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特表2024-531051毛髪用の非シリコーンシルキーフレグランス製品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】毛髪用の非シリコーンシルキーフレグランス製品
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240822BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20240822BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20240822BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/86
A61Q5/06
A61Q13/00 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501234
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-14
(86)【国際出願番号】 US2022039955
(87)【国際公開番号】W WO2023018798
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/260,190
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522010646
【氏名又は名称】エーケーアイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ミーハン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・オハロラン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC171
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC432
4C083AC581
4C083AC582
4C083CC31
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD28
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE09
4C083EE10
4C083KK01
(57)【要約】
均一拡散性ヘアミストスプレー製剤を含む非エアロゾル及び非油性フレグランス製品であって、約0.1~15.0質量パーセントのフレグランス、約5.0~10.0質量パーセントの可溶化剤、約3.0~4.9質量パーセントのエチルヘキシルグリセリン、約0.5~5.0質量パーセントのプロパンジオール、約38.0~50質量パーセントのアルコール、及び最大で約45.0質量パーセントの水(水溶液)を含む、製品。製品はまた、約0.01~15.0質量パーセントのアミノ酸複合体等の添加剤も含んでよい。ヘアミスト製品は、毛髪を重みで押し下げ得るシリコーンを含まず、クオタニウムもカチオン性化合物も含有しない。ヘアミストスプレーは、VOC対応であり、長時間持続性のフレグランスノートを示し、毛髪のツヤを強化し、ベタつきがなく、絹のような高級な感覚を伴う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.1~15.0質量パーセントの量のフレグランス成分、
約5.0~10.0質量パーセントの量の可溶化剤、
約3.0~4.9質量パーセントの量のエチルヘキシルグリセリン、
約0.5~5.0質量パーセントの量のプロパンジオール、
約38.0~50.0質量パーセントの量のアルコール、及び
約38~45.0質量パーセントの量の水
を含む、非エアロゾルかつ均一拡散性ヘアミスト製剤であって、
元のフレグランスノートの永続的な完全性と共に、揮発性フレグランストップノートの放出の延長を含めたフレグランスの長期持続化及び均一な適用に結び付けられる、ヘアミスト製剤。
【請求項2】
0.01~15.0質量パーセントの量の添加剤を更に含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項3】
前記添加剤が、タンパク質、アミノ酸、生物学的添加剤、アロエ・ベラ、ビタミン、及びパンテノールのうちの1つ又は複数である、請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項4】
前記フレグランス成分が、10.0質量パーセントの量であり、
前記可溶化剤が、9.5質量パーセントの量であり、
前記エチルヘキシルグリセリンが、4.4質量パーセントの量であり、
前記プロパンジオールが、2.0質量パーセントの量であり、
前記アルコールが、47.0質量パーセントの量であり、
前記水が、27.0質量パーセントの量であり、
前記添加剤が、0.1質量パーセントの量である、
請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項5】
前記添加剤が、1種又は複数のアミノ酸を含む、請求項4に記載のヘアミスト製剤。
【請求項6】
前記フレグランスが、オードトワレ又はオードパルファンを含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項7】
メカニカルポンプ機構を使用して均一に分散することができる、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項8】
適用するとツヤが長期持続することを更に含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項9】
前記添加剤が、タンパク質、アミノ酸、生物学的添加剤、アロエ・ベラ、ビタミン、及び/又はパンテノールの1つ又は複数の組合せである、請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項10】
