(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】アトピー性皮膚炎の治療のためのIL-13抗体
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240822BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240822BHJP
C07K 16/24 20060101ALN20240822BHJP
【FI】
A61K39/395 U
A61P17/00
C07K16/24
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508485
(86)(22)【出願日】2022-08-12
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022074926
(87)【国際公開番号】W WO2023019260
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524019623
【氏名又は名称】デルミラ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Dermira, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100221523
【氏名又は名称】佐藤 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,ユージーン エイ
(72)【発明者】
【氏名】ドリュー,ジャニス スザン
(72)【発明者】
【氏名】リマ,レナータ ゴンティージョ
(72)【発明者】
【氏名】ウィッチャー,ジェニファー ライト
【テーマコード(参考)】
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
4H045AA11
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、アトピー性皮膚炎を治療するための、ヒトIL-13に結合する抗体(「抗IL-13抗体」)の方法、使用、及び医薬組成物である。また、本明細書で提供されるのは、アトピー性皮膚炎を治療するための抗IL-13抗体の方法及び使用のための投薬レジメンである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者に前記抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間にわたって、4週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項2】
治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者に前記抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間にわたって、2週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項3】
治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者が、前記誘導期間後に前記抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、
前記患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで4週間に1回、投与することと、
前記患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項4】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であって、
前記患者に、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で、その後2週間に1回250mgの後続用量で抗IL-13抗体を投与することを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項5】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者に前記抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間にわたって、4週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項6】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者が、前記誘導期間後に前記抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、
前記患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで4週間に1回、投与することと、
前記患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項7】
治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者に前記抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間にわたって、8週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項8】
治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者が、前記誘導期間後に前記抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、
前記患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで8週間に1回、投与することと、
前記患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項9】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者に前記抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間にわたって、8週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項10】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であって、
前記患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間にわたって投与することであって、前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、
前記患者が、前記誘導期間後に前記抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、
前記患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで8週間に1回、投与することと、
前記患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間にわたって、前記患者に前記抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含み、
前記抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法。
【請求項11】
前記患者が、前記ベースラインで少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記中程度から重度のアトピー性皮膚炎が、American Academy of Dermatology Consensus Criteria for Chronic Atopic Dermatitisによって決定される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記患者が、前記ベースラインにおいて、16以上のEASIスコア、3以上のIGAスコア、及びアトピー性皮膚炎に罹患した10%超の体表面積(BSA)を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記患者が、局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールに対する不十分な応答を有するか、又は局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールが、前記患者にとって医学的に勧められない、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記患者が12歳以上である、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
ベースラインにおける、かつ前記誘導期間中及び前記誘導期間後の前記患者のEASIスコアを決定することを更に含む、請求項1~3、5~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
ベースラインにおける、かつ前記誘導期間中及び前記誘導期間後の前記患者のIGAスコアを決定することを更に含む、請求項1~3、5~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
ベースラインにおける、かつ前記誘導期間中及び前記誘導期間後の前記患者の以下の特徴:アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む、請求項1~3、5~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記誘導期間後に決定された前記患者のEASIスコアが、前記ベースラインにおける前記患者のEASIスコアと比較して75%以上減少している場合、前記患者が応答者である、請求項3及び6~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記患者のIGAスコアが前記誘導期間後に0又は1である場合、前記患者が応答者である、請求項3及び6~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記誘導期間後に決定された前記患者のIGAスコアが、前記ベースラインにおける前記患者のIGAスコアと比較して2ポイント以上減少している、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記誘導期間が16週間である、請求項1~3、5~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記誘導期間中に、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記維持期間が36週間である、請求項1~3、5~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記維持期間中及び前記維持期間後に前記患者の前記EASIスコアを決定することを更に含む、請求項1~3、5~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記維持期間中及び前記維持期間後に前記患者の前記IGAスコアを決定することを更に含む、請求項1~3、5~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記維持期間中及び前記維持期間後の前記患者の以下の特徴:アトピー性皮膚炎に罹患したBSAの前記パーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む、請求項1~3、5~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記患者のEASIスコアを決定すること更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項29】
前記患者のIGAスコアを決定することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項30】
前記患者の以下の特徴:アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項31】
前記抗IL-13抗体が、4~52週間の期間にわたって、前記患者に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項32】
前記抗IL-13抗体が、4~16週間の期間にわたって、前記患者に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項33】
前記睡眠喪失が、前記患者の睡眠喪失スコアによって決定される、請求項4~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記抗IL-13抗体治療後の前記患者の睡眠喪失スコアが、ベースラインにおける前記患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少している、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記患者のEASIスコアが、前記ベースラインにおける前記患者のEASIスコアと比較して、50%、75%、90%又はそれ以上減少しているかどうかを決定することを更に含む、請求項16、25、28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記患者のIGAスコアが0又は1であるかどうか、及び前記患者のIGAスコアが前記ベースラインにおける前記患者のIGAスコアと比較して2ポイント以上減少しているかどうかを決定することを更に含む、請求項17、26、29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記抗体が、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLと、を含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記抗体が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖と、を含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記抗体がレブリキズマブである、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記抗IL-13抗体が前記患者に皮下投与される、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記抗IL-13抗体が皮下投与デバイスを使用して前記患者に投与される、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記皮下投与デバイスが、充填済みシリンジ、使い捨てペン型注射デバイス、マイクロニードルデバイス、微量注入デバイス、無針注射デバイス、又は自動注射デバイスから選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記方法が、1つ以上の局所コルチコステロイドを前記患者に投与することを更に含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、前記抗体と同時に投与される、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に使用するための抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、4~16週間の誘導期間にわたって投与するためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与するためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、4週間に1回、250mgで投与するためのものである、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物。
【請求項47】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で、その後2週間に1回、250mgの後続用量で投与するためのものである、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物。
【請求項48】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、4~16週間の誘導期間にわたって投与するためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与するためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、4週間に1回、250mgで投与するためのものである、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物。
【請求項49】
患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に使用するための抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、4~16週間の誘導期間にわたって投与するためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与するためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、250mgで8週間に1回、投与するためのものである、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物。
