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特表2024-530905微結晶性セルロースを含むエアロゾル生成基材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】微結晶性セルロースを含むエアロゾル生成基材
(51)【国際特許分類】
   A24B 15/16 20200101AFI20240820BHJP
   A24B 15/30 20060101ALI20240820BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240820BHJP
   A24F 42/10 20200101ALI20240820BHJP
【FI】
A24B15/16
A24B15/30
A24F40/20
A24F42/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505339
(86)(22)【出願日】2022-07-28
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 IB2022057024
(87)【国際公開番号】W WO2023007440
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】63/227,731
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーア,ジョン・ポール
(72)【発明者】
【氏名】モンサルード,ルイス
【テーマコード(参考)】
4B043
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB11
4B043BB22
4B043BC03
4B043BC04
4B043BC05
4B043BC18
4B043BC20
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AA24
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB28
4B162AB32
4B162AC21
4B162AC41
(57)【要約】
本開示は、微結晶性セルロース、結合剤、エアロゾル形成材料、及び任意選択的に活性成分、着香剤又は活性成分と着香剤の両方を含む基材を提供する。基材の最終形態は、エアロゾル送達デバイスのためのエアロゾル生成要素に使用されるよう構成することができる。基材を含むエアロゾル生成要素及びエアロゾル送達デバイスがさらに提供される。このようなデバイスは、電気的発熱又は燃焼性発火源を利用して基材を加熱することによって、エアロゾル形態で吸入用物質を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達デバイスにおける使用のための基材であって、
微結晶性セルロース;
1種以上の結合剤;及び
エアロゾル形成材料
を含む、基材。
【請求項2】
微結晶性セルロースが、基材の全乾燥重量に対して、約25重量%又はそれ以上の量で存在する、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
微結晶性セルロースが、基材の全乾燥重量に対して、30重量%又はそれ以上の量で存在する、請求項1又は2に記載の基材。
【請求項4】
微結晶性セルロースが、基材の全乾燥重量に対して、約25~約60重量%、約30~約55重量%又は約35~約50重量%の範囲の量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の基材。
【請求項5】
基材の全乾燥重量に対して、約5~約15重量%の量の木材パルプをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の基材。
【請求項6】
結合剤が、セルロースエーテル、アルギン酸塩、デンプン及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の基材。
【請求項7】
結合剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの組合せからなる群から選択されるセルロースエーテルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の基材。
【請求項8】
結合剤がカルボキシメチルセルロースである、請求項1~7のいずれか一項に記載の基材。
【請求項9】
結合剤がアルギン酸塩である、請求項1~6のいずれか一項に記載の基材。
【請求項10】
エアロゾル形成材料が、基材の全乾燥重量に対して、約10重量%又はそれ以上の量で存在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の基材。
【請求項11】
エアロゾル形成材料が、基材の全乾燥重量に対して、約20重量%又はそれ以上の量で存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載の基材。
【請求項12】
エアロゾル形成材料が約10~約70重量%の範囲の量で存在する、請求項1~10のいずれか一項に記載の基材。
【請求項13】
エアロゾル形成材料が約30~約60重量%の範囲の量で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載の基材。
【請求項14】
エアロゾル形成材料が、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、非脂肪酸エステル、ワックス、カンナビノイド、テルペン、糖アルコール及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の基材。
【請求項15】
エアロゾル形成材料が多価アルコールである、請求項1に記載の基材。
【請求項16】
多価アルコールが、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14又は15に記載の基材。
【請求項17】
着香剤、活性成分又はこれらの組合せをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の基材。
【請求項18】
活性成分がニコチン成分を含む、請求項17に記載の基材。
【請求項19】
約30~約50重量%の微結晶性セルロース;
約5~約10重量%の木材パルプ;
約5~約10重量%の結合剤;及び
約30~約60重量%のエアロゾル形成材料
を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の基材。
【請求項20】
結合剤がカルボキシメチルセルロース又はアルギン酸ナトリウムである、請求項19に記載の基材。
【請求項21】
エアロゾル形成材料がグリセロールである、請求項20に記載の基材。
【請求項22】
シートの形態である、請求項1~21のいずれか一項に記載の基材。
【請求項23】
タバコ材料を実質的に含まない、請求項1~22のいずれか一項に記載の基材。
【請求項24】
ニコチンを実質的に含まない、請求項1~23のいずれか一項に記載の基材。
【請求項25】
エアロゾル送達デバイスによる使用のためのエアロゾル生成要素であって、請求項1~24のいずれか一項に記載の基材を含む、エアロゾル生成要素。
【請求項26】
エアロゾル生成材料をさらに含み、エアロゾル生成材料がタバコ材料を含む、請求項25に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項27】
支持体をさらに含み、基材が支持体に取り付けられている、請求項25又は26に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項28】
支持体が平坦である、請求項27に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項29】
基材がタバコ材料とブレンドされている、請求項25~28のいずれか一項に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項30】
タバコ材料が複数のストリップとして存在する、請求項26又は29に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項31】
複数のストリップの基材を含む、請求項25~30のいずれか一項に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項32】
複数の層の基材を含む、請求項25~30のいずれか一項に記載のエアロゾル生成要素。
【請求項33】
請求項25~32のいずれか一項に記載のエアロゾル生成要素、
エアロゾル生成要素を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源、及び
エアロゾル生成要素から伸び、エアロゾルをエアロゾル送達デバイスの口部まで運ぶように構成された長さに沿って伸びるエアロゾル経路
を含む、エアロゾル送達デバイス。
【請求項34】
熱源が電動発熱体又は燃焼性発火源のいずれかを含む、請求項33に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項35】
熱源が炭素ベースの材料を含む燃焼性発火源である、請求項33に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項36】
熱源が電動発熱体である、請求項33に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項37】
発熱体に電子的に連結しているエネルギー源をさらに含む、請求項36に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項38】
エネルギー源により発熱体へ伝達される電力を制御するように構成されたコントローラーをさらに含む、請求項37に記載のエアロゾル送達デバイス。
【請求項39】
熱源が伝導性熱源又は誘導的熱源である、請求項33に記載のエアロゾル送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気的発熱又は燃焼性発火源を利用してエアロゾル形成材料を加熱することによって、一般的に著しい燃焼なしで、人間用にエアロゾル形態で吸入用物質を提供するエアロゾル生成要素、エアロゾル送達デバイス、及びエアロゾル送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのエアロゾル生成物品が、タバコの燃焼に基づく使用のための喫煙製品の改善、又は代替形態として長年の間提案されてきた。一部の例示的代替形態は、固体若しくは液体燃料が燃焼されて熱がタバコに伝わるデバイス又は化学反応が使用されて、このような熱源が提供されるデバイスを含んでいた。追加の例示的代替形態は、電気エネルギーを使用して、例えば、その全体を参照により本明細書に組み込む、Wormらの米国特許第9,078,473号に記載されているタバコ及び/又は他のエアロゾル生成基材物質を加熱する。
【0003】
エアロゾル生成物品に対する改善又は代替のポイントは通常、かなりの量の不完全燃焼及び熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻又はパイプ喫煙に伴う感覚を提供することであった。この目的を達成するために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化若しくは加熱する多くの喫煙製品、香味生成装置及び薬用吸入器が提案され、又はかなりの程度までタバコを燃やすことなく、紙巻タバコ、葉巻、若しくはパイプ喫煙の感覚を提供する試みがなされてきた。例えば、それぞれをそれら全体において参照により本明細書に組み込む、Robinsonらの米国特許第7,726,320号;及びGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号;及びSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号に記載されている背景技術に記載の様々な代替喫煙物品、エアロゾル送達デバイス及び熱発生源を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,078,473号明細書
【特許文献2】米国特許第7,726,320号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タバコ、タバコ由来の材料、又は他の植物由来の材料を電気的に加熱することにより、喫煙の味覚及び感覚を生成する物品は、性能特徴に一貫性がないという問題を抱えてきた。例えば、一部の物品は、香味又は他の吸入物質の一貫性のない放出に、エアロゾル形成材料の基材上への不十分な充填、又は感覚特性の乏しさという問題を抱える。したがって、紙巻タバコ、葉巻、又はパイプ喫煙の感覚を提供することができる喫煙物品であって、基材物質を燃焼することなくこれを行い、有利な性能特徴と共にこれを行う喫煙物品を提供することが望ましいと言える。
【0006】
固体燃料、例えば、炭素が燃焼して、熱をタバコに伝達するエアロゾル送達デバイス、並びに電気的発熱を利用したエアロゾル送達デバイスは、エアロゾル生成要素の一部としてエアロゾル生成基材を有する。両方のタイプのデバイスにおいて、有利な性能特徴を有する基材を提供することが有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(簡単な要旨)
本開示は、電気的発熱又は燃焼性発火源を利用して基材を加熱することによって、人間用にエアロゾル形態で吸入用物質を提供するエアロゾル送達デバイスにおける使用のための基材に関する。したがって、一態様では、本開示は、エアロゾル送達デバイスにおける使用のための基材であって、微結晶性セルロース、1種以上の結合剤及びエアロゾル形成材料を含む基材を提供する。
【0008】
一部の実施形態では、微結晶性セルロースは、基材の全乾燥重量に対して約25重量%又はそれ以上の量で存在する。一部の実施形態では、微結晶性セルロースは、基材の全乾燥重量に対して、30重量%又はそれ以上の量で存在する。一部の実施形態では、微結晶性セルロースは、基材の全乾燥重量に対して、約25~約60重量%、約30~約55重量%又は約35~約50重量%の範囲の量で存在する。
【0009】
一部の実施形態では、基材は、基材の全乾燥重量に対して、約5~約15重量%の量の木材パルプをさらに含む。
【0010】
一部の実施形態では、結合剤は、セルロースエーテル、アルギン酸塩、デンプン及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、結合剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの組合せからなる群から選択されるセルロースエーテルである。一部の実施形態では、結合剤はカルボキシメチルセルロースである。一部の実施形態では、結合剤はアルギン酸塩である。
【0011】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、基材の全乾燥重量に対して、約10重量%又はそれ以上の量で存在する。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、基材の全乾燥重量に対して、約20重量%又はそれ以上の量で存在する。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、約10~約70重量%の範囲の量で存在する。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、約30~約60重量%の範囲の量で存在する。
【0012】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、非脂肪酸エステル、ワックス、カンナビノイド、テルペン、糖アルコール及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は多価アルコールである。一部の実施形態では、多価アルコールは、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びこれらの組合せからなる群から選択される。
【0013】
一部の実施形態では、基材は、着香剤、活性成分又はこれらの組合せをさらに含む。一部の実施形態では、活性成分はニコチン成分を含む。
【0014】
一部の実施形態では、基材は、約30~約50重量%の微結晶性セルロース、約5~約10重量%の木材パルプ、約5~約10重量%の結合剤及び約30~約60重量%のエアロゾル形成材料を含む。
【0015】
一部の実施形態では、結合剤はカルボキシメチルセルロース又はアルギン酸ナトリウムである。
【0016】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料はグリセロールである。
【0017】
一部の実施形態では、基材はシートの形態である。
【0018】
一部の実施形態では、基材はタバコ材料を実質的に含まない。
【0019】
一部の実施形態では、基材はニコチンを実質的に含まない。
【0020】
別の態様では、エアロゾル送達デバイスによる使用のためのエアロゾル生成要素であって、微結晶性セルロース、1種以上の結合剤及びエアロゾル形成材料を含む基材を含むエアロゾル生成要素が提供される。
【0021】
一部の実施形態では、エアロゾル生成要素はエアロゾル生成材料をさらに含み、エアロゾル生成材料はタバコ材料を含む。
【0022】
一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は、支持体をさらに含み、基材は支持体に取り付けられている。
【0023】
一部の実施形態では、支持体は平坦である。
【0024】
一部の実施形態では、基材はタバコ材料とブレンドされる。一部の実施形態では、タバコ材料は複数のストリップとして存在する。
【0025】
一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は複数のストリップの基材を含む。一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は多数の層の基材を含む。
【0026】
さらに別の態様では、微結晶性セルロース、1種以上の結合剤及びエアロゾル形成材料を含む基材を含むエアロゾル生成要素;エアロゾル生成要素を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源;並びにエアロゾル生成要素から伸び、エアロゾルをエアロゾル送達デバイスの口部まで運ぶように構成された長さに沿って伸びるエアロゾル経路を含むエアロゾル送達デバイスが提供される。
【0027】
一部の実施形態では、熱源は、電動発熱体又は燃焼性発火源のいずれかを含む。一部の実施形態では、熱源は炭素ベースの材料を含む燃焼性発火源である。一部の実施形態では、熱源は電動発熱体である。一部の実施形態では、熱源は伝導性熱源又は誘導的熱源である。
【0028】
一部の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは発熱体に電子的に連結しているエネルギー源をさらに含む。一部の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、エネルギー源により発熱体へ伝達される電力を制御するように構成されたコントローラーをさらに含む。
【0029】
本開示は、制限なしで、以下の実施形態を含む。
【0030】
実施形態1:エアロゾル送達デバイスにおける使用のための基材であって、微結晶性セルロース、1種以上の結合剤及びエアロゾル形成材料を含む基材。
【0031】
実施形態2:微結晶性セルロースが、基材の全乾燥重量に対して、約25重量%又はそれ以上の量で存在する、実施形態1に記載の基材。
【0032】
実施形態3:微結晶性セルロースが、基材の全乾燥重量に対して、30重量%又はそれ以上の量で存在する、実施形態1又は2に記載の基材。
【0033】
実施形態4:微結晶性セルロースが、基材の全乾燥重量に対して、約25~約60重量%、約30~約55重量%又は約35~約50重量%の範囲の量で存在する、実施形態1に記載の基材。
【0034】
実施形態5:基材の全乾燥重量に対して約5~約15重量%の量の木材パルプをさらに含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の基材。
【0035】
実施形態6:結合剤が、セルロースエーテル、アルギン酸塩、デンプン及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~5のいずれか1つに記載の基材。
【0036】
実施形態7:結合剤が、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの組合せからなる群から選択されるセルロースエーテルである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の基材。
【0037】
実施形態8:結合剤がカルボキシメチルセルロースである、実施形態1~7のいずれか1つに記載の基材。
【0038】
実施形態9:結合剤がアルギン酸塩である、実施形態1~6のいずれか1つに記載の基材。
【0039】
実施形態10:エアロゾル形成材料が、基材の全乾燥重量に対して、約10重量%又はそれ以上の量で存在する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の基材。
【0040】
実施形態11:エアロゾル形成材料が、基材の全乾燥重量に対して、約20重量%又はそれ以上の量で存在する、実施形態1~10のいずれか1つに記載の基材。
【0041】
実施形態12:エアロゾル形成材料が、約10~約70重量%の範囲の量で存在する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の基材。
【0042】
実施形態13:エアロゾル形成材料が、約30~約60重量%の範囲の量で存在する、実施形態1~12のいずれか1つに記載の基材。
【0043】
実施形態14:エアロゾル形成材料が、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、非脂肪酸エステル、ワックス、カンナビノイド、テルペン、糖アルコール及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~13のいずれか1つに記載の基材。
【0044】
実施形態15:エアロゾル形成材料が多価アルコールである、実施形態1~14のいずれか1つに記載の基材。
【0045】
実施形態16:多価アルコールが、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びこれらの組合せからなる群から選択される、実施形態1~15のいずれか1つに記載の基材。
【0046】
実施形態17:着香剤、活性成分又はこれらの組合せをさらに含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の基材。
【0047】
実施形態18:活性成分がニコチン成分を含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の基材。
【0048】
実施形態19:約30~約50重量%の微結晶性セルロース、約5~約10重量%の木材パルプ、約5~約10重量%の結合剤及び約30~約60重量%のエアロゾル形成材料を含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の基材。
【0049】
実施形態20:結合剤がカルボキシメチルセルロース又はアルギン酸ナトリウムである、実施形態19に記載の基材。
【0050】
実施形態21:エアロゾル形成材料がグリセロールである、実施形態19又は20に記載の基材。
【0051】
実施形態22:シートの形態である、実施形態1~21のいずれか1つに記載の基材。
【0052】
実施形態23:タバコ材料を実質的に含まない、実施形態1~22のいずれか1つに記載の基材。
【0053】
実施形態24:ニコチンを実質的に含まない、実施形態1~23のいずれか1つに記載の基材。
【0054】
