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特表2024-530975圧迫された乳房の移動を測定するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】圧迫された乳房の移動を測定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/50 20240101AFI20240820BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20240820BHJP
   A61B 6/00 20240101ALI20240820BHJP
【FI】
A61B6/50 500E
A61B6/04 509B
A61B6/00 590C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024510662
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-03-19
(86)【国際出願番号】 US2022075419
(87)【国際公開番号】W WO2023028532
(87)【国際公開日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】63/236,762
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501214292
【氏名又は名称】ホロジック, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hologic, Inc.
【住所又は居所原語表記】250 Campus Drive, 01752 Marlborough, MA,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レン, バオルイ
(72)【発明者】
【氏名】スタイン, ジェイ エー.
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA07
4C093AA11
4C093CA13
4C093CA33
4C093ED21
4C093FA32
4C093FA36
4C093FA45
4C093FA54
4C093FB12
4C093FF22
4C093GA03
(57)【要約】
発泡体圧迫要素を含むパドルで圧迫された乳房を撮像する方法。方法は、X線源から乳房と、発泡体圧迫要素と、発泡体圧迫要素に隣接して配置されたマーカとに向けてX線エネルギーを放射する。X線エネルギーは、所定の期間にわたって放射される。マーカは、物理的特性を含む。X線エネルギーは、X線源から乳房の反対側に配置された検出器で検出される。圧迫された乳房およびマーカの画像は、検出されたX線エネルギーに基づいて生成される。生成された画像におけるマーカは、物理的特性に関連付けられた画像特性を含む。画像特性は、物理的特性と比較される。画像特性が物理的特性から閾値だけそれている場合、信号が送信される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡体圧迫要素を備えているパドルで圧迫された乳房を撮像する方法であって、前記方法は、
X線源から前記乳房、前記発泡体圧迫要素、および前記発泡体圧迫要素に隣接して配置されたマーカに向けてX線エネルギーを放射することであって、前記X線エネルギーは、所定の期間にわたって放射され、前記マーカは、物理的特性を備えている、ことと、
前記X線源から前記乳房の反対側に配置された検出器で前記X線エネルギーを検出することと、
前記検出されたX線エネルギーに基づいて前記圧迫された乳房および前記マーカの画像を生成することであって、前記生成された画像における前記マーカは、前記物理的特性に関連付けられた画像特性を含む、ことと、
前記画像特性を前記物理的特性と比較することと、
前記画像特性が前記物理的特性から閾値だけそれている場合、信号を送信することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記物理的特性は、物理的寸法を備え、前記画像特性は、前記X線エネルギーの前記放射中の前記マーカの移動を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物理的寸法は、マーカ幅を備え、前記マーカ幅は、前記検出器における画素の幅より大きい、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記マーカは、前記X線エネルギーの前記放射中に前記乳房に接触している前記発泡体圧迫要素の表面上に配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記マーカは、前記乳房に付着している、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記マーカの前記移動は、前記X線エネルギーの前記放射中の前記乳房の一部分の移動から生じる、請求項2から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記乳房の前記一部分は、前記マーカに近接している、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記乳房および前記マーカの前記画像を処理し、分析画像を生成することと、
前記分析画像を表示することと
をさらに含み、
前記マーカは、前記分析画像において眼に見えない、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記物理的特性は、放射線不透過性を備え、前記画像特性は、前記X線エネルギーの前記放射中に前記マーカを通過する前記X線エネルギーの減衰に対応している、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記マーカは、マーカ幅を備え、前記マーカ幅は、前記検出器における画素の幅より大きい、請求項2から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記信号を送信することは、通知を表示することを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
装置であって、前記装置は、
X線源と、
X線検出器と、
撮像処置中、乳房を支持するための乳房支持台と、
前記X線源と前記X線検出器との間に移動可能に配置された乳房圧迫パドルであって、前記乳房圧迫パドルは、
剛体基材と、
前記剛体基材に固定された発泡体圧迫要素と、
前記発泡体圧迫要素と接触して配置されたマーカと
を備えている、乳房圧迫パドルと、
少なくとも1つのプロセッサと、
命令を記憶しているメモリと
を備え、
前記命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、
前記X線源から前記乳房および前記マーカを介してX線エネルギーを放射することと、
前記放射されたX線エネルギーを受け取ることと、
前記受け取ったX線エネルギーから画像を生成することであって、前記画像は、前記乳房および前記マーカを表す、ことと、
前記画像を分析し、前記マーカの移動を識別することと、
前記移動が閾値を超えている場合、信号を送信することと
を含む動作を前記装置に実行させる、装置。
【請求項13】
