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特表2024-530912結像機器及びその結像方法、プリンタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】結像機器及びその結像方法、プリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/47 20060101AFI20240820BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20240820BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B41J2/47 101P
G03G15/04 111
G02B5/08 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505507
(86)(22)【出願日】2023-05-17
(85)【翻訳文提出日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2023094719
(87)【国際公開番号】W WO2023246383
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202210729934.3
(32)【優先日】2022-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521506283
【氏名又は名称】▲億▼信科技▲発▼展有限公司
【氏名又は名称原語表記】FAITH BILLION TECHNOLOGY DEVELOPMENT LIMITED
【住所又は居所原語表記】10F Mutual Tower, 33 Lockhart Road Wanchai Hong Kong, Hong Kong 999077 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲盧▼ ▲増▼祥
【テーマコード(参考)】
2C362
2H042
【Fターム(参考)】
2C362AA03
2C362BA01
2C362BA82
2H042DA22
2H042DB01
2H042DD04
(57)【要約】
本願は、結像機器及びその結像方法、プリンタを開示する。前記結像機器は、それぞれが、軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備える受光エリアを露光させることで受光エリアに電子潜像を形成するように構成される、1以上であるM個の回転可能な感光ドラムと、それぞれが、第1方向に沿って並べられ、前記サブ受光エリアに一対一に対応する少なくとも2つの発光領域を備える、少なくとも1つの表示チップと、それぞれが、対応する前記表示チップに対して結像するように構成される、少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、前記表示チップにおける各前記発光領域の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの光束偏向システムと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、それぞれが軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備える受光エリアが露光されることで受光エリアに電子潜像を形成するように構成される、1以上であるM個の回転可能な感光ドラムと、
各々が、第1方向に沿って並べられ、前記サブ受光エリアに一対一に対応し且つそれぞれにいずれも複数の発光ユニットが設けられる少なくとも2つの発光領域を備える、少なくとも1つの表示チップと、
各々が、対応する前記表示チップに対して結像するように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、
前記表示チップにおける各前記発光領域の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの光束偏向システムと、を備える、
結像機器。
【請求項2】
前記光束偏向システムは、M個の前記感光ドラムに一対一に対応するM個の光束偏向モジュールを備え、各前記光束偏向モジュールは、それぞれが1つの前記発光領域に対応する少なくとも2つの反射ミラーを備え、
前記反射ミラーは、対応する前記発光領域の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、
請求項1に記載の結像機器。
【請求項3】
前記反射ミラーは、対応する前記発光領域の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリア、及び対応する前記サブ受光エリアに隣り合う他の1つの前記サブ受光エリアの一部の領域に偏向させるように構成される、
請求項2に記載の結像機器。
【請求項4】
少なくとも2つの前記表示チップと、
各々が、対応する前記表示チップにおける発光領域の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応するプリセット領域に偏向させるように構成される少なくとも2つの前記光束偏向システムとを備え、
前記プリセット領域は、隣り合う複数のサブ受光エリアを備える、
請求項2に記載の結像機器。
【請求項5】
隣り合う前記プリセット領域の間は、部分的に重畳する、
請求項4に記載の結像機器。
【請求項6】
1つの前記感光ドラムを備え、
又は、各々が異なる色のトナーを吸着するように構成される4つの前記感光ドラムを備える、
請求項2又は4に記載の結像機器。
【請求項7】
1つの前記表示チップと、各々が異なる色のトナーを吸着するように構成される4つの前記感光ドラムとを備え、1つ目の感光ドラムないし4つ目の感光ドラムは、第2方向に沿って順次並べられ、且つ第2方向に沿って、前記4つの感光ドラムの投影は重なり、各前記感光ドラムの軸方向は、いずれも第2方向に垂直であり、
前記表示チップは、4*N個の前記発光領域を備え、Nが2よりも大きい偶数であり、
前記光束偏向システムは、
第2方向に沿って、投影が前記感光ドラムの投影と重複せず、前記感光ドラムの軸方向及び前記第2方向のいずれにも垂直である第3方向に沿って、投影が2つ目の感光ドラムと3つ目の感光ドラムとの間に位置し、前記表示チップの各前記発光領域の出射光の一部を第2方向に出射させ、残りの部分を前記第2方向と逆の第4方向に出射させるように構成される、主像振分けミラーと、
前記第3方向に沿って、投影が3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムとの間に位置し、前記主像振分けミラーの前記第2方向に沿った出射光を部分的に第5方向に出射させ、残りの部分を前記第5方向と逆でいずれも前記感光ドラムの軸方向と平行である第6方向に出射させるように構成される、第1副像振分けミラーと、
前記第3方向に沿って、投影が1つ目の感光ドラムと2つ目の感光ドラムとの間に位置し、前記主像振分けミラーの前記第4方向に沿った出射光を部分的に前記第5方向に出射させ、残りの部分を前記第6方向に出射させるように構成される、第2副像振分けミラーと、を備え、
前記副像振分けミラーの各出射光の光路には、各々が、前記表示チップにおける1つの前記発光領域に対応する光を部分的に前記第4方向に沿って反射させ、残りの部分を第2方向に沿って反射させるように構成される少なくとも2つの領域像振分けミラーが配置され、異なる前記領域像振分けミラーは、前記表示チップの異なる前記発光領域に対応し、
前記領域像振分けミラーに対応する各出射光路にはいずれも、各々が、受光した光を対応する前記サブ受光エリアに反射させるように構成される前記反射ミラーが配置される、
請求項1に記載の結像機器。
【請求項8】
前記表示チップは、中心線によって分割され、それぞれがいずれも複数の前記発光領域を備える2つのサブ表示エリアを備え、
前記1つ目の感光ドラム及び2つ目の感光ドラムにおいて、前記1つ目の感光ドラムと2つ目の感光ドラムとの間の中心線に関して対称な前記サブ受光エリアに対応する2つの前記発光領域の間には、1つの前記発光領域が隔てられており、
前記3つ目の感光ドラム及び4つ目の感光ドラムにおいて、前記3つ目の感光ドラムと前記4つ目の感光ドラムとの間の中心線に関して対称な前記サブ受光エリアに対応する2つの前記発光領域の間には、1つの前記発光領域が隔てられており、
同一の前記感光ドラムの対応する複数の前記サブ受光エリアにおいて、隣り合う2つの前記サブ受光エリアに対応する2つの前記発光領域は、異なる前記サブ表示エリアに位置する、
請求項7に記載の結像機器。
【請求項9】
前記表示チップは、MicroLEDチップである、
請求項1に記載の結像機器。
【請求項10】
トナーカートリッジ、及び請求項1~9のいずれか1項に記載の結像機器を備える、
プリンタ。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の結像機器であり、全ての前記表示チップの発光ユニットは、マトリクスに配列され、全ての前記発光領域は、前記サブ受光エリアにおいて行方向及び列方向に沿ってマトリクスに配列される複数の画素点として結像され、前記行方向及び前記列方向と全ての前記感光ドラムの軸方向との挟角は、いずれも90度ではない結像機器の結像方法であって、
前記感光ドラムの軸方向に平行である全ての前記感光ドラムのプリセット潜像線を、全ての前記受光エリアにおける、前記感光ドラムの軸方向に平行でそれぞれが前記画素点又は前記画素点の周囲の少なくとも2つの画素点の重ね合わせである複数の結像画素を備える1つの結像画素行に対応する位置に回転させることと、
全ての前記表示チップをオンにして、該結像画素行を利用して前記プリセット潜像線の一部の領域を感光させることと、
前記感光ドラムを回転させて前記プリセット潜像線を移動させ、前記プリセット潜像線が次の結像画素行に移動されると、全ての前記表示チップをオンにすることと、を含む、
結像方法。
【請求項12】
前記サブ受光エリアに位置する複数本のプリセット潜像線に対して同時に結像することをさらに含む、
請求項11に記載の結像方法。
【請求項13】
前記結像機器を利用し、複数のプリセットされた走査テスト点を備えるテストページを印刷することと、
前記走査テスト点及び前記印刷されたテストページに実際に印刷された印刷点に応じて、前記テストページにおける欠落行及び重複行を分析することと、
前記欠落行及び重複行に応じて走査点を決定することと、をさらに含む、
請求項11に記載の結像方法。
【請求項14】
前記した、前記欠落行及び重複行に応じて前記走査点を決定することは、
前記走査テスト点に、正対する画素点が存在するという判断結果に基づいて、前記画素点を前記走査点とし、
前記走査テスト点に、正対する画素点が存在しないという判断結果に基づいて、重ね合わせた後の輝度最高点が前記走査テスト点に位置するように、前記走査テスト点に隣り合う画素点でグレースケール変換を行うことを含む、
請求項13に記載の結像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2022年06月24日に中国専利局に出願された、出願番号が202210729934.3である中国特許出願の優先権を主張し、以上の出願の全ての内容は引用により本開示に組み込まれている。
【0002】
本願は、プリンタの技術分野に関し、例えば結像機器及びその結像方法、プリンタに関する。
【背景技術】
【0003】
プリンタは現代社会において、重要な応用があり、プリンタの印刷フローは主に帯電、露光、現像及び印刷という4つの段階を含み、プリンタは主にレーザプリンタ及びLEDプリンタに分けることができ、LEDプリンタはその印刷速度が速く、印刷画像の効果が良く、使用寿命が長く、自由度が高く、省エネで環境に優しい等の利点があるため、ますます広く応用されている。
【0004】
しかしながら、図1に示すように、図1は関連技術におけるプリンタの中の結像機器の構造模式図であり、結像機器は、表示チップ1’及び感光ドラム2’を備える。勿論、結像機器は、レンズアレイをさらに備え、表示チップ1’には、1行又は複数行のLED画素が含まれ、表示チップ1’におけるLED画素は投影レンズにより、直接、感光ドラム2’に結像され、結像の解像度はマイクロレンズのサイズ及び画素の間隔に関連しているため、関連技術における結像機器の解像度が制限されてしまい、光エネルギーの利用率も高くない。
【発明の概要】
【0005】
本願は、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現可能であり、且つ結像機器の中の表示チップにおける発光領域の利用率を高めることができる結像機器及びその結像方法、プリンタを提供する。
【0006】
本願の一側面によれば、
各々が、それぞれが軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備える受光エリアを露光させることで受光エリアに電子潜像を形成するように構成される、1以上であるM個の回転可能な感光ドラムと、
各々が、第1方向に沿って並べられ、前記サブ受光エリアに一対一に対応し且つそれぞれにいずれも複数の発光ユニットが設けられる少なくとも2つの発光領域を備える、少なくとも1つの表示チップと、
各々が、対応する前記表示チップに対して結像するように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、
前記表示チップにおける各前記発光領域の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの光束偏向システムと、を備える結像機器を提供する。
【0007】
本願の他の側面によれば、トナーカートリッジ、及び上記の結像機器を備えるプリンタを提供する。
【0008】
本願の他の側面によれば、結像機器の結像方法を提供し、前記結像機器は、上記の結像機器であり、全ての前記表示チップの発光ユニットは、マトリクスに配列され、全ての前記発光領域は、前記サブ受光エリアにおいて行方向及び列方向に沿ってマトリクスに配列される複数の画素点として結像され、前記行方向及び前記列方向と全ての前記感光ドラムの軸方向との挟角は、いずれも90度ではなく、
前記結像方法は、
前記感光ドラムの軸方向に平行である全ての前記感光ドラムのプリセット潜像線を、全ての前記受光エリアにおける、前記感光ドラムの軸方向に平行でそれぞれが前記画素点又は前記画素点の周囲の少なくとも2つの画素点の重ね合わせである複数の結像画素を備える1つの結像画素行に対応する位置に回転させることと、
全ての前記表示チップをオンにして、該結像画素行を利用して前記プリセット潜像線の一部の領域を感光させることと、
前記感光ドラムを回転させて前記プリセット潜像線を移動させ、前記プリセット潜像線が次の結像画素行に移動されると、全ての前記表示チップをオンにすることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】関連技術におけるプリンタの中の結像機器の構造模式図である。
