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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】新規な殺有害生物剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 59/02 20060101AFI20240820BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20240820BHJP
   A01N 43/56 20060101ALI20240820BHJP
   A01N 25/12 20060101ALI20240820BHJP
   A01P 7/00 20060101ALI20240820BHJP
   A01C 1/06 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A01N59/02 A
A01N43/653 Q
A01N43/56 C
A01N25/12 101
A01P7/00
A01C1/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024509521
(86)(22)【出願日】2022-08-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 IB2022057750
(87)【国際公開番号】W WO2023021461
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202121037709
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.TRITON
3.SPAN
4.SOPROPHOR
(71)【出願人】
【識別番号】521039301
【氏名又は名称】ドーシ ハイトシュクマー アニルカント
(71)【出願人】
【識別番号】524060980
【氏名又は名称】ラソッド ラジーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドーシ ハイトシュクマー アニルカント
(72)【発明者】
【氏名】ラソッド ラジーブ
【テーマコード(参考)】
2B051
4H011
【Fターム(参考)】
2B051AB01
2B051BA09
2B051BB01
2B051BB14
4H011AA01
4H011AA03
4H011AC01
4H011AC04
4H011BA06
4H011BB09
4H011BB18
4H011BB19
4H011BC06
4H011BC07
4H011BC20
4H011DA02
4H011DA15
4H011DA16
4H011DD03
4H011DH02
(57)【要約】
本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%~25%w/wの範囲で存在するフルキサピロキサドと、全組成物の1%~20%w/wの範囲で存在するプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含み、0.1~50ミクロンの粒径範囲を有する殺有害生物剤組成物に特に関する。本発明はまた、殺有害生物剤組成物の調製のプロセスに関する。本発明は、殺有害生物剤組成物を用いて、植物、植物繁殖材料、部位またはそれの部分、種子、苗木、または周囲の土壌を処理することによって、真菌病を防除する、作物を保護する、または植物の健康および収量を向上させる方法にさらに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、
全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、
1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、
を含む、相乗効果的な殺有害生物剤の組み合わせ。
【請求項2】
殺有害生物剤組成物であって、
全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、
全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、
1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、
少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤と、
を含み、
前記組成物の粒径が、0.1ミクロン~50ミクロンの範囲である、
ことを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の殺有害生物剤組成物であって、固体または液体またはゲルの形態であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記固体の組成物が、球形化顆粒、押出顆粒、水崩壊性顆粒、湿潤性粉末、水分散性顆粒、散粉性粉末(DP)、乾燥種子処理のための粉末(DS)、水崩壊性錠剤、またはスラリー種子処理のための水分散性粉末(WS)を含む顆粒の形態であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項5】
請求項3に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記液体の殺有害生物剤組成物が、液体懸濁剤または懸濁濃縮剤(SC);サスポエマルション(SE)、油分散液(OD)、フロアブル濃縮剤(FC)、または種子処理のための懸濁濃縮剤(FS)、濃厚少量散布剤(ULV)の形態であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項6】
請求項4に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記水分散性顆粒が、0.05mm~3mmのサイズ範囲であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項7】
請求項4に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記顆粒が、0.05mm~6mmのサイズ範囲であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項8】
請求項2に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記組成物が、殺有害生物活性物、肥料、多量要素、微量要素、バイオスティミュラント、有機酸、植物成長調節剤、藻類、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の活性成分をさらに含むことを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項9】
請求項2に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記農芸化学的に許容される賦形剤が、界面活性剤、バインダーまたは結合剤、湿展剤、乳化剤、充填剤または担体または希釈剤、コーティング剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、泡立ち防止剤または消泡剤、浸透剤、UV保護剤、UV吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、顔料、着色剤、構造化剤、キレート剤または錯化剤または封鎖剤、増粘剤、懸濁化剤または懸濁助剤または固結防止剤または沈降防止剤、粘度調整剤またはレオロジー調整剤、粘着付与剤、保湿剤、展着剤、固着剤、凍結防止剤または凍結点降下剤、溶媒、防腐剤または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または酸化防止剤、ポリマー、モノマー、架橋剤、浸透性増強剤、保護コロイド、およびそれらの混合物のうちの少なくとも1つから選択されることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項10】
請求項5に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記液体の組成物が、10cps~3000cpsの粘度を有することを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項11】
請求項5に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記液体の組成物が、5%未満の残留物の注入性を有することを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項12】
請求項4に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記組成物の分散性が、少なくとも30%であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項13】
請求項4に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記組成物の懸垂性が、少なくとも30%であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項14】
請求項4に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記組成物の分散性が、加速保存条件下で少なくとも30%であることを特徴とする殺有害生物剤組成物。
【請求項15】
請求項4に記載の殺有害生物剤組成物であって、前記組成物の懸垂性が、加速保存条件下で少なくとも30%である殺有害生物剤組成物。
【請求項16】
請求項4に記載の水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスであって、
a)元素硫黄、フルキサピロキサド、プロチオコナゾールのブレンドを、少なくとも1種の農薬賦形剤とともに水中で粉砕して、粒子が0.1~50ミクロンのサイズ範囲であるスラリーまたは湿潤混合物を得ることと、
b)前記湿潤混合物を乾燥し、前記乾燥した混合物をふるいにかけてサイズが小さいおよびサイズが大きい顆粒を除去して水分散性顆粒を得ることと、
を含み、
前記組成物の前記顆粒が、0.05mm~3mmのサイズ範囲の顆粒から成り立つ、
ことを特徴とするプロセス。
【請求項17】
請求項4に記載の顆粒の形態である殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスであって、
a)元素硫黄、フルキサピロキサド、プロチオコナゾールのブレンドを、少なくとも1種の農薬賦形剤とともに水中で粉砕して、粒子が0.1~50ミクロンのサイズ範囲であるスラリーまたは湿潤混合物を得ることと、
b)前記湿潤混合物を乾燥して乾燥混合物を得ることであって、前記組成物の前記顆粒が、0.05~3mmのサイズ範囲の顆粒から成り立つ、乾燥混合物を得ることと、
c)水を前記乾燥混合物に加え、ブレンドしてドウまたはペーストを得、次いで、それを、押出機を通して押し出して0.05mm~6mmのサイズ範囲の押出顆粒を得る、または
工程(b)において得られた前記湿潤混合物または前記乾燥混合物を凝集機において凝集させて、0.05mm~6mmのサイズ範囲の球形化顆粒状組成物を得ることと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項18】
請求項4に記載の湿潤性粉末または種子コーティングのための湿潤性粉末の形態である殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスであって、
a)元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを少なくとも1種の農薬賦形剤と混合することと、
b)得られた工程a)の混合物を粉砕して湿潤性粉末を得ることと、
を含み、
粒子が、0.1~50ミクロンのサイズ範囲である、
ことを特徴とする、プロセス。
【請求項19】
請求項5に記載の液体懸濁剤の形態である殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスであって、
a)元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの混合物を少なくとも1種の農薬賦形剤とともに均質にして懸濁液を得ることと、
b)得られた前記懸濁液を湿式粉砕して、0.1ミクロン~50ミクロンの粒径範囲を有する組成物を提供することと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項20】
請求項5に記載のサスポエマルションの形態である殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスであって、
a)元素硫黄およびフルキサピロキサドの混合物を少なくとも1種の農薬賦形剤とともに均質にして懸濁液を得ること、および得られた前記懸濁液を湿式粉砕して、0.1~50ミクロンの粒径範囲を有する、元素硫黄およびフルキサピロキサドの懸濁濃縮剤を提供することと、
b)油または溶媒および少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤にプロチオコナゾールを溶解させて、プロチオコナゾールのエマルション濃縮剤を得ることと、
c)工程a)の前記懸濁濃縮剤と工程b)のエマルション濃縮剤とを混合して、0.1~50ミクロンのサイズ範囲である粒子を有するサスポエマルション組成物を得ることと、
を含むことを特徴とする、プロセス。
【請求項21】
請求項2に記載の殺有害生物剤組成物を用いて、植物、作物、植物繁殖材料、部位、それの部分、または種子、苗木、および土壌のうちの少なくとも1つを処理することを含むことを特徴とする、真菌病を防除する、作物を保護する、または植物の健康および収量を向上させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含む殺有害生物剤の組み合わせ(pesticidal combination)に関する。本発明はまた、元素硫黄、フルキサピロキサド、プロチオコナゾール、および少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤を含む殺有害生物剤組成物(pesticidal composition)に関する。より詳細には、本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含み、0.1ミクロン~50ミクロンの粒径範囲を有する殺有害生物剤組成物に関する。
【0002】
本発明は、殺有害生物剤組成物を調製するためのプロセスにさらに関する。
【0003】
本発明は、殺有害生物剤組成物を用いて、植物、作物、植物繁殖材料、部位またはそれの部分、種子、苗木、または周囲の土壌を処理することによって、真菌病を防除する、作物を保護する、または植物の健康および収量を向上させる方法にさらに関する。
【背景技術】
【0004】
本発明の実施形態を説明するにあたり、明確さのために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択される特定の用語に限定されることを意図するものではなく、各特定の用語が、同様に機能して同様の目的を果たす技術的均等物すべてを含むことが理解されるべきである。
【0005】
真菌および他の有害生物に対する作物の保護のための農薬、特に化学殺真菌剤の使用は、作物管理の不可欠の要素であってきた。
【0006】
現在市場で入手可能な殺真菌剤(fungicide)は、
・広域スペクトルの作用を提供しない、
・個別の活性物を繰り返しかつ長期で、または、公知の化学物質をより高い用量で投与することに起因する、有害生物における耐性の増大を示す、
・土壌および地下水での肥料および殺有害生物剤の浸出に起因して、環境汚染および土壌毒性にいたる
ため、今日の作物保護の要件を満たさない。
【0007】
加えて、現在の殺有害生物剤製品の繰り返される使用は、収量の低減とともに、有害生物の再発、二次的な有害生物発生、残留物関連問題、人間への毒作用などの問題も示す。
【0008】
したがって、公知の化学に関連付けられる上述の欠点に対処する向上した殺有害生物剤製品、特に殺真菌剤が明らかに必要とされている。
【0009】
フルキサピロキサド、ピラゾール-カルボキサミド殺真菌剤は、コハク酸デヒドロゲナーゼ酵素を阻害することによって真菌の成長を防除し、予防および治療作用を同時に示す。
【0010】
