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特表2024-531055アディティブマニュファクチャリングにおいて使用するためのエンドキャップを含む光ファイバ
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  • 特表-アディティブマニュファクチャリングにおいて使用するためのエンドキャップを含む光ファイバ 図1
  • 特表-アディティブマニュファクチャリングにおいて使用するためのエンドキャップを含む光ファイバ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】アディティブマニュファクチャリングにおいて使用するためのエンドキャップを含む光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/277 20170101AFI20240822BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20240822BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20240822BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240822BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240822BHJP
【FI】
B29C64/277
G02B6/42
B29C64/153
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501663
(86)(22)【出願日】2022-07-20
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022037661
(87)【国際公開番号】W WO2023022831
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】63/234,816
(32)【優先日】2021-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518009515
【氏名又は名称】ヴァルカンフォームズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】レオナルド,マニュエル,ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン,マーティン,シー.
【テーマコード(参考)】
2H137
4F213
【Fターム(参考)】
2H137AA13
2H137AB06
2H137BA15
2H137BA16
2H137BB08
2H137BB17
2H137BC07
2H137BC51
2H137BC61
2H137BC71
2H137CA13A
2H137CA13E
2H137CA22C
2H137CA22E
2H137CA25A
2H137CA25E
2H137CC01
2H137CC08
2H137GA02
4F213AR07
4F213AR12
4F213AR15
4F213WA25
4F213WA97
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL43
4F213WL76
4F213WL96
(57)【要約】
アディティブマニュファクチャリングのシステム及び方法が一般的に説明される。特定の態様によれば、アディティブマニュファクチャリングシステムの光ファイバに光学的に結合されたエンドキャップが提供される。いくつかの態様においては、エンドキャップ内のレーザエネルギの電力面積密度を低減させるための方法が提供される。本明細書に説明されるエンドキャップは、アディティブマニュファクチャリングシステムの界面を通したレーザエネルギの伝送から生じ得る熱循環を少なくとも部分的に軽減するために使用され得る。
【選択図】図3E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザエネルギ源と、
前記レーザエネルギ源からのレーザエネルギをビルド表面上に向けて前記ビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成するように構成された光学アセンブリと、
前記レーザエネルギ源と光学的に結合された光ファイバと、
前記光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合されたエンドキャップであって、前記エンドキャップの遠位表面の表面積は前記光ファイバの前記遠位端の横断面積よりも大きく、前記エンドキャップは前記光学アセンブリに光学的に結合される、エンドキャップと、
を備える、アディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項2】
前記エンドキャップは、前記レーザエネルギ源から伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させて、前記伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させるように構成されている、請求項1のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項3】
レーザエネルギ源と、
前記レーザエネルギ源からのレーザエネルギをビルド表面上に向けて前記ビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成するように構成された光学アセンブリと、
前記レーザエネルギ源と光学的に結合された光ファイバと、
前記光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合されたエンドキャップであって、前記レーザエネルギ源から伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させて、前記伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させるように構成されたエンドキャップと、
を備える、アディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項4】
前記エンドキャップの遠位表面の表面積は、前記光ファイバの前記遠位端の横断面積よりも大きい、請求項3のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項5】
レーザエネルギ源から光ファイバの軸方向寸法に沿ってレーザエネルギを伝送することと、
前記光ファイバに配設され光学的に結合されたエンドキャップ内の前記伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させることによって前記伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させることと、
前記エンドキャップから出力されたレーザエネルギをビルド表面上に向けて前記ビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成することと、
を含む、アディティブマニュファクチャリングの方法。
【請求項6】
前記エンドキャップの遠位表面の表面積は、前記光ファイバの前記遠位端の横断面積よりも大きい、請求項5の方法。
【請求項7】
前記エンドキャップから伝送される前記レーザエネルギを集束させることを更に備える、請求項5又は6の方法。
【請求項8】
前記光ファイバの前記遠位端は、前記エンドキャップと溶融結合されている、請求項1から7の何れか一項の方法又はアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項9】
前記エンドキャップよりも下流に配設され前記エンドキャップに光学的に結合された1つ以上のレンズを更に備える、請求項1から8の何れか一項の方法又はアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項10】
前記エンドキャップは、円筒、プリズム、及びマイクロレンズからなる前記グループから選択される、請求項1から9の何れか一項の方法又はアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項11】
前記エンドキャップは、複数のマイクロレンズ部分を備える、請求項1から10の何れか一項の方法又はアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項12】
前記エンドキャップの前記遠位端の軸方向位置は、所定の軸方向位置の20ミクロン以内である、請求項1から11の何れか一項の方法又はアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項13】
複数のレーザエネルギ源と、
前記複数のレーザエネルギ源からのレーザエネルギをビルド表面上に向けて前記ビルド表面上にレーザエネルギスポットのアレイを形成するように構成された光学アセンブリと、
前記複数のレーザエネルギ源と光学的に結合された複数の光ファイバと、
各光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合された1つ以上のエンドキャップであって、前記1つ以上のエンドキャップの各エンドキャップはそこに配設された前記光ファイバの前記遠位端の横断面積よりも大きい遠位表面の表面積を有しており、前記複数の光ファイバはアレイを形成する、エンドキャップと、
を備える、アディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項14】
前記1つ以上のエンドキャップは、前記複数のレーザエネルギ源から伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させて、前記伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させるように構成されている、請求項13のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項15】
各光ファイバの前記遠位端は、前記1つ以上のエンドキャップと溶融結合されている、請求項13又は14のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項16】
前記1つ以上のエンドキャップよりも下流に配設され前記1つ以上のエンドキャップに光学的に結合された1つ以上のレンズを更に備える、請求項13から15の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のエンドキャップを位置決め及び配向するように構成された位置合わせ固定治具を更に備える、請求項13から16の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項18】
前記位置合わせ固定治具は、v字溝を備える、請求項17のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項19】
前記アレイは、線形アレイである、請求項13から18の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項20】
前記アレイは、二次元アレイである、請求項13から18の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項21】
