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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/049 20140101AFI20240822BHJP
   H02S 30/00 20140101ALI20240822BHJP
   H02S 20/26 20140101ALI20240822BHJP
【FI】
H01L31/04 562
H02S30/00
H02S20/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569729
(86)(22)【出願日】2023-04-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2023090213
(87)【国際公開番号】W WO2024037022
(87)【国際公開日】2024-02-22
(31)【優先権主張番号】202222196111.7
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュー、ジエンメイ
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA03
5F251JA02
5F251JA05
(57)【要約】
本開示の太陽電池モジュールは、第1の太陽電池モジュールと補強部材を含み、前記補強部材は前記第1の太陽電池モジュールの裏面に設けられ、前記第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するために用いられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の太陽電池モジュールと補強部材を含み、前記補強部材は前記第1の太陽電池モジュールの裏面に設けられ、前記第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するために用いられる
太陽電池モジュール。
【請求項2】
前記補強部材は補強板である
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項3】
前記補強部材は一層の前記補強板であるか、
または、
前記補強部材は補強板アセンブリであり、前記補強板アセンブリは少なくとも二層が積層配置された前記補強板を含む
請求項2に記載の太陽電池モジュール。
【請求項4】
前記補強板アセンブリの少なくとも二層の前記補強板の形状は同一である
請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項5】
前記補強板アセンブリの少なくとも二層の前記補強板の寸法は同一である
請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項6】
前記補強板アセンブリの少なくとも二層の前記補強板の材料は同一である
請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項7】
前記補強板アセンブリの任意の隣接する二層の前記補強板は第2の接着層を介して接続される
請求項3に記載の太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記補強板は、ガラス板、コンクリート板、鋼板、またはプラスチック板である
請求項2から7のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記補強部材は第2の太陽電池モジュールであり、かつ前記第2の太陽電池モジュールの裏面は前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続される
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記第2の太陽電池モジュールと前記第1の太陽電池モジュールは同一の種類の太陽電池モジュールであるか、または異なる種類の太陽電池モジュールである
請求項9に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記第2の太陽電池モジュールは結晶シリコン太陽電池モジュールである
請求項10に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
前記第2の太陽電池モジュールは薄膜太陽電池モジュールである
請求項10に記載の太陽電池モジュール。
【請求項13】
前記補強部材は第1の接着層を介して前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続される
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項14】
前記機械的特性は強度を含む
請求項1に記載の太陽電池モジュール。
【請求項15】
光の照射を利用する発電に用いられる第1の太陽電池モジュールと、
前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続された補強部材を含み、前記裏面は前記第1の太陽電池モジュールの受光面とは反対の面であり、
前記補強部材と前記第1の太陽電池モジュールの全体構造の強度が前記第1の太陽電池モジュールの強度より大きい
太陽電池モジュールユニット構造。
【請求項16】
前記補強部材は補強構成部材を含むか、
または、
前記補強部材は第2の太陽電池モジュールを含み、前記第2の太陽電池モジュールは光の照射を利用する発電に用いられる
請求項15に記載の太陽電池モジュールユニット構造。
【請求項17】
前記補強部材は第1の接着層を介して前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接着接続される
請求項15に記載の太陽電池モジュールユニット構造。
【請求項18】
太陽電池モジュールユニット構造の製造方法であって、前記太陽電池モジュールユニット構造は請求項15から17のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールユニット構造であり、
