(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-27
(54)【発明の名称】列車洗浄機
(51)【国際特許分類】
B60S 3/06 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
B60S3/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536543
(86)(22)【出願日】2022-08-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 IB2022058045
(87)【国際公開番号】W WO2023026260
(87)【国際公開日】2023-03-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524073212
【氏名又は名称】ザ オレンジ トレイン ウォッシュ エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィットブレッド,マーティン
【テーマコード(参考)】
3D026
【Fターム(参考)】
3D026AA05
3D026AA16
3D026AA18
3D026AA34
(57)【要約】
列車を洗浄するための列車洗浄機(1)が記載される。列車洗浄機は、列車を洗浄するための水を保持するための給水タンクと、給水タンクの水を加熱するためのヒータと、給水タンクから列車の側に水を向けるための1つ以上のウォータージェット(14)と、水がウォータージェットによって向けられている又は向けられた列車の領域に対して磨くための1つ以上の回転可能ブラシ(4)と、列車の側の下に流れ落ちる水を集めるために列車の側の下に設けられる水回収トレイと、再使用のために水回収トレイの水を給水タンクへと戻すように再循環させるための再循環システムと、水回収トレイから給水タンクへと再循環される水を濾過するための濾過システムとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車を洗浄するための列車洗浄機であって、
前記列車を洗浄するための水を保持するための給水タンクと、
前記給水タンクの前記水を加熱するためのヒータと、
前記給水タンクから前記列車の側面に水を向けるための1つ以上のウォータージェットと、
水が前記ウォータージェットによって向けられている又は向けられた前記列車の領域に対して磨くための1つ以上の回転可能ブラシと、
前記列車の側面へと流れ落ちる水を集めるために、前記列車の側の下に設けられる水回収トレイと、
再使用のために、前記水回収トレイの水を前記給水タンクへと戻るように再循環させるための再循環システムと、
前記水回収トレイから前記給水タンクへと再循環される前記水を濾過するための濾過システムと、を備える、列車洗浄機。
【請求項2】
前記水回収トレイから前記給水タンクへと再循環されている前記水を脱イオン化するための脱イオン装置を備える、請求項1に記載の列車洗浄機。
【請求項3】
前記列車から前記水回収トレイへと水を吹き落とすための1つ以上のエアジェットを備える、請求項1又は2に記載の列車洗浄機。
【請求項4】
前記ウォータージェットが、液状の水、蒸気、又は両方の組み合わせの形態で前記水を向ける、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項5】
前記給水タンクから前記ウォータージェット/ノズルへと前記水を汲み出すための第1のポンプを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項6】
前記再循環システムが、汚水タンクと、前記水回収トレイから汚水タンクへと前記水を汲み出すための第2のポンプとを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項7】
前記再循環システムが、前記汚水タンクの前記水を、前記フィルタを通して前記給水タンクへと汲み出すための第3のポンプを備える、請求項6に記載の列車洗浄機。
【請求項8】
前記再循環システムによる収集のために、前記列車の側面の下に水を運ぶための1つ以上のエアジェットを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項9】
清掃される列車が所定の期間に前記列車洗浄機に到達する決定に応答して、前記給水タンクの前記水の温度を保守温度から動作温度へと調整するように前記ヒータを制御するように構成された、コントローラを備える、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項10】
少なくとも前記ウォータージェット、回転可能ブラシ及びエアジェットが、前記列車の側面に係合する清掃位置と、列車が触れられずに通り過ぎることができる休止位置との間で移動可能である移動可能な清掃ヘッドに配置される、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項11】
前記列車洗浄機が、洗浄される列車の接近に応答して、前記列車の側面に係合するように線路に向けて前記清掃ヘッドを移動させるコントローラを備える、請求項10に記載の列車洗浄機。
