(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】清掃ロボットおよびその制御方法、装置、電子機器、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A47L 11/282 20060101AFI20240822BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240822BHJP
G05D 1/648 20240101ALI20240822BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A47L11/282
G05D1/43
G05D1/648
A47L9/28 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507169
(86)(22)【出願日】2022-08-16
(85)【翻訳文提出日】2024-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2022112776
(87)【国際公開番号】W WO2023020490
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】202110944064.7
(32)【優先日】2021-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523065214
【氏名又は名称】北京石頭創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Roborock Innovation Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 1201, Floor 12, Building 3, Yard 17, Anju Road, Changping District, Beijing 102206, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】王 逸星
(72)【発明者】
【氏名】牛 延升
(72)【発明者】
【氏名】叢 一鳴
(72)【発明者】
【氏名】韓 馨宇
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DE01
3B057DE06
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG06
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG17
5H301LL01
(57)【要約】
本開示の実施例は、清掃ロボットおよびその制御方法、装置、電子機器、記憶媒体を開示し、該制御方法は、まず清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得することと、前記検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することと、を含む。これにより、本方法は、いくつかのモップ掛けモードを採用するのに適していないあるシーンにおいて、モップ掛けモードを自動的に停止させ、清掃ロボットの作業の信頼性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行する場合、前記清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得することと、
前記検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することと、を含む、ことを特徴とする清掃ロボットの制御方法。
【請求項2】
前記清掃ロボットの検出情報は、清掃すべき領域の表面に対する前記清掃ロボットのピッチ角を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記ピッチ角がゼロでない場合、前記モップ掛けアセンブリの作業を停止するように制御するか、または前記モップ掛けアセンブリの作業を停止して持ち上げるように制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記清掃ロボットの検出情報は前記清掃ロボットによって検出された障害物情報を含み、前記障害物情報は前記清掃ロボットと前記障害物との距離を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記清掃ロボットと前記障害物との距離が第1プリセット距離以下である場合、前記モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記障害物情報は前記障害物のサイズをさらに含み、
前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、
前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下であるかどうかを判定し、前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下である場合、前記清掃ロボットの清掃アセンブリを下降させて作動させ、前記障害物を除去するように制御し、前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下でない場合、前記清掃ロボットが前記障害物を迂回するように制御することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記清掃ロボットの清掃アセンブリを下降させて作動させ、前記障害物を除去するように制御した後、
前記清掃ロボットを折り返させて前記モップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置に戻るように制御することと、
前記清掃アセンブリを持ち上げて前記モップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域のモップ掛けを継続するように制御することと、をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記清掃ロボットが前記障害物を迂回するように制御した後、
前記モップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域のモップ掛けを継続するように制御することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記清掃ロボットの検出情報は、前記清掃ロボットの現在走行経路情報を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記現在走行経路情報は、前記清掃ロボットが一つの清掃すべきサブ領域から別の清掃すべきサブ領域に進入することを示す場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記モップ掛けアセンブリはモップ掛けローラブラシを含み、前記清掃ロボットの検出情報は前記清掃ロボットによって検出された床面媒体情報を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記床面媒体情報がモップ掛け禁止物媒体情報とマッチングしない場合、前記モップ掛けローラブラシの電流値を取得することと、
前記モップ掛けローラブラシの電流値がプリセット電流値以上であり、かつ持続時間が第1プリセット時間以上である場合、前記モップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、
前記モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値を取得することと、
前記モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値が前記プリセット電流値以上であり、かつ持続時間が第2プリセット時間以上である場合、前記清掃ロボットの警報装置が警報を発するように制御することと、
前記モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値が前記プリセット電流値よりも小さい場合、第3プリセット時間を経過した後、前記モップ掛けローラブラシを下降させ、前記モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値を取得するように制御し、前記モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値が前記プリセット電流値以上である場合、前記モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値が前記プリセット電流値よりも小さくなるまで、前記モップ掛けローラブラシを制御して上記昇降のステップを繰り返すことと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記清掃ロボットの状態情報は前記清掃ロボットの現在走行モードを含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記走行モードが脱出モードである場合、前記モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、
前記清掃ロボットの脱出動作が終了した場合、前記清掃ロボットのリアルタイム位置を取得することと、
前記リアルタイム位置と前記モップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間の距離を決定することと、
