(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】カッタ組立体を有する産業用機械
(51)【国際特許分類】
B02C 18/18 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
B02C18/18 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508374
(86)(22)【出願日】2022-07-27
(85)【翻訳文提出日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 US2022074206
(87)【国際公開番号】W WO2023019063
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501447775
【氏名又は名称】エスエスアイ シュレッディング システムズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SSI SHREDDING SYSTEMS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ トッド
(72)【発明者】
【氏名】ブラスコ ジェームズ
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CC01
4D065DD04
4D065DD19
(57)【要約】
産業用破砕機におけるカッタ組立体が提供される。カッタ組立体は、外方向に先細になりかつ第1の傾斜面を有するウェッジを含み、第1の傾斜面は、回転シャフトのポケットに収まるように構成された基部側から延在する。カッタ組立体は、ホルダの基部側に向かって内方向に先細になるテーパ部と、取付装置を受け入れるように各々構成された1つまたは複数の取付装置開口部とを有する、ホルダをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用機械のためのカッタ組立体であって、
外方向に先細になり、かつ第1の傾斜面を含む、ウェッジであって、該第1の傾斜面が、回転シャフトのポケットに収まるように構成された基部側から延在する、ウェッジ;および
ホルダであって、
該ホルダの基部側に向かって内方向に先細になり、かつ該第1の傾斜面との界面を形成するように構成された第2の傾斜面を含む、テーパ部と、
取付装置を受け入れるように各々構成された、1つまたは複数の取付装置開口部と
を含む、ホルダ
を含む、産業用機械のためのカッタ組立体。
【請求項2】
前記ウェッジが第1の段部を含み、前記ホルダが第2の段部を含み、ここで該第1の段部と該第2の段部とが嵌合し、かつ該第1の段部が該第2の段部の外側への移動を抑制する、請求項1記載のカッタ組立体。
【請求項3】
前記ホルダが、
前記ホルダを貫通して横方向に延在し、かつ
取付装置を受け入れかつ設置中に前記ホルダの移動を可能にするように各々設計された、
1つまたは複数の取付装置開口部
を含む、
請求項1記載のカッタ組立体。
【請求項4】
前記ホルダが、2つの対向する平坦な側面を有する多角形カッタを含み、該2つの対向する平坦な側面の一方が、前記ポケット内の側壁と面共有接触するように構成されている、請求項1記載のカッタ組立体。
【請求項5】
前記ウェッジ内の戻り止めと嵌合するように構成されたカッタをさらに含む、請求項1記載のカッタ組立体。
【請求項6】
前記1つまたは複数の取付装置開口部が半径方向に延在する、請求項1記載のカッタ組立体。
【請求項7】
前記ウェッジが、前記ホルダとは異なる種類の鋼から構築されている、請求項1記載のカッタ組立体。
【請求項8】
ポケットを含む、回転シャフト;および
該ポケットに取り外し可能に取り付けられるように設計された、カッタ組立体
を含む、産業用機械であって、
該カッタ組立体が、
外に向かって半径方向に先細になり、かつ該ポケットに収まるように構成された基部から延在する第1の傾斜面を含む、ウェッジと、
内方向に先細になり、かつ該第1の傾斜面と面共有接触する第2の傾斜面を含む、テーパ部
を含む、ホルダと
を含む、
産業用機械。
【請求項9】
前記ホルダが、
前記ポケットに取り外し可能に結合するように設計された第1の取付装置を受け入れるように構成された、第1の取付装置開口部
を含む、
請求項8記載の産業用機械。
【請求項10】
前記第1の取付装置開口部が半径方向に整列している、請求項9記載の産業用機械。
【請求項11】
前記ホルダが、
第2の取付装置を受け入れかつ設置中に前記ホルダの移動を可能にするように設計された、横方向に整列した取付装置開口部
を含む、
請求項9記載の産業用機械。
【請求項12】
前記ウェッジ内の戻り止めと嵌合するように構成され、かつ前記ホルダの前記第1の取付装置開口部と整列した第2の取付装置開口部を含む、カッタ
をさらに含む、請求項11記載の産業用機械。
【請求項13】
前記ホルダの切断突起における第1の平坦な面と接触するように構成された平坦な面を含むカッタをさらに含む、請求項8記載の産業用機械。
【請求項14】
前記切断突起が、
前記ホルダの反対側に配置されかつ前記第1の平坦な面と平行な、第2の平坦な面
を含む、
請求項13記載の産業用機械。
【請求項15】
前記ウェッジが、
前記ホルダの外側への移動を制限する張出し部を有する、第1の段部
を含む、
請求項8記載の産業用機械。
【請求項16】
産業用破砕機のためのカッタ組立体であって、
外方向に先細になり、かつ第1の傾斜面を含む、ウェッジであって、該第1の傾斜面が、回転シャフトのポケットに収まる基部から延在する、ウェッジ;
ホルダであって、
内方向に先細になり、かつ該第1の傾斜面と面共有接触する第2の傾斜面を含む、テーパ部と、
該回転シャフト内の該ポケットに取り外し可能に結合するように設計された取付装置を受け入れるように各々構成された、取付開口部の第1のセットと、
該ポケットの平坦な面と面共有接触するように構成された、第1の平坦な側面と
を含む、ホルダ;および
該ウェッジ内の戻り止めに嵌合され、かつ該ホルダの第2の平坦な面と面共有接触する平坦な面を含む、カッタ
を含む、産業用破砕機のためのカッタ組立体。
【請求項17】
前記ホルダが、前記カッタを貫通して延在するねじ付き開口部のセットと整列した取付開口部の第2のセットをさらに含む、請求項16記載のカッタ組立体。
【請求項18】
前記取付開口部の第2のセットを通って軸方向に延在し、かつ前記ねじ付き開口部のセットと螺合された、複数の取付装置
をさらに含む、請求項17記載のカッタ組立体。
