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特表2024-531206操作が便利な3Dプリント装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】操作が便利な3Dプリント装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/135 20170101AFI20240822BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240822BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240822BHJP
   B29C 64/236 20170101ALI20240822BHJP
   B29C 64/255 20170101ALI20240822BHJP
【FI】
B29C64/135
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/236
B29C64/255
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508488
(86)(22)【出願日】2022-06-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 CN2022101742
(87)【国際公開番号】W WO2023245692
(87)【国際公開日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202210698145.8
(32)【優先日】2022-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520217401
【氏名又は名称】深▲せん▼摩方新材科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】彭 冲
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL13
4F213WL72
4F213WL73
(57)【要約】
本出願は、操作が便利な3Dプリント装置及び方法に関する。3Dプリント装置は、液タンクと、プリントプラットフォームと、離型フィルム組立体と、レベリングホブ組立体と、気泡スクレーパとを含む。液タンクの片側が拡幅されて延伸領域が形成される。気泡スクレーパは、延伸領域内に配置され、液タンクの延伸領域の下部で且つ本体領域に近い側に固定される。離型フィルム組立体、レベリングホブ組立体はいずれも横方向に移動することができる。本発明の有益な効果は以下のとおりである。1、プリント前及びプリント完了後の手動操作の回数が少なく、操作が簡単である。2、レベリングホブが精密で壊れやすい部材であるため、本発明は、レベリングホブを頻繁に手動で取り付けたり取り外したりすることにより引き起こされる損傷のリスクを低減し、レベリングホブを再び取り付けることによるホブの水平調整の繰り返しによって生じる時間の無駄を低減する。3、離型フィルムを取り外す際に液状樹脂が付着するため、本発明は、液状樹脂の落下による汚染のリスクを低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作が便利な3Dプリント装置であって、液タンク(1)と、プリントプラットフォーム(2)と、離型フィルム組立体(3)と、レベリングホブ組立体(4)と、気泡スクレーパ(5)とを含み、
前記液タンク(1)は、プリント用の液状樹脂(6)を収容するために使用され、本体領域及び延伸領域を有し、前記延伸領域は、前記本体領域の上部の片側に配置され、
前記プリントプラットフォーム(2)は、プリントサンプル(7)を運んで、前記液タンク(1)の本体領域に進入するために使用され、
前記離型フィルム組立体(3)は、離型フィルム及び離型フィルム駆動組立体を含み、前記離型フィルム駆動組立体は、前記離型フィルムを平行移動させて、前記離型フィルムが前記本体領域又は前記延伸領域間を移動できるようにするために使用され、
前記レベリングホブ組立体(4)は、レベリングホブ本体(300)とホブ駆動組立体を含み、前記ホブ駆動組立体は前記レベリングホブ本体(300)を平行移動させて、前記レベリングホブ本体(300)が前記本体区域又は前記延伸領域間を移動できるようにするために使用され、前記レベリングホブ本体(300)の最下部は前記離型フィルムの上面と面一になり、
