで形成される
ことを特徴とする請求項1に記載のティー型連結管の製造方法。
【請求項3】
前記S-1段階において、
前記直線管20の直径dと前記成形孔11の短軸直径bとの比は1:0.4であり、
前記成形孔11の短軸直径bと長軸直径cとの比は1:2ある
ことを特徴とする請求項1に記載のティー型連結管の製造方法。
【請求項4】
前記S-3段階において、
前記成形ストーン300の前記外周面に対する半径rは前記直線管20の半径と同一である
ことを特徴とする請求項2または3に記載のティー型連結管の製造方法。
【請求項5】
前記S-7段階において、
前記プレス装置500は圧力1TON、速度0.05m/sで前記成形ストーン300を
上昇させて、前記成形孔11の周辺を引張りして、前記成形管部31を成形することを特徴とする請求項2または3に記載のティー型連結管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティー型連結管の製造方法に関し、金属板10の中央に楕円形状の成形孔11を打孔した後、前記金属板10をロールフォーミングして管形態の直線管20で成形するS-1段階と、そして、内側に停止空間110が形成され、中央に円形状の挿入孔120が形成された治具管100を下部金型200に停止するS-2段階と、そして、外周面が曲面で形成された成形ストーン300が前記挿入孔120を介して前記停止空間110に位置するS-3段階と、そして、前記治具管100の外側で前記直線管20が位置するS-4段階と、そして、前記上部金型400と前記下部金型200を結合した後、固定するS-5段階と、そして、前記上部金型400に通孔し形成された通過孔410を通過したプレス装置500のシャフト510と前記成形ストーン300を結合するS-6段階と、そして、前記シャフト510を上昇させ、前記成形ストーン300が前記成形孔11を強制的に通過することにより、成形管部31を形成してティー型管30で成形するS-7段階と、及び、前記上部金型400と前記下部金型200とを分離し、前記ティー型管30を前記治具管100から分離するS-8段階と、で構成されることを特徴とするティー型連結管の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、空調施設に使用されるパイプは使用目的によって水や油、ガスなどの流体が移動することができる通路である。これらのパイプは通常、直線形態で成形して使用されており、パイプとパイプの間にはエルボ、T型、Y型、レデューシャなどの分岐型パイプが結合して、流体の流れを分配または合流させることに使用される。
【0003】
このような分岐型パイプを使用することにより、複数個の直線形パイプをT字、Y字、または、他の形状で配列、及び、連結しなくてもよいことにより、作業時間を短縮し、資材使用を節減することができるし、維持/補修が比較的簡単で、公共施設、または、住宅などでよく使われている。
【0004】
このような分岐型パイプは、フォーミング装置、または、金型装置を介して射出成形されることが一般的であり、その実施例の中に、下記特許文献1の"ティー型継手管成形用金型装置(大韓民国登録特許公報第10-1444743号)"が掲示されている。
【0005】
前記特許文献1の"ティー型継手管成形用金型装置"は内部に前記ティーT型継手管の外形に相応する形状の空間部が形成される第1金型枠と、そして、内部に前記ティーT型継手の外形に相応する形状の空間部が形成され、前記第1金型枠と複数のガイドロッドで連結され、相互間に開閉可能に構成される第2金型枠と、そして、前記空間部に配置され、前記第1金型枠、及び、第2金型枠が閉鎖された状態で、T型継手管が成形される空間であるキャビティが形成されるように、前記第1金型枠、及び、第2金型枠の内周縁と所定間隔を離間して構成される束金型部と、そして、前記キャビティ内部に軟化された樹脂組成物が注入されるように、前記第1金型枠、または、第2金型枠に形成される一つ以上の注入孔と、を含み、前記空間部は横空間部と前記横空間部の一側と連結される縦空間部で構成され、前記横空間部と縦空間部との交差支点に流体流れの誘導枠が形成されることが特徴である。これにより、継手管を多様な管径別に容易に製作することができ、一つの金型装置で多様な管径となった枝管を製作することができて、生産費用、及び、製作時間を節減することがきるという長所があった。
【0006】
しかし、前記特許文献1の"T字型継手管成形用金型装置"は、構造上の継手管が一体型に、成形されなくて、連結部分が脆弱であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10-1444743号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するために考案されたもので、本発明の目的は、直線管の上部側に所定形状の成形孔を形成した状態で、プレス装置、及び、成形機構を介して、成形孔周辺を引いて外側方向に突出させ、成形管部を形成することにより、一体型ティー型管を製造することができる。