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特表2024-531031透明ヒータを含む非燃焼加熱式エアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】透明ヒータを含む非燃焼加熱式エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240822BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240822BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20240822BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/51
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576224
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022070391
(87)【国際公開番号】W WO2023016767
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】21191027.8
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デベルグ, パトリック
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC22
4B162AD20
4B162AD40
(57)【要約】
本発明は、エアロゾル発生装置(1)用のヒータ(4)に関し、このヒータ(4)は、少なくとも1つの部分(4a、4b)を含み、これは、少なくとも一部分が、熱伝導性であり、電磁放射線(200、204、205)に対して透明である材料で作られている。本発明はまた、ヒータ(4)を含むエアロゾル発生装置(1)に関する。本発明はまた、エアロゾル発生システムに関し、これは、エアロゾル発生装置(1)と、エアロゾル発生装置(1)に挿入されるエアロゾル発生物品(100)とを含む。本発明はまた、上記装置(1)を使用してエアロゾル発生物品(100)を認証する方法に関し、この方法は、
- 上記少なくとも1つの透明部分(4a、4b)を通る、挿入された物品(100)から放射された電磁放射線(204、205)を収集し、上記放射された電磁放射線(204、205)の少なくとも一部分(206、207)を、光学式読み取りシステム(300)の検出器(30)で収集するステップと、
- 上記検出器(30)で収集された電磁放射線(206、207)に含まれる情報を計算することによって、エアロゾル発生物品(1)を認証するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置(1)用のヒータ(4)であって、前記ヒータ(4)は長さLにわたって延びており、前記ヒータ(4)は、長さLがL以下である少なくとも1つの部分(4a、4b)を含み、前記部分(4a、4b)は、少なくとも一部分が熱伝導性であって、少なくとも一部分が電磁放射線(200、204、205)に対して透明である材料で作られており、電磁放射ビーム(200)の強度I1のうちの、前記部分に入射して前記透明部分(4a)を透過した割合として定義される透明度値Tを有する、ヒータ(4)。
【請求項2】
前記透明度値Tは、10%~90%、より好ましくは20%~85%、更により好ましくは40%~85%である、請求項1に記載のヒータ(4)。
【請求項3】
前記部分(4a)は、波長が120nm~1mm、好ましくは250nm~15μm、更により好ましくは350nm~10μmである電磁放射線(200、204、205)に対して少なくとも部分的に透明である、請求項1又は2のいずれか一項に記載のヒータ(4)。
【請求項4】
前記ヒータの前記部分(4a)の前記長さLは、0.1×L~0.3×L(0.3×Lを含む)、好ましくは0.3×L~0.5×L(0.5×Lを含む)、より好ましくは0.5×L~0.8×L(0.8×Lを含む)、更により好ましくは0.8×L~L(Lを含む)である、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒータ(4)。
【請求項5】
電磁放射線に対して透明な少なくとも2つの異なる部分(4a、4b)を含み、前記2つの部分(4a、4b)は、前記ヒータの前記長さLに沿って、互いに近接して配置されているか、互いに離れて配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のヒータ(4)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの部分(4a、4b)は、熱伝導率が200W/(m・K)超、好ましくは500W/(m・K)超、より好ましくは1000W/(m・K)超、更により好ましくは2000W/(m・K)超である材料で作られている、請求項1~5のいずれか一項に記載のヒータ(4)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの部分(4a、4b)の前記材料は、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、カーバイド、ZnO、SnO、ガラス、SiO、Al、熱抵抗性ポリマー、又はこれらの組み合わせの中から選択される、請求項6に記載のヒータ(4)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの透明部分(4a、4b)の前記材料は導電性である、請求項1~7のいずれか一項に記載のヒータ(4)。
【請求項9】
少なくとも1つの導電層(400)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のヒータ(4)。
【請求項10】
エアロゾル発生装置(1)であって、
o キャビティ(2)であって、エアロゾル発生物品(100)を受けるように構成された開口(2a)を有する前記キャビティ(2)と、
o 請求項1~9のいずれか一項に記載のヒータ(4)であって、前記キャビティ(2)の周囲に配置されて、前記キャビティ(2)に挿入された前記エアロゾル発生物品(100)を加熱する前記ヒータ(4)と、
o 少なくとも1つの光検出器(30)を含む光学式読み取りシステム(300)と、
o 電源ユニットと、
o 少なくとも前記ヒータ(4)及び前記光学式読み取りシステム(300)を制御するように構成された制御ユニット(250)と、
を含み、
前記装置(1)は、前記物品(100)から与えられる反射又は透過した電磁放射線(204、205)の少なくとも一部分(206、207)を、前記透明部分(4a、4b)を通して、前記光学式読み取りシステム(300)により収集するように構成されている、
エアロゾル発生装置(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの透明部分(4a、4b)は、前記キャビティ(2)の全周の周囲に延びる、請求項10に記載のエアロゾル発生装置(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの透明部分(4a、4b)は、前記キャビティ(2)の、前記開口(2a)の反対側の遠位端部(4a’)を形成する、請求項10又は11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置(1)。
