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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】排気システム及びその構成要素
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20240822BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20240822BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20240822BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20240822BHJP
   B01J 35/50 20240101ALI20240822BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
F01N3/20 K
F01N3/24 L
F01N3/28 301C
F01N3/28 301F
F01N3/28 301J
F01N3/08 B
F01N3/08 C
F01N3/28 311H
F01N3/24 E
B01J35/50 311
B01J35/50 ZAB
B01J37/02 301L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508644
(86)(22)【出願日】2022-08-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 US2022040366
(87)【国際公開番号】W WO2023019023
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】63/233,019
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524054521
【氏名又は名称】イーシーシー・テック・エムエスジェイ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ECC TEC MSJ INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】アキルディス,サバン
【テーマコード(参考)】
3G091
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AB02
3G091AB05
3G091AB13
3G091AB14
3G091AB15
3G091CA03
3G091CA17
3G091GA06
3G091GB06W
3G091GB07W
3G091GB17W
3G091HA28
4G169AA03
4G169AA11
4G169BA13A
4G169BC33A
4G169BC50A
4G169BC71A
4G169BC72A
4G169BC75A
4G169CA03
4G169CA07
4G169CA08
4G169CA13
4G169CA14
4G169CA15
4G169CA18
4G169DA06
4G169EA19
4G169EA20
4G169EA27
4G169EA28
4G169EB15Y
4G169EC28
4G169EE03
4G169EE09
(57)【要約】
外部に結合されたコネクタを有するハウジングと、各々がハウジングの内部に配設され、かつコネクタに電気的に結合された第1の端子及び第2の端子と、第1の端子及び第2の端子に結合された加熱要素と、第1の端子及び第2の端子に結合された加熱線と、加熱要素の全体にわたって加熱線からの熱を伝導するように加熱要素に挿入された複数の加熱ロッドと、を含み、コネクタが、外部電源から電力を受け取って、加熱要素及び加熱線に電流を供給し、加熱ロッドのうちの少なくとも1つが、加熱線を支持する、排気システム用のヒータに関する。要素の組み合わせは、排気ガスの流動を加熱し、かつ乱し、排気システムから有毒ガス及び汚染物質を除去及び/又は低減することを支援するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの外部に結合されたコネクタと、各々が前記ハウジングの内部に配設されるとともに前記コネクタに電気的に結合される第1の端子及び第2の端子と、を含むハウジングと、
前記第1の端子及び前記第2の端子に結合された加熱要素と、
前記第1の端子及び前記第2の端子に結合された加熱線と、
前記加熱要素の全体にわたって前記加熱線からの熱を伝導するために、前記加熱要素の開口部に挿通された複数の加熱ロッドであって、前記加熱ロッドのうちの少なくとも1つが、前記加熱線を支持している、複数の加熱ロッドと、を備え、
前記コネクタが、前記加熱要素及び前記加熱線に電流を供給するために、前記ヒータから外部にある電源から電力を受け取るように構成されている、排気システム用のヒータ。
【請求項2】
前記加熱要素が、貴金属の2つ以上の層を有する触媒コーティングを備える、請求項1に記載のヒータ。
【請求項3】
前記貴金属が、白金、チタン、パラジウム、ロジウム、及び金のうちの2つ以上を含む、請求項2に記載のヒータ。
【請求項4】
前記触媒コーティングが、
チタンを含む第1の層と、
前記第1の層上に配設された、パラジウムを含む第2の層と、
前記第2の層上に配設された、ロジウムを含む第3の層と、
セラミック材料を含む最外層と、を備える、請求項3に記載のヒータ。
【請求項5】
前記加熱線が、互いに平行な少なくとも2つの平面にずれて配置される、請求項1に記載のヒータ。
【請求項6】
前記加熱線が、第1の加熱線及び第2の加熱線を含み、前記第1の加熱線が、前記第2の加熱線からずれて配置される、請求項1に記載のヒータ。
【請求項7】
前記第1の加熱線と前記第2の加熱線との間の前記ずれた配置が、前記第1の加熱線及び前記第2の加熱線の前記平面に直交する、請求項6に記載のヒータ。
【請求項8】
前記加熱ロッドのうちの1つ以上が、ロッド部分及び先端部分を備える、請求項1に記載のヒータ。
【請求項9】
前記先端部分が、前記加熱線から前記ロッドに電流が伝達しないように絶縁材料で形成されている、請求項8に記載のヒータ。
【請求項10】
前記加熱ロッドのうちの少なくとも1つの前記先端部分に配設されて前記加熱線を支持するように構成されている留め具を更に備える、請求項9に記載のヒータ。
【請求項11】
前記留め具が、前記加熱線から前記ロッドに電流が伝達しないように絶縁材料で形成されている、請求項10に記載のヒータ。
【請求項12】
前記加熱ロッドが、第1の長さを有する第1の長さの加熱ロッドと、前記第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2の長さの加熱ロッドと、を含み、前記第1の長さの加熱ロッドが、第1のずれた配置で前記加熱線を支持し、前記第2の長さの加熱ロッドが、第2のずれた配置で前記加熱線を支持している、請求項11に記載のヒータ。
【請求項13】
前記加熱ロッドが、少なくとも2つの長さを含む、請求項1に記載のヒータ。
【請求項14】
前記ヒータが、触媒コンバータの内部に設けられている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項15】
前記ヒータが、前記排気システムの排気管の空洞の内部に設けられている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項16】
前記排気管が、排気マニホールドと触媒コンバータとの間、又は前記触媒コンバータと選択的触媒還元システム(SCR)との間、又は前記SCRと前記排気システムのマフラとの間のうちの少なくとも1つに位置する、請求項15に記載のヒータ。
【請求項17】
前記排気管が、ディーゼル酸化触媒とディーゼル微粒子フィルタ(DPF)との間、又は前記DPFと選択的触媒還元システム(SCR)との間、又は前記SCRと前記排気システムのマフラとの間のうちの少なくとも1つに位置する、請求項15に記載のヒータ。
【請求項18】
前記排気管が、添加溶液噴射器と添加溶液を収容する添加溶液リザーバとを含む添加システムを更に備え、前記添加溶液噴射器が、前記添加溶液を前記ヒータに向けて噴霧するように構成されている、請求項15に記載のヒータ。
【請求項19】
前記ヒータが、前記ヒータに供給される電流の量と前記電流が前記ヒータに供給されるタイミングとを制御するための信号をコントローラから受信するように構成されており、前記添加システムが、前記添加溶液噴霧のタイミング及び持続時間を制御するための信号を前記コントローラから受信するように構成されており、これにより、前記供給される電流と前記添加溶液噴霧の前記タイミング及び前記持続時間とが、前記排気管内に位置する1つ以上のセンサに基づく、請求項18に記載のヒータ。
【請求項20】
前記排気管が、前記排気管の前記空洞内の排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するように前記排気管の外面に隣接して配置された磁石を更に備える、請求項15又は18に記載のヒータ。
【請求項21】
前記排気管が、前記外面の外側に位置する第2の表面を更に備え、前記磁石が、前記排気管の前記第2の表面と前記外面との間に配置されている、請求項20に記載のヒータ。
【請求項22】
前記磁石が、ネオジウム磁石である、請求項20に記載のヒータ。
【請求項23】
前記加熱線が、ニッケル及びクロムを含む、請求項1に記載のヒータ。
【請求項24】
前記コネクタが、セラミックスペーサによって前記ハウジングから隔離されている、請求項1に記載のヒータ。
【請求項25】
前記加熱要素の前記開口部のうちの1つ以上が、ハニカム形状又は六角形形状を有する、請求項3に記載のヒータ。
【請求項26】
排気システム構成要素に結合されるように構成された排気管を備え、前記排気管が、
前記排気管の空洞の内部に配設されたヒータを備え、前記ヒータが、
ハウジングと、
前記ハウジングの内部に配設された加熱線と、
前記ハウジングに取り付けられ、かつ前記加熱線に電気的に接続されたコネクタであって、前記コネクタが、前記加熱線に電流を供給するために前記ヒータから外部にある電源から電力を受け取るように構成されている、コネクタと、を備え、
前記ヒータが、前記排気管の内部のガスを加熱して、前記排気管から出る有毒ガス及び/又は微粒子状物質を低減するように構成されている、構造。
【請求項27】
前記排気システム構成要素が、
排気マニホールドと、
触媒コンバータと、
選択的触媒還元システム(SCR)と、
ディーゼル酸化触媒と、
ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)と、
選択的触媒還元システム(SCR)と、
マフラと、のうちの1つ以上を含む、請求項26に記載の構造。
【請求項28】
前記排気管が、前記排気管の前記空洞内の排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するように前記排気管の外面に隣接して配置された磁石を更に備える、請求項27に記載の構造。
【請求項29】
前記排気管が、前記外面の外側に位置する第2の表面を更に備え、前記磁石が、前記排気管の前記第2の表面と前記外面との間に配設されている、請求項28に記載の構造。
【請求項30】
車両排気システムの構成要素の外部に接続されるように構成されて、ハウジングと、加熱要素と、センサと、を備える、ヒータと、
前記構成要素内の排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するように前記構成要素の外面に隣接して配置されるように構成された磁石と、を備える、構造。
【請求項31】
前記構成要素が、触媒コンバータである、請求項30に記載の構造。
【請求項32】
前記構成要素が、
排気マニホールドと、
触媒コンバータと、
選択的触媒還元システム(SCR)と、
ディーゼル酸化触媒と、
ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)と、
選択的触媒還元システム(SCR)と、
マフラと、
排気システム管と、のうちの1つ以上である、請求項30に記載の構造。
【請求項33】
前記ヒータが、触媒コンバータの外部に接続されるように構成された第1のヒータと、SCRの外部に接続されるように構成された第2のヒータと、を含む、請求項30に記載の構造。
【請求項34】
前記ヒータが、添加溶液噴射器と添加溶液を収容する添加溶液リザーバとを含む添加システムを更に備え、前記添加溶液噴射器が、前記添加溶液を前記構成要素に向けて噴霧するように構成されている、請求項30に記載の構造。
【請求項35】
前記センサが、1つ以上の温度センサ及び1つ以上のガスセンサを含む、請求項30に記載の構造。
【請求項36】
前記構成要素に結合されるように構成された構成要素ガスセンサを更に備える、請求項30に記載の構造。
【請求項37】
前記構成要素の出口ポートに取り付けられた排気管に結合されるように構成された排気管ガスセンサを更に備える、請求項36に記載の構造。
【請求項38】
前記構成要素の出口ポートに取り付けられた排気管に結合されるように構成された排気管温度センサを更に備える、請求項30又は37に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき2021年8月13日に出願された米国仮出願第63/233,019号の優先権を主張し、その全ての内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、排気システムに関し、より具体的には、エンジンから生成又は排出されてもよい有害な排気ガス、微粒子状物質、及び他の残渣を除去及び/又は低減するための排気システムの改善に関する。
【背景技術】
【0003】
背景セクションの詳細は、関連技術を構成するものではなく、本開示の主題に関する背景情報としてのみ提供される。
【0004】
ガソリン及びディーゼルエンジンが放出する大気汚染物質の中には、一般にNOxと略される、NO及びNOという窒素の酸化物がある。窒素酸化物は、人間の健康に有害な直接的な影響を及ぼし、窒素酸化物が農作物及び生態系に与える損害を通じて間接的な影響を及ぼす。車両のNOx排出量は、1960年代から規制されている。
【0005】
NOxは、大気中の化学物質と反応して、二次微細微粒子状物質(PM2.5)、すなわち煤を形成する。PM2.5への曝露は、脳卒中、虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患、肺がん、及び下気道感染症を引き起こす可能性がある。揮発性有機化合物及び日光と組み合わされると、NOxは、スモッグの主要成分である地上レベルオゾンを形成することを助長する。オゾンは、喘息、慢性閉塞性肺疾患、又は肺気腫のような慢性肺疾患を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があり、特に、子供及び高齢者のような脆弱な集団では、致命的となり得る。
【0006】
NOx排出はまた、生態系及び農作物に影響を与える。オゾン汚染は、植物にとって有毒であり、バイオマス、作物収量、及び森林生産力の損失に寄与する。このような汚染は、太陽光照射を低減して、植物の光合成を減少させ、植物のバイオマスを低減する。バイオマスの損失は、植物に隔離される炭素が少なくなり、大気中に残るCOが多くなることを意味する。このような汚染は、葉の表面全体にわたるCOと水蒸気との交換に影響を与えることによって、生態系の働きを直接変える可能性があり、このことは、水文学に著しい影響を及ぼし、河川流を変化させさえする可能性がある。
【0007】
ディーゼル排気中のNOxは、特に難しい問題である。燃焼過程である程度の量のNOxが生成されることは、避けられない。したがって、車両からのNOx排出に関する基本的な問題は、第1に、生成される量を最小限に抑えることであり、第2に、排気からNOxを除去することである。第1のタスクは、主に燃焼温度を低下させることによって達成される。第2のものは、後処理デバイスを使用して、排気中のNOxを窒素及び水及び/又はCOに還元する化学反応を引き起こして、達成される。
【0008】
車両排気に存在する酸素が多すぎると、その化学反応が起こりにくくなる。問題となるのは、酸素が少なすぎると、排気中の他の汚染物質、未燃焼の炭化水素、及び一酸化炭素を取り除きにくくなることである。
【0009】
ディーゼルエンジンは、その圧縮点火設計故に、はるかに多くの燃焼空気を使用し、その結果として、ディーゼルエンジンの排気は、ガソリンエンジンの排気よりもはるかに多くの酸素を含有する(より多くの酸素が入り、より多くの酸素が出る)。これは、NOxを還元する化学反応が起こるのに好ましくない環境である。軽量ディーゼル車両及び大型ディーゼル車両によって提示されるNOx制御に関する技術的課題は、異なる。排出制御機器を据え付けるための物理的な空間が相対的に不足していることは、車、特に小型車にとって、重要な課題である。
【0010】
化石燃料燃焼エンジン(例えば、内燃機関)用の排気システムは、典型的には、1つ以上の触媒コンバータと触媒コンバータに接続されたマフラとを含む。1つ以上の触媒コンバータを有する排気システムは、限定されるものではないが、様々な車両(例えば、自動車、トラック、バス、全地形対応車両(ATV)など)、及び発電機、フォークリフト、採掘機器、列車、オートバイ、ジェットスキー、スノーモービル、リーフブロワ、航空機、木材ストーブなどを含む。
【0011】
一般に、触媒コンバータは、酸化還元反応(酸化又は還元)を触媒することによって、有毒ガスと排気ガスの汚染物質とをより毒性の低い汚染物質に還元及び/又は変換するように構成されている。
【0012】
最新のガソリンエンジン車両には、排気システムの一部としての三元触媒コンバータが装備されている。これは、コンバータ内の酸素と結合してCOになる一酸化炭素(CO)と、酸素と結合してCO及び水蒸気(HO)を生成する未燃焼の炭化水素と、触媒を介して窒素と水及び/又はCOに還元されるNOxと、の3つの汚染物質を制御するため、三元触媒コンバータと呼ばれる。
【0013】
三元触媒コンバータは、ガソリンの場合に1重量部の燃料に対して約14.6~14.8重量部の空気であってもよい、リッチ(過剰燃料)条件とリーン(過剰酸素)条件との間で排気ガスが振動するように、エンジンが化学量論比に近い狭い帯域の空燃比内で作動するときに、効果的である。液化石油ガス(LPG)、天然ガス、及びエタノール燃料の比率は、各々わずかに異なり、それらの燃料を使用するときには、修正された燃料システム設定が必要となる。しかしながら、エンジンが狭い帯域の空燃比の外で動作しているとき、変換効率は、非常に速く低下する。
【0014】
ディーゼル排気中のNOxを制御する問題はより複雑であるため、ディーゼル車両は、異なるアプローチを必要とする。まず、ほとんどの最新のディーゼル車両は、それらの設計に排気ガス再循環(EGR)を組み込んでいる。EGRシステムは、排気ガスの一部分を燃焼室に戻すように再利用し、そこで、これが「新鮮な」吸気と混じり合う。これにより、酸素含有量が低減され、燃焼混合物の水蒸気含有量が増加する。それには、ピーク燃焼温度を低下させる効果がある。ピーク燃焼温度が上昇するにつれてより多くのNOxが生成されるため、EGRは、エンジンによって生成されるNOxの量を効率的に低減する。ただし、排気ガスの再利用が多すぎると、PM2.5が増加し、燃料効率が低下するため、適切な設計には精巧なバランスが必要である。
【0015】
EGRは、NOxが形成される時点で、エンジンシリンダの内部のNOx排出量を制御する問題に対処する。ディーゼル車両では、排気がエンジンから恒久的に出た後に、NOxを制御するために2つの方法が使用される。リーンNOxトラップ(LNT)は、触媒を使用して、排気からのNOxを一時的に貯蔵する。エンジンコントローラは、(動作条件に応じて、数秒~数分の範囲の)間隔を置いて、燃焼される空燃混合物中の燃料の割合を短時間増加させる。よりリッチな空燃混合物を燃焼させることによる排気は、比例してより少ない酸素及びより多くの未燃焼の炭化水素を含有し、触媒に貯蔵されたNOxは、排気中の炭化水素と反応して、窒素及び水及び/又はCOを生成する。選択的触媒還元(SCR)は、アンモニアを還元剤として使用して、触媒上でNOxを還元する。アンモニアは、典型的には、尿素の形態で供給され、尿素は、車両上のタンク内の溶液中に貯蔵されなければならない。エンジンサイズと、動作特性と、触媒の原材料のコストと、に関する理由で、実際問題として、今日製造されている大型車両は、SCRシステムのみを使用し、軽量車両は、SCR又はLNTのいずれも使用することができる。
【0016】