前記添加剤が、1種又は複数のアミノ酸を含む、請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項11】
VOC対応のヘアミスト製剤を更に含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項12】
約0.1~15.0質量パーセントの量のフレグランス成分、
約5.0~10.0質量パーセントの量の可溶化剤、
約3.0~4.9質量パーセントの量のエチルヘキシルグリセリン、
約0.5~5.0質量パーセントの量のプロパンジオール、
約38.0~50.0質量パーセントの量のアルコール、及び
最大で約45.0質量パーセントの量の水
を含む、非エアロゾルかつ均一拡散性ヘアミスト製剤であって、
元のフレグランスノートの永続的な完全性と共に揮発性フレグランストップノートの放出の延長を含めたフレグランスの長期持続化及び均一な適用に結びつけられる、ヘアミスト製剤。
【請求項13】
前記フレグランスが、約1質量パーセントから20質量パーセント未満で存在する、フレグランスノートを含む香料化合物を含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項14】
前記フレグランスノートが、約5質量%~13質量%で存在する、請求項13に記載のヘアミスト製剤。
【請求項15】
前記フレグランスが、約1質量パーセントから20質量パーセント未満で存在する、フレグランスノートを含む香料化合物を含む、請求項12に記載のヘアミスト製剤。
【請求項16】
前記フレグランスノートが、約5質量%~13質量%で存在する、請求項15に記載のヘアミスト製剤。
【請求項17】
揮発性トップノートの放出を延長し、その拡散を遅延させる添加剤を含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項18】
揮発性トップノートの放出を延長し、その拡散を遅延させる添加剤を含む、請求項12に記載のヘアミスト製剤。
【請求項19】
請求項1に記載のヘアミスト製剤の適用を含む、毛髪を処理する方法。
【請求項20】
請求項12に記載のヘアミスト製剤の適用を含む、毛髪を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT非仮特許出願は、2021年8月12日に出願された米国仮特許出願第63/260,190号に対する優先権を主張するものであり、上記仮特許出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
開示する主題は、フレグランスノートの放出の延長と共に毛髪にツヤ及び絹のような感触を付与するヘアミスト又はヘアスプレーとして使用するための非シリコーン及び非油性フレグランス製品に関する。本開示の態様はまた、そのような非シリコーンシルキーフレグランスヘアミスト製品の製造方法及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
芳香性ミスト又はスプレーは、使用者の毛髪にフレグランスを届けるために一般的に使用される。しかしながら、これらの組成物は、シリコーン又は他の成分を含有することが多く、これは油性残留物又は重い感触を生むことがあり、毛髪を洗浄した後でも、しばしば毛髪を重みで押し下げる。
【0004】
シリコーンは、毛髪内で蓄積し、結果として乾燥感及び重い外観をもたらすことが知られている。毛髪はまた、シリコーン系ヘア製品によって、より脆弱にもなり得、より損傷する傾向もあり得る。加えて、シリコーン系ヘア製品は、普通の洗浄を行っても毛髪から除去することがより困難である。ほとんどのシリコーンは不溶性であり、水では容易に除去も浸透もできないことを意味する。また、シリコーンは、水分の毛髪への浸透も妨害し、結果として乾燥感及びツヤなしの外観をもたらす。また、多くのシリコーンヘア製品は、水に不溶性であり、したがって、毛髪から容易に除去されない。シリコーンは、頭皮上に蓄積することができ、更には毛嚢を塞ぐ又は窒息状態にすることさえあり、炎症及び持続的剥離を引き起こすことがある。したがって、ヘア製品のためのシリコーン非含有配合物が、頭皮の健康の全般的な改善を助け得ることは明白である。健康な毛髪は、健康な頭皮から始まることが知られている。
【0005】
したがって、ヘア製品にアルコールを含むと、より長く持続する完全性が得られ、企図され且つ知られた利益の中でも特に、無菌のままにもなる。フレグランスを届けるためにアルコールをヘア製品中で他の成分と組み合わせて使用すると、毛髪への均一な適用によって透明性製剤ベースの製品を届けることを可能にする。したがって、水アルコール溶液が、ミストスプレー製剤、特に非エアロゾルヘア製品製剤において望ましく、それは、特に毛髪に適用するときに使用者の顔の周囲に噴霧されることから、そのような使用の安全レベルを強化する。スプレー化粧品の影響としては、目眩、息切れ、頭痛及び疲労等の症状を挙げることができる。慢性閉塞性肺疾患又は喘息等の肺疾患を有する人は特に影響を受けやすく、悪化された症状を有し得る。長期的影響はあまり知られておらず、長期エアロゾルスプレー使用者に対して健康への悪影響が研究によって示されている。
【0006】
吸入されたエアロゾル及び粒状成分は、それらのサイズ及び強度に応じて異なる健康リスクを与えることが知られている。それらが小さいほど肺の奥まで浸透し得る。粒子タイプ、大気中濃度並びに曝露頻度及び継続時間等の他の要因も重要な要因である。この種の製品を扱う人、典型的には美容院で働く人は、繰り返し曝露される可能性が最も高い。しかしながら、消費者もまた、美容院又は自宅のいずれかで時折の吸入による曝露のリスクがある。
【0007】
したがって、微細エアロゾルヘアスプレーと関連する既知の健康リスク因子を減少することができる非エアロゾルヘアスプレー製剤が必要とされている。
【0008】
