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特表2024-530863微小球状物質を特性評価するためのシステム、方法及びコンピュータ可読媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】微小球状物質を特性評価するためのシステム、方法及びコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/08 20060101AFI20240820BHJP
   B01J 35/51 20240101ALI20240820BHJP
   B01J 29/08 20060101ALI20240820BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240820BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20240820BHJP
   G06V 10/82 20220101ALI20240820BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20240820BHJP
   B01J 35/60 20240101ALI20240820BHJP
【FI】
G01N15/08 H
B01J35/51
B01J29/08 M
G06T7/00 350C
G06T7/11
G06V10/82
G06T7/62
B01J35/60 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501519
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(85)【翻訳文提出日】2024-03-07
(86)【国際出願番号】 US2022036970
(87)【国際公開番号】W WO2023287888
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/203,217
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505470786
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カラス,カール シー.
(72)【発明者】
【氏名】ロー,ケー-ビン
(72)【発明者】
【氏名】キャメロタ,デビッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,シンタオ
【テーマコード(参考)】
4G169
5L096
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA09
4G169AA11
4G169AA20
4G169BA01A
4G169BA01B
4G169BA02A
4G169BA02B
4G169BA02C
4G169BA07A
4G169BA10A
4G169BA10B
4G169BA14A
4G169BA14B
4G169BC02A
4G169BC02B
4G169BC29A
4G169BC39A
4G169BC40A
4G169BC41A
4G169BD07A
4G169CC07
4G169DA08
4G169EA02X
4G169EA02Y
4G169EA04X
4G169EA04Y
4G169EB12X
4G169EB12Y
4G169EB17X
4G169EB17Y
4G169EB18Y
4G169EB20
4G169EC27
4G169ED03
4G169FC05
4G169ZA03A
4G169ZA04A
4G169ZA04B
4G169ZA05A
4G169ZA11A
4G169ZA12A
4G169ZA13A
4G169ZA14A
4G169ZA16A
4G169ZA19A
4G169ZF02A
4G169ZF02B
5L096BA08
5L096DA01
5L096DA02
5L096FA02
5L096FA04
5L096FA53
5L096FA59
5L096FA64
5L096FA69
5L096GA51
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
(57)【要約】
微小球状物質の多孔度を特性評価し、微小球状物質の後方散乱電子走査電子顕微鏡(BSE-SEM)画像の空間的に連続する画像領域をその画像領域の粒子組成に従って分類するための分類器モデルをトレーニングし、且つ微小球状物質の元素組成を特性評価するための方法、システム及びコンピュータ可読媒体が開示される。方法は、試料微小球状物質の顕微鏡画像を表す画像データを受信することと、画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化することと、トレーニングされた機械学習モデルにより、複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを分類することと、微小球状物質を特性評価することとを含む。本開示は、アルミナ、及び/又は粘土、及び/又はゼオライトを含む微小球を含む、FCC触媒として使用するための組成物にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微小球状物質の多孔度を特性評価する方法であって、
試料微小球状物質の顕微鏡画像を表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを、
粒子、
粒子内細孔、又は
粒子間空隙
の1つに対応するものとして分類すること、
前記微小球状物質の前記多孔度を、
前記粒子内細孔の数、
前記粒子内細孔の面積、
前記粒子内細孔の等価直径、
前記粒子内細孔の細孔面積分率
の少なくとも1つに基づいて特性評価すること
を含む方法。
【請求項2】
前記顕微鏡画像は、走査電子顕微鏡法又は透過電子顕微鏡法の1つによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記顕微鏡画像は、断面走査電子顕微鏡法又は断面透過電子顕微鏡法の1つによって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記顕微鏡画像は、後方散乱電子走査電子顕微鏡法によって得られる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記画像データは、二次元画像データである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、閾値面積を超える面積を有する前記粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
閾値面積は、250μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、閾値直径を超える等価直径を有する前記粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
閾値直径は、10μmである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の平均面積に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の前記等価直径のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の平均面積のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記細孔面積分率のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記試料微小球状物質は、撮像前にエポキシ樹脂中に埋め込まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
エポキシ樹脂は、撮像前に研磨及びカーボンコートされる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記機械学習モデルは、手動でアノテーションされた画像データをグランドトゥルースリファレンスとして使用して、粒子、粒子内細孔及び粒子間空隙を区別するようにトレーニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記機械学習モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記微小球状物質は、ギブサイト、フラッシュ焼成ギブサイト、ベーマイト、アルミナ、カオリン粘土、含水粘土、焼成粘土又はケイ酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記微小球状物質は、ジェット粉砕物質を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
細孔径は、ノギス又は等価直径の形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
試料微小球状物質の顕微鏡画像を表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを、
粒子、
粒子内細孔、又は
粒子間空隙
の1つに対応するものとして分類すること、
前記微小球状物質の多孔度を、
前記粒子内細孔の数、
前記粒子内細孔の面積、
前記粒子内細孔の等価直径、又は
前記粒子内細孔の細孔面積分率
の少なくとも1つに基づいて特性評価すること
を行うように構成された少なくとも1つのシステム
を含むシステム。
【請求項23】
前記顕微鏡画像は、走査電子顕微鏡法又は透過電子顕微鏡法の1つによって得られる、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記顕微鏡画像は、断面走査電子顕微鏡法又は断面透過電子顕微鏡法の1つによって得られる、請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記顕微鏡画像は、後方散乱電子走査電子顕微鏡法によって得られる、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記画像データは、二次元画像データである、請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、閾値面積を超える面積を有する前記粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
閾値面積は、250μmである、請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、閾値直径を超える等価直径を有する前記粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項31】
閾値直径は、10μmである、請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の平均面積に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項33】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の前記等価直径のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項34】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の平均面積のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項35】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記細孔面積分率のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項36】
前記試料微小球状物質は、撮像前にエポキシ樹脂中に埋め込まれる、請求項22に記載のシステム。
【請求項37】
エポキシ樹脂は、撮像前に研磨及びカーボンコートされる、請求項22に記載のシステム。
【請求項38】
前記機械学習モデルは、手動でアノテーションされた画像データをグランドトゥルースリファレンスとして使用して、粒子、粒子内細孔及び粒子間空隙を区別するようにトレーニングされる、請求項22に記載のシステム。
【請求項39】
前記機械学習モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項40】
前記微小球状物質は、ギブサイト、フラッシュ焼成ギブサイト、ベーマイト、アルミナ、カオリン粘土、含水粘土、焼成粘土又はケイ酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項41】
