(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】カメラモジュール及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G02B 7/04 20210101AFI20240820BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20240820BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240820BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20240820BHJP
【FI】
G02B7/04 D
G03B30/00
G03B17/02
G02B7/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510525
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2022113912
(87)【国際公開番号】W WO2023025090
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202110997105.9
(32)【優先日】2021-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 広龍
(72)【発明者】
【氏名】成 東村
(72)【発明者】
【氏名】闕 海波
(72)【発明者】
【氏名】林 建堂
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AJ01
2H044BD06
2H044BD14
2H044DD09
(57)【要約】
本出願は、カメラモジュール及び電子機器を開示し、撮像技術分野に属する。カメラモジュールは、感光チップと、第一の鏡筒と、第一のレンズと、回動アセンブリと、弾性部材と、駆動機構とを含み、第一の鏡筒には、感光チップに対向して設置される第一のレンズが設けられ、第一の鏡筒は、回動アセンブリに套設され、第一の鏡筒は、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝を介して回動アセンブリと繋がり、回動アセンブリは、別体に設置される本体部材と伝動部材とを含み、弾性部材の第一の端は、本体部材と繋がり、弾性部材の第二の端は、伝動部材と繋がり、駆動機構は、伝動部材と繋がり、駆動機構は、順に伝動部材、弾性部材と本体部材によって、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝との係合の下で第一の方向に沿って移動するように第一の鏡筒を駆動し、第一の鏡筒が外力作用を受ける場合に、弾性部材は、第一の鏡筒を感光チップに近接する方向に沿って運動させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光チップと、第一の鏡筒と、第一のレンズと、回動アセンブリと、弾性部材と、駆動機構とを含むカメラモジュールであって、
前記第一の鏡筒に前記第一のレンズが設けられ、前記第一のレンズと前記感光チップとは、対向して設置され、前記第一の鏡筒は、前記回動アセンブリに套設され、前記第一の鏡筒は、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝を介して前記回動アセンブリと繋がり、
前記回動アセンブリは、別体に設置される本体部材と伝動部材とを含み、前記弾性部材の第一の端は、前記本体部材と繋がり、前記弾性部材の第二の端は、前記伝動部材と繋がり、前記駆動機構は、前記伝動部材と繋がり、
前記駆動機構は、順に前記伝動部材、前記弾性部材と前記本体部材によって、前記第一の係合凸部と前記第一の螺旋ガイド溝との係合の下で第一の方向に沿って移動するように前記第一の鏡筒を駆動し、前記第一の方向は、前記感光チップに近接する又は離れる方向であり、
前記第一の鏡筒が外力作用を受ける場合に、前記弾性部材は、前記第一の鏡筒を前記感光チップに近接する方向に沿って運動させる、カメラモジュール。
【請求項2】