水アルコール系ヘア製剤の主張される利益の一部は、その製剤がフレグランスを透明性高含水溶液に可溶化し、懸念されることで知られる防腐剤の使用を回避することを含む。アルコールの取り込みは、(ヘアミストスプレーを適用した際に)製剤が毛髪を非粘着性にすることから阻止し、また、特定の実施形態において、放出が延長される優れたフレグランスノートを含む微細ミストの適用を可能にする。そのような延長された放出は、一般に、揮発性トップノートの放出を延長する添加剤を有する水アルコール配合物によって特徴付けられ、これは実質上、その拡散を遅延させる。加えて、開示されるヘアミストスプレーを適用されると、毛髪は重みで押し下げられず、迅速に且つスムーズに乾燥する。
【0009】
米国パーソナルケア製品評議会(Personal Care Products Counsil(PCPC))(及び、例えば新規VOC規制の適用性に強い関心を示す600を超えるメンバーの会社と共にPCPCとともに作業しているカリフォルニア大気資源委員会(California Air Resources Board(CARB)))は、2023年1月1日までにヘア仕上げ製品において50%のVOC制限に達する目標をもって、パーソナルケア製品カテゴリーのVOC放出レベルの低減を試みている。より長期のPCPCの目標は、50%のVOC最大レベル及び閾値レベルで2031年に向けて提案されたVOC制限を含み、これには0~10%のフレグランスレベルの製品(7~10%のフレグランスレベルのものを含む)が含まれ、したがって、55%の代わりに50%の最大VOCレベルに適合する製品の委任契約製造業者を探している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、使用者の毛髪上に噴霧する又は吹き付けることができ、長時間持続可能であり、絹のような感覚の、明白な長時間持続可能なフレグランスノートを有し、より迅速に且つ容易に毛髪から洗い且つすすぎ落とすことができる非シリコーン及び非油性フレグランス製品が必要とされている。更に、長時間持続可能な効果を有し、毛髪上への均一な適用を促進し、ツヤ及び改善されたフレグランスリフトを付与する非エアロゾルタイプのスプレーが必要とされている。エアロゾルタイプのヘアスプレーは、オゾン層を激減させる又は環境中に有害な化合物を放出することで知られ、したがって、非エアロゾルヘアスプレー又はミストと関連する製剤を使用することによってそのような放出を低減することによって放出を減らす必要がある。
【0011】
消費者に、独特で且つ長時間持続する感覚的経験、より良好な触覚経験、製品性能、質感、粘稠性、消費者にとってより心地よいより良好なフレグランスの均一な拡散、環境上の安全性、及び低減されたVOC限界値を備えて毛髪にとっての健康を与える、非エアロゾルスプレーの形態の、毛髪上に使用するための新規の改善された製剤が更に必要とされている。そのような改善された製剤は、ヘア仕上げ製品に組み込まれる樹脂を低減するであろう。メカニカルポンプスプレーの使用は、使用者、特に使用者の顔の周囲に放出されるフレグランスミストについて、より安全である。研究は、より微細なエアロゾルミスト及び特に推進剤の使用が、推進剤(例えば、ブタン及びイソブタン)の吸入を可能にすることを示している。これらのエアロゾルは、フレグランス中の成分の粒子サイズを小さくし、呼吸器の領域に影響し得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示される主題は、一部の実施形態によれば、非シリコーン及び非油性フレグランスヘアミスト又はスプレー製品を提供する。ヘアミスト製品は、約0.1~15.0質量パーセントのフレグランス、約5.0~10.0質量パーセントの可溶化剤、約3.0~4.9質量パーセントのエチルヘキシルグリセリン、約0.5~5.0質量パーセントのプロパンジオール、約38~50質量パーセントのアルコール、及び約38~45質量パーセントの水を含有する。一部の実施形態はまた、約0.01~15.0質量パーセントのアミノ酸複合体等の添加剤も含有する。
【0013】
特定の態様又は実施形態において、エチルヘキシルグリセリンは、合成皮膚軟化剤である。エチルヘキシルグリセリンはまた、防腐剤及びフェノキシエタノール等の他の防腐剤の効力を高める担体/懸濁化剤としても使用することもできる。エチルヘキシルグリセリンは、ベタつき感のない改善された皮膚保湿につながる穏やかな保湿特性を有することを示している。経時的に、シリコーンはまた、毛髪上に蓄積する可能性もあり、結果として乾燥感及びツヤなしの外観をもたらし得る。毛髪が弱くなり、より損傷しやすくなることが留意されることさえある。水溶性でない形態のシリコーンを使用する場合、普通の洗浄によってそれを除去することは確実に困難であり得る。したがって、そのようなヘアミスト製剤は、シリコーンの悪影響を回避し、フェノキシエタノール等の他の防腐剤の効力を強化する。
【0014】
そのような製剤は、プロパンジオールとエチルヘキシルグリセリンとの組合せを含む香料化合物を含み、これは、非エアロゾルミスト又はスプレー放出型製剤において、毛髪の感触を重み又は油性のあるものにせず、フレグランスの突出、独自性、及び持続性を強化し、元のフレグランスノートの著しい強さ、長持続性、及び特性によって特徴づけられ、それに加えて毛髪に適用したときに絹のような高級な感触をもたらすことを特徴とする。メカニカルポンプ製品は、エアロゾル製品より充填及び輸送が容易である。メカニカルポンプの選択及びそれに関連する機構が使用された場合、それは、適用を改善することになり、なぜなら、それはより標的に向けることができ、それは、ヘアミストを標的に届けることをしばしば可能にしない容器内圧力によって乱雑であるエアロゾルタイプのミストとは対照的である。
【0015】
前述の発明の概要及び以下の詳細な説明は、例示的なものであり、開示される主題の説明を提供することを意図している。開示される主題の目的及び利点は、以下の説明中に記載されており、また、追加の利点は、この説明に基づく当業者の実践及び知識によって得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書において示されているヘアミスト製品はユーザーによって使用されて、シリコーン系スプレー製剤の使用に伴う欠点なしにフレグランスの利点を得ることができる。ヘアミスト非エアロゾル製品は、毛髪への油性感覚又は重さの感覚なしに、長時間持続するフレグランスを含めた付随するフレグランスノートを所望するユーザーに特に適している。
