(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電極アレイ、適合性基板、及び機械的ストレインリリーフを備えた埋め込み型刺激装置
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240820BHJP
A61N 1/05 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024510733
(86)(22)【出願日】2022-08-24
(85)【翻訳文提出日】2024-02-21
(86)【国際出願番号】 IB2022057941
(87)【国際公開番号】W WO2023026216
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521489159
【氏名又は名称】サルビア バイオエレクトロニクス ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】SALVIA BIOELECTRONICS B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 37,5656AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】マルテンス, フーベルト セシル フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ショッベン, ダニエル ウィレム エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ザルム, マルチェ
(72)【発明者】
【氏名】ボーレ, ステイン
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC10
4C053JJ02
4C053JJ13
4C053JJ27
(57)【要約】
埋め込み型刺激装置は、パルス発生器500を備えた第1の部分2010、2110、2210、2310と、電極アレイ200、400、1220を備えた適合性部分2020、2120、2320と、を備える、基板300、1400を有する。電気相互接続250、1210は、導電性エラストマー2260を含む電気インターフェースを備えたパルス発生器に提供される。封止層1300、1310、1320、2150、2250が提供され、第1の部分と適合性部分との会合部で、第1の部分からの適合性部分の分離に抵抗するように構成される。適合性部分は、0.5ミリメートル以下の厚さを有する。任意選択で、機械的締め具2140、2240、2340は、分離にさらに抵抗するために、第1の部分と適合性部分との会合部で提供される。封止材を提供することによって、導電性エラストマーは、製造または修理を簡素化するために使用され得る。ACFなどのACAエラストマーは、長手方向の力に対して高い分離抵抗を提供する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型刺激装置であって、
第1の表面及び第2の表面を備える基板(300、1400)であって、前記基板(300、1400)の厚さは、前記第1の表面及び前記第2の表面によって画定されており、
前記基板(300、1400)は、パルス発生器(500)が沿って位置する第1の部分(2010、2110、2210、2310)を備え、前記パルス発生器(500)は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成された、1つ以上の電気または電子部品を備える、前記基板(300、1400)と、
前記基板(300、1400)の適合性の第2の部分(2020、2120、2320)に沿って位置する少なくとも2つの電極を備える電極アレイ(200、400、1220)と、
前記パルス発生器(500)を前記電極アレイ(200、400、1220)の前記少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続(250、1210)であって、前記複数の電気相互接続(250、1210)は、前記基板(300、1400)の前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置決めされ、前記埋め込み型刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との間の1つ以上の電気インターフェースを備え、前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、前記複数の電気相互接続(250、1210)と、を備え、
前記埋め込み型刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)は、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間の1つ以上の電気インターフェースを電気的に接続するように構成及び配置された少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を備え、
前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)に沿った前記基板(300、1400)の厚さは、0.5ミリメートル以下であり、
前記埋め込み型刺激装置は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を少なくとも部分的に覆い、前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)をさらに備え、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との会合部で、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)の分離に抵抗するように構成されている、前記埋め込み型刺激装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320)によって提供される前記第1の部分(2110)からの前記適合性の第2の部分(2120)の分離抵抗の程度は、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320)の少なくとも1つの特性に起因するものであり、前記少なくとも1つの特性は、形状、広がり、厚さ、物理的特性、接着性、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を覆う、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)は、異方性導電性接着剤、異方性導電性膜、異方性導電性発泡体、異方性導電性ペースト、またはそれらの任意の組み合わせである、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項5】
前記基板(300、1400)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との前記会合部で、少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)をさらに備え、前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)の分離に抵抗するように構成されている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、少なくとも1つの突出部、少なくとも1つの突起、少なくとも1つの開口部、少なくとも1つの溝、少なくとも1つのピン、少なくとも1つのフック、少なくとも1つのリベット、またはそれらの任意の組み合わせを備える、請求項5に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、前記少なくとも1つの封止層から相当量の封止材を受容するように構成された1つ以上の開口部及び/または溝を備える、請求項5~6のいずれか1項に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、解放可能であるように構成されている、請求項5~7のいずれか1項に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項9】
前記埋め込み型刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)の少なくとも一部及び前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)の少なくとも一部に隣接する接着層(1500、1510、1520)を備える、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項10】
前記接着層(2020、2120、2320)は、前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)の少なくとも一部に隣接して蒸着によって適用される、請求項9に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項11】
前記接着層(2020、2120、2320)は、前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)の少なくとも一部に隣接して浸漬コーティングによって適用される、請求項9~10のいずれか1項に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項12】
前記基板(300、1400)は、2つ以上の隣接する基板層を備え、前記接着層は、基板層間にある、請求項9~11のいずれか1項に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項13】
前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項14】
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)に沿った前記刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)の厚さは、5ミリメートル以下、または4ミリメートル以下、または3ミリメートル以下である、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項15】
前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、ポリマーを含む、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項16】
前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む、請求項15に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項17】
前記複数の電気相互接続(250、1210)は、メタライゼーションを使用して前記基板(300、1400)の前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置決めされている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項18】
前記基板(300、1400)は、第1の適合層と、少なくとも1つの第2の適合層とを備え、前記複数の電気相互接続(250、1210)は、堆積技術を使用して前記第1の層に沿って位置決めされ、前記少なくとも1つの第2の層は、前記複数の電気相互接続(250、1210)を覆うように前記第1の層に固定されている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項19】
前記基板(300、1400)の前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)は、ポリマーを含む、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項20】
前記基板(300、1400)の前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)は、液晶ポリマー(LCP)を含む、請求項19に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項21】
前記基板(300、1400)の前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)は、前記LCPの1つ以上の層を備える、請求項20に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項22】
前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)に沿った前記基板(300、1400)の厚さは、0.3ミリメートル以下、または0.2ミリメートル以下、または0.1ミリメートル以下である、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項23】
前記パルス発生器(500)は、エネルギー受信器を備え、前記エネルギー受信器は、エネルギー送信機から無線でエネルギーを受け取るように構成されている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項24】
前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)は、硬質回路基板、硬質PCB、及び/または硬質セラミック基板を含む、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項25】
前記複数の電気相互接続(250、1210)は、前記基板(300、1400)上に電気メッキされている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項26】
前記複数の電気相互接続(250、1210)は、堆積によって前記基板(300、1400)に提供されている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項27】
前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)は、LCPである、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項28】
埋め込み型刺激装置を製造する方法であって、
基板(300、1400)を提供することであって、前記基板(300、1400)は、第1の表面及び第2の表面を備え、前記基板(300、1400)の厚さは、前記第1の表面及び前記第2の表面によって画定される、前記基板(300、1400)を提供することと、
前記基板(300、1400)の第1の部分(2010、2110、2210、2310)に沿ってパルス発生器(500)を提供することであって、前記パルス発生器(500)は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成された1つ以上の電気部品または電子部品を備える、前記パルス発生器(500)を提供することと、
前記基板(300、1400)の適合性の第2の部分(2020、2120、2320)に沿って少なくとも2つの電極を備える電極アレイ(200、400、1220)を位置させることと、
前記パルス発生器(500)を前記電極アレイ(200、400、1220)の前記少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続(250、1210)を前記基板(300、1400)上に堆積または電気メッキすることと、
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との間に1つ以上の電気インターフェースを提供することであって、前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、前記1つ以上の電気インターフェースを提供することと、
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との間に1つ以上の電気インターフェースを提供することであって、前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、前記1つ以上の電気インターフェースを提供することと、
前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間の1つ以上の電気インターフェースを電気的に接続するために、少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を提供することであって、
前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)に沿った前記基板(300、1400)の厚さは、0.5ミリメートル以下である、前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を提供することと、
前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を少なくとも部分的に覆い、前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)を提供することであって、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との会合部で、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)の分離に抵抗するように構成されている、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)を提供することと、を含む、前記方法。
【請求項29】
前記第1の部分(2110)から前記適合性の第2の部分(2120)の分離抵抗の程度を提供するために、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320)の少なくとも1つの特性を設定することをさらに含み、前記少なくとも1つの特性は、形状、広がり、厚さ、物理的特性、接着性、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を覆うように提供されている、請求項28~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)との前記会合部で少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)を提供することをさらに含み、前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)の分離に抵抗するように構成されている、請求項28~30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、解放可能であるように構成されている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)の少なくとも一部及び前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)の少なくとも一部に隣接する接着層(2020、2120、2320)を適用することをさらに含む、請求項28~32のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月4日に米国特許商標局に出願された米国特許出願第16/703,706号の一部継続出願である、2020年10月4日に米国特許商標局に出願された米国特許出願第17/063,568号の一部継続出願である、2020年12月15日に米国特許商標局に出願された米国特許出願第17/123,008号の一部継続出願である、2021年8月25日に米国特許商標局に出願された米国特許出願第17/412,191号の利益を主張する。
【0002】
著作権表示
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる内容を含む。著作権の所有者は、特許商標庁の特許出願書または記録に表示される場合、特許文書または特許開示の完全な複写にも異存はないが、それ以外の場合すべての著作権を保有する。
【0003】
本開示は、基板の適合性部分に沿って位置する電極アレイを有する、ヒトまたは動物組織に電気刺激を提供するための埋め込み型刺激装置に関し、具体的には、本開示は、基板の一部分を少なくとも部分的に覆う封止層を有する埋め込み型刺激装置に関する。本開示はまた、埋め込み型刺激装置を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
埋め込み型電気刺激システムは、頭痛、腰痛、及び失禁などの様々な症状または状態を治療するために、患者に電気刺激療法を提供するために使用され得る。
【0005】
多くの電気刺激用途では、通常、治療用リード(リードは、電極及び電気接続を備える)を備える刺激装置は、体内の1つ以上の正確な位置に電気刺激を提供することが望ましく、多くの場合、埋め込み中に刺激電極を正確に位置合わせすることは、組織及び解剖学的構造の曲率のために困難であり得る。リードの電極部分の曲率の不一致は、1つ以上の電極と下にある組織との間に、予期しない及び/または予測不可能な電気抵抗を生み出し得る。加えて、身体の関連する領域の繰り返しの動きは、ミスマッチを悪化させることさえあり得る。皮下埋め込みでの特有の問題は、埋め込み物と周囲の組織との間の可撓性のわずかな違いでさえ、患者の快適性に影響を及ぼし、上にある皮膚の炎症を引き起こす可能性があることである。これは、皮下埋め込みに特有の問題である。
【0006】
具体的には、頭蓋顔面領域における神経刺激リードの使用は、皮膚侵食及びリード移動に関連付けられる。最先端のリードの円筒形状及び関連する厚さは、リードが皮膚を浸食するか、リードが変位して、電極が標的神経を覆うことがなくなる結果となる。
【0007】
より最近では、例えば、米国出願第US2016/0166828号に記載されるように、固有の可撓性を有する、または湾曲した形状で作製され得る、プラスチック及びポリマーが使用されている。そのようなリードは、湾曲した形状で製造され得、または埋め込み中にヒトの手動操作によって変形され得るが、これは、不便である。ヒト及び動物に見られる高度な解剖学的多様性は、製造業者が広範囲または事前に湾曲したリードのいずれかを提供するか、またはリードを測定することを可能にする必要があることを意味する。それらが埋め込み中に変形可能である場合、これは、埋め込みプロセスをさらに複雑にする。
【0008】
埋め込み型能動デバイスは、ヒトまたは動物の体内に存在する体液から埋め込み型電子機器を保護するための保護方法を必要とする。体液には、通常、電流の存在下で腐食などの電気化学反応を引き起こす可能性のあるイオンが含まれる。したがって、封止は、医療デバイスの設計にとって重要なコンポーネントであり、これは、これらのイオン流体と重要な電子/電気インターフェースとの間のバリアとして機能し、埋め込み型電子機器の劣化を低減及び/または防止する。
【0009】
ポリイミドは、電子機器の微細加工の基板材料として使用することが一般的であり、ポリジメチルシロキサンゴム(PDMS)などのシリコーンゴム封止材でポリイミドを封止する試みがなされている。“Irreversible bonding of polyimide and polydimethylsiloxane(PDMS) based on a thiol-epoxy click reaction”,Hoang,Chung and Elias,Journal of Micromechanics and Microengineering,10.1088/0960-1317/26/10/105019に記載されているように、これらの2つの可撓性材料を結合することは、依然として重要な課題であり、流体の侵入に対する抵抗は、基板からある程度封止材が層間剥離することによって低減され得る。結合の程度は、クリック反応におけるチオールエポキシ結合の形成のために、それぞれメルカプトシラン及びエポキシシランでPDMS及びポリイミド基板の表面を官能化することによって増加した。それはまた、一方または両方の表面をメルカプトシランで官能化し、2つの表面の間にエポキシ接着剤層を導入することによって増加した。
【0010】
PDMSは、実質的に生体適合性があることができ、比較的長期間の生体安定性を持ちながら組織反応を最小限に抑えることができるが、それは依然として、埋め込み型電子機器の劣化を引き起こす可能性のある水分に対する比較的高い透過性を有する。より低い透湿性を有する他の多くの封止材は、より低い生体適合性を有し得る。最近、LCP(液晶ポリマー)は、電子機器の基板としての使用が考慮されており、LCPと封止材との間の結合技術を改善する必要もある。
【発明の概要】
【0011】
以下の発明の概要及び発明を実施するための形態の両方とも、例示的かつ説明的であり、特許請求される本発明のさらなる説明の提供を意図していると理解すべきである。発明の概要も、発明の概要に続く説明も、本発明の範囲を、発明の概要または説明に言及される特定の特徴に定義または限定することを意図していない。むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲により定義される。
【0012】
特定の実施形態では、開示される実施形態は、本明細書に記載される特徴の1つ以上を含む場合がある。
【0013】
埋め込み型刺激装置であって、第1の表面及び第2の表面を備える基板であって、基板の厚さは、第1の表面及び第2の表面によって画定されており、基板は、パルス発生器が沿って位置する第1の部分を備え、パルス発生器は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成された、1つ以上の電気または電子部品を備える、基板と、基板の適合性の第2の部分に沿って位置する少なくとも2つの電極を備える電極アレイと、パルス発生器を電極アレイの少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続であって、基板の第1の表面と第2の表面との間に位置決めされている複数の電気相互接続とを備え、埋め込み型刺激装置は、第1の部分と適合性の第2の部分との間の1つ以上の電気インターフェースを備え、1つ以上の電気インターフェースは、複数の電気相互接続とパルス発生器との間にあり、埋め込み型刺激装置は、複数の電気相互接続とパルス発生器との間の1つ以上の電気インターフェースを電気的に接続するように構成及び配置された少なくとも1つの導電性エラストマーを備え、適合性の第2の部分に沿った基板の厚さは、0.5ミリメートル以下であり、埋め込み型刺激装置は、基板の第1の部分を少なくとも部分的に覆い、適合性の第2の部分を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの封止層をさらに備え、少なくとも1つの封止層は、第1の部分と適合性の第2の部分との会合部で、第1の部分からの適合性の第2の部分の分離に抵抗するように構成されている、埋め込み型刺激装置が提供される。
【0014】
本明細書に記載の製品及び方法は、高度な適合性ならびに高度な構成可能性を提供する。より高度な適合性は、ユーザーに対する快適性を高め得る。任意選択で、適合性部分の厚さは、0.3ミリメートル以下、または0.2ミリメートル以下、または0.1ミリメートル以下である。
【0015】