前記本体部材は、環状部材であり、前記伝動部材と前記弾性部材は、いずれも前記本体部材の周方向に沿って設置される、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記伝動部材は、第三の端と第四の端とを有し、前記第三の端と前記第四の端との間は、間隔を有し、前記弾性部材は、前記伝動部材に套設される、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記本体部材にガイド溝と第一の作用部が設けられ、前記伝動部材は、前記ガイド溝に係合され、前記第一の作用部は、前記第一の端と繋がり、前記伝動部材の一部は、前記ガイド溝の側壁と前記第一の作用部との間に位置する、請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記伝動部材は、ラック部と棒状部とを含み、前記ラック部は、前記駆動機構と繋がり、前記ラック部の一端に第二の作用部が設けられ、前記第二の端は、前記第二の作用部と繋がる、請求項3に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記回動アセンブリは、取り付け部材をさらに含み、前記取り付け部材は、前記伝動部材と別体に設置され、且つ両方は、繋がり、前記弾性部材は、前記取り付け部材に套設される、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記伝動部材は、環状部材である、請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記伝動部材と前記弾性部材は、前記カメラモジュールの光軸に平行する方向に沿って配列される、請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記伝動部材に第一の支持凸部と第二の支持凸部が設けられ、前記取り付け部材は、それぞれ前記第一の支持凸部と前記第二の支持凸部と繋がり、前記本体部材に第三の作用部が設けられ、前記第一の端は、前記第三の作用部と繋がり、且つ前記第三の作用部は、前記第二の支持凸部に位置規制して係合可能であり、前記第二の端は、前記第一の支持凸部と繋がる、請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記本体部材は、環状部材であり、前記弾性部材の数は、少なくとも二つであり、各前記弾性部材は、前記本体部材の周方向に沿って間隔をおいて配列される、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
電子機器であって、請求項1から10のいずれか1項に記載のカメラモジュールを含む、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2021年08月27日に中国特許局で提案され、出願番号が202110997105.9であり、発明名称が「カメラモジュール及び電子機器」である中国特許出願の優先権を主張しており、同出願の内容のすべては、援用により本発明に取り込まれる。
【0002】
本出願は、撮像技術分野に属し、具体的にはカメラモジュール及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、電子機器の撮像技術がますます向上するにつれて、電子機器を利用してより質の高い映像を撮影することが望まれている。
【0004】
実際の撮影中で、光学ズームにより被撮影対象を拡大することができる。光学ズームは、レンズと被撮影対象との間の距離を変えることで被撮影対象を拡大することができるため、ズーム中でレンズを移動させる必要がある。レンズの移動を実現するために、一つの鏡筒上に係合突起を設置し、別の鏡筒上にシュートを設置してもよく、係合突起は、シュートにスライド係合され、それによって二つの鏡筒の間の相対移動を実現し、最終的にレンズの移動を実現する。
【0005】
しかしながら、ユーザが電子機器を使用する時、突出状態にあるカメラモジュールは、落下、衝突や人為的押圧により押圧力を受けやすい。この押圧力の作用で、カメラモジュールの鏡筒は、後退する傾向が生じるが、カメラモジュールにおける、駆動力を出力するための駆動源が作動しないため、鏡筒が後退することができない。それにより各鏡筒は、係合突起の箇所で相互に押し合わされ、さらに係合突起が損傷しやすくなる。そのため、このようなカメラモジュールの寿命は、短い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の実施例の目的は、カメラモジュールの寿命が短いという問題を解決できるカメラモジュール及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術課題を解決するために、本出願は、以下のように実現される。