前記画像を分析することは、前記画像における前記マーカを識別することを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記マーカは、物理的特性を備え、前記画像を分析することは、前記マーカの前記物理的特性を前記画像における前記マーカの撮像された特性と比較することを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記物理的特性は、前記マーカの寸法を備えている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記物理的特性は、前記マーカの放射線不透過性を備えている、請求項14から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記動作は、
前記乳房および前記マーカの前記画像を処理し、分析画像を生成することと、
前記分析画像を表示することと
をさらに含み、
前記マーカは、前記分析画像において眼に見えない、請求項12から16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記信号を送信することは、通知を表示することを含む、請求項12から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記マーカは、前記X線エネルギーの前記放射中に前記乳房に接触するように構成された前記発泡体圧迫要素の表面上に配置されている、請求項12から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記乳房圧迫パドルは、前記マーカを備えている、請求項12から19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記マーカは、前記乳房に付着したシート上に配置されている、請求項12から20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記マーカは、少なくとも1つの列に配置された複数のマーカを備えている、請求項12から21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記少なくとも1つの列は、複数の列を備えている、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記列は、前記患者の胸壁に実質的に平行に配置されている、請求項22から23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
前記列は、前記患者の胸壁に実質的に直交して配置されている、請求項22から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
前記複数の列のうちの第1の列は、前記複数の列のうちの第2の列に対して実質的に直交して配置されている、請求項23から25のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、PCT国際特許出願として2022年8月24日に出願されており、2021年8月25日に出願された米国仮特許出願第63/236,762号に対する利益および優先権を主張し、この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
マンモグラフィおよび乳房トモシンセシスにおける1つの既知の課題は、乳房が圧迫されたときに患者が感じ得る不快感であり、この圧迫は、乳房を固定し、場合によってはX線撮像のために乳房組織を広げるために十分な力で行われなければならない。不快感が、患者に動かせる可能性があり、それは、画質に悪影響を及ぼし得る。不快感は、患者が乳がんのためのスクリーニングを受けることを思いとどまらせ得る。別の既知の課題は、撮像される撮像野が所望の量の乳房組織を含むことを確実にすることである。この不快感は、例えばプラスチックシート、可撓性メッシュ、発泡体圧迫材料などの可撓性特徴を有する圧迫パドルの開発につながった。これらの柔軟な特徴は、乳房を適切に撮像するための特有の課題を提示する。平坦で剛体の圧迫パドルを利用する既存の撮像システムでは、圧迫された乳房の厚さは、乳房支持台の上の圧迫パドルの高さを測定または計算することによってかなり容易に決定され得る。しかし、乳房を安定させるために可撓性材料を使用することは、そのような単純な計算を不可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一側面では、技術は、発泡体圧迫要素を含むパドルで圧迫された乳房を撮像する方法に関し、方法は、X線源から乳房と、発泡体圧迫要素と、発泡体圧迫要素に隣接して配置されたマーカとに向けてX線エネルギーを放射することであって、X線エネルギーは、所定の期間にわたって放射され、マーカは、物理的特性を備えている、ことと、X線源から乳房の反対側に配置された検出器でX線エネルギーを検出することと、検出されたX線エネルギーに基づいて圧迫された乳房およびマーカの画像を生成することであって、生成された画像におけるマーカは、物理的特性に関連付けられた画像特性を含む、ことと、画像特性を物理的特性と比較することと、画像特性が物理的特性から閾値だけそれている場合、信号を送信することとを含む。一例では、物理的特性は、物理的寸法を含み、画像特性は、X線エネルギーの放射中のマーカの移動を示す。別の例では、物理的寸法は、マーカ幅を含み、マーカ幅は、検出器における画素の幅より大きい。さらなる別の例では、マーカは、X線エネルギーの放射中に乳房に接触している発泡体圧迫要素の表面上に配置されている。またさらなる別の例では、マーカは、乳房に付着する。
【0004】
上記側面の別の例では、マーカの移動は、X線エネルギーの放射中の乳房の一部分の移動から生じる。一例では、乳房の一部分はマーカに近接している。別の例では、方法は、乳房およびマーカの画像を処理し、分析画像を生成することと、分析画像を表示することであって、マーカは、分析画像において眼に見えない、こととをさらに含む。さらなる別の例では、物理的特性は、放射線不透過性を含み、画像特性は、X線エネルギーの放射中にマーカを通過するX線エネルギーの減衰に対応する。またさらなる別の例では、マーカは、マーカ幅を含み、マーカ幅は検出器における画素の幅より大きい。
【0005】
上記側面の別の例では、信号を送信することは、通知を表示することを含む。
【0006】
別の側面では、技術は、X線源と、X線検出器と、撮像処置中、乳房を支持するための乳房支持台と、X線源とX線検出器との間に移動可能に配置された乳房圧迫パドルであって、乳房圧迫パドルは、剛体基材と、剛体基材に固定された発泡体圧迫要素と、発泡体圧迫要素と接触して配置されたマーカとを含む、乳房圧迫パドルと、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、X線源から乳房およびマーカを介してX線エネルギーを放射することと、放射されたX線エネルギーを受け取ることと、受け取ったX線エネルギーから画像を生成することであって、画像は、乳房およびマーカを表す、ことと、画像を分析し、マーカの移動を識別することと、移動が閾値を超えている場合、信号を送信することとを含む動作を実行させる命令を記憶しているメモリとを含む装置に関する。一例では、画像を分析することは、画像におけるマーカを識別することを含む。別の例では、マーカは、物理的特性を含み、画像を分析することは、マーカの物理的特性を画像におけるマーカの撮像された特性と比較することを含む。さらなる別の例では、物理的特性は、マーカの寸法を含む。またさらなる別の例では、物理的特性は、マーカの放射線不透過性を含む。
【0007】
上記側面の別の例では、動作は、乳房およびマーカの画像を処理し、分析画像を生成することと、分析画像を表示することであって、マーカは、分析画像において眼に見えない、こととをさらに含む。一例では、信号を送信することは、通知を表示することを含む。別の例では、マーカは、X線エネルギーの放射中に乳房に接触するように構成された発泡体圧迫要素の表面上に配置されている。さらなる別の例では、乳房圧迫パドルは、マーカを含む。またさらなる別の例では、マーカは、乳房に付着したシート上に配置される。
