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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】半導体受光
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20240822BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20240822BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
G01N21/64 F
H01L27/144 K
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506676
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(85)【翻訳文提出日】2024-03-06
(86)【国際出願番号】 US2022075743
(87)【国際公開番号】W WO2023034851
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】63/239,874
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】エマディ,アルビン
【テーマコード(参考)】
2G043
4M118
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043BA16
2G043CA04
2G043DA02
2G043DA05
2G043EA01
2G043FA06
2G043JA02
2G043KA02
2G043KA09
2G043LA03
4M118AA10
4M118AB01
4M118AB04
4M118BA10
4M118BA14
4M118CA03
4M118CA18
4M118CB01
4M118CB02
4M118EA14
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118GA09
4M118GC20
4M118HA25
(57)【要約】
生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面と、半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、検出器表面とドープエリアのアレイのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備え、ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されているデバイスが、本明細書に記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための反応部位を含む検出器表面と、
半導体形成物内に形成された複数の離間したドープエリアであって、前記半導体形成物が前記検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、前記複数の離間したドープエリアがフォトダイオードを画定する、複数の離間したドープエリアと、
前記半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域であって、前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、前記ドープ領域のうちの前記それぞれのものは、前記検出器表面と前記ドープエリアのうちの前記それぞれのものとの中間の前記励起光及び放出光の受光経路内に配置されている、複数の離間したドープ領域と、を備え、
前記半導体形成物内に形成された前記複数の離間したドープ領域のそれぞれのドープ領域は、前記励起光の光子が前記それぞれのドープ領域内で吸収された結果として前記それぞれのドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるそれぞれの電界を生成する、デバイス。
【請求項2】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記それぞれのドープ領域は、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記それぞれのドープ領域が、前記半導体形成物の光入射面を画定する、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、前記それぞれのドープ領域の前記接合深さは、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約2倍以上であるように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光及び放出光の光子が前記それぞれのドープ領域内で吸収された結果として前記それぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光及び放出光の光子が前記それぞれのドープ領域内で前記半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果として前記それぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記それぞれのドープ領域は、青色波長帯域の光の吸収深さよりも長い接合深さを特徴とするように寸法決めされ、前記深さは、赤色波長帯域の光の吸収深さよりも短い、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記それぞれのドープ領域は、緑色波長帯域の光の吸収深さよりも長い接合深さを特徴とするように寸法決めされ、前記深さは、前記赤色波長帯域の光の吸収深さよりも短い、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記それぞれのドープ領域は、第1の波長の前記励起光の光子の吸収深さが前記それぞれのドープ領域の接合深さよりも小さくなるように寸法決めされている、請求項1~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、前記第2の接合深さは前記第1の接合深さよりも小さい、請求項1~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有する、前記緑色波長帯域の光の波長分離のために構成されたそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、前記第2の接合深さは、前記第1の接合深さよりも小さく、前記青色波長帯域の光の波長分離のために構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項16】
前記半導体形成物は、前記それぞれのドープ領域を分離する垂直に延在するディープトレンチアイソレーション形成物を含み、前記複数の離間したドープ領域のうちのドープ領域は、前記垂直に延在するディープトレンチアイソレーション形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触する、請求項1~15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものに位置合わせされている、請求項1~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに位置合わせされ、前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを通って延在する前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸を特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記複数の離間したドープエリア及び前記複数の離間したドープ領域は、垂直間隔距離によって分離され、前記複数の離間したドープエリアは、共通の上部高さを有し、前記複数の離間したドープ領域は、共通の底部高さを有し、前記半導体形成物は、前記複数の離間したドープエリアの前記共通の上部高さと前記複数の離間したドープ領域の前記共通の底部高さとの間はドープされていない、請求項1~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記反応部位のうちのそれぞれのものは、前記複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、前記デバイスは、前記反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記デバイスは、前記検出器表面を画定する支持構造を含み、前記反応部位のうちのそれぞれのものは、前記複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、前記デバイスは、前記反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、前記デバイスは、前記反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、前記光エネルギー励起装置が励起光を前記反応部位のうちの前記複数の隣接するものに同時に向けるように制御される、請求項1~20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記反応部位のうちのそれぞれのものは、前記複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、前記デバイスは、前記反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、前記デバイスは、前記検出器表面の実質的に全ての反応部位によってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、前記光エネルギー励起装置が励起光を前記検出器表面の前記実質的に全ての反応部位に同時に向けるように制御される、請求項1~21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに位置合わせされ、前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを通って延在する前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸を特徴とする、請求項1~22のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、前記それぞれのドープ領域の前記接合深さは、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記それぞれの接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光及び放出光の光子が前記それぞれのドープ領域内で吸収された結果として前記それぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項27】
前記それぞれのドープ領域は、前記励起光及び放出光の光子が前記それぞれのドープ領域内で前記半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果として前記それぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項28】
前記それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、前記第2の接合深さは前記第1の接合深さよりも小さい、請求項1に記載のデバイス。
【請求項29】
前記反応部位のうちのそれぞれのものは、前記複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、前記デバイスは、前記反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、前記デバイスは、前記反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、前記光エネルギー励起装置が励起光を前記反応部位のうちの前記複数の隣接するものに同時に向けるように制御される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項30】
前記それぞれのドープ領域は、前記半導体形成物の光入射面を画定し、前記それぞれのドープ領域は、前記励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、前記それぞれのドープ領域の前記接合深さは、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さく、前記複数の離間したドープエリア及び前記複数の離間したドープ領域は、垂直間隔距離によって分離され、前記複数の離間したドープエリアは、共通の上部高さを有し、前記複数の離間したドープ領域は、共通の底部高さを有し、前記半導体形成物は、複数の離間したドープエリアの前記共通の上部高さと前記複数の離間したドープ領域の前記共通の底部高さとの間はドープされておらず、前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに位置合わせされ、前記複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、前記ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを通って延在する前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸を特徴とし、前記検出器表面の前記反応部位のうちのそれぞれのものは、複数の離間した部分ドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、前記デバイスは、前記反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、前記デバイスは、前記反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、前記光エネルギー励起装置が励起光を前記反応部位のうちの前記複数の隣接するものに同時に向けるように制御される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項31】
デバイスであって、
生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面と、
半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、前記半導体形成物が前記検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、前記ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、
前記検出器表面と前記ドープエリアのアレイのドープエリアとの中間の前記励起光及び放出光の受光経路内の前記半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備え、
前記ドープ領域は、光子吸収の結果として前記ドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている、デバイス。
【請求項32】
前記半導体形成物内に形成されたドープ領域のアレイを備え、前記ドープ領域のアレイは前記ドープ領域を含み、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープエリアのアレイの1つのドープエリアにそれぞれ関連付けられる、請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
前記半導体形成物内に形成されたドープ領域のアレイを備え、前記ドープ領域のアレイは前記ドープ領域を含み、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、前記ドープエリアのアレイの1つのドープエリアにそれぞれ関連付けられ、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちの前記それぞれのものは、前記検出器表面と前記ドープエリアのアレイの1つのドープエリアとの中間の前記励起光及び放出光の前記受光経路内にそれぞれ配置されている、請求項31に記載のデバイス。
【請求項34】
前記ドープ領域は、光子吸収の結果として前記ドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与える電界を生成する、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記ドープ領域は、前記励起光の光子が前記ドープ領域内で吸収された結果として前記ドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項31~34のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記ドープ領域は、前記励起光及び放出光の光子が前記それぞれのドープ領域内で前記半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果として前記ドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項31~35のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記ドープ領域は、青色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い接合深さを有し、前記深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、請求項31~36のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記ドープ領域は、緑色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い深さを特徴とするように寸法決めされ、前記深さは、前記赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、請求項31~37のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項39】
前記ドープ領域は、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、請求項31~38のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項40】
前記ドープ領域は、前記励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、前記ドープ領域は、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有するように構成されている、請求項31~39のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項41】
前記ドープ領域の接合深さは、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約2倍以上であるように構成されている、請求項31~40のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項42】
前記ドープ領域の接合深さは、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、請求項31~41のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項43】
前記ドープ領域の接合深さは、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、請求項31~42のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項44】
前記ドープ領域は、前記励起光の光子が前記ドープ領域内で吸収された結果として前記ドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項45】
前記ドープ領域は、前記励起光及び放出光の光子が前記それぞれのドープ領域内で前記半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果として前記ドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項46】
前記ドープ領域は、青色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い接合深さを有し、前記深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項47】
前記ドープ領域は、緑色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い深さを特徴とするように寸法決めされ、前記深さは、前記赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項48】
前記ドープ領域は、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項49】
前記ドープ領域は、前記励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、前記ドープ領域は、前記放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有するように構成されている、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項50】
前記ドープ領域の接合深さは、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項51】
