(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】流れ制御要素及びこれを備えた流体装置
(51)【国際特許分類】
B01D 24/48 20060101AFI20240822BHJP
B01D 29/01 20060101ALI20240822BHJP
B01D 29/07 20060101ALI20240822BHJP
F01M 1/10 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B01D29/36 A
B01D29/04 510A
B01D29/04 530B
B01D29/06 510E
F01M1/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502024
(86)(22)【出願日】2022-08-23
(85)【翻訳文提出日】2024-03-11
(86)【国際出願番号】 US2022075305
(87)【国際公開番号】W WO2023028465
(87)【国際公開日】2023-03-02
(32)【優先日】2021-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515072336
【氏名又は名称】フィルトラン・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ペカルスキー,レフ
(72)【発明者】
【氏名】ハリル,イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,カール エス.
(72)【発明者】
【氏名】サーリ,エリック アラン
【テーマコード(参考)】
3G313
4D116
【Fターム(参考)】
3G313AB01
3G313BD09
3G313FA01
3G313FA04
4D116AA01
4D116BB01
4D116BC03
4D116BC06
4D116BC14
4D116BC77
4D116DD02
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4D116EE06
4D116EE07
4D116QA34C
4D116QA34D
4D116QC04A
4D116QC05A
4D116QC15A
4D116QC32A
4D116VV03
(57)【要約】
流れ制御要素(FCE)及びそれを含む流体装置について説明する。実施形態では、流れ制御要素(FCE)は、前面、背面、左側面、及び、右側面を備えた本体を備える。本体は更に、ベース領域、上部領域、及び、ベース領域と上部領域との間の中間領域を備える。FCEは、流体流(より具体的には、FCEの前後の圧力差)に応じて移動して、FCEを通過する流体の流れを規制するように構成される。実施形態では、FCEは、車両のトランスミッション用の吸込フィルタなどであるが、これに限定されない、車両用の流体装置に備えられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面と、背面と、左側面と、右側面と、ベース領域と、上部領域と、前記ベース領域と前記上部領域との間の中間領域と、を有する本体を備えた流体装置用の流れ制御要素であって、
前記流れ制御要素が、流体の流れから生じる前記前面と前記背面との差圧に応じて、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間を移動するように構成され、
前記第1の位置において、前記中間領域及び前記上部領域が実質的に変形されず、
前記第2の位置において、前記上部領域の少なくとも一部分が前記背面に向かって変形され、
前記第3の位置において、前記中間領域の少なくとも一部分が前記背面に向かって変形される、流れ制御要素。
【請求項2】
軸Aが、前記中間領域を通って、前記左側面及び前記右側面を通って延び、
前記流れ制御要素の少なくとも一部分が、前記流れ制御要素が前記第1の位置から前記第2の位置に、及び前記第2の位置から前記第3の位置に移行するときに前記軸Aを中心に曲がる、請求項1の流れ制御要素。
【請求項3】
前記ベース領域が、前記左側面と前記右側面との間に厚さT1を有し、
前記中間領域が、前記左側面と前記右側面との間に延在する凹部であって、前記左側面と前記右側面との間に厚さT2を有する凹部を備え、
T2<T1である、請求項1の流れ制御要素。
【請求項4】
前記凹部が、下縁及び上縁を備え、
前記流れ制御要素が更に、前記下縁と前記上縁との間に延在する少なくとも1つの屈曲規制要素であって、前記流れ制御要素を前記第1の位置から前記第2の位置に、及び前記第2の位置から前記第3の位置に移行させるのに必要な差圧の量を規制するように構成された、少なくとも1つの屈曲規制要素を備える、請求項3の流れ制御要素。
【請求項5】
前記少なくとも1つの屈曲規制要素が、前記凹部を複数の副凹部に分割する、請求項4の流れ制御要素。
【請求項6】
前記少なくとも1つの屈曲規制要素が、それぞれが前記下縁と前記上縁との間に延在する複数の屈曲規制要素を含む、請求項4の流れ制御要素。
【請求項7】
前記上部領域が、少なくとも第1のタブと前記第1のタブに隣接した第2のタブとを含む複数のタブを備え、
前記上部領域が更に、前記第1のタブと前記第2のタブとの間に少なくとも第1の上部開口部を備え、
前記少なくとも1つの上部開口部が、前記前面及び前記背面を通って延びて前記第1のタブと前記第2のタブとの間に空間を画定する、請求項1の流れ制御要素。
【請求項8】
前記上部領域が、少なくとも第1のタブと前記第1のタブに隣接した第2のタブとを含む複数のタブを備え、
前記上部領域が更に、前記第1のタブと前記第2のタブとの間に少なくとも第1の上部開口部を備え、
前記少なくとも1つの上部開口部が、前記前面及び前記背面を通って延びて前記第1のタブと前記第2のタブとの間に空間を画定する、請求項4の流れ制御要素。
【請求項9】
前記少なくとも1つの屈曲規制要素が、前記下縁と前記上縁との間に延在する複数の屈曲規制要素を含む、請求項8の流れ制御要素。
【請求項10】
前記ベース領域が、前記背面から延在する少なくとも1つのスタンドオフであって、前記流れ制御要素が前記流体装置の取付場所に取り付けられるときに、前記流れ制御要素の前記背面と前記取付場所の側壁との間に空間を画定するように構成された、少なくとも1つのスタンドオフを備える、請求項1の流れ制御要素。
【請求項11】
前記ベース領域が更に、前記背面から延在する第1の保持要素であって、前記流れ制御要素が前記取付場所に取り付けられるときに、前記取付場所の第2の保持要素と相互作用して前記流れ制御要素を前記取付場所の内部に保持するように構成された、第1の保持要素を備える、請求項10の流れ制御要素。
【請求項12】
前記ベース領域が更に、前記前面から前記背面に延びる少なくとも1つの下部開口部を備える、請求項1の流れ制御要素。
【請求項13】
前記少なくとも1つの下部開口部が、それぞれが前記前面から前記背面に延びる複数の下部開口部であって、少なくとも第1の下部開口部と、前記第1の下部開口部に隣接した第2の下部開口部と、を含む、複数の下部開口部を含み、
前記ベース領域が、前記背面から延在して、前記流れ制御要素の前記背面と前記流体装置における取付場所の側壁との間に空間を画定する少なくとも第1のスタンドオフを備える、請求項12の流れ制御要素。
【請求項14】
取付場所を備えたフレーム要素と、
前記取付場所の内部に配設された流れ制御要素であって、前面と、背面と、左側面と、右側面と、ベース領域と、上部領域と、前記ベース領域と前記上部領域との間の中間領域と、を有する本体を備えた、流れ制御要素と、
を備え、
前記流れ制御要素が、流体の流れから生じる前記前面と前記背面との差圧に応じて、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間を移動するように構成され、
前記第1の位置において、前記中間領域及び前記上部領域が実質的に変形されず、
前記第2の位置において、前記上部領域の少なくとも一部分が前記背面に向かって変形され、
前記第3の位置において、前記中間領域の少なくとも一部分が前記背面に向かって変形される、
流体装置。
【請求項15】
軸Aが、前記中間領域を通って、前記左側面及び前記右側面を通って延び、
前記流れ制御要素の少なくとも一部分が、前記流れ制御要素が前記第1の位置から前記第2の位置に、及び前記第2の位置から前記第3の位置に移行するときに前記軸Aを中心に曲がる、請求項14の流体装置。
【請求項16】
前記ベース領域が、前記左側面と前記右側面との間に厚さT1を有し、
前記中間領域が、前記左側面と前記右側面との間に延在する凹部であって、前記左側面と前記右側面との間に厚さT2を有する凹部を備え、
T2<T1である、請求項14の流体装置。
【請求項17】
前記凹部が、下縁及び上縁を備え、
前記流れ制御要素が更に、前記下縁と前記上縁との間に延在する少なくとも1つの屈曲規制要素であって、前記流れ制御要素を前記第1の位置から前記第2の位置に、及び前記第2の位置から前記第3の位置に移行させるのに必要な差圧の量を規制するように構成された、少なくとも1つの屈曲規制要素を備える、請求項16の流体装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの屈曲規制要素が、前記凹部を複数の副凹部に分割する、請求項17の流体装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの屈曲規制要素が、それぞれが前記下縁と前記上縁との間に延在する複数の屈曲規制要素を含む、請求項17の流体装置。
【請求項20】
前記上部領域が、少なくとも第1のタブと前記第1のタブに隣接した第2のタブとを含む複数のタブを備え、
前記上部領域が更に、前記第1のタブと前記第2のタブとの間に少なくとも第1の上部開口部を備え、
前記少なくとも1つの上部開口部が、前記前面及び前記背面を通って延びて前記第1のタブと前記第2のタブとの間に空間を画定する、請求項14の流体装置。
【請求項21】
