(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】バイオマス熱分解液体から炭素を再捕捉するためのプロセス及びシステム
(51)【国際特許分類】
B27N 3/02 20060101AFI20240822BHJP
B27K 9/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
B27N3/02 Z
B27N3/02 A
B27K9/00
B27K9/00 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506464
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022039113
(87)【国際公開番号】W WO2023014679
(87)【国際公開日】2023-02-09
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520490314
【氏名又は名称】カーボン テクノロジー ホールディングス, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス エー. メネル
(72)【発明者】
【氏名】ダレン ドーガード
(72)【発明者】
【氏名】ダスティン スラック
【テーマコード(参考)】
2B230
2B260
【Fターム(参考)】
2B230AA30
2B230BA05
2B230BA06
2B230BA13
2B230CC11
2B260AA20
2B260BA02
2B260BA03
2B260BA04
2B260BA05
2B260BA07
2B260BA11
2B260BA15
2B260BA18
2B260DA01
2B260DA12
2B260DA13
2B260EB02
2B260EB05
2B260EB11
2B260EB12
2B260EB26
(57)【要約】
本開示は、バイオマスを熱分解して、中間体固体及び熱分解蒸気を生成することと、熱分解蒸気を凝縮して、熱分解液体を生成することと、熱分解液体を中間体固体とブレンドして、混合物を生成することと、混合物を更に熱分解して、高固定炭素材料を生成することと、を含む、高固定炭素材料を作製する方法を提供する。プロセスは、第1の熱分解反応器内で含バイオマス原料を熱分解して、第1の生体試薬及び第1の熱分解蒸気を生成することと、第1の熱分解蒸気を凝縮システムに導入して、凝縮器液体を生成することと、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させ、それによって、中間体材料を生成することと、第2の熱分解反応器内で中間体材料を更に熱分解して、第2の生体試薬及び第2の熱分解蒸気を生成することと、第2の生体試薬を高収率バイオカーボン組成物として回収することと、を含み得る。このプロセスは、中間体材料をペレット化することを更に含み得る。多くのプロセス及びシステム構成が開示されている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、
第1の熱分解反応器内で原料を熱分解し、前記原料がバイオマスを含み、それによって、第1の生体試薬及び第1の熱分解蒸気を生成すること、
前記第1の熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成すること、
前記第1の生体試薬を前記凝縮器液体と接触させ、それによって、中間体材料を生成することであって、前記中間体材料が、前記第1の生体試薬及び前記凝縮器液体を含む、生成すること、
熱処理ユニット内で前記中間体材料を熱処理し、それによって、第2の生体試薬及び排ガスを生成すること、
前記第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として回収すること、を含む、前記プロセス。
【請求項2】
前記原料が、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第1の生体試薬をペレット化することを更に含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記中間体材料をペレット化することを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記中間体材料を前記接触させること及び前記ペレット化することが、統合されている、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記中間体材料を前記ペレット化することが、前記接触させることの後に生じる、請求項4に記載のプロセス。
【請求項7】
前記中間体材料を前記ペレット化することが、結合剤を前記中間体材料に導入することを含む、請求項4に記載のプロセス。
【請求項8】
前記結合剤が、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記中間体材料を前記ペレット化することが、外部結合剤を前記中間体材料に導入することを含まない、請求項4に記載のプロセス。
【請求項10】
炭素再捕捉ユニットが、前記熱処理ユニットの上流に配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
炭素再捕捉ユニットが、前記熱処理ユニットの第1の段階である、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記凝縮システムが、複数の凝縮器段階を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記凝縮器液体が、前記複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記凝縮器液体が、前記複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物である、請求項12に記載のプロセス。
【請求項15】
前記複数の段階が、前記複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記排ガスを前記凝縮システムに導入することを更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記中間体材料が、前記第1の生体試薬の表面上に吸着された前記凝縮器液体を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記中間体材料が、前記第1の生体試薬のバルク相内に吸収された前記凝縮器液体を含む、先行請求項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記熱処理ユニットが、少なくとも約250℃の温度で動作される第2の熱分解反応器であり、前記第2の熱分解反応器が、前記中間体材料を熱分解するように構成されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記熱処理ユニットを、約80℃~約250℃から選択される温度で動作させる、請求項1~18のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記熱処理ユニットが、内部無酸素環境を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項22】
不活性ガスを前記熱処理ユニットに導入する、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記熱処理ユニットを真空下で動作させる、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記熱処理ユニットが、前記第2の生体試薬を乾燥させるように構成されている、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記プロセスが、前記熱処理後に前記バイオカーボン組成物を乾燥させることを更に含む、請求項1~24のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記第1の熱分解反応器が、前記第2の熱分解反応器とは別個である、請求項19に記載のプロセス。
【請求項27】
前記第1の熱分解反応器及び前記第2の熱分解反応器が同じユニットであり、前記ペレット化及び前記熱処理を異なる時間で行う、請求項19に記載のプロセス。
【請求項28】
前記凝縮器液体の固定炭素形成反応を実施することを含み、前記実施が、前記第1の生体試薬を触媒として利用するか、又は前記実施が、前記第1の生体試薬を反応マトリックスとして利用する、請求項1~27のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記凝縮器液体が、総炭素を含み、前記プロセスが、前記凝縮器液体中に含まれる前記総炭素の少なくとも25重量%を、前記第2の生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを更に含む、請求項1~28のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記凝縮器液体が、総炭素を含み、前記プロセスが、前記凝縮器液体中に含まれる前記総炭素の少なくとも50重量%を、前記第2の生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを更に含む、請求項1~29のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記凝縮器液体が、総炭素を含み、前記プロセスが、前記凝縮器液体中に含まれる前記総炭素の少なくとも75重量%を、前記第2の生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを更に含む、請求項1~30のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項32】
前記第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、前記凝縮器液体に由来する、請求項1~31のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、前記凝縮器液体に由来する、請求項1~32のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記凝縮器液体の全てを前記第1の生体試薬と接触させる、請求項1~33のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項35】
全てよりも少ない前記凝縮器液体を前記第1の生体試薬と接触させる、請求項1~33のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項36】
前記凝縮器液体を、いかなる中間化学処理もなく、前記第1の生体試薬と接触させる、請求項1~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項37】
前記凝縮器液体を、前記第1の生体試薬との接触前に化学的に処理する、請求項1~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項38】
前記凝縮器液体を、前記第1の生体試薬との接触前に精製ステップに供する、請求項37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記凝縮器液体を、前記第1の生体試薬との接触前に反応ステップに供する、請求項37又は38に記載のプロセス。
【請求項40】
前記熱分解を、少なくとも約250℃~最大約1250℃の第1の熱分解温度で行う、請求項1~39のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項41】
前記第1の熱分解温度が、少なくとも約300℃~最大約700℃である、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
前記中間体材料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃の第2の熱分解温度で行う、請求項19に記載のプロセス。
【請求項43】
前記第2の熱分解温度が、少なくとも約300℃~最大約700℃である、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
前記熱分解を、少なくとも約10秒~最大約24時間の第1の熱分解時間で行う、請求項1~43のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項45】
前記中間体材料を熱分解することを、少なくとも約10秒~最大約24時間の第2の熱分解時間で行う、請求項19に記載のプロセス。
【請求項46】
前記凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含む、請求項1~45のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項47】
前記排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含む、請求項1~46のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項48】
前記第1の生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、前記機械的処理装置が、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1~47のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項49】
前記中間体材料を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、前記機械的処理装置が、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1~48のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項50】
前記中間体材料を前記ペレット化することが、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化装置を利用する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項51】
前記熱処理ユニット内で、炭素を含む微粉を生成することを更に含み、前記第1の生体試薬を前記凝縮器液体と接触させるステップに前記微粉を再循環させることを更に含む、請求項1~50のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項52】
前記熱処理ユニット内で、炭素を含む微粉を生成することを更に含み、前記第2の生体試薬を回収するステップに前記微粉を再循環させることを更に含む、請求項1~51のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項53】
前記バイオカーボン組成物が、粉末の形態である、請求項1~52のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項54】
前記第2の生体試薬を乾燥させることを更に含み、前記第2の生体試薬をペレット化して、ペレットを生成することを更に含み、前記第2の生体試薬を前記ペレット化することが、前記乾燥の最中、前記乾燥の後、又は前記回収の後に生じる、請求項1~54のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項55】
前記ペレットを粉末化して、粉末を形成することを更に含む、請求項54に記載のプロセス。
【請求項56】
前記バイオカーボン組成物が、少なくとも50重量%の固定炭素を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項57】
前記バイオカーボン組成物が、少なくとも60重量%の固定炭素を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項58】
前記バイオカーボン組成物が、少なくとも70重量%の固定炭素を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項59】
前記バイオカーボン組成物が、少なくとも80重量%の固定炭素を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項60】
前記バイオカーボン組成物が、少なくとも90重量%の固定炭素を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項61】
前記バイオカーボン組成物が、10重量%未満の灰を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項62】
前記バイオカーボン組成物が、5重量%未満の灰を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項63】
前記バイオカーボン組成物が、1重量%未満の灰を含む、請求項1~60のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項64】
前記凝縮器液体が、1重量%未満の灰を含む、請求項1~63のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項65】
前記凝縮器液体が、0.1重量%未満の灰を含む、請求項1~63のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項66】
前記凝縮器液体が、灰を本質的に含まない、請求項1~63のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項67】
前記バイオカーボン組成物中の総炭素が、前記総炭素の
14C/
12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能である、請求項1~66のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項68】
前記バイオカーボン組成物中の総炭素が、前記総炭素の
14C/
12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能である、請求項1~66のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項69】
前記バイオカーボン組成物中の総炭素が、前記総炭素の
14C/
12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能である、請求項1~66のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項70】
前記バイオカーボン組成物が、乾燥ベースで少なくとも約5lb/ft
3のかさ密度によって特徴付けられる、請求項1~69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項71】
前記バイオカーボン組成物が、乾燥ベースで少なくとも約10lb/ft
3のかさ密度によって特徴付けられる、請求項1~69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項72】
前記バイオカーボン組成物が、乾燥ベースで少なくとも約20lb/ft
3のかさ密度によって特徴付けられる、請求項1~69のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項73】
前記バイオカーボン組成物が、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる、請求項1~72のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項74】
前記バイオカーボン組成物が、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる、請求項1~73いずれか一項に記載のプロセス。
【請求項75】
前記バイオカーボン組成物が、ペレットの形態である、請求項1~74のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項76】
前記ペレットが、乾燥ベースで少なくとも約10lb/ft
3のかさ密度によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項77】
前記ペレットが、乾燥ベースで少なくとも約25lb/ft
3のかさ密度によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項78】
前記ペレットが、乾燥ベースで少なくとも約35lb/ft
3のかさ密度によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項79】
前記ペレットが、少なくとも30のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項80】
前記ペレットが、少なくとも50のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項81】
前記ペレットが、少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項82】
前記ペレットが、少なくとも約100lb
f/in
2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項83】
前記ペレットが、少なくとも約150lb
f/in
2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けられる、請求項75に記載のプロセス。
【請求項84】
バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、
バイオマスを含む原料を熱分解して、第1の生体試薬及び第1の熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
前記第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、前記凝縮システムが、前記第1の熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
前記第1の生体試薬及び前記凝縮システムと流体連通している混合ユニットであって、前記混合ユニットが、前記第1の生体試薬を前記凝縮器液体と接触させて、中間体材料を生成するように構成されている、混合ユニットと、
前記混合ユニットと流体連通している熱処理ユニットであって、前記熱処理ユニットが、前記中間体材料を熱処理して、第2の生体試薬及び排ガスを生成するように構成されている、熱処理ユニットと、
前記熱処理ユニット内に配置された又は前記熱処理ユニットと流体連通しているシステム出力であって、前記システム出力が、前記第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、前記システム。
【請求項85】
前記混合ユニットが、ペレット化ユニットである、請求項84に記載のシステム。
【請求項86】
前記システムが、前記混合ユニットとは別個のペレット化ユニットを備え、前記ペレット化ユニットが、前記混合ユニットと前記熱処理ユニットとの間に配置されている、請求項84に記載のシステム。
【請求項87】
前記凝縮システムが、複数の凝縮器段階を含む、請求項84~86のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項88】
前記排ガスを前記凝縮システムに再循環させるように構成された再循環ラインを更に備える、請求項84~87のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項89】
前記熱処理ユニットが、第2の熱分解反応器である、請求項84~88のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項90】
前記熱処理ユニットが、乾燥機である、請求項84~88のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項91】
前記第1の生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を更に備え、前記機械的処理装置が、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項84~90のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項92】
前記中間体材料を粉砕するように構成された機械的処理装置を更に備え、前記機械的処理装置が、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項84~91のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項93】
前記中間体材料をペレット化するように構成されたペレット化装置を更に備え、前記ペレット化装置が、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項84~92のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月2日に出願された米国仮特許出願第63/228,536号の優先利益を主張するものであり、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、一般に、高収率バイオカーボン組成物を作製するための、熱分解油からの炭素の再補足を利用する熱分解プロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
炭素は、多種多様な産業におけるプラットフォーム要素であり、化学、材料、及び燃料用途が膨大にある。炭素は、電気を含むエネルギーを生成するための良好な燃料である。炭素はまた、金属、金属合金、複合材、炭素繊維、電極、及び触媒支持体を含む様々な商品及び先端材料に対して多大な化学的価値を有する。金属作製のために、炭素は、処理中に金属酸化物を金属に還元するための反応物として、処理のための熱を提供するための燃料として、及び金属合金の成分として有用である。
【0004】
炭素は、原則として、実質的に任意の炭素質材料から製造され得る。炭素質材料は、一般に、天然ガス、石油、石炭、及び亜炭などの化石資源、並びにリグノセルロース系バイオマス及び様々な炭素に富む廃棄物などの再生可能な資源を含む。化石資源に関連する経済的、環境的、及び社会的コストが上昇しているため、再生可能なバイオマスを利用して炭素系試薬を製造することが好ましい。
【0005】
バイオマスは、生物学的に製造された物質又は生体物質を説明するために使用される用語である。バイオマスに含まれる化学エネルギーは、光合成の自然プロセスを使用する太陽エネルギーに由来する。光合成は、植物が、それらの周囲から二酸化炭素及び水を取り込み、日光からのエネルギーを使用して、これらを、糖、デンプン、セルロース、ヘミセルロース、及びリグニンに変換するプロセスである。全ての再生可能なエネルギー供給源のうち、バイオマスは、それが効果的に貯蔵された太陽エネルギーであるという点で独特である。更に、バイオマスは、唯一の再生可能な炭素供給源である。
【0006】
バイオマス原料を高炭素質材料にするための種々の変換技術が存在する。熱分解は、酸化剤(空気若しくは酸素)の完全な非存在下で、かつ酸化が感知できる程度に起こらないような制限された供給で、固体材料を熱変換するためのプロセスである。プロセス条件及び添加剤に応じて、バイオマス熱分解を調節して、広く変動する量のガス、液体、及び固体を生成することができる。より低いプロセス温度及びより長い蒸気滞留時間は、固体の生成に有利である。高温及びより長い滞留時間は、合成ガスへのバイオマス変換を増加させ、中程度の温度及び短い蒸気滞留時間は、一般に、液体を生成するために最適である。歴史的に、木材のゆっくりとした熱分解は、大きなパイルにおいて、単純なバッチプロセスで、排出制御なしに実施されてきた。伝統的な木炭作製技術は、エネルギー効率が悪いばかりでなく、汚染性が高い。
【0007】
特に炭素収率及びバイオカーボン特性に関して、バイオカーボン組成物を製造するための改善又は最適化されたプロセスが所望される。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
第1の熱分解反応器内で原料を熱分解し、原料がバイオマスを含み、それによって、第1の生体試薬(biogenic reagent、生物由来物質)及び第1の熱分解蒸気を生成すること、
第1の熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成すること、
第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させ、それによって、中間体材料を生成することであって、中間体材料が、第1の生体試薬及び凝縮器液体を含む、生成すること、
熱処理ユニット内で中間体材料を熱処理し、それによって、第2の生体試薬及び排ガス(off-gas、オフガス)を生成すること、
第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として回収すること、を含む、プロセスを提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、原料は、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0010】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第1の生体試薬をペレット化することを更に含む。これらの又は他の実施形態では、プロセスは、中間体材料をペレット化することを更に含み得る。ある特定の実施形態では、中間体材料をペレット化することを、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させるステップと統合する。他の実施形態では、中間体材料をペレット化することは、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させた後に生じる。
【0011】
中間体材料をペレット化することは、実施される場合、結合剤を中間体材料に導入することを含み得る。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、中間体材料をペレット化することは、外部結合剤を中間体材料に導入することを含まない。
【0013】
いくつかのプロセスでは、炭素再捕捉ユニットは、熱処理ユニットの上流に配置されている。ある特定のプロセスでは、炭素再捕捉ユニットは、熱処理ユニットの第1の段階である。炭素再捕捉ユニットは、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させる混合ユニットであり得る。代替的に又は追加的に、炭素再捕捉ユニットは、混合ユニットとは別個であり得る。炭素回収ユニットに、外部炭素供給源又はプロセスからの廃炭素含有流などの、凝縮器液体とは異なる炭素供給源を供給することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。凝縮器液体は、例えば、複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物であり得る。いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物である。ある特定の実施形態では、複数の段階は、最終的な凝縮器生成物が高濃度の水を含有するように最終段階が構成又は操作されている場合に特に、複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない。
【0015】
いくつかの実施形態では、中間体材料は、第1の生体試薬の表面上に吸着された凝縮器液体を含む。代替的に又は追加的に、中間体材料は、第1の生体試薬のバルク相内に吸収された凝縮器液体を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、熱処理ユニットは、少なくとも約250℃の温度で動作される第2の熱分解反応器であり、第2の熱分解反応器は、中間体材料を熱分解するように構成されている。他の実施形態では、熱処理ユニットを、例えば、約80℃~約250℃から選択される比較的低い温度で動作させる。
【0017】
熱処理ユニットは、内部無酸素環境、又は少なくとも低酸素環境を含み得る。いくつかの実施形態では、不活性ガスを熱処理ユニットに導入する。ある特定の実施形態では、熱処理ユニットを真空下で動作させる。
【0018】
いくつかの実施形態では、プロセスは、排ガスを熱処理ユニットから凝縮システムに導入することを更に含む。これらの実施形態は、排ガスが高濃度の炭素を含有するとき、望ましい場合がある。
【0019】
いくつかの実施形態では、熱処理ユニットは、第2の生体試薬を乾燥させるように構成されている。これらの実施形態では、熱処理ユニットからの排ガスは、水蒸気を含むか、又はこれから本質的になる。
【0020】
プロセスは、熱処理ユニット内での熱処理後に、バイオカーボン組成物を乾燥させることを更に含み得る。
【0021】
典型的な実施形態では、第1の熱分解反応器は、第2の熱分解反応器とは別個である。他の実施形態では、第1の熱分解反応器及び第2の熱分解反応器は、物理的に同じユニットであるが、熱分解及び熱処理を異なる時間で行う。
【0022】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凝縮器液体の固定炭素形成反応を実施することを含む。固定炭素形成反応は、第1の生体試薬を触媒として利用することができる。代替的に又は追加的に、固定炭素形成反応は、第1の生体試薬を反応マトリックスとして利用することができる。
【0023】
いくつかのプロセスでは、このプロセスは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を、第2の生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定の実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。
【0025】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体の全てを第1の生体試薬と接触させる。他のプロセスでは、全てよりも少ない凝縮器液体を第1の生体試薬と接触させる。本開示では、「凝縮器液体」への言及は、特に明記されていない限り、プロセスで形成された凝縮器液体の一部又はプロセスで形成された凝縮器液体の全てのいずれかに関連し得る。
【0026】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、いかなる中間化学処理もなく、第1の生体試薬と接触させる。他のプロセスでは、凝縮器液体を、第1の生体試薬との接触前に化学的に処理する。凝縮器液体に対して実施することができる様々な種類の化学処理があり、一般に言えば、化学処理は、凝縮器液体からの質量又はエネルギーの導入又は除去を指す。例示的な種類の化学処理は、特定の成分(例えば、水又は酢酸)を凝縮器液体から分離すること、又は凝縮器液体を反応物(例えば、CO及び/又はH2)と化学的に反応させることを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体を、第1の生体試薬との接触前に精製ステップに供する。これらの又は他の実施形態では、凝縮器液体を、第1の生体試薬との接触前に反応ステップに供する。ある特定の実施形態では、最初に凝縮器液体において望ましくない不純物を除去するのみならず、中間体材料において望ましくない化学反応副生成物も除去する、反応ステップ及び精製ステップがある。
【0028】
いくつかの実施形態では、(第1の熱分解反応器内で)原料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃の第1の熱分解温度で行う。ある特定の実施形態では、第1の熱分解温度は、少なくとも約300℃~最大約700℃である。いくつかの実施形態では、(第1の熱分解反応器内で)原料を熱分解することを、少なくとも約10秒~最大約24時間の第1の熱分解時間で行う。
【0029】
熱処理が熱分解温度であるいくつかの実施形態では、中間体材料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃の第2の熱分解温度で行う。ある特定の実施形態では、第2の熱分解温度は、少なくとも約300℃~最大約700℃である。いくつかの実施形態では、中間体材料を熱分解することを、少なくとも約10秒~最大約24時間の第2の熱分解時間で行う。
【0030】
プロセスは、凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。追加的に又は代替的に、プロセスは、(熱処理ユニットからの)排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。凝縮器蒸気及び/又は排ガスの酸化から生成された熱をプロセスで再利用して、例えば、熱を第1の熱分解反応器に提供することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第1の生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0032】
いくつかの実施形態では、プロセスは、中間体材料を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0033】
中間体材料をペレット化することを採用するいくつかの実施形態では、ペレット化は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化装置を利用することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、プロセスは、熱処理ユニット内で、炭素を含む微粉を生成することを更に含み、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させるステップに微粉を再循環させることを更に含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、プロセスは、熱処理ユニット内で、炭素を含む微粉を生成することを更に含み、第2の生体試薬を回収するステップに微粉を再循環させることを更に含む。
【0036】
様々なプロセスでは、バイオカーボン組成物は、粉末の形態である。
【0037】
様々なプロセスでは、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態である。ペレットが形成された後に、プロセスは、ペレットを粉末化して、粉末を再び形成することを更に含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第2の生体試薬を乾燥させることを含み、第2の生体試薬をペレット化して、ペレットを生成することを更に含み、第2の生体試薬をペレット化することは、乾燥の最中、乾燥の後、又は回収の後に生じる。
【0039】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%の固定炭素、少なくとも60重量%の固定炭素、少なくとも70重量%の固定炭素、少なくとも80重量%の固定炭素、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0042】
バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能であり得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約5lb/ft3、少なくとも約10lb/ft3、又は少なくとも約20lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0044】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、疎水性であり、そのため、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる。
【0045】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0046】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、乾燥ベースで、少なくとも約10lb/ft3、少なくとも約25lb/ft3、又は少なくとも約35lb/ft3のかさ密度によって特徴付けることができる。
【0047】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、少なくとも30、少なくとも50、又は少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けることができる。
【0048】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、少なくとも約100lbf/in2又は少なくとも約150lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けることができる。
【0049】
他の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、システムが、
バイオマスを含む原料を熱分解して、第1の生体試薬及び第1の熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、凝縮システムが、第1の熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
第1の生体試薬及び凝縮システムと流体連通している混合ユニットであって、混合ユニットが、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させて、中間体材料を生成するように構成されている、混合ユニットと、
混合ユニットと流体連通している熱処理ユニットであって、熱処理ユニットが、中間体材料を熱処理して、第2の生体試薬及び排ガスを生成するように構成されている、熱処理ユニットと、
熱処理ユニット内に配置された又は熱処理ユニットと流体連通しているシステム出力であって、システム出力が、第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、システムを提供する。
【0050】
いくつかのシステムでは、混合ユニットは、ペレット化ユニットである。他のシステムでは、システムは、混合ユニットとは別個のペレット化ユニットを備え、ペレット化ユニットは、混合ユニットと熱処理ユニットとの間に配置されている。
【0051】
いくつかのシステムでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階、例えば、2、3、4、又はそれより多くの凝縮器段階を含む。
【0052】
いくつかのシステムでは、再循環ラインは、熱処理ユニットからの排ガスがあるときに、排ガスを熱処理ユニットから凝縮システムに再循環させるように構成されている。
【0053】
いくつかのシステムでは、熱処理ユニットは、第2の熱分解反応器である。他のシステムでは、熱処理ユニットは、乾燥機である。更なる他のシステムでは、乾燥機である第1の熱処理ユニット、及び第2の熱分解反応器である第2の熱処理ユニットが、いずれかの順序で配置されて存在する。
【0054】
いくつかのシステムは、第1の生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を備え、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0055】
いくつかのシステムは、中間体材料を粉砕するように構成された機械的処理装置を備え、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0056】
いくつかのシステムは、中間体材料をペレット化するように構成されたペレット化装置を更に備え、ペレット化装置は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0057】
他の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
第1の熱分解反応器内で原料を熱分解し、原料がバイオマスを含み、それによって、第1の熱分解固体及び第1の熱分解蒸気を生成することと、
第1の熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成することと、
第2の反応器内で凝縮器液体を熱処理し、それによって、固体又は半固体材料を生成することと、
第1の熱分解固体を固体又は半固体材料とブレンドし、それによって、生体試薬を生成することと、
生体試薬をバイオカーボン組成物として回収することと、を含む、プロセスを提供する。
【0058】
原料は、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、プロセスは、生体試薬を乾燥させること又は熱処理することを更に含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、プロセスは、生体試薬をペレット化することを更に含む。
【0061】
ある特定の実施形態では、プロセスは、生体試薬を乾燥させること又は熱処理することを更に含み、生体試薬をペレット化することを更に含み、ペレット化及び乾燥又は熱処理が統合されている。
【0062】
ペレットを形成する実施形態では、ペレット化を、第1の熱分解固体を固体又は半固体材料とブレンドするステップと統合することができる。
【0063】
ペレットを形成する実施形態では、プロセスは、結合剤を生体試薬に導入することを含み得る。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択することができる。
【0064】
ペレットを形成するある特定の実施形態では、外部結合剤をペレット化中に生体試薬に導入しない。
【0065】
いくつかのプロセスでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物であり得る。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物であり得る。ある特定の実施形態では、複数の段階は、複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない。
【0066】
いくつかの実施形態では、第2の反応器は、非熱分解熱反応器又は非熱分解触媒反応器である。
【0067】
いくつかの実施形態では、第2の反応器は、固体又は半固体材料及び熱分解排ガスを生成する第2の熱分解反応器である。ある特定の実施形態では、プロセスは、凝縮システムに熱分解排ガスを搬送することを更に含み得る。第2の熱分解反応器は、第1の熱分解反応器とは別個であり得る。代替的に、第1の熱分解反応器及び第2の熱分解反応器は同じユニットであり、原料を熱分解すること及び凝縮器液体を熱処理することを異なる時間で行う。
【0068】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を、固体又は半固体材料中の固定炭素に変換する。
【0069】
いくつかのプロセスでは、固体又は半固体材料は、絶対ベースで、生体試薬の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、又は少なくとも20重量%を形成する。
【0070】
いくつかの実施形態では、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定の実施形態では、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。
【0071】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体の全てを第2の反応器内で熱処理する。他のプロセスでは、全てよりも少ない凝縮器液体を第2の反応器内で熱処理する。
【0072】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、凝縮システムと第2の反応器との間のいかなる中間化学処理もなく、第2の反応器内で熱処理する。
【0073】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に化学的に処理する。ある特定のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に精製ステップに供する。ある特定のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に反応ステップに供する。いくつかの特定のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に(いずれかの順序で)反応ステップ及び精製ステップに供する。
【0074】
いくつかの実施形態では、(第1の熱分解反応器内で)原料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃の第1の熱分解温度で行う。
【0075】
いくつかの実施形態では、第2の反応器は、第2の熱分解温度で動作される第2の熱分解反応器であり、第2の熱分解温度は、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃である。
【0076】
他の実施形態では、第2の反応器を、約80℃~約250℃から選択される温度で動作させる。
【0077】
プロセスは、凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。追加的に又は代替的に、プロセスは、反応器排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。
【0078】
いくつかのプロセスは、生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0079】
生体試薬をペレット化することを採用するいくつかのプロセスでは、ペレット化は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化装置を利用する。
【0080】
様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0083】
バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能であり得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約5lb/ft3、少なくとも約10lb/ft3、又は少なくとも約20lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0085】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる。
