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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】求心力差を作り出すための装置
(51)【国際特許分類】
   F03G 3/00 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
F03G3/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507128
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 US2022019239
(87)【国際公開番号】W WO2023014404
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】17/393,043
(32)【優先日】2021-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524046869
【氏名又は名称】バーベイト アルトゥロ マヌエル
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】バーベイト アルトゥロ マヌエル
(57)【要約】
相対的な求心力差を作り出すためのシステムは、回転台の中心まわりの半径方向の線に沿って配置される複数の入れ子式スポーク要素を有する回転台を含む。スポーク要素の各々は、回転台に取り付けられる固定端及び固定端と反対側にあり移動可能な自由端を有する。回転台が回転するにつれて、各スポーク要素の自由端は、最小距離領域を通るとき最小距離にあり、最小距離領域と反対側にある最大距離領域を通るとき最大距離にあり、最小及び最大距離領域の両側の遷移領域を通るとき増加又は減少されるように移動される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求心力差を作り出すためのシステムであって、
平面を画定し、中心を有する回転台であって、前記回転台は、前記中心を通過する回転軸が前記回転台によって画定される前記平面に対して垂直であるように、前記中心を中心として回転する、回転台と、
前記回転軸を中心として前記回転台に半径方向に且つ対称的に配置された複数のスポーク要素であって、前記複数のスポーク要素の各々は、前記回転台の前記中心に近接する固定端と、前記固定端と反対にある自由端を有し、前記自由端は、最小半径距離と最大半径距離との間で移動可能である、スポーク要素と、を備え、
前記回転台のまわりの領域は、
前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端が、前記スポーク要素が最小半径距離領域を通過するときに、前記最小半径距離に位置するように制御される前記最小半径距離領域と、
前記回転台の前記中心に対して前記最小半径距離領域と反対側にあり、前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端が、前記スポーク要素が最大半径距離領域を通過するときに、前記最大半径距離に位置するように制御される前記最大半径距離領域と、
前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端が、前記スポーク要素が第1遷移領域を通過するときに、前記最小半径距離から前記最大半径距離まで遷移するように制御される、第1側の前記最小半径距離領域と前記最大半径距離領域との間の前記第1遷移領域と、
前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端が、前記スポーク要素が前記最大半径距離領域を通過した直後に第2遷移領域を通過するとき、前記最大半径距離から前記最小半径距離まで遷移するように制御される、第2側の前記最小半径距離領域と前記最大半径距離領域との間の前記第2遷移領域と、を備え、
前記システムは、前記回転軸上で前記回転台に接続され、前記回転台及び前記複数のスポーク要素を回転させるように構成されたモーターを更に備え、
各スポーク要素は、前記回転台の各回転により、前記最小半径距離領域、前記第1遷移領域、前記最大半径距離領域、及び前記第2遷移領域を通って回転するとき、その長さを調整するように作動可能である、
ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記最小半径距離領域、前記最大半径距離領域、前記第1遷移領域、及び前記第2遷移領域のまわりのフレーム上に配置された複数の磁気素子を更に備え、
前記複数のスポーク要素の各々は、前記自由端に永久磁石を含み、前記永久磁石の磁場が前記磁気素子の各々の磁場と対向し、前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端にある前記永久磁石の間の磁気反発が、前記複数のスポーク要素の各々の前記長さを制御するように選択されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記最小半径距離領域及び前記最大半径距離領域における前記磁気素子は、永久磁石であり、
前記第1遷移領域及び前記第2遷移領域における前記磁気素子は、電磁石であり、前記システムは、前記回転台の回転と同期して前記電磁石の各々に電流パルスを提供する分配器を更に含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のスポーク要素の各々は、前記回転台が回転するにつれて、前記スポーク要素の自由端を動かすように作動されるリニアスラスタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のスポーク要素は、前記回転台の頂部のスポーク要素の頂部セット及び前記回転台の底部のスポーク要素の底部セットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のスポーク要素は、4対の対向するスポーク要素を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のスポーク要素の各々は、前記自由端において、前記回転台まわりのフレームのフレーム縁に係合するローラを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記ローラは、前記スポーク要素に結合されたバネに取り付けられている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のスポーク要素の各々は、複数の入れ子式部分を有する入れ子式スポーク要素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記回転台まわりにフレームを更に備え、前記フレームは、上側フレーム部材、下側フレーム部材、及び前記上側フレーム部材と前記下側フレーム部材との間の中間側壁部分を有し、前記回転台は、前記上側フレーム部材と前記下側フレーム部材の間に取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
相対的な求心力差を作り出すための装置であって、
回転台の中心を中心として平面内で回転する回転台と、
前記回転台上に取り付けられた複数のスポーク要素であって、前記複数のスポーク要素は、前記回転台の前記中心を中心として対向する対で配置され、前記複数のスポーク要素の各々は、前記回転台の前記中心に近接する固定端と、前記回転台の前記中心から半径方向の線に沿って前記固定端の反対にある自由端とを有し、前記自由端は、少なくとも最小距離と最大距離との間で半径方向の線に沿って、前記固定端に対して移動可能である、複数のスポーク要素と、
