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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】磁気信号に基づく構成要素監視
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/26 20060101AFI20240822BHJP
   E02F 9/24 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
E02F9/26 B
E02F9/24 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508410
(86)(22)【出願日】2022-07-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 US2022037987
(87)【国際公開番号】W WO2023022842
(87)【国際公開日】2023-02-23
(31)【優先権主張番号】17/445,359
(32)【優先日】2021-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、リー
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンセン、エリック ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015GA03
2D015GB04
2D015HA03
2D015HB05
(57)【要約】
システムは、第一の装置および第二の装置を含み得る。第一の装置は、機械の構成要素に関連付けられるように構成され得る。第二の装置は、一つ以上の質問磁気信号を第一の装置に提供し、一つ以上の質問磁気信号を提供することに基づいて、応答磁気信号が第一の装置から受信されるかどうかを判定するように構成されてもよい。第二の装置は、構成要素の第一の摩耗量を示す第一の摩耗情報、または構成要素の第二の摩耗量を示す第二の摩耗情報を選択的に提供し得る。第一の情報は、応答磁気信号が第一の装置から受信される場合に提供されてもよい。第二の摩耗情報は、応答磁気信号が第一の装置から受信されない場合に提供されてもよい。第二の摩耗量は、第一の摩耗量を超えてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
機械(100)の構成要素(172、174、182、184、186)に関連付けられるように構成された第一の装置(192)と、
第二の装置(190)であって、
一つ以上の質問磁気信号を前記第一の装置(192)に提供し、
前記一つ以上の質問磁気信号を提供することに基づいて、応答磁気信号が前記第一の装置(192)から受信されるかどうかを判定し、
前記応答磁気信号が前記第一の装置(192)から受信されることに基づいて、前記構成要素(172、174、182、184、186)の第一の摩耗量を示す第一の摩耗情報を提供し、
前記応答磁気信号が前記第一の装置(192)から受信されないことに基づいて、前記構成要素(172、174、182、184、186)の第二の摩耗量を示す第二の摩耗情報を提供するように構成された、第二の装置(190)と、を備え、
前記第二の摩耗量が、前記第一の摩耗量を超える、システム。
【請求項2】
前記第二の摩耗情報を提供するために、前記第二の装置(190)が、
前記第二の摩耗情報を前記機械(100)のコントローラ(140)に提供して、前記コントローラ(140)に、前記構成要素(172、174、182、184、186)の前記第二の摩耗量を示す通知を提供させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第二の摩耗情報を提供するために、前記第二の装置(190)が、
前記第二の摩耗情報を前記機械(100)のコントローラ(140)に提供して、前記コントローラ(140)に、
前記構成要素(172、174、182、184、186)の追加的な摩耗を防止するために、前記機械(100)の動作を調整すること、
前記機械(100)のオペレータに、前記機械(100)の前記動作を調整するための命令を提供すること、または、
前記構成要素(172、174、182、184、186)の修理または交換のうちの少なくとも一つのためのサービス要求を提供すること、のうちの少なくとも一つを行わせるように構成される、請求項1および2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
前記第一の摩耗情報を提供するために、前記第二の装置(190)が、
前記第一の摩耗情報を、前記構成要素(172、174、182、184、186)を監視するように構成された第三の装置に提供するように構成され、
前記第二の摩耗情報を提供するために、前記第二の装置(190)が、
前記第二の摩耗情報を前記第三の装置に提供して、前記第三の装置に、
前記構成要素(172、174、182、184、186)の修理または交換のうちの少なくとも一つのためのサービス要求を提供すること、または、
前記構成要素(172、174、182、184、186)の追加的な摩耗を防止するよう前記機械(100)の前記動作を調整するために、前記機械(100)のオペレータに命令を提供すること、のうちの少なくとも一つを行わせるように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第一の装置(192)が、前記構成要素(172、174、182、184、186)の摩耗面に関連付けられる位置に提供されるように構成され、
前記位置が、前記第二の摩耗量に関連付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
機械(100)の構成要素(172、174、182、184、186)であって、前記構成要素(172、174、182、184、186)が、
本体と、
前記構成要素(172、174、182、184、186)の第一の摩耗量に関連付けられた第一の応答磁気信号を提供するように構成された第一の装置(192)であって、
前記第一の装置(192)が、第一の質問磁気信号に基づいて、前記第一の応答磁気信号を提供するように構成される、第一の装置(192)、または、
前記構成要素(172、174、182、184、186)の第二の摩耗量に関連付けられた第二の応答磁気信号を提供するように構成された第二の装置(190)であって、
