(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法、装置、及びコンピュータ読取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
A61C 7/00 20060101AFI20240822BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240822BHJP
【FI】
A61C7/00
G06T7/00 612
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508626
(86)(22)【出願日】2022-08-10
(85)【翻訳文提出日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 KR2022011900
(87)【国際公開番号】W WO2023018208
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105222
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105223
(32)【優先日】2021-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524053856
【氏名又は名称】インノッドテック,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ボフン
【テーマコード(参考)】
4C052
5L096
【Fターム(参考)】
4C052AA06
4C052AA20
4C052JJ10
4C052NN02
4C052NN03
4C052NN04
4C052NN15
5L096AA09
5L096BA06
5L096BA13
5L096DA02
5L096FA69
5L096FA72
5L096GA51
5L096HA04
5L096KA04
(57)【要約】
本発明は、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法であって、患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得ステップと、前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得ステップと、前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得ステップと、前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供ステップとを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法であって、
患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得ステップと、
前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得ステップと、
前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、
前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得ステップと、
前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供ステップとを含むことを特徴とする患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項2】
前記矯正画像取得ステップは、
前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、不正咬合確認プロセスを開始するプロセス開始ステップと、
前記不正咬合確認プロセスの開始において、前記既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像を分析し、前記患者の歯牙配列状態情報を取得し、前記取得された歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類する不正咬合分類ステップと、
前記歯牙配列状態情報が前記複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類されると、矯正治療のためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記分類された不正咬合種類情報に対する治療ソリューション情報を取得するソリューション情報取得ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項3】
前記矯正現況情報提供ステップは、前記第1の歯牙部スキャンデータに対応する第1の頭部画像、及び前記第2の歯牙部スキャンデータに対応する第2の頭部画像に含まれた共通ポイントを基準として、前記患者の歯牙のそれぞれに対する歯牙移動ベクトル情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項4】
前記共通ポイントは、前記第1の頭部画像及び前記第2の頭部画像に含まれた患者の頭部に位置した共通する地点であり、前記患者の歯牙配列に対する矯正にも変動しない少なくとも3つ以上の地点であって、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像を重ねるための基準点であることを特徴とする請求項3に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項5】
前記矯正現況情報提供ステップは、
前記第1の頭部画像及び前記第2の頭部画像に含まれた共通ポイントを基準に、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像を重ねて、予後画像を生成する画像重畳ステップと、
前記予後画像の生成が完了すると、前記予後画像を基に、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列、及び前記第3の歯牙画像に対応する歯牙配列を比較して、歯牙のそれぞれが移動した方向及び移動した距離を確認して、第1の歯牙移動方向情報及び第1の歯牙移動距離情報を含む第1の歯牙移動ベクトル情報を生成する矯正経過確認ステップと、
前記矯正経過確認ステップの機能が行われる間、前記予後画像を基に、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列と前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列とを比較して、歯牙のそれぞれが移動予定の方向及び移動予定の距離を確認して、第2の歯牙移動方向情報及び第2の歯牙移動距離情報を含む第2の歯牙移動ベクトル情報を生成する矯正経過予測ステップと、
前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報の取得が完了すると、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報を基に、矯正現況情報を生成する情報生成プロセスを開始する情報生成ステップとを含むことを特徴とする請求項3に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項6】
前記画像重畳ステップは、前記共通ポイントを基準に重なる第1の歯牙画像、第2の歯牙画像、及び第3の歯牙画像を視覚的に区別されるようにグラフィック効果を適用して、前記予後画像を生成することを特徴とする請求項5に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項7】
前記矯正経過予測ステップは、
前記歯牙のそれぞれが移動予定の方向及び移動予定の距離を確認することにおいて、前記第1の歯牙画像及び前記第2の歯牙画像から、前記治療ソリューション情報に基づく複数の視点のそれぞれに対応する複数の第4の歯牙画像を生成する第4の歯牙画像取得ステップと、
前記複数の第4の歯牙画像の生成が完了すると、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれを経過順に比較して、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれに含まれた歯牙配列に対する前記第2の歯牙移動ベクトル情報を生成する第2の歯牙移動ベクトル情報生成ステップとを含み、
前記複数の視点のそれぞれは、前記医療関係者アカウントにより入力される少なくとも2つ以上の視点であることを特徴とする請求項5に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項8】
前記情報生成ステップは、
前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報の生成が完了すると、前記第2の歯牙移動方向情報と前記第1の歯牙移動方向情報とを比較して、前記第2の歯牙移動方向情報に基づく移動軸方向に対する前記第1の歯牙移動方向情報に基づく移動軸方向の誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認する方向確認ステップと、
前記方向確認ステップが行われる間、前記第2の歯牙移動距離情報と前記第1の歯牙移動距離情報とを比較して、前記第2の歯牙移動距離情報に基づく移動距離に対する前記第1の歯牙移動距離情報に基づく移動距離の誤差率が、前記所定の誤差率以下であるかを確認する距離確認ステップと、
前記方向確認ステップ及び前記距離確認ステップの実行に基づく結果情報が取得されると、前記結果情報を基に、患者の歯牙配列に対する矯正治療の現況を表す前記矯正現況情報を生成する矯正現況情報生成ステップとを含むことを特徴とする請求項7に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項9】
前記患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、更に、矯正治療評価情報提供ステップを含み、
前記矯正治療評価情報提供ステップは、
前記最初画像取得ステップの機能実行が完了すると、前記第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙に対する不正咬合画像を取得し、前記取得された不正咬合画像を基に、治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報を基に、患者の不正咬合を矯正するための矯正目標値を取得する目標値取得ステップと、
前記矯正目標値の取得が完了した状態で、前記透明矯正装置により矯正治療が完了した患者を撮影して取得した新たな3次元スキャンデータである第3の歯牙部スキャンデータを受信すると、前記第3の歯牙部スキャンデータを基に、矯正された歯牙配列に対する画像である矯正完了画像を取得する矯正完了画像取得ステップと、
前記取得された矯正完了画像を基に、矯正された歯牙のそれぞれに対する矯正達成値を取得し、前記矯正達成値と前記矯正目標値とを比較して、誤差情報を取得すると、前記取得された誤差情報を基に、矯正治療に対する評価情報である矯正治療評価情報を生成して、前記医療関係者アカウントに提供する評価情報提供ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項10】
前記目標値取得ステップは、
前記医療関係者アカウントから、前記第1の歯牙部スキャンデータを受信すると、不正咬合確認プロセスを開始する不正咬合確認開始ステップと、
前記不正咬合確認プロセスが始まると、既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記不正咬合画像を分析し、前記分析された不正咬合画像から、患者の歯牙配列を確認し、前記確認された歯牙配列を複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類して、患者の不正咬合を判断する不正咬合判断ステップと、
前記患者の不正咬合の判断が完了すると、矯正治療のためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、患者の不正咬合に対する治療ソリューション情報を取得するソリューション取得ステップとを含むことを特徴とする請求項9に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項11】
前記不正咬合判断ステップは、前記患者の歯牙配列確認において、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、不正咬合画像に含まれた患者の歯牙のそれぞれに対する位置、隣接歯牙の接触関係、垂直関係、回転可否、及び勾配のうち、少なくとも1つを確認することを特徴とする請求項10に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項12】
前記目標値取得ステップは、
前記ソリューション取得ステップの機能実行により、前記治療ソリューション情報の取得が完了すると、前記ソリューション生成アルゴリズムにより、前記不正咬合画像に、前記治療ソリューション情報に基づく矯正ガイドを適用するガイド適用ステップと、
前記治療ソリューション情報に基づく矯正ガイドが前記不正咬合画像に適用されることによって、患者の歯牙のそれぞれを矯正完了した歯牙状態に配列することで、矯正完了した歯牙配列に対応する仮想の画像である仮想矯正画像を取得する仮想矯正画像取得ステップと、
前記仮想矯正画像の取得が完了すると、前記仮想矯正画像と前記不正咬合画像とを比較して、歯牙のそれぞれに対する矯正目標方向情報及び矯正目標距離情報を取得して、患者の不正咬合を矯正するための基準値である前記矯正目標値を取得する矯正値取得ステップと、を含むことを特徴とする請求項11に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項13】
前記評価情報提供ステップは、
前記矯正完了画像取得ステップの機能実行により、前記矯正完了画像を取得すると、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記矯正完了画像を分析して、患者の矯正された歯牙のそれぞれに対する前記矯正達成値を取得する達成値取得ステップと、
前記矯正達成値の取得が完了すると、前記矯正目標値と前記矯正達成値とを比較して、前記矯正目標値に対する前記矯正達成値の誤差値を取得し、前記取得された誤差値が、所定の誤差値範囲に含まれるかを判断する誤差値確認ステップと、
前記誤差値確認ステップの機能実行により判断された結果に基づいて、誤差情報を生成し、前記生成された誤差情報を、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより分析して、前記矯正治療評価情報を生成する誤差情報分析ステップとを含むことを特徴とする請求項12に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項14】
前記矯正治療評価情報は、前記誤差情報を基に、患者の歯牙のそれぞれに対する矯正治療の成否を判断した情報であり、前記誤差情報に基づく患者の歯牙のそれぞれに対する矯正治療が失敗と確認されると、前記矯正治療が失敗した歯牙のそれぞれを矯正するための矯正改善情報を含み、
前記矯正改善情報は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより生成される情報であって、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより学習された他の患者の矯正治療履歴情報に基づいて導出される模範治療情報であることを特徴とする請求項13に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項15】
前記評価情報提供ステップは、前記模範治療情報が含まれた矯正治療評価情報を前記医療関係者アカウントに提供することにおいて、前記模範治療情報に基づく前記透明矯正装置の設計図案情報である第1の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、
