(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】現場実査に基づく生産物履歴管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0833 20230101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q10/0833
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503634
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 KR2022009250
(87)【国際公開番号】W WO2023003198
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】10-2021-0095211
(32)【優先日】2021-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105503
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524023505
【氏名又は名称】パク ムンクァン
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パク ムンクァン
【テーマコード(参考)】
5L010
【Fターム(参考)】
5L010AA16
(57)【要約】
現場実査に基づく生産物履歴管理方法が開示される。この方法は、生産拠点に実査訪問したユーザーのモバイル端末が生産物情報と生産拠点情報を管理サーバーに伝送する原産地情報提供段階と、管理サーバーが、受信された生産物情報を介して確認された生産物に固有の生産物コードを付与するコード付与段階と、管理サーバーが生産物コード、生産物情報、及び生産拠点情報をマッピング登録する履歴生成段階と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産拠点に実査訪問したユーザーのモバイル端末が生産物情報と生産拠点情報を管理サーバーに伝送する原産地情報提供段階と、
管理サーバーが、受信された生産物情報を介して確認された生産物に固有の生産物コードを付与するコード付与段階と、
管理サーバーが生産物コード、生産物情報、及び生産拠点情報をマッピング登録する履歴生成段階と、を含む、現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【請求項2】
原産地情報提供段階は、
生産拠点に設けられた視覚的コードをスキャンして得られたコードデータから生産位置データを取得する段階と、
モバイル端末の位置データを取得する段階と、
生産位置データと端末位置データとを比較して、端末位置の誤差範囲内に生産位置が属しているか否かを判断する段階と、
判断の結果、生産位置が端末位置の誤差範囲内に属すれば、ユーザーが生産物履歴管理のために生産拠点に実査訪問したことが認証され、生産物情報と生産拠点情報を管理サーバーに伝送する段階と、を含む、請求項1に記載の現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【請求項3】
端末位置データ取得段階は、生産位置データが取得された時点に自動的に行われる、請求項2に記載の現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【請求項4】
物流拠点に実査訪問したユーザーのモバイル端末が生産物コードと物流拠点情報を管理サーバーに伝送する物流地情報提供段階と、
管理サーバーが、受信された物流拠点情報として把握された物流地情報を当該生産物コードに追加マッピング登録する履歴更新段階と、をさらに含む、請求項1に記載の現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【請求項5】
物流拠点に設けられた視覚的コードをスキャンして得られたコードデータから物流位置データを取得する段階と、
物流位置データが取得されると、モバイル端末の位置データを取得する段階と、
物流位置データと端末位置データとを比較して、端末位置の誤差範囲内に物流位置が属しているか否かを判断する段階と、
判断の結果、物流位置が端末位置の誤差範囲内に属すると、ユーザーの実査訪問が認証されて生産物コードと物流拠点情報を管理サーバーに伝送する段階と、を含む、請求項4に記載の現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【請求項6】
物流地情報提供段階と履歴更新段階は、物流拠点別にユーザーの実査訪問が行われるたびに繰り返し行われる、請求項5に記載の現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【請求項7】
モバイル端末が、ユーザーに実査訪問場所が生産拠点であるかそれとも物流拠点であるかを質疑して確認する段階をさらに含み、