プロチオコナゾール、広域スペクトルのトリアゾール殺真菌剤は、エルゴステロール生合成阻害剤として働き、真菌中のステロールの前駆体、ラノステロール、または24-メチレン二水素の脱メチル化を阻害する。プロチオコナゾールは、良好な浸透活性を示し、病原体に対する長続きする効果を伴う良好な保護を与える。
【0011】
肥料および殺有害生物剤としての硫黄の役割は、以前から公知である。硫黄は、性質が有機であると考えられており、その元素の形態で広く入手可能である。硫黄の恩恵は、栄養的な恩恵とともに、有害生物および病気の防除の効果的な方法として化学物質を使用することへの依存の低減を含むだけでなく、性質が有機であるため、環境に優しく、作物収量を増大させ、食物の安全性、人間、動物、または植物の健康、および生活の質を向上させる。殺真菌剤、ダニ駆除剤、殺ダニ剤、および養分としての硫黄の使用は特に重要であり、環境に優しい農業行為の方法として長い間使用されてきた。
【0012】
病原体および有害生物を防除するための活性物の2種間の組み合わせ、すなわち、フルキサピロキサドとプロチオコナゾール、およびインピルフルキサムと硫黄が文献において説明されている。しかしながら、これらの公知の組み合わせの生物学的特性は、たとえば、病原性防除、植物毒性、および環境暴露の領域において完全に満足のいくものではない。
【0013】
US20210084904は、1種以上のコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)、好ましくはインピルフルキサム、および1種以上の硫黄含有化合物、好ましくは落花生葉斑病を防除するための硫黄を含有する殺有害生物剤混合物に関する。
【0014】
WO20120016972は、トウモロコシにおける植物病原性真菌を防除するためのフルキサピロキサドおよびプロチオコナゾールを含む殺真菌剤組成物(fungicidal composition)に関する。
【0015】
WO2018162999は、多部位接触殺真菌剤、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害殺真菌剤、および第2の浸透性殺真菌剤を含む殺真菌剤の組み合わせ(fungicidal combinations)およびそれを使用する方法に関する。WO2018162999は、数千の可能な3種間の殺真菌剤の組み合わせを論じている。WO2018162999は、3種間の組み合わせの使用に起因して、標的の有害生物の防除において殺真菌剤組成物が効果的であることを開示している。
【0016】
しかしながら、これらの文献は、特定の粒径を有する殺有害生物剤有効量での、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの特定の組み合わせについて、ならびに前記組み合わせの効力および相乗効果については言及していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0084904号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第2012/016972号パンフレット
【特許文献3】国際特許出願公開第2018/162999号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、より低い用量で広域スペクトルの殺有害生物剤活性を伴って効果的に使用され、上で論じられる公知の組成物に伴う欠点に対処することができる、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの特定の組み合わせから成り立つ当技術分野で公知の殺真菌剤組成物はない。
【0019】
この必要は、安定であり、かつ向上した、本殺有害生物剤の組み合わせの提供によって、本発明に従って解決される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含む相乗効果的な組み合わせに関する。
【0021】
本発明はまた、元素硫黄、フルキサピロキサド、プロチオコナゾール、および少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤を含む、相乗効果的な殺有害生物剤組成物に関する。
【0022】
本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含み、0.1ミクロン~50ミクロンの粒径範囲を有する殺有害生物剤組成物に関する。
【0023】
本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含み、0.1ミクロン~50ミクロンの粒径範囲を有する殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスにさらに関する。
【0024】
本発明はまた、元素硫黄、フルキサピロキサド、プロチオコナゾール、および少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤を含む殺有害生物剤組成物を用いて、植物、作物、植物繁殖材料、部位またはそれの部分、種子、苗木、または周囲の土壌を処理することによって、真菌病を防除する、作物を保護する、または植物の健康および収量を向上させる方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を説明するにあたり、明確さのために特定の術語が選ばれる。しかしながら、本発明がそのように選択される特定の用語に限定されることを意図するものではなく、そのような特定の用語が、同様に機能して同様の目的を果たす技術的均等物すべてを含むことが理解されるべきである。本明細書において記載される任意の数値の範囲は、包含されるすべてのサブ範囲を含むことが意図されることが理解される。また、別段に表記されていない限り、組成物中の成分の百分率は、重量パーセントで示される。
【0026】
本明細書で用いる「a」または「an」という用語は、1または1より多いと定義される。本明細書で用いる「含む(including)」および/または「有する(having)」という用語は、含む(comprising)(すなわち、非制限的言語)と定義される。
【0027】
組成物において使用される「硫黄」という用語は、天然の供給源または合成の供給源によって得られる元素硫黄を指す。この用語は、塑性(アモルファス)硫黄、単斜硫黄、S8分子から構成される斜方硫黄、S7およびS12などのその他の環状分子などの元素硫黄の同素体を含む。この用語は、石油化学製品の加工および精製によって生成される硫黄も含む。この用語は「バイオ硫黄」も含む。この用語は、微生物作用によって生成される元素硫黄も含む。
【0028】
本発明で使用されるプロチオコナゾールは、プロチオコナゾールまたはその塩またはそれらの誘導体を指す。
【0029】
顆粒は、水分散性顆粒、押出顆粒、または球形化顆粒を主に指す。本明細書で説明されるように、「GR」は、押出顆粒または球形化顆粒を指す。本明細書で説明されるように、「WG」または「WDG」は、水分散性顆粒を指す。
【0030】
本明細書で説明されるように、水分散性顆粒は、水に加えられた場合、迅速に分散するかまたは溶解して微粒子懸濁剤を与える製剤と定義される。水分散性顆粒は、界面活性剤および他の製剤賦形剤と一緒に、粉末にした活性成分をブレンドし固めることによって、小さい、容易に計量される顆粒として製剤化され、水に加えられると、より微細な/一次粒子へと分散する。
【0031】
本発明によれば、液体懸濁剤という用語は、「水性懸濁剤」または「水性分散液」または「懸濁濃縮剤(SC)」組成物を包含する。液体懸濁剤は、液体中に固体粒子が分散されているかまたは懸濁されている組成物と定義される。ビヒクルとしての液体は、水および/または水混和性溶媒である。
【0032】
本明細書で定義されるように、WPは、湿潤性粉末を指し、水中に分散させた後、懸濁剤として適用するための粉末製剤である。
【0033】
本明細書で定義されるように、WSは、スラリー種子処理のための水分散性粉末(water dispersible powder)を指す。
【0034】
本明細書で定義されるように、水性サスポエマルションは、本質的に、水系溶液中に分散された水不溶性活性成分の混合物であり、ここで、活性成分のうちの1種(以上)は、懸濁剤形態として製剤化された固体(SC)であり、活性物のうちの1種(以上)は、水中エマルション(EW)として製剤化された油である。
【0035】
本発明は、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含む相乗効果的な組み合わせに関する。
【0036】
本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールとを含む相乗効果的な組み合わせに関する。
本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含み、0.1ミクロン~50ミクロンの範囲の粒径を有する、向上した、かつ安定である殺真菌剤組成物に関する。
【0037】
本発明の発明者は驚いたことに、元素硫黄、フルキサピロキサド、プロチオコナゾールを含む組み合わせが、個別の活性成分単独の活性と比較して相乗効果的な殺有害生物剤活性を実証したことを見出した。
【0038】
本発明の組成物の相乗効果的な効果に加えて、本発明者は驚いたことに、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の、固体、液体、ゲル、またはペーストの形態での農薬賦形剤とを含む組成物が、組成物中の粒子が0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲で存在する場合、優れた有害生物防除を提供し、収量を向上させることを決定した。
【0039】
本発明の発明者は驚いたことに、本発明の組成物中の元素硫黄の存在は、真菌の防除に関して相乗効果的な効果を実証するだけでなく、植物に栄養をさらに与え、したがって、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの個別の適用と比較して、収量、ならびに植物の高さ、根の長さ、および向上した葉などの他の作物特性の著しい向上を示すことを見出した。
【0040】
さらに、本発明者は、元素硫黄が少なくとも30%w/wの濃度で投入された場合、本発明の組成物が著しい効力を示すことを見出した。少なくとも30%w/wの濃度での組成物中の元素硫黄の存在は、組成物中に存在する他の活性物、すなわちプロチオコナゾールおよびフルキサピロキサドに対する有害生物耐性を長続きさせることを支援するだけでなく、殺真菌剤、すなわちフルキサピロキサドおよびプロチオコナゾールの活性投与量(active dose)の低減を助けることも見出された。
【0041】
さらに、本発明の組成物は、一般の農家に経済的利点を提供するだけでなく、元素硫黄がより多く投入されるため生態系的な利点を提供することが見出され、元素硫黄は、性質が有機であるため環境または住民のいずれにも悪影響を引き起こさず、さらに、組成物中で使用される化学/合成殺有害生物剤の活性投与量を低減することを助ける。
【0042】
一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の30%w/w~80%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の30%w/w~70%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の30%w/w~60%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の30%w/w~50%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の40%w/w~90%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の40%w/w~80%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の40%w/w~70%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の50%w/w~90%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の50%w/w~80%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、元素硫黄は、全組成物の60%w/w~90%w/wの範囲で存在する。
【0043】
一実施形態によれば、フルキサピロキサドは、全組成物の0.01%~25%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、フルキサピロキサドは、全組成物の0.01%~20%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、フルキサピロキサドは、全組成物の0.01%~15%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、フルキサピロキサドは、全組成物の0.01%~10%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、フルキサピロキサドは、全組成物の0.01%~5%w/wの範囲で存在する。
【0044】
一実施形態によれば、プロチオコナゾールは、全組成物の1%~20%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、プロチオコナゾールは、全組成物の1%~15%w/wの範囲で存在する。一実施形態によれば、プロチオコナゾールは、全組成物の1%~10%w/wの範囲で存在する。
【0045】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、固体、液体、またはゲル、またはペーストの形態である。
【0046】
一実施形態によれば、液体殺有害生物剤組成物は、懸濁濃縮剤(SC)または水性懸濁液または液体懸濁剤、油分散液(OD)、フロアブル濃縮剤(FC)、種子粉衣(seed dressing)、サスポエマルション(SE)、種子処理のための懸濁濃縮剤(FS)、濃厚少量散布剤(Ultra-Low-Volume)(ULV)の形態である。
【0047】
一実施形態によれば、液体殺有害生物剤組成物は好ましくは、懸濁濃縮剤または水性懸濁液または液体懸濁剤の形態である。
【0048】
一実施形態によれば、固体殺有害生物剤組成物は、粉末、顆粒、または微粉の形態である。
【0049】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、湿潤性粉末(WP)、スラリー種子処理のための水分散性粉末(WS)、散粉性粉末(dustable powder)(DP)、乾燥種子処理のための粉末(DS)、水崩壊性錠剤(water disintegrable tablet)を含む粉末の形態である。
【0050】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、散布顆粒、ペレット、押出顆粒、水分散性顆粒(WG)、水崩壊性顆粒を含む顆粒の形態である。
【0051】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は好ましくは、水分散性顆粒の形態である。
【0052】
一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.05mm~3mmのサイズ範囲である。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.05mm~2.5mmのサイズ範囲である。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.05mm~2.0mmのサイズ範囲である。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.05mm~1.5mmのサイズ範囲である。
【0053】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または懸濁濃縮剤の形態である殺有害生物剤組成物は、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含むことができる。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.1ミクロン~40ミクロンのサイズ範囲の粒子を含むことができる。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.1ミクロン~30ミクロンのサイズ範囲の粒子を含むことができる。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.1ミクロン~25ミクロンのサイズ範囲の粒子を含むことができる。一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、0.1ミクロン~20ミクロンのサイズ範囲の粒子を含むことができる。