少なくとも1つの封止層を提供することによって、製造及び/または修理を簡素化し得る導電性エラストマーが使用され得る。任意選択で、第1の部分からの適合性の第2の部分の分離抵抗の程度は、少なくとも1つの封止層によって、少なくとも1つの封止層の少なくとも1つの特性に起因して、提供され得、少なくとも1つの特性は、形状、広がり、厚さ、物理的特性、接着性、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0016】
任意選択で、少なくとも1つの導電性エラストマーは、異方性導電性接着剤、異方性導電性膜、異方性導電性発泡体、異方性導電性ペースト、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ACFポリマーなどのACAエラストマーは、長手方向の力に対して高度の分離抵抗を提供し得る。
【0017】
任意選択で、少なくとも1つの封止層は、基板(300、1400)の第1の部分を覆い得る。
【0018】
任意選択で、基板の第1の部分及びパルス発生器は、1つ以上の可撓性生体適合性封止層に少なくとも部分的に植設され得る。改善された封止は、埋め込み型基板の信頼性及び/または寿命を改善し得る。
【0019】
さらにまたは代わりに、基板は、第1の部分と適合性の第2の部分との会合部で、少なくとも1つの機械的締め具をさらに備え、少なくとも1つの機械的締め具は、第1の部分からの適合性の第2の部分の分離に抵抗するように構成されている。
【0020】
少なくとも1つの機械的締め具を提供することによって、水分侵入のリスクが低減され得、及び/または適合性の第2の部分から第1の部分に通過する1つ以上の相互接続への損傷のリスクもまた、低減され得る。
【0021】
任意選択で、少なくとも1つの機械的締め具は、少なくとも1つの封止層から相当量の封止材を受容するように構成された1つ以上の開口部及び/または溝を備え得る。任意選択で、少なくとも1つの機械的締め具は、解放可能であるように構成されている。
【0022】
さらにまたは代わりに、埋め込み型刺激装置は、基板の第1の部分の少なくとも一部及び適合性の第2の部分の少なくとも一部に隣接する接着層をさらに備える。任意選択で、基板は、2つ以上の隣接する基板層を備え、接着層は、基板層間にある。
【0023】
1つ以上の接着層は、封止の性能を改善し得る。これはまた、埋め込み型基板の信頼性及び/または寿命を改善し得る。多層基板を提供することによって、より薄い適合性部分が提供され得、可撓性を追加し、したがって適合性を改善する。
【0024】
さらにまたは代わりに、第1の部分に沿った刺激装置の厚さは、5ミリメートル以下、または4ミリメートル以下、または3ミリメートル以下である。これは、基板の第1の部分の適合性をさらに改善し得る。
【0025】
さらにまたは代わりに、複数の電気相互接続は、メタライゼーションを使用して基板の第1の表面と第2の表面との間に位置決めされる。さらにまたは代わりに、複数の電気相互接続は、1つ以上の導電性相互接続層に備えられ、1つ以上の導電性相互接続層は、2つの隣接するポリマー基板層間に備えられる。
【0026】
より容易にパターン化可能な基板を提供することによって、より複雑な電極アレイ構成は、支持され得、横方向及び/または長手方向のずれに対処するためのより高い可撓性を可能にする。
【0027】
埋め込み型刺激装置を製造する方法であって、基板を提供することであって、基板は、第1の表面及び第2の表面を備え、基板の厚さは、第1の表面及び第2の表面によって画定される、基板を提供することと、パルス発生器を提供することであって、パルス発生器は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成されている、パルス発生器を提供することと、基板の適合性部分に沿って少なくとも2つの電極を備える電極アレイを位置させることと、パルス発生器を電極アレイの少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続を基板上に堆積または電気メッキすることと、第1の部分と適合性の第2の部分との間に1つ以上の電気インターフェースを提供することであって、1つ以上の電気インターフェースは、複数の電気相互接続とパルス発生器との間にある、1つ以上の電気インターフェースを提供することと、第1の部分と適合性の第2の部分との間に1つ以上の電気インターフェースを提供することであって、1つ以上の電気インターフェースは、複数の電気相互接続とパルス発生器との間にある、1つ以上の電気インターフェースを提供することと、複数の電気相互接続とパルス発生器との間の1つ以上の電気インターフェースを電気的に接続するために、少なくとも1つの導電性エラストマーを提供することであって、適合性部分に沿った基板の厚さは、0.5ミリメートル以下である、少なくとも1つの導電性エラストマーを提供することと、基板の第1の部分を少なくとも部分的に覆い、適合性の第2の部分を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの封止層を提供することであって、少なくとも1つの封止層は、第1の部分と適合性の第2の部分との会合部で、第1の部分からの適合性の第2の部分の分離に抵抗するように構成されている、少なくとも1つの封止層を提供することと、を含む、方法が提供される。
【0028】
本明細書に記載されるそのような製品及び関連する方法は、可撓性基板を備える埋め込み型デバイスにおける流体の侵入に対する耐性を改善するための改善された結合を提供する。封止/接着層は、多くのタイプの基板の表面を保護するように最適化され得る。基板が実質的に可撓性であるように構成及び配置される場合、基板は、高度な適合性を有し得る。封止/接着層の高接着度は、可撓性封止層が可撓性基板の1つ以上の表面に高度の侵入保護を提供することを可能にする。
【0029】
基板表面の1つ以上の領域は、封止/接着層によって保護され得る。各封止/接着層は、別々にまたは一緒に所定の程度まで最適化され得る。
【0030】
任意選択で、基板の適合性部分は、液晶ポリマー(LCP)を含む。
【0031】
さらにまたは代わりに、基板は、それに沿ってパルス発生器が位置するさらなる部分を備え、封止層は、基板のさらなる部分を少なくとも部分的に覆う。
【0032】
任意選択で、封止層は、ポリマー及び/またはポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む。
【0033】
PDMSを含む封止材と適合接着層を有する二重層を提供することによって、接着層は、イオン媒体において顕著に高い安定性を示すように見え、それによって、任意の層間剥離または封止材を通る水の浸透における比較的長い保護を提供する。PDMSは、接着層における任意の欠陥及び隙間の間を流れることにより、より長持ちする接着及び欠陥低減にさらに寄与し得、具体的には、比較的低い粘度を有するPDMSは、さらに高度の欠陥低減を提供し得る。
【0034】
以下を備える、埋め込み型刺激装置を製造する方法が提供される。
【0035】
任意選択で、接着層は、原子層堆積(ALD)を使用して適用される。さらにまたは代わりに、パルス発生器は、基板のさらなる部分に沿って提供され、接着層及び封止層は、基板のさらなる部分を少なくとも部分的に覆うように適用される。
【0036】
追加の実施形態では、埋め込み型刺激装置は、第1の表面及び第2の表面を備える基板であって、基板の厚さは、第1の表面及び第2の表面によって画定される、基板と、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成されているパルス発生器と、基板の適合性部分に沿って位置する少なくとも2つの電極と、パルス発生器を少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続と、少なくとも部分的に基板を覆う封止層と、少なくとも1つの位置における封止層と基板との間の接着層と、を備え、適合性部分に沿った基板の厚さは、0.5ミリメートル以下である。いくつかの実施形態では、適合性部分に沿った基板の厚さは、0.3ミリメートル以下であり得る。
【0037】
本明細書で上述した埋め込み型刺激剤のいずれかでは、封止層は、基板の適合性部分の少なくとも一部を覆い得、接着層は、封止層と基板の適合性部分の少なくとも一部との間にあり得る。基板の適合性部分はまた、LCPの1つ以上の層を備え得る。基板は、さらに、それに沿ってパルス発生器が位置するさらなる部分を備え、封止層は、基板のさらなる部分を少なくとも部分的に覆う。いくつかの実施形態では、基板のさらなる部分はまた、適合性であり、さらなる部分は、LCPであり得る。さらに、さらなる部分に沿った刺激装置の厚さは、5ミリメートル以下であり得る。さらなる部分に沿った刺激装置の厚さはまた、4ミリメートル以下であり得る。
【0038】
埋め込み型刺激装置の少なくとも1つの実施形態では、基板の適合性部分は、2500~3600MPaの範囲のヤング率を有する。さらに、封止層は、6~8MPaの範囲の引張強度を有し得る。
【0039】
本明細書で上述した埋め込み型刺激剤のいずれかは、他の接着層をさらに備え得、基板は、2つ以上の基板層を備え、他の接着層は、基板層間にある。
【0040】
少なくとも1つの実施形態では、封止層は、第2の表面ではなく、基板の第1の表面を覆い、基板の第2の表面を覆う第2の封止層をさらに備える。
【0041】
さらなる実施形態では、接着層は、生体適合性である。接着層はまた、基板の第1の表面及び/または第2の表面に適合し得る。接着層及び封止層の両方はまた、基板上への流体の侵入に抵抗するように構成され得る。封止層は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含み得る。
【0042】
追加の実施形態では、基板の適合性部分は、液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド、パリレン-C、SU-8、ポリウレタン、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される物質を含み得る。
【0043】
少なくとも一実施形態での埋め込み型刺激装置は、第1の適合層と、少なくとも1つの第2の適合層とを備える基板を有し、複数の電気相互接続は、堆積技術を使用して第1の層に沿って位置決めされ、少なくとも1つの第2の層は、複数の電気相互接続を覆うように第1の層に固定される。
【0044】
少なくともさらなる実施形態では、埋め込み型刺激装置は、基板であって、上面と底面とを含む、基板と、基板の第1の部分に沿って位置するパルス発生器であって、少なくとも1つの刺激パルスを発生するように構成されている、パルス発生器と、基板の第2の適合性部分に沿って位置する少なくとも2つの電極と、パルス発生器と少なくとも2つの電極とを電気的に結合する複数の電気相互接続であって、基板の上面と底面との間に位置決めされている、複数の電気相互接続と、基板の第1の部分の少なくとも一部を覆う封止層と、少なくとも1つの位置における封止層と基板との間の接着層と、を備え、第2の部分における基板の最大厚さは、0.5ミリメートル以下である。
【0045】
さらに、本明細書に開示されるのは、埋め込み型刺激装置を製造する方法であって、本方法は、基板を提供することであって、基板は、第1の表面と、第2の表面とを備え、基板の厚さは、第1の表面及び第2の表面によって画定される、基板を提供することと、パルス発生器を提供することであって、パルス発生器は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成されている、パルス発生器を提供することと、基板の適合性部分に沿って少なくとも2つの電極を位置させることと、パルス発生器を少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続を基板に堆積または電気メッキすることと、基板を少なくとも部分的に覆う接着層を適用することと、接着層の上に封止層を適用することとを含み、適合性部分に沿った基板の厚さは、0.5ミリメートル以下である。
【0046】
本方法のいくつかの実施形態では、接着層は、原子層堆積(ALD)を使用して適用される。さらなる実施形態では、パルス発生器は、基板のさらなる部分に沿って提供され、接着層及び封止層は、基板のさらなる部分を少なくとも部分的に覆うように適用される。
【0047】
動作の編成及び方法を示す特定の例示的な実施形態は、目的及び利点とともに、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付図面と併せて解釈される、以下に続く発明を実施するための形態を参照することによって最もよく理解され得る。
【0048】
本明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、例示的な実施形態を示しており、説明とともに、関連技術の当業者がこれらの実施形態、及び当業者に明らかになる他の実施形態を作成及び使用することを可能にするためにさらに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第1の実装形態の横断面図である。
【
図1B】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第1の実装形態の上面図である。
【
図1C】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第1の実装形態の底面図である。
【
図2A】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第2の実装形態の横断面図である。
【
図2B】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第2の実装形態の上面図である。
【
図2C】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第2の実装形態の底面図である。
【
図3A】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第3の実装形態の横断面図である。
【
図3B】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第3の実装形態の上面図である。
【
図3C】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の第3の実装形態の底面図である。
【
図4A】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の代替電極構成の第1の図である。
【
図4B】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の代替電極構成の第2の図である。
【
図4C】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型30刺激装置の代替電極構成の第3の図である。
【
図5】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の動作を通じて治療され得る、ヒト頭部の前部における神経の位置を提示する。
【
図6】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の動作を通じて治療され得る、人体の後部における神経の位置を提示する。
【
図7】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置の動作を通じて治療され得る、人体における神経の位置を提示する。
【
図8】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置のさらなる実装形態の横断面図である。
【
図9】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置のさらなる実装形態の横断面図である。
【
図10A】本発明の特定の実施形態と一致する、機械的締め具の実装形態の底面図である。
【
図10B】本発明の特定の実施形態と一致する、機械的締め具の実装形態の底面図である。
【
図10C】本発明の特定の実施形態と一致する、機械的締め具の実装形態の底面図である。
【
図10D】本発明の特定の実施形態と一致する、機械的締め具の実装形態の底面図である。
【
図10E】本発明の特定の実施形態と一致する、機械的締め具の実装形態の底面図である。
【
図10F】本発明の特定の実施形態と一致する、機械的締め具の実装形態の底面図である。
【
図11A】改善された埋め込み型電気デバイスの断面図を示す。
【
図11B】改善された埋め込み型電気デバイスの断面図を示す。
【
図11C】改善された埋め込み型電気デバイスの断面図を示す。
【
図12A】改善された埋め込み型電気デバイスと、1つ以上の電極とを含む、改善された埋め込み型医療デバイスの断面を示す。
【
図12B】改善された埋め込み型電気デバイスと、1つ以上の電極とを含む、改善された埋め込み型医療デバイスの断面を示す。
【
図13A】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置のさらなる実装形態の底面図である。
【
図13B】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置のさらなる実装形態の横断面図である。
【
図14A】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置のさらなる実装形態の横断面図である。
【
図14B】本発明の特定の実施形態と一致する、埋め込み型刺激装置のさらなる実装形態の底面図である。
【
図15】異なるプロセスを使用して、PDMSでコーティングされたLCPの、乾燥及び浸漬後の平均引張力を比較する測定結果を提示する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、多くの異なる形態における実施形態が可能であるが、特定の実施形態を図面に示し、本明細書で詳細に記載し、そのような実施形態の本開示は、原理の実施例と見なされ、本発明を、示され記載された特定の実施形態に限定することを意図しないことが理解される。説明された実施形態、及びその詳細な構造及び要素は、本発明の包括的な理解を助けるために提供されるにすぎない。本発明の範囲は、添付の「特許請求の範囲」によって最もよく定義される。以下の記載では、同様の参照番号は、図面のいくつかの図において、または異なる図面においてであっても、同じ、類似の、または対応する部品を記載するために使用される。
【0051】
したがって、本発明は様々な方法で実施することができ、本明細書に説明される特定の特徴のいずれも必要としないことは明らかである。また、周知の機能または構造は、不必要な詳細で本発明を曖昧にするであろうため、詳細に説明されない。特に断りのない限り、図面/図中のあらゆる信号矢印は、制限としてではなく、例示としてのみ考慮されるべきである。
【0052】
また、第1の、第2のなどの用語は、様々な要素を記載するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためだけに使用される。例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、例えば、第1の要素は第2の用語と称される場合もあるであろうし、同様に第2の要素が第1の要素と称される場合もあるであろう。本明細書で使用される場合、用語「及び/または」は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及びすべての組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、「A、B、及びCの少なくとも1つ」は、AまたはBまたはCまたはそれらの任意の組み合わせを示す。本明細書で使用する場合、文脈が明確に指示しない限り、単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「a」または「an」は、1つ以上として定義される。本明細書で使用される場合、「複数の(plurality)」という用語は、2つ以上として定義される。本明細書で使用される場合、「別の(another)」という用語は、少なくとも第2以上として定義される。本明細書で使用される場合、「含む(including)」及び/または「有する(having)」という用語は、備える(すなわち、オープンな言語)として定義される。本明細書で使用される場合、「結合された(coupled)」という用語は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではないが、接続されたとして定義される。
【0054】
また、いくつかの代替実装形態では、示される機能/行為は、図中に示される順序とは違う順序で発生する場合があることに留意されたい。例えば、連続して示される2つの図は、実際には実質的に同時に実行される場合もあれば、関与する機能/行為に応じて、逆の順序で実行される場合もある。
【0055】
本明細書で使用される場合、範囲は、範囲内のあらゆる値を列挙及び記述する必要を回避するように、本明細書では簡略に使用される。範囲内の任意の適切な値は、必要に応じて、範囲の上限値、下限値、または終端として選択できる。
【0056】
用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。同様に、用語「含む(include)」、「含む(including)」、及び「または」はすべて、文脈上そのような解釈が明確に禁止されていない限り包括的であると解釈されるべきである。用語「含む(comprising)」または「含む(including)」は、用語「基本的にからなる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」によって包含される実施形態を含むことが意図される。同様に、用語「基本的にからなる」は、用語「からなる」によって包含される実施形態を含むことが意図される。はっきりと区別できる意味を有するが、用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、及び「からなる(consisting of)」は、本発明の記載全体を通じて相互に置き換えられ得る。
【0057】
「約」は、参照される数値表示にその参照される数値表示のプラスまたはマイナス10%を意味する。例えば、用語「約4」は、3.6~4.4の範囲を含むであろう。本明細書で使用される成分、反応条件などの数量を表すすべての数は、すべての例で用語「約」によって修正されているとして理解されるべきである。したがって、反対に示されない限り、本明細書に説明される数値パラメータは、取得が求められている所望の特性に応じて変わる可能性がある近似値である。少なくとも、均等論のあらゆる請求項の範囲に対する適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは少なくとも、有効桁数及び通常の丸め技術を考慮して解釈されるべきである。
【0058】
語句「例えば」、「など」、「含む」などが本明細書で使用される場合、明示的に別段の指示のない限り、語句「及び限定することなく」が後に続くと理解される。
【0059】
「通常」または「任意選択で」は、後続に記載される事象または状況が起こる場合もあれば、起こらない場合があることと、記載が、この事象または状況が起こる場合及びそれが起こらない場合を含むこととを意味する。
【0060】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「実施形態」、または同様の用語への言及は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、そのような語句の出現または種々の場所における出現は、必ずしも、すべて、同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、当業者により、限定することなく、1つ以上の実施形態におおいて、任意の適切な方式で組み合わされ得る。
【0061】
以下の詳細な記載では、本開示を理解するのを助けるために、多数の非限定的な特定の詳細が与えられる。
【0062】
図1A、
図1B及び
図1Cは、以下を備える埋め込み型刺激装置の第1の実施形態100の長手方向断面を示す。
-少なくとも1つの電気治療刺激パルスを発生させるためのパルス発生器500(
図1B及び1Cにのみ示されている)、及び
-パルス発生器500から基板300の遠位端まで延びる長手方向軸600を有する箔状の基板300の適合性部分。基板300は、1つ以上の隣接するポリマー基板層を備え、第1の平面(外側)表面310及び第2の平面(外側)表面320を有する。
【0063】
埋め込み型刺激装置100はまた、以下を含む。
-第1のタイプの少なくとも1つの電極200a、200bと、第2のタイプの少なくとも1つの電極400a、400bとを有する、遠位端に近接する電極アレイ200、400。電極200、400は、第1の表面310または第2の表面320に含まれ、各々が、使用中に、ヒトもしくは動物の組織へ(刺激電極として)、及び/またはヒトもしくは動物の組織から(戻り電極として)、治療エネルギーを伝達するために構成可能である。これに関連して、アレイは、2つ以上の電極200a、200b、400a、400bの体系的な配置と見なされ得る。1D、2D、または3Dアレイが提供されてもよい。任意選択で、1D、2D、または3Dアレイは行及び/または列で配置され得る。
【0064】
埋め込み型刺激装置100は、さらに以下を含む。
-結合された第1の電極200a、200b及び/または第2の電極400a、400bへの1つ以上の電気治療刺激パルスとして電気エネルギーを伝達するための、パルス発生器500と、第1の電極200a、200b及び第2の電極400a、400bとの間の1つ以上の電気相互接続250。1つ以上の電気相互接続250は、第1の表面310と第2の表面320との間に含まれる(または位置決めされる)。複数の電気相互接続250は、2つ、または2つより多い電気相互接続250であると見なされる。
【0065】
本開示では、電極アレイ200、400の適合性は、以下のうちの1つ以上によって高度に決定される。
-電極200、300に近接する基板300の一部分の適合性、
-電極200、400の配置及び位置、
-電極200、400に含まれる材料及び材料の寸法(または広がり)、
-電極200、400に近接した1つ以上の相互接続250の配置及び位置、ならびに
-相互接続200、400に含まれる材料及び材料の寸法(または広がり)。
【0066】
適切な構成、配置、及び最適化によって、箔状(または膜状)であり、高度に適合性のある埋め込み型電極アレイ200、400が提供され得る。
【0067】
示されるように、箔状の基板300の適合性部分は、好ましくは、長手方向軸600に沿って細長く、テープ状の形状を有し、パルス発生器500が電極200、400の位置からさらに離れて配置される(または位置する)ことを可能にする。
【0068】
基板300が実質的に平面である場合(非限定的な例では、基板300が平面に適合することを可能にすることによって)、第1の表面310及び第2の表面320は、実質的に平行な横断面600、700に沿って配置される。
図1Aに示されるように、第1の表面310は、長手方向軸600及び第1の横軸700を含む平面内にあり、第1の横軸700は、長手方向軸600に実質的に垂直である。
図1Aに示されるように、第1の表面310の平面は、断面図の平面に実質的に垂直(紙面に実質的に垂直)である。
【0069】
箔状の基板300の適合性部分は、第1の電極200a、200b及び第2の電極に400a、400bに近接して、0.5ミリメートル以下の最大厚さを有し、厚さは、第1の表面310及び第2の表面320によって画定され、それは、第1の平面状表面310及び第2の平面状表面320上の対応する点間の垂直距離によって決定され得る。これは、好ましくは、基板300が平面に適合するときに決定される。
【0070】
