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  • 特表-はんだ線を吐出するための装置 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】はんだ線を吐出するための装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/06 20060101AFI20240820BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20240820BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B23K3/06 K
B23K1/00 330E
H05K3/34 505Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506950
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 IB2022057256
(87)【国際公開番号】W WO2023012716
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】070135/2021
(32)【優先日】2021-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520503359
【氏名又は名称】ベシ スウィツァランド エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ベルヒトホルト,ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ガルバニ,ロレンツォ
【テーマコード(参考)】
5E319
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AA07
5E319AB05
5E319AC01
5E319BB02
5E319CC33
5E319CD25
5E319CD35
5E319GG15
(57)【要約】
はんだ線200用の吐出チャンネル400と、吐出チャンネル400内で第1の冷却ガス810によってはんだ線200を冷却するための第1の冷却チャンバー600とを含む、装置であって、第1の冷却ガス810は、基板500から離れたワイヤ対面出口651から排出され、及び基板500の方へ向かう吐出口650から排出されるように構成及び配置され、はんだ線200用の吐出チャンネル400は第1の冷却チャンバー600内に含まれている、装置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(500)上にはんだ線(200)を吐出するための装置(100)であって、前記装置(100)は、
- 吐出本体(300);
- 前記吐出本体(300)中を通って延在する、前記はんだ線(200)用の吐出チャンネル(400)であって、前記吐出チャンネル(400)の第1の端部(430)において前記はんだ線(200)を受け入れ且つ前記基板(500)に対面する前記吐出チャンネル(400)の第2の端部(470)から前記はんだ線(200)を吐出するように構成及び配置された吐出チャンネル(400);及び
- 前記吐出チャンネル(400)内で第1の冷却ガス(810)によって前記はんだ線(200)の或る領域を冷却するように構成及び配置された第1の冷却チャンバー(600)
を含み、
前記第1の冷却チャンバー(600)は、前記第1の冷却ガス(810)用の少なくとも1つの入口(630)、前記第1の冷却ガス(810)用のワイヤ対面出口(651)、及び前記第1の冷却ガス(810)用の吐出口(652)を含み、それにより、前記第1の冷却チャンバー(600)は、使用中、前記第1の冷却ガス(810)が前記第1の冷却ガス(810)用の前記少なくとも1つの入口(630)を通って前記第1の冷却チャンバー(600)に入り、前記基板(500)から離れた前記第1の冷却ガス(810)用の前記ワイヤ対面出口(651)から排出され、及び前記基板(500)の方へ向かう前記第1の冷却ガス(810)用の前記吐出口(652)から排出されることを可能にするように構成及び配置され、及び
前記はんだ線(200)用の前記吐出チャンネル(400)は、前記第1の冷却チャンバー(600)内に含まれている、装置(100)。
【請求項2】
前記第1の冷却チャンバー(600)及び前記はんだ線(200)用の前記吐出チャンネル(400)は、前記吐出本体(300)内の1つ以上の領域において同様又は同じ寸法を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記吐出口(652)は、前記吐出チャンネル(400)の前記第2の端部(470)と同様又は同じ寸法を有し、及び/又は前記ワイヤ対面出口(651)は、前記吐出チャンネル(400)の前記第1の端部(470)と同様又は同じ寸法を有する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置(100)は、さらに、使用中、前記第1の冷却ガス(810)の少なくとも一部分が前記第1の冷却チャンバー(600)から前記基板(500)の方へ向かって通過することを可能にするように構成及び配置された、前記吐出本体(300)外に配置された、前記第1の冷却ガス(810)用の少なくとも1つの補助出口を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の冷却ガス(810)は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、水素、一酸化炭素又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の冷却ガス(