前記第二の装置(190)が、第二の質問磁気信号に基づいて、前記第二の応答磁気信号を提供するように構成される、第二の装置(190)、のうちの少なくとも一つと、を備える、構成要素(172、174、182、184、186)。
【請求項7】
前記本体が、摩耗面および空洞を含み、
前記第一の装置(192)が、前記空洞内に前記摩耗面に対して第一の深さに提供され、
前記第一の応答磁気信号が、前記構成要素(172、174、182、184、186)を識別する情報、前記第一の装置(192)を識別する情報、または前記第一の深さを識別する情報、のうちの少なくとも一つを含み、
前記第一の深さが、前記第一の摩耗量に関連付けられる、請求項6に記載の構成要素(172、174、182、184、186)。
【請求項8】
前記第二の装置(190)が、前記空洞内に前記摩耗面に対して第二の深さに提供され、
前記第二の応答磁気信号が、前記構成要素(172、174、182、184、186)を識別する前記情報、前記第二の装置(190)を識別する情報、または前記第二の深さを識別する情報、のうちの少なくとも一つを含み、
前記第二の深さが、前記第二の摩耗量に関連付けられ、
前記第二の摩耗量が、前記第一の摩耗量を超える、請求項6および7のいずれか一項に記載の構成要素(172、174、182、184、186)。
【請求項9】
前記第一の応答磁気信号を提供するために、前記第一の装置(192)が、電気電子技術者協会(IEEE)1902.1規格に従って、前記第一の応答磁気信号を提供するように構成され、
前記第二の応答磁気信号を提供するために、前記第二の装置(190)が、前記IEEE 1902.1規格に従って、前記第二の応答磁気信号を提供するように構成される、請求項6~8のいずれか一項に記載の構成要素(172、174、182、184、186)。
【請求項10】
前記本体が、外面を含み、
前記第一の装置(192)が、前記外面上の位置に提供される、請求項6~9のいずれか一項に記載の構成要素(172、174、182、184、186)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、機械の構成要素を監視すること、および例えば、磁気信号に基づいて構成要素を監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
機械の下部走行体アセンブリの構成要素は、経時的に摩耗し得る。構成要素の摩耗を検出するための一つの技法は、無線周波数識別(RFID)システムの使用を伴う。言い換えれば、構成要素の摩耗量は、RFIDシステムを使用して測定され得る。一例として、RFIDタグを構成要素に組み込んでもよく、RFIDタグは、電磁信号を使用してRFIDリーダと通信し得る。例えば、RFIDタグは、構成要素の摩耗量に関する情報を通信し得る。
【0003】
一部の例では、構成要素は金属を含み得る。金属は、電磁エネルギーを反射して、電磁信号との干渉を引き起こし得る。結果として、RFIDシステムによって測定される摩耗量が不正確となる場合がある。構成要素の摩耗量の不正確な測定により、構成要素の摩耗量に関する不正確な予測がもたらされ得る。こうした不正確な予測の結果として、構成要素は、早期故障するか、または早期(例えば、構成要素は、交換または修理を必要とするほど十分に摩耗されない場合があるため)に修理または交換され得る。構成要素のこうした早期故障、または構成要素の早期の交換または修理はまた、作業現場における機械の生産性にも悪影響を与える場合がある。
【0004】
米国特許出願公開第20180171772号(‘772公開)は、採掘動作に関連する岩石、ドリルビット、またはそれらの組み合わせの特性を推定するための装置および方法を開示している。‘772公開はさらに、特性は、限定されるものではないが、ロックチップサイズ、ドリルビットの鈍さ、ドリル効率、またはロックチップサイズ、ドリルビットの鈍さ、およびドリル効率から選択される組み合わせを含み得ることを開示する。‘772公開はさらに、推定は、検出された音響放射を検出された電磁放射に相関させることによって達成され得ることを開示する。
【0005】
‘772公開は、ロックチップサイズ、ドリルビットの鈍さ、およびドリル効率から選択される組み合わせなどの特性の推定を開示するが、‘772公開は特に電磁放射に言及している。上記で説明したように、金属は電磁信号との干渉を引き起こす場合がある。
【0006】
本開示は、上述の問題および/または当技術分野における他の問題のうちの一つ以上を解決する。
【発明の概要】
【0007】
システムであって、機械の構成要素に関連付けられるように構成された第一の装置と、第二の装置であって、一つ以上の質問磁気信号を第一の装置に提供し、一つ以上の質問磁気信号を提供することに基づいて、応答磁気信号が第一の装置から受信されるかどうかを判定し、構成要素の第一の摩耗量を示す第一の摩耗情報、または構成要素の第二の摩耗量を示す第二の摩耗情報を選択的に提供するように構成された、第二の装置とを備え、第一の情報が、応答磁気信号が第一の装置から受信される場合に提供され、第二の摩耗情報が、応答磁気信号が第一の装置から受信されない場合に提供され、第二の摩耗量が、第一の摩耗量を超える、システム。
【0008】
機械の構成要素であって、構成要素は、本体と、構成要素の第一の摩耗量に関連付けられた第一の応答磁気信号を提供するように構成され、第一の質問磁気信号に基づいて、第一の応答磁気信号を提供するように構成された第一の装置、または構成要素の第二の摩耗量に関連付けられた第二の応答磁気信号を提供するように構成され、第二の質問磁気信号に基づいて、第二の応答磁気信号を提供するように構成された第二の装置のうちの少なくとも一方とを含む。
【0009】
機械であって、構成要素と、構成要素に関連付けられた第一の装置と、一つ以上の質問磁気信号を第一の装置に提供し、一つ以上の質問磁気信号を提供することに基づいて、応答磁気信号が第一の装置から受信されるかどうかを判定し、応答磁気信号が第一の装置から受信されることに基づいて、構成要素の第一の摩耗量を示す第一の摩耗情報を提供し、応答磁気信号が第二の装置から受信されないことに基づいて、構成要素の第二の摩耗量を示す第二の摩耗情報を提供するように構成された、第二の装置と、第一の摩耗情報または第二の摩耗情報に基づいて、アクションを実行するように構成されたコントローラと、を備える、機械。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本明細書に記載の例示的な機械の図である。
図2図2は、本明細書に記載の例示的な機械の例示的な構成要素の図である。
図3図3は、本明細書に記載の例示的な機械の例示的な構成要素の図である。