前記微小球状物質は、ジェット粉砕物質を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項42】
細孔径は、ノギス又は等価直径の形態である、請求項22に記載のシステム。
【請求項43】
試料微小球状物質の顕微鏡画像を表す画像データを受信するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを、
粒子、
粒子内細孔、又は
粒子間空隙
の1つに対応するものとして分類するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを、
粒子、
粒子内細孔、又は
粒子間空隙
の1つに対応するものとして分類するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記微小球状物質の多孔度を、
前記粒子内細孔の数、
前記粒子内細孔の面積、
前記粒子内細孔の等価直径、又は
前記粒子内細孔の細孔面積分率
の少なくとも1つに基づいて特性評価するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント
を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記顕微鏡画像は、走査電子顕微鏡法又は透過電子顕微鏡法の1つによって得られる、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記顕微鏡画像は、断面走査電子顕微鏡法又は断面透過電子顕微鏡法の1つによって得られる、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記顕微鏡画像は、後方散乱電子走査電子顕微鏡法によって得られる、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項47】
前記画像データは、二次元画像データである、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項48】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項49】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、閾値面積を超える面積を有する前記粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項50】
閾値面積は、250μmである、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項51】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、閾値直径を超える等価直径を有する前記粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項52】
閾値直径は、10μmである、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項53】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の平均面積に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項54】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の前記等価直径のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項55】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記粒子内細孔の平均面積のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項56】
前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することは、前記細孔面積分率のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項57】
前記試料微小球状物質は、撮像前にエポキシ樹脂中に埋め込まれる、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項58】
エポキシ樹脂は、撮像前に研磨及びカーボンコートされる、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項59】
前記機械学習モデルは、手動でアノテーションされた画像データをグランドトゥルースリファレンスとして使用して、粒子、粒子内細孔及び粒子間空隙を区別するようにトレーニングされる、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項60】
前記機械学習モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項61】
前記微小球状物質は、ギブサイト、フラッシュ焼成ギブサイト、ベーマイト、アルミナ、カオリン粘土、含水粘土、焼成粘土又はケイ酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項62】
前記微小球状物質は、ジェット粉砕物質を含む、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項63】
細孔径は、ノギス又は等価直径の形態である、請求項43に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項64】
微小球状物質の後方散乱電子走査電子顕微鏡(BSE-SEM)画像の空間的に連続する画像領域を前記画像領域の粒子組成に従って分類するための分類器モデルをトレーニングする方法であって、
1つ以上の試料微小球状物質の複数のBSE-SEM画像と、その対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像とを表すトレーニング画像データを受信すること、
前記分類器モデルを利用して、前記対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の前記複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすること
を含む方法。
【請求項65】
前記BSE-SEM画像は、断面BSE-SEMによって得られる、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記トレーニング画像データは、二次元画像データである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率で得られる、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ視野で得られる、請求項64に記載の方法。
【請求項70】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率及び実質的に同じ視野で得られる、請求項64に記載の方法。
【請求項71】
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることは、アルミナと、粘土ベースのシリカ-アルミナとを区別するように前記分類器モデルをトレーニングすることを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項72】
アルミナは、ギブサイト、フラッシュ焼成ギブサイト、ベーマイト又はアルミナの少なくとも1つを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
粘土ベースのシリカ-アルミナは、カオリン粘土、含水粘土、焼成粘土又はケイ酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記分類器モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項75】
1つ以上の試料微小球状物質の複数のBSE-SEM画像と、対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像とを表すトレーニング画像データを受信すること、
前記対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の粒子組成に従って分類するようにトレーニングすること
を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含むシステム。
【請求項76】
前記BSE-SEM画像は、断面BSE-SEMによって得られる、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記トレーニング画像データは、二次元画像データである、請求項75に記載のシステム。
【請求項78】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項75に記載のシステム。
【請求項79】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率で得られる、請求項75に記載のシステム。
【請求項80】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ視野で得られる、請求項75に記載のシステム。
【請求項81】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率及び実質的に同じ視野で得られる、請求項75に記載のシステム。
【請求項82】
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることは、アルミナと、粘土ベースのシリカ-アルミナとを区別するように前記分類器モデルをトレーニングすることを含む、請求項75に記載のシステム。
【請求項83】
前記アルミナは、ギブサイト、フラッシュ焼成ギブサイト、ベーマイト又はアルミナの少なくとも1つを含む、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記粘土ベースのシリカ-アルミナは、カオリン粘土、含水粘土、焼成粘土又はケイ酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項82に記載のシステム。
【請求項85】
前記分類器モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項75に記載のシステム。
【請求項86】
1つ以上の試料微小球状物質の複数のBSE-SEM画像と、対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像とを表すトレーニング画像データを受信するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションするために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の粒子組成に従って分類するようにトレーニングするために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント
を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項87】
前記BSE-SEM画像は、断面BSE-SEMによって得られる、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項88】
前記トレーニング画像データは、二次元画像データである、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項89】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項90】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率で得られる、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項91】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ視野で得られる、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項92】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率及び実質的に同じ視野で得られる、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項93】
