(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】水性半合成金属加工流体組成物
(51)【国際特許分類】
C10M 173/00 20060101AFI20240820BHJP
C10M 133/06 20060101ALI20240820BHJP
C10M 101/02 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/16 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/18 20060101ALI20240820BHJP
C10M 135/10 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/28 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/40 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/44 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/34 20060101ALI20240820BHJP
C10M 129/42 20060101ALI20240820BHJP
C10N 30/00 20060101ALN20240820BHJP
C10N 30/06 20060101ALN20240820BHJP
C10N 40/20 20060101ALN20240820BHJP
【FI】
C10M173/00
C10M133/06
C10M101/02
C10M129/16
C10M129/18
C10M135/10
C10M129/28
C10M129/40
C10M129/44
C10M129/34
C10M129/42
C10N30:00 Z
C10N30:06
C10N40:20 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506974
(86)(22)【出願日】2021-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-05
(86)【国際出願番号】 CN2021114210
(87)【国際公開番号】W WO2023023925
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100156476
【氏名又は名称】潮 太朗
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、チャオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュエ
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BB08C
4H104BB09C
4H104BB16A
4H104BB17C
4H104BB18C
4H104BB24C
4H104BB31A
4H104BE02C
4H104BG06C
4H104DA02A
4H104LA03
4H104LA20
4H104PA21
(57)【要約】
水性半合成金属加工流体は、基油と、有機酸と、乳化剤と、任意選択で濃縮添加剤と、水と、グリコールエーテルアミンを含む微生物増殖制御剤と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半合成金属加工流体であって、
a.少なくとも1つの基油と、
b.以下の構造
【化1】
[式中、R
1はC1~C6アルキル基であり、R
2はCH
3又はCH
2-CH
3であり、R
3はCH
3又はCH
2-CH
3であり、mは0~6である]を有するグリコールエーテルアミンを含む、少なくとも1つの微生物増殖制御剤と、
c.1つ以上の有機酸と、
d.1つ以上の乳化剤と、
e.任意選択で1つ以上の添加剤と、
f.水と、を含む、半合成金属加工流体。
【請求項2】
前記微生物増殖制御剤のR
1は、C
3~C
4アルキル基である、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項3】
前記グリコールエーテルアミンは、2-ブトキシ-エタンアミン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、1-ブトキシ-2-プロパンアミン、1-[1-メチル-2-(1-メチル-2-プロポキシエトキシ)エトキシ]-2-プロパンアミン1-(2-ブトキシ-1-メチルエトキシ)-2-プロパンアミン、1-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-プロパンアミン、又は1-(1-メチル-2-プロポキシエトキシ)-2-プロパンアミンからなる群から選択される、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項4】
前記微生物増殖制御剤は、別のアミンを更に含む、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項5】
前記微生物増殖制御剤において、mは0~2である、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項6】
