(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】ニコチンインヘイラー
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20240822BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240822BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240822BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/10
A24F40/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567810
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 KR2022008915
(87)【国際公開番号】W WO2023013880
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0102131
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨン ミ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオウン、エウン ミ
(72)【発明者】
【氏名】シン、ジュン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ミ ジェオン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC17
4B162AC27
(57)【要約】
本発明は、管状構造のハウジングを含む本体部;ニコチン液相を含む第1の液相貯蔵部;煙霧発生用液相を含む第2の液相貯蔵部;前記煙霧発生用液相を加熱して煙霧を発生させる加熱要素;及び前記本体部の外壁面に配置されるスイッチ;を含む、ニコチンインヘイラーに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状構造のハウジングを含む本体部;
ニコチン液相を含む第1の液相貯蔵部;
煙霧発生用液相を含む第2の液相貯蔵部;
前記煙霧発生用液相を加熱して煙霧を発生させる加熱要素;及び
前記本体部の外壁面に配置されるスイッチ;を含む、ニコチンインヘイラー。
【請求項2】
前記ハウジングは、
前記ハウジングを長手方向に同一に3等分した後、前記ハウジングの一側端部に位置する開口部から一番目に位置する1/3の領域である第1のハウジング領域;
前記第1のハウジング領域と隣り合い、前記開口部から二番目に位置する1/3の領域である第2のハウジング領域;及び
前記第2のハウジング領域と隣り合い、前記開口部から三番目に位置する1/3の領域である第3のハウジング領域;を含む、請求項1に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項3】
前記第1の液相貯蔵部は前記第1のハウジング領域内に位置し、
前記開口部の内壁面を囲む形態である、請求項2に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項4】
前記第2の液相貯蔵部は前記第1のハウジング領域内に位置し、
前記第1の液相貯蔵部の内壁面を囲む形態;
前記開口部の内壁面を前記第1の液相貯蔵部とそれぞれ1/2ずつ囲む形態;
半分に切開された円筒形の形状で前記開口部の1/2を占める形態;及び
前記第1の液相貯蔵部から前記開口部の中心方向に離隔して円筒形の形状に位置する形態;からなる群より選択されるものである、請求項3に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項5】
前記ニコチンインヘイラーは、
前記第1の液相貯蔵部から前記ハウジングの内部にニコチン液相を供給する液相供給チューブ;及び前記液相供給チューブに連結された液相注入口;をさらに含み、
前記加熱要素は、前記液相注入口よりも前記開口部にさらに近い位置に配置される、請求項4に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項6】
前記第2の液相貯蔵部は前記第2のハウジング領域内に位置し、
前記第2のハウジング領域の内壁面を囲む形態である、請求項3に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項7】
前記第1の液相貯蔵部は、前記開口部の内壁面の一部を囲む形態の発香要素をさらに含む、請求項3に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項8】
前記第2の液相貯蔵部は、前記煙霧発生用液相が含浸された液相吸収体をさらに含む、請求項1に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項9】
