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特表2024-531106製造システムの分析および/または保全の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】製造システムの分析および/または保全の方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
G01N21/956 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506548
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022039158
(87)【国際公開番号】W WO2023014708
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】63/228,495
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/306,375
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524041543
【氏名又は名称】アーチ システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Arch Systems Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】バーク,ティモシー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】シュエルマン,アンドリュー,ガレン
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA65
2G051AB14
(57)【要約】
工場分析および/または保全の方法であって、好ましくは、工場情報を受信するステップおよび/または欠陥を工場コンポーネントに関連付けるステップを含み、任意選択的には、欠陥の関連付けに基づいて措置を講じるステップおよび/または工場機械を作動させるステップを含む。本方法は、好ましくは、1または複数の製造システムおよび/またはその要素に関連付けられる。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造システムを保全する方法であって、
・製造システムにおいて、複数の製品の製造に関連する情報を受信するステップであって、前記情報が、前記複数の製品中の製品において検出された欠陥のセットを示し、前記情報が、前記セットの各欠陥について、それぞれの欠陥製品コンポーネントを示す位置情報のそれぞれのセットを含む、ステップと、
・前記セットの各欠陥について、
・それぞれの欠陥製品コンポーネントに基づいて、前記製造システムのコンポーネントのそれぞれのセットを自動的に特定するステップであって、それぞれのセットの各コンポーネントが欠陥製品コンポーネントと相互作用したものである、ステップと、
・それぞれのセットの各コンポーネントについて、コンポーネントと欠陥との間のリンクに基づいて、コンポーネントに関連付けられたそれぞれの欠陥リンク合計を増加させるステップと、
・前記欠陥リンク合計に基づいて、前記製造システムの保全を制御するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記製造システムの保全を制御することが、
・前記欠陥リンク合計に基づいて、欠陥動作の確率が高い製造システムのコンポーネントのセットを識別すること、および、
・前記コンポーネントのセットの識別に応答して、前記コンポーネントのセットを検査のために選択することを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
コンポーネントのセットを識別することが、前記製造システムのコンポーネントのうち、前記欠陥リンク合計が最も高いコンポーネントを選択することを含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
コンポーネントのセットを識別することが、
・欠陥のセットのなかから、問題のある欠陥のサブセットを選択すること、および、
・セットのコンポーネントと前記問題のあるサブセットの欠陥との関連付けに基づいて、コンポーネントのセットを識別することを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記製造システムの保全を制御することが、
・前記欠陥リンク合計に基づいて、欠陥動作の確率の高い製造システムのコンポーネントを識別すること、および、
・前記コンポーネントの識別に応答して、前記コンポーネントを修理のために選択することを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記複数の製品中の製品が、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)であり、前記製品コンポーネントが、表面実装技術(SMT)コンポーネントであり、前記セットの各欠陥について、位置情報のそれぞれのセットが、
・前記製造システム内のPCBAを示すアレイ位置と、
・PCBAのSMTコンポーネントを示す参照指定子とを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
製造システムを保全する方法であって、
・製造システムにおいて、複数のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)の製造に関連する情報を受信するステップであって、各PCBAが、表面実装技術(SMT)コンポーネントのそれぞれのセットを含み、前記情報が、複数のPCBA中のPCBAにおいて検出された欠陥のセットを示し、前記情報が、前記セットの各欠陥について、欠陥に関連付けられたそれぞれのSMTコンポーネントを示す位置情報のそれぞれのセットを含む、ステップと、
・前記セットの各欠陥について、
・それぞれのSMTコンポーネントに基づいて、前記製造システムのコンポーネントのそれぞれのセットを自動的に特定するステップであって、それぞれのセットの各コンポーネントがSMTコンポーネントと相互作用したものである、ステップと、
・それぞれのセットの各コンポーネントについて、コンポーネントと欠陥との間のリンクに基づき、コンポーネントに関連付けられたそれぞれの欠陥リンク合計を増加させるステップと、
・前記欠陥リンク合計に基づいて、製造システムの保全情報を決定するステップと、
・前記製造システムの保全情報を提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記セットの各欠陥について、位置情報のそれぞれのセットが、
・前記製造システム内のPCBAを示すアレイ位置と、
・PCBAのSMTコンポーネントを示す参照指定子とを含み、SMTコンポーネントが、前記欠陥に関連付けられることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記セットの各欠陥について、前記情報が、それぞれの欠陥タイプのラベルをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、
前記セットの第1の欠陥について、前記それぞれの欠陥タイプのラベルが、ツームストーン欠陥タイプを示すことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、
前記セットの少なくとも1の欠陥について、位置情報のそれぞれのセットが、SMTコンポーネントのピン番号をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法において、
第1の参照指定子に関連付けられた欠陥率を求めるステップをさらに含み、このステップが、
・前記情報に基づいて、前記第1の参照指定子に関連付けられた欠陥の数を求めること、
・前記第1の参照指定子に関連付けられた欠陥が第1の検査プロセスによって識別されたことを判定すること、
・前記第1の検査ステップが実行された回数を示す検査情報を受信すること、および、
・前記欠陥の数および前記回数に基づいて、欠陥率を求めることを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記欠陥率が、前記回数に対する前記欠陥の数の比率に等しいことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項7に記載の方法において、