前記基油は、ナフテン油、パラフィン油、エステル油、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項7】
前記乳化剤は、エトキシル化又はプロポキシル化されたC
16~C
18アルコール、エトキシル化C
12~C
15アルコール、アルカンスルホン酸ナトリウム及びアルキルエーテルカルボキシラート、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項8】
可溶化剤は、エチルヘキサン酸、アゼライン酸、トール油脂肪酸、12-ヒドロキシル-(シス)-9-オクタデセン酸、ジカルボン酸、9-オクタデセン酸及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項9】
前記添加剤は存在し、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項10】
前記微生物増殖制御剤は、前記半合成金属加工流体の6~15重量%の量で存在する、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項11】
前記基油は、前記半合成金属加工流体の10~45重量%の量で存在する、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項12】
前記乳化剤は、前記半合成金属加工流体の5~20重量%の量で存在する、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項13】
可溶化剤は、前記半合成金属加工流体の3~10重量%の量で存在する、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【請求項14】
前記水は、前記半合成金属加工流体の20~60重量%の量で存在する、請求項1に記載の半合成金属加工流体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定のクラスのグリコールエーテルアミンを含む微生物増殖制御剤を含む、半合成金属加工流体組成物が提供される。
【背景技術】
【0002】
序論
金属加工流体(metal working fluid、MWF)は、金属切削及び工具成形加工時に、潤滑のために使用される。これらの流体は、金属加工工具を冷却し、工具/ワークピース界面から切削屑を除去し、許容可能な機械加工後の仕上げ面を提供するのに役立つ。近年、アルミニウムなどの材料を含有する車両の金属加工の発展に伴い、金属加工流体の要件がより厳しくなっている。
【0003】
金属加工流体産業では、良好な冷却性能、良好な潤滑性、良好な濃縮安定性、及び長い貯蔵寿命を有する組成物が望まれている。既存のMWFは、典型的には、ニート油、ソリュブル油(soluble oil)、半合成流体、又は合成流体として分類され、カテゴリーは、冷却、潤滑、防錆、及び洗浄の異なる機能を示す。ソリュブル油MWFは、50~70重量%のニート油を含み、MWFの残りは、耐摩耗/極圧添加剤、及び乳化剤である。ニート油及びソリュブル油は、典型的には、水性金属加工流体と比較して同じレベルの冷却を提供しない。合成流体は、典型的には、良好な潤滑性能を提供することができない。なぜなら、それらの潤滑性機能は、温度が曇点よりも高い場合、ポリアルキレングリコールの逆溶解による影響を受けるからである。半合成材料は、要求の厳しい用途で使用するために、良好な潤滑性及び冷却性を同時に提供する可能性を提供する。典型的な半合成流体は、油、有機酸、洗浄剤、界面活性剤、潤滑剤、アミン、防食剤、水及び他の成分からなる。約10~40重量%の鉱油、約10~20重量%の乳化剤、約10~20重量%のアミン、及び潤滑剤、腐食防止剤、可溶化剤、pH中和剤、殺生物剤などの他の機能性添加剤とともに、そのような半合成MWF中の水の量は、典型的には、最大50~60重量%である。半合成MWFは、通常、最終使用者の現場において、追加の水で、1~20重量%のニート油濃度、より典型的には、5~7重量%のニート油濃度に希釈される。
【0004】
半合成流体では、乳化剤を添加し、水中油での安定な分散を形成することが多い。乳化剤粒子は、油滴の周りに位置し、それらを水分子に結合させる負電荷を付与する。そのような乳化油滴のサイズは、一般に、乳化剤のサイズが小さいほど切断ゾーンの界面に浸透しやすいため、流体性能にとって非常に重要である。乳化剤はまた、半合成流体の安定性に寄与する。
【0005】
半合成流体は、微生物が流体中の活性成分を餌とするので、流体性能に悪影響を及ぼす微生物増殖のために部分的に経時的に分解する。MWF中のそのような微生物増殖は、MWFの一般的な酸洗い(souring)、MWFの粘度変化、MWFの貯蔵寿命の短縮、並びに工具及び材料の腐食を含む多くの形態で金属加工処理において深刻な問題を引き起こす可能性がある。加えて、供給ノズル、貯蔵タンク、パイプライン及びリサイクルシステム設備などの機器及びプロセスの機能もまた、MWF中の微生物増殖によって影響を受ける場合がある。この酸洗いは、MWFのコストを増加させ、腐食速度を加速させ、金属加工の効率を低下させる。微生物増殖を制御する最も一般的な解決策は、殺生物剤及びアミンアルコールを、所与のMWFに連続的に又はバッチ処理として添加することである。しかしながら、殺生物剤及びいくつかの二級アミンアルコールは、規制上の制限によって制限されており、殺生物化学物質のうちのほとんどは、ヒトの健康に有害であるホルムアルデヒドを経時的に放出する。