810)は、窒素と、5%~20%の水素とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記吐出口(652)を通過する前記第1の冷却ガス(810)は、毎分0.1~5リットルの範囲内の流れを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ワイヤ対面出口(651)を通過する前記第1の冷却ガス(810)は、毎分0.1~5リットルの範囲内の流れを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記吐出本体(300)及び前記第1の冷却ガス(810)用の前記少なくとも1つの入口(630)を通る縦断面で見る場合、前記第1の冷却ガス用の前記少なくとも1つの入口(630)は、前記吐出本体(300)の長手方向軸(900)に対して反時計回りの方向に90度未満の角度(950)に配置される、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記吐出本体(300)及び前記第1の冷却ガス(810)用の前記少なくとも1つの入口(630)を通る縦断面で見る場合、前記第1の冷却ガス用の前記少なくとも1つの入口(630)は、前記吐出本体(300)の前記長手方向軸(900)に対して反時計回りの方向に30度以上の角度(950)に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
使用中、前記第1の冷却チャンバー(600)の少なくとも一部分における前記第1の冷却ガス(810)の平均温度は、前記はんだ線(200)の平均融点を摂氏50度以上下回るように予め決められる及び/又は制御される、請求項1~10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置(100)は、さらに、第2の冷却ガス(820)によって前記吐出本体(300)の或る領域を冷却するように構成及び配置された第2の冷却チャンバー(700)を含み、前記第2の冷却チャンバー(700)は、前記第2の冷却ガス(820)用の少なくとも1つの入口(730)、及び前記第2の冷却ガス(820)用の少なくとも1つの出口(750)を含み、それにより、前記第2の冷却チャンバー(700)は、使用中、前記第2の冷却ガス(820)が、前記第2の冷却ガス(820)用の前記少なくとも1つの入口(730)を通って前記第2の冷却チャンバー(700)に入り、及び前記第2の冷却ガス(820)用の前記少なくとも1つの出口(750)から排出されることを可能にするように構成及び配置される、請求項1~11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置(100)は、さらに、使用中、前記第2の冷却ガス(820)が前記第2の冷却チャンバー(700)から前記基板(500)の方へ向かって通過することを可能にするように構成及び配置された、前記吐出本体(300)外に配置された、前記第2の冷却ガス(820)用の少なくとも1つの補助出口を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の冷却ガス(820)は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、水素、一酸化炭素、酸素、空気又はそれらのいずれかの組み合わせを含む、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2の冷却ガス(820)と前記第1の冷却ガス(810)は同じである、請求項12又は13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、基板上にはんだ線を吐出する(dispensing)ための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
従来技術から、例えば下記で引用するような、はんだを吐出するための様々な装置及び構成要素が知られている。
【0003】
米国特許第10399170B2号には、金属面を有する基板に半導体ダイを取り付けるためのダイアタッチ装置であって、基板上にボンド材を吐出するための材料吐出ステーションと、基板上に吐出されたボンド材上に半導体ダイを置くためのダイアタッチステーションとを含むダイアタッチ装置が説明されている。ダイアタッチステーションの前に位置決めされた活性ガス発生器が、基板上の酸化物を減らすために、活性化されたフォーミングガスを基板上に導入する。
【0004】
欧州特許第1393545B1号には、混合チャンバー内ではんだ線を溶融してそれをガスの流れに送り込み、及び基板に対して2つの中間ノズルを動かすか又は下げて、ノズルから基板上にはんだを吹き付けて堆積させることを含む、基板にはんだを施すための方法及び機器が説明されている。はんだ線は、ガイドチューブ内で混合チャンバーへ送り込まれ、及びその端部はガイドチューブ中へ引っ込められて、堆積プロセスを中断する。
【0005】
米国特許第5065932号では、ノズルアセンブリが、表面実装集積回路基板の実装パッドなどの一連の導電面上にはんだを堆積するために示されている。ノズルアセンブリは、長尺状の熱源を受け入れるための内部孔を有するノズルヘッドを含む。ノズルヘッドはまた、長尺状の熱源と接触するために内部孔内に送り込まれる固形はんだを受け入れるためのオリフィスを含む。内部孔は、長尺状の熱源と接触するために内部孔内に送り込まれる溶融はんだ用のはんだ溜部で終端する。溶融はんだは、各パッドに均一な量のはんだを堆積させるために、チップ開口部を通って吐出される。放出ガス(bleed gas)源が、構成部品を保護し及びアセンブリの内部から酸素を排除するために、アセンブリの内部に供給される。溶融はんだの酸化を減らし及び必要なフラックスの量を減らすために、カバーガスもはんだ部位に供給される。
