(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】衝撃を吸収する旅行鞄用車輪
(51)【国際特許分類】
F16F 7/00 20060101AFI20240822BHJP
F16F 1/387 20060101ALI20240822BHJP
F16F 1/377 20060101ALI20240822BHJP
F16F 15/04 20060101ALI20240822BHJP
B60B 33/00 20060101ALI20240822BHJP
A45C 13/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F16F7/00 F
F16F1/387 C
F16F1/377
F16F15/04 L
B60B33/00 S
A45C13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574254
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2022040387
(87)【国際公開番号】W WO2023023003
(87)【国際公開日】2023-02-23
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514109651
【氏名又は名称】ブリッグス アンド ライリー トラヴェルウエア エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】BRIGGS & RILEY TRAVELWARE LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルーリック,リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ラダ,ジョージーン
(72)【発明者】
【氏名】スティッカ,アラン
(72)【発明者】
【氏名】キム,デファン
(72)【発明者】
【氏名】ウィット,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘッカー,マティアス
【テーマコード(参考)】
3B045
3J048
3J059
3J066
【Fターム(参考)】
3B045AA01
3B045CB01
3B045FB02
3J048AA01
3J048AD16
3J048BD01
3J048CB21
3J048DA01
3J048EA13
3J059AA01
3J059AD05
3J059AE05
3J059BA42
3J059BA54
3J059BB04
3J059BC04
3J059CA02
3J059CA12
3J059CB02
3J059CB15
3J059EA03
3J059GA41
3J066AA22
3J066BA01
3J066BC01
(57)【要約】
旅行鞄用の衝撃吸収部材が開示される。一実施態様において、前記部材は弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、外周部と、中心孔と、前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材がその長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部とを備える。前記衝撃吸収部材を備えた旅行鞄用の車輪アセンブリ及び旅行鞄も、それぞれ個別に開示される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、
外周部と、
中心孔と、
前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材が長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部と、を備えることを特徴とする衝撃吸収部材。
【請求項2】
前記複数の開口部のそれぞれの開口部が円形である請求項1記載の衝撃吸収部材。
【請求項3】
前記中心孔に挿入され、車軸を収容するように構成された非圧縮性スリーブをさらに備える請求項1記載の衝撃吸収部材。
【請求項4】
前記非圧縮性スリーブはフランジ端部を備える請求項1記載の衝撃吸収部材。
【請求項5】
前記非圧縮性スリーブの外面及び前記中心孔は、前記非圧縮性スリーブが前記中心孔に確実に嵌合するように互いに相補的に構成される請求項4記載の衝撃吸収部材。
【請求項6】
前記中心孔は多角形の形状であり、前記非圧縮性スリーブの前記外面は前記中心孔の形状と相補的な多角形の形状である請求項5記載の衝撃吸収部材。