前記第1の設計図案の生成が完了すると、前記矯正目標値に基づく透明矯正装置の設計図案情報である第2の設計図案情報を取得して、前記第1の設計図案及び前記第2の設計図案を比較可能なインタフェースを、前記医療関係者アカウントに提供する矯正装置図案提供ステップと、を含むことを特徴とする請求項14に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項16】
前記インタフェースは、前記医療関係者アカウントから、前記透明矯正装置を設計変更するための医者所見情報が受信されると、前記入力された医者所見情報を基に、前記第1の設計図案を修正することを特徴とする請求項15に記載の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法。
【請求項17】
1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置を含む患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置であって、
患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得部と、
前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得部と、
前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成部と、
前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得部と、
前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供部とを含むことを特徴とする患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置。
【請求項18】
コンピュータ読取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータ読取り可能な記録媒体は、コンピューティング装置ににより、以下のステップを行うようにする命令を保存し、前記ステップは、
患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得ステップと、
前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得ステップと、
前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、
前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得ステップと、
前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供ステップとを含むことを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法に関し、具体的には、患者の頭部を撮影して取得した歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像を取得し、取得された患者の歯牙配列に対する画像を基に、患者の不正咬合種類を確認し、確認された不正咬合種類に対応する治療ソリューション情報及び矯正済み時の予測歯牙配列に対する画像を取得し、透明矯正装置の設計図案を生成し、矯正治療過程において、新たな歯牙部スキャンデータを取得する場合、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像を取得して、歯牙配列に対する矯正治療現況を判断し、歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙に対する不正咬合の種類を判断し、判断された不正咬合を矯正するための治療ソリューション情報を基に、矯正目標値を取得し、以後に受信される第2の歯牙部スキャンデータを基に、矯正される歯牙のそれぞれに対する矯正達成値を取得して、矯正達成値と前記矯正目標値を基に、矯正治療に対する評価情報である矯正治療評価情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
世界透明矯正装置の市場規模は、23.1%の年平均複合成長率(CAGR)に広がり、2027年には、60億ドル規模に達することと予測されている。技術の進歩と使用者の歯牙配列に効果的なフィット型透明矯正装置の需要が増加することにつれ、市場の成長が加速されている。これにより、歯科業界では、このような傾向に合わせて、様々な技術を開発しており、代表的に患者の歯牙配列に対する経過を確認するための技術を開発している。
【0003】
一例として、特許文献1(歯牙矯正シミュレーション方法及びこれを行うシステム)には、2次元歯列画像から個別歯牙を識別した状態で、矯正後に隣接歯牙に近接するようになる仮想位置を設定して、個別歯牙を再配置する技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、前記先行技術では、単に矯正後に、隣接歯牙と近接して歯牙の位置を仮想設定して、再配置する技術を開示しているだけで、患者の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する不正咬合がどのような種類であるかを判断し、判断された不正咬合に適した治療ソリューション情報と矯正済み時の予測歯牙配列に対する画像を取得することで、患者の歯牙配列にフィットされた透明矯正装置の設計図案を生成する技術、及び治療過程で新たな歯牙部スキャンデータを取得する場合、矯正中の歯牙配列に対する画像を取得することで、患者の歯牙配列に対する矯正治療現況を判断する技術が開示されておらず、これを解決する技術が必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2015-0039028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、患者の頭部を撮影して取得した歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像を取得し、取得された患者の歯牙配列に対する画像を基に、患者の不正咬合種類を確認し、確認された不正咬合種類に対応する治療ソリューション情報及び矯正済み時の予測歯牙配列に対する画像を取得し、透明矯正装置の設計図案を生成し、矯正治療過程で新たな歯牙部スキャンデータを取得する場合、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像を取得して、歯牙配列に対する矯正治療現況を判断することで、患者の歯牙配列状態に適した透明矯正装置を提供することができ、矯正治療現況情報から、患者の歯牙配列の矯正治療に対する信頼性を患者に提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法であって、患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得ステップと、前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得ステップと、前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得ステップと、前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供ステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
前記矯正画像取得ステップは、前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、不正咬合確認プロセスを開始するプロセス開始ステップと、前記不正咬合確認プロセスの開始において、前記既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像を分析し、前記患者の歯牙配列状態情報を取得し、前記取得された歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類する不正咬合分類ステップと、前記歯牙配列状態情報が前記複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類されると、矯正治療のためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記分類された不正咬合種類情報に対する治療ソリューション情報を取得するソリューション情報取得ステップとを含む。
【0009】
前記矯正現況情報提供ステップは、前記第1の歯牙部スキャンデータに対応する第1の頭部画像、及び前記第2の歯牙部スキャンデータに対応する第2の頭部画像に含まれた共通ポイントを基準として、前記患者の歯牙のそれぞれに対する歯牙移動ベクトル情報を取得する。
【0010】
前記共通ポイントは、前記第1の頭部画像及び前記第2の頭部画像に含まれた患者の頭部に位置した共通する地点であり、前記患者の歯牙配列に対する矯正にも変動しない少なくとも3つ以上の地点であって、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像を重ねるための基準点である。
【0011】
前記矯正現況情報提供ステップは、前記第1の頭部画像及び前記第2の頭部画像に含まれた共通ポイントを基準に、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像を重ねて、予後画像を生成する画像重畳ステップと、前記予後画像の生成が完了すると、前記予後画像を基に、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列、及び前記第3の歯牙画像に対応する歯牙配列を比較して、歯牙のそれぞれが移動した方向及び移動した距離を確認して、第1の歯牙移動方向情報及び第1の歯牙移動距離情報を含む第1の歯牙移動ベクトル情報を生成する矯正経過確認ステップと、前記矯正経過確認ステップの機能が行われる間、前記予後画像を基に、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列と前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列とを比較して、歯牙のそれぞれが移動予定の方向及び移動予定の距離を確認して、第2の歯牙移動方向情報及び第2の歯牙移動距離情報を含む第2の歯牙移動ベクトル情報を生成する矯正経過予測ステップと、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報の取得が完了すると、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報を基に、矯正現況情報を生成する情報生成プロセスを開始する情報生成ステップとを含む。
【0012】
前記画像重畳ステップは、前記共通ポイントを基準に重なる第1の歯牙画像、第2の歯牙画像、及び第3の歯牙画像を視覚的に区別されるようにグラフィック効果を適用して、前記予後画像を生成する。
【0013】
前記矯正経過予測ステップは、前記歯牙のそれぞれが移動予定の方向及び移動予定の距離を確認することにおいて、前記第1の歯牙画像及び前記第2の歯牙画像から、前記治療ソリューション情報に基づく複数の視点のそれぞれに対応する複数の第4の歯牙画像を生成する第4の歯牙画像取得ステップと、前記複数の第4の歯牙画像の生成が完了すると、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれを経過順に比較して、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれに含まれた歯牙配列に対する前記第2の歯牙移動ベクトル情報を生成する第2の歯牙移動ベクトル情報生成ステップとを含み、前記複数の視点のそれぞれは、前記医療関係者アカウントにより入力される少なくとも2つ以上の視点である。
【0014】
前記情報生成ステップは、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報の生成が完了すると、前記第2の歯牙移動方向情報と前記第1の歯牙移動方向情報とを比較して、前記第2の歯牙移動方向情報に基づく移動軸方向に対する前記第1の歯牙移動方向情報に基づく移動軸方向の誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認する方向確認ステップと、前記方向確認ステップが行われる間、前記第2の歯牙移動距離情報と前記第1の歯牙移動距離情報とを比較して、前記第2の歯牙移動距離情報に基づく移動距離に対する前記第1の歯牙移動距離情報に基づく移動距離の誤差率が、前記所定の誤差率以下であるかを確認する距離確認ステップと、前記方向確認ステップ及び前記距離確認ステップの実行に基づく結果情報が取得されると、前記結果情報を基に、患者の歯牙配列に対する矯正治療の現況を表す前記矯正現況情報を生成する矯正現況情報生成ステップとを含む。
【0015】
前記患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、更に、矯正治療評価情報提供ステップを含み、前記矯正治療評価情報提供ステップは、前記最初画像取得ステップの機能実行が完了すると、前記第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙に対する不正咬合画像を取得し、前記取得された不正咬合画像を基に、治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報を基に、患者の不正咬合を矯正するための矯正目標値を取得する目標値取得ステップと、前記矯正目標値の取得が完了した状態で、前記透明矯正装置により矯正治療が完了した患者を撮影して取得した新たな3次元スキャンデータである第3の歯牙部スキャンデータを受信すると、前記第3の歯牙部スキャンデータを基に、矯正された歯牙配列に対する画像である矯正完了画像を取得する矯正完了画像取得ステップと、前記取得された矯正完了画像を基に、矯正された歯牙のそれぞれに対する矯正達成値を取得し、前記矯正達成値と前記矯正目標値とを比較して、誤差情報を取得すると、前記取得された誤差情報を基に、矯正治療に対する評価情報である矯正治療評価情報を生成して、前記医療関係者アカウントに提供する評価情報提供ステップとを含む。
【0016】
前記目標値取得ステップは、前記医療関係者アカウントから、前記第1の歯牙部スキャンデータを受信すると、不正咬合確認プロセスを開始する不正咬合確認開始ステップと、前記不正咬合確認プロセスが始まると、既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記不正咬合画像を分析し、前記分析された不正咬合画像から、患者の歯牙配列を確認し、前記確認された歯牙配列を複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類して、患者の不正咬合を判断する不正咬合判断ステップと、前記患者の不正咬合の判断が完了すると、矯正治療のためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、患者の不正咬合に対する治療ソリューション情報を取得するソリューション取得ステップとを含む。
【0017】
前記不正咬合判断ステップは、前記患者の歯牙配列確認において、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、不正咬合画像に含まれた患者の歯牙のそれぞれに対する位置、隣接歯牙の接触関係、垂直関係、回転可否、及び勾配のうち、少なくとも1つを確認する。
【0018】
前記目標値取得ステップは、前記ソリューション取得ステップの機能実行により、前記治療ソリューション情報の取得が完了すると、前記ソリューション生成アルゴリズムにより、前記不正咬合画像に、前記治療ソリューション情報に基づく矯正ガイドを適用するガイド適用ステップと、前記治療ソリューション情報に基づく矯正ガイドが前記不正咬合画像に適用されることによって、患者の歯牙のそれぞれを矯正完了した歯牙状態に配列することで、矯正完了した歯牙配列に対応する仮想の画像である仮想矯正画像を取得する仮想矯正画像取得ステップと、前記仮想矯正画像の取得が完了すると、前記仮想矯正画像と前記不正咬合画像とを比較して、歯牙のそれぞれに対する矯正目標方向情報及び矯正目標距離情報を取得して、患者の不正咬合を矯正するための基準値である前記矯正目標値を取得する矯正値取得ステップと、を含む。