前記セットの各欠陥について、それぞれのセットの各コンポーネント間で総欠陥リンク量が割り振られ、それぞれの欠陥リンク合計の各々が、前記総欠陥リンク量のそれぞれの部分量だけ増加することを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記それぞれの部分量が等しく、前記それぞれの部分量の各々が、前記総欠陥リンク量をそれぞれのセットのコンポーネントの数で割ったものに等しいことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
前記総欠陥リンク量が、前記セットの各欠陥について等しいことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項7に記載の方法において、
前記セットの各欠陥について、コンポーネントのそれぞれのセットを自動的に特定することが、SMTコンポーネントと相互作用した製造システムの各コンポーネントを特定することを含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記セットの第1の欠陥について、
・前記製造システムの第1のコンポーネントが、SMTコンポーネントと相互作用したものであり、
・前記情報が、欠陥タイプのラベルをさらに含み、
・コンポーネントのそれぞれのセットを自動的に特定することが、
・前記欠陥タイプのラベルに基づいて、前記第1のコンポーネントが欠陥の原因ではないと判定すること、および、
・前記第1のコンポーネントが欠陥の原因ではないと判定したことに応答して、前記第1のコンポーネントをコンポーネントのそれぞれのセットから除外することを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記第1の欠陥について、
・前記欠陥タイプのラベルが、極性の欠陥タイプを示し、
・前記第1のコンポーネントが、ノズルであることを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項7に記載の方法において、
前記セットの各欠陥について、
・それぞれのSMTコンポーネントに基づいて、プログラミングパラメータのそれぞれのセットを自動的に特定するステップであって、それぞれのセットの各プログラミングパラメータが前記製造システムとSMTコンポーネントとの相互作用に影響を及ぼしたものである、ステップと、
・それぞれのセットの各プログラミングパラメータについて、プログラミングパラメータと欠陥との間のリンクに基づいて、プログラミングパラメータに関連付けられたそれぞれの欠陥リンク合計を増加させるステップとをさらに含み、
前記製造システムの保全情報が、さらにプログラミングパラメータに関連付けられた前記欠陥リンク合計に基づいて決定されることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
プログラミングパラメータに関連付けられた欠陥リンク合計に基づいて、
・プログラミングパラメータを選択するステップと、
・前記プログラミングパラメータの値を変更するステップとをさらに含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、製造分野に関し、より具体的には、製造システムの分析および/または保全のための新規かつ有用な方法に関する。
【0002】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年8月2日に出願された米国仮出願第63/228,495号、および2022年2月3日に出願された米国仮出願第63/306,375号の利益を主張するものであり、それら出願の各々は、この引用によりその全体が援用されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1図1は、本方法の一実施形態の概略図である。
図2図2Aは、本方法を実行するためのシステムの一実施形態の概略図である。図2Bは、製造システムの一例の概略図である。
図3図3Aおよび図3Bは、動作する工場機械の要素の例の概略図である。図3Cおよび図3Dは、それぞれ、欠陥を工場コンポーネントに関連付ける第1および第2の例の概略図である。
図4図4Aは、アレイ位置表示の再付番の一例の概略図である。図4Bは、図4Aに示す様々なアレイ位置表示間の例示的なマッピングの概略図である。
図5図5は、時間的考慮に基づいてプログラムのリンクを特定する一例の概略図である。
図6図6Aおよび図6Bは、それぞれ、製品識別子に基づいてプログラムのリンクを特定する第1および第2の特定の例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明の好ましい実施形態に関する以下の説明は、本発明をそれらの好ましい実施形態に限定することを意図したものではなく、当業者が本発明を作成および使用できるようにすることを意図したものである。
【0005】
1.概要
工場分析および/または保全の方法100は、好ましくは(例えば、図1に示すように)、工場情報を受信するステップS110、および/または欠陥を工場コンポーネントに関連付けるステップS120を含み、任意選択的には、欠陥の関連付けに基づいて動作を行うステップS130、および/または工場機械を動作させるステップS105を含むことができる。しかしながら、本方法100は、追加的または代替的には、他の任意の適切な要素を含むことができる。
【0006】
本方法100は、好ましくは、より詳細に後述するように、1または複数の製造システム(またはその要素)のための(例えば、修理および/または予知保全のような)保全に関連付けられる(例えば、そのような保全を対象とする)。さらに、本方法は、任意選択的には、1または複数のコンピューティングシステム、製造システムおよび/または他の任意の適切なシステム(例えば、図2Aに示すシステム)によって、かつ/またはそれらに関連して(部分的または全体的に)実行され得る。
【0007】
2.技術的利点
本技術の態様は、先行技術に対して1または複数の利点を与えることができる。いくつかの例では、それらの利点が、1または複数の製造システムまたはその要素の分析および/または保全を容易にすることができる。
【0008】
第一に、いくつかの実施形態では、本技術は、工場コンポーネント(および/または他の製造要素)と欠陥製品との間の可能性のあるリンクの特定および/または定量化(例えば、自動的な特定および/または定量化)を可能にすることができる。例えば、検出された製品の欠陥の責任を、欠陥の原因となる可能性のある工場コンポーネント(例えば、製品の欠陥領域または要素と相互作用した工場コンポーネント、または相互作用した可能性のある工場コンポーネント)に帰することにより、多数の製品の欠陥に関連付けられた工場コンポーネントが、そのような責任の大部分を自動的に蓄積することができ、それにより、製造システムエラーの潜在的な原因としてそれら工場コンポーネントの検出を可能および/または容易にすることができる。
【0009】
第二に、いくつかの実施形態では、本技術は、製造された製品(例えば、PCBアセンブリ)の特徴部と製造要素(例えば、工場オペレーション、プログラミングパラメータ、機械および機械要素など)との間のリンク(例えば、因果関係、部分的な責任の関連性などの重要度の指標)を代表するかつ/または示す1または複数のデータ構造(例えば、確率行列などの行列、エッジ重みを有する有向グラフおよび/または無向グラフなどのグラフなど)の決定(例えば、自動決定)を可能にすることができる。1または複数のそれらデータ構造は、それらのリンクに関連付けられた1または複数の重要度の指標を提供することができ、それにより、その中で表される製造要素に関連する感度分析が可能になる。例えば、これにより、製品の欠陥、低い生産率、および/または他の望ましくない製造システムの動作に関連する(例えば、その原因の)可能性が最も高い製造要素の分析および/または定量化が可能になる。
【0010】
第三に、いくつかの実施形態では、本技術は、(例えば、欠陥、欠陥責任、欠陥率、因果関係などに関連する)製造システム情報を1または複数のユーザに提供することを可能および/または容易にすることができる。例えば、本技術は、工場コンポーネント(および/または他の製造要素)と製品、製品コンポーネント、および/またはその欠陥との間のリンクの探索を可能にする1または複数のユーザインターフェースを含むことができる。
【0011】
第四に、いくつかの実施形態では、本技術は、保全推奨事項の自動決定および/または製造システム保全タスクの実行を可能および/または容易にすることができる。例えば、本技術は、(例えば、製造要素と製品、製品コンポーネント、および/またはその欠陥との間のリンクに基づいて)問題のある可能性がある1または複数の製造要素(例えば、検査および/または保全を必要とする可能性があり、かつ/または検査および/または保全から恩恵を得る可能性がある工場コンポーネント、変更を必要とする可能性があり、かつ/または変更から恩恵を得る可能性があるプログラミングパラメータなど)を特定することを含むことができる。そのような特定に基づいて、本技術は、任意選択的には、それらの特定を示す情報を提示すること、それらの特定に基づいて変更をもたらすように動作すること(例えば、プログラミングパラメータを変更すること、検査および/または保全を実行することなど)、および/または他の任意の適切な措置を講じることを含むことができる。
