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特表2024-531050貯液装置、フィルタアセンブリ及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】貯液装置、フィルタアセンブリ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/11 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B01D29/10 510B
B01D29/10 501C
B01D29/10 530A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501101
(86)(22)【出願日】2022-08-26
(85)【翻訳文提出日】2024-03-05
(86)【国際出願番号】 CN2022115105
(87)【国際公開番号】W WO2023035977
(87)【国際公開日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】202111043187.X
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122153966.7
(32)【優先日】2021-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】韋 騰飛
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA16
4D116BB01
4D116BC28
4D116BC29
4D116BC47
4D116BC77
4D116DD02
4D116EE04
4D116FF12B
4D116GG02
4D116KK04
4D116QA34C
4D116QA34F
4D116QB05
4D116QB11
4D116QB19
4D116QB22
4D116QB23
4D116UU12
4D116ZZ01
(57)【要約】
貯液装置(200)、フィルタアセンブリ(100)及びその製造方法。このフィルタアセンブリ(100)は、濾過層(10)、フィルタ架台(20)及び接続部材(30)を含み、接続部材(30)の一方側は、フィルタ架台(20)に設けられ、他方側は、濾過層(10)の底部から濾過層(10)の外縁まで延在し、折り曲げられることによって濾過層(10)に押し当てられ、接続部材(30)は、溶接によってフィルタ架台(20)に固定接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過層、フィルタ架台及び接続部材を含み、前記接続部材の一方側は、前記フィルタ架台に設けられ、他方側は、前記濾過層の底部から前記濾過層の外縁まで延在し、折り曲げられることによって前記濾過層に押し当てられ、前記接続部材は、溶接によって前記フィルタ架台に固定接続される、フィルタアセンブリ。
【請求項2】
前記接続部材は、互いに固定された環状体及び折り畳み部を含み、前記環状体は、前記フィルタ架台に圧接され、且つ前記濾過層の底部から前記濾過層の外縁まで延在し、前記折り畳み部は、前記環状体の外縁に接続され、且つ前記濾過層に向かって折り曲げられて、前記濾過層に押し当てられ、
前記環状体と前記折り畳み部との間には前記濾過層の縁部を収容する空間が形成され、前記折り畳み部は、前記濾過層の前記フィルタ架台から離れた側にしっかりと押し当てられる、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項3】
前記フィルタ架台は、前記接続部材に固定接続される接続部を含み、
前記接続部には、前記濾過層に向かって突起が設けられ、前記接続部は、前記突起を介して抵抗溶接によって前記接続部材に固定される、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項4】
前記突起の数は複数であり、複数の前記突起は、接続部の周方向に沿って等間隔に配置される、請求項3に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項5】
前記フィルタ架台は、前記濾過層に向かって突出した導流部を更に含み、前記導流部は、前記濾過層に面して設けられ、且つ前記濾過層からの流体を分流させることができ、前記接続部は、前記導流部の周方向周りに設けられる、請求項3に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項6】
前記接続部と前記導流部との間には架台部が設けられ、前記架台部には複数の流量減少孔が穿設され、複数の前記流量減少孔は、前記導流部の周方向に沿って均等に配置される、請求項5に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項7】
前記架台部は、前記濾過層から離れる方向に凹んで、ガイド溝を形成し、前記流量減少孔は前記ガイド溝に連通する、請求項6に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項8】
前記ガイド溝の壁面は円弧面に設けられる、請求項7に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項9】
前記濾過層は、積層して設けられた第1フィルタ及び第2フィルタを含み、前記第1フィルタの縁部及び前記第2フィルタの縁部は前記接続部材内に設けられる、請求項1に記載のフィルタアセンブリ。
【請求項10】