【請求項13】
前記ヒータ(4)は、前記装置(1)の電源又は熱源に電気的且つ/又は熱的に接触している少なくとも1つの導電層(400)を含む、請求項10~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置(1)。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか一項に記載の装置(1)を使用してエアロゾル発生物品(100)を認証する方法であって、
- 前記エアロゾル発生物品(100)の少なくとも一部分を前記エアロゾル発生装置(1)の前記キャビティ(2)に挿入するステップと、
- 前記少なくとも1つの透明部分(4a、4b)を通る、前記物品(100)から放射された電磁放射線(204、205)を収集し、前記放射された電磁放射線(204、205)の少なくとも一部分(206、207)を、前記光学式読み取りシステム(300)の前記検出器(30)で収集するステップと、
- 前記検出器(30)で収集された前記電磁放射線(206、207)に含まれる情報を前記制御ユニット(250)で計算することによって、前記エアロゾル発生物品(1)を認証するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
前記装置(1)内に配置された放射器(20)で電磁放射線(200)を放射し、前記少なくとも1つの透明部分(4a、4b)を通して、電磁ビーム(200)を前記物品(100)に向けて前記物品(100)上まで方向付けるステップであって、前記収集された放射線は、前記物品(100)に入射した電磁ビーム(202)の反射された一部分(204)である、前記ステップを含む、請求項14に記載の、消耗品(100)を認証する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生物品及び装置の分野に関し、特に非燃焼加熱式物品及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ及び気化器が近年人気を集めている。主に2つのタイプ、即ち、eリキッド又はゲル等の気化可能な液体基材を加熱することにより、吸入可能な蒸気又はエアロゾルを発生させる液体気化器と、装置に挿入されたエアロゾル発生消耗品を含むタバコを加熱するとエアロゾルが発生する非燃焼加熱式装置とがある。非燃焼加熱式システムは、香味付き液体由来のエアロゾルよりも本来のタバコの香味及び味を提供することを意図したものである。これらの動作原理は、エアロゾル形成物質(例えば、グリセリン又はプロピレングリコール)を含む、タバコ葉等の材料を加熱すると、このエアロゾル形成物質が加熱中に気化して、タバコ材料からニコチン及び香味成分を抽出する蒸気を生成する、というものである。この物質は、従来の巻きタバコの通常の燃焼温度よりも低い200~400℃に加熱される。非燃焼加熱式装置は、典型的には、内部チャンバを含む手持ち式装置であり、内部チャンバは、タバコロッド消耗品等の消耗品と、消耗品がチャンバに挿入されているときに消耗品を内部又は外部から加熱して吸入可能なエアロゾルを発生させる加熱手段と、を収容するように構成されている。加熱手段は、装置に配置された充電式バッテリによって電力供給され、加熱手段及びバッテリはいずれも、センサ、回路、並びに(しばしば)IC及び/又はマイクロプロセッサを含む電子制御機構によって電子制御される。
【0003】
所与のエアロゾル発生物品と所与の非燃焼加熱式装置との適合性、及び/又はエアロゾル発生物品の真正性を保証するために、これまでは、物品に関する光学的情報を含むしるしを物品の外側表面に配置することが提案されてきた。そのようなしるしの読み取りは、読み取り手段を有する、対応設計の非燃焼加熱式装置に挿入されたときに光学的に行われることが可能であり、或いは、(例えば、手持ち式端末又はスマートフォン等の独立した読み取り器を使用する)外部読み取りによって可能である。場合によっては、そのようなしるしは、物品が適切に消費されるように非燃焼加熱式装置に関して設定されるべきパラメータ(例えば、理想的な温度範囲、又は時間の関数としての加熱プロファイル)に関する光学的情報も含みうる。
【0004】
欧州特許出願公開第3818877A1号明細書に記載の一例では、喫煙物品のラッパーに埋め込まれた熱変色性物質で印が構成される。挿入された喫煙物品の少なくとも一部分を取り巻く不透明ヒータによって加熱されると、喫煙物品の表面の一部分の発色が変化し、それが、その物品が加熱済みである、即ち、少なくとも一部分が消費済みであるという事実を示すために用いられる。そのような変色は、ユーザが物品を取り出し、ユーザが検査する、又は場合によっては光学式検査装置で検査することで初めて可視化されうる。
【0005】
より高度な、光学的読み取りが可能なしるしでも、依拠するのはもっぱら、2D又は3Dタイプのバーコードのような従来のコードである。他のタイプのしるしは、サイズが100μm未満、更には1μm未満の個別要素のアレイに含まれる情報コードを含むため、人間が肉眼で細部を観察することが非常に難しい。それらの個別要素は、例えば、インク、穴、エンボス、キャビティ、又は、回折構造のような微細構造で形成されてよい。
【0006】
光学的読み取りが可能なしるしは全て、しるしの少なくとも一部分に向けられる光ビームを出力することに適した光源を使用することに依拠する。光ビームとしるしとの相互作用によって少なくとも1つの二次光ビームが得られ、これは、しるしの少なくとも一部分から放射される反射光ビーム及び/又は回折光ビームでありうる。
【0007】
国際公開第2020/182767A1号パンフレットに記載のインダクタンスヒータのような不透明ヒータに依拠する装置の場合、光学的情報は、喫煙物品のうちの、誘導ヒータによって画定された空間の外側に位置する部分からのみ読み出し可能であり、それによって、利用可能なスペースが制限され、従って、喫煙物品から光学的情報を読み出すために必要となるであろう可能な光学的配置が制限される。
【0008】
例えば、国際公開第2018/050701A1号パンフレットに記載のエアロゾル発生装置は、装置の、物品を収容するキャビティの周辺部に、並びに支持体の上に配置された光源を含む。国際公開第2018/050701A1号パンフレットに記載の光源は、物品の周辺部から、従って、物品の外側から物品のラッパーに光を照射して、物品のラッパーに組み込まれた発光材料を励起するように適合されている。
【0009】
既存の非燃焼加熱式装置はコンパクトな装置であり、その中に光学部品、とりわけ検出器及び光源を配置することが難しい。喫煙物品を取り巻くヒータ材料(金属等)に依拠する構成に依拠するヒータの場合、喫煙物品上の利用可能な場所も、エアロゾル発生装置内の利用可能な場所も常に非常に限られている。例えば、ラッパーのうちの、加熱される喫煙基材を取り巻く部分又はその中に組み込まれたしるしを読み取ることは不可能であろう。喫煙物品が挿入されるキャビティと、ヒータとの間に光学素子を配置することは、不可能ではないにしても実現が非常に困難であると考えられ、情報の読み取りは、物品のうちの、エアロゾル発生基材を含まない部分(例えば、喫煙物品のフィルタ)に限られることとなり、光学系は、ヒータのいずれかの末端部、及びヒータの外側に配置される。これは、ヒータが不透明であるためである。
【0010】