【0008】
上記側面の別の例では、マーカは、少なくとも1つの列に配置された複数のマーカを含む。一例では、少なくとも1つの列は、複数の列を含む。別の例では、列は患者の胸壁に実質的に平行に配置される。さらなる別の例では、列は、患者の胸壁に実質的に直交して配置される。またさらなる別の例では、複数の列のうちの第1の列は、複数の列のうちの第2の列に対して実質的に直交して配置される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、例示的な撮像システムの概略図である。
【0010】
図1B図1Bは、図1Aの撮像システムの斜視図である。
【0011】
図2A図2A-2Cは、発泡体圧迫要素を有する乳房圧迫パドルの様々な図である。
図2B図2A-2Cは、発泡体圧迫要素を有する乳房圧迫パドルの様々な図である。
図2C図2A-2Cは、発泡体圧迫要素を有する乳房圧迫パドルの様々な図である。
【0012】
図3A図3Aおよび図3Bは、マーカを有する発泡体圧迫要素を利用するパドルを有する撮像システムの部分側面図を示す。
図3B図3Aおよび図3Bは、マーカを有する発泡体圧迫要素を利用するパドルを有する撮像システムの部分側面図を示す。
【0013】
図3C図3Cは、マーカを乳房に固定するための接着シートを示す。
【0014】
図4A図4Aおよび図4Bは、それぞれ、乳房のX線画像および拡大部分X線画像を示し、撮像処置中に乳房の検出可能な移動がないことを示す。
図4B図4Aおよび図4Bは、それぞれ、乳房のX線画像および拡大部分X線画像を示し、撮像処置中に乳房の検出可能な移動がないことを示す。
【0015】
図5A図5Aおよび図5Bは、それぞれ、乳房のX線画像および拡大部分X線画像を示し、撮像処置中の乳房の検出可能な移動があることを示す。
図5B図5Aおよび図5Bは、それぞれ、乳房のX線画像および拡大部分X線画像を示し、撮像処置中の乳房の検出可能な移動があることを示す。
【0016】
図6A図6Aおよび図6Bは、それぞれ、乳房のX線画像および拡大部分X線画像を示し、撮像処置中の乳房の検出可能な移動があることを示す。
図6B図6Aおよび図6Bは、それぞれ、乳房のX線画像および拡大部分X線画像を示し、撮像処置中の乳房の検出可能な移動があることを示す。
【0017】
図7図7A図7Cは、移動の様々な程度を示す撮像されたマーカの列の拡大部分図を示す。
【0018】
図8図8は、発泡体圧迫要素を有するパドルで圧迫された乳房を撮像する方法を示す。
【0019】
図9図9は、本発明の例のうちの1つ以上を実装可能な適切な動作環境の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
完全に剛体材料で作られた乳房圧迫パドルは、患者の乳房を効果的に圧迫し、撮像中に乳房を静止させる。これは高品質の画像を得るために有利であるが、剛体パドルに伴う不快感は、多くの女性が乳がんの定期的なスクリーニング検査を回避することにつながる。発泡体圧迫材料を利用するパドルは、撮像処置中の患者の不快感を軽減し、より多くの女性を定期的な検査を受けるように促し、それは、早期癌診断につながり得る。しかしながら、快適性が改善される一方で、厚い発泡体圧迫要素材料の柔軟な性質は、(例えば、患者が不注意または故意に乳房画像システムから身を引いた場合)撮像処置中の乳房が移動することを可能にし得る。これが発生すると、得られる画像は、所望のものより診断に適切でないこともある。したがって、発泡体圧迫要素を利用するパドルはより快適ではあるが、そのようなパドルは、乳房撮像システム(例えば、マンモグラフィ、トモシンセシス、またはマンモグラフィ/トモシンセシス複合システム)がどのように照射を行い、診断に適切な品質の画像を生成するかについて無数の課題をもたらす。
【0021】
本明細書に記載の技術は、圧迫または固定パドルの発泡体圧迫要素の下にある乳房の移動を正確に検出するデバイスおよび方法を提供する。技術は、加えられた力を受けると移動得る発泡体圧迫要素の領域上のマーカを企図する。例えば、患者の乳房が発泡体圧迫要素を有するパドルによって圧迫される場合、患者の移動(例えば、撮像システムから身を引く)は、乳房に近接する発泡体圧迫要素の部分に伝達されるが、移動の影響を受けにくく、乳房から遠くに配置された剛体基材の部分に伝達されない。マーカ(単数または複数)の移動の量は、例えば、得られた画像(およびその中の撮像されたマーカ)の分析を介して、またはX線検出器の個別の画素の分析を介して、様々な方法で検出され得る。検出された移動が閾値を超える(例えば、診断に適切な画像をもはや示さなくなる)場合、通知が、トリガされ得る。この通知は、乳房撮像処置が再度実行されることを必要とし得、それは、患者がまだ診療所にいる間(および圧迫されている間でさえも)、直ちに行われ得る。これは、放射線科医による時間のかかるレビューおよび分析になる前に、画像が実際に十分な品質であることを確保することによって時間を節約するために役立つ。したがって、これらの技術は、発泡体圧迫材料を利用して実行可能なパドルを作製するために重要である。
【0022】
図1Aは、例示的な撮像システム100の概略図である。図1Bは、撮像システム100の斜視図である。図1A図1Bを同時に参照すると、撮像システム100は、静止乳房支持台106および可動圧迫パドル108を含む乳房圧迫固定器ユニット104を介して、X線撮像(マンモグラフィおよびトモシンセシスのいずれかまたは両方)のために患者の乳房102を固定する。乳房支持台106および圧迫パドル108の各々は、それぞれ、互いに向かって移動して乳房102を圧迫し、固定する圧迫面110および112を有する。既知のシステムでは、圧迫面110、112は、乳房102に直接接触するように露出されている。台106は、画像レセプタ116と、必要に応じて傾斜機構118と、必要に応じて散乱防止グリッドとも収容する。固定器ユニット104は、ビーム120が画像レセプタ116に衝突するように、X線源122から放射される撮像ビーム120の経路内にある。
【0023】
固定器ユニット104は第1の支持アーム124上に支持され、X線源122は第2の支持アーム126上に支持される。マンモグラフィに関して、支持アーム124および126は、システム100が、各向きにおいてマンモグラフィ投影画像を撮影できるように、CCおよびMLOなどの異なる撮像向き間で軸128まわりにユニットとして回転できる。動作中、画像レセプタ116は、画像が撮影されている間、台106に対して所定の位置に留まる。固定器ユニット104は、異なる撮像向きへのアーム124、126の移動のために乳房102を解放する。トモシンセシスのために、支持アーム124は、所定の位置に留まり、乳房102を固定して所定の位置に留まらせる一方で、少なくとも第2の支持アーム126は、軸128まわりにして固定器ユニット104および圧迫された乳房102に対してX線源122を回転させる。システム100は、乳房102に対するビーム120のそれぞれの角度において、乳房102の複数のトモシンセシス投影画像を撮影する。
【0024】