【請求項12】
前記列車の接近が、列車又は車両に配置された電子タグを検出する電子リーダを用いて検出される、請求項11に記載の列車洗浄機。
【請求項13】
前記コントローラが、特定の列車及び/又は車両が清掃されたことを、前記電子リーダによって読み取られた前記電子タグの識別子に基づいて記録する、請求項11に記載の列車洗浄機。
【請求項14】
前記水回収トレイの容量が、設置地域での通常の降雨に対処するのに必要とされるものよりも大きい、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項15】
前記回転可能ブラシが、前記列車の進行方向と反対の方向に回転する、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項16】
前記エアジェットが、エアブレードとして提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の列車洗浄機。
【請求項17】
線路の両側に配置された、先行請求項のいずれか一項による一対の列車洗浄機を備える、列車洗浄システム。
【請求項18】
前記列車洗浄機が互いに対向して配置され、前記水回収トレイが、両方の列車洗浄機の間で共有される、請求項17に記載の列車洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列車洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
列車は、通常使用の間、内部及び外部両方ともに早く汚れる。内部に関して、列車は、内部清掃、在庫補充、トイレの汲み取り、及び細部の保守のために、一日の終わりに専用車庫へ通常戻される。外部清掃について、イギリスにおける列車は、定期的、例えば3日毎に清掃することが求められる。現存する列車洗浄施設は、列車が予定時刻に(レール上で)通り過ぎる専用の密閉構造の形態をとる。これらの施設は、非常に大きいため、設置することが難しい(これらは大きすぎて、列車の内部を清掃するのに用いられる同じ車庫に設置できない)。これらはまた非常に高価であり、使用に時間がかかり、電力、水源、及び排水処理等の設備を必要とする。
【0003】
本発明は、これらの欠陥のいくつかに対処し、より小型化され、設置し易く、使用する水が少なく、より安価に建設及び運用する列車洗浄機を製造することを求める。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、列車を洗浄するための列車洗浄機が提供され、列車洗浄機は、
列車を洗浄するための水を保持するための給水タンクと、
給水タンクの水を加熱するためのヒータと、
水を給水タンクから列車の側へと向けるための1つ以上のウォータージェットと、
水がウォータージェットによって向けられている又は向けられた列車の領域に対して磨くための1つ以上の回転可能ブラシと、
列車の側へと流れ落ちる水を集めるために、列車の側の下に設けられる水回収トレイと、
再使用のために、水回収トレイから給水タンクへと戻るように水を再循環させるための再循環システムと、
水回収トレイから給水タンクへと再循環されている水を濾過するための濾過システムと、
を備える。
【0005】
好ましくは、水回収トレイから給水タンクから再循環されている水を脱イオン化するための脱イオン装置が提供される。脱イオン化された水を用いることによって、これは汚れを集め、列車の側面から容易に流れ出し、更なる化学物質を必要としないので、汚染を軽減する。
【0006】
好ましくは、列車の側から水回収トレイへと水を吹き落とすための1つ以上のエアジェットが提供される。
【0007】
現存する列車車両洗浄機械は一日に15,000リットルの水を用いる可能性があるが、提案される装置は、水が再利用されるため、一日で260リットルのみ使用するように設計することができる。
【0008】
ウォータージェットは、液状の水、蒸気、又は両方の組み合わせの形態で水を向けることができる。
【0009】
列車洗浄機は、ウォータージェット/ノズルを通して給水タンクから水を汲み出すための第1のポンプを備えることができる。
【0010】
再循環システムは、汚水タンクと、水回収トレイから汚水タンクへと水を汲み出すための第2のポンプとを備えることができる。
【0011】
再循環システムは、フィルタを通して汚水タンクの水を給水タンクへと汲み出すための第3のポンプを備えることができる。
【0012】
列車洗浄機は、清掃される列車が所定の期間で列車洗浄機に到着するという決定に応答して、保守温度(寒い天気において水が凍結することを避けるため、凝固点より上)から動作温度(列車を清掃するため、保守温度より高い適切な温度に加熱される)に、給水タンクの水の温度を調整するようにヒータを制御するために構成された、コントローラを備えることができる。決定は、時刻表情報(列車のタイムテーブル)及び/又は列車のライブ位置(例えば、GPS)情報に基づくことができる。
【0013】