【0008】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、感光チップと、第一の鏡筒と、第一のレンズと、回動アセンブリと、弾性部材と、駆動機構とを含むカメラモジュールを提供し、ここで、
前記第一の鏡筒に前記第一のレンズが設けられ、前記第一のレンズと前記感光チップとは、対向して設置され、前記第一の鏡筒は、前記回動アセンブリに套設され、前記第一の鏡筒は、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝を介して前記回動アセンブリと繋がり、
前記回動アセンブリは、別体に設置される本体部材と伝動部材とを含み、前記弾性部材の第一の端は、前記本体部材と繋がり、前記弾性部材の第二の端は、前記伝動部材と繋がり、前記駆動機構は、前記伝動部材と繋がり、
前記駆動機構は、順に前記伝動部材、前記弾性部材と前記本体部材によって、前記第一の係合凸部と前記第一の螺旋ガイド溝との係合の下で第一の方向に沿って移動するように前記第一の鏡筒を駆動し、前記第一の方向は、前記感光チップに近接し又は離れる方向であり、
前記第一の鏡筒が外力作用を受ける場合に、前記弾性部材は、前記第一の鏡筒を前記感光チップに近接する方向に沿って運動させる。
【0009】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、電子機器を提供し、この電子機器は、上記カメラモジュールを含む。
【発明の効果】
【0010】
本出願の実施例では、カメラモジュールをズームする必要がある時、駆動機構は、順に伝動部材、弾性部材と本体部材によって、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝との係合の下で第一の方向に沿って移動するように第一の鏡筒を駆動する。それによって第一のレンズを感光チップに離れさせ又は近接させ、突出状態にあるカメラモジュールが落下、衝突や人為的押圧などの状況により押圧力を受けると、第一の鏡筒は、本体部材を回動させ、本体部材は、弾性部材に押圧力を加えて、弾性部材を変形させ、伝動部材は、動かないままであってもよい。弾性部材は、カメラモジュールが押圧力を受ける時に発生する運動エネルギーを自体の弾性ポテンシャルエネルギーに変換することができ、それによって緩衝の作用を果たすため、第一の係合凸部は、押圧によって破断しにくくなる。そのため、この実施例は、カメラモジュールの寿命が短いという問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本出願の第一の実施例に開示されたカメラモジュールの分解図である。
【
図2】本出願の第一の実施例に開示されたカメラモジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図3】本出願の第一の実施例に開示されたカメラモジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図4】本出願の第二の実施例に開示されたカメラモジュールの分解図である。
【
図5】本出願の第二の実施例に開示されたカメラモジュールの断面図である。
【
図6】本出願の第二の実施例に開示されたカメラモジュールの異なる状態での構造概略図である。
【
図7】本出願の第二の実施例に開示されたカメラモジュールの異なる状態での構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下は、本出願の実施例における図面を結び付けながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例は、本出願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0013】
本出願の明細書と特許請求の範囲における用語である「第一」、「第二」などは、類似している対象を区別するものであり、特定の順序又は前後手順を記述するためのものではない。理解すべきこととして、このように使用される用語は、適切な場合に交換可能であり、それにより本出願の実施例は、ここで図示又は記述されたもの以外の順序で実施されることが可能であり、且つ「第一」、「第二」などによって区別される対象は、一般的には同一種類であり、対象の個数を限定せず、例えば第一の対象は、一つであってもよく、複数であってもよい。なお、明細書及び請求項における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも一つを表し、文字である「/」は、一般的には前後関連対象が「又は」の関係であることを表す。
【0014】