【0086】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0087】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態である。ペレットは、乾燥ベースで、少なくとも約10lb/ft3、少なくとも約25lb/ft3、又は少なくとも約35lb/ft3のかさ密度によって特徴付けることができる。ペレットは、少なくとも30、少なくとも50、又は少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けることができる。ペレットは、少なくとも約100lbf/in2又は少なくとも約150lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けることができる。
【0088】
他の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、システムが、
バイオマスを含む原料を熱分解して、第1の熱分解固体及び第1の熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、凝縮システムが、第1の熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
凝縮システムと流体連通している第2の反応器であって、第2の反応器が、凝縮器液体を熱処理して、固体又は半固体材料を生成するように構成されている、第2の反応器と、
第1の熱分解反応器及び第2の反応器と流体連通している混合ユニットであって、混合ユニットが、第1の熱分解固体を固体又は半固体材料とブレンドして、生体試薬を生成するように構成されている、混合ユニットと、
混合ユニットと流体連通しているシステム出力であって、システム出力が、生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、システムを提供する。
【0089】
いくつかのシステムでは、混合ユニットは、ペレット化ユニットである。いくつかのシステムでは、システムは、混合ユニットとは別個のペレット化ユニットを備え、ペレット化ユニットは、混合ユニットとシステム出力との間に配置されている。
【0090】
いくつかのシステムでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。
【0091】
いくつかのシステムでは、第2の反応器は、第2の熱分解反応器である。システムは、熱分解排ガスを凝縮システムに再循環させるように構成された再循環ラインを更に備え得る。
【0092】
いくつかのシステムでは、第2の反応器は、非熱分解熱反応器又は非熱分解触媒反応器である。
【0093】
システムは、生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を更に備えていてもよく、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0094】
システムは、生体試薬をペレット化するように構成されたペレット化装置を更に備えていてもよく、ペレット化装置は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0095】
更に他の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
第1の熱分解反応器内で第1の原料を熱分解し、それによって、生体試薬及び熱分解蒸気を生成することと、
熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成することと、
第2の原料を凝縮器液体と接触させ、第2の原料がバイオマスを含み、それによって、第1の原料を生成し、第1の原料が第2の原料及び凝縮器液体を含むことと、
生体試薬をバイオカーボン組成物として回収することと、を含む、プロセスを提供する。
【0096】
バイオマスは、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0097】
いくつかのプロセスは、生体試薬をペレット化することを更に含む。生体試薬をペレット化することは、結合剤を生体試薬に導入することを含み得る。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択することができる。任意選択的に、生体試薬をペレット化することを、外部結合剤を生体試薬に導入することなく行うことができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物であり得る。ある特定の実施形態では、凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物であり、任意選択的に、複数の段階は、複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない。
【0099】
いくつかのプロセスでは、第2の原料を凝縮器液体と接触させるステップは、凝縮器液体をバイオマス上に噴霧することを含む。(限定されないが)バイオマスを凝縮器液体中に浸すこと、バイオマスの粒子を凝縮器液体のフィルムでコーティングすること、又は他の技術を含む、第2の原料を凝縮器液体と接触させる他の手段を用いることができる。
【0100】
いくつかのプロセスでは、第1の原料は、バイオマスの表面上に吸着された凝縮器液体を含む。代替的に又は追加的に、第1の原料は、バイオマスのバルク相内に吸収された凝縮器液体を含み得る。
【0101】
バイオマスを凝縮器液体と接触させることに関するいくつかのプロセスでは、プロセスは、熱処理ユニット内で生体試薬を熱処理することを更に含む。生体試薬をペレット化に供する場合、熱処理は、ペレット化の前、最中、又は後であり得る。
【0102】
熱処理ユニットを用いるいくつかのプロセスでは、熱処理ユニットは、少なくとも約250℃の第2の熱分解温度で動作される第2の熱分解反応器である。第2の熱分解反応器は、生体試薬を熱分解するように構成されている。第2の熱分解反応器は、典型的には、第1の熱分解反応器とは別個である(すなわち、物理的に異なる)。代替的に、第1の熱分解反応器及び第2の熱分解反応器は同じユニットであり得、ペレット化及び熱処理を異なる時間で行う。
【0103】
いくつかの実施形態では、熱処理ユニット内で生体試薬を熱分解することによって排ガスが生成され、これを凝縮システムに再循環させることができる。
【0104】
熱処理ユニットを用いる他のプロセスでは、熱処理ユニットを、約80℃~約250℃から選択される温度で動作させる。
【0105】
熱処理ユニットを用いるいくつかの実施形態では、熱処理ユニットは、内部無酸素環境を含む。不活性ガスを熱処理ユニットに導入することができる。熱処理ユニットを真空下で動作させることができる。
【0106】
熱処理ユニットは、生体試薬を乾燥させるように構成され得る。代替的に又は追加的に、プロセスは、任意選択的な熱処理ユニット内での熱処理後に、バイオカーボン組成物を乾燥させることを更に含み得る。
【0107】
いくつかのプロセスは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を、生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを含む。
【0108】
いくつかのプロセスでは、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定のプロセスでは、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。
【0109】
凝縮器液体の全てを第2の原料と接触させることができる。代替的に、全てよりも少ない凝縮器液体を第2の原料と接触させる。
【0110】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、いかなる中間化学処理もなく、第2の原料と接触させる。他のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の原料との接触前に化学的に処理する。例えば、凝縮器液体を、第2の原料との接触前に精製ステップ及び/又は反応ステップに供することができる。
【0111】
バイオマスを凝縮器液体と接触させることに関するいくつかの実施形態では、凝縮器液体の一部を、バイオマスと接触させるのではなく、生体試薬に添加する。
【0112】
第1の熱分解反応器内で第1の原料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃の第1の熱分解温度で行うことができる。第1の熱分解反応器における第1の熱分解時間は、少なくとも約10秒~最大約24時間であり得る。
【0113】
第2の熱分解反応器として構成された熱処理ユニットがある場合、第2の熱分解温度は、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃であり得る。第2の熱分解時間は、少なくとも約10秒~最大約24時間であり得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含む。これらの又は他の実施形態では、プロセスは、熱処理ユニットに由来する排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含む。熱は、様々な目的のためにプロセス内で使用することができる。
【0115】
いくつかのプロセスは、生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0116】
プロセスが、生体試薬をペレット化することを採用する場合、ペレット化装置は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0117】
いくつかのプロセスは、生体試薬を乾燥させることを更に含み、生体試薬をペレット化して、ペレットを生成することを更に含む。生体試薬をペレット化することは、乾燥の前、乾燥の最中、又は乾燥の後であり得る。
【0118】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0119】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0120】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0121】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%、少なくとも90%、又は100%(完全に)再生可能であり得る。
【0122】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約5lb/ft3、少なくとも約10lb/ft3、又は少なくとも約20lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0123】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる。
【0124】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0125】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態である。ペレットは、乾燥ベースで、少なくとも約10lb/ft3、少なくとも約25lb/ft3、又は少なくとも約35lb/ft3のかさ密度によって特徴付けることができる。ペレットは、少なくとも30、少なくとも50、又は少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けることができる。ペレットは、少なくとも約100lbf/in2又は少なくとも約150lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けることができる。
【0126】
ある特定の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、システムが、
第1の原料を熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、凝縮システムが、熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
凝縮システムと流体連通している混合ユニットであって、混合ユニットが、バイオマスを含む第2の原料を凝縮器液体と接触させて、第1の原料を生成するように構成されている、混合ユニットと、
第1の熱分解反応器と流体連通しているシステム出力であって、システム出力が、生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、システムを提供する。
【0127】
いくつかのシステムは、第1の熱分解反応器と流体連通しているペレット化ユニットを更に備え、ペレット化ユニットは、生体試薬をペレット化して、ペレットを生成するように構成されている。
【0128】
いくつかのシステムは、ペレット化ユニット(存在する場合)と流体連通しているか、又は第1の熱分解反応器と流体連通している、熱処理ユニットを更に備える。ある特定のシステムでは、熱処理ユニットは、ペレット化ユニットの下流に配置されており、熱処理ユニットは、ペレットを受け取るように構成されている。ある特定のシステムでは、熱処理ユニットは、第1の熱分解反応器とペレット化ユニットとの間に配置されており、ペレット化ユニットは、熱処理された生体試薬を受け取るように構成されている。
【0129】
いくつかのシステムでは、熱処理ユニットは、少なくとも約250℃の第2の熱分解温度で動作される第2の熱分解反応器であり、第2の熱分解反応器は、生体試薬を熱分解するように構成されている。システムは、熱分解排ガスを第2の熱分解反応器から凝縮システムに再循環させるように構成された再循環ラインを含み得る。
【0130】
ある特定のシステムでは、熱処理ユニットを、約80℃~約250℃から選択される温度で動作させる。
【0131】
いくつかのシステムでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階、例えば、2、3、4、5、又はそれより多くの段階を含む。
【0132】
いくつかのシステムでは、混合ユニットは、凝縮器液体をバイオマス上に噴霧するように構成されている。
【0133】
システムは、生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を更に備えていてもよく、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0134】
システムは、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化ユニットを更に備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0135】
図1~8では、点線のボックス及び線は、それぞれ、任意選択的なユニット及び流れを示す。
【0136】
【
図1】バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を有する凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。凝縮器液体を混合ユニットに供給し、そこに生体試薬も供給する。組み合わされた材料をペレット化ユニットに任意選択的に送って、ペレットを生成する。次いで、ペレットを、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。
【0137】
【
図2】バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を有する凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。凝縮器液体を、ペレット化ユニットに任意選択的に供給し、そこに生体試薬も供給して、ペレットを生成する。ペレット(又は凝縮器液体+生体試薬)を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。
【0138】
【
図3】バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を有する凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。生体試薬をペレット化ユニットに供給して、ペレットを生成する。ペレット及び凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を炭素再捕捉ユニットに供給して、中間体材料を生成する。次いで、中間体材料を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。
【0139】
【
図4】バイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を有する凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。生体試薬及び凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を炭素再捕捉ユニットに供給して、中間体材料を生成する。次いで、中間体材料を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。
【0140】
【
図5】バイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、第1の熱分解固体及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を第2の熱分解反応器に供給して、第2の熱分解固体及び熱分解排ガスを生成する。第1及び第2の熱分解固体を組み合わせることができる。ブレンドされた材料をペレット化することができる。ブレンドされた材料がペレット化されるかどうかにかかわらず、ブレンドされた材料を乾燥させるか、又は熱処理して、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【0141】
【
図6】バイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、第1の熱分解固体及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を第2の反応器に供給して、固体又は半固体材料及び反応器排ガスを生成する。第1及び第2の熱分解固体を組み合わせることができる。ブレンドされた材料をペレット化することができる。ブレンドされた材料がペレット化されるかどうかにかかわらず、ブレンドされた材料を乾燥させるか、又は熱処理して、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【0142】
【
図7】凝縮器液体で含浸したバイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を、入ってくるバイオマスとともに混合ユニットに供給して、供給材料(バイオマス+凝縮器液体)を生成する。いくつかの実施形態では、熱分解反応器からの生体試薬をペレット化する。生体試薬がペレット化されるかどうかにかかわらず、生体試薬を乾燥させるか、又は熱処理して、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【0143】
【
図8】凝縮器液体で含浸したバイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を、入ってくるバイオマスとともに混合ユニットに供給して、供給材料(バイオマス+凝縮器液体)を生成する。いくつかの実施形態では、第1の熱分解反応器からの生体試薬をペレット化する。生体試薬がペレット化されるかどうかにかかわらず、生体試薬を第2の熱分解反応器に送って、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0144】
この説明は、当業者が開示された技術を作製及び使用することを可能にし、この技術のいくつかの実施形態、適合、変形形態、代替、及び使用を説明する。本開示のこれら及び他の実施形態、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照すると、当業者にはより明らかになるであろう。
【0145】
本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」又は「an」が、本明細書に開示されているプロセスにおけるステップの存在の陳述又は説明に関して使用される場合、陳述又は説明が明示的に反対を提供しない限り、そのような不定冠詞の使用は、プロセス中のステップの存在を1つに制限するものではない。本明細書で使用される場合、量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、上限の値及び下限の値の範囲又はリストとして与えられる場合、これは、範囲が個別に開示されているかどうかに関係なく、任意の上限範囲又は値及び任意の下限範囲又は値の任意のペアから形成される全ての範囲を具体的に開示することとして理解されたい。
【0146】
数値の範囲が本明細書に列挙されている場合、特に明記されていない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び分数を含むことを意図している。本開示の範囲は、範囲を定義するとき、列挙されている特定の値に限定されることを意図してはいない。
【0147】
本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(contains)」、若しくは「含む(containing)」という用語、又はそれらのその他の変形形態は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、要素のリストを含む、組成物、混合物、プロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもこれらの要素のみに限定されるわけではなく、明示的には列挙されていない、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含み得る。
【0148】
更に、明示的に反対の記載がない限り、「又は(or)」は、包括的な又は(or)を指し、排他的な又は(or)を指さない。「又は(or)」という語が、2つ以上の項目のリストに関して他の項目から排他的な1つの項目のみを意味することに明示的に限定されない限り、そのようなリストにおける「又は(or)」の使用は、(a)リスト内の任意の1つの項目、(b)リスト内の全ての項目、又は(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むと解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「A及び/又はB(A and/or B)」にあるような句「及び/又は(and/or)」は、A単独、B単独、並びにA及びBの両方を指す。文脈が許す場合、単数形又は複数形の用語は、それぞれ、複数形又は単数形の用語も含み得る。
【0149】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、生じ得る報告された数値量における変動を指す。「約」という用語は、報告された数値の10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1%以内を意味する。
【0150】
本明細書における値のリストの「任意の介在範囲」への言及は、パラメータが、いくつかの実施形態で、これらの値のうちの1つで始まってこのリストにおける別のより高い値で終わる部分範囲から選択されることを意味する。例えば、温度が、任意の介在範囲を含む150℃、200℃、250℃、又は300℃であり得る場合、温度は、150~200℃、150~250℃、150~300℃、200~250℃、200~300℃、又は250~300℃の部分範囲から選択することができる。
【0151】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な範囲又は程度を指す。例えば、「実質的に」囲まれている物体は、物体が完全に囲まれているか、又はほぼ完全に囲まれていることを意味するであろう。絶対的完全性からの正確な許容可能な逸脱の程度は、場合によっては、特定の文脈に依存し得る。しかしながら、一般に言えば、完全性に近いとは、絶対的及び全体的な完全性が得られたかのような同じ全体結果を有するようなものであるだろう。「実質的に」の使用は、作用、特徴、特性、状態、構造、項目、又は結果の完全な又はほぼ完全な欠如を指すために否定的な意味合いで使用される場合に等しく適用可能である。
【0152】
参照によって本明細書に組み込まれる任意の材料が本開示と矛盾する限りにおいて、本開示が左右するものとする。
【0153】
本目的では、「生体」は、数ヶ月、数年、又は数十年の時間スケールで再生可能である炭素などの元素を含有する材料(原料、製品、又は中間体のいずれか)を意味することが意図されている。非生体材料は、非再生可能であり得るか、又は数世紀、数千年、数百万年、若しくは更に長い地質学的時間スケールの時間スケールで再生可能であり得る。生体材料は、生体供給源と非生体供給源との混合物を含み得る。
【0154】
炭素の3つの天然同位体、12C、13C、及び14Cがある。12C及び13Cは、安定しており、約93:1の天然割合で生じる。14Cは、上層大気中の宇宙放射線からの熱中性子によって生成され、地球に輸送されて、生きている生物学的材料によって吸収される。同位体的に、14Cは、無視可能な部分を構成するが、これは、5,700年の半減期で放射性であるため、放射測定で検出可能である。死んだ組織は、14Cを吸収しないため、14Cの量は、生物学的材料の放射年代測定に使用される方法のうちの1つである。
【0155】
植物は、光合成を通して大気炭素を固定することによって14Cを取り込む。次いで、動物は、植物を消費するとき、又は植物を消費する他の動物を消費するとき、14Cをそれらの体内に取り込む。したがって、生きている植物及び動物は、大気中のCO2と同じ14C対12C比率を有する。生物が死ぬと、生物は、大気との炭素の交換を停止し、したがって、それ以上新たな14Cを取り込まない。次いで、放射性崩壊は、生物中の14Cを徐々に枯渇させる。この効果は、放射性炭素年代測定のベースである。
【0156】
石炭などの化石燃料は、何百万年も前に堆積した植物材料から主に作製されている。この期間は、14Cの何千もの半減期に等しいため、化石燃料中の本質的に全ての14Cが崩壊している。また、化石燃料は、生きている生物から元々形成されたため、大気に対して13Cが枯渇している。したがって、化石燃料からの炭素は、生体炭素と比較して、13C及び14Cの両方が枯渇している。
【0157】
再生可能な資源からのものなどの、最近減少した有機物の炭素同位体と、石炭などの化石燃料の炭素同位体との間のこの差異は、組成物中の炭素供給源の決定を可能にする。具体的には、組成物中の炭素が、再生可能な資源に由来するか、又は化石燃料に由来するかどうか、言い換えるなら、再生可能な資源又は化石燃料が、組成物の生成に使用されたかどうかである。
【0158】
炭素の14C/12C同位体比率の測定は、ASTM D6866を利用することができる。
【0159】
炭素の14C/12C同位体比率(固体炭素中、又はCO、CO2、若しくはCH4などの蒸気形態の炭素中)を測定することは、実証済みの技法である。同様の概念を水素に適用することができ、2H/1H同位体比率が測定される(2Hは、重水素Dとしても知られている)。化石源は、バイオマスと比較して重水素が枯渇する傾向がある。Schiegl et al.,“Deuterium content of organic matter”,Earth and Planetary Science Letters,Volume 7,Issue 4,1970,Pages 307-313、及びHayes,“Fractionation of the Isotopes of Carbon and Hydrogen in Biosynthetic Processes”,Mineralogical Society of America,National Meeting of the Geological Society of America,Boston,MA,2001(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0160】
本目的では、「試薬」とは、その最も広い意味での材料を意味することを意図しており、試薬は、燃料、化学物質、材料、化合物、添加剤、ブレンド成分、溶媒などであり得る。試薬は、必ずしも化学反応を引き起こすか又は化学反応に関与する化学試薬である必要はない。試薬は、反応で消費される化学反応物であり得るが、必ずしもそうであるとは限らない。試薬は、特定の反応のための化学触媒であり得る。試薬は、試薬が添加され得る材料の機械的、物理的、又は流体力学的特性を調節することを引き起こすか、又はそれに関与し得る。例えば、試薬を金属に導入して、ある特定の強度特性を金属に付与することができる。試薬は、化学分析又は物理的試験で使用するのに十分な純度(現在の状況では、典型的には炭素純度)の物質であり得る。
【0161】
「低固定炭素」及び「高固定炭素」という用語は、本明細書では、様々な実施形態では、開示されているようなプロセス及びシステムによって製造することができる材料を説明するために実用的な目的で使用される。炭素含有量又は他の任意の濃度に関する制限は、用語自体からではなく、特定の実施形態及びその同等物を参照することによってのみ帰属されるべきである。
【0162】
本開示では、「凝縮器液体」への言及は、特に明記されていない限り、プロセスで形成された凝縮器液体の一部又はプロセスで形成された凝縮器液体の全てのいずれかに関連し得る。
【0163】
いくつかの変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
第1の熱分解反応器内で原料を熱分解し、原料がバイオマスを含み、それによって、第1の生体試薬及び第1の熱分解蒸気を生成することと、
第1の熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成することと、
第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させ、それによって、中間体材料を生成することであって、中間体材料が、第1の生体試薬及び凝縮器液体を含む、生成することと、
熱処理ユニット内で中間体材料を熱処理し、それによって、第2の生体試薬及び排ガスを生成することと、
第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として回収することと、を含む、プロセスを提供する。
【0164】
いくつかの実施形態では、原料は、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0165】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第1の生体試薬をペレット化することを更に含む。これらの又は他の実施形態では、プロセスは、中間体材料をペレット化することを更に含み得る。ある特定の実施形態では、中間体材料をペレット化することを、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させるステップと統合する。他の実施形態では、中間体材料をペレット化することは、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させた後に生じる。
【0166】
中間体材料をペレット化することは、実施される場合、結合剤を中間体材料に導入することを含み得る。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、中間体材料をペレット化することは、外部結合剤を中間体材料に導入することを含まない。これらの場合、凝縮器液体は、ペレットの結合剤として作用することができる。
【0168】
いくつかのプロセス(例えば、
図3又は4を参照)では、炭素再捕捉ユニットは、熱処理ユニットの上流に配置されている。ある特定のプロセスでは、炭素再捕捉ユニットは、熱処理ユニットの第1の段階である。炭素再捕捉ユニットは、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させる混合ユニットであり得る。代替的に又は追加的に、炭素再捕捉ユニットは、混合ユニットとは別個であり得る。いくつかの実施形態では、炭素再捕捉ユニットは、第2の熱分解反応器の上流に配置されている。他の実施形態では、炭素再捕捉ユニットは、第2の熱分解反応器の第1の段階である。炭素再捕捉ユニットは、例えば、ペレット上に凝縮器液体のコーティングを形成するように構成され得る。炭素回収ユニットは、外部炭素供給源又はプロセスからの廃炭素含有流などの、凝縮器液体とは異なる炭素供給源を供給することができる。
【0169】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。凝縮器液体は、例えば、複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物であり得る。いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物である。ある特定の実施形態では、複数の段階は、最終的な凝縮器生成物が高濃度の水を含有するように最終段階が構成又は操作されている場合に特に、複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない。
【0170】
いくつかの実施形態では、中間体材料は、第1の生体試薬の表面上に吸着された凝縮器液体を含む。代替的に又は追加的に、中間体材料は、第1の生体試薬のバルク相内に吸収された凝縮器液体を含み得る。
【0171】
いくつかの実施形態では、熱処理ユニットは、少なくとも約250℃の温度で動作される第2の熱分解反応器であり、第2の熱分解反応器は、中間体材料を熱分解するように構成されている。熱分解条件は、本明細書で後に詳細に記載されている。
【0172】
他の実施形態では、熱処理ユニットを、例えば、約80℃~約250℃から選択される比較的低い温度で動作させる。様々な実施形態では、熱処理ユニットを、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、若しくは250℃の温度で動作させる。
【0173】
熱処理ユニットは、好ましくは、内部無酸素環境、又は少なくとも低酸素環境を含む。様々な実施形態では、熱処理ユニットの内部環境は、任意の介在範囲を含む、最大約5体積%のO2、4体積%のO2、3体積%のO2、2体積%のO2、1体積%のO2、0.5体積%のO2、0.2体積%のO2、0.1体積%のO2、0.05体積%のO2、0.02体積%のO2、又は0.01体積%のO2である。熱処理ユニットの内部環境は、気相サンプルプローブ及び酸素センサ、例えば、超音波酸素センサ又は調節可能なダイオードレーザーなどを使用して測定することができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、不活性ガスを熱処理ユニットに導入する。不活性ガスは、窒素、アルゴン、二酸化炭素、又はそれらの混合物であり得る。
【0175】
ある特定の実施形態では、熱処理ユニットを大気圧超の圧力下で動作させる。熱処理ユニット内の絶対圧力は、約1bar~約10bar、例えば、約1bar~約5bar、又は約1bar~約2barであり得る。
【0176】
ある特定の実施形態では、熱処理ユニットを真空下で動作させる。熱処理真空ユニット内の絶対圧力は、例えば、任意の介在範囲を含む、約又は最大約0.99bar、0.9bar、0.8bar、0.7bar、0.6bar、0.5bar、0.4bar、0.3bar、0.2bar、若しくは0.1barであり得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、プロセスは、排ガスを熱処理ユニットから凝縮システムに導入することを更に含む。これらの実施形態は、排ガスが高濃度の炭素を含有するとき、望ましい場合がある。
【0178】
いくつかの実施形態では、熱処理ユニットは、第2の生体試薬を乾燥させるように構成されている。これらの実施形態では、熱処理ユニットからの排ガスは、水蒸気を含むか、又は水蒸気から本質的になる。
【0179】
プロセスは、熱処理ユニット内での熱処理後に、バイオカーボン組成物を乾燥させることを更に含み得る。熱処理は、水を形成する化学反応、すなわち、原料とともに存在しなかった又は水の化学的形成の前に存在しなかった反応水を生じさせ得るため、プロセスの終わりに向かって乾燥させることが望ましい場合がある。
【0180】
典型的な実施形態では、第1の熱分解反応器は、第2の熱分解反応器とは別個である。他の実施形態では、第1の熱分解反応器及び第2の熱分解反応器は、物理的に同じユニットであるが、熱分解及び熱処理を異なる時間で行う。
【0181】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凝縮器液体の固定炭素形成反応を実施することを含む。固定炭素形成反応は、第1の生体試薬を触媒として利用することができる。代替的に又は追加的に、固定炭素形成反応は、第1の生体試薬を反応マトリックスとして利用することができる。
【0182】
いくつかのプロセスでは、このプロセスは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を、第2の生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを含む。様々な実施形態では、プロセスは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の約又は少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、若しくは95重量%(任意の介在範囲を含む)を、第2の生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定の実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。様々な実施形態では、凝縮器液体に由来する第2の生体試薬中の固定炭素のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは95%である。
【0184】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体の全てを第1の生体試薬と接触させる。他のプロセスでは、全てよりも少ない凝縮器液体を第1の生体試薬と接触させる。様々な実施形態では、第1の生体試薬と接触させる凝縮器液体のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、若しくは100%である。
【0185】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、いかなる中間化学処理もなく、第1の生体試薬と接触させる。他のプロセスでは、凝縮器液体を、第1の生体試薬との接触前に化学的に処理する。凝縮器液体に対して実施することができる様々な種類の化学処理があり、一般に言えば、化学処理は、凝縮器液体からの質量又はエネルギーの導入又は除去を指す。例示的な種類の化学処理は、特定の成分(例えば、水又は酢酸)を凝縮器液体から分離すること、又は凝縮器液体を反応物(例えば、CO及び/又はH2)と化学的に反応させることを含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体を、第1の生体試薬との接触前に精製ステップに供する。これらの又は他の実施形態では、凝縮器液体を、第1の生体試薬との接触前に反応ステップに供する。ある特定の実施形態では、最初に凝縮器液体において望ましくない不純物を除去するのみならず、中間体材料において望ましくない化学反応副生成物も除去する、反応ステップ及び精製ステップがある。
【0187】
いくつかの実施形態では、(第1の熱分解反応器内で)原料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃の第1の熱分解温度で行う。ある特定の実施形態では、第1の熱分解温度は、少なくとも約300℃~最大約700℃である。いくつかの実施形態では、(第1の熱分解反応器内で)原料を熱分解することを、少なくとも約10秒~最大約24時間の第1の熱分解時間で行う。様々な実施形態では、第1の熱分解反応器に用いることができる熱分解条件は、本明細書で後に詳細に記載されている。第1の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。
【0188】
熱処理が熱分解温度であるいくつかの実施形態では、中間体材料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃の第2の熱分解温度で行う。ある特定の実施形態では、第2の熱分解温度は、少なくとも約300℃~最大約700℃である。いくつかの実施形態では、中間体材料を熱分解することを、少なくとも約10秒~最大約24時間の第2の熱分解時間で行う。第2の熱分解温度は、第1の熱分解温度より低くても高くてもよいか、又はこれらは、潜在的に同じであり得る。第2の熱分解時間は、第1の熱分解時間よりも短くなり得るか、若しくは長くなり得るか、又はこれらは、潜在的に同じであり得る。様々な実施形態では、第2の熱分解反応器に用いることができる熱分解条件は、本明細書で後に詳細に記載されている。第2の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。
【0189】
プロセスは、凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。追加的に又は代替的に、プロセスは、(熱処理ユニットからの)排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。凝縮器蒸気及び/又は排ガスの酸化から生成された熱をプロセスで再利用して、例えば、熱を第1の熱分解反応器に提供することができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第1の生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0191】
いくつかの実施形態では、プロセスは、中間体材料を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0192】
中間体材料をペレット化することを採用するいくつかの実施形態では、ペレット化は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化装置を利用することができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、プロセスは、熱処理ユニット内で、炭素を含む微粉を生成することを更に含み、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させるステップに微粉を再循環させることを更に含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、プロセスは、熱処理ユニット内で、炭素を含む微粉を生成することを更に含み、第2の生体試薬を回収するステップに微粉の一部又は全てを再循環させることを更に含む。
【0195】
様々なプロセスでは、バイオカーボン組成物は、粉末の形態である。粉末粒子サイズは、本明細書の他の箇所に記載されているように、広く変動し得る。
【0196】
様々なプロセスでは、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態である。ペレットサイズ及び形状は、本明細書の他の箇所に記載されているように、広く変動し得る。
【0197】
ペレットが形成された後に、プロセスは、ペレットを粉末化して、粉末を再び形成することを更に含み得る。改質された粉末は、例えば、(ペレット形成前の)初期粉末に類似し得るか、又は異なる粒子サイズを有し得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、プロセスは、第2の生体試薬を乾燥させることを含み、第2の生体試薬をペレット化して、ペレットを生成することを更に含み、第2の生体試薬をペレット化することは、乾燥の最中、乾燥の後、又は回収の後に生じる。
【0199】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%の固定炭素、少なくとも60重量%の固定炭素、少なくとも70重量%の固定炭素、少なくとも80重量%の固定炭素、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0202】
バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能であり得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約5lb/ft3、少なくとも約10lb/ft3、又は少なくとも約20lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、若しくは30lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。かさ密度は、参照により本明細書に組み込まれるASTM D 1895Bによる見かけ密度である。かさ密度は、多孔性について補正せず、外因性材料特性である。
【0204】
密度の別の尺度は、任意の多孔性(多孔質間隙)の非存在下での材料密度である固有材料密度である。固有材料密度は、充填密度又は固体密度とも呼ばれる。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約50lb/ft3、少なくとも約75lb/ft3、少なくとも約100lb/ft3、又は少なくとも約125lb/ft3の固有材料密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、若しくは140lb/ft3の固有材料密度によって特徴付けられる。バイオカーボン組成物が、粉末、すなわち、複数の粒子の形態である場合、粒子間に空隙があり、各粒子の体積内にミクロ細孔があり得る。固有材料密度は、粒子内、及びその粒子内の任意の細孔間の、連続した固体材料のみの密度である。
【0205】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、疎水性であり、そのため、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20、15、10、5、又は2重量%であることによって特徴付けられる。
【0206】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0207】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、乾燥ベースで、少なくとも約10lb/ft3、少なくとも約25lb/ft3、又は少なくとも約35lb/ft3のかさ密度によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、バイオカーボンペレットは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約10、15、20、25、30、35、若しくは40lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0208】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、少なくとも30、少なくとも50、又は少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、ペレットは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、若しくは125のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる。
【0209】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、少なくとも約100lbf/in2又は少なくとも約150lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、ペレットは、任意の介在範囲を含む、約又は少なくとも約50、75、100、125、150、175、若しくは200lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けられる。
【0210】
他の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、システムが、
バイオマスを含む原料を熱分解して、第1の生体試薬及び第1の熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、凝縮システムが、第1の熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
第1の生体試薬及び凝縮システムと流体連通している混合ユニットであって、混合ユニットが、第1の生体試薬を凝縮器液体と接触させて、中間体材料を生成するように構成されている、混合ユニットと、
混合ユニットと流体連通している熱処理ユニットであって、熱処理ユニットが、中間体材料を熱処理して、第2の生体試薬及び排ガスを生成するように構成されている、熱処理ユニットと、
熱処理ユニット内に配置された又は熱処理ユニットと流体連通しているシステム出力であって、システム出力が、第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、システムを提供する。
【0211】
いくつかのシステムでは、混合ユニットは、ペレット化ユニットである。他のシステムでは、システムは、混合ユニットとは別個のペレット化ユニットを備え、ペレット化ユニットは、混合ユニットと熱処理ユニットとの間に配置されている。
【0212】
凝縮システムは、蒸気-液体熱力学に従って熱分解蒸気の少なくとも一部を凝縮するように構成された、凝縮器の既知の原理に従って設計され得る。
【0213】
熱分解蒸気が、選択された温度及び圧力で動作される凝縮システムに入ると、熱分解蒸気の一部は、典型的には、凝縮して、凝縮器液体を形成する。選択された温度及び圧力で凝縮しない熱分解蒸気の残りの部分は、凝縮器蒸気と呼ばれる。下流の処理のために凝縮器液体のみを利用するために、凝縮システムで生成された蒸気及び液体の完全な分離である蒸気-液体分離がある。選択された温度及び圧力での蒸気及び液体の完全な分離は、分離の1つの平衡段階に等しい。
【0214】
凝縮システムは、1つの分離平衡段階、1つ未満の分離平衡段階、又は1つより多くの分離平衡段階を達成するように構成され得る。凝縮システムは、少なくとも1つの分離平衡段階を達成するように構成され得る。凝縮システムが多段階凝縮システムである場合、一般に言えば、分離平衡段階の数は、1超であるだろう。
【0215】
ある特定の原料及びプロセス条件(例えば、低い熱分解温度が、高揮発性炭素含有量を有する乾燥原料に適用される)についてのある特定の実施形態では、凝縮システム内で、熱分解液体のみが形成され、熱分解蒸気は形成されない。これらの実施形態では、凝縮器蒸気がないため、蒸気-液体分離自体がなく、すなわち、全ての熱分解蒸気が熱分解液体に凝縮される。
【0216】
例示的な凝縮システム構成は、ダブルチューブ、シェル及びチューブ、シェル及びコイル、又はそれらの組み合わせを含む。例示的な凝縮システム機器は、水平シェル内凝縮器、垂直シェル内凝縮器、水平チューブ内凝縮器、垂直チューブ内凝縮器、タンク、蒸留カラム、又はそれらの組み合わせを含む。
【0217】