図2】本願の実施例に係る結像機器の構造模式図である。
図3】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図4図3の側面図である。
図5図3の平面図である。
図6】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図7】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図8】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図9】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図10】本願の実施例に係る主像振分けミラー及び副像振分けミラーの構造模式図である。
図11】本願の実施例に係る領域像振分けミラーの構造模式図である。
図12】本願の実施例に係る表示チップの領域分割の構造模式図である。
図13】本願の実施例に係る結像機器の結像方法のフロー図である。
図14】本願の実施例に係る結像機器の結像時の感光ドラムと結像画素との関係の模式図である。
図15】本願の実施例に係る印刷テストページの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明し、説明された実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかである。なお、本願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は前後の順序を説明するために使用される必要はなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用されるデータは、適切な場合に置換え可能であり、これにより、ここで説明される本願の実施例が、ここで図示又は説明されるもの以外の順序で実施できることを理解すべきである。また、用語「含む」及び「有する」並びにこれらの如何なる変形も、排他的ではない包含をカバーすることを意図とし、例えば、一連のステップ又はユニットの過程、方法、システム、製品又は機器を含み、必ずしも挙げられたそれらのステップ又はユニットに限定されず、挙げられていない又はこれらの過程、方法、製品又は機器にとって固有である他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0011】
図2は本願の実施例に係る結像機器の構造模式図であり、図2を参照し、結像機器は、M個の回転可能な感光ドラム2と、少なくとも1つの表示チップ1と、少なくとも1つの表示チップ1に一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、少なくとも1つの表示チップ1に対応する少なくとも1つの光束偏向システム3と、を備え、感光ドラム2は、感光ドラム2の受光エリアを露光させることで感光ドラム2の受光エリアに電子潜像を形成するように構成され、Mは1以上であり、そのうち、感光ドラム2の感光エリアは、感光ドラム2の軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備え、複数のサブ受光エリアが接合されて受光エリアとなり、各表示チップは、第1方向に沿って並べられる少なくとも2つの発光領域を備え、前記少なくとも2つの発光領域は、M個の感光ドラムの対応する複数のサブ受光エリアに一対一に対応し、且つ各発光領域には、いずれも複数の発光ユニットが設けられ、投影レンズは、表示チップに対して結像するように構成され、光束偏向システム3は、表示チップ1における発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するサブ受光エリアに偏向させるように構成される。
【0012】
なお、本実施例において、第1方向と、感光ドラムの軸方向との間の挟角は、任意の値であってもよい。
【0013】
好ましくは、結像機器は、プリンタに応用可能であり、表示チップ1には、複数の発光ユニットが備えられる。プリンタのワークフローは、以下を含んでもよい。プリンタを電源に投入して起動させた後に、受信した印刷タスクに応じて感光ドラム2の回転を制御する。感光ドラム2の上方の帯電ローラは、感光ドラム2の表面のセレン材料を帯電させ、帯電完了後に、感光ドラム2の表面全体は電荷を帯びるようになる。感光ドラム2における応答位置が受光エリアに回転した後に、表示チップ1は点灯し、発射する光線は感光ドラム2の表面に照射し、セレンは半導体材料であるため、光線で照射された後に導体になる。光線の照射部分の対応する画素点が帯びている電荷はなくなり、光線で照射されていない部分の対応する電荷は依然として存在する。このようにすることで、感光ドラムの表面全体には、電荷が不均一となる静電潜像が形成される。感光ドラム2が引き続き回転してトナーカートリッジ位置に到達すると、トナーが強磁性体であり、電荷を帯びておらず、感光ドラム2の表面が負電荷を帯びているため、現像ローラを介して運送されたトナーは、感光ドラム2の表面の電荷を帯びている位置に吸着され、印刷画像全体が感光ドラム2に現れる。且つ印刷紙が紙走行方向に沿って運動し、感光ドラム2の下方の転写ローラが電荷を帯びており、用紙が二者の間に運動すると、転写ローラの作用で、感光ドラム2の表面のトナーは、用紙に吸着される。用紙が定着器に運動すると、定着器がトナーを加熱し、トナーは融解後に用紙の表面に固定されて、本当の印刷画像を形成する。最後に、感光ドラム2が除電ランプの位置に回転し、除電ランプが感光ドラム2を照射し、照射完了後に感光ドラム2の表面の電荷が全て除去され、そしてクリーナの清掃を経た後に、印刷フロー全体が完成される。
【0014】
本実施例において、結像機器は、1つの感光ドラム2を備え、グレースケール画像の印刷が可能なものであってもよいし、異なる色のトナーを吸着するように構成される4つの感光ドラムを備え、カラー印刷が可能なものであってもよい。図2に示すように、例示的に、表示チップ1は、第1発光領域11、第2発光領域12及び第3発光領域13という3つの発光領域を備え、相応して、感光ドラム2には、第1サブ受光エリア21、第2サブ受光エリア22及び第3サブ受光エリア23という3つのサブ受光エリアが備えられ、少なくとも2つの発光領域がM個の感光ドラムの対応する複数のサブ受光エリアに一対一に対応するとは、表示チップにおける発光領域の個数がM個の感光ドラムにおけるサブ受光エリアの総数と同じであり、1つの発光領域が1つのサブ受光エリアに対応することを意味する。同一の感光ドラム2において、受光エリアは、複数のサブ受光エリアの接合により形成されてもよい。投影レンズは、表示チップ1における各発光領域に対して結像可能であり、且つ投影レンズは、表示チップの全ての発光領域に対して投影して結像しているものである。本実施例において、表示チップ2における各発光領域は、投影レンズの結像を経た後にいずれも光束偏向システム3に結像可能であり、且つ異なる発光領域に対応する像は、それぞれ光束偏向システム3の異なる位置に結像され、その後、光束偏向システム3の偏向を経た後にそれぞれ対応するサブ受光エリアに出射され、例えば図2における第1発光領域11に対応する像は、光束偏向システム2を経た後に第1サブ受光エリア21に偏向され、第2発光領域12に対応する像は、光束偏向システム2を経た後に第2サブ受光エリア22に偏向され、第3発光領域13に対応する像は、光束偏向システム2を経た後に第3サブ受光エリア23に偏向される。これから分かるように、本実施例において、表示チップ1における全ての発光領域はいずれも感光ドラム2の受光エリアに結像可能であり、感光ドラムの軸方向における1本の静電潜像線は、異なる発光領域の対応する像の接合により形成され、これにより、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現し、且つ表示チップ1における発光領域の利用率を極めて大きく高める。なお、感光ドラムの受光エリアは、受光エリアで光線が感光ドラムの表面に照射可能であることを示しており、感光ドラムは、相応する位置が受光エリアに回転すると、感光が可能となり、受光エリアは、固定されるスリットにより限定可能であり、感光ドラムの回転時に、スリットは固定されて動かない。
【0015】
本実施例の技術態様で採用される結像機器は、光束偏向システムを設けることにより、表示チップにおける全ての発光領域に対応する像をいずれも感光ドラムに結像可能であり、これにより、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現し、表示チップにおける発光領域の利用率を極めて大きく高め、感光ドラムにおける潜像の幅を増大させる。
【0016】
また、なお、結像機器はさらに、補正レンズを備えてもよく、補正レンズは、受光エリアの位置に設けられ、光束偏向システム3によって出射された光を、ほぼ垂直に感光ドラムに入射して結像するように偏向させて、感光ドラムにおける結像画素の大きさの均一性を保証することができる。勿論、選用される投影レンズの被写界深度が大きく、異なる位置の表示画素の感光ドラムにおける結像の大きさがほぼ一致する場合、補正レンズを使用しなくても済む。
【0017】
好ましくは、図3は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図4図3の側面図であり、図3及び図4を参照し、光束偏向システム3は、M個の感光ドラムに一対一に対応するM個の光束偏向モジュール31を備え、各光束偏向モジュール31は、少なくとも2つの反射ミラーを備え、各反射ミラーは、表示チップ1における1つの発光領域に対応し、反射ミラーは感光ドラムに対して、それらの間の回転角が第1プリセット範囲であり、傾斜角が第2プリセット範囲であり、反射ミラーは、対応する発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するサブ受光エリアに偏向させるために用いられる。
【0018】
一実施例において、反射ミラー312の感光ドラム2に対する回転角は0であってもよい。従って、第1プリセット範囲は0を含んでもよい。
【0019】
一実施例において、前記傾斜角は、投影レンズの光軸と感光面のスリットが所在する面の垂線との挟角Qに関連し、前記傾斜角は約、挟角Qの2分の1に等しくなってもよい。システムの体積をできるだけ縮小するために、Qは通常5ないし10度に設定される。従って、第2プリセット範囲は2.5ないし5度であってもよい。
【0020】
一実施例において、反射ミラー311の感光ドラム2に対する回転角は
【0021】
【数1】
【0022】
であり、反射ミラー311の感光ドラムに対する傾斜角は
【0023】
【数2】
【0024】
である。
【0025】
【数3】
【0026】
の取り値は、
【0027】
【数4】
【0028】
を満たし、
そのうち、Wは感光ドラムの感光領域の幅であり、hは反射ミラー312の中心から感光ドラムまでの距離であり、atanは逆正接関数である。例を挙げると、A4紙を印刷する場合、感光ドラムの感光領域の幅W=210mmで、h=100mmである時に、
【0029】
【数5】
【0030】
=27.7度である。
【0031】
一実施例において、反射ミラー311の傾斜角の大きさは
【0032】
【数6】
【0033】
である。
【0034】
一実施例において、第3反射ミラー313の回転角及び傾斜角は、それぞれ
【0035】
【数7】
【0036】
【0037】
【数8】
【0038】
であってもよい。
【0039】
本実施例は、1つの表示チップ1及び1つの感光ドラム2を例とし、この場合、光束偏向システムは、1つの光束偏向モジュールを備え、光束偏向モジュールの数は感光ドラムの数と同じであり、感光ドラムの数が4つである場合、光束偏向モジュールの数も相応して4つである。各光束偏向モジュール31は、少なくとも2つの反射ミラーを備え、本実施例は、光束偏向モジュール31が第1反射ミラー311、第2反射ミラー312及び第3反射ミラー313を備えることを例に説明する。且つ表示チップ1に3つの発光領域が備えられ、感光ドラム2の受光エリアに3つのサブ受光エリアが備えられることを例としている。第1発光領域の投影レンズの結像を経た後の光線は、第1反射ミラー311に出射され、第1反射ミラー311の偏向を経た後に補正レンズ4を介して感光ドラムの第1サブ受光エリアに入射され、第2発光領域の投影レンズの結像を経た後の光線は、第2反射ミラー312に出射され、第2反射ミラー312の偏向を経た後に補正レンズ4を介して感光ドラムの第2サブ受光エリアに入射され、第3発光領域の投影レンズの結像を経た後の光線は、第3反射ミラー313に出射され、第3反射ミラー313の偏向を経た後に補正レンズ4を介して感光ドラムの第3サブ受光エリアに入射される。第1サブ受光エリア、第2サブ受光エリア及び第3サブ受光エリアは、継目なく接合されて感光ドラムの受光エリアとなり、これにより、表示チップ1における全ての発光領域の発光ユニットはいずれも感光ドラムに結像可能であり、表示チップにおける発光領域の利用効率が極めて大きく高められる。各反射ミラーの感光ドラム2に対する回転角の取り値の範囲は必ずしも同じではなく、傾斜角の取り値の範囲も必ずしも同じではなく、つまり、異なる反射ミラーに対応する第1取り値の範囲が異なる可能性があり、第2取り値の範囲も異なる可能性があり、各反射ミラーが対応する光線を対応するサブ受光エリアに偏向させることを可能にすればよい。本実施例において、3つの反射ミラーは、補正レンズ又は感光ドラムの受光エリアに対して異なる回転角及び傾斜角を有し、反射ミラーの感光ドラムの受光エリアに対する傾斜角は、結像光束の感光ドラム2の回転方向における位置を調整するために用いられ、反射ミラーの感光ドラムの受光エリアに対する回転角は、結像光束の感光ドラム2の軸方向における位置を調整するために用いられる。例えば第2反射ミラー312は感光ドラムに対して傾斜のみが発生し、その斜め上方に位置する投影によって出射されたそのうちの1本の光を、補正レンズに反射させ、補正レンズ4の偏向を経た後に感光ドラム2における第2サブ受光エリアに入射させる。第1反射ミラー311及び第3反射ミラー313は感光ドラム2の受光エリアに対して、傾斜角だけでなく、回転角も有し、且つ二者の傾斜及び回転角の方向も異なり、表示チップにおける第1発光領域及び第3発光領域の投影レンズを経た後の出射光束は、それぞれ第1反射ミラー311及び第3反射ミラー313に入射され、その後、補正レンズを経た後にそれぞれ第1サブ受光エリア及び第3サブ受光エリアに入射される。反射ミラーの感光ドラムの受光エリアに対する回転角及び傾斜角を調整することにより、3つの発光領域の出射光を、いずれも補正レンズに入射可能となるようにできる。表示チップにおいて、第1方向に沿った、各発光領域の幅は、同じとなるように、つまり、第1方向において、各発光領域が同じ数の画素を含むように設定されてもよく、反射ミラーの反射を経て補正レンズで補正された後に、各発光領域の感光ドラムに結像された像は、感光ドラムの回転方向における幅が同じであり、感光ドラムの軸方向において接合されて1つの受光エリアに充満した像となる。