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることは、アルミナと、粘土ベースのシリカ-アルミナとを区別するように前記分類器モデルをトレーニングすることを含む、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項94】
前記アルミナは、ギブサイト、フラッシュ焼成ギブサイト、ベーマイト又はアルミナの少なくとも1つを含む、請求項93に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項95】
前記粘土ベースのシリカ-アルミナは、カオリン粘土、含水粘土、焼成粘土又はケイ酸ナトリウムの少なくとも1つを含む、請求項93に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項96】
前記分類器モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項86に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項97】
微小球状物質の組成を特性評価する方法であって、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像と、その対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像との第1のセットを表すトレーニング画像データを受信すること、
前記EDX画像に基づいて、少なくとも1つの化学元素の閾値を確立すること、
分類器モデルを利用して、前記対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記組成の前記化学元素に従って分類するようにトレーニングすること、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
前記分類器モデルを適用すること、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを化学元素に対応するものとして分類すること
を含む方法。
【請求項98】
前記BSE-SEM画像は、断面BSE-SEMによって得られる、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記トレーニング画像データは、二次元画像データである、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項97に記載の方法。
【請求項101】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率で得られる、請求項97に記載の方法。
【請求項102】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ視野で得られる、請求項97に記載の方法。
【請求項103】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率及び実質的に同じ視野で得られる、請求項97に記載の方法。
【請求項104】
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、非金属元素並びにアクチニド及びランタニド元素を区別するように前記分類器モデルをトレーニングすることを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項105】
前記金属元素は、鉄及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記メタロイドは、ケイ素である、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
前記非金属元素は、リンである、請求項104に記載の方法。
【請求項108】
前記ランタニド元素は、ランタンであり、前記メタロイドは、ケイ素であり、及び前記金属元素は、アルミニウムである、請求項104に記載の方法。
【請求項109】
前記分類器モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項97に記載の方法。
【請求項110】
色分けされた化学元素の組み合わせを前記BSE画像領域内の1つ以上の相に割り当てること、
前記分類器モデルを利用して、それぞれの対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の前記複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記組成の前記化学元素の組み合わせに従って分類するようにトレーニングすること、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
前記分類器モデルを適用すること、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを相に対応するものとして分類すること
を更に含む、請求項97に記載の方法。
【請求項111】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、閾値面積を超える面積を有する粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
閾値面積は、250μmである、請求項110に記載の方法。
【請求項113】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、閾値直径を超える等価直径を有する粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項114】
閾値直径は、10μmである、請求項110に記載の方法。
【請求項115】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の平均面積に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項116】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の等価直径のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項117】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の平均面積のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項118】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、細孔面積分率のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項110に記載の方法。
【請求項119】
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像と、その対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像との第1のセットを表すトレーニング画像データを受信すること、
前記EDX画像に基づいて、少なくとも1つの化学元素の閾値を確立すること、
前記対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の組成の前記化学元素に従って分類するようにトレーニングすること、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
前記トレーニングされた分類器モデルを適用して、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを化学元素に対応するものとして分類すること
を行うように構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含むシステム。
【請求項120】
前記BSE-SEM画像は、断面BSE-SEMによって得られる、請求項119に記載のシステム。
【請求項121】
前記トレーニング画像データは、二次元画像データである、請求項119に記載のシステム。
【請求項122】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項119に記載のシステム。
【請求項123】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率で得られる、請求項119に記載のシステム。
【請求項124】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ視野で得られる、請求項119に記載のシステム。
【請求項125】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率及び実質的に同じ視野で得られる、請求項119に記載のシステム。
【請求項126】
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、非金属元素並びにアクチニド及びランタニド元素を区別するように前記分類器モデルをトレーニングすることを含む、請求項119に記載のシステム。
【請求項127】
前記金属元素は、鉄及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項126に記載のシステム。
【請求項128】
前記メタロイドは、ケイ素である、請求項126に記載のシステム。
【請求項129】
前記非金属元素は、リンである、請求項126に記載のシステム。
【請求項130】
ランタニド元素は、ランタンであり、メタロイドは、ケイ素であり、及び金属元素は、アルミニウムである、請求項125に記載のシステム。
【請求項131】
前記分類器モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項119に記載のシステム。
【請求項132】
前記プロセッサは、
色分けされた化学元素の組み合わせを前記BSE画像領域内の1つ以上の相に割り当てること、
それぞれの対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の前記複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記組成の前記化学元素の組み合わせに従って分類するようにトレーニングすること、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
前記分類器モデルを適用して、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを相に対応するものとして分類すること
を行うように更に構成される、請求項119に記載のシステム。
【請求項133】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、閾値面積を超える面積を有する粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項134】
閾値面積は、250μmである、請求項132に記載のシステム。
【請求項135】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、閾値直径を超える等価直径を有する粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項136】
閾値直径は、10μmである、請求項132に記載のシステム。
【請求項137】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の平均面積に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項138】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の等価直径のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項139】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の平均面積のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項140】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、細孔面積分率のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項132に記載のシステム。
【請求項141】