EGR、LNT、及びSCRは、三元触媒コンバータとは対照的に、アクティブなシステムである。それらの動作は、車両のエンジン制御ユニット(例えば、SCRについての排気内に尿素溶液が噴射される間隔、又は空燃混合物が濃縮されてLNTを再生する間隔を決定する)によって制御され、これらの動作は、直接的(例えば、尿素タンクを補充するためのサービス料)及び間接的(エンジンを定期的にリッチに稼働させるか、又は排気ガスを再循環させることによって燃料をわずかに低減する経済性)の両方のメンテナンス要件及びコストを伴う。
【0017】
ガソリン車両又はディーゼル車両を低温で運転する場合(例えば、エンジンの冷間始動中)、排気システムデバイスは、一般に、炭化水素及びNOxなどのエンジン排出物を低減するのに十分には触媒活性でない。点火後の最初の60秒ほどの間に生成される危険なガスである、冷間始動排出物は、エンジン作動サイクルの中で最も毒性の高い部分を表す。実際、1回の平均的な運転による有害なガス排出量の70パーセント超が、始動直後のこの冷間始動中に発生する。それは、触媒が、典型的には、エンジン排気ガスが触媒を触媒コンバータ内で触媒反応が開始される温度に加熱するまで、十分な効率に達しないためである。触媒は、十分な効率で機能するために一定の温度(通常、300℃よりも高い)を必要とすることから、車のウォームアップ段階中に排出量が顕著に高くなる。この期間の持続時間と排出量とは、周囲温度、及び車の推進システムの初期温度に依存する。実際、ガソリン車の場合、平均的な実運転条件では、CO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の総排出量の大部分が、冷間始動の追加排出量に起因する。更に、冷間始動排出量は、より低い周囲温度でかなり増加する。対照的に、ディーゼル車の冷間始動排出量は、ガソリン車のものよりも低い。それゆえ、触媒点火がほぼエンジン始動の瞬間から起こるように、触媒コンバータを高速で加熱する必要性がある。
【0018】
本開示は、上記で言及される課題のうちの1つ以上を克服することを対象とする。本明細書に提供される背景説明は、概して本開示の文脈を提示する目的のものである。本明細書に別段の指示がない限り、本セクションに記載される事柄は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、本セクションに含まれることによっては、先行技術又は先行技術の示唆であると認められない。
【発明の概要】
【0019】
本開示のある特定の態様によれば、排気システムからの有害な排気ガス、微粒子状物質、及び他の残渣の除去及び/又は低減を改善するためのシステム及び方法が開示される。
【0020】
一実施形態では、排気システム用のヒータがあり、ヒータは、ハウジングであって、ハウジングの外部に結合されたコネクタと、第1の端子及び第2の端子であって、各々が、ハウジングの内部に配設され、かつコネクタに電気的に結合されている、第1の端子及び第2の端子と、第1の端子及び第2の端子に結合された加熱要素と、第1の端子及び第2の端子に結合された加熱線と、加熱要素の全体にわたって加熱線からの熱を伝導するために加熱要素の開口部に挿通された複数の加熱ロッドであって、加熱ロッドのうちの少なくとも1つが、加熱線を支持する、複数の加熱ロッドと、を含む、ハウジングを含み、コネクタが、加熱要素及び加熱線に電流を供給するためにヒータから外部にある電源から電力を受け取るように構成されている。
【0021】
一実施形態では、加熱要素が、貴金属の2つ以上の層を有する触媒コーティングを含む。
【0022】
一実施形態では、貴金属が、白金、チタン、パラジウム、ロジウム、及び金のうちの2つ以上を含む。
【0023】
一実施形態では、触媒コーティングが、チタンを含む第1の層と、第1の層上に配設された、パラジウムを含む第2の層と、第2の層上に配設された、ロジウムを含む第3の層と、セラミック材料を含む最外層と、を含む。
【0024】
一実施形態では、加熱線が、互いに平行な少なくとも2つの平面にずれて配置される(displaced)。
【0025】
一実施形態では、加熱線が、第1の加熱線及び第2の加熱線を含み、第1の加熱線が、第2の加熱線からずれて配置される(displaced)。
【0026】
一実施形態では、第1の加熱線と第2の加熱線との間のずれた配置(displacement)が、第1の加熱線及び第2の加熱線の平面に直交する。
【0027】
一実施形態では、加熱ロッドのうちの1つ以上が、ロッド部分及び先端部分を含む。
【0028】
一実施形態では、先端部分が、加熱線からロッドに電流が伝達しないように、絶縁材料で形成されている。
【0029】
一実施形態では、加熱ロッドのうちの1つ以上が、加熱ロッドの先端部分に配設された留め具を含み、留め具が、加熱線を支持するように構成されている。
【0030】
一実施形態では、留め具が、加熱線からロッドに電流が伝達しないように、絶縁材料で形成されている。
【0031】
一実施形態では、加熱ロッドが、第1の長さを有する第1の長さの加熱ロッドと、第1の長さとは異なる第2の長さを有する第2の長さの加熱ロッドと、を含み、第1の長さの加熱ロッドが、第1のずれた配置で加熱線を支持し、第2の長さの加熱ロッドが、第2のずれた配置で加熱線を支持している。
【0032】
一実施形態では、加熱ロッドが、少なくとも2つの長さを有する。
【0033】
一実施形態では、ヒータが、触媒コンバータの内部に設けられている。
【0034】
一実施形態では、ヒータが、排気システムの排気管の空洞の内部に設けられている。
【0035】
一実施形態では、排気管が、排気マニホールドと触媒コンバータとの間、又は触媒コンバータと選択的触媒還元システム(SCR)との間、又はSCRと排気システムのマフラとの間のうちの少なくとも1つに位置する。
【0036】
一実施形態では、排気管が、ディーゼル酸化触媒とディーゼル微粒子フィルタ(DPF)との間、又はDPFと選択的触媒還元システム(SCR)との間、又はSCRと排気システムのマフラとの間のうちの少なくとも1つに位置する。
【0037】
一実施形態では、排気管が、添加溶液噴射器と添加溶液を収容する添加溶液リザーバとを有する添加システムを更に含み、添加溶液噴射器が、添加溶液をヒータに向けて噴霧するように構成されている。
【0038】
一実施形態では、ヒータが、ヒータに供給される電流の量と、電流がヒータに供給されるタイミングと、を制御するための信号をコントローラから受信するように構成されている。
【0039】
一実施形態では、添加システムが、添加溶液噴霧のタイミング及び持続時間を制御するための信号をコントローラから受信するように構成されており、このように構成されていることによって、供給される電流と添加溶液噴霧のタイミング及び持続時間とが、排気管内に位置する1つ以上のセンサに基づく。
【0040】
一実施形態では、排気管が、排気管の空洞内の排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するように排気管の外面に隣接して配置された複数の磁石を更に含む。
【0041】
一実施形態では、排気管が、外面の外側に位置する第2の表面を含み、複数の磁石が、排気管の第2の表面と外面との間に配置されている。
【0042】
一実施形態では、複数の磁石が、ネオジウム磁石である。
【0043】
一実施形態では、加熱線が、ニッケル及びクロムで形成されている。
【0044】
一実施形態では、コネクタが、セラミックスペーサによってハウジングから隔離されている。
【0045】
一実施形態では、加熱要素の開口部のうちの1つ以上が、ハニカム形状又は六角形形状を有する。
【0046】
一実施形態では、排気システム構成要素に結合されるように構成された排気管を含む構造があり、排気管が、排気管の空洞の内部に配設されたヒータを含み、ヒータが、ハウジングと、ハウジングの内部に配設された加熱線と、ハウジングに取り付けられ、かつ加熱線に電気的に接続されたコネクタと、を含み、コネクタが、加熱線に電流を供給するためにヒータから外部にある電源から電力を受け取るように構成されており、これらによって、ヒータが、排気管から出る有毒ガス及び/又は微粒子状物質を低減するために排気管の内部のガスを加熱するように構成されている。
【0047】
一実施形態では、排気システム構成要素が、排気マニホールド、触媒コンバータ、選択的触媒還元システム(SCR)、ディーゼル酸化触媒、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、選択的触媒還元システム(SCR)、及びマフラのうちの1つ以上を含む。
【0048】
一実施形態では、排気管が、排気管の空洞内の排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するように排気管の外面に隣接して配置された複数の磁石を含む。
【0049】
一実施形態では、排気管が、外面の外側に位置する第2の表面を更に含み、複数の磁石が、排気管の第2の表面と外面との間に配設されている。
【0050】
一実施形態では、構造が、車両排気システム構成要素の外部に接続されるように構成されたヒータであって、ハウジング、加熱要素、及びセンサを含む、ヒータと、構成要素内の排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するように構成要素の外面に隣接して配置されるように構成された磁石と、を含む。
【0051】
一実施形態では、構成要素が、触媒コンバータである。
【0052】
一実施形態では、構成要素が、排気マニホールドと、
【0053】
触媒コンバータと、選択的触媒還元システム(SCR)と、ディーゼル酸化触媒と、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)と、選択的触媒還元システム(SCR)と、マフラと、排気システム管と、のうちの1つ以上である。
【0054】
一実施形態では、ヒータが、触媒コンバータの外部に接続されるように構成された第1のヒータと、SCRの外部に接続されるように構成された第2のヒータと、を含む。
【0055】
一実施形態では、ヒータが、添加溶液噴射器と添加溶液を収容する添加溶液リザーバとを含む添加システムを更に備え、添加溶液噴射器が、添加溶液を構成要素に向けて噴霧するように構成されている。
【0056】
一実施形態では、センサが、1つ以上の温度センサ及び1つ以上のガスセンサを含む。
【0057】
一実施形態では、構造が、構成要素に結合されるように構成された構成要素ガスセンサを更に含む。
【0058】
一実施形態では、構造が、構成要素の出口ポートに取り付けられた排気管に結合されるように構成された排気管ガスセンサを更に含む。
【0059】
一実施形態では、構造が、構成要素の出口ポートに取り付けられた排気管に結合されるように構成された排気管温度センサを更に含む。
【0060】
具体的な効果は、詳細な説明のセクションで上述の効果とともに説明される。
【0061】
本開示の態様、特徴、及び利点は、上述したものに限定されない。上記で言及されない他の態様、特徴、及び利点を、以下の説明から明確に理解することができ、本明細書に記載の実施形態からより明確に理解することができることが理解される。追加的に、本明細書に記載される様々な態様、特徴、及び利点は、添付の特許請求の範囲に記載されるその手段及び組み合わせを介して実現されてもよいことが理解される。
【0062】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を例示し、説明とともに、開示される実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの断面図である。
図2A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図1の触媒コンバータのフィルタの側面図である。
図2B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図1の触媒コンバータの触媒コーティングの断面図である。
図3】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの断面図である。
図4A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図3の触媒コンバータの撹乱プレートの側面図である。
図4B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図3の触媒コンバータの撹乱プレートの側面図である。
図4C】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図3の触媒コンバータのフィルタの側面図である。
図5】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの断面図である。
図6】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの断面図である。
図7】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図6の触媒コンバータの外部磁石の配置である。
図8】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの断面図である。
図9A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図8の触媒コンバータの内部磁石のうちの1つの断面図である。
図9B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図8の触媒コンバータの内部磁石の分解図である。
図10】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの断面図である。
図11A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図10の触媒コンバータのフィルタの側面図である。
図11B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図10の触媒コンバータのフィルタの斜視図である。
図12】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの斜視切断図である。
図13】本開示の1つ以上の実施形態に係る、触媒コンバータの部分断面図である。
図14】本開示の1つ以上の実施形態に係る、選択的触媒還元システムの斜視切断図である。
図15A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図14の選択的触媒還元システム用のフィルタの端面図である。
図15B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図14の選択的触媒還元システムのフィルタの断面図である。
図16】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ガソリンで動作する排気システム又は内燃機関の斜視アセンブリ図である。
図17】本開示の1つ以上の実施形態に係る、排気システムコンバータの部分切断図である。
図18A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ヒータの斜視図である。
図18B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ヒータの斜視図である。
図18C】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ヒータの斜視図である。
図19】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ヒータの斜視図である。
図20】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ヒータの斜視図である。
図21】本開示の1つ以上の実施形態に係る、加熱ピンの斜視図である。
図22】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ヒータを示す触媒コンバータの断面図である。
図23】本開示の1つ以上の実施形態に係る、コイルヒータの斜視図である。
図24】本開示の1つ以上の実施形態に係る、コイルヒータの端面図である。
図25】本開示の1つ以上の実施形態に係る、マフラの上面図である。
図26】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図25の断面のマフラである。
図27】本開示の1つ以上の実施形態に係る、例示的な排気システムを示す。
図28】本開示の1つ以上の実施形態に係る、例示的な排気システムを示す。
図28A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、例示的な添加溶液分配器を示す。
図29】本開示の1つ以上の実施形態に係る、例示的な排気制御システムの概略図を示す。
図30A】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ディーゼル燃料で動作する車両の排気システムを示す。
図30B】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ディーゼル燃料で動作する車両の排気システムを示す。
図30C】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ディーゼル燃料で動作する車両の排気システムを示す。
図31】本開示の1つ以上の実施形態に係る、酸化触媒の斜視切断図である。
図32】本開示の1つ以上の実施形態に係る、酸化触媒中に配置されたフィルタの端面図である。
図33】本開示の1つ以上の実施形態に係る、ディーゼル微粒子フィルタに配置されたフィルタの端面図である。
図34】本開示の1つ以上の実施形態に係る、石炭関連用途の排気システムのアセンブリ図である。
図35A図35の排気システムの触媒コンバータに配置されたフィルタの正面図である。
図35B図35の排気システムの触媒コンバータに配置されたフィルタの正面図である。
図36】本開示の1つ以上の実施形態に係る、オートバイ用の排気システムである。
図37】本開示の1つ以上の実施形態に係る、芝刈り機用の排気システムである。
図38】本開示の1つ以上の実施形態に係る、非電池式排気システムである。
図39】本開示の1つ以上の実施形態に係る、産業用発電所の排気システムのアセンブリ図である。
図40】本開示の1つ以上の実施形態に係る、図34に示される煙突の上面図である。
図41】本開示の1つ以上の実施形態に係る、コイルヒータの図である。
図42】本開示の1つ以上の実施形態に係る、排気管ヒータを有する排気システムのアセンブリ図である。
図43】本開示の1つ以上の実施形態に係る、排気管ヒータを有する排気システムのアセンブリ図である。
図44】本開示の1つ以上の実施形態に係る、外部ヒータの図である。
図45】本開示の1つ以上の実施形態に係る、外部ヒータの図である。
図46】本開示の一実施形態に係る、1つ以上の外部ヒータを有する排気システムのアセンブリ図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
ここから以後、本開示の主題を、その一部を形成し、かつ例示として特定の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、より完全に説明する。「例示的な」として本明細書に記載される実施形態又は実装態様は、例えば、他の実施形態又は実装態様よりも好ましいか、又は有利であると解釈されるべきではなく、むしろ、実施形態(複数可)が「例示的な」実施形態(複数可)であることを反映するか、又は示すことを意図したものである。主題を、多様な異なる形態で具現化することができ、したがって、扱われるか、又は特許請求される主題は、本明細書に示される任意の例示的な実施形態に限定されないものとして解釈されることを意図したものであり、例示的な実施形態は、単に例示的であるように提供される。同様に、特許請求の範囲又は扱われる主題のための合理的に広い範囲が意図される。とりわけ、例えば、主題は、方法、デバイス、構成要素、又はシステムとして具現化されてもよい。したがって、実施形態は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせ(ソフトウェアそのもの以外)の形態をとってもよい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味にとられることを意図したものではない。