同時に、および必要に応じて、画像レセプタ116は、乳房支持台106に対して、第2の支持アーム126の回転と同期して傾けられ得る。傾斜は、ずっと、X線源122の回転と同じ角度であり得るが、ビーム120が複数の画像の各々について画像レセプタ116上の実質的に同じ位置に留まるように、ずっと、選択された異なる角度でもあり得る。傾斜は、軸130まわりであり得、それは、画像レセプタ116の画像平面内であり得るが、必ずしもそうである必要はない。画像レセプタ116に結合された傾斜機構118は、画像レセプタ116を傾斜運動で駆動され得る。トモシンセシス撮像および/またはCT撮像のために、乳房支持台106は、水平であることができるか、または、水平に対してある角度、例えば、マンモグラフィにおける従来のMLO撮像と同様の向きであることができる。システム100は、単独でマンモグラフィシステム、CTシステム、または単独でトモシンセシスシステム、または複数の形態の撮像を実行され得る「コンボ」システムであることができる。そのようなコンボシステムの例は、本出願の譲受人によって商品名Selenia Dimensionsとして提供されている。
【0025】
システムが動作させられると、画像レセプタ116は、撮像ビーム120による照明に応答して撮像情報を生成し、乳房X線画像を処理し、生成するために、それを画像プロセッサ132に供給する。ソフトウェアを含むシステム制御およびワークステーションユニット138は、システムの動作を制御し、コマンドを受信し、処理済みの線画像を含む情報を配信するために、オペレータと対話する。
【0026】
撮像システム100に伴う1つの課題は、所望のまたは必要な撮像のために乳房102をどのように固定および圧迫するかである。医療専門家、典型的にX線技術者は、一般に、組織を撮像領域に向かって引っ張り、圧迫パドル108を乳房支持台106に向かって動かして乳房102を固定しながら、固定器ユニット104内で乳房102を調整して、可能な限り多くの乳房組織が圧迫面110、112の間にあるように乳房を所定の位置に保持する。これは、患者への不快感を引き起こし得る。
【0027】
患者の快適性を向上させるために、発泡体圧迫要素を利用する圧迫パドルが開発された。発泡体圧迫要素を利用する圧迫パドルは、いずれも2019年5月24日に出願されたPCT国際特許出願第PCT/US2019/033998号、PCT/US2019/034001号、およびPCT/US2019/034010号に全般的に記載されており、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。そのようなパドルは、乳房をわずかに圧迫して安定させる一方で、剛体の圧迫表面のみを有する圧迫パドルに伴う不快感を減らす。
【0028】
図2Aから図2Cは、剛体基材204に固定された発泡体圧迫要素202を有する乳房圧迫パドル200の一例の様々な図である。図2Aから図2Cは、同時に説明される。パドル200は、パドルを撮像システムの圧迫アームに接続するために基材204とほぼ一体のブラケット部分206を含む。パドル200はまた、ブラケット部分206の反対側の先端面208を含み、この先端面は、圧迫および撮像処置中に患者の胸壁に近接するように配置される。例では、基材は、剛体であり得る。本明細書で使用される場合、「剛体」という用語は、基材204が乳房の圧迫中に屈曲しないことではなく、むしろ、基材204は、基材204の底部に固定された発泡体圧迫要素202より、大きい屈曲または変形に対して抵抗を示すことを意味する。隆起壁204Aは、追加の剛性を提供する。
【0029】
発泡体圧迫要素202は、化学接着剤によって基材204の底面に固定され得る。他の例では、圧迫要素の上面は、発泡体圧迫要素202が固定される剛体のプラスチックまたは他の材料であり得る。複数のボルト、フック、または他の機械的留め具(図示せず)が、この剛体プラスチックをパドル200の剛体基材204に接続するために使用され得る。そのような機械的留め具が使用される場合、圧迫点およびそれに伴う結果として生じる不快感を回避するために、および結果として生じるX線画像にアーチファクトが現れることを防止するために、乳房に対して圧迫すると予測される発泡体圧迫要素202の領域から離れて上記留め具を配置することが、望ましくあり得る。
【0030】
発泡体圧迫要素202は、いくつかの縁面を含む。先端縁面210は、圧迫および撮像処置中に患者の胸壁に近接して配置されるように、基材204の先端面208に近接して配置される。後端縁面212は、ブラケット部分206に近接して、先端縁面210の反対側に配置される。側端縁面214、216も示されている。一般に、これらの側端縁面214、216は、乳房の内側および外側を説明するために典型的に使用される用語と一致して、内側または外側の側端縁面として示され得る。当然ながら、当業者は、同じ圧迫パドル200が一度にどちらか一方の乳房を圧迫するために使用され得、それが発泡体圧迫要素202の側端縁面への「内側」および「外側」という用語の適用を事実上変化させるであろうことを認識するであろう。さらに、中央平面220が、側端縁面214、216の間において、それらのほぼ中間点に配置される。中央平面220は、発泡体圧迫要素202の下側に配置された圧迫面218に実質的に直交して配置される。圧迫面218の一部分は、圧迫中に乳房に接触する。別の例では、発泡体圧迫要素202は、発泡体圧迫要素202が体液を吸収することを防ぎ得る生体適合性カバーによって覆われ得る。例では、カバーは、使い捨てまたは洗浄可能であり得る。患者の体験を向上させるために、カバーは、患者と接触する箇所が軟質材料から製造され得る。発泡体圧迫要素202内への流体の移動を防止するために、反対側のプラスチック面が発泡体圧迫要素202に接触し得る。界面222は、圧迫面218が先端縁面210と交わる場所に配置されている。圧迫中の界面222の形状は、発泡体圧迫要素202およびその機能を画定するために役立つ。
【0031】
図3Aおよび図3Bは、その上に複数のマーカを有する発泡体圧迫要素304を利用するパドル302を有する撮像システム300の部分側面図を示す。別段の記載がない限り、図3Aおよび図3Bに示される参照符号の添え字は、それらの図の説明において添え字なしで説明される特定の特徴に対応する。(本明細書でより詳細に説明するように)発泡体圧迫要素304の上面および底面に近接して複数の列に配置された複数のマーカ306、310、312、314、316、318は、圧迫された乳房の移動の検出を可能にする。上述したように、乳房に近接する発泡体圧迫要素304内または上に配置されたマーカ(例えば、マーカ314、316、318)は、乳房の移動の結果として移動する可能性がより高い。そのように、発泡体圧迫要素上に配置されたマーカ314、316、318は、本明細書に記載の技術により関係するが、剛体基材308上のマーカ(例えば、マーカ306、310、312)も、様々な目的のために含まれ得る。例えば、乳房に近接して(例えば、発泡体圧迫要素上または内に)配置されたマーカ314、316、318の検出された移動は、通知信号をトリガするために特定の閾値を超え得るが、乳房から遠位に(例えば、剛体基材に)あるマーカ306、310、312の検出された移動は、はるかに低い閾値を超えると通知信号をトリガし得る。これは、剛体パドルの出された移動が、いかなる移動もパドルまたは圧迫システムの何らかの種類の問題、患者のかなりの移動、または何らかの他のエラーまたは問題を示す可能性が低いからである。しかしながら、明確にするために、本出願の目的上、移動検出技術は、マーカ314、316、318などの乳房により近いマーカの移動の文脈で説明される。
【0032】
各パドル302は、剛体基材308と、その底面にまたはその底面付近に固定された発泡体圧迫要素304とを含む。図では、剛体基材308は発泡体圧迫要素304から間隔を置かれて示されているが、それは、例示のみを目的としている。胸壁に平行な列に配置された複数の上部マーカ306、310、312は、剛体基材308と発泡体圧迫要素304との間に固定されている。上部マーカ306の第1の列は、例えば、剛体基材308および発泡体圧迫要素304の前面に近接して、胸壁に最も近く示されている。第2の列の上部マーカ310および第3の列の上部マーカ312は、第1の列306から既知の距離を隔てて配置される。上部マーカ306、310、312は、剛体基材308または発泡体圧迫要素304に固定され得、これらの要素間に配置され得る。別の例では、上部マーカ306、310、312は、剛体基材308の上面に配置され得る。さらに、より多いまたはより少ない数のマーカ列が、利用され得る。