前記第1の太陽電池モジュールと前記補強部材をそれぞれ提供するステップと、
前記補強部材を前記太陽電池モジュールの裏面に接続するステップを含む、
太陽電池モジュールユニット構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は太陽電池技術分野に関するものであり、特に太陽電池モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは太陽エネルギー発電システムにおける核心部分であり、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して、負荷作業を促進して、または蓄電池を介して蓄えられる。
【0003】
如何にして、太陽電池モジュールの発電効率を下げず、かつ加工難度を上げないという前提において、機械的特性が強化された太陽電池モジュールを得るかということは、当業者にとって解決の待たれる技術課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、太陽電池フロントガラスの厚さを増加しないことを前提として、太陽電池モジュールの機械的特性を強化して、太陽電池モジュールを建築業界に適用させるために、太陽電池モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を実現するために、本開示は、第1の太陽電池モジュールと補強部材を含み、前記補強部材は前記第1の太陽電池モジュールの裏面に設けられ、前記第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するために用いられる太陽電池モジュールを提供する。
【0006】
いくつかの実施例において、前記補強部材は補強板である。
【0007】
いくつかの実施例において、前記補強部材は一層の前記補強板であるか、または、前記補強部材は補強板アセンブリであり、前記補強板アセンブリは少なくとも二層が積層配置された前記補強板を含む。
【0008】
いくつかの実施例において、前記補強板アセンブリの少なくとも二層の前記補強板の形状は同一である。
【0009】
いくつかの実施例において、前記補強板アセンブリの少なくとも二層の前記補強板の寸法は同一である。
【0010】
いくつかの実施例において、前記補強板アセンブリの少なくとも二層の前記補強板の材料は同一である。
【0011】
いくつかの実施例において、前記補強板アセンブリの任意の隣接する二層の前記補強板は第2の接着層を介して接続される。
【0012】
いくつかの実施例において、前記補強板は、ガラス板、コンクリート板、鋼板、またはプラスチック板である。
【0013】
いくつかの実施例において、前記補強部材は第2の太陽電池モジュールであり、かつ前記第2の太陽電池モジュールの裏面は前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続される。
【0014】
いくつかの実施例において、前記第2の太陽電池モジュールと前記第1の太陽電池モジュールは同一の種類の太陽電池モジュールであるか、または異なる種類の太陽電池モジュールである。
【0015】
いくつかの実施例において、前記第2の太陽電池モジュールは結晶シリコン太陽電池モジュールである。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第2の太陽電池モジュールは薄膜太陽電池モジュールである。
【0017】
いくつかの実施例において、前記補強部材は第1の接着層を介して前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続される。
【0018】
いくつかの実施例において、前記機械的特性は強度を含む。
【0019】
上記の目的を実現するために、本開示は、光の照射を利用する発電に用いられる第1の太陽電池モジュールと、前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続された補強部材を含み、前記裏面が前記第1の太陽電池モジュールの受光面とは反対の面であり、前記補強部材と前記第1の太陽電池モジュールの全体構造の強度が前記第1の太陽電池モジュールの強度より大きい太陽電池モジュールユニット構造をさらに提供する。
【0020】
いくつかの実施例において、前記補強部材は補強構成部材を含むか、または、前記補強部材は第2の太陽電池モジュールを含み、前記第2の太陽電池モジュールは光の照射を利用する発電に用いられる。
【0021】
いくつかの実施例において、前記補強部材は第1の接着層を介して前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接着接続される。
【0022】
上記の目的を実現するために、本開示は、太陽電池モジュールユニット構造の製造方法であって、前記太陽電池モジュールユニット構造は本開示の実施例の任意の太陽電池モジュールユニット構造であり、前記第1の太陽電池モジュールと前記補強部材をそれぞれ提供するステップと、前記補強部材を前記太陽電池モジュールの裏面に接続するステップを含む、太陽電池モジュールユニット構造の製造方法をさらに提供する。
【0023】
本開示の実施例が提供する太陽電池モジュール(または太陽電池モジュールユニット構造)は、第1の太陽電池モジュールの裏面に補強部材を設ける。補強部材は第1の太陽電池モジュールの裏面に設けられ、第1の太陽電池モジュールの正面の透過率には影響せず、第1の太陽電池モジュールの発電効率を保証できる。厚くした太陽電池フロントガラスと太陽電池バックガラスで第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するという方法の代わりに、単独で設けられた補強部材を使用して、第1の太陽電池モジュールの機械的特性(例えば強度)を強化しても、第1の太陽電池モジュールの加工難度が上がることはない。補強部材はそれ自体が一定の機械的特性を有する部材であり、第1の太陽電池モジュールの裏面に補強部材を設け、第1の太陽電池モジュールと補強部材の機械的特性の重なりを実現し、機械的特性が強化された太陽電池モジュールを得る。
