(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】カートリッジの製造方法、該製造方法によって製造されたカートリッジ、及び該カートリッジを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240822BHJP
A24F 40/70 20200101ALI20240822BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501235
(86)(22)【出願日】2023-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2023011639
(87)【国際公開番号】W WO2024035050
(87)【国際公開日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0098782
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0160674
(32)【優先日】2022-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ソン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム、テ フン
(72)【発明者】
【氏名】パク、チュ オン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヒョン チン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チュン ホ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC13
4B162AC17
4B162AE01
(57)【要約】
一実施形態によるカートリッジの製造方法は、保存槽の一領域の少なくとも一部をプラズマ処理する段階と、プラズマ処理された一領域に接着剤を適用する段階と、接着剤を塗布した一領域にカバーを結合させ、保存槽を密封する段階と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を収容するための保存槽、及び前記保存槽の一領域に結合されたカバーを含むカートリッジの製造方法において、
前記保存槽の一領域の少なくとも一部をプラズマ処理する段階と、
前記プラズマ処理された前記保存槽の一領域に接着剤を適用する段階と、
前記接着剤を適用した前記保存槽の一領域に前記カバーを結合させ、前記保存槽を密封する段階と、を含む、カートリッジの製造方法。
【請求項2】
前記保存槽または前記カバーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルイミド、ポリウレタン及びポリエーテルエーテルケトンによってなる群のうちから選択された1種以上のプラスチックを含む、請求項1に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項3】
前記プラズマ処理する段階は、前記保存槽の一領域にプラズマを、0.1秒ないし10秒間露出する、請求項1に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項4】
前記プラズマ処理する段階は、移送式プラズマトーチを前記保存槽の一領域に対し、0.1cm/秒ないし50cm/秒の速度で動かす、請求項1に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項5】
前記接着剤を適用する段階は、前記プラズマ処理する段階が終了した後、2時間内に進められる、請求項1に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項6】
前記接着剤は、UV(ultraviolet ray)接着剤を含む、請求項1に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項7】
前記プラズマ処理された前記保存槽に、前記エアロゾル生成物質を投入する段階をさらに含む、請求項1に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項8】
前記保存槽は、前記エアロゾル生成物質を収容する保存空間を含み、
前記エアロゾル生成物質を投入する段階は、前記保存空間の体積の70%ないし95%の体積のエアロゾル生成物質を投入する、請求項7に記載のカートリッジの製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の製造方法によって製造された、カートリッジ。
【請求項10】
請求項9に記載のカートリッジを含む、エアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジの製造方法、前記製造方法によって製造されたカートリッジ、及び前記カートリッジを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、エアロゾル生成物質を収容するカートリッジの密閉力を向上させることができるカートリッジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではなく、エアロゾル生成装置を利用し、シガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することにより、エアロゾルを生成するシステムを求める需要が増大している。それにより、加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。
【0003】
液状エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置は、液状エアロゾル生成物質を保有するカートリッジを含むものでもある。該カートリッジは、該エアロゾル生成装置の本体と一体に形成されるか、あるいは着脱自在に結合されうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液状エアロゾル生成物質を保有するカートリッジは、該液状エアロゾル生成物質の漏れを防止するために、すぐれた密閉力を備える必要がある。また、エアロゾル生成装置と着脱自在に結合される単回使用カートリッジは、初期保有された液状エアロゾル生成物質がいずれも消尽される場合、廃棄されるので、カートリッジの製造に経済性が要求される。
【0005】
一実施形態を介して解決しようとする課題は、前述の課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付た図面から、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者に明確に理解されうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によるカートリッジの製造方法は、保存槽の一領域の少なくとも一部をプラズマ処理する段階と、前記プラズマ処理された前記一領域に接着剤を適用する段階と、前記接着剤を適用した前記一領域にカバーを結合させ、前記保存槽を密封する段階と、を含む。
【0007】
課題の解決手段は、前述のところには、制限されるものではなく、本明細書全体において、通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含むものでもある。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態によるカートリッジの製造方法は、密閉性が向上され、ユーザが吸入するのに安全なエアロゾルを生成することができるカートリッジを製造することができる。また、本実施形態によるカートリッジの製造方法は、製造時、作業性及び経済性が向上されうる。
【0009】