前記回転台を回転させるために前記回転台に結合されたモーターと、を備え、
前記回転台が回転するとき、前記複数のスポーク要素の各々の長さは、
前記回転台まわりの領域において、前記回転台の回転の約180度にわたって画定された、前記回転台まわりの最小距離領域を通過する間は前記最小距離に制御され、
前記最小距離領域と正反対にあり、回転の約60度にわたって画定された最大距離領域を通過するとき、前記最大距離に制御され、
前記回転台の第1側に前記最小距離領域と前記最大距離領域との間で回転の約60度にわたって画定された第1遷移領域を通るとき前記最小距離から前記最大距離まで増加するように制御され、
前記回転台の第2側に前記最大距離領域と前記最小距離領域との間で回転の約60度にわたって画定された第2遷移領域を通るとき前記最大距離から前記最小距離まで減少するように制御される、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記最小距離領域、前記最大距離領域、前記第1遷移領域、及び前記第2遷移領域のまわりのフレーム上に配置された複数の磁気素子を更に備え、
前記複数のスポーク要素の各々は、前記自由端に永久磁石を含み、前記永久磁石の磁場が前記磁気素子の各々の磁場と対向し、前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端にある前記永久磁石の間の磁気反発が、前記複数のスポーク要素の各々の前記長さを制御するように選択されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記最小距離領域および前記最大距離領域における前記磁気素子は、永久磁石であり、前記第1遷移領域及び前記第2遷移領域における前記磁気素子は、電磁石であり、前記装置は、前記回転台の回転と同期して前記電磁石の各々に電流パルスを提供する分配器を更に含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記スポーク要素の各々は、前記回転台が回転するにつれて、前記スポーク要素の自由端を動かすように作動されるリニアスラスタを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のスポーク要素は、前記回転台の頂部のスポーク要素の頂部セット及び前記回転台の底部のスポーク要素の底部セットを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
前記複数のスポーク要素は、4対の対向するスポーク要素を備える、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のスポーク要素の各々は、前記自由端において、前記回転台まわりのフレームのフレーム縁に係合するローラを含む、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記ローラは、前記スポーク要素に結合されたバネに取り付けられている、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記複数のスポーク要素の各々は、複数の入れ子式部分を有する入れ子式スポーク要素である、請求項11に記載の装置。
【請求項20】
求心力差を作り出すための方法であって、
中心まわりに回転可能である回転台を提供するステップであって、複数のスポーク要素が、前記回転台上に前記中心に対して対向する対として配置されるように取り付けられており、前記複数のスポーク要素の各々は、入れ子式であり、前記中心に近接して前記回転台上に取り付けられた固定端及び前記中心から半径方向の線に沿って前記固定端の反対にあり且つ最小距離と最大距離との間で移動可能な自由端を有する、提供するステップと、
前記中心まわり約180度にわたって画定された最小距離領域と、前記最小距離領域と正反対にあり、前記中心まわり約60度にわたって画定された最大距離領域と、前記最小距離領域及び前記最大距離領域の第1側に前記最小距離領域と前記最大距離領域との間で約60度にわたって画定された第1遷移領域と、前記最小距離領域及び前記最大距離領域の第2側に前記最大距離領域と前記最小距離領域との間で約60度にわたって画定された第2遷移領域と、を含む、前記中心に対する回転の複数の領域を前記回転台のまわりに画定するステップと、
前記回転台を回転させるステップと、
前記回転台を回転させながら、前記複数のスポーク要素の各々の前記自由端が、
前記スポーク要素が前記最小距離領域を通って回転するとき、前記最小距離にあり、
前記スポーク要素が前記第1遷移領域を通って回転するとき、前記最小距離から前記最大距離まで増加し、
前記スポーク要素が前記最大距離領域を通って回転するとき、前記最大距離にあり、
前記スポーク要素が前記第2遷移領域を通って回転するとき、前記最大距離から前記最小距離まで減少する、
ように前記複数のスポーク要素の各々を制御するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、求心力差を作り出すための機械システムに関し、より詳細には、偏心経路周りを回転する磁性質量の外向きの力に対向するために、永久磁石と電磁石の組み合わせを使用する回転システムに関する。
【背景技術】
【0002】
求心力は、質量が軸からある距離で軸のまわりに回転するときに生じる。求心力は、質量が直線上を移動しようとする傾向に対向するように作用し、その結果、質量は回転軸まわりの曲線をたどるようになる。求心力を理解することは、多くの科学及び工学的取り組みにとって重要である。求心力は、回転の完全な円形経路を考慮するとき理解するのが比較的簡単であるが、不均衡の影響は、直感的に理解されない。
【0003】
不均衡システムの一例は、振動を引き起こすモバイル通信機器に一般的に使用される偏心カムである。偏心カムは、小さな電気モーターの軸に取り付けられる。振動を引き起こすために、モーターが作動され、カムが軸まわりに回転される。カムの一方側により大きな質量が存在することにより、カムがモーターの軸まわりに回転すると求心力に不均衡が存在し、その結果、振動が生じる。振動は、回転によって引き起こされる力の不均衡から生じる。回転システムにおける力の大きさは、回転される質量並びに角速度の両方に依存する。もちろん、不均衡を引き起こす偏心は、モーターまわりに常に循環して振動を引き起こし、カムのより長いローブは、反対側よりも大きな求心力を引き起こす。
【0004】
求心力の効果の研究は、一般的に偏心カム等の偏心回転質量、又は角速度への影響及び角運動量の保存を調べるために、質量が回転軸に対して引き込まれ或いは引き伸ばされる古典的な「フィギュアスケーター」効果に限定される。しかしながら、ほとんどの装置又はシステムは、回転部分が回転し且つその回転位置によって長さを変化させつつ、偏心が回転の中心に対して固定される固定偏心回転経路の効果を証明するために利用可能ではない。これは、運動、エネルギー、及び熱力学の法則を含む種々の物理現象を証明するために有用である固定求心力差を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上述の先行技術の有する問題を克服することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によると、求心力差を作り出すためのシステムが提供される。本システムは、平面を画定し、中心を有する回転台を含み、回転台は、中心を通過する回転軸が回転台によって画定される平面に垂直であるように、中心を中心として回転する。