【0024】
本開示の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、実施例または従来技術の説明に必要な図面について以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本開示のいくつかの例または実施例にすぎず、当業者は創造力を働かせずに、提供する図面を基にその他の図面を得られるほか、提供する図面を基に本開示をその他の類似のシーンに応用することもできる。文字から明らかである、または別途説明がなされている場合を除き、図における同一の符号は同一の構造または操作を表す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は本開示の第1の実施例にて開示する太陽電池モジュールの側面視の構造概念図である。
図2図2は本開示の第2の実施例にて開示する太陽電池モジュールの側面視の構造概念図である。
図3図3は本開示の第3の実施例にて開示する太陽電池モジュールの側面視の構造概念図である。
図4図4は本開示の第4の実施例にて開示する太陽電池モジュールの側面視の構造概念図である。
図5図5は本開示の別の実施例にて開示する太陽電池モジュールユニット構造の側面視の構造概念図である。
図6図6は別の実施例にて開示する太陽電池モジュールユニット構造の製造方法のフロー概念図である。
【符号の説明】
【0026】
1.第1の太陽電池フロントガラス、2.第1の太陽電池接着フィルム、3.第1の電池セル、4.第2の太陽電池接着フィルム、5.第1の太陽電池バックガラス、6.補強板、7.第3の太陽電池接着フィルム、8.第2の電池セル、9.第4の太陽電池接着フィルム、10.第2の太陽電池フロントガラス、11.第2の太陽電池バックガラス、12.第1の接着層、13.第2の接着層、14.第3の太陽電池バックガラス、15.第3の電池セル、16.第5の太陽電池接着フィルム、17.第3の太陽電池フロントガラス、91.第1の太陽電池モジュール、92.補強板。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に図面と実施例を組み合わせて本開示についてさらに詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は関連出願の解釈にのみ使用され、当該出願を限定するものではないと理解できる。説明する実施例は本開示の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではない。本開示における実施例を基に、当業者が創造力を働かせずに得た全てのその他の実施例はみな本開示の請求範囲に属する。
【0028】
なお、説明の利便性のため、図面においては関連出願に関連する部分のみを示す。矛盾することがなければ、本開示の実施例および実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0029】
本開示にて使用する「システム」、「装置」、「ユニット」および/または「モジュール」という語句は異なるレベルの異なるコンポーネント、素子、部品、部分または実装を区別するための方法の1つである。しかし、その他の語句が同一の目的を実現することができるのであれば、その他の表現を当該語句の代わりとしてよい。
【0030】
本開示と特許請求の範囲において示すように、前後の文において例外であることが明確に提示されている場合を除き、「一」、「1つ」、「一種」および/または「当該」などの語句は単数を特に示すのではなく、複数を含んでもよい。一般的に、「含む」、「含まれる」という用語は、既に明確に示したステップおよび要素を含むということだけを示し、これらのステップと要素は排他的な羅列を構成せず、方法または装置もその他のステップまたは要素を含み得る。「……を1つ含む」という語句により限定される要素は、要素の過程、方法、商品または装置において、別の同一の要素がさらに存在することを排除しない。
【0031】
ここで、本開示の実施例の説明において、別途説明がある場合を除き、「/」はまたはという意味を表し、例えばA/BはAまたはBを表すことができる。本文における「および/または」という文言は関連対象の関連関係を説明するものにすぎず、三通りの関係が存在してよいということを示し、例えばAおよび/またはBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在するという三通りの状況を示すことができる。このほか、本開示の実施例の説明において、「複数」という語句は2つまたは2つより多いということを指す。
【0032】
以下において、「第1の」、「第2の」という用語は説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示するもの、またはそれが指す技術特徴の数を暗に示すものとして理解することはできない。したがって、「第1の」、「第2の」という限定のある特徴は、1つまたはより多くの当該特徴を含むということを明示または暗に示すことができる。
【0033】
本開示で使用するフローチャートは本開示の実施例によるシステムが実行する操作を説明するためのものである。前または後ろの操作は必ず順番に従って正確に実行する必要はないと理解すべきである。むしろ、逆にまたは同時に各ステップを処理してもよい。また、その他の操作をこれらの過程に加える、またはこれらの過程からある1つの操作または複数の操作を除くこともできる。
【0034】
いくつかの関連技術において、太陽電池モジュールの機械的特性は低く、適用範囲が制限される。
【0035】
太陽電池モジュールの機械的特性(例えば強度)を強化するために、よく使用される方法は太陽電池モジュールの太陽電池フロントガラスおよび/または太陽電池バックガラスの厚さを増加するというものである。しかし、太陽電池フロントガラスの厚さを増加すると透過率が下がり、太陽電池モジュールの発電効率に影響するほか、厚くした太陽電池フロントガラスと太陽電池バックガラスの加工難度は高い。
【0036】