【0019】
前記評価情報提供ステップは、前記矯正完了画像取得ステップの機能実行により、前記矯正完了画像を取得すると、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記矯正完了画像を分析して、患者の矯正された歯牙のそれぞれに対する前記矯正達成値を取得する達成値取得ステップと、前記矯正達成値の取得が完了すると、前記矯正目標値と前記矯正達成値とを比較して、前記矯正目標値に対する前記矯正達成値の誤差値を取得し、前記取得された誤差値が、所定の誤差値範囲に含まれるかを判断する誤差値確認ステップと、前記誤差値確認ステップの機能実行により判断された結果に基づいて、誤差情報を生成し、前記生成された誤差情報を、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより分析して、前記矯正治療評価情報を生成する誤差情報分析ステップとを含む。
【0020】
前記矯正治療評価情報は、前記誤差情報を基に、患者の歯牙のそれぞれに対する矯正治療の成否を判断した情報であり、前記誤差情報に基づく患者の歯牙のそれぞれに対する矯正治療が失敗と確認されると、前記矯正治療が失敗した歯牙のそれぞれを矯正するための矯正改善情報を含み、前記矯正改善情報は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより生成される情報であって、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより学習された他の患者の矯正治療履歴情報に基づいて導出される模範治療情報である。
【0021】
前記評価情報提供ステップは、前記模範治療情報が含まれた矯正治療評価情報を前記医療関係者アカウントに提供することにおいて、前記模範治療情報に基づく前記透明矯正装置の設計図案情報である第1の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、前記第1の設計図案の生成が完了すると、前記矯正目標値に基づく透明矯正装置の設計図案情報である第2の設計図案情報を取得して、前記第1の設計図案及び前記第2の設計図案を比較可能なインタフェースを、前記医療関係者アカウントに提供する矯正装置図案提供ステップと、を含む。
【0022】
前記インタフェースは、前記医療関係者アカウントから、前記透明矯正装置を設計変更するための医者所見情報が受信されると、前記入力された医者所見情報を基に、前記第1の設計図案を修正する。
【0023】
本発明の一実施形態による1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置を含む患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置であって、患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得部と、前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得部と、前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成部と、前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得部と、前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供部とを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明の一実施形態によるコンピュータ読取り可能な記録媒体であって、前記コンピュータ読取り可能な記録媒体は、コンピューティング装置ににより、以下のステップを行うようにする命令を保存し、前記ステップは、患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する最初画像取得ステップと、前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得し、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正完了時の予測歯牙配列に対する画像である第2の歯牙画像を取得する矯正画像取得ステップと、前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するための透明矯正装置の設計図案を生成する矯正装置図案生成ステップと、前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を前記患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する中間画像取得ステップと、前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する矯正現況情報提供ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法により、患者の歯牙配列に対する不正咬合の種類を判断して、患者の歯牙配列状態に適した治療計画を患者に提供することができる。
【0026】
また、既保存されたアルゴリズムにより、迅速に患者の歯牙のそれぞれを分析して、患者の歯牙配列に対する不正咬合の種類を判断することができる。
【0027】
さらに、患者の歯牙部スキャンデータに基づく頭部画像内において、歯牙配列の矯正により変動しない共通ポイントを基準として、患者の歯牙配列を矯正することで、美観上欠点のない歯牙矯正が可能である。
【0028】
また、人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、矯正中の患者の歯牙配列を分析して、現在矯正中の歯牙配列治療に対する現況情報である矯正現況情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法を説明するためのシーケンス図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の矯正画像取得ステップを説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の既保存されたアルゴリズムを説明するための図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の矯正現況情報提供ステップを説明するための図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況を提供する装置の矯正経過確認部を説明するための図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の矯正経過予測ステップを説明するための図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の情報生成ステップを説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の矯正治療評価情報提供部を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の目標値取得部を説明するためのブロック図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の不正咬合判断部を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の目標値取得部を説明するための他のブロック図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の評価情報提供部を説明するためのブロック図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置のインタフェースを説明するための図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置の内部構成の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、様々な実施形態及び/又は様態を図面を参照して説明する。下記の説明では、説明を目的に、1つ以上の様態の全般的な理解を助けるために、多数の具体的な詳細事項が開示される。しかし、これらの様態は、このような具体的な詳細事項がなくても実行できることも、本発明の技術分野における通常の知識を有する者に認識されるだろう。以後の記載及び添付の図面は、1つ以上の様態の特定の例示的な様態を詳細に述べる。しかし、このような様態は、例示的なことであり、様々な様態の原理での様々な方法のうち、一部が利用可能であり、記述する説明は、このような様態及びこれらの均等物を全て含もうとする意図である。
【0031】
本明細書で使用する「実施形態」、「例」、「様態」、「例示」などは、記述する任意の様態又は設計が、他の様態又は設計よりも良好であるか、利点があることと解析されないこともある。
【0032】
また、「含む」及び/又は「含み」という用語は、当該特徴及び/又は構成要素が存在することを意味するが、1つ以上の他の特徴、構成要素及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除しないことと理解されるべきである。
【0033】
また、第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明することに使われるが、前記構成要素は、前記用語により限定されない。前記用語は、ある構成要素を、他の構成要素から区別する目的としてのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は、第2の構成要素と称することができ、同様に、第2の構成要素も、第1の構成要素として称することができる。及び/又はという用語は、複数の関連して記載された項目の組み合わせ、又は、複数の関連して記載された項目のいずれの項目を含む。
【0034】
また、本発明の実施形態において、別に異なって定義しない限り、技術的や科学的な用語を含み、ここで使われる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、一般に理解されることと同一の意味を有している。一般に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有することと解析されるべきであり、本発明の実施形態で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解析されない。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法を説明するためのシーケンス図である。
【0036】
図1に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、最初画像取得ステップ(S101)と、矯正画像取得ステップ(S103)と、矯正装置図案生成ステップ(S105)と、中間画像取得ステップ(S107)と、矯正現況情報提供ステップ(S109)とを含む。
【0037】
前記ステップS101において、前記1つ以上のプロセッサ(以下、プロセッサという)は、患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の現在歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する。
【0038】
一実施形態によると、前記第1の歯牙部スキャンデータは、患者の頭を撮影した放射線写真、又はMRI装置により撮影したMRI写真である。すなわち、前記歯牙部スキャンデータは、前記患者の頭を撮影して取得された写真に含まれている患者の歯牙配列に対する画像データである。また、前記歯牙部スキャンデータは、患者の歯牙配列だけを撮影した画像データである。
【0039】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第1の歯牙部スキャンデータが受信される場合、前記歯牙部スキャンデータを基に、患者の現在歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する。前記第1の歯牙画像は、歯牙配列の最初配列状態に対する画像であり、前記第1の歯牙画像は、前記患者の歯牙画像を含んでいる第1の歯牙部スキャンデータから取得される画像である。
【0040】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像の取得が済むと、前記矯正画像取得ステップ(S103)を行う。
【0041】
ステップS103において、前記プロセッサは、第1の歯牙画像の取得が済むと、既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像に基づく歯牙配列状態を確認し、前記確認された患者の歯牙配列状態に基づく歯牙配列を矯正するための治療ソリューション情報を取得する。また、前記プロセッサは、前記取得された治療ソリューション情報に基づく矯正済み時の予測歯牙配列に対する画像である第2の画像を取得する。前記治療ソリューション情報を取得する詳しい説明は、
図2で説明する。
【0042】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像の取得が済むと、既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像を分析する。前記既保存されたアルゴリズムは、前記第1の歯牙画像を分析し、前記第1の歯牙画像に含まれた歯牙のそれぞれに対する形状及び位置を判別し、前記判別結果により、患者の歯牙配列状態を確認し、確認された歯牙配列状態に対応する歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類するための機械学習に基づくアルゴリズムである。
【0043】
例えば、前記既保存されたアルゴリズムは、自動認知標準化アルゴリズムである。前記自動認知標準化アルゴリズムに関する詳しい説明は、
図2及び
図3で説明する。
【0044】
例えば、前記既保存されたアルゴリズムは、PointNetに基づくディープラーニングアルゴリズムである。前記プロセッサは、前記PointNetに基づくディープラーニングアルゴリズムにより、前に取得又は入力された歯牙画像を学習することで、歯牙画像に含まれた歯牙のそれぞれ(1番歯牙、2番歯牙など)に対する形状及び位置を判別して、前記患者の歯牙配列状態を確認することができる。前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像から、患者の下顎頭の位置、歯牙の配列(形状及び位置)、上下顎骨間の関係、及び頭蓋(cranium)に対する上下顎骨複合体の位置及び勾配を確認するアルゴリズムである。すなわち、前記既保存されたアルゴリズムは、PointNetに基づくディープラーニングアルゴリズムだけでなく、前に取得又は入力された歯牙画像を機械学習(machine learning)することで、新たに入力される歯牙画像から患者の歯牙配列を判断し、患者の不正咬合の種類を確認可能な機械学習に基づくアルゴリズムであると、特に限定しない。
【0045】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記既保存されたアルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像の分析が済むと、前記分析された第1の歯牙画像に含まれた歯牙配列状態に対応する歯牙配列状態情報を基に、患者の不正咬合を矯正するためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムを用いて、治療ソリューション情報を取得する。
【0046】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記確認された患者の歯牙配列状態を、複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類する。前記複数の不正咬合種類情報に関する詳しい説明は、