【0065】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、用語は、明示的に述べられた意味を越えて、状況に照らして示唆又は含意される微妙に異なる意味を有してもよい。同様に、本明細書で使用される「一実施形態では」という語句は、必ずしも同じ実施形態を指さず、本明細書で使用される「別の実施形態では」という語句は、必ずしも異なる実施形態を指さない。例えば、特許請求される主題は、例示的な実施形態を全体的又は部分的に組み合わせることを含むことが意図される。
【0066】
以下で使用される用語は、本開示のある特定の具体例の詳細な説明と併せて使用されていても、その最も広い合理的な態様で解釈されてもよい。確かに、ある特定の用語が、以下で強調されてもよいが、任意の制限された態様で解釈されることを意図した任意の用語を、この詳細な説明のセクションでそのように明白かつ具体的に定義する。前述の概要及び以下の詳細な説明の両方は、単に例示的及び説明的であり、特許請求される際に特徴を限定しない。
【0067】
本開示では、「基づく」という用語は、「少なくとも部分的に基づく」ことを意味する。単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別段指示しない限り、複数の指示対象を含む。「例示的な」という用語は、「理想的な」ではなく「例」の意味で使用される。「又は」という用語は、包括的であるように意図されており、列挙される項目のいずれか一方、いずれか、いくつか、又は全てを意味する。「備える/含む(comprises)」、「備える/含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」という用語、又はそれらの他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、又は製品が必ずしもそれらの要素のみを含むのではなく、そのようなプロセス、方法、物品、又は装置に明示的に列挙されていないか、又はそれに固有ではない他の要素を含んでもよいように、非排他的な包含に及ぶことを意図したものである。「実質的に」及び「一般に」などの相対的な用語は、述べられるか、又は理解される値の±5%の可能な変動を示すために使用される。
【0068】
ここで、図面、特に図1図41を参照し、本開示の原理及び概念を具現化する排気システムの実施形態とその関連付けられた特徴とを説明する。
【0069】
触媒コンバータは、1つ以上のフィルタを含む。フィルタは、セラミックで形成され、ハニカム形状である(任意の特定の形状に限定されない)開口部を含んでもよい。特に高い耐熱性が必要とされる用途では、Kanthal(FeCrAl)で作製された金属箔モノリシックフィルタが使用されてもよい。触媒コンバータは、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、又はシリカとアルミナとの混合物から形成された触媒コーティングを含んでもよい。触媒材料は、粗い不規則な表面を形成するように選択されてもよい。この表面は、裸の基板の滑らかな表面と比較して表面積を大幅に増加させる。このことは、ひいては、エンジン排気と反応するために利用可能な触媒活性表面を最大化する。リーンエンジン動作下では、過剰な酸素があってもよく、NOxの還元は、望ましくない場合がある。リッチ条件下では、過剰な燃料は、触媒の前に、利用可能な酸素を消費してもよい。したがって、貯蔵された酸素のみが酸化機能のために利用可能であってもよい。効果的なNOx還元及びHC酸化の要件が矛盾しているため、閉ループ制御システムが必要であってもよい。制御システムは、NOx還元触媒が完全に酸化されるのを防止してもよいが、酸素貯蔵材料を補充して、その酸化触媒としての機能を維持してもよい。
【0070】
図1は、本開示の一実施形態に係る触媒コンバータ100の断面図を例示している。触媒コンバータ100は、長手方向(又は水平方向)軸104に沿って延在してもよい。触媒コンバータ100は、外部シェル102、入口ポート106、及び出口ポート108を含んでもよい。外部シェル102の内部に1つ以上のフィルタ110が配設されてもよい。外部シェル102の内部に、複数の空間(又は開口部)112を有する内部構造が設けられる又は配置されてもよい。例えば、示されるように、空間112は、1つ以上のフィルタ110の間に、又はこれに隣接して設けられてもよい。空間112内に、触媒コンバータ100の内部を加熱するように構成された1つ以上の電気加熱要素114が配置されてもよい。加熱要素114は、例えばニクロム(NiCr)線で構成された加熱線を含んでもよいが、これに限定されない。加熱要素114に電気エネルギーを供給するために、電源(例示の明確さのために、図には示されていない)から電気リード116が延在してもよい。加熱要素114は、触媒コンバータ100の内部を加熱することによって、従来の触媒コンバータと比較して、触媒コンバータ100内の有害なガス及び微粒子状物質の除去又は低減を著しくかつ十分に改善する。図1は、触媒コンバータに関して説明されているが、図1の構成要素及び実施形態は、例えば、選択的触媒還元システム、酸化触媒、ディーゼル微粒子フィルタ、排気管などの任意の他の排気コンバータを対象としてもよいし、それに組み込まれてもよい。
【0071】
図2Aは、フィルタ110の端面図を示す。一実施形態では、フィルタ110は、例えば、複数のハニカム形状の開口部210を含む金属フィルタ又はセラミックフィルタであってもよい。開口部210は、ガス及び/又は微粒子状物質をフィルタ110の一端部から反対側の端部に伝えるように構成されてもよい。フィルタ110の開口部210の形状及びサイズは、本開示の1つ以上の排気システムの用途に応じて変化してもよい。一実施形態では、ガソリンエンジンシステムで使用されるフィルタ110のための開口部210のサイズは、約1/16インチであってもよいが、これに限定されない。別の実施形態では、ディーゼルエンジンシステムで使用されるフィルタ110のための開口部210のサイズは、約1/8インチ~1/4インチであってもよいが、これに限定されない。
【0072】
一実施形態では、フィルタ110は、フィルタ110と有毒又は有害なガス及び微粒子状物質との間の接触を最大化又は増加させるために、触媒コーティング材料でコーティングされてもよい。触媒コーティング材料は、入口ポート106から出口ポート108まで横切ってもよい有毒ガス及び微粒子状物質の流動を低速化してもよい。追加的に、触媒コーティング材料は、触媒コンバータ100の急速加熱を容易にするのに役立ってもよい。追加的に、触媒コーティング材料は、触媒コンバータ100の急速加熱を容易にしてもよい。本開示の原理及び概念を具現化する触媒コーティングの実施形態及びその関連付けられた特徴が、以後記載される。
【0073】
図2Bは、本開示の一実施形態に係る触媒コーティング220の断面図を示す。触媒コーティング220は、複数の層222~230を含んでもよい。複数の層は、例えば、第1の層222、第2の層224、第3の層226、第4の層228、及び第5の層230を含んでもよい。第1の層222は、フィルタ110の表面上に設けられてもよいか、又はフィルタ自体の表面材料を含んでもよい。第1の層222は、例えば、約0.35~0.8マイクロメートルの厚さを有するセラミック材料を含んでもよい。図2Bの第5の層230である最上層もまた、例えば、0.35~0.8マイクロメートルの厚さを有するセラミック材料を含んでもよい。1つ以上のセラミック材料を含む第1の層222及び第5の層230は、フィルタ110と触媒コーティング220の他の層とに対する潜在的な衝撃又は損傷からの保護を設けてもよい。第1の層222及び第5の層230の厚さは、これらに限定されず、特定の用途に依存する。
【0074】
一実施形態では、第2の層224、第3の層226、及び第4の層228は、第1の層222と第5の層230との間に挟まれてもよい。更に、第2の層224、第3の層226、及び第4の層228は、貴金属を含んでもよい。例えば、第2の層224は、チタンを含んでもよく、第3の層226は、パラジウムを含んでもよく、第4の層228は、ロジウムを含んでもよい。追加的又は代替的に、金が、層222~230に加えて、又は層222~230のうちの1つ以上と組み合わせて使用されてもよい。例えば、金が、層222~230の間又は上に(例えば、金の散乱斑点又はドットを噴霧することによって)噴霧されてもよい。金が触媒コーティング220で利用されるとき、層222~230の各々又は組み合わせをより薄くしてもよい。すなわち、触媒コーティング220の有効性は、層222~230で金を使用することによって改善されてもよい。本開示の1つの例示的な実施形態では、ガソリンエンジンシステムに使用されるフィルタ110は、白金、パラジウム、ロジウム、及びセラミックでコーティングされたハニカム形状の開口部を含んでもよい。追加的又は代替的に、金が使用されてもよい。同様に、ディーゼルエンジンシステム用のフィルタ110は、白金、パラジウム、ロジウム、及びセラミックでコーティングされた六角形開口部又はハニカム開口部を含んでもよい。幾何学的表面積は、触媒性能にとって重要な要因であってもよい。限定されるものではないが、六角形形状の開口部は、正方形形状の開口部よりも良好な熱質量効率を提供する。
【0075】
第2の層、第3の層、及び第4の層の厚さは、0.35~0.80マイクロメートルであってもよいが、各層の厚さは、これに限定されず、特定の用途に依存する。一実施形態では、フィルタ110は、触媒コーティング220の各層が着けられた後に、所定の温度で焼成されてもよい。触媒コーティング220のための5つの層が図2Bに示されているが、触媒コーティング220のための層の数は、5つに限定されなくてもよい。追加的に、第2の層224~第4の層228の順序は、交換可能であってもよい。しかしながら、第1の層222及び第5の層230は、好ましくは、貴金属層(例えば、層224~228)及びフィルタ110の保護を提供するために、第2の層224~第4の層228の外層上に配設されてもよい。本開示の実施形態に係る触媒コーティング220は、フィルタ110を急速加熱し、望ましくない排気ガス及び微粒子状物質を劇的に低減又は除去する。
【0076】
実施形態では、触媒コーティング220は、その表面積を保持してもよく、高温、例えば、およそ1000℃以上、での触媒金属粒子の焼結を防止してもよい。上述したように、触媒材料は、希少金属又は貴金属の混合物であってもよい。いくつかの実施形態では、白金は、主な活性触媒として選択されてもよい。代替的に、白金は、いくつかの実施形態では使用されなくてもよい。白金が使用されるかどうかは、例えば任意の望ましくない追加の反応及び/又はコストに基づいて、決定されてもよい。追加的又は代替的に、パラジウム及びロジウムが触媒コーティング220に含まれてもよい。一実施形態では、ロジウムは、還元触媒に使用される触媒コーティング220に含まれてもよく、パラジウムは、酸化触媒に使用されるコーティング材料に含まれてもよい。一実施形態では、還元及び/又は酸化を容易にするために、白金が触媒コーティングに含まれてもよい。追加的又は代替的に、還元及び/又は酸化を容易にするために、セリウム、銅、鉄、マンガン、及びニッケルがコーティング材料に含まれてもよい。
【0077】
図3は、本開示の一実施形態に係る触媒コンバータ300を例示している。触媒コンバータ300は、外部シェル302、入口ポート306、出口ポート308、1つ以上のフィルタ310、及び複数の空間312を含んでもよい。この実施形態では、電気加熱要素314は、空間312に配置又は配設されてもよい。加熱要素314は、例えばニクロム線で構成された加熱線を含んでもよいが、これに限定されない。加熱要素314に電気エネルギーを供給するために、電源(例示及び説明の明確さのために、図には示されていない)から電気リード316が延在してもよい。
【0078】
一実施形態では、撹乱プレート318が、入口ポート306及び出口ポート308に、又はこれらの近くに設置されてもよい。撹乱プレート318は、フィルタ310を横断する排気ガスの流動に撹拌を追加するか、又はこの流動の撹拌を増加させるために含まれてもよい。図3に示されるように、撹乱プレート318は、外部シェル302の長手方向(又は水平方向)軸304に直交して配向又は配設されてもよい。図1に示されるフィルタ110と同様に、フィルタ310は、有毒ガス及び微粒子との接触を最大化又は増加させるために、かつ触媒コンバータ300内の、及びそれを縦断するガスの流動を減速するために、1つ以上の触媒材料でコーティングされてもよい。追加的に、加熱要素314は、触媒コンバータ300の内部及び構成要素(例えば、フィルタ310)を加熱することによって、有害なガス及び微粒子状物質の除去又は低減を更に支援してもよい。図4A及び図4Bは、排気ガス及び微粒子状物質の流動の方向にわたって延在してもよい穴420のアレイを含んでもよい撹乱プレート318の端面図を示す。穴420のアレイは、図4Aに示される均一なパターンで、又は図4Bに示されるような疑似ランダムパターンで、撹乱プレート318の周りに散在してもよい。更に、穴420のサイズ及び形状は、好適な態様で変化してもよい。図4Cは、フィルタ310の端面図の一例を示す。図1及び図2Aのフィルタ110と同様に、フィルタ310は、図2A及び図2Bに対応する上記で考察される実施形態と同様に、セラミック及び貴金属の複数の層を有する複数の穴410及び触媒コーティングを含んでもよい。
【0079】
図5は、本開示の一実施形態に係る触媒コンバータ500を描いている。触媒コンバータ500は、1つ以上のフィルタ510、加熱要素514、電気リード516、二次平面加熱要素515、517、撹乱(disrupter)プレート518、及び追加の電気リード519を含んでもよい。加熱要素514は、複数の空間512内に配置又は配設されてもよい。電気リード516は、加熱要素514と、撹乱プレート518に隣接する入口ポート506及び/又は出口ポート508の近くに配置されてもよい二次平面加熱要素515、517と、に電力を供給するための電源から延在してもよい。追加の電気リード519は、二次平面加熱要素515、517に電気エネルギーを供給してもよい。本開示の様々な要素のうちのいくつかは、平面状であるか、又は特定の向きを有するものとして記載されているが、これらの幾何学的制限が厳密であることは必要とされず、その近似は、本開示の様々な実施形態の説明の範囲内である。排気ガスの通常の実質的な層流の乱れは、触媒コンバータ500の効率を高める。したがって、触媒コンバータから出る有毒ガス及び特定の物質の除去又は低減は、複数の加熱要素514、515、517及び撹乱プレート518を含むことによって著しく改善される。
【0080】
一実施形態では、二次加熱要素515、517は、入口ポート506及び/又は出口ポート508に隣接して、又はこの近くに配設される代わりに、フィルタ510のうちの1つ以上に隣接して、又はこの近くに配設又は配置されてもよい。触媒コンバータ500は、有害なガス及び微粒子状物質が触媒コンバータ500を通過する際に、有害なガス及び微粒子状物質を除去又は低減する。二次加熱要素515、517は、触媒コンバータ500の内部温度を、例えば、約800℃~1200℃に加熱するように構成されてもよい。このことは、触媒コンバータ500内の、又はこれを縦断する有害なガス及び微粒子状物質の除去又は低減を支援する。フィルタ510(例示的な濾過プロセスの例示については図16を参照のこと)は、例えば、約800℃~1200℃の内部温度を維持することを支援し、かつひいては、有害なガス及び微粒子状物質の除去又は低減を更に支援するために、貴金属でコーティング又は噴霧されてもよい。追加的に、図1図4に従って説明される実施形態と同様に、触媒コンバータ500は、有害なガス及び微粒子状物質の除去又は低減を支援するために、図2Bに示されるような触媒コーティングを含んでもよい。
【0081】
図6は、本開示の一実施形態に係る触媒コンバータ600を例示している。触媒コンバータ600は、入口ポート606と出口ポート608との間に磁場が維持されてもよい1つ以上のフィルタ610を含んでもよい。この実施形態では、触媒コンバータ600は、外部シェル603を部分的に又は内部に取り囲む包囲シェル602で強化されている。シェル602、603の間に複数の磁石607が位置してもよいか又は配置されてもよい。図7に示されるように、複数の磁石607は、外部シェル603の外側幾何学形状に近似するように湾曲した形状を有してもよく、2つのセット607a、607bに設けられてもよい。複数の磁石607は、図7に示されるように、交互する極性を有するアレイに配設されてもよい。一実施形態では、互いに向き合う磁石607は、反対の極性を有してもよい。代替的に、磁石607は、同じ極性を有してもよく、極性は、コンバータ600の長手方向又は水平方向に沿って変化しなくてもよい。反対の極性を有して互いに向き合う磁石を有することは、より強い磁場をもたらす。一実施形態では、複数の磁石607は、1つ以上のネオジウム磁石を含んでもよい。別の実施形態では、複数の磁石607は、電磁石であってもよい。ただし、所望の用途に応じて、任意の好適な磁石が使用されてもよい。図1図5に開示される実施形態と同様に、ヒータ612、613は、触媒コンバータ600内の1つ以上の空間に配置されてもよい。更に、電気リード616、616が、例えば約6~45アンペアの電流を印加することによって所望の温度を維持するように、ヒータ612、613の間で切り替わるように構成されてもよい制御ユニット及び電源(例示の明確さのために、図には示されていない)に取り付けられてもよい。
【0082】
図8は、本開示の一実施形態に係る触媒コンバータ800を示す。この実施形態では、磁石807のアレイが、外部シェル802の内表面から外部シェル802に当接するように設置されてもよい。図1図7に従って記載される実施形態と同様に、加熱要素814が、加熱要素814に電力供給する電気リード816を有する1つ以上のフィルタ810の隣の空間812に、又はこの近くに、配置されてもよい。
【0083】
図9Aは、磁石807の端面図を示し、図9Bは、磁石807の分解図を描いている。一実施形態では、中央コア磁気ロッド809が、磁石807のセットの一部として設けられてもよい。中央コア磁気ロッド809は、磁石507の極性の様々な配置を可能にしてもよい。例えば、互いに向き合う外側磁石807は、同じ極性又は異なる極性を有してもよい。このことは、長手方向に沿って変化してもよい。加えて、中央コア磁気ロッド809は、各端部に1つの極性を有する、入口ポート806から出口ポート808まで延在する1つの部品であってもよい。代替的に、中央コア磁気ロッド809は、長手方向に互いに分離され、かつ長手方向に変化してもよい極性を有してもよい、セグメントで作製されてもよい。磁石807は、固定磁石として描かれているが、追加的又は代替的に、電磁石が、好適な電流源(例示及び説明の明確さのために、図には示されていない)で動作するように設けられてもよい。
【0084】
図10は、本開示の一実施形態に係る触媒コンバータ1000を例示している。触媒コンバータ1000は、外部シェル1002、入口ポート1006、出口ポート1008、1つ以上のフィルタ1010、複数の空間1012、及び複数の加熱ロッド1016を含んでもよい。一実施形態では、電気の加熱要素1014は、空間1012に配置又は配設されてもよい。加熱要素1014は、例えばニクロム線で構成された加熱線を含んでもよいが、これに限定されない。加熱要素1014に電気エネルギーを供給するために、電源から電気リード1016が延在してもよい。
【0085】
図11Aは、図10のフィルタ1010の端面図を示す。一実施形態では、フィルタ1010は、例えば、複数のハニカム形状の開口部1110を含む金属フィルタ又はセラミックフィルタであってもよい。開口部1110は、ガス及び/又は微粒子状物質をフィルタ1010の一端部から反対側の端部に伝えるように構成されてもよい。フィルタ1010の開口部1110の形状及びサイズは、本開示の排気システムの所望の用途に応じて変化してもよい。一実施形態では、ガソリンエンジンシステムで使用されるフィルタ1010のための開口部1110のサイズは、約1/16インチであってもよいが、これに限定されない。別の実施形態では、ディーゼルエンジンシステムで使用されるフィルタ1010のための開口部1110のサイズは、約1/8インチ~1/4インチであってもよい、これに限定されない。更に、複数のロッド1016は、複数の開口部1110に挿入されてもよい。複数のロッド1016は、フィルタ1010の一端部からフィルタ1010の全長にわたって他端部まで延在してもよい。いくつかの実施形態では、複数のロッド1016は、フィルタ1010の全長にわたって延在する代わりに、フィルタ1010に部分的にわたって延在してもよい。複数のロッド1016は、触媒コンバータ1000の内部で生成される熱を迅速に伝導し、かつ熱をフィルタ1010に伝達することによって、フィルタ1010の急速加熱を容易にしてもよい。フィルタ101で使用される複数のロッド1016の数及び場所は、触媒コンバータ1000を使用して排気システム内で生成される背圧の量又はレベルに基づいて決定されてもよい。したがって、複数のロッド1016の数は、少なくともフィルタの形状及びサイズ、フィルタ1010の開口部1110のサイズなどで決定されてもよい。好ましくは、フィルタ1010に挿入された複数のロッド1016で測定される背圧のレベルは、ゼロであってもよい。