そこで、喫煙物品の表面のうちの、エアロゾル発生装置の光学的に不透明な加熱素子に面した部分にある情報を読み取るように実装されることが可能な光学系が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の発明者等は、上述の問題に対するソリューションを見出した。それは、エアロゾル発生装置の加熱区画の熱特性に影響を及ぼすことなく、エアロゾル発生物品の表面との間で光をやりとりすることを可能にするヒータをエアロゾル発生装置に備えることによるものである。
【0012】
第1の態様では、本発明は、外側本体部に配置された電源部及びキャビティを含むエアロゾル発生装置に関する。キャビティは、外側本体部にアクセス可能な開口を有し、エアロゾル発生物品の消耗品部分が少なくとも上記キャビティに挿入されたときに上記物品を受けるように構成されている。エアロゾル発生装置は更に、エアロゾル発生装置用のヒータを含む。ヒータは、長さLにわたって延びており、長さLがL以下である少なくとも1つの透明部分を含み、上記部分は、少なくとも一部分が熱伝導性であって、少なくとも一部分が電磁放射線に対して透明である材料で作られている。透明部分は、電磁放射ビームの強度I1のうちの、上記部分に入射して上記透明部分を透過した割合として定義される透明度値Tを有する。少なくとも一部分が、電磁放射線に対して透明であり、更に熱伝導性であるヒータを備えることにより、喫煙物品から検出器又は画像化器まで光ビームを送信するだけでなく、同時に、喫煙物品を加熱するためにキャビティ内で実現されるべき熱分布に全く影響がないことを保証するように構成されたヒータを実現することが可能になる。ヒータ内のアパーチャを使用することは、装置の加熱区画内の熱バランス又は必要な熱プロファイルに影響を及ぼすことになり、更には、加熱区画の外に熱を伝達することにもなり、これは、エアロゾル発生装置においては受け入れられない。
【0013】
一実施形態では、上記透明度値Tは、10%~90%、より好ましくは20%~85%、更により好ましくは40%~85%である。透明度は、透明部分に使用される材料、透過光の波長、及び透明部分の厚さに依存する。実施形態では、透明部分は、少なくとも一部分が狭い波長範囲に対して透明であってよく、例えば、10nmより小さいスペクトル範囲、例えば、1500~1500nmのスペクトル範囲に対して透明であってよい。
【0014】
一実施形態では、透明部分は、波長が120nm~1mm、好ましくは250nm~15μm、更により好ましくは350nm~10μmである電磁放射線のビームに対して少なくとも部分的に透明である。電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明なヒータ4を備えることは、物品のしるしから再放射された放射線の強度及び/又はスペクトル及び/又は偏光を検出することによってしるしを検出することを可能にするだけでなく、しるしの光学画像を認識することにも用いられうる。実施形態では、エアロゾル発生物品100のしるし110の画像化は、しるしから再放射された光の強度及び/又はスペクトル及び/又は偏光に関連する情報と組み合わされてよい。
【0015】
一実施形態では、ヒータの上記部分の長さLは、0.1×L~0.3×L(0.3×Lを含む)、好ましくは0.3×L~0.5×L(0.5×Lを含む)、より好ましくは0.5×L~0.8×L(0.8×Lを含む)、更により好ましくは0.8×L~L(Lを含む)である。
【0016】
一実施形態では、ヒータは、電磁放射線に対して透明な少なくとも2つの異なる部分を含み、上記2つの部分は、ヒータの長さLに沿って、互いに近接して配置されているか、互いに離れて配置されている。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1つの部分は、熱伝導率が200W/(m・K)超、好ましくは500W/(m・K)超、より好ましくは1000W/(m・K)超、更により好ましくは2000W/(m・K)超である材料で作られている。
【0018】
一実施形態では、上記少なくとも1つの部分の材料は、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、カーバイド、ZnO、SnO、ガラス、SiO、Al、熱抵抗性ポリマー、又はこれらの組み合わせの中から選択される。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの透明部分の材料は導電性である。
【0020】
一実施形態では、ヒータは、上記少なくとも1つの透明部分に対して配置されてよい少なくとも1つの導電層を含む。
【0021】
第2の態様では、本発明はエアロゾル発生装置によって達成され、エアロゾル発生装置は、
- エアロゾル発生物品を受けるように構成された開口を有するキャビティと、
- 本明細書に記載のように、キャビティの周囲に配置されて、キャビティに挿入された上記エアロゾル発生物品を加熱するヒータと、
- 少なくとも1つの光検出器を含む光学式読み取りシステムと、
- 電源ユニットと、
- 少なくともヒータ及び上記光学式読み取りシステムを制御するように構成された制御ユニットと、
を含む。
【0022】
装置は、上記物品から与えられる反射又は透過した電磁放射線の少なくとも一部分を、上記透明部分を通して、上記光学式読み取りシステムにより収集するように構成されている。
【0023】
一実施形態では、上記少なくとも1つの透明部分は、キャビティの全周の周囲に延びる。
【0024】
一実施形態では、ヒータ又は上記少なくとも1つの透明部分は、上記キャビティの、開口の反対側の遠位端部を形成する。
【0025】
一実施形態では、上記ヒータは、装置の電源又は熱源に電気的且つ/又は熱的に接触している少なくとも1つの導電層を含む。
【0026】
本発明はまた、エアロゾル発生システムに関し、これは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に少なくとも一部分が挿入されるエアロゾル発生物品とを含む。
【0027】
本発明の別の態様は、エアロゾル発生装置を使用してエアロゾル発生物品を認証する方法に関し、この方法は、
- エアロゾル発生物品の少なくとも一部分をエアロゾル発生装置のキャビティに挿入するステップと、
- 上記少なくとも1つの透明部分を通る、物品から放射された電磁放射線を収集し、上記放射された電磁放射線の少なくとも一部分を、光学式読み取りシステムの検出器で収集するステップと、
- 検出器で収集された電磁放射線に含まれる情報を上記制御ユニットで計算することによって、エアロゾル発生物品を認証するステップと、
を含む。
【0028】
一実施形態では、この方法は、上記装置内に配置された放射器で電磁放射線を放射し、上記少なくとも1つの透明部分を通して、電磁ビームを上記物品に向けて上記物品上まで方向付けるステップであって、上記収集された放射線は、上記物品に入射した電磁ビームの反射された一部分である、上記ステップを含む。
【0029】
実施形態では、物品から放射された電磁放射線を収集することは、エアロゾル発生物品上に配置されたしるしの画像を取得するために行われてよく、変形形態では、エアロゾル発生物品のしるしの画像化は、しるしから再放射された光の強度及び/又はスペクトル及び/又は偏光に関連する情報と組み合わされてよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の、少なくとも部分的に透明なヒータを含むエアロゾル発生装置の部分長手方向断面の概略図を示す。
