(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
F25D23/02 306D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024504824
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2024-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2021118612
(87)【国際公開番号】W WO2023004957
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】202110844775.7
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110844802.0
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110846078.5
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520238381
【氏名又は名称】▲海▼信冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hisense Refrigerator Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8 Hisense Road, Nancun, Pingdu, Qingdao, Shandong 266736 China
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チュン
(72)【発明者】
【氏名】バオ,ユーフェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャンピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ハイヤン
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ドン
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KA06
3L102KB05
3L102KE07
(57)【要約】
冷蔵庫(1)は、ヒンジ板(40)と、ヒンジ板(40)に対して回転可能であり、前壁(31)とヒンジ板(40)に近い側壁(32)とを有する扉体(30)と、を備える。扉体(30)が閉状態から第1状態まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸(41)は第1軌跡溝(50)に対して第1直線に沿って第1位置決め位置(51)から第2位置決め位置(52)まで移動し、第2ヒンジ軸(42)は第2軌跡溝(60)に対して第2直線に沿って第1ガイド位置(61)から第2ガイド位置(61)まで移動し、これにより、扉体(30)が第1距離を内側に移動する。扉体(30)が第1状態から第2状態まで開き続ける時、第2状態が90°未満である場合、第1ヒンジ軸(41)は第1軌跡溝(50)に対して第1曲線(523)に沿って第2位置決め位置(52)から第3位置決め位置(53)まで移動し、第2ヒンジ軸(42)は、第2軌跡溝(60)に対して第2曲線(623)に沿って第2ガイド位置(62)から第3ガイド位置(63)まで移動し、これにより、扉体(30)が第2距離を内側に移動する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室が形成される箱体と、
前記箱体に固定されるヒンジ板と、
前記貯蔵室を開閉するように前記ヒンジ板に対して回転可能であり、前壁と前記ヒンジ板に近い側壁とを有する扉体と、
第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝であって、前記第1ヒンジ軸は前記扉体及び前記ヒンジ板の一方に位置し、前記第1軌跡溝は前記扉体及び前記ヒンジ板の他方に位置する第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝と、
第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝であって、前記第2ヒンジ軸は前記扉体及び前記ヒンジ板の一方に位置し、前記第2軌跡溝は前記扉体及び前記ヒンジ板の他方に位置する第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝と、を備え、
前記扉体が閉状態から第1状態まで回転して開いた時、前記第1ヒンジ軸は第1直線に沿って前記第1軌跡溝の第1位置決め位置から第2位置決め位置まで移動し、前記第2ヒンジ軸は第2直線に沿って前記第2軌跡溝の第1ガイド位置から前記第2ガイド位置まで移動することにより、前記扉体が内側へ第1距離だけ移動し、
前記扉体が第1状態から第2状態まで開き続ける時、前記第2状態が90°未満である場合、前記第1ヒンジ軸は第1曲線に沿って前記第1軌跡溝の第2位置決め位置から第3位置決め位置まで移動し、前記第2ヒンジ軸は、第2曲線に沿って前記第2軌跡溝の第2ガイド位置から第3ガイド位置まで移動することにより、前記扉体が内側へ第2距離だけ移動する、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記扉体が第2状態から90°まで開き続ける時、前記第1ヒンジ軸は、前記第3位置決め位置で自身回転し、前記第2ヒンジ軸は、前記第1ヒンジ軸を円心として前記第2軌跡溝内で第3曲線に沿って移動する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1直線は前記前壁から離れ且つ前記側壁に近づく方向に延在し、前記第2直線は前記前壁から離れる方向に延在し、前記第1曲線、前記第2曲線は、いずれも前記前壁から離れ且つ前記側壁に近い方向に延在する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第1直線と前記第2直線との夾角は45°よりも大きい、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1直線の長さは前記第1曲線よりも小さく、前記第2直線の長さは前記第2曲線よりも小さい、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉体が閉状態にある時、前記第1ヒンジ軸は前記第2ヒンジ軸よりも前記側壁に近く、前記前壁から離れる、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記扉体が閉状態にある時、前記第1ヒンジ軸は前記第1軌跡溝の端部に位置し、前記第2ヒンジ軸は前記第2軌跡溝の端部に位置する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記第2ヒンジ軸と前記第2軌跡溝の端部との間には隙間が存在する、
請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記扉体が90°まで開いた時、前記扉体の前壁と前記箱体の側面とは垂直方向に隙間を有する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記扉体と前記ヒンジ板との間には、前記扉体が最大角度まで開くことを制限する位置制限構造が設けられている、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記第1曲線と前記第2曲線は、いずれも、曲率が減少する傾向を呈する少なくとも2つの曲線セグメントを含む、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記扉体が開いた時の前記第1ヒンジ軸、前記第2ヒンジ軸の運動方向を基準として、前記第1曲線は、順次に接続された第1曲線セグメントと第3曲線セグメントを含み、前記第2曲線は、順次に接続された第2曲線セグメントと第4曲線セグメントを含み、前記第3曲線セグメントの曲率は前記第1曲線セグメントよりも小さく、前記第4曲線セグメントの曲率は前記第2曲線セグメントよりも小さい、
請求項11に記載の冷蔵庫。
【請求項13】
前記第1ヒンジ軸が前記第1曲線セグメントに沿って運動し、前記第2ヒンジ軸が前記第2曲線セグメントに沿って運動する時、前記扉体が単位角度まで開いた時の内側へ移動する距離をd1とし、前記第1ヒンジ軸が前記第3曲線セグメントに沿って運動し、前記第2ヒンジ軸が前記第4曲線セグメントに沿って運動する時の前記扉体が単位角度まで開いた時の内側へ移動する距離をd2とする場合、d2<d1である、
請求項12に記載の冷蔵庫。
【請求項14】
前記第1曲線と前記第1曲線の曲率はそれぞれ徐々に減少する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項15】
貯蔵室が形成される箱体と、
前記箱体に固定されるヒンジ板と、
前記貯蔵室を開閉するように前記ヒンジ板に対して回転可能であり、前壁と前記ヒンジ板に近い側壁とを有する扉体と、
第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝であって、前記第1ヒンジ軸は前記扉体及び前記ヒンジ板の一方に位置し、前記第1軌跡溝は前記扉体及び前記ヒンジ板の他方に位置する第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝と、
第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝であって、前記第2ヒンジ軸は前記扉体及び前記ヒンジ板の一方に位置し、前記第2軌跡溝は前記扉体と前記ヒンジ板の他方に位置する第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝と、を備え、
前記扉体が閉状態から90°まで開いた時、前記第1ヒンジ軸の前記第1軌跡溝における運動軌跡はほぼ前記前壁及び前記側壁に近づく方向に延在し、前記第2ヒンジ軸の前記第2軌跡溝における運動軌跡はほぼ前記前壁から離れ且つ前記側壁に近づく方向に延在することにより、前記扉体が内側へ一定距離だけ移動し、
前記扉体が90°から開き続ける時、前記第1ヒンジ軸の運動軌跡は第4曲線であり、前記第2ヒンジ軸の運動軌跡は第5曲線であり、前記第4曲線と前記第5曲線は、いずれも前記前壁及び前記側壁に近づく方向に延在する、
冷蔵庫。
【請求項16】
前記第1ヒンジ軸の前記第4曲線の任意点における接線と、前記第2ヒンジ軸の第5曲線に対応する位置点における接線とは夾角を有する、
請求項15に記載の冷蔵庫。
【請求項17】
前記夾角は30°よりも大きい、
請求項16に記載の冷蔵庫。
【請求項18】
前記扉体が閉状態にある時、前記第1ヒンジ軸は前記第2ヒンジ軸よりも前記側壁に近く、前記前壁から離れる、
請求項15に記載の冷蔵庫。
【請求項19】
前記扉体が閉状態から第1状態まで回転して開いた時、前記第1ヒンジ軸は、第1直線に沿って前記第1軌跡溝の第1位置決め位置から第2位置決め位置まで移動し、前記第2ヒンジ軸は、第2直線に沿って前記第2軌跡溝の第1ガイド位置から前記第2ガイド位置まで移動し、これにより、前記扉体が第1距離を内側に移動し、
前記扉体が第1状態から第2状態まで開き続ける時、前記第2状態は90°未満であり、前記第1ヒンジ軸は、第1曲線に沿って前記第1軌跡溝の第2位置決め位置から第3位置決め位置まで移動し、前記第2ヒンジ軸は、第2曲線に沿って前記第2軌跡溝の第2ガイド位置から第3ガイド位置まで移動し、これにより、前記扉体が第2距離を内側に移動する、
請求項15に記載の冷蔵庫。
【請求項20】
前記扉体が第2状態から90°まで開き続ける時、前記第1ヒンジ軸は、前記第3位置決め位置で自身回転し、前記第2ヒンジ軸は、前記第1ヒンジ軸を円心として前記第2軌跡溝内で第3曲線に沿って移動する、
請求項19に記載の冷蔵庫。
【請求項21】
扉体が閉状態にある時、前記第1ヒンジ軸は前記第1軌跡溝の端部に位置し、前記第2ヒンジ軸は前記第2軌跡溝の端部に位置する、
請求項15に記載の冷蔵庫。
【請求項22】
前記第2ヒンジ軸と前記第2軌跡溝の端部との間には隙間が存在する、
請求項21に記載の冷蔵庫。
【請求項23】
前記扉体が90°まで開いた時、前記扉体の前壁と前記箱体の側面とは垂直方向に隙間を有する、
請求項15に記載の冷蔵庫。
【請求項24】
前記扉体と前記ヒンジ板との間には、前記扉体が最大角度まで開くことを制限する位置制限構造が設けられている、
請求項15に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年7月26日に出願された出願番号が202110844775.7であり且つ発明名称が「冷蔵庫」である中国特許出願、2021年7月26日に出願された出願番号が202110846078.5であり且つ発明名称が「冷蔵庫」である中国特許出願、2021年7月26日に出願された出願番号が202110844802.0であり且つ発明名称が「冷蔵庫」である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は家庭用電気設備の技術分野に関し、特に、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0003】
冷蔵庫の扉体のヒンジ構造は一軸形式が多い。ヒンジ軸と扉体の軸ブッシュとの嵌合により、扉体がヒンジ軸を中心に回転することが実現される。このようなヒンジ構造の扉体が開く過程において、扉体の角部は扉体の側面を超える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のいくつかの実施例では、冷蔵庫が提供される。当該冷蔵庫は、貯蔵室が形成される箱体と、箱体に固定されるヒンジ板と、貯蔵室を開閉するようにヒンジ板に対して回転可能であり、前壁とヒンジ板に近い側壁とを有する扉体と、第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝であって、第1ヒンジ軸は扉体及びヒンジ板の一方に位置し、第1軌跡溝は扉体及びヒンジ板の他方に位置する第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝と、第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝であって、第2ヒンジ軸は扉体とヒンジ板の一方に位置し、第2軌跡溝は扉体とヒンジ板の他方に位置する第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝と、を備える。扉体が閉状態から第1状態まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸は第1直線に沿って第1軌跡溝の第1位置決め位置から第2位置決め位置まで移動し、第2ヒンジ軸は第2直線に沿って第2軌跡溝の第1ガイド位置から第2ガイド位置まで移動することにより、扉体が内側へ第1距離だけ移動する。扉体が第1状態から第2状態まで開き続ける時、第2状態が90°未満である場合、第1ヒンジ軸は第1曲線に沿って第1軌跡溝の第2位置決め位置から第3位置決め位置まで移動し、第2ヒンジ軸は、第2曲線に沿って第2軌跡溝の第2ガイド位置から第3ガイド位置まで移動することにより、扉体が内側へ第2距離だけ移動する。
【0005】