応答の結果、実査訪問場所が生産拠点である場合には原産地情報提供段階が行われ、実査訪問場所が物流拠点である場合には物流地情報提供段階が行われる、請求項4に記載の現場実査に基づく生産物履歴管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産物履歴管理のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
食品履歴管理システムは、食品の履歴を追跡し管理することを可能とするシステムである。このシステムは、食品を製造し加工する段階から販売する段階まで各段階別に履歴追跡情報を記録及び管理して消費者に提供する。これにより、安全な食品選択のための消費者の知る権利を保障し、食品安定性などに問題が発生する場合に迅速な流通遮断と回収措置が可能となる。ところが、例えば中国産キムチが国産キムチに化けるなど、原産地の表示が操作される問題が頻繁に発生している。すなわち、生産物の生産地に関連した操作の可能性により、生産物履歴追跡に対する信頼度は落ちざるを得ない。一方、韓国公開特許第10-2010-0096510号公報には、生産、販売、消費の全過程を一つのシステムで管理することができるようにして製品の体系的管理を可QR能にする内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2010-0096510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、信頼できる生産物履歴追跡管理を可能にする方案を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様による現場実査に基づく生産物履歴管理方法は、生産拠点に実査訪問したユーザーのモバイル端末が生産物情報と生産拠点情報を管理サーバーに伝送する原産地情報提供段階と、管理サーバーが、受信された生産物情報を介して確認された生産物に固有の生産物コードを付与するコード付与段階と、管理サーバーが生産物コード、生産物情報、及び生産拠点情報をマッピング登録する履歴生成段階と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0006】
開示されたところによれば、ユーザーの現場実査に基づいて生産物履歴情報を登録し更新管理するので、生産物を購入予定である或いは既に購入した消費者やユーザーなどの要求者に信頼できる履歴情報を提供することができるようにする効果が創出される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態による現場実査に基づく生産物履歴管理システムのブロック図である。
【
図2】一実施形態によるモバイル端末及び管理サーバーのブロック図である。
【
図3】一実施形態による現場実査に基づく生産物履歴管理のためのモバイル端末の処理フローチャートである。
【
図4】一実施形態によるS110の具体的なフローチャートである。
【
図5】一実施形態によるS120の具体的なフローチャートである。
【
図6】一実施形態による現場実査に基づく生産物履歴管理のための管理サーバーの処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
前述した、そして追加的な本発明の様相は、添付図面を参照して説明される好適な実施形態によってさらに明白になるであろう。以下、本発明をこれらの実施形態によって通常の技術者が容易に理解し再現することができるように詳細に説明する。
【0009】
図1は、一実施形態による現場実査に基づく生産物履歴管理システムのブロック図である。モバイル端末100は、ユーザーが携帯する通信可能なコンピューティングデバイスであって、スマートフォンを例として挙げることができる。モバイル端末100には、現場実査に基づく生産物履歴管理のためのアプリケーション(以下、「実査管理アプリ」という)200がインストールされて実行され得る。そして、ユーザーは、生産物履歴管理のために生産拠点と物流拠点である現場に訪問して実査を行う者をいう。一人のユーザーが全ての現場を訪問して実査を行ってもよく、二人以上のユーザーが訪問する現場の割り当てを受けて実査を行ってもよい。ちなみに、物流拠点は、生産物の単純流通のみのための拠点であってもよく、生産物に対する加工なども行われる拠点であってもよい。
【0010】
管理サーバー300は、一つ以上のサーバー用コンピューティングデバイスを含んで構成されるサーバーシステムであって、Windows系のオペレーティングシステム、MacOS、Java、Unix、又はLinux(登録商標)を含むか、或いはこれに含まれていない多様なオペレーティングシステムの下で動作されることができる。このような管理サーバー300は、生産物履歴管理のためにモバイル端末100とのデータ通信を行うが、具体的には、実査管理アプリ200との連動によって生産物の履歴を管理することができる。
【0011】