本システムは、回転軸を中心として半径方向に且つ対称的に、回転台に配置される複数のスポーク要素を更に含み、複数のスポーク要素の各々は回転台の中心に近接する固定端及び固定端と反対にある自由端を有し、自由端は、最小半径距離と最大半径距離との間で移動可能である。回転台のまわりの領域は、複数のスポーク要素の各々の自由端が、スポーク要素が最小半径距離領域を通過するときに、最小半径距離に位置するように制御される最小半径距離領域に画定される。領域は、回転台の中心に対して最小半径距離領域と反対側にある最大半径距離領域も含み、複数のスポーク要素の各々の自由端は、スポーク要素が、最大半径距離領域を通過するときに、最大半径距離に位置するように制御される。領域は、複数のスポーク要素の各々の自由端が、スポーク要素が遷移領域を通過するときに、最小半径距離から最大半径距離まで遷移するように制御される第1側の最小半径距離領域と最大半径距離領域との間の第1遷移領域を更に含む。領域は、スポーク要素が、第1遷移領域を通過した直後に最大半径距離領域を通過するとき、複数のスポーク要素の各々の自由端が、最大半径距離から最小半径距離までである第2側の最小半径距離領域と最大半径距離領域との間の第2遷移領域も含む。本システムは、回転台及び複数のスポーク要素を回転させるように構成される、回転軸上で回転台に接続されるモーターを更に含み、各々のスポーク要素は、回転台の各回転により、最小半径距離領域、第1遷移領域、最大半径距離領域及び第2遷移領域を通って回転するとき、その長さを調整するように作動可能である。
【0007】
更なる特徴によると、
【0008】
更なる特徴によると、本システムは、最小半径距離領域、最大半径距離領域、第1遷移領域、及び第2遷移領域のまわりのフレーム上に配置された複数の磁気素子を更に含む。複数のスポーク要素の各々は、自由端に永久磁石を含み、永久磁石の磁場が、磁気素子の各々の磁場と対向し、複数のスポーク要素の各々の自由端にある永久磁石の間の磁気反発が、複数のスポーク要素の各々の長さを制御するように選択される。
【0009】
更なる特徴によると、最小半径距離領域及び最大半径距離領域における磁気素子は、永久磁石であり、第1遷移領域及び第2遷移領域における磁気素子は、電磁石である。本システムは、回転台の回転と同期して電磁石の各々に電流パルスを提供する分配器を更に含む。
【0010】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素の各々は、回転台が回転するにつれて、スポーク要素の自由端を動かすように作動されるリニアスラスタを含む。
【0011】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素は、回転台の頂部のスポーク要素の頂部セット及び回転台の底部のスポーク要素の底部セットを含む。
【0012】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素は、4対の対向するスポーク要素を備える。
【0013】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素の各々は、自由端において、回転台まわりのフレームのフレーム縁に係合するローラを含む。
【0014】
更なる特徴によると、ローラは、スポーク要素に結合されたバネに取り付けられる。
【0015】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素の各々は、複数の入れ子式部分を有する入れ子式スポーク要素である。
【0016】
更なる特徴によると、本システムは、回転台まわりにフレームを更に備え、フレームは上側フレーム部材、下側フレーム部材、及び上側フレーム部材と下側フレーム部材との間の中間側壁部分を有し、回転台は、上側フレーム部材と下部フレーム部材との間に取り付けられる。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によると、回転台の中心を中心として平面内で回転する回転台及び回転台に取り付けられる複数のスポーク要素を備える、相対的な求心力差を作り出すための装置が提供される。複数のスポーク要素は、回転台の中心を中心として対向する対で配置され、複数のスポーク要素の各々は、回転台の中心に近接する固定端と、回転台の中心から半径方向の線に沿って固定端の反対にある自由端とを有し、自由端は、少なくとも最小距離と最大距離とのでの半径方向の線に沿って固定端に対して移動可能である。本装置は、回転台を回転させるように回転台に結合されるモーターも含む。回転台が回転するとき、複数のスポーク要素の各々の長さは、回転台まわりの領域において、回転台の回転の約180度にわたって画定された、回転台まわりの最小距離領域を通過する間は、最小距離になるように制御される。長さは、最小距離領域正反対にあり、回転の約60度にわたって画定される最大距離領域を通過するとき、最大距離に更に制御される。長さは、回転台の第1側に最小距離領域と最大距離領域との間で回転の約60度にわたって画定された第1遷移領域を通るとき最小距離から最大距離まで増加するように更に制御される。長さは、回転台の第2側に最大距離領域と最小距離領域との間で回転の約60度にわたって画定された第2遷移領域を通るとき最大距離から最小距離まで減少するように更に制御される。
【0018】
更なる特徴によると、本装置は、最小距離領域、最大距離領域、第1遷移領域、及び第2遷移領域のまわりのフレーム上に配置された複数の磁気素子を更に含む。本装置は、自由端において永久磁石を有する複数のスポーク要素の各々も含み、永久磁石の磁場は磁気素子の各々の磁場と対向し、複数のスポーク要素の各々の自由端にある永久磁石の間の磁気反発が、複数のスポーク要素の各々の長さを制御するように選択される。
【0019】
更なる特徴によると、最小距離領域及び最大距離領域における磁気素子は永久磁石であり、第1遷移領域及び第2遷移領域における磁気素子は電磁石である。本装置は、回転台の回転と同期して、各々の電磁石に電流パルスを提供する分配器を更に含む。
【0020】
更なる特徴によると、各々のスポーク要素は、回転台が回転するにつれて、スポーク要素の自由端を動かすように作動されるリニアスラスタを含む。
【0021】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素は、回転台の頂部のスポーク要素の頂部セット及び回転台の底部のスポーク要素の底部セットを含む。
【0022】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素は、4対の対向するスポーク要素を備える。
【0023】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素の各々は、自由端において、回転台まわりのフレームのフレーム縁に係合するローラを含む。
【0024】
更なる特徴によると、ローラは、スポーク要素に結合されたバネに取り付けられる。
【0025】