【請求項50】
中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、4~16週間の誘導期間にわたって投与するためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与するためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、250mgで8週間に1回、投与するためのものである、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、ST.26XML形式の配列表と共に提出されている。配列表は、2022年8月3日に作成された「X23063_SequenceListing」というタイトルのファイルとして提供され、サイズは15キロバイトである。ST.26XML形式の配列表情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、アトピー性皮膚炎を治療するための、ヒトIL-13に結合する抗体(「抗IL-13抗体」)の方法、使用、及び医薬組成物に関する。本発明はまた、アトピー性皮膚炎を治療するための抗IL-13抗体の方法及び使用のための投薬レジメンに関する。
【背景技術】
【0003】
アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis、AD)は、全ての年齢群に影響を及ぼす慢性再発性で寛解性の炎症皮膚障害である。臨床的に、ADは、乾燥症、紅斑性痂皮性発疹、苔癬化、皮膚バリア障害、及び強い掻痒を特徴とする(Bieber T.,N Engl J Med 2008;358:1483-94)。ADを有する患者は、高い疾患負荷を有し、患者らの生活の質は、著しく影響を受ける。1つの研究において、ADは、糖尿病及び高血圧よりも患者のメンタルヘルスに対してより大きな負の効果を有することが示された(Zuberbier T,et al.,J Allergy Clin Immunol 2006;118:226-32)。中程度から重度のADを有する患者は、社会的機能不全及び睡眠障害の有病率がより高く、これは疾患の重篤度に直接関連する(Williams H,et al.,J Allergy Clin Immunol 2008;121:947-54.e15)。うつ、不安、及び社会的機能不全は、AD患者だけでなく、患者の介護者にも影響を及ぼす(Zuberbier T,et al.,J Allergy Clin Immunol 2006;118:226-32)。
【0004】
インターロイキン(Interleukin、IL)-13は、Tヘルパー2型(T-helper type 2、Th2)炎症の重要なメディエータであり、ヘテロ二量体受容体IL-4Rα/IL-13Rα1を介してシグナルを伝達する。いくつかの証拠の概要は、IL-13がADにおける主要な病原性構成要素であることを示唆している。IL-13の発現増加は、AD皮膚において一貫して報告されている(Hamid Q,et al.,J Allergy Clin Immunol 98:225-31[1996]、Jeong CW,et al.,Clin Exp Allergy 33:1717-24[2003]、Tazawa T,et al.,Arch Dermatol Res 295:459-64[2004]、Neis MM,et al.,J Allergy Clin Immunol 118:930-7[2006]、Suarez-Farinas M,et al.,J Allergy Clin Immunol 132:361-70[2013]、Choy DF,et al.,J Allergy Clin Immunol.130:1335-43[2012])、及びいくつかの報告は、IL-13発現と疾患の重篤度との間の関係を示唆している(La Grutta S,et al.,Allergy 60:391-5[2005])。増加したIL-13はまた、AD患者の血清中で報告されており(Novak N,et al.,J Invest Dermatol 2002;119:870-5、国際公開第2016149276号)、いくつかの研究は、AD患者の血液中のIL-13発現T細胞の増加を報告している(Akdis M,et al.,J Immunol 1997;159:4611-9、Aleksza M,et al.,Br J Dermatol 2002;147:1135-41、La Grutta S,et al.,Allergy 2005;60:391-5)。
【0005】
ADに対する治療アプローチには、主に、トリガ回避、入浴による皮膚保湿、並びに皮膚軟化薬及び局所コルチコステロイド(topical corticosteroid、TCS)などの抗炎症療法の使用が含まれる。多くの患者において、TCSによる治療は、ある程度の症状緩和を提供するが、患者らの疾患を適切に制御しない。加えて、TCSの使用は、高い患者負担を含む多くの併存疾患及び制限に関連する。TCSの長期塗布は、皮膚萎縮症、色素沈着異常、ざ瘡様発疹のリスク、及び全身吸収に関連するリスク(例えば、視床下部下垂体軸効果、クッシング病)のために推奨されない。局所カルシニューリン阻害剤(Topical calcineurin inhibitor、TCI)は、一般に、短期治療として有効かつ安全であるが、皮膚悪性腫瘍及びリンパ腫のリスク増加の懸念から、規制当局は、その処方情報において、局所タクロリムス及びピメクロリムスの長期安全性に関する警告を要求するようになった。長期間にわたる又は広い表面積への任意の局所療法の反復塗布もまた、患者コンプライアンスの低下をもたらす。
【0006】
持続性の中程度から重度のADを有し、TCSに十分に応答しない患者については、いくつかのステップアップ治療選択肢がある(Ring J,et al.,J Eur Acad Dermatol Venereol 2012;26:1176-93、Schneider L,et.al.,J Allergy Clin Immunol 2013;131:295-9.e1-27)。経口免疫抑制薬(Schmitt et al 2007,JEADV 21:606-619)及びグルココルチコイドは有効であるが、重度の毒性及び副作用を伴う場合があり、したがって、それらの使用は短期及び/又は間欠療法に限定される。シクロスポリンは、多くの欧州諸国において中程度から重度のADの治療のために承認されているが、米国では承認されておらず、その使用は、16歳以上(最大8週間)の患者に限定されている[NEORAL(登録商標)]。シクロスポリンが実質的な有効性を示した場合であっても、治療中止後、患者の約50%が2週間以内に再発し、80%が6週間以内に再発する(Amor KT,et al.,J Am Acad Dermatol 2010;63:925-46)。シクロスポリンA(cyclosporine A、CsA)は、体液性及び細胞性免疫応答の両方に影響を及ぼす強力な免疫抑制薬であり、感染に対する感受性の増加及びがん免疫監視の減少をもたらし得る。CsAの他の一般的に認識されている毒性としては、高血圧並びに腎機能障害及び肝機能障害が挙げられる。更に、CsAは、他の一般的に使用される薬剤と相互作用し、それらの代謝及び効果に影響を及ぼす可能性がある。
【0007】
中程度から重度のADのためのより安全でより有効な療法及び治療レジメンに対する、満たされていない医学的必要性が残っている。また、患者に対してより高い忍容性及び利便性並びにより低いリスクを提供し、それによって患者のコンプライアンス及び満足度を改善する治療的処置及び投薬レジメンも必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本明細書で提供されるのは、アトピー性皮膚炎を治療するための抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)の方法、使用、及び医薬組成物である。また、本明細書で提供されるのは、アトピー性皮膚炎を治療するための抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)の方法及び使用のための投薬レジメンである。本明細書で提供される方法及び投薬レジメンは、以下の利点:所望の有効性を維持しながら、より高い患者コンプライアンス及びより高い患者満足度を可能にする最適化及び改善された投与頻度、注射部位反応のリスクがより低いこと、並びに/又は製造コストがより低いことのうちの1つ以上を有する。
【0009】
一態様では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって4週間に1回投与することと、を含む、方法である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0010】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって2週間に1回投与することとを含む。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0011】
また、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、患者が、誘導期間(又は第1の期間)後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回又は4週間に1回又は8週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することと、を含む、方法である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。患者が抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかの決定は、患者の皮膚クリアランス、皮膚改善、及び/又は痒み、睡眠、若しくは生活の質の改善を評価することによって評価することができる。例えば、皮膚クリアランス及び皮膚改善は、治験責任医師包括的評価(Investigator Global Assessment、IGA)又は湿疹面積及び重篤度指数(Eczema Area and Severity Index、EASI)スコアによって測定することができる。痒み、睡眠喪失及び生活の質は、掻痒数値評価スケール(Pruritus Numerical Rating Scale、NRS)、睡眠喪失スコア及びDLQI(皮膚科学生活の質指数(Dermatology Life Quality Index))又はCDLQI(小児皮膚科学生活の質指数(Children Dermatology Life Quality Index))スケールによってそれぞれ測定することができる。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のEASIスコアが、ベースラインにおける患者のEASIスコアと比較して75%以上減少している場合、患者は応答者である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に患者のIGAスコアが0又は1である場合、患者は応答者である。一部の実施形態では、患者のIGAスコアが誘導期間(又は第1の期間)後に0又は1であり、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のIGAスコアが、ベースラインにおける患者のIGAスコアと比較して2ポイント以上減少している場合、患者は応答者である。一部の実施形態では、患者が応答者である場合、抗IL-13抗体は、維持期間(又は第2の期間)にわたって、4週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0012】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を4~16週間の第1の期間にわたって投与することであって、第1の期間中に、抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを8~36週間の第2の期間にわたって、4週間に1回又は8週間に1回、投与することとを含み、抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法である。
【0013】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を4~16週間の第1の期間にわたって投与することであって、第1の期間中に、抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、患者が、第1の期間後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、8~36週間の第2の期間にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで4週間に1回又は8週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、8~36週間の第2の期間にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含み、抗IL-13抗体が重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む、方法である。
【0014】
一部の実施形態では、患者は、ベースラインで少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する。中程度から重度のアトピー性皮膚炎は、当技術分野で公知の基準、例えば、American Academy of Dermatology Consensus Criteria for Chronic Atopic Dermatitisによって決定することができる。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて、16以上のEASIスコア、3以上のIGAスコア、及びアトピー性皮膚炎に罹患している10%超の体表面積(body surface area、BSA)を有する。一部の実施形態では、患者は、局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールに対する不十分な応答を有するか、又は局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールは、患者にとって医学的に勧められない。一部の実施形態では、患者は12歳以上である。
【0015】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、ベースラインにおける、かつ誘導期間(又は第1の期間)中及び誘導期間(又は第1の期間)後の患者の以下の特徴:EASIスコア、IGAスコア、アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORAD(アトピー性皮膚炎のスコアリング(Scoring of Atopic Dermatitis))スコア、睡眠喪失スコア、POEM(患者指向湿疹尺度(Patient-Oriented Eczema Measure))総スコア、DLQI(皮膚科学生活の質指数)又はCDLQI(小児皮膚科学生活の質指数)スコア、EQ-5D(European Quality of Life-5 Dimension、欧州生活の質5次元)、ACQ-5(Asthma Control Questionnaire、喘息コントロール質問票-5)、PROMIS(患者報告アウトカム測定情報システム(Patient-Reported Outcomes Measurement Information System))不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む。
【0016】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、維持期間(又は第2の期間)中及び維持期間(又は第2の期間)後の患者の以下の特徴:EASIスコア、IGAスコア、アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む。
【0017】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で、その後2週間に1回250mgの後続用量で抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)を投与することを含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、4~52週間の期間にわたって対象へ投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、4~16週間の期間にわたって対象へ投与される。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。
【0018】
また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)を4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、2週間に1回又は4週間に1回又は8週間に1回、投与することとを含む。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。
【0019】
また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)を4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者が、誘導期間(又は第1の期間)後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回又は4週間に1回又は8週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含む。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。