以下では、図面を結び付けながら、具体的な実施例及びその応用シナリオによって本出願の実施例によるカメラモジュール及び電子機器を詳細に説明する。
【0015】
図1から
図7に示すように、本出願の実施例は、ベース600と、感光チップと、第一の鏡筒100と、第一のレンズ500と、回動アセンブリ200と、弾性部材400と、駆動機構とを含むカメラモジュールを提供する。
【0016】
感光チップは、ベース600に設置され、ベース600には、感光チップ以外に、カメラモジュールの他のデバイスがさらに設置されてもよい。なお、ベース600は、
図5に示す部分以外に、他の部分をさらに含んでもよい。第一の鏡筒100に第一のレンズ500が設けられ、第一のレンズ500と感光チップとは、対向して設置され、第一のレンズ500と感光チップは、カメラモジュールの光軸方向に沿って設置されてもよく、感光チップは、第一のレンズ500から入射した光線を受光し、最終的に光信号をデジタル画像信号に変換するために用いられてもよく、それによって映像を得る。
【0017】
第一の鏡筒100は、回動アセンブリ200に套設され、第一の鏡筒100は、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝を介して回動アセンブリ200と繋がる。回動アセンブリ200は、別体に設置される本体部材210と伝動部材220とを含み、弾性部材400の第一の端は、本体部材210と繋がり、弾性部材400の第二の端は、伝動部材220と繋がる。選択的に、本体部材210と第一の鏡筒100のうち、一方には第一の係合凸部が設けられ、他方には第一の螺旋ガイド溝が設けられ、それによって本体部材210によって、直接に第一の鏡筒100を伸縮させることができる。本体部材210と伝動部材220とが別体に設置されるため、両方の運動は分離することができる。言い換えれば、伝動部材220は、弾性部材400を介して本体部材210に駆動力を伝達して、本体部材210を回動させることができるが、伝動部材220が本体部材210に駆動力を伝達しない時、本体部材210は、外力作用で伝動部材220に対して回動することができる。選択的に、弾性部材400は、ばねであってもよく、弾性部材400と本体部材210とは当接するだけであってもよく、溶接、係止などの方式で接続されてもよい。同様に、弾性部材400と本体部材210とは当接するだけであってもよく、溶接、係止などの方式で接続されてもよい。なお、弾性部材400の横断面の形状は、伝動部材220における弾性部材400を設置するための部分の形状と同じであってもよく、例えば弾性部材400の横断面の形状は、円形、矩形、三角形などであってもよく、本出願の実施例は、これに対して制限しない。
【0018】
駆動機構は、伝動部材220と繋がり、駆動機構は、順に伝動部材220、弾性部材400と本体部材210によって、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝との係合の下で第一の方向に沿って移動するように第一の鏡筒100を駆動し、第一の方向は、感光チップに近接し又は離れる方向である。選択的に、ここでの駆動機構は、モータ、伝動歯車などの部材を含んでもよい。駆動機構が駆動力を出力する時、伝動部材220は、この駆動力の作用で回動し、伝動部材220は、弾性部材400によって本体部材210を回動させ、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝との係合の下で、第一の鏡筒100は、感光チップから離れる方向に沿って移動し、それによって第一の鏡筒100を突出させることができる。駆動機構が逆方向の駆動力を出力すると、伝動部材220は、弾性部材400によって本体部材210を回動させ、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝との係合の下で、第一の鏡筒100は、感光チップに近接する方向に沿って移動し、それによって第一の鏡筒100を後退させることができる。
【0019】
