(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-08-29
(54)【発明の名称】がんを処置するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/197 20060101AFI20240822BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240822BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240822BHJP
【FI】
A61K31/197
A61P17/00
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024508686
(86)(22)【出願日】2022-08-11
(85)【翻訳文提出日】2024-04-02
(86)【国際出願番号】 US2022040092
(87)【国際公開番号】W WO2023018891
(87)【国際公開日】2023-02-16
(32)【優先日】2021-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523473534
【氏名又は名称】オンコノヴァ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フラクトマン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】パリス, マシュー
【テーマコード(参考)】
4C206
【Fターム(参考)】
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA51
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA57
4C206MA72
4C206MA86
4C206ZA89
4C206ZB26
(57)【要約】
本明細書では、扁平上皮癌(SCC)、疾患、例えば劣性栄養障害型表皮水泡症(RDEB)と関連するSCCを処置する方法が開示される。本開示の方法は、治療有効量の(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオン、およびその誘導体を投与することを記載する。実状態の処置を必要とする対象において状態を処置する方法が本明細書に開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態の処置を必要とする対象において前記状態を処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式:
【化12】
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンであって、
式中、
- 各R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11a、R
11b、R
12、およびR
13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C(O)R
x、C(O)OR
x、C(O)NR
xR
y、OR
x、SR
x、NR
xR
y、NR
xC(O)R
y、OC(O)R
x、もしくはSiR
xR
yR
z(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
x、R
y、およびR
zは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンを投与することを含み、
前記状態が、劣性栄養障害型表皮水泡症であり、
前記劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する皮膚領域の病変が、前記投与することから約12週以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、
方法。
【請求項2】
劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する前記皮膚領域の前記病変が、投与から約8週間以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する前記皮膚領域の前記病変が、処置から約4週間以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する前記皮膚領域の前記病変が、処置から約2週間以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記劣性栄養障害型表皮水泡症が扁平上皮癌と関連する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記病変が扁平上皮癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象が、劣性栄養障害型表皮水泡症のための標準ケア治療に対して難治性である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記対象が、扁平上皮癌のための標準ケア治療に対して難治性である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記投与することが経口のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記化合物がカプセルとして製剤化される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記化合物が軟質ゲルカプセルとして製剤化される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記投与することが静脈内のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記投与することが72時間の静脈内注入である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記投与することが腫瘍内のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記投与することが、2週間サイクルの1日目、2日目、および3日目のそれぞれに行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記投与することが、8サイクルにわたり2週間サイクルの1日目、2日目、および3日目のそれぞれに行われ、次に4週間サイクルの1日目、2日目、および3日目のそれぞれに行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記投与することが、3週間毎日投与し、続いて1週間投与が行われない4週間サイクルで行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
各R
1、R
3、およびR
5が、独立して、OR
xである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
各R
xが、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
各R
xが、独立して、置換されているかまたは置換されていないC
1~6アルキルである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
各R
xが、独立して、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているC
1アルキルである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
各R
xが、独立して、メチルである、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
各R
2、R
4、R
6、R
9、およびR
10が、独立して、水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
各R
11aおよびR
11bが、独立して、水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
各R
12およびR
13が、独立して、水素である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、式:
【化13】
を有し、式中、
- 各R
1a、R
3a、R
5a、およびR
8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC
1~8アルキルであり、
- 各R
14およびR
15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である、
請求項1に記載の方法。
【請求項27】
各R
1a、R
3a、R
5a、およびR
8aが、独立して、メチルである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
R
14が水素である、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
R
15が、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているC
1アルキルである、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
R
15がCH
2COOHである、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンである、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸ナトリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記治療有効量が約280mg~約2400mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記治療有効量が約280mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記治療有効量が約560mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記治療有効量が約840mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
前記治療有効量が約1120mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記治療有効量が約1800mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記治療有効量が約2100mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記治療有効量が約2400mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記投与することが1日1回のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記投与することが1日2回のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記投与することが1日3回のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記投与することが、i)朝に約560mgおよび夕方に560mgで3週間、ii)投与なしの1週間の4週間サイクルで経口のものである、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記投与することが、朝の時間および夕方の時間に行われ、前記対象が、前記朝の時間は絶食状態であり、前記対象が、前記夕方の時間は摂食状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記治療有効量が約1,800mgであり、前記化合物が0.9%食塩水で希釈される、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記投与することの前に、P13K経路のバイオマーカーについて前記対象をアッセイすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記投与することの前に、Akt経路のバイオマーカーについて前記対象をアッセイすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記投与することの前に、PLK1経路のバイオマーカーについて前記対象をアッセイすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記対象が食道閉塞症を有している、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2021年8月12日出願の米国仮特許出願第63/232,409号の利益を主張するものであり、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
一部の肺腺癌は、主な遺伝的ドライバーとしてKRAS変異を有している。KRASに変異を有している腫瘍は、KRAS野生型腫瘍よりも予後が悪いことがある。KRAS経路を標的にすることができる治療は、KRAS変異を有するがんの患者に有益となり得る。
【0003】
参照による組込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により具体的に個別に組み込まれることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
実状態の処置を必要とする対象において状態を処置する方法が本明細書に開示され、方法は、対象に、治療有効量の式:
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンであって、
式中、
- 各R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11a、R
11b、R
12、およびR
13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C(O)R
x、C(O)OR
x、C(O)NR
xR
y、OR
x、SR
x、NR
xR
y、NR
xC(O)R
y、OC(O)R
x、もしくはSiR
xR
yR
z(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
x、R
y、およびR
zは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンを投与することを含み、
状態が、劣性栄養障害型表皮水泡症であり、
劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する皮膚領域の病変が、投与することから約12週以内に、皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】リゴセルチブは、正常な初代ケラチノサイトに影響を及ぼすことなくRDEB SCCケラチノサイトにおいて細胞死を誘導する。パネルA.細胞を高密度で播種し、リゴセルチブまたはビヒクル対照に48時間曝露した後、細胞を固定し、クリスタルバイオレットで染色した。パネルB.対照(左)またはリゴセルチブ(1μM、右)のいずれかの処置を与えた後の、培養物における未固定細胞の位相差画像。
【0006】
【
図2】リゴセルチブは、in vivoで成長するRDEB SCCケラチノサイトを阻害する。SCC RDEB16ケラチノサイトをBalb/c SCIDマウスに皮下接種した。腫瘍が100mm
3に達した後、ビヒクル対照、リゴセルチブまたは化合物1(ATP競合的阻害剤)を6回投与し、腫瘍体積をノギスで測定した。35日目に腫瘍を収集し、写真を撮影した。
【0007】
【
図3】
図3は、V1(1日目)、V13(85~95日目)、V25(169~175日目)、V41(281~283日目)、およびV52(d358~364)の左手(パネル3A、3C、3E、3G、および3I)および右肘(パネル3B、3D、3F、3H、および3J)の標的病変(target legion)の臨床写真画像を示す。V25において両方の病変を生検したが、悪性疾患の組織学的徴候はなかった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
Rasは、変異することが多い、がんを引き起こす遺伝子である。非小細胞肺がん(NSCLC)を有する顕著な数の患者が、RAS、最も多くはKRASの変異を有している。一部の実施形態では、本明細書で開示される化合物、例えば、リゴセルチブの作用機構は、変異したRAS経路を下方調節することである。RAS経路のこの調整により、細胞増殖に関与するタンパク質であるERKの生成を少なくすることができる。ERKが過剰発現すると、ERKは、細胞に増殖の利点をもたらしかねず、したがってがんに至る。KRASが変異したNSCLCは、例えば、チェックポイント阻害剤を用いて管理することができる。
【0009】