【0054】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤を含む。
【0055】
さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の0.1%w/wから70%w/wまでの範囲で存在する。さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の0.1%w/wから60%w/wまでの範囲で存在する。さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の0.1%w/wから50%w/wまでの範囲で存在する。さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の0.1%w/wから40%w/wまでの範囲で存在する。さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、全組成物の0.1%w/wから35%w/wまでの範囲で存在する。
【0056】
さらなる実施形態によれば、農芸化学的に許容される賦形剤は、界面活性剤、湿展剤、分散剤、乳化剤、バインダーまたは結合剤、崩壊剤、充填剤または担体または希釈剤、コーティング剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、泡立ち防止剤または消泡剤、浸透剤、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、安定剤、顔料、着色剤、構造化剤、キレート剤または錯化剤または封鎖剤、増粘剤、懸濁化剤または懸濁助剤または固結防止剤または沈降防止剤、粘度調整剤またはレオロジー調整剤、粘着付与剤、保湿剤、固着剤、凍結防止剤または凍結点降下剤、溶媒、防腐剤または殺細菌剤または抗真菌剤または殺生物剤または抗微生物剤または酸化防止剤、およびそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0057】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または球形化顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、崩壊剤、界面活性剤、バインダー、または充填剤、または担体、または希釈剤、泡立ち防止剤、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、固結防止剤または沈降防止剤または懸濁助剤または懸濁化剤、浸透剤、固着剤、粘着付与剤、顔料、着色剤、安定剤、分散剤をさらに含む、少なくとも1種の農薬賦形剤を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0058】
一実施形態によれば、液体殺有害生物剤組成物は、少なくとも1種の構造化剤、界面活性剤、保湿剤、水混和性溶媒、懸濁化剤または懸濁助剤または固結防止剤または沈降防止剤、浸透剤、固着剤、紫外線吸収剤、UV線散乱剤、緩衝剤またはpH調整剤または中和剤、安定剤、凍結防止剤または凍結点降下剤、泡立ち防止剤を含む、少なくとも1種の農薬賦形剤をさらに含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0059】
しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、追加の農芸化学的に許容される賦形剤を利用することが可能であることを認識するであろう。農芸化学的に許容される賦形剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0060】
一実施形態によれば、界面活性剤は、乳化剤、湿展剤、および分散剤のうちの1つ以上を含む。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物において使用される界面活性剤は、陰イオン、陽イオン、非イオン、両性、および高分子界面活性剤のうちの1つ以上を含む。
【0061】
陰イオン界面活性剤は、脂肪酸の塩、安息香酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステルの塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステルの塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホナート、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステルの塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、スルホン酸塩ドクサート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルサルコシン酸塩、アルファオレフィンスルホナートナトリウム塩、アルキルベンゼンスルホナートまたはその塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、スルホコハク酸塩、ポリアクリラート、ポリアクリラート-遊離酸およびナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステルの塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステルの塩、スルホコハク酸-モノおよび他のジエステル、リン酸エステル、アルキルナフタレンスルホナート-イソプロピルおよびブチル誘導体、アルキルエーテル硫酸塩-ナトリウムおよびアンモニウム塩;アルキルアリールエーテルリン酸塩、エチレンオキシドおよびその誘導体、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステルの塩、モノ-アルキルスルホコハク酸塩、芳香族炭化水素スルホン酸塩、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、ペルフルオロノナン酸アンモニウム、ドクサート、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウレス硫酸マグネシウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、ペルフルオロノナン酸、カルボン酸塩、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸、リン脂質、ラウリル硫酸カリウム、石鹸、石鹸代替品、アルキル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルカルボン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、アルファオレフィンスルホナート、ナフタレンスルホナート塩、アルキルナフタレンスルホナート脂肪酸塩、ナフタレンスルホナート縮合物-ナトリウム塩、フルオロカルボン酸塩、脂肪アルコール硫酸塩、アルキルナフタレンスルホナート縮合物-ナトリウム塩、ホルムアルデヒドと縮合されたナフタレンスルホン酸またはホルムアルデヒドと縮合されたアルキルナフタレンスルホン酸の塩;または塩、それらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。
【0062】
非イオン界面活性剤は、ポリオールエステル、ポリオール脂肪酸エステル、ポリエトキシル化エステル、ポリエトキシル化アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化脂肪アルコール、エトキシル化およびプロポキシル化アルコール、エチレンオキシド(EO)/プロピレンオキシド(PO)コポリマー;EOおよびPOブロックコポリマー、ジ、トリ-ブロックコポリマー;ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポロキサマー、ポリソルベート、アルキルポリグリコシドなどのアルキル多糖類およびそれのブレンド、アミンエトキシラート、ソルビタン脂肪酸エステル、グリコールおよびグリセロールエステル、グルコシジルアルキルエーテル、タロウ酸ナトリウム、ポリオキシエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ソルビタン誘導体、ソルビタンの脂肪酸エステル(Span)およびそれらのエトキシル化誘導体(Tween)、および脂肪酸のスクロースエステル、セトステアリルアルコール、セチルアルコール、コカミドジエタノールアミン(DEA)、コカミドモノエタノールアミン(MEA)、デシルグルコシド、デシルポリグルコース、モノステアリン酸グリセロール、ラウリルグルコシド、マルトシド、モノラウリン、狭範囲エトキシラート、ノニデット(登録商標)P-40、ノノキシノール-9、ノノキシノール、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、N-オクチルベータ-D-チオグルコピラノシド、オクチルグルコシド、オレイルアルコール、PEG-10ヒマワリグリセリド、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリドカノール、ポロキサマー、ポロキサマー407、ポリエトキシル化獣脂アミン、ポリグリセロールポリリシノール酸、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ステアリルアルコール、サーファクチン、ラウリン酸グリセリル、ラウリルグルコシド、ノニルフェノールポリエトキシエタノール、ノニルフェノールポリグリコールエーテル、ヒマシ油エトキシラート、ポリグリコールエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのポリアダクト、ポリアルキレングリコールエーテルとヒドロキシステアリン酸のブロックコポリマー、トリブチルフェノキシポリエトキシエタノール、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、エト-プロポキシル化トリスチリルフェノール、エトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸ポリグリセリド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、アルコールエトキシラート-C6~C16/18アルコール、直鎖および分岐アルコールアルコキシラート-様々な疎水化物およびEO/POの含有量および率、脂肪酸エステル-モノおよびジエステル;ラウリン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸;グリセロールエステル-EOを伴うおよび伴わない;ラウリン酸、ステアリン酸、ココアおよびトール油由来、エトキシル化グリセリン、ソルビタンエステル-EOを伴うおよび伴わない;ラウリン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸系;モノおよびトリエステル、ヒマシ油エトキシラート-5~200モルのEO;非水添および水添、ブロックポリマー、アミンオキシド-エトキシル化および非エトキシル化;アルキルジメチル、脂肪アミンエトキシラート-ココ、獣脂、ステアリル、オレイルアミン、ポリオキシエチレン水添ヒマシ油またはポリオキシプロピレン脂肪酸エステル;塩またはそれらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。
【0063】
両性または双性イオン界面活性剤は、ベタイン、ココおよびラウリルアミドプロピルベタイン、ココアルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルベタイン;C8~C18、アルキルジプロピオン酸塩-ラウリミノジプロピオン酸ナトリウム、ココアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、イミダゾリン、リン脂質ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、およびスフィンゴミエリン、ラウリルジメチルアミンオキシド、アルキルアンホ酢酸塩およびプロピオン酸塩、アルキルアンホ(二)酢酸塩、およびジプロピオン酸塩、レシチンおよびエタノールアミン脂肪アミド;または塩、それらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。
【0064】
AtlasG5000、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)、EULSOGEN(登録商標)118、Genapol(登録商標)X、Genapol(登録商標)OX-080、Genapol(登録商標)C100、Emulsogen(登録商標)EL200、Arlacel P135、Hypermer8261、HypermerB239、HypermerB261、HypermerB246sf、Solutol HS15、Promulgen(商標)D、Soprophor7961P、Soprophor TSP/461、Soprophor TSP/724、Croduret40、Etocas200、Etocas29、Rokacet R26、Cetomacrogol1000、CHEMONIC OE-20、Triton N-101、Triton X-100、Tween20、40、60、65、80、Span20、40、60、80、83、85、120、Brij(登録商標)、Atlox4912、TERMUL3512、TERMUL3015、TERMUL5429、TERMUL2510、ECOTERIC(登録商標)T85、ECOTERIC(登録商標)T20、TERIC12A4、IGEPAL CA-630およびIsoceteth-20の商標を付して市販されているが、これらのうちの1つ以上に限定されない界面活性剤。
【0065】
しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の界面活性剤(イオンまたは非イオン界面活性剤)を利用することが可能であることを認識するであろう。界面活性剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0066】
一実施形態によれば、溶媒は、1,4-ジオキサン、エチレングリコール、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ジメチルホルムアミド、ジメトキシエタン、ジメチルオクタンアミド、グリセロール、ジメチルデカンアミドを含むが、これらに限定されない水混和性溶媒から選択される。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の水混和性溶媒を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0067】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される崩壊剤は、無機水溶性塩、たとえば塩化ナトリウム、硝酸塩;寒天などの水溶性有機化合物、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルデンプンエーテル、トラガカント、ゼラチン、カゼイン、微結晶性セルロース、架橋されたカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ステアリン酸金属、セルロース粉末、デキストリン、メタクリル酸コポリマー、Polyplasdone(登録商標)XL-10(架橋されたポリビニルピロリドン)、ポリ(ビニルピロリドン)、スルホン化スチレン-イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、メタクリル酸のポリアクリラートの塩、デンプン-ポリアクリロニトリルグラフトコポリマー、炭酸水素/炭酸ナトリウムまたはカリウム、またはそれらの混合物、もしくはクエン酸およびフマル酸などの酸との塩、または塩、それらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく異なる崩壊剤を利用することが可能であることを認識するであろう。崩壊剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0068】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される結合剤またはバインダーは、タンパク質、ガム、マルトデキストリン、単糖類、二糖類、オリゴ糖、および多糖類などの炭水化物、複合有機物質、合成有機ポリマー、または誘導体、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる結合剤を利用することが可能であることを認識するであろう。結合剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0069】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される担体は、固体担体または充填剤または希釈剤のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。別の実施形態によれば、担体は、鉱物担体、植物担体、合成担体、水溶性担体を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる担体を利用することが可能であることを認識するであろう。担体は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0070】
