(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】単一の対の電気的接続経路による機能ユニットの給電及び測定信号の取得
(51)【国際特許分類】
B26B 19/38 20060101AFI20240820BHJP
A61C 17/22 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B26B19/38 U
B26B19/38 Z
A61C17/22 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508422
(86)(22)【出願日】2022-07-25
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2022070731
(87)【国際公開番号】W WO2023016783
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ビショップ オイディリウス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】アルグラ シエツェ
(72)【発明者】
【氏名】モヨ フォーチュン
(72)【発明者】
【氏名】セメノフ アンドリイ
【テーマコード(参考)】
3B202
3C056
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB09
3B202BE10
3C056JD27
3C056JE01
(57)【要約】
一態様によれば、電源202及び制御回路204を含む本体206と、機能部材208、402及び検知構成要素210、524を含む機能ユニット212とを備えるデバイス200、300、400、500が提供される。機能部材208、402及び検知構成要素210、524は、互いと並列に電気的に配置され、機能部材208、402は閾値電圧を持ち、閾値電圧未満で機能部材208、402が非導電性又は実質的に非導電性であり、閾値電圧超で機能部材208、402が導電性である。制御回路204及び電源202は、単一の対の電気的接続経路214、216により機能ユニット212に電気的に結合され、制御回路204及び電源202は、単一の対の電気的接続経路214、216により機能ユニット212に第1の電圧を供給することと第2の電圧を供給することとの間で切り替えるように構成され、測定信号が単一の対の電気的接続経路214、216により検知構成要素210、524から取得されることを可能にするように、第1の電圧は、閾値電圧を超え、第2の電圧は、閾値電圧未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源及び制御回路を含む本体と、
機能部材及び検知構成要素を含む機能ユニットであって、前記機能部材及び前記検知構成要素は、互いと並列に電気的に配置され、前記機能部材は閾値電圧を持ち、前記閾値電圧未満で前記機能部材が非導電性又は実質的に非導電性であり、前記閾値電圧超で前記機能部材が導電性である、機能ユニットと、
を備える、デバイスであって、
前記制御回路及び前記電源は、単一の対の電気的接続経路によって前記機能ユニットに電気的に結合され、
前記制御回路及び前記電源は、前記単一の対の電気的接続経路により前記機能ユニットに第1の電圧を供給することと第2の電圧を供給することとの間で切り替え、測定信号が前記単一の対の電気的接続経路により前記検知構成要素から取得されることを可能にするように、前記第1の電圧は、前記閾値電圧を超え、前記第2の電圧は、前記閾値電圧未満である、デバイス。
【請求項2】
前記単一の対の電気的接続経路により前記第1の電圧を前記機能ユニットに供給することによって、前記制御回路及び前記電源は、前記機能部材を作動させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記機能ユニットは、前記本体に解除可能に結合され、前記単一の対の電気的接続経路は、前記本体に配置された第1の対の電気的接続要素と、前記機能ユニットに配置された第2の対の電気的接続要素とを含み、前記第2の対の電気的接続要素は、前記第1の対の電気的接続要素に解除可能に結合される、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記機能部材は、1つ又は複数の発光ダイオードを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記機能部材は、ダイオード又はトランジスタと直列に電気的に配置された電力消費部材を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記検知構成要素は、前記機能部材の動作パラメータを検知する、請求項1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記動作パラメータは、前記機能部材の温度、及び前記機能部材の温度変化のうちの1つ又は複数である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記検知構成要素は、サーミスタを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記制御回路は、第1のスイッチを閉じて、前記電源を前記単一の対の電気的接続経路のうちの第1の経路に直接接続して前記第1の電圧を供給し、前記電源と前記単一の対の電気的接続経路のうちの前記第1の経路と直列の分圧抵抗器を使用して、前記第1のスイッチが開いている場合に前記第1の経路に前記第2の電圧を供給する、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記制御回路は、前記測定信号を前記検知構成要素から取得するために、前記分圧抵抗器と前記検知構成要素との間の接続点において前記第1の回路に接続されるセンサ入力チャネルを含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記分圧抵抗器と前記電源と前記第1の経路とに直列に配置された第2のスイッチを備え、前記第2のスイッチ及び前記分圧抵抗器はまた、前記第1のスイッチと並列に配置され、前記制御回路は、前記第1のスイッチが開いている間、前記第2のスイッチを閉じて、前記機能ユニットに前記第2の電圧を供給し、前記センサ入力チャネルを介して前記検知構成要素から前記測定信号を取得する、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記制御回路は、パルス幅変調制御信号に従って前記第1のスイッチ及び/又は前記第2のスイッチを開閉する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記制御回路は、入力部並びに第1の出力部及び第2の出力部を有するスイッチを備え、前記スイッチの前記入力部は、前記電源に接続され、前記スイッチの前記第1の出力部は、前記単一の対の電気的接続経路のうちの第1の経路に接続され、前記スイッチの前記第2の出力部は、分圧抵抗器により前記第1の経路に接続され、前記制御回路は、前記第1の電圧を供給するための前記第1の出力部と前記第2の電圧を供給するための前記第2の出力部との間で切り替えるように前記スイッチを動作させる、請求項1から8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記デバイスは、パーソナルケアデバイスであり、前記機能ユニットは、パーソナルケアユニットである、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記パーソナルケアデバイスは電気シェーバであり、