図2】全長にわたって少なくとも部分的に透明なヒータを含むエアロゾル発生装置の部分長手方向断面の概略図を示す。
図3】透明な区間を含む、本発明のヒータの部分長手方向断面の概略図を示す。
図4】全長にわたって少なくとも部分的に透明な、本発明のヒータの部分長手方向断面の概略図を示す。
図5】全長にわたって少なくとも部分的に透明であって、閉鎖端部を含む、本発明のヒータの部分長手方向断面の概略図を示す。
図6】2つの不透明区間と2つの透明区間とを含む、本発明のヒータの部分長手方向断面の概略図を示す。
図7】ヒータの部分的に透明な部分の一例を示す。この部分は、ヒータ内に配置された窓であり、この窓は、電磁光に対して透明であって、熱伝導性である、第1の透明プレート及び第2のプレート又は層を含む。
図8】透明である第1の部分と、透明な熱伝導層である第2の部分と、を含む透明な熱伝導部分を含むヒータを示す。図8の例では、第1の部分は、喫煙物品からの反射光を偏向するプリズム形状を有する。図8はまた、ヒータの不透明部分と透明部分との間の熱的接続を保証する、可能な熱ブリッジを示している。
図9】エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に挿入されたエアロゾル発生物品と、を含み、物品のしるしからの情報を、しるしからの光の反射によって収集するように構成されたエアロゾル発生システムを示す。
図10】エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に挿入されたエアロゾル発生物品と、を含み、物品のしるしからの情報を、しるしからの光の透過及び反射によって収集するように構成されたエアロゾル発生システムを示す。
図11】エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置に挿入されたエアロゾル発生物品と、を含み、物品のしるしからの情報を、しるしからの光ビームの反射によって収集するように構成されたエアロゾル発生システムの部分図を示し、光ビームは、スペクトル特性及び/又は偏光特性が異なる少なくとも2つの光ビームからなる。
図12】少なくとも1つの熱伝導接続によって熱源に接続されている透明な熱伝導ヒータを示す。
図13】導電接続でもあってよい2つの熱伝導接続を含む、本発明による円筒形状ヒータを示す。
図14】電磁放射線を集束させる機能を実現する湾曲面領域を含む、ヒータの透明な熱伝導部分を示す。
図15】ヒータの少なくとも端部部分が装置の加熱区画の閉鎖端部部分を画定している、そのヒータを含むエアロゾル発生装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を、特定の実施形態に関して、添付図面を参照して説明するが、本発明は、それに限定されない。説明する図面は概略的なものにすぎず、且つ非限定的なものである。図面においては、幾つかの要素のサイズは、例示目的のために誇張され、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【0032】
本明細書に記載の電磁放射線は、波長が200nm~1mmの電磁波、即ち、波長が場合によっては電磁スペクトルのUV帯域からテラヘルツ波を含むそれ以下の帯域まで伸びる電磁波に関する。
【0033】
図1は、本発明によるエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生装置100を表す。このエアロゾル発生装置100は、外側本体部を含み、電源部250及びキャビティ2がそこに配置されている。キャビティ2は、1つの区画としても画定されており、エアロゾル発生物品1の挿入のZ軸を定義しており、外側本体部においてアクセス可能な開口2aを有する。外側本体部は1つ以上の空気入口(図示せず)を含んでよく、それらは、典型的には、上記開口2aの反対側の遠位端部2bにある。エアロゾル発生装置1は本発明のヒータ4を含み、その実施形態を本明細書で詳細に開示し、図3~6に示す。
【0034】
エアロゾル発生装置1は、エアロゾル発生物品100を挿入するように構成されており、エアロゾル発生物品100が少なくとも部分的にエアロゾル発生装置1に挿入されたときにエアロゾル発生システムを形成する。エアロゾル発生物品100は使い捨て物品であり、第1の端部及び第2の端部を有するエアロゾル発生基材110(例えば、タバコ)を含む。エアロゾル発生物品100は、ほぼスティック状又はロッド状であり、好ましくは、エアロゾル発生装置1のキャビティ2である加熱区画の円形断面にほぼ合致する、ほぼ円形の断面を有する。エアロゾル発生物品100は、典型的には、エアロゾル発生基材110を取り巻く紙製ラッパー(図示せず)を含む。喫煙物品100は、口用端部である上記第1の端部においてフィルタを含む。フィルタは、マウスピースとして機能し、(例えば、酢酸セルロース繊維を含む)通気栓を含む。紙製ラッパー及びフィルタは両方とも、典型的には外側ラッパー(図示せず)でオーバラップされており、典型的にはチッピング紙でオーバラップされている。
【0035】
ヒータ4は、加熱区画であるキャビティ2に近接して配置される。動作時には、ヒータは、図8、9、10、11に最もよく示されるように、エアロゾル発生基材110の外側表面に近接している。喫煙物品100のうちの、基材110を含む部分の長手方向長さは、ヒータ4の長さLと必ずしも同一ではなく、それより短くても長くてもよい。ヒータ4は、エアロゾル発生基材110を加熱できるように、キャビティ2の内部に対して露出した表面を有する。更に述べるように、ヒータ4は、キャビティ2の円周の全体又は一部分のみを取り巻いて広がってよい。加熱区画内の空気流は、喫煙物品の効率的な消費のための重要なパラメータである。例えば、ヒータの本体に貫通アパーチャが存在すると、それによって、空気流が影響されて喫煙効率が下がる可能性があり、或いは、加熱温度が局所的に下がって、喫煙物品100の基材110の消費が不均一になる可能性がある。
【0036】
喫煙物品100上の情報を読み出すために、本発明は、物品100から電磁波(典型的には可視光又は赤外光)を収集することを可能にするソリューションを提案する。この電磁波は、エアロゾル発生装置1のヒータ4を通り抜け、同時に、基材110を加熱する熱特性に影響しないことが保証されている。
【0037】
本発明のヒータ4は長さLにわたって延びており、Lは、典型的には、長手方向Zにおいて加熱キャビティ2の長さより短い。ヒータ4は、少なくとも1つの透明部分4a、4bを含み、その長さLはL以下である。少なくとも1つの透明部分4a、4bは、少なくとも一部分が熱伝導性であって、少なくとも一部分が電磁放射線200、204、205に対して透明である材料で作られている。少なくとも1つの透明部分4a、4bの透明度Tは、電磁放射ビーム200の強度I1のうちの、上記透明部分4a、4bに入射して上記透明部分4a、4bを透過した割合として定義される。
【0038】
透明部分4a、4bは、本明細書に記載のように、平坦な又は湾曲した窓又は3D形状の要素、又はプレート、又は自立薄層又は蒸着層であってもよい。自立層は、その層の少なくとも1つの縁によって別の要素又は支持物に固定されている層(例えば、吊り下げられたメンブレン)である。更に述べるように、透明部分4a、4bは、少なくとも2つの層のスタックであってよい。
【0039】
