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特表2024-530895電動歯ブラシ及びそのユニバーサルベース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電動歯ブラシ及びそのユニバーサルベース
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/22 20060101AFI20240820BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A61C17/22 B
A61C17/22 D
G08B21/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504897
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 IB2022057262
(87)【国際公開番号】W WO2023012719
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/230,181
(32)【優先日】2021-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(72)【発明者】
【氏名】マシュー、ロイド、ニューマン
(72)【発明者】
【氏名】マティアス、パショルト
【テーマコード(参考)】
3B202
5C086
【Fターム(参考)】
3B202AA07
3B202AB05
3B202AB26
3B202BE10
3B202GB09
5C086AA22
5C086CA15
5C086EA13
5C086FA06
5C086FA15
(57)【要約】
電動歯ブラシであって、歯ブラシを受け入れて無線で充電するためのユニバーサルベースと組み合わされ、ベースが、それらの間の無線通信のために電動歯ブラシに連結される、電動歯ブラシ。ベースは、電動歯ブラシが充電のためにベースによって受け入れられる場合に、電動歯ブラシとの磁気接続を形成するための、磁気要素を備える。ベースは、電動歯ブラシを誘導充電するための、充電構成要素と、歯磨きセッション中に歯ブラシから受信した使用データを通信するための、Bluetooth構成要素と、歯ブラシから受信した使用データを瞬時に処理するための、分析構成要素と、歯磨きセッション中の歯磨きセッションのカウントアップ又はカウントダウンのいずれかと、歯磨きセッションの前後の時刻と、を表示するための、タイマークロック構成要素と、歯磨きセッション中に使用データの少なくとも1つの要素を瞬時に通信するための、多機能発光構成要素と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルベース(100)と組み合わされる電動歯ブラシ(155)であって、前記ベースが、前記歯ブラシを無線で充電するために前記歯ブラシ(155)を受け入れ、前記ベースと前記歯ブラシとの間の無線通信のために、前記歯ブラシと連結されるように、構造化及び構成されており、
前記ベース(100)が、最上面(110)と、前記最上面(110)の反対側の底面(120)と、前記最上面(110)と前記底面(120)との間に延在する側面(130)と、を有し、
前記ベースは、
前記歯ブラシ(155)が、充電のために前記ベース(100)によって受け入れられる場合に、前記電動歯ブラシ(155)と磁気接続を形成するための、磁気要素(140)と、
前記歯ブラシ(155)が、充電のために前記ベース(100)によって受け入れられる場合に、前記電動歯ブラシ(155)を誘導充電するための、充電構成要素(150)と、
歯磨きセッション中に、前記歯ブラシ(155)から使用データを受信するための、ブルートゥース(Bluetooth)構成要素(160)と、
前記歯磨きセッション中に、前記歯ブラシ(155)から受信した前記使用データを瞬時に処理するように構成された、分析構成要素(180)と、
(a)前記歯磨きセッション中の前記歯磨きセッションのカウントアップ又はカウントダウンのいずれかと、(b)前記歯磨きセッションの前後の時刻と、を表示するための、前記ベースの側面に配置されたタイマークロック表示(195)を含む、タイマークロック構成要素(190)と、
前記歯磨きセッション中に、前記使用データの少なくとも1つの要素を瞬時に通信するための、前記最上面(110)上に配置された、多機能発光構成要素(200)と、を備える、ユニバーサルベース(100)と組み合わされる電動歯ブラシ(155)。
【請求項2】
前記受信された使用データの前記少なくとも1つの要素が、バッテリ充電状態、前記歯磨きセッション中にユーザによって加えられる圧力、前記ユーザの歯に対する前記歯ブラシの位置又は配向、歯磨きされている前記歯の部分、前記歯磨きセッションの進行、前記歯磨きセッションが完了したことの表示、前記歯磨きセッションが時間の閾値又は適用範囲の閾値を超えたことの表示、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から、選択される、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記発光構成要素(200)が、好ましくは、ユーザの前記歯の様々な部分を歯磨きすることに関する前記使用データを通信する、複数の発光区分(210)を含み、前記歯磨きセッション中では可視であり、前記歯磨きセッションの前後では不可視である、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記発光構成要素(200)が、前記歯磨きセッションの前後に、環境光及び夜間光からなる群から選択される光を発する、請求項1~3のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記発光構成要素(200)が、第1のユーザによって選択された第1の個人用に調節された色及び第1の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を発する、請求項1~4のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記発光構成要素(200)が、第2のユーザによって選択された第2の個人用に調節された色及び第2の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を発し、前記第1の個人用に調節された色が、前記第2の個人用に調節された色とは異なる、及び/又は前記第1の個人用に調節された輝度が、前記第2の個人用に調節された輝度とは異なる、請求項5に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項7】