【0020】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者の以下の特徴:EASIスコア、IGAスコア、アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む。
【0021】
一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、高い親和性でIL-13に結合し、活性なIL-4Rアルファ/IL-13Rアルファ1ヘテロ二量体を介したシグナル伝達を遮断する。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLは、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号7を含むVH、及び配列番号8を含むVLを含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号9を含む重鎖、及び配列番号10を含む軽鎖を含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、レブリキズマブである。
【0022】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に使用するための抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物である。
【0023】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法において使用するための、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物である。別の態様では、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物である。
【0024】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であり、抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、抗IL-13抗体又は医薬組成物が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で、その後2週間に1回250mgの後続用量で投与するためのものである。
【0025】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物であり、抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、抗IL-13抗体又は医薬組成物が、4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与するためのものであり、誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与するためのものであり、抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、4週間に1回、250mgで投与するためのものである。
【0026】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療のための医薬の製造における抗IL-13抗体の使用である。また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減するための医薬の製造における抗IL-13抗体の使用である。
【0027】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法、使用、及び医薬組成物は、1つ以上の局所コルチコステロイドを患者に投与することを更に含む。一部の実施形態では、局所コルチコステロイドは、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである。一部の実施形態では、局所コルチコステロイドは、抗IL-13抗体と同時に投与される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施例1に記載の第3相研究デザインの概略図である。
【
図2A】ADvocate 1における参加者のベースライン人口統計を示す。
【
図2B】ADvocate 1における参加者のベースライン人口統計を示す。
【
図2C】ADvocate 1における参加者のベースライン疾患特徴を示す。AD=アトピー性皮膚炎、ITT=治療意図(Intent-to-Treat)、LEB=レブリキズマブ(lebrikizumab)、Q2W=2週間毎、PBO=プラセボ(placebo)、SD=標準偏差(Standard Deviation)、BMI=肥満度指数(Body-Mass Index)、BSA=体表面積、DLQI=皮膚科学生活の質指数、EASI=湿疹面積及び重篤度指数、IGA=治験責任医師の包括的評価、IQR(Interquartile Range)=四分位範囲、NRS=数値評価スケール、POEM=患者指向湿疹尺度、SCORAD=アトピー性皮膚炎のスコアリング。
【
図3A】ADvocate 1における16週目までの有害事象の概要を示す。
【
図3B】ADvocate 1における16週目までの重篤な有害事象を示す。
【
図3C】ADvocate 1における16週目までの特別な安全性トピック内のTEAEを示す。
【
図3D】ADvocate 1における16週目までの注射部位反応を示す。AE=有害事象(Adverse Event)、LEB=レブリキズマブ、Q2W=2週間毎、PBO=プラセボ、TEAE=治療下で発生した有害事象(Treatment-Emergent Adverse Event)。
【
図4A】ADvocate 1における重要な有効性評価項目の達成の概要を示す。
【
図4B】ADvocate 1における16週目でのIGA応答率を示し、これは、16週目でベースラインから≧2ポイント改善したIGA(0、1)のパーセンテージを測定する。
【
図4C】ADvocate 1における16週目のEASI-75応答率を示す。
【
図4D】ADvocate 1における16週目までの経時的なIGA応答率を示す。
【
図4E】ADvocate 1における16週目までの経時的なEASI-75応答率を示す。
【
図4F】ADvocate 1における16週目までの経時的なEASI-90応答率を示す。
【
図4G】ADvocate 1における16週目までの経時的なEASIのベースラインからの変化パーセントを示す。
【
図5A】ADvocate 1における16週目までの経時的なベースラインからの掻痒NRS≧4ポイントの改善を示す。
【
図5B】ADvocate 1における16週目までの経時的な掻痒NRSのベースラインからの変化パーセントを示す。
【
図5C】ADvocate 1における16週目までの経時的なベースラインからの睡眠喪失スコア≧2ポイントの改善を示す。
【
図5D】ADvocate 1における16週目までの経時的な睡眠喪失スコアのベースラインからの変化を示す。
【
図5E】16週目までの経時的なベースラインからのDLQI≧4ポイントの改善を示す。
【
図5F】ADvocate 1における16週目までの経時的なDLQIのベースラインからの変化を示す。
【
図6A】ADvocate 1(6A)及びADvocate 2(6B)における52週目でのIGA応答率を示し、これは、IGA(0、1)を達成した患者のパーセンテージを測定する。
【
図6B】ADvocate 1(6A)及びADvocate 2(6B)における52週目でのIGA応答率を示し、これは、IGA(0、1)を達成した患者のパーセンテージを測定する。
【
図6C】ADvocate 1(6C)及びADvocate 2(6D)における52週目でのEASI-75応答率を示し、これは、EASI-75を達成した患者のパーセンテージを測定する。
【
図6D】ADvocate 1(6C)及びADvocate 2(6D)における52週目でのEASI-75応答率を示し、これは、EASI-75を達成した患者のパーセンテージを測定する。
【
図6E】ADvocate 1(6E)及びADvocate 2(6F)における52週目での痒み応答率を示し、これは、ベースラインで掻痒NRS≧4を有し、≧4ポイントの改善を達成した患者のパーセンテージを測定する。
【
図6F】ADvocate 1(6E)及びADvocate 2(6F)における52週目での痒み応答率を示し、これは、ベースラインで掻痒NRS≧4を有し、≧4ポイントの改善を達成した患者のパーセンテージを測定する。
【
図7】ADvocate 1及びADvocate 2における16週目から52週目までの有害事象の概要を示す。
【
図8A】実施例2における最終PK-PDモデルのグラフ図である。
【
図8B】最終PK-PDモデルのモデルパラメータ推定値を示す。
【
図9】16~52週目に様々な投薬維持レジメンに移行した16週目の応答者についてシミュレートされたEASI-75応答率を示す。線は、500回のシミュレーションにわたる中央値を示す。
【
図10】16~52週目にレブリキズマブ250mg Q4W又は250mg Q8W維持レジメンに移行した16週目の応答者についてシミュレートされたEASI-75応答率を示す。線は500回のシミュレーションにわたる中央値を示し、影付き領域は95%信頼区間を示す。
【
図11】16~52週目に様々な投薬レジメンに移行した16週目の応答者についてシミュレートされたEASI-90応答率を示す。線は、500回のシミュレーションにわたる中央値を示す。
【
図12】16~52週目にレブリキズマブ250mg Q4W又は250mg Q8W維持レジメンに移行した16週目の応答者についてシミュレートされたEASI-90応答率を示す。線は500回のシミュレーションにわたる中央値を示し、影付き領域は95%信頼区間を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書で提供されるのは、アトピー性皮膚炎を治療するための抗IL-13抗体の方法、使用、及び医薬組成物である。また、本明細書で提供されるのは、アトピー性皮膚炎を治療するための抗IL-13抗体の方法及び使用のための投薬レジメンである。本明細書で提供される方法及び投薬レジメンは、以下の利点:所望の有効性を維持しながら、より高い患者コンプライアンス及びより高い患者満足度を可能にする最適化された及び/又は改善された投薬頻度、注射部位反応のリスクがより低いこと、製造コストがより低いことのうちの1つ以上を有する。
【0030】
一態様では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって4週間に1回投与することとを含む、方法である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。16週間の誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0031】
一態様では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって8週間に1回投与することとを含む、方法である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。16週間の誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0032】
一部の実施形態では、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって2週間に1回投与することとを含む。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は16週間であり、誘導期間(第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後14週間にわたって、2週間に1回250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0033】
また、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者が、誘導期間(又は第1の期間)後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回又は4週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含む、方法である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0034】
また、本明細書で提供されるのは、治療を必要とする患者において、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を治療するための方法であって、患者に抗IL-13抗体を最大16週間(例えば、4~16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者が、誘導期間(又は第1の期間)後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回又は8週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、最大36週間(例えば、8~36週間)の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含む、方法である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0035】
患者が抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかの決定は、患者の皮膚クリアランス、皮膚改善、及び/又は痒み、睡眠、若しくは生活の質の改善を評価することによって評価することができる。例えば、皮膚クリアランス及び皮膚改善は、IGA又はEASIスコアによって測定することができる。痒み、睡眠喪失及び生活の質は、それぞれ掻痒NRS、睡眠喪失スコア及びDLQI又はCDLQIスケールによって測定することができる。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のEASIスコアが、ベースラインにおける患者のEASIスコアと比較して75%以上減少している場合、患者は応答者である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に患者のIGAスコアが0又は1である場合、患者は応答者である。一部の実施形態では、患者のIGAスコアが誘導期間(又は第1の期間)後に0又は1であり、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のIGAスコアが、ベースラインにおける患者のIGAスコアと比較して2ポイント以上減少している場合、患者は応答者である。一部の実施形態では、患者が応答者である場合、抗IL-13抗体は、維持期間(又は第2の期間)にわたって、4週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、患者が応答者である場合、抗IL-13抗体は、維持期間(又は第2の期間)にわたって、8週間に1回、250mgで投与される。
【0036】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であって、かかる方法は、患者に、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で、その後2週間に1回、250mgの後続用量で抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)を投与することを含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、4~52週間(例えば、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間、約18週間、約20週間、約22週間、約24週間、約26週間、約28週間、約30週間、約32週間、約34週間、約36週間、約38週間、約40週間、約42週間、約44週間、約46週間、約48週間、約50週間、又は約52週間)の期間にわたり、患者に投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、4~16週間(例えば、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間)の期間にわたって患者に投与される。一部の実施形態では、睡眠喪失は、例えば、本明細書に記載されているように、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。
【0037】
また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)を4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、2週間に1回又は4週間に1回、投与することとを含む。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は16週間であり、誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0038】
また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)を4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者に抗IL-13抗体250mgを8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、8週間に1回、投与することとを含む。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は16週間であり、誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0039】