実施形態25:エアロゾル送達デバイスによる使用のためのエアロゾル生成要素であって、実施形態1~25のいずれか1つに記載の基材を含む、エアロゾル生成要素。
【0055】
実施形態26:エアロゾル生成材料をさらに含み、エアロゾル生成材料がタバコ材料を含む、実施形態25に記載のエアロゾル生成要素。
【0056】
実施形態27:支持体をさらに含み、基材が支持体に取り付けられている、実施形態25又は26に記載のエアロゾル生成要素。
【0057】
実施形態28:支持体が平坦である、実施形態25~27のいずれか1つに記載のエアロゾル生成要素。
【0058】
実施形態29:基材がタバコ材料とブレンドされる、実施形態25~28のいずれか1つに記載のエアロゾル生成要素。
【0059】
実施形態30:タバコ材料が複数のストリップとして存在する、実施形態26~29のいずれか1つに記載のエアロゾル生成要素。
【0060】
実施形態31:複数のストリップの基材を含む、実施形態25~30のいずれか1つに記載のエアロゾル生成要素。
【0061】
実施形態32:多数の層の基材を含む、実施形態25~30のいずれか1つに記載のエアロゾル生成要素。
【0062】
実施形態33:実施形態25~32のいずれか1つに記載のエアロゾル生成要素;エアロゾル生成要素を加熱してエアロゾルを形成するように構成された熱源;及びエアロゾル生成要素から伸び、エアロゾルをエアロゾル送達デバイスの口部まで運ぶように構成された長さに沿って伸びるエアロゾル経路を含む、エアロゾル送達デバイス。
【0063】
実施形態34:熱源が電動発熱体又は燃焼性発火源のいずれかを含む、実施形態33に記載のエアロゾル送達デバイス。
【0064】
実施形態35:熱源が炭素ベースの材料を含む燃焼性発火源である、実施形態33又は34に記載のエアロゾル送達デバイス。
【0065】
実施形態36:熱源が電動発熱体である、実施形態33又は34に記載のエアロゾル送達デバイス。
【0066】
実施形態37:発熱体に電子的に連結しているエネルギー源をさらに含む、実施形態36に記載のエアロゾル送達デバイス。
【0067】
実施形態38:エネルギー源により発熱体へ伝達される電力を制御するように構成されたコントローラーをさらに含む、実施形態37に記載のエアロゾル送達デバイス。
【0068】
実施形態39:熱源が伝導性熱源又は誘導的熱源である、実施形態33~38のいずれか1つに記載のエアロゾル送達デバイス。
【0069】
本開示のこれら及び他の特徴、態様並びに利点は、添付の図と一緒に以下の詳細な説明を読むことで明らかとなり、これらの図は以下に簡潔に記載されている。本発明は、このような特徴又は要素が本明細書の特定の実施形態の記載において明示的に組み合わせられているかに関わらず、上記に述べられた実施形態のうちの2つ、3つ、4つ、又はそれ以上のいずれかの組合せ並びにいずれか2つ、3つ、4つ、又はそれ以上の本開示に記載の特徴又は要素の組合せを含む。本開示は、全体的に読み取ることを意図し、これによって、このような文脈が他を明確に指示していない限り、開示された発明のいずれかの分離可能な特徴又は要素が、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、組合せ可能であることを意図すると考えられるべきである。
【0070】
前述の一般的条件において本開示の態様をこうして記載してきたが、ここでは添付の図を参照する。これらの図は必ずしもスケール通りに描かれてはいない。図は例示のみであり、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
図1】支持体及び基材を含むエアロゾル生成要素の概略的斜視図を図示している。
図2】本開示の例示的実施形態による、制御装置及びエアロゾル生成要素を含むエアロゾル送達デバイスの透視図を図示しており、エアロゾル生成要素及び制御装置は互いに連結している。
図3】本開示の例示的実施形態による、図1のエアロゾル送達デバイスの透視図を図示しており、エアロゾル生成要素及び制御装置は、互いに切り離されている。
図4】本開示の例示的実施形態による、エアロゾル生成要素の概略的斜視図を図示している。
図5】本開示の例示的実施形態による、エアロゾル生成要素の基材部分の概略的断面図を図示している。
図6】本開示の例示的実施形態による、エアロゾル生成要素の透視図を図示している。
図7】本開示の一実施形態による、外包装材を除去した、図6のエアロゾル生成要素の透視図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0072】
本開示はここで、その例示的実施形態を参照して、本明細書のこれより以下においてより完全に記載される。これらの例示的実施形態は、本開示が十分及び完全であるように、並びに本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載されている。実際に、本開示は多くの異なる形態に実施形態化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な正当な必要条件を満たすように提供されるものである。
【0073】
本明細書及び特許請求の範囲に使用された場合、文脈が他を明確に指示しない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示対象を含む。
【0074】
本明細書全体にわたり使用されている「約」という用語は、小さな変動を記載する及び説明するために使用されている。例えば、「約」という用語は、±10%未満若しくは等しい、例えば、±5%未満若しくは等しい、±2%未満若しくは等しい、±1%未満若しくは等しい、±0.5%未満若しくは等しい、±0.2%未満若しくは等しい、±0.1%未満若しくは等しい、又は±0.05%未満若しくは等しいことを指すことができる。本明細書のすべての数値は、明示的に示されているかいないかに関わらず、「約」という用語で修飾されている。「約」という用語で修飾された値は当然具体的な値を含む。例えば、「約5.0」は5.0を含まなければならない。
【0075】
パーセントについての言及は、他に指摘されていない限り、重量パーセントを意味することを意図する。本明細書に記載されているすべての重量パーセンテージは、他に明示的に述べられていない限り、乾燥重量ベースで計算されている。「乾燥重量パーセント」又は「乾燥重量ベース」についての言及は、乾燥成分に基づく重量を指す(すなわち、水を除くすべての成分)。乾燥重量ベースで提示された重量は、水又は他の溶媒以外の、スラリー、材料などの全体を指し、室温で及び室内圧力でそれ自体液体である構成要素、例えば、グリセロール又は他のエアロゾル形成材料を含むことができる。逆に、湿質量ベースで提示された重量パーセンテージは、水又は他の溶媒を含むすべての構成要素を指す。
【0076】
基材
本明細書のこれより以下に記載されているように、本開示の例示的実施形態は、エアロゾル送達デバイスにおける使用のための基材に関する。基材は、様々な材料を単独で又は組み合わせて含むことができる。本開示の基材は充填材、結合剤、エアロゾル形成材料、及び任意選択的に活性成分、着香剤又は両方を一般的に含む。基材構成要素のそれぞれは本明細書で以下にさらに記載される。
【0077】
充填材
本明細書で開示されている基材は充填材を含む。充填材は、例えば、非タバコ植物材料、セルロース系材料、木材繊維又はパルプ、デンプン、糖、糖アルコール、無機物質、不活性材料などの材料及びこれらの組合せを含むことができる。充填材の量は異なることができる。一部の実施形態では、基材は、基材の全乾燥重量に対して、約70%乾燥重量までの充填材を含む。例えば、一部の実施形態では、基材は、基材の全乾燥重量に対して、約30重量%~約70重量%の充填材を含む。1種より多くの充填材を使用することができる。このような実施形態では、充填材の重量パーセントについての言及は、基材中に存在する充填材の組合せの総量を反映することを意図することが理解されている。
【0078】
微結晶性セルロース
一部の実施形態では、微結晶性セルロース(「mcc」)は、基材において充填材として使用されている。充填材として機能することに加えて、本明細書で使用されている微結晶性セルロース材料は、ある特定の実施形態では、担体として、例えば、着香剤用の担体として機能することができる。微結晶性セルロースは多数の使用を有し、例えば、調質剤、固結防止剤、脂肪代用品、乳化剤、増量剤及び充填剤として、並びに直圧縮のための賦形剤、結合剤、崩壊剤、吸収剤、充填材、希釈剤、滑沢剤及び粘着防止剤としての使用を有する。パルプから直接得られる他のセルロース系材料とは対照的に、微結晶性セルロースは精製したパルプ製品である。パルプは木材、繊維作物、古紙又はラグからセルロース繊維を化学的に又は機械的に分離することにより調製されるリグノセルロースの繊維状材料であり、その一方で微結晶性セルロースは精製された、部分的に解重合したセルロースとして区別される。
【0079】
セルロースは1-4βグリコシド結合により連結されたグルコース単位で構成される天然由来のポリマーである。直鎖状セルロースは植物細胞壁の中でミクロフィブリルとして一緒に束ねられている。各ミクロフィブリルは、水に不溶性であり、試薬に耐性がある結晶構造を画定している。しかし、ミクロフィブリルは内部結合が弱い非晶質領域を含む。結晶構造は単離されて、微結晶性セルロースを生成する。微結晶性セルロースはアルファセルロースのみから生成することができ(「化学的セルロース」としても公知)、このアルファセルロースは、糖、ペクチン及び他の可溶性材料が除去されている、極めて精製され、不溶性の、比較的高い分子量のセルロースである。他の種類のセルロースに関しては、βセルロースは、結晶性領域が少ない、より多く分解された形態のセルロースと定義される。さらに、γセルロースは短鎖ヘミセルロースとして定義される。よって、βセルロース及びγセルロースは通常、微結晶性セルロースを生成するために利用される投入物から除去される。
【0080】
微結晶性セルロースの生成において、アルファセルロースは、最初に細かく刻み、次いで鉱酸の高温槽に浸して、微結晶性構造体をそのままの状態で残しながら、ミクロフィブリルの非晶質領域を溶解することができる。次いで、微結晶性構造体は、加水分解に供して、重合度が低減し、所望の程度に安定するまで、長いポリマー鎖を破壊することができる。次いで、化学物質及び不純物は、水での洗浄、それに続く乾燥を介して除去することができる。生成した微結晶性セルロースは、微細な白色の結晶化粉末として生の形態で具体化することができる。植物材料から微結晶性セルロースを形成するための方法は、例えば、両方ともこれらの全体を本明細書に参照により組み込む、Byrd,Jr.らの米国特許第9,339,058号及びSebastianらの第10,774,472号に記載されている。MCC材料は、例えば、DuPont de Nemours、Inc.、Asahi Kasei Corporation、Sigachi Industries Limited、Accent Microcell Pvt.Ltd.及びDFE Pharma GmbH & Co.KG.などの製造元から市販されている。微結晶性セルロースは、AVICEL(登録商標)グレードPH-100、PH-102、PH-103、PH-105、PH-112、PH-113、PH-200、PH-300、PH-302、VIVACEL(登録商標)グレード101、102、12、20及びEMOCEL(登録商標)グレード50M及び90Mなど、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0081】
微結晶性セルロースは通常微粒子形態で使用され、粒子のサイズは異なることができる。ある特定の実施形態では、微結晶性セルロース材料は、非常に微細な微粒子形態、例えば、約250ミクロン若しくはそれ未満、例えば、約170ミクロン若しくはそれ未満、又は約150ミクロン若しくはそれ未満のD90粒径を有する粒子である。本明細書で使用される場合、「D90粒径」という用語は、全粒子の90%が所与のサイズより小さいことを意味する。粒径は、例えば、レーザー回折で、又は粒径分析器を使用して測定することができる。
【0082】
ある特定の実施形態では、微結晶性セルロース材料は、他の種類のセルロース材料と比較して、比較的低いかさ密度を有し、これは、充填値のより大きな材料が所望される場合に有利である。本開示で使用されている微結晶性セルロース材料に対するかさ密度の例示的範囲は、公知の質量の粉末の体積を測定することにより決定された場合、約0.50g/mL又はそれ未満、例えば、約0.26~約0.35g/mL又は約0.26~約0.5g/mLである。
【0083】
一部の実施形態では、他のセルロース系材料と比較して、微結晶性セルロースは、微結晶性セルロースを含む基材へ、改善された組織、抗固化及び抗固着特性のうちの1種以上を有利にもたらすことができる。
【0084】
基材中に存在する微結晶性セルロースの量は異なってもよい。一部の実施形態では、基材は、乾燥重量ベースで、約25重量%又はそれ以上の微結晶性セルロース、例えば、乾燥重量ベースで、約25~約60重量%の微結晶性セルロース、約30~約55重量%又は約35~約50重量%の微結晶性セルロースを含む。一部の実施形態では、基材は、乾燥重量ベースで、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%又は約45重量%から、約50重量%、約55重量%又は約60重量%までの微結晶性セルロースを含む。
【0085】
他のセルロース系材料
一部の実施形態では、充填材は、さらなるセルロース系材料、例えば、アマ、コットンリンター、ケナフ、ハイビスカス、大麻、タバコ、サイザル麻、米わら又はエスパルト由来のセルロース系材料を含む。他の適切なセルロース系材料として、これらに限定されないが、穀物穀粒(例えば、トウモロコシ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、ソバなど)、サトウダイコン(例えば、International fiber Corporationから入手可能なFIBREX(登録商標)ブランドの充填材)、ふすま繊維及びこれらの混合物が挙げられる。
【0086】
一部の実施形態では、セルロース系材料は、少なくとも約90重量%のセルロース、例えば、約90重量%、約95重量%、約99重量%、又はさらに100重量%までものセルロースを含むセルロース系パルプ又は再生セルロースである。「再生セルロース」とは、可溶性又は溶解性のセルロース系誘導体に変換され、続いて、通常ポリマー紡糸を介して、又はフィルムポリマーキャスティング、沈殿若しくは押し出しを介して繊維を形成することにより再生された天然セルロースを意味する。
【0087】
一部の実施形態では、セルロース系材料はナノセルロース材料を含む。本明細書で使用される場合、「ナノセルロース材料」とは、約1nm~約100nmの範囲の少なくとも1つの平均粒径寸法を有するセルロース材料を指す。非限定的例として、適切なナノセルロース材料は、任意の適切なセルロース含有材料、例えば、イネ科植物(例えば、竹材)、コットン、タバコ、藻及び他の植物ベースの材料から調製された繊維状材料であってもよく、ここでは繊維は、ナノフィブリル化セルロース繊維が生成されるようにさらに精製される。
【0088】
木材繊維
一部の実施形態では、充填材は木材又は木材由来の繊維(例えば、木材パルプ)を含む。例えば、一部の実施形態では、基材は、乾燥重量ベースで、約0~約15%の木材パルプ、例えば、約1%~約15%又は約5~約15%の木材パルプを含む。一部の実施形態では、基材は、乾燥重量ベースで、約5~約11%又は約5~約9%の木材パルプ、例えば、約5、約6、約7、約8、約9、約10又は約11%の木材パルプを含む。木材パルプの存在は、基材シート材料の構造的完全性を増強することができる。
【0089】
他の実施形態では、基材は木材繊維又は木材パルプを実質的に又は完全に含まない。木材繊維又はパルプを「実質的に含まない」とは、例えば、植物又は他の植物材料中に自然に存在し得る微量を超えて、いかなる木材繊維又はパルプも意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の全乾燥重量に対して、0.1乾燥重量%未満又は0.01乾燥重量%未満又は0.001乾燥重量%未満又は0乾燥重量%の木材繊維又はパルプを有することを特徴とすることができる。
【0090】
一部の実施形態では、充填材は、微結晶性セルロースと木材パルプの組合せを含む。一部の実施形態では、充填材は微結晶性セルロースと木材パルプの組合せである。
【0091】
非タバコ植物
一部の実施形態では、充填材は非タバコ植物材料を含む。本明細書で使用される場合、「植物材料」又は「植物」という用語は、任意の植物材料又は菌類由来の材料であり、その天然形態の植物材料及び天然植物材料由来の植物材料、例えば、植物材料からの抽出物若しくは分離物、又は処理した植物材料(例えば、加熱処理、発酵又は材料の化学的性質を改変することが可能な他の処理プロセスに供した植物材料)を含む材料を指す。本開示の目的のため、「植物材料」は、これらに限定されないが、「薬草材料」を含み、この薬草材料とは、持続性の木部組織を生み出さず、多くの場合これらの薬用又は感覚特性が高く評価されている(例えば、茶又はティザーヌ)種子生成植物を指す。植物材料を「非タバコ」と呼ぶことは、タバコ材料を除外すること(すなわち、いかなるニコチアナ属の種も含まない。)を意図する。本開示に使用されている植物材料は、制限なしで、これらの混合物を含めて、本明細書に記載されている化合物及び供給源のいずれかを含むことができる。この種類のある特定の植物材料は時には栄養補助食品、栄養補助食品、「植物化合物」又は「機能性食品」と呼ばれる。
【0092】
非タバコ植物材料の非限定的例として、制限なしで、アサイベリー(エウテルペ・オレラセア・マルティウス(Euterpe oleracea martius))、アセロラ(マルピギア・グラブラ(Malpighia glabra))、アルファルファ、オールスパイス、アンジェリカ根、アニス(例えば、スターアニス)、アナトーシード、リンゴ(マルス・ドメスティカ(Malus domestica))、アンズ油、バコパ・モニエラ(bacopa monniera)、バジル(オキムム・バジリクム(Ocimum basilicum))、ビーバーム、ビートルート、ベルガモット、ブラックベリー(モルス・ニグラ(Morus nigra))、ブラックコホシュ、黒コショウ、紅茶、ブルーベリー、ボルド(ペウムス・ボールドス(Peumus boldus))、ルリジサ、キランソウ、カカオ、ショウブ根、カムカム(ミルシャリア・デュビア(Myrcaria dubia))、アサ/大麻、キャラウェー種子、キャットニップ、カツアバ、カイエン、カイエンペッパー、チャーガ、カモミール、サクランボ、チャービル、チョコレート、シナモン(シンナモムム・カッシア(Cinnamomum cassia))、シトロンイネ科草本(シンボポゴン・シトラトス(Cymbopogon citratus))、クラリセージ、クローブ、ココナッツ(ココス・ヌシフェラ(Cocos nucifera))、コーヒー、ヒレハリソウ、コリアンダー種子、クランベリー、タンポポ、エキナセア、エルダーベリー、セイヨウニワトコ、エンドロ(endro)(アネタム・グラベレンス(Anethum graveolens))、マツヨイグサ、ユーカリ、フェンネル、ナツシロギク、ニンニク、ショウガ(ジンギバー・オフィシナーレ(Zingiber officinale))、ギンコ・ビロバ(gingko biloba)、ジンセン、ゴジベリー、ゴールデンシール、ブドウ種子、グレープフルーツ、ピンクグレープフルーツ(キトルス・パラデシィ(Citrus paradisi))、グラビオラ(アンノナ・ムリカータ(Annona muricata))、緑茶、ゴツコラ、ホーソン、ハイビスカスの花(ヒビスカス・サブダリッファ(Hibiscus sabdariffa))、ハニーブッシュ、アマチャヅル、カヴァ、ジャンブー(スピランサス・オレラシア(Spilanthes oleraceae))、ジャスミン(ジャスミナム・オフィシナーレ(Jasminum officinale))、ジュニパーベリー(ジュニペラス・コミュニス(Juniperus communis))、ラベンダー、レモン(キトルス・リモン(Citrus limon))、リコリス、ライラック、ヤマブシタケ、マカ(レピディウム・メイエニー(Lepidium meyenii))、マジョラム、マリアアザミ、ミント(ハッカ)、ウーロン茶、オレンジ(キトルス・シネンシス(Citrus sinensis))、オレガノ、パパイヤ、ペニーロイヤルミント、ペパーミント(メンサ・ピペリタ(Mentha piperita))、ジャガイモの皮、マルメロ、レッドクローバ、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズヒップ(ロサ・カニーナ(Rosa canina))、ローズマリー、セージ、セイヨウオトギリ、サルビア(サルビア・オフィシナーレ(Salvia officinalis))、セイボリー、ノコギリパルメット、シルブム・マリアヌム(silybum marianum)、スリッパリーエルムの樹皮、高タンニンソルガム糠、高タンニンソルガム穀粒、スペアミント(メンサ・スピカタ(Mentha spicata))、スピルリナ、スマックブラン、タイム、ターメリック、クマコケモモ、バレリアン、バニラ、自然薯の根、ウィンターグリーン、ウィザニア・ソムニフェラ(withania somnifera)、ヤーコンの根、イエロードック、イェルバマテ及びイェルバサンタが挙げられる。
【0093】
一部の実施形態では、基材は、これらに限定されないが、ユーカリ、ルイボス、スターアニス、フェンネル、大麻、アマ、サイザル麻、米わら、エスパルト及びこれらの組合せを含めた植物由来の非タバコ材料を含む。
【0094】
存在する非タバコ植物材料の量は異なってもよく、基材の全乾燥重量に対して、一般的に基材の約50重量%未満である。例えば、非タバコ植物材料は、基材の全乾燥重量に対して、基材の約0重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%又は約50重量%の量で存在してもよい。
【0095】
デンプン及び糖
一部の実施形態では、充填材は、天然及び加工デンプンを含めたデンプンを含む。ある特定のデンプン材料はまた、結合剤又は他の機能的添加剤として基材に含まれていてもよい。「デンプン」は、本明細書で使用される場合、いかなる供給源、加工デンプン、又はデンプン誘導体由来の純粋なデンプンを指すことができる。デンプンは通常、ほとんどすべての緑色の植物中に及び様々な種類の植物組織及び器官内に(例えば、種子、葉、根茎、根、塊茎、苗条、果実、穀粒及び茎)顆粒状の形態で存在する。デンプンは、組成、並びに顆粒状の形状及びサイズにおいて多様であることができる。多くの場合、異なる供給源由来のデンプンは異なる化学的及び物理的特徴を有する。特定のデンプンは、ビーズに特定の官能特性を付与するデンプン材料の能力に基づき、ビーズ内に包含するために選択することができる。様々な供給源由来のデンプンを使用することができる。例えば、デンプンの主要な供給源として、穀物穀粒(例えば、米、小麦及びトウモロコシ)及び根植物(例えば、ジャガイモ及びキャッサバ)が挙げられる。デンプンの供給源の他の例として、ドングリ、アロールート、アラカチャ、バナナ、オオムギ、マメ(例えば、ファーヴァ、レンズマメ、ヤエナリ、マメ、ひよこマメ)、パンノキ、ソバ、カンナ、クリ、サトイモ、カタクリ、クズ、マランガ、雑穀、カラスムギ、オカ、タシロイモ、サゴ、ソルガム、サツマイモ、キノア、ライムギ、タピオカ、タロイモ、タバコ、水クリ及びヤムが挙げられる。適切なデンプンとして、これらに限定されないが、トウモロコシデンプン、米デンプン、タピオカデンプン及び食用加工デンプンが挙げられる。ある特定のデンプンは加工デンプンである。加工デンプンには1種以上の構造的修飾が施されており、多くの場合、その高熱特性を変化させるように構成されている。一部のデンプンは、遺伝子改変により生み出され、「加工」デンプンであると考えられる。他のデンプンは得られてから修飾される。例えば、加工デンプンは、化学反応、例えば、エステル化、エーテル化、酸化、酸性触媒作用又は塩基の存在下における酸化による脱重合(薄化)、漂白、グリコシル基転移及び脱重合(例えば、触媒の存在下におけるデキストリン化)、架橋、酵素処理、アセチル化、ヒドロキシプロピル化及び/又は部分加水分解に供されたデンプンであることができる。他のデンプンは、加熱処理、例えば、アルファ化、デキストリン化及び/又は冷水膨潤プロセスにより修飾される。ある特定の加工デンプンとして、モノスターチホスフェート、ジスターチグリセロール、トリメタリン酸ナトリウムでエステル化したジスターチホスフェート、ホスフェートジスターチホスフェート、アセチル化ジスターチホスフェート、無水酢酸でエステル化した酢酸デンプン、酢酸ビニルでエステル化した酢酸デンプン、アセチル化ジスターチアジペート、アセチル化ジスターチグリセロール、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピルジスターチグリセロール及びオクテニルコハク酸デンプンナトリウムが挙げられる。