図3に示すように、上記透明部分4a、4bがヒータ4全体ではない場合、ヒータ4は、電磁光に対して不透明であって熱伝導性である少なくとも1つの不透明部分40を含む。上記不透明部分40は、電磁光に対して不透明であり、熱伝導性であり、また、導電性であってよい。不透明部分40は、金属チューブ等の金属層であることが好ましい。例えば、図3の実施形態では、不透明部分40は、透明な熱伝導窓4aが配置されたアパーチャを含む円筒形状である。例えば、窓4aは、不透明部分40のアパーチャに押し込まれるか接着されてよい。
【0040】
実施形態で更に述べるように、透明な熱伝導部分4aは、少なくとも2つの層で構成されてよく、それらの層は異なる層であってよく、異なる材料で作られてよい。例えば、図7に示すように、少なくとも一方の層44が、平坦な又は湾曲した窓であってよく、他方の層が、その層44の上に配置又は蒸着された薄層46であってよい。好ましくは、少なくとも1つの透明部分4a、4bの熱伝導率は、例えば、図8に示した配置と同様に、エアロゾル発生装置2内に配置されたときに、加熱キャビティ2の面に対して最も高い。
【0041】
本発明のヒータ4にとって、円筒形状であることは必須ではないが、入手可能な喫煙物品のほとんどが円筒形状であることから、好ましい選択ではある。実施形態では、ヒータ4はまた、キャビティ2の長さ方向に延びる長方形プレートであってもよい。円筒形状のヒータを使用することにより、喫煙物品の基材110の加熱をより良く均一にすることが可能である。但し、加熱を良好に均一にすることは、例えば、少なくとも3つの長方形ヒータ(図示せず)をキャビティの円周上に平行に並べることによっても実現可能である。そのような場合、エアロゾル発生装置1のヒータ4は3つのヒータプレートの集合体であり、それらのヒータプレートの少なくとも1つが上記少なくとも部分的に透明な部分4a、4bを含む。
【0042】
電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明なヒータ4を備えることは、物品のしるしから再放射された放射線の強度及び/又はスペクトル及び/又は偏光を検出することによってしるしを検出することを可能にするだけでなく、しるし120の光学画像を認識することにも用いられうる。一変形形態では、エアロゾル発生物品100のしるし120の画像化は、しるし120から再放射された光の強度及び/又はスペクトル及び/又は偏光に関連する情報と組み合わされてよい。しるし120は、エアロゾル発生物品100上又はその中に配置された任意の構造物、要素、又は物質であってよいと理解されたい。しるし120は、その意味では、喫煙物品100の材料又は成分又は組成の電磁特性(例えば、紙製ラッパーの又は基材110のスペクトル特性)によって与えられうるものと、本明細書では大まかに定義されている。
【0043】
本発明のヒータ4は、喫煙物品100から検出器30又は画像化器30まで光ビームを送信するように構成されており、同時に、喫煙物品100のエアロゾル発生基材110が動作時に加熱されてもキャビティ2内の熱分布に全く影響がないことを保証する。
【0044】
ヒータ4は、少なくとも300℃の温度に耐えることが好ましく、熱伝導率が高いこと、並びに電磁スペクトルのUV領域、及び/又は可視領域及び/又は赤外領域及び/又はテラヘルツ領域において少なくとも部分的に透明であることが必要である。エアロゾル発生装置1の好ましい構成では、しるしを検出するために可視光又は赤外光が使用される。
【0045】
「少なくとも300℃に耐える」という言葉は、その機械特性及び光学特性が少なくとも300℃まで変化しないことを意味する。より厳密には、屈折率、透過率の顕著な変化があってはならず、表面又は体積のいかなる変化もあってはならない。例えば、透明部分4a、4bは、室温では、送信される光ビームに対して透明なままでなければならず、送信された光ビームを、散乱した光ビームに変化させてはならない。
【0046】
必須ではなく任意選択で、ヒータ4の少なくとも一部分が導電性であってよい(これについては更に述べる)。
【0047】
少なくとも1つの透明部分4a、4bの透明度Tは、0~100%(0を含まず)の任意の値であってよい。本明細書において定義される透明度は、透明部分4a、4bの表面での反射損失を含む。反射損失は、屈折率の高い材料では高くなりうるが、反射防止コーティングを施すことにより、かなり低減可能である。透明度Tは、材料の性質、材料に組み込み可能なドーパント、材料の厚さt、及び上記部分4a、4bを通る送信光の波長に依存する。少なくとも1つの透明部分4a、4bは、必ずしも高透過率の層又は窓でなくてもよく、これは、光強度が低くても、非常に高感度な検出器30によって検出できるためである。従って、透過率Tが10%未満、更には1%未満でも使用可能である。好ましい実施形態では、上記透明度値Tは、10%~90%、より好ましくは20%~85%、更により好ましくは40%~85%である。
【0048】
材料、波長、及び厚さtは、事前設定された強度透過率Tを達成するように選択されてよい。例えば、実施形態では、材料は、所与の厚さ及び所与の波長範囲に対して所定の透過率T(例えば、60~85%)が達成されるように選択されてよい。別の場合には、厚さtは、所与の材料及び所与の波長範囲に対して所定の透過率T(例えば、60~85%)が達成されるように選択されてよい。
【0049】
一実施形態では、透明部分4a、4bは、波長が120nm~1mm、好ましくは250nm~15μm、更により好ましくは350nm~10μmである電磁放射線200、204、205に対して少なくとも部分的に透明である。
【0050】
一実施形態では、ヒータの上記部分4aの長さLは、0.1×L~0.3×L(0.3×Lを含む)、好ましくは0.3×L~0.5×L(0.5×Lを含む)、より好ましくは0.5×L~0.8×L(0.8×Lを含む)、更により好ましくは0.8×L~L(Lを含む)である。
【0051】
実施形態では、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bの厚さは、ヒータの不透明部分の厚さと異なってよい。そのような例について、図8に示し、本明細書において更に述べる。
【0052】
一実施形態では、ヒータ4は、少なくとも2つの、同一又は異なる部分4a、4bを含み、これらは両方とも、電磁放射線に対して少なくとも部分的に透明である。上記2つの部分4a、4bは、互いに近接して配置されてよく、ギャップ又はギャップ層で隔てられてもよい。図6に示した実施形態では、ヒータ4は、4つのリング又はチューブ40、4a、42、4bの配列である。そのような配列では、ギャップ層は、2つの透明部分4a、4bを隔てる不透明な熱伝導層42である。
【0053】
実施形態では、不透明な熱伝導部分40、42は、導電性であり、好ましくは、アルミニウム等の金属で作られている。本発明の全ての実施形態では、ヒータ4の全ての部分40、42、4a、4b、即ち、ヒータ4全体が、
- 良好な熱伝導体且つ良好な導電体、
- 良好な熱伝導体且つ良好でない導電体、
- 良好でない熱伝導体且つ良好な導電体、
- 良好でない熱伝導体且つ良好でない導電体
で作られてよい。
【0054】
本明細書では、良好な熱伝導体は、熱伝導率が500W/(m・K)以上のものであると定義し、良好でない熱伝導体は、熱伝導率が500W/(m・K)未満のものであると定義する。本明細書では、良好な導電体は、抵抗率が2.8×10-8Ωm(オームメートル)以下の材料で作られたものであると定義し、良好でない導電体は、導電率が2.8×10-8Ωmを超えるものであると定義する。