【0017】
シリコーンは、毛髪上に蓄積されて、容易にすすぎ落とせないことが知られている。加えて、シリコーンは、乳化せず、開示するヘアミスト製品の列挙した利点を有する透明なシステムを容易に作り出す。
【0018】
加えて、ヘア製品の規制上の要件は、VOC(揮発性有機化合物)の最大レベルを可能にするだけであり、この規制は、多くのエアロゾルヘアスプレーの使用を制限してきており、また、近い将来に更に制限することになり、製剤を、推進剤をベースとする適用よりもむしろ機械式スプレーに変える。水ベースの又は高含水システムは非常にスプレーが乱れうるので、エタノールの使用は克服することが難しい。特定の側面又は特定の実施形態において、開示しているヘアミスト製剤は、低レベルのエタノールの使用を採用するが、なぜなら、その製剤は、シルキー及び毛髪強化添加剤の非シリコーンブレンドを組み合わせ、同時にVOC規制にも従うからである。
【0019】
これらの製剤の主な目的は、高レベルのフレグランスで毛髪に香り付けをし、同時にツヤを強めることであるから、アルコールは、上品な微細ミストの適用及び迅速且つスムーズに乾燥する製剤を可能にする。更に、特定の側面又は実施形態において、微細ミストスプレー製剤は、一つの製剤中で、使用者にとって最適な感覚的経験のためのより微細且つ更には高級なタイプのフレグランス及び/又はフレグランスノート/成分と組み合わせることができる。単一ノート又はより単純なフレグランスが増勢であり、これらは、より「完全な又はブレンドされた」フレグランスのニュアンスではないため、フレグランスの強さの維持が更により重要であり、したがって消費者はフレグランスをより長く、より完全に楽しむことができる。フレグランスのトップノートが最初に放散(四散)し、したがって、フレグランスを長時間持続させることは、拡散の管理に関する事項である。開示するヘアミスト製品の製剤は、高度の大気曝露及び動きを有する基質、例えば毛髪上で、このこと(即ち、管理された拡散をともない、フレグランスを長時間持続させること)を達成するのに有効である。
【0020】
特定の側面又は実施形態において、アルコールはまた、他の材料と共に、フレグランスを透明な高含水溶液中に可溶化し、かつ、懸念される防腐剤の使用を回避する。アルコールの組み込みはまた、製剤がベタつくことを防止し、毛髪を重みで押し下げないように微細ミストの適用を可能にする。透明性は、特に高レベルのフレグランスを組み込むときに、高含水システム中の非常に高レベルの可溶化剤と関連することが多い。したがって、ツヤ、絹のような感触、及び長時間持続性のフレグランスの良好な特性を付与しながら、これらのシステムにおいて透明性を維持することは、常に難しい試みである。
【0021】
一実施形態によれば、開示されているヘアミスト製剤は、元のフレグランスノートのリフトを含めたフレグランスリフトが強化及び持続された非エアロゾルミスト又はスプレー放出製剤において、毛髪の感触を重くせず又は油性にせずに、フレグランスの卓越、独自性、及び持続性を強化し、毛髪に適用したときの絹のような高級な感触に加えて、より顕著な元のフレグランスノートの強度、長期化、及び特性によって特徴付けられる、プロパンジオールとエチルヘキシルグリセリンとの組合せを含む香料化合物を含む。
【0022】
より具体的には、開示されている主題は、約0.1~15.0質量パーセントのフレグランス、約5.0~10.0質量パーセントの可溶化剤、約3.0~4.9質量パーセントのエチルヘキシルグリセリン、約0.5~5.0質量パーセントのプロパンジオール、約38.0~50.0質量パーセントのアルコール、及び最大で約45.0質量パーセントの水(水溶液)を含有する非シリコーンかつ非油性フレグランスヘアミスト又はスプレー製品に関する。特定の実施形態において、アルコールの上限質量パーセントは55パーセントである。一部の実施形態はまた、0.01~15.0質量パーセントの添加剤、例えばアミノ酸複合体も含有する。
【0023】
ヘアミスト製品のフレグランス成分は、ヘアミストスプレーに好適な任意のフレグランス(例えば、パルファム)であってもよく、特定の実施形態ではエッセンシャルオイル及び当業者に知られた他のフレグランス単一ノート又はアコード組合せ成分が挙げられる。本明細書で使用する場合、「フレグランス」は、フレグランス消費者にとって一般に快適と考えられる任意の発香性又は芳香材料を示すように、定義及び/又は使用される。美容上許容される任意のフレグランスは、組成物中で使用され得る。例えば、フレグランスは、室温で液体のものであってもよい。好ましい実施形態において、フレグランスノートを含む香料化合物は、約1から20質量%未満まで、より好ましくは5から13質量%まで存在する。
【0024】
特定の側面又は実施形態において、アルデヒド、ケトン、及びエステルを含めた様々な化学物質がフレグランスとして知られており、開示されている製剤中に含まれ得る。より一般的には、天然の植物油及び動物油並びに様々な化学成分の複合混合物を含む滲出液は、フレグランスとしての使用が知られている。本明細書において有用なフレグランスの非限定的な例としては、アセタールプロフレグランス、ケタールプロフレグランス、エステルプロフレグランス、加水分解性無機-有機プロフレグランス、及びこれらの混合物等のプロフレグランスが挙げられる。フレグランスは、多くの様々な方法でプロフレグランスから放出され得る。例えば、フレグランスは、平衡反応におけるシフト、pH変化、又は酵素遊離による単純加水分解の結果として放出され得る。本開示の実施形態は、元のフレグランスノートへの任意の変質の防止及び/又は遅延を助ける。フレグランスは、単一化学物質を含むその化学組成において比較的単純であることができ、又は天然及び合成化学成分の高度に緻密な複合混合物を含むことができ、全ては所望の任意の匂い又は香りをもたらすように選択される。
【0025】