箔状の基板300は、第2の横軸750に沿った厚さまたは広がりを有し、この第2の横軸750は、長手方向軸600及び第1の横軸700の両方に実質的に垂直であり、図示されるように、それは(紙の表面に沿って)図面の平面にある。第1の表面310は上面として示され、第2の表面320は下面として示される。
【0071】
したがって、厚さは、第1の平面状表面310及び第2の平面状表面320上の対応する点間の第2の横軸750に沿った垂直距離によって決定され得る。第1の電極200a、200b及び第2の電極400a、400bに近接する箔状の基板300の適合性部分の最大厚さは、0.5mm以下、好ましくは0.3ミリメートル以下、さらにより好ましくは0.2ミリメートル以下、さらにより好ましくは0.1ミリメートル以下である。
【0072】
一般に、最大厚さが少ないほど(言い換えれば、基板が薄いほど)、適合の程度は高くなる。しかしながら、機械的強度を改善するために、最大厚さを高くすることが好ましい場合がある。
【0073】
示されている異なる図の違いを明確にするために、軸は名目上の方向を与えられる。
-長手方向軸600は、左側の近位端(
図1Aには示されていないが、
図1B及び1Cに示されている)から、ページの右側に示されている遠位端まで延びる。
-第1の横軸700は、示されるように、ページの中に延びる。
-第2の横軸750は、示されるように、下から上に延びる。
【0074】
箔状の基板300の適合性部分は、多層として構成及び配置され得、それは、互いに固定され、第1の平面状表面310及び第2の320平面状表面を有する2つ以上の隣接するポリマー基板層を含む。1つ以上の電気相互接続250はまた、第1の平面状表面310と第2の平面状表面320との間に含まれる(または位置決めされる)。しかしながら、2つ以上のポリマー層及び/または相互接続が、第1の横軸700に沿って同様の広がりを有することは必要ではない。言い換えれば、本開示の文脈では、ポリマー基板が実質的に連続している領域に隣接する、ポリマー基板の領域(長手方向断面内の多層として表示される)間に相互接続250が挟まれる領域がある場合がある。同様に、基板が2つの隣接する基板層を含む領域に隣接する、2つのポリマー基板層(長手方向断面内の多層として表示される)間に相互接続250が挟まれる領域がある場合がある。同様に、2つ以上のポリマー基板層を含む基板は、それがポリマー基板の1つの層であるように見えるように、(物理的に及び/または化学的に)修正され得る。
【0075】
これらのポリマー基板層は、適合し、1つ以上の電気相互接続250を含むように、適合性のために選択される。好ましくは、ポリマー基板材料はまた、シリコーンゴム、シロキサンポリマー、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリエーテルウレタン尿素、ポリエステルウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニルを含む群から選択される材料など、生体適合性があり、耐久性がある。LCP(液晶ポリマー)膜を含む好適なポリマー材料は、“Polymers for Neural Implants”,Hassler,Boretius,Stieglitz,Journal of Polymer Science: Part B Polymer Physics,2011,49,18-33(DOI 10.1002/polb.22169)に記載されており、具体的には、表1は、参照として本明細書に含まれ、ポリイミド(UBE U-Varnish-S)、パリレンC(PCSパリレンC)、PDMS(NuSil MED-1000)、SU-8(MicroChem SU-8 2000 & 3000シリーズ)、及びLCP(Vectra MT1300)の特性を示す。
【0076】
適合性の箔状の基板300は、可撓性であることによって、下にある解剖学的構造の特徴の輪郭に非常に厳密に沿うように構成される。非常に薄い箔状の基板300は、可撓性が高まったという追加の利点を有する。
【0077】
最も好ましくは、ポリマー基板層は、LCP、パリレン、及び/またはポリイミドを含む。LCPは、小型で低い水分浸透を有する密閉センサモジュールを可能にする化学的及び生物学的に安定した熱可塑性ポリマーである。
【0078】
有利なことに、LCPは熱成形し得、複雑な形状を提供することを可能にする。LCPの非常に薄く(後に非常に適合性のある)、非常に平坦な(きわめて平面的な)層が提供され得る。形状の微調整のため、適切なレーザーも切断に使用され得る。
【0079】
非限定的な実施例では、LCPの適合性箔状基板300は、50ミクロン(um)~720ミクロン(um)、好ましくは100ミクロン(um)~300ミクロン(um)の範囲における厚さ(第2の横軸750に沿った広がり)を有し得る。例示的な実施形態では、150um(ミクロン)、100um、50um、または25umの値が提供され得る。
【0080】
実質的に平面の表面に適合するとき、箔状の表面300は、長手方向軸600に実質的に垂直な横方向の広がりを有する平面に実質的に含まれ、平面幅は、横方向の広がりに沿った平面状箔状基板300の外面エッジ上の対応する点間の垂直距離によって決定され得る。示されるように、これは、第1の横軸700に沿っている。実施形態では、LCPを使用して、2mm~20mmの電極200、400の幅が提供され得る。
【0081】
室温で、LCP薄膜は、鋼に類似した機械的特性を有する。埋め込み型基板300は、埋め込まれるのに十分に強く、除去される(外植される)のに十分に強く、劣化することなく隣接する解剖学的特徴及び/または構造の任意の動きに追従するのに十分に強い必要があるので、これは、重要である。
【0082】
LCPは、ガス及び水に対する透過性が最も低いポリマー材料に属する。LCPは、それら自体に接合することができ、均質な構造を有する多層構造物を可能にする。
【0083】
LCPとは対照的に、ポリイミドは、電極アレイを備えた多層部分の構築のために接着剤を必要とする、熱硬化性ポリマーである。ポリイミドは、高温及び曲げ耐久性を備えた熱硬化性ポリマー材料である。
【0084】
実施形態では、LCPは、多層、言い換えれば、2つ以上の隣接するポリマー基板層として適合性基板300を提供するために使用され得る。非限定的な例では、これらは、25um(ミクロン)の厚さの層であり得る。
【0085】
実施形態では、1つ以上の電気相互接続250は、メタライゼーションによって第1の表面310と第2の表面320との間に提供(または位置決め)され得る。これらは、単一のポリマー層を有し、半導体産業から既知の適切な堆積技術を使用して導電材料を適用することなどによって、基板300に植設された導体であり得る。
【0086】
実施形態では、2つ以上の隣接するポリマー基板層が提供される場合、相互接続層は、半導体産業からのものなど、適切な技術を使用して提供され得る。ポリマー基板層はまた、多くの接着層の1つがそれらの間に使用されるとき、隣接していると見なされ得る。好適な接着材料及び接着層の実施例は、
図11~
図12に関連して以下に記載される。
【0087】
実施形態では、積層はまた、所望の物理的及び化学的特性を備えた基板300を提供するために、及び/または便利な製造方法を提供するために、使用され得る。非限定的な実施例では、基板300は、3つの積層ポリマー層、すなわち、2つの高温熱可塑性層とそれらの間の低温層(結合プライ)とを備え得、高温層は第1の表面310及び第2の表面320に面する。
【0088】
代替の実施形態では、シリコーンの2つの層は、ポリマー基板層として設けられ得、すなわち、シリコーンの1つの層が設けられ、金属は、その外面の1つにパターン形成され、シリコーンの第2の層は、噴射、オーバーモールディング、またはスピンコーティングによって金属パターン形成の上に追加される。
【0089】
実施形態では、電気相互接続250は、ワイヤ、ストランド、箔、薄層、プレート、及び/またはシートなどの1つ以上の導体素子において必要に応じて形成された、金属などの1つ以上の導電材料を含み得る。それらは、実質的に連続している(1つの導体)場合がある。それらはまた、使用中に互いに電気的に接続されるように構成及び配置された複数の導体を備え得、言い換えれば、1つ以上の導体は、使用中に実質的に電気的に連続するように構成及び配置される。
【0090】
代わりに、1つ以上の電気相互接続250は、1つ以上の導電性相互接続層250に含まれ得、1つ以上の導電性相互接続層は、2つの隣接するポリマー基板層間に含まれる(または位置決めされる)。
図1Aに示されるように、複数の相互接続は、第1の表面310と第2の表面320との間の異なる配置(または深さもしくは位置)で提供され得る。
【0091】
実施形態では、本開示の文脈における相互接続250は、使用中に、ヒトまたは動物の組織と接触するように構成または配置されない。1つ以上の相互接続250は、LCPなどの低伝導または絶縁ポリマーの1つ以上の層に植設される(または覆われる)。さらにまたは代わりに、1つ以上の封止層が使用され得る。
【0092】
1つ以上の相互接続層250はまた、金または白金などの生体適合性金属を用いるメタライゼーションなど、PCB(プリント回路基板)産業からの技術を使用して、メタライゼーションによって提供され得る。電気メッキが使用され得る。LCP膜を含む層は、メタライゼーションに特に適している。これらの電気相互接続250及び/または相互接続層250は、パルス発生器500から、結合された第1の電極200a、200b及び/または第2の電極400a、400bに、1つ以上の電気治療刺激パルスとして電気エネルギーを伝達するように構成されている。
【0093】
LCP膜などの適切なポリマー基板材料を使用することは、箔状(または膜状)基板300及び電極アレイ200、300の適合性部分が高い幅対高さ比を有することを可能にし、これは、生体適合性のある電子箔(もしくは膜)、または生体電子箔(もしくは膜)を提供する。
【0094】
実施形態では、基板300が実質的に平面状の表面に適応するとき、第1の電極200a、200b及び第2の電極400a、400bに近接する最大平面幅と最大厚さの比は、7:1以上、好ましくは10:1以上、より好ましくは15:1以上、さらにより好ましくは30:1以上、さらにより好ましくは50:1以上であり得る。
【0095】
100:1以上の比率もまた、有利であり得、幅がおおよそ20mmで、厚さがおおよそ0.2mmのLCP膜の1つ以上の機械的に強い基板層を使用して提供され得る。これは、高度な可撓性を提供し、したがって、高度な適合性も提供される。第1の横断方向700での適合性の程度を高めるためには、基板の幅を変える、1つ以上の起伏を加える、及び/または屈曲点を提供するなど、追加の処置も講じられ得る。
【0096】
非限定的な実施例では、電極200、400及び/またはより小さい幅を有する電極200、400の単一の列を使用するとき、幅は4mm、厚さはおおよそ0.2mmであり得、これは、おおよそ20:1の比率である。
【0097】
非限定的な実施例では、パルス発生器500に近接する基板の一部分では、20mmの幅及び3mmの厚さが使用される電子部品の寸法にさらに高度に依存する、より大きな広がりが必要とされ得る。これは、おおよそ6.67:1の比率である。
【0098】
図1Aに示されるように、適合性箔状基板300の遠位端(または遠位部分)は、以下を備える。
-第1の表面310に含まれる第1のタイプの2つの電極200a、200b、及び
-やはり第1の表面310に含まれる、第2のタイプの2つの電極400a、400b。近位端から遠位端まで、示されている順序は、200a、400a、200b、400bであり、言い換えれば、第1のタイプ200a、200bの各電極は、第2のタイプ400a、400bの電極に近接しており、同じ表面310に含まれる。
【0099】
箔状の基板300は、各電極200a、400a、200b、400bと、パルス発生器との間に電気相互接続250を備える。本実施形態では、各電気相互接続250は、各電極200a、400a、200b、400bが実質的には独立して電気的に接続されるように構成及び配置され、その結果、パルス発生器500を適切に構成することによって利用可能な動作モードの1つは、実質的に独立した動作である。パルス発生器500は、1つ以上のハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアのパラメータを使用して構成され得る。
【0100】
図1Aでは、第1の表面310と第2の表面320との間の異なる距離(または位置)での個々の接続250として示されているが、当業者はまた、
図3Bに示され、以下に記載される実施形態と同様に、同じ相互接続が、第1の表面310と第2の表面320との間のほぼ同距離(または位置)にある適切に構成された相互接続250(または相互接続層250)によって提供され得ることを理解する。
【0101】
第1の表面310または第2の表面320「に含まれる」とは、電極200a、400a、200b、400bが比較的薄く(例えば、基板が実質的に平面状の表面に適合するように配置されているとき、それは、20~50ミクロン以下の第2の横軸に沿った広がりを有し得る。1ミクロン以下などのより薄い電極はまた、適合性の程度をさらに高めるために使用され得る)、表面に付着される(または少なくとも部分的に植設される)ことを意味する。
【0102】
電極200、400は、金、白金、白金黒、TiN、IrO2、イリジウム、及び/またはプラチナ/イリジウム合金、及び/または酸化物など、導電材料を含み得る。Pedotなどの導電性ポリマーも使用され得る。好ましくは、生体適合性の導電材料が使用される。PCB/メタライゼーション技術は、1つ以上のポリマー基板層の第1の表面310及び/または第2の表面330の上または中にそれらを製造するために使用され得る。
【0103】
より厚い金属層は、金属を溶解し得る身体物質にさらされることができるため、概して、電極200a、200b、400a、400bについて、より薄い金属層よりも好ましい。しかしながら、より厚い金属層は、通常、より厚い層の近くで剛性を増加させる(適合性を低減する)。
【0104】
刺激装置100は、最初に皮下トンネルを作成すること、及び/または埋め込みツールを使用することによって埋め込まれ得る。しかしながら、高度な適合性は、成功する埋め込みをより困難にし得る。適切な挿入ツールを使用するときでさえも、電極位置は、ずれ、埋め込み中のリード変位、または埋め込み後のリードの変位のために、後で正しくないことがわかる場合がある。
【0105】
電極アレイ200、400を含む少なくとも遠位端は、埋め込まれ得る。しかしながら、刺激装置100を埋め込むことが有利であり得る。
【0106】
加えて、埋め込み中に、刺激のための所望の位置を正確に識別することは困難であり得る。埋め込まれるとき、刺激電極は、刺激される神経に十分に近い位置に位置決めされるべきである。しかし、神経経路は、埋め込みを行う専門家に常にはっきりと見えるとは限らず、神経経路の配置及び経路は、人によって大きく異なる。
【0107】
図1に示されるように、第1のタイプの電極200a、200bと第2のタイプの電極400a、400bとの間に実質的なハードウェアの違いはなく、機能性の違いは、この実装形態では、おもにパルス発生器500の構成(1つ以上のハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアのパラメータ)によって決定される。相互接続250の配置及び経路指定により、電気的特性へのわずかな影響があり得る。
【0108】
同じタイプの1つ以上の結合電極200a、200b、または400a、400bは、パルス発生器500の適切な構成によって実質的に同じに動作され得、言い換えれば、電極200、400に適用される刺激エネルギーは、実質的に同じ瞬間で実質的に同じである(通常、電圧、電流、電力、電荷、またはそれらの任意の組み合わせとして測定される)。これはまた、ずれ及び/またはリードの変位を予測及び/または修正するために使用され得、これは、ソフトウェアを使用して少なくとも部分的に構成を実行することを可能にするので、有利である。
【0109】
さらにまたは代わりに、2つ以上の電極200、400は、刺激電極または戻り電極としてパルス発生器500の1つ以上のパラメータを使用して、構成及び配置され得る。これにより、電極の少なくとも2つが所望の刺激位置に近接するように、基板300を埋め込むことしか必要にならないため、より高度の構成可能性が提供され得る。
【0110】
本実施形態100では、第1のタイプの電極200a、200bは、名目上、刺激電極として動作されるように構成及び配置される。
【0111】
第2のタイプの電極400a、400bは、名目上、戻り電極として動作されるように構成され、各々は、使用中に、1つ以上の刺激電極200a、200bに電気戻りを提供するように構成される。言い換えれば、電気戻り400a、400bは電気回路を閉じる。電気戻り400a、400bはまた、対応する電気エネルギー源に電気的な接地を提供するように同様に構成され得る。
【0112】
したがって、この名目構成に基づいて3つの構成が提供される。
-その刺激/戻り位置にある第1の表面310に近接する刺激電極/戻り電極の対200a/400a、または
-その刺激/戻り位置にある第1の表面310に近接する刺激電極/戻り電極の対200b/400b、または
-それらの組み合わせ。
【0113】
実施形態では、1つ以上の刺激電極200a、200bは、そのような刺激装置100に提供され得る。刺激電極200a、200bの数、寸法、及び/または間隔は、治療に応じて選択及び最適化され得る。実施形態では、2つ以上の刺激電極200a、200bが提供される場合、各刺激電極200a、200bは、以下を提供し得る。
-異なる刺激効果、同様の刺激効果、または同じ刺激効果。
【0114】
ずれを回避するために、選択は、効果が生じるべきである組織に近接する1つまたは2つの電極200a、200bから行われ得る。
【0115】
2つ以上の刺激電極200a、200bは、より大きい領域にわたる刺激が必要とされる場合、及び/またはアクティブな刺激電極200a、200bの間の位置で、実質的に同時にアクティブにされ得る。
【0116】
実施形態では、刺激電極200a、200bは、長手方向軸600に沿って概略6~8mm、及び第1の横軸700に沿って概略3~5mm、したがって、おおよそ18~40平方mm(mm2)の寸法を有し得る。
【0117】
実施形態では、埋め込み型刺激装置に適切な箔状の基板300は、ずれの修正を可能にするために、または単に専門家が最も効果的な刺激場所を選択することを可能にするために、15cmの長さにわたって最大12の刺激電極200a、200b、及び戻り電極400a、400bを備え得る。
【0118】
実施形態では、
図1Bは、
図1Aに示される箔状の基板300の埋め込み型遠位端(または部分)の第2の表面320の図を示す。言い換えれば、第2の表面320は、紙の平面に示され、(下から上へ描かれる)長手方向軸600に沿って、第1の(左から右へ描かれる)横軸700内にある。第2の横軸750は、ページ内に延びる。第1の表面310は、
図1Bには示されていないが、第2の横軸750に沿って(ページ内へ)より高い位置にあり、また図面の平面に実質的に平行である。箔状の基板300は、実質的に平面状の表面に適合するように配置される。
【0119】
パルス発生器500は、第2の表面320と第1の表面310との間に配置され(または位置決めされ)得る。
図1B及び
図1Cでは、それは、点線で示されている。代わりに、パルス発生器500は、第1の表面310上にまたは第2の表面320上に少なくとも部分的に配置されてもよい。代わりに、パルス発生器500は、第1の表面310内にまたは第2の表面320内に少なくとも部分的に植設され得る。
【0120】
植設の程度及びパルス発生器500に使用される1つ以上の電気部品に応じて、最大厚さは、最適化され得る。部品は、厚さを最小限に抑えるために薄くされ得る。基板300が適合性及び/または箔状であるように構成及び配置されている場合、パルス発生器500に近接する基板の部分における埋め込み型刺激装置100の最大厚さは、5ミリメートル以下、好ましくは4mmミリメートル以下、さらに好ましくは3mm以下であり得、厚さは、埋め込み型刺激装置100が実質的に平面状の表面に適応するとき、外側平面状表面上の対応する点間の垂直距離によって決定される。コイルまたはダイポールまたはフラクタルアンテナを含むアンテナのような追加の任意選択の電気部品はまた、それらが基板に植設される程度に応じて厚さに影響を与え得る。
【0121】
刺激装置100及び箔状の基板300は、第1の横軸700(実質的に平面状の表面に適応するとき、刺激装置100/箔状の基板300の平面幅と見なされる)に沿って延びる。図示のように、パルス発生器500に近接する基板の部分の平面幅は、箔状の基板300の遠位端(または部分)での電極200a、200b、400a、400bに近接する基板の別の部分における平面幅よりも大きくなり得る。パルス発生器500に近接する平面幅は、パルス発生器500に使用されるハードウェア及び部品に依存し得、通常、それは、少なくともパルス発生器500について使用される集積回路の幅である。コイルまたはダイポールまたはフラクタルアンテナを含むアンテナのような追加の任意選択の電気部品はまた、平面幅に影響を与え得る。
【0122】
実施形態では、電極200a、200b、400a、400bに近接する平面幅は、電極200a、200b、400a、400b及び1つ以上の相互接続250に使用される導体に依存し得る。実施形態では、平面幅は、少なくとも第1の電極200a、200bまたは第2の電極400a、400bの幅である。
【0123】
実施形態では、
図1Cは、
図1A及び
図1Bに示される箔状の基板300の埋め込み型遠位端(または部分)の第1の表面310の図を示す。言い換えれば、第1の表面310は、紙の平面に示され、(下から上へ描かれる)長手方向軸600に沿って、(右から左へ描かれる)第1の横軸700内にある。第2の横軸750は、ページから出て延びる。これは、(使用中)刺激される動物または人間の組織に面する図である。第2の表面320は、
図1Cには示されていないが、第2の横軸750に沿って(ページ内へ)より低い位置にあり、また図面の平面に実質的に平行である。箔状の基板300は、実質的に平面状の表面に適合するように配置される。
【0124】
1つ以上の相互接続250は、
図1Aに示されるように、第1の表面310と第2の表面320との間に配置される(または位置決めされる)。
図1Cでは、それらは、点線として示され、本実施形態では、電極200a、200b、400a、400bの各々について提供された、相互接続250(または、適切に構成された1つ以上の相互接続層250)を表す。単一の点線250は、実施形態100では、相互接続250が第1の横軸700に沿ってほぼ同じ配置にあることを示すために、パルス発生器500と電極200、400との間に示される。
【0125】
図1Cに示されるように、電極200a、200b、400a、400bは各々、長手方向軸600に沿った長手方向の広がり(長さ)、及び第1の横軸700に沿った横方向の広がり(幅)を有する。
【0126】
類似のように示されるが、実際には、各電極200a、200b、400a、400bは、意図された使用及び/または所望の構成可能性の程度に応じて、形状、横断方向の断面、向き、及び/またはサイズ(または広がり)が異なり得る。
【0127】
刺激装置100、または少なくとも電極アレイ200、400を備える遠位端(もしくは部分)の埋め込み後、パルス発生器500は、使用中に、第2のタイプ400a、400bの1つ以上の結合電極に適用される電気戻りに関して、第1のタイプ200a、200bの1つ以上の結合電極に電気エネルギーを提供するように構成及び配置され得る。
【0128】
刺激装置100の構成可能性は、電極アレイ200、400を備える少なくとも遠位端(または部分)の埋め込み前、埋め込み中、及び/または埋め込み後に、1つ以上の電極200a、200b、400a、400bの動作が決定及び/または適合されることを可能にする。動作はまた、治療を最適化及び/または延長するために刺激装置100が埋め込まれる期間中、1回またはそれ以上、再構成され得る。
【0129】
実施形態では、パルス発生器500は、最初に、それぞれ刺激/戻り電極の対として200a及び400aを名目上動作するように構成され得る。少なくとも遠位端200、400の埋め込み後、不十分な刺激は、観察及び/または測定され得る。不十分な刺激がおもに長手方向のずれに起因すると仮定される場合、パルス発生器500は代わりに、1つ以上のパラメータを使用して、それぞれ刺激電極/戻り電極の対として200b及び400bを名目上操作するように構成され得る。
【0130】
刺激装置100は、これらの構成の間で所定の及び/または制御された条件下でパルス発生器500を切り替えるようにさらに構成及び配置され得る。これらの構成を第1の電極モード及び第2の電極モードとしてさらに考慮し、ユーザーがモードを優先、及び/または切り替えモードとして選択することを可能にすることが便利であり得る。代わりに、パルス発生器500は、所定の及び/または制御された条件下でモードを切り替え得る。
【0131】
さらにまたは代わりに、以下で動作するようにパルス発生器500を構成するために、他のモードも提供され得る。
-電気刺激エネルギーが、1つ以上の電気治療刺激パルスとして、第1のタイプの1つ以上の結合電極200a、200bに提供され、第2のタイプの1つ以上の結合電極400a、400bが、使用中に、1つ以上の第1の電極200a、200bに対応する電気戻りを提供するように構成されている、第1の電極モード、または
-エネルギーが、1つ以上の電気治療刺激パルスとして、第2のタイプの1つ以上の結合電極400a、400bに提供され、第1のタイプの1つ以上の結合電極200a、200bが、使用中に、1つ以上の第2の電極400a、400bに対応する電気戻りを提供するように構成されている、第2の電極モード。
【0132】
再び、刺激装置100は、これらの構成またはモードの間で所定の及び/または制御された条件下でパルス発生器500を切り替えるようにさらに構成及び配置され得る。さらにまたは代わりに、ユーザーは、優先としてモードを選択すること、及び/またはモードを切り替えることを可能にされ得る。
【0133】
当業者は、電極200a、200b、400a、400bが、以下のようなより複雑な構成で動作するように構成され得ることを理解する。
-400a及び200aは、それぞれ刺激電極/戻り電極の対として動作され得る(元の意図された動作を逆転する)。
-400b及び200bは、それぞれ刺激電極/戻り電極の対として動作され得る。
-中間刺激が好ましい場合、2つ以上の電極200a、200b、400a、400bは1つ以上の刺激電極として実質的に同時に動作され得る。
-1つ以上の電極200a、200b、400a、400bは、1つ以上の戻り電極として動作され得る。
-電極400aが、戻り電極として電極200a及び電極200bと組み合わせて、刺激電極として動作される。
-電極400a及び200bが、戻り電極として電極200a及び電極400bと組み合わせて、刺激電極として動作される。
【0134】
代わりにまたはさらに、1つ以上の刺激電極の形状、向き、横断方向断面、及び/またはサイズ(または長さ)は、1つ以上の戻り電極と比較して異なるように構成され得る。
【0135】
以下のようないくつかのパラメータ及び特性は、適合性について、電極アレイ200、400に近接する箔状の基板300の一部を構成及び配置するとき、考慮され得る。
-1つ以上の電極200a、200b、400a、400bの横断方向の広がり700及び/または長手方向の広がり600。
-箔状の基板300の厚さ、または第1の表面310と第2の表面320との間の垂直距離。
-箔状の基板300に含まれる材料、及びそれらの物理な特性。
-第1の表面310と第2の表面320との間の相互接続250及び/または相互接続層250の数及び広がり。
【0136】