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像と、対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像との第1のセットを表すトレーニング画像データを受信するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記EDX画像に基づいて、少なくとも1つの化学元素の閾値を確立するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションするために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の組成の前記化学元素に従って分類するようにトレーニングするために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
前記分類器モデルを適用するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを化学元素に対応するものとして分類するために使用されるコンピュータプログラムコードセグメント
を含む非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項142】
前記BSE-SEM画像は、断面BSE-SEMによって得られる、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項143】
前記トレーニング画像データは、二次元画像データである、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項144】
前記画像データは、三次元画像データである、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項145】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率で得られる、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項146】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ視野で得られる、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項147】
前記BSE-SEM画像及び前記EDX画像は、実質的に同じ倍率及び実質的に同じ視野で得られる、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項148】
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、非金属元素並びにアクチニド及びランタニド元素を区別するように前記分類器モデルをトレーニングすることを含む、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項149】
前記金属元素は、鉄及びアルミニウムからなる群から選択される、請求項148に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項150】
前記メタロイドは、ケイ素である、請求項148に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項151】
前記非金属元素は、リンである、請求項148に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項152】
前記ランタニド元素は、ランタンであり、前記メタロイドは、ケイ素であり、及び前記金属元素は、アルミニウムである、請求項148に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項153】
前記分類器モデルは、人工ニューラルネットワークを含む、請求項139に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項154】
色分けされた化学元素の組み合わせを前記BSE画像領域内の1つ以上の相に割り当てること、
それぞれの対応する色分けされたEDXを前記BSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つ前記BSEトレーニング画像の前記複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすること、
前記アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、前記分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域を前記画像領域の前記組成の前記化学元素の組み合わせに従って分類するようにトレーニングすること、
1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信すること、
前記画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化すること、
前記分類器モデルを適用すること、
トレーニングされた機械学習モデルにより、前記複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを相に対応するものとして分類すること
を行うために使用されるコンピュータプログラムコードセグメントを更に含む、請求項141に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項155】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、閾値面積を超える面積を有する粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項156】
閾値面積は、250μmである、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項157】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、閾値直径を超える等価直径を有する粒子内細孔の数に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項158】
閾値直径は、10μmである、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項159】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の平均面積に基づいて、前記微小球状物質の前記多孔度を特性評価することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項160】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の等価直径のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項161】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、粒子内細孔の平均面積のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項162】
前記微小球状物質の多孔度を特性評価することは、細孔面積分率のヒストグラムを表示装置に出力することを含む、請求項154に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項163】
微小球を含む、FCC触媒として使用するための組成物であって、
前記微小球は、アルミナを含み、
前記微小球は、等価直径が1ミクロンを超えるマクロポアを含み、及び
10ミクロンを超えるマクロポアの割合は、約50ppm~約1850ppmの範囲である、組成物。
【請求項164】
前記微小球は、粘土及び/又はゼオライトを更に含む、請求項163に記載の使用のための組成物。
【請求項165】
前記微小球は、約0.2~約2μmの平均細孔面積範囲を有するマクロポアを含む、請求項163に記載の使用のための組成物。
【請求項166】
前記微小球は、約5%~約21%の範囲の平均多孔度を有するマクロポアを含む、請求項163に記載の使用のための組成物。
【請求項167】
前記微小球は、約0.6~約1.1μmの細孔範囲のd90を有するマクロポアを含む、請求項163に記載の使用のための組成物。
【請求項168】
前記微小球は、ゼオライトを更に含む、請求項163~167のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
【請求項169】
前記ゼオライトは、フォージャサイト(Y、USY、Re-Y)、ZSM-5、ベータ、FER、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-35、MSM-68、チャバザイト及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記ゼオライトは、元素によって修飾される、請求項168に記載の使用のための組成物。
【請求項170】
前記元素は、リン及び遷移金属からなる群から選択される、請求項169に記載の使用のための組成物。
【請求項171】
前記ゼオライトは、Yを含む、請求項169に記載の使用のための組成物。
【請求項172】
前記ゼオライトは、FERを含む、請求項169に記載の使用のための組成物。
【請求項173】
前記ゼオライトは、ZSM-5を含む、請求項169に記載の使用のための組成物。
【請求項174】
前記ゼオライトは、ベータを含む、請求項169に記載の使用のための組成物。
【請求項175】
前記ゼオライトは、ZSM-22を含む、請求項169に記載の使用のための組成物。
【請求項176】
微小球を含む、FCC触媒として使用するための組成物であって、
前記微小球は、アルミナ及びゼオライトを含み、
前記微小球は、約0.6~約1.1μmの細孔範囲のd90を有するマクロポアを含む、組成物。
【請求項177】
前記微小球は、粘土を更に含む、請求項176に記載の使用のための組成物。
【請求項178】
前記微小球は、約0.6~約1.1μmの細孔範囲のd90を有するマクロポアを含む、請求項176に記載の使用のための組成物。
【請求項179】
前記微小球は、等価直径が0.5μmを超えるマクロポアを含む、請求項176に記載の使用のための組成物。
【請求項180】
前記ゼオライトは、フォージャサイト(Y、USY、Re-Y)、ZSM-5、ベータ、FER、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-35、MSM-68、チャバザイト及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記ゼオライトは、元素によって修飾される、請求項176に記載の使用のための組成物。
【請求項181】
前記元素は、リン及び遷移金属からなる群から選択される、請求項180に記載の使用のための組成物。
【請求項182】
前記ゼオライトは、Yを含む、請求項180に記載の使用のための組成物。
【請求項183】
前記ゼオライトは、FERを含む、請求項180に記載の使用のための組成物。
【請求項184】
前記ゼオライトは、ZSM-5を含む、請求項180に記載の使用のための組成物。
【請求項185】
前記ゼオライトは、ベータを含む、請求項180に記載の使用のための組成物。
【請求項186】
前記ゼオライトは、ZSM-22を含む、請求項180に記載の使用のための組成物。
【請求項187】
微小球を含む、FCC触媒として使用するための組成物であって、
前記微小球は、粘土及びゼオライトを含み、
前記微小球は、0.5μmを超える細孔のd90を有するマクロポアを含む、組成物。
【請求項188】
前記微小球は、約0.5~約1.1μmの細孔範囲のd90を有するマクロポアを含む、請求項187に記載の使用のための組成物。
【請求項189】
前記微小球は、約0.2~約2μmの平均細孔面積範囲を有するマクロポアを含む、請求項187に記載の使用のための組成物。
【請求項190】
前記微小球は、約5%~約21%の範囲の平均多孔度を有するマクロポアを含む、請求項187に記載の使用のための組成物。
【請求項191】
前記ゼオライトは、フォージャサイト(Y、USY、Re-Y)、ZSM-5、ベータ、FER、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-35、MSM-68、チャバザイト及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記ゼオライトは、元素によって修飾される、請求項187に記載の使用のための組成物。
【請求項192】
前記元素は、リン及び遷移金属からなる群から選択される、請求項191に記載の使用のための組成物。
【請求項193】
前記ゼオライトは、ZSM-5を含む、請求項191に記載の使用のための組成物。
【請求項194】
前記ゼオライトは、ベータを含む、請求項191に記載の使用のための組成物。