図2で説明する。前記プロセッサは、前記分類された不正咬合種類情報を基に、人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、治療ソリューション情報を取得することができる。前記不正咬合種類情報を分類する詳しい説明は、
図3で説明する。
【0047】
一実施形態によると、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムは、前記プロセッサが歯牙矯正のためのデータを、他の電子装置(デスクトップ、タブレットPC、及び医療機器)、又は医療関係者アカウントから受信され、受信されたデータを機械学習することで、患者の歯牙配列に対するVTO(visualized treatment objectives)及び最適の治療計画を提示するためのアルゴリズムである。
【0048】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記歯牙矯正のためのデータを受信すると、前記受信されたデータを学習データで機械学習して、安定化した下顎頭の位置、適切な角度を有する歯牙の配列、上下顎骨間の関係、及び頭蓋(cranium)に対する適切な上下顎骨複合体の位置、勾配などを考えて、患者の歯牙配列に対するVTO(visualized treatment objectives)及び最適の治療計画に関する情報を取得する。すなわち、前記治療ソリューション情報は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより生成されるVTO及び治療計画情報のうちの少なくとも1つを含む情報である。これにより、前記VTO及び前記治療計画情報は、患者の歯牙配列を矯正するために必要な治療方法情報、治療期間情報、治療薬物情報などを含む。また、前記VTOは、視覚化された治療目標情報として、前記治療計画情報に基づく患者の矯正完了時の予測歯牙配列の画像(第2の歯牙画像)を含む。
【0049】
一実施形態によると、前記第2の歯牙画像は、前記患者の歯牙配列の不正咬合が、前記治療ソリューション情報に含まれた治療計画情報により矯正が完了するときに形成される矯正済み時の予測歯牙配列に関する画像情報である。すなわち、前記第2の歯牙画像は、ソリューション生成アルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像に含まれた歯牙のそれぞれを、治療ソリューション情報を基に再配列することで生成される画像である。
【0050】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、矯正装置図案生成ステップ(S105)を行う。
【0051】
ステップS105において、前記プロセッサは、前記第2の歯牙画像の取得が完了すると、患者の歯牙配列を、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正するために、透明矯正装置の設計図案を生成する。前記設計図案は、前記プロセッサと有線ネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して連結されている3Dプリンタが、透明矯正装置を製作するために必要な設計図案情報である。
【0052】
前記プロセッサは、患者が治療途中に来訪することにより、新たな歯牙部スキャンデータを受信する場合、中間画像取得ステップ(S107)を行う。
【0053】
ステップS107において、前記プロセッサは、前記生成された設計図案に基づく透明矯正装置を患者が装着することによって、患者の歯牙配列が矯正される過程において、新たな3次元スキャンデータである第2の歯牙部スキャンデータを受信する。すなわち、前記第2の歯牙部スキャンデータは、患者が不正咬合を矯正する途中に取得されるデータであって、患者の最初の歯牙配列に対する画像を含む第1の歯牙部スキャンデータとは異なるデータである。
【0054】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第2の歯牙部スキャンデータを受信する場合、前記受信された第2の歯牙部スキャンデータを基に、患者の矯正中の歯牙配列に対する画像である第3の歯牙画像を取得する。前記第3の歯牙画像は、前記透明矯正装置により、不正咬合が矯正中の患者の歯牙配列に対する画像である。前記プロセッサは、前記第3の歯牙画像を取得するために、前記既保存されたアルゴリズムを基に、前記第2の歯牙部スキャンデータを分析して、前記第3の歯牙画像を取得することができる。
【0055】
前記プロセッサは、前記第3の歯牙画像の取得が済むと、矯正現況情報提供ステップ(S109)を行う。
【0056】
ステップS109において、前記プロセッサは、前記第3の歯牙画像の取得が完了すると、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動経路情報を生成する。前記歯牙移動経路情報は、前記患者の歯牙配列が透明矯正装置により矯正されることによって、移動する歯牙のそれぞれに対する移動方向情報及び移動距離情報を含む。前記プロセッサは、前記歯牙移動経路情報を基に、前記患者の歯牙配列に対する矯正現況を確認することができる。例えば、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像及び前記第3の歯牙画像を基に、歯牙移動経路情報を取得することで、矯正済みの歯牙配列に対する治療後口腔状態情報を取得することができる。また、前記プロセッサは、前記第2の歯牙画像及び第3の歯牙画像を基に、歯牙移動経路情報を取得することで、矯正中の歯牙配列に対する治療中口腔状態情報を取得することができる。
【0057】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記矯正現況情報の生成が済むと、前記生成された矯正現況情報に対応する矯正現況を、医療関係者アカウントに提供する。前記矯正現況情報を生成する詳しい説明は、
図4で説明する。ここで、矯正現況は、矯正治療中の歯牙配列状態に対する情報、及び矯正治療完了後の歯牙配列状態に対する情報を意味する。
【0058】
図2は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の矯正画像取得ステップを説明するためのシーケンス図である。
【0059】
図2に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、矯正画像取得ステップ(
図1の矯正画像取得ステップ(S103))を含む。
【0060】
一実施形態によると、前記1つ以上のプロセッサ(以下、プロセッサという)は、患者の頭部を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータが受信されると、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータを基に、患者の歯牙配列に対する画像である第1の歯牙画像を取得する。前記第1の歯牙部スキャンデータは、医療関係者アカウントにより入力されるか、外部装置(デスクトップ、タブレットPC、医療機器)から受信することができる。
【0061】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像の取得が済むと、前記矯正画像取得ステップを行う。前記矯正画像取得ステップは、プロセス開始ステップ(S201)と、不正咬合分類ステップ(S203)と、ソリューション情報取得ステップ(S205)とを含む。
【0062】
ステップS201において、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像の取得が完了すると、不正咬合確認プロセスを開始する。前記不正咬合確認プロセスは、患者の歯牙配列状態が不正咬合であるか否かを判断するプロセスである。
【0063】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記不正咬合確認プロセスが開始する場合、不正咬合種類確認ステップ(ステップS203)を行う。
【0064】
ステップS203において、前記プロセッサは、不正咬合確認プロセスが開始する場合、既保存されたアルゴリズムにより前記第1の歯牙画像を分析して、患者の歯牙配列状態情報を取得する。前記歯牙配列状態情報は、患者の歯牙のそれぞれに対する形状情報及び位置情報を含む。前記プロセッサは、前記取得された歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類する。前記複数の不正咬合種類情報は、患者の歯牙配列が複数の不正咬合のうち、いずれの不正咬合であるか分類するために必要な基準となる情報である。
【0065】
一実施形態によると、前記既保存されたアルゴリズムは、自動認知標準化アルゴリズムである。前記自動認知標準化アルゴリズムは、前記プロセッサが前記第1の歯牙画像に含まれた患者の歯牙のそれぞれの形状及び位置を確認して取得した歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合のうちの1つの不正咬合に分類するための機械学習に基づくアルゴリズムである。すなわち、前記既保存されたアルゴリズムは、多数のデータ(他の患者の歯牙画像)に基づいて学習されたアルゴリズムが、新たな3次元スキャンデータを受信する場合、治療ソリューション情報を提供するアルゴリズムである。すなわち、前記プロセッサは、前記既保存されたアルゴリズムにより、前記歯牙配列状態情報を取得して、不正咬合種類情報に分類し、前記分類された不正咬合種類に基づく治療ソリューション情報を提供する。
【0066】
前記複数の不正咬合種類情報は、叢生(crowding)不正咬合、空隙(spacing)不正咬合情報、回転(rotation)不正咬合情報、垂直関係(openbite&deepbite)不正咬合情報、近遠心歯軸傾斜(tipping)不正咬合情報、頬舌側歯軸傾斜(torque)不正咬合情報、及び勘合不正咬合情報のうちの少なくとも1つを含む。また、前記複数の不正咬合種類情報のそれぞれは、患者の第1の歯牙画像及び前記自動認知標準化アルゴリズムにより導出された患者の歯牙配列に対する特徴情報、及び前記自動認知標準化アルゴリズムにより、歯牙配列状態情報が不正咬合情報に分類されるまでの履歴情報を含む。前記自動認知標準化アルゴリズムにより、前記患者の歯牙配列がいずれの不正咬合であるかを分類する方法は、
図3で詳しく説明する。
【0067】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像を基に、取得された歯牙配列状態情報を自動認知標準化アルゴリズムを用いて、複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類完了した場合、ソリューション情報取得ステップ(S205)を行う。
【0068】
ステップS205において、前記プロセッサは、ステップS203により前記歯牙配列状態情報が前記複数の不正咬合種類情報のうちの1つに分類されると、矯正治療のためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記分類された不正咬合種類情報に対する治療ソリューション情報を取得する。
【0069】
例えば、前記プロセッサは、前記分類された不正咬合種類情報が「叢生不正咬合種類情報」である場合、人工知能ソリューション生成アルゴリズムを用いて、前記患者の「叢生不正咬合種類情報」に対応する叢生不正咬合を矯正治療するためのソリューションを導出して、治療ソリューション情報を生成することができる。前記プロセッサは、前記叢生不正咬合種類情報に含まれた患者の第1の歯牙画像情報を基に、前記患者の不正咬合に対する治療計画情報を取得することができる。前記プロセッサは、前記治療計画情報として、前記患者の歯牙配列状態が11番歯牙と21番歯牙が叢生不正咬合である場合、11番歯牙及び21番歯牙の少なくとも1つの位置を変更して、当接しないようにする治療方法情報を含む。
【0070】
すなわち、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像情報、及び人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記第1の歯牙画像情報に対応する歯牙配列を矯正するための治療計画情報及びVTO情報を取得することができ、ここで、取得される治療計画情報及びVTO情報は、前記プロセッサが前に取得した歯牙画像を、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより学習して、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列を矯正するために導出される情報である。
【0071】
図3は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の既保存されたアルゴリズムを説明するための図である。
【0072】
図3に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、既保存されたアルゴリズム(自動認知標準化アルゴリズム)により、患者の歯牙配列がいずれの不正咬合種類であるかを分類することができる。
【0073】
一実施形態によると、1つ以上のプロセッサ(以下、プロセッサという)は、第1の歯牙画像を取得する場合、既保存されたアルゴリズム(自動認知標準化アルゴリズム)により、前記第1の歯牙画像を分析して、患者の現在の歯牙配列状態に対応する歯牙配列状態情報を取得する。前記歯牙配列状態情報は、前記患者の歯牙のそれぞれに対する形状及び位置だけでなく、患者の下顎頭の位置、上下顎骨間の関係、及び頭蓋(cranium)に対する上下顎骨複合体の位置及び勾配情報を含む。
【0074】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記取得された歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合のうちの1つの不正咬合に分類する。
【0075】
例えば、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像を基に、患者の13番歯牙と14番歯牙が重なっている状態であることを確認して、歯牙配列状態情報を取得する。前記プロセッサは、前記歯牙配列状態情報を取得した場合、ステップS301を行う。前記プロセッサは、ステップS301が行われると、13番歯牙と14番歯牙が接触した状態であるかを確認することができる。
【0076】
前記プロセッサは、前記13番歯牙と前記14番歯牙が接触して重なっていることを確認すると、ステップS303を行う。前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像を基に、前記13歯牙と前記14番歯牙の重なり程度が3mmであると確認されると、前記患者の歯牙配列状態を「2度叢生不正咬合」と確認することで、患者の歯牙配列状態情報を「叢生不正咬合情報」に分類することができる。前記叢生不正咬合情報には、患者の第1の歯牙画像情報、前記自動認知標準化アルゴリズムにより導出された患者の歯牙配列に対する特徴情報(歯牙間形成された位置関係情報)、及び前記自動認知標準化アルゴリズムにより、歯牙配列状態情報が不正咬合情報に分類されるまでの履歴情報を含む。
【0077】
一実施形態によると、前記自動認知標準化アルゴリズムは、不正咬合種類情報の種類によって行われるステップが異なることがあり、ステップが行われるために必要な構成(歯牙間距離、歯牙回転可否、歯牙間垂直関係、歯牙のそれぞれに対する勾配)が異なる。すなわち、
図3は、自動認知標準化アルゴリズムのうち、患者の歯牙配列状態情報を歯牙の叢生不正咬合に分類するためのステップを示しており、不正咬合により対応するステップが異なる。
【0078】
例えば、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像を基に、患者の歯牙のそれぞれを識別して、13番歯牙と14番歯牙が離れている状態であることを確認することができる。前記プロセッサは、前記13番歯牙と14番歯牙の配列が離れている状態を表す情報である歯牙配列状態情報を取得することができる。