前記上部領域が、少なくとも第1のタブと前記第1のタブに隣接した第2のタブとを含む複数のタブを備え、
前記上部領域が更に、前記第1のタブと前記第2のタブとの間に少なくとも第1の上部開口部を備え、
前記少なくとも1つの上部開口部が、前記前面及び前記背面を通って延びて前記第1のタブと前記第2のタブとの間に空間を画定する、請求項17の流体装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つの屈曲規制要素が、前記下縁と前記上縁との間に延在する複数の屈曲規制要素を含む、請求項21の流体装置。
【請求項23】
前記取付場所が、第1の取付側壁と、第2の取付側壁と、底部と、を備え、
前記ベース領域が、前記背面から延在する少なくとも1つのスタンドオフを備え、
前記流れ制御要素の前記背面と前記第2の取付側壁との間に、前記少なくとも1つのスタンドオフにより少なくとも部分的に画定された空間が存在する、請求項14の流体装置。
【請求項24】
前記ベース領域が更に、前記第1の面から前記第2の面に延びる少なくとも1つの下部開口部を備える、請求項23の流体装置。
【請求項25】
上部ハウジングシェルと、下部ハウジングシェルと、を更に備え、
前記フレーム要素が、周囲フレームと少なくとも第1のフィルタ媒体とを備え、
前記周囲フレームが、第1のフレーム側壁対と第2のフレーム側壁対とを備え、
前記上部ハウジングシェル、前記下部ハウジングシェル、及び、前記周囲フレームのうちの少なくとも2つが互いに結合されて、前記フレーム要素が少なくとも前記上部ハウジングシェルの第1の内向き面と前記下部ハウジングシェルの第2の内向き面との間にあるチャンバを画定する、請求項14の流体装置。
【請求項26】
前記ベース領域が、前記流れ制御要素の前記背面から延在する第1の保持要素を備え、
前記取付場所が、第1の取付側壁と、第2の取付側壁と、底部と、前記第2の取付側壁から延在する第2の保持要素と、を備え、
前記流れ制御要素が、前記第1の保持要素と前記第2の保持要素との間の相互作用により、前記取付場所に少なくとも部分的に結合される、請求項25の流体装置。
【請求項27】
前記第1のフィルタ媒体が、第1の濾過密度を有し、
前記フレーム要素が更に、前記第1の濾過密度と同じであるか又は異なる第2の濾過密度を有する第2のフィルタ媒体を備える、請求項26の流体装置。
【請求項28】
前記第1のフィルタ媒体が、複数の第1の媒体列に分割され、
前記第2のフィルタ媒体が、複数の第2の媒体列に分割され、
前記第1の媒体列の数が、前記第2の媒体列の数と同じであるか又は異なる、請求項27の流体装置。
【請求項29】
前記第1の媒体列の数が、前記第2の媒体列の数と異なる、請求項28の流体装置。
【請求項30】
前記下部ハウジングシェルが、流体流が前記流体装置に流入するための流体入口を備え、
前記フレーム要素が、前記流体が前記流体装置から流出するための流体出口を備える、請求項25の流体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本開示は、流れ制御要素及びこれを備えた流体装置に関する。具体的には、本開示は、これに限定されないが、トランスミッション用の吸込フィルタなどの吸込フィルタに使用される流れ制御要素に関する。
【背景技術】
【0002】
[002] 様々なタイプの濾過デバイス及び流体制御要素が知られている。例えば、車両用途(例えば、車両エンジン、トランスミッションなど)で使用される濾過デバイスが広く知られている。車両用途で使用される一部の濾過デバイスは、濾過媒体(本明細書では「フィルタ媒体」又は単に「媒体」とも称される)、例えば、流体に対して透過性がある一方、流体に混入し得る粒子やその他の汚染物質を捕捉するフェルトタイプの又はプリーツ媒体などのためのチャンバを形成するハウジングを備える。一部のフィルタでは、所望のフィルタ性能特性に応じて、1つ以上のタイプのフィルタ媒体がハウジングに含まれる。
【0003】
[003] 例えば、一部のトランスミッション吸込フィルタは2つのタイプのフィルタ媒体を含み、その結果、流体が冷たく粘性が高い場合には流体が主に第1のタイプの媒体を通って流れる一方、流体が暖かく粘度が低い場合には流体が第1のタイプの媒体と第2のタイプの媒体の両方を通って流れる。このような吸込フィルタには、様々な動作条件下で流体の流れを規制するための流れ制御要素が含まれることがある。例えば、米国特許第9,764,261号は、圧力降下に基づいて2つの媒体タイプ間のオリフィスのサイズを受動的に調節するバネ調節ヒンジバルブを含む2層流体フィルタを開示している。同様に、米国特許第10,753,241号は、第1のフィルタ媒体及び第2のフィルタ媒体を支持するフィルタパックを含む流体フィルタを開示しており、流れ制御要素が第1及び第2のフィルタ媒体の間の取付場所に配設されている。
【0004】
[004] ‘261特許及び‘241特許に記載されているヒンジバルブ及び流れ制御要素は有用であるが、制限がないわけではない。例えば、‘261特許及び‘241特許に記載されているヒンジバルブ及び流れ制御要素は、その構成及び動作特性により、流体フィルタ装置内で比較的大きな面積を占める傾向がある。これは、特に流体フィルタ装置(すなわち、ハウジング)の物理的サイズが、設置される場所のサイズなどの他の要因によって決定されることがあるため、そのようなフィルタで使用し得る媒体の量を制限する。これによって、流体フィルタの耐用年数が短くなる、及び/又は濾過性能が影響を受ける可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
[005] したがって、当技術分野では、様々な用途、特に流体濾過用途のための改良された流れ制御要素の必要性が依然として残っている。本開示は、その必要性を目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
[006] 特許請求される主題の実施形態の特徴及び利点は、以下の詳細な説明が進むにつれて、また図面を参照することによって明らかになるであろう。図面において、同様の番号は同様の部分を示している。
【0007】
【
図1】本開示と一致する流れ制御要素を備えた流体装置の分解斜視図である。
【
図2】上部ハウジングカバー及び下部ハウジングカバーを取り外した状態の、
図1の流体装置の斜視図である。
【
図5】上部ハウジングカバー、下部ハウジングカバー、及び第1及び第2の媒体が取り外された状態の、
図1の流体装置の上面図である。
【
図6】
図1の流体装置の取付場所における流れ制御要素の側断面図である。
【
図7】本開示と一致する流れ制御要素の斜視図である。
【
図13A】本開示と一致する流れ制御要素の別の例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[007] 本開示は、概して流れ制御要素及びこれを備えた流体装置に関する。具体的には、本開示は、車両トランスミッション用の吸込フィルタなどの流体フィルタに使用される流れ制御要素に関するが、これに限定されない。本開示は、流れ制御要素がトランスミッションフィルタなどの流体フィルタに関連して使用される実施形態に焦点を当てるが、流れ制御要素及び流体装置はそのような最終用途に限定されない。実際、本明細書に記載の流れ制御要素は、導管(例えば、パイプ、フィルタなど)を通る流体流が望まれる任意の用途に使用されることがある。
【0009】
[008] 本開示の態様は、流体装置用の流れ制御要素に関する。実施形態では、流れ制御要素(FCE)は本体を備え、本体は前面、背面、左側面、及び右側面を備える。本体は更に、ベース領域、上部領域、及びベース領域と上部領域との間の中間領域を備える。FCEは、流体流(より具体的には、FCEの前後の差圧)に応じて、第1の位置、第2の位置、及び第3の位置の間を移動して、FCEを通過する流体の流れを規制するように構成される。第1の位置では、中間領域及び上部領域は実質的に変形されない。第2の位置では、上部領域の少なくとも一部分がFCEの背面に向かって変形される。第3の位置では、中間領域の少なくとも一部分がFCEの背面に向かって変形される。実施形態では、中間領域はヒンジを含むか又はヒンジの形態をとり、ヒンジは流体流に応じてベース領域に対する上部領域の相対移動を制御することがある。
【0010】
[009] 本明細書で使用されるように、FCEの一部分に関して使用される場合の「実質的に変形されない」という用語は、FCEの関連部分がデフォルト位置に従って配向されていることを意味し、デフォルト位置は、FCEの前面から背面への流体流がない場合の関連要素の位置である。それを念頭に置いて、FCEの関連部分に関して使用される場合の「変形される」という用語は、関連位置がそのデフォルト位置に対して移動したことを意味する。以下に説明するように、実施形態では、本明細書に記載のFCEは、その前面から背面への流体の流れに対する非線形応答を示すことがある。本明細書で使用されるように、「非線形応答」という用語は、FCEの関連部分が、FCEの前面と背面との間の第1の圧力P1以下の差圧に応じて実質的に変形されないままであるが、FCEの前後の差圧P2に応じて第1の程度に変形し、P2はP1よりも大きい。同様に、FCEの関連部分は、FCEの前後の差圧P3に応じて第2の程度に移動することがあり、P3>P2であり、第2の程度は第1の移動の程度と異なる。あるいは、本明細書に記載のFCEの全て又は一部分は、FCEの前後(すなわち、FCEの前面と背面と)の差圧に対して線形応答を示すことがある。そのような場合、FCEの関連部分は、P1以下のFCEの前後の差圧に応じて実質的に変形されないままであることがあるが、FCEの前後の差圧P2に応じて第1の程度に変形し、FCEの前後の差圧P3で第2の程度に変形することがあり、P2>P1、P3>P2であり、第1の程度及び第2の程度は互いに同じか又は実質的に同じである。換言すれば、FCEの関連部分の相対移動(すなわち、第1の程度、第2の程度など)は、所望の用途に応じて互いに同じであるか又は異なる場合がある。FCEの関連部分が非線形応答を示す実施形態では、第2の移動の程度は、例えば、2%を超えて、3%を超えて、4%を超えて、あるいは5%を超えて第1の程度と異なる。対照的に、FCEの関連部分が線形応答を示す場合、第2の移動の程度は、第1の移動の程度と同じか又は実質的に同じ(すなわち、2%未満の差)である。