前記気泡スクレーパ(5)は、前記延伸領域内に配置され、前記液タンク(1)の延伸領域の下部で前記本体領域に近い側に固定され、前記気泡スクレーパ(5)の上部は前記離型フィルムの下部に位置合わせされる、ことを特徴とする操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項2】
前記気泡スクレーパ(5)は、ばね及びガイド軸を介して前記液タンク(1)の延伸領域の下部に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項3】
前記離型フィルム組立体(3)は、
取付け基板(101)と、
プリントプラットフォーム(2)が液タンク(1)の本体領域と延伸領域との間を移動する方向である第1方向に沿って、取付け基板(101)上に固定されたリニアガイドレール(102、103)と、
前記リニアガイドレール(102、103)上に取り付けられた離型フィルム駆動組立体の駆動により第1方向に沿って移動可能な離型フィルムホルダ組立体であって、前記離型フィルムホルダ組立体は離型フィルム張り治具部材(500)を有し、離型フィルムが前記離型フィルム張り治具部材(500)に取り付けられる離型フィルムホルダ組立体と、
を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項4】
離型フィルムホルダ組立体は、
第1スライドブロック(122、124)を介して前記リニアガイドレール(102、103)に接続された伝動フレーム(109)と、
前記伝動フレーム(109)に固定された離型フィルム水平調整支柱(110、111、112)と、
水平調整フレーム(113)であって、離型フィルム水平調整ノブ(120、121)を介して離型フィルム水平調整支柱(110、111、112)に接続され、前記水平調整フレーム(113)には前記離型フィルム張り治具部材(500)が取り付けられる水平調整フレーム(113)と、
を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項5】
前記離型フィルム駆動組立体は、
取付け基板(101)の下部に固定された第1ステップモーター(105)と、
前記第1ステップモーター(105)に接続され、且つ前記伝動フレーム(109)に接続されて、前記伝動フレーム(109)の駆動を実現する第1同期ベルト(107)と、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項6】
前記取付け基板(101)上にリミットストッパー(108)がさらに設けられ、リミットストッパー(108)は取付け基板(101)の四隅に配置されて、伝動フレーム(109)の活動が活動限界を超えることを避けるために使用される、ことを特徴とする請求項3に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項7】
取付け基板(101)上に位置センサー(114)がさらに設けられ、センサー(114)は前記取付け基板(101)の片側の縁に取り付けられ、伝動フレーム(109)の位置を感知するために使用され、離型フィルム張り治具部材(500)の横移動位置は、位置センサー(114)によって制限される、ことを特徴とする請求項4に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項8】
前記ホブ駆動組立体は、
取付け基板(101)の下部に固定された第2ステップモーター(104)と、
前記第2ステップモーター(104)に接続され、且つ前記リニアガイドレール(102、103)に移動可能に取り付けられたホブホルダ組立体に接続されて、前記ホブホルダ組立体の駆動を実現する第2同期ベルト(106)と、を含む、ことを特徴とする請求項5に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項9】
前記ホブホルダ組立体は、
第2スライドブロック(123)を介して前記リニアガイドレール((102)、(103))に接続された伝動連接棒(115)と、
前記伝動連接棒(115)の両側にそれぞれ取り付けられた後ホブ水平調整支柱(116)、前ホブ水平調整支柱(117)と、を含み、
前記後ホブ水平調整支柱(116)、前ホブ水平調整支柱(117)と前記伝動連接棒(115)との接続箇所はそれぞれ後ホブ水平調整ノブ(118)、前ホブ水平調整ノブ(119)により調整され、
前記後ホブ水平調整支柱(116)、前ホブ水平調整支柱(117)の上部は前記レベリングホブ本体(300)に接続される、ことを特徴とする請求項8に記載の操作が便利な3Dプリント装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の3Dプリント装置を使用し、離型フィルムを用いて液体を水平に押し出してコーティングする3Dプリント方法であって、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体を延伸領域に移動させ、プリントプラットフォーム(2)を液タンク(1)の本体領域内に取り付けるステップS1と、