図4図4は、本明細書に記載の例示的なシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、磁気信号を使用して通信する装置を使用して、機械の構成要素を監視することを対象とする。例えば、装置は、構成要素の摩耗量を判定するために、および構成要素を追跡するために(例えば、構成要素が設置および/または交換されたかどうかを判定するために)使用され得る情報を生成するのに使用され得る。構成要素は、摩耗を受ける構成要素であり得る。例えば、構成要素は、とりわけ、ローラ、アイドラ、トラックリンク、トラックリンクブッシング、および/またはスプロケットセグメントなどの下部走行体アセンブリの構成要素であり得る。構成要素は、金属を含み得る。
【0012】
装置は、近距離磁気シグナリング通信プロトコルを使用して通信してもよい。例えば、装置は、電気電子技術者協会(IEEE)1902.1規格に従って通信してもよい。電磁信号とは異なり、磁気信号は、金属によって引き起こされ得る干渉を受けない。例えば、磁気信号(装置によって生成される)は、金属(例えば、鋼)、水、および/または人を貫通するボリュメトリックな磁気波である。対照的に、電磁信号(RFID装置によって生成される)は、金属、水、および/または人によって反射され、遅延を受ける見通し内電磁波である。したがって、こうした電磁信号は不正確さを被る。一部の実施例では、装置は、タグ(例えば、RuBeeタグまたはRuBeeレスポンダ)およびリーダ(例えば、RuBeeタグリーダまたはRuBeeコントローラ)を含み得る。装置(例えば、RuBeeタグおよびRuBeeレスポンダ)は、過酷な環境に対して双方向無線通信プロトコルを利用し得る。
【0013】
一部の実施形態では、一つ以上の装置(例えば、RuBeeタグ)は、構成要素の空洞内に、構成要素の摩耗面に対して一つ以上の異なる深さで組み込まれてもよい。各深さは、構成要素の異なる摩耗量に関連付けられ得る。例えば、第一の装置(例えば、RuBeeタグ)は、構成要素の空洞内に、構成要素の摩耗面に対して第一の深さで組み込まれてもよい。第一の深さは、構成要素の第一の摩耗量に関連付けられ得る。第二の装置(例えば、RuBeeリーダ)が機械上に提供されてもよい。第二の装置は、一つ以上の質問磁気信号を第一の装置に提供してもよい。第二の装置は、一つ以上の質問磁気信号を提供することに基づいて、応答磁気信号が第一の装置から受信されるかどうかを判定し得る。
【0014】
第一の装置から応答磁気信号を受信することは、第一の装置が依然として空洞内に組み込まれていること、および構成要素が第一の深さまで摩耗を受けていない(例えば、構成要素が第一の深さまで摩耗していない)ことを示し得る。逆に、構成要素が第一の深さまで摩耗を受けると、第一の装置は空洞から取り除かれる(例えば、空洞から外れる)、および/または損傷を受ける可能性がある。結果として、第一の装置は、第二の装置と通信できなくなり得る。これに関して、応答磁気信号を受信しないことは、第一の装置が空洞から取り除かれたこと、および構成要素が第一の深さまで摩耗を受けたことを示し得る。
【0015】
第二の装置は、第二の装置が第一の装置と通信することができるかどうかに基づいて、構成要素の摩耗量を示す情報を(例えば、機械のコントローラに、および/または機械に関連付けられたバックオフィスシステムに)提供してもよい。例えば、第二の装置は、応答磁気信号が第一の装置から受信されることに基づいて、構成要素の第一の摩耗量を示す第一の摩耗情報を提供してもよい。別の方法として、第二の装置は、応答磁気信号が第一の装置から受信されないことに基づいて、構成要素の第二の摩耗量を示す第二の摩耗情報を提供してもよい。
【0016】
第二の摩耗量は、第一の摩耗量を超えてもよい。第一の摩耗量は、構成要素が第一の深さまで摩耗していないことに対応し得る。第二の摩耗量は、構成要素が第一の深さまで摩耗していることに対応し得る。一部の実施例では、応答磁気信号に基づいて、第二の装置は、構成要素が機械上に設置された時、および/または構成要素が機械上で交換された時を判定するために使用され得る情報を提供し得る。
【0017】
第二の装置は、第二の深さにある第二のタグに対して、第三の深さにある第三のタグなどに対して、類似のアクションを実行し得る。上記で説明したように、第一の装置および第二の装置は、磁気信号を使用して通信し得る。電磁信号とは異なり、磁気信号は、構成要素に含まれる金属によって引き起こされ得る干渉を受けない。結果として、金属は、構成要素の摩耗量を示す摩耗情報の精度に影響を与えない場合がある。したがって、構成要素は、早期故障を受ける、または早期修理もしくは交換の対象となる場合がある。
【0018】
「機械」という用語は、例えば、鉱業、建設、農業、輸送、または別の産業などの産業に関連する動作を実行する任意の機械を指し得る。さらに、一つ以上の器具が、機械に接続され得る。一例として、機械は、建設車両、作業車両、または上述の産業に関連する類似の車両を含み得る。
【0019】
図1は、本明細書に記載の例示的な機械100の図である。図1に示すように、機械100は、ドーザなどの土工機械として具体化される。別の方法として、機械100は、ショベルなどの別のタイプの軌道型機械であってもよい。
【0020】
図1に示すように、機械100は、エンジン110、センサシステム120、オペレータキャビン130、オペレータコントロール135、コントローラ140、後方アタッチメント150、前方アタッチメント160、接地係合部材170、スプロケット182、一つ以上のアイドラ186、一つ以上のローラ188、リーダ装置190、およびレスポンダ装置192(本明細書では個別に「レスポンダ装置192」と称され、「レスポンダ装置192」と総称される)を含む。
【0021】
エンジン110は、圧縮点火エンジン、スパーク点火エンジン、レーザ点火エンジン、プラズマ点火エンジン、および/または類似のものなどの内燃機関エンジンを含み得る。エンジン110は、機械100、および/または機械100に関連付けられた一組の負荷(例えば、電力を吸収および/または電力を使用して動作する構成要素)に電力を提供する。例えば、エンジン110は、一つ以上の制御システム(例えば、コントローラ140)、センサシステム120、オペレータキャビン130、および/または接地係合部材170に電力を提供し得る。
【0022】
エンジン110は、鉱業、建設、農業、輸送、または任意の他の産業で使用される器具など、機械100の器具に電力を供給することができる。例えば、エンジン110は、構成要素(例えば、一つ以上の油圧ポンプ、一つ以上のアクチュエータ、および/または一つ以上の電気モータ)に電力を供給して、機械100の後方アタッチメント150および/または前方アタッチメント160の制御を容易にし得る。