【0033】
胸壁に平行な列に配置された複数の底部マーカ314、316、318は、発泡体圧迫要素304の底面または底面付近に固定されている。底部マーカ314の第1の列は、胸壁に最も近く示されている。第2の列の底部マーカ316は、第1の列314から距離を隔てて配置され、第3の列の底部マーカ318は、第2の列316から別の距離を隔てて配置される。他の数の列も考えられる。底部マーカ314、316、318は、図3Aに示すように、発泡体圧迫要素304Aの底面に露出され得るか、または、図3Bに示すように、薄い発泡体カバー320Bによって覆われ得る。薄い発泡体カバー320Bは、発泡体圧迫要素304と同じ材料または異なる材料から形成され得、発泡体圧迫要素304の厚さの約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、または約17%であり得る。様々な上部マーカ306、310、312の列と底部マーカ314、316、318の列との間の距離は、特定の用途に必要なまたは所望のようなものであり得る。一般に、分離距離は、X線管(320で示されているその焦点)からのX線放射によって結果として生成される画像の中、マーカ306、310、312、314、316、318の列の各々が視認できることを可能にすべきである。したがって、X線エネルギー322の角度を所与として、第2の列の上部マーカ310と第3の列の上部マーカ312との間の距離により、第2の列の底部マーカ316は、得られた画像の中で依然として視認可能である。分離距離は、発泡体圧迫要素304の厚さ、マーカ306、310、312、314、316、318の各列の個々のマーカの長さ、焦点322とマーカ306、310、312、314、316、318との間の予想される距離、および他の要因に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0034】
代替的なマーカシステムが、図3Cに示され、代替的なマーカシステムは、複数のマーカ352、354を含む接着シート350を示す。シート350は、一方の面に、撮像のためにシート350が乳房に一時的に付着することを可能にし得る接着剤を含み得る。接触紙(図示せず)は、保管中に接着剤を覆うことができ、シート350の乳房への接着前に除去され得る。シート350は、接着中に患者の胸壁に隣接して配置されるように意図して規定された(例えば、印356が付いている)縁部358を有し得る。これは、患者を撮像する技術者が撮像前にシート350を容易に貼ることを可能にする。複数のマーカ352、254は、例えば、上記の図3Aから図3Bおよび下記の図4Aから図4Bに示すように、複数の列に配置され得る。図示の例では、複数列のマーカ352が、胸壁に隣接する縁部358と実質的に平行になるように配置されている。単一の列のマーカ354は、縁部358に対してほぼ直交するように配置されている。複数列のマーカ354も、利用され得る。胸壁に直交して配置されたマーカ354の1つ以上の列を使用することによって、(例えば、患者が圧迫から身を引くことから生じる)胸壁に実質的に直交する移動が、より容易に検出され得る。胸壁に直交して配置されたマーカ354のこれらの列は、以下の図に示す構成でも利用され得るが、明確にするために以下の図には示されていない。
【0035】
図4Aおよび図4Bは、それぞれ、乳房402のX線画像400および拡大部分X線画像400を示し、撮像処置中に乳房402の検出可能な移動がないことを示す。画像400は、乳房402、複数列の上部マーカ404、および複数列の底部マーカ406を示す。上部マーカ404の列は、圧迫パドルの剛体部分に設置され、乳房402の遠位、例えば発泡体圧迫要素と圧迫パドルの剛体基材との間にあるマーカである。底部マーカ406は、乳房402に近接して、発泡体圧迫要素上または内に設置されたものである。別の例では、マーカの底部列406は、図3Cに示すように、接着シート上に配置されたものであり得る。しかしながら、明確にするために、図4Aおよび図4Bのマーカ406は、圧迫パドルの発泡体圧迫要素402上または内にあるという状況で説明される。そのようなマーカの視認性は、既知の画像処理技術を用いて向上または低下させられ得る。上部マーカ404と底部マーカ406との両方の各列において、個別のマーカは同じ幅であり、規則的な分離間隔で間隔を置かれ得る。例えば、上部マーカ404の列と底部マーカ406の列の両方は、幅250μm、分離距離250μmの個々のマーカを含み得る。他の例では、幅300μm、分離距離300μmのマーカも、考えられる。他の例は、幅200μm、分離距離200μmのマーカ、幅350μm、分離距離350μmのマーカ、および他の構成を含む。マーカは、隣接するマーカ間の分離距離より大きいまたは小さい幅も有し得る。一般に、分離距離は、個別のマーカの移動、さらに、乳房自体の移動の検出を可能にするように、個別のマーカの周りに空間を提供する。画像400において、上部マーカ404の列および底部マーカ406の列の両方は、各列404、406の隣接するマーカ間に規定された分離を示す。従って、図4Aでは、マーカ幅および分離距離の一貫性は、マーカ(したがって、乳房)がX線エネルギーの放射中に動かなかったことを示す。
【0036】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ、乳房502のX線画像500および拡大部分X線画像500を示し、撮像処置中の乳房502の検出可能な移動を示す。検出可能な移動は、底部マーカ506a、506b、および506cの列のうちの1つ以上の外観の変化によって示される。上部マーカ504の列は、剛体基材に近接した位置を所与とすると、通常移動しない。したがって、上部マーカ504の列の個別のマーカは、一貫した幅および間隔で現れる。しかしながら、底部マーカ506の列に関して、移動は、列内の個々の撮像されたマーカの歪みによって示される。例えば、胸壁に最も近い底部マーカ506aの列では、個々のマーカが、移動していた。X線の放射の期間にわたって、この移動は、底部マーカ506aの列内の各個別のマーカの幅の明らかな拡大、および隣接するマーカ間の分離距離の対応する減少として捕捉される。説明のために、物理的な幅および分離距離が各々250μmのマーカを想定すると、画像の中で、撮像された幅は約500μmであり得、結果として約100μmの撮像された分離距離が得られる。これは、マーカの移動を示している。発泡体圧迫要素が、この列の底部マーカ506aに近接して乳房と接触しているので、マーカの移動は、乳房の移動に対応する。底部マーカの他の列(例えば、列506b、506c、506dなど)は、それらの移動を反映しない。
【0037】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ、乳房602のX線画像600および拡大部分X線画像600を示し、撮像処置中の乳房602の検出可能な移動を示す。検出可能な移動は、底部マーカ606a、606b、および606cの列のうちの1つ以上の外観の変化によって示される。上部マーカ604の列は、剛体基材に近接した位置を所与とすると、通常移動しない。したがって、上部マーカ604の列の個別のマーカは、一貫した幅および間隔で現れる。しかしながら、底部マーカ606の列に関して、移動は、列内の個々の撮像されたマーカの歪みによって示される。例えば、胸壁に最も近い底部マーカ606aの列では、個々のマーカが移動しており、底部マーカ606aの列全体の完全な「ぼやけ」または「塗りつぶし」を引き起こしている。250μmの分離距離を有する幅250μmのマーカを使用したので、底部マーカ606aの列が250μm全幅を移動しており、したがってその列606a内の個々のマーカ間の区別がなくなっていることが明らかである。発泡体圧迫要素が、この列の底部マーカ606aに近接して乳房と接触しているので、マーカの移動は、乳房の移動に対応する。