【請求項19】
前記ホルダが、2つの対向する平坦な側面を有する多角形部分を含み、前記2つの対向する平坦な側面の一方が、前記回転シャフトの前記ポケット内の側面と面共有接触するように構成されている、請求項16記載のカッタ組立体。
【請求項20】
前記ウェッジが、基部側に第1の段部を含み、前記第1の段部が、前記ホルダの外側への移動を制限する張出し部を含む、請求項16記載のカッタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月9日に出願された、「産業用切断機」という名称の米国仮出願第63/260,099号の優先権を主張する。上記出願の全内容は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
シュレッダおよび削減機器などの産業用機械は、一般に、ロータに取り付けられたカッタを使用する。機械作業中、カッタは固定トレイと相互作用して、材料をより小さな構成物に分解する。機械で取り外し可能なカッタを使用することにより、費用効果の高い修理および交換が可能になり、材料加工要件および機械に供給されるバルク材料の種類の変化に基づいて機械を適合させることがさらに可能になる。
【0003】
取り外し可能なカッタを組み込もうとする以前の試みは、構成要素の故障をもたらした。例えば、カッタ組立体をロータに取り付けるボルトは、ボルトを通常より早く破損させる可能性がある機械振動によって引き起こされる疲労を起こす。特定の機械では、カッタ組立体が存在するポケットは機械作業中に発生する振動に起因して摩耗を起こす。このポケットの摩耗はボルトの疲労を悪化させる可能性がある。望ましくないボルト摩耗に起因して、より頻繁な機械修理、およびスループットの低下がもたらされる可能性がある。例えば、ワイヤやタイヤなどの耐久性のある材料を破壊するように設計された機械は、以前は週ベースで、場合によっては毎日、カッタの修理または交換を必要としていた。
【0004】
特定の産業用機械では、カッタ組立体の劣化を減少させるために、カッタ組立体に内向きにテーパ状のウェッジを使用しようと試みてきた。これらのシステムでは、ウェッジは、その基部に向かって厚さが減少する。しかしながら、これらの内向きにテーパ状のウェッジは、カッタ取外し性に関して重大な課題を提示している。例えば、ウェッジは、ジャッキねじがウェッジを解放することができない点までカッタを凹部に押し込み得る。このシナリオでは、カッタ取外しのために(例えば、ブロートーチを介した)組立体の加熱が必要とされ得る。カッタ加熱を伴う複雑なウェッジ取外し手順の必要性を回避するために、特定のエンドユーザは、カッタを分解し、シャフト内のカッタ焼付きを回避しようとして焼付防止化合物を塗布することが多い。しかしながら、この分解は時間がかかり、面倒であり、機械スループットの減少をもたらす。したがって、以前の産業用機械は、耐久性、カッタ取外し性、および材料加工の要求に関連するエンドユーザの目標に達していない。そのため、本発明者らは、カッタ取外し性と耐久性との間のトレードオフを減らす、産業用機械に対する満たされていない要求を認識している。
【発明の概要】
【0005】
概要
以前の産業用機械の問題のうちの少なくともいくつかに対処するために、産業用機械のカッタ組立体が提供される。一例では、カッタ組立体は、外方向に先細になり、第1の傾斜面を含むウェッジを含む。そのような一例では、ウェッジの第1の傾斜面は、その基部側から延在する。基部側は、回転シャフトのポケットに収まるように構成されている。カッタ組立体は、テーパ部を有するホルダをさらに含む。テーパ部は、ホルダの基部側に向かって内方向に厚みが減少する。さらに、ホルダのテーパ部は、第1の傾斜面との界面を形成するように構成された第2の傾斜面を含む。ホルダは、取付装置を受け入れるように各々構成された1つまたは複数の取付装置開口部を追加で含む。このように外向きにテーパ状のウェッジを使用すると、ポケットとカッタ組立体との間の遊びが減少し、その結果、シャフトの振動によって引き起こされるカッタ組立体の摩耗が減少する。詳述すると、ウェッジの外向きのテーパは、カッタがシャフトにしっかりと取り付けられることを可能にし、機械加工公差から生じる遊びを減少させる一方で、ウェッジによって生じる摩擦に起因するポケット内のカッタ焼付きの可能性を低減する。これにより、機械の保守と修理との間の間隔が長くなり、保守および修理の効率が向上する。その結果、機械のスループットおよび収益性が相応に向上し得る。
【0006】
一例では、ウェッジは第1の段部を含んでもよく、ホルダは第2の段部を含んでもよい。さらに、そのような一例では、第1の段部と第2の段部とは嵌合し、第1の段部はホルダの外側への移動を抑制する。このようにして、例えば、ホルダをポケット内に保持するボルトが劣化したときに、ホルダはポケットから脱落するのを阻止され得る。したがって、機械内の他の構成要素の劣化が回避され得、機械の耐久性および寿命がさらに向上する。
【0007】
さらに、一例では、カッタは、ウェッジとは異なる種類の鋼から構成され得る。例えば、ウェッジは、カッタよりも低い硬度(例えば、より低い引張強度)の鋼から構成されてもよい。このようにして、組立体の異なる部分の材料特性を、構成要素が受ける予想される負荷、アブレシブ摩耗などの変動に適合するように調整することができる。その結果、より耐久性のある鋼をそれが求められる領域で使用することによって、カッタの寿命が向上し得る。例えば、より少ない摩耗および/または負荷を受けると予想される領域により安価な材料を使用することによって、組立体のコストを押し下げることもできる。このようにして、機械の製造コストを過度に増加させることなく、機械の耐久性および寿命を向上させることができる。
【0008】
前述の目的および関連する目的を達成するために、システムの特定の例示的な局面を、以下の説明および添付の図面に関連して本明細書で説明する。考察した特徴、機能、および利点は、本開示の様々な態様において独立して達成することができ、またはさらに他の態様において組み合わせられてもよく、そのさらなる詳細は、以下の説明および図面を参照して理解することができる。この概要は、詳細な説明において詳述される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されている。この概要は、本明細書に記載の主題の重要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、切断区画を有する産業用機械を示す。
【
図2】
図2~
図5は、カッタ組立体の第1の態様の様々な図を示す。
【
図3】
図2~