カラムの形態の凝縮システムは、水平に、垂直に、又は角度を付けて動作させることができ、上向流(重力に対する)、下向流(重力に伴う)、重力に平行に、又は重力に対してある角度で動作させることができる。
【0218】
凝縮システムは、熱分解蒸気の連続的な入力、並びに凝縮器蒸気及び凝縮器液の両方の連続的な出力などで、連続的に又は半連続的に動作させることができる。半連続凝縮システムは、熱分解蒸気の断続的な入力、並びに/又は凝縮器蒸気及び凝縮器液体のうちの少なくとも1つの断続的な出力があることを意味する。
【0219】
他の実施形態では、ある量の熱分解蒸気を凝縮のためのバッチ容器(例えば、タンク)に導入するバッチ凝縮システムを利用する。バッチ凝縮時間の後に、凝縮器蒸気が引き出され、凝縮器液体がバッチ容器内に残る。又は、バッチ凝縮時間の後に、凝縮器液体が引き出され、凝縮器蒸気がバッチ容器内に残る。
【0220】
凝縮システムは、空気冷却式、ガス冷却式(空気によるもの以外)、水冷却式、液体冷却式(液体冷却剤を使用するような水によるもの以外)、又はそれらの組み合わせであり得る。凝縮のための熱伝達は、自然対流、強制対流、熱伝導、又はそれらの組み合わせによって達成することができる。
【0221】
いくつかの実施形態では、凝縮システムにおける一次熱伝達は、液体噴霧などの直接液体接触によって生じる。蒸気によって噴霧される液体は、水又は別の液体、例えば、外部液体(例えば、バイオディーゼル)、内部液体(例えば、凝縮器液体)、又はそれらの組み合わせであり得る。典型的には、直接液体接触を採用する実施形態では、蒸気によって噴霧される液体は、凝縮器液体の一部になる。ある特定の実施形態では、蒸気によって噴霧される液体は、それ自体が炭素含有液体であり、液体中に含有される一部又は全ての炭素は、最終的にバイオカーボン組成物中の炭素になる。
【0222】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、液体(例えば、エアロゾル液滴)を蒸気から分離するためのユニット操作を含む。例えば、蒸気を液体に凝縮した後に、又は蒸気凝縮と統合した後に、静電集塵器、フィルタ、慣性衝突収集表面、又はそれらの組み合わせがあり得る。
【0223】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、1つ以上の凝縮器のみならず、沸点の違いによる蒸気-液体平衡分離に基づかない分離段階も含む。むしろ、追加の分離段階は、例えば、極性、分子サイズ、別の相との親和性、又はイオン結合電位に基づき得る。様々な実施形態では、凝縮システムは、濾過、スクラビング、膜分離、活性炭吸着、クロマトグラフィー、イオン交換、液体-液体抽出、化学沈殿、及び/又は静電集塵のための手段を更に含む。
【0224】
様々な実施形態では、凝縮システムは、凝縮サブシステム、並びに液体-蒸気サイクロン分離機、デミスタ、蒸留ユニット、濾過ユニット、膜ユニット、スクラビングユニット(スクラバーとも呼ばれる)、化学沈殿ユニット、液体-液体抽出ユニット、静電集塵ユニット、又はそれらの組み合わせから選択される別のサブシステムを含む。
【0225】
本明細書は、凝縮器機器の設計のその教示について、参照により、Perry’s Chemical Engineers’Handbook,9th Ed.,McGraw-Hill,2019の11-1~11-12頁を組み込む。
【0226】
いくつかのシステムでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれより多くの凝縮器段階を含む。異なる温度及び/又は圧力で動作する複数の凝縮器段階がある場合、液体及び蒸気組成物は、一般に、段階によって変動する。この構成は、複数の段階にわたる調整された組成プロファイルを可能にして、望ましいほどに高い炭素含有量、又は他の特性(例えば、低い水含有量)を有する画分を回収及び利用する能力を可能にする。生体試薬と接触させる凝縮器液体は、最適化することができ、例えば、個々の凝縮器段階の凝縮物の一部を含み得るが、全てを含むわけではない。一例として、いくつかの実施形態では、多段階凝縮器システムの最後の段階は、水リッチな凝縮物を生成する。高固定炭素生成物が望ましい場合、水リッチな凝縮物を生体試薬に添加することが望ましくない場合がある。このシナリオでは、代わりに、水リッチな凝縮物を他のプラント目的のために再循環させることができる。
【0227】
ある特定の実施形態では、特定の段階からの、又は複数の段階からの液体の組成物を組成的に分析して、炭素含有量を増加させるための生体試薬と組み合わせた使用についての好適性を決定する。例えば、液体があまりにも多くの水又は有機酸を含有する場合、液体を他の目的に使用することができ、一方、液体が、高有機物、フェノール系物質、芳香族物質などを含有する場合、液体を熱処理(例えば、二次熱分解)のために生体試薬に添加することができる。
【0228】
いくつかのシステムでは、再循環ラインは、熱処理ユニットからの排ガスがある場合に、排ガスを熱処理ユニットから凝縮システムに再循環させて戻すように構成されている。
【0229】
いくつかのシステムでは、熱処理ユニットは、第2の熱分解反応器である。他のシステムでは、熱処理ユニットは、乾燥機である。更なる他のシステムでは、乾燥機である第1の熱処理ユニット、及び第2の熱分解反応器である第2の熱処理ユニットが、いずれかの順序で配置されて存在する。
【0230】
いくつかのシステムは、第1の生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を備え、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0231】
いくつかのシステムは、中間体材料を粉砕するように構成された機械的処理装置を備え、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0232】
いくつかのシステムは、中間体材料をペレット化するように構成されたペレット化装置を更に備え、ペレット化装置は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0233】
この技術の他の変形形態は、固体生体試薬とブレンドすることができる、固体又は半固体材料を作製するための凝縮器液体の熱処理を前提としている。これらの変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
第1の熱分解反応器内で原料を熱分解し、原料がバイオマスを含み、それによって、第1の熱分解固体及び第1の熱分解蒸気を生成することと、
第1の熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成することと、
第2の反応器内で凝縮器液体を熱処理し、それによって、固体又は半固体材料を生成することと、
第1の熱分解固体を固体又は半固体材料とブレンドし、それによって、生体試薬を生成することと、
生体試薬をバイオカーボン組成物として回収することと、を含む、プロセスを提供する。
【0234】
原料は、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0235】
いくつかの実施形態では、プロセスは、生体試薬を乾燥させること又は熱処理することを更に含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、プロセスは、生体試薬をペレット化することを更に含む。
【0237】
ある特定の実施形態では、プロセスは、生体試薬を乾燥させること又は熱処理することを更に含み、生体試薬をペレット化することを更に含み、ペレット化及び乾燥又は熱処理が統合されている。
【0238】
ペレットを形成する実施形態では、ペレット化を、第1の熱分解固体を固体又は半固体材料とブレンドするステップと統合することができる。
【0239】
ペレットを形成する実施形態では、プロセスは、結合剤を生体試薬に導入することを含み得る。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択することができる。
【0240】
ペレットを形成するある特定の実施形態では、外部結合剤をペレット化中に生体試薬に導入しない。これらの場合、凝縮器液体は、ペレットの結合剤として作用することができる。
【0241】
いくつかのプロセスでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物であり得る。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物であり得る。ある特定の実施形態では、複数の段階は、複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない。
【0242】
いくつかの実施形態では、第2の反応器は、非熱分解熱反応器又は非熱分解触媒反応器である。
【0243】
いくつかの実施形態では、第2の反応器は、固体又は半固体材料及び熱分解排ガスを生成する第2の熱分解反応器である。ある特定の実施形態では、プロセスは、凝縮システムに熱分解排ガスを搬送することを更に含み得る。第2の熱分解反応器は、第1の熱分解反応器とは別個であり得る。代替的に、第1の熱分解反応器及び第2の熱分解反応器は同じユニットであり、原料を熱分解すること及び凝縮器液体を熱処理することを異なる時間で行う。
【0244】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を、固体又は半固体材料中の固定炭素に変換する。様々な実施形態では、固体又は半固体材料中の固定炭素に変換される凝縮器液体中に含まれる総炭素のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、若しくは95重量%である。
【0245】
いくつかのプロセスでは、固体又は半固体材料は、絶対ベースで、生体試薬の少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、又は少なくとも20重量%を形成する。様々な実施形態では、固体又は半固体材料である生体試薬のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、若しくは95重量%である。
【0246】
固体又は半固体材料を、任意選択的に、第1の熱分解固体とのブレンド前に、更に処理、例えば、化学的に処理する。例えば、固体又は半固体材料は、粒子サイズによって分離することができる。固体又は半固体材料は、1つ以上の反応物と反応させることができる。
【0247】
いくつかの実施形態では、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定の実施形態では、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。様々な実施形態では、凝縮器液体に由来する生体試薬中の固定炭素のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、若しくは95重量%である。
【0248】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体の全てを第2の反応器内で熱処理する。他のプロセスでは、全てよりも少ない凝縮器液体を第2の反応器内で熱処理する。様々な実施形態では、第2の反応器内で熱処理される凝縮器液体のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、若しくは100%である。
【0249】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、凝縮システムと第2の反応器との間のいかなる中間化学処理もなく、第2の反応器内で熱処理する。
【0250】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に化学的に処理する。ある特定のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に精製ステップに供する。ある特定のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に反応ステップに供する。いくつかの特定のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の反応器内での熱処理前に(いずれかの順序で)反応ステップ及び精製ステップに供する。
【0251】
いくつかの実施形態では、(第1の熱分解反応器内で)原料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃の第1の熱分解温度で行う。第1の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。
【0252】
いくつかの実施形態では、第2の反応器は、第2の熱分解温度で動作される第2の熱分解反応器であり、第2の熱分解温度は、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃である。第2の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。
【0253】
他の実施形態では、第2の反応器を、約80℃~約250℃から選択される温度で動作させる。様々な実施形態では、第2の反応器を、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、若しくは250℃の温度で動作させる。これらの温度(約250℃以下)では、熱分解は予想されないが、長い滞留時間では、非常に少量の熱分解が起こり得る。
【0254】
プロセスは、凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。追加的に又は代替的に、プロセスは、反応器排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含み得る。
【0255】
いくつかのプロセスは、生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0256】
生体試薬をペレット化することを採用するいくつかのプロセスでは、ペレット化は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化装置を利用する。
【0257】
様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0260】
バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能であり得る。バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能であり得る。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物の総炭素における14C/12C同位体比率による再生可能な炭素のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約又は少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%、若しくは100%である。
【0261】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約5lb/ft3、少なくとも約10lb/ft3、又は少なくとも約20lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、若しくは30lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0262】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約50lb/ft3、少なくとも約75lb/ft3、少なくとも約100lb/ft3、又は少なくとも約125lb/ft3の固有材料密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、若しくは140lb/ft3の固有材料密度によって特徴付けられる。
【0263】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、疎水性であり、そのため、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20、15、10、5、又は2重量%であることによって特徴付けられる。
【0264】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0265】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、乾燥ベースで、少なくとも約10lb/ft3、少なくとも約25lb/ft3、又は少なくとも約35lb/ft3のかさ密度によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、バイオカーボンペレットは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約10、15、20、25、30、35、若しくは40lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0266】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、少なくとも30、少なくとも50、又は少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、ペレットは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、若しくは125のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる。
【0267】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、少なくとも約100lbf/in2又は少なくとも約150lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、ペレットは、任意の介在範囲を含む、約又は少なくとも約50、75、100、125、150、175、若しくは200lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けられる。
【0268】
他の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、システムが、
バイオマスを含む原料を熱分解して、第1の熱分解固体及び第1の熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、凝縮システムが、第1の熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
凝縮システムと流体連通している第2の反応器であって、第2の反応器が、凝縮器液体を熱処理して、固体又は半固体材料を生成するように構成されている、第2の反応器と、
第1の熱分解反応器及び第2の反応器と流体連通している混合ユニットであって、混合ユニットが、第1の熱分解固体を固体又は半固体材料とブレンドして、生体試薬を生成するように構成されている、混合ユニットと、
混合ユニットと流体連通しているシステム出力であって、システム出力が、生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、システムを提供する。
【0269】
いくつかのシステムでは、混合ユニットは、ペレット化ユニットである。いくつかのシステムでは、システムは、混合ユニットとは別個のペレット化ユニットを備え、ペレット化ユニットは、混合ユニットとシステム出力との間に配置されている。
【0270】
凝縮システムは、蒸気-液体熱力学に従って熱分解蒸気の少なくとも一部を凝縮するように構成された、凝縮器の既知の原理に従って設計され得る。
【0271】
凝縮システムは、1つの分離平衡段階、1つ未満の分離平衡段階、又は1つより多くの分離平衡段階を達成するように構成され得る。凝縮システムは、少なくとも1つの分離平衡段階を達成するように構成され得る。凝縮システムが多段階凝縮システムである場合、一般に言えば、分離平衡段階の数は、1超であるだろう。
【0272】
例示的な凝縮システム構成は、ダブルチューブ、シェル及びチューブ、シェル及びコイル、又はそれらの組み合わせを含む。例示的な凝縮システム機器は、水平シェル内凝縮器、垂直シェル内凝縮器、水平チューブ内凝縮器、垂直チューブ内凝縮器、タンク、蒸留カラム、又はそれらの組み合わせを含む。
【0273】
カラムの形態の凝縮システムは、水平に、垂直に、又は角度を付けて動作させることができ、上向流(重力に対する)、下向流(重力に伴う)、重力に平行に、又は重力に対してある角度で動作させることができる。
【0274】
凝縮システムは、熱分解蒸気の連続的な入力、並びに凝縮器蒸気及び凝縮器液の両方の連続的な出力などで、連続的に又は半連続的に動作させることができる。半連続凝縮システムは、熱分解蒸気の断続的な入力、並びに/又は凝縮器蒸気及び凝縮器液体のうちの少なくとも1つの断続的な出力があることを意味する。
【0275】
他の実施形態では、ある量の熱分解蒸気を凝縮のためのバッチ容器(例えば、タンク)に導入するバッチ凝縮システムを利用する。バッチ凝縮時間の後に、凝縮器蒸気が引き出され、凝縮器液体がバッチ容器内に残る。又は、バッチ凝縮時間の後に、凝縮器液体が引き出され、凝縮器蒸気がバッチ容器内に残る。
【0276】
凝縮システムは、空気冷却式、ガス冷却式(空気によるもの以外)、水冷却式、液体冷却式(液体冷却剤を使用するような水によるもの以外)、又はそれらの組み合わせであり得る。凝縮のための熱伝達は、自然対流、強制対流、熱伝導、又はそれらの組み合わせによって達成することができる。
【0277】
いくつかの実施形態では、凝縮システムにおける一次熱伝達は、液体噴霧などの直接液体接触によって生じる。蒸気によって噴霧される液体は、水又は別の液体、例えば、外部液体(例えば、バイオディーゼル)、内部液体(例えば、凝縮器液体)、又はそれらの組み合わせであり得る。典型的には、直接液体接触を採用する実施形態では、蒸気によって噴霧される液体は、凝縮器液体の一部になる。ある特定の実施形態では、蒸気によって噴霧される液体は、それ自体が炭素含有液体であり、液体中に含有される一部又は全ての炭素は、最終的にバイオカーボン組成物中の炭素になる。
【0278】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、液体(例えば、エアロゾル液滴)を蒸気から分離するためのユニット操作を含む。例えば、蒸気を液体に凝縮した後に、又は蒸気凝縮と統合した後に、静電集塵器、フィルタ、慣性衝突収集表面、又はそれらの組み合わせがあり得る。いくつかの実施形態では、凝縮システムは、1つ以上の凝縮器のみならず、沸点の違いによる蒸気-液体平衡分離に基づかない分離段階も含む。むしろ、追加の分離段階は、例えば、極性、分子サイズ、別の相との親和性、又はイオン結合電位に基づき得る。様々な実施形態では、凝縮システムは、濾過、スクラビング、膜分離、活性炭吸着、クロマトグラフィー、イオン交換、液体-液体抽出、化学沈殿、及び/又は静電集塵のための手段を更に含む。
【0279】
様々な実施形態では、凝縮システムは、凝縮サブシステム、並びに液体-蒸気サイクロン分離機、デミスタ、蒸留ユニット、濾過ユニット、膜ユニット、スクラビングユニット、化学沈殿ユニット、液体-液体抽出ユニット、静電集塵ユニット、又はそれらの組み合わせから選択される別のサブシステムを含む。
【0280】
いくつかのシステムでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれより多くの凝縮器段階を含む。
【0281】
いくつかのシステムでは、第2の反応器は、第2の熱分解反応器である。システムは、熱分解排ガスを凝縮システムに再循環させるように構成された再循環ラインを更に備え得る。
【0282】
いくつかのシステムでは、第2の反応器は、非熱分解熱反応器又は非熱分解触媒反応器である。
【0283】
システムは、生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を更に備えていてもよく、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0284】
システムは、生体試薬をペレット化するように構成されたペレット化装置を更に備えていてもよく、ペレット化装置は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0285】
更に他の変形形態は、熱分解中に作製された固体ではなく、出発バイオマスへの凝縮器液体の添加(熱分解反応器への供給)を前提としている。これらの変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
第1の熱分解反応器内で第1の原料を熱分解し、それによって、生体試薬及び熱分解蒸気を生成することと、
熱分解蒸気を凝縮システムに導入し、それによって、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成することと、
第2の原料を凝縮器液体と接触させ、第2の原料がバイオマスを含み、それによって、第1の原料を生成し、第1の原料が第2の原料及び凝縮器液体を含むことと、
生体試薬をバイオカーボン組成物として回収することと、を含む、プロセスを提供する。
【0286】
バイオマスは、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0287】
いくつかのプロセスは、生体試薬をペレット化することを更に含む。生体試薬をペレット化することは、結合剤を生体試薬に導入することを含み得る。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又は前述のものの組み合わせから選択することができる。任意選択的に、生体試薬をペレット化することを、外部結合剤を生体試薬に導入することなく行うことができる。これらの場合、凝縮器液体は、ペレットの結合剤として作用することができる。
【0288】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含む。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの第1の段階の凝縮生成物であり得る。ある特定の実施形態では、凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの複数の段階の凝縮生成物であり、任意選択的に、複数の段階は、複数の凝縮器段階のうちの最終段階を含まない。
【0289】
いくつかのプロセスでは、第2の原料を凝縮器液体と接触させるステップは、凝縮器液体をバイオマス上に噴霧することを含む。(限定されないが)バイオマスを凝縮器液体中に浸すこと、バイオマスの粒子を凝縮器液体のフィルムでコーティングすること、又は他の技術を含む、第2の原料を凝縮器液体と接触させる他の手段を用いることができる。
【0290】
いくつかのプロセスでは、第1の原料は、バイオマスの表面上に吸着された凝縮器液体を含む。代替的に又は追加的に、第1の原料は、バイオマスのバルク相内に吸収された凝縮器液体を含み得る。
【0291】
バイオマスを凝縮器液体と接触させることに関するいくつかのプロセスでは、プロセスは、熱処理ユニット内で生体試薬を熱処理することを更に含む。生体試薬をペレット化に供する場合、熱処理は、ペレット化の前、最中、又は後であり得る。
【0292】
熱処理ユニットを用いるいくつかのプロセスでは、熱処理ユニットは、少なくとも約250℃の第2の熱分解温度で動作される第2の熱分解反応器である。第2の熱分解反応器は、生体試薬を(更に)熱分解するように構成されている。第2の熱分解反応器は、典型的には、第1の熱分解反応器とは別個である(すなわち、物理的に異なる)。代替的に、第1の熱分解反応器及び第2の熱分解反応器は同じユニットであり得、ペレット化及び熱処理を異なる時間で行う。
【0293】
いくつかの実施形態では、熱処理ユニット内で生体試薬を熱分解することによって排ガスが生成され、これを凝縮システムに再循環させることができる。
【0294】
熱処理ユニットを用いる他のプロセスでは、熱処理ユニットを、約80℃~約250℃、例えば、約90℃~約200℃、約100℃~約250℃、又は約125℃~約225℃から選択される温度で動作させる。
【0295】
熱処理ユニットを用いるいくつかの実施形態では、熱処理ユニットは、内部無酸素環境を含む。不活性ガスを熱処理ユニットに導入することができる。熱処理ユニットを真空下で動作させることができる。
【0296】
熱処理ユニットは、生体試薬を乾燥させるように構成され得る。代替的に又は追加的に、プロセスは、任意選択的な熱処理ユニット内での熱処理後に、バイオカーボン組成物を乾燥させることを更に含み得る。
【0297】
いくつかのプロセスは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を、生体試薬内に含まれる固定炭素に変換することを含む。様々な実施形態では、プロセスは、凝縮器液体中に含まれる総炭素の約又は少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、若しくは95重量%(任意の介在範囲を含む)を、生体試薬中に含まれる固定炭素に変換することを含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定の実施形態では、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。様々な実施形態では、凝縮器液体に由来する生体試薬中の固定炭素のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、若しくは95%である。
【0299】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体の全てを第2の原料と接触させる。他のプロセスでは、全てよりも少ない凝縮器液体を第2の原料と接触させる。様々な実施形態では、第2の原料と接触させる凝縮器液体のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、若しくは100%である。
【0300】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体を、いかなる中間化学処理もなく、第2の原料と接触させる。他のプロセスでは、凝縮器液体を、第2の原料との接触前に化学的に処理する。例えば、凝縮器液体を、第2の原料との接触前に精製ステップ及び/又は反応ステップに供することができる。
【0301】
バイオマスを凝縮器液体と接触させることに関するいくつかの実施形態では、凝縮器液体の一部を、バイオマスと接触させるのではなく、生体試薬に添加する。
【0302】
第1の熱分解反応器内で第1の原料を熱分解することを、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃の第1の熱分解温度で行うことができる。第1の熱分解反応器における第1の熱分解時間は、少なくとも約10秒~最大約24時間であり得る。第1の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。
【0303】
第2の熱分解反応器として構成された熱処理ユニットがある場合、第2の熱分解温度は、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃であり得る。第2の熱分解時間は、少なくとも約10秒~最大約24時間であり得る。第2の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。
【0304】
いくつかの実施形態では、プロセスは、凝縮器蒸気を酸化し、それによって、熱を生成することを更に含む。これらの又は他の実施形態では、プロセスは、熱処理ユニットに由来する排ガスを酸化し、それによって、熱を生成することを更に含む。熱は、様々な目的のためにプロセス内で使用することができる。
【0305】
いくつかのプロセスは、生体試薬を、機械的処理装置を使用して粉砕することを更に含み、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0306】
プロセスが、生体試薬をペレット化することを採用する場合、ペレット化装置は、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0307】
いくつかのプロセスは、生体試薬を乾燥させることを更に含み、生体試薬をペレット化して、ペレットを生成することを更に含む。生体試薬をペレット化することは、乾燥の前、乾燥の最中、又は乾燥の後であり得る。
【0308】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0309】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0310】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0311】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%、少なくとも90%、又は100%(完全に)再生可能であり得る。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物の総炭素における14C/12C同位体比率による再生可能な炭素のパーセンテージは、任意の介在範囲を含む、約又は少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.5%、99.9%、若しくは100%である。
【0312】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約5lb/ft3、少なくとも約10lb/ft3、又は少なくとも約20lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、若しくは30lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0313】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで、少なくとも約50lb/ft3、少なくとも約75lb/ft3、少なくとも約100lb/ft3、又は少なくとも約125lb/ft3の固有材料密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、若しくは140lb/ft3の固有材料密度によって特徴付けられる。
【0314】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、疎水性であり、そのため、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20重量%であることによって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、水中での24時間の浸漬後に25℃での水取り込みが最大20、15、10、5、又は2重量%であることによって特徴付けられる。
【0315】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0316】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、乾燥ベースで、少なくとも約10lb/ft3、少なくとも約25lb/ft3、又は少なくとも約35lb/ft3のかさ密度によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、バイオカーボンペレットは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約10、15、20、25、30、35、若しくは40lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。
【0317】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、例えば、少なくとも30、少なくとも50、又は少なくとも70のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、ペレットは、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、若しくは125のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる。
【0318】
バイオカーボン組成物がペレットの形態である場合、ペレットは、少なくとも約100lbf/in2又は少なくとも約150lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、ペレットは、任意の介在範囲を含む、約又は少なくとも約50、75、100、125、150、175、若しくは200lbf/in2の25℃でのペレット圧縮強度によって特徴付けられる。
【0319】
ある特定の変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのシステムであって、システムが、
第1の原料を熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成するように構成された、第1の熱分解反応器と、
第1の熱分解反応器と流体連通している凝縮システムであって、凝縮システムが、熱分解蒸気を凝縮して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成するように構成されている、凝縮システムと、
凝縮システムと流体連通している混合ユニットであって、混合ユニットが、バイオマスを含む第2の原料を凝縮器液体と接触させて、第1の原料を生成するように構成されている、混合ユニットと、
第1の熱分解反応器と流体連通しているシステム出力であって、システム出力が、生体試薬をバイオカーボン組成物として回収するように構成されている、システム出力と、を備える、システムを提供する。
【0320】
いくつかのシステムは、第1の熱分解反応器と流体連通しているペレット化ユニットを更に備え、ペレット化ユニットは、生体試薬をペレット化して、ペレットを生成するように構成されている。
【0321】
いくつかのシステムは、ペレット化ユニット(存在する場合)と流体連通しているか、又は第1の熱分解反応器と流体連通している、熱処理ユニットを更に備える。ある特定のシステムでは、熱処理ユニットは、ペレット化ユニットの下流に配置されており、熱処理ユニットは、ペレットを受け取るように構成されている。ある特定のシステムでは、熱処理ユニットは、第1の熱分解反応器とペレット化ユニットとの間に配置されており、ペレット化ユニットは、熱処理された生体試薬を受け取るように構成されている。
【0322】
いくつかのシステムでは、熱処理ユニットは、少なくとも約250℃の第2の熱分解温度で動作される第2の熱分解反応器であり、第2の熱分解反応器は、生体試薬を熱分解するように構成されている。第2の熱分解反応器の条件は、本明細書で後に記載されている任意の熱分解条件であり得る(「熱分解プロセス及びシステム」という表題のセクションを参照)。システムは、熱分解排ガスを第2の熱分解反応器から凝縮システムに再循環させるように構成された再循環ラインを含み得る。
【0323】
ある特定のシステムでは、熱処理ユニットを、約80℃~約250℃から選択される温度で動作させる。様々な実施形態では、熱処理ユニットを、任意の介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、若しくは250℃の温度で動作させる。
【0324】
凝縮システムは、蒸気-液体熱力学に従って熱分解蒸気の少なくとも一部を凝縮するように構成された、凝縮器の既知の原理に従って設計され得る。
【0325】
凝縮システムは、1つの分離平衡段階、1つ未満の分離平衡段階、又は1つより多くの分離平衡段階を達成するように構成され得る。凝縮システムは、少なくとも1つの分離平衡段階を達成するように構成され得る。凝縮システムが多段階凝縮システムである場合、一般に言えば、分離平衡段階の数は、1超であるだろう。
【0326】
例示的な凝縮システム構成は、ダブルチューブ、シェル及びチューブ、シェル及びコイル、又はそれらの組み合わせを含む。例示的な凝縮システム機器は、水平シェル内凝縮器、垂直シェル内凝縮器、水平チューブ内凝縮器、垂直チューブ内凝縮器、タンク、蒸留カラム、又はそれらの組み合わせを含む。
【0327】
カラムの形態の凝縮システムは、水平に、垂直に、又は角度を付けて動作させることができ、上向流(重力に対する)、下向流(重力に伴う)、重力に平行に、又は重力に対してある角度で動作させることができる。
【0328】
凝縮システムは、熱分解蒸気の連続的な入力、並びに凝縮器蒸気及び凝縮器液の両方の連続的な出力などで、連続的に又は半連続的に動作させることができる。半連続凝縮システムは、熱分解蒸気の断続的な入力、並びに/又は凝縮器蒸気及び凝縮器液体のうちの少なくとも1つの断続的な出力があることを意味する。
【0329】
他の実施形態では、ある量の熱分解蒸気を凝縮のためのバッチ容器(例えば、タンク)に導入するバッチ凝縮システムを利用する。バッチ凝縮時間の後に、凝縮器蒸気が引き出され、凝縮器液体がバッチ容器内に残る。又は、バッチ凝縮時間の後に、凝縮器液体が引き出され、凝縮器蒸気がバッチ容器内に残る。
【0330】
凝縮システムは、空気冷却式、ガス冷却式(空気によるもの以外)、水冷却式、液体冷却式(液体冷却剤を使用するような水によるもの以外)、又はそれらの組み合わせであり得る。凝縮のための熱伝達は、自然対流、強制対流、熱伝導、又はそれらの組み合わせによって達成することができる。
【0331】
いくつかの実施形態では、凝縮システムにおける一次熱伝達は、液体噴霧などの直接液体接触によって生じる。蒸気によって噴霧される液体は、水又は別の液体、例えば、外部液体(例えば、バイオディーゼル)、内部液体(例えば、凝縮器液体)、又はそれらの組み合わせであり得る。典型的には、直接液体接触を採用する実施形態では、蒸気によって噴霧される液体は、凝縮器液体の一部になる。ある特定の実施形態では、蒸気によって噴霧される液体は、それ自体が炭素含有液体であり、液体中に含有される一部又は全ての炭素は、最終的にバイオカーボン組成物中の炭素になる。
【0332】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、液体(例えば、エアロゾル液滴)を蒸気から分離するためのユニット操作を含む。例えば、蒸気を液体に凝縮した後に、又は蒸気凝縮と統合した後に、静電集塵器、フィルタ、慣性衝突収集表面、又はそれらの組み合わせがあり得る。
【0333】
いくつかの実施形態では、凝縮システムは、1つ以上の凝縮器のみならず、沸点の違いによる蒸気-液体平衡分離に基づかない分離段階も含む。むしろ、追加の分離段階は、例えば、極性、分子サイズ、別の相との親和性、又はイオン結合電位に基づき得る。様々な実施形態では、凝縮システムは、濾過、スクラビング、膜分離、活性炭吸着、クロマトグラフィー、イオン交換、液体-液体抽出、化学沈殿、及び/又は静電集塵のための手段を更に含む。
【0334】
様々な実施形態では、凝縮システムは、凝縮サブシステム、並びに液体-蒸気サイクロン分離機、デミスタ、蒸留ユニット、濾過ユニット、膜ユニット、スクラビングユニット、化学沈殿ユニット、液体-液体抽出ユニット、静電集塵ユニット、又はそれらの組み合わせから選択される別のサブシステムを含む。
【0335】
いくつかのシステムでは、凝縮システムは、複数の凝縮器段階、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれより多くの凝縮器段階を含む。複数の凝縮器段階は、単一のユニットの段階、例えば、蒸留カラム内のトレイによって画成された段階、又は例えば、直列に配置された物理的に別個のユニットであり得る。
【0336】
いくつかのシステムでは、混合ユニットは、凝縮器液体をバイオマス上に噴霧するように構成されている。他のシステムでは、混合ユニットは、バイオマスを凝縮器液体に浸すように構成されている。
【0337】
システムは、生体試薬を粉砕するように構成された機械的処理装置を更に備えていてもよく、機械的処理装置は、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせから選択される。
【0338】
システムは、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせから選択されるペレット化ユニットを更に備え得る。
【0339】
凝縮器液体を別の材料(例えば、バイオマス試薬又は第2の原料)との接触前に化学的に処理する様々な実施形態では、化学処理は、凝縮以外に別の分離ステップを伴い得る精製であり得る。例えば、クロマトグラフィー、又は極性に基づく別のタイプの分離を行って、水、有機酸、及び/又はアルコールなどの酸素含有分子を除去することができる。化学処理は、例えば、濾過又は膜分離に続いて、凝集剤又は濾過助剤などの精製剤を添加することを伴う精製であり得る。化学処理は、後に固定炭素形成に有益であり得る芳香族分子の抽出を標的とするための有機芳香族溶媒などを用いた液体-液体抽出に基づいた精製であり得る。
【0340】
凝縮器液体を別の材料との接触前に化学的に処理する様々な実施形態では、化学処理は、反応であり得る。反応は、触媒されても、又は触媒されなくてもよい。触媒を用いる場合、触媒は、均質触媒(例えば、硫酸などの無機酸)又は不均質触媒(例えば、アルミノシリケート)であり得る。凝縮器液体の化学反応は、別の反応物を伴う場合又はそうではない場合がある。すなわち、化学反応は、凝縮器液体中に既に存在する反応物、例えば、酸、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、フラン、及びフェノール系化合物のみを伴い得る。
【0341】
代替的に又は追加的に、外部反応物を凝縮器液体に添加することができる。外部反応物は、H2若しくはCOなどのガス、メタノール若しくはエタノールなどの液体、又は糖若しくはセルロースなどの固体であり得る。H2又はCOとの反応は、例えば、凝縮器液体中に新たな結合を形成するのに、又は結合を再配置するのに有用であり得る。メタノール又はエタノール(又はより大きなアルコール)との反応は、例えば、カルボン酸及び反応性カルボニル化合物をエステル、エーテル、及びアセタールに変換することによって、凝縮器液体を安定化するのに有用であり得る。糖又はセルロースとの反応は、例えば、後の炭化を補助することができるより長いポリマーを凝縮器液体中に形成するのに有用であり得る。
【0342】
凝縮器液体を作製するための初期凝縮を多段階凝縮システム内で行うことができるのと同様に、化学処理を複数の段階で実施することができる。複数の段階は、様々な順序の、精製又は反応の段階であり得る。後の段階での化学反応を補助するために、1つの相(例えば、蒸気相又は水相)の段階間除去を伴う温度増加の温度プロファイルを使用することが望ましい場合がある。例えば、炭素-炭素結合(単結合、二重結合、三重結合、及び/又は芳香族結合)の形成が望ましい場合、望ましい生成物への反応平衡を促進するために、水などの低分子を分離することが有用であり得る。
【0343】
凝縮器液体を熱処理して、固体又は半固体材料を形成する変形形態では、凝縮器液体を完全に固体又は半固体状態に化学的に処理することに留意されたい。凝縮器液体を化学的に処理するが完全には固体又は半固体状態にせず、むしろ、凝縮器液体が、生体試薬又は第2の原料に添加されたときに液体状態のままである、多くの実施形態がある。当然のことながら、多くの組み合わせが可能である。例えば、凝縮器液体の一部を固体又は半固体材料に変換することができ、一方、別の部分を化学的に処理し、次いで、生体試薬と組み合わせ、更に熱分解し、得られた固体を固体又は半固体材料に添加する。
【0344】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体中に含有される総炭素の少なくとも25重量%を、第2の生体試薬中の固定炭素に変換する。様々な実施形態では、凝縮器液体中に含有される総炭素の約、少なくとも約、又は最大約10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、若しくは90重量%(全ての介在範囲を含む)を、第2の生体試薬中の固定炭素に変換する。
【0345】
いくつかの実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、第1の凝縮器液体に由来する。ある特定の実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、第1の凝縮器液体に由来する。様々な実施形態では、第2の生体試薬中の固定炭素の約、少なくとも約、又は最大約1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、若しくは80重量%(任意の介在範囲を含む)が、第1の生体試薬に由来する。
【0346】
いくつかのプロセスでは、ステップ(a)を、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃で選択される第1の熱分解温度で行う。これらの又は他のプロセスでは、ステップ(e)を、少なくとも約300℃~最大約1350℃、例えば、少なくとも約350℃~最大約800℃で選択される第2の熱分解温度で行う。第1の熱分解温度は、第2の熱分解温度未満であっても、それに等しくても、又はそれよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第2の熱分解温度は、第1の熱分解反応器内で固定炭素を形成しなかった化合物の効果的な熱分解を可能にするために、第1の熱分解温度よりも高い。そのような実施形態では、第2の熱分解温度は、例えば、第1の熱分解温度よりも、約5℃、10℃、25℃、50℃、100℃、150℃、又は200℃高くなり得る。
【0347】
いくつかのプロセスでは、ステップ(a)を、少なくとも約10秒~最大約24時間、例えば、少なくとも約10分~最大約4時間で選択される第1の熱分解時間にわたって行う。これらの又は他のプロセスでは、ステップ(e)を、少なくとも約10秒~最大約24時間、例えば、少なくとも約15分~最大約5時間で選択される第2の熱分解時間で行う。第1の熱分解時間は、第2の熱分解時間未満であっても、それに等しくても、又はそれよりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第2の熱分解時間は、第1の熱分解反応器内で固定炭素を形成しなかった化合物の効果的な熱分解を可能にするために、第1の熱分解時間よりも長い。そのような実施形態では、第2の熱分解時間は、例えば、第1の熱分解時間よりも、約5、10、15、20、30、40、50、60、90、又は120分長くなり得る。
【0348】
いくつかの実施形態では、凝縮器蒸気のうちの一部又は全てを少なくとも部分的に酸化して、熱を生成し、熱をプロセス内で使用することができる。これらの又は他の実施形態では、第2の熱分解蒸気のうちの一部又は全てを(凝縮器蒸気とともに又は別々に)少なくとも部分的に酸化して、熱を生成し、熱をプロセス内で使用することができる。
【0349】
ある特定の実施形態では、熱分解排ガス又は凝縮器蒸気を少なくとも部分的に酸化して、水素及び/又は一酸化炭素を含む還元ガスを生成する。そのような部分酸化は、有用な熱をなおも生成するが、所望であれば他の化学物質(例えば、メタノール又はフィッシャー・トロプシュ炭化水素)に変換することができる還元ガスも生成する。
【0350】