前記ドープ領域の接合深さは、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記放出光の中心波長における光子の割合が、前記接合より下の前記半導体形成物の高さにおいて吸収される前記励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、請求項31~33のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項52】
方法であって、
半導体形成物内にドープエリアのアレイを形成することと、
前記半導体形成物内にドープ領域のアレイを形成することであって、前記ドープ領域のアレイのそれぞれのドープ領域は、前記ドープエリアのアレイのそれぞれのドープエリアに関連付けられる、形成することと、
検出器表面を形成することであって、前記半導体形成物は、前記検出器表面から励起光及び放出光を受け取るように構成されている、形成することと、を含み、
前記それぞれのドープ領域は、前記検出器表面からの前記励起光及び放出光の受光経路内の前記半導体形成物内に形成されている、方法。
【請求項53】
前記それぞれのドープ領域は、光子吸収の結果としてその中で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記方法が、前記半導体形成物の上方に、表側処理を使用して、前記半導体形成物と前記ドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、前記1つ以上のフィルタは、前記励起光の照明を遮断し、前記放出光の光が前記ドープエリアのアレイに到達することを可能にする、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項55】
前記方法が、前記半導体形成物の上方に、裏側処理を使用して、前記半導体形成物と前記ドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、前記1つ以上のフィルタは、前記励起光の照明を遮断し、前記放出光の光が前記ドープエリアのアレイに到達することを可能にする、請求項52~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記方法が、前記半導体形成物の表側から裏側に複数のトレンチをエッチングすることと、前記複数のトレンチを誘電体材料で充填して、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に画定することと、を含む、請求項52~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記方法が、前記半導体形成物の裏側から表側に複数のトレンチをエッチングすることと、前記複数のトレンチを誘電体材料で充填して、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に画定することと、を含む、請求項52~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記方法が、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを前記半導体形成物内に前記形成することは、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものが前記DTI形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触するように、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、請求項52~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
ドープ領域のアレイを前記半導体形成物内に前記形成することは、前記ドープエリアのアレイの複数のドープエリアに対向するように横方向に延在する横方向延在ドープ領域を、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のそれぞれの中心軸が前記横方向延在ドープ領域を通って共通に延在するように形成することと、前記横方向延在ドープ領域をエッチングしてトレンチを画定することと、前記トレンチを誘電体材料で充填して、前記横方向延在ドープ領域を、前記ドープ領域のアレイを画定する前記ドープ領域のうちのそれぞれのものに分離するDTI形成物を画定することと、を含む、請求項52~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記方法が、前記半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれる、請求項52~59のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記方法が、前記半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、前記方法は、前記ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、ウェハ反転を用いて、前記誘電体スタックの前記堆積の前の前記ドープ領域の前記形成を容易にする、請求項52~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記方法が、前記半導体形成物を画定するウェハとは別の第2のウェハ上に誘電体スタックを堆積することを含み、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、前記方法は、前記ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、前記第2のウェハと前記ウェハとのウェハスケールボンディングを用いて、前記誘電体スタックを前記半導体形成物にボンディングする、請求項52~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記方法が、第1のウェハを使用して前記半導体形成物を作製することと、第2のウェハを使用して誘電体スタックを別個に作製することであって、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための読み出し回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層が組み込まれる、作製することと、前記第1のウェハを前記第2のウェハにウェハスケールボンディングして、前記誘電体スタックを前記半導体形成物に一体的にボンディングすることと、を含む、請求項52~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記方法が、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを前記半導体形成物内に前記形成することは、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものが前記DTI形成物のうちの隣接するものと横方向に接触するように前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、請求項52~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記方法が、前記半導体形成物の上方に、裏側処理を使用して、前記半導体形成物と前記ドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、前記1つ以上のフィルタは、前記励起光の照明を遮断し、前記放出光の光が前記ドープエリアのアレイに到達することを可能にする、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項66】
前記方法が、前記半導体形成物の表側から裏側に複数のトレンチをエッチングすることと、前記複数のトレンチを誘電体材料で充填して、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に画定することと、を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項67】
前記方法が、前記半導体形成物の裏側から表側に複数のトレンチをエッチングすることと、前記複数のトレンチを誘電体材料で充填して、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に画定することと、を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項68】
前記方法が、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを前記半導体形成物内に前記形成することは、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものが前記DTI形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触するように、前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項69】
ドープ領域のアレイを前記半導体形成物内に前記形成することは、前記ドープエリアのアレイの複数のドープエリアに対向するように横方向に延在する横方向延在ドープ領域を、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のそれぞれの中心軸が前記横方向延在ドープ領域を通って共通に延在するように形成することと、前記横方向延在ドープ領域をエッチングしてトレンチを画定することと、前記トレンチを誘電体材料で充填して、前記横方向延在ドープ領域を、前記ドープ領域のアレイを画定する前記ドープ領域のうちのそれぞれのものに分離するDTI形成物を画定することと、を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項70】
前記方法が、前記半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれる、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項71】
前記方法が、前記半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、前記方法は、前記ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、ウェハ反転を用いて、前記誘電体スタックの前記堆積の前の前記ドープ領域の前記形成を容易にする、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項72】
前記方法が、前記半導体形成物を画定するウェハとは別の第2のウェハ上に誘電体スタックを堆積することを含み、前記誘電体スタックには、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、前記方法は、前記ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、前記第2のウェハと前記ウェハとのウェハスケールボンディングを用いて、前記誘電体スタックを前記半導体形成物にボンディングする、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項73】
前記方法が、第1のウェハを使用して前記半導体形成物を作製することと、第2のウェハを使用して誘電体スタックを別個に作製することであって、前記誘電体スタックに、前記ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための読み出し回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層が組み込まれる、作製することと、前記第1のウェハを前記第2のウェハにウェハスケールボンディングして、前記誘電体スタックを前記半導体形成物に一体的にボンディングすることと、を含む、請求項52又は53に記載の方法。
【請求項74】
前記方法が、前記ドープエリアのアレイの前記ドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を前記半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを前記半導体形成物内に前記形成することは、前記ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものが前記DTI形成物のうちの隣接するものと横方向に接触するように前記ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、請求項52又は53に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年9月1日に出願された「Semiconductor Light Reception」と題する米国特許出願第63/239,874号の優先権を主張し、その全内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
生物学的研究又は化学的研究における様々なプロトコルは、制御された反応を行うことを伴う。次いで、指定された反応を観察又は検出することができ、その後の分析は、反応に関与する化学物質の特性を同定又は明らかにするのを補助することができる。
【0003】
いくつかの多重アッセイでは、同定可能な標識(例えば、蛍光標識)を有する未知の分析物を、制御された条件下で、数千の既知のプローブに曝露させることができる。各既知のプローブは、マイクロプレートの対応するウェル内に堆積させることができる。既知のプローブとウェル内の未知の分析物との間で起こる任意の化学反応を観察することは、分析物の特性を同定又は明らかにするのを補助することができる。そのようなプロトコルの他の例としては、合成による配列決定(sequencing-by-synthesis、SBS)又は環状アレイ配列決定などの、既知のDNA配列決定プロセスが挙げられる。
【0004】
いくつかの蛍光検出プロトコルでは、光学系を使用して、励起光を蛍光団、例えば蛍光標識した分析物上に向け、また蛍光団が付着した分析物から放出させることができる蛍光放出光を検出する。しかしながら、そのような光学系は、比較的高価であり、大きいベンチトップ設置面積からの恩恵を受け得る。例えば、光学系は、レンズ、フィルタ、及び光源の配設を含み得る。
【0005】
提案された他の検出システムでは、フローセル内の制御された反応は、固体光センサアレイ(例えば、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)検出器又は電荷結合素子(charge coupled device、CCD)検出器)によって画定され得る。これらのシステムは、蛍光放射を検出するために、大型の光学アセンブリを含まない。
【発明の概要】
【0006】
一例では、デバイスが本明細書に記載される。デバイスは、例えば、励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域を備えることができる。
【0007】
一例では、デバイスが本明細書に記載される。デバイスは、例えば、半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備えることができる。
【0008】
一例では、デバイスが本明細書に記載される。デバイスは、例えば、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための反応部位を含む検出器表面と、
半導体形成物内に形成された複数の離間したドープエリアであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、複数の離間したドープエリアがフォトダイオードを画定する、複数の離間したドープエリアと、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域であって、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、ドープ領域のうちのそれぞれのものは、検出器表面とドープエリアのうちのそれぞれのものとの中間の励起光及び放出光の受光経路内に配置されている、複数の離間したドープ領域と、を備え得、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域のそれぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるそれぞれの電界を生成する。
【0009】
一例では、デバイスが本明細書に記載される。デバイスは、例えば、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面と、半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、検出器表面とドープエリアのアレイのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備え得、ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている。
【0010】
一例では、方法が本明細書に記載される。方法は、例えば、半導体形成物内にドープエリアのアレイを形成することと、半導体形成物内にドープ領域のアレイを形成することであって、ドープ領域のアレイのそれぞれのドープ領域は、ドープエリアのアレイのそれぞれのドープエリアに関連付けられる、形成することと、検出器表面を形成することであって、半導体形成物は、検出器表面から励起光及び放出光を受け取るように構成されている、形成することと、を含み得、それぞれのドープ領域は、検出器表面からの励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されている。
【0011】
一例では、デバイスが本明細書に記載される。デバイスは、例えば、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するように構成された検出器表面を画定する支持構造と、半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、検出器表面とドープエリアのアレイのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備え得、ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本主題のこれら及び他の特徴、態様、利益、及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むと、より深く理解されると考えられ、同様の特徴は、図面にわたって同様の部分を表している。
図1】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するためのシステムの概略切断側面図である。
図2】一例による、励起波長、吸収波長、蛍光放出シグナル波長、及び検出帯域波長の間の対応を示すスペクトルプロファイル対応図である。
図3】一例による、シリコンにおける光の吸収深さを示す。
図4】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図5】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図6】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図7】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図8】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図9】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図10】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図11】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図12】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断側面図である。
図13】一例による、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面を含む検出器を有する、生物学的分析又は化学的分析において使用するための検出器の概略切断上面図である。
図14】配列決定を実行する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、生物学的分析又は化学的分析などの分析に使用するためのシステム100が示されている。システム100は、光エネルギー励起装置10及び検出器アセンブリ20を含み得る。検出器アセンブリ20は、検出器200及びフローセル282を含むことができ、フローセル282は、検出器200によって画定することができる。検出器200は、感知フォトダイオードと、試験を受ける生物学的サンプル又は化学的サンプルなどのサンプル502を支持するための検出器表面206と、を画定する複数のドープエリア212を含み得る。側壁284及びフローカバー288、並びに検出器表面206を有する検出器200は、フローセル282を画定し、境界を定めることができる。検出器表面206は、関連する検出器表面平面130を有し得る。
【0014】
更なる態様では、検出器表面206は反応部位を含むことができ、一例では、反応凹部208(ナノウェル)を含むように凹ませることができる。一例によれば、感知フォトダイオードを画定する各ドープエリア212は、1つの反応凹部208に関連付けられ、位置合わせされ得る。一例によれば、各反応凹部208は、その中に1つ以上の反応部位を画定することができ、サンプル502は、そのような反応部位上に支持され得る。本明細書の例は、本明細書で「ドープエリア」の文脈で言及される「エリア」が体積空間を指し得る(言い換えれば、二次元空間に限定されない)ことを認識している。本明細書で使用するとき、用語「反応部位」は、少なくとも1つの指定された反応が生じ得る局所的領域に言及し得る。本明細書で使用するとき、「指定された反応」は、対象となる検体などの対象となる化学物質又は生物学的物質の化学的、電気的、物理的、又は光学的特性(又は品質)のうちの少なくとも1つの変化を含む。
【0015】