【0012】
第五に、いくつかの実施形態では、本技術は、欠陥率および/または他の生産率の特定および/または定量化(例えば、自動的な特定および/または定量化)を可能にすることができる。例えば、1または複数の製造システムによって(かつ/またはそれに関連して)報告される情報は、生産数、率および/またはタイミング情報などの、成功した生産情報(例えば、欠陥のない製品の生産)を含まない場合(しかしながら、例えば、検出された欠陥および/またはその関連するタイミングおよび/または率を示す情報のみを含む場合)があるが、この例において、本技術の実施形態は、成功した生産に関連するそのような情報を特定するように機能することができる。このため、そのような情報は、欠陥率および/または他の生産率を特定するために利用され得る。
【0013】
第六に、いくつかの実施形態では、本技術は、1または複数の製造システムから(かつ/またはそれに関連して)受信した情報の標準化(例えば、自動標準化)を可能にすることができる。いくつかの例では、この情報が、一貫性のないプログラム名(例えば、特定の製品の製造に関連する組立および/または検査プログラム)、製品位置識別子(例えば、アレイ位置インデックス)、および/または他の情報を含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、この標準化により、関連情報(および/またはその派生情報)の更なる分析および/または提示を可能および/または容易にすることができる。
【0014】
しかしながら、本明細書に記載のシステムおよび/または方法によって、追加的または代替的に更なる利点がもたらされ得る。
【0015】
3.製造システム
上述したように、本方法は、(例えば、図2Bに示すように)1または複数の製造システムまたはその要素と関連付けることができる。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、プリント回路基板(PCB)アセンブリ(例えば、複数の組立機および検査機を含む、1または複数の表面実装技術(SMT)PCB製造ライン)のための1または複数の工場、製造ラインおよび/または他の製造システム(および/またはその要素)と関連付けることができる。
【0016】
いくつかのそのような実施形態では、工場は、PCB組立機、例えば、ピックアンドプレース(PNP)装置、はんだ印刷機、オーブンおよび/またはそれらの要素;PCB検査機、例えば、光学および/またはX線検査ツール(例えば、自動光学検査(AOI)および/または自動X線検査(AXI)装置)、はんだペースト検査(SPI)ツール、インサーキットテスト(ICT)ツール;および/または他の任意の適切なエンティティのうちの1または複数を含むことができる。例えば、PCB組立機要素は、1または複数のPNP要素、例えば、配置ヘッド、配置ヘッド上のノズルホルダ、ノズルホルダに取り付けられたノズル、カメラ(例えば、ノズルホルダ上の部品配置を検出するために使用することができるノズルホルダに関連するカメラ;パネル配置、反りおよび/または他の属性を検出するために使用することができる配置ヘッドに関連する「フライング」カメラなどの別個のカメラなど)、フィーダ、コンポーネントリール、真空ポンプおよび/またはフィードなど;はんだ印刷機要素、例えば、ステンシル、スキージ、カメラ(例えば、基板位置を検査するため、かつ/または基板位置をステンシル位置と合わせるため)など;および/または他の任意の適切な要素を含むことができる。
【0017】
例えば、SMTラインは、1または複数のモジュール(典型的には、複数のモジュール)を含むことができる。各モジュールは、複数のフィーダ(各フィーダ、またはそのサブセットにロードされる同じまたは異なるコンポーネントを有する)を保持することができる。各モジュールは、好ましくは、複数のノズルホルダを有する配置ヘッドを有し、各ノズルホルダは、複数の様々なノズル(例えば、各ノズルは、特定のサイズおよび形状を有する)のうちの1つを保持することができる。特定の例では、SMTライン(例えば、Fuji NXTモジュールを有する)は、18のモジュールを含み、各モジュールが、40のフィーダ、24のノズルホルダ、および24を超えるノズル(例えば、40~100のノズル、約60のノズルなど)を有する。
【0018】
したがって、任意の特定のコンポーネントの欠陥について、多数の(例えば、モジュールの数、1モジュールあたりのフィーダ、1モジュールあたりのノズルホルダ、およびノズルの数の積に等しい)別個の配置経路が存在する可能性があり、それらの各配置経路は、コンポーネントがフィーダから供給され、ノズルホルダに保持されたノズルによってピックアップされた後、基板上に配置される経路を記述しており、それらシステムコンポーネントのいずれかが潜在的に欠陥の原因に関連する可能性があり、さらに、コンポーネントの配置に関連し、よって潜在的に欠陥の原因にも関連する様々な異なるセンサも存在し得る。典型的な製造システムでは、欠陥情報(例えば、より詳細に後述するような検査装置を使用して特定される)は、それら配置経路(または配置経路内の任意のシステムコンポーネントなどのサブセット;例えば、どのノズル、ノズルホルダ、および/またはフィーダが使用されたのか)のうちのどれが、コンポーネントを配置するために使用されたのか、また、システムコンポーネント(または、ノズル対フィーダなどのシステムコンポーネントのタイプ)のどれが欠陥を引き起こす原因であったかを示すものではない。
【0019】
さらに、工場の操業は、典型的には、多数のプログラミングパラメータによって制御される。これらのプログラミングパラメータの中には、特定のコンポーネントタイプ、組立ツール、配置経路および/または他の態様に特有のパラメータが含まれる場合がある。したがって、任意の特定のコンポーネントの欠陥について、その欠陥は、1または複数のシステムコンポーネントに起因するのではなく(またはそれに加えて)、1または複数のプログラミングパラメータに起因する場合がある。
【0020】
例えば、プログラミングパラメータは、PNPパラメータ、印刷機パラメータ、オーブンパラメータおよび/または他の任意の適切なパラメータを含むことができる。PNPパラメータは、いくつかの例では、コンポーネントの予想される寸法および/または形状、コンポーネントをピックアップする位置、コンポーネントを保持するために使用する真空圧、コンポーネントを基板上に放出するために使用する空気圧、ピックアップする高さ、落下させる基板上の高さ、使用する移動プロファイル、待機時間(例えば、遅いフィーダの動きを補うために、リールからピックアップする前にNミリ秒待機する時間;横方向の動きを停止させるために、基板上に部品を落下させる前にMミリ秒待機する時間など)、チップをはんだペースト内に押し込むために使用する力などを含むことができる。印刷機パラメータは、いくつかの例では、ステンシルを介してペーストを絞るためにスキージに加える力、洗浄サイクル間隔(例えば、5パネルごと、10パネルごとに洗浄など)、パネル上にステンシルを降ろすために使用する動作プロファイルおよび/または速度、ペースト塗布後に基板からステンシルを離すために使用する動作プロファイルおよび/または速度、スキージが移動する速度、スキージが開始点に後退する速度、ステンシル上に塗布するはんだペーストの量などを含むことができる。オーブンパラメータは、いくつかの例では、オーブンの温度プロファイル、オーブンを通過する基板の速度、各温度での滞留時間などを含むことができる。しかしながら、プログラミングパラメータは、追加的または代替的には、他の任意の適切なパラメータを含むことができる。
【0021】
典型的なPCB工場(例えば、SMT工場)の操業では、自動光学検査(AOI)、自動X線検査(AXI)、はんだペースト検査(SPI)、インサーキットテスト(ICT)などの自動検査機による生産検査中に製造欠陥を検出することができ、追加的または代替的には、手動検査プロセスおよび/または他の任意の適切な検査ツールおよび/またはプロセスによって欠陥を検出することができる。それらの検査機は、通常、製品(例えば、通常は単一のユニットとして処理される1または複数の回路基板のパネル化されたアレイ)の測定を行い、それらの測定値を使用して製造欠陥を検出する。例えば、そのような製造上の欠陥は、コンポーネントの欠落、コンポーネントの誤り(例えば、異なるコンポーネントを意図した位置に誤ったタイプのコンポーネントが配置されている場合)、コンポーネントの向きの誤り(例えば、回転、「ツームストーン」、反転などの誤った極性など)、コンポーネントのずれ(例えば、適切な位置から閾値を超えて横方向にずれている、別のコンポーネントまたはトレースに近すぎるなど)、電気的欠陥(例えば、開回路、短絡、高抵抗または低抵抗などの許容範囲外の抵抗、高静電容量または低静電容量などの許容範囲外の静電容量、正しくない回路ノードの電圧値のアナログ測定など)、はんだ欠陥(例えば、はんだブリッジ、はんだ接合部が正しく形成されていない、はんだペースト量が多すぎたり少なすぎたりする、はんだペーストが正しい位置に堆積していない、はんだペーストの寸法が正しくない、例えば、はんだペーストの幅、長さおよび/または高さが範囲内にないなど)、OCR不良などを含むことができる。