本実施形態の効果は、前述のところには限定されるものではなく、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含むものでもある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態によるカートリッジの製造方法のフローチャートである。
【
図2】一実施形態によるカートリッジの製造方法によって製造されたカートリッジの一例を図示した図である。
【
図3】
図2のカートリッジのxz平面に沿って切り取った断面図である。
【
図4】
図2のカートリッジの保存槽及びカバーを分解した分解図である。
【
図5】他の実施形態によるカートリッジを含むエアロゾル生成装置に、エアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図である。
【
図6】他の実施形態によるカートリッジを含むエアロゾル生成装置に、エアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図である。
【
図7】エアロゾル生成物品の例を図示した図面である。
【
図8】エアロゾル生成物品の例を図示した図面である。
【
図9】他の実施形態によるエアロゾル生成装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施形態によるカートリッジの製造方法は、保存槽の一領域の少なくとも一部をプラズマ処理する段階と、前記プラズマ処理された前記一領域に接着剤を適用する段階と、前記接着剤を適用した前記一領域にカバーを結合させ、前記保存槽を密封する段階と、を含む。
【0012】
前記保存槽または前記カバーは、ポリエチレン(polyethylene)、ポリプロピレン(polypropylene)、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)、ポリアミド(polyamide)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリスチレン(polystyrene)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリ塩化ビニリデン(polyvinylidene chloride)、ポリエーテルイミド(polyetherimide)、ポリウレタン(polyurethane)及びポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone)によってなる群のうちから選択された1種以上のプラスチックを含むものでもある。
【0013】
前記プラズマ処理する段階は、前記保存槽の一領域にプラズマを、0.1秒ないし10秒間露出するものでもある。
【0014】
前記プラズマ処理する段階は、移送式プラズマトーチを前記保存槽の一領域に対し、0.1cm/秒ないし50cm/秒の速度で動かすものでもある。
【0015】
前記接着剤を適用する段階は、前記プラズマ処理する段階が終了した後、2時間内に進められうる。
【0016】
前記接着剤は、紫外線(UV:ultraviolet ray)接着剤を含むものでもある。
【0017】
前記カートリッジの製造方法は、前記プラズマ処理された前記保存槽に、前記エアロゾル生成物質を投入する段階をさらに含むものでもある。
【0018】
前記保存槽は、前記エアロゾル生成物質を収容する保存空間を含み、前記エアロゾル生成物質を投入する段階は、前記保存空間の体積の70%ないし95%の体積のエアロゾル生成物質を投入するものでもある。
【0019】
他の実施形態によるカートリッジは、一実施形態による製造方法によって製造される。
【0020】
さらに他の実施形態によるエアロゾル生成装置は、他の実施形態によるカートリッジを含む。
【0021】
本実施形態で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、可能な限り、現在使用される一般的な用語を選択したが、それらは、当分野に従事する技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本開示で使用される用語は、単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0022】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むものでもあるということを意味する。また、明細書に記載された「~部」、「~モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0023】
本明細書で使用されているように、「少なくともいずれか1つ」というような表現が、配列された構成要素前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではなく、全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b及びcのうち少なくともいずれか一つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、あるいはa、b及びcを含むと解釈されるのである。
【0024】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」というような序数を含む用語は、多様な構成要素についての説明にも使用されるが、該構成要素は、該用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0025】
明細書全体において、「エアロゾル生成装置」は、ユーザの口を介し、ユーザの肺に直接吸入されうるエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を利用し、エアロゾルを生成する装置でもある。
【0026】
明細書全体において、「シガレット」は、喫煙するのに利用される物品を意味する。例えば、該シガレットは、点火されて燃焼される方式によって利用される燃焼式シガレットでもあり、エアロゾル生成装置によって加熱される方式によって利用される加熱式シガレットでもある。
【0027】
以下においては、添付図面を参照し、本開示の実施形態につき、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかしながら、本開示は、さまざまに異なる形態に具現され、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0028】
以下においては、図面を参照し、本実施形態について詳細に説明する。
【0029】
図1は、一実施形態によるカートリッジの製造方法のフローチャートである。
【0030】
図1を参照すれば、一実施形態によるカートリッジの製造方法は、保存槽の一領域の少なくとも一部をプラズマ処理する段階(S110)、プラズマ処理された保存槽の一領域に接着剤を適用する段階(S120)、及び接着剤を適用した保存槽の一領域にカバーを結合させ、保存槽を密封する段階(S130)を含む。
【0031】
一実施形態によるカートリッジの製造方法は、エアロゾル生成物質を収容する保存槽、及び該保存槽の一領域に結合され、該保存槽を密封するカバーを含むカートリッジを製造することができる。該カートリッジは、該エアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成することができる。
【0032】
プラズマ処理する段階(S110)は、保存槽の一領域の少なくとも一部をプラズマに露出させ、一領域の少なくとも一部の表面を改質させるものでもある。該プラズマは、電子、イオン、中性粒子が混在されている状態を意味し、固体、液体、気体に続く第4の物質状態である。該プラズマを利用して表面を改質する場合、追って、保存槽に結合されるカバーとすぐれた接着力を維持することができ、エアロゾル生成物質の液漏れを防止することができる。
【0033】
プラズマ処理に必要となる時間は、比較的短く、単一工程でもって、複数個の対象体に対するプラズマ処理を行うことができるので、カートリッジの製造の作業性及び経済性が向上されうる。