平坦化によって皮下埋め込みを可能にする、及び/または快適さを高めるために、円筒形のリード線など従来のリード線をはるかに薄くする試みがなされてきた。しかし、平坦化された電極の表面積は、不利になるように小さくなる場合がある。
【0137】
非限定的な実施例では、1cmの長さの電極を備えた従来の0.2mmの丸いリードは、おおよそ6mm2の電極表面を有する電極をもたらすと推定される。
【0138】
しかしながら、本明細書に記載の適合性電極アレイを使用して、厚さ0.2mm、幅4mmの寸法を有する薄い基板300は、同じ長さでおおよそ35mm2の電極表面を提供するように構成及び配置され得る。これにより、インピーダンスがおおよそ35/6の倍率で低減し、消費電力がおおよそ35/6に低減し得ると推定される。
【0139】
実施形態では、
図2A、
図2B、及び
図2Cは、埋め込み型刺激装置の第2の実施形態101の長手方向の断面を示す。それは、以下を除いて、
図1A、
図1B、及び
図1Cに示される第1の実施形態100と同様である。
-第1の表面310に含まれる4つの電極の代わりに、本実施形態は、第1の表面310に2つの電極、名目上、第1のタイプの電極200a、及び名目上、第2のタイプの電極400aを含む。近位端から遠位端まで、示される順序は、200a、400aであり、言い換えれば、第1のタイプの電極200aは、第1の表面310において第2のタイプの電極400aに近接している。
-刺激装置101の遠位端はまた、第2の表面320に2つの電極、名目上、第1のタイプのさらなる電極200b、及び名目上、第2のタイプのさらなる電極400bを備える。近位端から遠位端まで、示される順序は、200b、400bであり、言い換えれば、第1のタイプの電極200bは、第2の表面320において第2のタイプの電極400bに近接している。
【0140】
図2Bでは、第2の表面320の図は、その表面に備えられる2つの電極200a、400aを示しており、1つ以上の相互接続250は、点線を使用して示される。
【0141】
図2Cでは、第2の表面320の図は、その表面に備えられる2つの電極200b、400bを示しており、1つ以上の相互接続250は、点線を使用して示される。
【0142】
本実施形態101では、第1のタイプの電極200a、200bは、名目上、刺激電極として動作されるように構成及び配置され、第2のタイプの電極400a、400bは、名目上、戻り電極として動作されるように構成される。
【0143】
したがって、3つの主要な構成が提供される。
-第1の表面310に近接している刺激/戻り電極の対200a/400a、または
-第2の表面320に近接している刺激/戻り電極の対200b/400b、または
-それらの組み合わせ。
【0144】
これは、箔状の基板300の埋め込み型遠位端が、神経の「上」または「下」などの標的組織の「上」または「下」にあり得るかどうかが不確実である場合に有利であり得る。これは、各名目構成で刺激を試み、神経刺激の存在を観察及び/または測定することによって、埋め込み後に決定され得る。
【0145】
上で論じられたように、
図1A、
図1B、
図1Cに関連して、各電極200a、200b、400a、400bは、1つ以上の刺激電極として動作され得、または1つ以上の戻り電極として動作され得る。
【0146】
実施形態では、
図3A、
図3B、及び
図3Cは、埋め込み型刺激装置の第3の実施形態102の長手方向の断面を示す。それは、以下を除いて、
図2A、
図2B、及び
図2Cに示される第2の実施形態101と同様である。
-相互接続250は、
図3Aに示されるように、第2の横軸750に沿ってほぼ同じ配置で配置される。線250は、それらが同じ長手方向断面にあるように示されていないことを示すために斜線で示されており、第1の横軸700に沿って実質的に異なる位置に配置された相互接続250がある。
-相互接続250は、
図3B及び
図3Cに示されるように、電極アレイ200、400とパルス発生器500との間の2本の隣接する破線として、第1の横軸700に沿って実質的に異なる配置に配置される。
-第1の表面310に第1のタイプ200及び第2のタイプ400の電極を名目上備える代わりに、第1の表面310は、第1のタイプ200の第1の電極200a及び第2の電極200bを名目上備える。
-第2の表面320に第1の200タイプ及び第2のタイプ400の電極を名目上備える代わりに、第2の表面320は、第2のタイプ400の第1の電極400a及び第2の電極400bを名目上備える。
【0147】
本実施形態102では、第1のタイプの電極200a、200bは、名目上、刺激電極として動作されるように構成及び配置され、第2のタイプの電極400a、400bは、名目上、戻り電極として動作されるように構成される。
【0148】
したがって、3つの主要な構成が提供される。
-この電極の対の位置に近接している第1の表面310と第2の表面320との間を刺激するための刺激/戻り電極の対200a/400a、または
-電極の対の位置に近接している第1の表面310と第2の表面320との間を刺激するための刺激/戻り電極の対200b/400b、または
-それらの組み合わせ。
【0149】
これは、長手方向のずれを修正するために、または単に医療専門家が最も効果的な刺激位置を選択することが可能であるために、有利であり得る。
【0150】
上で論じられたように、
図2A、
図2B、
図2Cに関連して、各電極200a、200b、400a、400bは、1つ以上の刺激電極として動作され得、または1つ以上の戻り電極として動作され得る。
【0151】
さらにまたは代わりに、同じタイプの1つ以上の電極200a、200b、または400a、400bは、1つ以上の相互接続250を適切に構成することによって、互いに電気的に接続され得る。次いで、それらは、実質的に同じように動作される。これは、長手方向の位置決めが感度が低い(刺激が長手方向及びまたは横方向のより大きな広がりにわたって提供される)ので、ずれ及び/またはリードの変位を予測及び/または修正するために使用され得る。
【0152】
図4A、4B及び4Cは、本明細書に記載されるような埋め込み型刺激装置100、101、102に含まれるのに適した代替の電極アレイ200、400の構成を示す。
【0153】
図4Aは、刺激装置のさらなる実施形態103の埋め込み型遠位端を示す。
図1Cに示される遠位端と同様に、第1の表面310は、以下を備える。
-第1のタイプの2つの電極200a、200b、及び第2のタイプの2つの電極400a、400b。近位端から遠位端まで、示されている順序は、200a、400a、200b、400bであり、言い換えれば、各第1のタイプの電極200a、200bは、第2のタイプの電極400a、400bに近接しており、同じ表面310に含まれる。
【0154】
図4Aに示される遠位端は、以下を除いて、
図1Aに示されるものと同じである。
-電極200、400が、長手方向軸600に対して角度を付けて延びる。これは、組織刺激が提供され得る長手方向の位置が増加するため、長手方向のずれに対する感度を低減させ得る。
【0155】
さらにまたは代わりに、第2の表面320は、同様に、第1のタイプの2つの電極200a、200bと、第2のタイプの2つの電極400a、400bとを備え得る。
【0156】
上で論じられたように、各電極200a、200b、400a、400bは、1つ以上の刺激電極として動作され得、または1つ以上の戻り電極として動作され得る。
【0157】
図4Bは、刺激装置のさらなる実施形態104の埋め込み型遠位端を示す。
図1Cに示される遠位端と同様に、第1の表面310は、4つの電極を備える。しかしながら、本実施形態104では、第1の表面310は、以下を備える。
-第1のタイプの4つの電極200a、200b、200c、200d、及び第2のタイプの電極400。近位端から遠位端まで、示される順序は、200a、200b、200c、200dである。第1のタイプの4つの電極200に横方向隣接するのは、第2のタイプの電極400であり、第1のタイプの各電極200に隣接するように長手方向に延びる。
【0158】
名目上、第1のタイプの電極200は、1つ以上の刺激電極として動作され得る。第2のタイプの電極400は、名目上、1つ以上の刺激電極のための戻り電極として動作され得る。
【0159】
これは、組織刺激が提供され得る、刺激のために選択され得る4つの異なる長手方向の位置が提供されるため、長手方向のずれに対する感度を低減させ得る。
【0160】
さらにまたは代わりに、第2の表面320は、同様に、第1のタイプの4つの電極200a、200b、200c、2003と、第2のタイプの1つの隣接する長手方向に延びる電極400とを備え得る。
【0161】
上で論じられたように、各電極200a、200b、200c、200d、400は、1つ以上の刺激電極として動作され得、または1つ以上の戻り電極として動作され得る。
【0162】
図4Cは、刺激装置のさらなる実施形態105の埋め込み型遠位端を示す。
図4Bに示される遠位端と同様に、第1の表面310は、第1のタイプの4つの電極200a、200b、200c、200dを備える。しかしながら、本実施形態105では、第1の表面310は、第2のタイプの4つの隣接する電極400a、400b、400c、400dをさらに備える。近位端から遠位端まで、示される順序は、200a/400a、200b/400b、200c/400c、200d/400dである。第1のタイプの4つの電極200の各々に横方向に隣接するのは、長手方向軸600に沿ってほぼ同じ配置にある第2のタイプの電極400である。
【0163】
名目上、第1のタイプの電極200は、1つ以上の刺激電極として動作され得る。第2のタイプの電極400は、名目上、1つ以上の刺激電極のための戻り電極として動作され得る。名目上、隣接する電極は、刺激/戻り対200/400と見なされ得る。
【0164】
言い換えれば、2×4の電極アレイは、横軸に沿って2つ、長手方向軸に沿って4つ提供される。
【0165】
これは、4つの異なる刺激/戻り200/400対が実質的に異なる長手方向の位置に提供され、組織刺激が提供され得る刺激のために選択され得ることが増加するため、長手方向のずれに対する感度を低減させ得る。
【0166】
さらにまたは代わりに、第2の表面320は、同様に、第1のタイプの4つの電極200a、200b、200c、200dと、第2のタイプの4つの隣接する電極400a、400b、400c、400dとを備え得る。
【0167】
上で論じられたように、各電極200a、200b、200c、200d、400a、400b、400c、400dは、1つ以上の刺激電極として動作され得、または1つ以上の戻り電極として動作され得る。これはまた、横方向のずれに対する感度を低減させ得る。
【0168】
刺激装置100、101、102、103、104、105は、さらに以下を備え得る。
-関連するエネルギー送信機が近接しているときに、関連するエネルギー送信機から無線でエネルギーを受け取るように構成及び配置された、エネルギー受信器、
-その動作のためにエネルギー受信器から電気エネルギーを受け取るようにさらに構成及び配置されるパルス発生器500。
【0169】
図5及び
図6は、頭痛または原発性頭痛などの病状を治療するための神経刺激を提供するために、刺激装置100、101、102、103、104、105の適切に構成された埋め込み型遠位端を使用して刺激され得る神経の構成を示す。
【0170】
図5は、適切に構成されたデバイスを使用して電気的に刺激し得る左眼窩上神経910及び右眼窩上神経920を示す。
図6は、適切に構成されたデバイスを使用して電気的に刺激し得る左大後頭神経930及び右左大後頭神経940を示す。
【0171】
刺激される部位のサイズ及び埋め込まれる装置の部分の寸法に応じて、治療に必要とされる電気刺激を提供するために適切な位置が決定される。刺激デバイス100、101、102、103、104、105を備える刺激デバイスの遠位部分についてのおおよその埋め込み位置は、以下の部位として示される。
-片頭痛及び群発性頭痛などの慢性頭痛を治療するための左眼窩上刺激用の位置810及び右眼窩上刺激用の位置820。
-片頭痛、群発頭痛、及び後頭神経痛などの慢性頭痛を治療するための左後頭刺激用の位置830aまたは位置830b、及び右後頭刺激用の位置840aまたは位置840b。刺激用の位置830b、840bは、(外部)後頭突起イニオンよりも上方(「上」)に位置する。
【0172】
多くの場合、これらは、埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105についてのおおよその位置810、820、830a/b、840a/bとなる。
【0173】
埋め込み位置810、820、830a/b、840a/bごとに、別々の刺激システムが使用される場合がある。埋め込み位置810、820、830a/b、840a/bが互いに近接しているか、またはさらに重なり合っている場合、単一の刺激システムは、2つ以上の埋め込み位置810、820、830a/b、840a/bで刺激するように構成され得る。
【0174】
複数の刺激装置100、101、102、103、104、105は、必要とされる治療を提供するために、別々に、同時に、連続して、またはそれらの任意の組み合わせで動作され得る。
【0175】
図7は、他の状態を治療するための神経刺激を提供するために、適切に構成された改善された埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105を使用して刺激され得る神経のさらなる構成を示す。
図5及び
図6に示される位置(810、820、830、840)は、
図7にも示されている。
【0176】
刺激される部位のサイズ及び埋め込まれる装置の部分の寸法に応じて、治療に必要とされる電気刺激を提供するために適切な位置が決定される。刺激電極を含む刺激装置の部分のおおよその埋め込み位置は、以下の部位として示される。
-てんかんを治療するための皮質刺激用の位置810。
-パーキンソン病患者の振戦制御治療、ジストニア、肥満、本態性振戦、うつ病、てんかん、強迫性障害、アルツハイマー病、不安症、過食症、耳鳴り、外傷性脳損傷、トゥレット病、睡眠障害、自閉症、双極性の治療、及び脳卒中からの回復のための脳深部刺激用の位置850。
-てんかん、うつ病、不安症、過食症、肥満、耳鳴り、強迫性障害、心不全、クローン病、及び関節リウマチを治療するための迷走神経刺激用の位置860。
-高血圧を治療するための頸動脈または頸動脈洞の刺激用の位置860。
-睡眠時無呼吸を治療するための舌下神経及び横隔神経刺激用の位置860。
-慢性的な首の痛みを治療するための脳脊髄刺激用の位置865。
-手足の痛み、片頭痛、四肢の痛みを治療するための末梢神経刺激用の位置870。
-慢性腰痛、狭心症、喘息、疼痛全般を治療するための脊髄刺激用の位置875。
-肥満、過食症、間質性膀胱炎の治療のための胃刺激用の位置880。
-間質性膀胱炎の治療のための仙骨神経及び陰部神経刺激用の位置885。
-尿失禁、便失禁の治療のための仙骨神経刺激用の位置885。
-膀胱制御治療のための仙骨神経調節用の位置890。
-歩行または下垂足を治療するための腓骨神経刺激用の位置895。
【0177】
治療され得る他の病状は、胃食道逆流症、自己免疫疾患、炎症性腸疾患、及び炎症性疾患を含む。
【0178】
基板100及び電極アレイ200、400の適合性及び低減された厚さは、1つ以上の埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105を、1つ以上の神経、1つ以上の筋肉、1つ以上の臓器、脊髄組織、脳組織、1つ以上の皮質表面領域、1つ以上の脳溝、及びそれらの任意の組み合わせの刺激に非常に有利にする。
【0179】
図1~
図4に関連して上述した埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105は、概して、改善された適合性のために構成及び配置された実施形態として記載され得る。
【0180】
刺激装置100、101、102、103、104、105は、さらに変更され得る。非限定的な実施例では、
-箔状の基板300及びパルス発生器500の一部は、以下に記載されるものなど、1つ以上の可撓性生体適合性封止層に植設され得る。これらの層は、液晶ポリマー(LCP)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーンポリウレタン、ポリイミド、パリレン、生体適合性ポリマー、生体適合性エラストマー、及びそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0181】
図11~
図12に関連して以下に記載される埋め込み型電気デバイス1100、1101、1102は、概して、改善された封止のために構成及び配置された実施形態として記載され得る。以下に記載されるように、それらは、ある程度の刺激を提供するように構成及び配置された埋め込み型医療デバイス1110、1111に含まれ得る。
【0182】
図11Aは、改善された埋め込み型電気または電子デバイス1100の断面を示す。それは、以下を備える。
-第1の表面1410、及び1つ以上の導電体1210を有する基板1400。
【0183】
任意選択で、基板1400は、実質的に生体適合性であり得、しかしながら、1つ以上の封止層1310の使用は、生体適合性、部分的生体適合性、または顕著な生体適合性ではない基板1400及び導電体1210が使用されることを可能にし得る。
【0184】
一般に、材料または層の生体適合性の程度は、組織反応の程度及びそれが生体安定性であると見なされる期間の長さを測定することによって決定され得る。組織反応の程度が低い、及び/または生体安定性の期間が長い場合は、生体適合性が高いことを示す。
【0185】
基板1400は、実質的に可撓性であるようにさらに構成及び配置され、言い換えれば、基板は、かなりの程度まで、柔軟であるか、可撓性であるか、または順応性(または適合性)である。可撓性の程度は、以下のようなパラメータを使用して適合され得る。
-デバイス1100要素の寸法、及び/または
-所望の特性を有する材料及び物質の包含、及び/または
-使用される材料及び物質の組み合わせ、及び/または
-使用される材料及び物質の割合、及び/または
-凹部、開口部、開孔部、補強材の包含。
【0186】
さらにまたは代わりに、当業者は、可撓性の程度が、
図1~
図4に関連して記載された基板300について上述したパラメータを使用して適合され得ることを理解する。
【0187】
1つ以上の導電体1210は、非常に概略的に示されており、それらは、例えば、単一のポリマー層を有し、半導体産業から既知の適切な堆積技術を使用して導電材料を適用することによって、基板1400に植設されている、または基板1400に堆積された導体であり得る。金属などの1つ以上の導体1210は、必要に応じて、例えば、ワイヤ、ストランド、箔、薄層、プレート、及び/またはシートなどの、1つ以上の導体素子で形成され得る。任意選択で、1つ以上の導体は、基板1400の外面間に位置決めされ得る。
【0188】
デバイス1100は、さらに以下を備える。
-ポリジメチルシロキサン(PDMS)ゴムを含む第1の生体適合性封止層1310、及び
-第1の接着層1510。
【0189】
任意選択で、第1の接着層1510は、実質的に生体適合性であり得、しかしながら、1つ以上の封止層1310の使用は、生体適合性、部分的生体適合性、または顕著な生体適合性ではない1つ以上の接着層1510が使用されることを可能にし得る。
【0190】
第1の接着層1510及び第1の封止層1310は、ヒトまたは動物の体から第1の表面1410の少なくとも一部分への流体の侵入に抵抗するように構成及び配置される。構成及び配置は、以下にさらに説明される。
【0191】
図11Aに示されるように、この断面における接着/封止層1510/1310の広がりは、基板1400の広がりよりも小さくてもよい。一般に、接着/封止層1510/1310の広がりは、基板1400の広がりよりも大きいか、等しいか、またはより小さくてもよい。接着層及び封止層の「より大きい」実施形態は、
図11Cに示されている。さらに、接着層及び封止層の「より小さい」実施形態は、
図11B及び
図12Aに示されている。
【0192】
一般に、流体の侵入から保護されている第1の表面1410の部分は、接着/封止層1510/1310の広がり以下である。
【0193】
図11Aに示されるように、この断面における接着層1510の広がりは、封止層1310の広がりよりも小さくてもよく、いくつかの構成では、これは、接着層1510のエッジが少なくとも部分的に封止1310されているので、有利であり得る。一般に、接着層1510の広がりは、封止層1310の広がりよりも大きいか、等しいか、またはより小さくてもよい。さらに、「より小さい」実施形態は
図11C及び
図12Aに示されている。基板の「等しい」部分は、
図12Bに示されている。
【0194】
好ましい実施形態では、接着層1510の広がりは、封止層1310の広がりと等しいか、またはそれよりも大きく、これは、基板1400の表面1410と直接接触する封止層1310の表面積が大幅に減少するので、特定の構成において有利であり得る。場合によっては、この表面積は、実質的にゼロであり得、流体侵入の可能性をさらに低減する。「実質的にゼロ」の実施形態は、
図11Cに示されており、基板の一部は、
図12Bに示されている。
【0195】
図11Bは、別の埋め込み型電気または電子デバイス1101を示す。これは、以下をさらに備えることを除いて、
図11Aに示される埋め込み型電気デバイス1100と同じである。
-第2の表面1420、
-ポリジメチルシロキサン(PDMS)ゴムを含む第2の生体適合性封止層1320、及び
-第2の平面状表面1420と第2の封止層1320との間に配置された第2の接着層1520。第2の接着層1520は、第2の表面1420に適合するようにさらに構成及び配置され、言い換えれば、それは、適合層である。
【0196】
第2の接着層1520及び第2の封止層1320は、ヒトまたは動物の体から第2の表面1420の少なくとも一部分への流体の侵入に抵抗するように構成及び配置される。構成及び配置は、以下にさらに説明される。
【0197】
第2の封止層1320は、第1の封止層1310と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
【0198】
第2の接着層1520は、第1の接着層1510と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
【0199】
第1の表面1410及び第2の表面1420は、
図11Bでは基板の対向する面として示されているが、以下のような他の組み合わせが可能である。
-第1の接着/封止層1310/1510及び第2の接着/封止層1320/1520を第1の表面1410の異なる領域に適用すること、
-第1の接着/封止層1310/1510及び第2の接着/封止層1320/1520を第2の表面1420の異なる領域に適用すること、
-第1の表面1410及び第2の表面1420が互いに隣接していること、
-第1の表面1410及び第2の表面1420が互いに対向していること、
-第1の表面1410及び第2の表面1420が互いに所定の角度にあること、
-第1の表面1410及び第2の表面1420が互いに実質的に垂直であること。
【0200】
図11Cは、さらなる埋め込み型電気または電子デバイス1102を示す。これは、この断面では、以下を除いて、
図11Aに示される埋め込み型電気デバイス1100と同じである。
-基板1400は、4つの保護された表面を備え、各表面は、さらなる接着層1500及びさらなる封止層1300によって保護されている、
-さらなる接着層1500の広がりは、保護された各表面に対する基板1400の広がりよりも大きい、
-さらなる封止層1300の広がりは、保護された各表面に対する基板1400の広がりよりも大きい、及び
-さらなる接着層1500の広がりは、保護された各表面に対する封止層1300の広がりよりも小さい。
【0201】
機能的には、さらなる封止層1300が、
図11Bに示される第1の封止層1310及び第2の封止層1320を備えることも考慮され得る。
【0202】
機能的には、さらなる接着層500が、
図11Bに示される第1の接着層1510及び第2の接着層1520を備えることも考慮され得る。
【0203】
機能的には、
図11Cに示される基板1400が、
図11Bに示される第1の表面1410及び第2の表面1420の保護された部分を備えることも考慮され得る。しかしながら、
図11Cに示される基板1400は、そのような保護された第1または第2の表面に隣接する2つ以上のさらなる保護された表面を備える。
【0204】
図11Cのさらなる封止層1300は、
図11Aまたは
図11Bに示される第1の封止層1310と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
図11Cのさらなる封止層1300は、
図11Bに示される第2の封止層1320と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
【0205】
図11Cのさらなる接着層1500は、
図11Aまたは
図11Bに示される第1の接着層1510と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
図11Cのさらなる接着層1500は、
図11Bに示される第2の接着層1520と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
【0206】
さらなる実施形態1102は、以下のため、有利であり得る。
-流体の侵入から保護されている基板1400の表面の部分は、さらなる封止層1300の広がりよりも小さい、
-さらなる接着層1500のエッジは、実質的に封止されている1300、そして
-基板1400の表面と直接接触する封止層1300の表面積は、ゼロに近いか、または実質的にゼロである。
【0207】
PDMSへの高度の結合を提供するための特定の接着層1510、1520の適性を確立するために実験が行われた。
【0208】
ALDコーティング
原子層堆積(ALD)は、nm厚の適合性コーティングを作成するために使用できるコーティングプロセスある。第1及び第2の元素を含む単分子層を形成するための適切なALDプロセスは、以下を含み得る。
-基板をサンプルとして反応空間にロードすること、
-第1の元素を含むある量の第1の分子を反応空間に導入し、それにより、第1の分子の少なくとも第1の部分が基板の表面に吸着すること、及び
-第2の元素を含むある量の第2の分子を反応空間に導入し、それにより、第2の分子の少なくとも第2の部分が基板の表面上の第1の部分と反応して、第1及び第2の元素を含む化合物の単分子層を形成すること。
【0209】
PDMS封止実験:
サンプルは、実質的に生体適合性のあるPDMS(MED2-6215、NuSil Carpinteria、USA)を含む層1330で封止された。
【0210】
nusil.com/product/med-6215_optically-clear-low-consistency-silicone-elastomer:から、
MED-6215は、光学的に透明で低稠度のシリコーンエラストマーである。それは、溶剤を含まず、粘度が比較的低い2つの部分として提供される。それは、付加硬化化学により熱で硬化する。混合比は、10:1である(パートA:パートB)。
【0211】
MED-6215は、実質的に生体適合性があると考慮され、製造業者は、29日を超える期間にわたってヒトへの埋め込みに使用され得ることを提案している。
【表1】
【表2】
【表3】
【0212】
製造業者は、金属(ステンレス鋼、鋼、銅、アルミニウムなど)、セラミック材料、硬質プラスチック、及び他のシリコーン材料を含む様々な基板へのMED-6215の接着をさらに改善するためのプライマーとして、シリコーンプライマーNu-Sil MED1-161を提案する。
【0213】