【0096】
一部の実施形態では、充填材はトウモロコシデンプン、米デンプン又は米穀粉、食用加工デンプン又はこれらの組合せを含む。他の実施形態では、基材は米デンプン及び米穀粉を実質的に又は完全に含まない。米デンプン及び米穀粉を「実質的に含まない」とは、例えば、別のデンプン材料中に自然に存在し得る微量を超えていかなる米デンプン又は穀粉も意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の全乾燥重量に対して、0.1乾燥重量%未満、又は0.01乾燥重量%未満、又は0.001乾燥重量%未満、又は0乾燥重量%の米デンプン及び米穀粉を有することを特徴とすることができる。
【0097】
一部の実施形態では、充填材は糖を含む。適切な糖として、これらに限定されないが、グルコース、ブドウ糖、フルクトース、マルトース及びラクトースが挙げられる。
【0098】
一部の実施形態では、充填材は糖アルコールを含む。適切な糖アルコールとして、これらに限定されないが、ソルビトール、マンニトール、イソマルト、マルチトール、エリスリトール及びキシリトールが挙げられる。
【0099】
無機及び不活性物質
一部の実施形態では、充填材は、無機物質又は不活性物質、例えば、これらに限定されないが、キトサン、炭素(グラファイト、ダイヤモンド、フラーレン、グラフェン)、石英、花崗岩、珪藻土、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、粘土、甲殻類及び他の海洋性シェル又はこれらの組合せを含む。一部の実施形態では、基材物質は、様々な種類の無機繊維(例えば、繊維ガラス、金属導線/スクリーンなど)及び/又は(有機)合成ポリマーを含むことができる。一部の実施形態では、これらの「繊維状」材料は非構造化された(例えば、タバコキャストシート中にセルロース繊維のようにランダムに分配されたもの)又は構造化された(例えば、ワイヤーメッシュ)材料であることができる。
【0100】
結合剤
本明細書で開示されている基材は結合剤を含む。結合剤(又は結合剤の組合せ)は、基材に所望の物理的特質及び物理的完全性をもたらすのに十分な量で利用することができる。利用する結合剤の量は異なることができる。一部の実施形態では、結合剤は、基材の乾燥重量に対して、約1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%又は35重量%から、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%又は約60重量%までの量で存在する。ある特定の実施形態は、基材の総湿量に対して、少なくとも約1重量%、例えば、約1~約30重量%、又は約1~約20重量%、又は約5~約15重量%の結合剤含有量を特徴とする。一部の実施形態では、結合剤は、基材の全乾燥重量に対して約5~約9重量%、又は約7~約11重量%、又は約6~約12重量%の量で存在する。
【0101】
典型的な結合剤は有機又は無機又はこれらの組合せであることができる。代表的な結合剤として、ポビドン、アルギン酸塩、海藻親水コロイド、ペクチン、デンプン、ガム、カラギーナン、プルラン、ゼイン、セルロース誘導体など及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施では、2種又はそれ以上の結合剤材料の組合せ又はブレンドを利用することができる。
【0102】
一部の実施形態では、結合剤は、アルギン酸塩、ペクチン、寒天、アガロース、ゼラチン、カラギーナン、ガム、セルロース誘導体、プルラン、デンプン若しくはその誘導体、シリカ若しくはシリコーン化合物、粘土、ポリマー又はこれらの組合せを含む。
【0103】
一部の実施形態では、結合剤は、アルギン酸塩、例えば、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸カリウム又はアルギン酸ナトリウムを含む。アルギン酸塩、特に高い粘度のアルギン酸塩は、制御されたレベルの遊離カルシウムイオンと併せて架橋剤として利用することができる。一部の実施形態では、基材は、基材の全乾燥重量に対して、乾燥重量ベースで約1~約15重量%のアルギン酸塩、例えば、約5~約10重量%のアルギン酸塩を含む。
【0104】
一部の実施形態では、結合剤はペクチンを含む。一部の実施形態では、結合剤はアルギン酸塩及び/又はペクチンを含み、これらは、基材形成中に硬化剤(例えば、カルシウム供給源)と組み合わせることができる。一部の実施形態では、基材はカルシウム架橋したアルギン酸塩、カルシウム架橋若しくは酸架橋したペクチン又は両方を含むことができる。
【0105】
一部の実施形態では、結合剤はガム、例えば、天然ガムを含む。本明細書で使用される場合、天然ガムとは、結合特性を有し、また増粘剤又はゲル化剤としても有用な、天然起源の多糖材料を指す。通常ある程度水溶性である、代表的な植物由来の天然ガムとして、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ガッチガム、トラガカントガム、インドゴム、ローカストビーンガム、ジェランガム及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、結合剤はキサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム又はこれらの組合せを含む。
【0106】
一部の実施形態では、結合剤はシリカ、ヒュームドシリカ、ケイ酸ナトリウム、ポリジメチルシロキサン、カオリン、ポリビニルアルコール又はこれらの組合せを含む。
【0107】
一部の実施形態では、結合剤はセルロースエーテルを含む(カルボキシアルキルエーテルを含む。)、これはセルロース構造中の1つ以上のヒドロキシル基の水素が、アルキル、ヒドロキシアルキル又はアリール基で置き換えられたセルロースポリマーを意味する。このようなセルロース誘導体の非限定的例として、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(「HPC」)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HPMC」)、ヒドロキシエチルセルロース及びカルボキシメチルセルロース(「CMC」)が挙げられる。適切なセルロースエーテルとして、以下が挙げられる:ヒドロキシプロピルセルロース、例えば、Klucel H、Aqualon Co.から入手可能;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、Methocel K4MS、DuPontから入手可能;ヒドロキシエチルセルロース、例えば、Natrosol 250 MRCS、Aqualon Co.から入手可能;メチルセルロース、例えば、Methocel A4M、K4M、及びE15、DuPont.から入手可能;並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、例えば、CMC 7HF、CMC 7LF、及びCMC 7H4F、Aqualon Co.から入手可能。一部の実施形態では、結合剤は1種以上のセルロースエーテルである(例えば、単一のセルロースエーテル、又は例えば、いくつかのセルロースエーテル、例えば、2又は3種の組合せ)。一部の実施形態では、結合剤は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの組合せからなる群から選択されるセルロースエーテルである。一部の実施形態では、結合剤はカルボキシメチルセルロースである。一部の実施形態では、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0108】
一部の実施形態では、基材は、基材の乾燥重量に対して、約5~約11重量%又は約7~約9重量%の量のカルボキシメチルセルロースを含む。
【0109】
エアロゾル形成材料
本明細書で開示されている基材はエアロゾル形成材料を含む。適切なエアロゾル形成材料として、これらに限定されないが、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、テルペン、糖アルコール、タバコ抽出物及びこれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、水、多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、トリアセチン、ワックス、テルペン、カンナビノイド、糖アルコール、タバコ抽出物又はこれらの任意の組合せを含むことができる。多価アルコール、ポリソルベート、ソルビタンエステル、脂肪酸、脂肪酸エステル、ワックス、テルペン及び糖アルコールのそれぞれは本明細書で以下にさらに記載されている。
【0110】
基材内に組み込まれる(例えば、担持される又は含浸させる)エアロゾル形成材料の量は異なってもよく、一般的には、基材を含むエアロゾル生成要素が、許容される感覚特性及び望ましい性能特徴をもたらすような量である。例えば、十分な量のエアロゾル形成材料が、多くの点で見た目がタバコ煙に類似している可視の主流エアロゾルの生成をもたらすために利用されることが極めて好ましい。エアロゾル生成要素(例えば、含浸させた基材)内の形成材料の量は要素、例えば、エアロゾル生成要素1つ当たりに所望されるパフの数などの要素に依存し得る。
【0111】
一部の実施形態では、基材は、充填する際、エアロゾル形成材料を、基材の総重量に対して、乾燥重量ベースで、少なくとも約0.1重量%、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約5重量%、少なくとも約10重量%、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約45重量%、少なくとも約50重量%、少なくとも約55重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%又は少なくとも約80重量%含む。全エアロゾル形成材料の例示的範囲は、含浸させた基材の全乾燥重量に対して、約5~約80%、約10~約70%又は約20~約60%、例えば、約15%~約55%、約15%~約30%又は約15%~約25%を含む。一部の実施形態では、基材は、基材の乾燥重量に対して、約10~約70重量%、約40~約60重量%、約30~約60重量%又は約25~約45重量%の量のエアロゾル形成材料を含む。
【0112】
多価アルコール
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上の多価アルコールを含む。多価アルコールの例として、グリセロール(すなわち、グリセリン)、プロピレングリコール、他のグリコール、例えば、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール(例えば、約200~約2,000Daの重量平均分子量範囲のPEG分子)が挙げられる。
【0113】
一部の実施形態では、多価アルコールは、グリセロール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、多価アルコールはグリセロールである。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料はグリセロールである。
【0114】
一部の実施形態では、多価アルコールは、グリセロールとプロピレングリコールの混合物である。グリセロール及びプロピレングリコールは、様々な比で存在してもよく、意図した用途に応じていずれかの構成要素が多く存在する。一部の実施形態では、グリセロール及びプロピレングリコールは、約3:1~約1:3の重量比で存在する。一部の実施形態では、グリセロール及びプロピレングリコールは、約3:1、約2:1、約1:1、約1:2又は約1:3の重量比で存在する。一部の実施形態では、グリセロール及びプロピレングリコールは約1:1の重量比で存在する。
【0115】
ポリソルベート及びソルビタンエステル
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上のポリソルベートを含む。ポリソルベートの例として、ポリソルベート60(ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸ソルビタン、Tween60)及びポリソルベート80(ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン、Tween80)が挙げられる。使用されるポリソルベート又は使用されるポリソルベートの組合せの種類は、異なるポリソルベートは分子のサイズにより異なる特質を提供するため、意図した所望の作用に依存する。例えば、ポリソルベート分子は、ポリソルベート20からポリソルベート80へとサイズが増加する。より小さなサイズのポリソルベート分子を使用すると、より低い蒸気量を作り出すが、より深い肺への浸透を可能にする。これは、ユーザーが、「煙」の大きなプルーム(すなわち蒸気)を作り出すことを望まない公共の場所にいる場合、望ましいものとなり得る。逆に、高密度の蒸気が所望される場合には、タバコの芳香族構成物質を伝えることができるため、より大きなポリソルベート分子を利用することができる。化合物のポリソルベートファミリーを使用する追加のメリットは、これらが存在する混合物の蒸発熱をポリソルベートが低下させることである。
【0116】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上のソルビタンエステルを含む。ソルビタンエステルの例として、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン(Span60)、モノオレイン酸ソルビタン(Span20)及びトリステアリン酸ソルビタン(Span65)が挙げられる。
【0117】
脂肪酸、エステル及びワックス
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上の脂肪酸を含む。脂肪酸は、短鎖、長鎖、飽和、不飽和、直鎖、又は分枝鎖のルボン酸を含むことができる。脂肪酸はC~C28脂肪族カルボン酸を一般的に含む。短鎖又は長鎖の脂肪酸の非限定的例として、酪酸、プロピオン酸、吉草酸、オレイン酸、リノール酸、ステアリン酸、ミリスチン酸及びパルミチン酸が挙げられる。
【0118】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上の脂肪酸エステルを含む。脂肪酸エステルの例として、アルキルエステル、モノグリセリド、ジグリセリド及びトリグリセリドが挙げられる。モノグリセリドの例として、モノラウリン及びモノステアリン酸グリセロールが挙げられる。トリグリセリドの例として、トリオレイン、トリパルミチン、トリステアレート、グリセロールトリブチレート及びトリヘキサン酸グリセロールが挙げられる。
【0119】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上の非脂肪酸エステルを含む。非脂肪酸エステルの例として、これらに限定されないが、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニルアセテート及び炭酸プロピレンが挙げられる。
【0120】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上のワックスを含む。ワックスの例として、カルナバ、蜜ろう、キャンデリアが挙げられ、これらは、エアロゾル粒子を安定化させ、嗜好性を改善し、又は喉の刺激を減少させることが公知である。
【0121】
テルペン
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上のテルペンを含む。本明細書で使用される場合、「テルペン」という用語は、ピロリン酸イソペンテニルから植物により生合成的に生成される炭化水素化合物を指す。テルペンの非限定的例として、リモネン、ピネン、ファルネセン、ミルセン、ゲラニオール、フェンネル及びセンブレンが挙げられる。
【0122】
糖アルコール
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は1種以上の糖アルコールを含む。糖アルコールの例として、ソルビトール、エリスリトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト及びキシリトールが挙げられる。糖アルコールはまたある特定の香味化合物、例えばメントール及び他の揮発物に対して香味向上剤として機能することもでき、生成したエアロゾルの口当たり、触感、喉への影響及び他の感覚特性を一般的に改善する。
【0123】
一部の実施形態では、エアロゾル形成材料は、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニルアセテート、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、炭酸プロピレン又はこれらのいずれかの組合せを含む。一部の実施形態では、エアロゾル形成材料はグリセロールを含む、グリセロールから本質的になる又はグリセロールからなる。
【0124】
活性成分
一部の実施形態では、基材は1種以上の活性成分を含む。活性成分は、エアロゾル形成材料の構成要素であってもよいし、又は含浸されてもよいし、又はそうでなければ別々に基材に組み込まれてもよい。例えば、含浸は、基材物質の調製中、基材形成後、又は両方において実施されてもよい。
【0125】
本明細書で使用される場合、「活性成分」とは、以下のカテゴリーのいずれかに属する1種以上の物質を指す:ヒトにある作用を有することができるAPI(活性のある医薬物質)、食品添加物、天然の医薬及び天然由来の物質。例示的活性成分として、体内の1種以上の生物学的機能に影響することが公知の任意の成分、例えば、疾患の診断、治癒、軽減、処置、若しくは予防に薬理学的活性若しくは他の直接的作用を提供する成分、又はヒトの身体の構造若しくは任意の機能に影響を与える成分(例えば、中枢神経系に対して刺激作用をもたらす、活性化効果、解熱作用若しくは鎮痛作用を有する、又はその他の方法で身体に対して有用な作用を有する)を含む。一部の実施形態では、活性成分は、一般的に栄養補助食品、栄養補助食品、「植物化合物」又は「機能性食品」と呼ばれる種類であることができる。これらの種類の添加剤は時には、1種以上の有利な生物学的作用(例えば、健康促進、疾患予防又は他の薬理作用)をもたらすが、薬物として分類されていない又は規制されていない天然由来の供給源(例えば、植物材料)から通常入手可能な物質を包含すると当技術分野で定義されている。
【0126】
活性成分の非限定的例として、治療的、予防的又は診断用の活性を有する、合成有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖及び他の糖、脂質、無機化合物及び核酸配列のカテゴリーに入るものが挙げられる。活性成分の非限定的例として、植物成分、刺激剤(例えば、カフェイン及びガラナ)、アミノ酸(例えば、タウリン、テアニン、フェニルアラニン、チロシン及びトリプトファン)並びに/又は薬学的成分、栄養補助成分及び薬用成分(例えば、ビタミン、例えば、B6、B12及びC、並びに/又はカンナビノイド、例えば、テトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD))、抗酸化剤及びニコチン成分のカテゴリーに入るものを含む。活性成分の特定の選択は、所望の香味、テクスチャ及び特定の生成物の所望の特徴に応じて異なる。
【0127】
存在する活性成分の特定のパーセンテージは、特定の生成物の所望の特徴に応じて異なる。通常、活性成分又はこれらの組合せは、組成物の少なくとも約0.001重量%、例えば、約0.001%~約20%の範囲の総濃度で存在する。一部の実施形態では、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.5%w/w~約10重量%、約1%w/w~約10重量%、約1%w/w~約5重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、活性成分又は活性成分の組合せは、組成物の総重量に対して、約0.001重量%、約0.01重量%、約0.1重量%、又は約1重量%から、約20重量%まで、例えば、約0.001重量%、約0.002重量%、約0.003重量%、約0.004重量%、約0.005重量%、約0.006重量%、約0.007重量%、約0.008重量%、約0.009重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、又は約0.9重量%から、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%、約15重量%、約16重量%、約17重量%、約18重量%、約19重量%、又は約20重量%までの濃度で存在する。特定の活性成分に対するさらなる適切な範囲は本明細書で以下に提供されている。
【0128】
植物
一部の実施形態では、活性成分は1種以上の非タバコ植物を含む。本明細書で使用される場合、「植物成分」又は「植物」という用語は、その天然の形態の植物材料(例えば、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、殻、シェルなど)及び天然植物材料由来の植物材料を含むあらゆる植物材料又は菌類由来の材料、例えば、植物材料からの抽出物若しくは分離物、又は処理された植物材料(例えば、加熱処理、発酵又は材料の化学的性質を改変することが可能な他の処理プロセスに供した植物材料)を指す。
【0129】
本開示の目的のため、「植物材料」は、これらに限定されないが、「薬草材料」を含み、この薬草材料とは、持続性の木部組織を生み出さず、多くの場合これらの薬用又は感覚特性が高く評価されている(例えば、茶又はティザーヌ)種子生成植物を指す。植物材料を「非タバコ」と呼ぶことは、タバコ材料を除外すること(すなわち、いかなるニコチアナ属の種も含まない。)を意図する。本発明に使用されている植物材料は、制限なしで、これらの混合物を含めて、本明細書で記載されている化合物及び供給源のいずれかを含むことができる。このタイプのある特定の植物材料は、時には栄養補助食品、栄養補助食品、「植物化合物」又は「機能性食品」と呼ばれる。
【0130】