いくつかの実施形態では、第1の生体試薬を、例えば、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される機械的処理装置を利用して粉砕する。これらの又は他の実施形態では、中間体材料を、例えば、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される機械的処理装置を利用して粉砕することができる。
【0351】
ステップ(d)を用いる実施形態では、ステップ(d)は、例えば、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせを含む群から選択されるペレット化装置を利用することができる。
【0352】
いくつかのプロセスでは、含炭素微粉を第2の熱分解反応器内で生成する。いくつかの実施形態では、含炭素微粉をステップ(c)に再循環させる。ステップ(d)を行う場合、第2の熱分解反応器内で生成された含炭素微粉を、ステップ(c)に再循環させる代わりに、又はそれに加えて、ステップ(d)に再循環させることができる。代替的に又は追加的に、含炭素微粉を、エネルギーを生成するために燃焼させることができるか、又は他の目的のために使用することができる。
【0353】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、粉末の形態である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態である。
【0354】
バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%の固定炭素、少なくとも60重量%の固定炭素、少なくとも70重量%の固定炭素、少なくとも75重量%の固定炭素、少なくとも80重量%の固定炭素、少なくとも85重量%の固定炭素、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含み得る。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、約、少なくとも約、又は最大約55、60、65、70、75、80、85、若しくは90重量%の固定炭素を含む。
【0355】
バイオカーボン組成物は、少なくとも55重量%の総炭素、少なくとも60重量%の総炭素、少なくとも70重量%の総炭素、少なくとも75重量%の総炭素、少なくとも80重量%の総炭素、少なくとも85重量%の総炭素、少なくとも90重量%の総炭素、又は少なくとも95重量%の総炭素を含み得る。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約60、65、70、75、80、85、90、若しくは95重量%の総炭素を含む。
【0356】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、2重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、全ての介在範囲を含む、約又は最大約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.2、若しくは0.1重量%の灰を含む。
【0357】
低い灰を有する凝縮器液体を第2の熱分解反応器内の材料に組み込む場合、バイオカーボン組成物の灰分は有益である(すなわち、より低い)。いくつかの実施形態では、第1の凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。様々な実施形態では、第1の凝縮器液体は、全ての介在範囲を含む、約又は最大約5、4、3、2、1、0.5、0.2、0.1、0.05、0.02、若しくは0.01重量%の灰を含む。
【0358】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能である。
【0359】
いくつかのプロセスでは、第2の生体試薬を、ステップ(f)中、ステップ(g)中、又はステップ(g)後にペレット化する。したがって、最終的なバイオカーボン組成物は、ペレットの形態であり得る。
【0360】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、少なくとも30又は少なくとも50のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは100のハードグローブ粉砕性指数によって特徴付けられる。
【0361】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、乾燥ベースで少なくとも約35lb/ft3又は乾燥ベースで少なくとも約45lb/ft3のかさ密度によって特徴付けられる。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物のかさ密度は、全ての介在範囲を含む、乾燥ベースで約又は少なくとも約25、30、35、40、45、若しくは50lb/ft3である。
【0362】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、疎水性バイオカーボン又は部分的に疎水性のバイオカーボンとして特徴付けられる。
【0363】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0364】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物は、24時間にわたる25℃での臭気生成の欠如によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、24時間にわたる50℃での臭気生成の欠如によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、48時間にわたる25℃での臭気生成の欠如によって特徴付けられる。この文脈での臭気生成は、バイオカーボン組成物から蒸発した有機分子を指し、そのような有機分子は、通常、ヒトによって検出可能である。例は、ホルムアルデヒド、酢酸、エタノール、メタノール、又はメルカプタンを含む。
【0365】
いくつかの変形形態は、バイオマスを熱分解して、中間体固体及び熱分解蒸気を生成することと、熱分解蒸気を凝縮して、熱分解液体を生成することと、熱分解液体を中間体固体に導入して、固体-液体混合物を生成することと、を含む、高固定炭素材料を作製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、ペレット化して、固体-液体混合物を含むペレットを製造することも含む。いくつかの実施形態では、方法は、固体-液体混合物を更に熱分解して、高収率の高固定炭素材料を生成することを更に含む。
【0366】
いくつかの方法では、方法は、ペレット化して、固体-液体混合物を含むペレットを製造することを含む。いくつかの実施形態では、ペレット化は、熱分解液体以外に結合剤を利用しない。他の実施形態では、ペレット化は、熱分解液体以外に結合剤を利用する。固体-液体混合物を更に熱分解するステップを、固体-液体混合物中に含まれる炭素が追加の固定炭素を形成するための触媒又は反応マトリックスとして作用する場合などに、ペレット化によって強化することができる。
【0367】
いくつかの方法では、バイオマス中に含まれる総炭素の少なくとも60重量%が、高固定炭素材料中の固定炭素を形成する。ある特定の方法では、バイオマス中に含まれる総炭素の少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%が、高固定炭素材料中の固定炭素を形成する。
【0368】
いくつかの変形形態は、バイオマスを熱分解して、中間体固体及び熱分解蒸気を生成することと、熱分解蒸気を凝縮して、熱分解液体を生成することと、熱分解液体を中間体固体に導入して、固体-液体混合物を生成することと、を含む、高固定炭素材料を作製する方法を含むプロセスによって製造された高固定炭素材料を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、ペレット化して、固体-液体混合物を含有するペレットを製造することも含む。いくつかの実施形態では、方法は、固体-液体混合物を更に熱分解して、高収率の高固定炭素材料を生成することを更に含む。
【0369】
第1の熱分解固体及び第2の熱分解固体をブレンドすることを組み込んだいくつかのプロセス(例えば、
図5)では、第2の熱分解固体は、絶対ベースで生体試薬の少なくとも5重量%を形成する。ある特定のプロセスでは、第2の熱分解固体は、絶対ベースで生体試薬の少なくとも10重量%又は少なくとも20重量%を形成する。
【0370】
いくつかのプロセスでは、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定のプロセスでは、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。様々な実施形態では、生体試薬中の固定炭素の約、少なくとも約、又は最大約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、若しくは90重量%(全ての介在範囲を含む)が、凝縮器液体に由来する。
【0371】
バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%の固定炭素、少なくとも60重量%の固定炭素、少なくとも70重量%の固定炭素、少なくとも80重量%の固定炭素、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含み得る。他の固定炭素含有量は、前述されており、これらのプロセス実施形態(及び本明細書に開示されている他のプロセス)にも適用される。
【0372】
バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、2重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含み得る。他の灰分は、前述されており、これらのプロセス実施形態(及び本明細書に開示されている他のプロセス)にも適用される。
【0373】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。凝縮器液体の低い灰分は、バイオカーボン組成物の最終的な灰分を減少させる。他の凝縮器液体灰分は、前述されており、これらのプロセス実施形態(及び本明細書に開示されている他のプロセス)にも適用される。
【0374】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能である。
【0375】
いくつかの変形形態は、バイオカーボン組成物を製造するためのプロセスであって、プロセスが、
(a)熱分解反応器内で第1の原料(「含バイオマス原料」とも記載されている)を熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成することと、
(b)熱分解蒸気を凝縮システムに導入して、凝縮器液体及び凝縮器蒸気を生成することと、
(c)第2の原料(「出発バイオマス原料」とも記載されている)を凝縮器液体と接触させ、それによって、第2の原料と凝縮器液体とを含有する第1の原料を生成することと、
(d)生体試薬をバイオカーボン組成物として回収することと、を含む、プロセスを提供する。
【0376】
いくつかの実施形態では、プロセスは、生体試薬をペレット化すること及び/又は生体試薬を乾燥させることを更に含む。
【0377】
出発バイオマス原料は、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができる。
【0378】
いくつかの実施形態では、ステップ(c)は、少なくとも凝縮器液体を出発バイオマス原料に噴霧することを利用する。含バイオマス原料は、出発バイオマス原料の表面上に吸着された凝縮器液体を含み得る。代替的に又は追加的に、含バイオマス原料は、出発バイオマス原料のバルク相内に吸収された凝縮器液体を含む。
【0379】
ステップ(d)を行う場合、結合剤を生体試薬に導入することができる。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができる。ある特定の実施形態では、結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0380】
ステップ(d)を行う場合、いくつかの実施形態では、外部結合剤をペレット化中に生体試薬に導入する。
【0381】
いくつかのプロセスでは、ステップ(c)及び(d)が統合されており、どちらもペレット化ユニット内で実施される。いくつかのプロセスでは、ステップ(d)及び(e)の両方が行われ、統合されている。
【0382】
凝縮システムは、複数の凝縮器段階を含み得る。凝縮器液体は、複数の凝縮器段階のうちの個々の段階(例えば、第1の段階)の凝縮生成物であり得る。
【0383】
いくつかのプロセスでは、凝縮器液体中に含有される総炭素の少なくとも25重量%を、生体試薬中の固定炭素に変換する。ある特定のプロセスでは、凝縮器液体中に含有される総炭素の少なくとも50重量%を、生体試薬中の固定炭素に変換する。
【0384】
いくつかのプロセスでは、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約10重量%~最大約80重量%が、凝縮器液体に由来する。ある特定のプロセスでは、生体試薬中の固定炭素の少なくとも約20重量%~最大約60重量%が、凝縮器液体に由来する。
【0385】
ステップ(a)を、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃で選択される熱分解温度で行うことができる。ステップ(a)を、少なくとも約10秒~最大約24時間で選択される第1の熱分解時間にわたって行うことができる。
【0386】
いくつかのプロセスでは、凝縮器蒸気のうちの一部又は全てを少なくとも部分的に酸化して、熱を生成し、熱をプロセス内で使用することができる。
【0387】
生体試薬を、ハンマーミル、押出機、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される機械的処理装置を利用して粉砕することができる。
【0388】
ステップ(d)を用いるプロセスでは、このステップは、押出機、リングダイペレットミル、フラットダイペレットミル、ロールコンパクタ、ロールブリケッタ、湿式凝集ミル、乾式凝集ミル、又はそれらの組み合わせを含む群から選択されるペレット化装置を利用することができる。
【0389】
最終的なバイオカーボン組成物は、例えば、粉末又はペレットの形態であり得る。
【0390】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも50重量%の固定炭素、少なくとも60重量%の固定炭素、少なくとも70重量%の固定炭素、少なくとも80重量%の固定炭素、又は少なくとも90重量%の固定炭素を含む。
【0391】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、10重量%未満の灰、5重量%未満の灰、2重量%未満の灰、又は1重量%未満の灰を含む。
【0392】
いくつかの実施形態では、凝縮器液体は、1重量%未満の灰を含むか、0.1重量%未満の灰を含むか、又は灰を本質的に含まない。
【0393】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能である。
【0394】
本開示は、開示されているプロセスのいずれかによって製造されたバイオカーボン組成物を提供する。本開示は、開示されているプロセスのいずれかを実施するように構成されたシステムを提供する。
【0395】
いくつかの実施形態を、様々なプロセス及びシステムを示す添付の図面である
図1~8を参照して説明する。ブロックフロー図では、点線のボックス及び線は、それぞれ、任意選択的なユニット及び流れを示す。
【0396】
図1は、バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を有する凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。凝縮器液体を混合ユニットに供給し、そこに生体試薬も供給して、中間体材料を生成する。任意選択的に外部結合剤の添加を伴って、中間体材料をペレット化ユニットに任意選択的に送って、ペレットを生成する。次いで、ペレット又は中間体材料を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。熱処理ユニットは、排ガスも生成し、この排ガスを、
図1に示されている凝縮器に供給することができるか、又は異なる凝縮器に供給することができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。
【0397】
図2は、バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を有する凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。任意選択的に外部結合剤の添加を伴って、凝縮器液体をペレット化ユニットに任意選択的に供給し、そこに生体試薬も供給して、ペレットを生成する。次いで、ペレット(又は生体試薬と凝縮器液体とを含む中間体材料)を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。熱処理ユニットは、排ガスも生成し、この排ガスを、
図2に示されている凝縮器に供給することができるか、又は異なる凝縮器に供給することができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。
【0398】
図3は、バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。生体試薬をペレット化ユニットに供給して、ペレットを生成する。いくつかの実施形態では、結合剤をペレット化ユニットに添加する。ペレット及び凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を炭素再捕捉ユニットに供給して、中間体材料を生成する。次いで、中間体材料を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに任意選択的に供給する。熱処理ユニットは、排ガスも生成し、この排ガスを、
図3に示されている凝縮器に供給することができるか、又は異なる凝縮器に供給することができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。
【0399】
図4は、バイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。生体試薬及び凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を炭素再捕捉ユニットに供給して、中間体材料を生成する。次いで、中間体材料を、バイオカーボン製品を生成する熱処理ユニットに供給する。熱処理ユニットは、排ガスも生成し、この排ガスを、
図4に示されている凝縮器に供給することができるか、又は異なる凝縮器に供給することができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。
【0400】
図5は、バイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、第1の熱分解固体及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を第2の熱分解反応器に供給して、第2の熱分解固体及び熱分解排ガスを生成する。第2の熱分解反応器は、コーキング又は炭化凝縮器液体のためのコーキング反応器であり得る。熱分解排ガスを、凝縮器に再循環させて戻すことができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。第1及び第2の熱分解固体を組み合わせて、バイオカーボン製品を生成することができる。いくつかの実施形態では、第1の熱分解固体及び/又は第2の熱分解固体を、第2の熱分解固体又は第1の熱分解固体のうちの他方と組み合わせることなく、生成物として回収する。ブレンドされた材料をペレット化することができる。ブレンドされた材料がペレット化されるかどうかにかかわらず、ブレンドされた材料を乾燥させるか、又は熱処理して、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【0401】
図6は、バイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、第1の熱分解固体及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を第2の反応器に供給して、固体又は半固体材料及び反応器排ガスを生成する。第2の反応器は、コーキング又は炭化凝縮器液体のためのコーキング反応器であり得るか、又は第2の反応器は、熱分解温度よりも低い温度で動作される反応器であり得る。反応器排ガスを、凝縮器に再循環させて戻すことができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。第1及び第2の熱分解固体を組み合わせて、バイオカーボン製品を生成することができる。いくつかの実施形態では、第1の熱分解固体及び/又は第2の熱分解固体を、第2の熱分解固体又は第1の熱分解固体のうちの他方と組み合わせることなく、生成物として回収する。ブレンドされた材料をペレット化することができる。ブレンドされた材料がペレット化されるかどうかにかかわらず、ブレンドされた材料を乾燥させるか、又は熱処理して、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【0402】
図7は、凝縮器液体で含浸したバイオマスを熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を、入ってくるバイオマスとともに混合ユニットに供給して、供給材料(バイオマス+凝縮器液体)を生成する。供給材料は、熱分解反応器に供給されるものである。いくつかの実施形態では、熱分解反応器からの生体試薬をペレット化する。生体試薬がペレット化されるかどうかにかかわらず、生体試薬を乾燥させるか、又は熱処理して、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。
【0403】
図8は、凝縮器液体で含浸したバイオマスを第1の熱分解反応器内で熱分解して、生体試薬及び熱分解蒸気を生成する、プロセス及びシステムの例示的なブロックフロー図を描示する。熱分解蒸気を、少なくとも1つの凝縮段階を含む凝縮器に送る。凝縮器は、凝縮器蒸気及び凝縮器液体を生成する。複数の凝縮器段階がある場合、複数の凝縮器蒸気及び複数の凝縮器液体がある。凝縮器液体(又は複数の画分がある場合は凝縮器液体のうちの1つ)を、入ってくるバイオマスとともに混合ユニットに供給して、供給材料(バイオマス+凝縮器液体)を生成する。供給材料は、第1の熱分解反応器に供給されるものである。いくつかの実施形態では、第1の熱分解反応器からの生体試薬をペレット化する。生体試薬がペレット化されるかどうかにかかわらず、生体試薬を第2の熱分解反応器に送って、最終的なバイオカーボン製品を生成することができる。任意選択的な第2の熱分解反応器からの熱分解排ガスを、凝縮器に再循環させて戻すことができるか、又は異なる凝縮器に供給することができるか、又は別の方法で処理することができる(例えば、燃焼させることができる)。
【0404】
図5及び6の変形形態は、熱分解蒸気の凝縮された画分をコーキングするのではなく、熱分解蒸気を直接コーキングすることができることである。しかしながら、これは、固体炭素に変換することが困難であり得る非凝縮性ガス(例えば、CO
2)の存在によって、コーキング効率を低下させる。
【0405】
別の変形形態では、
図5又は6の凝縮器を、液体-蒸気サイクロン分離機などの異なる分離ユニットによって置き換える。
【0406】
別の変形形態では、
図5及び7の原理をどちらも用いる。例えば、凝縮器液体を入ってくるバイオマス(
図7に示されているものなど)と混合することができ、一方、凝縮器液体を第2の熱分解反応器(
図5に示されているものなど)内でコーキングすることができる。この選択性は、全てのプロセス構成に適用される。例えば、
図1では、混合ユニットに供給される全ての凝縮器液体ではなく、代わりに、凝縮器液体の一部を、入ってくるバイオマスと混合することができるか、又は別々にコーキングすることができるか、又はこれらの選択肢の両方であり得る。
【0407】
図5又は
図6の構成に関連するいくつかの実施形態では、第1の熱分解固体は、高固定炭素材料を形成し、一方、第2の熱分解固体(
図5)又は固体若しくは半固体材料(
図6)は、低固定炭素材料を形成する。これらの実施形態では、一般に言えば、第1の熱分解反応器における比較的高い温度が有用である。
【0408】
図5又は
図6の構成に関連する他の実施形態では、第1の熱分解固体は、低固定炭素材料を形成し、一方、第2の熱分解固体(
図5)又は固体若しくは半固体材料(
図6)は、高固定炭素材料を形成する。これらの実施形態では、一般に言えば、第2の反応器(例えば、第2の熱分解反応器)における比較的高い温度が有用である。
【0409】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン製品(組成物)は、
(a)絶対ベースで固定炭素少なくとも約20重量%~最大約55重量%の第1の固定炭素濃度を有する少なくとも約1重量%~最大約99重量%の低固定炭素材料、
(b)絶対ベースで固定炭素少なくとも約50重量%~最大約100重量%の第2の固定炭素濃度を有する少なくとも約1重量%~最大約99重量%の高固定炭素材料であって、第2の固定炭素濃度が、第1の固定炭素濃度よりも高い、高固定炭素材料、
(c)0~最大約30重量%の水分、
(d)0~最大約15重量%の灰、及び
(e)0~最大約20重量%の1つ以上の添加剤、を含む。
【0410】
いくつかの実施形態では、低固定炭素材料及び高固定炭素材料は、均質な物理的ブレンドとしてバイオカーボン組成物中に存在する。第1の固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物全体にわたって均一であり得る。第2の固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物全体にわたって均一であり得る。ある特定の実施形態では、第1の固定炭素濃度及び第2の固定炭素濃度はどちらも、バイオカーボン組成物全体にわたって均一である。
【0411】
他の実施形態では、低固定炭素材料及び高固定炭素材料は、不均質な物理的ブレンドとしてバイオカーボン組成物中に存在する。例えば、低固定炭素材料及び高固定炭素材料は、別個の層としてバイオカーボン組成物中に存在し得る。低固定炭素材料は、高固定炭素材料を含むコアの周りのシェル又はコーティング中に含まれ得る。又は、高固定炭素材料は、低固定炭素材料を含むコアの周りのシェル又はコーティング中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、高固定炭素材料は、低固定炭素材料の連続相中の微粒子の形態である。他の実施形態では、低固定炭素材料は、高固定炭素材料の連続相中の微粒子の形態である。
【0412】
低固定炭素材料及び高固定炭素材料は、平衡及び低温で互いに溶解しない別個の相を形成し得る。いくつかの実施形態では、低固定炭素材料及び高固定炭素材料は、互いに高い平衡(熱力学的)溶解度を含み得るが、それにもかかわらず、別個の材料が観察可能であるように、組成物中で動力学的に凍結されたままである。別個の材料は、組成、密度、粒子サイズ、反応性、又は他の物理的若しくは化学的特性を測定することによって観察可能であり得る。バイオカーボン組成物の最終的な使用中に、(例えば、高温で又は炭素酸化中に)材料の区別が失われる可能性がある。
【0413】
所与のバイオカーボン組成物が低固定炭素材料及び別個の高固定炭素材料の両方を含むことを実証する1つの技術において、バイオカーボン組成物試験サンプルの燃焼の熱重量分析(TGA)が実施される。いくつかの実施形態では、得られるTGA熱曲線は、低固定炭素材料及び高固定炭素材料と相関する別個の質量損失事象に特徴的な2つのピークを含む。これを、均一な固定炭素濃度を含む単一の材料を含むバイオカーボン組成物の対照サンプルと比較して、材料の1つの質量損失事象に特徴的な単一のピークを有するTGA熱曲線を示すことができる。同様の実施形態では、試験サンプルのTGA熱曲線は、3つ以上のピークを含み、一方、対照サンプルのTGA熱曲線は、試験サンプルより少なくとも1つ少ないピークを含む。
【0414】
所与のバイオカーボン組成物が低固定炭素材料及び別個の高固定炭素材料の両方を含むことを実証する別の技術は、粒子サイズ分析である。これは、低固定炭素材料及び高固定炭素材料に関連する粒子サイズが異なる場合、又は低固定炭素材料及び高固定炭素材料に関連する粒子サイズ分布が異なる場合に実行可能なアプローチである。いくつかの実施形態では、高固定炭素材料は、低固定炭素材料と比較してより小さな粒子を含む傾向がある。いくつかの実施形態では、均一な材料に特徴的なユニモーダル粒子サイズ分布を含む対照サンプルとは対照的に、低固定炭素材料及び高固定炭素材料の両方の存在からバイモーダル粒子サイズ分布が生じる。同様の実施形態では、試験サンプルは、対照サンプルの粒子サイズ分布より少なくとも1つ多いモードを有する粒子サイズ分布を含み得る。例えば、低固定炭素材料及び高固定炭素材料の各々が、バイモーダル粒子サイズ分布(ピークが異なるサイズで中心に置かれている)を含むこと、及び対照サンプルが、対照サンプルがどのように製造されたかに応じてバイモーダル粒子サイズ分布を含むことも可能である。
【0415】
粒子サイズは、例えば、動的光散乱、レーザー回折、画像分析、又は篩分離を含む様々な技術によって測定することができる。動的光散乱は、典型的にはサブミクロン領域内の粒子のサイズ及びサイズ分布を測定するための非侵襲的で十分に確立された技術であり、最新の技術では1ナノメートルまで測定されている。レーザー回折は、数百ナノメートルから数ミリメートルまでのサイズの材料のために広く使用される粒子のサイズ決定技術である。粒子サイズを測定するための例示的な動的光散乱装置及びレーザー回折装置は、Malvern Instruments Ltd.、Worcestershire,UKから入手可能である。粒子サイズ及び分布を推定するための画像分析は、顕微鏡写真、走査型電子顕微鏡写真、又は他の画像上で直接行われ得る。最後に、篩分けは、粒子をサイズによって分離する従来の技術である。
【0416】
撮像技術は、代替的に又は追加的に、所与のバイオカーボン組成物が低固定炭素材料及び別個の高固定炭素材料の両方を含むことを実証するために利用され得る。撮像技術としては、例えば、光学顕微鏡法、暗視野顕微鏡法、走査型電子顕微鏡法(SEM)、透過型電子顕微鏡法(TEM)、及びX線断層撮影法(XRT)が挙げられるが、これらに限定されることはない。例えば、撮像技術を使用して、均質な材料ではなく、ブレンド中の別個の材料を実証することができる。又は、撮像技術を使用して、更なる分析のためにサブサンプルを選択することができる。更なる分析は、固定炭素含有量の三次元変動を示すための組成分析であり得る。更なる分析は、例えば、密度、粒子サイズ、又は反応性などの化学的又は物理的特性における三次元変動を示すための特性分析であり得る。
【0417】
分光法技術は、代替的に又は追加的に、所与のバイオカーボン組成物が低固定炭素材料及び別個の高固定炭素材料の両方を含むことを実証するために利用され得る。分光法技術は、例えば、エネルギー分散X線分光法(EDS)、X線蛍光法(XRF)、赤外線(IR)分光法、及び核磁気共鳴(NMR)分光法を含むが、これらに限定されることはない。
【0418】
(限定されないが)
図6に関連するものなどのいくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約10重量%~最大約90重量%の低固定炭素材料を含む。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約10重量%~最大約90重量%の高固定炭素材料を含む。高固定炭素材料に対する低固定炭素材料の重量比は、少なくとも約0.1~最大約10、例えば、少なくとも約0.2~最大約5、少なくとも約0.5~最大約2、又は少なくとも約0.8~最大約1.2で選択することができる。
【0419】
いくつかの実施形態では、第1の固定炭素濃度は、例えば、少なくとも約20重量%~最大約40重量%、又は少なくとも約25重量%~最大約50重量%、又は少なくとも約30重量%~最大約55重量%である。
【0420】
いくつかの実施形態では、第2の固定炭素濃度は、例えば、少なくとも約80重量%~最大約100重量%、又は少なくとも約70重量%~最大約95重量%、又は少なくとも約60重量%~最大約90重量%である。
【0421】
いくつかの実施形態では、第1の固定炭素濃度及び第2の固定炭素濃度の非加重平均は、少なくとも約30重量%~最大約90重量%、例えば、少なくとも約40重量%~最大約80重量%である。
【0422】
バイオカーボン組成物は、絶対ベースで少なくとも約25重量%~最大約95重量%の全体固定炭素濃度を含み得る。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、絶対ベースで少なくとも約35重量%~最大約85重量%の全体固定炭素濃度を含む。
【0423】
低固定炭素材料は、絶対ベース(すなわち、灰及び水分を含む)で少なくとも約45重量%~最大約80重量%の揮発性炭素を含み得る。様々な実施形態では、低固定炭素材料は、絶対ベースで約、少なくとも約、又は最大約45、50、55、60、65、70、75、若しくは80重量%の揮発性炭素を含み得る。低固定炭素材料は、例えば、絶対ベースで少なくとも約1重量%~最大約20重量%の酸素を含み得る。低固定炭素材料は、例えば、絶対ベースで少なくとも約0.1重量%~最大約10重量%の水素を含み得る。
【0424】
高固定炭素材料は、絶対ベースで少なくとも約0~最大約50重量%の揮発性炭素を含み得る。様々な実施形態では、高固定炭素材料は、絶対ベースで約、少なくとも約、又は最大約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、若しくは50重量%の揮発性炭素を含み得る。高固定炭素材料は、例えば、絶対ベースで少なくとも約1重量%~最大約20重量%の酸素を含み得る。高固定炭素材料は、例えば、絶対ベースで少なくとも約0.1重量%~最大約10重量%の水素を含み得る。
【0425】
「バイオカーボン組成物」は、プロセスの最終組成物を参照する場合、一般に「バイオカーボン製品」と同義である。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約0.1重量%~最大約20重量%の水分を含む。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20重量%の水分を含む。低固定炭素材料は、全ての介在範囲を含む、0~最大約50重量%の水分、例えば、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20重量%の水分を含み得る。独立的に、高固定炭素材料は、全ての介在範囲を含む、0~最大約50重量%の水分、例えば、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20重量%の水分を含み得る。乾燥は、プロセスの1つ以上の箇所で用いることができる。
【0426】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約0.1重量%~最大約10重量%の灰を含む。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10重量%の灰を含む。低固定炭素材料は、全ての介在範囲を含む、0~最大約25重量%の灰、例えば、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、若しくは25重量%の灰を含み得る。独立的に、高固定炭素材料は、全ての介在範囲を含む、0~最大約50重量%の灰、例えば、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、若しくは25重量%の灰を含み得る。
【0427】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約0.1重量%~最大約10重量%の1つ以上の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約1重量%~最大約15重量%の1つ以上の添加剤を含む。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、少なくとも約3重量%~最大約18重量%の1つ以上の添加剤を含む。様々な実施形態では、バイオカーボン組成物は、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10重量%の添加剤を含む。
【0428】
低固定炭素材料は、全ての介在範囲を含む、0~最大約20重量%の添加剤、例えば、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20重量%の添加剤を含み得る。独立的に、高固定炭素材料は、全ての介在範囲を含む、0~最大約50重量%の添加剤、例えば、約、少なくとも約、又は最大約0、0.1、0.2、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、若しくは20重量%の添加剤を含み得る。
【0429】
添加剤は、有機添加剤及び/又は無機添加剤を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の添加剤は、再生可能な材料を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の添加剤は、部分的に酸化及び/又は燃焼することができる材料を含む。
【0430】
いくつかの実施形態では、1つ以上の添加剤は、結合剤を含む(又は結合剤である)。結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができる。
【0431】
ある特定の実施形態では、結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。結合剤は、熱可塑性デンプンであり得る。いくつかの実施形態では、熱可塑性デンプンは、架橋されている。熱可塑性デンプンは、デンプンと、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ブタントリオール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができるポリオールとの反応生成物であり得る。反応生成物は、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、ウロン酸、グルクロン酸、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができる酸によって触媒された反応から形成することができる。代替的に、反応生成物は、塩基によって触媒された反応から形成することができる。
【0432】
1つ以上の添加剤は、1つ以上の添加剤なしという点以外は同等のバイオカーボン組成物と比較して、バイオカーボン組成物の反応性を低下させ得る。反応性は、熱反応性であり得る。例えば、1つ以上の添加剤を有するバイオカーボン組成物は、1つ以上の添加剤なしという点以外は同等のバイオカーボン組成物と比較して、より低い自己加熱性を含み得る。代替的に又は追加的に、反応性は、酸素、水、水素、一酸化炭素、及び/又は金属(例えば、鉄)との化学反応性である。
【0433】
添加剤を用いる場合、添加剤は、バイオマス組成物全体に均一に分布している必要はない。添加剤は、低固定炭素材料若しくは高固定炭素材料のうちの一方に存在していても、又は更には、これらの材料のうちの一方のみに存在していてもよい。例えば、結合剤は、全バイオマス組成物中に5重量%で存在し得るが、その量のうち、4パーセンテージポイントが、低固定炭素材料内に配置されており、1パーセンテージポイントが、高固定炭素材料内に配置されている(すなわち、結合剤の80%が、低固定炭素材料内に配置されている)。様々な実施形態では、低固定炭素材料内に配置されている総添加剤のパーセンテージは、約、少なくとも約、又は最大約0、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%であり得、高固定炭素材料内に配置されている総添加剤のパーセンテージは、約、少なくとも約、又は最大約0、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%であり得、低固定炭素材料にも高固定炭素材料にも配置されていないがバイオカーボン組成物内の他の箇所に(例えば、別々の添加剤相として)配置されている総添加剤のパーセンテージは、約、少なくとも約、又は最大約0、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、若しくは100%であり得る。
【0434】
1つ以上の添加剤が存在する場合、添加剤の一部又は全ては、低固定炭素材料内で細孔充填することができる。1つ以上の添加剤が存在する場合、添加剤の一部又は全ては、高固定炭素材料内で細孔充填することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の添加剤が存在し、低固定炭素材料及び高固定炭素材料の両方の内部で細孔充填する。
【0435】
代替的に又は追加的に、1つ以上の添加剤をバイオカーボン組成物の外側表面(例えば、ペレット又は粉末粒子の外側表面)上に配置することができる。
【0436】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、粉末の形態である。
【0437】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態である。形態がペレットである場合、1つ以上の添加剤は、ペレットのための結合剤を含み得る。代替的に又は追加的に、ペレットは、低固定炭素材料自体をペレット内の結合剤として利用することができる。
【0438】
1つ以上の添加剤が存在する場合、添加剤は、低固定炭素材料又は高固定炭素材料のうちの一方の内部に位置し得る。代替的に、添加剤は、添加剤が低固定炭素材料及び高固定炭素材料内で同じ平均濃度を含むように均一に分布し得る。
【0439】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、Manual of Tests and Criteria,Seventh revised edition 2019,United Nations,Page 375,33.4.6 Test N.4:“Test method for self-heating substances”(参照により本明細書に組み込まれる)に従って自己加熱試験を受けた場合、非自己加熱性として特徴付けられる。
【0440】
固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物の重要なパラメータである。本開示は、様々な実施形態で、固定炭素濃度を最大化すること、又は最適化するが、必ずしも最大化するわけではないことを可能にする。
【0441】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連するエネルギー含有量を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連するエネルギー含有量を最適化するように選択される。
【0442】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連するかさ密度を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連するかさ密度を最適化するように選択される。
【0443】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連する疎水性を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連する疎水性を最適化するように選択される。
【0444】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連する細孔サイズを最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連する細孔サイズを最適化するように選択される。
【0445】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連する細孔サイズの比率を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連する細孔サイズの比率を最適化するように選択される。
【0446】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連する表面積を最適化するものである。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連する表面積を最適化するように選択される。
【0447】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連する反応性を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連する反応性を最適化するように選択される。
【0448】
いくつかの実施形態では、固定炭素濃度は、バイオカーボン組成物に関連するイオン交換容量を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、バイオカーボン組成物に関連するイオン交換容量を最適化するように選択される。
【0449】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態であり、固定炭素濃度は、ペレットに関連するハードグローブ粉砕性指数を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態であり、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、ペレットに関連するハードグローブ粉砕性指数を最適化するように選択される。
【0450】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態であり、固定炭素濃度は、ペレットに関連するペレット耐久性指数を最適化するように選択される。いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物は、ペレットの形態であり、固定炭素濃度、並びに添加剤の種類及び/又は濃度は、ペレットに関連するペレット耐久性指数を最適化するように選択される。
【0451】
いくつかの実施形態では、バイオカーボン組成物中の総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも50%再生可能である。いくつかの実施形態では、総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、少なくとも90%再生可能である。ある特定の実施形態では、総炭素は、総炭素の14C/12C同位体比率の測定から決定して、完全に再生可能である。
【0452】
再生可能なバイオカーボン組成物が好ましいが、開示されている原理は、再生不可能な材料に適用することができることに留意することが重要である。ある特定の実施形態では、含バイオマス原料は、バイオマス(本明細書に列挙されているバイオマス供給源など)、並びに石炭などの非再生可能な原料を含む。したがって、バイオマス-石炭混合物を、含バイオマス原料として利用することができ、これは、例えば、
図1~6のいずれかにある「バイオマス」と置き換えることができる。原料混合物に使用することができる他の非バイオマス原料は、例えば、熱分解石炭、コークス、石油コークス、冶金コークス、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、熱分解ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。
【0453】
いくつかのプロセスでは、2つ以上の別個の熱分解反応器を用いる。熱分解反応器は、典型的には、全て連続的に行うか、又は全てバッチで行うが、原則として、反応モードの混合物を使用することができる。また、別個の熱分解反応器を用いる場合、これらは、共通の箇所にあってもよいか、又は異なる箇所にあってもよい。
【0454】
他の実施形態では、プロセスを、別個の製造キャンペーンなど、異なる時間で、共通の熱分解反応器内で行う。単一の熱分解反応器を使用する場合、これは、例えば、低固定炭素材料及び高固定炭素材料の別個のバッチを用いたバッチモードで、又は異なる熱分解条件を使用して、動作させることができる。代替的に、第1の材料を第1の期間にわたって生成し、次いで、第2の材料を第2の期間にわたって生成するように、単一の熱分解反応器を連続的に又は半連続的に動作させることができ、その後、反応器を第1の材料又は何か別のものの製造に戻すことができる。
【0455】
いくつかのプロセス実施形態では、第1の熱分解反応器を、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃で選択される第1の熱分解温度で動作させる。第2の熱分解反応器を、少なくとも約250℃~最大約1250℃、例えば、少なくとも約300℃~最大約700℃で選択される第2の熱分解温度で動作させることができる。第2の熱分解温度は、第1の熱分解温度と同じであってもよいか、又は異なっていてもよい。
【0456】
いくつかの実施形態では、第1の熱分解反応器を、少なくとも約10秒~最大約24時間で選択される第1の熱分解時間にわたって動作させる。これらの又は他の実施形態では、第2の熱分解反応器を、少なくとも約10秒~最大約24時間で選択される第2の熱分解時間にわたって動作させる。第2の熱分解時間は、第1の熱分解時間と同じであってもよいか、又は異なっていてもよい。
【0457】
いくつかの実施形態は、炭素基材を生成するための本明細書で教示される原理を使用する炭素再捕捉を伴うバイオマスの最適化された熱分解、炭素基材の機械的サイズ縮小、及び炭素基材を凝集させてバイオカーボンペレットを形成するための結合剤の使用に基づく。炭素基材は、低固定炭素材料と高固定炭素材料とのブレンドであってもよいか、又はそれを含んでいてもよい。
【0458】
ハードグローブ粉砕性指数(「HGI」)は、バイオマス又は石炭などの材料の粉砕性の尺度である。石炭についてのHGIパラメータは、石炭が微粉砕されて懸濁液中で燃焼される微粉砕炭ボイラーなどの電力用途、及び微粉砕炭がランスを通して高炉に注入され、微粉砕炭がコークスと置き換わって鉄鉱石を金属鉄に還元することができる微粉砕炭注入などの製鉄において重要である。
【0459】
いくつかの実施形態では、固定炭素含有量を変動させることは、HGIの最適化を可能にする。結合剤又は他の添加剤の組み込みはまた、HGI調節性を可能にし得る。
【0460】
バイオカーボンペレットのHGIを調節する能力は、バイオカーボンペレットを利用する下流用途(例えば、ボイラー内の石炭の交換)が様々なHGI要件を含むため、有益である。HGI調節性は、粗バイオマスを粉砕する際の難点及びペレットを粉砕する際の難点という周知の問題に工業的に対処する。更に、各々その独自の要件を含むバイオカーボンペレットの下流使用は非常に多いため、ペレットの粉砕性を調節することができることは非常に有利である。合成ガスを作製するためのボイラーでの燃焼、金属作製、又はガス化などの特定の用途に適合するようにHGIを調節することができることが望ましい。
【0461】