前記複数の光ファイバのうち2本以上の光ファイバが前記1つ以上のエンドキャップのうちの単一のエンドキャップに光学的に結合される、請求項13から20の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項22】
前記複数の光ファイバの各光ファイバは、前記1つ以上のエンドキャップの個別のエンドキャップに光学的に結合される、請求項13から20の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項23】
前記1つ以上のエンドキャップの各エンドキャップは、円筒、プリズム、及びマイクロレンズからなる前記グループから選択される、請求項13から22の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項24】
前記複数のエンドキャップの各エンドキャップの遠位端の軸方向位置は、所定の軸方向位置の20ミクロン以内である、請求項13から23の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【請求項25】
前記1つ以上のエンドキャップは、複数のマイクロレンズ部分を含む少なくとも1つのエンドキャップを備える、請求項13から22及び24の何れか一項のアディティブマニュファクチャリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2021年8月19日に提出された「OPTICAL FIBERS INCLUDING ENDCAPS FOR USE IN ADDITIVE MANUFACTURING」と題される米国仮出願第63/234,816号の優先権を主張するものであり、同仮出願はあらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
アディティブマニュファクチャリングシステムにおいてエンドキャップを使用してレーザエネルギを操作するためのシステム及び方法が一般的に説明される。
【背景技術】
【0003】
粉末床溶融結合システムのようないくつかのアディティブマニュファクチャリングシステムの製造速度及びスループットは、粉末材料を溶融結合することができる速度によって限定される。材料溶融結合の速度は、システムのビルドボリューム内の粉末材料に送達される総電力、並びに粉末材料を溶融結合するために使用される単位質量当たりのエネルギを含む、複数の要因に依存する。1つ以上のレーザエネルギ源を利用してビルドボリュームに電力を送達するシステムなど、いくつかの例においては、溶融結合の速度は、複数のレーザエネルギ源を含むことによって増加され得る。例えば、粉末床溶融結合プロセスにおいて粉末を同時に溶融結合することができるレーザエネルギ源の数を増加させることによって、ビルドボリュームに送達される総電力が増加され得、ひいては溶融結合の速度が増加され得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示の主題は、場合によっては、相互に関連する製品、特別の問題に対する代替的な解決策、及び/又は、1つ以上のシステム及び/又は物品の複数の異なる使用を含む。
【0005】
一態様においては、アディティブマニュファクチャリングシステムが提供される。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステムは、レーザエネルギ源と、レーザエネルギ源からのレーザエネルギをビルド表面上に向けてビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成するように構成された光学アセンブリと、レーザエネルギ源に光学的に結合された光ファイバと、光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合されたエンドキャップであって、エンドキャップの遠位表面の表面積は光ファイバの遠位端の横断面積よりも大きく、エンドキャップは光学アセンブリに光学的に結合される、エンドキャップと、を備える。
【0006】
別の一態様においては、アディティブマニュファクチャリングシステムが提供される。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステムは、レーザエネルギ源と、レーザエネルギ源からのレーザエネルギをビルド表面上に向けてビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成するように構成された光学アセンブリと、レーザエネルギ源に光学的に結合された光ファイバと、光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合されたエンドキャップであって、レーザエネルギ源から伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させて、伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させるように構成されたエンドキャップと、を備える。
【0007】
更に別の一態様においては、アディティブマニュファクチャリングの方法が提供される。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングの方法は、レーザエネルギ源から光ファイバの軸方向寸法に沿ってレーザエネルギを伝送することと、光ファイバに配設され光学的に結合されたエンドキャップ内の伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させることによって伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させることと、エンドキャップから出力されたレーザエネルギをビルド表面上に向けてビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成することと、を含む。
【0008】
別の一態様においては、アディティブマニュファクチャリングの方法が提供される。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングの方法は、複数のレーザエネルギ源と、複数のレーザエネルギ源からのレーザエネルギをビルド表面上に向けてビルド表面上にレーザエネルギスポットのアレイを形成するように構成された光学アセンブリと、複数のレーザエネルギ源に光学的に結合された複数の光ファイバと、各光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合された1つ以上のエンドキャップであって、1つ以上のエンドキャップの各エンドキャップはそこに配設された光ファイバの遠位端の横断面積よりも大きい遠位表面の表面積を有しており、複数の光ファイバはアレイを形成する、エンドキャップと、を備える。
【0009】
本開示の他の利点及び新規の特徴は、添付の図面と併せて考慮されるとき、本開示の種々の非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書と参照により組み込まれる文献とが矛盾する及び/又は一貫性のない開示を含む場合には、本明細書が優先するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の非限定的な実施形態を、添付の図面を参照して、例として説明する。図面は概略的なものであり、別段の表示がない限り、縮尺に合わせて描かれることは意図されない。図面において、例示される同一の又は同一に近い各構成要素は、典型的には、単一の数字によって表される。明確にするために、全ての構成要素が全ての図において標識されるわけではなく、また、当業者が本開示を理解することを可能にするために例示が必要ではない場合、本開示の各実施形態の全ての構成要素が示されるわけでもない。
【0011】
図1】特定の実施形態による、レーザエネルギ源と、光ファイバと、光学アセンブリと、ビルド表面と、を備えるアディティブマニュファクチャリングシステムを示す。
図2】特定の実施形態による、レーザエネルギ源と、光ファイバと、エンドキャップと、光学アセンブリと、ビルド表面と、を備えるアディティブマニュファクチャリングシステムを示す。
図3A】特定の実施形態による、光ファイバに光学的に結合された例示的な円筒形エンドキャップを示す。
図3B】特定の実施形態による、光ファイバに光学的に結合された例示的なプリズムエンドキャップを示す。
図3C】特定の実施形態による、2本の光ファイバに光学的に結合された例示的なエンドキャップを示す。
図3D】特定の実施形態による、光ファイバに光学的に結合された例示的なマイクロレンズエンドキャップを示す。
図3E】特定の実施形態による、光ファイバに光学的に結合された例示的なエンドキャップを示す。
図3F】特定の実施形態による、2つの凸状マイクロレンズ部分を備え2本の光ファイバに光学的に結合された例示的なエンドキャップを示す。
図4A】特定の実施形態による、例示的な位置合わせ固定治具と線形アレイ状の例示的なエンドキャップとを示す。
図4B】特定の実施形態による、例示的な位置合わせ固定治具と二次元アレイ状の例示的なエンドキャップとを示す。
図5】特定の実施形態による、光ファイバ及び対応するエンドキャップが内部に位置決めされた例示的な位置合わせ固定治具を示す。
図6】特定の実施形態による、光ファイバ及び対応するエンドキャップが内部に位置決めされた例示的な位置合わせ固定治具を示す。
図7】特定の実施形態による、光ファイバ及び対応するエンドキャップが内部に位置決めされた例示的な位置合わせ固定治具を示す。
図8】特定の実施形態による、例示的な位置合わせ固定治具内のエンドキャップに光学的に結合された光ファイバから個別のマイクロレンズへのレーザエネルギの伝送を示す。
図9】特定の実施形態による、例示的な位置合わせ固定治具内のエンドキャップに光学的に結合された光ファイバからマイクロレンズアレイへのレーザエネルギの伝送を示す。
図10】特定の実施形態による、例示的な位置合わせ固定治具内のエンドキャップに光学的に結合された光ファイバからマクロレンズへのレーザエネルギの伝送を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明者らは、1つ以上のレーザエネルギ源からビルドボリューム内の粉末にレーザエネルギを送達するために複数の光ファイバを利用するアディティブマニュファクチャリングシステムが、追加の課題を提示し得ることを理解している。例えば、下流光学素子(例えばレンズ、レンズアレイ、ミラーなど)に対して光ファイバの出口表面を正確に位置合わせすることは困難であり得る。光ファイバの遠位表面はまた、光ファイバの各々を通して伝送されるレーザエネルギの一部の散乱、後方反射、及び/又は吸収をもたらし得る界面としても作用する。よって、レーザエネルギ源がビルド表面に大きな電力を送達するために動作されるとき、これらの界面は、光ファイバの端部の望ましくない加熱、並びに関連する1つ又は複数のレーザエネルギ源に向かうレーザエネルギの望ましくない後方反射をもたらすおそれがある。アディティブマニュファクチャリングプロセスの間、レーザはオン状態とオフ状態との間で繰り返し循環されるので、これは、1つ又は複数のレーザ源への損傷、並びに光ファイバの遠位端の周期的な加熱及び冷却をもたらし得る。加えて、十分に高い電力設定では、光ファイバの遠位端のこの加熱は、光ファイバの溶融さえももたらす可能性がある。
【0013】