【0038】
底部マーカ606bの列も、より広いマーカ、ひいてはそれらの間の短縮した分離距離を示す、個々のマーカのいくらかの歪みを表示する。マーカのこの歪みは、乳房のいくらかの移動を示すが、第1の列の底部マーカ606aの近位にある乳房の部分の移動ほどではない。これは、乳房の異なる部分が発泡体圧迫要素の下で異なる移動し得るからである。底部マーカ606cの列は、個々のマーカの明らかな歪みを表示せず、したがってその位置に近接する乳房の移動がないことを示す。したがって、これらの底部マーカ606a、606b、606cの列で、列606aに近接して乳房のかなりの移動が生じ、列606bに近接していくらかの移動が生じ、列606cに近接して検出可能な移動が生じていないことは明らかである。
【0039】
図4Aから図6Bに示すマーカの列は、胸壁に実質的に平行に配置され、個々のマーカは、胸壁に実質的に直交して延びている。したがって、そのようなマーカは、胸壁に平行な移動をより容易に示すように構成される。本明細書に記載の技術は、胸壁に実質的に直交する移動(例えば、患者が圧迫システムから身を引く場合)を検出するためにも利用され得る。そのような構成では、胸壁に実質的に直交する方向に延びるマーカの列を配置し、個々のマーカが胸壁に実質的に平行に配置されることが望ましくあり得る。
【0040】
本明細書に記載のように、各マーカは、「物理的」特性および「撮像された」特性を有する。物理的特性は、物理的世界におけるマーカの特性、例えば、長さ、幅、隣接するマーカ間の分離距離、放射線不透過性などである。撮像された特性は、画像におけるマーカの特性である。例えば、画像中には、マーカの撮像された幅が示される。典型的には、撮像された幅(または、長さおよび分離距離などの他の撮像された寸法)は、関連付けられた物理的特性に関連するが、画像の中でそれとは異なる可能性が高い。例えば、マーカは、マーカと検出器との間の距離、倍率、または他の要因に応じて、画像の中でより大きくまたはより小さく表示され得る。同様に、物理的マーカの放射線不透過性は、画像におけるマーカのアーチファクトの出現を少なくとも部分的に決定する。これらの用語を念頭に置いて、図7Aから図7Cをここで説明する。
【0041】
図7Aから図7Cは、移動の様々な程度を示すマーカ702の列700の拡大部分図を示す。別段の記載がない限り、図7Aから図7Cに示される参照符号の添え字は、それらの図の説明において添え字なしで説明される特定の特徴に対応する。図7Aから図7Cの各々の縮尺は、例示を目的として誇張されている。図7Aは、結果として得られたX線画像にマーカ702の移動がない状態を示す。マーカ700aの列は、画像の中で、規定の撮像された幅Wを有し、撮像された分離距離dだけ分離された複数の別個のマーカ702aを含む。圧迫パドルの圧迫発泡体要素上の実際のマーカの物理的な幅および分離距離が既知である場合、撮像された幅Wおよび撮像された分離距離が、比較され得る。そのような比較を行う方法を以下に記載する。マーカ702aの撮像された幅Wおよび撮像された分離距離dが、物理的な幅および分離距離に対応するので(当技術分野で知られているように、倍率におけるファクタリング)、それは、マーカ702a(したがって、乳房の隣接部分)の検出可能な移動が生じていないと結論付けられることができる。
【0042】
図7Bは、X線画像の中で何らかの移動が検出されたマーカ状態を示す。マーカ700bの列は、画像の中で、より大きい撮像された幅W’を有し、より小さい撮像された距離d’によって分離されている複数の個別のマーカ702bを含み、これらの両方は、圧迫パドルの圧迫発泡体要素上の実際のマーカの物理的幅および物理的分離距離に対応しない。したがって、撮像された幅W’および/または撮像された分離距離d’を既知の物理的幅および物理的分離距離と比較することによって、移動の量が、決定され得る。比較の方法を以下に記載する。撮像された幅W’および撮像された分離距離d’は、マーカ702bの移動によるX線エネルギーの放射時間にわたるマーカの位置の変化から生じる。しかしながら、マーカ702bの見かけ上の移動は、より大きい撮像された幅W’およびより小さい撮像された分離距離d’として画像の中に捕捉される。より大きい撮像された幅W’およびより小さい撮像された分離距離d’は、再び、倍率および他の既知の要因を考慮して、移動の総量を決定するために、計算され得る。
【0043】
図7Cは、X線画像の中でかなりの移動が検出されたマーカ状態を示す。マーカ700cの撮像された列は、画像において単一のマーカ702cとして現れている。したがって、それは、撮像された物理的マーカが画像における単一の大きく塗りつぶされたアーチファクトの中に併合するほど移動したと結論付けられることができる。マーカ幅も分離距離も識別できず、マーカが発泡体圧迫要素上のマーカの物理的分離距離に少なくとも等しい距離だけ移動したことを示している。撮像されたアーチファクトの変化は、X線エネルギーの放射時間にわたるマーカ702cの位置の変化から生じる。そのようなかなりの移動は、得られた画像が診断に適切と見なされないほど、撮像中に乳房が大幅に移動したという通知を撮像システムに発行させ得る。図7Cに示される移動より小さい大きさの移動も、通知をトリガし得る。
【0044】
撮像されたマーカ幅および/または撮像された分離距離は、いくつかの方法で決定され得る。圧迫パドル上に配置された各マーカ(上述したように、上部マーカまたは底部マーカのいずれか)は、上述のような物理的特性によって特徴付けられ得る。各マーカは、寸法情報(例えば、長さ、幅)および放射線不透過性によって定義される。これらの物理的特性の変化は、撮像中にマーカが移動すると、画像に反映される。一例では、マーカの撮像された寸法が、移動に起因して生じた可能性がある任意の変化を識別するために分析され得る。これらは、上記の図7Aから図7Cの文脈において、幅および分離距離の変化によって最も容易に考察でき、幅および分離距離は、画像認識技術によって得られたX線画像中で測定され得るか、または、検出器で画素ごとに測定され得る。後者の例では、検出器から特定の距離および特定の倍率でのマーカの画素幅は、既知である。説明の目的のために、そのマーカの幅は3個の画素であり得る。しかしながら、撮像された幅が5個の画素である場合、それは、マーカがX線放射中にマーカ幅に沿って2画素分移動したと結論付けられることができる。従って、多くの場合、マーカが画素の寸法より広いことが望ましい。
【0045】
別の例では、検出器の各画素で受け取られたX線エネルギーが、各画素でのX線吸収を検出するために測定されることもできる。図7Aを再び参照すると、それは、マーカの移動がないこと、マーカの位置に対応する各画素で検出されたX線エネルギーの量がX線放射中、変化していないことを示す。これは、撮像システムが、マーカの移動が生じていない(したがって、乳房の移動がない)と決定することを可能にする。しかしながら、図7Bでは、各撮像されたマーカに配置された各画素は、各マーカの移動に起因して、X線エネルギーの放射時間にわたってより多くの量のX線エネルギーを受け取る。言い換えれば、マーカの下に配置された所与の画素に関して、画素は、(マーカの放射線不透過性に起因して)マーカの存在によって減らされた量のX線エネルギーを受け取る。しかしながら、そのマーカが移動すると、X線エネルギーは少なくとも一定期間同じ画素に妨げられず、したがって、各画素で検出されるX線エネルギーの総量は、マーカが全放射期間にわたって画素の上方に静止したままであった場合とは異なる。図7Cでは、物理的マーカが撮像処置中にさらに大きい距離を移動しているので、さらに多数の画素におけるX線エネルギーの量が、X線放射中に変更される。