多くの用途では、配送、貯蔵、安全性の利点に基づいて、粉末(単離されたバイオマス粒子)よりもペレットが好ましい。最終的に、ペレットは、ある時点で粉末、又は少なくともより小さな物体に戻す必要がある場合がある。したがって、ペレットの粉砕性は、しばしば、運用コスト及び資本コストに影響を与える重要なパラメータである。
【0462】
場合によっては、ボイラー又はガス化装置が流動床又は炭素粒子の懸濁液を利用する場合など、ペレットを粉砕するか、又は微粉砕して粉末にする必要がある。別の例は、金属鉱石を金属に還元するための高炉への微粉砕炭素注入である。これらの場合、ペレットの高い粉砕性が望ましいが、ペレットが配送及び取り扱い中に崩壊するほど高すぎてはならない。他の場合には、金属作製プロセスなどのプロセスにペレット自体を供給することが望ましい。これらの場合、ある程度のペレット強度が、反応器内の材料床を支持するために必要とされ得るため、より低い粉砕性が望ましい場合がある。異なる技術は、異なるペレット粉砕性要件を含む。
【0463】
バイオカーボンペレットのハードグローブ粉砕性指数は、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、又は少なくとも100であり得る。いくつかの実施形態では、ハードグローブ粉砕性指数は、少なくとも約30~最大約50又は少なくとも約50~最大約70である。“Standard Test Method for Grindability of Coal by the Hardgrove-Machine Method”に関するASTM-Standard D409/D409Mは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。別段の指示がない限り、本開示におけるハードグローブ粉砕性指数又はHGIへの全ての言及は、ASTM-Standard D409/D409Mを参照している。
【0464】
様々な実施形態では、ハードグローブ粉砕性指数は、全ての介在範囲(例えば、25~40、30~60など)を含む、約、少なくとも約、又は最大約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100である。
【0465】
バイオカーボンペレットは、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも99%のペレット耐久性指数によって特徴付けることができる。バイオカーボンペレットは、99%未満、95%未満、90%未満、85%未満、又は80%未満のペレット耐久性指数によって特徴付けることができる。別段の指示がない限り、本開示におけるペレット耐久性指数への全ての言及は、ISO17831-1:2015“Solid biofuels-Determination of mechanical durability of pellets and briquettes-Part 1:Pellets”(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)を参照している。
【0466】
いくつかの実施形態では、バイオカーボンペレットは、より小さな物体を作製するための出発材料として利用され、「ペレット」は、幾何形状を限定しないため、バイオカーボンペレットとも呼ばれ得る。例えば、平均ペレット直径が10mmである初期バイオカーボンペレットを作製することができる。次いで、これらの初期バイオカーボンペレットは、様々な機械的手段を使用して(例えば、ハンマーミルを使用して)破砕することができる。破砕したペレットは、スクリーニングなどによってサイズに応じて分離することができる。このようにして、例えば、約、少なくとも約、又は最大約50、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、又は5000ミクロンの平均ペレット直径を有する、より小さなバイオカーボンペレットを製造することができる。いくつかの実施形態では、より小さなバイオカーボンペレットの平均ペレット直径は、結合剤を用いてペレットを作製するために使用された初期含炭素粒子の平均粒子直径よりも大きい。
【0467】
バイオカーボンペレットを破砕してより小さなバイオカーボンペレットを製造する場合、破砕及びいくつかの実施形態ではスクリーニングのステップは、潜在的に工業的使用の箇所を含む別のプロセスステップと統合することができる。より小さなバイオカーボンペレットを製造するための任意選択的なステップは、ハンマーミル、アトリションミル、ディスクミル、ピンミル、ボールミル、コーンクラッシャ、ジョークラッシャ、ロッククラッシャ、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される粉砕装置を利用することができる。
【0468】
様々なプロセス実施形態では、ハードグローブ粉砕性指数は、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、又は少なくとも100である。例えば、ハードグローブ粉砕性指数は、少なくとも約30~最大約50又は少なくとも約50~最大約70であり得る。
【0469】
様々なプロセスでは、プロセス条件は、全ての介在範囲(例えば、30~60、33~47など)を含む、約、少なくとも約、又は最大約20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100のハードグローブ粉砕性指数を有する最終バイオカーボンペレットを製造するように選択及び最適化される。
【0470】
いくつかのプロセスでは、バイオカーボンペレットは、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%のペレット耐久性指数によって特徴付けられる。
【0471】
いくつかの実施形態では、プロセスは、ハードグローブ粉砕性指数を事前に選択することと、事前に選択されたハードグローブ粉砕性指数に基づいてプロセス条件を調節することと、バイオカーボンペレットについて事前に選択されたハードグローブ粉砕性指数の±20%以内を達成することと、を含み、調節プロセス条件は、熱分解温度、熱分解時間、機械的処理条件、ペレット化条件、結合剤タイプ、結合剤濃度、結合条件、及び乾燥のうちの1つ以上を調節することを含む。ある特定の実施形態のプロセスは、バイオカーボンペレットについて事前に選択されたハードグローブ粉砕性指数の±10%以内、又は±5%以内を達成することができる。
【0472】
バイオカーボンペレットのサイズ及び幾何形状は、変動し得る。本明細書で使用される場合、「ペレット」は、ルースパウダーではなく凝集した物体を意味する。ペレットの幾何学的形状は、球形又はほぼ球形に限定されることはない。また、本開示では、「ペレット」は、「ブリケット」と同義である。ペレットの幾何学的形状は、球状(円形又はボール形状)、円筒形、立方体(正方形)、八角形、六角形、ハニカム/蜂の巣形状、楕円形、卵形状、円柱形状、棒形状、枕形状、ランダム形状、又はそれらの組み合わせであり得る。開示の便宜上、「ペレット」という用語は、結合剤を使用して凝集した粉末を含有する任意の物体について一般的に使用される。また、この技術は、ペレットの形態のバイオカーボン組成物に決して限定されないことを繰り返したい。
【0473】
バイオカーボンペレットは、球体若しくは円筒の場合には真の直径である平均ペレット直径、又は任意の他の3D幾何学的形状の場合には等価な直径によって特徴付けることができる。非球形ペレットの等価直径は、実際のペレットと等価な体積の球体の直径である。いくつかの実施形態では、平均ペレット直径は、全ての介在範囲を含む、約又は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、若しくは25ミリメートルである。いくつかの実施形態では、平均ペレット直径は、全ての介在範囲を含む、約又は少なくとも約500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、若しくは6500ミクロンである。
【0474】
いくつかの実施形態では、平均ペレット直径の±100%未満、±50%未満、±25%未満、±10%未満、又は±5%未満の標準偏差など、サイズが均一な複数のバイオカーボンペレットがある。他の実施形態では、これは一部の用途で有利であり得るので、広範囲のサイズのバイオカーボンペレットがある。
【0475】
バイオカーボンペレットは、水分を含み得る。バイオカーボンペレットに存在する水分は、炭素若しくは結合剤に化学的に結合している水、炭素若しくは結合剤に物理的に結合(吸収若しくは吸着)している水、炭素若しくは結合剤に化学的若しくは物理的に結合していない水相中に存在する遊離水、又はそれらの組み合わせであり得る。結合プロセス中に水分が望まれる場合、そのような水分は、遊離水であるのではなく、炭素及び/又は結合剤に化学的に又は物理的に結合することが好ましい。
【0476】
様々な水分レベルが存在し得る。例えば、バイオカーボンペレットは、少なくとも約1重量%~最大約30重量%(例えば、32重量%)の水分、例えば、少なくとも約5重量%~最大約15重量%の水分、少なくとも約2重量%~最大約10重量%の水分、又は少なくとも約0.1重量%~最大約1重量%の水分を含み得る。いくつかの実施形態では、バイオカーボンペレットは、約4~8重量%の水分を含む。様々な実施形態では、バイオカーボンペレットは、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、若しくは35重量%の水分を含む。バイオカーボンペレットの水分レベルは、ペレット内の密度を変動させるように最適化することができる。
【0477】
農業などのいくつかの市場用途では、粉塵制御又は他の理由から、より高い水分レベルが望ましい。冶金などの他の市場用途では、より低い水分レベルが望ましい可能性がある(例えば、1重量%の水分又は更に低い水分)。水は、バイオカーボンペレットを作製するプロセス中に存在するが、次いで、これらのペレットは、乾燥させることができ、このことは、最終的なバイオカーボンペレットが水分を必ずしも含まないことを意味することに留意されたい。
【0478】
いくつかのバイオカーボンペレットでは、バイオカーボンペレットは、少なくとも約2重量%~最大約25重量%の結合剤、少なくとも約5重量%~最大約20重量%の結合剤、又は少なくとも約1重量%~最大約5重量%の結合剤を含む。様々な実施形態では、バイオカーボンペレットは、全ての介在範囲を含む、約、少なくとも約、又は最大約0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、若しくは30重量%の結合剤を含む。いくつかの実施形態では、水分含有量と結合剤濃度との間には、逆の関係がある。
【0479】
結合剤は、バイオカーボンペレットの生体試薬内で細孔充填することができる。代替的に又は追加的に、結合剤をバイオカーボンペレットの表面上に配置することができる。
【0480】
結合剤は、有機結合剤又は無機結合剤であり得る。いくつかの実施形態では、結合剤は、再生可能な材料であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、生分解性の材料であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、結合剤は、部分的に酸化及び/又は燃焼することができる。
【0481】
様々な実施形態では、結合剤は、デンプン、架橋デンプン、デンプンポリマー、セルロース、セルロースエーテル、ヘミセルロース、メチルセルロース、キトサン、リグニン、ラクトース、スクロース、デキストロース、マルトデキストリン、バナナ粉、小麦粉、小麦デンプン、大豆粉、トウモロコシ粉、木粉、石炭タール、石炭微粉、メトコークス、アスファルト、石炭タールピッチ、石油ピッチ、瀝青、熱分解タール、ギルソナイト、ベントナイト粘土、ホウ砂、石灰石、石灰、ワックス、植物性ワックス、重曹、ベーキングパウダー、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、鉄鉱石精鉱、シリカヒューム、石膏、ポートランドセメント、グアーガム、キサンタンガム、ポリビドン、ポリアクリルアミド、ポリラクチド、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、植物性樹脂、リサイクルされた屋根板、リサイクルされたタイヤ、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。結合剤は、粉砕可能な可塑剤であり得るか、又はそれを含み得る。
【0482】
ある特定の実施形態では、結合剤は、デンプン、熱可塑性デンプン、架橋デンプン、デンプンベースのポリマー(例えば、アミロース及びアミロペクチンをベースとするポリマー)、それらの誘導体、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。デンプンは、非イオン性デンプン、アニオン性デンプン、カチオン性デンプン、又は両性イオン性デンプンであり得る。
【0483】
デンプンは、最も豊富なバイオポリマーのうちの1つである。デンプンは、完全に生分解性であり、安価であり、再生可能であり、かつ容易に化学的に修飾され得る。デンプン分子の環状構造は、強い水素結合とともに、デンプンに剛性構造を与え、非常に秩序のある結晶及び粒状領域をもたらす。その粒状状態のデンプンは、概して、熱可塑性処理には適していない。熱可塑性デンプンを得るために、半結晶性デンプン顆粒は、熱的及び機械的力によって分解することができる。純粋なデンプンの融点は、その分解温度よりもかなり高いため、水及び/又はグリコールなどの可塑剤を添加することができる。次いで、熱可塑性デンプンをもたらす高温での激しい混合(せん断)によって、天然の結晶性を破壊することができる。デンプンは、水、グリセロール、又はソルビトールなどのデンプンヒドロキシル基と水素結合することができる低レベルの分子によって可塑化(破壊)することができる。
【0484】
熱可塑性デンプンは、化学的に修飾される、かつ/又は他のバイオポリマーとブレンドされて、より強く、より延性があり、かつ弾力性のあるバイオプラスチックを製造することができる。例えば、デンプンは、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、又はポリヒドロキシブチレートなどの天然及び合成(生分解性)ポリエステルとブレンドすることができる。デンプン/ポリエステルブレンドの相溶性を改善するために、ポリ(エチレン-コ-ビニルアルコール)及び/又はポリビニルアルコールなどの好適な相溶性化剤を添加することができる。デンプンの親水性ヒドロキシル基(-OH)は、エステル化又はエーテル化などによって、疎水性反応性基で置き換えることができる。
【0485】
いくつかの実施形態では、デンプン含有結合剤は、架橋デンプンであるか、又はそれを含む。デンプンを架橋するための様々な方法は、当該技術分野において既知である。デンプン材料は、例えば、水性媒体に溶解又は分散した後、酸性又はアルカリ性条件下で架橋することができる。アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド又はホルムアルデヒド)を使用して、デンプンを架橋させることができる。
【0486】
架橋デンプンの一例は、デンプンと、グリセロール、又は(限定されないが)エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ブタントリオール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、若しくはそれらの組み合わせなどの別のポリオールとの反応生成物である。反応生成物は、酸、例えば(限定されないが)、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、ウロン酸、グルクロン酸、又はそれらの組み合わせによって触媒される架橋反応から形成することができる。硫酸などの無機酸はまた、架橋反応を触媒するために利用することができる。いくつかの実施形態では、熱可塑化及び/又は架橋反応生成物は、代わりに、(限定されないが)アンモニア又はホウ酸ナトリウムなどの塩基によって触媒される架橋反応から形成することができる。
【0487】
いくつかの実施形態では、結合剤は、耐水性結合剤であるように設計される。例えば、デンプンの場合、親水性基は、より良好に水に抵抗する疎水性基によって置き換えることができる。
【0488】
いくつかの実施形態では、結合剤は、(限定されないが)バイオカーボンペレット内の水分保持、微生物のための食物供給源などの他の目的を果たす。
【0489】
いくつかの実施形態では、結合剤は、結合剤なしという点以外は同等のバイオカーボンペレットと比較して、バイオカーボンペレットの反応性を低下させる。反応性は、熱反応性若しくは化学反応性(又はその両方)を指すことができる。
【0490】
熱反応性の場合、バイオカーボンペレットは、結合剤なしという点以外は同等のバイオカーボンペレットと比較して低い自己加熱性を含み得る。「自己加熱性」は、バイオカーボンペレットの内部温度を上昇させるために、任意の外部点火の非存在下、低温及び酸化雰囲気下で、自発的な発熱反応を受けるバイオカーボンペレットを指す。
【0491】
化学反応性は、酸素、水、水素、一酸化炭素、金属(例えば、鉄)、又はそれらの組み合わせとの反応性であり得る。化学反応性は、例えば、CO、CO2、H2O、熱分解油、及び熱に対する反応と関連付けられ得る。
【0492】
いくつかの実施形態では、バイオカーボンペレットは、無機ベントナイト粘土、石灰石、デンプン、セルロース、リグニン、又はアクリルアミドなどの1つ以上の添加剤(必ずしも結合剤ではない)を含む。リグニンを結合剤として又は他の添加剤として使用する場合、リグニンは、熱分解プロセスにおいて使用されるのと同じバイオマス原料から得ることができる。例えば、出発バイオマス原料をリグニン抽出ステップに供して、結合剤又は添加剤として使用するためにいくらかの量のリグニンを除去することができる。
【0493】
無機塩化物、無機フッ化物、又は石灰などのフラックス剤を含む他の可能な添加剤。いくつかの実施形態では、添加剤は、酸、塩基、又はそれらの塩から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの添加剤は、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。例えば、添加剤は、(限定されないが)水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、ハロゲン化鉄、塩化鉄、臭化鉄、ドロマイト、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができる。添加剤は、原料が収穫される前後の任意の時点で原料自体に添加することを含む、プロセスの任意の1つ以上のステップの前、最中、又は後に添加することができる。
【0494】
本明細書に開示されているバイオカーボンペレットは、多種多様な下流使用を含む。バイオカーボンペレットを、貯蔵、販売、配送、及び他の製品に変換することができる。バイオカーボンペレットを、ボイラーでの使用のために微粉砕して、炭素を燃焼させ、電気エネルギー及び/又は熱を生成することができる。バイオカーボンペレットを、金属製造中の高炉などの炉に供給するために、微粉砕、破砕、又はミリングすることができる。バイオカーボンペレットを、金属製造におけるTecnored炉などの炉に直接供給することができる。バイオカーボンペレットを、バイオカーボンペレットから合成ガスを作製する目的で、ガス化装置に供給するために微粉砕、破砕、又はミリングすることができる。
【0495】
多くの実施形態では、バイオカーボンペレットは、直接、又は微粉砕、破砕、ミリング、若しくは他の方法で粒子サイズを減少させるステップの後に、炉に供給される。炉は、高炉、炉頂ガス再循環高炉、シャフト炉、反射炉(空気炉としても既知である)、るつぼ炉、消音炉、レトルト炉、フラッシュ炉、Tecnored炉、Ausmelt炉、ISASMELT炉、パッドル炉、ボギー炉床炉、連続チェーン炉、プッシャー炉、回転炉床炉、ウォーキングビーム炉、電気アーク炉、誘導炉、塩基性酸素炉、パッドル炉、ベッセマー炉、直接還元金属炉、又はそれらの組み合わせ若しくは派生物であり得る。
【0496】
バイオカーボンペレットのハードグローブ粉砕性指数にかかわらず、これらは必ずしも後で粉砕プロセスを受けるわけではないことに留意されたい。例えば、バイオカーボンペレットは、農業用途において直接使用することができる。別の例として、バイオカーボンペレットは、造園壁などの人工(engineered)構造に直接組み込むことができる。次いで、バイオカーボンペレットを含む構造の寿命末期に、ペレットを、粉砕すること、燃焼させること、ガス化すること、又は他の方法で再利用すること若しくは再循環させることができる。
【0497】
熱分解プロセス及びシステム
これより、バイオマス原料、又は凝縮器液体と一緒になった生体試薬を熱分解するのに好適なプロセス及びシステムを更に詳細に説明する。熱分解反応器(又は反応)の説明は、いくつかの事例では、高固定炭素材料を製造するための反応器(又は反応)への言及として理解されるであろう。
【0498】
「熱分解」及び「熱分解する」は、概して、炭素質材料の熱分解を指す。熱分解では、完全燃焼に必要とされる酸素(O2モルベース)の10%、5%、1%、0.5%、0.1%、又は0.01%未満など、材料の完全燃焼に必要とされるよりも少ない酸素が存在する。いくつかの実施形態では、熱分解は、酸素の非存在下で実施される。
【0499】
熱分解中に生じ得る例示的な変化は、以下のうちのいずれかを含む:(i)熱供給源からの熱伝達は、原料内の温度を上昇させる;(ii)このより高い温度での一次熱分解反応の開始は、揮発物を放出し、チャーを形成する;(iii)より低温の固体に向かっての高温揮発物の流れは、高温揮発物とより低温の非熱分解原料との間の熱伝達をもたらす;(iv)原料のより低温の部分における揮発物の一部が凝縮し、続いて、二次反応が起こることで、タールが生成され得る;(v)一次熱分解反応が競合して同時に生じる間、自己触媒的二次熱分解反応が進行する;並びに(vi)更なる熱分解、改質、水性ガスシフト反応、フリーラジカル再結合、及び/又は脱水も生じ得、これらは、滞留時間、温度、及び圧力プロファイルの関数である。
【0500】
熱分解は、出発原料(例えば、リグノセルロース系バイオマス)を少なくとも部分的に脱水することができる。様々な実施形態では、熱分解は、出発原料から水の約50%、75%、90%、95%、99%以上を除去する。
【0501】
いくつかの実施形態では、出発バイオマス原料は、軟材チップ、硬材チップ、材木収穫残渣、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、小麦、小麦わら、イネ、イネわら、サトウキビ、サトウキビバガス、サトウキビわら、エネルギーサトウキビ、サトウダイコン、サトウダイコンパルプ、ヒマワリ、モロコシ、キャノーラ、藻類、ススキ、アルファルファ、スイッチグラス、果物、果物の殻、果物の茎、果物の皮、果物の種子、野菜、野菜の殻、野菜の茎、野菜の皮、野菜の種子、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒー澱、食品廃棄物、商業廃棄物、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、厚紙、紙、紙パルプ、紙包装、紙の切り屑、食品包装、建築及び/若しくは解体廃棄物、枕木、リグニン、動物性肥料、都市固形廃棄物、都市下水、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。典型的には、バイオマス原料は、少なくとも炭素、水素、及び酸素を含むことに留意されたい。
【0502】
生体試薬は、少なくとも約50重量%、少なくとも約75重量%、又は少なくとも約90重量%の総炭素を含み得る。様々な実施形態では、生体試薬は、約、少なくとも約、又は最大約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、若しくは99重量%の炭素を含む。総炭素は、揮発性物質中に存在する固定炭素と非固定炭素との和である。いくつかの実施形態では、成分の重量パーセンテージは、絶対ベースであり、これは、特に言及されていない限り仮定される。他の実施形態では、成分重量パーセンテージは、無水及び無灰ベースである。低固定炭素材料及び高固定炭素材料の組成物は、先で詳細に論じられている。
【0503】
熱分解条件は、生体試薬及び熱分解排ガスの所望の組成、出発原料、反応器構成、並びに他の要因に応じて大きく変動し得る。
【0504】
いくつかの実施形態では、多重反応器ゾーンは、原料変動及び製品要件に対する柔軟性及び調節可能性を維持しながら、熱分解からの炭素収率及び製品品質を最適化するように設計され、動作される。
【0505】
いくつかの非限定的な実施形態では、温度及び滞留時間は、遅い熱分解化学反応を達成するように選択される。利点は、バイオマス構造中に含まれる細胞壁の実質的な保存である可能性があり、これは、最終製品が出発バイオマスの形状及び強度の一部、大部分、又は全てを保持することができることを意味する。この潜在的な利益を最大化するために、細胞壁を機械的に破壊しないか、又はそうでなければバイオマス粒子を小さな微粉に変換しない装置を利用することが好ましい。ある特定の反応器構成を、以下のプロセスの説明に従って考察する。
【0506】
追加的に、原料が木材チップ又はペレットなどのミリング又はサイズ決めされた原料である場合、原料を注意深くミリング又はサイズ決めすることが望ましくなり得る。慎重な初期処理は、天然原料供給源(例えば、木)に存在する強度及び細胞壁完全性を保存する傾向がある。これはまた、最終製品が出発バイオマスの形状及び強度の一部、大部分、又は全部を保持すべき場合に重要であり得る。
【0507】
いくつかの実施形態では、熱分解反応器の第1のゾーンは、バイオマスに「衝撃」を与えない様式でバイオマス(又は別の含炭素原料)を供給するように構成されており、衝撃は、細胞壁を破裂させ、蒸気及びガスへの固相の高速分解を開始させる。この第1のゾーンは、穏やかな熱分解と考えることができる。
【0508】
いくつかの実施形態では、熱分解反応器の第2のゾーンは、一次反応ゾーンとして構成されており、予熱されたバイオマスは、ガス及び凝縮性蒸気を放出するために熱分解化学反応を受け、高炭素反応中間体であるかなりの量の固体材料を残す。バイオマス成分(主にセルロース、ヘミセルロース、及びリグニン)は、分解して蒸気を創出し、この蒸気は、細孔を貫通するか、又は新たなナノ細孔を創出することによって逃げる。後者の効果は、多孔性及び表面積の創出に寄与する。
【0509】
いくつかの実施形態では、熱分解反応器の第3のゾーンは、高炭素反応中間体を受け取り、固体をある程度冷却するように構成されている。典型的には、第3ゾーンは、第2ゾーンよりも低い温度である。第3のゾーンでは、化学反応及び物質移動は、驚くほど複雑であり得る。特定の理論又は提案された機構によって限定されることなく、二次反応が第3のゾーンで生じ得ると考えられる。本質的に、気相にある含炭素成分は、分解して追加の固定炭素を形成する、かつ/又は炭素上に吸着されるようになり得る。したがって、いくつかの実施形態では、最終的な炭素質材料は、単に処理ステップの固体の脱気された残留物ではなく、炭素を形成することができる有機蒸気(例えば、タール)の分解などによって気相から堆積された追加の炭素を含み得る。
【0510】
ある特定の実施形態は、製品の炭素含有量を高めるために、冷却された炭素が含炭素種を含む環境に供される別々のユニットを含むことによって、追加の炭素形成の概念を拡張する。このユニットの温度が熱分解温度未満である場合、追加の炭素は、追加の固定炭素ではなく吸着された炭素質種の形態にあると予想される。
【0511】
任意の特定のゾーン中に存在する1つ以上の相の中間入力及び出力(パージ又はプローブ)流、様々な質量及びエネルギー再循環スキーム、プロセスのどこかに導入することができる様々な添加剤、製品分布を調整するための反応及び分離条件の両方を含むプロセス条件の調節可能性などに関して、多数の選択肢がある。ゾーン特有の入力及び出力流は、FTIRサンプリング及び動的プロセス調節などによって、良好なプロセス監視及び制御を可能にする。
【0512】
いくつかの実施形態は、高速熱分解を使用せず、いくつかの実施形態は、低速熱分解を使用しない。驚くべきことに、非常に高い割合の固定炭素を有する組成物を含む高品質の炭素材料を、開示されているプロセス及びシステムから得ることができる。
【0513】
いくつかの実施形態では、生体試薬を製造するための熱分解プロセスは、以下のステップ:
(a)バイオマスを含む含炭素原料を提供するステップと、
(b)実質的に不活性な気相の存在下で、少なくとも10分間、少なくとも約250℃~最大約700℃で選択される少なくとも1つの温度で、原料を熱分解して、高温熱分解固体、凝縮性蒸気、及び非凝縮性ガスを生成するステップと、
(c)高温熱分解固体から少なくとも凝縮性蒸気及び少なくとも非凝縮性ガスを分離するステップと、
(d)高温熱分解固体を冷却して、冷却された熱分解固体を生成するステップと、
(e)冷却された熱分解固体を少なくとも含む生体試薬を回収するステップと、を含む。
熱分解プロセスは、
(f)原料を乾燥させて、原料中に含まれる少なくとも水分を除去すること、及び/又は
(g)原料を脱気して、存在する場合、原料中に含まれる少なくとも格子間酸素を除去すること、を更に含み得る。
【0514】
「バイオマス」は、本開示の目的では、任意の生体原料又は生体原料と非生体原料との混合物として解釈されるべきである。基本的に、バイオマスは、少なくとも炭素、水素、及び酸素を含む。方法及び装置は、様々な種類、サイズ、及び水分含有量の広範囲の原料に適応することができる。
【0515】
バイオマスは、例えば、植物及び植物由来材料、植生、農業廃棄物、林業廃棄物、木材廃棄物、紙廃棄物、動物由来廃棄物、家禽由来廃棄物、並びに都市固形廃棄物を含む。バイオマスを利用する様々な実施形態では、バイオマス原料は、木材収穫残渣、軟木チップ、硬材チップ、木の枝、木の切り株、節、葉、樹皮、おがくず、規格外紙パルプ、セルロース、トウモロコシ、トウモロコシストーバー、麦わら、稲わら、サトウキビバガス、スイッチグラス、ミスカンサス、動物の肥料、都市廃棄物、都市下水、商業廃棄物、ブドウの搾りかす、アーモンドの殻、ペカンの殻、ココナッツの殻、コーヒーのかす、草ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、段ボール、紙、炭水化物、プラスチック、及び布から選択される1つ以上の材料を含み得る。当業者は、原料の選択肢が事実上無制限であることを容易に理解するであろう。
【0516】
本技術は、バイオマス以外の含炭素原料、例えば、化石燃料(例えば、石炭若しくは石油コークス)、又はバイオマスと化石燃料との任意の混合物(例えば、バイオマス/石炭ブレンド)にも使用することができる。いくつかの実施形態では、生体原料は、石炭、オイルシェール、原油、アスファルト、若しくは原油処理からの固体(石油コークスなど)であるか、又はこれらを含む。原料は、廃タイヤ、リサイクルされたプラスチック、リサイクルされた紙、建設廃棄物、解体廃棄物、及び他の廃棄物又はリサイクルされた材料を含み得る。明確にするために記載すると、本明細書に記載されている任意の方法、装置、又はシステムは、任意の炭素質原料とともに使用することができる。含炭素原料は、トラック、列車、船、はしけ、トラクタートレーラー、又は任意の他の車両若しくは搬送手段などの任意の既知の手段によって輸送可能であり得る。
【0517】
特定の1つ以上の原料の選択は、技術的に重要とはみなされないが、経済的なプロセスに有利に働く傾向にある方法で実施される。典型的には、選定される原料にかかわらず、(いくつかの実施形態では)望ましくない物質を除去するためのスクリーニングが存在し得る。いくつかの実施形態では、原料を処理前に乾燥させることができる。
【0518】
用いられる原料は、多種多様な粒子サイズ又は形状に提供又は加工することができる。例えば、供給材料は、微粉末、又は微細粒子と粗大粒子との混合物であり得る。供給材料は、木材チップ又は他の形態の木材(例えば、円形、円筒形、正方形など)などの大きな材料片の形態にあり得る。いくつかの実施形態では、供給材料は、ペレット、又は一緒にプレスされているか、若しくは他の方法で、例えば結合剤などで結合されている他の凝集形態の粒子を含む。
【0519】
サイズ縮小は、費用がかかり、エネルギー集約的なプロセスであることに留意されたい。熱分解された材料は、著しく少ないエネルギー入力でサイズ決めすることができ、すなわち、原料ではなく製品の粒子サイズを低減することが好ましくなり得る。これは、プロセスが微細な出発材料を必要とせず、かつ処理中に必ずしも任意の大幅な粒子サイズ減少がないことから、オプションである。非常に大きな原料片を処理する能力は、重要な経済的利点である。特に、高炭素製品のいくつかの市場用途は、実際に、大きなサイズ(例えば、センチメートルのオーダー)を必要とし、そのためいくつかの実施形態では、大きな片が供給され、製造され、販売される。
【0520】
円筒形などの構造的完全性を含む最終炭素質生体試薬を製造することが望ましい場合、少なくとも2つの選択肢がある。最初に、プロセスから製造された材料を収集し、次いで、更に機械的に加工して所望の形態にすることができる。例えば、製品を結合剤とともにプレス又はペレット化することができる。最終製品のための所望のサイズ及び/又は形状を一般に有する供給材料を利用して、供給材料の基本構造を破壊しない処理ステップを用いる、という第2の選択肢がある。いくつかの実施形態では、供給物及び製品は、球形、円筒形、又は立方体などの同様の幾何学的形状を含む。
【0521】
プロセス全体を通して供給材料のおおよそのサイズを維持する能力は、製品強度が重要である場合に有益である。また、これは、高固定炭素材料をペレット化する困難さ及びコストを回避する。
【0522】
出発供給材料は、理解されるように、ある範囲の水分レベルで提供され得る。いくつかの実施形態では、供給材料は、既に十分に乾燥している場合があるので、熱分解前に更に乾燥させる必要はない。典型的には、通常水分を含むバイオマスの商業的供給源を利用し、バイオマスを熱分解反応器に導入する前に乾燥ステップを通して供給することが望ましい。しかしながら、いくつかの実施形態では、乾燥した原料を利用することができる。
【0523】
通常、熱分解反応器内において、気相で、約、又は最大約10mol%、5mol%、4mol%、3mol%、2mol%、1.5mol%、1mol%、0.5mol%、0.2mol%、0.1mol%、0.05mol%、0.02mol%、又は0.01mol%のO2などの低酸素環境を提供することが望ましい。最初に、制御されない燃焼は、安全上の理由から、熱分解反応器において回避されるべきである。CO2へのいくらかの量の総炭素酸化が生じ得、発熱酸化から放出される熱は、吸熱分解化学反応を補助し得る。合成ガスへの部分酸化を含む大量の炭素の酸化は、固体への炭素収率を低下させる。
【0524】
実際には、反応器内で厳密に無酸素環境を達成することは、困難であり得る。この限界に近づくことができ、いくつかの実施形態では、反応器は、気相中に分子酸素を実質的に含まない。熱分解反応器内に酸素がほとんど又は全く存在しないことを確実にするために、供給材料が反応器に導入される前に、供給材料から空気を除去することが望ましい場合がある。原料中の空気を除去又は低減する様々な方法がある。
【0525】
いくつかの実施形態では、乾燥の前後に、吸着された酸素を除去し、原料細孔に浸透して細孔から酸素を除去することができる別のガスの存在下で原料が搬送される脱気ユニットが利用される。本質的に、21体積%未満のO2を含む任意のガスを様々な有効性で用いることができる。いくつかの実施形態では、窒素を用いる。いくつかの実施形態では、CO及び/又はCO2を用いる。窒素と少量の酸素との混合物などの混合物を使用することができる。水蒸気が脱気ガス中に存在してもよいが、供給物にかなりの水分を加えて戻すことは回避するべきである。脱気ユニットからの流出物は、(大気若しくは排出物処理ユニットに)パージされ得るか、又は再循環され得る。
【0526】
原則として、脱気ユニットからの流出物は、固体から除去された酸素が高度に希釈されるため、熱分解反応器自体に導入することができる。この実施形態では、反応器が向流構成で動作される場合、脱気流出ガスを反応器の最後のゾーンに導入することが有利であり得る。
【0527】
様々なタイプの脱気ユニットを用いることができる。それを乾燥させることが実施される場合、存在する水分から可溶性酸素を洗浄することは非効率的であり得るので、乾燥させ、次いで脱気することが好ましくなり得る。ある特定の実施形態では、乾燥ステップ及び脱気ステップは、単一のユニットに組み合わされるか、又はいくらかの量の脱気が乾燥中に達成されるなどである。
【0528】
いくつかの実施形態では、乾燥された及び/又は脱気された供給材料を、熱分解反応器又は直列若しくは並列の多重反応器に導入する。供給材料を、例えばスクリュー供給装置又はロックホッパーを含む任意の既知の手段を使用して導入することができる。いくつかの実施形態では、材料供給システムは、エアナイフを組み込む。
【0529】
いくつかの実施形態では、単一の反応器を用いる場合、複数のゾーンが存在する。2つ、3つ、4つ、又はそれより多くのゾーンなどの複数のゾーンは、全体的なプロセス性能を調節するために、温度、固体滞留時間、ガス滞留時間、ガス組成、流れパターン、及び/又は圧力の別々の制御を可能にすることができる。
【0530】
「ゾーン」への言及は、単一の物理的ユニット、物理的に分離されたユニット、又はそれらの組み合わせ内の空間の領域を含むように広く解釈されるべきである。連続反応器に関して、ゾーンの境界は、反応器内のフライトの存在又は別々のゾーンに熱を提供するための別個の加熱要素などの構造に関連し得る。代替的に又は追加的に、連続反応器におけるゾーンの境界は、例えば、別個の温度、流体フローパターン、固体フローパターン、反応の程度などの機能に関連し得る。単一バッチ反応器では、「ゾーン」は、空間ではなく時間での動作レジームである。多重バッチ反応器を使用することもできる。
【0531】
あるゾーンから別のゾーンへの急激な遷移は、必ずしもないことが理解されよう。例えば、予熱ゾーンと熱分解ゾーンとの間の境界は、いくらか任意であり得、いくらかの量の熱分解が、予熱ゾーンにおいて起こり得、いくらかの量の「予熱」が、熱分解ゾーンにおいて起こり続け得る。反応器内の温度プロファイルは、反応器内のゾーン境界を含めて、典型的には連続的である。
【0532】
いくつかの実施形態は、予熱及び/又は穏やかな熱分解の条件下で動作される第1のゾーンを用いる。第1のゾーンの温度は、少なくとも約150℃~最大約500℃、例えば、約300℃~最大約400℃で選択することができる。いくつかの実施形態では、第1のゾーンの温度は、バイオマス材料に衝撃を与えて細胞壁を破裂させ、蒸気及びガスへの固相の高速分解を開始するほどは高くない。
【0533】
本明細書におけるゾーン温度への全ての言及は、存在するバルク固体、又は気相、又は反応器壁(プロセス側)に適用することができる温度を含むように、非限定的に解釈されるべきである。軸方向及び半径方向の両方に、並びに時間的に(すなわち、始動後又は過渡現象に起因して)、各ゾーンにおいて温度勾配があることが理解されるであろう。したがって、ゾーン温度への言及は、実際の速度論に影響を及ぼし得る平均温度又は他の有効温度への言及であり得る。温度は、熱電対若しくは他の温度プローブによって直接測定することができるか、又は他の手段によって間接的に測定若しくは推定することができる。
【0534】
第2のゾーン、又は一般に一次熱分解ゾーンは、熱分解又は炭化の条件下で動作される。第2のゾーンの温度は、少なくとも約250℃~最大約700℃、例えば、約、又は少なくとも約、又は最大約300℃、350℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、若しくは650℃で選択することができる。このゾーン内で、予熱されたバイオマスは、ガス及び凝縮性蒸気を放出するために熱分解化学反応を受け、高炭素反応中間体としてのかなりの量の固体材料を残す。バイオマス成分(主にセルロース、ヘミセルロース、及びリグニン)は、分解して蒸気を創出し、この蒸気は、細孔を貫通するか、又は新たな細孔を創出することによって逃げる。好ましい温度は、少なくとも第2のゾーンの滞留時間、並びに原料の性質及び所望の製品特性に依存する。
【0535】
第3のゾーン又は冷却ゾーンは、高炭素反応中間体を様々な程度に冷却するように動作される。最低でも、第3のゾーンの温度は、第2のゾーンの温度よりも低い温度であるべきである。第3のゾーンの温度は、少なくとも約100℃~最大約550℃、例えば、約150℃~最大約350℃で選択することができる。
【0536】
化学反応は、冷却ゾーンで生じ続けることができる。特定の理論に限定されるものではないが、二次熱分解反応が、第3のゾーンにおいて開始され得ると考えられる。気相中にある含炭素成分は、(第3のゾーンの温度の低下により)凝縮し得る。しかしながら、温度は、凝縮された液体から追加の固定炭素を形成することができる反応(二次熱分解)、又は少なくとも吸着種と固定炭素との間の結合を形成することができる反応を促進するのに十分に高いままである。起こり得る1つの例示的な反応は、一酸化炭素を二酸化炭素及び固定炭素に変換するためのブードア反応である。
【0537】
反応器ゾーンの滞留時間は、変動し得る。所望の量の熱分解のために、より高い温度がより短い反応時間を可能にすることができ、逆もまた同様であるように、時間及び温度の相互作用がある。連続反応器(ゾーン)における滞留時間は、体積を体積流量で除したものである。バッチ反応器内の滞留時間は、反応温度への加熱後のバッチ反応時間である。
【0538】
多相反応器では、複数の滞留時間があることを認識すべきである。本文脈では、各ゾーンにおいて、固相及び蒸気相の両方の滞留時間(及び滞留時間分布)がある。複数のゾーンを用いる所与の装置について、所与のスループットで、ゾーンにわたる滞留時間は、概して、固体側で結合されるが、複数の入口及び出口ポートが個々のゾーンで利用される場合、滞留時間は、蒸気側で結合されない場合がある。固体及び蒸気の滞留時間は、結合されない。
【0539】
予熱ゾーンの固体滞留時間は、少なくとも約5分~最大約60分、例えば、約10、20、30、40、又は50分で選択することができる。温度に応じて、バイオマスを所望の予熱温度に到達させるのに十分な時間が望ましい。粒子のタイプ及びサイズ、物理的装置、並びに加熱パラメータに依存する熱伝達速度は、固体を所望の予熱温度に到達させるのに必要な最小滞留時間を規定する。追加の時間は、いくらかの量の穏やかな熱分解が予熱ゾーンにおいて意図されない限り、より高い資本コストに寄与するので、望ましくない場合がある。
【0540】
熱分解ゾーンの固体滞留時間は、少なくとも約10分~最大約120分、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、又は100分で選択することができる。このゾーンにおける熱分解温度に応じて、必要な熱伝達に続いて炭化の化学反応を起こさせるのに十分な時間があるべきである。約10分未満の時間の場合、多量の非炭素元素を除去するために、温度は、700℃超など、非常に高い必要があるだろう。この温度は、高速熱分解並びに炭素自体に由来する蒸気及びガスのその生成を促進するが、意図される製品が固体炭素である場合には回避されるべきである。
【0541】
静的システムでは、特定の時間に実質的に到達し得る平衡変換があるであろう。ある特定の実施形態におけるように、蒸気が、連続的な揮発物除去を伴って固体上を連続的に流れている場合、平衡制約は、反応速度がゼロに近づくまで熱分解及び脱揮を継続させるように除去され得る。より長い時間は、残存する難分解性固体を実質的に変化させる傾向がない。
【0542】
冷却ゾーンの固体滞留時間は、少なくとも約5分~最大約60分、例えば、約10、20、30、40、又は50分で選択することができる。このゾーンにおける冷却温度に応じて、炭素固体を所望の温度まで冷却させるのに十分な時間があるべきである。冷却速度及び温度は、炭素を冷却させるのに必要な最小滞留時間を規定する。いくらかの量の二次熱分解が望まれない限り、追加の時間は、望ましくない場合がある。
【0543】
先に論じられているように、蒸気相の滞留時間は、別々に選択及び制御することができる。予熱ゾーンの蒸気滞留時間は、少なくとも約0.1分~最大約15分、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10分で選択することができる。熱分解ゾーンの蒸気滞留時間は、少なくとも約0.1分~最大約20分、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15分で選択することができる。冷却ゾーンの蒸気滞留時間は、少なくとも約0.1分~最大約15分、例えば、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10分で選択することができる。短い蒸気滞留時間は、システムからの揮発物の高速掃引を促進し、一方、より長い蒸気滞留時間は、蒸気相中の成分と固相との反応を促進する。
【0544】
反応器、及びシステム全体の動作モードは、連続式、半連続式、バッチ式、又はそれらの任意の組み合わせ若しくは変形形態であり得る。いくつかの実施形態では、反応器は、固体及び蒸気が実質的に反対方向に流れる連続向流反応器である。反応器は、バッチで動作させることもできるが、例えば、バッチ容器から気相を周期的に導入及び除去することによって、シミュレートされた蒸気の向流で動作させることができる。
【0545】
様々な流れパターンが所望であり得るか、又は観察され得る。多重反応器ゾーンにおける複数の相を伴う化学反応及び同時分離では、流体力学は、非常に複雑になり得る。典型的には、固体の流れは、栓流(半径方向次元において十分に混合されている)に近づくことができ、一方、蒸気の流れは、完全混合流(半径方向次元及び軸方向次元の両方における高速輸送)に近づくことができる。蒸気のための複数の入口及び出口ポートは、全体的な混合に寄与することができる。
【0546】
各ゾーン中の圧力は、別々に選択及び制御することができる。各ゾーンの圧力は、少なくとも約1kPa~最大約3000kPa、例えば約101.3kPa(標準大気圧)で独立的に選択することができる。圧力の独立したゾーン制御は、大気圧未満のゾーン圧力が所望されるときにガスを取り出すための真空ポートを含む、複数のガス入口及び出口が使用されるときに可能である。
【0547】
プロセスは、いくつかの実施形態では、大気圧で都合よく動作させることができる。大気圧での動作には、機械的な単純さから安全性の向上に及ぶ多くの利点がある。ある特定の実施形態では、熱分解ゾーンは、約90kPa、95kPa、100kPa、101kPa、102kPa、105kPa、又は110kPa(絶対圧力)の圧力で動作される。
【0548】
真空動作(例えば、10~100kPa)は、システムからの揮発物の高速な一掃を促進する。排ガスを高圧動作に供給する場合、より高い圧力(例えば、100~1000kPa)が有用であり得る。高い圧力はまた、熱伝達、化学反応、又は分離を促進するために有用であり得る。
【0549】
少なくとも凝縮性蒸気及び少なくとも非凝縮性ガスを高温熱分解固体から分離するステップは、反応器自体において、又は別個の分離ユニットを使用して実現することができる。実質的に不活性な掃引ガスを1つ以上のゾーンに導入することができる。次いで、凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスは、掃引ガス中のゾーンから運び去られ、反応器から出る。
【0550】
掃引ガスは、例えば、N2、Ar、CO、CO2、H2、H2O、CH4、他の軽質炭化水素、又はそれらの組み合わせであり得る。掃引ガスを、導入前にまず予熱することができるか、又は加熱供給源から得られる場合には冷却することができる。
【0551】
掃引ガスは、揮発性成分が凝縮又は更に反応し得る前に揮発性成分をシステムから取り除くことによって、揮発性成分をより完全に除去する。掃引ガスは、所与のプロセス温度で単に揮発から得られるよりも高い速度で揮発物を除去することを可能にする。又は、掃引ガスの使用は、特定の量の揮発物を除去するために、より穏やかな温度が使用されることを可能にする。掃引ガスが揮発物の除去を改善する理由は、分離の機構が単に相対的な揮発性ではなく、むしろ掃引ガスによって補助される液体/蒸気相の分離であるからである。掃引ガスは、所与の揮発性種を連続的に枯渇させて、より多くの揮発性種を蒸発させて熱力学的平衡を達成することによって、揮発の物質移動制限を低減するとともに、熱力学的制限を低減することができる。
【0552】
いくつかの実施形態は、高い固定炭素を有する製品を製造するために、後続の処理段階から揮発性有機炭素でいっぱいのガスを除去する。除去しなければ、揮発性炭素は、熱分解された固体上に吸着又は吸収される場合があり、それによって、所望され得る炭素のより純粋な形態を達成するために追加のエネルギー(コスト)を必要とする。蒸気を迅速に除去することによって、熱分解固体中の多孔性を高めることができるとも推測される。より高い多孔性は、いくつかの製品にとって望ましい。
【0553】
ある特定の実施形態では、掃引ガスは、大気圧などの低いプロセス圧力と併せて、大量の不活性ガスを必要とすることなく、高速蒸気除去を提供する。
【0554】
いくつかの実施形態では、掃引ガスは、原料の流れ方向に対して向流で流れる。他の実施形態では、掃引ガスは、原料の流れ方向に対して並流で流れる。いくつかの実施形態では、固体の流れパターンは、栓流に近づくが、掃引ガス及び気相の流れパターンは、概して、1つ以上のゾーンにおいて完全混合流に近づく。
【0555】
掃引は、反応器ゾーンのうちのいずれか1つ以上で実施することができる。いくつかの実施形態では、掃引ガスを、冷却ゾーンに導入し、冷却及び/又は熱分解ゾーンから(生成された揮発物とともに)抽出する。いくつかの実施形態では、掃引ガスを、熱分解ゾーンに導入し、熱分解及び/又は予熱ゾーンから抽出する。いくつかの実施形態では、掃引ガスを、予熱ゾーンに導入し、熱分解ゾーンから抽出する。これらの又は他の実施形態では、掃引ガスを、予熱ゾーン、熱分解ゾーン、及び冷却ゾーンの各々に導入することができ、ゾーンの各々から抽出することもできる。
【0556】
いくつかの実施形態では、分離が実施される1つ又は複数のゾーンは、反応器から物理的に分離されたユニットである。分離ユニット又はゾーンを、所望であれば、反応器ゾーンの間に配置することができる。例えば、熱分解ユニットと冷却ユニットとの間に分離ユニットを設置することができる。
【0557】
掃引ガスは、特に固体流が連続的である場合に、連続的に導入することができる。熱分解反応をバッチプロセスとして動作させる場合、掃引ガスは、揮発物を除去するために、特定の量の時間後に、又は周期的に導入され得る。熱分解反応を連続的に動作させる場合であっても、掃引ガスは、所望であれば、好適な弁及び制御を用いて、半連続的に又は周期的に導入することができる。
【0558】
揮発物含有掃引ガスは、1つ以上の反応器ゾーンから出ることができ、複数のゾーンから得られる場合には組み合わせることができる。次いで、様々な蒸気を含有する得られたガス流を空気排出の制御のために熱酸化装置に供給することができる。任意の既知の熱酸化ユニットを用いることができる。いくつかの実施形態では、熱酸化装置に天然ガス及び空気を供給して、その中に含有される揮発物を実質的に破壊するのに十分な温度に到達させる。
【0559】
熱酸化装置の流出物は、水、二酸化炭素、及び窒素を含む高温ガス流である。この流出流は、所望であれば、空気排出に直接パージすることができる。いくつかの実施形態では、熱酸化装置流出物のエネルギー含有量を、廃熱回収ユニットなどにおいて回収する。エネルギー含有量は、別の流れ(掃引ガスなど)との熱交換によって回収することもできる。エネルギー含有量は、乾燥機又は反応器などのプロセスにおける他の場所のユニットを直接若しくは間接的に加熱するか、又は加熱を補助することによって利用することができる。いくつかの実施形態では、本質的に全ての熱酸化装置流出物を乾燥機の間接加熱(ユーティリティ側)に用いる。熱酸化装置は、天然ガス以外の燃料を用いることができる。