【0011】
[0010] 本明細書に記載のいずれか又は全ての実施形態において、軸AがFCEの中間領域を通って、及び左側面及び右側面を通って延びることがある。そのような場合、FCEは、FCEが第1の(実質的に変形されていない)位置から第2の(第1の変形)位置へ、及び第2の(第1の変形)位置から第3の(セクション変形)位置へ移行するときに、FCEの少なくとも一部分が軸Aを中心に曲がるように構成される。
【0012】
[0011] 本明細書に記載のいずれか又は全ての実施形態において、ベース領域は、FCEの前面と裏面との間に厚さT1を有することがある。場合によっては、中間領域は、FCEの左側面と右側面との間に延在する凹部を(例えば、FCEの背面又は前面に)備えることがある。凹部は、FCEの前面と背面との間に厚さT2を有することがあり、T2<T1である。場合によっては、凹部は下縁及び上縁を備え、FCEは更に、下縁と上縁との間に延在する少なくとも1つの屈曲規制要素を備える。屈曲規制要素は、流れ制御要素を第1の(実質的に変形されていない)位置から第2の(第1の変形)位置へ、及び第2の(第1の変形)位置から第3の(第2の変形)位置へ移行させるのに必要な力の量(例えば、流れ制御要素の前面と背面との間の差圧の量)を規制するように構成されることがある。実施形態では、少なくとも1つの屈曲規制要素は、凹部を複数の副凹部に分割する。例えば、少なくとも1つの屈曲規制要素は、それぞれが凹部の下縁と上縁との間に延在する複数の屈曲規制要素を含むことがある。そのような場合、2つの隣接する屈曲規制要素はそれらの間に副凹部を画定することがある。同様に、副凹部が、屈曲規制要素とFCEの背面の隣接する左縁又は右縁との間に画定されることがある。実施形態では、複数の屈曲規制要素のそれぞれは、FCEの背面の凹部の下縁と上縁との間に延在することがある。更に別の実施形態では、FCEは凹部を備えず、1つ又は複数の屈曲規制要素がFCEの背面から延在する。そのような場合、1つ又は複数の屈曲規制要素は、流れ制御要素を第1の(実質的に変形されていない)位置から第2の(第1の変形)位置へ、及び第2の(第1の変形)位置から第3の(第2の変形)位置へ移行させるのに必要な力の量(例えば、流れ制御要素の前面と背面との間の差圧の量)を規制するように構成されることがある。
【0013】
[0012] 本明細書に記載のいずれか又は全ての実施形態において、ベース領域は、FCEの背面から延在する少なくとも1つのスタンドオフを備えることがある。そのような場合、少なくとも1つのスタンドオフは、FCEの背面と、FCEが設置され得る流体装置内の取付場所の側壁と、の間に空間を少なくとも部分的に画定するように構成されることがある。それら又は他の例では、ベース領域は更に、FCEの背面から延在する第1の保持要素を備えることがある。第1の保持要素は、FCEが取付場所に設置されるときに、第1の保持要素が取付場所の第2の保持要素と相互作用して、流れ制御要素を取付場所の内部に保持するように構成されることがある。
【0014】
[0013] 本明細書に記載の一部の実施形態では、ベース領域は更に、少なくとも1つの下部開口部を更に備えることがあり、少なくとも1つの下部開口部は、FCEの第1の面から第2の面まで延びることがある。実施形態では、少なくとも1つの下部開口部は、それぞれがFCEの第1の面から第2の面まで延びる複数の下部開口部を含む。場合によっては、複数の下部開口部は、少なくとも第1の下部開口部と第1の下部開口部に隣接した第2の下部開口部とを含む。他の実施形態では、ベース領域は1つ以上の下部開口部を備えないことがある、すなわち、そのような開口部は省略されることがある。
【0015】
[0014] 本開示の他の態様は流体装置に関する。一般に、流体装置は、取付場所を含むフレーム要素と、取付場所の内部に配設された(例えば、取付場所に結合された)本開示と一致する流れ制御要素(FCE)と、を備える。実施形態では、取付場所は、第1の取付側壁、第2の取付側壁、及び底部を備える。そのような場合、FCEのベース領域は、FCEの背面から延びる少なくとも1つのスタンドオフを備え、FCEの背面と第2の取付側壁との間に空間(ギャップ)が存在する。空間(ギャップ)は、少なくとも1つのスタンドオフによって少なくとも部分的に画定される。それら又は他の例では、FCEのベース領域は更に、FCEの第1の面からFCEの第2の面まで延びる少なくとも1つの下部開口部を備えることがある。
【0016】
[0015] 実施形態では、流体装置は更に、上部ハウジングシェルと下部ハウジングシェルとを備える。そのような場合、フレーム要素は、周囲フレームと少なくとも第1のフィルタ媒体とを備える。周囲フレームは、第1のフレーム側壁対と第2のフレーム側壁対とを備える。上部ハウジングシェル、下部ハウジングシェル、及び周囲フレームのうちの少なくとも2つが互いに結合されて、フレーム要素が少なくとも上部ハウジングシェルの第1の内向き面と下部ハウジングシェルの第2の内向き面との間にあるチャンバを画定する。それら又は他の実施形態では、FCEのベース領域は、FCEの背面から延在する第1の保持要素を備えることがあり、取付場所は、第1の取付側壁、第2の取付側壁、底部、及び第2の取付側壁から延在する第2の保持要素を備える。そのような場合、FCEは、第1の保持要素と第2の保持要素との間の相互作用により、少なくとも部分的に取付場所に結合される。
【0017】
[0016] 上記のように、フレーム要素は、周囲フレーム及び第1のフィルタ媒体を備えることがある。このような実施形態では、第1のフィルタ媒体は第1の濾過密度を有することがある。それら又は他の実施形態では、フレーム要素はまた、第2の濾過密度を有する第2のフィルタ媒体を備えることがあり、第2の濾過密度は、第1の濾過密度と同じであるか又は異なる。限定されることなく、実施形態では第2の濾過密度は第1の濾過密度と異なる。一部の実施形態では、第1のフィルタ媒体は複数の第1の媒体列に分割され、第2のフィルタ媒体は複数の第2の媒体列に分割され、第1の媒体列の数は第2の媒体列の数と同じであるか又は異なる。限定されることなく、実施形態では第1の媒体列の数は第2の媒体列の数と異なる。
【0018】
[0017] 本明細書に記載のいずれか又は全ての実施形態において、流体装置は、流体が流入するための入口と、流体が流出するための出口と、を備える。実施形態では、下部ハウジングシェルは流体入口を備え、フレーム要素は流体出口を備える。他の実施形態では、下部ハウジングシェルは流体入口を備え、上部ハウジングシェルは流体出口を備える。更に他の実施形態では、上部ハウジングは流体入口を備え、フレーム要素又は下部ハウジングは流体出口を備える。
【0019】
[0018] 実施形態では、本明細書に記載の流体装置は、エンジン又はトランスミッション用の流体フィルタなどの流体フィルタの形態をとる。限定されることなく、実施形態では本明細書に記載の流体装置は、トランスミッション用の吸込フィルタの形態をとる。
【0020】
[0019] 以下の説明から明らかになるように、本明細書に記載の流れ制御要素は多くの利点を有する可能性がある。例えば、本明細書に記載の流れ制御要素は、その前面から背面への流体流に対して所望の応答を示すように構成される可能性がある。例えば、中間領域の凹部内における屈曲規制要素の構成及び配置を制御することによって、流体流に応じた流れ制御要素の性能を調整することができる。実施形態では、流れ制御要素は、その前面から背面への流体の流れに対して非線形応答を示すように構成される。
【0021】
[0020] 高度にカスタマイズ可能であることに加えて、本明細書に記載の流れ制御要素はまた、流体装置に設置されるときに、他のタイプの流れ制御要素の設置面積と比較して、比較的小さい設置面積を有することがある。結果として、本明細書に記載の流体装置に含まれ得るフィルタ媒体の量は、米国特許第9,764,261号及び第10,753,241号に記載されているものなど、他のタイプの流れ制御要素とともに使用され得る媒体の量と比較して増加する場合がある。
【0022】
[0021] 例示のため及び理解を容易にするために、本開示と一致する流れ制御要素を、流体装置、具体的には車両のトランスミッション用の流体吸込フィルタにおける使用に関連して説明する。そのような説明は単なる例であり、本明細書に記載の流れ制御要素は流体吸込フィルタでの使用に限定されないことを強調しておく。実際、本明細書に記載の流れ制御要素は、任意の適切な流れ制御用途に使用されることがある。
【0023】
[0022] これより本開示と一致する流れ制御要素を備える流体装置の一例の様々な図を提供する
図1から
図6を参照する。この例では、流体装置は車両用の吸込フィルタとして構成されているが、流体装置は他の用途に使用されることがある。
図1に最良に示されているように、流体装置100は、上部ハウジングカバー1、下部ハウジングカバー3、及びフレーム要素5(本明細書ではフィルタパックと称されることもある)を備える。フレーム要素は周囲フレーム7を備え、この実施形態では、
図2及び
図5に最良に示されるように、第1のフレーム壁25、第2のフレーム壁27、第3のフレーム壁29、及び第4のフレーム壁31を備える。つまり、周囲フレームは、第1のフレーム壁対(すなわち、第1及び第2のフレーム壁25、27)と、第2のフレーム壁対(すなわち、第3及び第4のフレーム壁29、31)とを備えることがある。実施形態では、
図2及び
図5に示すように、第1のフレーム壁対(25、27)は互いに平行である場合があり、第2のフレーム壁対(29、31)は互いに平行である場合がある。ただし、そのような構成は必須ではなく、周囲フレーム7は、任意の適切な数のフレーム壁(例えば、3、4、5、6、7、8個又はそれ以上)を備えることがあり、そのようなフレーム壁は、互いに対して任意の適切な方法で配向される。
【0024】