リゴセルチブ((E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオン)は、RASカスケードを遮断し、腫瘍表面上での新規な抗原の発現を促進することができる。この過程は、宿主リンパ球によって取り囲まれていないコールドな腫瘍を、宿主リンパ球によって取り囲まれるホットな腫瘍に変化させることができる。チェックポイント遮断と組み合わされた腫瘍微小環境(TME)のこの調整は、宿主免疫系が腫瘍制御に寄与するように促進することができる。宿主リンパ球は、チェックポイント阻害剤に曝露されると腫瘍制御に寄与することができる。
【0010】
本開示は、状態の処置を必要とする対象において状態を処置する方法を提供し、方法は、対象に、治療有効量の式:
【化2】
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンであって、
式中、
- 各R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11a、R
11b、R
12、およびR
13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C(O)R
x、C(O)OR
x、C(O)NR
xR
y、OR
x、SR
x、NR
xR
y、NR
xC(O)R
y、OC(O)R
x、もしくはSiR
xR
yR
z(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
x、R
y、およびR
zは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンを投与することを含み、
状態が、劣性栄養障害型表皮水泡症であり、
劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する皮膚領域の病変が、投与することから約12週以内に、皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する。
【0011】
本開示はまた、扁平上皮癌を処置する方法であって、それを必要とする対象に、本開示の化合物、例えば、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンを単位剤形に含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0012】
本開示はさらに、劣性栄養障害型表皮水泡症(RDEB)と関連する局所進行性/転移性扁平上皮癌(SCC)を有する対象を処置する方法であって、それを必要とする対象に、本開示の化合物、例えば、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンを単位剤形に含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0013】
本開示の化合物
一部の実施形態では、式:
【化3】
の化合物であって、
式中、
- 各R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11a、R
11b、R
12、およびR
13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C(O)R
x、C(O)NR
xR
y、OR
x、SR
x、NR
xR
y、NR
xC(O)R
y、OC(O)R
x、もしくはSiR
xR
yR
z(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
- 各R
x、R
y、およびR
zは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンが本明細書に開示され。
【0014】
一部の実施形態では、R1、R3、およびR5は同じである。一部の実施形態では、R1、R3、R5、およびR8は同じである。一部の実施形態では、各R1、R3、およびR5は、独立して、ORxである。一部の実施形態では、各R1、R3、R5、およびR8は、独立して、ORxである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各Rxは、水素である。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されていないC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、メチルである。一部の実施形態では、各Rxは、エチルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されているC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル、アシル、アミド、またはエステルで置換されているC1アルキルである。
【0015】
一部の実施形態では、R2は水素である。一部の実施形態では、R4は水素である。一部の実施形態では、R6は水素である。一部の実施形態では、R9は水素である。一部の実施形態では、R10は水素である。
【0016】
一部の実施形態では、R7は、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ORx、またはNRxRyである。一部の実施形態では、R7はNRxRyである。一部の実施形態では、Rxは水素である。一部の実施形態では、Ryは水素である。一部の実施形態では、Ryは、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、Ryは、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、Ryは、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているC1アルキルである。一部の実施形態では、RyはCH2COOHである。
【0017】
一部の実施形態では、各R11aおよびR11bは、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各R11aおよびR11bは、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各R11aおよびR11bは、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各R12およびR13は、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各R12およびR13は、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各R12およびR13は、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R11aは水素である。一部の実施形態では、R11bは水素である。一部の実施形態では、R12は水素である。一部の実施形態では、R13は水素である。
【0018】
一部の実施形態では、本明細書において、次式の化合物
【化4】
が開示される。
【0019】
一部の実施形態では、化合物は、次式
【化5】
を有する。
【0020】
一部の実施形態では、各R1、R3、R5、およびR8は、独立して、ORxである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、水素である。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されていないC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されていないC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、メチルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、エチルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されているC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各Rxは、独立して、置換されているメチルである。
【0021】
一部の実施形態では、各R14およびR15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である。一部の実施形態では、R14はHである。一部の実施形態では、R15はHである。一部の実施形態では、R15は、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1アルキルである。一部の実施形態では、R15はCH2COOHである。
【0022】
一部の実施形態では、化合物は、次式
【化6】
を有する。
【0023】
一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは同じである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは異なる。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないアルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~3アルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1アルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、メチルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、エチルである。
【0024】
一部の実施形態では、各R14およびR15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である。一部の実施形態では、R14はHである。一部の実施形態では、R15はHである。一部の実施形態では、R15は、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1アルキルである。一部の実施形態では、R15はCH2COOHである。
【0025】
一部の実施形態では、化合物は、次式
【化7】
を有する。
【0026】
一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないアルキルである。一部の実施形態では、各R1a、R3a、R5a、およびR8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルである。一部の実施形態では、R1aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R3aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R5aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R8aは、C1~6アルキルである。一部の実施形態では、R1aは、メチルである。一部の実施形態では、R3aは、メチルである。一部の実施形態では、R5aは、メチルである。一部の実施形態では、R8aは、メチルである。
【0027】
一部の実施形態では、R15は、置換されているアルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1~6アルキルである。一部の実施形態では、R15は、置換されているC1アルキルである。一部の実施形態では、R15はCH2COOHである。
【0028】
一部の実施形態では、本明細書において、次式の化合物
【化8】
(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸、またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンが開示される。一部の実施形態では、化合物は、
【化9】
(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸ナトリウムである。一部の実施形態では、本明細書で開示される化合物は、ナトリウム塩である。
【0029】
任意選択の置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボキシアルデヒド基、イミン基、アルキル基、ハロ-アルキル基、アルケニル基、ハロ-アルケニル基、アルキニル基、ハロ-アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロシクリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバメート基、アミド基、ウレイド基、エポキシ基、およびエステル基が挙げられる。
【0030】
アルキルおよびアルキレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルキルおよびアルキレン基が挙げられる。アルキルまたはアルキレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。一部の実施形態では、アルキルまたはアルキレンは、置換されているかまたは置換されていないC1~8アルキルまたはC1~8アルキレンである。一部の実施形態では、アルキルまたはアルキレンは、置換されているかまたは置換されていないC1~6アルキルまたはC1~6アルキレンである。一部の実施形態では、アルキルまたはアルキレンは、置換されているかまたは置換されていないC1~3アルキルまたはC1~3アルキレンである。
【0031】
直鎖状アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられる。
【0032】
分枝状アルキル基は、任意の数のアルキル基で置換された、任意の直鎖状アルキル基を含む。分枝状アルキル基の非限定的な例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルが挙げられる。
【0033】
置換アルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、アミノメチル、1-クロロエチル、2-ヒドロキシエチル、1,2-ジフルオロエチル、および3-カルボキシプロピルが挙げられる。
【0034】
環状アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(cycloheptlyl)、およびシクロオクチル基が挙げられる。環状アルキル基としては、縮合、架橋、およびスピロビシクル、ならびに高次縮合、架橋、およびスピロ系も挙げられる。環状アルキル基は、任意の数の直鎖状、分枝状、または環状アルキル基で置換されていてもよい。環状アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、2-メチル-シクロプロパ-1-イル、シクロプロパ-2-エン-1-イル、シクロブチル、2,3-ジヒドロキシシクロブタ-1-イル、シクロブタ-2-エン-1-イル、シクロペンチル、シクロペンタ-2-エン-1-イル、シクロペンタ-2,4-ジエン-1-イル、シクロヘキシル、シクロヘキサ-2-エン-1-イル、シクロヘプチル、シクロオクタニル、2,5-ジメチルシクロペンタ-1-イル、3,5-ジクロロシクロヘキサ-1-イル、4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-イル、3,3,5-トリメチルシクロヘキサ-1-イル、オクタヒドロペンタレニル、オクタヒドロ-1H-インデニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イル、デカヒドロアズレニル、ビシクロ-[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、1,3-ジメチル[2.2.1]ヘプタン-2-イル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、およびビシクロ[3.3.3]ウンデカニルが挙げられる。
【0035】
アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基のオレフィン(単数または複数)は、例えば、E、Z、シス、トランス、末端、またはエキソ-メチレンであり得る。アルケニルまたはアルケニレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、エテニル、プロパ-1-エン-1-イル、イソプロペニル、ブタ-1-エン-4-イル、2-クロロエテニル、4-ヒドロキシブテン-1-イル、7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-4-エン-2-イル、および7-ヒドロキシ-7-メチルオクタ-3,5-ジエン-2-イルが挙げられる。
【0036】
アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、直鎖状、分枝状、および環状のアルキニル基が挙げられる。アルキニル(alkylnyl)またはアルキニレン基の三重結合は、内部にあっても末端にあってもよい。アルキニルまたはアルキニレン基は、例えば、置換されているかまたは置換されていない、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49、またはC50基であり得る。アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、エチニル、プロパ-2-イン-1-イル、プロパ-1-イン-1-イル、および2-メチル-ヘキサ-4-イン-1-イル;5-ヒドロキシ-5-メチルヘキサ-3-イン-1-イル、6-ヒドロキシ-6-メチルヘプタ-3-イン-2-イル、および5-ヒドロキシ-5-エチルヘプタ-3-イン-1-イルが挙げられる。