【0079】
前記プロセッサは、前記歯牙配列状態情報を取得した場合、前記13番歯牙と前記14番歯牙との間の距離を確認することができる。前記プロセッサは、前記13番歯牙と前記14番歯牙との間の距離が2mm以下の場合、1度空隙不正咬合と確認することで、患者の歯牙配列状態情報を「空隙不正咬合情報」に分類することができる。前記空隙不正咬合情報には、患者の第1の歯牙画像情報、前記自動認知標準化アルゴリズムにより導出された患者の歯牙配列に対する特徴情報(歯牙間位置関係情報)、及び前記自動認知標準化アルゴリズムにより、歯牙配列状態情報が不正咬合情報に分類されるまでの履歴情報を含む。
【0080】
図4は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の矯正現況情報提供ステップを説明するための図である。
【0081】
図4に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、矯正現況情報提供ステップ(
図1の矯正現況情報提供ステップ(S109))を含む。
【0082】
一実施形態によると、前記矯正現況情報提供ステップは、画像重畳ステップ(S401)と、矯正経過確認ステップ(S403)と、矯正経過予測ステップ(S405)と、情報生成ステップ(S407)とを含む。
【0083】
一実施形態によると、1つ以上のプロセッサ(以下、プロセッサという)は、前記矯正現況情報提供ステップの実行において、第1の歯牙画像、第2の歯牙画像、及び第3の歯牙画像から、患者の歯牙移動ベクトル情報を取得し、前記取得された歯牙移動ベクトル情報を基に、患者の歯牙矯正に対する矯正現況情報を生成し、前記生成された矯正現況情報に対応する矯正現況を医療関係者アカウントに提供する。前記矯正現況は、矯正治療中の口腔状態(歯牙配列状態)に関する情報、及び矯正治療完了後の口腔状態(歯牙配列状態)に関する情報のうちの少なくとも1つを含む。前記矯正現況情報提供ステップが行われる前に行われたステップに関する詳しい説明は、
図1乃至
図3を参照する。
【0084】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記矯正現況情報提供ステップの実行において、第1の頭部画像及び前記第2の頭部画像に含まれた共通ポイントを基準として、患者の歯牙のそれぞれに対する歯牙移動ベクトル情報を取得することができる。前記第1の頭部画像は、第1の歯牙部スキャンデータから抽出可能な患者の頭部を含む画像である。すなわち、前記第1の頭部画像を含む第1の歯牙部スキャンデータは、患者の頭部及び歯牙部位をいずれも含む画像データである。また、前記第2の頭部画像は、第2の歯牙部スキャンデータから抽出可能な患者の頭部を含む画像である。すなわち、前記第2の頭部画像を含む第2の歯牙部スキャンデータは、患者の頭部及び歯牙部位をいずれも含む画像データである。
【0085】
前記歯牙移動ベクトル情報に関する詳しい説明は、以下で説明する。
【0086】
ステップS401において、前記プロセッサは、第1の頭部画像及び第2の頭部画像に含まれた共通ポイントを基準に、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像を重ねて、予後画像を生成する。
【0087】
一実施形態によると、前記第1の頭部画像は、第1の歯牙部スキャンデータ(
図1の第1の歯牙部スキャンデータ)に対応する患者の頭部に対する放射線画像であり、第1の歯牙画像及び第2の歯牙画像を含む画像である。前記第2の頭部画像は、第2の歯牙部スキャンデータ(
図1の第2の歯牙部スキャンデータ)に対応する患者の頭部に対する放射線画像であり、第3の歯牙画像を含む画像である。
【0088】
一実施形態によると、前記共通ポイントは、前記第1の頭部画像及び前記第2の頭部画像に含まれた患者の頭部に位置した共通する地点であり、前記患者の歯牙配列に対する矯正にも変動しない少なくとも3つ以上の地点である。患者の歯牙配列は、透明矯正装置により矯正されることで、単に歯牙の位置だけが変わることではなく、前記透明矯正装置が歯牙のそれぞれを押引する力により、患者の頭蓋骨の形状が変わる。患者の頭蓋骨の形状が変わると、透明矯正装置により矯正される歯牙配列が治療計画によって矯正されない問題が発生する。
【0089】
これにより、本発明では、透明矯正装置により患者の歯牙配列を矯正し、透明矯正装置の押引する力により変動しない頭蓋骨に含まれた地点を「共通ポイント」とし、「共通ポイント」を基準に患者の頭部画像を重ねることで、矯正による患者の歯牙配列だけを確認するようにすることができる。
【0090】
すなわち、前記プロセッサは、第1の頭部画像及び第2の頭部画像に含まれた少なくとも3つの共通ポイントを基準に、前記第1の頭部画像に含まれた第1の歯牙画像と第2の歯牙画像、及び前記第2の頭部画像に含まれた第3の歯牙画像を重ねることで、前記患者の歯牙のそれぞれに対する配列の変化を確認可能にさせる画像である予後画像を生成することができる。すなわち、前記予後画像は、前記第1の歯牙画像、前記第2の歯牙画像、及び前記第3の歯牙画像を、前記共通ポイントを基準に重ねることで、1つの画像にそれぞれの歯牙画像に基づく患者の歯牙配列が含まれた1つの画像である。
【0091】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記予後画像の生成が完了すると、矯正経過確認ステップ(S403)を行う。
【0092】
ステップS403において、前記プロセッサは、前記予後画像の生成が完了すると、前記予後画像を基に、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列と、前記第3の歯牙画像に対応する歯牙配列とを比較する。前記プロセッサは、前記歯牙配列を比較することによって、歯牙のそれぞれが移動した方向及び移動した距離を確認して、第1の歯牙移動方向情報及び第1の歯牙移動距離情報を含む第1の歯牙移動ベクトル情報を、前記予後画像から抽出して取得することができる。
【0093】
一実施形態によると、前記第1の歯牙画像は、患者の歯牙配列に対する最初画像であり、前記第3の歯牙画像は、患者が透明矯正装置により歯牙配列を矯正する過程で取得された中間画像である。すなわち、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像に含まれたそれぞれの歯牙が透明矯正装置の押引する力によって移動した方向及び移動した距離を、前記第3の歯牙画像に含まれたそれぞれの歯牙の位置から確認することで、歯牙配列の矯正に対する実質的なデータを取得することができる。ここで、前記プロセッサは、それぞれの画像(第1の歯牙画像及び第3の歯牙画像)に含まれた歯牙を識別し、前記識別された歯牙のベクトル値を確認することができる。前記プロセッサが第1の歯牙移動ベクトル情報を取得する詳しい説明は、
図5を参照する。
【0094】
ステップS405において、前記プロセッサは、前記矯正経過確認ステップの機能が行われる間、前記予後画像を基に、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列と、前記第2の画像に対応する歯牙配列とを比較し、歯牙のそれぞれが移動予定の方向及び移動予定の距離を確認して、第2の歯牙移動方向情報及び第2の歯牙移動距離情報を含む第2の歯牙移動ベクトル情報を生成する。
【0095】
一実施形態によると、前記第1の歯牙画像は、患者の歯牙配列に対する最初画像であり、前記第2の歯牙画像は、患者の不正咬合が治療ソリューション情報に基づいて、矯正が完了したときの歯牙配列を予測した画像である。前記第2の歯牙移動ベクトル情報を生成するための詳しい説明は、
図6を参照する。
【0096】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第2の歯牙移動ベクトル情報の生成が完了すると、矯正現況情報生成ステップ(ステップS407)を行う。
【0097】
ステップS407において、前記プロセッサは、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報の取得が完了すると、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報を基に、矯正現況情報を生成する情報生成プロセッサを開始することができる。前記プロセッサが前記矯正現況情報を生成する詳しい説明は、
図7を参照する。
【0098】
図5は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況を提供する装置の矯正経過確認部を説明するための図である。
【0099】
図5に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況を提供する装置は、矯正経過確認部を含む。
【0100】
一実施形態によると、前記矯正経過確認部501は、
図4で説明した矯正経過確認ステップで行われる機能と同一の機能を行う構成である。
【0101】
一実施形態によると、前記矯正経過確認部501は、予後画像503(
図4の予後画像)の生成が完了すると、前記予後画像を基に、第1の歯牙画像に対応する歯牙配列503a及び503bと、第3の歯牙画像に対応する歯牙配列503a及び503cとを比較する。前記第1の歯牙画像に対する歯牙配列503a及び503bと、前記第3の歯牙画像に対する歯牙配列503a及び503cは、前記予後画像503に含まれた画像である。前記予後画像は、第1の頭部画像及び第2の頭部画像の共通ポイントを基準に重なる第1の歯牙画像、第2の歯牙画像、及び第3の歯牙画像が視覚的に区別されるように、グラフィック効果が適用された画像である。
【0102】
一実施形態によると、前記矯正経過確認部501は、前記それぞれの画像の歯牙配列を比較することによって、歯牙のそれぞれが移動した方向及び移動した距離を確認して、第1の歯牙移動方向情報及び第1の歯牙移動距離情報を含む第1の歯牙移動ベクトル情報を、前記予後画像503から抽出して取得することができる。
【0103】
一実施形態によると、前記第1の歯牙画像は、患者の歯牙配列に対する最初画像であり、前記第3の歯牙画像は、患者が透明矯正装置により、歯牙配列を矯正する過程で取得した中間画像である。すなわち、矯正経過確認部501は、前記第1の歯牙画像に含まれたそれぞれの歯牙の位置と、前記第3の歯牙画像に含まれたそれぞれの歯牙の位置とを比較して、透明矯正装置の押引する力によって歯牙が実質的に移動した方向及び移動した距離に関する情報を含む第1の歯牙移動ベクトル情報を生成する。ここで、前記矯正経過確認部501は、それぞれの画像(第1の歯牙画像及び第3の歯牙画像)に含まれた歯牙のそれぞれに対する位置を識別して、前記識別された歯牙の位置のベクトル値を確認することができる。
【0104】
例えば、矯正経過確認部501は、第1の歯牙画像から、患者の歯牙配列を確認することができる。前記矯正経過確認部501は、第1の歯牙画像から、13番歯牙503aと14番歯牙503bとの間に空間が形成されていることを確認することができる。前記歯牙画像から、患者の歯牙配列を確認する詳しい説明は、
図2の自動認知標準化アルゴリズムに関する説明を参照する。
【0105】
また、前記矯正経過確認部501は、第3の歯牙画像から、患者の歯牙配列を確認することができる。前記矯正経過確認部501は、前記第3の歯牙画像から、13番歯牙503aが位置した方向に、14番歯牙503cが所定の距離矯正されたことを確認することができる。ここで、前記矯正経過確認部は、第1の歯牙画像の14番歯牙503bと第3の歯牙画像の14番歯牙503cのベクトル値を比較して、透明矯正装置により矯正中の14番歯牙に対するベクトル値を確認することができる。
【0106】
前記矯正経過確認部501は、前記14番歯牙に対するベクトル値を確認して、前記14番歯牙が移動した距離に基づく第1の歯牙移動距離情報と、移動した方向に基づく第1の歯牙移動方向情報を含む第1の歯牙移動ベクトル情報とを生成する。
【0107】
図6は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の矯正経過予測ステップを説明するための図である。
【0108】
図6に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、矯正経過予測ステップ(
図4の矯正経過予測ステップ(S405))を含む。前記矯正経過予測ステップは、第4の歯牙画像取得ステップ(S601)と、第2の歯牙移動ベクトル情報生成ステップ(S603)とを含む。
【0109】
一実施形態によると、1つ以上のプロセッサ(以下、プロセッサという)は、
図4で説明した矯正経過確認ステップが行われる間、前記矯正経過予測ステップを行う。
【0110】
ステップS601において、前記プロセッサは、歯牙のそれぞれが移動予定の方向及び前記移動予定の距離を確認すると、前記第1の歯牙画像及び前記第2の歯牙画像から、前記治療ソリューション情報に基づく複数の視点のそれぞれに対応する複数の第4の歯牙画像を取得することができる。
【0111】
より具体的に、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像の歯牙のそれぞれが、前記治療ソリューション情報に基づいて再配列(矯正完了した配列)された第2の歯牙画像を基に、複数の視点のそれぞれに対応する複数の第4の歯牙画像を生成することができる。前記複数の視点のそれぞれは、医療関係者アカウントにより入力される少なくとも2つ以上の視点である。すなわち、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列が、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正される過程に基づく複数の画像を取得し、取得される複数の画像のうち、医療関係者アカウントにより入力された複数の視点のそれぞれに対応する画像である第4の歯牙画像を取得することができる。
【0112】
一実施形態によると、前記プロセッサは、矯正画像取得ステップ(矯正画像取得ステップ(S103))の実行により生成された患者の不正咬合種類情報に対する治療ソリューション情報に基づいて、矯正済み時の予測歯牙配列に対する第2の歯牙画像を取得する。ここで、取得される第2の歯牙画像は、第1の歯牙画像に基づく歯牙配列が、人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより再配列されることにより矯正された歯牙配列に対する画像である。
【0113】
これにより、前記プロセッサは、前記第1の歯牙画像に対応する歯牙配列において、前記第2の歯牙画像に対応する歯牙配列に矯正される過程に基づく歯牙配列を含む複数の画像を取得できることは、言うまでもない。ここで、取得される複数の画像は、矯正される歯牙配列の経過順に取得される。すなわち、前記複数の第4の歯牙画像は、治療ソリューション情報に基づいて、矯正されるべき患者の歯牙配列に基づく画像のうち、医療関係者アカウントにより入力された少なくとも2つ以上の視点に対応する画像である。
【0114】
一実施形態によると、前記プロセッサは、複数の第4の歯牙画像の取得が完了すると、第2の歯牙移動ベクトル情報生成ステップ(S603)を行う。
【0115】
ステップS603において、前記プロセッサは、前記複数の第4の歯牙画像の生成が完了すると、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれを経過順に比較して、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれに含まれた歯牙配列に対する第2の歯牙移動ベクトル情報を生成する。前記第2の歯牙移動ベクトル情報は、第2の歯牙移動経路情報及び第2の歯牙移動方向情報を含む。ここで、前記第2の歯牙移動ベクトル情報は、前記医療関係者アカウントにより入力される複数の視点が多いほど、前記複数の視点に対応する画像である第4の歯牙画像も多く取得することができる。すなわち、前記第2の歯牙移動ベクトル情報は、前記第4の歯牙画像の数によって、少なくとも1つ以上生成され、複数の第4の歯牙画像に含まれた歯牙配列が互いに異なるため、互いに異なる歯牙配列を確認して、第2の歯牙移動ベクトルを生成するからである。
【0116】