前記機能ユニットは、前記本体に解除可能に結合されるとともに1つ又は複数の毛切断ユニットを含むシェービングユニットであり、
前記機能部材は、前記1つ又は複数の毛切断ユニットの動作中に光を発するように前記シェービングユニットに配置された1つ又は複数の発光ダイオードを含む、
請求項14に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本体と、機能部材及び検知構成要素を含む機能ユニットとを備える、シェービングデバイスなどのデバイスに関し、詳細には、本体と機能ユニットとの間の単一の対の電気的接続経路を使用して、機能部材に給電することができるとともに測定信号を検知構成要素から取得することができる構成に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケアデバイス、特に顔の毛のシェービングデバイスの分野における最近の注目は、シェービング、除毛、皮膚マッサージなどのような、1つ又は複数のパーソナルケア機能の性能と並んで、そのようなデバイスのユーザに感覚体験の向上を提供することである。
【0003】
例えば、感覚体験の向上は、パーソナルケアデバイス内の赤外(IR)又は近IR(NIR)光モジュールの使用によりパーソナルケアデバイスのユーザに提供される。IR又は近IR光モジュールは、パーソナルケアデバイスが使用中でありパーソナルケア機能(複数可)を行っている間、ユーザに適度な温かさを提供する及び/又はユーザの皮膚を処置するために給電される。
【0004】
この例では、IR又はNIR光モジュールによって提供される感覚体験は、(パーソナルケアデバイスが使用中である場合に)ユーザの皮膚にIR又はNIR光モジュールが近いことにより向上することが理解されるであろう。これを考慮すると、IR又はNIR光モジュールは、パーソナルケアデバイスの機能ユニット内に設けられ、機能ユニットは、シェービング又は毛切断などの1つ又は複数のパーソナルケア機能を提供するパーソナルケアデバイスの一部である。
【0005】
多くの場合、機能ユニットは、例えば、毛切断要素からデブリをクリーニングするために又は毛切断要素を完全に交換するために、機能ユニットのクリーニング又は交換を容易にするようにパーソナルケアデバイスの本体から取り外し可能である。したがって、機能ユニットは、電力を受けるために本体に対する電気的接続を必要とする。
【0006】
パーソナルケアデバイスが使用される環境を考慮すると、本体と機能ユニットとの間の結合は防水性である必要があり、このことが本体及び機能ユニットの構成を複雑にする。
【0007】
さらに、機能ユニットの動作に関する特定のパラメータ、例えば、機能ユニット又は光モジュールの温度を測定して、ユーザ体験を向上させる及び/又はユーザ安全性を確保することも望ましい。この/これらのパラメータの測定値は、評価のために機能ユニットから本体に供給される必要があるが、パーソナルケアデバイスが防水性であることを確実にするために必要とされる複雑性を考慮すると、本体と機能ユニットとの間にさらなる電気的接続を提供することは望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、機能ユニットと本体とを備えるデバイスであって、単一の対の電気的接続経路により、機能ユニットが給電されることを可能にするとともに測定信号が機能ユニットから取得されることを可能にする、デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特定の態様によれば、電源及び制御回路を含む本体と、機能部材及び検知構成要素を含む機能ユニットとを備える、デバイスであって、機能部材及び検知構成要素は、互いと並列に電気的に配置され、機能部材は、閾値電圧を持ち、閾値電圧未満で機能部材が非導電性又は実質的に非導電性であり、閾値電圧超で機能部材が導電性であり、制御回路及び電源は、単一の対の電気的接続経路によって機能ユニットに電気的に結合され、制御回路及び電源は、単一の対の電気的接続経路により機能ユニットに第1の電圧を供給することと第2の電圧を供給することとの間で切り替えるように構成され、測定信号が単一の対の電気的接続経路により検知構成要素から取得されることを可能にするように、第1の電圧は、閾値電圧を超え、第2の電圧は、閾値電圧未満である、デバイスが提供される。この態様は、単一の対の電気的接続経路が、機能部材に給電するとともに測定信号を検知構成要素から取得することの両方に用いられることにより、本体と機能ユニットとの間に必要とされる電気的接続の数を減らすことができるという利点を有する。
【0010】
これら及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかとなり、実施形態を参照しながら説明する。
【0011】
ここで、例示的な実施形態を単に例として、添付の図面を参照しながら記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明による例示的なデバイスの簡略化された回路図である。
【
図3】本発明による例示的なデバイスの回路図である。
【
図4】本発明による例示的なデバイスの回路図である。
【
図5】本発明による例示的なデバイスの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述したように、本明細書において記載する実施形態は、機能ユニットと本体とを備えるデバイスであって、単一の対の電気的接続経路により、機能ユニットが給電されることを可能にするとともに測定信号が機能ユニットから取得されることを可能にする、デバイスを提供する。デバイスは、ハンドヘルドデバイス、すなわち、ユーザの片手で保持されるデバイスとすることができる。デバイスのユーザは、デバイスを使用している個人とすることができる(例えば、ユーザが自らデバイスを使用中である)。
【0014】
機能ユニットは、ユーザに対して1つ又は複数の機能を行う機能部材を含む。デバイスは、パーソナルケアデバイスとすることができ、その場合、機能ユニット、したがって、機能部材は、パーソナルケア機能を補う又は高めるための機能を行うことができる。例えば、パーソナルケア機能は、毛切断、シェービング、除毛、歯磨き、皮膚マッサージなどとすることができる。これらの例では、パーソナルケアデバイスは、電気シェーバ、脱毛器、電動歯ブラシ、皮膚マッサージ器などとすることができる。いくつかの実施形態では、機能部材は、パーソナルケアデバイスがパーソナルケア機能を行うために使用されている場合に、皮膚を温め、血液灌流を高め、及び/又は血液循環を刺激するためにIR又はNIR光を生成する1つ又は複数の光源を含む。この結果、より健康な見た目の皮膚及び/又は皮膚の再活性化した感覚を得ることができる。NIR光は、IR光よりも深く皮膚に浸透することができることで、上述した利点の提供を高めることを可能にすることが理解されるであろう。
【0015】
いくつかの実施形態では、機能部材は、パーソナルケアデバイスがパーソナルケア機能を行うために使用されている場合に皮膚効能を提供するために可視光を生成する1つ又は複数の光源を含む。例えば、可視光の赤色波長を用いて、皮膚創傷及び/又は炎症を処置し、及び/又は皮膚の健康を維持し、青色波長を用いて、にきびを処置し、緑色波長を用いて、乾燥肌を処置し、黄色波長を用いて、加齢によるシミを処置する。