実施形態によれば、ヘアミスト製品の可溶化剤成分は、ヘアミストスプレーに好適な任意の可溶化剤であることができる。例えば、好ましい可溶化剤は、PEG-40硬化ヒマシ油、トリデセス-9、及び水のブレンド(例えば、Symrise#611674等)であるが、当技術分野において知られた他の好適な可溶化剤を使用してもよい。使用される可溶化剤は、業界で使用される標準フレグランス可溶化剤の組合せであってもよく、フレグランス又はフレグランス可溶化剤とアルコールとの組合せを可溶化し、結果として高含水システム中のフレグランスの透明性を維持する。可溶化剤の選択は、よりスムーズな適用をもたらし、低アルコール高含水製剤中の透明配合物を可能にすることを目的とする。特定の側面又は実施形態における可溶化剤の選択は、よりスムーズな適用をもたらし、低アルコールと高含水とを組み合わせた製剤における透明配合物を可能にする。
【0026】
特定の側面又は実施形態において、ヘアミスト製品の例のエチルヘキシルグリセリン成分はオクトキシグリセリンとしても知られており、IUPAC名が3-[(2-エチルへキシル)オキシ]-1,2-プロパンジオールであるグリセリルエーテルである。Sensiva SC50等の市販バージョンのエチルヘキシルグリセリンを、特定の側面又は実施形態において使用してもよい。化粧品におけるエチルヘキシルグリセリンの一般的な使用は、防腐剤又は防腐剤エンハンサーとしての使用である。また、エチルヘキシルグリセリンは、デオドラントとしても使用される。プロパンジオール及びクエン酸トリエチルと組合せたエチルヘキシルグリセリンは、水及び可溶化剤の組合せの粘りけ(又は粘着性)を低減し、それと同時に、特定の側面又は実施形態では、毛髪の表面上に適用したとき、毛髪に、更に高度にきらめくツヤ及び/又は長時間持続性のフレグランスの効力も付与する。添加剤を伴う水アルコール配合物は、揮発性のトップノートの放出を延長し、その拡散を遅くする。
【0027】
米国パーソナルケア製品評議会(PCPC)及びCARBによって提案されたフレグランス閾値は、例えば、非エアロゾル製品で、2023年に向けて予想されていたように、10%から7%に減少した。CARBは、2029年までに現在の55%から50%までのヘアツヤ製品におけるVOCの減少を更に提案した。ヘア仕上げスプレー又はヘアスプレーは、2023年までに50%のVOC限界を満たすと予想されている。このプロパンジオールとの組合せが、フレグランスの揮発を遅くし、継続時間及び毛髪のツヤを強化することに留意されたい。様々なフレグランスベースの製品、ファインフレグランス製品、及びパーソナルフレグランス製品(例えば、毛髪にツヤを付与する製品を含む)で予想されたVOC閾値の減少に基づき、ヘアミスト製品の開示される実施形態は、そのように提案されたVOC要件を満たすように製剤化される。PCPCは、全ての非エアロゾル製品に対して提案された10%から7%のフレグランスの減少を提案している。7%の閾値は、顕著により多くの象徴的なファインフレグランスを包含するであろう。これらの低減されたVOC放出レベルは、パーソナルケア製品カテゴリーにとって重要であり、本ヘアミストスプレーの製剤化は、製品の完全性、安定性、安全性、及び、例えば、現在VOC放出量を低減することを目的とするCARB及びPCPCメンバー会社によって設定されるものに対応するガイドラインとしての最終的な消費者受容性基準を考慮している。本ヘアミスト製剤は、これらの提案されたパーソナルヘア製品のVOCガイドラインによって企図され、これは、人間の健康及び環境の保護のために重要であると考えられて設定されている。
【0028】
エチルヘキシルグリセリンは、一般に複数の目的を持ち、フレグランスの継続時間を強化するが、目の領域周囲に噴霧するときは、5パーセント未満の使用制限がある。プロパンジオールと組み合わせて使用されるとき、フレグランス(及び/又はフレグランスノート)の持続性及び放出がより顕著にブーストされる。
【0029】
より具体的には、特定の側面又は実施形態において、及び/又は非シリコーンシルキーフレグランスヘアミスト製品及び/又は担体の開示される製剤の例示的な好ましい実施形態において、グリセリルエーテルであるエチルヘキシルグリセリン(ethyl hexyl glycerin)(又はエチルヘキシルグリセリン(ethylhexylglycerin))は、幾つもの利益を付与する。エチルヘキシルグリセリンは、ココナツ又は植物由来の油であることが多いベジタブルグリセリンに由来する無色の透明な液状防腐剤である。これは、細菌又は真菌の異常増殖を防止し且つ製品の安全性を確保するために水性スキンケア製品又は化粧料に必須の、ヘア製品及びスキン製品におけるパラベン及びスルフェートの代替物となってきた。これは動物源に由来するものでもよいが、ダイズ又はヤシ等の植物由来源のグリセリンから主に得られる。加えて、開示されるフレグランス担体製剤の実施形態例におけるエチルヘキシルグリセリンは、フレグランスのブースター及び固定剤として作用する。
【0030】
この成分、エチルヘキシルグリセリンは、以下に記載する例示的式(1)によって表される。
【0031】
【化1】
【0032】
更により特定すると、エチルヘキシルグリセリンは、グリセリンの直接誘導体である化合物である。これは、合成原料に由来する。これは一般に、非常に安全と考えられ、皮膚に刺激を与えないものとみなされている。更に、エチルヘキシルグリセリン(ethylhexylglycerin)(又はエチルヘキシルグリセリン(ethyl hexyl glycerin))は、その脱臭特性で知られており、(上述したように)防腐剤として及び有効な皮膚コンディショニング剤として作用する。これは化粧品中のパラベンの代用物として大量に使用されているが、それは、パラベンが人間の幾つかの危険な疾患の原因として何度も特定されてきたからである。エチルヘキシルグリセリンはまた、有効な界面活性剤とも考えられる。防腐剤として化学物質を使用することになったとき、エチルヘキシルグリセリンは、少量でも非常によく作用し、量産型の化粧品工場にとって経済的な選択肢になる。