(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】摂取可能デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20240822BHJP
A61J 3/07 20060101ALI20240822BHJP
A61M 5/155 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61M37/00
A61J3/07 E
A61M5/155
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507097
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(85)【翻訳文提出日】2024-02-06
(86)【国際出願番号】 US2022039374
(87)【国際公開番号】W WO2023018591
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】503146324
【氏名又は名称】ザ ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】The Brigham and Women’s Hospital, Inc.
(71)【出願人】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トラベルソ, カルロ ジョヴァンニ
(72)【発明者】
【氏名】グウィン, デクラン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイナー, ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】アリック, グラハム
(72)【発明者】
【氏名】ウィンドゥム, イェスパ
(72)【発明者】
【氏名】サンガー, クルディープ
(72)【発明者】
【氏名】ボーア, エーダム
(72)【発明者】
【氏名】モウリトスン, ブリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヤコプスン, ニゴライ エウセビウス
(72)【発明者】
【氏名】フレズレクスン, モーデン レヴスゴー
(72)【発明者】
【氏名】ラウアスン, イェンス ロレ
(72)【発明者】
【氏名】アギラール, ルードヴィヒ イーレク
【テーマコード(参考)】
4C047
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C047BB07
4C047BB09
4C047BB11
4C047CC04
4C047DD22
4C047DD32
4C066CC01
4C066DD11
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4C066QQ82
4C267AA80
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4C267CC05
4C267CC20
4C267CC23
4C267GG02
4C267GG11
(57)【要約】
摂取可能デバイスは、摂取可能デバイスを所望の配向に配向するように構成される、1つまたはそれを上回る展開可能肢部を含み得る。1つまたはそれを上回る肢部は、本デバイスの本体に取り付けられ、初期構成において(例えば、1つまたはそれを上回る肢部の展開に先立って)本デバイスの周囲に巻着し得る。1つまたはそれを上回る肢部は、所定の条件に暴露されると、展開するように構成され得る。いったん所定の条件が満たされると、1つまたはそれを上回る肢部は、1つまたはそれを上回る展開された肢部が、摂取可能デバイスを配向する役割を果たすように、本体から離れるように外向きに延在し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摂取可能デバイスであって、
本体と、
対象の胃腸管内の所定の条件への暴露後、第1の構成から第2の構成に展開するように構成される少なくとも1つの肢部であって、前記第1の構成において、前記少なくとも1つの肢部は、前記本体の外面の少なくとも一部の周囲に巻着され、前記第2の構成において、前記肢部は、前記本体から外向きに延在する、少なくとも1つの肢部と、
前記本体および/または前記少なくとも1つの肢部の外部部分上に配置される前記摂取可能デバイスのアクティブ部分であって、前記少なくとも1つの肢部は、前記少なくとも1つの肢部が、前記第2の構成にあるとき、前記アクティブ部分が、隣接する組織表面に接触するように、前記本体を配向するように構成され、前記アクティブ部分は、前記隣接する組織表面と相互作用するように構成される、摂取可能デバイスのアクティブ部分と
を備える、摂取可能デバイス。
【請求項2】
前記本体は、伸長本体である、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの肢部は、前記本体の縦方向軸に対して角度付けられる方向において、前記第1の構成から前記第2の構成に半径方向に外向きに展開するように構成される、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの肢部は、少なくとも部分的に、形状記憶材料、炭水化物、水和デンプン、脂質、セルロース、タンパク質、ゼラチン、およびポリマー二重層のうちの少なくとも1つから形成される、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの肢部は、第1の肢部と、第2の肢部とを含み、前記第1の肢部の少なくとも一部は、前記第1の構成において前記第2の肢部の少なくとも一部と重複する、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの肢部は、第1の肢部と、第2の肢部とを含み、前記第1の肢部および前記第2の肢部は、順次展開するように構成される、請求項5に記載の摂取可能デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つの肢部は、第1の肢部と、第2の肢部とを含み、前記第1の肢部は、前記摂取可能デバイスの縦方向軸に平行な方向において前記第2の肢部からオフセットされる、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの肢部は、前記少なくとも1つの肢部が、前記第1の構成から前記第2の構成に展開する際、前記隣接する組織表面を横断して前記本体を転動させるように構成される、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項9】
前記アクティブ部分は、前記本体の外面上に配置される活性医薬成分のコーティング、噴射出口、注入針出口、センサ、1つまたはそれを上回る電極、1つまたはそれを上回る微小針パッチ、接着剤、機械的締結具、および1つまたはそれを上回る生検ツールの群から選択される少なくとも1つを備える、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項10】
前記アクティブ部分は、前記少なくとも1つの肢部と統合される少なくとも1つのセンサを含み、前記少なくとも1つのセンサは、前記隣接する組織表面の1つまたはそれを上回るパラメータを感知するように構成される、請求項1に記載の摂取可能デバイス。
【請求項11】
摂取可能デバイスであって、
本体と、
活性医薬成分を含有するように構成されるリザーバと、
前記本体の外部部分上に配置される出口と、
対象の胃腸管内の所定の条件への暴露後、第1の構成から第2の構成に展開するように構成される少なくとも1つの肢部であって、前記第1の構成において、前記少なくとも1つの肢部は、前記本体の外面の少なくとも一部の周囲に巻着され、前記第2の構成において、前記肢部は、前記本体から外向きに延在し、前記少なくとも1つの肢部は、前記少なくとも1つの肢部が、前記第2の構成にあるとき、前記出口が、重力の方向に対して前記本体の下層の隣接する組織表面に向かって配向されるように、前記本体を配向するように構成され、前記出口およびリザーバは、前記活性医薬成分を前記隣接する組織表面に適用するように構成される、少なくとも1つの肢部と
を備える、摂取可能デバイス。
【請求項12】
前記第2の構成において、前記出口は、前記隣接する組織表面と接触する、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項13】
前記本体は、伸長本体である、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項14】
前記摂取可能デバイスは、前記出口から遠隔で前記本体の外部部分上に配置される第2の部分を含み、前記第2の構成において、前記少なくとも1つの肢部は、前記第2の部分と前記組織表面との間に間隔を提供するために、前記本体の下層の前記隣接する組織表面と協働するように構成され、それによって、前記隣接する組織表面に向かって前記出口を配向するように前記本体を傾斜させる、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの肢部は、前記本体の縦方向軸に対して角度付けられる方向において、前記第1の構成から前記第2の構成に半径方向に外向きに展開するように構成される、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの肢部は、少なくとも部分的に、形状記憶材料、炭水化物、水和デンプン、脂質、セルロース、タンパク質、ゼラチン、およびポリマー二重層のうちの少なくとも1つから形成される、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つの肢部は、第1の肢部と、第2の肢部とを含み、前記第1の肢部の少なくとも一部は、前記第1の構成において前記第2の肢部の少なくとも一部と重複する、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの肢部は、第1の肢部と、第2の肢部とを含み、前記第1の肢部および前記第2の肢部は、順次展開するように構成される、請求項17に記載の摂取可能デバイス。