【0086】
一実施形態では、1つ以上のフィルタ1010は、フィルタ1010と有毒ガス及び微粒子状物質との間の接触を最大化又は増加させるために、触媒コーティング材料でコーティングされてもよい。触媒コーティング材料は、入口ポート1006から出口ポート1008まで横切ってもよい有毒ガス及び微粒子状物質の流動を低速化してもよい。追加的に、触媒コーティング材料は、触媒コンバータ1000の急速加熱を容易にしてもよい。本開示の原理及び概念を具現化する触媒コーティングの実施形態及びその関連付けられた特徴が、以後記載される。1つ以上のフィルタ1010は、図2Bに関して上述したのと同じ方法で、触媒コーティング材料でコーティングされてもよい。
【0087】
図11Bは、複数のロッド1016を含む図10のフィルタ1010の斜視図を示す。一実施形態では、複数のロッド1016は、複数の開口部1110に挿入されてもよい。更に、複数のロッド1016は、フィルタ1010の一端部からフィルタ1010の全長にわたって他端部まで延在してもよい。いくつかの実施形態では、複数のロッド1016は、フィルタ1010の全長にわたって延在する代わりに、フィルタ1010に部分的にわたって延在してもよい。上述したように、複数のロッド1016の数及び場所は、触媒コンバータ1000を利用する排気システムで測定される背圧のレベルに依存してもよい。複数のロッド1016を利用することによって、上記の図2Bに従って記載される触媒コーティング1120に加えて、触媒コンバータ1000を急速加熱して、化石燃料ベースの内燃機関で生成される有毒又は有害なガス及び微粒子の除去及び低減を劇的に改善してもよい。
【0088】
図12は、本開示の例示的な一実施形態に係る触媒コンバータ1200を例示している。図12に示される要素に加えて、触媒コンバータ1200は、図1図11に示される実施形態に従って開示される1つ以上の特徴を含んでもよい。触媒コンバータ1200は、第1のハウジング(又はシェル)1212と、第1のハウジング1212によって包囲されてもよい第2のハウジング(又はシェル)1214と、排気ガスが第1のハウジング1212に入る入口1216と、排気ガスが第1のハウジング1212から出る出口1218と、を含んでもよい。第1のハウジング1212の内部空洞内で、入口1216と出口1218との間に、第1のフィルタ1226、及び第2のフィルタ1228。第1のフィルタ1226は、有害な排気ガス、特に二酸化炭素を酸化するように構成されている。第2のフィルタ1228は、二酸化炭素、一酸化炭素、及び窒素酸化物、並びに炭化水素、及び他の有害な化学物質を含むがこれらに限定されない、有害な排気ガスを更に低減/除去するように構成されてもよい。フィルタ1226、1228は、セラミック材料又は金属材料で形成されてもよい。
【0089】
第1のフィルタ1226及び第2のフィルタ1228は、例えば、1つ以上の貴金属を有する触媒コーティング1229でコーティングされてもよい複数のハニカム形状の開口部を含むセラミックフィルタを含んでもよい。第1のフィルタ1226及び第2のフィルタ1228は、ハニカム構造を通って延在してもよい複数のロッド1230を含んでもよい。例えば、熱処理された金属又は合金(例えば、銅又は鋼)で形成された複数の加熱ロッド1230は、各ロッド1230の一端部が一般に入口1216に向けられ、かつ各ロッド1230の他端部が一般に触媒コンバータ1200の出口1218に向けられるように、フィルタ1226、1228を横切って長手方向又は水平方向に延在してもよい。追加的又は代替的に、ロッド1230は、フィルタ1226、1228の周りを横切るように配置されてもよい。一実施形態では、第1のフィルタ1226における各ロッド1230は、第1のフィルタ1226の一端部から第1のフィルタ1226の他端部まで、第1のフィルタ1226の全長にわたって延在してもよい。同様に、第2のフィルタ1228における各ロッド1230は、第2のフィルタ1226の一端部から第2のフィルタ1228の他端部まで、第2のフィルタ1228の全長にわたって延在してもよい。代替的に、1つ以上のロッド1230は、第1のフィルタ1226及び/又は第2のフィルタ1228を部分的に横切って延在してもよい。以下で更に検討されるように、ロッド1230は、フィルタ1226、1228に熱を伝達するように機能し、フィルタ1226、1228内の加熱されたロッド質量は、触媒コンバータ1202内の温度を効率的に一定に維持することを容易にする。追加的に、第1のハウジング1212と第2のハウジング1214との間に、複数の磁石1232が配置及び分配されてもよい。磁石1232の設置は、ハウジング1212、1214の間に示されているが、磁石1232は、両方のフィルタ1226、1228上若しくは両方のフィルタ1226、1228内、空洞1222内、及び/又は第1のハウジング1212の外部に設置されてもよい。一実施形態では、ロッド1230の数は、フィルタ1226、1228のサイズによって決定されてもよい。例えば、約12×5インチのサイズを有するフィルタの場合、約6~8個のロッドが設けられてもよい。ロッドの数は、排気システムの背圧に基づいていてもよい。一実施形態では、フィルタのサイズは、排気空気流の背圧を低減又は排除するように修正されてもよい。
【0090】
排気ガス中の酸素の量を監視することを容易にするために、電子制御ユニットと通信する酸素センサ1220は、触媒コンバータ1200の外部又は内部に配設又は固定されてもよい。酸素センサ1220は、エンジンを離れる排気ガス中の酸素の量(又は可燃性物質の濃度)を測定するように構成されている。排気システムは、上流及び下流の酸素センサ1220の両方を有してもよい。上流酸素センサ1220は、触媒コンバータ1220の前に位置してもよい一方、下流センサは、触媒コンバータ1200の後に位置する。しばしばパワートレイン制御モジュール(PCM)と称されるエンジンコンピュータは、上流酸素センサ1220からのデータを使用して、エンジンの燃料混合を調節してもよい。一方、PCMは、触媒コンバータ1200の健全性を監視するために下流酸素センサ1220からの信号を使用してもよい。
【0091】
酸素センサ1220は、入口1216の下流かつ第1のフィルタ1226の前に、第1のハウジング1212の第1のハウジング空洞1222内に延在してもよい。触媒コンバータ1202の内部温度を閾値温度よりも高く増加させるために、第2のハウジング1214の外側から第1のハウジング空洞1222に延在する電気ヒータ1224は、第1のフィルタ1226の上流に配設されてもよい。ヒータ1224は、触媒コンバータ1202の外部に配置されてもよい電源及び電子制御ユニットに接続されてもよく、触媒コンバータ1200の内部を閾値温度よりも高く加熱するように構成されてもよい。電源及び電子制御ユニットは、出口1218の近くに配置されてもよい温度センサ1245によって提供される温度センサデータに基づいて、ヒータ1224を制御してもよい。図12に描かれるヒータ1224は、巻回された金属コイル1225を含んでもよい。ただし、ヒータ1224は、触媒コンバータ1200の急速内部加熱を確実にするために、任意の形態(以下で詳細に更に後述される)をとってもよい。ヒータ1224は、フィルタ1226の前に図12の触媒コンバータ1200に延在するように示されているが、2つ以上のヒータ1224が、触媒コンバータ1200に延在するように配置されてもよい。例えば、ヒータ(複数可)1224は、フィルタ1226、1228のうちの1つ以上の中に、又は第1の空洞1222及び/若しくは第2の空洞1223内に、フィルタ1226、1228の間などに配置されてもよい。したがって、ヒータ(複数可)1224の設置は、本開示の図に示される実施形態に限定されない。更に、本開示に従う様々な設計での1つ以上のヒータは、第1のハウジング1212及び/若しくは第2のハウジング1214内の任意の位置で、完全に触媒コンバータ1200の空洞1222、1223内に配置されてもよく、かつ/又は触媒コンバータ1200の外部に固定されてもよく、かつ/又は触媒コンバータ1200のすぐ上流に位置するチューブ1206の中若しくは外部に固定されてもよい。
【0092】
図13は、本開示の一実施形態に係る例示的な触媒コンバータ1300を例示している。触媒コンバータ1300は、フィルタ1325の前の第1のヒータ1315と、フィルタ1325の後ろの第2のヒータ1317と、を含んでもよい。追加的に、温度センサ1326、1327は、触媒コンバータ1300の内部温度を監視し、かつ適切な内部温度が維持されることを確実にするために、ヒータ1315及び1317に隣接して、又はこれらの近くに設置されてもよい。図13に示されるように、本開示の実施形態に従って、様々なガスが、触媒コンバータ1300に入って、触媒コンバータ1300によって低減又は除去されてもよい。
【0093】
図14は、本開示の一実施形態に係る選択的触媒還元システム(SCR)1400を示す。一実施形態では、SCR1400は、本開示の実施形態に係る、触媒コンバータ又は他の排気コンバータ(例えば、酸化触媒及び/又はディーゼル微粒子フィルタ)の下流に配置されてもよい。SCR1400は、チューブ1606(図16に示される)によって触媒コンバータ(又は他の排気コンバータ)に下流で結合されてもよい。SCR1400は、窒素酸化物ガスを酸化し、かつそれらを本開示の排気システムから環境に排出される無害な排気物質(例えば、窒素、水、及び少量の二酸化炭素)に変換することによって、窒素酸化物(NO)ガスを低減するように構成されている。一実施形態では、SCR1400は、排気流に液体還元剤を組み込むことを必要とせずに排気物質を還元して、窒素酸化物の量を低減する。他の実施形態では、SCR1400は、有害な排気物質の低減又は除去を容易にするために液体還元剤(例えば、尿素)を噴射するための1つ以上の噴射器を含んでもよい。尿素の1つの供給源は、蒸留水に溶解された約32.5%の高品質尿素を含むAdBlueである。
【0094】
図14に例示されるように、SCR1400は、フィルタ1440、複数の加熱ロッド1446、及び加熱要素1424を含んでもよい。図14に描かれる加熱要素1424は、巻回された金属コイル1425を含んでもよい。ただし、加熱要素1424は、SCR1400の内部加熱を確実にするために、任意の形態(以下で詳細に更に後述される)をとってもよい。更に、図15Aに示されるように、フィルタ1440は、複数のハニカム形状の開口部1547を含んでもよい。開口部1547の特定の形状及びサイズはこれに限定されず、SCR1400の所望の用途に従って、任意の好適な形状及びサイズが使用されてもよい。一実施形態では、複数の加熱ロッド1446は、ハニカム形状の開口部1547に挿入されてもよい。図15Bは、フィルタ1440の部分斜視図を示す。ハニカム形状の開口部1547に加えて、フィルタ1440は、フィルタ1440の周りに分散してもよい複数の穴1542を含んでもよい。複数の穴1542は、層状経路からの排気ガスの流動を更に乱すために、かつSCR1400から出るガスを低速化するために含まれてもよい。フィルタ1440は、図1図13の実施形態に開示されたフィルタと同様に、図2Bに関して上述したのと同じ態様で、触媒コーティング1548でコーティングされてもよい。
【0095】
一実施形態では、加熱ロッド1446は、各ロッド1446の一端部が概ねSCR1400の入口に向けて配向されてもよく、かつ各ロッド1446の他端部が概ねSCR1400の出口に向けて配向されてもよいように、ハニカム構造を通って長手方向に延在してもよい。ロッド1446は、熱処理された金属又は合金(例えば、銅又は鋼)を含んでもよい。電気ヒータ1424は、電子制御ユニットと通信してもよく、フィルタ1440の上流のSCR1400に延在してもよい。図1図13に開示される前述の実施形態のフィルタと同様に、SCR1400のフィルタ1440のロッド1446及び触媒コーティング1548は、急速加熱を容易にし、フィルタ1440全体にわたって内部温度が十分に維持されることを確実にする。追加的又は代替的に、SCR1400は、電気ヒータ1424を制御するために電子制御ユニットによって監視及び制御されてもよい1つ以上の窒素酸化物センサ又はOセンサを含んでもよい。
【0096】
SCR1400の内部温度を上昇させることによって、排気ガスの追加の有害な化学物質及び微粒子が燃焼し尽くす。フィルタ1440は、ハニカム開口部1547を通る選択的SCR1400の内部空洞を通過する排気ガスの流動を捕捉及び/又は減速することを容易にする。触媒コーティング1548は、追加の有害な排気物質が閾値温度(ヒータ1424がない触媒コンバータ1400内の通常の動作温度を超える)よりも高く加熱され、かつSCR1400から出る前に燃焼し尽くしてもよいように、排気ガスの流動を更に減速し、かつ乱すことを容易にする。ロッド1446及び触媒コーティング1548に加えて、図6図9Bの前述の実施形態と同様に、SCR1400の内部又は外部に、複数の磁石(例示の明確さのために、図には示されていない)が配置及び分配されてもよい。
【0097】
触媒コンバータ1200における磁石1232と同様に、磁石の極性は、磁石の近傍の電流を増加させて排気ガス及び微粒子の流動を乱し、かつ減速することによって、排気ガス及び微粒子がフィルタ1440を通過する際に、排気ガス及び微粒子の流動1550を更に乱し、かつ減速してもよく、これにより、ひいては、SCR1400内での排気ガスのより長い期間の加熱が可能になり、ひいては、排気ガスの有毒な副産物の更なる酸化及び低減が可能になる。追加的又は代替的に、磁石は、フィルタ1440と選択的触媒還元システム1400との間、及び/又は選択的触媒還元システム1400ハウジングの外部に配置されてもよい。SCR1400内の温度は非常に高くなり得るため、磁石は、劣化に煩わされずに期待される最高温度で動作することが可能であってもよい(例えば、AlNiCo磁石)。
【0098】
図16は、本開示の一実施形態に係る排気システム1600を示す。一実施形態では、排気システム1600は、ガソリンを利用する内燃機関のために構成又は設計されてもよい。排気システム1600は、触媒コンバータ1602、選択的触媒還元システム(SCR)1604、1つ以上の電気ヒータ1624、1つ以上の熱センサ1630、1つ以上のガス(又は酸素又はO)センサ1655、及びマフラ1608を含んでもよい。触媒コンバータ1602は、第1のチューブ1606を介してSCR1604に結合されてもよく、SCR1604は、図16に示されるように、第2のチューブ1610を介してマフラ1608に結合されてもよい。熱センサ1630は、触媒コンバータ1602から出る前に排気ガスの温度を検出するように構成されてもよい。電子制御ユニット(ECU)に接続されてもよい熱センサ1630は、触媒コンバータ1602の入口1616及び/又は出口1618の近くに位置してもよい。
【0099】
例示的な一実施形態では、冷間始動からエンジンを始動すると、排気ガス及び微粒子状物質の温度よりも高く触媒コンバータ1602の内部温度を加熱することを支援するために、電子制御ユニットによって1つ以上の電気ヒータ1624が同時にオンにされてもよい。ヒータ1624は、所望の温度に達した後にオンのままであってもよいか、又は触媒コンバータ1602内の温度が所定の閾値温度よりも低く降下する場合に、オフにされてから再びオンにされてもよい。電子制御ユニットは、1つ以上の温度計及び他のセンサから入力信号を受信するとともに、ヒータ1624の活動を制御するための信号を生成してもよい。複数のロッド(例示の明確さのために、図には示されていない)が、触媒コンバータ1602内に組み立てられた状態で、フィルタ1626、1628内で長手方向又は水平方向に延在してもよい。ロッドは、フィルタ1626、1628を通ってヒータ1624からのより迅速な熱伝達のための導管を提供し、それによって、触媒コンバータ1602の内部温度を所望の内部温度に加速し、フィルタ1626、1628の表面積及び触媒コンバータ1602の空洞1622の全体にわたって所望の内部温度を閾値よりも高く維持することを支援して、少なくともフィルタ1626、1528及び周囲の内部表面積にわたって有害な排気ガスを酸化してもよい。
【0100】
触媒コンバータ1602の内部温度を触媒コンバータ1602の通常の動作温度を超える温度に上昇させることによって、排気ガスの一部である有害な化学物質及び微粒子は、従来の触媒コンバータにおけるよりも効率的に、触媒コンバータ1602から出る前に酸化させ、かつ/又は燃焼し尽くす。フィルタ1626、1628は、排気ガスがハニカム開口部を通って触媒コンバータ1602の内部空洞を通過するときに、排気ガスの流動を捕捉及び/又は減速することを容易にし、貴金属フィルタコーティング(例示及び説明の明確さのために、図には示されていない)は、内部触媒コンバータ空洞1622を横切る排気ガスの流動を更に減速し、かつ乱し、有害な排気物質のより多くを、閾値排気ガス温度よりも高く加熱し、かつ触媒コンバータ1602から出る前に酸化し、かつ/又は燃焼し尽くすことができるように支援する。閾値温度は、システム1600の構成要素及び他の要因に基づいて所望される追加の酸化/燃焼の量に基づいて、任意の所与の構成に対して最適化されてもよい。
【0101】
一実施形態では、磁石1632の極性は、触媒コンバータ1602の空洞1622内の電流を増加させることによって、排気ガス及び微粒子が触媒コンバータ1602を通過する際に、排気ガス及び微粒子の流動を更に乱し、かつ減速することを支援する。排気ガス及び微粒子の流動を乱し、かつ減速することは、触媒コンバータ1602の空洞1622内でより長い期間排気ガスを加熱し、ひいては、排気ガスの有毒な副産物の更なる酸化及び低減を可能にする。触媒コンバータ1602内の温度は非常に高くなり得るため、磁石1632は、劣化に煩わされず期待される最高温度で動作するように構成されてもよい(例えば、AlNiCo磁石、ネオジウム磁石など)。
【0102】
図14図15Bに従って記載されるSCR1400と同様に、SCR1604は、図1図15Bの前述の実施形態に係る、複数のロッド及び触媒コーティングを介してSCR1604を急速加熱することによって、窒素酸化物ガスを酸化し、かつそれらを無害な排気物質(例えば、窒素、水、及び少量の二酸化炭素)に変換することによって、窒素酸化物(NO)ガスを低減するように構成されてもよい。SCR1604から出ると、残りの排気ガスは、SCR1604を接続するチューブ1610を通ってマフラ1608に流動してもよい。マフラ1608は、エンジン騒音を低減するか、又は「消音する」ように構成されてもよく、残りの有害な排気ガスを更に低減し、排気温度を冷却してもよい。
【0103】
図17は、本開示の一実施形態に係る排気コンバータ1700を例示している。排気コンバータ1700は、ガソリン又はディーゼルベースのエンジンシステムで利用されてもよい。更に、排気コンバータ1700は、例えば、触媒コンバータ、SCR、酸化触媒、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)として使用されるように設計又は構成されてもよい。
【0104】
一実施形態では、排気コンバータ1700は、第1のヒータ1720、第1のフィルタ1721、第2のヒータ1726、及び第2のフィルタ1728を含んでもよい。第1のヒータ1720は、第1のコネクタ1724を介して電源から電力を受け取ってもよく(例示及び説明の明確化のために示されていない)、第2のヒータ1726は、第2のコネクタ1734を介して電源から電力を受け取ってもよい。第1のヒータ1720及び第1のフィルタ1721は、統合された単一デバイスであってもよい。代替的に、第1のヒータ1720及び第1のフィルタ1721は、任意の好適な固定手段を介して(例えば、溶接、ネジ、ボルトなどを介して)互いに組み合わされてもよいか、又は取り付けられてもよい別個のデバイスであってもよい。同様に、第2のヒータ1726及び第2のフィルタ1728は、統合された単一のデバイスであってもよい。代替的に、第2のヒータ1726及び第2のフィルタ1728は、任意の好適な固定手段を介して(例えば、溶接、ネジ、ボルトなどを介して)互いに組み合わされてもよいか、又は取り付けられてもよい別個のデバイスであってもよい。第1のヒータ1726及び第2のヒータ1726は、図17に示されるように、異なるタイプのヒータであってもよい。代替的に、第1のヒータ1720及び第2のヒータ1727は、同じタイプのヒータであってもよい。
【0105】
