(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】解放可能な結束具
(51)【国際特許分類】
B65D 63/12 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B65D63/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507983
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 US2022040246
(87)【国際公開番号】W WO2024015083
(87)【国際公開日】2024-01-18
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344578
【氏名又は名称】ケイエムエル ホールディング グループ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【氏名又は名称】長谷川 洋
(72)【発明者】
【氏名】マクドゥウェル3世、 ジョージ アール.
【テーマコード(参考)】
3E085
【Fターム(参考)】
3E085BA06
3E085BB02
3E085BD03
3E085BD08
3E085BE10
3E085BG02
3E085BG10
(57)【要約】
物品を内部に固定する結束具が、緩めたり解放したりすることできるようになり、物品をそこから取り除いたり、結束具を再利用できるようになった。結束具は、ストラップが通過するロッキングヘッドの開口部に延びるラッチの歯と係合する、形成された歯を有する細長いストラップを含む。ストラップの歯とラッチの歯の係合は、一方向(締め付け)のみの移動を可能にする。レセプタクル部が、ラッチに配置され、ラッチの歯とストラップの歯との係合を解放するため、工具をその中に受け入れ、およびラッチを枢動させることを可能とし、ストラップが反対方向(取り外す)に動くことができるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側に形成された多数のストラップ歯を有する細長い平面ストラップと
前記ストラップの第1の端部に隣接して形成された解放可能なロッキングヘッドと、を備える、解放可能な結束具であって、
前記ロッキングヘッドは、
前記ストラップの第2の端部をロッキング方向に受け入れて、1または2以上の物品の周囲を固定するループを形成する部分であって、その部分を通過するストラップの量がループの大きさを制御する、開口部と、
前記開口部内に延びる少なくとも1つのロック歯を含み、前記ストラップの解放方向への移動を防止するために、少なくとも1つのロック歯が前記ストラップ歯と相補的であり、少なくとも1つの前記ストラップ歯と係合するように適合された、ラッチと、
前記ラッチ内に工具を受け入れる部分であって、前記工具が、前記開口部から離れるように前記ラッチを枢動させ、少なくとも1つの前記ロック歯を少なくとも1つの前記ストラップ歯との係合から解放して、前記ストラップを解放方向に動かすことを可能にするレセプタクル部と、を含むことを特徴とする解放可能な結束具。
【請求項2】
前記1または2以上の物品がケーブルを含むことを特徴とする請求項1に記載の解放可能な結束具。
【請求項3】
前記1または2以上の物品が、ケーブルと、ケーブルが固定される構造物とを含むことを特徴とする請求項1に記載の解放可能な結束具。
【請求項4】
前記レセプタクル部が、前記開口部の外側にある前記ラッチの一部において垂直に延びることを特徴とする請求項1に記載の解放可能な結束具。
【請求項5】
前記レセプタクル部が、多数のレセプタクル部を含むことを特徴とする請求項1に記載の解放可能な結束具。
【請求項6】
前記ストラップ歯が、前記ループの外側にあるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の解放可能な結束具。
【請求項7】
前記ロッキングヘッドが、
前記ストラップに隣接する前壁と、
前記前壁から垂直に延びる2つの側壁と、
前記側壁から内側に延びるが、その間に開放部分を与える2つの部分壁と、
前記2つの部分壁の間に延びる支点であって、前記ラッチが前記支点から延び、前記開放部分の間の中心に位置する支点と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の解放可能な結束具。
【請求項8】
前記ロッキングヘッドがさらに、
前記2つの側壁の間に延びる後壁と、
前記ラッチに枢動する空間を与えるための、前記後壁と前記ラッチとの間の隙間と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の解放可能な結束具。
【請求項9】
前記ストラップ歯が前記ループの内側にあるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の解放可能な結束具。
【請求項10】
前記ロッキングヘッドが、前記ストラップに隣接する壁を含み、
前記ラッチが、前記少なくとも1つのロック歯の反対に傾斜した側面を含み、
前記傾斜した側面の下部が壁に接続されており、
隙間が前記傾斜した側面と前記壁との間に形成されており、前記隙間が前記ラッチを前記開口部から離れる方向に枢動させる能力を与えることを特徴とする請求項9に記載の解放可能な結束具。
【請求項11】
1または2以上の物品の周囲に、解放可能な締め付けの結合を与える方法であって、
当該方法が、
一方の側に形成された多数のストラップ歯と、一方の端部に形成されたロッキングヘッドとを有する細長い平面ストラップを与えることと、