更なる特徴によると、複数のスポーク要素の各々は、複数の入れ子式部分を有する入れ子式スポーク要素である。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態によると、中心まわりに回転可能な回転台と、回転台上に中心に対して対向する対として配置されるように取り付けられる複数のスポーク要素と、の提供を含む、求心力差を作り出す方法が提供される。複数のスポーク要素の各々は、入れ子式であり、中心に近接して回転台上に取り付けられた固定端及び中心から半径方向の線に沿って固定端の反対にあり且つ最小距離と最大距離との間で移動可能な自由端を有する。本方法は、を含み、複数の領域は、中心まわり約180度にわたって画定された最小距離領域と、最小距離領域と正反対にあり、中心まわり約60度にわたって画定された最大距離領域と、最小距離領域及び最大距離領域の第1側に最小距離領域と最大距離領域との間で約60度にわたって画定された第1遷移領域と、最小距離領域及び最大距離領域の第2側に最大距離領域と最小距離領域との間で約60度にわたって画定された第2遷移領域と、を含む、中心に対する回転の複数の領域を回転台のまわりに画定するステップを更に含む。本方法は、回転台を回転させるステップと、回転台を回転させながら、複数のスポーク要素の各々の自由端が、スポーク要素が最小距離領域を通って回転するとき、最小距離に制御するステップと、スポーク要素が第1遷移領域を通って回転するとき、最小距離から最大距離まで増加されるステップと、スポーク要素が最大距離領域を通って回転するとき、最大距離にあり、スポーク要素が第2遷移領域を通って回転するとき、最大距離から最小距離まで減少されるステップと、をさらに含む。
【0027】
本発明は、差動求心力を作り出すシステム、装置及び方法において体現されるように、本明細書において図示され、説明されるが、それにもかかわらず、種々の変更及び構造変更が、本発明の精神から逸脱することなく、請求項の均等の範囲及び領域内で本明細書内において行われてもよいので、示される詳細に限定されることを意図しない。そのうえ、本発明の例示的な実施形態の周知の要素は、詳細に説明されない或いは本発明の関連する詳細を不明確にしないように、省略される
【0028】
本発明の特徴として考えられるその他の特徴が、従属請求項に記載される。必要に応じて、本発明の詳細な実施形態が、本明細書において開示される。しかしながら、開示される実施形態は、種々の形態において体現され得る、本発明の例示に過ぎないことは理解される。したがって、本明細書において開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、限定的に解釈されず、単に請求項の基礎として且つ事実上任意の適切な詳細構造において本発明を種々に採用するための当業者の1人を教示するため代表的な基礎として解釈される。さらに、本明細書において用いられる用語及び表現は、限定することを意図したものではなく、むしろ、本発明の理解可能な説明を提供することを意図している。本明細書は、新規としてみなされる本発明の特徴を画定する請求の範囲で締めくくられている一方で、本発明は、同様の参照符号が持ち越される、図面と共に以下の説明を考慮することからよりよく理解されるであろうと考えられる。図面の図は、縮尺通りで描かれていない。
【0029】
本発明を開示および説明する前に、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではないことを理解すべきである。単数の用語は、本明細書で使用される場合、1つまたは2つ以上として定義される。本明細書で使用される「複数」という用語は、2つまたはそれ以上と定義される。用語「別の」は、本明細書で使用される場合、少なくとも第2の或いはそれ以上と定義される。本明細書で使用される「含む」および/または「有する」という用語は、備える(すなわち、オープンランゲージ)と定義される。本明細書で使用される「結合される」という用語は、必ずしも直接的ではなく、必ずしも機械的ではないが、接続と定義される。「提供する」という用語は、例えば、物理的存在に在らしめる/もたらす、利用可能にする、および/または誰かまたは何かに、全体または複数の部分で、一度に、または一定期間にわたって供給するなどの本明細書において最も広い意味で定義される。
【0030】
本発明の実施形態の説明において、特に断りのない限り、「上」、「下」、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「前方」、「後方」、「頭部」、「尾部」等の用語によって示される方位角または位置関係は、図面に基づく方位角または位置関係であり、本発明の実施形態の説明を容易にし、説明を簡略化するためのみのものであるが、装置または部品が特定の方位角を有する必要があること、または特定の方位角で構築または作動されなければならないことを示すまたは示唆するものではなく、したがって、本発明の実施形態に対する制限として理解することはできない。さらに、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示すまたは示唆するものとして解釈することはできない。
【0031】
本発明の実施形態の説明において、明確に定義され限定されない限り、用語「設置された」、「結合された」、「接続された」などは広義に解釈されるべきであり、例えば、固定接続されていてもよいし、着脱可能に接続されていてもよく、または一体的に接続されていてもよい。機械的に接続されていてもよく、電気的に接続されていてもよい。直接接続されていてもよいし、中間媒体を介して間接的に接続されていてもよい。本明細書で使用されるように、用語「約」または「およそ」は、明確に示されているか否かにかかわらず、すべての数値に適用される。これらの用語は、一般に、当業者が記載された値と同等と見なす(すなわち、同じ機能または結果を有する)数値の範囲を指す。多くの場合、これらの用語には、最も近い有効数字に丸められた数値が含まれる場合がある。この文献において、用語「縦」は、スポーク要素の細長い方向に対応する方向を意味すると理解されるべきである。当業者は、具体的な状況に応じて、本発明の実施形態における上述の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0032】
添付の図面は、同様の参照符号が、別個の図全体にわたって同一または機能的に類似の要素を指し、以下の詳細な説明とともに明細書に組み込まれ、明細書の一部を形成する場合、種々の実施形態をさらに例示し、種々の原理および利点を全て本発明に従って説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】先行技術による、求心力を作り出すための装置の俯瞰平面図を示す。
図2】いくつかの実施形態による、差動求心力を作り出すための装置の俯瞰平面図を示す。
図3】いくつかの実施形態による、軸を中心として回転する質量によってたどられる回転軸を中心とする偏心経路の線図を示す。
図4】いくつかの実施形態による、偏心経路まわりを回転する質量によって経験される力のグラフを示す。
図5】いくつかの実施形態による、差動求心力を作り出すための装置の俯瞰平面図を示す。
図6】いくつかの実施形態による、差動求心力を作り出すための装置の第1面断面図を示す。
図7】いくつかの実施形態による、差動求心力を作り出すための装置の第2面断面図を示す。
図8】いくつかの実施形態による、求心力に対向するための偏心経路に沿う質量の動きと共に電磁石を選択的に通電させるための分配器を示す。
図9】いくつかの実施形態による、対向するスポーク部材の間の最大値差の一例を示す。
図10】いくつかの実施形態による、回転軸に対して対向する対で配置される複数の入れ子式スポーク要素を示す。
図11】いくつかの実施形態による、それ自体の長さを制御するスポーク要素を用いる求心力差システムの俯瞰平面図を示す。
図12A】いくつかの実施形態による、スポーク要素として使用するための最小伸長状態におけるリニアスラスタを示す。
図12B】いくつかの実施形態による、スポーク要素として使用するための最大伸長状態におけるリニアスラスタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書は、新規としてみなされる本発明の特徴を画定する特許請求の範囲で結論付けられるが、本発明は、同様の参照符号が繰り越される図面と共に以下の説明を考慮してより良く理解されると考えられる。開示される実施形態は、単に本発明の例示に過ぎず、種々の形態で体現され得る。