【0040】
本実施例は、反射ミラーからなる光束偏向モジュールによって光束偏向システムの機能を実現することができ、構造が簡単であり、結像機器のコストの低減に有利であり、同時に結像システムのサイズを減少することもできる。
【0041】
好ましくは、図5図3の平面図であり、図5において、表示チップ1の3つの反射ミラーを介して結像された虚像は、それぞれ第1虚像111、第2虚像112及び第3虚像113であり、図5を参照し、本実施例において、反射ミラーは、対応する発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するサブ受光エリア、及び対応するサブ受光エリアに隣り合うサブ受光エリアの一部の領域に偏向させるために用いられる。
【0042】
一実施例において、発光領域の長さ方向(長さ方向は第1方向に垂直である)における大きさ及び/又は投影レンズの焦点距離を配置することにより、発光領域の投影レンズを経た後に結像された像を、長さにおいて対応するサブ受光エリアの長さよりも大きくすることができる。且つ反射ミラーの回転角及び傾斜角を配置することにより、結像光束が反射ミラーの偏向を経た後に、対応するサブ受光エリアだけでなく、それに隣り合うサブ受光エリア(1つのサブ受光エリア又は2つのサブ受光エリア)の面積も覆うようになり、それにより、感光ドラムの受光エリアの全ての部分がいずれも結像光束で覆われることが可能であることを保証でき、重なった部分は、例えば接合エリアとして理解でき、反射ミラーの回転角を調整することにより、接合エリアの大きさを制御することができる。接合エリアを設けることにより、感光ドラムに投影される3つの結像光束が接合時に位置ずれしたり欠けたりしないことを保証できる。
【0043】
感光ドラムに接合エリアを設ける時に、接合エリアが異なる発光領域の結像光束を受光可能であるため、印刷時に重複行の現象が現れる可能性がある。テストページを印刷することにより、どの発光領域を利用して接合エリアを印刷する時の効果がより良いかを分析することができ、さらに接合エリアに対して感光する時に点灯される画素を決定することができる。例えば第1サブ受光エリア及び第2サブ受光エリアにより形成される接合エリアの、テストページを印刷する結果は、第1発光領域の接合エリアにおける結像効果が第2発光領域の接合エリアにおける結像効果よりも優れれば、第1発光領域を利用して接合エリアに対して結像し、結像時に第2発光領域における、接合エリアに対応する画素をオフにすることができる。テストページの印刷は、例えば、それぞれ第1発光領域のみが点灯された場合の結果及び第2発光領域のみが点灯された場合の結果を印刷し、2枚の印刷されたテストページの中の接合エリアに対する印刷効果を分析することができ、印刷効果は、例えば印刷された画素の明瞭度等を利用して判断することができる。
【0044】
図6は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図6を参照し、結像機器は、少なくとも2つの表示チップ1及び少なくとも2つの光束偏向システムを備え、各光束偏向システムは、対応する表示チップにおける発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するプリセット領域に偏向させるように構成され、各プリセット領域は、隣り合う複数のサブ受光エリアを備える。
【0045】
本実施例において、各感光ドラムは、複数の表示チップに対応可能であり、本実施例は、感光ドラムが表示チップの結像に対して幅が大きい(例えば感光ドラムが長く、表示チップの結像領域の幅が小さいということであってもよい)場合に応用可能である。図6に示すように、例示的に、感光ドラム2は、3つの表示チップで発せられた光により結像し、各表示チップは、感光ドラムの受光エリアの1つのプリセット領域に対応し、つまり、感光ドラムの受光エリアは、3つのプリセット領域の接合により形成される。なお、各プリセット領域において、複数のサブ受光エリアが備えられ、つまり、各プリセット領域に対応する光路図は、図5に示す光路図と同じであり、ここでは、各表示チップと感光ドラムにおける対応するプリセット領域との間の光路について繰り返し説明しない。本実施例は、複数の表示チップを利用して感光ドラムを照射することができ、さらに、感光ドラムを、軸方向においてより長く設定可能となるようにできる。感光ドラムにおいて同時に感光する領域をさらに増加し、完全な静電潜像を生成する速度をより速くすることができて、印刷速度をさらに高めることができる。
【0046】
好ましくは、図6に示す結像機器において、隣り合うプリセット領域の間は部分的に重畳するように設けられてもよい。
【0047】
一実施例において、表示チップの長さ方向(長さ方向は第1方向に垂直である)における大きさ及び/又は投影レンズの焦点距離を配置することにより、表示チップの投影レンズを経た後に結像された像を長さにおいて対応するプリセット領域の長さよりも大きくすることができる。且つ反射ミラーの回転角及び傾斜角を配置することにより、結像光束は反射ミラーの偏向を経た後に、対応するプリセット領域だけでなく、それに隣り合うプリセット領域(1つのプリセット領域又は2つのプリセット領域)の面積も覆うようになり、これにより、感光ドラムの受光エリアの全ての部分がいずれも結像光束で覆われることが可能であることを保証でき、重なった部分は、例えば接合エリアとして理解でき、反射ミラーの回転角を調整することにより、接合エリアの大きさを制御することができる。接合エリアを設けることにより、感光ドラムに投影される3つの結像光束が接合時に位置ずれしたり欠けたりしないことを保証できる。
【0048】
感光ドラムに接合エリアを設ける時に、接合エリアが異なる発光領域の結像光束を受光可能であるため、印刷時に重複行の現象が現れる可能性がある。テストページを印刷することにより、どの発光領域を利用して接合エリアを印刷する時の効果がより良いかを分析することができ、さらに接合エリアに対して感光する時に点灯される画素を決定することができる。
【0049】
上記実施例において、いずれも1つの感光ドラムを例に説明している。他のいくつかの実施形態においては、4つの感光ドラムであってもよく、図7に示すように、図7は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、本実施例において、結像機器は、1つの表示チップ1及び4つの感光ドラム2を備え、各感光ドラム2は、異なる色のトナーを吸着するように構成され、4つの感光ドラムは、それぞれ黒色のトナーを吸着する感光ドラム、赤色のトナーを吸着する感光ドラム、青色のトナーを吸着する感光ドラム及び黄色のトナーを吸着する感光ドラムであってもよい。黒色の感光ドラムは、黒色の部分を印刷でき、赤色の感光ドラムは、赤色の部分を印刷でき、青色の感光ドラムは、青色の部分を印刷でき、黄色の感光ドラムは、黄色の部分を印刷でき、4つの感光ドラムを利用して異なる色をそれぞれ印刷し、重ね合わせた後に、要求される様々なカラーパターンを形成する。本実施例において、各感光ドラム2は、いずれも1つの光束偏向モジュールに対応し、且つ各感光ドラムにおけるサブ受光エリアは、いずれも表示チップ1における1つの発光領域に対応し、異なるサブ受光エリアに対応する発光領域は異なる。例えば各感光ドラムに3つのサブ受光エリアが設けられる場合、4つの感光ドラムには、合わせて12個のサブ受光エリアが存在し、各光束偏向モジュールは、いずれも3つの反射ミラーを備え、且つ表示チップには、計12個の発光領域が備えられ、12個の発光領域は、12個のサブ受光エリアに一対一に対応し、表示チップ1における対応して点灯される発光領域を制御することにより、カラー画像の印刷を制御する。また、図4に対応する実施例で説明される接合エリア等は、本実施例にも適用される。勿論、他のいくつかの実施形態において、光束偏向モジュールが設けられなくてもよく、例えば表示チップの4つの領域が直接、投影レンズの投影により受光エリアに結像可能であり、4つの感光ドラムの受光エリアの窓位置が異なるように設けられ、4つの光束をできるだけ感光ドラムの軸方向に指向させることができる。
【0050】
図8は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図8に示すように、本実施例において、結像機器は、4つの感光ドラムを備え、これは図6に示す構造と同じである。図7に示す構造と異なる点は、本実施例が2つの表示チップ1及び表示チップ1に一対一に対応する2つの光束偏向システムを備え、各光束偏向システムがいずれも4つの光束偏向モジュールを備えることである。各感光ドラム2に結像された像は、いずれも2つの表示チップからのものであり、図5に対応する実施例に記載の接合エリアは本実施例にも応用可能である。勿論、各表示チップは、1つの投影レンズに対応する。他のいくつかの実施形態において、光束偏向モジュールが設けられなくてもよく、例えば表示チップの4つの領域が直接、投影レンズの投影により受光エリアに結像可能であり、4つの感光ドラムの受光エリアの窓位置が異なるように設けられ、4つの光束をできるだけ感光ドラムの軸方向に指向させることができる。
【0051】
好ましくは、図9は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図9を参照し、結像機器は、1つの表示チップ1及び4つの感光ドラム2を備え、各感光ドラム2は、異なる色のトナーを吸着するように構成され、1つ目の感光ドラムないし4つ目の感光ドラムは、第2方向x1に沿って順次並べられ、且つ第2方向x1に沿って、4つの感光ドラム2の投影は重なり、各感光ドラムの軸方向は、いずれも第2方向x1に垂直であり、表示チップ1は、4*N個の発光領域を備え、Nが2よりも大きい偶数であり、光束偏向システム3は、
第2方向x1に沿って、投影が感光ドラムの投影と重複せず、感光ドラムの軸方向及び第2方向のいずれにも垂直である第3方向に沿って、投影が2つ目の感光ドラムと3つ目の感光ドラムとの間に位置し、表示チップ1における各発光領域の出射光の一部を第2方向x1に出射させ、もう一部を第2方向x1と逆の第4方向x2に出射させるように構成される、主像振分けミラー321と、
第3方向に沿って、投影が3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムとの間に位置し、主像振分けミラー321の第2方向x1に沿った出射光を部分的に第5方向y1に出射させ、残りの部分を第5方向y1と逆でいずれも感光ドラムの軸方向に平行である第6方向y2に出射させるために用いられる第1副像振分けミラー322と、
第3方向に沿って、投影が1つ目の感光ドラムと2つ目の感光ドラムとの間に位置し、主像振分けミラー321の第4方向x2に沿った出射光を部分的に第5方向y1に出射させ、残りの部分を第6方向y2に出射させるために用いられる第2副像振分けミラー323と、を備え、
副像振分けミラーの各出射光路には、各々が、表示チップにおける1つの発光領域に対応する光を第4方向x2に沿って反射させ、1つの発光領域に対応する光を第2方向x1に沿って反射させるために用いられる少なくとも2つの領域像振分けミラー324が配置され、異なる領域像振分けミラー324は、表示チップの異なる発光領域に対応し、
領域像振分けミラー324に対応する各出射光路にはいずれも、受光した光を対応する感光ドラムのサブ受光エリアに反射させるための反射ミラーが配置される。
【0052】
本実施例は、1つの表示チップを利用してカラー印刷を実現する他の態様を提供し、理解を容易にするために、x軸における左向きの方向を第4方向x2、右向きの方向を第2方向x1、y軸における上向きの方向を第5方向y1、下向きの方向を第6方向y2、z軸方向を第3方向として定義する。表示チップ1における発光領域の個数は、感光ドラムにおけるサブ受光エリアの個数に関連し、例えば各感光ドラムにN個のサブ受光エリアが区画された場合、表示チップ1には4*N個の発光領域が区画される必要がある。
【0053】
表示チップ1で発せられた光は、投影レンズの結像を経た後に主像振分けミラー321に出射され、この時、全ての発光領域の出射光は、いずれも主像振分けミラー321に出射可能である。主像振分けミラー321は、各発光領域の出射光の一部を第2方向x1に像振分けし、もう一部を第4方向x2に像振分けする。言い換えれば、この時、主像振分けミラー321から第2方向x1への出射光には、全ての発光領域の出射光が含まれており、各発光領域にとって、一部の発光ユニットで発せられた光が第2方向x1に出射され、残りの部分の発光ユニットで発せられた光が第4方向x2に出射される可能性があり、発光ユニットによって出射された光の一部が第2方向x1に出射され、残りの部分が第4方向x2に出射される可能性もある。主像振分けミラー321が第2方向x1に沿って出射させた光は、第1副像振分けミラー322に入射され、第1副像振分けミラー322の構造は、主像振分けミラーの構造と同じであり、第1副像振分けミラー322は、入射光の一部を第5方向y1に像振分けし、もう一部を第6方向y2に像振分けする。主像振分けミラー321が第4方向x2に沿って出射させた光は、第2副像振分けミラー323に入射され、第2副像振分けミラー323の構造は、主像振分けミラーの構造と同じであり、第2副像振分けミラー323は、入射光の一部を第5方向y1に像振分けし、もう一部を第6方向y2に像振分けする。領域像振分けミラーの個数は、必要な、区画されるサブ受光エリアの個数に応じて決定することができる。
【0054】
領域像振分けミラーの個数は、必要な、区画されるサブ受光エリアの個数に応じて決定することができる。本実施例は、副像振分けミラーの各本の出射光路に2つの領域像振分けミラーが備えられることを例にし、表示チップ1における発光領域は、第3方向に沿って並べられ、つまり、本実施例において、第1方向と第3方向とは等価なものである。異なる発光領域の像は、主像振分けミラーの像振分けを経た後に依然として第3方向に沿って並べられ、副像振分けミラーの再度の像振分けを経た後に依然として第3方向に沿って並べられ、言い換えれば、副像振分けミラーの各本の出射光路において、第3方向に沿って表示チップの全ての発光領域に対応する像が並べられている。各領域像振分けミラー324と対応する副像振分けミラーとの間にはいずれも、結像するための結像レンズが設けられてもよい。結像レンズの位置、焦点距離及び領域像振分けミラーの第3方向における位置を設定することにより、各領域像振分けミラーは、そのうちの2つの発光領域に対応する像をそれぞれ第2方向x1及び第4方向x2に出射させ、言い換えれば、領域像振分けミラーの像振分けを経た後に、領域像振分けミラーの各本の出射光路には1つの発光領域に対応する光のみが存在し、最後に反射ミラーを利用して領域像振分けミラーの出射光を対応する感光ドラムのサブ受光エリアに反射させる。なお、各領域像振分けミラーの第3方向における座標は、同じであっても、異なっていてもよく、例えばサブ受光エリアI1及びサブ受光エリアI2に対応する領域像振分けミラー324の第3方向における座標は、異なり、サブ受光エリアI1及びサブ受光エリアI3に対応する領域像振分けミラーの第3方向における座標は、同じであってもよい。図面に示すように、各感光ドラムに4つのサブ受光エリアが備えられる場合、表示チップには、合わせて、4*4で計16個の発光領域が設けられ、光束偏向システムの偏向を経た後に、各発光領域に対応する光を対応するサブ受光エリアに偏向させることができる。