前記ロッキングヘッド内の開口部に前記ストラップの反対側の端部をロックする方向に挿入して、前記1または2以上の物品を受け入れるループを形成し、前記開口部を通過する前記ストラップの量が前記ループの大きさを制御すること、および、前記ストラップ歯と相補的で、前記開口部内に延びている前記ロッキングヘッドのラッチに形成された少なくとも1つのロック歯と、少なくとも1つのストラップ歯とを係合させ、前記ストラップの解放方向への移動を防止して、前記ストラップを前記ロッキングヘッドの中にロックすることにより、前記1または2以上の物品が固定された時に、前記1または2以上の物品の周りに前記ストラップが固定されることと、
前記ラッチ内のレセプタクル部に工具を挿入し、前記ラッチを前記開口部から離れる方向に枢動させて、前記少なくとも1つのロック歯を前記少なくとも1つのストラップ歯から解放すること、および、前記ループを構成している前記ストラップの一部を前記ロッキングヘッドから離れる方向に引っ張ることにより、前記1または2以上の物品が解放された時に、前記1または2以上の物品の周囲から前記ストラップが解放されることと、を含む。
【請求項12】
前記ストラップを固定することが、前記ストラップを1または2以上のケーブルの周りに固定することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ストラップを固定することが、前記ストラップをケーブルおよび構造物の周囲に固定することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記レセプタクル部に前記工具を挿入することが、前記工具の多数のピンを多数のレセプタクル部に挿入することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ラッチを前記開口部から離れるように枢動させることが、前記ラッチを前記ストラップから離れるように枢動させることを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ストラップの反対側の端部を前記開口部に挿入することが、前記ストラップ歯が前記ループの内側に向くように前記ストラップを挿入することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記ラッチを前記開口部から離れるように枢動させることが、前記ラッチを前記ストラップに向かって枢動させることを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
一方の側に形成された多数のストラップ歯を有する細長い平面ストラップと
前記ストラップの第1の端部に隣接して形成された解放可能なロッキングヘッドと、を備え、
前記ロッキングヘッドが、
前記ストラップに隣接する前壁と、
前記前壁から垂直に延びる2つの側壁と、
前記側壁から内側に延びるが、その間に開放部分を与える2つの部分壁と、
前記2つの部分壁の間に延びる支点と、
前記ストラップの第2の端部をロック方向に受け入れる開口部と、
前記支点に取り付けられ、前記開口部の間に位置するラッチであって、前記ラッチが、前記開口部内に延びる少なくとも1つのロック歯を含み、前記少なくとも1つのロック歯が、前記ストラップ歯と相補的であり、少なくとも1つのストラップ歯と係合して、前記ストラップの解放方向への移動を防止するように適合されているラッチと、
工具を受け入れるための前記ラッチ内のレセプタクル部であって、前記工具が、前記開口部から離れるように前記ラッチを枢動させ、少なくとも1つのロック歯を前記少なくとも1つのストラップ歯との係合から解放して、前記ストラップを解放方向に動かすことを可能にするレセプタクル部と、を含むことを特徴とする解放可能な結束具。
【請求項19】
前記ロッキングヘッドが、さらに、
前記2つの側壁の間に延びる後壁と、
前記ラッチが枢動するスペースを与える前記後壁と前記ラッチとの間の隙間と、
を含むことを特徴とする請求項18に記載の解放可能な結束具。
【請求項20】
前記ストラップが、各縁に沿って延び、および前記ストラップの歯を取り囲むガイドレールを含み、前記2つの部分壁が前記ガイドレールを受け入れて、前記開口部内に前記ストラップを保持するものであることを特徴とする請求項18に記載の解放可能な結束具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
結束具は、様々な物品を結び、留め、および/または接続するために使用される。例えば、結束具は、束の中に一緒に収容するために束に包まれたケーブル(例えば、電源コード)を固定するのに使用できる。結束具は、互いに一つに纏めるために類似の経路を通過している異なるケーブル(例えば、電源コード、データケーブル、その他のケーブル)を固定するのに使用できる。結束具は、他の物、例えば、それら(異なるケーブル)が利用されている机、シャーシ等に、異なるケーブルを固定するのに使用できる。しばしば結束バンドとして知られる結束具は、簡単に使用できるように設計されている。結束バンドは、複数の歯を持った細長い本体と、結束具を締め付けるのに関係して一の方向に本体が通過することができるヘッドとを含み得る。結束バンドは、一緒に固定されるケーブルの周り、または、ケーブルおよびケーブルが固定される物の周りに配置され、そして、所望の締め付けが達成されるまで、ヘッドを通して本体を配置することにより締め付け可能である。典型的な結束バンドは、緩め、または取り外すことができず、しかも1回の使用のために設計されている。
【0002】