【請求項195】
前記微小球は、結合剤を更に含む、請求項187に記載の使用のための組成物。
【請求項196】
前記結合剤は、リンを含まない、請求項195に記載の使用のための組成物。
【請求項197】
前記結合剤は、アルミナを含まない、請求項195に記載の使用のための組成物。
【請求項198】
前記結合剤は、コロイダルシリカ、解膠アルミナ、リン酸アルミニウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項195に記載の使用のための組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微小球状物質の多孔度を特性評価し、微小球状物質の後方散乱電子走査電子顕微鏡(BSE-SEM)画像の空間的に連続する画像領域をその画像領域の粒子組成に従って分類するための分類器モデルをトレーニングし、且つ微小球状物質の元素組成を特性評価するためのシステム、方法及びコンピュータ可読媒体に関する。本開示は、アルミナ、及び/又は粘土、及び/又はゼオライトを含む微小球を含む、流動接触分解(FCC)触媒として使用するための組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
分解は、重質炭化水素等の複雑な有機分子を前駆体中の炭素-炭素結合の切断によってより単純な分子に分裂させるために用いられるプロセスであり、通常、触媒の存在下で行われる。分解速度及び最終生成物の性質は、温度、圧力並びに分子及び触媒の性質等、分解が行われる条件に依存する。
【0003】
触媒分解プロセスでは、酸触媒(通常、アルミナ、シリカアルミナ及びゼオライト等の固体酸)の存在が必要である。この酸触媒は、通常、カルボカチオンと非常に不安定なヒドリドアニオンとの電荷が逆のイオンの対を生成する結合のヘテロ分解を促進する。炭素に局在するフリーラジカル及びカチオンは、両方とも非常に不安定であり、鎖の再配列、β位でのC-C切断(即ち分解)、分子内及び分子間の水素移動又は水素化物移動のプロセスを経る。いずれのタイプのプロセスでも、対応する反応性中間体(ラジカル、イオン)は、永久的に再生されるため、自己増殖的な連鎖機構によって進行する。連鎖反応は、最終的にラジカル又はイオンの再結合によって終結する。
【0004】
広く使用されている分解プロセスの1つは、流動接触分解(FCC)であり、通常、流動床を形成する供給炭化水素の上昇流中に懸濁された微小球状触媒粒子を使用する。典型的なFCC触媒は、活性結晶性アルミノシリケート、主にフォージャサイト型ゼオライト(例えば、REY、HY、REHY、USY、REUSY等の様々な形態のYゼオライト)を含み、ガソリン製品のオクタン価の向上及び/又はオレフィン収率の向上のためにZSM-5が頻繁に併用される。
【0005】
ある例では、活性分解成分として使用されるゼオライト及び活性無機酸化物マトリックス成分のいずれかは、一般に、非晶質ゲル又はシリカゾル等のゾルから形成される結合剤と粒子内で複合化される。非晶質ゲル又はゾルは、乾燥時に成分を結合させる役割を果たす。結合剤自体は、活性を有していても又は有していなくてもよい。カオリンタイプの粘土等の充填剤が触媒組成物の残部を構成する。酸化物マトリックス材料は、耐摩耗性であり、過剰なコークスを生成することなく炭化水素の生成に関して選択的であり、金属によって容易に失活しない。分解活性を有するマトリックス(活性マトリックス)は、全体的な分解反応を補助するために形成され得る。
【0006】
他の例では、ゼオライト自体が結合剤として機能し、存在する唯一の結合剤物質であり得る。このようなFCC触媒は、D.M.Stockwellの“Continuous Age Distribution Method for Catalytic Cracking1.Proof of Principle”Ind.Eng.Chem.Res.2015,54,pp.5921-593に記載されている。インサイチュープロセスでは、焼成カオリン粘土又はアルミナであり得る活性マトリックスをカオリン粘土と混合し、噴霧乾燥して微小球を作る。メタカオリンは、焼成によってカオリナイトから製造される。Yゼオライトは、メタカオリンを使用して結晶化され、シリカは、焼成粘土から浸出され、必要に応じて追加のシリカ、苛性剤及び種が結晶化反応器に添加される。得られたインサイチュー結晶化微小球中のYゼオライトは、酸触媒となり、微小球を結合させる役割も果たす。組み込まれたFCC触媒及び添加剤(ZSM-5添加剤等)は、充填剤としてカオリン粘土を含むことが多い。インサイチュー微小球には、充填剤としてカオリン粘土が含まれていないが、これは、最初に存在したカオリンが微小球の焼成後にメタカオリンとなり、そのメタカオリンがYゼオライトを製造するための反応物となるためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】D.M.Stockwellの“Continuous Age Distribution Method for Catalytic Cracking1.Proof of Principle”Ind.Eng.Chem.Res.2015,54,pp.5921-593
【非特許文献2】K.S.W.Sing et al.,“Reporting Physisorption Data for Gas/Solid Systems with Special Reference to the Determination of Surface Area and Porosity(Recommendations 1984)”Pure&Appl.Chem.,1985,Vol.57,No.4,pp.603-619
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
細孔は、通常、その大きさによって分類される。(i)幅が約50nm(0.05pm)を超える細孔は、マクロポアと呼ばれ、(ii)幅が2nm~50nmの細孔は、メソポアと呼ばれ、(iii)幅が約2nmを超えない細孔は、ミクロポアと呼ばれる。K.S.W.Sing et al.,“Reporting Physisorption Data for Gas/Solid Systems with Special Reference to the Determination of Surface Area and Porosity(Recommendations 1984)”Pure&Appl.Chem.,1985,Vol.57,No.4,pp.603-619。FCC触媒及び他の触媒におけるマクロ多孔度を評価するために水銀ポロシティがよく用いられる。直径2μm(20,000Å)以上の細孔は、一般に粒子間細孔と考えられる。しかし、水銀ポロシメトリーでは、大きい粒子内マクロポアと粒子間空間とを区別することができない。
【0009】
更に、触媒の活性をよりよく理解するために、FCC触媒をモニタリングし、特性評価することが必要である。多孔度、耐磨耗性、元素組成、汚染物質(ニッケル、バナジウム、銅、鉄等)に対する耐性等、FCC触媒の様々な特性は、全て触媒の活性に関与する。所定の工業用途又は発電用途におけるFCC触媒をある種の精度で特性評価することは、困難であり、時間がかかる。このため、FCC触媒の性能を分析し、最適化することは、困難である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、微小球状物質の多孔度を特性評価し、微小球状物質の後方散乱電子走査電子顕微鏡(BSE-SEM)画像の空間的に連続する画像領域をその画像領域の粒子組成に従って分類するための分類器モデルをトレーニングし、且つ微小球状物質の元素組成を特性評価するための機械学習技術をもたらす。例示的なプロセスでは、使用されるFCC触媒の多孔度及び元素組成を決定し、性能ベースライン曲線に対して分析することができる。
【0011】
特に、本開示は、(a)試料微小球状物質の顕微鏡画像を表す画像データを受信することと、(b)画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化することと、(c)トレーニングされた機械学習モデルにより、複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを、(i)粒子、(ii)粒子内細孔、又は(iii)粒子間空隙の1つに対応するものとして分類することと、(d)微小球状物質の多孔度を、(i)粒子内細孔の数、(ii)粒子内細孔の面積、(iii)粒子内細孔の等価直径、及び(iv)粒子内細孔の細孔面積分率の少なくとも1つに基づいて特性評価することとを含む方法を実行する微小球分析ツール(MAT)を提示する。
【0012】
本開示は、微小球状物質の後方散乱電子走査電子顕微鏡(BSE-SEM)画像の空間的に連続する画像領域をその画像領域の粒子組成に従って分類するためのMATをトレーニングするための方法であって、(a)1つ以上の試料微小球状物質の複数のBSE-SEM画像と、対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像とを表すトレーニング画像データを受信することと、(b)分類器モデルを利用して、対応する色分けされたEDXをBSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つBSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすることと、(c)アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域をその画像領域の粒子組成に従って分類するようにトレーニングすることとを含む方法も提示する。
【0013】
本開示は、(a)1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像と、その対応する色分けされたエネルギー分散型X線分光法(EDX)画像との第1のセットを表すトレーニング画像データを受信することと、(b)EDX画像に基づいて、少なくとも1つの化学元素の閾値を確立することと、(c)分類器モデルを利用して、対応する色分けされたEDXをBSE-SEM画像の上に重ね合わせ、且つBSEトレーニング画像の複数の空間的に連続するBSE画像領域を、対応するEDX画像データでアノテーションすることと、(d)アノテーションされたBSE-SEMトレーニング画像データを使用して、分類器モデルを、微小球状物質のBSE-SEM画像を表す画像データの空間的に連続するBSE-SEM画像領域をその画像領域の組成の化学元素に従って分類するようにトレーニングすることと、(e)1つ以上の試料微小球状物質のBSE-SEM画像の第1のセットを表す画像データを受信することと、(f)画像データを複数の空間的に連続する画像領域にセグメント化することと、分類器モデルを適用することと、(g)トレーニングされた機械学習モデルにより、複数の空間的に連続する画像領域のそれぞれを化学元素に対応するものとして分類することとを含む方法を実行する微小球分析ツール(MAT)も提示する。
【0014】
本開示は、開示される方法を実行するためのシステム及びコンピュータ可読媒体も提示する。
【0015】
本開示は、微小球を含む、FCC触媒として使用するための組成物にも関し、微小球は、アルミナ、及び/又は粘土、及び/又はゼオライトを含む。
【0016】
本明細書の一部を構成する添付の図面は、いくつかの実施形態を示し、説明と共に、本明細書に開示される原理を説明するのに役立つ。特許ファイル又は出願ファイルは、少なくとも1つのカラー図面を含む。カラー図面を含む本特許又は特許出願公報の写しは、請求及び必要な手数料の支払により所定の官庁から提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示に一致する方法を実行するための例示的なシステム1000を示す。
図2】微小球状物質の多孔度、元素組成並びに粒子内細孔及び粒子内空隙のサイズ分布を特性評価するための方法2000を示すフローチャートである。
図3図2の方法2000の更なる詳細を示すフローチャートである。
図4A】試料EのBSE画像を示す。
図4B】試料HのBSE画像を示す。
図5A】MATによって色分けされた図4Aの分析画像を示す。
図5B】MATによって色分けされた図4Bの分析画像を示す。
図6】ある例示的な試料の多孔度のヒストグラムプロットを示す。
図7】ある例示的な試料の等価直径のヒストグラムプロットを示す。
図8A】細孔の相対数と相関するマイクロスフィアローラーのプロットを示す。
図8B】全細孔の割合と相関するマイクロスフィアローラーのプロットを示す。
図8C】平均多孔度(%)に相関するマイクロスフィアローラーのプロットを示す。
図9】微小球状物質の組成を特性評価するための方法3000を示すフローチャートである。
図10】微小球試料のBSE像である。
図11図7に示した微小球試料のEDX像である。
図12図7の微小球試料のBSE画像におけるミクロポアの元素組成のMATによる予測を示す。