図5は、カッタ組立体の第1の態様の様々な図を示す。
【
図4】
図2~
図5は、カッタ組立体の第1の態様の様々な図を示す。
【
図5】
図2~
図5は、カッタ組立体の第1の態様の様々な図を示す。
【
図6】
図6は、回転シャフトに設置されたカッタ組立体を示す。
【
図11】
図11は、シャフトに設置されたカッタ組立体の別の例を示す。
【
図14】
図14A~14Dは、回転シャフトのポケット内のカッタ組立体のための設置順序を示す。
【
図16】
図16A~16Dは、回転シャフトのポケット内のカッタ組立体のための設置順序の別の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本明細書では産業用機械のための交換可能なカッタ組立体が提供される。カッタ組立体は、(ロータの回転軸から離れる)外方向に先細になるウェッジを含む。設置されると、ウェッジは、ロータのポケット内のホルダと嵌合する。ウェッジとホルダとの間に形成されたテーパ状界面は、ポケットからの反力を可能にして、機械使用中(例えば、破砕動作中)の望ましくないカッタの動きを低減する。さらに、外方向に先細になるウェッジを設計することにより、ポケット内のホルダ焼付きの可能性が低減されてカッタ組立体をより効率的に取り外すことが可能になる。カッタ取外し性を向上させることは、カッタが迅速に取り外され、修理され、再設置され、または交換されることを可能にするなど、いくつかの利点をもたらす。そのため、カッタの取外し手順はより効率的に展開し、必要に応じて、カッタの修理または交換の間の機械作業の間隔を延ばすことができる。さらに、本明細書に記載のカッタ組立体は、高度な適合性を有する。例えば、特定のシナリオでは、機械で使用されるカッタ組立体の構造的特性および材料特性は、カッタ組立体が、機械で使用されるバルク材料(複数可)の変化および/またはエンドユーザの材料加工要求に一致することを可能にするように選択され得る。その結果、機械は広範囲の産業にわたる適用性を有する。
【0011】
加えて、組立体内のそれぞれの構成要素は、様々な摩耗特性を有し、ある程度まで、応力の変動を受ける可能性がある。そのため、組立式カッタ組立体を使用することにより、予想される応力に耐えるように構成要素を個別にカスタマイズすることが可能になる。したがって、一例では、カッタは、ウェッジ構成に使用される鋼よりも高い強度および耐摩耗性の鋼から構成され得る。その結果、カッタ組立体の材料特性をきめ細かく変更して、組立耐久性を向上させることができる。さらに、一体形のウェッジおよびカッタに高コストの鋼を使用する組立体と比較して、ウェッジに低コストの鋼を使用することにより、製造コストが削減され得る。これは、最終的には、機械の修理、変更、および保守を単純化し、カッタ保守の間隔を延ばすことによって、顧客満足および機械収益性の大きな増加をもたらす。
【0012】
図1は、産業用機械100の第1の態様を示している。
図1に具体的に例示される産業用機械100は、産業用破砕機である。しかしながら、本明細書でより詳細に説明する、カッタ組立体は、回転シャフトへのカッタの取付けを必要とする削減機器や他の機械などの他の機械で使用されてもよいことが理解されよう。そのため、カッタ組立体は、リサイクル産業、木材産業、鉱業、食品加工産業、防衛産業などの分野で使用され得る。例えば、カッタ組立体は、樹皮を剥ぐ機械やチッパなどの製材機械で使用されてもよい。また、削減機は、シュレッダよりも頑丈な材料の体積を減らすように設計され得ることも理解されよう。さらに、シュレッダはせん断を利用して材料を加工するが、削減機器は、せん断、圧砕、穿孔などによって材料を加工する。このため、削減機は、比較的小さいせん断ギャップを有するシュレッダよりも大きなシャフトカッタ間の間隔を有し得る。
【0013】
産業用機械100は、切断区画104に結合されたホッパ102を含んでもよい。ホッパ102は、材料を切断区画104に案内するように設計されている。そのため、ホッパ102は、削減予定の材料を閉じ込めるための壁106を含む。
【0014】
切断区画104はまた、削減予定の材料を閉じ込めるための壁108を含んでもよい。切断区画104は、カッタ組立体が結合された回転シャフト110を含み、切断トレイを含んでもよい。機械作業中、カッタ組立体は切断トレイと相互作用して、ホッパから区画に供給された材料(複数可)をより小さな構成物に破砕するか、または別の方法で加工する。加工されると、材料(複数可)は、収容ビン112に落下し得る。しかしながら、他の構成では、材料(複数可)は、コンベヤベルト、導管、または他の除去機構を介して機械から離れるように移動されてもよい。収容ビンまたはコンベヤに関する機械の構成は、保管、加工対象、設備レイアウトなどといったエンドユーザ要件を考慮に入れてもよい。
【0015】
図1に示す、産業用機械100は、金属、ポリマー(例えば、プラスチック)、林業製品(例えば、木材、構造的に改変された木材(例えば、木材複合材、集成木材など))、医療廃棄物、電子機器廃棄物、有害廃棄物などを含むがこれらに限定されない様々な材料を削減するように設計されている。具体的には、1つの使用事例では、材料はタイヤを含む場合があり、したがって、機械は合成ゴムおよびその中に組み込まれた金属(例えば、金属ベルト、金属ビーズなど)を破砕し得る。別の使用事例では、産業用機械100は、ケーブル(例えば、電気ケーブル、高張力ケーブルなど)ならびに鋼、アルミニウム、およびそれらの組合せなどの金属を破砕し得る。材料はエンドユーザによって選択されてもよく、機械内のカッタの材料構成および/または外形は、機械内で使用される材料の種類に基づいて選択され得ることが理解されよう。
【0016】
図1の産業用機械100は、回転シャフト110に回転エネルギーを伝えるように設計された駆動組立体114を追加で含む。そのために、駆動組立体114は、動作中にシャフト110を回転させる原動機116(例えば、電動機、油圧モータ、内燃機関、それらの組合せなど)を含み得る。
図1に示す、産業用機械100は、具体的には、原動機116を切断区画104の一方の側に配置している。例えば、切断区画の両側に2つのモータを有する機械など、代替の原動機構成を有する機械が想定されている。
【0017】
駆動組立体114および/または回転シャフト110は、原動機116のシャフトおよび出力シャフト120の回転を支持および促進するように設計された軸受118を追加で含んでもよい。したがって、軸受は、シャフトの回転および支持を可能にする案内溝、ローラ要素などを含み得る。
【0018】