筒体、吸気管、排気管及び請求項1から9のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリを含み、前記フィルタアセンブリは、前記フィルタ架台を介して前記筒体に固定接続される、貯液装置。
【請求項11】
接続部材を折り曲げて、前記接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成することと、
前記接続部材を押し付けて、前記濾過層の縁部をヘミングすることと、
圧接によって前記接続部材をフィルタ架台に固定接続することと、
を含む、フィルタアセンブリの製造方法。
【請求項12】
前記接続部材を折り曲げて、前記接続部材により前記濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップは、
前記接続部材の外縁を前記接続部材の軸線方向に沿って折り曲げて、前記接続部材により前記濾過層の縁部を収容する空間を形成することを含む、請求項11に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【請求項13】
前記接続部材の外縁を前記接続部材の軸線方向に沿って折り曲げて、前記接続部材により前記濾過層の縁部を収容する空間を形成した後のステップは、
前記濾過層の縁部を前記接続部材の折れ曲がっていない部分に置くことと、
前記接続部材の折り曲げ部分を前記接続部材の軸線方向に向けて折り畳んで、前記濾過層の縁部を押し付け及び固定することができる折り畳み部を形成することと、を含む、請求項12に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【請求項14】
圧接によって前記接続部材を前記フィルタ架台に固定接続するステップは、
抵抗溶接によって前記接続部材を前記フィルタ架台に固定接続することを含む、請求項11に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【請求項15】
前記接続部材を折り曲げて、前記接続部材により前記濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップは、
前記濾過層の縁部を収容する空間を形成するように、前記接続部材の外縁を折り曲げて、前記接続部材の折り曲げ部分と折れ曲がっていない部分との間に形成される夾角を鋭角とすることを含む、請求項14に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【請求項16】
前記接続部材を押し付けて、前記濾過層の縁部をヘミングするステップは、
前記濾過層の縁部を前記接続部材の折れ曲がっていない部分に置くことと、
前記抵抗溶接用の電極によって前記接続部材の折り曲げ部分を前記接続部材の軸線方向に向けて折り畳んで、前記濾過層の縁部を押し付け及び固定することができる折り畳み部を形成することと、を含む、請求項15に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【請求項17】
前記接続部材を押し付けて、前記濾過層の縁部をヘミングするステップの後に、
前記抵抗溶接用の一方の電極を前記折り畳み部に当接させ、他方の電極を前記フィルタ架台に当接させることと、
両方の前記電極によって前記折り畳み部及び前記フィルタ架台にそれぞれ圧力を加えて通電することと、を更に含む、請求項16に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【請求項18】
圧接によって前記接続部材を前記フィルタ架台に固定接続するステップの前に、
前記フィルタ架台に打ち抜きプロセスによって前記接続部材に向かって突出する突起を形成し、前記電極によって前記折り畳み部及び前記突起に圧力を加えることを更に含む、請求項17に記載のフィルタアセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年9月7日に出願された、出願番号が202111043187.Xであり、発明の名称が「フィルタアセンブリの製造方法及びフィルタアセンブリ」である中国特許出願、並びに、2021年9月7日に出願された、出願番号が202122153966.7であり、発明の名称が「フィルタアセンブリ及び貯液装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は冷却システムの技術分野に関し、特に、貯液装置、フィルタアセンブリ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
貯液装置は、圧縮機の液体入口に接続されており、冷却システムの重要な部材である。貯液装置は、筒体、吸気管、排気管及びフィルタアセンブリ等の部材からなり、貯蔵、濾過及び緩衝等の役割を果たす。中でも、通常、フィルタアセンブリによって濾過及び/又は緩衝を実現する。
【0004】
しかしながら、関連技術におけるフィルタアセンブリにおいて、濾過層の取り付け方法は、濾過層をフィルタ架台に直接溶接してから、フィルタアセンブリを貯液装置の筒体内に固定するか、あるいは、濾過層を貯液装置の筒体に直接溶接するものであり、この方法は、濾過層のメッシュの溶解・脱落、及び溶接スラグの脱落の問題があるため、貯液装置にノイズ、詰まり等の不具合が発生するようになり、ひいては異物が圧縮機の内部に入り込んで、圧縮機のシリンダが破損しやすくなり、更には圧縮機がフリーズする問題が発生するようになる。更に、濾過層は、取り付け後の溶接により発生する溶接隙間が大きいため、濾過層とフィルタ架台との溶接後の接合力が弱くなり、流体による衝突又は腐食によって脱落しやすくなるため、貯液装置は、濾過効果が低下し、ひいては正常に動作することができなくなる。