図2は、一実施形態によるモバイル端末及び管理サーバーを示すブロック図である。モバイル端末100は、メモリー110、カメラ120、ディスプレイ130、通信部140、GPS受信部150、及び端末制御部160のうちの少なくとも一部を含む。メモリー110には、モバイル端末100の運用のためのデータやプログラムなどが格納されていてもよく、実査管理アプリ200も、プログラムコード形態で記録されて管理されてもよい。カメラ120は、バーコードやQRコード(登録商標)などの視覚的コードを撮影するための用途に使用できる。ディスプレイ130は、ユーザーが実査管理アプリ200を使用できるようにする構成であって、タッチパネルと一体に形成されることにより、ユーザーへの出力だけでなく、ユーザーからの入力も受け取ることができる。通信部140は、管理サーバー300とのデータ送受信のために使用されるトランシーバーであり、GPS受信部150は、GPS(global positioning system)衛星からGPS信号を受信する受信機である。
【0012】
端末制御部160は、モバイル端末100の全般を制御するためのものであって、一つ以上のプロセッサーを含んで構成され得る。端末制御部160は、メモリー110に格納された実査管理アプリ200をローディングして実行させることができ、それにより、実査管理アプリ200は、現場実査に基づく生産物履歴管理のためのプロセスを行うことができる。ここで、実査管理アプリ200は、モバイル端末100に構成された特定のハードウェア及び/又はソフトウェア資源に対しては制限的にアクセス権限が付与されることができる。例えば、実査管理アプリ200は、基本的にGPS受信部150に対するアクセスは許容されないが、バーコードやQRコードなどの視覚的コードのスキャンが行われた場合に限ってGPS受信部150に対するアクセスが許容される。
【0013】
管理サーバー300は、データベース310とサーバー制御部320とを含み、
図2に示されていないが、通信モジュールなどのサーバーの必須基本構成も全て含む。データベース310には、生産物別に履歴情報が格納されて管理される。そして、サーバー制御部320は、ハードウェア的に一つ以上のプロセッサーを含んで構成されるものであって、実査管理アプリ200と連動して現場実査に基づく生産物履歴管理のためのプロセスを行う。これについては、
図3~
図6を参照して説明する。
【0014】
図3は、一実施形態による現場実査に基づく生産物履歴管理のためのモバイル端末の処理フローチャートである。まず、ユーザー(実査担当者)は、生産拠点又は物流拠点を訪問して生産物の生産拠点(原産地、生産地)又は物流拠点(物流地)を直接確認する。すなわち、ユーザーは、生産物の履歴追跡に対する信頼性保証のために現場訪問して実査確認する。そして、モバイル端末100の実査管理アプリ200は、ユーザーが現場に位置している間にS110又はS120を行う。一実施形態において、実査管理アプリ200は、ユーザーに最初の実査であるか否かについてディスプレイ130などを介して質疑して確認し(S100)、その確認結果に応じてS110又はS120を行う。ここで、最初の実査とは、同じ生産物に対する最初の実査を意味するもので、生産拠点である原産地を現場訪問して行う実査をいう。そして、非最初の実査とは、流通がなされた生産物に対する実査を意味するものであり、物流拠点である物流地を現場訪問して行う実査をいう。すなわち、S100は、ユーザーに実査訪問場所が生産拠点であるかそれとも物流拠点であるかを質疑して確認する段階である。
【0015】
実査管理アプリ200は、S100で最初の実査と確認される場合には、ユーザーが原産地に訪問して実査を行ったものと見て、原産地情報を管理サーバー300に伝送する原産地情報提供段階(S110)を行い、S100で最初の実査ではないと確認される場合には、ユーザーが物流地に訪問して実査を行ったものと見て、物流地情報を管理サーバー300に伝送する物流地情報提供段階(S120)を行う。原産地情報提供段階(S110)を通じて管理サーバー300に伝送される原産地情報には、生産物情報と生産拠点情報が含まれる。生産物情報には生産物名が含まれることができ、生産拠点情報には原産地位置データ(生産位置データ)が含まれることができる。ここで、生産物情報は、ユーザーから入力できる。それとも、生産物情報は、生産拠点情報と共に取得されてもよい。そして、物流地情報提供段階(S120)を通じて管理サーバー300に伝送される物流地情報には、生産物コードと物流拠点情報が含まれる。生産物コードは、生産物に固有に付与されたコードであり、物流拠点情報には、物流地名及び/又は物流地位置データが含まれることができる。ここで、生産物コードは、ユーザーから入力できる。
【0016】
図4は、一実施形態によるS110の具体的なフローチャートである。まず、実査管理アプリ200は、ユーザー操作によって、カメラ120で撮影された視覚的コード(例えば、QRコード)をスキャンして生産位置データを取得する(S111)。ここで、視覚的コードは、事前に生産拠点に設けられたものであり、生産工場内の壁面などに設けられていてもよく(印刷又はステッカー形態で付着など)、生産物を生産するのに必須的な固定装備などに設けられていてもよい。このような視覚的コードには、生産物の原産地認証のために、生産拠点の位置を示す生産位置データが入っているが、生産位置データは、緯度と経度を示す位置座標データであり得る。