別の態様では、検出器200は、例えば、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212からのシグナルの読み出し、デジタル化、記憶、及びシグナル処理のための回路を画定する、本明細書に記載の1つ以上のメタライゼーション層を含み得る。
【0016】
一例によれば、検出器200は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路検出器又は電荷結合素子(CCD)集積回路検出器などの固体集積回路検出器によって設けられ得る。
【0017】
一例によれば、システム100は、蛍光団を使用して生物学的試験又は化学的試験を行うために使用され得る。例えば、1つ以上の蛍光団を有する流体は、入口ポート289及び出口ポート290を使用して、入口ポートを通してフローセル282に流入させる、かつフローセル282から流出させることができる。蛍光団は、様々なサンプル502に引きつけることができ、したがって、それらの検出によって、蛍光団は、サンプル502のマーカー、例えば、サンプルが引きつける生物学的分析物又は化学的分析物として作用し得る。
【0018】
フローセル282内での蛍光団の存在を検出するために、光エネルギー励起装置10は、励起波長範囲の励起光101が光エネルギー励起装置10によって放出されるように通電され得る。励起光101を受け取ると、サンプル502に付着された蛍光団は、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212による検出のための対象となるシグナルである放出光501を放射することができる。サンプル502に付着した蛍光団の蛍光による放出光501は、励起光101の波長範囲に対して赤色シフトした波長範囲を有し得る。
【0019】
光エネルギー励起装置10は、サンプル502を照明するために、少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの光学構成要素を含み得る。光源の例としては、レーザ、アークランプ、LED、又はレーザダイオードが挙げられる。光学構成要素は、例えば、反射器、偏光板、ビームスプリッタ、コリメータ、レンズ、フィルタ、ウェッジ、プリズム、鏡、検出器などであってもよい。照明システムを使用する例では、光エネルギー励起装置10は、励起光101を反応部位に向けるように構成され得る。一例として、蛍光団は、緑色波長範囲の光によって励起され得、例えば、約523nmの中心(ピーク)波長を有する励起光101を使用して励起され得る。
【0020】
本明細書の例は、システム100のシグナル対雑音比が、以下の(1)の式に記載されるように表され得ることを認識している。
【0021】
【数1】
式中、「シグナル」は、放出光501、すなわち、サンプルに付着された蛍光団の蛍光に起因する対象となる光のシグナルであり、「励起」は、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する望ましくない励起光であり、「AF」は、検出器200内の1つ以上の自己蛍光源の自己蛍光ノイズ放射であり、「バックグラウンド」は、検出器200の外部源から検出器200内に伝送される望ましくない光エネルギーであり、「暗電流」は、光がない場合のランダム電子正孔対生成に関連する電流フローノイズであり、「読み出しノイズ」は、アナログ-デジタル電子機器に関連するノイズである。
【0022】
図2は、励起光の波長範囲、シグナル光の波長範囲、及び検出波長範囲の間の目標対応を示すスペクトルプロファイル対応図の一例である。図2のスペクトルプロファイル対応図において、緑色光スペクトルプロファイルとして示されるスペクトルプロファイル1101は、光エネルギー励起装置10によって放出される励起光101のスペクトルプロファイルである。スペクトルプロファイル1501は、励起光101によって励起された蛍光団の蛍光によって引き起こされる放出光501のスペクトルプロファイルである。スペクトルプロファイル1220は、一例によれば、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212の透過プロファイル(検出帯域)である。図2のスペクトルプロファイル対応図は、いくつかの例に共通な一般的な特徴を表すことが意図されているが、示されたスペクトルプロファイルの変化は、共通していることが理解されよう。一態様では、励起光101は、一般に、緑色光スペクトルプロファイルに加えて、青色光スペクトルプロファイル(図示せず)を含み得、システム100は、(a)緑色光スペクトルプロファイルがアクティブであり、青色光スペクトルプロファイルが非アクティブであるモードと、(b)青色光スペクトルプロファイルがアクティブであり、緑色光スペクトルプロファイルが非アクティブであるモードとの間で切り替え可能である。他の例では、励起光101と放出光との異なる組み合わせが存在し得る。一例では、励起光101のスペクトルプロファイル1101は、青色光波長範囲の中心波長を特徴とすることができ、放出光501のスペクトルプロファイルは、緑色波長範囲の中心波長を特徴とすることができる。
【0023】
検出器200は、スペクトルプロファイル1220によって示される波長範囲の光を検出するように構成され得る。スペクトルプロファイル1220は、検出波長範囲を特定し、スペクトルプロファイル1220の振幅は、感度のレベルを示す。したがって、図2のスペクトルプロファイル対応図を参照すると、検出器200は、放出光501のスペクトルプロファイル1501と感知フォトダイオードを画定するドープエリア212の検出帯域スペクトルプロファイル1220とが交差する波長の範囲の放出光501を検出することができる。
【0024】
検出器200は、システム100のシグナル対雑音比を増加させるために、電子進行方向影響特徴を含むことができる。図1を参照すると、検出器200は、基板202及び半導体形成物210を含むことができる。一例によれば、半導体形成物210は、シリコン層、例えば、バルクシリコンウェハ上に画定されたシリコン層又はSOIウェハのシリコン層によって提供することができる。半導体形成物210は、システム100のシグナル対雑音比を改善するためにその中に形成された様々な特徴を含むことができる。別の例において、半導体形成物210は、シリコン以外の材料、例えば、グラフェン、窒化ガリウム、炭化ケイ素、ガリウムヒ素、ゲルマニウム、又は他のIV族半導体材料によって提供することができる。
【0025】
半導体形成物210は、半導体形成物210内に形成された複数の離間したドープエリア212を含むことができ、離間したドープエリア212は、感知フォトダイオードを画定することができる。複数の離間したドープエリア212は、ドープエリア212のアレイを画定することができ、ドープエリアのうちのそれぞれのものは、感知フォトダイオードを画定することができる。別の態様において、半導体形成物210は、半導体形成物210内に形成された複数の離間したドープ領域214を含むことができる。複数の離間したドープ領域214は、ドープ領域214のアレイを画定することができる。半導体形成物210に形成されたドープ領域214のうちのそれぞれのものは、半導体形成物内に形成されたドープエリア212のうちのそれぞれのものに関連付けることができ、ドープエリア212は感知フォトダイオードを画定することができる。感知フォトダイオードとして構成されたそれぞれのドープエリア212は、受け取った電子に応答して電流シグナルを生成することができ、ドープ領域214は、電子進行方向影響機能を提供することができる。
【0026】
ドープ領域214のうちのそれぞれのものは、複数のドープエリア212のそれぞれのドープエリア212に関連付けられ、位置合わせされるように形成することができる。各それぞれのドープ領域214は、サンプル502の位置にある検出器表面206からドープエリア212に向かう放出光501の経路において、それぞれの関連するドープエリア212の前方に配置することができる。ドープエリア212を参照すると、ドープエリア212は、感知フォトダイオードとして機能するようにドープすることができ、ドープ領域214は、電子進行方向に影響を与えるように構成することができる。一例では、半導体形成物210内に形成された複数の離間したドープ領域214が本明細書に記載されており、複数の離間したドープ領域214のうちのそれぞれのものは、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212のうちのそれぞれのものに関連付けられ、ドープ領域214のうちのそれぞれのものは、検出器表面206と感知フォトダイオードを画定するドープエリア212のうちのそれぞれのものとの中間の励起光101及び放出光501の受光経路内に配置される。一例では、生物学的サンプル又は化学的サンプル502を支持するように構成された検出器表面206を画定する支持構造260(支持構造)と、半導体形成物210内に形成されたドープエリア212のアレイであって、半導体形成物210が検出器表面206から励起光101及び放出光501を受け取り、ドープエリア212のアレイのドープエリア212が感知フォトダイオードを画定する、ドープエリア212のアレイと、検出器表面206とドープエリア212のアレイのドープエリア212との中間の励起光101及び放出光501の受光経路内の半導体形成物210内に形成されたドープ領域214と、が本明細書に記載されており、ドープ領域214は、光子吸収の結果としてドープ領域214で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている。本明細書で使用される場合、「検出器表面から」という語句は、励起光又は放出光に関して使用される場合、光が検出器表面から進行しているが、必ずしも検出器表面から生じているわけではないことを意味することが意図される。例えば、検出器表面からの光は、検出器表面を通って進む光であってもよい。
【0027】
一例では、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212は、例えば、p型基板内のn型ドープ領域、又はn型ドープ基板上のp型ウェル上のn型ドープ領域、又は任意の他のダイオードの組み合わせであってもよい。ドープエリア212のインスタンスの半導体接合深さは、一例によれば、約0.2μm~約2μmの範囲内とすることができる。DTI特徴のサイズは、一例では、約0.1μm~約0.3μmであり得る。DTI形成物のアスペクト比は、一例によれば、約1:5~1:25であり得る。一例では、電子方向影響機能を提供するドープ領域214は、例えば、p型基板内のn型ドープ領域、又はn型ドープ基板上のp型ウェル上のn型ドープ領域、又は任意の他のダイオードの組み合わせであり得る。ドープ領域214の接合深さは、分離の対象となる目標波長に応じて選択することができる。
【0028】
ドーピング領域214のうちのそれぞれのものをドーピングエリア212のうちのそれぞれのものに位置合わせするために、関連付けられたドーピング領域214及びドーピングエリア212は、一例では、図のいくつかに示されるように、共通の垂直に延在する中心軸216を共有するように配設することができる。様々な示された例において、ドープエリア212のインスタンスの垂直に延在する中心軸216は、ドープ領域214のインスタンスを通って延在することができ、ドープ領域214のインスタンスの垂直に延在する中心軸216は、ドープエリア212のインスタンスを通って延在することができる。
【0029】
図3は、様々な波長におけるシリコンを通る光の吸収深さを示す。吸収深さは、吸収係数αの逆数を指す。吸収深さは、光が元の強度の1/e(約37%)に落ちる、表面から材料内への距離を画定する。本明細書における例は、特定の媒体内の波動のパワーが、場の量の二乗に正比例することを認識している。本明細書では、吸収深さは更に、波動パワーが表面値の1/e(約13%)に低下した深さを指す。
【0030】
本明細書の例は、波長分離及び選択を提供するために、異なる波長における光の吸収特性を使用することができる。一例によれば、ドープ領域214は、電子の進行方向に影響を与えて波長の分離及び選択を提供し、システム100のシグナル対雑音比を改善するように構成することができる。ドープ領域214の機能的な説明は、図4を参照して記載される。
【0031】
本明細書の例は、所与の半導体材料がより短い波長でより多くの光を吸収し、したがって、所与の半導体材料の吸収深さが、より短い波長では相対的に短く、より長い波長では相対的に長いことを認識している。光の波長が増加するにつれて、所与の半導体材料における光の吸収深さは増加する。
【0032】
本明細書の例は、ドープ領域214を用いて波長分離及び選択を提供することができ、それにより、半導体形成物210内で受け取られる放出光501のより長い波長の光子吸収に起因する半導体形成物210内で生成される電子は、半導体形成物210内で受け取られる励起光101のより短い波長の光子吸収に起因する半導体形成物210内で生成される電子に対して、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって優先的に受け取られる。
【0033】
本明細書の例は、ドープ領域214が存在しない場合、励起光101及び放出光501の両方からの光子の大部分が半導体形成物210内の非ドープエリアに吸収されて電子を生成することができ、その後、電子は、感知フォトダイオードとして構成されたドープエリア212に到達するまで、半導体形成物210内でランダムな方向に拡散することができることを認識している。式1から、本明細書の例は、励起光101の光子吸収から生成されるドープエリア212によるかなりの割合の電子の受け取りが、シグナル対雑音比及び放出光501の検出に悪影響を及ぼす可能性があることを、認識している。
【0034】
本明細書の例は、ドープ領域214内の光子吸収から生成される電子が、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達しないように、電子進行方向に影響を与えるように構成されたドープ領域214を含むことができる。
【0035】
本明細書に記載の一態様では、半導体接合215を画定するドープ領域214は、半導体接合215の深さ寸法が、分離の対象となる目標波長に応じて選択されるように構成することができる。一例では、ドープ領域214によって画定される半導体接合215の深さ寸法を、分離の対象となる波長の吸収深さよりも長くなるように選択することによって、その波長の光子吸収に起因する電子生成を、ドープ領域214に実質的にかつほとんど閉じ込めることができ、生成される電子の進行方向は影響を受けて、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって生成される電流シグナルへの進行電子の寄与を回避することができる。半導体接合215の深さを含むドープ領域214の寸法は、ドーピング濃度、ドーピング位置、及びドーピング時間などのパラメータを含むことができるドーピングパラメータを使用して制御することができる。
【0036】
一例では、ドープ領域214のインスタンスは、図4に示されるように、電界Eがドープ領域214内で生成されるように、半導体接合215の周りの空乏領域を特徴とするように構成することができる。電界Eは、ドープ領域214内の光子の吸収によって生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成することができる。一例では、電界Eは、ドープ領域214内の光吸収によって生成される光子生成電子のドリフトを引き起こすことによって、光子生成電子の進行方向に影響を与えることができる。電界Eは、ドープ領域214内の光吸収によって生成される光子生成電子のドリフトを引き起こすことによって、光子生成電子の進行方向に影響を与えることができ、それによって、ドープ領域内で生成される光子生成電子が、半導体形成物210の高さ2144で画定されたドープ領域214の上部光入射面に向かってドリフトする。ドープ領域214は、半導体接合215の周りの空乏領域を特徴とするように構成することができ、光子生成電子を高さ2144の半導体形成物210の光入射面に向ける電界Eを提供するように構成することができる。電界Eは、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって生成される電流シグナルに寄与することなく、ドープ領域214内で生成される電子を強制的に再結合させることができる。ドープ領域214内で生成される生成電子は、拡散して半導体形成物210の反対側の感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に達することを、電界Eによって制限され得る。
【0037】
一例では、本明細書のドープ領域214は、半導体形成物210における放出光501の光子吸収に起因する電子が、半導体形成物210における励起光101の光子吸収に起因する電子に対して、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって優先的に受け取られるように、波長選択を提供するように構成することができる。一例では、本明細書のドープ領域214は、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、接合215の接合深さより下方で半導体形成物210において吸収する放出光501の光子の割合が、励起光101を画定する照明の存在下で検出器表面206から受け取られる放出光501の検出を容易にするのに十分であるように、波長選択を提供するように構成することができる。一例では、本明細書のドープ領域214は、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、接合215の接合深さより下方で半導体形成物210において吸収する励起光101の光子の割合に対する、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、接合215の接合深さより下方で半導体形成物210において吸収する放出光501の光子の割合が、励起光101を画定する照明の存在下で検出器表面206から受け取られる放出光501の検出を容易にするのに十分であるように、波長選択を提供するように構成することができる。一例では、本明細書のドープ領域214は、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する、接合215の接合深さより下方で生成される半導体形成物210内の放出光501の光子吸収に起因する電子の割合が、励起光101を画定する照明の存在下で検出器表面206から受け取られる放出光501の検出を容易にするのに十分であるように、波長選択を提供するように構成することができる。一例では、本明細書のドープ領域214は、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する、接合215の接合深さより下方で生成される半導体形成物210内の励起光101の光子吸収に起因する電子の割合に対する、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する、接合215の接合深さより下方で生成される半導体形成物210内の放出光501の光子吸収に起因する電子の割合が、励起光101を画定する照明の存在下で検出器表面206から受け取られる放出光501の検出を容易にするのに十分であるように、波長選択を提供するように構成することができる。
【0038】
一例では、ドープ領域214は、結果として生成される電子が拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達するのを制限するための、ドープ領域214内で吸収される、半導体形成物210において吸収される励起光101の光子の割合が、励起光101を画定する照明の存在下で検出器表面206から受け取られる放出光501の検出を容易にするのに十分であるように、励起光101の波長選択を提供するように構成することができる。
【0039】
一例では、ドープ領域214は、励起光101の中心波長又は分離の対象となる光の別の目標波長の吸収深さよりも大きい接合215の高さ2146によって画定される接合深さを有するように構成することができる。半導体接合215が励起光101の中心波長の吸収深さよりも大きい深さを特徴とするようにドープ領域214を構成することによって、励起光101の中心波長における光子の大部分がドープ領域214内で吸収されてドープ領域214内に光子生成電子を生成すると予想することができ、この電子は、電界Eの存在によって、ランダムな方向に拡散することなくドープ領域214の上面に向かってドリフトして、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達することができる。
【0040】
半導体接合215が励起光101の中心波長の吸収深さよりも大きい高さ2146の深さを特徴とするようにドープ領域214を構成することによって、高さ2146の半導体接合215の深さより下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合を制限することができ、その結果、励起光101の中心波長における光子の限られた割合のみが吸収されて、接合215の高さ2146より下方で電子を生成し、この電子はランダムな方向に拡散してドープエリア212によって受け取られ、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212による電流シグナルに寄与することができる。所与の波長において高さ2146より下方で吸収される光子の割合を制限することにより、所与の波長における光子吸収の結果として生成される電子の割合を制限することができる。感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する励起光101の中心波長における光子の吸収の結果として生成される電子の割合を制限することにより、放出光501の検出を容易にすることができる。
【0041】
ドープ領域214は、高さ2146の接合215の接合深さを含むことができ、そのため、励起光101の中心波長における光子の限られた割合のみが吸収されて接合215の高さ2146より下方で電子が生成され、高さ2146の半導体接合215の深さは、放出光501の中心波長における光子のかなりの割合が高さ2146の接合215の高さ深さより下方で吸収されて接合215の高さ2146より下方で電子を生成することができ、この電子がランダムな方向に拡散してドープエリア212によって受け取られ、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって受け取られた電子に応答して生成される電流シグナルに寄与することができるように、構成することができる。