【請求項19】
前記少なくとも1つの肢部は、第1の肢部と、第2の肢部とを含み、前記第1の肢部は、前記摂取可能デバイスの縦方向軸に平行な方向において前記第2の肢部からオフセットされる、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの肢部は、前記少なくとも1つの肢部が、前記第1の構成から前記第2の構成に展開する際、前記隣接する組織表面を横断して前記本体を転動させるように構成される、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項21】
前記摂取可能デバイスは、前記少なくとも1つの肢部と統合される少なくとも1つのセンサを有するアクティブ部分を含み、前記少なくとも1つのセンサは、前記隣接する組織表面の1つまたはそれを上回るパラメータを感知するように構成される、請求項11に記載の摂取可能デバイス。
【請求項22】
摂取可能デバイスを配向する方法であって、前記方法は、
前記摂取可能デバイスを対象の胃腸管内の所定の条件に暴露することと、
前記所定の条件への暴露後、少なくとも1つの肢部が、第1の構成から第2の構成に遷移するように、前記摂取可能デバイスの本体に取り付けられる前記少なくとも1つの肢部を展開することであって、前記第1の構成において、前記少なくとも1つの肢部は、前記本体の少なくとも一部の周囲に巻着され、前記第2の構成において、前記少なくとも1つの肢部は、前記摂取可能デバイスのアクティブ部分が、隣接する組織表面に隣り合って接近させられる、またはそれと接触するように、前記本体から外向きに延在する、ことと、
前記少なくとも1つの肢部の展開の間および/または後、前記隣接する組織表面を前記摂取可能デバイスのアクティブ部分と相互作用させることと
を含む、方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの肢部が展開される際、前記隣接する組織表面を横断して前記本体を転動させることをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの肢部を展開することは、前記本体の縦方向軸に少なくとも部分的に垂直な方向において前記肢部を延在させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの肢部を展開することは、第1の肢部を展開し、続けて、第2の肢部を展開することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記隣接する組織表面の1つまたはそれを上回るパラメータを感知することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
活性医薬成分を前記隣接する組織表面に適用することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、参照することによってその全体として組み込まれる、2021年8月9日に出願された、米国仮出願第63/231,206号の35 U.S.C. § 119(e)(米国特許法第119条(e))下の利益を主張する。
【0002】
開示される実施形態は、摂取可能デバイス、例えば、対象の胃腸管内で第1の状態から第2の状態に展開するデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的には、対象の胃腸(GI)管と相互作用することは、特定の課題を課し得る。例えば、ある治療薬は、経口-胃腸(GI)経路を介して投与されるときに容易に変性する、大きい複雑な分子から成る。故に、これらの治療薬を必要とする対象は、典型的には、例えば、皮下注入を含む、GI経路外であるより侵襲的な形態の薬物投与を使用する。
【0004】
上記に加えて、ホルモン療法の取り込みは、それらを経口的に投与することができないことに起因して、限定されたままである。具体的には、摂取されたホルモンは、取り込みに先立って、胃腸管内で分解され得る。対応して、ホルモンは、典型的には、注入される。これは、ホルモン療法に対する順守を有意に低減させ、対象のコンプライアンスを限定する。電気薬学療法は、種々の組織の電気刺激を使用し、対象の代謝に影響を及ぼす、新たに出現したアプローチである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によると、摂取可能デバイスは、本体と、対象の胃腸管内の所定の条件への暴露後、第1の構成から第2の構成に展開するように構成される、少なくとも1つの肢部であって、第1の構成において、少なくとも1つの肢部は、本体の外面の少なくとも一部の周囲に巻着され、第2の構成において、肢部は、本体から外向きに延在する、少なくとも1つの肢部と、本体および/または少なくとも1つの肢部の外部部分上に配置される、摂取可能デバイスのアクティブ部分であって、少なくとも1つの肢部は、少なくとも1つの肢部が、第2の構成にあるとき、アクティブ部分が、隣接する組織表面に接触するように、本体を配向するように構成され、アクティブ部分は、隣接する組織表面と相互作用するように構成される、摂取可能デバイスのアクティブ部分とを含む。
【0006】
別の側面によると、摂取可能デバイスは、本体と、活性医薬成分を含有するように構成される、リザーバと、本体の外部部分上に配置される、出口と、対象の胃腸管内の所定の条件への暴露後、第1の構成から第2の構成に展開するように構成される、少なくとも1つの肢部であって、第1の構成において、少なくとも1つの肢部は、本体の外面の少なくとも一部の周囲に巻着され、第2の構成において、肢部は、本体から外向きに延在し、少なくとも1つの肢部は、少なくとも1つの肢部が、第2の構成にあるとき、出口が、重力の方向に対して本体の下層の隣接する組織表面に向かって配向されるように、本体を配向するように構成され、出口およびリザーバは、活性医薬成分を隣接する組織表面に適用するように構成される、少なくとも1つの肢部とを含む。
【0007】
また別の側面によると、摂取可能デバイスを配向する方法であって、本方法は、摂取可能デバイスを対象の胃腸管内の所定の条件に暴露することと、所定の条件への暴露後、少なくとも1つの肢部が、第1の構成から第2の構成に遷移するように、摂取可能デバイスの本体に取り付けられる少なくとも1つの肢部を展開することであって、第1の構成において、少なくとも1つの肢部は、本体の少なくとも一部の周囲に巻着され、第2の構成において、少なくとも1つの肢部は、本体から外向きに延在する、ことと、少なくとも1つの肢部の展開の間および/または後、隣接する組織表面を摂取可能デバイスのアクティブ部分と相互作用させることとを含む。
【0008】
本開示がこの点で限定されないため、前述の概念および下記に議論される付加的概念が、任意の好適な組み合わせにおいて配列され得ることを理解されたい。さらに、本開示の他の利点および新規の特徴が、付随の図と併せて考慮されるとき、種々の非限定的実施形態の以下の詳細な説明から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の非限定的実施形態が、図式的であり、縮尺通りに描かれることが意図されない、付随の図を参照して、実施例として説明されるであろう。図では、図示される各同じまたはほぼ同じ構成要素は、典型的には、単一の数字によって表される。明確化の目的のために、全ての構成要素が、全ての図において標識化されるわけではなく、または本開示の各実施形態の全ての構成要素が、示されるわけではなく、図示は、当業者が本開示を理解することを可能にするために必要ではない。
【0010】
【
図1A】
図1Aは、一例証的実施形態による、第1の構成における摂取可能デバイスの斜視図である。
【0011】
【0012】
【
図2A】
図2Aは、一例証的実施形態による、第1の構成における摂取可能デバイスの斜視図である。
【0013】
【0014】
【
図3】
図3は、一例証的実施形態による、第1の構成から第2の構成に遷移する摂取可能デバイスの斜視図である。
【0015】
【
図4A】
図4Aは、一例証的実施形態による、治療薬を隣接する組織に送達する摂取可能デバイスの断面図である。
【0016】
【
図4B】
図4Bは、
図4Aの実施形態による、治療薬を隣接する組織に送達する摂取可能デバイスの断面図である。
【0017】
【
図5A】
図5Aは、一例証的実施形態による、第1の構成における摂取可能デバイスの斜視図である。
【0018】
【0019】
【
図5C】
図5Cは、湾曲した針が隣接する組織の中に展開される、第2の構成における
図5Aの摂取可能デバイスの側面図である。
【0020】
【
図6A】
図6Aは、一例証的実施形態による、第1の構成における摂取可能デバイスの斜視図である。
【0021】
【0022】
【
図7】
図7は、一例証的実施形態による、摂取可能デバイスを使用する方法を図示する、フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
胃腸病学および経口薬物送達の分野では、摂取可能送達デバイスは、標的器官の壁と相互作用する(例えば、ペイロードを送達する、センサを組織と近接させる、または別様にデバイスのアクティブ部分を組織と近接または接触させる)ために望ましくあり得る。例えば、摂取可能送達デバイスは、生物製剤またはモノクローナル抗体等のあるクラスの治療用分子の拡散および吸収を妨げ得る障壁を克服することを支援し得る。また、摂取可能デバイスは、摂取可能デバイスと関連付けられるセンサが、対象のGI管内の組織と直接相互作用することが可能であり得るため、GI組織に関連するデータの正確な収集を可能にし得る。本明細書に使用されるように、GI管は、対象の食道、胃、十二指腸、空腸、小腸、および大腸を含み得る。典型的には、臨床医は、胃腸組織の粘膜下層と直接相互作用するために、中実針または液体噴射等の機械的手段を採用し得、これは、デバイスがそのような障壁を迂回することを可能にし得る。しかしながら、そのような組織貫通は、組織に関連してほぼ垂直な配向が達成されない限り、無効にされ得る。胃等のある器官では、そのような組織への直接アクセスは、典型的には、侵襲性外科手術を介して提供されるため、そのような垂直配向が摂取可能デバイスを使用して達成されることは、困難であり得る。