多くが抗酸化剤の特徴を伴う植物材料の非限定的例として、制限なしでアサイベリー、アルファルファ、オールスパイス、アニシード、アナトーシード、アンズ油、アシュワガンダ、バコパ・モニエラ、バオバブ、バジル、ベイ、ビーバーム、ビートルート、ベルガモット、黒コショウ、紅茶、ブルーベリー、ルリジサ種子油、キランソウ、カカオ、ショウブ根、カルダモン、クロフサスグリ、キャットニップ、カツアバ、カイエンペッパー、センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)、チャーガ、ミシマサイコ、カモミール、桜の花、チャービル、チャイブ、クロロフィル、ダークチョコレート、シラントロ、シナモン、カンキツ類、クローブ、ココア、コーヒー、ヒレハリソウ、ブラックコホシュ、コルディセプス、コリアンダー、クランベリー、クミン、クルクミン、ダミアナ、タンポポ、ドルステニア・アリフォリア(Dorstenia arifolia)、ドルステニア・オドラタ(Dorstenia odorata)、エキナセア、セイヨウニワトコ、ユーカリ、フェンネル、ナツシロギク、アマ、ガルフィミア・グラウカ(Galphimia glauca)、ニンニク、ゼラニウム、ショウガ、ギンコ・ビロバ、ジンセン(例えば、パナクスジンセン(Panax ginseng))、ゴジベリー、ゴールデンシール、ブドウ種子、緑茶、グレープフルーツ、グリフォニア・シンプリシフォリア(Griffonia simplicifolia)、ガラナ、ゴツコラ、ホーソン、ハシバミ、大麻、ハイビスカスの花、ハニーブッシュ、ホップ、ジャスミン、アマチャヅル、ジュニパー、ケンペリア・パルビフロラ(Kaempferia parviflora)(黒ショウガ)、カヴァ、ローレル、ラベンダー、レモン、レモンバーム、レモングラス、リコリス、ヤマブシタケ、ルテイン、マカ、メイス、マジョラム、抹茶、マルベリー、ナルドスタキス・チネシス(Nardostachys chinensis)、マジョラム、マリアアザミ、ミント(ハッカ)、ギンバイカ、ナツメグ、オリーブ、ウーロン茶、オレンジ、オレガノ、パパイヤ、パプリカ、ペニーロイヤルミント、ペパーミント、ピメント、ジャガイモの皮、サクラソウ、ケルセチン、レッドクローバ、リスベラトロール、リゾマ・ガストロディア(Rhizoma gastrodiae)、ロディオラ(Rhodiola)、ルイボス、ルイボス(レッド又はグリーン)、ローズエッセンシャルオイル、ローズヒップ、ローズマリー、サフラン、セージ、クラリセージ、ビャクダン、セイボリー、ノコギリパルメット、スケレチウム・トルトゥオスム(Sceletium tortuosum)、シサンドラ、シルブム・マリアヌム、スカルキャップ、スペアミント、スパイクナード、スピルリナ、スリッパリーエルムの樹皮、高タンニンソルガム糠、高タンニンソルガム穀粒、セイヨウオトギリ、スターアニス、スマックブラン、タラゴン、テルペン、タイム、ティザーヌ、ターメリック、ターネラ・アフロディーシアカ(Turnera aphrodisiaca)、クマコケモモ、バレリアン、バニラ、ビオラ・オドラータ(Viola odorata)、ホワイトマルベリー、自然薯の根、ウィンターグリーン、ウィザニア・ソムニフェラ、ヤーコンの根、イエロードック、イェルバマテ及びイェルバサンタが挙げられる。
【0131】
一部の実施形態では、活性成分は、1種以上の植物又は構成物質、その誘導体又は抽出物を含む又はこれらから誘導され、植物はユーカリ、スターアニス、ココア及び大麻から選択される。
【0132】
存在する場合、植物活性成分は通常、組成物の総重量に対して、約0.01%w/w~約10重量%、例えば、約0.01%w/w、約0.05%w/w、約0.1%w/w又は約0.5%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%まで、又は約10重量%、約11重量%、約12重量%、約13重量%、約14重量%又は約15重量%の濃度である。
【0133】
ニコチン成分
一部の実施形態では、活性成分はニコチン成分を含む。「ニコチン成分」とは、存在するニコチンの少なくとも一部分の体内吸収をもたらす任意の適切な形態のニコチン(例えば、遊離塩基又は塩)を意味する。ニコチンの供給源は異なっても、自然由来であっても、又は合成であってもよい。最も好ましくは、ニコチンは天然由来であり、ニコチアナ属の種(例えば、タバコ)からの抽出物として得られる。ニコチンは、エナンチオマー形態、S-(-)-ニコチン、R-(+)-ニコチン、又はS-(-)-ニコチンとR-(+)-ニコチンの混合物の形態を有することができる。最も好ましくは、ニコチンはS-(-)-ニコチンの形態(例えば、実質的にはすべてS(-)-ニコチンである形態)又は主に又は圧倒的にS-(-)-ニコチンで構成されるラセミ混合物(例えば、約95重量部のS-(-)-ニコチン及び約5重量部のR-(+)-ニコチンで構成される混合物)である。最も好ましくは、ニコチンは実質的に純粋な形態又は本質的に純粋な形態で利用される。利用される極めて好ましいニコチンは、重量ベースで約95パーセントより大きい、より好ましくは約98パーセントより大きい、最も好ましくはより大きい約99パーセントより大きい純度を有する。
【0134】
通常、ニコチン成分はニコチン遊離塩基及びニコチン塩からなる群から選択される。一部の実施形態では、ニコチンはその遊離塩基形態である。ニコチンはタバコ由来であっても(例えば、タバコ抽出物)又は非タバコ由来であってもよい(例えば、合成又は別の方法で得たもの)。様々な実施形態では、含浸させた基材はニコチン成分を含んでもよい。様々な実施形態では、含浸させた基材はニコチン成分を含まなくてもよい。一部の実施形態では、含浸させた基材は非タバコ由来のニコチン成分を含んでもよい。
【0135】
通常、ニコチン成分(遊離塩基として計算)は、存在する場合、少なくとも約0.001重量%の含浸させた基材の濃度、例えば、約0.001重量%~約10重量%の範囲の含浸させた基材の濃度である。一部の実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算し、含浸させた基材の総重量に対して、約0.1%w/w~約10重量%、例えば、約0.1%w/w、約0.2%w/w、約0.3%w/w、約0.4%w/w、約0.5%w/w、約0.6%w/w、約0.7%w/w、約0.8%w/w、又は約0.9%w/wから、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、又は約10重量%の濃度で存在する。一部の実施形態では、ニコチン成分は、遊離塩基として計算し、含浸させた基材の総重量に対して、約0.1%w/w~約3重量%、例えば、約0.1%w/w~約2.5重量%、約0.1%w/w~約2.0重量%、約0.1%w/w~約1.5重量%又は約0.1%w/w~約1重量%の濃度で存在する。これらの範囲は本明細書で述べられている他の活性成分にも適用することができる。
【0136】
一部の実施形態では、本開示の基材はニコチン成分を完全に含まない又は実質的に含まないことを特徴とすることができる。「ニコチン成分を実質的に含まない」とは、例えば、植物材料中に自然に存在し得る微量を超えて、いかなるニコチンも意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、遊離塩基として計算した0.001重量%未満のニコチン、又は0.0001重量%未満、又はさらに0重量%のニコチンを有することを特徴とすることができる。
【0137】
カンナビノイド
一部の実施形態では、活性成分は1種以上のカンナビノイドを含む。本明細書で使用される場合、「カンナビノイド」という用語は、脳内の神経伝達物質放出を変化させる、細胞内のカンナビノイド受容体(例えば、CB1及びCB2)に作用する、多様な天然又は合成の化学化合物の1つのクラスを指す。カンナビノイドは、特定の特性、例えば、血液脳障壁を簡単に横断する能力を示す環状分子である。カンナビノイドは、アサなどの植物から得られる天然由来のもの(植物性カンナビノイド)、動物から得られる天然由来のもの(内在性カンナビノイド)、又は人為的に製造されたもの(合成カンナビノイド)であってよい。アサ種は少なくとも85種の異なる植物性カンナビノイドを発現し、これらは、カンナビゲロール、カンナビクロメン、カンナビジオール、テトラヒドロカンナビノール、カンナビノール及びカンナビノジオール、並びに他のカンナビノイド、例えば、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)及びテトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)を含むサブクラスに分割することができる。
【0138】
一部の実施形態では、カンナビノイドは、カンナビゲロール(CBG)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビジオール(CBD)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビノール(CBN)及びカンナビノジオール(CBDL)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビバリン(CBV)、テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビネロール酸、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビノールプロピル変化形(CBNV)、カンナビトリオール(CBO)、テトラヒドロカンナビノール酸(tetrahydrocannabmolic acid)(THCA)、テトラヒドロカンナビバリン酸(THCV A)及びこれらの混合物からなる群から選択される。一部の実施形態では、カンナビノイドは少なくともテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。一部の実施形態では、カンナビノイドはテトラヒドロカンナビノール(THC)である。一部の実施形態では、カンナビノイドは少なくともカンナビジオール(CBD)を含む。一部の実施形態では、カンナビノイドはカンナビジオール(CBD)である。一部の実施形態では、CBDは合成CBDである。とりわけ、CBDは対数のP値約6.5を有し、これにより水性環境(例えば、唾液)で不溶性となっている。
【0139】
一部の実施形態では、カンナビノイド(例えば、CBD)は分離物の形態で基材に添加される。分離物とは、植物、例えば、アサからの抽出物であり、この抽出物中には目的の活性物質(この場合カンナビノイド、例えば、CBD)が高度の純度、例えば、95%より大きい、96%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、又は99%周辺の純度で存在する。
【0140】
一部の実施形態では、カンナビノイドは高度の純度におけるCBDの分離物であり、基材中の任意の他のカンナビノイドの量は、基材の約1重量%以下、例えば、基材の約0.5重量%以下、例えば、基材の約0.1重量%以下、例えば、基材の約0.01重量%以下である。
【0141】
開示された基材内に存在し得るカンナビノイド及びその特定のパーセンテージの選択は、基材の所望の特徴に応じて異なる。
【0142】
一部の実施形態では、カンナビノイド(例えば、CBD)は、基材の少なくとも約0.001重量%、例えば、基材の約0.001重量%~約2重量%の範囲の濃度で基材中に存在する。一部の実施形態では、カンナビノイド(例えば、CBD)は基材の総重量に対して、約0.1重量%~約1.5重量%の濃度で基材中に存在する。一部の実施形態では、カンナビノイド(例えば、CBD)は基材の総重量に対して、約0.4重量%~約1.5重量%の濃度で存在する。
【0143】
カンナビノイドの代わりに、又はこれに加えて、活性成分はカンナビノイド様化合物を含むことができ、このカンナビノイド様化合物とは、内在性カンナビノイド系に対して、カンナビノイドと同様の生物学的作用を有する、アサ以外の植物由来の化合物のクラスである。例として、ヤンゴニン、α-アミリン又はβ-アミリン(テルペンとしても分類される)、シアニジン、クルクミン(ターメリック)、カテキン、ケルセチン、サルビノリンA、N-アシルエタノールアミン及びN-アルキルアミド脂質が挙げられる。このような化合物はカンナビノイドに対して本明細書で述べられた同じ量及び比率で使用することができる。
【0144】
一部の実施形態では、活性成分はニコチン及びカンナビジオール(CBD)を含む。一部の実施形態では、活性成分はニコチン、カンナビジオール(CBD)及びTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含む。一部の実施形態では、活性成分は、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、ビタミン、例えば、B6若しくはB12、若しくはC、メラトニン、カンナビノイド又はこれらの構成物質、誘導体、若しくは組合せを含む。
【0145】
テルペン
本開示における使用に適した活性成分はテルペンと分類することもでき、テルペンの多くは生物学的作用、例えば、沈静作用を伴う。テルペンは一般式(Cを有すると考えられ、モノテルペン、セスキテルペン及びジテルペンが挙げられる。テルペンは構造において非環式、単環式又は二環式であることができる。あるテルペンは、カンナビノイド又はカンナビノイド様化合物と組み合わせて使用される場合、アントラージュ効果をもたらす。例として、β-カリオフィレン、リナロール、リモネン、β-シトロネロール、酢酸リナリル、ピネン(α又はβ)、ゲラニオール、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン及びゲルマクレンが挙げられ、これらは個々に又は組み合わせて使用することができる。
【0146】
一部の実施形態では、テルペンは植物性カンナビノイドを生成する植物、例えば、カンナビス・サティヴァ(cannabis sativa)種の系統の植物、例えば、大麻から誘導可能なテルペンである。この関連で適切なテルペンとして、いわゆる「C10」テルペン(これらは10個の炭素原子を含むテルペンである。)、及びいわゆる「C15」テルペン(これらは15個の炭素原子を含むテルペンである。)が挙げられる。一部の実施形態では、活性成分は1種より多くのテルペンを含む。例えば、活性成分は本明細書で定義された1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種又はそれ以上のテルペンを含み得る。一部の実施形態では、テルペンはピネン(α及びβ)、ゲラニオール、リナロール、リモネン、カルボン、ユーカリプトール、メントン、イソ-メントン、ピペリトン、ミルセン、β-ブルボネン、ゲルマクレン及びこれらの混合物から選択される。
【0147】
テルペン及び/又はカンナビノイドは、活性成分として、エアロゾル形成材料として、又は香り付け要素として基材中に存在し得る。存在するテルペン及び/又はカンナビノイドの量は、これらの意図した目的に基づき適宜に異なってもよい。
【0148】
着香剤
一部の実施形態では、基材は着香剤を含む。着香剤はエアロゾル形成材料の構成要素であってもよく、又は別々に含浸させてもよい。含浸は、基材物質の調製の間、基材の形成後、又は両方において実施することができる。本明細書で使用される場合、「着香剤」についての言及は、エアロゾル化され、ユーザーに送達され、味覚及び/又は芳香の点から感覚的経験を付与することができる化合物又は構成要素を指す。着香剤は天然であっても、又は合成であってもよく、これにより付与される香味の性質は、制限なしで、フレッシュ、甘い、ハーブ、菓子類、フローラル、果実又はスパイシーと描写することができる。着香剤のいくつかの例として、これらに限定されないが、アロエベラ、アニシード、リンゴ、アジアンスパイス、バコパ・モニエラ、バジル、ベイリーフ、シソ、ベルガモット、ベリー、キンマ、ブルーベリー、バーボン、カンフェン、アサ、キャラウェー、カルダモン、カルヴィ、カスカリラ、カシア、クロフサスグリ、セロリ、カモミール、サクランボ、桜の花、チャイブ、シラントロ、シナモン、柑橘果実、クレメンタイン、クローブ、ココア、コーヒー、コニャック、コリアンダー、クランベリー、キュウリ、クミン、クルクマ、ダミエン、ドラゴンフルーツ、ドランブイ、ドリアン、セイヨウニワトコ、ユーカリ、オイゲノール、フェンネル、フェヌグリーク、アマ、ゼラニウム、ジン、ショウガ、ギンコ・ビロバ、ブドウ、グアユサ、ハシバミ、大麻、ハイビスカス、ハニーブッシュ、蜂蜜エッセンス、ハイドレンジア、インドスパイス、ジャスミン、ジュニパー、カート、ラベンダー、ローレル、レモン、レモングラス、レモンバーム、レモン油、レモン皮、リコリス、ライム、リモネン、メイス、オオガシワ、マンゴ、カエデ、マジョラム、抹茶、マテ、メントール、ミント、ギンバイカ、マルベリー、ナスワール、ナツメグ、オリーブ、オレンジの花、オレンジ油、オレンジの皮、オレガノ、パパイヤ、パプリカ、モモ、ペパーミント、ピーマン、ピメント、マツ、ルバーブ、ルイボス、ローズマリー、ローズヒップ、ローズ油、ラム、サフラン、セージ、ビャクダン、スコッチ、シーシャ、スペアミント、イチゴ、タラゴン、茶、例えば、緑茶又は紅茶、テキーラ、テルペン、タイム、タバコ、トロピカルフルーツ、ターメリック、バレリアン、バニラ、バーベナ、ワサビ、ウィスキー、ウィンターグリーン、ウィザニア・ソムニフェラ、イェルバマテ、イェルバサンタ、イランイラン及びこれらの組合せが挙げられる。
【0149】
着香剤は香味向上剤、苦味レセプター部位遮断剤、知覚レセプター部位活性因子又は刺激物質及び三叉神経感覚剤をさらに含むことができる。本明細書で使用される場合、「三叉神経感覚剤」とは、三叉神経に対して作用を有し、加熱、冷却、ピリピリ感などを含む感覚を生成する香味剤を指す。三叉神経感覚剤の香味剤の非限定的例として、カプサイシン、クエン酸、メントール、シチュアンボタン、エリスリトール及びキューブボルが挙げられる。
【0150】
さらなる非限定的例として、紙巻タバコ、葉巻及びパイプタバコの香り付けに対して慣習的に使用されているタイプ及び性質の香り付け及び香味パッケージが挙げられる。参照により本明細書に組み込む、Leffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products、R.J.Reynolds Tobacco Company(1972年)も参照されたい。香味剤は、例えば、テルペン、テルペノイド、アルデヒド、ケトン、エステルなどの構成要素を含むことができる。シロップ剤、例えば、高フルクトーストウモロコシシロップ剤もまた利用することができる。適切となり得る植物由来の組成物の一部の例は、Dubeらによる米国特許第9,107,453号及び米国特許出願公開第2012/0152265号において開示されており、これらは両方ともその開示をそれら全体において参照により本明細書に組み込む。このようなさらなる構成要素の選択は、要素、例えば、喫煙物品に対して所望される感覚特性、基材物質に対するこれらの親和性、これらの溶解度、及び他の生理化学的特性に基づき変化する。本開示は、タバコ及びタバコ関連又はタバコ由来の製品の当業者には容易に明らかな、このようなあらゆるさらなる構成要素を包含することを意図する。例えば、その開示をそれら全体において参照により本明細書に組み込む、Gutcho、Tobacco Flavoring Substances and Methods、Noyes Data Corp.(1972)及びLeffingwellら、Tobacco Flavoring for Smoking Products(1972)を参照されたい。着香剤についての言及は、上に記載されているようないずれか単一の着香剤に限定されるべきではなく、実際には1種以上の着香剤の組合せを表すこともできることに注目されたい。追加の着香剤、香味剤、添加剤及び他の有力な増強性構成物質は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Phillipsらによる米国特許出願第15/707,461号に記載されている。
【0151】
存在する着香剤の量は異なってもよく、存在する場合、一般的に含浸させた基材の約30重量%未満又は約20重量%未満である。例えば、着香剤は、含浸させた基材の約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%又は約5重量%から、約10重量%、約20重量%又は約30重量%までの量で存在し得る。
【0152】

基材の水分(例えば、水)含有量は異なってもよい。例えば、一部の実施形態では、基材は約0%~約30%の水を含む。一部の実施形態では、基材は、調製中に乾燥させて、存在する水の少なくとも一部分を除去する。一部の実施形態では、乾燥後、基材は、基材の総重量に対して、約3~約21%の水を含む。一部の実施形態では、乾燥後、基材は、基材の総重量に対して、約8~約10又は約12~約18%の水を含む。一部の実施形態では、乾燥後、基材は、基材の総重量に対して、約15~約21%の水を含む。
【0153】
着色剤
一部の実施形態では、基材は着色剤を含む。着色剤の添加は、基材の目視による外観を変化させることができる。着色剤の存在は、基材及び/又は基材を含むエアロゾル生成要素の目視による外観を増強することができる。着色剤を基材に添加することによって、基材は、エアロゾル生成要素の他の構成要素又は基材を含む物品の他の構成要素と色を合致させることができる。
【0154】
基材の所望の色に応じて様々な着色剤を使用することができる。基材の色は、例えば、白、緑、赤、紫、青、褐又は黒色であってよい。他の色もまた本明細書で想定される。天然又は合成着色剤、例えば、天然又は合成染料、食物等級の着色剤及び薬学的等級の着色剤を使用することができる。ある特定の実施形態では、着色剤はカラメルであり、褐色の外観を有する基材に付与することができる。このような実施形態では、基材の色は、基材を含むエアロゾル生成要素の中の他の構成要素(例えば、タバコ材料)の色と同様であることができる。一部の実施形態では、基材への着色剤の添加により、この構成要素が他の構成要素から視覚的に区別ができなくなる。着色剤は基材の形成中に(例えば、基材を形成する材料を含むスラリーを形成する際に)組み込んでもよいし、又は着色剤はその形成後に基材に適用してもよい(例えば、それを基材にスプレーすることにより)。
【0155】
タバコ材料
一部の実施形態では、基材、又は基材を含むエアロゾル生成要素、又は両方はタバコ材料を含む。タバコ材料は、種、種類及び形態が異なることができる。一般的に、タバコ材料は、ニコチアナ属の種の収穫植物から得られる。例示的なニコチアナ属の種として、N.タバカム(N.tabacum)、N.ルスティカ(N.rustica)、N.アラタ(N.alata)、N.アレンツィイ(N.arentsii)、N.エクセルシオール(N.excelsior)、N.フォルゲッティアナ(N.forgetiana)、N.グラウカ(N.glauca)、N.グルチノサ(N.glutinosa)、N.ゴセイ(N.gossei)、N.カワカミイ(N.kawakamii)、N.ナイチアナ(N.knightiana)、N.ラングスドルフィ(N.langsdorffi)、N.オトフォラ(N.otophora)、N.セトケリ(N.setchelli)、N.シルウェストリス(N.sylvestris)、N.トメントーサ(N.tomentosa)、N.トメントシフォルミス(N.tomentosiformis)、N.ウンドゥラタ(N.undulata)、N.xサンデラエ(N.x sanderae)、N.アフリカナ(N.africana)、N.アンプレクシカウリス(N.amplexicaulis)、N.ベナビデシ(N.benavidesii)、N.ボナリエンシス(N.bonariensis)、N.デブネイ(N.debneyi)、N.ロンギフローラ(N.longiflora)、N.マリティマ(N.maritina)、N.メガロシフォン(N.megalosiphon)、N.オクシデンタリス(N.occidentalis)、N.パニクラタ(N.paniculata)、N.プランバギニホリア(N.plumbaginifolia)、N.ライモンディ(N.raimondii)、N.ロスラータ(N.rosulata)、N.シムランス(N.simulans)、N.ストックトニイ(N.stocktonii)、N.スアベオレンス(N.suaveolens)、N.アンブラティカ(N.umbratica)、N.ベルティナ(N.velutina)、N.ウィガンジオイデス(N.wigandioides)、N.アカウリス(N.acaulis)、N.アクミナタ(N.acuminata)、N.アテナータ(N.attenuata)、N.ベンサミアナ(N.benthamiana)、N.カビコラ(N.cavicola)、N.クレベランディイ(N.clevelandii)、N.コルディフォリア(N.cordifolia)、N.コリンボーサ(N.corymbosa)、N.フラグランス(N.fragrans)、N.グッドスピーディ(N.goodspeedii)、N.リネアリス(N.linearis)、N.ミエルシー(N.miersii)、N.ヌディカウリス(N.nudicaulis)、N.オブツシフォリア(N.obtusifolia)、N.オクシデンタリス亜種ヘスペリス(N.occidentalis subsp.Hersperis)、N.パウシフロラ(N.pauciflora)、N.ペツニオイデス(N.petunioides)、N.クアドリヴァルヴィス(N.quadrivalvis)、N.レパンダ(N.repanda)、N.ロツンディフォリア(N.rotundifolia)、N.ソラニフォリア(N.solanifolia)及びN.スペガジニー(N.spegazzinii)が挙げられる。ニコチアナ属の種由来の様々な代表的な他の種類の植物は、これらのそれぞれを参照により本明細書に組み込む、Goodspeed、The Genus Nicotiana、(Chonica Botanica)(1954);Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,660,577号;Whiteらによる第5,387,416号、Lawsonらによる第7,025,066号;Lawrence,Jr.による第7,798,153号及びMarshallらによる第8,186,360号に記載されている。様々な種類のタバコ、生育の実施及び収穫の実施の説明は、参照により本明細書に組み込む、Tobacco Production,Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999)に記載されている。