【発明の概要】
【0005】
本出願の各種の実施例によれば、貯液装置、フィルタアセンブリ及びその製造方法を提供する。
【0006】
本出願は、濾過層、フィルタ架台及び接続部材を含み、接続部材の一方側は、フィルタ架台に設けられ、他方側は、濾過層の底部から濾過層の外縁まで延在し、折り曲げられることによって濾過層に押し当てられ、接続部材は、溶接によってフィルタ架台に固定接続される、フィルタアセンブリを提供する。
【0007】
一実施例では、接続部材は、互いに固定された環状体及び折り畳み部を含み、環状体は、フィルタ架台に圧接され、且つ濾過層の底部から濾過層の外縁まで延在し、折り畳み部は、環状体の外縁に接続され、且つ濾過層に向かって折り曲げられて、濾過層に押し当てられる。
【0008】
環状体と折り畳み部との間には濾過層の縁部を収容する空間が形成され、折り畳み部は、濾過層のフィルタ架台から離れた側にしっかりと押し当てられる。
【0009】
一実施例では、フィルタ架台は、接続部材に固定接続される接続部を含み、接続部には、濾過層に向かって突起が設けられ、接続部は、突起を介して抵抗溶接によって接続部材に固定される。
【0010】
一実施例では、突起の数は複数であり、複数の突起は、接続部の周方向に沿って等間隔に配置される。
【0011】
一実施例では、フィルタ架台は、濾過層に向かって突出した導流部を更に含み、導流部は、濾過層に面して設けられ、且つ濾過層からの流体を分流させることができ、接続部は、導流部の周方向周りに設けられる。
【0012】
一実施例では、接続部と導流部との間には架台部が設けられ、架台部には複数の流量減少孔が穿設され、複数の流量減少孔は、導流部の周方向に沿って均等に配置される。
【0013】
一実施例では、架台部は、濾過層から離れる方向に凹んで、ガイド溝を形成し、流量減少孔はガイド溝に連通する。
【0014】
一実施例では、ガイド溝の壁面は、円弧面に設けられる。
【0015】
一実施例では、濾過層は、積層して設けられた第1フィルタ及び第2フィルタを含み、第1フィルタの縁部及び第2フィルタの縁部は接続部材内に設けられる。
【0016】
本出願は、筒体、吸気管、排気管及び上記のいずれか一項に記載のフィルタアセンブリを含み、フィルタアセンブリは、フィルタ架台を介して筒体に固定接続される、貯液装置を更に提供する。
【0017】
本出願は、接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成することと、接続部材を押し付けて、濾過層の縁部をヘミングすることと、圧接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続することと、を含む、フィルタアセンブリの製造方法を更に提供する。
【0018】
一実施例では、接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップは、接続部材の外縁を接続部材の軸線方向に沿って折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成することを含む。
【0019】
一実施例では、接続部材の外縁を接続部材の軸線方向に沿って折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成した後のステップは、濾過層の縁部を接続部材の折れ曲がっていない部分に置くことと、接続部材の折り曲げ部分を接続部材の軸線方向に向けて折り畳んで、濾過層の縁部を押し付け及び固定することができる折り畳み部を形成することと、を含む。
【0020】
一実施例では、圧接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続するステップは、抵抗溶接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続することを含む。
【0021】
一実施例では、接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップは、濾過層の縁部を収容する空間を形成するように、接続部材の外縁を折り曲げて、接続部材の折り曲げ部分と折れ曲がっていない部分との間に形成される夾角を鋭角とすることを含む。
【0022】
一実施例では、接続部材を押し付けて、濾過層の縁部をヘミングするステップは、濾過層の縁部を接続部材の折れ曲がっていない部分に置くことと、抵抗溶接用の電極によって接続部材の折り曲げ部分を接続部材の軸線方向に向けて折り畳んで、濾過層の縁部を押し付け及び固定することができる折り畳み部を形成することと、を含む。
【0023】
一実施例では、接続部材を押し付けて、濾過層の縁部をヘミングするステップの後に、抵抗溶接用の一方の電極を折り畳み部に当接させ、他方の電極をフィルタ架台に当接させることと、両方の電極によって折り畳み部及びフィルタ架台にそれぞれ圧力を加えて通電することと、を更に含む。
【0024】
一実施例では、圧接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続するステップの前に、フィルタ架台に打ち抜きプロセスによって接続部材に向かって突出する突起を形成し、電極によって折り畳み部及び突起に圧力を加えることを更に含む。
【0025】
本出願の1つ以上の実施例の詳細は、以下の図面及び記述において提示する。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】1つ以上の実施例によるフィルタアセンブリの構成模式図である。