上記には、駆動機構が第一の鏡筒100を駆動して運動させる過程が記述され、第一の鏡筒100が突出状態にある時、第一の鏡筒100が外力作用を受けると、第一の鏡筒100は、後退する傾向が生じる。このような場合に、駆動機構が作動しないが、弾性部材400の存在により、第一の鏡筒100は、依然として運動することができ、即ち第一の鏡筒100が外力作用を受ける場合に、弾性部材400は、第一の鏡筒100を感光チップに近接する方向に沿って運動させる。具体的には、第一の鏡筒100には感光チップに近接する方向に沿って運動する傾向が生じる場合、第一の鏡筒100は、本体部材210を回動させることができ、本体部材210は、さらに弾性部材400の一端を運動させ、弾性部材400の他端が伝動部材220と繋がるが、伝動部材220が運動しないため、弾性部材400は、変形し、それによって第一の鏡筒100の受ける外力を吸収する。第一の鏡筒100の受ける外力がなくなると、弾性部材400の変形が回復し、それによって本体部材210によって第一の鏡筒100を突出状態にリセットさせることで、カメラモジュールは、第一の鏡筒100が突出した状況下で作動を継続することができ、駆動機構によって第一の鏡筒100を再駆動して突出させる必要はない。
【0020】
本出願の実施例では、カメラモジュールをズームする必要がある時、駆動機構は、順に伝動部材220、弾性部材400と本体部材210によって、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝との係合の下で第一の方向に沿って移動するように第一の鏡筒100を駆動し、それによって第一のレンズ500を感光チップから離れさせ又は近接させる。突出状態にあるカメラモジュールが落下、衝突や人為的押圧などの状況により押圧力を受けると、第一の鏡筒100は、本体部材210を回動させ、本体部材210は、弾性部材400に押圧力を加えて、弾性部材400を変形させ、伝動部材220は、動かないままであってもよい。弾性部材400は、カメラモジュールが押圧力を受ける時に発生する運動エネルギーを自体の弾性ポテンシャルエネルギーに変換することができ、それによって緩衝の作用を果たすため、第一の係合凸部は、押圧によって破断しにくくなるとともに、カメラモジュールの他の部材も衝撃力を受けにくいため、この実施例は、カメラモジュールの寿命が短いという問題を解決することができる。
【0021】
上述したように、本体部材210は、第一の鏡筒100を直接駆動することができ、他の実施例では、カメラモジュールは、第二の鏡筒300と駆動鏡筒700とをさらに含んでもよく、本体部材210は少なくとも部分的にベース600内に套設され、ベース600上に第二の螺旋ガイド溝と第一の位置規制直溝が設けられ、本体部材210に第三の螺旋ガイド溝214と第二の位置規制直溝215が設けられ、第二の鏡筒300に第二の係合凸部が設けられ、第二の係合凸部は、第二の螺旋ガイド溝に係合されるとともに、第二の係合凸部は、本体部材210の第二の位置規制直溝215に係合され、駆動鏡筒700に第三の係合凸部710と第三の位置規制直溝720が設けられ、この第三の係合凸部710は、第三の螺旋ガイド溝214と第一の位置規制直溝の両方に係合され、第一の鏡筒100に第一の係合凸部が設けられ、第二の鏡筒300に第一の螺旋ガイド溝が設けられ、第一の係合凸部は、第一の螺旋ガイド溝と第三の位置規制直溝720の両方に係合される。ここでの第一の位置規制直溝、第二の位置規制直溝215と第三の位置規制直溝720は、いずれも第一の方向に沿って延在する。駆動機構が本体部材210を駆動して回動させる時、第二の鏡筒300は、第二の係合凸部と第二の螺旋ガイド溝、及び第二の係合凸部と第二の位置規制直溝215の係合作用で回動し且つ第一の方向に沿って移動し、駆動鏡筒700は、第三の係合凸部710と第三の螺旋ガイド溝214、及び第三の係合凸部710と第一の位置規制直溝の係合作用で第一の方向のみに沿って移動し、第一の鏡筒100は、第一の係合凸部と第一の螺旋ガイド溝、及び第一の係合凸部と第三の位置規制直溝720の係合作用で第一の方向のみに沿って移動する。この実施例では、第一の鏡筒100と第二の鏡筒300は、いずれも第一の方向上で移動することができるため、第一のレンズ500の感光チップに対する位置変化範囲は、より大きく、それによってカメラモジュールのズーム効果を改善する。第一の鏡筒100が外力作用を受けると、第一の鏡筒100は、感光チップに近接する方向に沿って移動し、それによって第二の鏡筒300を回転させ且つ徐々に感光チップに近接させ、それに第二の鏡筒300は、駆動鏡筒700を感光チップに近接する方向に沿って移動させ、駆動鏡筒700はさらに、本体部材210を回動させ、伝動部材220は、動かない。
【0022】
説明すべきこととして、本出願の実施例に開示された、弾性部材400によって外力を吸収する方案は、本体部材210と伝動部材220とを有する任意のカメラモジュールに用いることができ、本出願の実施例は、これに対して制限しない。
【0023】