【0006】
したがって、現在の流体の環境衛生及び安全性の懸念なしに、改善された冷却、潤滑性、濃縮安定性、及び長い貯蔵寿命を提供する新規な殺生物組成物を有する、新規な半合成金属加工配合物を有することが望ましい。
【0007】
本発明の組成物は、上記の必要性の一部又はすべてに対処する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、基油、有機酸、乳化剤、任意選択で添加剤、水、及びグリコールエーテルアミンを含む微生物増殖制御剤を含む、水性半合成金属加工流体を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】比較例1及び本発明の実施例1~実施例6の泡の高さ並びに消泡時間を示す棒グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、半合成金属加工流体に関する。これらのMWFは、水、1つ以上の基油、1つ以上の可溶化剤、1つ以上の乳化剤、任意選択で1つ以上の添加剤、及び1つ以上の微生物増殖制御剤を含み、微生物増殖制御剤は、少なくともグリコールエーテルアミンを含む。
【0011】
本配合物に使用される水は、好ましくは脱イオン水であり、配合物の少なくとも20重量%、好ましくは25重量%、30重量%又は更には35重量%から、配合物の最大65重量%、60重量%、55重量%又は更には50重量%までを含み得る。これらの配合物は、使用前に更なる水で更に希釈され得、それに応じてこれらの範囲を変更することが企図される。例えば、使用前に、基油濃度が希釈配合物の1~20重量%、より典型的には5~7重量%となるように、配合物を希釈してもよい。
【0012】
本発明の半合成MWFは、基油も含む。基油は、MWFで使用するために当技術分野で一般に知られている任意の基油であってよい。好ましくは、基油は、ナフテン油、パラフィン油若しくはエステル油、又はこれらの組み合わせから選択される基油である。MWF中の基油(複数可)の濃度は、配合物の5、7、10、又は15重量%から、配合物の50、45、40、又は35重量%までの範囲であり得る。
【0013】
本発明の半合成MWFはまた、微生物増殖制御剤及び/又は殺生物剤を含み、これは、一実施形態では、グリコールエーテルアミンとして記載され得る。好適なグリコールエーテルアミンとしては、2-ブトキシ-エタンアミン、1-メトキシ-2-プロパンアミン、1-ブトキシ-2-プロパンアミン、1-[1-メチル-2-(1-メチル-2-プロポキシエトキシ)エトキシ]-2-プロパンアミン1-(2-ブトキシ-1-メチルエトキシ)-2-プロパンアミン、1-(2-メトキシ-1-メチルエトキシ)-2-プロパンアミン、及び1-(1-メチル-2-プロポキシエトキシ)-2-プロパンアミン、及び2-アミノ-2-メチル-2-プロパノールが挙げられるが、これらに限定されない。驚くべきことに、そのようなグリコールエーテルアミンは、MWF中に存在する細菌及び他の微生物に対する良好な殺生物剤であることが見出された。
【0014】
別の実施形態では、本開示の殺生物組成物は、少なくともグリコールエーテルアミンを含む組成物であり得、一級エーテルアミン化合物は、以下の式のものである。
【0015】
【化1】
式中、R1は、C1~C6アルキル基、より好ましくは、C3~C4アルキル基であり、R2及びR3は、独立してCH3又はCH2-CH3であり、mは、0~6、又は好ましくは、0~2である。
【0016】
MWF中のグリコールエーテルアミン(複数可)の濃度は、配合物の1、4、6、8、又は10重量%から、配合物の30、25、15、又は12%までの範囲であり得る。
【0017】
微生物増殖制御剤は、特定の微生物増殖制御目標を達成するために上に開示した材料と組み合わせて使用され得る、1つ以上の追加のグリコールエーテルアミンを更に含み得る。
【0018】
本発明の半合成MWFはまた、可溶化剤として1つ以上の有機酸を含む。好ましい有機酸としては、2-エチルヘキサン酸、アゼライン酸、トール油(toll oil)脂肪酸、12-ヒドロキシル-(シス)-9-オクタデセン酸、ジカルボン酸、及び9-オクタデセン酸が挙げられる。MWF中の有機酸の濃度は、配合物の2、3、4、又は5重量%から、配合物の12、10、8、又は7重量%までの範囲であり得る。
【0019】
本発明の半合成MWFはまた、1つ以上の乳化剤を含む。乳化剤は、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性であり得る。好適なアニオン性界面活性剤又は乳化剤の例は、アルカリ金属、アンモニウム及びアミン石鹸である。このような石鹸の脂肪酸部分は、好ましくは少なくとも10個の炭素原子を含む。石鹸は「in situ」形成することもできる。言い換えれば、脂肪酸を油相に添加し、アルカリ性材料を水相に添加してもよい。
【0020】
好適なアニオン性界面活性剤又は乳化剤の他の例は、アルキル-アリールスルホン酸のアルカリ金属塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、硫酸化又はスルホン化油、例えば、硫酸化ヒマシ油;スルホン化獣脂、及び短鎖石油スルホン酸のアルカリ塩である。
【0021】
好適なカチオン性界面活性剤又は乳化剤は、長鎖一級、二級又は三級アミンの塩、例えば、酢酸オレイルアミド、酢酸セチルアミン、乳酸ジドデシルアミン、アミノエチル-アミノエチルステアラミドの酢酸塩、ジラウロイルトリエチレンテトラミンジ酢酸塩、1-アミノエチル-2-ヘプタデセニルイミダゾリン酢酸塩;並びに四級塩、例えば、臭化セチルピリジニウム、塩化ヘキサデシルエチルモルホリニウム、及び塩化ジエチルジドデシルアンモニウムである。