【0034】
図2は、一実施形態によるカートリッジの製造方法によって製造されたカートリッジの一例を図示した図面であり、
図3は、
図2のカートリッジのxz平面に沿って切り取った断面図である。また、
図4は、
図2のカートリッジの保存槽及びカバーを分解した分解図である。
【0035】
図2ないし
図4を参照すれば、カートリッジ140は、保存槽141及びカバー142を含む。保存槽141の一領域141aには、カバー142が結合され、保存槽141を密封する。
【0036】
保存槽141は、エアロゾル生成物質を収容する保存空間143を含むものでもある。また、保存空間143の内部には、液体伝達手段144及び加熱要素145が位置しうる。加熱要素145は、液体伝達手段144が吸収するエアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成することができる。カートリッジ140に含まれる細部的な構成要素については、以下の
図5及び
図6を参照し、詳細に説明する。
【0037】
保存槽141は、カバー142が結合される一領域141aを含むものでもある。カバー142は、保存槽141の一領域141aを取り囲む形態でもって、保存槽141と結合されうる。プラズマ処理は、保存槽141の一領域141aに、部分的または全体的に遂行されうる。ただし、該プラズマ処理が遂行される位置は、そこに制限されるものではない。例えば、該プラズマ処理は、カバー142表面の少なくとも一部に遂行されうる。
【0038】
保存槽141またはカバー142は、プラスチックによって製造されうる。プラスチックのような高分子物質の表面に、プラズマ処理を施せば、表面の化学的構造が変形されるので、高分子物質の基本物性を維持させたまま、表面の物理・化学的特性だけ変化させることができる。それにより、高分子物質の表面接着力が向上され、不純物が除去されうる。また、高い耐化学性を有するプラスチック材料は、接着剤を適用し難いという問題があるが、表面プラズマ処理を介し、表面の化学構造を変形させる場合、接着剤を容易に適用することができる。
【0039】
なお、熱融着方式やプライマー前処理を含む接着方式を使用する場合、人体に有害な物質が発生する危険性が存在する。従って、そのような接着方式は、ユーザが吸入するエアロゾルを生成するカートリッジ140の製造に適用するには不適でもある。しかしながら、プラズマ処理は、人体に有害な物質が発生する危険性が存在しないという点において、カートリッジ140の製造に適用するには適するものである。
【0040】
保存槽141またはカバー142は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリエーテルイミド、ポリウレタン及びポリエーテルエーテルケトンによってなる群のうちから選択された1種以上のプラスチックを含むものでもある。例えば、保存槽141またはカバー142は、ポリプロピレンを成形して製造されうるが、それに制限されるのではない。
【0041】
カートリッジ140は、カートリッジ140の内部に収容されるエアロゾル生成物質の量を、外部から確認することができるように、外観の透明性を備えなければならない。また、カートリッジ140は、内部のエアロゾル生成物質を加熱しなければならないので、耐熱性を備えなければならない。また、カートリッジ140は、エアロゾル生成物質が枯渇される場合、廃棄される単回使用として使用されうるので、経済性が要求される。従って、カートリッジ140の外観の透明性、経済性などを考慮し、適切なプラスチックを選択し、保存槽141またはカバー142に使用することができる。
【0042】
例えば、保存槽141またはカバー142は、ポリプロピレンによって製造されうる。該ポリプロピレンは、エアロゾル生成物質(例えば、プロピレングリコール、グリセリンなど)に対するすぐれた耐化学性を有することができる。また、該ポリプロピレンは、他のエンジニアリングプラスチック素材に比べ、射出成形が容易であり、保存槽141またはカバー142を製造するのに適する。
【0043】
再び、
図1を参照し、カートリッジの製造方法について説明する。プラズマ処理する段階(S110)は、保存槽の一領域にプラズマを、約0.1秒ないし約10秒間露出するものでもある。プラズマの露出時間が前記時間範囲を外れる場合、十分な表面改質がなされないか、あるいは表面が過度に損傷され、形状の変形を誘発しうる。また、プラズマ処理する段階(S110)は、保存槽の一領域にプラズマを、約0.5秒ないし約5秒間露出するものでもある。
【0044】
また、プラズマ処理する段階(S110)は、移送式(transferred type)プラズマトーチを保存槽の一領域に対し、約0.1cm/秒ないし約50cm/秒の速度で動かすものでもある。該プラズマトーチは、ノズルを介し、保存槽の一領域を向けてプラズマを噴射することができる。また、プラズマ処理する段階(S110)は、移送式プラズマトーチを保存槽の一領域に対し、約10cm/秒ないし約30cm/秒の速度で動かすものでもある。該プラズマトーチは、プラズマアーク(arc)トーチでもあるが、それに制限されるものではない。
【0045】
移送式プラズマトーチのノズルの直径は、保存槽にカバーが結合される方向を横切る方向の断面の保存槽直径の約0.5倍ないし約2倍の比率を有することができる。また、該プラズマトーチは、保存槽の一領域に対し、カバーが結合される方向にプラズマを噴射することができる。プラズマ処理する段階(S110)は、前述のプラズマトーチのノズルの直径と、プラズマトーチの噴射方向とに係わる条件を満足する場合、作業性が向上され、プラズマ処理に必要となる時間を短縮させることができる。
【0046】
プラズマ処理する段階(S110)は、高電圧放電を利用し、プラズマを生成することができる。プラズマ消費電力は、約500Wないし約2,000Wであり、プラズマ処理作動周波数は、約10kHzないし約30kHzでもある。
【0047】
プラズマ処理された保存槽の一領域に接着剤を適用する段階(S120)は、プラズマ処理された保存槽の一領域の表面に、液体状態の接着剤を塗布するものでもあるが、それに制限されるものではない。例えば、該接着剤を適用する段階(S120)は、プラズマ処理された保存槽の一領域の表面に、液体状態の接着剤を噴射するものでもある。
【0048】
接着剤を適用する段階(S120)は、プラズマ処理する段階(S110)が終了した後、約2時間内に進められうる。プラズマ処理によって化学構造の変形された表面は、一定時間が経過した後、本来の化学構造に復元されうる。従って、相当な時間が経過した後、接着剤を適用するのは、プラズマ処理による接着力向上のようなプラズマ処理効果が低減されうる。一実施形態において、接着剤を適用する段階(S120)は、プラズマ処理する段階(S110)が終了した後、約1時間内に進められうる。
【0049】
接着剤は、UV(ultraviolet ray)接着剤を含むものでもある。該UV(ultraviolet ray)接着剤は、光反応開始剤を含む液状の接着剤でもある。従って、UV(ultraviolet ray)を照射すれば、光反応開始剤が反応を始め、比較的短時間内に、液状接着剤が固体状態に硬化されうる。それにより、該接着剤がUV(ultraviolet ray)接着剤を含む場合、一実施形態によるカートリッジの製造方法は、該接着剤を適用する段階(S120)後、該接着剤を適用した保存槽の一領域に、UV(ultraviolet ray)を照射する段階をさらに含むものでもある。ただし、該接着剤に係わる種類は、それに制限されるものではなく、例えば、該接着剤は、UV(ultraviolet ray)接着剤及び瞬間接着剤のうちから選択された1種以上の接着剤を含むものでもある。
【0050】
また、一実施形態によるカートリッジの製造方法は、プラズマ処理された保存槽に、エアロゾル生成物質を投入する段階をさらに含むものでもある。該エアロゾル生成物質がプラズマに露出されれば、該エアロゾル生成物質の化学構造が変形されうるので、該エアロゾル生成物質を投入する段階は、プラズマ処理する段階(S110)後に進められうる。
