(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】パリソン形成具
(51)【国際特許分類】
B29C 49/30 20060101AFI20240822BHJP
B29C 49/68 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B29C49/30
B29C49/68
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024505151
(86)(22)【出願日】2022-07-14
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022037138
(87)【国際公開番号】W WO2023018509
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518275866
【氏名又は名称】ブロックワイズ エンジニアリング エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ボイド,ジョーダン ブラドリー
(72)【発明者】
【氏名】ゴフ,エド
(72)【発明者】
【氏名】ワリナー,ジェレミア,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AG08
4F208AH63
4F208AK07
4F208LA02
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD04
4F208LD05
4F208LD09
4F208LD15
4F208LG04
4F208LH01
4F208LH02
4F208LH06
4F208LN11
(57)【要約】
パリソンチューブ形成具は、半径方向圧縮ヒーターを利用して、プリフォームチューブの非常に特定の部分を加熱して延伸を図る。ヒーターは、プリフォームチューブを受け取るための中央空洞を形成する複数の圧縮ダイを有する。圧縮ダイの作業面は、プリフォームチューブの外面上に接近して、伝導を介してチューブを加熱し、その結果、プリフォームチューブをより正確かつ高精度に加熱する。プリフォームチューブの第1の延伸部分を、加熱後にプリフォームチューブを延伸することによって形成する。そして、プリフォームチューブの第2の部分を中央空洞内に配置し、また半径方向圧縮ヒーターによって加熱し、延伸して、プリフォームチューブの第2の延伸部分、及びプリフォームチューブの非拡張部分、またはパリソンチューブのバルーン部分を形成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パリソンチューブ形成具であって、
a)第1のチューブ保持器と、
b)第2のチューブ保持器と、
c)半径方向圧縮ヒーターであって、
i)それぞれが作業面を有する複数の圧縮ダイであって、前記複数の圧縮ダイは、互いに対して半径方向に配列されて、前記作業面によって画定される中央空洞を形成し、前記中央空洞は中央空洞直径を有する、前記複数の圧縮ダイと、
ii)前記圧縮ダイを加熱するように構成されたヒーターと、
iii)前記複数の圧縮を内側に移動して、前記中央空洞直径を減少させるように構成されたダイアクチュエータと、を含む、前記半径方向圧縮ヒーターと、
d)前記中央空洞を通って、前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器との間を延びるプリフォームチューブと、を含み、
前記半径方向圧縮ヒーターは、前記プリフォームチューブを加熱するように構成され、前記第1のチューブ保持器と第2のチューブ保持器とは、前記プリフォームチューブを延伸するために互いに離れるように、また第1の延伸部分と第2の延伸部分との間に構成されたバルーン部分を有するパリソンチューブから離れるように移動するように構成されている、前記パリソンチューブ形成具。
【請求項2】
前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器とが反対方向に移動して、前記プリフォームチューブを延伸し、前記第1の延伸部分を形成する、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項3】
前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器とのうちの一方のみが移動して、前記プリフォームチューブを延伸し、前記第2の延伸部分を形成する、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項4】
前記複数のダイの前記作業面は、前記プリフォームチューブが延伸される間に、前記ダイアクチュエータによって内側に押し込まれる、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項5】