【0016】
図1は、本発明の第1の実施形態による電気シェーバ1の形態のデバイスを概略的に示す。図示の例では、電気シェーバ1は、回転タイプであり、シェーバ1のユーザによって手にされることを意図されている本体10と、シェービング動作(すなわち、パーソナルケア機能)を受ける対象の皮膚の一部に接触することを意図されている機能ユニット(具体的には、この実施形態では、シェービングユニット)20とを備える。シェーバ1の本体10は、一般にハンドルとも呼ばれ、シェーバ1のシェービングユニット20は、一般にシェービングヘッドとも呼ばれる。シェービングユニット20を点検及び/又は洗浄する必要性、シェービングユニット20を別のタイプのユニットと交換する必要性などのような様々な理由から、シェービングユニット20が本体10に取り外し可能又はヒンジ式に取り付けられていれば実用的である。シェービングユニット20は、複数の毛切断ユニット21を含み、その数は図示の例では3つである。電気シェーバ1が皮膚の一部にシェービング動作を受けさせるために当てられると、皮膚の一部から出ている毛を切断する実際のプロセスが、毛切断ユニット21の位置において行われる。毛切断ユニット21を支持するため、シェービングユニット20はベース部材22を含む。
【0017】
毛切断ユニット21のそれぞれは、概ねカップ形状のデザインを有する外部切断部材23と、少なくとも1つの毛切断要素が備わっているとともに外部切断部材23の内部に少なくとも部分的に収容されている内部切断部材(図示せず)との組み合わせを含む。外部切断部材23は、環状切断トラック面25に毛進入開口24を有する。シェービング動作中、毛進入開口24を通って延出するとともに外部切断部材23の内部に出ている毛は、内部切断部材の毛切断要素と直面するとすぐに切断される。述べたシェービング動作は、内部切断部材が作動して回転し、皮膚の一部が切断トラック面25の位置において外部切断部材23と実際に接触すると、行うことができる。内部切断部材の作動は、シェーバ1の駆動機構によって既知のやり方で行われる。この駆動機構(例えば、モータ)は典型的に、本体10に配置され、モータの回転運動は、機能ユニット20における毛切断ユニット21の内部切断部材に伝達される。内部切断部材が駆動されて回転しつつ、外部切断部材23と内部切断部材との組み合わせが皮膚の一部にわたって移動すると、皮膚の一部から出ている毛が外部切断部材23の毛進入開口24に捕捉され、その位置で切断されることが達成される。
【0018】
本発明の第1の実施形態による電気シェーバ1に関する上述の一般情報は、以下で説明するデバイス200、300、400及び500が電気シェーバとして実施される場合にそれらデバイスに適用可能であることに留意されたい。
【0019】
本発明の第1の実施形態による電気シェーバ1では、シェービングユニット20は、赤外又は近赤外光を皮膚に照射するとともに皮膚を加熱する機能を果たす皮膚加熱ユニット30を含む。皮膚加熱ユニット30は、シェービング動作中に皮膚に接触するように毛切断ユニット21に隣り合って配置される皮膚接触面32を有する皮膚接触部材31を含む。さらに、皮膚加熱ユニット30は、1つ又は複数の赤外又は近赤外光源33の形態の機能部材を含み、この赤外又は近赤外光源33は、明確にするため、以下で単に光源33と呼ばれ、例えばLEDを含む。光源33は、皮膚接触部材31に組み入れられている。光源33は、皮膚接触面32に熱的に結合されて、その限られた電気・光変換効率の結果として光源33により消散される熱エネルギーによって、皮膚接触面32とこの皮膚接触面32と接触した皮膚とを加熱することができるとともに、皮膚接触面32を介して赤外又は近赤外光を照射して、皮膚組織による光の光吸収によって皮膚を加熱するように配置されることができる。例えば、皮膚接触部材31は、赤外又は近赤外光に対して透過性がある材料を含み、その材料に光源33が埋め込まれてもよい。皮膚加熱ユニット30の機能部材がシェービング動作中に作動すると、皮膚が、シェービング動作に加え、より多くの動作、特に、皮膚が刺激及び加熱される動作を受けることが達成され、これは、皮膚の状態/見た目の改善をもたらすとともにシェービングの快適性の向上ももたらし得る。
【0020】
皮膚加熱ユニット30は、熱伝導及び光放射の両方に基づいて皮膚に対する熱伝達を実際に実現するように構成されることが留意される。熱伝導の観点を考慮すると、皮膚加熱ユニット30(又は、皮膚加熱ユニット30の集合体)のデザインは、熱が拡散することができるとともにホットスポットを回避することができるよう、かなりのサイズの面積にわたって皮膚との接触を可能にするように選択されれば有利である。これは、シェービングユニット20において複数の光源33を有することが一般に有利であることを示唆している。光放射の観点を考慮すると、光源33によって発せられる光の波長は、皮膚を実際に内側から加熱することができるよう、光の深い皮膚浸透を可能にするように選択されれば有利である。
【0021】
図示の例では、皮膚接触部材31は、3つの毛切断ユニット21間に延びるとともにそれら毛切断ユニット21を部分的に支持するように配置されるブラケットの形態で提供されている。有利な任意選択によれば、光源33を含む皮膚接触部材31は、シェービングユニット20に取り外し可能又はヒンジ式に配置される。赤外又は近赤外光の実用的な分布を有するようにするために、光源33は、毛切断ユニット21間に配置された、皮膚接触面32の中心セクション34により、また、隣り合う毛切断ユニット21の3つの種々の対のそれぞれの間に正三角形構成で配置された、皮膚接触面32の周囲セクション35a、35b、35cにより、赤外又は近赤外光を発するように配置される。
【0022】
図1に示していないが、シェービングユニット20はまた、パラメータを測定するとともに測定値を表す測定信号を供給する検知構成要素を含む。いくつかの実施形態では、検知構成要素は、機能部材(複数可)又はその動作に関するパラメータを測定するために提供される。例えば、機能部材(複数可)がIR又はNIR光源である実施形態では、検知構成要素は、光源の温度若しくは温度変化、又は皮膚加熱ユニット30の皮膚接触面32の温度若しくは温度変化、又は光源33からの光が入射する皮膚の温度若しくは温度変化に関するパラメータを測定することができる。
【0023】
図2は、本発明による例示的なデバイス200の簡略化された回路図である。デバイス200は、上述した電気シェーバ1の形態で実施されることが理解されるであろう。デバイス200は電気シェーバとして実施されるが、デバイス200は代替的に、以下の、すなわち、グルーミングデバイス、歯ブラシ、脱毛デバイス、光脱毛器などのいずれかとして実施されてもよいことも理解されるであろう。さらに、デバイス200は、機能ユニットが1つ又は複数の機能を実行するために電力を必要とし、1つ又は複数のパラメータに関する測定信号が取得されるべきである、機能ユニット及び本体を含む任意の適切なデバイスとして実施されてもよい。
【0024】
例えば、デバイス200は、パーソナルケアデバイスであり、機能ユニットは、パーソナルケアユニットである。パーソナルケアデバイスは、電気シェーバ(例えば、電気シェーバ1)とすることができる。さらに、いくつかの例では、機能ユニットは、シェービングユニット(例えば、シェービングユニット20)とすることができる。いくつかの実施形態では、機能ユニットは、本体に解除可能に結合される。さらに、いくつかの例では、機能部材は、パーソナルケア動作中に光を発するために機能ユニットに配置された1つ又は複数の発光ダイオード(LED)を含む。