【0024】
上記を考慮して、本発明者らは、摂取された後に所望の配向にそれ自体を配向することが可能な摂取可能デバイスの利点を認識した。加えて、本発明者らは、これが標的組織と接触する、および/またはそれに向かって配向されるように、摂取可能デバイスのアクティブ部分を配向することが可能な摂取可能デバイスの利点を認識した。また、そのような摂取可能デバイスは、標的組織と予測可能に、確実に、および/または自律的に相互作用することが可能であり得る。いくつかの事例では、摂取可能デバイスは、摂取可能デバイスが単一の安定した構成において予測可能に配向されることを可能にする特徴を含んでもよいが、随意に、いくつかの事例では、摂取可能デバイスは、下層支持組織に対する複数の安定した配向のうちの1つにおいて予測可能に配向することが可能であり得る。本所望の機能性を提供するために、デバイスは、1つまたはそれを上回る肢部が、本体から外向きに延在し、用途に応じて、下層組織に対する本デバイスの1つ、2つ、または任意の他の好適な数の所望の安定した配向を画定するように展開され得る、1つまたはそれを上回る肢部を含んでもよい。
【0025】
上記に記述されるように、いくつかの実施形態では、対象のGI管内で摂取可能デバイスを配向するために、摂取可能デバイスは、1つまたはそれを上回る展開可能肢部を含んでもよい。肢部は、所定の条件に暴露されると、対象のGI管内で第1の構成から第2の構成に展開することが可能であり得る。例えば、摂取可能デバイスは、最初に、肢部が摂取可能デバイスの本体の周囲に巻着され得る、第1の構成にあってもよい。肢部が第2の構成に展開すると、肢部は、本体から離れるように外向きに延在してもよい。したがって、肢部が展開されると、肢部は、下層組織に対する所望の配向において摂取可能デバイスを安定させる役割を果たし得る。いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、本体の外部上に配置される、アクティブ部分を含んでもよい。所望の配向は、摂取可能デバイスのアクティブ部分が、下層の隣接する組織に向かって配向され、および/またはそれと接触するようなものであってもよい。いくつかの実施形態では、肢部は、それらが第2の延在構成にあるとき、肢部が、本体の縦方向軸に少なくとも部分的に垂直であるように、第1の構成から半径方向に外向きに展開するように構成されてもよいが、1つまたはそれを上回る展開可能肢部の他の配向もまた、想定される。
【0026】
本明細書に説明されるように、いくつかの実施形態では、肢部は、所望の配向において摂取可能デバイスを安定させる役割を果たし得る。例えば、いくつかの実施形態では、肢部は、摂取可能デバイスが、重力の影響下で、対象のGI管内の平衡位置に到達し得るように構成されてもよい。肢部は、そのような平衡位置において摂取可能デバイスを安定させる役割を果たし得る。代替として、または加えて、肢部は、肢部が、対象のGI管内の支持組織表面上の摂取可能デバイスの初期配向にかかわらず、所望の配向に摂取可能デバイスを移動させる役割を果たし得るような様式において展開するように構成されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、肢部が隣接する組織に対する摂取可能デバイスの移動を制御するように、肢部が展開することが、望ましくあり得る。例えば、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、第2の(例えば、展開)構成において摂取可能デバイスの本体から外向きに延在するように構成される、2つまたはそれを上回る肢部を含んでもよい。そのような実施形態では、2つまたはそれを上回る肢部の第1の肢部は、摂取可能デバイスが第1の方向に回転しないように防止してもよく、2つまたはそれを上回る肢部の第2の肢部は、摂取可能デバイスが第1の方向と反対の第2の方向に回転しないように防止してもよい。したがって、2つまたはそれを上回る肢部は、所望の配向において摂取可能デバイスを安定させる役割を果たし得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスの肢部を、組織の下層部分に対する本デバイスの所望の配向を提供することを支援し得る、所定の様式および/または順序において展開することが、望ましくあり得る。例えば、肢部は、第2の肢部が展開する前に、第1の肢部が展開するように構成されてもよい。2つまたはそれを上回る肢部の本順次的展開は、いくつかの異なる方法において提供されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、肢部は、第1の肢部が、第1の肢部が展開されるまで第2の肢部が展開しないように防止するように、第1の構成において重複してもよい。しかしながら、材料の異なる組み合わせを使用する他の実施形態が、使用されてもよい。例えば、弾性材料から作製された肢部が、形状記憶材料から作製された肢部に先立って展開してもよい。同様に、印加された刺激(例えば、熱、吸水等)に応答して異なるレートの拡張を受ける材料から作製された肢部が、異なる時点でデバイスから外に展開してもよい。同様に、本開示は、本所望の機能性を提供するための任意の特定の構造物に限定されないため、異なる厚さおよび/またはタイプの接着剤および/または肢部展開トリガが、異なる肢部を順次解放するために使用されてもよい。
【0029】
代替として、または上記に加えて、いくつかの実施形態では、肢部の展開は、所定の条件への肢部の暴露のタイミングに依存してもよい。そのような実施形態では、肢部の配列は、各肢部が所定の条件に暴露される時点を制御する役割を果たし得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の肢部は、第1の肢部が、第2の肢部が所定の条件に暴露されないように防止するように、(少なくとも部分的に)第2の肢部と重複してもよい。特に、いくつかの実施形態では、肢部は、湿潤する(例えば、液体への暴露が、肢部を膨潤させる、差動的に拡張させる、または別様に開放させ得る)ときに展開するように構成されてもよい。故に、そのような実施形態では、第1の肢部の重複設置は、第1の肢部が、第2の肢部が周辺環境に暴露されるように、少なくとも部分的に展開されるまで、(例えば、第2の肢部が湿潤した状態にならないように防止することによって)第2の肢部が展開しないように防止してもよい。代替として、または加えて、2つの肢部の展開タイミングは、少なくとも部分的に、第1および第2の肢部の材料性質の間の差異に基づいてもよい。例えば、肢部毎の材料は、両方の肢部が、同一の所定の展開条件に暴露されるとき、第1の肢部の材料が、第2の肢部の材料の前に、および/またはそれよりも迅速に展開するように選択されてもよい。
【0030】
摂取可能デバイスの肢部が、任意の好適な様式において、GI管内の所定の条件への暴露後、後退構成と拡張構成との間で拡張するようにトリガされ得ることを理解されたい。例えば、肢部は、形状記憶材料、液体への暴露に応じて膨潤する膨潤性ポリマー等の膨潤性材料、および/または所定の条件に暴露されると、第1の後退状態と第2の拡張状態との間で遷移することが可能な任意の他の適切な材料から形成されてもよい。代替として、または加えて、摂取可能デバイスは、GI管内の所定の場所において溶解することが可能であり、その後、1つまたはそれを上回る肢部が展開し得る、溶解可能外側コーティングおよび/またはカプセルを含んでもよい。また別の実施形態では、1つまたはそれを上回る肢部は、溶解可能肢部展開トリガまたは接着剤、能動的に動作される機械的ロック、および/またはGI管内の所定の条件への暴露後、1つまたはそれを上回る肢部を解放するように構成される、任意の他の適切な肢部展開トリガ等の肢部展開トリガによって定位置に係止されてもよい。
【0031】
本明細書に開示される種々の実施形態では、肢部は、任意の好適な材料または複数の材料から形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、肢部は、炭水化物、水和デンプン、および/または脂質から形成されてもよい。他の実施形態では、肢部は、セルロース、タンパク質、および/またはゼラチン(例えば、水和の関数として形状において変化し得るゼラチン)から形成されてもよい。さらなる実施形態では、肢部は、金属および/またはポリマー(例えば、形状記憶材料および/または温度に基づいて差動的に拡張する材料)から形成されてもよい。またさらなる実施形態では、肢部は、所定の条件に暴露されると、差動的に膨潤し得るポリマー二重層および/または電気活性ポリマー二重層等のポリマー二重層から形成されてもよい。当然ながら、本開示は、この点でそのように限定されないため、上記または他の適切な材料の任意の好適な組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0032】