原動機116は、その出力シャフト120および回転シャフト110を、対応して、少なくとも一方向に(例えば、反時計回りおよび/または時計回りに)回転させるように設計される。具体的には、破砕機の使用事例において、原動機は、シャフトをただ1つの回転方向に回転させるように設計され得る。しかしながら、代替的に、削減機の使用事例において、原動機は、シャフトを反対の回転方向に回転させるように構成されてもよい。シャフト回転の逆転を提供することにより、そうでなければ機械内で固着することになる材料を機械が効率的に低減することが可能になる。
【0019】
駆動組立体114は、材料加工スキームを実行するようにプログラムされたコントローラを含み得る。例えば、コントローラは、駆動組立体内のアクチュエータにコマンドを送信し、機械内の様々な位置の様々な構成要素およびセンサから信号を受信してもよい。そのため、シャフトの回転速度を指示する信号を生成するセンサが機械に含まれ得る。しかしながら、他の例では、シャフト速度は、原動機116の構成に基づいて決定され得る。よって、1つの制御シナリオでは、回転シャフト速度は、制御インターフェースとのユーザ対話に基づいて調整され得る。しかしながら、他の例では、より自動化された機械制御ストラテジーがプログラムで実装され得る。
【0020】
共通の基準系を確立するために、軸系150が
図1、および
図2~
図18に示されている。一例では、y軸は重力軸に平行であってもよく、x軸は横軸であってもよく、z軸は縦軸であってもよい。しかしながら、他の例では、軸の他の向きが使用されてもよい。さらに、本明細書で説明するように、軸方向は、シャフトおよびカッタ組立体の回転軸と一直線に整列するか、またはカッタ組立体の回転軸に平行な方向であり、半径方向は、シャフトの回転軸に垂直な方向である。加えて、
図1~
図18には、必要に応じて回転軸152が与えられている。
【0021】
図2~
図5は、カッタ組立体200の第1の態様を示している。カッタ組立体200、ならびに本明細書に記載のその他のカッタ組立体の態様は、
図1に示した、回転シャフト110などの回転シャフトのポケットに設置され得る。
【0022】
具体的に
図2を見ると、ウェッジ202、ホルダ204、カッタ206、取付装置208、210、およびワッシャ212が例示されている。ウェッジ202は、外方向に先細になる(矢印219で指示する)。本明細書で説明するように、外方向とは、回転シャフトの回転軸から離れるように延びる方向であり、内方向とは、回転軸に向かって延びる方向である。詳述すると、ウェッジ202は、ウェッジの基部側216から離れるように延在する傾斜面214を含む。具体的には、傾斜面214は、シャフトの回転軸から離れるように、外方向219に先細になる(例えば、x軸に沿った幅217が減少する)テーパ部215に含まれる。ウェッジ202は、カッタ組立体が設置されるポケットの壁に隣接し得る側面218、220、222をさらに含む。さらに、基部側216の基部面224は、カッタ組立体が設置されたときに、ポケットの下面に隣接し得る。
【0023】
加えて、ウェッジ202は、カッタ206を受け入れるように形成された戻り止め226を含み得る。具体的には、組み立てられたときに、その他の面よりも低いカッタ206の面228のうちの2つが、戻り止め226の表面229と接触し得る。例示の例では、カッタ206は、4つの面228によって形成された菱形形状を有する。この菱形カッタ構成では、縁部230はカッタの上部および底部に位置する。しかしながら、長方形カッタ、正方形カッタ、複数の多角形形状を有するカッタ(例えば、複数の菱形、正方形、および/または長方形形状を有するカッタ)などといった、代替の外形を有するカッタが想定されている。
【0024】
正方形カッタの例では、カッタは、上側に縁部のうちの1つを有する菱形カッタと同様の向きを有し得る。しかしながら、正方形カッタが使用される場合、菱形カッタとは対照的に、カッタに使用される材料は削減され得る。組立式カッタ組立体によって達成される追加の強度により、菱形カッタほど深くウェッジ内に延在しない正方形カッタなどのカッタを組立体で使用することが可能になる。したがって、製造時間およびコストは、組立体の構造的完全性を著しく損なうことなく、菱形カッタと比較して正方形カッタが使用される場合に、削減され得る。機械作業中(例えば、破砕動作中)、組立体が設置されているポケットから外側に配置されたカッタの縁部は、切断トレイおよび切断区画内の材料と相互作用し得る。
【0025】
カッタ206は、シャフト上に設置されたときに半径方向に整列し得る対向する平坦な面231、232を有する。さらに、面232は、ホルダ204内のカッタ206の面234に隣接(例えば、面共有接触)し得る。しかしながら、カッタは、組立体が設置されたときに、カッタ206とホルダ204内の切断突起260との整列に起因して適所に押し込まれない場合があるが、以下でさらに詳細に説明するように他の力によって適所に保持され得る。その結果、カッタ206はより効率的に取り外され得る。
【0026】
ウェッジ202は、その基部側216に段部236をさらに含み得る。段部236は、具体的には、ホルダ204内の段部240の移動を制限する張出し部238を含み得る。段部236は、張出し部238と交差する凹面237をさらに含む。ホルダ段部240は、ホルダ204の基部側241に位置し、2つの交差している面247を含み得る。段部236がホルダの移動を制限することができるので、ホルダは、ボルトが劣化したときにポケットから脱落するのを防止され得る。
【0027】
ホルダ204は、(矢印243によって指示される)内方向にテーパを有するテーパ部242を含み得る。そのため、(x軸に沿って測定された)ホルダのテーパ部242の幅244は、内方向に減少する。説明すると、ホルダ204の傾斜面245は、ウェッジ202の傾斜面214と接合するように形成され得る。このようにして、ウェッジ202とホルダ204との間の界面は、ホルダに及ぼされる半径方向内向きの力を斜面に垂直な力に変換して、カッタ組立体とポケットとの間の摩擦を増加させることを可能にする斜面によって形成される。その結果、カッタ組立体は、設置時に、ポケット内によりしっかりと保持され得る。さらに、外向きのテーパを有するウェッジを設計することにより、組立中、交換中、および修理中に組立体の構成要素をより容易に取り外すことができる。例えば、ホルダ204の開口部248を通って延在する取付装置208がポケットから取り外されると、ホルダは、組立体の幅がx軸の減少に沿って減少するようにわずかに上方に移動し得る。これにより、効率的なカッタ組立体の取外しが容易になる。
【0028】