本開示の実施例では、冷蔵庫が提供される。当該冷蔵庫は、貯蔵室が形成される箱体と、箱体に固定されるヒンジ板と、貯蔵室を開閉するようにヒンジ板に対して回転可能であり、前壁とヒンジ板に近い側壁とを有する扉体と、第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝であって、第1ヒンジ軸は扉体及びヒンジ板の一方に位置し、第1軌跡溝は扉体及びヒンジ板の他方に位置する第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝と、第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝であって、第2ヒンジ軸は扉体及びヒンジ板の一方に位置し、第2軌跡溝は扉体及びヒンジ板の他方に位置する第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝と、を備える。扉体が閉状態から90°まで開いた時、第1ヒンジ軸の第1軌跡溝における運動軌跡はほぼ前壁及び側壁に近づく方向に延在し、第2ヒンジ軸の第2軌跡溝における運動軌跡はほぼ前壁から離れ且つ側壁に近づく方向に延在することにより、扉体が内側へ一定距離だけ移動する。扉体が90°から開き続ける時、第1ヒンジ軸の運動軌跡は第4曲線であり、第2ヒンジ軸の運動軌跡は第5曲線であり、第4曲線と第5曲線は、いずれも前壁及び側壁に近づく方向に延在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施例又は従来技術の技術案について明確的に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面について簡単に説明し、当然なことながら、以下、説明される図面は、本発明の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、さらに提供される図面に基づいて他の図面を取得できる。
【
図1】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の斜視図である。
【
図2】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の上面図である。
【
図4】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の右上隅のヒンジの分解図である。
【
図5】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジにおける下面図である。
【
図6】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジの分解図である。
【
図7】いくつかの実施例に係る第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸の相対位置を示す図である。
【
図8】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体が閉状態にある時のヒンジにおける概略図である。
【
図11】いくつかの実施例に係る第1状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図12】いくつかの実施例に係る第1状態と第2状態との間における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図13】いくつかの実施例に係る第2状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図14】いくつかの実施例に係る90°まで開いた状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図15】いくつかの実施例に係る最大開状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図16】いくつかの実施例に係る冷蔵庫のヒンジ軸を示す図である。
【
図17】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の右上隅のヒンジの分解図である。
【
図18】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の上取付ブロックの斜視図である。
【
図19】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジの分解図である。
【
図20】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の下取付ブロックの斜視図である。
【
図21】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジにおける概略図である。
【
図22】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図23】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、例示的な実施例により本開示を詳細に説明する。しかし、1つの実施例の要素、構造、および特徴は、さらなる説明を必要とせずに、他の実施例に有益に組み合わせることができることは、理解されたい。
【0008】
本願では、「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、及び「外」などが示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本開示の説明を容易にし、簡略化するためのものであり、装置または要素が特定の方向を有し、または特定の方向で構成または動作しなければならないことを示すまたは暗示するものではないことは、理解される。したがって、これらの用語は、本開示に対する制限として解釈されないであろう。
【0009】
「第1」、「第2」、「第3」、「第4」及び「第5」などの用語は説明目的のためだけに使用され、相対的重要性を明示的または暗黙的に表し、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に表すと解釈されないであろう。したがって、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」及び「第5」という特徴は、1つ以上の当該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。
【0010】
本開示の説明では、特に明確な規定及び規定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体的に接続してもよいし、或いは、直接的に接続し、中間媒体を介して間接的に接続し、又は2つの要素の内部で接続してもよい。当業者であれば、本開示における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
【0011】
以下、添付図面を参照して本願の実施例について詳細に説明する。図面では、冷蔵庫の使用期間のユーザ向け側を前側、前側と反対側を後側と定義している。
【0012】
図1は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の斜視図である。
図1を参照すると、冷蔵庫1は、貯蔵室20を有する箱体10と、貯蔵室20を開閉するように箱体10に接続される扉体30と、貯蔵室20に冷気を供給する冷気供給装置とを備える。
【0013】
いくつかの実施例では、冷気供給装置は、蒸発器、圧縮機、凝縮器、および膨張装置を含み、冷媒の蒸発潜熱により冷気を生成する。
【0014】
いくつかの実施例では、箱体10は、貯蔵室20を画定する内殻と、冷蔵庫1の外観を形成するために内殻の外側に接続される外殻と、内殻と外殻との間に配置されて貯蔵室20を断熱する断熱体とを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、箱体10は、貯蔵室20を上貯蔵室21と下貯蔵室22とに区画する水平仕切板と、下貯蔵室22を一方側から他方側へ区画する垂直仕切板とを含む。上貯蔵室21は、空気の温度を約0℃~5℃に保つことにより、冷蔵モードで食品を貯蔵するための冷蔵室として使用されてもよい。下貯蔵室22は、空気の温度を0°C~-30°Cに保つことにより、冷凍モードで食品を貯蔵するための冷凍室として使用されてもよい。
【0016】
いくつかの実施例では、貯蔵室20は、食品を入れたり、取り出したりすることができるように開放された前部を有し、貯蔵室20の開放された前部は、回転可能な扉体30によって貯蔵室20を開閉してもよい。
【0017】
いくつかの実施例では、扉体30は、上部に位置するヒンジと、下部に位置するヒンジとによって回転可能に支持されている。例えば、ヒンジは、扉体30の上部に配置されて、扉体30を回転可能に支持してもよい。
【0018】
図2は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の上面図である。
図3は、
図2における領域Aの拡大図である。
図4は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の右上隅のヒンジの分解図である。
図2~
図4を参照すると、ヒンジは、第1ヒンジ軸41、第2ヒンジ軸42、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60を含む。第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に適合し、第2ヒンジ軸42は第2軌跡溝50に適合している。扉体30が回転して開閉する過程において、第1ヒンジ軸41が第1軌跡溝50内で相対的に移動し、第2ヒンジ軸42が第2軌跡溝60内で相対的に移動する。
【0019】
扉体30の上端のヒンジについて、箱体10の上端に接続されるヒンジ板40を含み、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42がヒンジ板40に接続されることにより、回転軸が形成される。いくつかの実施例では、ヒンジ板40、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42は一体的に形成されている。他のいくつかの実施例では、ヒンジ板41、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42は別々に設けられ、互いに組み立てられている。
【0020】
図4を参照すると、ヒンジ板40は、略水平な板状を有し且つ箱体10に接続される接続部401と、接続部401から前方に延在し且つ水平な板状を有する延在部402とを含む。接続部401は、ネジ、ピン、ボルトなどの締付具により箱体10に締結してよい。
【0021】
いくつかの実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42は、延在部402上に形成され、下方へ垂直に延在している。
【0022】
図5は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジにおける下面図である。
図6は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジの分解図である。
図5及び
図6に示すように、扉体30の下端のヒンジについて、接続部401は箱体10の前端面に接続されている。第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42はヒンジ板40上に上方へ延在している。
【0023】
ヒンジ板40の位置に対応して、扉体30の上端と下端にはそれぞれ第1軌跡溝50と第2軌跡溝60が設けられている。
【0024】
説明の便宜上、扉体30の左側面及び右側面のうちのヒンジ板40に近い側面を側壁32と呼ぶ。例えば、ヒンジ板40が箱体10の右側に位置する時、扉体30の右側面は側壁32であり、ヒンジ板40が箱体10の左側に位置する時、扉体30の左側面は側壁32である。扉体30の前壁31と側壁32とが交差して、側稜33が形成される。
【0025】
図2を参照し続けると、箱体10のヒンジ板40に近い側面が位置する平面を基準平面Oと定義する。基準平面Oのキャビネットに近い側は外側であり、それと反対側は内側である。冷蔵庫がキャビネット100に置かれて使用される時、ユーザの床の凹凸やキャビネットの変形などの要因を回避するために、キャビネットは通常、冷蔵庫の側面(即ち、基準平面O)からα=5mmだけ離れるように設けられている。冷蔵庫の扉体30が正常に開いていることを確保するために、扉体30の回転過程において、扉体30の側稜33は箱体10の側面(即ち、基準平面O)を超えることができない。そうでないと、側稜33がキャビネット100に衝突し、扉体30が正常に開くことができない。
【0026】
したがって、側稜部33が箱体10の側面を超えないために扉体30が回転過程において内側に移動可能な必要がある。ヒンジ板40が扉体30の右側に設けられる場合、内側が左側である。即ち、扉体30は左側に移動可能である。ヒンジ板40が扉体30の左側に設けられる場合、内側が右側である。即ち、扉体30は右側に移動可能である。
【0027】
第1軌跡溝50と第1ヒンジ軸41との間に相対移動関係があり、第2軌跡溝60と第2ヒンジ軸42との間に相対移動関係がある。したがって、扉体30が開く過程において、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60を静止参照対象とすると、第1ヒンジ軸41が第1軌跡溝50内で移動し、第2ヒンジ軸42が第2軌跡溝60内で移動することに相当する。説明の便宜上、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60を参照対象とし、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸41が参照対象に対して移動する方式により、本開示を説明する。
【0028】
本願のいくつかの実施例では、扉体30が閉状態から90°まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50に対する運動軌跡は、ほぼ側壁32及び前壁31に近づく方向に延在し、第2ヒンジ軸41の第2軌跡溝60に対する運動軌跡は、ほぼ前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に延在することにより、扉体30が回転しながら内側へ一定距離だけ移動する。したがって、扉体30が開く過程において側稜33が基準平面Oを超えてキャビネットと干渉するため、扉体30が正常に開かなくなるという問題が回避される。
【0029】
図7は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸の相対位置を示す図である。
図7を参照すると、扉体30が閉状態にある時、第1ヒンジ軸41は第2ヒンジ軸42よりも側壁32に近く且つ前壁31から離れている。第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との前後方向の垂直距離L1は2.5mm≦L1≦10mmを満たし、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との左右方向の垂直距離L2は、7.5mm≦L2≦30mmを満たす。例えば、L1=5mmであり、L2=15mmであり、扉体30の厚さを44mm~53mmの範囲内に設定する場合、扉体30が開く過程において、扉体30の角部が箱体10の側面を超える距離は常に小さく、具体的には3mm未満である。
【0030】