一実施形態では、第1のヒータ1720は、加熱要素1722を含んでもよい。加熱要素1722は、例えば、金属材料で作製されてもよく、加熱要素1722は、複数の開口部(例えば、ハニカム形状の開口部)を含んでもよい。追加的に、第1のヒータ1720は、水平方向に第1のヒータ1720を横切って延在する複数の加熱ロッド1722を含んでもよい。加熱ロッド1722は、第1のヒータ1720の一端部から他端部まで完全に水平に延在してもよい。代替的に、加熱ロッド1722は、第1のヒータ1720内で部分的に水平に延在してもよい。更に、加熱ロッド1722は、フィルタインサート1722の複数の開口部に挿入されてもよい。一実施形態では、加熱ロッド1722は、例えば、熱処理された金属又は合金(例えば、銅又は鋼)を含んでもよい。
【0106】
一実施形態では、第1のヒータ1720は、第1のコネクタ1724と第1のヒータ1722のハウジング1723(例えば、金属ハウジング)との間に電位を印加することによって加熱されてもよい。第1のコネクタ1724及びハウジング1723は、第1の端子及び第2の端子(例えば、正端子及び負(又は接地)端子)として機能するように構成されてもよい。加熱要素1722及びヒータハウジング1723は、電源に電気的に結合されてもよい。したがって、第1のヒータ1720は、電源によって電位が印加されて、第1のヒータ1720を通過する電流を誘起すると、急速に熱くなり得る。したがって、ハウジング1723、加熱要素1722、及び加熱ロッド1716は、第1のヒータ1720の急速加熱を容易にしてもよい。例えば、加熱ロッド1716は、第1のヒータ1720の内部で生成された熱を加熱要素1722に伝達することを容易にする。加熱要素1722は、排気ガス及び微粒子状物質の除去及び低減を支援してもよいフィルタとして機能してもよい。第1のフィルタ1721は、排気コンバータ1700の所望の用途に応じて、セラミック材料又は金属材料で作製されてもよい。上記の図1図16の前述の実施形態に従って記載される触媒コンバータ及びSCRと同様に、第1のフィルタ1721は、複数の加熱ロッド(例示の明確さのために、図には示されていない)及び薄い触媒コーティングを含んでもよい。したがって、第1のヒータ1720、薄い触媒コーティング、及び複数の加熱ロッドから生成された熱は、第1のフィルタ1726を急速加熱することを容易にしてもよい。
【0107】
一実施形態では、第2のヒータ1726は、1つ以上の加熱線1727を含んでもよい。図17に示されるように、加熱線1727は、ウェブパターンで配置されてもよい。ただし、加熱線1727の任意の好適な形状及び/又はサイズが利用されてもよい。加熱線1727は、コネクタ1734に結合されてもよい。この実施形態では、第2のヒータ1726は、加熱線1727に電流を印加することによって加熱されてもよい。電源は、同時に又は順次に、コネクタ1724及び1734に電流を供給するように構成されてもよい。加熱線1727によって生成された熱は、第2のフィルタ1728を加熱してもよい。第2のフィルタ1728は、複数の加熱ロッド1730を含んでもよい。いくつかの実施形態では、加熱線1727は、振動又は他の内部又は外部の動き又は力によって引き起こされてもよい加熱線1727への潜在的な損傷を防止するために、加熱ロッド1730に取り付けられてもよい。第2のフィルタ1728は、排気コンバータ1700の所望の用途に応じて、セラミック材料又は金属材料で作製されてもよい。上記の図1図16の前述の実施形態に従って記載される触媒コンバータ及びSCRと同様に、第2のフィルタ1728は、薄い触媒コーティングを含んでもよい。したがって、第2のヒータ1726、薄い触媒コーティング、及び複数の加熱ロッド1730から生成された熱は、第2のフィルタ1728を急速加熱することを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、金属材料で作製された第1のフィルタ1721及び/又は第2のフィルタ1728は、第1のフィルタ1721及び/又は第2のフィルタ1728の急速加熱を更に支援するために、電源の1つ以上の端子に電気的に結合されてもよい。更に、第1のヒータ1720及び第2のヒータ1726の場所は、図17に示されるように限定されない。第1のヒータ1720及び第2のヒータ1726の場所は、排気コンバータ1700の所望の用途に基づいて好適に決定されてもよい。
【0108】
第1のヒータ1720は、加熱要素1722と、加熱線1727などの1つ以上の加熱線と、の両方を含んでもよいことが理解される(例えば、図19を参照のこと)。同様に、第2のヒータ1726は、1つ以上の加熱線1727と、加熱要素1722などの加熱要素と、を含んでもよい(例えば、図19を参照のこと)。注記したように、加熱要素1722は、排気ガス及び微粒子状物質の除去及び低減を支援してもよいフィルタとして機能してもよい。
【0109】
図18A図23Bは、図1図17に開示される前述の実施形態のいずれかに組み込まれてもよい様々な例示的なヒータ及び構成要素を示す。図18Aは、本開示の一実施形態に係るヒータ1800の斜視図を例示している。ヒータ1800は、ハウジング(又はシャーシ)1802、1つ以上の加熱線1804、及びコネクタ1806を含んでもよい。一実施形態では、加熱線1804は、ハウジング1802及びコネクタ1806に結合されてもよい。例えば、加熱線1804の一端部は、ハウジング1802に結合されてもよく、加熱線1804の他端部は、コネクタ1806に結合されてもよい。図18Aに示されるように、コネクタ1806は、電源から電流を受け取るように構成された1つ以上の端子と、ハウジング1802の表面とコネクタ1806との間に電気絶縁を提供するための電気絶縁体として機能する1つ以上のセラミック部分1808と、を含んでもよい。1つ以上の端子は、例えば、コネクタ1806の正(又は負)端子であってもよい。ハウジング1802は、負(又は正)端子又は接地として構成されてもよい。
【0110】
一実施形態では、加熱線1804は、図18Aに示されるように、螺旋(又はジグザグ)形状を含んでもよい。ただし、加熱線1804は、ヒータ1800の所望の用途に応じて、任意の好適な形状を有してもよい。加熱線1804は、約1.2mmの厚さを有するクロムニッケル抵抗材料で作製されてもよい。加熱線1804の各々の厚さ及び長さは、加熱線1804に印加される電流の量(又はレベル)に基づいて決定されてもよい。例えば、約48~60アンペアの電流供給に約40cmの長さが使用されてもよい。約30アンペアの電流供給の場合、約20cmの長さが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の加熱線1804は、例えば、複数の加熱線1804の各々の端部をコネクタ1806の複数の正端子の各々に接続しながら、複数の加熱線の他端部の全てをハウジング1802の表面上の単一の負端子に互いに接続することによって使用されてもよい。したがって、供給電流は、複数の加熱線1804に分割され、それによって、加熱線1804の数によって供給される電流の総量を低減してもよい。複数の加熱線1804の各々の厚さ及び長さは、加熱線1804に供給される電流のレベルに対して計算されてもよい。複数の加熱線1804を利用することは、加熱線1804の各々をより短く、かつより薄くすることを可能にしてもよい。それゆえ、加熱線1804は、より大きな厚さ及び長さを有する単一の加熱線よりも実質的に速く熱くなり得る。
【0111】
図18Bは、本開示の別の実施形態に係るヒータ1810の斜視図を示す。ヒータ1810は、ウェブ形状(これに限定されない)を有する加熱線1814と、ハウジング(又はシャーシ)1821と、加熱線1814を所定の位置に保持するように構成された複数のロッド1818と、を含んでもよい。加熱線1814は、電流がコネクタ1816を介して電源によって供給されるときに熱くなり得る。コネクタは、正端子及び負端子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング1812は、負端子又は接地として構成されてもよい。上述した図18Aの実施形態に従って開示される加熱線1804と同様に、加熱線1814の形状、厚さ、及び長さは、電源から供給される電流のレベルに関連して決定されてもよい。ヒータ1810は、例えば、セラミックハニカムフィルタの約1~1.5インチ前に配置されてもよい。
【0112】
図18Cは、本開示の別の実施形態に係るヒータ1830の詳細図を例示している。図18Cに示されるように、ヒータ1830は、異なるサイズ及びパターンを含むように設計されてもよい。ヒータ1830は、ヒータ1830に電流が印加されると急速に熱くなるように構成された金属材料で作製されてもよい。ヒータ1830は、図1図18Bの実施形態に開示されるヒータのいずれかに対して追加的又は代替的に使用されてもよい。
【0113】
図19は、本開示の一実施形態に係るヒータ1902を例示している。ヒータ1902は、ハウジング1902、第1の端子1903、第2の端子1904、1つ以上の加熱線1906(1つだけが示されているが、図18Aに示される加熱線1804と同様に、複数のレベルの加熱線が利用されてもよい)、加熱要素1908、複数の加熱ロッド1910、及びコネクタ1912を含んでもよい。ハウジング1902は、金属ハウジングであってもよい。
【0114】
第1の端子1903は、正(又は負)端子であってもよく、第2の端子1904は、負(又は正)端子又は接地であってもよい。一実施形態では、第1の端子1903は、コネクタ1912に電気的に結合されてもよく、第2の端子1904は、ハウジング1902に電気的に結合されてもよい。
【0115】
加熱線1906は、第1の端子1903と第2の端子1904との間に電気的に結合されてもよい。この実施形態では、コネクタ1912は、電源から電流を受け取るように構成されてもよく、正(又は負)端子として機能してもよい。更に、ハウジング1902は、負(又は正)端子又は接地として機能するように構成されてもよい。したがって、正端子1903(例えば、コネクタ1912を介して)と負端子1904(例えば、ハウジング1902を介して)との間の電源によって供給される電位は、第1の端子1903と第2の端子1904との間に電流を誘起してもよい。したがって、第1の端子1903と第2の端子1904との間に結合された加熱線1906は、供給された電流のレベルに基づいて熱くなり得る。追加的に、金属材料を含んでもよい加熱要素1908は、第1の端子1903及び/又は第2の端子1904に電気的に結合されてもよく、また、電流が供給される結果として熱くなってもよい。
【0116】
加熱ロッド1910は、加熱線1906によって生成されてもよい熱を急速伝導することによって、加熱要素1908を熱くすることを更に容易にしてもよい。一実施形態では、加熱ロッド1910は、加熱要素1908の開口部に挿入されてもよく、加熱要素1908の一端部から加熱要素1908の他端部まで延在してもよい。加熱ロッド1910はまた、加熱要素1908の一端部から加熱要素1908の他端部まで部分的に延在してもよいロッドを含んでもよい。更に、加熱ロッド1910は、加熱線1906を所定の位置に保持するように構成された支持体として作用してもよい。この例では、加熱ロッド1910は、加熱要素1908の一端部から加熱要素1908の他端部まで部分的に延在する。
【0117】
一実施形態では、加熱線1906は、図19に示されるように、螺旋形状を含んでもよい。ただし、加熱線1906の具体的な形状及びサイズは、これに限定されず、ヒータ1900の所望の用途に応じて任意の好適な形状又はサイズを有してもよい。加熱線1804と同様に、加熱線1906は、好ましくは約1.2mmの厚さを有する、クロムニッケル抵抗材料で作製されてもよい。加熱線1906の長さは、加熱線1906に印加される電流の量(又はレベル)に基づいて決定されてもよい。例えば、48アンペアの電流供給に約40cmの長さが使用されてもよい。30アンペアの供給される電流の場合、約20cmの長さが使用されてもよい。したがって、加熱線1906の長さ及び厚さは、電流供給のレベルに対して計算されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱線1804と同様に複数の加熱線1906が利用されてもよい。
【0118】
一実施形態では、加熱要素1908は、フィルタとして作用してもよく、図1図18Cの前述の実施形態に係る触媒コーティングを含んでもよい。触媒コーティングは、ヒータ1900の急速加熱を更に容易にしてもよい。追加的又は代替的に、図6図9Bの実施形態に係る1つ以上の磁石が、ヒータ1900の急速加熱を容易にするために、ハウジング1902と第1の電極1903及び第2の電極1904との間の空洞(又は空間)1914に設置又は配置されてもよい。したがって、ヒータ1900は、図19の実施形態に係る、少なくとも加熱線1906、加熱ロッド1910、触媒コーティング、及び/又は磁石の1つ以上の組み合わせを介して、急速加熱されてもよい。
【0119】
図20は、本開示の一実施形態に係るヒータ2000の斜視図を例示している。図19のヒータ1900と同様に、ヒータ2000は、ハウジング2002、第1の端子2004、第2の端子2006、加熱要素2008、複数の加熱ロッド2016、及び1つ以上の加熱線(例示及び説明の明確さのために、図示せず)を含んでもよい。ヒータ2000は、図19の前述の実施形態に開示されるヒータ1900と同様に機能してもよい。一実施形態では、複数の加熱ロッド2016は、加熱要素2008の開口部に挿入されてもよい。複数の加熱ロッド2016は、金属材料を含んでもよく、複数のロッド2016は、加熱線(例えば、加熱線1804、1814、及び/又は1906)を固定してもよい。
【0120】
図21は、本開示の一実施形態に係る1つの例示的な加熱ロッド2016を例示している。加熱ロッド2016は、金属(例えば、熱処理された金属又は合金(例えば、銅又は鋼))で作製されたロッド部分2106と、絶縁特性を有するアルミニウム合金で作製された先端部分2104と、を含んでもよい。したがって、先端部分2104は、加熱ロッド2016の短絡又は過熱を防止するために、加熱ロッド2016を通る電流の通過を防止してもよい。
【0121】
更に、加熱ロッド2016は、加熱線を所定の位置に固定するように構成されたクリップ2102(例えば、留め具)を含んでもよい。一実施形態では、加熱線は、クリップ2102の開口部2103にスナップ嵌めされてもよい。開口部2013は、加熱線をクリップ2102に固定するために、加熱線と同様の任意の好適な形状を有してもよい。クリップ2102は、対応する加熱ロッド2016を通る電流の通過を防止するように構成された電気絶縁体であってもよい。したがって、複数の加熱ロッド2016のうちの1つ以上は、本開示の排気システムを含む機械又は車両の動作中に、本開示の加熱線を堅固に所定の位置に保持してもよい。
【0122】
一実施形態では、加熱ロッド2016は、例えば互いに約2インチ、離間して配置されてもよい。加熱ロッド2016の間隔は、これに限定されないが、本開示の所望の用途(例えば、加熱線の形状及び長さ)に基づいて、互いに離間して配置されてもよい。更に、複数の加熱ロッド2016は、複数の加熱ロッド2016のロッド部分2106によってヒータ2000の内部で生成された熱を伝導することによって、加熱要素2008の急速加熱を追加的に容易にしてもよい。一実施形態では、複数の加熱ロッド2016は、図20に示されるような加熱要素の代わりに、SCRのフィルタに直接挿入されてもよい。したがって、加熱ロッド2016は、例えば、熱伝導を介して、加熱線1906(図20及び図21には示されていない)の包含によって導入される追加の急速加熱を容易にしてもよいが、当該加熱線1906から電気的に絶縁されている。
【0123】
加熱ロッド2016のうちの1つ以上が、ヒータ2000の急速加熱を更に容易にするために、加熱要素2008を通って延在してもよい。一実施形態では、複数の加熱ロッド2016は、様々な長さを有してもよい。例えば、いくつかの加熱ロッド2016が、他の加熱ロッド2016よりも長い場合がある。すなわち、長いほうの加熱ロッド2016は、1つのずれた配置(displacement)で加熱線1906を固定するように構成されてもよく、短いほうの加熱ロッド2016は、別のずれた配置で加熱線を固定するように構成されてもよい。例えば、図18Aに示されるように、長いほうの加熱ロッド2016は、最上層部分(ずれた配置)に配設された加熱線1804を固定してもよく、短いほうの加熱ロッド2016は、加熱線1804を最下層部分(ずれた配置)に固定してもよい。
【0124】
図22は、本開示の排気コンバータ(例えば、触媒コンバータ、SCR、酸化触媒、DPFなど)2200の例示的な実施形態を描いている。排気コンバータ2200は、排気コンバータ2200内の様々な場所に設置又は配置されてもよい様々なタイプ、形状及びサイズを有する複数のヒータ2215、2216、2217、2218、2220を含んでもよい。本開示の実施形態では、本開示に従って、所望の用途に基づいて、任意の好適な数のヒータが利用されてもよい。
【0125】
図23及び図24は、本開示の一実施形態に係る1つのタイプのヒータ2300を描いている。ヒータ2300は、本開示の前述の実施形態の排気コンバータ(例えば、触媒コンバータ、SCR、酸化触媒、DPFなど)にその外側から挿入されてもよく、所定の位置に螺設されてもよい。したがって、ヒータ2300は、本開示の排気コンバータに取り外し可能に取り付けられてもよい。ヒータ2300はまた、排気システムのチューブに挿入されてもよい。より具体的には、そのようなヒータは、アフターマーケットパーツとして設けられ、触媒コンバータ、SCR構成要素又はDPF構成要素を変更することなく、既存の車両の排気チューブに据え付けられてもよい。また、同じ又は同様のタイプのヒータ4100が、図41に示されている。ヒータ2300/4100は、支持スタッド/ロッド2308/4108の周りに螺旋状に巻かれた加熱線2304/4104で形成されてもよい。支持スタッド/ロッド2308/4108は、正端子又は負端子に接続されてもよく、一実施形態では、支持スタッド/ロッド2308/4108は、負端子に接続されており、ヒータが挿入されているハウジングに接続されてもよい。ヒータ2300/4100は、正端子又は負端子に接続されてもよいコネクタスタッド2310/4110を含んでもよく、一実施形態では、コネクタスタッド2310/4110は、正端子に接続されており、排気コンバータ又は排気チューブの外部にアクセス可能であるように構成されている。図41は、ヒータ4100に接続された外部電源コネクタ4120及び4130を例示している。一実施形態では、4120は、正電源ケーブルであり、4130は、負電源ケーブルである。別の実施形態では、4120は、負電源ケーブルであり、4130は、正電源ケーブルである。電源ケーブル4120及び4130は、当業者に知られている様々な方途で接続されてもよい。図41において、それらは、関連着けられた端子に螺設/ボルト締めされた電気的な突出部として例示されている。
【0126】
図25及び図26は、本開示の一実施形態に係るマフラ2500を示す。一実施形態では、マフラ2500は、ガソリン又はディーゼルで動作するように構成されてもよい内燃機関のために構成又は設計されてもよい、図16の排気システム1600で利用されてもよい。マフラ2500は、1つ以上のサイレンサ2508と、散在し、かつ/又は互いに離間して配置された複数のプレート2506と、が位置してもよいハウジング2510を含んでもよい。プレート2506は、例えば鋼で形成されてもよく、1つ以上の貴金属2602(図2Bで上述したような)でコーティングされてもよい。貴金属コーティング2602は、ハウジング2510内の排気ガスの流動を乱してもよく、その結果、排気ガスは乱流となり、これにより、ひいては、高イオンの排気ガスが、マフラ2500の入口2502からマフラハウジング2510を通過し、出口2504を通ってマフラハウジング2510から出る際に、高温の排気ガスの流動が減速される。貴金属コーティングされたプレート2602に起因するマフラ2500内の排気ガスの乱れは、より多くの時間でマフラ2500内の排気ガス及び微粒子状物質が、マフラ2500から出て環境に入る前に、燃焼し尽くし、かつ/又は酸化することを可能にする。加えて、入口2502の内部の複数のプレート2506は、排気を内外に再循環させてもよく、例えば約15%の、NOxを削減してもよい。
【0127】
図27は、本開示の一実施形態に係る例示的な排気システム2700を示す。排気システム2700は、触媒コンバータ2702と、触媒コンバータ2702に電気的に結合された制御ユニット2721と、を含んでもよい。触媒コンバータ2702は、図1図26の実施形態に従って記載される前述の触媒コンバータの構成要素と同様の構成要素を含んでもよい。制御ユニット2709は、1つ以上のセンサからの読み取りに基づいて加熱要素2717のうちの1つ以上を制御することによって、排気システム2700の動作を容易にするように、1つ以上の電気リード(又はケーブル)2706を介して触媒コンバータ2702に電気的に結合されてもよい。この実施形態では、触媒コンバータ2702は、触媒コンバータ2702の急速加熱を容易にするために、複数の磁石2707及び加熱要素2717を含んでもよい。