【0006】
概して、従来のはんだ吐出プロセスの制御は、複数のノズル及びガス流による複雑な複数の機能を必要とし、意図したタイミングで意図した位置ではんだが溶融したり又は溶融しなかったりすることを保証する。さらに、複数のガス流及びガス混合物は、さらに、複雑さ及び装置の運転費を増し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の内容
それゆえ、本発明の目的は、複雑さを増すことなく追加的な機能をもたらすはんだディスペンサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、基板上にはんだ線を吐出するための装置が提供され、装置は、吐出本体と、吐出本体中を通って延在し、第1の端部ではんだ線を受け入れ及び基板に対面する第2の端部からはんだ線を吐出するように構成及び配置された、はんだ線用の吐出チャンネルと、吐出チャンネル内で第1の冷却ガスによってはんだ線の或る領域を冷却するように構成及び配置された第1の冷却チャンバーとを含み、ここで、第1の冷却チャンバーは、第1の冷却ガス用の少なくとも1つの入口、第1の冷却ガス用のワイヤ対面出口、及び第1の冷却ガス用の吐出口を含み、それにより、第1の冷却チャンバーは、使用中、第1の冷却ガスが、第1の冷却ガス用の少なくとも1つの入口を通って第1の冷却チャンバーに入り、基板から離れた第1の冷却ガス用のワイヤ対面出口から排出され、及び基板の方へ向かう第1の冷却ガス用の吐出口から排出されることを可能にするように構成及び配置され、及びはんだ線用の吐出チャンネルは、第1の冷却チャンバー内に含まれている。はんだ線に第1の冷却ガスの直接的な流れをもたらすことによって、プロセス結果の望ましくないばらつきが減少され得、及び吐出装置の複雑さが減少され得る。ガス消費量が少ないために、運転費も低下され得る。
【0009】
発明を実施するための様式
装置の実施形態は、第1の冷却チャンバー及びはんだ線用の吐出チャンネルが、吐出本体内の1つ以上の領域において同様又は同じ寸法を有するように設計及び具現化される。これは、単一の孔などの単一の構造を吐出チャンネル及び冷却チャンバーの双方の有意義の部分として構成することを可能にすることによって、機械的な複雑さ、重量及び/又は体積を減少させ得る。
【0010】
装置の実施形態は、吐出口が吐出チャンネルの第2の端部と同様又は同じ寸法を有するように設計及び具現化される。それに加えて又はその代わりに、ワイヤ対面出口は吐出チャンネルの第1の端部と同様又は同じ寸法を有する。これは、さらに、機械的な複雑さ、重量及び/又は体積を減少させ得る。
【0011】
装置の実施形態は、装置が、さらに、使用中、第1の冷却ガスの少なくとも一部分が第1の冷却チャンバーから基板の方へ向かって通過することを可能にするように構成及び配置された、吐出本体外に配置された、第1の冷却ガス用の少なくとも1つの補助出口を含むように設計及び具現化される。これは、線が装置から出た後でも作用する冷却効果ゆえに、線の冷却の効率を高め得る。
【0012】
装置の実施形態は、第1の冷却ガスが、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、水素、一酸化炭素又はそれらのいずれかの組み合わせを含むように設計及び具現化される。これにより、冷却ガスに起因する基板の酸化及びその関連の影響を回避する又は減少させる。
【0013】
装置の実施形態は、第1の冷却ガスが、窒素と、5%~20%の水素とを含むように設計及び具現化される。これにより、低運転費、並びに基板及び線の酸化の減少ゆえの、線及び基板に良好な保護雰囲気を可能にする。
【0014】
装置の実施形態は、吐出口を通過する第1の冷却ガスが、毎分0.1~5リットルの範囲内の流れを有するように設計及び具現化される。この値の範囲は、線の効果的な冷却を可能にする。特に、この範囲内では、基板に対する追加的な熱効果が減少又は回避され得る。
【0015】
装置の実施形態は、ワイヤ対面出口を通過する第1の冷却ガスが、毎分0.1~5リットルの範囲内の流れを有するように設計及び具現化される。この値の範囲は、基板に対する冷却効果を最小限にしながら、線の効果的な冷却を可能にする。
【0016】
装置の実施形態は、吐出本体及び第1の冷却ガス用の少なくとも1つの入口を通る縦断面で見る場合、第1の冷却ガス用の少なくとも1つの入口が、吐出本体の長手方向軸に対して反時計回りの方向において90度未満の角度に配置されるように設計及び具現化される。これは、第1の冷却ガスが、最適な比率でワイヤ対面出口及び吐出口を流れることを可能にし、酸素がノズルに入ることを回避するものの、高い冷却有効性を保つようにする。
【0017】
装置の実施形態は、吐出本体及び第1の冷却ガス用の少なくとも1つの入口を通る縦断面で見る場合、第1の冷却ガス用の少なくとも1つの入口が吐出本体の長手方向軸に対して反時計回りの方向に30度以上の角度に配置されるように設計及び具現化される。
【0018】
装置の実施形態は、使用中、第1の冷却チャンバーの少なくとも一部分における第1の冷却ガスの平均温度がはんだ線の平均融点を摂氏50度以上下回るように予め決められる及び/又は制御されるように設計及び具現化される。これにより、装置内での線の溶融を防止する。
【0019】
装置の実施形態は、装置が、さらに、第2の冷却ガスによって吐出本体の或る領域を冷却するように構成及び配置された第2の冷却チャンバーを含み、ここで、第2の冷却チャンバーは、第2の冷却ガス用の少なくとも1つの入口、及び第2の冷却ガス用の少なくとも1つの出口を含み、それにより、第2の冷却チャンバーは、使用中、第2の冷却ガスが、第2の冷却ガス用の少なくとも1つの入口を通って第2の冷却チャンバーに入り、及び第2の冷却ガス用の少なくとも1つの出口から排出されることを可能にするように構成及び配置されるように、設計及び具現化される。第2の冷却チャンバーは、冷却のためのより多くのプロセスの設定を可能にする。材料次第で、第2の冷却が独占的に又は第1の冷却に加えて行われる場合、はんだ付けの結果に有益とし得る。