よって、如何にして、太陽電池モジュールの発電効率を下げず、かつ加工難度を上げないという前提において、機械的特性が強化された太陽電池モジュールを得るかということは、当業者にとって解決の待たれる技術課題となっている。
【0037】
図1から図4を参照されたい。
【0038】
本開示のいくつかの実施例では、第1の太陽電池モジュールと補強部材を含み、補強部材は第1の太陽電池モジュールの裏面に設けられ、第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するために用いられる太陽電池モジュールを開示する。
【0039】
ここで、「太陽電池モジュール」とは、相対的に独立した、光の照射を利用する発電ができる(光の照射下で電圧を出力することができる)製品であり、そこには第1の太陽電池モジュールと補強部材を含む。
【0040】
本開示の実施例の「太陽電池モジュール」における「第1の太陽電池モジュール」も相対的に独立した、光の照射を利用する発電ができる(光の照射下で電圧を出力することができる)製品であるが、補強部材を含まないため、本開示の実施例の「第1の太陽電池モジュール」は関連技術における「太陽電池モジュール製品」に類似すると考えてよい。
【0041】
ここで、第1の太陽電池モジュールは対向する正面と裏面を有し、当該正面は、第1の太陽電池モジュールが通常設置されたときに、光が入射する「受光面」として用いられ、裏面は受光面とは反対の「背光面」である。
【0042】
ここで、機械的特性は強度、硬度、衝撃靱性および疲労限界などを含み、特に強度を含む。
【0043】
ここで、「補強部材は第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するために用いられる」ということは、補強部材が設けられた第1の太陽電池モジュール(または「補強部材と第1の太陽電池モジュールの全体」)の機械的特性を、補強部材が設けられていない単独の第1の太陽電池モジュールの機械的特性よりも高くするということを指す。
【0044】
本開示が開示する太陽電池モジュールは、第1の太陽電池モジュールの裏面に補強部材を設ける。補強部材は第1の太陽電池モジュールの裏面に設けられ、第1の太陽電池モジュールの正面の透過率には影響せず、第1の太陽電池モジュールの発電効率を保証できる。厚くした太陽電池モジュールフロントガラスと太陽電池バックガラスで第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化するという方法の代わりに、単独で設けられた補強部材を使用して、第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化しても、第1の太陽電池モジュールの加工難度が上がることはない。補強部材はそれ自体が一定の機械的特性を有する部材であり、第1の太陽電池モジュールの裏面に補強部材を設け、第1の太陽電池モジュールと補強部材の機械的特性の重なりを実現し、機械的特性が強化された太陽電池モジュールを得る。
【0045】
本開示のいくつかの実施例において、補強部材は補強板である。
【0046】
いくつかの実施例において、補強板の機械的特性は第1の太陽電池モジュールの機械的特性より高く、少なくとも太陽電池モジュールの機械的特性を倍に強化することができる。
【0047】
補強板は中空の補強板であってよく、中実の補強板であってもよく、いくつかの実施例において補強板は中実の補強板であり、同一の種類の材料を用いるという前提においては、中実の補強板の機械的特性が相対的により高い。
【0048】
補強部材は補強板であるという実施例において、本開示は補強部材の二通りの実施例を開示する。
【0049】
1つ目、補強部材は一層の補強板であり、つまり、補強部材は1つの補強板である。
【0050】
2つ目、補強部材は補強板アセンブリであり、補強板アセンブリは少なくとも二層が積層配置された補強板を含み、つまり、補強部材は複数積層された補強板である。
【0051】
いくつかの実施例において、補強部材は第1の接着層を介して前記第1の太陽電池モジュールの裏面に接続される。
【0052】
補強部材が一層の補強板のみである実施例において、補強板は第1の接着層を介して第1の太陽電池モジュールの裏面に接続される。
【0053】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリも第1の接着層を介して第1の太陽電池モジュールの裏面に接続されてよい。
【0054】
すなわち、補強部材の具体的な形式がどのようなものであっても、これはみな第1の接着層を介して第1の太陽電池モジュールの裏面に接続されてよい。
【0055】
補強部材が1つの補強板である実施例において、補強板の形状は第1の太陽電池モジュールの形状と同一であってよく、第1の太陽電池モジュールの形状と同一でなくてもよい。
【0056】
補強部材が1つの補強板である実施例において、補強板の寸法は第1の太陽電池モジュールの寸法と同一であってよく、第1の太陽電池モジュールの寸法と同一でなくてもよい。
【0057】
補強部材が1つの補強板である実施例において、補強板の厚さは第1の太陽電池モジュールの厚さと同一であってよく、第1の太陽電池モジュールの厚さより小さくてもよく、第1の太陽電池モジュールの厚さより大きくてもよい。
【0058】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリの少なくとも二層の補強板の形状は同一であってよく、同一でなくてもよく、具体的に、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の形状は同一であってよく、一部が同一であってよく、いくつかの実施例において、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の形状は同一である。