図2図1に示すフィルタアセンブリの断面模式図である。
図3図2に示すフィルタアセンブリのAの部分拡大図である。
図4図1に示すフィルタアセンブリの別の視点からの構成模式図である。
図5】1つ以上の実施例による貯液装置の断面模式図である。
図6】1つ以上の実施例によるフィルタアセンブリの製造方法のフローチャートである。
【0027】
符号の説明
100 フィルタアセンブリ、10 濾過層、11 第1フィルタ、12 第2フィルタ、20 フィルタ架台、21 接続部、22 突起、23 導流部、24 架台部、241 流量減少孔、242 ガイド溝、30 接続部材、31 環状体/折れ曲がっていない部分、32 折り畳み部/折り曲げ部分、33 空間、200 貯液装置、201 筒体、202 吸気管、203 排気管。
【0028】
以上の主な符号の説明に、図面及び具体的な実施形態を組み合わせて、本出願を更に詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本出願の目的、技術態様及び利点をより明確にするために、以下に、図面及び具体的な実施形態を参照して、本出願を更に詳細に説明する。ここで説明される具体的な実施形態は、本出願を解釈するためのものにすぎず、本出願の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0030】
説明すべきこととして、アセンブリが別のアセンブリに「取り付けられる」とされる場合、別のアセンブリに直接取り付けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、別のアセンブリに直接設けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。本出願で使用される「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」という用語及び類似した表現は、説明を目的とするものにすぎず、唯一の実施形態であることを表すものではない。
【0031】
特に定義しない限り、本出願で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本出願の当業者によって一般に理解される意味と同じである。本出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施形態を説明することを目的とするものにすぎず、本出願を制限する意図のものではない。本出願で使用される「又は/及び」という用語は、関連する列挙された項目の任意及び全ての組み合わせを1つ又は複数含む。
【0032】
本出願は、貯液装置200内で使用され、流体の濾過及び緩衝、並びに気液分離に優れた役割を果たす、フィルタアセンブリ100を提供する。
【0033】
図1から図5を参照すると、図1は、本出願の1つ以上の実施例のフィルタアセンブリ100の構成模式図であり、図2は、図1に示すフィルタアセンブリの断面模式図であり、図3は、図2に示すフィルタアセンブリ100のAの部分拡大図であり、図4は、図1に示すフィルタアセンブリ100の別の視点からの構成模式図であり、図5は、本出願の1つ以上の実施例における、フィルタアセンブリ100が取り付けられた貯液装置200の断面模式図である。
【0034】
図1に示すように、フィルタアセンブリ100は、濾過層10、フィルタ架台20及び接続部材30を含む。濾過層10は流体を濾過するために用いられ、フィルタ架台20は濾過層10を固定するために用いられ、接続部材30は、濾過層10をヘミングして、フィルタ架台20に固定接続するために用いられる。接続部材30は、濾過層10をヘミングして押し付けるため、濾過層10のメッシュの溶解・脱落、及び溶接接続時の溶接スラグの脱落を回避することができる。いくつかの実施例では、フィルタ架台20は、溶接によって接続部材30に固定される。別のいくつかの実施例では、フィルタ架台20は、圧接等の他の接続方式によって接続部材30に固定されてもよい。
【0035】
濾過層10は、略半球状のフィルタ構造である。濾過層10は、流体を濾過するために用いられ、半球状のフィルタ構造により、流体が流れる際に、流体が流通する有効濾過面積を増加させることができる。
【0036】
他の実施形態では、濾過層10は、他の構造、例えばテーパ構造であってもよく、流体を濾過する機能を実現することができればよいことが理解できる。
【0037】
一実施形態では、濾過層10は、積層して設けられた第1フィルタ11及び第2フィルタ12を含む。第1フィルタ11及び第2フィルタ12の構造は適合し、第1フィルタ11の縁部及び第2フィルタ12の縁部は、接続部材30によってヘミングされて固定される。第1フィルタ11及び第2フィルタ12のメッシュは、千鳥状に設けられて密着している。このようにすることによって、流体に対する濾過層10の濾過効果を向上させることができる。他の実施例では、濾過層10は、流体に対する濾過層10の濾過効果を向上させるために、3層、4層等の多層のフィルタ構造に設けられてもよい。
【0038】
他の実施形態では、第1フィルタ11及び第2フィルタ12は、他の構造、例えばテーパ構造であってもよく、両者の構造は一致しなくてもよく、流体を濾過することができればよいことが理解できる。第1フィルタ11及び第2フィルタ12は、必ずしもメッシュを千鳥状に設け、及び/又は、密着して設ける必要がないことは言うまでもない。
【0039】
一実施形態では、第1フィルタ11及び第2フィルタ12は、同じ種類の金属フィルタ、例えばステンレス鋼メッシュ等である。このようにすることによって、第1フィルタ11及び第2フィルタ12の強度を確保することができる。