図8は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体が閉状態にある時の概略図である。本開示のいくつかの実施例では、
図8を参照すると、扉体30が閉状態にある時、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50の端部に位置し、第2ヒンジ軸42は第2軌跡溝60の端部に位置し、これにより、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60の初期端部を決定してもよい。第1軌跡溝50は、ほぼ側壁32及び前壁31に近づく方向において、初期端部から他方端部まで延びている。第2軌跡溝60は、ほぼ前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に、初期端部から他端部まで延びている。第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、扉体30がヒンジ板40に対して内側に移動できるように、それぞれ側壁32に近づく方向に延びている。
【0031】
いくつかの実施例では、扉体30が閉状態にある時、第2ヒンジ軸42と第2軌跡溝60の下端部との間には、隙間が存在し、それによって扉体30が強く投げ出された時、第2ヒンジ軸42が第2軌跡溝60の下端部に接触しないで、扉体30が弾かれる。
【0032】
以下、扉体30が閉状態から回転して開く詳細な過程について説明する。
【0033】
第1段階
【0034】
図10は、
図8におけるヒンジにおける概略図である。
図10を参照すると、第1軌跡溝50は、第1位置決め位置51と第2位置決め位置52とを有する。第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における第1位置決め位置51から第2位置決め位置52までの運動軌跡は、第1位置決め軌跡線である。対応的に、第2軌跡溝60は、第1ガイド位置61と第2ガイド位置62とを有し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60における第1ガイド位置61から第2ガイド位置62までの運動軌跡は、第1ガイド軌跡線である。
【0035】
図11は、いくつかの実施例に係る第1状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図8及び
図11を参照すると、扉体30が
図8に示す閉状態から
図11に示す第1状態まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に対して第1位置決め軌跡線に沿って第1位置決め位置51から第2位置決め位置52まで移動する。同時に、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60に対して第1ガイド軌跡道線に沿って第1ガイド位置61から第2ガイド位置62まで移動する。
【0036】
ここで、第2位置決め位置52は、第1位置決め位置51よりも前壁31から離れて側壁32に近く、第1位置決め軌跡線は前壁31から離れ且つ側壁に近づく方向に延在している。このように、第1ヒンジ軸41は、側壁32に近づき且つ前壁31から離れる方向に移動し、これは、第1軌跡溝50を有する扉体30が側壁32から離れる方向(内側向き)へ第1距離だけ移動し、前壁31に近づく方向(前側向き)へ一定距離だけ移動することに相当し、これにより、扉体30の内側への移動は、側稜33が箱体10の側面を超えすぎてキャビネットに接触することを防止することができる。扉体30が開いたばかりの時、扉体30の右後端は第1ヒンジ軸41に対して後方に回転し、扉体30の内側への移動と伴い、扉体30の扉体シール30aが箱体10の前側面に接触し摩擦することは発生する。しかし、本開示では、扉体30が前側に移動するように設けることで、扉体シール30aと箱体10の前側面との摩擦を回避することができ、扉体シール30の寿命を高めることができる。
【0037】
第2ガイド位置62は、第1ガイド位置61よりも前壁31から離れて側壁32に近く、第1ガイド軌跡線は前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に延在している。
【0038】
いくつかの実施例では、第1位置決め軌跡線は第1直線512であり、第1ガイド軌跡線は第2直線612である。しかし、他の実施例では、第1位置決め軌跡線及び第1ガイド軌跡線は曲線であってもよい。
【0039】
冷蔵庫の扉体30が第1状態にある時(
図11に示すように)、扉体30の開角度は約5°~10°の範囲内であり、側稜33は箱体10の側面を超える距離βは約2mmである。
【0040】
この段階では、第1直線512と第2直線612との間の夾角は45°よりも大きく、これにより、第1直線512と第2直線611との間の夾角が小さく、互いにほぼ平行である時の扉体30の振れを回避し、扉体30の回転中の安定性を高めることができる。
【0041】
第2段階
【0042】
図10を参照すると、第1軌跡溝50は、第3位置決め位置53をさらに有し、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における第2位置決め位置52から第3位置決め位置53までの運動軌跡は、第2位置決め軌跡線である。対応的に、第2軌跡溝60は、第3ガイド位置63をさらに有し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60における第2ガイド位置62から第3ガイド位置63までの運動軌跡は、第2ガイド軌跡線である。
【0043】
図13は、いくつかの実施例に係る第2状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図13を参照すると、扉体30が
図11に示す第1状態から
図13に示す第2状態まで開き続ける時、第2状態は90°未満であり、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に対して第2位置決め軌跡線に沿って第2位置決め位置52から第3位置決め位置53まで移動し、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60に対して第2ガイド軌跡線に沿って第2ガイド位置62から第3ガイド位置63まで移動する。
【0044】
ここで、第3位置決め位置53は、第2位置決め位置52よりも前壁31及び側壁32に近く、第2ガイド軌跡線は、前壁31及び側面32に近づく方向に第2位置決め位置52から第3位置決め位置53まで延在しており、扉体30が内側へ第2距離だけ移動する。
【0045】
第3ガイド位置63は、第2ガイド位置62よりも前壁31から離れて側壁32に近く、第2ガイド軌跡線は前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に延在する。
【0046】
いくつかの実施例では、第2位置決め軌跡線は第1曲線523であり、第2ガイド軌跡線は第2曲線623である。しかし、他の実施例では、第2位置決め軌跡線及び第2ガイド軌跡線は直線であってもよい。
【0047】
扉体30が閉状態にある時、第1曲線523の曲率中心は第1曲線523の前壁に近い側に位置し、第2曲線623の曲率中心は第2曲線623の側稜に近い側に位置する。
【0048】
本開示では、扉体30が開いた時に扉体30が内側に移動する過程を、直線に沿って第1状態まで運動する段階と曲線に沿って第2状態まで運動する段階とに分け、これにより、扉体が直線のみに沿って大きな角度で回転している場合や曲線のみに沿って大きな角度で回転している場合に、軌跡が平行に近いため扉体30が振れてしまうことを回避することができる。
【0049】
いくつかの実施例では、扉体30が閉状態から第2状態まで開く過程において、扉体30の側稜33は基準平面Oの外側を回転し、内側に移動する。この過程で、側稜部33が基準平面Oを超える距離βは、常に基準平面Oとキャビネットとの距離α(5mm)よりも小さくなり、側稜33とキャビネットとの接触による干渉が発生しないことを保証する。また、扉体30の側稜33は基準平面Oの外側にあり、これにより、扉体30が基準平面Oの内側まで大きな距離だけ移動することによってユーザが扉を開く時の不連続を感じることが回避される。
【0050】
いくつかの実施例では、第2位置決め位置52から第3位置決め位置53までの距離は、第1位置決め位置51から第2位置決め位置52までの距離よりも大きい。即ち、第1直線512の長さは第1曲線523の長さよりも小さく、第2直線612の長さは第2曲線623の長さよりも小さい。このようにして、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42は、開始直後のみ小さい距離を直線運動し、その後に大角度で曲線運動する。曲線運動は、扉体30の運動過程における平滑性を確保し、直線運動中に扉体30が内側に運動することによってユーザが不連続を感じることを防止することができる。
【0051】
第2段階のいくつかの実施例では、第1曲線523および第2曲線623はそれぞれ、曲率が減少する傾向を呈する少なくとも2つの曲線セグメントを含む。
【0052】
このようにして、曲線曲率が減少するにつれて、扉体30が単位角度で内側へ移動する距離が減少する。即ち、扉体30が回転し開いて内側に移動する過程において、扉体30の内向きの移動が遅くなり、移動過程における扉体30の円滑性が確保される。
【0053】
図12および
図13を参照すると、曲率変化のいくつかの実施例では、第1曲線523は、順次に接続された第1曲線セクション5231と第3曲線セクション5232とを含み、第2曲線623は、順次に接続された第2曲線セクション6231と第4曲線セクション6232とを含む。第3曲線セグメント5232の曲率は第1曲線セグメント6231の曲率よりも小さく、第4曲線セグメント6232の曲率は第2曲線セグメント623の曲率よりも小さい。
【0054】
第1ヒンジ軸41が第1曲線セグメント5231に沿って運動する時、第2ヒンジ軸42は第2曲線セグメント6231に沿って運動する。このような過程で、扉体30が単位角度まで開いた時、扉体30の内向きの移動距離はd1である。第1ヒンジ軸41が第3曲線セグメント5232に沿って運動し続ける時、第2ヒンジ軸42は第4曲線セグメント6232に沿って運動する。このような過程で、扉体30が単位角度まで開いた時、扉体30の内向きの移動距離はd2である。d2はd1より小さい(即ち、d2<d1)。具体例として、d2はd1の1/2であってもよい。
【0055】
他の実施例では、第1曲線523および第2曲線623の各々は、曲率が徐々に減少する3つ以上の曲線セグメントを含み得る。
【0056】
曲率変化の他のいくつかの実施例では、第1曲線523および第1曲線623の曲率はそれぞれ徐々に減少する。これにより、扉体30が回転し開いて内側に移動する過程において扉体30の運動が遅くなることも保証され、扉体30の運動過程における円滑性が保証される。
【0057】
第3段階
【0058】
図14は、いくつかの実施例に係る90°まで開いた状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図14を参照すると、扉体30が
図13に示す第2状態から
図14に示す90°状態まで開き続ける時、扉体30は回転運動のみを行い、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における位置は変化しないままであり、扉体30は第1ヒンジ軸を円心として回転し、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60における第3ガイド軌跡線に沿って第4ガイド位置64まで移動する。第3ガイド軌跡線は円弧状を呈し、第4ガイド位置64は第3ガイド位置63よりも前壁31から離れて側壁32に近い。
【0059】
いくつかの実施例では、扉体30が90°の開状態にある時、扉体30の前壁31または側稜33と箱体10の側面(基準平面O)との間に垂直隙間γが存在する。即ち、扉体30の前壁31は基準平面Oの内側に位置し、前壁31から基準平面Oまでの距離はγ>0であり、これにより、扉体30はキャビネットに干渉せずに小角度まで開き続けることができる。このような例では、冷蔵庫がキャビネット内に設置されている場合、扉体30は90°よりも大きい開角度まで開いてもよく、開角度は約105°~110°の範囲内である。
【0060】
冷蔵庫がキャビネットに嵌め込まれていない状態で冷蔵庫が大角度まで開くことを可能にするために、本実施例では、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60を延在させる。
【0061】
第4段階
【0062】
図10を参照すると、第1軌跡溝50は、第1終了位置54をさらに有し、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における第3位置決め位置53から第1終了位置までの運動軌跡は、第3位置決め軌跡線である。対応的に、第2軌跡溝60は、第2終了位置65をさらに有し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60における第4ガイド位置64から第2終了位置65までの運動軌跡は第4ガイド軌跡線である。
【0063】
図15は、いくつかの実施例に係る最大開状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図15を参照すると、扉体30が
図14に示すように90°から開き続ける時、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に対して第3位置決め軌跡線に沿って第3位置決め位置53から第1終了位置54まで移動し、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60に対して第4ガイド軌跡線に沿って第4ガイド位置64から第2終了位置65まで移動する。
【0064】
ここで、第1終了位置54は、第3位置決め位置53よりも前壁31及び側壁32に近く、第3位置決め軌跡線は、第3位置決め位置53から前壁30及び側壁30に近づく方向に第1終了位置まで延在している。第2終了位置65は、第4ガイド位置64よりも前壁31及び側壁32に近く、第4ガイド軌跡線は、前壁32及び側壁31に近い方向に第4ガイド位置64から第2終了位置65まで延在する。
【0065】
上述した説明では、軌跡線の延在方向は、扉体30を開く過程における第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50に対する移動方向、または第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60に対する移動方向を参照とするものである。
【0066】
本実施例では、第3位置決め軌跡線は第4曲線534であり、第4ガイド軌跡線は第5曲線645である。しかし、他の実施例では、第3位置決め軌跡線及び第4ガイド軌跡線は直線であってもよい。
【0067】
この段階の運動軌跡が、前段階と同じであれば、即ち、扉体30が回転運動のみを行う場合、長い回転範囲内では、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動傾向が互いに平行であることによる扉体30の振れが発生しやすい。したがって、この段階では、第1ヒンジ軸41の運動軌跡と第2ヒンジ軸42の運動軌跡が任意点で夾角を有するように、扉体30の側稜は、回転しながら前方と内側へ一定距離だけ移動するように設定されている。