【0051】
保存槽は、エアロゾル生成物質を収容する保存空間を含み、該エアロゾル生成物質を投入する段階は、保存空間の体積の約70%ないし約95%の体積のエアロゾル生成物質を投入するものでもある。プラズマ処理された保存槽の一領域の表面は、表面粗さが高くなるか、あるいは形状の変形が起こりうる。それにより、液状のエアロゾル生成物質が保存槽の一領域の表面に吸収されるか、あるいは液漏れが生じうる。保存空間に投入されるエアロゾル生成物質の体積を、前記範囲に調節する場合、該エアロゾル生成物質が保存槽の一領域の表面に吸収されるか、あるいは液漏れする問題を防止することができる。一実施形態において、エアロゾル生成物質を投入する段階は、保存空間の体積の約85%ないし約95%の体積のエアロゾル生成物質を投入するものでもある。
【0052】
実施例1:プラズマ処理を介するカートリッジの製造
【0053】
図2及び
図3に図示されたカートリッジと同一形状のカートリッジを製造した。保存槽及びカバーの材料としてポリプロピレンを使用した。
【0054】
カバーが結合される保存槽の領域の表面に、プラズマ処理を施した。該プラズマ処理は、移送式プラズマトーチを利用し、保存槽の表面に対し、20cm/秒の速度で動かし、約1秒間遂行した。プラズマ消費電力は、1000Wであった。
【0055】
プラズマ処理を施した保存槽の保存空間に、保存空間のエアロゾル生成物質としてグリセリンを投入し、投入されたグリセリンの体積は、保存空間の体積の90%であった。
【0056】
プラズマ処理を施した保存槽の領域の表面に、UV(ultraviolet ray)接着剤を塗布し、保存槽をカバーに結合させた後、UV(ultraviolet ray)を約12秒間照射し、カートリッジを製造した。
【0057】
比較例1:超音波融着を介するカートリッジの製造
【0058】
前記実施例1と同様に、
図2及び
図3に図示されたカートリッジと同一形状のカートリッジを製造した。保存槽及びカバーの材料として、ポリプロピレンを使用した。
【0059】
カバーが結合される保存槽の領域の表面に、UV(ultraviolet ray)接着剤を塗布し、保存槽をカバーに結合させた後、超音波を介し、保存槽とカバーとの結合部位を融着させてカートリッジを製造した。
【0060】
実験例1:接着力測定試験
【0061】
前記実施例1及び前記比較例1によって製造されたカートリッジの保存槽及びカバーの接着力を測定した。接着力測定は、保存槽とカバーとを分離させるのに必要な引っ張り力の大きさを、引っ張り力試験機器を介して10回ずつ測定し、平均値を計算する方式で進められた。
【0062】
測定結果、比較例1のカートリッジは、約1.2kgfの引っ張り力を有する一方、実施例1のカートリッジは、約19.51kgfの引っ張り力を有する。それにより、プラズマ処理を介し、カートリッジの保存槽及びカバーの接着力が向上されるということを確認することができた。
【0063】
以下においては、図面を参照し、一実施形態による製造方法によって製造されたカートリッジ、及び該カートリッジを含むエアロゾル生成装置について詳細に説明する。
【0064】
図5及び
図6は、エアロゾル生成装置に、エアロゾル生成物品が挿入された例を図示した図面である。
【0065】
図5及び
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、ヒータ130及びカートリッジ140を含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入されうる。
【0066】
図5及び
図6に図示されたエアロゾル生成装置100は、カートリッジを含みうるものの、本実施形態は、そのようなエアロゾル生成装置の具現方式によって制限されるものではなく、エアロゾル生成装置100において、カートリッジが省略されうる。エアロゾル生成装置100において、カートリッジが省略される場合、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成物質を含むことにより、ヒータ130によってエアロゾル生成物品200が加熱されるとき、エアロゾル生成物品200がエアロゾルを生成することができる。
【0067】
図5及び
図6に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施形態と係わる構成要素が図示されている。従って、
図5及び
図6に図示された構成要素以外に、他の汎用的な構成要素が、エアロゾル生成装置100にさらに含まれうるということは、本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0068】
また、
図5及び
図6には、エアロゾル生成装置100にヒータ130が含まれているように図示されているが、必要により、ヒータ130は、省略されうるのである。
【0069】
図5には、バッテリ110、制御部120、カートリッジ140及びヒータ130が一列に配されているように図示されている。また、
図6には、カートリッジ140及びヒータ130が並列に配されているように図示されている。しかしながら、エアロゾル生成装置100の内部構造は、
図5または
図6に図示されたところに限定されるものではない。言い換えれば、エアロゾル生成装置100の設計により、バッテリ110、制御部120、カートリッジ140及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0070】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、カートリッジ140を作動させ、カートリッジ140からエアロゾルを発生させることができる。カートリッジ140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。カートリッジ140に係わる説明は、下記において、さらに詳細に行う。
【0071】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100が動作するのに利用される電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130またはカートリッジ140が加熱されうるように電力を供給することができ、制御部120が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0072】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部120は、バッテリ110、ヒータ130及びカートリッジ140だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作自在な状態であるか否かということを判断することもできる。
【0073】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現される。また、他形態のハードウェアによっても具現されるということは、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0074】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によって加熱されうる。例えば、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200の外部に位置することができる。従って、加熱されたヒータ130は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0075】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、電気伝導性トラック(track)を含み、該電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかしながら、ヒータ130は、前述の例に限定されるものではなく、希望温度まで加熱されうるものであるならば、制限なしに当該しうる。ここで、該希望温度は、エアロゾル生成装置100に既設定のものでもあり、ユーザによって所望する温度に設定されるものでもある。