離型フィルムが本体領域まで移動するように制御し、プリントプラットフォーム(2)がプリント待ち位置まで昇降するように制御し、プリントプラットフォーム(2)と離型フィルムの下面との間の距離が1層の厚さであることを保証し、レベリングを待つステップS2と、
離型フィルムが移動しないように保持し、レベリングホブ組立体が液タンク(1)の本体領域に向かって移動し始め、離型フィルムの左側又は右側の縁に移動した後停止するステップS3と、
離型フィルムが移動しないように保持し、レベリングホブ組立体が離型フィルムの他方側の縁に移動するステップS4と、
離型フィルムの膨らみが除去されるまで、ステップS3~S4を繰り返すステップS5と、
UVレンズ(8)により離型フィルムにパターンを焦点合わせし、露光及び硬化を実行して、硬化したパターンを得るステップS6と、
プリントプラットフォーム(2)が下降するように制御し、硬化して得られたプリントサンプル(7)を離型フィルムから分離するステップS7と、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体が液タンク(1)の延伸領域まで横移動するように制御し、次に気泡スクレーパ(5)が上昇して離型フィルムの下面と密接するように制御するステップS8と、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体が液タンク(1)の本体領域まで横移動するように制御し、同時に気泡スクレーパ(5)を利用して離型フィルムの下面の気泡を掻き出し、次に気泡スクレーパ(5)が下降するように制御するステップS9と、
サンプルのプリントが完了するまで、ステップS2~S9を繰り返すステップS10と、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体が液タンク(1)の延伸領域まで横移動するように制御して、プリントサンプル(7)を運んでいるプリントプラットフォーム(2)を取り外すステップS11と、
を含む、ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、光硬化3Dプリントの技術分野に関し、特に、操作が便利な3Dプリント装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高精度光硬化3Dプリントは、光機が上に、液タンクが下に配置される案を採用することが多い。その目的は、より薄い離型フィルムやセルフレベリング方式を利用して、パターンをより正確に感光性樹脂に投影し、高精度を達成することである。しかしながら、プリントフォーマットの要求が高まり、液状樹脂の兼ね備える粘度への要求が高まるにつれ、離型フィルムの方式を採用しても、実際のプリント中に、より理想的な層の厚さを得るために長時間のレベリング待ち時間が必要となる。そのため、BMFは、プリントレベリング時間が長いことによる効率の低下の問題を解決するために、新たなホブ高速レベリング方式を開発した。
図1に示すのは、現在の3Dプリント構造原理図であり、光路は液タンク1の上方に配置され、離型フィルム組立体3は液タンク1に固定される。プリントプラットフォーム2が上昇するときに液状樹脂6が引き上げられて、離型フィルム組立体3が上方に膨らむ。その際、離型フィルム組立体3の上面に設けられたレベリングホブ組立体4が左右に回転して離型フィルム組立体3の膨らみを解消することができる。この方式により、プリント中のレベリング待ち時間が大幅に短縮される。この方式には、離型フィルム組立体3の下面に密着して左右にスライドできる気泡スクレーパ5がさらに設けられる。その目的は、離型フィルム組立体3の下面の気泡を除去し、プリント品質への影響を及ぼさないようにすることである。現在の方式では、毎回プリントの前に、まずプリントプラットフォーム2を手動で取り付け、次に離型フィルム組立体3を手動で取り付け、最後にレベリングホブ組立体4を手動で取り付ける必要があり、毎回プリント完了後、プリントしたサンプルを得るために、まずレベリングホブ組立体4を手動で取り外し、次に離型フィルム組立体3を手動で取り外し、最後にプリントプラットフォーム2を手動で取り外す必要がある。
【0003】
現在、ホブ高速レベリングの方式を採用する場合、毎回プリントの前に、プリントプラットフォーム2を手動で取り付け、次に離型フィルム組立体3を手動で取り付け、最後にレベリングホブ組立体4を手動で取り付ける必要があり、毎回プリント完了後、プリントしたサンプルを得るために、まずレベリングホブ組立体4を手動で取り外し、次に離型フィルム組立体を手動で取り外し、最後にプリントプラットフォーム2を手動で取り外す必要がある。