また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者が、誘導期間(又は第1の期間)後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回又は4週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含む。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は16週間であり、誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0040】
また、本明細書で提供されるのは、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失を低減する方法であり、かかる方法は、患者に抗IL-13抗体を4~16週間の誘導期間(又は第1の期間)にわたって投与することであって、誘導期間(又は第1の期間)中に、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、2~14週間にわたって2週間に1回250mgで投与されることと、患者が、誘導期間(又は第1の期間)後に抗IL-13抗体に対する応答者であるかどうかを決定することと、患者が応答者である場合、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで8週間に1回、投与することと、患者が応答者でない場合、8~36週間の維持期間(又は第2の期間)にわたって、患者に抗IL-13抗体を250mgで2週間に1回、投与することとを含む。一部の実施形態では、睡眠喪失は、患者の睡眠喪失スコアによって決定される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体治療後の患者の睡眠喪失スコアは、ベースラインにおける患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少する。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は16週間であり、誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgで投与され、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与される。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、患者に皮下投与される。
【0041】
一部の実施形態では、患者は、ベースラインで少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する。一部の実施形態では、患者は、ベースラインにおいて、16以上のEASIスコア、3以上のIGAスコア、及びアトピー性皮膚炎に罹患している10%超のBSAを有する。一部の実施形態では、患者は、局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールに対する不十分な応答を有するか、又は局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールは、患者にとって医学的に勧められない。一部の実施形態では、患者は12歳以上である。一部の実施形態では、患者は18歳以上である。
【0042】
一部の実施形態では、中程度から重度のアトピー性皮膚炎は、当技術分野で公知の基準、例えば、Hanifin and Rajka基準(Acta Derm Venereol(Stockh)1980;Suppl 92:44-7)、Rajka and Langeland基準(Rajka G and Langeland T,Acta Derm Venereol(Stockh)1989;144(Suppl):13-4)、又はthe American Academy of Dermatology Consensus Criteria for Chronic Atopic Dermatitis(Eichenfield LF,et al.J Am Acad Dermatol.2014;70(2):338-351)によって決定することができる。一部の実施形態では、中程度から重度のアトピー性皮膚炎は、American Academy of Dermatology Consensus Criteria for Chronic Atopic Dermatitisによって決定される。この基準の下で、アトピー性皮膚炎の本質的な特徴は以下を含む:掻痒、湿疹(急性、亜急性、慢性)、典型的な形態及び年齢特異的パターン、慢性又は再発性の病歴。典型的な形態及び年齢特異的パターンには、以下が含まれる:幼児及び小児における顔、首、及び伸筋の関与、任意の年齢群における現在又は以前の屈曲病変、鼠径部及び腋窩領域の温存。診断にサポートを加える他の重要な特徴には、以下が含まれる:若年発症、アトピー、個人病歴及び/又は家族病歴、免疫グロブリンE反応性、乾燥症。アトピー性皮膚炎の診断を示唆するのに役立ち得るが、研究及び疫学的研究のためにアトピー性皮膚炎を定義又は検出するために使用されるのには非特異的である関連する特徴:非定型血管応答(例えば、顔面蒼白、白色皮膚描示、遅延白色応答)、毛孔性苔癬/白色粃糠疹/過線状手掌/魚鱗癬、眼球/眼窩周囲の変化、毛包周囲の強調/苔癬化/痒疹病変。場合によっては、皮膚バイオプシー検体又は他の検査(血清免疫グロブリンE、水酸化カリウム製剤、パッチ検査、及び/又は遺伝子検査など)が、他の又は関連する皮膚の状態を除外するのに有用であり得る。除外条件には以下含まれる:疥癬、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎(刺激性又はアレルギー性)、魚鱗癬、皮膚T細胞性リンパ腫、乾癬、光線過敏性皮膚炎、免疫不全疾患、他の原因の紅皮症。
【0043】
本明細書において提供される方法及び使用における使用に好適な抗IL-13抗体は、以前に、例えば、国際公開第2005062967号に記載されている。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、高い親和性でIL-13に結合し、活性なIL-4Rアルファ/IL-13Rアルファ1ヘテロ二量体を介したシグナル伝達を遮断する。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、VHは、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、VLは、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号7を含むVH、及び配列番号8を含むVLを含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、配列番号9を含む重鎖、及び配列番号10を含む軽鎖を含む。一部の実施形態では、抗IL-13抗体は、レブリキズマブである。レブリキズマブのアミノ酸配列を表1に提供する。IgG抗体のC末端クリッピングは、1つ又は2つのC末端アミノ酸がIgG抗体の重鎖から除去される場合に起こり得る。例えば、C末端リジン(K)が存在する場合、重鎖から切り詰められ得るか、又は切り取られ得る。最後から2番目のグリシン(G)も、同様に重鎖から切り詰められ得るか、又は切り取られ得る。IgGのN末端アミノ酸の修飾も起こり得る。例えば、N末端グルタミン(Q)又はグルタミン酸(E)は、ピログルタミン酸(pE)に自発的に環化することができる。配列番号9は、レブリキズマブ重鎖のこれらの潜在的な修飾を反映する。
【0044】
【0045】
抗IL-13抗体、例えばレブリキズマブは、好適な担体又は賦形剤と共に、患者への投与に好適な医薬組成物に製剤化することができる。例えば、抗IL-13抗体、例えばレブリキズマブは、国際公開第2013/066866号に記載されているような医薬組成物中に製剤化することができる。医薬組成物は、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、又は500mgの抗IL-13抗体を含むことができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、250mg又は500mgの抗IL-13抗体を含む。一部の実施形態では、医薬組成物中の抗IL-13抗体濃度は、100mg/mL~150mg/mL、例えば、125mg/mLである。医薬組成物はまた、5mM~40mMのヒスチジン酢酸緩衝液、pH5.4~6.0を含むことができる。一部の実施形態では、医薬組成物は、100mM~200mMの濃度を有するポリオール(例えば、糖)、及び/又は0.01%~0.1%の濃度を有する界面活性剤(例えば、ポリソルベート20)を更に含む。一実施形態では、医薬組成物は、125mg/mLの抗IL-13抗体(例えば、レブリキズマブ)、20mMの酢酸ヒスチジン緩衝液、pH5.7、175mMのスクロース及び0.03%のポリソルベート20を含む。
【0046】
一部の実施形態では、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、患者に皮下投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、2週間に1回又は4週間に1回患者に投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、2週間に1回又は4週間に1回、250mgで患者に投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、2週間に1回、250mgで患者に皮下投与される。一部の実施形態では、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、4週間に1回、250mgで患者に皮下投与される。
【0047】
一部の実施形態では、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物は、皮下投与デバイスを使用して患者に投与される。皮下投与デバイスは、充填済みシリンジ、使い捨てペン型注射デバイス、マイクロニードルデバイス、微量注入デバイス、無針注射デバイス、又は自動注射デバイスから選択することができる。自動注射デバイスを含む様々な皮下投与デバイスが当技術分野で公知であり、市販されている。例示的なデバイスとしては、限定されるものではないが、充填済みシリンジ(例えば、Becton Dickinson製のBD HYPAK SCF(登録商標)、READYFILL(商標)、及びSTERIFILL SCF(商標)、Baxter製のCLEARSHOT(商標)コポリマー充填済みシリンジ、及びWest Pharmaceutical Servicesから入手可能なDaikyo Seiko CRYSTAL ZENITH(登録商標)充填済みシリンジ)、Becton Dickinson製のBD Penなどの使い捨てペン型注射デバイス、ウルトラシャープ及びマイクロニードルデバイス(例えば、Becton Dickinson製のINJECT-EASE(商標)及び微量注入デバイス、及びValeritasから入手可能なH-PATCH(商標))並びに無針注射デバイス(例えば、Biojectから入手可能なBIOJECTOR(登録商標)及びIJECT(登録商標)、及びMedtronicから入手可能なSOF-SERTER(登録商標)及びパッチデバイス)が挙げられる。一部の実施形態では、皮下投与デバイスは、国際公開第2008/112472号、国際公開第2011/109205号、国際公開第2014/062488号、及び/又は国際公開第2016/089864号に記載されている自動注射デバイスである。
【0048】
一部の実施形態では、患者は、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物で、最大52週間、例えば、約4~52週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約14週間、約16週間、約18週間、約20週間、約22週間、約24週間、約26週間、約28週間、約30週間、約32週間、約34週間、約36週間、約38週間、約40週間、約42週間、約44週間、約46週間、約48週間、約50週間、約52週間の期間にわたって治療され得る。
【0049】
一部の実施形態では、患者は、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物で、最大16週間(例えば、約4~16週間、約6~16週間、約8~16週間、約10~16週間、約12~16週間、約4~12週間、約6~12週間、約8~12週間、約4~8週間、約4~10週間、約4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間、16週間)の誘導期間(又は第1の期間)にわたって治療される。誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で投与され、その後、2~14週間(例えば、約4~14週間、約6~14週間、約8~14週間、約10~14週間、約12~14週間、約4~12週間、約6~12週間、約8~12週間、約10~12週間、約4~6週間、約4~8週間、約4~10週間、約6~10週間、約8~10週間、約2週間、4週間、6週間、8週間、10週間、12週間、14週間)にわたって、2週間に1回250mgの後続用量で投与される。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、4~16週間である。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)は、16週間である。かかる実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)中、抗IL-13抗体は、ベースライン(0週目)及び2週目に500mgの負荷用量で投与され、その後、14週間にわたって250mgの後続用量が2週間に1回、投与される。
【0050】
抗IL-13抗体の治療の前、間及び後に、患者は、アトピー性皮膚炎に関連し、定量的又は定性的に評価することができる特定の徴候、症状、特徴、又はパラメータを決定するアトピー性皮膚炎疾患重篤度尺度(Atopic Dermatitis Disease Severity Measures、ADDSM)のうちの1つ以上の特徴について評価することができる。例示的なADDSMは、限定されるものではないが、湿疹面積及び重篤度指数(EASI)、治験責任医師包括的評価(IGA)、体表面積(BSA)、アトピー性皮膚炎のスコアリング(SCORAD)、掻痒数値評価スケール(NRS)、睡眠喪失スケール、皮膚疼痛NRSスコア、患者指向湿疹尺度(POEM)合計スコア、皮膚科学生活の質指数(DLQI)又は小児皮膚科学生活の質指数(CDLQI)、DLQI関連(DLQI-R)スコア、患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)不安及びうつ症状、EQ-5D(欧州生活の質5次元)、ACQ-5(喘息コントロール質問票-5)、世界保健機関-5つの幸福度指数(World Health Organization-Five Well-Being Index、WHO-5)スコア、アトピー性皮膚炎の長期コントロール指標(Recap of Atopic Eczema、RECAP)スコア、薬物治療満足度調査票-9項目(Treatment Satisfaction Questionnaire for Medication-9 items、TSQM-9)スコアが挙げられる。ADDSMは、ベースラインで、及び抗IL13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物の投与後の1つ以上の時点で測定することができる。治療の開始後の特定の時点でのADDSMの値とベースラインでのADDSMの値との間の差を使用して、ADDSMの改善(例えば、減少)があったかどうかを確立する。
【0051】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法及び治療的使用は、ベースラインにおける、かつ誘導期間(又は第1の期間)中及び誘導期間(又は第1の期間)後の患者の以下の特徴:EASIスコア、IGAスコア、アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む。
【0052】
一部の実施形態では、患者のEASIスコアは、誘導期間(又は第1の期間)の後に決定される。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のEASIスコアは、ベースラインにおける患者のEASIスコアと比較して50%以上減少し、これは、患者が「EASI-50」を達成したことを意味する。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のEASIスコアは、ベースラインにおける患者のEASIスコアと比較して75%以上減少し、これは、患者が「EASI-75」を達成したことを意味する。一部の実施形態では、誘導期間(又は第1の期間)後に決定された患者のEASIスコアは、ベースラインにおける患者のEASIスコアと比較して90%以上減少し、これは、患者が「EASI-90」を達成したことを意味する。患者が誘導期間(又は第1の期間)後にEASI-75に達した場合、患者は抗IL13抗体に対する応答者とみなされる。
【0053】
一部の実施形態では、患者のIGAスコアは、誘導期間(又は第1の期間)の後に決定される。患者は、誘導期間(又は第1の期間)後に患者のIGAスコアが0又は1である場合、抗IL13抗体に対する応答者とみなされる。一部の実施形態では、患者のIGAスコアが誘導期間(又は第1の期間)後に0又は1であり、かつ誘導期間(又は第1の期間)後の患者のIGAスコアが、ベースラインで決定された患者のIGAスコアと比較して2ポイント以上減少している場合、患者は抗IL13抗体に対する応答者とみなされる。
【0054】