【0076】
なお、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的には、ヒータ130には、エアロゾル生成物品を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むものでもあり、該エアロゾル生成物品は、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタを含むものでもある。
【0077】
図5及び
図6には、ヒータ130が、エアロゾル生成物品200の外部に配されるように図示されているが、それに限定されるものではない。例えば、ヒータ130は、管型加熱要素、板型加熱要素、針型加熱要素または棒型加熱要素を含むものでもあり、該加熱要素の形態により、エアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0078】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130が複数個配されうる。このとき、複数個のヒータ130は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるようにも配され、エアロゾル生成物品200の外部にも配されうる。また、複数個のヒータ130のうち一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配されて、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配されうる。また、ヒータ130の形状は、
図5及び
図6に図示された形状に限定されるものではなく、多様な形状に作製されうる。
【0079】
カートリッジ140は、エアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されうる。言い換えれば、カートリッジ140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動することができ、該気流通路は、カートリッジ140によって生成されたエアロゾルが、エアロゾル生成物品200を通過し、ユーザに伝達されるように構成されうる。
【0080】
例えば、カートリッジ140は、保存槽、液体伝達手段及び加熱要素を含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。例えば、該保存槽、該液体伝達手段及び該加熱要素は、独立したモジュールとして、エアロゾル生成装置100に含まれもする。
【0081】
保存槽は、エアロゾル生成物質を保存することができる。例えば、エアロゾル生成物質は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。該保存槽は、カートリッジ140から/に脱着/付着されうるように作製され、カートリッジ140と一体としても作製される。
【0082】
例えば、エアロゾル生成物質は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供することができる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該エアロゾル生成物質は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0083】
液体伝達手段は、保存槽のエアロゾル生成物質を加熱要素に伝達することができる。例えば、該液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックスのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0084】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するための要素である。例えば、該加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックスヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、該加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造にも配される。該加熱要素は、電流供給によって加熱され、該加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0085】
例えば、カートリッジ140は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0086】
なお、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、ヒータ130及びカートリッジ140以外に、汎用的な構成をさらに含むものでもある。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ、及び/または触覚情報の出力のためのモータを含むものでもある。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサ(パフセンサ、温度センサ、エアロゾル生成物品挿入感知センサなど)を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200が挿入された状態においても、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出されうる構造に作製されうる。
【0087】
図5及び
図6には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共に、システムを構成することもできる。例えば、該クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110の充電に利用されうる。または、該クレードルとエアロゾル生成装置100とが結合された状態でもって、ヒータ130が加熱されうる。
【0088】
エアロゾル生成物品200は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分と、フィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、エアロゾル生成物品200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれもする。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されうる。
【0089】
エアロゾル生成装置100の内部には、第1部分全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置100の内部に、第1部分の一部だけ挿入され、該第1部分、及び該第2部分の一部が挿入されうる。ユーザは、第2部分を口にした状態で、エアロゾルを吸入することができる。そのとき、エアロゾルは、外部空気が該第1部分を通過することによって生成され、生成されたエアロゾルは、該第2部分を通過し、ユーザの口に伝達される。
【0090】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気通路の開閉、及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。それにより、霧化量、喫煙感などが、ユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介し、エアロゾル生成物品200の内部に流入されうる。
【0091】
以下、
図7及び
図8を参照し、エアロゾル生成物品200の例について説明する。
【0092】
図7及び