前記プリフォームチューブの第2の部分が、前記第1の延伸部分が形成された後に前記半径方向圧縮ヒーター内に配置されるように構成され、前記半径方向圧縮ヒーターは、前記第1のチューブ保持器と第2のチューブ保持器とが、互いに離れるように移動して前記プリフォームチューブを延伸し、前記パリソンチューブの前記第2の延伸部分と前記バルーン部分とを形成するように構成される前に、前記第2の部分を加熱するように構成されている、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項6】
前記第1のチューブ保持器と第2のチューブ保持器とは、前記プリフォームチューブを移動して、前記プリフォームチューブの前記第2の部分を前記半径方向圧縮ヒーター内に配置するように構成されている、請求項5に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項7】
レールであって、前記第1のチューブ保持器は前記レール上に構成される、前記レールと、
第1のチューブ保持器アクチュエータであって、前記第1のチューブ保持器は、前記第1のチューブ保持器アクチュエータによって前記レールに沿って駆動される、前記第1のチューブ保持器アクチュエータと、をさらに含む、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項8】
レールであって、前記第2のチューブ保持器は前記レール上に構成される、前記レールと、
第2のチューブ保持器アクチュエータであって、前記第2のチューブ保持器は、前記第2のチューブ保持器アクチュエータによって前記レールに沿って駆動される、前記第2のチューブ保持器アクチュエータと、をさらに含む、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項9】
前記プリフォームチューブは熱可塑性ポリマーを含む、請求項1に記載のパリソンチューブ形成具。
【請求項10】
パリソンチューブを製造する方法であって、
a)パリソンチューブ形成具を用意することであって、前記パリソンチューブ形成具は、
i)プリフォームチューブ直径を有するプリフォームチューブと、
ii)第1のチューブ保持器と、
iii)第2のチューブ保持器と、
iv)半径方向圧縮ヒーターであって、それぞれが作業面を有する複数の圧縮ダイであって、前記複数の圧縮ダイは、互いに対して半径方向に配列されて、前記作業面によって画定される中央空洞を形成し、前記中央空洞は中央空洞直径を有する、前記複数の圧縮ダイと、
前記圧縮ダイを加熱するように構成されたヒーターと、
前記複数の圧縮を内側に移動して、前記中央空洞直径を減少させるように構成されたダイアクチュエータと、を含む前記半径方向圧縮ヒーターと、を含む、前記用意することと、
b)前記プリフォームチューブを、前記中央空洞を通して、前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器との間に保持して構成することと、
c)前記プリフォームチューブの第1の部分を、前記半径方向圧縮ヒーターによって加熱することと、
d)前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器とを、互いに離れるように移動して、前記プリフォームチューブの前記第1の部分を延伸し、第1の延伸部分を形成することと、
e)前記プリフォームチューブの第2の部分を、前記半径方向圧縮ヒーターの前記中央空洞内に配置することと、
f)前記プリフォームチューブの前記第2の部分を、前記半径方向圧縮ヒーターによって加熱することと、
g)前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器とを、互いに離れるように移動して、前記プリフォームチューブの前記第2の部分を延伸し、第2の延伸部分と、前記第1の延伸部分と前記第2の延伸部分との間に構成されたバルーン部分を有するパリソンチューブとを形成することと、を含み、
前記第1の延伸部分及び前記第2の延伸部分の直径は、前記バルーン部分の直径よりも小さい、前記パリソンチューブを製造する方法。
【請求項11】
前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器との両方が互いに反対方向に移動して、前記プリフォームチューブを延伸し、前記第1の延伸部分を形成する、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項12】
前記第1のチューブ保持器と前記第2のチューブ保持器とのうちの一方のみが移動して、前記プリフォームチューブを延伸し、前記第2の延伸部分を形成する、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項13】
前記複数のダイの前記作業面が、前記ダイアクチュエータによって内側に押し込まれて、前記プリフォームチューブに接触し、前記プリフォームチューブの前記第1の部分を加熱し前記第2の部分を加熱する間の伝導によって前記プリフォームチューブを加熱する、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項14】