【0040】
一実施形態では、図2及び図3に示すように、フィルタ架台20は接続部21を含む。接続部21は、断面が略「L」字状の環状構造であり、濾過層10を貯液装置200内に接続するために用いられる。接続部21は、接続部材30に接続するために用いられ、抵抗溶接によって接続部材30に容易に固定接続することができるため、溶接材料及び溶加材が不要となり、使用過程で溶接スラグが脱落することを回避すると同時に、溶接コストが低く、生産効率が高く、量産に適している。
【0041】
他の実施形態では、接続部21と接続部材30とは、鍛造溶接、接触溶接、摩擦溶接、空圧溶接、冷間プレス等によって圧接固定されてもよく、接続部材30との溶接固定を実現することができればよいことが理解できる。接続部21は、他の方式、例えば接着、かしめ及びロウ付け等でもよく、接続部21と接続部材30との固定接続を実現することができればよい。
【0042】
更に、図2及び図3に示すように、接続部21には、濾過層10に向かって突起22が設けられている。接続部21は、突起22を介して接続部材30に圧接固定される。突起22は、接続部21の接続部材30に向いた側に設けられ、接続部材30に向かって突出する。溶接する前に、突起22が接続部材30に当接することができるため、接続部21と接続部材30との間に一定の隙間が生じ、フィルタ架台20と接続部材30とが圧接される前にバンプ接触となり、バンプ接触位置における電極圧力及び溶接電流が増加し、溶接時の熱集中に有利になるため、接続部21と接続部材30との溶接が容易になり、溶接品質が向上し、これにより、生産効率が向上し、継目が変形する可能性が低減する。
【0043】
選択的には、突起22の数は複数であり、複数の突起22は、接続部21の周方向に沿って等間隔に配置される。突起22は、略半球状の突起であり、溶接時の電流の集中度を向上させ、圧接時の熱集中に有利である。このようにすることによって、接続部21と濾過層10との接続強度を向上させることができる。
【0044】
他の実施形態では、突起22は、他の形状であってもよく、突起22の数及び設置位置は、実際の必要に応じて設けられてもよいことが理解できる。
【0045】
選択的には、突起22の数は8つとしてもよい。8つの突起22は、接続部21の周方向に沿って均等に配置される。選択的には、溶接前の接続部21と接続部材30との間の隙間は0.5cmであってもよい。これにより、生産効率が高まるだけでなく、溶接箇所における接合力も大きくなる。
【0046】
一実施形態では、接続部21は、環状の頂面、及び頂面の周りを取り囲む側面を含む。接続部21の頂面は、接続部材30に接続するために用いられ、接続部21の側面は、貯液装置200の筒体201に接続するために用いられる。突起22は、接続部21の頂面の、濾過層10に向いた側に設けられる。接続部21の側面の、濾過層10から離れた一端は、径方向に沿って内側に縮んで面取りされるため、フィルタ架台20と貯液装置200の筒体201との着脱が容易になる。
【0047】
一実施形態では、接続部21の側面の、頂面から離れた側は、径方向に沿って縮んで一定のテーパを形成する。また、接続部21の側面の最大内径は、貯液装置200の筒体201の内径と適合し、即ち、接続部21は、貯液装置200の筒体201内にぴったりと入り込んで、接続部21の側面のテーパによって貯液装置200の筒体201の内壁にしっかりと係合されるため、取り付け方法が簡単である。
【0048】
一実施形態では、フィルタ架台20は導流部23を更に含む。導流部23は、略ドーム状構造であり、濾過層10に向かって突出する。導流部23は、流体を分流させることができ、フィルタ架台20の頂面の中間位置に設けられ、濾過層10に向かって突出する。濾過を経た流体の多くは、導流部23を通って、導流部23の表面に沿って各方向へ流れるため、流体に対する分流を実現しており、流体を緩衝する役割を実現することができる。
【0049】
他の実施形態では、導流部23は、他の構造、例えば断面形状が楕円形の導流部23であってもよく、流体に対する分流及び緩衝の役割を実現することができればよいことが理解できる。
【0050】
一実施形態では、図2及び図4に示すように、接続部21と導流部23との間には架台部24が設けられる。架台部24及び導流部23は、接続部21の頂面の内縁に設けられる。架台部24には複数の流量減少孔241が穿設され、複数の流量減少孔241は、導流部23の周方向に沿って均等に配置される。流量減少孔241は、略円形の孔である。流量減少孔241は、濾過を経た後の流体の流量を減少させるために用いられる。流量減少孔241は、フィルタ架台20の頂面に穿設され、且つ導流部23と接続部21との間に穿設され、大量の流体が貯液装置200の筒体201に直接衝突することを回避することができる。
【0051】
選択的には、流量減少孔241の数は8つであってもよい。このようにすることによって、流体に対する流量減少効果が良好になる。
【0052】
更に、架台部24は、濾過層10から離れる方向に凹んで、ガイド溝242を形成する。流量減少孔241はガイド溝242に連通する。ガイド溝242は、略弧形の溝構造である。ガイド溝242は、濾過層10の濾過を経た後の流体の流れをガイドするために用いられる。濾過後の流体は、ガイド溝242の壁面を通った後に、流量減少孔241内に流入してから、貯液装置200の排気管に入る。このようにすることによって、流体が排気管に直接流入することを回避することができるだけでなく、流体が貯液装置200の内壁に衝突することも効果的に回避することができる。