前記発光構成要素(200)が、少なくとも6つの区分(210a、210b、210c、210x、210y、210z)を含み、前記区分が、上左後歯列を含む部分、上右後歯列を含む部分、上前歯列を含む部分、下左後歯列を含む部分、下右後歯列を含む部分、及び下前歯列を含む部分を含む、前記歯の少なくとも6つの部分における、歯磨きに関する前記使用データを通信する、請求項3に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記発光構成要素(200)が、前記上顎の歯及び前記下顎の歯の頬側の表面、舌側の表面、咬合側の表面、及び切歯側の表面のそれぞれの歯磨きに関する前記使用データを通信する、請求項1~7のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記ベース(100)が、スピーカ(199)を含む音声構成要素を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記ベース(100)が、前記ベースと、スマートデバイスアプリケーション、別のユニバーサルベース、及びクラウドのうちの少なくとも1つと、の間で、前記使用データを通信するための、WLAN(Wireless Local-Area Network、無線ローカルエリアネットワーク)構成要素(170)を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項11】
前記ベース(100)の本体(101)が実質的に円形の形状を有し、前記最上面(110)及び前記底面(120)のそれぞれが実質的に円形であり、前記側面(130)が環状であり、前記最上面が、約45mm~約90mmの第1の直径(D1)を有する外周(P)を有し、好ましくは、少なくとも4つの湾曲区分を含む前記多機能発光構成要素(200)が、前記最上面(110)の前記外周(P)に隣接して前記最上面(110)に配置され、前記外周Pから実質的に等距離に位置付けられた複数の湾曲区分(210)を含み、前記複数の湾曲区分(210)が、互いに組み合わされて、約35mm~約75mmの第2の直径(D2)を有する円を形成し、前記第2の直径(D2)が、前記第1の直径(D1)と同心であり、好ましくは、前記最上面(110)が、実質的に平滑であり、残留歯磨剤及び歯磨きから生じる老廃物の蓄積を受けやすい鋭い突起部、凹部、縁部、及び角部を有さず、前記多機能発光構成要素(200)の前記複数の湾曲区分(210)が、上顎の左後歯列を含む部分、上顎の右後歯列を含む部分、上顎の前歯列を含む部分、下顎の左後歯列を含む部分、下顎の右後歯列を含む部分、下顎の前歯列を含む部分、後歯列の頬側表面、舌側表面、及び咬合側表面の部分、並びに前歯列の頬側表面、舌側表面、及び切歯側表面の部分からなる群から選択される前記歯の複数の部分の歯磨きに関する前記使用データを通信するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項12】
前記第1の直径(D1)が、約60mm~約75mmである、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項13】
前記第2の直径(D2)が、約45mm~約65mmである、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項14】
前記電動歯ブラシ(155)が、最大等価直径(dmax)を有し、前記ベース(100)の前記最上面(110)上に垂直配向で配置されて、それと誘導連結するように構造化及び構成されており、前記第1の直径(D1)が、前記歯ブラシ(155)の前記最大等価直径(dmax)よりも、少なくとも2倍大きい、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項15】
前記ベース(100)が、前記底面(110)の最低点から前記最上面(120)の最高点まで測定して、約20mm~約40mmの高さ(H1)を有し、前記最高点が、前記最上面(110)の幾何学的中心(151)に又はそれに隣接して位置し、前記最高点が、前記最上面(110)の中央部分(105)の一部であり、中央部分(105)が、約15mm~約35mmの半径(Rc)及び約10mm~約35mmの平面視直径(D3)を有する凸状曲率を有する凸状の平滑な突出部の形状を有し、好ましくは、前記中央部分(105)の前記凸状の平滑な突出部が、一般に、放物面形状を有し、前記中央部分(105)の前記凸状の平滑な突出部が、約0.5mm~約3mmの高さ(H2)を有する、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線充電のために歯ブラシを受け入れ、それらの間の無線通信のために連結するように構造化及び構成されたユニバーサルベースと組み合わされて、口腔ケア分析及び監視機能を提供する、電動歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
誘導連結電力伝送方法及びシステムは、当該技術分野において、特に、例えば、電動歯ブラシなどの誘導充電電力手持型ツール及びパーソナルデバイスの分野において、周知である。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第10218212号は、無線充電デバイスを開示している。
【0003】
口腔ケアの分野では、電動歯ブラシの使用の監視、記録、及び分類は、特定の用途に望ましくあり得ることが、一般的に周知である。例えば、歯磨き中の歯に対するユーザの口内の歯ブラシの位置/場所は、三軸加速度計及び地磁気センサからのデータに基づいて歯ブラシの姿勢を計算することによって、決定され得る。これは、米国特許出願公開第2010/0145654(A1)号に記載されており、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
同一出願人による米国特許出願公開第2019/0278786号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)は、歯ブラシを含む手持型消費者デバイスの使用を分類するためのシステムを記載している。開示されたシステムは、連続する瞬間における少なくとも1つの使用データを決定するためのセンサユニットと、分析ユニットと、を含む、可動手持型デバイスを備える。センサユニットは、使用セッション中に時間的に連続する一連の使用データを提供するように構成され得る。
【0005】
