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特表2024-531202臓器を換気するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】臓器を換気するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 1/02 20060101AFI20240822BHJP
【FI】
A01N1/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508476
(86)(22)【出願日】2022-08-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022074656
(87)【国際公開番号】W WO2023019101
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/260,097
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594010009
【氏名又は名称】デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ティリー, マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング, スティーブン エル.
(72)【発明者】
【氏名】フィルゲート, ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブソン, スチュアート エー.
(72)【発明者】
【氏名】カロル, ダニエル エス.
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011CA01
4H011CB05
4H011CC03
4H011CD13
(57)【要約】
陰圧換気(NPV)および灌流を通して、肺等の生体外臓器(1029)の存続力を維持するためのシステムおよび方法。システムは、流動的に結合される構成要素を含む:臓器エンクロージャ(107)、ダイヤフラムエンクロージャ(109)、アクチュエータ/ポンプ(105)、弁(112)、リザーバ(103)、および灌流システム。アクチュエータは、その精密な量の無菌支持流体を変位させる精密な量の作業流体を変位させることができる。無菌流体は、ダイヤフラムエンクロージャと臓器エンクロージャとの間を進行し、それによって、臓器チャンバ内の臓器を換気する。灌流システムは、臓器を通して、灌流液を循環させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臓器の陰圧換気のためのシステムであって、前記システムは、
第1の流体が第1の体積だけ変位させられるようにするように構成されたアクチュエータと、
可撓性膜を収容するダイヤフラムエンクロージャであって、前記可撓性膜は、2つの表面を有し、前記2つの表面のうちの一方は、前記第1の流体と流動的に結合され、前記2つの表面のうちの他方は、第2の流体と流動的に結合され、前記可撓性膜は、前記アクチュエータが前記第1の流体が変位させられるようにすると、前記第2の流体を前記第1の体積だけ変位させる、ダイヤフラムエンクロージャと、
前記臓器を収容する臓器エンクロージャと
を備え、
前記臓器エンクロージャは、前記ダイヤフラムエンクロージャと流動的に結合され、前記臓器エンクロージャは、前記アクチュエータが前記第1の流体が変位させられるようにすると、前記第2の流体を前記ダイヤフラムエンクロージャから受け取り、
前記第2の流体の変位は、前記空気の陰圧換気および前記臓器による吸気/呼気を可能にする、システム。
【請求項2】
センサデータを収集するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに備えている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのセンサは、
前記陰圧換気中、1回換気量センサデータを収集するように構成された1回換気量センサと、
前記陰圧換気中、前記第2の流体の圧力を感知するように構成された圧力センサと
を備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセンサは、プライミングプロセス中、気泡センサデータを収集するように構成された気泡センサを備えている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
命令を実行するように構成された少なくとも1つのコントローラをさらに備え、前記命令は、システム内のデバイスを制御するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記命令は、
前記センサデータを受信することと、
少なくとも前記センサデータに基づいて、前記アクチュエータを制御することと
を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2の流体を保持するリザーバをさらに備え、前記リザーバは、前記ダイヤフラムエンクロージャと流動的に結合されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記命令は、
気泡センサデータを気泡センサから受信することであって、前記気泡センサは、前記リザーバおよび前記臓器エンクロージャと流動的に結合されている、ことと、
ある量の前記第2の流体を前記リザーバから前記臓器エンクロージャまで移動させることと
を含み、前記量は、前記気泡センサデータに基づく、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
灌流システムをさらに備え、前記灌流システムは、
少なくとも1つの灌流ポンプと、
静脈流体をガスにさらすように構成されたエンクロージャを含むガス管理システムと、
前記ガス管理システムから退出する前記静脈流体を熱調節手段にさらすように構成されたデバイスを含む熱管理システムと、
前記臓器に向けられる前記静脈流体を保持するように構成された流体エンクロージャを含む灌流液リザーバと
を含み、
前記灌流液リザーバは、前記静脈流体と混合し、混合流体を形成するための灌流液を受け取るように構成され、前記灌流液リザーバは、前記静脈流体および/または前記混合流体の過剰量を放出するように構成されたドレインを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
流体経路をさらに備え、前記流体経路は、
前記静脈流体の特性を決定するように構成された少なくとも1つの静脈センサと、
動脈流体の特性を決定するように構成された少なくとも1つの動脈センサと、
を含み、
前記命令は、前記灌流ポンプ、前記ガス管理システム、および前記熱管理システムを制御することを含み、前記命令は、前記臓器から、前記ガス管理システムおよび前記熱管理システムを通して、前記臓器の中に前記静脈流体を圧送するように前記灌流ポンプに命令するように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記灌流システムは、少なくとも1つの静脈流体サンプルポートを備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記灌流システムは、少なくとも1つの静脈センサを備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記灌流システムは、少なくとも1つの動脈流体サンプルポートを備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記灌流システムは、少なくとも1つの動脈センサを備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記灌流液は、血液ベースの流体を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記灌流液は、酸素搬送分子を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項17】
前記アクチュエータ、前記可撓性膜、および前記臓器エンクロージャを包囲している可搬型エンクロージャと、
可搬型電源と
をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記アクチュエータ、前記可撓性膜、前記臓器エンクロージャ、および前記灌流システムを包囲している可搬型エンクロージャと
可搬型電源と
をさらに備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項19】
陰圧換気を使用して臓器を換気する方法であって、前記方法は、
作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させることを含み、
前記第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、前記可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、前記ダイヤフラムエンクロージャは、臓器エンクロージャと流動的に結合され、前記可撓性膜は、前記第1の流体が変位させられると、第2の流体を前記第1の体積だけ変位させ、前記第2の流体は、前記可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、前記第2の流体は、前記臓器エンクロージャの内外へ移動し、臓器に拡張および収縮させ、空気を前記臓器の内外へ押し進める、方法。
【請求項20】
前記空気の1回換気量を感知することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
灌流液を前記臓器から外へ圧送することと、
前記灌流液に関連付けられたデータを収集することと、
少なくとも収集されたデータに基づいて、前記灌流液の特性を調節し、調節された灌流液を形成することと、
前記調節された灌流液を前記臓器の中に圧送することと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記収集されたデータに基づいて、新鮮な灌流液を前記調節された灌流液と混合することによって、混合流体を形成することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記収集されたデータに基づいて、前記調節された灌流液を排出させることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記空気を濾過することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記臓器を正常温度で灌流することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記臓器を非正常温度で灌流することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
陰圧換気中、前記臓器の特性を査定することと、
前記特性に基づいて、薬剤を前記臓器の中に灌流および/または換気することと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
臓器エンクロージャをプライミングする方法であって、前記方法は、
作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させることであって、前記第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、前記可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、前記ダイヤフラムエンクロージャは、前記臓器エンクロージャおよびリザーバと流動的に結合され、前記可撓性膜は、前記第1の流体が変位させられると、第2の流体を前記第1の体積だけ変位させ、前記第2の流体は、前記可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、前記第2の流体は、前記リザーバから前記臓器エンクロージャまで移動する、ことと、
センサによって、前記臓器エンクロージャが満たされているときを検出することと、
前記臓器エンクロージャが満たされていると、前記リザーバと前記臓器エンクロージャとの間の流体結合を閉鎖することと
を含む、方法。
【請求項29】