【0560】
炭素質材料の収率は、原料のタイプ及びプロセス条件を含む上述の要因に応じて変動し得る。いくつかの実施形態では、乾燥ベースでの出発原料のパーセンテージとしての固体の正味収率は、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%であるか、又はそれより高い。残りは、テルペン、タール、アルコール、酸、アルデヒド、又はケトンなどの凝縮性蒸気と、一酸化炭素、水素、二酸化炭素、及びメタンなどの非凝縮性ガスとの間で分割される。非凝縮性ガスと比較した凝縮性蒸気の相対量は、存在する水を含むプロセス条件にも依存する。
【0561】
炭素バランスに関して、いくつかの実施形態では、原料中の出発炭素のパーセンテージとしての炭素の正味収率は、少なくとも25%、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%であるか、又はそれより高い。例えば、いくつかの実施形態では、炭素質材料は、出発原料中に含有される炭素の約40%~約70%を含む。残りの炭素は、メタン、一酸化炭素、二酸化炭素、軽質炭化水素、芳香族物質、タール、テルペン、アルコール、酸、アルデヒド、又はケトンを様々な程度で形成する。
【0562】
代替的な実施形態では、これらの化合物を、製品の炭素及びエネルギー含有量を富化するために炭素リッチな固体と組み合わせる。これらの実施形態では、様々な蒸気を含有する、反応器から得られるガス流の一部又は全部を、少なくとも部分的に凝縮させ、次いで、冷却ゾーン及び/又は別々の冷却ユニットに由来する冷却された熱分解固体上を通過させることができる。これらの実施形態は、以下により詳細に記載されている。
【0563】
冷却ゾーン(存在する場合)内での反応及び冷却に続いて、炭素質固体を別個の冷却ユニットに導入することができる。いくつかの実施形態では、固体を収集し、単に低速で冷却する。炭素質固体が空気中で反応性又は不安定である場合、不活性雰囲気を維持すること、及び/又は固体を、例えば、周囲温度などの40℃未満の温度に急速に冷却することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、急速冷却のために水クエンチを用いる。いくつかの実施形態では、流動床冷却器を用いる。「冷却ユニット」は、容器、タンク、パイプ、又はそれらの一部も含むように広く解釈されるべきである。
【0564】
いくつかの実施形態では、プロセスは、冷却ユニットを動作させて、温かい熱分解された固体をスチームで冷却し、それによって、低温の熱分解された固体及び過熱スチームを生成することを更に含み、乾燥は、少なくとも部分的に、外部冷却器から得られた過熱スチームを用いて実施される。いくつかの実施形態では、冷却ユニットは、最初に温かい熱分解固体を蒸気で冷却して第1の冷却ユニット温度に到達させ、次いで空気で冷却して第2の冷却ユニット温度に到達させるように動作させることができ、第2の冷却ユニット温度は、第1の冷却ユニット温度よりも低く、空気の存在下で温かい熱分解固体の燃焼リスクの低減に関連付けられる。
【0565】
周囲条件への冷却に続いて、炭素質固体は、回収及び貯蔵されるか、別の現場作業に搬送されるか、別の現場に輸送されるか、又はそうでなければ処分、取引、若しくは販売され得る。固体をユニットに供給して粒子サイズを縮小させることができる。粉砕機、シュレッダー、グラインダー、微粉砕機、ジェットミル、ピンミル、及びボールミルを含む様々なサイズ縮小ユニットが当該技術分野で既知である。
【0566】
スクリーニング又は粒子サイズに基づく分離のためのいくつかの他の手段が含まれ得る。粉砕は、存在する場合、粉砕の上流又は下流であり得る。スクリーニングされた材料(例えば、大きな塊)は、粉砕ユニットに戻すことができる。小さな粒子及び大きな粒子は、別々の下流使用のために回収され得る。いくつかの実施形態では、冷却された熱分解固体は、微粉砕炭素又は活性炭製品などの微粉末に粉砕される。
【0567】
本明細書に開示されている任意のステップの前、最中、又は後に、様々な添加剤をプロセス全体にわたって導入することができる。添加剤は、所望の炭素純度を達成するために炭素収率又は熱分解時間/温度などのプロセス性能を改善するように選択されるプロセス添加剤として、及び生体試薬の又は試薬を組み込んだ下流製品の1つ以上の特性を改善するように選択されるプロセス添加剤として広く分類することができる。ある特定の添加剤は、強化されたプロセス及び製品(生体試薬又は生体試薬を含有する製品)特性を提供することができる。
【0568】
添加剤は、原料が収穫される前後の任意の時点で原料自体に添加することを含む、プロセスの任意の1つ以上のステップの前、最中、又は後に添加することができる。添加剤処理は、原料のサイジング、乾燥、又は他の調製の前、最中、若しくは後に組み込むことができる。添加剤は、原料供給施設、輸送トラック、揚陸設備、貯蔵ビン、コンベヤ(開放若しくは閉鎖コンベヤを含む)、乾燥機、プロセスヒーター、若しくは任意の他のユニットに、又はその上に組み込むことができる。添加剤は、添加剤を導入するための好適な手段を使用して、熱分解プロセス自体のどこにでも添加することができる。所望であれば、炭化後、又は微粉砕後であっても、添加剤を添加することができる。
【0569】
いくつかの実施形態では、添加剤は、金属、金属酸化物、金属水酸化物、又はそれらの組み合わせから選択される。例えば、添加剤は、決して限定されないが、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、塩化鉄、臭化鉄、酸化マグネシウム、ドロマイト、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0570】
いくつかの実施形態では、添加剤は、酸、塩基、又はそれらの塩から選択される。例えば、添加剤は、決して限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0571】
いくつかの実施形態では、添加剤は、金属ハロゲン化物から選択される。金属ハロゲン化物は、金属とハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、及びアスタチン)との間の化合物である。ハロゲンは、金属と多くの化合物を形成することができる。金属ハロゲン化物は、概して、塩基性金属塩とハロゲン化水素酸との直接結合、又はより一般には中和によって得られる。いくつかの実施形態では、添加剤は、塩化鉄(FeCl2及び/若しくはFeCl3)、臭化鉄(FeBr2及び/若しくはFeBr3)、又はそれらの水和物、及びそれらの任意の組み合わせから選択される。
【0572】
添加剤は、より高いエネルギー含有量(エネルギー密度)を有する最終製品をもたらすことができる。エネルギー含有量の増加は、総炭素、固定炭素、揮発性炭素、又は更に水素の増加から生じ得る。代替的に又は追加的に、エネルギー含有量の増加は、不燃性物質又は炭素よりも低いエネルギー密度を有する材料の除去から生じ得る。いくつかの実施形態では、添加剤は、固体及び気体の形成に有利になるように、又は固体の形成に有利になるように、液体形成の程度を低減する。
【0573】
いかなる特定の仮説にも限定されることなく、添加剤は、出発バイオマス、又は熱分解前の処理されたバイオマスを化学的に改変して、より大きな強度/完全性のために細胞壁の破壊を低減することができる。いくつかの実施形態では、添加剤は、熱分解前にバイオマス原料の固定炭素含有量を増加させることができる。
【0574】
添加剤は、改善された機械的特性、例えば、降伏強度、圧縮強度、引張強度、疲労強度、衝撃強度、弾性率、体積弾性率、又はせん断弾性率を有する生体試薬をもたらし得る。添加剤は、単に存在することによって(例えば、添加剤自体が混合物に強度を付与する)、又は添加剤相内若しくは得られた混合物内で起こる何らかの変換によって、機械的特性を改善することができる。例えば、ガラス化などの反応は、添加剤を含む生体試薬内で生じ得、それによって、最終強度を改善する。
【0575】
化学添加剤は、湿潤又は乾燥バイオマス原料に適用することができる。添加剤は、固体粉末、スプレー、ミスト、液体、又は蒸気として適用することができる。いくつかの実施形態では、添加剤を、液体溶液(水溶液又は溶媒中など)の噴霧によって、又はタンク、ビン、バッグ、若しくは他の容器内に浸漬することによって導入することができる。
【0576】
ある特定の実施形態では、浸漬前処理を用い、固体原料を、バッチ式又は連続式のいずれかで、固体供給材料へ添加剤を浸透させるのに十分な時間にわたって、添加剤を含む浴に浸漬する。
【0577】
いくつかの実施形態では、原料に適用される添加剤は、熱分解のためのエネルギー必要量を低減することができ、及び/又は炭素質製品の収率を増加させることができる。これらの又は他の実施形態では、原料に適用される添加剤は、炭素質製品の意図された使用に望ましい機能性を提供することができる。
【0578】
スループット又はプロセス容量は、小さな実験室規模のユニットから、任意のパイロット規模、実証規模、又は半商業的規模を含む完全な動作まで広く変動し得る。様々な実施形態では、プロセス能力(原料、製品、又は両方について)は、少なくとも約1kg/日、10kg/日、100kg/日、1トン/日(全てのトンはメートルトンである)、10トン/日、100トン/日、500トン/日、1000トン/日、2000トン/日であるか、又はそれより高い。
【0579】
いくつかの実施形態では、製造された固体を、プロセスのフロントエンドに、すなわち、乾燥若しくは脱気ユニットに、又は直接反応器に再循環させることができる。フロントエンドに戻り、再びプロセスを通過することによって、処理された固体は、固定炭素がより高くなり得る。プロセス内で生成又は存在する固体、液体、及びガス流を、独立的に再循環させることができるか、後続のステップに渡すことができるか、又は任意の時点でプロセスから除去/パージすることができる。
【0580】
いくつかの実施形態では、熱分解された材料は、回収され、次いで、更なる熱分解のために別個のユニットに供給されて、より高い炭素純度を有する製品を創出する(例えば、高固定炭素材料への低固定炭素材料の変換)。いくつかの実施形態では、二次プロセスは、加熱された不活性ガス(加熱されたN2など)が通過させられる鋼ドラムなどの単純な容器内で行うことができる。この目的に有用な他の容器は、プロセスタンク、バレル、ビン、トート、サック、及びロールオフを含む。揮発物を含むこの二次掃引ガスは、例えば、熱酸化装置に送ることができるか、又は主プロセス反応器に戻すことができる。最終製品を冷却するために、最初は例えば周囲温度である不活性ガスの別の流れを固体に通して固体を冷却し、次いで不活性ガス予熱システムに戻すことができる。
【0581】
いくつかの変形形態は、
(a)含炭素原料を導入するように構成された供給装置と、
(b)供給装置と動作可能に連通して配置され、含炭素原料中に含まれる水分を除去するように構成された任意選択的な乾燥機と、
(c)乾燥機と動作可能に連通して配置された多重ゾーン反応器であって、多重ゾーン反応器が、空間的に分離された冷却ゾーンと動作可能に連通して配置された少なくとも1つの熱分解ゾーンを含み、多重ゾーン反応器が、凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスを固体から除去するための出口を有するように構成されている、多重ゾーン反応器と、
(d)多重ゾーン反応器と動作可能に連通して配置された固体冷却器と、
(e)固体冷却器と動作可能に連通して配置された生体試薬回収ユニットと、を備える、生体試薬製造システムを利用する。
【0582】
いくつかの変形形態は、
(a)含炭素原料を導入するように構成された供給装置と、
(b)供給装置と動作可能に連通して配置され、含炭素原料中に含まれる水分を除去するように構成された任意選択的な乾燥機と、
(c)乾燥機と動作可能に連通して配置され、原料を加熱するように、かつ/又は穏やかに熱分解するように構成された任意選択的な予熱器と、
(d)予熱器と動作可能に連通して配置され、原料を熱分解するように構成された熱分解反応器と、
(e)熱分解反応器と動作可能に連通して配置され、熱分解固体を冷却するように構成された冷却器と、
(f)冷却器と動作可能に連通して配置された生体試薬回収ユニットと、を備える、生体試薬製造システムであって、
システムが、固体から凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスを除去するための少なくとも1つのガス出口を備えて構成されている、生体試薬製造システムを利用する。
【0583】
供給装置は、供給固体を第1の反応ゾーンに導入するためのスクリュー供給装置又はオーガ機構の使用などによって、多重ゾーン反応器と物理的に統合することができる。
【0584】
いくつかの実施形態では、システムは、熱分解ゾーンと動作可能に連通して配置された予熱ゾーンを更に含む。熱分解ゾーン、冷却ゾーン、及び予熱ゾーン(それが存在する)の各々は、単一のユニット内に位置し得るか、又は別々のユニット内に位置し得る。
【0585】
いくつかの実施形態では、乾燥機は、多重ゾーン反応器内の乾燥ゾーンとして構成され得る。いくつかの実施形態では、固体冷却器は、多重ゾーン反応器内に配置することができる(すなわち、追加の冷却ゾーンとして構成されるか、又は主冷却ゾーンと統合される)。
【0586】
システムは、システムから酸素を除去するためのパージ手段を備え得る。例えば、パージ手段は、実質的に不活性なガスを導入するための1つ以上の入口と、実質的に不活性なガス及び置換された酸素をシステムから除去するための1つ以上の出口と、を備え得る。いくつかの実施形態では、パージ手段は、乾燥機と多重ゾーン反応器との間に動作可能に連通して配置された脱気装置である。
【0587】
いくつかの実施形態では、多重ゾーン反応器は、少なくとも第1のガス入口及び第1のガス出口を備えて構成されている。第1のガス入口及び第1のガス出口を、異なるゾーン又は同じゾーンと連通して配置することができる。
【0588】
いくつかの実施形態では、多重ゾーン反応器は、第2のガス入口及び/又は第2のガス出口を備えて構成されている。いくつかの実施形態では、多重ゾーン反応器は、第3のガス入口及び/又は第3のガス出口を備えて構成されている。いくつかの実施形態では、多重ゾーン反応器は、第4のガス入口及び/又は第4のガス出口を備えて構成されている。いくつかの実施形態では、多重ゾーン反応器内に存在する各ゾーンは、ガス入口及びガス出口を備えて構成されている。
【0589】
ガス入口及び出口は、蒸気の導入及び取り出しを可能にするのみならず、特にガス出口(プローブ)は、プロセスの全ての段階まで、及び潜在的にプロセスの全ての段階を含む、プロセスの様々な段階にわたる正確なプロセス監視及び制御を可能にする。正確なプロセス監視は、動作履歴を利用してプロセス条件を調節することができる場合、動的にも、ある期間にわたっても、歩留まり及び効率の改善をもたらすことが予想される。
【0590】
ある特定の実施形態では、反応ガスプローブは、熱分解ゾーンと動作可能に連通して配置されている。そのような反応ガスプローブは、反応の程度、熱分解選択性、又は他のプロセス監視を決定するために、ガスを抽出し、これらを分析するのに有用であり得る。次いで、測定に基づいて、プロセスは、供給速度、不活性ガス掃引の速度、(1つ以上のゾーンの)温度、(1つ以上のゾーンの)圧力、添加剤などを調節することによってなど、任意の数の方法で制御又は調節することができる。
【0591】
本明細書で意図されるように、反応ガスプローブを介した「監視及び制御」は、反応ガスプローブを介した任意の1つ以上のサンプル抽出を含み、及びいくつかの実施形態では、必要又は望ましいとみなされる場合、プロセス制御の周知の原理(フィードバック、フィードフォワード、比例積分微分論理など)を使用して、測定に基づいてプロセス作成又は設備調節を行うことを含むように解釈されるべきである。
【0592】
反応ガスプローブは、多くの方法でガスサンプルを取り出すように構成することができる。例えば、サンプリングラインは、熱分解反応器圧力よりも低い圧力を含む場合があり、その結果、サンプリングラインが開かれると、ある量のガスを熱分解ゾーンから容易に取り出すことができる。サンプリングラインは、熱分解ゾーンが大気圧に近い場合など、真空下であり得る。典型的には、反応ガスプローブは、1つのガス出力又はその一部(例えば、ガス出力ラインから分岐したライン)と関連付けられる。
【0593】
いくつかの実施形態では、ガス入力及びガス出力の両方が、不活性ガスをゾーンに周期的に導入し、不活性ガスをプロセスサンプルとともにガス出力から引き出す(「サンプル掃引」)ことによって、反応ガスプローブとして利用される。そのような構成は、処理のための実質的に不活性なガスのためのガス入口/出口を含まないゾーンで使用することができるか、又は、反応ガスプローブは、プロセス入口及び出口に加えて、別々のガス入口/出口と関連付けることができる。(サンプル掃引を利用する実施形態では)サンプリングのために周期的に導入及び取り出されるサンプリング不活性ガスは、所望であれば、分析の精度の理由から、又は分析トレーサーを導入するためのいずれかにより、プロセス不活性ガスとは異なる場合がある。
【0594】
例えば、熱分解ゾーンの気相中の酢酸濃度は、サンプルを抽出するためのガスプローブを使用して測定することができ、次いで、サンプルは、好適な技術(ガスクロマトグラフィー、GC;質量分析、MS;GC-MS、又はフーリエ変換赤外分光法、FTIRなど)を使用して分析される。ガス相中のCO及び/又はCO2濃度を測定し、例えば、ガス/蒸気に対する熱分解選択性の指標として使用することができる。気相中のテルペン濃度を測定し、例えば、液体に対する熱分解選択性の指標として使用することができる。
【0595】
いくつかの実施形態では、システムは、冷却ゾーン、又は乾燥ゾーン(存在する場合)若しくは予熱ゾーン(存在する場合)と動作可能に連通して配置された少なくとも1つの追加のガスプローブを更に備える。
【0596】
冷却ゾーン用のガスプローブは、例えば、冷却ゾーン中で起こる任意の追加の化学反応の程度を決定するのに有用であり得る。冷却ゾーン中のガスプローブは、(例えば、冷却ゾーン内に配置された熱電対に加えて)温度の独立した測定としても有用であり得る。この独立した測定は、冷却温度と特定の種の測定された量との相関であり得る。相関は、別々に展開され得るか、又はプロセス動作のある期間の後に確立され得る。
【0597】
乾燥ゾーン用のガスプローブは、例えば水分含有量を測定することによって、乾燥の程度を決定するのに有用であり得る。予熱ゾーン中のガスプローブは、例えば、起こる任意の穏やかな熱分解の程度を決定するのに有用であり得る。
【0598】
ある特定の実施形態では、冷却ゾーンは、ガス入口を備えて構成されており、熱分解ゾーンは、ガス出口を備えて構成されて、固相に対して気相の実質的に向流の流れを生成する。代替的に又は追加的に、予熱ゾーン(存在する場合)は、ガス出口を備えて構成されて、固相に対して気相の実質的に向流の流れを生成することができる。代替的に又は追加的に、乾燥ゾーンは、ガス出口を備えて構成されて、実質的に向流の流れを生成することができる。
【0599】
1つ又は複数の熱分解反応器は、熱分解プロセスを実施することができる任意の好適な反応器構成から選択することができる。例示的な反応器構成は、固定床反応器、流動床反応器、噴流床反応器、オーガ、アブレーション反応器、回転コーン、回転ドラムキルン、か焼器、ロースター、移動床反応器、輸送床反応器、アブレーション反応器、回転コーン、又はマイクロ波支援熱分解反応器を含むが、これらに限定されることはない。
【0600】
オーガが使用されるいくつかの実施形態では、砂又は別の熱キャリアを用いることができる。例えば、原料及び砂は、スクリューの一端で供給することができる。スクリューは、砂と原料とを混合し、これらを、反応器を通して搬送する。スクリューは、原料滞留時間の良好な制御を提供することができ、熱分解生成物をキャリア又は流動化ガスで希釈しない。砂は、別々の容器で再加熱することができる。
【0601】
アブレーションプロセスが使用されるいくつかの実施形態では、原料は、溶銑表面に対して高速で移動させられる。表面に形成される任意のチャーのアブレーションは、高い熱伝達率を維持することができる。そのような装置は、製品の希釈を防止することができる。別法として、原料粒子をキャリアガス中に懸濁させ、壁が加熱されたサイクロンを通して高速で導入することができる。
【0602】
流動床反応器が使用されるいくつかの実施形態では、原料は、典型的には再循環生成ガスであるガスによって流動化された高温砂の床に導入することができる。本明細書における「砂」への言及は、ガラス粒子、回収された灰粒子などの同様の実質的に不活性な材料も含むものとする。流動砂からの高い熱伝達率は、原料の急速な加熱をもたらすことができる。砂粒子との摩擦によるいくらかのアブレーションがあり得る。熱は、通常、高温燃焼ガスが流れる熱交換器管によって提供される。
【0603】
ガス、砂、及び原料が一緒に移動する循環流動床反応器を用いることができる。例示的な輸送ガスは、再循環生成ガス及び燃焼ガスを含む。砂からの高い熱伝達率は、原料の急速な加熱を確実にし、アブレーションは、通常の流動床よりも強いと予想される。分離機を用いて、製品ガスを砂及びチャー粒子から分離することができる。砂粒子は、流動バーナー容器内で再加熱し、反応器に再循環させることができる。
【0604】
いくつかの実施形態では、多重ゾーン反応器は、原料入口と、反応ゾーンの各々内の温度及び混合を別々に制御するように構成された複数の空間的に分離された反応ゾーンと、炭素質固体出口と、を備える連続反応器であり、反応ゾーンのうちの1つは、実質的に不活性なガスを反応器に導入するための第1のガス入口を備えて構成されており、反応ゾーンのうちの1つは、第1のガス出口を備えて構成されている。
【0605】
様々な実施形態では、反応器は、少なくとも2つ、3つ、4つ、又はそれより多くの反応ゾーンを含む。反応ゾーンの各々は、電気熱伝達、蒸気熱伝達、熱油熱伝達、相変化熱伝達、廃熱熱伝達、又はそれらの組み合わせを含む群から独立的に選択される別々に調節可能な加熱手段と連通して配置されている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの反応器ゾーンは、存在する場合、熱酸化装置からの流出流で加熱される。
【0606】
反応器は、反応器内に存在する全ての反応ゾーンまでの及び反応器内に存在する全ての反応ゾーンを含む、少なくとも2つの反応ゾーンの気相組成及び気相滞留時間を別々に調節するように構成することができる。
【0607】
反応器は、第2のガス入口及び/又は第2のガス出口を装備することができる。いくつかの実施形態では、反応器は、各反応ゾーンにガス入口を備えて構成されている。これらの又は他の実施形態では、反応器は、各反応ゾーンにガス出口を備えて構成されている。反応器は、並流又は向流反応器であり得る。
【0608】
いくつかの実施形態では、原料入口は、スクリュー又はオーガ供給機構を備える。いくつかの実施形態では、炭素質固体出口は、スクリュー又はオーガ出力機構を備える。
【0609】
ある特定の実施形態は、スクリュー供給装置を備えた回転か焼器を利用する。これらの実施形態では、反応器は、軸方向に回転可能であり、すなわち、反応器は、その中心軸を中心に回転する。回転速度は、固体流れパターン、並びに熱及び質量輸送に影響を与える。反応ゾーンの各々は、固体の撹拌を提供するように、内壁上に配置されたフライトを備えて構成され得る。フライトは、反応ゾーンの各々において別々に調節可能であり得る。
【0610】
オーガ、スクリュー、又はパドルコンベヤなどの固体を撹拌する他の手段を用いることができる。いくつかの実施形態では、反応器は、反応ゾーンの各々の全体にわたって配置された単一の連続オーガを含む。他の実施形態では、反応器は、反応ゾーンの各々の全体にわたって配置された二軸スクリューを含む。
【0611】
いくつかのシステムは、特に、プロセス全体にわたって供給材料のおおよそのサイズを維持する能力、すなわち、その構造を破壊又は著しく損傷することなくバイオマス原料を処理する能力を伴って設計される。いくつかの実施形態では、熱分解ゾーンは、熱分解される供給材料のサイズを大幅に減少させる傾向があるオーガ、スクリュー、又はレーキを含まない。
【0612】
いくつかの実施形態では、システムは、凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスが除去される出口と動作可能に連通して配置された熱酸化装置を更に含む。いくつかの実施形態では、熱酸化装置は、別々の燃料(天然ガスなど)及び酸化剤(空気など)を、燃料及び少なくとも凝縮性蒸気を燃焼させるように適合された燃焼室に受け入れるように構成されている。CO又はCH4などの特定の非凝縮性ガスも酸化してCO2にすることができる。
【0613】
熱酸化装置を用いる場合、システムは、燃焼の熱を乾燥機に利用するように構成された、熱酸化装置と乾燥機との間に配置された熱交換器を含み得る。この実施形態は、プロセスの全体的なエネルギー効率に著しく寄与することができる。
【0614】
いくつかの実施形態では、システムは、固体冷却器と動作可能に連通して配置され、少なくとも部分的に凝縮した形態の凝縮性蒸気を固体と組み合わせるように構成された炭素強化ユニットを更に備える。炭素強化ユニットは、回収ユニットから得られる生体試薬の炭素含有量を増加させ得る。
【0615】
システムは、生体試薬を更に熱分解してその炭素含有量を更に増加させるように適合された別々の熱分解ユニットを更に備え得る。別々の熱分解ユニットは、タンク、バレル、ビン、ドラム、トート、サック、又はロールオフなどの単純な容器、ユニット、又はデバイスであり得る。
【0616】
システム全体は、固定位置にあってもよいか、又はいくつかの位置に分布していてもよい。システムは、実際のスケールアップのために簡単に複製することができるモジュールを使用して構築することができる。システムはまた、プロセス産業において周知であるように、経済規模原理を使用して構築することができる。
【0617】
これより、固体の炭素強化に関するいくつかの変形形態を更に説明する。いくつかの実施形態では、生体試薬を製造するためのプロセスは、
(a)バイオマスを含む含炭素原料を提供することと、
(b)熱分解ゾーンにおいて、実質的に不活性なガスの存在下で、少なくとも10分間及び少なくとも約250℃~最大約700℃から選択される熱分解温度で、原料を熱分解して、高温熱分解固体、凝縮性蒸気、及び非凝縮性ガスを生成することと、
(c)高温熱分解固体から少なくとも凝縮性蒸気及び少なくとも非凝縮性ガスを分離することと、
(d)冷却ゾーンにおいて、実質的に不活性なガスの存在下で、少なくとも5分間及び熱分解温度未満の冷却温度で、高温熱分解固体を冷却して、温かい熱分解固体を生成することと、
(e)その後、ステップ(e)からの少なくとも凝縮性蒸気及び/又は少なくとも非凝縮性ガスを、温かい熱分解固体及び/又は低温の熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を形成することと、
(f)少なくとも強化熱分解固体を含む生体試薬を回収することと、を含む。
プロセスは、
(g)原料を乾燥させて、原料中に含まれる少なくとも水分を除去すること、
(h)原料を脱気して、存在する場合、原料中に含まれる少なくとも格子間酸素を除去すること、及び/又は
(i)温かい熱分解固体を冷却して、低温の熱分解固体を生成することと、を更に含み得る。
【0618】
いくつかの実施形態では、ステップ(h)は、ステップ(e)からの少なくとも凝縮性蒸気を、蒸気及び/又は凝縮形態で、温かい熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を製造することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(h)は、ステップ(e)からの少なくとも非凝縮性ガスを温かい熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を製造することを含む。
【0619】
代替的に又は追加的に、蒸気又はガスを低温の熱分解固体と接触させることができる。いくつかの実施形態では、ステップ(h)は、ステップ(e)からの少なくとも凝縮性蒸気を、蒸気及び/又は凝縮形態で、低温の熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を製造することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ(h)は、ステップ(e)からの少なくとも非凝縮性ガスを低温の熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を製造することを含む。
【0620】
ある特定の実施形態では、ステップ(h)は、ステップ(e)からの凝縮性蒸気の実質的に全てを、蒸気及び/又は凝縮形態で、低温の熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を製造することを含む。ある特定の実施形態では、ステップ(h)は、ステップ(e)からの非凝縮性ガスの実質的に全てを、低温の熱分解固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化熱分解固体を製造することを含む。
【0621】
プロセスは、炭素強化のために蒸気又はガスを使用する前に蒸気又はガスを処理又は分離する様々な方法を含み得る。例えば、ステップ(e)から得られた少なくとも凝縮性蒸気及び少なくとも非凝縮性ガスを含む中間供給流は、少なくとも第1及び第2の出力流を生成するように構成された分離ユニットに供給することができる。ある特定の実施形態では、中間供給流は、凝縮性蒸気の全て、非凝縮性ガスの全て、又はその両方を含む。
【0622】
分離技術は、蒸留カラム、フラッシュ容器、遠心分離機、サイクロン、膜、フィルタ、充填床、キャピラリーカラムなどを含むか、又は使用することができる。分離は、主に、例えば、蒸留、吸収、吸着、又は拡散に基づくことができ、蒸気圧、活性、分子量、密度、粘度、極性、化学官能性、固定相への親和性、及びそれらの任意の組み合わせにおける差異を利用することができる。
【0623】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の出力流は、相対揮発度に基づいて中間供給流から分離される。例えば、分離ユニットは、蒸留カラム、フラッシュタンク、又は凝縮器であり得る。
【0624】
したがって、いくつかの実施形態では、第1の出力流は、凝縮性蒸気を含み、第2の出力流は、非凝縮性ガスを含む。凝縮性蒸気は、テルペン、アルコール、酸、アルデヒド、又はケトンから選択される少なくとも1つの含炭素化合物を含み得る。熱分解からの蒸気は、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、及びキシレンなどの芳香族化合物を含み得る。難分解性タールなどのより重い芳香族化合物が蒸気中に存在し得る。非凝縮性ガスは、一酸化炭素、二酸化炭素、及びメタンを含む群から選択される少なくとも1つの含炭素分子を含み得る。
【0625】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の出力流は、相対的な極性に基づいて分離された中間供給流である。例えば、分離ユニットは、ストリッピングカラム、充填床、クロマトグラフィーカラム、又は膜であり得る。
【0626】
したがって、いくつかの実施形態では、第1の出力流は、極性化合物を含み、第2の出力流は、非極性化合物を含む。極性化合物は、メタノール、フルフラール、及び酢酸を含む群から選択される少なくとも1つの含炭素分子を含み得る。非極性化合物は、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、テルペン、及びテルペン誘導体を含む群から選択される少なくとも1つの含炭素分子を含み得る。
【0627】
ステップ(h)は、ステップ(h)なしという点以外は同一のプロセスに対して、生体試薬の総炭素含有量を増加させ得る。炭素含有量の増加の程度は、様々な実施形態では、例えば、約1%、2%、5%、10%、15%、25%、又は更にそれ以上であり得る。
【0628】
いくつかの実施形態では、ステップ(h)は、生体試薬の固定炭素含有量を増加させる。これらの又は他の実施形態では、ステップ(h)は、生体試薬の揮発性炭素含有量を増加させる。揮発性炭素含有量は、試薬中の揮発性物質に起因する炭素である。揮発性物質は、脂肪族又は芳香族化合物(例えば、テルペン);アルコール、アルデヒド、又はケトンを含む酸素化物;及び様々なタールを含む炭化水素であり得るが、これらに限定されることはない。揮発性炭素は、典型的には、周囲条件で固体に結合又は吸着されたままであるが、加熱されると、固定炭素が酸化されるか、ガス化されるか、又は他の方法で蒸気として放出される前に、放出される。
【0629】
ステップ(h)に関連する条件に応じて、いくらかの量の揮発性炭素が固定炭素になることが可能である(例えば、COからのブードア炭素形成を介して)。典型的には、揮発性物質は、固定炭素のミクロ細孔に入り、凝縮/吸着種として存在するが、揮発性のままである。この残留揮発性は、高い表面積及び多孔性を必要とする製品用途と比較して、燃料用途にとってより有利であり得る。
【0630】
ステップ(h)は、生体試薬のエネルギー含有量(すなわち、エネルギー密度)を増加させることができる。エネルギー含有量の増加は、総炭素、固定炭素、揮発性炭素、又は更に水素の増加から生じ得る。エネルギー含有量の増加の程度は、様々な実施形態では、例えば、約1%、2%、5%、10%、15%、25%、又は更に高いものであり得る。
【0631】
更なる分離を用いて、プロセス又は更なる処理内で使用するために、1つ以上の非凝縮性ガス又は凝縮性蒸気を回収することができる。例えば、精製された一酸化炭素及び/又は水素を生成するために、更なる処理を含めることができる。
【0632】
別の例として、酢酸の分離を行い、続いて酢酸をエタノールに還元することができる。酢酸の還元は、少なくとも部分的に、製造された非凝縮性ガスに由来する水素を使用して実現することができる。
【0633】
凝縮性蒸気は、生体試薬の炭素含有量を増加させるために、プロセス(熱酸化などによる)又は炭素濃縮のいずれかにおけるエネルギーのために使用することができる。CO又はCH4などのある特定の非凝縮性ガスは、プロセスにおけるエネルギーのために、又は熱分解ステップのための実質的に不活性なガスの一部として利用することができる。また、前述のものの任意の組み合わせも可能である。
【0634】
ステップ(h)を含むことの潜在的な利点は、ガス流が洗浄され、得られるガス流がCO及びCO2について濃縮されていることである。得られたガス流は、エネルギー回収のために利用することができ、固体の炭素濃縮のために再循環させることができ、かつ/又は反応器内で不活性ガスとして使用することができる。同様に、凝縮性蒸気から非凝縮性ガスを分離することによって、CO/CO2流は、例えば、反応器システム又は冷却システムにおける不活性ガスとしての使用のために調製される。
【0635】
他の変形形態は、炭素強化ステップの原理が、炭素を添加することが所望される任意の原料に適用され得るという認識を前提としている。
【0636】
いくつかの実施形態では、生体試薬を製造するためのバッチ又は連続プロセスは、
(a)含炭素材料を含む固体流を提供することと、
(b)凝縮性含炭素蒸気、非凝縮性含炭素ガス、又は凝縮性含炭素蒸気と非凝縮性含炭素ガスとの混合物を含むガス流を提供することと、
(c)ガス流を好適な条件下で固体流を通過させて、含炭素材料に対して増加した炭素含有量を有する含炭素製品を形成することと、を含む。
【0637】
いくつかの実施形態では、出発含炭素材料は、熱分解バイオマス又は焙焼バイオマスである。ガス流は、含炭素材料を提供する統合プロセスの間に得ることができる。又は、ガス流は、含炭素材料の別々の処理から得ることができる。ガス流は、外部供給源(例えば、製材所のオーブン)から得ることができる。様々な供給源からのガス流の混合物、並びに含炭素材料の混合物が可能である。
【0638】
いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスを繰り返して、含炭素製品の炭素及び/又はエネルギー含有量を更に増加させる、ガス流を再循環又は再利用することを更に含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスを実施して、含炭素材料とは異なる別の原料の炭素及び/又はエネルギー含有量を増加させる、ガス流を再循環又は再利用することを更に含む。
【0639】
いくつかの実施形態では、プロセスは、少なくとも第1及び第2の出力流を生成するように構成された分離ユニットにガス流を導入することを更に含み、ガス流は、凝縮性含炭素蒸気と非凝縮性含炭素ガスとの混合物を含む。第1及び第2の出力流は、相対揮発度、相対極性、又は任意の他の特性に基づいて分離することができる。ガス流は、含炭素材料の別々の処理から得ることができる。
【0640】
いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスを繰り返して、含炭素製品の炭素含有量を更に増加させる、ガス流を再循環又は再利用することを更に含む。いくつかの実施形態では、プロセスは、プロセスを実施して、別の原料の炭素含有量を増加させる、ガス流を再循環又は再利用することを更に含む。
【0641】
含炭素製品は、出発含炭素材料に対して、増加した総炭素含有量、より高い固定炭素含有量、より高い揮発性炭素含有量、より高いエネルギー含有量、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0642】
関連する変形形態では、生体試薬製造システムは、
(a)含炭素原料を導入するように構成された供給装置と、
(b)供給装置と動作可能に連通して配置され、含炭素原料中に含まれる水分を除去するように構成された任意選択的な乾燥機と、
(c)乾燥機と動作可能に連通して配置された多重ゾーン反応器であって、多重ゾーン反応器が、空間的に分離された冷却ゾーンと動作可能に連通して配置された少なくとも1つの熱分解ゾーンを含み、多重ゾーン反応器が、凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスを固体から除去するための出口を有するように構成されている、多重ゾーン反応器と、
(d)多重ゾーン反応器と動作可能に連通して配置された固体冷却器と、
(e)固体冷却器と動作可能に連通して配置され、凝縮性蒸気及び/又は非凝縮性ガスを固体に通過させて、炭素含有量が増加した強化固体を形成するように構成された材料濃縮ユニットと、
(f)材料濃縮ユニットと動作可能に連通して配置された生体試薬回収ユニットと、を備える。
【0643】
システムは、熱分解ゾーンと動作可能に連通して配置された予熱ゾーンを更に含み得る。いくつかの実施形態では、乾燥機は、多重ゾーン反応器内の乾燥ゾーンとして構成されている。ゾーンの各々は、単一のユニット内又は別々のユニット内に位置し得る。また、固体冷却器を多重ゾーン反応器内に配置することができる。
【0644】
いくつかの実施形態では、冷却ゾーンは、ガス入口を備えて構成されており、熱分解ゾーンは、ガス出口を備えて構成されて、固相に対する気相の実質的に向流の流れを生成する。これらの又は他の実施形態では、予熱ゾーン及び/又は乾燥ゾーン(若しくは乾燥機)は、固相に対して気相の実質的に向流の流れを生成するようにガス出口を備えて構成されている。
【0645】
特定の実施形態では、システムは、材料濃縮ユニットを組み込み、材料濃縮ユニットは、
(i)上部部分及び下部部分を有するハウジングと、
(ii)凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスを運ぶように構成された、ハウジングの下部部分の底部にある入口と、
(iii)凝縮性蒸気及び非凝縮性ガスに由来する濃縮ガス流を運ぶように構成された、ハウジングの上部部分の頂部にある出口と、
(iv)ハウジングの上部部分と下部部分との間に画定された経路と、
(v)経路に続く輸送システムであって、輸送システムが、固体を輸送するように構成されており、ハウジングが、固体が凝縮性蒸気及び/又は非凝縮性ガスを吸着するように成形されている、輸送システムと、を備える。
【0646】
本技術は、生体試薬として有用な種々の組成物、及びそのような試薬を組み込んだ製品を製造することができる。いくつかの変形形態では、生体試薬は、本明細書に開示されている任意のプロセス、例えば、
(a)バイオマスを含む含炭素原料を提供するステップと、
(b)熱分解ゾーンにおいて、実質的に不活性なガスの存在下で、少なくとも10分間及び少なくとも約250℃~最大約700℃から選択される熱分解温度で、原料を熱分解して、高温熱分解固体、凝縮性蒸気、及び非凝縮性ガスを生成するステップと、
(c)高温熱分解固体から少なくとも凝縮性蒸気及び少なくとも非凝縮性ガスを分離するステップと、
(d)冷却ゾーンにおいて、実質的に不活性なガスの存在下で、少なくとも5分間及び熱分解温度未満の冷却温度で、高温熱分解固体を冷却して、温かい熱分解固体を生成するステップと、
(e)温かい熱分解固体を冷却して、低温の熱分解固体を生成するステップと、
(f)少なくとも低温の熱分解固体を含む生体試薬を回収するステップと、を含む、プロセスによって製造される。
いくつかの実施形態では、プロセスは、
(g)原料を乾燥させて、原料中に含まれる少なくとも水分を除去するステップ、及び/又は、
(h)原料を脱気して、存在する場合、原料中に含まれる少なくとも格子間酸素を除去するステップ、を更に含む。
【0647】
いくつかの実施形態では、試薬は、乾燥ベースで約少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%の総炭素を含む。総炭素は、少なくとも固定炭素を含み、揮発性物質からの炭素を更に含み得る。いくつかの実施形態では、揮発性物質からの炭素は、生体試薬中に存在する総炭素の約少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、又は少なくとも50%である。例えば、固定炭素は、ASTM D3172を使用して測定することができ、揮発性炭素は、ASTM D3175を使用して測定することができる。
【0648】
生体試薬は、乾燥ベースで約10重量%以下、例えば約5重量%以下の水素を含み得る。生体試薬は、乾燥ベースで約1重量%以下、例えば約0.5重量%以下の窒素を含み得る。生体試薬は、乾燥ベースで約0.5重量%以下、例えば約0.2重量%以下のリンを含み得る。生体試薬は、乾燥ベースで約0.2重量%以下、例えば約0.1重量%以下の硫黄を含み得る。
【0649】
炭素、水素、及び窒素は、例えば、元素分析のためのASTM D5373を使用して測定することができる。酸素は、例えば、ASTM D3176を使用して測定することができる。硫黄は、例えば、ASTM D3177を使用して測定することができる。
【0650】
ある特定の実施形態は、水素(存在し得る任意の水分を除く)、窒素、リン、若しくは硫黄をほとんど又は本質的に含まず、実質的に炭素に加えて任意の灰及び存在する水分である試薬を提供する。したがって、いくつかの実施形態は、乾燥/無灰(DAF)ベースで100%までの及び100%を含む炭素を有する生体試薬を提供する。
【0651】
一般に言えば、バイオマスなどの原料は、熱分解中に容易に放出されない、シリカ及び様々な金属を含む不揮発性種を含む。もちろん、無灰原料を利用することも可能であり、この場合、熱分解固体中に実質的な量の灰があるべきではない。灰は、例えば、ASTM D3174を使用して測定することができる。
【0652】
灰などの様々な量の不燃性物質が存在し得る。生体試薬は、乾燥ベースで約10重量%以下、例えば、約5重量%、約2重量%、約1重量%以下の不燃性物質を含み得る。ある特定の実施形態では、試薬は、灰をほとんど含まないか、又は灰若しくは他の不燃性物質を本質的に全く含まない。したがって、いくつかの実施形態は、乾燥ベースで100%の炭素を含む本質的に純粋な炭素を提供する。
【0653】
様々な量の水分が存在し得る。総質量ベースで、生体試薬は、少なくとも1重量%、2重量%、5重量%、10重量%、15重量%、25重量%、35重量%、50重量%、又はそれより多くの水分を含み得る。本明細書で意図される場合、「水分」は、吸収された水分、吸着された水分子、化学的水和物、及び物理的水和物を含む、生体試薬中に存在する任意の形態の水を含むと解釈されるべきである。平衡含水量は、相対湿度などの少なくとも局所環境によって変動し得る。また、水分は、輸送、使用準備、及び他の物流中に変動し得る。水分は、例えば、ASTM D3173を使用して測定することができる。
【0654】
生体試薬は、本目的では絶乾試薬の全燃焼に関連するより高い発熱量に基づくエネルギー密度を意味する、様々なエネルギー含有量を含み得る。例えば、生体試薬は、約少なくとも11,000Btu/lb、少なくとも12,000Btu/lb、少なくとも13,000Btu/lb、少なくとも14,000Btu/lb、又は少なくとも15,000Btu/lbのエネルギー含有量を有し得る。ある特定の実施形態では、エネルギー含有量は、約14,000~15,000Btu/lbである。エネルギー含有量は、例えば、ASTM D5865を使用して測定することができる。
【0655】
生体試薬は、粗粉末又は微粉末などの粉末に形成することができる。例えば、試薬は、実施形態では、約200メッシュ、約100メッシュ、約50メッシュ、約10メッシュ、約6メッシュ、約4メッシュ、又は約2メッシュの平均メッシュサイズを有する粉末に形成することができる。
【0656】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、圧縮された、結合された、又は凝集された粒子を含む構造物体に形成される。これらの物体を形成するための出発材料は、粒子サイズ縮小によって得られる中間体などの試薬の粉末形態であり得る。物体は、機械的プレス又は他の力によって、形成することができる。いくつかの実施形態では、物体は、機械的プレス又は他の力によって、結合剤又は粒子を一緒に凝集させる他の手段を用いて形成することができる。
【0657】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、その構造が原料に実質的に由来する構造物体の形態で製造される。例えば、原料チップは、生体試薬の生成物チップを生成し得る。又は、原料シリンダは、生体試薬シリンダを生成し得、これは、いくらかより小さくてもよいが、そうではない場合、出発材料の基本構造及び幾何学的形状を維持することができる。
【0658】
生体試薬は、少なくとも約1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、又はそれよりも大きな最小寸法を含む物体として生成され得るか、又はそのような物体に形成され得る。様々な実施形態では、最小寸法又は最大寸法は、長さ、幅、又は直径であり得る。
【0659】
他の変形形態は、プロセスへの、製品への、又はその両方への添加剤の組み込みに関する。いくつかの実施形態では、生体試薬は、プロセス中に組み込まれる少なくとも1つのプロセス添加剤を含む。これらの又は他の実施形態では、試薬は、プロセス後に試薬に導入される少なくとも1つの製品添加剤を含む。
【0660】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、乾燥ベースで、
70重量%以上の総炭素と、
5重量%以下の水素と、
1重量%以下の窒素と、
0.5重量%以下のリンと、
0.2重量%以下の硫黄と、
金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又はそれらの組み合わせから選択される添加剤と、を含む。
【0661】
添加剤は、決して限定されないが、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、塩化鉄、臭化鉄、酸化マグネシウム、ドロマイト、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0662】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、乾燥ベースで、
70重量%以上の総炭素と、
5重量%以下の水素と、
1重量%以下の窒素と、
0.5重量%以下のリンと、
0.2重量%以下の硫黄と、
酸、塩基、又はそれらの塩から選択される添加剤と、を含む。
【0663】
添加剤は、決して限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、又はそれらの組み合わせから選択することができる。
【0664】
ある特定の実施形態では、生体試薬は、乾燥ベースで、
70重量%以上の総炭素と、
5重量%以下の水素と、
1重量%以下の窒素と、
0.5重量%以下のリンと、
0.2重量%以下の硫黄と、
金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又はそれらの組み合わせから選択される第1の添加剤と、
酸、塩基、又はそれらの塩から選択される第2の添加剤と、を含み、
第1の添加剤は、第2の添加剤とは異なる。
【0665】
第1の添加剤は、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、塩化鉄、臭化鉄、酸化マグネシウム、ドロマイト、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、又はそれらの組み合わせから選択することができ、第2の添加剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、又はそれらの組み合わせから独立的に選択することができる。
【0666】
ある特定の実施形態では、生体試薬は、乾燥ベースで、炭素、水素、窒素、リン、硫黄、不燃性物質、並びにマグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、塩化鉄、臭化鉄、酸化マグネシウム、ドロマイト、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される添加剤から本質的になる。
【0667】
ある特定の実施形態では、生体試薬は、乾燥ベースで、炭素、水素、窒素、リン、硫黄、不燃性物質、並びに水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化マグネシウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される添加剤から本質的になる。
【0668】
添加剤(又は全添加剤)の量は、約0.1重量%、約1重量%、約5重量%、約10重量%、又は約20重量%を含む、少なくとも約0.01重量%~最大約25重量%など、広く変動し得る。したがって、約1重量%超などの大量の添加剤が組み込まれる場合、全試薬重量(添加剤を含む)に基づいて計算されるエネルギー含有量が減少することが理解されよう。更に、様々な実施形態では、添加剤を有する生体試薬は、約少なくとも11,000Btu/lb、少なくとも12,000Btu/lb、少なくとも13,000Btu/lb、少なくとも14,000Btu/lb、又は少なくとも15,000Btu/lbのエネルギー含有量を有し得る。
【0669】
製品形態に関する上記の考察は、添加剤を組み込む実施形態にも適用される。実際、ある特定の実施形態は、特定の用途のための最終特性を向上させるために、結合剤、フラックス剤、又は他の改質剤として添加剤を組み込む。
【0670】
ある特定の実施形態では、生体試薬に含有される炭素の大部分は、再生可能な炭素として分類される。いくつかの実施形態では、実質的に全ての炭素が再生可能な炭素として分類される。価値が生体試薬内の再生可能な炭素含有量に起因するある特定の市場機構(例えば、再生可能識別番号、税額控除など)があり得る。
【0671】
ある特定の実施形態では、固定炭素は、非再生可能な炭素(例えば、石炭由来)として分類することができ、一方、別々に添加することができる揮発性炭素は、エネルギー含有量のみならず再生可能な炭素価も増加させるために再生可能な炭素とすることができる。
