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特表2024-530971下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/04 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
A63B23/04 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024510463
(86)(22)【出願日】2022-08-19
(85)【翻訳文提出日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 NZ2022050106
(87)【国際公開番号】W WO2023022610
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】779050
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524063729
【氏名又は名称】ペレヤスラヴェツ,アレクサンドラ
(71)【出願人】
【識別番号】524063730
【氏名又は名称】ブレンガウズ,スヴェトラーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ペレヤスラヴェツ,アレクサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンガウズ,スヴェトラーナ
(72)【発明者】
【氏名】ブレンガウズ,モイジー
(57)【要約】
1つの機能として、本発明は、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具を提供し、前端および後端を有するシャーシと、シャーシの前端と後端の間に位置する2つの足置きを含んでいます。また、2つの足置きのそれぞれと係合する伝達リンケージ機構も備えられえており、伝達リンケージ機構はシャーシに接続されています。本器具は、一方の足置きがシャーシの前端に向かって動くことで、伝達リンケージがもう一方の足置きをシャーシの後端に向かって移動させるように構成されています。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、
前端と後端を有するシャーシと、シャーシの前端と後端との間に位置する2つの足置きと、2つの足置きのそれぞれと係合する伝達リンケージを含んでおり、伝達リンケージはシャーシに接続され、
一方の足置きがシャーシの前端に向かって動くことで、伝達リンケージがもう一方の足置きをシャーシの後端に向かって移動させます。
【請求項2】
請求項1に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、シャーシは、ハンドルに接続された少なくとも1つの垂直支柱を含んでいます。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達リンケージ機構は、シャーシの前端に枢動可能に接続され、シャーシの後端に隣接する従動ローラを含んでいます。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、シャーシの後端は開いており、使用者が少なくとも部分的にシャーシによって囲まれた空間に入っても、占有することができます。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達リンケージ機構は、リンケージ機構の他の構成要素を配置または収容するために使用される本体を含んでおり、
本体は、シャーシの前端からシャーシの後端まで延びる長手方向軸を画定します。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達リンケージ機構の本体は本体の長手方向軸に対して垂直に軸の周りを回転するように構成された、少なくとも1つのターンテーブルを組み込んでいます。
【請求項7】
請求項6に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、少なくとも1つのターンテーブルは、中心軸の周りを回転する円形プレートを画定します。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、少なくとも1つのターンテーブルは、車軸および軸受アセンブリを含んでいます。
【請求項9】
請求項6から8のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達リンケージ機構は、本体の長手方向軸に沿って延びる、アレイ状に配置された2つのターンテーブルを含んでいます。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、
伝達リンケージ機構は複数の伝達ロッドを組み込んでおり、各ロッドは2つの足置きのうちの1つに接続されており、同じロッドの反対側の端はターンテーブルと係合しています。
【請求項11】