本明細書に議論されるように、所定の条件への摂取可能デバイスの暴露は、1つまたはそれを上回る肢部の展開および/または活性医薬成分(API)の送達をトリガし得る。いくつかの実施形態では、所定の条件は、摂取可能デバイスの摂取後の所定の時間、GI管内の所定の場所、GI管との物理的接触、GI管内の物理的操作(例えば、蠕動を介した圧縮)、GI管の1つまたはそれを上回る特性(例えば、pH、圧力、温度等)、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたはそれを上回るものを含む。上記に記述されるように、いくつかの実施形態では、所定の条件は、対象のGI管に沿った所定の場所(例えば、食道、胃、小腸、大腸等)と関連付けられてもよい。また、いくつかの実施形態では、所定の条件は、閾値pH値を含んでもよい。特に、肢部は、それらが、閾値pH値を上回るおよび/または下回るpHに暴露されると、展開するように構成されてもよい。代替として、または加えて、所定の条件は、水性環境への暴露を含んでもよい。特に、肢部は、それらが湿潤した状態になると、展開してもよい。いくつかの実施形態では、所定の条件は、酵素への暴露を含んでもよい。特に、肢部は、対象のGI管の所望の場所内に存在する1つまたはそれを上回る特定の酵素に暴露されると、展開するように構成されてもよい。他の実施形態では、肢部は、閾値温度を上回る、下回る、および/またはそれに等しい温度に暴露されると、展開するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、上記に説明される所定の条件の組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の所定の条件が、本明細書に説明されるような肢部の展開をトリガしてもよく、第2の所定の条件が、本明細書に説明されるようなAPIの送達をトリガしてもよい。種々の実施形態では、第1の所定の条件は、第2の所定の条件と同一である、またはそれと異なってもよい。さらに、第1および第2の所定の条件が生じるGI管内の時間および/または場所は、それぞれ、同一である、または異なってもよい。いくつかの実施形態では、単一の所定の条件が、肢部の展開およびAPIの送達の両方をトリガしてもよい。当然ながら、本開示は、この点でそのように限定されないため、任意の好適な所定の条件または複数の条件が、本明細書に説明される実施形態のうちのいずれかとともに採用されてもよい。トリガの具体的タイプが、下記にさらに議論される。
【0033】
いくつかの実施形態では、肢部は、肢部の縦方向軸に沿った最大寸法等の全長を有してもよい。全長は、2mm、4mm、6mm、および/または別の適切な長さを上回る、またはそれに等しくてもよい。対応して、肢部は、16mm、18mm、20mm、および/または別の適切な長さ未満である、またはそれに等しい全長を有してもよい。限定ではないが、2mm~20mm、4mm~18mm、および6mm~16mmの全長を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。いくつかの実施形態では、肢部の全長は、10mmである。当然ながら、任意の好適な全長または長さの組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスの肢部は、同一の全長を有してもよいが、これは、そうである必要はない。いくつかの実施形態では、肢部の長さは、異なってもよい。当然ながら、全体的肢部長の任意の好適な組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0035】
いくつかの用途では、展開の間に支持表面を横断して転動するように構成されるデバイスの1つまたはそれを上回る肢部の長さは、肢部が展開の間に(例えば、本明細書に説明されるような)対象のGI管内で摂取可能デバイスを移動させ得る距離を決定し得る。例えば、より長い肢部は、摂取可能デバイスをより長い距離だけ移動させる役割を果たし得る一方、より短い肢部は、摂取可能デバイスをより短い距離だけ移動させる役割を果たし得る。故に、任意の好適な肢部長が、用途に応じて、採用されてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、肢部は、いくつかの実施形態では、肢部の縦方向軸に垂直であり得る肢部の側軸に平行な最大寸法等の全幅を有してもよい。全幅は、1mm、2mm、3mm、および/または別の適切な幅を上回る、またはそれに等しくてもよい。対応して、肢部は、8mm、9mm、10mm、および/または別の適切な幅未満である、またはそれに等しい全幅を有してもよい。限定ではないが、1mm~10mm、2mm~9mm、および3mm~8mmの全幅を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。いくつかの実施形態では、肢部の全幅は、5mmである。当然ながら、任意の好適な全幅または幅の組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、肢部は、いくつかの実施形態では、展開構成における肢部の縦方向軸および側軸の両方に垂直である方向において測定される、全厚を有してもよい。全厚は、1mm、1.2mm、1.3mm、および/または別の適切な厚さを上回る、またはそれに等しくてもよい。対応して、肢部は、1.8mm、1.9mm、2mm、および/または別の適切な厚さ未満である、またはそれに等しい全厚を有してもよい。限定ではないが、1mm~2mm、1.2mm~1.9mm、および1.3mm~1.8mmの全厚を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。いくつかの実施形態では、肢部の全厚は、1.5mmである。当然ながら、任意の好適な全厚または厚さの組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0038】
肢部は、任意の好適な様式において摂取可能デバイスの本体に取り付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、肢部は、本体とは別個に形成されてもよく、機械的挟持、接着剤取付、超音波溶接、締結具、および/または任意の他の適切なタイプの接続を介してそれに取り付けられる。他の実施形態では、肢部は、本体と一体的に形成されてもよい。当然ながら、上記の構造物の任意の組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、肢部は、(例えば、本明細書に説明されるように)肢部が展開された後、摂取可能デバイスの本体から取り外されるように構成されてもよい。特に、肢部は、所定の時間に(例えば、肢部の摂取および/または展開後)、および/または所定の条件が(例えば、対象のGI管内で)達成された後、取り外されてもよい。いくつかの実施形態では、肢部の取付部は、ある時間後(例えば、肢部の摂取後および/または展開後)、および/またはいったん所定の条件が(例えば、対象のGI管内で)達成されると、分解するように構成されてもよい。したがって、肢部は、本体から取り外されるように構成されてもよい。
【0040】
本開示による摂取可能デバイスは、任意の好適な様式において、いくつかの実施形態では、アクティブ部分と接触し得る、隣接する組織と相互作用するように構成される、アクティブ部分を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、隣接する組織を電気的に刺激するように構成される、アクティブ部分を含んでもよい。特に、いくつかの実施形態では、臨床医は、あるホルモンを放出するように対象の身体に指示することによって、対象の代謝に影響を及ぼすことを所望し得る。例えば、いくつかの事例では、臨床医は、対象の食欲を抑制するために、対象内のグレリンホルモンのレベルに影響を及ぼすことを所望し得る。当業者によって理解されるであろうように、胃粘膜の電気刺激は、対象内に存在するグレリンホルモンのレベルに対して有意な効果を及ぼし得る。したがって、摂取可能デバイスが対象のGI管内の組織に電気刺激を提供することが、望ましくあり得る。故に、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、(例えば、隣接する組織と接触するとき)隣接する組織を電気的に刺激するように構成される、摂取可能デバイスの外面上に配置される、1つまたはそれを上回る電極を含んでもよい。
【0041】
他の実施形態では、摂取可能デバイスは、隣接する組織の1つまたはそれを上回るパラメータを感知するように構成される、アクティブ部分を含んでもよい。特に、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、隣接する組織の1つまたはそれを上回るパラメータを感知するように構成される、接触ベースまたは非接触センサを含んでもよい。例えば、センサは、組織抵抗率、1つまたはそれを上回るバイオマーカの濃度、pH、および/または任意の他の好適なパラメータまたは複数のパラメータを測定するように適合されてもよい。使用され得るセンサの具体的な非限定的実施例は、限定ではないが、電極、生化学センサ、pHセンサ、および/または任意の他の好適なタイプのセンサを含んでもよい。本開示は、この点でそのように限定されないため、任意の好適なタイプのセンサが、採用され得、任意の好適なパラメータが、センサによって測定され得ることを理解されたい。
【0042】
さらなる実施形態では、摂取可能デバイスは、隣接する組織に薬物を送達するように構成される、アクティブ部分を含んでもよい。摂取可能デバイスは、本デバイスの外部部分上のコーティング、噴射注入器、針注入器、組織を貫通するために構成される固形剤、微小針パッチ、または任意の他の好適な送達機構のうちの1つまたはそれを上回るものを介して活性医薬成分を送達するように構成されてもよい。潜在的活性医薬成分(API)の具体的実施例は、下記にさらに詳述される。本開示は、この点でそのように限定されないため、加えて、いくつかの実施形態では、限定ではないが、センサ、ウイルス、細菌、および/または任意の他の好適なペイロードを含む、ペイロードを含む、代替ペイロードが、標的場所に展開されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、アクティブ部分は、本デバイスを通して、またはそれからAPIを加圧し、排出するように構成される、1つまたはそれを上回るポテンシャルエネルギー源を含んでもよい。例えば、アクティブ部分は、APIを分注および/または送達するための1つまたはそれを上回るポテンシャルエネルギー源を含んでもよい。ポテンシャルエネルギー源は、物理的、化学的、電気化学的、および/または任意の他の適切なタイプのエネルギー貯蔵を使用して、摂取可能デバイス内にエネルギーを貯蔵するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ポテンシャルエネルギー源は、ポテンシャルエネルギー源の動作が、リザーバ内のAPIを加圧し、APIを1つまたはそれを上回る噴射出口、1つまたはそれを上回る針、および/または任意の他の適切な送達機構を通して摂取可能デバイスから外に流動させるように、リザーバと関連付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ポテンシャルエネルギー源は、噴射出口、針、および/または別の送達機構を通して本デバイスから(例えば、本デバイス内のリザーバから)APIを駆動するために、移動可能ピストン、膜、および/またはある体積の流体またはAPIを加圧するように構成される他の構造と動作的に結合されてもよい。当然ながら、送達機構のいくつかの実施例が、上記に説明されるが、本開示は、そのように限定されないため、APIを摂取可能デバイスから標的場所および/または組織に送達することが可能な任意の構造物が、本開示される摂取可能デバイスと併用され得ることを理解されたい。