本発明者らは、アディティブマニュファクチャリングプロセスに関連するレーザ出力が増加されるにつれて、上述の問題がより顕著になり得ることを認識している。したがって、本発明者らは、アディティブマニュファクチャリングシステムに接続された1本以上の光ファイバの遠位端に位置する界面から放出されるエネルギの電力面積密度を低減させることに関連する多数の利点を認識及び理解している。例えば、いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステムは、アディティブマニュファクチャリングシステムにレーザエネルギを提供するために使用される1本以上の関連する光ファイバの遠位端に光学的及び物理的に結合された1つ以上のエンドキャップを含み得る。エンドキャップは、エンドキャップなしの光ファイバの横断面積に対して増加されたレーザエネルギの伝送面積を提供することによって、エンドキャップの遠位表面を通した伝送に先立って、伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減させ得る。
【0014】
いくつかの実施形態においては、1本以上の関連する光ファイバに配設され光学的に結合されたエンドキャップは、そのエンドキャップに結合された1本以上の光ファイバの遠位端の横断面積よりも大きいものであり得る表面積を備える遠位表面を有し得る。特定の実施形態によれば、光ファイバの遠位端の表面積に対して増加されたエンドキャップの遠位表面の表面積は、1つ以上のエンドキャップから伝送されるレーザエネルギの電力面積密度の所望の低減を提供し得る。
【0015】
実施形態によっては、システムの1本以上の光ファイバに関連するエンドキャップは、伝送されるレーザエネルギに対して光学的に透過性である任意の適切な材料から構成され得る。また、いくつかの例においては、エンドキャップは関連する光ファイバと同じ材料であってもよく、これは、光ファイバと接続されたエンドキャップとの間の界面での散乱を回避するのに役立ち得る。光ファイバ及び/又はエンドキャップに適切な材料は、溶融シリカ、溶融石英、ゲルマニウムドープシリカ、サファイア、希土類ドープ溶融シリカ、及び/又は任意の他の適切な材料を含み得るが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書に開示される種々の実施形態のエンドキャップは、任意の適切な様式で、関連する光ファイバに光学的及び物理的に接続され得る。しかしながら、いくつかの実施形態においては、光ファイバの遠位端を関連するエンドキャップに溶融結合することが有利であり得る。これは、光ファイバとエンドキャップとの隣接部分を融かして接合することによって達成され得、それによってこれらの構成要素間の界面をなくすことができる。この界面をなくすことによって、伝送されるレーザエネルギの散乱及び後方反射が低減され得る。光ファイバとエンドキャップとを溶融結合するための適切な方法は、アーク融着、COレーザ、光学接触接合、及び/又は任意の他の適切な溶融結合方法を含み得るが、これらに限定されない。当然ながら、例えば、屈折率が一致した光学接着剤、水酸化物接合、及び/又は任意の他の適切なタイプの接続を含む、光ファイバとエンドキャップとの間で異なるタイプの接続が使用される実施形態も企図される。
【0017】
以下でより詳細に説明されるように、本明細書の種々の実施形態において説明されるエンドキャップは、所望の機能性を提供するために任意の適切なサイズ及び/又は形状を有し得る。例えば、エンドキャップは、伝送されるレーザエネルギが、マイクロレンズのような湾曲した遠位表面、平坦な遠位表面、又は任意の他の適切に成形された遠位表面を通して伝送されるように構成されていてもよい。レンズとして機能するように構成された湾曲した遠位表面は、特定の実施形態によれば、伝送されるレーザエネルギを成形するのに有利に役立ち得ると共に、レーザエネルギのうち反射され光ファイバを介してレーザエネルギ源に戻る部分を減少させるのに有利に役立ち得る。もっとも、本開示はこの様式に限定されないので、上述のものとは異なる形状を有するエンドキャップの実施形態も企図される。
【0018】
用途によっては、アディティブマニュファクチャリングシステムは、任意の適切な数の1つ以上のエンドキャップと1本以上の対応する光ファイバとを含み得る。例えば、いくつかの実施形態においては、エンドキャップの各々が、1本又は複数本の光ファイバ(例えば少なくとも2本の光ファイバ)のいずれかの個別の光ファイバの遠位端と光学的に結合されてもよい。別の一実施形態によれば、エンドキャップの各々が、個別のグループの光ファイバの遠位端と結合されてもよく、各グループは複数の光ファイバを含む。当然ながら、上記の配置の組み合わせが使用される実施形態も企図される。これらの構成の具体的な実施例は、以下で更に詳述される。
【0019】
いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステムは、レーザエネルギ源(例えば複数のレーザエネルギ源)と、レーザエネルギ源(例えば複数のレーザエネルギ源)からのレーザエネルギをビルド表面上に向けるように構成された光学アセンブリと、を含み得る。いくつかの実施形態によれば、1つ以上のエンドキャップは、1つ以上のレーザエネルギ源と、上述のように1本以上の関連する光ファイバと、に光学的に結合される。これに対応して、1つ以上のエンドキャップは、任意の適切な様式で、アディティブマニュファクチャリングシステムの光学アセンブリと光学的に結合され得る。そのような一実施形態においては、1つ又は複数のエンドキャップから出力されたレーザエネルギは、介在する光学アセンブリの1つ以上の光学コンポーネント(例えばレンズ、光ファイバ、ガルボスキャナ、レンズアレイなど)を通してビルド表面上に向けられて、ビルド表面上にレーザエネルギスポットを形成し得る。ビルド表面上の粉末材料へのレーザエネルギの曝露は、粉末の少なくとも一部を溶融結合してビルド表面上に所望のジオメトリを形成するために使用され得る。いくつかの例においては、光学アセンブリは、各レーザエネルギ源からのレーザエネルギからビルド表面上にレーザエネルギスポットのアレイを形成するように構成され得る。例えば、光学アセンブリは、各レーザエネルギ源からのレーザエネルギを、アレイ内の1つ以上の対応するレーザエネルギスポットを形成するべく方向付けるように構成され得る。特定の実施形態によれば、レーザスポットのアレイは線形アレイであってもよい。しかしながら、特定の実施形態によれば、レーザスポットのアレイは二次元アレイであってもよい。加えて、本開示はこの様式に限定されないので、単一のレーザエネルギスポットのみが使用されるアディティブマニュファクチャリングシステムも企図される。
【0020】
アディティブマニュファクチャリングシステムへのレーザの接続を容易にするために、1つ以上の光ファイバコネクタが使用されてもよい。そのような一実施形態においては、システムは、(例えば複数のレーザエネルギ源及び光学アセンブリの)いずれか1つ又は複数のレーザエネルギ源に結合された光ファイバコネクタを更に含み得る。例えば、第1の1本の光ファイバ又は第1の複数の光ファイバが、1つ以上の対応するレーザエネルギ源に光学的に結合され、光ファイバコネクタまで延在すると共にそれと接続され得る。また、第2の1本の光ファイバ又は第2の複数の光ファイバが、光ファイバコネクタから、第2の複数の光ファイバが光学的に結合され得る光学アセンブリまで延在し得る。以下に詳述するように、光ファイバコネクタは、1本以上の第2の光ファイバが、光ファイバコネクタ内の1本以上の第1の光ファイバのうちの対応する光ファイバに光学的に結合され得るように構成され得る。このようにして、1つのレーザエネルギ源又は複数のレーザエネルギ源からのレーザエネルギは、第1の1本の光ファイバ又は第1の複数の光ファイバを介して光ファイバコネクタに、及びその後、第2の1本の光ファイバ又は第2の複数の光ファイバを介して光学アセンブリに伝送され得、それによって、レーザエネルギがビルド表面に送達されることができる。実施形態によっては、光ファイバコネクタは、静止又は可動光学アセンブリのいずれかに接続され得る。いずれの場合も、開示される光ファイバ及び関連するエンドキャップは、システムを通って伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減するのが望ましいであろう、レーザ源と光学アセンブリとの間の任意の界面で使用され得る。これは、例えば、個別の光ファイバと光学アセンブリを備える光ファイバとの間の上述の接続のうちの一方又は両方を含み得る。よって、開示される光ファイバ及び関連するエンドキャップの使用は、本明細書に説明される具体的な構造及び実施形態のみに限定されないことが理解されるべきである。
【0021】
本明細書に説明される種々の実施形態においては、レーザエネルギは1つ以上の独立して制御可能なレーザエネルギ源によって生成されてもよく、それらのレーザエネルギ源は、レーザエネルギ源に関連する1本以上の個別の光ファイバを通してレーザエネルギを光学アセンブリに送達するように動作する。例えば、中実コア光ファイバを含む、任意の適切なタイプの光ファイバが使用され得ることが理解されるべきである。しかしながら、他の実施形態においては、1本以上の光ファイバは、単一の光ファイバを形成するように繋ぎ合わされたファイバセグメントを含んでいてもよい。代替的又は追加的には、2本のファイバの端部を互いに結合するために光コネクタを使用することによって、単一の光ファイバ経路が生成されてもよい。
【0022】
具体的な光ファイバ構造にかかわらず、アディティブマニュファクチャリングシステムの1つ以上のレーザエネルギ源に光学的に接続された各光ファイバは、アディティブマニュファクチャリングシステムの光学アセンブリに適切にルーティングされると共に光学的に接続され得る。いくつかの実施形態においては、1本以上の光ファイバの遠位端は、取り付け固定治具(例えばファイバホルダ)内に収容されたエンドキャップに配設され光学的に結合されてもよく、取り付け固定治具は光ファイバのエンドキャップが適当に位置合わせされることを確実にする。例えば、アディティブマニュファクチャリングシステムが複数の光ファイバを備える場合、特定の実施形態によれば、光ファイバの遠位端部分は互いに平行に配向されてもよく、エンドキャップの遠位端は取り付け固定治具内の所定の軸方向位置において互いに位置合わせされてもよい。これは、取り付け固定治具及び関連する光ファイバとシステムの光学アセンブリとの結合を容易にし得る。システムのエンドキャップを位置合わせするための具体的な構造及び機構は、以下で図を参照してより詳細に説明される。
【0023】
上述のように、いくつかの実施形態においては、光ファイバがアディティブマニュファクチャリングシステムの1つのレーザエネルギ源(及び/又は複数のレーザエネルギ源)と光学アセンブリとの間に延在する。光ファイバは、特定の実施形態によれば、レーザエネルギ源から光ファイバの軸方向寸法に沿ってレーザエネルギを伝送するために使用され得る。光ファイバは、レーザエネルギ源及び/又は光学アセンブリに直接接続されてもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、光ファイバは、光学アセンブリ(例えば光ファイバの遠位端において)とレーザエネルギ源(例えば光ファイバの近位端において)との両方に直接接続される。いくつかの実施形態においては、光ファイバは、光学アセンブリ又はレーザエネルギ源のいずれかのみに直接接続される。例えば、特定の実施形態によれば、光ファイバの一端が本明細書に説明されるような光コネクタに接続され、別の光ファイバが光学アセンブリに接続される。更なるいくつかの実施形態においては、光ファイバは、レーザエネルギ源にも光学アセンブリにも直接接続されない。本明細書に開示される光ファイバ及び関連するエンドキャップは、とにかく、システムを通って伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を低減するのが望ましいであろう、レーザエネルギ源と光学アセンブリとの間の任意の適切な場所に組み込まれ得る。