図13A図7の微小球試料のBSE画像におけるミクロポアのアルミナ組成のMATによる予測を示す。
図13B図7の微小球試料のBSE画像における微小球の粒子内細孔の等価直径のMATによる予測を示す。
図14】粒子内細孔及び粒子間空隙の手動識別を示す。
図15】微小球試料のBSE像である。
図16図15の微小球試料のBSE画像におけるミクロポアの相分布のMATによる予測を示す。
図17図15に示した微小球試料のEDX像である。
図18】2つの微小球状試料(1つは、エアジェット摩耗率(AJAR)が低く、もう1つは、AJARが高い)の面積分率による相分布をマッピングした画像を示す。
図19A】3つの試料のAJAR及び細孔径のヒストグラムプロットを示す。
図19B】3つの試料のAJAR及び細孔径のヒストグラムプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
「触媒」、又は「触媒組成物」、又は「触媒物質」という用語には、例えば、反応を促進する物質が含まれる。例えば、「酸化物質」は、排気ガスの1つ以上の成分との酸化反応を促進する。
【0019】
「微小球」という用語は、例えば、約1μm~約500μmの直径を有する粒子を含む。微小球は、大きさが均一である必要はなく、固体又は中空であり得る。微小球は、細孔を有するマトリックスを含み得る。
【0020】
「細孔」という用語には、例えば、微小球の表面における開口部若しくは窪み又は微小球内のトンネルが含まれる。細孔は、単一のトンネルであり得るか、又は微小球全体に広がる連続したネットワークで他のトンネルに接続され得る。細孔は、多孔度、細孔径、細孔容積、表面積、密度、細孔径分布及び細孔長に基づいて特性評価される。
【0021】
「マトリックス」という用語には、例えば、FCC微小球を構成する固体物質が含まれる。マトリックスは、粘土(焼成カオリン粘土等)及び/又はアルミナを指し得る。
【0022】
「粒子間空隙」という用語には、例えば、物質中の空隙、例えば微小球間の空隙が含まれる。
【0023】
「非常に大きいマクロポア」という用語には、例えば、等価直径が1ミクロンを超えるマクロポアが含まれる。
【0024】
「大きいマクロポア」という用語には、例えば、0.5ミクロンを超えるマクロポアが含まれる。
【0025】
「ゼオライト」という用語には、例えば、触媒として使用される1種以上のプロモーター金属と組み合わされた粒子状であり得る結晶性物質が含まれる。ゼオライトは、一般に、四面体型サイトを含み、実質的に均一な細孔分布を有する酸素イオンの広範な三次元ネットワークに基づく物質であり、20Å以下の実質的に均一な細孔径を有する。ゼオライトには、例えば、アルミノシリケート及びアルミノホスフェートが含まれる。「アルミノホスフェート」という用語は、アルミニウム及びリン酸の原子を含むモレキュラーシーブの具体例である。アルミノホスフェートは、かなり均一な細孔径を有する結晶性物質である。
【0026】
アルミノシリケートは、コーナーシェアリングTO四面体から構成されるオープンな3次元骨格構造を有し得、ここで、Tは、Al若しくはSi又は任意選択的にPである。アニオン性骨格の電荷と釣り合うカチオンは、骨格の酸素と緩く結合し、残りの細孔容積は、水分子で満たされる。非骨格カチオンは、一般に、交換可能であり、水分子は、一般に、除去可能である。
【0027】
あらゆる構造のモレキュラーシーブを使用することができ、そのような構造としては、ABW、ACO、AEI、AEL、AEN、AET、AFG、AFI、AFN、AFO、AFR、AFS、AFT、AFX、AFY、AHT、ANA、APC、APD、AST、ASV、ATN、ATO、ATS、ATT、ATV、AWO、AWW、BCT、BEA、BEC、BIK、BOG、BPH、BRE、CAN、CAS、SCO、CFI、SGF、CGS、CHA、CHI、CLO、CON、CZP、DAC、DDR、DFO、DFT、DOH、DON、EAB、EDI、EMT、EON、EPI、ERI、ESV、ETR、EUO、FAU、FER、FRA、GIS、GIU、GME、GON、GOO、HEU、IFR、IHW、ISV、ITE、ITH、ITW、IWR、IWW、JBW、KFI、LAU、LEV、LIO、LIT、LOS、LOV、LTA、LTL、LTN、MAR、MAZ、MEI、MEL、MEP、MER、MFI、MFS、MON、MOR、MOZ、MSO、MTF、MTN、MTT、MTW、MWW、NAB、NAT、NES、NON、NPO、NSI、OBW、OFF、OSI、OSO、OWE、PAR、PAU、PHI、PON、RHO、RON、RRO、RSN、RTE、RTH、RUT、RWR、RWY、SAO、SAS、SAT、SAV、SBE、SBS、SBT、SFE、SFF、SFG、SFH、SFN、SFO、SGT、SOD、SOS、SSY、STF、STI、STT、TER、THO、TON、TSC、UEI、UFI、UOZ、USI、UTL、VET、VFI、VNI、VSV、WIE、WEN、YUG、ZON又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0028】
ゼオライトには、例えば、アルミノシリケート、ボロシリケート、ガロシリケート、MeAPSO及びMeAPOの組成物も含まれる。ゼオライトは、フォージャサイト、チャバザイト、クリノプチロライト、モルデナイト、シリカライト、ゼオライトX、ゼオライトY、超安定ゼオライトY、ZSM-5、ZSM-12、SSZ-3、SAPO5、オフレタイト又はベータゼオライト等の天然又は合成ゼオライトであり得る。1つ以上の具体的な実施形態では、ゼオライトは、タイプA、チャバザイト、エリオナイト、ZSM-5、ZSM-11、ZSM-23、ZSM-48、フェリエライト、スチルバイト、フォージャサイト、モルデナイト、タイプL、オメガ、ベータ、AlPO4、ホウケイ酸塩、MeAPO、MeAPSO及びSAPOから選択される。いくつかの実施形態では、モレキュラーシーブは、BEA構造型を有する。
【0029】
「結合剤」という用語は、例えば、結合剤なしで存在し得る物理吸着を超える、接着されるゼオライト物質粒子間の接着及び/又は凝集力を付与する化合物を含む。結合剤は、例えば、コロイダルシリカ、解膠アルミナ、リン酸アルミニウム及びそれらの組み合わせであり得る。
【0030】
本明細書では、「約」又は「概ね」という用語は、所与の値から5%の偏差を許容する。代わりに、「約」という用語は、利用可能な場合、所与の値に対する標準偏差又は分散を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「含まない」という用語は、物質が5%未満の言及された要素を有することを含む。いくつかの実施形態では、物質は、3%未満の言及された要素を有し得る。
【0032】
本開示の微小球解析ツール(MAT)は、データ分析及びマイニング並びに予測モデルの開発及び選択のためのツール及び方法を提供する。微小球試料の多孔度及び組成の特性評価は、主に3つの段階で行われる:(1)BSE画像及び/又はEDX画像から収集されたデータレイクを使用して機械学習モデルをトレーニングし、(2)分析が要求される新しい試料のBSE画像を撮影し、トレーニングされた機械学習モデルを使用して、(3)多孔度、並びに(4)任意選択的に粒子内細孔及び粒子内空隙のサイズ及び形状分布を予測する。
【0033】
大まかには、MATは、データレイクで収集された情報に基づいて、粒子内細孔及び粒子内空隙の多孔度、及び/又は元素分布、及び/又はサイズ分布若しくは形状分布の予測を生成し得る。データは、主成分分析及び自己組織化マッピング等の探索的データ分析技術を使用して前処理され得る。主要な入力変数は、変数間の相関関係に基づいて特定することができる。その後、予備データセットを用いて様々な機械学習技術をスクリーニングし得る。スクリーニングの結果に基づいて、特定の機械学習技法を選択し、完全なデータセットを使用して改良し得る。
【0034】
この予測により、微小球の高い摩耗の原因及び相関関係等、他の方法で特性評価できない望ましくない微小球の微小な多孔度の特徴を明らかにし得る。
【0035】
図1は、本開示に一致する方法を実行するための例示的なシステム1000を示す。
【0036】
図1に示すように、システム1000は、ユーザアプリケーションを実行する1つ以上のクライアント側処理デバイス11001-Nと、サーバアプリケーションを実行する1つ以上のサーバ側処理デバイス12001-Nとを含むクライアント/サーバアーキテクチャを使用して実装することができる。クライアント側処理デバイス1100は、電子インターフェース1300(例えば、広域ネットワーク(WAN)インターフェース、ローカルエリアネットワーク(LAN)インターフェース又はインターネット等の有線及び/又は無線の通信インターフェース)を介してサーバ側処理デバイス1200と通信することができる。代わりに、システム1000は、スタンドアロン処理デバイス、例えば処理デバイス1100として実装され得る。
【0037】
クライアント側処理デバイス1100は、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバ端末、モバイルデバイス等を用いてシンクライアント又はシッククライアントとして実装され得、例えばデスクトップ、ラップトップ又は携帯端末の形態をとり得る。図1に示すように、クライアント側処理デバイス1100は、バス1130によって動作可能に連結された1つ以上の処理ユニット1110及びメモリ1120をそれぞれ含み得る。
【0038】
処理ユニット1110は、本開示と一致する方法を実行するようにプログラムされた1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)と、関連するハードウェア、ソフトウェア及び/又はハードワイヤード論理回路とを含み得る。プロセッサは、単独又は並列で動作し得る。メモリ1120は、非一時的コンピュータ可読媒体、例えば読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得る。様々な時点において、本明細書に開示される方法の実行に必要なコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びデータは、メモリ1120のROM及び/又はRAM部分に記憶され得る。特に、メモリ1120は、オペレーティングシステム、1つ以上のクライアント側アプリケーションプログラム(例えば、コンピュータ又はモバイルアプリケーションプログラム)及び/又はプログラムモジュール並びにプログラムデータを記憶し得る。バス1130は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス及びローカルバスを含むことができ、それぞれが様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用して実装される。
【0039】
クライアント側処理デバイス1100は、1つ以上のユーザ入力デバイス1140及び出力デバイス1150もそれぞれ含み得る。出力デバイスは、例えば、ユーザに情報を出力するためのモニタ、ディスプレイ、スピーカ及び/又はプリンタを含み得る。ユーザ入力デバイス1140は、例えば、ディスプレイ又はモニタ上に表示されるグラフィカルユーザインターフェースと協働してコマンド又はデータを入力するための、キーボード、マイクロフォン、スキャナ及び/又はマウス若しくはタッチスクリーン等のポインティングデバイスを含み得る。
【0040】
サーバ側処理デバイス1200は、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバ、ウェブサーバ、ファイルサーバ等を使用して実装することができる。図1に示すように、サーバ側処理デバイス1200は、バス1230によって動作可能に連結された1つ以上の処理ユニット1210及びメモリ1220をそれぞれ含み得る。
【0041】
処理ユニット1210は、本開示と一致する方法を実行するようにプログラムされた1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)と、関連するハードウェア、ソフトウェア及び/又はハードワイヤード論理回路とを含み得る。プロセッサは、単独又は並列で動作し得る。メモリ1220は、非一時的コンピュータ可読媒体、例えば読み取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)の両方を含み得る。様々な時点において、本明細書に開示される方法の実行に必要なコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びデータは、メモリ1220のROM及び/又はRAM部分に記憶され得る。特に、メモリ1220は、オペレーティングシステム、1つ以上のサーバ側アプリケーションプログラム及び/又はプログラムモジュール並びにプログラムデータを記憶し得る。バス1230は、メモリバス又はメモリコントローラ、周辺バス及びローカルバスを含むことができ、それぞれが様々なバスアーキテクチャのいずれかを使用して実装される。