【0037】
ハロ-アルキル基は、任意の数のハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素原子で置換された、任意のアルキル基であり得る。ハロ-アルケニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された、任意のアルケニル基であり得る。ハロ-アルキニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された、任意のアルキニル基であり得る。
【0038】
アルコキシ基は、例えば、任意のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基で置換された酸素原子であり得る。エーテルまたはエーテル基は、アルコキシ基を含む。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびイソブトキシが挙げられる。
【0039】
アリール基は、複素環式であっても非複素環式であってもよい。アリール基は、単環式であっても多環式であってもよい。アリール基は、本明細書に記載される任意の数の置換基、例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、アルコキシ基、およびハロゲン原子で置換されていてもよい。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、トルイル、ナフチル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、チオフェニル、およびフリルが挙げられる。置換アリール基の非限定的な例としては、3,4-ジメチルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-シクロプロピルフェニル、4-ジエチルアミノフェニル、4-(トリフルオロメチル)フェニル、4-(ジフルオロメトキシ)-フェニル、4-(トリフルオロメトキシ)フェニル、3-クロロフェニル、4-クロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2-フルオロフェニル、2-クロロフェニル、2-ヨードフェニル、3-ヨードフェニル、4-ヨードフェニル、2-メチルフェニル、3-フルオロフェニル、3-メチルフェニル、3-メトキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジフルオロフェニル、3,4-ジフルオロフェニル、3,5-ジフルオロフェニル、2,3-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2,3-ジメトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、3,5-ジメトキシフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、2,5-ジフルオロフェニル、2,6-ジフルオロフェニル、2,3,4-トリフルオロフェニル、2,3,5-トリフルオロフェニル、2,3,6-トリフルオロフェニル、2,4,5-トリフルオロフェニル、2,4,6-トリフルオロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,3,4-トリクロロフェニル、2,3,5-トリクロロフェニル、2,3,6-トリクロロフェニル、2,4,5-トリクロロフェニル、3,4,5-トリクロロフェニル、2,4,6-トリクロロフェニル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2,3,4-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチルフェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、2,4,5-トリメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-エチルフェニル、3-エチルフェニル、4-エチルフェニル、2,3-ジエチルフェニル、2,4-ジエチルフェニル、2,5-ジエチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、3,4-ジエチルフェニル、2,3,4-トリエチルフェニル、2,3,5-トリエチルフェニル、2,3,6-トリエチルフェニル、2,4,5-トリエチルフェニル、2,4,6-トリエチルフェニル、2-イソプロピルフェニル、3-イソプロピルフェニル、および4-イソプロピルフェニルが挙げられる。
【0040】
置換アリール基の非限定的な例としては、2-アミノフェニル、2-(N-メチルアミノ)フェニル、2-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、2-(N-エチルアミノ)フェニル、2-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、3-アミノフェニル、3-(N-メチルアミノ)フェニル、3-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、3-(N-エチルアミノ)フェニル、3-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、4-アミノフェニル、4-(N-メチルアミノ)フェニル、4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、4-(N-エチルアミノ)フェニル、および4-(N,N-ジエチルアミノ)フェニルが挙げられる。
【0041】
複素環は、炭素でない環原子、例えば、N、O、S、P、Si、B、または任意の他のヘテロ原子を含有する、任意の環であってよい。複素環は、任意の数の置換基、例えば、アルキル基およびハロゲン原子で置換されていてもよい。複素環は、芳香族(ヘテロアリール)であっても非芳香族であってもよい。複素環の非限定的な例としては、ピロール、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、スクシンアミド、マレイミド、モルホリン、イミダゾール、チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ピラン、およびテトラヒドロピランが挙げられる。
【0042】
複素環の非限定的な例としては、1つまたは複数のヘテロ原子を含有する単一の環を有する複素環式単位(その非限定的な例としては、ジアジリニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、オキサチアゾリジノニル、オキサゾリジノニル、ヒダントイニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジン-2-オニル、2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-アゼピニル、2,3-ジヒドロ-1H-インドール、および1,2,3,4-テトラヒドロキノリンが挙げられる)、ならびにii)2つまたはそれよりも多くの環を有し、これらの環のうちの1つが複素環式環である複素環式単位(その非限定的な例としては、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾリル、3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-インドリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、およびデカヒドロ-1H-シクロオクタ[b]ピロリルが挙げられる)が挙げられる。
【0043】
ヘテロアリールの非限定的な例としては、i)単一の環を含有するヘテロアリール環(その非限定的な例としては、1,2,3,4-テトラゾリル、[1,2,3]トリアゾリル、[1,2,4]トリアゾリル、トリアジニル、チアゾリル、1H-イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、ピリミジニル、2-フェニルピリミジニル、ピリジニル、3-メチルピリジニル、および4-ジメチルアミノピリジニルが挙げられる)、ならびにii)2つまたはそれよりも多くの縮合した環を含有し、これらの縮合した環のうちの1つがヘテロアリール環であるヘテロアリール環(その非限定的な例としては、7H-プリニル、9H-プリニル、6-アミノ-9H-プリニル、5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジニル、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジニル、ピリド[2,3-d]ピリミジニル、4,5,6,7-テトラヒドロ-1-H-インドリル、キノキサリニル、キナゾリニル、キノリニル、8-ヒドロキシ-キノリニル、およびイソキノリニルが挙げられる)が挙げられる。
【0044】
本明細書におけるいずれの化合物も精製されてよい。本明細書における化合物は、少なくとも1%純粋、少なくとも2%純粋、少なくとも3%純粋、少なくとも4%純粋、少なくとも5%純粋、少なくとも6%純粋、少なくとも7%純粋、少なくとも8%純粋、少なくとも9%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも11%純粋、少なくとも12%純粋、少なくとも13%純粋、少なくとも14%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも16%純粋、少なくとも17%純粋、少なくとも18%純粋、少なくとも19%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも21%純粋、少なくとも22%純粋、少なくとも23%純粋、少なくとも24%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも26%純粋、少なくとも27%純粋、少なくとも28%純粋、少なくとも29%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも31%純粋、少なくとも32%純粋、少なくとも33%純粋、少なくとも34%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも36%純粋、少なくとも37%純粋、少なくとも38%純粋、少なくとも39%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも41%純粋、少なくとも42%純粋、少なくとも43%純粋、少なくとも44%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも46%純粋、少なくとも47%純粋、少なくとも48%純粋、少なくとも49%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも51%純粋、少なくとも52%純粋、少なくとも53%純粋、少なくとも54%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも56%純粋、少なくとも57%純粋、少なくとも58%純粋、少なくとも59%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも61%純粋、少なくとも62%純粋、少なくとも63%純粋、少なくとも64%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも66%純粋、少なくとも67%純粋、少なくとも68%純粋、少なくとも69%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも71%純粋、少なくとも72%純粋、少なくとも73%純粋、少なくとも74%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも76%純粋、少なくとも77%純粋、少なくとも78%純粋、少なくとも79%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも81%純粋、少なくとも82%純粋、少なくとも83%純粋、少なくとも84%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも86%純粋、少なくとも87%純粋、少なくとも88%純粋、少なくとも89%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、少なくとも99.1%純粋、少なくとも99.2%純粋、少なくとも99.3%純粋、少なくとも99.4%純粋、少なくとも99.5%純粋、少なくとも99.6%純粋、少なくとも99.7%純粋、少なくとも99.8%純粋、または少なくとも99.9%純粋であり得る。
【0045】
一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約85%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約90%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約95%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約98%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約99%純粋である。一部の実施形態では、化合物は、少なくとも約99.5%純粋である。
【0046】
薬学的に許容される塩
本明細書に開示される方法は、本明細書に記載される任意の化合物の薬学的に許容される塩の使用を提供する。薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。本化合物に添加されて酸付加塩を生じる酸は、有機酸であっても無機酸であってもよい。本化合物に添加されて塩基付加塩を生じる塩基は、有機塩基であっても無機塩基であってもよい。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩は金属塩である。一部の実施形態では、薬学的に許容される塩はナトリウム塩である。
【0047】
金属塩は、本明細書に開示される化合物への無機塩基の添加から生じ得る。無機塩基は、例えば、水酸化物、炭酸、重炭酸、またはリン酸などの塩基性対イオンと対になった金属カチオンからなる。この金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、または典型金属(main group metal)であり得る。一部の実施形態では、金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウム、または亜鉛である。
【0048】
一部の実施形態では、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩、または亜鉛塩である。
【0049】
酸付加塩は、本明細書に開示される化合物への酸の添加から生じ得る。一部の実施形態では、この酸は有機である。一部の実施形態では、この酸は無機である。一部の実施形態では、この酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸(gentisinic acid)、グルコン酸、グルカロン酸(glucaronic acid)、サッカリン酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸、またはマレイン酸である。
【0050】
一部の実施形態では、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate salt)、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate salt)、サッカリン酸塩(saccarate salt)、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、またはマレイン酸塩である。
【0051】
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、例えば別の医薬品を用いる対象の処置の、例えば前、その間、またはその後に使用してもよい。
【0052】
対象は、例えば、高齢成人、成人、青年、前青年期若年者(pre-adolescent)、小児、幼児、乳児、新生児、および非ヒト動物であり得る。一部の実施形態では、対象は患者である。
【0053】
本発明の医薬組成物は、本明細書に記載される任意の医薬化合物の、他の化学成分、例えば担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、および/または賦形剤との組合せ物であってもよい。医薬組成物は、例えば、静脈内、皮下、筋肉内、経口、非経口、眼部、皮下、経皮、鼻、膣、および局所投与をはじめとする種々の形態および経路によって、医薬組成物として治療有効量で投与され得る。この医薬組成物は、本化合物を生物に投与することを容易にする。医薬組成物は、例えば、静脈内、硝子体内、鼻腔内、吸入、鼻吸入、口吸入、気管内、肺内、経粘膜、皮下、筋肉内、経口、直腸、エアロゾル、非経口、眼部、肺、経皮、膣、耳、鼻、および局所投与をはじめとする種々の経路および形態によって、医薬組成物として治療有効量で投与され得る。