前記複数のダイの前記作業面は、前記プリフォームチューブが延伸される間に、前記ダイアクチュエータによって内側に押し込まれる、請求項13に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項15】
前記複数のダイの前記作業面は、前記プリフォームチューブが延伸される間に、前記ダイアクチュエータによって内側に押し込まれる、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項16】
前記第1のチューブ保持器と第2のチューブ保持器とは、前記プリフォームチューブを移動して、前記プリフォームチューブの前記第2の部分を前記半径方向圧縮ヒーターの前記中央空洞内に配置するように構成されている、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項17】
レールであって、前記第1のチューブ保持器は前記レール上に構成される、前記レールと、
第1のチューブ保持器アクチュエータであって、前記第1のチューブ保持器は、前記第1のチューブ保持器アクチュエータによって前記レールに沿って駆動される、前記第1のチューブ保持器アクチュエータと、をさらに含む、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項18】
レールであって、前記第2のチューブ保持器は前記レール上に構成される、前記レールと、
第2のチューブ保持器アクチュエータであって、前記第2のチューブ保持器は、前記第2のチューブ保持器アクチュエータによって前記レールに沿って駆動される、前記第2のチューブ保持器アクチュエータと、をさらに含む、請求項10に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【請求項19】
コントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記プリフォームチューブの前記第1の部分を自動的に延伸して、前記第1の延伸部分を形成し、前記プリフォームチューブの前記第2の部分を前記中央空洞内に自動的に配置し、前記プリフォームチューブの前記第2の部分を自動的に延伸して、前記第2の延伸部分と、前記第1の延伸部分と前記第2の延伸部分との間にバルーン部分を有する前記パリソンチューブとを形成する、請求項1に記載のパリソンチューブを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パリソン形成具、及び前記パリソン形成具を用いてパリソンを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用バルーンは、限定することなく、血管形成、ステントの配置及び拡張、ステントグラフトの配置及び拡張などを含む、広範囲の医療処置において使用される。パリソンチューブは、医療用バルーンを形成するための原材料として使用される中空のプラスチックチューブである。パリソン製造装置は、所望よりも遅く、しばしば、所望よりも長い先細り端部を有するバルーン部分を製造する。医療用バルーンを形成する際の拡張領域のより良好な精度及び明瞭さが得られるため、より短い先細り端部が望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、パリソンチューブ形成具、及び前記パリソンチューブ形成具を用いてパリソンチューブを形成する方法を対象としている。典型的なパリソンチューブ形成具は、半径方向圧縮ヒーターを利用して、プリフォームチューブの長さの非常に特定の部分を加熱して延伸を図る。半径方向圧縮ヒーターは、プリフォームチューブを受け取るための中央空洞を形成する複数の圧縮ダイを有する。圧縮ダイの作業面は、プリフォームチューブの外面上に接近して、伝導を介してプリフォームチューブを加熱する。この加熱方法は、延伸作業中のプリフォームチューブのネッキングが非常に制御されるように、プリフォームチューブをより正確かつ高精度に加熱する。プリフォームチューブの第1の延伸部分を、半径方向圧縮ヒーターによる加熱後にプリフォームチューブを延伸することによって形成する。そして、プリフォームチューブの第2の部分を中央空洞内に配置し、また半径方向圧縮ヒーターによって加熱する。第2の部分を加熱した後、プリフォームチューブを延伸して、プリフォームチューブの第2の延伸部分、及びプリフォームチューブの非拡張部分、またはパリソンチューブのバルーン部分を形成する。バルーン部分の先細り端部は、熱風加熱を通して作製されたパリソンチューブのそれよりもはるかに鋭いかまたは短絡され得る。なぜなら、加熱ゾーンは、伝導加熱を通して行った場合ほど良好には制御されないからである。さらに、圧縮ダイは、延伸作業中にプリフォームチューブと接触したままであるように構成してもよい。圧縮ダイは、ダイアクチュエータによって内側に押し込まれ、プリフォームチューブがネックダウンする際にプリフォームチューブと接触してもよい。この延伸作業中に伝導加熱を維持することによって、結果として、ポリマー内の応力集中が小さい状態で、非常に制御された延伸が可能になる。パリソンチューブのバルーン部分は、第1及び第2の延伸部分の直径よりも大きい直径、たとえば、50%以上大きい、100%以上大きい、150%以上大きい、200%以上大きい、及び提示した値の間(提示した値を含む)の任意の範囲を有する。