【0023】
センサシステム120は、機械100の動作に関する信号を生成することができるセンサ装置を含み得る。センサシステム120のセンサ装置は、とりわけ、振動センサ装置、速度センサ装置、動きセンサ装置を含み得る。一例として、センサ装置は、一つ以上の慣性測定ユニット(IMU)を含み得る。
【0024】
オペレータキャビン130は、統合されたディスプレイ(図示せず)、およびオペレータコントロール135を含む。オペレータコントロールは、機械100の動作を制御するための一つ以上の入力構成要素(例えば、統合されたジョイスティック、押しボタン、制御レバー、および/またはステアリングホイール)を含み得る。例えば、オペレータコントロール135は、機械100の一つ以上の器具(例えば、後方アタッチメント150および/または前方アタッチメント160)の動作を制御し、および/または接地係合部材170の動作を制御するために使用され得る。
【0025】
自律型機械の場合、オペレータコントロールは、オペレータが使用するために設計されなくてもよく、むしろ、オペレータから独立して動作するように設計されてもよい。この場合、例えば、オペレータコントロールは、いずれのオペレータ入力もなく別の構成要素によって使用するための入力信号を提供する、一つ以上の入力構成要素を含み得る。
【0026】
コントローラ140(例えば、電子制御モジュール(ECM))は、機械100の動作を制御および/または監視し得る。例えば、コントローラ140は、オペレータコントロール135からの、センサシステム120からの、および/またはリーダ装置190からの信号に基づいて、機械100の動作を制御および/または監視し得る。コントローラ140は、以下でより詳細に説明するように、センサシステム120からの、オペレータコントロール135からの、および/またはリーダ装置190からの信号に基づいて、機械100の一つ以上の構成要素の摩耗量を判定し得る。
【0027】
後方アタッチメント150は、リッパーアセンブリ、ウインチアセンブリ、および/または牽引バーアセンブリを含み得る。前方アタッチメント160は、ブレードアセンブリを含み得る。接地係合部材170は、機械100を推進するように構成され得る。接地係合部材170は、機械100を前進させるための、ホイール、トラック、ローラ、および/または類似の構成要素を含み得る。接地係合部材170は、トラック(図1に示す)を含む下部走行体を含み得る。トラックは、トラックリンクを含み得る。一部の状況では、トラックリンクは、トラックリンクブッシングおよびトラックリンクピンを含み得る。一例として、トラックは、第一のトラックリンク172および第二のトラックリンク174を含み得る。第一のトラックリンク172は、第一のトラックリンクブッシング176および第一のトラックリンクピン178を含む。第二のトラックリンク174は、第二のトラックリンクピン180を含む。
【0028】
スプロケット182は、一つ以上のスプロケットセグメント184(本明細書では、個別に「スプロケットセグメント184」と称され、「スプロケットセグメント184」と総称される)を含み得る。スプロケット182は、接地係合部材170と係合して接地係合部材170を駆動するように構成され得る。例えば、スプロケットセグメント184は、トラックリンクブッシング(例えば、接地係合部材170のトラックの)と係合し、回転して、トラックに機械100を推進させるように構成されてもよい。一部の実施例では、一つ以上のアイドラ186および/または一つ以上のローラ188は、トラックが回転して機械100を推進させるときに、トラックを導き得る。一部の実施例では、接地係合部材170、スプロケット182、一つ以上のアイドラ186、および一つ以上のローラ188は、下部走行体アセンブリの構成要素であり得る。下部走行体アセンブリは、一つ以上のトラックパッドおよび/または一つ以上のトラックシューをさらに含み得る。
【0029】
リーダ装置190は、一つ以上の構成要素に関する摩耗情報を提供するように構成された一つ以上の装置を含み得る。摩耗情報は、一つ以上の構成要素の摩耗量を示し得る。一部の状況では、摩耗情報は、一つ以上の構成要素が機械100上に設置された時、および/または一つ以上の構成要素が機械100上で交換された時を判定するために使用され得る情報(例えば、タイムスタンプ)を含み得る。
【0030】
リーダ装置190は、一つ以上の構成要素に関連付けられた一つ以上のレスポンダ装置192との通信に基づいて、摩耗情報を生成し得る。リーダ装置190は、近距離磁気シグナリング通信プロトコルを使用して、一つ以上のレスポンダ装置192と通信してもよい。例えば、リーダ装置190は、電気電子技術者協会(IEEE)1902.1規格に従って、一つ以上のレスポンダ装置192と通信してもよい。
【0031】
一部の実施形態では、リーダ装置190は、レスポンダ装置192に一つ以上の質問磁気信号を提供して、レスポンダ装置192に応答磁気信号(一つ以上の質問磁気信号に応答する)を提供させてもよい。応答磁気信号は、摩耗情報を生成するために使用され得る。リーダ装置190は、応答磁気信号がレスポンダ装置192から受信されるかどうかを判定し得る。リーダ装置190は、以下でより詳細に説明するように、応答磁気信号がレスポンダ装置192から受信されるかどうかに基づいて、摩耗情報を生成および提供してもよい。
【0032】
レスポンダ装置192は、応答磁気信号をリーダ装置190に提供するように構成された一つ以上の装置を含み得る。レスポンダ装置192は、近距離磁気シグナリング通信プロトコルを使用して、リーダ装置190と通信してもよい。例えば、レスポンダ装置192は、IEEE 1902.1規格に従って、リーダ装置190と通信してもよい。
【0033】
レスポンダ装置192は、機械100の構成要素に関連付けられるように構成され得る。一部の実施例では、応答磁気信号は、とりわけ、レスポンダ装置192を識別する情報、構成要素を識別する情報、構成要素上のレスポンダ装置192の位置を識別する情報、応答信号に関連付けられたタイムスタンプを識別する情報を含み得る。レスポンダ装置192を識別する情報は、とりわけ、レスポンダ装置192の製造業者を識別する情報、レスポンダ装置192のモデルを識別する情報、レスポンダ装置192のシリアル番号を識別する情報を含み得る。
【0034】
構成要素を識別する情報は、とりわけ、構成要素の製造業者を識別する情報、構成要素のモデルを識別する情報、構成要素の部品番号を識別する情報、構成要素のシリアル番号を識別する情報、構成要素が機械100に設置された日付および/または時間を識別する情報を含み得る。一部の実施例では、レスポンダ装置192を識別する情報、構成要素を識別する情報、構成要素上のレスポンダ装置192の位置を識別する情報、および/またはタイムスタンプを識別する情報が、リーダ装置190によって提供される摩耗情報に含まれてもよい。