【0044】
いくつかの実施形態では、ポテンシャルエネルギー源は、圧縮ガスを含んでもよい。圧縮ガスは、摂取可能デバイス内に直接貯蔵されてもよい、または圧縮ガスは、化学反応または相変化を介して発生されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ドライアイスが、ドライアイスが昇華する際に圧縮ガスが発生されるように、摂取可能デバイスのチャンバ内に貯蔵されてもよい。代替として、圧縮ガスが、摂取可能デバイスをシールすることに先立って、所望のチャンバに提供されてもよい。いくつかの実施形態では、ポテンシャルエネルギー源は、ばね(例えば、圧縮された圧縮ばね)であってもよい。いくつかの実施形態では、ポテンシャルエネルギー源は、反応チャンバを含んでもよい。例えば、反応チャンバは、酸および塩基が組み合わせられ、ガスを発生させることを可能にし、APIの放出につながり得る。いくつかの実施形態では、デトネーション触媒が、摂取可能デバイスからAPIを排出するための加圧ガスを発生させるために、チャンバ内に位置する爆発材料のデトネーションを引き起こしてもよい。当然ながら、本開示は、そのように限定されないため、任意の好適な反応または他のポテンシャルエネルギー源が、APIを加圧し、それを摂取可能デバイスから外に駆動するために採用されてもよい。
【0045】
上記を考慮して、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、いったん本デバイスがGI管内で適切に配向されると、対象のGI管内の組織に直接薬物用量を送達するように構成されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、臨床医は、対象のGI管の組織に所定の投与量の活性医薬成分(API)を送達するように構成される、1つまたはそれを上回る延在可能な針、微小針(および/または微小針パッチ)、および/または針なし噴射注入器を含有する摂取可能デバイスを採用してもよい。そのような実施形態では、本デバイスの関連付けられる部分、例えば、本デバイスの出口または他のアクティブ部分が、本デバイスが重力の方向に対してその上に支持される組織に向かって配向され、および/またはそれと接触するとき、摂取可能デバイスがある用量のAPIを送達することが、好ましくあり得る。いくつかの事例では、APIは、本デバイスが、API用量をGI管内の所望の組織の中に送達することに役立ち得る、本明細書に説明される自己配向特徴を使用して配向されるとき、少なくとも部分的に、重力の方向に平行な方向に配向される、出口または針を介して送達されてもよい。
【0046】
当業者によって理解されるであろうように、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、任意の好適な機能を実施してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、対象のGI管内の摂取可能デバイスに隣接する組織のサンプルを収集するように構成される、生検ツールを含んでもよい。当然ながら、本開示は、この点でそのように限定されないため、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、用途に応じて、任意の適切な機能を実施してもよい。
【0047】
摂取可能デバイスのアクティブ部分は、アクティブ部分が、動作の間に対象のGI管の隣接する組織に向かって配向され、および/またはそれと接触するように設置され得るように、任意の適切な位置および/または配向において摂取可能デバイス上に位置付けられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アクティブ部分は、いったん1つまたはそれを上回る肢部が展開されると、本デバイスを支持する隣接する組織表面に向かって配向され、および/またはそれと接触する、本デバイスの本体の一部上に位置付けられる。他の実施形態では、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、本デバイスの1つまたはそれを上回る肢部上に位置してもよい(例えば、肢部は、1つまたはそれを上回るセンサ、コーティング、微小針パッチ、針、または本明細書に開示されるような任意の他の適切なタイプのアクティブ部分を含んでもよい)。いくつかの実施形態では、送達デバイスは、本体および/または肢部上のアクティブ部分を含む、いくつかのアクティブ部分を含んでもよい。当然ながら、アクティブ部分または複数の部分は、用途に応じて、任意の好適な様式において構成されてもよい。本明細書に使用されるように、用語「活性医薬成分」(「薬物」または「治療剤」とも称される)は、疾患、障害、または他の臨床的に認識される条件を治療するために、または予防目的のために対象に投与され、疾患、障害、または条件を治療、予防、および/または診断するために対象の身体に対して臨床的に有意な効果を及ぼす作用物質を指す。活性医薬成分は、対象における治療反応に影響を及ぼすために、微量を上回る量において対象に送達されてもよい。いくつかの実施形態では、活性医薬成分(API)は、限定ではないが、対象(例えば、ヒトまたは非ヒト動物)に投与されると、局所的および/または全身的作用によって所望の薬理的、免疫原性、および/または生理学的効果を誘発する、任意の合成または天然由来の生物学的活性化合物または組成物を含むことができる。例えば、ある実施形態の文脈内の有用または潜在的に有用なものは、従来的に薬物、ワクチン、および生物製剤と見なされる化合物または化学物質である。あるそのようなAPIは、療法、診断、および/または強化の分野における使用のためのタンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、遺伝子構築物等の分子を含んでもよい。ある実施形態では、APIは、小分子および/または大分子である。さらに、本明細書に説明される例示的実施形態によると、摂取可能デバイスは、液体APIの非圧縮性噴射を発生させ得るが、本開示は、そのように限定されないため、他の実施形態では、摂取可能デバイスによって発生されるAPIの噴射は、ガス、粘性流体、エアロゾル化粉末、および/または他の適切なタイプのAPIから形成されてもよい。故に、本明細書に説明されるAPIが、任意の特定のタイプのAPIに限定されないことを理解されたい。
【0048】
本明細書に説明される例示的実施形態によると、摂取可能デバイスの肢部展開トリガは、本明細書に説明されるような所定の条件下で対象のGI管内で本デバイスの肢部を展開するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、肢部展開トリガは、GI管の環境と相互作用し、摂取可能デバイスを作動させるように構成される、受動的構成要素であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、肢部展開トリガは、GI管内で溶解するように構成される、溶解可能材料であってもよい。溶解可能材料は、摂取可能デバイスを囲繞し、肢部の少なくとも一部を被覆し、および/または摂取に先立って本デバイスの本体に肢部の一部を接着させるために使用されてもよく、材料が溶解し、最終的に、本デバイスの肢部を作動させるレートを少なくとも部分的に決定する、ある厚さおよび/または形状を有してもよい。溶解可能肢部展開トリガに関する適切な材料は、限定ではないが、二糖類(例えば、イソマルト)等の糖アルコール、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、腸溶性コーティング、時間依存性コーティング、腸溶性および時間依存性コーティング、温度依存性コーティング、光依存性コーティング、および/または対象のGI管内で溶解されることが可能な任意の他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、肢部展開トリガは、EDTA、グルタチオン、または別の好適な化学物質を含む、トリガ可能膜を含んでもよい。いくつかの実施形態では、糖アルコールトリガが、摂取可能デバイスが対象のGI管内に受容されるまで、糖アルコールトリガを保護するように構成される、腸溶性コーティングと組み合わせて採用されてもよい。いくつかの実施形態では、肢部展開トリガは、摂取後までトリガすることを遅延させることを補助するために、pH応答性コーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、肢部展開トリガは、GI管の1つまたはそれを上回る特性を検出する、センサであってもよい。例えば、GI粘膜内壁との接触を検出するセンサが、本デバイスの肢部を展開するために使用されてもよい。センサが採用される実施形態では、肢部展開トリガはまた、所定の条件がセンサによって検出されることに応答して移動する、アクティブ構成要素を含んでもよい。当然ながら、本開示は、そのように限定されないため、任意の好適なアクティブまたは受動的肢部展開トリガが、摂取可能デバイスのために採用されてもよい。
【0049】