【0059】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリの少なくとも二層の補強板の寸法は同一であってよく、同一でなくてもよく、具体的に、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の形状は全て同一であってよく、一部が同一であってよく、具体的に、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の寸法は同一であってよく、一部が同一であってよく、いくつかの実施例において、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の寸法は同一である。
【0060】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリの少なくとも二層の補強板の材料は同一であってよく、同一でなくてもよく、具体的に、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の材料は同一であってよく、一部が同一であってよく、いくつかの実施例において、補強板アセンブリを構成する全ての補強板の材料は同一である。
【0061】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリを構成する補強板の形状は第1の太陽電池モジュールの形状と同一であってよく、同一でなくてもよく、いくつかの実施例において、補強板アセンブリを構成する補強板の形状は第1の太陽電池モジュールの形状と同一である。
【0062】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリを構成する補強板の寸法は第1の太陽電池モジュールの形状と同一であってよく、同一でなくてもよく、いくつかの実施例において、補強板アセンブリを構成する補強板の寸法は第1の太陽電池モジュールの寸法と同一である。
【0063】
補強部材(例えば一層の補強板、または補強板アセンブリ)は、第1の接着層を介して第1の太陽電池モジュールの裏面に接続され、つまり、補強部材全体は第1の太陽電池モジュールの裏面に接着接続されてよく、および/または、補強板アセンブリの任意の隣接する二層の補強板は第2の接着層を介して接続され、つまり、補強板アセンブリの異なる補強板の間も互いに接着されてもよい。
【0064】
補強部材が一層の補強板を含む場合でも、補強部材が補強板アセンブリである場合でも補強板は、ガラス板、コンクリート板、鋼板、またはプラスチック板で製造することを選択してよい。
【0065】
補強部材が一層の補強板である場合でも、補強部材が補強板アセンブリである場合でも補強板は、厚さが等しい補強板であってよく、厚さが等しくない補強板であってもよく、厚さが等しくない補強板は、厚さが次第に厚くなる補強板であってよく、または隣接位置の厚さが等しくない補強板であってよく、或いは隣接する二層の補強板が凹凸で対応する補強板であり、最終的に隣接する補強板の凹凸が合わさることにより補強部材の各箇所の厚さが等しい状態に至るというものであってもよい。上記の構造は、太陽電池モジュールの適用範囲をさらに強化することができる。
【0066】
補強板は上記材料で製造された板状構造に限らず(補強板が必ず大面積の「平板」でなければならないということを示すのではない)、その他の材料で製造された板状構造であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0067】
太陽電池モジュールの補強部材が一層の補強板である、または、補強板アセンブリである実施例では、第1の太陽電池モジュールの受光面(正面)だけを太陽電池モジュールの受光面とする。
【0068】
本開示の別の実施例において、補強部材は第2の太陽電池モジュールであり、当該実施例では、第2の太陽電池モジュールを補強部材とすることにより第1の太陽電池モジュールの機械的特性を強化する。
【0069】
具体的に、第2の太陽電池モジュールの裏面(背光面)は第1の太陽電池モジュールの裏面に接続され、当該実施例が開示する太陽電池モジュールは、第1の太陽電池モジュールの受光面と第2の太陽電池モジュールの受光面がともに役割を果たすことができ、太陽電池モジュールの機械的特性を強化した上で、太陽電池モジュールの発電効率を強化することもできる。
【0070】
ここで、「第2の太陽電池モジュール」も相対的に独立した、光の照射を利用する発電ができる(光の照射下で電圧を出力することができる)製品であるため、本開示の実施例の「第2の太陽電池モジュール」も関連技術における「太陽電池モジュール製品」に類似すると考えてよく、本開示の実施例における第2の太陽電池モジュールそのものは同時に補強部材ともなる。
【0071】
ここで、第1の太陽電池モジュールの裏面は第2の太陽電池モジュールの裏面に接続され、つまり、両者の入光に用いる正面(受光面)は互いに背を向けたものであることから、「太陽電池モジュール」全体の両側はともに受光面であるが、第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールのうちのそれぞれは、依然として一方が受光面であり他方が背光面である。
【0072】
いくつかの実施例において、第2の太陽電池モジュールの形状は第1の太陽電池モジュールの形状と同一であってよく、同一でなくてもよく、いくつかの実施例において、第2の太陽電池モジュールの形状は第1の太陽電池モジュールの形状と同一である。
【0073】
いくつかの実施例において、第2の太陽電池モジュールの寸法は第1の太陽電池モジュールの寸法と同一であってよく、第1の太陽電池モジュールの寸法と同一でなくてもよく、いくつかの実施例において、第2の太陽電池モジュールの寸法は第1の太陽電池モジュールの寸法と同一である。
【0074】
いくつかの実施例において、第2の太陽電池モジュールの厚さは第1の太陽電池モジュールの厚さと同一であってよく、第1の太陽電池モジュールの厚さと同一でなくてもよく、具体的にどのように選択するかは実際の必要に応じて当業者により選択される。
【0075】
いくつかの実施例において、第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールは同一の種類の太陽電池モジュールであってよく、異なる種類の太陽電池モジュールであってもよい。
【0076】