【0035】
レスポンダ装置192は、応答磁気信号を定期的に(例えば、とりわけ、3時間ごと、シフトごと、毎日)提供するように構成されてもよい。追加的に、または代替的に、レスポンダ装置192は、トリガに基づいて(例えば、質問磁気信号の受信に基づいて)応答磁気信号を提供するように構成されてもよい。
【0036】
一部の状況では、レスポンダ装置192は、最小限の電力を消費する装置であってもよい。レスポンダ装置192は、約5年~15年持続し得る電池などの電源を含み得る。レスポンダ装置192は、タイムスタンプを生成するように構成された装置と、構成要素の製造業者を識別する情報、構成要素のモデルを識別する情報、および/または構成要素のシリアル番号を識別する情報を格納するように構成された一つ以上のメモリとを含み得る。レスポンダ装置192は、とりわけ、振動センサ装置、速度センサ装置、動きセンサ装置などの一つ以上のセンサ装置を含み得る。応答磁気信号は、一つ以上のセンサ装置からのセンサデータを含み得る。
【0037】
上述のように、図1は、一例として提供される。他の例は、図1に関連して記載されたものと異なってもよい。
【0038】
図2は、本明細書に記載の機械100の例示的な構成要素の図である。例示的な構成要素は、第一のトラックリンク172として図示されている。図2に示すように、第一のトラックリンク172は、本体210を含み得る。本体210は、金属を含み得る。金属は、とりわけ、鋼、アルミニウムを含み得る。追加的に、または代替的に、本体210はゴム材料を含んでもよい。
【0039】
図2に示すように、本体210は、摩耗面220、空洞230、およびトラックリンクピンを受容するように構成されたトラック貫通穴240を含み得る。摩耗面220は、下部走行体アセンブリの使用中に材料が摩耗する、本体210の任意の表面を含み得る。例えば、摩耗面220は、下部走行体アセンブリの構成要素および/または他の外部材料(例えば、地面)との接触を通して材料が摩耗する表面であり得る。
【0040】
空洞230は、一つ以上のレスポンダ装置192を受容するように構成されてもよい。図2に示すように、例えば、空洞230は、レスポンダ装置192-1およびレスポンダ装置192-2を受容するように構成されている。図2は、空洞230がレスポンダ装置192-1およびレスポンダ装置192-2を受容していることを例示するが、一部の他の実施例では、空洞230は、追加の、またはより少ないレスポンダ装置192を受容してもよい。レスポンダ装置192は、空洞内に物体を保持するように構成された材料の中でもとりわけ、金属、ゴム材料を使用して空洞230内に保持され得る。
【0041】
図2に示すように、レスポンダ装置192-1は、摩耗面220に関連付けられた第一の位置に(例えば、摩耗面から第一の閾値距離内に)提供され得る。例えば、レスポンダ装置192-1は、空洞230内に摩耗面220に対して第一の深さに提供されてもよい。空洞230内に提供されている間、レスポンダ装置192-1は、一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供することができ得る。これに関して、一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供することによって、レスポンダ装置192-1は、レスポンダ装置192-1が空洞230内に提供され、摩耗面220が第一の深さまで摩耗していないという表示を(例えば、リーダ装置190に)提供し得る。
【0042】
応答磁気信号(一つ以上の応答磁気信号の)は、とりわけ、レスポンダ装置192-1を識別する情報(上記で説明する)、第一のトラックリンク172を識別する情報(上記で説明する)、第一のトラックリンク172に対するレスポンダ装置192-1の位置を識別する情報、および/または応答磁気信号のタイムスタンプを識別する情報を含み得る。レスポンダ装置192-1の位置を識別する情報は、とりわけ、第一の深さを識別する情報、第一の位置を識別する情報を含み得る。
【0043】
一部の実施例では、レスポンダ装置192-1が一つ以上の応答磁気信号を提供することに基づいて、リーダ装置190は、第一のトラックリンク172の第一の摩耗量を示す第一の摩耗情報を生成し得る。第一の摩耗情報は、第一のトラックリンク172が第一の深さまで摩耗していないことを示し得る。
【0044】
摩耗面220が第一の深さまで摩耗すると、レスポンダ装置192-1は空洞230から外れ、結果として、利用できなくなる、および/または損傷を受ける場合がある。したがって、レスポンダ装置192-1は、レスポンダ装置192-1が損傷を受けている、および/またはリーダ装置190と通信するための通信範囲外であるために、リーダ装置190に一つ以上の応答磁気信号を提供できない場合がある。これに関して、一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供できないことによって、レスポンダ装置192-1は、レスポンダ装置192-1が空洞230内になく、摩耗面220が第一の深さまで摩耗しているという表示を(例えば、リーダ装置190に)提供し得る。
【0045】
表示(例えば、レスポンダ装置192-1から一つ以上の応答磁気信号を受信しないという)に基づいて、リーダ装置190は、第一のトラックリンク172の第二の摩耗量を示す第二の摩耗情報を生成し得る。例えば、第二の摩耗情報は、第一のトラックリンク172が第一の深さまで摩耗したことを示し得る。第一の深さ(および第一の位置)は、第二の摩耗量に関連付けられてもよい。第二の摩耗量は、第一の摩耗量を超えてもよい。
【0046】
図2に示すように、レスポンダ装置192-2は、摩耗面220に関連付けられた第二の位置に(例えば、摩耗面から第二の閾値距離内に)提供され得る。例えば、レスポンダ装置192-2は、空洞230内に摩耗面220に対して第二の深さに提供されてもよい。第二の閾値距離は、第一の閾値距離を超えてもよく、第二の深さは、第一の深さを超えてもよい。
【0047】