【0035】
図1は、先行技術による、求心力を作り出すための先行技術装置100の俯瞰平面図である。装置100は、回転軸112から半径方向に延びるいくつかのスポーク要素102を含む。各々のスポーク要素の端部には質量104がある。スポーク要素102の全ては、同一の固定長を有し、各々の質量104の質量は、同一であり、それらは同一の寸法を有する。付加的に、各質量104に作用する求心力は、同一である。スポーク要素102は、矢印110によって示されるように、軸112を中心として回転し、各質量104は、所与の時点について、矢印106によって示されるように、軸112から半径方向外側に求心力をもたらす。求心力は、各質量104を保持するスポーク要素102によって対抗され、結果として、各質量104は、例えば、そのそれぞれのスポーク要素102から外れた場合に起こるような直線状に進み続けるよりも、軸112まわりの円軌道をたどる。各質量104が、同一の大きさを有し且つ軸112から同一の距離に各々配置されるとき、軸112に作用する質量の求心力は、対抗するスポーク要素102及び質量104によって本質的に相殺される。しかしながら、質量の1つがその反対の質量要素よりも重く或いは軽くされた場合、装置の回転中に不均衡が起こるであろう。同様に、1つのスポーク要素がその反対のスポーク要素より長く或いは短くされた場合、力の不均衡が、回転を開始すると同時に起こる。不均衡がある場合、賞味の力が中心から外れ(すなわち、軸112上にない)、本装置は、回転中に不均衡要素の回転に引っ張られ、これは振動を起こし得る。
【0036】
図2は、いくつかの実施形態による、差動求心力を作り出すための装置200の俯瞰平面図である。具体的には、本装置200は、回転軸に対して固定位置にあり且つ回転要素から独立している力のオフセット(相殺)を作り出す。回転台202は、一般的に、円形であり、平面を画定し、本図面で示されるように、図面シートの面と平行になる。回転台202は、中心を有し、この中心を回転軸204が回転台202の平面に対して垂直に通過する。駆動シャフトは、軸204に沿って回転台202に結合され、駆動シャフトを回転させることで、回転台202を駆動シャフトに対応して回転するようになっている。回転台202には、複数の入れ子式スポーク要素206が取り付けられている。各スポーク要素206は、回転軸近くに配置された第1端部と、回転軸に対して回転台202上で半径方向に整列される細長い胴体部とを有する。本明細書で示されるように、4組(4対)の対向するスポーク要素206がある。
【0037】
スポーク要素206の各々は、入れ子式であり、回転台202に取り付けられ固定された基部207と、回転軸204から外側に延びる半径方向の線に沿って基部に対して動く少なくとも1つの可動部とを有する。本明細書で示されるように、各々のスポーク要素206は、基部207、中間入れ子式部分209、及び回転軸204から最も遠い遠位端に質量208を有する遠位入れ子式部分211を有する。中間及び遠位部分209,211は、互いに且つ基部207に対して摺動するか、あるいはその他の方法で動き、互いに入れ子になる。ローラ及び溝構成は、例えば、中間部分209が基部207の内側の溝上を転がるローラに取り付けられるように用いることが可能であり、遠位部分211は、中間部分209と類似の相互連結を有すことができる。付加的に、回転台202が回転すると、入れ子式部分(例えば、209,211)は、求心力に応じて外側に動かされるであろう。遠位部分211の端部は、求心力の効果を更に増大させる永久磁石で構成された質量208を含む。
【0038】
偏心形状で回転台202を囲み、回転台202まわりのフレームに取り付けられるのは、永久磁石210及び電磁石212を含む複数の磁気素子である。偏心形状は、回転軸204に対して一定の半径で回転台まわりの一方側に半円を含み、回転台の他方側で磁気素子が非円形経路をたどり、非円形経路は、回転軸204からより大きい距離に弧状部分及び遷移領域を有する。磁気素子は、各々の入れ子式スポーク要素206の遠位端の永久磁石208に対して反対の極性を有するように配置される。磁気素子の磁力(反発)は、回転台202の選択された角速度において、永久磁石208に作用する求心力と等しく且つ相殺するように選択される。かくして、回転台202が回転するとき、求心力は、各スポーク要素の永久磁石208を回転軸204から離れる外側に動かそうとする。永久磁石208が磁気素子210,212を通過するときに、永久磁石208と磁気素子210,212との間で起こる磁気反発力は、永久磁石208に作用する求心力の効果と対向し相殺する。磁気素子210,212が回転軸からさらに遠い場合、スポーク要素206の入れ子式構成は、永久磁石が回転軸204からさらに遠くに延びることを許容する。全ての永久磁石208が、同一の角速度で動くので、回転軸からさらに遠く離れた永久磁石は、大きな求心力を受け、結果として、永久磁石208が通過するとき、磁気素子210,212により多くの力が作用する。かくして、図2で示される特定の構成において、回転台が、動き且つ回転していたとすると、永久磁石214は、回転軸204の反対側で回転軸204からより短い距離を移動する永久磁石216より多くの求心力が作用する。従って、磁気素子が、通過する永久磁石208に完全に反発するように構成される場合、永久磁石216に隣接する磁気素子に対してよりも多くの力が、永久磁石214に隣接する磁気素子に作用する。磁気素子210,212は、スポーク要素が磁気素子210,212を通過するときに、スポーク要素の自由端の伸長を制御するように構成或いは選択される。
【0039】
磁気素子210,212の内、磁気素子210は、永久磁石208に作用する求心力に対抗するのに十分な磁界強度を有するように選択され、回転軸204から実質的に一定の半径を有する領域に用いられる。電磁石212は、回転軸204までの半径が領域に沿って変化する遷移領域において用いられる。電磁石212は、各永久磁石208が接近し通過するときに作動し、回転台204の角速度と共に変化し得る反発磁界を作り出す。磁気素子210,212は、回転軸に面するように方向付けられているが、減少する半径遷移領域の始まりにおいて、磁気素子は、回転軸204からわずかに離れるように角度付けられ得る。
【0040】
図3は、いくつかの実施形態による、図2のように、軸を中心として回転される質量がたどる、回転軸(例えば、204)を中心とする偏心経路300の図である。経路は、垂直軸301及び垂直軸301に対して垂直である水平軸304の上にマッピングされている。軸301,304は、第1象限307、第2象限308、第3象限306、及び第4象限305を含む4つの象限を作り出す。経路300は、第3及び第4象限306,305内の半円302をたどり、半円302は、回転軸(例えば、204)を表す軸301,304が交わる中心303から半径318を有する。かくして、半円302は、第3及び第4象限306,305内のいずれにおいても中心303から同一の距離だけ離れており、最小半径距離領域、又は単に最小距離領域である。半円302の最小距離領域において、スポーク要素は、最小距離構成にあり、スポーク要素の自由端が回転の中心303(例えば、回転台の中心)に対して完全に引き込まれることを意味する。最小距離領域は、約180度の回転、+/-3%にわたって画定される。
【0041】