多くのタイプの研究において、エチルヘキシルグリセリンは、化粧品のエンハンサーとしての使用が証明されており、その結果、パラベンに取って替わっている。エチルヘキシルグリセリンという化学物質はまた、任意のスキン又は香気ベースの製剤中で、人間の皮膚上に存在する有益な細菌を妨害せずに、体臭を引き起こす細菌の増殖も阻止する。エチルヘキシルグリセリンは、全ての知られた伝統的な防腐剤の効率及び効力をブーストする能力で知られている。更に、エチルヘキシルグリセリンはまた、管理下にある微生物の生命を維持する、化粧品又はフレグランス製剤中の安定剤としても作用する。この化学物質は、高純度かつ無色であり、或いはよく訓練された鼻(仏語でnez)又は優秀なパフューマー(本質的に嗅覚組成物の生成における鋭い嗅覚及び技能に起因する)を別にすれば無視できる弱い匂いを持つ。これは、任意の追加の成分が元のフレグランスノートの完全性を維持し且つ均一性を可能にし且つその拡散を遅延させることを目的とするフレグランスベースのヘア製品には特に重要である。エチルヘキシルグリセリンは、ヘアミスト製剤の元のフレグランスの完全性の維持に関与する。
【0033】
保湿製剤の実施形態において、エチルヘキシルグリセリンは、素晴らしい皮膚及び/又は毛髪保湿剤である。これは、皮膚用の化粧品及び毛髪用の他の製剤の全体の質感を改善することで知られている。フレグランスベース製剤を含む実施形態例において、エチルヘキシルグリセリンは、フレグランス成分の効果のブーストを助け、適切に安定化し且つ/又はフレグランス成分を製剤に固定する。特定の実施において、エチルヘキシルグリセリンはまた、美容製品中の様々な液体と油との間の表面張力の低減も助ける。この化学物質エチルヘキシルグリセリンは、スキンケア製品に一般的に使用される成分であり、またヘアケア製品中にも使用される。エチルヘキシルグリセリンは、皮膚用の化粧及び/又はフレグランスベース製剤の皮膚感触を改善することも知られており、毛髪用の他の製剤にも適用される。これは、本質的に、化粧品産業における多機能成分として働く。エチルヘキシルグリセリンはまた、抗微生物効果をブーストし、典型的に使用される防腐剤(パラベン又はトリクロサンを含む)のより低濃度を可能にし、したがって、皮膚軟化剤及び湿潤剤の機能を有する多機能性防腐剤成分として考えられる。
【0034】
特定の側面又は実施形態において、エチルヘキシルグリセリンの既知の化学式は、C1124である。そのIUPAC名は、3-[(2-エチルヘキシル)オキシ]-1,2-プロパンジオールである。同じ化学物質の別の名称は、オクトキシグリセリンである。
【0035】
ヘアミスト製品のための開示されるフレグランス担体製剤の特定の実施形態において、他のフレグランス希釈剤、例えば、グリコール(ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール)、エステル(ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル)、天然油(植物油、ホホバ油)、グルコースエーテル(プロポキシ化メチルグルコースエーテル)、及び/又はグリセリンエステル(カプリリル/カプリルグリセリン)を製剤に添加してもよい。
【0036】
より特定すると、エチルヘキシルグリセリンは、グリセリンの直接誘導体である化合物である。エチルヘキシルグリセリンは、合成原料に由来する。エチルヘキシルグリセリンは一般に、非常に安全と考えられており、皮膚に刺激を与えないものと見なされている。更に、エチルヘキシルグリセリンは、その脱臭特性で知られ、防腐剤として及び有効な皮膚コンディショニング剤として作用する。これは化粧品中のパラベンの代用物として大量に使用されているが、それは、パラベンが人間の幾つかの危険な疾患の原因として何度も特定されてきたからである。エチルヘキシルグリセリンはまた、有効な界面活性剤とも考えられる。ヘア製品の製剤における防腐剤としての化学物質を使用することになった場合に、エチルヘキシルグリセリンは、少量でも非常によく作用し、量産型の化粧品工場にとって経済的な選択肢になる。多くのタイプの研究において、エチルヘキシルグリセリンは、化粧品又はヘアタイプ配合物のエンハンサーとしての使用が証明されており、その結果、パラベンに取って替わる。この化学物質はまた、任意のスキン又は香気ベースの製剤中、人間の皮膚上に存在する有益な細菌を妨害せずに、体臭を引き起こす細菌の増殖も阻止する。エチルヘキシルグリセリンは、全ての知られた伝統的な防腐剤の効率をブーストするその能力で知られる。更に、エチルヘキシルグリセリンはまた、管理下にある微生物の生命を維持する、化粧品又は他のフレグランス製剤(ヘアフレグランスベース製剤を含む)中の安定剤としても作用する。化学物質は、高純度で無色であり、或いはよく訓練された鼻又は優秀なパフューマーを別にすれば、無視できる弱い匂いを持つ。
【0037】
特定の側面又は実施形態において、開示されているるヘアミストフレグランス製剤及び製品のプロパンジオール成分は、ヘアミストスプレーを含めた非エアロゾルヘアスプレーに好適な任意のプロパンジオールであってもよい。好ましいプロパンジオールは、1,3-プロパンジオールであり、トリメチレングリコールとしても知られ、IUPAC名はプロパン-1,3-ジオールである。他のプロパンジオール、グリコール、又は当技術分野において知られた類似の化合物、例えば、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタレン、ヘキシレングリコール、又は、最大で約8つの炭素鎖長を有する他の直鎖グリコールを使用してもよい。このZemeaバージョンの成分又は材料の利点は、これが天然の穀類の生物変換によってバイオ誘導されたものであり、したがって天然材料と考えられることである。
【0038】