ウェッジ202は、取付装置210を受け入れる大きさの取付装置開口部250を含み得る。加えて、先に指示したように、ホルダ204は、取付装置208を受け入れる大きさの取付装置開口部248を含み得る。取付装置開口部248、250は、具体的には、カッタ組立体が配置されているシャフトの回転軸に対して半径方向に整列し得る。
【0029】
取付装置208、210は、いくつかの例では、同様の大きさであってもよい。例えば、1つの使用事例では、取付装置208、210は、直径20ミリメートルであってもよい(当技術分野でM20ボルトと呼ばれる)。さらに、取付装置は、穴付きねじボルトとして図示されている。しかしながら、多数の適切なボルトの大きさおよび種類が、組立体で使用するために企図されており、ボルトの予想される負荷、機械で使用される材料の種類、シャフト動作速度の範囲などといった要因に基づいて選択され得る。
【0030】
図示の態様では、取付装置208、210は頭部252および軸部254を有するが、他の装置設計も可能である。さらに、軸部254は、例示の例では、ねじ付きではないが、軸部は、ねじ付きではない部分の下方の遠位端にねじ付き部分を含んでもよいことが理解されよう。ウェッジおよび/またはホルダの取付装置を受け入れる大きさの開口部は、ボルトの頭部が開口部内にコンパクトに存在することを可能にするために座ぐりの形態であってもよい。さらに、回転シャフトのポケットは、取付装置208、210を受け入れる大きさおよび配置のねじ付き開口部を含んでもよい。カッタ組立体200には取付装置208、210の負荷分散のためのワッシャ212がさらに含まれてもよい。
【0031】
カッタ206は、取付装置開口部256(例えば、横方向に整列した取付装置の開口部)をさらに含み得る。具体的には、一例では、取付装置開口部256は、シャフトポケットに設置されたときに接線方向に整列し得る。本明細書で説明するように、接線方向の整列とは、構成要素または特徴部がシャフトの外周曲線に接触するか、または接近するが、外周曲線と交差しないことを表す。しかしながら、他の例では、開口部256は代替の向きを有してもよい。ホルダ204は、取付装置開口部258(例えば、横方向に整列した取付装置開口部)をさらに含む。
【0032】
ホルダ204は、上側262に切断突起260をさらに含んでもよい。切断突起260およびホルダの残りの部分は、組立式ホルダ構成と比較して、ホルダの構造的完全性を向上させ得るモノリシック構造を形成し得る。しかしながら、ホルダ204は、例えば、代替の態様では、より少ない負荷を受けると予想される機械内の複数の部分を有するように設計されてもよい。
【0033】
カッタ組立体200の設置中、取付装置210は、開口部250を通して挿入され、次いでポケットのねじ穴にねじ込まれ得る。このようにして、ウェッジはポケット内に固定され、その位置が設定される。次に、取付装置208はホルダ204の取付装置開口部248を通して挿入され得る。取付装置208にトルクがかけられたことに起因して、ウェッジおよびホルダは、ホルダおよびウェッジ内の相補的なテーパ面によって発生する力によって所望の位置にしっかりとロックされる。しかしながら、ウェッジ202が外方向に先細になり、ホルダ204の相補的な部分が内方向に先細になるために、取付装置を解放するときにホルダをより容易に取り外すことができる。例えば、ホルダを解放するために、ジャッキねじが開口部248を通して挿入され、ポケット穴にねじ込まれてもよい。その結果、カッタ組立体は、設置されたときにはポケット内にしっかりと押し込まれ得るが、その後、組立体内の構成要素の修理または交換が求められるときに迅速に取り外され得る。
【0034】
設置順序を続けて、カッタ206はウェッジ202の戻り止め226に配置されて、カッタの位置(例えば、高さ)を設定し得る。続いて、取付装置がホルダ204の開口部258を通して挿入され、ねじ付きのカッタ206の開口部256にねじ込まれる。逆に、カッタ組立体を取り外すには、設置順序が逆転されてもよいが、例えば、ホルダを解放するためにジャッキねじが使用されてもよい。
【0035】
カッタ組立体200内の構成要素は、製造コストを削減するために、異なる種類の鋼から構成されてもよい。例えば、ウェッジ202は、カッタ206よりも少ない負荷および/または摩耗を受けることが予想され得る。したがって、カッタは、ウェッジよりも高強度の鋼から構成されてもよい。低強度鋼は高強度鋼よりも低コストであり得るが、より効率的に機械加工され得るので、製造時間が短縮される。そのため、1つの使用事例では、ウェッジはA36鋼から構成されてもよく、カッタは高品位工具鋼から構成されてもよい。さらに、そのような一例では、ホルダもまた工具鋼から構成され得る。しかしながら、代替の態様では、チタンおよび/またはアルミニウムなどの他の金属が、カッタ組立体構成要素の少なくとも一部の構成に使用され得るが、これは、チタンの場合、機械製造コストを増加させ得る。
【0036】
図3は、ホルダ204と、ウェッジ202と、カッタ206と、取付装置208、210とを有するカッタ組立体200の組み立てられた側面図を示している。
図3は、ウェッジ202の段部236の張出し部238の下に配置されたホルダ204の段部240をさらに示している。このようにして、ホルダをポケットに固定するボルトが劣化(例えば、せん断)しても、ウェッジ202はホルダ204の外側への移動を制限し得る。
【0037】
設置されると、ウェッジ202の基部面224は回転シャフトのポケットの表面と接触し得るが、ホルダ204の基部面300はポケット下面から離隔され得る。さらに、ホルダ段部240の上面302は、ポケットに挿入されたときに、ウェッジ段部236の張出し部238に隣接し得る。そのような位置では、段部236、240がそれらの間にギャップを有する場合、カッタ組立体200の(x軸に沿って測定された)幅304は、組立体の幅よりも小さくなり得る。しかしながら、その後の設置ステップでは、ホルダは、取付装置208にトルクをかけることによって内側に移動され得る。ホルダをポケットの底面に近づけることにより、組立体の幅304が増加する。このようにして、カッタ組立体200は、機械作業中の組立体の望ましくない移動の可能性を低減するためにポケットに押し込まれ得る。
【0038】
ウェッジ202の傾斜面214の角度306が例示されている。特に、角度306は、傾斜面214と半径方向軸308とによって形成される。角度306は、6~12度、またはその任意の割合であってもよい。具体的には、1つの使用事例では、角度は、8~10度の範囲またはその任意の割合であってもよい。ホルダ204の傾斜面245も同様に傾斜していてもよい。上述の範囲内のくさび角度を設計することにより、くさび効果によってカッタ組立体200とポケットとの間の摩擦が生じることを可能にし、望ましくない構成要素の移動および摩耗が大幅に低減される一方で、組立体を過度の労力なしに効率的に取り外すことを可能にする。例えば、カッタ組立体のメンテナンス間隔が延長され得る一方で、カッタ取外し工程の時間を短縮する。