【0156】
適切なタバコ材料を得ることができるニコチアナ属の種は、遺伝子改変又は交雑育種技術(例えば、タバコ植物は、遺伝子操作又は交雑育種して、構成要素、特徴又は特質の生産を増加又は低減させることができる)を使用して誘導することができる。例えば、Fitzmauriceらによる米国特許第5,539,093号;Wahabらによる第5,668,295号;Fitzmauriceらによる第5,705,624号;Weiglによる第5,844,119号;Dominguezらによる第6,730,832号;Liuらによる第7,173,170号;Colliverらによる第7,208,659号及びBenningらによる第7,230,160号;Conklingらによる米国特許出願公開第2006/0236434号;及びNielsenらによるPCTWO2008/103935に記載された植物の遺伝子改変の種類を参照されたい。また、それぞれが参照により本明細書に組み込む、Sensabaugh,Jr.らによる米国特許第4,660,577号;Whiteらによる第5,387,416号;及びDominguezらによる第6,730,832号に記載されているタバコの種類も参照されたい。
【0157】
ニコチアナ属の種は、一部の実施形態では、その中に存在する様々な化合物の内容物に対して選択することができる。例えば、植物は、これら植物から単離する1種以上の所望の化合物を比較的多い量で生成するということを踏まえて選択することができる。ある特定の実施形態では、ニコチアナ属の種(例えば、ガルパオコムンタバコ)の植物は、これらの葉表面化合物が大量にあることから特異的に栽培される。タバコ植物は温室、生育チャンバー、又は田畑の屋外で栽培することも、又は水耕により栽培することもできる。
【0158】
ニコチアナ属の種の植物の様々な部位又は部分が、本明細書で開示されている基材内に含まれてもよい。例えば、植物の実質的にすべて(例えば、植物全体)を収穫し、そのまま利用することができる。代わりに、植物の様々な部位又は小片を、収穫後のさらなる使用のために収穫又は分離することもできる。例えば、花、葉、茎、ストーク、根、種子及び様々なこれらの組合せはさらなる使用又は処理のために単離することができる。一部の実施形態では、タバコ材料はタバコ葉(葉身)を含む。本明細書で開示されている基材は、加工したタバコ部位又は小片、本質的に天然の葉身及び/又は茎形態の乾燥及び熟成させたタバコを含むことができる。ある特定の実施形態では、タバコ材料は葉身及び茎からなる群から選択される固体タバコ材料を含む。基材に対して使用されるタバコは、最も好ましくはタバコ葉身又はタバコ葉身及び茎混合物(これらのうちの少なくとも一部分は燻煙処理される。)を含む。タバコの部分は、加工した形態、例えば、加工したタバコ茎(例えば、切断圧延した茎、切断圧延膨張した茎又は切断膨化した茎)又は容積拡張タバコ(例えば、膨化したタバコ、例えば、ドライアイス拡張したタバコ(DIET))を有することができる。例えば、すべてを参照により組み込む、de la Burdeらによる米国特許第4,340,073号;Guyらによる第5,259,403号;及びPoindexterらによる第5,908,032号;及びPoindexterらによる第7,556,047号に記載されているタバコ拡張方法を参照されたい。加えて、基材は、発酵させたタバコを組み込むこともできる。また、参照により本明細書に組み込むAtchleyらによるPCT WO2005/063060に記載されているタバコ加工技術の種類を参照されたい。
【0159】
タバコ材料は通常、微粒子として描写することができる形態、例えば、細かく刻まれた、粉砕された、顆粒化された、パルプ又は粉末形態で使用される。一部の実施形態では、タバコ材料は、1.4ミリメートル~250ミクロンの間の平均粒径を有する部位又は小片の形態で利用される。ある場合には、タバコ粒子は、スクリーニングメッシュを通り抜けるようなサイズにして、必要とされる粒径範囲を得ることもできる。所望する場合、所望のサイズ、又はサイズの範囲の小さなサイズのタバコ粒子が確実に収集されるように、空気分級装置を使用することもできる。所望する場合、異なるサイズの顆粒状タバコの小片を一緒に混合してもよい。
【0160】
タバコ材料が微細に分割された又は粉末タイプの形態で提供される方式は異なってもよい。好ましくは、植物部位又は小片は、粉砕、ミリング用などの装置及び技術を使用して、ミリングされ、細かく砕かれ、粉砕され又は微粉砕されて、微粒子形態にされる。植物、又はその部位は、外力又は圧力に供することができる(例えば、圧縮される又はロール処理に供されることによって)。このような加工条件を実行する場合、植物又はその部分は、その天然の含水量に近似する含水量(例えば、収穫からすぐのその含水量)、水分を植物若しくはその部分に添加することにより達成される含水量、又は植物若しくはその部分の乾燥から生じる含水量を有することができる。例えば、粉末状の、微粉砕された、粉砕された、パルプ化された又はミリングされた植物の小片又はその部分は、約25重量パーセント未満、多くの場合約20重量パーセント未満及び頻繁には約15重量パーセント未満の含水量を有することができる。最も好ましくは、植物材料は、装置、例えば、ハンマーミル、カッターヘッド、空気調節ミルなどを使用して、粉砕又はミリング中は比較的乾燥した形態である。例えば、タバコ部位又は小片は、その含水量が約15重量パーセント未満又は約5重量パーセント未満である場合、粉砕又はミリングすることができる。
【0161】
基材の調製のため、ニコチアナ属の種の収穫植物を乾燥プロセスに供することは典型的である。本明細書で開示されている基材内に組み込まれるタバコ材料は一般的に、適切に乾燥させた及び/又は熟成させた材料である。様々なタイプのタバコのための様々なタイプの乾燥プロセスの説明が、Tobacco Production、Chemistry and Technology、Davisら(編)(1999)に記載されている。黄色種タバコを乾燥するための技術及び条件の例は、参照により本明細書に組み込む、Nestorら、Beitrage Tabakforsch.Int.、20巻、467~475頁(2003)及びPeeleによる米国特許第6,895,974号に記載されている。代表的な技術及び条件に対する空気乾燥タバコは、参照により本明細書に組み込む、Grovesらによる米国特許第7,650,892号;Rotonら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、305~320頁(2005)及びStaafら、Beitrage Tabakforsch.Int.、21巻、321~330頁(2005)に記載されている。ある特定のタイプのタバコを、代替タイプの乾燥プロセス、例えば、火力乾燥又は日光乾燥に供することができる。
【0162】
ある特定の実施形態では、利用することができるタバコ材料は、黄色種又はバージニア(例えば、K326)、バーレー、日光乾燥(例えば、インディアンクルヌール及びオリエンタルタバコ、これらはカテリニ、プレリップ、コモティニ、クサンチ及びヤンボルタバコを含む)、メリーランド、暗色、ダーク焼成型、ダーク空気乾燥型(例えば、マドール、パサンダ、クバーノ、ジャティン及びベズキタバコ)、明色空気乾燥(例えば、ノースウィスコンシン及びガルパオタバコ)、インド空気乾燥、レッドロシアン及びルスティカタバコ、並びに前述のタバコのいずれかの様々な他の稀な又は専門タバコ及び様々なブレンドを含む。
【0163】
タバコ材料はまたいわゆる「ブレンドした」形態を有することができる。例えば、タバコ材料は、黄色種、バーレー(例えば、マラウイバーレータバコ)及びオリエンタルタバコの部位又は小片の混合物(例えば、タバコ葉身、又はタバコ葉身とタバコ茎の混合物で構成される、又はこれらから誘導されるタバコ)を含むことができる。例えば、代表的なブレンドは、乾燥重量ベースで、約30部~約70部のバーレータバコ(例えば、葉身又は葉身及び茎)及び約30部~約70部の黄色種タバコ(例えば、茎、葉身又は葉身及び茎)を組み込むことができる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量ベースで、約75部の黄色種タバコ、約15部のバーレータバコ及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の黄色種タバコ、約25部のバーレータバコ及び約10部のオリエンタルタバコ;又は約65部の黄色種タバコ、約10部のバーレータバコ及び約25部のオリエンタルタバコを組み込んでいる。他の例示的タバコブレンドは、乾燥重量ベースで、約20部~約30部のオリエンタルタバコ及び約70部~約80部の黄色種タバコを組み込む。
【0164】
本開示において使用されているタバコ材料は、例えば、発酵、漂白などに供することができる。所望する場合、タバコ材料は、例えば、照射、低温殺菌、又は他のやり方で制御された加熱処理に供することができる。このような処理プロセスは、例えば、参照により本明細書に組み込む、Muaらによる米国特許第8,061,362号に詳述されている。ある特定の実施形態では、タバコ材料は、アスパラギンの反応を阻害することが可能な水及び添加剤で処理して、タバコ材料の加熱によりアクリルアミドを形成することができる(例えば、リシン、グリシン、ヒスチジン、アラニン、メチオニン、システイン、グルタミン酸、アスパラギン酸、プロリン、フェニルアラニン、バリン、アルギニン、二価及び三価のカチオンを組み込んだ組成物、アスパラギナーゼ、ある特定の非還元性糖類、ある特定の還元剤、フェノール系化合物、少なくとも1つの遊離チオール基又は官能基を有するある特定の化合物、酸化剤、酸化触媒、天然植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物)及びこれらの組合せからなる群から選択される添加剤)。例えば、すべてが参照により本明細書に組み込む、Chenらによる米国特許公開第8,434,496号、第8,944,072号及び第8,991,403号に記載されている種類の処理プロセスを参照されたい。ある特定の実施形態では、以前に記載したプロセスにおいて、元のタバコ材料を加熱に供する場合、このタイプの処理は有用である。
【0165】
一部の実施形態では、タバコ材料のタイプは、その色が最初、他のタバコ材料よりも視覚的にある程度薄い(例えば、白色化又は漂白されている。)ものが選択される。タバコパルプは、ある特定の実施形態では当技術分野で公知の任意の手段に従い白色化することができる。例えば、様々な漂白剤又は酸化剤及び酸化触媒を使用する様々な白色化方法により生成された漂白されたタバコ材料を使用することができる。例示的酸化剤として、過酸化物(例えば、過酸化水素)、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、次亜塩素酸塩、オゾン、アンモニア、過マンガン酸カリウム及びこれらの組合せが挙げられる。例示的酸化触媒は二酸化チタン、二酸化マンガン及びこれらの組合せである。漂白剤でタバコを処理するための方法は、例えば、すべてを参照により本明細書に組み込む、Daniels,Jr.による米国特許第787,611号;Oelenheinzによる第1,086,306号;Dellingによる第1,437,095号;Rosenhochによる第1,757,477号;Hawkinsonによる第2,122,421号;Baierによる第2,148,147号;Baierによる第2,170,107号;Baierによる第2,274,649号;Pratsらによる第2,770,239号;Rosenによる第3,612,065号;Rosenによる第3,851,653号;Rosenによる第3,889,689号;Minamiによる第3,943,940号;Rosenによる第3,943,945号;Rainerによる第4,143,666号;Campbellによる第4,194,514号;Rainerらによる第4,366,823号、第4,366,824号及び第4,388,933号;Schmekelらによる第4,641,667号;Bergerによる第5,713,376号;Byrd Jr.らによる第9,339,058号;Beesonらによる第9,420,825号及び第10,772,349号;及びByrd Jr.らによる第9,950,858号;並びにBjorkholmらによる米国特許出願公開第2012/0067361号;Crooksによる第2016/0073686号;Bjorkholmによる第2017/0020183号;及びBjorkholmによる第2017/0112183号、並びにGiolvasによるPCT特許出願公開WO1996/031255号;McClanahanらによるWO2020128971及びWO2021048769;BeesonらによるWO2013122948A1;BjorkholmによるWO2018/083114;並びにZawadzkiらによるWO2021048768及びWO2021048770A1において論じられている。
【0166】
一部の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%又は少なくとも約80%のISO輝度を有することができる。一部の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、約50%~約90%、約55%~約75%又は約60%~約70%の範囲のISO輝度を有することができる。ISO輝度は、ISO3688:1999又はISO2470-1:2016に従い測定することができる。
【0167】
一部の実施形態では、白色化されたタバコ材料は、未処理のタバコ材料と比較して、薄色化した色を特徴とすることができる(例えば、「白色化された」)。白い色は、多くの場合、国際照明委員会(International Commission on Illumination’s(CIE’s))色度図を参照して定義される。白色化したタバコ材料は、ある特定の実施形態では、未処理のタバコ材料よりも、色度図で純粋な白色により近いことを特徴とすることができる。
【0168】
タバコ材料は加工して、存在するニコチンの少なくとも一部分を除去することもできる。タバコ材料からニコチンを抽出する適切な方法は当技術分野で公知である。一部の実施形態では、タバコ材料はニコチンを実質的に含まない。「実質的に含まない」とは、タバコ材料中には微量のみが存在することを意味する。例えば、ある特定の実施形態では、タバコ材料は、遊離塩基として計算し、タバコ材料の総質量に対して、0.001重量%未満のニコチン又は0.0001重量%未満、又はさらには0重量%のニコチンを有することを特徴とすることができる。
【0169】
存在するタバコ材料の量は多様であってもよく、一般的には基材の総重量に対して、基材の約65重量%未満である。例えば、タバコ材料は、基材の全乾燥重量に対して、基材の約0重量%、約0.1重量%、約0.5重量%、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%又は約35重量%から、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%又は約65重量%までの量で存在し得る。
【0170】
一部の実施形態では、本開示の基材は、任意のタバコ材料を完全に含まない又は実質的に含まないことを特徴とすることができる(例えば、本明細書で開示されている任意の実施形態は、任意のタバコ材料を完全に又は実質的に含まなくてもよい。)。「実質的に含まない」とは、いかなるタバコ材料も、例えば、植物又は薬草材料中に自然に存在し得る微量を超えて意図的に添加されていないことを意味する。例えば、ある特定の実施形態は、基材の総湿量に対して、0.5重量%未満のタバコ材料、0.1重量%未満のタバコ材料、0.01重量%未満のタバコ材料、又は0.001重量%未満、又はさらに0重量%のタバコ材料を有することを特徴とすることができる。
【0171】
タバコ由来の材料
一部の実施形態では、基材は、エアロゾル形成材料の構成要素として添加された、又は別々に添加された(例えば、基材の調製中、又は形成後基材に含浸させた。)タバコ抽出物、例えば、水性のタバコ抽出物をさらに含む。「タバコ抽出物」とは、本明細書で使用される場合、抽出プロセスにおいてタバコ材料と接触させる溶媒(例えば、水)により固体タバコパルプから抽出される、タバコ材料の単離した構成要素を指す。タバコ材料の様々な抽出技術を使用して、タバコ抽出物及びタバコ固形物を得ることができる。例えば、参照により本明細書に組み込む、Beesonらによる米国特許出願公開第2011/0247640号に記載されている抽出プロセスを参照されたい。タバコの構成要素を抽出するための他の例示的技術は、すべてを参照により本明細書に組み込む、Fioreによる米国特許第4,144,895号;Osborne,Jr.らによる第4,150,677号;Reidによる第4,267,847号;Wildmanらによる第4,289,147号;Brummerらによる第4,351,346号;Brummerらによる第4,359,059号;Mullerによる第4,506,682号;Keritsisによる第4,589,428号;Sogaらによる第4,605,016号;Pouloseらによる第4,716,911号;Niven,Jr.らによる第4,727,889号;Bernasekらによる第4,887,618号;Clappらによる第4,941,484号;Faggらによる第4,967,771号;Robertsらによる第4,986,286号;Faggらによる第5,005,593号;Grubbsらによる第5,018,540号;Whiteらによる第5,060,669号;Faggによる第5,065,775号;Whiteらによる第5,074,319号;Whiteらによる第5,099,862号;Whiteらによる第5,121,757号;Faggによる第5,131,414号;Munozらによる第5,131,415号;Faggによる第5,148,819号;Kramerによる第5,197,494号;Smithらによる第5,230,354号;Faggによる第5,234,008号;Smithによる第5,243,999号;Raymondらによる第5,301,694号;Gonzalez-Parraらによる第5,318,050号;Teagueによる第5,343,879号;Newtonによる第5,360,022号;Clappらによる第5,435,325号;Brinkleyらによる第5,445,169号;Lauterbachによる第6,131,584号;Kierulffらによる第6,298,859号;Muaらによる第6,772,767号;及びThompsonによる第7,337,782号に記載されている。
【0172】
酸の成分
一部の実施形態では、基材は酸の成分を含む。基材中の酸の成分又はニコチンの酸性塩のいずれかの存在は、例えば、ニコチンが基材中に存在する場合のそのエグ味を減少させることにより、エアロゾルの官能属性を改善することができる。存在する場合、酸は、それが一度形成されると、ニコチンをプロトン化して、基材又はエアロゾルのいずれかの中で、in situでニコチン塩を形成する。ニコチン塩の存在は、いくつかのユーザーにさらに満足感を与えるエアロゾルを結果として生じる。さらに、酸の存在は、基材の調製中に(例えば、乾燥中に)ニコチンの蒸発を減少させる又は実質的に阻止することができ、これによって、製造中のニコチンの損失を減少させる。
【0173】
基材中に存在する酸の量は、例えば、基材の乾燥重量に対して、0%~約20重量%などと異なってもよい。一部の実施形態では、基材は、ニコチンに対するモル比で酸を含む。一部の実施形態では、ニコチンの酸に対するモル比は、2.2:1又はそれ未満、例えば、1.5:1若しくはそれ未満、又は1:1若しくはそれ未満である。一部の実施形態では、ニコチンの酸に対するモル比は0.5:1又はそれよりも大きい。
【0174】
一部の実施形態では、酸は、25℃で測定した場合、約2~約6の範囲のpKa値、例えば、3~6又は4~5の範囲のpKa値を有する酸性官能基を含む。一部の実施形態では、酸は、一塩基酸、二塩基酸、三塩基酸又はこれらの組合せであってよい。
【0175】
一部の実施形態では、酸は有機酸である。一部の実施形態では、有機酸はカルボン酸である。一部の実施形態では、カルボン酸は少なくとも1つのカルボキシル官能基を含む。一部の実施形態では、カルボン酸はモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸である。一部の実施形態では、カルボン酸はアルファヒドロキシ基をさらに含む。一部の実施形態では、カルボン酸はケト基をさらに含む。
【0176】
一部の実施形態では、カルボン酸はコハク酸、乳酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、レブリン酸、酢酸、リンゴ酸、ギ酸、ソルビン酸、安息香酸、プロパン酸、ピルビン酸及びこれらの組合せからなる群から選択される。一部の実施形態では、カルボン酸は乳酸である。一部の実施形態では、カルボン酸は安息香酸である。
【0177】
他の実施形態では酸は無機酸である。一部の実施形態では、無機酸は鉱酸、例えば、硫酸、塩酸、ホウ酸、リン酸又はこれらの組合せである。
【0178】
他の構成要素
一部の実施形態では、基材は、燃焼遅延材料、熱伝導/誘導加熱のための伝導性繊維又は粒子又はこれらのいずれかの組合せをさらに含むことができる。燃焼遅延材料の1つの例はリン酸アンモニウムである。一部の実施形態では、他の火炎/燃焼遅延材料及び添加剤が基材内に含まれていてもよく、これらは、オルガノ-リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、カリウム、シリカ、トリポリリン酸塩、ジペンタエリトリトール、ペンタエリトリトール及びポリオールを含んでもよい。他の燃焼遅延材料、例えば、窒素性ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオウレア及び酸化アンチモンもまた使用することができる。基材物質及び/又は他の構成要素に使用されている難燃材料、燃焼遅延材料及び/又はスコーチ遅延材料の各態様において(単独であるか、又は互いに及び/若しくは他の材料と組み合わせるかに関わらず)、望ましい特性は独立しており、望ましくないオフガス又は溶融タイプの挙動に対して強い。タバコを喫煙物品、特にそれら喫煙物品内の実質的にすべてのタバコを意図的に燃焼しないように構成された喫煙物品に組み込むための様々な方式及び方法は、これらの開示をこれら全体において参照により本明細書に組み込む、Brooksらによる米国特許第4,947,874号;Cantrellらによる米国特許第7,647,932号;Robinsonらによる米国特許第8,079,371号;Banerjeeらによる米国特許第7,290,549号;及びCrooksらによる米国特許出願公開第2007/0215167号に記載されている。
【0179】
基材はまた、熱伝導又は誘導加熱のための伝導性繊維又は粒子も含むことができる。一部の実施形態では、伝導性繊維又は粒子は、実質的に線状及び並行したパターンで配置することができる。一部の実施形態では、伝導性繊維又は粒子は実質的にランダムな配置を有することもできる。一部の実施形態では、伝導性繊維又は粒子は、アルミニウム材料、ステンレススチール材料、銅材料、炭素材料及びグラファイト材料のうちの1種以上で構築されていてもよい。一部の実施形態では、異なるキュリー温度を有する1種以上の伝導性繊維又は粒子を基材物質中に含めることで、異なる温度で誘導による加熱を促進させることができる。
【0180】
さらなる他の実施では、基材物質は、様々な種類の無機繊維(例えば、繊維ガラス、金属導線/スクリーンなど)及び/又は(有機)合成ポリマーを含むことができる。様々な実施では、これらの「繊維状」材料は非構造化された(例えば、ランダムに分布)又は構造化された(例えば、ワイヤーメッシュ)材料であることができる。