前記第2の流体は、臓器組織を支持するように調合された媒体を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記第2の流体は、無菌流体を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記第2の流体は、等張流体を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記第2の流体は、水ベースの流体を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記第2の流体は、鉱物ベースの油圧流体を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記臓器エンクロージャへの/それからの前記第2の流体の移動を制御する弁をさらに備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記命令は、前記静脈流体中の溶解ガス濃度を事前に選択されたレベルに維持することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項36】
前記命令は、前記静脈流体中の溶解ガス濃度をユーザ入力レベルに維持することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項37】
前記命令は、前記静脈流体中の溶解ガス濃度を動的に決定されたレベルに維持することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項38】
前記デバイスは、
前記リザーバおよび前記臓器エンクロージャへの/それからの流動を制御する弁と、
前記少なくとも1つのセンサと、
前記アクチュエータと、
ガスを前記静脈流体に提供するガス管理システムと、
前記静脈流体を前記臓器内の静脈洞から前記臓器内の動脈洞まで移動させる灌流ポンプと
を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項39】
前記命令は、前記灌流液中の溶解ガス濃度を事前に選択されたレベルに維持することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項40】
前記命令は、少なくとも、前記少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、換気および灌流パラメータを動的に修正することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項41】
前記命令は、
少なくとも、前記少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、前記灌流液、前記静脈流体、および前記第2の流体の特性を動的に修正することと、
少なくとも、前記少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、前記臓器、前記静脈流体、および前記灌流液の状態を査定することと、
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項42】
前記命令は、
前記臓器エンクロージャ内の圧力、前記アクチュエータのストローク、および前記空気の特性を測定することによって、測定値を計算することと、
前記測定値に基づいて、前記陰圧換気の状態を制御することと
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項43】
前記命令は、少なくとも前記灌流液および前記混合流体の流量、動脈洞における前記灌流液および前記混合流体の圧力、前記灌流液および前記混合流体の温度、および前記灌流液および前記混合流体の化学的組成に基づいて、前記混合流体の灌流および前記灌流液の特性を制御することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項44】
前記命令は、
前記灌流液および前記混合流体を査定することと、
少なくとも前記査定に基づいて、前記灌流液および前記混合流体の特性を自動的に調節することと
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項45】
前記命令は、
前記灌流液および前記混合流体を査定することと、
少なくとも前記査定に基づいて、前記灌流液および前記混合流体の特性を自動的に調節することと
を含み、
前記調節することは、前記ガス管理システムに提供されるガスの平衡に基づき、前記平衡は、少なくとも前記査定に基づく、請求項9に記載のシステム。
【請求項46】
前記命令は、少なくとも前記臓器の1回換気量および圧力に基づいて、前記臓器の伸展性を査定することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項47】
前記命令は、少なくとも酸素流量に基づいて、前記臓器の伸展性を査定することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項48】
前記命令は、前記灌流液および前記混合流体の流量を管理し、前記灌流液および前記混合流体の所望の圧力を達成するために、独立して、送達圧力および充填圧力を調節することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項49】
前記命令は、前記灌流液および前記混合流体が前記臓器に進入するように、前記灌流液および前記混合流体の流量および流圧を調節することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項50】
前記命令は、
前記臓器における抵抗を測定することと、
前記灌流液および前記混合流体が前記臓器に進入するように、前記抵抗に基づいて、前記灌流液および前記混合流体の流量および流圧を調節することと
を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項51】
前記灌流液は、前記臓器内の欠損を補修するように設計された製剤を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項52】
前記灌流液は、事前に選択された時間量にわたって前記臓器を事前に選択されたステータスに維持するように設計された製剤を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項53】
前記灌流液は、前記臓器の受け取り人における免疫応答を制御するように設計された製剤を含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項54】
前記熱管理システムは、前記静脈流体および前記混合流体の温度を事前に選択された温度範囲内に維持することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項55】
置換溶液との前記灌流液の置換を可能にする灌流液交換システムをさらに備えている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項56】
前記少なくとも1つの灌流ポンプと前記灌流液リザーバとの間のフィルタをさらに備え、前記フィルタは、粒子を捕捉する、請求項9に記載のシステム。
【請求項57】
前記臓器エンクロージャは、4つの側面および蓋を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項58】
前記臓器エンクロージャは、シリンダおよび蓋を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項59】
前記臓器エンクロージャは、透明な側面を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項60】
前記臓器エンクロージャは、透明な蓋を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項61】
前記臓器エンクロージャは、前記臓器を設置するためのプラットフォームを備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項62】
前記臓器エンクロージャは、
前記臓器を設置するためのプラットフォームと、
前記プラットフォームと動作可能に結合された搭載プレートと
を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項63】
前記臓器エンクロージャは、流体交換を可能にする少なくとも1つの界面を備えている、請求項9に記載のシステム。
【請求項64】
前記命令は、前記リザーバと前記臓器エンクロージャとの結合された充填および排出を可能にする弁を開放および閉鎖することを含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項65】
前記ダイヤフラムエンクロージャは、少なくとも1つの外殻を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項66】
前記第2の流体は、タンパク質を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項67】
前記第2の流体は、凝固因子を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項68】
前記搭載プレートは、前記臓器の灌流および換気を可能にするように構成された少なくとも1つの管空洞を備えている、請求項62に記載のシステム。
【請求項69】
前記第2の流体は、臓器組織を支持するように調合された媒体をさらに備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項70】
前記第2の流体は、無菌流体を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項71】
前記第2の流体は、等張流体を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項72】
前記第2の流体は、水ベースの流体を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項73】
前記第2の流体は、鉱物ベースの油圧流体を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項74】
弁によって、前記第2の流体の前記臓器エンクロージャへの/それからの移動を制御することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項75】
静脈流体中の溶解ガス濃度を事前に選択されたレベルに維持することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項76】
静脈流体中の溶解ガス濃度をユーザ入力レベルに維持することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項77】
静脈流体中の溶解ガス濃度を動的に決定されたレベルに維持することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項78】
弁によって、リザーバおよび前記臓器エンクロージャへの/それからの流動を制御することであって、前記リザーバは、前記ダイヤフラムエンクロージャと流動的に結合している、ことと、
ガス管理システムによって、ガスを静脈流体に提供することと、
灌流ポンプによって、前記静脈流体を前記臓器内の静脈洞から前記臓器内の動脈洞まで移動させることと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項79】
灌流液中の溶解ガス濃度を事前に選択されたレベルに維持することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項80】
少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、換気パラメータおよび灌流パラメータを動的に修正することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも、前記少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、灌流液、静脈流体、および前記第2の流体の特性を動的に修正することと、
少なくとも、前記少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、前記臓器、前記静脈流体、および前記灌流液の状態を査定することと