前記液相吸収体は、紙、綿、多孔性ビーズ及びこれらの組み合わせからなる群より選択されたものを含む、請求項8に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項10】
前記加熱要素は、前記煙霧発生用液相を加熱するために前記液相吸収体の表面または内部に位置する、請求項8に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項11】
前記スイッチは、前記加熱要素に供給される熱量を段階的に調節し、喫煙者の好みに応じて煙霧発生の開始及び終了及び煙霧量を制御する手段である、請求項1から10のいずれか一項に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項12】
前記ハウジングは内部にベンチュリ管を含み、
前記ベンチュリ管は、前記ハウジングの一側端部の開口部と連通するインレット管部;
内壁面に液相注入口が備えられた中央管部;及びハウジングの他側端部の吸入口と連通するアウトレット管部;を含み、
前記第1の液相貯蔵部は、液相供給チューブを介して前記中央管部の液相注入口と連通する、請求項1に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項13】
前記アウトレット管部は、前記インレット管部よりも長い長さを有する、請求項12に記載のニコチンインヘイラー。
【請求項14】
前記インレット管部は、前記中央管部に向かってテーパされた第1のテーパ部を含み、前記アウトレット管部は、前記中央管部に向かってテーパされた第2のテーパ部を含み、
前記第1のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度は、第2のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度より大きい、請求項13に記載のニコチンインヘイラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニコチンインヘイラー、具体的に有煙及び無煙モードを調節することができるニコチンインヘイラーに関する。
【0002】
本出願は、2021年8月3日付け韓国特許出願第10-2021-0102131号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容を本明細書の一部として含む。
【背景技術】
【0003】
インヘイラーを介してニコチンをエアロゾル(Aerosol)形態で肺に伝達する方法は、ニコチンを伝達するための魅力的な手段である。このとき、エアロゾルの大きさは喫煙の満足度のために非常に重要な要素に該当する。なぜなら、粒子が大きなエアロゾルを吸入する場合、大きな液滴が喉頭や気道を打撃することによって否定的な官能を伝達するからである。すなわち、ニコチンエアロゾルの粒子サイズが小さくなるほどスムーズに吸入され、肺内に深く浸透して喫煙者の満足度を向上させることができる。
【0004】
前記ニコチンエアロゾルの粒子サイズ以外にも、インヘイラー使用時に喫煙者の満足度を決定する要素は、通常のインヘイラーがパフ(puff)毎に一定の定量のニコチン液相を移行し、喫煙者の呼吸(inhale)及び吐息(exhale)時、肉眼上では確認されないエアロゾルを発生させるという点で、喫煙者によっては肉眼上で確認可能な豊富な煙霧量が具現されるかが喫煙の満足度を決定する重要な要素の一つに該当し得る。
【0005】
ただし、従来のニコチンインヘイラーは、液相のエアロゾルを介して喫煙者に定量に移行されたニコチンによる満足感を与えるが、肉眼上で確認が可能な豊富な煙霧量が具現されないか、またはその量を全く調節できないという点で喫煙の満足感が落ちるという点が喫煙者から指摘されてきた。
【0006】
これを解決するために、肉眼上で確認が可能な豊富な煙霧量を喫煙者が直接調節することができるニコチンインヘイラーに関する研究開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国登録特許公報第10004259号「Reservoir and heater system for controllable delivery of multiple aerosolizable materials in an electronic smoking article」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、前記問題点を解決するために、有煙及び無煙モードを喫煙者が好みに応じて容易に選択可能であり、直接煙霧量の調節が可能なニコチンインヘイラーを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の「第1側面」によれば、
管状構造のハウジングを含む本体部;ニコチン液相を含む第1の液相貯蔵部;煙霧発生用液相を含む第2の液相貯蔵部;前記煙霧発生用液相を加熱して煙霧を発生させる加熱要素;及び前記本体部の外壁面に配置されるスイッチ;を含む、ニコチンインへイラーを提供する。