【0025】
デバイス200は、本体206内に含まれる電源202(例えば、バッテリ)及び制御回路204を備える。本体206は、上述した電気シェーバ1の本体10に対応する。
【0026】
デバイス200は、機能ユニット212内に含まれる機能部材208及び検知構成要素210をさらに備える。機能部材208及び検知構成要素210は、単一の対の電気的接続経路214、216間で互いと並列に電気的に配置される。機能ユニット212は、上述した電気シェーバ1のシェービングユニット20に対応する。
【0027】
機能部材208は、閾値電圧を持ち、閾値電圧未満で機能部材208が非導電性又は実質的に非導電性であり、閾値電圧超で機能部材208が導電性である。機能部材208の閾値電圧を超える電圧が印加されると、機能部材208が作動し、特定の機能(例えば、発光)を行うことが理解されるであろう。機能部材208は、作動すると1つ又は複数のパーソナルケア機能及び/又は1つ又は複数の感覚体験を提供する1つ又は複数の要素を含んでもよいことが理解されるであろう。例えば、機能部材208は、1つ又は複数の光学素子(例えば、発光ダイオード(LED))及び/又は加熱素子(例えば、NIR LED若しくは抵抗加熱素子)を含む。
【0028】
制御回路204及び電源202は、単一の対の電気的接続経路214、216により機能ユニット212に電気的に結合される。特に、制御回路204は、電源202の一方の端子と、単一の対の電気的接続経路214、216における第1の経路214とに電気的に接続される。単一の対の電気的接続経路214、216における第2の経路216は、アースと、電源202の他方の端子とに接続される。制御回路204はまた、第2の経路216に接続される。他の実施形態では、第2の経路216は、代替的なやり方で、本体206内に含まれる回路に接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2の経路216は、アースに接続されなくてもよい。
【0029】
この例示の実施形態では、制御回路204及び電源202は、単一の対の電気的接続経路214、216により機能ユニット212に第1の電圧を供給することと第2の電圧を供給することとの間で切り替えるように構成されている。第1の電圧は、機能部材208の閾値電圧超であるため、機能部材208が作動し、必要とされる機能を行う。第2の電圧は、機能部材208の閾値電圧未満であるため、機能部材208は作動せず、制御回路204が、単一の対の電気的接続経路214、216により測定信号を検知構成要素210から取得することを可能にされる。
【0030】
機能ユニット212をそのようなやり方で(すなわち、単一の対の電気的接続経路214、216により、機能部材208が給電されるとともに機能ユニット212に関連した1つ又は複数のパラメータが検知されるように)構成することは、特に、デバイス200又は少なくとも本体206が防水性であるべき場合に、機能ユニット212、本体206、及びデバイス200自体の構成を単純化することが理解されるであろう。これは、2つの前述した機能に同じ対の電気的接続経路が用いられることで、デバイス200の構造内における測定信号を取得するためにさらなる電気的接続を提供する必要性を回避するからである。
【0031】
ここで、単一の対の電気的接続経路により機能ユニット212に第1の電圧及び第2の電圧を供給する(及び、それによって、単一の対の電気的接続経路により、機能ユニットが給電されることを可能にするとともに機能ユニットに関連した1つ又は複数のパラメータが検知されることを可能にする)ために、デバイスがどのように構成されるかのさらなる例の実施態様を説明する。
【0032】
図3は、本発明による例示的なデバイス300の回路図である。デバイス300は、上述したデバイス200の一例の実施態様であることが理解されるであろう。デバイス300は、上述した電気シェーバ1の形態で実施されることも理解されるであろう。
図2及び
図3の両方に共通の要素及び構成要素には同じ参照番号を用いる。
【0033】
この例示の実施形態では、制御回路204は、電源202(例えば、バッテリ)と第1の経路214との間で結合される第1のスイッチ306の動作を制御する制御ユニット304を含む。制御ユニット304は、スイッチ制御信号ポート308から制御信号出力を用いて第1のスイッチ306を制御する。いくつかの実施形態では、第1のスイッチ306は、パルス幅変調制御信号SPWMによって制御される。すなわち、第1のスイッチ306は、SPWM信号のそれぞれ高振幅/低振幅に従って開閉するように制御される。しかしながら、他の実施形態では、第1のスイッチ306は、他のタイプの制御信号により制御されてもよいことが理解されるであろう。
【0034】
図示の制御回路204はまた、第2のスイッチ310(この実施形態では、制御ユニット304の一部として示されているが、第2のスイッチ310は代替的に、制御ユニット304の外部にあるものとすることができる)と、分圧抵抗器312とを含み、これらは、電源202と第1の経路214との間で直列に接続されている。代替的な実施形態では、第2のスイッチ310は省略することができる。
【0035】
第2のスイッチ310が存在する実施形態では、制御ユニット304は、分圧抵抗器312を電源202及び第1の経路214に対して選択的に接続/接続解除するよう、第2のスイッチ310を開閉するように構成される。制御ユニット304は、スイッチ制御信号ポート308から第1のスイッチ306に出力される、同じ制御信号又は反転制御信号を用いて第2のスイッチ310を制御することができる。いくつかの実施形態では、第2のスイッチ310は、それぞれのパルス幅変調制御信号によって制御される。制御ユニット304は、第1のスイッチ306が閉じられると第2のスイッチ310を開き、第2のスイッチ310が閉じられると第1のスイッチ306を開くように構成される。
【0036】
制御信号は、第1のスイッチ306が閉じられている、およそ同じ時間量の間、第1のスイッチ306が開いているようにするものとすることができる。しかしながら、検知構成要素210によって測定されるべきパラメータが比較的ゆっくりと変化する場合、パラメータを頻繁に測定する必要はないであろう。その場合、制御信号は、第1のスイッチ306が開いているときよりも長い時間期間、第1のスイッチ306が閉じられているように構成されるものとすることができる。
【0037】
制御ユニット304はまた、分圧抵抗器312と検知構成要素210との間の接続点316において第1の経路214に接続されるセンサ入力チャネル314を含む。センサ入力チャネル314は、測定信号を検知構成要素210から取得するために使用される。センサ入力チャネル314と接続点316との間に第2の抵抗器318が接続される。第2の抵抗器318は、過度の電圧がセンサ入力チャネル314を介して制御回路204において受け取られることを防ぐように、及び/又は静電気放電障害を防ぐように働く。いくつかの実施形態では、第2の抵抗器318は省略されてもよい。
【0038】
図2を参照しながら上述したように、機能ユニット212は、単一の対の電気的接続経路214、216間で互いと並列に接続された機能部材208及び検知構成要素210を含む。この図示の実施形態では、検知構成要素210は、機能部材208の温度を測定するためのものであり、サーミスタ、すなわち、その抵抗が温度変化に伴い変化する構成要素である。