【0020】
装置の実施形態は、装置が、さらに、使用中、第2の冷却ガスが第2の冷却チャンバーから基板の方へ向かって通過することを可能にするように構成及び配置された、吐出本体外に配置された、第2の冷却ガス用の少なくとも1つの補助出口を含むように設計及び具現化される。これにより、基板上でのプロセスに影響を及ぼすことなく、第2の冷却ガスが流れることを可能にする。
【0021】
装置の実施形態は、第2の冷却ガスが、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、水素、一酸化炭素、酸素、空気又はそれらのいずれかの組み合わせを含むように設計及び具現化される。
【0022】
装置の実施形態は、第2の冷却ガスと第1の冷却ガスが同じであるように設計及び具現化される。これは、機械的及び動作的な複雑さを減少させ得る。
【0023】
本発明のさらなる利点及び特徴は、以下の図面によって生じる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】第1の冷却機能を示す、はんだ線を吐出するための装置を通る縦断面を示す。
図1B】任意選択的な第2の冷却機能を示す、はんだ線を吐出するための装置を通る縦断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
発明の詳細な説明
図1Aは、第1の冷却機能を示す、基板500上にはんだ線200を吐出するための装置100を通る縦断面を示す。明確にするために、第1の冷却機能のみを示す。任意選択的な第2の冷却機能は図1Bに示され、下記でより詳細に説明する。
【0026】
より詳細には、図1Aは、吐出本体300と、吐出本体300中を通って延在する、はんだ線200用の吐出チャンネル400とを含む装置100を示す。換言すると、吐出チャンネル400は吐出本体300内に含まれている。吐出チャンネル400は、第1の端部430ではんだ線200を受け入れ及び基板500に対面する第2の端部470ではんだ線200を吐出するように構成及び配置される。装置100は、任意の好適なタイプのはんだ線200を用いて動作するように構成及び配置され得る。
【0027】
装置100は、さらに、吐出チャンネル400内で第1の冷却ガス810によってはんだ線200の或る領域を冷却するように構成及び配置された第1の冷却チャンバー600を含む。はんだ線200用の吐出チャンネル400は第1の冷却チャンバー600内に含まれている-これにより、使用中、吐出本体内のはんだ線200の周りに第1の冷却ガス810の流れをもたらすことを可能にする。
【0028】
より詳細には、第1の冷却チャンバー600は、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630、第1の冷却ガス810用のワイヤ対面出口651、及び第1の冷却ガス810用の吐出口652を含む。
【0029】
図1Aは、吐出本体300、及び第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630を通る縦断面を示す。
【0030】
第1の冷却チャンバー600は、使用中、第1の冷却ガス810が、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630を通って第1の冷却チャンバー600に入り、基板500から離れた第1の冷却ガス810用のワイヤ対面出口651から排出され、及び基板500の方へ向かう第1の冷却ガス810用の吐出口652から排出されることを可能にするように構成及び配置される。これにより、第1の冷却ガス810の流れを、吐出用のはんだ線200が受け入れられる領域の方へ向かって、基板500から離れたはんだ線200の周りにもたらすことを可能にする。さらに、これにより、第1の冷却ガス810の流れを、基板500の方へ向かう領域内のはんだ線200の周りにもたらすことを可能にする。
【0031】
装置100は、使用中、第1の冷却ガス810の流れをはんだ線200の周りにもたらすように構成及び配置される。任意選択的に、吐出チャンネル400の実質的に全てにおいて第1の冷却ガス810の流れをはんだ線200の周りにもたらすことが好都合とし得る。それに加えて又はその代わりに、ある期間中、第1の冷却ガス810の連続流をもたらすことが好都合とし得る。或いは、ある期間中、第1の冷却ガス810のパルス流をもたらすことが好都合とし得る。
【0032】
使用中、第1の冷却ガス810は、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630に接続され、それにより、吐出チャンネル400を含む第1の冷却チャンバー600に入る。
【0033】
はんだ線200を受け入れる第1の端部430は、第1の冷却ガス810用のワイヤ対面出口651に配置される。第1の冷却ガス810用の第2の端部470は、第1の冷却ガス810用の吐出口652に配置される。
【0034】
吐出チャンネル400は、使用中はんだ線200の直ぐ近くにある、第1の端部430から第2の端部470まで延在する1つ以上の領域である。冷却チャンバー600は、吐出チャンネル400のそれぞれの領域の寸法以上の寸法を備える1つ以上の領域を含むことによって、吐出チャンネル400を含む。
【0035】
任意選択的に、第1の冷却チャンバー600及びはんだ線200用の吐出チャンネル400が吐出本体300内の1つ以上の領域において同様又は同じ寸法を有するように装置100が構成される場合が、好都合とし得る。例えば、図1A及び図1Bに示すように、単一の構造、例えば吐出本体300を通る単一の孔が、冷却チャンバー600及び吐出チャンネル400の双方の有意義の部分として構成及び配置され得る。これは、機械的な複雑さ、重量及び/又は体積を減少させ得る。