【0128】
図28は、本開示の一実施形態に係る排気システム2800を示す。システム2800は、排気コンバータシステム2807に結合されたコントローラ2802を含んでもよい。排気コンバータシステム2807は、例えばエンジン2804による化石燃料の内燃に起因して、有害なガス及び微粒子状物質を生成してもよいエンジン2804に結合されてもよい。コントローラ2802は、エンジン2804及び排気コンバータシステム2807に電気的に結合されてもよい。コントローラ2802は、エンジン2804及び排気コンバータシステム2807から様々な信号及び/又はデータを受信して、車両又は機械を十分に動作させるためにエンジン2804及び排気コンバータシステム2807の制御を容易にするように構成されてもよい。
【0129】
一実施形態では、排気コンバータシステム2807は、エンジン2804から触媒コンバータ2818に排気ガスを伝えるためにエンジン2804に結合された吸気チャンバ2816を含んでもよい。触媒コンバータ2818は、図1図27の前述の実施形態に従って上述した触媒コンバータに関連付けられた1つ以上のヒータ2820及び他の構成要素を含んでもよい。排気コンバータシステム2807は、濾過された(又は変換された)かつ/又は還元されたガスを選択的還元触媒濾過システム(SCR)2824に伝達するための吸気/排気チャンバ2822を更に含んでもよい。SCR2824は、図1図27の実施形態に係る、1つ以上のヒータ2826と、前述のSCRに関連付けられた他の構成要素と、を含んでもよい。更に、排気コンバータシステム2807は、マフラに結合されてもよい排気チャンバ2848を含んでもよい(例示及び説明の明確さのために、示されていない)。
【0130】
一実施形態では、排気コンバータシステム2807は、ガスセンサ2850、2854、2856を含んでもよい。例えば、ガスセンサ2850は、吸気チャンバ2816に結合されてもよく、ガスセンサ2854は、吸気/排気チャンバ2822に結合されてもよく、ガスセンサ2856は、排気チャンバ2848に結合されてもよい。ガスセンサ2850、2854、2856は、例えば、酸素(例えば、O)センサを含んでもよいが、これに限定されず、システム2800の所望の用途に基づいて任意の好適なガスセンサが利用されてもよい。追加的に、排気コンバータシステム2807は、可能な解決策の中でもとりわけ、尿素、塩水、又はアンモニア溶液などの添加溶液を排気流動ガスに噴射又はポンプ供給するために、溶液タンク2806、2808に結合された温度センサ2852、2853、2855、2858、及び添加噴射器2810、2812を含んでもよい。ガスセンサ2850は、触媒コンバータ2812の前に配置されてもよく、ガスセンサ2854は、触媒コンバータ2818とSCR2824との間に配置されてもよい。
【0131】
コントローラ2802は、温度センサ2852から信号を受信して、ヒータ2818を制御してもよい。更に、コントローラ2802は、温度センサ2853から信号を受信して、添加噴射器2810を制御してもよい。例えば、触媒コンバータ2818における所定の温度が温度センサ2853によって検出されると、コントローラ2802は、触媒コンバータ2818内に添加溶液を噴射又は射出するためのコマンド信号を添加噴射器2810に送信してもよい。一実施形態では、添加噴射器2810は、温度センサ2853が、所定の温度が維持されていることを検出した場合に、所定の間隔で、溶液タンク2806によって供給された添加溶液を触媒コンバータ2818内に連続的に噴射してもよい。代替的に、温度センサ2853は、所定の温度範囲、例えば約340~410℃、を検出するように構成されてもよい。換言すると、所定の温度又は所定の温度範囲で触媒コンバータ2818内に噴射された添加溶液は、触媒コンバータ2818における有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を改善してもよい。
【0132】
一実施形態では、ガスセンサ2850は、吸気チャンバ2816における排気ガスの条件又は状態を検出してもよく、ガスセンサ2854は、吸気/排気チャンバ2822における排気ガスの条件又は状態を検出してもよい。すなわち、ガスセンサ2850、2854は、排気ガスの条件又は状態に関連するデータをコントローラ2802に伝送してもよい。したがって、コントローラ2802は、受信されたガスデータを利用して、触媒コンバータ2818の有効性を監視し、触媒コンバータ2818の望ましい性能を達成するための適切な機能を実行してもよい。更に、コントローラ2802は、受信されたガスデータを利用し、システム2800に結合された1つ以上のディスプレイにガス監視情報を表示してもよい。一実施形態では、コントローラ2802は、システム2800の所望の性能及び/又は機能性を達成するように、エンジン2804及び/又は排気コンバータシステム2807を自動制御してもよい。別の実施形態では、システム2800のオペレータは、システム2800に結合されたディスプレイに表示されたガス及び/又は温度監視データに基づいて、システム2800の所望の性能及び/又は機能性を達成するように、エンジン2804及び/又は排気コンバータシステム2807を手動制御してもよい。また別の実施形態では、システム2800は、自動及び手動の両方で制御されてもよい。
【0133】
一実施形態では、温度センサ2852は、触媒コンバータ2818の内部温度を検出してもよい。コントローラ2802は、温度センサ2852から受信された温度データを利用して、ヒータ2820を制御してもよい。すなわち、コントローラ2802は、ヒータ2820を制御して、触媒コンバータ2818の内部の所望の温度を維持して、触媒コンバータ2818の所望の性能(例えば、有害な排気ガス及び微粒子状物質の十分な低減)及び/又は機能性を達成してもよい。
【0134】
一実施形態では、SCR2824は、触媒コンバータ2818に関連して記載されるのと同様の態様で制御されてもよい。すなわち、コントローラ2802は、上述したように触媒コンバータ2818を制御するのと同様に、噴射器2812及びヒータ2826を制御するための信号をガスセンサ2854、2856及び温度センサ2855、2858から受信して、SCR2824の所望の性能及び/又は機能性を達成してもよい。いくつかの実施形態では、排気コンバータシステム2807で2つ以上のSCRを利用して、有害な排気ガス及び微粒子状物質を更に低減又は除去してもよい。
【0135】
一実施形態では、コントローラ2802は、高度センサ2860からデータを受信してもよい。高度センサ2860は、車両の任意の好適な場所に取り付けられてもよい。高度のレベルは、エンジン及び排気コンバータ2807内の圧力をオフセットしてもよいことから、コントローラ2802は、高度の変化によって引き起こされる圧力変動をオフセットするための適切な機能を実行してもよい。例えば、比較的高い高度では、システム2800は、エンジン2804に比較的少ない酸素を取り込んでもよい。したがって、コントローラ2802は、スロットル位置スイッチを調整してエンジン2804に追加の空気を導入するための制御信号を伝送してもよい。高度の変化は、燃料効率、及びエンジン内の空気圧に影響を与えてもよい。すなわち、比較的高い高度レベルでは、エンジンは、より少ないガスを燃焼してもよい。更に、より多くの燃料を有する比較的少ない空気は、例えば、触媒コンバータ2818に損傷を引き起こしてもよい。したがって、コントローラ2802は、様々な構成要素(例えば、スロットル位置スイッチ、ヒータなど)に適切な信号を伝送してもよい。
【0136】
図28Aは、本開示の一実施形態に係る例示的な添加溶液分配器2850を示す。添加溶液分配器2850は、1つ以上の添加噴射器2810、2812の下流に位置する。1つ以上の添加溶液分配器2850は、それぞれ、添加噴射器2810、2812と、触媒コンバータ2818及びSCR2824と、の間に位置してもよい。添加溶液分配器2850は、互いに所定の距離で配設された複数の翼(又はプレート)2854を含んでもよい。更に、添加溶液分配器2850は、図28Aに示されるように、翼2854の各々の間の複数の開口部2852と、添加溶液分配器2850の中心にある円形の開口部2852と、を含んでもよい。添加溶液分配器2850は、添加噴射器2810、2812によって噴霧された添加溶液を均等に分配することによって、触媒コンバータ及び/又はSCRにおけるハニカムフィルタの劣化(例えば、クラッキング)を防止する。一実施形態では、翼2854の各々は、タービン作用を与えるために、かつ添加溶液を触媒コンバータ及び/又はSCRのフィルタに均等に分配するために、所定の角度で角度を付けられてもよい。翼2854の形状、サイズ、及び数は、これに限定されず、添加溶液分配器2850の所望の用途又は性能に従って変化してもよい。
【0137】
図29は、本開示の一実施形態に係る、排気システムの動作及び/又は制御のための例示的な排気制御システム2900の概略図を例示している。排気制御システム2900は、複数の入力2901、例えば、ガスデータ2906、温度データ2908、及び高度データ2910と、コントローラ2902と、複数の出力2903、例えば、ガス監視データ2912、ヒータ調整値2914、噴射器調整値2916、及びスロットル位置スイッチ信号値2918と、を含んでもよい。コントローラ2902は、決定モジュール2904、メモリ、二次記憶デバイス、及び中央処理ユニットなどのプロセッサ、又は本開示と一致するタスクを遂行するための任意の他の手段を含んでもよい。コントローラ2902に関連付けられたメモリ又は二次記憶デバイスは、非一時的コンピュータ可読媒体を含んでもよく、図28のシステム2800に関連して開示されるプロセスなどの、コントローラ2902がその機能を実行するのを支援するデータ及び/又はソフトウェアルーチンを記憶してもよい。更に、コントローラ2902に関連付けられたメモリ又は二次記憶デバイスは、システム2800又は本開示の他のシステムにおける開示されたセンサに関連付けられた様々な入力から受信されたデータを記憶してもよい。市販のマイクロプロセッサが、コントローラ2902の機能を実行するように構成されてもよい。コントローラ2902であれば、多数の他の機械機能を制御することができる一般的な機械コントローラを容易に具現化できることを理解されたい。様々な他の知られている回路が、信号調節回路、通信回路、作動回路、及び他の適切な回路を含む、コントローラ2902に関連付けられてもよい。
【0138】
一実施形態では、コントローラ2902は、1つ以上のヒータ(例えば、ヒータ2818、2826)を制御してもよい。例えば、図1図28の前述の実施形態に係る、1つ以上の温度センサ(例えば、温度センサ2853、2852、2858)から受信された温度データ2908に基づいて、決定モジュールは、ヒータ調整値2914を計算又は決定してもよい。次いで、コントローラ2902は、本開示の前述の実施形態に従って、ヒータ調整値2914を伝送して、1つ以上のヒータ(例えば、ヒータ2818、2826)を制御してもよい。
【0139】
一実施形態では、コントローラ2902は、1つ以上の添加噴射器2810、2812を制御してもよい。例えば、温度データ2908に基づいて、決定モジュール2904は、噴射器調整値2916を計算又は決定してもよい。次いで、コントローラ2902は、本開示の前述の実施形態に従って、制御するために噴射器調整値2916を1つ以上の添加噴射器2810、2812に伝送してもよい。一実施形態では、決定モジュール2904は、高度データ2910を利用して、スロットル位置スイッチ信号値2918を計算又は決定してもよい。次いで、コントローラ2902は、本開示の前述の実施形態に従って、スロットル位置スイッチを制御してもよい。一実施形態では、決定モジュール2904は、1つ以上のガスセンサ(例えば、2850、2854、2856)から受信されたガスデータ2906に基づいて、ガス監視データ2912を生成してもよい。例えば、決定モジュールは、ガスセンサ2850によって検出された量のガスとガスセンサ2854によって検出された量のガスとを比較してもよい。次いで、決定モジュールは、ガス監視データ2912を生成してもよい。次いで、コントローラ2902は、本開示による前述の実施形態に係るディスプレイにガス監視データ2912を伝送してもよい。いくつかの実施形態では、決定モジュール2904は、本開示の実施形態に従って、ヒータ、噴射器、スロットル位置スイッチ、及び/又はディスプレイを制御するための適切なデータ及び値を決定するために、ガスデータ2906、温度データ2907、及び高度データ2910を同時に又は順次に利用してもよい。したがって、コントローラ2902は、本開示の実施形態に係る、ヒータ、噴射器、スロットル位置スイッチ、及び/又はディスプレイの自動制御及び/又は手動制御を容易にするように構成されてもよい。
【0140】
一実施形態では、前述の実施形態に係る触媒コンバータは、排気ガスが、前述の実施形態に係る1つ以上の入口ポートから、前述の実施形態の(いくつかの実施形態では)1つ以上の撹乱プレートを通って、及び前述の実施形態の1つ以上のヒータ又は加熱要素を通って流動してもよいように設置又は配置されてもよい。追加的に、排気ガスは、いくつかの実施形態では、1つ以上の追加のヒータによって追加的に加熱され、前述の実施形態の磁石によって磁場にさらされてもよい。追加のヒータ及び/又は磁場は、触媒コンバータを通過するガスの個々の分子及びイオンと相互作用し、触媒コンバータから出る前に行われる触媒変換の効率を増加させてもよい。ヒータが触媒コンバータ内に含まれることに加えて、ヒータは、車両又は機械上の既存の触媒コンバータに追加されてもよい。
【0141】
試験結果によれば、本開示の前述の実施形態に従って装備又は変更された排気システムは、ガソリン駆動車では約95~99%、ディーゼル駆動車では90~97%だけ、炭素排出、廃ガス(NOx、COなど)、及び微粒子状物質の低減をもたらした。
【0142】
図30A及び図30Bは、ディーゼル燃料で走行する車両用の排気システム3100の一実施形態を例示している。図30A及び図30Bに示されるように、排気システム3100は、酸化触媒3102、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)3104、選択的触媒還元濾過システム(SCR)3108、及びマフラ3112を含んでもよい。酸化触媒3102、及びDPF3104、及びSCR3108は別個に示されているが、いくつかの実施形態では、酸化触媒3102、DPF3104、及び/又はSCR3108は、単一のハウジングに含まれる単一の単一システムに組み合わされてもよい。排気システム3100は、酸化触媒1302をディーゼル微粒子フィルタ1304に接続する第1のチューブ3106と、DPF3104をSCR3114に接続する第2のチューブ3118と、SCR3114をマフラ3116に接続する第3のチューブ3120と、を更に含んでもよい。排気システム3100はまた、ヒータ3124、3149及びセンサ3140、3141、3142を含んでもよい。
【0143】
図30Cは、本開示の別の実施形態に係る排気システム3150を示す。排気システム3150は、図31A及び図33Bに示されるものと同様の構成要素を含んでもよい。加えて、排気システム3150は、噴射器3154を含む追加のSCR3152を含んでもよい。この実施形態における追加のSCR3152及び噴射器3154は、酸化触媒3102、ディーゼル微粒子フィルタ3104、及びSCR3108によって処理された後の有害なガスの追加の低減及び除去を容易にしてもよい。
【0144】
図31に描かれるように、酸化触媒3102は、ハウジング3216と、排気ガスがハウジング3216の空洞3220に入る入口3218と、排気ガスがハウジング3216から出る出口3222と、を含んでもよい。酸素センサ(例えば、Oセンサ)が、ハウジング3216の外部に固定されてもよく、排気ガス中の酸素の割合を評価するために、入口3218の下流の空洞3220に延在してもよい。電気ヒータ3124(図32を参照のこと)は、ハウジング3216の外側から空洞3220に延在してもよい。ヒータ3124は、酸化触媒3102の外部で電源及び電子制御ユニットに接続されてもよい。図30Aに描かれるヒータ3124は、巻回された金属コイル3125を含んでもよい。ただし、ヒータ3124は、酸化触媒3102の内部中詰めを確実にするための任意の形態をとることができる。酸化触媒3102から出る前に排気ガスの温度を評価するために、熱センサは、入口3218及び/又は出口3222の近くに位置してもよい。
【0145】
図31に示されるように、ヒータ3124の下流にあるハウジング3216の内部空洞3220内に、少なくとも1つのフィルタ3226が配置されている。フィルタ3226は、二酸化炭素(CO)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、並びに炭化水素(HC)、微粒子状物質(PM)、及び他の有害な化学物質及び残渣を含むがこれらに限定されない、有害なガス及び微粒子を濾過するように構成されている。フィルタ3226は、例えば、セラミックで形成されてもよく、1つ以上の貴金属3228(図2Bで上述したような)でコーティングされてもよく、複数のハニカム形状の開口部を含んでもよい。フィルタ3226の開口部は、排気ガスの流動を乱し、かつ微粒子状物質を捕捉して微粒子状物質が環境に放出されるのを防止するように構成されている。
【0146】
熱処理された金属又は合金(例えば、銅又は鋼)で形成されてもよい複数のロッド3230は、フィルタ3226のハニカム構造を通って長手方向に延在してもよい。ロッド3230はまた、又は代わりに、フィルタ3226を横切って延在してもよい。追加的に、1つ以上の磁石3232は、ハウジング3216の内部に分配されてもよい。磁石3232は、フィルタ3226の近くに、若しくはフィルタ3226と接触して、かつ/又はフィルタ3226内に配置されてもよい。
【0147】
図16を参照して上述したようにガソリンを利用するエンジンと同様に、排気システム3100を冷間始動から利用するディーゼルエンジンの始動時に、電気ヒータ3124を電子制御ユニット(ECU)によって同時にオンにして、排気ガス及び微粒子状物質の温度よりも高く酸化触媒3102、DPF3104、及びSCR3108の内部温度を加熱することを支援してもよい。ヒータ3124は、所望の温度に達した後にオンのままであってもよいか、又は、ヒータ3124は、酸化触媒3102、DPF3104、及び/又はSCR3108内の温度が閾値温度よりも低く降下する場合に、オフにされてから再びオンにされてもよい。ロッド3230は、酸化触媒3102の内部温度を所望の内部温度に加熱することを加速し、かつ少なくともフィルタ3226及び周囲の内部表面積全体にわたって、所望の内部温度を維持することを支援するように構成されている。
【0148】
酸化触媒3102の内部温度を上昇させることによって、排気ガスの一部である有害な化学物質及び微粒子は、酸化触媒3102から出る前に酸化し、かつ/又は燃焼し尽くす。貴金属フィルタコーティング3228は、酸化触媒3102の空洞の内部を横断する排気ガスの流動を更に減速し、かつ乱し、有害な排気物質のより多くを閾値温度よりも高く加熱し、酸化触媒3102から出る前に燃焼させ尽くすことができるようにする。
【0149】
磁石3232は、磁石3232の極性を介して酸化触媒3102の空洞3220内の電流を増加させることによって、ガソリン排気システム602及び1200に組み込まれた磁石1232、1632、1646と同様に、排気ガス及び微粒子が酸化触媒3102を通過する際に、排気ガス及び微粒子の流動を更に乱し、かつ減速する。排気ガス及び微粒子の流動を乱し、かつ減速することは、酸化触媒3102の空洞3220内でより長い期間排気ガスを加熱し、ひいては、排気ガスの有毒な副産物の更なる酸化及び低減を可能にする。酸化触媒3102から出ると、残りの有害な排気ガス、微粒子、及び残渣は、チューブ3110を通ってディーゼル微粒子フィルタ3104に移動する。ディーゼル微粒子フィルタ3104は、微粒子(例えば、煤)を、微粒子が酸化触媒3102から出た後、かつ排気システム3100から出て環境に放出される前に、捕捉するように設計されてもよい。
【0150】
図32に示されるように、ディーゼル微粒子フィルタ3104は、微粒子(例えば、煤)を捕捉して、微粒子が環境に放出されるのを防止するように構成された複数の開口部(例えば、ハニカム形状の開口部)を有してもよいセラミックフィルタ3105を含む。本開示の前述の実施形態のフィルタと同様に、フィルタ3105は、1つ以上の貴金属3336でコーティングされてもよく、ハニカム構造を通って延在する複数のロッド3338を含んでもよい。ロッド3338は、熱処理された金属又は合金(例えば、銅又は鋼)で形成されてもよい。追加的に、1つ以上の磁石3339は、フィルタ3105の近くに、若しくはフィルタ3105と接触して、かつ/又はフィルタ3105内に分配されてもよい。