【0010】
本発明の一具体例において、前記ハウジングは、前記ハウジングを長手方向に同一に3等分した後、前記ハウジングの一側端部に位置する開口部から一番目に位置する1/3の領域である第1のハウジング領域;前記第1のハウジング領域と隣り合い、前記開口部から二番目に位置する1/3の領域である第2のハウジング領域;及び前記第2のハウジングと隣り合い、前記開口部から三番目に位置する1/3の領域である第3のハウジング領域;を含むことができる。
【0011】
本発明の一具体的において、前記第1の液相貯蔵部は前記第1のハウジング領域内に位置し、前記開口部の内壁面を囲む形態であってもよい。
【0012】
本発明の一具体例において、前記第2の液相貯蔵部は前記第1のハウジング領域内に位置し、前記第1の液相貯蔵部の内壁面を囲む形態;前記開口部の内壁面を前記第1の液相貯蔵部とそれぞれ1/2ずつ囲む形態;半分に切開された円筒形の形状で前記開口部の1/2を占める形態;及び前記第1の液相貯蔵部から前記開口部の中心方向に離隔して円筒形の形状に位置する形態;からなる群より選択されるものであってもよい。
【0013】
本発明の一具体例において、前記ニコチンインヘイラーは、前記第1の液相貯蔵部から前記ハウジングの内部にニコチン液相を供給する液相供給チューブ;及び前記液相供給チューブと連結された液相注入口;をさらに含み、前記加熱要素は、前記液相注入口よりも前記開口部にさらに近い位置に配置されることができる。
【0014】
本発明の一具体例において、前記第2の液相貯蔵部は、前記第2のハウジング領域内に位置し、前記第2のハウジング領域の内壁面を囲む形態であってもよい。
【0015】
本発明の一具体例において、前記第1の液相貯蔵部は、前記開口部の内壁面の一部を囲む形態の発香要素をさらに含むことができる。
【0016】
本発明の一具体例において、前記第2の液相貯蔵部は、前記煙霧発生用液相が含浸された液相吸収体をさらに含むことができる。
【0017】
本発明の一具体例において、前記液相吸収体は、紙、綿、多孔性ビーズ及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含むことができる。
【0018】
本発明の一具体例において、前記加熱要素は、前記煙霧発生用液相を加熱するために前記液相吸収体の表面または内部に配置することができる。
【0019】
本発明の一具体例において、前記スイッチは、前記加熱要素に供給される熱量を段階的に調節し、喫煙者の好みに応じて煙霧発生の開始と終了及び煙霧量を制御する手段であってもよい。
【0020】
本発明の一具体例において、前記ハウジングは内部にベンチュリ管を含み、前記ベンチュリ管は、前記ハウジングの一側端部の開口部と連通するインレット管部;内壁面に液相注入口が備えられた中央管部;及びハウジングの他側端部の吸入口と連通するアウトレット管部;を含み、前記第1の液相貯蔵部は、液相供給チューブを介して前記中央管部の液相注入口と連通することができる。
【0021】
本発明の一具体例において、前記アウトレット管部は、前記インレット管部よりも長い長さを有してもよい。
【0022】
本発明の一具体例において、前記インレット管部は、前記中央管部に向かってテーパされた第1のテーパ部を含み、前記アウトレット管部は、前記中央管部に向かってテーパされた第2のテーパ部を含み、前記第1のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度は、第2のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度より大きくてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るニコチンインヘイラーは、肉眼で確認が可能な煙霧を発生させるカートリッジを備え、有煙及び無煙モードの作動が可能なスイッチング機能を含むことによって、喫煙者の好みに応じて有煙及び無煙モードの選択と煙霧量の調節が可能な効果がある。
【0024】
本発明に係るニコチンインヘイラーは、煙霧発生用液相を含む貯蔵部をハウジング内部に様々な方式で配置することによって、コンパクトな方式でインヘイラーの構造を柔軟に設計することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明において第2の液相部が第1のハウジング領域に位置する場合のニコチンインヘイラーの断面を示す斜視図である。
【
図2】本発明において第2の液相部が第1のハウジング領域に位置する場合のニコチンインヘイラーの開口部断面を拡大して示す図である。
【
図3】本発明において第2の液相部が第2のハウジング領域に位置する場合のニコチンインヘイラーの断面を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0027】