【0036】
それに加えて又はその代わりに、吐出口は、吐出チャンネルの第2の端部と同様又は同じ寸法を有する。それに加えて又はその代わりに、ワイヤ対面出口は、吐出チャンネルの第1の端部と同様又は同じ寸法を有する。これは、さらに、機械的な複雑さ、重量及び/又は体積を減少させ得る。
【0037】
吐出チャンネル400中への第1の冷却ガス810の流れは、はんだ線200の周りで2つの主流に分けられる:基板500の方へ向かう吐出チャンネル400の第2の端部470で吐出チャンネル400から出る第1の主流8101、及び基板500から離れた吐出チャンネル400の第1の端部430で吐出チャンネル400から出る第2の主流8102。
【0038】
第2の主流8102は、吐出チャンネル400の少なくとも一部分の環境汚染のリスクを低下させるように構成及び配置され得る。特に、吐出チャンネル400の少なくとも一部分の酸素汚染を回避することが好都合とし得る。
【0039】
第2の主流8102は、さらに、装置100が吐出チャンネル400の実質的に全てにおいて第1の冷却ガス810をはんだ線200の周りにもたらすように構成及び配置されることを可能にするため、好都合とし得る。
【0040】
例えば、装置100は、使用中、毎分0.1~5リットル(l/min)の範囲の第1の主流8101で、吐出口652を通過する第1の冷却ガス810をもたらすように構成及び配置され得る。
【0041】
それに加えて又はその代わりに、装置100は、使用中、毎分0.1~5リットル(l/min)の範囲の第2の主流8102で、ワイヤ対面出口651を通過する第1の冷却ガス810をもたらすように構成及び配置され得る。
【0042】
装置100は、軟質はんだプロセスにおいて使用されるように構成及び配置され得、ここでは、はんだ線200は、リードフレームなどの基板500に提供される。任意選択的に、吐出中又は吐出後、吐出されたはんだ250は、より大きい表面積をもたらすために、プレス加工及び/又はスタンプ加工され得る(任意選択的にさらなる装置によって)。任意選択的に、予め決められた及び/又は制御された形状、例えば長方形や四角形が形成され得る。続いて、吐出されたはんだ250の上面にダイがボンドされ得る。この結果、リードフレーム基板500とダイとの間に金属間結合が生じる。一般に、そのような軟質はんだプロセスは、およそ摂氏380度(℃)の温度で行われる。
【0043】
本発明は、少なくとも部分的に、間接冷却に頼る従来の吐出装置は非効率的であるという洞察に基づく。冷却は、はんだ線と直接接触しない冷却ガスがもたらされる場合、間接的であるとみなされる。フォーミングガスが応用される他の従来の装置では、吐出中及び/又は吐出後、通常専用のガス出口が設けられた別個のガス分布システムが使用されて、フォーミングガスを基板表面500上のはんだの近くまで送る。
【0044】
はんだ線200の周りに第1の冷却ガス810の設定可能な流れ(configurable flow)をもたらすことは、より高い冷却効率ゆえに好都合とし得る。これは、プロセスパラメータのばらつきを減少させ得、これにより、同様に、より一貫性があって繰り返し可能に吐出されたはんだ250をもたらす。一貫性及び/又は繰り返し性は、例えば、形状、寸法、湾曲、体積、面積、ぬれ角、基板500上での絶対位置、基板500上での相対位置、又はそれらのいずれかの組み合わせなどの1つ以上の特性を使用することによって、評価され得る。
【0045】
本発明はまた、少なくとも部分的に、間接冷却に頼る従来の吐出装置において、制御された方法で安定した信頼性の高い吐出をもたらすためには、比較的高い流量が必要とされるという洞察に基づく。毎分20リットル(l/min)を上回るなどの高ガス流量設定が必要とされ、これは、運転費を増し得る。
【0046】
さらに、多くの従来の装置は、主に、基板に近い領域における酸化のリスクを低下させるためにガス流を使用する。しかしながら、本発明はまた、少なくとも部分的に、吐出チャンネル400におけるはんだ線200の直接冷却がより好都合であるという洞察に基づく。
【0047】
概して、それらの従来の吐出装置及び吐出ノズルは比較的複雑であり、それらの製造が高価になる。本発明人らは、経験的に、それらの複雑な装置は、比較的高流量で動作する場合、間接冷却ガスの望ましくない漏れを示す可能性があると判断した。従来、当業者は、例えば、装置の機械部品における寸法公差及び/又は機械的応力を低下させること、並びに高温のセラミックペーストを使用して封止することによって、望ましくない漏れを減少させようと試みてきた。
【0048】
本発明による、はんだ線200への第1の冷却ガス810の直接的な流れをもたらすことによって、プロセスの結果における望ましくないばらつきが減少され得る。
【0049】
いくつかの装置100では、第1の冷却ガス810の必要な流れが減少され得る。いくつかの装置100では、それは、冷却ガス消費量を減らすことによって、運転費を下げ得る。これはまた、はんだ吐出装置100の複雑さを減少させ得る。
【0050】
いくつかの装置100では、はんだ吐出装置100の重量及び/又は体積が減少され得る。
【0051】
任意の好適なガス、ガス組成物又はガス混合物が、実施中のプロセスのための第1の冷却ガス810として使用され得る-例えば、第1の冷却ガス810は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、水素、一酸化炭素又はそれらのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0052】
それに加えて又はその代わりに、第1の冷却ガス810は、窒素と、5%~20%の水素とを含み得る。
【0053】