【請求項7】
前記中心孔は八角形であり、前記非圧縮性スリーブの前記外面も八角形であり、前記複数の開口部は12個以下の円形孔を備える請求項6記載の衝撃吸収部材。
【請求項8】
前記円形部材の前記外周部は、車輪アセンブリ用のステム部材の相補的な突起要素又は切り欠き部と嵌合するように構成された切り欠き部又は突起要素を備え、それにより前記円形部材を前記ステム部材に固定する請求項1記載の衝撃吸収部材。
【請求項9】
前記長手方向軸に沿った力の方向は、前記中心孔から前記外周部に向かう方向又は前記外周部から前記中心孔に向かう方向、あるいはその両方である請求項1記載の衝撃吸収部材。
【請求項10】
前記円形部材はゴムと、熱可塑性エラストマ(TPE)とからなる請求項1記載の衝撃吸収部材。
【請求項11】
前記非圧縮性スリーブは強化ポリアミドナイロンからなる請求項4記載の衝撃吸収部材。
【請求項12】
旅行鞄に取り付けるように構成されたステム部材と、
前記ステム部材の対向する側にそれぞれ回転可能に取り付けられた第1の車輪及び第2の車輪と、
前記第1の車輪と前記ステム部材との間に介在する第1の衝撃吸収部材と、
前記第2の車輪と前記ステム部材との間に介在する第2の衝撃吸収部材とを備え、
前記第1及び第2の衝撃吸収部材は、それぞれ個別に、弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、
外周部と、
非圧縮性スリーブと前記非圧縮性スリーブ内に配置された車軸とを備える中心孔と、
前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材が長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部とを備えることを特徴とする旅行鞄用の車輪アセンブリ。
【請求項13】
前記非圧縮性スリーブはフランジ端部を備える請求項12記載の車輪アセンブリ。
【請求項14】
前記長手方向軸に沿った力の方向は、前記中心孔から前記外周部に向かう方向又は前記外周部から前記中心孔に向かう方向、あるいはその両方である請求項12記載の車輪アセンブリ。
【請求項15】
前記非圧縮性スリーブの外面及び前記中心孔は、前記非圧縮性スリーブが前記中心孔に確実に嵌合するように互いに相補的に構成される請求項12記載の車輪アセンブリ。
【請求項16】
前記中心孔は多角形の形状であり、前記非圧縮性スリーブの前記外面は前記中心孔の形状と相補的な多角形の形状である請求項15記載の車輪アセンブリ。
【請求項17】
前記複数の開口部のそれぞれの開口部が円形である請求項12記載の車輪アセンブリ。
【請求項18】
前記円形部材の前記外周部及び前記ステム部材は、前記円形部材を前記ステム部材に固定するための相補的な切り欠き部及び突起要素をそれぞれ備える請求項12記載の車輪アセンブリ。
【請求項19】
収納スペースのための空洞を画定する、底壁と、頂壁と、対向する第1及び第2の側壁と、対向する前壁及び後壁と、
前記底壁に取り付けられた複数の車輪アセンブリと、を備え、少なくとも1つの車輪アセンブリは、
それぞれの車輪ハウジングに取り付けるように構成されたステム部材と、
前記ステム部材の対向する側にそれぞれ回転可能に取り付けられた第1の車輪及び第2の車輪と、
前記第1の車輪と前記ステム部材との間に介在する第1の衝撃吸収部材と、
前記第2の車輪と前記ステム部材との間に介在する第2の衝撃吸収部材とを備え、前記第1及び第2の衝撃吸収部材は、それぞれ個別に、弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、
外周部と、
非圧縮性スリーブと前記非圧縮性スリーブ内に配置された車軸とを備える中心孔と、
前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材が長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部とを備えることを特徴とする旅行鞄。
【請求項20】
前記複数の開口部のそれぞれの開口部が円形である請求項19記載の旅行鞄。
【請求項21】
前記非圧縮性スリーブは前記円形部材のそれぞれの側の前記複数の開口部を覆うように定寸されたフランジ端部を備える請求項19記載の旅行鞄。
【請求項22】
前記非圧縮性スリーブの外面及び前記中心孔は、前記非圧縮性スリーブが前記中心孔に確実に嵌合するように互いに相補的に構成される請求項19記載の旅行鞄。
【請求項23】
前記中心孔は多角形の形状であり、前記非圧縮性スリーブの前記外面は前記中心孔の形状と相補的な多角形の形状である請求項22記載の旅行鞄。