本明細書及び特許請求の範囲に使用された用語や単語は通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるとの原則に即して、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
【0028】
本発明において使用された用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の方法で意味ない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」又は「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることで、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないと理解されなければならない。
【0029】
本発明において使用された用語「前方」及び「後方」は、エアロゾルの流れを基準として定義する。
【0030】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で具現されことができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
以下では、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
従来のニコチンインヘイラーは、パフ(puff)毎に定量のニコチン液相を移行する際にエアロゾルを発生させるが、呼吸(inhale)及び吐息(exhale)時に肉眼上で見えないエアロゾルのみを発生させ、喫煙者が肉眼上で見える豊富な煙霧量による喫煙の満足度を感じにくいという問題点が指摘されてきた。
【0033】
本発明者らは、前記のような問題点を解決するために、定量のニコチン液相を移行しながらも、喫煙者の好みに応じて肉眼で確認可能な煙霧の発生可否を選択し、煙霧量も直接調節することができるニコチンインヘイラーについて発明するに至った。
【0034】
本発明の一実施例において、ニコチンインヘイラーは管状構造のハウジングを含む本体部100;ニコチン液相を含む第1の液相貯蔵部200;煙霧発生用液相を含む第2の液相貯蔵部300;前記煙霧発生用液相を加熱して煙霧を発生させる加熱要素400;及び前記本体部の外壁面に配置されたスイッチ500;を含む。
【0035】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記ニコチンインヘイラーは、管状構造のハウジング110を含む本体部100を含む。前記ハウジング110は、
図1に示すように、一側端部に開口部120及び他側端部に吸入口130が位置し、内部に空気流路が形成されている管状構造であってもよい。
【0036】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記ハウジング110は、前記ハウジング110を長手方向に同一に3等分した後、前記ハウジング110の一側端部に位置する開口部120から一番目に位置する1/3の領域である第1のハウジング領域111;前記第1のハウジング領域111と隣り合い、前記開口部120から二番目に位置する1/3の領域である第2のハウジング領域112;及び前記第2のハウジング領域112と隣り合い、前記開口部120から三番目に位置する1/3の領域である第3のハウジング領域123;を含むことができる。前記第1のハウジング領域111は空気が流入する前記開口部120を含み、前記第2のハウジング領域112は、流入したエアロゾルが吸入口130の方向に移動するハウジング110の内部の空気流路を含み、前記第3のハウジング領域113は、エアロゾルが喫煙者に吸入される吸入口130を含むことができる。
【0037】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記ニコチンインヘイラーは、ニコチン液相を含む第1の液相貯蔵部200を含む。前記ニコチン液相はニコチン液と共に推進体をさらに含むことができ、前記推進体はこの分野において公知のものを使用することができる。
【0038】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記第1の液相貯蔵部200は前記第1のハウジング領域111内に位置し、前記開口部120の内壁面は囲む形態であってもよい。具体的に、前記第1の液相貯蔵部200は、前記開口部120の内壁面全体を囲む形態、開口部120の内壁面1/2を囲む形態、開口部120の内壁面1/3を囲む形態、開口部120の内壁面1/4を囲む形態、開口部120の内壁面1/5を囲む形態であってもよいが、前記第1の液相貯蔵部200が液相供給チューブ210を介して液相注入口211に液相のニコチンを吐出して定量のニコチンを移行することができる形態であればこれに特に制限されない。
【0039】
本発明の一実施例において、