それゆえ、結束バンドを取り外したり、緩めたりするには、当該バンドを切断しなければならない。結束バンドは、例えば、ケーブルの束からケーブルを取り外す、固定された1または2以上のケーブルの経路を変える、または、ケーブルの束にケーブルを追加するなど、さまざまな理由で、取り外したり緩めたりする必要がある。ケーブルを束ねたまま、および/または所定の位置に保持したままにする場合は、新しい結束バンドを使用しなければならない。既存の結束具を切断し、取り外すプロセスは、不便でコストがかかるだけでなく、ケーブルやケーブルが固定されている物品の損傷につながる可能性がある。例えば、ケーブルが固定されていたオートバイの損傷は、オートバイの美観を損ない、その価値を下げる可能性がある。ワイヤーハーネス(ケーブルの束)の中の1または2以上のケーブルの損傷は、ワイヤーハーネス全体の交換を必要とするかもしれない。ワイヤーハーネスの交換は、例えば、大型旅客機のような大規模な生産の作業で問題となる。航空会社は、交換、経路の変更、および再固定が必要な何マイルにもわたる電気ケーブルを使用しなければならないからである。
【0003】
解放可能なケーブル結束具が提案されているが、それらはしばしば利用するのに扱いにくい。さらに、解放可能な結束具は、一定の状況ではあまり好ましくない大きなヘッドを必要とする。また、解放可能な結束具は、あまり好ましくはない結束の解放を誰にでも可能にしてしまう。必要なのは、固定されてはいるが、解放および調整または取り外すことが可能で、使用するのが不便でなく、大きなヘッドを必要とせず、および不特定多数の人により簡単に解放することはできない結束具である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明に係る解放可能なケーブル結束具の構造、目的、および利点は、添付の技術図面と併せて実例となる実施形態の詳細な説明を参照することにより理解することができる。
図1A-Bは、一実施形態に係る、一例の解放可能な結束具の上面図を示す。
図2A-Bは、一実施形態に係る、一例の解放可能なケーブル結束具の側面断面図を示す。
図3は、一実施形態に係る、一例の解放可能なケーブルの底面図を示す。
図4は、一実施形態に係る、ロック位置にある一例の解放可能なケーブル結束具の側面断面図を示す。
図5は、一実施形態に係る、解放可能なケーブル結束具を解放するために利用できる一例の工具の遠近図を示す。
図6A-Dは、一実施形態係る、解放可能なケーブル結束具を解放するために利用できる一例の工具の上面図および側面図を示す。
図7は、一実施形態係る、一例の解放可能な結束具を解放するために利用する一例の工具の側面断面図を示す。
図8A-Dは、様々な実施形態に係る、ラッチの中に形成され得るレセプタクル部の様々な構成の上面図を示す。
図9A-Iは、様々な実施形態に係る、ラッチのレセプタクル部に利用され得る様々な形状を示す。
図10A-Cは、一実施形態に係る、摩擦底面を有する一例の解放可能な結束具のいくつかの実施形態の底面図を示す。
図11は、一実施形態に係る、より大きな荷重を支えることができる解放可能なロッキングヘッドを有する一例の解放可能な結束具の上面図を示す。
図12は、一実施形態に係る、より大きな荷重を支えることができる解放可能なロッキングヘッドを有する一例の解放可能な結束具の側面断面図を示す。
図13は、一実施形態に係る、おり返されロッキングヘッドの開口部に収納されている、一例の解放可能な結束具のストラップの側面断面図を示す。
図14A-Fは、一実施形態に係る、追加された接続機構を有する一例の解放可能な結束具の上面図を示す。
図15は、一実施形態に係る、ストラップとロッキングヘッドとの係合を示す一例の解放可能な結束具の側面断面図を示す。
図16は、一実施形態に係る、解放可能な結束具を解放するために利用される一例の工具の側面断面図を示す。
図17は、一実施形態に係る、ストラップとロッキングヘッドとの係合を示す一例の結束具の側面断面図を示す。
図18は、一実施形態に係る、一例の解放可能な結束具を解放するために利用される一例の工具の側面断面図を示す。
図19A-Cは、一実施形態に係る、結束具が使用される前の物に結束具を固定することを可能にするストラップに形成された通過部を有する一例の解放可能な結束具の上面図/側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
1または2以上の物品(例えば、ケーブル)をその中に固定し、および/または物(例えば、机、シャーシ)に固定する結束バンドは、解放することができので、物品を調整し、および/または取り除き、またはそこに他の物品を追加できるように緩めたり、取り外したりすることができる。結束バンドは、形成された歯を有する細長いストラップを含み、ロッキングヘッド内で歯と係合して、一方向(締め付け)の移動のみを可能にする。ロッキングヘッドはまた、解放機構を含み、ロッキングヘッド内の歯が細長いストラップの歯との係合を解放することを可能にするので、ストラップが反対方向に移動でき、ストラップの緩み、またはストラップの取り外しを可能にする。解放機構は、係合のためのより広い空間を提供するように、ストラップ内に固定された物品から外方に向くように構成されてもよい。解放機構は、それと係合する工具を必要とするので、ストラップが偶発的に解放され、またはあまり望ましくない個人(例えば、工具を持たない者)によって解放されない。
【0006】
図1Aは、切断または破損することなく取り外せるように解放できる(解放可能な結束具)一例の結束具10の上面図を示し、および