【請求項24】
前記中心孔は八角形であり、前記非圧縮性スリーブの前記外面も八角形であり、前記複数の開口部は12個以下の円形孔を備える請求項23記載の旅行鞄。
【請求項25】
前記円形部材の前記外周部は、車輪アセンブリ用の前記ステム部材の相補的な突起要素又は切り欠き部と嵌合するように構成された切り欠き部又は突起要素を備え、それにより前記円形部材を前記ステム部材に固定する請求項19記載の旅行鞄。
【請求項26】
前記長手方向軸に沿った力の方向は、前記中心孔から前記外周部に向かう方向又は前記外周部から前記中心孔に向かう方向、あるいはその両方である請求項19記載の旅行鞄。
【請求項27】
前記円形部材は熱可塑性エラストマ(TPE)からなる請求項19記載の旅行鞄。
【請求項28】
前記非圧縮性スリーブは強化ポリアミドナイロンからなる請求項19記載の旅行鞄。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2021年8月17日に出願された米国特許仮出願番号第63/234,021号に基づく優先権の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、旅行鞄(Luggage)用車輪のための衝撃吸収部材、衝撃吸収部材を備える旅行鞄用の車輪アセンブリ、及び衝撃を吸収する車輪アセンブリを備える旅行鞄に関するものである。
【背景技術】
【0003】
車輪付きの旅行鞄は、凹凸面上を転がすと、梱包した物、特に電子機器などのデリケートな機器を損傷させるような衝撃を生じることがある。そこで、コイルばねを使用して衝撃を改善する様々な試みが試みられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、経済的に有利で、容易に実施でき、旅行鞄の内容物を保護するのに十分な、衝撃を確実に吸収できる単純な設計が依然として必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、本開示は、旅行鞄の車輪用の衝撃吸収部材であって、弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、外周部と、中心孔と、前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材がその長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部とを備える衝撃吸収部材に関する。一例において、前記部材は、前記中心孔に挿入され、車軸を収容するように構成された非圧縮性スリーブを備える。前記円形部材の前記長手方向軸に沿った力の方向は、前記中心孔から前記外周部に向かう方向又は前記外周部から前記中心孔に向かう方向、あるいはその両方とすることができる。
【0006】
他の実施形態において、本開示は、旅行鞄用の車輪アセンブリであって、旅行鞄に取り付けるように構成されたステム部材と、前記ステム部材の対向する側にそれぞれ回転可能に取り付けられた第1の車輪及び第2の車輪と、前記第1の車輪と前記ステム部材との間に介在する第1の衝撃吸収部材と、前記第2の車輪と前記ステム部材との間に介在する第2の衝撃吸収部材とを備え、前記第1及び第2の衝撃吸収部材は、それぞれ個別に、弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、外周部と、非圧縮性スリーブと前記非圧縮性スリーブ内に配置された車軸とを備える中心孔と、前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材がその長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部とを備える車輪アセンブリに関する。
【0007】
別の実施形態において、本開示は、収納スペースのための空洞を画定する底壁と、頂壁と、対向する第1及び第2の側壁と、対向する前壁及び後壁と、前記底壁に取り付けられた複数の車輪アセンブリとを備え、少なくとも1つの車輪アセンブリは、それぞれの車輪ハウジングに取り付けるように構成されたステム部材と、前記ステム部材の対向する側にそれぞれ回転可能に取り付けられた第1の車輪及び第2の車輪と、前記第1の車輪と前記ステム部材との間に介在する第1の衝撃吸収部材と、前記第2の車輪と前記ステム部材との間に介在する第2の衝撃吸収部材とを備え、前記第1及び第2の衝撃吸収部材は、それぞれ個別に、弾性を有する円形部材を備え、前記円形部材は、外周部と、非圧縮性スリーブと前記非圧縮性スリーブ内に配置された車軸とを備える中心孔と、前記外周部と前記中心孔との間に放射状に配置され、前記円形部材がその長手方向軸に沿って力を受けたときに弾性変形して衝撃を吸収するように構成された複数の開口部とを備える旅行鞄に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは、本開示の衝撃吸収部材の一実施形態の平面図である。