【0039】
図4は、カッタ206と、ウェッジ202と、取付装置208、210とを有するカッタ組立体200の正面図を示している。図示のように、カッタ206は、ウェッジ202の戻り止め226に収まり、それによってカッタ206の半径方向位置を固定する。詳述すると、カッタ206の上側は、ウェッジ戻り止め226の上方に存在し、したがって、破砕中に加工対象の材料と相互作用する。特に、カッタ206の、ウェッジ202から外側にある縁部230、400は、機械の切断区画に供給されるバルク材料をせん断するか、または別の方法でバルク材料と相互作用し得る。
図4にはカッタ206の開口部256がさらに図示されている。
【0040】
図5は、ホルダ204と、取付装置208、210とが具体的に図示されたカッタ組立体200の背面図を示している。ホルダ204の切断突起260が開口部258と共に示されている。(y軸に沿って測定された)開口部258の高さ500は、カッタにねじ込まれそこを貫通して延在する取付装置を伴った設置中のホルダの移動に対応する大きさであってもよい。したがって、開口部258は、細長い楕円形状を有し得る。このようにして、取付装置は、設置中にホルダを適所に押し込む妨げにはならない。
【0041】
図6は、カッタ組立体601が回転シャフト604のポケット602に設置された産業用機械600を図示している。カッタ組立体601は、やはり、ホルダ606と、ウェッジ内に収まるカッタ608とを含む。ホルダをポケット602に固定する取付装置610(例えば、半径方向に整列したボルト)が示されている。さらに、ホルダ606を貫通して延在し、カッタ608のねじ付き開口部と係合する取付装置612が示されている。
【0042】
取付装置612に近づいて操作するために、回転シャフト604にポケット穴614が形成され得る。カッタ組立体601は、
図2~
図5に示した、カッタ組立体200と共通の構造的特徴および機能的特徴を有し得る。さらに、その他のカッタ組立体の態様も、
図2~
図5に示した、カッタ組立体200と少なくともいくつかの共通の構造的特徴および機能的特徴を共有し得る。本明細書で提供されるカッタ組立体の異なる態様における重複する特徴の冗長な説明は、簡潔にするために省略される。
【0043】
例示の態様では、回転シャフト604は、カッタ組立体601と同様の構成を有する追加のカッタ組立体616を含む。カッタ組立体616は、シャフトに沿って円周方向および/または軸方向に列状に配置され得る。カッタ組立体616と相互作用する切欠き部620を有する切断トレイ618が示されている。切断トレイ618は、産業用機械600のフレーム622にボルト締めされるか、または別の方法で固定的に取り付けられ得る。切欠き部620およびカッタ組立体616は、具体的には、相補的な形状であり得る。そのため、シャフトが方向624に回転すると、機械内の材料は、切断トレイ618とカッタ組立体616との間の相互作用によって分解され得る。
【0044】
図7~
図10は、カッタ組立体700の第2の態様を図示している。カッタ組立体700は、やはり、ホルダ702と、ウェッジ704とを含む。ホルダ702およびウェッジ704は、
図2~
図5に図示した、カッタ組立体200と同様に、相補的な傾斜面706、708を含む。
【0045】
例示の態様では、ホルダ702の切断突起710は、
図2に図示した切断突起260の単一の菱形形状部分とは対照的に、2つの菱形形状部分712、714を含む。カッタは、組立体700から省略されており、ウェッジ704内の戻り止め716に収まる同様の形状の菱形部分を含み得る。
図8~
図10は、ホルダを貫通して下方に延在し、組み立てられると、ポケットにねじ込まれ開口部の座ぐりに収まる頭部を有するボルトを受け入れ得る、開口部800を例示している。
【0046】
図11は、回転シャフト1104のポケット1102に設置されたカッタ組立体1100を図示している。図示のように、カッタ1106およびホルダ切断突起1108は、回転シャフト1104の周囲面1110の上方に延在する。さらに、カッタ1106およびホルダ切断突起1108は、それらの高さに関して整列している。しかしながら、オフセット配置を有するカッタが想定されている。カッタの外形および相対位置は、機械による加工を予定された材料の種類、カッタの予想される負荷、回転シャフトの動作速度範囲などに基づいて選択され得る。
図11には、貫通して横方向に延在するカッタ1106のねじ付き開口部1112がさらに図示されている。
【0047】
図12~
図13は、カッタ組立体1200の第3の態様を例示している。カッタ組立体1200は、やはり、ホルダ1202と、ウェッジ1204と、カッタ1206と、取付装置1208、1210とを含む。しかしながら、ウェッジ1204およびホルダ1202の段部がカッタ組立体1200から省略されており、これにより、ボルトが劣化した場合にホルダをポケット内に保持するための費用における製造コストが削減され得る。カッタ1206は、具体的には、カッタの上部に縁部1214を有する2つの正方形形状部分1212を含み得る。組み立てられると、カッタ1206は、ウェッジ1204のくぼみ1216に載置され、取付装置1210は、ホルダの開口部1220を通って横方向に延在し、カッタの開口部1222にねじ込まれる。このようにして、カッタは、所望の位置に固定され得る。さらに、取付装置1208、1210は、1つまたは複数の装置を含み得る取付装置のセットと呼ばれてもよいことが理解されよう。本明細書に記載のその他の取付装置もまた、概念的にセットとして表現されてもよい。
【0048】
図14A~14Dは、カッタ組立体1400の設置順序を示している。カッタ組立体1400は、
図12~
図13に示した、カッタ組立体1200と同様の特徴を有し得るが、組み立てられたときに、構成要素の横方向の間隔を微調整するためのシムを含む。最初に、
図14Aに示すように、シム1406を用いてウェッジ1402が回転シャフト1405のポケット1404に配置される。適所にあるとき、ウェッジ1402の底面1408および平坦な側面1410は、それぞれ、ポケット1404の底壁1412および側壁1414と面共有接触する。
【0049】
次に
図14Bで、ポケット1404内へのホルダ1418の挿入が始まり、ホルダ1418およびウェッジ1402の傾斜面1420、1422が、それぞれ、相互作用し始める。