図8は、エアロゾル生成物品の例を図示した図面である。
【0093】
図7を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図5及び
図6を参照して前述の第1部分はタバコロッド210を含み、第2部分はフィルタロッド220を含む。
【0094】
図7には、フィルタロッド220が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されるものではない。言い換えれば、フィルタロッド220は、複数のセグメントによっても構成される。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント、及びエアロゾル内に含まれた所定成分をフィルタリングする第2セグメントを含むものでもある。また、必要により、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含むものでもある。
【0095】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2以上のラッパ240によって重畳的に包装されうる。例えば、第1ラッパ241により、タバコロッド210が包装され、ラッパ242,243,244により、フィルタロッド220が包装されうる。そして、単一ラッパ245により、エアロゾル生成物品200全体がさらに包装されうる。もしフィルタロッド220が複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントが、ラッパ242,243,244によって包装されうる。
【0096】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、該エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含むものでもある。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤のような加香液が、タバコロッド210に噴射されることによっても添加される。
【0097】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく刻まれた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、該熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されるものではない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を均一に分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、それにより、タバコ味を向上させることができる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能を実行することができる。このとき、図面に図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも、追加のサセプタをさらに含むものでもある。
【0098】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。なお、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱型ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ型ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス型ロッドでもある。もしフィルタロッド220が複数のセグメントで構成されている場合、複数のセグメントのうち少なくとも一つが異なる形状に作製されうる。
【0099】
フィルタロッド220は、香味が発生されるように作製されうる。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射されるが、加香液が塗布された別途の繊維が、フィルタロッド220の内部に挿入されうる。
【0100】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれるものでもある。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させることができる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル230は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0101】
もしフィルタロッド220に、エアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、該冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、該冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(PLA)だけによって作製されうるが、それに限定されるものではない。または、該冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製されうる。しかしながら、該冷却セグメントは、前述の例に限定されるものではなく、エアロゾルが冷却する機能を遂行するものであるならば、制限なしに当該しうる。
【0102】
図8を参照すれば、エアロゾル生成物品300は、前端プラグ330をさらに含むものでもある。前端プラグ330は、タバコロッド310において、フィルタロッド320に反対となる一側に位置することができる。前端プラグ330は、タバコロッド310が外部に離脱することを防止することができ、喫煙中、タバコロッド310から液状化されたエアロゾルが、エアロゾル生成装置100(
図5及び
図6)に流れ込むことを防止することができる。
【0103】
フィルタロッド320は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含むものでもある。ここで、第1セグメント321は、
図7のフィルタロッド220の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、
図7のフィルタロッド220の第3セグメントに対応しうる。
【0104】
エアロゾル生成物品300の直径及び全体長は、
図7のエアロゾル生成物品200の直径及び全体長に対応しうる。例えば、前端プラグ330の長さは、約7mm、タバコロッド310の長さは、約15mm、第1セグメント321の長さは、約12mm、第2セグメント322の長さは、約14mmでもあるが、それらに限定されるものではない。
【0105】
エアロゾル生成物品300は、少なくとも1枚ラッパ350によって包装されうる。ラッパ350には、外部空気が流入されるか、あるいは内部気体が流出される少なくとも1つの孔が形成されうる。例えば、第1ラッパ351により、前端プラグ330が包装され、第2ラッパ352により、タバコロッド310が包装され、第3ラッパ353により、第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354により、第2セグメント322が包装されうる。
【0106】
そして、第5ラッパ355により、エアロゾル生成物品300全体がさらに包装されうる。また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔360が形成されうる。例えば、穿孔360は、タバコロッド310を取り囲む領域に形成されうるが、それに制限されるものではない。穿孔360は、
図6及び
図7に図示されたヒータ130によって形成された熱を、タバコロッド310の内部に伝達する役割を実行することができる。