【0068】
具体的には、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動軌跡の任意対応点における接線間の夾角は30°よりも大きく、扉体30の運動の安定性を確保する。
【0069】
本願のいくつかの実施例では、第1ヒンジ軸41は、主に位置決めの役割を果たし、第2ヒンジ軸42は、主にガイドの役割を果たし、2つのヒンジ軸のうち、第1ヒンジ軸41は主軸であり、第2ヒンジ軸42は補助軸であり、力が主として主軸に集中している。したがって、第1ヒンジ軸41の長さは、第2ヒンジ軸42の長さよりも大きいように設けられ、対応的に、第1軌跡溝50は、第2軌跡溝60よりも深いように設けられる。これにより、第2ヒンジ軸42が長すぎて材料コストが無駄になることを回避することができ、また、扉体が傾斜すると第1ヒンジ軸41が短い場合に軌跡溝がヒンジ軸から離脱しやすいことを回避することができ、構造的信頼性を確保した上で材料コストを節約することができる。
【0070】
また、力が第1ヒンジ軸41に集中しているため、第1ヒンジ軸の直径は第2ヒンジ軸42の直径よりも大きいように設けられてもよい。このようにして、第1ヒンジ軸41は厚く、大きな受力により良好に耐え、扉体が傾斜している時の付勢力を受けるために十分な強度を有する。一方、第2軌跡溝60は長く、扉体の厚さ方向に大きな空間を占めているため、第2ヒンジ軸42を細いように設けられ、対応的に、第2軌跡溝60を狭くすることができ、それによって扉体を薄く設計することができ、冷蔵庫全体の厚さを小さくすることができ、小型化になる利点がある。
【0071】
図16は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫のヒンジ軸を示す図である。
図16を参照すると、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の外側には、軸ブッシュ90が設けられ、軸ブッシュ90は軸に対して回転可能である。二軸ヒンジが運動する過程において、軸ブッシュ90はヒンジ軸に対して回転し、軸ブッシュ90は軌跡溝に対して摺動し、これにより摩擦を低減し、寿命を向上させることができる。軸ブッシュ90は、耐摩耗性POMから作製してもよく、軸ブッシュ90は、軸受を介してヒンジ軸に接続され、または軸受を介してヒンジ板40に接続されてもよい。
【0072】
他の実施例では、軌跡溝の内壁にPOM製のブッシングを設け、ヒンジ軸がブッシング内に移動してもよい。
【0073】
本願のいくつかの実施例では、
図17~
図20を参照すると、扉体30は、取り付けブロック70を含み、取り付けブロック70は、扉体30のヒンジ板40に対向する位置に取り付けられ、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、取り付けブロック70に設けられている。
【0074】
取付ブロック70は、扉体30の上端に設けられた上取付ブロック71と、扉体30の下端に設けられた下取付ブロック72とを含む。
【0075】
具体的には、
図17及び18を参照すると、上取付ブロック71は、板体711と、板体711の下面から下方に延在して形成される延在部712とを含み得る。第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、板体711の上面から延在部712まで下方に凹んでいる。延在部712の形状は軌跡溝に対応する。
【0076】
扉体30の上端には、対応して上収容溝34が設けられている。上取付ブロック71を上収容溝34に挿入し、板体711と扉体30とをネジ等によりに締結する。
【0077】
具体的には、
図19及び20を参照すると、下取付ブロック72は、上取付ブロック71の板体711、延在部712及び軌跡溝と同様の構成を有する。下取付ブロック72の延在部712は、板体711の上面が上方に延在することにより、形成されるものである。また、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、板体711の下面から延在部712まで上方に凹んでいる。また、対応的に、扉体30の下端には下収容溝36が設けられている。下取付ブロック72が下収容溝36に挿入され、板体711がネジ等により扉体30に締結する。
【0078】
上取付ブロック71及び下取付ブロック72はPOMで作製してもよい。POMは摩擦抵抗特性が強く、ヒンジの寿命を高めることができる。
【0079】
本願のいくつかの実施例では、
図6を参照すると、下取付ブロック72はロックフック構造を含み得る。具体的には、下取付ブロック72は、板体711の内側に設けられたロックフック721を含む。ロックフック721は、内側に延び、後側に向かって曲げて形成される。ロックフック721の開口は板体711の方向を向き、ロックフック721の自由端は後側に位置している。
【0080】
扉体30の下端に位置するヒンジ板40の内側には、外側に延びるストッパー部403が設けられている。扉体30が閉状態にある時、扉体30上のロックフック721はヒンジ板40上のストッパー部403を引っ掛け、それによって扉体30をロックし、扉体20の閉鎖不良による冷蔵庫の冷蔵冷凍効果への影響を防止することができる。扉体30が開いた時、ロックフック721が力を受けて変形することにより、ストッパー部403のストッパーを克服して、ストッパー部403から離脱する。
【0081】
ロックフック721は、根元部7211とフック部7212とを含み得る。根元部7211は板体711に接続され、フック部7212は根元部7211に接続されて後方に曲げている。ネジは、根元部7211と扉体との接続強度を高めるために、根元部7211を貫通して扉体30に接続され、これにより、ロックフック721がストッパー部403から離脱する時、フック7212のみが変形する。
【0082】
フック部7212及びストッパー部403の自由端はいずれも円弧状であり、フック部7232が円弧状に沿ってストッパー部403を引っ掛けたり、ストッパー部403から離脱したりするのに有利である。
【0083】
いくつかの実施例では、扉体30には、第1凸部37及び第2凸部38が設けられてもよい。扉体30が閉状態にある時、第1凸部37と第2凸部38は略前後方向に設けられる。また、第1凸部37と第2凸部38との間には隙間溝39が存在し、根元部7211の一部7211aが隙間溝39に挿入されている。このように、第1凸部37と第2凸部38の位置制限により、根元部7211の前後方向における変形を回避することができる。
【0084】
なお、ロックフック721は、上取付ブロック71に設けられていてもよく、ストッパー部403は、それに応じて扉体30の上端に位置するヒンジ板40に設けられていてもよい。
【0085】
本願のいくつかの実施例では、扉体30とヒンジ板40との間には、扉体30が最大角度まで開いたことを制限する位置制限構造が設けられ、扉が大きな力で一定角度まで開いた時に取付ブロック70が破損することが回避される。
【0086】
具体的には、
図19及び
図21を参照すると、扉体30の下端には、位置制限ブロック80が設けられ、位置制限ブロック80は下取付ブロック72の先端に位置している。扉体30が最大許容位置まで回転した時、位置制限ブロック80はヒンジ板40の側面404に当接することにより、扉体30が回転し続けるのを防止する。
【0087】
位置制限ブロック80は、鈑金部材であってもよく、嵌入部81、位置制限部82、及び補強部83を含む。
【0088】
嵌入部81は板状をなし、扉体30の下収容溝36内に取り付けられている。下取付ブロック72の板体711は、扉体30上に嵌入部81を下端から挟むことにより、位置制限ブロック80を扉体30に固定する。
【0089】
補強部83と嵌入部81とは直角に形成されている。即ち、組立状態では、嵌入部81は横方向の状態にあり、補強部83は縦方向の状態にある。補強部83は、嵌入部81の先端が下方に曲げることにより形成されている。
【0090】
位置制限部82はブロック状をなし、補強部83の下端の一部が下方に延び続けることにより形成される。位置制限部82は、扉体30の下面から縦方向に延び、これにより、扉体30の駆動下で位置制限ブロック80が最大角度まで回転した時、位置制限部82がヒンジ板40の側面404によって制限されて扉体30の開きを停止させる。
【0091】
ストッパブロック80が下取付ブロック72によって扉体30に挟まれることにより、ストッパブロック80と扉体30との接続構造を省略でき、製品構造を簡略化でき、構造が簡単である利点がある。
【0092】
なお、ストッパブロック80は扉体30の上端に設けられてもよく、ここではこれ以上説明されない。
【0093】
第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との間の距離が大きい場合、扉体30が傾斜している時または2つの軸が互いに平行でない時、ヒンジの運動は大きく影響を受け、さらに、ヒンジの正常な回転にも影響を与える可能性がある。したがって、本願のいくつかの実施例では、
図18を参照すると、取付ブロック70の板体711の厚さはL1と表記され、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60との間の最小肉厚はL2と表記される場合、L2は(0.5~1)L1に等しい(即ち、L2=(0.5~1)L1)。このようにして、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との間の距離を小さくすることができ、扉体30が少し傾斜している時または2つの軸が互いに平行でない時、ヒンジの運動への影響が小さく、取付ブロック70の強度が影響を受けない。
【0094】
上記実施例では、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は取付ブロック70に設けられるものであり、取付ブロック70は扉体30に取り付けられる。しかし、他の実施例では、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、扉体30に直接設けられてもよい。
【0095】
図22及び
図23を参照すると、扉体30の上端におけるヒンジ板40に対応する位置が下方に窪むことにより、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60が形成される。扉体30の下端におけるヒンジ板40に対応する位置が上方に窪むことにより、第1軌跡溝と第2軌跡溝60とが形成されている。
【0096】
具体的には、扉体30は、扉殻301と、扉殻301から扉殻301の内部に縦方向に延びる突起部302とを含む。第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、扉殻301の外端面が突起部302に内側に窪むことにより、形成されている。
【0097】
ここで、突起部302は、扉殻301と一体に形成されてもよい。突起部302は、第1突起部303と第2突起部304とを含む。第1突起部303の形状は、第1軌跡溝50に対応し、第2突起部304の形状は、第2軌跡溝60に対応する。
【0098】
扉殻301の厚さはH1と表記され、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60との間の最小肉厚はH2と表記される場合、H2は(0.5~1)H1に等しい(即ち、H2=(0.5~1)H1)。このようにして、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との間の距離を小さくすることができ、扉体が少し傾斜している時または2つの軸が互いに平行でない時、ヒンジの運動への影響が小さく、取付ブロック70の強度が影響を受けない。
【0099】
上記実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42はヒンジ板40に設けられるものであり、対応的に、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は扉体30に設けられるものである。他の実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42が扉体30に設けられ、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60がヒンジ板40に設けられてもよい。あるいは、別の実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2軌跡溝60がヒンジ板40に設けられ、第2ヒンジ軸42と第1軌跡溝50が扉体30に設けられてもよい。あるいは、第1ヒンジ軸41及び第2軌跡溝60が扉体30に設けられ、第2ヒンジ軸42及び第1軌跡溝50がヒンジ板40に設けられてもよい。
【0100】
本願では、扉体30が最初に開いた時に内側へ第1距離だけ移動し、前方へ一定距離だけ移動することにより、第1距離を内側に移動することは、扉体30とキャビネットとの干渉を防止することができ、前方へ一定距離だけ移動することは、扉体シール30aと箱体10の前側との間の摩擦による摩耗を回避することができる。
【0101】
本願では、扉体30の回転開放と内向き移動の過程を、閉状態から第1状態まで開いた時に第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動軌跡が直線である段階と、第1状態から第2状態に開き続ける時に第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動軌跡は曲線である段階との2つの段階に分ける。直線に沿う第1状態から曲線に沿う第2状態まで、扉体が直線のみに沿って大きな角度で回転している場合や曲線のみに沿って大きな角度で回転している場合に、軌跡が平行に近いため扉体30が振れてしまうことを回避することができる。また、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42は、開始直後のみ小さい距離を直線運動し、その後に大角度で曲線運動する。曲線運動は、扉体30の運動過程における平滑性を確保し、直線運動中に扉体30が内側に移動することによってユーザが不連続を感じることを防止することができる。
【0102】
本願では、扉体30が第1状態から第2状態まで開いた時、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42の運動の曲線軌跡はそれぞれ、曲率が減少する傾向を呈する少なくとも2つの曲線セグメントを含む。これにより、扉体30が単位角度で内側へ移動する距離が減少し、扉体30が回転し開いて内側に移動する過程において扉体30の運動が遅くなることも確保され、扉体30の運動過程における円滑性が確保される。
【0103】
本願では、扉体30が90°から開き続ける時、第1ヒンジ軸41の運動軌跡は第4曲線54であり、第2ヒンジ軸42の運動軌跡は第5曲線645であり、これにより、第1ヒンジ軸41の運動軌跡と第2ヒンジ軸42の運動軌跡が任意点で夾角を有することができ、扉体30が大角度範囲で回転する際の振れを回避し、扉体30の運動の安定性を確保する。
【0104】
本願では、扉体30を開く全過程において、第1ヒンジ軸は第1軌跡溝の一方端から第1軌跡溝の他方端まで移動し、第2ヒンジ軸は第2軌跡溝の一方端から第2軌跡溝の他方端まで移動し、移動過程において後退しなく、これにより、扉体30の開きの円滑性が確保される。