より一般的には、コントローラは、列車清掃機が使用されていない間、(凍結を避けるために)第1の所定の温度で給水タンクの水を維持することができる。第1の所定の温度は、3℃~40℃、好ましくは10℃~20℃、またより好ましくは約15℃とすることができる。コントローラは、次いで、清掃を実際に行う第2の所定の温度まで給水タンクの水を更に加熱するように動作可能であり、第2の所定の温度は、第1の所定の温度より更に高い(蒸気がノズル/ジェットから列車の側へと排出される場合、沸点の近く又は沸点以上)。第1の所定の温度、特に凝固点より上で給水タンクの水を維持することによって、タンクの水は凍結せず、タンクを損ねない(要求に応じてタンクの温度を上げることは更に難しくなる)。第2の所定の温度は、清掃効率を最大化し、列車の仕上げ及びシールへの損傷を防ぎ、水にウイルス又は細菌が存在する可能性を最小限にするために選択される。
【0014】
少なくともウォータージェット、回転可能ブラシ及びエアジェットは、列車の側に係合する清掃位置と、列車が触れられずに通り過ぎることができる休止位置との間で(機械の基部ユニットに対して)移動可能である移動可能な清掃ヘッドに配置することができる。
【0015】
列車洗浄機は、清掃される列車の接近に応答して、列車の側に係合するために線路に向けて清掃ヘッドを移動させるコントローラを備えることができる。列車の接近は、列車又は車両に配置される電子(例えば、RFID)タグを検出する電子(例えば、RFID)リーダを用いて検出することができる。コントローラは、電子リーダによって読み取られた電子タグの識別子に基づいて特定の列車及び/又は車両が清掃されたことを記録することができる。
【0016】
線路のいずれかの側に配置された、上記による一対の列車洗浄機を備える、列車洗浄システムを提供することができる。列車洗浄機は、互いに直接対向するように配置することができ、したがって水回収トレイは、両方の列車洗浄機の間に共有することができる。代替的に、2つの列車洗浄機は、自体のそれぞれの水回収トレイとともに互いにオフセットすることができる。水回収トレイ/パンの容量は、出口/オーバーフローバルブ及び排水処理/排水設備が必要とされないため、好ましくは、設置区域に対して通常の降雨に対処するのに必要とされるものより大きい。
【0017】
好ましくは、回転可能ブラシは、列車の進行方向とは反対の方向に回転する。換言すると、列車に接触するブラシの部分は、接触点において列車の反対方向に進行する。
【0018】
エアジェットは、例えば、導管における長手方向のスロットによって形成されるエアブレードとして提供することができる。
【0019】
大体の実施態様において、列車清掃機は、列車の側のみを清掃し、上部又は車輪領域は清掃しない。これはなぜなら、列車の側が日常に公に可視である唯一の部分であり、窓部を含むからである(清潔さが外側からかつ列車の内部の両方で明白であることに関して)。具体的に、列車の上部は歩道橋からのみ見ることができる一方、列車の車輪はプラットフォームの下に通常隠れている。更に、いくつかの列車の上部は非常に電化されており、安全上の懸念を引き起こす一方、車輪の清掃は更なる困難(ブラシへの損害等)をもたらす。列車の側を清掃することに限定することにより、列車清掃機のサイズ、複雑性及びコストを大いに低減することができる。
【0020】
他の実施態様において、列車の上部及び/又は列車の車輪を洗浄することができる。例えば、ディーゼル列車の屋根は、電化された構成要素が無いため、より安全に清掃することができる。
【0021】
列車清掃機は、列車の線路に沿って(各側に)少しの空間のみを必要とする。したがって列車清掃機は、好都合に、入口又は車庫内、列車プラットフォームまでの経路、又は線路の短い直線部分のいずれかの場所に置くことができる。
【0022】
列車清掃ヘッドは線路から離して引っ込めるので、清掃予定ではない列車は速く通り過ぎることができる。
【0023】
清掃の目的では、列車は、比較的低速で、好ましくは約4km/hで列車清掃機を通り過ぎる必要がある。この速度では、8つの車両の列車を清掃するのに約4分かかる。
【0024】
ブラシは、車の洗浄機で用いられるものよりも柔らかく、絡まないことが好ましい。
【0025】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図面を参照することによって単なる例として記載され、図において同様の部分は対応する参照符号が与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】列車清掃装置の3D外部正面図を概略的に示す図である。
【
図2】内部構成要素を明らかにするためにカバーが取り除かれた、列車清掃装置の3D外部背面図を概略的に示す図である。
【
図3】ここでもカバーが取り除かれた、列車清掃装置の平面図を概略的に示す図である。
【
図4】列車清掃装置の清掃ヘッド部分が列車清掃装置の基部と別個に示された、更なる図を概略的に示す図である。
【