MED-6215は、医療グレードで入手可能であり、言い換えれば、実質的に生体適合性があり、医療用埋め込み型デバイスにおける使用に適している。これは、すべての原材料、中間体、及び完成品(医療グレード用)が、該当するGMP及び/または適切な規制基準、すなわちcGMPの21 CFR パート820(デバイス)、cGMPの21 CFR パート210-211(薬剤/API)、ならびにISO 9001で製造されていることを確認することによって実現される。
【0214】
浸漬コーティングプロセスは、封止について使用された。平均的な比較的低い粘度、例えば、4000~7000cP(mPas)は、PDMSがサンプル上をより容易に流れることを可能にしたようである。PDMS 1330の厚さは、50~200μm(ミクロン)であると推定された。
【0215】
ALDコーティングの寿命信頼性は、層の適合性及び接着性、ならびにイオン媒体におけるその安定性などの要因に依存し得る。
【0216】
PDMSタイプの材料は、それらの比較的高い生体適合性に起因して、一般に、埋め込みに非常に適している。適切な選択及び処理によって、多くのPDMSタイプの材料は、実質的に生体適合性であるように構成及び配置され得る。
【0217】
基板1400に含まれるポリマー材料は、好ましくは、可撓性であり、1つ以上の導電体1210を含むように、適合性について選択される。好ましくは、ポリマー基板材料は、高度な生体適合性及び耐久性を有する。基板1400に含まれる適切なポリマー材料は、
図1~
図4に関連して適合性基板について上述したものを含む。具体的には、ポリイミド、パリレンC、SU-8、LCP、ポリウレタン、またはそれらの任意の組み合わせが、使用され得る。
【0218】
好ましくは、第1及び/または第2の表面1410、1420は、相当量の1つ以上の液晶ポリマー(LCP)を含む。任意選択で、第1及び/または第2の表面1410、1420は、実質的に1つ以上のLCPからなり得る。任意選択で、第1及び/または第2の表面1410、1420は、本質的に1つ以上のLCPからなり得る。
【0219】
以下の表は、典型的なポリイミド及び典型的なLCPのいくつかの物理的及び化学的特性を比較する。
【表4】
【0220】
有利には、例えば、LCPを含む基板1400は、2500~3600MPa(2.5~3.6GPa)の範囲のヤング率を有する。
【0221】
任意選択で、基板1400は、電気エネルギーが1つ以上の導電体1210に印加されるときに、エネルギーを受け取るように構成された1つ以上の電気または電子部品をさらに備え得る。例えば、それらは、誘導結合、容量結合、または直接接続されてもよい。これは、PCB技術が使用され得るので、相当量の1つ以上のLCPを含む基板で特に有利である。好ましくは、金または白金などの生体適合性金属が使用される。
【0222】
好ましくは、1つ以上の封止層1310、1320、及び1つ以上の接着層1510、1520は、1つ以上の部品に近接する1つ以上の表面1410、1420の少なくとも一部分への流体の侵入に抵抗するように構成及び配置される。
【0223】
例えば、1つ以上の部品は、能動部品、受動部品、電子部品、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、アナログ部品、デジタル部品、面実装部品(SMD)、スルーホールパッケージ、チップキャリア、ピングリッドアレイ、ファットパッケージ、スモールアウトラインパッケージ、チップスケールパッケージ、ボールグリッドアレイ、スモールピンカウントパッケージ、フレキシブルシリコンデバイス、薄膜トランジスタ(TFT)、及びそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0224】
1つ以上の電気部品は、抵抗、電荷の保存、誘導、感知、刺激、増幅、データの処理、検出、測定、比較、切り替え、時間、データの保存、カウント、振動、ロジックの実行、追加、刺激パルスの発生、及びそれらの任意の組み合わせを行うように構成及び配置され得る。
【0225】
基板1400は、上述したような適合の度合いを有するようにさらに構成及び配置され得る。それらは、箔状(または膜状)であり得、可撓性であることによって、下にある解剖学的構造の特徴の輪郭に非常に厳密に沿う。非常に薄い箔状の基板1400は、可撓性が高まったという追加の利点を有する。
【0226】
本明細書に記載される埋め込み型電気デバイス1100、1101は、埋め込み型医療デバイス1110、1111に含まれ得る。例えば、そのような医療デバイス110、1111は、ある程度の感知、刺激、データ処理、検出もしくは測定、データ記憶、振動、論理性能、刺激パルス発生、またはそれらの任意の組み合わせを提供するように構成及び配置され得る。
【0227】
図1~
図4に関連して上述した実施形態、具体的には、埋め込み型刺激装置101、102、103、104、105は、埋め込み型電気デバイス1100、1101、1102を備え得る。
【0228】
図12Aに示されるように、改善された埋め込み型医療デバイス1110は、
図11Aに示される埋め込み型デバイス1100を変更することによって提供され得る。これは、この断面では、以下を除いて、
図11Aに示される埋め込み型電気デバイス1100と同じである。
-基板1400は、3つの保護された表面を備え、各表面は、さらなる接着層1500及びさらなる封止層1300によって保護されている。3つの保護された表面は、2つの対向する保護された表面と、さらなる隣接する表面とを備え、
-さらなる接着層1500の広がりは、2つの対向する保護された各表面に対する基板1400の広がりより小さい。さらなる接着層1500の広がりは、第3の隣接する保護された表面に対する基板1400の広がりより大きく、
-さらなる封止層1300の広がりは、2つの対向する保護された表面に対する基板1400の広がりよりも小さい。さらなる封止層1300の広がりは、第3の隣接する保護された表面に対する基板1400の広がりよりも大きく、そして
-さらなる接着層1500の広がりは、保護された各表面に対するさらなる封止層1300の広がりよりも小さい。
【0229】
機能的には、さらなる封止層1300が、
図11Bに示される第1の封止層1310及び第2の封止層1320を備えることも考慮され得る。
【0230】
機能的には、さらなる接着層1500が、
図11Bに示される第1の接着層1510及び第2の接着層1520を備えることも考慮され得る。
【0231】
しかしながら、
図12Aに示される基板1400は、そのような保護された第1または第2の表面に隣接する、さらなる保護された表面を備える。
【0232】
図12Aのさらなる封止層1300は、
図11Aまたは
図11Bに示される第1の封止層1310と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
図12Aのさらなる封止層1300は、
図11Bに示される第2の封止層1320と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
【0233】
図12Aのさらなる接着層1500は、
図11Aまたは
図11Bに示される第1の接着層1510と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
図12Aのさらなる接着層1500は、
図11Bに示される第2の接着層1520と実質的に同一であり得、高度に同様であり得、または実質的に異なるものであり得る。
【0234】
医療デバイス1110は、さらに以下を備える。
-電気エネルギーが1つ以上の導電体1210に印加されたときに、エネルギーをヒトまたは動物の組織に伝達するように構成及び配置された1つ以上の刺激電極1220。例えば、それらは、誘導結合、容量結合、または直接接続されてもよい。示される実施例では、1つ以上の刺激電極1220は、1つ以上の導電体1210に直接接続されている。多くの神経刺激用途では、複数の電極1220が必要とされ得る。これらは、
図1~
図4に関連して上述した電極200、400と同一、同様、または異なり得る。
【0235】
任意選択でまたはさらに、1つ以上のセンサ1230は、同様に提供され得、そのようなセンサ1230は、1つ以上の導電体1210に電気信号及び/またはデータを提供するように構成される。例えば、それらは、誘導結合、容量結合、または直接接続されてもよい。電気相互接続を有する多層基板が提供される場合、高度なカスタマイズが可能である。例えば、湿度、温度、電気抵抗、電気活動などの動作に関連するパラメータの直接測定を可能にする。
【0236】
通常、神経刺激電極では、1つ以上の電極1220は、接地電極または戻り電極として動作するように構成及び配置され、これは、
図1~
図4に関連して上述した第1の電極200a、200b及び第2の電極400a、400bについて上述したように、既存の電極または1つ以上のさらなる電極のうちの1つであり得る。
【0237】
当業者は、そのような刺激電極1220及び/または組織センサは、それらの機能に十分に高い程度の電気接続または埋め込み環境への曝露が必要とされるので、好ましくは、封止層1300及び/または接着層1500によって完全に覆われていないことを理解する。例えば、刺激電極1220及び/または組織センサの少なくとも一部は、封止プロセス中にマスクされて、組織に向かって導電性表面を提供する。さらにまたは代わりに、デバイスの一部は、封止されていない場合がある。
【0238】
図12Aは、刺激電極1220の実質的にすべてが実質的に覆われていないデバイス1110を示す。加えて、この断面では、基板1400の一部は、実質的に覆われておらず、実質的に封止された部分及び1つ以上の電極1220を有する実質的に封止されていない部分をデバイス1110に提供する。2つの対向する表面についてのこの断面におけるさらなる接着層1500の広がりは、これらの表面についてのさらなる封止層1300の広がりよりも小さく、これは、さらなる接着層1500のエッジが少なくとも部分的に封止されている1300ため、有利であり得る。
【0239】
この封止を
図1及び
図4に関連して上述した埋め込み型刺激装置に適用することは、概して、1つ以上の電極200、400を有する実質的に封止されていない部分、及びパルス発生器500を備える実質的に封止された部分を提供する。
【0240】
図12Bは、医療デバイス1111のさらなる実施形態を示す。より具体的には、それは、1つ以上の電極1220を備える基板1400の一部分の断面を示す。さらなる医療デバイス1111は、一般に、この断面では、以下を除いて、
図12Aに示されるデバイス1110と同じである。
-基板1400は、4つの保護された表面を備え、各表面は、さらなる接着層1500及びさらなる封止層1300によって保護されている、
-さらなる接着層1500の広がりは、保護された各表面に対する基板1400の広がりよりも大きい、
-さらなる封止層1300の広がりは、保護された各表面に対する基板1400の広がりよりも大きい、及び
-さらなる接着層1500の広がりは、保護された各表面に対する封止層1300の広がりよりも小さい。
【0241】
この断面では、1つ以上の刺激電極1220の「一部」は、埋め込み後の埋め込み環境への電気接続または曝露を可能にするために完全には覆われていない。したがって、刺激電極1220に近い領域では、上記でなされた一般的な記述がすべて完全に適用されるわけではない。具体的には、この断面では、
-さらなる接着層1500は、刺激電極1220に隣接する基板1400の表面に適用されており、電極1220の表面のエッジ部分にも適用されている。これは、電極1220と基板1400との間の任意のインターフェースでの侵入に対する追加の保護を提供し得、及び
-さらなる封止層1300は、刺激電極1220に隣接する基板1400の表面に適用されている。しかしながら、それは、電極1220の表面のエッジ部分に顕著には適用されない。
【0242】
言い換えれば、電極1220の表面のエッジ部分のこの断面では、さらなる接着層1500の広がりは、さらなる封止層1300の広がりとほぼ同じである。
【0243】
これは、電極1220の表面と直接接触するさらなる封止層1300の表面積が大幅に減少するので、特定の構成において有利であり得る。場合によっては、この表面積は、実質的にゼロであり得る。
【0244】
この封止を
図1及び
図4に関連して上述した埋め込み型刺激装置に適用することは、概して、1つ以上の電極200、400の「一部」の実質的に封止された部分、及びパルス発生器500を備える実質的に封止された部分を提供する。
【0245】
任意選択で、1つ以上の電極1220のエッジ部分におけるこの断面におけるさらなる封止層1300の広がりが、さらなる接着層1500の広がりよりも大きい場合、有利であり得、いくつかの構成では、さらなる接着層1500のエッジが少なくとも部分的に封止された1300であるので、これは、有利であり得る。
【0246】
したがって、1つ以上の刺激電極1220及び/またはセンサは、好ましくは、表面に含まれ、組織インターフェースを提供するように構成及び配置される。
【0247】
上述したように、「表面に含まれる」とは、電極1220が比較的薄く(例えば、基板が実質的に平面の表面に適合するとき、基板の長手方向軸にほぼ垂直である横軸に沿った広がりが、20~50ミクロン以下である。1ミクロン以下などのより薄い電極はまた、適合性の程度をさらに高めるために使用され得る)、表面に付着される(または少なくとも部分的に植設される)ことを意味する。
【0248】
これは、PCB/メタライゼーション技術を使用して導電性領域を提供し得るので、相当量の1つ以上のLCPを含む基板で特に有利であり、これは、電極1220及び/またはセンサ1230であるように構成及び配置され得る。上述したように、導電材料は、好ましくは、金、白金、白金黒、TiN、IrO2、イリジウム、及び/または白金/イリジウム合金、及び/または酸化物などが使用され得る。Pedotなどの導電性ポリマーも使用され得る。好ましくは、生体適合性の導電材料が使用される。
【0249】
上述したように、より厚い金属層は、金属を溶解し得る身体物質にさらされることができるため、概して、電極1220についてより薄い金属層よりも好ましい。しかしながら、より厚い金属層は、通常、より厚い層の近くで剛性を増加する(適合性を低減する)。
【0250】
さらなる一連の実験では、NuSilからLCP基板へのPDMS MED2-4213の接着が、2つの異なる基板及び2つの異なるPDMS鋳造プロセスを使用して調査された。
【0251】
様々な方法、すなわち、60℃でPBSに浸漬した後の剥離試験の乾燥による接着評価、及びASTM D1876に基づく剥離試験が、接着を評価するために、使用された。
【0252】
nusil.com/product/med2-4213_fast-cure-silicone-adhesiveから、
MED2-4213は、2液型、半透明、チキソトロピー性、比較的高い押出速度、比較的高い引裂強度、比較的速硬化性のシリコーン接着剤である。また、スズ(Sn)を実質的に含まず、硬化するための大気中の水分についての必要性を低減する。また、酢酸またはメチルアルコールなどの相当量の硬化副生成物を含まない。
【0253】
MED2-4213は、実質的に生体適合性があると考慮され、製造業者は、29日を超える期間にわたってヒトへの埋め込みに使用され得ることを提案している。典型的な化学的及び物理的特性は、以下を含む。
【表5】
【表6】
【表7】
【0254】
第1の封止層(1310)及び/または第2の封止層(1320)が、6~8MPaの範囲の引張強度を有する場合、有利であり得る。
【0255】
NuSilは、多くの結合用途(アルミニウム、ガラス、PMMA、シリコーンを含む基板について)では、適切な接着性を改善するためのシリコーンプライマーの使用は必要とされないことを提案している。
【0256】
プライマーの使用は、ポリエーテルイミド、PEEK、プラスチック、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、及びステンレス鋼を含む基板に接着するときに、製造業者によって提案される。
【0257】
異なる処理方法及び接着層でのLCP上のPDMSの接着特性を研究するために、以下の2つの異なる試験基板が、使用された。
-タイプ1:片面にALDコーティングが施されたLCP3層基板、
-タイプ2:片面にALDコーティングが施されたLCP2層積層基板。
【0258】
一般に、埋め込み型電気デバイスを製造するときに、できるだけ少ないステップで実行することが有利であり、これは、汚染または輸送関連の問題をもたらすリスクを軽減し得、1つ以上のコストを削減し得る。
【0259】
比較的少ないステップを有するプロセスは、基板(ここではLCP)上に直接取り付けられたオーバーモールド電子機器に基づき得る。ハードウェア構成に応じて、使用されるPDMSは、次のような表面に十分によく接着する必要があり得る。
-ワイヤ結合の場合におけるASICパッシベーション層、
-ASICフリップチップまたはACFマウントの場合のSi基板。Si基板は、ベアダイ部品を使用するとき、関連するインターフェースの1つである。ベアダイ集積回路は、多くの場合、結晶性シリコン半導体の薄いスライスであるウェハまたは基板から作られる。ベアダイ部品を作るために、この材料は、多くの微細加工プロセスを経て集積回路になるが、片面は、常に使用された原材料であり、ほとんどの場合は結晶性シリコンである。関連するインターフェースは、以下を含む。
-ASIC相互接続、
-ワイヤ結合またはスタッドバンプからの金、
-結合パッド上にベアダイ部品を適用するための、しばしばエポキシベースである金粒子でコーティングされたACF(異方性導電膜)。
-基板-この場合、相当量のLCPを含む基板。
【0260】
タイプ1LCP基板は、次のプロセスステップのうちの1つ以上を使用して調製された。
a)基板の提供:これらの基板は、平均厚さがおおよそ0.150mmの実質的に平面状のLCPシートであった。基板は、ULTRALAM(登録商標)3908の2つの0.050mm層が、ULTRALAM3850の1つの0.050mm層によって分離された、3つの層からなる。
【0261】
ULTRALAM(登録商標)3908 LCPは、Rogers Corporation(www.rogerscorp.com)から入手可能であり、銅、他のLCP材料及び/または誘電体材料間の結合媒体(接着剤層)として使用され得る。誘電率が低く安定しているのが特徴である。それは、比較的低い弾性率を有し、曲げ用途に対して比較的容易な曲げ、及び比較的低い吸湿を可能にする。
【0262】
それは、実質的に接着剤のない実質的にすべてのLCP多層基板を作成するために、ULTRALAM(登録商標)3850 LCPの1つ以上の層とともに使用され得る。
【0263】
ULTRALAM(登録商標)3908 LCPの物理的及び化学的特性についての典型的な値は、以下を含む。
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【0264】
ULTRALAM(登録商標)3850は、Rogers Corporation(www.rogerscorp.com)から入手可能であり、比較的高温に耐性のあるLCPである。それは、積層回路材料として使用するための二重銅被覆積層体として提供され得る。製造業者は、これらの製品を単層または多層基板として使用することを提案している。ULTRALAM 3850回路材料は、比較的低く、安定した誘電率、及び誘電損失を特徴とする。それは、比較的低い弾性率を有し、曲げ用途に対して比較的容易な曲げ、及び比較的低い吸湿を可能にする。
【0265】
それは、実質的に接着剤のない実質的にすべてのLCP多層基板を作成するために、ULTRALAM(登録商標)3908 LCPの1つ以上の層とともに使用され得る。
【0266】
ULTRALAM(登録商標)3850 LCPの物理的及び化学的特性についての典型的な値は、以下を含む。
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【0267】
タイプ1LCP基板は、次のプロセスステップの1つ以上を使用してさらに調製された。
b1)IPAを用いた基板の少なくとも一部の任意の前洗浄、その後の乾燥。別の適切なアルコールも使用され得る。
b2)接着コーティングの適用:ALDを使用して、コーティングは、基板の外面、この場合、ULTRALAM(登録商標)3908 LCPを含む表面に適用された。ALDコーティングの広がりは、基板の広がりとほぼ同じであった。コーティングは、LCPの溶融温度よりも実質的に低い温度で適用された。これらのタイプ1LCP基板については、コーティングは、任意のおおよそ90分の安定化時間の後、おおよそ125℃で適用された。
【0268】
比較のために、このステップは、いくつかのサンプルについて省略された(言い換えれば、PDMSは、LCPに直接適用された)。
【0269】
c)接着コーティングの少なくとも一部分を洗浄すること:PDMSコーティングの調製として、任意の10分間オゾン(O3)プラズマ処理を、ALD表面を洗浄するために実行した。PDMSは、オゾン洗浄から15分以内に適用された。比較のために、いくつかのサンプルは、PDMSコーティングが適用される前に洗浄されなかった。
【0270】
UV O3(オゾン)プラズマ洗浄は、乾燥した非破壊的な原子洗浄及び有機汚染物質の除去に適している。それは、強烈な185nm及び254nmの紫外線を使用する。酸素の存在下では、185線は、オゾンを生成し、254線は、表面上の有機分子を励起する。この組み合わせは、有機汚染物質の急速な破壊と大幅な減少を促進する。
【0271】
d)封止コーティングの適用:おおよそ500um~1000umのMED2-4213のPDMSコーティングは、ALDコーティングの上に適用された。シリンジを、MED2-4213で充填し、比較的高速(2500rpm)で3分間混合及び脱気した。150℃で10分間の硬化、及び80℃で24時間の後硬化を行った。PDMSコーティングの広がりは、ALDコーティングの広がりよりも小さく、それによって、ALDコーティングは、基板のエッジの近くで露出された(封止材によって覆われなかった)。基板にPDMSを適用した後、基板は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コーティングされた予熱板の上に置き、重りがその上に押し付けられた。
【0272】
したがって、タイプ1LCPの6つのサンプルが、調製された。
【表16】
【0273】
合格/不合格試験は、タイプ1LCP基板に対して手動で定義された。
-PDMSを硬化させた後、乾燥剥離試験を実施し(浸漬なし)、層間剥離の程度を記録した。
-乾燥剥離試験の後、サンプルを、60℃のPBS溶液に1日、1週間、及び4週間浸漬させ、剥離試験を、第2の層間剥離の程度を決定するために繰り返した。
【0274】
層間剥離の3つの程度が、定義された。
-層間剥離:PDMSが基板から比較的容易に除去できる。
-部分的層間剥離:PDMSが、一部の領域では比較的容易に除去できるが、他の領域では比較的よく付着する。
-接着:PDMSが実質的に剥離しない。
【0275】
リン酸緩衝食塩水(略してPBS)は、生物学的研究において一般的に使用される緩衝液である。これは、リン酸水素二ナトリウム、塩化ナトリウム、ならびにいくつかの製剤では、塩化カリウム及びリン酸二水素カリウムを含有する水性塩溶液である。緩衝液は、一定のpHを維持するのに役立つ。溶液のモル浸透圧濃度及びイオン濃度は、人体のものに一致する(等張)ように選択される。
【表17】
【0276】
サンプル1.1:一般に、PDMSは、LCPへの低接着度を有する。
【0277】
サンプル1.2:PDMSは、乾燥状態では表面から剥離されることができなかった。浸漬の24時間後、PDMSの一部は、水分で満たされた空隙は観察されなかったが、基板から剥離されることができた。PDMSの一部を剥離した後、残りは、基板に非常によく付着し、1週間または2週間の追加浸漬後でさえも、さらなる剥離はできなかった。初期の層間剥離は、PDMS処理中の局所的な汚染または処理の問題によるものであると推測された。
【0278】
サンプル1.3:これらのサンプルは、良好な接着性を示した。乾燥状態と湿潤状態で、試験の2週間後まで層間剥離は発生しなかった。
【0279】
結論:
-一般に、PDMSは、接着層なしでLCPへの低接着度を有する(サンプル1.1)。
-サンプル1.2(ALDでコーティングされ、次いでO3洗浄なしでPDMSで封止)では、PDMSは、乾燥状態で表面から剥離できなかった。浸漬の24時間後、PDMSの一部は、水分で満たされた空隙は観察されなかったが、基板から剥離されることができた。PDMSの一部を剥離した後、残りは、基板に非常によく付着し、2週間の追加浸漬後でさえも、さらなる剥離はできなかった。より適合性のあるALD層を備えたサンプルは、2週間の浸漬後でも良好な接着性を示した。
【0280】
-サンプル1.3(ALDでコーティングされ、O3洗浄ステップ後にPDMSで封止)は、最も高い接着度を示した。乾燥状態または湿潤状態で、実質的な層間剥離に至らなかった(2週間の浸漬後)
【0281】
タイプ2LCP積層基板は、次のプロセスステップのうちの1つ以上を使用して調製された。
a)基板の提供:これらの基板は、おおよそ0.110mmの平均厚さのLCPの積層シートであった。基板は、4つの層、すなわち銅接続パッドの1つの外層、ULTRALAM(登録商標)3850の1つの0.050mm層、1つ以上の銅導体の1つの内層、及びULTRALAM3908の1つの0.025mm層を備えた。
a1)第1の銅層で第1の表面上に被覆された、LCP ULTRALAM(登録商標)3850のおおよそ50um厚のシート。この第1の銅層は、おおよそ18umの厚さであった。第1の銅層は、例えば、マスキング及びエッチングによって銅接続パッドを形成するように構成及び配置され、これは、積層基板の外面に含まれると見なされ得る。
a2)ULTRALAM(登録商標)3850は、さらなる銅層でさらに被覆されていた。この第2の層は、おおよそ18umの厚さであった。任意選択で、それは、例えば、マスキング及びエッチングによって1つ以上の導体を形成するように構成及び配置され、これは、積層基板の内面に含まれると見なされ得る。内部導体が必要とされない場合、さらなる銅層は、省略または完全に除去され得る。
a3)ULTRALAM(登録商標)3850層の内面に結合され、1つ以上の導体にさらに結合される、LCP ULTRALAM(登録商標)3908のおおよそ25umの厚さのシート。
【0282】
任意選択で、積層シートは、実質的に平面状であり得る。
【0283】
b)接着コーティングの適用:
b1)IPAを用いた基板の少なくとも一部の任意の前洗浄、その後の乾燥。別の適切なアルコールも使用され得る。
b2)ALDを使用して、コーティングは、基板の外面、この場合、ULTRALAM(登録商標)3908 LCPを含む表面に適用された。それは、1つ以上の接続パッドを備える基板の外面ではなかった。b3)接着性改善剤の適用:NuSilからのMED-166は、硬質プラスチック及び他のシリコーン材料を含む様々な基板へのPDMSの接着を改善するために、製造業者によって提案された特別に配合されたプライマーである。製造業者は、29日を超える期間のヒト埋め込みにおける使用に好適であることを提案する。
【0284】
c)封止の前に、接着コーティングの少なくとも一部分を洗浄すること:
c1)選択肢1:エタノールを用いて洗浄し、続いて70℃で4時間乾燥させる。別の適切なアルコールも使用され得る。
c2)選択肢2:O2を含むプラズマにALD表面をさらす。
【0285】
O2(酸素)プラズマは、プラズマチャンバに酸素ガスを能動的に導入しながら行われる任意のプラズマ処理を指す。酸素プラズマは、プラズマシステム上の酸素源を利用することによって生成される。
【0286】
さらにまたは代わりに、オゾン(O3)が使用され得る。
【0287】
d)封止コーティングの適用:
d1)試験を簡素化するために封止マスクを適用する:Kaptonテープ(10mm幅)のストリップを1つのエッジに適用して、剥離試験中に引張試験機にクランプされる小さな部分をマスクした。