【0039】
機能部材208は、単一の対の電気的接続経路214、216間に接続された複数のLED320を含む。
図3において、LED320は、複数の「ストリング」322に配置され、各ストリング322は、直列に接続された2つのLED320及び抵抗器323を含む。抵抗器323は、ストリング322における電流を制御するために使用される。しかしながら、この複合「ストリング」配置は任意選択であり、LEDは、個々のストリング又は単一のストリングに配置することができることが理解されるであろう。この図示の実施形態では、4つのストリング322が機能ユニット212に存在し、2つのストリング322aがIR発光LED320aを含む、2つのストリング322bが可視発光LED320bを含む。この図示の実施形態では、機能ユニット20のIR機能の作動を示すために可視LED320bをIR LED320aとともに作動させる。この実施形態では、4つのIR LED320aはそれぞれ、
図1を参照しながら説明した皮膚加熱ユニット30の皮膚接触面32の中心セクション34及び3つの周囲セクション35a、35b、35cのうちのそれぞれの1つに配置され、同様に4つの可視LED320bはそれぞれ、中心セクション34及び3つの周囲セクション35a、35b、35cのうちのそれぞれの1つに配置される。しかしながら、他の実施形態では、機能ユニット212に存在するストリング322a、322bの数並びにストリング322a、322ごとのIR LED320a及び可視LED320bの数は、状況に応じて(例えば、機能ユニット212によって提供されるパーソナルケア機能(複数可)及び/又は感覚体験(複数可)に応じて)調節されてもよいことが理解されるであろう。LED320はそれぞれ、それぞれの閾値電圧であって、閾値電圧未満でLEDが非導電性又は実質的に非導電性である、閾値電圧を有し、したがって、LEDは、それらLEDの両端のそれぞれの電圧がそれらの閾値電圧未満になると光を生成しない。LED320の配置及びそれらのそれぞれの閾値電圧が、機能ユニット212の全閾値電圧を決定する。
【0040】
上述したように、いくつかの実施形態では、機能ユニット212は、本体206に解除可能に結合される。この場合、本体206と機能ユニット212との間の単一の対の電気的接続経路214、216は分離可能である。このため、本体206には、それぞれ第1の経路214及び第2の経路216の本体側を終端する第1の対の電気的接続要素326、328が配置される。機能ユニット212には、それぞれ第1の経路214及び第2の経路216の機能ユニット側を終端する1対の電気的接続要素330、332が配置される。電気的接続要素326、328、330、332は、本体206及び機能ユニット212がともに結合されると電気的接続を確立するのに適した任意の要素を含むことができる。例えば、電気的接続要素326、328、330、332は、伝導板、プラグ/ソケットなどとすることができる(それにより、機能ユニット212と本体206との間で解除可能な電気的結合が可能となる)。
【0041】
これらの実施形態では、単一の対の電気的接続経路214、216により、機能ユニット212が給電されるとともに機能ユニット212に関連した1つ又は複数のパラメータが検知されることが理解されるであろう。これは、デバイスによって必要とされる解除可能に結合可能な電気的接続の数が減らされているため、より堅牢な、解除可能に結合可能なデバイスが提供されることを可能にする。解除可能に結合可能な電気的接続の数のそのような減少は、デバイスを防水にするためのデバイス設計の複雑性を減らすことも理解されるであろう。
【0042】
この例示の実施形態では、パルス幅変調制御信号SPWMの第1の位相の間、第1のスイッチ306は閉じることにより、電源202を第1の経路214に接続するように構成される。この第1の位相の間、第2のスイッチ310(存在する場合)は、開く又は開かれることにより、分圧抵抗器312を第1の経路214から接続解除するように構成される。第1のスイッチ306が閉じられると、電源202は、第1の経路214及び第2の経路216の両端に第1の電圧、例えばV1を供給することができる。第1のスイッチ306が開いている(例えば、パルス幅変調制御信号の第2の位相にある)とともに、第2のスイッチ310(存在する場合)が閉じられている場合、電源202は、分圧抵抗器312により第1の経路214に接続される。
【0043】
第1の電圧V1は、LED320が動作するとともに光を生成するのに必要とされる閾値電圧VTを超える。ダイオードのそれぞれの閾値電圧未満である電圧がダイオードに印加される場合、そのダイオードに対する電気伝導は全く(又は略全く)生じないことが理解されるであろう。検知構成要素210から取得される測定信号が著しく変更されていない状況では、ストリング322に対する電気伝導は略全く生じないものと考えられることが理解されるであろう。例えば、ストリング322にわたるインピーダンスが、検知構成要素210にわたるインピーダンスよりもおよそ20倍大きい状況では、ストリング322は、実質的に非導電性と考えられる。この例では、検知構成要素210から取得される測定信号は、5%未満の精度誤差を有する。
【0044】
この図示の実施形態では、機能ユニット212の目的のうちの1つは、感覚体験の一部として光及び温かさを提供することであり、したがって、機能部材208は、NIR LEDを含む。しかしながら、機能ユニット212内に設けられる機能部材208のタイプは、1つ又は複数のパーソナルケア機能及び/又は他の感覚体験を提供するように選択されてもよいことが理解されるであろう。例えば、皮膚処置機能がデバイス300によって提供されることを可能にするために可視発光LEDが機能ユニット212に設けられてもよい(例えば、可視発光LEDによって発せられる光の特定の波長が特定の皮膚効能を提供する)。
【0045】
上記の実施形態では、機能部材208は、固有の閾値電圧であって、閾値電圧未満では構成要素は動作しない、固有の閾値電圧を有するLED又は同様の構成要素を含む。しかしながら、機能部材208は代替的に、固有の「スイッチオン」電圧を有しない1つ又は複数の構成要素を含むものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、機能部材208は、ダイオード又はトランジスタと直列に電気的に配置される、適切な閾値電圧をそれ自体が有しない電力消費部材(すなわちLED以外)を含む。そのような実施形態では、電力消費部材が(作動している場合)パーソナルケア機能及び/又は感覚体験を提供することが理解されるであろう。ダイオード又はトランジスタは、ダイオードが導通する又はトランジスタが作動するとともに電力消費部材の作動を可能にするのに必要とされる閾値電圧を有する。換言すると、ダイオード又はトランジスタは、閾値電圧未満である電圧がダイオード又はトランジスタに印加されると、電気伝導がダイオード又はトランジスタによって防止又は実質的に防止され、したがって、電圧が電力消費部材には印加されないようなやり方で、電力消費部材と直列に配置される。
【0046】
第1のスイッチ306が閉じられているとともに、第2のスイッチ310が開いている場合、第1の電圧V1はまた、検知構成要素210の両端に印加される。しかしながら、第2のスイッチ310が開いている場合、制御回路204は、パルス幅変調制御信号SPWMのこの第1の位相の間、有効な測定信号を検知構成要素210から取得することができない。