加えて、または代替として、摂取可能デバイスのAPI送達トリガは、本明細書に説明されるような所定の条件下でAPIを摂取可能デバイスから対象のGI管に送達するために、摂取可能デバイスのアクティブ部分を作動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、API送達トリガは、GI管の環境と相互作用し、摂取可能デバイスを作動させるように構成される、受動的構成要素を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、API送達トリガは、GI管内で溶解するように構成される、糖プラグまたは他の溶解可能材料を含んでもよい。溶解可能プラグは、糖プラグが溶解し、最終的に、摂取可能デバイスを作動させる速度を少なくとも部分的に決定する、ある厚さおよび/または形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、API送達トリガは、長円形形状、卵形状、球形形状、楕円形形状、円筒形形状、円錐形形状、または球面円筒形形状を有してもよい。別の実施形態では、API送達トリガは、少なくとも部分的に、腸溶性コーティングによって形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、そのように限定されないため、API送達トリガは、糖プラグおよび腸溶性コーティングの両方を含んでもよい。溶解可能API送達トリガに関する他の適切な材料は、限定ではないが、二糖類(例えば、イソマルト)等の糖アルコール、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、腸溶性コーティング、時間依存性コーティング、腸溶性および時間依存性コーティング、温度依存性コーティング、光依存性コーティング、および/または対象のGI管内で溶解されることが可能な任意の他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、API送達トリガは、EDTA、グルタチオン、または別の好適な化学物質を含む、トリガ可能膜を含んでもよい。いくつかの実施形態では、糖アルコールトリガが、摂取可能デバイスが対象のGI管内に受容されるまで、糖アルコールトリガを保護するように構成される、腸溶性コーティングと組み合わせて採用されてもよい。いくつかの実施形態では、API送達トリガは、摂取後までトリガすることを遅延させることを補助するために、pH応答性コーティングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、API送達トリガは、GI管の1つまたはそれを上回る特性を検出する、センサであってもよい。例えば、GI粘膜内壁との接触を検出するセンサが、本デバイスを作動させるために使用されてもよい。他のタイプのAPI送達トリガは、電気タイマ、光センサ、酵素センサ、伝導率センサ、pHセンサ、圧力センサ、温度センサ、および/またはその本デバイスが、対象のGI管または他の解剖学的構造内の所望の標的場所に対応する1つまたはそれを上回る所定の条件に暴露されると、信号をプロセッサに提供する、または本デバイスのプロセッサまたは他の部分と関連付けられる電気回路を閉にすることが可能な任意の他の適切なセンサまたは構造物を含んでもよい。故に、本明細書に開示されるAPI送達トリガが、任意の具体的タイプまたは構造物のトリガに限定されないことを理解されたい。
【0050】
いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、対象によって摂取されるように定寸および成形される。故に、摂取可能デバイスは、摂取可能デバイスが、容易に嚥下され、続けて、食道および胃内の幽門開口部を含む、GI管を通して通過し得るように、適切に小さくあり得る。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る肢部の拡張に先立つ摂取可能デバイスは、40mm、30mm、20mm、10mm、5mm、および/または別の適切な長さ未満である、またはそれに等しい、本デバイスの縦方向軸に沿った最大寸法等の全長を有してもよい。対応して、摂取可能デバイスは、3mm、5mm、10mm、20mm、25mm、および/または別の適切な長さを上回る、またはそれに等しい全長を有してもよい。限定ではないが、5mm~30mm、10mm~30mm、5mm~20mm、および5mm~10mmの全厚を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る肢部の拡張に先立つ摂取可能デバイスは、11mm、10mm、7mm、5mm、および/または別の適切な直径未満である、またはそれに等しい、直径等の最大外部横断寸法を有してもよい。対応して、1つまたはそれを上回る肢部の拡張に先立つ摂取可能デバイスは、3mm、5mm、7mm、9mm、および/または別の適切な直径を上回る、またはそれに等しい最大外部横断寸法を有してもよい。限定ではないが、5mm~11mm、5~7mm、および7mm~11mmの最大外部横断寸法を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回る肢部の拡張に先立つ摂取可能デバイスは、3,500mm3、3,000mm3、2,500mm3、2,000mm3、1,500mm3、1,000mm3、750mm3、500mm3、250mm3、100mm3、および/または任意の他の適切な体積未満である、またはそれに等しい全体的体積を有してもよい。対応して、摂取可能デバイスは、50mm3、100mm3、250mm3、500mm3、750mm3、1,000mm3、1,500mm3、2,000mm3、2,500mm3、および/または任意の他の適切な体積を上回る、またはそれに等しい全体的体積を有してもよい。限定ではないが、1,000mm3~3,000mm3、1,500mm3~3,000mm3、50mm3~500mm3、50mm3~100mm3、および2,000mm3~3,000mm3の体積を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。当然ながら、本開示は、そのように限定されないため、摂取可能送達デバイスに関する任意の好適な全長、最大外部横断寸法、および体積が、採用されてもよい。
【0051】
本明細書に説明される例示的実施形態によると、摂取可能デバイスは、摂取可能デバイスが(例えば、摂取に続けて)身体管腔の底部に沈むことを可能にするように、液体の中に浸漬されるように構成されてもよい。本明細書によると、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、1g/cm3、2g/cm3、3g/cm3、5g/cm3、7g/cm3、および/または別の適切な密度よりも大きい密度を有してもよい。
【0052】
本明細書に説明される例示的実施形態によると、摂取可能デバイスは、経口的に対象に投与される。他の実施形態では、本開示は、そのように限定されないため、摂取可能デバイスは、経直腸的に、経膣的に、経鼻的に、または任意の他の適切な方式において投与されてもよい。
【0053】
図に目を向けると、具体的な非限定的実施形態が、さらに詳細に説明される。本開示は、本明細書に説明される具体的実施形態のみに限定されないため、これらの実施形態に対して説明される種々のシステム、構成要素、特徴、および方法が、個々に、および/または任意の所望の組み合わせのいずれかで使用され得ることを理解されたい。
【0054】
図1A-1Bは、それぞれ、第1の非展開構成および第2の展開構成における摂取可能デバイス100の斜視図を示す。摂取可能デバイス100は、摂取可能デバイス100の伸長本体106に取り付けられる、第1および第2の肢部102、104を含む。例えば、
図1Aに示されるような初期構成において、第1および第2の肢部102、104は、伸長本体106の少なくとも一部の周囲に巻着されてもよい。故に、初期構成における肢部のプロファイルおよび/または曲率半径は、伸長本体のプロファイルまたは曲率半径に対応してもよい。いくつかの実施形態では、これは、伸長本体の縦方向軸に少なくとも部分的に垂直である方向において、伸長本体のプロファイルまたは曲率半径に対応してもよい。第1および第2の肢部102、104はそれぞれ、初期構成から展開構成への展開の間、その個別のプロファイルおよび/または曲率半径を変化させるように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、肢部が展開構成を達成するまでの展開の間、肢部の曲率半径は、増加してもよく、および/または肢部のプロファイルは、変化してもよい。本展開は、肢部が、伸長本体の周囲から巻解し、それから半径方向に外向きに回転する、遷移を含んでもよい。いくつかの実施形態では、これは、肢部の少なくとも一部が伸長本体の縦方向軸に少なくとも部分的に平行である軸を中心として回転することに対応してもよい。展開後、いくつかの実施形態では、肢部は、展開構成において所望のプロファイルまたは曲率半径を有してもよい。例えば、
図1A-1Bに示される実施形態では、第1および第2の肢部102、104はそれぞれ、展開構成において略平坦プロファイル(すなわち、略無限の曲率半径)を有してもよい。平坦プロファイルが、図に示されるが、展開構成またはその所望のプロファイルが、任意の適切な形状および/または曲率を含み得ることを理解されたい。
【0055】
描写される実施形態では、肢部は、本デバイスの縦方向軸に垂直である方向において、伸長本体の周囲に部分的に巻着されるが、他の配向もまた、使用されてもよい。描写される実施形態では、肢部は、本デバイスの縦方向長に沿って相互と整合され、相互から離れるように少なくとも部分的に配向される方向において、展開構成において本デバイスから外に延在し、いくつかの実施形態では、反対方向において本体から外向きに延在する。しかしながら、下記にさらに詳しく説明されるように、肢部が相互と整合されない実施形態もまた、想定される。第1および第2の肢部102、104は、第1および第2の肢部102、104が展開されるとき、第1および第2の肢部102、104が、伸長本体106から離れるように延在するように、展開可能であるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の肢部102、104は、例えば、