【0046】
図8は、発泡体圧迫要素を有するパドルで圧迫された乳房を撮像する方法800を示す。方法800は、X線源からX線エネルギーを放射する動作802から開始する。X線エネルギーは、パドルおよび発泡体圧迫要素によって固定または圧迫された乳房に向かって放射される。複数のマーカが、パドルの剛体基材および発泡体圧迫要素のいずれか一方または両方の上または中に配置される。動作804では、X線エネルギーは、所定の期間、例えば、約0.5秒未満、約0.4秒未満、約0.3秒未満にわたって放射され、パドル、マーカ、乳房などを通過し、検出器で受け取られ、X線エネルギーが検出される。動作806では、このX線エネルギーから、X線画像を生成され得る。X線画像は、少なくとも撮像された乳房およびマーカを含む。画像において、マーカは、撮像された特性を含む。画像は、マーカの移動を検出するために動作808で分析される。例では、この分析は、撮像されたマーカ特性を撮像システム内のデータベースから取得され得る物理的マーカ特性と比較することを含み得る。このデータベースは、利用されているパドル、剛体基材および発泡体圧迫要素の物理的特性、およびマーカの物理的特性に関する情報を含み得る。分析後、信号が、動作810で送信され得る。この信号は、技術者に向けて発せられる可聴通知信号または表示される視覚通知信号であってもよく、撮像された特性と物理的特性との間の偏差が閾値を超えるか下回るかを示し得る。そのような信号は、得られた画像が診断に適切な品質であるか否かを技術者に示し得る。方法800は、乳房およびマーカの画像を処理して分析画像を取得する動作812に進むことができる。この分析画像は、マーカが存在しないことを特徴とし、マーカは、既知の画像処理技術によって除去されることができ、したがって、この分析画像は、放射線科医によるレビューおよび分析により適している。動作814で、この分析画像が、表示され得る。
【0047】
図9は、本例のうちの1つ以上を実装可能な適切な動作環境900の一例を示す。この動作環境は、本明細書に開示の撮像システムに直接組み込まれ得るか、または、本明細書に記載の撮像および圧迫システムとは別個のコンピュータシステムに組み込まれているが、それらを制御するために使用され得る。これは、適切な動作環境の一例にすぎず、使用または機能性の範囲に関するいかなる限定も示唆することを意図するものではない。使用に適し得る他の周知のコンピューティングシステム、環境、および/または構成は、撮像システム、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、スマートフォンなどのプログラム可能な家電製品、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレット、上記のシステムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などを含むが、これらに限定されない。
【0048】
その最も基本的な構成では、動作環境900は、典型的には、少なくとも1つの処理ユニット902およびメモリ904を含む。コンピューティングデバイスの正確な構成およびタイプに応じて、(とりわけ、マーカ特性を識別し、X線線量を決定し、撮像されたマーカ特性を既知の物理的マーカ特性と比較し、または本明細書に開示の他の方法を実行する命令を記憶する)メモリ904は、揮発性(RAMなど)、不揮発性(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、またはこれら2つの何らかの組合せとされ得る。この最も基本的な構成は、図9に破線906によって示されている。さらに、環境900は、磁気または光学ディスクまたはテープを含むがこれらに限定されない記憶デバイス(取り外し可能なもの908、および/または取り外し不可能なもの910)を含むこともできる。同様に、環境900は、タッチスクリーン、キーボード、マウス、ペン、音声入力などの入力デバイス(単数または複数)914、および/またはディスプレイ、スピーカ、プリンタなどの出力デバイス(単数または複数)916を有することもできる。LAN、WAN、ポイントツーポイント、Bluetooth(登録商標)、RFなどの1つ以上の通信接続部912も環境に含まれ得る。
【0049】
動作環境900は、典型的には、少なくともいくつかの形態のコンピュータ読み取り可能なメディアを含む。コンピュータ読み取り可能なメディアは、処理ユニット902または動作環境を有する他のデバイスによってアクセスされることができる任意の利用可能なメディアであり得る。限定ではなく例として、コンピュータ読み取り可能なメディアは、コンピュータ記憶メディアおよび通信メディアを含むことができる。コンピュータ記憶メディアは、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能なメディアを含む。コンピュータ記憶メディアは、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、固体記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用されることができる任意の他の有形媒体を含む。通信メディアは、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを搬送波または他の搬送機構などの変調データ信号内で具現化し、任意の情報配信メディアを含む。「変調データ信号」という用語は、特性の1つ以上が信号内に情報を符号化するように設定または変更された信号を意味する。限定ではなく例として、通信メディアは、ワイヤドネットワークまたは直接ワイヤド接続などのワイヤドメディア、および音響、RF、赤外線および他のワイヤレスメディアなどのワイヤレスメディアを含む。上記のいずれかの組合せも、コンピュータ読み取り可能なメディアの範囲内に含まれるものとすべきである。コンピュータ読み取り可能なデバイスは、コンピュータ記憶メディアを組み込んだハードウェアデバイスである。
【0050】
動作環境900は、1つ以上のリモートコンピュータへの論理的接続を使用してネットワーク環境において動作する単一のコンピュータであり得る。リモートコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードであることができ、典型的には、上記の要素の多くまたは全て、およびそのように言及されていない他の要素を含む。論理的接続は、利用可能な通信メディアによってサポートされる任意の方法を含むことができる。そのようなネットワーキング環境は、オフィス、エンタープライズワイドコンピュータネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0051】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の構成要素は、コンピュータ記憶メディアおよび他の有形媒体に記憶され、通信メディアにおいて送信され得るコンピュータシステム900によって実行可能なモジュールまたは命令を含む。コンピュータ記憶メディアは、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能なメディアを含む。上記のいずれかの組合せも、読み取り可能なメディアの範囲内に含まれるものとすべきである。いくつかの実施形態において、コンピュータシステム900は、コンピュータシステム900による使用のためにリモート記憶メディアにデータを記憶するネットワークの一部である。