請求項10に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、単一のターンテーブルが少なくとも2つの伝達ロッドに接続されている場合に、ターンテーブルを両方の足置きに係合させ、ターンテーブルが一方向に回転することで、一方の足置きがシャーシの前端に向かって押し出され、反対側の足置きがシャーシの後端に向かって押し出されるようにします。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、各伝達ロッドの少なくとも一端は、ターンテーブルの回転プレートまたは本体によって画定されるチャネル内に位置しています。
【請求項13】
請求項12に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達ロッドの1つは、ターンテーブルによって画定されたチャネル内でスライドするように構成されています。
【請求項14】
請求項12に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、
伝達ロッドの1つは、ターンテーブルによって画定されたチャネルの内外に伸縮するように構成されています。
【請求項15】
請求項6から9のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、足置きに接続された伝達ロッドの端は昇降アームの一端と係合し、本昇降アームの反対側の端は足置き内に収容されたスプリング仕掛けの車軸に接続されています。
【請求項16】
請求項15に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、スプリング仕掛けの車軸が回転すると、スプリングに負荷がかかり、車軸を反対の回転方向に回転させようとする付勢力が加えられます。
【請求項17】
請求項15または請求項16に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、スプリングは足置きの内側に収容されており、車軸および接続された昇降アームと係合しています。
【請求項18】
請求項15から17のいずれか一項に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達ロッドと係合する昇降アームの端部には、器具が移動する場合に地面と接触する車輪が取り付けられています。
【請求項19】
請求項1に記載されている、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具について、伝達リンケージは、シャーシに接続され、シャーシの前端に対して垂直に配向された長手方向軸を有する本体を含んでおり、少なくとも1つのターンテーブルが本体と係合し、本体の長手方向軸に対して垂直に軸の周りを回転するように構成されるとともに、
複数の伝達ロッドがそれぞれ2つの足置きのうちの1つに接続され、回転を加えるように構成されており、
前記の少なくとも1つのターンテーブルに力を加えることで、伝達ロッドは前記少なくとも1つのターンテーブルと係合し、一方の足置きをシャーシの前端に向かって移動させる力が伝達ロッドを介して伝達され、ターンテーブルによって変換されると、もう1つの足置きに力が加えられて、足置きがシャーシの後端に向かって移動します。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具に関するものです。本発明は、さまざまで適切な実施形態に対応し、使用者が病院または理学療法を実践する環境以外の場所において、下肢の運動やリハビリテーションを行うことを可能にします。
【背景技術】
【0002】
さまざまな傷害や病気は、人間の脚の動作に悪影響を与える可能性があります。身体的外傷、脳卒中や脳損傷、神経学的症状、脳性麻痺、筋ジストロフィーなどの症状はすべて、患者様の下肢の機能発揮に悪影響を与えていくのです。一部の症状においては、非対称的悪影響を及ぼすこともあり、一方の脚が反対側の脚よりも強く機能したり、機能性が改善する場合もあります。
【0003】
このような症状に苦しむ患者様にとって、一般的な健康状態や幸福感を実現するためには、活動や運動に関するレベルを維持または向上させることが重要となるのです。長期にわたるリハビリテーションに重点を置いた活動を進めることにより、状況によっては下肢の機能を改善することもできるでしょう。
【0004】
病院や理学療法施設では、複雑で高価なリハビリテーション機器を設置することができ、さまざまな運動を行うことができます。しかし、このような症状を持つすべての患者様にとって、これらの施設を定期的かつ長期間にわたって訪問することが、必ずしも適切または利便性が高いものとは限りません。
【0005】
運動やリハビリに重点を置いたさまざまな活動を、在宅環境において実践できるのです。ただし、これらの運動は通常、静止した状態または座った状態で行われることから、実際の歩行動作を効果的に模倣したり練習したりするものではありません。
【0006】