第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールが同一の種類の太陽電池モジュールである実施例において、第1の太陽電池モジュールの組成構造は第2の太陽電池モジュールの組成構造と同一である。第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールが異なる種類の太陽電池モジュールである実施例において、第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールの組成構造は同一であってよく、同一でなくてもよい。
【0077】
さらに、第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールが異なる種類の太陽電池モジュールであり、かつ組成構造が同一である実施例において、第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールは異なる電池セルを使用し、第1の太陽電池モジュールに用いる電池セルは結晶シリコン電池セルであってよく、第2の太陽電池モジュールに用いるのは薄膜太陽電池モジュールであってよい。第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールが異なる種類の太陽電池モジュールであり、かつ組成構造が異なる実施例において、第1の太陽電池モジュールには結晶シリコン太陽電池モジュールを選択してよく、第2の太陽電池モジュールには薄膜太陽電池モジュールを選択してよい。
【0078】
補強部材の構造は異なり、適用するシーンにも違いがある。
【0079】
補強部材が第2の太陽電池モジュールである実施例において、太陽電池モジュールは第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールを含み、第1の太陽電池モジュールの裏面と第2の太陽電池モジュールの裏面が接続され、太陽電池モジュールの両側はともに採光可能である。
【0080】
第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールがともに結晶シリコン太陽エネルギー太陽電池モジュールである実施例において、太陽電池モジュールは高速道路など光(太陽光)が主に一方向から照射されるシーンに設けるのに適している。
【0081】
第1の太陽電池モジュールが結晶シリコン太陽電池モジュールであり、第2の太陽電池モジュールが薄膜太陽電池モジュールである実施例において、太陽電池モジュールは一方が室内を向き、他方が室外を向く使用環境、つまり、2つの方向にともに光(太陽光と照明光)があるシーンに適しており、具体的に、第1の太陽電池モジュールが室外を向き、第2の太陽電池モジュールが室外を向く。
【0082】
図1に示すように、補強部材が一層の補強板である実施例として、太陽電池モジュールは上から下へ順に、第1の太陽電池フロントガラス1と、第1の太陽電池接着膜2と、第1の電池セル3と、第2の太陽電池接着膜4と、第1の太陽電池バックガラス5と、第1の太陽電池接着層12と、補強板6を含む。
【0083】
ここで、上記の第1の太陽電池フロントガラス1と、第1の太陽電池接着膜2と、第1の電池セル3と、第2の太陽電池接着膜4と、第1の太陽電池バックガラス5が第1の太陽電池モジュールを構成する。
【0084】
当該実施例において、補強部材を構成する補強板6の厚さは相対的に厚く、厚さは5から8mmであって、裏面は模様付きとしてよい。
【0085】
補強部材が一層の補強板である実施例において、補強板6は全体が補強板であってよく、全体が補強板である補強板6は第1の太陽電池バックガラス5の裏面(つまり第1の太陽電池モジュールの裏面)に平らに配置され、補強板6は複数の帯状またはブロック状の補強板であってよく、複数の帯状またはブロック状の補強板は第1の太陽電池バックガラス5の裏面に沿って平行に、または平行でなく設けられる。
【0086】
補強部材が一層の補強板6である実施例において、補強板6は直接、切断または成型技術により製造してよく、具体的にどのような技術を選択するかは補強板の材質と当業者の必要に応じて選択され、ここでは具体的に限定しない。
【0087】
補強板6の第1の太陽電池モジュールとの接続は高圧釜内において行ってよい(例えば、第1の接着層を介して接着する)。
【0088】
図2に示すように、補強部材が補強板モジュールである実施例として、太陽電池モジュールは上から下へ順に、第1の太陽電池フロントガラス1と、第1の太陽電池接着膜2と、第1の電池セル3と、第2の太陽電池接着膜4と、第1の太陽電池バックガラス5と、第1の太陽電池接着層12と、補強板6と、第2の太陽電池接着層13と、補強板6を含む。
【0089】
ここで、上記の第1の太陽電池フロントガラス1と、第1の太陽電池接着膜2と、第1の電池セル3と、第2の太陽電池接着膜4と、第1の太陽電池バックガラス5が第1の太陽電池モジュールを構成し、上記の2つの補強板6が補強板アセンブリを構成する。
【0090】
当該実施例では補強板アセンブリが二層の補強板6を含むという方式を開示する。
【0091】
補強板アセンブリは少なくとも二層が積層配置された補強板6を含み、補強板6の積層配置の方向は第1の太陽電池バックガラス5が位置する平面に垂直である。当該実施例において、各補強板6の厚さは相応に減少してよく、少なくとも二層の補強板6の機械的特性を重ねることで、太陽電池モジュールが最終的に必要とする機械的特性に至る。
【0092】
補強板アセンブリが少なくとも二層が積層配置された補強板6を含む実施例では、太陽電池モジュールの機械的特性を柔軟に調整するために、実際の必要に応じて適切な層数の補強板6を選択することができる。
【0093】
補強部材が補強板アセンブリである実施例において、補強板アセンブリを構成する補強板6は切断または成型技術により製造してよく、具体的にどのような技術を選択するかは補強板6の材質と当業者の必要に応じて選択され、ここでは具体的に限定しない。
【0094】