【0107】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル340が含まれるものでもある。ここで、カプセル340は、香味またはエアロゾルを発生させることができる。例えば、カプセル340は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル340は、球形または円筒状の形状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0108】
図9は、他の実施形態によるエアロゾル生成装置900のブロック図である。
【0109】
エアロゾル生成装置900は、制御部910、センシング部920、出力部930、バッテリ940、ヒータ950、ユーザ入力部960、メモリ970及び通信部980を含むものでもある。ただし、エアロゾル生成装置900の内部構造は、
図9に図示されているところに制限されるものではない。すなわち、エアロゾル生成装置900の設計により、
図9に図示された構成のうち一部が省略されるか、あるいは新たな構成がさらに追加されうることは、本実施形態と係わる技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0110】
センシング部920は、エアロゾル生成装置900の状態、またはエアロゾル生成装置900周辺の状態を感知し、感知された情報を、制御部910に伝達することができる。制御部910は、前記感知された情報に基づき、ヒータ950の動作制御、喫煙の制限、エアロゾル生成物品(例:シガレット、カートリッジなど)の挿入いかん判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるように、エアロゾル生成装置900を制御することができる。
【0111】
センシング部920は、温度センサ922、挿入感知センサ924及びパフセンサ926のうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。
【0112】
温度センサ922は、ヒータ950(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置900は、ヒータ950の温度を感知する別途の温度センサを含むか、あるいはヒータ950自体が温度センサの役割を遂行することができる。または、温度センサ922は、バッテリ940の温度をモニタリングするように、バッテリ940の周囲に配されたものでもある。
【0113】
挿入感知センサ924は、エアロゾル生成物品の挿入及び/または除去を感知することができる。例えば、挿入感知センサ924は、フィルムセンサ、圧力センサ、光センサ、抵抗性センサ、容量性センサ、誘導性センサ及び赤外線センサのうち少なくとも一つを含むものでもあり、エアロゾル生成物品が挿入及び/または除去されることによる信号変化を感知することができる。
【0114】
パフセンサ926は、気流通路または気流チャネルの多様な物理的変化に基づき、ユーザのパフを感知することができる。例えば、パフセンサ926は、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうちいずれか一つに基づき、ユーザのパフを感知することができる。
【0115】
センシング部920は、前述のセンサ922ないし926以外に、温度/湿度センサ、気圧センサ、地磁気センサ(magnetic sensor)、加速度センサ(acceleration sensor)、ジャイロスコープセンサ、位置センサ(例えば、GPS(global positioning system))、近接センサ及びRGB(red-green-blue)センサ(illuminance sensor)のうち少なくとも一つをさらに含むものでもある。各センサの機能は、その名称から、通常の技術者であるならば、直観的に推論することができるので、具体的な説明は、省略されうる。
【0116】
出力部930は、エアロゾル生成装置900の状態に係わる情報を出力し、ユーザに提供することができる。出力部930は、ディスプレイ部932、ハプティック部934及び音響出力部936のうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに制限されるのではない。ディスプレイ部932とタッチパッドとがレイヤ構造をなし、タッチスクリーンとして構成される場合、ディスプレイ部932は、出力装置以外に、入力装置としても使用されうる。
【0117】
ディスプレイ部932は、エアロゾル生成装置900に係わる情報をユーザに視覚的に提供することができる。例えば、エアロゾル生成装置900に係わる情報は、エアロゾル生成装置900のバッテリ940の充電/放電状態、ヒータ950の予熱状態、エアロゾル生成物品の挿入/除去状態、またはエアロゾル生成装置900の使用が制限される状態(例:異常物品感知)のような多様な情報を意味し、ディスプレイ部932は、前記情報を外部に出力することができる。ディスプレイ部932は、例えば、液晶ディスプレイパネル(LCD)、有機発光ディスプレイパネル(OLED)などでもある。また、ディスプレイ部932は、LED発光素子形態でもある。
【0118】
ハプティック部934は、電気的信号を、機械的な刺激または電気的な刺激に変換し、エアロゾル生成装置900に係わる情報を、ユーザに触覚的に提供することができる。例えば、ハプティック部934は、モータ、圧電素子または電気刺激装置を含むものでもある。
【0119】
音響出力部936は、エアロゾル生成装置900に係わる情報を、ユーザに聴覚的に提供することができる。例えば、音響出力部936は、電気信号を音響信号に変換し、外部に出力することができる。
【0120】
バッテリ940は、エアロゾル生成装置900が動作するのに利用される電力を供給することができる。バッテリ940は、ヒータ950が加熱されうるように、電力を供給することができる。また、バッテリ940は、エアロゾル生成装置900内に具備された他の構成(例:センシング部920、出力部930、ユーザ入力部960、メモリ970及び通信部980)の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ940は、充電が可能なバッテリでもあり、単回使用バッテリでもある。例えば、バッテリ940は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されるものではない。
【0121】
ヒータ950は、バッテリ940から電力を供給され、エアロゾル生成物質を加熱することができる。
図9に図示されていないが、エアロゾル生成装置900は、バッテリ940の電力を変換し、ヒータ950に供給する電力変換回路(例:DC(direct current)/DCコンバータ)をさらに含むものでもある。また、エアロゾル生成装置900が、誘導加熱方式でエアロゾルを生成する場合、エアロゾル生成装置900は、バッテリ940の直流電源を交流電源に変換するDC/AC(alternating current)コンバータをさらに含むものでもある。
【0122】
制御部910、センシング部920、出力部930、ユーザ入力部960、メモリ970及び通信部980は、バッテリ940から電力を供給され、機能を遂行することができる。
図9に図示されていないが、バッテリ940の電力を変換し、それぞれの構成要素に供給する電力変換回路、例えば、LDO(low dropout)回路または電圧レギュレータ回路をさらに含むものでもある。
【0123】
一実施形態において、ヒータ950は、任意の適する電気抵抗性物質によって形成されうる。例えば、適する電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、スズ、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されるものではない。また、ヒータ130は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによっても具現されるが、それらに制限されるものではない。
【0124】