【0151】
フィルタ3105上に蓄積された微粒子状物質を低減し、かつ微粒子状物質がフィルタ3105を遮断すること、ひいては、排気システム3100に背圧を生じさせることを防止するために、フィルタ3105は、フィルタ3105上に蓄積された微粒子状物質を燃焼させ尽くすことによる再生を通じて清浄化されなければならない。アクティブ再生及びパッシブ再生という、2つのタイプの再生がある。アクティブ再生は、追加の熱エネルギーを導入することによって実際の排気ガス温度を上昇させることを伴う。対照的に、パッシブ方法は、利用可能な温度が再生に十分である範囲まで必要とされる温度を低下させることに基づく。既存の再生システムとは異なり、電子制御ユニットと通信するヒータ3140を、DPF3104の上流に設置してもよく、ロッド3338、金属コーティング3336、及びDPF3104内に配置された1つ以上の磁石3339と組み合わせて使用して、(磁石3339を介して)電流を増加させ、(貴金属コーティング3336を介して)排気ガス及び微粒子状物質の流動を乱し、(ロッド3338を介して)フィルタ3105の温度を上昇させ、ひいては、フィルタ上及びフィルタ内に捕捉されている微粒子の温度を上昇させて、微粒子を酸化させ、ガス状副生成物(すなわち、CO)を生成してもよい。追加的に、排気ガス中の二酸化窒素の割合が低減され、一酸化窒素に変換される。この化学プロセスは、フィルタ3105が排気システムの定期的な動作中に連続的に清浄化されてもよいように、絶えず繰り返される。したがって、例えば、エンジン管理システムからの支援を得て、再生に関して追加の支援は必要とされない場合がある。
【0152】
ディーゼル微粒子フィルタ3104の下流には、選択的触媒還元システム3108があり、これは、ガソリン排気システム1600におけるSCR1604と同様に、二酸化窒素ガスを酸化し、かつそれらを、排気流に液体還元剤を導入する必要性を伴わずに排気システム3100から環境に排出される無害な排気物質(例えば、窒素、水、及び少量の二酸化炭素)に変換することによって、二酸化窒素ガスを還元するように構成されている。
【0153】
SCR3108は、複数の開口部(例えば、ハニカム形状の開口部)3344と、フィルタ3342の周りに分散された小穴3346と、を有するフィルタ3342を含んでもよい。ガソリン排気システム1600におけるSCR1604と同様に、フィルタ3342は、1つ以上の貴金属3348(図2Bで上述したような)でコーティングされてもよく、ハニカム構造を通って延在する複数のロッド3350と、フィルタ3342の周りに分散された1つ以上の磁石3347と、を含んでもよい。
【0154】
再び図30Aを参照すると、電子制御ユニットと通信する電気ヒータ3149が、フィルタ3342の上流の選択的触媒還元システム3108に設けられてもよい。ヒータ3149は、選択的触媒還元システム3108の内部温度を、ロッド3350及び金属コーティング3348と併せて閾値温度よりも高く上昇させて、フィルタ3342及び周囲の内部表面積全体にわたる内部温度が、残りの排気ガス及び微粒子状物質の温度を超えることを確実にし、かつ窒素酸化物ガスがフィルタ3342を横切って移動するときの窒素酸化物ガスの割合を更に低減するように維持されるように、構成されてもよい。小穴3346及び磁石3347は、それらが選択的触媒還元システム3108内で移動する際に排気ガスの流動を更に乱すことを支援するために、かつ排気ガスが出る前に加熱された選択的触媒還元システム3108を通過する際に、排気ガスが酸化し、かつ/又は燃焼し尽くすためのより多くの時間を提供するために含まれてもよい。SCR3108は、SCR3108が効率的に動作することを確実にするための1つ以上の窒素酸化物センサを含んでもよい。
【0155】
SCR3108から出ると、残りの排気ガスは、チューブ3114を通ってマフラ3112に流動してもよい。マフラ3112は、ガソリン排気システム1600のマフラ1608と実質的に同様であってもよい。図25及び図26に描かれるように、マフラ3112は、1つ以上のサイレンサと、散在し、かつ/又は互いに離間して配置された複数のプレートと、が位置してもよいハウジングを含んでもよい。プレートは、例えば、鋼で形成されてもよく、1つ以上の貴金属でコーティングされている。貴金属コーティング(図2Bで上述したような)は、ハウジング内の排気ガスの流動を乱すことを支援してもよい。その結果、排気ガスは乱流となり、これにより、ひいては、高温の排気ガスが、マフラ3112の入口からマフラハウジングを通過し、出口を通ってマフラハウジングから出る際に、高温の排気ガスの流動が減速される。貴金属コーティングされたプレートの包含に起因するマフラ3112内の排気ガスの乱れは、より多くの時間でマフラ3112内の排気ガス及び微粒子状物質が、マフラ3112から出て環境に入る前に、燃焼し尽くし、かつ/又は酸化することを可能にする。
【0156】
本発明の別の実施形態によれば、1つ以上のヒータ4220が、図42及び図43に示されるような、排気システム4200(本明細書では、「排気管ヒータ」)の様々な排気管4210(例えば、接続管、延長管など)のうちの1つ以上に取り付けられてもよいか、又は内部に配設されてもよい。排気管4210は、アルミニウムめっき鋼又はステンレス鋼から作製されてもよい。
【0157】
例えば、ガソリン駆動エンジン用の排気システム4200では、1つ以上の排気管ヒータ4220が、触媒コンバータの入口ポートの前、触媒コンバータとSCRとの間、及び/又はSCRとマフラとの間にある場所で、排気管4210の内部に配設されてもよい。同様に、ディーゼル駆動エンジン用の排気システム4200では、1つ以上の排気管ヒータ4220が、ディーゼル酸化触媒の前、ディーゼル酸素触媒とDPFとの間、及び/又はDPFとSCRとの間にある場所で、排気管4210内に配設されてもよい。排気管ヒータ4220は、電気コネクタ4225(上述した電気コネクタ1724、1734など)を介して、電源(図示せず)から電力を受け取ってもよい。排気管ヒータは、別個の電気コネクタ4225を介して別個に電力供給されてもよいか、又は単一の電気コネクタ4225を介してまとめて電力供給されてもよい。ガソリン駆動車両又はディーゼル駆動車両では、排気管ヒータ4220は、1つ以上の電気コネクタ4225を介して、車両の主電池(図示せず)、又は代替的に副電池(図示せず)に電気的に接続され、これによって電力供給されてもよい。
【0158】
排気管ヒータ4220を、排気システム4200の既存の排気管4210内に、又は既存の排気システムの交換用排気管4210の一部として据え付けることができる。例えば、1つ以上の排気管ヒータ4220を有する交換用排気管4210は、排気システム4200の排気マニホールド、触媒コンバータ、SCR、及び/又はマフラに接続されてもよい。いくつかの触媒コンバータが排気マニホールドに統合されることが理解される。
【0159】
図42及び図43に示されるように、排気管4210は、添加システム4230を更に備えてもよい。添加システム4230は、可能な解決策の中でもとりわけ、尿素、塩水、又はアンモニア溶液などの添加溶液を排気流動ガスに噴射又はポンプ供給するための添加溶液タンク4250(上述した添加溶液タンク2806、2808など)に結合された添加噴射器4240(上述した添加噴射器2810、2812など)を含んでもよい。排気管4210は、1つ以上のガスセンサ4270(上述したガスセンサ2850、2854、2856など)を更に含んでもよい。追加的に、排気管は、温度センサ(上述した温度センサ2852、2853、2855、2858など)を含んでもよく、添加溶液は、排気管4210における有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を更に改善するために、所定の温度又は所定の温度範囲で排気管4210内に噴射されてもよい。
【0160】
したがって、上記で考察されるように、コントローラ(上述したコントローラ2802など)(図示せず)が、受信された信号に基づいて、ヒータに供給される電流の量と、電流が排気管ヒータ4220に供給されるタイミングと、を制御するための信号をガスセンサ4270及び/又は温度センサから受信してもよい。追加的に、添加システム4230は、1つ以上のセンサから受信された信号に基づいて、添加溶液噴霧のタイミング及び持続時間を制御するための信号をコントローラから受信してもよい。例えば、排気管4210における所定の温度が温度センサによって検出されると、コントローラは、検出された温度に基づいて、排気管内に添加溶液を噴射又は射出するためのコマンド信号を添加噴射器に送信してもよい。一実施形態では、添加噴射器4240は、温度センサが、所定の温度が維持されていることを検出した場合に、所定の間隔で、添加溶液タンク4250によって供給された添加溶液を排気管4210内に連続的に噴射してもよい。代替的に、温度センサは、所定の温度範囲、例えば約340~410℃、を検出するように構成されてもよい。換言すると、所定の温度又は所定の温度範囲で排気管4210内に噴射された添加溶液は、排気管4210における有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を改善してもよい。追加的に、温度センサは、排気管の内部温度を検出してもよい。コントローラは、温度センサから受信された温度データを利用して、排気管ヒータ4220を制御してもよい。すなわち、コントローラは、排気管ヒータ4220を制御して、排気管4210の内部を所望の温度に維持して、排気システムの所望の性能(例えば、有害な排気ガス及び微粒子状物質の十分な低減)及び/又は機能性を達成してもよい。
【0161】
追加的に、排気管4210は、排気管4210の外面4215上に、又はこれに隣接して、位置するか、又は配置された1つ以上の磁石(上述した磁石607など)を含んでもよい。磁石(本明細書には示されていない)は、排気管の外側の幾何学形状に対して近似的な湾曲形状を有してもよく、(上記の図7に示されるような)交互する極性を有するアレイに配設されてもよい。一実施形態では、互いに向き合う磁石は、反対の極性を有してもよい。代替的に、磁石は、同じ極性を有してもよく、極性は、排気管4210の長手方向又は水平方向に沿って変化しなくてもよい。反対の極性を有して互いに向き合う磁石を有することは、より強い磁場をもたらす。一実施形態では、複数の磁石は、1つ以上のネオジウム磁石を含んでもよい。別の実施形態では、1つ以上の磁石は、電磁石であってもよい。ただし、所望の用途に応じて、任意の好適な磁石が使用されてもよい。追加的に、排気管4210は、外側シェル又は外面(例えば、テープ、留め具、カバーなど)(図示せず)を含んでもよく、磁石のうちの1つ以上は、排気管の外面と外側シェルとの間に配置又は配設されてもよい。追加的に、排気管は、1つ以上のフィルタ4260(上述したフィルタ110など)を備えてもよい。
【0162】
一実施形態によれば、排気管4210は、排気システム構成要素に結合されるように構成されている。排気システム構成要素は、排気マニホールド、触媒コンバータ、選択的触媒還元システム(SCR)、ディーゼル酸化触媒、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、選択的触媒還元システム(SCR)、及びマフラのうちの1つ以上を含んでもよい。排気管4210は、排気管4210の空洞4280の内部に配設された排気管ヒータ4220を含んでもよい。排気管ヒータ4220は、ハウジング4290と、ハウジングの内部に配設された加熱線(上述した加熱線1804、1906など)と、ハウジングに取り付けられ、かつ加熱線に電気的に接続された電気コネクタ4225と、を含んでもよい。電気コネクタ4225は、加熱線に電流を供給するために、排気管ヒータ4220から外部にある電源(図示せず)から電力を受け取るように構成されてもよい。排気管ヒータ4220は、排気管4210の内部のガスを加熱して、排気管4210から出る有毒ガス及び/又は微粒子状物質を低減するように構成されてもよい。排気管4210は、排気管4210の空洞4280における排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するために、排気管4210の外面4215に隣接して配置された1つ以上の磁石を更に含んでもよい。排気管4210は、外面4215の外側に位置する第2の表面(図示せず)を更に含んでもよく、1つ以上の磁石は、排気管4210の第2の表面と外面4215との間に配設されてもよい。第2の表面は、外部シェル、外側ケーシング、テープ又は他の接着剤、留め具などの表面であってもよい。
【0163】
排気管4210は、排気管4210の空洞4280の内部に配設された排気管ヒータ4220を含んでもよい。排気管ヒータ4220は、ハウジング4290と、ハウジングの内部に配設された加熱線(上述した加熱線1804、1906など)と、ハウジングに取り付けられ、かつ加熱線に電気的に接続された電気コネクタ4225と、を含んでもよい。電気コネクタ4225は、加熱線に電流を供給するために、排気管ヒータ4220から外部にある電源(図示せず)から電力を受け取るように構成されてもよい。排気管ヒータ4220は、排気管4210の内部のガスを加熱して、排気管4210から出る有毒ガス及び/又は微粒子状物質を低減するように構成されてもよい。排気管4210は、排気管4210の空洞4280における排気ガスの流動の乱れ及び減速を支援するために、排気管4210の外面4215に隣接して配置された1つ以上の磁石を更に含んでもよい。排気管4210は、外面4215の外側に位置する第2の表面(図示せず)を更に含んでもよく、1つ以上の磁石は、排気管4210の第2の表面と外面4215との間に配設されてもよい。第2の表面は、外部シェル、外側ケーシング、テープ又は他の接着剤、留め具などの表面であってもよい。
【0164】
図44は、本発明の一実施形態に係る外部ヒータ4400を示す。外部ヒータ4400は、外部に位置し、排気システムの1つ以上の構成要素に接続されてもよい。1つ以上の構成要素は、排気システム(図46に示される)の触媒コンバータ、選択的触媒還元システム(SCR)、ディーゼル酸化触媒、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、選択的触媒還元システム(SCR)、マフラ、又は排気管であってもよい。
【0165】
一実施形態では、外部ヒータ4400は、鋼又はアルミニウム(これに限定されない)で作製されてもよいヒータハウジング4420と、ヒータハウジング4420内に配設された加熱線4410(上述した加熱線1804、1906など)又は代替の加熱要素と、を有する。加熱線4410は、いかなる構成又は形状にも限定されない。外部ヒータ4400は、1つ以上のガスセンサ4440(上述したガスセンサ2850、2854、2856など)及び温度センサ4450(上述した温度センサ2852、2853、2855、2858など)を更に含んでもよい。温度センサ4450はまた、高度センサとして機能してもよい。外部ヒータ4400は、添加システム4430を更に含んでもよい。添加システム4430は、可能な解決策の中でもとりわけ、尿素、塩水、又はアンモニア溶液などの添加溶液を排気システム内に噴射又はポンプ供給するための添加溶液タンク(上述した添加溶液タンク2806、2808、4250など)に結合された添加噴射器(上述した添加噴射器2810、2812、4240など)を含んでもよい。添加溶液を所定の温度又は所定の温度範囲で外部ヒータ4400内に噴射して、排気システムにおける有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を更に改善してもよい。外部ヒータ4400は、電気コネクタ(上述した電気コネクタ1724、1734など)を介して、又は第1の端子4460及び第2の端子4465を介して、電源(図示せず)から電力を受け取ってもよい。例えば、第1の端子4460は、正端子であってもよく、第2の端子4465は、負端子であってもよい。ガソリン駆動車両又はディーゼル駆動車両では、外部ヒータ4400は、第1の端子4460及び第2の端子4465を介して、車両の主電池(図示せず)又は代替的に副電池(図示せず)に電気的に接続され、これによって電力供給されてもよい。
【0166】
図45は、本発明の別の実施形態に係る外部ヒータ4500を示す。外部ヒータ4500は、外部に位置し、排気システムの1つ以上の構成要素に接続されてもよい。1つ以上の構成要素は、排気システム(図46に示される)の触媒コンバータ、選択的触媒還元システム(SCR)、ディーゼル酸化触媒、ディーゼル微粒子フィルタ(DPF)、選択的触媒還元システム(SCR)、マフラ、又は排気管であってもよい。
【0167】
一実施形態では、外部ヒータ4400は、鋼又はアルミニウム(これに限定されない)で作製されてもよいヒータハウジング4520と、ヒータハウジング4520内に配設された複数の加熱要素4510、4515(上述した加熱要素1908、2008、2717など)と、を有する。加熱要素は、4510であり、4515は、いかなる構成又は形状にも限定されない。加熱要素4510、4515は、加熱線(上述した加熱線1804及び1906など)及び/又は加熱要素、例えば上述したようなハニカム形状ヒータ又は六角形形状ヒータ、を含んでもよい。それゆえ、加熱要素4510、4515は、フィルタとして作用してもよく、有害なガス及び微粒子状物質の除去又は低減を支援するために、図2Bに示されるような触媒コーティングを含んでもよい。
【0168】
外部ヒータ4500は、1つ以上のガスセンサ4540(上述したガスセンサ2850、2854、2856、4440など)及び温度センサ4550(上述した温度センサ2852、2853、2855、2858、4440など)を更に含んでもよい。温度センサ4550はまた、高度センサとして機能してもよい。外部ヒータ4500は、添加システム4530を更に含んでもよい。添加システム4530は、可能な解決策の中でもとりわけ、尿素、塩水、又はアンモニア溶液などの添加溶液を排気システム内に噴射又はポンプ供給するための添加溶液タンク(上述した添加溶液タンク2806、2808、4250など)に結合された添加噴射器(上述した添加噴射器2810、2812、4240など)を含んでもよい。添加溶液を所定の温度又は所定の温度範囲で外部ヒータ4500内に噴射して、排気システムにおける有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を更に改善してもよい。外部ヒータ4500は、電気コネクタ(上述した電気コネクタ1724、1734など)を介して、又は第1の端子4560及び第2の端子4565を介して、電源(図示せず)から電力を受け取ってもよい。例えば、第1の端子4560は、正端子であってもよく、第2の端子4565は、負端子であってもよい。ガソリン駆動車両又はディーゼル駆動車両では、外部ヒータ4500は、第1の端子4560及び第2の端子4565を介して、車両の主電池(図示せず)又は代替的に副電池(図示せず)に電気的に接続され、これによって電力供給されてもよい。
図46は、1つ以上の外部ヒータ4610(上述した外部ヒータ4400及び4500など)を組み込んだ排気システム4600を示す。一実施形態では、排気システム4600は、限定されるものではないが、触媒コンバータ又はDPF4690、排気管4692、SCR4694、及びマフラ4696を含む。外部ヒータ4610は、排気システム4600の前述の構成要素のうちのいずれか1つ以上に接続されてもよい。図46では、外部ヒータ4610は、外部に位置し、触媒コンバータ/DPF4690に接続されている。外部ヒータ4610は、SCR4694の入口などの異なる構成要素に、又は触媒コンバータ/DPF4690及びSCR4694(又は1つ以上の排気管4692などの他の構成要素)の両方に接続されてもよいことが理解される。
外部ヒータ4610は、金属又は可撓性接続管又は他の取り付け手段などの接続管4615を介して、この実施形態では触媒コンバータ/DPF4690である排気システム構成要素に接続されてもよい。代替的に、外部ヒータ4610は、穴を形成し、外部ヒータ4610を穴に締結することによって、又は排気システム構成要素における既存のセンサ穴を使用することによって、排気システム構成要素に直接結合されてもよい。