【0055】
透明部分4a、4bについての好ましい選択は、良好な熱伝導体であり、良好な導電体でもある材料である。変形形態では、ヒータ4の不透明部分40、42と透明部分4a、4bの熱特性及び/又は電気特性が異なってよい。また、変形形態では、透明な熱伝導部分4a、4bは、必ずしも均一の光学特性及び/又は熱特性でなくてもよい。例えば、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bの一方の面の熱伝導率が、その反対側の面より高くてよい。そのような場合、熱伝導率が最も高い面は、装置1ではキャビティ2の面に対して配置される。
【0056】
一実施形態では、少なくとも1つの部分4a、4bは、熱伝導率が200W/(m・K)超、好ましくは500W/(m・K)超、より好ましくは1000W/(m・K)超、更により好ましくは2000W/(m・K)超である材料で作られている。
【0057】
ヒータ4の少なくとも1つの透明部分4a、4bの実現に適しうる材料の種類はごく限られており、それは、透明度と熱伝導性の両方が求められるためである。ここでは、そのような材料の好ましい選択について説明する。
【0058】
ヒータ4の透明部分4aは、単一材料で作られてよく、或いは、誘電性の透明な基材又は窓に配置された透明な熱伝導層であってよく、その基板又は窓は熱伝導性ではないか、一部分のみ熱伝導性である(これについては実施形態で更に述べる)。
【0059】
一実施形態では、上記少なくとも1つの部分4a、4bの材料は、ダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素(DLC)、カーバイド、ZnO、SnO、ガラス、SiO、Al、熱抵抗性ポリマー、又はこれらの組み合わせの中から選択される。上記少なくとも1つの部分4a、4bの材料は、ドープされた材料であってよく、必ずしも均質な材料でなくてもよい。
【0060】
本明細書に記載の透明部分4a、4bの材料の光学特性については、例えば、W.G.Driscoll,“Handbook of Optics≫;Optical Society of America,Mc-Graw-HILL book company,1978,ISBN 0-07-047710-8,7.1-17.24を参照されたい。
【0061】
好ましい材料は、更に述べるが、合成ダイヤモンド等の炭素系材料である。そのような材料の場合は、例えば、3mmまでの厚さtに対して、並びに可視波長又は近赤外波長に対して、60%超の透過率Tが達成可能である。
【0062】
一実施形態では、透明部分4aの材料は、ドープされていないダイヤモンドの層又は窓又は薄膜である。ダイヤモンドの熱伝導率は銅の5倍である。ほとんどの電気絶縁体と異なり、ダイヤモンドは、その強力な共有結合及び少ないフォノン散乱のゆえに良好な熱伝導体である。天然ダイヤモンドの熱伝導率は約2200W/(m・K)、即ち22W/(cm・K)であり、これは最も熱伝導率の高い金属である銅より5倍高い。99.9%の同位体12Cまで濃縮された単結晶合成ダイヤモンドの熱伝導率は約3320W/(m・K)と極端に高い。ほとんどのダイヤモンドの電気抵抗率は、1011~1018Ω・mのオーダーである。
【0063】
実施形態では、ヒータ4の少なくとも1つの透明部分4a、4b、又はヒータ4全体は、少なくとも部分的に、ドープされたダイヤモンド、好ましくは、ドープされた合成ダイヤモンドで作られている。本明細書に記載の、合成ダイヤモンドの層又は窓は、プラズマ化学気相堆積法(PECVD)又は化学気相堆積法(CVD)、或いは高温高圧(HTHP)プロセス等の任意の技術で実現可能である。合成ダイヤモンドの実現については、例えば、完全な形で本明細書に組み込まれている以下の刊行物、即ち、R.S.Balmer et al.,”Chemical vapour deposition synthetic diamond:materials,technology and applications,Journal of Physics Condensed Matter,Aug.2009,pp.1-51,DOI 10.3762/bjnano.11.57に記載されている。
【0064】
図7に示した実施形態では、ヒータ4全体、又はヒータ4の透明部分4a、4bは、少なくとも2つの層44、46を含む層のスタックで作られてよい。このスタックは、プレート上に少なくとも1つの層(例えば、堆積層)を配置することによって実現可能である。図7は、ヒータ4の部分的に透明な複合部分4aの一例を示している。図7の部分4aは、ヒータ内に配置された窓である。この窓は、第1の透明プレートと、電磁光に対して透明であって、熱伝導性である第2のプレート又は層46とを含む。
【0065】
例えば、ヒータ4の少なくとも1つの透明部分4a、4bは、透明な誘電性基材44を含んでよく、これは、例えば、ガラス、SiO、サファイヤ、又は、少なくとも250℃に耐える熱抵抗性ポリマーを含んでよい。そのような場合は、その基材44の上に別の窓又は層46が配置され、これは、装置内で、キャビティ2の円周に対して配置されなければならない面に対して、透明部分4a、4bが少なくとも熱伝導性でありうることを保証するためである。
【0066】
第2の層は、任意の透明且つ熱伝導性のナノメートル厚層又はマイクロメートル厚層(例えば、ドープされた合成ダイヤモンドの層、ドープされた半導体の層)であってよい。この第2の層は、少なくとも2つの層のスタックであってよい。第2の層は、隣接する不透明層40と直接熱的接触するように、一部分が不透明層40の上に配置されてよい。第1及び第2の透明層44、46は、接着された且つ/又は湾曲した層であってよい。
【0067】
実施形態では、図8に示すように、透明部分4aがプリズム形状の透明ベースプレート44を含み、これに透明な熱伝導層46が堆積されている。このベースプレート44は、例えば、SiO又はAで作られてよい。透明部分4a、4bをヒータ4の不透明な熱伝導部分40、42に確実に熱的接触させるために、熱伝導部分40と上記熱伝導層46との間に、又はこれらの上に、熱ブリッジ層48が配置されてよい。熱ブリッジ48は熱伝導層で作られており、場合によっては、金属層又は複数の熱伝導接点で作られている。
【0068】
一実施形態では、少なくとも1つの部分4a、4bは、金属製のドープされたDLC層を含んでよい。DLC膜をドープすることは、Ti、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Ru、Fe、Co、Ni、Al、Cu、Au、Agのうちの少なくとも1つを含む多様な金属により可能である。金属ドープされたDLC層又はプレートの利点は、それらの導電性挙動を、誘電材料の導電性挙動から金属材料の導電性挙動まで変化させることが可能なことである。金属を、純金属又は金属カーバイドの要素の小さなナノ結晶として層4a、4b、44、46に組み込むことが可能であり、それらは炭素網全体にわたって分散する。
【0069】
一実施形態では、少なくとも1つの透明部分4a、4bの少なくとも一部分が、ボロン及び/又はリンがドープされたダイヤモンド(BDD、PDD)で作られている。過去にあったダイヤモンドの導電性の制限は、今日ではもはや問題ではない。ダイヤモンドの結晶構造に外来原子を挿入することにより、大きなエネルギギャップを許容レベルまで小さくすることが可能であり、それによって、電気伝導が可能になり、しかもそれらの熱的安定性及び化学的安定性は保たれる。ダイヤモンド(合成ダイヤモンドであってよい)に添加できる外来原子としては、ボロン、窒素、及びリンが最も一般的である。BDDは、1987年に導入されて以来、合成ダイヤモンドの最も一般的な材料になっている。