一実施形態によると、前記第2の歯牙移動方向情報は、治療ソリューション情報に基づいて、患者の歯牙配列を矯正することにおいて、歯牙のそれぞれが移動する移動距離を現す情報である。前記第2の歯牙移動距離情報は、治療ソリューション情報に基づいて、患者の歯牙配列を矯正することにおいて、歯牙のそれぞれが移動する移動方向を現す情報である。
【0117】
より具体的に、前記プロセッサは、第1の歯牙画像及び第2の歯牙画像を基に生成される前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれに含まれた歯牙の位置を確認することができる。前記プロセッサは、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれを経過順に比較することで、前記複数の第4の歯牙画像のそれぞれに含まれた歯牙の位置が移動する距離及び移動する方向に関する第2の歯牙移動ベクトル情報を生成することができる。
【0118】
図7は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法の情報生成ステップを説明するための図である。
【0119】
図7に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する方法は、情報生成ステップ(
図4の情報生成ステップ(S407))を含む。前記情報生成ステップは、方向確認ステップ(S701)と、距離確認ステップ(S703)と、矯正現況情報生成ステップ(ステップS705)とを含む。
【0120】
一実施形態によると、1つ以上のプロセッサ(以下、プロセッサという)は、
図4で説明した第1の歯牙移動ベクトル情報及び第2の歯牙移動ベクトル情報の生成が完了すると、前記方向確認ステップ(S701)を行う。
【0121】
ステップS701において、前記プロセッサは、前記第1の歯牙移動ベクトル情報及び前記第2の歯牙移動ベクトル情報の生成が完了する場合、第2の歯牙移動方向情報と第1の歯牙移動方向情報とを比較することができる。前記第2の歯牙移動方向情報は、前記第2の歯牙移動ベクトル情報に含まれた情報である。前記第1の歯牙移動方向情報は、前記第1の歯牙移動ベクトル情報に含まれた情報である。
【0122】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第2の歯牙移動方向情報に基づく移動軸方向(第2の移動軸方向)に対する前記第1の歯牙移動方向情報に基づく移動軸方向(第1の移動軸方向)の誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認する。前記方向確認ステップで言及する所定の誤差率は、座標誤差率を意味する。前記移動軸方向は、治療ソリューション情報に基づいて、患者の歯牙のそれぞれが移動すべき方向を意味する。前記所定の誤差率は、矯正現況情報を生成するための基準となる数値である。
【0123】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第1の移動軸方向に基づくx、y、z値と、前記第2の移動軸方向に基づくx、y、z値とを比較する。ここで、前記プロセッサは、前記第2の移動軸方向に基づくx、y、z値に対する前記第1の移動軸方向に基づくx、y、z値のそれぞれに対する誤差値を取得し、取得された誤差値の絶対値を取得する。前記プロセッサは、前記取得した絶対値の平均値を取得することができ、前記平均値は、前記第2の歯牙移動方向情報に対する第1の歯牙移動方向情報の誤差率である。前記プロセッサは、前記取得された移動方向情報の誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認する。
【0124】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記方向確認ステップを行う間、前記距離確認ステップ(S703)を行う。
【0125】
ステップS703において、前記プロセッサは、前記方向確認ステップが行われる間、第2の歯牙移動距離情報と第1の歯牙移動距離情報とを比較する。前記第2の歯牙移動距離情報は、前記第2の歯牙移動ベクトル情報に含まれた情報である。前記第1の歯牙移動距離情報は、第1の歯牙移動ベクトル情報に含まれた情報である。
【0126】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記第2の歯牙移動距離情報に基づく移動距離(第2の移動距離)に対する前記第1の歯牙移動距離情報に基づく移動距離(第1の移動距離)の誤差率が、前記所定の誤差率以下であるかを確認する。前記距離確認ステップで言及する所定の誤差率は、所定の距離誤差率を意味する。前記移動距離は、前記治療ソリューション情報に基づいて、患者の歯牙のそれぞれが移動すべき距離を意味する。
【0127】
一実施形態によると、前記プロセッサは、特定歯牙の前記第1の移動距離に基づく移動距離値と、前記特定歯牙の第2の移動距離に基づく移動距離値とを比較する。ここで、前記プロセッサは、第2の移動距離に対する第1の移動距離の誤差値を取得する。前記取得された誤差値は、移動距離に対する誤差率である。前記プロセッサは、前記取得された移動距離に対する誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認する。
【0128】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記方向確認ステップ(S701)及び前記距離確認ステップ(S703)の実行が完了する場合、前記矯正現況情報生成ステップ(S705)を行う。
【0129】
ステップS705において、前記プロセッサは、前記方向確認ステップ(S701)及び前記距離確認ステップ(S703)の実行に基づく結果情報を取得する。前記結果情報は、前記移動方向に対する誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認した結果、及び前記移動距離に対する誤差率が、所定の誤差率以下であるかを確認した結果を含む情報である。
【0130】
例えば、前記プロセッサは、前記移動方向に対する誤差率が4であり、前記移動方向に対する所定の誤差率が5である場合、前記移動方向に対する誤差率が、所定の誤差率以下であると判断する。また、前記プロセッサは、移動距離に対する誤差率が4であり、移動距離に対する所定の誤差率が7である場合、移動距離に対する誤差率が所定の誤差率以下であると判断することで、前記判断結果を含む結果情報を取得することができる。前記結果情報は、前記判断結果に基づくテキスト情報、画像情報、及び動画情報のうち、少なくとも1つを含む。
【0131】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記結果情報の取得が完了すると、前記治療ソリューション情報及び前記結果情報を基に、患者の歯牙配列に対する矯正治療の現況を表す矯正現況情報を生成する。
【0132】
より具体的に、前記プロセッサは、前記結果情報に基づく誤差率が発生した原因を、人工知能ソリューション生成アルゴリズム(
図2の人工知能ソリューション生成アルゴリズム)により分析することができる。前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムは、様々なデータ(他の患者の歯牙画像、他の患者の矯正治療中に取得された履歴データ)を学習するので、前記結果情報を基に誤差率が発生した原因情報を導出することができる。ここで、前記プロセッサは、人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記結果情報分析において、誤差率が所定の誤差率以上である歯牙のそれぞれを分析し、分析されたそれぞれの歯牙により、患者の歯牙配列に対する現況を表す矯正現況情報を生成する。
【0133】
また、前記プロセッサは、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記結果情報を分析して、矯正中の歯牙配列に影響するような要素情報を導出することができる。前記のように導出された情報は、患者の歯牙配列の矯正治療に対する現況を表す矯正現況情報として生成される。
【0134】
一実施形態によると、前記プロセッサは、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記結果情報を分析する。前記プロセッサは、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより分析された結果情報に基づく患者の歯牙配列が、治療ソリューション情報に対応して矯正されない場合、新たな治療ソリューション情報を取得することができる。前記プロセッサは、前記生成された新たな治療ソリューション情報を、前記矯正現況情報に含む。
【0135】
図8は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の矯正治療評価情報提供部を説明するための図である。
【0136】
図8に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置800(以下、矯正現況及び治療評価情報提供装置という)は、目標値取得部801と、矯正済み画像取得部803と、評価情報提供部805とを含む。
【0137】
一実施形態によると、前記目標値取得部801は、患者を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータ801aを、医療関係者アカウントから受信することができる。前記第1の歯牙部スキャンデータ801aは、患者を撮影して取得した放射線画像である。例えば、前記第1の歯牙部スキャンデータ801aは、患者の頭部を撮影して取得した画像データである。ここで、取得された画像データは、患者の頭部及び歯牙配列に対する画像を含むデータである。また、前記第1の歯牙部スキャンデータ801aは、患者の歯牙部、すなわち、患者の歯牙配列だけを撮影して取得した画像データである。
【0138】
一実施形態によると、前記目標値取得部801は、前記受信された第1の歯牙部スキャンデータ801aを基に、患者の歯牙に対する不正咬合画像を取得する。前記不正咬合画像は、前記第1の歯牙部スキャンデータ801aを基に取得される患者の矯正治療前歯牙配列に対する画像であって、患者の不正咬合に対する画像を含んでいる最初の画像である。
【0139】
一実施形態によると、前記目標値取得部801は、前記取得された不正咬合画像を基に、治療ソリューション情報を取得する。前記治療ソリューション情報は、前記不正咬合画像に基づく患者の不正咬合を矯正するための治療情報である。前記治療ソリューション情報を取得する詳しい説明は、
図9で説明する。
【0140】
一実施形態によると、前記目標値取得部801は、前記治療ソリューション情報の取得が完了すると、前記取得された治療ソリューション情報を基に、患者の不正咬合を矯正するための矯正目標値を取得する。ここで、前記目標値取得部801は、前記不正咬合画像に含まれた患者の不正咬合を正常歯牙配列に矯正するために、前記治療ソリューション情報を基に、不正咬合画像に対応する患者の歯牙のそれぞれに対する矯正目標方向情報及び矯正目標距離情報を取得し、取得された矯正目標方向情報及び矯正目標距離情報を基に、矯正目標値を取得する。前記矯正目標値を取得する詳しい説明は、
図11で説明する。
【0141】
一実施形態によると、前記矯正済み画像取得部803は、前記目標値取得部801により、前記矯正目標値の取得が完了した状態で、透明矯正装置により矯正治療が完了した患者を撮影し、取得した新たな3次元スキャンデータである第3の歯牙部スキャンデータを取得する。前記第3の歯牙部スキャンデータは、患者の不正咬合に対する矯正治療が完了した時点で、患者を撮影して取得した放射線画像である。
【0142】
一実施形態によると、前記矯正済み画像取得部803は、前記第3の歯牙部スキャンデータの受信が完了すると、前記第3の歯牙部スキャンデータを基に、矯正された歯牙配列に対する画像である矯正完了画像803aを取得する。前記矯正完了画像は、透明矯正装置により矯正治療が完了した患者の歯牙配列に対する画像である。
【0143】
一実施形態によると、前記評価情報提供部805は、前記矯正完了画像803aの取得が完了すると、前記矯正完了画像を基に、矯正された歯牙のそれぞれに対する矯正達成値を取得することができる。前記矯正達成値は、透明矯正装置により実質的に矯正された歯牙のそれぞれに対する矯正距離達成情報及び矯正方向達成情報を基に生成される情報である。
【0144】
一実施形態によると、前記評価情報提供部805は、前記矯正達成値の取得が完了すると、前記矯正達成値と前記矯正目標値とを比較して、前記矯正目標値に対する前記矯正達成値の誤差情報を取得する。前記誤差情報は、前記矯正達成値が前記矯正目標値を満たすか否かによって生成される情報である。前記評価情報提供部805は、前記誤差情報を基に、矯正治療に対する評価情報である矯正治療評価情報を生成して、医療関係者アカウントに提供する。前記矯正治療評価情報は、前記誤差情報を基に生成される情報であって、患者の矯正治療が不十分であるか、効果的であるかを判断するための情報である。
【0145】
図9は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の目標値取得部を説明するためのブロック図である。
【0146】
図9に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置(
図8の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置800)(以下、矯正現況及び治療評価情報提供装置という)は、目標値取得部900(
図8の目標値取得部801)を含む。
【0147】
一実施形態によると、前記目標値取得部900は、不正咬合確認開始部901と、不正咬合判断部903と、ソリューション取得部905とを含む。
【0148】
一実施形態によると、前記不正咬合確認開始部901は、医療関係者アカウントから患者を撮影して取得した3次元スキャンデータである第1の歯牙部スキャンデータを受信する場合、不正咬合確認プロセスを開始することができる。前記不正咬合確認プロセスは、前記不正咬合画像から、患者の歯牙配列を確認することで、患者の歯牙配列が複数の不正咬合情報のうち、どの不正咬合情報であるかを分類して、患者の不正咬合を判断するプロセスである。
【0149】
一実施形態によると、前記不正咬合判断部903は、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記不正咬合画像に含まれた歯牙のそれぞれに対する形状及び位置を判別して、患者の歯牙配列状態を確認することができる。前記不正咬合判断部903は、確認された歯牙配列状態を基に、患者の歯牙配列を複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類する。より具体的に、前記不正咬合判断部903は、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、不正咬合画像を分析して、患者の歯牙配列状態を確認する場合、前記確認された歯牙配列状態に対応する歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類することができる。
【0150】
一実施形態によると、前記保存された不正咬合確認アルゴリズムは、前記不正咬合画像を分析して、前記不正咬合画像に含まれた歯牙のそれぞれに対する形状及び位置を判別する機械学習に基づくアルゴリズムである。例えば、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムは、PointNetに基づくディープラーニングアルゴリズムである。前記不正咬合判断部903は、前記PointNetに基づくディープラーニングアルゴリズムにより、前に取得又は入力された歯牙画像を学習することで、歯牙画像に含まれた歯牙のそれぞれ(1番歯牙、2番歯牙など)に対する形状及び位置を判別して、前記患者の歯牙配列状態を確認する。また、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記不正咬合画像から、患者の下顎頭の位置、歯牙の配列(形状及び位置)、上下顎骨間の関係、及び頭蓋(cranium)に対する上下顎骨複合体の位置及び勾配を確認するようにするアルゴリズムである。
【0151】