【0054】
医薬組成物は、例えば、任意選択でデポもしくは持続放出製剤または移植物において、化合物を器官に直接注入することによって、局所様式で投与することができる。医薬組成物は、高速放出製剤の形態で、徐放製剤の形態で、または中間放出製剤の形態で提供されてもよい。高速放出形態は、即時放出をもたらすことができる。徐放製剤は、制御放出または持続遅延放出をもたらすことができる。
【0055】
経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせることによって製剤化され得る。かかる担体は、対象による経口摂取のための錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、または懸濁物を製剤化するために使用され得る。経口溶解性製剤において使用される溶媒の非限定的な例としては、水、エタノール、イソプロパノール、食塩水、生理食塩水、DMSO、ジメチルホルムアミド、リン酸カリウム緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、リン酸ナトリウム緩衝液、4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸緩衝液(HEPES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸緩衝液(MOPS)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)緩衝液(PIPES)、および食塩水クエン酸ナトリウム緩衝液(SSC)を挙げることができる。経口溶解性製剤において使用される共溶媒の非限定的な例としては、スクロース、尿素、クレモフォール(cremaphor)、DMSO、およびリン酸カリウム緩衝液を挙げることができる。
【0056】
一部の実施形態では、本開示の組成物は、経口投与のために製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、カプセルとして製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、軟ゼラチンカプセルとして製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも約20mg/mL、少なくとも約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約60mg/mL、少なくとも約70mg/mL、少なくとも約80mg/mL、少なくとも約90mg/mL、少なくとも約100mg/mL、少なくとも約120mg/mL、少なくとも約140mg/mL、少なくとも約160mg/mL、少なくとも約180mg/mL、少なくとも約200mg/mL、少なくとも約220mg/mL、少なくとも約240mg/mL、少なくとも約260mg/mL、少なくとも約280mg/mL、少なくとも約300mg/mL、少なくとも約320mg/mL、少なくとも約340mg/mL、少なくとも約360mg/mL、少なくとも約380mg/mL、少なくとも約400mg/mL、少なくとも約420mg/mL、少なくとも約440mg/mL、少なくとも約460mg/mL、少なくとも約480mg/mL、または少なくとも約500mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約20mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、約100mg/mL、約120mg/mL、約140mg/mL、約160mg/mL、約180mg/mL、約200mg/mL、約220mg/mL、約240mg/mL、約260mg/mL、約280mg/mL、約300mg/mL、約320mg/mL、約340mg/mL、約360mg/mL、約380mg/mL、約400mg/mL、約420mg/mL、約440mg/mL、約460mg/mL、約480mg/mL、または約500mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、最大約20mg/mL、最大約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約60mg/mL、最大約70mg/mL、最大約80mg/mL、最大約90mg/mL、最大約100mg/mL、最大約120mg/mL、最大約140mg/mL、最大約160mg/mL、最大約180mg/mL、最大約200mg/mL、最大約220mg/mL、最大約240mg/mL、最大約260mg/mL、最大約280mg/mL、最大約300mg/mL、最大約320mg/mL、最大約340mg/mL、最大約360mg/mL、最大約380mg/mL、最大約400mg/mL、最大約420mg/mL、最大約440mg/mL、最大約460mg/mL、最大約480mg/mL、または最大約500mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約70mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約100mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約150mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約200mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約250mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、約280mg/mLの濃度で本開示の化合物を含むように製剤化され得る。
【0057】
一部の実施形態では、本開示の化合物は、経口投与のためにポリエチレングリコール(PEG)の懸濁物中で製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、経口投与のためにPEG400の懸濁物中で製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、経口投与のためにPEG4000の懸濁物中で製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、経口投与のためにPEG400およびPEG4000の懸濁物中で製剤化され得る。
【0058】
一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、少なくとも約0.1mL、少なくとも約0.2mL、少なくとも約0.3mL、少なくとも約0.4mL、少なくとも約0.5mL、少なくとも約0.6mL、少なくとも約0.7mL、少なくとも約0.8mL、少なくとも約0.9mL、少なくとも約1mL、少なくとも約1.1mL、少なくとも約1.2mL、少なくとも約1.3mL、少なくとも約1.4mL、または少なくとも約1.5mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、約0.1mL、約0.2mL、約0.3mL、約0.4mL、約0.5mL、約0.6mL、約0.7mL、約0.8mL、約0.9mL、約1mL、約1.1mL、約1.2mL、約1.3mL、約1.4mL、または約1.5mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、最大約0.1mL、最大約0.2mL、最大約0.3mL、最大約0.4mL、最大約0.5mL、最大約0.6mL、最大約0.7mL、最大約0.8mL、最大約0.9mL、最大約1mL、最大約1.1mL、最大約1.2mL、最大約1.3mL、最大約1.4mL、または最大約1.5mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、最大約0.5mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、最大約0.8mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、最大約1mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、最大約1.2mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。一部の実施形態では、経口投与のために製剤化されたカプセルは、最大約1.5mLの本開示の化合物を含む溶液を含み得る。
【0059】
一部の実施形態では、経口投与のためのカプセルは、クリアまたは透明であり得る。一部の実施形態では、経口投与のためのカプセルは、不透明であり得る。一部の実施形態では、経口投与のためのカプセルは、不透明な黄色またはオレンジ色であり得る。
【0060】
経口投与の場合、医薬組成物は、活性化合物を薬学的に許容される担体または賦形剤と合わせることによって製剤化され得る。かかる担体は、対象による経口摂取のための錠剤、粉末、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル剤、スラリー、または懸濁物を製剤化するために使用され得る。
【0061】
経口使用のための医薬調製物は、1種または複数種の固体賦形剤を、本明細書に記載される1つまたは複数の化合物と混合し、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望に応じて好適な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得ることができる。コアには、好適なコーティングを提供することができる。この目的では、賦形剤、例えばアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコール、または二酸化チタン、ラッカー溶液、および好適な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる濃縮糖溶液を使用することができる。例えば、活性化合物の用量の異なる組合せを識別するまたは特徴付けるために、色素または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0062】
経口で使用することができる医薬調製物には、ゼラチンから作製されたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから作製された密封軟カプセルが挙げられる。一部の実施形態では、カプセルは、薬学的な牛ゼラチンおよび植物ゼラチンの1種または複数種を含む硬ゼラチンカプセルを含む。ゼラチンはアルカリ処理することができる。プッシュフィットカプセルは、フィラー、例えばラクトース、結合剤、例えばデンプン、または滑沢剤、例えばタルクもしくはステアリン酸マグネシウム、および安定剤との混合物に活性成分を含有することができる。軟カプセル中で、活性化合物は、好適な液体、例えば脂肪油、流動パラフィン、または液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁することができる。安定剤を添加することができる。経口投与のためのすべての製剤が、かかる投与に好適な投与量で提供される。
【0063】
頬側または舌下投与のために、組成物は、錠剤、ロゼンジ、またはゲルであり得る。
【0064】
医薬調製物は、静脈内投与のために製剤化され得る。医薬組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の滅菌懸濁物、溶液、またはエマルションとして、非経口注入に好適な形態であってもよく、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含有していてもよい。非経口投与のための医薬品製剤としては、水溶性形態における活性化合物の水溶液が挙げられる。活性化合物の懸濁物は、油性注入懸濁物として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするため、好適な安定剤、または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水での構成のために、粉末形態であってもよい。
【0065】
本明細書で開示される医薬製剤は、例えば、医薬活性成分(API)の溶液の非経口製剤であり得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、液体ビヒクル中における約25mg/mL~約50mg/mL、約50mg/mL~約75mg/mL、約75mg/mL~約100mg/mL、約100mg/mL~約125mg/mL、約125mg/mL~約150mg/mL、約150mg/mL~約175mg/mL、約175mg/mL~約200mg/mL、約200mg/mL~約225mg/mL、または約225mg/mL~約250mg/mLの濃度での静脈内投与のために調製され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、液体ビヒクル中における少なくとも約25mg/mL、少なくとも約50mg/mL、少なくとも約75mg/mL、少なくとも約100mg/mL、少なくとも約125mg/mL、少なくとも約150mg/mL、少なくとも約175mg/mL、少なくとも約200mg/mL、少なくとも約225mg/mL、または少なくとも約250mg/mLの濃度での静脈内投与のために調製され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、液体ビヒクル中における約25mg/mL、約50mg/mL、約75mg/mL、約100mg/mL、約125mg/mL、約150mg/mL、約175mg/mL、約200mg/mL、約225mg/mL、または約250mg/mLの濃度での静脈内投与のために調製され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物は、液体ビヒクル中における最大約25mg/mL、最大約50mg/mL、最大約75mg/mL、最大約100mg/mL、最大約125mg/mL、最大約150mg/mL、最大約175mg/mL、最大約200mg/mL、最大約225mg/mL、または最大約250mg/mLの濃度での静脈内投与のために調製され得る。一部の実施形態では、液体ビヒクルは有機溶媒である。一部の実施形態では、液体ビヒクルはポリエチレングリコール(PEG)である。一部の実施形態では、液体ビヒクルはPEG400である。一部の実施形態では、液体ビヒクルは、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を使用してpH7~13またはpH12~13に調整される。一部の実施形態では、静脈内投与のための医薬組成物は、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液の使用によってpH7~13またはpH12~13に調整された、ポリエチレングリコール(PEG)400の液体ビヒクル中、約75mg/mLの濃度で本開示の化合物を含み得る。溶液は、テフロン(登録商標)コーティングされたゴムストッパーで密封されたクリアガラスバイアルにパッケージされた、クリアで無色から薄黄色の無菌の保存剤不含溶液であり得る。本明細書で開示されるバイアルは、例えば、非経口製剤24mLを含有する30mLのクリアガラスバイアルであり得る。非経口製剤がIV投与される場合、IV食塩水での希釈が必要になることがある。
【0066】
非経口注射は、ボーラス注入または連続注入のために製剤化され得る。医薬組成物は、油性もしくは水性ビヒクル中の滅菌懸濁物、溶液、またはエマルションとして、非経口注入に好適な形態であってもよく、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤化剤(formulatory agent)を含有していてもよい。非経口投与のための医薬品製剤としては、水溶性形態における活性化合物の水溶液が挙げられる。活性化合物の懸濁物は、油性注入懸濁物として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射懸濁物は、懸濁物の粘度を増大する物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランを含有することができる。懸濁物はまた、高濃度溶液の調製を可能にするため、好適な安定剤、または化合物の溶解度を増加させる薬剤を含有していてもよい。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水での構成のために、粉末形態であってもよい。
【0067】
活性化合物は局所投与されてもよく、溶液、懸濁物、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック(medicated stick)、バーム、クリーム、および軟膏などの多様な局所投与可能な組成物に製剤化することができる。かかる医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、等張性増進剤、緩衝液、および保存剤を含有していてもよい。本明細書に開示される化合物の医薬組成物は、本明細書に記載される任意の医薬化合物の、他の化学成分、例えば、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、または賦形剤との組合せ物であってもよい。医薬組成物は、化合物を生物に投与することを容易にする。
【0068】