第1象限307において、経路は、第1遷移領域又は第1遷移部分310をたどり、中心303を中心とする反時計回りの方向の移動を想定すると、中心からの半径は、半円302の半径より大きい半径を有し得る弧状部分312まで増加する。第1遷移領域310において、各スポーク要素の自由端は、伸びるように制御され、最小距離から最大距離まで長さを増加させる。最大距離領域312は、半円302の最小距離領域と正反対にある。最大距離領域312において、スポーク要素は、中心303から最大距離にその自由端を有するように制御される。つまり、スポーク要素が最大距離領域を通って回転するとき、スポーク要素の自由端は、一定であり、最大伸長又は距離にある。第1遷移領域310は、最大及び最小距離領域(例えば、312,302)の第1側にあり、水平軸304から約60度のように、第1象限307の一部を通って延びる。最大距離領域312は、垂直軸301の両側の約30度、又は回転の約60度でその長さに沿って一定の半径を有し得る。いくつかの実施形態において、最大距離領域312は、頂部316において、中心303からピーク半径を有し、中心303から変化する距離を有し得る。第2遷移領域314は、最大及び最小距離領域の第2側にある。第2遷移領域314において、スポーク要素の自由端は、最大距離から最小距離まで減少するように制御される。第2遷移領域314は、中心303を中心とする回転の約60度にわたって画定され得る。したがって、永久磁石208が回転するとき、永久磁石208は、中心303に対して配置される場所(例えば、それらの距離)に応じて異なる大きさの求心力を経験し、求心力は、中心303からの永久磁石の距離及び回転速度に比例する。磁気素子210,212が、偏心回転経路に沿って設けられる場合、力が、それらの磁気素子210,212に伝達される。本明細書で見られるように、回転経路は、y軸316に対して対称であり、x軸304に対して非対称であり、スポーク要素の自由端のための偏心回転経路をもたらす。回転台が回転する間、種々の領域が、中心303の周りの固定位置に画定される。
【0042】
図4は、いくつかの実施形態による、偏心経路まわりを回転する質量が受ける力の図400である。特に、経路は、図2及び図3において示される経路であり得る。図400は、水平軸402及び垂直軸404を示す。水平軸は、回転角度を示し、一方で、垂直軸404は、回転によって作り出される力の相対的な大きさを示す。図400は、図3の4つの象限に対応する4つの象限を有する。かくして、第3及び第4象限において、半円に沿って、半径が一定であるので、半円に沿って回転する質量に作用する力は、線408によって示されるように、一定である。力の大きさは、水平軸402からの距離によって表される。水平軸402の側(上側又は下側)は、全求心力が半径方向であるので、問題ではない。図400は、第1及び第2象限(水平軸402より上側)における力を第3及び第4象限(水平軸402より下側)の力から分離している。第1及び第2象限において、経路300に沿って回転する質量が受ける求心力は、線410によって表され、回転の中心からの質量(例えば、永久磁石208)の半径方向距離が、第1及び第2象限を通して変化するため、この求心力は変化し、垂直線406によって表される約90度でピーク412を有する。見られるように、力の差が作り出される。この効果は、偏心が周囲環境に対して固定され、回転する質量が偏心経路に沿って動くことを除いて、軸を中心として回転する偏心カムによって、作り出されるものと違わない。求心作用から生じる力は、経路及び回転台を囲み且つ回転台が取り付けられる構造に固定された磁気素子210,212に伝達される。偏心経路に沿って回転する永久磁石208から生じる力は、偏心経路まわりの種々の位置に作用する異なる力を証明するために、例えば、ひずみゲージなどを用いて、磁気素子210,212の各々において測定され得る。
【0043】
図2の実施形態において、4つの対向する組(対)で配置された8つのスポーク要素が示される。図9は、対向する1組(対)のスポーク要素206の例を示す。第1スポーク要素900は、伸ばされた構成において示され、対向する第2スポーク要素は、折りたたまれた構成である。第1スポーク要素900は、例えば、偏心経路の+90°位置(例えば、図3の316)にあることができ、したがって、第2のスポーク要素は、偏心経路の-90°位置(例えば、図3の318)にあるであろう。第1のスポーク要素900は、基部906と、中間入れ子式部分908と、遠位入れ子式部分910と、を含む。遠位入れ子式部分910の遠位端には、永久磁石912がある。同様に、第2のスポーク要素902は、基部914を含み、中間部分が基部914内に完全に折りたたまれていて(図示せず)、遠位部分916は、基部914内に完全に折りたたまれていないとしても、大部分が折りたたまれている。遠位部分916は、遠位部分916が存在することを示すためだけにここに部分的に示されており、実際の動作にあるような、この部分の明確な位置を示していない。遠位部分916の遠位端には、永久磁石918がある。第1スポーク要素900は、回転軸904を中心として第2スポーク要素902と向かい合わせに配置される。スポーク要素900,902の両方は、回転軸904から外側に延びる対向する半径方向線に沿って配置される。回転軸904を中心とする回転は、図面の平面において、角速度ωで起こる。偏心経路に対してスポーク要素900、902がこれらの位置である場合、第1のスポーク要素900は、完全に伸ばされ、永久磁石912を回転軸904から距離920に配置する。第2のスポーク要素902は、完全に折りたたまれ、回転軸904から距離922に永久磁石918を配置し、距離920は距離922よりもかなり大きい。両方の永久磁石912、918は同じ角速度で移動するので、永久磁石912、918が同じ質量を有するとすると、永久磁石912に作用する第1の力924は、回転中に永久磁石918に作用する力926よりも大きくなる。結果として、回転軸904から見た正味の力は、第1スポーク要素900の方向にある。
【0044】
図10は、対向する組で配置された8つのスポーク要素の配置を示し、図3の偏心経路上に投影される。かくして、半径方向線1008上の位置1002にあるスポーク要素は、半径方向線1006に沿う位置1004にあるスポーク要素と対向する。半径方向線1014上の位置1010にあるスポーク要素は、半径方向線1016に沿う位置1012にあるスポーク要素に対向する。半径方向線1022上の位置1018にあるスポーク要素は、半径方向線1024に沿う位置1020にあるスポーク要素に対向する。半径方向線1030上の位置1026にあるスポーク要素は、半径方向線1032に沿う位置1028にあるスポーク要素と対向する。スポーク要素の各々は、スポーク要素の遠位端に永久磁石208を有する入れ子式スポーク要素であり、永久磁石の全ては、実質的に同じ質量を有する。位置1004、1012、1020、1026、および1028にあるスポーク要素は、すべて完全に折りたたまれた(最も短い)構成である。図10に示された図が、回転軸1034を中心とするスポーク要素の回転中の瞬間であると仮定すると、永久磁石208の全ては求心力を受け、その結果、永久磁石が偏心経路をたどることになる。各永久磁石に作用する力のベクトルは、方向と大きさが移動するにつれて変化する。図1の先行技術の構成において、力は、質量104をスポーク要素102に対して引っ張るスポークの腕によって提供される。
【0045】