これにより堅牢性、生産性、作業性が確保されたティー型管を製造することができるティー型連結管の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような問題点を解決するために、本発明に係るティー型連結管の製造方法は、金属板10の中央に楕円形状の成形孔11を打孔した後、前記金属板10をロールフォーミングして管形態の直線管20で成形するS-1段階と、そして、内側に停止空間110が形成され、中央に円形状の挿入孔120が形成された治具管100を下部金型200に停止するS-2段階と、そして、外周面が曲面で形成された成形ストーン300が前記挿入孔120を介して、前記停止空間110に位置するS-3段階と、そして、前記治具管100の外側で前記直線管20が位置するS-4段階と、そして、上部金型400と前記下部金型200を結合した後に固定するS-5段階と、そして、前記上部金型400に通孔し形成された通過孔410を通過したプレス装置500のシャフト510と前記成形ストーン300を結合するS-6段階と、そして、前記シャフト510を上昇させ、前記成形ストーン300が前記成形孔11を強制的に通過することにより、成形管部31を形成し、ティー型管30で成形するS-7段階と、及び、前記上部金型400と前記下部金型200を分離し、前記ティー型管30を前記治具管100から分離するS-8段階と、で構成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記S-1段階において、前記直線管20の直径dは147mm~149mmで形成され、前記成形孔11の短軸直径bは57.8mm~58.5mm、長軸直径cは120.9mm~121.9mmで形成されることを特徴とする。
【0011】
また、前記S-1段階において、前記直線管20の直径dと前記成形孔11の短軸直径bの比は1:0.4であり、前記成形孔11の短軸直径bと長軸直径cの比は1:2であることを特徴とする。
【0012】
また、前記S-3段階において、前記成形ストーン300の外周面に対する半径rは前記直線管20の半径と同じであることを特徴とする。
また、前記S-7段階で、前記プレス装置500は圧力1TON、速度0.05m/sで、前記成形ストーン300を上昇させて、前記成形孔11の周辺を引張りして、前記成形管部31を成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、直線管の上部側に所定形状の成形孔を形成した状態でプレス装置、及び、成形機構を介して成形孔の周辺を引張りして外側方向に突出して、成形管部を形成することにより、一体型ティー型管を製造することができる。これによって、堅牢性、生産性、作業性が確保されたティー型管を製造することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図2】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図4】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図5】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図6】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図7】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図8】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図9】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図10】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を順に示す図である。
【
図11】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法の中に上、下部の金型の間に位置した治具管、直線管、成形ストーンの様子を示す内部図である。
【
図12】金属板、及び、直線管の様子を示す状態図である。
【
図13】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法の構成の中に、成形ストーンの様子を示す正面図である。
【
図14】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を介して製造されたティー型管の様子を示す実施例図である。
【
図15】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を介して製造されたティー型管の様子を示す実施例図である。
【
図16】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を介して製造されたティー型管の様子を示す実施例図である。
【
図17】本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法を介して製造されたティー型管の様子を示す実施例図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施例に係るティー型連結管の製造方法を詳細に説明する。まず、図面の中に、同一の構成要素、または、部品は可能な限り同一な参照符号で示されていることに注意すべきである。本発明を説明することにおいて関連する公知機能あるいは構成に関する具体的な説明は、本発明の要旨を曖昧でないようにするために省略する。
【0016】
以下では、
図1~
図10を参照して、本発明の好ましい実施例に係るティー型連結管の製造方法について説明する。
【0017】