前記リアルタイム位置と前記モップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間の距離が第2プリセット距離以上である場合、前記モップ掛けアセンブリを下降させるように制御することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行する場合、清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得するように構成される取得モジュールと、
前記検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御するように構成される判定モジュールと、を備える、清掃ロボットの制御装置。
【請求項13】
走行アセンブリ、モップ掛けアセンブリおよびコントローラを備え、
前記コントローラは、請求項1~11のいずれか1項に記載の清掃ロボットの制御方法を実行するように構成される、清掃ロボット。
【請求項14】
プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリは少なくとも1つの実行可能指令を記憶するために使用され、前記実行可能指令は、前記プロセッサに請求項1~11のいずれか1項に記載の清掃ロボットの制御方法のステップを実行させる、電子機器。
【請求項15】
コンピュータプログラム指令が記憶され、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサによって呼び出され実行されると、請求項1~11のいずれか1項に記載の清掃ロボットの制御方法のステップが実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2021年8月17日に出願された中国特許出願第202110944064.7号の優先権を主張し、上記の中国特許出願に開示された内容は本願の一部として全体が引用される。
【0002】
本開示は、ロボット制御の分野に関し、具体的に、清掃ロボットおよびその制御方法、装置、電子機器、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、社会経済の発展及び家庭の生活レベルの向上に伴い、家庭の掃除は徐々にインテリジェント化及び機械化の時代に入り、その時代に応じて生まれた清掃ロボットは、人々を家庭の掃除作業から解放することができ、家庭の掃除における人々の作業負担を効果的に軽減し、家庭の掃除過程における人々の疲労度を緩和することができる。
【0004】
既存の清掃ロボットは、清掃すべき領域を清掃することに加えて、清掃すべき領域をモップ洗浄することもでき、すなわち、清掃ロボットは掃除モードおよびモップ掛けモードを有し得る。清掃装置がモップ掛けモードで作動する場合、清掃ロボットは、清掃ロボットの底部に設けられたモップ掛け布を制御して該領域をモップ掛けて清掃することができる。
【0005】
しかしながら、例えばカーペット領域のようないくつかのモップ掛けモードを採用するのに適していないシーンにおいて、カーペットがモップ掛け布で濡れて、カーペットが損傷する可能性がある。しかし、既存の清掃ロボットはモップ掛けモードを自動的に停止することができないので、清掃ロボットの作業の信頼性が低いという問題がある。
【発明の概要】
【0006】
簡略化された形態の一連の概念が開示の概要のセクションで導入され、これらは具体的な実施形態のセクションでさらに詳細に説明される。本開示の開示内容は、特許請求の範囲に記載された技術的解決策の主要な特徴および必要な技術的特徴を限定することを意図するものではなく、ましてや、特許請求の範囲に記載された技術的解決策の保護範囲を決定しようとするものではない。
【0007】
第1態様によれば、本開示の実施例は清掃ロボットの制御方法を提供し、前記清掃ロボットの制御方法は、
前記清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行する場合、清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得することと、
前記検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することと、を含む。
【0008】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットの検出情報は、清掃すべき領域の表面に対する前記清掃ロボットのピッチ角を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記ピッチ角がゼロでない場合、前記モップ掛けアセンブリの作業を停止するように制御するか、または前記モップ掛けアセンブリの作業を停止して持ち上げるように制御することを含む。
【0009】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットの検出情報は前記清掃ロボットによって検出された障害物情報を含み、前記障害物情報は前記清掃ロボットと前記障害物との距離を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記清掃ロボットと前記障害物との距離が第1プリセット距離以下である場合、前記モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む。
【0010】
いくつかの実施可能な形態では、前記障害物情報は前記障害物のサイズをさらに含み、
前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、
前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下であるかどうかを判定し、前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下である場合、前記清掃ロボットの清掃アセンブリを下降させて作動させ、前記障害物を除去するように制御し、前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下でない場合、前記清掃ロボットが前記障害物を迂回するように制御することをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットの清掃アセンブリを下降させて作動させ、前記障害物を除去するように制御した後、
前記清掃ロボットを折り返させて前記モップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置に戻るように制御することと、
前記清掃アセンブリを持ち上げて前記モップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域のモップ掛けを継続するように制御することと、をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットが前記障害物を迂回するように制御した後、
前記モップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域のモップ掛けを継続するように制御することをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットの検出情報は前記清掃ロボットの現在走行経路情報を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記現在走行経路情報は、前記清掃ロボットが一つの清掃すべきサブ領域から別の清掃すべきサブ領域に進入することを示す場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む。
【0014】
いくつかの実施可能な形態では、前記モップ掛けアセンブリはモップ掛けローラブラシを含み、前記清掃ロボットの検出情報は、前記清掃ロボットによって検出された床面媒体情報を含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記床面媒体情報がモップ掛け禁止物媒体情報とマッチングしない場合、前記モップ掛けローラブラシの電流値を取得することと、
前記モップ掛けローラブラシの電流値がプリセット電流値以上であり、かつ持続時間が第1プリセット時間以上である場合、前記モップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御することと、を含む。
【0015】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、
前記モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値を取得することと、
前記モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値が前記プリセット電流値以上であり、かつ持続時間が第2プリセット時間以上である場合、前記清掃ロボットの警報装置が警報を発するように制御することと、
前記モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値が前記プリセット電流値よりも小さい場合、第3プリセット時間を経過した後、前記モップ掛けローラブラシを下降させ前記モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値を取得するように制御し、前記モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値が前記プリセット電流値以上である場合、前記モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値が前記プリセット電流値よりも小さくなるまで、前記モップ掛けローラブラシを制御して上記昇降のステップを繰り返すことと、をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットの状態情報は前記清掃ロボットの現在走行モードを含み、