【
図1B】
図1Bは、
図1Aの衝撃吸収部材がその長手方向軸に沿った力を受けたときの平面図である。
【
図2A】
図2Aは、任意に設けられるフランジを備えた本開示の非圧縮性スリーブの実施形態の斜視図であり、アセンブリはフランジ付きブッシングプラグの形態である。
【
図3】
図3は、本開示の車輪アセンブリのステム部材部品の一実施形態を示す平面図である。
【
図4】
図4は、本開示の衝撃吸収部材を備える
図3の車輪アセンブリの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4の車輪アセンブリを
図4の反対側から見たときの分解斜視図である。
【
図6A-6B】
図6A及び
図6Bは、それぞれ、平坦面上及び段差に衝突したときの本開示の衝撃吸収部材を備える車輪の実施形態を示す側面図である。
【
図6C】
図6Cは、本開示の衝撃吸収部材を備える旅行鞄用車輪アセンブリの一実施形態を示す部分切断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明及び図の参照は例示的なものであり、本開示の範囲を制限するものではない。
【0010】
図1Aを参照すると、円板状の弾性を有する円形部材150を備えた、旅行鞄と共に使用するための、例示的な衝撃吸収部材100の平面図であり、この円形部材150は、円形部材150の回転軸に対して直交する軸である長手方向軸「L」(
図4のR参照。長手方向軸Lは車軸420の回転軸Rに対して直交する。)を有する。本明細書で使用する「弾性を有する」(resilient)という用語は、力が印加されると構造材料が変形し(
図1B)、印加された力がなくなると形状が復元(
図1A)できるという挙動を指す。この点に関する代表的な構造材料は、例えば、ゴム、熱可塑性エラストマ(TPE)を含み、スチレン系ブロック共重合体、熱可塑性ポリオレフィンエラストマ、熱可塑性バルカニザール、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリアミドを含む複数の種類のTPEを含むエラストマ、及び前述のいずれかの組み合わせなどの高分子材料からなる。円形部材150は、外周部110と、図示される八角形などの多角形を含む任意の形状とすることができる中心孔120とを備える。円形部材150はさらに、外周部110と中心孔120との間に放射状に配置される複数の開口部130を備え、例えば、開口部130は外周部110に対して平行に配置することができる。複数の開口部130は、任意の形状であることができ、同一又は異なる形状であってもよく、及び/又は同一又は異なる寸法であってもよい。図示された非限定的な実施態様では、複数の開口部130は円形であり、同一の寸法である。開口部130の数は変更することができ、例えば、2個以上の開口部を使用してもよく、図示された実施態様では、12個の開口部130が代表的に使用されている。複数の開口部130は、円形部材150がその長手方向軸線Lに沿って力を受けたときに衝撃を吸収するために、
図1Bに示すように弾性変形するように構成されている。外周部110が中心孔120に向かって(すなわち、軸線Lに沿った矢印F1の方向に)圧縮されるとき、及び/又は、中心孔120が外周部110に向かって(すなわち、軸線Lに沿った矢印F2の方向に)圧縮されるとき、例えば、旅行鞄を凹凸面上で転がすことにより、中心孔120を通って配置された車軸が上下に揺れ動くときに、このような力が生じる可能性がある。一実施態様では、外周部110は、円形部材150をステム部材300に固定するために、(
図3に示されるような)車輪アセンブリ用のステム部材300の相補的な突起要素320と嵌合するように構成された1つ以上の切り欠き部140を備える。あるいは、外周部110は、円形部材150をステム部材300に固定するために、(
図3に示すような)車輪アセンブリ用のステム部材300の、相補的な切り欠き部(図示せず)又は切り欠き部と突起要素の相補的な組み合わせと嵌合するように構成された、1つ以上の突起要素(図示せず)又は突起要素と切り欠き部の組み合わせから構成することもできる。
【0011】