図1に示すように、まずSUS、または、他の金属材料で構成された金属板10を準備する。このとき、金属板10の中央にはレーザー加工装置、または、打抜装置を利用して楕円形状の成形孔11を打孔する。その後、金属板10をロールフォーミングして管形態の直線管20で成形する(S-1段階)。このとき、成形孔11の長軸直径c,Lの方向は直線管20の長さ方向と同一な方向に位置する。
【0018】
次に、
図2に示すように、下部金型200上に、直線管20の成形をガイドする治具管100を停止させる(S-2段階)。このとき、治具管100の内側は空間で構成された停止空間110が形成され、中央側の外周面には円形状で形成されて後術する成形ストーン300が挿入、及び、引き出されるように挿入孔120が形成される。この場合、挿入孔120は成形孔11よりもその直径が大きく形成されることが好ましい。
【0019】
次に、
図3、または、
図4に示すように、外周面が曲面で構成された成形ストーン300が前記挿入孔120を介して停止空間110に位置する(S-3段階)。このとき、
図13に示すように、成形ストーン300の外周面に対する半径rは、直線管20の半径と同一に形成されることが好ましい。
【0020】
次に、
図5、または、
図6に示すように、治具管100を下部金型200から持ち上げた後、治具管100の外側に直線管20を結合させた後、治具管100を再び下部金型200に停止させる(S-4段階)。このとき、挿入孔120と成形孔11は、その中心が垂直上同一な位置となるように設置する。この場合、挿入孔120が成形孔11よりも大きく形成されることにより、
図12に示すように、平面上見た時に、成形孔11が挿入孔120の内側に位置する。
【0021】
次に、
図7に示すように、上部金型400と前記下部金型200を結合した後に固定する(ステップS-5)。このとき、上部金型400には直線管20の直径dと同一な直径を有する通過孔410が通孔し形成される。
【0022】
その後、
図11に示すように、プレス装置500のシャフト510が通過孔410を通過して成形ストーン300の上部と結合する(S-6段階)。
【0023】
次に、
図8に示すように、プレス装置500を駆動してシャフト510を上昇させ、成形ストーン300が成形孔11を強制的に通過する。これにより、成形孔11の周囲の一部が上部方向に引っ張られることにより、当該部位外側方向に突出して、成形管部31を形成し、結局にT字形態のティー型管30が成形される(S-7段階)。
【0024】
次に、
図9、または、
図10に示すように、上部金型400と前記下部金型200を分離し、ティー型管30を治具管100から分離する(S-8段階)。
【0025】
上記のような工程を介して、直線管20をティー型管30に成形することができる。
【0026】
一方、
図14~
図17は、成形孔11の短軸直径b、W、長軸直径c、Lの各サイズ別にプレス装置500の駆動力を介して、成形ストーン300が成形孔11の周辺を引張りして成形管部31を成形した実施例に関する写真である。
【0027】
このとき、プレス装置500の駆動条件は圧力1TON、速度0.05m/sで、前記成形ストーン300を上昇させて前記成形孔11周辺を引張りし、直線管20の直径dは147mmで形成した。
【0028】
その結果、成形孔11の短軸直径Wを105mm、長軸直径Lを130mmで設定した1次成形物、成形孔11の短軸直径Wを69mm、長軸直径Lを120mmで設定した2次成形物、成形孔11の短軸直径Wを77mm、長軸直径Lを137mmで設定した3次成形物、成形孔11の短軸直径Wを64mm、長軸直径Lを1,240mmで設定した4次成形物、成形孔11の短軸直径Wを59mm、長軸直径Lを120.9mmで設定した5次成形物の場合、各成形管部31の外側面が破れたり、最上端にひどい屈曲が発生した。
【0029】
一方、成形孔11の短軸直径Wを57.8mm、長軸直径Lを120.9mmで設定した6次成形物、及び、成形孔11の短軸直径Wを58.5mm、長軸直径Lを121.9mmで設定した7次成形物の場合、各成形管部31が別途の問題事項がなしに正しく形成された。
【0030】
すなわち、前記直線管20の直径dは147mm~149mmで設定した状態で、前記成形孔11の短軸直径bは57.8mm~58.5mm、長軸直径cは120.9mm~121.9mmで形成される時に、周辺がやぶれることが発生せずに、最上端が平行な状態で形成された成形管部31が成形されることがわかる。
【0031】
比率によれば、直線管20の直径dと前記成形孔11の短軸直径bとの比は1:0.4であり、成形孔11の短軸直径bと長軸直径cの比は1:2となるときに、良品の成形管部31が成形されることがわかる。
【0032】
図面と明細書で最適の実施例を開示した。ここで特定の用語を用いたが、これは単に本発明を説明するための目的で用いたものであり、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために用いたものではない。従って、当該技術分野の通常の知識を有する者であれば、多様な変形および均等な他の実施例が可能であることを理解すべきである。また、本発明の真の技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められる。
【符号の説明】
【0033】
10:金属板
11:成形孔
20:直線管
30:ティー型管
31:成形管部
100:治具管
200:下部金型
300:成形ストーン
400:上部金型
500:プレス装置
510:シャフト
b、W:成形孔の短軸直径
c、L:成形孔の長軸直径
【国際調査報告】