【0042】
一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合よりも大きくなるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合よりも約2倍以上大きくなるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合よりも約10倍以上大きくなるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合よりも約20倍以上大きくなるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が、拡散して感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する電子を生成するための、高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合よりも約50倍以上大きくなるように、構成することができる。
【0043】
一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、励起光101の中心波長の吸収深さよりも下方で、励起光101の中心波長の吸収深さよりも上方であるように構成することができる。高さ2146の接合215の接合深さが励起光101の中心波長の吸収深さよりも下方で、励起光の中心波長の吸収深さよりも上方であるようにドープ領域214を構成することによって、高さ2146よりも下方の励起光101の中心波長における光子の吸収を制限することができ、高さ2146よりも下方の放出光501の中心波長における光子の吸収を実質的に容易にすることができるので、ドープエリア212は、半導体形成物210内の放出光501の中心波長における光子の吸収に起因して半導体形成物210内で生成される電子の実質的な割合を拡散によって受け取る。
【0044】
感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって受け取られるように拡散する、放出光501の中心波長における光子の吸収に起因して生成される電子の割合は、特に、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって受け取られるように拡散する、励起光101の中心波長における光子の吸収によって生成される電子の割合が、ドープ領域214の上述の波長分離及び選択機能によって制限される場合、放出光501の検出を容易にするのに十分であり得る。
【0045】
一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、励起光101の中心波長の吸収深さの約1倍以上の深さになるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、励起光101の中心波長の吸収深さの約2倍以上の深さになるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、励起光101の中心波長の吸収深さの約1倍以上の深さになるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、励起光101の中心波長の吸収深さの約5倍以上の深さになるように、構成することができる。一例では、高さ2146の接合215の接合深さは、励起光101の中心波長の吸収深さの約7倍以上の深さになるように、構成することができる。説明した例のいずれにおいても、高さ2146は、放出光501の中心波長の吸収深さよりも小さい深さになるように、構成することができる。
【0046】
高さ2146の半導体接合215を画定するドープ領域214のドーピング深さは、励起光101及び放出光501の異なる波長に対して異なるように、構成することができる。例えば、励起光101がより短い波長を含む(例えば、緑色光ではなく青色光を含む)場合、ドープ領域214の深さはより短くなるように構成することができ、その結果、より短い波長の光に対する光子吸収、したがって光子吸収電子生成は、ドープ領域214に実質的かつほとんど含まれ続ける一方で、より長い波長の光に起因する吸収及び電子生成のためのエリアは、シグナル対雑音比の改善のために長くなる。放出光501がより長い波長(例えば、赤色の長波長境界における波長)を含む場合、励起光101の分離を増加させるために、高さ2146の接合215の深さを長くすることができる一方で、放出光501の検出に十分な半導体接合215の高さ2146より下方での放出光501の実質的な光子吸収を依然として容易にする。
【0047】
一例では、接合215の深さは、(a)励起光101の吸収がドープ領域214に実質的かつほとんど閉じ込められ得るように、(b)高さ2146の半導体接合215の深さより下方の半導体形成物210の高さにおける励起光101の吸収が制限されるように、かつ(c)放出光501の実質的な吸収が高さ2146の半導体接合215の深さより上方及び下方の両方で生じるように、構成され得る。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合が約13パーセント以下であるように、構成され得る。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合が約10パーセント以下であるように、構成され得る。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合が約5パーセント以下であるように、構成され得る。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合が約1パーセント以下であるように、構成され得る。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される励起光101の中心波長における光子の割合が約0.1パーセント以下であるように、構成され得る。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が約13パーセント以上であるように、構成することができる。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が約20パーセント以上であるように、構成することができる。一例では、高さ2146の半導体接合215の深さは、半導体接合215の高さ2146より下方で吸収される放出光501の中心波長における光子の割合が約40パーセント以上であるように、構成することができる。
【0048】
再び図2を参照すると、励起光101は、緑色光スペクトルプロファイルである図2に示されるようなスペクトルプロファイル1101を特徴とすることができ、放出光501は、赤色光スペクトルプロファイルである図2に示されるようなスペクトルプロファイル1501を特徴とすることができる。図4を参照すると、緑色光光子生成電子の挙動が赤色光光子生成電子の挙動と対比されている。図4は、励起光101及び放出光501の両方が検出器表面206から受け取られ、半導体形成物210のドープ領域214及びドープエリアに向けられるシナリオを示す。図2に記載された説明例では、励起光101は緑色光(約500nm~約565nm)を含むことができ、放出光501は赤色光(約620nm~約750nm)を含むことができる。
【0049】
半導体形成物210内の緑色光2141の挙動を、図4を参照して説明する。例解的な例では、緑色波長帯域の緑色光2141は、高さ2145の周りの高さの範囲まで、半導体形成物210内で吸収深さを示すことができるため、半導体形成物210によって受け取られる緑色光の大部分が、高さ2144と、高さ2146が半導体接合215の半導体接合深さの高さである高さ2146と、の間のドープ領域214で吸収される。説明されたシナリオにおける緑色光は、ドープ領域214内で実質的にかつほとんど吸収され得る。
【0050】
電子2152は、ドープ領域214内の光子吸収によって生成される電子を示す。一例によると、電界Eに起因するドープ領域214内の光子吸収によって生成される電子2152は、ドープ領域214の上部高さである高さ2144の半導体形成物210の光入射面にドリフトすると予想することができる。緑色光光子の大部分(約500nm~約565nm)は、ドープ領域214の高さ深さ内の吸収深さで吸収されると予想することができるので、緑色光光子吸収の結果として生成される電子の大部分は、電子2152の挙動を示すと予想することができ、すなわち、ドープ領域214の高さ2144の上面まで上方にドリフトするように方向付けられると予想することができる。
【0051】
半導体形成物210内の赤色光2142(約620nm~約750nm)の挙動を、図4を参照して説明する。例解的な例では、赤色波長帯域の赤色光2142は、高さ2147の周りの高さの範囲まで、半導体形成物210内で吸収深さ(強度が初期強度の約1/eであり、波動パワーが初期波動パワーの約1/eである深さ)を示すことができるため、半導体形成物210によって受け取られる赤色光光子のかなりの割合が、ドープ領域214の半導体接合215の高さより下方の高さで半導体形成物210内で吸収される。
【0052】
電子2153は、半導体接合215によって画定されるドープ領域214の底部高さ2146より下方の半導体形成物210の非ドープ領域における光子吸収によって生成される電子を示す。吸収の位置に電界Eが存在しない状態で、接合215によって画定されるドープ領域214の底部高さより下方の半導体形成物210の非ドープ領域における光子吸収によって生成される電子2153は、ランダムに拡散すると予想することができ、最終的に、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212で受け取られることになる。半導体形成物210の一構成によれば、赤色光(約620nm~約750nm)は、半導体形成物210の高さ深さ、すなわち2144~2147の間の高さで、かなりの割合で吸収されると予想することができる。赤色光子は、ドープ領域214の高さ範囲内及びドープ領域214の高さ範囲未満の両方で、半導体形成物210の高さ深さにおいてかなりの割合で吸収されると予想することができる。
【0053】
説明したシナリオでは、赤色光は、高さ2144及び2147内の全ての深さで実質的に吸収されると予想することができるので、ドープ領域214内で生じる赤色光光子吸収の結果として生成される第1の実質的な割合の電子は、電子2152の挙動を示すと予想することができ、接合215によって画定されるドープ領域214の底部高さ2146より下方の半導体形成の非ドープ領域内で生じる赤色光光子吸収の結果として生成される第2の実質的な割合の電子は、電子2153の挙動を示すと予想することができる。
【0054】
吸収の位置に電界Eが存在しない状態で、接合215によって画定されるドープ領域214の底部高さより下方の半導体形成物210の非ドープ領域における光子吸収によって生成される電子2153は、ランダムに拡散すると予想することができ、最終的に、ドープエリア212によって感知される電流に寄与するために、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212で受け取られると予想することができる。
【0055】
説明された例における高さ2147は、ドープエリア212の上部高さより上方であるがそれに近接する高さであり、接合215の高さ2146より下方であるが、高さ2146よりドープエリア212の上部高さに近い。説明される例では、半導体形成物210は、赤色光の吸収深さが、ドープエリア212の上部高さに近接するがそれより上方の高さ2147の周りに画定されるように構成することができる。あるいは、半導体形成物210は、用途に応じて、その中の構造に対して半導体形成物210内の赤色光の吸収深さについて異なる高さを有するように構成することができ、例えば、接合215の高さより下方であるがそれに近接する高さ2147Aと、ドープエリア212と交差する高さ2147Zとの間の高さを有するように構成することができることが理解されよう。本明細書の例は、異なる用途のための最適化された構成を識別することが、Zemax LLCから入手可能な光学システムシミュレーションソフトウェアOPTICSTUDIO(登録商標)等の光学システムシミュレーションソフトウェアの使用によって支援され得ることを認識している。
【0056】
一例によれば、電界Eに起因して、ドープ領域214内の光子吸収の結果として生成される電子は、ドープ領域214の上部高さである高さ2144の半導体形成物210の光入射面にドリフトすると予想することができる。緑色光光子の大部分(約500nm~約565nm)は、ドープ領域214の高さ深さ内の吸収深さで吸収されると予想することができるので、緑色光光子吸収の結果として生成される電子の大部分は、電子2152の挙動を示すと予想することができ、すなわち、電界Eによって、ドープ領域214及び半導体形成物210の高さ2144の半導体形成物210の上部光入射面まで上方にドリフトするように方向付けられると予想することができる。
【0057】
本明細書の例は、シリコンにおける光の吸収深さが、短波長ではより短く、長波長ではより長いことを認識している。波長が増加するにつれて、光の吸収深さは増加する。蛍光団からの放出光501は、励起光101の励起波長よりも長い波長を有するので、放出光501の吸収深さは、励起光101のより短い波長の吸収深さよりも深い。本明細書における波長分離のために、ドープ領域214によって提供される半導体接合は、ドーピングによって半導体形成物210上に作ることができる。ドープ領域214によって画定される半導体接合は、接合215の周りの空乏領域を特徴とするように正確に設計された場合、電界Eを提示し、この電界は、光生成電子を高さ2144の半導体形成物210の光入射面に向ける。電界Eは、ドープ領域214内での光子吸収の結果として生成されるこれらの電子を再結合させることができるため、再結合された電子は、感知フォトダイオードを画定するドープ領域214によって受け取られた電子に応答して生成される電流シグナルに寄与しない。ドープ領域214の半導体接合及びドーピング深さは、励起光101及び放出光501の異なる波長に対して異なるように設計することができる。ドープ領域214内の電界Eは、ドープ領域214内の光子吸収によって生成される電子を、半導体形成物210の光入射面に向かってドリフトさせ、再結合させることができる。ドープ領域214内で生成される生成電子は、拡散して半導体形成物210の反対側の感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に達することを、電界Eによって制限され得る。
【0058】
図4は、励起光101が緑色光によって提供され、放出光501が赤色光によって提供される例を示すが、本明細書の例は、接合215の深さが、励起光101及び放出光501の異なる組み合わせに対して励起光101の波長分離を最適化するように構成され得ることを認識している。一例では、半導体接合215の深さは、励起光101の波長分離のために最適化することができ、励起光101は青色光によって提供され、放出光501は赤色光によって提供される。一例では、半導体接合215の深さは、励起光101の波長分離のために最適化することができ、励起光101は青色光によって提供され、放出光501は緑色光によって提供される。図4に示されるように、ドープ領域214は、それらの関連するドープエリア212から間隔距離だけ離間され得る。間隔距離は、高さ2146の接合215と高さ2148のドープ領域の接合213との間の距離であり得る。図4に示されるように、ドープエリア212は、高さ2148の接合213で画定される共通の深さ寸法を有することができる。一例では、半導体形成物210は、ドープ領域214及びドープエリア212以外の半導体形成物210の部分においてドープされていなくてもよい。
【0059】
検出器200の代替の作製方法を図4図10を参照して説明する。図5は、1つ以上のメタライゼーション層226が内部に組み込まれた誘電体スタック232を半導体形成物210の表側に作製することができる作製方法によって形成された検出器200を示す。
【0060】
図5の例における検出器200の作製のために、ドープエリア212は、半導体形成物210の裏側表面上に形成され得る。ドープエリア212のそのような形成のために、半導体形成物210を画定する層は、例えばハンドルウェハを使用して、上下逆に配向され得る。本明細書の全ての例における半導体形成物210は、シリコン層によって画定することができる。シリコン層は、例えば、バルクシリコンウェハを画定する層によって提供され得るか、又はシリコンオンインシュレータ(silicon on insulator、SOI)ウェハのシリコン層によって提供され得る。ドープエリア212を画定するためのドーピングの前に、半導体形成物210を画定するシリコン層の表面を平坦化することができる。一例において半導体形成物210は、例えば、バルクシリコンウェハ、又はSOIウェハのシリコン層、又は基板上に支持された堆積シリコン層によって提供される、例えば、本明細書に記載されるようなシリコン層によって提供されるような材料のモノリシック単一片から形成され得る。
【0061】
ドープエリア212の形成に続いて、例えばバルクシリコンウェハによって提供される基板202は、例えば熱酸化物ボンディングを使用して、半導体形成物210にボンディングされ得る。図全体を通して、基板202は、一例によれば、シリコン形成物210及びその上に作製された残りの構造を機械的に支持するために、約400μm~約800μmの範囲の厚さを含むことができる。次に、基板202及び半導体形成物210を有する中間作製段階における検出器200は、更なる表側作製処理のために、図5に示されるような配向で垂直上向きに配設することができる。
【0062】
更なる作製処理段階を参照すると、ドープ領域214は、例えばイオン注入を使用して形成することができる。ドープ領域214を形成する前に、半導体形成物210を画定する層に平坦化を施して、半導体形成物の高さを所望の高さまで低減することができる。ドープ領域214が形成されると、エッチングによって半導体形成物210内にトレンチを形成することができ、図1に示されるように、トレンチを誘電体材料で充填して、ディープトレンチアイソレーション(deep trench isolation、DTI)形成物218を画定することができる。
【0063】
例全体を通して、ドープエリア212及びドープ領域214は、イオン注入と、ドープエリア212及びドープ領域214のインスタンスをそれらの所望の位置にパターニングするために半導体形成物210の平坦化された表面上に適用されるフォトリソグラフィマスクとを使用して作製され得る。
【0064】
DTI形成物218を形成する誘電体材料の堆積に続いて、半導体形成物210は、追加の構造の作製のための平坦な表面を作るために平坦化され得る。形成物210の上面が平坦化された状態で、誘電体スタック232を形成することができる。誘電体スタック232は、半導体形成物210上への堆積及びパターニングプロセスによって形成することができる。誘電体スタック232は、その中に1つ以上のメタライゼーション層226並びにパターン化フィルタ234が組み込まれてもよく、感知フォトダイオードを画定する各それぞれのドープエリア212に1つのフィルタ234が関連付けられる。フィルタ234は、誘電体スタック232内にトレンチをエッチングし、トレンチをフィルタ材料を使用して充填することによって形成することができる。フィルタ234を画定するためのフィルタ材料の堆積時に、誘電体スタック232の上面は、サンプル支持構造260を画定する1つ以上の層の堆積及びパターニングを容易にするために平坦化され得る。本明細書のフィルタ234は、検出器表面206から感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に向かって光を案内する導光機能を特徴とすることができる。フィルタ234は、一例によれば、フィルタ材料を含むことができる。フィルタ材料は、励起光101を形成する照明を遮断し、放出光501の光が、感知フォトダイオードを画定するそれぞれのドープ領域214に向かって伝搬することを可能にすることができる。フィルタ材料は、一例では、ポリマーマトリックス中に懸濁された染料を含むことができる。
【0065】
サンプル支持構造260の反応凹部208(ナノウェル)は、誘電体層に作ることができる。サンプル支持構造260は、複数の、例えば2つ又は3つの異なる誘電体を含むことができる。例えば、サンプル支持構造260は、SiN及びTaOx(Ta2O5)を含むことができる。反応凹部208(ナノウェル)は、リソグラフィとそれに続くエッチングによって作ることができる。
【0066】
図6は、フィルタ234を含む誘電体スタック232の形成のために適用される表側作製処理ではなく裏側作製処理を有する、図5の例と同様の例を示す。図6に示される検出器200を作製するために、半導体形成物210を画定する構造、例えば、バルクウェハ又はSOIウェハは、初期作製段階として示される配向に配向されることができる。一例では、半導体形成物210を画定する構造の表面に平坦化を施すことができ、次いでドープ領域214を形成することができる。次に、中間作製段階で得られた半導体形成物210を上下反転させて、半導体形成物210の表側作製処理を容易にすることができる。表側作製処理は、半導体形成物210を画定する構造を、半導体形成物210の所望の厚さまで下げて平坦化することを含むことができる。半導体形成物210の所望の厚さが達成されると、ドープエリア212を、例えばイオン注入によって形成することができる。その後、ドープ領域214間のエッチングによってトレンチを形成することができ、その後、形成されたトレンチを誘電体材料で充填してDTI形成物218を画定することができる。半導体形成物210には、誘電体材料の余分な部分を除去するために平坦化を施すことができる。
【0067】
その後、半導体形成物210の表側表面が高さ1504において画定された状態で、堆積プロセス及びエッチングプロセスを介して、半導体形成物210の表側上面に誘電体スタック224を形成することができる。誘電体スタック224内に、例えば、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212からのシグナルの読み出し、デジタル化、記憶、及び/又はシグナル処理のための回路を画定することができる、1つ以上のメタライゼーション層226を作製することができる。
【0068】