【0022】
好適な非イオン性界面活性剤又は乳化剤の例は、高級脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、オレイルアルコールと10個のエチレンオキシド単位との反応生成物;アルキルフェノールとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、イソオクチルフェノールと12個のエチレンオキシド単位との反応生成物;高級脂肪酸アミドと5つ以上のエチレンオキシド単位との縮合生成物;モノパルミチン酸テトラエチレングリコール、モノラウリン酸ヘキサエチレングリコール、モノステアリン酸ノナエチレングリコール、ジオレイン酸ノナエチレングリコール、モノアラキジン酸トリデカエチレングリコール、モノベヘン酸トリコサエチレングリコール、ジベヘン酸トリコサエチレングリコールなどの長鎖脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、トリステアリン酸ソルビタンなどの多価アルコール部分高級脂肪酸エステル、多価アルコール部分高級脂肪酸エステルとそれらの分子内無水物(マンニトール無水物、マンニタンと呼ばれるもの、ソルビトール無水物、ソルビタンと呼ばれるもの)とのエチレンオキシド縮合生成物、例えば、モノパルミチン酸グリセロールに10分子のエチレンオキシドを反応させたもの、モノオレイン酸ペンタエリスリトールに12分子のエチレンオキシドを反応させたもの、モノステアリン酸ソルビタンに10~15分子のエチレンオキシドを反応させたもの、モノパルミチン酸マンニタンに10~15分子のエチレンオキシドを反応させたものなど;メトキシポリエチレングリコール550モノステアレート(550はポリグリコールエーテルの平均分子量を意味する)などの、1つのヒドロキシル基が高級脂肪酸でエステル化され、他のヒドロキシル基が低分子量アルコールでエーテル化されている長鎖ポリグリコール、である。これらの界面活性剤のうちの2つ以上の混合物を使用してもよく、例えば、カチオン性界面活性剤を非イオン性界面活性剤と混合してもよく、アニオン性界面活性剤を非イオン性界面活性剤と混合してもよい。
【0023】
好適な乳化剤としては、エトキシル化又はプロポキシル化されたC16~18アルコール;エトキシル化C12~C15アルコール;アルカンスルホン酸ナトリウム及びアルキルエーテルカルボキシラートが挙げられる。
【0024】
MWF中の乳化剤(複数可)の濃度は、配合物の4、5、6、8、又は10重量%から配合物の25、20、15、又は12%までの範囲であり得る。
【0025】
本発明の半合成MWFはまた、1つ以上の添加剤を含んでもよい。好ましい添加剤としては、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、及びプロピレングリコールブチルエーテルが挙げられる。MWF中の添加剤(複数可)の濃度は、配合物の0.0、0.3、0.5、1.0、又は1.5重量%から配合物の2.5、2.0、又は1.8%までの範囲であり得る。
【0026】
本発明の半合成MWFはまた、当技術分野で一般に公知の追加の機能性を提供するために他の添加剤を含んでもよい。
【実施例】
【0027】
本開示の半合成MWFなどの有効性を試験するための実験は、以下のように行うことができる。一連の7種の半合成MWFを表1に示すように調製する。各実施例は、表2に示すように、微生物増殖制御剤としての異なるアミンを除いて同一である。
【0028】
【0029】
【0030】
試験1 半合成流体の熱安定性
上記の7つの例のそれぞれの一部を50℃(±3℃)で保存し、一部を0℃(±1℃)で20時間保存した。その後、試料を観察し、結果を表3に示し、「合格」は単相透明材料を示す。
【0031】
【0032】
上記の表に示されるように、本発明の組成物(実施例1~実施例6)は、すべての実施例が少なくとも1つの温度で安定性試験に合格したため、比較例1よりも良好な安定性を示した。
【0033】
試験2 発泡試験
5.0gの第1の7つの半合成流体濃縮物のそれぞれを、95mLの硬水(50ppm、Ca(CO3)2当量)を含有する250mLシリンダーに添加する。シリンダーを栓で閉じた後、シリンダーを1分以内に60回反転させる。反転完了直後の泡の体積高さ(0秒)、及び泡の高さが0cmに減少するまでの時間を記録し、
図1に示す。
【0034】
上記の表に示されるように、本発明の組成物(実施例1~実施例5)は、比較例1(MEA+TEA)よりも良好な低発泡性能を有する。なぜなら、これらすべての実施例は、より低い泡高さ及びより短い消泡時間を示すからである。
【0035】
試験3 防食試験
半合成溶液の防食性能を評価するために、試験2で使用した5mLの硬水溶液のそれぞれを、4.0(±0.1)gmのキャストアイコンチップ(cast icon chip)と共に35mm×10mmのプラスチックペトリ皿に添加し、25℃で24時間保存する。この期間の後、鉄チップの腐食状態を観察し、影響を受けたと観察された面積割合を表4に記録する。
【0036】
【0037】
上の表4に示されるように、本発明の組成物(実施例1、実施例3、実施例6)は、比較例1(MEA+TEA)と同等の防食性能を有する。
【国際調査報告】