図5】2つの列車清掃装置及び関連器具を含む、列車清掃システムが線路側に設けられた平面概略図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照して、列車清掃装置1が、基部ユニット2及び清掃ヘッド3を備えるように見ることができる。基部ユニット2は、列車線路の側に沿った地面に位置することができる。機械は、線路側に搭載され、電気及び水とともに、搭載する目的で既に存在していない場合、コンクリート基部の設置を通常必要とする。清掃ヘッド3は、基部ユニット2に移動可能に搭載され、その結果、列車が線路に沿って通り過ぎる、及び清掃装置1を通り過ぎる際に列車の側に係合することができ、清掃ヘッド3に接触することなく、(清掃予定ではない)他の列車が通り過ぎることができるように、線路から離れて移動する。
【0028】
図4を簡潔に参照すると、清掃ヘッド3が搭載され、基部ユニット2に対して動く様式が示される。特に、モータによって駆動される4つの線形アクチュエータ11a、11b、11c、11dが提供され、これらは、基部ユニット2のフレームに搭載され、一端が清掃ヘッド3の本体に取り付けられる。これらによって清掃ヘッド3を約200mm繰り出し、引き込めることが可能になり、使用の際は列車の側に最大限係合し、使用しない際は清掃ヘッド3と接触することなく列車の通過を可能にするために清掃ヘッドを安全距離まで引き込めるようにすることができる。
図4において、線形アクチュエータ11a、11b、11c、11dは基部ユニット2の2つの上部角位置、及び基部ユニット2の2つの中間側位置に位置するよう示されるが、異なる数及び異なる位置を、線形アクチュエータ11a、11b、11c、11dのために用いることができることを理解されたい。このように、清掃ヘッドユニット3全体が、後に清掃のために正しい位置になるよう前方へ移動し、その後引き込まれる。代替形態が提供され得ることを理解されたい。例えば、ユニット1全体(基部ユニット2及び清掃ヘッド3)は、(軸受上の)移動可能なプラットフォームに搭載することができ、したがって必要に応じて位置づけられ、またそこから移動することができる。
【0029】
図1に戻ると、清掃ヘッド3は、第1の垂直ブラシローラ4を備えるように見ることができる。ローラのために用いられるブラシは、パッケージ環境におけるリンゴを磨くのに通常用いられる種類及び材料であり、すなわち、車洗浄機又は列車洗浄機に通常用いられるものよりも柔らかい。結果として、ブラシローラは、列車本体上のビニール外装を損ねない。第1のブラシローラ4と同じ形態及び材料の第2の垂直ブラシローラ5も提供される。単一のローラを用いることもできるし(結果として劣る性能をもたらすと予想され得るが)、より多い数のローラを提供することもできることを理解されたい。第1の垂直スプレーバー6が第1の垂直ブラシローラ4の一方に配置され、第2の垂直スプレーバー7が第1の垂直ブラシローラ4及び第2の垂直ブラシローラ5の間に配置され、第3の垂直スプレーバー8が第2の垂直ブラシローラ5のもう一方に配置される。ここでも、より多い数又は少ない数のスプレーバーを提供することができるが、3つのスプレーバーが2つのローラに対してこのように位置する場合、良い性能レベルがもたらされる。スプレーバー6、7、8の各々は、使用中の列車本体に直面する側(正面)において、その長さに沿って(例えば20個の)一連の開口部又はノズルとともに提供される。スプレーバー6、7、8は各々、示されるような長方形の断面を有するが、円形又は他の断面とともに同様に提供することができる。例示の開口部が、
図1の第3のスプレーバー8上に示されるが、簡潔にするため、第1のスプレーバー6及び第2のスプレーバー7上に示されない。使用中、第1のスプレーバー6、第2のスプレーバー7及び第3のスプレーバー8は、開口部(又はノズル)を通して列車の側に清掃水を向ける一方、第1の垂直ブラシローラ4及び第2の垂直ブラシローラ5は、そこから汚れを清掃するために濡れた列車表面全体で回転する。これを達成するために、水がスプレーバー6、7、8に汲み出され、開口部を通って排出される。
【0030】
第1の垂直ブラシローラ4は、清掃ヘッド3上の第1の垂直ブラシローラ4の下に配置された、第1の駆動モータ9aによって回転するよう駆動される。第2の垂直ブラシローラ5は、清掃ヘッド3上の第2の垂直ブラシローラ5の下に配置された、第2の駆動モータ9bによって回転するよう駆動される。第1の駆動モータ9a及び第2の駆動モータ9bは各々、1300rpmで動作する2.2kwモータとすることができ、これは、最良の結果を達成するために、設置後に375rpm~1300rpmの速度で磨くよう変更することが可能である。第1の垂直ブラシローラ4及び第2の垂直ブラシローラ5並びに第1の垂直スプレーバー6、第2の垂直スプレーバー7及び第3の垂直スプレーバー8は、洗浄要素として本明細書で称される。スプレーバーからの配水は、必ずしも均一である必要はなく、代わりに水平な位置、及び効果的な清掃をもたらすために水を最も必要とする角度で対象にすることができる。水のジェットは、例えば、ファン又は円錐として形作ることができる。これは、スプレーバーの正面に開口部の形によって、又はスプレーバー6、7、8の正面に搭載された、形作られたノズルによる代替形態において達成することができる。
【0031】
ジェットの形及び配分は一般的に固定され、異なる列車の種類間の妥協構成を規定する。代替的に、ジェットは、異なる列車の種類に応じて調整可能とすることができる。水のジェット自体は汚れを除くことができるが、原則的には必要な場所に水を与え、ブラシ4、5が列車の側から汚れを取り除くのを手助けする。