前記検出情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することは、
前記走行モードが脱出モードである場合、前記モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む。
【0017】
いくつかの実施可能な形態では、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、
前記清掃ロボットの脱出動作が終了した場合、前記清掃ロボットのリアルタイム位置を取得することと、
前記リアルタイム位置と前記モップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間の距離を決定することと、
前記リアルタイム位置と前記モップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間の距離が第2プリセット距離以上である場合、前記モップ掛けアセンブリを下降させるように制御することと、をさらに含む。
【0018】
第2態様によれば、本開示の実施例は清掃ロボットの制御装置を提供し、前記清掃ロボットの制御装置は、
前記清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行する場合、清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得するように構成される取得モジュールと、
前記検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御するように構成される判定モジュールと、を備える。
【0019】
第3態様によれば、本開示の実施例は清掃ロボットを提供し、走行アセンブリ、モップ掛けアセンブリおよびコントローラを備え、
前記コントローラは、第1態様のいずれか1つに記載の清掃ロボットの制御方法を実行するように構成される。
【0020】
第4態様によれば、本開示の実施例は、プロセッサおよびメモリを備える電子機器を提供し、前記メモリは少なくとも1つの実行可能指令を記憶するために使用され、前記実行可能指令は、前記プロセッサに第1態様のいずれか1つに記載の清掃ロボットの制御方法のステップを実行させる。
【0021】
第5態様によれば、本開示の実施例は、コンピュータプログラム指令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラム指令がプロセッサによって呼び出され実行されると、第1態様のいずれか1つに記載の清掃ロボットの制御方法のステップが実施される。
【0022】
本開示の以下の添付図面は、本開示を理解するために、本開示の実施例の一部として本明細書に取り込まれる。添付図面では、本開示の原理を解釈するために本開示の実施例およびその説明が図示される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットの底面図
【
図2】本開示の選択可能な別の実施例による清掃ロボットの底面図
【
図3】本開示の選択可能な一実施例によるモップ掛けアセンブリを持ち上げ、清掃アセンブリを下降させる場合の状態図
【
図4】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットの正常走行の状態図
【
図5】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットが障害物を乗り越える状態図
【
図6】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットが障害物を乗り越える状態図
【
図7】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットの制御方法のフローチャート
【
図8】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの持ち上げを停止するように制御した後のフローチャート
【
図12】本開示の選択可能な別の実施例による清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げた後のフローチャート
【
図13】本開示の選択可能な一実施例による清掃ロボットの制御装置の構造図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、本開示のより完全な理解を提供するために、非常に多くの特定の詳細が提供される。しかしながら、当業者には、本開示が、これらの詳細のうちの1つ以上がなしで実施され得ることが明らかであろう。他の例では、本開示との混同を避けるために、当該技術分野で周知のいくつかの技術的特徴については説明しない。
【0025】
本明細書で使用される用語は、単に特定の実施例を説明することを意図したものであり、本開示による例示的な実施例を限定することを意図したものではないことに留意されたい。ここで使用されるように、単数形は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形を含むことも意図される。また、本明細書で使用される「含む」および/または「備える」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、構成要素および/またはアセンブリの存在を示す場合があり、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、構成要素、アセンブリおよび/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0026】
現在、本開示に係る例示的な実施例を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。しかしながら、これらの例示的な実施例は、様々な異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施例に限定されるものとして解釈されないものとする。これらの実施例は、本開示を徹底的かつ完全なものとし、これらの例示的な実施例のアイデアを当業者に十分に伝えるために提供されることを理解されたい。
【0027】
本願が提供する清掃ロボットの制御方法は清掃ロボットに適用され得、本開示の清掃ロボットの制御方法を明確に説明するために、まず本開示の第3態様が提供する清掃ロボットを以下に詳細に説明する。
【0028】
図1~
図4に示すように、清掃ロボットは走行アセンブリ4、モップ掛けアセンブリおよびコントローラを備えるが、これらに限定されなく、コントローラは清掃ロボットの制御方法を実行するように構成される。
【0029】
いくつかの実施可能な形態では、清掃ロボットは、本体1、清掃アセンブリ3、センシングアセンブリおよびその他の関連部品をさらに備える。清掃ロボットは掃除ロボット、知能ロボット、移動ロボット、自動掃除機、知能集塵機などであってもよく、スマート家電機器の一種であり、清掃、吸塵およびモップ掛けなどの清掃作業を行うことができる。具体的に、一定の設定規則に従って、清掃ロボットは自ら部屋内で床面の清掃作業を行うことができる。
【0030】
ここで、
図1および
図2に示すように、本実施例の清掃ロボットにおける本体1は全体として扁平な円筒構造を呈し、シャーシ102は円形であり、カバー101の天板は円形であり、カバー101の側板は円形の天板の周縁から下方に延伸して外周側壁を形成し、側板に複数の溝、開口などが開設されていてもよい。清掃ロボットが移動するとき(移動が前進、後退、操舵、および回転中の少なくとも1つの組み合わせを含む)、扁平な円筒構造の本体1はより良好な環境適応性を有し、例えば、移動するとき、清掃ロボット自身およびその周辺物体の損傷を軽減するために周辺物体(例えば家具や壁など)との衝突の確率または衝突の強度を低減させることができ、操舵または回転により寄与する。しかしながら、これらに限定されなく、他の実施例では、本体1は、例えば直方体構造、三角柱構造、または半楕円柱構造(D字型構造とも呼ばれる)などを採用することができる。
【0031】
図1および
図2に示すように、走行アセンブリ4は、清掃ロボットの移動に関する部品を含み、走行ユニットは駆動輪401および自在輪402を含み、自在輪402は駆動輪401と協働して清掃ロボットの操舵および移動を実現し、清掃ロボットの底部の左右両辺にそれぞれ駆動輪401が設けられ、自在輪402は清掃ロボットの底面の中心線に設けられる。ここで、各駆動輪401に駆動輪401モータが設けられ、駆動輪401モータの駆動下で、駆動輪401が回転する。駆動輪401が回転すると、清掃ロボットを移動させるように駆動する。左右駆動輪401の回転速度差を制御することで、清掃ロボットの操舵角度を制御することができる。
【0032】
清掃ロボットに、モップ掛けアセンブリに洗浄液を噴霧するための噴霧アセンブリがさらに設けられる。噴霧アセンブリは、貯蔵タンク、輸送ポンプおよび噴流部材を含む。貯蔵タンクは洗浄流体を貯蔵するために使用される。貯蔵タンクは、規則的な六面体構造(例えば、直方体構造、又は断面台形状の角錐台)、円筒構造、又は他の類似の構造であってもよいが、これらに限定されなく、貯蔵タンクは、本体1の構造および/またはシャーシ102のレイアウト設計に応じて他の種類の構造を採用してもよい。輸送ポンプは十分な量の洗浄液を噴流部材に適時に輸送し、噴流部材からモップ掛けアセンブリに噴霧することができる。