【0055】
本実施例において、1つの表示チップ及び光束偏向システムを利用すれば、表示チップにおける全ての発光領域に対応する像をそれぞれ相応するサブ受光エリアに出射させることができ、つまり、1つの表示チップを利用すれば、カラー印刷を実現可能であり、且つ表示チップにおける発光領域の利用効率も高い。
【0056】
好ましくは、図10は本願の実施例に係る主像振分けミラー及び副像振分けミラーの構造模式図であり、図10に示す像振分けミラーは、主像振分けミラーであってもよいし、副像振分けミラーであってもよく、つまり、主像振分けミラー及び副像振分けミラーの構造は同じであってもよい。図10に示すように、像振分けミラーは立体構造であり、一側が連続反射ミラーであり、一側が切られて条分けされた反射ミラーである。像振分けミラーは、2つの反射ミラーからなってもよく、且つ各反射ミラーの半分の領域はいずれも切られて条分けされ、切られた条分け領域を垂直に挿入すればよい。つまり、2つの反射ミラーは互いに垂直であり、置かれる時に、像振分けミラーの2つの切られて条分けされた領域は入射面とされ、外部の入射光を受光するために用いられ、この時、像振分けミラーに入射された光束は、2本の方向が逆の光束に分けられる。図11に示すように、図11は本願の実施例に係る領域像振分けミラーの構造模式図であり、該像振分けミラーは、領域像振分けミラーであってもよく、領域像振分けミラーは、2つの連続した反射ミラーであるため、異なる発光領域に対応する光をそれぞれ第2方向x1及び第4方向x2に沿って反射させる。
【0057】
好ましくは、図12は本願の実施例に係る表示チップの領域分割の構造模式図であり、図9及び図12と結合し、表示チップは、中心線によって分割された2つのサブ表示エリアを備え、それぞれが第1サブ表示エリア101及び第2サブ表示エリア102であり、各サブ表示エリアは、いずれも複数の発光領域を備え、1つ目の感光ドラム及び2つ目の感光ドラムにおいて、二者の中心線に関して対称なサブ受光エリアに対応する2つの発光領域の間には、1つの発光領域が隔てられており、3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムにおいて、二者の中心線に関して対称なサブ受光エリアに対応する2つの発光領域の間には、1つの発光領域が隔てられており、同一の感光ドラムの対応する複数のサブ受光エリアにおいて、隣り合う2つのサブ受光エリアに対応する2つの発光領域は、異なるサブ表示エリアに位置する。
【0058】
表示チップが16個の発光領域を備えることを例にとると、16個の発光領域はそれぞれ第1発光領域ないし第16発光領域であり、且つ第1発光領域ないし第16発光領域は、第1方向に沿って順次並べられ、第1発光領域ないし第8発光領域は、第1サブ表示エリア101に位置し、第9発光領域ないし第16発光領域は、第2サブ表示エリア102に位置し、4つの感光ドラムにおけるサブ受光エリアは、それぞれ、1つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアI6、サブ受光エリアI5、サブ受光エリアI7及びサブ受光エリアI8であり、2つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアK6、サブ受光エリアK5、サブ受光エリアK7及びサブ受光エリアK8であり、3つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアK2、サブ受光エリアK1、サブ受光エリアK3及びサブ受光エリアK4であり、4つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアI2、サブ受光エリアI1、サブ受光エリアI3及びサブ受光エリアI4である。サブ受光エリアI2及びサブ受光エリアK2は、3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムとの間の中心線に関して対称であり、この場合、表示チップにおける発光領域に対応する時に、対応する2つの発光領域の間に1つの発光領域が隔てられるように設けられてもよく、図11に示すように、サブ受光エリアI2は、第1発光領域に対応し、サブ受光エリアK2は、第2発光領域に対応し、二者の間には、1つの第2発光領域が隔てられている。本実施例に記載のサブ受光エリアと発光領域とが対応することは、該発光領域が光束偏向システムの偏向を経た後に該サブ受光エリアに入射されることとして表される。また、4つ目の感光ドラムにおけるサブ受光エリアを例にとると、サブ受光エリアI2とサブ受光エリアI1とは隣り合い、表示チップにおける発光領域に対応する時に、サブ受光エリアI2及びサブ受光エリアI1に対応する発光領域が、異なるサブ表示エリアに位置するように設けられてもよく、図12に示すように、サブ受光エリアI2は、第1発光領域に対応し、第1発光領域は、第1サブ表示エリア101に位置し、サブ受光エリアI1は、第11発光領域に対応し、第11発光領域は、第2サブ表示エリアに位置する。本実施例におけるサブ受光エリアと発光領域との対応ルールにより、副像振分けミラーの同一の出射光路における隣り合う領域像振分けミラーの反射光束に対応する発光領域に、1つの発光領域を隔てさせ、領域像振分けミラーの対応して隣り合う反射光束に対応する発光領域にも、いくつかの発光領域を隔てさせ、各発光領域で発せられた光が互いに影響しないことを保証することができ、且つ領域像振分けミラーに入射された光がほぼ全て結像に用いられることを保証できる。
【0059】
上記実施例において、各領域像振分けミラーの第3方向における座標を調整することにより実現することができる。勿論、他のいくつかの実施形態において、サブ受光エリアと発光領域との間は、他のルールを採用して対応してもよい。
【0060】
好ましくは、印刷する必要があるテスト点について、上記の結像機器が感光ドラムに結像された像には複数の画素点がある可能性があり、この時、印刷テストページに応じて適切な画素を選出して補正を行うことができる。
【0061】
また、上記実施例は、1つの表示チップを利用してプリンタの4つの感光ドラムの結像を実現し、カラー印刷を実現することができる。勿論、プリンタのニーズに応じて反射ミラーを減らしてもよく、そうすると、単一の感光ドラムのグレースケール印刷を実現することができ、つまり、1つの感光ドラム、並びに、対応する光路に必要な反射ミラー、副像振分けミラー及び主像振分けミラーのみを残し、他の副像振分けミラー、領域像振分けミラー及び反射ミラーを省いてもよい。
【0062】
好ましくは、表示チップはMicroLEDチップである。MicroLEDチップは、MicroLED及び超高速リフレッシュのCMOS駆動チップを含んでもよく、該チップは、画素サイズが小さく、輝度が高く、リフレッシュの応答速度が速く、グレーレベルが多い等の特徴を有し、これにより、プリンタに、高速で、環境に優しく、体積が小さく、色が鮮やかで、価格が低く、安定性、信頼性が高く、寿命が長い等の利点を持たせることができる。
【0063】
本願の実施例は、プリンタをさらに提供し、プリンタは、本願の任意の実施例に係る結像機器を備え、それは、本願の任意の実施例に係る結像機器を備えるため、同じ有益な効果も有し、ここでは繰り返し説明しない。
【0064】
120PPIプリンタを例にとると、この場合、感光ドラムの潜像画素サイズを21ミクロンよりも小さくする必要があり、焦点距離f=10ミリメートルである投影レンズを選用し、結像距離が40ミリメートルである場合、反射ミラーが補正レンズから20ミリメートルないし30ミリメートルの間に置かれ、結像の拡大倍率が約4倍であり、この場合、表示チップにおける発光ユニットのサイズの大きさを21/4~5ミクロンにする必要がある。
【0065】
しかしながら、小サイズ画素が大きいほど、表示アレイの表示チップは、製作時の難度が大きくなり、欠陥画素が出やすく、これに基づいて、本実施例は、結像機器の結像方法をさらに提供し、図13に示すように、図13は本願の実施例に係る結像機器の結像方法のフロー図であり、結像機器において、表示チップにおける複数の発光ユニットは、マトリクスに配列され、発光領域は、サブ受光エリアにおいて行列方向に沿ってマトリクスに分布する複数の画素点として結像され、行方向及び列方向と感光ドラムの軸方向との挟角は、いずれも90度ではない。
【0066】
結像方法は、以下を含む。
【0067】
ステップS301において、感光ドラムのプリセット潜像線を受光エリアにおける結像画素行に対応する位置に回転させ、そのうち、プリセット潜像線は、感光ドラムの軸方向に平行であり、結像画素行は、感光ドラムの軸方向に平行であり、結像画素行は、複数の結像画素を備え、結像画素は、画素点又はその周囲の少なくとも2つの画素点の重ね合わせである。
【0068】
図14は本願の実施例に係る結像機器の結像時の感光ドラムと結像画素との関係の模式図であり、図14に示すように、本実施例の表示チップにおいて、発光ユニットのサイズは小さいが、画素の間隔は大きく、例えば発光ユニットのサイズは5ミクロンであり、発光ユニットの間の間隔は25ミクロンであり、このような表示チップは製作時に高い良品率を有する。本実施例は、表示チップと感光ドラムとの間の関係を設定することで、表示チップにおける発光ユニットが感光ドラムの受光エリアにおいて形成した複数の画素点601を、図13における並べられているものに示すようにできる。複数の画素点601は、行列方向のマトリクスに配列されていても、行列方向と感光ドラムの軸方向との挟角がいずれも90度ではなく、画素点の行方向が感光ドラムの軸方向と平行ではなく、画素点の列方向も感光ドラムの軸方向と平行ではない。図13における矩形枠は、1つのサブ受光エリアとして理解でき、矩形枠の中間の中心線は、サブ受光エリアの中軸線である。プリセット潜像線602は、感光ドラムにおける結像待ちの1行の線であり、プリセット潜像線602がサブ受光エリアに回転されていない場合、画素点601に露光できず、プリセット潜像線がサブ受光エリアに回転された場合、例えば感光ドラムの回転方向において、プリセット潜像線601がサブ受光エリアの第1位置にある時に、ステップS302を実行し、表示チップをオンにして結像画素行を利用してプリセット潜像線の一部の領域を感光させ、つまり、第1位置に対応する画素点がプリセット潜像線601を部分的に露光させる。
【0069】
その後、ステップS303を実行し、感光ドラムを回転させてプリセット潜像線を移動させ、プリセット潜像線が次の結像画素行に移動されると、表示チップをオンにする。
【0070】
一実施例において、プリセット潜像線602が完全にサブ受光エリアを通過した後に、プリセット潜像線602における全ての部分はいずれも露光され、プリセット潜像線602に対応する完全静電潜像が形成される。画素点601の行列方向がいずれも感光ドラムの軸方向と平行ではないため、プリセット潜像線の移動時に、プリセット潜像線は1行の画素点601に正対する可能性があり、この時、該行の画素点は、即ち結像画素線として理解でき、該行の結像画素線における画素点を利用してプリセット潜像線を露光させるが、プリセット潜像線において、正対するものに画素点がない可能性もあり、この時、周囲の画素点601の輝度を利用して重ね合わせて仮想画素点を形成することにより、仮想画素点は、1本の結像画素線となるように繋がり、仮想画素点を利用してプリセット潜像線を露光させることができる。
【0071】
上記分析から分かるように、表示チップにおける発光領域の間隔が大きいが、画素点の行列方向と感光ドラムの軸方向との挟角がいずれも90度ではなく、且つプリセット潜像線がサブ受光エリアを経ている時に一回ではなく、複数回露光され、感光ドラムの軸方向において、プリセット潜像線における結像点が非常に密集しているため、プリセット潜像線における結像の解像度が極めて大きく高められる。つまり、本実施例は、大画素間隔の表示チップを利用して小画素間隔の高解像度の潜像の結像能力を実現することができる。
【0072】
図14に示すように、感光ドラムの軸方向に沿ってサブ受光エリアにある画素点は、接合融合画素点として理解でき、接合融合画素点は、図5又は図6における接合エリアを露光させるために使用可能である。
【0073】
好ましくは、結像方法は、サブ受光エリアに位置する複数本のプリセット潜像線に対して同時に結像することをさらに含む。
【0074】
一実施例において、図14に示すように、サブ受光エリアには、複数行(感光ドラムの軸方向)の画素点が含まれ、各行の画素点はいずれも感光ドラムを露光させることができるため、複数本のプリセット潜像線を同時に設定可能であり、異なるプリセット潜像線が結像時に感光ドラムにおける異なる位置に位置し、つまり、プリンタの感光ドラムは、複数行が同時に感光可能で、複数点が同時に感光可能であり、通常のレーザプリンタの点走査と比べ、感光速度が非常に速いため、印刷速度を極めて大きく高めることができる。
【0075】
好ましくは、結像方法は、結像機器を利用し、複数のプリセットされた走査テスト点を備えるテストページを印刷することと、
走査テスト点及び印刷されたテストページに実際に印刷された印刷点に応じて、テストページにおける重複行及び欠落行を分析することと、
欠落行及び重複行に応じて走査点を決定することと、をさらに含む。
【0076】
上記の結像方法において、プリセット潜像線における1行の画素は、同時に感光されるわけではなく、プリセット潜像線は、完全に結像するのが、完全にサブ受光エリアを通過した後になり、結像過程において、接合エリアの接合により、感光ドラムが異なる位置に回る時に、該プリセット潜像行が所在する結像領域は、再起動したり画素の並べ方向が一致しなかったりする等の状況が現れ、そのため、本実施例は補正を行うことができる。テストページを印刷し、重複行及び欠落行を走査して分析して、対応する走査点を選出し、つまり、点灯された発光ユニットを選出することにより、重複行及び欠落行が現れないことを保証し、該走査点の紙走行方向における位置ずれ距離を決定することができる。欠落行及び重複行に応じて走査点を決定することは、前記走査テスト点に、正対する画素点が存在すれば、前記画素点を前記走査点とし、前記走査テスト点に、正対する画素点が存在しなければ、重ね合わせた後の輝度最高点が前記走査テスト点に位置するように、前記走査テスト点に隣り合う画素点に対してグレースケール変換を行うことを含む。
【0077】