本体部材210は、切り欠きを有する円弧状構造を採用してもよいが、このような本体部材210は、回動する時、カメラモジュールの重心全体が変化しやすくなり、それによってカメラモジュールの安定性が悪くなる。これに基づき、本体部材210を環状部材として設置してもよく、この時伝動部材220と弾性部材400は、いずれも本体部材210の周方向に沿って設置される。弾性部材400は、伝動部材220の局所に対応して設計されてもよく、弾性部材400の長さが大きすぎず小さすぎないようにし、さらに弾性部材400の弾性変形能力を保証するとともに、弾性部材400の占有空間を縮小することができ、カメラモジュールの他の部品の配置を容易にする。
【0024】
一つの選択的な実施例では、
図1から
図3に示すように、伝動部材220は、第三の端221と第四の端222とを有し、第三の端221と第四の端222との間は、間隔を有する。即ち伝動部材220は閉じられた環状構造ではなく、切り欠きを有する円弧状部材であり、この切り欠きの存在により、弾性部材400は、この切り欠きを介して伝動部材220に套設可能である。この実施例では、伝動部材220は、構造が比較的簡単な棒状部材を採用し、弾性部材400は、直接この伝動部材220に外装されればよいため、カメラモジュールの構造及び組み立てを簡略化し、カメラモジュールの加工コストを低減するとともに、カメラモジュールが他の部品を設置するための空間をより多く有するようにすることができる。
【0025】
伝動部材220は、全体的に本体部材210の外に位置してもよく、他の選択的な実施例では、本体部材210にガイド溝211と第一の作用部212が設けられ、ガイド溝211は、本体部材210の周方向に沿って延在してもよく、伝動部材220は、ガイド溝211に係合され、第一の作用部212は、弾性部材400の第一の端と繋がり、伝動部材220の一部は、ガイド溝211の側壁と第一の作用部212との間に位置する。第一の鏡筒100が外力作用を受けると、本体部材210は、伝動部材220に対して回動する。この時、ガイド溝211と伝動部材220は、係合してガイド作用を果たすことで、本体部材210の回動をよりスムーズにする。それとともに、第一の作用部212は、弾性部材400に作用力を加えることによって、弾性部材400の変形を駆動することができる。この実施例は、ガイド溝211によって伝動部材220の少なくとも一部を収容し、それによって伝動部材220が占有する余分な空間をより小さくして、カメラモジュールの他の部品の配置を容易にする。
【0026】
選択的に、伝動部材220は、ラック部223と棒状部224とを含んでもよく、ラック部223は、駆動機構と繋がり、ラック部223の一端に第二の作用部226が設けられ、弾性部材400の第二の端は、第二の作用部226と繋がる。この実施例において、ラック部223の構造を直接に利用することで伝動部材220と弾性部材400の接続を実現し、部品を追加設置して伝動部材220と弾性部材400の接続を実現する必要がなく、それによってカメラモジュールの構造を簡略化するとともに、カメラモジュールの部品レイアウトに有利である。なお、本体部材210にガイド溝211と第一の作用部212が設けられる時、ガイド溝211の、第一のレンズ500の光軸から離れた側には、逃がし切り欠きが設置されてもよく、駆動機構をラック部223に接続できるように、この逃がし切り欠きは、ラック部223を逃がすことができる。
【0027】
さらに、伝動部材220は、ガイド部225をさらに含み、ガイド部225は、ラック部223を介して棒状部224と繋がり、ガイド部225は、ガイド溝211に係合されることができ、それによって本体部材210の回動時のスムーズさと安定性をさらに高める。
【0028】
別の選択的な実施例では、
図4から
図6に示すように、回動アセンブリ200は、取り付け部材240をさらに含み、取り付け部材240は、伝動部材220と別体に設置され、且つ両方は、繋がり、弾性部材400は、取り付け部材240に套設される。この実施例では、弾性部材400の第二の端は、取り付け部材240を介して伝動部材220と繋がり、弾性部材400は、追加設置される取り付け部材240を介して取り付けられるため、弾性部材400の構造設計は、伝動部材220によって制限されにくくなる。そのため、弾性部材400をより柔軟に設置することができ、弾性部材400の外力吸収能力をより強くする。選択的に、弾性部材400の取り付けを容易にするために、取り付け部材240は、円弧状の棒状部材であってもよい。
【0029】