任意選択的に、装置は、第1の冷却チャンバー600の少なくとも一部分において、平均温度がはんだ線200の平均融点を50℃以上下回るように予め決められる及び/又は制御されるように、第1の冷却ガス810をもたらすように構成及び配置され得る。例えば、装置100は、さらに、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630の流体的に前又は直前に、1つ以上の冷却器(図示せず)を含み得る。例えば、はんだ200の融点の温度は、一般に、300℃~400℃の範囲内にある。いくつかの特別なプロセスでは、融点の温度は1000℃まで達し得る。
【0054】
吐出チャンネル400の実質的に全てにおいて、平均温度がはんだ線200の平均融点を50℃以上下回るように予め決められる及び/又は制御されるように、第1の冷却ガス810をもたらすことも好都合とし得る。
【0055】
任意選択的に、第1の冷却ガス810は、吐出口652に近い領域では、平均温度がはんだ線200の平均融点を50℃以上下回るように予め決められる及び/又は制御されるように、提供され得る。
【0056】
例えば、300℃~400℃の範囲の融点ではんだ線200を吐出する場合、第1の冷却ガス810は、平均温度が、測定時に、アイドルモードにおいて、吐出口652からおよそ1mm離れて、100℃~150℃の範囲内になるように予め決められる及び/又は制御されるように、もたらされ得る。
【0057】
図1Bは、第2の任意選択的な冷却機能を示すときの、装置100を通る縦断面を示す。図1Bに示す装置100は、図1Aに示し及び図1Aに関連して説明する装置と同じであるが、明確にするために、図1Aに示すいくつかの特徴は図1Bでは示されていない。この第2の任意選択的な冷却機能は間接的であり、及び第1の冷却機能と同時に動作するように構成及び配置される。
【0058】
特に、図1Bは、第2の冷却ガス820によって吐出本体300の或る領域を冷却するように構成及び配置された第2の冷却チャンバー700を含む装置100を示す。
【0059】
第2の冷却チャンバー700は、第2の冷却ガス820のための少なくとも1つの入口730、及び第2の冷却ガス820のための少なくとも1つの出口750を含む。第2の冷却チャンバー700は少なくとも1つの出口750を含む。任意の好適な数の出口750が使用され得る。例えば、図1Bは、第2の冷却ガス820のための2つの出口750を示す。任意選択的に、第2の冷却ガス820に出口750を1つのみ設けるために、修正された機械的構築物が使用され得る。
【0060】
そのため、図1Bは、吐出本体300、第1の冷却ガス(図示せず)用の少なくとも1つの入口630、第2の冷却ガス820用の少なくとも1つの入口730、及び第2の冷却ガス820用の2つの出口750を通る縦断面を示す。図1Bは一例を示す-当業者は、入口及び出口が同じ縦断面内に配置される必要はないことに気づくであろう。
【0061】
第2の冷却チャンバー700は、使用中第2の冷却ガス820が第2の冷却ガス820用の少なくとも1つの入口730を通って第2の冷却チャンバー700に入り及び第2の冷却ガス820用の少なくとも1つの出口750から排出されることを可能にするように、構成及び配置される。
【0062】
任意選択的に、少なくとも1つの出口750から排出される第2の冷却ガス820は、基板500から離れるように方向付けられ得る。
【0063】
任意の好適なガス、ガス組成物又はガス混合物は、実施中のプロセスのための第2の冷却ガス820として使用され得る-例えば、第2の冷却ガス820は、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、水素、一酸化炭素、酸素、空気又はそれらのいずれかの組み合わせを含み得る。
【0064】
第2の冷却機能はオプションである。第2の冷却機能は、第1の冷却機能とは別に構成及び配置され得る。或いは、第2の冷却機能は、必要な冷却度を達成するために第1の冷却機能と協働するように構成及び配置され得る。
【0065】
第1の冷却機能は、任意選択的な第2の冷却機能とは別に構成及び配置され得る。或いは、任意選択的な第2の冷却機能が提供される場合、第1の冷却機能は、必要な冷却度を達成するために第2の冷却機能と連携するように構成及び配置され得る。
【0066】
図1Aに示し且つ上述したように、第1の冷却機能は、吐出チャンネル400中への第1の冷却ガス810の流れを含み、これは、基板500の方へ向かう第1の主流8101、及び基板500から離れる第2の主流8102に分けられる。
【0067】
図1Aに示すように、装置100は、さらに、任意選択的に、吐出本体300及び第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630を通る縦断面で見る場合、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630を吐出本体300の長手方向軸900に対して反時計回りの方向に90度未満の角度950に配置するように、構成及び配置され得る。少なくとも1つの入口630の角度950は、少なくとも1つの入口630の対称軸920を使用して決定され得る。この角度950は、基板500の方へ向かう第1の主流8101と基板500から離れる第2の主流8102との流量比を修正するために、予め決められ得る及び/又は制御され得る。
【0068】
例えば、角度950が30度~90度の範囲内にある場合に、好都合とし得る。
【0069】
例えば、さらに、角度950が70度~90度の範囲内にある場合に、好都合とし得る。
【0070】
この角度950を予め決める及び/又は制御することによって、基板500の方へ向かう第1の主流8101と基板500から離れる第2の主流8102との比を修正し得る。例えば、およそ90度の角度950において、比はおよそ1:1とし得る。例えば、角度950を90度よりかなり小さくすることによって、基板500の方へ向かう第1の主流8101を相対的に増加させるが、十分な体積の第2の主流8102は維持し、ワイヤ対面出口651などの開口部を通る吐出チャンネル400の少なくとも一部分中への環境汚染のリスクを低下させ得る。