をさらに含む、請求項80に記載の方法
【請求項82】
前記臓器エンクロージャ内の圧力、アクチュエータのストローク、および前記空気の特性を測定することによって、測定値を計算することと、
前記測定値に基づいて、前記陰圧換気の状態を制御することと
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項83】
少なくとも前記灌流液および前記混合流体の流量、動脈洞における前記灌流液および前記混合流体の圧力、前記灌流液および前記混合流体の温度、および前記灌流液および前記混合流体の化学的組成に基づいて、前記混合流体の灌流および前記灌流液の特性を制御することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項84】
前記灌流液および前記混合流体を査定することと、
少なくとも前記査定に基づいて、前記灌流液および前記混合流体の特性を自動的に調節することと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項85】
前記灌流液および前記混合流体を査定することと、
少なくとも前記査定に基づいて、前記灌流液および前記混合流体の特性を自動的に調節することをさらに含み、
前記調節することは、ガス管理システムに提供されるガスの平衡に基づき、前記平衡は、少なくとも前記査定に基づく、請求項22に記載の方法。
【請求項86】
少なくとも前記臓器の1回換気量および圧力に基づいて、前記臓器の伸展性を査定することをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項87】
少なくとも酸素流量に基づいて、前記臓器の伸展性を査定することをさらに含む、
請求項19に記載の方法。
【請求項88】
前記灌流液および前記混合流体の流量を管理し、前記灌流液および前記混合流体の所望の圧力を達成するために、独立して、送達圧力および充填圧力を調節することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項89】
前記灌流液および前記混合流体が前記臓器に進入するように、前記灌流液および前記混合流体の流量および流圧を調節することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項90】
前記臓器における抵抗を測定することと、
前記灌流液および前記混合流体が臓器に進入するように、前記抵抗に基づいて、前記灌流液および前記混合流体の流量および流圧を調節することと
をさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項91】
前記灌流液は、前記臓器内の欠損を補修するように設計された製剤を備えている、請求項81に記載の方法。
【請求項92】
前記灌流液は、事前に選択された時間量にわたって前記臓器を事前に選択されたステータスに維持するように設計された製剤を備えている、請求項81に記載の方法。
【請求項93】
前記灌流液は、前記臓器の受け取り人における免疫応答を制御するように設計された製剤を備えている、請求項81に記載の方法。
【請求項94】
静脈流体および前記混合流体の温度を事前に選択された温度範囲内に維持することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項95】
灌流液交換システムによって、置換溶液との前記灌流液の置換を可能にすることをさらに含む、請求項81に記載の方法。
【請求項96】
フィルタによって、少なくとも1つの灌流ポンプと灌流液リザーバとの間の粒子を捕捉することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項97】
前記臓器エンクロージャは、4つの側面および蓋を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項98】
前記臓器エンクロージャは、シリンダおよび蓋を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項99】
前記臓器エンクロージャは、透明な側面を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項100】
前記臓器エンクロージャは、透明な蓋を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項101】
前記臓器エンクロージャは、前記臓器を設置するためのプラットフォームを備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項102】
前記臓器エンクロージャは、
前記臓器を設置するためのプラットフォームと、
前記プラットフォームと動作可能に結合された搭載プレートと
を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項103】
前記臓器エンクロージャは、流体交換を可能にする少なくとも1つの界面を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項104】
リザーバと前記臓器エンクロージャとの結合された充填および排出を可能にする弁を開放および閉鎖することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項105】
前記ダイヤフラムエンクロージャは、少なくとも1つの外殻を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項106】
前記第2の流体は、タンパク質を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項107】
前記第2の流体は、凝固因子を備えている、請求項19に記載の方法。
【請求項108】
前記搭載プレートは、前記臓器の灌流および換気を可能にするように構成された少なくとも1つの管空洞を備えている、請求項102に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、参照することによって、その全体として本明細書に組み込まれる2021年8月9日に出願され、「SYSTEM AND METHOD FOR VENTILATING AN ORGAN」と題された米国仮出願整理番号第63/260,097号(弁理士整理番号第AA648号)の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、臓器の中への空気流を制御するためのシステムに関する。臓器に空気流を提供するために、陽圧または陰圧が、空気を移動させるために使用され得る。陽圧が印加されると、空気は、臓器の中に移動させられ、臓器を強制的に拡張させる。陰圧が印加されると、臓器は、拡張され、空気を臓器の中に引き込む。陰圧換気(NPV)が、例えば、ポリオに罹患している患者のための補助的呼吸として、生体内で使用されている。臓器へのあるアクションは、臓器が、閾値時間量を超えた時間にわたって、生体外に置かれ、換気されることを要求する。これらのアクションは、限定ではないが、臓器の実験室研究および移植のための臓器の運搬/維持/監視/修復を含む。NPVは、例えば、臓器を保持する生物反応器から空気を抽出し、臓器を強制的に拡張させ、空気を引き込み、吸気をシミュレートすることによって実施されることができる。このプロセスは、逆転されることができ、すなわち、空気を生物反応器に提供し、臓器を強制的に収縮させ、空気を解放し、呼気をシミュレートすることができる。この2段階のプロセスは、臓器に対する傷害を誘発し得る陽圧のみを使用することに優る改良として使用される。現在のNPVシステムは、限定ではないが、以下を含む限界を有する:(1)動作中、油圧流体の圧縮率または他の材料特性における変化(温度依存性、劣化/分離)に反応すること、(2)動作中、不十分なシステムプライミング、システム漏洩、または気泡発生からの結果として、いずれかの油圧流体チャンバの内側で、気泡にさらされること、(3)材料の厚さに沿って、油圧流体間のダイヤフラム膜の弾性を経験すること、(4)足場/組織の弾性(内部体積の拡張と同等ではない外部体積の拡張)を経験すること、(5)油圧システム(チャンバ、管)における弾性/剛性の欠如を経験すること、(6)油圧ピストンまたはシステム接続金具の周囲の不適切なシールからの漏洩を経験すること、(7)ピストン線形アクチュエータ内の緩みを経験すること、(8)気道の制限または閉塞を経験すること、(9)油圧経路および気道内のセンサの不適切または不適正な場所、および(10)直接的な測定が行われない場合、パラメータを決定するために使用される準最適な方法および仮定(気道流量から計算される1回換気量)。
【0003】
上で説明される背景は、単に、いくつかの現存の問題の文脈的概要を提供することが意図され、網羅的であることは意図されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本教示のシステムは、流動的に結合されたダイヤフラムを通して、臓器の循環的な換気を発生させる。NPVシステムは、臓器の内外への空気流を制御する。ある側面において、本教示のシステムは、臓器の性能を追跡および査定するために、種々の圧力、1回換気量、および温度パラメータを測定する。ある側面において、臓器に接触する材料および環境は、無菌である。臓器は、無菌支持流体中に浸され、水分を臓器の外側に提供する。無菌支持流体は、弾性の不浸透性ダイヤフラム膜を経由して、作業油圧流体に結合される。作業油圧流体は、圧送チャンバ内の低圧ピストンを用いて作動させられる。臓器に血液灌流溶液を供給する灌流ループは、臓器の動脈および静脈に接続される。システムは、限定ではないが、支持流体の温度、灌流液の温度、肺動脈の流量、肺動脈または動脈の圧力、吸息1回換気量、ピーク吸息圧(ピーク気道圧とも呼ばれる)、吸息空気の温度および湿度、および呼息終末陽圧等のパラメータを測定するために、センサを含むことができる。システムは、圧力-体積関係をプロットし、臓器組織の動的伸展性を計算するために、これらのパラメータを測定するための能力を含む。全ての部品は、無菌の単回使用のものであり得るか、または、単回使用および自動開裂可能部品の組み合わせがあり得る。
【0005】
本教示の臓器生物反応器は、無菌支持流体を含むリザーバチャンバおよび臓器チャンバと、本明細書では作業流体とも称される作業油圧流体を含む作業流体チャンバと、無菌支持流体を作業流体から分離するダイヤフラムチャンバ内のダイヤフラムとを含むことができる。リザーバチャンバは、動作的な使用のために、例えば、システムをプライミングするために、システムを調製するために使用されることができる。臓器生物反応器およびアクチュエータは、換気動作を遂行するために使用されることができる。ダイヤフラムは、無菌流体と作業流体とが結合されることを可能にする。例えば、作業流体が、アクチュエータによって、ダイヤフラムチャンバから外へ引き込まれると、ダイヤフラムは、変形し、無菌流体が、ダイヤフラムチャンバの中に引き込まれ、作業流体に取って代わる。システムは、動作中、流体ネットワークの一部を隔離または接続するための電磁弁を含むことができる。臓器チャンバは、臓器を固定し、位置付け得る搭載プレートを含むことができる。搭載プレートは、空気を導入および排出し、灌流液を循環させるために使用され得る開口部を含むように構成される。搭載プレートは、除去され、臓器を取り付け/取り外し、次いで、臓器チャンバに固定し、動作の前、システムをシールするように構成される。2021年2月19日に出願され、「System and Method for Organ Maintenance and Transport」と題された米国特許出願第17/180,506号において説明されるもの等のシステムが、灌流液の循環を可能にするために使用されることができる。