例えば、アメリカ合衆国特許第5152730号に記載されているように、歩行器サポートも下肢機能が損なわれ患者様が使用するために開発されています。これらの歩行器は、使用者が自分自信で動く機能を提供しながら、脚にかかる負荷を軽減し、代わりに使用者の上半身と腕に伝達する仕組みを持っています。したがって、このような歩行器は、実際の歩行動作を効果的に模倣したり練習したりすることはできないのです。
【0007】
これらは上記の問題に対処でき、少なくとも従来技術に代わる選択肢を提供できることから、下肢のリハビリテーション、可動および運動に関する訓練用器具の分野にて性能向上が実現できることは大変有益なものとなります。性能向上した下肢のリハビリテーション、可動および運動に関する訓練用器具は、家庭環境で使用可能で、小型であるだけでなく、設置や維持費が安価であることも大きな利点となるでしょう。
【発明の開示】
【0008】
本発明に含まれる機能の1つにより、下肢のリハビリテーション、可動および運動に関する訓練用器具が提供され、
前端および後端を有するシャーシと、
前記シャーシの前端と後端との間に位置する2つの足置きと、
前記2つの足置きのそれぞれと係合する伝達リンケージを含み、
前記伝達リンケージは前記シャーシに接続されており、
一方の足置きがシャーシの前端に向かって動くことで、伝達リンケージがもう一方の足置きをシャーシの後端に向かって移動させます。
【0009】
本発明に含まれるさらなる機能性により、上述の下肢のリハビリテーション、可動および運動に関する訓練用器具が提供され、伝達リンケージは、シャーシに接続され、シャーシの前端に対して垂直に配向された長手方向軸を有する本体を含み、少なくとも1つのターンテーブルが本体と係合し、本体の長手方向軸に対して垂直に軸の周りを回転するように構成され、さらに複数の伝達ロッドがそれぞれ2つの足置きのうちの1つに接続され、回転を加えるように構成されており、前記少なくとも1つのターンテーブルに力を加えると、伝達ロッドは前記少なくとも1つのターンテーブルと係合し、一方の足置きをシャーシの前端に向かって移動させる力が伝達ロッドを介して伝達されることで、ターンテーブルによって変換され、もう一方の足置きに力を加えることで、前記の足置きをシャーシの後端に向かって移動させます。
【0010】
伝達リンケージ機構は、なるべくシャーシの前端に枢動可能な状態に接続されるようにし、シャーシの後端に隣接する従動ローラを含むようにします。
【0011】
伝達リンケージ機構は、なるべく2つのターンテーブルを含むようにし、各足置きは、足置きを2つのターンテーブルに係合する2つの伝達ロッドに接続されるようにします。
【0012】
複数の伝達ロッドそれぞれが、なるべく伝達ロッドが係合するターンテーブルによって画定されるチャネルの内外にスライドまたは伸縮するよう構成されるようにします。
【0013】
各伝達ロッドが、なるべく昇降アームの一端に接続されることによって足置きに接続され、前記の昇降アームの反対側の端が、足置きに収容されているスプリング仕掛けの車軸に接続されるようにすることで、伝達ロッドに接続された昇降アームの端部を押すと、車軸に関連付けられたスプリングに負荷がかかり、足置きに上向きの付勢力が加えられます。
【0014】
本発明は、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具を提供するものです。本器具により、平衡感覚や下肢機能が損なわれている使用者が、歩行動作を実行できるようになります。本発明は、リハビリテーションを目的として、または単に運動を完了できる手段を提供するために使用することができます。
【0015】
本明細書全体を通して、下肢機能が損なわれた使用者のリハビリテーションの目的を果たす本発明について全般的に説明いたします。特に、本発明は、身体の一方側の下肢機能が損なわれながら、反対側の機能がより高くなっている使用者にとって、特に有益性を見出せるものです。このような状況では、強い手足が弱い手足の歩行動作を補助することができます。
【0016】
本発明は、本発明の他の構成要素の支持フレームワークとして機能するシャーシを組み込んでいます。本シャーシは前端と後端を画定することができ、前端は一般的に、必要とする歩行動作の進行方向へと向けられます。シャーシの後端は、なるべく実際に開いた状態にしておき、使用者が器具の使用中に少なくとも部分的にシャーシによって囲まれた空間に入っても、占有できるようにしておきます。
【0017】
本発明はまた、シャーシの前端と後端の間に位置する2つの足置きを組み込んでいます。これらの足置きは使用者の足の位置を特定するために使用され、歩行動作の実行時にシャーシに対して移動できます。
【0018】
本発明は、2つの足置きのそれぞれが係合し、シャーシに接続される伝達リンケージ機構を組み込んでいます。適切な実施形態において、本伝達リンケージ機構には、シャーシの前端への枢動接続が設けられており、伝達リンケージ機構の反対側の端部には追従ローラが組み込まれています。本枢動接続により、伝達リンケージが、シャーシに対して垂直方向の動きを実行できる機能が提供されます。
【0019】