誘導期間(又は第1の期間)の完了後、患者は維持期間(又は第2の期間)に入る。維持期間(又は第2の期間)中、患者は、抗IL13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物で更に治療される。維持期間(又は第2の期間)のための投薬レジメンは、誘導期間(又は第1の期間)後のIL-13抗体に対する患者のADDSM評価及び応答、例えば、誘導期間(又は第1の期間)後の患者のIGA若しくはEASIスコア、及び/又は患者自身の特徴、例えば、体重、年齢、人種に基づいて選択することができる。
【0055】
維持期間(又は第2の期間)は、最大36週間(例えば、約4~36週間、約8~36週間、約12~36週間、約16~36週間、約20~36週間、約24~36週間、約28~36週間、約4~32週間、約8~32週間、約12~32週間、約16~32週間、約20~32週間、約24~32週間、約28~32週間、約4~24週間、約8~24週間、約12~24週間、約16~24週間、約20~24週間、約4~20週間、約8~20週間、約12~20週間、約16~20週間、約4~16週間、約8~16週間、約12~16週間、約4~12週間、約8~12週間、約4週間、約8週間、約12週間、約16週間、約20週間、約24週間、約28週間、約32週間、約36週間)であり得る。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、8~36週間である。一部の実施形態では、維持期間(又は第2の期間)は、36週間である。
【0056】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法及び治療的使用は、維持期間(又は第2の期間)中及び維持期間(又は第2の期間)後の患者の以下の特徴:EASIスコア、IGAスコア、アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上を決定することを更に含む。同様に、維持期間(又は第2の期間)中及び維持期間(又は第2の期間)後の患者のEASIスコアを評価して、患者がEASI-50、EASI-75、又はEASI-90に達したかどうかを調べることができる。維持期間(又は第2の期間)中及び維持期間(又は第2の期間)後の患者のIGAスコアを評価して、患者のIGAスコアが0又は1であるかどうか、及び患者のIGAスコアが2ポイント以上減少しているかどうかを調べることができる。
【0057】
「治験責任医師包括的評価」又は「IGA」は、患者のADの重篤度を評価するために世界的に使用される評価尺度である(Simpson E,et al.J Am Acad Dermatol.2020;;83(3):839-846)。これは、0(異常なし)~4(重度)の範囲の5点スケールに基づき、スコアは、所与の時点での病変の全体的な外観を最もよく説明する記述子を使用して選択される(表2参照)。形態学的記述の下の全ての特性が存在する必要はない。IGAは、EASI及びBSA評価を行う前に行うことができる。
【0058】
【0059】
「湿疹面積及び重篤度指数」又は「EASI」は、ADの重篤度及び程度を評価するために臨床設定で使用される尺度である(Hanifin et al.,Exp Dermatol.2001;10:11-18)。EASIは、0~72の範囲のスコアを有する複合指数であり、より高い値は、より重度及び又は広範な疾患を示す。紅班、硬結/丘疹形成、擦過傷、及び苔癬化の重篤度は、臨床医又は他の医療専門家によって、4つの身体領域:頭及び首、胴体、上肢、及び下肢の各々について0(なし)~3(重度)のスケールで評価することができ、半分の点は許容される。更に、4つの身体領域の各々におけるADの関与の程度は、頭部、胴体、上肢、及び下肢の体表面積によるパーセンテージとして評価され得、0~6のスコアに変換され得る。合計スコア(0~72)は4つの身体領域スコアの各々についての合計スコアに基づいて割り当てられる。
【0060】
体表面積(BSA)評価は、ADに関する疾患又は皮膚の関与の程度を推定し、体表面積全体のパーセンテージとして表される。BSAは、患者の手のひらを使用して臨床医又は他の医療専門家によって決定され、約1%BSAルールである。
【0061】
「アトピー性皮膚炎のスコアリング」又は「SCORAD」は、European Task Force on Atopic Dermatitisによって開発されたADの程度及び強度を評価するための有効な臨床ツールである(Consensus report of the European Task Force on Atopic Dermatitis.Dermatology.1993;186(1):23-31)。次の評価に対する3つの構成要素がある:(i)ADの程度は、各々の定義された身体領域のパーセンテージとして評価され、0~100の範囲のスコア(全体的なSCORAD計算において「A」として割り当てられる)を有する全ての領域の合計として報告され、(ii)ADの6つの症状の重篤度は、発赤、腫脹、滲出/痂皮形成、擦過傷、皮膚肥厚/苔癬化、乾燥。各項目は、以下のように等級付けされる:なし(0)、軽度(1)、中程度(2)、又は重度(3)(全SCORAD計算において「B」として割り当てられる最大18の合計ポイントについて)、(iii)痒み及び不眠の主観的評価は、視覚的アナログスケール(visual analogue scale、VAS)を使用して各症状について記録され、ここで、0は痒み(又は不眠)がないことであり、10は想像できる最悪の掻痒(又は不眠)であり、最大可能スコアは20である(SCORAD計算全体において「C」として割り当てられる)。SCORAD指数の式は、A/5+7B/2+Cである。SCORAD指数の最大スコアは103である。
【0062】
掻痒数値評価スケール(NRS)は、過去24時間にわたる患者らの最悪の痒みの重篤度を評価するために患者によって(そして適用可能であれば、必要な場合親/介護者の助けを借りて)使用される11ポイントスケールであり、0は「痒みなし」を示し、10は「想像可能な最悪の痒み」を示す(Phan NQ,et al.Acta Derm Venereol 2012;92:502-507)。評価は、電子日記を使用して毎日患者によって記録される。ベースライン掻痒NRSは、ベースライン直前の7日間の毎日の掻痒NRSの平均に基づいて決定される。この計算には、ベースライン直前の7日間のうち最低4日スコアが必要である。
【0063】
睡眠喪失スケールは、5段階のリッカートスケール(0[全くない]、1[少し]、2[中程度]、3[非常にわずか]から4[全く眠ることができない]までの範囲のスコア)で掻痒による患者の睡眠喪失を評価する。評価は、電子日記を使用して毎日患者によって記録される。
【0064】
皮膚疼痛NRSは、過去24時間にわたる患者の最悪の皮膚疼痛(例えば、不快感又は痛み)重篤度を評価するために患者によって(そして適用可能であれば、必要な場合親/介護者の助けを借りて)完成された11ポイントのスケールであり、0は「疼痛なし」を示し、10は「想像可能な最悪の疼痛」を示す(Newton L,et al.J Patient Rep Outcomes.2019 Jul 16;3:42)。評価は、電子日記を使用して、16週目まで毎日、及び16週目以降は毎週、患者によって記録される。ベースライン皮膚疼痛NRSは、ベースライン直前の7日間の毎日の皮膚疼痛NRSの平均に基づいて決定される。この計算には、ベースライン直前の7日間のうち最低4日スコアが必要である。
【0065】
患者指向湿疹尺度(POEM)は、先週にわたって疾患症状を評価するために患者によって(そして適用可能であれば、必要な場合親/介護者の助けを借りて)完成された7項目の検証された質問票である(Centre of Evidence Based Dermatology.POEM-Patient Oriented Eczema Measure.以下で入手可能:https://www.nottingham.ac.uk/research/groups/cebd/resources/poem.aspx)。患者は、皮膚乾燥、痒み、はがれ、ひび割れ、睡眠喪失、出血、及び涙に関する7つの質問に回答するように求められる。全ての7つの回答は、0~28の合計可能スコアを有する等しい重みを有する(回答は、以下のようにスコア付けされる。日数なし=0、1~2日=1、3~4日=2、5~6日=3、毎日=4)。高いスコアは生活の質が悪いことを示す。POEM応答を、電子日記を使用して毎週捕捉する。
【0066】
皮膚科学生活の質指数(DLQI)は、患者の生活の質に対する皮膚疾患の影響を評価するために使用される、患者又は介護者によって完成された10項目の検証された質問票である(Finlay,A.Y.and Khan,G.K.1994.Clinical and Experimental Dermatology 1993 Sep 23;19:210-216)。10個の質問は以下のトピックをカバーする。前週にわたる、症状、機能障害、ショッピング及びホームケア、衣類、社会及びレジャー、スポーツ、仕事又は研究、密接な関係、性別、及び治療である。各質問は、0~3(「全くない」、「少し」、「多い」、及び「非常に多い」)でスコア付けされ、0~30の範囲の合計スコアを与える。高いスコアは生活の質が悪いことを示す。
【0067】
16歳未満の青年に対しては、DLQI(Lewis-Jones MS,Finlay AY.British Journal of Dermatology,1995;132:942-949)とは異なる1組の10個の質問に基づく小児DLQI(CDLQI)が用いられる。
【0068】
DLQI関連(DLQI-Relevant、DLQI-R)は、最近開発されたスコアリングであり、DLQI質問票の合計スコアを、患者によって示された非関連応答(not relevant response、NRR)の数について調整するものである(Rencz F,et al.Br J Dermatol.2020;182(5):1167-1175)。
【0069】
患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)は、成人及び小児における身体的、精神的、及び社会的健康を評価及び監視する、人を中心とした尺度のセットである。本研究において使用されるPROMIS(登録商標)測定は、不安及びうつのショートフォームを含み、これは、前週にわたる患者の症状を評価する。17歳以下の患者は、研究期間中、小児バージョンを完成させる。
【0070】
PROMIS不安ショートフォームv1.0-Anxiety 8aは、成人において以下の項目を評価する参加者管理質問票である:自己報告恐怖(恐怖、パニック)、不安な惨めさ(心配、恐怖)、過覚醒(緊張、神経質、落ち着きのなさ)、及び覚醒に関連する身体症状(動悸、眩暈)(PROMIS Anxiety 2019、2019年3月1日発行。2021年3月8日にアクセス。以下で入手可能:https://www.healthmeasures.net/images/PROMIS/manuals/PROMIS_Anxiety_Scoring_Manual.pdf)。各質問は、1~5の範囲のスコアを有する、5つの回答選択肢を有する。合計スコアは8~40の範囲であり、スコアが高いほど不安のレベルが高いことを示す。成人自己報告は、「過去7日間」の不安を評価する。
【0071】
PROMISうつショートフォームv1.0-Depression 8aは、成人において以下の項目を評価する参加者管理質問票である:自己報告負の気分(悲しみ、罪悪感)、自己の見解(自己批判、無価値)、社会的認知(孤立性、対人疎外感)、並びに肯定的感情及び関与の減少(興味、意味、及び目的の喪失)(PROMIS Depression 2019、2019年2月28日発行。2021年3月8日にアクセス。以下で入手可能:https://www.healthmeasures.net/images/PROMIS/manuals/PROMIS_Depression_Scoring_Manual.pdf)。身体症状(食欲又は睡眠パターンの変化など)は含まれない。これは、併存する身体状態を有する参加者を評価するときに、これらの項目の潜在的な交絡効果を排除するのに役立つ。各質問は、1~5の範囲のスコアを有する、5つの回答選択肢を有する。合計スコアは8~40の範囲であり、スコアが高いほどうつのレベルが高いことを示す。成人自己報告は、「過去7日間」のうつを評価する。
【0072】
EQ-5D(欧州生活の質5次元)は、5つの次元:運動性、セルフケア、通常の活動、疼痛/不快感及び不安/うつを含む。EQ VASは、患者の自己評価健康を垂直視覚的アナログスケールで記録する。これらの5つの次元のスコアは、健康プロファイルとして提示され得るか、又は他の健康プロファイルと比較した選好性を反映する単一の要約指標数値(有用性)に変換され得る。EQ-5Dは、研究クリニックの患者によって完成される。
【0073】
欧州生活の質5次元、5つのレベル(European Quality of Life-5 Dimensions-5 Levels、EuroQol-5D-5L又はEQ-5D-5L)は、参加者管理の、成人における健康状態の5つの質問プラス1つの視覚的アナログスケール(VAS)標準化尺度であり、これは、臨床及び経済評価のための健康の単純で一般的な尺度を提供する。EQ-5D-5Lは、回答者の健康の記述システムと、0~100mmのVAS(20cm)を使用した回答者の現在の健康状態の評価との2つの構成要素からなる。この記述システムは、以下の5つの次元を含む:可動性、セルフケア、通常の活動、疼痛/不快感、及び不安/うつ。各次元は、5つのレベル、すなわち、問題なし、わずかな問題、中程度の問題、深刻な問題、及び極端な問題を有する。回答者は、5つの次元の各々において最も適切なステートメントに関連付けられたボックスにチェックを入れる(又は×印を付ける)ことによって、自分の健康状態を示すように求められる。数字1~5は算術特性を有せず、順序スコアとして使用されるべきではないことに留意されたい。EQ-5D-5L記述システムによって定義されるEQ-5D-5L健康状態は、値(重みとも呼ばれる)を各次元におけるレベルの各々に本質的に付加する式を適用することによって、単一の要約指標に変換され得る。VASは、回答者の自己評価健康を垂直VAS上に記録し、評価項目は、「最良の想像できる健康状態」及び「最悪の想像できる健康状態」とラベル付けされる。この情報は、健康アウトカムの定量的尺度として使用することができる(Herdman et al.,Qual Life Res.2011;20(10):1727-1736、EuroQol Group,EQ-5D-5L User Guide.Version 2.1。2015年4月。2021年1月14日にアクセス。以下で入手可能:https://euroqol.org/wp-content/uploads/2016/09/EQ-5D-5L_UserGuide_2015.pdf)。EQ-5D-5Lによって捕捉された自己評価健康状態は、完成時の参加者の状況に関連する。先行する数日又は数週間にわたって健康状態を思い出す試みは行われない(EuroQol Group 2015)。
【0074】
ACQ-5は、喘息コントロール質問票である。登録前に併存喘息を報告する患者は、この治験において他の患者が報告したアウトカムに加えて、喘息コントロール質問票(ACQ-5)を完成させることになる。ACQ-5は、喘息制御を確実に測定し、十分に制御された喘息(スコア≦0.75ポイント)を有する患者を制御されていない喘息(スコア≧1.5ポイント)を有する患者から区別することが示されている。これは、1週間の想起期間で7ポイントのリッカートスケールでスコア付けされる5つの質問からなる。合計ACQ-5スコアは、全ての質問の平均スコアである。より低いスコアは、より良好な喘息制御を表す。ACQ-5は、研究クリニックの患者によって完成される。
【0075】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に使用するための抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物である。
【0076】
別の態様では、本明細書で提供されるのは、患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療のための医薬の製造における抗IL-13抗体の使用である。
【0077】
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法及び使用は、1つ以上の局所コルチコステロイドを患者に投与することを更に含む。例示的な局所コルチコステロイドとしては、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、並びにトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。トリアムシノロンアセトニドは、典型的にはクリーム中に0.1%の濃度で製剤化され、ヒドロコルチゾンは、典型的にはクリーム中に1%又は2.5%の濃度で製剤化される。例えば、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ジフロラゾン酢酸エステル、フルオシノニド、及びプロピオン酸ハロベタゾールなどの特定の局所コルチコステロイドは、非常に高い効力であると考えられる。例えば、アムシノニド、デソキシメタゾン、ハルシノニド、及びトリアムシノロンアセトニドなどの特定の局所コルチコステロイドは、高い効力であると考えられる。例えば、ベタメタゾン吉草酸エステル、クロコルトロンピバレート、フルオシノロンアセトニド、フルランドレノリド、フルオシノニド、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、吉草酸ヒドロコルチゾン、モメタゾンフランカルボン酸エステル、及びプレドニカルベートなどの特定の局所コルチコステロイドは、中程度の効力であると考えられる。例えば、アルクロメタゾンジプロピオン酸エステル、デソニド、及びヒドロコルチゾンなどの特定の局所コルチコステロイドは、低い効力であると考えられる。TCSは、罹患領域に1日1回、1日2回、1日3回、又は必要に応じて塗布することができる。一部の実施形態では、患者は、局所コルチコステロイドによる制御が不十分である。一部の実施形態では、局所コルチコステロイドは、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである。一部の実施形態では、局所コルチコステロイドは、抗IL-13抗体と同時に又は連続して投与される。一部の実施形態では、局所コルチコステロイドは、抗IL-13抗体と同時に投与される。