一実施態様では、衝撃吸収部材は、中心孔に挿入される非圧縮性スリーブをさらに備える。非圧縮性スリーブは、力F1及び/又はF2が印加されたときに、変形に抵抗する構造材料を含む、及び/又は、変形に抵抗する構造設計にされている。限定的ではないが、非圧縮性スリーブの使用可能な構造材料は、金属、アクリル、ポリアミド、ポリアミドナイロン、強化ポリアミドナイロン、例えば15%ガラス繊維強化ポリアミドナイロン、中粘度ポリブチレンテレフタレート等の硬質ポリマーからなる。非圧縮性スリーブは、旅行鞄用車輪の車軸を収容するように構成された貫通孔を有する。
図2A及び
図2Bを参照すると、旅行鞄用車輪の車軸を収容するように構成された穴220を有する非圧縮性スリーブ210の実施形態が示されており、図示された実施形態では、また、例えば
図2に示されているフランジ付きブッシングプラグ200として示される構成では、一方の端部に任意のフランジ230を備える。一例において、フランジ230は、円形部材150のそれぞれの側の複数の開口部130を覆うのに十分な寸法を有し、それにより非圧縮性スリーブ210が中心孔120に挿入されたときに、複数の開口部130を保護する。一実施態様において、非圧縮性スリーブ210の外面240及び円形部材150の中心孔120の形状は、非圧縮性スリーブ210が中心孔120に確実に嵌合するように互いに相補的に構成される。例えば、中心孔120は多角形の形状であってもよく、非圧縮性スリーブ210の外面240は中心孔120の形状と相補的な多角形の形状であってもよい。
図1及び
図2に示す非限定的な実施形態では、中心孔120は側面150を有する八角形であり、非圧縮性スリーブ210の外面240も八角形であり、スリーブ210を中心孔120に確実に嵌め込むために側面150と嵌合するように構成されている。
【0012】
図3及び
図4を参照すると、旅行鞄用ステム部材及び車輪アセンブリの一実施形態がそれぞれ図示されている。ステム部材300は、当該技術分野で公知の手段、例えば、車輪ハウジング460に接続することにより、350において旅行鞄に接続されるように構成されており、この車輪ハウジング460は、次に旅行鞄(図示せず)の底部に取り付けられる。ステム部材300は、
図1に代表的に図示されているように、衝撃吸収部材100を収容するように構成された、隆起したリム領域330によって画定されたはめ込み領域310(
図3において斜線で示される領域)からなる。図示の実施態様では、ステム部材300は、衝撃吸収部材100を所定の位置に確実に保持するために、円形部材150の切り欠き部140と相補的な突起要素320を有する。ステム部材300は、図示の実施態様では八角形であり、非圧縮性スリーブ210の外面240の八角形の形状と嵌合するように定寸された軸穴340を有する。そして、旅行鞄用車輪の車軸が穴220に配置される。
図4に示す実施態様では、ステム部材300は、車軸420によってステム部材300の対向する側面に回転可能に取り付けられた第1の車輪430と第2の車輪440とを有する。車軸420は、第1の車輪430、軸受410、ブッシング400を貫通している。フランジ付きブッシングプラグ200は、衝撃吸収部材100の中心孔120に挿入される非圧縮性スリーブ210と、複数の開口部130を覆うように定寸されたフランジ230とを備える。衝撃吸収部材100は、ステム部材300のはめ込み部310にはめ込まれる。カバー450は車輪430に使用することができる。第2の車輪440は、ステム部材300の反対側に対応して取り付けられている。ステム部材は固定式でも旋回式でもよい。第2の車輪440及び車輪アセンブリと、その取り付けの詳細は、
図5に図示されている。
【0013】
図5を参照すると、
図4に図示された車輪アセンブリの反対側の分解図が示されている。
図5に示すのは、カバー450Aと、車軸420(
図4に示されているのと同一の車軸420であってもよく、車輪440のためだけの別個の車軸であってもよい。)と、軸受410Aと、ブッシング400Aと、フランジ230Aを備えたフランジ付きブッシングプラグ200Aと、非圧縮性スリーブ210Aと、衝撃吸収部材100Aとを備えた第2の車輪440であり、これらはすべて、
図4に示す第1の車輪430と同様に組み立てられている。
【0014】
図6Aは、平坦面600上の車輪ハウジング460に設けられた複数の開口部130を備える衝撃吸収部材100を備えた車輪アセンブリを示す。
図6Bは、バンプ610に衝突した際の
図6Aの車輪アセンブリを示しており、バンプ610に衝突した際の衝撃を吸収するために、複数の開口部130が図示のように弾性変形している。
図6Cは、本開示の衝撃吸収部材を含む車輪アセンブリの一実施形態の部分的な図示であり、衝撃吸収部材100、100Aと、軸受410、410Aとを、それぞれ有する第1及び第2の車輪430、440を示す。
【国際調査報告】