【0017】
実査管理アプリ200は、モバイル端末100の位置データを取得する(S112)。S112で、実査管理アプリ200は、GPS受信部150を用いてGPS位置データを取得することができる。すなわち、S112で取得される端末位置データは、GPS位置データであり得る。一実施形態において、実査管理アプリ200は、視覚的コードスキャンが行われる場合に限ってGPS受信部150にアクセスしてGPS位置データを取得する。この時、GPS受信部150は、ユーザーの設定によって活性化状態であるか不活性化状態であり得るが、不活性化状態の場合、実査管理アプリ200は、一時的にGPS受信部150を活性化状態に転換させてGPS位置データを取得した後、再び不活性化状態に転換させることができる。ちなみに、実査管理アプリ200は、視覚的コードがスキャンされる時点に限って、GPS受信部150を活性化状態に転換させる権限を有することができ、このような権限は、事前にユーザーによって付与できる。
【0018】
実査管理アプリ200は、S112で取得されたGPS位置データと、S111で取得された生産位置データとを比較して、GPS位置の誤差範囲内に生産位置が属しているか否かを判断する(S113)。S113を通じて、GPS位置の誤差範囲内に生産位置が属していると判断されれば、実査管理アプリ200は、ユーザーが実査のための生産現場に正確に訪問したものと認証する(S114)。すなわち、ユーザーの実査位置が正常であると認証するのである。次に、実査管理アプリ200は、原産地情報を管理サーバー300に伝送する(S115)。原産地情報には、生産物情報(例えば、生産物名)と生産拠点情報が含まれる。
【0019】
一実施形態において、実査管理アプリ200は、S114が行われると、ユーザーに生産物名を入力することを要求し、入力を受ける。他の実施形態において、実査管理アプリは、S111で生産位置データだけでなく、生産物名も取得する。すなわち、視覚的コードをスキャンしてそこから生産位置データと生産物情報を全て取得することができる。そして、生産拠点情報には、S111で取得された生産位置データが含まれるか或いはS112で取得された端末位置データが含まれてもよく、両方が含まれてもよい。また、原産地情報には、実査時間情報も含まれることができるが、その実査時間は、S114を通じてユーザーの実査位置が正常に認証された時間であり得る。
【0020】
追加的に、実査管理アプリ200は、S115でユーザー識別のための固有識別子を原産地情報と共に管理サーバー300に伝送することができる。ここで、固有識別子は、モバイル端末100に固有に付与された識別子(端末ID)であり得る。一方、S113で、生産位置がGPS位置の誤差範囲から外れていると判断されれば、実査管理アプリ200は、認証に失敗したと処理する(S116)。この場合、実査管理アプリ200は、管理サーバー300に認証失敗事実を報告することができる。
【0021】
以上によれば、原産地認証のための視覚的コードが生産拠点でなく他の場所に設けられている場合に、認証は失敗せざるを得ないので、ユーザーの現場実査訪問が正確にチェックされ得る。また、ビーコンなどの近距離通信資源の構築も必要なく、持続的なGPS位置追跡も必要ないので、モバイル端末100のGPS資源の使用も最小限に抑えることができる。
【0022】
図5は、一実施形態によるS120の具体的なフローチャートである。まず、実査管理アプリ200は、ユーザーの操作によってカメラ120で撮影された視覚的コード(例えば、QRコード)をスキャンして生産位置データを取得する(S111)。ここで、視覚的コードは、事前に物流拠点に設けられたものであり、視覚的コードには、物流拠点の位置を示す物流位置データが入っており、これも、緯度と経度を示す位置座標データであり得る。
【0023】
実査管理アプリ200は、モバイル端末100の位置データを取得する(S122)。S122で、実査管理アプリ200は、GPS受信部150を用いてGPS位置データを取得することができる。すなわち、S122で、取得される端末位置データはGPS位置データであり得る。一実施形態において、実査管理アプリ200は、視覚的コードスキャンが行われる場合に限って、GPS受信部150にアクセスしてGPS位置データを取得する。このとき、GPS受信部150は、ユーザーの設定に応じて活性化状態であるか不活性化状態であり得るが、不活性化状態の場合、実査管理アプリ200は、一時的にGPS受信部150を活性化状態に転換させてGPS位置データを取得した後、再び不活性化状態に転換させることができる。
【0024】
実査管理アプリ200は、S122で取得されたGPS位置データと、S121で取得された物流位置データとを比較して、GPS位置の誤差範囲内に物流位置が属しているか否かを判断する(S123)。S123を通じて、GPS位置の誤差範囲内に物流位置が属していると判断されれば、実査管理アプリ200は、ユーザーが実査のための物流現場に正確に訪問したものと認証する(S124)。認証に成功すると、実査管理アプリ200は、物流地情報を管理サーバー300に伝送する(S125)。物流地情報には、生産物コードと物流拠点情報が含まれ、物流拠点情報には、S121で取得された物流位置データ、及び/又はS122で取得された端末位置データが含まれ得る。また、物流地情報には、実査時間情報も含まれ得るが、その実査時間は、S124を通じてユーザー実査位置が正常に認証された時間であり得る。