図1Bは、近接図(上面)を示す。結束具10は、細長い平面ストラップ20と解放可能なロッキングヘッド40とを含む。ストラップ20は、第1の端24(図示されるように左)から第2の端26(図示されるように左)まで横切って延びる長さ22を有する。長さ22は、結束具10をどのような用途に使用するかによって変わる場合がある。ストラップ20の第1の側(図示されるように上部)は、ガイドレール30内に形成された多くの歯28を含む。ストラップの歯28は、一方の側が平らで他方の側に角度が付けられた鋸歯状であってもよい(ただし、これに限定されない)。第1の端部24は、解放可能なロッキングヘッド40に接続されている。ストラップ20の第2の端部26は、舌部32(歯はない)を含む。舌部32とガイドレール30は、ストラップ20を解放可能なロッキングヘッド40内に進めるのを助ける。ストラップの舌部32の包含は、歯28がストラップ20を固定(ストラップ20がロッキングヘッド40から外れるのを防ぐ)できるようになる前に、最小量のストラップ20がヘッド40を通過するのを必要とする。
【0007】
解放可能なロッキングヘッド40は、ストラップ20よりも幅が広く、およびストラップ20に隣接する前壁42と、前壁42から垂直に延びる2つの側壁44と、側壁44から内側に延びつつ、間に開放部48を与える2つの部分背面壁46と、を含む。開口部50は、ロッキングヘッド40内に形成され、ストラップ20が通過できるようになっている。ストラップ20は、第1の側(例えば、底部)から第2の側(例えば、上部)へ、開口部50の中を通過する。ストラップ20が開口部50内に位置するとき、ロック歯28は、2つの部分背面壁46および開放部48の方を向く。2つの部分背面壁46は、開口部50に隣接しており、ストラップ20のガイドレール30を受け入れ、開口部50内にストラップ20を保持するために利用される。ラッチ52は、開放部48内の中央に位置して形成され、開口部50内に延びている。ラッチ52は、開口部50内に延びてストラップ歯28と係合する1または2以上の歯(
図1A-Bでは別々に確認できない)を含む。開口部50内での1または2以上のラッチ歯とストラップ歯28との係合は、ストラップ20が、第1の方向(締め付け)には開口部44を通過できるが、第2の方向(緩め、取り外し)には通過できないようにする。
【0008】
ラッチ52は、その中に形成された1または2以上のレセプタクル部54(2つ図示)を含む。レセプタクル部54は、ラッチ52に係合しおよびラッチ52を軸として開口部50の外に枢動するための工具を受け入れる。ラッチ52の係合および枢動は、ラッチ歯が開口部50から離れるようにし、ストラップ歯28との係合を解放する。ラッチ歯とストラップ歯28との係合が解放されると、ストラップ20はロックが解徐され、開口部50の第2の方向(緩めるまたは取り外す)に通過できる。レセプタクル部54は、整列されたピンを有する工具(または考えられるものとして、ペーパークリップ、ステープルまたはワイヤ)を利用することを可能とするただの2つの横並びの穴として図示されている。レセプタクル部54は、図示されているような2つの整列した穴に限定されるものではない。むしろ、レセプタクル部は、ある一つの工具をその中に受け入れることを可能にする任意の構成とすることができる。例えば、レセプタクル部54は、例えば、マイナスドライバーを受け入れることができるスリット、プラスドライバーを受け入れることができる十字、または利用される固有の工具を必要とする固有の設計とすることができる。一実施形態によれば、レセプタクル部54とそれに使用される工具は、工具を紛失して結束具10を解放できなくなるケースを避けるために、いくぶん標準的なものである。
【0009】
図2Aは、一例の解放可能な結束具10の側面断面図を示し、および
図2Bは、近接断面図を示す。1または2以上の歯56(2つ図示されているが、決してこれに限定されない)が、開口部50内に延びて、1または2以上のストラップ歯28と係合する(
図2A-Bには図示されていない)。図示されるように、歯56は、ロッキングヘッド40の前壁42およびラッチ52の上部の面より下に配置されているが、決してこれに限定されることを意図するものではない。むしろ、上の歯56は、現在の技術思想の範囲から逸脱することなく、前壁42およびラッチ52の上部の面と一直線になるようにされ得る。さらに、ラッチ52の上部の面は、前壁42の上部の面と一直線になるように図示されているが、これに限定されるものではない。一実施形態によれば、ラッチ52の上部の面は、例えば、そのロックが誤って解徐されるのを防止するため、ロッキングヘッド40の残りに打撃を与えることができる。
【0010】
ラッチ歯56は、図示されているように、一方の側が平坦で他方の側が角度をなしている鋸歯状であってもよい(しかし、決してこれに限定されることを意図するものではない)。前述したように、1または2以上の歯56および歯28の構成は、ストラップ20が開口部50を第1の方向(締め付け方向)には通過できるが、第2の方向(解放方向または取り外し方向)には通過できないようにする。レセプタクル部54(1つだけ見える)は、ラッチ52の中に延びている。レセプタクル部54はそこに工具を受け入れるようにする。工具が挿入されると、工具は開口部50から離れる方向に回動でき、ラッチ52を開口部50から離れる方向に枢動させる。ラッチ52が開口部50から離れる方向に枢動することを可能とする枢動点60を与えるように、ラッチ52は支点58の上に配置されてもよい。ラッチ52が枢動すると、歯56は歯28から離れるように移動して、それら(歯56)が歯28から解放され、および開口部50内でのストラップ20の第2の方向への移動(緩めまたは取り外し)できるようにする。ラッチ52が枢動すると、図示されるように、歯56は、上および左に移動することができる。
【0011】
図示されているように、レセプタクル部54の開口は、ラッチ52の第二の端部(図示された上部)からであり、ラッチ52内をまっすぐ下方に延びている。しかしながら、レセプタクル部54の構成は、決してこれに限定されることを意図するものではない。むしろ、現在の技術思想の範囲から逸脱することなく、レセプタクル部54の開口は、ラッチ52の側面(図示された左)からでも良く、および/またはラッチ52内で斜めに延びていても良い。歯28から歯56を解放するためにラッチ52を枢動することによって結束具10のロックを解徐する工具を利用する能力を与えるすべての構成は、現在の技術的思想の範囲内に入る。