【0047】
パルス幅変調制御信号SPWMの第2の位相の間、第1のスイッチ306が開いているとともに、第2のスイッチ310が閉じられていることにより、分圧抵抗器312により電源202を第1の経路304に接続する。
【0048】
パルス幅変調制御信号SPWMの第2の位相の間、電源202によって供給される第1の電圧V1は、単一の対の電気的接続経路214、216により分圧抵抗器312及び機能ユニット212の両端に分圧される。
【0049】
その結果、第1の電圧V1が分圧抵抗器312及び機能ユニット212の両端に分圧されると電圧VFが接続点316を介して機能ユニット212の両端に供給される。電圧VFは、
VF=V1(RF/(RF+RDR)) (1)
であり、
式中、RFは、機能ユニット212の検知構成要素210の抵抗であり、RDRは、分圧抵抗器312の抵抗である。
【0050】
すなわち、この例示の実施形態では、制御回路304は、分圧抵抗器312を電源202及び単一の対の電気的接続経路のうちの第1の経路214と直列に切り替えて、第2の電圧VFを機能ユニット212に供給するように構成される。分圧抵抗器312は、機能部材208が非導電性又は実質的に非導電性であるようにVFの値が前述した閾値電圧VT未満に下がることになるほど十分にその抵抗RDRが大きいように構成される。その場合、検知構成要素210の抵抗は主として、接続点316及びセンサ入力チャネル314における電圧VFを決定する。
【0051】
上述したように、検知構成要素210は、機能部材208の動作パラメータ(例えば、NIR LED320のうちの1つ又は複数)を検知するように構成することができる。例えば、動作パラメータは、機能部材208又は機能部材208の特定部分の温度及び機能部材208の温度変化のうちの1つ又は複数を含む。
【0052】
この図示の実施形態では、検知構成要素210はサーミスタを含む。すなわち、検知構成要素210は、既知の伝達特性を有する温度依存性抵抗器210を含み、温度依存性抵抗器210の抵抗値は、既知の温度値に対応する。このサーミスタ抵抗値は、(検知構成要素の1つ又は複数の特性に基づいた)数式によって、或いはルックアップテーブルによって、対応する温度値に変換されることが理解されるであろう。他の実施形態では、温度に対する追加的又は代替的なパラメータを検知する他のタイプの検知構成要素210がデバイス300において用いられることも理解されるであろう。
【0053】
したがって、パルス幅変調制御信号SPWMの第2の位相において、制御回路204は、センサ入力チャネル314を介して検知構成要素210から測定信号(電圧VF)を取得する。上述したように、分圧抵抗器312が電源202及び単一の対の電気的接続経路のうちの第1の経路214と直列である場合(例えば、第2のスイッチ310(存在する場合)が閉じられている場合)、測定信号は、センサ入力チャネル314を介して検知構成要素210から取得される。
【0054】
第2の抵抗器318が存在する実施形態では、センサ入力チャネル314において受信される測定信号は、第2の抵抗器318による第2の電圧VFを表す。上述したように、第2の抵抗器318は、過度の電圧がセンサ入力チャネル314を介して制御回路204において受け取られることを防ぎ、及び/又は静電気放電障害を防ぐ。
【0055】
制御回路204は次いで、取得された測定信号、分圧抵抗器の既知の抵抗、第2の抵抗器318(存在する場合)の既知の抵抗、及び第1の電圧V1の既知の値に基づいて、式(1)に従って検知構成要素210の抵抗RFを決定する。制御回路204は次いで、この決定された抵抗RFを、例えば数式によって又はルックアップテーブルによって、(1つ又は複数のLED320の温度に関する及び/又は機能ユニット212の温度に関する)対応する温度値に変換する。
【0056】
制御回路204は、取得された測定信号に応じて第1の電圧V1を制御するようにさらに構成されることが理解されるであろう。すなわち、制御回路204は、検知されたパラメータの値に従って機能ユニット212及び/又は機能部材208の(第1の電圧V1の変動による)閉ループ制御を提供するようにさらに構成される。例えば、制御回路204は、機能部材208の検知された温度が第1の値を超えると判定される状況では、第1の電圧V1の値を下げ(ただし、依然として閾値電圧超である)、機能部材208の電力消費を低減させ、機能部材208の温度を下げる。ここで、第1の電圧V1の下げられた値は、機能部材208が動作し続けることを確実にするために依然として閾値超である。別の例では、制御回路204は、SPWM信号のデューティサイクルを減少させて、機能部材208の電力消費を低減させ、機能部材208の温度を下げる。
【0057】
さらに、いくつかの実施形態では、取得された測定信号に基づいて、制御回路204は、電源202を機能ユニット212から接続解除するように構成されるか、又は他の場合では機能部材208を作動停止させるように構成される。これは、機能部材208の温度が最大閾値を超えており、デバイスのユーザ又はデバイス自体に危険を引き起こすことを、検知された温度の値が示す状況において、実施されることが理解されるであろう。
【0058】
他の実施形態では、制御回路204及び電源202は、(2つのスイッチ306、310に対し)単一のスイッチにより第1の電圧を供給することと第2の電圧を供給することとの間で切り替えるように構成されることが理解されるであろう。例えば、制御回路204は、入力部並びに第1の出力部及び第2の出力部を有する1つのスイッチを含む。スイッチの入力部は、電源202に接続され、スイッチの第1の出力部は、第1の経路214に接続され、スイッチの第2の出力部は、分圧抵抗器312により第1の経路214に接続される。これらの実施形態では、制御回路204は次いで、第1の電圧を機能ユニット212に供給して機能部材208を動作させるための第1の出力部と、第2の電圧を機能ユニット212に供給して測定信号を取得するための第2の出力部との間で切り替えるようにスイッチを動作させるように構成される。例えば、単一のスイッチのこの動作は、(上記で説明したように第1のスイッチ306と同様のやり方で)パルス波変調制御信号により制御される。
【0059】
上述したように、閾値電圧であって、閾値電圧未満で機能部材が非導電性又は実質的に非導電性であり、閾値電圧超で機能部材が導電性である、閾値電圧を有する機能部材208が、
図3を参照しながら説明したやり方に対して代替的なやり方で実施されることが理解されるであろう。特に、これらの代替的な構成は、測定信号を検知構成要素210から取得するために第2の電圧が印加される場合に高インピーダンスを提供する。
【0060】
すなわち、(1つ又は複数のパーソナルケア機能及び/又は感覚体験を提供するために1つ又は複数のさらなる要素を提供することに加えて)前述した機能性を実施するために、機能部材の一部としてダイオードを提供する必要がない。ここで、MOSFETの形態のトランジスタを含む、そのような代替的な実施態様の2つの例を以下に説明する。
【0061】
図4は、例示的なデバイス400の回路図である。デバイス400は、上記で説明したデバイス200の一例の実施態様であることが理解されるであろう。デバイス400は、上記で説明した電気シェーバ1の形態で実施され得ることも理解されるであろう。
図3に示すデバイス300の要素と同じである、