図15は本願の実施例に係る印刷テストページの模式図であり、図15に示すように、本実施例において、印刷テストページには、プリセットされた走査テスト点Pが含まれ、該走査テスト点Pの印刷時に印刷された結果がA、B、C、D等の印刷点で、二者の間に偏差が存在すれば、その重ね合わせた後の輝度最高点の位置が該走査テスト点Pに位置するように、走査テスト点の周囲の画素点を利用して距離グレースケールに応じて変換を行って、印刷ファイルに対して差を作り出して精確な印刷を実現することができる。
【0078】
上記分析から分かるように、感光ドラムの潜像画素と表示チップにおける画素とは一対一の関係ではなく、1対多の関係が存在し、表示チップに欠陥画素が存在しても、潜像の結像品質に影響を与えない。
【0079】
表示システムが一定である場合、表示画素の間の位置関係及び相対輝度が決定され、表示制御アルゴリズムは、各画素の間の相対位置関係、相対輝度及び感光ドラムの軸方向の回動速度等に応じて、表示チップの点灯の時間順序を算出して、感光ドラムにおける正確な潜像を実現することができる。
【0080】
上記に示した様々な形式のフローを使用し、ステップを並べ替えたり、追加したり、削除したりすることができることを理解すべきである。例えば、本願に記載の各ステップは、並行して実行されてよいし、順次実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本願の技術態様の所望の結果が実現可能であればよい。
【0081】
本願の実施例で採用される結像機器は、光束偏向システムを設けることにより、表示チップにおける全ての発光領域に対応する像をいずれも感光ドラムに結像可能であり、これにより、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現し、表示チップにおける発光領域の利用率を極めて大きく高め、感光ドラムにおける潜像の幅を増大させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-01-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が、それぞれが軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備える受光エリアが露光されることで受光エリアに電子潜像を形成するように構成される、1以上であるM個の回転可能な感光ドラムと、
各々が、第1方向に沿って並べられ、前記サブ受光エリアに一対一に対応し且つそれぞれにいずれも複数の発光ユニットが設けられる少なくとも2つの発光領域を備える、少なくとも1つの表示チップと、
各々が、対応する前記表示チップに対して結像するように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、
前記表示チップにおける各前記発光領域で発せられた光の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの光束偏向システムと、を備える、
結像機器。
【請求項2】
前記光束偏向システムは、M個の前記感光ドラムに一対一に対応するM個の光束偏向モジュールを備え、各前記光束偏向モジュールは、それぞれが1つの前記発光領域に対応する少なくとも2つの反射ミラーを備え、
前記反射ミラーは、対応する前記発光領域で発せられた光の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、
請求項1に記載の結像機器。
【請求項3】
前記反射ミラーは、対応する前記発光領域で発せられた光の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリア、及び対応する前記サブ受光エリアに隣り合う他の1つの前記サブ受光エリアの一部の領域に偏向させるように構成される、
請求項2に記載の結像機器。
【請求項4】
少なくとも2つの前記表示チップと、
各々が、対応する前記表示チップにおける発光領域で発せられた光の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応するプリセット領域に偏向させるように構成される少なくとも2つの前記光束偏向システムとを備え、
前記プリセット領域は、隣り合う複数のサブ受光エリアを備える、
請求項2に記載の結像機器。
【請求項5】
隣り合う前記プリセット領域の間は、部分的に重畳する、
請求項4に記載の結像機器。
【請求項6】
1つの前記感光ドラムを備え、
又は、各々が異なる色のトナーを吸着するように構成される4つの前記感光ドラムを備える、
請求項2に記載の結像機器。
【請求項7】
1つの前記表示チップと、各々が異なる色のトナーを吸着するように構成される4つの前記感光ドラムとを備え、1つ目の感光ドラムないし4つ目の感光ドラムは、第2方向に沿って順次並べられ、且つ第2方向に沿って、前記4つの感光ドラムの投影は重なり、各前記感光ドラムの軸方向は、いずれも第2方向に垂直であり、
前記表示チップは、4*N個の前記発光領域を備え、Nが2よりも大きい偶数であり、
前記光束偏向システムは、
第2方向に沿って、投影が前記感光ドラムの投影と重複せず、前記感光ドラムの軸方向及び前記第2方向のいずれにも垂直である第3方向に沿って、投影が2つ目の感光ドラムと3つ目の感光ドラムとの間に位置し、前記表示チップの各前記発光領域の出射光の一部を第2方向に出射させ、残りの部分を前記第2方向と逆の第4方向に出射させるように構成される、主像振分けミラーと、
前記第3方向に沿って、投影が3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムとの間に位置し、前記主像振分けミラーの前記第2方向に沿った出射光を部分的に第5方向に出射させ、残りの部分を前記第5方向と逆でいずれも前記感光ドラムの軸方向と平行である第6方向に出射させるように構成される、第1副像振分けミラーと、
前記第3方向に沿って、投影が1つ目の感光ドラムと2つ目の感光ドラムとの間に位置し、前記主像振分けミラーの前記第4方向に沿った出射光を部分的に前記第5方向に出射させ、残りの部分を前記第6方向に出射させるように構成される、第2副像振分けミラーと、を備え、
前記副像振分けミラーの各出射光の光路には、各々が、前記表示チップにおける1つの前記発光領域に対応する光を部分的に前記第4方向に沿って反射させ、残りの部分を第2方向に沿って反射させるように構成される少なくとも2つの領域像振分けミラーが配置され、異なる前記領域像振分けミラーは、前記表示チップの異なる前記発光領域に対応し、
前記領域像振分けミラーに対応する各出射光路にはいずれも、各々が、受光した光を対応する前記サブ受光エリアに反射させるように構成される前記反射ミラーが配置される、
請求項1に記載の結像機器。
【請求項8】
前記表示チップは、中心線によって分割され、それぞれがいずれも複数の前記発光領域を備える2つのサブ表示エリアを備え、
前記1つ目の感光ドラム及び2つ目の感光ドラムにおいて、前記1つ目の感光ドラムと2つ目の感光ドラムとの間の中心線に関して対称な前記サブ受光エリアに対応する2つの前記発光領域の間には、1つの前記発光領域が隔てられており、
前記3つ目の感光ドラム及び4つ目の感光ドラムにおいて、前記3つ目の感光ドラムと前記4つ目の感光ドラムとの間の中心線に関して対称な前記サブ受光エリアに対応する2つの前記発光領域の間には、1つの前記発光領域が隔てられており、
同一の前記感光ドラムの対応する複数の前記サブ受光エリアにおいて、隣り合う2つの前記サブ受光エリアに対応する2つの前記発光領域は、異なる前記サブ表示エリアに位置する、
請求項7に記載の結像機器。
【請求項9】
前記表示チップは、MicroLEDチップである、
請求項1に記載の結像機器。
【請求項10】
トナーカートリッジ、及び請求項1~9のいずれか1項に記載の結像機器を備える、
プリンタ。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載の結像機器であり、全ての前記表示チップの発光ユニットは、マトリクスに配列され、全ての前記発光領域は、前記サブ受光エリアにおいて行方向及び列方向に沿ってマトリクスに配列される複数の画素点として結像され、前記行方向及び前記列方向と全ての前記感光ドラムの軸方向との挟角は、いずれも90度ではない結像機器の結像方法であって、
前記感光ドラムの軸方向に平行である全ての前記感光ドラムのプリセット潜像線を、全ての前記受光エリアにおける、前記感光ドラムの軸方向に平行でそれぞれが前記画素点又は前記画素点の周囲の少なくとも2つの画素点の重ね合わせである複数の結像画素を備える1つの結像画素行に対応する位置に回転させることと、
全ての前記表示チップをオンにして、該結像画素行を利用して前記プリセット潜像線の一部の領域を感光させることと、
前記感光ドラムを回転させて前記プリセット潜像線を移動させ、前記プリセット潜像線が次の結像画素行に移動されると、全ての前記表示チップをオンにすることと、を含む、
結像方法。
【請求項12】
前記サブ受光エリアに位置する複数本のプリセット潜像線に対して同時に結像することをさらに含む、
請求項11に記載の結像方法。
【請求項13】
前記結像機器を利用し、複数のプリセットされた走査テスト点を備えるテストページを印刷することと、
前記走査テスト点及び前記テストページに実際に印刷された印刷点に応じて、前記テストページにおける欠落行及び重複行を分析することと、
前記欠落行及び重複行に応じて走査点を決定することと、をさらに含む、
請求項11に記載の結像方法。
【請求項14】
前記した、前記欠落行及び重複行に応じて前記走査点を決定することは、
前記走査テスト点に、正対する画素点が存在するという判断結果に基づいて、前記画素点を前記走査点とし、
前記走査テスト点に、正対する画素点が存在しないという判断結果に基づいて、隣り合う画素点のグレースケールが重ね合わせられた後の輝度最高点が前記走査テスト点に位置するように、前記走査テスト点に隣り合う画素点でグレースケール変換を行うことを含む、
請求項13に記載の結像方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は2022年06月24日に中国専利局に出願された、出願番号が202210729934.3である中国特許出願の優先権を主張し、以上の出願の全ての内容は引用により本開示に組み込まれている。
【0002】
本願は、プリンタの技術分野に関し、例えば結像機器及びその結像方法、プリンタに関する。
【背景技術】
【0003】
プリンタは現代社会において、重要な応用があり、プリンタの印刷フローは主に帯電、露光、現像及び印刷という4つの段階を含み、プリンタは主にレーザプリンタ及びLEDプリンタに分けることができ、LEDプリンタはその印刷速度が速く、印刷画像の効果が良く、使用寿命が長く、自由度が高く、省エネで環境に優しい等の利点があるため、ますます広く応用されている。
【0004】
しかしながら、図1に示すように、図1は関連技術におけるプリンタの中の結像機器の構造模式図であり、結像機器は、表示チップ1’及び感光ドラム2’を備える。勿論、結像機器は、レンズアレイをさらに備え、表示チップ1’には、1行又は複数行のLED画素が含まれ、表示チップ1’におけるLED画素は投影レンズにより、直接、感光ドラム2’に結像され、結像の解像度はマイクロレンズのサイズ及び画素の間隔に関連しているため、関連技術における結像機器の解像度が制限されてしまい、光エネルギーの利用率も高くない。
【発明の概要】
【0005】
本願は、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現可能であり、且つ結像機器の中の表示チップにおける発光領域の利用率を高めることができる結像機器及びその結像方法、プリンタを提供する。
【0006】
本願の一側面によれば、
各々が、それぞれが軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備える受光エリアを露光させることで受光エリアに電子潜像を形成するように構成される、1以上であるM個の回転可能な感光ドラムと、
各々が、第1方向に沿って並べられ、前記サブ受光エリアに一対一に対応し且つそれぞれにいずれも複数の発光ユニットが設けられる少なくとも2つの発光領域を備える、少なくとも1つの表示チップと、
各々が、対応する前記表示チップに対して結像するように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、
前記表示チップにおける各前記発光領域で発せられた光の対応する前記投影レンズで結像された像を、対応する前記サブ受光エリアに偏向させるように構成される、前記少なくとも1つの表示チップに一対一に対応する少なくとも1つの光束偏向システムと、を備える結像機器を提供する。
【0007】
本願の他の側面によれば、トナーカートリッジ、及び上記の結像機器を備えるプリンタを提供する。
【0008】
本願の他の側面によれば、結像機器の結像方法を提供し、前記結像機器は、上記の結像機器であり、全ての前記表示チップの発光ユニットは、マトリクスに配列され、全ての前記発光領域は、前記サブ受光エリアにおいて行方向及び列方向に沿ってマトリクスに配列される複数の画素点として結像され、前記行方向及び前記列方向と全ての前記感光ドラムの軸方向との挟角は、いずれも90度ではなく、
前記結像方法は、
前記感光ドラムの軸方向に平行である全ての前記感光ドラムのプリセット潜像線を、全ての前記受光エリアにおける、前記感光ドラムの軸方向に平行でそれぞれが前記画素点又は前記画素点の周囲の少なくとも2つの画素点の重ね合わせである複数の結像画素を備える1つの結像画素行に対応する位置に回転させることと、
全ての前記表示チップをオンにして、該結像画素行を利用して前記プリセット潜像線の一部の領域を感光させることと、
前記感光ドラムを回転させて前記プリセット潜像線を移動させ、前記プリセット潜像線が次の結像画素行に移動されると、全ての前記表示チップをオンにすることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】関連技術におけるプリンタの中の結像機器の構造模式図である。
図2】本願の実施例に係る結像機器の構造模式図である。
図3】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図4図3の側面図である。
図5図3の平面図である。
図6】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図7】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図8】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図9】本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図である。
図10】本願の実施例に係る主像振分けミラー及び副像振分けミラーの構造模式図である。
図11】本願の実施例に係る領域像振分けミラーの構造模式図である。
図12】本願の実施例に係る表示チップの領域分割の構造模式図である。
図13】本願の実施例に係る結像機器の結像方法のフロー図である。