【0070】
実施形態では、ボロンがドープされた合成ダイヤモンドの窓又は層4a、4b、44、46(BDD)はp型半導体であることに注意されたい。また、化学気相堆積法で製造される、リンがドープされたダイヤモンド(PDD)の窓又は層(PDD)はn型半導体である。
【0071】
ボロンがドープされた層とリンがドープされた層とを交互に配置することによってp-n接合が形成され、これを活用してヒータ4の有利な実施形態を提供することが可能である。例えば、それらのような層を使用して、紫外線を放射する発光ダイオード(LED)を形成することが可能である。例えば、一実施形態では、ヒータ4は、ボロンがドープされた層とリンがドープされた層とが交互に配置されたスタックを含む少なくとも1つの透明部分4aを含んでよく、これは、ヒータ4内又はヒータ4上にLED光源を組み込むことを可能にする。
【0072】
一変形形態では、透明部分4a、4bは、少なくとも、電気光学材料又は電磁材料で作られた部分を含む。
【0073】
実施形態では、透明部分4a、4bは、シリコンの支持物又は基板を使用して実現されてよく、シリコンが1.5μm超の波長に対して透明であることから、1.5μm超の波長に対して使用されてよい。これにより、例えば、上記シリコン基板上に堆積したDLC層を実現することが可能になり、この技術はMEMSの分野でよく知られている。実施形態では、透明部分4a、4bがバッチ処理で実現されてソリューションを安価にすることが可能であるように、シリコンフレーム上に自立メンブレン4a、4bが実現されてよい。シリコンフレームは、例えば、ヒータ4の不透明部分40に容易に接着することも可能である。
【0074】
実施形態(図示せず)では、少なくとも1つの透明部分4a、4bは、ヒータ4の不透明部分40に設けられた貫通アパーチャ上に配置された自立層(場合によっては可撓層)で作られてよい。ある長さのそのような可撓透明部分4a、4bが、不透明部分40と熱的接触するように配置されてよく、これは、場合によっては、機械的な力によって、又は接着によって、又ははんだ付けによって、又はメンブレンの実現において知られているような堆積処理を意味する任意の処理によって行われる。
【0075】
本発明の少なくとも1つの透明部分4a、4bは、以下のような任意の形状であってよい。即ち、
- 円筒形状(その長さに対して必ずしも均一な径ではない)、
- 閉じた環又は開いた環の形状、
- 長方形状又は正方形状の断面、又は他の任意の非円形断面を有するチューブ又はリング、
- 少なくとも1つの長方形状断面を有する、平坦な又は湾曲したプレート、
- 曲率が異なる少なくとも2つの断面を有する窓、
- 少なくとも1つの平坦な面と、少なくとも1つの湾曲した面とを有する窓、
- 球又は中空球、
図8に示したプリズム形状のような、少なくとも2つの傾斜面によって画定された形状、
- 透明な熱伝導窓のアレイ(マイクロレンズ又はマイクロプリズムのアレイであってよい)
のような任意の形状であってよい。
【0076】
しるし120の画像化の用途のためには、平坦な形状の、又はごくわずかに湾曲した透明部分4a、4bが好ましい選択である。しるし120の検出及び認識が、様々なタイプの強度、及び/又はスペクトル、及び/又は偏光の測定値にのみ基づく変形形態では、少なくとも1つの透明部分4a、4bの形状にはさほど制限がない。例えば、透明部分4a、4bは、しるし120とやりとりする光を検出器30に送信することを可能にする球又は立方体の形状であってよい。
【0077】
ヒータ4は、ドープされている場合は自己発熱装置であってよい。これは、熱伝導性の層又は接点によって加熱されてもよく、場合によっては、図13に示すような、堆積された導電ストリップ500、502を使用することによって加熱されてもよい。本明細書では、自己発熱は、ヒータ4が、ヒータ本体を通して供給される電流によって加熱されうることを意味する。
【0078】
一実施形態では、少なくとも1つの透明部分4a、4bの材料は、導電性であり、ヒータ4の本体を加熱することを可能にする電気抵抗を有する。そのような実施形態では、ヒータ4は、ヒータ4の少なくとも一部分にわたって電圧を印加して、ヒータ4の本体内に、与えられた電流のジュール効果による熱を引き起こすことによって、直接加熱されることが可能である。このため、ヒータに熱的接触させなければならない電気加熱素子400を追加しなくてもよく、そのぶんヒータ4の設計がシンプルになる。
【0079】
図10に示した有利な変形形態では、ヒータ4は、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bに対して配置される受動的又は能動的な光学素子又は光学デバイスを含んでよい。
【0080】
別の変形形態(図示せず)では、透明部分は、本質的に、当接する2つの部分4a、4bであってよく、これらは、異なる光学特性を有しうる、当接する2つのリングであってよく、その光学特性は、例えば、透過光の波長の関数としての異なる透明度であり、且つ/又は、その偏光状態又は偏光方向である。これにより、光学フィルタリングを含みうる透明部分を実現できる。例えば、1つの部分が、スペクトル範囲の広い光ビームをしるしに向けて送信してよく、その光が上記第2の部分によってフィルタリングされてよく、それによって、喫煙物品のラッパーに入射した光より狭いスペクトルの光ビームの一部分だけが検出器に供給される。
【0081】
有利な一実施形態では、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bの少なくとも1つの面4a’、4a’’が、湾曲した凸面又は凹面である。これにより、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bに集束又は発散の光学機能を与えることが可能である。図13に示した変形形態では、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bは、平坦な部分4a’’’と、湾曲している別の部分4a’’’’とを含んでよい。そのような配置は、物品のうちの、好ましくはしるし120を含む領域の所定面積を均一に照明すること、並びに、上記湾曲部分4a’’からの反射光又は散乱光を効率的に収集すること(これにより、検出器又は画像化器によってより大きな光出力を集めることと、同時に、レンズを上記少なくとも1つの透明部分4a、4bに適合させることを不要にすることとが可能になる)に使用可能である。
【0082】
更に別の有利な実施形態では、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bは、その表面のうちの少なくともいずれかの表面上に、又は透明部分4a、4bの内部に、熱、又は電流、又は電界等の物理パラメータの変化というアクションの下で色が変化する物質、又は光を発光させる物質を含んでよい。例えば、少なくとも1つの透明部分4a、4bは、蛍光物質を含むか、又は蛍光物質でコーティングされてよい。
【0083】
実施形態では、上記静的光学素子は、限定ではなく、以下のものであってよい。即ち、
- 光学フィルタ、
- 光学コーティング(これは、反射防止コーティング、又は少なくとも1つの透明部分4a、4bを透過する光のうちの所定波長の特定スペクトルを吸収するコーティングであってよい)、