図4に示すデバイス400の要素は、同じ参照番号によって示され、ここではさらに説明されない。
【0062】
この例示の実施形態では、閾値電圧であって、閾値電圧未満で機能部材402が非導電性又は実質的に非導電性である、閾値電圧は、トランジスタ404(例えば、MOSFETトランジスタ)の閾値電圧である。すなわち、閾値電圧は、機能部材402の残りの部分が作動しているかどうかを判定するMOSFET404のゲートに供給される電圧である。機能部材402のMOSFET404に供給されるべき電圧が制御される2つのやり方を以下に説明する。
【0063】
機能部材402は、
図3を参照しながら上記で説明したように、それぞれの対のLED320及び抵抗器323を含む2つのストリング322を含む。しかしながら、
図3と比べ、MOSFET404は、ストリング322と第2の経路216との間に接続される。
【0064】
図4は、機能部材402のMOSFET404のゲートに供給されるべき電圧を制御する2つの代替的な実施態様を示す。
【0065】
第1の実施態様は、第1の経路214に接続されるツェナーダイオード406であって、第2の経路216に接続される第3の抵抗器408と直列に配置されるツェナーダイオード406を使用する。MOSFET404のゲートは、ツェナーダイオード406と第3の抵抗器408との間に接続される。第2の実施態様は、第1の経路214に接続される第4の抵抗器410であって、第2の経路216に接続される第3の抵抗器408と直列に配置される第4の抵抗器410を使用する。MOSFET404のゲートは、第3の抵抗器408と第4の抵抗器410との間に接続される。
【0066】
第1の実施態様に関して、上述したように、第1のスイッチ306が閉じられると、第1の電圧V1がツェナーダイオード406及び第3の抵抗器408の両端に供給される。第1の電圧V1は、MOSFET404及び第3の抵抗器408の抵抗の)、この実施形態ではツェナーダイオード406によって決定される閾値電圧VTを超え、したがって、MOSFET404がオンに切り替えられることで、第1の電圧V1がLED320を作動させて光を生成することを可能にする。第1のスイッチ306が開いているとともに、第2のスイッチ310(存在する場合)が閉じられている場合、第2の電圧がツェナーダイオード406及び第3の抵抗器408の両端に印加されるが、この電圧はMOSFET404を作動させるには不十分であり、そのため、LEDは、不機能になっており、機能部材402は非導電性(又は実質的に非導電性)であることで、制御ユニット304が測定信号を取得することを可能にする。
【0067】
第2の実施態様に関して、上述したように、第1のスイッチ306が閉じられている場合、第1の電圧V1が、分圧器を形成する第4の抵抗器408及び第3の抵抗器410の両端に供給される。分圧器からMOSFET404に供給される電圧の値がMOSFET404を作動させるのに十分であることにより、ストリング322にわたる電気伝導を可能にすることで、NIR LED320を作動させる。
【0068】
第1のスイッチ306が開いているとともに、第2のスイッチ310(存在する場合)が閉じられている場合、第2の電圧VFが、第3の抵抗器408及び第4の抵抗器410から形成される分圧器の両端に供給される。分圧器によって出力されるとともにMOSFET404に供給される電圧は、MOSFET404を作動させるには不十分であることにより、ストリング322にわたる電気伝導を防ぐ。
【0069】
前述した実施態様の両方とも、第2の電圧を使用したセンサ読み取りの間、機能部材402にわたって高インピーダンスを提供することが理解されるであろう。
図3を参照しながら上記で説明したやり方と同様のやり方で測定信号を評価して、第2のパラメータ(例えば、温度)を決定することができる。
【0070】
第1の実施態様は、機能ユニット212に印加された電圧が閾値電圧VTを超えない場合、機能部材402にわたって高インピーダンスを提供する。
【0071】
第2の実施態様は、機能ユニット212に印加された電圧がMOSFET410を作動させず、その後、第3の抵抗器408と第4の抵抗器410との間で電圧降下が続く場合、機能部材402にわたって高インピーダンスを提供する。
【0072】
いくつかの実施形態では、機能ユニット212は、別個に動作されるべき2つ以上のタイプの機能部材を含んでもよい。これらの実施形態では、機能ユニット212は、種々のタイプの機能部材のそれぞれに関連する複数の異なるパーソナルケア機能及び/又は感覚体験を提供することが可能である。ここで、それぞれの電圧要件を有する2つのタイプの機能部材を含む実施形態を以下に説明する。
【0073】
図5は、例示的なデバイス500の回路図である。デバイス500は、上記で説明したデバイス200の一例の実施態様であることが理解されるであろう。デバイス500は、上記で説明した電気シェーバ1の形態で実施されることも理解されるであろう。それぞれ
図3及び
図4に示すデバイス300及び400の要素と同じである、
図5に示すデバイス500の要素は、同じ参照符号によって示され、ここではさらに説明されない。
【0074】
この図示の実施形態では、機能部材の種々のタイプによる使用のために電源202から種々の電圧レベルを生成するために、電源202と第1のスイッチ306との間にDC/DCコンバータ502が配置される。DC/DCコンバータ502は、電源202によって供給される電圧から2つ以上の電圧を生成するように構成され、この電圧は次いで、第1のスイッチ306が閉じられると、第1のスイッチ306により第1の経路214に供給される。
【0075】
DC/DCコンバータ502は、制御回路204の出力部504によって供給される制御信号に従って2つ以上の電圧を生成するように構成される。出力部504は、「設定V」出力部504とも呼ばれる。
【0076】
DC/DCコンバータ502は、少なくとも第1の起動電圧VA1及び第2の起動電圧VA2の電圧を機能ユニット212に選択的に供給して、それぞれ第1の機能部材506及び第2の機能部材508を作動させるように構成される。
【0077】
第1の機能部材506は、
図4の機能部材402のツェナーダイオードベースの実施態様に対応する。したがって、第1の機能部材506は、ユーザに加熱効果を提供する第1の組のNIR LED320を含む。ツェナーダイオード406は、以下でZ1と呼ばれ、MOSFET404はM1と呼ばれる。
【0078】
第2の機能部材508は、第1の機能部材506におけるLED320とは異なるパーソナルケア機能又は感覚体験をユーザに提供する電力消費部材510を含む。電力消費部材510は例えば、(例えば、にきびを処置するために)1つ又は複数の青色発光LEDを含む。別の例では、電力消費部材510は、(例えば、ユーザインタフェース目的のための)1つ又は複数の視覚発光LEDを含む。
【0079】
第2の機能部材508によって提供される機能及び第1の機能部材506によって提供される機能は、互いとは無関係に提供される。
【0080】
この例示の実施形態では、第2の機能部材508は、第1の機能部材506と同様のツェナーダイオード、抵抗器及びMOSFETの構成を用いて制御される。したがって、第2の機能部材は、第1の経路214に接続される第2のツェナーダイオード512(Z2と呼ばれる)であって、第2の経路216に接続される第5の抵抗器514と直列に配置される第2のツェナーダイオード512を含む。MOSFET518(M2と呼ばれる)のゲートは、ツェナーダイオード512と第5の抵抗器514との間に接続される。電力消費部材510は、第1の経路214とMOSFET518のソース端子との間に接続される。