【0004】
現在、この方式の欠点は次のとおりである。
1. プリント前及びプリント完了後の手動操作が煩雑且つ複雑である。
2. レベリングホブは、精密で壊れやすい部材であり、頻繁に手動で取り付けたり取り外したりすると損傷するリスクがある。
3. 離型フィルムを取り外す際に液状樹脂が付着するため、液状樹脂の落下による汚染のリスクがある。
【発明の概要】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的問題は、従来技術における光硬化3Dプリント機器が、プリントしたサンプルを取るとき、毎回プリントが完了した後、プリントしたサンプルを得るために、まずレベリングホブを手動で取り外し、次に離型フィルム組立体を手動で取り外し、最後にプリントプラットフォームを手動で取り外す必要があるという問題を解決するために、操作が便利な3Dプリント装置及び方法を提供することである。
【0006】
本発明の技術的解決策は、操作が便利な3Dプリント装置である。この装置は、液タンクと、プリントプラットフォームと、離型フィルム組立体と、レベリングホブ組立体と、気泡スクレーパ5とを含む。
前記液タンクは、プリント用の液状樹脂を収容するために使用され、本体領域及び延伸領域を有し、前記延伸領域は、前記本体領域の上部の片側に配置され、
前記プリントプラットフォームは、プリントサンプルを運んで、前記液タンクの本体領域に進入するために使用され、
前記離型フィルム組立体は、離型フィルム及び離型フィルム駆動組立体を含み、前記離型フィルム駆動組立体は、前記離型フィルムを平行移動させて、前記離型フィルムが前記本体領域又は前記延伸領域間を移動できるようにするために使用される。
前記レベリングホブ組立体は、レベリングホブ本体とホブ駆動組立体を含む。前記ホブ駆動組立体は前記レベリングホブ本体を平行移動させて、前記レベリングホブ本体が前記本体区域又は前記延伸領域間を移動できるようにするために使用される。前記レベリングホブ本体の最低部は前記離型フィルムの上面と面一になっている。
前記気泡スクレーパは、前記延伸領域内に配置され、前記液タンクの延伸領域の下部で前記本体領域に近い側に固定される。前記気泡スクレーパの上部は前記離型フィルムの下部に位置合わせされる。
【0007】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、前記気泡スクレーパは、ばね及びガイド軸を介して前記液タンクの延伸領域の下部に取り付けられる。
【0008】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、前記離型フィルム組立体は、
取付け基板と、
プリントプラットフォームが液タンクの本体領域と延伸領域との間を移動する方向である第1方向に沿って、取付け基板上に固定されたリニアガイドレールと、
前記リニアガイドレール上に取り付けられた離型フィルム駆動組立体の駆動により第1方向に沿って移動可能な離型フィルムホルダ組立体であって、前記離型フィルムホルダ組立体は離型フィルム張り治具部材を有し、離型フィルムが前記離型フィルム張り治具部材に取り付けられる離型フィルムホルダ組立体と、を含む。
【0009】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、離型フィルムホルダ組立体は、
第1スライドブロックを介して前記リニアガイドレールに接続された伝動フレームと、
前記伝動フレームに固定された離型フィルム水平調整支柱と、
水平調整フレームであって、離型フィルム水平調整ノブを介して離型フィルム水平調整支柱に接続され、前記水平調整フレームには前記離型フィルム張り治具部材が取り付けられる水平調整フレームと、を含む。
【0010】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、前記離型フィルム駆動組立体は、
取付け基板の下部に固定された第1ステップモーターと、
前記第1ステップモーターに接続され、且つ前記伝動フレームに接続されて、前記伝動フレームの駆動を実現する第1同期ベルトと、を含む。
【0011】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、前記取付け基板上にリミットストッパーがさらに設けられる。リミットストッパーは取付け基板の四隅に配置されて、伝動フレームの活動が活動限界を超えることを避けるために使用される。
【0012】