分析ユニットは、異なる使用特性に関する使用クラスの少なくとも1つのセットに関して、デバイスの使用を分類し、使用セッションの所定の期間に関する使用データの入力タプルの時間的に連続するシーケンスを組み立てるように構成され得るが、入力タプルのそれぞれは、それぞれの瞬間における使用データを表す少なくとも1つの要素を有する。分析ユニットは、入力タプルのシーケンスを、使用クラスの数に従って多数の要素を含む少なくとも1つの出力タプルを出力するように構成された、少なくとも1つの人工ニューラルネットワークに入力するように構成され得るが、出力タプルの各要素は、所与の瞬間における消費者デバイスの使用がそれぞれの使用クラスに関係する、予測値を表す。
【0006】
「使用クラス(usage class)」は、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network、ANN)の出力クラスであり、ANNの設計者によって定義される。本開示の文脈において、使用クラスは、電動歯ブラシの使用に関連し、異なる使用特性を区別する。電動歯ブラシの使用は、本質的に、方向データと、フォースデータと、歯ブラシの環境に関する静電データと、温度データと、音声データと、画像データ及び/又は映像データと、気圧データと、pHデータと、その他と、を含む動作データのうちの少なくとも1つを含み得る使用データの、時間的シーケンスによって、決定される。
【0007】
分類は、標的表面を含む標的空間に関して実行されてもよく、デバイスは、標的表面を処理するために構成されてもよい。人工ニューラルネットワークは、出力タプルのシーケンス、特に、入力タプルのシーケンスと同じ長さを有する出力タプルのシーケンスを出力するように、構成されてもよい。特に、argmax関数を各出力タプルに適用した後に、例えば、多数決基準及び/又は最大基準を適用することにより、出力タプルのシーケンスに基づいて、所定の期間毎に、単一の使用クラスの回答を決定してもよい。
【0008】
「ライブ」分類(すなわち、歯ブラシが使用されている間の使用及び関連データの分類)は、充電構成要素とは別に、歯磨きセッション中に使用データを分析及び通信するための構成要素を含むユニバーサル充電ユニットを介してユーザに通信され得ることが、今や発見された。このような分析及び通信は、完了した歯磨きセッション中の使用データ情報の、ユーザによる全体的及び包括的な理解を、容易にする。
【0009】
したがって、本開示は、電動歯ブラシ用のユニバーサルベースに関し、本ベースは、歯ブラシがベースに誘導連結された場合に歯ブラシを誘導充電するために、かつ歯磨きセッション中にベースと歯ブラシとの間で無線通信するために、電動歯ブラシに連結されるように、構造化及び構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第10218212号
【特許文献2】米国特許出願公開第2010/0145654(A1)号
【特許文献3】米国特許出願公開第2019/0278786号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
電動歯ブラシ用のユニバーサルベースは、歯磨きセッション中及び歯磨きセッション後に電動歯ブラシと連結されて、両者間で無線通信を行うように、構造化及び構成されている。ベースは、最上面、最上面に対向する底面、及び最上面と底面との間に延在する側面を含む本体を有する。ベースは、電動歯ブラシがユニバーサルベースの最上面に配置された場合に電動歯ブラシを誘導充電するための、充電構成要素と、歯磨きセッション中及び歯磨きセッション後に電動歯ブラシから使用データを通信する(受信及び送信する)ための、Bluetooth(ブルートゥース)構成要素と、歯磨きセッション中に電動歯ブラシから受信した使用データを瞬時に処理するように構成された、分析構成要素と、(a)歯磨きセッション中の歯磨きセッションのカウントアップ又はカウントダウンのいずれか、及び(b)歯磨きセッションの前後の時刻を表示するためのタイマークロック表示を含む、タイマークロック構成要素と、歯磨きセッション中に使用データの少なくとも1つの要素を瞬時に通信することを含めて通信するための、多機能発光構成要素と、を備える。一実施形態では、ユニバーサルベースは、ユニバーサルベースと、スマートデバイスアプリケーション、別のユニバーサルベース、及びクラウドのうちの少なくとも1つと、の間で使用データを通信するための、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)構成要素を備えてもよい。使用データの伝送(送信及び受信)は、例えば、2.4GHz又は5GHzで行われてもよい。WLANはまた、例えば、安全性及び機能性の理由のために、デバイスを更新することを可能にする場合がある。
【0012】
本明細書で使用される場合、「瞬時処理(instantaneous processing)」という用語は、歯磨きセッション中にデータが入ってくる際のデータ処理を指し、従来の業界標準処理中に起こり得るバッファ遅延及び/又はOS遅延がある場合には、それを含む。瞬時処理は、「リアルタイム(実時間)」処理として周知のものと同義ではない場合がある。同様に、「瞬時通信(instantaneous communicating)」という用語は、歯磨きセッション中に処理されたデータが入ってくる際のデータの通信を指す。本明細書で使用される場合、「使用データ(usage data)」という用語は、伝送された生データから計算された少なくとも1つのデータポイント/要素を含む。
【0013】
使用データの少なくとも1つの要素は、バッテリ充電状態、歯磨きセッション中にユーザによって加えられる圧力、ユーザの歯に対する歯ブラシの位置又は配向、歯磨きされている歯の部分、歯磨きセッションの進捗(予め指定された歯の表面の、歯磨きの完了部分の推定を含む)、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から、選択されてもよい。一実施形態では、ベースは、情報及び/又は使用データをユーザに通信するためのスピーカを含む、音声構成要素を含んでもよい。それぞれ、2019年2月15日に出願された、同一出願人による米国特許出願第16/276972号(米国特許出願公開第2019/0254794(A1)号)、米国特許出願第16/276993号(米国特許出願公開第2019/0254795(A1)号)、米国特許出願第16/277024号(米国特許出願公開第2019/0254796(A1)号)、及び米国特許出願第16/276947号(米国特許出願公開第2019/0278786(A1)号)の開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
発光構成要素は、歯磨きセッション中に可視であり、歯磨きセッションの前後に不可視であるように、構造化及び構成されてもよい。本明細書で使用される場合、「不可視」とは、浴室で一般的に見られるような、最も典型的な環境光条件下で、人間の裸眼によって容易に気付かれない発光構成要素の品質を指す。発光構成要素はまた、例えば、光の色を変化させる目的で、歯磨きセッションの前後に可視であるように構成されてもよい。