補強板アセンブリの厚さがやや薄い場合、補強板アセンブリはラミネート機または高圧釜により製造することができ、補強板アセンブリの厚さがやや厚い場合、補強板アセンブリは高圧釜により製造することができる。
【0095】
補強板アセンブリの第1の太陽電池モジュールとの接続は高圧釜内において行ってよい(例えば、第1の接着層12を介して接着する)。
【0096】
または、補強板アセンブリの各補強板6を第1の太陽電池モジュールの裏面に積層し、積層後の全体を高圧釜に入れて接続する(例えば、第2の接着層13を介して接着する)。
【0097】
第1の接着層12と第2の接着層13は太陽電池接着膜を用いてよく、電気的特性の要求がやや低い接着膜を用いてもよい。例えば、第1の接着層12と第2の接着層13は建築用接着膜を用いてよく、建築用接着膜は太陽電池接着膜よりコストが低いほか、より優れた粘着性、柔軟性、衝撃耐性を有する。
【0098】
図3に示すように、補強部材が第2の太陽電池モジュールである実施例として、当該実施例における第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールの組成構造は同一である。第1の太陽電池モジュールは、第1の太陽電池フロントガラス1と、第1の太陽電池接着膜2と、第1の電池セル3と、第2の太陽電池接着膜4と、第1の太陽電池バックガラス5を含み、第2の太陽電池モジュールは、第2の太陽電池バックガラス11と、第3の太陽電池接着膜7と、第2の電池セル8と、第4の太陽電池接着膜9と、第2の太陽電池フロントガラス10を含み、第1の太陽電池バックガラス5の裏面は第2の太陽電池バックガラス11の裏面に第1の接着層12を介して接続される。
【0099】
当該実施例では2つの小さな太陽電池モジュールを重ねることにより機械的特性が強化された全体的な太陽電池モジュールを得る。
【0100】
第2の太陽電池モジュールと第1の太陽電池モジュールの接続は高圧釜内において行ってよい。
【0101】
図3に示す太陽電池モジュールについて、第1の電池セル3と第2の電池セル8は同一の種類の電池セルを使用してよく、異なる種類の電池セルを使用してもよい(対応して、第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールの種類も同一または異なってよい)。同一の種類の電池セルを用いる太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール両側の受光条件が近似する作業環境に適しており、異なる種類の電池セルを使用する太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール両側の受光条件に違いがある作業環境に適しており、当業者は太陽電池モジュールの使用シーンに応じて適切な電池セルを選択でき、太陽電池モジュールの適用範囲を広げている。
【0102】
図4に示すように、補強部材が第2の太陽電池モジュールである実施例として、当該実施例が開示する第1の太陽電池モジュールと第2の太陽電池モジュールの組成構造は異なるものである。第1の太陽電池モジュールは、第1の太陽電池フロントガラス1と、第1の太陽電池接着膜2と、第1の電池セル3と、第2の太陽電池接着膜4と、第1の太陽電池バックガラス5を含み、第2の太陽電池モジュールは、第3の太陽電池バックガラス14と、第3の電池セル15と、第5の太陽電池接着膜16と、第3の太陽電池フロントガラス17を含み、第1の太陽電池バックガラス5の裏面は第3の太陽電池バックガラス17の裏面に第1の接着層12を介して接続される。ここで、第3の電池セル15は薄膜電池であるため、第2の太陽電池モジュールは薄膜太陽電池モジュールである。
【0103】
ここで、上記の第3の電池セル15の薄膜電池の具体的な形式は様々である。
【0104】
従来の薄膜電池には、アモルファスシリコン薄膜太陽電池、CIGS(銅インジウムガリウムセレン)薄膜太陽電池、CIS(銅インジウムセレン)薄膜太陽電池、テルル化カドミウム薄膜太陽電池、ヒ素ガリウム薄膜太陽電池などがある。
【0105】
アモルファスシリコン薄膜太陽電池は、アモルファスシリコン化合物を基本組成とする薄膜太陽電池であり、生産コストが低く、エネルギー戻り期間が短く、高温性能がよく、弱光反応がよく、光電効率が高いなどの利点がある。
【0106】
CIGS薄膜太陽電池とCIS薄膜太陽電池には、生産コストが低く、変換効率が高く、単結晶シリコン太陽電池の安定性に近いなどの利点がある。
【0107】
テルル化カドミウム薄膜太陽電池は、略称をCdTe電池とし、p型CdTe(テルル化カドミウム)とn型CdS(硫化カドミウム)のヘテロ結合をベースとした薄膜太陽電池であり、バンドギャップが理想的であり、光吸収率が高く、変換効率が高く、性能が安定し、生産コストが低いなどの利点がある。
【0108】
ヒ素ガリウム薄膜太陽電池は、シリコン系太陽電池(例えば、アモルファスシリコン太陽電池)と比べて、高い光電変換率と耐温性を有する。
【0109】
本開示は補強板6、補強板アセンブリ、または第2の太陽電池モジュールを用いて補強部材とし、第1の太陽電池モジュールを変更する必要はなく、かつ補強板6、補強板アセンブリ、または第2の太陽電池モジュールを第1の太陽電池モジュールと組み合わせることで、機械的特性が強化された太陽電池モジュールを得るものであり、第1の太陽電池フロントガラス1と第2の太陽電池バックガラスの厚さを増加することに比べて、過度のコスト増加を招かず、かつ容易に得られる。
【0110】
本開示の第1の太陽電池モジュールの第1の太陽電池フロントガラス1の厚さは1.5から3.5mmであり、第2の太陽電池モジュールの第2の太陽電池フロントガラス10の厚さは1.5から3.5mmであり、または、第3の太陽電池フロントガラス17の厚さは1.5から3.5mmであり、いずれも常規のウルトラクリアガラスであって、透過率を保証できるだけでなく、加工技術が円熟し、過度のコスト増加を招くことはない。
【0111】
第1の太陽電池フロントガラス1、第2の太陽電池フロントガラス10、第3の太陽電池フロントガラス17はいずれもウルトラクリアガラスを用いてよく、いくつかの実施例において、ウルトラクリアガラスはウルトラクリア型板ガラスである。ウルトラクリアガラスは透過率が高く、太陽電池モジュールの効率に影響しない。