図2の(d)に示すように、前記第1の液相貯蔵部200は、前記開口部120の内壁面一部を囲む形態の発香要素700をさらに含むことができる。前記発香要素700は、流入する空気を介して香を添加して吸引するように助けることができる。前記発香要素700は、例えば、固体香、多孔性素材に含まれた香、加香シート、香カプセルなどを含むことができる。
【0040】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記ニコチンインヘイラーは、煙霧発生用液相を含む第2の液相貯蔵部300を含む。前記煙霧発生用液相は、気化して肉眼で確認可能な煙霧を発生させる液相であって、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレンアルコロール、オレイルアルコール及びこれらの組み合わせからなる群より選択されたものであってもよく、好ましくはグリセリン、プロピレングリコール及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものであってもよい。
【0041】
本発明の一実施例において、
図1及び
図2に示すように、前記第2の液相貯蔵部300は前記第1のハウジング領域111内に位置し、前記第1の液相貯蔵部200の内壁面を囲む形態;前記開口部120の内壁面を前記第1の液相貯蔵部200とそれぞれ1/2ずつ囲む形態;半分に切開された円筒形の形状で前記開口部120の1/2を占める形態;及び前記第1の液相貯蔵部200から前記開口部120の中心方向に離隔して円筒形の形状に位置する形態;からなる群より選択されるものであってもよく、好ましくは前記第2の液相貯蔵部300が前記第1の液相貯蔵部200の内壁面を囲む形態;または、半分に切開された円筒形の形状で前記開口部120の1/2を占める形態;であってもよく、最も好ましくは、前記第2の液相貯蔵部300が第1の液相貯蔵部200の内壁面を囲む形態であってもよい。
【0042】
本発明の一実施例において、
図3に示すように、前記第2の液相貯蔵部300は前記第2のハウジング領域112内に位置し、前記第2のハウジング領域112の内壁面を囲む形態であってもよい。前記第2の液相貯蔵部300が、前記ハウジング110の開口部120から離隔したハウジング110の内部である前記第2のハウジング領域112内に位置する場合、前記ニコチンインヘイラーの内部に空いている空間を柔軟に活用してコンパクト(compact)な構造のインヘイラーを製造することができる効果がある。また、前記開口部120に前記第2の液相貯蔵部300が位置する場合に比べて、前記開口部120に流入する空気の流路を確保し易い利点がある。
【0043】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記第2の液相貯蔵部300は、前記煙霧発生用液相が含浸された液相吸収体410をさらに含むことができる。
【0044】
本発明の一実施例において、前記液相吸収体410は、紙、綿、多孔性ビーズ及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるものを含むことができるが、前記煙霧発生用液相の気化させる前の液相を容易に吸収できるものであれば、この分野において公知のものをすべて使用することができ、例えば、紙にしわを形成して巻いた形態、綿を固めた形態または多孔性ビーズを用いて製造したウィック(wick)の形態であってもよいが、これに特に制限されない。
【0045】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記煙霧発生用液相を加熱して煙霧を発生させる加熱要素400を含む。前記加熱要素400は、煙霧を発生させるために煙霧発生用液相に熱を加える手段であってもよい。前記加熱要素400は、化学反応による熱源、熱電素子、伝導性金属ヒーター、セラミックヒーターなどを用いることができるが、加熱を起こすことができる要素であればこれに制限されず、例えば、前記加熱要素400は、一直線、曲線、螺旋またはジグザグ形態のパターンを有する伝導性金属を含むヒーターであってもよい。
【0046】
本発明の一実施例において、前記加熱要素400は、前記煙霧発生用液相を加熱するために前記液相吸収体410の表面または内部に位置することができる。前記加熱要素400が液相吸収体410の表面に配置されるか、または前記液相吸収体410の内部のどの程度の深さでインモールド(In-mold)されるかは、焦げた味の発現や異常過熱現象が起こるか否かによって設計されることができる。
【0047】
本発明の一実施例において、前記ニコチンインヘイラーは、前記第1の液相貯蔵部200から前記ハウジング110の内部にニコチン液相を供給する液相供給チューブ210;及び前記液相供給チューブ210と連結された液相注入口211;を含み、前記加熱要素400は前記液相注入口211より前記開口部120にさらに近い位置に配置されることができる。前記液相吸収体410の煙霧発生用液相を加熱して煙霧を発生させる前記加熱要素400が、前記液相注入口211に比べて空気が流入する開口部120に近く配置される場合、空気との接触が増大され、より多くの煙霧量を発生させることができ、使用者がカートリッジの交換が便利な効果がある。