[0023] 一般に、周囲フレーム7は、内部で第1のフィルタ媒体9(以下、第1の媒体)及び第2のフィルタ媒体11(以下、第2の媒体)を支持するように構成される。このコンセプトは、周囲フレームが複数の第1の媒体9の列及び第2の媒体11の列を支持する実施形態を示す
図2に最良に示されている。示された実施形態では、5列の第1の媒体9と2列の第2の媒体11が示されているが、本明細書に記載の流体装置はそのような構成に限定されず、任意の適切な数の第1及び第2の媒体列が使用されることがある。例えば、実施形態では、周囲フレーム7は、複数の第1の媒体列と第2の数の第2の媒体列を収容するように構成され、第1の媒体列の数は、第2の媒体列の数と同じであるか又は異なる。実施形態では、第1の媒体列及び第2の媒体列の数は同じであるか又は異なり、それぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上の列の範囲にある。特定の非限定的な実施形態では、第1の媒体列の数は第2の媒体列の数と異なり、それぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上の列の範囲にある。
【0025】
[0024] 更に
図2に最良に示されるように、周囲フレーム7は、第1及び第2の媒体9、11をそれぞれ1つ以上の媒体列に分割するように構成される1つ以上のリブ19を備えることがある。実施形態では、リブ19は第1の媒体9及び/又は第2の媒体11上にオーバーモールドされるが、そのような構成は必須ではない。例えば、
図3に最良に示されているように、リブ19は、第1及び第2の媒体を1つ以上の列に分割するために、周囲フレーム7の上部から底部まで延在することがある。リブ19はまた、周囲フレーム7の1つ以上の壁と一体であるか又はそれに結合されることがある。例えば、リブ19は、溶接、締結具、接着剤、機械継手(例えば、リブ19の端部と周囲フレームの対応する特徴部との間の締まり嵌め又は他の適切な継手)、これらの組み合わせなどを介して周囲フレーム7の1つ以上の壁に結合されることがある。あるいは、リブ19は、周囲フレーム7の1つ以上の壁と一体である場合がある。リブ19は、第1のフレーム壁25、第2のフレーム壁27、第3のフレーム壁29、及び/又は第4のフレーム壁31などの周囲フレーム7の1つ以上の壁と一体であることが好ましい。限定されることなく、リブは、好ましくは、第1及び第2のフレーム壁25、27の間、第3及び第4のフレーム壁29、31の間、又は任意の他のフレーム壁25、27、29、31の対の間に延在する。
【0026】
[0025] 第1の媒体及び第2の媒体11として使用されるフィルタ媒体の種類及び性質は限定されず、任意の適切な種類のフィルタ媒体が使用されることがある。実施形態では、
図2に最良に示されているように、第1の媒体9は、第1のプリーツフィルタ媒体であるか又はそれを含み、第2の媒体11は、第2のプリーツフィルタ媒体であるか又はそれを含む。それら又は他の例では、第1の媒体9は、第2の媒体11の第2の濾過密度と同じであるか又は異なる第1の濾過密度を有することがある。限定されることなく、実施形態では(第1の媒体9の)第1の濾過密度は、好ましくは(第2の媒体11の)第2の濾過密度と異なる(すなわち、それより大きいか又は小さい)。例えば、実施形態では、第1の濾過密度は第2の濾過密度よりも高い。他の実施形態では、第1の濾過密度は第2の濾過密度よりも低い。
【0027】
[0026]
図1、
図2、及び
図5に最良に示されているように、第1の媒体9及び第2の媒体11は、流れ制御要素(FCE)13によって分離されており、その性質及び構成については後で詳細に説明する。
図4、
図5、及び
図6に最良に示されているように、この実施形態ではFCE13は、フレーム要素5、より具体的には周囲フレーム7の取付場所の内部に取り付けられる(例えば、結合される)。この実施形態では、取付場所は、第1の取付側壁15、第2の取付側壁17、及び底部18によって少なくとも部分的に画定される取付キャビティを含む。第1及び第2の取付側壁15、17は、周囲フレーム7の2つの壁の間に延在している。示された実施形態では、第1及び第2の取付側壁は、第1のフレーム壁25と第2のフレーム壁27との間に延在するが、そのような構成は必須ではない。例えば、第1及び第2の取付側壁15、17は、第3及び第4のフレーム壁29、31の間、第1及び第3のフレーム壁25、29の間、第1及び第4のフレーム壁25、31の間、第2及び第3のフレーム壁27、29の間、及び/又は第2及び第4のフレーム壁27、31の間に延在するように構成されることがある。いずれの場合も、取付キャビティは、第1及び第2の取付側壁15、17がその間に延在する壁の少なくとも一部分によって画定されることがある。例えば、
図5に最良に示されているように、第1及び第2の取付側壁15、17が第1及び第2のフレーム壁25、27の間に延在する場合に、取付キャビティはまた、第1のフレーム壁25の一部分及び第2のフレーム壁27の一部分によって少なくとも部分的に画定されることがある。
【0028】
[0027] 言い換えると、取付場所は、前部、後部、左側部、右側部、及び底部を有する取付キャビティを含むことがある。そのような場合、第1の取付側壁15は取付場所の背面の少なくとも一部を画定することがあり、第2の取付側壁17は取付場所の前面の少なくとも一部を画定することがあり、底部18は取付場所の底部の少なくとも一部を画定することがある。取付場所の側部は、周囲フレーム7の1つ以上の壁によって少なくとも部分的に画定されることがある。実施形態では、
図5に最良に示されるように、例えば、取付場所の左側部及び右側部は、それぞれ、第1のフレーム壁25及び第2のフレーム壁27の一部分によって少なくとも部分的に画定されることがある。あるいは、取付場所の左側部及び右側部は、第3及び第4のフレーム壁29、31などの異なる構造によって画定されることがある(例えば、第1及び第2の取付側壁15、17が第3及び第4のフレーム壁29、31の間に延在する場合)。更に他の実施形態では、取付場所の左側部及び右側部は、周囲フレーム7と一体的に形成されるか、さもなければ周囲フレーム7に接合されるが、そのフレーム壁25、27、29、31と異なる及び/又は別個の1つ以上の壁によって画定されることがある。
【0029】
[0028] 取付場所の深さ及び幅は限定されず、任意の適切な深さ及び幅を有する取付場所が使用されることがある。実施形態では、取付場所は、(取付キャビティ内の第1又は第2の取付側壁15、17の上縁から底部18の上面まで測定した)、約10mm~約20mm、あるいは約13mm~約17mmなど、約10mm~約25mmの範囲の深さを有する。限定されることなく、取付場所の深さは、約14mm~約16mmであることが好ましい。それら又は他の実施形態では、取付場所は、(取付キャビティに面する第1及び第2の取付側壁15、17の上部開口部に近接した側面の対応する点の間で測定される)、約2mm~約6mm、あるいは約2mm~約5mmなど、約2mm~約8mmの範囲の幅を有する。限定されることなく、取付場所の深さは、約3mm~約4.5mmであることが好ましい。理解されるように、取付場所の幅は、他の種類の流体装置で使用される取付場所と比較して小さく、流体装置100においてより大量のフィルタ媒体(例えば、第1の媒体9、第2の媒体11)の使用を可能にする。
【0030】
[0029] 上部ハウジングカバー1、下部ハウジングカバー3、及びフレーム要素5は、任意の適切な方法で互いに結合されて流体装置100を形成することがある。例えば、周囲フレーム7は、上部ハウジングカバー1及び下部ハウジングカバー3に、溶接(例えば、振動溶接、レーザ溶接、超音波溶接、赤外線溶接、及びそれらの組み合わせなど)、接着剤、機械的締結具、機械継手、及びそれらの組み合わせなどのうちの1つ以上によって取り付けられることがある。示された実施形態では、上部ハウジングカバー1及び下部ハウジングカバー3は、それぞれ周囲フレーム7の上面及び下面に(例えば、溶接によって)取り付けられる。上部ハウジングカバー1、フレーム要素5、及び/又は下部ハウジングカバー3はまた、流体装置を車両トランスミッションなどのデバイスに取り付けるのに使用され得る取付ボス(符号なし)を備えることがある。このような実施形態では、上部ハウジングカバー1、下部ハウジングカバー3、及び周囲フレーム7は、第1及び第2の媒体9、11を取り囲むチャンバを形成する。しかしながら、そのような構成は必須ではなく、流体装置100は異なる構成である場合がある。例えば、実施形態では、上部ハウジングカバー1は、周囲フレーム7を完全に取り囲むキャビティを形成するために、(例えば、溶接、接着剤、機械的締結具などによって)下部ハウジングカバー3に取り付けられることがある。
【0031】
[0030] 流体装置100は更に、流体入口21(流体の流入用)及び流体出口23(流体の流出用)を備える。示された実施形態では、
図1に最良に示されているように、下部ハウジングカバー3は流体入口21を備えることがあり、フレーム要素5は流体出口を備えることがある。しかしながら、そのような構成は必須ではなく、流体入口及び出口は任意の適切な場所に位置付けられることがある。例えば、実施形態では、下部ハウジングカバー3が流体入口21を備え、上部ハウジングカバー1が流体出口23を備える。あるいは、実施形態では、上部ハウジングカバー1が流体入口21を備え、フレーム要素5又は下部ハウジングカバー3が流体出口23を備える。
【0032】
[0031] 流れ制御要素(FCE)13は、一般に流体装置100のフィルタ媒体を流れることになる流体の量を(独立に、又はこれらに限定されないが第1の媒体9及び第2の媒体11の種類及び表面積などの他の要素と連動して)規制するように構成される。以下で更に詳細に説明するように、FCE13の構造は、温度、粘度、流体圧力、その前面及び/又は背面にかかる圧力差、及びそれらの組み合わせの関数として第1及び第2の媒体9、11を通る流体流を規制できるように構成されることがある。
【0033】