図14】本願の実施例に係る結像機器の結像時の感光ドラムと結像画素との関係の模式図である。
図15】本願の実施例に係るテストページの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明し、説明された実施例は、本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではないことは明らかである。なお、本願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記図面における用語「第1」、「第2」などは、特定の順序又は前後の順序を説明するために使用される必要はなく、類似する対象を区別するためのものである。このように使用されるデータは、適切な場合に置換え可能であり、これにより、ここで説明される本願の実施例が、ここで図示又は説明されるもの以外の順序で実施できることを理解すべきである。また、用語「含む」及び「有する」並びにこれらの如何なる変形も、排他的ではない包含をカバーすることを意図とし、例えば、一連のステップ又はユニットの過程、方法、システム、製品又は機器を含み、必ずしも挙げられたそれらのステップ又はユニットに限定されず、挙げられていない又はこれらの過程、方法、製品又は機器にとって固有である他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0011】
図2は本願の実施例に係る結像機器の構造模式図であり、図2を参照し、結像機器は、M個の回転可能な感光ドラム2と、少なくとも1つの表示チップ1と、少なくとも1つの表示チップ1に一対一に対応する少なくとも1つの投影レンズと、少なくとも1つの表示チップ1に対応する少なくとも1つの光束偏向システム3と、を備え、感光ドラム2は、感光ドラム2の受光エリアを露光させることで感光ドラム2の受光エリアに電子潜像を形成するように構成され、Mは1以上であり、そのうち、感光ドラム2の感光エリアは、感光ドラム2の軸方向に沿って並べられる複数のサブ受光エリアを備え、複数のサブ受光エリアが接合されて受光エリアとなり、各表示チップは、第1方向に沿って並べられる少なくとも2つの発光領域を備え、前記少なくとも2つの発光領域は、M個の感光ドラムの対応する複数のサブ受光エリアに一対一に対応し、且つ各発光領域には、いずれも複数の発光ユニットが設けられ、投影レンズは、表示チップに対して結像するように構成され、光束偏向システム3は、表示チップ1における発光領域で発せられた光の投影レンズで結像された像を、対応するサブ受光エリアに偏向させるように構成される。
【0012】
なお、本実施例において、第1方向と、感光ドラムの軸方向との間の挟角は、任意の値であってもよい。
【0013】
好ましくは、結像機器は、プリンタに応用可能であり、表示チップ1には、複数の発光ユニットが備えられる。プリンタのワークフローは、以下を含んでもよい。プリンタを電源に投入して起動させた後に、受信した印刷タスクに応じて感光ドラム2の回転を制御する。感光ドラム2の上方の帯電ローラは、感光ドラム2の表面のセレン材料を帯電させ、帯電完了後に、感光ドラム2の表面全体は電荷を帯びるようになる。感光ドラム2における応答位置が受光エリアに回転した後に、表示チップ1は点灯し、発射する光線は感光ドラム2の表面に照射し、セレンは半導体材料であるため、光線で照射された後に導体になる。光線の照射部分の対応する画素点が帯びている電荷はなくなり、光線で照射されていない部分の対応する電荷は依然として存在する。このようにすることで、感光ドラムの表面全体には、電荷が不均一となる静電潜像が形成される。感光ドラム2が引き続き回転してトナーカートリッジ位置に到達すると、トナーが強磁性体であり、電荷を帯びておらず、感光ドラム2の表面が負電荷を帯びているため、現像ローラを介して運送されたトナーは、感光ドラム2の表面の電荷を帯びている位置に吸着され、印刷画像全体が感光ドラム2に現れる。且つ印刷紙が紙走行方向に沿って運動し、感光ドラム2の下方の転写ローラが電荷を帯びており、用紙が二者の間に運動すると、転写ローラの作用で、感光ドラム2の表面のトナーは、用紙に吸着される。用紙が定着器に運動すると、定着器がトナーを加熱し、トナーは融解後に用紙の表面に固定されて、本当の印刷画像を形成する。最後に、感光ドラム2が除電ランプの位置に回転し、除電ランプが感光ドラム2を照射し、照射完了後に感光ドラム2の表面の電荷が全て除去され、そしてクリーナの清掃を経た後に、印刷フロー全体が完成される。
【0014】
本実施例において、結像機器は、1つの感光ドラム2を備え、グレースケール画像の印刷が可能なものであってもよいし、異なる色のトナーを吸着するように構成される4つの感光ドラムを備え、カラー印刷が可能なものであってもよい。図2に示すように、例示的に、表示チップ1は、第1発光領域11、第2発光領域12及び第3発光領域13という3つの発光領域を備え、相応して、感光ドラム2には、第1サブ受光エリア21、第2サブ受光エリア22及び第3サブ受光エリア23という3つのサブ受光エリアが備えられ、少なくとも2つの発光領域がM個の感光ドラムの対応する複数のサブ受光エリアに一対一に対応するとは、表示チップにおける発光領域の個数がM個の感光ドラムにおけるサブ受光エリアの総数と同じであり、1つの発光領域が1つのサブ受光エリアに対応することを意味する。同一の感光ドラム2において、受光エリアは、複数のサブ受光エリアの接合により形成されてもよい。投影レンズは、表示チップ1における各発光領域に対して結像可能であり、且つ投影レンズは、表示チップの全ての発光領域に対して投影して結像しているものである。本実施例において、表示チップにおける各発光領域は、投影レンズの結像を経た後にいずれも光束偏向システム3に結像可能であり、且つ異なる発光領域に対応する像は、それぞれ光束偏向システム3の異なる位置に結像され、その後、光束偏向システム3の偏向を経た後にそれぞれ対応するサブ受光エリアに出射され、例えば図2における第1発光領域11に対応する像は、光束偏向システムを経た後に第1サブ受光エリア21に偏向され、第2発光領域12に対応する像は、光束偏向システムを経た後に第2サブ受光エリア22に偏向され、第3発光領域13に対応する像は、光束偏向システムを経た後に第3サブ受光エリア23に偏向される。これから分かるように、本実施例において、表示チップ1における全ての発光領域はいずれも感光ドラム2の受光エリアに結像可能であり、感光ドラムの軸方向における1本の静電潜像線は、異なる発光領域の対応する像の接合により形成され、これにより、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現し、且つ表示チップ1における発光領域の利用率を極めて大きく高める。なお、感光ドラムの受光エリアは、受光エリアで光線が感光ドラムの表面に照射可能であることを示しており、感光ドラムは、相応する位置が受光エリアに回転すると、感光が可能となり、受光エリアは、固定されるスリットにより限定可能であり、感光ドラムの回転時に、スリットは固定されて動かない。
【0015】
本実施例の技術態様で採用される結像機器は、光束偏向システムを設けることにより、表示チップにおける全ての発光領域に対応する像をいずれも感光ドラムに結像可能であり、これにより、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現し、表示チップにおける発光領域の利用率を極めて大きく高め、感光ドラムにおける潜像の幅を増大させる。
【0016】
また、なお、結像機器はさらに、補正レンズを備えてもよく、補正レンズは、受光エリアの位置に設けられ、光束偏向システム3によって出射された光を、ほぼ垂直に感光ドラムに入射して結像するように偏向させて、感光ドラムにおける結像画素の大きさの均一性を保証することができる。勿論、選用される投影レンズの被写界深度が大きく、異なる位置の表示画素の感光ドラムにおける結像の大きさがほぼ一致する場合、補正レンズを使用しなくても済む。
【0017】
好ましくは、図3は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図4図3の側面図であり、図3及び図4を参照し、光束偏向システム3は、M個の感光ドラムに一対一に対応するM個の光束偏向モジュール31を備え、各光束偏向モジュール31は、少なくとも2つの反射ミラーを備え、各反射ミラーは、表示チップ1における1つの発光領域に対応し、反射ミラーは感光ドラムに対して、それらの間の回転角が第1プリセット範囲であり、傾斜角が第2プリセット範囲であり、反射ミラーは、対応する発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するサブ受光エリアに偏向させるために用いられる。
【0018】
一実施例において、反射ミラー312の感光ドラム2に対する回転角は0であってもよい。従って、第1プリセット範囲は0を含んでもよい。
【0019】
一実施例において、前記傾斜角は、投影レンズの光軸と感光面のスリットが所在する面の垂線との挟角Qに関連し、前記傾斜角は約、挟角Qの2分の1に等しくなってもよい。システムの体積をできるだけ縮小するために、Qは通常5ないし10度に設定される。従って、第2プリセット範囲は2.5ないし5度であってもよい。
【0020】
一実施例において、反射ミラー311の感光ドラム2に対する回転角は
【0021】
【数1】
【0022】
であり、反射ミラー311の感光ドラムに対する傾斜角は
【0023】
【数2】
【0024】
である。
【0025】
【数3】
【0026】
の取り値は、
【0027】
【数4】
【0028】
を満たし、
そのうち、Wは感光ドラムの感光領域の幅であり、hは反射ミラー312の中心から感光ドラムまでの距離であり、atanは逆正接関数である。例を挙げると、A4紙を印刷する場合、感光ドラムの感光領域の幅W=210mmで、h=100mmである時に、
【0029】
【数5】
【0030】
=27.7度である。
【0031】
一実施例において、反射ミラー311の傾斜角の大きさは
【0032】
【数6】
【0033】
である。
【0034】
一実施例において、第3反射ミラー313の回転角及び傾斜角は、それぞれ
【0035】
【数7】
【0036】
【0037】
【数8】
【0038】
であってもよい。
【0039】
本実施例は、1つの表示チップ1及び1つの感光ドラム2を例とし、この場合、光束偏向システムは、1つの光束偏向モジュールを備え、光束偏向モジュールの数は感光ドラムの数と同じであり、感光ドラムの数が4つである場合、光束偏向モジュールの数も相応して4つである。各光束偏向モジュール31は、少なくとも2つの反射ミラーを備え、本実施例は、光束偏向モジュール31が第1反射ミラー311、第2反射ミラー312及び第3反射ミラー313を備えることを例に説明する。且つ表示チップ1に3つの発光領域が備えられ、感光ドラム2の受光エリアに3つのサブ受光エリアが備えられることを例としている。第1発光領域の投影レンズの結像を経た後の光線は、第1反射ミラー311に出射され、第1反射ミラー311の偏向を経た後に補正レンズ4を介して感光ドラムの第1サブ受光エリアに入射され、第2発光領域の投影レンズの結像を経た後の光線は、第2反射ミラー312に出射され、第2反射ミラー312の偏向を経た後に補正レンズ4を介して感光ドラムの第2サブ受光エリアに入射され、第3発光領域の投影レンズの結像を経た後の光線は、第3反射ミラー313に出射され、第3反射ミラー313の偏向を経た後に補正レンズ4を介して感光ドラムの第3サブ受光エリアに入射される。第1サブ受光エリア、第2サブ受光エリア及び第3サブ受光エリアは、継目なく接合されて感光ドラムの受光エリアとなり、これにより、表示チップ1における全ての発光領域の発光ユニットはいずれも感光ドラムに結像可能であり、表示チップにおける発光領域の利用効率が極めて大きく高められる。各反射ミラーの感光ドラム2に対する回転角の取り値の範囲は必ずしも同じではなく、傾斜角の取り値の範囲も必ずしも同じではなく、つまり、異なる反射ミラーに対応する第1取り値の範囲が異なる可能性があり、第2取り値の範囲も異なる可能性があり、各反射ミラーが対応する光線を対応するサブ受光エリアに偏向させることを可能にすればよい。本実施例において、3つの反射ミラーは、補正レンズ又は感光ドラムの受光エリアに対して異なる回転角及び傾斜角を有し、反射ミラーの感光ドラムの受光エリアに対する傾斜角は、結像光束の感光ドラム2の回転方向における位置を調整するために用いられ、反射ミラーの感光ドラムの受光エリアに対する回転角は、結像光束の感光ドラム2の軸方向における位置を調整するために用いられる。例えば第2反射ミラー312は感光ドラムに対して傾斜のみが発生し、その斜め上方に位置する投影レンズによって出射されたそのうちの1本の光を、補正レンズに反射させ、補正レンズ4の偏向を経た後に感光ドラム2における第2サブ受光エリアに入射させる。第1反射ミラー311及び第3反射ミラー313は感光ドラム2の受光エリアに対して、傾斜角だけでなく、回転角も有し、且つ二者の傾斜及び回転角の方向も異なり、表示チップにおける第1発光領域及び第3発光領域の投影レンズを経た後の出射光束は、それぞれ第1反射ミラー311及び第3反射ミラー313に入射され、その後、補正レンズを経た後にそれぞれ第1サブ受光エリア及び第3サブ受光エリアに入射される。反射ミラーの感光ドラムの受光エリアに対する回転角及び傾斜角を調整することにより、3つの発光領域の出射光を、いずれも補正レンズに入射可能となるようにできる。表示チップにおいて、第1方向に沿った、各発光領域の幅は、同じとなるように、つまり、第1方向において、各発光領域が同じ数の画素を含むように設定されてもよく、反射ミラーの反射を経て補正レンズで補正された後に、各発光領域の感光ドラムに結像された像は、感光ドラムの回転方向における幅が同じであり、感光ドラムの軸方向において接合されて1つの受光エリアに充満した像となる。
【0040】
本実施例は、反射ミラーからなる光束偏向モジュールによって光束偏向システムの機能を実現することができ、構造が簡単であり、結像機器のコストの低減に有利であり、同時に結像システムのサイズを減少することもできる。
【0041】
好ましくは、図5図3の平面図であり、図5において、表示チップ1の3つの反射ミラーを介して結像された虚像は、それぞれ第1虚像111、第2虚像112及び第3虚像113であり、図5を参照し、本実施例において、反射ミラーは、対応する発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するサブ受光エリア、及び対応するサブ受光エリアに隣り合うサブ受光エリアの一部の領域に偏向させるために用いられる。
【0042】