レスポンダ装置192-2は、一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供することに基づいて、レスポンダ装置192-1によって提供される表示と同様の表示を提供し得る。例えば、一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供することによって、レスポンダ装置192-2は、レスポンダ装置192-2が空洞230内に提供され、摩耗面220が第二の深さまで摩耗していないという表示を提供し得る。逆に、一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供できないことによって、レスポンダ装置192-2は、レスポンダ装置192-2が空洞230内に提供されておらず、摩耗面220が第二の深さまで摩耗しているという表示を提供し得る。
【0048】
レスポンダ装置192-2が一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供することに基づいて、リーダ装置190は、上述の方法と同様の方法で、第一のトラックリンク172が第二の深さまで摩耗していないことを示す第三の摩耗情報を生成し得る。逆に、レスポンダ装置192-2が一つ以上の応答磁気信号をリーダ装置190に提供することに基づいて、リーダ装置190は、上述の方法と同様の方法で、第一のトラックリンク172が第二の深さまで摩耗していることを示す第四の摩耗情報を生成し得る。第二の深さは、第二の摩耗量を超える第三の摩耗量に関連付けられ得る。
【0049】
前述の実施例は、機械100の下部走行体アセンブリの構成要素に関して説明されてきたが、本開示は、摩耗を受ける機械100の他の構成要素の中でもとりわけ、チップ、アダプタ、ベースエッジ、切断縁部、シュラウド、ハーフアロー(half arrow)などの機械100の他の構成要素に適用可能である。
【0050】
図2に示す装置の数および配置は一例として提供されている。実際には、図2に示されるものよりも、追加の装置、より少ない装置、異なる装置、または異なる配置の装置があり得る。さらに、図2に示す二つ以上の装置は、単一の装置内に実装されてもよく、または図2に示す単一の装置は、複数の分散装置として実装されてもよい。追加的に、または代替的に、例示的な構成要素の装置のセット(例えば、一つ以上の装置)は、例示的な構成要素の装置の別のセットによって実行されると記述された一つ以上の機能を実行し得る。
【0051】
図3は、本明細書に記載の機械100の例示的な構成要素の図である。例示的な構成要素は、第一のトラックリンク172として図示されている。第一のトラックリンク172の要素は、図2に関連して上述されている。図3に示すように、第一のトラックリンク172は、第一のトラックリンク172の外面(例えば、本体210の外面)上に凹面310を含み得る。図3に示すように、凹面310は、レスポンダ装置192を受容するように構成されてもよい。レスポンダ装置192は、異なる方法で凹面310上に提供されてもよい。例えば、レスポンダ装置192は、とりわけ、第一のトラックリンク172に溶接されてもよく(例えば、凹面310に溶接される)、第一のトラックリンク172にボルトで固定されてもよい(例えば、凹面310にボルトで固定される)。
【0052】
図3に示すように、レスポンダ装置192は、電池320(図1に関連して説明される)、メモリ330(図1に関連して説明される)、プロセッサ340、およびセンサ装置350(図1に関連して説明される)を含み得る。メモリ330は、関数を実行するためプロセッサ340によって使用される情報および/もしくは命令を格納する、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ならびに/または別のタイプの動的もしくは静的記憶デバイス(例えば、フラッシュメモリ、磁気メモリ、および/または光メモリ)を含む。
【0053】
プロセッサ340は、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、加速処理ユニット(APU)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または別のタイプの処理構成要素を含む。プロセッサ340は、ハードウェア、ファームウェア、および/またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実装される。プロセッサ340は、関数を実行するようにプログラムすることができてもよい。
【0054】
前述の実施例は、機械100の下部走行体アセンブリの構成要素に関して説明されてきたが、本開示は、摩耗を受ける機械100の他の構成要素の中でもとりわけ、チップ、アダプタ、ベースエッジ、切断縁部、シュラウド、ハーフアロー(half arrow)などの機械100の他の構成要素に適用可能である。
【0055】
図3に示す装置の数および配置が例として提供されている。実際には、図3に示されるものよりも、追加の装置、より少ない装置、異なる装置、または異なる配置の装置があり得る。さらに、図3に示す二つ以上の装置は、単一の装置内に実装されてもよく、または図3に示す単一の装置は、複数の分散装置として実装されてもよい。追加的に、または代替的に、例示的な構成要素の装置のセット(例えば、一つ以上の装置)は、例示的な構成要素の装置の別のセットによって実行されると記述された一つ以上の機能を実行し得る。
【0056】
図4は、本明細書に記載の例示的なシステム400の図である。図4に示すように、システム400は、コントローラ140、リーダ装置190、レスポンダ装置192-1~192-N(本明細書では個別に「レスポンダ装置192」と称され、「レスポンダ装置192」と総称される)と、バックオフィスシステム410とを含む。レスポンダ装置192は、上記で説明するように、下部走行体アセンブリの一つ以上の構成要素に関連付けられ得る。
【0057】
コントローラ140は、機械100の構成要素の摩耗情報に基づいて、一つ以上のアクションを実行するように構成され得る。一つ以上のアクションについては、以下でより詳細に説明する。一部の実施例では、リーダ装置190は、摩耗情報を提供して、コントローラ140に一つ以上のアクションを実行させてもよい。リーダ装置190は、摩耗情報を定期的に(例えば、とりわけ、3時間ごと、シフトごと、毎日)提供してもよい。追加的に、または代替的に、リーダ装置190は、トリガに基づいて(例えば、応答磁気信号をレスポンダ装置192から受信することに基づいて、コントローラ140からの要求に基づいて、および/またはバックオフィスシステム410からの要求に基づいて)摩耗情報を提供してもよい。
【0058】
一部の実施形態では、コントローラ140は、摩耗情報を判定するリーダ装置190に関連して上述した方法と同様の方法で摩耗情報を判定し得る。例えば、コントローラ140は、構成要素に関連付けられたレスポンダ装置192からの一つ以上の応答磁気信号、および/またはレスポンダ装置192に関する非応答情報を受信し得る(例えば、リーダ装置190から)。