【0024】
特定の実施形態によれば、光ファイバは、単一の光ファイバであってもよいし、又は複数の光ファイバのうちの1本であってもよい。いくつかの実施形態においては、特定の実施形態による複数の光ファイバは、対応する所定の位置及び配向に位置合わせされ得る。特に、特定の実施形態によれば、光ファイバは、本明細書に説明されるような光学アセンブリにおいて互いに軸方向に位置合わせされ得る。例えば、光ファイバは、複数の光ファイバに関連するエンドキャップの遠位端がシステム内の所望の軸方向位置の所定の範囲(すなわち公差)内に位置決めされるように、軸方向に位置合わせされ得る。光ファイバはまた、光ファイバの軸方向に対して1つ以上の横断方向にも位置合わせされ得る。例えば、光ファイバは、光ファイバのアレイ配置内で光ファイバの幅及び/又は厚さ方向に対して互いに位置合わせされてもよい。いくつかの実施形態においては、光ファイバ及びエンドキャップは線形アレイ状に位置合わせされてもよい。他の実施形態によれば、光ファイバ及びエンドキャップは二次元アレイ状に位置合わせされてもよい。光ファイバの位置合わせは、特定の実施形態によれば、レーザエネルギピクセルの有利な配置と、下流光学素子に対する複数の光ファイバのエンドキャップの好適な位置決めとをもたらし得る。
【0025】
上述したように、システム内で光ファイバの端部及び/又は関連するエンドキャップを正確に設置し位置決めすることが望ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態においては、システムの1本以上の光ファイバは、位置合わせ固定治具と結合され得る。例えば、位置合わせ固定治具は、光ファイバの端部及び関連するエンドキャップの所望の空間分布及び/又は配向を定義し得る。そのような一実施形態においては、位置合わせ固定治具は、光ファイバを通って進む光が所望の伝送方向に平行な1つ以上の経路に沿って位置合わせ固定治具から出ていき得るように、各光ファイバを平行方向に配向されるように配向し得る。この所望の方向性を改善するために、いくつかの実施形態においては、位置合わせ固定治具内に保持された1本以上の光ファイバに関連する1つ以上のエンドキャップの遠位表面は、位置合わせ固定治具内に位置決めされた後、光学的に研磨されてもよい。位置合わせ固定治具はまた、位置合わせ固定治具の幅及び/又は厚さに対して所定の位置に1本以上の光ファイバを正確に位置決めすることを容易にし得、幅方向及び厚さ方向は、光ファイバのうち位置合わせ固定治具内に位置決めされた部分の長手方向軸に平行な位置合わせ固定治具の長さに垂直であり得る。特定の実施形態においては、位置合わせ固定治具は、v字溝、穴、光学くさび、光学ブロックなどの複数の位置合わせ機構及び/又は任意の他の適切な位置合わせ機構を含んでいてもよく、光ファイバ及び/又はエンドキャップはそこに位置決めされ、接着され、又は他の手法で適切に位置決めもしくは係合され、それによって、位置合わせ固定治具は、光ファイバ及び/又はエンドキャップを適切に位置決めするように構成される。実施形態によっては、位置合わせ機構は、位置合わせ固定治具内に保持された光ファイバの端部の所望の空間分布を定義するように、任意の適当な手法で配置され得る。
【0026】
いくつかの実施形態においては、ビルド表面上の入射レーザスポットは、長寸法と短寸法とを有する線状に、又はアレイ状に配置され得る。いずれの場合も、いくつかの態様によれば、入射レーザエネルギの線又はアレイは、それぞれの電力レベルを個別に制御され得る、互いに隣接して配置された複数の個々のレーザエネルギピクセルからなる。各レーザエネルギピクセルは独立してオン又はオフにされ得、各ピクセルの電力は独立して制御されることができる。結果として得られるピクセルベースの線又はアレイは、いくつかの実施形態においては、線の長軸に対して主に垂直にスキャンされるので、前進速度及びピクセル電力密度は、従来の単一スポットレーザ選択的溶融プロセスと概ね同じ電力及び速度限界によって制限され得る。しかしながら、互いに直接隣接する複数のスポットがあるので、有効プロセス速度は、単一ピクセル速度のおよそN倍であり得る。なお、Nは利用可能なピクセルの数である。また、各ピクセルは個々にオン又はオフにすることができるので、有効部分解像度及び精度は単一スポットシステムに匹敵したままである。システムは、単一のピクセルのみをオンにすることによって、又は単一のエンドキャップと単一のレーザエネルギ源との間に延在する単一の光ファイバに依存することによって、単一スポットシステムとして動作することができるが、その場合、有効システム速度は単一スポットシステムと実質的に同じになる。
【0027】
実施形態によっては、本開示によるアディティブマニュファクチャリングシステムは、任意の適当な数のレーザエネルギ源を含み得る。例えば、いくつかの実施形態においては、レーザエネルギ源の数は、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも1,500、又はそれ以上であってもよい。いくつかの実施形態においては、レーザエネルギ源の数は、2,000未満、1,500未満、1,000未満、500未満、100未満、50未満、又は10未満であってもよい。また、上記の範囲の組み合わせが適当であり得る。本開示はそのように限定されないので、上述のものより大きい範囲及び小さい範囲の両方も企図される。
【0028】
加えて、いくつかの実施形態においては、レーザエネルギ源(例えば複数のレーザエネルギ源のうちの1つのレーザエネルギ源)の電力出力は、約50W~約2,000W(2kW)であり得る。例えば、各レーザエネルギ源の電力出力は、約100W~約1.5kW、及び/又は約500W~約1kWであってもよい。また、複数のレーザエネルギ源の総電力出力は、約500W(0.5kW)~約4,000kWであり得る。例えば、総電力出力は、約1kW~約2,000kW、及び/又は約100kW~約1,000kWであってもよい。本開示はそのように限定されないので、上述のものより大きい範囲及び小さい範囲の両方も企図される。
【0029】
実施形態によっては、レーザエネルギピクセルのアレイ(例えば線アレイ又は二次元アレイ)は、例えば線アレイの長さ寸法(すなわちより長い寸法)に沿ったものを含め、アレイの1つ以上の軸に沿った均一な電力密度を有し得る。他の例においては、アレイは、各ピクセルの関連するレーザエネルギ源について異なる電力出力レベルを設定することによって、アレイの軸のいずれかに沿った不均一な電力密度を有することができる。また、アレイの外部の個々のピクセルは、より短い長さ及び/又は幅を有するアレイを生成するために、選択的にオフ又はオンにされてもよい。いくつかの実施形態においては、レーザエネルギのアレイ内の種々のピクセルの電力レベルは、アディティブマニュファクチャリングプロセス全体を通して独立して制御され得る。例えば、種々のピクセルは、アレイの異なる部分内で所望の電力密度を提供するために、選択的にオフにされ、オンにされ、又は中間電力レベルで動作され得る。
【0030】
本開示のいくつかの態様によれば、粉末表面上で均一な線形状を得るためには、光ファイバを出た後の入射レーザビームの光路が重要であり得る。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステムの光路は、1つ以上のマイクロレンズを含むレンズアレイ(例えば1つ以上のマイクロレンズアレイ)を含み、1つ以上の対物レンズがその後に続く。いくつかの実施形態においては、独立したレーザエネルギ源からのビームは、光学アセンブリ内の同じレンズアレイ及び同じ対物レンズを通過し得る。
【0031】
一般に、レーザエネルギ源によって生成されるレーザエネルギは電力面積密度を有する。いくつかの実施形態においては、光ファイバを通して伝送されるレーザエネルギの電力面積密度は、0.1W/平方マイクロメートル以上、0.2W/平方マイクロメートル以上、0.5W/平方マイクロメートル以上、1W/平方マイクロメートル以上、1.5W/平方マイクロメートル以上、2W/平方マイクロメートル以上であるか、又はそれを上回る。いくつかの実施形態においては、光ファイバを通して伝送されるレーザエネルギの電力面積密度は、3W/平方マイクロメートル以下、2W/平方マイクロメートル以下、1.5W/平方マイクロメートル以下、1W/平方マイクロメートル以下、0.5W/平方マイクロメートル以下、0.2W/平方マイクロメートル以下であるか、又はそれを下回る。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、光ファイバを通して伝送されるレーザエネルギの電力面積密度は、0.1W/平方マイクロメートル以上且つ3W/平方マイクロメートル以下である。
【0032】
光ファイバの遠位端から関連するエンドキャップ内に伝達されるレーザエネルギの電力面積密度は、いくつかの実施形態においては、エンドキャップ内の伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させることによって、低減され得る。例えば、特定の実施形態によれば、電力面積密度は、関連する光ファイバ内の電力面積密度に対して、エンドキャップ内で少なくとも1.1分の1に、少なくとも1.2分の1に、少なくとも1.5分の1に、少なくとも2分の1に、少なくとも2.5分の1に、少なくとも3分の1に、少なくとも4分の1に、少なくとも5分の1に、少なくとも10分の1に、又は少なくとも15分の1に、又はより大きく低減される。電力面積密度の低減はまた、関連する光ファイバ内の電力面積密度の50分の1、20分の1、15分の1、10分の1、又は5分の1以下であり得る。上記に鑑みて、特定の実施形態においては、1つ以上の下流光学素子に向かって配向されたエンドキャップの遠位表面面積など、伝送されるレーザエネルギの伝送面積は、関連する光ファイバ内の横断面積(例えば光ファイバのコアの横断面積)に対して、エンドキャップ内で少なくとも1.1倍に、少なくとも1.2倍に、少なくとも1.5倍に、少なくとも2倍に、少なくとも2.5倍に、少なくとも3倍に、少なくとも4倍に、少なくとも5倍に、少なくとも10倍に、又は少なくとも15倍に、又はより大きく、対応して増加され得る。エンドキャップ内の伝送されるレーザエネルギの伝送面積はまた、関連する光ファイバの伝送面積(例えば横断面積)の50倍以下、20倍以下、15倍以下、10倍以下、又は5倍以下の大きさであってもよい。例えば、光ファイバに光学的に結合されたエンドキャップ内の電力面積密度の低減が、光ファイバ内の電力面積密度の1.1分の1以下と50分の1以下との間であり得るか又はこれらに等しくなり得ることを含む、前述の範囲の組み合わせが企図される。これに対応して、エンドキャップ内の伝送面積は、関連する光ファイバの伝送面積の1.1倍以上と50倍以上との間であり得るか又はこれらに等しくなり得る。当然ながら、本開示はそのように限定されないので、上述のものより大きい範囲及び小さい範囲の両方も企図される。
【0033】
実施形態によっては、アディティブマニュファクチャリングシステムは、本明細書において光学コンポーネント又は光学要素とも称され得る異なる光学素子の任意の適切な配置及び/又は組み合わせを使用してビルド表面上にピクセルの線又はアレイを生成するために、光学アセンブリ(例えば光学系ボックス)内に配置された光路を含み得る。例えば、一組のレンズ及び/又はレンズアレイが、関連する1本以上の光ファイバ及び1つ以上のエンドキャップに対して光路に沿って下流に、直列に配置され得る。代替的又は追加的には、ビームの方向転換又は折り畳みのために1本以上の光ファイバ及び1つ以上のエンドキャップよりも下流のビーム経路に1つのミラー又は複数のミラーが追加されてもよく、及び/又は粉末床の一軸スキャンのためにビーム経路にガルボスキャナが追加されてもよい。以下でより詳細に説明されるように、いくつかの実施形態においては、光学アセンブリからの出力は、ガルボスキャナを使用して粉末層に向かって方向付けられてもよく、その後、粉末層上への非垂直入射のビーム形状歪みを最小化するために、fシータレンズ又はテレセントリックレンズなどのレンズ又はレンズアセンブリを通過する。