【0022】
典型的な工場操業では、それらの製造欠陥は、欠陥タイプおよび/またはアレイ位置、参照指定子および/またはピン番号などの1または複数の位置フィールドと関連付けられる(例えば、ラベル付けされ、それに基づいて識別される)。例えば、各欠陥は、欠陥タイプ、アレイ位置、参照指定子、および任意選択的にはピン番号でラベル付けされ得る。アレイ位置は、好ましくは、回路基板のアレイ内の回路基板(例えば、右上、左下、位置#2など)を指定する。参照指定子は、好ましくは、C16、U1、R5などの(アレイ位置によって指定された特定の回路基板内の)欠陥コンポーネントを指定する。ピン番号は、ピン1、2、3、4などの(参照指定子によって指定されたコンポーネントの)特定のコンポーネントピンを指定することができるが、代替的には、(例えば、特定のピンに関連しない欠陥については)一部の場合またはすべての場合に省略することができる。欠陥タイプは、好ましくは、識別された製造欠陥のタイプを指定し、より好ましくは、欠陥タイプのラベルの標準化されたセットのうちの1つ(例えば、「MISSING」、「OPEN」、「TOMBSTONE」など)を使用する。しかしながら、欠陥は、追加的または代替的には、他の任意の適切な情報と関連付けることができる。
【0023】
しかしながら、製造システムは、追加的または代替的には、他の任意の適切な製造および/または他の生産タスクのためのシステムを含むことができ、かつ/または他の任意の適切な製造および/または検査ツールを含むことができる。
【0024】
4.方法
4.1 工場情報の受信
工場情報を受信するステップS110は、好ましくは、自動検査機によって検出された欠陥など、工場製品において検出された欠陥(例えば、製造システムに関して上述したような欠陥)に関する情報を受信するように機能する。工場情報は、好ましくは、1または複数のコンピューティングシステムおよび/または分析ツールによって受信(および/または保存)されるが、追加的または代替的には、他の任意の適切なエンティティによって受信されることもできる。
【0025】
S110において受信される欠陥情報は、好ましくは、各欠陥(またはそのサブセット)についての、(例えば、上述したような)欠陥タイプおよび1または複数の位置フィールドを含む。さらに、欠陥情報は、任意選択的には、タイムスタンプ(例えば、製造タイムスタンプ、検査タイムスタンプ、欠陥検出タイムスタンプなど)および/または他の時間関連情報(例えば、欠陥製品が製造された時間ウィンドウおよび/または欠陥が特定された時間ウィンドウなど、欠陥に関連する時間ウィンドウ)、製品情報(例えば、製品識別子、製品シリアル番号、製品タイプ、CAD情報、プログラミング情報、プログラム名など)などを含むことができる。しかしながら、欠陥情報は、追加的または代替的には、他の任意の適切な情報を含むことができる。
【0026】
さらに、S110は、任意選択的には、工場の生産に関する他の情報(例えば、合格した検査、欠陥のない生産数、欠陥状態に関係ない総生産数などに関する情報)、工場の状態(例えば、生産および/または検査ツールの状態)に関する情報、機械のプログラミングに関する情報(例えば、好ましくは様々なプログラムが機械上で実行されていた期間などを示すタイミング情報に関連付けて受信される、工場内の様々な機械上で実行されるプログラム識別子)、および/または他の任意の適切な情報を受信するように機能することができる。それら情報は、コンポーネントごと、製品タイプごと、製造ラインごと、製造ツールごと、時間ウィンドウごとに、かつ/または他の任意の適切な単位で利用可能および/または受信可能である。
【0027】
工場情報は、好ましくは、リアルタイム(またはほぼリアルタイム)で、情報の特定に応答して(例えば、直ちに、または実質的に直ちに応答して)受信される。特に、欠陥情報は、好ましくは欠陥の特定に応答して受信され、より好ましくは欠陥の特定に応答して直ちに(または実質的に直ちに)受信される。しかしながら、工場情報は、追加的または代替的には、遅延後に受信され、バッチで受信され、定期的に受信され、散発的に受信され、かつ/または他の任意の適切なタイミングで受信されるものであってもよい。
【0028】
工場情報は、好ましくは、製造システムから(例えば、検査機および/または組立機から、集中コントローラなどの1または複数の製造システムコントローラから)受信されるが、追加的または代替的には、他の任意の適切なエンティティから受信することもできる。
【0029】
しかしながら、S110は、追加的または代替的には、任意の適切な方法で他の任意の適切な工場情報を受信することを含むことができる。さらに、本明細書では工場情報の受信というが、当業者であれば、S110が、追加的または代替的に、他の任意の適切な1または複数の製造システムからの情報、および/または他の任意の適切な1または複数の製造システムに関連付けられた情報を受信することを含むことができることを認識するであろう。
【0030】
4.2 欠陥と工場コンポーネントとの関連付け
欠陥と工場コンポーネントとを関連付けるステップS120は、好ましくは、欠陥の原因となり得る工場コンポーネント(例えば、組立ツールおよび/またはその要素などの工場ツール、プログラミングパラメータなど)の識別を可能にするように機能する。S120は、好ましくは、潜在的なリンク(例えば、欠陥と工場コンポーネントとの間のリンク)を特定するステップS125を含み、任意選択的には、データマッピングを決定するステップS123、および/または欠陥率を求めるステップS127を含むことができる。しかしながら、S120は、追加的または代替的には、任意の適切な方法で実行される他の任意の適切な要素を含むことができる。
【0031】
4.2.1 潜在的なリンクの特定
潜在的なリンクを特定するステップS125は、好ましくは、(例えば、図3Cおよび図3Dに示すように)欠陥とその原因との間の潜在的なリンクを特定するように機能する。例えば、S125は、欠陥発生、欠陥特性(例えば、欠陥に関連して受信した情報の要素、関連する配置経路および/またはその態様など)、および/または工場コンポーネント、例えば、特定のコンポーネント(例えば、回路1のR3、回路4のU1のピン2など)に影響を及ぼす動作に関与した特定の機械コンポーネント、好ましくは欠陥に関連するコンポーネントの間のリンクを特定する(例えば、好ましくは自動的に、生成する)ように機能し得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、これは、上流の工場コンポーネント(例えば、欠陥が検出される前に、欠陥に関連する要素に影響を与えた任意の機械コンポーネントおよび/またはプログラミングパラメータまたはそのサブセット;欠陥を引き起こし得た任意の機械コンポーネントおよび/またはプログラミングパラメータなど)に欠陥の責任または潜在的な責任を帰することを含むことができる。このため、各欠陥は、関連する製品コンポーネント(例えば、S110において受信した欠陥情報において識別されたコンポーネント)だけでなく、関連するコンポーネントと相互作用する特定の工場コンポーネント(例えば、ノズル、フィーダ、コンポーネント、プログラミング形状など)にも結び付けられる可能性がある。
【0033】
例えば、各欠陥(例えば、S110で受信した欠陥情報によって表される各欠陥)について、S125は、欠陥(および/または、例えば欠陥情報によって示される回路2のU3のような関連する製品コンポーネント)と、その欠陥が特定される前に欠陥に関連する製品コンポーネントと相互作用したN個の機械コンポーネントとの間のリンクに注目すること(代替的には、欠陥とそのような機械コンポーネントのサブセットのみとの間のリンクに注目すること)を含むことができる。それらリンクに注目することにより、欠陥に対する潜在的な責任をそれらの機械コンポーネントに帰するように機能することができる。
【0034】