【0181】
基材の形態
基材の形態は異なってもよい。例えば、基材は粉末、ダスト、粒子、顆粒、ペレット、断片、ストリップ、シート、フィルムなどの形態であってよい。一部の実施形態では、基材は細かく刻まれた形態、フィルム形態、紙形態又はキャストシート形態である。
【0182】
一部の実施形態では、基材はキャストシートの形態である。一部の実施形態では、キャストシートはフラットシート型である。一部の実施形態では、キャストシートは約0.015mm~約1.0mmの厚さを有する。適切には、厚さは約0.05mm、0.1mm又は0.15mmから、約0.5mm又は0.3mmまで、例えば0.1~3mm又は0.15~3mmの範囲であってよい。厚さ0.2mmのシートは特に適切であり得る。本明細書で規定された厚さはシートに対する平均の厚さである。ある場合には、シートの厚さは25%、20%、15%、10%、5%又は1%以下だけ異なってもよい。
【0183】
一部の実施形態では、フラットシート型は、例えば、図4及び図5に図示されている通りフラットシート型120の一連の重複する層130において層状にされている。一部の実施形態では、フラットシート型は、束にされた、丸められた、捲縮された及び/又はそうでなければ集められた層であってもよい。一部の実施形態では、フラットシート型は、エアロゾル送達デバイスの基材含有セグメントに挿入するために刻みラグ又はストリップへとさらに縮小されてもよい。フラットシート型はまた、エアロゾル送達デバイスの基材含有セグメントへの挿入のために集めて、又は巻き取ってロッドにすることもできる。一部の実施形態では、基材は実質的に円柱状の形状に形成される。一部の実施形態では、フラットシート型は細かく刻まれていてもよい。シート形態の基材は本開示において有利ではあるが、ある特定の実施形態では、他の形態、例えば、ビーズ状形態、細かく刻まれた又は微粒子形態などを利用することもできる。
【0184】
一部の実施形態では、基材の個々のストリップ又は小片は、その領域にわたり約0.015mmの最小厚さを有する。ある場合には、基材の個々のストリップ又は小片は、その領域にわたり約0.05mm又は約0.1mmの最小厚さを有する。ある場合には、基材の個々のストリップ又は小片はその領域にわたり約1.0mmの最大厚さを有する。ある場合には、基材の個々のストリップ又は小片はその領域にわたり約0.5mm又は約0.3mmの最大厚さを有する。
【0185】
いくつかの実施例では、シート形態の基材は、約150N/m~約3000N/mの引張り強度、例えば、150N/m~2500N/m又は150N/m~2000N/m、又は200N/m~1700N/m、又は250N/m~1500N/m、又は200N/m~900N/mの引張り強度を有することができる。一部の実施形態では、基材は、150N/m~500N/m、又は200N/m~400N/m、又は200N/m~300N/m、又は約250N/mの引張り強度を有することができる。このような引張り強度は、基材がシートとして形成され、次いで細かく刻まれ、エアロゾル生成要素に組み込まれる実施形態に対して特に適切となり得る。
【0186】
一部の実施形態では、基材は、150N/m~3000N/mの引張り強度、例えば、500N/m~1200N/m、又は600N/m~900N/m、又は700N/m~900N/m、又は約800N/m、又はこれより大きな引張り強度を有することができる。いくつかの実施例では、基材は、500N/mより大きい、1000N/mより大きい又は1500N/mより大きい引張り強度を有することができる。このような引張り強度は、基材がエアロゾル生成要素中に巻き取られたシートとして、適切にはチューブの形態で含まれる実施形態に対して特に適切となり得る。
【0187】
一部の実施形態では、基材はシートとして形成され、次いで小片、例えば、粒子又は断片へと切断される。このような形態の基材物質は、所望する場合、他の材料と混合して、ブレンドを形成する、例えば、細かく刻まれた又は微粒子タバコ材料又は他の非タバコ基材物質との混合を形成することができる。
【0188】
キャストシートの調製
一部の実施形態では、キャストシート技術を使用して、フラットシート型の形態の基材を生成することができる。キャストシートは一般的に、それぞれ本明細書に記載されているような、1種以上の充填材、1種以上の結合剤、任意選択的に1種以上のエアロゾル形成物質、及び任意選択的に活性成分、着香剤、又は両方を含む。例えば、一部の実施形態では充填材、本明細書で開示されているエアロゾル形成材料の少なくとも一部分及び結合剤を一緒にブレンドしてスラリーを形成することができ、このスラリーを表面にキャストすることができる(例えば、移動ベルト)。次いで、キャストしたスラリーを1種以上の乾燥ステップ及び/又は混ぜるステップに適用することができ、その結果、比較的に一貫した厚さのキャストシートが生じるようになっている。キャスティング及び紙を作製する技術の他の例は、その開示をこれら全体において参照により本明細書に組み込む、Keritsisらによる米国特許第4,674,519号;Clappらによる米国特許第4,941,484号;Youngらによる米国特許第4,987,906号;Kiernanらによる米国特許第4,972,854号;Youngらによる米国特許第5,099,864号;Sohnらによる米国特許第5,143,097号;Brinkleyらによる米国特許第5,159,942号;Brinkleyらによる米国特許第5,322,076号;Youngらによる米国特許第5,339,838号;Litzingerらによる米国特許第5,377,698号;Youngによる米国特許第5,501,237号;及びKumarによる米国特許第6,216,706号に記載されている。一部の実施形態では、フラットシート型は、エアロゾル送達デバイスの基材含有セグメントに挿入するために刻みラグ又はストリップへとさらに縮小されてもよい。キャストシートはまた、エアロゾル送達デバイスの基材含有セグメントへの挿入のために集めて、又は巻き取ってロッドにすることもできる。キャストシートは支持体に接着していても、又はそうでなければ取り付けられていてもよい。
【0189】
基材の様々な構成要素は、当技術分野で公知の任意の混合技術又は装置を一緒に使用して、接触させる、組み合わせる、又は混合することができる。基材成分を密接に接触させる任意の混合方法、例えば、インペラを備えた混合装置又は撹拌することが可能な他の構造体を使用することができる。混合装置の例として、ケーシングドラム、コンディショニングシリンダー又はドラム、液体スプレー装置、コニカルタイプブレンダー、リボンブレンダー、FKM130、FKM600、FKM1200、FKM2000及びFKM3000としてLittleford Day,Inc.から入手可能なミキサー、Plough Shareタイプのミキサーシリンダー、Hobartミキサーなどが挙げられる。例えば、それぞれを参照により本明細書に組み込む、Solomonらによる米国特許第4,148,325号;Korteらによる第6,510,855号;及びWilliamsによる第6,834,654号に記載されている方法論の種類もまた参照されたい。混合物を製剤化するための方式及び方法は当業者には明らかである。例えば、それぞれを参照により本明細書に組み込む、Solomonらによる米国特許第4,148,325号;Korteらによる米国特許第6,510,855号;及びWilliamsによる米国特許第6,834,654号、Ridgwayらによる米国特許第4,725,440号、並びにBolderらによる第6,077,524号に記載されている方法論の種類を参照されたい。
【0190】
シートは、任意選択的に乾燥させて、液体内容物(例えば、水)の少なくとも一部分を除去することができる。最終含水量は、湿量基準で、約8~約21重量%の水分であってもよい。さらに、乾燥後、着香剤、抽出物、エアロゾル形成材料などをシートに添加することができる。
【0191】
基材の充填
様々な実施形態では、エアロゾル形成材料の基材への充填は、基材物質の調製中、形成後、又は両方において基材にエアロゾル形成材料を含浸させることにより達成される。一部の実施形態では、例えば、キャストシートの調製に使用されるスラリーは、エアロゾル形成材料の全量を含む。代わりに、又は加えて、エアロゾル形成材料の一部分を形成後に基材に添加してもよい(例えば、1種以上のエアロゾル形成材料は、スプレーしてもよいし、又はそうでなければ基材物質上又は基材物質中にシート形態で配置してもよい。)。一部の実施形態では、さらなるエアロゾル形成材料を、基材形成スラリーに、又は最上部の仕上げとして、基材に含浸させてもよい。エアロゾル形成材料を基材部分に充填するための方法は、その開示がそれら全体において参照により本明細書に組み込まれる、Doolyらによる米国特許第9,974,334号及びCollettらによる米国特許出願公開第2015/0313283号及びSebastianらによる第2018/0279673号に記載されている。当業者であれば、基材にエアロゾル形成材料を充填するための方法の複数の置換えが、特定の基材物質、形態などに応じて可能であることを認識している。したがって、任意のこのような修正は本明細書で想定されている。
【0192】
エアロゾル生成要素及びエアロゾル送達デバイス
本開示の特定の実施形態による基材を、エアロゾル送達デバイス又はそのエアロゾル生成要素に使用することができる。したがって、本開示のさらなる例示的実施形態は、本明細書で開示されている基材を含むエアロゾル生成要素;基材部分内に運ばれるエアロゾル形成材料を加熱して、エアロゾルを形成するように構成された熱源;及びエアロゾル生成要素からエアロゾル送達デバイスの口端まで伸びるエアロゾル経路を含むエアロゾル送達デバイスに関する。エアロゾル生成要素及びエアロゾル送達デバイスの個々の構成要素及び構築が本明細書で以下に提供されている。
【0193】
ある特定の例示的エアロゾル送達デバイスのエアロゾル生成要素は、そのいずれかの要素の任意の実質的な程度の燃焼なしに、タバコに火を付ける及び燃やす(したがってタバコ煙を吸入する。)ことにより得られる紙巻タバコ、葉巻又はパイプの喫煙の多くの感覚(例えば、吸入及び呼気の儀式、味覚又は香味の種類、感覚刺激性作用、物理的感触、使用の儀式、目視での合図、例えば、可視のエアロゾルなどにより提供されるものなど)を提供することができる。例えば、本開示のいくつかの例示的実施形態によるエアロゾル送達デバイスのユーザーは、喫煙者が伝統的タイプの喫煙物品を利用するのとほぼ同じようにその構成要素を保持し、使用し、その小片により生成されたエアロゾルの吸入のためにその小片の1つのエンドを利用して、選択された時間間隔などでパフを取り込む、又は吸い込むことができる。
【0194】
本システムはエアロゾル送達デバイス及び/又はエアロゾル生成要素、例えば、いわゆる「e-シガレット」又は「加熱式タバコ製品」に関連する実施形態の点から全般的に本明細書に記載されているが、この機序、構成要素、特徴及び方法は、多くの異なる形態で実施形態化され、様々な物品に関連し得ることを理解されたい。例えば、本明細書に提供されている説明は、伝統的喫煙物品(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、加熱式タバコ及び本明細書で開示されている製品のいずれかに対する関連した包装の実施形態と併せて利用することができる。したがって、本明細書で開示されている機序、構成要素、特徴及び方法の説明は、エアロゾル送達デバイスに関する実施形態の点から、例示によってのみ論じられ、様々な他の製品及び方法において実施形態化され、使用され得ることを理解されたい。
【0195】
本開示のエアロゾル送達デバイス及び/又はエアロゾル生成要素はまた、蒸気生成物品又は医薬送達物品であることも特徴とすることができる。よって、このような物品又はデバイスは、吸入用形態又は状態で1種以上の物質(例えば、香味及び/又は薬学的活性成分)を提供するよう適応させることもできる。例えば、吸入用物質は実質的に蒸気の形態であってもよい(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)。代わりに、吸入用物質はエアロゾルの形態であってもよい(すなわち、微細な固体粒子の懸濁液又は気体中の液体小滴)。簡潔に述べるため、可視であるかどうか及び煙と同様と考えることができる形態であるかどうかに関わらず、「エアロゾル」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒトの吸入に対して適した形態又は種類の蒸気、気体及びエアロゾルを含むことを意図している。吸入用物質の物理的形態は、本発明のデバイスの性質により必ずしも限定されるわけではなく、むしろ、それが蒸気状態又はエアロゾル状態で存在するかどうかについて、媒体及び吸入用物質それ自体の性質に依存し得る。一部の実施形態では、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語は交換可能であり得る。よって、わかりやすく述べると、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語は、本開示の態様を記載するために使用される場合、別途述べられていない限り、交換可能であると考えられる。
【0196】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の様々な基材物質、エアロゾル生成要素及び構成要素のより具体的なフォーマット、構成及び配置は、本明細書のこれより以降に提供されているさらなる開示を考慮して明らかとなる。さらに、様々なエアロゾル送達デバイス構成要素の選択は、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮して認められる。さらに、エアロゾル送達デバイス内の構成要素の配置もまた、市販の電子エアロゾル送達デバイスを考慮して認められる。
【0197】
本開示の特定の実施形態による基材は、加熱式(HNB)デバイスのエアロゾル生成要素(例えば、セグメント)において使用することができ、この加熱式(HNB)デバイスは、材料を加熱して(一般的に、いずれか有意な程度まで材料を燃焼することなく)吸入用物質(例えば、炭素加熱式タバコ製品)を形成する点火可能な熱源を使用する。材料は通常、いずれか有意な程度まで材料を燃焼することなく加熱される。例えば、それぞれを参照により本明細書に組み込む、Searsらによる米国特許出願公開第2017/0065000号;Ademeらによる第2015/0157052号;Connerらによる米国特許第10,314,330号;Stoneらによる第9,345,268号;Connerらによる第9,149,072号;両方ともBanerjeeらによる第5,105,831号及び第5,042,509号を参照されたい。このようなシステムの構成要素は、手持ち式デバイスと考えるのに十分小型な物品の形態を有する。すなわち、ある特定の例示的エアロゾル送達デバイスの構成要素の使用によって、エアロゾルがタバコの燃焼又は熱分解の副産物から主に生成するという意味で、煙の生成をもたらすのではなく、むしろこれらのシステムの使用により、その中に組み込まれたある特定の構成要素の揮散又は蒸発から蒸気の生成をもたらすのである。
【0198】
したがって、一部の実施形態では、本開示のエアロゾル生成要素は一般的に、本明細書で開示されている基材物質を加熱し、基材物質に関連するエアロゾル形成材料をエアロゾル化して、吸入用物質を形成するように構成された、点火可能な熱源を含むことができる。基材物質及び/又は熱源の少なくとも一部分は、外包装材又は包み込み、ケーシング、部品、モジュール、部材などに覆われていることができる。エンクロージャーの全体的な構成は変化し、エアロゾル生成要素の全体的サイズ及び形状を規定するエンクロージャーのフォーマット又は構成もまた変化する。他の構成が可能ではあるが、一部の態様では、これらの実施形態の全体的な構成、サイズ及び/又は形状が従来の紙巻タバコ又は葉巻のものと類似していることが望ましいこともある。
【0199】
本開示の特定の実施形態による基材は、電気エネルギーを使用して、本明細書で開示されている基材物質を加熱し、基材物質に関連するエアロゾル形成材料をエアロゾル化して、吸入用物質を形成する(例えば、電気加熱式タバコ製品)、エアロゾル送達デバイスのエアロゾル生成要素に使用することができる。一部の例示的実施形態では、エアロゾル送達デバイスは電子タバコを特徴とすることができる。したがって、一部の実施形態では、本開示のエアロゾル送達デバイスは、エネルギー源(例えば、電力供給源)のいくつかの組合せ、少なくとも1種の制御要素(例えば、エネルギー源からの物品の他の構成要素、例えば、マイクロプロセッサーへの電流を、個々に又はマイクロコントローラーの一部として制御することによって、発熱のための力を発動させる、制御する、調整する及び停止するための手段)、熱源(例えば、電気的抵抗性のある発熱体若しくは他の構成要素及び/又は誘導的コイル又は他の関連する構成要素及び/又は1種以上の放射式加熱素子)及び本明細書で開示されている基材部分を含むエアロゾル生成要素を含むことができ、これらは十分な熱の適用によりエアロゾルを生成することが可能である。上記に述べられた構成要素の1種以上を物理的に組み合わせることが可能であることに注目されたい。例えば、ある特定の実施形態では、伝導性ヒータートレースは、ヒータートレースをエネルギー源により作動させ、抵抗性発熱体として使用することができるように、伝導性インクを使用して、本明細書に記載されているような基材物質の表面上に印刷することができる(例えば、シート又はフィルム)。例示的伝導性インクとして、グラフェンインク及び様々な金属を含有するインク、例えば、銀、金、パラジウム、白金及び合金又は他のこれらの組合せ(例えば、銀-パラジウム又は銀-白金インク)を含むインクが挙げられ、これらのインクは、例えば、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット方式印刷などのプロセス、又は他の適当な印刷方法などを使用して表面に印刷することができる。
【0200】
様々な実施形態では、いくつかのこれらの構成要素は、外装体又はシェルを備えることができ、これは一部の実施形態では、筺体と呼ぶことができる。外装体又はシェルの全体的な構成は異なってもよく、エアロゾル送達デバイスの全体的なサイズ及び形状を規定し得る外装体のフォーマット又は構成は異なってもよい。他の構成も可能ではあるが、一部の実施形態では、紙巻タバコ又は葉巻の形状に類似している細長い本体が1つの、単一の筺体から形成されてもよく、又は細長い筺体は2つ又はそれ以上の分離可能な本体で形成することもできる。例えば、エアロゾル送達デバイスは、形状が実質的に管状であり、よって、従来の紙巻タバコ又は葉巻の形状に類似し得る細長いシェル又は本体を含むことができる。1つの例では、エアロゾル送達デバイスの構成要素のすべてが1つの筺体又は本体内に含有されている。他の実施形態では、エアロゾル送達デバイスは、接合している、分離可能な2つ又はそれ以上の筺体を含むことができる。例えば、エアロゾル送達デバイスは、1種以上の再利用可能な構成要素を含有する筺体を含む制御装置を一方のエンドに(例えば、アキュムレーター、例えば、充電式電池及び/又は充電式スーパーコンデンサー並びにその物品の作動を制御するための様々なエレクトロニクス)及び他方のエンドに、取外し可能なように、これに連結可能な、使い捨て部分を含有する外装体又はシェル(例えば、使い捨ての香味含有エアロゾル生成要素)を保有することができる。
【0201】
本明細書で開示されている基材を含み、燃焼による熱又は電気エネルギーからの熱を使用するエアロゾル生成要素及びエアロゾル送達デバイスは、例えば、タバコ材料、タバコ由来の材料などの追加の材料を、例えば、基材と混合してさらに含むことができ、これらは本明細書で「エアロゾル生成材料」と呼ばれる。このようなエアロゾル生成要素はまた本明細書で「消耗品」と呼ぶこともでき、これらは本明細書に記載されているような基材を含む又は基材からなる物品を意味し、このうちの一部又はすべては使用中にユーザーにより消費されることを意図する。
【0202】
一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は、シートの形態の、又は断片の形態の本明細書で開示されている基材を含む。一部の実施形態では、エアロゾル生成要素はエアロゾル生成材料、例えば、タバコ材料又はタバコ由来の材料をさらに含む。一部の実施形態では、エアロゾル生成材料はストリップ又は粒子の形態のタバコ材料であり、基材とブレンドされる。一部の実施形態では、基材とタバコ材料の両方ともストリップの形態である。一部の実施形態では、基材は、基材の複数のシート(層)を含む、層状にした形態で存在する。
【0203】
一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は支持体をさらに含む。一部の実施形態では、基材は支持体に取り付けられている又は接着されている。一部の実施形態では、支持体は平坦である。支持体を含み、基材がこれに取り付けられている又は接着されているエアロゾル生成要素の非限定的実施形態が図1に図示されている。図1を参照すると、エアロゾル生成要素10は支持体20及びその上に配置された基材30を含む。
【0204】
支持体20は、基材30に隣接した表面の領域において少なくとも部分的に多孔質であってもよい。逆に、基材30から外向きの支持体20の表面は、本明細書に記載されている熱源と接触して配置されていてもよい。一部の実施形態では、支持体20は積層構造体であってもよい。例えば、支持体20は厚紙の裏張りとしてホイルを含むことができ、ここでは厚紙層は基材30に隣接している。ホイルの裏張りは実質的に不透過性であり、エアロゾル流路の制御を提供する。金属ホイルの裏張りはまた、基材30へ熱を伝導するように機能することができる。一部の実施形態では、厚紙の裏張りとしてのホイルのホイル層は基材30と隣接する。ホイルは実質的に不透過性であり、よって、基材30中の水分が厚紙により吸収されるのを防止する。このような水分の吸収はその構造的完全性を弱める可能性がある。一部の実施形態では、支持体20は、金属ホイル、例えば、アルミ箔から形成される又はアルミ箔を含む。金属支持体は、基材への熱エネルギーの伝導性の向上を可能にし得る。さらに、又は代わりに、金属ホイルは、誘導加熱システムにおけるサセプターとして機能することができる。特定の実施形態では、支持体20は金属ホイル層及び支持層、例えば、厚紙を含む。これらの実施形態では、金属ホイル層は、20μm未満の厚さ、例えば、約1μm~約10μm、適切には約5μmの厚さを有することができる。
【0205】
本明細書で開示されている基材を含み、燃焼による熱又は電気エネルギーからの熱を使用して、エアロゾルを提供するエアロゾル生成要素及びエアロゾル送達デバイスが、図2~7を参照して、さらに本明細書で以下に記載されている。
【0206】