【0006】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作時にアクションを引き起こすシステム上にインストールされる、またはシステムにアクションを実施させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはそれらの組み合わせを有することによって、特定の動作またはアクションを実施するように構成されることができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実施させる命令を含むことによって、特定の動作またはアクションを実施するように構成されることができる。1つの一般的な側面は、臓器の陰圧換気のためのシステムを含む。システムはまた、第1の流体が第1の体積だけ変位させられるようにするように構成されたアクチュエータを含む。システムは、可撓性膜を収容するダイヤフラムエンクロージャも含み、可撓性膜は、2つの表面を有し、2つの表面のうちの一方は、第1の流体と流動的に結合され、2つの表面のうちの他方は、第2の流体と流動的に結合され、可撓性膜は、アクチュエータが、第1の流体を変位させると、第2の流体を第1の体積だけ変位させる。システムは、臓器を収容する臓器エンクロージャも含み、臓器エンクロージャは、ダイヤフラムエンクロージャと流動的に結合され、臓器エンクロージャは、アクチュエータが、第1の流体を変位させると、第2の流体をダイヤフラムエンクロージャから受け取る。システムは、第2の流体の変位が、空気の陰圧換気および臓器による吸気/呼気を可能にする場合も含む。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステムと、装置と、1つ以上のコンピュータ記憶デバイス上に記録されるコンピュータプログラムとを含み、各々は、方法のアクションを実施するように構成される。
【0007】
実装は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。システムは、センサデータを収集するように構成された少なくとも1つのセンサを含み得る。少なくとも1つのセンサは、陰圧換気中、1回換気量センサデータを収集するように構成された1回換気量センサと、陰圧換気中、第2の流体の圧力を感知するように構成された圧力センサとを含み得る。少なくとも1つのセンサは、プライミングプロセス中、気泡センサデータを収集するように構成された気泡センサを含み得る。システムは、命令を実行するように構成された少なくとも1つのコントローラを含み得、命令は、システム内のデバイスを制御するように構成されている。命令は、センサデータを受信することと、少なくともセンサデータに基づいて、アクチュエータを制御することとを含み得る。システムは、第2の流体を保持するリザーバを含み得、リザーバは、ダイヤフラムエンクロージャと流動的に結合されている。命令は、気泡センサデータを気泡センサから受信することであって、気泡センサは、リザーバおよび臓器エンクロージャと流動的に結合されている、ことと、ある量の第2の流体をリザーバから臓器エンクロージャまで移動させることであって、量は、気泡センサデータに基づく、こととを含み得る。システムは、少なくとも1つの灌流ポンプと、静脈流体をガスにさらすように構成されたエンクロージャを含むガス管理システムと、ガス管理システムから退出する静脈流体を熱調節手段にさらすように構成されたデバイスを含む熱管理システムと、臓器に向けられる静脈流体を保持するように構成された流体エンクロージャを含む灌流液リザーバであって、灌流液リザーバは、静脈流体と混合するために灌流液を受け取り、混合流体を形成するように構成され、灌流液リザーバは、過剰な静脈流体および/または混合流体を放出するように構成されたドレインを含む、灌流液リザーバとを含む灌流システムを含み得る。命令は、灌流ポンプ、ガス管理システム、および熱管理システムを制御することを含み、命令は、灌流ポンプに、臓器から、ガス管理システムおよび熱管理システムを通して、臓器の中に静脈流体を圧送するように命令するように構成される。灌流システムは、少なくとも1つの静脈流体サンプルポートを含み得る。灌流システムは、少なくとも1つの静脈センサを含み得る。灌流システムは、少なくとも1つの動脈流体サンプルポートを含み得る。灌流システムは、少なくとも1つの動脈センサを含み得る。灌流液は、血液ベースの流体を含み得る。灌流液は、酸素搬送分子を含み得る。システムは、アクチュエータ、可撓性膜、臓器エンクロージャ、および灌流システムを包囲する可搬型エンクロージャと、可搬型電源とを含み得る。命令は、事前に選択されたレベルにおいて、静脈流体中のガス濃度を維持することを含み得る。命令は、ユーザ入力レベルにおいて、静脈流体中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。命令は、動的に決定されたレベルにおいて、静脈流体中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。デバイスは、リザーバおよび臓器エンクロージャへの/それからの流動を制御する弁と、少なくとも1つのセンサと、アクチュエータと、ガスを静脈流体に提供するガス管理システムと、静脈流体を臓器内の静脈洞から臓器内の動脈洞まで移動させる灌流ポンプとを含み得る。命令は、事前に選択されたレベルにおいて、灌流液中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。命令は、少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、換気および灌流パラメータを動的に修正することを含み得る。命令は、少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、灌流液、静脈流体、および第2の流体の特性を動的に修正することと、少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、臓器、静脈流体、および灌流液の状態を査定することとを含み得る。命令は、臓器エンクロージャ内の圧力、アクチュエータのストローク、および空気の特性を測定することによって、測定値を計算することと、測定値に基づいて、陰圧換気の状態を制御することとを含み得る。命令は、少なくとも灌流液および混合流体の流量、動脈洞における灌流液および混合流体の圧力、灌流液および混合流体の温度、および灌流液および混合流体の化学的組成に基づいて、混合流体の灌流および灌流液の特性を制御することを含み得る。命令は、灌流液および混合流体を査定することと、少なくとも査定に基づいて、灌流液および混合流体の特性を自動的に調節することとを含み得る。命令は、灌流液および混合流体を査定することと、少なくとも査定に基づいて、灌流液および混合流体の特性を自動的に調節することであって、調節することは、ガス管理システムに提供されるガスの平衡に基づき、平衡は、少なくとも査定に基づく、こととを含み得る。命令は、少なくとも臓器の1回換気量および圧力に基づいて、臓器の伸展性を査定することを含み得る。命令は、少なくとも酸素流量に基づいて、臓器の伸展性を査定することを含み得る。命令は、灌流液および混合流体の流量を管理し、灌流液および混合流体の所望の圧力を達成するために、独立して、送達圧力および充填圧力を調節することを含み得る。命令は、灌流液および混合流体が、臓器に進入するように、その流量および流圧を調節することを含み得る。命令は、臓器における抵抗を測定することと、灌流液および混合流体が、臓器に進入するように、抵抗に基づいて、その流量および流圧を調節することを含み得る。灌流液は、臓器内の欠損を補修するように設計された製剤を含み得る。灌流液は、事前に選択された時間量にわたって事前に選択されたステータスにおいて、臓器を維持するように設計された製剤を含み得る。灌流液は、臓器の受け取り人における免疫応答を制御するように設計された製剤を含み得る。熱管理システムは、事前に選択された温度範囲内に、静脈流体および混合流体の温度を維持することを含み得る。システムは、置換溶液との灌流液の置換を可能にする灌流液交換システムを含み得る。システムは、少なくとも1つの灌流ポンプと灌流液リザーバとの間のフィルタを含み得、フィルタは、粒子を捕捉する。臓器エンクロージャは、4つの側面および蓋を含み得る。臓器エンクロージャは、シリンダおよび蓋を含み得る。臓器エンクロージャは、透明な側面を含み得る。臓器エンクロージャは、透明な蓋を含み得る。臓器エンクロージャは、臓器を設置するためのプラットフォームを含み得る。臓器エンクロージャは、臓器を設置するためのプラットフォームと、プラットフォームと動作可能に結合された搭載プレートとを含み得る。搭載プレートは、臓器の灌流および換気を可能にするように構成された少なくとも1つの管空洞を含み得る。臓器エンクロージャは、流体交換を可能にする少なくとも1つの界面を含み得る。命令は、リザーバおよび臓器エンクロージャの結合された充填および排出を可能にする弁を開放および閉鎖することを含み得る。ダイヤフラムエンクロージャは、少なくとも1つの外殻を含み得る。システムは、アクチュエータ、可撓性膜、および臓器エンクロージャを包囲している可搬型エンクロージャと、可搬型電源とを含み得る。第2の流体は、臓器組織を支持するように調合された媒体を含み得る。第2の流体は、無菌流体を含み得る。第2の流体は、等張流体を含み得る。第2の流体は、水ベースの流体を含み得る。第2の流体は、鉱物ベースの油圧流体を含み得る。システムは、臓器エンクロージャへの/それからの第2の流体の移動を制御する弁を含み得る。第2の流体は、タンパク質を含み得る。第2の流体は、第2の流体は、凝固因子を含み得る。説明される技法の実装は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0008】
1つの一般的な側面は、陰圧換気を使用して臓器を換気する方法を含む。方法は、作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させることも含み、第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、ダイヤフラムエンクロージャは、臓器エンクロージャと流動的に結合され、可撓性膜は、第1の流体が変位させられると、第2の流体を第1の体積だけ変位させ、第2の流体は、可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、第2の流体は、臓器に拡張および収縮させる臓器エンクロージャの内外へ移動し、空気を臓器の内外へ押し進める。本側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステムと、装置と、1つ以上のコンピュータ記憶デバイス上に記録されるコンピュータプログラムとを含み、各々が、方法のアクションを実施するように構成される。
【0009】
実装は、以下の特徴のうちの1つ以上を含み得る。方法は、空気の1回換気量を感知することを含み得る。方法は、灌流液を臓器から外へ圧送することと、灌流液に関連付けられたデータを収集することと、少なくとも収集されたデータに基づいて、灌流液の特性を調節し、調節された灌流液を形成することと、調節された灌流液を臓器の中に圧送することとを含み得る。方法は、収集されたデータに基づいて、新鮮な灌流液を調節された灌流液と混合することによって、混合流体を形成することを含み得る。方法は、少なくとも灌流液および混合流体の流量、動脈洞における灌流液および混合流体の圧力、灌流液および混合流体の温度、および灌流液および混合流体の化学的組成に基づいて、混合流体の灌流および灌流液の特性を制御することを含み得る。方法は、灌流液および混合流体を査定することと、少なくとも査定に基づいて、灌流液および混合流体の特性を自動的に調節することとを含み得る。方法は、灌流液および混合流体を査定することと、少なくとも査定に基づいて、灌流液および混合流体の特性を自動的に調節することであって、調節することは、ガス管理システムに提供されるガスの平衡に基づき、平衡は、少なくとも査定に基づく、こととを含み得る。方法は、灌流液および混合流体の流量を管理し、灌流液および混合流体の所望の圧力を達成するために、独立して、送達圧力および充填圧力を調節することを含み得る。方法は、灌流液および混合流体が、臓器に進入するように、その流量および流圧を調節することを含み得る。方法は、臓器における抵抗を測定することと、灌流液および混合流体が、臓器に進入するように、抵抗に基づいて、その流量および流圧を調節することを含み得る。方法は、事前に選択された温度範囲内に、静脈流体および混合流体の温度を維持することを含み得る。方法は、収集されたデータに基づいて、調節された灌流液を排出させることを含み得る。方法は、空気を濾過することを含み得る。方法は、臓器を正常温度で灌流することを含み得る。方法は、臓器を非正常温度で灌流することを含み得る。方法は、陰圧換気中、臓器の特性を査定することと、特性に基づいて、薬剤を臓器の中に灌流および/または換気することとを含み得る。第2の流体は、臓器組織を支持するように調合された媒体を含み得る。第2の流体は、無菌流体を含み得る。第2の流体は、等張流体を含み得る。第2の流体は、水ベースの流体を含み得る。第2の流体は、鉱物ベースの油圧流体を含み得る。方法は、弁によって、第2の流体の臓器エンクロージャへの/それからの移動を制御することを含み得る。