特定の側面又は実施形態において、本ヘアミストフレグランス担体製剤は、防腐剤を含まず、特に、天然の静菌性を有する天然由来のZemea(1,3-プロパンジオール)(又は類似成分)によって自然に保存される。特に、Zemeaは、多機能性の防腐剤ブースト型湿潤剤を発揮し、この成分は、化粧品、ヘア製品、及びフレグランスを含めた様々な用途において高性能を発揮する。Zemeaは、持続的に供給され、その生産から廃棄にわたって最大40%少ない温室効果ガス排出をもたらすと考えられている。その上、特定の実施形態によれば、天然防腐剤エンハンサー(例えば、Zemea)及び/又は更には幾つかの顔料を配合物に添加して、細菌による汚染から製品を自然保存し、その美観を改善することができる。
【0039】
プロパンジオールはトウモロコシに由来する一方、プロピレングリコールは石油化学製品から見つけられる。プロピレングリコールがほとんどの化粧料において安全であると考えられているにもかかわらず、特にグリコールを含まない製品を所望する消費者に対して、プロピレングリコールの代替物としてプロパンジオールが広く使用されている。
【0040】
ヘアミスト製品のアルコール成分は、ヘアミストスプレーに好適な任意のアルコールであってよい。好ましいアルコールは、エタノール、例えばSDA40Bエタノール190標準強度であるが、当技術分野において知られた他の好適なアルコールを使用してもよい。
【0041】
ヘアミスト製品に好適な様々な添加剤も使用してよく、例えば、タンパク質、アミノ酸、生物学的添加剤、アロエ・ベラ、ビタミンE(トコフェロール)及び他のビタミン類、並びにパンテノールがある。
【0042】
開示される実施形態におけるヘアミスト製品は、クオタニウムもカチオン性化合物も含有せず、毛髪を重みで押し下げ得るシリコーンも含まない。開示されているヘアミスト製品は、パラベン非含有、スルフェート非含有、フタレート非含有、VOC対応(上述の通り)、長時間持続性であり、毛髪のツヤを強化し、ベタつかず、絹のような感触を有する。クオタニウム化合物は、工業において安全調査の下にある。シリコーン及びシリコーンポリマーは、天然でないという点で否定的な消費者知覚がある。軽く且つベタつきのない感触の、低アルコールを有する透明製剤を生成することが課題であり、この開示された製剤は、消費者が所望する両方の利点を発揮する。米国(及び更には米国以外の他国)におけるヘアケア製品の厳密なVOC(揮発性有機化合物)規制は、特に(関連する米国の規制を満たす又は下回る)エタノールのレベルに関して、開示されている製剤によって満たされる。
【0043】
開示されている主題は、VOC50未満の、カリフォルニア大気資源委員会(California Air Resources Board:CARB)及びVOC対応のヘアミスト製品である。開示されるヘアミスト製品は、シリコーンを含まず、典型的にシリコーン又はシリコーンポリマーを含有する従来のヘアフレグランス製品と異なり、毛髪上に蓄積しない。ヘアミスト製品は、フレグランスが実質的な材料を含有し、数時間、最長で8~12時間までの毛髪上のフレグランスの鮮明さを強化する。ヘアミスト製品は、ベタつかず、洗浄したときに毛髪から容易にすすぎ落とされる。上述したようにフレグランスオイルを使用してもよいが、非エアロゾルヘアミスト製品中の他の成分の組合せは、毛髪に適用したとき、非油状で、絹のような、高級な感覚を残す。
【0044】
特定の側面又は実施形態において、開示されているヘアミスト製品は、標準的ブレンドであり、水アルコールフレグランスミスト又はオードトワレ(EDT)系溶液を満たす。他の実施形態においては、オードパルファン(EDP)系溶液が考えられる。一実施形態によれば、ヘアミスト製品は、45パーセント未満のVOCしか含まず、ヘア仕上げスプレーのカテゴリー下にあるヘアケア製品に対して50未満~55パーセントのVOC規制に対応するレベルの水を含有する。プロパンジオールとエチルヘキシルグリセリンとの組合せは、毛髪に重み又は油状の感覚を与えずに、フレグランス持続性を強化する。
【0045】
説明及び例示の目的のために、非限定的に、開示されている主題によるヘアミスト製品の例示的な実施形態及び試験を以下に記載する。
【実施例1】
【0046】
以下の表1は、本開示の実施例によるヘアミスト製品の成分及び組成を列挙している。
【0047】
【表1】
【0048】
試験1:
非公式のパネルを、ヘアミスト製品についての使用者の反応を評価するために行った。先ず製品を三(3)名の参加者の毛髪上にスプレーした。終日にわたって、その後、参加者に、フレグランスの強さ及び継続時間を格付けするように問いかけた。結果は、製品が8時間超持続したことを示した。参加者にまた、製品を毛髪から洗ってすすぎ落とすように求めた。次に、これらの参加者に、製品が重かったか又は毛髪を重みで下げ落としたかを聞き、パネリスト(即ち、参加者)は各々、結果として、製品が重くなかった又は毛髪を重みで下げ落とすことはなかったと答えた。
【実施例2】
【0049】
表2は、本開示の実施例によるヘアミスト製品の成分及び組成を列挙している。
【0050】
【表2】
【0051】
表2に示す可溶化剤のブレンドは、混合物を含み、特定の側面又は実施形態において、別のブレンドされた材料のために、類似の化学的ブレンドと置換され得る好ましい例示的ブレンドであることに留意されたい。特定の側面又は実施形態において、2,3-プロパンジオールは、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタレン若しくはヘキシレングリコール、又は最大炭素長が8個の直鎖グリコールで置き換えることができる。更に、ヘアミスト製品の1つ又は複数の製剤は、タンパク質、アミノ酸、及び/又は匂いのない生物学的添加剤、アロエ・ベラ、ビタミン類、パンテノール、及び/又はビタミンE(トコフェロール)のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0052】