【0012】
図3は、ストラップ20とロッキングヘッド40を含む一例の解放可能な結束具10の底面図を示す。最下部のラッチ歯56が開口部50内に延びているのがわかる。支点58は、2つの部分背面壁46の間に延びている。開放部48は支点58の近くに位置し、ラッチ52は開放部48内の中央に位置する。ストラップ10の下側34は、上側の歯28とは反対に滑らかであってもよい。
【0013】
図4は、ロック位置にある一例の解放可能な結束具10の側面断面図を示す。ロック位置において、開口部50内のラッチ歯56とストラップ歯28の係合が明らかに見てわかる。ストラップ20がロッキングヘッド40を通過すると、ループ70が、物品(物品は図示されていない)の周りに締め付けのために形成されて、例えば、それら(物品)を一緒に固定しまたは決まった場所に固定する。ストラップ歯28はループ70の外側に位置し、ならびにストラップ20の底部34はループ70内に位置し、および結束具10によって固定された物品と接触する。図示されているように、底部34は滑らかであり、そのため締め付けられたときに物品への衝撃はない。ラッチ52とレセプタクル部54は、ループ70の外側に位置し、およびストラップ20とループ70の間には位置せず、レセプタクル部50への容易なアクセスを提供する。
【0014】
図5は、解放可能なケーブル結束具10のロックを解放するために利用できる一例の工具100の遠近図を示す。工具100は、本体110とそこから延びる一対のピン120を含む。一対のピン120は、一例の結束具10の2つの整列したレセプタクル部54に挿入するために利用される。ピン120の数、形状、向き、および大きさは、一例の結束具10のレセプタクル部54の数、形状、向き、および大きさに基づいて異なっていてもよい。本体110は概ね長方形として図示されているが、これに限定されるものではない。
【0015】
図6A-Dは、解放可能なケーブル結束具10のロックを解徐するために利用できる一例の工具150の上面図と側面図を示す。工具150は、本体160と、そこから延びるピン(2本図示)170と、を含む。図示されているように、本体160は楕円形であるが、決してそれによって限定されることを意図するものではない。ピン170の数、形状、向き及び大きさは、一例の結束具10のレセプタクル部54の数、形状、向き及び大きさに基づいて変化してもよい。ピン170は、工具150が使用されていないときには本体160内に収容され、使用するときには本体160から延出されるように、収納可能であってもよい。
図6A-Bは、ハウジング部160から延びるピン170を図示し、
図6C-Dは、ハウジング部160内に収納されたピン170を図示する。
【0016】
本体160は、ピン170を引っ込めたり伸ばしたりすることができる横方向に移動可能なアクティベータ部180(例えば、スイッチ、タブ)を含むことができる。アクティベータ部180は、第1の方向(図示されるように上または前方)に動かされるとピン170がハウジング部160の外に延び、第2の方向(図示されるように下または後方)に動かされるとピン170がハウジング部160の中に収納することができるように、ピン170に接続されてもよい。アクティベータ部180は、アクティベータ部180を動かすのに利用する領域を与えるパッド(例えば、親指パッド、指パッド)190を含んでもいてもよい。ピン170を伸長または収縮させる方法は、図示されるようなハウジング部160の表面上に位置するアクティベータ部180に限定されない。むしろ、ピン170を伸長および収縮させる様々な方法が、現在の技術的思想の範囲を逸脱することなく利用され得る。
【0017】
図7は、一例の解放可能な結束具10のロックを解徐するために利用されている一例の工具100の側面断面図を示す。工具100のピン120(1つだけ見える)は、ラッチ52のレセプタクル部54(1つだけ見える)内に配置され、そして、工具100は、ロッキングヘッド40およびストラップ20から離れるように(図示されるように左および下方に)枢動される。工具100の枢動により、ラッチ52が枢動点60を中心に枢動する。ラッチ52の枢動により、ラッチ歯56がストラップ歯28から解放される。一度でも、ラッチ歯56とストラップ歯28の係合が解放されると、ストラップ20をロッキングヘッド40内で解放方向(結束具10を緩めるか取り外す)に移動させることができる。
【0018】
図8A-Dは、解放可能な結束具10の解放可能なヘッド40のラッチ52内に形成され得るレセプタクル部の様々な構成の上面図を示す。
図8Aは、ラッチ52内に形成された1個のレセプタクル部54を示す。
図8Bは、ラッチ52内に形成された一対の整列されたレセプタクル部54(先に
図1Bに示したものと同様)を示す。
図8Cは、2つの側に分けられた分離ラッチ80を示す。ここで、各側は1個のレセプタクル部54を含む。分離ラッチ80を利用することで、ラッチ80を枢動させ、およびラッチ歯とストラップ歯の係合を解放するために、両方のレセプタクル部54に工具が受け入れられることを確保する。分離ラッチ80は2つの側に分れるものとして図示されているが、これに限定されるものではない。
図8Dは、ラッチ52内に形成された3個のレセプタクル部54を示す。3個のレセプタクル部54は、わずかに後退(図示されるように左側に)した中央のレセプタクル部54をともなった、外側の2個の整列(図示されるように垂直に)したレセプタクル部54(図示されるように上部と下部)として示されている。レセプタクル部の数、大きさ、形状および向きは、