【0672】
本明細書に記載されているように製造される生体試薬は、多種多様な炭素質製品に有用である。生体試薬は、それ自体望ましい市場製品であり得る。本明細書で提供されるような生体試薬は、技術水準と比較して、より低いレベルの不純物、低減されたプロセス排出物、及び改善された持続可能性(より高い再生可能な炭素含有量を含む)と関連付けられる。
【0673】
変形形態では、製品は、開示されているプロセスによって得ることができるか若しくは本明細書に示される組成物に記載されている生体試薬のいずれか、又はそれらの任意の部分、組み合わせ、若しくは誘導体を含む。
【0674】
一般に言えば、生体試薬は、エネルギー(電気及び熱を含む)を生成するために燃焼され得るか;合成ガスを生成するために部分的に酸化、ガス化、若しくは水蒸気改質され得るか;それらの吸着若しくは吸収特性のために利用され得るか;金属精製(金属酸化物の還元など)若しくは他の工業処理中のそれらの反応特性のために利用され得るか;又は炭素鋼及び様々な他の金属合金におけるそれらの材料特性のために利用され得る。本質的に、生体試薬は、開発すべき特殊使用を含む、炭素系商品又は先端材料の任意の市場用途に利用され得る。
【0675】
任意の製品用途における適合性又は実際の使用の前に、開示されている生体試薬は、様々な方法で分析及び測定することができる。いくつかの実施形態では、開示されている生体試薬は、様々な方法で(添加剤などによって)更に改変することができる。化学組成及びエネルギー含有量以外の潜在的に重要ないくつかの特性としては、いくつかの特性を挙げると、密度、粒子サイズ、表面積、ミクロ多孔性、吸収性、吸着性、結合能、反応性、脱硫活性、及び塩基性が挙げられる。
【0676】
これらの生体試薬を組み込むことができる製品又は材料としては、炭素系高炉付加製品、炭素系タコナイトペレット付加製品、取鍋添加炭素系製品、メトコークス炭素系製品、石炭代替製品、炭素系コーキング製品、炭素ブリーズ製品、流動床炭素系原料、炭素系炉付加製品、注入可能炭素系製品、微粉炭素系製品、ストーカー炭素系製品、炭素電極、又は活性炭製品が挙げられるが、決してこれらに限定されることはない。
【0677】
金属製造における開示されている生体試薬の使用は、スラグを低減し、全体的効率を増加させ、ライフサイクル環境影響を低減することができる。したがって、いくつかの実施形態は、金属加工及び金属製造に特によく適している。
【0678】
いくつかの変形形態は、炭素系高炉付加製品として生体試薬を利用する。高炉は、(限定されないが)鉄などの工業用金属を製造するための製錬に使用される冶金炉の一種である。製錬は、抽出冶金の一形態であり、その主な用途は、その鉱石から金属を製造することである。製錬は、鉱石を分解するために熱及び化学還元剤を使用する。炭素及び/又は炭素に由来する一酸化炭素は、鉱石から酸素を除去し、元素金属を残す。
【0679】
還元剤は、生体試薬からなり得るか、又はそれを含み得る。高炉では、生体試薬、鉱石、及び典型的には石灰石は、炉の頂部を通して連続的に供給することができ、一方、空気は、チャンバの底部に吹き込まれ、そのため、化学反応は、材料が下方に移動するにつれて炉全体にわたって起こる。いくつかの実施形態では、空気は、酸素が濃縮されている。最終製品は、通常、底部から取り出される溶融金属及びスラグ相、並びに炉の頂部から出る煙道ガスである。高温の一酸化炭素リッチガスの上昇流と接触する鉱石の下降流は、向流プロセスである。
【0680】
高炉中の炭素品質は、その耐劣化性によって測定される。透過性媒体としての炭素の役割は、経済的な高炉動作において重要である。炭素の分解は、高炉での位置によって変動し、CO2、H2O、又はO2との反応と、炭素粒子同士の摩耗及び投入物の他の成分に対する炭素粒子の摩耗との組み合わせを伴う。分解された炭素粒子は、目詰まり及び性能低下を引き起こす場合がある。
【0681】
コークス反応性試験は、高炉中の炭素の性能の高く評価される尺度である。この試験は、2つの要素:コークス反応性指数(CRI)及び反応後コークス強度(CSR)を含む。低いCRI値(高い反応性)及び高いCSR値を有する炭素系材料は、より良好な高炉性能のために好ましい。CRIは、当該技術分野において既知の任意の好適な方法に従って、例えば、ASTM法DS341によって、受け取ったままの状態で決定することができる。
【0682】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、高炉に直接導入するのに好適な特性を含む炭素製品を提供する。
【0683】
生体試薬の強度は、当該技術分野で既知の任意の好適な方法によって、例えば、落下飛散試験又はCSR試験によって決定することができる。いくつかの実施形態では、別の炭素供給源とブレンドすることができる生体試薬は、少なくとも約50%、60%、又は70%のCSRを含む最終炭素製品を提供する。組み合わせ製品はまた、高炉での燃焼に好適な反応性を含む最終コークス製品を提供することができる。いくつかの実施形態では、生成物は、生体試薬が、メト石炭、メトコークス、コークスブリーズ、鋳物用コークス、若しくは注入可能な石炭のための添加剤又は代替物としての使用に好適であるようなCRIを含む。
【0684】
いくつかの実施形態は、高炉製品としての使用に不十分なCRI又はCSRを有する別の炭素供給源(例えば、コークス)に添加された場合に高炉内での使用に十分なCRI及び/又はCSRを含む複合生成物を提供する生体試薬を提供するのに十分な量で1つ以上の添加剤を用いる。いくつかの実施形態では、1つ以上の添加剤は、最大約40%、30%、又は20%のCRIを含む生体試薬を提供するのに十分な量で存在する。
【0685】
いくつかの実施形態では、アルカリ土類金属、又はその酸化物若しくは炭酸塩から選択される1つ以上の添加剤は、生体試薬を製造するプロセスの最中又は後に導入される。例えば、カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、又は炭酸マグネシウムを添加剤として導入することができる。熱分解の前、最中、又は後にこれらの化合物を添加することによって、高炉内の生体試薬の反応性を増加させることができる。これらの化合物は、より強い材料、すなわちより高いCSRをもたらし、それによって高炉効率を改善することができる。更に、アルカリ土類金属、又はそれらの酸化物若しくは炭酸塩から選択されるものなどの添加剤は、より少ない排出(例えば、SO2)をもたらすことができる。
【0686】
いくつかの実施形態では、高炉代替製品は、少なくとも約55重量%の炭素、最大約0.5重量%の硫黄、最大約8重量%の不燃性材料、及び少なくとも約11,000Btu/ポンドの発熱量を含む、生体試薬である。いくつかの実施形態では、高炉代替製品は、最大約0.035重量%のリン、及び約0.5重量%~最大約50重量%の揮発性物質を更に含む。いくつかの実施形態では、高炉代替製品は、1つ以上の添加剤を更に含む。いくつかの実施形態では、高炉代替生成物は、約2重量%~最大約15重量%のドロマイト、約2重量%~最大約15重量%のドロマイト石灰、約2重量%~最大約15重量%のベントナイト、及び/又は約2重量%~最大約15重量%の酸化カルシウムを含む。いくつかの実施形態では、高炉代替製品は、実質的に約1cm~最大約10cmの範囲の寸法を有する。
【0687】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、鋳物用コークス代替製品として有用である。鋳物用コークスは、一般に、少なくとも約85重量%の炭素含有量、約0.6重量%の硫黄含有量、最大約1.5重量%の揮発性物質、最大約13重量%の灰、最大約8重量%の水分、約0.035重量%のリン、約30のCRI値、及び少なくとも約5cm~最大約25cmの範囲の寸法を有すると特徴付けられる。
【0688】
いくつかの変形形態は、炭素系タコナイトペレット付加製品として生体試薬を利用する。鉄及び鋼の作製に使用される鉱石は、酸化鉄である。主な酸化鉄鉱石としては、ヘマタイト、リモナイト(ブラウン鉱石とも呼ばれる)、タコナイト、及びマグネタイト、ブラック鉱石が挙げられる。タコナイトは、低品位であるが重要な鉱石であり、マグネタイト及びヘマタイトの両方を含有する。タコナイトの鉄含有量は、概して、25重量%~30重量%である。高炉は、典型的には、効率的な操業のために、少なくとも50重量%の鉄含有鉱石を必要とする。鉄鉱石は、破砕、スクリーニング、タンブリング、浮選、及び磁気分離を含む選鉱を受けることができる。精製された鉱石は、60%を超える鉄に濃縮され、配送前にペレットに形成されることが多い。
【0689】
例えば、タコナイトを微粉末に粉砕し、ベントナイト粘土及び石灰石などの結合剤と合わせることができる。例えば、約65重量%の鉄を含有する直径約1センチメートルのペレットを形成することができる。ペレットは、焼成され、マグネタイトをヘマタイトに酸化する。ペレットは、耐久性があり、高炉装入物が、加熱されたガスを通過させ、ペレット化された鉱石と反応させるのに十分な多孔性のままであることを確実にする。
【0690】
タコナイトペレットは、高炉付加製品に関して上述したように、鉄を製造するために高炉に供給することができる。いくつかの実施形態では、生体試薬は、高炉に導入される。これらの又は他の実施形態では、生体試薬は、タコナイトペレット自体に組み込まれる。例えば、選鉱後のタコナイト鉱石粉末は、生体試薬及び結合剤と混合され、小さな物体に圧延され、次いで、硬くなるまで焼かれ得る。このような実施形態では、適切な組成を有するタコナイト-炭素ペレットを、別々の炭素源を必要とせずに、高炉に都合よく導入することができる。
【0691】
いくつかの変形形態は、生体試薬を取鍋付加炭素系製品として利用する。取鍋は、溶融金属を輸送して注ぎ出すために使用される容器である。鋳造取鍋は、溶融金属を鋳型に注入して鋳造品を製造するために使用される。移送取鍋は、大量の溶融金属をあるプロセスから別のプロセスへ移送するために使用される。処理取鍋は、取鍋への様々な元素の添加による鋳鉄のダクタイル鉄への変換など、溶融金属のいくつかの態様を変化させるために取鍋内で起こるプロセスのために使用される。
【0692】
生体試薬は、任意のタイプの取鍋に導入することができるが、典型的には、炭素は、目標炭素含有量に基づいて好適な量で処理取鍋に添加される。取鍋に注入される炭素は、最終組成物への炭素の良好な物質輸送のために微粉末の形態にあり得る。いくつかの実施形態では、生体試薬は、取鍋添加生成物として使用される場合、約0.5cm、例えば、約0.75cm、約1cm、約1.5cm、又はそれよりも大きな最小寸法を有する。
【0693】
いくつかの実施形態では、高炭素生体試薬は、例えば、炭素の取鍋添加が使用される(例えば、鋼製造中に取鍋炭素に添加される)塩基性酸素炉又は電気アーク炉施設において、取鍋付加炭素添加剤として有用である。
【0694】
いくつかの実施形態では、取鍋付加炭素添加剤は、最大約5重量%のマンガン、最大約5重量%の酸化カルシウム、及び/又は最大約5重量%のドロマイト石灰を更に含む。
【0695】
海綿鉄とも呼ばれる直接還元鉄(DRI)は、天然ガス又は石炭から従来生成される還元ガスによる鉄鉱石(塊、ペレット、又は微粉の形態)の直接還元から生成される。還元ガスは、典型的には、還元剤として作用する水素と一酸化炭素の混合物である合成ガスである。本明細書で提供される生体試薬は、COを含むガス流に変換されて、還元剤として作用して直接還元鉄を製造することができる。
【0696】
鉄ナゲットは、高品質の製鋼及び鉄鋳造供給材料である。鉄ナゲットは、本質的に全て鉄及び炭素であり、脈石(スラグ)はほとんどなく、金属残留物は、低レベルである。それらは、優れた配送及び取り扱い特性を有する高級グレードの銑鉄製品である。鉄ナゲットに含まれる炭素は、本明細書で提供される生体試薬であり得る。鉄ナゲットは、生体試薬を還元剤及びエネルギー供給源として使用して、回転炉床炉内で鉄鉱石を還元することによって製造することができる。
【0697】
いくつかの変形形態は、冶金コークス炭素系製品として生体試薬を利用する。「メト」コークスとしても既知の冶金コークスは、通常、瀝青炭の様々なブレンドの分解蒸留によって製造される炭素材料である。最終固体は、冶金コークスと呼ばれる非溶融炭素である。揮発性ガスの損失及び部分的溶融の結果として、メトコークスは、開放多孔性形態を含む。メトコークスは、非常に低い揮発分を含む。しかしながら、元の瀝青炭原料の一部であった灰成分は、得られたコークス中に封入されたままである。メトコークス原料は、微粉末からバスケットボールサイズの塊までの広範囲のサイズで入手可能である。典型的な純度は、86~92重量%の固定炭素の範囲である。
【0698】
冶金コークスは、高品質で強靭で弾力性のある摩耗炭素が必要とされる場合に使用される。用途としては、導電性床材、摩擦材料(例えば、炭素ライニング)、鋳造用コーティング、鋳造用炭素ライザー、腐食材料、掘削用途、還元剤、熱処理剤、セラミック充填媒体、電解プロセス、及び酸素排除が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0699】
メトコークスは、約10,000~14,000Btu/ポンドの発熱量及び約10重量%以上の灰分を含むと特徴付けることができる。したがって、いくつかの実施形態では、メトコークス代替製品は、少なくとも約80重量%、85重量%、又は90重量%の炭素、最大約0.8重量%の硫黄、最大約3重量%の揮発性物質、最大約15重量%の灰、最大約13重量%の水分、及び最大約0.035重量%のリンを含む、生体試薬を含む。生体試薬は、メトコークス代替製品として使用される場合、例えば、少なくとも約2cm~最大約15cmのサイズ範囲を有し得る。
【0700】
いくつかの実施形態では、メトコークス代替製品は、クロム、ニッケル、マンガン、酸化マグネシウム、ケイ素、アルミニウム、ドロマイト、フルオロスパー、酸化カルシウム、石灰、ドロマイト石灰、ベントナイト、又はそれらの組み合わせなどの添加剤を更に含む。
【0701】
いくつかの変形形態は、生体試薬を石炭代替製品として利用する。石炭を使用する任意のプロセス又はシステムは、原則として、生体試薬を使用するように適合させることができる。
【0702】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、1つ以上の石炭系生成物と組み合わされて、石炭系生成物よりも高い品位を含み、かつ/又は燃焼したときに純粋な石炭系生成物よりも少ない排出を含む、複合生成物を形成する。
【0703】
例えば、亜瀝青炭などの低品位炭は、選択された量の生体試薬を低品位炭製品と組み合わせることによって、瀝青炭などの高品位炭製品を通常必要とする用途において使用することができる。他の実施形態では、混合石炭製品(例えば、異なる品位の複数の石炭の組み合わせ)の品位は、混合石炭をある量の生体試薬と組み合わせることによって改善することができる。石炭製品と混合すべき生体試薬の量は、石炭製品の品位、生体試薬の特性(例えば、炭素含有量、発熱量など)、及び最終組み合わせ生成物の所望の品位に応じて変動し得る。
【0704】
例えば、アントラサイト石炭は、少なくとも約80重量%の炭素、約0.6重量%の硫黄、約5重量%の揮発性物質、最大約15重量%の灰、最大約10重量%の水分、及び約12,494Btu/lbの発熱量を含むと一般に特徴付けられる。いくつかの実施形態では、アントラサイト石炭は、少なくとも約80重量%の炭素、最大約0.6重量%の硫黄、最大約15重量%の灰、及び少なくとも約12,000Btu/lbの発熱量を含む、生体試薬である。
【0705】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、熱石炭代替製品として有用である。熱石炭製品は、高い硫黄レベル、高いリンレベル、高い灰分、及び最大約15,000Btu/lbまでの発熱量を含むと一般に特徴付けられる。いくつかの実施形態では、熱石炭代替製品は、最大約0.5重量%の硫黄、最大約4重量%の灰、及び少なくとも約12,000Btu/lbの発熱量を含む、生体試薬である。
【0706】
いくつかの変形形態は、生体試薬を炭素系コーキング製品として利用する。任意のコーキングプロセス又はシステムは、生体試薬を使用してコークスを製造するか、又は生体試薬をコークス原料として使用するように適合させることができる。
【0707】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、熱石炭又はコークス代替製品として有用である。例えば、熱石炭又はコークス代替製品は、少なくとも約50重量%の炭素、最大約8重量%の灰、最大約0.5重量%の硫黄、及び少なくとも約11,000Btu/lbの発熱量を含む生体試薬からなり得る。他の実施形態では、熱コークス代替製品は、約0.5重量%~最大約50重量%の揮発性物質を更に含む。熱石炭又はコークス代替製品は、約0.4重量%~最大約15重量%の水分を含み得る。
【0708】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、石油(ペット)コークス又は焼成ペットコークス代替製品として有用である。か焼ペットコークスは、少なくとも約66重量%の炭素、4.6重量%までの硫黄、最大約5.5重量%の揮発性物質、最大約19.5重量%の灰、及び最大約2重量%の水分を含むと一般に特徴付けられ、典型的には、約3メッシュ以下のサイズである。いくつかの実施形態では、焼成ペットコークス代替製品は、少なくとも約66重量%の炭素、最大約4.6重量%の硫黄、最大約19.5重量%の灰、最大約2重量%の水分を含む生体試薬であり、約3メッシュ以下のサイズである。
【0709】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、コーキング炭素代替炭素(例えば、コーキング炉内で冶金用石炭と同時焼成される)として有用である。一実施形態では、コーキング炭素代替製品は、少なくとも約55重量%の炭素、最大約0.5重量%の硫黄、最大約8重量%の不燃性材料、及び少なくとも約11,000Btu/ポンドの発熱量を含む、生体試薬である。いくつかの実施形態では、コーキング炭素代替生成物は、約0.5重量%~最大約50重量%の揮発性物質、及び/又は1つ以上の添加剤を含む。
【0710】
いくつかの変形形態は、生体試薬を炭素ブリーズ製品として利用し、炭素ブリーズ生成物は、典型的には、6mm、3mm、2mm、1mm、又はそれ未満などの非常に微細な粒子サイズを含む。いくつかの実施形態では、生体試薬は、コークスブリーズ代替製品として有用である。コークスブリーズは、一般に、最大約6mmの最大寸法、少なくとも約80重量%の炭素含有量、0.6~0.8重量%の硫黄、1%~20重量%の揮発性物質、最大約13重量%の灰、及び最大約13重量%の水分を含むと特徴付けられる。いくつかの実施形態では、コークスブリーズ代替製品は、少なくとも約80重量%の炭素、最大約0.8重量%の硫黄、最大約20重量%の揮発性物質、最大約13重量%の灰、最大約13重量%の水分、及び約6mmの最大寸法を含む、生体試薬である。
【0711】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、例えば、タコナイトペレット製造中又は製鉄プロセスにおいて、炭素ブリーズ代替製品として有用である。
【0712】
いくつかの変形形態は、生体試薬を、様々な流動床のための原料として、又は流動床炭素系原料代替製品として利用する。炭素は、全燃焼、部分酸化、ガス化、水蒸気改質などのために流動床で用いることができる。炭素は、主に、エネルギー(例えば、熱及び電力の組み合わせ)又は液体燃料(例えば、メタノール又はフィッシャー・トロプシュディーゼル燃料)の生成を含む様々な下流使用のための合成ガスに変換することができる。
【0713】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、例えば、流動床炉で、石炭が(例えば、プロセス熱又はエネルギー生成のために)使用される場所ならどこでも、流動床石炭代替製品として有用である。
【0714】
いくつかの変形形態は、生体試薬を炭素系炉付加製品として利用する。石炭系炭素炉付加製品は、一般に、高い硫黄レベル、高いリンレベル、及び高い灰分を含むと特徴付けられ、これらは、金属製品の劣化に寄与し、大気汚染を引き起こす。いくつかの実施形態では、生体試薬を含む炭素炉付加代替製品は、最大約0.5重量%の硫黄、最大約4重量%の灰、最大約0.03重量%のリン、及び約7.5cmの最大寸法を含む。いくつかの実施形態では、炭素炉付加代替製品代替製品は、約0.5重量%~最大約50重量%の揮発性物質及び約0.4重量%~最大約15重量%の水分を含む。
【0715】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、例えば、塩基性酸素炉又は電気アーク炉施設で、炉付加炭素が使用される場所ならどこでも、炉付加炭素添加剤として有用である。例えば、炉付加炭素は、電気アーク炉施設での鋼製造中にスクラップ鋼に添加することができる。電気アーク炉用途では、不純物の早期除去後に不純物がプロセスに戻されないように、高純度炭素が望ましい。
【0716】
いくつかの実施形態では、炉付加炭素添加剤は、少なくとも約80重量%の炭素、最大約0.5重量%の硫黄、最大約8重量%の不燃性材料、及び少なくとも約11,000Btu/ポンドの発熱量を含む、生体試薬である。いくつかの実施形態では、炉付加炭素添加剤は、最大約5重量%のマンガン、最大約5重量%のフルオロスパー、約5重量%~最大約10重量%のドロマイト、約5重量%~最大約10重量%のドロマイト石灰、及び/又は約5重量%~最大約10重量%の酸化カルシウムを更に含む。
【0717】
いくつかの変形形態は、生体試薬をストーカー炉炭素系製品として利用する。いくつかの実施形態では、生体試薬は、例えば、ストーカー炉施設で、石炭が(例えば、プロセス熱又はエネルギー生成のために)使用される場所ならどこでも、ストーカー石炭代替製品として有用である。
【0718】
いくつかの変形形態は、生体試薬を注入可能な(例えば、微粉砕)炭素系材料として利用する。いくつかの実施形態では、生体試薬は、注入グレードの焼成ペットコークス代替製品として有用である。注入グレードのか焼ペットコークスは、少なくとも約66重量%の炭素、約0.55~最大約3重量%の硫黄、最大約5.5重量%までの揮発性物質、最大約10重量%までの灰、最大約2重量%までの水分を含むと一般に特徴付けられ、約6メッシュ以下のサイズである。いくつかの実施形態では、焼成ペットコークス代替製品は、少なくとも約66重量%の炭素、最大約3重量%の硫黄、最大約10重量%の灰、最大約2重量%の水分を含む生体試薬であり、約6メッシュ以下のサイズである。
【0719】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、注入可能な炭素が使用される(例えば、鋼製造中にスラグ又は取鍋に注入される)任意の用途において、塩基性酸素炉又は電気アーク炉施設などにおける注入可能な炭素代替製品として有用である。
【0720】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、例えば、微粉砕炭が(例えば、プロセス熱又はエネルギー生成のために)使用される場所ならどこでも、微粉砕炭代替製品として有用である。いくつかの実施形態では、微粉砕炭代替製品は、最大約10パーセントの酸化カルシウムを含む。
【0721】
いくつかの変形形態は、生体試薬を金属製造のための炭素付加製品として利用する。いくつかの実施形態では、本発明による生体試薬は、炭素鋼又は炭素を含む別の金属合金の生成のための炭素付加製品として有用である。石炭系後期段階炭素付加製品は、一般に、高い硫黄レベル、高いリンレベル、及び高灰分、並びに金属品質を低下させ、大気汚染に寄与する高い水銀レベルを含むと特徴付けられる。いくつかの実施形態では、炭素付加製品は、最大約0.5重量%の硫黄、最大約4重量%の灰、最大約0.03重量%のリン、約1~5mmの最小寸法、及び約8~12mmの最大寸法を含む。
【0722】
いくつかの変形形態は、炭素電極内の生体試薬を利用する。いくつかの実施形態では、生体試薬は、アルミニウム製造などにおける使用に好適な電極(例えば、アノード)材料として有用である。
【0723】
炭素電極における生体試薬の他の使用は、バッテリ、燃料電池、キャパシタ、及び他のエネルギー貯蔵又はエネルギー送達デバイスにおける用途を含む。例えば、リチウムイオンバッテリにおいて、生体試薬は、リチウムをインターカレートするためにアノード側で使用することができる。これらの用途では、炭素純度及び低灰が非常に重要であり得る。
【0724】
いくつかの変形形態は、生体試薬を触媒担体として利用する。炭素は、炭素相に担持された硫化コバルト-モリブデン金属触媒を使用する合成ガスからの混合アルコール合成、又は合成ガスからの高級炭化水素のフィッシャー・トロプシュ合成のための炭素に担持された鉄系触媒などの広範囲の触媒化学反応における既知の触媒支持体である。
【0725】
いくつかの変形形態は、生体試薬を活性炭製品として利用する。活性炭は、水処理、空気浄化、溶媒蒸気回収、食品及び飲料処理、並びに医薬品を含む、多種多様な液相及び気相用途において使用される。活性炭については、材料の多孔性及び表面積が一般に重要である。本明細書で提供される生体試薬は、様々な実施形態で、(i)化石燃料系活性炭よりも大きな表面積;(ii)炭素再生可能性;(iii)添加剤と併用したバイオマス原料の脈管性(vascular nature)が、汚染物質制御を強化する添加剤の浸透/分布をより良好に可能にすること;並びに(iv)より少ない不活性材料(灰)が、より大きな反応性をもたらすこと、に起因して、優れた活性炭製品を提供し得る。
【0726】
生体試薬の市場用途の先の記載において、記載されている用途は排他的でも網羅的でもないと認識されるべきである。したがって、1つのタイプの炭素製品に好適であると記載されている生体試薬は、様々な実施形態で、記載されている任意の他の用途に好適であり得る。これらの用途は、例示にすぎず、生体試薬の他の用途がある。
【0727】
加えて、いくつかの実施形態では、同じ物理的材料が、統合された方法又は順番のいずれかで、複数の市場プロセスにおいて使用され得る。したがって、例えば、炭素電極又は活性炭として使用される生体試薬は、性能材料としてのその有効寿命の最後に、エネルギー価値のための燃焼プロセス又は金属作製(例えば、金属鉱石の還元)プロセスなどに導入することができる。
【0728】
いくつかの実施形態は、生体試薬を、その反応性/吸着特性のために、また燃料としても使用することができる。例えば、排出流中に注入される生体試薬は、汚染物質を除去し、続いて生体試薬粒子及び場合によっては汚染物質を燃焼させて、エネルギーを生成し、汚染物質を熱的に破壊又は化学的に酸化するのに好適であり得る。
【0729】
従来の化石燃料系製品と比較して、生体試薬には、著しい環境上及び製品使用上の利点が伴い得る。生体試薬は、環境的に優れているだけでなく、例えば、より高い純度を理由に処理の観点から機能的にも優れたものであり得る。
【0730】
金属製造のいくつかの実施形態に関して、開示されているプロセスによる生体試薬の製造は、金属製造における使用のためにこれらを調製するのに必要な石炭系製品のコーキングと比較して、CO、CO2、NOx、SO2、及び有害大気汚染物質の排出が大幅に低くなり得る。
【0731】
石炭又はコークスの代わりに生体試薬を使用することによっても、SO2、有害大気汚染物質、及び水銀の環境排出が著しく低減される。
【0732】
また、これらの生体試薬の純度(低い灰含有量を含む)を理由に、開示されている生体試薬は、スラグを低減し、バッチ金属作製プロセスにおける生産能力を増加させる可能性を有する。
【0733】
いくつかの実施形態では、生体試薬は、活性炭として機能する。例えば、低固定炭素材料を活性化することができるか、高固定炭素材料を活性化することができるか、又はバイオカーボン組成物(ブレンド)が活性炭として機能するように両方の材料を活性化することができる。
【0734】
ある特定の実施形態では、生体試薬を活性炭製品として回収し、一方、生体試薬の残りの部分を、結合剤を使用してペレット化して、バイオカーボンペレットを製造する。他の実施形態では、生体試薬を、結合剤を使用してペレット化して、バイオカーボンペレットを製造し、これらのバイオカーボンペレットを、活性炭製品への後の変換のために配送する。後の変換は、微粉砕して粉末に戻すことを含むことができ、また、例えば、蒸気、酸、又は塩基による化学処理を含み得る。これらの実施形態では、バイオカーボンペレットは、活性炭前駆体ペレットとみなすことができる。
【0735】
ある特定の実施形態では、生体試薬内の固定炭素は、主に活性炭を作製するために使用することができ、生体試薬内の揮発性炭素は、主に還元ガスを作製するために使用することができる。例えば、ステップ(b)で生成された生体試薬内の固定炭素の少なくとも50重量%、少なくとも90重量%、又は本質的に全てをステップ(f)で活性炭として回収することができ、一方、例えば、ステップ(b)で生成された生体試薬内の揮発性炭素の少なくとも50重量%、少なくとも90重量%、又は本質的に全てを還元ガスに向けることができる(例えば、揮発性炭素のCOへの水蒸気改質反応を介して)。
【0736】
活性炭は、製造された場合、例えば、少なくとも約500、750、800、1000、1500、又は2000のヨウ素価によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、活性炭は、活性炭の14C/12C同位体比率の測定から決定して少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%の再生可能な炭素含有量によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、活性炭は、活性炭の14C/12C同位体比率の測定から決定して、(完全に)再生可能な活性炭として特徴付けられる。
【0737】
いくつかの実施形態では、熱分解反応器は、異なるタイプの活性炭の製造を最適化するように構成されている。例えば、反応条件(例えば、時間、温度、及び水蒸気濃度)は、ヨウ素価などの特定の属性を有する活性炭製品のために選択することができる。異なる反応条件は、より高いヨウ素価を有するものなどの異なる活性炭製品に対して選択することができる。熱分解反応器は、キャンペーンモードで動作してある製品を製造し、次いで、別の製品のための別のモードに切り替えることができる。第1の製品は、第1のキャンペーンの間に連続的に若しくは周期的に除去されていてもよいか、又は熱分解反応器の反応条件を切り替える前に除去されてもよい。
【0738】
活性炭は、例えば、少なくとも約500、750、1000、1500、又は2000のヨウ素価によって特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、活性炭は、活性炭の14C/12C同位体比率の測定から決定して少なくとも90%の再生可能な炭素含有量によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、活性炭は、活性炭の14C/12C同位体比率の測定から決定して、(完全に)再生可能な活性炭として特徴付けられる。
【0739】
本明細書に開示されているプロセスによって製造される活性炭は、多くの方法で使用することができる。
【0740】
いくつかの実施形態では、活性炭は、1つ以上の一次製品を精製するために、加工現場において内部的に利用される。いくつかの実施形態では、活性炭は、水を浄化するために現場で利用される。これらの又は他の実施形態では、活性炭は、液相排出を低減するために液体廃棄物流を処理するために、かつ/又は空気排出を低減するために蒸気廃棄物流を処理するために、現場で利用される。いくつかの実施形態では、活性炭は、新たなバイオマスの生成を補助するための土壌改良剤として利用され、新たなバイオマスは、現場で現地原料として利用されるのと同じタイプのバイオマスであり得る。
【0741】
本明細書に開示されているプロセスに従って調製された活性炭は、従来の化石燃料ベースの活性炭と同じ又はより良好な特性を含み得る。いくつかの実施形態では、活性炭は、化石燃料ベースの活性炭に関連する表面積に匹敵するか、それに等しいか、又はそれよりも大きな表面積を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品と同様に、又はそれよりも良好に汚染物質を制御することができる。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する不活性材料(例えば、灰)レベルに匹敵するか、それに等しいか、又はそれ未満の不活性材料(例えば、灰)レベルを含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭生成物に関連する粒子サイズ及び/又は粒子サイズ分布に匹敵する、それに等しい、それより大きな、及び/又はそれ未満の粒子サイズ又は粒子サイズ分布を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する粒子形状に匹敵するか、実質的に類似するか、又はそれと同じ粒子形状を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する粒子形状とは実質的に異なる粒子形状を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する細孔体積に匹敵するか、それに等しいか、又はそれよりも大きな細孔体積を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する細孔寸法に匹敵するか、実質的に類似するか、又はそれと同じ細孔寸法を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する粒子の耐摩耗性値に匹敵するか、実質的に類似するか、又はそれと同じ粒子の耐摩耗性値を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連する硬度値に匹敵するか、実質的に類似するか、又はそれと同じ硬度値を含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭製品に関連するかさ密度値に匹敵するか、実質的に類似するか、又はそれと同じかさ密度値を含む。いくつかの実施形態では、活性炭製品は、従来の活性炭製品に関連する吸着能力に匹敵するか、実質的に類似するか、又はそれと同じ吸着能力を含む。
【0742】
任意の製品用途における適合性又は実際の使用の前に、開示されている活性炭は、様々な方法で分析及び測定することができる。いくつかの実施形態では、開示されている活性炭は、様々な方法で(添加剤などによって)更に改変することができる。潜在的に重要ないくつかの特性は、密度、粒子サイズ、表面積、ミクロ多孔性、吸収性、吸着性、結合能、反応性、脱硫活性、塩基性、硬度、及びヨウ素価を含む。
【0743】
活性炭は、水処理、空気浄化、溶媒蒸気回収、食品及び飲料処理、糖及び甘味料精製、自動車用途、及び医薬品を含む、多種多様な液相及び気相用途において商業的に使用される。活性炭について、鍵となる生成物属性は、粒子サイズ、形状、組成、表面積、細孔体積、細孔寸法、粒子サイズ分布、炭素表面及び内部の化学的性質、粒子の耐摩耗性、硬度、かさ密度、並びに吸着能力を含み得る。
【0744】
生体活性炭についてのかさ密度は、例えば、少なくとも約50g/リットル~最大約650g/リットルであり得る。
【0745】
生体活性炭の表面積は、広く変動し得る。例示的な表面積(例えば、BET表面積)は、少なくとも約400m2/g~最大約2000m2/g以上の範囲、例えば、約500m2/g、600m2/g、800m2/g、1000m2/g、1200m2/g、1400m2/g、1600m2/g、又は1800m2/gである。表面積は、概して、吸着容量に相関する。
【0746】
細孔サイズ分布は、活性炭の最終的な性能を決定するために重要であり得る。細孔サイズ測定は、ミクロ細孔含有量、メソ細孔含有量、及びマクロ細孔含有量を含み得る。
【0747】
ヨウ素価は、活性炭性能を特徴付けるために使用されるパラメータである。ヨウ素価は、炭素の活性化の程度を測定し、ミクロ細孔(例えば、0~20Å)含有量の尺度である。これは液相用途にとって重要な測定である。本開示の実施形態によって生成される活性炭生成物についての例示的なヨウ素価は、全ての介在範囲を含む、約500、600、750、900、1000、1100、1200、1300、1500、1600、1750、1900、2000、2100、及び2200を含む。ヨウ素価の単位は、炭素1グラム当たりのヨウ素のミリグラム数である。
【0748】
別の細孔関連測定値は、メソ細孔含有量(例えば、20~500Å)を測定するMethylene Blue Number(メチレンブルー数)である。本開示の実施形態によって生成される活性炭生成物についての例示的なメチレンブルー数は、全ての介在範囲を含む、約100、150、200、250、300、350、400、450、及び500を含む。メチレンブルー数の単位は、炭素1グラム当たりのメチレンブルー(メチルチオニニウム塩化物)のミリグラム数である。
【0749】
別の細孔関連測定値は、マクロ細孔含有量(例えば、>500Å)を測定するMolasses Number(糖蜜数)である。本開示の実施形態によって生成される活性炭生成物の例示的な糖蜜数は、全ての介在範囲を含む、100、150、200、250、300、350、及び400を含む。糖蜜数の単位は、炭素1グラム当たりの糖蜜のミリグラム数である。
【0750】
いくつかの実施形態では、活性炭は、少なくとも約0.5cm3/g、例えば、少なくとも約1cm3/gのメソ細孔体積によって特徴付けられる。
【0751】
活性炭は、その保水能力によって特徴付けることができる。様々な実施形態では、本開示の実施形態によって製造される活性炭製品は、25℃で約10%~最大約300%(乾燥活性炭の重量で除した水の重量)、例えば、少なくとも約50%~最大約100%、例えば、約60~80%の保水能力を含む。
【0752】
硬度又は摩耗数は、活性炭の耐摩耗性の尺度である。それは、取り扱い又は使用中の摩擦力及び機械的応力に耐える活性炭の物理的完全性の指標である。ある程度の硬度が望ましいが、硬度が高すぎると、過剰な装置摩耗が生じる可能性がある。ASTM D3802に従って測定される例示的な摩耗数は、少なくとも約1%~約99%超の範囲、例えば、約1%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は少なくとも約99%超である。
【0753】
いくつかの実施形態では、活性炭が、適度に耐摩耗性であるが、活性炭を処理する資本設備において摩耗及び損耗を引き起こさない、最適な範囲の硬度を達成することができる。この最適条件は、本開示のいくつかの実施形態では、原料及び処理条件の選択により可能となる。下流使用が高硬度を扱うことができるいくつかの実施形態では、本開示のプロセスは、硬度を増加又は最大化して、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は少なくとも約99%の摩耗数を含む生体活性炭製品を製造するように動作させることができる。
【0754】
本開示によって提供される生体活性炭は、広範囲の商業的使用を含む。例えば、限定するものではないが、生体活性炭は、排出制御、水精製、地下水処理、廃水処理、エアストリッパー用途、PCB除去用途、臭気除去用途、土壌蒸気抽出、製造ガスプラント、工業用水濾過、工業用燻蒸、タンク及びプロセスベント、ポンプ、送風機、フィルタ、プレフィルタ、ミストフィルタ、配管、配管モジュール、吸着器、吸収器、及びカラムにおいて利用することができる。
【0755】
一実施形態では、排出を低減するために活性炭を使用する方法は、
(a)本明細書に開示されている第2の反応器から回収された生体活性炭組成物を含む活性炭粒子を提供することと、
(b)少なくとも1つの選択された汚染物質を含む気相排出流を提供することと、
(c)気相排出流からの選択された汚染物質の除去を補助するように選択された添加剤を提供することと、
(d)活性炭粒子及び添加剤を気相排出流に導入して、少なくとも選択された汚染物質を活性炭粒子上に吸着させ、それによって、気相排出流内に汚染物質吸着炭素粒子を生成することと、
(e)気相排出流から少なくとも汚染物質吸着炭素粒子を分離して、汚染物質が低減された気相排出流を生成することと、を含む。
【0756】
生体活性炭組成物のための添加剤は、活性炭粒子の一部として提供され得る。代替的に又は追加的に、添加剤は、気相排出流、燃料床、又は燃焼ゾーンに直接導入することができる。当業者によって理解されるように、選択された汚染物質の除去のために添加剤を気相排出流に直接又は間接的に導入する他の方法も可能である。
【0757】
(気相排出流中の)選択された汚染物質は、金属であり得、例えば、金属は、水銀、ホウ素、セレン、ヒ素、並びにそれらの任意の化合物、塩及び混合物を含む群から選択される。選択された汚染物質は、例えば、有害な大気汚染物質、有機化合物(VOCなど)、又は非凝縮性ガスであり得る。いくつかの実施形態では、生体活性炭製品は、比較可能な量の非生体活性炭製品より多い量で、選択された汚染物質を吸着、吸収、及び/又は化学吸着する。いくつかのそのような実施形態では、選択された汚染物質は、金属、有害大気汚染物質、有機化合物(VOCなど)、非凝縮性ガス、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、選択された汚染物質は水銀を含む。いくつかの実施形態では、選択された汚染物質は、1つ以上のVOCを含む。いくつかの実施形態では、生体活性炭は、少なくとも約1重量%の水素及び/又は少なくとも約10重量%の酸素を含む。
【0758】
有害な大気汚染物質は、がん又は他の深刻な健康への影響(例えば、生殖への影響若しくは出生異常、又は有害な環境及び生態学的影響)を引き起こすか又は引き起こし得る汚染物質である。修正されたClean Air Actのセクション112は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。Clean Air Actのセクション112に従って、United States Environmental Protection Agency(米国環境保護庁(EPA))は、189個の有害大気汚染物質を制御するように義務付けられている。EPAによって有害大気汚染物質として分類される任意の現在又は将来の化合物は、本文脈における可能な選択された汚染物質に含まれる。
【0759】
揮発性有機化合物(その一部は有害大気汚染物質でもある)は、通常の室温条件で高い蒸気圧を有する有機化学物質である。例としては、短鎖アルカン、オレフィン、アルコール、ケトン、及びアルデヒドが挙げられる。多くの揮発性有機化合物は、ヒトの健康に危険であるか、又は環境に害を及ぼす。EPAは、空気、水及び土地における揮発性有機化合物を規制している。EPAの揮発性有機化合物の定義は、40 CFR Section 51.100(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0760】
非凝縮性ガスは、通常の室温条件下で凝縮しないガスである。非凝縮性ガスとしては、窒素酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄、三酸化硫黄、メタン、エタン、エチレン、オゾン、アンモニア、又はそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されることはない。
【0761】
開示された活性炭粒子によって複数の汚染物質を除去することができる。いくつかの実施形態では、汚染物質吸着炭素粒子は、少なくとも2つの汚染物質、少なくとも3つの汚染物質、又はそれより多くを含む。本明細書に開示されているような活性炭は、複数の汚染物質の制御並びに特定の標的汚染物質(例えば、セレン)の制御を可能にすることができる。
【0762】
いくつかの実施形態では、汚染物質吸着炭素粒子は、活性炭粒子を再生するために処理される。いくつかの実施形態では、本方法は、汚染物質吸着炭素粒子を熱酸化することを含む。汚染物質吸着炭素粒子又はその再生形態は、燃焼してエネルギーを提供することができる。
【0763】
いくつかの実施形態では、活性炭のための添加剤は、酸、塩基、塩、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又はそれらの組み合わせから選択される。ある特定の実施形態では、添加剤は、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、塩化鉄、臭化鉄、酸化マグネシウム、苦灰石、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、有機酸(例えば、クエン酸)、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される。
【0764】
いくつかの実施形態では、気相排出流は、高硫黄含有量金属鉱石の処理などの金属処理に由来する。
【0765】
水銀制御に関する例示的実施形態として、活性炭は、静電集塵器又は織物フィルタなどの微粒子状物質制御デバイスの上流に(配管などに)注入されることができる。場合によっては、煙道ガス脱硫(乾式又は湿式)システムを活性炭注入点の下流に配置することができる。活性炭は、粉末として空気圧で注入することができる。注入位置は、既存のプラント構成(新しい場所でない限り)、及び追加の下流の微粒子状物質制御機器が改変されるかどうかによって決定することができる。
【0766】
微粒子状物質制御デバイスを現在装備しているボイラーについて、水銀制御のために生体活性炭注入を実施することは、(i)既存の微粒子状物質制御デバイス(静電集塵器若しくは織物フィルタ)の上流に粉末活性炭を注入すること、(ii)既存の静電集塵器の下流及びレトロフィット織物フィルタの上流に粉末活性炭を注入すること、又は(iii)静電集塵器の電界間に粉末活性炭を注入することを包含し得る。鉄又は鉄含有化合物を含めると、水銀制御のための静電集塵器の性能を劇的に改善することができる。更に、鉄又は鉄含有化合物を含めると、使用済み活性炭固体を他の灰から分離することができるので、寿命末期の選択肢が大幅に変化する可能性がある。
【0767】
いくつかの実施形態では、粉末活性炭注入アプローチは、既存のSO2制御デバイスと組み合わせて用いられ得る。活性炭は、注入点の下流で活性炭吸着剤を収集する手段の利用可能性に従って、SO2制御デバイスの前又はSO2制御デバイスの後に注入することができる。
【0768】
いくつかの実施形態では、同じ物理的材料が、統合された方法又は順番のいずれかで、複数のプロセスにおいて使用されることができる。したがって、例えば、活性炭は、性能材料としてのその有効寿命の終わりに、エネルギー価値のための燃焼プロセスに、又は炭素を必要とするが活性炭の特性を必要としない金属作製プロセスなどに導入することができる。
【0769】
本開示の生体活性炭及び原理は、例えば、水、様々な純度の水性流、溶媒、液体燃料、ポリマー、溶融塩、及び溶融金属の処理を含む液相用途に適用することができる。本明細書で意図される場合、「液相」は、スラリー、懸濁液、エマルション、多相系、又はある量の存在する液体状態を含む(又は含むように調節することができる)任意の他の材料を含む。
【0770】
一実施形態では、本開示は、液体を精製するために活性炭を使用する方法を提供し、いくつかの変形形態では、以下のステップ:
(a)第2の反応器から回収された活性炭粒子を提供するステップと、
(b)少なくとも1つの選択された汚染物質を含む液体を提供するステップと、
(c)液体からの選択された汚染物質の除去を補助するように選択された添加剤を提供するステップと、
(d)液体を活性炭粒子及び添加剤と接触させて、少なくとも少なくとも1つの選択された汚染物質を活性炭粒子上に吸着させ、それによって、汚染物質吸着炭素粒子及び汚染物質低減液体を生成するステップと、を含む。
【0771】
添加剤は、活性炭粒子の一部として提供され得る。代替的に、添加剤は、液体に直接導入され得る。いくつかの実施形態では、添加剤(同じであるか、又は異なり得る)は、活性炭粒子の一部として、並びに液体に直接導入される。
【0772】
液相用途に関するいくつかの実施形態では、添加剤は、酸、塩基、塩、金属、金属酸化物、金属水酸化物、金属ハロゲン化物、又はそれらの組み合わせから選択される。例えば、添加剤は、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、ケイ素、ホウ素、セリウム、モリブデン、リン、タングステン、バナジウム、塩化鉄、臭化鉄、酸化マグネシウム、苦灰石、ドロマイト石灰、蛍石、フルオロスパー、ベントナイト、酸化カルシウム、石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、臭化水素、塩化水素、ケイ酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、有機酸(例えば、クエン酸)、又はそれらの組み合わせを含む群から選択することができる。
【0773】
いくつかの実施形態では、(処理すべき液体中の)選択された汚染物質は、金属、例えば、ヒ素、ホウ素、セレン、水銀、並びにそれらの任意の化合物、塩及び混合物を含む群から選択される金属である。いくつかの実施形態では、選択された汚染物質は、有機化合物(VOCなど)、ハロゲン、生物学的化合物、殺虫剤、又は除草剤である。汚染物質吸着炭素粒子は、2つ、3つ、又はそれより多くの汚染物質を含み得る。いくつかの実施形態では、活性炭製品は、比較可能な量の非生体活性炭製品より多い量で、選択された汚染物質を吸着、吸収、及び/又は化学吸着する。いくつかのそのような実施形態では、選択された汚染物質は、金属、有害大気汚染物質、有機化合物(VOCなど)、非凝縮性ガス、又はそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、選択された汚染物質は水銀を含む。いくつかの実施形態では、選択された汚染物質は、1つ以上のVOCを含む。いくつかの実施形態では、生体活性炭は、少なくとも約1重量%の水素及び/又は少なくとも約10重量%の酸素を含む。
【0774】
処理すべき液体は、典型的には水性であってもよいが、必ずしも本開示の原理に必須というわけではない。いくつかの実施形態では、液体は、固定床において活性炭粒子で処理される。他の実施形態では、液体は、溶液中又は移動床中の活性炭粒子で処理される。
【0775】
一実施形態では、本開示は、生体活性炭組成物を使用して液体から少なくとも硫黄含有汚染物質を除去する方法であって、
(a)本明細書に開示されている第2の反応器から回収された活性炭粒子を提供することと、
(b)硫黄含有汚染物質を含有する液体を提供することと、
(c)液体からの硫黄含有汚染物質の除去を補助するように選択された添加剤を提供することと、
(d)液体を活性炭粒子及び添加剤と接触させて、少なくとも硫黄含有汚染物質を活性炭粒子上又は活性炭粒子内に吸着又は吸収させることと、を含む、方法を提供する。
【0776】
いくつかの実施形態では、硫黄含有汚染物質は、元素硫黄、硫酸、亜硫酸、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸アニオン、重硫酸アニオン、亜硫酸アニオン、重亜硫酸アニオン、チオール、スルフィド、ジスルフィド、ポリスルフィド、チオエーテル、チオエステル、チオアセタール、スルホキシド、スルホン、チオスルフィネート、スルフィミド、スルホキシミド、スルホンジイミン、ハロゲン化硫黄、チオケトン、チオアルデヒド、硫黄酸化物、チオカルボン酸、チオアミド、スルホン酸、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホニウム、オキソスルホニウム、スルフラン、ペルスルフラン、及びそれらの組み合わせ、塩、又は誘導体を含む群から選択される。例えば、硫黄含有汚染物質は、アニオン及び/又は塩形態のスルフェートであり得る。
【0777】
液体は、水などの水性液体であり得る。いくつかの実施形態では、水は、金属鉱業、酸性鉱山排水、ミネラル処理、都市下水処理、パルプ及び紙、エタノール、並びに廃水中の硫黄含有汚染物質を排出することができる任意の他の工業プロセスを含む群から選択されるプロセスに関連する廃水である。水はまた、湖、川、又は小川などの天然の水域(又はその一部)であってもよい。