【0015】
一実施形態では、発光構成要素は、歯磨きセッションの前後に、環境光及び夜間光からなる群から選択される光を放出するように、構造化及び構成されてもよい。発光構成要素は、様々な個人用に調節された色及び様々な個人用に調節された輝度を有する光を放出するように、更に構造化及び構成されてもよい。例えば、発光構成要素は、第1のユーザによって選択された第1の個人用に調節された色及び第1の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを放出するように、構造化及び構成されてもよい。一実施形態では、発光構成要素は、第2のユーザによって選択された第2の個人用に調節された色及び第2の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を放出するように構造化及び構成され得、第1の個人用に調節された色は、第2の個人用に調節された色とは異なり、第1の個人用に調節された輝度は、第2の個人用に調節された輝度とは異なる。一実施形態では、発光構成要素は、複数の区分を含むように構造化及び構成されてもよく、各区分は、ユーザの歯の様々な部分の歯磨きに関する使用データを通信するように、構成されている。
【0016】
一実施形態では、発光構成要素は、複数の発光区分、例えば、6つの湾曲した発光区分を含んでもよく、6つの区分のそれぞれは、歯の少なくとも6つの部分のそれぞれを歯磨きすることに関する使用データを通信するように、構成されている。歯の6つの部分は、上顎(上)左後歯列を含む部分、上顎右後歯列を含む部分、上顎前歯列を含む部分、下顎(下)左後歯列を含む部分、下顎右後歯列を含む部分、及び下顎前歯列を含む部分を含むように、選択されてもよい。別の実施形態(図示せず)では、多機能発光構成要素の複数の湾曲した発光区分は、4つの湾曲した区分、又は任意のその他の好適な数の発光区分、例えば、8つの区分を含んでもよい。発光構成要素は、上顎及び下顎の歯の頬側の表面、舌側の表面、咬合側の表面、及び切歯側の表面のそれぞれの歯磨きに関する使用データを通信するように、構造化及び構成されてもよい。「歯(teeth)」及び「歯列(dentition)」という用語は、本明細書では同義的に使用される。
【0017】
ベースの本体は、実質的に円形又は丸い形状を有するように構造化及び構成されてもよく、最上面は、約45mm~約90mm、より具体的には、約60mm~約75mm、更により具体的には、約65mm~約70mmの第1の(外側)直径を有し、最上面及び底面のそれぞれは円形であり、側面は環状である。ベースは、底面の最低点から最上面の最高点まで測定される、約20mm~約40mmの高さを有してもよく、最高点は、最上面の幾何学的中心に位置する。最上面の最高点は、半径が約15mm~約35mm、より具体的には、約20mm~約30mmであり、平面視直径が約10mm~約35mm、より具体的には、約15mm~約25mmである、球状凸状湾曲の形状を有する、わずかに凸状で一般に平滑な突出部の形状を有する、最上面の中央部分の一部である。
【0018】
ベースは、底面の最低点から最上面の最高点まで測定して、約20mm~約40mmの高さを有し、最高点は、有利には、最上面の幾何学的中心に、又はそれに隣接して位置し得る。中央部分は、約15mm~約35mmの半径及び約10mm~約35mmの平面視直径を有する球状凸状湾曲の形状を有する、わずかに凸状で一般に平滑な突出部の形状を有してもよい。別の実施形態では、球状凸状湾曲は、約20mm~約30mmの半径を有し、平面視直径は、約15mm~約25mmである。依然として別の実施形態では、中央部分は、一般に、放物面形状を有してもよい。中央部分の凸状で平滑な突出部は、約0.5mm~約3mm、より具体的には、約1mm~約2mm、更により具体的には、約1.5mmの高さを有してもよい。
【0019】
多機能発光構成要素は、最上面に、その外周に隣接して配置され得る。発光構成要素は、複数の湾曲区分を備えてもよく、そのうちのいくつかは、外周から実質的に等距離に位置付けられ、互いに組み合わされて、第1の直径と同心の、約35mm~約75mm、より具体的には、約45mm~約65mm、更により具体的には、約50mm~約60mmの第2の直径を有する円を形成する。タイマークロック構成要素は、側面に情報を表示するように構成されていてもよい。
【0020】
一実施形態では、側面は、最上面に対して約90度の夾角で配置される。別の実施形態では、側面は、底面に対して、約90度未満の夾角、例えば、約80度~約90度の角度、又は約70度~約80度の角度、又は約60度~70度の角度、又は50度~60度の角度、又は約40度~50度の角度、又は30度~約40度の角度で配置される。本明細書で使用される場合、「約X度の角度(an angle of about X degrees)」という用語は、(X±2)度の角度を包含する。
【0021】
更に別の実施形態では、側面の第1の部分は、底面に対して約90度の夾角で配置され、側面の第2の部分は、底面に対して約90度未満の夾角で(例えば、上記で示される角度で)配置される。このような実施形態では、側面の第1の部分の幾何学的中心は、側面の第2の部分の幾何学的中心にほぼ対向するように、構成され得る。次に、タイマークロック構成要素190は、側面の第2の(傾斜した)部分に情報を表示するように、構成されていてもよい。
【0022】
最上面及び側面のそれぞれは、実質的に平滑であり、望ましくない残留歯磨剤、流体、及び老廃物要素の蓄積を受けやすい凹部、縁部、角部等を有さないように、有利に構造化及び構成され得る。本明細書で使用される場合、「平滑(smooth)」という用語は、残留歯磨剤及び歯磨きから生じるその他の老廃物の蓄積を受けやすい知覚可能な鋭い突出部、凹部、角部、曲がり部、塊、縁部、くぼみ等を有さない、本質的に均一で規則的な外観又は統一性を有する表面の品質を指す。
【0023】
ベースは、歯ブラシがその充電式バッテリの誘導充電のためにベースによって受け入れられる場合に、電動歯ブラシと磁気接続を形成するように構造化及び構成された、磁気要素を備える。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第11025093(B2)号は、結合磁石を有するスタンドを含む、パーソナルケア製品システムを記載している。その開示が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第9143041号は、非接触型充電装置のための磁気回路を記載している。最大等価直径dmaxを有する電動歯ブラシ又は電動歯ブラシ用のハンドルは、ベースの最上面に垂直位置で配置され得、ベースの磁気要素と歯ブラシのハンドルの磁気要素との間の磁気接続が確立され、それによって、ベースの伝送器コイルと歯ブラシの受信器コイルとの間の誘導連結を容易にし、したがって、ハンドル内に配置されたバッテリの無線充電を行うことが可能である。