d2)封止コーティングの適用:おおよそ500um~1000umのMED2-4213のPDMSコーティングは、ALDコーティングの上に適用された。PTFEコーティングされた金型とともに使用される100℃で、比較的低い真空下で、例えば800~900Pa(8~9mbar)での真空遠心鋳造;真空遠心鋳造は、PDMSにおける空気包含のリスクを減らすために使用された。一般に、真空を適用することは、相当期間にわたって55000~100000cP(mPas)の範囲の平均粘度を有するPDMSの封止の接着コーティングへの適用を改善するのに有利であり得る。
【0288】
PDMSコーティングの広がりは、ALDコーティングの広がりとほぼ同じであった。Kaptonテープを除去した後、おおよそ10mm幅のストリップが、PDMSがALDコーティングに取り付けられていない部分に提供された。
【0289】
e)さらなる処理を実行すること:おおよそ100×75mmの面積のコーティングされた基板は、剥離試験のためにおおよそ100×10mmの7つのピースに切断された。各ピースは、Kaptonテープの除去のために、エッジにPDMSコーティングなしのおおよそ10x10mmの面積を有していた。
【0290】
したがって、タイプ(2)の15個のサンプルが、調製された。
【表18】
【0291】
ASTM D1876による剥離試験は、タイプ2LCPまたは積層基板を試験するために適合された)。剥離試験機は、積層力を測定するために使用された。
【0292】
剥離試験結果
図15は、乾燥(浸漬されていない)条件下での平均引張力を、PBSに60℃で24時間浸漬した後の平均引張力と比較するグラフ1750を示す。LCPのサンプルは、異なるプロセスを使用してPDMSでコーティングされた。
【0293】
平均剥離力は、0~18Nの垂直(Y)軸に沿ってプロットされ、結果は、水平(X)軸に沿って異なるサンプルについて示される。解釈を簡素化するために、選択されたサンプルの順序は番号順で、左から右へ、サンプル2.2、2.2、2.3、2.4、及び2.5である。
【0294】
各サンプルについて、各バーの垂直長さは、ニュートン(N)単位の平均剥離力を示す。各バーについて、「I」字形の線はまた、平均を決定するために使用される引張力値において測定される変動を示すために示される。各サンプルについて、乾燥条件下での平均引張力を示す塗りつぶされていないバーが左側に示され、PBSに60℃で24時間浸漬した後の平均引張力を示す斜線のバーが右側に示される。
【0295】
サンプル2.1について、塗りつぶされていないバー1761aは、比較的小さな変動度を有する、おおよそ4Nで示される。浸漬後の値は示されていない。
【0296】
サンプル2.2について、塗りつぶされていないバー1762aは、中程度の変動度を有する、おおよそ13Nで示される。斜線のバー1762bは、比較的高い変動度を有する、おおよそ14Nで示される。
【0297】
サンプル2.3について、塗りつぶされていないバー1763aは、比較的小さな変動度を有する、おおよそ5Nで示される。斜線のバー1763bは、中程度の変動度を有する、おおよそ7Nで示される。
【0298】
サンプル2.4について、塗りつぶされていないバー1764aは、比較的小さな変動度を有する、おおよそ7Nで示される。斜線のバー1764bは、中程度の変動度を有する、おおよそ7.5Nで示される。
【0299】
サンプル2.5について、塗りつぶされていないバー1765aは、比較的小さな変動度を有する、おおよそ8Nで示される。斜線のバー1765bは、中程度の変動度を有する、おおよそ8Nで示される。
【0300】
測定された平均剥離力は、以下の通りであった。
【表19】
【0301】
安定したオーバーモールディング封止プロセスが達成されたようであり、PDMSには実質的に気泡がないか、または非常に少ないことが示されている。LCP/PDMSインターフェースの実質的な層間剥離は、オーバーモールディングの直後に7つのサンプルのうちの3つで観察された。この理由のため、剥離試験は、接着強度のより定性的な測定値を得るために、適用された。
【0302】
サンプル2.1:追加のプライミングまたは洗浄なしで、PDMSは、LCPへの接着度が非常に低かった(おおよそ4N-1761a)。
【0303】
サンプル2.2:プライマーを有する基板は、比較的高い接着度を(おおよそ4N-1761aと比較して、おおよそ13N-1762a)有するように見えた。試験中、いくつかの領域は、より高い接着度を有し、その結果、サンプルを完全に剥離する前にPDMSが破裂した。浸漬試験後の平均引張力は、おおよそ14N-1762bと高いように見えたが、比較的高い偏差も観察された。
【0304】
サンプル2.3:ALD層を追加することによって、乾燥接着の程度は、改善されたように見えた(おおよそ4N-1761a~おおよそ5N-1763a)。乾燥条件下での結果(1763a)は、非常に低い程度の偏差を有するように見える。浸漬試験後の平均引張力は、おおよそ7N-1763bでより高いように見えた。
【0305】
サンプル2.4:O2-プラズマ活性化はまた、接着力を増加させるように見えた(おおよそ4N-1761aと比較して、おおよそ7N-1764a)。浸漬試験後の平均引張力は、おおよそ7.5N-1764bでわずかに高いように見えた。
【0306】
サンプル2.5:プラズマ活性化は、接着の程度をさらに改善するように見えた(約4N-1761aと比較して、約8N-1765a)。浸漬試験後の平均引張力は、8N-1765bでほぼ同じであるように見えた。浸漬後、偏差のわずかな増加-1765bが観察された。
【0307】
結論:
プライマーを使用することで、比較的高い接着度が観察され、例えば、NuSilからのMED-166が使用され得る。しかし、それは、一部の用途ではあまり好まれない場合がある。具体的には、埋め込み型デバイスについては、生体適合性が高い材料を使用することが有利であり、より好ましくは実質的に生体適合性である(高度の生体適合性を有する)材料を使用することが有利である。
【0308】
加えて、埋め込み型デバイスについては、欠陥のリスクを制限するために、高度な品質管理がしばしば必要とされる。
【0309】
当業者はまた、接着が、例えばALDプロセスを用いて、SiO2(二酸化ケイ素)の層を適用することによって、任意選択でまたはさらに適合コーティングをそのような基板に適用することによって改善され得ることを理解する。
【0310】
PDMSは、一般に、基本的な繰り返し単位としてシロキサンを有するシリコーンゴムである。メチル基は、PDMSのタイプに応じて、様々な他の基、例えば、フェニル基、ビニル基またはトリフルオロプロピル基によって置換され、有機基の無機骨格への結合を可能にする。
【0311】
接着層は、二重層または多層であり得、1つ以上の層は、比較的高い接着度のために構成及び配置され得、1つ以上の層は、比較的高い耐食度(不浸透性)のために構成及び配置され得る。
【0312】
図5及び
図6はまた、例えば、頭痛、慢性頭痛または原発性頭痛を治療するために神経刺激を提供するように構成された、1つ以上の適切に構成された改善された医療デバイス1110、1111を使用して刺激され得る神経の例を示す。具体的には、基板が実質的に可撓性(または適合性)である場合、それは、頭部及び/または頭蓋骨の曲面によりよく適合し得る。これは、埋め込み型医療デバイス1110、1111のユーザーへの快適さが、適合性を改善するために上述した1つ以上の特徴を適用することによって増加され得ることを意味する。
【0313】
多くの場合、これらは、1つ以上の埋め込み型医療デバイス110、111についてのおおよその位置810、820、830、840となる。
【0314】
埋め込み位置810、820、830a/b、840a/bごとに、別々の刺激デバイス110、111が使用される場合がある。埋め込み位置810、820、830a/b、840a/bが互いに近接しているか、またはさらに重なり合っている場合、単一の刺激デバイス110、111は、2つ以上の埋め込み位置810、820、830a/b、840a/bで刺激するように構成され得る。
【0315】
複数の埋め込み型医療デバイス110、111は、要求された治療を提供するために別々に、同時に、連続して、またはそれらの組み合わせで動作され得る。
【0316】
図7は、神経刺激を提供して他の病気を治療するために、1つ以上の適切に構成された改善された埋め込み型医療デバイス110、111を使用して刺激され得る神経のさらなる例を示す。
【0317】
一実施形態では、
図13Aは、本開示の他の箇所に記載され、刺激装置100、101、102、103、104、105に含まれる箔状の基板300の埋め込み型遠位端(または一部)のさらなる底面図を示す。基板の第1の表面310は、長手方向軸600及び第1の横軸700を通る平面に横たわるように示されている。
【0318】
パルス発生器は、基板の第1の部分2010に沿って位置し、パルス発生器は、使用中に、1つ以上の刺激パルスとして1つ以上の電極200、400に電気エネルギーを提供するように構成及び配置された1つ以上の電気または電子部品を含む。
【0319】
箔状の基板300の適合性の第2の部分2020は、パルス発生器500から基板300の遠位端2020まで延びる長手方向軸600とともに示されている。適合性の第2の部分2020は、少なくとも2つの電極200、400を備え、この実施例では、1×3アレイの3つの楕円形の電極200、400が示されている。しかしながら、本開示の他の箇所に記載されるものを含む、任意の必要とされる電極のタイプ及び構成が使用され得る。
【0320】
一般に、本開示による埋め込み型刺激装置を非常に有利にするのは、基板及び電極200、400の適合性及び低減された厚さである。
【0321】
示されるように、箔状の基板300の適合性の第2の部分2020は、好ましくは、長手方向軸600に沿って細長く、テープ状の形状を有し、パルス発生器500が電極200、400の位置からさらに離れて配置される(または位置する)ことを可能にする。
【0322】
第1の部分2010に沿ったパルス発生器500は、基板300の表面に少なくとも部分的に植設され得るため、点線で示されている。
【0323】
1つ以上の電気相互接続250は、1つ以上の電気治療刺激パルスとして電気エネルギーを伝達するために、パルス発生器500と電極200との間に示される。相互接続250は、使用中にヒトまたは動物の組織と接触するように構成または配置されていないため、点線として示されており、それらは、LCPなどの低コンダクタンスまたは絶縁ポリマーの1つ以上の層に植設されている(または覆われている)。
【0324】
さらにまたは代わりに、1つ以上の封止層が使用され得る。
【0325】
基板300の適合性の程度は、異なる部分の関連するパラメータ及び特性、例えば、1つ以上の電極200、400の横方向700及び/または長手方向広がり600、箔状の基板300の厚さ、及び第1の表面と第2の表面との間の垂直距離(
図13Aには示されていない)、箔状の基板300に含まれる材料、及びそれらの物理的特性、相互接続250及び/または相互接続層250の数及び広がりによって決定され得る。
【0326】
図13Aに示される実施形態では、第1の部分2010は、パルス発生器500の存在のために、適合性の第2の部分2020よりも適合性が低い。パルス発生器500の最大厚さは、例えば、任意の集積回路を薄くすることによって最適化され得るが、電極200、400及び相互接続250は、実際にははるかに薄くなると予想される。パルス発生器500が追加の電気または電子部品を備える場合、これらは、それらが基板に植設される程度に応じて、第1の部分2010の厚さ及び適合性にさらに影響を及ぼし得る。
【0327】
埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105は、第1の部分2010と適合性の第2の部分2020との会合部で適合性切替領域をさらに備える。適合性切替領域は、通常、第1の部分2010の少なくとも一部及び第2の部分2020の少なくとも一部を包含する。適合性切替領域の位置及び広がりは、適合性の低い第1の部分2010と適合性の第2の部分2020との間の関連するパラメータ及び特性の違いによって影響を受ける。例えば、第1の部分と第2の部分との間の適合性の差が大きい場合、分離の可能性を最小限に抑えるために、より長い適合性切替領域が望まれ得る。適合性切替領域内の埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105の一部は、好ましくは、適合性切替領域内にない適合性の第2の部分の領域内にある埋め込み型刺激装置の一部よりも適合性が低い。したがって、適合性切替領域は、第1の部分における埋め込み型刺激装置の適合性と、適合性切替領域内にない適合性の第2の部分の領域における埋め込み型刺激装置の適合性との間の中間の適合性を、埋め込み型刺激装置の一部分に提供する。
【0328】
図13Bは、
図13Aに示される刺激装置100、101、102、103、104、105の長手方向断面の横断図を示す。それは、第1の部分2010に沿ったパルス発生器500を示す。それはさらに、少なくとも2つの電極200、400を備える箔状の基板300の適合性の第2の部分2020を示す。示されるように、基板300は、第1(310)及び第2(320)の平面状(外側)表面を有する。示される長手方向断面は、1つ以上の相互接続250を通り、長手方向軸600及び第2の横軸750を通る平面に広がるように示されている。
【0329】
示されるように、パルス発生器500は、完全に植設または封止される。任意選択で、それは、部分的に植設または封止され得る。
【0330】
1つ以上の相互接続250は、少なくとも2つの電極200、400とパルス発生器500との間の単一の接続として概略的に示されている。
【0331】
示されるように、パルス発生器500の平均厚さ(または第2の横軸750に沿った広がり)は、電極200、400の平均厚さ及び/または相互接続250の平均厚さよりも大きい。したがって、第1の部分2010は、適合性の第2の部分2020よりも適合性が低い。場合によっては、第1の部分2010は、適合性の第2の部分2020と比較して、剛性である、可撓性がない、または適合性がないと見なされ得る。第1の部分2010の適合性の程度は、例えば、以下の場合にさらに低減され得る。
-パルス発生器500の部品のうちの1つ以上が、回路基板、PCB、及び/またはセラミック材料に取り付けられている、
-パルス発生器500の部品のうちの1つ以上が、G-10、G-11、FR-4、FR-5及び/またはFR-6などのガラス強化エポキシ積層体に取り付けられている、
-パルス発生器部品500のうちの1つ以上が、金属缶、チタン缶、集積回路、またはチップパッケージなどの筐体に備えられている、
またはそれらの組み合わせ。
【0332】
第3の部分2030適合性切替領域は、適合性の第2の部分2020と第1の部分2010との会合部に位置する。適合性の第2の部分2020と第1の部分2010との間の適合性の差が増加するにつれて、分離及び/または1つ以上の表面への損傷のリスクも増加し得る。これは、水分侵入のリスクをさらに増加させ得、また信頼性を低減させ得る。
【0333】
以下に記載するように、少なくとも1つの機械的締め具(または機械的ストレインリリーフ)が提供され、第1の部分2010からの適合性の第2の部分2020の分離に抵抗するように構成され得る。これは、水分侵入のリスクを低減し得、また、適合性の第2の部分2020から第1の部分2010に通過する1つ以上の相互接続250への損傷のリスクを低減し得るので、有利である。
【0334】
図14Aは、機械的ストレインリリーフを備える埋め込み型刺激装置の第1の実施形態2101の長手方向断面の横断図を示す。明確にするために、電極部分は図示されていない。示される長手方向断面は、1つ以上の相互接続250を通過し、長手方向軸600及び第2の横軸750を通る平面に広がるように示されている。
【0335】
図14Aの埋め込み型刺激装置2101は、以下を備えることを除いて、
図13Bに示される埋め込み型刺激装置と同じである。
-1つ以上の相互接続電気インターフェース255に電気的に接続されるように構成及び配置された、パルス発生器500及び1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505を備えた第1の部分2110。例えば、1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505は、1つ以上のはんだピン、1つ以上のコネクタピン、1つ以上のコネクタソケット、1つ以上の端子、1つ以上のワイヤ、またはそれらの任意の組み合わせを備え得る。
-1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505に電気的に接続されるように構成及び配置された、1つ以上の相互接続250への1つ以上の相互接続電気インターフェース255を有する適合性の第2の部分2120。例えば、1つ以上の相互接続電気インターフェース255は、1つ以上のはんだピン、1つ以上のコネクタピン、1つ以上のコネクタソケット、1つ以上の端子、1つ以上のワイヤ、またはそれらの任意の組み合わせを備え得る。
-適合性の第2の部分2120と第1の部分2110との分離に抵抗するように構成及び配置される、適合性の第2の部分2120と第1の部分2110との会合部での少なくとも1つの機械的締め具2140。示される実施例では、少なくとも1つの機械的締め具2140は、第2の表面320に隣接しており、及び/または第2の表面320に含まれる。及び、
-第1の部分2110を少なくとも部分的に覆い、適合性の第2の部分2120を少なくとも部分的に覆う、PDMSなどの少なくとも1つの封止層2150。少なくとも1つの封止層2150は、水分侵入に対するある程度の保護を提供するように構成及び配置される。さらにまたは代わりに、少なくとも1つの封止層2150は、例えば、その形状、広がり、厚さ、及び物理的特性による、第1の部分2110からの適合性の第2の部分2120のある程度の分離抵抗を提供するように構成及び配置され得る。例えば、封止層は、概して、それが厚いほど、基板への接着性が高いほど、封止層の材料が強いほど、基板の第1及び第2の部分に沿ってより長く延びるほど、より良い分離保護を提供する。さらにまたは代わりに、少なくとも1つの封止層2150は、適合性の第2の部分2120を少なくとも部分的に覆い得、第1の部分2110を少なくとも部分的に覆い得る。封止によって覆われる領域は、適合性切替領域と一致し得るが、いくつかのそのような実施形態では、適合性切替領域は、例えば、別の適合性を低減する特徴が封止層を超えて延びる場合、封止層2150を超えて延び得る。
【0336】
任意選択で、
図14Aの長手方向断面に示される埋め込み型刺激装置2101は、第1の部分2110が少なくとも1つの封止層2150によって完全に覆われるように構成及び配置され得る。
【0337】
複数の電気相互接続250とパルス発生器500との間の電気インターフェース255、505は、製造を簡素化するために、及び/または欠陥部分2110、2120、2130が交換されることを可能にするために使用され得る。さらにまたは代わりに、1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505は、パルス発生器500の密閉された筐体の壁に備えられ得る。これは、パルス発生器500への水分侵入のリスクをさらに低減させ得る。任意選択で、筐体の壁における1つ以上の電気インターフェース505は、電気フィードスルーとして構成及び配置され得る。
【0338】
任意選択で、ALDなどの蒸着によって適用される接着層は、基板300の少なくとも一部に隣接して提供され得、例えば、適合性切替領域において、少なくとも1つの封止層2150によって覆われ得る。これは、特にストレインリリーフのための少なくとも1つの機械的締め具2140の使用と組み合わせて、少なくとも1つの封止層2150の基板300への接着を改善し得る。そのような接着層の実施例は、
図9に示される例示的な実施形態に基づいて、以下に記載される。
【0339】
ストレインリリーフのための少なくとも1つの機械的締め具2140の使用は、適合性部分が適合性の低い(または適合性のない)部分に接続されているデバイスにおける接着層の使用可能性をさらに増加させ得る。そのようなストレインリリーフは、さらに薄い接着層が使用されることを可能にし得、及び/またはそのような層が亀裂及び/または破損するリスクを低減し得る。
【0340】
図14Bは、第1の実施形態2101の長手方向の断面の横断図を示し、それは、
図14Aに示されるのと同じ実施形態である。
【0341】
明確にするために、電極部分は図示されていない。示される長手方向断面は、1つ以上の相互接続250を通っており、長手方向軸600及び第1の横軸700を通る平面に広がるように示されている。
【0342】
少なくとも1つの機械的締め具2140は、この実施例では、
図14Aに示されるように、第2の表面320に隣接し、及び/または含まれているため、破線で示されている。
【0343】
図8は、機械的ストレインリリーフを備える埋め込み型刺激装置の第2の実施形態2201の長手方向断面の横断図を示す。明確にするために、電極部分は図示されていない。示される長手方向断面は、1つ以上の相互接続250を通過し、長手方向軸600及び第2の横軸750を通る平面に広がるように示されている。
【0344】
図8の埋め込み型刺激装置2201は、ACA(異方性導電性接着剤)、またはACF(異方性導電性膜またはフォーム)、またはACP(異方性導電性ペースト)などの少なくとも1つの導電性エラストマー2260が、1つ以上の相互接続電気インターフェース255を1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505と電気的に接続するように構成及び配置されていることを除いて、
図14Aに示される埋め込み型刺激装置と同じである。このエラストマーは、電気インターフェースから分離され得るか、または電気インターフェースのうちの1つ以上に組み込まれ得る。1つ以上の導体は、導電性エラストマー2260を通って延び得、少なくとも1つの導電性ポリマー2260を通る電気経路を形成する。これは、欠陥部分の交換による簡素化された修理及び/または簡略化された製造を可能にし得るので、さらに有利であり得る。
【0345】
ACAエラストマーなどの導電性エラストマーは、携帯電話またはラップトップなどの乾燥した環境で最も一般的に使用され、そこでは、多くの密接な電気相互接続が行われ、相互接続の間隔が非常に小さいためにはんだ付けが不可能であり、及び/または使用される材料がはんだ付けに対してかなりの程度の不適合性を有する。ACAエラストマーは、従来、相互接続の間隔が小さい必要はなく、使用される相互接続材料ははんだ付けに非常に適しているため、及び埋め込み後に、埋め込みが劣化及び/または短絡を引き起こす可能性があるヒトまたは動物の体からの実質的な水分侵入を受ける可能性があるため、埋め込み型デバイスでは避けられている。例えば、ACAエラストマーなどの導電性エラストマーは、材料の劣化が生じることが示されており、その結果、かなりの程度の水分にさらされると、結合強度が低減されること、層間剥離、及び亀裂が生じることが示されている。例えば、The detrimental effects of water on electronic devices(2021),Baylakoglu et al,doi:10.1016/j.prime.2021.100016の表1を参照されたい。
【0346】
したがって、ACAエラストマーなどの少なくとも1つの導電性エラストマーが埋め込み型デバイスに使用され得ることは、当業者にとって驚くべきことであり、予期しないことである。しかしながら、PDMSなどの適切に構成された封止材の使用は、少なくとも1つの導電性エラストマーが位置する埋め込み型デバイスの領域への水分の侵入に実質的に抵抗するために、具体的には、ヒトまたは動物の体からの有害なイオン及び/または塩の侵入に抵抗するために、使用され得る。
【0347】
例えば、
図14Aに示される実施例は、パルス発生器500部品のうちの1つ以上が、おおよそ0.8mm~2mm、例えば1mmの平均横断面厚さを有する、FR-4基板などの基板の、より適合性の低い(またはより剛性の高い)部分2210に取り付けられるように適合され得る。さらに、LCPなどの基板300の適合性部分2220(またはより剛性が低い)は、おおよそ0.05mm~0.5mm、例えば0.1mmの平均横断面厚さを有し得る。少なくとも1つの封止層2250は、基板300の1つ以上の側面上に、おおよそ0.5mm~2mm、例えば1.1mmの平均横断面厚さを伴って提供され得る。埋め込み型デバイス2201は、おおよそ1.8mm~6mm、例えば3.3mmの平均横断面厚さを有し得る。平均横断面厚さは、基板300の各側面に2つの封止領域を含み得、少なくとも1つの導電性エラストマー2260の高度な保護を提供する。ACFなどの導電性エラストマーは、通常、長手方向軸600にほぼ沿って向けられた分離力に対して高い分離抵抗を提供し得る。しかしながら、導電性エラストマーは、通常、第2の横軸750にほぼ沿って向けられた分離力(または剥離力)に対して、低度の分離抵抗を提供し得る。例えば、ACFエラストマー2260は、おおよそ6mm~10mm、例えば8mmの第1の横軸700に沿った横方向の広がりを有する基板300を用いて、おおよそ5N/cmの横方向分離抵抗を提供し得る。埋め込み型刺激装置2201の場合、少なくとも15ニュートン(N)の剥離力に対して、より高い横方向分離抵抗が好ましい。1つ以上の封止層2250を適切に構成することによって、最大15ニュートンの埋め込み型デバイス上の剥離力に対して機械的抵抗が提供され得、これは、導電性エラストマー2260に加えられる埋め込み型デバイス剥離力の部分を低減し、これは、第2の横軸750に沿った機械的分離のリスクを低減し得る。例えば、導電性エラストマー2260に適用される埋め込み型デバイス剥離力の部分を3倍以上減少させることが有利であり得る。
【0348】
さらにまたは代わりに、少なくとも1つの機械的締め具2240は、導電性エラストマー2260を通る1つ以上の導電経路を生成するために必要とされ得るある程度の機械的プレテンションを提供するように構成及び配置され得る。例えば、以下による。
-第1の部分2210及び適合性の第2の部分2220を一緒に押し付けるある程度の機械的圧力が適用されている間に埋め込み型デバイスを組み立てること。次いで、力が除去され、それによって、少なくとも1つの機械的締め具は、第1の部分2210及び適合性の第2の部分2220を一緒に押し続ける、及び/または
-少なくとも1つの機械的締め具2240が組み立て中に所定の位置に固定されるようにして、第1の部分2210及び適合性の第2の部分2220を一緒に押し付けるためにある程度の機械的圧力を加えるように、少なくとも1つの機械的締め具2240を構成及び配置すること。
【0349】
導電性エラストマー2260は、有利には、電気インターフェース255、505を解放可能であるように構成し得る。これは、
図10A~
図10Fに関連して以下にさらに記載される。
【0350】
図8の埋め込み型刺激装置2201は、以下を備えることによって、
図14Aに示される埋め込み型刺激装置とはさらに異なる。
-導電性エラストマー2260に電気的に接続されるように構成及び配置された、パルス発生器500及び1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505を備えた第1の部分2210。
図14Aに示される実施例に加えて、1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505は、さらにまたは代わりに、電気フィードスルーに備えられる1つ以上のコネクタピンを備え得る。
-導電性エラストマー2260に電気的に接続されるように構成及び配置された、1つ以上の相互接続電気インターフェース255を有する適合性の第2の部分2220。
図14Aに示される実施例に加えて、1つ以上の相互接続電気インターフェース255は、さらにまたは代わりに、電気フィードスルーに備えられる1つ以上のコネクタピンを備え得る。