【0034】
用途によっては、光学アセンブリの出力は、ガルボスキャナを使用して一次方向にスキャンされてもよく、その一方で光学アセンブリ全体は、電動ステージアクチュエータを使用して、一次方向に垂直な二次方向にスキャンされる。あるいは、光学アセンブリの出力は、ガルボスキャナを使用して一次方向に速い動きでスキャンされてもよく、その一方で光学系ボックスは、直角に取り付けられた電動ステージを使用して、一次方向及び一次方向に垂直な二次方向に、より遅い動きでスキャンされる。他の実施形態においては、光学アセンブリからの出力は、ガルボスキャナステージなしに、電動ステージ移動のみを使用してスキャンされ得る。更なる実施形態においては、光学アセンブリは、光学アセンブリからのピクセルアレイ出力が運動ステージに対して固定角度で配向されるように取り付けられてもよく、それによって、両方のステージが、ピクセル線の長軸に垂直な線を移動させるように作動し得る。あるいはこれは、光学アセンブリからの出力が、ガルボスキャナを使用して走査されることによって達成され得る。他の実施形態においては、光学アセンブリからの出力は、運動中に運動ステージに対して動的に回転され得る。あるいは、光学系ボックスの動的回転は、光学系ボックスに対して固定されたガルボスキャナと結合されてもよい。したがって、上記の実施形態に鑑みて、本開示はこの様式に限定されないので、レーザピクセルは任意の適切な構造を使用してビルド表面に対して移動され得ることが理解されるべきである。
【0035】
いくつかの例においては、システムに含まれる1つ以上のエンドキャップの遠位界面、すなわち表面からの光の反射を低減することが望ましいであろう。したがって、いくつかの実施形態においては、システムのエンドキャップは、反射防止膜又は他の所望の膜で少なくとも部分的に(例えば完全に)コーティングされ得る。反射防止膜は、いくつかの実施形態においては、エンドキャップの表面からのレーザエネルギの反射を低減し得る。反射防止膜は、スパッタリング、イオンビームスパッタリング、イオンビームマグネトロンスパッタリング、蒸発法、及び/又は透過性基材に膜を適用するための任意の他の適当な方法を使用して適用され得る。これは、レーザエネルギ源に向かうレーザエネルギの望ましくない反射を低減しながら、伝送されるレーザエネルギの電力面積密度を有利に増加させ得る。
【0036】
明確にするために、光ファイバを通したレーザエネルギの伝送が全体を通して一般的に説明される。しかしながら、横断面積、横方向寸法、伝送面積、電力面積密度、及び/又は光ファイバのうちレーザエネルギが通って伝送される一部に関係する任意の他の適切なパラメータなどの種々のパラメータに関しては、これらのパラメータは、裸の光ファイバ及び/又は光ファイバコアなど光ファイバのうちレーザエネルギが通って能動的に伝送される一部に関係するパラメータ、又はコアを包囲する二次光学レーザエネルギ伝送クラッディングのいずれかを指すことが理解されるべきである。対照的に、レーザエネルギを能動的に伝送しない任意の周囲のクラッディング、膜、又は他の材料は、開示される範囲に含まれなくてもよい。
【0037】
図面を参照して、具体的な非限定的実施形態を更に詳細に説明する。本開示は本明細書に説明される具体的な実施形態のみに限定されないので、これらの実施形態に関して説明される種々のシステム、構成要素、機構、及び方法は、個々に及び/又は任意の所望の組み合わせで使用され得ることが理解されるべきである。
【0038】
図1は、アディティブマニュファクチャリングシステム100の一実施形態の略図であり、機械筐体106内に位置決めされた光学アセンブリ104にレーザエネルギを送達する複数のレーザエネルギ源102を含む。例えば、機械筐体は、アディティブマニュファクチャリングプロセスが実行され得るビルドボリュームを定義し得る。特に、光学アセンブリは、レーザエネルギ108を機械筐体内に位置決めされたビルド表面110に向かって方向付けて、ビルド表面上の粉末材料を選択的に溶融結合させ得る。以下でより詳細に説明されるように、光学アセンブリは、光学アセンブリ内の光路を定義する複数の光学素子を含んでいてもよく、これらの光学素子は、レーザエネルギがレーザエネルギピクセルのアレイとしてビルド表面上に向けられるように、光学アセンブリ内でレーザエネルギを変換し、成形し、及び/又は方向付け得る。光学アセンブリは、製造プロセス中にビルド表面110にわたってレーザエネルギ108をスキャンするために機械筐体106内で移動可能であり得るが、光学アセンブリがビルド表面に対して静止している実施形態も企図される。
【0039】
アディティブマニュファクチャリングシステム100は、レーザエネルギ源102と光学アセンブリ104との間に位置決めされた光ファイバコネクタ112を更に含む。図示されるように、複数のレーザエネルギ源102と光ファイバコネクタ112との間には、第1の複数の光ファイバ114が延在する。特に、各レーザエネルギ源102は、第1の複数の光ファイバ114のそれぞれの光ファイバ116を介して光ファイバコネクタ112に結合される。同様に、光ファイバコネクタ112と光学アセンブリ104との間には、第2の複数の光ファイバ118が延在する。第1の複数の光ファイバ114の各光ファイバ116は、光ファイバコネクタ内で、第2の複数の光ファイバ118のうちの対応する光ファイバ120に結合される。このようにして、レーザエネルギ源102の各々からのレーザエネルギは光学アセンブリ104に送達され、それによってレーザエネルギ108がアディティブマニュファクチャリングプロセス(すなわちビルドプロセス)中にビルド表面110上に向けられることができる。
【0040】
いくつかの例においては、レーザエネルギ源102及び光ファイバコネクタ112は、機械筐体106に対して静止していてもよい。このようにすると、第1の複数の光ファイバ114の光ファイバ116はビルドプロセス全体を通して実質的に静止したままであり得、これは、光ファイバの故障につながるおそれのある、光ファイバ及び/又は光ファイバの接続部もしくは結合部への応力の印加を回避するのに役立ち得る。実施形態によっては、第2の複数の光ファイバ118の光ファイバ120は、移動可能な光学アセンブリ104に結合しているので、静止している光ファイバコネクタ112に対して移動可能であり得る。そのような移動は、光ファイバ及び/又は光ファイバの接続部もしくは結合部に応力を付与し得るが、本明細書に説明される態様は、光ファイバ120の迅速且つ簡単な交換を容易にすることができる。
【0041】
図2は、アディティブマニュファクチャリングシステムの別の一実施形態の略図である。図1に関連して上述した実施形態と同様に、アディティブマニュファクチャリングシステム200は、光ファイバコネクタ212を介して機械筐体206内の光学アセンブリ204に結合された複数のレーザエネルギ源202を含む。レーザエネルギ源202と光ファイバコネクタ212との間には第1の複数の光ファイバ214が延在し、光ファイバコネクタ212と光学アセンブリ204との間には第2の複数の光ファイバ218が延在する。特に、第1の複数の光ファイバの各光ファイバ216は、レーザエネルギ源202と、第2の複数の光ファイバ218のうちの対応する光ファイバ220とに結合される。図示される実施形態においては、光ファイバ216は、光ファイバコネクタ212内の融着スプライス222を介して対応する光ファイバ220に結合されている。しかしながら、コネクタ内に位置決めされた光ファイバが本明細書に説明されるようなエンドキャップを含む実施形態も想定される。
【0042】
図示される実施形態においては、第2の複数の光ファイバ218の光ファイバ220は、第2の複数の光ファイバの遠位端に配設された1つ以上の対応するエンドキャップ250に光学的に結合されている。エンドキャップ250は、システムの光学アセンブリ204に光学的に結合されている。例えば、レーザエネルギを光学アセンブリ内に向けるために、光ファイバ及びエンドキャップの所望の空間分布を定義するように構成された位置合わせ固定治具224が使用されてもよい。例えば、位置合わせ固定治具は、システム内で光ファイバ及びエンドキャップを正確に位置決めするために、各エンドキャップ250が中に位置決めされ結合され得る複数のv字溝又は穴を有するブロックを備え得る。エンドキャップ及び位置合わせ固定治具の更なる実施形態及び例については、以下で更に述べる。
【0043】
位置合わせ固定治具は、第2の複数の光ファイバ218の光ファイバ220の各々を、光学アセンブリ204の1つ以上の対応する光学コンポーネントと位置合わせするために使用されてもよい。その結果、(各レーザエネルギ源202に対応する)各光ファイバ220のための個別の位置合わせ動作は不要になり得、これは、必要な場合又は他の所望の場合(例えば1つ以上の光ファイバ220が故障した場合)に第2の複数の光ファイバ218の迅速な交換を容易にし得る。
【0044】
加えて、図2は、第2の複数の光ファイバ218及び関連するエンドキャップ250よりも下流に光学的に結合された例示的な光学素子を示す。レーザエネルギを第2の複数の光ファイバ218からビルド表面210上に向けるため、及びレーザエネルギ208の所望のアレイをビルド表面上に形成するために、種々の光学素子が光学アセンブリに含まれ得る。例えば、光学アセンブリは、レンズ226及び228(個々のレンズ、レンズアレイ、及び/又は組み合わされたマクロレンズであってもよい)、ミラー230、及び/又は光学アセンブリ内でレーザエネルギを成形し方向付け得る、エンドキャップとビルド表面との間の種々の光路に沿って配設された任意の他の適切なタイプの光学素子などのビーム形成光学素子を含み得る。いくつかの実施形態においては、レンズ226及び228は、マイクロレンズアレイ及び対物レンズのうち1つ以上を含み得る。例えば、各光ファイバ220から出力されたレーザエネルギをコリメートすると共にレーザエネルギのビーム形状を変換するためにマイクロレンズアレイが配置されてもよく、レーザエネルギの組み合わせアレイの焦点長さを定義すると共にマイクロレンズアレイからの出力を縮小又は拡大するべく機能するように対物レンズが配置されてもよい。いくつかの例においては、この縮小又は拡大は、ビルド表面上に形成されるレーザエネルギのアレイにおけるレーザエネルギピクセルの間隔を調整するために使用され得る。例えば、対物レンズは、隣接するピクセル間に間隔がないようにアレイを縮小するために配置されてもよい。また、本開示は、ビルド表面上に形成されるレーザエネルギ208のアレイにおけるレーザエネルギピクセルの特別の形状、間隔、及び/又は配置に限定されないことが理解されるべきである。例えば、アレイはレーザエネルギの規則的に離間したピクセルを有する矩形アレイであってもよく、又は、アレイはピクセル間に不均一な間隔を有する不規則形状であってもよい。
【0045】
本明細書に述べられる光ファイバは、特定の実施形態によれば、横方向寸法及び軸方向寸法を有する。一般に、光ファイバの軸方向寸法は、光ファイバの全長に沿って延びる。一般に、光ファイバの横方向寸法は、軸方向寸法に垂直なファイバの横断面内にある。光ファイバの軸方向寸法は、特定の実施形態によれば、光ファイバの最大横方向寸法(例えば直径)よりも実質的に(例えば100倍、1000倍、10,000倍、100,000倍、又は100,000倍を超えて)長くてもよい。いくつかの実施形態においては、レーザエネルギは、光ファイバを通して光ファイバの軸方向寸法に沿って伝送される。例えば、図2において、レーザエネルギ源202から伝送されるレーザエネルギは、光ファイバ216を通してファイバ216の軸方向寸法に沿って伝送される。いくつかの例においては、光ファイバ内のレーザエネルギの伝送の方向と軸方向寸法との間の角度は、3度以下、2度以下、1.5度以下、1度以下、0.5度以下、0.2度以下、又はそれ未満である。