この関連で、図2は、本開示の例示的実施形態によるエアロゾル送達デバイス100を図示している。エアロゾル送達デバイス100は、制御装置102及びエアロゾル生成要素104を含むことができる。一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は、基材物質を加熱して、エアロゾルを形成するための伝導性及び/又は誘導性の熱源における使用に対して構成された。様々な実施形態では、伝導性熱源は、抵抗加熱部材を含む加熱集合体を含むことができる。抵抗加熱部材は、電流がそれを介して誘導された場合、熱を生成するように構成することができる。抵抗加熱部材として有用な導電性材料は、低い質量、低密度及び中程度の抵抗性を有し、使用の間に適用される温度で熱的に安定している材料であってよい。有用な加熱部材は、加熱し、急速に冷却する、よってエネルギーの効率的な使用を提供する。部材の急速な加熱は、これに近接したエアロゾル形成材料のほとんど即時的揮散を提供するのに有益となり得る。急速な冷却は、エアロゾル形成が、望まれない期間の間のエアロゾル形成材料の実質的な揮散(したがって廃棄)を阻止する。このような加熱部材はまた、特に時間ベースの電流制御が利用される場合、エアロゾル形成材料に適用される温度範囲の比較的正確な制御を可能にし得る。有用な導電性材料は、通常、加熱される材料とは化学的に非反応性であり(例えば、エアロゾル形成材料及び他の吸入用物質材料)、これによって、生成されるエアロゾル又は蒸気の香味又は内容物に悪影響を及ぼさないようにする。導電性材料として使用することができるいくつかの例示的、非限定的な材料として、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合体、金属、セラミクス例えば、金属及び非金属カーバイド、窒化物、酸化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、金属合金及び金属ホイルが挙げられる。特に、耐火性材料は有用であり得る。様々な、異なる材料を混合して、抵抗性、質量及び熱的導電率の所望の特性を達成することができる。特定の実施形態では、利用することができる金属として、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルとクロムの合金(例えば、ニクロム)及びスチールが挙げられる。抵抗加熱を提供するのに有用であることができる材料は、これらの開示がそれら全体において参照により本明細書に組み込む、Countsらによる米国特許第5,060,671号;Deeviらによる米国特許第5,093,894号;Deeviらによる第5,224,498号;SprinkelJr.らによる第5,228,460号;Deeviらによる第5,322,075号;Deeviらによる米国特許第5,353,813号;Deeviらによる米国特許第5,468,936号;Dasによる米国特許第5,498,850号;Dasによる米国特許第5,659,656号;Deeviらによる米国特許第5,498,855号;Hajaligolによる米国特許第5,530,225号;Hajaligolによる米国特許第5,665,262号;Dasらによる米国特許第5,573,692号;及びFleischhauerらによる米国特許第5,591,368号に記載されている。
【0207】
様々な実施形態では、加熱部材は、様々な形態、例えば、ホイル、発泡体、メッシュ、中空ボール、半分ボール、ディスク、らせん状、繊維、ワイヤー、フィルム、糸、ストリップ、リボン、又は円柱の形態で提供され得る。このような加熱部材は、多くの場合金属材料を含み、それを介して電流を通すことに伴う電気抵抗の結果として熱を生成するように構成されている。このような抵抗加熱部材は、基材部分に近接して、及び/又はこれと直接接触させて配置することができる。例えば、一実施形態では、加熱部材は制御装置102に位置する円柱又は他の加熱デバイスを含むことができ、円柱は、これらに限定されないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、スチール、真ちゅう、青銅、炭素(例えば、グラファイト)又はこれらのいずれかの組合せを含む1種以上の導電材料で構築される。様々な実施形態では、加熱部材はまた、これら又は他の導電材料のいずれかでコーティングされていてもよい。加熱部材は制御装置102の係合エンドの近位に位置することができ、基材部分110を含むエアロゾル生成要素104の加熱されるエンド106の一部分を実質的に取り囲むように構成することができる。このような方式で、加熱部材は、エアロゾル生成要素104が制御装置102に挿入されると、エアロゾル生成要素104の基材部分110の近位に位置することができる。他の例では、加熱部材の少なくとも一部分は、エアロゾル生成要素が制御装置に挿入されると、エアロゾル生成要素の少なくとも一部分に(例えば、エアロゾル生成要素に浸透する1つ以上の突起及び/又はスパイク)浸透することができる。一部の実施形態では、加熱部材は円柱を含むことができるが、他の実施形態では、加熱部材は様々な形態を取ることができ、一部の実施形態では、基材部分に直接接触する、及び/又はこれに浸透することができることに注目されたい。上に記載されているように、伝導性熱源を用いた使用に対して構成されていることに加えて、本発明で開示されたエアロゾル生成要素はまた、基材部分を加熱してエアロゾルを形成する誘導的熱源を用いた使用に対して構成されてもよい。様々な実施形態では、誘導的熱源は、共鳴変圧器を含むことができ、これは共鳴送信機及び共鳴レシーバー(例えば、サセプター)を含むことができる。一部の実施形態では、共鳴送信機及び共鳴レシーバーは制御装置102に位置することができる。他の実施形態では、共鳴レシーバー、又はその一部分はエアロゾル生成要素104に位置することができる。例えば、一部の実施形態では、制御装置102は共鳴送信機を含むことができ、この共鳴送信機は、例えば、ホイル材料、コイル、円柱、又は振動磁界を生成するように構成された他の構造及び共鳴レシーバーを含むことができ、この共鳴レシーバーは、基材部分まで延びる1つ以上の突起を含むことができるか、又は基材部分で取り囲まれている。一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は、共鳴レシーバーと密接に接触している。
【0208】
他の実施形態では、共鳴送信機は、エアロゾル生成要素、特に、エアロゾル生成要素の基材部分を受け入れる空洞の周囲を囲むように構成された螺旋状コイルを含むことができる。一部の実施形態では、螺旋状コイルは、デバイスの外壁と受入空洞との間に位置することができる。一実施形態では、コイル巻線は円形の断面形状を有することができる。しかし、他の実施形態では、コイル巻線は様々な他の断面形状を有することもでき、この形状は、これらに限定されないが、楕円形の形状、長方形の形状、L形状、T形状、三角形の形状及びこれらの組合せを含む。別の実施形態では、ピンは受入空洞の一部分まで延びていてもよく、ピンは、例えば、ピン周辺又はピン内にコイル構造を含み、よって共鳴送信機を含むことができる。様々な実施形態では、エアロゾル生成要素は受入空洞内に受け入れてもよく、エアロゾル生成要素の1つ以上の構成要素は共鳴レシーバーとして機能することができる。一部の実施形態では、エアロゾル生成要素は共鳴レシーバーを含む。共鳴送信機及び共鳴レシーバーを含む他の可能な共鳴変圧器構成要素は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Sebastianらによる米国特許出願公開第2019/0124979号に記載されている。
【0209】
様々な実施形態では、エアロゾル生成要素104及び制御装置102は、機能する関係で永久的に又は分離可能なように整列していてもよい。この関連で、図2は、連結した構成におけるエアロゾル送達デバイス100を図示しているのに対して、図2は、切り離された構成におけるエアロゾル送達デバイス100を図示している。様々な機序により、エアロゾル生成要素104を、制御装置102と接続させて、螺合、圧入係合、締まりばめ、滑りばめ、磁気係合などをもたらすことができる。
【0210】
様々な実施形態では、本開示の例示的実施形態によるエアロゾル送達デバイス100は様々な全体的形状を有することができ、これらは、これらに限定されないが、実質的にロッド状又は実質的に管状の形状又は実質的に円柱状の形状であると定義され得る全体的な形状を含む。図2~3の実施形態では、デバイス100は、実質的に円形の断面を有する。しかし、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)もまた本開示により包含されている。例えば、一部の実施形態では、制御装置102又はエアロゾル生成要素104(及び/又はいずれかのサブ構成要素)のうちの1つ又は両方は、実質的に長方形の形状、例えば、実質的に長方形の立方体状の形状(例えば、USBフラッシュドライブと類似の形状)を有することができる。他の実施形態では、制御装置102又はエアロゾル生成要素104のうちの1つ又は両方(及び/又はいずれかのサブ構成要素)は他の手持ち型の形状を有することができる。例えば、一部の実施形態では制御装置102は小さなボックス形状、様々なポッドモッド形状、又はフォブ形状を有することができる。よって、物品の物理的形状を説明するこのような言語もまた、制御装置102及びエアロゾル生成要素104を含めた、その個々の構成要素に適用することができる。
【0211】
本開示のエアロゾル送達デバイス内の構成要素の整列は、様々な実施形態にわたり異なってもよい。一部の実施形態では、基材部分は、ユーザーへのエアロゾルの送達を最大にするため、熱源の近位に配置されてもよい。しかし、他の構成は除外されない。全般的に、熱源は基材部分の十分近くに配置されて、熱源からの熱が基材部分(例えば、その中のエアロゾル形成材料)を揮発させ、ユーザーへの送達用にエアロゾルを形成できるようにすることができる。熱源が基材部分を加熱すると、エアロゾルが、消費者による吸入に適した物理的な形態で形成され、放出され、又は生成される。前述の用語は、放出(release)、放出する(releasing)放出(releases)又は放出された(released)についての言及が、形成する(form)又は生成する(generate)、形成する(forming)又は生成する(generating)、形成する(forms)又は生成する(generates)、及び形成された(formed)又は生成された(generated)を含むように、交換可能であることが意図されていることに注目されたい。具体的には、吸入用物質は、蒸気又はエアロゾル又はその混合物の形態で放出され、このような用語もまた、他に特定された場合を除いて、本明細書で交換可能なように使用されている。
【0212】
上述のように、様々な実施形態のエアロゾル送達デバイス100は、電池及び/又は他の電力供給源を組み込んで、例えば、熱源に電力を供給する、制御システムに電力を供給する、インジケーターに電力を供給するなど、様々な機能性をエアロゾル送達デバイスに提供するのに十分な電流の流れを提供することができる。以下により詳細に論じられる通り、エネルギー源は様々な実施形態を取ることができる。エネルギー源は、熱源を急速に活性化させて、エアロゾルの形成をもたらし、望まれた期間の間、使用を介してエアロゾル送達デバイスに電力を供給するのに十分な電力を送達することができる。一部の実施形態では、エネルギー源は、エアロゾル送達デバイスが簡単に取り扱えるよう、エアロゾル送達デバイス内に好都合にフィットするサイズである。有用なエネルギー源の例として、通常充電式であるリチウム-イオン電池が挙げられる(例えば、充電式リチウム-二酸化マンガン電池)。特に、リチウムポリマー電池は、このような電池より高い安全性を提供することができるので、使用することができる。他の種類の電池、例えば、N50-AAACADNICAニッケル-カドミウムセルもまた使用することができる。さらに、例示的エネルギー源は、望ましい喫煙経験が損なわれないよう十分に軽量である。可能なエネルギー源のいくつかの例は、その開示がこれらそれぞれの全体において参照により本明細書に組み込む、Peckerarらによる米国特許第9,484,155号及びSurらによる米国特許出願公開第2017/0112191号に記載されている。
【0213】
特定の実施形態では、制御装置102及びエアロゾル生成要素104のうちの1つ又は両方は、使い捨て又は再利用可能と呼ぶことができる。例えば、制御装置102は、置換え可能な電池又は充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーコンデンサーなどを有することができ、よって壁の充電器への接続、自動車充電器への接続(すなわち、紙巻タバコライター容器)、及びコンピュータへの接続、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブル又はコネクター(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)を介した、太陽電池(時にはソーラーセルとも呼ばれる)又はソーラーパネル太陽電池への接続、ワイヤレス充電器、例えば、誘導式ワイヤレス充電を使用する充電器(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)のQiワイヤレス充電規格によるワイヤレス充電を含む。)又はワイヤレス無線周波数(RF)ベースの充電器を含むいずれかの種類の再充電技術と組み合わせることができる。誘導式ワイヤレス充電システムの例は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Surらによる米国特許出願公開第2017/0112196号に記載されている。さらに、一部の実施形態では、エアロゾル生成要素104は単回使用のデバイスを含むことができる。制御装置における使用のための単回使用の構成要素は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Changらによる米国特許第8,910,639号に開示されている。
【0214】
さらなる実施形態では、エネルギー源はまたコンデンサーを含むことができる。コンデンサーは、電池より速く放電することが可能であり、パフの間に帯電し、熱源に直接電力を供給するために使用された場合よりも遅い速度における電池のコンデンサーへの放電を可能にすることができる。例えば、スーパーコンデンサー、例えば、電気の二重層コンデンサー(EDLC)は、電池とは別に、又は電池と組み合わせて使用することができる。単独で使用される場合、スーパーコンデンサーは、物品のそれぞれの使用の前に、再充電することができる。よって、デバイスはまた、各使用の間に喫煙物品に取り付けてスーパーコンデンサーを補充することができる充電器構成要素を含んでもよい。
【0215】
さらなる構成要素を本開示のエアロゾル送達デバイスにおいて利用することができる。例えば、エアロゾル送達デバイスは、消費者が物品で吸込みを行うと(例えば、パフにより発動するスイッチ)、圧力の変化又は気流の変化のいずれかに感応する流れセンサーを含むことができる。他の可能な電流発動/停止機序は、温度により発動するオン/オフスイッチ又は唇の圧力で発動するスイッチを含むことができる。このようなパフによる発動能力を提供できる例示的機序として、モデル163PC01D36ケイ素センサー、MicroSwitch division of Honeywell,Inc.、Freeport、Ill製造、を含む。エアロゾル送達デバイスのための様々なマイクロコントローラー、センサー及びスイッチを含む、代表的な流れセンサー、電流調整要素及び他の電流制御要素が、これら全体がすべて参照により本明細書に組み込む、Gerthらによる米国特許第4,735,217号、すべてがBrooksらによる米国特許第4,922,901号、第4,947,874号及び第4,947,875号、McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号、Nguyenらによる米国特許第7,040,314号並びにPanによる米国特許第8,205,622号に記載されている。その全体を参照により本明細書に組み込む、Ampoliniらによる米国特許第9,423,152号に記載されている制御スキームもまた参照されたい。
【0216】
別の例では、エアロゾル送達デバイスは、デバイスを保持するユーザーの第1の身体部分と接触するように構成された第1の伝導性表面及び第1の伝導性表面から伝導的に分離され、ユーザーの第2の身体部分と接触するように構成された第2の伝導性表面を含むことができる。よって、エアロゾル送達デバイスが第1の伝導性表面と第2の伝導性表面との間の導電率の変化を検出した場合、気化器は、蒸気がユーザー保持ユニットにより吸入され得るように、活性化して、物質を気化する。第1の身体部分及び第2の身体部分は唇又は手の部位であってもよい。2つの伝導性表面はまた、パーソナル気化器ユニット内に含有された電池を充電するために使用することができる。2つの伝導性表面はまた、メモリー内に保存されたデータを出力させるために使用することができるコネクター又はコネクターの一部を形成することができる。その全体を参照により本明細書に組み込むTerryらによる米国特許第9,861,773号を参照されたい。
【0217】
加えて、Sprinkelらによる米国特許第5,154,192号は、喫煙物品のためのインジケーターを開示している。Sprinkel,Jr.による米国特許第5,261,424号は、吸込みを行うことに伴うユーザーの唇の活動を検出し、次いで加熱デバイスの加熱を始動させるデバイスの口端に関連し得る圧電気センサーを開示している。McCaffertyらによる米国特許第5,372,148号は、マウスピースを介した圧力降下に応答して熱負荷アレイへのエネルギーの流れを制御するためのパフセンサーを開示している。Harrisらによる米国特許第5,967,148号は、挿入された構成要素の赤外透過率における不均一性を検出する識別子及び構成要素が容器に挿入されると検出ルーティンを実行するコントローラーを含む喫煙デバイスにおける容器を開示している。Fleischhauerらによる米国特許第6,040,560号は、多数の微分位相を有する定義された実行可能なパワーサイクルについて記載している。Watkinsらによる米国特許第5,934,289号は、フォトニックオプトロニック構成要素を開示している。Countsらによる米国特許第5,954,979号は、喫煙デバイスを介した吸込み抵抗を改変するための手段を開示している。Blakeらによる米国特許第6,803,545号は、喫煙デバイスにおける使用のための特定の電池構成を開示している。Griffenらによる米国特許第7,293,565号は、喫煙デバイスで使用する様々な充電システムを開示している。Fernandoらによる米国特許第8,402,976号は、充電を容易にし、デバイスのコンピュータ制御を可能にする喫煙デバイスのためのコンピュータインターフェース手段を開示している。Fernandoらによる米国特許第8,689,804号は、喫煙デバイスに対する識別システムを開示している。FlickによるPCT特許出願公開WO2010/003480は、エアロゾル生成システムにおけるパフを示す流体流動検知システムを開示している。前述の開示のすべてはそれら全体において参照により本明細書に組み込む。
【0218】
電子的エアロゾル送達物品に関係した構成要素及び本発明のデバイスに使用することができる開示している材料又は構成要素のさらなる例として、それぞれがその全体において参照により本明細書に組み込む、Gerthらによる米国特許第4,735,217号;Morganらによる米国特許第5,249,586号;Higginsらによる米国特許第5,666,977号;Adamsらによる米国特許第6,053,176号;Whiteによる米国特許第6,164,287号;Vogesによる米国特許第6,196,218号;Felterらによる米国特許第6,810,883号;Nicholsによる米国特許第6,854,461号;Honによる米国特許第7,832,410号;Kobayashiによる米国特許第7,513,253号;Hamanoによる米国特許第7,896,006号;Shayanによる米国特許第6,772,756号;Honによる米国特許第8,156,944号及び第8,375,957号;Thorensらによる米国特許第8,794,231号;Oglesbyらによる米国特許第8,851,083号;Monseesらによる米国特許第8,915,254号及び第8,925,555号;DePianoらによる米国特許第9,220,302号;Honによる米国特許出願公開第2006/0196518号及び第2009/0188490号;Oglesbyらによる米国特許出願公開第2010/0024834号;Wangによる米国特許出願公開第2010/0307518号;HonによるPCT特許出願公開WO2010/091593;並びにFooによるPCT特許出願公開WO2013/089551が挙げられる。さらに、Wormらによる米国特許出願公開第2017/0099877号は、エアロゾル送達デバイスに含まれ得るカプセル剤及びエアロゾル送達デバイスに対するフォブ形状構成を開示しており、その全体を参照により本明細書に組み込む。前述の文献により開示された様々な材料は、様々な実施形態において本発明のデバイスに組み込まれてもよく、前述の開示のすべてはそれら全体において参照により本明細書に組み込む。
【0219】
図3を参照すると、示されている実施形態において、エアロゾル生成要素104は、加熱されるエンド106(制御装置102へと挿入されるように構成されている。)及び口端108(ユーザーがここで吸込みを行ってエアロゾルを作り出す。)を含む。加熱されるエンド106の少なくとも一部分は基材部分110を含む。一部の実施形態では、基材部分110はエアロゾル形成材料を含む基材を含み、これらはそれぞれ本明細書で開示されている通りである。様々な実施形態では、エアロゾル生成要素104、又はその一部分は、外側上包材料112に包装されていてもよい。様々な実施形態では、エアロゾル生成要素104の口端108はフィルター114を含むことができ、このフィルター114は、例えば、酢酸セルロース又はポリプロピレン材料で作製することができる。フィルター114は、さらに又は代わりに、タバコを含有する材料のストランド、例えば、その全体を参照により本明細書に組み込む、Rakerらによる米国特許第5,025,814号に記載されているものなどを含有することもできる。様々な実施形態では、フィルター114は、エアロゾル生成要素104の口端の構造的完全性を増加させ、及び/又はフィルタリング能力を提供し、所望する場合、及び/又は吸込み抵抗を提供することができる。一部の実施形態では、フィルターは別個のセグメントを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態は、フィルタリングを提供するセグメント、吸込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルを冷却するための空間を提供する中空セグメント、より高い構造的完全性を提供するセグメント、他のフィルターセグメント、及び上記のうちのいずれか1つ又はいずれかの組合せを含むことができる。
【0220】
一部の実施形態では、外側上包112の材料は、熱伝達に抵抗する材料を含むことができ、これは、紙又は他の繊維状材料、例えば、セルロース材料を含むことができる。外側上包材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれた又は分散した少なくとも1種の充填材料を含むことができる。様々な実施形態では、充填材料は水不溶性の粒子の形態を有することができる。さらに、充填材料は無機構成要素を組み込むことができる。様々な実施形態では、外側上包は、多数の層、例えば、根底にある、バルク層及び上層の層、例えば、紙巻タバコの典型的な包装ペーパーで形成され得る。このような材料として、例えば、軽量の「ラグ繊維」、例えば、アマ、大麻、サイザル麻、米わら及び/又はエスパルトを挙げることができる。外側上包はまた、従来の紙巻タバコのフィルター素子で通常使用されている材料、例えば、酢酸セルロースを含むことができる。さらに、エアロゾル生成要素の口端108における外側上包の過剰の長さは、消費者の口から基材部分110を単に分離するため、又は以下に記載されているようなフィルター材料の位置決めのための空間を提供するため、又は物品の吸込みに影響を与えるため、又は吸込みの間デバイスから脱離する蒸気若しくはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるために機能することができる。本開示で使用することができる外側上包材料に対する構成に関するさらなる考察は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Wormらによる米国特許第9,078,473号に見出すことができる。
【0221】
一部の実施形態ではエアロゾル生成要素及び制御装置は、一般的に完全なエアロゾル送達物品として一緒に提供され得るが、構成要素は別々に提供されてもよい。例えば、本開示はまた、再利用可能な喫煙物品又は再利用可能な薬学的送達物品を用いた使用のための使い捨てユニットも包含する。特定の実施形態では、このような使い捨てユニット(付加された図に例示されているようなエアロゾル生成要素であってもよい)は、再利用可能なエアロゾル送達物品と係合するように構成された加熱されるエンド、吸入用物質を消費者まで運ぶことを可能にするように構成された対向する口端、並びに内部空間を規定する外面及び内面を有する壁を有する実質的に管状の形状の本体を含むことができる。エアロゾル生成要素(又はカートリッジ)の様々な実施形態が、その全体を参照により本明細書に組み込む、Wormらによる米国特許第9,078,473号に記載されている。
【0222】