一実施例において、発光領域の長さ方向(長さ方向は第1方向に垂直である)における大きさ及び/又は投影レンズの焦点距離を配置することにより、発光領域の投影レンズを経た後に結像された像を、長さにおいて対応するサブ受光エリアの長さよりも大きくすることができる。且つ反射ミラーの回転角及び傾斜角を配置することにより、結像光束が反射ミラーの偏向を経た後に、対応するサブ受光エリアだけでなく、それに隣り合うサブ受光エリア(1つのサブ受光エリア又は2つのサブ受光エリア)の面積も覆うようになり、それにより、感光ドラムの受光エリアの全ての部分がいずれも結像光束で覆われることが可能であることを保証でき、重なった部分は、例えば接合エリアとして理解でき、反射ミラーの回転角を調整することにより、接合エリアの大きさを制御することができる。接合エリアを設けることにより、感光ドラムに投影される3つの結像光束が接合時に位置ずれしたり欠けたりしないことを保証できる。
【0043】
感光ドラムに接合エリアを設ける時に、接合エリアが異なる発光領域の結像光束を受光可能であるため、印刷時に重畳現象が現れる可能性がある。テストページを印刷することにより、どの発光領域を利用して接合エリアを印刷する時の効果がより良いかを分析することができ、さらに接合エリアに対して感光する時に点灯される画素を決定することができる。例えば第1サブ受光エリア及び第2サブ受光エリアにより形成される接合エリアの、テストページを印刷する結果は、第1発光領域の接合エリアにおける結像効果が第2発光領域の接合エリアにおける結像効果よりも優れれば、第1発光領域を利用して接合エリアに対して結像し、結像時に第2発光領域における、接合エリアに対応する画素をオフにすることができる。テストページの印刷は、例えば、それぞれ第1発光領域のみが点灯された場合の結果及び第2発光領域のみが点灯された場合の結果を印刷し、2枚の印刷されたテストページの中の接合エリアに対する印刷効果を分析することができ、印刷効果は、例えば印刷された画素の明瞭度等を利用して判断することができる。
【0044】
図6は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図6を参照し、結像機器は、少なくとも2つの表示チップ1及び少なくとも2つの光束偏向システムを備え、各光束偏向システムは、対応する表示チップにおける発光領域の投影レンズで結像された像を、対応するプリセット領域に偏向させるように構成され、各プリセット領域は、隣り合う複数のサブ受光エリアを備える。
【0045】
本実施例において、各感光ドラムは、複数の表示チップに対応可能であり、本実施例は、感光ドラムが表示チップの結像に対して幅が大きい(例えば感光ドラムが長く、表示チップの結像領域の幅が小さいということであってもよい)場合に応用可能である。図6に示すように、例示的に、感光ドラム2は、3つの表示チップで発せられた光により結像し、各表示チップは、感光ドラムの受光エリアの1つのプリセット領域に対応し、つまり、感光ドラムの受光エリアは、3つのプリセット領域の接合により形成される。なお、各プリセット領域において、複数のサブ受光エリアが備えられ、つまり、各プリセット領域に対応する光路図は、図5に示す光路図と同じであり、ここでは、各表示チップと感光ドラムにおける対応するプリセット領域との間の光路について繰り返し説明しない。本実施例は、複数の表示チップを利用して感光ドラムを照射することができ、さらに、感光ドラムを、軸方向においてより長く設定可能となるようにできる。感光ドラムにおいて同時に感光する領域をさらに増加し、完全な静電潜像を生成する速度をより速くすることができて、印刷速度をさらに高めることができる。
【0046】
好ましくは、図6に示す結像機器において、隣り合うプリセット領域の間は部分的に重畳するように設けられてもよい。
【0047】
一実施例において、表示チップの長さ方向(長さ方向は第1方向に垂直である)における大きさ及び/又は投影レンズの焦点距離を配置することにより、表示チップの投影レンズを経た後に結像された像を長さにおいて対応するプリセット領域の長さよりも大きくすることができる。且つ反射ミラーの回転角及び傾斜角を配置することにより、結像光束は反射ミラーの偏向を経た後に、対応するプリセット領域だけでなく、それに隣り合うプリセット領域(1つのプリセット領域又は2つのプリセット領域)の面積も覆うようになり、これにより、感光ドラムの受光エリアの全ての部分がいずれも結像光束で覆われることが可能であることを保証でき、重なった部分は、例えば接合エリアとして理解でき、反射ミラーの回転角を調整することにより、接合エリアの大きさを制御することができる。接合エリアを設けることにより、感光ドラムに投影される3つの結像光束が接合時に位置ずれしたり欠けたりしないことを保証できる。
【0048】
感光ドラムに接合エリアを設ける時に、接合エリアが異なる発光領域の結像光束を受光可能であるため、印刷時に重畳現象が現れる可能性がある。テストページを印刷することにより、どの発光領域を利用して接合エリアを印刷する時の効果がより良いかを分析することができ、さらに接合エリアに対して感光する時に点灯される画素を決定することができる。
【0049】
上記実施例において、いずれも1つの感光ドラムを例に説明している。他のいくつかの実施形態においては、4つの感光ドラムであってもよく、図7に示すように、図7は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、本実施例において、結像機器は、1つの表示チップ1及び4つの感光ドラム2を備え、各感光ドラム2は、異なる色のトナーを吸着するように構成され、4つの感光ドラムは、それぞれ黒色のトナーを吸着する感光ドラム、赤色のトナーを吸着する感光ドラム、青色のトナーを吸着する感光ドラム及び黄色のトナーを吸着する感光ドラムであってもよい。黒色の感光ドラムは、黒色の部分を印刷でき、赤色の感光ドラムは、赤色の部分を印刷でき、青色の感光ドラムは、青色の部分を印刷でき、黄色の感光ドラムは、黄色の部分を印刷でき、4つの感光ドラムを利用して異なる色をそれぞれ印刷し、重ね合わせた後に、要求される様々なカラーパターンを形成する。本実施例において、各感光ドラム2は、いずれも1つの光束偏向モジュールに対応し、且つ各感光ドラムにおけるサブ受光エリアは、いずれも表示チップ1における1つの発光領域に対応し、異なるサブ受光エリアに対応する発光領域は異なる。例えば各感光ドラムに3つのサブ受光エリアが設けられる場合、4つの感光ドラムには、合わせて12個のサブ受光エリアが存在し、各光束偏向モジュールは、いずれも3つの反射ミラーを備え、且つ表示チップには、計12個の発光領域が備えられ、12個の発光領域は、12個のサブ受光エリアに一対一に対応し、表示チップ1における対応して点灯される発光領域を制御することにより、カラー画像の印刷を制御する。また、図4に対応する実施例で説明される接合エリア等は、本実施例にも適用される。勿論、他のいくつかの実施形態において、光束偏向モジュールが設けられなくてもよく、例えば表示チップの4つの領域が直接、投影レンズの投影により受光エリアに結像可能であり、4つの感光ドラムの受光エリアの窓位置が異なるように設けられ、4つの光束をできるだけ感光ドラムの軸方向に指向させることができる。
【0050】
図8は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図8に示すように、本実施例において、結像機器は、4つの感光ドラムを備え、これは図6に示す構造と同じである。図7に示す構造と異なる点は、本実施例が2つの表示チップ1及び表示チップ1に一対一に対応する2つの光束偏向システムを備え、各光束偏向システムがいずれも4つの光束偏向モジュールを備えることである。各感光ドラム2に結像された像は、いずれも2つの表示チップからのものであり、図5に対応する実施例に記載の接合エリアは本実施例にも応用可能である。勿論、各表示チップは、1つの投影レンズに対応する。他のいくつかの実施形態において、光束偏向モジュールが設けられなくてもよく、例えば表示チップの4つの領域が直接、投影レンズの投影により受光エリアに結像可能であり、4つの感光ドラムの受光エリアの窓位置が異なるように設けられ、4つの光束をできるだけ感光ドラムの軸方向に指向させることができる。
【0051】
好ましくは、図9は本願の実施例に係る他の結像機器の構造模式図であり、図9を参照し、結像機器は、1つの表示チップ1及び4つの感光ドラム2を備え、各感光ドラム2は、異なる色のトナーを吸着するように構成され、1つ目の感光ドラムないし4つ目の感光ドラムは、第2方向x1に沿って順次並べられ、且つ第2方向x1に沿って、4つの感光ドラム2の投影は重なり、各感光ドラムの軸方向は、いずれも第2方向x1に垂直であり、表示チップ1は、4*N個の発光領域を備え、Nが2よりも大きい偶数であり、光束偏向システム3は、
第2方向x1に沿って、投影が感光ドラムの投影と重複せず、感光ドラムの軸方向及び第2方向のいずれにも垂直である第3方向に沿って、投影が2つ目の感光ドラムと3つ目の感光ドラムとの間に位置し、表示チップ1における各発光領域の出射光の一部を第2方向x1に出射させ、もう一部を第2方向x1と逆の第4方向x2に出射させるように構成される、主像振分けミラー321と、
第3方向に沿って、投影が3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムとの間に位置し、主像振分けミラー321の第2方向x1に沿った出射光を部分的に第5方向y1に出射させ、残りの部分を第5方向y1と逆でいずれも感光ドラムの軸方向に平行である第6方向y2に出射させるために用いられる第1副像振分けミラー322と、
第3方向に沿って、投影が1つ目の感光ドラムと2つ目の感光ドラムとの間に位置し、主像振分けミラー321の第4方向x2に沿った出射光を部分的に第5方向y1に出射させ、残りの部分を第6方向y2に出射させるために用いられる第2副像振分けミラー323と、を備え、
副像振分けミラーの各出射光路には、各々が、表示チップにおける1つの発光領域に対応する光を第4方向x2に沿って反射させ、1つの発光領域に対応する光を第2方向x1に沿って反射させるために用いられる少なくとも2つの領域像振分けミラー324が配置され、異なる領域像振分けミラー324は、表示チップの異なる発光領域に対応し、
領域像振分けミラー324に対応する各出射光路にはいずれも、受光した光を対応する感光ドラムのサブ受光エリアに反射させるための反射ミラーが配置される。
【0052】
本実施例は、1つの表示チップを利用してカラー印刷を実現する他の態様を提供し、理解を容易にするために、x軸における左向きの方向を第4方向x2、右向きの方向を第2方向x1、y軸における上向きの方向を第5方向y1、下向きの方向を第6方向y2、z軸方向を第3方向として定義する。表示チップ1における発光領域の個数は、感光ドラムにおけるサブ受光エリアの個数に関連し、例えば各感光ドラムにN個のサブ受光エリアが区画された場合、表示チップ1には4*N個の発光領域が区画される必要がある。
【0053】
表示チップ1で発せられた光は、投影レンズの結像を経た後に主像振分けミラー321に出射され、この時、全ての発光領域の出射光は、いずれも主像振分けミラー321に出射可能である。主像振分けミラー321は、各発光領域の出射光の一部を第2方向x1に像振分けし、もう一部を第4方向x2に像振分けする。言い換えれば、この時、主像振分けミラー321から第2方向x1への出射光には、全ての発光領域の出射光が含まれており、各発光領域にとって、一部の発光ユニットで発せられた光が第2方向x1に出射され、残りの部分の発光ユニットで発せられた光が第4方向x2に出射される可能性があり、発光ユニットによって出射された光の一部が第2方向x1に出射され、残りの部分が第4方向x2に出射される可能性もある。主像振分けミラー321が第2方向x1に沿って出射させた光は、第1副像振分けミラー322に入射され、第1副像振分けミラー322の構造は、主像振分けミラーの構造と同じであり、第1副像振分けミラー322は、入射光の一部を第5方向y1に像振分けし、もう一部を第6方向y2に像振分けする。主像振分けミラー321が第4方向x2に沿って出射させた光は、第2副像振分けミラー323に入射され、第2副像振分けミラー323の構造は、主像振分けミラーの構造と同じであり、第2副像振分けミラー323は、入射光の一部を第5方向y1に像振分けし、もう一部を第6方向y2に像振分けする。領域像振分けミラーの個数は、必要な、区画されるサブ受光エリアの個数に応じて決定することができる。
【0054】
領域像振分けミラーの個数は、必要な、区画されるサブ受光エリアの個数に応じて決定することができる。本実施例は、副像振分けミラーの各本の出射光路に2つの領域像振分けミラーが備えられることを例にし、表示チップ1における発光領域は、第3方向に沿って並べられ、つまり、本実施例において、第1方向と第3方向とは等価なものである。異なる発光領域の像は、主像振分けミラーの像振分けを経た後に依然として第3方向に沿って並べられ、副像振分けミラーの再度の像振分けを経た後に依然として第3方向に沿って並べられ、言い換えれば、副像振分けミラーの各本の出射光路において、第3方向に沿って表示チップの全ての発光領域に対応する像が並べられている。各領域像振分けミラー324と対応する副像振分けミラーとの間にはいずれも、結像するための結像レンズが設けられてもよい。結像レンズの位置、焦点距離及び領域像振分けミラーの第3方向における位置を設定することにより、各領域像振分けミラーは、そのうちの2つの発光領域に対応する像をそれぞれ第2方向x1及び第4方向x2に出射させ、言い換えれば、領域像振分けミラーの像振分けを経た後に、領域像振分けミラーの各本の出射光路には1つの発光領域に対応する光のみが存在し、最後に反射ミラーを利用して領域像振分けミラーの出射光を対応する感光ドラムのサブ受光エリアに反射させる。なお、各領域像振分けミラーの第3方向における座標は、同じであっても、異なっていてもよく、例えばサブ受光エリアI1及びサブ受光エリアI2に対応する領域像振分けミラー324の第3方向における座標は、異なり、サブ受光エリアI1及びサブ受光エリアI3に対応する領域像振分けミラーの第3方向における座標は、同じであってもよい。図面に示すように、各感光ドラムに4つのサブ受光エリアが備えられる場合、表示チップには、合わせて、4*4で計16個の発光領域が設けられ、光束偏向システムの偏向を経た後に、各発光領域に対応する光を対応するサブ受光エリアに偏向させることができる。
【0055】
本実施例において、1つの表示チップ及び光束偏向システムを利用すれば、表示チップにおける全ての発光領域に対応する像をそれぞれ相応するサブ受光エリアに出射させることができ、つまり、1つの表示チップを利用すれば、カラー印刷を実現可能であり、且つ表示チップにおける発光領域の利用効率も高い。
【0056】
好ましくは、図10は本願の実施例に係る主像振分けミラー及び副像振分けミラーの構造模式図であり、図10に示す像振分けミラーは、主像振分けミラーであってもよいし、副像振分けミラーであってもよく、つまり、主像振分けミラー及び副像振分けミラーの構造は同じであってもよい。図10に示すように、像振分けミラーは立体構造であり、一側が連続反射ミラーであり、一側が切られて条分けされた反射ミラーである。像振分けミラーは、2つの反射ミラーからなってもよく、且つ各反射ミラーの半分の領域はいずれも切られて条分けされ、切られた条分け領域を垂直に挿入すればよい。つまり、2つの反射ミラーは互いに垂直であり、置かれる時に、像振分けミラーの2つの切られて条分けされた領域は入射面とされ、外部の入射光を受光するために用いられ、この時、像振分けミラーに入射された光束は、2本の方向が逆の光束に分けられる。図11に示すように、図11は本願の実施例に係る領域像振分けミラーの構造模式図であり、該像振分けミラーは、領域像振分けミラーであってもよく、領域像振分けミラーは、2つの連続した反射ミラーであるため、異なる発光領域に対応する光をそれぞれ第2方向x1及び第4方向x2に沿って反射させる。