【0112】
第1の太陽電池バックガラス5、第2の太陽電池バックガラス11、第3の太陽電池バックガラス14はいずれもスクリーン印刷ガラスを用いてよい。第1の太陽電池バックガラス5、第2の太陽電池バックガラス11、第3の太陽電池バックガラス14はスクリーン印刷ガラスを用いると限定されず、太陽電池分野で使用するその他の種類のガラスを用いてもよい。
【0113】
第1の太陽電池接着膜2、第2の太陽電池接着膜4、第3の太陽電池接着膜7、第4の太陽電池接着膜9はいずれも太陽電池接着膜であり、太陽電池接着膜は、EVA、POE、太陽電池Bまたは太陽電池Aなどの材料を用いてよい。
【0114】
図5を参照すると、本開示のいくつかの実施例は、光の照射を利用する発電に用いられる第1の太陽電池モジュール91と、第1の太陽電池モジュール91の裏面に接続された補強部材92を含み、裏面は第1の太陽電池モジュール91の受光面とは反対の面であり、補強部材92と第1の太陽電池モジュールの全体構造の強度が第1の太陽電池モジュール91の強度より大きい太陽電池モジュールユニット構造をさらに開示する。
【0115】
本開示の実施例は、「太陽電池モジュールの製品(太陽電池モジュールユニット構造)」をさらに提供する。
【0116】
当該太陽電池モジュールユニット構造には、光の照射を利用する発電に用いられる第1の太陽電池モジュール91(例えば、関連技術における太陽電池モジュール)を含み、補強部材92をさらに含む。当該補強部材92は、第1の太陽電池モジュール91に対して独立した部品であるが、これは第1の太陽電池モジュール91の裏面に接続される。
【0117】
補強部材92の存在により、「第1の太陽電池モジュール91+補強部材92」という全体構造の強度は、単独の「第1の太陽電池モジュール91」の強度よりも高くなる。
【0118】
したがって、本開示の実施例の「太陽電池モジュールユニット構造」全体の強度は高く、適用範囲が広い。また、実際に発光に用いる第1の太陽電池ユニット91のフロント、バックガラスの厚さはともに変化せず、つまり、その構造は関連技術における太陽電池モジュールと同じであってよいため、入光には影響せず、加工難度も変化しない。さらに、補強部材92は第1の太陽電池ユニット91の裏面(背光面)に設けられるため、第1の太陽電池モジュール91の入光に影響しない。
【0119】
いくつかの実施例において、補強部材92は補強構成部材を含む。
【0120】
本開示の実施例の一形態として、補強部材92は「補強」の役割「だけ」を果たす(電気学的、光学的機能を持たない)構成部材(補強構成部材)であってよく、つまり、補強部材92は強度の高い材料で構成された板状、ブロック状、帯状構造などであってよい。
【0121】
いくつかの実施例において、補強部材92は第2の太陽電池モジュールを含み、第2の太陽電池モジュールは光の照射を利用する発電に用いられるか、
または、本開示の実施例の一形態として、補強部材92そのものが光の照射を利用する発電に用いることができる第2の太陽電池モジュール(例えば、関連技術における太陽電池モジュール)であってもよく、発電と補強の役割を同時に果たし、つまり、「太陽電池モジュールユニット構造」においては2つの独立して発電することのできる「太陽電池モジュール」を有する。
【0122】
ここで、補強部材92に第2の太陽電池モジュール用いる場合、第2の太陽電池モジュールの第1の太陽電池モジュールの裏面に接触する側は、その正面(つまり、第2の太陽電池モジュールは第1の太陽電池モジュールを通過する光を使用して発電できる)であってよく、その裏面(つまり、第2の太陽電池モジュールは他方から入射する光を使用して発電できる)であってもよい。
【0123】
第2の太陽電池モジュールの裏面が第1の太陽電池モジュール91の裏面に接触する場合、ある程度において、第1の太陽電池モジュール91を第2の太陽電池モジュールの補強部材92であると見なすことができると理解すべきである。
【0124】
補強部材92が、そもそもその他の役割を果たすことのできる構造(例えば光学膜)であることも可能であると理解すべきである。
【0125】
いくつかの実施例において、補強部材92は第1の接着層12を介して第1の太陽電池モジュール91の裏面に接着接続される。
【0126】
本開示の実施例の一形態として、補強部材92(例えば、補強部材または第2の太陽電池モジュール)は、貼り付けという方式により第1の太陽電池モジュール91の裏面に接続することができる。
【0127】
補強部材92は係合などといったその他の方式により第1の太陽電池モジュール91の裏面に接続するということも可能であると理解すべきである。
【0128】
図5、6を参照すると、本開示のいくつかの実施例は、太陽電池モジュールユニット構造の製造方法をさらに開示し、太陽電池モジュールユニット構造は本開示の実施例の任意の太陽電池モジュールのユニット構造であり、製造方法は以下のステップを含む。
【0129】
S301、第1の太陽電池モジュール91と補強部材92をそれぞれ提供する。
【0130】
S302、補強部材92を太陽電池モジュールの裏面に接続する。
【0131】
本開示の実施例の太陽電池モジュールユニット構造を製造する際には、独立した第1の太陽電池モジュール91と補強部材92を予め提供でき(例えばそれぞれ単独で製造する)、その後、補強部材92を第1の太陽電池モジュール91の裏面に接続(例えば貼り付け)する。
【0132】
以上の説明は本開示の好ましい実施例および使用する技術原理の説明にすぎず、本開示を限定するものではない。当業者にとって、本開示は各種の変更および変化があってよい。本開示に係る出願範囲は、上記技術特徴の特定の組み合わせでなされた技術案に限定されず、上記出願の思想を逸脱しない状況において、上記技術特徴またはその他の均等な特徴により、任意の組み合わせを行って形成されるその他の技術案も含まれる。例えば、上記特徴は本開示が開示する(がそれに限定されない)、類似の機能を有する技術特徴で置き換えがなされて形成された技術案である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】