【0778】
一実施形態では、本開示は、水中の硫酸塩の濃度を低減するプロセスであって、プロセスが、
(a)本明細書に開示されている第2の反応器から回収された活性炭粒子を提供することと、
(b)硫酸塩を含有する水の体積又は流れを提供することと、
(c)水からの硫酸塩の除去を補助するように選択された添加剤を提供することと、
(d)水を活性炭粒子及び添加剤と接触させて、少なくとも硫酸塩を活性炭粒子上又は活性炭粒子内に吸着又は吸収させることと、を含む、プロセスを提供する。
【0779】
いくつかの実施形態では、硫酸塩は、水中で約10mg/L以下の濃度など、水中で約50mg/L以下の濃度に低減される。いくつかの実施形態では、硫酸塩は、主に硫酸アニオン及び/又は重硫酸アニオンの形態で存在する。pHに依存して、硫酸塩は硫酸塩の形態で存在することもできる。
【0780】
水は、廃水流の一部又は全部から誘導することができる。例示的な廃水流は、金属鉱業、酸性鉱山排水、ミネラル処理、都市下水処理、パルプ及び紙、エタノール、又は硫黄含有汚染物質を廃水に排出し得る任意の他の工業プロセスに関連し得る。水は、湖、川、又は小川などの天然の水域であり得る。いくつかの実施形態では、プロセスは連続的に行われる。他の実施形態では、プロセスはバッチで行われる。
【0781】
水が活性炭で処理される場合、水の濾過、水の浸透、及び/又は活性炭粒子の水への直接添加(沈降、清澄化などを伴う)があり得る。浸透を使用する場合、活性炭は、浸透デバイス内で、又は浸透デバイスを補助するために、いくつかの方法で使用することができる。いくつかの実施形態では、活性炭粒子及び添加剤は、浸透の前に水に直接導入される。いくつかの実施形態では、活性炭粒子及び添加剤は、浸透の前の予備濾過において使用される。ある特定の実施形態では、活性炭粒子及び添加剤は、浸透のために膜に組み込まれる。
【0782】
いくつかの実施形態では、活性炭は、元素硫黄、硫酸、亜硫酸、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫酸アニオン、重硫酸アニオン、亜硫酸アニオン、重亜硫酸アニオン、チオール、スルフィド、ジスルフィド、ポリスルフィド、チオエーテル、チオアセタール、スルホキシド、スルホン、チオスルフィネート、スルフィミド、スルホキシミド、スルホンジイミン、ハロゲン化硫黄、チオケトン、チオアルデヒド、硫黄酸化物、チオカルボン酸、チオアミド、スルホン酸、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホニウム、オキソスルホニウム、スルフラン、ペルスルフラン、及びそれらの組み合わせ、塩又は誘導体を含む群から選択される硫黄含有汚染物質を除去するのに効果的である。
【0783】
一般に言えば、開示されている活性炭は、従来の活性炭が使用され得る任意の用途において使用することができる。いくつかの実施形態では、活性炭は、従来の活性炭の全(すなわち、100%)代替物として使用される。いくつかの実施形態では、活性炭は、特定の用途に使用される活性炭の本質的に全て又は実質的に全てを含む。いくつかの実施形態では、活性炭は、約1%~最大約100%の生体活性炭を含む。
【0784】
例えば、限定するものではないが、活性炭は、単独で、又は従来の活性炭製品と組み合わせて、フィルタに使用することができる。いくつかの実施形態では、充填床又は充填カラムは、開示された活性炭を含む。そのような実施形態では、生体活性炭は、特定の充填床又は充填カラムに好適なサイズ特性を含む。ガス流への生体活性炭の注入は、石炭火力発電所、バイオマス火力発電所、金属加工プラント、原油精製所、化学プラント、ポリマープラント、パルプ及び製紙プラント、セメントプラント、廃棄物焼却炉、食品処理プラント、ガス化プラント、並びに合成ガスプラントに由来するガス流又は液体流中の汚染物質排出の制御に有用であり得る。
【0785】
金属酸化物還元におけるバイオカーボン組成物の使用
バイオカーボンペレット又はその微粉形態又は本明細書に開示されている他のバイオカーボン組成物が金属鉱石炉及び/又は化学還元炉に供給される様々な実施形態がある。
【0786】
金属鉱石炉又は化学還元炉は、高炉、炉頂ガス再循環高炉、シャフト炉、反射炉(空気炉としても既知である)、るつぼ炉、消音炉、レトルト炉、フラッシュ炉、Tecnored炉、Ausmelt炉、ISASMELT炉、パッドル炉、ボギー炉床炉、連続チェーン炉、プッシャー炉、回転炉床炉、ウォーキングビーム炉、電気アーク炉、誘導炉、塩基性酸素炉、パッドル炉、ベッセマー炉、直接還元金属炉、又はそれらの組み合わせ若しくは派生物であり得る。
【0787】
金属鉱石炉又は化学還元炉は、水平に、垂直に、又は傾斜して配置することができる。固体及び流体(液体及び/又は気体)の流れは、並流又は向流であり得る。炉内の固体は、固定床及び/又は流動床であり得る。金属鉱石炉又は化学還元炉は、温度、圧力、及び滞留時間の様々なプロセス条件で動作させることができる。
【0788】
いくつかの変形形態は、具体的には高炉に関する。高炉は、鉄又は銅などの工業用金属を製造するための製錬に使用される冶金炉の一種である。高炉は、鉄鉱石を製錬して、商業用の鉄及び鋼の製造に使用される中間体材料である銑鉄を製造する際に利用される。高炉はまた、例えば卑金属製錬において焼結プラントと組み合わせて使用される。
【0789】
「ブラスト」という用語は、燃焼空気が大気圧を超えて強制又は供給されることを指す。高炉では、金属鉱石、炭素(例えば、本開示では、生体試薬又はそれらの誘導体)、及び通常はフラックス(例えば、石灰石)が、炉の頂部を通して連続的に供給される一方で、空気の熱風が、羽口と呼ばれる一連のパイプを通して炉の下部に吹き込む。いくつかの実施形態では、空気の熱風は、酸素が濃縮されている。化学還元反応は、材料が下方に落下する際に炉全体にわたって起こる。最終製品は、通常、底部から取り出される溶融金属及びスラグ相、並びに炉の頂部から出る廃ガス(還元排ガス)である。高温のCOリッチガスの上昇流と向流接触するフラックスに沿った金属鉱石の下降流は、金属鉱石を金属に還元する効率的な化学反応を可能にする。
【0790】
空気炉(反射炉など)は、通常、煙突煙道における高温ガスの対流によって自然に吸引される。この広い定義によると、鉄のための塊鉄炉、スズのための吹き込みハウス、及び鉛のための製錬工場は、高炉として分類される。
【0791】
高炉は、現代の鉄生成の重要な部分のままである。現代の炉は、非常に効率的であり、煙道ガスからの廃熱を伴って入ってくるブラスト空気を予熱するカウパーストーブ、及び炉を出る高温ガスから熱を抽出する回収システムを備える。高炉は、典型的には、耐火レンガで裏打ちされた背の高い構造の形態で構築され、供給材料がその下降中に加熱されるにつれて膨張し、その後、溶融が生じ始めるにつれてサイズを縮小させるような外形にされる。
【0792】
鉄製造に関するいくつかの実施形態では、バイオカーボンペレット、鉄鉱石(酸化鉄)、及び石灰石フラックスが、高炉の頂部に装入される。鉄鉱石及び/又は石灰石フラックスは、バイオカーボンペレット内に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、バイオカーボンペレットは、高炉に供給する前にサイズが縮小される。例えば、バイオカーボンペレットは、高炉に供給される粉末に微粉砕することができる。
【0793】
高炉は、一酸化炭素含有量が高い高温の汚れたガスを炉スロートから出させるように構成することができ、一方、ブリーダー弁は、突然のガス圧力サージから炉の頂部を保護することができる。排ガス中の粗大粒子は、沈降し、処分することができ、一方、ガスは、ベンチュリスクラバー及び/又は静電集塵器及び/又はガス冷却器を通って流れて、浄化されたガスの温度を下げることができる。炉の底部にある鋳造室は、液体鉄及びスラグを鋳造するための設備を含む。液体鉄及びスラグが開口部を通って樋を流下し、鉄とスラグとを分離するように、出銑孔を耐火プラグに穿孔することができる。銑鉄及びスラグが出銑されると、出銑孔は、耐火粘土で塞ぐことができる。羽口と呼ばれるノズルは、高炉の効率を高めるために熱風を供給するために使用される。熱風は、基部近くの冷却された羽口を通して炉内に向けられる。熱風温度は、例えば、約900℃~1300℃(空気温度)であり得る。高炉内の温度は、少なくとも約2000℃以上であり得る。他の炭素質材料及び/又は酸素を羽口レベルで炉に注入して、炭素(バイオカーボンペレットから)と結合させて、追加のエネルギーを放出し、存在する還元ガスのパーセンテージを増加させることもでき、これは生産性を増加させる。
【0794】
高炉は、金属鉱石(例えば、鉄鉱石)中の酸素に対して対応する金属よりも強い親和性を含む一酸化炭素が金属をその元素形態に還元する化学還元の原理に基づいて動作する。高炉は、塊鉄炉及び反射炉とは異なり、高炉では、煙道ガスが鉱石及び金属と直接接触し、一酸化炭素を鉱石中に拡散させ、金属酸化物を炭素と混合された元素金属に還元させる。高炉は、通常、連続向流交換プロセスとして動作する。
【0795】
シリカは、通常、銑鉄から除去される。シリカは、酸化カルシウムと反応してケイ酸塩を形成し、これがスラグとして溶融銑鉄の表面に浮遊する。金属鉱石、フラックス、炭素、及び反応生成物の下方移動カラムは、煙道ガスが通過するのに十分な多孔性でなければならない。これは、生体試薬炭素が透過性であるのに十分な大きさの粒子(例えば、バイオカーボンペレット又はペレットに由来するより小さな物体)であることを必要とする。したがって、ペレット又は破砕したペレットは、その上の材料の重量によって破砕されないように十分に強くなければならない。炭素の物理的強度に加えて、硫黄、リン、及び灰も低くすることができる。
【0796】
多くの化学反応が高炉中で起こる。化学反応は、出発金属酸化物としてヘマタイト(Fe2O3)を参照して理解することができる。酸化鉄のこの形態は、初期原料において、又は高炉内で製造されたままのいずれかにおいて、鉄鉱石処理において一般的である。鉄鉱石の他の形態(例えば、タコナイト)は、様々な濃度の異なる酸化鉄(Fe3O4、Fe2O3、FeOなど)を含むであろう。
【0797】
高炉内で溶融鉄を製造する主な全体的化学反応は、以下の通りである。
Fe2O3+3CO→2Fe+3CO2
これは吸熱反応である。この反応全体は、多くのステップにわたって生じ、第1のステップは、炉に吹き込む予熱されたブラスト空気が(例えば、バイオカーボンペレットからの)炭素と反応して一酸化炭素及び熱を生成することである:
2C+O2→2CO
【0798】
高温の一酸化炭素は、鉄鉱石の還元剤であり、酸化鉄と反応して溶融鉄及び二酸化炭素を生成する。炉の異なる部分の温度(典型的には底部で最も高い)に応じて、鉄は、いくつかのステップで還元される。温度が通常200~700℃の範囲である頂部では、酸化鉄は、酸化鉄(II、III)Fe3O4に部分的に還元される:
3Fe2O3+CO→2Fe3O4+CO2
【0799】
約850℃の温度で、炉の更に下方で、鉄(II、III)は、酸化鉄(II)FeOに更に還元される:
Fe3O4+CO→3FeO+CO2
【0800】
高温の二酸化炭素、未反応の一酸化炭素、及び空気からの窒素は、新鮮な供給材料が反応ゾーンへと下方に移動するにつれて、炉を上方に通過する。材料が下方に移動するにつれて、向流ガスは、供給装入物を予熱するとともに石灰石(用いられる場合)を酸化カルシウムと二酸化炭素とに分解する:
CaCO3→CaO+CO2
【0801】
分解によって形成された酸化カルシウムは、鉄中の様々な酸性不純物(特に、シリカ)と反応して、主にケイ酸カルシウムCaSiO3であるスラグを形成する:
SiO2+CaO→CaSiO3
【0802】
FeOが最大1200℃の範囲のより高い温度の領域に移動するにつれて、FeOは、鉄金属に更に還元され、再び一酸化炭素が反応物として用いられる:
FeO+CO→Fe+CO2
【0803】
このプロセスで形成された二酸化炭素は、逆ブードア反応によって炭素と反応させることによって、一酸化炭素に変換し戻すことができる:
C+CO2→2CO
【0804】
先に示した化学反応では、還元ガスは、炉内のインサイチュの製品であるのではなく、代替的に又は追加的に、高炉に直接導入することができることに留意することは重要である。典型的には、これらの実施形態では、還元ガスは水素及び一酸化炭素の両方を含み、これらは両方とも金属酸化物を化学的に還元するように機能する。いくつかの実施形態では、還元ガスは、改質、ガス化、又は部分的な酸化によってバイオカーボンペレットから別々に製造することができる。
【0805】
従来の高炉では、金属酸化物の還元を引き起こすために利用可能な水素がない。本開示では、水素を高炉に直接注入することができる。代替的に又は追加的に、水素は、バイオカーボンペレットが水素と関連する揮発性炭素(例えば、重質タール成分)を含む場合、高炉に供給されるバイオカーボンペレット内で利用可能であり得る。水素は、先のものと同様であるがCOをH2で置き換える追加の還元反応を引き起こすことができる:
3Fe2O3+H2→2Fe3O4+H2O
Fe3O4+4H2→3Fe+4H2O
これらの反応は、COによる還元反応と並行して生じる。水素はまた、逆水性ガスシフト反応において二酸化炭素と反応してより多くのCOを生成することができる。ある特定の実施形態では、本質的に水素からなる還元ガスが高炉に供給される。
【0806】
高炉によって製造される「銑鉄」は、典型的には、約3~6重量%の高い炭素含有量を含む。鋳鉄を作製するために銑鉄を使用することができる。高炉によって製造された銑鉄は、通常、炭素及び硫黄含有量を低減し、商業的に使用される様々なグレードの鋼を製造するために、更なる処理を受ける。塩基性酸素製鋼と呼ばれる更なるプロセスステップでは、炭素は、酸素を液体銑鉄に吹き付けることによって酸化されて、粗鋼を形成する。
【0807】
脱硫は、従来、銑鉄に含まれる硫化鉄と反応して硫化カルシウムを形成する酸化カルシウムを添加することによって、製鉄所への液体鉄の輸送中に実施される。いくつかの実施形態では、脱硫はまた、金属硫化物を(還元ガス中の)COと反応させて、金属及び硫化カルボニルCSOを形成することによって、炉内又は炉の下流で起こり得る。これらの又は他の実施形態では、脱硫はまた、金属硫化物を(還元ガス中の)H2と反応させて、金属及び硫化水素H2Sを形成することによって、炉内又は炉の下流で起こり得る。
【0808】
他のタイプの炉は、他の化学反応を用いることができる。変換において炭素及び/又は還元ガスを用いる、金属への金属酸化物の化学変換では、この炭素が再生可能な炭素であり得ると理解されるであろう。本開示は、バイオマスの熱分解を介して製造される生体試薬中の再生可能な炭素を提供する。ある特定の実施形態では、炉中で利用される一部の炭素は、再生可能な炭素ではない。様々な実施形態では、金属鉱石炉で消費される総炭素のうち、再生可能な炭素のパーセンテージは、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は100%であり得る。
【0809】
いくつかの変形形態では、Tecnored炉、又はその修正形態が利用される。Tecnoredプロセスは、元々、ブラジルのTecnored Desenvolvimento Tecnologico S.A.によって開発され、冷間結合された、カーボン含有、自溶、及び自己還元ペレットを還元する低圧移動床還元炉に基づいている。還元は、低背型シャフト炉中で典型的な還元温度で実施される。プロセスは、高効率で溶銑(典型的には液体鉄)を製造する。
【0810】
Tecnored技術は、コークスレス製鉄プロセスであるように開発され、したがって、溶銑の製造における温室ガス放出を大幅に低減することに加えて、環境に有害なコークス炉の投資及び動作を回避した。Tecnoredプロセスは、高温ブラストと低温ブラストとの組み合わせを使用し、追加の酸素を必要としない。それは、コークスプラント、焼結プラント、及びトン数酸素プラントの必要性を排除する。したがって、このプロセスは、伝統的な製鉄ルートのものよりもはるかに低い動作コスト及び投資コストを有する。
【0811】
本開示において、Tecnoredプロセスは、様々な方法で生体試薬とともに使用するために適合させることができる。いくつかの実施形態は、鉄鉱石微粉又は鉄含有残留物に本明細書に開示されている生体試薬を加えたものから製造される自己還元凝集体(例えば、バイオカーボンペレット)を提供する。フラックス剤及び結合剤と混合されたこれらの材料は、凝集され、熱的に硬化されて、Tecnoredプロセスの物理的及び冶金学的要求に十分な強度を有するバイオカーボンペレットを製造する。次いで、生成された凝集物をTecnored炉中で製錬する。Tecnored炉のための燃料は、それ自体がバイオカーボンペレット、又は非ペレットバイオカーボ組成物(例えば、粉末)であり得る。
【0812】
ブリケット内で酸化鉄の微細粒子と還元剤とを合わせることによって、還元剤と接触する酸化物の表面積、したがって反応速度が劇的に増加する。自己還元ブリケットは、含有される鉄含有原料を完全に還元させるのに十分な還元剤を含有するように設計され得る。いくつかの実施形態では、所望のスラグ化学反応を提供するために、鉄含有原料がフラックスとともに含有される。自己還元ブリケットは、炉に供給する前に低温で硬化される。自己還元ブリケット内の反応を駆動するのに必要な熱は、ブリケットの形態でもあり得る固体燃料の床によって提供され、その上に自己還元ブリケットが炉内に供給される。
【0813】
Tecnored炉は、(i)上部シャフトゾーン、(ii)溶融ゾーン、及び(iii)下部シャフトゾーンの3つのゾーンを含む。上部シャフトゾーンでは、固体燃料(例えば、生体試薬)が装入される。このゾーンでは、ブードア反応(C+CO2→2CO)が防止され、それによって、エネルギーが節約される。炉のこのゾーンにおける後燃焼は、COを燃焼させ、これは、装入物の予熱及び還元のためのエネルギーを提供する。ペレット内部では、以下の反応が非常に速い速度で起こる。
FexOy+yCO→xFe+yCO2
yCO2+yC=2yCO
式中、xは1~典型的には5であり、yは1~典型的には7である。
【0814】
溶融ゾーンでは、装入物中の還元雰囲気によって、再酸化が防止される。装入物の溶融は、還元雰囲気下で起こる。下部シャフトゾーンでは、固体燃料が装入される。固体燃料は、バイオカーボンペレットを含み得る。いくつかの実施形態では、固体燃料は、バイオカーボンペレットを本質的に含む。このゾーンでは、残留酸化鉄の更なる還元、並びに脈石材料及び燃料灰のスラグ化反応が液体状態で起こる。また、金属及びスラグ小滴の過熱が起こる。これらの過熱された金属及びスラグの液滴は、重力によって炉の炉床に沈み、そこに蓄積する。
【0815】
この改変されたTecnoredプロセスは、カーボンユニットの2つの異なる入力、すなわち還元剤及び固体燃料を用いる。還元剤は、従来、石炭微粉であるが、本開示では、還元剤は、微粉砕バイオカーボンペレットを含み得る。自己還元凝集体は、本明細書に開示されているバイオカーボンペレットであり得る。必要とされる炭素微粉の量は、鉱石微粉に対する炭素の比率によって確立され、これは、金属酸化物の完全な還元を達成するように選択することができる。
【0816】
固体燃料は、微粉の形態にある必要はない。例えば、固体燃料は、Tecnoredプロセスにおいて固体燃料から必要とされる物理的及び熱的欲求に対処するために、約40~80mmのサイズなどの塊の形態にあり得る。これらの塊は、バイオカーボンペレットを分解(例えば、破砕)することによって作製することができるが、完全に粉末にすることはできない。固体燃料は、(上部シャフトにおける吸熱ブードア反応を回避するために)サイド供給装置を通して装入され、プロセスによって要求されるエネルギーの大部分を提供する。このエネルギーは、一次ブラスト(C+O2→CO2)及び二次ブラストによって形成され、炉床での固体燃料のガス化によって生成された上流COが燃焼される(2CO+O2→2CO2)。
【0817】
ある特定の例示的な実施形態では、改変されたTecnoredプロセスは、140メッシュ未満のサイズを有する鉄鉱石微粉、200メッシュ未満のサイズを有する生体反応物質微粉、及び140メッシュ未満のサイズの消石灰などのフラックスを、結合剤としてセメントを使用してペレット化することを含む。ペレットを硬化させ、200℃で乾燥させた後、Tecnored炉の頂部に供給する。炉中の装入物の全滞留時間は、約30~40分である。40mm~80mmの範囲のサイズの固体燃料の形態の生体試薬は、サイド供給装置を使用して高温ペレット領域の下の炉中に供給される。約1150℃の熱風空気が、炉の側面に位置している羽口を通して吹き込み、バイオカーボンのための燃焼空気を提供する。少量の炉ガスは、固体燃料の乾燥及び予熱に使用するために、サイド供給装置を通して流される。上部シャフトにおけるCOの後燃焼を促進するために、低温のブラスト空気がより高い点で吹き込む。製造された溶銑は、取鍋台車上の取鍋に出銑され、この取鍋台車は、スラグ除去のために取鍋を傾けることができる。いくつかの実施形態では、液体鉄は、取鍋中で脱硫され、スラグは、スラグポットにかき集められる。溶銑は、典型的には約3~5重量%の炭素を含む。
【0818】
従来、外部のCO又はH2は、Tecnored炉を使用する自己還元プロセスにおいて重要な役目を果たさない。しかしながら、外部H2及び/又はCO(還元ガスから)は、先の反応(FexOy+yCO→xFe+yCO2)において、又は反応物としての水素との反応(FexOy+yH2→xFe+yH2O)において、酸化鉄の速度及び/又は変換を増加させることによって、化学反応全体を補助することができる。還元化学反応は、高温還元ガスの物質移動が速いため、少なくともペレット又はブリケットの表面で、場合によってはペレット又はブリケットのバルク相内で補助することができる。本開示のいくつかの実施形態は、高炉の態様をTecnored炉の態様と合わせて、これによって炉内の還元ガスの使用に加えて、自己還元ペレット又はブリケットが利用される。
【0819】
言及したように、金属鉱石処理のための多数の可能な炉構成がある。本明細書は、全ての可能な炉で起こり得る様々な条件及び化学反応を詳細に説明しないが、本明細書に開示されている原理は、金属鉱石から金属を作製するプロセスのどこかで炭素を使用する本質的に任意の炉又はプロセスに適用され得ることが、当業者によって理解される。
【0820】
いくつかのプロセスは、バイオカーボンペレットを利用し、いくつかのプロセスは、還元ガスを利用し、いくつかのプロセスは、バイオカーボンペレット及び還元ガスの両方を利用することも観察されるであろう。本明細書で提供されるプロセスは、固体バイオカーボンペレット及び還元ガスの両方を製造することができる。いくつかの実施形態では、固体バイオカーボンペレットのみを金属鉱石変換プロセスにおいて用いる。他の実施形態では、還元ガスのみを金属鉱石変換プロセスにおいて用いる。更に他の実施形態では、バイオカーボンペレット及び還元ガスの両方を金属鉱石変換プロセスにおいて用いる。再生可能な炭素の両方の供給源を用いるこれらの実施形態では、還元ガスからの金属鉱石変換における総炭素使用量のパーセンテージは、約、少なくとも約、又は最大約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、若しくは100%であり得る。いくつかの実施形態では、他の炭素使用量は、バイオカーボンペレットからのものである。代替的に、他の炭素使用量の一部又は全ては、石炭微粉などの従来の炭素入力からのものであり得る。
【0821】
還元ガスへのバイオカーボン組成物の変換
いくつかの変形形態は、還元ガスを生成するために(ペレット、粉末、又は他の形態としての)バイオカーボン組成物を用い、還元ガスは、プロセスにおいてインサイチュで利用することができるか、又は回収及び販売することができる。関連する実施形態では、低固定炭素材料及び/又は高固定炭素材料(例えば、これらの材料のうちの1つの規格外の部分、又は最終製品の需要に必要とされない追加量の材料)は、ブレンド操作から分流され、代わりに、還元ガスを生成するために利用され得る。
【0822】
ここで、還元ガス(本明細書では「バイオ還元剤ガス」とも呼ばれる)の任意選択的な製造について更に説明する。還元ガスへのバイオカーボン組成物の変換は、バイオ還元剤形成ユニットと呼ばれ得る反応器内で起こる。
【0823】
反応物は、バイオカーボン組成物と反応させて還元ガスを生成するために用いることができる。反応物は、酸素、水蒸気、又はそれらの組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態では、酸素を水蒸気と混合し、得られた混合物を第2の反応器に添加する。酸素又は酸素濃縮空気を添加して、酸素による炭素の部分酸化若しくは全酸化などの発熱反応を引き起こすか;還元ガス中でより好ましいH2/CO比率を達成するか;(iii)還元ガスの収率を増加させるか;並びに/又は(iv)例えば、CO2、熱分解生成物、タール、芳香族化合物、及び/若しくは他の望ましくない生成物の量を減少させることによって還元ガスの純度を増加させることができる。
【0824】
いくつかの実施形態では、水蒸気が反応物である。水蒸気(すなわち、蒸気相のH2O)は、1つ以上の入力流で反応器に導入することができる。水蒸気は、バイオカーボンペレット中に含有される水分によって生成される水蒸気、並びに水を生成する任意の化学反応によって生成される水蒸気を含み得る。
【0825】
本明細書における化学種の「比」への全ての言及は、別段の指示がない限り、モル比への言及である。例えば、1のH2/CO比率は、二酸化炭素1モル当たり水素1モルを意味する。
【0826】
水蒸気改質、部分酸化、水性ガスシフト(WGS)、及び/又は燃焼反応は、酸素又は水蒸気が添加される場合に起こり得る。例示的な反応を、例えばセルロース系原料中に見られるセルロース繰り返し単位(C
6H
10O
5)に関して以下に示す。バイオカーボンペレットを含む任意の含炭素原料を用いて同様の反応が起こり得る。
【表1】
【0827】
バイオ還元剤形成ユニットは、還元ガスを製造する少なくとも1つの化学反応を引き起こすことができる任意の反応器である。当該技術分野で周知の従来の水蒸気改質装置は、触媒を用いても用いなくても使用することができる。他の可能性としては、自己熱改質器、部分酸化反応器、及びいくつかの反応機構(例えば、部分酸化とそれに続く水性ガスシフト)を組み合わせた多段反応器が挙げられる。反応器の構成は、固定床、流動床、複数のマイクロチャネル、又はいくつかの他の構成であり得る。
【0828】
いくつかの実施形態では、反応物としての水蒸気の総量は、供給材料中の炭素1モル当たり少なくとも約0.1モルの水蒸気である。様々な実施形態では、炭素1モル当たり少なくとも約0.5、1.0、1.5、2.0、3.0、4.0、5.0、又はそれより多くのいずれかのモルの水蒸気が添加されるか、又は存在する。いくつかの実施形態では、炭素1モル当たり約1.5~3.0モルの水蒸気が添加されるか、又は存在する。
【0829】
第2の反応器に添加される水蒸気の量は、熱分解反応器の条件などの要因に応じて変化し得る。熱分解が炭素リッチ固体材料を生成する場合、一般に、より多くの水蒸気(及び/又はより多くの酸素)を使用して、必要なH及びO原子を、CO及びH2を生成するのに利用可能なCに添加する。システム全体の観点から、バイオカーボンペレットに含有される水分は、プロセスにおいてどれだけの追加の水(蒸気)を加えるかを決定する際に考慮することができる。
【0830】
水蒸気に対する酸素の例示的な比率(O2/H2O)は、第2の反応器において、約2、1.5、1、0.5、0.2、0.1、0.05、0.02、0.01、又はそれ未満のうちのいずれかに等しいか、又はおよそそれ未満である。O2/H2Oの比率が1より大きい場合、燃焼反応は、部分酸化よりも優勢になり始め、これは、望ましくない低いCO/CO2比率をもたらし得る。
【0831】
いくつかの実施形態では、水蒸気を含まない酸素が反応物として使用される。酸素は、実質的に純粋な形態で添加され得るか、又は空気の添加を介してプロセスに供給され得る。いくつかの実施形態では、空気は、酸素が濃縮されている。いくつかの実施形態では、酸素が濃縮されていない空気が添加される。他の実施形態では、例えば、近くの空気分離プラントからの流れとすることができる規格外流れ又は再循環流れからの濃縮空気を使用することができる。いくつかの実施形態では、N2の量が低減された(すなわち、79体積%未満)濃縮空気を使用すると、得られる還元ガス中のN2が少なくなる。N2の除去は高価であり得るため、N2が少ないか又は全くない還元ガスを生成する方法が典型的には望ましい。
【0832】
いくつかの実施形態では、酸素の存在は、酸素の非存在下で同じ方法によってもたらされる比率と比較して、還元ガスにおけるH2/COの比率を変化させる。還元ガスのH2/CO比率は、約0.5~最大約2.0、例えば、約0.75~1.25、約1~1.5、又は約1.5~2.0であり得る。認識されるように、(より高い水蒸気添加率による)増加した水性ガスシフトは、より高いH2/CO比率、例えば、少なくとも2.0、3.0、4.0、5.0、又は更により高いものを生成する傾向があり、これは、水素生成を含む特定の用途に望ましい場合がある。
【0833】
いくつかの実施形態では、触媒は、還元ガスを生成するために、反応器内で利用することができる。触媒は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属酸化物及び塩、石炭中の無機物質又は灰、遷移金属及びそれらの酸化物及び塩、並びに共晶塩混合物を含むことができるが、これらに限定されることはない。触媒の具体例としては、限定されないが、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、水酸化セシウム、酸化ニッケル、ニッケル置換合成雲母モンモリロナイト(NiSMM)、NiSMM担持モリブデン、鉄ヒドロキシ酸化物、鉄硝酸塩、鉄-カルシウム含浸塩、ニッケルウラニル酸化物、フッ化ナトリウム、及び氷晶石が挙げられる。
【0834】
他の例示的な触媒としては、ニッケル、酸化ニッケル、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、及び白金が挙げられるが、これらに限定されることはない。このような触媒は、例えば、ガンマ-アルミナなどの1つ以上の担体材料上にコーティング又は堆積させることができる。いくつかの実施形態では、ガンマ-アルミナは、マグネシウム、ランタン、又はバリウムなどの安定化元素でドープされている。
【0835】
システムに添加される前に、全表面積、活性表面積、サイト密度、触媒安定性、触媒寿命、触媒組成、表面粗さ、表面分散、多孔性、密度、及び/又は熱拡散率に影響を与える既知の技術を用いて、任意の触媒を前処理又は活性化することができる。触媒の前処理には、焼成、ウォッシュコート添加、粒子サイズ縮小、及び熱的又は化学的手段による表面活性化が含まれるが、これらに限定されることはない。
【0836】
触媒の添加は、最初に、水又はガス化及び/若しくは改質され得る任意の炭化水素などの溶媒中に触媒を溶解又はスラリー化することによって実施することができる。いくつかの実施形態では、触媒は、そのようなスラリーを容器に直接注入することによって添加される。いくつかの実施形態では、触媒は水蒸気に添加され、水蒸気/触媒混合物がシステムに添加される。これらの実施形態では、添加される触媒は、水蒸気中でその平衡溶解度にあるか若しくはその近くにあることができるか、又は水蒸気中に同伴された粒子として導入し、それによってシステム中に導入することができる。
【0837】
材料は、概して、単軸スクリュー、二軸スクリュー、ラムなどによって反応器の内外に搬送することができる。材料は、物理的力(金属接触)、圧力駆動流、空気圧駆動流、遠心流、重力流、流動化流、又は固相及び気相を移動させるいくつかの他の既知の手段によって機械的に搬送することができる。特に、機械的に堅牢である必要がある、バイオカーボンペレット床の上に配置された金属酸化物の床を使用する実施形態では、反応器におけるバイオカーボンペレットの固定床を利用することが好適である場合がある。
【0838】
いくつかの実施形態では、反応器は、バイオカーボン組成物のガス化を用いて、還元ガスを生成する。ガス化は、高温、典型的には約600℃~最大約1100℃で実施される。反応性の低い生体試薬は、より高い動作温度を必要とする。導入される反応物(例えば、空気、酸素、濃縮空気、又は酸素-水蒸気混合物)の量は、典型的にはガス化温度を制御する主要な因子であろう。大気圧から最大約50barの動作圧力がバイオマスガス化において用いられてきた。ガス化はまた、反応物、一般に空気、高純度酸素、水蒸気、又はこれらのガスの何らかの混合物を必要とする。
【0839】
ガス化装置は、容器内で固体を支持する手段、固体及びガスの両方の流れの方向、並びに反応器に熱を供給する方法に基づいて区別することができる。ガス化装置がほぼ大気圧又は高圧で動作されるか否か、及びガス化装置が空気吹き又は酸素吹きであるか否かも際立った特徴である。一般的な分類は、固定床上昇流、固定床下降流、バブリング流動床、及び循環流動床である。
【0840】
固定床ガス化装置は、一般に、小麦わら、トウモロコシストーバー、又は庭ごみなどの繊維質草本供給原料を取り扱うことができない。しかしながら、開示されたプロセスでは、バイオマスが最初に生体試薬に熱分解され、ペレット化され、バイオカーボンペレットがガス化され得る。バイオカーボンペレットは、必ずしもペレットのサイズを縮小させることなく、固定床ガス化装置を使用して直接ガス化することができる。
【0841】
循環流動床ガス化技術は、Lurgi and Foster Wheelerから入手可能であり、バイオマス及び他の廃棄物に利用される既存のガス化技術の大部分を代表する。バブリング流動床ガス化(例えば、U-GAS(登録商標)技術)が商業的に使用されている。
【0842】
直接加熱ガス化装置は、単一の反応容器内で吸熱及び発熱ガス化反応を行い、追加の加熱は必要ない。対照的に、間接加熱ガス化装置は、外部熱供給源を必要とする。間接加熱ガス化装置は、一般に2つの容器を使用する。第1の容器は、供給物を水蒸気でガス化する(吸熱プロセス)。熱は、熱伝達媒体、通常は砂を循環させることによって供給される。第1の容器内で製造された還元ガス及び固体チャーは、砂とともに分離される。混合されたチャー及び砂は第2の容器に供給され、そこでチャーは空気で燃焼され、砂を加熱する。高温砂は第1の容器に循環して戻される。
【0843】
バイオカーボン組成物を、「乾燥供給物」として、又は水中のスラリー若しくは懸濁液としてガス化装置に導入することができる。いくつかの実施形態では、乾燥供給物を、水分ありで、ただし遊離液相なしで導入する。乾燥供給ガス化装置は、典型的には還元ガスへの高い1パス当たりの炭素変換及び良好なエネルギー効率を可能にする。乾燥供給ガス化装置では、ガス化反応によって放出されるエネルギーによってガス化装置が極めて高い温度に達する可能性がある。この問題は、ウェットウォール設計を使用することによって解決することができる。
【0844】
いくつかの実施形態では、ガス化装置への供給物は、高い水素含有量を有するバイオカーボンペレットである。得られる還元ガスは、水素が多く、H2/CO比率が高く、例えば、H2/CO>1.5であるか、又はそれを上回る。
【0845】
いくつかの実施形態では、ガス化装置への供給物は、低水素含有量を有するバイオカーボンペレットである。得られた還元ガスは、低いH2/CO比率を有すると予想される。H2/CO>1を必要とする下流プロセスでは、水又は水蒸気をガス化装置に注入して、ガス化装置温度を緩和すること(顕熱効果及び/又は吸熱化学作用によって)、並びにH2/CO比率をより高いより望ましい比率にシフトさせることの両方が望ましい場合がある。水の添加はまた、水蒸気改質化学を介して、吸熱消費による温度緩和に寄与し得る。水蒸気改質において、H2Oは、炭素と、又はタール若しくはベンゼン/トルエン/キシレンなどの炭化水素と反応して、還元ガスを生成し、断熱ガス化温度を低下させる。
【0846】
ある特定の変形形態では、ガス化装置は、バブリング流動ガス化反応器などの流動床ガス化装置である。流動化は、ガス化装置床内で実質的に均一な温度をもたらす。アルミナ砂又はケイ砂などの流動床材料は、潜在的な摩耗問題を低減することができる。いくつかの実施形態では、ガス化装置温度は、灰粒子が固体から溶融形態に変化し始めないように、十分に低い温度に調節され、それはガス化装置内で凝集及び流動化の損失を引き起こす可能性がある。
【0847】
流動床ガス化装置を使用する場合、全ての成分の総流量は、ガス化装置床が流動化されることを確実にすべきである。全ガス流量及び床直径は、ガス化装置を通るガス速度を確立する。適切な流動化を確実にするために、正確な速度が維持されなければならない。
【0848】
変形形態では、ガス化装置のタイプは、同伴流スラグ化、同伴流非スラグ化、輸送、バブリング流動床、循環流動床、又は固定床であり得る。いくつかの実施形態は、ガス化触媒を使用する。
【0849】
ガス、砂、及び原料(例えば、破砕又は微粉砕バイオカーボンペレット)が一緒に移動する循環流動床ガス化装置を用いることができる。例示的な輸送ガスは、再循環生成ガス、燃焼ガス、又は再循環ガスを含む。砂からの高い熱伝達率は、原料の急速な加熱を確実にし、アブレーションは、通常の流動床よりも強いと予想される。分離機を用いて、還元ガスを砂及びチャー粒子から分離することができる。砂粒子は、流動バーナー容器内で再加熱し、反応器に再循環させることができる。
【0850】
向流固定床ガス化装置が使用されるいくつかの実施形態では、反応器は、ガス化剤(水蒸気、酸素、及び/又は再循環ガスなど)が向流構成で流れる原料の固定床からなる。灰は、乾燥して又はスラグとして除去される。
【0851】
並流固定床ガス化装置が使用されるいくつかの実施形態では、反応器は向流型と同様であるが、ガス化剤ガスは原料と並流構成で流れる。熱は、少量の原料を燃焼させることによって、又は外部熱供給源から床の上部に添加される。製造されたガスは高温で反応器を出て、この熱の多くは床の上部に添加されたガス化剤に伝達され、良好なエネルギー効率をもたらす。
【0852】
流動床反応器が使用されるいくつかの実施形態では、原料は、再循環ガス、酸素、空気、及び/又は水蒸気中で流動化される。灰は、乾燥して、又は脱流体化する重い凝集体として除去することができる。固体の再循環又はその後の燃焼を使用して変換率を増加させることができる。流動床反応器は、スラグ化反応器の壁を損傷するであろう腐食性が高い灰を形成する原料に有用である。
【0853】
同伴流ガス化装置が使用されるいくつかの実施形態では、バイオカーボンペレットは微粉砕され、並流で酸素、空気、又は再循環ガスを用いてガス化される。ガス化反応は、非常に微細な粒子の濃密な雲の中で起こる。高温を用いることができ、それによって還元ガス中のタール及びメタンの量を少なくすることができる。
【0854】
同伴流反応器は、動作温度が、典型的には灰溶融温度を十分に上回る可能性があるので、灰の大部分をスラグとして除去する。灰のより小さい部分は、非常に微細な乾燥フライアッシュとして、又はフライアッシュスラリーとして生成される。ある種の同伴床反応器は、部分的に固化したスラグで覆われた内部水冷壁又は水蒸気冷却壁を含む。
【0855】
ガス化装置チャンバは、フリーボードの適切な構成又は内部サイクロンの使用によって、固体下流動作のキャリーオーバーを、熱の回収に好適なレベルに保つように設計することができる。未反応の炭素は、ガス化装置チャンバの底部から引き出され、冷却され、回収され得る。
【0856】
ガス化装置は、含炭素種の部分酸化、逆水性ガスシフト、又は乾燥(CO2)改質に有効な触媒などの1つ以上の触媒を含み得る。
【0857】
いくつかの実施形態では、バブリング流動床脱揮反応器が利用される。反応器は、少なくとも部分的に、高温再循環ガス流によって約600℃に加熱され、これは予想されるスラグ化温度より低い。水蒸気、酸素又は空気も第2の反応器に導入することができる。第2は、フリーボードの適切な構成又は内部サイクロンの使用によって、固体のキャリーオーバーを下流の熱の回収に好適なレベルに保つように設計することができる。未反応チャーは、脱揮チャンバの底部から引き出され、冷却され、次にユーティリティボイラーに供給されて、この流れの残りの発熱量を回収することができる。
【0858】
流動床ガス化装置を使用する場合、原料は、再循環ガスなどのガスによって流動化された高温砂の床に導入することができる。本明細書における「砂」への言及は、ガラス粒子、回収された灰粒子などの同様の実質的に不活性な材料も含むものとする。流動砂からの高い熱伝達率は、原料の急速な加熱をもたらすことができる。砂粒子との摩擦によるいくらかのアブレーションがあり得る。熱は、高温燃焼ガスが流れる熱交換器管によって提供することができる。
【0859】
ガス、砂、及び原料が一緒に移動する循環流動床反応器を用いることができる。例示的な輸送ガスは、再循環生成ガス、燃焼ガス、又は再循環ガスを含む。砂からの高い熱伝達率は、原料の急速な加熱を確実にし、アブレーションは、通常の流動床よりも強いと予想される。分離機を用いて、還元ガスを砂及びチャー粒子から分離することができる。砂粒子は、流動バーナー容器内で再加熱し、反応器に再循環させることができる。
【0860】
向流固定床反応器が使用されるいくつかの実施形態では、反応器は、ガス化剤(水蒸気、酸素、及び/又は再循環ガスなど)が向流構成で流れる原料の固定床からなる。灰は、乾燥して又はスラグとして除去される。
【0861】
並流固定床反応器が使用されるいくつかの実施形態では、反応器は向流型と同様であるが、ガス化剤ガスは原料と並流構成で流れる。熱は、少量の原料を燃焼させることによって、又は外部熱供給源から床の上部に添加される。還元ガスは高温で反応器を離れ、この熱の多くは床の上部に添加された反応物に伝達され、良好なエネルギー効率をもたらす。この構成ではタールが高温の炭素床を通過するので、タールレベルは向流型を使用する場合よりも低いと予想される。
【0862】
流動床反応器が使用されるいくつかの実施形態では、原料は、再循環ガス、酸素、空気、及び/又は水蒸気中で流動化される。灰は、乾燥して、又は脱流体化する重い凝集体として除去される。固体の再循環又はその後の燃焼を使用して変換率を増加させることができる。
【0863】
熱及び物質移動を向上させるために、ノズルを使用して水を反応器に導入することができ、ノズルは、概して、流体フローがオリフィスを介して密閉チャンバ又はパイプに入るときに、流体フローの方向又は特性を制御するように設計された機械的デバイスである。ノズルは、水滴サイズを縮小させて、水の微細な噴霧を生成することができる。ノズルは、噴霧ノズル(燃料噴射器と同様)、液体を接線方向に噴射する旋回ノズルなどから選択することができる。
【0864】
水供給源は、プロセス凝縮液、他の再循環水、廃水、補給水、ボイラー給水、水道水などからの直接配管を含み得る。いくつかの実施形態では、水に、最初に洗浄、精製、処理、イオン化、蒸留などが行われ得る。いくつかの水供給源を使用する場合、水供給源の様々な体積比が可能である。いくつかの実施形態では、第2の反応器のための水は廃水である。
【0865】
いくつかの変形形態では、還元ガスは、別の製品に変換される前に、濾過、精製、又は他の方法で調整される。例えば、冷却された還元ガスを調整ユニットに導入することができ、ここで、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、硫黄化合物、窒素、金属、及び/又は他の不純物が、還元ガスから除去され得る。
【0866】
いくつかの実施形態は、還元ガス浄化ユニットを含む。還元ガス浄化ユニットは、その設計において特に限定されることはない。例示的な還元ガス浄化ユニットは、サイクロン、遠心分離機、フィルタ、膜、溶媒ベースのシステム、並びに微粒子及び/又は他の特定の汚染物質を除去する他の手段を含む。いくつかの実施形態では、酸性ガス除去ユニットは、還元ガスからH2S、CO2、及び/又は他の酸性ガスを除去するための当該技術分野で既知の任意の手段であり得る。
【0867】
酸性ガス除去ステップの例は、CO2のための1つ以上の溶媒によるCO2の除去、又は圧力スイング吸着ユニットによるCO2の除去を含む。反応性溶媒ベースの酸性ガス除去に好適な溶媒は、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、及びアミノエトキシエタノールを含む。物理的溶媒ベースの酸性ガス除去に好適な溶媒は、ポリエチレングリコールのジメチルエーテル(Selexol(登録商標)プロセスなど)及び冷却メタノール(Rectisol(登録商標)プロセスなど)を含む。
【0868】
記載されているように生成された還元ガスは、多くの方法で利用することができる。還元ガスは、一般に、水素、一酸化炭素、メタン、オレフィン(エチレンなど)、酸素化物(ジメチルエーテルなど)、アルコール(メタノール及びエタノールなど)、パラフィン、及び他の炭化水素に化学的に変換及び/又は精製することができる。還元ガスは、フィッシャー・トロプシュ化学反応によって、直鎖又は分岐C5~C15炭化水素、ディーゼル燃料、ガソリン、ワックス、又はオレフィンに;様々な触媒によって混合アルコールに;イソ合成によってイソブタンに;水素生成、続いてHaberプロセスによってアンモニアに;オキソ合成によってアルデヒド及びアルコールに;並びに様々なプロセスによって、ジメチルエーテル、酢酸、エチレン、プロピレン、及びホルムアルデヒドを含むメタノールの多くの誘導体に変換することができる。還元ガスは、固体酸化物燃料電池、スターリングエンジン、マイクロタービン、内燃機関、熱電発電機、スクロール膨張器、ガスバーナー、又は熱光起電力デバイスなどのエネルギー変換デバイスを使用してエネルギーに変換することもできる。
【0869】
この詳細な説明では、この技術がどのように理解及び実施され得るかに関して、この技術の複数の実施形態及び非限定的な例が参照されている。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に示される特徴及び利点の全てを提供しない他の実施形態を利用することができる。この技術は、本明細書に記載されている方法及びシステムの日常的な実験及び最適化を組み込む。そのような修正形態及び変形形態は、特許請求の範囲によって定義される範囲内であると考えられる。
【0870】
本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各刊行物、特許、又は特許出願が具体的かつ個別に本明細書に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0871】
上述の方法及びステップが特定の順序で生じる特定の事象を示す場合、当業者は、ある特定のことの順序を変更することができ、そのような修正形態がこの技術の変形形態に従うことを認識するであろう。追加的に、ある特定のステップを、可能であれば並列プロセスで同時に実施することができ、また順次実施することができる。
【0872】
したがって、本開示の趣旨の範囲内であるか、又は添付の特許請求の範囲に均等である変形形態がある限りにおいて、本特許がそれらの変形形態も同様に包含することが意図されている。本技術は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものとする。
【実施例】
【0873】
実施例1:熱分解油再炭化によるバイオカーボンの製造。
木材チップの形態のベイマツ(Pseudotsuga menziesii)をバイオマス原料として提供する。木材チップの平均サイズは、長さ約25ミリメートル、幅約25ミリメートル、及び厚さ約5ミリメートルである。
【0874】
バイオマス原料を、約30分間の熱分解滞留時間で、約600℃の熱分解温度で、連続熱分解反応器内で熱分解する。熱分解圧力は、N2から本質的になる不活性ガス下で約1bar(大気圧)である。熱分解反応器からの固体出力及び蒸気出力がある。固体出力は、炭素を含む第1の生体試薬であり、ホッパー内に収集する。蒸気出力は、熱分解蒸気である。
【0875】
熱分解蒸気を、約110℃の温度及び約1barの圧力で、連続単一段階凝縮器として機能する冷却される容器に向ける。凝縮器液体を冷却される容器の底部ポートから収集し、凝縮器蒸気を冷却される容器の上部ポートからパージする。凝縮器液体は、熱分解油と呼ぶことができる。
【0876】
混合ユニット内では、凝縮器液体を組み合わせ、バッチ混合手順で第1の生体試薬と撹拌し、中間体材料を形成する。
【0877】
中間体材料を、約60分間の第2の熱分解滞留時間で、約500℃の第2の熱分解温度で、連続熱分解反応器内で熱処理する。第2の熱分解圧力は、N2から本質的になる不活性ガス下で約1barである。熱分解反応器からの固体出力及び蒸気出力がある。固体出力は、炭素を含む第2の生体試薬であり、別のホッパー内に収集する。蒸気出力は、パージされる排ガスである。
【0878】
第2の生体試薬をバイオカーボン組成物として収集する。
【0879】
実施例2:熱分解油二次熱分解によるバイオカーボンの製造。
木材チップの形態のベイマツ(Pseudotsuga menziesii)をバイオマス原料として提供する。木材チップの平均サイズは、長さ約25ミリメートル、幅約25ミリメートル、及び厚さ約5ミリメートルである。
【0880】
バイオマス原料を、約45分間の熱分解滞留時間で、約550℃の熱分解温度で、連続熱分解反応器内で熱分解する。熱分解圧力は、N2から本質的になる不活性ガス下で約1bar(大気圧)である。熱分解反応器からの固体出力及び蒸気出力がある。固体出力は、炭素を含む第1の熱分解固体であり、ホッパー内に収集する。蒸気出力は、第1の熱分解蒸気である。
【0881】
第1の熱分解蒸気を、約120℃の温度及び約1barの圧力で、連続単一段階凝縮器として機能する冷却される容器に向ける。凝縮器液体を冷却される容器の底部ポートから収集し、凝縮器蒸気を冷却される容器の上部ポートからパージする。凝縮器液体は、熱分解油と呼ぶことができる。
【0882】
凝縮器液体を、約120分間の第2の滞留時間で、約300℃の第2の温度で、第2の反応器内で連続的に熱処理する。第2の反応器の圧力は、N2から本質的になる不活性ガス下で約2barである。第2の反応器からの固体出力がある。固体出力は、炭素を含む固体又は半固体材料であり、別のホッパー内に収集する。蒸気出力はなく、生成された蒸気は、第2の反応器内に残ることが可能になる(他の例では、蒸気を取り出すことができる)。
【0883】
混合ユニット内では、第1の熱分解固体をバッチ混合手順で固体又は半固体材料と混合し、生体試薬を形成する。
【0884】
生体試薬をバイオカーボン組成物として収集する。
【0885】
実施例3:バイオマスに添加された熱分解油によるバイオカーボンの製造。
木材チップの形態のベイマツ(Pseudotsuga menziesii)をバイオマス原料として提供する。木材チップの平均サイズは、長さ約25ミリメートル、幅約25ミリメートル、及び厚さ約5ミリメートルである。
【0886】
原料材料を、約20分間の熱分解滞留時間で、約770℃の熱分解温度で、連続熱分解反応器内で熱分解する。熱分解圧力は、N2から本質的になる不活性ガス下で約1bar(大気圧)である。熱分解反応器からの固体出力及び蒸気出力がある。固体出力は、炭素を含む生体試薬であり、ホッパー内に収集する。蒸気出力は、熱分解蒸気である。
【0887】
熱分解蒸気を、連続二段階凝縮器として機能する冷却される二段階容器に向ける。二段階容器を、約115℃の第1の段階の温度及び約1.2barの第1の段階の圧力、並びに約85℃の第2の段階の温度及び約1barの第2の段階の圧力で動作させる。第1の凝縮器液体を、冷却される容器の第1の段階の底部ポートから収集し、第1の凝縮器蒸気を、冷却される容器の第1の段階の上部ポートからパージする。第2の凝縮器液体を、冷却される容器の第2の段階の底部ポートから収集し、第2の凝縮器蒸気を、冷却される容器の第2の段階の上部ポートからパージする。第1の凝縮器液体は、熱分解油と呼ぶことができる。第2の凝縮器液体は、この実施例では使用されない水リッチな液体である。
【0888】
混合ユニット内では、第1の凝縮器液体を組み合わせ、バッチ混合手順で出発バイオマスと撹拌し、連続熱分解反応器(先を参照)内で熱分解される原料材料を形成する。
【0889】
生体試薬をバイオカーボン組成物として収集する。
【国際調査報告】