本発明の化合物は、対象の皮膚、または体腔、例えば、口、膣、膀胱、頭蓋、脊髄、胸部もしくは骨盤腔に局所的に適用され得る。本発明の化合物は、到達可能な体腔に適用され得る。
【0069】
本化合物は、カカオバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤、ならびにポリビニルピロリドンおよびPEGなどの合成ポリマーを含有する、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤、または停留浣腸などの直腸組成物において製剤化することもできる。本組成物の坐剤形態では、必要に応じてカカオバターと組み合わせた、脂肪酸グリセリドの混合物などの低融ワックスを融解してもよい。
【0070】
本明細書において提供される処置の方法または使用を実践する際、本明細書に記載される治療有効量の化合物が、処置すべき疾患または状態を有する対象に医薬組成物中で投与される。一部の実施形態では、対象は、ヒトなどの哺乳動物である。治療有効量は、疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康、使用される化合物の効能、ならびに他の要因に応じて大きく異なり得る。化合物は、単独で使用されても、混合物の成分として1種または複数種の治療剤との組合せにおいて使用されてもよい。
【0071】
医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用され得る調製物に加工することを容易にする、賦形剤および補助剤を含む、1種または複数種の生理学的に許容される担体を使用して製剤化されていてもよい。製剤は、選択される投与経路に応じて改変してもよい。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、例えば、混合、溶解、乳化、封入、捕捉、または圧縮のプロセスによって製造することができる。
【0072】
医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤、および遊離塩基または薬学的に許容される塩形態としての本明細書に記載される化合物を含むことができる。医薬組成物は、可溶化剤、安定剤、張度増強剤(tonicity enhancing agent)、緩衝液、および保存剤を含有していてもよい。本明細書に記載される方法および医薬組成物は、結晶形(多形としても公知)、および同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物の使用を含む。
【0073】
本明細書に記載の化合物を含む組成物の調製方法は、1種または複数種の不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体とともに本化合物を製剤化して、固体、半固体、または液体の組成物を形成することを含む。固体組成物としては、例えば、粉末、錠剤、分散性顆粒、カプセル、およびカシェ剤が挙げられる。液体組成物としては、例えば、化合物が溶解した溶液、化合物を含むエマルション、または本明細書に記載の化合物を含むリポソーム、ミセル、もしくはナノ粒子を含有する溶液が挙げられる。半固体組成物としては、例えば、ゲル、懸濁物、およびクリームが挙げられる。この組成物は、液体溶液もしくは懸濁物、使用前に液体に溶解もしくは懸濁するのに好適な固体形態、またはエマルションであってもよい。これらの組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、および他の薬学的に許容される添加剤といった無毒の少量の補助物質を含有していてもよい。
【0074】
本発明において使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、液体、粉末、ゲル、ナノ懸濁物、ナノ粒子、ミクロゲル、水性または油性の懸濁物、エマルション、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。本明細書で開示される方法で使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、飼料、食物、ペレット、ロゼンジ、液体、エリキシル剤、エアロゾル、吸入剤、スプレー、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、ゲル、ジェルタブ、ナノ懸濁物、ナノ粒子、ミクロゲル、坐剤 トローチ、水性または油性の懸濁物、軟膏、パッチ、ローション、歯磨剤、エマルション、クリーム、点滴薬、分散性粉末または顆粒、硬または軟ゲルカプセル中のエマルション、シロップ、フィトシューティカル(phytoceutical)、ニュートラシューティカル(nutraceutical)、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0075】
本発明において使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、液体、粉末、ゲル、ナノ懸濁物、ナノ粒子、ミクロゲル、水性または油性の懸濁物、エマルション、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。本明細書で開示される方法で使用するのに好適な薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、流動促進剤(glidant)、接着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、ガム、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗微生物剤、植物セルロース性材料、および球形化剤(spheronization agent)、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0076】
本発明の組成物は、例えば、即時放出形態または制御放出製剤であり得る。即時放出製剤は、化合物を迅速に作用させるように製剤化されていてもよい。即時放出製剤の非限定的な例としては、易溶解性の製剤が挙げられる。制御放出製剤は、活性薬剤の放出速度および放出プロファイルが生理学および時間治療学の要件に適合し得るように適応されているか、あるいは、プログラムされた速度で活性薬剤の放出をもたらすように製剤化されている、医薬品製剤であり得る。
【0077】
場合により、制御放出製剤は、遅延放出形態である。遅延放出形態は、化合物の作用を長期間にわたって遅延させるように製剤化されていてもよい。遅延放出形態は、1種または複数種の化合物の有効用量の放出を、例えば、約4、約8、約12、約16、または約24時間にわたって遅延させるように製剤化されていてもよい。
【0078】
制御放出製剤は、持続放出形態であってもよい。持続放出形態は、例えば、化合物の作用を長期間にわたって持続させるように製剤化されていてもよい。持続放出形態は、約4、約8、約12、約16、または約24時間にわたって、本明細書に記載される任意の化合物の有効用量をもたらす(例えば、生理学的に有効な血液プロファイルをもたらす)ように製剤化されていてもよい。
【0079】
薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton、Pa.: Mack Publishing Company、1995年);Hoover, John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania、1975年;Liberman, H.A.およびLachman, L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.、1980年;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版(Lippincott Williams & Wilkins、1999年)に見出すことができ、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0080】
本明細書に記載される治療剤は、疾患または状態の発生前、その間、またはその後に投与してもよく、治療剤を含有する組成物の投与のタイミングは様々であり得る。例えば、組成物は、予防薬として使用されてもよく、疾患または状態の発生の見込みを低下させるために、状態または疾患の傾向を有する対象に継続的に投与されてもよい。化合物は、対象に症状の発症中に投与されても、発症後可能な限り早くに投与されてもよい。治療剤の投与は、症状の発症から最初の48時間以内、症状の発症から最初の24時間以内、症状の発症から最初の6時間以内、または症状の発症から3時間以内に開始されてもよい。初回投与は、本明細書に記載される任意の製剤を使用した、実践的な任意の経路によるもの、例えば、本明細書に記載される任意の経路によるものであり得る。
【0081】
化合物は、疾患または状態の発症が検出されるかまたは疑われてから実践的である限りすぐに、そして例えば、約1か月から約3か月など、疾患の処置に必要な時間の長さにわたって投与され得る。一部の実施形態では、化合物が投与され得る時間の長さは、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1か月間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2か月間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3か月間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4か月間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5か月間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約1年間、約13か月間、約14か月間、約15か月間、約16か月間、約17か月間、約18か月間、約19か月間、約20か月間、約21か月間、約22か月 約23か月間、約2年間、約2.5年間、約3年間、約3.5年間、約4年間、約4.5年間、約5年間、約6年間、約7年間、約8年間、約9年間、または約10年間であり得る。処置の長さは対象毎に異なり得る。
【0082】
本明細書に記載される医薬組成物は、精確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。単位剤形において、製剤は、1種または複数種の化合物の適切な分量を含有する単位用量に分割されている。単位投与量は、別個の分量の製剤を含有するパッケージの形態であってもよい。非限定的な例は、パッケージングされた注射剤、バイアル、またはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単一用量の再閉鎖不可能な容器内にパッケージングされていてもよい。複数用量の再閉鎖可能な容器を、例えば、保存剤と組み合わせて、または組み合わせずに使用してもよい。注射用の製剤は、単位剤形で、例えばアンプル内に、また保存剤とともに複数用量容器内に提供されてもよい。
【0083】
本明細書で提供される医薬組成物は、他の治療、例えば、化学療法、放射線、外科手術、抗炎症剤、および選択されたビタミンと併せて投与することができる。他の薬剤は、医薬組成物の前に、その後に、またはそれと同時に投与することができる。
【0084】
意図される投与方式に応じて、医薬組成物は、例えば、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形における、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル、粉末、液体、懸濁物、ローション、クリーム、またはゲルなどの、固体、半固体、または液体剤形の形態であり得る。
【0085】
固体組成物について、非毒性の固体担体としては、例えば、医薬品等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、および炭酸マグネシウムが挙げられる。
【0086】
化合物は、リポソーム技術により送達することができる。薬物担体としてのリポソームの使用は、化合物の治療指数を増大させることができる。リポソームは、天然リン脂質から構成され、界面活性特性を有する混合脂質鎖(例えば、卵ホスファチジルエタノールアミン)を含有し得る。リポソーム設計は、不健康な組織に結合するための表面リガンドを用いてもよい。リポソームの非限定的な例としては、多層小胞(MLV)、小型単層小胞(SUV)、および大型単層小胞(LUV)が挙げられる。リポソームの物理化学的特性は、生物学的障壁への浸透および投与部位における保持を最適化し、早すぎる分解および非標的組織への毒性を生じる可能性を低減するようにモジュレートすることができる。最適なリポソーム特性は投与経路に依存して決まり、すなわち、大きいサイズのリポソームは局所注射の際に良好な保持を示し、小さいサイズのリポソームは受動的標的化を達成するのにより良く適している。PEG化は、肝臓および脾臓によるリポソームの取込みを低減し、循環時間を増大し、増強された透過性および保持(EPR)効果に起因して炎症部位における局在化の増大をもたらす。加えて、リポソームの表面を改変して、封入された薬物の特定の標的細胞への選択的送達を達成することができる。標的化リガンドの非限定的な例としては、疾患と関連する細胞の表面に集中した受容体に対して特異的なモノクローナル抗体、ビタミン、ペプチド、および多糖類が挙げられる。
【0087】
本開示において使用するのに好適な剤形の非限定的な例としては、液体、エリキシル剤、ナノ懸濁物、水性または油性の懸濁物、ドロップ、シロップ、およびそれらの任意の組合せが挙げられる。本開示において使用するのに好適な薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、流動促進剤(glidant)、接着防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗酸化剤、ガム、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、植物セルロース性材料、および球形化剤(spheronization agent)、ならびにそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0088】
医薬組成物は、活性化合物を薬学的に使用され得る調製物に加工することを容易にする、賦形剤および補助剤を含む、1種または複数種の生理学的に許容される担体を使用して製剤化されていてもよい。製剤は、選択される投与経路に応じて改変してもよい。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物は、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠作製、湿式粉砕、乳化、封入、捕捉、または圧縮のプロセスによって製造することができる。
【0089】
本発明の組成物は、キットとしてパッケージングされていてもよい。一部の実施形態では、キットは、組成物の投与/使用に関する書面での指示を含む。書面資料は、例えばラベルであり得る。書面資料は、投与の条件 方法を示唆し得る。指示は、治療の投与から最適な臨床転帰を達成するために最良の指針を対象および担当医師に提供する。書面資料は、ラベルであり得る。一部の実施形態では、ラベルは、規制機関、例えば米国食物医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、または他の規制機関によって承認され得る。
投薬
【0090】
本明細書に記載される医薬組成物は、精確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。単位剤形において、製剤は、1種または複数種の化合物の適切な分量を含有する単位用量に分割されている。単位投与量は、別個の分量の製剤を含有するパッケージの形態であってもよい。非限定的な例は、バイアル中の液体、またはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単一用量の再閉鎖不可能な容器内にパッケージングされていてもよい。複数用量の再閉鎖可能な容器を、例えば、保存剤と組み合わせて使用してもよい。非経口注射用の製剤は、単位剤形で、例えばアンプル内に、また保存剤とともに複数用量容器内に提供されてもよい。
【0091】
本明細書に記載の化合物は、約1mg~約2000mg;約100mg~約2000mg;約10mg~約2000mg;約5mg~約1000mg、約10mg~約500mg、約50mg~約250mg、約100mg~約200mg、約1mg~約50mg、約50mg~約100mg、約100mg~約150mg、約150mg~約200mg、約200mg~約250mg、約250mg~約300mg、約300mg~約350mg、約350mg~約400mg、約400mg~約450mg、約450mg~約500mg、約500mg~約550mg、約550mg~約600mg、約600mg~約650mg、約650mg~約700mg、約700mg~約750mg、約750mg~約800mg、約800mg~約850mg、約850mg~約900mg、約900mg~約950mg、または約950mg~約1000mgの範囲で組成物中に存在し得る。
【0092】
本明細書に記載の化合物は、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約1250mg、約1300mg、約1350mg、約1400mg、約1450mg、約1500mg、約1550mg、約1600mg、約1650mg、約1700mg、約1750mg、約1800mg、約1850mg、約1900mg、約1950mg、約2000mg、約2100mg、約2200mg、約2300mg、約2400mg、または約2500mgの量で組成物中に存在し得る。