伝達リンケージは、リンケージの他のコンポーネントを配置または収容するために使用される本体を画定します。本体は、なるべくシャーシの前端からシャーシの後端まで、またはシャーシの後端に隣接して延びる長手方向軸を画定するようにします。したがって、この配置により、シャーシの前端に対して垂直に配向された長手方向軸を本体に提供できるのです。
【0020】
伝達リンケージ機構の本体は、本体の長手方向軸が垂直に軸の周りを回転するように構成されたターンテーブルと少なくとも1つ係合させ、なるべくこれを組み込むようにします。本発明に従って使用されるターンテーブルは、中心軸の周りを回転するプレートまたは本体を画定できることから、本プレートまたは本体はなるべく円形であるようにします。適切な車軸および軸受アセンブリをターンテーブルに組み込むことで、本プレートまたは本体の回転によって生じる摩擦を低減することもできる。
【0021】
したがって、適切な実施形態においては、このようなターンテーブルは、器具が移動する地面に対して垂直に平面の周りを回転することになります。さらに適切な実施形態においては、ターンテーブルは、本体の内部に画定されたキャビティ内に収容されることもあります。さらに、別の適切な実施形態においては、伝達リンケージ機構が、本体の長手方向軸に沿って延びる、アレイ状に配置された2つのターンテーブルを含むこともあります。
【0022】
伝達リンケージ機構はまた、複数の伝達ロッドを組み込んでおり、各ロッドは2つの足置きのうちの1つに接続され、同じロッドの少なくとも反対側の端部はターンテーブルに係合されます。これらのロッドは、足置きの水平運動を、関連付けられたターンテーブルの回転運動へと変換するために使用されます。さらに、単一のターンテーブルは、同じターンテーブルを両方の足置きと係合させるように機能させるため、なるべく少なくとも2つの伝達ロッドと関連付けられるようにします。したがって、ターンテーブルが一方向に回転することで、一方の足置きがシャーシの前端に向かって移動し、反対側の足置きがシャーシの後端に向かって移動します。
【0023】
適切な実施形態においては、各伝達ロッドの少なくとも一端は、ターンテーブルによって画定されるチャネル内に配置されるようになります。このような実施形態において、伝達ロッドは、本チャネル内でスライドし、接続された足置きの水平運動に適応することで、同時にこの水平運動の作用下においてターンテーブルにトルクを加えることもできます。
【0024】
さまざまな実施形態において、提供される器具は、使用者によって実行される歩行動作の垂直方向の動きの程度をシミュレートできるように構成することもできます。
【0025】
例えば、いくつかの実施形態においては、足置きに接続された伝達ロッドの端部が昇降アームの一端に係合され、本昇降アームの反対側の端が足台内に収容されたスプリング仕掛けの車軸に接続させることもできます。これらの接続により、伝達ロッドと足置きの間にピボット配置が提供されます。本実施形態において使用されるスプリングは、足置きの内部に収容され、車軸と接続された昇降アームの両方、またなるべく足置きの内面とも係合するようにします。これにより、車軸の回転によりスプリングに負荷がかかり、車軸を反対方向に回転させようとする付勢力がかかることで、足置きを上方に押し上げることができます。さまざまな適切な 実施形態において、移送ロッドと係合する昇降アームの端部には、器具が移動するための、地面と接触する車輪またはローラを取り付けることもできます。
【0026】
したがって、本発明における本機能により、使用者が足置きに体重を置くと、車軸に関連付けられたスプリングに負荷がかかり、車軸に関連付けられたスプリングにも負荷がかかることで、足置きが下方に押し下げられます。使用者が足を持ち上げようとすると、足置きと使用者の足を上方に押し上げるスプリングによって加えられる力によって足が補助されるのです。
【0027】
適切な実施形態においては、器具を備えたシャーシには、使用者が上半身を使って自分自身を支えることができるように、ハンドルに接続された垂直支柱も1つ以上含めることができます。さまざまな実施形態において、本発明により、使用者は伝達リンケージの補助にて弱い手足を使用するとともに、体重を支えるために上記のハンドルを使用しながら、シャーシを1歩前に移動させることができます。さらに、使用者の比較的強い四肢は静止した状態にできるだけでなく、弱い四肢でシャーシを前方に移動させて運動する場合にも、使用者の体重を支えるために再び使用することができます。
【0028】
本発明は、従来の技術と比較して、多くの潜在的なメリットを提供することができます。さまざまな実施形態において、本発明は、家庭環境で使用することを可能にし、使用者が病院または理学療法を実践する環境へと訪問する必要がなくなります。本発明は、コンパクトで小型の設計にて構成することができ、また安価に構成することができます。本発明は、特に一方の下肢が反対側より強い下肢を有する使用者に対し、 効果的な下肢のリハビリテーション運動を完了することを可能にしながら、歩行ベースの動作を実行するにあたり、強い下肢が弱い下肢を支援できるようにします。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明に追加された、さらなる機能は、添付図を参照しながら、基本例として表示されている、以下の実施形態に関する説明をご覧になることでよく理解できます。