図1Bに示されるように、それらが、伸長本体から半径方向に外向きに延在し、本体106の縦方向軸Aにほぼ垂直であるように展開してもよい。しかしながら、他の展開方向もまた、想定される。
【0056】
いくつかの実施形態では、摂取可能デバイス100は、第1および第2の肢部102、104の展開タイミングを制御するための特徴を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1および第2の肢部102、104は、第1および第2の肢部102、104が、スタックされた構成において伸長本体106上に位置し、したがって、第1の肢部102の少なくとも一部が、第1の後退構成(例えば、第1および第2の肢部102、104が摂取可能デバイス100の本体106の周囲に巻着されるとき)において第2の肢部104の一部上に配置されるように、
図1Aに示されるものよりも長くてもよい。したがって、第1の肢部102は、第1の肢部102が少なくとも部分的に展開されるまで、第2の肢部104が展開しないように防止してもよい。故に、スタックされた構成は、第1および第2の肢部102、104の展開タイミングを制御する役割を果たし得る。当然ながら、第1および第2の肢部102、104の展開タイミングは、前述で上記に説明されるものを含む、任意の好適な様式において制御されてもよい。
【0057】
上記に記述されるように、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、オフセットされた肢部を含んでもよい。例えば、
図2A-2Bに図示されるように、摂取可能デバイス200は、第1の肢部202および第2の肢部204が相互と重複しない構成における第1および第2の肢部202、204を含んでもよい。具体的には、図示されるように、いくつかの実施形態では、第1の肢部202は、摂取可能デバイスの縦方向軸Bに平行な方向において第2の肢部204からオフセットされてもよい。加えて、上記の実施形態と同様に、延在構成における肢部は、相互から離れるように少なくとも部分的に配向される方向に配向されてもよく、いくつかの事例では、反対方向に配向される。さらに、いくつかのそのような実施形態では、第1および第2の肢部202、204は、同時に展開するように構成されてもよい。当然ながら、第1および第2の肢部202、204は、用途に応じて、任意の好適なタイミングで(例えば、本明細書に説明される方法を採用することによって)展開され得るため、これは、そうである必要はない。
【0058】
図1A-2Bに図示される実施形態では、摂取可能デバイスは、2つの肢部を有して示される。しかしながら、摂取可能デバイスは、用途に応じて、1つの肢部、3つの肢部、または4つまたはそれを上回る肢部を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、摂取可能デバイスは、アクティブ部分を含んでもよい。例えば、
図3に図示されるように、摂取可能デバイス300は、アクティブ部分308を含んでもよい。アクティブ部分308は、隣接する組織310に対して所望の機能を実施するように構成されてもよい。例えば、アクティブ部分308は、隣接する組織310の1つまたはそれを上回るパラメータを感知するように構成される、センサ、噴射出口、針、APIを備える中実微小針、本デバイスの外部部分上のAPIコーティング、および/またはある用量のAPIを組織310に直接送達することが可能な任意の他の適切な構成、隣接する組織310を電気的に刺激するように構成される、1つまたはそれを上回る電極、またはこれがそれに向かって配向され、および/またはそれと接触する組織に対して1つまたはそれを上回る所望の機能(例えば、限定ではないが、本明細書に説明される他の機能を含む)を実施するように構成される、任意の他の適切なデバイス構造物に対応してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、アクティブ部分308によって実施される機能は、アクティブ部分308が、隣接する組織310に近接する、またはそれと接触する場合、促進されてもよい。故に、摂取可能デバイス300は、本デバイスが展開されると、アクティブ部分308が、隣接する組織310と接触する、またはそれに近接するように、摂取可能デバイス300が配向されることを可能にする特徴を含んでもよい。特に、
図3に図示される実施形態では、摂取可能デバイス300は、伸長本体306、対応して、摂取可能デバイス300のアクティブ部分308の配向を制御するように構成される、展開可能肢部302を含む。描写される実施形態では、伸長本体は、本体の縦方向軸に垂直な丸形断面を有するが、他の形状もまた、使用されてもよい。本明細書に説明されるように、アクティブ部分308が、本デバイスがその上に配置される隣接する組織310に向かって配向され、および/またはそれと接触するように設置されることが、望ましくあり得る。図示される実施形態では、展開可能肢部302は、肢部302が展開される際、隣接する組織310の表面に沿って(例えば、図示されるように左から右に)伸長本体306を転動させることによって、伸長本体306を再配向するように構成される。具体的には、1つまたはそれを上回る肢部302は、好適な場所において本体306に取り付けられ、対応して選択された長さを有してもよく、肢部302が展開されると、アクティブ部分が、隣接する組織310に向かって配向され、および/またはそれと接触するように、所定の方向に広がるように構築されてもよい。例えば、肢部302が(例えば、広がることによって)展開されるにつれて、肢部302は、隣接する組織310を圧迫してもよい。ひいては、隣接する組織310は、摂取可能デバイス300の本体306に対して(例えば、少なくとも部分的に、肢部302の長さに基づいて)トルクを印加してもよい。トルクは、次いで、アクティブ部分が隣接する組織310に向かって配向され、および/またはそれと接触するまで、これが表面を横断して転動するように、伸長本体を(例えば、回転することによって)移動させる役割を果たし得る。代替として、または加えて、アクティブ部分308は、アクティブ部分308が組織を横断して転動する際、隣接する組織310上にペイロードを堆積させてもよい。例えば、パッチまたは微小針、コーティング、または異なるセンサが、本デバイスの1つまたはそれを上回るアクティブ部分が組織の表面を横断して転動される際、隣接する組織と接触してもよい。
【0061】
上記に加えて、展開可能肢部302は、隣接する組織310に対して展開配向において伸長本体306を安定させる役割を果たし得る。例えば、肢部302は、摂取可能デバイスが、重力Gの影響下で安定した平衡を達成するように、摂取可能デバイスの重心を偏移させてもよい。故に、アクティブ部分308は、隣接する組織に向かって、および/またはそれと接触して、および/または隣接する組織310と接触して、安定した配向において維持されてもよい。いくつかの実施形態では、肢部302は、摂取可能デバイス300のための1つまたはそれを上回る安定した構成を提供するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、肢部302は、(例えば、隣接する組織310に向かって、および/またはそれと接触してアクティブ部分308を配向するために)単一の安定した構成を提供してもよい。単一の安定した配向を達成するために、肢部302の長さおよび/または設置は、肢部302が展開されると、本体306が単一の所定の配向に移動されるように設定されてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、本開示は、この点でそのように限定されないため、肢部302は、双安定、三安定、および/または他の多安定構成を提供するように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、肢部302および本体306は、肢部302が展開されると、肢部302が、オフセット角だけアクティブ部分308からオフセットされるように構成されてもよい。オフセット角αは、30度、40度、50度、および/または別の適切な角度を上回る、またはそれに等しくてもよい。対応して、オフセット角は、130度、140度、150度、および/または別の適切な角度未満である、またはそれに等しくてもよい。限定ではないが、30度~150度、40度~140度、および50度~130度のオフセット角を含む、上記に記述される範囲の組み合わせが、想定される。いくつかの実施形態、例えば、
図3に図示される実施形態では、角度は、90度である。当然ながら、任意の好適な全体的オフセット角またはオフセット角の組み合わせが、用途に応じて、採用されてもよい。
【0063】
図4A-4Bに目を向けると、いくつかの実施形態では、摂取可能デバイス400は、アクティブ部分のうちの少なくとも1つが本デバイスの下層の隣接する組織に向かって配向され、いくつかの事例では、それと接触する可能性を増加させるために、本デバイスの異なる部分上に配置される、複数のアクティブ部分408を含んでもよい。図示される実施形態では、摂取可能デバイス400は、APIペイロードを対象の(例えば、GI管内の)組織に送達するように適合される。特に、摂取可能デバイス400は、2つの出口408の形態における2つのアクティブ部分を含む。APIは、リザーバ414内に含有されてもよい。ひいては、APIは、ピストン412がリザーバを圧縮すると、出口から外に展開されるように構成されてもよい。ピストンは、加圧された体積、ばね、反応を使用して、および/または任意の他の適切なエネルギー源を使用して作動されてもよい。いずれの場合も、
図4Bに図示されるように、ピストン412が作動されると、APIは、加圧され、出口408を通して排出されてもよい。描写される実施形態では、APIは、組織に向かって配向される入口および組織から反対のGI管の内部空間の中に配向される出口から外に展開される。しかしながら、前述で記述されるように、本開示は、そのように限定されないため、本デバイスの任意の適切な数の出口または他のアクティブ部分が、任意の所望の構成において使用されてもよい。加えて、いくつかの事例では、出口408は、APIの噴射を展開するように構成される出口であってもよいが、前述で上記に説明されるような針、微小針、コーティング、電極、および/またはAPIのための任意の他の好適な送達機構の使用を含む、他の可能性として考えられる構成もまた、想定される。