【0057】
好ましくは、図12は本願の実施例に係る表示チップの領域分割の構造模式図であり、図9及び図12と結合し、表示チップは、中心線によって分割された2つのサブ表示エリアを備え、それぞれが第1サブ表示エリア101及び第2サブ表示エリア102であり、各サブ表示エリアは、いずれも複数の発光領域を備え、1つ目の感光ドラム及び2つ目の感光ドラムにおいて、二者の中心線に関して対称なサブ受光エリアに対応する2つの発光領域の間には、1つの発光領域が隔てられており、3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムにおいて、二者の中心線に関して対称なサブ受光エリアに対応する2つの発光領域の間には、1つの発光領域が隔てられており、同一の感光ドラムの対応する複数のサブ受光エリアにおいて、隣り合う2つのサブ受光エリアに対応する2つの発光領域は、異なるサブ表示エリアに位置する。
【0058】
表示チップが16個の発光領域を備えることを例にとると、16個の発光領域はそれぞれ第1発光領域ないし第16発光領域であり、且つ第1発光領域ないし第16発光領域は、第1方向に沿って順次並べられ、第1発光領域ないし第8発光領域は、第1サブ表示エリア101に位置し、第9発光領域ないし第16発光領域は、第2サブ表示エリア102に位置し、4つの感光ドラムにおけるサブ受光エリアは、それぞれ、1つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアI6、サブ受光エリアI5、サブ受光エリアI7及びサブ受光エリアI8であり、2つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアK6、サブ受光エリアK5、サブ受光エリアK7及びサブ受光エリアK8であり、3つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアK2、サブ受光エリアK1、サブ受光エリアK3及びサブ受光エリアK4であり、4つ目の感光ドラムにおいて第6方向y2に沿って順次、サブ受光エリアI2、サブ受光エリアI1、サブ受光エリアI3及びサブ受光エリアI4である。サブ受光エリアI2及びサブ受光エリアK2は、3つ目の感光ドラムと4つ目の感光ドラムとの間の中心線に関して対称であり、この場合、表示チップにおける発光領域に対応する時に、対応する2つの発光領域の間に1つの発光領域が隔てられるように設けられてもよく、図1に示すように、サブ受光エリアI2は、第1発光領域に対応し、サブ受光エリアK2は、第発光領域に対応し、二者の間には、1つの第2発光領域が隔てられている。本実施例に記載のサブ受光エリアと発光領域とが対応することは、該発光領域が光束偏向システムの偏向を経た後に該サブ受光エリアに入射されることとして表される。また、4つ目の感光ドラムにおけるサブ受光エリアを例にとると、サブ受光エリアI2とサブ受光エリアI1とは隣り合い、表示チップにおける発光領域に対応する時に、サブ受光エリアI2及びサブ受光エリアI1に対応する発光領域が、異なるサブ表示エリアに位置するように設けられてもよく、図12に示すように、サブ受光エリアI2は、第1発光領域に対応し、第1発光領域は、第1サブ表示エリア101に位置し、サブ受光エリアI1は、第11発光領域に対応し、第11発光領域は、第2サブ表示エリアに位置する。本実施例におけるサブ受光エリアと発光領域との対応ルールにより、副像振分けミラーの同一の出射光路における隣り合う領域像振分けミラーの反射光束に対応する発光領域に、1つの発光領域を隔てさせ、領域像振分けミラーの対応して隣り合う反射光束に対応する発光領域にも、いくつかの発光領域を隔てさせ、各発光領域で発せられた光が互いに影響しないことを保証することができ、且つ領域像振分けミラーに入射された光がほぼ全て結像に用いられることを保証できる。
【0059】
上記実施例において、各領域像振分けミラーの第3方向における座標を調整することにより実現することができる。勿論、他のいくつかの実施形態において、サブ受光エリアと発光領域との間は、他のルールを採用して対応してもよい。
【0060】
好ましくは、印刷する必要があるテスト点について、上記の結像機器が感光ドラムに結像された像には複数の画素点がある可能性があり、この時、テストページに応じて適切な画素を選出して補正を行うことができる。
【0061】
また、上記実施例は、1つの表示チップを利用してプリンタの4つの感光ドラムの結像を実現し、カラー印刷を実現することができる。勿論、プリンタのニーズに応じて反射ミラーを減らしてもよく、そうすると、単一の感光ドラムのグレースケール印刷を実現することができ、つまり、1つの感光ドラム、並びに、対応する光路に必要な反射ミラー、副像振分けミラー及び主像振分けミラーのみを残し、他の副像振分けミラー、領域像振分けミラー及び反射ミラーを省いてもよい。
【0062】
好ましくは、表示チップはMicroLEDチップである。MicroLEDチップは、MicroLED及び超高速リフレッシュのCMOS駆動チップを含んでもよく、該チップは、画素サイズが小さく、輝度が高く、リフレッシュの応答速度が速く、グレーレベルが多い等の特徴を有し、これにより、プリンタに、高速で、環境に優しく、体積が小さく、色が鮮やかで、価格が低く、安定性、信頼性が高く、寿命が長い等の利点を持たせることができる。
【0063】
本願の実施例は、プリンタをさらに提供し、プリンタは、本願の任意の実施例に係る結像機器を備え、それは、本願の任意の実施例に係る結像機器を備えるため、同じ有益な効果も有し、ここでは繰り返し説明しない。
【0064】
120PPIプリンタを例にとると、この場合、感光ドラムの潜像画素サイズを21ミクロンよりも小さくする必要があり、焦点距離f=10ミリメートルである投影レンズを選用し、結像距離が40ミリメートルである場合、反射ミラーが補正レンズから20ミリメートルないし30ミリメートルの間に置かれ、結像の拡大倍率が約4倍であり、この場合、表示チップにおける発光ユニットのサイズの大きさを21/4~5ミクロンにする必要がある。
【0065】
しかしながら、小サイズ画素が大きいほど、表示アレイの表示チップは、製作時の難度が大きくなり、欠陥画素が出やすく、これに基づいて、本実施例は、結像機器の結像方法をさらに提供し、図13に示すように、図13は本願の実施例に係る結像機器の結像方法のフロー図であり、結像機器において、表示チップにおける複数の発光ユニットは、マトリクスに配列され、発光領域は、サブ受光エリアにおいて行列方向に沿ってマトリクスに分布する複数の画素点として結像され、行方向及び列方向と感光ドラムの軸方向との挟角は、いずれも90度ではない。
【0066】
結像方法は、以下を含む。
【0067】
ステップS301において、感光ドラムのプリセット潜像線を受光エリアにおける結像画素行に対応する位置に回転させ、そのうち、プリセット潜像線は、感光ドラムの軸方向に平行であり、結像画素行は、感光ドラムの軸方向に平行であり、結像画素行は、複数の結像画素を備え、結像画素は、画素点又はその周囲の少なくとも2つの画素点の重ね合わせである。
【0068】
図14は本願の実施例に係る結像機器の結像時の感光ドラムと結像画素との関係の模式図であり、図14に示すように、本実施例の表示チップにおいて、発光ユニットのサイズは小さいが、画素の間隔は大きく、例えば発光ユニットのサイズは5ミクロンであり、発光ユニットの間の間隔は25ミクロンであり、このような表示チップは製作時に高い良品率を有する。本実施例は、表示チップと感光ドラムとの間の関係を設定することで、表示チップにおける発光ユニットが感光ドラムの受光エリアにおいて形成した複数の画素点601を、図1における並べられているものに示すようにできる。複数の画素点601は、行列方向のマトリクスに配列されていても、行列方向と感光ドラムの軸方向との挟角がいずれも90度ではなく、画素点の行方向が感光ドラムの軸方向と平行ではなく、画素点の列方向も感光ドラムの軸方向と平行ではない。図1における矩形枠は、1つのサブ受光エリアとして理解でき、矩形枠の中間の中心線は、サブ受光エリアの中軸線である。プリセット潜像線602は、感光ドラムにおける結像待ちの1行の線であり、プリセット潜像線602がサブ受光エリアに回転されていない場合、画素点601に露光できず、プリセット潜像線がサブ受光エリアに回転された場合、例えば感光ドラムの回転方向において、プリセット潜像線60がサブ受光エリアの第1位置にある時に、ステップS302を実行し、表示チップをオンにして結像画素行を利用してプリセット潜像線の一部の領域を感光させ、つまり、第1位置に対応する画素点がプリセット潜像線60を部分的に露光させる。
【0069】
その後、ステップS303を実行し、感光ドラムを回転させてプリセット潜像線を移動させ、プリセット潜像線が次の結像画素行に移動されると、表示チップをオンにする。
【0070】
一実施例において、プリセット潜像線602が完全にサブ受光エリアを通過した後に、プリセット潜像線602における全ての部分はいずれも露光され、プリセット潜像線602に対応する完全静電潜像が形成される。画素点601の行列方向がいずれも感光ドラムの軸方向と平行ではないため、プリセット潜像線の移動時に、プリセット潜像線は1行の画素点601に正対する可能性があり、この時、該行の画素点は、即ち結像画素線として理解でき、該行の結像画素線における画素点を利用してプリセット潜像線を露光させるが、プリセット潜像線において、正対するものに画素点がない可能性もあり、この時、周囲の画素点601の輝度を利用して重ね合わせて仮想画素点を形成することにより、仮想画素点は、1本の結像画素線となるように繋がり、仮想画素点を利用してプリセット潜像線を露光させることができる。
【0071】
上記分析から分かるように、表示チップにおける発光領域の間隔が大きいが、画素点の行列方向と感光ドラムの軸方向との挟角がいずれも90度ではなく、且つプリセット潜像線がサブ受光エリアを経ている時に一回ではなく、複数回露光され、感光ドラムの軸方向において、プリセット潜像線における結像点が非常に密集しているため、プリセット潜像線における結像の解像度が極めて大きく高められる。つまり、本実施例は、大画素間隔の表示チップを利用して小画素間隔の高解像度の潜像の結像能力を実現することができる。
【0072】
図14に示すように、感光ドラムの軸方向に沿ってサブ受光エリアにある画素点は、接合融合画素点として理解でき、接合融合画素点は、図5又は図6における接合エリアを露光させるために使用可能である。
【0073】
好ましくは、結像方法は、サブ受光エリアに位置する複数本のプリセット潜像線に対して同時に結像することをさらに含む。
【0074】
一実施例において、図14に示すように、サブ受光エリアには、複数行(感光ドラムの軸方向)の画素点が含まれ、各行の画素点はいずれも感光ドラムを露光させることができるため、複数本のプリセット潜像線を同時に設定可能であり、異なるプリセット潜像線が結像時に感光ドラムにおける異なる位置に位置し、つまり、プリンタの感光ドラムは、複数行が同時に感光可能で、複数点が同時に感光可能であり、通常のレーザプリンタの点走査と比べ、感光速度が非常に速いため、印刷速度を極めて大きく高めることができる。
【0075】
好ましくは、結像方法は、結像機器を利用し、複数のプリセットされた走査テスト点を備えるテストページを印刷することと、
走査テスト点及びテストページに実際に印刷された印刷点に応じて、テストページにおける重複行及び欠落行を分析することと、
欠落行及び重複行に応じて走査点を決定することと、をさらに含む。
【0076】
上記の結像方法において、プリセット潜像線における1行の画素は、同時に感光されるわけではなく、プリセット潜像線は、完全に結像するのが、完全にサブ受光エリアを通過した後になり、結像過程において、接合エリアの接合により、感光ドラムが異なる位置に回る時に、該プリセット潜像行が所在する結像領域は、再起動したり画素の並べ方向が一致しなかったりする等の状況が現れ、そのため、本実施例は補正を行うことができる。テストページを印刷し、重複行及び欠落行を走査して分析して、対応する走査点を選出し、つまり、点灯された発光ユニットを選出することにより、重複行及び欠落行が現れないことを保証し、該走査点の紙走行方向における位置ずれ距離を決定することができる。欠落行及び重複行に応じて走査点を決定することは、前記走査テスト点に、正対する画素点が存在すれば、前記画素点を前記走査点とし、前記走査テスト点に、正対する画素点が存在しなければ、隣り合う画素点のグレースケールが重ね合わせられた後の輝度最高点が前記走査テスト点に位置するように、前記走査テスト点に隣り合う画素点に対してグレースケール変換を行うことを含む。
【0077】
図15は本願の実施例に係るテストページの模式図であり、図15に示すように、本実施例において、テストページには、プリセットされた走査テスト点Pが含まれ、該走査テスト点Pの印刷時に印刷された結果がA、B、C、D等の印刷点で、二者の間に偏差が存在すれば、そのグレースケールが重ね合わせられた後の輝度最高点の位置が該走査テスト点Pに位置するように、走査テスト点の周囲の画素点を利用して距離グレースケールに応じて変換を行って、印刷ファイルに対して差を作り出して精確な印刷を実現することができる。
【0078】
上記分析から分かるように、感光ドラムの潜像画素と表示チップにおける画素とは一対一の関係ではなく、1対多の関係が存在し、表示チップに欠陥画素が存在しても、潜像の結像品質に影響を与えない。
【0079】
表示システムが一定である場合、表示画素の間の位置関係及び相対輝度が決定され、表示制御アルゴリズムは、各画素の間の相対位置関係、相対輝度及び感光ドラムの軸方向の回動速度等に応じて、表示チップの点灯の時間順序を算出して、感光ドラムにおける正確な潜像を実現することができる。
【0080】
上記に示した様々な形式のフローを使用し、ステップを並べ替えたり、追加したり、削除したりすることができることを理解すべきである。例えば、本願に記載の各ステップは、並行して実行されてよいし、順次実行されてもよいし、異なる順序で実行されてもよく、本願の技術態様の所望の結果が実現可能であればよい。
【0081】
本願の実施例で採用される結像機器は、光束偏向システムを設けることにより、表示チップにおける全ての発光領域に対応する像をいずれも感光ドラムに結像可能であり、これにより、低解像度の画素アレイで高解像度の印刷を実現し、表示チップにおける発光領域の利用率を極めて大きく高め、感光ドラムにおける潜像の幅を増大させることができる。
【国際調査報告】