【0032】
ブラシ4、5は、路線からドアの踏み板に及ぶ、長さ2.3m×600mmの40mm直径のステンレス鋼シャフトを有する一対の渦巻状のローラブラシとすることができる。高品質材料がブラシのために用いられ、清掃性能の高基準を保ちながら、列車車両上で用いられるビニールカラーリング外装への損傷を最小限にする。2つのダブテイルラグブラシを用いて、運転手のみが動作できるカメラ周辺を確実に閉鎖することができるほど十分な空間を有して中央部分が清掃中に水及び空気を含むのを確実にすることができる。ブラシ4、5は、列車の進行方向に反して回転されるように定められ、これは清掃の質を向上させることが分かった。ブラシ4、5の回転方向を反転させて、列車が両方向から列車清掃機を通り過ぎるように扱うことを可能にすることができる。
【0033】
洗浄要素のいずれか片側に対して、傾斜したエアブレード12、13が設けられ、底部よりも上部における洗浄要素に近くなるよう傾斜している。各エアブレードは、長手方向のスロットから列車に対して空気のブレードを向け、列車の側(ここでは清掃側)の水を下方へ押し下げ、列車の側の底部から落とし、集める。エアブレード12、13の各々は、空気の形作られたブレードを排出するために、(清掃される列車に向かう)その正面に設けられた長手方向のスロットを有するバー又はパイプの形態をとることができる。代替的に、一連のより短いスロットは、一連のブレードを規定するために設けることができる。最適ではないが、空気は、異なって形作られた一連のジェットで排出することができる。エアブレード/ドライヤは、清掃要素の左及び右の両方に設けられ、車庫に入る列車の方向に応じて切り替えることができる。2つのエアブレードの一方のみが特定の清掃のために用いられる必要があることを理解されたい。
【0034】
エアブレード12、13のいずれか片側に対して(清掃ヘッド3のいずれか片側に対して)、及び清掃ヘッド3の上部に沿って、シール14a、14b、14c、14d、14eのセットが、清掃ヘッド3及び列車の側の間に規定された領域から汚水が漏れることを防ぐ、又は少なくとも抑制するために設けられる。特に、2つの並行シール14a、14bが清掃ヘッド3の片側に設けられ、2つの並行シール14c、14dが清掃ヘッド3の他方の側に設けられ、(他のシールに垂直な)1つのシール14eが清掃ヘッド3の上部に沿って設けられる。シールは、列車の表面を損なうことなくシールもたらすために、列車の側に対して弾性的に変形することができるブラシの形態をとる。シール14a~14eの使用により、水の無駄が減り、周辺区域が清潔に保たれる。
【0035】
代替的な構成において、遠心送風機等、異なる乾燥方法を提供することができる。エアブレードと同様に、これは、空気を下方に押し下げることによって車両の表面から水を取り除き、列車の下、及び捕捉及び再利用に備えられた線路パンに向けて汚水を送ることができる。
【0036】
1つ以上の線路パン(
図1に示されないが、以下に記載される
図5に示される)が、列車の下に、好ましくは、線路レールの間に1つ、および清掃装置1に近い線路レールの側にもう1方が設けられる。これらは、汚水を集め、この汚水は、清掃装置1によって再使用するために流れ落ちる(又はエアブレード12、13によって下へ運ばれる)。
【0037】
次に
図2及び
図3を参照すると、基部ユニット2は、曝露した内部部品が示される。基部ユニット2は、浄水タンク15、汚水タンク16、1つ以上の線路パン/水回収トレイに集められた水を汚水タンク16に汲み出すための第1のポンプ17、5つのフィルタ19a、19b、19c、19d、19eのセットを通して汚水タンク16の水を浄水タンク15に汲み出すための第2のポンプ18、及び浄水タンク15からの水を、ウォータージェットスプレーバー6、7、8へ、及びそれらを通して汲み出すための第3のポンプ20を備えるように見ることができる。一対の送風機21a、21bが、基部ユニットの外側から空気を引き込み、エアブレード12、13を通して外へ出すために設けられる。2つの送風機が本実施形態において各エアブレードに対して1つ設けられる(したがって、列車が装置1を通り過ぎる方向に応じて1つの送風機のみが特定の清掃に用いられる)が、代替的な実施態様において、単一の送風機は、2つのエアブレード12、13を通して空気を選択的に駆動するために、スイッチバルブとともに設けることができる。送風機21a、21bは、各々、防振脚に設置された硬化鋼駆動プーリとともにアルミニウムインペラを利用することができる。これは、約82dBの騒音レベルを達成するように設けることができ、これは、防音ボックス内に設けることによって更に減衰することができる。
【0038】