その後、誘電体スタック224が作製された状態で、誘電体スタック224を平坦化することができ、次いで、基板202を、ボンディング、例えば酸化物ボンディングを介して、高さ1506の誘電体スタック224の上側表面に付着させることができる。次に、中間作製段階における図6に示される構造は、検出器200の裏側作製処理を容易にするために、図6に示される配向に再配向され得る。半導体形成物210が図示の配向にある状態で、誘電体スタック233は、堆積及びエッチング作製処理を介して作製することができる。誘電体スタック233は、メタライゼーション層が存在しなくてもよい。誘電体スタック233内に、感知フォトダイオードを画定するそれぞれのドープエリア212ごとに1つのフィルタ234を作製することができる。
【0069】
一例によれば、図6に示される誘電体スタック233は、図6の例では半導体形成物210の表側にある1つ以上のメタライゼーション層226が存在しないために、図5に示す誘電体スタック232に対して改善された性能を提供することができる。フィルタ234を作製するために、誘電体スタック233内にトレンチをエッチングし、次いで平坦化を施すことができる。誘電体スタック233の上面が平坦化された状態で、1つ以上の堆積層を含むサンプル支持構造260を、堆積及びエッチング作製処理によって形成することができる。
【0070】
図7の例は、フィルタ234を有する誘電体スタック233が削除され、サンプル保持のためのサンプル支持構造260が半導体形成物210の裏側表面に直接作製されることを除いて、図6の作製処理と同様の裏側作製処理を使用するという点で、図7の例は図6の例と同様である。一例において半導体形成物210は、高さ1602まで平坦化することができ、次いで、サンプル支持構造260は、堆積及びパターニングを含む適切な作製処理を使用して、高さ1602の半導体形成物210の裏側表面上に作製することができる。
【0071】
本明細書の例は、感知フォトダイオードを画定するそれぞれのドープエリア212に関連付けられたフィルタ234が、励起光101を形成する照明を遮断することができることを認識している。しかしながら、ドープ領域214の電子進行方向影響機能は、いくつかの例においてフィルタ234を不要にするのに十分であり得る。
【0072】
本明細書の例は、ドープ領域214の電子進行方向影響機能が、検出器200の厚さ要件を著しく低減することができることを認識している。例えば、ドープ領域214の電子進行方向影響機能によって、フィルタ234を排除することができ、又はそれらの厚さを低減することができる。
【0073】
図8の例を参照すると、図8に示される検出器200の例は、パターン化されたフィルタによって提供されるフィルタ234を有する誘電体スタック233がモノリシックフィルタ235によって置き換えられ得ることを除いて、図6に示される検出器200の例と同様である。モノリシックフィルタ235は、高さ1702の半導体形成物210の裏側表面上に堆積することができ、堆積後、モノリシックフィルタ235の厚さを高さ1704まで低減するために平坦化を施すことができ、その後、例えば、高さ1704で画定されたモノリシックフィルタ235の上面上にサンプル支持構造260を堆積させパターニングすることによって、サンプル支持構造260を作製することができる。モノリシックフィルタ235は、ドープエリア212の複数のエリアの垂直に延在する中心軸216がモノリシックフィルタ235を通って延在するように構成することができる。
【0074】
図9に示されるような検出器200の例は、DTI形成物218が、半導体形成物210の表側又は代替的に裏側のいずれかに向かって狭くなるトレンチをエッチングすることによって形成され得ることを示す。加えて、図9に示される検出器200の例は、ドープ領域214を作製するための代替方法を示す。図1図4図8の例では、ドープ領域214は、ドープ領域214の位置をパターニングするためのリソグラフィマスクを使用して形成することができる。図9に示す例では、イオン注入を行って、図示のように半導体形成物210の表面に沿って連続的に延在する延在ドープ領域214Eを画定することができ、分離されたドープ領域214を、DTI形成物218の作製に使用されるトレンチの作製によって画定することができる(「A」、「B」、「C」及び「D」における例示的なDTI形成物を参照)。延在ドープ領域214Eは、半導体形成物210の光入射面上に形成することができ、この光入射面は、半導体形成物210の表側表面(例えば、図5に示されるように)又は半導体形成物の裏側表面(例えば、図6に示すように)とすることができる。延在ドープ領域214Eは、ドープエリア212の複数のエリアの垂直に延在する中心軸216が延在ドープ領域214Eを通って延在するように構成され得る。図9の例では、ドープ領域214は、DTI形成物218に接触するように横方向に延在して、ドープ領域214に横方向に隣接する半導体形成物210の非ドープエリアにおける光子吸収を排除することができる。ドープ領域214が横方向に延在してDTI形成物に接触する図9を参照して説明した特徴は、本明細書の残りの例のいずれにも組み込むことができる。図9を参照すると、横方向に延在するように示されている延在ドープ領域は、横方向延在ドープ領域とみなすことができる。図9を参照して、方法が本明細書に記載され、ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、横方向延在ドープ領域214Eを形成することであって、横方向延在ドープ領域214Eは、ドープエリア212のアレイの複数のドープエリア212に対向するように横方向に延在しており、複数のドープ領域の中心軸216が、横方向延在ドープ領域214Eを通って共通に延在する、横方向延在ドープ領域214Eを形成することと(図9参照)、横方向延在ドープ領域214をエッチングしてトレンチを画定することと、トレンチを誘電体材料で充填して、横方向延在ドープ領域214Eを、ドープ領域214のアレイを画定するドープ領域214のうちのそれぞれのものに分離するDTI形成物218を画定することと、を含む。
【0075】
DTI形成物218は、様々な方法で作ることができる。例えば、図9に示されるように、DTI形成物218は、裏側から表側に向かって形成することができ、DTI形成物218は、表側から裏側に向かって形成することができるが、完全に貫通していなくてもよく、又はDTI形成物218は、表側から裏側に向かって形成することができるが、半導体形成物210を完全に貫通していてもよい。
【0076】
次に図10を参照すると、検出器200の別の例が示されている。図10の例では、ドープ領域214は、第1及び第2の接合深さを有するように構成することができる。ドープ領域214の第1のセットは、相対的に深い高さ1022に画定された接合深さを有することができ、ドープ領域214第2のセットは、相対的に浅い高さ1024に画定された接合深さを有することができる。相対的に長い波長の励起光101(例えば、緑色光)を分離するために、相対的に深い高さ1022の接合215を最適化することができ、一方、高さ1022より下方の放出光吸収を最適化することができ、相対的に短い波長の励起光101(例えば、青色光)を分離するために、より浅い高さ1024の半導体接合215を最適化することができ、一方、高さ1024より下方の放出光吸収を最適化することができる。図10の例における光エネルギー励起装置10は、励起光子を第1及び第2の異なる時間に反応凹部208のうちのそれぞれのものに選択的に向けるように構成することができる。例えば、反応凹部208は、ドープ領域214の第1のセットに関連付けられた反応凹部208の第1のセットを第1の時間に選択的に励起する第1の波長の第1の光強度パターンを生成するように互いに干渉する任意の適切な数のレーザビームで第1の時間に照射され得、ドープ領域214の第2のセットに関連付けられた反応凹部208の第2のセットを第2の時間に選択的に励起する第2の波長の第2の光強度パターンを生成するように互いに干渉する任意の適切な数のレーザビームで第2の時間に照射され得る。図10の例における光エネルギー励起装置10は、代替的に、検出器200の実質的に全ての反応凹部208を共通の時間に同時に共通に励起するように構成され得る。本明細書における「実質的に全て」は、「文字通り全て」の例を含み、包含する。図10は、隣接するピクセル位置におけるドープ領域214(図13)が、第1のより深い接合深さと第2のより浅い接合深さとの交互の接合深さを有するパターンを示す。各ピクセル位置C2におけるドープ領域214が、4つの角の隣接ピクセル位置(例えば、C2に対するB1、B3、D3、及びD1)において共通の接合深さ(例えば、全てより深い又は全てより浅い)を有する隣接ドープ領域を有し、4つの辺の隣接ピクセル位置(例えば、C2に対するC1、B2、C3、D2)においてそれ自体の接合深さに対して異なる接合深さを有する隣接ドープ領域214を有するように、同じパターンを深さ寸法において繰り返すことができる。
【0077】
検出器200の動作原理によれば、ドープ領域214は、より長い波長(例えば赤色光)の吸収深さが半導体接合215によって画定されるドープ領域214の深さを超えて延在する一方で、不要な励起光101などの不要な光の吸収深さが半導体接合215によって画定されるドープ領域214の深さを超えて延在しないように構成することができる。より長い波長の光は、ドープ領域214において部分的に吸収され得、吸収から生成される電子は、半導体形成物210の光入射面に向かってドリフトすることができる。しかしながら、より長い波長の光のかなりの割合が、半導体接合215の高さより下方の半導体形成物210のドープされていない領域において吸収されて、ランダムな方向に拡散する電子を生成することができ、電子は、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達することができる。
【0078】
より長い波長の光を画定する放出光501が、接合215によって画定されるドープ領域214の底部高さ2146(図4)より下方で吸収される場合、より長い波長の光に起因する光子吸収生成電子が生成され得、これは、拡散によって感知フォトダイオードを画定するドープエリア212に到達する。より短い波長の光(例えば、緑色又は青色)は、接合215によって画定されるドープ領域214の底部高さ2146より上方の半導体形成物210の高さ内で大部分が吸収される。これは光子生成電子をもたらすが、ドープ領域214内で生成されるこれらの電子は、ドープ領域214によって作られる電界Eの存在のために、半導体形成物210の光入射面に向かってドリフトするように強制される。
【0079】
本明細書の例は、ドープ領域214を使用して半導体形成物210内で説明した波長選択を実行することによって、ドープ領域214を特徴とし得る様々な別個の特徴、並びにドープ領域214の機能によって容易になる追加の特徴を有するシステム100の例を提供することができることを認識している。例えば、フィルタ234を削除することができ、又は高さを含むそれらのサイズを著しく低減することができる。フィルタ234のアスペクト比が著しく低減されるか、又はフィルタ234が完全に排除されると、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212の直径寸法は、より高いピクセル密度(図13に示されるように、X-Y平面内の所与の面積にわたるピクセル位置の数の増加を特徴とする)を容易にするために、例えば、約1.0μm以下の寸法に低減させることができる。別の例では、ドープ領域214は、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212の直径寸法を1.0μm未満に低減することを容易にすることができる。したがって、簡略化された又はより効率的な製造、より高いピクセル密度(より小さいピッチ)、及び改善された性能を含む、いくつかの利益及び利点が、本明細書で説明される例のうちの1つ以上に従って達成され得る。
【0080】
本明細書の例は、ドープ領域214がない場合、励起光101に起因するシグナルの除去は、フィルタ234に依存する可能性があり、かなりの厚さ及びアスペクト比を有するフィルタをもたらすことを認識している。例えば、フィーチャサイズが0.2μmであり、アスペクト比が1:20である場合、トレンチは、半導体形成物210内に約4μm以上の深さまで延在する可能性があり、作製上の課題を課す。作製上の課題は、フィルタ234の高さ、フィルタの高さ及びアスペクト比によって提起され得る。本明細書の例は、導光機能を提供することができるフィルタ234の組み込みによって課題が課され得ることを認識している。本明細書の例は、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212のピッチが減少するにつれて、この困難性が増大し、導光機能を有するフィルタ234のアスペクト比をより困難にする可能性があることを認識している。フィルタ234を形成するためのトレンチは、充填することが困難であり、フィルタ構成に欠陥をもたらす可能性がある。本明細書の例は、フィルタピッチが約3.0μm~約3.5μmのピッチに低減されるとき、フィルタ厚さを更に低減することは、可能であるとしても困難であり得ることを認識している。
【0081】
本明細書の例は、フィルタ234の排除又は低減された厚さを有するフィルタの使用を容易にすることができ、それらの低減された厚さによって作製上の課題が除去される。本明細書のフィルタ234は、第1の波長範囲の波長を遮断し、第2の波長範囲の波長を透過させるために構成された波長選択フィルタを含むことができる。本明細書のフィルタ234は、励起光101の波長を遮断するように構成することができ、放出光501の波長を透過させるように更に構成することができる。一例による本明細書のフィルタ234は、ポリマーマトリックス中に懸濁された染料を含む材料によって提供することができる。一例による本明細書のフィルタ234は、有機フィルタによって提供することができる。本明細書で説明されるように、例は、フィルタ234の排除を容易にすることができる。本明細書の例は、フィルタ234の排除が、検出器200によって画定されるウェハ構築構造における材料処理適合性の課題を除去することができることを認識している。波長選択の実行のためのフィルタ234の機能は、波長選択の実行のためのドープ領域214を有する半導体形成物210の機能と区別することができる。一例では、波長選択の実行のためのフィルタ234の機能は、光子吸収(光子吸収は波長に依存して変化する特性を有する)の結果として生成される熱に基づくことができ、一方、波長選択の実行のためのドープ領域214を有する半導体形成物210の機能は、光子吸収(光子吸収は波長に依存して変化する特性を有する)の結果として生成される電子に基づくことができ、生成される電子は、本明細書に記載されるようにドリフト又は拡散することができる。
【0082】
本明細書に記載されるように、半導体接合215を画定するドープ領域214は、半導体接合215の深さ寸法が、分離の対象となる波長又は分離の対象となる波長の範囲に応じて選択されるように構成することができる。一例では、ドープ領域214によって画定される半導体接合215の深さ寸法を、分離の対象となる波長の吸収深さよりも長くなるように選択することによって、その波長の光子吸収に起因する電子生成を、ドープ領域214に実質的にかつほとんど閉じ込めることができ、生成される電子の進行方向は影響を受けて、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212によって生成される電流シグナルへの進行電子の寄与を回避することができる。半導体接合215の深さを含むドープ領域214の寸法は、ドーピング濃度、ドーピング位置、及びドーピング時間などのパラメータを含むことができるドーピングパラメータを使用して制御することができる。
【0083】
一例では、ドープ領域214は、熱拡散ドーピングを使用して形成することができる。熱拡散ドーピングは、堆積段階及び拡散段階を含むことができる。堆積段階では、ドープされる表面にドーパントを適用することができる。拡散段階では、熱エネルギーを印加して、ドープされる表面下の目標拡散深さまでドーパントを拡散させることができる。
【0084】
作製システム100のいくつかの例では、熱履歴は、ドープ領域214の形成を容易にして目標深さ寸法を示すように管理することができる。本明細書の例は、熱履歴制限がドープ領域214の深さ寸法を制限し得ることを認識している。本明細書における例は、ドープ領域214を作製するための段階に関連する熱履歴を増加させ、かつ、したがって、熱拡散ドーピングの使用によって達成可能なドープ領域214の半導体接合215の深さ寸法を増加させる作製方法を含むことができる。
【0085】
様々な例において、1つ以上のメタライゼーション層が組み込まれた誘電体スタック、例えば、図5に示されるような誘電体スタック232、又は図6に示されるような誘電体スタック224は、半導体形成物210上に堆積され得る。本明細書の例は、作製中のウェハ上のメタライゼーション層の存在が、ドープ領域214の形成に関連する熱履歴を制限し得ることを認識している。
【0086】
例えば、図5及び図6に関連する本明細書の例は、ドープ領域214の形成に関連する熱履歴の拡張のために、ドープ領域214が、メタライゼーション層が組み込まれた誘電体スタックの堆積の前に形成され得る作製方法を特徴とする。
【0087】
図5の例では、ドープ領域214は、誘電体スタック232の堆積の前に形成することができ、したがって、本質的に制限されない熱履歴で(例えば、以前に作製されたメタライゼーションフィーチャに対する構造的及び/又は性能劣化のリスクなしに)作製することができる。
【0088】
図6の例では、ドープ領域214は、半導体形成物210内の最初に作製されたフィーチャとして作製することができ、したがって、本質的に無制限の熱履歴で(例えば、以前に作製されたメタライゼーションフィーチャに対する構造的及び/又は性能劣化のリスクなしに)作製することができる。
【0089】
図5及び図6の例の各々は、ウェハ反転を用いて、メタライゼーション層が組み込まれた誘電体スタックの堆積の前のドープ領域214の形成を容易にすることができる。
【0090】
図5の例では、ドープエリア212は、半導体形成物210の最初に形成されるフィーチャとして形成することができ、次に、半導体形成物210が図5に示す配向になるように、ウェハ反転を用いて半導体形成物210を画定するウェハを反転させることができる。半導体形成物210を画定するウェハを図5に示す配向にして、ドープ領域214を形成することができ、半導体形成物を画定するウェハを図5に示す配向に保持して、1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれた誘電体スタック232を半導体形成物210上に堆積することができる。
【0091】
図6の例では、ドープ領域214は、半導体形成物210の最初に形成されるフィーチャとして形成することができ、次いで、半導体形成物210が図6に示すものとは逆の配向になるように、ウェハ反転を用いて半導体形成物210を画定するウェハを反転させることができる。半導体形成物210を画定するウェハを図6に示す逆配向にして、ドープエリア212を形成することができ、半導体形成物を画定するウェハを図6に示すものとは逆の配向に保持して、1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれた誘電体スタック224を半導体形成物210上に堆積することができる。
【0092】
用途に応じて、ドープ領域214の作製を初期フィーチャ作製段階に続く後の段階まで遅らせることが有利な場合がある。
【0093】
いくつかの例では、所与の用途にとって、ドープ領域214ではなく、半導体形成物210の最初に作製されるフィーチャとしてドープエリア212を作製することが有利であり得る。そのような例の1つの変形例では、半導体形成物210を画定するウェハを図6に示すものとは逆の配向にして、ドープエリア212を、適切なドーピングプロセス、例えば熱拡散を使用するイオン注入によって、半導体形成物の最初に形成されるフィーチャとして作製することができる。
【0094】
ドープエリア212が形成された状態で、半導体形成物210の表面を高さ1504まで平坦化することができる。ハンドルウェハ(図示せず)を適用して、高さ1504で画定された表面で半導体形成物210に付着させることができ、半導体形成物210を逆配向(すなわち、図6に示す配向)で保持することができる。次に、例えば熱拡散を使用したイオン注入によって、ドープ領域214を形成することができる。
【0095】
ドープ領域214が形成され、かつ半導体形成物210が図示されたドープ領域214の上部高さまで平坦化された状態で、第2のハンドルウェハ(図示せず)が、ドープ領域214の記載された上部高さ(図4の高さ2144)において半導体形成物210に取り付けられ得る。半導体形成物210は、再び反転され得る(図6に示されるものとは逆の配向に)。次いで、半導体形成物210に表側作製処理誘電体を施して、例えば、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212からのシグナルの読み出し、デジタル化、記憶、及び/又はシグナル処理のための回路を画定することができる、1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれたスタック224を作製することができる。したがって、説明される変形例を参照して、ウェハ反転を用いてドープ領域214の形成に関連する熱履歴の拡張を容易にする別の作製方法が説明される。
【0096】
図6を参照して説明した変形例による説明した作製の代わりに、ドープエリア212の形成及び高さ1504への平坦化の直後に、1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれた誘電体スタック224を半導体形成物210上に堆積することができ、ドープ領域214を作製する際に使用するハンドルウェハを、ドープエリア212の作製後、かつ、感知フォトダイオードを画定するドープエリア212からのシグナルの読み出し、デジタル化、記憶、及び/又はシグナル処理のための説明した回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれ得る誘電体スタック224の作製前の高さ1504ではなく、誘電体スタック224の作製後の高さ1506に取り付けることができる。そのような作製は様々な用途に有利であり得るが、本明細書の例は、ドープ領域214の作製に関連する熱履歴が、説明される回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれ得る誘電体スタック224の作製の前にドープ領域214を作製することによって増加され得ることを認識している。