図14Cで、ホルダ1418はポケット1404内にさらに挿入される。しかしながら、ポケット1404の底壁1412とホルダ1418の底側1426との間のギャップ1424は残る。組立体をポケット内にさらに押し込むために、取付装置がホルダを貫通して挿入され、ポケット1404の開口部にねじ込まれる。所望のくさび効果が達成されると、
図14Dに示すように、カッタ1427がウェッジ1402に設置され、取付装置がホルダ1418の開口部を通して横方向に挿入され、カッタ1427にねじ込まれてカッタを固定する。
【0050】
図15は、カッタ組立体の設置を微調整し、部品製造公差から生じ得るギャップをふさぐために使用され得るシム1502を有するカッタ組立体1500の別の態様を示している。シム1502は、ホルダ1506の切断突起1504の下方に配置されるように形成されてもよく、設置されると、シムはホルダ1506およびウェッジ1508の間に入る。
【0051】
図16A~16Dは、カッタ組立体1600の設置順序を示している。特に、
図16Aは、回転シャフト1604内のポケット1602を図示している。ポケット1602は、
図16Dに示すホルダ1610の開口部1608を通して挿入される取付装置を受け入れる大きさの、ねじ付き開口部1606を含む。次に、
図16Bで、ウェッジ1612がポケット1602内に配置され、
図16Cで、シム1614がウェッジ1612の傾斜面1616に接して配置される。次に、
図16Dで、ホルダ1610はポケット1602内に配置され、組立体の幅を広げ始めてポケット内にしっかりとそれを保持する。次に、取付装置がホルダの開口部1608を通して挿入され、組立体の幅1618をさらに広げてそれを適所に固定するようにトルクがかけられる。このようにして、組立体内の異なる構成要素の移動の可能性が低減される。
【0052】
図17は、カッタ組立体1700の別の態様を示している。カッタ組立体1700は、前述のカッタ組立体と同様のウェッジ設計を有し得るが、異なる形状のカッタ1702を含み得る。カッタ1702は、例示の態様では、具体的には長方形の形状であり、上側に平坦な面を含む。しかしながら、多数の適切なカッタ外形が想定されている。カッタ1702は、やはり、取付装置を受け入れるように形成されたねじ付き開口部1704を含む。
【0053】
図18は、
図17に例示した、カッタ1702の詳細図を示している。カッタの上側1800がねじ付き開口部1704と共に再び示されている。
【0054】
図1~
図18は、ほぼ縮尺通りに描かれている。しかしながら、他の態様では、他の相対寸法が使用されてもよい。
【0055】
図1~
図18は、様々な構成要素の相対的な配置を有する例示的な構成を示している。少なくとも一例では、互いに直接接触して、または直接結合されて示されている場合には、そのような要素は、それぞれ、直接接触しているか、または直接結合されていると呼ばれてもよい。同様に、少なくとも一例では、互いに境を接して、または隣接して示されている要素は、それぞれ、互いに境を接しているか、または隣接していてもよい。一例として、互いに面共有接触して配置された構成要素は、面共有接触していると呼ばれてもよい。別の例として、少なくとも一例では、それらの間に空間しかなく、他の構成要素がないように互いから離れて配置された要素は、そう呼ばれてもよい。さらに別の例として、互いの上方/下方に、互いの反対側に、または互いの左/右に示された要素は、互いに対してそう呼ばれてもよい。さらに、図に示すように、少なくとも一例では、最上部の要素または要素の点は、構成要素の「上部」と呼ばれてもよく、最下部の要素または要素の点は、構成要素の「底部」と呼ばれてもよい。本明細書で使用する場合、上部/底部、上側/下側、上方/下方は、図の垂直軸に対するものであり、図の要素の互いに対する配置を説明するために使用され得る。そのため、一例では、他の要素の上に示された要素は、その他の要素の垂直方向上方に配置される。さらに別の例として、図内に図示されている要素の形状は、それらの形状(例えば、多角形の、円形の、直線の、平面の、湾曲した、丸みを帯びた、面取りされた、角度が付いたなど)を有すると呼ばれてもよい。さらに、少なくとも一例では、互いに交差して示された要素は、交差する要素または互いに交差していると呼ばれてもよい。さらにまた、一例では、別の要素内に示されているか、または別の要素の外側に示されている要素は、そう呼ばれてもよい。互いからオフセットされたさらに別の要素は、そう呼ばれてもよい。「類似している」と呼ばれる1つまたは複数の構成要素は、製造公差(例えば、1~5%以内の偏差)に従って互いに異なることが理解されよう。さらに、本明細書に記載するように、「およそ」は、特に明記しない限り、5%以下の偏差を指す。
【0056】
本明細書に開示された構成は本質的に例示的であり、多数の変形例が可能であるため、これらの特定の態様は限定的な意味で考慮されるべきではないことが理解されよう。本開示の主題は、様々なシステムおよび構成、ならびに本明細書に開示された他の特徴、機能、および/または特性のすべての新規かつ非自明な組合せおよび部分的組合せを含む。
【0057】
本発明を以下の段落でさらに説明する。一局面では、外方向に先細になり、回転シャフトのポケットに収まるように構成された基部側から延在する第1の傾斜面を含むウェッジ;およびホルダの基部側に向かって内方向に先細になり、第1の傾斜面との界面を形成するように構成された第2の傾斜面を含むテーパ部と、取付装置を受け入れるように各々構成された1つまたは複数の取付装置開口部とを含む、ホルダを含む、産業用機械のためのカッタ組立体が提供される。
【0058】
別の局面では、ポケットを含む回転シャフト;および外に向かって半径方向に先細になり、ポケットに収まるように構成された基部から延在する第1の傾斜面を含むウェッジと、内方向に先細になり、第1の傾斜面と面共有接触する第2の傾斜面を含むテーパ部を含むホルダとを含む、ポケットに取り外し可能に取り付けられるように設計されたカッタ組立体を含む産業用機械が提供される。
【0059】
別の局面では、外方向に先細になり、回転シャフトのポケットに収まる基部から延在する第1の傾斜面を含むウェッジ;内方向に先細になり、第1の傾斜面と面共有接触する第2の傾斜面を含むテーパ部と、回転シャフト内のポケットに取り外し可能に結合するように設計された取付装置を受け入れるように各々構成された取付開口部の第1のセットと、ポケットの平坦な面と面共有配置になるように構成された第1の平坦な側面とを含むホルダ;およびウェッジ内の戻り止めに嵌合され、ホルダの第2の平坦な面と面共有接触する平坦な面を含むカッタを含む、産業用破砕機のためのカッタ組立体が提供される。