【0071】
本発明人らは、本発明による直接冷却(第1の冷却機能)の使用によって、間接冷却のみを使用する従来の方法と比べて、少なくとも匹敵する程度のプロセス品質を提供し得ると判断した。
【0072】
これらの測定に関し、図1A及び図1Bに示すような装置100は、軟質はんだプロセスに好適な従来のタイプの線ディスペンサー装置を修正することによって、実現された。従来の線ディスペンサー装置の従来の間接冷却機能は、図1Bに示し及び本開示で説明した第2の冷却機能として構成及び配置された。直接冷却機能が線ディスペンサー装置に追加されて、図1Aに示し及び本開示で説明した第1の冷却機能として構成及び配置された。
【0073】
線ディスペンサー装置の実施形態は、吐出チャンネル400に流体接続された第1の冷却ガス810用の入口分配器670を含み得る。この例では、第1の冷却チャンバー600及び吐出チャンネル400は、吐出本体300内の1つ以上の領域において同様又は同じ寸法を有し得る。
【0074】
線ディスペンサー装置の実施形態は、吐出本体300及び第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630を通る縦断面で見る場合、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630を、吐出本体300の長手方向軸900に対して反時計回りの方向におよそ70度の角度950に配置し得る。
【0075】
線ディスペンサー装置の実施形態は、0.2~1.0mmの範囲内の平均直径を有するはんだ線200と使用するために、平均孔径0.4~1.2mmの元の吐出チャンネル400を残し得る。
【0076】
相対的なパフォーマンスを測定するために、代表的なプロセスの結果が比較のために選択された:立法ミリメートル(mm3)単位の吐出されたはんだの平均体積、百分率(%)単位の、平均体積によって割られた標準偏差として計算されたばらつき、及びミクロン(μm)単位の線の滑り。
【0077】
第1(直接)及び第2(間接)の冷却機能の双方共、異なる流動状況の影響を調査するために、流量調整器を使用して接続された。第2の冷却機能(測定番号01~03)のみを通る流れで行われた測定は、未修整の従来の線ディスペンサー装置を使用する動作の許容近似値であったと考えられた。
【0078】
【表1】
【0079】
測定01~03は、従来の線吐出装置を使用する状況の許容近似値として、第2の冷却機能を使用する間接冷却のみを用いて行われた。測定01は、従来の線吐出装置を使用する軟質はんだプロセスの標準的な動作条件を表すと考えられ得る。
【0080】
比較して、測定04は、少しの間接冷却、及び第1の冷却機能の直接冷却によって行われた。
【0081】
比較して、測定05~11は、直接冷却のみで行われた。
【0082】
表1の測定結果は、測定01~03によって提供されるような25l/min~3l/minの典型的な流量からの間接冷却流のばらつきがある場合、2.72%までのばらつきの著しい増加(悪化)が、測定03によって提供されるような3l/minの間接冷却流量において観察可能であることを示す。これは、測定01の標準的な動作条件と比べて、間接的な流量のおよそ90%の低下に対応する。
【0083】
1l/minまで間接冷却を低下させ、測定04によって提供されるように直接冷却が0.5l/minであり、ばらつきが再度1.51%まで減少する場合、これは、測定01の標準的な動作条件に匹敵するが、ばらつきの減少は直接的な改善を表す。
【0084】
及び、直接冷却流量が0.8l/minまで増加する場合、1.3%のばらつきの減少が測定05で観察され、これは、測定01の標準的な動作条件下で測定され得るよりもばらつきが減少するが、ばらつきの減少は直接的な改善を表す。
【0085】
測定06、07、09で観察可能であるような0.6l/minの直接冷却流のみの場合、測定結果は、ばらつきに1.61%~1.71%のある程度の揺らぎを示す。
【0086】
測定10及び11で観察可能であるような0.5l/minの直接冷却流のみの場合、測定結果は、ばらつきに1.75%~1.88%のある程度の揺らぎを示す。追加的な間接冷却が1l/minで提供される測定04と比較することによって、プロセス品質におけるさらなる改善が、直接冷却に加えて間接冷却が使用される場合に期待され得ることが示される。
【0087】
測定04及び05は、測定01の標準的な動作条件と比べてばらつきのレベルがわずかに改善しているが、総ガス使用量がより低くなっていることを示す。特に、0.5l/minの直接冷却及び1l/minの間接冷却の測定04では、総使用量は1.5l/minであり、これは、測定01と比べて使用量の94%の減少であった。特に、0.8l/minの直接冷却のみの測定05では、総使用量は0.8l/minであり、これは、測定01と比べて使用量のおよそ95%の減少であった。
【0088】
さらに、当業者は、直接冷却のみ、直接間接複合冷却、及び間接冷却のみの最中、線の滑りは比較的変わらないままであることに気づくであろう。
【0089】
ガスの温度及び冷却度は、ガス流、ガス組成物、ガス混合物、チャンバー寸法、入口寸法、出口寸法、チャンネル寸法、又はそれらのいずれかの組み合わせなどの、直接及び/又は間接冷却のためのパラメータを使用して予め決められ得る及び/又は制御され得る。
【0090】
本開示で提供される指示に従うことによって、第1の冷却ガス810の直接冷却流を含む線吐出装置100の1つ以上の実施形態は、はんだ吐出処置をさらに改善するために最適にされ得る。例えば、使用中のはんだ線(200)の保護をさらに改善し及び存在する可能性がある酸化物からのはんだ線(200)の洗浄度を高めるために、実施形態を最適にすることが好都合とし得る。
【0091】