さらに、伝動部材220は、環状部材として設置されてもよく、それによってカメラモジュールが伸縮運動する時により安定しているとともに、環状の伝動部材220は、より高い構造強度を有し、駆動機構から出力される駆動力を伝達するのに有利であるだけでなく、弾性部材400により加えられる作用力に耐え、この部分の作用力による伝動部材220及び駆動機構の損傷を防止することができる。この実施例では、伝動部材220は、ラック部223を含んでもよく、このラック部223は、伝動部材220の局所に設置されてもよく、環状に設置されてもよく、本出願の実施例は、これに対して制限しない。
【0030】
弾性部材400は、伝動部材220の内側又は外側に設置されてもよく、即ち、弾性部材400と伝動部材220は、カメラモジュールの光軸に垂直な方向に沿って配列されてもよい。他の実施例では、伝動部材220と弾性部材400は、カメラモジュールの光軸に平行する方向に沿って配列される。伝動部材220の内側と外側の空間は一般的にはゆとりがないが、伝動部材220の上方又は下方の空間は相対的に大きいため、後者の実施例のほうが、カメラモジュールのコンパクト化設計により有利である。
【0031】
選択的に、伝動部材220上に第一の支持凸部227と第二の支持凸部228が設けられ、取り付け部材240はそれぞれ、第一の支持凸部227と第二の支持凸部228と繋がり、選択的に、第一の支持凸部227と第二の支持凸部228は、いずれも凹溝が設置されてもよく、取り付け部材240の両端は、それぞれ第一の支持凸部227の凹溝と第二の支持凸部228の凹溝に置かれるとともに、取り付け部材240の少なくとも一端は、この凹溝に位置規制して係合されることで、取り付け部材240が伝動部材220に対して移動しないようにする。説明すべきこととして、取り付け部材240は、伝動部材220に対して回動可能にされてもよく、伝動部材220に対して動かないように完全に固定されてもよい。
【0032】
上記第一の支持凸部227と第二の支持凸部228は、取り付け部材240を支持するためだけに用いられてもよいが、第二の支持凸部228の構造を十分に利用するために、本体部材210に第三の作用部213が設けられてもよい。この第三の作用部213は、本体部材210の外周面に対して突出してもよく、弾性部材400の第一の端は、第三の作用部213と繋がり、且つ第三の作用部213は、第二の支持凸部228に位置規制して係合されてもよく、弾性部材400の第二の端は、第一の支持凸部227と繋がる。この実施例では、第二の支持凸部228は、本体部材210の伝動部材220に対する位置を制限することを補助するために用いることができ、それによって弾性部材400の作用又は他の要因により、本体部材210の回動幅が大きすぎになったり、回動が不安定になったりすることを防止し、それによってカメラモジュールは、より安定して確実にズームすることができる。
【0033】
弾性部材400の数は、一つであってもよく、複数であってもよく、本体部材210が環状部材である場合、弾性部材400の数は、少なくとも二つであり、各弾性部材400は、本体部材210の周方向に沿って間隔をおいて配列される。この時、弾性部材400は、複数の位置で外力作用を吸収することができ、それによってカメラモジュールの偏荷重問題を防止して、カメラモジュールの作動時の確実性を高める。
【0034】
本出願の実施例は、電子機器をさらに開示し、この電子機器は、上記任意の実施例におけるカメラモジュールを含む。
【0035】
本出願の実施例に開示された電子機器は、スマートフォン、タブレットパソコン、電子ブックリーダー、ウェアラブルデバイス(例えばスマートウォッチ)、電子ゲーム機などの機器であってもよく、本出願の実施例は、電子機器の具体的な種類を制限しない。
【0036】
以上は、図面を結び付けながら、本出願の実施例を記述したが、本出願は、上記の具体的な実施の形態に限らない。上記の具体的な実施の形態は、例示的なものに過ぎず、制限性のあるものではない。当業者は、本出願の示唆で、本出願の趣旨と特許請求の範囲から逸脱しない限り、多くの形式を行うこともでき、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0037】
100-第一の鏡筒、
200-回動アセンブリ、210-本体部材、211-ガイド溝、212-第一の作用部、213-第三の作用部、214-第三の螺旋ガイド溝、215-第二の位置規制直溝、220-伝動部材、221-第三の端、222-第四の端、223-ラック部、224-棒状部、225-ガイド部、226-第二の作用部、227-第一の支持凸部、228-第二の支持凸部、240-取り付け部材、
300-第二の鏡筒、
400-弾性部材、
500-第一のレンズ、
600-ベース、
700-駆動鏡筒、710-第三の係合凸部、720-第三の位置規制直溝。
【国際調査報告】