すなわち、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムは、PointNetに基づくディープラーニングアルゴリズムだけでなく、以前に取得又は入力された歯牙画像を機械学習(machine learning)することで、新たに入力される歯牙画像から、患者の歯牙配列を判断して、患者の不正咬合の種類を確認可能な機械学習に基づくアルゴリズムであると、これに限定しない。
【0152】
例えば、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムは、自動認知標準化アルゴリズムである。前記自動認知標準化アルゴリズムは、前記不正咬合判断部903が、前記不正咬合画像に含まれた患者の歯牙のそれぞれの形状及び位置を確認して取得した歯牙配列状態情報を、複数の不正咬合情報のうちの1つの不正咬合情報に分類するための機械学習に基づくアルゴリズムである。
【0153】
一実施形態によると、前記不正咬合判断部903は、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより前記不正咬合画像を分析して、患者の歯牙配列を確認するとき、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、不正咬合画像に含まれた患者の歯牙のそれぞれに対する位置、隣接歯牙の接触関係、垂直関係、回転可否、及び勾配の少なくとも1つを確認する。前記不正咬合判断部903は、前記患者の歯牙配列の確認が完了すると、前記確認された歯牙配列に対応する歯牙配列状態情報を、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより取得する。すなわち、前記歯牙配列状態情報と前記不正咬合画像を基に、患者の歯牙のそれぞれに対する位置情報、隣接歯牙との接触関係情報、隣接歯牙との垂直関係情報、回転可否情報、及び勾配情報を含む。前記歯牙配列状態情報を複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類する詳しい方法は、
図3で説明する。
【0154】
一実施形態によると、前記不正咬合判断部903は、前記歯牙状態情報を、複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類する場合、前記分類完了した不正咬合情報に対応する不正咬合を、患者の歯牙配列に対する不正咬合と判断する。
【0155】
一実施形態によると、前記ソリューション取得部905は、前記不正咬合判断部903により患者の不正咬合の判断が完了すると、矯正治療のためのソリューションを導出する機械学習に基づく人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、患者の不正咬合に対する治療ソリューション情報を取得する。前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムは、様々なデータ(他の患者の歯牙画像、他の患者の矯正治療中に取得された履歴データ)を学習するので、前記結果情報を基に、誤差率が発生した原因情報を導出することができる。
【0156】
一実施形態によると、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムは、前記ソリューション取得部905が歯牙矯正のためのデータを、他の電子装置(デスクトップ、タブレットPC、及び医療機器)、又は医療関係者アカウントから受信され、受信されたデータを機械学習することで、患者の歯牙配列に対するVTO(visualized treatment objectives)及び最適の治療計画を提示するためのアルゴリズムである。
【0157】
一実施形態によると、前記ソリューション取得部905は、他の患者の歯牙画像データを受信すると、前記受信されたデータを学習データで機械学習して、安定化した下顎頭の位置、適切な角度を有する歯牙の配列、上下顎骨間の関係、及び頭蓋(cranium)に対する適切な上下顎骨複合体の位置、勾配などを考えて、患者の歯牙配列に対するVTO(visualized treatment objectives)及び最適の治療計画に関する情報を取得する。
【0158】
すなわち、前記治療ソリューション情報は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより生成されるVTO及び治療計画情報の少なくとも1つを含む情報である。これにより、前記VTO及び前記治療計画情報は、患者の歯牙配列を矯正するために必要な治療方法情報、治療期間情報、治療薬物情報などを含む。
【0159】
図10は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の不正咬合判断部を説明するための図である。
【0160】
図10に示しているように、不正咬合判断部1001(
図9の不正咬合判断部903)は、不正咬合確認プロセスが開始する場合、受信された不正咬合画像901aから、患者の歯牙配列を確認することができる。
【0161】
一実施形態によると、前記不正咬合判断部1001は、前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、前記不正咬合画像1001aに含まれた歯牙のそれぞれに対する形状及び位置を判別して、患者の歯牙配列状態を確認する。前記不正咬合判断部1001が既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより患者の歯牙配列を確認する詳しい説明は、
図9を参照する。
【0162】
一実施形態によると、前記不正咬合判断部1001は、確認された歯牙配列状態を基に、患者の歯牙配列を複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類する。ここで、前記不正咬合判断部1001は、患者の歯牙配列を確認して、取得された歯牙配列状態情報を基に、患者の歯牙配列を複数の不正咬合情報のいずれか1つに分類する。前記複数の不正咬合種類情報は、叢生(crowding)不正咬合、空隙(spacing)不正咬合情報、回転(rotation)不正咬合情報、垂直関係(openbite&deepbite)不正咬合情報、近遠心歯軸傾斜(tipping)不正咬合情報、頬舌軸歯軸傾斜(torque)不正咬合情報、及び勘合不正咬合情報のうち、少なくとも1つを含む。
【0163】
一実施形態によると、前記不正咬合判断部1001は、不正咬合画像を取得する場合、既保存された不正咬合確認アルゴリズム(自動認知標準化アルゴリズム)により、前記不正咬合画像を分析して、患者の歯牙配列状態に対応する歯牙配列状態情報を取得する。前記歯牙配列状態情報は、前記患者の歯牙のそれぞれに対する形状及び位置だけでなく、患者の下顎頭の位置、上下顎骨間の関係、及び頭蓋(cranium)に対する上下顎骨複合体の位置及び勾配情報を含む。
【0164】
例えば、前記不正咬合判断部1001は、前記歯牙配列状態情報を取得した場合、前記歯牙配列状態情報を複数の不正咬合情報のうちの1つに分類する判断プロセス1003を開始する。前記不正咬合判断部1001は、前記歯牙配列状態情報を基に、患者の13番歯牙が回転した状態であることを確認することができる。前記不正咬合判断部1001は、前記13番歯牙が回転した状態である場合、1003aに含まれたプロセスを行う。また、前記不正咬合判断部1001は、前記歯牙配列状態情報を基に、患者の歯牙が回転した状態ではないことを確認した場合、1003bに含まれたプロセスを行う。前記判断プロセス1003は、複数の不正咬合種類毎に異なるプロセスである。
【0165】
図11は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の目標値取得部を説明するための他のブロック図である。
【0166】
図11に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置(
図8の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置800)(以下、矯正現況及び治療評価情報提供装置という)は、目標値取得部1100(
図8の目標値取得部801)を含む。
【0167】
一実施形態によると、前記目標値取得部1100は、ガイド適用部1101と、仮想矯正画像取得部1103と、矯正値取得部1105とを含む。
【0168】
一実施形態によると、前記目標値取得部1100は、ソリューション取得部(
図9のソリューション取得部905)により、治療ソリューション情報1101aの取得が完了する場合、ソリューション生成アルゴリズムにより、患者の不正咬合画像1101bに治療ソリューション情報1101aに基づく矯正ガイドを適用することができる。前記ソリューション生成アルゴリズムに関する詳しい説明は、
図9を参照する。前記矯正ガイドは、患者の最初歯牙配列を表す不正咬合画像1101bに適用される情報であって、前記不正咬合画像1101bに基づく患者の不正咬合が、前記治療ソリューション情報1101aに基づいて最適の形状に矯正完了した形状の歯牙配列に配列するための歯牙のそれぞれに対するベクトル情報である。
【0169】
一実施形態によると、前記仮想矯正画像取得部1103は、前記治療ソリューション情報1101aに基づく矯正ガイドが、前記不正咬合画像1101bに適用されることによって、患者の歯牙のそれぞれを矯正完了した歯牙状態に仮想配列することで、矯正完了した歯牙配列に対応する仮想の画像である仮想矯正画像1103aを取得する。
【0170】
一実施形態によると、前記仮想矯正画像取得部1103は、前記矯正ガイドに基づく歯牙のそれぞれのベクトル情報を基に、前記不正咬合画像1101bに含まれた歯牙のそれぞれのベクトル情報を変更して、前記治療ソリューション情報1101aに基づく患者の矯正済み状態の歯牙配列に対応する前記仮想矯正画像1103aを取得する。
【0171】
一実施形態によると、前記矯正値取得部1105は、前記仮想矯正画像1103aの取得が完了すると、前記仮想矯正画像1103aと前記不正咬合画像1101bとを比較する。より具体的に、前記矯正値取得部1105は、前記仮想矯正画像1103aに含まれた歯牙のそれぞれに対するベクトル情報と、前記不正咬合画像1101bに含まれた歯牙のそれぞれに対するベクトル情報とを比較し、歯牙のそれぞれに対する矯正目標方向情報及び矯正目標距離情報を取得する。前記矯正目標方向情報は、前記不正咬合状態の歯牙が矯正完了した状態の配列に矯正されるために移動する方向に対する情報である。前記矯正目標距離情報は、前記不正咬合状態の歯牙が矯正完了した状態の配列に矯正されるために移動する距離に関する情報である。
【0172】
一実施形態によると、前記矯正値取得部1105は、前記矯正目標方向情報及び矯正目標距離情報を所定の数式に基づいて計算して、矯正目標値を取得する。前記所定の数式は、本発明を運用する企業、機関毎に異なる。前記矯正目標値は、不正咬合の歯牙が矯正された状態の配列に矯正されることによって移動すべき程度を示す値である。すなわち、前記矯正目標値は、不正咬合画像に基づく歯牙のそれぞれが矯正された配列に形成されるために移動すべき目標値である。
【0173】
図12は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置の評価情報提供部を説明するためのブロック図である。
【0174】
図12に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置(
図8の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置800)(以下、矯正現況及び治療評価情報提供装置という)は、評価情報提供部1200(
図8の評価情報提供部805)を含む。
【0175】
一実施形態によると、前記評価情報提供部1200は、達成値取得部1201と、誤差値確認部1203と、誤差情報分析部1205とを含む。
【0176】
一実施形態によると、前記達成値取得部1201は、矯正済み画像取得部(
図8の矯正済み画像取得部803)から、矯正完了画像の取得が完了する場合、既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより前記矯正完了画像を分析して、患者の矯正された歯牙のそれぞれに対する矯正達成値1201bを取得する。前記既保存された不正咬合確認アルゴリズムに関する詳しい説明は、
図9を参照する。
【0177】
一実施形態によると、前記達成値取得部1201は、透明矯正装置により矯正治療済みの患者の歯牙配列に対する矯正完了画像の取得が完了すると、既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより、矯正完了画像に基づく患者の歯牙配列状態を確認することができる。前記達成値取得部1201は、前記矯正完了画像に基づく患者の歯牙配列状態を確認することで、前記歯牙のそれぞれに対する矯正達成値1201bを取得する。前記矯正達成値1201bは、矯正達成方向情報及び矯正達成距離情報を含む情報であって、歯牙のそれぞれに対するベクトル情報である。前記矯正達成値1201bは、前記矯正達成方向情報及び前記矯正達成距離情報を、所定の数式で計算することで取得される値である。
【0178】
一実施形態によると、前記誤差値確認部1203は、前記矯正達成値1201bの取得が完了すると、矯正目標値1201c(
図11の矯正目標値)と前記矯正達成値1201bとを比較する。前記矯正目標値1201cに関する詳しい説明は、
図11を参照する。前記誤差値確認部1203は、前記矯正目標値1201cと前記矯正達成値1201bとを比較することで、前記矯正目標値1201cに対する前記矯正達成値1201bの誤差値1201dを取得する。前記誤差値確認部1203は、前記取得された誤差値1201dが、所定の誤差値範囲1201eに含まれるかを判断する。
【0179】
図12における1201の構成は、前記誤差値確認部1203により保存される記録テーブルである。例えば、前記誤差値確認部1203は、前記達成値取得部1201により取得された13番歯牙に対する矯正達成値と、13番歯牙に対する矯正目標値とを比較する。前記誤差値確認部1203は、前記13番歯牙に対する矯正達成値11391.16と、前記13番歯牙に対する矯正目標値12252.27とを比較して、誤差値207.88を取得する。ここで、前記誤差値確認部1203は、前記取得された誤差値が所定の誤差値範囲に含まれるかを判断する。前記所定の誤差値は、歯牙毎に異なり、不正咬合の種類毎に異なる。
【0180】
一実施形態によると、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差値確認部1203の機能実行により判断された結果に基づいて、誤差情報を生成する。前記誤差情報は、それぞれの歯牙に対する誤差値が所定の誤差値以下であるか否かに関する情報である。すなわち、前記誤差情報は、歯牙のそれぞれに対する矯正達成値、矯正目標値、誤差値、及び所定の誤差値に対する情報をいずれも含む。
【0181】
一実施形態によると、前記誤差情報分析部1205は、前記生成された誤差情報を、人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより分析して、矯正治療評価情報を生成する。前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムに関する詳しい説明は、
図9を参照する。前記誤差情報分析部1205は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、前記誤差情報を分析する。より具体的に、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差情報を基に、誤差値が所定の誤差値に含まれないことを確認した場合、不正咬合に対する矯正治療が失敗したことと確認することができる。また、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差情報を基に、誤差値が所定の誤差値に含まれることを確認した場合、不正咬合に対する矯正治療が成功したことと確認することができる。
【0182】
一実施形態によると、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差情報を基に、患者の歯牙のそれぞれに対する矯正治療の成否を確認し、前記確認結果に基づく矯正治療評価情報を生成する。