機械コンポーネントの各々について、リンクに注目することは、機械コンポーネントに関連付けられた欠陥リンクの合計にリンクの値を加算することによって実行することができる。第1の例では、これは、関連付けられた機械コンポーネントの各々に欠陥の責任を割り当てること(例えば、関連付けられた欠陥リンク合計の各々に1を加えること)を含むことができ、一方、第2の例では、これは、関連付けられた機械コンポーネントの各々に欠陥の部分的な責任を割り当てること(例えば、図3Cに例として示すように、関連付けられた欠陥リンクの合計の各々に1/Nを加えること)を含むことができる。
【0035】
いくつかの態様では、N個の機械コンポーネントのうちn個だけが、フラグが立てられたタイプの欠陥に寄与することができる場合(代替的には、寄与する可能性が高い場合)、欠陥の1/nの責任をそのような各機械コンポーネントに割り当て、残り(N-n)個の機械コンポーネントには責任を割り当てない。例えば、誤った極性の欠陥タイプは、典型的には、ノズルまたはノズルホルダに起因することはなく(例えば、ノズルが誤って製品コンポーネントを反転させることはないため)、よって、誤った極性の欠陥に対する責任は、図3Dに例として示すように、いずれのノズルまたはノズルホルダにも割り当てられるべきではない(例えば、むしろ、そのような欠陥に対する責任は、製品コンポーネントのローディングに関与するプログラミングパラメータおよび機械コンポーネントのみに潜在的に起因する)。
【0036】
いくつかの態様では、(例えば、すべての欠陥リンク合計に加算される量の合計が1になるような方法で)欠陥を引き起こした可能性がより高い機械コンポーネントにより大きな責任を割り当てるなど、責任を不均一に割り当てることができ、例えば、第1および第2の機械コンポーネントに欠陥に対する責任の1/4をそれぞれ割り当て、第3の機械コンポーネントに責任の残りの1/2を割り当てることができる。当業者であれば、同様に、上述した値に係数cを乗算することができ(例えば、関連付けられた各欠陥リンク合計にcを加算すること、関連付けられた各欠陥リンク合計にc/Nを加算すること、加算される量の合計がcとなるように関連付けられた欠陥リンク合計に加算すること等ができ)、ここで、cは1より大きいか小さい任意の適切な値であることを認識するであろう。
【0037】
いくつかの態様では、様々な欠陥を様々な責任量と関連付けることができる(例えば、より重要または重大な欠陥をより大きな責任量と関連付けることができる)。例えば、第1の欠陥は、A単位の責任(例えば、1単位)と関連付けることができ、第2の欠陥は、B単位の責任(例えば、2単位)と関連付けることができる。このため、潜在的に責任のある工場コンポーネント間で等しく責任が割り当てられる第1の特定の例では、第1の欠陥に関連するN個のコンポーネントに、それぞれA/N単位(例えば、1/N単位)の責任が割り当てられ、第2の欠陥に関連するM個のコンポーネントに、それぞれB/M単位(例えば、2/M単位)の責任が割り当てられる。代替的には、潜在的に責任のある各工場コンポーネントに欠陥の全責任が割り当てられる第2の特定の例では、第1の欠陥に関連するN個のコンポーネントに、それぞれA単位(例えば、1単位)の責任が割り当てられ、第2の欠陥に関連するM個のコンポーネントに、それぞれB単位(例えば、2単位)の責任が割り当てられる。しかしながら、様々な欠陥は、追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で異なる(および/または同じ)責任量と関連付けることができ、かつ/または責任は、追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で工場コンポーネントに割り当てることができる(例えば、様々な工場コンポーネント間で不均一に部分的な責任を割り当てることができる)。
【0038】
追加的または代替的には、S125は、製品の特徴部(例えば、個々のSMTコンポーネントまたはそのピンなどの1または複数の回路基板上の特徴部)と上流の工場コンポーネント(例えば、工場オペレーション、プログラミング属性、機械および/または機械コンポーネントなど)との間のリンクのウェブを生成すること(および/またはそのリンクのウェブに追加すること)を含むことができる。このリンクのウェブを使用して、製品の特徴部と工場コンポーネントとの間のリンクの強さを説明する行列(例えば、確率行列)を生成することができる。この行列において、値は、どのパラメータおよび/またはシステムが経時的に最も頻度の高い欠陥の原因であるのか(例えば、よって、S130に関してより詳細に後述されるように、保全および/または変更に値する可能性があるのか)の感度分析を表すことができる。
【0039】
例えば、S125は、検査機の上流のすべての機械(またはそのサブセット)について、パネル上の所与のアレイ位置の所与の基板上に所与の参照指定子を配置することに関与した機械システムおよびパラメータのリストを作成すること、次いで(例えば、欠陥にフラグが立てられたときに)関連情報を使用して、欠陥に対する責任を(例えば、上述したように)関与するシステム(または任意の適切なサブセット)すべてに分配することを含むことができる。
【0040】
しかしながら、いくつかの実施形態では、S110で受信した欠陥情報が、欠陥に関連付けられた特定の製品コンポーネントを一意に識別する(かつ/または欠陥の責任を帰すべき工場コンポーネントのセットを特定する)のに十分でない場合がある。例えば、欠陥とともに報告されたアレイ位置を特定の基板にマッピングする(例えば、検査機および組立機によって報告されたアレイ位置の間でマッピングする)ことを可能にするのに十分な情報がない可能性があり、このため、欠陥とともに報告された参照指定子が、多数の異なる製品コンポーネントのうちの任意の1つ(例えば、そのようなコンポーネントを有する各基板など、各基板上の1つまたはそのサブセット)を表す可能性がある。
【0041】
例えば、アレイの付番は、異なる機械ベンダの機械など、異なる機械間で一貫性がない場合がある。ある例では、すべての機械が、2×3の長方形のアレイに配置されるなど、アレイに6の回路があることで一致する。しかしながら、検査機は、右上の1から左下の6までの昇順で、スネーク方式でアレイ位置を割り当てることがあり、一方、配置システムは、左下の1から右上の6までの昇順で、レンガ積み方式でアレイ位置を割り当てることがある。
【0042】
ある場合には、(例えば、S123に関してより詳細に後述するように)この曖昧さを解決することが可能である。しかしながら、他の場合には、曖昧さが残ることもある(例えば、S123が実行されない、曖昧さを解決する試みが行われない、曖昧さを解決するために利用可能な情報が不十分であるなど)。このため、いくつかの例では(例えば、曖昧さが残る場合)、欠陥を、それらの潜在的に欠陥のある製品コンポーネントの各々にマッピングすることができ、次いで、それらの潜在的に欠陥のある製品コンポーネントの各々について、上述したような工場コンポーネントに責任をリンクすることができる。第1の例では、欠陥全体の責任が、潜在的に欠陥のある各製品コンポーネントに分配されるが、第2の例では、B個の潜在的に欠陥のある製品コンポーネント(例えば、B個の異なる基板、各々がそのような潜在的に欠陥のある製品コンポーネントを1個含む)について、潜在的に欠陥のある各製品コンポーネントに、欠陥の1/Bなど、部分的な欠陥の責任を分配することができる(例えば、その結果、欠陥のある製品コンポーネントの同一性に関して曖昧さがない上述したアプローチと比較して、関連付けられた各欠陥リンク合計に加算される量が、1/Bの係数だけ減少する)。
【0043】
S125は、追加的または代替的には、それらの欠陥リンクに関連する時系列を特定することを含むことができる。第1の例では、工場コンポーネントの時系列が、リンクされた欠陥検出(および任意選択的には、部分的な欠陥責任の割り当て)のタイムスタンプを含むことができる。第2の例では、工場コンポーネントの時系列が、一連の欠陥リンク合計を含むことができ、各々が(時系列の時間分解能に等しい)短い時間ウィンドウにわたって蓄積される。しかしながら、時系列は、追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で特定することができる。
【0044】
しかしながら、S125は、追加的または代替的には、任意の適切な方法で他の任意の適切な潜在的リンクを特定することを含むことができる。
【0045】
4.2.2 データマッピングの決定