方法は、事前に選択されたレベルにおいて、静脈流体中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。方法は、ユーザ入力レベルにおいて、静脈流体中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。方法は、動的に決定されたレベルにおいて、静脈流体中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。方法は、弁によって、リザーバおよび臓器エンクロージャへの/それからの流動を制御することであって、リザーバは、ダイヤフラムエンクロージャと流動的に結合している、ことと、ガス管理システムによって、ガスを静脈流体に提供することと、灌流ポンプによって、静脈流体を臓器内の静脈洞から臓器内の動脈洞まで移動させることとを含み得る。方法は、事前に選択されたレベルにおいて、灌流液中の溶解ガス濃度を維持することを含み得る。方法は、少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、換気パラメータおよび灌流パラメータを動的に修正することを含み得る。方法は、少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、灌流液、静脈流体、および第2の流体の特性を動的に修正することと、少なくとも、少なくとも1つのセンサからのデータに基づいて、臓器、静脈流体、および灌流液の状態を査定することとを含み得る。灌流液は、臓器内の欠損を補修するように設計された製剤を含み得る。灌流液は、事前に選択された時間量にわたって事前に選択されたステータスにおいて、臓器を維持するように設計された製剤を含み得る。灌流液は、臓器の受け取り人における免疫応答を制御するように設計された製剤を含み得る。方法は、灌流液交換システムによって、置換溶液との灌流液の置換を可能にすることを含み得る。方法は、臓器エンクロージャ内の圧力、アクチュエータのストローク、および空気の特性を測定することによって、測定値を計算することと、測定値に基づいて、陰圧換気の状態を制御することとを含み得る。方法は、少なくとも臓器の1回換気量および圧力に基づいて、臓器の伸展性を査定することを含み得る。方法は、少なくとも酸素流量に基づいて、臓器の伸展性を査定することを含み得る。方法は、フィルタによって、少なくとも1つの灌流ポンプと灌流液リザーバとの間の粒子を捕捉することを含み得る。臓器エンクロージャは、4つの側面および蓋を含み得る。臓器エンクロージャは、シリンダおよび蓋を含み得る。臓器エンクロージャは、透明な側面を含み得る。臓器エンクロージャは、透明な蓋を含み得る。臓器エンクロージャは、臓器を設置するためのプラットフォームを含み得る。臓器エンクロージャは、臓器を設置するためのプラットフォームと、プラットフォームと動作可能に結合された搭載プレートとを含み得る。搭載プレートは、臓器の灌流および換気を可能にするように構成された少なくとも1つの管空洞を含み得る。臓器エンクロージャは、流体交換を可能にする少なくとも1つの界面を含み得る。方法は、リザーバおよび臓器エンクロージャの結合された充填および排出を可能にする弁を開放および閉鎖することを含み得る。ダイヤフラムエンクロージャは、少なくとも1つの外殻を含み得る。第2の流体は、タンパク質を含み得る。第2の流体は、凝固因子を含み得る。説明される技法の実装は、ハードウェア、方法またはプロセス、またはコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0010】
1つの一般的な側面は、臓器エンクロージャをプライミングする方法を含む。方法は、作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させることを含み、第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、ダイヤフラムエンクロージャは、臓器エンクロージャおよびリザーバと流動的に結合され、可撓性膜は、第1の流体が変位させられると、第2の流体を第1の体積だけ変位させ、第2の流体は、可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、第2の流体は、リザーバから臓器エンクロージャまで移動する。方法は、臓器エンクロージャが満たされているとき、センサによって、検出することも含む。方法は、臓器エンクロージャが満たされていると、リザーバと臓器エンクロージャとの間の流体結合を閉鎖することも含む。この側面の他の実施形態は、対応するコンピュータシステムと、装置と、1つ以上のコンピュータ記憶デバイス上に記録されるコンピュータプログラムとを含み、各々が、方法のアクションを実施するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の非限定的かつ非網羅的な側面が、以下の図を参照して説明され、同様の参照番号は、別様に規定されない限り、種々の図全体を通して同様の部分を指す。
【0012】
図1図1は、本教示の換気および灌流システムの概略的ブロック図である。
【0013】
図2図2は、本教示の換気システムの概略的ブロック図である。
【0014】
図3図3は、本教示の換気システムのある構成の概略斜視図である。
【0015】
図4図4は、例示的流体接続を含む図3の構成の絵画図である。
【0016】
図5図5は、搭載される臓器を含む図3の構成のチャンバおよびアクチュエータの立面図と、図3の構成のダイヤフラムの断面図である。
【0017】
図6図6は、図3の構成の概略的底部斜視図である。
【0018】
図7図7は、図3の構成の概略的底部分解図である。
【0019】
図8図8は、図3の構成の概略的上部分解図である。
【0020】
図9図9は、図3の構成の断面図である。
【0021】
図10図10は、2つの位置における図3の構成のダイヤフラムの断面図である。
【0022】
図11図11は、本教示の第1の例示的方法のフローチャートである。
【0023】
図12図12は、本教示の第2の例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本教示のシステムは、身体内の臓器の機能をシミュレートするために、陰圧および灌流を臓器に印加する。例えば、臓器が肺である場合、ある側面において、本教示のシステムは、肺を収容する臓器チャンバから無菌支持流体を引き抜くことによって、肺の中への空気の吸息を誘起する。ある側面において、システムは、無菌支持流体を臓器チャンバに追加することによって、呼気を誘起する。コントローラが、コマンドをアクチュエータに発行し、アクチュエータは、臓器チャンバへの/それからの無菌支持流体の移動を可能にする。無菌境界が、可撓性膜の包含によって、アクチュエータ内の作業流体と臓器チャンバ内の無菌支持流体との間で維持され、可撓性膜は、流体を分離および結合する。ダイヤフラムチャンバは、2つの外殻と、可撓性膜とから成る。流体は、ダイヤフラムチャンバの各側の接続ポートを通して、各空洞の内外へ流動することが可能である。1つのポートが、アクチュエータ/シリンジポンプに接続され、第2のポートは、臓器チャンバおよびリザーバに接続される。ダイヤフラムチャンバの内側は、弾性膜によって、2つの空洞に分離され、弾性膜は、システムの作業流体と無菌流体とも分離する。この流体分離の意図は、デバイスの無菌性および使い捨て可能性を改良することである。アクチュエータ/シリンジポンプ内の作業流体と臓器チャンバ内の無菌支持流体とを分離することによって、弾性膜は、システムの耐久性がある/非使い捨て可能な部分と使い捨て可能な部分との間の分離として機能する。弾性膜は、システム作業流体と無菌支持流体との間の動的な接続を提供する。アクチュエータが延長され、作業流体がシリンジの中に引き込まれると、弾性膜は、応答して、シリンジに向かって引っ張られる。同様に、アクチュエータが後退し、作業流体がシリンジから外へ押されると、膜は、シリンジから離れるように押される。これらの流体の同等な交換は、アクチュエータ/シリンジポンプが無菌支持流体の体積を臓器チャンバの内外へ正確に変位させることを可能にする。
【0025】
ここで図1を参照すると、ある側面において、臓器の換気を駆動する流体は、リザーバ103内、およびアクチュエータ105内に貯蔵される。無菌支持流体は、臓器組織を支持するように調合される任意の種類の媒体、例えば、無菌および等張媒体を含むことができる。作業流体は、アクチュエータを十分に滑らかにし、摩耗を減らし、動作中、高いサイクル数を持続することが意図される水または鉱物ベースの油圧流体を含むことができる。弁112の向き(開放または閉鎖)は、ダイヤフラム122の位置とともに、臓器チャンバ107への/それからの無菌支持流体の移動を可能にする。臓器の灌流は、臓器1029の正常温度または非正常温度、おそらく準正常温度の維持を可能にする。灌流システムは、灌流液リザーバ1027から引き込まれる灌流液の循環が、可能な範囲において、臓器1029を通した生体内の流動を模倣することを可能にする。適正に生体内挙動を模倣するために、静脈流体の溶解ガス濃度および温度は、例えば、事前に選択され得るか、手動で入力され得るか、または動的に決定され得るレベルにおいて維持される。静脈流体は、ループ内で循環し、ループは、臓器1029から静脈ポートを通して、センサおよびサンプルポート1026を通り越して、ガス交換機構1025および熱管理1013を通して、動脈ポートを通して臓器1029の中に静脈流体を搬送し、静脈流体は、おそらく途中で、灌流液と混合/交換し、混合流体を形成する。
【0026】
引き続き図1を参照すると、ある側面において、システム動作は、データを処理するコントローラ(図示せず)、空気等のガスを受け取り、供給するガス供給源(図示せず)、およびシステムを通して流体を移動させる空気圧システム(図示せず)によって可能にされる。センサ1024は、灌流および換気ループ全体を通して位置付けられ、感知されるパラメータを集める。本明細書に説明される例示的構成は、本教示のシステムに追加され得るセンサ1024のタイプまたは位置を限定しない。コントローラは、これらの感知されるパラメータおよびメトリックを処理し、換気および灌流パラメータのみならず、灌流液および無菌支持流体の特性も動的に修正し、流体の状態のみならず、臓器の状態も査定する。例えば、臓器チャンバの圧力、アクチュエータのストローク/1回換気量、および臓器の空気状態(圧力、湿度、温度)が、動作中の換気状態を制御するために、測定され、使用されることができる。動脈圧力、灌流液の流量、灌流液の温度、および灌流液の化学的組成(乳酸、グルコース、酸素飽和度、溶解酸素、およびpH)が、灌流システムおよび灌流液の特性を制御するために、測定され、使用されることができる。サンプルポートは、臓器の存続力を査定するために、灌流ループ内の灌流液の引き抜きを可能にする。灌流液の査定は、多くの調節における手動および/または自動の変更を駆動し、多くの調節は、臓器の存続力を確保するために行われ得る。例えば、酸素飽和度が、事前に選択された閾値を下回る場合、ガス交換機構1025は、ガスの平衡を調節し、したがって、酸素飽和度における不足分を補正する。ある側面において、灌流液は、血液ベースの流体を含むことができる。ある側面において、灌流液は、酸素搬送分子を含むことができる。臓器の健康状態を査定することは、同じセンサ一式を用いて遂行されることができる。例えば、肺に関して、(1回換気量、完全吸息時の肺の圧力、および完全呼息時の肺の圧力に基づいた)動的伸展性が、臓器査定メトリックである。酸素流量は、別の臓器査定メトリックである。酸素流量は、酸素および二酸化炭素を除去することと、吸息/呼息の前後の酸素および二酸化炭素を測定することと、酸素および二酸化炭素の質量変化および流量を計算することとに基づく。
【0027】