【0033】
図1および
図2に示すように、モップ掛けアセンブリは、清掃すべき領域に対してモップ掛け清掃を行うために使用され、清掃ロボットの本体の底部に設けられる。モップ掛けアセンブリの数は、1つまたは複数であってもよい。モップ掛けアセンブリはモップ掛けローラブラシの構造を採用してもよく、振動モップ掛け布2の構造を採用してもよい。具体的に、モップ掛けローラブラシは、モップ掛けローラ6およびモップ掛けローラ6を回転駆動可能な回転モータを含み、清掃ロボットがモップ掛け作業を行うとき、回転モータによりモップ掛けローラ6を回転駆動させて清掃すべき領域に対してモップ掛けを行う。振動モップ掛け布2は、振動モータおよび振動部品に接続されたモップ掛け布2を含み、清掃ロボットがモップ掛け作業を行うとき、振動モータによりモップ掛け布2を往復移動させるように駆動して清掃すべき領域に対してモップ掛けを行う。いくつかの実施可能な形態では、モップ掛けローラ6の回転またはモップ掛け布の振動前に、噴流部材からモップ掛けローラ6またはモップ掛け布2に洗浄流体を噴霧してもよい。
【0034】
図3に示すように、モップ掛けアセンブリは、モップ掛けローラ6またはモップ掛け布2を上下運動させるように制御するための昇降機構をさらに含む。清掃ロボットがモップ掛け作業を行うとき、昇降機構によりモップ掛けローラ6またはモップ掛け布2を下降させ、モップ掛けローラブラシまたはモップ掛け布を清掃すべき領域に接触させた後に、回転しているモップ掛けローラ6または振動しているモップ掛け布2によりモップ掛けを行う。一方、モップ掛け作業の終了またはモップ掛けに適さない領域、例えばカーペット領域または大きな障害物などに遭遇したとき、昇降機構によりモップ掛けローラ6またはモップ掛け布2を持ち上げさせることで、モップ掛けローラ6またはモップ掛け布2が上記領域に対してモップ掛けを実行するのを防止することができる。ここで、昇降機構は、昇降可能な既存の構造を使用すればよく、本実施例では厳密に限定されない。
【0035】
図4に示すように、清掃アセンブリ3は少なくとも清掃ローラブラシおよび吸塵構造を含んでもよく、清掃ローラブラシは、ターンテーブル301と、ターンテーブル301に設けられたブラシ302と、ターンテーブル301を回転駆動する駆動モータとを含んでもよく、清掃ロボットの本体の下部に吸塵口が設けられる。実際の応用において、駆動モータはターンテーブル301およびその上のブラシ歯を回転させて清掃作業を行うように構成される。吸塵構造は集塵ボックス、吸塵ファンおよび対応の通路を含み、吸塵ファンは吸気口および排気口を有し、吸塵ファンの吸気口は吸気通路を介して集塵ボックスと連通し、吸塵ファンの排気口は排気通路と連通する。実際の応用において、吸塵ファン中のファンモータはファンを回転駆動することにより、ゴミが混入した気流が集塵ボックス内に入り、気流中のゴミが集塵ボックス内の濾過スクリーンによって濾過された後に集塵ボックス内に貯留され、濾過後の気流が吸塵ファンの排気口から排気通路を介して清掃ロボットの外部に排出される。
【0036】
清掃アセンブリ3は、ターンテーブル301を上下運動させるように制御する昇降機構をさらに含む。清掃ロボットが清掃作業を行うとき、昇降機構によりターンテーブル301を下降させ、ブラシ302を清掃すべき領域に接触させ、つぎに回転しているブラシ302により清掃してから、吸塵ファンによりゴミを集塵ボックス内に吸入する。一方、清掃作業が終了する場合、または清掃に適さない領域、例えば大きな障害物などに遭遇した時、昇降機構によりターンテーブル301を持ち上げさせることにより、ブラシ302が上記領域を清掃するのを回避する。ここで、昇降機構は昇降可能な既存の構造を使用すればよく、本実施例では厳密に限定されない。
【0037】
モップ掛けアセンブリと清掃アセンブリ3は同時に下降状態にあることはできなく、すなわち、モップ掛けアセンブリが清掃すべき領域の表面に接触しているとき、清掃アセンブリ3が清掃すべき領域の表面に接触することができず、すなわちモップ掛け作業と清掃作業が同時に行うことができないことを理解されたい。モップ掛けアセンブリと清掃アセンブリ3は同時に持ち上げ状態にあることができ、すなわち清掃アセンブリ3とモップ掛けアセンブリが両方とも清掃すべき領域の表面に接触せず、すなわち清掃ロボットがモップ掛け作業も清掃作業も行わないことを意味する。
【0038】
センシングアセンブリは、異なる用途の様々なセンサを含んでもよく、これらのセンサは、測距センサ7、クリフセンサ、落下センサ、衝突検出センサ、床面媒体検出センサなどのいずれか1つまたは複数の組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0039】
測距センサ7は、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのシャーシ102のピッチ角を検出することができるだけでなく、清掃ロボットと周辺物体との間の距離の変化を検出することもできる。
【0040】
具体的に、実施可能な形態では、測距センサ7は赤外線測距センサ7を採用してもよく、赤外線測距センサ7は清掃ロボットのシャーシ102の縁に設けられてもよく、赤外線測距センサ7は赤外線信号送信機および赤外線信号受信機を含む。赤外線信号送信機から出射された一つの赤外光ビームが清掃すべき領域の表面に照射されて反射され、
図5に示すように、反射された赤外光ビームが赤外線信号受信機によって受信されると、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角がゼロであり、すなわち清掃ロボットのシャーシ102が清掃すべき領域の表面に対して平行であると決定することができる。
図6に示すように、反射された赤外光ビームが赤外線信号受信機によって受信されないと、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角がゼロではなく、すなわち清掃ロボットのシャーシ102が清掃すべき領域の表面に対して平行でないと決定することができる。
【0041】
赤外線測距センサ7は、清掃ロボットの衝突防止アセンブリまたは本体1の側壁にさらに設けられてもよく、清掃ロボットが走行するとき、測距センサ7は清掃ロボットと清掃環境における他の物体との距離の変化を検出することができる。赤外線測距センサ7は赤外線信号送信機および赤外線信号受信機を含む。赤外線信号送信機から出射された赤外光ビームが清掃すべき領域の表面に照射されて反射され、赤外線の出射および受信の時間差データに基づいて、清掃ロボットと物体との間の距離を計算する。
【0042】
上記実施態様における測距センサ7はToF(Time of Flight、飛行時間技術)センサを採用することもできるし、超音波測距センサ7を採用することもでき、その具体的なセンシング原理は赤外線測距センサ7と同様であるため、ここでは説明しない。
【0043】
衝突検出センサは本体1に設けられバンパーに関連し、主に発光器、受光器および発光器と受光器との間に位置する衝突伸縮ロッドを含み、通常状態では、衝突伸縮ロッドが初期位置にあり、発光器と受光器と間の光路が遮られなく、清掃ロボットは避けが間に合わずに障害物に衝突すると、清掃ロボットの前部にあるバンパーが障害物との衝突により本体1に沈み込み、このとき、バンパーの内側に位置する衝突伸縮ロッドが力を受けた後に収縮して発光器と受光器との間を遮り、発光器と受光器との間の光路が遮断され、衝突検出センサは衝突信号を発する。
【0044】
クリフセンサは本体1の底部に設けられる。いくつかの実施例では、クリフセンサの数は複数、例えば4つであり、それぞれ本体1の底部の前端に設けられ、床面に感知信号を送信して反射により受信された信号に基づいて崖を感知する。クリフセンサはフローティングセンサとも呼ばれ、クリフセンサは主に様々な形態を利用する光センサであり、いくつかの実施例では、クリフセンサは赤外線センサを採用してもよく、赤外線信号送信機および赤外線信号受信機を含み、これにより、赤外光線を出射し、反射された赤外光線を受信して崖を感知し、さらに崖の深度を分析することができる。
【0045】
床面媒体検出センサは視覚センサ、レーザセンサ、超音波センサ、赤外線センサ、ビデオカメラまたは深度カメラなどを含むが、これらに限定されなく、該床面媒体検出センサは、床面媒体の種類を検出し、床面媒体の種類を識別し、検出結果をコントローラに送信するために使用される。清掃ロボットが通常作業状態で走行する方向を前方とし、床面媒体検出センサは、前方または現在位置の床面媒体を適時に知るために、通常清掃ロボットの前端または底端に設けられる。
【0046】
もちろん、いくつかの実施例では、センシング装置は、磁力計、加速度計、ジャイロスコープ、走行距離計などの他のセンサを含んでもよい。
【0047】
コントローラは本体1内の回路基板に設けられ、メモリ(例えばハードディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ)、およびプロセッサ(例えば中央処理ユニット、アプリケーションプロセッサ)などを含む。プロセッサは、感知システム中のレーザ測距装置によってフィードバックされた物体情報に基づいて測位アルゴリズム(例えばSLAM)を利用して清掃ロボットが所在する環境における即時地図を描画し、描画された即時地図情報に基づいて最も効率的かつ合理的な清掃経路および清掃方法を計画することにより、ロボットの清掃効率を大幅に向上させることができる。さらに、感知システム中の他のセンサ(例えば測距センサ7、クリフセンサ、落下センサ、衝突検出センサ、磁力計、加速度計、ジャイロスコープ、走行距離計など)によってフィードバックされた距離情報、速度情報、姿勢情報などに基づいて、掃除機が現在どのような作業状態にあるかを総合的に判定することで、異なる状況に応じて具体的な次の動作戦略を与え、清掃ロボットに対応の制御指令を発することができる。