浄水タンク15が、例えば、約900リットルの容量を有することができる一方、汚水タンク16は、例えば、約500リットルの容量を有することができる。浄水タンク15は、このように、車両の2つの列車を清掃するために十分な水を含むことができる。結果として、必要な温度まで水を加熱することは、経済的にも環境的にも実行可能である。列車洗浄と次の洗浄の間、浄水タンク15は、汚水タンク16からの水によって一杯にすることができ(フィルタを介して、すなわち洗浄中リアルタイムで再循環を実行することができない)、汚水タンク16は、洗浄中の線路パンにおける列車車両の下に捕捉された水から補給される。各タンクは、好ましくは、例えば、上部及び底部の全ての側における100mmの岩壁断熱材で断熱される。これにより、水を所望の温度に保つために必要なエネルギー量が低減される(また凍結防止に役立つ)。更に、浄水タンク15(及び好ましくは、汚水タンク16)は、加熱要素が設けられ、これは、タンク(複数の場合もある)の水の温度を調整するためにオン及びオフに切り替えることができる(又は可変に制御することができる)。汚水収集タンク16及び/又は浄水タンク15の水は、現在の列車洗浄機が3℃以下で用いることができないため、全ての天候において確実に用いることができるように(機械が現在使用されていない場合)10℃~15℃に保たれる。
【0039】
主要タンク15は、85℃でスプレーバーに供給し、これは、可能な限り最善の清掃を確実にし、60℃で殺菌されるレジオネラ菌の発生を最小化する。より一般的には、水温は、40℃~100℃の範囲のいずれでもよい。好ましくはレジオネラ菌等の細菌を殺菌する60℃より大きい温度である。またより好ましくは約85℃である。温度をこれより高くするのに必要なより大きい電力量は正当化することができない場合がある。
【0040】
5つのフィルタ19a、19b、19c、19d、19eは、水処理の5ステージを表す、一連の構成で(この順序で)提供される。一般的に、最初の3つのステージは、より小さいごみ及び微粒子を上手く取り除き、4番目のステージは炭化水素、微細な塵及び油をを取り除き、5番目のステージは、洗浄水を脱イオン化する。
【0041】
ステージ1 大きい粒子の分解(フィルタ19a)
このフィルタは、列車から洗浄され得るより大きい粒子を低減するために、ステンレス鋼ハウジング及びバッグ濾過技術を採用する。ステージ1は、100μmに定められ、これによりバッグが葉くず等の非常に大きい粒子を除去し、取り除くことができる一方、バッグのマトリクスは、それらが通る際により小さい粒子を捉える。サイズ2のバッグにより、低い圧力損失と相まって多くの汚れ保持がもたらされ、第1のステージに最適であるる。
【0042】
ステージ2 カートリッジ前の対象とされる粒子の低減(フィルタ19b)
ステンレス鋼ハウジング及びバッグフィルタを依然として利用することによって、ステージ2は、二重層バッグを利用し、濾過前の水が、目標とするレベルの濾過によって濾過される前に媒介層を通り過ぎる。これは、最後の層を、第1の層を通り抜けた可能性のあるより大きい微粒子から保護することによって、その寿命を延ばす。100μmの濾過前の層とともに25μmに定められたこのフィルタは、ここで、裸眼で見ることができるよりも小さい粒子を低減する。
【0043】
ステージ3 炭化水素の低減前のカートリッジ濾過(フィルタ19c)
5μmに定められたフィルタは、最大85%までの非常に細かい微粒子分解をもたらす5×40インチのハウジング内で構成される。SPECTRUM PSPは、高レベルの粒子効率が必要とされる用途において、幅広く用いられる。PSPは、炭化水素低減ステージ前に最小の通り抜けを確実にするその格付けされた密度内の微粒子を捉える。
【0044】
ステージ4 炭化水素低減(フィルタ19d)
炭化水素、ブレーキダスト及び油が存在する可能性があるので、ステージ4のフィルタが設けられる。このフィルタのカートリッジは、いくつかの炭化水素において3倍の重量を保持する能力を有する。これらはまた、一貫性を維持するために、上記のフィルタとして同じハウジングに収容される。
【0045】
ステージ5 Di樹脂(フィルタ19e又は脱イオン装置)
これは、内部にイオン交換樹脂を有する脱イオン圧力ユニットであり、その結果、フィルタのセットは、最終的に、濾過した後及び主要水タンクに最終的に汲み出す前に脱イオン化した水を出す。ステージ5は、SRDI樹脂を使用し、これは、容器内の樹脂の1リットル毎に最大30,000TDSまで低減する能力を有する。これは、一日につき、初めの水500~750リットルを生成するように用いられる。
【0046】
上記の濾過システムは、降雨又は再利用が十分でない場合、水道水を、水を満たすのに使用することを可能にし、これは、5つ全てのフィルタ19a~19eを通ることができ、又はステージ5の(脱イオン化)フィルタ19eを直接通って入ることができ、使用するのに備えて脱イオン化される。
【0047】
第1のポンプ17(線路パンから汚水タンク16へと戻す排水ポンプ(好ましくは、200L~500L))、第2のポンプ18(15lpmで濾過されて主要の750L~900Lの浄水タンクへと水を戻すポンプ)及び第3のポンプ20(ウォータージェットバー6、7、8を通して浄水タンク15から水を運ぶため)は、同じか又は異なる、様々な形態をとることができる。好ましくは、単一の磁気駆動される多段階遠心ポンプを用いて、単一ユニットとして3つの異なるポンプを実装する。第3のポンプ20は、好ましくは各ウォータージェットに対して1バール×2で100LPMの定格を有する。
【0048】