図8A-Dに図示されたものに限定されない。
【0019】
図9A-Iは、ラッチ52のレセプタクル部54に利用され得る様々な形状を示している。ただ1つのレセプタクル部54のみが含まれるように示されているが、決してこれに限定されることを意図するものではない。レセプタクル部54の形状は、限定はされないが、円形91、四角形92、三角形93、五角形94、六角形95、プラスサイン96、楕円形97、小なり(<)サイン98および星形99を含むことができる。複数のレセプタクル部54がラッチ52に含まれる場合、それらは同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
【0020】
一実施形態によれば、解放可能な結束具10の底部34は、固定している物品が滑り落ちるのを防止するために摩擦を与える表面であってもよい。摩擦面は、結束具10が作成される(例えば、成形される)ときに底部34に形成されてもよい。摩擦材が、何らかの方法(例えば、接着、ベルクロ(登録商標)、縫い付け)で結束具10の底部34に固定されてもよい。摩擦面は、例えば、機械加工によって結束具10を作成した後、底部34に形成されてもよい。
【0021】
図10A-Cは、摩擦底面を有する一例の結束具のいくつかの実施形態の底面図を示す。
図10Aは、摩擦面200がロッキングヘッド40の下に配置されている一例の結束具を示している。
図10Bは、摩擦面210がストラップ20の下に配置されている一例の結束具を示している。
図10Cは、摩擦面220がロッキングヘッド40とストラップ20の両方の下に配置されている一例の結束具を示している。摩擦面200,210,220は、例示のためにクロスハッチ、六角形、四角形として示されているが、これらに限定することを意図するものではない。
【0022】
上記の様々な図で説明したロッキングヘッド40は、堅固な背後の壁を含まず、むしろ、2つの部分背面壁46と、それらの間の開放部48と、2つの部分背面壁46の間の支点52と、支点52から延びて開放部48内の中央に位置するラッチ52とを含む。このように、ロッキングヘッド40の外壁は固定されておらず、枢動可能である。このような構造では、大きな荷重(例えば、50ポンド以上)を扱うことができる結束具10を与える十分な支えが得られないことがある。そのため、追加の支えが必要となる場合がある。この支えは、2つの部分背面壁46、支点58およびラッチ52の後方(ストラップ20からさらに離れた位置)に与えられてもよい。
【0023】
図11は、より大きな荷重を支えることができる解放可能なロッキングヘッド1110を有する一例の解放可能な結束具1100の上面図を示す。ロッキングヘッド1110は、ストラップ20に隣接する前壁1120と、前壁1120に対向する後壁1130と、前壁1120の反対側から後壁1130の対応する側へ延びる側壁1140と、側壁1140から部分的に内側に延びて中央に位置する壁1150と、中央に位置した壁1150の間に延びる支点(見えない)と、支点から延びて中央に位置した壁1150の間に位置したラッチ1160と、ラッチ1160の前方(ストラップ20に近い方)の第1の開口部1170と、ラッチ1160の後方(ストラップ20から遠い方)の第2の開口部1180と、を備える。
【0024】
開口部1170は、ストラップ20がそこを通過できるようにする。中央に位置した壁1150は、ストラップ20のガイドレール30を受け止め、ストラップ20を開口部1170内に保持する。ラッチ1160は、開口部1170内に延び、ストラップ20の歯と係合するための歯(見えない)を含む。ラッチ1160は、ストラップ20が開口部1170内を第1の方向(例えば、締め付け方向)には通過できるが、第2の方向(例えば、緩め方向、取り外し方向)には通過できないようにする。開口部1180は、開口部1170から離れるように枢動して、ストラップの歯からラッチの歯を解放し、およびストラップ20を第2の方向に動かすことを可能にするための空間をラッチ1160に与える。ラッチ1160は、レセプタクル部1162を含み、ラッチ1160に開口部1170から開口部1180への枢動ができるようにするための工具を受け入れるようにする。
【0025】
図12は、より大きな荷重を支えることができる解放可能なロッキングヘッド1110を有する一例の解放可能な結束具1100の側面断面図を示す。ロッキングヘッド1110は、ストラップ20を受け入れるために、前壁1120とラッチ1160との間の開口部1170を含む。開口部1180は、ラッチ1160と後壁1130の間に位置し、ラッチ1160がその内側および開口部1170の外側に枢動できるようにする。ラッチ1160は、支点1190から上方に延び、およびストラップ歯28と係合するための開口部1170内に延びる歯1164を含む。ラッチ1160は、また、ラッチ1160を枢動させるために工具を受け入れるためのレセプタクル部1162を含む。
【0026】
図示されるように、ラッチ1160の高さは、前壁1120、側壁1140、および中央に位置する壁1150の高さよりも低い。このようにラッチ1160を下方に与えることにより、ロッキングヘッド1110が誤って解放される可能性を低減することができる。しかしながら、高さは、壁1120,1140,1150の高さよりも低いことに限定されない。後壁1130の高さも、壁1120,1140,1150の高さより低いものとして図示されているが、これに限定されるものではない。
【0027】
一実施形態によれば、開口部1180は、余分なストラップ20(ロッキングヘッド1110を通過したストラップ20の部分)をその中に固定することを可能にする。