【0093】
一部の実施形態では、用量は、薬物の量を対象の質量によって割ったもの、例えば対象の体重1キログラム当たりの薬物のミリグラムとして表すことができる。一部の実施形態では、化合物は、約5mg/kg~約50mg/kg、250mg/kg~約2000mg/kg、約10mg/kg~約800mg/kg、約50mg/kg~約400mg/kg、約100mg/kg~約300mg/kg、または約150mg/kg~約200mg/kgの範囲の量で投与される。
処置方法
【0094】
一部の実施形態では、本発明の化合物を使用して、対象のがんを処置することができる。本発明の化合物は、例えば、がん細胞株の増殖を減速させるか、またはがん細胞を殺傷させることができる。本発明の化合物によって処置され得るがんの非限定的な例としては、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星細胞腫、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、脳腫瘍、例えば小脳星細胞腫、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、視路および視床下部神経膠腫、乳がん、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、原発不明癌、中枢神経系リンパ腫、小脳星細胞腫、子宮頸がん、小児がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、ユーイング肉腫、胚細胞腫瘍、胆のうがん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫、膵島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓がん、喉頭がん、口唇および口腔がん、脂肪肉腫、肝臓がん、肺がん、例えば非小細胞および小細胞肺がん、リンパ腫、白血病、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん(metastatic squamous neck cancer with occult primary)、口のがん、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、鼻腔および副鼻腔がん、上咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、膵臓がん、膵島細胞がん、副鼻腔および鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽腫、形質細胞新生物、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞癌、腎盂および尿管移行細胞がん、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、皮膚がん、メルケル細胞皮膚癌、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃のがん、T細胞リンパ腫、咽喉がん、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺がん、絨毛性腫瘍(妊娠性)、原発部位不明のがん、尿道がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍が挙げられる。
【0095】
本明細書で開示される方法は、例えば、増殖性疾患、がん、がん転移、固形腫瘍、液性腫瘍、癌腫、扁平上皮癌(SCC)、疾患、例えば劣性栄養障害型表皮水泡症(RDEB)と関連するSCC、またはそれらの任意の転移を処置するために使用することができる。
【0096】
本明細書で開示される方法による腫瘍応答は、RECIST応答分類に基づいて測定することができる。
【0097】
劣性栄養障害型表皮水泡症(RDEBまたはEB)は、全身性皮膚水疱形成および粘膜の関与によって特徴付けられる、COL7A1の変異によって引き起こされる重症遺伝性皮膚症である。慢性皮膚創傷領域に典型的に生じる侵襲性転移性扁平上皮癌(SCC)は、40歳未満という患者の短い平均余命に著しく寄与し得る一般的な合併症である。個体は、20~40歳の個体の異なる部位で多くの場合多重に生じる、高悪性度の早期発症型腫瘍を発症し得る。これらの新生物は、従来の化学療法および放射線療法に対して、大抵短い持続期間の制限された奏効率を示し得る。さらに、侵襲性の細胞傷害性化学療法の耐容性(例えば、皮膚、粘膜、腎臓、ならびに好中球減少症を伴う骨髄毒性および敗血症リスクに関して)は、EB関連疾患の負担および全身性病的状態と共に不良である。
【0098】
扁平上皮癌は、皮膚、口、食道、肺、および子宮頸部をはじめとする多くの様々な器官において生じる癌腫である。このがんは、扁平上皮細胞分化を示す上皮の悪性腫瘍である。扁平上皮癌は、通常、皮膚の上皮層において生じ、時として身体の様々な粘膜において生じる。このタイプのがんは、皮膚、唇、口内、喉または食道に見ることができる。
【0099】
RDEBは、著しい食道狭窄と関連し、嚥下障害および栄養不全をもたらす遺伝性水疱形成皮膚障害である。食道性嚥下障害は、対象が食物または飲物を嚥下し始めた後、食物が喉元または胸部に付着するまたは引っかかる感覚を指す。食道狭窄は、食物の大きな塊を捕捉し得る狭まった食道を指す。瘢痕組織は、食道の狭まりを引き起こし得る。一部の実施形態では、治療有効量の本開示の化合物を投与される対象は、食道閉塞症を有している。
【0100】
本明細書では、本開示の化合物を投与することによって扁平上皮癌(SCC)を処置するための方法が提供される。本明細書では、本開示の化合物を投与することによって転移性SCCを処置するための方法が提供される。本明細書では、本開示の化合物を投与することによって侵襲性転移性SCCを処置するための方法が提供される。
【0101】
本明細書で実証される通り、RDEB SCCケラチノサイトは、RDEB患者から単離された正常ケラチノサイトまたは線維芽細胞における等価な応答に必要な濃度よりも低い濃度の本開示の化合物に対して感受性である(
図1)。腫瘍異種移植実験においてRDEB SCCを処置するための本開示の化合物の有効性は、
図2に示される。
【0102】
一部の実施形態では、本明細書において、状態の存在を示すバイオマーカーについてアッセイし、本開示の医薬組成物の化合物を投与する方法が開示される。一部の実施形態では、バイオマーカーは、遺伝的バイオマーカーである。一部の実施形態では、バイオマーカーは、タンパク質バイオマーカーである。一部の実施形態では、アッセイ、生体試料、方法。
【0103】
一部の実施形態では、本明細書において、本開示の化合物を投与する前に、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)経路のバイオマーカーについて対象をアッセイする方法が開示される。一部の実施形態では、PI3K経路バイオマーカーは、PIK3CA遺伝子の変異である。一部の実施形態では、PI3K経路バイオマーカーは、PTEN喪失の変異である。一部の実施形態では、PI3K経路バイオマーカーは、p4E-BP1またはpAktである。一部の実施形態では、PI3K経路バイオマーカーは、p21活性化キナーゼ1(PAK1)タンパク質である。
【0104】
一部の実施形態では、本明細書において、本開示の化合物を投与する前に、タンパク質キナーゼB(Akt)経路のバイオマーカーについて対象をアッセイする方法が開示される。一部の実施形態では、Akt経路バイオマーカーは、PIKCA遺伝子である。一部の実施形態では、Akt経路バイオマーカーは、PTEN喪失である。一部の実施形態では、Akt経路バイオマーカーは、Bcl2関連死タンパク質(BAD)である。一部の実施形態では、Akt経路バイオマーカーは、ホスファチジルイノシトール3,4,5-三リン酸(PIP3)である。
【0105】
一部の実施形態では、本明細書において、本開示の化合物を投与する前に、セリン/スレオニン-タンパク質キナーゼ1(PLK1)経路のバイオマーカーについて対象をアッセイする方法が開示される。一部の実施形態では、PLK1経路バイオマーカーは、スプライシング因子(SF)の変異である。一部の実施形態では、PLK1経路バイオマーカーは、SRSF2である。一部の実施形態では、PLK1経路バイオマーカーは、SF3B1である。一部の実施形態では、PLK1経路バイオマーカーは、中心体タンパク質55kDa(CEP55)である。
【0106】
投薬
本明細書で開示される投薬レジメンは、例えば、朝に1経口用量の本開示の化合物および午後または夕方に第2の用量の化合物であり得る。一部の実施形態では、朝の用量および午後または夕方の用量は、同じであってもよい。一部の実施形態では、朝の用量および午後または夕方の用量は、異なっていてもよい。一部の実施形態では、リゴセルチブ840mgの1経口用量を朝に投与することができ、リゴセルチブ560mgの経口用量を午後に投与することができる。
【0107】
一部の実施形態では、用量は、観察された用量制限毒性(DLT)の数に応じて漸増することができる。一部の実施形態では、用量漸増は、約70mg、約140mg、約280mg、約560mg、または約1120mgの増分で継続することができる。一部の実施形態では、用量漸増は、280mgの増分で継続することができる。一部の実施形態では、用量漸増は、560mgの増分で継続することができる。一部の実施形態では、朝の用量を、280mgの増分で増大することができ、午後の用量を、280mgの増分で増大することができる。一部の実施形態では、朝の用量を、560mgの増分で増大することができる、午後の用量を、560mgの増分で増大することができる。
【0108】
用量漸増は、2つまたはそれよりも多くのDLTが単一コホートで観察されるまで継続することができる。その時点で、以前の用量コホートを、患者6人まで拡大することができ、2つ未満のDLTがそれらの患者6人において生じる場合には、その用量をMTDとみなすことができる。加えて、総1日用量のうちのはるかに大きいパーセンテージを朝の用量で投与し、より低いパーセンテージを午後の用量で投与することができる(すなわち、午前に1,400mgおよび午後に560mg)。
【0109】
静脈内リゴセルチブのための投薬レジメンは、例えば、少なくとも約300mg/日、少なくとも約600mg/日、少なくとも約900mg/日、少なくとも約1200mg/日、少なくとも約1500mg/日、少なくとも約1800mg/日、少なくとも約2100mg/日、少なくとも約2400mg/日、少なくとも約2700mg/日、または少なくとも約3000mg/日であり得る。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブのための投薬レジメンは、例えば、約300mg/日、約600mg/日、約900mg/日、約1200mg/日、約1500mg/日、約1800mg/日、約2100mg/日、約2400mg/日、約2700mg/日、または約3000mg/日であり得る。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブのための投薬レジメンは、例えば、最大約300mg/日、最大約600mg/日、最大約900mg/日、最大約1200mg/日、最大約1500mg/日、最大約1800mg/日、最大約2100mg/日、最大約2400mg/日、最大約2700mg/日、または最大約3000mg/日であり得る。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブのための投薬レジメンは、約1800mg/日であり得る。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブのための投薬レジメンは、約2100mg/日であり得る。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブのための投薬レジメンは、約2400mg/日であり得る。
【0110】
一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目での投与を含むことができる。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、28日サイクルの1~3日目での投与を含むことができる。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目での投与を含み、次にその後の28日サイクルの1~3日目での投与を含むことができる。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目に用量を増大させることを含むことができる。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、28日サイクルの1~3日目に用量を増大させることを含むことができる。
【0111】
一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目での投与を含むことができ、続いて14日サイクルの4~14日目には投与は行われない。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、28日サイクルの1~3日目での投与を含むことができ、続いて28日サイクルの4~28日目には投与は行われない。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目での投与を含むことができ、続いて14日サイクルの4~14日目には投与は行われず、次に28日サイクルの1~3日目での投与を含むことができ、その後28日サイクルの4~28日目には投与は行われず、必要に応じて28日サイクルを任意の回数、反復する。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目に用量を増大させることを含むことができる。一部の実施形態では、静脈内リゴセルチブについての投薬レジメンは、28日サイクルの1~3日目に用量を増大させることを含むことができる。
【0112】
一部の実施形態では、投薬レジメンは、用量を2100mg/日に増大することができる。一部の実施形態では、投薬レジメンは、用量を2400mg/日に増大することができる。一部の実施形態では、投薬レジメンは、3+3用量漸増に従ってMTDおよびRP2Dが確立されるまで、用量を増大することができる。
【0113】
本明細書で開示される化合物は、皮下または静脈内注射により投与することができる。注射の体積は、約0.1mL、約0.2mL、約0.3mL、約0.4mL、約0.5mL、約0.6mL、約0.7mL、約0.8mL、約0.9mL、約1mL、約1.1mL、約1.2mL、約1.3mL、約1.4mL、約1.5mL、約1.6mL、約1.7mL、約1.8mL、約1.9mL、約2mL、約2.1mL、約2.2mL、約2.3mL、約2.4mL、約2.5mL、約2.6mL、約2.7mL、約2.8mL、約2.9mL、または約3mLであり得る。対象に投与される個々の用量は、約0.1mg、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、約0.6mg、約0.7mg、約0.8mg、約0.9mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、または約50mgであり得る。
【0114】
本明細書に記載される医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形であってもよい。単位剤形において、製剤は、1種または複数種の化合物の適切な分量を含有する単位用量に分割され得る。単位投与量は、別個の分量の製剤を含有するパッケージの形態であってもよい。非限定的な例は、パッケージングされた注射剤、バイアル、またはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単一用量の再閉鎖不能な容器内にパッケージングされていてもよい。複数用量の再閉鎖可能な容器を、例えば、保存剤と組み合わせて、または組み合わせずに使用してもよい。非経口注射用の製剤は、単位剤形で、例えばアンプル内に、または保存剤と共に複数用量容器内に提供されてもよい。
【0115】
本明細書に記載の化合物は、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、約45mg~約50mg、約50mg~約55mg、約55mg~約60mg、約60mg~約65mg、約65mg~約70mg、約70mg~約75mg、約75mg~約80mg、約80mg~約85mg、約85mg~約90mg、約90mg~約95mg、約95mg~約100mg、約100mg~約125mg、約125mg~約150mg、約150mg~約175mg、約175mg~約200mg、約200mg~約225mg、約225mg~約250mg、または約250mg~約300mgの範囲で組成物中に存在し得る。
【0116】
本明細書に記載の化合物は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mg、または約300mgの量で組成物中に存在し得る。
【0117】