【0042】
いくつかの実装形態では、システム1000は、本開示と一致する方法を実行するために必要なデータを提供するための1つ以上のセンサ入力1400を更に含むことができる。センサ入力は、後方散乱電子顕微鏡(BSE)1410及びエネルギー分散型X線分光計(EDX)1420等、そのようなデータを収集するための実験室及び/又は試験装置を含み得る。
【0043】
図2は、微小球状物質の粒子内細孔及び粒子内空隙の多孔度、及び/又は元素組成、及び/又はサイズ分布を特性評価するための方法2000を大まかに示すフローチャートである。方法2000は、メモリ1120及び/又は1220に格納されたコンピュータ可読命令、データ構造及び/又はプログラムモジュールを実行することによって実施することができる。
【0044】
ステップ2100では、機械学習モデルは、BSE画像及び/又はEDX画像の第1のセットから収集されたデータレイクを使用してトレーニングされ得る。例えば、データは、BSE1410及びEDX1420等の1つ以上のセンサ入力を使用して収集され得る。データレイクは、メモリ1120及び/又は1220の1つ以上に記憶され得、複数のそのようなメモリにわたって更に分散され得る。機械学習モジュールは、サーバ側処理デバイス1200の1つ以上を使用して、1つ以上のクライアント側処理デバイス1100により又は連続的及び/若しくは並列的に動作するそのようなデバイスの組み合わせを使用してトレーニング及び実行され得る。
【0045】
ステップ2200では、分析対象の新しい試料からのBSE画像データを取得する。例えば、BSE1410等、ステップ2100と同じ入力又は異なる入力を使用してデータを収集することができる。
【0046】
ステップ2300では、微小球状試料の粒子内細孔及び粒子内空隙の多孔度、及び/又は元素分布、及び/又はサイズ分布の分析は、トレーニングされた機械学習モデルを使用して予測される。例えば、分析は、トレーニングされた機械学習モデルが、サーバ側処理デバイス1200の1つ以上、クライアント側処理デバイス1100の1つ以上又はそのようなデバイスの組み合わせで連続的及び/若しくは並列的に動作し、ディスプレイ又はプリンタ等の出力デバイス1150を使用してユーザに出力されることによって決定され得る。
【0047】
図3は、図2の方法2000をより詳細に示すフローチャートである。特に、図3は、ステップ2100~2300内で実行され得る特定のサブステップを示す。
【0048】
図3に示すように、機械学習モデルは、BSE画像及び/又はEDX画像の第1のセットから収集されたデータレイクを使用してトレーニングされる(ステップ2100)。試料のBSE画像及び/又はEDX画像が取得される(サブステップ2110)。画像は、前処理(トリミング等)され(サブステップ2120)、セマンティックセグメンテーションのために機械学習技術がこれらの画像に適用される(サブステップ2130)。個々のピクセルは、事前に決定された主要なフィーチャのプールに従ってトレーニング中に分類され、これらの主要なフィーチャに基づいて一意にカラー化される(サブステップ2140)。同じフィーチャの隣接するピクセルは、測定のために抽出可能なオブジェクトとしてグループ化される(サブステップ2150)。全てのフィーチャクラスにおける全てのオブジェクトの測定により、統計分析が提供される(サブステップ2160)。
【0049】
本明細書に記載のシステム及び方法は、広範囲の微小球状物質に関して実施することができる。いくつかの実装形態では、例えば、触媒は、FCC触媒であり得る。触媒は、例えば、シリカ、アルミナ及びゼオライトを含み得る。他の実装形態では、微小球状物質は、インサイチューでの結晶化を依然として受けていない物質であり得る。
【0050】
図4A及び4Bは、例示的なFCC触媒E及びHの試料から収集されたデータレイクのBSE画像の例示的な第1のセットを示す。
【0051】
図5A及び5Bは、ステップ2150後の図4A及び4Bと同じ視野を示す。微小球は、緑色で着色され、固体物質(アルミナ、カオリン粘土、ケイ酸ナトリウム)は、青色で着色される。
【0052】
図6図7及び図8A~8Cは、ステップ2160後の微小球の統計分析を示す。
【0053】
図9は、微小球状物質の粒子内細孔及び粒子内空隙の多孔度、及び/又は元素組成、及び/又はサイズ分布を特性評価するための別の方法3000を示すフローチャートである。方法3000は、メモリ1120及び/又は1220に格納されたコンピュータ可読な命令、データ構造及び/又はプログラムモジュールを実行することによって実施することができる。
【0054】
ステップ3100では、システム1000は、1つ以上のBSE画像及び/又はEDX画像を含むトレーニングデータを抽出し、各パラメータ又はフィーチャが複数の試料中の各画像から収集されるように、各画像からパラメータ又はフィーチャを特定し得る。例えば、システムは、図2~3に関連して上述したように、トレーニングデータのセットを抽出し得る。
【0055】
ステップ3200では、トレーニングデータは、トレーニングデータに記述された少なくとも1つの構造的、元素的又は物理的特性に従って分類され得る。例えば、トレーニングデータは、細孔若しくは粒子間空隙の識別又はアルカリ金属(限定されないが、ナトリウム、カリウム、セシウム等)、アルカリ土類金属(限定されないが、カルシウム、バリウム等)、遷移金属(限定されないが、鉄、ニッケル、銅、イットリウム、バナジウム等)、ポスト遷移金属(限定されないが、アルミニウム等)、メタロイド(限定されないが、ケイ素等)、非金属元素(リン、硫黄、セレン、ハロゲン等)、アクチニド及びランタニド(限定されないが、ランタン、セリウム等)の検出に従って分類される。
【0056】
ステップ3300では、システムは、選択されたフィーチャ又はパラメータに基づいてトレーニングされ得る機械学習モデルを生成して、FCC触媒の細孔径分布及び元素組成分布を予測することができる。機械学習モデルは、教師あり又は教師なしのトレーニング技法を使用してトレーニングすることができる。
【0057】
教師あり学習は、トレーニングセットから生成され得るデータモデルに基づく予測を可能にする。好適な教師あり学習手法の例としては、決定木、K-近傍法及びガウシアンナイーブベイズ手法が挙げられる。教師なし学習法は、トレーニングデータ自体からデータモデルを生成する。好適な教師あり学習手法の例としては、人工ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、線形判別分析、ロジスティック回帰手法等が挙げられる。他の好適な教師あり学習技法及び教師なし学習手法としては、ベイジアンネットワーク遺伝的アルゴリズム/遺伝的プログラミング、シミュレーテッドアニーリング、集合のもつれ階層、再帰的パーティショニング、クラスタリング、隠れマルコフモデル、ファジィ法、セマンティックネットワーク、ナイーブベイズ類似度マッピング、サポートベクターマシン、自己組織化マップ及びガウス過程手法等が使用され得る。
【0058】
本開示は、微小球を含む、FCC触媒として使用するための組成物にも関し、微小球は、アルミナ、及び/又は粘土、及び/又はゼオライトを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、組成物は、微小球を含み、微小球は、ゼオライト、粘土及びリン又はアルミナを含むか又は含まない結合剤を含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、コロイダルシリカ、解膠アルミナ、リン酸アルミニウム及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、微小球は、粘土及びゼオライトを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、ゼオライトは、フォージャサイト(Y、USY、REO-Y)、ZSM-5、ベータ、FER、ZSM-11、ZSM-22、ZSM-35、MSM-68、チャバザイト及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ゼオライトは、元素によって修飾される。少なくとも1つの実施形態では、元素は、リン及び遷移金属(スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀)からなる群から選択される。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、1ミクロンを超える等価直径を有するマクロポアを含む微小球を含む。いくつかの実施形態では、マクロポアの等価直径は、約1ミクロン~約30ミクロンの範囲であり、例えば約1ミクロン~約10ミクロン、例えば約1ミクロン~約20ミクロン、例えば約1ミクロン~約30ミクロン、例えば約2ミクロン~約30ミクロン、例えば約2ミクロン~約10ミクロン、例えば約2ミクロン~約20ミクロン、例えば約2ミクロン~約30ミクロン、例えば約5ミクロン~約10ミクロン、例えば約5ミクロン~約15ミクロン、例えば約5ミクロン~約20ミクロン、例えば約5ミクロン~約25ミクロン、例えば約5ミクロン~約30ミクロン、例えば約10ミクロン~約12ミクロン、例えば約10ミクロン~約14ミクロン、例えば約10ミクロン~約16ミクロン、例えば約10ミクロン~約18ミクロン、例えば約10ミクロン~約20ミクロン、例えば約10ミクロン~約22ミクロン、例えば約10ミクロン~約24ミクロン、例えば約10ミクロン~約26ミクロン、例えば約10ミクロン~約28ミクロン、例えば約10ミクロン~約30ミクロン等の範囲である。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、10ミクロンを超える非常に大きいマクロポアを含む。いくつかの実施形態では、10ミクロンを超えるマクロポアの割合は、約50ppm~約1850ppmの範囲であり、例えば約100ppm~約1850ppm、例えば約150ppm~約1850ppm、例えば約200ppm~約1850ppm、例えば約250ppm~約1850ppm、例えば約300ppm~約1850ppm、例えば約350ppm~約1850ppm、例えば約400ppm~約1850ppm、例えば約450ppm~約1850ppm、例えば約500ppm~約1850ppm、例えば約600ppm~約1850ppm、例えば約650ppm~約1850ppm、例えば約700ppm~約1850ppm、例えば約750ppm~約1850ppm、例えば約800ppm~約1850ppm、例えば約850ppm~約1850ppm、例えば約900ppm~約1850ppm、例えば約950ppm~約1850ppm、例えば約1000ppm~約1850ppm、例えば約1050ppm~約1850ppm、例えば約1100ppm~約1850ppm、例えば約100ppm~約1850ppm、例えば約100ppm~約1850ppm、例えば約1150ppm~約1850ppm、例えば、約1200ppm~約1850ppm、例えば、約1250ppm~約1850ppm、例えば、約1300ppm~約1850ppm、例えば、約1350ppm~約1850ppm、例えば、約1400ppm~約1850ppm、例えば、約1450ppm~約1850ppm、例えば、約1500ppm~約1850ppm、例えば、約1550ppm~約1850ppm、例えば約1600ppm~約1850ppm、例えば、約1650ppm~約1850ppm、例えば約1700ppm~約1850ppm、例えば約1750ppm~約1850ppm、例えば約1800ppm~約1850ppm等の範囲である。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、平均細孔面積によって特性評価される非常に大きいマクロポアを含む微小球を含む。いくつかの実施形態では、マクロポアの平均細孔面積は、0.2μm~約2.0μmの範囲であり、例えば約0.3μm~約2.0μm、例えば約0.4μm~約2.0μm、例えば約0.5μm~約2.0μm、例えば約0.6μm~約2.0μm、例えば約0.7μm~約2.0μm、例えば約0.8μm~約2.0μm、例えば約0.9μm~約2.0μm、例えば約1.0μm~約2.0μm、例えば約1.1μm~約2.0μm、例えば約1.2μm~約2.0μm、例えば約1.3μm~約2.0μm、例えば約1.4μm~約2.0μm、例えば約1.5μm~約2.0μm、例えば約1.6μm~約2.0μm、例えば約1.7μm~約2.0μm、例えば約1.8μm~約2.0μm、例えば約1.9μm~約2.0μm等の範囲である。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、平均多孔度によって特性評価される非常に大きいマクロポアを含む微小球を含む。いくつかの実施形態では、マクロポアの平均多孔度は、約5%~約21%の範囲であり、例えば約6%~約21%、例えば約7%~約21%、例えば約8%~約21%、例えば約9%~約21%、例えば約10%~約21%、例えば約11%~約21%、例えば約12%~約21%、例えば約13%~約21%、例えば約14%~約21%、例えば約15%~約21%、例えば約16%~約21%、例えば約17%~約21%、例えば約18%~約21%、例えば約19%~約21%、例えば約20%~約21%等の範囲である。