[0032] 前述のことを念頭に置いて、本開示と一致するFCE13の一例の様々な図を提供する
図7から
図12Cを参照する。図に示すように、FCE13は、ベース領域33、上部領域37、及びベース領域33と上部領域37との間の中間領域35を備える。FCE13は更に、前面39、左側面40、背面41、及び右側面42を備える。ベース領域33は、概ね流体装置のフレーム要素の取付場所、例えば、これに限定されないが、前述したフレーム要素5の取付場所に収まるようなサイズ及び構成である。例えば、
図6に最良に示されているように、ベース領域33は、フレーム要素5の取付場所のキャビティに収まるようなサイズ及び構成である場合があり、その結果、前面39の少なくとも一部分が第2の取付側壁17に当接する。
【0034】
[0033] ベース領域33は更に、FCE13の背面41の少なくとも一部分と第1の取付側壁15との間にギャップGが存在するように構成されることがある。FCE13(より具体的には、ベース領域33)は、
図7及び
図10に最良に示されているように、背面41から延在する1つ又は複数のスタンドオフ43を備えることがある。スタンドオフ43の少なくとも一部分の深さ(第1の取付側壁15に当接するように構成されたスタンドオフ43の面から裏面41の面まで測定される)は、ギャップGが所望のサイズを有するように選択されることがある。スタンドオフ43の物理的構成は限定されず、スタンドオフ43は任意の適切な方法で構成されることがある。例えば、
図7に示すように、スタンドオフ43は、中間領域35内の凹部48の下縁57からFCE13の底面に向かって延在することがある。そのような場合、
図7にも示されるように、スタンドオフ43は、FCE13の底部に近接したテーパ領域(符号なし)を備えることがある。そのような場合、スタンドオフ43のテーパ領域は、FCE13がフレーム要素5の取付場所に設置されるときに第1の取付側壁15に当接しないように構成される。理解されるように、テーパ領域を使用することによって、後述するように下部開口部47及びギャップGを通る流体の受動的な流れが促進されることがある。当然のことながら、スタンドオフ43は、
図7に示すように構成される必要はなく、異なる構成である場合がある。例えば、スタンドオフ43は、例えば、凹部48の下縁57からFCE13の底部まで、又はFCE13の底部に向かって実質的に均一に延在するように、テーパなしで構成されることがある。
【0035】
[0034] FCE13は、フレーム要素5の取付場所など、流体装置の取付場所の内部に保持されるように構成される。ベース領域33は厚さT1(
図12Aに示す)を有することがあり、取付場所の内部でのFCEの結合を容易にするように構成される1つ以上の保持要素を備えることがある。ベース領域33の厚さT1は、取付場所の取付キャビティの幅より小さいが、その他の点では限定されない。実施形態では、T1は、約1.0mm~約5mm、あるいは約2.0mm~約3.5mm、あるいは約2.0mm~約3.0mmに及ぶ。それら又は他の実施形態では、フレーム要素5の取付場所の取付キャビティは、上記の範囲の幅を有することがある。
【0036】
[0035] 取付場所の内部にFCE13を結合するのに使用され得る保持要素の種類及び構成は限定されず、任意の適切な保持要素が使用されることがある。取付場所の内部にFCE13を結合するのに使用され得る保持要素の非限定的な例としては、機械的締結具(例えば、ネジ、ボルト、締まり嵌めなど)、接着剤、溶接、及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。限定されることなく、FCE13は、フレーム要素の取付場所の内部において対応する取付保持要素と締り嵌めを形成するように構成される1つ以上のFCE保持要素を備えることが好ましい。例えば、
図6及び
図7に最良に示されているように、ベース領域33は、FCE13の背面41から延在するFCE保持要素45を備えることがある。示された実施形態では、FCE保持要素45及びフレーム要素5の取付場所は取付保持要素46を含む。FCE保持要素45は、FCE13の背面41から延在し、(
図6に最良に示される)第1の取付側壁15から延在する取付保持要素46の対応する歯と相互作用し、締まり嵌め接合部を形成するように構成される歯を備え、これによって、取付場所の内部にFCE13が結合される。
【0037】
[0036] 実施形態では、本明細書に記載の流れ制御要素のベース領域は、受動的に流体が(例えば、ギャップGと連動して)流れ制御要素を通ってその前面39から背面41に流れることを可能にする1つ以上の受動的流れ制御開口部を備えることがある。このコンセプトは、複数の下部開口部47を備えるベース領域33を有するFCV13の実施形態を示す
図7、
図10、
図11に示す。下部開口部47の数、サイズ、及び形状は限定されず、下部開口部47の任意の適切な数、サイズ、及び形状が使用されることがある。例えば、ベース領域33は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上又はそれ以上の下部開口部47を備えることがある。複数の下部開口部47が使用される場合に、そのような開口部のサイズ(例えば、幅WLO及び/又は高さHLO)は、互いに同じであるか又は異なる場合がある。例えば、ベース領域33は、幅WLO1及び高さHLO1を有する第1の下部開口部47と、幅WLO2及び高さHLO2を有する第2の下部開口部47とを備えることがあり、WLO1はWLO2と同じであるか又は異なり、HLO1はHLO2と同じであるか又は異なる。同様に、複数の下部開口部47が使用される場合に、各下部開口部の形状は、互いに同じであるか又は異なる場合がある。例えば、ベース領域33は、第1の形状の第1の下部開口部47と第2の形状の第2の下部開口部47とを備え、第1及び第2の形状は同じであるか又は異なる。
【0038】
[0037] 理解されるように、各下部開口部47のサイズ、形状及び位置を制御することによって、流体が流れ制御要素13の背面41から前面39へギャップGを通って受動的に流れる程度を制御することが可能である。それを念頭に置いて、実施形態ではベース領域33は複数の下部開口部47を備え、複数の下部開口部47のそれぞれは、同じ又は実質的に同じ形状を有し、均一又はほぼ均一に幅に沿ってFCE13の左及び右側面40、42の間に延在している。これに関連して、「実質的に均一に離間された」とは、(
図11に示すように)隣接する下部開口部47の隣接する縁部間の距離S1が5%以下だけ変化することを意味する。
【0039】
[0038]
図7、
図10、及び
図11は、FCE13が下部開口部47を備える実施形態を示しているが、下部開口部47の使用は必須ではない。例えば、背面41から前面39への流体の受動的な流れが望ましくない、又は他の手段を使用して達成される実施形態では、下部開口部47が省略されることがある。したがって、実施形態では、本明細書に記載のFCEは下部開口部47を備えないが、本明細書に記載の他の特徴のいずれか又は全てを備えることがある。
図13Aから
図13Cは、下部開口部47を備えないが、本明細書に記載のFCE13の他の特徴の多くを備えるFCE1300の一例を示している。同様に、かつFCE13とは異なり、FCE1300は、上縁55及び下縁57を有する凹部50を備えない。むしろ、FCE1300では、FRE49が、FCE1300の中間領域35の背面41から延在する。FCE13のFREと同様に、FCE1300のFRE49の間隔及び幾何学的形状は、例えば流体流(より具体的には、FCE1300の前後の差圧)に応じて、中間及び上部領域35、37の移動を制御するように調整されることがある。
【0040】
[0039] FCE13の中間領域35は、一般に前面39から背面41への流体流に応じて上部領域37が移動する程度を制御するように構成される。
図7及び
図10に最良に示されるように、中間領域35は凹部48を備える。示された実施形態では、凹部48は流れ制御要素13の左側面40から右側面42まで延在し、その背面41に形成されている。しかしながら、そのような構成は必須ではなく、凹部48は異なる位置にある場合がある。例えば、実施形態では凹部48は、FCE13の前面39に形成され、その左側面40と右側面42との間に延在することがある。しかしながら、好適な実施形態では、凹部48は、
図7及び
図10に示すようにFCE13の背面41に形成される。
【0041】
[0040] 凹部48の幾何学的形状は限定されず、凹部48は、FCE13の所望の性能に応じて任意の適切な方法で構成されることがある。それを念頭に置いて、一般に凹部48は、軸Aを少なくとも部分的に画定するように構成され、軸Aを中心に上部領域37は、FCE13の前面39から背面41への流体流に応じて、(例えば、回転などによって)偏向することがある。
図7及び
図10に最良に示されるように、軸Aは、凹部48の後壁を通って、FCE13の左側面及び右側面40、42の間を延びることがある。凹部48の後壁は、(
図12Aに示すように)ベース領域33の厚さT1よりも小さい厚さT2を有することがあり、これによって上部領域37の回転(曲げ)が促進される。ベース領域33の厚さT1は上記の範囲内にある。対照的に、凹部48の後壁の厚さT2は、約0.5mm~約2.0mm、例えば約0.9mm~約1.5mmに及ぶことがある。実施形態では、T2は約1.0mmである。言い換えると、厚さT2は、T1の50%以下、T1の40%以下、T1の30%以下、T1の20%以下、あるいはT1の10%以下である場合がある。理解されるように、厚さT2がT1に比べて減少するとき、上部領域37を軸Aを中心に偏向させる(曲げる)のに必要な力(例えば、流体流から生じる前面39と背面41との間の差圧)の量も小さくなることがある。逆に、T2の厚さがT1に比べて増加するとき、上部領域37を軸Aを中心に偏向させる(曲げる)のに必要な力(例えば、差圧)の量も増加することがある。
【0042】
[0041] 示された実施形態では、
図6及び
図12Aから