図13は、ループ状に戻されて開口部1180に収納された一例の解放可能な結束具1100のストラップ20の側面断面図を示す。この配置は、結束具1100の偶発的なロック解除に対する障壁を与える。
【0028】
図14A-Fは、接続機構が追加された一例の解放可能な結束具1100の上面図を示す。接続機構は、結束具1100と、その中に固定された中身とを対象物(例えば、壁、天井、シャーシ、キャビネット、机)に固定することを可能にする。接続機構は、ロッキングヘッド1110に固定してもよい。接続機構は、形成された穴を有するロッキングヘッド1110から延びる本体(例えば、タブ、アイレットなど)であってもよく、これが結束具をねじ、釘、リベットなどで接続したり、対象物に取り付けられたフックなどに接続したりすることを可能にする。あるいは、接続機構は、そこから延びる突起(例えば、ネジ、ピン、リベットなど)であってもよく、これが対象物に取り付けるのに使用される。
【0029】
図14Aは、ロッキングヘッド1110から(別々に特定はできないが、明確には後壁1130から)延びるアイループ部1310を含む一例の解放可能な結束具の上面図を示す。このアイループ部1310は、そこを通してネジ、釘、リベットなどを受け入れるのに使用することができ、結束具を対象物(シャーシなど)に固定する。あるいは、アイループ部1310は、結束具が固定される対象物から延びているフック、タブ、ピンなどの周囲に固定するのに利用してもよい。
図14Bは、ロッキングヘッド1110から延びる取り付けヘッド1320を含む一例の解放可能な結束具の上面図を示す。取り付けヘッド1320は、そこを通した形成された穴を含み、ネジなどが結束具を対象物に固定できるようにし、または結束具が固定される対象物から延びているフックなどの周囲に配置できるようにする。
【0030】
図14Cは、ロッキングヘッド1110から延びるネジマウント部1330を含む一例の解放可能な結束具の上面図を示す。ネジマウント部1330は、ネジマウント部1330を対象物に形成されたネジ穴にねじ込むことによって、結束具を対象物(例えば、シャーシ)に固定するために利用することができる。
図14Dは、ロッキングヘッド1110から延びるピンプッシュマウント部1340を含む一例の解放可能な結束具の上面図を示す。ピンプッシュマウント部1340は、フランジ(その端部に番号は付されていない)を含んでいてもよい。ピンプッシュマウント部1340は、ピンプッシュマウント部1340を対象物に形成された穴を通して押し込むことにより、結束具を対象物(例えば、シャーシ)に固定するのに利用することができる。ここで、フランジは穴に結束具を固定する。
【0031】
図14Eは、ロッキングヘッド1110から延びるラベル1350を含む一例の解放可能な結束具の上面図を示す。ラベル1350は、その中に固定される物品を識別するために使用することができる。
図14Fは、ロッキングヘッド1110から延びるハンドル1380を含む一例の解放可能な結束具の上面図を示す。ハンドル1380は、一緒に束ねられた物品を運ぶために使用されてもよい。例えば、ハンドル180は、結束具に包まれおよび固定された電源コードを運ぶために利用することができる。
【0032】
図1-14は、ラッチ52,1160が、ロッキングヘッド40、1110の遠い端(ストラップ20から離れた端)にあった場合の実施形態に焦点を当てた。この実施形態では、ストラップの歯28は、結束具10,1100内に固定されている物品から離れて(ループ70の外側に)位置する。しかし、結束具10,1100はこれに限定されるものではない。むしろ、結束具は、ラッチがロッキングヘッドの近い端(ストラップ20に接続する端)にあるように構成することができる。このような実施形態では、ストラップ歯28は、結束具で固定された物品にぶつかって(ループ70の内部に)位置する。
【0033】
図15は、ストラップ1410とロッキングヘッド1420の係合を示す一例の結束具1400の側面断面図を示す。ストラップ1410は、図示されるように下側の歯1412を含み、それらがロッキングヘッド1420の開口を通過すると、歯1412はストラップ1410に向かい合っている。ロッキングヘッド220は、その近い端(ストラップ1410に接続する端)にラッチ1422を含む。ラッチ1422は、ロッキングヘッド1420の遠い端に向く歯1430を含む。ラッチ1422は、その上側に、工具を受け入れるためのレセプタクル部1424を含む。ラッチ1422は枢動点1428を与えるために支点1426に乗っている。ラッチ1422はストラップ1410に向かって枢動するので、枢動の量は制限される。
【0034】
図16は、一例の解放可能な結束具1400のロックを解除するために利用された一例の工具100の側面断面図を示す。工具100のピン110(1つだけ見える)は、ラッチ1422のレセプタクル部1424(1つだけ見える)内に位置し、および、工具100は、ロッキングヘッド1420から離れ、およびストラップ1410に向かって(図示されているように、右および下へ)枢動される。工具100の枢動により、ラッチ1422が枢動点1428を中心に枢動することになる。ラッチ1422の枢動により、ラッチ歯1430がストラップ歯1412から解放されることになる。一度でも、ラッチ歯1430とストラップ歯1412との係合が解放されると、ストラップ1410をロッキングヘッド1420内で解放方向に(結束具1400を緩めるか取り外すかのいずれかの方向に)移動させることができる。
【0035】
一実施形態によれば、
図14A-Fに示されるような様々な接続機構が結束具1400に追加され得る。接続機構は、ロッキングヘッド1420の遠い側(ストラップ1410から離れた側)に接続され得る。
【0036】