【0024】
本明細書で使用される場合、「等価直径(equivalent diameter)」という用語は、歯ブラシの長手方向(軸線方向)延長部に実質的に垂直な任意の断面で測定される、歯ブラシの最大断面寸法を指す。最大等価直径dmaxは、歯ブラシの長手方向の延長部に沿った任意の場所で見出される、歯ブラシの最大等価直径である。一実施形態では、第1の直径は、最大等価直径dmaxよりも、少なくとも1.5倍大きい。別の実施形態では、第1の直径は、最大等価直径dmaxよりも、少なくとも2倍大きい。
【0025】
ベースの一実施形態では、分析構成要素は、異なる使用特性に関連する少なくとも2つの使用クラスの少なくとも1つのセットに関して、使用データを分類するように、構成されている。分析構成要素は、歯磨きセッションの期間に関する使用データの入力タプルの、時間的に連続するシーケンスを組み立てるように、構成され得る。入力タプルのそれぞれは、それぞれの瞬間における使用データを表し、使用クラスの数に従って多数の要素を含む少なくとも1つの出力タプルを出力するように構成された少なくとも1つの人工ニューラルネットワークに、入力タプルのシーケンスを入力するための、少なくとも1つの要素を含み得る。出力タプルの各要素は、所与の瞬間における消費者デバイスの使用量がそれぞれの使用量クラスに関連する、予測値を表し得る。分析構成要素は、出力タプルのシーケンスに基づいて、期間に対する単一の使用クラス回答を決定するように、構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】一実施形態による本開示のユニバーサルベースの、概略斜視図である。
図2図1に示されるベースの、概略正面図である。
図3図1に示されるベースの、概略背面図である。
図4図1に示されるベースの、概略断面図である。
図5】発光区分が可視である、図1に示されるベースの、概略最上面図である。
図6】発光区分が不可視である、図1に示されるベースの、概略最上面図である。
図7】別の実施形態による本開示のユニバーサルベースの、概略斜視図である。
図8図7に示されるベースの、概略側面図である。
図9図7に示されるベースの、概略最上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ユニバーサルベース(又は単に「ベース」)100は、次の少なくとも2つの主要な機能を実行するように、構造化及び構成されている:(1)歯ブラシがベース上に配置され、したがって、ベースの伝送器(充電)コイルと誘導連結される場合に、歯ブラシの再充電可能バッテリを誘導充電すること、並びに(2)歯ブラシ、並びに例えば、スマートフォン、タブレット、及びクラウドなどのその他のデバイス、並びに/又は別の(第2の)ユニバーサルベースと、無線通信すること。無線通信は、歯ブラシがベース100から取り外されている歯磨きセッション中に、有利に行われ得る。ベース100は、(a)歯磨きセッション中の歯磨きセッションのカウントアップ又はカウントダウンのいずれか、及び(b)歯磨きセッションの前後の時刻、を表示するための、タイマークロック表示195(図1及び図2)を含む、タイマークロック構成要素190を含んでもよい。ベースは、電源コンセントから従来のインターフェース102(図3及び図4)を介して、好適なケーブルによって電力供給されるように、構成され得る。
【0028】
ベース100の一実施形態を、図1図6に示す。ベース100は、最上面110と、最上面110に対向する底面120と、最上面110と底面120との間に延在する側面130と、を含む、本体101を有する。一実施形態では、発光構成要素200は、複数の発光区分、例えば、6つの湾曲した発光区分210を含んでもよい。図1図6に示す実施形態では、ベース100の本体は、実質的に円形であり、最上面110は、第1の直径D1を有する。図示の実施形態では、最上面110及び底面120のそれぞれは、実質的に円形であり、側面130は、環状である。第1の直径D1は、約45mm~約90mm、より具体的には、約60mm~約75mm、更により具体的には、約65mm~約70mmであり得る。
【0029】
一実施形態では、最上面110の第1の直径D1は、ベース100と誘導連結される歯ブラシ155の最大等価直径dmaxよりも、少なくとも1.5倍大きい。別の実施形態では、第1の直径D1は、歯ブラシの最大等価直径dmaxよりも、少なくとも2倍大きい。
【0030】
ベース100は、底面120の最低点から最上面110の最高点まで測定される、約20mm~約40mmの高さH1を有し、最高点は、有利には、最上面110の幾何学的中心151に、又はそれに隣接して位置し得る。最上面110の最高点は、最上面110の中央部分105の一部である。中央部分105は、約15mm~約35mmの半径Rc及び約10mm~約35mmの平面視直径D3を有する球状凸状湾曲の形状を有する、わずかに凸状で一般に平滑な突出部の形状を有してもよい。更なる実施形態では、球状凸状湾曲は、約20mm~約30mmの半径を有し、平面視直径は、約15mm~約25mmである。依然として別の実施形態では、中央部分105は、一般に、放物面形状を有してもよい。中央部分105の凸状で平滑な突出部は、約0.5mm~約3mm、より具体的には、約1mm~約2mmの高さH2を有してもよく、更により具体的には、高さH2は、約1.5mmである。
【0031】
図1図6の実施形態では、側面130は、底面120に対して、約90度の夾角A(図4)で配置される。本明細書で使用される場合、「約90度の角度(angle of about 90 degrees)」という用語は、85度~95度の任意の角度を含む。別の実施形態(図7図9)では、側面130の少なくとも一部分は、約90度未満の夾角Aで配置され得る、例えば、角度Aは、底面120に対して、約80度、又は約75度、又は約70度、又は約65度、又は約60度、又は約55度、又は約50度、又は約45度、又は約40度、又は約35度であり得る。このような実施形態では、タイマークロック構成要素190は、側面130の傾斜した部分に情報を表示するように構成されてもよいが、これは、ユーザが読み取ることをより容易にし得る。
【0032】
いずれの実施形態においても、最上面110は、実質的に平滑であり、残留歯磨剤が蓄積を受けやすい凹部、縁部、及び角部を有さないように、構造化及び構成され得る。本明細書で使用される場合、「平滑」という用語は、残留歯磨剤の蓄積を受けやすい知覚可能な鋭い突出部、凹部、角部、塊、縁部、くぼみ等を有さない、均一で規則的な外観又は統一性を有する表面の品質を指す。