固体担体は、陶土、酸性粘土などのクレー、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、およびハロイサイトなどのカオリン、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト、およびアメサイトなどの蛇紋石などの天然鉱物、合成および珪藻土シリカ、モンモリロナイトナトリウムなどのモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、およびハイデライトなどのスメクタイト、パイロフィライト、タルク、アガルマトライト、白雲母、フェンガイト、セリサイト、およびイライトなどのマイカ、アタパルジャイトおよびセピオライトなどの、クリストバライトおよび石英などのシリカ;バーミキュライト、ラポナイト、軽石、ボーキサイト、アルミナ水和物、パーライト、炭酸水素ナトリウム、ボルクレー、バーミキュライト、石灰石、天然および合成ケイ酸塩、木炭、シリカ、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成物、表面改質シリカ、マイカ、ゼオライト、珪藻土、それらの誘導体;チョーク(Omya(登録商標))、フラー土、黄土、ミラビライト、ホワイトカーボン、消石灰、合成ケイ酸、デンプン、加工デンプン(Pineflow、松谷化学工業株式会社から入手可能)、セルロース、セルロースなどの植物担体、籾殻、小麦粉、木粉、デンプン、米ぬか、小麦ふすま、および大豆粉、タバコ粉、植物性粉末ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニリデン)、カゼインナトリウム、スクロース、芒硝、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、または誘導体またはそれらの混合物を含む。市販されているケイ酸塩は、Aerosilブランド、Sipernat(登録商標)50SとしてSipematブランド、およびCALFLO E、およびカオリン1777である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる固体担体を利用することが可能であることを認識するであろう。固体担体は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0071】
一実施形態によれば、顔料および着色剤は、様々な製造者から得られる合成化学物質から選択されるが、これらに限定されない。顔料および着色剤は、レーキの形態で水溶性または水不溶性とすることができる。染料は、溶媒染料、酸性染料、または塩基性染料とすることができる。そのような製品の例としては、Agrocer Red 112、Agrocer Blue 153、Agrocer Green 007、Agrocer Yellow 001、Agrocer violet 023、Unisperse black 0058、Unisperse Red 3855、Pigmosol Agro Red 3785が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される泡立ち防止剤または消泡剤は、シリカ、シロキサン、二酸化ケイ素、ポリジメチルシロキサン、アルキルポリアクリラート、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、ポリエチレングリコール、シリコーン油、およびステアリン酸マグネシウムまたはそれの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。好ましい泡立ち防止剤は、シリコーンエマルション(たとえば、Silikon(登録商標)SRE、Wacker、またはRhodiaからのRhodorsil(登録商標)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、フルオロ有機化合物を含む。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の泡立ち防止剤を利用することが可能であることを認識するであろう。泡立ち防止剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0073】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用されるpH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機または無機系の酸および塩基の両方、およびそれらの混合物を含む。さらなる実施形態によれば、pH調整剤または緩衝剤または中和剤は、有機酸、無機酸、およびアルカリ金属化合物、または塩、それらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。一実施形態によれば、有機酸は、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、および酒石酸、または塩、それらの誘導体;およびモノ-、ジ-、またはこれらの酸の三塩基酸塩、またはそれらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。アルカリ金属化合物は、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、水素炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩、およびリン酸ナトリウムなどのアルカリ金属リン酸塩およびそれらの混合物のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。一実施形態によれば、無機酸の塩は、たとえば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなどのアルカリ金属塩のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。混合物を使用して、pH調整剤または緩衝剤または中和剤を作製することもできる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知のpH調整剤または緩衝剤または中和剤を利用することが可能であることを認識するであろう。pH調整剤または緩衝剤または中和剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0074】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される展着剤は、セルロース粉末、デキストリン、加工デンプン、架橋されたポリ(ビニルピロリドン)、マレイン酸とスチレン化合物とのコポリマー、(メタ)アクリル酸コポリマー、多価アルコールとジカルボキシ酸無水物からなるポリマーのハーフエステル、ポリスチレンスルホン酸の水溶性塩、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、綿実などの植物油、または無機油、石油蒸留物、変性トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレートのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の展着剤を利用することが可能であることを認識するであろう。展着剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0075】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される固着剤は、パラフィン、ポリアミド樹脂、ポリアクリラート、ポリオキシエチレン、ワックス、ポリビニルアルキルエーテル、アルキルフェノール-ホルマリン縮合物、脂肪酸、ラテックス、脂肪族アルコール、綿実などの植物油、または無機油、石油蒸留物、変性トリシロキサン、ポリグリコール、ポリエーテル、クラスレート、合成樹脂エマルションのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の固着剤を利用することが可能であることを認識するであろう。固着剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0076】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される安定剤は、たとえば、過酸化水素および有機過酸化物などの過酸化化合物、亜硝酸エチルなどの亜硝酸アルキル、ならびにグリオキシル酸エチルなどのグリオキシル酸アルキル、ゼオライト、フェノール化合物、リン酸化合物、EDTA、亜硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸塩などの酸化防止剤のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の安定剤を利用することが可能であることを認識するであろう。安定剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0077】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される防腐剤は、殺細菌剤、抗真菌剤、殺生物剤、抗微生物剤、および酸化防止剤のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。防腐剤の非限定的な例としては、パラベン、そのエステルおよび塩、プロピオン酸およびその塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)およびその塩、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、無機亜硫酸塩および重亜硫酸塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノール、デヒドラ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチルヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジ-オキシイミダゾリジン-5-イル)尿素)、ポリ(ヘキサメチレンジグアニド)ヒドロクロリド、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、オクトピロックス、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレンビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、ジクロロフェン、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、1-フェノキシプロパン-2-オール、N-アルキル(C12~C22)トリメチルアンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシメチル尿素、1,6-ビス(4-アミジノフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、ハイアミン、アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウムブロミド、アルキル(C8~C18)ジメチルベンジルアンモニウムサッカリナート、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバマート、ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルピリジニウムクロリド、および、アルキルイソチアゾロン(たとえば2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、MIT;クロロ-2-メチル-2H-イソチアゾール-3-オン、CIT)、ベンゾイソチアゾロン(たとえば1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、BIT、ICIからProxel(登録商標)タイプとして市販されている)または2-メチル-4,5-トリメチレン-2H-イソチアゾール-3-オン(MTIT)などの、2Hイソチアゾール-3-オンの誘導体(いわゆるイソチアゾロン誘導体)、C1~C4-アルキルパラヒドロキシベンゾアート、ジクロロフェン、ICIからのProxel(登録商標)、Thor ChemieからのActicide(登録商標)RS、Rohm&HaasからのKathon(登録商標)MK、Bacto-100、チメロサール、プロピオン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸カリウム、硝酸フェニル水銀、フェニルエチルアルコール、ナトリウム、エチルパラベン、メチルパラベン、ブチルパラベン、ベジラアルコール、ベンゾトニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、1,2-ベンゾチアゾール-3-オン、Preventol(登録商標)(Lanxess(登録商標))、ブチルヒドロキシトルエン、ソルビン酸カリウム、3-ブロモ-2,3-ジヨード-2-プロペニルエチルカーボナート、3-ヨード-2-プロピニルブチルカーバマート、2,3,3-トリヨードアリルアルコール、およびパラクロロフェニル-3-ヨードプロパルギルホルマールなどのヨウ素含有有機化合物;2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾールおよび2-チオシアノメチルチオベンゾ-チアゾールなどのベンズイミダゾール化合物およびベンズチアゾール化合物;1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、1-(2-(2’,4’-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール、およびα-(2-(4-クロロフェニル)エチル)-α-(1,1-ジメチルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノールなどのトリアゾール化合物;ならびに4-イソプロピルトロポロン(ヒノキチオール)およびホウ砂などの天然に存在する化合物、のうちの1つ以上が挙げられる。