好ましくは、本発明に係る操作が便利な3Dプリント装置では、取付け基板上に位置センサーがさらに設けられる。前記センサーは前記取付け基板の片側の縁に取り付けられ、伝動フレームの位置を感知するために使用される。離型フィルム張り治具部材の横移動位置は、位置センサーによって制限される。
【0013】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、前記ホブ駆動組立体は、
取付け基板の下部に固定された第2ステップモーターと、
前記第2ステップモーターに接続され、且つホブホルダ組立体に接続されて、前記ホブホルダ組立体の駆動を実現する第2同期ベルトと、を含む。前記ホブホルダ組立体は、前記リニアガイドレールに移動可能に取り付けられる。
【0014】
好ましくは、本発明による操作が便利な3Dプリント装置では、前記ホブホルダ組立体は、
第2スライドブロックを介して前記リニアガイドレールに接続された伝動連接棒と、
前記伝動連接棒の両側にそれぞれ取り付けられた後ホブ水平調整支柱、前ホブ水平調整支柱と、を含む。前記後ホブ水平調整支柱、前ホブ水平調整支柱と前記伝動連接棒との接続箇所はそれぞれ後ホブ水平調整ノブ、前ホブ水平調整ノブにより調整される。
前記後ホブ水平調整支柱、前ホブ水平調整支柱の上部は前記レベリングホブ本体に接続される。
【0015】
上記の3Dプリント装置を使用し、離型フィルムを用いて液体を水平に押し出してコーティングする3Dプリント方法であって、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体を延伸領域に移動させ、プリントプラットフォームを液タンクの本体領域内に取り付けるステップS1と、
離型フィルムが本体領域まで移動するように制御し、プリントプラットフォームがプリント待ち位置まで昇降するように制御し、プリントプラットフォームと離型フィルムの下面との間の距離が1層の厚さであることを保証し、レベリングを待つステップS2と、
離型フィルムが移動しないように保持し、レベリングホブ組立体が液タンクの本体領域に向かって移動し始め、離型フィルムにより近い左側又は右側の縁に移動した後停止するステップS3と、
離型フィルムが移動しないように保持し、レベリングホブ組立体が離型フィルムの他方側の縁に移動するステップS4と、
離型フィルムの膨らみが除去されるまで、ステップS3~S4を繰り返すステップS5と、
UVレンズにより離型フィルムにパターンを焦点合わせし、露光及び硬化を実行して、硬化したパターンを得るステップS6と、
プリントプラットフォームが下降するように制御し、硬化して得られたプリントサンプルを離型フィルムから分離するステップS7と、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体が液タンクの延伸領域まで横移動するように制御し、次に気泡スクレーパが上昇して離型フィルムの下面と密接するように制御するステップS8と、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体が液タンクの本体領域まで横移動するように制御し、同時に気泡スクレーパを利用して離型フィルムの下面の気泡を掻き出し、次に気泡スクレーパが下降するように制御するステップS9と、
サンプルのプリントが完了するまで、ステップS2~S9を繰り返すステップS10と、
離型フィルム及びレベリングホブ組立体が液タンクの延伸領域まで横移動するように制御して、プリントサンプルを運んでいるプリントプラットフォームを取り外すステップS11と、を含む。
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
1.プリント前及びプリント完了後の手動操作の回数が少なく、操作が簡単である。
2.レベリングホブが精密で壊れやすい部材であるため、本発明は、レベリングホブを頻繁に手動で取り付けたり取り外したりすることにより引き起こされる損傷のリスクを低減し、レベリングホブを再び取り付けることによるホブの水平調整の繰り返しによって生じる時間の無駄を低減する。
3.離型フィルムを取り外す際に液状樹脂が付着するため、本発明は、液状樹脂の落下による汚染のリスクを低減する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
以下、添付の図面及び実施例を参照しながら、本出願の技術的解決策をさらに詳細に説明する。
図1】従来のホブレベリング式の3Dプリント原理の模式図である。
図2】本出願の実施例に係る操作が便利な3Dプリント装置の構造模式図である。
図3】本出願の実施例に係る操作が便利な3Dプリント装置の動作ステップの模式図である。
図4】本出願の実施例に係る操作が便利な3Dプリント装置の全体構造の斜視図である。
図5】本出願の実施例に係る操作が便利な3Dプリント装置の全体構造の側面図である。