図2の発明の構成において、図10において同様に示されるように、力は、スポーク要素の永久磁石質量と偏心経路まわりに配置された磁気素子との間の磁気反発によって提供される。図2の装置は、適切な基準フレーム内で、どのように正味の力の不均衡が回転の偏心経路上で起こるのかを説明している。例えば、位置1026及び1028において、対向するスポーク要素は、完全に折りたたまれるか、又は、そうでなければ、スポーク要素の端部の質量が回転軸1034から等距離にあるような構成にある。結果として、これらの位置にある質量(すなわち、永久磁石)に作用する力は、等しく、逆向きであり、互いに相殺する。位置1010及び1012において、同様に位置1018及び1020において、位置1010及び1018にある質量は、位置1012及び1020にある対向する質量よりも回転軸1034から遠くに配置されている。結果として、位置1010及び1018にある質量に作用する力は、位置1012及び1020にあるそれらの質量に作用する力よりも大きくなる。これらの力は、半径方向線1014,1022と1016,1024のそれぞれに沿って向けられるが、これらの力は、位置1002及び1004を通るy軸と、位置1026及び1028を通る垂直なx軸を有する、回転軸1034を通る直交軸に沿う成分に分解可能である。位置1010,1018にある力は、位置1012,1020にある力よりも大きいので、y軸に沿う正味の力が存在する。位置1002及び1004にある質量が、位置1002及び1004にある瞬間にx軸の力の成分を有していないことを除き、これらの質量にも同じことが当て嵌まり、y軸に沿う正味の力のみが存在する。スポーク要素が回転して偏心経路をたどるとき、y軸に沿って配置される正味の力のオフセットを有する、回転軸1034に対する力の差が常に存在することになる。これらの力は、例えば、磁気素子210,212の各々において、回転軸に対する偏心又はオフセット経路に沿って対向する質量を回転させる効果を説明するために、測定及び比較することができる。これは、もちろん、磁気素子210,212が、回転軸及び回転台202に対して所定の位置に固定されることを想定している。すなわち、回転台202を保持する構造は、磁気素子を保持する構造に固定される。本明細書で説明されるように、「正味の力」は、回転する質量に対するものである。もちろん、他の反力は全体システムにおいて発生する。
【0046】
図5は、いくつかの実施形態による、差動求心力を作り出すための装置500の俯瞰平面図である。装置は、図2に示されるものと実質的に類似又は同一であり得るが、本明細書で示さている付加的な特徴を有する。図6は、線A-Aにおける装置500の側面断面図を示し、図7は、線B-Bにおける装置500の側面断面図を示す。図6-7で見られるように、装置500は、積み重ねられた関係にある上部及び下部要素を含む。つまり、例えば、図5において、スポーク要素206が示されているところは、鏡像関係にある上部及び下部の同一要素が見られる。
【0047】
遠位部の遠位端には、永久磁石208に加えて、偏心経路のまわりの壁506またはトラックを支持するローラ502がある。ローラ502は、スポーク要素206の遠位部分211に取り付けられた別のリニアベアリングに対して摺動するリニアベアリング503に取り付けられている。ローラ502及びリニアベアリング503は、中間部分209上の固定ブラケット505に取り付けられたバネ504に結合されている。ローラ502及びバネ504は、回転中にスポーク要素206の永久磁石208が別個の磁気素子210、212を通過するとき、振動を軽減する。(回転軸204から外側を向いている)外面に沿う永久磁石208の形状は、振動をさらに軽減し、偏心経路の遷移領域(例えば310、314)における隙間を許容するために、凸状または円弧状である。ローラ502はまた、磁気素子210、212が故障した場合、または回転台202の角速度が最適範囲にない場合に、永久磁石を方向づけるのを助けることができる。さらに、電磁石212を給電/起動するためのワイヤ508があることが見られる。
【0048】
図6-7において、2つの側面断面図が示される。図6は、線A-Aに沿って見たときの装置500を示し、図7は、線B-Bに沿って見たときの装置500を示す。かくして、図6において、+90度,-90度の位置にあるスポーク要素206は、それぞれ完全に伸長され,完全に折りたたまれていることが示されている。ここで示されるように、整合され、又は、オフセットされ得るスポーク要素の上段セット及びスポーク要素の下段セットがある。図7において、スポーク要素206の両方は、スポーク要素が0度及び180度の位置にあるので、完全に折りたたまれて示されている。モーター602は、台603上に設けられ、回転軸204を画定する軸を有する駆動シャフト604を駆動する。駆動シャフト604は、回転台202に、直接的に或いは間接的に結合され、それによって、回転台及びスポーク要素を回転させる。台603は、装置500の頂部を覆うことができる上部フレーム部材606上に取り付けられ、上部構造部を形成する。上部フレーム部材606の外周まわりには、上部側壁部分616が、ボルトなどで、取り付けられている。上部側壁部分は、中間側壁部分618の頂部に取り付けられ、磁気素子210,212は、中間側壁部分内に配置されている。同様に、中間側壁部分618は、下部側壁部分614の頂部に取り付けられ、下側側壁部分は、装置500の底部を横切って水平に延び且つ固定具上にさらに取り付けられ得る下部フレーム部材608上に取り付けられている。
【0049】
回転台202は、各スポーク要素206の固定部分207に結合される。回転台202は、装置500の上側部分を下側部分から分割する。回転台202より上の上側部分及び回転台202より下の下側部分の両方は、その遠位端に永久磁石208を有する複数のスポーク要素206及び回転軸204を中心とする偏心経路周りに配置された複数の磁気素子210,212を有する。本例において、上側及び下側部分におけるスポーク要素は、数において同一であり、位置において対応(垂直に)し、同一の寸法を有する。これにより、上側及び下側部分のスポーク要素206は、回転台の上方及び下方において互いに鏡像構成で配置されている。中間側壁部分616は、それぞれの上側及び下側スポーク要素206の永久磁石208と同じ高さになるように配置された磁気素子210,212の上側及び下側セットを保持する。ローラ502は、上側及び下側側壁部分616,614の内側垂直壁にそれぞれ支持される。
【0050】
スポーク要素206の固定部分207は、回転台202に結合されることに加えて、その両側において軸受インターフェース部材に結合され、上側部分におけるスポーク要素206は、上側軸受インターフェース部材622に結合され、下側部分におけるスポーク要素206は、下側軸受インターフェース部材626に結合されている。上側軸受インターフェース部材622は、上側フレーム部材606に結合された上側回転台軸受610に更に結合されている。駆動シャフト604は、上側回転台軸受610の中心を通過している。同様に、下側軸受インターフェース部材626は、下側回転台軸受612に更に結合され、これは下側フレーム部材608にさらに結合されている。上側及び下側回転台軸受610,612は、周知のように、互いに回転する2つの部分と、その2つの部分の間のローラ軸受インターフェースと、を有する。
【0051】
駆動軸604は、回転台組立体を通り、下側回転台軸受612を通り、分配器620まで延び、電極素子を回転させて順番に電磁石212の各々に電流を分配する。かくして、スポーク要素と共に回転し、順次に一連の電極の各々と接触する、スポーク要素206の各セット(上側及び下側)のための電極があり、一連の電極の各々は、電磁石212の1つに結合される。図8は、いくつかの実施形態による、偏心経路に沿う質量の移動と連動して、これら質量の求心力に対向するため、電磁石212を選択的に励磁するための分配器620を示す。図800において、分配器620は、分配器620をより明確に示すために、回転台202の下から取り外されて示されている。8つのスポーク要素206があるので、電極800は、8つのアームを有し、各アームはスポーク要素206(又は上側及び下側スポーク要素の組)の1つに対応する。電極800周りには、個々の接触ワイパーを有する2つの接点セット801A及び801Bがあり、各々が、電磁石212の1つに対応し、ワイヤグループ802,804内のワイヤによって、その対応する電磁石に接続されている。各電極アームが、接触ワイパーを通過すると、電極アームの遠位先端は、接触ワイパーに接触し、回路を瞬間的に完成させ、対応する電磁石212に電流を提供する。