【0059】
非応答情報は、とりわけ、応答磁気信号がレスポンダ装置192から受信されていないことを示す情報、レスポンダ装置192を識別する情報、構成要素上のレスポンダ装置192の位置を識別する情報、レスポンダ装置192から受信した最後の応答磁気信号のタイムスタンプを識別する情報、リーダ装置190によってレスポンダ装置192に提供される最後の質問磁気信号のタイムスタンプを識別する情報を含み得る。コントローラ140は、一つ以上の応答磁気信号および/または非応答情報に基づいて、構成要素の摩耗情報を判定し得る。
【0060】
コントローラ140は、構成要素の摩耗量(摩耗情報によって識別される)を摩耗閾値と比較してもよい。摩耗閾値を識別する情報は、コントローラ140に関連付けられた一つ以上のメモリに格納され得る。一部の状況では、摩耗閾値は、一つ以上の構成要素が交換された時点における一つ以上の構成要素の摩耗量に関する履歴データに基づいて判定されてもよい。一つ以上の構成要素は、レスポンダ装置192が関連付けられる構成要素と類似していてもよい。
【0061】
構成要素の摩耗量が摩耗閾値を満たさないと仮定する。コントローラ140は、通知を提供してもよい。通知は、とりわけ、構成要素を識別する情報、機械100上の構成要素の位置を識別する情報(例えば、レスポンダ装置192の深さ)、構成要素の摩耗量(例えば、位置および/または深さに関連付けられた摩耗量)を識別する情報、および/または構成要素に関連付けられる、および/または構成要素に属する一つ以上の構成要素を識別する情報を含み得る。
【0062】
通知は、とりわけ、オペレータキャビン130に対して内部的に提供されてもよく、オペレータキャビン130に対して外部的に提供されてもよく、機械100のオペレータの装置に提供されてもよく、および/またはバックオフィスシステム410に提供されてもよい。
【0063】
構成要素の摩耗量が摩耗閾値を満たしていると仮定する。コントローラ140は、通知を提供することに加えて、または別の方法として、一つ以上のアクションを実行してもよい。この状況では、通知は、構成要素を交換および/または修理することをさらに示し得る。一つ以上のアクションに関して、コントローラ140は、構成要素の追加的な摩耗を低減および/または防止するために、機械100の動作を調整してもよい。例えば、コントローラ140は、とりわけ、機械100の速度を低減してもよく、速度を低減して機械100を停止させてもよく、および/または機械100を動けなくしてもよい。
【0064】
追加的に、または代替的に、機械100の動作を調整するために、コントローラ140は、上述の方法と同様の方法で機械の動作を調整するように、オペレータに命令を提供し得る。追加的に、または代替的に、コントローラ140は、構成要素を修理および/または構成要素を交換するために、サービス要求を提供し得る。
【0065】
追加的に、または代替的に、コントローラ140は、機械100を修理施設へと自律的に移動させてもよい。追加的に、または代替的に、コントローラ140は、技術者のカレンダを、構成要素を検査、修理、および/または交換するカレンダイベントで埋めてもよい。追加的に、または代替的に、コントローラ140は、警報を作動させてもよい。警報は、一つ以上の構成要素を修理または交換すべきであることを示し得る。
【0066】
追加的に、または代替的に、コントローラ140は、第一の自律型装置に交換要求を提供して、第一の自律型装置に、交換構成要素を機械10に関連付けられた位置へと送達させてもよい。位置は、機械100の現在の位置、機械100が複数の作業を実行する作業現場、機械100が作業を実行していない時に機械100が駐留する位置、機械100が修理および/または交換を受けている時に機械100が駐留する位置を含み得る。交換要求は、機械100に関連付けられた位置を識別する情報を含み得る。
【0067】
追加的に、または代替的に、第一の自律型装置に交換構成要素を送達させるために、コントローラ140は、第二の自律型装置に確認要求を提供して、第二の自律型装置に、機械100に関連付けられた位置へと移動させて、構成要素の摩耗量を確認させてもよい。確認要求は、機械100に関連付けられた位置を識別する情報を含み得る。第二の自律型装置は、構成要素摩耗情報を確認することに基づいて、確認情報を生成し、確認情報をコントローラ140に送信してもよい。
【0068】
一部の状況では、摩耗情報により、コントローラ140が構成要素を追跡することが可能になり得る。例えば、摩耗情報に基づいて、コントローラ140は、構成要素が機械上に設置された時、および/または構成要素が機械上で交換された時を判定し得る。例えば、コントローラ140は、摩耗情報を分析して、レスポンダ装置192から受信した第一の応答磁気信号に関連付けられたタイムスタンプ(例えば、日付および/または時間)を識別し得る。コントローラ140は、タイムスタンプが、構成要素が最初に機械100に設置された日付および/または時間に関連付けられていると判定し得る。一部の状況では、タイムスタンプが、構成要素が最初に機械100に設置された日付および/または時間に関連付けられていると判定することに基づいて、およびレスポンダ装置192の位置に応じて、コントローラ140は、摩耗情報が、構成要素が最小限の摩耗量を受けているか、または摩耗を受けていないことを示すと予測し得る。
【0069】
一部の状況では、一つ以上のメモリ(コントローラ140に関連付けられる)は、データ構造を格納し得る。データ構造は、対応する構成要素および対応する構成要素上の異なるレスポンダ装置192の位置に関連して、異なるレスポンダ装置192についての情報を含んでもよい。コントローラ140は、データ構造に基づいて、レスポンダ装置192が構成要素に関連付けられた最後のレスポンダ装置192である、または構成要素に関連付けられた唯一のレスポンダ装置192であると判定すると仮定する。さらに、摩耗情報が、レスポンダ装置192が構成要素から取り外されたことを示すと仮定する。コントローラ140は、レスポンダ装置192からの最後の応答磁気信号のタイムスタンプが、構成要素が修理および/または交換される日付および/または時間と相関すると予測し得る。コントローラ140は、機械100の一つ以上の他の構成要素に対して類似のアクションを実行し得る。
【0070】