図12Cに最良に示されているように、凹部48はC字形の断面形状を有するが、本明細書に記載の凹部はこれに限定されない。実際、凹部48は、任意の適切な断面形状を有することがある。例えば、凹部48は、三角形、四角形、五角形、六角形、円形、半円形、又は不規則な断面形状を有することがある。いずれの場合も、凹部48は、
図6に最良に示されているように上縁55及び下縁57によって少なくとも部分的に画定されることがある。上縁55と下縁57との間の距離HRは、凹部48の高さを表し、FCE13の所望の性能特性に基づいて設定されることがある。例えば、HRを(単独で、又はT2の減少と併せて)増加させることは、流体流に応じて上部領域37を中間領域35に対して(すなわち、軸Aを中心に)移動させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を減少させることがある。逆に、HRを(単独で、又はT2の増加と併せて)減少させることは、流体流に応じて上部領域37を中間領域35に対して(すなわち、軸Aを中心に)移動させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を増加させることがある。距離HRはまた、上部領域37が軸Aを中心に偏向し得る距離(すなわち、動きの範囲)を制限(設定)するのに使用されることがあり、より短いHRはより大きいHRよりも動きの範囲を狭くする。
【0043】
[0042] 凹部48のHRは、FCE13の長さに沿って(すなわち、左側面40と右側面42との間で)一定(又は実質的に一定)である場合がある、又は変化することがある。実施形態では、凹部48のHRは、FCE13の長さに沿って一定又は実質的に一定である。いずれの場合も、凹部のHRは、約2mm~約5mm、あるいは約2mm~約4mmなど、約2mm~約6mmの範囲にある場合がある。限定されることなく、実施形態ではHRは約3mm~約4mmの範囲にある。
【0044】
[0043] FCE13の中間領域35は、1つ以上の屈曲規制要素(FRE)を更に備えることがある。一般にFREは、前面39から背面41など、FCE13の一方の面からFCEのもう一方の面への流体流に応じて上部領域37が軸Aを中心に移動する程度を規制するように(独立に、又は中間領域35の他の特徴部と関連して)構成される。より具体的には、FREは、上部領域37を軸Aを中心に偏向させる(移動させる)のに必要な力(例えば、差圧)の量を調整するように構成されることがある。
【0045】
[0044] 例えば、
図7及び
図10に最良に示されるように、中間領域35は、1つ又は複数のFRE49を備えることがある。FRE49は、一般に凹部48内に位置付けられ、
図7に最良に示されるように、凹部48を複数の副凹部50に分割するように構成されることがある。例えば、実施形態では単一のFRE49が凹部48内に位置付けられ、凹部48を2つの副凹部50に分割することがあり、各副凹部50は、FRE49とFRE13の左側面40又は右側面42のいずれかの一部分とによって囲まれる。同様に、2つのFRE49は、凹部48内に位置付けられることがあり、凹部48を3つの副凹部50に分割することがある。そのような場合、第1の副凹部50は、FRE49のうちの1つと左側面40の一部分とによって囲まれ、第2の副凹部50は2つのFRE49によって囲まれ、第3の副凹部50はFRE49のうちの1つと右側面42の一部分とによって囲まれる。当然のことながら、FRE49の数及び副凹部50の数は限定されず、任意の適切な数のFRE49及び副凹部50を使用することがある。例えば、本明細書に記載の流れ制御要素は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上のFRE49を備えることがあり、これらのFRE49は、凹部48を対応する数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又はそれ以上)の副凹部50に分割することがある。実施形態では
図7に示すように、FCE13の中間領域35は、凹部48を9個の副凹部50に分割する8個のFRE49を備える。
【0046】
[0045] 上記のように、FRE49は、上部領域37を軸Aを中心に偏向させるのに必要な力(例えば、差圧)の量、及び上部領域37が加えられた流体流に応じて軸Aを中心に偏向する程度を設定するのに使用されることがある。より具体的には、FRE49の数、位置、幾何学的形状、及び物理的特性は、上部領域37を軸Aを中心に偏向させるのに必要な力(例えば、差圧)の量、及び上部領域37が前面39から背面41への流体流に応じて軸Aを中心に偏向する程度に個別に及び集合的に影響を及ぼすことがある。それを念頭に置いて、FRE49はそれぞれ、凹部48又は対応する副凹部50の上縁55と下縁57との間に延在するように構成されることに留意されたい。各FRE49は、特定の条件(例えば、特定の動作温度、圧力、流量など)下で変形して、上部領域を軸Aを中心に偏向させるのに必要な力(例えば、差圧)、及び上部領域37が前面39から背面41への加えられた流体流に応じて移動することになる程度を規制するように構成される。言い換えると、各FRE49は、凹部48又は対応する副凹部50の上縁55と下縁57との間に延在する支柱として機能することがある。FRE49の幾何学的形状(例えば、厚さ、深さなど)及びその物理的特性を(例えば、適切な材料の選択によって)制御することによって、上部領域37の対応する部分が前面39から背面41への流体流に応じて軸Aを中心に移動する(偏向する)程度を制御することがある。
【0047】
[0046] 上記を念頭に置いて、FRE49は、加えられた力(例えば、差圧)に応じて圧縮可能な材料から形成されることが好ましい。FRE49を形成するのに使用され得る適切な材料の非限定的な例としては、エラストマー材料、例えばエチレンアクリルエラストマー(すなわち、AEM又はEAエラストマー)、ポリアクリレートアクリル(ACM)エラストマー、フルオロカーボン/フルオロエラストマー(FKM)、及びそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。限定されることなく、FRE49の全て又は一部分は、トランスミッション用途のためにAEMエラストマーから形成されることが好ましい。限定されることなく、FCE13の全ての部分は、同じエラストマー材料から形成されることが好ましい。
【0048】
[0047] 複数のFRE49が使用される場合、複数のFRE49のそれぞれは、同じ材料又は異なる材料で作られることがある。例えば、FCE13は、第1の材料から形成された第1のFREと、第2の材料から形成された第2のFREとを備えることがあり、第1の材料と第2の材料は同じであるか又は異なる。理解されるように、異なる材料(例えば、異なる剛性を有する材料など)から異なるFREを形成することによって、上部領域37がFCE13の長さに沿って軸Aを中心に曲がる(偏向する)程度を局所的に制御することがある。このように、FCE13(より具体的には、上部領域37)の各部分は、流体流に対して、FCE13の他の部分とは異なる反応をするように構成されることがある。限定されることなく、実施形態では複数のFREが使用され、複数のFREのそれぞれは同じ材料から形成される。
【0049】
[0048] 本明細書に記載のFCEの様々な構成要素を形成するのに使用される材料は、材料選択の要因である、使用温度範囲、動作圧力範囲、コスト、及び接触する流体との材料適合性などの1つ以上の要因に基づいて選択されることがある。材料特性値及びそれらの相互作用、並びにFCEの寸法及び幾何学的形状は、特定の用途に望ましい性能を得るように設計/選択される可能性がある。当技術分野で理解されるように、特性値の変化が、所望の性能を達成するためにFCE設計ジオメトリの変更に帰することがある。例えば、材料硬度(すなわち、ASTM D2240-15により決定される)は、本明細書に記載のFCEの1つ以上の構成要素が圧力差に応じて変形する程度に影響を与え得る1つの要因である。実施形態では、本明細書に記載のFCEの全て又は一部分は、約50~約100の範囲、好ましくは約60~約80の範囲のショアA硬度を有する1つ以上の材料から形成される。硬度に加えて、流体にさらされた後の体積、引張強さ、及び伸び(つまり、ASTM D471-16aにより決定される)の変化が、FCEの挙動及び幾何学的形状に影響を与える可能性がある。したがって、特定の用途での使用中にFCEが経験する条件により知らされるテスト条件に基づいて、FCEの様々な構成要素の材料、寸法、及び幾何学的形状を選択することが望ましい場合がある。使用条件下で特性変化が最小限の又は全くない材料が好ましい場合がある。あるいは一部の実施形態では、温度に伴う材料特性の変化を、意図的に設計されたFCE挙動変化の一部として使用することができる。更に、一部の実施形態では、1つ以上の温度範囲におけるFCE挙動が、より大きなシステム設計トレードオフの一部として無視されることがある。
【0050】
[0049] 一般に、FRE49は、加えられた力に応じて変形するように構成される。この力は、上部領域37の前面39に衝突する流体流から生じる前面39と背面41との間の差圧である場合がある。例えば、上部領域37の前面39に衝突する流体流が第1の圧力P1未満である場合、FRE49に伝達される力F1(したがって、前面39と背面41との間の差圧)は、FRE49を変形させるには不十分である場合がある。結果として、上部領域37は、加えられた流体流の圧力がP1未満であるとき、実質的に変形されないままとなり、FCE13をそのデフォルト(閉)状態に維持することがある。しかしながら、上部領域37の前面39に衝突する流体流の圧力がP1以上であるとき、力F2がFRE49に伝達される。ここでF2>F1である(すなわち、前面39と背面41との間の差圧は第1の閾値以上である)。力F2(又は差圧)は、
図7に示すようにFRE49を軸Bに沿って圧縮させるのに十分である。FRE49が軸Bに沿って縮むと、上部領域37の少なくとも一部分が軸Aを中心に第1の程度に偏向する(移動する)。その結果、上部領域37の少なくとも一部分は、FCE13の背面41に向かって変形する(移動する)。場合によっては、中間領域35の少なくとも一部分もまた、加えられた流体流の圧力がP1以上であるときに背面41に向かって変形する(移動する)ことがある。