要約は、37C.F.R.§1.72(b)に従うように提供され、審査の際に、技術的開示の性質を即座に確認するものを可能にする要約を要する。要約は一般に、その大雑把な検査から、技術的開示の性質及び要旨を迅速に決定することを可能にする。これは、特許請求の範囲の範囲又は趣旨を解明又は制限するために用いられないことを理解して提出される。加えて、前述の発明を実施するための形態において、本開示を簡素化することを目的として、様々な特徴が単一の実施形態中にまとめられていることが分かる。本開示のこの方法は、請求される実施形態が、各請求項に明白に列挙されるものより多くの特徴を要する意図を反映するとは解釈されない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の主題は、開示される単一の実施形態の全ての特徴より少ない特徴にある。したがって、以下の請求項は、発明を実施するための形態に組み込まれ、各請求項は、別々に請求された主題として、それ自体を主張する。
【0053】
前述の例示的な実施形態の説明(実施例を含む)は、本開示の主題の広義の概念を記載、説明、及び例示するためのみに提示されるものであり、本開示の範囲を制限することを意図せず、また、そう解釈すべきでない。様々な変更及び改善が、範囲から逸脱することなく当業者によって可能である。したがって、開示される主題は、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の全ての変更及び改善を含む。開示及び請求される実施形態の全ては、本開示を鑑みて必要以上の実験なしで作製及び実行可能である。したがって、開示される主題は、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等物の範囲内の全ての変更及び改善を含む。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
.1~15.0質量パーセントの量のフレグランス成分、
.0~10.0質量パーセントの量の可溶化剤、
.0~4.9質量パーセントの量のエチルヘキシルグリセリン、
.5~5.0質量パーセントの量のプロパンジオール、
8.0~50.0質量パーセントの量のアルコール、及び
8~45.0質量パーセントの量の水
を含む、非エアロゾルかつ均一拡散性ヘアミスト製剤であって、
元のフレグランスノートの永続的な完全性と共に、揮発性フレグランストップノートの放出の延長を含めたフレグランスの長期持続化及び均一な適用に結び付けられる、ヘアミスト製剤。
【請求項2】
0.01~15.0質量パーセントの量の添加剤を更に含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項3】
前記添加剤が、タンパク質、アミノ酸、生物学的添加剤、アロエ・ベラ、ビタミン、及びパンテノールのうちの1つ又は複数である、請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項4】
前記フレグランス成分が、10.0質量パーセントの量であり、
前記可溶化剤が、9.5質量パーセントの量であり、
前記エチルヘキシルグリセリンが、4.4質量パーセントの量であり、
前記プロパンジオールが、2.0質量パーセントの量であり、
前記アルコールが、47.0質量パーセントの量であり、
前記水が、27.0質量パーセントの量であり、
前記添加剤が、0.1質量パーセントの量である、
請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項5】
前記添加剤が、1種又は複数のアミノ酸を含む、請求項4に記載のヘアミスト製剤。
【請求項6】
前記フレグランスが、オードトワレ又はオードパルファンを含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項7】
メカニカルポンプ機構を使用して均一に分散することができる、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項8】
適用するとツヤが長期持続することを更に含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項9】
前記添加剤が、タンパク質、アミノ酸、生物学的添加剤、アロエ・ベラ、ビタミン、及び/又はパンテノールの1つ又は複数の組合せである、請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項10】
前記添加剤が、1種又は複数のアミノ酸を含む、請求項2に記載のヘアミスト製剤。
【請求項11】
VOC対応のヘアミスト製剤を更に含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項12】
.1~15.0質量パーセントの量のフレグランス成分、
.0~10.0質量パーセントの量の可溶化剤、
.0~4.9質量パーセントの量のエチルヘキシルグリセリン、
.5~5.0質量パーセントの量のプロパンジオール、
8.0~50.0質量パーセントの量のアルコール、及び
最大で45.0質量パーセントの量の水
を含む、非エアロゾルかつ均一拡散性ヘアミスト製剤であって、
元のフレグランスノートの永続的な完全性と共に揮発性フレグランストップノートの放出の延長を含めたフレグランスの長期持続化及び均一な適用に結びつけられる、ヘアミスト製剤。
【請求項13】
前記フレグランスが、1質量パーセントから20質量パーセント未満で存在する、フレグランスノートを含む香料化合物を含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項14】
前記フレグランスノートが、5質量%~13質量%で存在する、請求項13に記載のヘアミスト製剤。
【請求項15】
前記フレグランスが、1質量パーセントから20質量パーセント未満で存在する、フレグランスノートを含む香料化合物を含む、請求項12に記載のヘアミスト製剤。
【請求項16】
前記フレグランスノートが、5質量%~13質量%で存在する、請求項15に記載のヘアミスト製剤。
【請求項17】
揮発性トップノートの放出を延長し、その拡散を遅延させる添加剤を含む、請求項1に記載のヘアミスト製剤。
【請求項18】
揮発性トップノートの放出を延長し、その拡散を遅延させる添加剤を含む、請求項12に記載のヘアミスト製剤。
【請求項19】
請求項1に記載のヘアミスト製剤の適用を含む、毛髪を処理する方法。
【請求項20】
請求項12に記載のヘアミスト製剤の適用を含む、毛髪を処理する方法。
【国際調査報告】