【0046】
いくつかの例においては、光ファイバは、光ファイバの軸方向に垂直な最大横方向寸法(例えば直径)を有する。例えば、特定の実施形態によれば、光ファイバの最大横方向寸法は、30ミクロン以上、50ミクロン、75ミクロン、100ミクロン、125ミクロン、150ミクロンであるか、又はそれを上回る。特定の実施形態によれば、光ファイバの最大横方向寸法は、200ミクロン以下、175ミクロン以下、150ミクロン以下、125ミクロン以下、100ミクロン以下、75ミクロン以下、50ミクロン以下であるか、又はそれを下回る。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、特定の実施形態によれば、光ファイバの最大横方向寸法は、30ミクロン以上且つ200ミクロン以下である。当然ながら、本開示はそのように限定されないので、上述の範囲よりも大きい又は小さい最大横方向寸法を有する光ファイバも企図される。
【0047】
特定の実施形態によれば、ファイバはコアを備え、それを通ってレーザエネルギが伝送される。いくつかの例においては、光ファイバのコアの最大横方向寸法(例えば光ファイバの最大コア直径)は、5ミクロン以上、10ミクロン、20ミクロン、25ミクロン、35ミクロン、40ミクロンであるか、又はそれを上回る。特定の実施形態によれば、光ファイバのコアの最大横方向寸法は、60ミクロン以下、55ミクロン、50ミクロン、45ミクロン、40ミクロン、35ミクロンであるか、又はそれを下回る。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、特定の実施形態によれば、光ファイバの最大横方向寸法は、5ミクロン以上且つ60ミクロン以下である。当然ながら、本開示はこの様式に限定されないので、上述のものより大きい及び小さい最大横方向寸法を有するコアを備える光ファイバも企図される。
【0048】
コアの横方向寸法は、光(例えばレーザエネルギ)を光ファイバの内外に結合する際に課題を提示し得る。なぜなら、光ファイバ内に結合される光の大部分はファイバの横方向寸法(例えばコア直径)よりも小さいスポット上に集束される必要があり、光は光ファイバの発散角よりも小さい発散角で光ファイバ内に集束される必要があり得るからである。これは、アディティブマニュファクチャリングシステム内での光ファイバの精密な位置合わせを必要とし得る。なぜなら、光ファイバのコア内に適当に集束されない光がコアを包囲する光ファイバのクラッディング内に漏れるおそれがあり、それは電力伝送効率の望ましくない損失及び/又は光ファイバの加熱につながり得るからである。
【0049】
特定の実施形態によれば、光ファイバのコアから出ていく光の発散角は、約0.3度~約1.5度であり得る。いくつかの実施形態においては、コアを出ていく光の発散角は、0.2度以上、0.25度以上、0.3度以上、0.35度以上、0.4度以上、0.5度以上であるか、又はそれを上回る。いくつかの実施形態においては、コアを出ていく光の発散角は、2度以下、1.8度以下、1.5度以下、1.3度以下、1.1度以下であるか、又はそれを下回る。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、コアを出ていく光の発散角は、0.2度以上且つ2度以下である。当然ながら、本開示はこの様式に限定されないので、上述のものより大きい及び小さい発散角を備える光ファイバも企図される。
【0050】
図3Aから図3Eは、特定の実施形態による、異なる形状を有する例示的なエンドキャップの斜視図を示し、これらはアディティブマニュファクチャリングシステムで使用するための光ファイバに結合され得る。もっとも、本開示はこの様式に限定されないので、レーザエネルギ伝送について所望の低減された電力面積密度を提供するために任意の適切なサイズ及び/又は形状を有するエンドキャップが使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0051】
図3Aにおいては、エンドキャップ250は円筒形エンドキャップであり、光ファイバ220の遠位端260に配設され光学的に結合されている。例えば、光ファイバ220は、遠位端260においてエンドキャップ250に溶融結合されてもよい。図3Aの例においては、エンドキャップ250は円筒形エンドキャップである。特定の実施形態によれば、円筒形エンドキャップは、関連する光ファイバの位置合わせを支援し得る。例えば、いくつかの実施形態においては、円筒形エンドキャップは、以下で更に詳述するように、位置合わせ固定治具を使用して、より容易に位置合わせされ得る。
【0052】
図3Aで、エンドキャップ250は、いくつかの実施形態においては、遠位表面262を更に備える。エンドキャップの遠位表面の表面積は、光ファイバの横断面積よりも大きくてもよい。例えば、図3Aに示されるように、エンドキャップ250の遠位表面262は、光ファイバ220の遠位端260の断面積よりも大きい表面積を有する。上述のように、これはエンドキャップ内において、レーザエネルギ源から伝送されるレーザエネルギの、増加された伝送面積を提供し得る。例えば、レーザエネルギ源から光ファイバ220を通ってエンドキャップ250内に伝送されるレーザエネルギは、エンドキャップ250内で発散し得、レーザエネルギ伝送の伝送面積の増加をもたらす。
【0053】
本明細書に説明される種々の実施形態において、光ファイバは、25平方ミクロン以上、50平方ミクロン以上、100平方ミクロン以上、200平方ミクロン以上、500平方ミクロン以上、1,000平方ミクロン以上、2,000平方ミクロン以上、5,000平方ミクロン以上、10,000平方ミクロン以上、又はそれを上回る横断面積を有し得る。いくつかの実施形態においては、横断面積は、25,000平方ミクロン以下、10,000平方ミクロン以下、5,000平方ミクロン以下、2,000平方ミクロン以下、1,000平方ミクロン以下、500平方ミクロン以下、200平方ミクロン以下、100平方ミクロン以下、50平方ミクロン以下であるか、又はそれを下回り得る。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、光ファイバの横断面積は、25平方ミクロン以上且つ25,000平方ミクロン以下であり得る。当然ながら、本開示はこの様式に限定されないので、上述のものより小さい及び大きい面積も企図される。
【0054】
本明細書に説明される種々の実施形態において、エンドキャップに光学的に結合された下流光学素子に向かって配向されたエンドキャップの遠位表面は、0.01mm2以上、0.05mm2以上、0.1mm2以上、0.5mm2以上、1mm2以上、2mm2以上、5mm2以上、又はそれを上回る表面積を有し得る。いくつかの実施形態においては、エンドキャップの遠位表面は、20mm2以下、15mm2以下、10mm2以下、5mm2以下、1mm2以下、0.5mm2以下、0.1mm2以下、又はそれを下回る表面積を有する。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、エンドキャップの遠位表面は、0.01mm2以上且つ20mm2以下の表面積を有する。当然ながら、本開示はこの様式に限定されないので、上述のものより小さい及び大きい面積も企図される。
【0055】
本明細書に開示されるエンドキャップは、特定の実施形態によれば、最大横方向寸法(例えば直径、又はエンドキャップに配設された光ファイバの遠位端の横方向寸法に平行に測定される幅)を有し得る。いくつかの実施形態においては、エンドキャップの最大横方向寸法は、125ミクロン以上、250ミクロン以上、500ミクロン以上、750ミクロン以上、1mm以上、1.5mm以上であるか、又はそれを上回る。いくつかの実施形態においては、エンドキャップの最大横方向寸法は、2mm以下、1.5mm以下、1mm以下、750ミクロン以下、500ミクロン以下、250ミクロン以下であるか、又はそれを下回る。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、エンドキャップの最大横方向寸法は、125ミクロン以上且つ2mm以下である。もっとも、上述のものより大きい及び小さい最大横方向寸法も企図される。
【0056】
開示される種々のエンドキャップは、任意の適切な長さ(例えばエンドキャップに配設された光ファイバの遠位端から軸方向に延びる長さ)も有し得る。いくつかの実施形態においては、エンドキャップは、100ミクロン以上、200ミクロン以上、500ミクロン以上、1mm以上、2mm以上、3mm以上、又はそれを上回る長さを有する。いくつかの実施形態においては、エンドキャップは、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500ミクロン以下、又はそれを下回る長さを有する。これらの範囲の組み合わせが可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、エンドキャップは、100ミクロン以上且つ5mm以下の長さを有し得る。当然ながら、上述のものより大きい及び小さい長さも企図される。
【0057】
図3Bは、図3Aと同様のエンドキャップを有する光ファイバの別の一実施形態を図示するが、この実施形態では、光ファイバ220の遠位端に配設され光学的に結合されたエンドキャップ250がプリズムである点が異なる。任意の適切なプリズムが使用され得る。例えば、図3Bのプリズムは直角プリズムである。もっとも、本開示はこの様式に限定されないので、任意の適切なサイズ及び形状のプリズムが使用され得る。いくつかの実施形態においては、エンドキャップとしてのプリズムの使用は有利である。例えば、いくつかの実施形態においては、プリズムはモザイク式であってもよく、これはエンドキャップのアレイへの位置合わせを容易にすることができる。特定の実施形態によれば、複数の光ファイバに光学的に結合された1つ以上のエンドキャップの各エンドキャップがプリズムである。
【0058】
上記の実施形態においては、各光ファイバが個別のエンドキャップに光学的に結合される。しかしながら、いくつかの実施形態においては、複数の光ファイバのうち2本以上の光ファイバが単一のエンドキャップに結合され得る。いくつかの実施形態においては、2本以上の光ファイバを1つのエンドキャップに光学的に結合することは、例えばエンドキャップを使用して2本以上の光ファイバの相対位置を強制することによって、光ファイバの位置合わせを有利に簡略化し得る。図3Cは、そのような一実施形態を示す。図示される実施形態においては、2本の光ファイバ220の遠位端260がエンドキャップ250に結合されている。図示の実施形態においては、エンドキャップ250は2本のファイバに結合されているが、いくつかの実施形態においては、このような実施形態において1つのエンドキャップに結合される光ファイバの数は、2本、少なくとも5本、少なくとも10本、及び/又は任意の他の適切な数の光ファイバであり得る。いくつかの実施形態においては、1つのエンドキャップに結合される光ファイバの数は、50本以下、40本、30本、20本、10本、及び/又は任意の他の適切な数の光ファイバであり得る。これらの範囲の組み合わせが可能である。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステム内の全ての光ファイバが単一のエンドキャップに結合される。他の実施形態においては、個別のエンドキャップに接続された複数のグループの光ファイバも使用され得る。
【0059】