【0048】
さらに、清掃ロボットに、外部装置と有線または無線で通信するための通信ユニットがさらに設けられる。これは、WiFi、2Gもしくは3G、またはそれらの組み合わせなどの通信規格に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。一つの例示的な実施例において、通信ユニットは、放送チャンネルを介して外部の放送管理システムから放送信号または放送関連情報を受信する。一つの例示的な実施例では、通信ユニットは、近距離通信を容易にするために近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ関連付け(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術、および他の技術に基づいて実装され得る。
【0049】
給電装置は、他の電力消費装置に電力を供給するために使用される。実用的な実施例では、給電装置は、経済的で信頼性の高い従来のニッケル水素(NiMH)電池などの充電式電池(パック)を含み、または、給電装置は、ニッケル水素電池よりもサイズ対エネルギー比が高く、メモリ効果を有さず、はるかに高い利便性で使用しながら充電することができるリチウム電池などの他の適切な充電式電池(パック)を採用してもよい。充電式電池(パック)はシャーシ102の電池溝に装着され、当該電池溝の大きさは装着される電池(パック)に応じてカスタマイズされることができる。充電式電池(パック)は、スプリングラッチなどの従来の方式で電池溝に取り付けることができる。電池溝は、電池カバープレートによって閉じられてもよく、この電池カバープレートは、ねじなどの従来の方式でシャーシ102に固定されてもよい。充電式電池(パック)には、充電制御回路、電池充電温度検出回路および電池不足電圧監視回路が接続されてもよく、充電制御回路、電池充電温度検出回路、および電池不足電圧監視回路は制御システムに接続される。清掃ロボットは本体1の側部または底部に設けられた充電電極を介して充電台に接続されて充電される。
【0050】
以下、本開示の第1態様の清掃ロボットの制御方法を詳細に説明し、
図7に示すように、本開示の実施例は清掃ロボットの制御方法を提供し、この方法は以下のステップを含む。
【0051】
ステップS701:清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行する場合、清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得する。
【0052】
清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行するとき、すなわち、清掃ロボットがモップ掛け作業状態に入るとき、コントローラは、モップ掛けアセンブリの昇降機構を制御してモップ掛けローラ6またはモップ掛け布2を、清掃すべき表面に接触する位置まで下降させた後、回転モータによりモップ掛けローラ6を回転させ、または振動モータによりモップ掛け布2を振動させることで、清掃すべき領域のモップ掛けを行う。
【0053】
ここで、清掃ロボットの検出情報は、清掃ロボットによって検出された障害物情報、現在走行経路情報、床面媒体情報および位置姿勢情報(例えば清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角)などを含むが、これらに限定されない。清掃ロボットの検出情報は、上記実施例における清掃ロボットの感知アセンブリによって検出され、取得されてもよい。
【0054】
清掃ロボットの状態情報は、清掃ロボットの走行モードを含むが、これに限定されなく、走行モードは正常走行モードおよび脱出モードを含むが、これらに限定されなく、脱出モードとは、清掃ロボットが閉じ込められた場合、機器が閉じ込め状態から脱出することを可能にするモードを指し、コントローラは設定条件に基づいて清掃ロボットが正常走行モードと脱出モードを切り替えることを可能にし、清掃ロボットは、閉じ込められることなく正常走行することができる。
【0055】
清掃ロボットの作業環境が複雑であるため、いくつかの領域に閉じ込められる可能性があり、清掃ロボットが閉じ込められたかどうかを判定することは以下のような判定条件を採用し:清掃ロボットが同一領域に留まる時間を検出し、留まる時間がプリセット時間を超える場合、清掃ロボットが閉じ込められたと決定し、ここで、該プリセット時間は10分であってもよく、該判定条件により、清掃ロボットが長時間を渡って該領域に閉じ込められて時間と電力の浪費を効果的に回避することができる。清掃ロボットが正常に脱出したと決定した後、正常走行モードに切り替えることができる。
【0056】
ステップS702:検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御する。
【0057】
モップ掛け禁止条件は、清掃ロボットが工場から出荷される前に製造者によって設定されることも、ユーザによって設定されることも可能であり、本実施例では厳密に限定されない。
【0058】
検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御する。これにより、該方法は、いくつかのモップ掛けモードを採用するのに適していないシーンにおいて、モップ掛けモードを自動的に停止し、清掃ロボットの作業の信頼性を向上させることができる。
【0059】
清掃ロボットの作業環境が複雑であるため、清掃ロボットが清掃作業を行うとき、異なる状況に遭遇する可能性があり、以下、異なる状況に応じて清掃ロボットの制御方法を詳細に説明する。
【0060】
第1ケース:清掃ロボットの検出情報は、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角を含む。本実施例では、シャーシ102の縁に設けられた測距センサ7によって、具体的なピッチ角度を検出することなく、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角がゼロであるかどうかを検出すればよい。測距センサ7は赤外線測距センサ7、超音波測距センサ7またはToFセンサを採用してもよい。例示的に、測距センサ7は赤外線測距センサ7であってもよく、赤外線測距センサ7は赤外線信号送信機および赤外線信号受信機を含む。赤外線信号送信機から出射された赤外光ビームが清掃すべき領域の表面に照射されて反射され、
図5に示すように、反射された赤外光ビームが赤外線信号受信機によって受信されると、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角がゼロであり、すなわち清掃ロボットのシャーシ102が清掃すべき領域の表面に対して平行であると決定することができる。
図6に示すように、反射された赤外光ビームが赤外線信号受信機によって受信されないと、清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角がゼロではなく、すなわち清掃ロボットのシャーシ102が清掃すべき領域の表面に対して平行ではないと決定することができる。もちろん、上記実施例のクリフセンサ、床面媒体検出センサにより清掃すべき領域の表面に対する清掃ロボットのピッチ角を検出してもよい。
【0061】
上記実施例におけるステップS302は具体的には、
ピッチ角がゼロではない場合、モップ掛けアセンブリの作業を停止するように制御するか、またはモップ掛けアセンブリの作業を停止して持ち上げるように制御することを含む。
【0062】
清掃ロボットがモップ掛け作業を行うとき、ピッチ角がゼロではなく、すなわち清掃ロボットのシャーシ102が清掃すべき領域の表面に対して平行ではない場合、清掃ロボットが硬質床からカーペットに走行したり、清掃ロボットが敷居などの障害物8を通過したりすることが起こり得、この時点で、コントローラは、モップ掛けアセンブリの作業を停止するように制御し、すなわち、モップ掛けアセンブリの回転モータの回転を停止し、または振動モータの振動を停止するように制御する。
【0063】
さらに、モップ掛けアセンブリがカーペットを濡らすのを避け、または障害物8がモップ掛けアセンブリに傷をつけてモップ掛けアセンブリ上の洗浄液が滴下したり、モップ掛けアセンブリが損傷したりするのを回避するために、コントローラはモップ掛けアセンブリの作業を停止して持ち上げるように制御する。具体的に、コントローラはモップ掛けアセンブリの回転モータの回転を停止したり、振動モータの振動を停止したりするように制御し、モップ掛けアセンブリの昇降機構によりモップ掛けローラ6またはモップ掛け布2を持ち上げさせることにより、カーペットまたは障害物を回避する。
【0064】
第2ケース:清掃ロボットの検出情報は清掃ロボットによって検出された障害物情報を含み、障害物情報は清掃ロボットと障害物との距離を含む。
【0065】
本実施例では、障害物は一定の大きさを有する汚れまたは粒子である。清掃ロボットと障害物との距離は、上記実施例で衝突防止アセンブリまたは本体1の側壁に設けられた測距センサ7によって検出される。測距センサ7は、赤外線測距センサ7、超音波測距センサ7またはToFセンサを採用してもよい。例示的に、測距センサ7は赤外線測距センサ7であってもよく、赤外線測距センサ7は赤外線信号送信機および赤外線信号受信機を含む。赤外線信号送信機から出射された赤外光ビームが清掃すべき領域の表面に照射されて反射され、赤外線の出射と受信の時間差データに基づいて、清掃ロボットと物体と間の距離を計算する。
【0066】
上記実施例のステップS302は具体的に、