- 視野を制限するように働きうるアパーチャ(スリット等)を含む、不透明なプレート又はフィルム
(一変形形態では、2つのアパーチャが設けられてよい。即ち、1つは光を物品1まで送るアパーチャであり、1つは光を物品から検出器まで送るアパーチャである。アパーチャは3つ以上のアパーチャのアレイであってよい)、
- 光学レンズ及び/又は光学ミラー、
- マイクロレンズのアレイ、及び/又はマイクロプリズムのアレイ、
- 偏光子、
- 回折素子又は回折構造(図10は、光学素子が回折光学構造43又は層である変形形態を示している。回折構造は、透明層4aを、その面4a’、4a’’の少なくともいずれかに対してエンボス処理することによって実現可能である。図11に示したような回折構造は、入射光ビーム204を少なくとも2つの異なる光ビーム206、206’に分割するためのシンプルなソリューションを実現可能にする)、
- 半波長プレート又は4分の1波長プレート、
- 透明層4aの表面の特定の形状(図8は、透明層の基材44のプリズム形状面45を示しており、これは、しるし120から、又は喫煙物品100の、しるし120が配置されている領域から与えられる光ビームの偏角Θで示される偏向光学機能を実現可能にする)
であってよい。
【0084】
実施形態では、上記能動光学素子(図示せず)は、限定ではなく、以下のものであってよい。即ち、
- 光学的アドレス可能変調器(変形形態では、この変調器はアドレス可能光学シャッタ(MEMSシャッタ等)であってよい)、
- 電気光学層(これは、喫煙物品の表面に送られる入射光、又は喫煙物品の表面から送られる反射光の偏光状態及び/又は偏光方向を修正するようにアドレスされてよい)、
- MEMSミラーであってよいアドレス可能ミラー(このミラーは、その閉位置において、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bを光学的に閉じることに使用されてよい。即ち、ミラー面は透明窓4a、4bに平行である。このミラーは、アドレスされてよく、喫煙物品110又はそのしるし120から与えられた光を、事前設定された角度に従って検出器30に方向付けてよい。変形形態では、アドレス可能ミラーは、装置の動作時に、光を、少なくとも2つの異なる角度に従って異なる2つの検出器要素に方向付けてよい。これにより、例えば、その光学情報を喫煙物品の異なる2つの領域から読み出すことが可能になる)
であってよい。
【0085】
本発明はまた、エアロゾル発生装置1によって達成され、これは、
o エアロゾル発生物品100を受けるように構成された開口2aを有するキャビティ2と、
o 本明細書に記載のように、キャビティ2の周囲に配置されて、キャビティ2に挿入された上記エアロゾル発生物品100を加熱するヒータ4と、
o 少なくとも1つの光検出器30を含む光学式読み取りシステム300と、
o 電源ユニットと、
o 少なくともヒータ4及び光学式読み取りシステム300を制御するように構成された制御ユニット250と、
を含む。
【0086】
本発明の装置1は、上記物品100から与えられる反射又は透過した電磁放射線204、205の少なくとも一部分206、207を、上記透明部分4a、4bを通して、上記光学式読み取りシステム30により収集するように構成されている。
【0087】
本発明の装置100では、物品100のしるし120を照明するために光源20が使用されることが好ましい。変形形態では、光源20は、熱源又はヒータ4自体によって実現される電磁放射(例えば、赤外放射)であってよい。
【0088】
一実施形態では、少なくとも1つの透明部分4a、4bは、キャビティ2の全周の周囲に延びる。変形形態では、少なくとも1つの透明部分4a、4bは、キャビティ2の周辺部分に、独立した長方形状窓部分のひと続きとして配置されてよい複数の透明部分で構成されてよい。
【0089】
実施形態では、ヒータ4は、キャビティ2の円周の全体又は一部分のみを取り巻いて広がってよい。実施形態では、例えば、ヒータ4は、円周の10分の1~4分の3にわたって広がってよい。ヒータ4は、少なくとも2つの個別加熱素子を含んでよく、例えば、キャビティ2の円周のうちの約45度ずつにわたって広がる2つの加熱素子を含んでよい。
【0090】
一実施形態では、上記ヒータ4は、エアロゾル発生装置1内に配置された電源又は熱源に電気的且つ/又は熱的に接触している少なくとも1つの導電層400を含む。例えば、図11は、少なくとも1つの熱伝導接続402、404によって熱源400に接続されている透明な熱伝導ヒータを示している。変形形態では、熱伝導接続402、404は、ヒータ4の不透明部分40、42に、又はヒータ4の透明部分4a、4bの少なくともいずれかに配置されてよい。
【0091】
ヒータ4の形状は、図1~14に示した配置に限定されないことを理解されたい。ヒータは、加熱区画のほぼ全体、又は少なくとも加熱区画のかなりの部分を画定するように構成されている。例えば、図15に示したエアロゾル発生装置に含まれるヒータ4の少なくとも端部部分4aは、装置の加熱区画の閉鎖端部2bを画定している。変形形態では、閉鎖端部部分4aは、動作時に所望の空気流を保証する少なくとも1つのアパーチャを含んでよい。変形形態では、上記端部部分4aは、本明細書に記載の透明部分4aを構成してよい。これにより、物品100の端部区間から情報を読み出すことを可能にできる。また、上記検出器30は必ずしも透明部分4aに面していなくてよいこと、並びに、例えば、ミラー、レンズ、又は導波管等の光学素子を使用することによって、しるしから検出器へと光ビームが方向付けられてよいことも理解されたい。
【0092】
本発明はまた、エアロゾル発生システムに関し、これは、記載のエアロゾル発生装置1と、エアロゾル発生装置1のキャビティ2に少なくとも一部分が挿入されるエアロゾル発生物品100とを含む。
【0093】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置1を使用してエアロゾル発生物品100を認証する方法に関し、この方法は、
- エアロゾル発生物品100の少なくとも一部分をエアロゾル発生装置1のキャビティ2に挿入するステップと、
- 上記少なくとも1つの透明部分4a、4bを通る、物品100から放射された電磁放射線204、205を収集し、上記放射された電磁放射線204、205の少なくとも一部分206、207を、光学式読み取りシステム300の検出器30で収集するステップと、
- 検出器30で収集された電磁放射線206、206’、207に含まれる情報を上記制御ユニット250で計算することによって、エアロゾル発生物品1を認証するステップと、
を含む。
【0094】
一実施形態では、この方法は、上記装置1内に配置された放射器20で電磁放射線200を放射し、上記少なくとも1つの透明部分4a、4bを通して、電磁ビーム200を上記物品100に向けて上記物品100上まで方向付けるステップであって、上記収集された放射線は、上記物品100に入射した電磁ビーム202の反射された一部分204である、上記ステップを含む。
【0095】
一実施形態(図示せず)では、物品100から放射された電磁放射線を収集することは、上記端部部分4aを通して実現可能である。これにより、キャビティ2に挿入された物品100の端部区間102から提供される情報を検出することが可能になる。
図1
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【国際調査報告】