【0033】
ベースの最上面120上に配置された電動歯ブラシ155を誘導充電するための充電構成要素150は、誘導充電の当該技術分野において周知の任意の好適な設計を有してもよい。充電構成要素150は、ベースの最上面110の中央部分105に隣接して、配置され得る。ベース100は、有利には、図1及び図2の充電式バッテリの誘導充電のために歯ブラシ155がベース100によって受け入れられる場合に、電動歯ブラシ155と磁気接続を形成するように構造化及び構成された、磁気要素140(図6)を備えてもよい。最大等価直径dmaxを有する電動歯ブラシ155又は電動歯ブラシ用のハンドルは、ベース100の最上面110上に垂直位置で配置され得、ベースの磁気要素140と歯ブラシのハンドルの磁気要素との間の磁気接続が確立され、それによって、ベース100の伝送器コイルと歯ブラシ155の受信器コイルとの間の誘導連結を容易にし、したがって、歯ブラシのハンドル内に配置されたバッテリの無線充電を可能にする。
【0034】
ベース100は、歯磨きセッション中に電動歯ブラシ155から使用データを送受信するためのBluetooth構成要素160(図3)と、歯磨きセッション中に電動歯ブラシ155から受信した使用データを瞬時に処理するように構成された分析構成要素180と、歯磨きセッション中に使用データの少なくとも1つの要素を瞬時に通信するための多機能発光構成要素200と、を更に備える。一実施形態では、ベース100は、ベース100と、例えば、スマートフォン及びタブレット、別のユニバーサルベース、並びにクラウド上で使用されるものなどのスマートデバイスアプリケーションのうちの少なくとも1つと、の間で、使用データを通信するための、WLAN(Wi-Fi)構成要素170を含む。WLAN構成要素170は、当該技術分野において周知の、任意の好適な設計を有してもよい。歯磨きセッション中に電動歯ブラシ155から受信した使用データを瞬時に処理するように構成された分析構成要素180は、当該技術分野において周知の、任意の好適な設計を有してもよい。
【0035】
タイマークロック表示195を含むタイマークロック構成要素190(図1及び図2)は、タイマーとして機能し、歯磨きセッション中に歯磨きセッションのカウントアップ又はカウントダウンを表示するように、構造化及び構成され得る。なお、タイマークロック構成要素190は、歯磨きセッションの前後の時刻を表示するように、構成され得る。
【0036】
使用データの少なくとも1つの要素を歯磨きセッション中に瞬間的に通信するための多機能発光構成要素200は、ベース100の最上面110に、有利に配置され得る。多機能発光構成要素200は、歯磨きセッション中に、バッテリ充電状態、歯磨きセッション中にユーザによって加えられる圧力、ユーザの歯に対する歯ブラシの位置又は配向、歯磨きされている歯の部分、予め指定された歯の表面の歯磨きの完了部分の推定を含む歯磨きセッションの進捗、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの使用特性に関する使用データを通信するように、構成され得る。
【0037】
最上面110に配置された多機能発光構成要素200は、最上面110の外周に隣接して、かつそこから実質的に等距離に位置付けられた、複数の湾曲した発光区分210を備える。複数の湾曲区分210は、互いに組み合わされて、第1の直径D1と同心の第2の直径D2を有する円を形成する。第2の直径D2は、約35mm~約75mm、又は約45mm~約65mm、又は約50mm~約60mmであり得る。タイマークロック構成要素190は、環状側面130において、表示195を介して情報を表示するように、構成されてもよい。
【0038】
一実施形態では、6つの発光区分210は、歯磨き事象中に、上顎(上)歯及び下顎(下)歯の歯磨きを反映する使用データを通信するように、構成される。図5に最もよく示されているように、6つの発光区分210は、2つのセクションに分割され、各セクションは、互いに等距離にある3つの発光区分210からなり、2つのセクションは、最上面110の両側に配置された、2つの比較的小さい光「ボタン」220(例として、丸く示されている)によって、互いに分離されている。示される実施形態では、3つの「上側」の湾曲した発光区分210(210a、210b、及び210c)は、上顎歯列(上歯)の3つの対応する部分を表し、一方で、3つの「下側」の湾曲した発光区分210(210x、210y、及び210z)は、下顎歯列(下歯)の3つの対応する部分を表す。
【0039】
別の言い方をすれば、発光構成要素200は、図5の実施形態では、6つの発光区分210a、210b、210c、210x、210y、210zを含み、それぞれが、(1)上顎(上)左後歯列を含む部分、(2)上顎(上)右後歯列を含む部分、(3)上顎(上)前歯列を含む部分、(4)下顎(下)左後歯列を含む部分、(5)下顎(下)右後歯列を含む部分、及び(6)下顎(下)前歯列を含む部分を含む、歯の少なくとも一部分の、歯磨きに関する使用データを通信するように、構成されている。発光構成要素200は、後歯列の頬側の表面、舌側の表面、及び咬合側の表面、並びに前歯列の頬側の表面、舌側の表面、及び切歯側の表面の歯磨きに関する使用データを通信するように、構造化及び構成されてもよい。
【0040】
別の実施形態(図示せず)では、多機能発光構成要素200の複数の湾曲した発光区分は、4つの湾曲した区分、又は任意のその他の好適な数(例えば、8つ)の発光区分を含んでもよい。
【0041】
使用データが通信される方法は、光の色、幾何学的形状、輝度、周波数(光が脈動する場合)、及びこれらの任意の組み合わせの変化などの特性を含むように、選択され得る。例えば、赤色又は黄色を呈する区分210は、歯列の特定の部分(所与の発光区分によって表される)の歯磨きが完了していないことを示し得るが、緑色は、歯列の部分の歯磨きが完了したことを示し得る。別の実施例として、脈動光は、歯磨き中に加えられる過剰な圧力を示してもよいが、一方で、定常光は、基準圧力を示してもよい。代替的又は追加的に、過剰圧力は、定常(例えば、赤色)光によって、示されてもよい。また、多機能発光構成要素200は、歯磨きセッションが時間の閾値又は適用範囲の閾値を超えたことの表示を提供するように、構成され得る。
【0042】
一実施形態では、ベース100は、情報及び/又は使用データをユーザに通信するためのスピーカ199(図1に概略的に示される)を含む、音声構成要素を備えてもよい。この情報は、挨拶、指示、及び警告(例えば、「圧力が過剰です!」等)を含んでもよい。モノラル又はステレオのいずれかのスピーカ199は、当該技術分野で周知のように、音楽、ニュース、天気、及びその他の告知を再生するように構成され得ることが企図される。
【0043】