【0105】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲を限定するものではなく、当業者が本開示に係る技術範囲内を逸脱せずに容易に想到し得る変化や置換は、全て本開示の保護範囲に属する。従って、本開示の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0106】
1 冷蔵庫、
10 箱体、20 貯蔵室、21 上貯蔵室、22 下貯蔵室、
30 扉体、301 扉殻、302 突起部、303 第1突起部、304 第2突起部、31 前壁、32 側壁、33 側稜、34 上収容溝、36 下収容溝、37 第1凸部、38 第2凸部、39 逃げ溝、39 隙間溝、
40 ヒンジ板、401 接続部、402 延在部、403 ストッパー部、41 第1ヒンジ軸、42 第2ヒンジ軸、
50 第1軌跡溝、51 第1位置決め位置、512 第1直線、52 第2位置決め位置、523 第1曲線、5231 第1曲線セグメント、5232 第3曲線セグメント、53 第3の位置決め位置、534 第4曲線、54 第1終了位置、
60 第2軌跡溝、61 第1ガイド位置、612 第2直線、62 第2ガイド位置、623 第2曲線、6231 第2曲線セグメント、6232 第4曲線セグメント、63 第3ガイド位置、634 第3曲線、64 第4ガイド位置、645 第5曲線、65 第2終了位置、
70 取付ブロック、71 上取付ブロック、711 板体、712 延在部、72 下取付ブロック、721 ロックフック、7211 根元部、7212 フック部、
80 位置制限ブロック、81 嵌入部、82 位置制限部、83 補強部、
90 軸ブッシュ、100 キャビネット。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年7月26日に出願された出願番号が202110844775.7であり且つ発明名称が「冷蔵庫」である中国特許出願、2021年7月26日に出願された出願番号が202110846078.5であり且つ発明名称が「冷蔵庫」である中国特許出願、2021年7月26日に出願された出願番号が202110844802.0であり且つ発明名称が「冷蔵庫」である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は家庭用電気設備の技術分野に関し、特に、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0003】
冷蔵庫の扉体のヒンジ構造は一軸形式が多い。ヒンジ軸と扉体の軸ブッシュとの嵌合により、扉体がヒンジ軸を中心に回転することが実現される。このようなヒンジ構造の扉体が開く過程において、扉体の角部は扉体の側面を超える。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のいくつかの実施例では、冷蔵庫が提供される。当該冷蔵庫は、貯蔵室が形成される箱体と、箱体に固定されるヒンジ板と、貯蔵室を開閉するようにヒンジ板に対して回転可能であり、前壁とヒンジ板に近い側壁とを有する扉体と、第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝であって、第1ヒンジ軸は扉体及びヒンジ板の一方に位置し、第1軌跡溝は扉体及びヒンジ板の他方に位置する第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝と、第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝であって、第2ヒンジ軸は扉体とヒンジ板の一方に位置し、第2軌跡溝は扉体とヒンジ板の他方に位置する第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝と、を備える。扉体が閉状態から第1状態まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸は第1直線に沿って第1軌跡溝の第1位置決め位置から第2位置決め位置まで移動し、第2ヒンジ軸は第2直線に沿って第2軌跡溝の第1ガイド位置から第2ガイド位置まで移動することにより、扉体が内側へ第1距離だけ移動する。扉体が第1状態から第2状態まで開き続ける時、第2状態における扉体の開角度が90°未満である場合、第1ヒンジ軸は第1曲線に沿って第1軌跡溝の第2位置決め位置から第3位置決め位置まで移動し、第2ヒンジ軸は、第2曲線に沿って第2軌跡溝の第2ガイド位置から第3ガイド位置まで移動することにより、扉体が内側へ第2距離だけ移動する。
【0005】
本開示の実施例では、冷蔵庫が提供される。当該冷蔵庫は、貯蔵室が形成される箱体と、箱体に固定されるヒンジ板と、貯蔵室を開閉するようにヒンジ板に対して回転可能であり、前壁とヒンジ板に近い側壁とを有する扉体と、第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝であって、第1ヒンジ軸は扉体及びヒンジ板の一方に位置し、第1軌跡溝は扉体及びヒンジ板の他方に位置する第1ヒンジ軸及び第1軌跡溝と、第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝であって、第2ヒンジ軸は扉体及びヒンジ板の一方に位置し、第2軌跡溝は扉体及びヒンジ板の他方に位置する第2ヒンジ軸及び第2軌跡溝と、を備える。扉体が閉状態から90°の開角度まで開いた時、第1ヒンジ軸の第1軌跡溝における運動軌跡はほぼ前壁及び側壁に近づく方向に延在し、第2ヒンジ軸の第2軌跡溝における運動軌跡はほぼ前壁から離れ且つ側壁に近づく方向に延在することにより、扉体が内側へ一定距離だけ移動する。扉体が90°の開角度から開き続ける時、第1ヒンジ軸の運動軌跡は第4曲線であり、第2ヒンジ軸の運動軌跡は第5曲線であり、第4曲線と第5曲線は、いずれも前壁及び側壁に近づく方向に延在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の実施例又は従来技術の技術案について明確的に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面について簡単に説明し、当然なことながら、以下、説明される図面は、本発明の実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、さらに提供される図面に基づいて他の図面を取得できる。
【
図1】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の斜視図である。
【
図2】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の上面図である。
【
図4】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の右上隅のヒンジの分解図である。
【
図5】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジにおける下面図である。
【
図6】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジの分解図である。
【
図7】いくつかの実施例に係る第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸の相対位置を示す図である。
【
図8】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体が閉状態にある時のヒンジにおける概略図である。
【
図11】いくつかの実施例に係る第1状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図12】いくつかの実施例に係る第1状態と第2状態との間の状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図13】いくつかの実施例に係る第2状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図14】いくつかの実施例に係る90°まで開いた状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図15】いくつかの実施例に係る最大開状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図16】いくつかの実施例に係る冷蔵庫のヒンジ軸を示す図である。
【
図17】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の右上隅のヒンジの別の分解図である。
【
図18】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の上取付ブロックの斜視図である。
【
図19】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジの別の分解図である。
【
図20】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の下取付ブロックの斜視図である。
【
図21】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジにおける概略図である。
【
図22】いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体を示す図である。
【
図23】いくつかの実施例に係る別の視点における冷蔵庫の扉体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、例示的な実施例により本開示を詳細に説明する。しかし、1つの実施例の要素、構造、および特徴は、さらなる説明を必要とせずに、他の実施例に有益に組み合わせることができることは、理解されたい。
【0008】
本願では、「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、及び「外」などが示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づくものであり、単に本開示の説明を容易にし、簡略化するためのものであり、装置または要素が特定の方向を有し、または特定の方向で構成または動作しなければならないことを示すまたは暗示するものではないことは、理解される。したがって、これらの用語は、本開示に対する制限として解釈されないであろう。
【0009】
「第1」、「第2」、「第3」、「第4」及び「第5」などの用語は説明目的のためだけに使用され、相対的重要性を明示的または暗黙的に表し、又は示された技術的特徴の数を暗黙的に表すと解釈されないであろう。したがって、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」及び「第5」という特徴は、1つ以上の当該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。
【0010】
本開示の説明では、特に明確な規定及び規定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または一体的に接続してもよいし、或いは、直接的に接続し、中間媒体を介して間接的に接続し、又は2つの要素の内部で接続してもよい。当業者であれば、本開示における上記用語の具体的な意味を具体的に理解することができる。
【0011】
以下、添付図面を参照して本願の実施例について詳細に説明する。図面では、冷蔵庫の使用期間のユーザ向け側を前側、前側と反対側を後側と定義している。
【0012】
図1は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の斜視図である。
図1を参照すると、冷蔵庫1は、貯蔵室20を有する箱体10と、貯蔵室20を開閉するように箱体10に接続される扉体30と、貯蔵室20に冷気を供給する冷気供給装置とを備える。
【0013】
いくつかの実施例では、冷気供給装置は、蒸発器、圧縮機、凝縮器、および膨張装置を含み、冷媒の蒸発潜熱により冷気を生成する。
【0014】
いくつかの実施例では、箱体10は、貯蔵室20を画定する内殻と、冷蔵庫1の外観を形成するために内殻の外側に接続される外殻と、内殻と外殻との間に配置されて貯蔵室20を断熱する断熱体とを含む。
【0015】
いくつかの実施例では、箱体10は、貯蔵室20を上貯蔵室21と下貯蔵室22とに区画する水平仕切板と、下貯蔵室22を二つの部分に区画する垂直仕切板とを含む。上貯蔵室21は、空気の温度を約0℃~5℃に保つことにより、冷蔵モードで食品を貯蔵するための冷蔵室として使用されてもよい。下貯蔵室22は、空気の温度を0°C~-30°Cに保つことにより、冷凍モードで食品を貯蔵するための冷凍室として使用されてもよい。
【0016】
いくつかの実施例では、貯蔵室20は、食品を入れたり、取り出したりすることができるように開放された前部を有し、貯蔵室20の開放された前部は、回転可能な扉体30によって開閉してもよい。
【0017】
いくつかの実施例では、扉体30は、上部に位置するヒンジと、下部に位置するヒンジとによって回転可能に支持されている。例えば、ヒンジは、扉体30の上部に配置されて、扉体30を回転可能に支持してもよい。
【0018】
図2は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の上面図である。
図3は、
図2における領域Aの拡大図である。
図4は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の右上隅のヒンジの分解図である。
図2~
図4を参照すると、ヒンジは、第1ヒンジ軸41、第2ヒンジ軸42、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60を含む。第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に適合し、第2ヒンジ軸42は第2軌跡溝60に適合している。扉体30が回転して開閉する過程において、第1ヒンジ軸41が第1軌跡溝50内で相対的に移動し、第2ヒンジ軸42が第2軌跡溝60内で相対的に移動する。
【0019】
扉体30の上端のヒンジについて、箱体10の上端に接続されるヒンジ板40を含み、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42がヒンジ板40に接続されることにより、回転軸が形成される。いくつかの実施例では、ヒンジ板40、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42は一体的に形成されている。他のいくつかの実施例では、ヒンジ板40、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42は別々に設けられ、互いに組み立てられている。
【0020】
図4を参照すると、ヒンジ板40は、略水平な板状を有し且つ箱体10に接続される接続部401と、接続部401から前方に延在し且つ水平な板状を有する第1延在部402とを含む。接続部401は、ネジ、ピン、ボルトなどの締付具により箱体10に締結してよい。
【0021】
いくつかの実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42は、第1延在部402上に形成され、下方へ垂直に延在している。
【0022】
図5は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジにおける下面図である。
図6は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体の下端のヒンジの分解図である。
図5及び