-適合性の第2の部分2220と第1の部分2210との分離に抵抗するように構成及び配置される、適合性の第2の部分2220と第1の部分2210との会合部での少なくとも1つの機械的締め具2240。示される実施例では、少なくとも1つの機械的締め具2240は、第2の表面320に隣接しており、及び/または第2の表面320に含まれる。さらにまたは代わりに、少なくとも1つの機械的締め具2240は、ある程度の機械的プレテンションを提供するように構成及び配置され得、そして
-第1の部分2210を少なくとも部分的に覆い、適合性の第2の部分2220を少なくとも部分的に覆う、少なくとも1つの封止層2250。さらにまたは代わりに、少なくとも1つの封止層2250は、例えば、その形状、広がり、厚さ、及び物理的特性による、第1の部分2210からの適合性の第2の部分2220のある程度の分離抵抗を提供するように構成及び配置され得る。さらにまたは代わりに、少なくとも1つの封止層2250は、第1の部分2210を完全に覆い得る。
【0351】
さらにまたは代わりに、少なくとも1つの封止層2250は、導電性エラストマー2260を通る1つ以上の導電経路を生成するために必要とされ得るある程度の機械的プレテンションを提供するように構成及び配置され得る。例えば、
図14Aについて上述したのと同じ方法で、少なくとも1つの封止層2250は、例えば、その形状、広がり、厚さ及び物理的特性に起因して、ある程度の分離抵抗を提供するように構成及び配置され得る。さらにまたは代わりに、少なくとも1つの機械的締め具2240は、少なくとも1つの封止層2250からある量の封止材を受容するように構成及び配置された、1つ以上の開口部、凹部、空洞または同様のものなどを含み得る。
【0352】
当業者はまた、本開示の他の箇所に記載された埋め込み型電気または電子的デバイスの実施形態が、1つ以上の電気または電子部品を備える第1の部分と、適合性の第2の部分との会合部で少なくとも1つの機械的締め具を備えるように同様に変更され得ることを理解する。例えば、以下の図に示され、説明の関連部分に記載される:
-
図11Aに示される埋め込み型電気または電子デバイス1100、
-
図11Bに示される埋め込み型電気または電子デバイス1101、及び
-
図11Cに示される埋め込み型電気または電子デバイス1102。
【0353】
当業者はまた、本開示の他の箇所に記載された埋め込み型デバイスの実施形態が、1つ以上の電気または電子部品を備える第1の部分と、2つ以上の電極を備える適合性の第2の部分との会合部で少なくとも1つの機械的締め具を備えるように同様に変更され得ることを理解する。例えば、以下の図に示され、説明の関連部分に記載される:
-
図1A~
図1Cに示される埋め込み型刺激装置100、
-
図2A~
図2Cに示される埋め込み型刺激装置101、
-
図3A~
図3Cに示される埋め込み型刺激装置102、及び
-
図4A~
図4Cに示される埋め込み型刺激装置103、104、105。
【0354】
図9は、埋め込み型電気デバイスと、1つ以上の電極と、機械的ストレインリリーフ2340とを備える、埋め込み型医療デバイスの第3の実施形態2301の長手方向の断面の横断図を示す。本開示の他の箇所に記載される埋め込み型医療デバイス1110は、変更されている。
【0355】
第3の実施形態2301は、以下を備える。
-1つ以上の導電体1210を有する基板1400。基板1400は、3つの保護された表面を備え、各表面は、任意選択の接着層1500及び少なくとも1つの封止層1300によって保護されている。3つの保護された表面は、2つの対向する保護された表面と、さらなる隣接する表面とを備える。この実施例では、2つの対向する表面は、上面及び底面として示されており、さらなる隣接する表面は、左側に示されている。示される実施例では、任意選択の接着層1500は、基板1400の少なくとも一部に隣接して提供され、少なくとも1つの封止層1300によって覆われる。接着層1500は、好ましくは、ALDなどの蒸着によって適用される。
【0356】
接着層1500の広がりは、2つの対向する保護された各表面について、基板1400の広がりより小さい。接着層1500の広がりは、第3の隣接する保護された表面について、基板1400の広がりより大きい。少なくとも1つの封止層1300の広がりは、2つの対向する保護された表面について、基板1400の広がりよりも小さい。
【0357】
少なくとも1つの封止層1300の広がりは、第3の隣接する保護された表面について、基板1400の広がりよりも大きく、接着層1500の広がりは、各保護された表面について、少なくとも1つの封止層1300の広がりよりも小さい。
【0358】
基板は、第1の部分2310を備え、それに沿って、1つ以上のセンサに含まれるように、及び/またはパルス発生器に含まれるように、1つ以上の電気または電子部品1230が位置する。
【0359】
1つ以上の刺激電極は、基板1400の適合性の第2の部分2320に沿って位置する。明確にするために、1つ以上の刺激電極は、
図9に示されていない。
【0360】
第1の部分2310は、1つ以上の電気または電子部品1230の存在のために、適合性の第2の部分2320よりも適合性が低い。第1の部分2310の適合性の程度は、1つ以上の電気または電子部品1230の平均厚さが、電極の平均厚さ及び/または相互接続1210の平均厚さよりも大きい場合、低減され得る。第1の部分2310の適合性の程度は、例えば、1つ以上の部品1230が上述したようにボード及び/または材料に取り付けられている場合、さらに低減され得る。
【0361】
1つ以上の相互接続1210は、少なくとも2つの電極と1つ以上の電気または電子部品1230との間の単一の接続として概略的に示されている。
【0362】
埋め込み型医療デバイス2301は、さらに、以下を含む:
-第1の部分2310と適合性の第2の部分2320との間の適合性切替領域。適合性切替領域の位置及び広がりは、適合性の低い第1の部分2310と適合性の第2の部分2320との間の関連するパラメータ及び特性の違いによって影響を受ける。
【0363】
示されているように、1つ以上の電気または電子部品1230は、少なくとも1つの封止層1300に植設されているか、または少なくとも1つの封止層1300によって封止されている。言い換えれば、少なくとも1つの封止層1300は、1つ以上の電気または電子部品1230を覆う。任意選択で、
図9の長手方向断面に示される埋め込み型医療デバイス2301は、1つ以上の電気または電子部品1230が少なくとも1つの封止層1300によって完全に覆われるように構成及び配置され得る。
【0364】
示される実施例では、任意選択の接着層1500は、1つ以上の電気または電子部品1230の少なくとも一部に隣接して提供され、少なくとも1つの封止層1300によって覆われる。言い換えれば、任意選択の接着層1500は、1つ以上の電気または電子部品1230を覆う。任意選択で、
図9の長手方向断面に示される埋め込み型医療デバイス2301は、1つ以上の電気または電子部品1230が任意選択の接着層1500によって完全に覆われるように構成及び配置され得る。
【0365】
埋め込み型医療デバイス2301は、さらに、以下を含む:
-第1の部分2310からの適合性の第2の部分2320の分離に抵抗するように構成された、ストレインリリーフのために提供される少なくとも1つの機械的締め具2340。示される実施例では、少なくとも1つの機械的締め具2340は、基板1400の表面に隣接し、及び/または基板1400の表面に含まれる。
【0366】
第1の部分2310は、1つ以上の相互接続電気インターフェース1215に電気的に接続されるように構成及び配置された、1つ以上の部品電気インターフェース1235をさらに備える。
【0367】
適合性の第2の部分2320は、1つ以上の部品電気インターフェース1235に電気的に接続されるように構成及び配置された、1つ以上の相互接続電気インターフェース1215を備える。
【0368】
示される実施例では、少なくとも1つの封止層1300は、基板1400の第1の部分2310を覆い、適合性の第2の部分2320を少なくとも部分的に覆う。示される実施例では、任意選択の接着層1500は、基板1400の第1の部分2310を覆い、適合性の第2の部分2320を少なくとも部分的に覆う。
【0369】
任意選択で、
図9の長手方向断面に示される埋め込み型医療デバイス2301は、第1の部分2310が少なくとも1つの封止層1300によって完全に覆われるように構成及び配置され得る。
【0370】
任意選択で、
図9の長手方向断面に示される埋め込み型医療デバイス2301は、第1の部分2310が任意選択の接着層1500によって完全に覆われるように構成及び配置され得る。
【0371】
ストレインリリーフのための少なくとも1つの機械的締め具2340の使用は、適合性部分が適合性の低い(または適合性のない)部分に接続されているデバイスにおける接着層1500の使用可能性をさらに増加させ得る。そのようなストレインリリーフは、さらに薄い接着層1500が使用されることを可能にし得、及び/またはそのような層が亀裂及び/または破損するリスクを低減し得る。
【0372】
例えば、以下の図に示され、説明の関連部分に記載されているものなど、本開示における他の箇所に記載されている埋め込み型デバイスの他の実施形態も変更され得る。
-
図12Aに示される埋め込み型医療デバイス1110、及び
-
図12Bに示される埋め込み型医療デバイス1111。
【0373】
一般に、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340は、最も適切な程度のストレインリリーフを提供するように構成及び配置され得る。
【0374】
図10A~10Fは、本発明の特定の実施形態と一致する、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340の例示的な実装形態の底面図である。これらの実施例では、
図14Bに関連して上述したように、同じ面の図が使用される。明確にするために、少なくとも1つの封止層及び任意選択の接着層は、示されていない。
【0375】
これらの実施例の1つ以上の態様は、互いに、及び/または任意の他の同等の機械的締め具と組み合わされ得る。これらの実施例では、示されるように、第1の横軸700に沿った第1の部分2110、2210、2310の広がりは、第1の横軸700に沿った適合性の第2の部分2120、2220、2320の広がりよりも大きい。
【0376】
図10Aは、1つ以上の締結具を使用して、基板300、1400の適合性の第2の部分2120、2120、2320及び第1の部分2110、2210、2310に取り付けられた剛性プレートを備える、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340を示す。1つ以上の締結具は、剛性プレートを通過する。
【0377】
この実施例に示されるように、4本のねじは、適合性の第2の部分2120、2120、2320に取り付けられた2本のねじ、及び第1の部分2110、2210、2310に取り付けられた2本のねじで使用されている。しかしながら、1つ以上のリベット、ボルト、ピン、ペグ、スパイク、フック、突起、またはそれらの任意の組み合わせなどの任意の他の適切な留め具が使用され得る。任意の適切な数の締結具が任意の適切な構成で使用され得る。
【0378】
さらにまたは代わりに、接着剤、糊、エポキシ、セメント、またはそれらの任意の組み合わせなどの結合剤が、剛性プレートを基板300、1400に取り付けられるために、使用され得る。
【0379】
さらにまたは代わりに、剛性プレートは、1つ以上の開口部、凹部、空洞、溝、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の機械要素とともに提供され得る。対応する及び協働する機械要素は、1つ以上のねじ、リベット、ボルト、ピン、ペグ、スパイク、フック、突起、突出部、またはそれらの任意の組み合わせなどの1つ以上の締結具など、適合性の第2の部分2120、2220、2320及び/または第1の部分2110、2210、2310上の適切な位置に提供される。
【0380】
1つ以上のねじは、それらが解放可能であり、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、234が取り付けられ、取り外され、及び/または交換されることを可能にするので、有利であり得る。
【0381】
図10Bは、別々の適合性の第2の部分2120、2220、2320及び別々の第1の部分2110、2210、2310を有する基板300、1400を備えることを除いて、
図10Aの実施例と同じである、さらなる実施例を示す。これは、簡略化された製造プロセス中に、基板300、1400の2つの異なるピースが接合されることを可能にするので、有利であり得る。必要に応じて、少なくとも1つの封止層が1つ以上の部分に適用され得る。任意に、接着層も使用され得る。
【0382】
この実施例に示されるように、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340が、剛性プレート及び1つ以上のねじを使用するなどして、解放可能であるように構成及び配置されることも、有利であり得る。これは、1つ以上の部分を交換することによって、以前に製造された埋め込み型デバイスの修理及び/またはアップグレードを可能にし得る。
【0383】
1つ以上の電気インターフェースを相互に解放可能にすることが、さらに有利であり得る。例えば、
図14Aに示される実施形態は、別々の適合性の第2の部分2120及び別々の第1の部分2110を提供するように変更され得る。各部分は、1つ以上のソケットと協働する1つ以上のプラグなどの、1つ以上の相補的な解放可能な電気インターフェース255、505を備える。
【0384】
同様に、
図9に示される実施形態は、別々の適合性の第2の部分2320及び別々の第1の部分2310を提供するように変更され得る。各部分は、1つ以上の相補的な解放可能な電気インターフェース1215、1235を備える。
【0385】
同様に、
図8に示される実施形態は、有利には、別々の適合性の第2の部分2220及び別々の第1の部分2210を提供するように変更され得る。各部分は、解放可能であるように構成された1つ以上の相補的な電気インターフェースを備える。例えば、1つ以上の相互接続電気インターフェース255を1つ以上のパルス発生器電気インターフェース505と電気的に接続するように構成及び配置された、ACFなどの少なくとも1つの導電性ポリマー2260が提供される。
【0386】
同様に、
図9に示される実施形態は、分離可能な第1の部分2310が1つ以上の解放可能な部品電気インターフェース1235を備え、分離可能な適合性部分2320が1つ以上の解放可能な相互接続電気インターフェース1215を備えるように変更され得る。1つ以上の相互接続電気インターフェース1215を1つ以上の部品電気インターフェース1235と電気的に接続するように構成及び配置された、ACFなどの少なくとも1つの導電性ポリマーが提供される。
【0387】
必要に応じて、少なくとも1つの封止層は、修理及び/またはアップグレード後に1つ以上の部分に適用され得る。任意に、接着層も使用され得る。
【0388】
図10Cは、第1の部分2110、2210、2310に近接する適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションが剛性プレートについて上述したように構成及び配置されていることを除いて、
図10Aまたは
図10Bの実施例と同じである、さらなる実施例を示す。少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340は、適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションを備える。したがって、この実施例では、使用される1つ以上の締結具は、第1の部分2110、2210、2310への取り付けのためにのみ提供され、適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションを通過する。
【0389】
さらにまたは代わりに、適合性の第2の部分2120、2220、2320に近接する第1の部分2110、2210、2310の一体セクションは、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340と同様にして構成及び配置され得る。
【0390】
図10Dは、第1の部分2110、2210、2310に近接する適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションが長手方向に延び、第1の部分2110、2210、2310に取り付けられた少なくとも1つのクランプを通過することを除いて、
図10Aまたは
図10Bの実施例と同じである、さらなる実施例を示す。
【0391】
少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340は、適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションと、第1の部分2110、2210、2310に取り付けられたクランプとの組み合わせを備える。
【0392】
さらにまたは代わりに、適合性の第2の部分2120、2220、2320に近接する第1の部分2110、2210、2310の一体セクションは、適合性の第2の部分2120、2220、2320に取り付けられた少なくとも1つのクランプと協働することによって、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340と同様にして構成及び配置され得る。
【0393】
図10Eは、第1の部分2110、2210、2310に近接する適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションがさらに長手方向に延び、第1の部分2110、2210、2310の少なくとも1つのスリット状開口部を通過することを除いて、
図10Cの実施例と同じである、さらなる実施例を示す。
【0394】
この実施例における少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340は、適合性の第2の部分2120、2220、2320の一体セクションと、1つ以上のスリット状開口部と、第1の部分2110、2210、2310に取り付けるために一体セクションを通過する1つ以上の締結具とを備える。
【0395】
さらにまたは代わりに、適合性の第2の部分2120、2220、2320に近接する第1の部分2110、2210、2310の一体セクションは、適合性の第2の部分2120、2220、2320の1つ以上のスリット状開口部と協働することによって、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340と同様にして構成及び配置され得る。
【0396】
さらにまたは代わりに、一部分の一体セクションは、1つ以上のベルト、バンド、ストラップ、テープ、またはそれらの任意の組み合わせに類似して、さらに長手方向に延び得る。1つ以上の適切な協働要素が、1つ以上のスロット、スリット、溝、バックル、チャネル、開口部、またはそれらの任意の組み合わせなど、他の部分に提供され得る。
【0397】
上述したように、少なくとも1つの封止層1300、2150は、例えば、その形状、広がり、厚さ、及び物理的特性に起因して、ある程度の分離抵抗を提供するように構成及び配置され得る。
【0398】
さらに、少なくとも1つの機械的締め具2140、2240、2340は、少なくとも1つの封止層1300、2150からある量の封止材を受容するように構成及び配置された、開口部、凹部、空洞または同様のものなどであり得る。
【0399】
図10Fは、剛性プレートが、適合性の第2の部分2120、2220、2320の1つ以上の開口部、及び第1の部分2110、2210、2310の1つ以上の開口部によって置き換えられていることを除いて、
図10Bの実施例と同じである、さらなる実施例を示す。
【0400】
この実施例では、機械的締め具2140、2240、2340は、少なくとも1つの封止層から相当量の封止材を受容するように構成及び配置された1つ以上の開口部を含むように提供される。少なくとも1つの封止層を適用した後、相当量の封止材は、第1の部分2110、2210、2310から適合性の第2の部分2120、2220、2320の分離抵抗を提供し得る。任意選択で、接着層も、開口部の1つ以上の表面への接着を改善するために使用され得る。
【0401】
本明細書におけるその説明は、その中で説明される方法ステップを実行する固定された順序を規定するとして理解されるべきではない。むしろ、方法ステップは、実践可能である任意の順序で実行され得る。同様に、アルゴリズムを説明するために使用される実施例は、非限定的な実施例として提示されており、これらのアルゴリズムの唯一の実装形態を表すことを意図していない。当業者は、本明細書に説明される実施形態によって提供されるものと同じ機能を達成するための多くの異なる方法を想到できる。
【0402】
例えば、適合性を改善する1つ以上の特徴は、改善された封止のために構成及び配置された実施形態に適用され得る。いくつかの実施形態では、封止を改善するが、適合性を低減させる特徴を適用することが有利であり得る。
【0403】
例えば、封止を改善する1つ以上の特徴は、改善された適合性のために構成及び配置された実施形態に適用され得る。いくつかの実施形態では、適合性を改善するが、封止を低減させる特徴を適用することが有利であり得る。
【0404】
刺激デバイスの多くのタイプの埋め込み型遠位端が、示されている。しかし、これは、デバイスの残りの部分が埋め込まれていることを排除するものではない。これは、遠位端の少なくとも電極セクションが、好ましくは埋め込まれるように構成及び配置されることを意味すると解釈されるべきである。
【0405】
本発明は、特定の例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に説明される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して当業者に明らかな様々な変更、置き換え、及び改変を行うことができることを理解されたい。
【0406】
非限定的な実施例では、
-第1のタイプの1つ以上の電極200a、200b、1220は、第1の表面310、1410に含まれ、第2のタイプの1つ以上の電極400a、400b、1220は、第2の表面320、1420に含まれる、または
-第1のタイプの1つ以上の電極200a、200b、1220は、第1の表面310、1410に含まれ、第2のタイプの1つ以上の電極400a、400b、1220も第1の表面310、1410に備えられる、または
-第1のタイプの1つ以上の電極200a、200b、1220は、第2の表面320、1420に含まれ、第2のタイプの1つ以上の電極400a、400b、1220は第1の表面310、1410に備えられる、または
-第1のタイプの1つ以上の電極200a、200b、1220は、第2の表面320、1420に含まれ、第2のタイプの1つ以上の電極400a、400b、1220は第2の表面320、1420に含まれる、または
-それらの任意の組み合わせ。
【0407】
比較的大きなより高い電極200、400、1220の表面を提供することによって、刺激装置100、101、102、103、104、105、1100、1101、1102は、より低いエネルギー/より低い電力で動作され得る。これは、高周波及び/またはバースト刺激が使用される用途では有利である場合がある。
【0408】
高周波動作は、パルス発生器500によって提供されるより多くのエネルギーを必要とする場合がある。非限定的な実施例では、パルス発生器500用の電源から動作寿命の増加が望まれる場合など、エネルギー/電力が重要である用途では、必要とされる電力のいかなる削減も、有利であり得る。高周波動作は、1000Hz以上、好ましくは1500Hz以上、より好ましくは2000Hz以上、さらにより好ましくは2500Hz以上の周波数を有する電気刺激パルスを発生させることと見なされ得る。
【0409】
実施形態では、Garcia-Ortega et al,Neuromodulation 2019;22:638-644,DOI:10.1111/ner.12977による、Burst Occipital Nerve Stimulation for Chronic Migraine and Chronic Cluster Headacheなど、バースト刺激を用いた実験が行われてきた。
【0410】
バースト動作の場合、パルス発生器500は、刺激パルスのグループで電気刺激パルスを発生させるようにさらに構成及び配置される。
【0411】
非限定的な実施例では、刺激パルスのグループ(またはバースト)は、2~10のパルス、より好ましくは2~5の刺激パルスを含み得る。グループ内の刺激パルスは、500Hzを超える、通常、1000Hz以上の繰り返し周波数を有し得る。グループは、5Hzを超える、通常、40Hz以上で繰り返され得る。
【0412】
高周波動作と同様に、バースト動作は、発生器500によってより多くのエネルギーが提供されることを必要とし得、必要とされる電力のいかなる削減も、有利であり得る。
【0413】
さらに、電荷バランス回復の速度はまた、インピーダンスが低いほど増す場合がある。比較的薄い箔の基板300、1400、一方の表面310、1410、320、1420に含まれる第1のタイプの電極200、1220と、他方の表面310、1410、320、1420に含まれる第2のタイプの電極400、1220との間の刺激を使用することによって、組織における電流経路は、比較的短くなり、インピーダンスを低減する。
【0414】
同様に、基板300、1400、及び一方の表面310、1410、320、1420に含まれる第1のタイプの電極200、1220と、同じ表面310、1410、320、1420に含まれる第2のタイプの隣接する電極400、1220との間の刺激を使用することは、組織を通る比較的短い経路を提供する。
【0415】
特定の例示的な実施形態が記載されてきたが、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、前述の説明に照らして、多くの代替、変更、置換、及び変形が当業者に明らかになることは明らかである。
【0416】
本発明は、開示される各実施形態の様々な特徴の考えられるあらゆる組み合わせを包含する。様々な実施形態に関して本明細書に説明される要素の1つ以上は、特定の用途に従って有用であるように、明示的に記載されるよりもさらに分離もしくは統合された方法で実装できるか、または特定の場合には削除もしくは動作不能にすることさえできる。
【0417】
特に有利な特徴の組み合わせは、以下の非限定的な実施例を含む。
(i).埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111であって、
-1つ以上の電気治療刺激パルスを発生させるためのパルス発生器500と、
-前記パルス発生器500から基板300、1400の遠位端まで延びる長手方向軸600を有する適合性箔状基板300、1400であって、前記基板300、1400は、1つ以上の隣接するポリマー基板層を備え、前記基板は、第1の平面状表面310、1410及び第2の平面状表面320、1420を有する、前記適合性箔状基板300、1400と、
-前記遠位端に近接する電極アレイ200、400、1220であって、前記第1の表面310、1410または第2の表面320、1420に含まれる第1の電極200a、200b、1220及び第2の電極400a、400b、1220を有し、動作中の各電極200、400、1220は、治療エネルギーを、ヒトもしくは動物の組織に、及び/またはヒトもしくは動物の組織から伝達するために構成可能である、前記電極アレイ200、400、1220と、を備え、
前記埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111は、