他の実施形態において、ヒータ950は、誘導加熱方式のヒータでもある。例えば、ヒータ950は、コイルによって印加された磁場を介して発熱し、エアロゾル生成物質を加熱するサセプタを含むものでもある。
【0125】
ユーザ入力部960は、ユーザから入力された情報を受信するか、あるいはユーザに情報を出力することができる。例えば、ユーザ入力部960は、キーパッド(key pad)、ドームスイッチ(dome switch)、タッチパッド(接触式静電容量方式、圧力式抵抗膜方式、赤外線感知方式、表面超音波伝導方式、積分式張力測定方式、ピエゾ効果方式など)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどがありうるが、それに制限されるのではない。また、
図9に図示されていないが、エアロゾル生成装置900は、USB(universal serial bus)インターフェースのような連結インターフェース(connection interface)をさらに含み、USBインターフェースのような連結インターフェースを介し、他の外部装置と連結して情報を送受信するか、あるいはバッテリ940を充電することができる。
【0126】
メモリ970は、エアロゾル生成装置900内で処理される各種データを保存するハードウェアであり、制御部910で処理されたデータ、及び処理されるデータを保存することができる。メモリ970は、フラッシュメモリタイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マルチメディアカードマイクロタイプ(multimedia card micro type)、カードタイプのメモリ(例えば、SD(secure digital)メモリまたはXD(extreme digital)メモリなど)、RAM(random access memory)、SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、PROM(programmable read-only memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも1つのタイプの記録媒体を含むものでもある。メモリ970は、エアロゾル生成装置900の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどを保存することができる。
【0127】
通信部980は、他の電子装置との通信のための少なくとも1つの構成要素を含むものでもある。例えば、通信部980は、近距離通信部(short-range wireless communication unit)982及び無線通信部984を含むものでもある。
【0128】
近距離通信部982は、ブルートゥース(登録商標)通信部、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)通信部、近距離無線通信部(near field communication unit)、WLAN(wireless local area network)(Wi-Fi(wireless fidelity))通信部、ジグビー(Zigbee(登録商標))通信部、赤外線(IrDA:infrared data association)通信部、WFD(Wi-Fi Direct)通信部、UWB(ultra-wideband)通信部、Ant+通信部などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。
【0129】
無線通信部984は、セルラネットワーク通信部、インターネット通信部、コンピュータネットワーク(例:LAN(local area network)通信部またはWAN(wide area network))通信部などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。無線通信部984は、加入者情報(例:国際モバイル加入者識別子(IMSI)を利用し、通信ネットワーク内において、エアロゾル生成装置900を確認及び認証することもできる。
【0130】
制御部910は、エアロゾル生成装置900の全般的な動作を制御することができる。一実施形態において、制御部910は、少なくとも1つのプロセッサを含むものでもある。該プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されうるプログラムが保存されたメモリとの組み合わせによっても具現されうる。また、他形態のハードウェアによっても具現されることは、本実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であるならば、理解することができるであろう。
【0131】
制御部910は、バッテリ940の電力を、ヒータ950に供給することを制御することにより、ヒータ950の温度を制御することができる。例えば、制御部910は、バッテリ940とヒータ950とのスイッチング素子のスイッチングを制御することにより、電力供給を制御することができる。他の例において、制御部910の制御命令により、加熱直接回路が、ヒータ950に対する電力供給を制御することもできる。
【0132】
制御部910は、センシング部920によって感知された結果を分析し、その後に遂行される処理を制御することができる。例えば、制御部910は、センシング部920によって感知された結果に基づき、ヒータ950の動作が開始または終了されるように、ヒータ950に供給される電力を制御することができる。他の例を挙げれば、制御部910は、センシング部920によって感知された結果に基づき、ヒータ950が、所定の温度まで加熱されるか、あるいは適切な温度を維持することができるように、ヒータ950に供給される電力の量、及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0133】
制御部910は、センシング部920によって感知された結果に基づき、出力部930を制御することができる。例えば、パフセンサ926を介してカウントされたパフ回数が、既設定の回数に達すれば、制御部910は、ディスプレイ部932、ハプティック部934及び音響出力部936のうち少なくとも一つを介し、ユーザにエアロゾル生成装置900がすぐ終了するということを予告することができる。
【0134】
一実施形態は、コンピュータによって実行されるプログラムモジュールのようなコンピュータによって実行可能な命令語を含む記録媒体の形態にも具現されうる。コンピュータによって読み取り可能な媒体は、コンピュータによってアクセスされうる任意の可用媒体でもあり、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。また、コンピュータで読み取り可能な媒体は、コンピュータ記録媒体及び通信媒体をいずれも含むものでもある。該コンピュータ記録媒体は、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、またはその他データのような情報の保存のための任意の方法または技術によって具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型の媒体をいずれも含む。該通信媒体は、典型的に、コンピュータで読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュールのような変調されたデータ信号のその他データ、またはその他伝送メカニズムを含み、任意の情報伝達媒体を含む。
【0135】
前述の実施形態に係わる説明は、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において通常の知識を有する者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、発明の真の保護範囲は、特許請求の範囲によって定められるものであり、特許請求の範囲に記載された内容と同等な範囲にある全ての差異は、特許請求の範囲によって定められる保護範囲に含まれると解釈されるものである。
【国際調査報告】