本明細書に記載されているいくつかの図は、作動する関係で制御装置及びエアロゾル生成要素を図示しているが、制御装置及びエアロゾル生成要素は個々のデバイスとして存在することもできると理解されている。したがって、組み合わせた構成要素と関連する本明細書に別途提供されているあらゆる考察はまた、個々の及び分離した構成要素として制御装置及びエアロゾル生成要素にも適用されると理解されたい。
【0223】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載されている様々な構成要素を提供するキットを対象としてもよい。例えば、キットは、1種以上のエアロゾル生成要素を有する制御装置を含むことができる。キットは、1種以上の充電構成要素を有する制御装置をさらに含むことができる。キットは1種以上の電池を有する制御装置をさらに含むことができる。キットは1種以上のエアロゾル生成要素及び1種以上の充電構成要素及び/又は1種以上の電池を有する制御装置をさらに含むことができる。さらなる実施形態では、キットは複数のエアロゾル生成要素を含むことができる。キットは、複数のエアロゾル生成要素及び1種以上の電池及び/又は1種以上の充電構成要素をさらに含むことができる。上記実施形態では、エアロゾル生成要素又は制御装置は、加熱部材をその中に備えることができる。本発明のキットは、1種以上のさらなるキット構成要素を収納するケース(又は他の包装、輸送又は貯蔵用の構成要素)をさらに含むことができる。ケースは再利用可能な固い又は柔らかい容器であることができる。さらに、ケースは単なるボックス又は他の包装構造であることができる。
【0224】
図4は、本開示の例示的実施形態によるエアロゾル生成要素の概略的斜視図を図示している。特に、図4は、シート形態の基材120の一連の重複する層130を含む基材部分110を有するエアロゾル生成要素104を図示している。上記説明を参照して、示されている実施形態において、基材シート120は本明細書で開示されているフィルム又は層を含む。様々な実施形態では、「重複する層」という用語はまた、束にされた、丸められた、捲縮された及び/又はそうでなければ個々の層が明白であり得ない集められた層を含むことができる。
【0225】
例えば、図5は、本開示の例示的実施形態によるエアロゾル生成要素104の基材部分110の概略的断面図を図示している。特に、図5は基材部分110を図示しており、この基材部分110は基材シート120の一連の重複する層130を含む。示されている実施形態において、重複する層130の少なくとも一部分は、第1のカバー層132でその外面の周りが実質的に取り囲まれている。様々な実施形態において、第1のカバー層132は、キャスティングプロセス、例えば、その開示がその全体において参照により本明細書に組み込まれる、Seymourらによる米国特許第5,697,385号に記載されている方法などを介して構築することができる。
【0226】
示されている実施形態では、重複する層130の少なくとも一部分及び第1のカバー層132は、第2のカバー層134で外面の周りが実質的に取り囲まれている。第2のカバー層134の組成物は異なってもよいが、示されている実施形態では、第2のカバー層134は金属ホイル材料、例えば、アルミ箔材料を含む。他の実施形態では、第2のカバー層は、これらに限定されないが、銅材料、スズ材料、金材料、合金材料、セラミック材料、又は他の熱伝導性の非晶質の炭素ベースの材料及び/又はこれらの任意の組合せを含む、他の材料を含むことができる。示されている実施形態は第3のカバー層136をさらに含み、第3のカバー層136は、重複する層130、第1のカバー層132及び第2のカバー層134でその外面の周りが実質的に取り囲まれている。示されている実施形態では、第3のカバー層136は、紙材料、例えば、従来の紙巻タバコ用巻紙を含む。様々な実施形態では、紙材料は、ラグ繊維、例えば、非木材植物繊維を含むことができ、アマ、大麻、サイザル麻、米わら及び/又はエスパルト繊維を含むことができる。
【0227】
様々な実施形態では、他の構成要素が、基材部分110と、エアロゾル生成要素104の口端108との間に存在してもよい。例えば、一部の実施形態では、以下のうちの1つ又はいずれかの組合せを、基材部分110とエアロゾル生成要素104の口端108との間に配置することができる:空隙;中空管構造;冷却用空気のための相変化材料;香味放出媒体;選択的化学的吸着が可能なイオン交換繊維;フィルター媒体としてのエアロゲル粒子;及び他の適切な材料。可能な相変化材料のいくつかの例として、これらに限定されないが、塩、例えば、AgNO、AlCl、TaCl、InCl、SnCl、AlI及びTiI;金属及び金属合金、例えば、セレン、スズ、インジウム、スズ-亜鉛、インジウム-亜鉛、又はインジウム-ビスマス;並びに有機化合物、例えば、D-マンニトール、コハク酸、p-ニトロ安息香酸、ヒドロキノン及びアジピン酸が挙げられる。他の例は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Potterらによる米国特許第8,430,106号に記載されている。
【0228】
図6は、本開示の別の例示的実施形態によるエアロゾル生成要素の透視図を図示しており、図7は、外包装材を除去した、図5のエアロゾル生成要素の透視図を図示している。特に、図6は、外包装材202を含むエアロゾル生成要素200を図示しており、図7は、エアロゾル生成要素200の他の構成要素を明らかにするために、外包装材202を除去した状態で、エアロゾル生成要素200を図示している。示されている実施形態では、示されている実施形態のエアロゾル生成要素200は、熱源204、基材部分210、中間構成要素208及びフィルター212を含む。示されている実施形態において、中間構成要素208及びフィルター212はマウスピース214を一緒に含む。
【0229】
様々な実施形態では、熱源204は、その点火により熱を生成するように構成され得る。示されている実施形態では、熱源204は、一般的に円柱状の形状を有し、燃焼性の炭素質材料を組み込んでいる燃焼性の燃料要素を含む。他の実施形態では、熱源204は、異なる形状、例えば、三角形、立方体又は六方晶形の断面を有するプリズム形状を有することができる。炭素質材料は一般的に高い炭素含有量を有する。ある特定の例示的炭素質材料は、主に炭素で構成されていてもよく、及び/又は通常乾燥重量ベースで、およそ60パーセントより大きい、一般的におよそ70パーセントより大きい、多くの場合およそ80パーセントより大きい、及び頻繁におよそ90パーセントより大きい炭素含有量を有していてもよい。
【0230】
ある場合には、熱源204は、燃焼性炭素質材料以外の要素(例えば、本明細書で上記に記載されている、タバコ構成要素、例えば、粉末状タバコ若しくはタバコ抽出物;香味剤;塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び炭酸ナトリウム;熱安定性グラファイト繊維;酸化鉄粉末;ガラスフィラメント;粉末状炭酸カルシウム;アルミナ顆粒;アンモニア供給源、例えば、アンモニア塩;結合剤、例えば、グアーガム、アルギン酸アンモニウム及びアルギン酸ナトリウム;並びに/又は熱源の温度の低下に対する相変化材料)を組み込むことができる。適用可能な熱源の具体的な寸法は異なり得るが、一部の実施形態では、熱源204は、およそ7mm~およそ20mmの範囲(両端の値を含む)の長さを有することができ、一部の実施形態では、およそ17mmであってもよく、全体の直径はおよそ3mm~およそ8mmの範囲(両端の値を含む)であってもよく、一部の実施形態ではおよそ4.8mm(及び一部の実施形態では、およそ7mm)であってもよい。他の実施形態では、熱源は様々な方式で構築することができるが、示されている実施形態では、熱源204は、粉砕した又は粉末状の炭素質材料を使用して、押し出し又は混合し、乾燥重量ベースで、およそ0.5g/cmより大きい、多くの場合およそ0.7g/cmより大きい、頻繁におよそ1g/cmより大きい密度を有する。例えば、これら全体が参照により本明細書に組み込む、Riggsらによる米国特許第5,551,451号及びBorschkeらによる米国特許第7,836,897号に記載されている燃料供給源の構成要素、配合物及び構成の種類を参照されたい。様々な実施形態において、熱源は、例えば、実質的に中実円柱状の形状又は中空円柱状の(例えば、チューブ)形状を含む様々な形態を有することができ、示されている実施形態の熱源204は押し出されたモノリシック構造の炭素質材料を含み、これは一般的に円柱状の形状を有するが、複数のグルーブ216が、押し出されたモノリシック構造の炭素質材料の第1のエンドから、押し出されたモノリシック構造の炭素質材料の対向する第2のエンドへと縦方向に伸びる。一部の実施形態では、エアロゾル送達デバイス、特に熱源は熱伝達要素を含むことができる。様々な実施形態では、熱伝達要素は熱源に近位にあってもよく、一部の実施形態では、熱伝達要素は、熱源の中又は範囲内に位置していてもよい。熱伝達要素のいくつかの例は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Hejaziらによる米国特許出願公開第2019/0281891号に記載されている。
【0231】
示されている実施形態において、熱源204のグルーブ216は幅及び深さが実質的に等しく、熱源204の外周に実質的に同等に分配されているが、他の実施形態は、わずか2つのグルーブだけを含んでもよく、さらなる他の実施形態はわずか単一のグルーブだけを含んでもよい。さらなる他の実施形態はいかなるグルーブもまったく含まなくてもよい。追加の実施形態は、同等でない幅及び/又は深さのものであってもよく、熱源の外周に同等でない間隔で配置されてもよい多数のグルーブを含んでもよい。さらなる他の実施形態では、熱源は、押し出されたモノリシック構造の炭素質材料の第1のエンドから、その対向する第2のエンドまで縦方向に伸びる溝及び/又はスリットを含んでもよい。一部の実施形態では、熱源は、その全体を参照により本明細書に組み込む、Lobovskyによる米国特許第7,615,184号に開示された種類の発泡プロセスで形成された発泡した炭素モノリスを含んでもよい。よって、いくつかの実施形態は、熱源を点火するのに費やされる時間の減少に関する利点を提供することができる。いくつかの他の実施形態では、熱源は断熱材の層と(示されていない)共押出しされてもよく、これによって製造時間及び費用が削減される。燃料要素の他の実施形態は、Brooksらによる米国特許第4,922,901号に記載されている種類の炭素繊維又は他の熱源の実施形態、例えば、Takeuchiらによる米国特許出願公開第2009/0044818号に開示されたものなどを含み、それぞれがその全体において参照により本明細書に組み込む。
【0232】
一般的に、熱源は、熱源からエアロゾル形成材料(並びに任意の着香剤、医薬、及び/又はユーザーへの送達に対して同様に提供されるものなど)への熱の適用により形成される/揮発されるエアロゾルがマウスピースを通してユーザーに送達されるように、1種以上のエアロゾル形成材料を有する基材部分の十分近くに配置される。すなわち、熱源が基材部分を加熱すると、エアロゾルが形成され、放出され、又は消費者による吸入に適した物理的形態で生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出している(releasing)、放出する(releases)、又は放出された(released)についての言及が、形成する(form)又は生成する(generate)、形成している(forming)又は生成している(generating)、形成する(forms)又は生成する(generates)及び形成された(formed)又は生成された(generated)を含むように、交換可能であることが意図されていることに注目されたい。具体的には、吸入用物質は蒸気又はエアロゾル又はその混合物の形態で放出される。
【0233】
図6及び7を再び参照すると、外包装材202は、熱源204の少なくとも一部分を、基材部分210及びマウスピース214の少なくとも一部分と一緒に係合させるように、又はそうでなければ接合させるように提供することができる。様々な実施形態では、外包装材202は、接着剤又は留め具などを介することを含む方式のいずれかの方法で包装された位置に保持されて、外包装材202が包装された位置に留まることを可能にするように構成されている。そうでなければ、いくつかの他の態様では、外包装材202は、所望する場合、除去可能なように構成されていてもよい。例えば、外包装材202を包装された位置に保持したまま、外包装材202を、熱源204、基材部分210及び/又はマウスピース214から除去することもできる。
【0234】
一部の実施形態では、外包装材202に加えて、エアロゾル送達デバイスはまた、基材部分210及び熱源204の少なくとも一部分の周囲を囲むように構成されたライナーを含むこともできる。他の実施形態ではライナーは、基材部分210の長さの一部分の周囲しか囲むことができないが、一部の実施形態では、ライナーは、基材部分210全長の周囲を実質的に囲むことができる。一部の実施形態では、外包装材料202はライナーを含むことができる。よって、一部の実施形態では、外包装材料202及びライナーは、一緒に提供される別個の材料であってもよい(例えば、結合した、縮合した、又はそうでなければ積層体として一緒に接合した)。他の実施形態では、外包装材202及びライナーは同じ材料であってもよい。いずれにしても、ライナーは、点火された熱源204により生成された熱を、ライナーから放射状に外側に伝導させるよう熱的に調節するように構成することができる。よって、一部の実施形態では、ライナーは、金属ホイル材料、合金材料、セラミック材料、又は他の熱伝導性の非晶質の炭素ベースの材料及び/又はアルミニウム材料で構築することができ、一部の実施形態では、積層体を含むことができる。一部の実施形態では、外包装材202及び/又はライナーの材料に応じて、断熱材の薄層は、ライナーから放射状に外側に提供され得る。よって、ライナーは、一部の態様では、エアロゾル生成要素200の2種又はそれ以上の別個の構成要素(例えば、熱源204、基材部分210及び/又はマウスピース214の一部分)を係合する方式を有利に提供することができ、その一方でまた熱伝達をそれに沿って軸方向に促進させるが、熱伝導を放射状に外側へと限定する方式を提供することができる。
【0235】
図6に示されている通り、外包装材202(及び、必要に応じて、ライナー及び基材部分210)はまた、マウスピース214で吸込みを行う際に空気の侵入を可能にする、それに介して形成された1つ以上の開口を含むことができる。様々な実施形態では、これらの開口のサイズ及び数は、特定の構成の必要条件に基づき多様であってよい。示されている実施形態では、複数の開口220は、熱源204に最も近い基材部分210のエンドの近位に位置し、複数の別個の冷却開口221は、マウスピース214のフィルター212の近位の領域内の外包装材202(及び、一部の実施形態では、ライナー)に形成される。他の実施形態は異なり得るが、示されている実施形態では、開口220は、エアロゾル生成要素200の外面周囲に実質的に均一に配置された複数の開口を含み、開口221もまたエアロゾル生成要素200の外面周辺に実質的に均一に配置された複数の開口を含む。様々な実施形態において、複数の開口が外包装材202(及び、一部の実施形態では、ライナー)を介して様々な方式で形成され得るが、示されている実施形態では、複数の開口220及び複数の別個の冷却開口221はレーザー穿孔を介して形成される。
【0236】
図7を再び参照すると、示されている実施のエアロゾル生成要素200はまた中間構成要素208及び少なくとも1種のフィルター212も含む。様々な実施では、中間構成要素208又はフィルター212は、個々に又は一緒に、エアロゾル生成要素200のマウスピース214と考えられてもよいことに注目されたい。様々な実施において、中間構成要素もフィルターも含まれる必要はないが、示されている実施では、中間構成要素208は、その縦方向の軸に沿って実質的に柔軟性のない実質的に剛性の部材を含む。示されている実施では、中間構成要素208は中空管構造を含み、エアロゾル生成構成要素200に構造的完全性を付加し、生成されたエアロゾルの冷却を提供するために含まれる。いくつかの実施では、中間構成要素208を容器として使用して、エアロゾルを収集することができる。様々な実施では、このような構成要素は様々な材料のいずれかから構築することができ、1種以上の接着剤を含むことができる。例示的材料として、これらに限定されないが、ペーパー、ペーパー層、ペーパーボード、プラスチック、厚紙及び/又は複合材料が挙げられる。示されている実施では、中間構成要素208は、ペーパー又はプラスチック材料(例えば、エチル酢酸ビニル(EVA)、又は他のポリマー材、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、シリコーンなど、又はセラミクス(例えば、炭化ケイ素、アルミナ、など)、又は他のアセテート繊維)で構築された中空円柱状の要素を含み、フィルターは、気体透過性材料(例えば、酢酸セルロース又は繊維、例えば、ペーパー又はレーヨン、又はポリエステル繊維)で構築された包装されたロッド又は円柱状ディスクを含む。
【0237】
記述されているように、いくつかの実施では、マウスピース214は、マウスピース214に適用された吸込みに応答して、それを介してエアロゾルを受け取るように構成されたフィルター212を含むことができる。様々な実施では、フィルター212は、一部の態様では、中間構成要素208の第2のエンドの近位に放射状に及び/又は縦方向に配置された円形ディスクとして提供される。このように、マウスピース214で吸込みを行うと、フィルター212は、エアロゾル生成要素200の中間構成要素208を介して流動するエアロゾルを受け取る。いくつかの実施では、フィルター212は別個のセグメントを含むことができる。例えば、いくつかの実施は、フィルタリングを提供するセグメント、吸込み抵抗を提供するセグメント、エアロゾルを冷却する空間を提供する中空セグメント、より高い構造的完全性を提供するセグメント、他のフィルターセグメント及び上記のうちのいずれか1つの又はいずれかの組合せを含むことができる。いくつかの実施では、フィルター212は、さらに又は代わりに、タバコを含有する材料のストランド、例えば、その全体を参照により本明細書に組み込む、Rakerらによる米国特許第5,025,814号に記載されているものなどを含有することもできる。
【0238】
様々な実施では、中間構成要素208及び/又はフィルター212のサイズ及び形状は異なってもよく、例えば中間構成要素208の長さはおよそ10mm~およそ30mmの範囲(両端の値を含む)であってよく、中間構成要素208の直径はおよそ3mm~およそ8mmの範囲(両端の値を含む)であってよく、フィルター212の長さはおよそ10mm~およそ20mmの範囲(両端の値を含む)であってよく、フィルター212の直径はおよそ3mm~およそ8mmの範囲(両端の値を含む)であってよい。示されている実施では、中間構成要素208はおよそ20mmの長さ及びおよそ4.8mmの直径(及びいくつかの実施では、およそ7mm)を有し、フィルター212はおよそ15mmの長さ及びおよそ4.8mmの直径(又はいくつかの実施では、およそ7mm)を有する。
【0239】
様々な実施では、熱源204の点火は、基材部分210に関連するエアロゾル形成材料のエアロゾル化を結果として生じる。ある特定の実施形態では、基材部分210の要素はいずれか有意な程度まで熱的分解(例えば、炭化、スコーチング又は焼け)を受けず、エアロゾル化した構成要素はフィルター212を含むエアロゾル生成要素200を介して、ユーザーの口まで吸い込まれた空気中に取り込まれる。様々な実施では、マウスピース214(例えば、中間構成要素208及び/又はフィルター212)はユーザーによりマウスピース214に適用された吸込みに応答して、それを介して生成されたエアロゾルを受け取るように構成されている。いくつかの実施では、マウスピース214は基材部分210に固定されて係合され得る。例えば、接着剤、結合、溶接などは、マウスピース214を基材部分210に固定して係合するのに適切となり得る。1つの例では、マウスピース214は、基材部分210のエンドに超音波で溶接され、密閉される。
【0240】
本開示によるエアロゾル送達デバイス及び/又はエアロゾル生成要素は上記に詳細に論じられているように様々な実施形態を取ることができるが、消費者によるエアロゾル送達デバイス及び/又はエアロゾル生成要素の使用は同様の範囲内にある。エアロゾル送達デバイス及び/又はエアロゾル生成要素の使用の前述の説明は、マイナーな修正を介して記載されている様々な実施形態に対して適用可能であり、これらは本明細書に提供されているさらなる開示を考慮すると当業者には明らかである。しかし、使用の説明は本開示の物品の使用を限定することを意図しておらず、本明細書の開示のすべての必要な必要条件に従うように提供される。
【0241】
前述の説明及び関連する図において提示された教示の利益を有する、本開示が付随する技術分野の当業者には、本開示の多くの修正及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書で開示されている特定の実施形態に限定されず、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。特定の用語が本明細書で利用されているが、これらの用語は一般的及び記述的意味のみで使用されており、制限する目的で使用されているわけではない。
【実施例
【0242】
本発明の態様は以下の実施例によりさらに完全に例示され、これら実施例は、本発明のある特定の態様を例示するために記載されているものであり、これらに限定されると解釈されるものではない。
【0243】
実施例1.微結晶性セルロースを含むキャストシート基材
本開示のキャストシート基材実施形態の例を、表1に提供される式により調製した。実際の成分及びパーセンテージは、最終生成物の所望の特性に応じて異なり得る。
【0244】
水及びカルボキシメチルセルロース結合剤を高剪断ミキサー(例えば、キッチンブレンダー)内で、2~3重量%の結合剤溶液を生成するのに十分な量で混合した。ミキサーに水を投入し、低い速度から中間の速度にセットした。カルボキシメチルセルロースを添加し、完全な分散又は溶解が生じるまで、懸濁液を混合した。混合速度を増加し、さらに10~15分間継続して混合した。木材パルプを添加し、高速でもう5分間混合を継続した。速度を下げ、微結晶性セルロースをゆっくりと添加した。すべての微結晶性セルロースが分散するまで、混合を約5~6分間継続した。グリセロールを添加し、中間速度でもう5分間混合を継続して、最終スラリーを得た。次いで、開口ギャップを2~5mmにセットしたキャスティングナイフを使用して、22インチ幅のステンレススチールコンベヤーベルト上に最終スラリーをキャストした。続いて、複数の加熱ゾーン(例えば、80~150℃の範囲)を含む、200フィートの対流トンネル乾燥器を介してフィルムを運搬することによってキャスト材料又はフィルムを乾燥させて、フラットシート型にした。シートは水分約8~10%まで乾燥させた。フラットシート型をベルトから分離し、ボビンに巻き、ポリエチレンバッグに真空密閉して、出荷中の水分の引上げ及び侵入を阻止した。続いてボビンをほどき、シートをストリップへと切断した(例えば、1平方インチ当たり約25~20のカット)。
【0245】
【表1】
【0246】
実施例2.微結晶性セルロースを含むキャストシート基材
別の実施形態では、実施例1の手順を使用して、ただしより大きな範囲の重量パーセントの微結晶性セルロースを使用して、以下の表2に記載されている成分を含むキャストシート基材を調製した。実際の成分及びパーセンテージは、最終生成物の所望の特性に応じて異なり得る。
【0247】
【表2】
【0248】
実施例3.微結晶性セルロース-アルギン酸塩結合剤を含むキャストシート基材
一実施形態では、実施例1の手順を使用して、ただし、カルボキシメチルセルロースの代わりにアルギン酸ナトリウムを使用して、以下の表3に記載されている成分を含むキャストシート基材を調製した。実際の成分及びパーセンテージは、最終生成物の所望の特性に応じて異なり得る。
【0249】
【表3】
【0250】
結果
実施例1~3に従い調製された配合物に対して測定した密度及び充填容量が表4に提供されている。一般的に、シート密度はアルギン酸塩結合剤により低減し、切断(1インチ当たり22カット)は充填材容量を増加させた。
【0251】
【表4】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】