図1は、本発明の適切な実施形態に従って提供される、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具に関する部分断面平面図を示しており、
図2は、図1に関して示される、参照矢印Aによって識別される図1の器具に関する図を示しており、
図3は、図2に関して示される、参照矢印Bによって識別される図1の器具に関する図を示しており、
図4は、図2に関して示される、参照矢印Cによって識別される図1の器具に関する図を示しており、
図5は、参照矢印Dによって識別される図1の器具に関する断面図を示しており、
図6は、図1~5に関して示される、器具に関する側面図を示しており、
図7aおよび図8aは、さらなる実施形態に従って提供される、下肢リハビリテーション、可動および運動訓練用器具の要素の側断面図および斜視断面図を示しており、左足置きがシャーシの前部に配置され、右足置きがシャーシの前部に配置されます。
図7bおよび図8bは、図7a、図8bに示される、実施形態に関する側面図および斜視図を示し、左右足置きがシャーシの中央で互いに通過する状態を示しており、
図7cおよび8cは、図7a、8bに示される、実施形態の側面図および斜視図を示しており、左足置きがシャーシの後部に移行し、右足置きがシャーシの前部に移行します。
図7dおよび8dは、図7a、8bに示される、実施形態の側面図および斜視図であり、左足置きがシャーシの後部に配置され、右足置きがシャーシの前部に配置されます。
【0030】
本発明のさらなる機能は、特定の実施形態に関する例としてのみ示され、以下の本発明の説明をご覧になることでよく理解できます。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明の適切な実施形態に従って提供される、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具1に関するいくつかの図を示しています。
【0032】
本器具は、前端2aと後端2bを有するシャーシ2を含みます。2つの足置き3がシャーシの前端と後端の間に配置されており、本発明を使用する場合には、使用者はシャーシの前端と後端の間のこれらの足置きの上に立ちます。
【0033】
2つの足置き3には、それぞれ伝達リンケージ4が係合されており、本伝達リンケージ4はシャーシの前端2aに接続されています。図で示される実施形態においては、伝達リンケージ機構4は、シャーシの後端に隣接している従動ローラ5を含みます。
【0034】
図5の断面図は、シャーシ2aの前端と伝達リンケージとの間に実行される接続について、より詳細に示しています。図で示される実施形態においては、本接続は、スイベルヒンジ6を使用して実行されることにより、伝達リンケージがシャーシに対して一定程度の垂直方向へと移動できるようになります。
【0035】
伝達リンケージ機構は、シャーシの前端2aに対して、垂直に配向された長手方向軸を有する本体7を組み込んでいます。
【0036】
図1によって提供されている、部分断面図はまた、本体7に収容された2つのターンテーブル8の設置について示しています。これらのターンテーブルは、本体の長手方向軸に対して垂直に軸の周りを回転するように配置されています。
【0037】
各ターンテーブル8は、ターンテーブルと係合した2つの伝達ロッド10のうちの1つを受け止めるために使用される、一対のチャネル9を画定します。伝達ロッドは、器具1の使用中に、各チャネルの内外にスライドまたは伸縮するように構成されています。
【0038】
図1からわかるように、各伝達ロッド10の自由端は、2つの足置き3のうちの1つに係合されています。したがって、各足置きには2つの伝達ロッドが接続されており、これらのロッドのそれぞれが、異なるターンテーブル8内に形成されたチャネル内に常時設定されています。これらの伝達ロッドは、使用者が歩行運動を実行するために器具を使用する場合に、各ターンテーブル8に回転力を加えるために使用されます。使用者は、足置き3の上に足を置き、必要に応じて、 ロックベルト11を使用して足を所定の位置に合わせます。後方の足置きが、使用者によって前方に付勢されることで、関連付けられている伝達ロッドがターンテーブルにトルクを加え、当該トルクが同じターンテーブルに収容されている第2伝達ロッドへと伝達されます。これにより、ターンテーブルが回転すると同時に、反対側の前方に位置する足置きがシャーシの後端に向かって押し付けられます。
【0039】
図6は、考察された実施形態において、提供される器具に関する側面図を示しています。この図からもわかるように、シャーシ2はまた、一対のハンドル13のうちの1つが延びている垂直直立部12を画定します。歩行動作の実行中、使用者は当該ハンドルを握ることで、平衡性を改善するとともに、各足置きにかかる負荷を制限することもできます。図1および図6はまた、使用者が歩行動作を実行する際に器具を前方に転がすことを補助する、シャーシローラ14の設定方法を示しています。