【0078】
本明細書で使用される場合、本開示の文脈で(特に特許請求の範囲の文脈で)使用される「a」、「an」、「the」という用語及び同様の用語は、本明細書に別段の定めがない限り、又は文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方をカバーすると解釈されるべきである。
【0079】
「約」という用語は、本明細書で使用される場合、記載される数値に十分近接していること、例えば、記載される数値の±10%を意味する。
【0080】
本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、抗原に結合する免疫グロブリン分子を指す。抗体の実施形態には、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、又はコンジュゲート抗体が含まれる。抗体は、任意のクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA)、及び任意のサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)のものであってもよい。
【0081】
例示的な抗体は、4つのポリペプチド鎖:鎖間ジスルフィド結合を介して架橋される2つの重鎖(HC)及び2つの軽鎖(LC)から構成された免疫グロブリンG(immunoglobulin G、IgG)型抗体である。4つのポリペプチド鎖の各々のアミノ末端部分は、抗原認識に主に関与する約100~125個以上のアミノ酸の可変領域を含む。4つのポリペプチド鎖の各々のカルボキシ末端部分は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を含有する。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域から構成される。IgGアイソタイプは、サブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4)に更に分割され得る。
【0082】
VH及びVL領域は、フレームワーク領域(framework regions、FR)と呼ばれる、より保存されている領域が散在する、相補性決定領域(complementarity determining region、CDR)と呼ばれる、超可変領域に更に細分され得る。CDRはタンパク質の表面上に露出しており、抗原結合特異性のための抗体の重要な領域である。各VH及びVLは、3つのCDR及び4つのFRから構成されており、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序でアミノ末端からカルボキシ末端へと配置される。本明細書では、重鎖の3つのCDRを「HCDR1、HCDR2、及びHCDR3」と称し、軽鎖の3つのCDRを「LCDR1、LCDR2、及びLCDR3」と称する。CDRは、抗原との特異的相互作用を形成する残基の大部分を含有する。アミノ酸残基のCDRへの割り当ては、Kabat(Kabat et al.,「Sequences of Proteins of Immunological Interest」,National Institutes of Health,Bethesda,Md.(1991))、Chothia(Chothia et al.,「Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins」,Journal of Molecular Biology,196,901-917(1987)、Al-Lazikani et al.,「Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins」,Journal of Molecular Biology,273,927-948(1997))、North(North et al.,「A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations」,Journal of Molecular Biology,406,228-256(2011))、又はIMGT(the international ImMunoGeneTics database、www.imgt.orgで利用可能、Lefranc et al.,Nucleic Acids Res.1999;27:209-212を参照のこと)に記載されるものを含む、周知のスキームに従って行われ得る。
【0083】
本開示の抗体の例示的な実施形態はまた、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、scFv、scFab、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fd断片及び線状抗体などの、抗原と特異的に相互作用する能力を保持する抗体の少なくとも一部分を含む、抗体断片又は抗原結合断片を含む。
【0084】
本明細書で使用される「ベースライン」という用語は、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物の第1の用量(0週目)の投与前又は投与時を意味する。例えば、抗IL-13抗体又は抗IL-13抗体を含む医薬組成物の第1の用量の投与前又は投与時のアトピー性皮膚炎疾患重篤度尺度(ADDSM)の数値は、そのADDSMのベースライン値とみなされる。
【0085】
本明細書で使用される「結合する」という用語は、別段の定めがない限り、化学結合又は別のタンパク質若しくは分子との引力相互作用を形成するタンパク質又は分子の能力を意味することを意図しており、当技術分野において既知である一般的な方法によって決定されるように、2つのタンパク質又は分子の近接をもたらす。
【0086】
本明細書で使用される「初赤」という用語は、用量の増加、より高い効力クラスの薬物への切り替え、又は別の薬物の開始であり得る、治療の増大をもたらす徴候及び/又は症状の増加を指す。
【0087】
「高い親和性」という用語は、本明細書で使用される場合、約10-8M未満、例えば、10-15M~10-8M、又は10-12M~10-9Mの平衡解離定数(KD)を有するヒトIL-13への抗体の結合の強度を指す。
【0088】
「ヒトIL-13」という用語は、主に活性化Th2細胞によって産生される免疫調節サイトカインであるヒトインターロイキン13(P600としても知られる)を指す。2つの公知のヒトIL-13アイソフォームが存在する。アイソフォームa及びアイソフォームbである。本明細書で使用される「ヒトIL-13」という用語は、全てのヒトIL-13アイソフォームを集合的に指す。ヒトIL-13アイソフォームaのアミノ酸配列は、NCBIアクセッション番号NP_002179.2に見出すことができる。ヒトIL-13アイソフォームbのアミノ酸配列は、NCBIアクセッション番号NP_001341922.1に見出すことができる。
【0089】
本明細書で使用される「不十分な応答」という用語は、製品処方情報によって推奨される期間の治療の使用後にアトピー性皮膚炎の良好な疾患制御を達成できないこと(例えば、IGA≦2又はEASI 75を達成できないこと)、又は治療中にアトピー性皮膚炎の発赤が起こることを指す。
【0090】
本明細書で使用される「不耐性」又は「不耐性」という用語は、許容できない中毒性(例えば、クレアチニンの上昇、肝機能検査の上昇、制御されていない高血圧、対感覚脱失、頭痛、吐気、多毛症)、又は処方情報に指定されているものを超える用量若しくは期間での薬物の必要性を指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、ヒト患者を指す。
【0092】
本明細書で使用される場合、「局所コルチコステロイド」又は「TCS」という用語は、I群、II群、III群及びIV群の局所コルチコステロイドを含む。世界保健機関のAnatomical Therapeutic Chemical(ATC)Classification Systemによれば、コルチコステロイドは、ヒドロコルチゾンと比較したそれらの活性に基づいて、弱い(I群)、中程度に強力(II群)及び強力(III群)及び非常に強力(IV群)に分類される。IV群TCS(非常に強力)は、ヒドロコルチゾンの600倍まで強力であり、クロベタゾール及びハルシノニドを含む。III群TCS(強力)は、ヒドロコルチゾンの50~100倍強力であり、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル、ヒドロコルチゾン-17-ブチレート、モメタゾンフランカルボン酸エステル及びアセポン酸メチルプレドニゾロンが挙げられるが、これらに限定されない。II群TCS(中程度に強力)は、ヒドロコルチゾンの2~25倍強力であり、クロベタゾン酪酸エステル及びトリアムシノロンアセトニドを含むが、これらに限定されない。I群TCS(弱又は軽度)には、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、及びメチルプレドニゾロンが含まれる。
【0093】
本明細書で使用される「局所カルシニューリン阻害剤」又は「TCI」という用語、ピメクロリムス、タクロリムス、及びカルシニューリン活性を抑制し、患者の皮膚に局所的に塗布することができる他の阻害剤を含む。
【0094】
本明細書で使用される場合、「治療する」、「治療」又は「治療すること」は、本明細書に開示の障害又は疾患の進行を減速、制御、遅延、若しくは停止し得る、又は障害若しくは疾患症状を改善し得る全てのプロセスを指すが、必ずしも全ての障害若しくは疾患症状の完全な消失を示すわけではない。治療は、患者、特に、ヒトにおける疾患又は状態の治療のためのタンパク質又は核酸又はベクター又は組成物の投与を含む。
【実施例】
【0095】
実施例1.中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者におけるレブリキズマブの効力及び安全性を評価するための2回の無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験。
2つの同一の第3相無作為化二重盲検プラセボ対照平行群研究を実施して、中程度から重度のアトピー性皮膚炎に対する単一療法としてのレブリキズマブの安全性及び効力を評価した(ADvocate 1及びADvocate 2、すなわちNCT04146363及びNCT04178967)。各試験は、持続期間が52週間であり、16週間の誘導期間(又は第1の期間)及び36週間の維持期間(又は第2の期間)を含む。
【0096】
患者母集団
American Academy of Dermatology Consensus Criteria、≧16の湿疹面積及び重篤度指数スコア(EASI)、≧3の治験責任医師包括的評価(IGA)スコア及び≧10%の体表面積(BSA)に従って定義される、少なくとも1年間の中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する適格な成人及び青年(12歳以上18歳未満、体重≧40kg)患者が登録される。
【0097】
包含基準:患者は、研究に参加する資格があるためには以下の全ての基準を満たさなければならない:
1.成人及び青年(年齢12歳以上18歳未満、体重40kg以上)。
2.スクリーニング来院前1年以上経過している慢性AD(American Academy of Dermatology Consensus Criteria for Chronic Atopic Dermatitisによる)。
3.ベースライン来院時の湿疹面積及び重篤度指数(EASI)スコア≧16。
4.ベースライン来院時の治験責任医師包括的評価(IGA)スコア≧3(0~4のスケール)。
5.ベースライン来院時のAD併発の体表面積(BSA)≧10%。
6.局所投薬による治療に対する不十分な応答の病歴、又は局所治療が他の点では医学的に勧められないことを決定する。
7.ベースライン来院前に、少なくとも1日2回、≧7日の間、安定用量の非薬用局所保湿剤を塗布する。
8.無作為化前の7日間のうち最低4日間の掻痒及び睡眠喪失についての電子日記記入を完成させた。
9.全てのクリニック来院及び研究関連手順及び質問票に従う意思があり、従うことができる。
10.妊娠の可能性のある女性について、治療期間中及びレブリキズマブ又はプラセボの最後の投与後少なくとも18週間、禁欲のままであるか又は非常に有効な避妊法を使用することに同意する。
11.男性患者は、妊娠の可能性がある女性と性的に活発である場合、研究中及び研究薬の最後の投与後最低18週間、避妊の有効なバリア方法を使用することに同意しなければならない。
12.署名されたインフォームドコンセント/同意を提供する。
【0098】
除外基準:以下の基準のうちのいずれかを満たす患者は、研究から除外される。
1.以前のレブリキズマブ臨床研究への参加。
2.Sampson基準によって定義されたアナフィラキシーの病歴(Sampson et al.,J Allergy Clin Immunol.2006;117(2):391-397)。
3.ベースライン来院前1週間以内の局所コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤又はホスホジエステラーゼ-4阻害剤、例えばクリサボロールによる治療。
4.デュピルマブ又はトラロキヌマブによる前治療。
5.ベースライン来院前4週間以内の以下の薬剤のうちのいずれかによる治療:
a.免疫抑制/免疫調節薬(例えば、全身性コルチコステロイド、シクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、IFN-γ、ヤヌスキナーゼ阻害剤、アザチオプリン、メトトレキサート)、
b.ADのための光線療法及び光化学療法(Phototherapy and photochemotherapy、PUVA)。
6.ベースライン来院前の以下の治療
a.8週間以内又は5半減期以内(既知の場合)のいずれか長い方の治験薬。
b.6ヶ月以内のリツキシマブを含むB細胞枯渇性生物製剤。
c.5半減期(既知の場合)又は16週間以内のいずれか長い方の他の生物製剤。
7.ベースライン来院の7日以内の処方保湿剤の使用。
8.スクリーニング来院の4週間以内の日焼けブース/ホールの定期的使用(1週間に2回を超える訪問)。
9.ベースライン来院の12週間以内又は研究中に計画された生(弱毒化)ワクチンによる治療。
10.経口コルチコステロイドのバーストを必要とし得る制御されていない慢性疾患、例えば、併存する重度の制御されていない喘息(ACQ-5スコア≧1.5、又は全身性[経口及び/若しくは非経口]コルチコステロイド治療若しくは>24時間の入院を必要とする過去12ヶ月以内の≧2の喘息増悪の病歴によって定義される)。
11.ベースライン来院前2週間以内に全身性抗生物質、抗ウイルス薬、駆虫薬、抗原虫薬、若しくは抗真菌薬による治療を必要とする活動性慢性若しくは急性感染症、又はベースライン来院前1週間以内の表在性皮膚感染症。
12.活動性急性又は慢性肝炎(Department of Health & Human Services Centers for Disease Control and Preventionによって定義されるような)又は既知の肝硬変の証拠。
13.診断された活動性内部寄生生物感染症又はこれらの感染症の高いリスク。
14.感染消散にもかかわらず、侵襲性日和見感染(例えば、結核[tuberculosis、TB]、ヒストプラスマ症、リステリア症、コクシジオイデス症、ニューモシスティス症、及びアスペルギルス症)の病歴を含む、免疫抑制の既知の若しくは疑わしい病歴、又は治験責任医師の判断による異常に頻繁な、再発若しくは長期の感染。
15.スクリーニング時のヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus、HIV)感染又は陽性HIV血清学の病歴。
16.治験責任医師の意見では、スクリーニング来院時に得られた化学検査、血液検査又は尿検査からの任意の臨床的に著しい検査結果。
17.研究評価を妨害し得る皮膚の併存疾患の存在。
18.完治したインサイツ子宮頸部がん、完治し消散した非転移性皮膚扁平上皮がん又は基底細胞がんを除く、スクリーニング来院前5年以内に、菌状息肉症を含む悪性腫瘍の病歴。
19.治験責任医師の判断において、研究への患者の参加に悪影響を及ぼす重度の併発疾患。治験責任医師の意見において新たな疾患及び/又は十分に理解されていない疾患を示唆し得る任意の他の医学的状態又は心理学的状態は、この臨床試験への研究患者の参加のために研究患者に不合理なリスクを提示し得るか、患者の参加を信頼できないものにし得るか、又は研究評価を妨げ得る。
20.妊娠中若しくは授乳中の女性、又は研究中に妊娠若しくは授乳する予定の女性。
【0099】
研究薬:
125mg/mLのレブリキズマブ又はプラセボを含有する医薬組成物は、患者への皮下投与のために、予め組み立てられた針安全装置(pre-filled syringes with a pre-assembled needle safety device、PFS-NSD)を備えた滅菌充填済みシリンジとして供給される。レブリキズマブ配列を表1に示す。プラセボ溶液は、レブリキズマブを含有しないことを除いて、活性溶液と外観及び容量が同一である。
【0100】
【0101】
各試験において、16週間の誘導期間(又は第1の期間)中、およそ400人の患者を層別化し、2週間毎(Q2W)の皮下(SC)注射によって250mgのレブリキズマブ(ベースライン(0週目)及び2週目に与えられる500mgの負荷用量)又はプラセボのいずれかに2:1で無作為化する。全ての研究薬注射はクリニックで投与される。
【0102】
16週目の来院の完了後、治療に応答した患者[0若しくは1のIGA、又はベースラインから16週目までのEASIの75%低減(EASI-75)を有すると定義される]は、維持期間(又は第2の期間)に入り、以下の治療群のうちの1つに2:2:1で再無作為化される:レブリキズマブ250mg、2週間に1回(Q2W)、レブリキズマブ250mg、4週間に1回(Q4W)、又はプラセボQ2Wである。患者は、自宅で治験薬を自己投与するように指示される。