酸化防止剤は、イミダゾールおよびイミダゾール誘導体(たとえば、ウロカニン酸)、4,4’-チオビス-6-t-ブチル-3-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ペンタエリトリチルテトラキス[3-(3,5,-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオナート;N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンなどのアミン酸化防止剤;2,5-ジ(t-アミル)ヒドロキノリンなどのヒドロキノリン酸化防止剤;トリフェニルリン酸塩などのリン含有酸化防止剤、カロテノイド、カロテン(たとえば、α-カロテン、β-カロテン、リコピン)およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(たとえば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル、およびさらなるチオ化合物(たとえば、チオグリセロール、チオソルビトール、チオグリコール酸、チオレドキシン、それらのN-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)、およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート、チオジプロピオン酸、およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびに非常に低い耐用量(たとえば、pmol/kg~pmol/kg)でのスルホキシミン化合物(たとえば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシミン)、α-ヒドロキシ酸(たとえば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、没食子酸エステル(たとえば、没食子酸プロピル、オクチル、およびドデシル)、不飽和脂肪酸および誘導体、ヒドロキノンおよびそれの誘導体(たとえば、アルブチン)、ユビキノンおよびユビキノール、およびそれらの誘導体、アスコルビルパルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ジ-パルミチン酸塩、酢酸塩、Mgアスコルビルリン酸塩、ジイソ-ジウムアスコルビルリン酸塩および硫酸塩、アスコルビルトコフェリルリン酸カリウム、イソアスコルビン酸、およびそれらの誘導体、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン、ルチン酸、およびそれらの誘導体、ルチニルジ硫酸二ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、4,4-チオビス-6-tert-ブチル-3-メチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、p-オクチルフェノール、モノ-(ジ-またはトリ-)メチルベンジルフェノール、2,6-tert-ブチル-4-メチルフェノール、ペンタエリトリトール-テトラキス3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、ブチルヒドロキシルアニソール、ノルジヒドログアイアシック酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびそれの誘導体、マンノースおよびそれの誘導体、セレンおよびセレン誘導体(たとえば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびスチルベン誘導体(たとえば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の防腐剤を利用することが可能であることを認識するであろう。防腐剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0078】
一実施形態によれば、農業用組成物において使用される構造化剤は、増粘剤、粘度調整剤、粘着付与剤、懸濁助剤、レオロジー調整剤、または沈降防止剤のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。構造化剤は、長期の保存後の活性成分粒子の沈降を防止する。
【0079】
一実施形態によれば、水性懸濁液組成物において使用される構造化剤は、ポリアクリル、ポリアクリルアミド、多糖類、疎水的に改変されたセルロース誘導体、セルロース誘導体、カルボキシビニル、またはポリビニルピロリドンのコポリマー、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、および誘導体などの1種以上のポリマー;ベントナイトクレー、カオリン、スメクタイト、アタパルジャイト、高表面積シリカのアタクレーなどのクレー、ならびにグアーガム、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、ラムサンガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ウェランガム、ヴィーガム、デキストリン、ゼラチン、コラーゲンなどの天然ガム;ポリアクリル酸、およびそれらのナトリウム塩;脂肪アルコールとポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド縮合物とのポリグリコールエーテル、およびそれらの混合物を含むが、これらに限定されず、エトキシル化アルキルフェノール(当技術分野で、アルキルアリールポリエーテルアルコールとも称される);エトキシル化脂肪族アルコール(またはアルキルポリエーテルアルコール);エトキシル化脂肪酸(またはポリオキシエチレン脂肪酸エステル);エトキシル化アンヒドロソルビトールエステル(またはポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、塩基性溶液中で非イオン性である長鎖アミンおよび環状アミンオキシド;長鎖第三級ホスフィンオキシド;および長鎖ジアルキルスルホキシド、ヒュームドシリカ、ヒュームドシリカとヒュームド酸化アルミニウムの混合物、膨潤性ポリマー、ポリアミドまたはその誘導体;グリセリン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ(エチレングリコール)、リン脂質(たとえばセファリンなど)などのポリオール;スタキオース、フラクトオリゴ糖類、アミロース、ペクチン、アルギン酸塩、ヒドロコロイド、ならびにそれらの混合物を含む。また、ヘミセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシ-メチルエチルセルロース、ヒドロキシルエチルプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース;酢酸デンプン、デンプンヒドロキシエチルエーテル、イオン性デンプン、長鎖アルキルデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、コーンスターチ、アミンデンプン、リン酸デンプン、およびジアルデヒドデンプンなどのデンプン;コーンスターチおよびジャガイモデンプンなどの植物デンプン;ペクチン、デキストリン、アミロペクチン、キシラン、グリコーゲン、寒天、グルテン、アルギン酸、フィココロイドなどの他の炭水化物、またはそれらの誘導体。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の構造化剤を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0080】
好ましい構造化剤は、キサンタンガム、グアーガム、ケイ酸アルミニウム、メチルセルロースおよびその誘導体、多糖類、アルカリ土類金属ケイ酸塩、およびポリビニルアルコールのうちの1つ以上を含む。構造化剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0081】
一実施形態によれば、使用される固結防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤は、デンプン、マンノース、ガラクトースなどの多糖類、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびメチルセルロースなどのセルロース誘導体;寒天、カラギーナン、アルギン酸塩、アラビア、トラガカント、カラヤ、ガティ、グアー、デキストランなどのガム、アルファ化デンプンおよび加工デンプンを含むデンプン、ポリ(ビニルピロリドン)、ヒュームドシリカ(ホワイトカーボン)、エステルガム、石油樹脂、Foammaster(登録商標)Soap Lステアリン酸ナトリウム、Brij(登録商標)700ポリオキシエチレン(100)ステアリルエーテル、Aerosol(登録商標)OT-Bジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、Silwet(登録商標)L-77シリコーン-ポリエーテルコポリマー、酢酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アルキルスルホコハク酸ナトリウム、塩またはそれらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる固結防止剤を利用することが可能であることを認識するであろう。固結防止剤または沈降防止剤または懸濁化剤または懸濁助剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0082】
一実施形態によれば、水性懸濁剤組成物において使用される凍結防止剤または凍結点降下剤は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチロラクトン、N,N-ジメチル-ホルムアミド、グリセロールなどの多価アルコール、一価または多価アルコール、グリコールエーテル、グリコールエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、およびジプロピレングリコールのメチル、エチル、プロピル、およびブチルエーテルなどのグリコールモノエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、およびジプロピレングリコール、または尿素のメチルおよびエチルジエーテルなどのグリコールジエーテル、グリセロール、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジ-またはトリプロピレングリコールモノメチルエーテル、またはシクロヘキサノール、グルコース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、アラビノース、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、ラフィノースなどの炭水化物、またはそれらの誘導体のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる凍結防止剤を利用することが可能であることを認識するであろう。凍結防止剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。一実施形態によれば、凍結防止剤は、全組成物の0.1%から20%w/wまでの量で存在する。
【0083】
一実施形態によれば、組成物において使用される浸透剤は、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エステル、アミン、アルカノールアミン、酸化アミン、第四級アンモニウム化合物、トリグリセリド、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシド、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンモノオレアート、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンジオレアート、ポリオキシエチレントリメチロールプロパントリオレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート、ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレアートのうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる浸透剤を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0084】
一実施形態によれば、紫外線吸収剤は、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-エトキシ-2’-エチルオキサザル酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2-(2’-ヒドロキシ-4’-n-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール化合物;2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンおよび2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン化合物;サリチル酸フェニルおよびp-t-ブチルフェニルサリチラートなどのサリチル酸化合物;2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリラート、2-エトキシ-2’-エチルシュウ酸ビスアニリド、ならびにジメチルスクシナート-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン重縮合物または誘導体などのうちの1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる紫外線吸収剤を利用することが可能であることを認識するであろう。そのような紫外線吸収剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0085】
一実施形態によれば、二酸化チタンなどを含むが、これらに限定されないUV線散乱剤が使用されてもよい。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、異なるUV線散乱剤またはそれらの混合物を利用することが可能であることを認識するであろう。そのようなUV線散乱剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0086】
一実施形態によれば、保湿剤は、Uniqemaから入手可能なコポリマーのSynperonic PEシリーズなどの、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、特にブロックコポリマー、または塩、それらの誘導体のうちの1つ以上から選択されるが、これらに限定されない。他の保湿剤は、プロピレングリコール、モノエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、およびグリセロールなど;多価アルコールまたはそれらの誘導体である。また、他の保湿剤は、アロエベラゲル、乳酸などのアルファ-ヒドロキシル酸およびそれの塩、アルブミン、三酢酸グリセリル、蜂蜜、塩化カルシウムなどを含む。上に言及される非イオン界面活性剤は、保湿剤としても働く。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の従来公知の保湿剤を利用することが可能であることを認識するであろう。保湿剤は、市販用に製造されており、様々な会社より入手可能である。
【0087】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、殺有害生物剤活性成分、肥料、微量要素、多量要素、バイオスティミュラント、有機酸、植物成長調節剤、藻類、またはそれらの混合物のうちの1つ以上から選択される少なくとも1種のさらなる活性成分を含む。
【0088】
さらなる実施形態によれば、殺有害生物活性物は、殺虫剤、殺真菌剤、除草剤、殺ダニ剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤、フェロモン剤、殺藻剤、摂食阻害剤、殺鳥剤、殺細菌剤、鳥類忌避剤、バイオ殺有害生物剤、昆虫忌避剤、殺卵剤、殺鼠剤などのうちの1つ以上である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の活性成分を利用することが可能であることを認識するであろう。
【0089】
驚いたことに、本発明の殺有害生物剤組成物は、高められそして向上された分散性、懸垂性、濡れ性、粘度、注入性の物理的特性を有し、取り扱いがしやすくなり、また、パッケージングの際に製品を取り扱う間、および圃場適用の間に、材料が減少することが低減されることが見出された。
【0090】
濡れ性は、湿潤可能な条件または状態であり、固体が液体によって湿潤する度合いと定義され、固相と液相との付着力によって測定される。顆粒状組成物の濡れ性は、湿潤しやすい製剤の完全な湿潤の時間を決定するための手順を説明する標準CIPAC試験MT-53を使用して測定される。秤量した量の顆粒状組成物を特定の高さからビーカー中の水に落下させ、完全な湿潤のための時間が決定された。別の実施形態によれば、水分散性顆粒または球形化顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、2分未満の濡れ性を有する。別の実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、1分未満の濡れ性を有する。別の実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、30秒未満の濡れ性を有する。別の実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、15秒未満の濡れ性を有する。