ラッチ1422がストラップ1410に向かって枢動するので、枢動の量は制限される。代わりの実施形態が、枢動の量を増加させるために利用されてもよく、ラッチ歯1430とストラップ歯1412との係合の解除する枢動を確実し、ストラップ1410は、解放方向にロッキングヘッド1420内を移動できる。
【0037】
図17は、ストラップ1410とロッキングヘッド1620の係合を示す一例の結束具1600の側面断面図である。ロッキングヘッド1620は、ストラップ1410に隣接する前壁1630と、前壁1630から延びるラッチ1640と、ストラップ1410を通過できるようにするための開口部1650と、後壁1160と、を含む。ラッチ1640は、開口部1650に入る歯1642を含む。ラッチ1640は、その上側に、工具を受け入れるためのレセプタクル部1644を含む。ラッチ1640は、ラッチ1640の枢動を可能にするための、前壁1630に面した角部1646を有する。
【0038】
図18は、一例の解放可能な結束具1600のロックを解除するために利用される一例の工具100の側面断面図を示す。工具100のピン110(1つだけ見える)は、ラッチ1640のレセプタクル部1644(1つだけ見える)内に位置し、工具100は、ロッキングヘッド1600の前壁1630およびストラップ1410に向かって(図示されているように、右および下方に)枢動される。工具100の枢動は、ラッチ1640を枢動させ、ラッチ歯1642をストラップ歯1412から解放するようにする。一度でも、ラッチ歯1642とストラップ歯1412との係合が解放されると、ストラップ14100はロッキングヘッド1620内で解放方向に(結束具1600を緩めるか取り外す)移動できる。
【0039】
一実施形態によれば、
図14A-Fに示されるような様々な接続機構が結束具1600に追加され得る。接続機構は、ロッキングヘッド1620の後壁1160に接続され得る。
【0040】
図19Aは、ロッキングヘッド1110より前のストラップ20の部分に形成された通過部1970を含む一例の解放可能な結束具1100の上面図を示す。通過部1970は、ストラップ20を通過させて、例えば、器具(結束具)が使用時に締め付けられる前に、利用される物品に結束具を固定することができようにする。例えば、ストラップ20を通過部1970に通すことにより、結束具を電源コードの端に固定して、電源コードを使用するとき、および電源コードが保管のために包まれて、すでに決まった場所にあるときに、結束具が電源コード上に位置するようにする。別の例として、結束具は、そこを通過する多数のケーブルを有する物品(シャーシ、机など)に固定される。ケーブルが配線されていても、結束具は、計画された様式でケーブルを物品に固定するのに使用することができる。
【0041】
図19Bは、物品をそれ自体または他の物品に解放可能に固定するのに使用される前に、通過部1970を使用して物品1980の周りに包まれた一例の解放可能な結束具1100の側面断面図を示す。例えば、物品1980は電源コードであってもよく、ストラップ20をロッキングヘッド1110に通すことにより、電源コードが一緒に包まれおよび固定される前に、結束具はそこ(物品1980)に固定される。物品1980は、シャーシまたは机の部分であってもよく、一度でも他の物品(例えば、ケーブル、コード)が配線されおよび解放可能な結束具を固定していれば、結束具は所定の位置に固定され、そして利用できる。
図19Cは、通過部1970にストラップ20を通すことにより物品1980の周りに包まれ、そして、ロッキングヘッド1110にストラップ20を通すことにより他の物品1990の周りに包まれた一例のロック解除結束具1100の側面断面図を示す。物品1980は、物品1990と同じであってもよく(例えば、両方とも電源コードであってもよく)、異なっていてもよい(例えば、シャーシとケーブル)ことに留意すべきである。物品1990はすべて同じであってもよく(例えば、1本のコードを数回包んでもよく)、異なる物品(例えば、シャーシに配線された異なるケーブルおよび/またはコード)であってもよい。
【0042】
通過部1970は、一例の解放可能な結束具1100に実装されるように図示されたが、これに限定されないことに留意すべきである。むしろ、通過部1970は、本明細書で説明された他の例の解放可能な結束具10,1400,1600を含む解放可能な結束具の任意の実施形態に実装できる。
【0043】
一例の解放可能な結束具10,1100,1400,1600は、好ましくは、ナイロンやポリプロピレンなどの熱可塑性プラスチックから一体成形され、所望の歯止めと解放はもちろん、所望の働きを可能にするのに十分な強度と弾力性を持つ。
【0044】
一例の解放可能な結束具は、一緒にケーブルを固定することについて、および/またはケーブルが通過する物品に固定することについて記述されてきたが、解放可能な結束具は決してそれらに限定されることを意図しない。むしろ、解放可能な結束具は、現在の技術的思想の範囲から逸脱することなく、様々な種類の物品を一緒に、または他の物品に固定するのに、解放可能な結束具を利用することができる。
【0045】
本発明を特定の実施形態を参照して説明したが、本発明は、その(技術的思想の)範囲から逸脱することなく様々な変更および修正を行うことができるので、これに限定されないことは明らかである。「一つの実施形態」または「ある実施形態」との言及は、そこに記載された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な場所に現れる「一つの実施形態において」または「ある実施形態において」という表現は、必ずしもすべてが同一の実施形態への言及ではない。
【0046】
様々な実施形態が、添付の特許請求の範囲の技術的思想および範囲内で広く保護されることが意図される。
【国際調査報告】