図6】本出願の実施例に係る離型フィルム組立体、レベリングホブ組立体の構造模式図である。
図7】本出願の実施例に係る液タンク部材の構造模式図である。
図8】本出願の実施例に係るレベリングホブ本体と気泡スクレーパ本体の構造模式図である。
【符号の説明】
【0018】
1.液タンク、2.プリントプラットフォーム、3.離型フィルム組立体、4.レベリングホブ組立体、5.気泡スクレーパ、6.液状樹脂、7.プリントサンプル、8.UVレンズ、122、124.第1スライドブロック、123.第2スライドブロック、101.取付け基板、102、103.リニアガイドレール、104.第2ステップモーター、105.第1ステップモーター、106.第2同期ベルト、107.第1同期ベルト、108.リミットストッパー、109.伝動フレーム、110、111、112.離型フィルム水平調整支柱、113.水平調整フレーム、114.位置センサー、115.伝動連接棒、116.後ホブ水平調整支柱、117.前ホブ水平調整支柱、118.後ホブ水平調整ノブ、119.前ホブ水平調整ノブ、120、121.離型フィルム水平調整ノブ、500.離型フィルム張り治具部材、200.液タンク本体、400.気泡スクレーパ本体。
【発明を実施するための形態】
【0019】
なお、矛盾がない場合、本出願の実施例及び実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0020】
本発明の説明では、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語で示される方位又は位置関係は、図面で示される方位又は位置関係に基づいて、本出願の説明を容易にするためのものに過ぎず、言及された装置又は部品が必ず特定の方位を有し特定の方位で構造及び操作を指示又は示唆するものではないため、本出願の保護範囲に対する制限と理解することはできない。また、「第1」、「第2」などの用語は、説明の目的でのみ使用され、相対的な重要性を指示したり示唆したり、あるいは示される技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものとして理解することはできない。それにより、「第1」、「第2」などにより限定される特徴は、明示的に又は暗黙的に、1又は複数の該特徴を含むことができる。本発明の説明では、特に明記されていない限り、「複数」の意味は、2つ以上である。
【0021】
なお、本出願の説明では、特に明確に規定及び限定されていない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は広い意味で理解する必要がある。例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体型接続の場合がある。機械的連結又は電気的連結の場合がある。直接連結、中間媒体を介した間接的連結、又は2つの素子の内部連通の場合がある。当業者にとって、本出願における上記の用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
以下、添付の図面及び実施例を参照しながら、本出願の技術的解決策を詳細に説明する。
実施例
【0023】
本実施例は、操作が便利な3Dプリント装置を提供する。図2に示すように、この装置は、液タンク1と、プリントプラットフォーム2と、離型フィルム組立体3と、レベリングホブ組立体4と、気泡スクレーパ5とを含む。
前記液タンク1は、プリント用の液状樹脂6を収容するために使用され、本体領域及び延伸領域を有する。前記延伸領域は、前記本体領域の上部の片側に配置される。
前記プリントプラットフォーム2は、プリントサンプル7を運んで、前記液タンク1の本体領域に進入するために使用される。
前記離型フィルム組立体3は、離型フィルム及び離型フィルム駆動組立体を含み、前記離型フィルム駆動組立体は、前記離型フィルムを平行移動させて、前記離型フィルムが前記本体領域又は前記延伸領域間を移動できるようにするために使用される。
前記レベリングホブ組立体4は、レベリングホブ本体300とホブ駆動組立体を含む。前記ホブ駆動組立体は前記レベリングホブ本体300を平行移動させて、前記レベリングホブ本体300が前記本体区域又は前記延伸領域間を移動できるようにするために使用される。前記レベリングホブ本体300の最低部は前記離型フィルムの上面と面一になっている。
前記気泡スクレーパ5は、前記延伸領域内に配置され、前記液タンク1の延伸領域の下部で前記本体領域に近い側に固定される。前記気泡スクレーパ5の上部は前記離型フィルムの下部に位置合わせされる。
【0024】