【0004】
典型的なパリソンプリフォームチューブは、ポリマー材料、たとえばプラスチック、特に、加熱により溶融または軟化し、そして延伸することができる熱可塑性プラスチック、たとえば、限定することなく、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ウレタンなどから作製してもよい。パリソン用のプリフォームチューブまたはバルーンの直径は、血管系導管または消化器系導管などの体内の導管内に入るようにサイズ設定してもよく、約0.5mm以上、1mm以上、2mm以上、5mm以上、10mm以上、20mm以上、40mm以上、50mm以上の直径、及び列挙した直径の間(列挙した直径を含む)の任意の範囲を有していてもよい。パリソンチューブのバルーン部分の長さは、ステントまたはステントグラフトを拡張し、及び/または体内の血管、たとえば、動脈または静脈、または腸を含む消化管の一部を開くように構成してもよい。バルーン部分の長さは、約2mm以上、5mm以上、10mm以上、20mm以上、40mm以上、50mm、75mm以上、100mm以上、及び提示した長さ値の間(提示した長さ値を含む)の任意の範囲であってもよい。
【0005】
典型的なパリソン形成具は、プリフォームチューブの端部を保持するために使用される第1及び第2のチューブ保持器を組み込んでもよい。チューブ保持器の一方または両方は、2つのチューブ保持器を互いに離れるように移動するように、延伸作業中に移動してもよい。チューブ保持器は、レール上に構成してもよく、チューブ保持器アクチュエータによってレールに沿って移動してもよい。たとえば、モーターを、チューブ保持器をレールに沿って直線的に移動してもよい。レールは、プリフォームチューブの長さ軸に沿ったチューブ保持器の動きを制御するための任意の好適なガイドであってもよい。典型的なモーターは、作り出される運動の量及び運動の速度、または作り出される延伸の速度を非常に正確に制御するステッピングモーターであってもよい。さらに、プリフォームは、一定速度または可変速度において延伸してもよく、ステッピングモーターによって、プログラム可能な延伸速度を可能にして、バルーン部分上に所望の先細り端部を有する均一な延伸部分を形成してもよい。
【0006】
典型的な半径方向圧縮ヒーターは、米国特許第9,956,604号(Blockwise Engineering LLC)、米国特許出願公開第2020/0384523号(Blockwise Engineering LLC)のうちのいずれか一方に記載されているように、中央空洞の周りに配列された圧縮ダイを使用してもよい。列挙した各参考文献の全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0007】
発明の概要は、本発明のいくつかの実施形態に対する概略紹介として示しており、限定することは意図していない。本発明の変形及び代替的な構成を含むさらなる実施形態例を、本明細書に示す。
【0008】
添付図面が、本発明のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明とともに本発明の原理を説明する働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】バルーン部分を有するパリソンチューブを形成するために使用される典型的なプリフォームチューブの斜視図である。
【
図2】第1の延伸部分と第2の延伸部分との間に構成されたバルーン部分を有する典型的なパリソンチューブの側面図である。
【
図3】パリソンチューブを形成する典型的なパリソン形成具を示す図であり、第1のチューブ保持器と第2のチューブ保持器との間に保持されたプリフォームチューブと、プリフォームチューブの周りに構成された半径方向圧縮ヒーターとを示す図である。
【
図4】パリソンチューブを形成する典型的なパリソン形成具を示す図であり、プリフォームチューブが、互いに離れるように移動する2つの保持器によって延伸されているところを示す図であり、プリフォームチューブの加熱部分は延伸されて第1の延伸部分を形成する図である。
【
図5】パリソンチューブを形成する典型的なパリソン形成具を示す図であり、プリフォームチューブが半径方向圧縮ヒーターに対して移動されて、半径方向圧縮ヒーター内にプリフォームチューブの新しいまたは第2の部分を配置するところを示す図である。
【
図6】パリソンチューブを形成する典型的なパリソン形成具を示す図であり、プリフォームチューブのこの第2の部分が、互いに離れるように移動する2つの保持器によって延伸されて、第1の延伸部分と第2の延伸部分との間に構成されたバルーン部分を有するパリソンチューブを形成するところを示す図である。
【
図7】
図6の拡大図であり、バルーン部分40が、パリソンチューブの第1の延伸部分と第2の延伸部分との間に構成される図である。