【0052】
電磁石212は、遷移部分310,314において使用され、図3において定義される弧状部312又は第3及び第4象限の半円302においてと同様に、これら質量208が非完全な接線経路を移動するように永久磁石質量208の各々がそれぞれの電磁石212を通過するとき、磁界の強さを変化させる。すなわち、領域302及び312において、質量208が中心204に対して一定の半径を有するので、質量208は、永久磁石210に対してほぼ接線方向に移動するが、遷移部分310,314において、中心204に対する質量208の半径は、変化している。質量208が電磁石212の1つに向かって動くと、半正弦波電流又は矩形波が電磁石212に印加され、質量208の非接線方向の動きを考慮した磁束の大きさを有する磁場を時間内に作り出すが、これは、質量208が電磁石212を通過するときに、電磁石212の位置における静磁場が、質量208内により大きな振動を生成するということが判明したからである。各電磁石212に提供される電流パルスは、質量208が電磁石212と共に直接整列(中心合わせ)されるときに、最高値になるように時間合わせされる。
【0053】
かくして、永久磁石が一定の磁束の大きさを有する永久磁場を有するので、電磁石は遷移部分において用いられる。そうであるので、永久磁石が遷移部分におけるフレーム上で用いられた場合、フレーム磁石210と回転質量磁石208の磁場は、互いに相互作用することになる。この相互作用は、回転軸からの異なる距離によって作り出されるx軸の上方及び下方の領域の間の求心力差により、正味のゲインを相殺することになる。電磁石によって作り出される磁場は、回転質量磁石が電磁石に面している(又は直交する)ときにのみ起動され、回転質量磁石が電磁石に面していない(又は直交しない)とオフなる。この配置は、相殺する力を排除し、かくして、正味のゲインを作り出す。
【0054】
図11は、いくつかの実施形態による、それ自体の長さを制御するスポーク要素を用いる求心力差システム1100の俯瞰平面図を示す。すなわち、スポーク要素の自由端が自由に動くスポーク要素の高さレベルにおいて、回転台1126まわりのフレーム上に配置された磁気素子を用いて、その長さを制御するのではなく、リニアスラスタなどの、自己調整スポーク要素が等価的に採用され得るということが企図される。ここで、スポーク要素1102,1108,1110,1112,1114,1116,1118及び1120は、全てリニアスラスタであり、基部1106及び直線上を動くリニア移動部分1104を有する。各スポーク要素1102,1108,1110,1112,1114,1116,1118及び1120の移動部分は、第1位置(例えば、最小距離又は最小伸長)と第2位置(例えば、最大距離又は伸長)との間で移動部分を動かすように作動可能である基部内に取り付けられたモーターによって制御される。スポーク要素1102,1108,1110,1112,1114,1116,1118及び1120は、各々の移動部分が中心1122から延びる半径方向線に沿って動くように、配置される。回転台1126が回転すると(すなわち、矢印1124の方向に)、スポーク要素1102,1108,1110,1112,1114,1116,1118及び1120の各々は、最小距離位置と最大距離位置との間でそれぞれの移動部分の伸長を制御する。ここで示されるように、スポーク要素1112,1114,1116,1118及び1120は、最小距離領域にあり、これらのスポーク要素の各々の移動部分(例えば、自由端)は、同一の最小距離又は最小伸長に引き込まれている。スポーク要素1102は、最大距離領域にあり、且つ完全伸長にある。スポーク要素1108及び1110は、それぞれ第1及び第2遷移領域にある。かくして、スポーク要素1108は、その移動部分を、スポーク要素1120によって占められた位置にあったときの最小距離位置から、外側に向けて最大距離位置まで延びつつある。同様に、スポーク要素1110は、スポーク要素1112が現在示される回転の点に到達するときに、最小位置になるように、その移動部分を最大から最小位置まで引き込みつつある。
【0055】
図12A及び12Bは、いくつかの実施形態による、スポーク要素として使用するための、それぞれ最小及び最大伸長状態にあるリニアスラスタ1200を示す。リニアスラスタ1200は、回転台などの構造に取り付けられ得る基部1202と、自由端1208を有する移動部分1204とを含む。移動部分は、線形的に基部1202内を動き、基部1202内のトラック又は他のガイド構造上にあり得る。モーター1206は、例えば、スプロケットの回転が移動部分1204の直線運動に変換されるように、線形部分1204内の歯付きトラックに係合するスプロケットなどによって、移動部分1204に動きを付与するように用いられる。リニアスラスタ1200の一例は、ALLEN-BRADLEY社によって製造され、LDAT SERIES INTEGRATED LINEAR THRUSTERという名称で販売されているものであり得る。図12Aにおいて、リニアスラスタ1200は、引き込まれた構成、或いは最小距離構成において示され、図12Bにおいて、リニアスラスタ1200は、伸長位置にある。すなわち、移動部分1204は、完全に伸長され、或いは所与の適用のために、少なくとも最大伸長にある。複数のリニアスラスタ1200は、図11において示されるようなスポーク要素として配置され、各リニアスラスタの自由端が図3の偏心経路をたどるように、回転を通してそれらの位置に基づいて移動部分を伸長/引き込むように制御される。
【0056】
それゆえに、リニアスラスタの利用は、図1のような磁気素子及びスポーク要素の永久磁石質量を用いるものと類似の結果を達成し得る。電気リニアスラスタモーターは、図1の入れ子式スポーク要素と置き換え可能であり、作動アームの自由端において自重を有する。そのような構成において、電気リニアスラスタモーターは、磁石を用いるシステムのスポークと同様に構成することができる。電気リニアスラスタモーターは、その自由端が、磁気システムにおいてと同様に、偏心経路をたどるようコンピュータ制御され得る。そのようなシステムにおいて、全ての力は、回転する回転台に伝達される。リングトルクモーターは、このシステムにおいて使用可能であり、回転の中心軸にスリップリングを設置するのに必要なスペースを許容する。スリップリングは、電気リニアスラスタモーターを作動するために必要な電力及びデータを伝達するために使用可能である。このシステムの利点は、特別に設計された電気スラスタモーターを使用し、モーターが外向きの力を発揮する遷移象限(すなわち、第1遷移領域)にあるときに電気を作り出し、回転軸に向かって質量を引っ張るのが必要な象限において(すなわち、第2遷移領域において)、電気を消費することである。このシステムは、回転のために必要な電力のみを必要とし、理論的には、電気的及び機械的損失がないとゼロになる。
【0057】
かくして、開示されたシステム、装置及び方法は、求心力の差に基づく相対的な力の相殺(オフセット)を作り出すために用いられ、どのようにそのような差がシステムに影響を与えるのか、及びどのように用いることができるのかを説明する。求心力の差は、システムの一部において明白且つ測定可能であり、システムにおける教育的価値は、力の正味の効果を説明することにある。
【0058】
本明細書に添付された特許請求の範囲は、本発明の範囲および精神内での全ての修正および変更をカバーすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】