図6に示すように、扉体30の下端のヒンジについて、接続部401は箱体10の前端面に接続されている。第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42はヒンジ板40上に上方へ延在している。
【0023】
ヒンジ板40の位置に対応して、扉体30の上端と下端にはそれぞれ第1軌跡溝50と第2軌跡溝60が設けられている。
【0024】
説明の便宜上、扉体30の左側面及び右側面のうちのヒンジ板40に近い側面を側壁32と呼ぶ。例えば、ヒンジ板40が箱体10の右側に位置する時、扉体30の右側面は側壁32であり、ヒンジ板40が箱体10の左側に位置する時、扉体30の左側面は側壁32である。扉体30の前壁31と側壁32とが交差して、側稜33が形成される。
【0025】
図2を参照し続けると、箱体10のヒンジ板40に近い側面が位置する平面を基準平面Oと定義する。基準平面Oのキャビネットに近い側は外側であり、それと反対側は内側である。冷蔵庫がキャビネット100に置かれて使用される時、ユーザの床の凹凸やキャビネットの変形などの要因を回避するために、キャビネットは通常、冷蔵庫の側面(即ち、基準平面O)からα=5mmだけ離れるように設けられている。冷蔵庫の扉体30が正常に開いていることを確保するために、扉体30の回転過程において、扉体30の側稜33は箱体10の側面(即ち、基準平面O)を超えることができない。そうでないと、側稜33がキャビネット100に衝突し、扉体30が正常に開くことができない。
【0026】
したがって、側稜部33が箱体10の側面を超えないために扉体30が回転過程において内側に移動可能な必要がある。ヒンジ板40が扉体30の右側に設けられる場合、内側が左側である。即ち、扉体30は左側に移動可能である。ヒンジ板40が扉体30の左側に設けられる場合、内側が右側である。即ち、扉体30は右側に移動可能である。
【0027】
第1軌跡溝50と第1ヒンジ軸41との間に相対移動関係があり、第2軌跡溝60と第2ヒンジ軸42との間に相対移動関係がある。したがって、扉体30が開く過程において、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60を静止参照対象とすると、第1ヒンジ軸41が第1軌跡溝50内で移動し、第2ヒンジ軸42が第2軌跡溝60内で移動することに相当する。説明の便宜上、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60を参照対象とし、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42が参照対象に対して移動する方式により、本開示を説明する。
【0028】
本願のいくつかの実施例では、扉体30が閉状態から90°の開角度まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50に対する運動軌跡は、ほぼ側壁32及び前壁31に近づく方向に延在し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60に対する運動軌跡は、ほぼ前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に延在することにより、扉体30が回転しながら内側へ一定距離だけ移動する。したがって、扉体30が開く過程において側稜33が基準平面Oを超えてキャビネットと干渉するため、扉体30が正常に開かなくなるという問題が回避される。
【0029】
図7は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸の相対位置を示す図である。
図7を参照すると、扉体30が閉状態にある時、第1ヒンジ軸41は第2ヒンジ軸42よりも側壁32に近く且つ前壁31から離れている。第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との前後方向の垂直距離L1は2.5mm≦L1≦10mmを満たし、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との左右方向の垂直距離L2は、7.5mm≦L2≦30mmを満たす。例えば、L1=5mmであり、L2=15mmであり、扉体30の厚さを44mm~53mmの範囲内に設定する場合、扉体30が開く過程において、扉体30の角部が箱体10の側面を超える距離は常に小さく、具体的には3mm未満である。
【0030】
図8は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫の扉体が閉状態にある時のヒンジにおける概略図である。本開示のいくつかの実施例では、
図8を参照すると、扉体30が閉状態にある時、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50の端部に位置し、第2ヒンジ軸42は第2軌跡溝60の端部に位置し、これにより、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60の初期端部を決定してもよい。第1軌跡溝50は、ほぼ側壁32及び前壁31に近づく方向において、初期端部から他方端部まで延びている。第2軌跡溝60は、ほぼ前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に、初期端部から他端部まで延びている。第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、扉体30がヒンジ板40に対して内側に移動できるように、それぞれ側壁32に近づく方向に延びている。
【0031】
いくつかの実施例では、扉体30が閉状態にある時、第2ヒンジ軸42と第2軌跡溝60の下端部との間には、隙間が存在し、それによって扉体30が強く投げ出された時、第2ヒンジ軸42が第2軌跡溝60の下端部に接触しないで、扉体30が弾かれることを回避する。
【0032】
以下、扉体30が閉状態から回転して開く詳細な過程について説明する。
【0033】
第1段階
【0034】
図10は、
図8におけるヒンジにおける概略図である。
図10を参照すると、第1軌跡溝50は、第1位置決め位置51と第2位置決め位置52とを有する。第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における第1位置決め位置51から第2位置決め位置52までの運動軌跡は、第1位置決め軌跡線である。対応的に、第2軌跡溝60は、第1ガイド位置61と第2ガイド位置62とを有し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60における第1ガイド位置61から第2ガイド位置62までの運動軌跡は、第1ガイド軌跡線である。
【0035】
図11は、いくつかの実施例に係る第1状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図8及び
図11を参照すると、扉体30が
図8に示す閉状態から
図11に示す第1状態まで回転して開いた時、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に対して第1位置決め軌跡線に沿って第1位置決め位置51から第2位置決め位置52まで移動する。同時に、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60に対して第1ガイド軌跡道線に沿って第1ガイド位置61から第2ガイド位置62まで移動する。
【0036】
ここで、第2位置決め位置52は、第1位置決め位置51よりも前壁31から離れて側壁32に近く、第1位置決め軌跡線は前壁31から離れ且つ側壁に近づく方向に延在している。このように、第1ヒンジ軸41は、側壁32に近づき且つ前壁31から離れる方向に移動し、これは、第1軌跡溝50を有する扉体30が側壁32から離れる方向(内側向き)へ第1距離だけ移動し、前壁31に近づく方向(前側向き)へ一定距離だけ移動することに相当し、これにより、扉体30の内側への移動は、側稜33が箱体10の側面を超えすぎてキャビネットに接触することを防止することができる。扉体30が開いたばかりの時、扉体30の右後端は第1ヒンジ軸41に対して後方に回転し、扉体30の内側への移動と伴い、扉体30の扉体シール30aが箱体10の前側面に接触し摩擦することは発生する。しかし、本開示では、扉体30が前側に移動するように設けることで、扉体シール30aと箱体10の前側面との摩擦を回避することができ、扉体シール30の寿命を高めることができる。
【0037】
第2ガイド位置62は、第1ガイド位置61よりも前壁31から離れて側壁32に近く、第1ガイド軌跡線は前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に延在している。
【0038】
いくつかの実施例では、第1位置決め軌跡線は第1直線512であり、第1ガイド軌跡線は第2直線612である。しかし、他の実施例では、第1位置決め軌跡線及び第1ガイド軌跡線は曲線であってもよい。
【0039】
冷蔵庫の扉体30が第1状態にある時(
図11に示すように)、扉体30の開角度は約5°~10°の範囲内であり、側稜33は箱体10の側面を超える距離βは約2mmである。
【0040】
この段階では、第1直線512と第2直線612との間の夾角は45°よりも大きく、これにより、第1直線512と第2直線611との間の夾角が小さく、互いにほぼ平行である時の扉体30の振れを回避し、扉体30の回転中の安定性を高めることができる。
【0041】
第2段階
【0042】
図10を参照すると、第1軌跡溝50は、第3位置決め位置53をさらに有し、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における第2位置決め位置52から第3位置決め位置53までの運動軌跡は、第2位置決め軌跡線である。対応的に、第2軌跡溝60は、第3ガイド位置63をさらに有し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60における第2ガイド位置62から第3ガイド位置63までの運動軌跡は、第2ガイド軌跡線である。
【0043】
図13は、いくつかの実施例に係る第2状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図13を参照すると、扉体30が
図11に示す第1状態から
図13に示す第2状態まで開き続ける時、第2状態における扉体の開角度は90°未満であり、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に対して第2位置決め軌跡線に沿って第2位置決め位置52から第3位置決め位置53まで移動し、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60に対して第2ガイド軌跡線に沿って第2ガイド位置62から第3ガイド位置63まで移動する。
【0044】
ここで、第3位置決め位置53は、第2位置決め位置52よりも前壁31及び側壁32に近く、第2ガイド軌跡線は、前壁31及び側面32に近づく方向に第2位置決め位置52から第3位置決め位置53まで延在しており、扉体30が内側へ第2距離だけ移動する。
【0045】
第3ガイド位置63は、第2ガイド位置62よりも前壁31から離れて側壁32に近く、第2ガイド軌跡線は前壁31から離れ且つ側壁32に近づく方向に延在する。
【0046】
いくつかの実施例では、第2位置決め軌跡線は第1曲線523であり、第2ガイド軌跡線は第2曲線623である。しかし、他の実施例では、第2位置決め軌跡線及び第2ガイド軌跡線は直線であってもよい。
【0047】
扉体30が閉状態にある時、第1曲線523の曲率中心は第1曲線523の前壁に近い側に位置し、第2曲線623の曲率中心は第2曲線623の側稜に近い側に位置する。
【0048】
本開示では、扉体30が開いた時に扉体30が内側に移動する過程を、直線に沿って第1状態まで運動する段階と曲線に沿って第2状態まで運動する段階とに分け、これにより、扉体が直線のみに沿って大きな角度で回転している場合や曲線のみに沿って大きな角度で回転している場合に、軌跡が平行に近いため扉体30が振れてしまうことを回避することができる。
【0049】
いくつかの実施例では、扉体30が閉状態から第2状態まで開く過程において、扉体30の側稜33は基準平面Oの外側を回転し、内側に移動する。この過程で、側稜部33が基準平面Oを超える距離βは、常に基準平面Oとキャビネットとの距離α(5mm)よりも小さくなり、側稜33とキャビネットとの接触による干渉が発生しないことを保証する。また、扉体30の側稜33は基準平面Oの外側にあり、これにより、扉体30が基準平面Oの内側まで大きな距離だけ移動することによってユーザが扉を開く時の不連続を感じることが回避される。
【0050】
いくつかの実施例では、第2位置決め位置52から第3位置決め位置53までの距離は、第1位置決め位置51から第2位置決め位置52までの距離よりも大きい。即ち、第1直線512の長さは第1曲線523の長さよりも小さく、第2直線612の長さは第2曲線623の長さよりも小さい。このようにして、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42は、開始直後のみ小さい距離を直線運動し、その後に大角度で曲線運動する。曲線運動は、扉体30の運動過程における平滑性を確保し、直線運動中に扉体30が内側に運動することによってユーザが不連続を感じることを防止することができる。
【0051】
第2段階のいくつかの実施例では、第1曲線523および第2曲線623はそれぞれ、曲率が減少する傾向を呈する少なくとも2つの曲線セグメントを含む。
【0052】
このようにして、曲線曲率が減少するにつれて、扉体30が単位角度で内側へ移動する距離が減少する。即ち、扉体30が回転し開いて内側に移動する過程において、扉体30の内向きの移動が遅くなり、移動過程における扉体30の円滑性が確保される。
【0053】
図12および
図13を参照すると、曲率変化のいくつかの実施例では、第1曲線523は、順次に接続された第1曲線セクション5231と第3曲線セクション5232とを含み、第2曲線623は、順次に接続された第2曲線セクション6231と第4曲線セクション6232とを含む。第3曲線セグメント5232の曲率は第1曲線セグメント5231の曲率よりも小さく、第4曲線セグメント6232の曲率は第2曲線セグメント623の曲率よりも小さい。
【0054】
第1ヒンジ軸41が第1曲線セグメント5231に沿って運動する時、第2ヒンジ軸42は第2曲線セグメント6231に沿って運動する。このような過程で、扉体30が単位角度まで開いた時、扉体30の内向きの移動距離はd1である。第1ヒンジ軸41が第3曲線セグメント5232に沿って運動し続ける時、第2ヒンジ軸42は第4曲線セグメント6232に沿って運動する。このような過程で、扉体30が単位角度まで開いた時、扉体30の内向きの移動距離はd2である。d2はd1より小さい(即ち、d2<d1)。具体例として、d2はd1の1/2であってもよい。
【0055】
他の実施例では、第1曲線523および第2曲線623の各々は、曲率が徐々に減少する3つ以上の曲線セグメントを含み得る。
【0056】
曲率変化の他のいくつかの実施例では、第1曲線523および第2曲線623の曲率はそれぞれ徐々に減少する。これにより、扉体30が回転し開いて内側に移動する過程において扉体30の運動が遅くなることも保証され、扉体30の運動過程における円滑性が保証される。
【0057】
第3段階
【0058】
図14は、いくつかの実施例に係る90°まで開いた状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図14を参照すると、扉体30が