【0097】
いくつかの例では、半導体形成物210と、説明した回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層226が組み込まれ得る誘電体スタック224とは、それぞれ、説明した第1及び第2のウェハを使用して、第1及び第2の異なるウェハ上に作製することができる。異なるそれぞれのウェハ上での作製に続いて、半導体形成物210及び誘電体スタック224は、ウェハスケールボンディングを使用して互いにボンディングされ得る。図11図12は、検出器200の例を示しており、半導体形成物210及び誘電体スタック224は、ウェハスケールボンディングを使用して互いにボンディングされている。図11及び図12の例によって示されるように、検出器200は、半導体形成物210を有する第1のウェハを誘電体スタック224を有する第2のウェハにウェハスケールボンディングすることによって得られるボンディング層610を含むことができる。一例では、本明細書におけるウェハスケールボンディングは、溶融ボンディングを含むことができる。一例では、本明細書におけるスケールボンディングは、低温酸化物溶融ボンディングを含むことができる。図12を参照すると、図12は、フィルタ234が削除された例による検出器200を示す。
【0098】
本明細書における作製方法は、半導体形成物210に関して「表側」及び「裏側」を指す。一例では、半導体形成物210の「表側」は、半導体形成物210上に誘電体スタックを作製するための層堆積を受ける半導体形成物210の第1の側を指すことができる。
【0099】
一例によれば、検出器200は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路検出器又は電荷結合素子(CCD)集積回路検出器などの固体集積回路検出器によって設けられ得る。感知フォトダイオードを画定するドープエリア212は、一例では、ドープエリア212の高さに沿って取られた図13の断面上面図に示される二次元格子パターンで配設された感知フォトダイオードの行及び列を有する感知フォトダイオードの2次元アレイで設けられ得る。一例では、そのような感知フォトダイオードは、少なくとも約1M個の感知フォトダイオードを含み得るか、又はより少ない感知フォトダイオードを含み得る。感知フォトダイオードを画定するドープエリア212は、ピクセル位置の二次元格子に配置することができる。感知フォトダイオードを画定する図2のドープエリア212は、それぞれのピクセル位置A1~F4を有する。
【0100】
図1を参照すると、反応凹部208(ナノウェル)を画定する反応部位は、代替的な特徴によって代替的に規定され得る。代替的な特徴は、例えば、構造的特徴のバリエーション及び/又は化学組成のバリエーションを含み得る。構造的特徴のバリエーションを規定する構造的特徴は、サンプル支持構造260の中又は上にアレイを形成し得る。例示的な構造的特徴としては、本明細書で説明されるナノウェル、ポスト、パッド、リッジ、チャネル、及び/又は多層材料の層を挙げることができるが、これらに限定されない。特徴は、サイズ(例えば、体積、直径、及び深さ)、形状(例えば、円形、楕円形、三角形、正方形、多角形、星形(任意の適切な数の頂点を有する)、不規則、又は誘電体材料によって分離された同心円状の特徴を有する)、及び分布(例えば、誘電体材料内の特徴の空間的位置、例えば、規則的に離間した若しくは周期的な位置、又は不規則に離間した若しくは非周期的な位置)などの特性を有し得る。特徴の断面は、特徴の長さに沿って均一であり得るが、必ずしも均一である必要はない。
【0101】
一態様では、感知フォトダイオードを画定する検出器200の各それぞれのドープエリア212は、1つ以上の反応部位に関連付けられ、位置合わせされ得る。位置合わせされる1つの例では、ドープエリア212に位置合わせされた反応部位は、図13に示されるように、一対の隣接する幅寸法垂直延在平面2201及び一対の隣接する深さ寸法垂直延在平面2202によって境界を定められる境界内に配置することができる。ドープエリア212によって画定される感知フォトダイオードのアレイは、ドープエリア212が、隣接する幅寸法垂直延在平面2201及び隣接する深さ寸法垂直延在平面2202によって境界を定められるエリア内に配置されることができ、図13に示されるピクセル位置A1~F4を画定することができる。反応部位及びドープエリアが関連付けられて位置合わせされる一例では、反応部位の垂直に延在する中心軸は、関連付けられたドープエリアを通って延在することができ、及び/又はドープエリアの垂直に延在する中心軸は、反応部位を通って延在することができる。互いに関連付けられて位置合わせされた反応部位及びドープ領域は、ドープ領域214のうちの特定のドープ領域に関連付けられて位置合わせすることもできる。互いに関連付けられ、位置合わせされたドープエリア、ドープ領域、及び反応部位の一例では、特定のドープエリアの垂直に延在する中心軸は、特定のドープ領域及び特定の反応部位を通って延在することができ、かつ/又は特定のドープ領域214の垂直に延在する中心軸は、特定のドープエリア212及び特定の反応部位を通って延在することができる。1つの特定の例では、いくつかの図を通して説明されるように、ドープエリア212、ドープ領域214、及び例えば反応凹部208(ナノウェル)によって提供される反応部位のそれぞれのセットは、共通のそれぞれの垂直に延在する中心軸216を共有することができる。位置合わせされる別の例では、ドープエリア212及び/又は例えば反応凹部208によって提供される特定の反応部位に位置合わせされて関連付けられるドープ領域214は、図13に示されるように、一対の隣接する幅寸法垂直延在平面2201及び一対の隣接する深さ寸法垂直延在平面2202によって境界を定められる境界内に配置され得る。
【0102】
感知フォトダイオードを画定するそれぞれのドープエリア212は、Y次元位置と組み合わせてX次元位置として参照することができるピクセル位置P、P、例えば、図13に示されるピクセル位置A1~F4を有することができる。サンプル支持構造260は、同様に、ピクセル位置に分割することができ、サンプル支持構造260(図1)のそれぞれのピクセル位置は、ドープエリア212によって画定される感知フォトダイオードのアレイのそれぞれのピクセル位置にマッピングされる。ドープエリア212によって画定される感知フォトダイオードの画定されたアレイのピクセル位置と同様に、サンプル支持構造260のピクセル位置は、隣接する幅寸法垂直延在平面2201及び隣接する深さ寸法垂直延在平面2202によって境界を定められ得る。図示されたピクセル位置は、例えば、反応凹部208又はサンプル支持構造260(図1)上に形成された交互特徴によって提供される、それぞれのドープエリア212に関連付けられた反応部位のピクセル位置として機能する。図示されたピクセル位置はまた、それぞれのドープエリア212及び/又はそれぞれの反応部位、例えば、反応凹部208に関連付けられ、位置合わせされ得るそれぞれのドープエリア212に関連付けられたドープ領域214のためのピクセル位置として機能する。
【0103】
図1及び図13を参照すると、ピクセル位置PX=m、PY=nを有するサンプル支持構造260の一部が、共通ピクセル位置PX=m、PY=nを有する画定されたピクセルアレイの特定のドープエリア212より上方及び上に配置され、それに位置合わせされた反応凹部208によって提供される反応部位を含むことができることが分かる。図13の破線で示す図では、ピクセル位置A1~F4のそれぞれのピクセル位置に配置された反応凹部208が示されており、1つのピクセル位置は、感知フォトダイオードを画定するそれぞれのドープエリア212ごとに画定される。いくつかの例では、2つ以上の反応部位を各ドープエリア212及び各ピクセル位置に関連付けることができる。図13では、ピクセル位置A1~F4のそれぞれのピクセル位置に配置することができるドープ領域214を表すドープ領域214が破線で示されており、1つのピクセル位置がそれぞれのドープ領域214に関連付けられている。
【0104】
再び図1を参照すると、装置100は、処理回路310を含み得る。処理回路310は、一例によれば、1つ以上のプロセッサ3101、メモリ3102、及び1つ以上の入力/出力インターフェース3103を含み得る。1つ以上のプロセッサ3101、メモリ3102、及び1つ以上の入力/出力インターフェースは、システムバス3104を介して接続され得る。メモリ3102は、システムメモリとストレージメモリとの組み合わせを含み得る。メモリ3102は、一例によれば、本明細書で説明されるプロセスを容易にするための1つ以上のプログラムを記憶することができる。1つ以上のプロセッサ3101は、メモリ3102に記憶された1つ以上のプログラムを実行して、本明細書に記載のプロセスを容易にし得る。メモリ3102は、コンピュータ可読媒体を定義し得る。
【0105】
光エネルギー励起装置10によって促進されるDNA配列決定プロセスを、図1図2、及び図14を参照して説明する。図2を参照すると、システム100の動作の態様を示すスペクトルプロファイル対応図が示されている。一例によれば、光エネルギー励起装置10は、第1及び第2の異なる波長の光を放射するように構成され得る。本明細書に記載されるように、第1及び第2の異なる波長範囲の励起光101を提供することは、第1及び第2の染料がフローセル282内の流体中に配置され得る染料化学DNA配列再構成プロセスを容易にする。
【0106】
図2のスペクトルプロファイル対応図において、緑色光スペクトルプロファイルとして示されるスペクトルプロファイル1101は、光エネルギー励起装置10によって放出される励起光101のスペクトルプロファイルである。スペクトルプロファイル1501は、励起光101によって励起された蛍光団の蛍光によって引き起こされる放出光501のスペクトルプロファイルである。スペクトルプロファイル1220は、一例によれば、ドープエリア212の透過プロファイル(検出帯域)である。図2のスペクトルプロファイル対応図は、いくつかの例に共通な一般的な特徴を表すことが意図されているが、示されたスペクトルプロファイルの変化は、共通していることが理解されよう。
【0107】
一態様では、励起光101は、一般に、緑色光スペクトルプロファイルに加えて、青色光スペクトルプロファイル(図示せず)を含み得、システム100は、(a)緑色光スペクトルプロファイルがアクティブであり、青色光スペクトルプロファイルが非アクティブであるモードと、(b)青色光スペクトルプロファイルがアクティブであり、緑色光スペクトルプロファイルが非アクティブであるモードとの間で切り替え可能である。他の例では、励起光101と放出光501との異なる組み合わせが存在し得る。一例では、励起光101のスペクトルプロファイル1101は、青色光波長範囲の中心波長を特徴とすることができ、放出光501のスペクトルプロファイルは、緑色波長範囲の中心波長を特徴とすることができる。
【0108】
本明細書の例は、図2のスペクトルプロファイル対応図を参照して、処理回路310が、(a)1つ以上の緑色放出光源による励起に制限された励起下で感知フォトダイオードによって画定されるドープエリア212によって感知されている蛍光と、1つ以上の青色放出光源による励起に制限された励起下で感知フォトダイオードによって画定されるドープエリア212によって感知されていない蛍光と、に基づいて、第1の蛍光団がサンプル502(図1)に付着していることを決定することと、(b)1つ以上の青色放出光源による励起に制限された励起下で感知フォトダイオードによって画定されるドープエリア212によって感知されている蛍光と、1つ以上の緑色放出光源による励起に制限された励起下で感知フォトダイオードによって画定されるドープエリア212によって感知されていない蛍光と、に基づいて、第2の蛍光団がサンプル502に付着していることを決定することと、(c)1つ以上の緑色放出光源による励起に制限された励起下で感知フォトダイオードによって画定されるドープエリア212によって感知されている蛍光と、1つ以上の青色放出光源による励起に制限された励起下でもまた感知フォトダイオードによって画定されるドープエリア212によって感知されている蛍光と、基づいて、第3の蛍光団がサンプル502に付着していることを決定することと、を行うように構成され得ることを認識している。処理回路310は、例えば、蛍光団の存在をヌクレオチドタイプにマッピングする表1の決定論理表において示される決定論理データ構造を使用して、どの蛍光団がサンプルに付着したかを識別することができ、サンプル502を提供するDNA鎖の断片に存在するヌクレオチドタイプ、例えば、A、C、T、及びGを決定することができ、識別されたヌクレオチドNucleotide-Nucleotide4は、ヌクレオチドタイプA、C、T、及びGのヌクレオチドである(特定のマッピングは、試験設定パラメータに基づく)。
【0109】
【表1】
【0110】
処理回路310は、複数のサイクルでDNA配列再構成を支援するプロセスを実行することができる。各サイクルにおいて、DNA断片の異なる部分は、例えば、表1に示される決定データ構造などの決定データ構造を使用して、この断片に関連付けられたヌクレオチドタイプ、例えば、A、C、T、又はGを決定するために、配列決定処理に供され得る。光エネルギー励起装置10を使用してDNA配列再構成を実行する際に使用するために処理回路310によって行われ得るプロセスの態様は、図20のフロー図に記載されている。
【0111】
ブロック1802において、処理回路310は、フローセル282をクリアすることができ、これは、処理回路310が、前のサイクル中に使用されたフローセル282から流体を除去することができることを意味する。ブロック1804において、処理回路310は、フローセル282に、複数の蛍光団、例えば、第1及び第2の蛍光団、又は第1、第2、及び第3の蛍光団を有する流体を投入することができる。
【0112】
ブロック1806において、処理回路310は、アクティブな第1の波長範囲の励起に曝露されたドープエリア212からシグナルを読み出すことができる。ブロック1806において、処理回路310は、ドープエリア212の曝露期間中に、光エネルギー励起装置10が1つ以上の緑色光源による励起に制限された励起光を放出するように、光エネルギー励起装置10を制御することができる。ブロック1806において、処理回路310は、ドープエリア212の曝露期間中に、光エネルギー励起装置10の1つ以上の緑色放出光源の各々に通電する一方で、光エネルギー励起装置10の1つ以上の青色放出光源の各々を非通電状態に維持することができる。ドープエリア212の曝露期間中に緑色光源がオンになり、青色光源がオフになるように、光エネルギー励起装置10が上述のように制御されると、処理回路310は、ブロック1806において、本明細書で説明されるように、1つ以上の緑色光源による励起に制限された励起に曝露されたドープエリア212から第1のシグナルを読み出すことができる。
【0113】
ブロック1808において、処理回路310は、アクティブな第2の波長範囲の励起に曝露されたドープエリア212からシグナルを読み出すことができる。ブロック1808において、処理回路310は、ドープエリア212によって画定される感知フォトダイオードのアレイの曝露期間中に、光エネルギー励起装置10が光エネルギー励起装置10の1つ以上の青色光源による励起に制限された励起光を放出するように、光エネルギー励起装置10を制御することができる。ブロック1808において、処理回路310は、ドープエリア212によって画定される感知フォトダイオードのアレイの曝露期間中に、光エネルギー励起装置10の1つ以上の青色放出光源の各々に通電する一方で、光エネルギー励起装置10の1つ以上の緑色放出光源の各々を非通電状態に維持することができる。ドープエリア212の曝露期間中に青色光源がオンになり、緑色光源がオフになるように、光エネルギー励起装置10が上述のように制御されると、処理回路310は、ブロック1808において、本明細書で説明されるように、1つ以上の青色光源による励起に制限された励起に曝露されたドープエリア212から第2のシグナルを読み出すことができる。一例によるドープエリア212(ドープエリア212のアレイ)によって画定される感知フォトダイオードのアレイの説明された曝露期間のそれぞれにおいて、光エネルギー励起装置10は、各反応部位、例えば検出器200の各反応凹部208に励起光101を共通かつ同時に放射することができる。
【0114】
ブロック1810において、現在のサイクルの処理回路310は、ブロック1806で読み出された第1のシグナル及びブロック1808で読み出された第2のシグナルを処理して、例えば、一例によれば、表2に記載されるような決定データ構造を使用して、現在のサイクル中に試験を受けるDNA断片のヌクレオチドタイプを決定することができる。処理回路310は、ヌクレオチド同定がスケジュールされたサイクルごとに実行されるまで、DNA配列決定プロセスのサイクルごとに、図14のフロー図を参照して説明される説明したヌクレオチド同定プロセスを実行することができる。
【0115】
処理回路310は、システム100の動作を試験するための広範囲の試験を実行するように構成することができる。処理回路310は、光エネルギー励起装置10及び検出器200の動作が試験される較正試験を実行することができる。そのような例では、処理回路310は、ドープエリア212によって画定される感知フォトダイオードのアレイ(ドープエリア212のアレイ)の曝露期間中に異なる光源を選択的に通電するように構成することができ、曝露期間中に感知フォトダイオードのピクセルアレイから読み出されたシグナルを検査することができる。方法は、第2の(青色放出)光源及び第3の(例えば、赤色放出)光源が非通電状態に維持された状態で感知フォトダイオードのアレイの第1の曝露期間中に第1の光源(例えば、緑色放出)を選択的に通電することと、第1の光源及び第3の光源が非通電状態に維持された状態で感知フォトダイオードのアレイの第2の曝露期間中に第2の光源を選択的に通電することと、第1の光源及び第2の光源が非通電状態に維持された状態で感知フォトダイオードのアレイの第3の曝露期間中に第3の光源を選択的に通電することと、を含むことができる。
【0116】
様々な図を参照して本明細書に記載されているのは、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するように構成された検出器表面206を画定する支持構造260と、半導体形成物210内に形成された複数の離間したドープエリア212であって、半導体形成物210が検出器表面206から励起光101及び放出光510を受け取り、複数の離間したドープエリア212がフォトダイオードを画定する、複数の離間したドープエリア212と、半導体形成物内210に形成された複数の離間したドープ領域214であって、複数の離間したドープ領域214のうちのそれぞれのものは、ドープエリア212のうちのそれぞれのものに関連付けられ、ドープ領域214のうちのそれぞれのものは、検出器表面206とドープエリア212のうちのそれぞれのものとの中間の励起光101及び放出光501の受光経路内に配置されている、複数の離間したドープ領域214と、であり、半導体形成物210内に形成された複数の離間したドープ領域214のそれぞれのドープ領域214は、励起光101及び放出光501の光子がそれぞれのドープ領域214内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域214で生成される電子の進行方向に影響を与えるそれぞれの電界を生成し、それぞれのドープ領域214は、半導体形成物210の光入射面を画定し、それぞれのドープ領域214は、励起光101の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、それぞれのドープ領域214の接合深さは、放出光501の中心波長の吸収深さよりも小さく、複数の離間したドープエリア212及び複数の離間したドープ領域214は、垂直間隔距離によって分離され、複数の離間したドープエリア212は、共通の上部高さ(図4の高さ2148)を有し、複数の離間したドープ領域214は、共通の底部高さ(図4の高さ2146)を有し、半導体形成物210は、複数の離間したドープエリアの共通の上部高さと複数の離間したドープ領域の共通の底部高さとの間はドープされておらず、複数の離間したドープ領域214のうちのそれぞれのものは、ドープエリア212のうちのそれぞれのものに位置合わせされ、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、ドープ領域214のうちのそれぞれのものを通って延在するドープエリア212のうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸216を特徴とし、デバイスは、複数の離間した部分ドープエリア212のうちのそれぞれのものに関連付けられた検出器表面206を画定する支持構造260上に形成されたサンプル支持反応部位(例えば、反応凹部208)と、反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置10とを含み、デバイスは、サンプル支持反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、光エネルギー励起装置10が励起光101を反応部位のうちの複数の隣接するものに同時に向けるように制御される。
【0117】
一例によるシステム100の更なる詳細は、表2を参照して説明される。
【0118】
【表2】
【0119】