【0048】
本発明の一実施例において、
図1及び
図3に示すように、前記液相供給チューブ210には、非吸入時に液相供給チューブをロックし、吸入時に液相供給チューブを開放するクリンピング部220が備えられてもよい。前記クリンピング部220は公知の形態で形成することができる。例えば、韓国登録特許第10-1734932号に記載されたクリンピング部材を適用することも可能である。この場合、前記クリンピング部材を適用するために、本発明のニコチンインヘイラーの構造は追加の構成要素を含むことができる。例えば、吸入口には、ハウジングと本体部の内壁面との間の空間と連通する吸入口がもう一つすることができ、前記クリンピング部220は、前記吸入口を介して吸入されるとき作動し、クリンピング部によって液相供給チューブに加えられている圧力を解放することができる手段をさらに備えることができる。
【0049】
本発明の一実施例において、
図1~
図3に示すように、前記本体部の外壁面に配置されるスイッチ500;を含む。前記スイッチ500は、加熱要素400に供給される熱量を調節する手段であって、使用者が喫煙中でも容易にスイッチをON/OFFすることができ、煙霧量を調節することができる方式であれば形状及び大きさは特に制限されない。
【0050】
本発明の一実施例において、前記スイッチ500は、前記加熱要素400に供給される熱量を段階的に調節し、喫煙者の好みに応じて煙霧発生の開始と終了、及び煙霧量を制御する手段であってもよい。例えば、前記スイッチは、有煙及び無煙モードを選択することができるボタン型のスイッチであってもよく、複数のボタンを含んで有煙モード内でも発生する煙霧量を上・中・下に選択して調節することができる方式で構成されてもよい。また、前記スイッチを通じて選択された一つの段階内でも、使用者の吸入量によってウィック周辺に流動が発生する程度が異なるようになり、このとき、対流効果(convective effect)による蒸発量も異なって発生する煙霧量を調節することができる。
【0051】
本発明の一実施例において、前記ハウジング110は内部にベンチュリ管を含み、前記ベンチュリ管は、前記ハウジングの一側端部の開口部と連通するインレット管部;内壁面に液相注入口が備えられた中央管部;及びハウジングの他側端部の吸入口と連通するアウトレット管部;を含み、前記第1の液相貯蔵部200は、液相供給チューブ210を介して前記中央管部の液相注入口211と連通することができる。前記ベンチュリ管を含む場合、ニコチン液相が肺への吸入が容易になるように迅速に微細エアロゾル化することができる。具体的に、空気流路が広い区間で急激に狭くなる区間を通過した後、再び広がる区間で圧力差によって用いて微細エアロゾル化することができる。
【0052】
本発明の一実施例において、前記アウトレット管部は、前記インレット管部よりも長い長さを有してもよい。エアロゾルは飛行しながらさらに微粒化されるので、アウトレット管部の長さがインレット管部よりも長く形成されることが好ましい。
【0053】
本発明の一実施例において、前記インレット管部は、前記中央管部に向かってテーパされた第1のテーパ部を含み、前記アウトレット管部は、前記中央管部に向かってテーパされた第2のテーパ部を含み、前記第1のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度は、第2のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度より大きくてもよい。前記第1のテーパ部は、空気が流入する前記開口部と連結されるので、空気が流入する流路を広く確保しながら、前記アウトレット管部が前記インレット管部より長い長さを有することを満足するために、前記第1のテーパ部が前記ベンチュリ管の中心軸となす角度は、第2のテーパ部に比べて大きくなるように形成されることができる。
【0054】
本発明のニコチンインヘイラーは、定量のニコチンを移行しながらも使用者の好みに応じて有煙/無煙モードの選択及び煙霧量の調節が可能であり、ニコチン液相を貯蔵する第1の液相貯蔵部と、煙霧発生用液相を貯蔵する第2の液相貯蔵部を空気の流路を確保しながらも多様な構造で設計可能な利点を提供することができる。
【0055】
たとえ本発明は前記述べた好ましい実施例に関連して説明したが、発明の要旨と範囲から逸脱することなく様々な修正または変形を行うことが可能である。したがって、添付の特許請求の範囲は本発明の要旨に属する限り、このような修正または変形を含むであろう。
【符号の説明】
【0056】
100:本体部
110:ハウジング
111:第1のハウジング領域
112:第2のハウジング領域
113:第3のハウジング領域
120:開口部
130:吸入口
200:第1の液相貯蔵部
210:液相供給チューブ
211:液相注入口
220:クリンピング部
300:第2の液相貯蔵部
400:加熱要素
410:液相吸収体
500:スイッチ
600:空気流路
700:発香要素
【国際調査報告】