バックオフィスシステム410は、機械100の構成要素を監視するように構成された一つ以上の装置を含み得る。バックオフィスシステム410は、機械100に対して遠隔である場合がある。一部の実施形態では、バックオフィスシステム410は、コントローラ140に関連して上述したアクションと類似したアクションを実行し得る。例えば、バックオフィスシステム410は、コントローラ140から、および/またはリーダ装置190から摩耗情報を受信し得る。別の方法として、バックオフィスシステム410は、コントローラ140が摩耗情報を判定することに関連して説明した上述の方法と同様の方法で摩耗情報を判定してもよい。摩耗情報に基づいて、バックオフィスシステム410は、コントローラ140に関連して上述したアクションと類似したアクションを実行し得る。
【0071】
図4に示す装置の数および配置は一例として提供されている。実際には、図4に示されるものよりも、追加の装置、より少ない装置、異なる装置、または異なる配置の装置があり得る。さらに、図4に示す二つ以上の装置は、単一の装置内に実装されてもよく、または図4に示す単一の装置は、複数の分散装置として実装されてもよい。追加的に、または代替的に、システム400の装置のセット(例えば、一つ以上の装置)は、システム400の装置の別のセットによって実行されると記述された一つ以上の機能を実行し得る。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本開示は、磁気信号を使用して通信する装置を使用して、機械の構成要素を監視することを対象とする。例えば、装置は、構成要素の摩耗量を検出するために、および構成要素を追跡するために(例えば、構成要素が設置および/または交換されたかどうかを判定するために)使用され得る。構成要素は、金属を含んでもよく、とりわけ、ローラ、アイドラ、トラックリンク、トラックリンクブッシング、および/またはスプロケットセグメントなどの下部走行体アセンブリの構成要素であり得る。電磁信号とは異なり、磁気信号は、金属によって引き起こされ得る干渉を受けない。
【0073】
装置は、近距離磁気シグナリング通信プロトコルを使用して通信してもよい。例えば、装置は、電気電子技術者協会(IEEE)1902.1規格に従って通信してもよい。装置は、磁場を使用して長波長帯で動作し得る。例えば、装置は、約1.25マイルの波長で動作し得る。追加的に、または代替的に、装置は、約131Kzなどの低周波数を使用してもよい。こうした装置によって提供される情報は、反射を受けず、金属(例えば、鋼)または液体によってブロックされない。したがって、こうした装置によって提供される情報は、ボリュメトリック(例えば、見通し外)である。
【0074】
金属は、電磁エネルギーを反射して、RFIDシステムの電磁信号との干渉を引き起こし得る。結果として、RFIDシステムによって測定される摩耗量(構成要素の)が不正確となる場合がある。構成要素の摩耗量の不正確な測定により、構成要素の摩耗量に関する不正確な予測がもたらされ得る。こうした不正確な予測の結果として、構成要素は、早期故障するか、または早期(例えば、構成要素は、交換または修理を必要とするほど十分に摩耗されない場合があるため)に修理または交換され得る。
【0075】
本開示は、磁気信号を使用して通信する装置を使用して、機械の構成要素を監視することによってこれらの問題を解決する。構成要素の摩耗量を識別する情報(装置によって提供される)は、金属によって引き起こされる干渉を受けない。したがって、摩耗量を識別する情報は、電磁信号を使用して提供される類似の情報よりも正確である。精度が改善される結果として、構成要素は、(構成要素が早期に修理または交換されるのではなく)構成要素の修理または交換が必要なときに修理または交換され得る。
【0076】
さらに、精度が改善される結果として、装置は、構成要素の修理および/または交換前に構成要素が故障する可能性を低減するのに役立ち得る。さらに、精度が改善される結果として、装置は、構成要素の摩耗量の不正確な予測に関連する問題(例えば、構成要素の早期故障、構成要素の早期修理、および/または構成要素の早期交換)を解決するために、そうでなければ使用されていたであろう計算資源または機械資源を保持し得る。
【0077】
前述の開示は、例示および説明を提供するが、網羅的であることを意図しておらず、または当該実装形態を開示される正確な形態に限定することを意図するものではない。修正および変形は、上記開示に照らして行われ得、実装態様の実施から取得され得る。さらに、前述の開示が一つまたは複数の実装形態を組み合わせることができない理由を明確に示さない限り、本明細書に記載される実装形態のいずれかを組み合わせることができる。特徴の特定の組み合わせが特許請求の範囲に記載され、かつ/または本明細書に開示されるが、これらの組み合わせは、さまざまな実装形態の開示を限定することを意図しない。以下に列挙される各従属請求項は、一つの請求項のみに直接従属し得るが、さまざまな実装態様の開示は、一連の請求項内の他の全ての請求項と組み合わせて、各従属請求項を含む。
【0078】
本明細書で使用される「a(一つの)」および「an(一つの)」および「set(セット)」は、一つまたは複数の品目を含むことが意図されており、「one or more(一つまたは複数)」と交換可能に使用され得る。さらに、本明細書で使用される場合、冠詞「the」は、冠詞「the」に関連して参照される一つまたは複数の項目を含むことが意図されており、「the one or more(一つまたは複数)」と交換可能に使用することができる。さらに、「based on(に基づく)」という語句は、別段の明示がない限り、「based, at least in part,on(少なくとも部分的に基づく)」を意味することを意図する。また、本明細書で使用される場合、用語「or(または)」は、一連の使用時に包括的であることが意図され、別段の明示的な記載がない限り(例えば、「either(いずれか)」または「only one of(いずれか一つ)」と組み合わせて使用される場合)、「and/or(および/または)」と互換的に使用され得る。さらに、図に示すように、一つの要素または別の要素に対する特徴の関係を記述するために、説明を容易にするために、空間的に相対的な用語、例えば、「below(下)」、「lower(下方)」、「above(上方)」、「upper(上部)」、および類似のものを本明細書で使用し得る。空間的に相対的な用語は、図に示される配向に加えて、使用または動作中の機器、装置、および/または要素の異なる配向を包含することが意図される。機器は、その他の方法で、配向されてもよく(90度回転または他の配向で)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、同様にそれに応じて解釈されることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】