清掃ロボットと障害物との距離が第1プリセット距離以下である場合、モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む。
【0067】
ここで、第1プリセット距離は清掃ロボットが工場から出荷される前に設定され得る。清掃ロボットがモップ掛け作業を行うとき、清掃ロボットと障害物との距離が第1プリセット距離以下であり、すなわち清掃ロボットが障害物に近い場合、モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することにより、モップ掛けアセンブリが障害物を清掃できない、または障害物が大きくモップ掛けアセンブリに干渉して、モップ掛け作業に影響を与えることを回避することができる。
【0068】
具体的な応用では、異なる障害物のサイズについて、清掃ロボットがモップ掃きアセンブリを持ち上げた後に異なる戦略を採用し、以下詳細に説明する。
【0069】
具体的に、障害物情報は障害物のサイズをさらに含む。
【0070】
障害物のサイズは、清掃ロボットに配置されたカメラで撮影された画像から取得される。具体的に、運動過程中において、カメラが清掃ロボットの前方視野内の環境画像を連続的に撮像してもよい。清掃ロボットは独自のプリセット画像分析アルゴリズムを使用して環境画像を分析し、障害物のサイズ情報を決定してもよい。
【0071】
別の選択可能な態様では、障害物のサイズは清掃ロボットに配置されたレーザセンサによって取得され、レーザセンサは具体的に送信機と受信機を含む。選択可能に、受信機は深度カメラまたはCCDカメラであってもよい。送信機がロボットの運動過程中においてレーザ信号を連続的に送信する。送信機から送信されたレーザ信号が障害物に照射されると、受信機はレーザ照射後に得られた画像を収集することができる。収集された画像に基づいてこの障害物に対応する点群データを決定し、この点群データは、3次元空間における障害物体の表面の各点の座標情報を含む。この点群情報に基づいて障害物の輪郭を描くことができ、すなわち障害物のサイズ情報を決定することができる。
【0072】
選択可能に、上記のレーザセンサから出射されたレーザはラインレーザまたは面レーザであってもよい。同時に、異なる実際ニーズに応じて、サイズ情報は、障害物の高さおよび/または幅を含むことができる。なお、サイズ情報に障害物の高さのみが含まれる場合、清掃ロボットが直線に沿って走行すればよく、上記2つの方法のいずれか1つに従って障害物の高さを決定することに留意されたい。サイズ情報に障害物の幅が含まれる場合、レーザセンサが比較的広い視野範囲内のデータを取得し、障害物の幅を計算するように、清掃ロボットが直線に沿って走行する同時に小さな範囲で左右に回転する必要がある。
【0073】
図8に示すように、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの持ち上げを停止するように制御した後、具体的に、以下のステップをさらに含み:
ステップS801:障害物のサイズがプリセットサイズ以下であるかどうかを判定し、前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下である場合、ステップS802を実行し、前記障害物のサイズがプリセットサイズ以下でない場合、ステップS803を実行する。
【0074】
プリセットサイズは清掃ロボットの清掃能力に応じて設計されてもよく、清掃ロボットの清掃能力が強い場合、プリセットサイズは大きく設定されてもよく、清掃ロボットの清掃能力が弱い場合、プリセットサイズは小さく設定されてもよい。
【0075】
ステップS802:清掃ロボットの清掃アセンブリ3を下降させて作動させ、障害物を除去するように制御する。
【0076】
障害物のサイズがプリセットサイズ以下である場合、コントローラは、清掃アセンブリ3の昇降機構を制御してターンテーブル301を下降させ、ブラシ302を清掃すべき領域の表面に接触させ、次に駆動モータによりターンテーブル301を回転駆動させ、障害物を吸塵口まで清掃した後、吸塵ファンによりゴミを集塵ボックス内に吸入することで、障害物を除去して、清掃効果を向上させる。
【0077】
例示的に、障害物のサイズは、高さが0.5cm、幅が0.2cmであり、プリセットサイズは、高さが1cm、幅が1cmであると仮定すると、障害物のサイズがプリセットサイズよりも小さく、コントローラは、清掃アセンブリ3の昇降機構を制御してターンテーブル301を下降させ、ブラシ302を清掃すべき領域の表面に接触させ、次に駆動モータによりターンテーブル301を回転駆動させ、障害物を吸塵口まで清掃した後に、吸塵ファンによりゴミを集塵ボックス内に吸入する。
【0078】
ステップS803:清掃ロボットが障害物を迂回するように制御する。
【0079】
障害物のサイズがプリセットサイズよりも大きい場合、この障害物のサイズが清掃アセンブリ3の清掃能力および清掃ロボットの障害物乗り越え能力を超えることを意味し、清掃ロボットが無理に障害物を乗り越えると、障害物乗り越え困難が発生し、ひいては障害物に閉じ込められる可能性があるため、このとき、清掃ロボットはこの障害物を迂回する必要があることが決定し、上記障害物乗り越え困難、閉じ込めなどの状況を回避し、障害物を円滑に通過し、タスクを完了することができる。ここで、障害物を迂回する運動経路は、清掃ロボットが配置した経路計画アルゴリズムによって取得されることができる。そして、経路計画時、アルゴリズムは、計画された運動経路が最適化の障害回避効果を有し、すなわち障害物を回避しながら最短の運動経路を達成するように、障害物の幅も考慮してもよい。
【0080】
例示的に、障害物のサイズは、高さが5cm、幅が5cmであり、プリセットサイズは、高さが1cm、幅が1cmであると仮定すると、障害物のサイズがプリセットサイズよりも大きく、コントローラは、清掃ロボットが障害物を迂回するように制御する。
【0081】
清掃すべき領域を完全に清掃するために、
図9に示すように、上記実施例におけるステップS402の後、さらに以下のステップを含む。
【0082】
ステップS901:清掃ロボットを折り返させてモップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置に戻るように制御する。
【0083】
清掃アセンブリが障害物を除去した後、清掃ロボットはモップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置に戻り、このようにして、清掃ロボットはモップ掛けされなかった領域を再度モップ掛けして、清掃すべき領域に対する完全なモップ掛けを確保し、清掃効果を向上させる。
【0084】
ステップS902:清掃アセンブリ3を持ち上げてモップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域のモップ掛けを継続するように制御する。
【0085】
清掃ロボットがモップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置に戻った後、コントローラは、清掃アセンブリ3を持ち上げ、モップ掛けアセンブリを下降させ、障害物の阻止によりモップ掛けされなかった領域を再度モップ掛けする。
【0086】
障害物が大きく、障害物を迂回する場合、上記実施例におけるステップS403の後、モップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域のモップ掛けを継続するように制御することをさらに含む。
【0087】
清掃ロボットが障害物を迂回した後、コントローラは、モップ掛けアセンブリを下降させ、清掃すべき領域内でモップ掛け作業を継続し、モップ掃きタスクを完了するように制御する。
【0088】
第3ケース:清掃ロボットの検出情報が清掃ロボットの現在走行経路情報を含む。
【0089】
上記実施例における感知アセンブリの各種のセンサにより、清掃ロボットのリアルタイム位置を決定し、清掃ロボットのリアルタイム位置の変化に基づいて、清掃ロボットの現在走行経路情報を取得することができる。
上記実施例におけるステップS302は具体的に、以下を含み、すなわち、
現在走行経路情報は清掃ロボットが一つの清掃すべきサブ領域から別の清掃すべきサブ領域に進入することを示す場合、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御し、清掃すべき領域は複数の清掃すべきサブ領域を含む。
【0090】
清掃すべき領域は家庭空間、家庭空間の部屋単位、部屋単位の一部の領域、大規模な場所または大規模な場所の一部の領域などのいずれか1つの清掃すべき領域であってもよい。
【0091】
可能な実施態様では、本ステップの前に、清掃ロボットは、清掃すべき領域を表す地図を取得し、該領域地図を記憶してもよい。清掃ロボットが本ステップを実行する場合、記憶された該領域地図を直接取得してもよい。ここで、清掃ロボットは該領域地図をメモリに記憶してもよい。
【0092】
ここで、清掃ロボットは清掃すべき領域の地図を取得する方法は以下の4つの実施態様がある。第1実施態様の場合、清掃ロボットは、清掃ロボットに取り付けられたレーザレーダー、慣性測定ユニット、衝突センサおよび視覚センサ中の1つまたは複数によって清掃すべき領域を検知して、清掃すべき領域地図を取得してもよい。
【0093】
第2実施態様の場合、清掃ロボットは該清掃すべき領域の縁を清掃し、縁部分の清掃軌跡に基づいて清掃すべき領域地図を取得してもよい。
【0094】
第3実施態様の場合、サーバーに領域地図が記憶されており、清掃ロボットはサーバーから該領域地図を取得してもよい。具体的に、清掃ロボットはサーバーに取得要求を送信し、該取得要求は該清掃すべき領域の領域標識を含み、サーバーは該取得要求を受信し、該領域標識に基づいて、清掃すべき領域地図を取得し、清掃ロボットに該領域地図を送信する。清掃ロボットは該領域地図を受信する。ここで、該領域標識は該清掃すべき領域のアドレスなどであってもよい。