データマッピングを決定するステップS123は、(例えば、S110に関してより詳細に上述したように)製造システムから(および/または製造システムに関して)受信したデータの要素間のマッピング、例えば、欠陥分析をさらに可能および/または容易することができるマッピング(例えば、S125に関して本明細書で説明するような潜在的なリンクの特定、S127に関して本明細書で説明するような欠陥率の特定、および/またはS130に関して本明細書で説明するようなそのような情報の分析などをさらに可能および/または容易することができるマッピング)を決定するように機能することができる。いくつかの例では、S123は、(例えば、それらのマッピングに基づいて)データを変換すること、例えば、この欠陥分析をさらに可能および/または容易にすることができる形態に変換することを含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、S123が、図4Aおよび図4Bに例として示すように、様々な製造システムの機械(例えば、様々な組立機および/または検査機)に関連付けられたアレイ位置表示(例えば、アレイ位置番号)間のマッピングを決定することを含むことができる。そのようなマッピングは、(例えば、製造システムにより製造される製品に関連する)CADデータに基づいて、アレイ位置の付番に関する機械固有の参照情報に基づいて、かつ/または他の任意の適切な情報に基づいて決定することができる。いくつかの例では、そのような情報を、工場の機械から情報を要求することなどにより、自動化された方法で(例えば、リアルタイムまたは実質的にリアルタイムで)決定することができる。さらに、S123は、任意選択的には、各アレイ位置インジケータ(例えば、番号)が特定のアレイ位置を矛盾なく表すように(例えば、アレイ位置「1」が常に左上の基板を表し、アレイ位置「2」が常に右上の基板を表し、アレイ位置「6」が常に右下の基板を表すなど)、データ内のすべてのアレイ位置を標準化することなどにより、それらのマッピングに基づいて(例えば、S110で受信した)データを変換することを含むことができる。それら実施形態では、そのようなマッピングおよび/または再付番は、S125に関して上述したような曖昧さを解決するように機能することができ、それにより、欠陥と工場コンポーネントとの間の潜在的なリンクのより正確な判定を容易にすることができる。
【0047】
追加的または代替的には、S123は、(例えば、情報が受信された各製品、またはそのサブセットについて)製品の生産に対応する様々な工場機械(例えば、様々な組立機および/または検査機)に関連付けられたプログラム識別子(例えば、プログラム名)間のリンクを特定することを含むことができる(例えば、結び付けられたプログラム識別子がそれぞれ同じ製品の生産の1または複数の態様に対応する)。例えば、これは、プログラム識別子のセット(例えば、プログラム「X12_a」が第1の機械に関連付けられ、プログラム「X12」が第2の機械に関連付けられ、プログラム「X12_insp1」が第3の機械に関連付けられ、プログラム「a5」が第4の機械に関連付けられる)がすべて、同じ製品の生産の一部に関連付けられていることを特定することを含むことができる。これらのリンクは、生産プロセスの更なる理解を容易にすることができ、(例えば、S127に関してより詳細に後述するように)製品数の特定を可能にすることができ、かつ/または他の任意の適切な方法で使用することができる。
【0048】
第1の例では、そのようなプログラムのリンクは、(例えば、単一の製造ライン内の)様々な機械上で実行されるプログラムの時間的重複(および/または近接性)に基づいて特定することができる。例えば、検査プログラム識別子と、それが特定の製造ラインの検査機上で実行された関連する1または複数の時間ウィンドウとが与えられると、図5に例として示すように、関連する1または複数の時間ウィンドウに基づいて、検査プログラム識別子に対してプログラムのリンクを特定することができる。製造ラインの他のすべての機械(またはそのサブセット、例えば、検査機の上流の各機械)について、関連する時間ウィンドウの間に(および/またはその近傍で)共通に実行されているプログラム識別子は、同じ製品に対応する可能性が高いため、検査プログラム識別子にリンクすることができ、任意の機械について、関連する時間ウィンドウの間に十分に支配的なプログラム識別子が1つもない場合(例えば、ウィンドウ期間の少なくとも閾値部分の間に実行されていない場合)には、リンクが特定されない可能性がある。追加的または代替的には、プログラム識別子間の時間的相関を特定することができ、十分に強い(正の)相関を持つプログラム識別子の任意のセット(またはそのようなセットのサブセット)をリンクすることができる。
【0049】
第2の例(第1の例に加えて、または第1の例の代わりに実行することができる)では、(例えば、図6Aおよび図6Bに示すように)製品シリアル番号に基づいて、そのようなプログラムのリンクを特定することができる。例えば、特定の製品(例えば、単一の基板、同一の設計を有する基板のセットなど)に関連付けられた1または複数のシリアル番号(および/または他の識別子)のセットが与えられると、製品が機械に存在する時間(例えば、シリアル番号情報により示される)を、製品が存在する間にその機械で実行される1または複数のプログラムと相関させることができ、関連付けられたプログラム識別子を製品にリンクすることができる。これを、製品が存在したことが分かっている各機械(またはそのサブセット)について繰り返すことができる。このため、製品にリンクされたプログラム識別子を、製品にもリンクされている他のすべてのプログラム識別子(例えば、他の機械に関連する)にリンクすることができる。
【0050】
しかしながら、S123は、追加的または代替的には、任意の適切な方法で他の任意の適切なデータマッピング(および/または変換)を決定することを含むことができる。
【0051】
4.2.3 欠陥率の特定
欠陥率を特定するステップS127は、欠陥情報(例えば、S110で受信した)および/または潜在的欠陥リンク(例えば、S125で特定した潜在的リンクおよび/または欠陥リンク合計)に追加のコンテキストを提供するように機能することができる。状況によっては、欠陥率は、欠陥数のみからは識別できない重要なコンテキストを提供することができる。例えば、様々な状況において、100個の欠陥は、高い欠陥率(例えば、10%、生産された1000個の総ユニットのうちの100個の欠陥に相当)、低い欠陥率(例えば、0.001%、生産された1000万個の総ユニットのうちの100個の欠陥に相当)、中間の欠陥率(例えば、0.1%、生産された10万個の総ユニットのうちの100個の欠陥に相当)、および/または他の任意の適切な欠陥率と関連する可能性がある。このため、様々な欠陥に関連付けられた欠陥率を特定することは有益である場合がある。
【0052】
多くの実施形態では、S110で受信した工場情報が、検出した欠陥の報告を含むが、成功した生産(例えば、特定の製品タイプのユニットまたは生産された全ユニットなどの、生産された欠陥のないユニットの数)または総生産(例えば、生産された総ユニット、生産されたユニットおよび生産が中止された欠陥ユニットの両方を含む生産「機会」など)を示す情報を含まない。このため、受信した情報に基づいて、欠陥率(例えば、生産された欠陥のないユニット、生産された総ユニットまたは生産機会の数に対する、検出した欠陥または生産された欠陥ユニットの数の比率)を求めることが困難である場合がある。この困難を克服するために、S127は、総生産に関連する1または複数の指標を求めること(例えば、特定の製品タイプまたは特定の潜在的欠陥に対する生産機会の数(「機会カウント」)を求めること)を含むことができる。
【0053】
例えば、潜在的欠陥の機会カウントは、その欠陥を検出することができる検査プログラムに基づいて求められる。特定の欠陥を示す情報を受信することに応答して(例えば、特定の参照指示子を有する欠陥を示す情報が特定の製品タイプに関連して初めて受信されることに応答して)、その欠陥(および例えば、同じ製品タイプに関連する同じ参照指示子のすべての欠陥)を、その欠陥を検出する責任を有する関連検査プログラムにマッピングする欠陥カタログと照合し、かつ/またはその欠陥カタログ(例えば、まだ存在しない場合)に追加することができ、一態様では、欠陥カタログが、欠陥タイプに基づいて、欠陥をさらに特定することができる(例えば、特定の製品タイプの特定の参照指定子における欠陥を、欠陥タイプに応じて、様々な検査プログラムにマッピングすることができる)。この欠陥カタログは、各検査プログラムにマッピングされた複数の欠陥エントリを含むことができる(ただし、追加的または代替的には、1つの欠陥エントリのみに関連付けられた検査プログラムを含むこともできる)。このため、欠陥の機会カウントは、関連する検査プログラムが実行された回数(例えば、指定された時間ウィンドウの間に、欠陥が最初にカタログに追加された後にのみカウントされるか、または欠陥が追加される前に実行された回数も含むようにカウントされる)に基づいて、特定することができる(例えば、実行された回数に等しくなる)。
【0054】