【0065】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は、d90によって特性評価される大きいマクロポアを含む微小球を含む。いくつかの実施形態では、マクロポアのd90は、約0.5~約1.1μmの範囲であり、例えば0.6~約1.1μm、例えば0.7~約1.1μm、例えば0.8~約1.1μm、例えば0.9~約1.1μm、例えば1.0~約1.1μm、例えば約0.5~約0.7μm、例えば0.5~約0.9μm、例えば0.6~約0.8μm、例えば0.8~約1.0μm等の範囲である。
【実施例
【0066】
以下の非限定的な実施例は、開示されるシステム及び方法並びにコンピュータ可読媒体の様々な態様及び特徴を例示する。
【0067】
本開示は、Yゼオライト結晶化前のいくつかのFCC触媒前駆体の非常に大きいマクロポアを分析するものである。あるFCC触媒前駆体(試料F-I)では、非常に大きいマクロポア内に過剰なマクロポアが存在する。非常に大きいマクロポアは、等価直径が1ミクロンを超えるマクロポアである。非常に大きいマクロポアの特性の一部は、耐摩耗性の低さと相関し、耐摩耗性が低いことの原因であると考えられる。本開示では、ゼオライトを含むいくつかのFCC触媒の大きいマクロポアも分析する。大きいマクロポアは、0.5ミクロンを超えるマクロポアである。本明細書で示した大きいマクロポアの特性は、耐摩耗性が低い原因と相関する。
【0068】
実施例1
2つのグレードのフラッシュ焼成ギブサイト(FCG)、即ちA及びBを商業生産工場から入手し、800℃で焼成した。試料A及びBのそれぞれを水に加え、激しく混合した後、含水カオリン粘土1重量部に対してアルミナ3重量部の組成となるように含水粘土スラリーを加え、更にケイ酸ナトリウムを加えることにより焼成FCGのスラリー(追加粉砕なし)を作製した。試料Iは、グレードAの焼成FCGから作製したものであり、試料F、G、Hは、グレードBの焼成FCGから作製したものである。試料F、G、Hは、スラリー中で使用されるケイ酸ナトリウムの量が異なり、以下の表に記載される。
【0069】
試料G及びI並びに追加の試料Eは、まずエポキシ樹脂に埋め込み、次に研磨とカーボンコーティングを行うことで作製した。断面SEMの撮像は、300倍の固定倍率で後方散乱電子モードにおいて行った。
【0070】
多孔度のレベルが大きく異なる2つのSEM画像を3つのフィーチャクラス((a)細孔、(b)マトリックス、(c)粒子間空隙)で手動でアノテーションした。図4A及び4Bでは、細孔及び微小球間の空間は、黒色で、アルミナ及びカオリン粘土は、白色又は灰色で示す。これらの「構造化」画像データは、深層学習のために構成された人工ニューラルネットワークに入力された。SEM画像は、高ピクセル解像度で収集されたため、トレーニングの拡張のために各画像を5×5のタイルに分割し、合計50枚の有効な学習画像を得た。その後、500エポックのトレーニングの反復を行い、細孔及び粒子間空隙(両方は、文脈上の違いのみであり、同じような黒い実体である)を区別するモデルの精度を向上させた。
【0071】
次に、トレーニングされた人工知能モデルを、各試料F、G、H、Iから得られた4枚のSEM画像の自動セマンティックセグメンテーションに展開した。セグメンテーションの精度が検証されると、MIPAR環境でレシピ/マクロが構築され、微小球の細孔の様々な物理的属性が測定及び定量化された。特に、個々の粒子ベースで多孔度のレベルを決定するために、親子分析法を採用した。ここで、親を微小球、子を微小球内の細孔と定義した。
【0072】
以下の表2に示すように、AIは、各試料で多数の細孔を計数した。
【0073】
実施例2
表1に基づいて、5種類の微小球試料を調製した。
【0074】
【表1】
【0075】
試料F、G、H、Iの組成は、それぞれ試料Eよりも簡素な組成である。試料F、G、H、Iの基材は、珪酸ソーダ結合剤を差し引くと、75%のFCGと25%の含水粘土である。ケイ酸ナトリウムは、ゼオライトの結晶化の際に溶解するため、一時的なバインダーとして作用する。これらのFCC触媒は、FCCマトリックス上で成長するYゼオライトと、通常のFCCワークアッププロセスによって駆動されるアルミナ架橋反応との両方によって結合される。
【0076】
各試料の断面SEMの撮像は、BSEモードで300倍の固定倍率で行った。図4A及び4Bに示すように、細孔及び微小球間の空間は、黒色で示し、アルミナ及びカオリン粘土は、白色又は灰色で示す。図5A及び図25では、AIは、深層学習のために構成されたトレーニング済みの人工ニューラルネットワーク(実施例1で開発されたもの)を用いて、微小球を緑色に、物質(例えば、アルミナ、カオリン粘土及び/又はケイ酸ナトリウム等)を青色に着色している。
【0077】
SEM画像において細孔、マトリックス、粒子間空隙を識別する方法を用いてFCG触媒を分析し、比較した。
【0078】
【表2】
【0079】
表2において、マイクロスフィアローラーは、予想される微小球の摩耗を測定するために開発された試験である。これは、結晶化プロセスで発生する微粉の予測因子である。目標粒子径を達成するために微粒子を除去しなければならないため、摩耗性が悪いと歩留まりが著しく低下する。微粉の割合が高いとフィルターベルトと結合し、処理量及び規格の目標への達成が難しくなる可能性もある。表3は、試料Eが許容可能なマイクロスフィア(MS)ローラー(≦4)を有するのに対して、試料F~Iが不十分な微小球強度を有することを示す。
【0080】
MSローラーアトリション装置は、乾燥され、細かく分割された微小球の改良分離試験である。この試験では、一定圧力の空気供給がチャンバー内の粒子に影響を与える。このプロセスで発生した微粒子は、試験終了時に重量を測定する捕集管に運ばれる。MSローラーの値は、1分あたりの損失率(%)で表され、値が低いほど好ましい。
【0081】
EDXマップ(図示せず)は、これらの触媒間のケイ酸ナトリウムの分布の違いを除外することができる。本発明では、AIアシストSEM分析は、試料F-Iがそのバルクを通してはるかに多くの多孔度を有することを示す。即ち、試料F~Iの微小球の平均細孔面積は、試料Eよりも大きい。試料F~Iは、非常に大きいマクロポア(10ミクロン超)の割合も大きい。等価直径が10ミクロンを超える細孔の割合は、試料F-Iの方が試料Eよりはるかに大きい。これらの推定は、AIによって分析された多数の細孔(特定の微小球の設計によって異なるが、28000~40000個)に基づく。
【0082】
図6は、試料E~Iの微小球多孔度のヒストグラムを示す。図6に示すように、試料Eの多孔度分布は、試料F-Iに対して左に(より小さいサイズに)シフトしている。しかしながら、表3は、FCG微小球の平均細孔径がより大きいことを示す。図7に示すように、試料F-Iの微小球は、試料Eの微小球と比較して、等価直径が10μmを超える細孔の数が12~21倍である。
【0083】
図7は、試料F-Iが、試料Eと比較して約6倍未満の数の大きい細孔を有する微小球を有するはずであることを示唆する。最適には、等価直径が10μmを超える細孔の絶対割合は、約1850ppm未満であろう。AI-SEM分析によると、微小球の平均多孔度は、約21%未満であるはずである。
【0084】
実施例3
多孔度のレベルが大きく異なる2つのSEM画像を3つのフィーチャクラス((a)細孔、(b)マトリックス、(c)粒子間空隙)で手動でアノテーションした。図4A及び4Bに示すように、細孔及び微小球間の空間は、黒色で、アルミナ及びカオリン粘土は、より白色又は淡い灰色で示す。これらの「構造化」画像データは、深層学習のために構成された人工ニューラルネットワークに入力された。SEM画像は、高ピクセル解像度で収集されたため、トレーニングの拡張のために各画像を5×5のタイルに分割し、合計50枚の有効な学習画像を得た。この拡張ステップ及び500エポックのトレーニングの反復により、細孔及び粒子間空隙(両方は、文脈上の違いのみであり、同じような黒い実体である)を区別するモデルの精度が向上する。
【0085】
次に、トレーニングされたモデルを、試料F、G、H、Iのそれぞれから得られた4枚のSEM画像の自動セマンティックセグメンテーションに展開した。セグメンテーションの精度が検証されると、MIPAR環境でレシピ/マクロが構築され、微小球の細孔の様々な物理的属性が測定及び定量化された。特に、個々の粒子ベースで多孔度のレベルを決定するために、親子分析法を採用した。この場合、親を微小球、子を微小球内の細孔と定義した。
【0086】
試料F、G、H及びIのEDXスペクトルは、JEOL JSM-7800FフィールドエミッションSEMで撮影し、EDX検出は、Bruker X-Flash EDS分光計のペアを使用して行った。試料のEDXマップも決定し、図10~13に示すように、元素組成に基づく試料のマッピングを可能にした。
【0087】
それぞれのEDSマップを閾値処理し二値化した後、固有の元素マーカーを用いてオブジェクトをラベル付けした。細孔及び粒子間空隙は、BSE画像を閾値処理して低輝度ピクセルを選択し、サイズフィルターを適用してこれらの2つのフィーチャに分離することでラベル付けした。これらのフィーチャラベリング層は、全て元のBSE画像に重ね合わされ、深層学習のために構成されたAIトレーニングソフトウェアに入力された。
【0088】
このトレーニングモデルにより、時間のかかるEDXマップ収集なしに、SEM断面BSE画像中のカオリン粘土及びアルミナ結合剤等の異なる物質の空間分布を予測することが可能となった。
【0089】
実施例4
ゼオライト相、粘土相及びアルミナ結合剤相からなる3相FCC添加剤物質の予測にも、実施例3に記載したようにトレーニングされたトレーニング済みモデルを使用した。トレーニングされたモデルは、2相又は3相の微小球状物質に限定されず、4相以上の微小球状物質も予測すると期待される。
【0090】
図15~18に示すように、モデルは、個々の相の元素組成に基づいて、ゼオライト相、粘土相及びアルミナ結合剤相を区別するようにトレーニングされる。実施例3からの元素予測に基づいて、モデルは、BSE画像に示された各元素を明瞭な色で着色した。例えば、アルミニウムは、青色に、ケイ素は、赤色に、リンは、緑色に着色され得る。トレーニングされたモデルは、粘土及びゼオライトが異なるSi/Al比のアルミニウム及びケイ素で構成され、結合剤がアルミニウムで構成され、リンが3つの相に異なる濃度で分布していることを示す。元素の各組み合わせ(Al+Si、Si+P、Al+P)には、それぞれ紫、ワインレッド及びシアン等の色が割り当てられ、BSE画像にマッピングされ得る。
【0091】
このトレーニングモデルにより、SEM断面BSE画像中の粘土、結合剤及びゼオライト等の異なる相の空間分布を予測することが可能となる。
【0092】
実験的にトレーニングされたモデルは、FCC微小球中の細孔と、微小球間の空隙とを区別することができた。FCC微小球中の細孔は、実施例1で議論したようにトレーニングされたモデルによって同定することができ、そのサイズを(ノギス又は等価直径の形態で)測定することができる。図19A及び19Bに示されるように、各物質の細孔D90サイズ(90%パーセンタイル)は、標準のASTM D5757の方法によって定義されるそれぞれのAJAR(損失重量%/時間)と相関することが見出された。しかしながら、他の方法を使用し得ることを理解されたい。
【0093】
他の実施形態は、本明細書に開示される実施形態の詳細及び実施例を考慮することによって明らかになるであろう。本明細書及び実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図され、開示される実施形態の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0094】
更に、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、その範囲には、本開示に基づく均等な要素、修正形態、省略形態、組み合わせ(例えば、様々な実装形態にわたる態様の組み合わせ)、適合形態又は変更形態を有するあらゆる実施形態が含まれる。特許請求の範囲の要素は、特許請求の範囲で採用された文言に基づいて広く解釈されるものであり、本明細書において又は本出願の手続き中に記載された例に限定されるものではなく、これらの例は、非排他的なものとして解釈されるべきものである。更に、開示される方法のステップは、ステップの順序変更、ステップの挿入又は削除を含めて任意の方法で変更することができる。特に、非依存的なステップは、任意の順序で又は並行して実行することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
【国際調査報告】