【0095】
第4実施態様の場合、ユーザは端末を介して清掃すべき領域の領域地図を清掃ロボットに直接入力してもよい。清掃ロボットは端末を介して入力された該清掃すべき領域の地図を受信する。
【0096】
なお、清掃ロボットは、上記4つの実施態様中のいずれか1つの実施態様によって清掃すべき領域の領域地図を取得してもよいことを理解されたい。清掃ロボットは、上記4つの実施態様中の複数の実施態様によって該清掃すべき領域の地図を取得し、複数の領域地図を取得した後、取得された複数の領域地図を統合及び補正し、最終的に該清掃すべき領域の地図を決定してもよい。
【0097】
本実施例では、清掃すべき領域は複数の清掃すべきサブ領域に分割され、清掃ロボットはプリセットの清掃順序に従って各清掃すべきサブ領域に渡って走行し、各清掃すべきサブ領域を清掃する。
【0098】
具体的に、清掃ロボットが各清掃すべきサブ領域を1つずつモップ掛けする作業の過程中において、清掃ロボットは1つの清掃サブ領域から他の清掃サブ領域内に移動することが要求される。例えば、清掃ロボットが充電のために充電スタンドに戻り、またはモップ掛けアセンブリを洗浄するために指定位置へ移動する場合、清掃ロボットは現在モップ掛け位置から充電スタンドまたは洗浄しているモップ掛けアセンブリの位置に走行する必要があり、充電スタンドは清掃ロボットが現在モップ掛けしている清掃すべきサブ領域外に位置する場合があり、したがって、清掃ロボットは現在モップ掛けしている清掃すべきサブ領域から移動し、1つまたは複数の清掃すべきサブ領域を通過して充電スタンドまたは清掃しているモップ掛けアセンブリに到達する必要があり、清掃ロボットが通過した清掃すべきサブ領域がモップ掛け済の領域であってもよく、モップ掛けされていなかった領域であってもよい。別の例では、清掃ロボットは現在清掃すべきサブ領域を清掃した後、次の清掃すべきサブ領域に移動する必要がある。もちろん、上記の状況以外に、他の状況があり、清掃ロボットが1つの清掃すべきサブ領域から別の清掃すべきサブ領域に移動する必要があり、本実施例では網羅的に列挙しない。
【0099】
本実施例では、清掃ロボットが一つの清掃すべきサブ領域から別の清掃すべきサブ領域に進入する場合、コントローラは、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げ、モップ掛けアセンブリが別の清掃すべきサブ領域の洗浄度に影響を与えないように制御する。
【0100】
第4ケース:モップ掛けアセンブリはモップ掛けローラブラシを含み、清掃ロボットの検出情報は清掃ロボットによって検出された床面媒体情報を含む。
【0101】
床面媒体情報については、視覚センサが清掃ロボットの前進方向上の床面媒体画像を撮像し、予め設定された識別アルゴリズムおよび床面媒体モデル特徴に従って床面媒体画像を処理し、床面媒体に関する関連パラメータ、すなわち床面媒体情報を得ることができる。別の実施例では、本体1の底部に設けられた超音波センサによって清掃ロボットの前進方向上の床面媒体情報を検出する。
【0102】
図10に示すように、上記実施例のステップS302は具体的に以下のステップを含む。
ステップS1001:床面媒体情報がモップ掛け禁止物媒体情報とマッチングしない場合、モップ掛けローラブラシの電流値を取得する。
【0103】
具体的な応用において、清掃ロボットが硬質床からモップ掛け禁止物に走行する過程中において、清掃ロボットの一部がモップ掛け禁止物上にあり、他の部分が硬質床にある場合があり、この場合、床面媒体検出センサはモップ掛け禁止物を検出しないことがあり、このように床面媒体検出センサの検出結果のみに基づいて清掃ロボットがモップ掛け禁止物(カーペットなど)上にあるかどうかを判定する場合、モップ掛けアセンブリがカーペットに接触してモップ掛け禁止物を濡らしてしまうことが起こり得、上記問題を解決するために、該実施態様では、床面媒体検出センサの検出結果およびモップ掛けローラブラシの電流の監視により、清掃ロボットの一部がカーペット上にあるかどうかを決定し、制御精度を向上させることができる。
【0104】
本実施例では、床面媒体センサによって検出された床面媒体情報がモップ掛け禁止物媒体情報とマッチングしない場合、清掃ロボット全体がモップ掛け禁止物上に位置せず、または清掃ロボットの一部がモップ掛け禁止物上にあることを意味する。したがって、清掃ロボットの現在状態をさらに決定するために、モップ掛けローラブラシの電流値に基づいてさらに検証する必要がある。
【0105】
ステップS1002:モップ掛けローラブラシの電流値がプリセット電流値以上であり、かつ持続時間が第1プリセット時間以上である場合、モップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御する。
【0106】
モップ掛けローラブラシが受ける外力が増加すると、モップ掛けローラブラシの電流値も増加し、モップ掛けローラブラシが受ける外力が減少すると、モップ掛けローラブラシの電流値も減少する。したがって、床面媒体センサによって検出された床面媒体情報が標準な床面媒体情報とマッチングしない場合、モップ掛けローラブラシの電流値を監視することにより、清掃ロボットの一部がモップ掛け禁止物上にあるかどうかを初歩的に判定することができ、これにより、モップ掛け禁止物を濡らさないようにモップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御する必要がある。
【0107】
例示的に、モップ掛けローラブラシの電流値が5A、プリセット電流値が3A、モップ掛けローラブラシの電流値が5Aである場合の持続時間が15秒であり、第1プリセット時間が10秒であると仮定すると、コントローラはモップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御する。
【0108】
具体的な応用において、モップ掛けローラブラシに糸状ゴミ(毛髪など)が絡まった場合、モップ掛けローラブラシの電流値も増加し、長時間にわたって続くことがあるので、清掃ロボットの一部がモップ掛け禁止物上にあるかどうかを正確に決定するために、モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値をさらに監視する必要がある。
【0109】
具体的に、
図11に示すように、上記実施例におけるステップS1002の後、さらに以下のステップを含む。
ステップS1101:モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値を取得する。
【0110】
ステップS1102a:モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値がプリセット電流値以上であり、かつ持続時間が第2プリセット時間以上である場合、清掃ロボットの警報装置が警報を発するように制御する。
【0111】
モップ掛けローラブラシを持ち上げた後、モップ掛けローラブラシが清掃すべき領域の表面に接触しないことを意味し、モップ掛けローラブラシの電流値が依然として大きく持続時間が長い場合、モップ掛けローラブラシが受ける外力がモップ掛け禁止物との摩擦力ではないことを意味し、これにより、モップ掛けローラブラシに糸状ゴミが絡まって大きな抵抗を受けていると決定することができ、コントローラは、警報装置が警報を発するように制御し、モップ掛けローラブラシを清掃することをユーザに促す。
【0112】
例示的に、モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値が5A、プリセット電流値が3A、モップ掛けローラブラシの電流値が5Aである場合の持続時間が8秒、第2プリセット時間が5秒であると仮定すると、コントローラは、警報装置が警報を発するように制御する。
【0113】
具体的に、警報形式は、警報灯、警報音、または警報灯と警報音の両方を採用してもよく、警報灯は常時点灯、点滅点灯などであってもよく、前記警報音は常時鳴り警報、断続的鳴り警報などであってもよい。
【0114】
ステップS1102b:モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値がプリセット電流値よりも小さい場合、第3プリセット時間を経過した後に、モップ掛けローラブラシを下降させモップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値を取得するように制御し、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値がプリセット電流値以上である場合、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値がプリセット電流値よりも小さくなるまで、モップ掛けローラブラシを制御して上記昇降ステップを繰り返す。
【0115】
モップ掛けローラブラシを持ち上げた後、モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値がプリセット電流値よりも小さい場合、モップ掛けローラブラシが受ける外力がなくなり即ちモップ掛け禁止物とモップ掛けローラブラシとの間の摩擦力がなくなることを意味し、清掃ロボットの一部がモップ掛け禁止物上にあると決定することができる。
【0116】