【0052】
実施形態において、本明細書に開示の様々なシステムおよび方法は、1つ以上のサーバデバイスによって実行され得る。例えば、一実施形態において、サーバ904などの単一のサーバを使用して、本明細書で説明される撮像のための方法など、本明細書に開示されるシステムおよび方法が、実行され得る。クライアントデバイス902は、ネットワーク908を介してサーバ904と対話し得る。さらなる実施形態において、クライアントデバイス902も、スキャンおよび画像処理などの本明細書に開示の機能性を実行することができ、それらは、その後、サーバ904および/または906に提供され得る。
【0053】
本明細書に記載のシステムおよび方法の例示的な例が以下に提供される。本明細書に記載のシステムまたは方法の実施形態は、以下に記載の条項のうちの任意の1つ以上、および任意の組合せを含み得る。
【0054】
条項1.発泡体圧迫要素を備えているパドルで圧迫された乳房を撮像する方法であって、方法は、X線源から乳房と、発泡体圧迫要素と、発泡体圧迫要素に隣接して配置されたマーカとに向けてX線エネルギーを放射することであって、X線エネルギーは、所定の期間にわたって放射され、マーカは、物理的特性を備えている、ことと、X線源から乳房の反対側に配置された検出器でX線エネルギーを検出することと、検出されたX線エネルギーに基づいて圧迫された乳房およびマーカの画像を生成することであって、生成された画像におけるマーカは、物理的特性に関連付けられた画像特性を含む、ことと、画像特性を物理的特性と比較することと、画像特性が物理的特性から閾値だけそれている場合、信号を送信することとを含む、方法。
【0055】
条項2.物理的特性は、物理的寸法を備え、画像特性は、X線エネルギーの放射中のマーカの移動を示す、条項1に記載の方法。
【0056】
条項3.物理的寸法は、マーカ幅を備え、マーカ幅は、検出器における画素の幅より大きい、条項2に記載の方法。
【0057】
条項4.マーカは、X線エネルギーの放射中に乳房に接触している発泡体圧迫要素の表面上に配置されている、条項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【0058】
条項5.マーカは、乳房に付着している、条項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【0059】
条項6.マーカの移動は、X線エネルギーの放射中の乳房の一部分の移動から生じる、条項2から5のいずれか1項に記載の方法。
【0060】
条項7.乳房の一部分は、マーカに近接している、条項6に記載の方法。
【0061】
条項8.乳房およびマーカの画像を処理し、分析画像を生成することと、分析画像を表示することであって、マーカは、分析画像において眼に見えない、こととをさらに含む、条項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【0062】
条項9.物理的特性は、放射線不透過性を備え、画像特性は、X線エネルギーの放射中にマーカを通過するX線エネルギーの減衰に対応している、条項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【0063】
条項10.マーカは、マーカ幅を備え、マーカ幅は、検出器における画素の幅より大きい、条項2から9のいずれか1項に記載の方法。
【0064】
条項11.信号を送信することは、通知を表示することを含む、条項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【0065】
条項12.装置であって、装置は、X線源と、X線検出器と、撮像処置中、乳房を支持するための乳房支持台と、X線源とX線検出器との間に移動可能に配置された乳房圧迫パドルであって、乳房圧迫パドルは、剛体基材と、剛体基材に固定された発泡体圧迫要素と、発泡体圧迫要素と接触して配置されたマーカとを備えている、乳房圧迫パドルと、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、装置に、X線源から乳房およびマーカを介してX線エネルギーを放射することと、放射されたX線エネルギーを受け取ることと、受け取ったX線エネルギーから画像を生成することであって、画像は、乳房およびマーカを表す、ことと、画像を分析し、マーカの移動を識別することと、移動が閾値を超えている場合、信号を送信することとを含む動作を実行させる命令を記憶しているメモリとを備えている、装置。
【0066】
条項13.画像を分析することは、画像におけるマーカを識別することを含む、条項12に記載の装置。
【0067】
条項14.マーカは、物理的特性を備え、画像を分析することは、マーカの物理的特性を画像におけるマーカの撮像された特性と比較することを含む、条項13に記載の装置。
【0068】
条項15.物理的特性は、マーカの寸法を備えている、条項14に記載の装置。
【0069】
条項16.物理的特性は、マーカの放射線不透過性を備えている、条項14から15のいずれか1項に記載の装置。
【0070】
条項17.動作は、乳房およびマーカの画像を処理し、分析画像を生成することと、分析画像を表示することであって、マーカは、分析画像において眼に見えない、こととをさらに含む、条項12から16のいずれか1項に記載の装置。
【0071】
条項18.信号を送信することは、通知を表示することを含む、条項12から17のいずれか1項に記載の装置。
【0072】
条項19.マーカは、X線エネルギーの放射中に乳房に接触するように構成された発泡体圧迫要素の表面上に配置されている、条項12から18のいずれか1項に記載の装置。
【0073】
条項20.乳房圧迫パドルは、マーカを備えている、条項12から19のいずれか1項に記載の装置。
【0074】
条項21.マーカは、乳房に付着したシート上に配置されている、条項12から20のいずれか1項に記載の装置。
【0075】
条項22.マーカは、少なくとも1つの列に配置された複数のマーカを備えている、条項12から21のいずれか1項に記載の装置。
【0076】
条項23.少なくとも1つの列は、複数の列を備えている、条項22に記載の装置。
【0077】
条項24.列は、患者の胸壁に実質的に平行に配置されている、条項22から23のいずれか1項に記載の装置。
【0078】
条項25.列は、患者の胸壁に実質的に直交して配置されている、条項22から24のいずれか1項に記載の装置。
【0079】
条項26.複数の列のうちの第1の列は、複数の列のうちの第2の列に対して実質的に直交して配置されている、条項23から25のいずれか1項に記載の装置。
【0080】
本開示は、添付の図面を参照して本技術のいくつかの例を説明したが、可能な例の一部だけを示した。しかしながら、他の側面は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例は、本開示が徹底的かつ完全であり、可能な例の範囲が当業者に十分に伝わるように提供されたものである。
【0081】
本明細書に具体例が記載されているが、本技術の範囲は、これらの具体例に限定されない。当業者は、本技術の範囲内にある他の例または改良を認識するであろう。したがって、特定の構造、行為、またはメディアは、例示的な例としてのみ開示されている。本技術にかかる例はまた、本明細書に別段の記載がない限り、一般的に開示されているが明示的に組み合わせて例示されていない要素または構成要素を組み合わせることもできる。本技術の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって定義される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
図9
【国際調査報告】