【0051】
[0050] 実施形態では、FRE49(及び上部領域37)は、上部領域37の前面39に衝突する流体流が第1の圧力P1未満であるときに(すなわち、差圧が第1の閾値未満であるときに)、実質的に変形されないままであるように構成されることがある。このコンセプトは、P1未満の圧力での流体流59に応じて実質的に変形されていない構成のFCE13を示す
図12Aに示されている。一方、上部領域37の前面39に衝突する流体流がP1以上であるが第2の圧力P2未満であるときに(すなわち、圧力差が第1の閾値以上であるが第2の閾値未満であるときに)、FRE49は、第1の変形を受けるように構成されることがある。実施形態では、以上で考察したように、第1の変形中にFRE49は、軸Bに沿って第1の圧縮度に圧縮することがある。代替的に又は付加的に、第1の変形中に、FRE49は、FRE49の少なくとも一部分が、例えば概ね軸Aに沿って又は軸Aの方向にFCE13の左側面及び右側面に向かって第1の座屈度に変形するように座屈することがある。いずれの場合も、第1の変形によって上部領域37がFCE13の背面41に向かって第1の量だけ変形する(例えば、移動する)。換言すれば、FRE49の第1の変形によって、上部領域37は軸Aを中心に第1の変形量だけ偏向し、FCE13がそのデフォルト(閉)位置から第1の(例えば、部分的開)位置に移動する。このコンセプトは、P1より大きい圧力P2を有する流体流61に応答するFCE13の位置を示す
図12Bに示されている。図示されるように、上部領域37の少なくとも一部分は、軸Aを中心に背面41に向かって変形(例えば、偏向)する。示された実施形態では、中間領域35の一部分(例えば、上縁55に近接する)も背面41に向かって変形する。
【0052】
[0051] 加えられた流体流がP2より大きい圧力P3を有するとき(すなわち、前面39と背面41との間の圧力差が第2の閾値以上であるとき)、FREは、例えば、上部領域37を軸Aを中心に更に回転させることによって、上部領域37を背面41に向かって更に変形させる第2の変形を受けるように構成されることがある。このコンセプトは、P2よりも大きい圧力P3を有する流体流63に応答したFCE13の位置を示す
図12Cに示されている。図示されるように、上部領域37は、背面41に向かって(例えば、軸Aを中心とした偏向/回転によって)更に変形する。同様に、中間領域35の少なくとも一部分(これも上縁55に近接する)は、背面41に向かって更に変形する。
【0053】
[0052] 実施形態では、第2の変形中に、FRE49は軸Bに沿って第2の圧縮度に圧縮し、第2の圧縮度は第1の圧縮度よりも大きい。代替的に又は付加的に、第2の変形中に、FRE49は、FRE49の少なくとも一部分がFCE13の左側面及び右側面に向かって(例えば、概ね軸Aに沿って又は軸Aの方向に)第2の座屈度に変形するように座屈することがあり、第2の座屈度は第1の座屈度よりも大きい。いずれの場合も、第2の変形によって上部領域37は、FCE13の背面41に向かって第2の変形量だけ変形(例えば移動)し、第2の変形量は第1の変形量よりも大きい。換言すると、FRE49の第2の変形によって、上部領域37は軸Aを中心に第2の変形量だけ偏向し、FCE13が第1の位置よりも開いた第2の位置に移動する。
【0054】
[0053] 実施形態では、第2の位置は完全に開いた位置であり、上部領域37が軸Aを中心に最大限に偏向したことを意味する。あるいは、上部領域37の第2の位置は、第2の部分的に開いた位置である。そのような場合、FRE49は、対応する第3、第4、第5などの圧力(P3、P4、P5など;すなわち、前面39と背面41との間の圧力差が第3、第4、第5などの閾値以上である場合)以上の圧力を有する、上部領域37の前面39に衝突する流体流に応答した、第3、第4、第5などの変形を受けるように構成されることがある。第3、第4、第5などの変形によって、上部領域37は軸Aを中心に対応する第3、第4、第5などの程度に移動し、FCE13を更に開くことがある。
【0055】
[0054] 実施形態では、FRE49は、FCE13が加えられた流体流に対して線形又は非線形応答を有するように構成される。そのような場合、FRE49は、異なる流体圧力に応じて異なるように及び/又は異なる程度に変形し、それによって上部領域37が異なる程度に偏向するように構成されることがある。例えば上記のように、FRE49は、加えられた流体流がP1以上P2未満の圧力(第1の閾値以上の圧力差)を有するときに第1の変形を受けるように、及び加えられた流体流がP2よりも大きい圧力(第2の閾値以上の圧力差)を有するときに第2の変形を受けるように構成されることがある。そのような場合、第1の変形中に生じるFRE49の変形量(例えば、圧縮の程度、座屈の程度など)は、第2の変形中に生じるFRE49の変形量と同じであるか又は異なる場合がある。第1の変形で生じるFRE変形量が第2の変形で生じるFRE変形量と同じ又は実質的に同じである場合に、上部領域37が第1及び第2の変形に応じて軸Aを中心に偏向する程度は、同じ又は実質的に同じである場合がある。つまり、上部領域37が第1の変形に応じて軸Aを中心に偏向する程度は、第2の変形に応じて軸Aを中心に偏向する程度と2%未満だけ異なることがある。そのような場合、FCE13は、加えられた流体流に対して線形応答を示すと考えられることがある。対照的に、第1の変形中に生じるFRE変形量が第2の変形中に生じるFRE変形量と実質的に異なる場合に、上部領域37が第1及び第2の変形に応じて軸Aを中心に偏向する程度は、実質的に異なる場合がある。つまり、上部領域37が第1の変形に応じて軸Aを中心に偏向する程度は、第2の変形に応じて軸Aを中心に偏向する程度と2%超、例えば3%、4%、あるいは5%又はそれ以上異なることがある。そのような場合、FCE13は、加えられた流体流に対して非線形応答を示すと考えられることがある。
【0056】
[0055] 上記のように、FRE49の数、幾何学的形状、及び配置は、例えば、FRE49を変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を設定すること、したがって、上部領域37が流体流に応じて軸Aを中心にFCE13の背面41に向かって変形(偏向)するかどうか及びその程度を設定することによって、FCE13の性能を制御するように構成されることがある。例えば上記のように、任意の適切な数のFRE49が使用されることがあり、凹部48内でのそれらの分布を任意の適切な方法で設定することがある。一般に、凹部48の特定エリア内のFRE49の数(すなわち、FRE密度)が増加すると、上部領域37を軸Aを中心に偏向させるのに必要な力(例えば、差圧)の量が増加する。同様に、FRE密度が減少すると、上部領域37を軸Aを中心に偏向させるのに必要な力(例えば、差圧)の量が減少する。ゼロFREが使用される場合、上部領域37を軸Aを中心に偏向させるのに必要な力(例えば、差圧)の量は、凹部48の構成のみによって主に制御されることがある。
【0057】
[0056] 各FRE49の幾何学的形状(高さ、幅、形状など)も、FCEを加えられる流体流に応じて変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量に影響を与える可能性がある。結果として、線形対非線形応答、圧力ヒステリシス及び/又は流体温度に基づくFCE13を通過する流体流量の増加/減少などの所望の性能特性を達成するために、各FRE49の幾何学的形状を制御すること、及び/又はFCE13を形成するのに使用される材料の温度依存性挙動を補償することが望ましい場合がある。例えば、FRE49の深さ及び幅を制御することによって、FREを加えられた力(例えば、差圧)に応じて(例えば、圧縮、又は座屈によって)変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を制御することがある。FREを変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を制御することによって、前面39に入射する流体流の圧力、前面39と背面41との間の圧力差、流体の温度などの様々な要因に応じて上部領域37の移動(すなわち、FCE13の開閉応答)を調整することがある。
【0058】
[0057] これに関して、
図7に最良に示されているように、FRE49はそれぞれ深さD1及び幅W1を有することがある。一般に、FRE49のD1及び/又はW1が増加すると、FREを(例えば、圧縮、座屈などによって)変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量もそれに応じて増加することがある。逆に、FRE49のD1及び/又はW1が減少すると、FCEを変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量が対応して減少することがある。特に、D1及びW1は、FREの異なるタイプの変形に対して異なる影響を与えることがある。例えば、D1を増加させることは、FREを圧縮によって変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を減少させることがあるが、FREを座屈によって変形させるのに必要な力の量に影響を与えないことがあるか又はその力の量を減少させることがある。逆に、D1を減少させることは、FREを圧縮によって変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を増加させることがあるが、FREを座屈によって変形させるのに必要な力の量に影響を与えないことがあるか又はその力の量を増加させることがある。同様に、W1を増加させることは、FREを座屈によって変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を増加させることがあるが、FREを圧縮によって変形させるのに必要な力の量に影響を与えないことがあるか又はその力の量を増減させることがある。逆に、W1を小さくすることは、FREを座屈によって変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量を小さくすることがあるが、FREを圧縮によって変形させるのに必要な力(例えば、差圧)の量に影響を与えないことがあるか又はその力の量を増減することがある。したがって、D1及びW1を制御することによって、加えられた力(例えば、前面39と背面41との間の圧力差)に対する各FRE49の応答、ひいては上部領域37(又はその一部分)がその前面39に入射する流体流に応じて移動する程度を調整することがある。