【0053】
他の実施形態では、ガイド溝242は、他の構造、例えば四角形の溝であってもよく、流体を案内することができればよいことが理解できる。
【0054】
一実施形態では、フィルタ架台20は、金属プレート材を打ち抜き加工することによって形成することができるため、材料の消費量を減少させ、生産効率を向上させることができると同時に、加工されたフィルタ架台20は、高い強度及び剛性を有するようになるため、流体の衝突によって変形しにくくなる。
【0055】
選択的には、フィルタ架台20の材料は、ステンレス鋼及びアルミニウム合金等の耐食性の強い材料であってもよく、使用過程で流体による腐食を回避することができ、フィルタ架台20の使用寿命を効果的に延ばしている。
【0056】
他の実施形態では、フィルタ架台20は、他の加工方式、例えば鋳造によって形成されてもよく、フィルタ架台20を容易に加工することができればよいことが理解できる。
【0057】
しかしながら、関連技術におけるフィルタアセンブリにおいて、濾過層の取り付け方法は、濾過層をフィルタ架台に直接溶接してから、フィルタアセンブリを貯液装置の筒体内に固定するものであり、濾過層のメッシュの溶解・脱落、及び溶接スラグの脱落の問題があるため、貯液装置にノイズ、詰まり等の不具合が発生するようになり、ひいては異物が圧縮機の内部に入り込んで、圧縮機のシリンダが破損しやすくなり、更には圧縮機がフリーズする問題が発生するようになる。更に、濾過層は、取り付け後の溶接により発生する溶接隙間が大きいため、濾過層とフィルタ架台との溶接後の接合力が弱くなり、流体による衝突又は腐食によって脱落しやすくなるため、貯液装置は、濾過効果が低下し、ひいては正常に動作することができなくなる。
【0058】
上記の問題を解決するために、本出願は、接続部材30によって濾過層10をヘミングするようにし、濾過層10の縁部を収容する空間33を形成することによって、濾過層10に対するヘミング及び押し付けを実現する。その後、折り曲げられた接続部材30をフィルタ架台20に抵抗溶接によって固定する。このようにすることによって、接続部材30とフィルタ架台20との溶接隙間が小さくなり、溶接時の濾過層10のメッシュの溶解・脱落及び溶接スラグの脱落を回避することができるだけでなく、溶接後の両者間の接合力も大きくなるため、フィルタアセンブリ100の接続信頼性を向上させる。
【0059】
接続部材30は、略環状構造である。接続部材30の一方側は、フィルタ架台20に設けられ、他方側は、濾過層10の底部から濾過層10の外縁まで延在し、折り曲げられることによって濾過層10に押し当てられる。具体的には、接続部材30の他方側は、濾過層10の底部から濾過層10の外縁まで延在し、ある程度に折り曲げられることによって、押圧されて濾過層10に当接する。接続部材30とフィルタ架台20とは、圧接によって固定接続される。接続部材30は、濾過層10を押し付けてフィルタ架台20に溶接するために用いられる。接続部材30の一端は、濾過層10に当接し、接続部材30を折り曲げることによって、濾過層10の縁部を収容できる空間33を形成することができ、接続部材30の他端は、フィルタ架台20に設けられ、抵抗溶接によってフィルタ架台20に固定接続される。
【0060】
図2及び図3に示すように、接続部材30は、互いに固定された環状体31及び折り畳み部32を含む。折り畳み部32は、略環状構造である。環状体31は、フィルタ架台20に圧接され、且つ濾過層10の底部から濾過層10の外縁まで延在する。折り畳み部32は、環状体31の外縁に接続され、且つ濾過層10に向かって折り曲げられて、濾過層10に押し当てられ、環状体31と折り畳み部32との間には濾過層10の縁部を収容する空間33が形成され、折り畳み部32は、濾過層10のフィルタ架台20から離れた側にしっかりと押し当てられる。環状体31は、濾過層10とフィルタ架台20とを接続するために用いられ、環状体31と折り畳み部32との間は、濾過層10の外縁を挟み込んで、濾過層10の外縁に対するヘミングを実現して、濾過層10を押し付けるために用いられる。
【0061】
取り付ける際には、板金プロセスによって接続部材30を折り曲げ、接続部材30の外縁を濾過層10に向けて縁曲げして、濾過層10の縁部を収容する空間33を形成し、濾過層10の縁部を接続部材30の折れ曲がっていない部分31に置いてから、板金プロセスによって折り曲げ部分32を内側に向けて折り畳んで、濾過層10の縁部に押し付けられる折り畳み部32を形成する。接続部材30を接続部21に置き、抵抗溶接する際に、一方の電極を折り畳み部32に当接させ、他方の電極をフィルタ架台20の接続部21に当接させ、両方の電極に力を加えて通電することによって、接続部材30とフィルタ架台20との固定接続を実現する。
【0062】
他の実施形態では、接続部材30の折り曲げ方式は、他の加工方式、例えば打ち抜き等であってもよく、濾過層10の縁部に対するヘミングを実現することができればよいことが理解できる。
【0063】
一実施形態では、板金プロセスによって接続部材30を折り曲げて、接続部材30の折り曲げ部分32と折れ曲がっていない部分31との夾角を鋭角とし、接続部材30をフィルタ架台20の接続部21に置いてから、濾過層10の縁部を接続部材30の折れ曲がっていない部分31に置いてもよく、抵抗溶接する際に、一方の電極を接続部材30の折り曲げ部分32に当接させ、他方の電極をフィルタ架台20の接続部21に当接させ、両方の電極に力を加えることによって、接続部材30は、濾過層10に対するヘミング及び押し付けを実現することができ、両方の電極に力を加え続けて通電することによって、接続部材30とフィルタ架台20との溶接を実現するため、フィルタアセンブリ100の生産効率を大幅に向上させることができる。