【0060】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ウェッジは第1の段部を含んでもよく、ホルダは第2の段部を含んでもよく、第1の段部と第2の段部とは嵌合してもよく、かつ第1の段部は第2の段部の外側への移動を抑制し得る。
【0061】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ホルダは、ホルダを貫通して横方向に延在し、かつ取付装置を受け入れて設置中にホルダの移動を可能にするように各々設計された、1つまたは複数の取付装置開口部を含んでもよい。
【0062】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ホルダは、2つの対向する平坦な側面を有する多角形カッタを含んでもよく、2つの対向する平坦な側面の一方は、ポケット内の側壁と面共有接触するように構成されてもよい。
【0063】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、カッタ組立体は、ウェッジ内の戻り止めと嵌合するように構成されたカッタをさらに含んでもよい。
【0064】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、1つまたは複数の取付装置開口部は、半径方向に延在してもよい。
【0065】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ウェッジは、ホルダとは異なる種類の鋼から構成されてもよい。
【0066】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ホルダは、ポケットに取り外し可能に結合するように設計された第1の取付装置を受け入れるように構成された第1の取付装置開口部を含んでもよい。
【0067】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、第1の取付装置開口部は半径方向に整列していてもよい。
【0068】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ホルダは、第2の取付装置を受け入れ、設置中にホルダの移動を可能にするように設計された横方向に整列した取付装置開口部を含んでもよい。
【0069】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、産業用機械は、ウェッジ内の戻り止めと嵌合するように構成されかつホルダの第1の取付装置開口部と整列した第2の取付装置開口部を含む、カッタをさらに含んでもよい。
【0070】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、産業用機械は、ホルダの切断突起における第1の平坦な面と接触するように構成された平坦な面を含むカッタをさらに含んでもよい。
【0071】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、切断突起は、ホルダの反対側に配置され、第1の平坦な面と平行な第2の平坦な面を含んでもよい。
【0072】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ウェッジは、ホルダの外側への移動を制限する張出し部を有する第1の段部を含んでもよい。
【0073】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ホルダは、カッタを貫通して延在するねじ付き開口部のセットと整列した取付開口部の第2のセットをさらに含んでもよい。
【0074】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、カッタ組立体は、取付開口部の第2のセットを通って軸方向に延在しかつねじ付き開口部のセットと螺合された、複数の取付装置をさらに含んでもよい。
【0075】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ホルダは、2つの対向する平坦な側面を有する多角形部分を含んでもよく、2つの対向する平坦な側面の一方は、回転シャフトのポケット内の側面と面共有接触するように構成され得る。
【0076】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、ウェッジは、基部側に第1の段部を含んでもよく、第1の段部は、ホルダの外側への移動を制限する張出し部を含んでもよい。
【0077】
局面のいずれかまたは局面の組合せにおいて、第1の傾斜面は、6~12度の角度で配置されてもよい。
【0078】
以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明であるとみなされる特定の組合せおよび部分的組合せを特に指摘している。これらの請求項は、「1つの(an)」要素または「第1の(a first)」要素またはその均等物に言及する場合がある。そのような請求項は、1つまたは複数のそのような要素の組み入れを含み、2つ以上のそのような要素を必要とするものでも、2つ以上のそのような要素を除外するものでもないと理解されるべきである。開示の特徴、機能、要素、および/または特性の他の組合せおよび部分的組合せが、本特許請求の範囲の修正を通じて、または本出願もしくは関連出願における新しい請求項の提示を通じて請求される可能性がある。そのような特許請求の範囲もまた、元の特許請求の範囲よりも広いか、狭いか、それと等しいか、または異なるかにかかわらず、本開示の主題内に含まれるとみなされる。
【0079】
当業者であれば、本明細書に記載の方法で装置および/または工程を記載し、かつその後、そのような記載の装置および/または工程をより大きなシステムに統合するために標準的なエンジニアリング手法を使用することが当技術分野で一般的であることを認識するであろう。
【0080】
産業用機械用のためのシステムの態様を説明した。以下の特許請求の範囲は、前記の態様を対象としているが、理論上の産業用機械の作成を先占するものではない。当業者は、産業用機械を作成するための多くの他の手法を認識し、理論上の先占の可能性を排除する。添付の特許請求の範囲で使用される用語は本明細書で定義されており、ただし明示的な列挙によって定義される場合には、特許請求の用語が異なって使用される場合がある。
【国際調査報告】