外部ヒータ4610は、1つ以上の温度センサ4650(上述した温度センサ2852、2853、2855、2858、4440、4550など)を含んでもよい。温度センサ4650はまた、高度センサとして機能してもよい。外部ヒータ4610は、添加システム4630を更に含んでもよい。添加システム4630は、可能な解決策の中でもとりわけ、尿素、塩水、又はアンモニア溶液などの添加溶液を排気システム内に噴射又はポンプ供給するための添加溶液タンク4635(上述した添加溶液タンク2806、2808、4250など)に結合された添加噴射器(上述した添加噴射器2810、2812、4240など)を含んでもよい。添加溶液を所定の温度又は所定の温度範囲で外部ヒータ4610内に噴射して、排気システムにおける有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を更に改善してもよい。外部ヒータ4610は、電気コネクタ(上述した電気コネクタ1724、1734など)を介して、電源(図示せず)から電力を受け取ってもよい。ガソリン駆動車両又はディーゼル駆動車両では、外部ヒータ4500は、車両の主電池(図示せず)又は代替的に副電池(図示せず)に電気的に接続され、これによって電力供給されてもよい。
【0169】
外部ヒータ4610は、1つ以上のガスセンサ4640(上述したガスセンサ2850、2854、2856など)を更に含んでもよい。ガスセンサ4640は、例えば、酸素(例えば、O)センサを含んでもよいが、これに限定されず、排気システム4600の所望の用途に基づいて任意の好適なガスセンサが利用されてもよい。ガスセンサ4640の各々は、例えば、車両排気システムの既存のコントローラとは別個である専用コントローラ4645によって制御されてもよい。
【0170】
触媒コンバータ/DPF4690は、触媒コンバータ/DPF4690の外面に隣接して、又はこの外面上に、位置するか、又は配置された1つ以上の磁石4670を含んでもよい。1つ以上の磁石4670は、図7に示されるように、交互する極性を有するアレイに配設されてもよい。一実施形態では、互いに向き合う磁石4670は、反対の極性を有してもよい。代替的に、1つ以上の磁石4670は、同じ極性を有してもよく、極性は、コンバータ/DPF4690の長手方向又は水平方向に沿って変化しなくてもよい。反対の極性を有して互いに向き合う磁石を有することは、より強い磁場をもたらす。一実施形態では、複数の磁石4670は、1つ以上のネオジウム磁石を含んでもよい。別の実施形態では、1つ以上の磁石4670は、電磁石であってもよい。ただし、所望の用途に応じて、任意の好適な磁石が使用されてもよい。1つ以上の磁石4670は、SCR4694、マフラ4696、及び/又は排気管4692などの排気システムの他の構成要素の外面に隣接して、又はこの外面上に位置してもよいことが理解される。
【0171】
追加的に、ガスセンサ4640は、排気システム4600の1つ以上の構成要素の外部に結合されてもよい。図46では、第1のガスセンサ4640は、触媒コンバータ/DPF4690に結合されており、第2のガスセンサ4640は、触媒コンバータ/DPF4690の出口ポートに取り付けられた排気管4692に結合されている。ガスセンサ4640は、例えば、酸素(例えば、O)センサを含んでもよいが、これに限定されず、排気システム4600の所望の用途に基づいて任意の好適なガスセンサが利用されてもよい。ガスセンサ4640の各々は、例えば、車両排気システムの既存のコントローラとは別個である専用コントローラ4645によって制御されてもよい。
【0172】
追加的に、温度センサ4450は、排気システム4600の1つ以上の構成要素の外部に結合されてもよい。例えば、図46に例示されるように、温度センサ4650は、触媒コンバータ/DPF4690の出口ポートに取り付けられた排気管4692に外部から結合されている。温度センサ4650はまた、高度センサとして機能してもよい。
【0173】
追加的に、排気システムは、コントローラ4680に結合されてもよい。コントローラ4680は、温度センサ4650から信号を受信して、外部ヒータ4610を制御してもよい。更に、コントローラ4680は、温度センサ4650から信号を受信して、添加システム4630を制御してもよい。例えば、触媒コンバータ/DPF4690における所定の温度が温度センサ4650によって検出されると、コントローラ4680は、触媒コンバータ/DPF4690内に添加溶液を噴射又は射出するためのコマンド信号を添加システム4630に送信してもよい。一実施形態では、添加システム4630は、温度センサ4650が、所定の温度が維持されていることを検出した場合に、所定の間隔で、添加溶液タンク4635によって供給された添加溶液を触媒コンバータ/DPF4690内に連続的に噴射してもよい。代替的に、温度センサ4650は、所定の温度範囲、例えば約340~410℃、を検出するように構成されてもよい。換言すると、所定の温度又は所定の温度範囲で触媒コンバータ/DPF4690内に噴射された添加溶液は、触媒コンバータ/DPF4690における有害なガス(例えば、NOxなど)の低減又は除去を改善してもよい。
【0174】
一実施形態では、ガスセンサ4640は、排気ガスの条件又は状態に関連するデータを専用コントローラ4645に伝送してもよい。したがって、コントローラ4645は、受信されたガスデータを利用して、触媒コンバータ/DPF4690の有効性を監視し、触媒コンバータ/DPF4690の望ましい性能を達成するための適切な機能を実行してもよい。
【0175】
図34は、石炭燃焼装置、デバイスなどの排気システム3400を例示している。排気システム3400は、ハウジング3402を含む。ハウジング3402内には、順に、入口3404のすぐ下流の第1の選択的触媒還元濾過システム(SCR)3406、第1の電気ヒータ3408、第2のSCR3410、第2のヒータ3412、及びハニカム構造を有する別のフィルタ3413がある。追加的に、内部側壁に近い、ハウジング3402の内部の周りに、複数の磁石3415が分散されている。SCR3406、3410、及びヒータ3408、3412の設計及び特性は、ガソリン排気システム及びディーゼル排気システム1600、3100に関して上述した前述の実施形態と実質的に同様であってもよい。したがって、実質的に同様の特徴が、石炭排気システム3400の一部として参照によって組み込まれている。
【0176】
図34の排気システム3400の下流には、第1の電気送風機3414と、ハニカム構造3517(図35A及び図35Bの詳細を参照のこと)を含む複数のフィルタ3416と、未燃焼粒子(例えば、石炭)を未燃焼粒子が廃棄される廃棄物容器3418に導くシュート3219と、追加の金属濾過システム3420と、第2の電気送風機3432と、清浄なガスが通って環境に出る煙突3424と、がある。
【0177】
図36は、オートバイの排気システム3600を描いている。図36に示されるように、第1の選択的触媒還元濾過システム(SCR)3602は、排気チューブ3604内に配置されてもよく、電気ヒータ3606及び第2のSCR3608は、排気ハウジング3609内に配置されてもよい。図36に示されるように、ヒータ3606は、ヒータ3606の下流に位置する第2のSCR3608を有するハウジング3608の入口3612の近くのハウジング3609内で延在するように配置されてもよい。一実施形態では、第1のSCR3602及び第2のSCR3608は、銅セラミックを含んでもよい。ヒータ3608は、車両の所望の電圧(例えば、6~45アンペア)を使用して動作するように構成されてもよい。
【0178】
前述の実施形態のSCRと同様に、第1のSCR3602及び第2のSCR3608は、窒素酸化物ガスを酸化し、かつそれらを、選択的触媒還元濾過システム3602、3608に液体還元剤を導入する必要性の有無にかかわらず排気システム3600から環境に排出される無害の排気物質に変換することによって、窒素酸化物ガスを低減するように構成されている。第1のSCR3602及び第2のSCR3608は各々、それぞれ、1つ以上の貴金属3616、3617でコーティングされた複数のハニカム形状の開口部と、ハニカム構造を通って長手方向に延在してもよい金属又は合金で形成された複数のロッド3618、3619と、1つ以上の磁石3620、3621と、を含んでもよいフィルタ3614、3615を含んでもよい。追加的又は代替的に、ロッド3618、3619は、フィルタ3614、3615の周りを横切るように延在してもよい。ロッド3618、3619及び金属コーティング3616、3617(図2Bで上述されたような)は、第1のSCR3602及び第2のSCR3608の急速加熱を容易にし、フィルタ3614、3615全体にわたる内部温度が維持されることを確実にする。磁石3620、3621は、それらの極性を通じて、それぞれの各選択的還元システム3602、3608内で排気ガスをより長い期間加熱すること、ひいては、排気ガスの有毒副産物の更なる酸化及び低減を可能にするために磁石3620、3621の近傍の電流を増加させることによって、排気ガス及び微粒子がフィルタ3614、3615を通過する際に排気ガス及び微粒子の流動を更に乱し、かつ減速することを支援するように、フィルタ3614、3615内に配置及び分配されてもよい。追加的又は代替的に、フィルタ3614、3615内の磁石3620、3621の設置、磁石3620、3621は、フィルタ3614、3615に隣接して、かつ/又はそれぞれの各選択的触媒還元システム3602、3608ハウジングの外部に配置されてもよい。2つの選択的触媒還元システム3602、3608が示されているが、排気システム3600は、ハウジング3609内に単一の選択的触媒還元システム3608を含んでもよい。
【0179】
図37は、芝刈り機の排気システム3700を描いている。示されるように、電気ヒータ3702及び選択的触媒還元濾過システム3704は、排気ハウジング3706内に配置されてもよい。ヒータ3702は、ヒータ3702の下流に位置するSCR3704を用いて、ハウジング3706内の上流で、ハウジング3706内で延在するように配置されてもよい。ヒータ3702は、車両の所望の電圧(例えば、6~45アンペア)を使用して動作するように構成されてもよい。芝刈り機及び/又は別の機械が電池で動作しない場合、熱は、ヒータを使用する代わりにエンジンによって供給されてもよい。
【0180】
上述した選択的触媒還元濾過システムのようなSCR3704は、窒素酸化物ガスを酸化し、かつそれらを、選択的触媒還元濾過システム3704に液体還元剤を導入する必要性の有無にかかわらず排気システム3700から環境に排出される無害の排気物質に変換することによって、窒素酸化物ガスを低減するように構成されてもよい。選択的触媒還元システム3704は、前述の実施形態と同様に、複数のハニカム形状の開口部を含んでもよく、1つ以上の貴金属3710(図2Bで上述したような)でコーティングされてもよいフィルタ3708を含み、ハニカム構造を通って長手方向に延在する、金属又は合金で形成された複数のロッド3712と、フィルタ3708内に配置された1つ以上の磁石3714と、を含む。ヒータ3702、ロッド3712、金属コーティング3710、及び磁石3714は、本開示の前述の実施形態の排気システムに関して上述した機能(複数可)と同様に動作してもよい。追加的又は代替的に、磁石3714は、排気システム3700のフィルタ3708に隣接して、かつ/又はハウジング3706の外部に配置されてもよい。
【0181】
図38は、化石燃料を利用する非電池式機械用の排気システム3800を描いている。示されるように、液体還元剤を利用してもしなくてもよい選択的触媒還元濾過システム3802は、ハウジング3803内に配置されてもよいフィルタ3804であって、複数のハニカム形状の開口部を含んでもよく、1つ以上の貴金属3806(図2Bで上述したような)でコーティングされてもよく、かつハニカム構造を通って長手方向に延在する、金属又は合金で形成された複数のロッド3808と、フィルタ3804内に配置された1つ以上の磁石3810と、を含んでもよい、フィルタ3804を含む。ロッド3808、金属コーティング3806、及び磁石3810は、システム3800とは要素がハウジング3803内で加熱されない場合があるという違いがある前述の実施形態の排気システムに関して上述したような実質的に同様の機能(複数可)を実行してもよい。フィルタ3804内の1つ以上の磁石3810の設置に対して、追加的又は代替的に、磁石3810は、フィルタ2004に隣接して、かつ/又は排気システム3800のハウジング3803の外部に配置されてもよい。
【0182】
図39に示される実施形態は、発電所及び製鋼所、又は煙突を有する任意の同様のプラント用の排気システム、例えば、石炭燃焼装置、デバイスなどのための排気システムを例示している。図34と共有されるそれらの特徴については、ここでは再度考察しない。
【0183】
図39の新しい特徴は、石炭燃焼及び製鋼業者と、とりわけ、低~高流量選択的触媒還元(SCR)添加用途からの適用範囲をサポートするための窒素の酸化物(NOx)還元能力に焦点を当てた添加システムと、発電所からの二酸化硫黄(SO)及びNOxの排出を低減するための煙突の多数の他の特徴と、を有する排煙システム3100を使用する任意の他の製造施設と、を含む。
【0184】
添加システムは、特徴の中でも、添加溶液タンク003、コントローラ001、及び添加溶液噴射器0035を含んでもよい。添加溶液タンク003は、可能な溶液の中でも、例えば、尿素、塩水、又はアンモニアの添加溶液を収容してもよい。添加溶液は、システムに存在する窒素酸化物の還元を容易にし、好ましくは、水性還元剤として、SCR触媒コンバータの上流の排気ガス中に噴射される。
【0185】
添加溶液タンク003は、キャップを備えた充填開口部と、コントローラ001に結合されたポンプ002と、を含む。添加溶液タンク003は、任意の特定のサイズ、例えば、500ガロン、2000ガロン、又は任意の所望のサイズに限定されない。ポンプの出力は、添加噴射器0035に結合されている。添加噴射器0035は、システム要件を満たすための既製の噴射器であってもよいし、システム要件に基づいてカスタム設計された噴射器であってもよい。コントローラ001はまた、電力、データ、及び通信のためのシステム配線を含んでもよいが、データ及び通信の無線結合もまた企図される。
【0186】
本明細書に先述されるように、1つ以上のヒータが選択的触媒還元(SCR)濾過システムに追加されてもよい。追加的に、任意の追加されたヒータが、噴射された処理溶液がヒータを通過するように、場所のうちの1つ以上で添加噴射器0035と対になってもよい。石炭燃焼排気システムはまた、ガス温度(熱)センサ又はO流量センサなどの少なくとも1つのセンサを含んでもよい。他の実施形態は、場所のうちの1つ以上にガス温度(熱)センサ又はO流量センサのうちの1つ又は両方を有してもよい。これらのセンサの各々の出力は、ヒータの温度及び/又は噴射器のデューティサイクルを決定するために、制御ユニットによって受信される。添加された処理溶液(例えば、添加物)は、フィーダライン09を介してコントローラ001から送られてもよく、添加物オーバーフロー及び空気は、添加物オーバーフローライン08を介して抜き取られる。同様に、タンクは、添加された処理溶液の流動を制御するためのオーバーフロー及び空気送風ライン008、又は同様の圧力制御バルブを有してもよい。
【0187】
図39に示されるように、添加噴射器0035は、環境及びシステムに応じて十分な気化温度に加熱されたヒータに添加溶液(例えば、尿素、塩水、又はアンモニア)を提供する。添加溶液は気化され、それゆえ、システム内に蒸気を生成する。これにより、燃焼温度が低下し、十分に低い場合、形成される熱NOxの濃度が低減される。ヒータの温度と処理溶液噴射のアクティブ時間とは、コントローラ001によって監視及び制御されてもよい。例えば、最も効率的なヒータ温度は、400°Fから、最大1800°Fなどの任意の所望までであろう。例えば、添加溶液噴射のアクティブ時間は、典型的には、毎分1回の添加である。噴射の回数は、システムに応じて、複数回の添加噴射を含めて変化してもよい。時間は、システムに応じて15分超又は未満ごとを含めて、変化してもよい。しかし、このシステムは、より低濃度又はより高濃度で機能する。
【0188】
図34の排気システムと同様であるが、追加を伴い、図39は、未燃焼粒子(例えば、石炭)を、未燃焼粒子が廃棄される廃棄物容器4000に導くハニカム構造及びシュートを含む複数のフィルタ300/400/500と、追加の金属濾過システム400と、第2の電気送風機601と、清浄なガスが通って環境に出る煙突と、を例示している。
【0189】
図39の煙突は、効率及び環境の考慮事項を改善するための二重シェル設計を含んでもよい。具体的には、図39の煙突は、送風機モータ602及び新鮮な空気フィーダ管000を利用して新鮮な空気が吹き込まれるギャップによって分離された内側シェル及び外側シェルを含む。この空気通路は、煙突の第2の(外側)シェルを冷却する。二重シェル煙突は、排気システムからの全ての排気が通過する内側煙突92、一方側で外部環境に曝露される外側シェル90、及び内側スタック92と外側シェル90との間に位置する空気空隙80によって画定されてもよく、外側シェル90を環境に対して比較的低温に保持して、新鮮な空気をそこに吹き込むことを可能にする。内側シェルはまた、内側シェル内の熱を保持することを支援する熱パッド93を含んでもよい。
【0190】
図40は、煙突の上面図を示し、排気ダクト4、熱パッド3(93)、内側ダクト1(92)、及び内側ダクト1と外側ダクトとの間の新鮮な空気の開口部2を例示する一助をなしている。内側ダクト1は、より高価なレンガ構造とは対照的に、鋼で形成されてもよい。熱パッド3は、アルミニウム裏地を含み、内側ダクトに据え付けられて、最大2200°F以上の温度に耐え得る。
【0191】
上記に注記したように、前述の設計は、経時的に劣化する高コストのレンガ造りの煙突を排除する。内側鋼製ダクト1は、ヘッディングパッド3とともに、熱を内部に集中させ続け、そこでは、排気を処理し続けることができる。更に、第2のダクトの前の新鮮な空気のギャップは、外向きの第2のダクトが低温であり、環境生物(例えば、鳥)が接触するのに安全であり、機械的維持費が少なく、大きな温度変動に起因して早く劣化しないことを意味する。便宜のため、以下のリストによって、本発明の一実施形態に係る、図39に開示される特徴が識別される。
001-コントローラ
002-添加物レベルコントローラ、及びコントローラへの添加物液体ポンプ
003-添加溶液タンク
008-オーバーフローライン及び空気送風機
08-添加噴射器からの添加物オーバーフローライン
09-フィーダライン
0035-添加噴射器
12-熱センサ
10-線(例えば、正電気コネクタ線及び負)
79-主電気ボックス及び安全ボックス
400-NOx用の同時ヒータを有する、SCR貴金属がコーティングされたSCRフィルタ
300-セラミック貴金属フィルタ(例えば、酸化触媒と同じ目的を果たす)
500-加熱されたセラミック特殊フィルタ
13-熱センサ及び安全センサ
600-送風機モータ(例えば、可変送風機モータ)
14-蒸気及び温度センサ
25-電気ヒータ
26-SCR金属触媒コンバータシステム
27-微粒子フィルタ
28-NOx貯蔵フィルタ
010-負電気ケーブル
3000-第2のフィルタハウジング
4000-粉塵及び未燃コイル集塵機
00-煙ダックの第2の開口部のための新鮮な空気のフィーダ管
601-第2の送風機モータ
602-主煙ダックと第2のハウジングとの間の新鮮な空気のための送風機モータ
89-第1のハウジング煙道開口部
90-第2の外側シェル煙道
80-外側シェルを忠実に冷却し続けるための新鮮な空気の送風機のための2シェル間開口部
93-熱パット(例えば、第1の煙道にアルミニウム裏地が据え付けられている)
7000-磁石(複数可)
8000-熱パッド
9000-内側シェル
0112-外側シェル
【0192】
便宜のため、以下のリストによって、本発明の一実施形態に係る、図40に示される煙突の上面図を例示する図40に開示される特徴が識別される。
1-内側鋼製煙道ハウジング
2-新鮮な空気のダクト開口部
3-アルミニウムラップ付き熱パッド(内側シェルに取り付けられている)
4-第1の本体煙道ハウジング開口部
【0193】
前述の説明及び添付の図面は、本発明の原理、例示的な実施形態、及び動作モードを例示している。ただし、本発明は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。上記で考察される実施形態の変形は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって理解されるであろう。したがって、上述の実施形態及び添付の図面は、限定ではなく、例示と見なされるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図28A
図29
図30A
図30B
図30C
図31
図32
図33
図34-35B】
図36
図37
図38
図39-40】
図41
図42
図43
図44
図45
図46
【国際調査報告】