【0081】
さらなるMOSFET520(M3と呼ばれる)もまた、機能ユニット212に設けられる。M3 520のソース端子が、M1 404のゲートに接続される。M3 520のゲートは、Z2 512と第5の抵抗器514との間に、したがって、M2 518のゲートにも接続される。M3 520のドレイン端子が、第2の経路216に接続される。
【0082】
第1の機能部材506は、第1の閾値(ツェナーダイオード406及びMOSFET404に関する閾値である、VZ1とも呼ばれる)を超えるとともに第2の閾値(ツェナーダイオード512及びMOSFET518に関する閾値である、VZ2とも呼ばれる)未満である電圧がDC/DCコンバータ502から供給されるとLED320が作動するように構成される。第2の機能部材508は、第2の閾値VZ2を超える電圧がDC/DCコンバータ502から供給されると電力消費部材510が作動するように構成される。制御回路304からの電圧(すなわち、第2のスイッチ310及び分圧器312に供給される第2の電圧)が第1の閾値VZ1未満である場合、第1の経路214と第2の経路216との間に接続される検知構成要素524から測定信号を取得することができる。検知構成要素524は、上記に説明したようなサーミスタ、又は異なるタイプの検知構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、検知構成要素524は、1つ又は複数のセンサを含むセンサ回路とすることができる。
【0083】
第1のスイッチ306が閉じられているとともに、第1の起動電圧VA1が単一の対の電気的接続経路214、216により機能ユニット212に供給される場合、第1の起動電圧VA1は、機能ユニット212の構成要素の両端に供給される。第1の起動電圧VA1は、ツェナーダイオード406の閾値電圧ZV1を超え、したがって、第1のツェナーダイオード406は、第1の起動電圧VA1の印加下で導電性である。
【0084】
第1の起動電圧がM1 404を作動させるのに十分であることにより、上記で説明したのと同様なやり方で電流がストリング322を通って流れることが可能となる。すなわち、第1の機能部材506は、機能ユニット212に対する第1の起動電圧VA1の印加下で作動する。第1の起動電圧は第2のツェナー閾値VZ2未満であるため、第2の機能部材508は作動しない。
【0085】
第1のスイッチ306が閉じられているとともに、第2の起動電圧VA2が単一の対の電気的接続経路214、216により機能ユニット212に供給される場合、第2の起動電圧VA2は、機能ユニット212の構成要素の両端に供給される。第2の起動電圧VA2は、ツェナーダイオード512の閾値電圧VZ2を超え、したがって、ツェナーダイオード512は、第2の起動電圧VA2の印加下で導電性である。
【0086】
第2の起動電圧がM2 518を作動させるのに十分であることにより、電流が電力消費部材510を通って流れることが可能となり、電力消費部材510によって提供される機能を作動させる。すなわち、第2の機能部材508は、機能ユニット212に対する第2の起動電圧VA2の印加下で作動する。第2の電圧レベルもまた、第1のツェナー閾値VZ1を超えるため、ツェナーダイオードZ1 406もまた、導電性であるが、MOSFET M3 520は、MOSFET M1 404にオフのままにさせるとともにLED320を通って流れる電流を阻止させる。
【0087】
したがって、この図示の実施形態では、機能ユニットは、第1の機能部材506及び第2の機能部材508が両方とも独立的に作動するようなやり方で構成される。しかしながら、他の実施形態では、機能ユニット212は、第1の機能部材506及び第2の機能部材508が両方とも、(例えば、MOSFET M3 520を移動させることによって)第2の起動電圧VA2の印加下で作動するようなやり方で配置されることが理解されるであろう。
【0088】
第1のツェナーダイオード406及び第2のツェナーダイオード512は、
図4を参照しながら説明したような分圧器構成に取って代わられてもよいことも理解されるであろう。
【0089】
ここで、第2のスイッチ310が閉じられている(及び第1のスイッチ306が開いている)場合に関して、前述した第2の電圧VF(VZ1未満である)が、第1の経路214と第2の経路216との間で検知構成要素524の両端に供給される。
【0090】
第2の電圧VFが第1のツェナーダイオード406の閾値電圧VZ1を超えないため、第1のツェナーダイオード508及び第2のツェナーダイオード512は、導電性ではなく、機能部材506、508はどちらも作動しない。
【0091】
したがって、検知構成要素524及び分圧抵抗器312の抵抗が、検知構成要素524から取得される測定信号の電圧を決定する。制御回路204は、上記の方法に従って、検知構成要素524の抵抗の値とその抵抗によって表される関連の判定基準又はパラメータとを決定する。
【0092】
検知構成要素524がセンサ回路である実施形態では、センサ回路524は、1つ又は複数のセンサを含む。これらの実施形態では、検知構成要素524の抵抗が測定パラメータを示すのではなく、1つ又は複数のセンサによる測定が第2の電圧信号において振幅変調される。制御回路204は次いで、パラメータ測定値(複数可)を決定するために、センサ入力チャネル314において受信された振幅変調測定信号を復号化(復調)する。いくつかの実施形態では、測定値(複数可)を取得したセンサの識別もまた第2の電圧において振幅変調され、したがって、制御回路204は、測定値を取得した1つ又は複数のセンサを識別し、それらのセンサのそれぞれについてそれぞれのセンサ測定値を決定することができる。
【0093】
したがって、機能ユニットと本体とを備えるデバイスであって、単一の対の電気的接続経路により、機能ユニットが給電されることを可能にするとともに測定信号が機能ユニットから取得されることを可能にする、デバイスが提供される。
【0094】
開示された実施形態に対する変形は、図面、開示及び添付の特許請求の精査から、本明細書において記載された原理及び技法を実践する当業者によって理解及び実行することができる。請求項において、「備える、含む、有する」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、単数形の要素は、複数形を除外するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に記載された複数の事項の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用することができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又はその一部として供給される光学記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に記憶又は配布されるだけでなく、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してなど、他の形態で配布することもできる。請求項における参照符号はいずれも、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【国際調査報告】