【0183】
一実施形態によると、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差情報を基に、誤差値が所定の誤差値に含まれないことを確認した場合、不正咬合に対する矯正治療が十分行われなかったことを報知する矯正治療評価情報を生成する。ここで、前記誤差情報分析部1205は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより、誤差値が所定の誤差値範囲に含まれない原因情報を導出し、前記原因情報に基づく原因を解決するための矯正改善情報を生成する。前記矯正改善情報は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより生成される情報であって、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより学習された他の患者の矯正治療履歴情報に基づいて導出される模範治療情報である。すなわち、前記誤差情報分析部1205は、前記模範治療情報にとって、前記矯正失敗した歯牙に対する矯正ガイドを提示することができる。
【0184】
一実施形態によると、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差情報を基に、誤差値が所定の誤差値に含まれることを確認した場合、不正咬合に対する矯正治療が十分行われたことを報知する矯正治療評価情報を生成する。ここで、前記誤差情報分析部1205は、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより矯正完了した歯牙のそれぞれに対する補完点情報を導出することができる。例えば、前記補完点情報は、歯牙のそれぞれが矯正位置に完全に定着するために、透明矯正装置の勧奨装着期間に関する情報又は注意点情報を含む。
【0185】
一実施形態によると、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差情報を基に誤差値を確認し、前記確認された誤差値が、所定の誤差値範囲のいずれの範囲に含まれているかを確認する。前記所定の誤差値範囲は、少なくとも2つ以上の状態範囲を含む。例えば、前記所定の誤差値範囲は、優秀範囲、良好範囲、及び追加治療勧奨範囲を含む。前記誤差情報分析部1205は、前記誤差値が優秀範囲に含まれることを確認した場合、不正咬合に対する矯正治療が効果的に進行されたことを報知する矯正治療評価情報を生成する。例えば、前記誤差情報分析部1205は、前記誤差値が前記治療推奨範囲に含まれることを確認した場合、不正咬合に対する矯正治療が治療ソリューション情報に基づいて進行されたが、不十分な部分が発生したことと判断することができる。これにより、前記誤差情報分析部1205は、前記矯正治療評価情報生成において、前記人工知能ソリューション生成アルゴリズムにより不十分な点を分析し、不十分な点を補完する治療補完情報を取得し、前記矯正治療評価情報に含ませる。
【0186】
図13は、本発明の一実施形態に係る患者の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置のインタフェースを説明するための図である。
【0187】
図13に示しているように、1つ以上のプロセッサ、及び前記プロセッサで実行可能な命令を保存する1つ以上のメモリを含むコンピューティング装置で具現される歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置(
図8の歯牙部スキャンデータに基づく歯牙矯正現況及び矯正治療評価情報を提供する装置800)(以下、矯正現況及び治療評価情報提供装置という)は、評価情報提供部(
図8の評価情報提供部805)を含む。
【0188】
一実施形態によると、前記評価情報提供部は、矯正装置図案生成部(図示せず)と、矯正装置図案提供部とを含む。
【0189】
一実施形態によると、前記評価情報提供部は、模範治療情報が含まれた矯正治療評価情報を医療関係者アカウントに提供することにおいて、前記矯正装置図案生成部にとって、前記模範治療情報に基づく透明矯正装置の設計図案情報である第1の設計図案を生成するようにする。
【0190】
一実施形態によると、前記矯正装置図案生成部は、前記模範治療情報に基づいて、矯正済みの患者の歯牙配列に対する設計図案情報である第1の設計図案を生成する。ここで、生成される第1の設計図案は、患者の最初歯牙配列について透明矯正装置(第1の透明矯正装置)で矯正をした後、矯正治療に対する不十分な部分を補完するために、新たな透明矯正装置(第2の透明矯正装置)を製造する図案情報である。
【0191】
一実施形態によると、前記矯正装置図案提供部は、前記第1の設計図案の生成が完了すると、矯正目標値に基づく透明矯正装置の設計図案である第2の設計図案情報を取得して、前記第1の設計図案及び前記第2の設計図案を比較可能なインタフェース1300を、前記医療関係者アカウントに提供する。すなわち、前記矯正装置図案提供部は、第2の設計図案に基づく第1の透明矯正装置1301と、前記第1の設計図案に基づく第2の透明矯正装置1303を視覚的に確認するインタフェース1300を、前記医療関係者アカウントに提供する。
【0192】
一実施形態によると、前記評価情報提供部は、前記医療関係者アカウントに、前記インタフェース1300により、前記第1の透明矯正装置及び前記第2の透明矯正装置に対する画像を提供する間、前記医療関係者アカウントから、前記第2の透明矯正装置を設計変更するための医者所見情報が受信されると、前記入力された医者所見情報を基に、第1の設計図案を修正することができる。前記医者所見情報は、前記第1の設計図案を修正するための図案修正情報である。すなわち、前記医療関係者アカウントの使用者は、患者の歯牙配列を確認し、更に、設計図案に対する設計変更が必要である場合、前記医者所見情報を前記インタフェースに入力することで、前記第1の設計図案に基づく設計を変更することができる。
【0193】
図13における1305の構成は、第1の設計図案を修正するためのメニューであって、前記インタフェース1300に含まれている機能の1つである。医療関係者アカウントの使用者は、前記1305の構成により、それぞれの歯牙に対する画像を詳細拡大することができる。評価情報提供部は、前記歯牙に対する画像が詳細拡大した状態で、前記医療関係者アカウントから、前記拡拡大した歯牙を修正するための入力情報である医者所見情報を受信する場合、前記受信された医者所見情報に基づいて、拡大した歯牙の位置及び形状を修正することができる。ここで、前記画像に含まれた歯牙は、3Dモデリング画像であり、前記3Dモデリング画像は、歯牙画像を既保存された不正咬合確認アルゴリズムにより分析するとき、取得可能な画像である。
【0194】
図14は、本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置の内部構成の一例を説明するための図である。
【0195】
図14は、本発明の一実施形態に係るコンピューティング装置の内部構成の一例を示し、以下の説明において、前記
図1乃至
図13に関する説明と重複する説明は、省略する。
【0196】
図14に示しているように、コンピューティング装置10000は、少なくとも1つのプロセッサ11100と、メモリ11200と、周辺装置インタフェース11300と、入出力サブシステム11400と、電力回路11500と、通信回路11600とを少なくとも含む。ここで、コンピューティング装置10000は、触覚インタフェース装置に連結されたユーザ端末機(A)、又は前記コンピューティング装置(B)に該当する。
【0197】
メモリ11200は、一例として、高速ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、SRAM、DRAM、ROM、フラッシュメモリ、又は不揮発性メモリを含む。メモリ11200は、コンピューティング装置10000の動作に必要なソフトウェアモジュール、コマンド集合、又は、その他に様々なデータを含む。
【0198】
ここで、プロセッサ11100や周辺装置インタフェース11300などの他のコンポーネントからメモリ11200にアクセスすることは、プロセッサ11100により制御される。
【0199】
周辺装置インタフェース11300は、コンピューティング装置10000の入力及び/又は出力周辺装置を、プロセッサ11100及びメモリ11200に結合させる。プロセッサ11100は、メモリ11200に保存されたソフトウェアモジュール又はコマンド集合を行って、コンピューティング装置10000のための様々な機能を行い、データを処理する。
【0200】
入出力サブシステム11400は、様々な入出力周辺装置を周辺装置インタフェース11300に結合させる。例えば、入出力サブシステム11400は、モニタやキーボード、マウス、プリンタ、又は、必要に応じて、タッチスクリーンやセンサなどの周辺装置を、周辺装置インタフェース11300に結合させるためのコントローラを含む。他の側面によると、入出力周辺装置は、入出力サブシステム11400を介することなく、周辺装置インタフェース11300に結合されることもできる。
【0201】
電力回路11500は、端末機のコンポーネントの全部又は一部に電力を供給することができる。例えば、電力回路11500は、電力管理システム、バッテリーや交流(AC)などのような1つ以上の電源、充電システム、電力失敗感知回路(power failure detection circuit)、電力変換器やインバータ、電力状態標識又は電力生成、管理、分配のための任意の他のコンポーネントを含む。
【0202】
通信回路11600は、少なくとも1つの外部ポートを用いて、他のコンピューティング装置との通信を可能にする。
【0203】
または、前記のように、必要に応じて、通信回路11600は、RF回路を含み、電磁気信号(electromagnetic signal)とも知られたRF信号を送受信することで、他のコンピューティング装置と通信を可能にすることもできる。
【0204】
このような
図14の実施形態は、コンピューティング装置10000の一例に過ぎず、コンピューティング装置11000は、
図14における一部のコンポーネントが省略されるか、
図14における更なるコンポーネントを備えるか、2つ以上のコンポーネントを結合させる構成又は配置を有することができる。例えば、モバイル環境の通信端末のためのコンピューティング装置は、
図14に示しているようなコンポーネントの他にも、タッチスクリーンやセンサ等を更に含むこともでき、通信回路11600に様々な通信方式(Wi-Fi、3G、LTE、Bluetooth(登録商標)、NFC、Zigbee(登録商標)など)のRF通信のための回路が含まれる。コンピューティング装置10000に含まれるコンポーネントは、1つ以上の信号処理、又はアプリケーションに特化された集積回路を含むハードウェア、ソフトウェア、又は、ハードウェア及びソフトウェアの両者の組み合わせで具現される。
【0205】
本発明の実施形態による方法は、様々なコンピューティング装置により行われるプログラム命令(instruction)形態に具現されて、コンピュータ読取り可能な媒体に記録される。特に、本実施形態によるプログラムは、PC基盤のプログラム、又はモバイル端末専用のアプリケーションで構成される。本発明が適用されるアプリケーションは、ファイル配布システムが提供するファイルを通じて、ユーザ端末に設置される。一例として、ファイル配布システムは、ユーザ端末機の要請によって、前記ファイルを伝送するファイル伝送部(図示せず)を含む。
【0206】
以上で説明した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又は、ハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせで具現される。例えば、実施形態で説明された装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、又は、命令(instruction)を実行し、応答する他のいずれの装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ、又は特殊目的コンピュータを用いて具現される。処理装置は、運営体制(OS)、及び前記運営体制上で行われる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを行うことができる。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データを接近、保存、操作、処理、及び生成することもできる。理解の便宜のために、処理装置は、1つが使用されることと説明した場合もあるが、当該技術分野における通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)、及び/又は複数タイプの処理要素をも含むことが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ、及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0207】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又は、これらのうち、1つ以上の組み合わせを含み、所望の通り動作するように、処理装置を構成するか、独立的に又は結合的に(collectively)処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置により解析されるか、処理装置に命令又はデータを提供するために、どのタイプの機械、構成要素(component)、物理的装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピュータ格納媒体、又は装置に永久的に又は一時的に具体化(embody)される。ソフトウェアは、ネットワークで連結されたコンピューティング装置上に分散され、分散された方法で格納又は実行されることもできる。ソフトウェア及びデータは、1つ以上のコンピュータ読取り可能な記録媒体に格納される。
【0208】
実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段により行われるプログラム命令形態で具現され、コンピュータ読取り可能な媒体に記録される。前記コンピュータ読取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて含むことができる。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために、特に設計され構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア当業者に公知されて、使用可能なものでもある。コンピュータ読取り可能な記録媒体としては、ハードディスク、フロッピーディスク、及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical media)、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を格納し、実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令としては、コンパイラーにより作られるような機械語コードだけでなく、インタプリターなどを用いて、コンピュータにより実行可能な高級言語コードを含む。前記ハードウェア装置は、実施形態の動作を行うために、1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成され、その逆も同様である。
【0209】
以上のように実施形態が、たとえ限定した実施例と図面により説明されたが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に行われるか、及び/又は、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わさるか、他の構成要素又は均等物により対置又は置換されても、適切な結果が達成される。そのため、他の具現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
【国際調査報告】