【0091】
球形化顆粒状組成物は、顆粒が保存および輸送中に崩壊することを防止する十分な硬さが付与されるような形で、製剤化される。顆粒によって示される硬さは、島津製作所、Brinell Hardness(AKB-3000モデル)、Mecmesin社、Agilent社、Vinsyst社、Ametek社、およびRockwell社によって提供されるものなどの硬度計によって推定される。一実施形態によれば、顆粒によって示される硬さは、100ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって示される硬さは、90ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって示される硬さは、80ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって示される硬さは、70ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって示される硬さは、60ニュートン未満である。一実施形態によれば、顆粒によって示される硬さは、50ニュートン未満である。
【0092】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または液体懸濁剤の形態である殺有害生物剤組成物は、湿式ふるい残留率試験に合格する。試験を用いて、水分散液として適用される製剤中の非分散性材料の量を決定する。液体懸濁剤および顆粒の形態である農薬組成物の湿式ふるい残留値は、ふるい上に保持された材料の量を測定するための手順を説明する標準CIPAC試験MT-185を使用することによって測定される。製剤のサンプルは水中に分散され、形成された懸濁液は、ふるいに移され、洗浄される。ふるい上に保持された材料の量は、乾燥および秤量によって決定される。
【0093】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または液体懸濁剤の形態である殺有害生物剤組成物は、0.5%未満の、75ミクロンふるいでの湿式ふるい残留値を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、0.2%未満の、75ミクロンふるいでの湿式ふるい残留値を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、0.1%未満の、75ミクロンふるいでの湿式ふるい残留値を有する。0.5%未満の湿式ふるい残留値は、殺有害生物剤組成物が、ノズルまたはろ過装置の詰まりを防止する製剤の容易な適用を助けることを示す。
【0094】
一実施形態によれば、液体懸濁剤の形態である殺有害生物剤組成物は、保存に際して沈殿または沈降せず、容易に注ぐことができる。この特性は、せん断応力または引張応力による漸進的な変形に対するその耐性の尺度である流体粘度に関して測定される。
【0095】
一実施形態によれば、液体組成物の粘度はCIPAC MT-192に従って決定される。サンプルは、標準的な測定システムに移される。異なるせん断条件下、測定が行われ、見かけの粘度が決定される。試験中、液体の温度は一定に保たれる。
【0096】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約3000cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約2500cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約2000cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約1500cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約1200cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約500cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約500cps未満の25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約400cpsの25℃での粘度を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、約10cps~約300cpsの25℃での粘度を有する。
【0097】
一実施形態によれば、本発明の液体懸濁剤組成物は容易に注ぐことができる。注入性は残留物のパーセントの尺度である。
【0098】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物の注入性は、液体懸濁剤を24時間放置し、標準化された注入手順後に容器中に残存する量が決定されることによって、CIPAC MT-148.1に従って決定される。容器はすすがれ、その後に残存する量が決定され、最大残留物がパーセントで算出される。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物の注入性は、5%未満の残留物である。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物の注入性は、好ましくは2.5%未満の残留物である。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物の注入性は、より好ましくは2.0%未満の残留物である。
【0099】
水分散性顆粒または球形化顆粒の形態である殺有害生物剤組成物の分散性は、パーセント分散の尺度である。分散性は、最小パーセント分散によって算出される。分散性は、顆粒が、水または溶媒などの液体に加えられる際に分散する能力と定義される。本願の顆粒状組成物の分散性は、標準CIPAC試験、MT174に従って決定された。顆粒状組成物の既知の量が、規定の体積の水に加えられ、撹拌によって混合されて懸濁液が形成された。短い間放置した後、上部の10分の9は取り除かれ、残存する10分の1は乾燥され、重量的に決定される。方法は事実上、短縮された懸垂性試験であり、顆粒状組成物が水中に均一に分散される容易さを確立するために適切である。
【0100】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも30%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも40%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも50%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも60%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも70%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも80%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも90%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも99%の分散性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、100%の分散性を有する。
【0101】
一実施形態によれば、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、ほぼ即時の分散を示す。
【0102】
一実施形態によれば、球形化顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、即時に、および作物周期全体にわたり得る、より長い期間にわたっても、活性物を利用可能にし、最終的には作物周期のすべての段階で作物を強化し保護する、活性物の即座で持続性の放出を提供する。
【0103】
一実施形態によれば、水分散性顆粒、液体懸濁剤の形態である殺有害生物剤組成物は、良好な懸垂性を示す。懸垂性は、指定された高さの液体のカラム中で所与の時間後に懸濁されている活性成分の量を、元の懸濁剤中の活性成分の量の百分率で表したものと定義される。CIPACハンドブック「MT 184 Test for Suspensibility」に従って、CIPAC標準水中の、組成物の既知の濃度の懸濁液を調製し、定められた測定シリンダー中に一定温度で載置され、指定された時間の間そのままにしておかれることにより、水分散性顆粒は、懸垂性に関して試験される。上部の9/10は取り除かれ、次いで、残存する1/10は、化学的に、重量的に、または溶媒抽出によって分析評価され、懸垂性が算出された。
【0104】
液体懸濁剤の懸垂性は、指定された高さの液体のカラム中で所与の時間後に懸濁されている活性成分の量であり、元の懸濁剤中の活性成分の量の百分率で表したものである。液体懸濁濃縮剤の懸垂性は、250mlの希釈された懸濁液を調製することによって、CIPAC MT-161に従って決定され、規定の条件下、測定シリンダー中に放置され、上部の10分の9が除去される。次いで、残存する10分の1は、化学的に、重量的に、または溶媒抽出によって分析評価され、懸垂性が算出される。
【0105】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも30%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも40%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも50%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも60%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも70%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも80%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも90%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、少なくとも99%の懸垂性を有する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、100%の懸垂性を有する。
【0106】
一実施形態によれば、水分散性顆粒または球形化顆粒、液体懸濁剤の形態である殺有害生物剤組成物は、加速保存条件(ATS)下で、懸垂性に関して、優れた安定性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で90%より高い懸垂性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で80%より高い懸垂性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で70%より高い懸垂性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で60%より高い懸垂性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で50%より高い懸垂性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で40%より高い懸垂性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で30%より高い懸垂性を実証する。
【0107】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で90%より高い分散性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で80%より高い分散性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で70%より高い分散性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で60%より高い分散性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で50%より高い分散性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で40%より高い分散性を実証する。一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、ATS下で30%より高い分散性を実証する。
【0108】
一実施形態によれば、殺有害生物剤組成物は、熱、光、温度、および固結に対する優れた安定性を実証する。組成物は、硬いケーキを形成せず、より高い温度下の長期の保存においてさえ、高められた安定性を示し、ひいては、圃場での優れた性能をもたらす。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物によって示される安定性は、少なくとも3年である。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物によって示される安定性は、少なくとも2年である。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物によって示される安定性は、少なくとも1年である。さらなる実施形態によれば、殺有害生物剤組成物によって示される安定性は、少なくとも6か月である。
【0109】
一実施形態によれば、本発明は、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含む本発明の殺有害生物剤組成物を調製するためのプロセスであって、組成物が、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を有する、プロセスに関する。
【0110】
さらなる実施形態によれば、本発明は、水分散性顆粒、球形化顆粒、液体懸濁剤、湿潤性粉末、サスポエマルション、種子コーティングのための水分散性粉末(WS)、および種子コーティングのための懸濁濃縮剤(FS)の形態である殺有害生物剤組成物を調製するためのプロセスに関する。
【0111】
さらなる実施形態によれば、水分散性顆粒または球形化顆粒の形態である殺有害生物剤組成物は、噴霧乾燥法、流動床顆粒化法、ディスク造粒法(disc pelletization)、パン顆粒化法(pan granulation)、ピン凝集機(pin agglomerator)、球形整粒機(spheronizer)、凍結乾燥法、または組み合わせなどの様々な手法によって製造される。押出機によって顆粒を押出して、押出顆粒を得ることもできる。
【0112】
本発明はまた、水分散性顆粒の形態である殺有害生物剤組成物を調製するためのプロセスであって、a)元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールのブレンドを、少なくとも1種の農薬賦形剤とともに粉砕して、粒子が0.1~50ミクロンのサイズ範囲であるスラリーまたは湿潤混合物(wet mix)を得ることと、b)湿潤混合物を乾燥し、乾燥した混合物をふるいにかけてサイズが小さいおよびサイズが大きい顆粒を除去して水分散性顆粒を得ることとを含み、組成物の顆粒が、0.05mm~3mmのサイズ範囲の顆粒から成り立つ、プロセスに関する。
【0113】
本発明はまた、顆粒状殺有害生物剤組成物を調製するためのプロセスであって、
a)元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールのブレンドを、少なくとも1種の農薬賦形剤とともに粉砕して、粒子が0.1~50ミクロンのサイズ範囲であるスラリーまたは湿潤混合物を得ることと、
b)湿潤混合物を乾燥して、乾燥した混合物を得ることと、
c)水を乾燥した混合物に加え、ブレンドしてドウまたはペーストを得、次いで、それを押出機を通して押し出して0.05mm~6mmのサイズ範囲の押出顆粒を得る、または
工程(b)において得られた湿潤混合物または乾燥した混合物を凝集機において凝集させて、0.05mm~6mmのサイズ範囲の球形化顆粒状組成物を得ることと、
を含むプロセスに関する。
【0114】
得られた湿潤混合物は、たとえば噴霧乾燥機、流動床乾燥機、または任意の好適な造粒機で乾燥し、続いて、ふるいにかけてサイズが小さいおよびサイズが大きい顆粒を除去し、顆粒を得る。
【0115】