一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、約0.1mg/kg~約500mg/kg、約1mg/kg~約500mg/kg、約0.1mg/kg~約300mg/kg、約1mg/kg~約300mg/kg、または約0.1mg/kg~約30mg/kgの量で対象に投与され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、対象の約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約11mg/kg、約12mg/kg、約13mg/kg、約14mg/kg、約15mg/kg、約16mg/kg、約17mg/kg、約18mg/kg、約19mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約55mg/kg、約60mg/kg、約65mg/kg、約70mg/kg、約75mg/kg、約80mg/kg、約85mg/kg、約90mg/kg、約95mg/kg、約100mg/kg、約120mg/kg、約150mg/kg、約160mg/kg、約180mg/kg、約200mg/kg、約240mg/kg、約250mg/kg、約300mg/kg、約350mg/kg、約360mg/kg、約400mg/kg、約450mg/kg、約500mg/kg、または約600mg/kgの量で対象に投与される。
【0118】
本明細書に記載される化合物は、疾患または状態の発生前、その間、またはその後に投与してもよく、化合物を含有する組成物の投与のタイミングは様々であり得る。例えば、化合物は、予防薬として使用されてもよく、疾患または状態の発生の見込みを低下または低減させるために、状態または疾患の傾向を有する対象に継続的に投与されてもよい。化合物および組成物は、対象に症状の発症中に投与されても、発症後可能な限り早くに投与されてもよい。化合物の投与は、症状の発症から最初の48時間以内、症状の発症から最初の24時間以内、症状の発症から最初の6時間以内、または症状の発症から3時間以内に開始されてもよい。初回投与は、本明細書に記載される任意の製剤を使用した、実践的な任意の経路によるもの、例えば、本明細書に記載される任意の経路によるものであり得る。
【0119】
化合物は、疾患または状態の発症が検出されるかまたは疑われてから実践的である限りすぐに、そして例えば、約1か月から約3か月など、疾患の処置に必要な時間の長さにわたって投与され得る。一部の実施形態では、化合物が投与され得る時間の長さは、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1か月間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2か月間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3か月間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4か月間、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5か月間、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間、約1年間、約13か月間、約14か月間、約15か月間、約16か月間、約17か月間、約18か月間、約19か月間、約20か月間、約21か月間、約22か月 約23か月間、約2年間、約2.5年間、約3年間、約3.5年間、約4年間、約4.5年間、約5年間、約6年間、約7年間、約8年間、約9年間、約10年間、約11年間、約12年間、約13年間、約14年間、約15年間、約16年間、約17年間、約18年間、約19年間、約20年間、約21年間、約22年間、約23年間、約24年間、または約25年間であり得る。処置の長さは対象毎に異なり得る。
【0120】
一部の実施形態では、投薬レジメンは、第1の期間にわたって本開示の化合物の投与を含むことができ、続いて本開示の化合物の投与を受けない期間を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、少なくとも約1日、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、少なくとも約14日間、少なくとも約15日間、少なくとも約16日間、少なくとも約17日間、少なくとも約18日間、少なくとも約19日間、少なくとも約20日間、少なくとも約21日間、少なくとも約22日間、少なくとも約23日間、少なくとも約24日間、少なくとも約25日間、少なくとも約26日間、少なくとも約27日間、少なくとも約28日間、少なくとも約29日間、または少なくとも約30日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約1日、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、または約30日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約1日である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約3日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約5日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約7日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約10日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約14日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約21日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与される第1の期間は、約28日間である。
【0121】
一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、少なくとも約1日、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、少なくとも約14日間、少なくとも約15日間、少なくとも約16日間、少なくとも約17日間、少なくとも約18日間、少なくとも約19日間、少なくとも約20日間、少なくとも約21日間、少なくとも約22日間、少なくとも約23日間、少なくとも約24日間、少なくとも約25日間、少なくとも約26日間、少なくとも約27日間、少なくとも約28日間、少なくとも約29日間、または少なくとも約30日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約1日、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、または約30日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約1日である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約5日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約7日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約11日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約14日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約21日間である。一部の実施形態では、本開示の化合物が投与されない第2の期間(すなわち、処置期間の間の中断)は、約25日間である。
【0122】
一部の実施形態では、処置サイクルは、本開示の化合物が投与される第1の期間およびその化合物が投与されない第2の期間を含む。一部の実施形態では、処置サイクルは、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約8日間、少なくとも約9日間、少なくとも約10日間、少なくとも約11日間、少なくとも約12日間、少なくとも約13日間、少なくとも約14日間、少なくとも約15日間、少なくとも約16日間、少なくとも約17日間、少なくとも約18日間、少なくとも約19日間、少なくとも約20日間、少なくとも約21日間、少なくとも約22日間、少なくとも約23日間、少なくとも約24日間、少なくとも約25日間、少なくとも約26日間、少なくとも約27日間、少なくとも約28日間、少なくとも約29日間、少なくとも約30日間、少なくとも約31日間、少なくとも約32日間、少なくとも約33日間、少なくとも約34日間、少なくとも約35日間、少なくとも約36日間、少なくとも約37日間、少なくとも約38日間、少なくとも約39日間、少なくとも約40日間、少なくとも約41日間、少なくとも約42日間、少なくとも約43日間、少なくとも約44日間、少なくとも約45日間、少なくとも約46日間、少なくとも約47日間、少なくとも約48日間、少なくとも約49日間、または少なくとも約50日間であり得る。一部の実施形態では、処置サイクルは、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、約30日間、約31日間、約32日間、約33日間、約34日間、約35日間、約36日間、約37日間、約38日間、約39日間、約40日間、約41日間、約42日間、約43日間、約44日間、約45日間、約46日間、約47日間、約48日間、約49日間、または約50日間であり得る。一部の実施形態では、処置サイクルは、約14日間、または2週間であり得る。一部の実施形態では、処置サイクルは、約21日間、または3週間であり得る。一部の実施形態では、処置サイクルは、約28日間、または4週間であり得る。
【0123】
一部の実施形態では、投薬レジメンサイクルは、1つよりも多いサイクルにわたって投与することができる。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、またはそれより多くのサイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはそれより多くのサイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、1サイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、3サイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、5サイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、8サイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、10サイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、12サイクルにわたって投与され得る。一部の実施形態では、本開示の投薬レジメンは、15サイクルにわたって投与され得る。
【0124】
一部の実施形態では、本開示の化合物についての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目での投与を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の化合物についての投薬レジメンは、28日サイクルの1~3日目での投与を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の化合物についての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目での投与を含み、次にその後の28日サイクルの1~3日目での投与を含むことができる。一部の実施形態では、本開示の化合物についての投薬レジメンは、14日サイクルの1~3日目に用量を増大させることを含むことができる。一部の実施形態では、本開示の化合物についての投薬レジメンは、28日サイクルの1~3日目に用量を増大させることを含むことができる。
【0125】
一部の実施形態では、本開示の方法は、処置サイクルの間に休薬期間を含むことができる。一部の実施形態では、休薬期間は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間、少なくとも約9週間、少なくとも約10週間、少なくとも約11週間、少なくとも約12週間、少なくとも約13週間、少なくとも約14週間、少なくとも約15週間、少なくとも約16週間、少なくとも約17週間、少なくとも約18週間、少なくとも約19週間、または少なくとも約20週間であり得る。一部の実施形態では、休薬期間は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約17週間、約18週間、約19週間、または約20週間であり得る。
【0126】
一部の実施形態では、投与することは1日1回のものである。一部の実施形態では、投与することは1日2回のものである。一部の実施形態では、投与することは1日3回のものである。一部の実施形態では、投与することは1日4回のものである。一部の実施形態では、投与することは、朝に行われる。一部の実施形態では、投与することは、午後に行われる。一部の実施形態では、投与することは、夕方に行われる。一部の実施形態では、投与することは、朝および午後に行われる。一部の実施形態では、投与することは、朝および夕方に行われる。一部の実施形態では、投与することは、午後および夕方に行われる。
【0127】
一部の実施形態では、対象は、本開示の化合物が対象に投与される朝において絶食状態である。一部の実施形態では、対象は、本開示の化合物が対象に投与される午後において摂食状態である。一部の実施形態では、対象は、本開示の化合物が対象に投与される夕方において摂食状態である。一部の実施形態では、投与することは朝および午後に行われ、対象は、朝において絶食状態であり、午後において摂食状態である。一部の実施形態では、投与することは朝および夕方に行われ、対象は、朝において絶食状態であり、夕方において摂食状態である。一部の実施形態では、投与することは、午後および夕方に行われ、対象は、午後において摂食状態であり、夕方において摂食状態である。
【0128】
本明細書に記載される化合物の投与のための投薬スケジュールの比限定的な例には、1日1回(QD)、1日2回(BID)、1日3回(TID)、1日4回(QID)、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1か月に1回、1か月に2回、および2か月毎に1回が含まれる。
【実施例】
【0129】
(実施例1)
対象の疾患を処置するための本明細書で開示される経口および静脈内医薬組成物を評価するための臨床研究
第2相非盲検単一アームを実施した。この研究は、劣性栄養障害型表皮水泡症(RDEB)と関連する局所進行性/転移性の扁平上皮癌(SCC)を有する患者におけるリゴセルチブの有効性および安全性を評価するために設計した。
【0130】
安全性および耐容性の評価に加えて、RECISTによって評価される全奏効率によって有効性を測定した。患者を、12カ月間連続してRECIST進行基準が満たされる(すなわち腫瘍直径の20%の増加または新しい悪性病変の出現)まで、または許容されない毒性もしくは不耐容が生じるまで、または寛解するまで処置した。
【0131】
研究設計:リゴセルチブを、2つの異なる製剤で、すなわち経口カプセル剤、および静脈内注入のためのIV溶液で投与した。リゴセルチブを280mgのカプセルおよび液体溶液として提供した。
【0132】
研究は、2つの主要エンドポイントを有していた。第1の主要エンドポイントは、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)のいずれかを達成した患者の割合として定義される全奏効率(ORR)により、以前の標準ケアに失敗した進行SCCを有するRDEB患者におけるリゴセルチブの抗腫瘍活性を決定することであった。第2の主要エンドポイントは、集団におけるリゴセルチブの安全性および耐容性を評価することであった。二次研究エンドポイントには、生活の質およびすべての患者からの保存組織で実施したバイオマーカー分析が含まれていた。患者は、最大1年間投与を受け、治験持続期間はおよそ2年半になると予想された。
【0133】
経口投与:研究対象は、4週間サイクル毎に合計3週間、経口リゴセルチブを連続的に投与された(3週間投与され、1週間の休薬)。研究対象は、朝に経口リゴセルチブ560mg(すなわち280mgのカプセル2つ)および午後に経口リゴセルチブ560mg(すなわち280mgのカプセル2つ)の合計1120mg/日を受けた。
【0134】
静脈内投与:リゴセルチブとしてのIV連続注入については、pH調整のための少量の水酸化ナトリウムを含有するポリエチレングリコール400(PEG400)中無菌溶液として、1mL当たりリゴセルチブナトリウム塩75mg(1mL当たりリゴセルチブナトリウム75mgに等価)を含有するように、ナトリウム塩濃縮物、75mg/mLを製剤化した。リゴセルチブ.Na75mg/mLを、薬物生成物(1800mg)24mLを含有する、Teflon(登録商標)で覆われたゴムストッパーを有する単回使用のガラスバイアルにパッケージングした。投与直前に、リゴセルチブ濃縮物(すなわち1つのガラスバイアル、24mL)を、注射のために0.9%塩化ナトリウムで最終体積500mlに希釈した。
【0135】
有効性評価:全奏効率(ORR)を、CRまたはPRのいずれかを達成した患者の割合として定義した。完全寛解(CR)、部分寛解(PR)、mCR、SD、失敗、およびPDの奏効を、RECIST基準によって決定した。CR、PR、mCR、SD、失敗またはPDを有する患者の数およびパーセントをまとめた。