図3Dは、特定の実施形態による、光ファイバ220の別の例示的なエンドキャップを図示する。この実施形態では、エンドキャップ250は、光ファイバ220の遠位端260に配設され光学的に結合されたマイクロレンズ(例えば凸状マイクロレンズ)である。この実施形態では、エンドキャップは光ファイバ220の遠位端260と同じ最大横方向寸法を有しているが、エンドキャップ250の遠位表面262の表面積は、光ファイバ220の遠位端260の断面積(例えば光ファイバのコアの伝送面積)よりも大きい。この実施形態では、エンドキャップはマイクロレンズとして機能し得、伝送されるレーザエネルギを、光ファイバを出ていくときに、所望の焦点に有利に集束させ得る。これは、光ファイバよりも下流に配設されたマイクロレンズアレイ及び他の光学コンポーネントを使用した後続の集束の必要性を低減させ得る。また、遠位表面262の曲率が、関連するレーザ源に向かう上流軸方向のレーザエネルギの後方反射を低減させ得る。これは、反射されたレーザエネルギのうちレーザエネルギ源に到達する部分を有利に低減させ得る。
【0060】
図3Dに示されるマイクロレンズエンドキャップは光ファイバと同じ最大横方向寸法を有するが、マイクロレンズを備えるエンドキャップの他のバリエーションが可能である。例えば、図3Eは、光ファイバ220の遠位端に配設され光学的に結合された例示的なエンドキャップ250を示し、エンドキャップは近位円筒形部分と遠位凸状マイクロレンズ部分とを備えている。図3Aから図3Dに記載された実施形態と同様に、エンドキャップ250の遠位凸状マイクロレンズ部分の外面であるエンドキャップ250の遠位表面262は、光ファイバ220の遠位端260の断面積よりも大きい表面積を有する。上記と同様に、このような構造は、伝送されるレーザエネルギの伝送面積を増加させ得ると共に、エンドキャップを離れていく伝送されるレーザエネルギを集束させ得る。図3Fは、2本の光ファイバ220の遠位端260がエンドキャップ250に結合されている一実施形態を示す。図3Fにおいて、エンドキャップ250は図3Bのエンドキャップ250と同様であり、エンドキャップの本体が複数の光ファイバに光学的に結合されている。しかしながら、このエンドキャップは、図3Eに示されるエンドキャップ250の凸状マイクロレンズ部分と同様の2つの凸状マイクロレンズ部分264を含む、光ファイバから離れる向きに配向された遠位表面262も含む。このように、いくつかの実施形態においては、1つのエンドキャップが複数のマイクロレンズ部分を備え、各マイクロレンズ部分は複数の光ファイバのうち対応する1本の光ファイバと位置合わせされる。いくつかの実施形態においては、複数のマイクロレンズ部分は、個々のマイクロレンズとして作用し得る。例えば、マイクロレンズ部分は、光ファイバから離れる向きに配向されたエンドキャップの遠位表面に沿って分布するマイクロレンズのアレイを形成してもよい。非限定的な一例として、図3Fのエンドキャップ250は、2つの凸状マイクロレンズ部分264を備えている。しかしながら、他の実施形態においては、そのような一実施形態において1つのエンドキャップに結合される凸状マイクロレンズ部分の数は、2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、及び/又は任意の他の適切な数の凸状マイクロレンズ部分であり得る。いくつかの実施形態においては、1つのエンドキャップの凸状マイクロレンズ部分の数は、50個以下、40個、30個、20個、10個、及び/又は任意の他の適切な数の凸状マイクロレンズ部分である。これらの範囲の組み合わせが、例えば、2個と50個との間であり得るか又はこれらに等しい数のマイクロレンズ部分が形成された1つのエンドキャップであって、それらのマイクロレンズ部分が対応する数の光ファイバと位置合わせされているものを含めて、可能である。上述のように、いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステム内の各光ファイバが単一の凸状マイクロレンズ部分に光学的に結合される。例えば、図3Eの光ファイバ220は、エンドキャップ250の遠位端262によって形成されるエンドキャップ250の凸状マイクロレンズ部分に光学的に結合されている。いくつかの実施形態においては、アディティブマニュファクチャリングシステム内の全ての光ファイバが異なる凸状マイクロレンズ部分に結合される。例えば、再び図3Fを参照すると、各光ファイバ220は異なる凸状マイクロレンズ部分に光学的に結合されている。
【0061】
図3Aから図3Fは可能なエンドキャップ構造を表しているが、これらは非限定的であること、及び任意の適当なエンドキャップジオメトリが使用され得ることが理解されるべきである。加えて、単一のシステム内で異なるタイプのエンドキャップの組み合わせが使用される実施形態も企図される。
【0062】
とは言うものの、いくつかの実施形態においては、1つ以上のエンドキャップの各エンドキャップは、1本以上の関連する光ファイバの遠位端に配設され光学的に結合されたブロック、円筒、プリズム、及びマイクロレンズからなるグループから選択される。
【0063】
図4Aから図4Bは、特定の実施形態による例示的な位置合わせ固定治具224及びエンドキャップ250の正面図を示す。図4Aに図示される実施形態では、位置合わせ固定治具は、固定治具の第1の部分に形成された複数のv字溝を含む。v字溝の各々は2つの対向する角度をつけられた表面を含み、これらの表面は内向きに傾斜していて、それにより所与のv字溝内に位置決めされた光ファイバ及び/又はエンドキャップ250は、関連するv字溝の内向きに角度を付けられた表面に当接して配設される。v字溝が図の平面内に向かって配向された軸方向に延在するように、v字溝は互いに平行であってもよい。これは、光ファイバ及びエンドキャップと所望の伝送方向とを位置合わせするのに役立ち得る。加えて、V字溝の幅及び深さ、並びに光ファイバ及び/又はエンドキャップの対応する横方向寸法を適切に制御することによって、光ファイバ及び/又はエンドキャップは、示される図の平面内に向かって延びる光ファイバの軸長に垂直であり得る水平方向及び垂直方向の両方で容易に位置決めされ得る。
【0064】
図示される実施形態においては、光ファイバ及び/又はエンドキャップ250は、v字溝が形成されている位置合わせ固定治具の第1の部分とは反対側の光ファイバ及び/又はエンドキャップの表面に当接して配設された位置合わせ固定治具224の第2の部分によって、関連するv字溝280内に保持され得る。位置合わせ固定治具の第1の部分と第2の部分とは、接着剤、締結具、機械的インターロック機構、溶接、及び/又は任意の他の適切なタイプの接続を含むがこれらに限定されない任意の適切な様式で互いに結合され得る。図示される実施形態においては、v字溝は、位置合わせ固定治具の単一の部分に形成されており、v字溝内に位置決めされるエンドキャップが線形アレイ状に位置決めされるように互いに均一に離間している。もっとも、図4Bに示されるように、位置合わせ固定治具は、位置合わせ固定治具の複数の部分に形成されたv字溝を含んでいてもよい。例えば、第1組の光ファイバ及び/又はエンドキャップが、位置合わせ固定治具の第1の部分に形成された第1組のv字溝内に位置決めされ得る。第1組の光ファイバ及び/又はエンドキャップは、第1組のv字溝内に、その上に配設された位置合わせ固定治具の第2の部分によって、第1組の光ファイバ及び/又はエンドキャップが間に配設された状態で保持され得る。位置合わせ固定治具の第2の部分には、位置合わせ固定治具の第1の部分とは反対側に、第2組のv字溝が、その中に配設される第2組の光ファイバ及び/又はエンドキャップを収容するために形成され得る。この層状配置は、二次元アレイ状の所望の数の行を提供するように、任意の数の層にわたって継続され得る。もっとも、図示される実施形態においては、位置合わせ固定治具の第3の部分が位置合わせ固定治具の第2の部分の上に配設され、第2組の光ファイバ及び/又はエンドキャップが間に配設されている。
【0065】
上記の実施形態では、エンドキャップは、位置合わせ固定治具内で、任意の適当な配向及び/又は位置で位置合わせされ得る。例えば、図4Aの線形アレイのエンドキャップは、所望の用途に応じて、規則的に離間していてもよく、又は不規則的に離間していてもよい。同様に、図4Bの二次元アレイは、複数の規則的及び/又は不規則的に離間した光ファイバ及び/又はエンドキャップを含み得る。二次元アレイは任意の適切な構成を有し得る。例えば、二次元アレイは、正方形アレイ、長方形アレイ、六角形アレイ、単斜晶系アレイ、及び/又は任意の他の適切なレイアウトであってもよい。
【0066】
特定の実施形態においては、複数の光ファイバが1つ以上のエンドキャップに光学的に結合される。特定の用途では、1つ以上のエンドキャップの最遠位端を所望の軸方向位置の所定の範囲内に位置決めすることが望ましいであろう。これにより、エンドキャップはエンドキャップよりも下流に位置する他の光学素子に対して適切に位置決めされ得、それによって所望の光学特性及び/又はアディティブマニュファクチャリングシステムのビルド表面上に伝送されるレーザエネルギの制御が提供され得る。いくつかのそのような実施形態においては、1つ以上のエンドキャップの各々の遠位端は、システム内の所定の軸方向位置から20ミクロン以内、15ミクロン以内、12ミクロン以内、10ミクロン以内、5ミクロン以内、2ミクロン以内、又は任意の他の適切な距離に位置決めされ得る。いくつかの実施形態においては、1つ以上のエンドキャップの長さの均一性を、目標長の所定の公差内に維持することも望ましいかもしれない。1つ以上のエンドキャップの長さに関するこの公差は、1つ以上のエンドキャップの最遠位表面の軸方向位置の全体的公差について上述された範囲と同一又はそれ未満であってもよい。当然ながら、エンドキャップの位置決め及び長さに関連する公差の範囲が上述されてはいるが、本開示はこの様式に限定されないので、上述のものより大きい及び小さい任意の適切な公差も企図されることが理解されるべきである。
【0067】
図5は、特定の実施形態による、2つのエンドキャップ250及び対応する光ファイバ220を有する位置合わせ固定治具224の一部を上から見た図を示す。この実施形態では、エンドキャップ250は、v字溝280内に配設されると共にそれらのv字溝によって支持されている。いくつかの実施形態においては、光ファイバはまた、図示しない、エンドキャップに関連するv字溝と位置合わせされた個別の対応するv字溝内に配設されてもよく、これは、光ファイバのうち位置合わせ固定治具内でエンドキャップに接続された部分を支持するのに役立ち得る。上述のように、1つ以上のエンドキャップの遠位端の一部を所定の軸方向位置に対して正確に位置決めすることが望ましいであろう。そのような一実施形態においては、エンドキャップの遠位表面282が、位置合わせ固定治具の遠位部分に配置された、ブロック、シート、又は平坦な近位表面を含む他の構造体など、1つ以上の透過性構造体の近位表面に当接して配設され得る。1つ以上の透過性構造体の近位表面は、1つ以上のエンドキャップの遠位端をこの表面に当接させて設置することでエンドキャップの遠位端が所定の軸方向位置で互いに正確且つ容易に位置合わされ得るように、正確に位置決めされ得る。
【0068】
別の一実施形態においては、システムの1つ以上のエンドキャップの遠位端の所定の軸方向位置での位置合わせは、支持構造体に対するエンドキャップの近位表面(例えば、光ファイバを通したレーザエネルギの伝送の方向に関して上流方向に配向されたエンドキャップの表面)の整合によって提供され得る。例えば、図6は、位置合わせ固定治具224の一部の図を、図示されるv字溝280内に光ファイバ220が配設された状態で示しているが、エンドキャップ250は位置合わせ固定治具224のv字溝を越えて外へ延在している。エンドキャップの近位表面288は、位置合わせ固定治具のうちv字溝が形成されている部分の遠位方向に配向された表面286又は他の適切な構造体上に配設され得る。この支持表面の位置及び均一性を正確に制御することによって、エンドキャップの遠位表面282を所定の軸方向位置で互いに容易且つ正確に位置合わせすることが可能になり得る。そのような一実施形態においては、1つ以上のエンドキャップの最遠位端の位置合わせは、個々のエンドキャップの長さの相対的均一性にも依存し得る。