【0103】
研究の最初の16週間にプラセボを受け、レブリキズマブ群に再無作為化された応答者は、維持において割り当てられた実薬治療群に基づいて、16週目に与えられる500mg又は16週目及び18週目に与えられる500mgのいずれかのレブリキズマブの負荷用量を受ける。
【0104】
16週目に0若しくは1のIGA又はEASI-75を達成しない患者、及び24、32、40、又は48週目に再無作為化後にEASI-50応答を維持しない患者は、Escape Armに割り当てられ、52週目まで長期治療としてレブリキズマブ250mg Q2Wを受ける。Escape Armにおいて8週間の治療後にEASI-50応答を達成しなかった患者は、研究を終了する。
【0105】
効力は、IGA、EASI、BSA、SCORAD、掻痒及び睡眠喪失スコアによって測定される。
【0106】
安全性は、有害事象、血清化学、血液学及び尿検査実験室試験、身体検査、脈拍及び血圧をモニタリングすることによって評価される。独立したデータ安全性監視委員会(Data Safety Monitoring Board)は、試験を通して定期的に蓄積された安全性データの正式なレビューを行うことによって患者の安全性をモニタリングする。更に、青年をホルモンについてモニタリングする。
【0107】
生活の質及び疾患の影響を、POEM、DLQI/CDLQI、EQ-5D及びPROMIS(登録商標)不安及びうつ尺度を使用して評価する。研究開始時に併存喘息を報告した患者は、ACQ-5を完成させる。
【0108】
血清試料を、薬物動態分析及び免疫原性のために収集する。
【0109】
この52週間の研究を完了した患者には、別の長期延長研究における継続治療の選択肢が提供される。早期に終了するか、又は長期延長研究に入らないことを選択した患者は、最後の研究薬注射の約12週間後に安全性追跡調査来院を受ける。
【0110】
目的及び評価項目
この研究の主な目的は、中程度から重度のADを有する患者において、プラセボと比較したレブリキズマブの安全性及び効力を評価することである。
【0111】
米国では、主要有効性評価項目は、0又は1のIGAスコア及びベースラインから16週目までの≧2ポイントの減少を有する患者のパーセンテージである。副次的目的は以下を含む:(1)16週目にEASI-75(EASIスコアにおけるベースラインからの≧75%の低減)を達成する患者のパーセンテージ、(2)16週目にEASI-90(EASIスコアにおけるベースラインからの≧90%の低減)を達成した患者のパーセンテージ、(3)16週目までのベースラインからの掻痒数値評価スケール(NRS)スコアの変化パーセンテージ、(4)ベースラインにおける≧4ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから16週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、16週目までのEASIスコアのベースラインからの変化パーセンテージ、(6)16週目までのBSAパーセントのベースラインからの変化、(7)4週目にEASI-90を達成した患者のパーセンテージ、(8)16週目までのベースラインからの睡眠喪失スコアの変化パーセンテージ、(9)16週目における睡眠喪失スコアのベースラインからの変化、(10)ベースラインにおける≧4ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから4週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、(11)ベースラインにおける≧4ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから2週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、(12)ベースラインにおける≧4ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから1週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ。維持期間にわたって、副次的目的は以下を含む:(1)再無作為化された患者のうち、16週目にEASI-75を達成し、52週目にEASI-75を示し続ける患者のパーセンテージ(ベースラインEASIスコアに対して計算されたEASI-75)、(2)無作為化された患者のうち、16週目にIGA 0又は1及びベースラインから≧2ポイントの改善を達成し、52週目にIGA 0又は1及びベースラインから≧2ポイントの改善を示し続ける患者のパーセンテージ。
【0112】
欧州については、共主要評価項目は、(1)0又は1のIGAスコア及びベースラインから16週目までの≧2ポイントの低減を有する患者のパーセンテージ、並びに(2)16週目にEASI-75(EASIスコアにおけるベースラインからの≧75%低減)を達成した患者のパーセンテージである。副次的目的は以下を含む:(1)16週目にEASI-90(EASIスコアにおけるベースラインからの≧90%の低減)を達成した患者のパーセンテージ、(2)16週目までのベースラインからの掻痒数値評価スケール(NRS)スコアの変化パーセンテージ、(3)ベースラインにおける≧5ポイントの掻痒指数(NRS)を有し、ベースラインから16週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、(4)ベースラインにおける≧4ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから16週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、(5)16週目までのベースラインからのEASIスコアの変化パーセンテージ、(6)4週目にEASI-90を達成した患者のパーセンテージ、(7)16週目におけるDLQIのベースラインからの変化、(8)ベースラインから16週目までにDLQIの≧4ポイントの改善を達成した患者のパーセンテージ、(9)16週目までのベースラインからの睡眠喪失スコアの変化パーセンテージ、(10)16週目における睡眠喪失スコアのベースラインからの変化、(11)ベースラインにおける≧5ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから1週目、2週目及び4週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、(12)ベースラインにおける≧4ポイントの掻痒NRSを有し、ベースラインから1週目、2週目及び4週目までに≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ。維持期間にわたって、副次的目的は以下を含む:(1)再無作為化された患者のうち、16週目にEASI-75を達成し、52週目にEASI-75(ベースラインEASIスコアに対して計算されたEASI-75)を示し続ける患者のパーセンテージ、(2)再無作為化された患者のうち、16週目にIGA 0又は1及びベースラインからの≧2ポイントの改善を達成し、52週目にIGA 0又は1及びベースラインからの≧2ポイントの改善を示し続ける患者のパーセンテージ、(3)再無作為化されたベースラインで≧4ポイントの掻痒NRSを有する患者のうち、16週目でベースラインから≧4ポイントの低減を達成し、52週目でベースラインから≧4ポイントの低減を示し続ける患者のパーセンテージ、(4)再無作為化されたベースラインで≧5ポイントの掻痒NRSを有する患者のうち、16週目でベースラインから≧4ポイントの低減を達成し、52週目でベースラインから≧4ポイントの低減を示し続ける患者のパーセンテージ、(5)52週目のベースラインからのSCORAD(16週目にEASI-75を達成した)の変化パーセンテージ。
【0113】
レブリキズマブの薬物動態を評価するために、平均血清中レブリキズマブ濃度を測定する。
【0114】
他の副次的評価項目は以下を含む:来院によるEASI-75、EASI-90及びEASI-50を有する割合、IGAスコアが0又は1であり、来院によってベースラインから≧2ポイントの低減を有する患者の割合、来院によるEASIスコアのベースラインからの変化パーセンテージ、来院による掻痒NRSのベースラインからの変化パーセンテージ、来院によるベースラインから≧4の掻痒NRS変化を有する患者のパーセンテージ、ベースラインで≧4ポイントの掻痒NRSスコアを有し、来院によってベースラインから≧4ポイントの低減を達成した患者のパーセンテージ、来院による睡眠喪失スコアのベースラインからの変化、来院によるDLQI/CDLQIのベースラインからの変化、来院によるEQ5Dのベースラインからの変化、来院によるPOEMのベースラインからの変化、来院によるPROMIS不安尺度のベースラインからの変化、来院によるPROMISうつ尺度のベースラインからの変化、自己報告併存喘息を有する患者におけるベースラインから16週目までのACQ-5スコアの変化、SCORADにおける16週目までのベースラインからの変化パーセンテージ。
【0115】
統計分析を、主要評価項目及び副次的評価項目について行う。推定値及び欠損データインピュテーション法は、マルコフ連鎖モンテカルロ多重インピュテーション(Markov Chain Monte Carlo Multiple Imputation、MCMC-MI)及び非応答者インピュテーション(non-responder imputation、NRI)を含む。
【0116】
結果
ADvocate 1試験では、皮膚及び痒みの改善を含む全ての主要評価項目及び重要な副次的評価項目が16週目に満たされた(
図4A~
図4G及び
図5A~
図5F)。
【0117】
図2A~
図2Cは、ADvocate 1における参加者のベースライン人口統計及びベースライン疾患特性を示す。
図3A~
図3Cは、16週目までの有害事象を示す。
図3Dは、16週目までの注射部位反応を示す。
【0118】
プラセボ群と比較して、レブリキズマブ治療群における統計的に有意に高いパーセンテージの参加者が、IGA 0/1、EASI-75、及びEASI-90によって測定されるように、早くも4週目に皮膚クリアランス及び皮膚改善を達成した(
図4D~
図4G参照)。レブリキズマブ治療群における統計的に有意に高いパーセンテージの参加者が、掻痒NRSによって測定されるように、早くも2週目に痒みの改善を達成した(
図5A~
図5B)。レブリキズマブ治療群における統計的に有意に高いパーセンテージの参加者が、それぞれ睡眠喪失スコア及びDLQIスケールによって測定されるように、睡眠及び生活の質の改善を経験した(
図5C~
図5F)。
【0119】
16週目の評価において、レブリキズマブは、低頻度の注射部位反応を含む、プラセボ群に匹敵する頻度の有害事象を伴って、良好な忍容性のままであった。SAE及びAEによる中止の全体的な頻度は低く、死亡はなかった。
【0120】
同様の結果がADvocate 2試験において見られ、皮膚及び痒みの改善を含む全ての主要評価項目及び重要な副次的評価項目が16週目に満たされた。
【0121】
したがって、レブリキズマブ治療は、2つの極めて重要な第3相臨床試験において、16週目における痒み、痒みの睡眠への干渉及び生活の質を含む、主要評価項目及び全ての重要な副次的評価項目を達成した。
【0122】
16週目のデータの中間分析に基づいて、ADvocate 1において、16週目にIGA 0/1を達成したレブリキズマブ250mg(N=283)及びプラセボ(N=141)で治療された患者の割合は、43.0%及び12.8%(p<0.001)であり、EASI-75応答は59.3%及び16.4%(p<0.001)であった。ベースラインからの掻痒NRS≧4ポイントの改善(P≧4)の割合は、それぞれ46.3%及び12.7%(p<0.001)であった。レブリキズマブ250mg(N=283)及びプラセボ(N=141)で治療された患者におけるベースラインでの平均DLQIスコアは、それぞれ15.3及び15.7であった。EQ-5D VASスコアの対応するベースライン平均は、68.2及び67.0、EQ-5D-5Lについての米国健康状態指数(US Health State Index)は、それぞれ0.7及び0.7であった。16週目に、16週目のDLQIスコアがベースラインから≧4ポイント改善した患者の割合は、ベースラインDLQIスコアが≧4の患者のうち、レブリキズマブ群及びプラセボ群でそれぞれ71.2%及び29.3%であった。DLQI(0,1)応答を有するレブリキズマブ及びプラセボを受けた患者の割合は、ベースラインDLQI>1を有する患者のうち、それぞれ26.3%及び4.2%であった。16週目のDLQI合計スコア平均CFBは、レブリキズマブ治療患者で-10.0、プラセボ治療患者で-4.4改善された。統計的有意性は、ベースライン後の最初の評価である4週目という早い時期に達成され、全てのDLQI分析について16週目まで継続した。レブリキズマブ及びプラセボに割り当てられた患者について、16週目におけるEQ-5D VASスコア平均CFB(それぞれ10.5及び2.2)とEQ-5D-5L米国健康状態指数CFB(それぞれ0.13及び0.03)との間にも有意差があった。
【0123】
16週目のデータの中間分析に基づいて、ADvocate 2(レブリキズマブ、N=281、プラセボ、N=146)において、IGA 0/1についての対応する割合は、33.1%及び10.9%(p<0.001)であり、EASI-75応答は50.8%及び18.2%(p<0.001)であり、ベースラインからの掻痒NRS≧4ポイントの改善(P≧4)の割合は、それぞれ38.3%及び11.3%(p<0.001)であった。DLQIスコアのベースライン平均は、15.4及び15.9であり、EQ-5D VASスコアは66.7及び68.6であり、EQ-5D-5L米国健康状態指数は、それぞれ0.8及び0.7であった。16週目に、16週目のDLQIスコアがベースラインから≧4ポイント改善した患者の割合は、ベースラインDLQIスコアが≧4の患者のうち、レブリキズマブ群及びプラセボ群でそれぞれ60.5%及び31.3%であった。DLQI(0,1)応答を達成するレブリキズマブ及びプラセボに割り当てられた患者の割合は、ベースラインDLQI>1を有する患者のうち、それぞれ16.1%及び7.7%であった。16週目のDLQI合計スコア平均CFBは、レブリキズマブ治療患者で-9.3、プラセボ治療患者で-4.9改善された。統計的有意性は、ベースライン後の最初の評価である4週目という早い時期に達成され、DLQI≧4ポイントの改善及び合計スコアCFBについて16週目まで継続した。レブリキズマブ及びプラセボを受けていた患者について、16週目に、EQ-5D VASスコア平均CFB(それぞれ9.0及び5.2)及びEQ-5D-5L米国健康状態指数CFB(それぞれ0.08及び0.03)についても有意差が観察された。
【0124】
≧1のTEAEを報告した患者のパーセンテージは、ADvocate 1において同等であった(レブリキズマブ45.4%、プラセボ51.1%)及びADvocate 2(レブリキズマブ53.0%、プラセボ:66.2%)。
【0125】
最後のデータベースロックの後、併用薬、例えば救急薬の使用に関するいくつかの更新を、効力及び安全評価項目について考慮した。ADvocate 1(43.1%対12.7%[p<0.001])及びADvocate 2(33.2%対10.8%[p<0.001])において、レブリキズマブ250mg対プラセボを受けた統計的に高いパーセンテージの患者は、16週目にベースラインから≧2ポイントの改善を伴うIGA(0,1)を達成した。また、ADvocate 1(58.8%対16.2%[p<0.001])及びADvocate 2(52.1%対18.1%[p<0.001])において、レブリキズマブ対プラセボ群で16週目にEASI-75応答を達成した患者のパーセンテージも高かった。16週目のEASI-90の対応する割合は、ADvocate 1では38.3%対9.0%(p<0.001)であり、ADvocate 2では30.7%対9.5%(p<0.001)であった。16週目までのEASIスコアにおけるベースラインから最小二乗平均(least-squares mean、LSM)変化パーセントは、プラセボ治療患者(ADvocate 1では-26.0、ADvocate 2では-28.0、p<0.001)と比較して、レブリキズマブ治療患者において有意に大きかった(ADvocate 1では-64.3、ADvocate 2では-61.5、p<0.001)。レブリキズマブ250mg対プラセボを受けた有意に大きい(p<0.001)割合の患者が、掻痒NRSスコアにおいて16週目にベースラインから少なくとも4ポイントの改善(ADvocate 1:45.9%対13%及びADvocate 2:39.8%対11.5%)、睡眠喪失スケールにおいて≧2ポイントの改善(ADvocate 1:39%対4.7%及びADvocate 2:28%対8.2%)、及びDLQIにおいて≧4ポイントの改善を達成した。加えて、レブリキズマブは、16週目において、プラセボ群に対して、掻痒NRSスコアにおけるLSMのベースラインからの変化パーセンテージ、及び睡眠喪失スケールにおけるベースラインからのLSM変化、及びDLQIにおける臨床的に著しい改善を示した。
【0126】
レブリキズマブ250mgは、迅速な作用開始を示した。両方の研究において、プラセボに対する統計的有意性は、IGA(0,1)について4週目に開始して達成され、≧2ポイントの改善、EASI-90、及び掻痒NRS≧4ポイントの改善を伴い、これらは全て多重度について制御された。
【0127】
救急薬の使用は、レブリキズマブ治療患者と比較して、ADvocate 1及びADvocate 2のプラセボ治療患者において、それぞれ約3倍及び2倍大きかった。プラセボ治療に割り当てられた患者は、レブリキズマブ治療を受けていた患者よりも早期に救急療法を必要とした。早くも2週目に局所及び/又は全身救済療法を必要とするプラセボ治療患者のパーセンテージは、ADvocate 1において5.0%(レブリキズマブ治療患者1.4%に対して)及びADvocate 2において10.3%(レブリキズマブ治療患者3.9%に対して)であった。救急患者は、全身療法とは対照的に、主に局所治療を受けた。