本発明は、湿潤性粉末(WP)または「種子コーティングのための湿潤性粉末(WS)」組成物を調製するためのプロセスであって、有効量のフルキサピロキサドを、必要とされる希釈剤および不活性成分と混合して、第1の混合物を得ることを包含するプロセスに関する。プロセスは、有効量のプロチオコナゾールを、必要とされる希釈剤および不活性成分と混合して、第2の混合物を得ることを包含する。次いで、元素硫黄は、界面活性剤と混合されて、第3の混合物が得られる。次いで、3つの混合物は、好適なマスミキサーを使用して30分間混合され、空気ジェットミルに通されて、0.1ミクロン~50ミクロンの望ましい粒径範囲を有する湿潤性粉末組成物が得られる。代替的に、湿潤性粉末組成物は、30分間好適なマスミキサーを使用して、有効量のフルキサピロキサド、プロチオコナゾール、元素硫黄を、必要とされる希釈剤および不活性成分と混合し、次いで、空気ジェットミルに通されて、0.1ミクロン~50ミクロンの望ましい粒径範囲を有する湿潤性粉末組成物を得ることによって調製される。
【0116】
本発明は、液体懸濁剤または「種子処理のための懸濁濃縮剤(FS)」組成物を調製するためのプロセスであって、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤の混合物を均質にして懸濁剤を得ることと、得られた懸濁液を湿式粉砕して、0.1ミクロン~50ミクロンの粒径範囲を有する組成物を提供することとを含むプロセスに関する。
【0117】
液体懸濁剤を調製するプロセスは、賦形剤のうちの1種以上を、それらを、撹拌施設を有する容器に供給することによって、均質化することを包含する。元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールが、均質化されたブレンドに加えられ、混合物全体が均質になるまで約5~10分間連続的に撹拌される。続いて、得られた懸濁剤は湿式ミルに通されて、0.1~50ミクロンの範囲の望ましい粒径が得られる。次いで、連続的な均質化下、必要な分量の構造化剤が、得られた懸濁剤に加えられる。しかしながら、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、プロセスまたはプロセスパラメーターを修正または改変または変更して、液体懸濁剤組成物を得ることが可能であることを認識するであろう。
【0118】
本発明は、サスポエマルション殺有害生物剤組成物の調製のためのプロセスであって、湿展剤および分散剤を水に溶解させて混合物を得、続いて、保湿剤、泡立ち防止剤(必要であれば)、元素硫黄、およびフルキサピロキサドを加え、均質化された懸濁液を得、これをさらに粉砕して望ましい粒径(第1の小部分)を得ることを含むプロセスに関する。プロチオコナゾールを油または溶媒に溶解させ、続いて、界面活性剤を加え、必要とされる農薬賦形剤とともに濃縮エマルションを調製して、第2の小部分を得る。次いで、得られた2つの小部分は、ホモジナイザーを使用して30分間混合され、0.1~50ミクロンの望ましい粒径を有するサスポエマルション組成物が得られる。
【0119】
一実施形態によれば、本発明の組成物は、殺有害生物剤組成物、作物保護組成物、作物強化組成物、収量増強剤組成物のうちの少なくとも1つである。
【0120】
一実施形態によれば、本発明はまた、全組成物の30%w/w~90%w/wの範囲の元素硫黄と、全組成物の0.01%w/w~25%w/wの範囲のフルキサピロキサドと、全組成物の1%w/w~20%w/wの範囲のプロチオコナゾールと、少なくとも1種の農芸化学的に許容される賦形剤とを含む殺有害生物剤組成物を用いて、植物、作物、植物繁殖材料、部位またはそれの部分、種子、苗木、または周囲の土壌を処理することによって、真菌病を防除する、作物を保護する、または植物の健康および収量を向上させる方法に関する。組成物は、植物、たとえばその葉に直接噴霧されても、または播種もしくは植え付け前に植物繁殖材料に、もしくはそれの部位に適用されてもよい。
【0121】
組成物は様々な方法によって適用される。土壌に適用する方法は、組成物が土壌に浸透することを確実にする任意の好適な方法、たとえば、苗床トレイ適用、畝内適用、土壌潅注、土壌注入、点滴灌漑、スプリンクラー灌漑、種子処理、種子塗布、およびそのような他の方法を含む。組成物は、葉噴霧の形態でも適用される。
【0122】
組成物の適用のペースまたは用量は、使用の種類、作物の種類、または組成物中の特定の活性成分に依存するが、殺有害生物活性成分が、作物保護、作物収量などの望ましい作用を提供する有効量となるようなものである。
【0123】
本発明の組成物は、個別の活性物の適用と比較して、真菌有害生物に対する良好な防除を提供することが観察された。さらに、そのような組成物は、作物収量を向上させ、作物の生理学的特性などを高めるのに役立つ。このようにして、本発明の組成物は、低減された用量で、圃場における、高められ、有効で優れた挙動を実証することが観察された。
【0124】
前述から、本発明の新規の概念の正確な趣旨および範囲から逸脱することなく、多数の修正および変形を実現することが確認されるであろう。例示される特定の実施形態に関する限定は、意図されない、または推論されるべきではないことが理解されるべきである。
【実施例
【0125】
A.調製例
以下の実施例は、本発明の組成物の基本的な方法論および多用性を例示する。本発明は、これらの例証に限定されず、全体的な特許請求される成分の濃度範囲に外挿されることに留意されるべきである。
【0126】
<実施例1: 90%の元素硫黄、3%のフルキサピロキサド、および1%のプロチオコナゾールの湿潤性粉末製剤>
1部のプロチオコナゾール、3部のフルキサピロキサド、90部の硫黄、1.5部のラウリル硫酸ナトリウム、および4部のリグニンスルホン酸ナトリウム、および0.5部のクレーをマスミキサー中で30分間混合し、次いで、空気ジェットミルに通して、望ましい粒径を有する湿潤性粉末組成物を得ることによって、湿潤性粉末製剤を調製した。
【0127】
組成物は、約10ミクロンの平均粒径を有した。組成物は、76%の懸垂性および20秒未満の濡れ性を有した。組成物は、加速保存条件下で約71%の懸垂性および約22秒の濡れ性をさらに実証した。
【0128】
<実施例2: 30%の元素硫黄、25%のフルキサピロキサド、および20%のプロチオコナゾールの湿潤性粉末製剤>
20部のプロチオコナゾール、25部のフルキサピロキサド、30部の硫黄、2部のGeropon(登録商標)T77、3部のGeropon(登録商標)SC213、3部のリグニンスルホン酸カルシウムを混合し、次いで、17部のクレーをマスミキサー中で30分間ブレンドし、次いで、空気ジェットミルに通して、望ましい粒径を有する湿潤性粉末組成物を得ることによって、湿潤性粉末製剤を調製した。
【0129】
組成物は、約6.7ミクロンの平均粒径を有した。組成物は、82%の懸垂性、11秒未満の濡れ性を有した。組成物は、加速保存条件下で約78%の懸垂性および約15秒の濡れ性をさらに実証した。
【0130】
<実施例3: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの湿潤性粉末製剤>
5.1部のプロチオコナゾール、5.3部のフルキサピロキサド、40部の硫黄、2部のアルキルナフタレンスルホナート縮合物、3部のMorwet(登録商標)D450、3部のTamol(登録商標)DN、41.6部のソープストーンをマスミキサー中で30分間混合し、次いで、空気ジェットミルに通して、望ましい粒径を有する湿潤性粉末組成物を得ることによって、湿潤性粉末製剤を調製した。
【0131】
組成物は、約12.6ミクロンの平均粒径を有した。組成物は、69%の懸垂性、6秒未満の濡れ性を有した。組成物は、加速保存条件下で約67%の懸垂性および約7秒の濡れ性をさらに実証した。
【0132】
<実施例4: 80%の元素硫黄、1.5%のフルキサピロキサド、および1%のプロチオコナゾールの水分散性顆粒>
ビーカーに水を取ることによって水分散性顆粒を調製し、5部のアルキルナフタレンスルホナート縮合物、8部のリグニンスルホン酸ナトリウム、4.5部のクレーを含む界面活性剤を順々にビーカーに加え、界面活性剤が完全に溶解するまで撹拌した。さらに、80部の硫黄を加え、撹拌して、よく分散させた。その後、1.5部のフルキサピロキサド、および1部のプロチオコナゾールを順々に加え、ホモジナイザーを使用して15分間混合して、スラリーを得た。次いで、スラリーを湿式ミルに通して、望ましい粒径範囲を得た。次いで、好適な噴霧乾燥機を使用して、粉砕したスラリーを噴霧乾燥した。組成物は、約7.2ミクロンの平均粒径および0.1mm~2.5mmの顆粒サイズを有した。
【0133】
組成物は、ほぼ即時に分散し、94%の分散性、88%の懸垂性、11秒未満の濡れ性、および0.09%の湿式ふるい残留値を有する。組成物は、加速保存条件下で92%の分散性、9秒未満の濡れ性、および約85%の懸垂性をさらに実証した。組成物は硬さを示さない。
【0134】
<実施例5: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの水分散性顆粒>
ビーカーに水を取ることによって水分散性顆粒を調製し、5部のポリカルボン酸カリウム、5部のreax88A、10部のラクトース、および29.6部のクレーを含む界面活性剤を順々にビーカーに加え、界面活性剤が完全に溶解するまで撹拌した。さらに、40部の硫黄を加え、撹拌して、よく分散させた。その後、5.3部のフルキサピロキサド、および5.1部のプロチオコナゾールを順々に加え、ホモジナイザーを使用して15分間混合して、スラリーを得た。次いで、スラリーを湿式ミルに通して、望ましい粒径範囲を得た。次いで、好適な噴霧乾燥機を使用して、粉砕したスラリーを噴霧乾燥した。組成物は、約5.3ミクロンの平均粒径および0.05mm~1.5mmの顆粒サイズを有した。
【0135】
組成物は、ほぼ即時に分散し、98%の分散性、96%の懸垂性、7秒未満の濡れ性、および0.08%の湿式ふるい残留値を有する。組成物は、加速保存条件下で95%の分散性、9秒未満の濡れ性、および約95%の懸垂性をさらに実証した。組成物は硬さを示さない。
【0136】
<実施例6: 30%の元素硫黄、2%のフルキサピロキサド、および20%のプロチオコナゾールの水分散性顆粒>
ビーカーに水を取ることによって水分散性顆粒を調製し、2部のsupragil WP、5部のStepserse DF 500、12部のクエン酸ナトリウム、および29部のクレーを含む界面活性剤を順々にビーカーに加え、界面活性剤が完全に溶解するまで撹拌した。さらに、30部の硫黄を加え、撹拌して、よく分散させた。その後、2部のフルキサピロキサド、および20部のプロチオコナゾールを順々に加え、ホモジナイザーを使用して15分間混合して、スラリーを得た。次いで、スラリーを湿式ミルに通して、望ましい粒径範囲を得た。次いで、好適な噴霧乾燥機を使用して、粉砕したスラリーを噴霧乾燥した。組成物は、約6ミクロンの平均粒径および0.1mm~2.5mmの顆粒サイズを有した。
【0137】
組成物は、ほぼ即時に分散し、99%の分散性、99%の懸垂性、7秒未満の濡れ性、および0.08%の湿式ふるい残留値を有する。組成物は、加速保存条件下で99%の分散性、8秒未満の濡れ性、および約97%の懸垂性をさらに実証した。組成物は硬さを示さない。
【0138】
<実施例7: 85%の元素硫黄、3%のフルキサピロキサド、および3%のプロチオコナゾールのスラリー種子処理のための湿潤性粉末(WS)製剤>
3部のプロチオコナゾール、3部のフルキサピロキサド、85部の硫黄、4部のナフタレンスルホナート、2部の展着剤(sticker)、1部のMorwet EFW、および2部のバイオレット顔料をマスミキサー中で30分間混合し、次いで、空気ジェットミルに通して、望ましい粒径を有するスラリー種子処理のための水分散性粉末を得ることによって、WS製剤を調製した。
【0139】
組成物は、約6.5ミクロンの平均粒径を有した。組成物は、82.89%の懸垂性および20秒未満の濡れ性を有した。組成物は、加速保存条件下で約81.42%の懸垂性および約26秒の濡れ性をさらに実証した。
【0140】
<実施例8: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5%のプロチオコナゾールの散粉性粉末製剤>
5.1部のプロチオコナゾール、5.3部のフルキサピロキサド、40部の硫黄をマスミキサー中で混合し、続いて、タルク(q.s)を加え、混合して均一なブレンドを得ることによって散粉性粉末製剤を調製した。次いで、得られたブレンドをジェットミルに通して、望ましい粒径を有する散粉性粉末組成物を得た。
【0141】
組成物は、0.5%未満、および加速保存条件下で0.52%未満の、75ミクロンふるいでの乾式ふるい残留値を有した。
【0142】
<実施例9: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの顆粒(GR)>
5.1部のプロチオコナゾール、5.3部のフルキサピロキサド、40部の硫黄、3部のナフタレンスルホナート縮合物、1.5部のポリビニルピロリドン、4.3部の硫酸ナトリウムをマスミキサー中で30分間混合し、次いで、空気ジェットミルに通して、湿潤性粉末を得ることによって、GR製剤を調製した。得られた粉末を、水を用いて濡らし、カオリン(十分な量)を加えて湿潤塊を得、次いで、これを押出機に通して、湿潤押出物を得た。次いで、球形整粒機を使用して押出物を球形化し、球状顆粒を得る。顆粒を流動床乾燥機中で乾燥して、40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの顆粒を得る。
【0143】
組成物は、約23.2ミクロンの平均粒径および5~6mmの顆粒サイズを有した。組成物は、25分の崩壊時間を有する。組成物は、加速保存条件下で約24ミクロンの平均粒径および31分の崩壊時間をさらに実証した。
【0144】
<実施例10: 30%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの顆粒(GR)>
5.1部のプロチオコナゾール、5.3部のフルキサピロキサド、30部の硫黄、3部のナフタレンスルホナート縮合物、1.5部のポリビニルピロリドン、4.3部の硫酸ナトリウムをマスミキサー中で30分間混合し、次いで、空気ジェットミルに通して、湿潤性粉末を得ることによって、GR製剤を調製した。得られた粉末を水を用いて濡らし、カオリン(十分な量)を加えて湿潤塊を得、次いで、これを押出機に通して、湿潤押出物を得た。次いで、球形整粒機を使用して押出物を球形化し、球状顆粒を得る。顆粒を流動床乾燥機中で乾燥して、40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの顆粒を得る。
【0145】
組成物は、約23ミクロンの平均粒径および5~6mmの顆粒サイズを有した。組成物は、5分未満の崩壊時間を有する。組成物は、加速保存条件下で約24ミクロンの平均粒径および5分の崩壊時間をさらに実証した。
【0146】
<実施例11: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの水崩壊性錠剤>
5.1部のプロチオコナゾール、5.3部のフルキサピロキサド、40部の硫黄をマスミキサー中で3分間混合することによって水崩壊性錠剤製剤を調製した。次いで、混合物を粉砕し(ジェットミル)、混合物中の粒子は、50ミクロン未満のサイズを有した。粉砕した混合物をマンニトール(q.s)(直接圧縮グレード)と混合し、続いて、2部のナフタレンスルホン酸ナトリウム縮合物、3部のナフタレンスルホナート、5部のクロスカルメロースナトリウム、0.1部のコロイド状二酸化ケイ素、3部のポリビニルピロリドンと混合した。さらに、0.5部のステアリン酸マグネシウムを加え、5分間混合してブレンドを得た。得られたブレンドを錠剤に圧縮する。
【0147】
組成物は、0.2%未満の、75ミクロンふるいでの湿式ふるい残留値を有した。組成物は、75%の懸垂性および10mlの長持ちする泡を有する。さらに、組成物は、加速保存条件下で、0.23%未満の、75ミクロンふるいでの湿式ふるい残留値、68%の懸垂性、および11mlの長持ちする泡を有した。
【0148】
<実施例12: 55%の元素硫黄、1.5%のフルキサピロキサド、および1%のプロチオコナゾールの懸濁濃縮剤組成物>
ビーカーに水(十分な分量)を取り、5部のグリセロール、3部のシリコーンアルコールエトキシラート、3部のpowerblox SN、0.1部のベンゾイソチアゾリノン、0.2部の泡立ち防止剤を加えることによって、懸濁濃縮剤組成物を調製した。成分をよく混合して混合物を得、55部の元素硫黄、1.5部のフルキサピロキサド、および1部のプロチオコナゾールを混合物に加えた。得られた混合物をよく撹拌し、粉砕して望ましい粒径を得た。次いで、0.12部のキサンタンガムを連続的な均質化下で加えて、懸濁濃縮剤を得た。
【0149】
得られた製剤は、3.3ミクロンの平均粒径、96%の懸垂性を有した。組成物は、約520cpsの粘度を有する。組成物は、加速保存条件下で約95%の懸垂性および約340cpsの粘度を有する。