図13に示す第2状態から
図14に示す90°の開角度の状態まで開き続ける時、扉体30は回転運動のみを行い、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における位置は変化しないままであり、扉体30は第1ヒンジ軸を円心として回転し、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60における第3ガイド軌跡線に沿って第4ガイド位置64まで移動する。第3ガイド軌跡線は、第3曲線であり、且つ円弧状を呈し、第4ガイド位置64は第3ガイド位置63よりも前壁31から離れて側壁32に近い。
【0059】
いくつかの実施例では、扉体30が90°の開角度まで開いた状態にある時、扉体30の前壁31または側稜33と箱体10の側面(基準平面O)との間に垂直隙間γが存在する。即ち、扉体30の前壁31は基準平面Oの内側に位置し、前壁31から基準平面Oまでの距離はγ>0であり、これにより、扉体30はキャビネットに干渉せずに小角度まで開き続けることができる。このような例では、冷蔵庫がキャビネット内に設置されている場合、扉体30は90°よりも大きい開角度まで開いてもよく、開角度は約105°~110°の範囲内である。
【0060】
冷蔵庫がキャビネットに嵌め込まれていない状態で冷蔵庫が大角度まで開くことを可能にするために、本実施例では、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60を延在させる。
【0061】
第4段階
【0062】
図10を参照すると、第1軌跡溝50は、第1終了位置54をさらに有し、第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50における第3位置決め位置53から第1終了位置までの運動軌跡は、第3位置決め軌跡線である。対応的に、第2軌跡溝60は、第2終了位置65をさらに有し、第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60における第4ガイド位置64から第2終了位置65までの運動軌跡は第4ガイド軌跡線である。
【0063】
図15は、いくつかの実施例に係る最大開状態における冷蔵庫の扉体を示す図である。
図15を参照すると、扉体30が
図14に示すように90°の開角度から開き続ける時、第1ヒンジ軸41は第1軌跡溝50に対して第3位置決め軌跡線に沿って第3位置決め位置53から第1終了位置54まで移動し、第2ヒンジ軸42は、第2軌跡溝60に対して第3ガイド軌跡線に沿って第4ガイド位置64から第2終了位置65まで移動する。
【0064】
ここで、第1終了位置54は、第3位置決め位置53よりも前壁31及び側壁32に近く、第3位置決め軌跡線は、第3位置決め位置53から前壁30及び側壁30に近づく方向に第1終了位置まで延在している。第2終了位置65は、第4ガイド位置64よりも前壁31及び側壁32に近く、第4ガイド軌跡線は、前壁32及び側壁31に近い方向に第4ガイド位置64から第2終了位置65まで延在する。
【0065】
上述した説明では、軌跡線の延在方向は、扉体30を開く過程における第1ヒンジ軸41の第1軌跡溝50に対する移動方向、または第2ヒンジ軸42の第2軌跡溝60に対する移動方向を参照とするものである。
【0066】
本実施例では、第3位置決め軌跡線は第4曲線534であり、第4ガイド軌跡線は第5曲線645である。しかし、他の実施例では、第3位置決め軌跡線及び第4ガイド軌跡線は直線であってもよい。
【0067】
この段階の運動軌跡が、前段階と同じであれば、即ち、扉体30が回転運動のみを行う場合、長い回転範囲内では、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動傾向が互いに平行であることによる扉体30の振れが発生しやすい。したがって、この段階では、第1ヒンジ軸41の運動軌跡と第2ヒンジ軸42の運動軌跡が任意点で夾角を有するように、扉体30の側稜は、回転しながら前方と内側へ一定距離だけ移動するように設定されている。
【0068】
具体的には、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動軌跡の任意対応点における接線間の夾角は30°よりも大きく、扉体30の運動の安定性を確保する。
【0069】
本願のいくつかの実施例では、第1ヒンジ軸41は、主に位置決めの役割を果たし、第2ヒンジ軸42は、主にガイドの役割を果たし、2つのヒンジ軸のうち、第1ヒンジ軸41は主軸であり、第2ヒンジ軸42は補助軸であり、力が主として主軸に集中している。したがって、第1ヒンジ軸41の長さは、第2ヒンジ軸42の長さよりも大きいように設けられ、対応的に、第1軌跡溝50は、第2軌跡溝60よりも深いように設けられる。これにより、第2ヒンジ軸42が長すぎて材料コストが無駄になることを回避することができ、また、扉体が傾斜すると第1ヒンジ軸41が短い場合に軌跡溝がヒンジ軸から離脱しやすいことを回避することができ、構造的信頼性を確保した上で材料コストを節約することができる。
【0070】
また、力が第1ヒンジ軸41に集中しているため、第1ヒンジ軸の直径は第2ヒンジ軸42の直径よりも大きいように設けられてもよい。このようにして、第1ヒンジ軸41は厚く、大きな受力により良好に耐え、扉体が傾斜している時の付勢力を受けるために十分な強度を有する。一方、第2軌跡溝60は長く、扉体の厚さ方向に大きな空間を占めているため、第2ヒンジ軸42を細いように設けられ、対応的に、第2軌跡溝60を狭くすることができ、それによって扉体を薄く設計することができ、冷蔵庫全体の厚さを小さくすることができ、小型化になる利点がある。
【0071】
図16は、いくつかの実施例に係る冷蔵庫のヒンジ軸を示す図である。
図16を参照すると、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の外側には、軸ブッシュ90が設けられ、軸ブッシュ90は軸に対して回転可能である。二軸ヒンジが運動する過程において、軸ブッシュ90はヒンジ軸に対して回転し、軸ブッシュ90は軌跡溝に対して摺動し、これにより摩擦を低減し、寿命を向上させることができる。軸ブッシュ90は、耐摩耗性POMから作製してもよく、軸ブッシュ90は、軸受を介してヒンジ軸に接続され、または軸受を介してヒンジ板40に接続されてもよい。
【0072】
他の実施例では、軌跡溝の内壁にPOM製のブッシングを設け、ヒンジ軸がブッシング内に移動してもよい。
【0073】
本願のいくつかの実施例では、
図17~
図20を参照すると、扉体30は、取り付けブロック70を含み、取り付けブロック70は、扉体30のヒンジ板40に対向する位置に取り付けられ、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、取り付けブロック70に設けられている。
【0074】
取付ブロック70は、扉体30の上端に設けられた上取付ブロック71と、扉体30の下端に設けられた下取付ブロック72とを含む。
【0075】
具体的には、
図17及び18を参照すると、上取付ブロック71は、板体711と、板体711の下面から下方に延在して形成される第2延在部712とを含み得る。第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、板体711の上面から第2延在部712まで下方に凹んでいる。第2延在部712の形状は軌跡溝に対応する。
【0076】
扉体30の上端には、対応して上収容溝34が設けられている。上取付ブロック71を上収容溝34に挿入し、板体711と扉体30とをネジ等によりに締結する。
【0077】
具体的には、
図19及び20を参照すると、下取付ブロック72は、上取付ブロック71の板体711、第2延在部712及び軌跡溝と同様の構成を有する。下取付ブロック72の第2延在部712は、板体711の上面が上方に延在することにより、形成されるものである。また、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、板体711の下面から第2延在部712まで上方に凹んでいる。また、対応的に、扉体30の下端には下収容溝36が設けられている。下取付ブロック72が下収容溝36に挿入され、板体711がネジ等により扉体30に締結する。
【0078】
上取付ブロック71及び下取付ブロック72はPOMで作製してもよい。POMは摩擦抵抗特性が強く、ヒンジの寿命を高めることができる。
【0079】
本願のいくつかの実施例では、
図6を参照すると、下取付ブロック72はロックフック構造を含み得る。具体的には、下取付ブロック72は、板体711の内側に設けられたロックフック721を含む。ロックフック721は、内側に延び、後側に向かって曲げて形成される。ロックフック721の開口は板体711の方向を向き、ロックフック721の自由端は後側に位置している。
【0080】
扉体30の下端に位置するヒンジ板40の内側には、外側に延びるストッパー部403が設けられている。扉体30が閉状態にある時、扉体30上のロックフック721はヒンジ板40上のストッパー部403を引っ掛け、それによって扉体30をロックし、扉体20の閉鎖不良による冷蔵庫の冷蔵冷凍効果への影響を防止することができる。扉体30が開いた時、ロックフック721が力を受けて変形することにより、ストッパー部403のストッパーを克服して、ストッパー部403から離脱する。
【0081】
ロックフック721は、根元部7211とフック部7212とを含み得る。根元部7211は板体711に接続され、フック部7212は根元部7211に接続されて後方に曲げている。ネジは、根元部7211と扉体との接続強度を高めるために、根元部7211を貫通して扉体30に接続され、これにより、ロックフック721がストッパー部403から離脱する時、フック7212のみが変形する。
【0082】
フック部7212及びストッパー部403の自由端はいずれも円弧状であり、フック部7232が円弧状に沿ってストッパー部403を引っ掛けたり、ストッパー部403から離脱したりするのに有利である。
【0083】
いくつかの実施例では、扉体30には、第1凸部37及び第2凸部38が設けられてもよい。扉体30が閉状態にある時、第1凸部37と第2凸部38は略前後方向に設けられる。また、第1凸部37と第2凸部38との間には隙間溝39が存在し、根元部7211の一部7211aが隙間溝39に挿入されている。このように、第1凸部37と第2凸部38の位置制限により、根元部7211の前後方向における変形を回避することができる。
【0084】
なお、ロックフック721は、上取付ブロック71に設けられていてもよく、ストッパー部403は、それに応じて扉体30の上端に位置するヒンジ板40に設けられていてもよい。
【0085】
本願のいくつかの実施例では、扉体30とヒンジ板40との間には、扉体30が最大角度まで開いたことを制限する位置制限構造が設けられ、扉が大きな力で一定角度まで開いた時に取付ブロック70が破損することが回避される。
【0086】
具体的には、
図19及び
図21を参照すると、扉体30の下端には、位置制限ブロック80が設けられ、位置制限ブロック80は下取付ブロック72の先端に位置している。扉体30が最大許容位置まで回転した時、位置制限ブロック80はヒンジ板40の側面404に当接することにより、扉体30が回転し続けるのを防止する。
【0087】
位置制限ブロック80は、鈑金部材であってもよく、嵌入部81、位置制限部82、及び補強部83を含む。
【0088】
嵌入部81は板状をなし、扉体30の下収容溝36内に取り付けられている。下取付ブロック72の板体711は、扉体30上に嵌入部81を下端から挟むことにより、位置制限ブロック80を扉体30に固定する。
【0089】
補強部83と嵌入部81とは直角に形成されている。即ち、組立状態では、嵌入部81は横方向の状態にあり、補強部83は縦方向の状態にある。補強部83は、嵌入部81の先端が下方に曲げることにより形成されている。
【0090】
位置制限部82はブロック状をなし、補強部83の下端の一部が下方に延び続けることにより形成される。位置制限部82は、扉体30の下面から縦方向に延び、これにより、扉体30の駆動下で位置制限ブロック80が最大角度まで回転した時、位置制限部82がヒンジ板40の側面404によって制限されて扉体30の開きを停止させる。
【0091】
ストッパブロック80が下取付ブロック72によって扉体30に挟まれることにより、ストッパブロック80と扉体30との接続構造を省略でき、製品構造を簡略化でき、構造が簡単である利点がある。
【0092】
なお、ストッパブロック80は扉体30の上端に設けられてもよく、ここではこれ以上説明されない。
【0093】
第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との間の距離が大きい場合、扉体30が傾斜している時または2つの軸が互いに平行でない時、ヒンジの運動は大きく影響を受け、さらに、ヒンジの正常な回転にも影響を与える可能性がある。したがって、本願のいくつかの実施例では、
図18を参照すると、取付ブロック70の板体711の厚さはL1と表記され、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60との間の最小肉厚はL2と表記される場合、L2は(0.5~1)L1に等しい(即ち、L2=(0.5~1)L1)。このようにして、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との間の距離を小さくすることができ、扉体30が少し傾斜している時または2つの軸が互いに平行でない時、ヒンジの運動への影響が小さく、取付ブロック70の強度が影響を受けない。
【0094】
上記実施例では、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は取付ブロック70に設けられるものであり、取付ブロック70は扉体30に取り付けられる。しかし、他の実施例では、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、扉体30に直接設けられてもよい。
【0095】
図22及び
図23を参照すると、扉体30の上端におけるヒンジ板40に対応する位置が下方に窪むことにより、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60が形成される。扉体30の下端におけるヒンジ板40に対応する位置が上方に窪むことにより、第1軌跡溝と第2軌跡溝60とが形成されている。
【0096】
具体的には、扉体30は、扉殻301と、扉殻301から扉殻301の内部に縦方向に延びる突起部302とを含む。第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は、扉殻301の外端面が突起部302に内側に窪むことにより、形成されている。
【0097】
ここで、突起部302は、扉殻301と一体に形成されてもよい。突起部302は、第1突起部303と第2突起部304とを含む。第1突起部303の形状は、第1軌跡溝50に対応し、第2突起部304の形状は、第2軌跡溝60に対応する。
【0098】
扉殻301の厚さはH1と表記され、第1軌跡溝50と第2軌跡溝60との間の最小肉厚はH2と表記される場合、H2は(0.5~1)H1に等しい(即ち、H2=(0.5~1)H1)。このようにして、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42との間の距離を小さくすることができ、扉体が少し傾斜している時または2つの軸が互いに平行でない時、ヒンジの運動への影響が小さく、取付ブロック70の強度が影響を受けない。