追加的または代替的には、潜在的欠陥の機会カウントは、その潜在的欠陥の製品タイプに関連する様々なプログラム(例えば、組立および検査プログラム)間で(例えば、S123で)特定されたリンクに基づいて、特定することができる。このため、検査プログラムの実行回数を示す情報を入手することができない場合でも、その検査プログラムにリンクされた組立プログラムの実行回数に基づいて(例えば、それと等しいものとして)、機会カウントを同様に特定することができる。製品タイプ17の製造にともに関連する組立プログラム「prod17」と検査プログラム「prod17_insp」との間のリンクが既知である(例えば、S123で特定されている)特定の例では、製品タイプ17のすべての潜在的欠陥の機会カウントを、組立プログラム「prod17」の実行回数に等しいものとして特定することができる。
【0055】
追加的または代替的には、S127は、機会カウントを直接受信すること(例えば、S110において機会カウントを示す情報を受信すること)を含むことができる。しかしながら、S127は、追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で機会カウントを求めることを含むことができる。
【0056】
欠陥のセット(例えば、製品タイプについてのすべての欠陥、製品タイプ内の単一の参照指示子についてのすべての欠陥、単一の参照指示子における特定の欠陥タイプの欠陥、および/または他の任意の適切な欠陥のセット)に対する機会カウントが既知になると、S127は、セット内の欠陥の数を機会カウントで割ることによって、関連付けられた欠陥率を特定することを含むことができる。
【0057】
追加的または代替的には、S127は、工場コンポーネントに関連付けられた欠陥率を特定することを含むことができる。いくつかの実施形態では、それら工場コンポーネントの欠陥率を、S125に関して(例えば、欠陥リンク合計および/または欠陥リンクの時系列に関して)上述した方法と同様の方法で特定することができる。例えば、欠陥と上流の工場コンポーネントとの間のリンクを特定するのみではなく、本方法は、各生産機会(および/または欠陥のない各製品など)と上流の工場コンポーネントとの間のリンクを特定すること(例えば、S125の欠陥リンク合計に関して上述したのと同様の方法で、上流の各工場コンポーネントについて関連する生産機会合計を特定すること)も含むことができる。他の実施形態では、工場コンポーネントの欠陥率を、推定された機会カウントに基づいて特定することができる。例えば、機会カウントは、生産ライン構成に基づいて、かつ/または(例えば、機会カウントが特定される全時間の一部の間における)様々なコンポーネントの観察された作業負荷分担に基づいて、推定することができる。この推定値は、(例えば、特定の製品タイプについて、特定の製造ラインについての)既知のまたは推定された総機会カウントと併せて求めることが好ましく、例えば、特定の工場コンポーネントによって実行される総機会の推定割合に(既知のまたは推定された)総機会カウントを乗じて、その工場コンポーネントについての推定機会カウントを求めることができる。これら実施形態のいくつかの例において、工場コンポーネントの欠陥率は、その欠陥リンク合計(例えば、S125において特定される)を(例えば、既知のまたは推定される)生産機会の総数で割ることによって求められるが、工場コンポーネントの欠陥率は、追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で求めることができる。これら実施形態のいくつかの例において、本方法は、追加的または代替的には、工場コンポーネント欠陥率の1または複数に基づいて(例えば、S130に関してより詳細に説明するような、欠陥リンク合計に基づいて取られる動作と同様の方法で)動作を行うこと(例えば、情報を提示すること、検査および/または保全を実行することなど)、および/または工場コンポーネント欠陥率に基づいて他の任意の適切な動作を実行することを含むことができる。
【0058】
しかしながら、S127は、追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で欠陥率を求めることを含むことができ、かつ/または追加的または代替的には、他の任意の適切な方法で実行される他の任意の適切な要素を含むことができる。
【0059】
4.3 欠陥の関連付けに基づく動作
本方法は、任意選択的には、欠陥の関連付けに基づいて動作を行うステップS130を含むことができ、これは、製造システムの欠陥(例えば、高い欠陥率および/または低い生産率をもたらす)を診断するように、かつ/または製造システム機能の改善(例えば、欠陥率を減少させることおよび/または生産率を増加させること)を行うように、改善を可能にするように、かつ/または改善を促進するように機能することができる。S130において取られる動作は、好ましくは、S120で特定された欠陥の関連付け(例えば、欠陥リンク合計、欠陥率など)によって通知され、追加的または代替的には、本方法の実行中に特定および/または受信した他の任意の適切な情報によって通知され得る。いくつかの実施形態では、S130は、製造システム保全情報の1または複数の要素(例えば、欠陥の関連付けに基づいて決定された情報、例えば、製造システムの欠陥および/または可能性のある解決策に関連する情報および/またはそれを示す情報など)を決定すること、並びに、製造システム保全情報の1または複数の要素に基づいて動作を行うこと(例えば、情報をユーザに提供すること、情報に基づいて検査および/または保全を実行することなど)を含むことができる。例えば、製造システム保全情報は、製造システム障害の原因となり得る工場コンポーネント、保全処置、推奨事項および/または優先順位付けに関連する情報および/またはそれを示す情報、および/または他の任意の適切な情報(例えば、S130に関して、本明細書で説明する他の情報など)を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、S130が、1または複数のユーザに情報(例えば、S110で受信した情報および/またはS120で行われた決定に基づいて決定された情報などの派生情報)を提示することを含むことができる。例えば、S130は、潜在的に問題のある工場コンポーネントをユーザに提示すること(例えば、1または複数の潜在的な問題を示す情報をユーザに提供すること)を含むことができる。
【0061】
例えば、S130は、製造ラインにおける許容できない(例えば、増加する)欠陥率の原因となる可能性がある(および/または他の点で問題がある可能性がある)工場コンポーネントのリストを生成および/または提示することを含むことができる。このリストは、実行すべき保全(例えば、予定された製造ラインの停止中に実行される予防保全、製造ラインの品質停止中に高い欠陥率の根本原因を除去するために実行される事後保全など)に関する決定を通知するために使用することができる。例えば、このリストは、特に予防保全に有用な、欠陥に対する全体的な責任が最も高い(例えば、リンク欠陥合計および/またはリンク欠陥率が最も高い)工場コンポーネント(例えば、フィーダ、ノズル、ノズルホルダ、カメラ、プログラミングパラメータなど)、および/または特定のタイプの欠陥および/または特定のコンポーネントまたはコンポーネントのセット(欠陥率が特に高い1または複数の欠陥タイプおよび/または1または複数のコンポーネント)に関連付けられた欠陥に対する責任(例えば、リンク欠陥合計および/またはリンク欠陥率)が最も高い工場コンポーネントを含むことができる。追加的または代替的には、リストは、欠陥責任(例えば、総数、欠陥率など)が閾値(例えば、均一な閾値、コンポーネントごとまたはコンポーネントタイプごとに決定された閾値など;固定された閾値および/または工場全体のパフォーマンスなどに基づいて動的に決定される閾値など)よりも大きい工場コンポーネントを含むことができる。追加的または代替的には、自動異常検出システム(例えば、工場コンポーネントの欠陥率の時系列を入力として受け入れる機械学習システムなど)に基づいて、リストにおいて工場コンポーネントを選択することができる。
【0062】
この例の一態様では、様々な工場コンポーネントに関連する保全を実行することによって予想される時間、コストおよび/または影響に基づいて、リストをフィルタリングおよび/または優先順位付けすることができる。例えば、リストは、予想される保全リソースの投資利益率(例えば、保守コスト、工場または工場ラインの停止時間など)に基づいてフィルタリングおよび/またはソートすることができる。いくつかの実施形態では、S130は、現在または今後の(例えば、低い歩留まりおよび/または生産率などの低いパフォーマンスにより、計画される、必要とされる、または望まれる)工場または工場ラインの停止に関する推奨保全リストを提供することを含むことができる。一例では、計画された停止期間(例えば、5分、15分、2時間など)に基づいて、リストは、計画された停止期間内に収まると予測される保全タスクのみを含むようにフィルタリングされ(例えば、各タスクが、計画された停止期間よりも短い時間しか必要としないと予想される場合、保全作業員やチームなどの特定の保全リソースに関連する一連のタスクに必要な予想される時間の合計が計画された停止時間よりも短い場合など)、かつ/または予想される価値が最も高いタスク(例えば、予想される製品歩留まりおよび/または生産率の増加に関して)、および/または、予想される投資利益率が最も高いタスク(例えば、予想される保全時間に対する予想される価値の比率に関して)を優先するようにソートされる。