【0064】
本出願の一実施形態によって提供されるフィルタアセンブリは、接続部材を折り曲げて、濾過層の縁部を収容する空間を形成することによって、濾過層に対するヘミング及び押し付けを実現してから、折り曲げられた接続部材を抵抗溶接によってフィルタ架台に固定し、且つ接続部材とフィルタ架台との溶接隙間が小さいため、溶接時の濾過層のメッシュの溶解・脱落及び溶接スラグの脱落を回避することができるだけでなく、溶接後の接合力が大きいため、フィルタアセンブリの信頼性も向上させる。
【0065】
本出願は、上記のようなフィルタアセンブリ100を用いた貯液装置200を更に提供しており、この貯液装置200は、濾過層10のメッシュの溶解・脱落及び溶接スラグの脱落を効果的に回避し、貯液装置200の故障リスクを低減させるため、異物が貯液装置200内でノイズを発生させたり、貯液装置200に繋がっている他の機器に入り込んだりすることを回避する。
【0066】
この貯液装置200は、筒体201、吸気管202、排気管203及び上記のようなフィルタアセンブリ100を含む。フィルタアセンブリ100は、フィルタ架台20を介して筒体201に固定接続される。
【0067】
本出願によって提供されるフィルタアセンブリの製造方法は、貯液装置200におけるフィルタアセンブリ100を製造するためのものであり、フィルタアセンブリ100の製造中に濾過層のメッシュが溶解したり、溶接スラグ等の異物が貯液装置200内に入り込んだりすることを回避することができると同時に、フィルタアセンブリ100自体の接続強度を向上させる。このフィルタアセンブリの製造方法は、フィルタを有し且つ類似した構造を有する他の機器、例えば浄化器及び空気清浄機等の機器に適用してもよいことは言うまでもない。
【0068】
図6を参照すると、図6は、本出願の一実施形態におけるフィルタアセンブリの製造方法のフローチャートである。メッシュアセンブリの製造方法は、
接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップS10と、
接続部材を押し付けて、濾過層の縁部をヘミングするステップS20と、
圧接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続するステップS30と、を含む。
【0069】
具体的には、板金プロセスを使用して、接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成し、接続部材が濾過層の縁部を完全にヘミングできるように、濾過層の縁部をその空間に置き、溶接によって接続部材及び接続部材に縁部が収容されている濾過層をフィルタ架台に固定接続する。
【0070】
他の実施形態では、接続部材30は、他の折り曲げ方式によって折り曲げられてもよいことが理解できるが、ここでは具体的に限定しない。
【0071】
このフィルタアセンブリの製造方法は、接続部材を折り曲げることによって濾過層に対するヘミング及び押し付けを実現してから、圧接によって折り曲げられた接続部材をフィルタ架台に固定し、濾過層は接続部材によってフィルタ架台に圧接されるため、溶接時の濾過層のメッシュの溶解・脱落及び溶接スラグの脱落を回避することができるだけでなく、溶接後の接合力が大きいため、フィルタアセンブリの信頼性も向上させる。
【0072】
一実施形態では、接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップS10は、接続部材の外縁を接続部材の軸線方向に沿って折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップS11を含む。
【0073】
具体的には、板金プロセスにおいて、接続部材を対応する金型に入れてから、接続部材の外縁を接続部材の軸線方向に沿って折り曲げることによって、折り曲げ部分と折れ曲がっていない部分との夾角をほぼ垂直にし、濾過層の縁部を接続部材に収容できるようにする。加工効率及び加工精度を向上させるために、数値制御折り曲げ機を用いて、接続部材を上記の形状に直接折り曲げてもよいことは言うまでもない。
【0074】
一実施形態では、接続部材の外縁を接続部材の軸線方向に沿って折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成した後に、
濾過層の縁部を接続部材の折れ曲がっていない部分に置くステップS21と、
接続部材の折り曲げ部分を接続部材の軸線方向に向けて折り畳んで、濾過層の縁部を押し付け及び固定することができる折り畳み部を形成するステップS22と、を更に含む。
【0075】
具体的には、接続部材の外縁が濾過層に対してヘミング及び押し付けを行うことによって、接続部材と濾過層とが互いに固定される。このようにすることによって、濾過層のメッシュがフィルタ架台に直接接触することを回避することができるため、溶接によるメッシュの熔融等の問題を回避する。
【0076】
一実施形態では、接続部材を折り曲げて、接続部材により濾過層の縁部を収容する空間を形成するステップS10は、濾過層の縁部を収容する空間を形成するように、接続部材の外縁を折り曲げて、接続部材の折り曲げ部分と折れ曲がっていない部分との間に形成される夾角を鋭角とするステップS11’を含む。
【0077】