【0099】
上記実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42はヒンジ板40に設けられるものであり、対応的に、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60は扉体30に設けられるものである。他の実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42が扉体30に設けられ、第1軌跡溝50及び第2軌跡溝60がヒンジ板40に設けられてもよい。あるいは、別の実施例では、第1ヒンジ軸41及び第2軌跡溝60がヒンジ板40に設けられ、第2ヒンジ軸42と第1軌跡溝50が扉体30に設けられてもよい。あるいは、第1ヒンジ軸41及び第2軌跡溝60が扉体30に設けられ、第2ヒンジ軸42及び第1軌跡溝50がヒンジ板40に設けられてもよい。
【0100】
本願では、扉体30が最初に開いた時に内側へ第1距離だけ移動し、前方へ一定距離だけ移動することにより、第1距離を内側に移動することは、扉体30とキャビネットとの干渉を防止することができ、前方へ一定距離だけ移動することは、扉体シール30aと箱体10の前側との間の摩擦による摩耗を回避することができる。
【0101】
本願では、扉体30の回転開放と内向き移動の過程を、閉状態から第1状態まで開いた時に第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動軌跡が直線である段階と、第1状態から第2状態に開き続ける時に第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42の運動軌跡は曲線である段階との2つの段階に分ける。直線に沿う第1状態から曲線に沿う第2状態まで、扉体が直線のみに沿って大きな角度で回転している場合や曲線のみに沿って大きな角度で回転している場合に、軌跡が平行に近いため扉体30が振れてしまうことを回避することができる。また、第1ヒンジ軸41と第2ヒンジ軸42は、開始直後のみ小さい距離を直線運動し、その後に大角度で曲線運動する。曲線運動は、扉体30の運動過程における平滑性を確保し、直線運動中に扉体30が内側に移動することによってユーザが不連続を感じることを防止することができる。
【0102】
本願では、扉体30が第1状態から第2状態まで開いた時、第1ヒンジ軸41及び第2ヒンジ軸42の運動の曲線軌跡はそれぞれ、曲率が減少する傾向を呈する少なくとも2つの曲線セグメントを含む。これにより、扉体30が単位角度で内側へ移動する距離が減少し、扉体30が回転し開いて内側に移動する過程において扉体30の運動が遅くなることも確保され、扉体30の運動過程における円滑性が確保される。
【0103】
本願では、扉体30が90°の開角度から開き続ける時、第1ヒンジ軸41の運動軌跡は第4曲線534であり、第2ヒンジ軸42の運動軌跡は第5曲線645であり、これにより、第1ヒンジ軸41の運動軌跡と第2ヒンジ軸42の運動軌跡が任意点で夾角を有することができ、扉体30が大角度範囲で回転する際の振れを回避し、扉体30の運動の安定性を確保する。
【0104】
本願では、扉体30を開く全過程において、第1ヒンジ軸は第1軌跡溝の一方端から第1軌跡溝の他方端まで移動し、第2ヒンジ軸は第2軌跡溝の一方端から第2軌跡溝の他方端まで移動し、移動過程において後退しなく、これにより、扉体30の開きの円滑性が確保される。
【0105】
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲を限定するものではなく、当業者が本開示に係る技術範囲内を逸脱せずに容易に想到し得る変化や置換は、全て本開示の保護範囲に属する。従って、本開示の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0106】
1 冷蔵庫、
10 箱体、20 貯蔵室、21 上貯蔵室、22 下貯蔵室、
30 扉体、301 扉殻、302 突起部、303 第1突起部、304 第2突起部、31 前壁、32 側壁、33 側稜、34 上収容溝、36 下収容溝、37 第1凸部、38 第2凸部、39 逃げ溝、39 隙間溝、
40 ヒンジ板、401 接続部、402 第1延在部、403 ストッパー部、41 第1ヒンジ軸、42 第2ヒンジ軸、
50 第1軌跡溝、51 第1位置決め位置、512 第1直線、52 第2位置決め位置、523 第1曲線、5231 第1曲線セグメント、5232 第3曲線セグメント、53 第3の位置決め位置、534 第4曲線、54 第1終了位置、
60 第2軌跡溝、61 第1ガイド位置、612 第2直線、62 第2ガイド位置、623 第2曲線、6231 第2曲線セグメント、6232 第4曲線セグメント、63 第3ガイド位置、634 第3曲線、64 第4ガイド位置、645 第5曲線、65 第2終了位置、
70 取付ブロック、71 上取付ブロック、711 板体、712 第2延在部、72 下取付ブロック、721 ロックフック、7211 根元部、7212 フック部、
80 位置制限ブロック、81 嵌入部、82 位置制限部、83 補強部、
90 軸ブッシュ、100 キャビネット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫であって、
貯蔵室を有する箱体と、前記貯蔵室を開閉するように前記箱体に接続される扉体と、前記貯蔵室に冷気を供給する冷気供給装置とを備え、
前記箱体は、前記貯蔵室を画定する内殻と、前記冷蔵庫の外観を形成するために前記内殻の外側に接続される外殻と、前記内殻と前記外殻との間に配置されて前記貯蔵室を断熱する断熱体とを含み、
前記貯蔵室は、食品を入れたり、取り出したりすることができるように開放された前部を有し、前記貯蔵室の開放された前記前部を開閉するように、前記扉体と前記箱体は回転可能に接続され、
前記扉体は、前記扉体の上端に位置するヒンジと、前記扉体の下端に位置するヒンジとによって回転可能に支持され、
前記扉体の上端のヒンジは、前記箱体の上端に接続されるヒンジ板を含み、第1ヒンジ軸と第2ヒンジ軸が前記ヒンジ板に接続されることにより、回転軸が形成され、
前記ヒンジ板は、略水平な板状を有し且つ前記箱体に接続される接続部と、前記接続部から前方に延在し且つ水平な板状を有する第1延在部とを含み、前記接続部は、締付具により前記箱体に締結し、
前記扉体の下端のヒンジにおいて、前記接続部は、前記箱体の前面に接続され、前記第1ヒンジ軸及び前記第2ヒンジ軸は、前記ヒンジ板において、上方に延在し、
前記ヒンジ板の位置に対応して、前記扉体の上端と下端にはそれぞれ第1軌跡溝と第2軌跡溝が設けられ、
前記ヒンジ板が前記箱体の右側に位置する時、前記扉体の右側面は側壁であり、前記ヒンジ板が前記箱体の左側に位置する時、前記扉体の左側面は側壁であり、前記扉体の前壁と前記側壁とが交差して、側稜が形成され、
前記冷蔵庫は、取り付けブロックをさらに含み、前記取り付けブロックは、前記扉体の前記ヒンジ板に対向する位置に取り付けられ、前記第1軌跡溝及び前記第2軌跡溝は、前記取り付けブロックに設けられ、
前記取付ブロックは、前記扉体の上端に設けられた第1取付ブロックと、前記扉体の下端に設けられた第2取付ブロックとを含み、
前記第2取付ブロックは、板体と、第2延在部とを有し、前記第2取付ブロックの第2延在部は、前記板体の上面が上方に延在することにより、形成されるものであり、前記第1軌跡溝及び前記第2軌跡溝は、前記板体の下面から前記第2延在部まで上方に凹み、対応的に、前記扉体の下端には第2収容溝が設けられ、前記第2取付ブロックが前記第2収容溝に挿入され、前記板体がネジにより前記扉体に締結し、
前記第2取付ブロックはロックフック構造をさらに含み、前記ロックフック構造は、前記板体の内側に設けられたロックフックを含み、前記ロックフックは、前記板体の内側に延び、前記扉体の後側に向かって曲げ、前記ロックフックの開口は前記板体の方向を向き、前記ロックフックの自由端は前記扉体の後側に位置し、
前記扉体の下端に位置する前記ヒンジ板はストッパー部をさらに含み、前記ストッパー部は、前記第1延在部の内側に位置し、且つ前記第1延在部から離れる方向へ延び、前記扉体が閉状態にある時、前記扉体上の前記ロックフックは前記ヒンジ板上の前記ストッパー部を引っ掛け、
前記冷蔵庫は、位置制限ブロックをさらに含み、前記位置制限ブロックは前記扉体の下端に位置し、前記第2取付ブロックの先端に位置し、前記扉体が最大許容位置まで回転した時、前記位置制限ブロックは前記ヒンジ板の側面に当接することにより、前記扉体が回転し続けるのを防止し、
前記扉体が前記閉状態にある時、前記第1ヒンジ軸は前記第2ヒンジ軸よりも前記側壁に近く且つ前記前壁から離れ、前記第1ヒンジ軸と前記第2ヒンジ軸との前後方向の第1距離は2.5mmよりも大きく且つ10mmよりも小さく、前記第1ヒンジ軸と前記第2ヒンジ軸との左右方向の第2距離は、7.5mmよりも大きく且つ30mmよりも小さく、
前記扉体が前記閉状態にある時、前記第1ヒンジ軸は前記第1軌跡溝の端部に位置し、前記第2ヒンジ軸は前記第2軌跡溝の端部に位置し、
前記扉体を開く全過程において、前記第1ヒンジ軸は前記第1軌跡溝の一方端から前記第1軌跡溝の他方端まで移動し、前記第2ヒンジ軸は前記第2軌跡溝の一方端から前記第2軌跡溝の他方端まで移動し、
前記第1軌跡溝は、第1位置決め位置と第2位置決め位置とを有し、前記第1ヒンジ軸の前記第1軌跡溝における前記第1位置決め位置から前記第2位置決め位置までの運動軌跡は、第1位置決め軌跡線であり、
前記第2軌跡溝は、第1ガイド位置と第2ガイド位置とを有し、前記第2ヒンジ軸の前記第2軌跡溝における前記第1ガイド位置から前記第2ガイド位置までの運動軌跡は、第1ガイド軌跡線であり、
前記扉体が前記閉状態から第1状態まで開いた時、前記第1ヒンジ軸は前記第1軌跡溝に対して前記第1位置決め軌跡線に沿って前記第1位置決め位置から前記第2位置決め位置まで移動し、同時に、前記第2ヒンジ軸は、前記第2軌跡溝に対して前記第1ガイド軌跡道線に沿って前記第1ガイド位置から前記第2ガイド位置まで移動し、
前記第2位置決め位置は、前記第1位置決め位置よりも前記前壁から離れて前記側壁に近く、前記第1位置決め軌跡線は前記前壁から離れ且つ前記側壁に近づく方向に延在し、
前記第2ガイド位置は、前記第1ガイド位置よりも前記前壁から離れて前記側壁に近く、前記第1ガイド軌跡線は前記前壁から離れ且つ前記側壁に近づく方向に延在し、
前記第1軌跡溝は、第3位置決め位置をさらに有し、前記第1ヒンジ軸の前記第1軌跡溝における前記第2位置決め位置から前記第3位置決め位置までの運動軌跡は、第2位置決め軌跡線であり、対応的に、前記第2軌跡溝は、第3ガイド位置をさらに有し、前記第2ヒンジ軸の前記第2軌跡溝における前記第2ガイド位置から前記第3ガイド位置までの運動軌跡は、第2ガイド軌跡線であり、
前記扉体が前記第1状態から第2状態まで開き続ける時、前記第2状態における前記扉体の開角度は90°未満であり、前記第1ヒンジ軸は前記第1軌跡溝に対して前記第2位置決め軌跡線に沿って前記第2位置決め位置から前記第3位置決め位置まで移動し、前記第2ヒンジ軸は、前記第2軌跡溝に対して前記第2ガイド軌跡線に沿って前記第2ガイド位置から前記第3ガイド位置まで移動し、
前記第3位置決め位置は、前記第2位置決め位置よりも前記前壁及び前記側壁に近く、前記第2ガイド軌跡線は、前記前壁及び前記側面に近づく方向に前記第2位置決め位置から前記第3位置決め位置まで延在しており、前記扉体が内側へ第3距離だけ移動し、前記第3ガイド位置は、前記第2ガイド位置よりも前記前壁から離れて前記側壁に近く、前記第2ガイド軌跡線は前記前壁から離れ且つ前記側壁に近づく方向に延在する、
冷蔵庫。
【請求項2】
前記扉体が前記第2状態から90°の開角度の状態まで開き続ける時、前記扉体は回転運動のみを行い、前記第1ヒンジ軸の前記第1軌跡溝における位置は変化しないままであり、前記扉体は前記第1ヒンジ軸を円心として回転し、前記第2ヒンジ軸は、前記第2軌跡溝における第3ガイド位置に沿って第4ガイド位置まで移動し、前記第3ガイド位置は円弧状を呈し、前記第4ガイド位置は前記第3ガイド位置よりも前記前壁から離れて前記側壁に近い、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記ロックフックは、固定部とフック部とを含み、前記固定部は前記板体に接続され、前記フック部は前記固定部に接続されて後方に曲げ、ネジは、前記固定部と前記扉体との接続強度を高めるために、前記固定部を貫通して前記扉体に接続される、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第2位置決め軌跡線は第1曲線であり、前記第2ガイド軌跡線は第2曲線であり、前記扉体が前記閉状態にある時、前記第1曲線の曲率中心は前記第1曲線の前記前壁に近い側に位置し、前記第2曲線の曲率中心は前記第2曲線の前記側稜に近い側に位置する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第2軌跡溝は、第2終了位置をさらに有し、前記第2ヒンジ軸の前記第2軌跡溝における前記第4ガイド位置から前記第2終了位置までの運動軌跡は第4ガイド軌跡線であり、前記第2終了位置は、前記第4ガイド位置よりも前記前壁及び前記側壁に近く、前記第4ガイド軌跡線は、前記前壁及び前記側壁に近い方向に前記第4ガイド位置から前記第2終了位置まで延在する、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記扉体が前記閉状態にある時、前記第2ヒンジ軸と前記第2軌跡溝の前記端部との間には、隙間が存在する、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記位置制限ブロックは、鈑金部材であり、嵌入部、位置制限部、及び補強部を含み、前記嵌入部は板状をなし、前記扉体の前記第2収容溝内に取り付けられ、前記第2取付ブロックの前記板体は、前記扉体上に前記嵌入部を前記扉体の下端から挟むことにより、前記位置制限ブロックを前記扉体に固定する、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記第1取付ブロックは、前記板体と、前記板体の下面から下方に延在して形成される前記第2延在部とを含み、前記第1軌跡溝及び前記第2軌跡溝は、前記板体の上面から前記第2延在部まで下方に凹み、前記第2延在部の形状は前記第1軌跡溝及び前記第2軌跡溝に対応し、前記扉体の上端には、対応して第1収容溝が設けられ、前記第1取付ブロックを前記第1収容溝に挿入し、前記第1取付ブロックの前記板体と前記扉体とをネジによりに締結する、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第1軌跡溝と前記第2軌跡溝との間の最小肉厚は、前記取付ブロックの前記板体の厚さに対して、0.5~1倍である、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記第1軌跡溝と前記第2軌跡溝との間の最小肉厚は、扉殻の厚さに対して、0.5~1倍である、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記扉体が90°の開角度まで開いた状態にある時、前記扉体の前記前壁と前記箱体の側面との間に隙間が存在する、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【請求項12】
前記第1ヒンジ軸の長さは、前記第2ヒンジ軸の長さよりも大きく、前記第1軌跡溝は、前記第2軌跡溝よりも深い、
請求項1又は2に記載の冷蔵庫。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】