発光構成要素200は、歯磨きセッション中に可視であり(図5)、歯磨きセッションの前後に不可視である(図6)ように、構造化及び構成されてもよい。これは、当該技術分野で周知のように、好適な物質(ラッカ)を、発光構成要素200の表面に適用することによって、達成され得る。一実施形態では、発光構成要素は、歯磨きセッションの前後に、環境光及び夜間光からなる群から選択される光を放出するように、構造化及び構成されてもよい。
【0044】
発光構成要素200は更に、第1のユーザによって選択された第1の個人用に調節された色及び第1の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を放出するように、構造化及び構成されてもよい。一実施形態では、発光構成要素200は、第2のユーザによって選択された第2の個人用に調節された色及び第2の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を放出するように構造化及び構成され得、第1の個人用に調節された色は、第2の個人用に調節された色とは異なり、第1の個人用に調節された輝度は、第2の個人用に調節された輝度とは異なる。発光構成要素200は、複数の発光区分を含むように構造化及び構成されてもよく、各発光区分は、特定のユーザの歯の様々な部分を歯磨きすることに関する使用データを通信するように、構成されている。
【0045】
一実施形態では、ベース100は、ベース100と、スマートデバイスアプリケーション及びクラウドのうちの少なくとも1つと、の間で、使用データを通信するための、WLAN(Wi-Fi)構成要素170(図3)を備えてもよい。ベース100は、例えば、クラウドコンピュータなどのリモート処理デバイスとして実現され得る分析器にデータを伝送するための、伝送器又はトランシーバを更に備えてもよい。伝送器又はトランシーバは、例えば、Wi-FiなどのWLAN通信機能を有してもよい。ベース100は、例えば、Bluetooth(商標)又はBluetooth(商標)LEに基づいて、電動歯ブラシ155との有線通信リンク又は無線通信リンクを確立するように、構成されてもよい。電動歯ブラシ155がベース100上に配置された場合、有線通信が確立されてもよい。次に、電動歯ブラシ155は、センサ(又はその他のデータ)を伝送するためのそれ自体の伝送器又はトランシーバを有する必要がなくてもよいが、これは、分析構成要素180を含むベース100によって処理されるからである。
【0046】
ベース100の一実施形態では、分析構成要素180は、異なる使用特性に関連する少なくとも2つの使用クラスの少なくとも1つのセットに関して、使用データを分類するように、構成されている。分析構成要素180は、歯磨きセッションの期間に関する使用データの入力タプルの、時間的に連続するシーケンスを組み立てるように、構成され得る。入力タプルのそれぞれは、それぞれの瞬間における使用データを表し、使用クラスの数に従って多数の要素を含む少なくとも1つの出力タプルを出力するように構成された少なくとも1つの人工ニューラルネットワークに、入力タプルのシーケンスを入力するための、少なくとも1つの要素を含み得る。出力タプルの各要素は、所与の瞬間における消費者デバイスの使用量がそれぞれの使用量クラスに関連する、予測値を表し得る。分析構成要素180は、出力タプルのシーケンスに基づいて、期間に対する単一の使用クラス回答を決定するように、構成され得る。
【0047】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、このような寸法は、それぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが、意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0048】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいは、それを単独で又はその他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせる場合に、このようないかなる発明をも教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0049】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々なその他の変更及び修正を行うことができる点が、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのこのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが、意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニバーサルベース(100)と組み合わされる電動歯ブラシ(155)であって、前記ベースが、前記歯ブラシを無線で充電するために前記歯ブラシ(155)を受け入れ、前記ベースと前記歯ブラシとの間の無線通信のために、前記歯ブラシと連結されるように、構造化及び構成されており、
前記ベース(100)が、最上面(110)と、前記最上面(110)の反対側の底面(120)と、前記最上面(110)と前記底面(120)との間に延在する側面(130)と、を有し、
前記ベースは、
前記歯ブラシ(155)が、充電のために前記ベース(100)によって受け入れられる場合に、前記電動歯ブラシ(155)と磁気接続を形成するための、磁気要素(140)と、
前記歯ブラシ(155)が、充電のために前記ベース(100)によって受け入れられる場合に、前記電動歯ブラシ(155)を誘導充電するための、充電構成要素(150)と、
歯磨きセッション中に、前記歯ブラシ(155)から使用データを受信するための、ブルートゥース(Bluetooth)構成要素(160)と、
前記歯磨きセッション中に、前記歯ブラシ(155)から受信した前記使用データを瞬時に処理するように構成された、分析構成要素(180)と、
(a)前記歯磨きセッション中の前記歯磨きセッションのカウントアップ又はカウントダウンのいずれかと、(b)前記歯磨きセッションの前後の時刻と、を表示するための、前記ベースの側面に配置されたタイマークロック表示(195)を含む、タイマークロック構成要素(190)と、
前記歯磨きセッション中に、前記使用データの少なくとも1つの要素を瞬時に通信するための、前記最上面(110)上に配置された、多機能発光構成要素(200)と、を備える、ユニバーサルベース(100)と組み合わされる電動歯ブラシ(155)。
【請求項2】