本明細書に記載の組み合わせの小さな例としては、以下のものが挙げられる。(A1)デバイスであって、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための反応部位を含む検出器表面と、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープエリアであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、複数の離間したドープエリアがフォトダイオードを画定する、複数の離間したドープエリアと、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域であって、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、ドープ領域のうちのそれぞれのものは、検出器表面とドープエリアのうちのそれぞれのものとの中間の励起光及び放出光の受光経路内に配置されている、複数の離間したドープ領域と、を備え、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域のそれぞれのドープ領域は、励起光の光子がそれぞれのドープ領域内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるそれぞれの電界を生成する、デバイス。(A2)それぞれのドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有する、A1に記載のデバイス。(A3)それぞれのドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、A1又A2に記載のデバイス。(A4)それぞれのドープ領域が、半導体形成物の光入射面を画定する、A1~A3のいずれか一項に記載のデバイス。(A5)それぞれのドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、それぞれのドープ領域の接合深さは、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい、A1~A4のいずれか一項に記載のデバイス。(A6)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約2倍以上であるように構成されている、A1~A5のいずれか一項に記載のデバイス。(A7)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、A1~A6のいずれか一項に記載のデバイス。(A8)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、A1~A7のいずれか一項に記載のデバイス。(A9)それぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、A1~A8のいずれか一項に記載のデバイス。(A10)それぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、A1~A9のいずれか一項に記載のデバイス。(A11)それぞれのドープ領域は、青色波長帯域の光の吸収深さよりも長い接合深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の光の吸収深さよりも短い、A1~A10のいずれか一項に記載のデバイス。(A12)それぞれのドープ領域は、緑色波長帯域の光の吸収深さよりも長い接合深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の光の吸収深さよりも短い、A1~A11のいずれか一項に記載のデバイス。(A13)それぞれのドープ領域は、第1の波長の励起光の光子の吸収深さがそれぞれのドープ領域の接合深さよりも小さくなるように寸法決めされている、A1~A12のいずれか一項に記載のデバイス。(A14)それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、第2の接合深さは第1の接合深さよりも小さい、A1~A13のいずれか一項に記載のデバイス。(A15)それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有する、緑色波長帯域の光の波長分離のために構成されたそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、第2の接合深さは、第1の接合深さよりも小さく、青色波長帯域の光の波長分離のために構成されている、A1~A14のいずれか一項に記載のデバイス。(A16)半導体形成物は、それぞれのドープ領域を分離する垂直に延在するディープトレンチアイソレーション形成物を含み、複数の離間したドープ領域のうちのドープ領域は、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触する、A1~A15のいずれか一項に記載のデバイス。(A17)複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープ領域のうちのそれぞれのものに位置合わせされている、A1~A16のいずれか一項に記載のデバイス。(A18)複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのうちのそれぞれのものに位置合わせされ、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、ドープ領域のうちのそれぞれのものを通って延在するドープエリアのうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸を特徴とする、A1~A17のいずれか一項に記載のデバイス。(A19)複数の離間したドープエリア及び複数の離間したドープ領域は、垂直間隔距離によって分離され、複数の離間したドープエリアは、共通の上部高さを有し、複数の離間したドープ領域は、共通の底部高さを有し、半導体形成物は、複数の離間したドープエリアの共通の上部高さと複数の離間したドープ領域の共通の底部高さとの間はドープされていない、A1~A18のいずれか一項に記載のデバイス。(A20)反応部位のうちのそれぞれのものは、複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、デバイスは、反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含む、A1~A19のいずれか一項に記載のデバイス。(A21)デバイスは、検出器表面を画定する支持構造を含み、反応部位のうちのそれぞれのものは、複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、デバイスは、反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、デバイスは、反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、光エネルギー励起装置が励起光を反応部位のうちの複数の隣接するものに同時に向けるように制御される、A1~A20のいずれか一項に記載のデバイス。(A22)反応部位のうちのそれぞれのものは、複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、デバイスは、反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、デバイスは、検出器表面の実質的に全ての反応部位によってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、光エネルギー励起装置が励起光を検出器表面の実質的に全ての反応部位に同時に向けるように制御される、A1~A21のいずれか一項に記載のデバイス。(A23)複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのうちのそれぞれのものに位置合わせされ、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、ドープ領域のうちのそれぞれのものを通って延在するドープエリアのうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸を特徴とする、A1~A22のいずれか一項に記載のデバイス。(A24)それぞれのドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、それぞれのドープ領域の接合深さは、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい、A1に記載のデバイス。(A25)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、A1に記載のデバイス。(A26)それぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、A1に記載のデバイス。(A27)それぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、A1に記載のデバイス。(A28)それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、第2の接合深さは第1の接合深さよりも小さい、A1に記載のデバイス。(A29)反応部位のうちのそれぞれのものは、複数の離間したドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、デバイスは、反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、デバイスは、反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、光エネルギー励起装置が励起光を反応部位のうちの複数の隣接するものに同時に向けるように制御される、A1に記載のデバイス。(A30)それぞれのドープ領域は、半導体形成物の光入射面を画定し、それぞれのドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、それぞれのドープ領域の接合深さは、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さく、複数の離間したドープエリア及び複数の離間したドープ領域は、垂直間隔距離によって分離され、複数の離間したドープエリアは、共通の上部高さを有し、複数の離間したドープ領域は、共通の底部高さを有し、半導体形成物は、複数の離間したドープエリアの共通の上部高さと複数の離間したドープ領域の共通の底部高さとの間はドープされておらず、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのうちのそれぞれのものに位置合わせされ、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものの、ドープエリアのうちのそれぞれのものに対する位置合わせは、ドープ領域のうちのそれぞれのものを通って延在するドープエリアのうちのそれぞれのものの垂直に延在する中心軸を特徴とし、検出器表面の反応部位のうちのそれぞれのものは、複数の離間した部分ドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、デバイスは、反応部位の部位を照明するための光エネルギー励起装置を含み、デバイスは、反応部位のうちの複数の隣接するものによってそれぞれ支持されるサンプルの同時励起のために、光エネルギー励起装置が励起光を反応部位のうちの複数の隣接するものに同時に向けるように制御される、A1に記載のデバイス。(B1)デバイスであって、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するための検出器表面と、半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、検出器表面とドープエリアのアレイのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備え、ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構
成されている、デバイス。(B2)半導体形成物内に形成されたドープ領域のアレイを備え、ドープ領域のアレイはドープ領域を含み、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのアレイのうちの1つのドープエリアにそれぞれ関連付けられる、B1に記載のデバイス。(B3)半導体形成物内に形成されたドープ領域のアレイを備え、ドープ領域のアレイはドープ領域を含み、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのアレイのうちの1つのドープエリアにそれぞれ関連付けられ、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、検出器表面とドープエリアのアレイのうちの1つのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内にそれぞれ配置されている、B1に記載のデバイス。(B4)ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与える電界を生成する、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B5)ドープ領域は、励起光の光子がドープ領域内で吸収された結果としてドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、B1~B4のいずれか一項に記載のデバイス。(B6)ドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果としてドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、B1~B5のいずれか一項に記載のデバイス。(B7)ドープ領域は、青色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い接合深さを有し、深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、B1~B6のいずれか一項に記載のデバイス。(B8)ドープ領域は、緑色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、B1~B7のいずれか一項に記載のデバイス。(B9)それぞれのドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、B1~B8のいずれか一項に記載のデバイス。(B10)ドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、ドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有するように構成されている、B1~B9のいずれか一項に記載のデバイス。(B11)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約2倍以上であるように構成されている、B1~B10のいずれか一項に記載のデバイス。(B12)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、B1~B11のいずれか一項に記載のデバイス。(B13)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、B1~B12のいずれか一項に記載のデバイス。(B14)ドープ領域は、励起光の光子がドープ領域内で吸収された結果としてドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B15)ドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果としてドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B16)ドープ領域は、青色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い接合深さを有し、深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B17)ドープ領域は、緑色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B18)それぞれのドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B19)ドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、ドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有するように構成されている、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B20)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(B21)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、B1~B3のいずれか一項に記載のデバイス。(C1)方法であって、半導体構成内にドープ領域のアレイを形成することと、半導体形成物内にドープ領域のアレイを形成することであって、ドープ領域のアレイのそれぞれのドープ領域は、ドープエリアのアレイのそれぞれのドープエリアに関連付けられる、形成することと、検出器表面を形成することであって、半導体形成物は、検出器表面から励起光及び放出光を受け取るように構成されている、形成することと、を含み、それぞれのドープ領域は、検出器表面からの励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されている、方法。(C2)それぞれのドープ領域は、光子吸収の結果としてその中で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている、C1に記載の方法。(C3)方法が、半導体形成物の上方に、表側処理を使用して、半導体形成物とドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、1つ以上のフィルタは、励起光の照明を遮断し、放出光の光がドープエリアのアレイに到達することを可能にする、C1又はC2に記載の方法。(C4)方法が、半導体形成物の上方に、裏側処理を使用して、半導体形成物とドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、1つ以上のフィルタは、励起光の照明を遮断し、放出光の光がドープエリアのアレイに到達することを可能にする、C1~C3のいずれか一項に記載の方法。(C5)方法が、半導体形成物の表側から裏側に複数のトレンチをエッチングすることと、複数のトレンチを誘電体材料で充填して、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に画定することと、を含む、C1~C4のいずれか一項に記載の方法。(C6)方法が、半導体形成物の裏側から表側に複数のトレンチをエッチングすることと、複数のトレンチを誘電体材料で充填して、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に画定することと、を含む、C1~C5のいずれか一項に記載の方法。(C7)方法が、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープ領域のうちのそれぞれのものがDTI形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触するように、ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、C1~C6のいずれか一項に記載の方法。(C8)ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープエリアのアレイの複数のドープエリアに対向するように横方向に延在する横方向延在ドープ領域を、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のそれぞれの中心軸が横方向延在ドープ領域を通って共通に延在するように形成することと、横方向延在ドープ領域をエッチングしてトレンチを画定することと、トレンチを誘電体材料で充填して、横方向延在ドープ領域を、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものに分離するDTI形成物を画定することと、を含む、C1~C7のいずれか一項に記載の方法。(C9)方法が、半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれる、C1~C8のいずれか一項に記載の方法。(C10)方法が、半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、方法は、ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、ウェハ反転を用いて、誘電体スタックの堆積の前のドープ領域の形成を容易にする、C1~C9のいずれか一項に記載の方法。(C11)方法が、半導体形成物を画定するウェハとは別の第2のウェハ上に誘電体スタックを堆積することを含み、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、方法は、ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、第2のウェハとウェハとのウェハスケールボンディングを用いて、誘電体スタックを半導体形成物にボンディングする、C1~C10のいずれか一項に記載の方法。(C12)方法が、第1のウェハを使用して半導体形成物を作製することと、第2のウェハを使用して誘電体スタックを別個に作製することであって、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための読み出し回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層が組み込まれる、作製することと、第1のウェハを第2のウェハにウェハスケールボンディングして、誘電体スタックを半導体形成物に一体的にボンディングすることと、を含む、C1~C11のいずれか一項に記載の方法。(C13)方法が、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものがDTI形成物のうちの隣接するものと横方向に接触するようにドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、C1~C12のいずれか一項に記載の方法。(C14)方法が、半導体形成物の上方に、裏側処理を使用して、半導体形成物とドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、1つ以上のフィルタは、励起光の照明を遮断し、放出光の光がドープエリアのアレイに到達することを可能にする、C1又はC2に記載の方法。(C15)方法が、半導体形成物の表側から裏側に複数のトレンチをエッチングすることと、複数のトレンチを誘電体材料で充填して、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に画定することと、を含む、C1又はC2に記載の方法。(C16)方法が、半導体形成物の裏側から表側に複数のトレンチをエッチングすることと、複数のトレンチを誘電体材料で充填して、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に画定することと、を含む