【0025】
物流地情報に含まれた生産物コードは、生産物を識別するために付与された一連番号などの固有コードをいうものであって、ユーザーから入力を受けることができる。例えば、実査管理アプリ200は、ユーザー実査位置が正常認証されると、ユーザーに生産物コードを要求して入力を受けるものである。他の例として、生産物には生産物コードがバーコードなどの形態で印刷されており、実査管理アプリ200は、S214が行われた後、バーコードをスキャンして生産物コードを取得することも可能である。このように生産物コードが入力又は取得されると、実査管理アプリ200は、物流地情報を管理サーバー300に伝送する。一方、S123で生産位置がGPS位置の誤差範囲から外れていると判断されれば、実査管理アプリ200は、認証に失敗したものと処理する(S126)。このとき、実査管理アプリ200は、管理サーバー300に認証失敗事実を報告することができる。
【0026】
図6は、一実施形態による現場実査に基づく生産物履歴管理のための管理サーバーの処理フローチャートである。管理サーバー300のサーバー制御部320は、モバイル端末100から拠点情報を受信する。拠点情報は、原産地情報又は物流地情報である。原産地情報には生産物コードが存在せず、物流地情報には生産物コードが存在するので、受信された拠点情報が原産地情報であるかそれとも物流地情報であるかは容易に把握できる。サーバー制御部320が原産地情報を受信した場合、当該生産物に付与する固有の生産物コードを生成する(S200)(S210)。生成された生産物コードは、当該ユーザーの実査管理アプリ200に伝達されることができ、ユーザーを介して原産地管理者に提供されて用いられることもできる。例えば、ユーザー又は原産地管理者は、生産物コードをステッカーなどの形態で生産物に付着させて履歴管理のために用いられるようにするのである。
【0027】
サーバー制御部320は、生成された生産物コードと受信された原産地情報とをマッピングさせて生産物履歴情報としてデータベース310に登録する(S220)。このとき、サーバー制御部320は、原産地情報に含まれた生産拠点情報が位置データである場合には、当該位置の場所名情報に変換した後、データベース310に登録することができる。すなわち、生産拠点情報の位置データを原産地名に変えてデータベース310に登録するのである。
【0028】
その後、サーバー制御部320が物流地情報を受信した場合、その受信された物流地情報をもって、データベース310に登録されている当該生産物履歴情報を更新する(S230)(S240)。具体的に、サーバー制御部320は、受信された物流地情報の生産物コードをもってデータベース310から当該生産物履歴情報を検索し、検索された生産物履歴情報に、物流地情報に属する残りの情報を追加登録する。このとき、サーバー制御部320は、物流地情報に属した物流拠点情報が位置データである場合には、当該位置の場所名情報に変換した後に追加登録することができる。すなわち、物流拠点情報の位置データを物流地名に変えて追加登録するのである。
【0029】
次に、サーバー制御部320は、ユーザーが実査訪問した物流拠点が最終物流拠点であるか否かを確認する(S250)。最終物流拠点についての情報は、前もってデータベースに登録されて管理されることができ、このため、サーバー制御部320は、モバイル端末100から受信された物流地情報に属した物流拠点情報を確認し、その確認された物流拠点が最終物流拠点であるか否かを把握することができる。最終物流拠点でない場合には、生産物が最終物流拠点に運送されるまで、上述したS230とS240が繰り返し行われる。
【0030】
一実施形態において、サーバー制御部320は、モバイル端末100から原産地情報と共に固有識別子(例えば、端末ID)を受信した場合、その受信された固有識別子でユーザーを認証し、認証に成功した場合に限ってS210を行う。すなわち、当該拠点に対して実査権限の割り当てを受けたユーザーが正しいかを認証した後に、生産物履歴情報の登録が行われるようにするのである。また、サーバー制御部320は、モバイル端末100から物流地情報と共に固有識別子を受信した場合にも、ユーザー認証手続を行い、S240を実行するか否かが決定されるようにすることができる。
【0031】
一方、消費者などは、オンライン上で生産物コードをもって、データベース310に記録された当該生産物の履歴を照会して原産地と流通経路を確認することができる。
【0032】
これまで、本発明についてその好適な実施形態を中心に説明した。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れることなく変形形態で実現できることを理解することができるであろう。よって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【国際調査報告】