-前記第1の電極200a、200b、1220及び/または前記第2の電極400a、400b、1220へ、1つ以上の電気治療刺激パルスとして電気エネルギーを伝達するための、前記パルス発生器500と、前記第1の電極200a、200b、1220及び前記第2の電極400a、400b、1220との間の1つ以上の電気相互接続250、1210をさらに備え、
前記1つ以上の電気相互接続250、1210は、前記第1の表面310、1410と前記第2の表面320、1420との間に構成され(または位置決めされ)、前記適合性箔状基板30、1400は、前記第1の電極200a、200b、1220及び前記第2の電極400a、400b、1220に近接して、0.5ミリメートル以下の最大厚さを有し、前記厚さは、前記第1の平面状表面310、1410及び前記第2の平面状表面320、1420上の対応する点の間の垂直距離によって決定される、前記埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111。
(ii).埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111であって、
-基板300、1400であって、前記基板は、上面310、1410及び底面320、1420を備える、前記基板300、1400と、
-前記基板300、1400の第1の部分に沿って位置するパルス発生器500であって、前記パルス発生器500は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成されている、前記パルス発生器500と、
-前記基板300、1400の第2の適合性部分に沿って位置する少なくとも2つの電極200、400、1220を備える電極アレイ200、400、1220と、
-前記パルス発生器500を前記電極アレイ200、400、1220の前記少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続250、1210であって、前記複数の電気相互接続250、1210は、前記基板300、1400の前記上面310、1410と前記底面320、1420との間に位置決めされている、前記複数の電気相互接続250、1210と、
-前記基板300、1400の前記第1の部分の少なくとも一部を覆う封止層と、を備え、
前記第2の部分における前記基板300、1400の最大厚さは、0.5ミリメートル以下である、前記埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111。
(iii).埋め込み型電気デバイス100、101、102、103、104、105、1100、1101、1102であって、
-第1の表面310、1410、及び1つ以上の導電体250、1210を有する基板300、1400と、
-第1の生体適合性封止層1300、1310、1320と、
-前記第1の表面310、1410と前記第1の封止層1300、1310、1320との間に配置された第1の接着層1500、1510、1520と、を備え、
-前記基板300、1400は、実質的に可撓性であるように構成及び配置されており、
-前記第1の接着層1500、1510、1520は、前記第1の表面310、1410に適合するように構成及び配置されており、
-前記第1の封止層1300、1310、1320は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)ゴムを含み、
-前記第1の接着層1500、1510、1520及び前記第1の封止層1300、1310、1320は、ヒトまたは動物の体から前記第1の表面300、1410の少なくとも一部分への流体の侵入に抵抗するように構成及び配置される、前記埋め込み型電気デバイス100、101、102、103、104、105、1100、1101、1102。
(iv).実質的に可撓性の基板300、1400の表面310、1410、320、1420に封止層1300、1310、1320を適用するためのプロセスであって、
-第1の表面310、1410、及び1つ以上の導電体250、1210を有する基板300、1400を提供することと、
-前記第1の表面310、1410の少なくとも一部分に、第1の適合性接着層1500、1510、1520を適用することと、
-前記第1の接着層1500、1510、1520の少なくとも一部分に、ポリジメチルシロキサン(PDMS)ゴムを含む第1の生体適合性封止層1300、1310、1320を適用することと、を含み、
前記第1の接着層1500、1510、1520及び前記第1の封止層1300、1310、1320は、ヒトまたは動物の体から前記第1の表面310、1410の少なくとも一部分への流体の侵入に抵抗するように構成及び配置される、前記プロセス。
(v).埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111であって、
第1の表面310、1410及び第2の表面320、1420を備える基板300、1400であって、前記基板300、1400の厚さは、前記第1の表面310、1410及び前記第2の表面320、1420によって画定される、前記基板300、1400と、
少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成されたパルス発生器500と、
前記基板300、1400の適合性部分に沿って位置する少なくとも2つの電極200、400、1220と、
前記少なくとも2つの電極200、400、1220に前記パルス発生器500を電気的に結合する複数の電気相互接続250、1210と、
前記基板(300、1400)を少なくとも部分的に覆う封止層1300、1310、1320と、
少なくとも1つの位置における、前記封止層1300、1310、1320と前記基板300、1400との間の接着層1500、1510、1520と、を備え、
前記適合性部分に沿った前記基板300、1400の厚さは、0.5ミリメートル以下である、前記埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111。
(vi).埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111であって、
基板300、1400であって、上面310、1410及び底面320、1420を備える、前記基板300、1400と、
前記基板300、1400の第1の部分に沿って位置するパルス発生器500であって、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成されている、前記パルス発生器500と、
前記基板300、1400の第2の適合性部分に沿って位置する少なくとも2つの電極200、400、1220と、
前記少なくとも2つの電極200、400、1220に前記パルス発生器を電気的に結合する複数の電気相互接続250、1210であって、
前記複数の電気相互接続250、1210は、前記基板300、1400の前記上面310、1410と前記底面320、1420との間に位置決めされている、前記複数の電気相互接続250、1210と、
前記基板300、1400の前記第1の部分の少なくとも一部を覆う封止層1300、1310、1320と、
少なくとも1つの位置における、前記封止層1300、1310、1320と前記基板300、1400との間の接着層1500、1510、1520と、を備え、
前記第2の部分における前記基板300、1400の最大厚さは、0.5ミリメートル以下である、前記埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111。
(vii).前記パルス発生器500に近接する前記埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111の最大厚さは、5ミリメートル以下、または4ミリメートル以下、3ミリメートル以下であり、前記厚さは、外側平面状表面上の対応する点間の垂直距離によって決定される、いずれかの開示された実施例による埋め込み型刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111。
(viii)
-前記パルス発生器500は、前記基板300、1400の第1の部分に沿って位置し、
-前記電極アレイ200、400、1220は、前記基板300、1400の第2の適合性の液晶ポリマー(LCP)部分に沿って位置し、
-前記複数の電気相互接続250、1210は、電気メッキ及び/または半導体堆積技術を使用して、前記基板300、1400の第1の適合性のLCP層上に位置決めされ、前記基板300、1400の少なくとも1つの第2の適合性のLCP層は、前記複数の電気相互接続250、1210を覆うように、前記第1の層に固定されており、
-前記封止層1300、1310、1320は、生体適合性であり、前記基板300、1400の前記第1の部分と前記第2の部分の少なくとも一部とを覆い、前記封止層1300、1310、1320は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含み、6~8MPaの範囲の引張強度を有し、
-1つ以上の生体適合性接着層1500、1510、1520は、前記基板300、1400に適合し、前記封止層1300、1310、1320と前記基板300、1400との間に位置決めされ、前記1つ以上の接着層1500、1510、1520は、原子層堆積(ALD)を使用して適用される25nm~200nmの範囲の平均厚さを有し、
-前記基板の前記第2の部分は、2500~3600MPaの範囲のヤング率を有し、
-前記1つ以上の接着層1500、1510、1520、及び前記封止層1300、1310、1320は、前記基板300、1400上への流体の侵入に抵抗するように構成されており、
-前記第2の部分に沿った前記基板300、1400の厚さは、0.2ミリメートル以下であり、
-前記第1の部分に沿った前記刺激装置100、101、102、103、104、105、1110、1111の厚さは、4ミリメートル以下であり、
-前記パルス発生器500は、エネルギー送信機からエネルギーを無線で受信するように構成されたエネルギー受信器を備える、いずれかの開示された実施例による埋め込み型刺激装置。
【符号の説明】
【0418】
100、101、102 埋め込み型刺激装置
103、104、105 埋め込み型刺激装置のさらなる実施形態
200a、200b、200c、200d 1つ以上の刺激電極
250 1つ以上の刺激電気相互接続層
255 1つ以上の相互接続電気インターフェース
300 適合性箔状基板
310、320 第1及び第2の表面
400、400a、400b、400c、400d 1つ以上の戻り電極
500 パルス発生器
505 1つ以上のパルス発生器電気インターフェース
600 長手方向軸
700 第1の横軸
750 第2の横軸
810 左眼窩上神経または皮質刺激用の位置
820 右眼窩上刺激用の位置
830、830a、830b 左後頭神経刺激用の位置
840、840a、840b 右後頭神経刺激用の位置
850 脳深部刺激用の位置
860 迷走神経、頸動脈、頸動脈洞、横隔神経または舌下刺激用の位置
865 脳脊髄刺激用の位置
870 末梢神経刺激用の位置
875 脊髄刺激用の位置
880 胃刺激用の位置
885 仙骨神経及び陰部神経刺激用の位置
890 仙骨神経調節用の位置
895 腓骨神経刺激用の位置
910 左眼窩上神経
920 右眼窩上神経
930 左大後頭神経
940 右大後頭神経
1100、1101、1102 改善された埋め込み型電気または電子デバイス
1110、1111 改善された埋め込み型医療デバイス
1210 1つ以上の導電体
1215 1つ以上の相互接続電気インターフェース
1220 1つ以上の刺激電極
1230 1つ以上のセンサ
1235 1つ以上の部品電気インターフェース
1300 さらなる生体適合性封止層
1310 第1の生体適合性封止層
1320 第2の生体適合性封止層
1400 基板
1410 第1の表面
1420 第2の表面
1500 さらなる接着層
1510 第1の接着層
1520 第2の接着層
1750 乾燥条件下及び浸漬後の平均引張力を比較するグラフ
1761a サンプル2.1についての平均剥離力
1762a、1762b サンプル2.2についての平均剥離力
1763a、1763b サンプル2.3についての平均剥離力
1764a、1764b サンプル2.4についての平均剥離力
1765a、1765b サンプル2.5についての平均剥離力
2010 第1の部分
2020 適合性の第2の部分
2101 機械的ストレインリリーフを備える第1の実施形態
2110 電気インターフェースを備えた第1の部分
2120 電気インターフェースを備えた適合性の第2の部分
2140 少なくとも1つの機械的締め具
2150 少なくとも1つの封止層
2201 機械的ストレインリリーフを備える第2の実施形態
2210 電気インターフェースを備えた第1の部分
2220 電気インターフェースを備えた適合性の第2の部分
2240 少なくとも1つの機械的締め具
2250 少なくとも1つの封止層
2260 導電性エラストマー
2301 機械的ストレインリリーフを備える第3の実施形態
2310 電気インターフェースを備えた第1の部分
2320 電気インターフェースを備えた適合性の第2の部分
2340 少なくとも1つの機械的締め具
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型刺激装置であって、
第1の表面及び第2の表面を備える基板(300、1400)であって、前記基板(300、1400)の厚さは、前記第1の表面及び前記第2の表面によって画定されており、
前記基板(300、1400)は、パルス発生器(500)が沿って位置する第1の部分(2010、2110、2210、2310)を備え、前記パルス発生器(500)は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成された、1つ以上の電気または電子部品を備える、前記基板(300、1400)と、
前記基板(300、1400)の適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)に沿って位置する少なくとも2つの電極を備える電極アレイ(200、400、1220)と、
前記パルス発生器(500)を前記電極アレイ(200、400、1220)の前記少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続(250、1210)であって、前記複数の電気相互接続(250、1210)は、前記基板(300、1400)の前記第1の表面と前記第2の表面との間に位置決めされ、前記埋め込み型刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との間の1つ以上の電気インターフェースを備え、前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、前記複数の電気相互接続(250、1210)と、を備え、
前記埋め込み型刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)は、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間の1つ以上の電気インターフェースを電気的に接続するように構成及び配置された少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を備え、
前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)に沿った前記基板(300、1400)の厚さは、0.5ミリメートル以下であり、
前記埋め込み型刺激装置は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を少なくとも部分的に覆い、前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)を更に備え、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との会合部で、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)の分離に抵抗するように構成されており、
前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を通る1つ以上の導電経路が生成されるように、ある程度の機械的プレテンションを提供するように構成及び配置されている、前記埋め込み型刺激装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との会合部にある、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)によって提供される前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)の分離抵抗の程度は、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)の少なくとも1つの特性に起因するものであり、前記少なくとも1つの特性は、形状、広がり、厚さ、物理的特性、接着性、またはそれらの任意の組み合わせである、請求項1または2に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を覆う、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)は、異方性導電性接着剤、異方性導電性膜、異方性導電性発泡体、異方性導電性ペースト、またはそれらの任意の組み合わせである、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項6】
前記基板(300、1400)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との前記会合部で、少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)を更に備え、前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)の分離に抵抗するように構成され、及び/または前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を通る1つ以上の導電経路が生成されるように、ある程度の機械的プレテンションを提供するように構成されている、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、少なくとも1つの突出部、少なくとも1つの突起、少なくとも1つの開口部、少なくとも1つの溝、少なくとも1つのピン、少なくとも1つのフック、少なくとも1つのリベット、またはそれらの任意の組み合わせを備える、請求項6に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、前記少なくとも1つの封止層から相当量の封止材を受容するように構成された1つ以上の開口部及び/または溝を備える、請求項6~7のいずれか1項に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)は、解放可能であるように構成されている、請求項6~8のいずれか1項に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項10】
前記埋め込み型刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)の少なくとも一部及び前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)の少なくとも一部に隣接する接着層(1500、1510、1520)を備える、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項11】
前記接着層(2020、2120、2320)は、前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)の少なくとも一部に隣接して浸漬コーティングによって適用される、請求項10に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項12】
前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項13】
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)に沿った前記刺激装置(100、101、102、103、104、105、1110、1111、2101、2201、2301)の厚さは、5ミリメートル以下、または4ミリメートル以下、または3ミリメートル以下である、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項14】
前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、ポリマーを含む、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項15】
前記封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む、請求項14に記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項16】
前記基板(300、1400)の前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)は、液晶ポリマー(LCP)を含む、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項17】
前記基板(300、1400)の前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)は、前記LCPの1つ以上の層を備える、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項18】
前記適合性の第2の部分(2020、2120、2320)に沿った前記基板(300、1400)の前記厚さは、0.3ミリメートル以下、または0.2ミリメートル以下、または0.1ミリメートル以下である、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項19】
前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)は、硬質回路基板、硬質PCB、及び/または硬質セラミック基板を含む、先行請求項のいずれかに記載の埋め込み型刺激装置。
【請求項20】
埋め込み型刺激装置を製造する方法であって、
基板(300、1400)を提供することであって、前記基板(300、1400)は、第1の表面及び第2の表面を備え、前記基板(300、1400)の厚さは、前記第1の表面及び前記第2の表面によって画定される、前記基板(300、1400)を提供することと、
前記基板(300、1400)の第1の部分(2010、2110、2210、2310)に沿ってパルス発生器(500)を提供することであって、前記パルス発生器(500)は、少なくとも1つの刺激パルスを発生させるように構成された1つ以上の電気部品または電子部品を備える、前記パルス発生器(500)を提供することと、
前記基板(300、1400)の適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)に沿って少なくとも2つの電極を備える電極アレイ(200、400、1220)を位置させることと、
前記パルス発生器(500)を前記電極アレイ(200、400、1220)の前記少なくとも2つの電極に電気的に結合する複数の電気相互接続(250、1210)を前記基板(300、1400)上に堆積または電気めっきすることと、
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との間に1つ以上の電気インターフェースを提供することであって、前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、前記1つ以上の電気インターフェースを提供することと、
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との間に1つ以上の電気インターフェースを提供することであって、前記1つ以上の電気インターフェースは、前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間にある、前記1つ以上の電気インターフェースを提供することと、
前記複数の電気相互接続(250、1210)と前記パルス発生器(500)との間の1つ以上の電気インターフェースを電気的に接続するために、少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を提供することであって、
前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)に沿った前記基板(300、1400)の厚さは、0.5ミリメートル以下である、前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を提供することと、
前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)を少なくとも部分的に覆い、前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)を提供することであって、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)は、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との会合部で、前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)の分離に抵抗するように構成されている、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)を提供することと、
前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を通る1つ以上の導電経路が生成されるように、ある程度の機械的プレテンションを提供するように、前記少なくとも1つの封止層(1300、1310、1320、2150、2250)を構成及び配置することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記方法は、前記基板(300、1400)の前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)と前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)との前記会合部で少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)を提供すること、
前記第1の部分(2010、2110、2210、2310)からの前記適合性の第2の部分(2020、2120、2220、2320)の分離に抵抗するように、前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)を構成すること、及び/または前記少なくとも1つの導電性エラストマー(2260)を通る1つ以上の導電経路が生成されるように、ある程度の機械的プレテンションを提供するように前記少なくとも1つの機械的締め具(2140、2240、2340)を構成することと、を更に含む、請求項20の方法。
【国際調査報告】