列車の両側を清掃するため、一対の列車清掃機械を、通常の側線のセットの各線路における線路のいずれかの側に対して位置づけることができる。
図5を参照すると、2つの列車の清掃機械1a、1bが、線路100のいずれかの側における各々に1つずつ、このように設けられる。3つの線路パンが、2つの清掃機械1a、1bの間に設けられる。特に、第1の線路パン102が、線路100の2つのレールの間に設けられ、第2の線路パン104が、レールの1つ及び清掃機械の1つ1aの間に設けられ、第3の線路パン106が、レールのもう一方及び清掃機械のもう一方1bの間に設けられる。列車が清掃されている際、列車の側から落ちた水は、第1の線路パン102、第2の線路パン104及び第3の線路パン106によって集められる。上記で言及された第1のポンプ17は、パイプ又は他の導管を介して線路パンから捕捉された汚水を清掃機械1a、1bの各々の汚水タンク16へと汲み出す(これらは、線路パンを機械1a、1bに接続するように
図5に示される)。いくつかの実施態様において、第1の線路パン102は、列車の側から下に落ちた水のほとんどが線路100の2つのレールの間の領域の外に落ちることを想定して、設けられていない場合がある。
【0049】
RFIDリーダ110が、清掃機械1a、1bの短距離の上流に(清掃機械1a、1bから列車に近づく方向に)設けられる。これは、到着する列車上に設けられたRFIDタグの存在を、この列車は清掃機械1a、1bに到着する直前に検知することができる。これは、線路100の内側に向かって(それらの清掃ヘッド3が)動くことによって清掃する準備をする必要があることを清掃機械1a、1bに警告する。好ましくは、列車の各車両には、RFIDタグが設けられ、これにより、いつ最終列車車両が通り過ぎるかをシステムが知得することが可能であり、その清掃の後、清掃機械1a、1bは、線路100から離れた休止位置まで(それらの清掃ヘッド3を)動かすことができる。清掃機械1a、1bは、清掃機械1a、1b(及び列車ネットワーク上のいずれかの場所にある他の清掃機械)の動作を制御するコントローラ120と通信する。コントローラ120は、適切なソフトウェアを有する汎用コンピュータとすることができ、清掃機械1a、1bの各々の局所制御システムに接続される。コントローラ120は、いつ列車が清掃機械1a、1bに近づきそれを利用する予定であるかを示す時刻表データベース125にアクセスする。コントローラ120は、時刻表データベース125における時刻表情報に基づいて、到着する列車のために準備をするように清掃機械1a、1bをトリガすることができる。到着する列車のライブ位置情報も(例えば、GPSを用いて)用いることができる。いずれの場合でも、清掃機械1a、1bにおける列車の到着の前の所定の時間、浄水タンク15の水は、保守温度から動作温度に加熱される。所定の時間は、列車の到着前にこの加熱を実行するのに十分な時間をもたらすように選択される。結果として、水は、常により高い動作温度で維持する必要が無いため、エネルギーが節約される。水は、機械1a、1bへの凍結及び低温の損害を防ぐために、より低い保守温度でのみ維持される。
【0050】
トレイ102、104、106から第2のタンクへと汲み出された水(汚水)は、第2のタンクから第1のタンクへの水よりも早く移すことができる。なぜなら前者は(処理量を大幅に制限する)フィルタを通す必要がないからである。機械は、したがって、濾過し、加熱された水を使用し、この水は、2つの回転ブラシとともに列車の側に水を当てるために、正しい角度に定められた各々の上に(この例において)20個のジェットを有する3つのスプレーバーを通して列車の本体側面に当てられる。機械は、単一ステージの機械であり、1つの機械は、列車の一方の側を清掃するように設計され、これは、
図5のように、一対の機械が列車の両側に必要であることを意味する。
【0051】
線路パン/回収トレイ、配管及びポンプの形態の水収集システムは、線路パンシステムを通して列車の本体側面又は下側のいずれかから水を回収し、この水は、再使用のために再循環され、濾過される。機械は、使用されない場合、他の種類の全車両を移動できるようにするため、線路側から引き込めるか又はそこから離れるよう動かす必要がある。
【0052】
この設計により、既存の列車洗浄機と比較して使用する水の量が削減され、水収集及び濾過と併せて、清掃動作から集められた全ての水を再利用する目的がある。
【0053】
機械の設置面積は、機械が約3m×1.2mであるので、従来の列車洗浄施設と比較して非常に小さく、これは、加熱水清掃機械を車庫上の複数位置に置くことが可能であり得ると想定される。
【0054】
この機械は、スタンドアロン式かつ移動可能とすることができるが、通常の内部清掃及び備品の補充のために休止するので、各列車を清掃するために車庫内の線路のいずれかの側上の場所に固定することができる。
【0055】
このように、全ての車両を毎日清掃することができ、その場において列車は、内部清掃及び補給のためにあり、別個の専用洗浄施設に列車を持っていく必要はない。
【0056】
列車が時速4~6kmの速度で到着又は出発するとき、列車の外側は、2つのブラシ及び3つのジェットバーを用いて温水で洗浄され、水が下方にかつ列車から線路パンへと落とされ、次いでこれにより、脱イオン化及び再加熱の後に再使用するために、汲み出して濾過する前に水を集めて再利用する。