引き続き図1を参照すると、灌流ポンプ1001は、例えば、2012年9月25日に発行され、「Pumping Cassette」と題された米国特許第8,273,049号(参照することによって、その全体として本明細書に組み込まれる)において述べられるもの等の特性を含むことができる。灌流ポンプ1001の灌流液の充填圧力と混合流体(静脈流体および灌流液)の送達圧力とが、流量を管理し、所望の圧力を達成するために、独立して、調節されるように構成される。灌流ポンプ1001は、臓器1029に進入する混合流体の流量および流圧を調節する。臓器1029内の抵抗が、変化すると、灌流ポンプ1001は、変化した抵抗に適応するために、圧送圧力および流量を変化させる。灌流ポンプ1001は、制御および空気圧システム(図示せず)によって制御される場合、低溶血を可能にし、制御および空気圧システムは、事前に選択された基準、デフォルトの基準、ユーザ規定の基準、動的に決定された基準、または他の基準によって駆動される。ある側面において、臓器の環境は、臓器の状態を改良するように調節されるように構成される。例えば、臓器が損なわれた状態に達すると、灌流液は、臓器内の欠損を補修するように調合されることができる。薬剤が、投与され得、臓器の健康状態が、改良され得る。ある側面において、灌流液は、臓器を成長させること、および刺激することの両方のために、成長媒体を含むことができる。ある側面において、システムは、灌流/成長媒体が投与された後、おそらくある期間にわたって、臓器が、機能的であることを確実にする。ある側面において、灌流液の製剤は、移植のスケジューリングの最適な時間を決めることを標的とされる。さらに、換気中に交換されている空気は、例えば、薬剤を追加するために改質されることができる。臓器が移植として使用されるためにある場合、灌流液および空気改質剤は、受け取り人による潜在的な有害な免疫応答を減らすように調合されることができる。
【0028】
引き続き図1を参照すると、ガス交換機構(ガス管理)1025は、灌流ポンプ1001が灌流液をガス管理システム1025に圧送すると、灌流液中のガスを調節する。ガス管理システム1025は、灌流液が臓器1029を通して進行するにつれて消耗または追加されているガスを調節する。熱管理1013は、熱管理システム1013によって、事前に選択された温度範囲内で、灌流液の温度を維持する。静脈を通して臓器1029から退出する灌流液は、灌流ポンプ1001に導かれ、閉ループ循環を生成し、おそらく溶血を軽減することができる。ある側面において、退出する灌流液は、循環された灌流液を管理するために灌流液リザーバ1027または他の構成要素(図示せず)に導かれることができる。いくつかのタイプの臓器に関して、産出物を灌流液リザーバ1027の中に流動させることは、可能な限り人体に類似し得る環境を生成することができる。いくつかの構成では、産出物は、灌流液交換システム1030から灌流液ドレイン1031まで送られ得、灌流液源1033からの置換溶液が、産出物の流量と合致する流量において、システムの中に注入されることができる。いくつかの構成では、退出している灌流液(産出物)は、産出物量が、置換溶液によって交換されることを確実にするために測定される。灌流液リザーバ1027は、したがって、臓器1029を通した灌流液の完全な循環を可能にする。いくつかの構成では、フィルタ(図示せず)が、灌流液リザーバ1027と灌流ポンプ1001との間に設置される。フィルタは、例えば、臓器の中に圧送されているものの中から、組織の塊または汚染物質等の粒子を捕捉する。臓器チャンバ107は、格納されている組織のタイプに応じて、任意の形状およびサイズをとることができる。例えば、臓器チャンバ107は、例えば、4つの側面および蓋、またはシリンダおよび蓋を含む。いくつかの構成では、側面および蓋は、包囲された組織を視認するために透明であり得る。ある側面において、フィルタ1004は、臓器1029からの退出圧力を定着させる。臓器1029は、臓器チャンバ107内に、おそらくプラットフォームの上(または搭載プレートと結合されて)静置している。臓器チャンバ107は、いくつかの臓器タイプに汎用的な特性を含む。臓器チャンバ107は、流体の入力および出力を可能にするための種々の界面を含む。
【0029】
引き続き図1を参照すると、ある側面において、本教示のシステムは、ある場所から別の場所まで、例えば、採集場所から移植場所までの臓器の移動を可能にする可搬型であり得る。可搬型電源は、アクチュエータが、作業流体を移動させることを継続し、それによって、無菌支持流体を移動させることを可能にする。可搬型電源は、コントローラおよび灌流ポンプおよび電力を必要とする他のデバイスに給電する。ある側面において、アクチュエータ、ダイヤフラム、臓器エンクロージャ、および可搬型電源を含む可搬型システムは、エンクロージャ内に含まれるように構成され、その占有面積は、標準的な出入口を通り抜けることができる。ある側面において、アクチュエータ、ダイヤフラム、臓器エンクロージャ、灌流システム、および可搬型電源を含む可搬型システムは、エンクロージャ内に含まれるように構成され、その占有面積は、標準的な出入口を通り抜けることができる。
【0030】
ここで図2を参照すると、ある側面において、本教示の換気システムは、コントローラ101を含む。コントローラ101は、本教示の換気システムおよび灌流システムの両方を駆動することができるが、換気システムを参照して、本明細書では説明される。コントローラ101は、弁を開放および閉鎖するためのコマンドを送信するように構成され、弁は、リザーバ103および臓器チャンバ107の結合された充填および排出を可能にし得る。コントローラ101は、事前に選択された体積および率において、アクチュエータ105への(および、それからの)流体移動を可能にするアクチュエータ105にコマンドするように構成される。
【0031】
引き続き、なおもさらに図2を参照すると、ダイヤフラムチャンバ109は、少なくとも1つの外殻と、少なくとも1つの膜122とを含む。ダイヤフラムチャンバ109は、膜122によって2つの空洞に分離され、さらに、膜122は、作業流体を無菌流体から分離する。この流体分離の意図は、デバイスの無菌性および使い捨て可能性を改良することである。アクチュエータ105によって制御される作業流体を臓器チャンバ107内の無菌流体から分離することによって、ダイヤフラム膜122は、システムの耐久性のある/非使い捨て可能部分と使い捨て可能部分との間の分離として機能することができる。ダイヤフラム膜122は、システムの作業流体と無菌流体との間の動的な接続を提供する。アクチュエータ105がシリンジを1つの方向において移動させ、作業流体がシリンジの中に引き込まれると、膜122は、応答して、シリンジに向かって引っ張られる。同様に、アクチュエータ105がシリンジを別の方向において移動させ、作業流体がアクチュエータ空洞121の中に押されると、膜122は、シリンジから離れるように押される。これらの流体の制御された交換は、アクチュエータ105が、無菌流体体積を臓器チャンバ107の内外へ正確に変位させることを可能にする。流体は、膜122の各側の接続ポート/弁113/111を通して、無菌空洞119の内外へ流動することが可能である。流体弁111は、臓器チャンバ107に流動的に接続され、流体弁113は、リザーバ103に流動的に接続される。一側面において、ポート111/113は、個々の2方向弁を含むことができる。一側面において、単一の3方向弁が、両方のポート111/113への流量を計量するために使用されることができる。
【0032】
引き続き図2を参照すると、ある側面において、換気システムは、プライミングプロセスの使用によって臓器を換気するために、本教示のシステムを調製する。ある側面において、プライミングプロセスは、含むことが限定ではないが、臓器チャンバ107を排出させることと、リザーバ103を無菌支持流体で充填することと、リザーバ103をダイヤフラムチャンバ109と接続する弁113を開放することとを含むことができる。リザーバ103が、満たされているとき、臓器チャンバ107が、排出させられ、プライミング動作が、開始し得る。コントローラ101は、弁113に開放するように指示し、弁111に閉鎖するように指示し、アクチュエータ105に作業流体をシリンジの中に、かつアクチュエータ空洞121から外へ引き込むように指示する。シリンジは、アクチュエータ105と機械的に結合されるように構成される。リザーバ103からの無菌支持流体は、アクチュエータ空洞121からの作業流体の引き抜きに応答するダイヤフラム122の移動によって形成される、チャンバ119を充填する。コントローラ101は、弁113に閉鎖するように、弁111に開放するように、アクチュエータ105に作業流体をシリンジから外へ押し進めるように指示し、空洞121内の作業流体を押し、ダイヤフラム122を充填チャンバ119の中に、無菌支持流体を臓器チャンバ107の中に駆動する。コントローラ101は、弁111を閉鎖し、弁113を開放し、臓器チャンバ107が満たされるまで、説明されるプロセスをたどる。ある側面において、臓器チャンバ107が流体で満たされているかどうかを決定するために、臓器チャンバ107は、空気および流体が通過するプライミングライン118を含む。プライミングライン118は、例えば、気泡センサ116と動作可能に結合され、プライミング弁91の動作によって、開放および閉鎖されるように構成される。気泡センサ116がもはや空気または気泡を検出しないとき、臓器チャンバ107は、充填されるように構成される。この時点において、プライミングプロセスは、完了である。コントローラ101は、弁113を開放し、弁111および91を閉鎖する。
【0033】
引き続き、なおもさらに図2を参照すると、プライミング動作に続いて、臓器は、一般的な動作を受けることができる。一般的な動作は、限定ではないが、無細胞足場の試験、細胞が運動信号に応答し得る細胞成熟、媒体を用いた細胞維持、および血管灌流を用いた臓器/肺の換気を含む使用モードに対処する。臓器は、臓器チャンバ107内の流体中に浸される。臓器は、搭載プレートと結合され、搭載プレートは、臓器チャンバ107に取り付けられ、定位置にシールされる。シールは、例えば、限定ではないが、Oリングによって遂行されることができる。動作が完了するとき、臓器が、除去され、臓器チャンバが、所定の体積が循環するまで、本明細書に説明される充填プロセスの逆順に従って排出させられる。圧力センサ93は、換気中に臓器チャンバ107内の臓器に及ぼされる無菌流体の圧力(ピーク吸息圧および呼息終末陽圧)を監視する。圧力は、アクチュエータ105によって測定/計算されている1回換気量とともに、圧力-体積関係に寄与する。圧力-体積関係は、組織材料の動的伸展性の測定を可能にすることができる。
【0034】
引き続き図2を参照すると、臓器は、いくつかの方法において、漏出し得、漏出は、例えば、限定ではないが、周囲の無菌支持流体の中への血液の漏出、臓器内の空気経路の中への血液の漏出、周囲の無菌支持流体の中への空気の漏出、および臓器の中の空気経路の中への無菌支持流体の漏出がある。検出の方法は、限定ではないが、臓器チャンバの膨張/収縮の圧力プロファイルおよび灌流ループを監視することと、変化を検出することと、それらを特徴付けることとを含むことができる。ある側面において、検出の方法は、レベルの高さの変化を示し、追加されたガスまたは液体を検出するための光学/超音波センサと、伝導率を監視するための光学センサとを含むことができる。
【0035】
ここで図3-6を参照すると、換気システムの構成の種々の向きが、示されている。他の構成も、可能である。図示される構成の換気システムは、4つの主要部品を含む:リザーバ、臓器チャンバ、ダイヤフラムチャンバ、および作業流体アクチュエータ。臓器チャンバは、換気されており、おそらく灌流されている臓器を保持する。リザーバは、無菌支持流体を保持し、無菌支持流体は、プライミング中、臓器チャンバを充填するため、動作的な使用中、換気を可能にするために使用される。作業流体アクチュエータは、ダイヤフラムチャンバによって保持される可撓性ダイヤフラムに向かって、およびそれから離れるように作業流体を押し進める。換気システムの部品は、油圧によって作動させられ、機械的に結合されたダイヤフラムポンプを形成し、それは、作業流体が可撓性ダイヤフラムに対して推し進められると、無菌支持流体を臓器チャンバの中に移動させ、圧力および圧縮力を臓器の外側に加える。臓器への圧縮力は、空気を臓器から排出する役割を果たす。作業流体が、ダイヤフラムから引き抜かれると、無菌支持流体は、臓器チャンバから引き抜かれ、ダイヤフラムチャンバ内の空の空間を充填する。無菌支持流体が、臓器チャンバから引き抜かれると、臓器は、空気供給源の大気/周囲状態に対してより低いまたは負の圧力を経験し、臓器に拡張させる。拡張は、空気を臓器の中に引き込む。
【0036】
引き続き図3-6を参照すると、プライミングプロセスは、リザーバ103が無菌支持流体で充填されるとき、開始する。リザーバ103は、任意の手段によって、システムの始動時、自動的に、コントローラ101(図1)によって制御されて、手動で、または自動および手動制御の組み合わせによって充填されることができる。充填/ドレイン空洞245(図6)は、リザーバ103の充填または排出を可能にするために適切に適合されるように構成される。無菌支持流体の組成は、例えば、無菌および等張であり得る。ある側面において、タンパク質および凝固因子等の追加剤が、支持流体中に含まれ得る。
【0037】