本実施例に係る3Dプリント装置では、プリントプラットフォーム2の昇降は、移動シャフト(図示せず)により駆動され、プリントプラットフォーム2の昇降と離型フィルム組立体3の移動及びUV露光などの動作は、工業制御用コンピュータの制御ソフトウェアによって制御される。制御ソフトウェアにより、図3のフローチャートに従って各部材の動作が実行される。従来の方式(図1に示す)における液タンク1、離型フィルム組立体3、レベリングホブ4及び気泡スクレーパ5、ならびに具体的なプリントプロセスを革新し、液タンク1の左側の幅を広げ、離型フィルム組立体3に左右横移動の機能を追加し、気泡スクレーパ5の取付け構造を変更した。プリントサンプルを取るとき、離型フィルム組立体とレベリングホブ組立体を分解する必要がなくなり、プリント完了後、離型フィルムを液タンク1の左端に横移動させるだけで、プリントプラットフォーム2を容易に取り付ける又は取り外すことができる。
【0025】
気泡スクレーパ5は、ばね及びガイド軸を介して前記液タンク1の延伸領域の下部に取り付けられる。気泡スクレーパ5は、ばねとガイド軸の作用により、幅2mm以内の範囲でわずかに上下に浮動できる。離型フィルムが左右に横移動すると、気泡スクレーパ5は離型フィルムに対して左右に横移動して、気泡をスクレーピングする機能を完了する。前記気泡スクレーパ5は、一方向気泡スクレーパであってもよいし、双方向気泡スクレーパであってもよい。一方向気泡スクレーパについては、特許:公開(公告)第CN113942224A号を参照されたい。
【0026】
本実施例の3Dプリント装置は、図3に示すように、プリント前に、プリントプラットフォーム2と離型フィルムの両方が既に水平調整され、焦点が合わせられる。使用する方法は、以下のステップを含む:
1.プリントプラットフォームを取り付けるステップ:離型フィルム及びレベリングホブ組立体4を液タンク1の左側に横移動させ、プリントプラットフォーム2を取り付ける。
2.プリント待ち位置まで移動するステップ:離型フィルム及びレベリングホブ組立体4は液タンク1の右側のプリント待ち位置まで横移動する。
3.プリントプラットフォームが上昇するステップ:プリントプラットフォーム2が上昇して、離型フィルムの下面から1層の厚さの距離で離れ、レベリングを待つ。
4.ローリングレベリングの第1ステップ:離型フィルムは液タンク1に対して静止し、レベリングホブ組立体4は左に向かって移動し始め、離型フィルムの左側に移動した後停止する。
5.ローリングレベリングの第2ステップ:離型フィルムは液タンク1に対して静止し、レベリングホブ組立体4は右に向かって移動し始め、離型フィルムの右側に移動する。
6.ローリングレベリングの繰り返しステップ:離型フィルムの膨らみが除去されるまで、ステップ3~5を繰り返す。
7.露光ステップ:UV面投影がUVレンズ8を通して、パターンを離型フィルムに焦点合わせし、露光及び硬化を実行して、硬化したパターンを得る。該露光は、単一投影露光であってもよいし、マルチ光機投影露光、又はXY軸駆動のマルチ投影露光であってもよい。
8.離型ステップ:プリントプラットフォーム2が下降して、硬化して得られたプリントサンプル7を離型フィルムから分離する。
9.気泡スクレーピングの第1ステップ:離型フィルム及びレベリングホブ組立体4は液タンク1の左側まで左に向かって横移動し、一方向気泡スクレーパ5をトリガーして上昇させて、離型フィルムの下面に密接させる。
10.気泡スクレーピングの第2ステップ:離型フィルム及びレベリングホブ組立体4は液タンク1の右側のプリント待ち位置まで右に向かって横移動する。このプロセス中に、気泡スクレーパ5は作動して、気泡を離型フィルムの下面から掻き出す。それらが液タンク1の右側に移動すると、一方向気泡スクレーパ5をトリガーして下降させ、離型フィルムの下面から分離する。
11.レイヤごとのプリントステップ:サンプルのプリントが完了するまで、ステップ3~10を繰り返す。
12.プリントプラットフォームを取り外すステップ:離型フィルム及びレベリングホブ組立体4を液タンク1の左側に横移動させ、プリントサンプル7を運んでいるプリントプラットフォーム2を取り外す。
【0027】
好ましくは、図4図5図7に示すように、本実施例の3Dプリント装置において、液タンク1の液タンク本体200は、内部が中空であり、液状樹脂を貯留することができる。図7に示すように、右側は液タンク1の本体領域であり、深さがより深く、左側は液タンク1の延伸領域であり、深さがより浅く、且つ本体領域に近い側の縁の下部に気泡スクレーパ本体400が固定されている。
【0028】
好ましくは、図4図5図6に示すように、離型フィルム組立体3は、
取付け基板101と、
第1方向(プリントプラットフォーム2が液タンク1の本体領域と延伸領域との間を移動する方向)に沿って取付け基板101上に固定されたリニアガイドレール102、103と、