【0057】
通常の8つの車両列車は、清掃するのにほんの4分未満かかり、水400リットルを使用し、360リットルを再利用することが予想され、これは正味40リットルの損失を示す。15LPMの再利用は、集めて濾過され、再使用の準備で脱イオン化されるのに24分かかる。このため、浄水タンクは複数の列車清掃のために十分な水を含むべきであり、なぜなら第1の列車で用いられる水は、続く列車の到着時間までに補給(及び再加熱)されていない場合があるからである。
【0058】
システムは、非常に熱い(例えば、85℃の)脱イオン化された水を使用し、化学物質は用いられない。脱イオン化された水を使用することによって、汚れが表面に残るリスクを低減する。システムは、ユニットが自足であるので排水の必要はないが、ダンプバルブを、タンクを点検し、要素を交換するために設けることができる。
【0059】
紫外線光は、タンク内に設けることができ、これは、温度が60℃未満まで下がる場合に細菌を殺菌する役割を果たす。
【0060】
センサが、好ましくは、それぞれ圧力及び温度を追跡するために全てのポンプ及びヒータ上に設けられ、浄水タンク及び汚水タンクには、タンク内にある水量を追跡するため水位センサが設けられることによって、リアルタイム情報を遠隔コンピュータの場所に表示することができる。フィルタの状態をモニタリングして、これらが必要な際に確実に交換/清掃することもできる。上記により、炭素削減数を正確に示し、必要な場合に確実に保守を行うために、全ての温度、水使用量及び節約量を遠隔でモニタリングすることができる。次いで、これにより、保守コストの低下、より良いリソース利用、より少ないダウンタイム、エネルギー消費の低減、保守費用の減少及び予測性の向上が可能になる。これによりまた、清掃管理体制を導入して、(RFIDによって識別された)全ての車両に対する日時を確認できる証拠がもたらされる。
【0061】
コントローラ120は、インターネット/ワールドワイドウェブに接続され、列車清掃装置のリアルタイムの健康状態及び使用報告を提供することができる。特に、報告される情報は、システム可用性(例えば、列車清掃機がアクティブであるか、余熱されているか、及び清掃する準備ができているか否か)、システム構成要素の動作状態、公共施設(電力及び水)及び周辺装置(例えば、センサ及び通信手段)を含むことができる。
【0062】
インターネットの接続を用いて、列車追跡の情報(列車がネットワークに接続されている場所、列車が走行している方向、清掃装置場所に到着すると予測される時間)を得ることもできる。清掃装置の動作は、特に、車の種類、分類及び車の方向に従って、いつ動作するか、及びどのように動作するかを清掃装置/システムが知得できることによって、インターネットを通じて取得されたデータに依拠することができる。特に、車両の種類及び分類を用いて、(清掃装置を通り過ぎる、特定の車両の定められた速度にに基づいて)装置がどのくらい長く動作する必要があるかを決定することができる一方、(清掃装置を通り過ぎる)車の方向を用いて、ブラシ/ローラの回転方向を制御することができる。
【0063】
コントローラ120は、検証された報告プロセスを提供することができ、結果として、車の識別及び車清掃の質を含む全ての車清掃の履歴が得られる。報告は、水及び電気が特定の清掃動作にどれほど必要だったか、水がどれほど再利用されたか、場合によって、基準となる従来の列車清掃動作と比較した清掃動作に関連付けられる全体の炭素削減を含むことができる。これを用いて、車ごとに既存車両洗浄機械と比較した性能分析を実行することができる。
【0064】
コントローラは、局所的な車の速度及び方向を理解することができ、動作の持続及びブラシの方向を制御するためにこの情報を使用することができる。車が或る特定の期間(例えば、6秒間)動かない場合、ブラシは車の仕上げへの損害を防ぐために引っ込む。列車の運転手には、いつ列車が清掃機を通り過ぎるたの表示を提供することができ、この列車は通常の速度まで速度を上げることができる。
【0065】
まとめると、上述した列車清掃機械は、濾過され加熱された水(又は蒸気)を使用し、この水は、回転ブラシとともに列車の側に付属されたブレード/スプレーバーを通して列車の本体側面に当てられる。機械は、単一ステージとなる(清掃を完了するのに必要なのは、一度だけ列車が機械を通り過ぎることである)ように設計され、1つの機械が列車の片側を清掃するように設計され、すなわち、一対の機械が列車の両側を清掃する必要がある。水収集システムが、列車の本体側面又は下側のいずれかから水を回収し、この水は、再使用のために再循環及び濾過される。機械は、用いない又はその一部を用いない場合、(清掃されない)他の種類の全車両を移動できるようにするために線路側から引っ込む。本設計を用いると、既存の列車洗浄機と比較して水量が低減され、水収集及び濾過と併せて、清掃動作から集められた全ての水を再利用できる。機械は、線路側に搭載され、電気及び水供給とともに、搭載する目的でコンクリート基部の設置を必要とする場合がある。
【0066】
本技術の或る特定の実施態様は、バス等の他の車に適用することができる。
【国際調査報告】