引き続き図3-6を参照すると、ある側面において、リザーバ103は、例えば、限定ではないが、Oリングまたはガスケット等の従来の手段によって、(ガスおよび液体を)漏れ止めシールされ得るリザーバキャップ233によって覆われる。リザーバキャップ233は、例えば、限定ではないが、管接続金具およびセンサのためのシールされた搭載空洞を含むことができる。ある側面において、リザーバキャップ233は、無菌支持体が、プライミング動作中、リザーバ103から臓器チャンバ107の中に完全に圧送されたかどうかを決定することを可能にするために、搭載部と、管接続金具と、センサとを含むことができる。ある側面において、臓器チャンバの充填動作は、臓器チャンバ107が、それ以上ガスを含まないとき、終了する。臓器チャンバ107がガスを含むかどうかは、例えば、臓器チャンバ107からの換気された流出物を気泡センサにさらすことによって、決定されることができる。ある側面において、気泡センサ231は、管301(図4)内に到着する、プライミングラインからの流出物を調査する。プライミングラインの流出物は、バーブ式管接続金具235を通して、リザーバ103に進入するように構成される。気泡センサ231が、管301(図4)内の空気または気泡を検出しないとき、電磁弁等の弁が、閉鎖されるように構成され、バーブ式管接続金具213から退出し、臓器チャンバ107から管202(図4)を通過する流出物は、中止される。プライミング動作が完了していることを決定する他の方法も、本教示によって想定される。
【0038】
引き続き図3-6を参照すると、臓器チャンバ107は、換気、おそらく灌流を受けている臓器を保持するために使用される。無菌環境を維持するために、臓器チャンバ107は、例えば、チャンバキャップ217によって覆われ、それを用いて漏れ止めシールされることができる。ある側面において、チャンバキャップ217は、臓器チャンバ107に恒久的に取り付けられる。臓器は、それ自体、搭載プレート215によって、定位置に保持される。搭載プレート215は、チャンバキャップ217を用いて漏れ止めシールされ、それから除去可能であり得る。ある側面において、搭載プレート215は、チャンバキャップ217と一体型であり得、組み合わせは、臓器を搭載および除去するために、臓器チャンバ107から係合解除されることができる。搭載プレート215は、臓器が灌流される手段と、ガスが臓器の中に流入する/それから流出する手段とを含む。ある側面において、搭載プレート215は、灌流および換気のための管空洞を含むことができる。ある側面において、管空洞は、静脈流のための空洞と、動脈流のための空洞と、ガス流のための少なくとも1つの空洞とを含むことができる。ある構成では、動脈管255(図5)は、灌流システムからの動脈流を可能にし、静脈管253(図5)は、灌流システムへの静脈流を可能にする。図1を参照して本明細書に説明される灌流システムが、使用されることができる。灌流システムの他の構成も、本教示によって想定される。ある構成では、ガス管123(図5)は、本明細書に説明されるように、臓器がガスを排出し、ガスを吸気するための経路を提供する。排出されたガスおよび吸気されたガスは、図1を参照して本明細書に説明されるように、監視される。静脈管253(図5)、動脈管255(図5)、およびガス管123(図5)は、(それらが、別個の構成要素である場合)搭載プレート215およびチャンバキャップ217を通過することができ、解剖学的に適切な点において、臓器にカニューレ挿入されることができる。
【0039】
引き続き図3-6を参照すると、示される例示的構成では、プライミングおよび換気は、アクチュエータ211、シリンジ225、プランジャ219、ダイヤフラム膜122、リザーバ弁204、臓器チャンバ弁203、および管303の組み合わせによって可能にされる。プライミング動作は、無菌支持流体をリザーバ103から臓器チャンバ107まで着実に移動させることに関与する。このプロセスは、リザーバ103が、無菌支持流体で満たされており、臓器チャンバが、無菌支持流体が存在しない状態で開始する。臓器は、プライミング動作が行われる前、臓器チャンバ107内に搭載されることができる。本明細書に説明されるように、プライミングプロセスにおける第1のステップは、リザーバ弁204およびプライミングライン弁227を開放することと、臓器チャンバ弁203を閉鎖することとを含む。ある側面において、リザーバ弁204および臓器チャンバ弁203の各々は、弁搭載部205によって、定位置に保持されることができる。プライミングプロセスにおける第2のステップは、圧送構成が作業流体に対して動作するとき、起こる。ある側面において、圧送構成は、線形アクチュエータモータに結合された精密シリンジを含むことができる。ある側面において、線形アクチュエータは、シリンジのプランジャに接続され、したがって、プランジャの位置および運動を制御する。示される構成は、線形アクチュエータ211と、シリンジプランジャ219と、シリンジバレル225とを含み、これらは、作業流体をダイヤフラム作業流体区分121から外へ一緒に引き込む。
【0040】
引き続き図3-6を参照すると、作業流体は、それとともに、ダイヤフラム122をシリンジバレル225に向かって引き込み、それによって、無菌支持流体をダイヤフラム無菌支持流体区分119の中に流入するように、バーブ式管接続金具257を通して管303の中に引き込む。プライミングプロセスにおける第3のステップは、リザーバ弁204を閉鎖することと、臓器チャンバ弁203を開放することとを含む。この時点において、無菌支持流体は、ダイヤフラム無菌支持流体区分119を占有しており、作業流体は、シリンジ225を占有している。臓器チャンバ弁203が、開放されているとき、第4のステップが、実行され、第4のステップにおいて、アクチュエータ211は、プランジャ219にシリンジ225内の作業流体をダイヤフラム作業流体区分121の中に排出するようにコマンドする。作業流体は、膜122をアクチュエータ211から離れるように押し、したがって、無菌支持流体を弁203、管303、およびバーブ式接続金具を通して、臓器チャンバ107の中に推し進める。ステップ1-4は、気泡センサ231がプライミング管301内にそれ以上空気または気泡を検出しなくなるまで、繰り返される。この時点において、第5のステップは、気泡チャンバ弁227および臓器チャンバ弁203を閉鎖することを含む。
【0041】
引き続き図3-6を参照すると、換気は、臓器チャンバ107が、臓器を包囲する無菌支持流体で充填されるときに開始する。陰圧換気は、臓器の中にガスを押し進めるステップが存在しないことに関与する。代わりに、臓器の幾何学形状は、周囲の無菌支持流体の体積における変化によって修正され、それは、臓器に拡張および収縮させる。収縮段階中、無菌支持流体の体積が臓器チャンバ107の中に変位させられると、臓器への比較的高い圧力は、それに収縮させ、それは、ガスをガス管123から排出させるであろう。拡張段階中、無菌支持流体の体積が、ダイヤフラムチャンバ119の中に変位させられると、臓器への比較的低い圧力は、臓器に拡張させ、それは、ガスをガス管123の中に引き込むであろう。換気プロセスにおける第1のステップは、臓器チャンバ弁203を開放し、リザーバ弁204および気泡チャンバ弁227が閉鎖することを確実にすることである。換気プロセスにおける第2のステップは、アクチュエータ211が、シリンジポンプ219に作業流体をシリンジ225の中に引き込むようにコマンドすることを可能にすることである。プライミングプロセスを参照して説明されるように、作業流体をシリンジ225の中に引き込むステップは、膜122をアクチュエータ211に向かって移動させる。膜122の移動によって形成されるダイヤフラムチャンバ109内の空間は、臓器チャンバ107内の無菌支持流体によって充填される。無菌支持流体からの臓器への圧力は、減らされ、臓器は、拡張し、臓器に「吸気」させる。換気プロセスにおける第3のステップは、アクチュエータ211が、シリンジポンプ219に作業流体をシリンジ225から外へ、かつダイヤフラムチャンバ109の中に押し進めるようにコマンドすることを可能にすることである。作業流体は、膜122をアクチュエータ211から離れるように移動させ、ダイヤフラムチャンバ区分119内の無菌支持流体に臓器チャンバ107の中に移動させる。臓器チャンバ107内の追加の無菌支持流体は、ガスが先のステップ中に吸気されたかどうかにかかわらず、臓器に強制的に収縮および「呼気」させる。ステップ2および3は、臓器を換気することが必要とされる限り、繰り返され得る。臓器から排出されるガスは、調査され得、必要な場合、換気ステップのタイミングにおいて、変更が、行われ得る。例えば、作業流体がアクチュエータ211に向かって移動させられるときと作業流体がアクチュエータ211から離れるように移動させられるときとの間の時間は、例えば、臓器が、低下された1回換気量の兆候を示す場合、調節され得る。
【0042】
ここで図7および8を参照すると、本教示の換気装置の構成の分解斜視図が、示されている。基部259は、換気システムを定着させ、リザーバ壁103Aおよび臓器チャンバ壁107A、およびシリンジ225、ダイヤフラムチャンバ109、および基部スタンド201に関する搭載場所を提供する。ある側面において、基部スタンド201は、安定性のある接地台を提供する複数の区分と、区分間のダイヤフラムチャンバ109のための空間とを含む。基部スタンド201は、ダイヤフラムチャンバ109のための空間を提供するために、必要とされる場合、空洞を伴う単一の構成要素を含む。リザーバ壁103Aは、基部259の上に搭載される、漏れ止めシールであり得るエンクロージャを含む。基部259は、リザーバ壁103Aの形状に従って成形される形態適合型ポケットを含む。シーリング材料は、例えば、(例えば、Oリングを)ポケットの中に嵌め入れられるように、または、(例えば、接着剤を)その中に解放されるように構成される。リザーバ枠103Aおよびポケットは、任意の形状、例えば、円筒形または立方体をとることができる。基部259は、リザーバ103(図3)への、およびそれからの流体流を可能にする開口のための搭載空洞241/245を含む。本明細書に説明されるように、プライミングプロセス中、無菌支持流体は、空洞241内に搭載されるバーブ式管接続金具を通して、事前に決定された率において、リザーバ103(図3)から退出する。空洞245は、同様に、接続金具を収容し、リザーバ103(図3)内の無菌支持流体のための充填/ドレインを提供する。臓器チャンバ枠107Aは、例えば、リザーバ枠103Aに関して説明されるように、基部259内のポケットの中に嵌め入ることができる。リザーバ枠103Aおよび臓器チャンバ枠107Aは、同じに、または異なって成形されることができる。例えば、一方の枠が、円筒形であり得るが、他方は、立方体である。基部259は、管接続金具を格納し得る少なくとも1つの空洞243を含む。管接続金具は、本明細書に説明されるように、管が、臓器チャンバ107からの無菌支持流体を送達および除去することを可能にする。
【0043】
ここで図9および10を参照すると、例示的構成の断面図は、(1)シリンジ219が作業流体をバレル225の中に引き込み、(2)シリンジ219が作業流体を作業流体ダイヤフラムチャンバ121の中に押したときのダイヤフラム122の位置を図示する。(1)に関して、作業流体がバレル225内にあるとき、無菌支持流体は、臓器チャンバ107から外へ、無菌支持流体ダイヤフラムチャンバ119の中に引き込まれる。無菌支持流体が臓器チャンバ107から外へ引き込まれると、臓器は、拡張するための余地を有し、それが拡張すると、空気は、中に引き込まれ、拡張によって引き起こされる真空を充填する。(2)に関して、作業流体が、作業流体ダイヤフラムチャンバ121内にあるとき、無菌支持流体ダイヤフラムチャンバ119内の無菌支持流体は、臓器チャンバ107の中に移動し、臓器に収縮させる。この収縮は、空気を臓器から排出する。臓器チャンバ107の内外へ移動する無菌支持流体の量は、明示的に制御され、それによって、臓器によって経験される換気の量を制御することができる。
【0044】