【
図8】互いに対して移動して中央空洞を形成する複数の圧縮ダイを有する典型的な半径方向圧縮ヒーターを示す図であり、中央空洞は、プリフォームチューブ上に接近し、前記プリフォームチューブを加熱して延伸を図る図である。
【
図9】前記プリフォームチューブを加熱するためにプリフォームチューブの周りに構成された半径方向圧縮ヒーターの第1の端面図である。
【
図10】プリフォームチューブが延伸された後の
図9に示す半径方向圧縮ヒーターの第1の端面図であり、圧縮ダイは、延伸プロセス中に伝導によってチューブを加熱し続けるために、ネッキングチューブとともに半径方向内側に移動する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
対応する参照符号は、図のいくつかの視点の全体にわたって、対応する部分を示す。図は、本発明のいくつかの実施形態の説明図を表し、決して本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。いくつかの図は、説明を簡単にするために本発明の特徴部及びコンポーネントのすべてを示さない場合があるが、可能であれば、ある図からの特徴部及びコンポーネントは、他の図に含まれ得ることを理解されたい。さらに、図は必ずしも一定の比率ではなく、特徴部によっては、特定のコンポーネントの詳細を示すために誇張されている場合がある。したがって、本明細書で開示した具体的な構造上及び機能上の詳細は、限定するものと解釈すべきではなく、単に当業者に本発明を様々に使用することを教示するための代表的な根拠として解釈すべきである。
【0011】
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する」、「有している」、またはそれらの任意の他の変形は、非排他的包含に及ぶことが意図されている。たとえば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの要素のみに限定されず、他の要素であって、当該プロセス、方法、物品、または装置に対して明示的に列挙されることも固有でもない要素を含んでいてもよい。また、「a」または「an」の使用は、本明細書に記載の要素及びコンポーネントを説明するために使用される。これは単に、便宜上、そして本発明の範囲の全般的な意味を与えるために行われる。この記述は、1つまたは少なくとも1つを含むものと読むべきであり、単数形は、それが他の意味であることが明らかでない限り、複数形も含む。
【0012】
本発明の特定の典型的な実施形態を本明細書に記載し、添付図に例示する。説明した実施形態は、単に本発明を例示することを目的としており、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。本発明の他の実施形態、ならびに説明した実施形態の特定の変更、組み合わせ、及び改善が、当業者に想起され、すべてのこのような代替的な実施形態、組み合わせ、変更、改善は本発明の範囲内である。
【0013】
次に
図1及び2を参照して、
図2に示すような典型的なパリソンチューブ30は、
図1に示すプリフォームチューブ20から形成される。プリフォームチューブ20は延伸またはネックダウンされて、第1の延伸部分32及び第2の延伸部分34を形成し、それらの間にバルーン部分40が構成される。
図1に、バルーン部分を有するパリソンチューブを形成するために使用される典型的なプリフォームチューブの斜視図を示す。プリフォームチューブは、外面26から内面28までの壁23の厚さ、プリフォームチューブ直径29、及び第1の端部22から第2の端部24までの長さを有する。典型的なプリフォームチューブは、形状が円筒形であり、導管21を形成する円筒である。パリソンチューブ30は、第1及び第2の延伸部分の直径37よりも大きい直径47を有するバルーン部分40を有する。バルーン部分40は、第1の延伸部分32及び第2の延伸部分34に向かってそれぞれ先細りになる先細り端部45、45’を有する。バルーン部分40は、バルーン部分の第1の端部42から第2の端部44までの長さを有する。先細り端部の長さ49を、半径方向圧縮ヒーターを用いたプリフォームの均一加熱によって最小限にしてもよい。バルーン部分は外面46を有する。パリソンチューブを切断して、第1の延伸された延長端部33から第2の延伸された延長端部35までの所望の長さにしてもよい。
【0014】
次に
図3~6を参照して、典型的なパリソン形成具10は、プリフォームチューブ20を選択的に延伸することによって、パリソンチューブ30を形成する。
図3に示したように、プリフォームチューブ20は、第1のチューブ保持器80と第2のチューブ保持器90との間に保持される。半径方向圧縮ヒーター60は、プリフォームチューブ20の周りに構成されて、プリフォームチューブの第1の部分を加熱して延伸を可能にする。半径方向圧縮ヒーターは、アクチュエータ63を有する。アクチュエータ63は、圧縮ダイをプリフォームチューブの外面上に近づけて、伝導、プリフォームチューブとの直接接触を通して、プリフォームチューブを加熱する。チューブを効果的に加熱した後、