【0150】
<実施例13: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの懸濁濃縮剤組成物>
ビーカーに水(十分な分量)を取り、3部の塩化カルシウム、3.5部のSoprophor FL、2.5部のMorwet D425、0.3部のソルビン酸カリウム、0.11部の泡立ち防止剤を加えることによって、懸濁濃縮剤組成物を調製した。成分をよく混合して混合物を得、40部の元素硫黄、5.3部のフルキサピロキサド、および5.1部のプロチオコナゾールを混合物に加えた。得られた混合物をよく撹拌し、粉砕して望ましい粒径を得た。次いで、0.14部のキサンタンガムを連続的な均質化下で加えて、懸濁濃縮剤を得た。
【0151】
得られた製剤は、4.1ミクロンの平均粒径、94%の懸垂性を有した。組成物は、約610cpsの粘度を有する。組成物は、加速保存条件下で約91%の懸垂性および約585cpsの粘度を有する。
【0152】
<実施例14: 30%の元素硫黄、5%のフルキサピロキサド、および20%のプロチオコナゾールの懸濁濃縮剤組成物>
ビーカーに水(十分な分量)を取り、2部の乳酸ナトリウム、3部のSoprophor3D33、3部のTersperse2020、0.75部の沈降シリカ(silica, precipitated)、0.17部の泡立ち防止剤を加えることによって、懸濁濃縮剤組成物を調製した。成分をよく混合して混合物を得、30部の元素硫黄、5部のフルキサピロキサド、および20部のプロチオコナゾールを混合物に加えた。得られた混合物をよく撹拌し、粉砕して望ましい粒径を得た。次いで、0.1部のキサンタンガムを連続的な均質化下で加えて、懸濁濃縮剤を得た。
【0153】
得られた製剤は、4.8ミクロンの平均粒径、98%の懸垂性を有した。組成物は、約550cpsの粘度を有する。組成物は、加速保存条件下で約96%の懸垂性および約560cpsの粘度を有する。
【0154】
<実施例15: 30%の元素硫黄、5%のフルキサピロキサド、および3.5%のプロチオコナゾールのサスポエマルション組成物>
十分な分量のビーカー中の水に、5部のグリセロール、1部のポリアクリラート界面活性剤、3.8部のポリソルベート20、0.1部のベンゾイソチアゾリノン、および0.16部の泡立ち防止剤を加えて混合物を得た。次いで、30部の硫黄、および5部のフルキサピロキサドを混合物に加え、得られた懸濁剤を、ホモジナイザーを使用して均一に混合し、次いで、スラリーを湿式ミルに通して、望ましい粒径範囲を得た。別のビーカーにおいて、20部のキシレンに3.2部の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を一緒に混合し、次いで、3.5部のプロチオコナゾールを加え、それが溶解するまで撹拌した。粉砕した硫黄懸濁剤にこの溶液を加え、均質化した。さらに、0.12部のキサンタンガムを加えて望ましい粘度を得た。
【0155】
組成物は、約3.2ミクロンの平均粒径、約2.7%の注入性、完全な初期および24時間分散安定性を有する。さらに、組成物は、加速保存条件下で、約3.4ミクロンの平均粒径、約3.5%の注入性、完全な初期および24時間分散安定性を有する。
【0156】
<実施例16: 40%の元素硫黄、5.3%のフルキサピロキサド、および5.1%のプロチオコナゾールの、種子処理のための懸濁濃縮剤(FS)組成物>
ビーカーに水(十分な分量)を取り、6部の保湿剤B70、3.5部のSoprophor FL、2.5部のMorwet D425、0.3部のソルビン酸カリウム、2.5部のagrocer red112、0.18部の泡立ち防止剤を加えることによって、FS組成物を調製した。成分をよく混合して混合物を得、40部の元素硫黄、5.3部のフルキサピロキサド、および5.1部のプロチオコナゾールを混合物に加えた。得られた混合物をよく撹拌し、粉砕して望ましい粒径を得た。次いで、0.14部のキサンタンガムを連続的な均質化下で加えて、FS組成物を得た。
【0157】
得られた製剤は、8.4ミクロンの平均粒径、91.4%の懸垂性を有した。組成物は、約564cpsの粘度を有する。組成物は、加速保存条件下で、約88.9%の懸垂性、8.7ミクロンの平均粒径、および約593cpsの粘度を有する。
【0158】
A.圃場調査
<圃場試行1:キュウリにおけるウドンコ病に対する、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの効果を調査すること>
圃場試行を行い、キュウリにおけるウドンコ病に対する、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの組成物の効果を調査した。乱塊法計画(RBD)によって、未処理の対照を含む13回の処理を伴う試行を行い、4回反復した。試験製品サンプル、硫黄、プロチオコナゾール、フルキサピロキサドを、単独および組み合わせで、規定の用量で、葉への適用で適用した。以下の良好な農業手法で試行圃場におけるキュウリを栽培した。
【0159】
[実験の詳細]
【表1】
【0160】
各地所からの、キュウリ植物を植えた後2回目の適用後10日間隔(10DAA2SP)である2021年11月8日にウドンコ病(Erysiphe cichoracearum)によって引き起こされる作物損傷の観察を記録し、防除の百分率を、以下の式
防除(%)=[(対照地所における損傷-処理した地所における損傷)/対照地所における損傷]×100
を使用して算出した。
【0161】
真菌に対する防除に関する平均データをキュウリ収量とともに収穫時に記録し、表1~3に提示した。
【0162】
「相乗効果」は、Weeds、1967、15、20~22ページに掲載された「Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」と題された論文において、コルビーS.R.(Colby S. R.)によって定義されるとおりである。2種の活性成分の所与の組み合わせに関して予想される作用を、以下
E=X+Y-(XY/100)
のとおり算出する
[式中、
E=予想される、規定の投与量の2つの製品XとYとの混合物による%効果。
X=観察される、製品Aによる%効果
Y=観察される、製品Bによる%効果]。
【0163】
3種の活性成分の所与の組み合わせに関して予想される作用を、以下
E=(X+Y+Z)-(XY+YZ+XZ/100)+(XYZ/10000)
のとおり算出する
[式中、
E=予想される、規定の投与量の3つの製品X、Y、およびZの混合物による%効果。
X=観察される、製品Aによる%効果
Y=観察される、製品Bによる%効果
Z=観察される、製品Cによる%効果]。
【0164】
相乗効果因子(SF)を、Abbottの式(Eq.(2)(アボット(Abbott)、1925))によって算出する。
SF=観察される効果/予想される効果
ここで、相乗効果的反応に関してSF>1;拮抗的反応に関してSF<1;付加的反応に関してSF=1。
【0165】
組み合わせに関して観察される収量効果の百分率(E)が、予想される百分率より大きい場合、組み合わせの相乗効果的な効果が推論される。組み合わせに関して観察される収量効果の百分率が、予想される百分率に等しい場合、単に付加的効果が推論され得、組み合わせに関して観察される収量効果の百分率が、予想される百分率より小さい場合、組み合わせの拮抗的効果が推論される。
【0166】
【表2】
【0167】
表1から、硫黄(T2、T6、T10)、フルキサピロキサド(T3、T7、およびT11)、およびプロチオコナゾール(T4、T8、およびT12)の個別の処理と比較して、本発明の実施形態による、硫黄40%+フルキサピロキサド5.3%+プロチオコナゾール5.1%WG@3750g/haを用いた処理1(T1)、本発明の実施形態による、硫黄50%+フルキサピロキサド15%+プロチオコナゾール14.5%WG@1325g/haを用いた処理5(T5);、および本発明の実施形態による、硫黄90%+フルキサピロキサド2.43%+プロチオコナゾール2.34%WG@8200g/haを用いた処理9(T9)の適用は、適用後、キュウリにおけるウドンコ病の防除において非常に効果的であったことがわかる。処理T1、T5、およびT9はそれぞれ、未処理の対照に対して92%、94%、および95%の病気の低減を示し、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを用いた個別の処理と比較して、真菌病のより良好な低減を示したことがわかる。処理T1、T5、およびT9の驚くべき相乗効果的な結果は、単一の組成物中に特定の濃度で3つすべての活性物が存在する、本発明の実施形態による硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの組成物に帰する。高められた効力はさらに、組成物の形態、すなわち、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、本調査において示される水分散性組成物に帰する。
【0168】
さらに、本発明の実施形態による組成物は、真菌の著しい防除のおかげで、かつ組成物中の硫黄の存在に起因して、真菌の防除を補助するだけでなく、植物に栄養をさらに与え、したがって、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールが個別に適用されて観察される収量と比較して、収量、ならびに植物の高さ、根の長さ、および向上した葉などの他の作物特性の著しい向上を示す。
【0169】
【表3】
【0170】
表2から、硫黄(T2、T6、T10、T14)、フルキサピロキサド(T3、T7、T11、T15)、およびプロチオコナゾール(T4、T8、T12、T16)の個別の処理と比較して、本発明の実施形態に従って調製した様々な製剤タイプの、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの組み合わせを用いる処理T1、T5、T9、およびT13の適用は、適用後、キュウリにおけるウドンコ病の防除において非常に効果的であったことがわかる。処理T1、T5、T9、およびT13の驚くべき相乗効果的な結果は、単一の組成物中に特定の濃度で3つすべての活性物が存在する、本発明の実施形態による硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの組成物に帰する。高められた効力はさらに、組成物の形態、すなわち、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、本調査において示されるWP、SC、GR、SEに帰する。
【0171】
さらに、本発明の実施形態による組成物は、真菌の個体数の著しい防除のおかげで、かつ組成物中の硫黄の存在に起因して、真菌の防除を補助するだけでなく、植物に栄養をさらに与え、したがって、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールが個別に適用されて観察される収量と比較して、収量、ならびに植物の高さ、根の長さ、および向上した葉などの他の作物特性の著しい向上を示す。
【0172】
【表4】
【0173】
表3から、2種間の組み合わせの処理(T2、T3、およびT4)、ならびに硫黄(T5)、フルキサピロキサド(T6)、およびプロチオコナゾール(T7)の個別の処理と比較して、本発明の実施形態に従って調製した、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの組み合わせを用いる処理T1の適用は、適用後、キュウリにおけるウドンコ病の防除において非常に効果的であり、キュウリの収量の増大を実証したことがわかる。処理T1の驚くべき相乗効果的な結果は、単一の組成物中に特定の濃度で3つすべての活性物が存在する、本発明の実施形態による硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールの組成物に帰する。高められた効力はさらに、組成物の形態、0.1ミクロン~50ミクロンのサイズ範囲の粒子を含む、本調査において示される水分散性顆粒に帰する。
【0174】
さらに、本発明の実施形態による組成物は、真菌の個体数の著しい防除のおかげで、かつ組成物中の硫黄の存在に起因して、真菌の防除を補助するだけでなく、植物に栄養をさらに与え、したがって、硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールが個別に適用されて観察される収量と比較して、収量、ならびに植物の高さ、根の長さ、および向上した葉などの他の作物特性の著しい向上を示す。
【0175】
<圃場試行データ2:チリにおける炭疽病を防除するための、特定の粒径を有する、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含む組成物の効果を調査すること>
圃場試行を行い、チリにおける炭疽病を防除するための、特定の粒径を有する、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含む組成物の効果を調査した。8月から1月中に、乱塊法計画(RBD)で試行を計画し、未処理の対照を含む4回の処理を行い、5回反復した。特定の粒径を有する試験製品サンプルを未処理の対照と比較した。試行地所にチリを移植した後50~70日で、葉への適用として処理を適用した。以下の良好な農業手法で試行圃場においてチリ作物を栽培した。
【0176】
[実験の詳細]
a)試行場所:Guntur、Andhra Pradesh
b)作物:チリ(Teja種)
c)試行の設計:RBD
d)反復:5
e)処理:4
f)地所サイズ:6m×10m
g)播種日:2021年8月20日
h)適用日:2021年10月10日および2021年10月25日
i)適用方法:15日間隔での2回の葉への適用
j)収穫日:2022年1月20日
【0177】
【表5】
【0178】
表4から、50~100ミクロンの粒径範囲を有する処理2(T2)、および100~150ミクロンの範囲の粒径分布を有する処理3(T3)、および未処理の対照と比較して、0.1~50ミクロンの範囲の粒径分布を有する処理1(T1)は、チリにおいて、向上した収量、および炭疽病に対する向上した殺真菌効果を示したことが観察される。
【0179】
さらに、3750g/haの用量でチリ作物に適用された、0.1~50ミクロンの粒径を有する処理1;50~100ミクロンの粒径を有する処理2;および50~100ミクロンの粒径を有する処理3はそれぞれ、対照に対して約65%、35%、および28%の収量増大を示した。
【0180】
したがって、驚いたことに、WDG製剤の中でも、様々な範囲の異なる粒径を有するWDG製剤と比較して、0.1~50ミクロンの特定の粒径分布を有するWDG製剤で優れた効力が観察されたことが留意された。
【0181】
<圃場試行データ3:チリ(Sitara種)における炭疽病の防除における、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含み、元素硫黄の濃度が様々である、組成物の効果を調査すること>
【0182】
圃場試行を行い、チリにおける炭疽病を防除するための、特定の粒径を有する、元素硫黄、フルキサピロキサド、およびプロチオコナゾールを含む組成物の効果を調査した。8月から1月中に、乱塊法計画(RBD)で試行を計画し、未処理の対照を含む4回の処理を行い、5回反復した。試験製品サンプルを未処理の対照と比較した。試行地所にチリを移植した後50~70日で、葉への適用として処理を適用した。以下の良好な農業手法で試行圃場においてチリ作物を栽培した。
【0183】
[実験の詳細]
a)試行場所:Khandwa、Madhya Pradesh
b)作物:チリ(Sitara種)
c)試行の設計:RBD
d)反復:5
e)処理:4
f)地所サイズ:6m×10m
g)播種日:2021年8月18日
h)適用日:2021年10月8日および2021年10月23日
i)適用方法:15日間隔での2回の葉への適用
j)収穫日:2022年1月18日
【0184】
【表6】
【0185】
表5から、20%の元素硫黄を有する処理2(T2)、および10%の元素硫黄を有する処理3(T3)、および未処理の対照と比較して、硫黄40%+フルキサピロキサド5.3%+プロチオコナゾール5.1%の処理1(T1)のWGは、チリ(Sitara種)において、より良好な収量、および炭疽病に対する殺真菌剤効果を示したことが観察される。しかしながら、本発明の組成物と比較される場合、30%未満の元素硫黄を有する組成物は、望ましい結果、すなわち、チリにおける炭疽病のより良好な防除、および%収量の増大を示さないことが、比較の効力データから留意される。
【0186】
前述から、本発明の新規の概念の正確な趣旨および範囲から逸脱することなく、多数の修正および変形を実現することが確認されるであろう。例示される特定の実施形態に関する限定は、意図されない、または推論されるべきではないことが理解されるべきである。
【国際調査報告】