【0069】
図7は、光ファイバ220及びエンドキャップ250が対応するv字溝280内に配設された状態の、位置合わせ固定治具224の一部の更に別の一実施形態を示す。上記と同様に、エンドキャップの遠位表面282は、エンドキャップの遠位端を所定の軸方向位置で互いに位置合わせするために、透過性構造体284の近位表面に当接して配設され得る。もっとも、この実施形態では、エンドキャップは、透過性構造体に形成された対応するサイズ及び形状の凹部に収容されてもよい。
【0070】
上記の実施形態においては、位置合わせ固定治具内で光ファイバ及びエンドキャップを位置決め及び配向するための具体的な構造体及びv字溝が示されてきた。しかしながら、他の適切なタイプの位置合わせ機構も使用され得ることが理解されるべきである。例えば、エンドキャップは、位置合わせ固定治具の対応する部分を部分的に又は完全に貫通して延在し得る1つ以上の対応する穴に収容されてもよい。他の適切なタイプの位置合わせ機構は、v字溝、穴、光学くさび、及び光学ブロックを含み得るが、これらに限定されない。加えて、本開示はこの方式に限定されないので、エンドキャップは、これらの種々のタイプの位置合わせ固定治具において、上記の実施形態に示される構造、並びにv字溝、穴、光学くさび、光学ブロック、及び/又はエンドキャップの遠位端を適切に位置決めすることができる任意の他の位置合わせ機構を使用する他の構造体を含む、任意の適切な構造を使用して、所望の軸方向の場所と位置合わせされ得る。
【0071】
図8は、特定の実施形態による、エンドキャップの線形アレイからマイクロレンズの線形アレイへのレーザエネルギの伝送を示す。図5から図7と同様に、図8は、特定の実施形態による、位置合わせ固定治具224の一部、エンドキャップ250、及び光ファイバ220の上から見た図を示す。この実施形態では、図5と同様に、エンドキャップ250は、v字溝280内にあって透過性構造体282の近位表面284に当接して整合されており、その結果、エンドキャップ250の最遠位端は、所望の軸方向位置と位置合わせされている。しかしながら、1つ以上の光ファイバ及びエンドキャップが内部に位置決めされた任意の適切な位置合わせ固定治具が使用されてもよい。この実施形態では、エンドキャップ250から伝送されたレーザエネルギ208が、エンドキャップのアレイと位置合わせされたアレイ状に配置された複数の個別のマイクロレンズ276に向けられる。図9図8と同様である。しかしながら、この実施形態では、マイクロレンズ276は、個々のマイクロレンズが単一構造体で形成されたマイクロレンズアレイの形態で提供されている。図10図8から図9と同様である。しかしながら、この実施形態では、1つ以上のエンドキャップの遠位表面から伝送されたレーザエネルギ208が、1つ以上のエンドキャップから伝送されたレーザエネルギを集束させるために使用され得るマクロレンズ278上に向けられる。
【0072】
上記の実施形態では、伝送されたレーザエネルギは、マイクロレンズ又はマクロレンズに入射するものとして図示されている。しかしながら、本開示はそのように限定されないので、光ファイバ及び関連するエンドキャップよりも下流に位置する光学素子の任意の適切な組み合わせが使用され得ることが理解されるべきである。例えば、マクロレンズとマイクロレンズとの両方が、互いに組み合わせて、光ファイバ及びエンドキャップに対して下流の位置で、使用されてもよい。よって、図示された実施形態は、開示された光ファイバ及びエンドキャップの使用を何らかの特別のシステム構成に限定するものと見なされるべきではない。
【0073】
以下の例は、本開示の特定の実施形態を例示することを意図しているが、本開示の全範囲を例示するものではない。
【0074】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書に記載され例示されているが、当業者は、本明細書に記載される機能を実行するため及び/又は結果を及び/又は利点のうち1つ以上を得るための種々の他の手段及び/又は構造を容易に想定するであろうし、そのようなバリエーション及び/又は修正の各々は本開示の範囲内にあると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例示的であることを意図されていること、及び実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は本開示の教示が用いられる具体的な1つ又は複数の用途に応じて決まるであろうことを、容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される本開示の具体的な実施形態の多くの均等物を、認識するか、又は単なる日常的な実験を用いて確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示されるものであること、並びに、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、具体的に記載され特許請求されているのとは異なって実施され得ることが理解されるべきである。本開示は、本明細書に記載される個々それぞれの機構、システム、物品、材料、及び/又は方法に向けられたものである。また、2つ以上のそのような機構、システム、物品、材料、及び/又は方法の任意の組み合わせは、そのような機構、システム、物品、材料、及び/又は方法が相互に矛盾しなければ、本開示の範囲内に含まれる。
【0075】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される不定冠詞「a」及び「an」は、そうでない旨の明示のない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
【0076】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される「及び/又は」というフレーズは、そのように結合された要素、すなわち、ある場合には連言的に存在し他の場合には選言的に存在する要素の、「一方又は両方」を意味するものと理解されるべきである。そうでない旨の明示のない限り、「及び/又は」の節によって具体的に特定される要素以外に、それらの具体的に特定される要素と関連するか又は関連しないかを問わず、他の要素が任意選択的に存在し得る。よって、非制限的な一例として、「備える」などのオープンエンドの文言と関連して用いられる場合、「A及び/又はB」というときには、一実施形態ではBなしのA(任意選択的にB以外の要素を含む)を、別の一実施形態ではAなしのB(任意選択的にA以外の要素を含む)を、更に別の一実施形態ではA及びBの両方(任意選択的に他の要素を含む)を指す可能性がある、といった具合である。
【0077】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられるとき、「又は」は、上記で定義した「及び/又は」と同じ意味を有するものとして理解されるべきである。例えば、列挙されている項目を分ける場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的なものとして、すなわち、いくつかの又は列挙された要素のうち少なくとも1つを包含するが、1つより多くも含み、そして任意選択的には追加的な列挙されていない項目も含むものとして、解釈されるものとする。「~のうち1つのみ」もしくは「~のうちただ1つのみ」、又は特許請求の範囲において用いられるときには「~からなる」など、そうではないと明示されている用語のみが、いくつかの又は列挙された要素のうちただ1つの要素を含むことを指す。概して、本明細書において用いられる「又は」という用語は、前に「いずれか」、「~のうち1つ」、「~のうち1つのみ」、又は「~のうちただ1つ」のような排他性の用語があるときには、排他的な代替案(すなわち「一方又は他方であるが両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「本質的に~からなる」は、特許請求の範囲において用いられるときには、特許法の分野において用いられる通常の意味を有するものとする。
【0078】
本明細書及び特許請求の範囲で用いられるとき、列挙された1つ以上の要素を参照する「少なくとも1つ」という句は、その要素の列挙の中の要素のうち任意の1つ以上から選択された少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしもその要素の列挙の中に具体的に列挙された一つ一つの要素のうち少なくとも1つを含むわけではなく、その要素の列挙の中の要素の任意の組み合わせを排除しないものとして理解されるべきである。この定義は、具体的に特定される要素と関連するか又は関連しないかを問わず、「少なくとも1つ」という句が指す要素の列挙において具体的に特定される要素以外に要素が任意選択的に存在し得ることも可能にする。よって、非制限的な一例として、「A及びBのうち少なくとも1つ」(又は同様に「A又はBのうち少なくとも1つ」、又は同様に「A及び/又はBのうち少なくとも1つ」)は、一実施形態においては、Bは存在せず(及び任意選択的にはB以外の要素を含み)、少なくとも1つの、任意選択的には1つよりも多くのAを指す可能性があり、別の一実施形態においては、Aは存在せず(及び任意選択的にはA以外の要素を含み)、少なくとも1つの、任意選択的には1つよりも多くのBを指す可能性があり、更に別の一実施形態においては、少なくとも1つの、任意選択的には1つよりも多くのAと、少なくとも1つの、任意選択的には1つよりも多くのBと(及び任意選択的には他の要素を含む)を指す可能性がある、といった具合である。
【0079】
いくつかの実施形態は方法として具現化されてもよく、その種々の例が説明されている。方法の一部として実行される行為は、任意の適当な方法で順序付けされてもよい。したがって、たとえ具体的に上述された実施形態において行為が順次実行されるものとして示されていても、例示されたものとは異なる順序で行為が実行される実施形態が構築される場合があり、これは、説明されたものとは異なる(例えばより多い又はより少ない)行為を含むかもしれず、及び/又はいくつかの行為を同時に実行することを伴い得る。
【0080】
特許請求の範囲における、構成要素を修飾するための「第1」、「第2」、「第3」等のような順序の用語の使用は、それだけではある構成要素の別の構成要素に対する優先、先行、もしくは順序、又は方法の行為が実施される時間的順序を何ら暗示するものではなく、構成要素を区別するべく、特定の名前を有する1つの構成要素を(順序の用語の使用を除けば)同じ名前を有する別の1つの構成要素と区別するための標示としてのみ用いられるものである。
【0081】
特許請求の範囲において、及び上述の明細書において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「伴う」、「保持する」などの全ての移行句は、オープンエンドのもの、すなわち含むが限定されないことを意味するものとして理解されるべきである。合衆国特許審査便覧第2111.03章に記載されているように、「~からなる」及び「本質的に~からなる」という移行句のみが、それぞれクローズド又はセミクローズド移行句とされる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】