図4に示したように、プリフォームチューブを延伸して、第1の延伸部分32を形成する。第1のチューブ保持器80及び第2のチューブ保持器90を、第1のレール84及び第2のレール94上で互いに離れるようにそれぞれ移動する。なお、離れるように移動することは、両方のチューブ保持器が移動すること、または一方のみが移動して他方は静止したままであることを含んでいてもよい。第1のチューブ保持器は、第1のチューブ保持器を第1のレール84に沿って移動するサーボモーターなどの第1のチューブ保持器アクチュエータ82によって移動してもよい。同様に、第2のチューブ保持器90は、第2のチューブ保持器を第2のレール94に沿って移動するサーボモーターなどの第2のチューブ保持器アクチュエータ92によって移動してもよい。サーボモーターは、非常に滑らかな動きを与えてもよく、プリフォームチューブの均一な延伸部分を形成するように延伸速度をカスタマイズすることを可能にしてもよい。
【0015】
図5に示したように、プリフォームチューブ20を半径方向圧縮ヒーターに対して移動して、半径方向圧縮ヒーター60内にプリフォームチューブの新しいまたは第2の部分を配置する。コントローラ15は、コンポーネントの動きを制御して、チューブの第2の部分を半径方向圧縮ヒーター内に配置してもよい。半径方向圧縮ヒーターを、長さ軸25に沿って、またはプリフォームチューブの長さに沿って移動するように構成してもよいし、または第1のチューブ保持器及び第2のチューブ保持器を、プリフォームチューブの第2の部分が半径方向圧縮ヒーター内に構成されるように、プリフォームチューブを移動するように構成してもよい。半径方向圧縮ヒーターは、第1のレールまたは第2のレールと同じレールであり得るレール上にあってもよい。たとえば、第1のレール端部88から第2のレール端部98まで延びる単一のレールを使用してもよい。ダイアクチュエータは、チューブのこの第2の部分の周りに接近して、伝導を通して熱を再び加える。
図6に示したように、第1のチューブ保持器80及び第2のチューブ保持器90を互いに離れるように移動して、第2の延伸部分34と、パリソンチューブ30の第1の延伸部分32と前記第2の延伸部分34との間のバルーン部分40とを形成する。チューブ保持器の一方のみ、第2のチューブ保持器90を移動して、第1及び第2のチューブ保持器を互いに離れるように移動し、第2の延伸部分34を形成してもよい。
【0016】
図7に示したように、バルーン部分40は、パリソンチューブ30の第1の延伸部分32と第2の延伸部分34との間に構成される。パリソンチューブは、第1の部分を延伸して第1の延伸部分32を形成した後に、第1のチューブ保持器80及び第2のチューブ保持器90によってパフォームチューブを繰り返して延伸して移動して、半径方向圧縮ヒーター60内にチューブの第2の部分を構成することによって形成する。
【0017】
図8に示したように、典型的な半径方向圧縮ヒーター60は、中心軸56の周りに配列された複数の圧縮ダイ62、62’を有する。複数の圧縮ダイ62、62’は、互いに対して移動して、作業面64の中央空洞65を形成する。作業面64は、プリフォームチューブ上に接近して、前記プリフォームチューブを加熱して延伸を図る。圧縮ダイ、またはそこから形成された中央空洞65は、第1の端部67、第2の端部69、及びプリフォームチューブを受け取る長さ68を有する。1つ以上のヒーター61を、圧縮ダイを加熱するように構成してもよい。
【0018】
図9に示したように、典型的な半径方向圧縮ヒーター60は、プリフォームチューブ20の周りに構成されて、前記プリフォームチューブを加熱する。圧縮ダイ62の作業面64は、中央空洞直径66を有する中央空洞65を形成する。中央空洞65は、プリフォームチューブの外面26と接触する。プリフォームチューブは、伝導及び作業面64との直接接触によって加熱される。
【0019】
図10に示したように、典型的な半径方向圧縮ヒーター60は、プリフォームチューブ20の第1の延伸部分32の周りに構成され、前記プリフォームチューブを、延伸されている間に加熱し続ける。圧縮ダイ62の作業面64は、中央空洞直径66を有する中央空洞65を形成する。中央空洞65は、プリフォームチューブの外面26と接触する。図示したように、圧縮ダイを、ダイアクチュエータによって内側に押し込んで、中央空洞直径を減少させ、延伸されて直径が減少するにつれて、作業面を押圧してプリフォームチューブの外面と接触させてもよい。
【0020】
当業者には明らかであるように、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更、組み合わせ、及び変形を本発明において行うことができる。本明細書に記載の特定の実施形態、特徴部、及び要素を変更してもよく、及び/または任意の好適な方法で組み合わせてもよい。したがって、本発明の変更、組み合わせ、及び変更が、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るならば、本発明はそれらを包含することが意図されている。
【国際調査報告】