ここで図11を参照すると、臓器エンクロージャをプライミングする方法1100は、含むことが限定ではないが、作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させること(1102)を含むことができ、第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、ダイヤフラムエンクロージャは、臓器エンクロージャおよびリザーバと流動的に結合されており、可撓性膜は、第1の流体が変位させられると、第2の流体を第1の体積だけ変位させ、第2の流体は、可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、第2の流体は、リザーバから臓器エンクロージャまで移動する。方法1100は、臓器エンクロージャが、満たされているときをセンサによって検出すること(1104)と、臓器エンクロージャが、満たされているとき、リザーバと臓器エンクロージャとの間の流体結合を閉鎖すること(1106)とを含む。臓器エンクロージャがプライミングされた後、陰圧を使用して臓器を換気する方法は、含むことが限定ではないが、作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させることを含むことができ、第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、ダイヤフラムエンクロージャは、臓器エンクロージャと流動的に結合されており、可撓性膜は、第1の流体が変位させられると、第2の流体を第1の体積だけ変位させ、第2の流体は、可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、第2の流体は、臓器エンクロージャの内外へ移動し、臓器に拡張および収縮させ、空気を臓器の内外へ押し進める。ある側面において、方法は、空気の1回換気量を感知することを含む。別の側面において、方法は、灌流液を臓器から外へ圧送することと、灌流液に関連付けられたデータを収集することと、少なくとも収集されたデータに基づいて、灌流液の特性を調節し、調節された灌流液を形成することと、調節された灌流液を臓器の中に圧送することとを含む。別の側面において、方法は、収集されたデータに基づいて、新鮮な灌流液を調節された灌流液と混合することを含む。別の側面において、方法は、収集されたデータに基づいて、調節された灌流液を排出させることを含む。別の側面において、方法は、空気を濾過することを含む。別の側面において、方法は、臓器を正常温度で灌流することを含む。別の側面において、方法は、臓器を準正常温度で灌流することを含む。別の側面において、方法は、陰圧換気中、臓器の特性を査定し、その特性に基づいて、薬剤を臓器の中に灌流および/または換気することを含む。
【0045】
ここで図12を参照すると、陰圧換気を使用して臓器を換気する方法1200は、含むことが限定ではないが、作動させられたポンプによって、第1の流体を第1の体積だけ変位させること(1202)を含むことができ、第1の流体は、可撓性膜の第1の表面と流動的に結合され、可撓性膜は、ダイヤフラムエンクロージャ内に収容されており、ダイヤフラムエンクロージャは、臓器エンクロージャと流動的に結合されており、可撓性膜は、第1の流体が変位させられると、第2の流体を第1の体積だけ変位させ、第2の流体は、可撓性膜の第2の表面と流動的に結合され、第2の流体は、臓器エンクロージャの内外へ移動し、臓器に拡張および収縮させ、空気を臓器の内外へ押し進める。
【0046】
当業者は、本開示内において説明される方法が、そのような方法を遂行するように構成されるコンピュータシステム、および/またはそのような方法を遂行するためのプログラムを含むコンピュータ読み取り可能な媒体、および/またはそのような方法を遂行するように設計されるソフトウェアおよび/またはファームウェアおよび/またはハードウェア(例えば、集積回路)に適用され得ることを理解するであろう。未加工データおよび/または結果は、将来の読み出しおよび処理のために記憶され得、印刷され得、表示され得、別のコンピュータに転送され得、および/または任意の場所に転送され得る。通信リンクは、非限定的例として、イーサネット(登録商標)、セルラーまたは広域帯域ネットワーク、WiFiまたはローカルエリアネットワーク、軍事通信システム、および/または衛星通信システムを含む有線または無線であり得る。システムの一部は、例えば、可変数のCPUを有するコンピュータ上で動作し得る。他の代替コンピュータプラットフォームが、使用されることができる。
【0047】
当業者が理解するであろうように、本開示において説明される方法は、全体または一部において、電子的に実装され得る。本開示および他の開示される構成のシステムの要素によって講じられるアクションを表す信号は、少なくとも1つのライブ通信ネットワークを経由して進行し得る。制御およびデータ情報は、電子的に実行され、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。システムは、少なくとも1つのライブ通信ネットワーク内の少なくとも1つのコンピュータノード上で実行するように実装され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体の一般的な形態は、例えば、限定ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、可撓性ディスク、ハードディスク、磁気テープまたは任意の他の磁性媒体、コンパクトディスク読み取り専用メモリまた任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープまたは孔のパターンを伴う任意の他の物理的媒体、ランダムアクセスメモリ、プログラム可能読み取り専用メモリ、消去可能なプログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROMまたは任意の他のメモリチップまたはカートリッジ、またはそれからコンピュータが読み取り得る任意の他の媒体を含むことができる。
【0048】
当業者は、情報および信号が、様々な異なる既存の技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。例えば、本説明全体を通して言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、またはチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光学場または粒子、超音波、投影される静電容量、またはそれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0049】
当業者は、本明細書に開示される配置と関連して説明される種々の例証的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組み合わせとして実装され得ることをさらに理解するであろう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に例証するために、種々の例証的コンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、それらの機能性の観点において説明されている。そのような機能性が、ハードウェアまたはソフトウェアとして実装されるかどうかは、全体的なシステム上に課される特定の用途および設計上の制約に依存する。当業者は、特定の用途毎に、様々な方法で、説明された機能性を実装し得るが、そのような実装の決定は、添付の請求項の範囲からの逸脱を引き起こすものとして解釈されるべきではない。
【0050】
本明細書に開示される配置と関連して説明される、種々の例証的な論理ブロック、モジュール、および回路は、本明細書に説明される機能を実施するように設計される汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、別々のゲートまたはトランジスタ論理、別々のハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせを実装され得るか、またはそれを用いて実施され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。
【0051】
本明細書に開示される配置と関連して説明される方法またはアルゴリズムのアクションは、ハードウェア内で直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール内で、またはその2つの組み合わせにおいて具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野において公知の任意の他の形態の記憶媒体内に常駐し得る。記憶媒体は、プロセッサに結合されてもよく、したがって、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み取り、それに情報を書き込むことができる。代替として、記憶媒体は、プロセッサと一体型であり得る。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に常駐し得る。ASICは、例えば、コンピュータ、ロボット、ユーザ端末、携帯電話またはタブレット、車、またはIPカメラ等の機能機器内に常駐し得る。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、そのような機能機器内の別々のコンポーネントとして常駐し得る。
【0052】
上記の説明は、網羅的であること、または開示される精密な形態に特徴を限定することは意図されない。種々の代替案および修正は、本開示から逸脱することなく、当業者によって考案されることができ、本明細書に定義される汎用原理は、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく、他の側面に適用され得る。故に、本開示は、全てのそのような代替案、修正、および相違を包含することが意図される。加えて、本開示のいくつかの配置が、図面に示され、および/または本明細書に議論されるが、本開示が当技術分野が可能にするであろうものと同程度に範囲が広いこと、かつ本明細書が同様に熟読されることが意図されるので、本開示は、それに限定されることは意図されない。したがって、上記の説明は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、特定の構成の実施例として解釈されるべきである。当業者は、明細書に添付される請求項の範囲および精神内の他の修正を想起するであろう。上記に、および/または添付の請求項において説明されるものと実質的に異ならない他の要素、ステップ、アクション、方法、および技法も、本開示の範囲内にあることが意図される。したがって、添付の請求項は、本明細書に示され、説明される配置に限定されることは意図されないが、本明細書に開示される原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲を許容されることが意図される。
【0053】
図面に示される配置は、本開示のある実施例を実証するためにのみ提示される。説明される図面は、単に例証的であり、非限定的である。図面では、例証的目的のために、要素のうちのいくつかのサイズが、誇張され、特定の縮尺通りに描かれないこともある。加えて、同じ番号を有する図面内に示される要素は、文脈に応じて、同じ要素であり得るか、または、類似する要素であり得る。
【0054】
用語「~を備えている(comprising)」が、本説明および請求項において使用される場合、それは、他の要素またはステップを除外しない。不定冠詞または定冠詞、例えば、「a」、「an」、または「the」が、単数形の名詞に言及するときに使用される場合、これは、別様に何らかのことが具体的に記述されない限り、その名詞の複数形も含む。したがって、用語「~を備えている」は、その後に一覧化されるアイテムに制限されるものとして解釈されるべきではなく、それは、他の要素またはステップを除外せず、したがって、表現「アイテムAと、Bとを備えているデバイス」の範囲は、コンポーネントAおよびBのみから成るデバイスに限定されるべきではない。さらに、用語「~を含む(includes)」、「~を有する(has)」、「~を保有する(possesses)」、および同等語が、本説明および請求項において使用される限りにおいて、そのような用語は、請求項において移行語として採用されるとき、「~を備えている(comprising)」として解釈されるように、用語「~を備えている(comprising)」に類似する様式において包括的であることが意図される。
【0055】
さらに、用語「第1(first)」、「第2(second)」、「第3(third)」、および同等語は、本説明内または請求項内において使用されるかどうかにかかわらず、類似する要素間を区別するために提供され、必ずしも、順序または時系列を説明するために提供されるものではない。そのように使用される用語が、適切な状況下で(別様に明確に開示されない限り)交換可能であること、および本明細書に説明される開示の実施形態が、本明細書に説明または例証されるもの以外のシーケンスおよび/または配置における動作が可能であることを理解されたい。
【0056】
請求される内容は、以下の通りである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】