、C1又はC2に記載の方法。(C17)方法が、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープ領域のうちのそれぞれのものがDTI形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触するように、ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、C1又はC2に記載の方法。(C18)ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープエリアのアレイの複数のドープエリアに対向するように横方向に延在する横方向延在ドープ領域を、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のそれぞれの中心軸が横方向延在ドープ領域を通って共通に延在するように形成することと、横方向延在ドープ領域をエッチングしてトレンチを画定することと、トレンチを誘電体材料で充填して、横方向延在ドープ領域を、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものに分離するDTI形成物を画定することと、を含む、C1又はC2に記載の方法。(C19)方法が、半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれる、C1又はC2に記載の方法。(C20)方法が、半導体形成物上に誘電体スタックを堆積することを含み、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、方法は、ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、ウェハ反転を用いて、誘電体スタックの堆積の前のドープ領域の形成を容易にする、C1又はC2に記載の方法。(C21)方法が、半導体形成物を画定するウェハとは別の第2のウェハ上に誘電体スタックを堆積することを含み、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための回路を画定するメタライゼーション層が組み込まれ、方法は、ドープ領域の形成に関連する熱履歴の拡張のために、第2のウェハとウェハとのウェハスケールボンディングを用いて、誘電体スタックを半導体形成物にボンディングする、C1又はC2に記載の方法。(C22)方法が、第1のウェハを使用して半導体形成物を作製することと、第2のウェハを使用して誘電体スタックを別個に作製することであって、誘電体スタックには、ドープエリアのアレイからシグナルを読み出すための読み出し回路を画定する1つ以上のメタライゼーション層が組み込まれる、作製することと、第1のウェハを第2のウェハにウェハスケールボンディングして、誘電体スタックを半導体形成物に一体的にボンディングすることと、を含む、C1又はC2に記載の方法。(C23)方法が、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものがDTI形成物のうちの隣接するものと横方向に接触するようにドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、C1又はC2に記載の方法。(D1)デバイスであって、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するように構成された検出器表面を画定する支持構造と、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープエリアであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、複数の離間したドープエリアがフォトダイオードを画定する、複数の離間したドープエリアと、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域であって、複数の離間したドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのうちのそれぞれのものに関連付けられ、ドープ領域のうちのそれぞれのものは、検出器表面とドープエリアのうちのそれぞれのものとの中間の励起光及び放出光の受光経路内に配置されている、複数の離間したドープ領域と、を備え、半導体形成物内に形成された複数の離間したドープ領域のそれぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるそれぞれの電界を生成する、デバイス。(D2)それぞれのドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有する、D1に記載のデバイス。(D3)それぞれのドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、D1又D2に記載のデバイス。(D4)それぞれのドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、それぞれのドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、D1~D3のいずれか一項に記載のデバイス。(D5)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約2倍以上であるように構成されている、D1~D4のいずれか一項に記載のデバイス。(D6)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上であるように構成されている、D1~D4のいずれか一項に記載のデバイス。(D7)それぞれのドープ領域によって画定されるそれぞれの接合の接合深さは、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、それぞれの接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、D1~D4のいずれか一項に記載のデバイス。(D8)それぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、D1~D7のいずれか一項に記載のデバイス。(D9)それぞれのドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果としてそれぞれのドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、D1~D8のいずれか一項に記載のデバイス。(D10)それぞれのドープ領域は、青色波長帯域の光の吸収深さよりも長い接合深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の光の吸収深さよりも短い、D1~D9のいずれか一項に記載のデバイス。(D11)それぞれのドープ領域は、緑色波長帯域の光の吸収深さよりも長い接合深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の光の吸収深さよりも短い、D1~D10のいずれか一項に記載のデバイス。(D12)それぞれのドープ領域は、第1の波長の励起光の光子の吸収深さがそれぞれのドープ領域の接合深さよりも小さくなるように寸法決めされている、D1~D11のいずれか一項に記載のデバイス。(D13)それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、第2の接合深さ接合深さは第1の接合深さよりも小さい、D1~D12のいずれか一項に記載のデバイス。(D14)それぞれのドープ領域は、第1の接合深さを有する、緑色波長帯域の光の波長分離のために構成されたそれぞれのドープ領域の第1のセットと、第2の接合深さを有するそれぞれのドープ領域の第2のセットと、を含み、第2の接合深さは、第1の接合深さよりも小さく、青色波長帯域の光の波長分離のために構成されている、D1~D13のいずれか一項に記載のデバイス。(D15)半導体形成物は、それぞれのドープ領域を分離する垂直に延在するディープトレンチアイソレーション形成物を含み、複数の離間したドープ領域のうちのドープ領域は、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触する、D1~D14のいずれか一項に記載のデバイス。(E1)デバイスであって、生物学的サンプル又は化学的サンプルを支持するように構成された検出器表面を画定する支持構造と、半導体形成物内に形成されたドープエリアのアレイであって、半導体形成物が検出器表面から励起光及び放出光を受け取り、ドープエリアのアレイのドープエリアがフォトダイオードを画定する、ドープエリアのアレイと、検出器表面とドープエリアのアレイのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されたドープ領域と、を備え、ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている、デバイス。(E2)半導体形成物内に形成されたドープ領域のアレイを備え、ドープ領域のアレイはドープ領域を含み、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのアレイのうちの1つのドープエリアにそれぞれ関連付けられる、E1に記載のデバイス。(E3)半導体形成物内に形成されたドープ領域のアレイを備え、ドープ領域のアレイはドープ領域を含み、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、ドープエリアのアレイのうちの1つのドープエリアにそれぞれ関連付けられ、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものは、検出器表面とドープエリアのアレイのうちの1つのドープエリアとの中間の励起光及び放出光の受光経路内にそれぞれ配置されている、E1に記載のデバイス。(E4)ドープ領域は、光子吸収の結果としてドープ領域で生成される電子の進行方向に影響を与える電界を生成する、E1~E3のいずれか一項に記載のデバイス。(E5)ドープ領域は、励起光及び放出光の光子がドープ領域に吸収された結果として、ドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、E1~E4のいずれか一項に記載のデバイス。(E6)ドープ領域は、励起光及び放出光の光子がそれぞれのドープ領域内で半導体形成物の光入射面に向かう方向に吸収された結果としてドープ領域で生成される電子のドリフトを引き起こすように構成されている、E1~E5のいずれか一項に記載のデバイス。(E7)ドープ領域は、青色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い接合深さを有し、深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、E1~E6のいずれか一項に記載のデバイス。(E8)ドープ領域は、緑色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも長い深さを特徴とするように寸法決めされ、深さは、赤色波長帯域の最長波長の吸収深さよりも短い、E1~E7のいずれか一項に記載のデバイス。(E9)それぞれのドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有する、E1~E8のいずれか一項に記載のデバイス。(E10)ドープ領域は、励起光の中心波長の吸収深さよりも大きい接合深さを有し、ドープ領域は、放出光の中心波長の吸収深さよりも小さい接合深さを有するように構成されている、E1~E9のいずれか一項に記載のデバイス。(E11)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約2倍以上であるように構成されている、E1~E10のいずれか一項に記載のデバイス。(E12)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約20倍以上で
あるように構成されている、E1~E10のいずれか一項に記載のデバイス。(E13)ドープ領域の接合深さは、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される放出光の中心波長における光子の割合が、接合より下の半導体形成物の高さにおいて吸収される励起光の中心波長における光子の割合の約50倍以上であるように構成されている、E1~E10のいずれか一項に記載のデバイス。(F1)方法であって、半導体構成内にドープ領域のアレイを形成することと、半導体形成物内にドープ領域のアレイを形成することであって、ドープ領域のアレイのそれぞれのドープ領域は、ドープエリアのアレイのそれぞれのドープエリアに関連付けられる、形成することと、検出器表面を提供することであって、半導体形成物は、検出器表面から励起光及び放出光を受け取るように構成されている、形成することと、を含み、それぞれのドープ領域は、検出器表面からの励起光及び放出光の受光経路内の半導体形成物内に形成されている、方法。(F2)それぞれのドープ領域は、光子吸収の結果としてその中で生成される電子の進行方向に影響を与えるように構成されている、F1に記載の方法。(F3)方法が、半導体形成物の上方に、表側処理を使用して、半導体形成物とドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、1つ以上のフィルタは、励起光の照明を遮断し、励起光の光がドープエリアのアレイに到達することを可能にする、F1又はF2に記載の方法。(F4)方法が、半導体形成物の上方に、裏側処理を使用して、半導体形成物とドープエリアのアレイとの間に1つ以上のフィルタを作製することを含み、1つ以上のフィルタは、励起光の照明を遮断し、励起光の光がドープエリアのアレイに到達することを可能にする、F1~F3のいずれか一項に記載の方法。(F5)方法が、半導体形成物の表側から裏側に複数のトレンチをエッチングすることと、複数のトレンチを誘電体材料で充填して、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に画定することと、を含む、F1~F4のいずれか一項に記載の方法。(F6)方法が、半導体形成物の裏側から表側に複数のトレンチをエッチングすることと、複数のトレンチを誘電体材料で充填して、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に画定することと、を含む、F1~F5のいずれか一項に載の方法。(F7)方法が、ドープエリアのアレイのドープエリアのうちのそれぞれのものの間に垂直に延在する、垂直に延在するディープトレンチアイソレーション(DTI)形成物を半導体形成物内に作製することを含み、ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープ領域のうちのそれぞれのものがDTI形成物のうちの第1及び第2のものと横方向に接触するように、ドープ領域のうちのそれぞれのものを形成することを含む、F1~F6のいずれか一項に記載の方法。(F8)ドープ領域のアレイを半導体形成物内に形成することは、ドープエリアのアレイの複数のドープエリアに対向するように延在する延在ドープ領域を形成することと、延在ドープ領域をエッチングしてトレンチを画定ことと、トレンチを誘電体材料で充填して、延在ドープ領域を、ドープ領域のアレイを画定するドープ領域のうちのそれぞれのものに分離するDTI形成物を画定することと、を含む、F1~F7のいずれか一項に記載の方法。
【0120】
特許請求の範囲を含む本開示全体にわたって使用され得る用語「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的」、又は他のそのような類似の用語は、処理における変動などに起因する、基準又はパラメータからの小さな変動を説明し、かつ考慮するために使用される。そのような小さな変動は、基準又はパラメータからのゼロ点変動も含む。例えば、それらは、±5%以下など、±2%以下など、±1%以下など、±0.5%以下など、±0.2%以下など、±0.1%以下など、±0.05%以下などの、±10%以下を指すことができる。本明細書で使用するとき、「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的」、又は他のそのような類似の用語はまた、変動なし、すなわち±0%を指し得る。
【0121】
数値、並びに本明細書に列挙される他の値は、明示的に述べられているか、又は本開示の議論によって本質的に導出されているかにかかわらず、用語「約」によって修飾されることが企図される。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、そのように修正された数値まで(この数値を含む)の公差及び値を含むが、それらに限定されないように、修正された値の数値境界を定義する。すなわち、数値は、明示的に述べられている実際の値、並びに本開示において示され、かつ/又は説明されている実際の値の小数、分数、又は他の倍数であるか、又はそれらであり得る他の値を含むことができる。
【0122】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられることを理解されたい。具体的には、本開示の最後に現れる特許請求の範囲の主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると想到される。本明細書で明示的に用いられ、また参照により組み込まれる任意の開示においても出現し得る用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきであることも理解すべきである。
【0123】
この書面による説明は、例を使用して、主題を開示しており、また、任意のデバイス又はシステムを作製及び使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、あらゆる当業者が主題を実践することを可能にする。主題の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の例を含み得る。このようなその他の実施例は、これらが特許請求の範囲内の文字通りの言葉とは異ならない構造要素を含む場合、又はこれらが、特許請求の範囲内の文字通りの言葉とのごくわずかな違いを有する等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図する。
【0124】
上の説明は、例示的であり、限定的ではないこと意図していることを理解されたい。例えば、上で説明した例(及び/又はその態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。加えて、特定の状況又は材料を、それらの範囲から逸脱することなく様々な例の教示に適合させるために、多くの修正を加えることができる。本明細書で説明する材料の寸法及び種類は、様々な例のパラメータを定義することを意図しているが、それらは、決して限定するものではなく、単なる例である。上の説明を検討すると、当業者には数多くの他の例が明らかになるであろう。したがって、様々な例の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲とともに決定されるべきである。添付の特許請求の範囲では、用語「含む(including)」及び「ここで(in which)」は、「備える(comprising)」及び「ここで(wherein)」といったそれぞれの用語の平易な英語の同等物として使用される。更に、以下の特許請求の範囲では、用語「第1(first)」、「第2(second)」、及び「第3(third)」などは、単にラベルとしてのみ使用され、それらの物体に数値要件を課すことを意図しない。本明細書の用語の形態「~に基づく(based on)」は、要素が部分的に基づく場合の関係性、並びに要素が完全に基づく場合の関係性を包含する。用語の形態「画定される(defined)」は、要素が部分的に画定される場合の関係性、並びに要素が完全に画定される場合の関係性を包含する。更に、以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズプラスファンクション形式で書かれておらず、そのような特許請求の範囲の限定が、その後に更なる構造を伴わない機能の記述が続く熟語「~のための手段(means for)」を明示的に使用していない限り、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されることを意図しない。上で説明した全てのそのような目的又は利点が、必ずしも特定の例に従って達成され得るとは限らないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本明細書で説明するシステム及び技術が、本明細書で教示又は示唆され得る他の目的又は利点を必ずしも達成しなくとも、本明細書で教示する1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化するような様式で、具現化又は実行することができることを認識するであろう。
【0125】
主題を、限定された数の例のみに関して詳細に説明したが、本主題は、そのような開示する例に限定されないことが容易に理解されるべきである。むしろ、主題は、これまで説明していないが主題の趣旨及び範囲に相応する、任意の数の変形、変更、置換、又は等価な配設を組み込むように修正することができる。追加的に、主題の様々な例を説明したが、本開示の態様は、説明した例のうちのいくつかのみを含み得ることを理解されたい。また、いくつかの例は、一定の数の要素を有するものとして説明しているが、本主題は、その一定の数よりも少ない、又は多い要素で実践することができることが理解されるであろう。加えて、ある例に関して本明細書で説明される任意の特徴は、別の例に組み込まれ得ることが理解されるであろう。更に、本明細書における範囲の任意の記載は、全ての部分範囲を包含する。したがって、主題は、上述の説明によって限定されるものとみなされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
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【国際調査報告】