それに加えて又はその代わりに、吐出チャンネル400において、摩擦が少なく且つ滑りが少ないはんだ線200を提供するために、1つ以上の実施形態を最適にすることが好都合とし得る。この例では、はんだ線200は、吐出チャンネル400が第1の冷却ガス810で満たされているため、ガス軸受システム内に含まれているとみなされ得る。
【0092】
それに加えて又はその代わりに、はんだ粒子及び/又は他の汚染物質を吐出口652から排出することによって、詰まりの少ないはんだ線200を提供するために、1つ以上の実施形態を最適にすることが好都合とし得る。
【0093】
それに加えて又はその代わりに、ワイヤ対面出口651及び/又は吐出口652を通してはんだ粒子及び/又は他の汚染物質を排出することによって、吐出チャンネル400の洗浄を少なくするために、1つ以上の実施形態を最適にすることが好都合とし得る。
【0094】
それに加えて又はその代わりに、低ぬれ角を40度未満、好ましくは35度未満、最も好ましくは30度未満に、及び/又は体積のばらつきの減少を、吐出されたはんだの体積のおよそ5パーセント未満の標準偏差、好ましくはおよそ2パーセント未満の標準偏差、最も好ましくはおよそ1パーセント未満の標準偏差に最適にすることによって、より信頼性高く且つ繰り返し可能に吐出されたはんだを提供するために、1つ以上の実施形態を最適にすることが好都合とし得る。
【0095】
それに加えて又はその代わりに、吐出されたはんだ250(又はドット)の配置精度を改良するために、1つ以上の実施形態を最適にすることが好都合とし得る。
【0096】
任意選択的に、装置100は、さらに、吐出本体300外に配置された、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの補助出口(図示せず)を含み得る。これは、使用中、第1の冷却ガス810の少なくとも一部分が第1の冷却チャンバー600から基板500の方へ向かって通過することを可能にするように、構成及び配置され得る。
【0097】
少なくとも1つの補助出口は、さらに、第1の冷却ガス810の少なくとも一部分を、基板500の方へ向かって:軸からのずれがない又は軸から1.0度未満若しくは2.0度未満の最小のずれで吐出本体300の長手方向軸900に対して実質的に平行である、長手方向軸900に対してかなり平行ではない、長手方向軸900に対して非ゼロの角度、又はそれらのいずれかの組み合わせである角度で方向づけるように、構成及び配置され得る。いくつかの形態では、第1の冷却ガス810の少なくとも一部分を基板500の方へ向かって:長手方向軸900に対してほぼ垂直である角度で方向づけることが好都合とし得る。これらは、吐出本体300及び第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの補助出口を通る縦断面で見る場合の、角度である。好ましくは、少なくとも1つの補助出口は、長手方向軸900に対して横方向に、同心円状及び対称的に配置される1つ以上の位置に配置される。換言すると、配置構成は、はんだ吐出チャンネル400の第2の端部470を基板500から見る場合、第1の冷却ガス810用の「シャワーヘッド」に似ているとし得る。これは、線200及び/又は吐出されたはんだ250の周りに、第1の冷却ガス810の1つ以上のほぼ同心円状の流れ領域を提供し得る。パラメータ、例えば少なくとも1つの出口の形状、寸法及び数、実施されているプロセス次第で変化し得る。
【0098】
実施形態はまた、それら自体で又は1つ以上の他の例と組み合わせてのいずれかで、好都合であるとみなされ得る。
【0099】
例えば、元の吐出チャンネル及び/又は線キャピラリーに流体接続される、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口を追加することによって、従来の吐出チャンネル、例えば線吐出装置を修正することが好都合とし得る。
【0100】
例えば、装置、ユーザ、オペレータ、又はそれらのいずれかの組み合わせが、第1の冷却ガス810の流れを制御することを可能にするために、第1の冷却ガス810用の1つ以上のガス流コントローラを提供することが好都合とし得る。
【0101】
例えば、第1の冷却ガス810用の少なくとも1つの入口630と吐出チャンネル400との間に1つ以上の貫通孔を設けて、吐出チャンバー400内でのかなりの程度の流れを予め決定することが好都合とし得る。これらの貫通孔は、任意の好適な配置構成及び形態に配置され得る-例えば、複数の貫通孔は入口分配器670に設けられ得る(図1Aに示すように)。好ましくは、入口分配器670は、はんだ線200の外側の実質的に辺り一面に流れをもたらすように構成及び配置される。
【0102】
例えば、第1の冷却ガス810の1つ以上の流れの少なくとも一部分の強さを測定するために、1つ以上の流量計を提供することが好都合とし得る。
【0103】
例えば、第2の冷却ガス820の1つ以上の流れの少なくとも一部分の強さを測定するために、1つ以上の流量計を提供することが好都合とし得る。
【符号の説明】
【0104】
100 線吐出装置
200 はんだ線
250 吐出されたはんだ
300 吐出本体
400 はんだ線吐出チャンネル
430 はんだ吐出チャンネルの第1の端部
470 はんだ吐出チャンネルの第2の端部
500 基板
600 第1の冷却チャンバー
630 第1の冷却ガス用の入口
651 第1の冷却ガス用のワイヤ対面出口
652 第1の冷却ガス用の吐出口
670 第1の冷却ガス用の入口分配器
700 第2の冷却チャンバー
730 第2の冷却ガス用の入口
750 第2の冷却ガス用の出口
810 第1の冷却ガス
8101 第1の冷却ガスの第1の主流(基板の方へ向かう)
8102 第1の冷却ガスの第2の主流(基板から離れる)
820 第2の冷却ガス
900 長手方向軸
920 第1の冷却ガス入口の対称軸
950 ガス入口の角度
図1A
図1B
【国際調査報告】