【0063】
追加的または代替的には、S130は、工場コンポーネントに問題がある可能性があると判定することに応答して、措置を講じることを含むことができる。例えば、S130は、ユーザへの警告、(例えば、問題のある工場コンポーネントの使用を回避または低減するための)製造ラインオペレーションの変更、および/または(例えば、問題のあるコンポーネントおよび/または他の関連する工場コンポーネントの)メンテナンスの開始を含むことができる。コンポーネントに問題がある可能性があると判定することは、欠陥責任が(例えば、上述したように)閾値を超えたと判定すること、コンポーネントの動作が異常であると判定すること(例えば、上述した機械学習システムなどの自動異常検出システムに基づいて)などを含むことができる。
【0064】
追加的または代替的には、S130は、様々な欠陥、製品コンポーネント、工場コンポーネント(例えば、ツール、ツール要素、プログラミングパラメータなど)、および/または他の任意の適切な態様に関連付けられたデータスライスの閲覧を可能にするユーザインターフェース(UI)などを介して、ユーザが情報の様々な態様を探索することを可能にする方法で、1または複数のユーザに派生情報を提示することを含むことができる。
【0065】
例えば、UIは、上流の機械コンポーネント(例えば、ノズル、フィーダ、フィーダ取付位置など)、コンポーネントタイプ、形状コード(1または複数のコンポーネントタイプによって共有されるプログラミングパラメータに関連する)などに関する欠陥ヒートマップを表示することができる。
【0066】
追加的または代替的には、UIは、ユーザが欠陥データをフィルタリングすることを可能にする。例えば、(特定の製品タイプの)コンポーネントU1に関連付けられた欠陥を確認することにより、U1が3つのフィーダから2つの機械によって配置されるが、欠陥の大部分が(たとえ同一の部品が両機械に投入されていても)機械のうちの一方のみから発生していることをUIが示すことができる。この情報に基づいて、ユーザは、問題がその一方の機械に関連していると結論付けることができる。次に、ユーザは、その一方の機械のコンポーネントに関連する追加の欠陥を確認することができ(例えば、U1フィルタを除去し、代わりにその機械の機械コンポーネントでフィルタリングすることができ)、それによって、それら欠陥のほとんどまたはすべてがその機械コンポーネントに問題がある可能性が高いと考えられる、多くの欠陥に関連する(例えば、様々なSMTコンポーネントに関連する)機械コンポーネントを発見することができる。代替的には、フィルタリングされたコンポーネントの欠陥は、主に1つの機械に起因するものではない可能性がある(例えば、機械間で実質的に均一に分散している可能性がある)。むしろ、製品コンポーネント(例えば、特定の抵抗器、コンデンサ、ICパッケージなどのSMTコンポーネント)および/またはその形状コードについて、複数の機械にわたって多くの欠陥が存在する可能性があり、これは、プログラミングエラー(例えば、コンポーネント配置のパラメータの選択が不適切であったこと)を示す可能性がある。
【0067】
当業者であれば認識するように、追加的または代替的には、そのような機能の一部またはすべてを自動化することができ、その場合、人間の介入なしに、この分析(またはそのサブセット)を実行することができる。
【0068】
さらに、S130は、追加的または代替的には、(例えば、高い欠陥率および/または特定の欠陥に関連する1または複数の工場コンポーネントを特定することに応答して)欠陥率を低減または除去するために保全を実行すること(および/またはプログラミングパラメータを変更すること)を任意選択的に含むことができる。第1の例では、問題のある欠陥率に応答して、欠陥に関連付けられた機械コンポーネントおよび/またはプログラミングパラメータを(例えば、関連するコンポーネントの即時保全または先の保全を介して)修正することができる。第2の例では、本方法が、予知保全を実行すべき機械コンポーネントの優先順位リストを決定すること(例えば、最も高い優先順位のコンポーネントが、最も高い欠陥率、または最も高いROI、例えば通常の保全時間に対する欠陥率の比率に関連付けられる)を含むことができ、優先順位リストは、ラインのダウンタイム(例えば、シフト変更、製品変更など)中に予知保全を実行するために使用することができる。
【0069】
しかしながら、S130は、追加的または代替的には、欠陥の関連付けに基づいて(かつ/または本方法の実行において特定および/または受信される他の任意の適切な情報に基づいて)他の任意の適切な措置を講じることを含むことができる。
【0070】
4.4 工場機械の動作
本方法は、任意選択的には、(例えば、図3A図3Dに示すように)工場機械を動作させるステップS105を含むことができ、これは、工場機械によって製造されるように指定された製品(例えば、SMT基板)を製造および/または検査するように機能することができる。S105は、(例えば、1または複数の製品に関連付けられたプログラミングに基づいて)組立機を動作させること、(例えば、1または複数の製品に関連付けられたプログラミングに基づいて)検査機を動作させること、および/または(例えば、コンピューティングシステムなどの1または複数の分析ツールに提供される)分析のための情報(例えば、製造システムの状態、欠陥の検出など)を提供することを含むことができる。この情報は、好ましくは、S110に関して上述したように受信されるが、追加的または代替的には、任意の適切な方法で使用される他の任意の適切な情報を含むことができる。
【0071】
簡略化のために省略したが、好ましい実施形態は、様々なシステムコンポーネントおよび様々な方法プロセスのあらゆる組合せおよび順列を含む。さらに、好ましい方法の様々なステップは、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を受け入れるように構成された機械として、少なくとも部分的に具現化および/または実施することができる。命令は、好ましくはシステムと統合されたコンピュータ実行可能コンポーネントによって実行される。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDまたはDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブまたは任意の適切なデバイスなどの任意の適切なコンピュータ可読媒体に格納することができる。コンピュータ実行可能コンポーネントは、好ましくは、汎用または特定用途向けの処理サブシステムであるが、任意の適切な専用ハードウェアデバイスまたはハードウェア/ファームウェア組合せデバイスが、追加的または代替的に命令を実行することができる。
【0072】
図面は、好ましい実施形態、例示的な構成およびそれらの態様による、システム、方法およびコンピュータプログラム製品の可能性のある実装のアーキテクチャ、機能および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された1または複数の論理機能を実装するための1または複数の実行可能命令を含む、モジュール、セグメント、ステップ、コードの一部を示すことができる。また、いくつかの代替的な態様では、ブロックに記載の機能が、図面に記載の順序から外れて起こり得ることに留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されることもあれば、関係する機能に応じて、時には逆の順序でブロックが実行されることもある。また、ブロック図および/またはフローチャートの各ブロック、並びに、ブロック図および/またはフローチャートのブロックの組合せは、指定された機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実行され得ることにも留意されたい。
【0073】
当業者であれば、上述した詳細な説明、並びに、図面および特許請求の範囲から分かるように、以下の特許請求の範囲に規定された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態に修正および変更を加えることが可能である。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図3-3】
図4
図5
図6-1】
図6-2】
【国際調査報告】