接続部材の折り曲げ部分と折れ曲がっていない部分とが取り囲んで濾過層を収容する空間を形成する。このようにすることによって、接続部材自体によって形成される鋭角によって、次のステップで接続部材による濾過層の押し付け及びヘミングを行う際に、作業治具によって直接押し付けたり、他の工具によって直接押し付けたりすることができる。このようにすることによって、接続部材と濾過層との次のステップでの固定接続が容易になる。
【0078】
例えば、接続部材とフィルタ架台とを圧接する際に、接続部材とフィルタ架台との接続がより簡単になり、且つ生産効率が高まり、量産に適している。
【0079】
一実施形態では、圧接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続するステップS30は、抵抗溶接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続するステップS31を含む。
【0080】
具体的には、抵抗溶接は溶接材料及び溶加材が不要となるため、使用過程で溶接スラグが脱落することを回避すると同時に、溶接コストが低く、溶接の利便性が高い。
【0081】
更に、接続部材の折り曲げ部位と折れ曲がっていない部分とが鋭角に形成されると、抵抗溶接の電極が接続部材及びフィルタ架台に直接作用して溶接することができるため、押し付けるステップを省略することができ、生産効率が向上する。
【0082】
一実施形態では、接続部材を押し付けて、濾過層の縁部をヘミングするステップS20は、
濾過層の外縁を接続部材の折れ曲がっていない部分に置くステップS21’と、
抵抗溶接用の電極によって接続部材の折り曲げ部分を接続部材の軸線方向に向けて折り畳んで、濾過層の縁部を押し付け及び固定することができる折り畳み部を形成するステップS22’と、を含む。
【0083】
具体的には、抵抗溶接によって、両方の抵抗溶接用の電極を折り畳み部及びフィルタ架台にそれぞれ直接押し当てることができる。ここで、折り畳み部と環状体との間に形成される鋭角は、電極で直接押し当てて溶接することができる。抵抗溶接用の電極によって接続部材及びフィルタを押し下げて一次成形し、溶接固定する。このようにすることによって、フィルタアセンブリの製造プロセスがより簡素化され、且つ接続強度が確保される。
【0084】
一実施形態では、接続部材を押し付けて、濾過層の縁部をヘミングするステップS20の後に、
抵抗溶接用の一方の電極を折り畳み部に当接させ、他方の電極をフィルタ架台に当接させるステップS31と、
両方の電極によって折り畳み部及びフィルタ架台にそれぞれ圧力を加えて通電するステップS32と、を更に含む。
【0085】
具体的には、接続部材をフィルタ架台の濾過層に向いた表面に置いてから、抵抗溶接用の一方の電極を折り畳み部に当接させ、他方の電極をフィルタ架台に当接させ、両方の電極によって折り畳み部及びフィルタ架台にそれぞれ圧力を加えて通電することによって、接続部材とフィルタ架台とを固定接続する。
【0086】
まず、折り曲げられた接続部材をフィルタ架台の接続部に置いてから、濾過層を接続部材の折り曲げ部分(折り畳み部)と折れ曲がっていない部分(環状体)とによって形成される空間に置き、最後に、フィルタ架台を抵抗溶接時に使用する一方の電極上に置き、且つフィルタ架台の接続部の濾過層から離れた側を電極に接触させ、抵抗溶接時に使用する他方の電極を接続部材の折り畳み部に当接させ、圧力を加えてフィルタを押し付けることによって、濾過層に対するダブルヘミングを実現する。最後に、両方の電極に通電して、圧力を加え続けることによって、接続部材とフィルタ架台とを固定接続する。
【0087】
一実施形態では、圧接によって接続部材をフィルタ架台に固定接続するステップS30の前に、フィルタ架台に打ち抜きプロセスによって接続部材に向かって突出する突起を形成し、電極によって折り畳み部及び突起に圧力を加えるステップS301を更に含む。
【0088】
具体的には、溶接する前の、接続部材とフィルタ架台との間の隙間を0.5cmにすることができるように、フィルタ架台の接続部に打ち抜きプロセスによって接続部材に向かって突出する突起を形成するため、生産効率が高いだけでなく、溶接箇所の接合力も大きい。
【0089】
選択的には、濾過層と折り畳み部とが接続部材の径方向に沿って接触する長さは第1プリセット長さである。この第1プリセット長さは、径方向に沿う接続部材の折り畳み部の長さの2分の1であるため、濾過層に対する接続部材のヘミング効果がより良くなる。この第1プリセット長さは、他の長さ、例えば径方向に沿う折り畳み部の長さの3分の1等であってもよいことは言うまでもない。
【0090】
折り曲げられた接続部材をフィルタ架台に置いてから、濾過層を接続部材に収容し、最後に、抵抗溶接する際に、抵抗溶接用の一方の抵抗によって接続部材の折り畳み部に力を加えて濾過層を押し付け、他方の抵抗によって接続部の濾過層から離れた側に力を加える。両方の抵抗溶接用の電極によって圧力を加え続けて通電することによって、接続部材とフィルタ架台との固定を実現する。溶接時に濾過層が既にヘミングされ、且つ抵抗溶接を用いるため、メッシュの溶解・脱落及び溶接スラグの脱落の問題がなく、これにより、フィルタアセンブリを貯液装置に適用しても、上記のような異物が貯液装置内に入り込むことが発生せず、製品の信頼性が向上する。
【0091】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0092】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に実用新案の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行うこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】