【0059】
[0058] 深さD1及び幅W1は限定されず、任意の適切なD1及び幅W1を有するFREが使用されることがある。限定されることなく、実施形態ではD1は約1.5~約4.0mm、例えば約1.7~約3.5mm、あるいは約2.0~約3.0mmに及ぶ。限定されることなく、実施形態ではD1は、上縁55又は下縁57と後壁又は凹部48との間の距離以上である。このコンセプトは、一部のFRE49が凹部48の後壁とその上縁55及び下縁57との間の距離よりも大きい深さD1を有し、一部のFRE49が凹部48の後壁とその上縁55及び下縁57との間の距離に等しい深さD1を有する実施形態を示す
図7に示されている。それら又は他の実施形態では、W1は、約0.7~約2.0mm、例えば約0.8~約1.5mm、あるいは約0.8~約1.2mmに及ぶことがある。
【0060】
[0059] 示された実施形態では、FRE49はそれぞれ、
図7に最良に示されているように凹部48の後壁まで(又は後壁から)延在する。このような構成は必須ではなく、FRE49は、凹部48の後壁まで又は後壁から延在する必要はない。実施形態では、FCE13は、凹部48の後壁と1つ以上のFREとの間にギャップが存在するように構成される。
【0061】
[0060] 図は、FRE49が上縁55及び下縁57から延びる直線形状を有する様々な例を示し、そのようなFREは有用であるが、本明細書に記載のFREはそのような構成に限定されず、任意の適切な形状を有するFREが使用されることがある。例えば、FRE49は、y字形、アスタリスク形状、c字形、幾何学的(例えば、1、3、4、5、6、7、8又はそれ以上の辺を有する)形状、不規則な形状、又はそれらの組み合わせを有することがある。
【0062】
[0061] 以上の考察と一致して、上部領域37は一般に流体の温度、粘度、及び圧力などの様々な要因に応じてFCE13を通過する流体流の量を制御するように構成される。以上で考察したように、上部領域37は、第1の圧力P1よりも低い圧力でその前面39に入射する流体流に応じて実質的に変形されない(すなわち閉位置の)ままになるように構成されることがある。
図4に最良に示されるように、閉位置では、上部領域37は、フレーム要素5の上(より具体的には、周囲フレーム7の上)で上部ハウジングカバー1に向かって延在することがある。流体流の前面39に及ぼす圧力がP1を超えると、上部領域37は、軸Aを中心に背面41に向かって偏向することがある。これは、P1よりも大きいP2以上の圧力を有する流体流61に応じて第1の程度に偏向した上部領域37を示す
図12Bに概ね示されている。つまり、上部領域37は、閉位置から第1の開位置まで移動することがある。第1の開位置では、上部ハウジングカバー1と上部領域37(より具体的にはそのタブ51)との間の空間が発達し又は大きくなり、より多くの量の流体がFCE13を通過して流れることを可能にすることがある。
【0063】
[0062] 場合によっては、上部領域37は、流体圧力及び/又は流体温度の増加に応じて、軸Aを中心に更に(例えば、追加の開位置に)移動することがある。例えば以上で考察したように、上部領域37は、流体がP1より大きいが圧力P3未満の圧力P2でその前面39に入射するときに第1の程度(すなわち、第1の開位置)に移動することがある。そのような場合、上部領域37は、前面39に入射する流体の圧力がP2以上であるときに第2の程度(すなわち、第2の開位置)に移動することがあり、第2の開位置は第1の開位置よりも更に開いており、第2の程度は第1の程度よりも大きい。そのコンセプトは、P2以上の圧力P3を有する流体流63に応じて軸Aを中心に第2の程度に偏向した上部領域37を示す
図12Cに示されている。
【0064】
[0063] 実施形態では、
図7、
図10、及び
図11に最良に示されているように、上部領域37は、1つ以上のタブ51及び1つ以上の上部開口部53を備えることがある。一般に、タブ51及び上部開口部53の数、サイズ、及び配置は、上部領域37が閉位置又は1つ以上の開位置にあるときにFCE13を通過して流れる流体の量を制御するように構成される。その関連で、タブ51は一般に、
図4に示すように(特にFCE113が閉位置にあるときに)上部ハウジングカバー1に向かって延びるように構成される。閉位置では、タブ51は、上部ハウジングカバー1とフレーム要素5との間、例えば、第2の媒体11と第1の媒体9との間の空間における流体の通過を妨げることがある。その関連で、タブ51は、上部カバー1の内向きの面上の1つ以上の特徴部によって形作られるか又は1つ以上の特徴部の形状に適合することがある。より具体的には、タブ51は、特定の動作温度及び圧力などの特定の動作条件下で、上部カバー3の内向きの面上の1つ以上の特徴部に当接するように構成されることがある。当業者には理解されるように、タブ51のサイズ、数、形状、及び位置は、FCE13がその閉位置及び開位置で流体の流れを妨げる程度に影響を与える可能性がある。したがって、FCE13が所望の方法で動作するように、タブ51の位置、サイズ、数、及び形状を制御することが望ましい場合がある。このことを念頭に置いて、任意の適切な数、サイズ、及び形状のタブ51が使用されることがあり、それらは任意の適切な方法で位置付けられることがある。例えば、実施形態では、FCE13は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上のタブを備える上部領域37を備える。単一のタブ51が使用される場合、タブ51は、FCE13、より具体的には上部領域37の左側面40と右側面42との間に連続的に延在することがある。2つ以上のタブ51が使用される場合、各タブのサイズ及び位置は、上部開口部53のサイズ及び位置に基づいて決定されることがある。実施形態では、上部領域37は、少なくとも第1のタブ幅を有する第1のタブと第2のタブ幅を有する第2のタブとを備え、第1及び第2のタブ幅は互いに同じであるか又は異なる。
【0065】
[0064] 上部開口部53は、FCE13が閉状態にあるときでも、受動的に流体がFCE13を通って流れることができるように設けられることがある。当業者には理解されるように、閉状態でFCE13を通って受動的に流れ得る流体の相対量は、上部開口部53のサイズ、数、形状、及び位置に基づいて設定されることがある。その関連で、上部開口部53の任意の適切な数、サイズ、及び構成が使用されることがあり、上部開口部53は上部領域37に沿った任意の適切な位置に位置付けられることがある。実施形態では、FCE13は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれ以上の上部開口部53を備える上部領域を備える。単一の上部開口部53が使用される場合、上部領域37は、単一の上部開口部53によって離間される2つのタブを備えることがある。上部領域37が複数の上部開口部53を備える場合、複数の開口部53のそれぞれは、対応する複数のタブ51のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に画定(又は限定)することがある。上記のように、タブ51のサイズ及び位置は、複数の上部開口部53の1つ以上に少なくとも部分的に基づいて設定されることがある。理解されるように、上部開口部53のサイズ及び数は、上部ハウジングカバー1とフレーム要素5との間の、FCE13が閉位置及び開位置にあるときにタブ51により遮られるエリアに影響を与える。したがって、上部開口部53のサイズ及び数を制御することによって、閉位置及び/又は開位置においてFCE13を通過して流れ得る流体の相対量を設定することがある。一般に、上部開口53の数及びサイズ(面積)を増加させることは、タブ51のサイズ(面積)を小さくし、より多くの量の流体が閉位置でFCE13を通過して流れることを可能にすることになる。対照的に、上部開口部53の数及びサイズ(面積)を減少させることは、タブ51のサイズ(面積)を大きくし、閉位置でFCE13を通過する流体流の量を減少させることになる。理解されるように、上部領域37で使用される上部開口部53のサイズ及び配置を制御することによって、FCE13の長さに沿って(すなわち、左側面40及び右側面42の間を)FCE13を通過して流れ得る流体の量を調整することがある。
【0066】
[0065] 以上のことから分かるように、本明細書に記載の流れ制御要素は、様々な用途に対して流体の流れに対する所望の制御を行うために高度にカスタマイズされる可能性がある。以上の考察は、流体濾過用途、特にトランスミッション吸込フィルタに特に適した流れ制御要素の実施形態に焦点を当てているが、流れ制御要素はこれに限定されず、流体の圧力、温度、又はそれらの組み合わせに基づいて流体流を制御することが望まれ得る無数の用途での使用に適合されることがある。
【0067】
[0066] 本明細書で使用されている用語及び表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、そのような用語及び表現の使用において、図示され説明されている特徴(又はその部分)と均等物を排除する意図はなく、特許請求の範囲の範囲内で様々な変更が可能であることが認識される。したがって、特許請求の範囲は、そのような全ての均等物を網羅するものとする。
【国際調査報告】