前記受信された使用データの前記少なくとも1つの要素が、バッテリ充電状態、前記歯磨きセッション中にユーザによって加えられる圧力、前記ユーザの歯に対する前記歯ブラシの位置又は配向、歯磨きされている前記歯の部分、前記歯磨きセッションの進行、前記歯磨きセッションが完了したことの表示、前記歯磨きセッションが時間の閾値又は適用範囲の閾値を超えたことの表示、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から、選択される、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項3】
前記発光構成要素(200)が、好ましくは、ユーザの前記歯の様々な部分を歯磨きすることに関する前記使用データを通信する、複数の発光区分(210)を含み、前記歯磨きセッション中では可視であり、前記歯磨きセッションの前後では不可視である、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項4】
前記発光構成要素(200)が、前記歯磨きセッションの前後に、環境光及び夜間光からなる群から選択される光を発する、請求項1~3のいずれか一項に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項5】
前記発光構成要素(200)が、第1のユーザによって選択された第1の個人用に調節された色及び第1の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を発する、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項6】
前記発光構成要素(200)が、第2のユーザによって選択された第2の個人用に調節された色及び第2の個人用に調節された輝度のうちの少なくとも1つを有する光を発し、前記第1の個人用に調節された色が、前記第2の個人用に調節された色とは異なる、及び/又は前記第1の個人用に調節された輝度が、前記第2の個人用に調節された輝度とは異なる、請求項5に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項7】
前記発光構成要素(200)が、少なくとも6つの区分(210a、210b、210c、210x、210y、210z)を含み、前記区分が、上左後歯列を含む部分、上右後歯列を含む部分、上前歯列を含む部分、下左後歯列を含む部分、下右後歯列を含む部分、及び下前歯列を含む部分を含む、前記歯の少なくとも6つの部分における、歯磨きに関する前記使用データを通信する、請求項3に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項8】
前記発光構成要素(200)が、前記上顎の歯及び前記下顎の歯の頬側の表面、舌側の表面、咬合側の表面、及び切歯側の表面のそれぞれの歯磨きに関する前記使用データを通信する、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項9】
前記ベース(100)が、スピーカ(199)を含む音声構成要素を備える、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項10】
前記ベース(100)が、前記ベースと、スマートデバイスアプリケーション、別のユニバーサルベース、及びクラウドのうちの少なくとも1つと、の間で、前記使用データを通信するための、WLAN(Wireless Local-Area Network、無線ローカルエリアネットワーク)構成要素(170)を備える、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項11】
前記ベース(100)の本体(101)が実質的に円形の形状を有し、前記最上面(110)及び前記底面(120)のそれぞれが実質的に円形であり、前記側面(130)が環状であり、前記最上面が、約45mm~約90mmの第1の直径(D1)を有する外周(P)を有し、好ましくは、少なくとも4つの湾曲区分を含む前記多機能発光構成要素(200)が、前記最上面(110)の前記外周(P)に隣接して前記最上面(110)に配置され、前記外周Pから実質的に等距離に位置付けられた複数の湾曲区分(210)を含み、前記複数の湾曲区分(210)が、互いに組み合わされて、約35mm~約75mmの第2の直径(D2)を有する円を形成し、前記第2の直径(D2)が、前記第1の直径(D1)と同心であり、好ましくは、前記最上面(110)が、実質的に平滑であり、残留歯磨剤及び歯磨きから生じる老廃物の蓄積を受けやすい鋭い突起部、凹部、縁部、及び角部を有さず、前記多機能発光構成要素(200)の前記複数の湾曲区分(210)が、上顎の左後歯列を含む部分、上顎の右後歯列を含む部分、上顎の前歯列を含む部分、下顎の左後歯列を含む部分、下顎の右後歯列を含む部分、下顎の前歯列を含む部分、後歯列の頬側表面、舌側表面、及び咬合側表面の部分、並びに前歯列の頬側表面、舌側表面、及び切歯側表面の部分からなる群から選択される前記歯の複数の部分の歯磨きに関する前記使用データを通信するように構成されている、請求項1に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項12】
前記第1の直径(D1)が、約60mm~約75mmである、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項13】
前記第2の直径(D2)が、約45mm~約65mmである、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項14】
前記電動歯ブラシ(155)が、最大等価直径(dmax)を有し、前記ベース(100)の前記最上面(110)上に垂直配向で配置されて、それと誘導連結するように構造化及び構成されており、前記第1の直径(D1)が、前記歯ブラシ(155)の前記最大等価直径(dmax)よりも、少なくとも2倍大きい、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【請求項15】
前記ベース(100)が、前記底面(110)の最低点から前記最上面(120)の最高点まで測定して、約20mm~約40mmの高さ(H1)を有し、前記最高点が、前記最上面(110)の幾何学的中心(151)に又はそれに隣接して位置し、前記最高点が、前記最上面(110)の中央部分(105)の一部であり、中央部分(105)が、約15mm~約35mmの半径(Rc)及び約10mm~約35mmの平面視直径(D3)を有する凸状曲率を有する凸状の平滑な突出部の形状を有し、好ましくは、前記中央部分(105)の前記凸状の平滑な突出部が、一般に、放物面形状を有し、前記中央部分(105)の前記凸状の平滑な突出部が、約0.5mm~約3mmの高さ(H2)を有する、請求項11に記載のユニバーサルベースと組み合わされる電動歯ブラシ。
【国際調査報告】