前記リニアガイドレール102、103上に取り付けられた離型フィルム駆動組立体の駆動により第1方向に沿って移動可能な離型フィルムホルダ組立体であって、前記離型フィルムホルダ組立体は離型フィルム張り治具部材500を有し、離型フィルムが前記離型フィルム張り治具部材500に取り付けられる離型フィルムホルダ組立体と、を含む。
好ましくは、図5、6に示すように、離型フィルムホルダ組立体は、
第1スライドブロック122、124を介して前記リニアガイドレール102、103に接続された伝動フレーム109と、
前記伝動フレーム109に固定された離型フィルム水平調整支柱110、111、112と、
水平調整フレーム113であって、離型フィルム水平調整ノブ120、121を介して離型フィルム水平調整支柱110、111、112に接続され、前記水平調整フレーム113には前記離型フィルム張り治具部材500が取り付けられる水平調整フレーム113と、を含む。
【0029】
この構造により、離型フィルムホルダ組立体の第1方向に沿った移動が実現される。水平調整フレーム113は、離型フィルム水平調整ノブ120、121によって水平度を調整することができる。具体的には、図6に示すように、伝動フレーム109と水平調整フレーム113は矩形であり、離型フィルム水平調整支柱110、111、112は、伝動フレーム109と水平調整フレーム113の3隅に取り付けられる。水平調整フレーム113に対して水平調整を行うことは、離型フィルム張り治具部材500に対して水平調整を行うことであり、該部材は、離型フィルムが投影焦点面と平行であることを保証する。3つの離型フィルム水平調整支柱の上端は、引張ばね(図示せず)、水平調整ノブ及び鋼球(図示せず)を介して水平調整フレーム113に接続され、水平調整ノブにより水平調整フレーム113に対して水平調整を行うことを保証する。水平調整ノブは2つある。
【0030】
好ましくは、図6に示すように、前記離型フィルム駆動組立体は、
取付け基板101の下部に固定された第1ステップモーター105と、
前記第1ステップモーター105に接続され、且つ前記伝動フレーム109に接続されて、前記伝動フレーム109の駆動を実現する第1同期ベルト107と、を含む。オプションで、離型フィルム駆動組立体は、任意の直線移動駆動組立体、例えば、ステップモーター、リニアガイドレール及び同期ベルトを採用する方式、また例えばサーボモーター+リニアガイドレール+親ねじ、あるいは直線移動を実現できる他の任意の組立体であってもよい。
【0031】
好ましくは、本実施例に係る操作が便利な3Dプリント装置では、図6に示すように、前記ホブ駆動組立体は、
取付け基板101の下部に固定された第2ステップモーター104と、
前記第2ステップモーター104に接続され、且つ前記リニアガイドレール102、103に移動可能に取り付けられたホブホルダ組立体に接続されて、前記ホブホルダ組立体の駆動を実現する第2同期ベルト106と、を含む。さらに、第2同期ベルト106は、第1同期ベルト107と平行に整列して取り付けられ、取り付けブラケットを共有することができる。
【0032】
好ましくは、本実施例に係る操作が便利な3Dプリント装置では、図6に示すように、前記ホブホルダ組立体は、
第2スライドブロック123を介して前記リニアガイドレール102、103に接続された伝動連接棒115と、
前記伝動連接棒115の両側にそれぞれ取り付けられた後ホブ水平調整支柱116、前ホブ水平調整支柱117と、を含む。前記後ホブ水平調整支柱116、前ホブ水平調整支柱117と前記伝動連接棒115との接続箇所はそれぞれ後ホブ水平調整ノブ118、前ホブ水平調整ノブ119により調整される。
前記後ホブ水平調整支柱116、前ホブ水平調整支柱117の上部は前記レベリングホブ本体300に接続される。
【0033】
好ましくは、図6に示すように、前記取付け基板101上にリミットストッパー108がさらに設けられる。リミットストッパー108は取付け基板101の四隅に配置されて、伝動フレーム109の活動が活動限界を超えることを避けるために使用される。取付け基板101上に位置センサー114がさらに設けられる。センサー114は前記取付け基板101の片側の縁に取り付けられ、伝動フレーム109の位置を感知するために使用される。離型フィルム張り治具部材500の横移動位置は、位置センサー114によって制限される。
【0034】
本出願の上記の理想的な実施例を示唆として、上記の説明内容を通じて、当業者は、本出願の技術的アイデアから逸脱しない範囲内で、様々な変更及び修正を行うことができる。本出願の技術的範囲は、明細書の内容に限定されず、特許請求の範囲に基づいて決定されなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】