【0040】
図2、3および4は、各伝達ロッドがどのようにして足置きに接続されるか、そして本発明の使用中にどのようにして各足置きに垂直運動が誘発されるかをより詳細に示しています。図2からわかるように、各伝達ロッド10は、昇降アーム16の一端16aに取り付けられた車輪への接続を介して足置き3に接続されており、前記の昇降アームの反対側の端部16bは、足置きに収容されているスプリング仕掛けの車軸17へと接続されています。車軸17には、スプリング18が接続されており、図2に示すように、本スプリングの一端が足置きの内部に係合しています。
【0041】
使用中は、この構成により、足置き3を押すことで、車軸17に関連付けられたスプリング18に負荷がかかり、足置き3に上向きの付勢力も確実にかかります。使用者は、足置きに体重をかけることで、歩行動作をシミュレートしながら足置きを下向きに押し、スプリングに負荷をかけていきます。使用者が歩行台から体重を持ち上げることで、スプリングが歩行台を再び上向きに押し上げます。
【0042】
図7aおよび8aは、さらなる実施形態に従って提供される、下肢のリハビリテーション、可動および運動訓練用器具101の要素に関する側断面図および斜視断面図を示しています。図1から図6に関連して示される、実施形態と同じように、器具101はまた、前端102aおよび後端102bを有するシャーシ102、さらに、スイベルヒンジ106を使用してシャーシの前端102aに接続された伝達リンケージ機構104および従動ローラ105を含んでいます。
【0043】
一対の足置き103がシャーシの内部に設けられており、図7a、8aでは、左置きがシャーシの前方に配置され、右置きがシャーシの後部に配置されています。各足置き103に関する断面図も示されており、各足台内に収容されている、スプリング仕掛けの車軸117に接続された昇降アーム116に取り付けられた一組の車輪の設定方法を示しています。伝達リンケージ機構104に隣接する各昇降アームの車輪端は、伝達リンケージ機構104のターンテーブル108内に画定されたチャネルから延びている伝達ロッド110の一端に接続されています。
【0044】
次の図7bから7d、および図8bから8dは、使用者が右足を前方に一歩踏み出した場合に示される実施形態における、当該構成要素に関する操作および動作を示しています。
【0045】
図7aからわかるように、図8aでは、左足置きの昇降アームは水平方向を向いていますが、右足置きの昇降アームは垂直方向を向いています。図7b、8bから、足置きが前方に移動するにつれて、右足置きの昇降アームが下方に押し下げられ始め、スプリング仕掛けの車軸117を回転させることで、足置きに接続されたスプリング118が引っ張られることがわかります。伝達リンケージ104に関する伝達ロッド110およびターンテーブル108への右足置きの接続によっても、隣接する昇降アームおよび左足置き103のスプリング仕掛けの車軸に力が加えられ、左足置きが右足置きよりも後方へと移動します。同時に、使用者が右足で一歩を踏み出すために左足から体重を移動することで、左足置きのスプリング118にあらかじめかけていた負荷による張力が解放され、左足置きが上方に持ち上げられます。
【0046】
図 7c、8cは、左足置きが後退しながら上昇し続けることで、右足が下方および前方に移動する場合のステップ動作の継続について示しています。これらの動作が発生すると、ターンテーブルは隣接する足置きの間で回転力を伝達し続けますが、左足置きのスプリングの持ち上げ張力が解放されることで、右足置きのスプリングに負荷がかかります。
【0047】
図 7d、8dは、左足置きの昇降アームが垂直方向を向いている状態でのステップ動作の完了を示しており、足置きは上方に持ち上げられ、スプリングの張力が解放されます。右足置きは、内部のスプリングが張られた状態にて、水平方向の昇降アームを使用することで、左足置きの前へと進められます。
【0048】
前述の説明および以下の特許請求の範囲における、「含む」という語またはその同意義の変形語は、記載された特徴の存在を特定するために包括的な意味を持って使用されます。本用語は、さまざまな実施形態における、さらなる特徴の存在または追加を妨げるものではありません。
【0049】
本発明は、本明細書に記載される実施形態に限定されることはなく、本発明の精神および範囲内において、さらなる追加の実施形態は、図を参照して示される例により、当業者には明確であることが理解されるべきです。特に、本発明は、本明細書に記載されている、機能の任意の組み合わせの中に存在することができ、あるいは代替的な実施形態、またはこれらの機能と所与の機能を搭載した既知の同等物との組み合わせの中にも存在することができます。前述の本発明に関する、例示されている実施形態についての修正および変更は、当業者には明確なものであり、添付されている特許請求の範囲内にて定義される本発明の範囲を逸脱することなく実行できるものです。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
図8a
図8b
図8c
図8d
【国際調査報告】