一方、清掃ロボットがモップ掛け禁止物の所在領域から移出した後、モップ掛け作業を自動的に継続することができるために、本実施例では、モップ掛けローラブラシが第3プリセット時間だけ持ち上げられた後、コントローラは、モップ掛けローラブラシを下降させ、モップ掛けローラブラシを清掃すべき領域表面に接触させ、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値を監視するように制御し、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値がプリセット電流値よりも小さい場合、モップ掛けローラブラシが大きな外力を受けず、すなわち清掃ロボットがモップ掛け禁止物上に位置しないことを意味し、それにより、コントローラは、モップ掛けローラブラシを持ち上げないように制御し、清掃ロボットにモップ掛け作業を継続させることができる。モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値がプリセット電流値以上である場合、モップ掛けローラブラシが大きな摩擦力を受け、すなわち清掃ロボットの少なくとも一部がモップ掛け禁止物上にあることを意味し、それにより、モップ掛けローラブラシを持ち上げモップ掛け禁止物を濡らしないように継続的に制御する必要がある。その後、モップ掛けローラブラシが第3プリセット時間だけ持ち上げられた後、モップ掛けローラブラシを下降させ、モップ掛けローラブラシを清掃すべき領域表面に接触させ、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値を監視するように制御し、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値が依然としてプリセット電流値以上である場合、清掃ロボットの少なくとも一部がモップ掛け禁止物上にあるので、モップ掛けローラブラシを下降させた後の電流値がプリセット電流値よりも小さくなるまで上記モップ掛けローラブラシの昇降の制御過程を繰り返す必要があり、コントローラはモップ掛けローラブラシを持ち上げないように制御し、清掃ロボットがモップ掛け作業を継続することができる。
【0117】
例示的に、モップ掛けローラブラシを持ち上げた後の電流値が2A、プリセット電流値が3A、第3プリセット時間が5秒であると仮定すると、5秒を経過した後に、コントローラはモップ掛けローラブラシを第1回下降させるように制御し、モップ掛けローラブラシの第1回下降後の電流値が2Aであると、モップ掛けローラブラシはもはや持ち上げない。モップ掛けローラブラシの第1回下降後の電流値が5Aであると、コントローラはモップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御し、5秒を経過した後に、モップ掛けローラブラシを下降させ、モップ掛けローラブラシの第2回下降後の電流値が依然として5Aであると、コントローラはモップ掛けローラブラシを持ち上げるように制御し、5秒を経過した後に、モップ掛けローラブラシを下降させ、モップ掛けローラブラシの第3回下降後の電流値が2Aであると、モップ掛けローラブラシはもはや持ち上げない。
【0118】
本実施例では、清掃ロボットは持ち上げ後のモップ掛けローラブラシの電流を検出することにより、モップ掛けアセンブリにゴミが絡まったか、清掃ロボットがモップ掛け禁止物の上にあるかを正確に識別でき、下降後のモップ掛けローラブラシの電流を検出することにより、清掃ロボットがモップ掛け禁止物の所在領域から移出したと決定でき、清掃ロボットがモップ掛け禁止物の所在領域から移出したと決定した後、モップ掛け作業を継続し、清掃ロボットの自動化程度を高めることができる。
【0119】
第5ケース:清掃ロボットの状態情報は清掃ロボットの現在走行モードを含む。
【0120】
清掃ロボットの状態情報は清掃ロボットの走行モードを含むが、これに限定されなく、走行モードは正常走行モードおよび脱出モードを含むが、これらに限定されなく、コントローラは設定条件に基づいて清掃ロボットを正常走行モードと脱出モードで切り替え、清掃ロボットが閉じ込められることなく正常に走行することができる。
【0121】
上記実施例におけるステップS302は具体的に、走行モードが脱出モードである場合、モップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することを含む。
【0122】
清掃ロボットの作業環境が複雑であるため、いくつかの領域では閉じ込められる場合があり、清掃ロボットが閉じ込められたかどうかは以下の判定条件に従って判定でき:清掃ロボットが同一領域に留まる時間を検出し、その留まる時間がプリセット時間を超えると、清掃ロボットが閉じ込められたと決定でき、ここで、該プリセット時間は10分であってもよく、該判定条件により、清掃ロボットが長時間を渡って該領域に閉じ込められて時間と電力の浪費を効果的に回避することができる。
【0123】
清掃ロボットが脱出モードに入ると、清掃ロボットが閉じ込められたことを意味し、このとき、コントローラはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御することで、モップ掛けアセンブリが同一領域で長時間にモップ掛けして該領域に水が蓄積することを回避し、清掃効果を低下させ、モップ掛けアセンブリが脱出動作を妨げるのを防止し、脱出効率を向上させることができる。
【0124】
さらに、
図12に示すように、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御した後、さらに以下のステップを含む。
ステップS1201:清掃ロボットの脱出動作が終了した場合、清掃ロボットのリアルタイム位置を取得する。
【0125】
清掃ロボットが成功に脱出したと決定した後、正常走行モードに切り替え、清掃ロボットのリアルタイム位置を取得する。
【0126】
ステップS1202:リアルタイム位置とモップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間の距離を決定する。
【0127】
ステップS1202:リアルタイム位置とモップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間の距離が第2プリセット距離以上である場合、モップ掛けアセンブリを下降させるように制御する。
【0128】
モップ掛けアセンブリが持ち上げられた時の位置は、清掃ロボットが閉じ込められた位置である場合、清掃ロボットが脱出した後、清掃ロボットのリアルタイム位置とモップ掛けアセンブリの持ち上げられた時の位置との間に一定距離がある場合、モップ掛けアセンブリを下降させるように制御することで、モップ掛け作業を継続し、清掃ロボットの自動化程度を高める。
【0129】
第2態様では、
図13に示すように、本開示の実施例は清掃ロボットの制御装置を提供し、この装置は、
清掃ロボットがモップ掛けタスクを実行する場合、清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得するように構成される取得モジュール1301と、
検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/またはモップ掛けアセンブリを持ち上げるように制御するように構成される判定モジュール1302と、を備える。
【0130】
第4態様によれば、本開示の実施例は、プロセッサおよびメモリを備える電子機器を提供し、メモリは少なくとも1つの実行可能指令を記憶するために使用され、実行可能指令は、プロセッサに第1態様のいずれか1つの清掃ロボットの制御方法のステップを実行させる。
【0131】
プロセッサは、中央プロセッサCPU、または特定用途向け集積回路ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、または本開示の実施例を実施可能な1つまたは複数の集積回路であってもよい。コンピュータ装置に含まれる1つまたは複数のプロセッサは、同じ種類のプロセッサ、例えば1つまたは複数のCPUであってもよく、異なる種類のプロセッサ、例えば1つまたは複数のCPUおよび1つまたは複数のASICであってもよい。
【0132】
メモリは、プログラムを記憶するために使用される。メモリは、高速RAMメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば少なくとも1つの磁気ディスクメモリを含んでもよい。
【0133】
コンピュータ可読記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などであってもよい。
【0134】
第5態様によれば、本開示の実施例は、コンピュータプログラム指令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を提供し、コンピュータプログラム指令がプロセッサによって呼び出され実行されると、第1態様のいずれか1つの清掃ロボットの制御方法のステップが実施される。
【0135】
本開示の実施例が提供する清掃ロボットおよびその制御方法、装置、電子機器、記憶媒体によれば、該制御方法は、まず、清掃ロボットの検出情報または状態情報を取得し、前記検出情報または状態情報がモップ掛け禁止条件を満たす場合、前記清掃ロボットのモップ掛けアセンブリの作業を停止する、および/または持ち上げるように制御する。これにより、本方法は、いくつかのモップ掛けモードを採用するのに適していないシーンにおいて、モップ掛けモードを自動的に停止し、清掃ロボットの作業の信頼性を向上させることができる。
【0136】
本開示は、上記実施例によって説明されたが、上記実施例は例示および説明の目的でのみ使用され、本開示を説明された実施例の範囲内に限定することを意図するものではない。さらに、本開示が上記実施例に限定されず、本開示の教示に従ってより多くの変更や修正がなされ得、これらの変更や修正はすべて本開示の保護範囲内に含まれることは当業者には理解されるところである。本開示の保護範囲は添付の特許請求の範囲及びその等価範囲によって定義されるものとする。
【国際調査報告】