【0128】
治療下で発生した有害事象TEAE)は、プラセボ患者の51.8%(N=73)及び66.2%(N=96)において報告され、これに対して、ADvocate 1及びADvocate 2においてそれぞれ、レブリキズマブ250mgを受けた患者の45.7%(N=129)及び53.4%(N=150)において報告された。ほとんどのTEAEは、重篤度が軽度から中程度であり、治療中止の頻度が低かった。両方の研究において、低頻度の注射部位反応(ADvocate 1は1.1%、ADvocate 2は2.1%)、重篤な有害事象(ADvocate 1は2.1%、ADvocate 2は0.7%)、及び研究中止につながるTEAE(ADvocate 1は1.1%、ADvocate 2(3.2%)がレブリキズマブ250mgで治療された患者について報告され、プラセボ群における患者の割合に匹敵した。ADvocate 2のプラセボ群では1人が死亡した。最も一般的なTEAE(レブリキズマブ群において≧5%の発生率であり、プラセボ群よりも高い頻度で一貫して報告された)は、ADvocate 1(7.4%)及びADvocate 2(7.5%)における結膜炎であった。全ての結膜炎関連TEAEは、重篤度が軽度から中程度であった。
【0129】
不安及びうつの改善は、成人における不安及びうつ病についての患者報告アウトカム測定情報システム(Patient-Reported Outcomes Measurements Information Systems)(PROMIS)スケールを使用して、ADvocate 1及びADvocate 2において測定された。欠損データは、最終観察繰越(last observation carried forward、LOCF)によって補完された。ADvocate 1では、ベースライン不安スコアは、レブリキズマブ250mg(N=246)又はプラセボ(N=123)を受けていた患者について52.9及び54.3であり、ベースラインうつスコアは、それぞれ49.8及び50.0であった。16週目における不安のベースラインからの変化(change from baseline、CFB)は、レブリキズマブ250mg群について-3.99であったのに対し、プラセボ群について-0.62であり(p<0.001)、うつCFBは、それぞれ-3.16対-0.40(p=0.002)であった。ADvocate 2では、ベースライン不安スコアは、レブリキズマブ250mg群(N=251)及びプラセボ群(N=129)について、それぞれ54.4及び55.0であり、うつスコアは51.3及び51.2であった。16週目の不安CFBは、レブリキズマブ250mg群について-3.00であったのに対し、プラセボ群について-0.43であり(p<0.001)、うつCFBは、それぞれ-2.38対0.19(p=0.13)であった。
【0130】
維持期間にわたって、誘導期間(又は第1の期間)中にレブリキズマブ治療を受け、16週目に応答者とみなされる患者において、レブリキズマブQ4W及びQ2W維持投薬の両方は、驚くべきことに、IGA、EASI-75、掻痒NRSによって測定されるように、52週目に同様の割合で、臨床的に意味のあるパーセンテージの患者において応答を保持した(
図6A~
図6F参照)。ADvocate 1では、レブリキズマブQ4Wを受けた患者の79%及びレブリキズマブQ2Wを受けた患者の79%が、52週目にEASI-75を維持し(
図6C参照)、レブリキズマブQ4Wを受けた患者の74%及びレブリキズマブQ2Wを受けた患者の76%が、0又は1のIGAを維持し、52週目に≧2ポイントの改善があった。加えて、ADvocate 2では、レブリキズマブQ4Wを受けた患者の85%及びレブリキズマブQ2Wを受けた患者の77%が、52週目にEASI-75応答を維持し(
図6D参照)、レブリキズマブQ4Wを受けた患者の81%及びレブリキズマブQ2Wを受けた患者の65%が、0又は1のIGAを維持し、52週目に≧2ポイントの改善があった。ADvocate 1及びADvocate 2では、レブリキズマブQ2Wの患者の81.2%及び90.3%が、掻痒数値評価スケール(Numeric Rating Scale、NRS)においてベースラインから52週目まで4ポイント以上の改善を維持したのに対して、レブリキズマブQ4Wの患者はそれぞれ80.4%及び88.1%であった。全体として、ADvocate 1及び2における16週目のレブリキズマブ応答者の約80%が、52週目の皮膚クリアランス及び疾患重篤度の改善を維持し、痒みの持続的な改善もまた、レブリキズマブで治療した患者において52週目に観察された。予想外に、レブリキズマブの離脱後の応答の喪失は比較的遅く、維持期間中にプラセボに再無作為化された患者の約半数(「レブリキズマブ離脱群」)は、52週目に依然として応答を有していた(
図6A~
図6F参照)。ADvocate 1及びADvocate 2では、レブリキズマブ離脱群の患者の61%及び72%が、それぞれ52週目にEASI-75を満たし続けた。掻痒NRS応答を維持したレブリキズマブ離脱群の患者の割合は、65.4%(ADvocate 1)及び67.6%(ADvocate 2)であった。治療群にわたって、任意の救急療法を使用した患者の割合は、14.0%(ADvocate 1)及び16.4%(ADvocate 2)であった。
【0131】
レブリキズマブQ2W及びQ4Wについての全体的な安全プロファイルは同等であり、維持期間において新たな安全所見はなかった(
図7参照)。低頻度のSAE及びAEは中止をもたらし、死亡は報告されなかった。ほとんどの報告された有害事象は、軽度から中程度の重篤度であった。研究全体にわたるレブリキズマブ治療群の結膜炎は、14.5%である。1つの注射部位反応のみが報告された。
【0132】
レブリキズマブQ2Wによる16週間の誘導後、レブリキズマブQ2W及びレブリキズマブQ4Wの両方は、良好な安全プロファイルで中程度から重度のアトピー性皮膚炎の徴候及び症状の改善を維持した。
【0133】
実施例2.曝露応答モデリング及びシミュレーション
レブリキズマブについての曝露-応答関係を、AD患者における5つの無作為化二重盲検プラセボ対照研究の組み合わせPK-PD分析において評価した(ADvocate 1及びADvocate 2からの誘導期間データ(16週目)、NCT04250337、NCT03443024、NCT02340234)。レブリキズマブ曝露と湿疹面積及び重篤度指数(EASI)応答との間の関係を、これらの二重盲検プラセボ対照第2相及び第3相AD研究からのデータに基づいて評価した。EASIは連続変数であるので、EASIをモデリングのために選択した。レブリキズマブ第3相データにおいてEASI90とIGA(0,1)との間に88%の高い一致があり、それによって、このタイプのモデル化のためのEASI評価項目の適切性及び有用性が更に確認された。
【0134】
レブリキズマブに対する長期的なEASI応答は、レブリキズマブ薬効果、プラセボ効果、及び時変TCS効果を含む間接的効果モデルによって十分に説明された。以下の共変量の著しい効果は、E-Rモデルにおいて同定されなかった:年齢、性別、体重(連続及びカテゴリ)、人種、及びベースラインIGA(中程度対重度)。モデル図を
図8Aに示し、モデルパラメータを
図8Bに示す。
【0135】
最終E-Rモデルの開発後、このモデルを使用して、レブリキズマブについての曝露及び用量反応の異なる態様を調査した。導入投薬レジメン(0週目及び2週目に500mgの負荷用量、続いて14週目まで250mg Q2W)で16週目にEASI-75を達成した参加者についての維持投与選択肢を探索するために、E-Rモデルを使用したシミュレーションを行った。各投薬レジメンをn=125人の患者の群についてシミュレートし、シミュレーションを500回繰り返した。第3相研究における治療群当たりの典型的な試料サイズに基づいて、n=125を選択した。シミュレーションでは、16週目にEASI-75応答を満たした患者を応答者又は非応答者カテゴリのいずれかに分け、応答者及び非応答者についてのデータを様々な投薬レジメンについて別々に要約した。
【0136】
シミュレーションに基づいて、16週目~52週目に250mg Q2W(2週間に1回)又は250mg Q4W(4週間に1回)維持レジメンに移行した16週目の応答者について、高レベルのEASI応答が予測された。EASI-75及びEASI-90シミュレーションを
図9~
図12に示す。これらのシミュレーションは、第3相から観察されたデータと一致した(比較データは示さず)。
【0137】
シミュレーションに基づいて、16週目にプラセボに移行した応答者について、長期にわたるEASI応答が予測された(
図9及び
図11)。プラセボ(レブリキズマブ離脱群)について観察された効力データは、E-Rモデルを使用したシミュレーションと一致した(データは示さず)。長期持続効果は、レブリキズマブの長いPK半減期及び間接的なE-R関係に起因する。
【0138】
16週後の250mg Q8W(8回に1回)維持レジメンを含む、第3相で研究されなかった追加の投薬レジメン選択肢を調査した。250mg Q8W維持レジメンを継続した16週目の応答者について、高レベルの効力が予測された。EASI-75及びEASI-90シミュレーションを
図9~
図12に示す。EASI-75及びEASI-90についてのシミュレーションは、Q4Wと比較してQ8W投与についてわずかに低減されるが、Q8Wは依然として高レベルの応答を示す(
図9~
図12)。Q4WとQ8Wとの間に95%信頼区間のいくらかの重複があり(
図10及び
図12)、これらの2つの投薬レジメンが両方とも高レベルの効力をもたらし、互いに同等であることも示唆している。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2024-03-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗IL-13抗体を含む、患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に使用するための医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、16週間の誘導期間にわたって投与されるように用いられるためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されるように用いられるためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、4週間に1回、250mgで投与されるように用いられるためのものである、医薬組成物。
【請求項2】
抗IL-13抗体を含む、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、16週間の誘導期間にわたって投与されるように用いられるためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されるように用いられるためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、4週間に1回、250mgで投与されるように用いられるためのものである、医薬組成物。
【請求項3】
抗IL-13抗体を含む、患者における中程度から重度のアトピー性皮膚炎の治療に使用するための医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、16週間の誘導期間にわたって投与されるように用いられるためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されるように用いられるためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、250mgで8週間に1回、投与されるように用いられるためのものである、医薬組成物。
【請求項4】
抗IL-13抗体を含む、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する患者における睡眠喪失の低減に使用するための医薬組成物であって、前記抗IL-13抗体が、重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)を含み、前記VHが、配列番号1を含むHCDR1、配列番号2を含むHCDR2、及び配列番号3を含むHCDR3を含み、前記VLが、配列番号4を含むLCDR1、配列番号5を含むLCDR2、及び配列番号6を含むLCDR3を含み、前記抗IL-13抗体又は医薬組成物が、16週間の誘導期間にわたって投与されるように用いられるためのものであり、前記誘導期間中、前記抗IL-13抗体が、ベースライン(0週目)及び2週目に500mg、その後、14週間にわたって2週間に1回、250mgで投与されるように用いられるためのものであり、前記抗IL-13抗体が、8~36週間の維持期間にわたって、250mgで8週間に1回、投与されるように用いられるためのものである、医薬組成物。
【請求項5】
前記患者が、前記ベースラインで少なくとも1年間、中程度から重度のアトピー性皮膚炎を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記中程度から重度のアトピー性皮膚炎が、American Academy of Dermatology Consensus Criteria for Chronic Atopic Dermatitisによって決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記患者が、前記ベースラインにおいて、16以上のEASIスコア、3以上のIGAスコア、及びアトピー性皮膚炎に罹患した10%超の体表面積(BSA)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記患者が、局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールに対する不十分な応答を有するか、又は局所コルチコステロイド、局所カルシニューリン阻害剤、若しくはクリサボロールが、前記患者にとって医学的に勧められない、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記患者が、12歳以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記患者のEASIスコアが、ベースラインにおいて、かつ前記誘導期間中及び前記誘導期間後に決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記患者のIGAスコアが、ベースラインにおいて、かつ前記誘導期間中及び前記誘導期間後に決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
ベースラインにおける、かつ前記誘導期間中及び前記誘導期間後の前記患者の以下の特徴:アトピー性皮膚炎に罹患したBSAのパーセンテージ、掻痒NRSスコア、SCORADスコア、睡眠喪失スコア、POEM合計スコア、DLQI又はCDLQIスコア、EQ-5D、ACQ-5、PROMIS不安及びうつ症状のうちの1つ以上が決定される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記誘導期間後に決定された前記患者のEASIスコアが、前記ベースラインにおける前記患者のEASIスコアと比較して75%以上減少している場合、前記患者が応答者である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記患者のIGAスコアが、前記誘導期間後に0又は1であり、前記誘導期間後に決定された前記患者のIGAスコアが、前記ベースラインにおける前記患者のIGAスコアと比較して2ポイント以上減少している場合、前記患者が応答者である、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記睡眠喪失が、前記患者の睡眠喪失スコアによって決定される、請求項2又は4に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記抗IL-13抗体治療後の前記患者の睡眠喪失スコアが、ベースラインにおける前記患者の睡眠スコアと比較して2ポイント以上減少している、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
前記維持期間が、36週間である、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記抗体が、配列番号7を含むVHと、配列番号8を含むVLとを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記抗体が、配列番号9を含む重鎖と、配列番号10を含む軽鎖とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記抗体が、レブリキズマブである、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記抗IL-13抗体が、皮下投与デバイスを使用して前記患者に投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記皮下投与デバイスが、充填済みシリンジ、使い捨てペン型注射デバイス、マイクロニードルデバイス、微量注入デバイス、無針注射デバイス、又は自動注射デバイスから選択される、請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記患者が、1つ以上の局所コルチコステロイドも投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、又はトリアムシノロンアセトニドとヒドロコルチゾンとの組み合わせである、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記1つ以上の局所コルチコステロイドが、前記抗体と同時に投与される、請求項23に記載の医薬組成物。
【国際調査報告】