【0064】
当業者によって理解されるであろうように、肢部は、任意の好適な様式において摂取可能デバイス上で配向されてもよい。例えば、
図5A-5Cに図示されるように、摂取可能デバイス500は、概して、隣接する組織(例えば、
図5Cに示されるような組織510)に向かって出口508(例えば、アクティブ部分)を角度付けるように構成される、第1および第2の肢部502、504を伴って構成されてもよい。第1および第2の肢部502、504は、
図5Aに示されるように、第1の非展開構成において開始されてもよい。非展開構成において、第1および第2の肢部502、504は、本体506の少なくとも一部の周囲に折畳されてもよい。所定の条件(例えば、本明細書に説明されるような)に暴露されると、第1および/または第2の肢部502、504は、
図5Bに示されるように、第2の構成に展開してもよい。第2の構成において、第1および/または第2の肢部502、504は、各肢部の幅が、本デバイスの本体の長さの大部分に沿って延在するように、出口508に近位に配置される短い側と、出口508から離れるように遠位に配置される長い側とを有する、略台形形状において形成されてもよい。各肢部の短い側と長い側との間の長さにおける差異は、肢部が延在構成にあるとき、出口508または本デバイスの他のアクティブ部分が、隣接する組織に向かって角度付けられるように、角度βにおいて隣接する組織510に対して本体506を角度付ける役割を果たし得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、示されるように、第1および第2の肢部502、504の展開は、本体506内に形成される開口部518を暴露してもよい。開口部518または1つまたはそれを上回る肢部の展開に起因して暴露される本体の他の部分は、所定の条件下で本デバイスのアクティブ部分を作動させるように構成される、API送達トリガを含んでもよい。上記に記述されるように、API送達トリガにアクティブ部分を作動させる所定の条件は、肢部を展開させる所定の条件と同一である、またはそれと異なってもよい。いくつかの実施形態では、API送達トリガは、GI管内で溶解するように構成される、開口部と関連付けられる糖プラグおよび/または腸溶性コーティングに対応してもよい。示される実施形態では、API送達トリガの溶解は、展開可能針516およびAPIの後続送達を作動させてもよい。いくつかの実施形態では、APIは、ポテンシャルエネルギー源(本明細書に説明されるような)、移動可能ピストン、膜、および/またはAPIを送達することが可能な任意の他の構成または送達機構を使用して、本体506内のリザーバから送達されてもよい。例えば、APIは、移動可能ピストンまたは膜によって、本体506内のリザーバから、展開可能針516を通して、組織510の中に駆動されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、
図5Cに示されるように、展開可能針516は、ペイロード(例えば、API)が隣接する組織510に送達されることに先立って、隣接する組織510を貫通するように構成されてもよい。いったん第1および第2の肢部502、504が、展開され、本体506が、(例えば、本明細書に説明されるように)出口508が隣接する組織510に向かって配向されるように配向されると、展開可能針516は、摂取可能デバイス500の出口508(例えば、アクティブ部分)から外に延在され、隣接する組織510を穿刺してもよい。摂取可能デバイス500は、次いで、針516を通して隣接する組織510にペイロードを送達してもよい。代替として、針は、組織を穿刺することが、APIを組織に送達し得るように、APIから作製される針の一部を含んでもよい、またはその中に配置されるAPIを含む。展開可能針516は、任意の適切な形状または幾何学形状において形成されてもよい。例えば、示される実施形態では、展開可能針516は、直針であってもよい。他の実施形態では、展開可能針は、湾曲してもよい。いくつかのそのような実施形態では、弾性的に湾曲した展開可能針が、本体506内に含有される間、直線化された内部応力付与状態であってもよい。いくつかのそのような実施形態では、出口508からの針の展開は、針が、出口から隣接する下層組織の中に湾曲するように、針が湾曲した非応力付与状態に戻る結果をもたらす。代替として、形状記憶材料等の他の適切な材料が、展開される針または他の構造の所望の形状を提供するために使用されてもよい。
【0067】
上記に加えて、針は、任意の適切な方式において摂取可能デバイスから展開されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、展開可能針516は、トリガすることに先立って、摂取可能デバイス内に解放可能に保定されてもよい。例えば、針は、ばねまたは他の構成要素が、針516が本体506から外に延在される展開構成に向かって針を付勢する間、トリガ可能ロックまたは他の構成要素によって本体内に保定されてもよい。API送達トリガのアクティブ化(例えば、糖プラグまたは腸溶性コーティングの溶解)が、針を解放し、それによって、展開可能針516を作動させてもよい。当然ながら、本開示は、この点で限定されないため、本体内に針を解放可能に保定するための他の機構もまた、使用され得ることを理解されたい。
【0068】
いくつかの実施形態では、摂取可能デバイス600は、
図6A-6Bに示されるように、本体606と、微小針パッチ608と、微小針パッチ608を本体606に接続する、肢部602とを含んでもよい。肢部602は、肢部が展開されると、微小針パッチが、(例えば、APIまたは他の好適なペイロードを分注するために)隣接する組織610と接触し得るように、展開可能であってもよい。
図6Aに示される初期非展開構成において、微小針パッチ608は、微小針が隣接する組織から離れるように向けられる状態で本体606の上方に配置される。ひいては、肢部602は、微小針パッチ608が、隣接する組織610に向かって配向されるように、点Pを中心として延在するように構成され、したがって、点Pまたは本体への他の取付点を中心として微小針パッチ608を回転させる。したがって、肢部602の展開の間、微小針パッチ608は、隣接する組織610を穿刺してもよい。いったん微小針パッチ608が、隣接する組織610を穿刺すると、摂取可能デバイス600は、ペイロード(例えば、API)を隣接する組織610に送達してもよい。加えて、いくつかの実施形態では、本体606は、本デバイスの適切な側が、肢部の展開に先立って組織に向かって配向されることを確実にするために、接着剤620(例えば、粘膜接着剤)を使用して隣接する組織610に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、本体606は、摂取に先立って本体の所望の部分に事前適用される接着剤620を有してもよく、接着剤は、(例えば、本明細書により詳細に説明される方法を使用して)摂取可能デバイス600が対象のGI管内の所定の位置に到達すると、アクティブになるように構成されてもよい。したがって、本体606の位置は、微小針パッチ608が、隣接する組織610と接触し、および/またはそれを穿刺するように、肢部602が展開する際に固定されたままであってもよい。
【0069】
当業者によって理解されるであろうように、本体606は、任意の好適な様式において隣接する組織610に取り付けられてもよいため、本体606は、接着剤を介して隣接する組織に取り付けられる必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、本体606は、ピン、クランプ、返し、グリップ、および/または任意の他の好適なタイプの締結具等の1つまたはそれを上回る機械的締結具を使用して、隣接する組織610に取り付けられてもよい。当然ながら、本開示は、この点でそのように限定されないため、本体606は、用途に応じて、任意の好適な様式において隣接する組織610に取り付けられてもよい。
【0070】
また、摂取可能デバイスが、任意の適切な方法を使用して対象に投与され、その中で展開され得ることを理解されたい。例えば、
図7は、摂取可能デバイスを投与および作動させるための例示的方法のフローチャートを図示する。ステップ700において、対象は、第1の(例えば、非展開)構成における摂取可能デバイスを受け取ってもよい。対象は、第1の構成における摂取可能デバイスを(例えば、経口的に)摂取してもよい。摂取可能デバイスは、次いで、本デバイスが対象のGI管内の所望の場所に到達するまで、対象のGI管に沿って進行してもよい。いったん摂取可能デバイスが所望の配向に到達すると、ステップ702において、摂取可能デバイスの少なくとも1つの展開可能肢部が、第1の後退構成から、(例えば、少なくとも1つの展開可能肢部を所定の条件に暴露することによって)少なくとも1つの肢部が摂取可能デバイスの本体から外向きに延在する、第2の延在構成に展開されてもよい。ステップ704において、展開された肢部は、対象のGI管内の摂取可能デバイスを配向する役割を果たし得る。特に、摂取可能デバイスは、摂取可能デバイスのアクティブ部分が、局所的な重力の方向に対して本デバイスの垂直に下方に位置する隣接する支持組織に向かって配向され、いくつかの事例では、それと接触するように配向されてもよい。次いで、ステップ706において、摂取可能デバイスのアクティブ部分は、隣接する組織に対して機能を実施する(例えば、ある用量のAPIを送達する、電気刺激を送達する、1つまたはそれを上回るパラメータを感知する等)ためにアクティブにされてもよい。
【0071】
本教示は、種々の実施形態および実施例と併せて説明されているが、本教示が、そのような実施形態または実施例に限定されることを意図していない。むしろ、本教示は、当業者によって理解されるであろうように、種々の代替、修正、および均等物を包含する。故に、前述の説明および図面は、実施例にすぎない。
【国際調査報告】