【0136】
RECIST基準による奏効:有効性評価は、初回投与後12週目(±3日)の初期腫瘍評価を含んでいた。さらなる腫瘍評価を、12週(±3日)毎に完了した。研究評価を、RECIST 1.1基準に従って実施した。経口またはIVのコントラストまたはコントラスト増強MRIを用いる高分解能CTを、X線撮影により腫瘍応答を評価するための画像化モダリティとして使用した。スクリーニング/ベースライン評価を、研究薬物の初回投与の4週間以内に行った。CNS転移を評価するための画像化方法として脳MRIを使用し、スクリーニング/ベースライン中および治療終了時に、または臨床的に示された場合に評価が必要であった。
【0137】
標的病変:ベースラインにおいて1つを超える測定可能な病変が存在していた場合、関与するすべての部位を表す最大で合計5つの病変までのすべての病変(および部位毎に最大2つの病変)を、標的病変として調査し、ベースラインにおいて記録し測定する。標的病変を、サイズ(最長直径を有する病変)に基づいて選択し、関与するすべての部位を表すものとした。すべての標的病変の直径(非結節性病変については最長のもの、結節性病変については短軸)の合計を計算し、ベースラインの合計直径として報告した。合計にリンパ節が含まれる場合、短軸のみを合計に加えた。ベースラインの合計直径を、疾患の測定可能な寸法の任意の客観的な腫瘍退縮を特徴付けるための参照として使用した。
【0138】
生活の質:生活の質を、ベースラインおよびその後毎週施行されるQOLEB質問票によって測定した。ベースラインおよびベースラインの結果からの変化を、来院により、この全体的尺度のための記述統計学を使用してまとめた。
【0139】
結果:臨床試験および画像化研究は、3つの扁平上皮細胞の標的病変のうちの2つの完全な消散および静脈内リゴセルチブを用いるREDB患者の処置後の第3の標的病変の低減を示した。左手の2つの標的病変は、視覚的にもMRIによっても完全に消失していた。右肘の第3の標的病変は、消失しなかったものの明らかに縮小した。これらのデータは、12週目のMRIおよびクリニックへの来院から得た。
【0140】
(実施例2)
局所進行性/転移性EBと関連するSCCのためのリゴセルチブ
RDEBは、COL7A1の変異によって引き起こされた、全身性皮膚水疱形成および粘膜の関与によって特徴付けられる重症遺伝性皮膚症である。慢性皮膚創傷および炎症領域に典型的に生じる侵襲性転移性扁平上皮癌(SCC)は、このコホートにおける主要な死因である。これらのSCCは、従来の化学療法および放射線療法、ならびに抗上皮増殖因子抗体(セツキシマブ、パニツムマブ)およびチロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブ、エルロチニブ)を用いる標的化治療に対して、大抵短い持続期間の制限された奏効率を示す。前臨床モデルでは、(1)RDEB SCCケラチノサイトが、正常な初代RDEBケラチノサイトと比較してsiRNA処置によるPLK1低減に対して特異的に感受性であることが実証され、(2)さらに腫瘍細胞と正常細胞を分離する最大治療ウインドウを実証することによって、PI3K/PLK1阻害剤であるリゴセルチブが最良の特異性を有するものとして特定された。
【0141】
適格患者は、免疫チェックポイント阻害剤をはじめとする以前の標準ケアに失敗した、組織学的に確認された局所進行性/転移性SCCを示していた。処置レジメンは、最初に、8サイクルにわたり2週間サイクルの1~3日目に、次に9サイクルにわたり4週間サイクルの1~3日目に、1800mg/24時間の72時間CIV注入であった。患者を、実施例1に前述した通りに処置した。
【0142】
患者は、組織学的に確認された切除不能な複数の皮膚SCCを有する24歳のRDEB患者であった。疾患は、セミプリマブを用いる以前の処置の下で進行し続けていた。リゴセルチブの適用により、治験完了(17の処置サイクル)後に評価された通り、転移性疾患の徴候なしにすべての標的病変の持続的な臨床的および組織学的寛解がもたらされた。
【0143】
リゴセルチブの安全性および耐容性は、好ましいものであった。観察された有害効果には、CTCAEグレードIIの刺激性膀胱炎、脱毛症、主にS.aureusおよびP.aeruginosaの菌血症の再発エピソード(おそらくほとんどがCIVリゴセルチブ注入のための慢性皮膚創傷および留置カテーテルによるものであるが、心血管性-全身性の障害はなかった)、悪心、病変部疼痛の増大、ならびに無月経が含まれていた。すべての副作用が、他の非EB治験からの安全性データに基づくものと予測され、細胞傷害性の処置手法に特徴的なものであった。初期の単一患者は、通常致命的な予後を伴うEB関連SCCの設定において、リゴセルチブの抗腫瘍活性および許容される安全性プロファイルを示した。
【0144】
図3は、V1(1日目)、V13(85~95日目)、V25(169~175日目)、V41(281~283日目)、およびV52(358~364日目)の左手(パネル3A、3C、3E、3G、および3I)および右肘(パネル3B、3D、3F、3H、および3J)の標的病変の臨床写真画像を示す。V25において両方の病変を生検したが、悪性疾患の組織学的徴候はなかった。V41において、右肘に創傷が認められた。創傷は、EBに典型的な過程を示し、数週間以内に完全に治癒した。
【0145】
実施形態
以下の非限定的な実施形態は、本発明の説明に役立つ例を提供するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0146】
実施形態1. 状態の処置を必要とする対象において前記状態を処置する方法であって、前記方法は、前記対象に、治療有効量の式:
【化10】
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンであって、
式中、
a.各R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11a、R
11b、R
12、およびR
13は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、C(O)R
x、C(O)OR
x、C(O)NR
xR
y、OR
x、SR
x、NR
xR
y、NR
xC(O)R
y、OC(O)R
x、もしくはSiR
xR
yR
z(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンであり、
b.各R
x、R
y、およびR
zは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素もしくはハロゲンである、
化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンを投与することを含み、
c.前記状態が、劣性栄養障害型表皮水泡症であり、
d.前記劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する皮膚領域の病変が、前記投与することから約12週以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、
方法。
【0147】
実施形態2. 劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する前記皮膚領域の前記病変が、投与から約8週間以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、実施形態1に記載の方法。
【0148】
実施形態3. 劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する前記皮膚領域の前記病変が、処置から約4週間以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、実施形態1に記載の方法。
【0149】
実施形態4. 劣性栄養障害型表皮水泡症と関連する前記皮膚領域の前記病変が、処置から約2週間以内に、前記皮膚領域の磁気共鳴画像法によって決定される通り消散する、実施形態1に記載の方法。
【0150】
実施形態5. 前記劣性栄養障害型表皮水泡症が扁平上皮癌と関連する、実施形態1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0151】
実施形態6. 前記病変が扁平上皮癌である、実施形態1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0152】
実施形態7. 前記対象が、劣性栄養障害型表皮水泡症のための標準ケア治療に対して難治性である、実施形態1~6のいずれか一項に記載の方法。
【0153】
実施形態8. 前記対象が、扁平上皮癌のための標準ケア治療に対して難治性である、実施形態1~7のいずれか一項に記載の方法。
【0154】
実施形態9. 前記投与することが経口のものである、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0155】
実施形態10. 前記化合物がカプセルとして製剤化される、実施形態1~9のいずれか一項に記載の方法。
【0156】
実施形態11. 前記化合物が軟質ゲルカプセルとして製剤化される、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0157】
実施形態12. 前記投与することが静脈内のものである、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0158】
実施形態13. 前記投与することが72時間の静脈内注入である、実施形態1または12に記載の方法。
【0159】
実施形態14. 前記投与することが腫瘍内のものである、実施形態1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0160】
実施形態15. 前記投与することが、2週間サイクルの1日目、2日目、および3日目のそれぞれに行われる、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
【0161】
実施形態16. 前記投与することが、8サイクルにわたり2週間サイクルの1日目、2日目、および3日目のそれぞれに行われ、次に4週間サイクルの1日目、2日目、および3日目のそれぞれに行われる、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
【0162】
実施形態17. 前記投与することが、3週間毎日投与し、続いて1週間投与が行われない4週間サイクルで行われる、実施形態1~14のいずれか一項に記載の方法。
【0163】
実施形態18. 各R1、R3、およびR5が、独立して、ORxである、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0164】
実施形態19. 各Rxが、独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、これらはそれぞれ独立して、置換されているかまたは置換されていない、実施形態18に記載の方法。
【0165】
実施形態20. 各Rxが、独立して、置換されているかまたは置換されていないC1~6アルキルである、実施形態18に記載の方法。
【0166】
実施形態21. 各Rxが、独立して、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているC1アルキルである、実施形態20に記載の方法。
【0167】
実施形態22. 各Rxが、独立して、メチルである、実施形態18に記載の方法。
【0168】
実施形態23. 各R2、R4、R6、R9、およびR10が、独立して、水素である、実施形態1~22のいずれか一項に記載の方法。
【0169】
実施形態24. 各R11aおよびR11bが、独立して、水素である、実施形態1~23のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
実施形態25. 各R12およびR13が、独立して、水素である、実施形態1~24のいずれか一項に記載の方法。
【0171】
実施形態26. 前記化合物が、式:
【化11】
を有し、式中、
- 各R
1a、R
3a、R
5a、およびR
8aは、独立して、置換されているかまたは置換されていないC
1~8アルキルであり、
- 各R
14およびR
15は、独立して、アルキル、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル(これらはそれぞれ独立して、置換されているかもしくは置換されていない)、または水素である、
実施形態1~25のいずれか一項に記載の方法。
【0172】
実施形態27. 各R1a、R3a、R5a、およびR8aが、独立して、メチルである、実施形態26に記載の方法。
【0173】
実施形態28. R14が水素である、実施形態26に記載の方法。
【0174】
実施形態29. R15が、ヒドロキシ、スルフヒドリル、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボン酸、カルボキシアルデヒド基、アルコキシ、アリール、ヘテロシクリル基、アシル基、アミド、またはエステルで置換されているC1アルキルである、実施形態26に記載の方法。
【0175】
実施形態30. R15がCH2COOHである、実施形態26に記載の方法。
【0176】
実施形態31. 前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸またはその薬学的に許容される塩もしくは双性イオンである、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0177】
実施形態32. 前記化合物が、(E)-2-(5-((2,4,6-トリメトキシスチリルスルホニル)メチル)-2-メトキシフェニルアミノ)酢酸ナトリウムである、実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0178】
実施形態33. 前記治療有効量が約280mg~約2400mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0179】
実施形態34. 前記治療有効量が約280mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0180】
実施形態35. 前記治療有効量が約560mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0181】
実施形態36. 前記治療有効量が約840mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0182】
実施形態37. 前記治療有効量が約1120mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0183】
実施形態38. 前記治療有効量が約1800mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0184】
実施形態39. 前記治療有効量が約2100mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0185】
実施形態40. 前記治療有効量が約2400mgである、実施形態1~32のいずれか一項に記載の方法。
【0186】
実施形態41. 前記投与することが1日1回のものである、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
【0187】
実施形態42. 前記投与することが1日2回のものである、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
【0188】
実施形態43. 前記投与することが1日3回のものである、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
【0189】
実施形態44. 前記投与することが、i)朝に約560mgおよび夕方に560mgで3週間、ii)投与なしの1週間の4週間サイクルで経口のものである、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
【0190】
実施形態45. 前記投与することが、朝の時間および夕方の時間に行われ、前記対象が、前記朝の時間は絶食状態であり、前記対象が、前記夕方の時間は摂食状態である、実施形態1~40のいずれか一項に記載の方法。
【0191】
実施形態46. 前記治療有効量が約1,800mgであり、前記化合物が0.9%食塩水で希釈される、実施形態1~8、12~45のいずれか一項に記載の方法。
【0192】
実施形態47. 前記投与することの前に、P13K経路のバイオマーカーについて前記対象をアッセイすることをさらに含む、実施形態1~46のいずれか一項に記載の方法。
【0193】
実施形態48. 前記投与することの前に、Akt経路のバイオマーカーについて前記対象をアッセイすることをさらに含む、実施形態1~47のいずれか一項に記載の方法。
【0194】
実施形態49. 前記投与することの前に、PLK1経路のバイオマーカーについて前記対象をアッセイすることをさらに含む、実施形態1~48のいずれか一項に記載の方法。
【0195】
実施形態50. 前記対象が食道閉塞症を有している、実施形態1~49のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】